『キングダムの日』(GM:珪素)

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
掲載の一部画像はAI生成イラストを加工したものです。
採用プレイエイド
ステージ『オーヴァード・ノヴァ』ver.3.03(二学期)
キングダム連合学院『円卓議会』
Ⅰ『キングダムの休日』
Ⅱ『キングダムの凶日』
Ⅲ『キングダムの落日』
Ⅳ『キングダムの過日』
Ⅴ『キングダムの日』◀
メインログ1|メインログ2|雑談ログ1|雑談ログ2|雑談ログ3|雑談ログ4|雑談ログ5
PC1:七十橋シスル(
キャラシート
)PL:アスハル

PC2:ウルスラ・ミック・ベニ(
キャラシート
)PL:粘土

PC3:天沼チギリ(
キャラシート
)PL:猫口@

PC4:有崎五派(
キャラシート
)PL:もやし炒め

EXPC1:ジェシカ・クロフォード(
キャラシート
)PL:中村

EXPC2:嘴子原シェイル(
キャラシート
)PL:Raspis

EXPC3:キャロル・ホプキンス(
キャラシート
)PL:黒鉛筆

EXPC4:ルナンシア・ラダ・ランパート(
キャラシート
)PL:そごう

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
目次
◆Climax01◆故郷
リンダ・L・ワインライダー:キャラシート
籟ミズキ:キャラシート
■"血統王"バージニア・ダネシュティ
【肉体】4
【感覚】6
【精神】4
【社会】5
HP:32
行動値:16
復活回数:2回
〈白兵〉4
〈回避〉2
〈射撃〉3
〈RC〉4
〈意志〉8
〈交渉〉4
〈調達〉4
〈情報:ノヴァリス〉4
《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》Lv3
《赫き剣》Lv5
《鮮血の一撃》Lv4
《血の宴》Lv4
《破壊の血》Lv5
《ブラッドコート》Lv7
《リモートブラッド》Lv3
《封印の呪》Lv3
《不死不滅》Lv3
《ソウルスティール》Lv5
《王者の血》Lv5
《ストレイトブラッド》Lv3
《マルチアクション》Lv1
【セットアップ】
《ブラッドコート》
使用時にLV以下の任意のHPを消費する。そのラウンドの間、ガード値を+[消費したHP×2]する。
【マイナー】
《マルチアクション》《赫き剣》《破壊の血》
そのシーンの間、以下のデータの武器を作成し、装備する。この武器は使用するとHPを6点失う。
種別:白兵 技能:〈白兵〉
命中:0 攻撃力:25(100%時) ガード値:0 射程:至近
さらにこの武器の攻撃力を+18(合計43)、ガード値を+5する。2点のHPを消費する。
マイナーアクションで行なえる、エフェクト以外の行動をひとつ行なう。
【メジャー】
《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《鮮血の一撃》《血の宴》《封印の呪》《ソウルスティール》
13dx7+4(100%時)
攻撃力43
2点のHPを消費する。命中した場合、対象が次に行なう判定のクリティカル値を+1する。シナリオ3回。
HPダメージを与えた場合、そのシーンの間、現在HPと最大HPを+60する。シナリオ1回。
【オート】
《ストレイトブラッド》
《ブラッドコート》の効果中のみ使用できる。
対象が判定を行なった直後に使用する。その判定の達成値を-[《ブラッドコート》で使用したHP×2]する。
このエフェクトの使用後、《ブラッドコート》の効果は終了する。シナリオ4回。
《リモートブラッド》
使用したラウンドもしくはシーンの間持続するブラム=ストーカーのエフェクトの効果を受けている対象が、
判定を行なった直後に使用する。その判定の達成値を-5する。シナリオ4回。
《不死不滅》
戦闘不能を回復し、HPを40まで回復する。シナリオ1回。
【常時】
《王者の血》
ブラム=ストーカーの「HPを回復する」エフェクトは、さらに追加で15点のHPを回復する。
■ラウンド1
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
星徒ララゴ[4] 5m ★ 5m 星徒コンスタンツェ[8]
5m
ウルスラ[9/123] 五派[4/100]
チギリ[6/100] "拷問王"[17/114]
"不夜王"[9/106] "騎士王"[6/115]
"死蔵王"[12/102] "鉄騎王"[8/101]
アルル[7/128] ミズキ[12/100]
リンダ[10/100] "血統王"[16/100]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★ 5m 星徒マーガレット[15]
GM:セットアップ処理に入る前に
GM:衝動判定を行います。難易度は9。
GM:全員分の判定をこれからGMがやっていきますが
GM:判定前に支援などしたいキャラがいる場合は申し出てください。
ウルスラ・ミック・ベニ:暴走するとまずい人がいれば砂の加護とか出せるわけ
オリーヴ・ウェールズ:確認!ラウンド前扱いになるんでしたっけ!
GM:ラウンド前扱いになります!
GM:これはEロイスとかではなく普通のクライマックス衝動判定なので
オリーヴ・ウェールズ:じゃあ砂の加護しちゃうぞ!侵蝕を増やしたいので
ウルスラ・ミック・ベニ:暴走したらやばいのはオリーヴ、ルナンシア、リンダ、ミズキあたりかな?
七十橋シスル:怨念型なので私もそうだけどまあよっぽど問題ない
天沼チギリ:こちらは大丈夫ですね
ウルスラ・ミック・ベニ:あとアルル。それぞれ意志高めに持ってるけど
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあこの範疇で好きなとこに飛ばしてもらおう
オリーヴ・ウェールズ:砂の加護は3人かな
ウルスラ・ミック・ベニ:オリ、ボク、リンダ
ウルスラ・ミック・ベニ:あとジョウカちゃんの援護の風LV7+1
オリーヴ・ウェールズ:一応ミズキちゃんは暴走するデメリットは呪石使えないくらいかしら
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあ全員に使いましょう!
オリーヴ・ウェールズ:4人分ある!いくぞ!
ウルスラ・ミック・ベニ:よし!
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》を使ってミズキちゃんの判定値+7D
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を3増加(123 → 126)
籟ミズキ:いただきます!
オリーヴ・ウェールズ:砂の加護を使用して自分のダイスを+5d
ルナンシア・ラダ・ランパート:リンダちゃんの砂の加護をいただきます。
リンダ・L・ワインライダー:砂の加護を使うぞッ
ルナンシア・ラダ・ランパート:やった~ 判定ダイス+5!
リンダ・L・ワインライダー:侵蝕率は100→103になりました。
オリーヴ・ウェールズ:オリヴィエ・クロムハーツの侵蝕率を3増加(101 → 104)
オリーヴ・ウェールズ:最後にリンダちゃんに死蔵王の援護の風で〆かな!
ルナンシア・ラダ・ランパート:リンダちゃんも要る人だった ではそれで!
竜胆ジョウカ:では援護の風。
竜胆ジョウカ:侵蝕率は102→104
竜胆ジョウカ:ダイスは+8個になります
GM:順番に衝動判定と侵蝕上昇をやっていきます。PLの皆さんは手を出さないでください
七十橋シスル:6dx+3>=9
DoubleCross : (6DX10+3>=9) → 9[2,5,7,8,9,9]+3 → 12 → 成功
七十橋シスル:114+2D10
DoubleCross : (114+2D10) → 114+20[10,10] → 134
"血統王"バージニア・ダネシュティ:7dx+8>=9
DoubleCross : (7DX10+8>=9) → 5[1,1,3,4,4,4,5]+8 → 13 → 成功
"血統王"バージニア・ダネシュティ:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+7[4,3] → 107
竜胆ジョウカ:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 5[1,2,2,3,3,5] → 5 → 失敗
竜胆ジョウカ:104+2D10
DoubleCross : (104+2D10) → 104+13[5,8] → 117
ジェシカ・クロフォード:従者が邪魔!!
ジェシカ・クロフォード:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 9[6,7,9]+1 → 10 → 成功
ジェシカ・クロフォード:なんとかなった。
ジェシカ・クロフォード:2d10+100
DoubleCross : (2D10+100) → 6[2,4]+100 → 106
ジェシカ・クロフォード:さて、皆さんに懐かしいものをお見せしよう。
ジェシカ・クロフォード:従者の衝動判定
影A:11dx>=9
DoubleCross : (11DX10>=9) → 10[1,2,4,5,5,6,6,7,8,9,10]+7[7] → 17 → 成功
影B:11dx>=9
DoubleCross : (11DX10>=9) → 10[1,1,2,2,3,6,6,8,8,9,10]+4[4] → 14 → 成功
影C:11dx>=9
DoubleCross : (11DX10>=9) → 10[2,2,3,5,7,7,9,10,10,10,10]+10[3,4,8,10]+1[1] → 21 → 成功
影C:全従者成功!
籟ミズキ:12dx+6>=9
DoubleCross : (12DX10+6>=9) → 8[3,4,5,5,6,6,7,7,7,7,7,8]+6 → 14 → 成功
籟ミズキ:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+12[10,2] → 112
リンダ・L・ワインライダー:13dx+3>=9
DoubleCross : (13DX10+3>=9) → 10[1,1,2,2,2,4,4,5,6,8,10,10,10]+6[3,6,6]+3 → 19 → 成功
リンダ・L・ワインライダー:103+2D10
DoubleCross : (103+2D10) → 103+7[4,3] → 110
ウルスラ・ミック・ベニ:4dx+2>=9
DoubleCross : (4DX10+2>=9) → 9[4,4,7,9]+2 → 11 → 成功
ウルスラ・ミック・ベニ:126+2D10
DoubleCross : (126+2D10) → 126+14[8,6] → 140
オリーヴ・ウェールズ:10dx+3>=9
DoubleCross : (10DX10+3>=9) → 7[1,1,2,2,3,3,4,4,5,7]+3 → 10 → 成功
オリーヴ・ウェールズ:104+2D10
DoubleCross : (104+2D10) → 104+11[5,6] → 115
任アルル:6dx+6>=9
DoubleCross : (6DX10+6>=9) → 10[1,5,6,9,9,10]+1[1]+6 → 17 → 成功
任アルル:128+2D10
DoubleCross : (128+2D10) → 128+19[9,10] → 147
ルナンシア・ラダ・ランパート:10dx+6>=9
DoubleCross : (10DX10+6>=9) → 10[1,1,2,4,5,5,6,7,10,10]+9[6,9]+6 → 25 → 成功
ルナンシア・ラダ・ランパート:115+2D10
DoubleCross : (115+2D10) → 115+9[5,4] → 124
天沼チギリ:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 9[2,2,3,4,9] → 9 → 成功
天沼チギリ:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+9[3,6] → 109
有崎五派:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 10[5,5,9,9,10]+1[1] → 11 → 成功
有崎五派:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+14[5,9] → 114
GM:フーッ終わった……みんな成功してる!
ウルスラ・ミック・ベニ:コマの侵蝕率反映しておきました
GM:ありがとうございます!助かります
七十橋シスル:死蔵王だけ暴走してる
ウルスラ・ミック・ベニ:死蔵王、暴走──
GM:死蔵王は残念でしたね
オリーヴ・ウェールズ:でもいつものことでは……?
オリーヴ・ウェールズ:暴走気味なのは……
GM:では行動順にセットアップを処理します。
"風塵王"倫道アカネ:《幻影の騎士団》《限界突破》。攻撃力を+21、《限界突破》の指定エフェクトは《援護の風》です。
七十橋シスル:『怨念の呪石』を使用。侵蝕134→137。暴走します。同時に《ミラーパレス》が作動。シスルを対象とした攻撃ダイス-8。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:《ブラッドコート》。HPを16点消費して、ガード値を+16します。
星徒マーガレット:《戦いの予感》。行動値を+無限します。
影A:従者がサポートモードを使用します。同エンに居るキャラのあらゆる判定の達成値+6
影A:そして行動済になります。
籟ミズキ:怨念の呪石 侵蝕+3 暴走 攻撃ダメージ+2D
星徒コンスタンツェ:《戦力増員》。同じエンゲージに無限体のトループを召喚します。
ウルスラ・ミック・ベニ:ごはせんの《タブレット》《多重生成》《活性の霧》
ウルスラ・ミック・ベニ:対象はジョウカ、チギリ、ミズキ、シスルでお願いします
有崎五派:侵蝕114→122
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《赫き鎧》《鮮血の奏者》《紅の騎行》HPを8消費しステータスを上昇、防具作成
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕134 行動値36
ルナンシア・ラダ・ランパート:すいませんリンダちゃんのソードマスター入れていいですか!
リンダ・L・ワインライダー:誰にでもかけられますが、どうしますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:アルルちゃんでお願いします
リンダ・L・ワインライダー:侵蝕110→113
GM:全員分の処理が完了したはず!では行動に入っていきます……
GM:イニシアチブ。行動値∞の星徒マーガレットからです。
星徒マーガレット:《原初の虚:ブリッツクリーク》。
星徒マーガレット:手番前に行動します。
ジェシカ・クロフォード:切り札は取っておいた方がいいぞ!!
星徒マーガレット:マイナーで《光芒の疾走》《陽炎の衣》で20km移動します。さらに《ミッドナイトシネマ》。
天沼チギリ:イニシアチブに《時間凍結》。HP23→3 で手番を行います。
天沼チギリ:あ、ブリッツクリークが行動値順で優先か
天沼チギリ:すいませんどうぞ
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
枝針船団魚雷[9]×∞
星徒ララゴ[4] 5m ★ 5m 星徒コンスタンツェ[8]
5m
ウルスラ[9/140] 五派[4/122]
チギリ[6/109] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/106] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/115]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/113] "血統王"[16/107]
影A[24/106] 影B[24/106] 影C[24/106]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
星徒マーガレット:デコイを生成し、その中のどこかに移動しました。
星徒マーガレット:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《能力強奪》。《マスヴィジョン》は抜きます。
星徒マーガレット:なぜならどのみち攻撃力無限だから。対象はPC全員。
星徒マーガレット:隠密状態かつ達成値無限で攻撃します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:お願いします不夜王!
ジェシカ・クロフォード:はい!
影A:サポートモードを使用し用済みになってる従者Aが孤独の魔眼を使用します。
GM:もうそのデフォルトネーム変えときな
ジェシカ・クロフォード:そうします…
星徒マーガレット:従者に無限ダメージが入ります。《能力強奪》で強奪するのは《マリシャスブラッド》です。
GM:では続いて行動値∞のマーガレットの通常手番が来ますが……
天沼チギリ:イニシアチブに《時間凍結》。HP23→3 で手番を行います。
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を5増加(109 → 114)
GM:こちらにも他にイニシアチブ行動はあるが……
GM:チギリ委員長の方が速い!行動をお願いします
天沼チギリ:a,
天沼チギリ:二重冠はどうします?
ウルスラ・ミック・ベニ:Sロイス昇華してYEロイス効果を発動
ウルスラ・ミック・ベニ:リアクション不可にして当てましょう
ルナンシア・ラダ・ランパート:オート支援を乗せたいので不夜王にタイタス昇華で強奪を無効化してもらいます
ウルスラ・ミック・ベニ:コンスタンツェの解除はしても良いかも?憎悪付与してもララゴ攻撃しなさそう
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっ絶対する
天沼チギリ:コンスタンツェをどうにかしてくれ~!
ジェシカ・クロフォード:任アルル/感謝/嫌悪〇で取得し
ジェシカ・クロフォード:即昇華
ジェシカ・クロフォード:不利な効果を解除しマリシャスブラッドを取り戻します。
星徒マーガレット:クソーッ
籟ミズキ:リンダちゃんの二重冠でコンスタンツェの魔法冠を無効化してください
ウルスラ・ミック・ベニ:コンスタンツェの解除はリンダちゃんとか似合うかな
リンダ・L・ワインライダー:了解!コンスタンツェ死ね!
星徒コンスタンツェ:ウワーッ><
七十橋シスル:仲良しか?
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
枝針船団魚雷[9]×∞
星徒ララゴ[4] 5m ★ 5m 星徒コンスタンツェ[8]
5m
ウルスラ[9/140] 五派[4/122]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/113] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/115]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/113] "血統王"[16/107]
影B[24/113] 影C[24/113]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
10m 10m
星徒マーガレット[∞] 10m 星徒マーガレット[∞]
ルナンシア・ラダ・ランパート:キモすぎエンゲージ表
天沼チギリ:では動きます
天沼チギリ:マイナーなし
天沼チギリ:メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《死神の精度》《ブレインハック》《伸縮腕》《怒涛の大蛇》
天沼チギリ:対象はマーガレットの分身全て、ヒロ、戒功王、風塵王、コンスタンツェ、ミサイル全て、不夜王の従者B
ルナンシア・ラダ・ランパート:リンダ! 砂塵霊を頼む!
GM:不夜王の従者を……!?
リンダ・L・ワインライダー:了解!《砂の加護》《砂塵霊》!
リンダ・L・ワインライダー:ダイスは+5個、攻撃力は+12だ。
リンダ・L・ワインライダー:活性の霧や水晶の剣などの攻撃バフも忘れるなよッ
影B:私が…何をしたというんだ…!!
リンダ・L・ワインライダー:113→119
天沼チギリ:アメリアさんをSロイスに指定。
天沼チギリ:Sロイスを昇華して色ロイスYEの効果にします。
籟ミズキ:神聖二重冠でマーガレットさんの魔法冠を解除!
星徒マーガレット:おのれ~ッ
星徒マーガレット:行動値は85に戻りました。
天沼チギリ:すいません、対象からマーガレットさんも外します。
GM:判定をどうぞ
天沼チギリ:17dx7+8
DoubleCross : (17DX7+8) → 10[2,2,2,3,4,4,5,5,5,5,7,7,7,9,9,10,10]+10[1,1,5,7,7,8,9]+10[2,7,7,8]+5[3,5,5]+8 → 43
オリーヴ・ウェールズ:【聖者の奇蹟】原初の紫:妖精の手。侵蝕120、残り2回。
天沼チギリ:1dx7+48
DoubleCross : (1DX7+48) → 4[4]+48 → 52
星徒ヒロ:達成値無限で回避しますが、0になります
"戒功王"セベクネフェルⅧ:達成値無限で回避しますが、0になります。
星徒コンスタンツェ:達成値無限で回避しますが、0になります。
枝針船団魚雷:《イベイジョン》で22なのでドッジの数値は関係なく命中。
天沼チギリ:不夜王の従者も一応なんかリアクションを…
GM:ここでYEロイスの表記について
GM:回避達成値を0にすると書かれていますが、
GM:別にこれは《時の棺》と違って判定そのものを失敗させるわけではないし、ファンブルになるわけでもないんですよね
ルナンシア・ラダ・ランパート:あ! まさか……!
ジェシカ・クロフォード:な…なに…!!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:確定回避か……!
"風塵王"倫道アカネ:なので、《虚空の残影》で達成値0で回避を成功させます。
天沼チギリ:うわ
影B:ドッジ
影B:11dx
DoubleCross : (11DX10) → 10[2,2,2,3,3,4,5,9,9,10,10]+10[2,10]+1[1] → 21
GM:めちゃくちゃ生きたがってるやん
影C:盾なる人形でカバー。侵蝕+2
天沼チギリ:回避達成値0だよどのみち!
影B:レネゲイドディゾルバーでカバーを強制失敗。侵蝕+5
GM:鬼畜!味方にYEロイスを当てる元老!
ジェシカ・クロフォード:これで侵蝕が120になります。
GM:なにこの挙動……
天沼チギリ:すいません達成値がサポートモードで上がってました、58です
籟ミズキ:五派先生! 霊水を!
有崎五派:わかったわ!《力の霊水》!
天沼チギリ:ダメージロール!
有崎五派:侵蝕122→126
天沼チギリ:6d10+6d10+14+8+20+18+16
DoubleCross : (6D10+6D10+14+8+20+18+16) → 35[4,4,10,2,9,6]+30[1,8,7,2,10,2]+14+8+20+18+16 → 141
天沼チギリ:装甲無視
枝針船団魚雷:ミサイルは全て撃破されます。
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェはHPが低いから結構きつい
星徒ヒロ:ヒロはまだ余裕
天沼チギリ:ダメージを受けたら憎悪付与。対象はララゴです。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王は戦闘不能になります。『不滅の妄執』で復活。
天沼チギリ:みんな~敵はあっちよ~
"戒功王"セベクネフェルⅧ:《復讐の領域》。チギリさんに141点ダメージを与えます。
天沼チギリ:おい!ふざけんな!
天沼チギリ:くそー死にますか、
天沼チギリ:ウルスラさんのロイスを切って復活します。
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
星徒ララゴ[4] 5m ★ 5m 星徒コンスタンツェ[8]
5m
ウルスラ[9/140] 五派[4/126]
チギリ[6/139] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/120] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/120]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/119] "血統王"[16/107]
影C[24/120]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
GM:次は行動値85、マーガレットの行動になるところですが
星徒ララゴ:《時間凍結》。星徒ララゴが行動します。
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を25増加(114 → 139)
星徒ララゴ:マイナーアクション。《魔眼槍》《巨神獣化》《ハンティングスタイル》《リミテッドイモータル》。
星徒ララゴ:シーン中白兵攻撃力が無限、最大HPが+50、HPが無限回復
星徒ララゴ:攻撃力無限の武器を作成します。
ウルスラ・ミック・ベニ:景気が良すぎる
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
★ 5m 星徒コンスタンツェ[8] 4m 星徒ララゴ[4]
5m
ウルスラ[9/140] 五派[4/126]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/120] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/120]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/119] "血統王"[16/107]
影C[24/120]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
星徒ララゴ:《コンセントレイト:キュマイラ》《吹き飛ばし》《重力の手枷》《因果歪曲》《パラドックス》《ワールドデストラクション》。
星徒ララゴ:choice5[ウ,五,チ,拷,不,騎,死,鉄,ア,ミ,リ,血,B,C]
DoubleCross : (choice5[ウ,五,チ,拷,不,騎,死,鉄,ア,ミ,リ,血,B,C]) → チ, ア, 死, 拷, ウ
ウルスラ・ミック・ベニ:ウ!
星徒ララゴ:チギリ、アルル、死蔵王、拷問王、ウルスラの5人を対象にして
ルナンシア・ラダ・ランパート:このchoiceを作るのも大変
星徒ララゴ:命中時全ての判定ダイス-2個、ダメージ時∞m移動+硬直の達成値無限の攻撃を行います。
籟ミズキ:リンダさんの《時の棺》!
リンダ・L・ワインライダー:うまいぞッ
リンダ・L・ワインライダー:侵蝕113→123
星徒ララゴ:攻撃失敗……!キングダム方面に9m移動しただけになりました。
星徒マーガレット:やっと通常手番!行動値85、星徒マーガレットの攻撃です。
星徒マーガレット:星徒ララゴを含んだシーン攻撃をします。《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》《空を断つ光》。
星徒マーガレット:あ、《陽炎の衣》で隠密状態にもなります!
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっすいません! マーガレットはさっき憎悪攻撃から除きました!
星徒マーガレット:あ、そうか そういえばそうだった
星徒マーガレット:じゃあ《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》。範囲攻撃をします。
影C:させない!!
影C:私が!!みんなを守護る!!!
星徒マーガレット:影C……!
影C:≪孤独の魔眼≫
星徒マーガレット:やめろ!こんな攻撃を受けたら
星徒マーガレット:お前の身体が持たないぞ
ルナンシア・ラダ・ランパート:王!王!
影C:侵蝕+5
影C:私が死んでも変わりはいるもの…
ウルスラ・ミック・ベニ:従者Cーーッ!
オリーヴ・ウェールズ:ありがとうCちゃん……
ジェシカ・クロフォード:そうだね
ルナンシア・ラダ・ランパート:本体が無慈悲
星徒マーガレット:15dx7+10
DoubleCross : (15DX7+10) → 10[1,1,2,2,2,2,3,3,4,5,6,6,7,9,10]+10[6,7,9]+10[4,7]+5[5]+10 → 45
影C:11dx>=45
DoubleCross : (11DX10>=45) → 7[1,1,1,2,2,3,5,5,5,6,7] → 7 → 失敗
影C:ばいばい…みんな…
星徒マーガレット:5d10+58
DoubleCross : (5D10+58) → 30[10,8,3,8,1]+58 → 88
影C:砕け散ります!
"戒功王"[8]
20m
"風塵王"[32]
5m
★ 5m 星徒コンスタンツェ[8] 4m 星徒ララゴ[4]
5m
ウルスラ[9/140] 五派[4/126]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/125] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/120]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/123] "血統王"[16/107]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
GM:行動値36!ルナンシアの手番だ なんだこの行動値
ルナンシア・ラダ・ランパート:手番です どうしようかな
ルナンシア・ラダ・ランパート:すごいスピードになりましたが待機
GM:なんだって
GM:じゃあ行動値32、風塵王が行動するよッ
"風塵王"倫道アカネ:《シャイニングアーム》《マルチアクション》《ライトスピード》。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ヒエッ
"風塵王"倫道アカネ:武器を作成しつつ、PCのエンゲージに接敵します。
"戒功王"[8]
25m
★ 5m 星徒コンスタンツェ[8] 4m 星徒ララゴ[4]
5m
"風塵王"[32]
ウルスラ[9/140] 五派[4/126]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/125] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/117] "鉄騎王"[8/120]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/123] "血統王"[16/107]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《かまいたち》《大裁断》《獅子奮迅》《マスヴィジョン》《マシラのごとく》。
"風塵王"倫道アカネ:対象はシスル、不夜王、アルル、リンダを除く全員です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:こいつ!!!!
オリーヴ・ウェールズ:????
七十橋シスル:wwwwww
オリーヴ・ウェールズ:待ちな!
ジェシカ・クロフォード:頭がいい!!!
"風塵王"倫道アカネ:なんですか?
オリーヴ・ウェールズ:【神を打ち倒す者】砂塵の帳。判定を失敗させます。侵蝕127
七十橋シスル:知性がある星徒、これほどとは
天沼チギリ:知性が高すぎる
"風塵王"倫道アカネ:フー、仕方ない……。マシラのごとくが無駄になっちゃったな
"風塵王"倫道アカネ:では二回目のメジャーアクション。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《大裁断》《獅子奮迅》《マスヴィジョン》。
"風塵王"倫道アカネ:よく考えたらさっき《かまいたち》いりませんでしたね。対象は同じ。拷問王、不夜王、アルル、リンダ以外。
籟ミズキ:リンダさん帳お願いします!
リンダ・L・ワインライダー:ウオオオ《砂塵の帳》!
リンダ・L・ワインライダー:……いや!
リンダ・L・ワインライダー:できない!まだ侵蝕が120じゃないから!
ルナンシア・ラダ・ランパート:あれ? 123では?
オリーヴ・ウェールズ:さっきの棺で上がってるかな?
天沼チギリ:棺使って侵蝕が上がってるのでは
リンダ・L・ワインライダー:あっそうか
リンダ・L・ワインライダー:マップでは反映していたけど
リンダ・L・ワインライダー:ステータスでは反映してませんでした。私のミスだ
リンダ・L・ワインライダー:改めて《砂塵の帳》!侵蝕123→130
GM:手番は従者C……はさっき死んだはずなので
GM:行動値17の拷問王です。
七十橋シスル:ウオオ
七十橋シスル:待機します
GM:なんだこいつら……。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:血統王の手番になりました。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:でもこいつに何ができるか実はだいぶ忘れてるんだよな……
ルナンシア・ラダ・ランパート:範囲攻撃とか判定妨害とかをしてくれるらしいですね
"血統王"バージニア・ダネシュティ:どうやらそうみたい
"血統王"バージニア・ダネシュティ:でも120にならないとソウルスティールが使えないので
"血統王"バージニア・ダネシュティ:今動くとちょっとだけ損かも
ウルスラ・ミック・ベニ:エンゲージ至近してるので殴れるのもアカネ先輩だけか
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあ待機してもらお!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:そうですね。射程延長はない
"血統王"バージニア・ダネシュティ:でもアカネ先輩しかターゲットがいないなら逆に楽かも 殴りますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:うーんそうだな
ルナンシア・ラダ・ランパート:どのみちアカネ先輩は頑張って叩かなきゃいけないし
ルナンシア・ラダ・ランパート:いえ……待機でお願いします
"血統王"バージニア・ダネシュティ:しょんぼり
ジェシカ・クロフォード:いてくれるだけでうれしいよ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:パァァ
GM:では行動値12。死蔵王またはミズキちゃんの手番ですね
籟ミズキ:死蔵王さんからでいきましょう
竜胆ジョウカ:どうしますか?
竜胆ジョウカ:《疾風迅雷》はあと2回使えます
ルナンシア・ラダ・ランパート:五派先生の《復活の声》《タブレット》《多重生成》でリンダの棺、アルルの棺、オリヴィエの帳、ジョウカのライトスピードを回復します
竜胆ジョウカ:やった~
オリーヴ・ウェールズ:フッカツ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:そして死蔵王の神聖二重冠を発動
有崎五派:侵蝕126→137
ルナンシア・ラダ・ランパート:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
ルナンシア・ラダ・ランパート:これで侵蝕率+20、攻撃力+40
竜胆ジョウカ:侵蝕117→137
ルナンシア・ラダ・ランパート:マイナー《ライトスピード》
竜胆ジョウカ:侵蝕137→142
ルナンシア・ラダ・ランパート:《サイレンの魔女》《疾風迅雷》で攻撃します。対象は
ルナンシア・ラダ・ランパート:コンスタンツェ、風塵王、幻影を含む全てのマーガレット!
竜胆ジョウカ:6dx11+8
DoubleCross : (6DX11+8) → 9[3,4,5,5,9,9]+8 → 17
星徒マーガレット:ドッジ不可。
星徒コンスタンツェ:ドッジ不可。
"風塵王"倫道アカネ:ドッジ……可能!
"風塵王"倫道アカネ:《リフレックス:ハヌマーン》《切り払い》《居合い》《御使いの声》《全知の欠片》。
"風塵王"倫道アカネ:ドッジ不可の攻撃に対してもドッジを行います。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ヒエッ
"風塵王"倫道アカネ:すいません、《居合い》は抜きます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:絶対躱せるもんな……
"風塵王"倫道アカネ:15dx7+21>=17
DoubleCross : (15DX7+21>=17) → 10[1,1,1,1,2,2,2,3,3,3,5,6,7,8,10]+10[2,3,7]+3[3]+21 → 44 → 成功
ルナンシア・ラダ・ランパート:サポートモード込で達成値は23です
GM:そういえばそうだった
竜胆ジョウカ:3d10+24+8+18
DoubleCross : (3D10+24+8+18) → 10[2,2,6]+24+8+18 → 60
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェはもう死にそう!
星徒マーガレット:マーガレットは攻撃がヒットしたため位置が確定しました。
星徒マーガレット:ただ、そのままではやられるつもりはない!《原初の黒:鏡の盾》。
星徒マーガレット:死蔵王に60点のダメージを返します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:不夜王の《マリシャスブラッド》
星徒マーガレット:やられた……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:二重冠でダメージ+40です!
"風塵王"倫道アカネ:ドッジに成功したので
"風塵王"倫道アカネ:《朧の旋風》。2回目の行動前にメインプロセスを行います。
ウルスラ・ミック・ベニ:+40でコンスタンツェが落ちる!
ルナンシア・ラダ・ランパート:不夜王侵蝕131
GM:あっそうだ!
GM:じゃあ実際にはダメージは100!コンスタンツェは撃破されました!
星徒コンスタンツェ:自分に《アクアウィターエ》!復活せざるを得ない!
ルナンシア・ラダ・ランパート:朧の旋風の妨害は有りません。手番をお願いします。
星徒コンスタンツェ:分かりました。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《大裁断》《獅子奮迅》。
"風塵王"倫道アカネ:《マスヴィジョン》は使いません。対象は先程と同じ。
オリーヴ・ウェールズ:判定前に
オリーヴ・ウェールズ:【神を打ち倒す者】砂塵の帳。判定を失敗させます。侵蝕7上昇で134。
"風塵王"倫道アカネ:攻撃は失敗します。
竜胆ジョウカ:死蔵王の攻撃途中なので二回目のメジャーアクション。《サイレンの魔女》《疾風迅雷》。
竜胆ジョウカ:攻撃対象は同じで良いですか?
ウルスラ・ミック・ベニ:ヒロちゃんもお願い!
竜胆ジョウカ:6dx11+14
DoubleCross : (6DX11+14) → 8[1,1,2,2,4,8]+14 → 22
星徒ヒロ:ドッジダイス無限ですが命中します。
星徒マーガレット:マーガレットにも命中!
ルナンシア・ラダ・ランパート:死蔵王のサイレンは最高だぜ!
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェにも命中!さすがに死ぬ~~
"風塵王"倫道アカネ:アカネにも今回は当たります
"風塵王"倫道アカネ:全知の欠片シナリオ1回は少なすぎるんじゃないかな
竜胆ジョウカ:3d10+24+8+18+40
DoubleCross : (3D10+24+8+18+40) → 19[10,4,5]+24+8+18+40 → 109
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェ……死亡!《奇跡の雫》を使うタイミングがありませんでした。
ルナンシア・ラダ・ランパート:やった……!
"風塵王"倫道アカネ:アカネは仕方がないので《光の守護》を切ります。ダメージは0。
竜胆ジョウカ:侵蝕142→158
"戒功王"[8]
25m
★ 9m 星徒ララゴ[4]
5m
"風塵王"[32]
ウルスラ[9/140] 五派[4/137]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/131] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/158] "鉄騎王"[8/134]
アルル[7/147] ミズキ[12/112]
リンダ[10/130] "血統王"[16/107]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m ★星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
GM:それでは行動値12、ミズキさんの手番です。
天沼チギリ:イニシアチブに裁定者。アカネさんに暴走付与。
"風塵王"倫道アカネ:キャーッ><
籟ミズキ:マイナーなし、《コンセントレイト》《風鳴りの爪》《ワンショットツーキル》でアカネ先輩と星徒ヒロを狙います。
籟ミズキ:12dx7+9 えいっ
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[2,4,4,5,5,6,6,7,8,8,8,9]+10[2,5,5,7,9]+5[4,5]+9 → 34
籟ミズキ:籟ミズキの侵蝕率を7増加(115 → 122)
星徒ヒロ:ドッジします。達成値無限で回避。
籟ミズキ:そういえば達成値無限でした。だが単体攻撃でないことが重要!
"風塵王"倫道アカネ:アカネは暴走中なので、どうしたものかな……!
"風塵王"倫道アカネ:いや、結構難しいけど
"風塵王"倫道アカネ:そのまま受けるか
籟ミズキ:普通に通った……!
籟ミズキ:4d10+17+18+7d10 装甲有効
DoubleCross : (4D10+17+18+7D10) → 12[1,1,9,1]+17+18+37[1,2,5,7,4,8,10] → 84
籟ミズキ:風鳴りの爪適用。1,1,1を振り直します
籟ミズキ:3d10+81
DoubleCross : (3D10+81) → 24[9,10,5]+81 → 105
"風塵王"倫道アカネ:《空蝉》。ダメージを0にします。あまり無駄遣いしたくなかったんだけどな……!
籟ミズキ:では以上!
GM:では行動値10。リンダの手番ですが
"風塵王"倫道アカネ:このままだと攻撃を喰らい放題なので、このラウンドの《加速する刻》はここで切ります
"風塵王"倫道アカネ:行動値順の処理なので、裁定者を食らったのを見てから使えないのだ……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:賢い……!
"風塵王"倫道アカネ:マイナーで暴走を解除。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《大裁断》《獅子奮迅》。
"風塵王"倫道アカネ:対象は先程と同じ。拷問王、不夜王、アルル、リンダ以外。
"風塵王"倫道アカネ:あとそうだ、このラウンド攻撃を既に受けているので
"風塵王"倫道アカネ:最初の《幻影の騎士団》の効果はもう解除されています。攻撃力は21減っています
オリーヴ・ウェールズ:では……
"風塵王"倫道アカネ:23dx7+21
DoubleCross : (23DX7+21) → 10[1,1,1,1,2,2,3,4,4,5,5,5,6,7,8,8,9,9,9,10,10,10,10]+10[2,4,4,6,6,7,8,9,10,10]+6[1,3,4,6,6]+21 → 47
オリーヴ・ウェールズ:強制起動者を使用します。砂塵の帳の回数を復活。
オリーヴ・ウェールズ:~少々お待ちください~
"風塵王"倫道アカネ:いや、こちらも待ってください。対象を変更したいと思います。
"風塵王"倫道アカネ:PCの標的はさっきと同じですが
オリーヴ・ウェールズ:なんと
"風塵王"倫道アカネ:拷問王、不夜王、アルル、リンダ以外のターゲットに
ジェシカ・クロフォード:なんじゃなんじゃ…!!
"風塵王"倫道アカネ:自分自身も含めます。
ジェシカ・クロフォード:なんかやる気だ!!!
ウルスラ・ミック・ベニ:不夜王みたいなことし始めたぞ
オリーヴ・ウェールズ:【神を打ち倒す者】三度目の砂塵の帳!判定を失敗させます。侵蝕141。
"風塵王"倫道アカネ:攻撃は失敗します。
リンダ・L・ワインライダー:手番はへなちょこ射撃しか持っていないリンダへ……
リンダ・L・ワインライダー:お、おい……本当におれが何か役に立つのか?
ウルスラ・ミック・ベニ:助けられっぱなしだよ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ここまで大活躍だったじゃん!
ルナンシア・ラダ・ランパート:同エンゲージ殴れないんだよなリンダちゃん
リンダ・L・ワインライダー:そうなのだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:待機しててください
ウルスラ・ミック・ベニ:おやすみ
リンダ・L・ワインライダー:射程も200mしかないからヒロとララゴと戒功王しか殴れない
ウルスラ・ミック・ベニ:それはマーガレットが悪いね
リンダ・L・ワインライダー:あんな恐ろしい連中とは戦えないよッ
リンダ・L・ワインライダー:待機したいと思います。攻撃するだけ無駄……!
GM:行動値9!ウルスラさんかジェシカさんの手番です
ジェシカ・クロフォード:マイナーなし
ジェシカ・クロフォード:メジャーで≪原初の赤:赤色の従者≫
ジェシカ・クロフォード:従者を作ります。侵蝕+6
GM:また人を殺すのかッ
影D:作られました。先輩たちの分まで頑張ります。
"戒功王"[8]
25m
★ 9m 星徒ララゴ[4]
5m
"風塵王"[32]
ウルスラ[9/140] 五派[4/137]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/137] "騎士王"[36/124]
"死蔵王"[12/158] "鉄騎王"[8/141]
アルル[7/147] ミズキ[12/122]
リンダ[10/130] "血統王"[16/107]
影D[9/137]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m ★星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
ウルスラ・ミック・ベニ:【NS:インフィニティ・バッグ】マイナーで《インフィニティウェポン》攻撃力19の白兵武器を作成。
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。対象はアカネ先輩
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+7D、攻撃力+24。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(140 → 146)
"風塵王"倫道アカネ:さあ来い!
ウルスラ・ミック・ベニ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,1,3,3,3,4,5,5,5,6,6,7,10]+4[3,4]+6 → 20
ウルスラ・ミック・ベニ:腐っとる!
"風塵王"倫道アカネ:はぁー(クソデカため息)
"風塵王"倫道アカネ:《リフレックス:ハヌマーン》《切り払い》だけ。
天沼チギリ:まって!妖精するかも!
"風塵王"倫道アカネ:使うならさっさとしなさいよね
ルナンシア・ラダ・ランパート:アルルちゃんの《時の棺》!
天沼チギリ:妖精はしない、が!
天沼チギリ:ドッジに棺だ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:アカネ先輩のドッジ判定を失敗させます!
"風塵王"倫道アカネ:なるほど……
"風塵王"倫道アカネ:ドッジ失敗。ダメージをお願いします。
ウルスラ・ミック・ベニ:3d10+73
DoubleCross : (3D10+73) → 21[2,9,10]+73 → 94
"風塵王"倫道アカネ:《シャッフル》。単体ダメージを移し替えます。
"風塵王"倫道アカネ:対象は天沼チギリ。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(146 → 152)
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃん……!
天沼チギリ:(コーヒーを真顔で吐き出す)
ウルスラ・ミック・ベニ:ぎゃーっ!
"風塵王"倫道アカネ:一番復活回数が多いので
"風塵王"倫道アカネ:このまま殺し切ろうと思います
ウルスラ・ミック・ベニ:あれ
ウルスラ・ミック・ベニ:シャッフルのタイミング、リアクション直前だわ
オリーヴ・ウェールズ:ああっ
"風塵王"倫道アカネ:え!?そうだったの!?
ウルスラ・ミック・ベニ:アルルちゃんの棺と同タイミング
天沼チギリ:風塵王にも筆の誤り
"風塵王"倫道アカネ:本当だ!
"風塵王"倫道アカネ:その場合どうなるんですかね?棺された時点でシャッフルを使ったという処理でいいんでしょうか
ルナンシア・ラダ・ランパート:棺の前に発生してそう ミスディレクションとかと同じタイミングのテキストに見えます
GM:そういうことでしたらすみません!棺一回分はキャンセルという処理にさせてください……!
ウルスラ・ミック・ベニ:あ、同タイミングでのエフェクト使用についてはルルブ258かな
ウルスラ・ミック・ベニ:行動値を見比べ、早い方から宣言。セットアップみたいに
GM:チギリ委員長の時の棺は未使用扱いで
GM:シャッフルでは同様のターゲットを狙います
ウルスラ・ミック・ベニ:で、宣言の時点では発動じゃなくて、全部のエフェクトが宣言された上で取り下げることもできると
ルナンシア・ラダ・ランパート:了解です
GM:取り下げもローカルルールじゃなくてルールで決まってるんだなあ
天沼チギリ:あ、ドッジチャレンジします
天沼チギリ:忘れてたぜ
天沼チギリ:7dx+1 回避
DoubleCross : (7DX10+1) → 10[2,2,4,5,7,10,10]+8[2,8]+1 → 19
ルナンシア・ラダ・ランパート:おっ
オリーヴ・ウェールズ:【聖者の奇蹟】原初の紫:妖精の手。
天沼チギリ:ヤッター!
GM:すごい
GM:ウルスラちゃん、これを見越して……!
ジェシカ・クロフォード:あ、チギー
ジェシカ・クロフォード:サポートモードの達成値+6も忘れないで
天沼チギリ:従者死んでるんじゃ?
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクとチギリちゃんは息ぴったりなんだぜ
GM:エフェクトは使用者が死んでも基本的には持続するはずです
天沼チギリ:てことはウルスラさんの達成値も+6?
七十橋シスル:でも同じエンゲージにいる、って制限ついてるけど
ジェシカ・クロフォード:そっか、かわんねえ!
GM:あ~~そうか
GM:そうなると問題が起こっちゃうな
ウルスラ・ミック・ベニ:あなたはそこにいますか
天沼チギリ:ぷんぷん
オリーヴ・ウェールズ:どちらにせよ妖精挟めば解決ですね
GM:他のエフェクトなら持続と判断するけど
GM:同じエンゲージにいるという条件がある以上は
ジェシカ・クロフォード:ですね。
ウルスラ・ミック・ベニ:オリーヴちゃんありがと~
GM:死んだ場合は同じエンゲージにいないという裁定にしましょう
オリーヴ・ウェールズ:残り1回。
オリーヴ・ウェールズ:お任せを!
オリーヴ・ウェールズ:侵蝕146!
天沼チギリ:じゃあ改めて追加振り
天沼チギリ:1dx7+21
DoubleCross : (1DX7+21) → 2[2]+21 → 23
天沼チギリ:これでドッジ成功
天沼チギリ:ありがとう!
ウルスラ・ミック・ベニ:危険なダンスだった
天沼チギリ:次の手番どうぞ
オリーヴ・ウェールズ:行きます
オリーヴ・ウェールズ:マイナーなし、メジャー
オリーヴ・ウェールズ:の前に!
オリーヴ・ウェールズ:神聖二重冠の効果を使用します。侵蝕を50上昇させ、達成値を150上昇。メモリーがあるから荒業も出来る!もし帰還ダイスが必要でも余裕があります
オリーヴ・ウェールズ:侵蝕は196へ
オリーヴ・ウェールズ:メジャーでカスタマイズ、コンセントレイト。判定前に砂の加護、砂塵霊。
オリーヴ・ウェールズ:対象は風塵王!
オリーヴ・ウェールズ:23dx7+4+150
DoubleCross : (23DX7+154) → 10[1,1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,5,6,7,7,8,8,8,9,9,9,10,10]+10[2,4,4,5,5,9,10,10,10,10]+10[1,3,5,7,10]+3[1,3]+154 → 187
オリーヴ・ウェールズ:剣精の手
オリーヴ・ウェールズ:1dx7+194
DoubleCross : (1DX7+194) → 1[1]+194 → 0 (ファンブル)
オリーヴ・ウェールズ:以上で。達成値195です
"風塵王"倫道アカネ:ドッジを……します
"風塵王"倫道アカネ:何かありますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:あり……ません!
オリーヴ・ウェールズ:通します、さあ、持てるものを出し尽くしなさい……!
"風塵王"倫道アカネ:分かりました。《リフレックス:ハヌマーン》《切り払い》。
"風塵王"倫道アカネ:10dx7+21>=187
DoubleCross : (10DX7+21>=187) → 10[2,2,6,7,8,8,8,8,9,10]+10[1,1,2,3,5,9,10]+6[1,6]+21 → 47 → 失敗
"風塵王"倫道アカネ:《月光の奏者》。ドッジ判定を成功にします。
"風塵王"倫道アカネ:《陽炎の亡霊》。メインプロセスを行います。
オリーヴ・ウェールズ:奏者は直前なので、判定前になるのかな、ウオオ通します……!
"風塵王"倫道アカネ:そうか、これも直前になるのか……どっちにしろ使う予定ではいました 187とか出るわけないしね……
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《大裁断》《獅子奮迅》。
"風塵王"倫道アカネ:ターゲットは先程までと同じですが、今度は自分自身は含みません。
"風塵王"倫道アカネ:判定をします……何かありますか?
"風塵王"倫道アカネ:あ、そうか従者Dが増えているので、これもターゲットから外します
"風塵王"倫道アカネ:死蔵王、ミズキ、ウルスラ、オリヴィエ、チギリ、五派、血統王、騎士王がターゲットです。
"風塵王"倫道アカネ:いや
"風塵王"倫道アカネ:《マスヴィジョン》も入れます!すみません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:判定をどうぞ!
"風塵王"倫道アカネ:23dx7+21
DoubleCross : (23DX7+21) → 10[1,1,2,3,3,3,3,3,4,6,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,1,2,5,5,6,6,7,10,10]+10[1,10,10]+10[7,10]+4[1,4]+21 → 65
籟ミズキ:リアクション放棄、《復讐の刃》
"血統王"バージニア・ダネシュティ:反応できるキャラは反応しておくか
"血統王"バージニア・ダネシュティ:7dx+2>=65 回避
DoubleCross : (7DX10+2>=65) → 10[2,3,7,7,8,8,10]+5[5]+2 → 17 → 失敗
ウルスラ・ミック・ベニ:6dx>=65 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=65) → 10[1,2,4,7,7,10]+6[6] → 16 → 失敗
天沼チギリ:ドッジします!
オリーヴ・ウェールズ:一応のドッジ
天沼チギリ:7dx+1
DoubleCross : (7DX10+1) → 8[2,2,3,4,5,8,8]+1 → 9
オリーヴ・ウェールズ:8dx+1
DoubleCross : (8DX10+1) → 9[1,1,4,4,5,6,7,9]+1 → 10
オリーヴ・ウェールズ:しょぼしょぼ
ルナンシア・ラダ・ランパート:従者Dが《盾なる人形》血統王をカバー。
ルナンシア・ラダ・ランパート:リンダがガード《砂の結界》ウルスラをカバー
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシアが《炎陣》チギリをカバー
天沼チギリ:ごはせんもドッジかな
有崎五派:4dx>=65
DoubleCross : (4DX10>=65) → 10[6,6,9,10]+5[5] → 15 → 失敗
有崎五派:行動放棄カバーしましょうか
ルナンシア・ラダ・ランパート:オリーヴをお願いします。
有崎五派:了解です!
ルナンシア・ラダ・ランパート:死蔵王はガード
"風塵王"倫道アカネ:では、まずこちらのダメージを出します。
"風塵王"倫道アカネ:7d10+132
DoubleCross : (7D10+132) → 27[1,1,1,9,6,1,8]+132 → 159
籟ミズキ:復讐の刃を判定します
籟ミズキ:8dx7-1 えいや!
DoubleCross : (8DX7-1) → 10[2,6,6,6,7,7,8,9]+10[1,6,7,9]+10[6,8]+10[7]+2[2]-1 → 41
"風塵王"倫道アカネ:やる……!
籟ミズキ:5d10+17+18+6d10
DoubleCross : (5D10+17+18+6D10) → 26[6,1,5,9,5]+17+18+38[8,5,8,3,8,6] → 99
"風塵王"倫道アカネ:ダメージを与えた際
"風塵王"倫道アカネ:「抹消者」を使用します。ダメージを受けたキャラクターのDロイス、ロイスの中から選んで一つずつ破壊します。
"風塵王"倫道アカネ:破壊するのは、従者D(不夜王)のロイス、リンダのロイス、ルナンシアの遺産継承者、五派のロイス、ミズキのロイスです。
天沼チギリ:スリザリン名誉教授?
ルナンシア・ラダ・ランパート:いえ、待ってください
"風塵王"倫道アカネ:待ちます
ルナンシア・ラダ・ランパート:死蔵王の《子羊の歌》
"風塵王"倫道アカネ:なにっ
ルナンシア・ラダ・ランパート:すいません、もっと早く宣言すべきだったのですが……
"風塵王"倫道アカネ:誰のダメージを引き受けるか決めてください
ルナンシア・ラダ・ランパート:五派先生で!
"風塵王"倫道アカネ:ではダメージ処理!他に使用エフェクトはありませんか?
籟ミズキ:ロイスを破壊され、エンブレム『ギルティ』で復活します HP最大
ルナンシア・ラダ・ランパート:ない……かな!
"風塵王"倫道アカネ:では「強制起動者」。タイミングが私の思っていたとおりだったら《シャッフル》を復活させていたのですが
"風塵王"倫道アカネ:シャッフルできないので、《光の守護》を回復させます。ダメージを0に。
籟ミズキ:強すぎる……!
GM:リアクション分の侵蝕率を上昇させていきましょう
籟ミズキ:そうでした!
籟ミズキ:籟ミズキの侵蝕率を6増加(122 → 128)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を2増加(132 → 134)
リンダ・L・ワインライダー:侵蝕率130→132
影D:侵蝕+2(137→139)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ジュラレコを壊され、騎士団のロイスをタイタス昇華して復活します
リンダ・L・ワインライダー:ザジ・バントラインのロイスで復活し、なおかすステーシー・トゥルーロマンスのロイスも破壊されます。
リンダ・L・ワインライダー:これで復活回数は0!
ジェシカ・クロフォード:魔術王のロイスが破壊されます。
有崎五派:五派先生はダメージを受けていないのでロイス2個分が保護されます
ジェシカ・クロフォード:至上王とキングダムへのロイスは、壊せないよ……!!
"至上王"ルキア・ティベリア:不夜王……♡
ルナンシア・ラダ・ランパート:死蔵王が復活回数を消費
ルナンシア・ラダ・ランパート:《反撃の旋風》
ルナンシア・ラダ・ランパート:子羊の歌で侵蝕率が160を越えたことでエフェクトレベルが上昇
ルナンシア・ラダ・ランパート:180点ダメージ
"風塵王"倫道アカネ:すいません、抹消者で死蔵王の破壊を忘れていました。ロイスを破壊します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:死蔵王の侵蝕が170になりました
ルナンシア・ラダ・ランパート:やべ~~
ルナンシア・ラダ・ランパート:では復活できません。戦闘不能
"風塵王"倫道アカネ:ただ、《反撃の旋風》……!これが怖いからダメージ後の宣言ないか聞いておいたのに
"風塵王"倫道アカネ:こちらも、もう切り札はありません!HP0!死亡します!
ルナンシア・ラダ・ランパート:こっちの復活とかの処理してからかなって……
ルナンシア・ラダ・ランパート:やっ……た……!
"風塵王"倫道アカネ:まさか最強の星徒が真っ先に落ちるとはね……
"風塵王"倫道アカネ:最強すぎて行動機会が多すぎたのだ
"戒功王"[8]
25m
★ 9m 星徒ララゴ[4]
5m
ウルスラ[9/152] 五派[4/137]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/139] "騎士王"[36/134]
×"死蔵王"[12/170] "鉄騎王"[8/195]
アルル[7/147] ミズキ[12/128]
リンダ[10/132] "血統王"[16/107]
5m
星徒ヒロ[8] 5m ★
20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m ★星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
"戒功王"セベクネフェルⅧ:行動値8、セベクネフェル。
ルナンシア・ラダ・ランパート:何もしない……何もしない……
"戒功王"セベクネフェルⅧ:攻撃は全くできないですが、ララゴに近づくくらいならいいでしょう
"戒功王"セベクネフェルⅧ:13m移動しました。終わりです。
星徒ヒロ:星徒ヒロの手番。
星徒ヒロ:マイナーで《骨の剣》を作成。
星徒ヒロ:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》《生命吸収》。憎悪のため、対象は星徒ララゴです。
星徒ヒロ:達成値は無限!
星徒ララゴ:《時の棺》を使用します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:不夜王の《マリシャスブラッド》
星徒ララゴ:マリシャスブラッド……強すぎるのでは?
星徒ララゴ:《グラビティガード》《棘の獣身》で防御し、反撃します。
GM:この戦闘における無限の取り扱いですが
GM:無限はどれだけプラスやマイナス修正がかかっていても同値とします
GM:達成値で比較した場合はリアクション側が同値回避となり
GM:ガード値やHPの無限同士を比較した場合も、差は0です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では、グラビティガードにさらに不夜王の《マリシャスブラッド》を使用します。これで残り1回。
星徒ララゴ:強すぎる……!
星徒ララゴ:これ、メインプロセスに一回とかの制限はないんですか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありませんが……
星徒ララゴ:実際そうなので仕方がない……テキストには従う!それが我ら星徒の心意気よ
星徒ララゴ:星徒ララゴは無限ダメージを受け、同時に星徒ヒロにも無限ダメージが返されます!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ジェシカ=クロフォードの侵蝕が12上昇し、151
星徒ヒロ:星徒ヒロ死亡!
星徒ララゴ:星徒ララゴ死亡!
ルナンシア・ラダ・ランパート:しゃあっ!
天沼チギリ:やったぜ
オリーヴ・ウェールズ:チギリ・パワー
"戒功王"[8]
17m
ウルスラ[9/152] 五派[4/137]
チギリ[6/114] "拷問王"[17/137]
"不夜王"[9/151] "騎士王"[36/134]
×"死蔵王"[12/170] "鉄騎王"[8/195]
アルル[7/147] ミズキ[12/128]
リンダ[10/132] "血統王"[16/107]
約20km
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m ★星徒マーガレット[85]
10m 10m
星徒マーガレット[85] 10m 星徒マーガレット[85]
ルナンシア・ラダ・ランパート:全然エンゲージ表がすっきりしない!
GM:手番は行動値7。アルルさんはどうしますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:星徒マーガレット本体を攻撃してもらいます。マイナーはなし
ルナンシア・ラダ・ランパート:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》
星徒マーガレット:えっ!?
星徒マーガレット:栄光と勝利の槍って射撃射程視界なの!?
星徒マーガレット:すごすぎる~
ルナンシア・ラダ・ランパート:メチャ強なのだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:15dx7+21 ソードマスター込
DoubleCross : (15DX7+21) → 10[1,2,2,3,5,6,6,7,8,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,4,5,6,7,8,8]+10[1,5,9]+1[1]+21 → 52
ルナンシア・ラダ・ランパート:妖精とかはどうしようかな 温存でいいか
星徒マーガレット:回避するしかない!しかも死蔵王のせいで結構HPも削れている……!
星徒マーガレット:12dx+3>=52
DoubleCross : (12DX10+3>=52) → 10[1,2,2,3,3,3,3,3,6,7,9,10]+4[4]+3 → 17 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:6d10+11+3d10 サイドリール・キルリーダー込
DoubleCross : (6D10+11+3D10) → 28[9,5,6,1,3,4]+11+22[7,8,7] → 61
星徒マーガレット:ギィーッ!
星徒マーガレット:下手したらあと一発で死ぬ!苦しみ悶えます
ルナンシア・ラダ・ランパート:アルル侵蝕+5 152
GM:次の手番はチギリさん!本来の手番です
天沼チギリ:おお、手番だ
天沼チギリ:では止めを刺させてもらう!
ルナンシア・ラダ・ランパート:いっけー!
天沼チギリ:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《伸縮腕》
天沼チギリ:対象はマーガレット!
天沼チギリ:13dx7+8
DoubleCross : (13DX7+8) → 10[1,2,3,4,4,5,5,6,6,6,9,9,9]+10[6,7,8]+10[4,7]+3[3]+8 → 41
星徒マーガレット:12dx+3>=41
DoubleCross : (12DX10+3>=41) → 10[1,3,3,4,4,4,5,6,6,7,10,10]+8[3,8]+3 → 21 → 失敗
天沼チギリ:ダメージ出します!
天沼チギリ:すいません、やっぱり妖精!
ルナンシア・ラダ・ランパート:アルルちゃんの《妖精の手》!
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕は156
天沼チギリ:1dx7+48
DoubleCross : (1DX7+48) → 3[3]+48 → 51
ルナンシア・ラダ・ランパート:これでいきますか
天沼チギリ:では改めてダメージを…
天沼チギリ:6d10+14+8+18
DoubleCross : (6D10+14+8+18) → 21[4,2,1,7,1,6]+14+8+18 → 61
星徒マーガレット:61!?これは
天沼チギリ:ギャー!腐った!
星徒マーガレット:ギリギリ死んでません!
ルナンシア・ラダ・ランパート:くぅ~
星徒マーガレット:ケーッケッケ 残念だったねえ~
星徒マーガレット:殺しちゃうよ~ん
GM:次の手番の有崎先生は行動放棄カバーをしているので手番をスキップして
リンダ・L・ワインライダー:行動値10の待機!このおれの出番だ
リンダ・L・ワインライダー:メジャーアクションはクソザコブルーリボルトだけ……
リンダ・L・ワインライダー:戒功王を攻撃するか自決するしか選択肢がない
ルナンシア・ラダ・ランパート:自決しないで!
籟ミズキ:申し訳ありません! 行動放棄してください!
リンダ・L・ワインライダー:他に何ができるというのだ!?
リンダ・L・ワインライダー:うーむ、ミズキがそういうなら仕方がないか
リンダ・L・ワインライダー:友情に応えられぬ不甲斐なさ……!死をもって償うつもりだったが
籟ミズキ:このラウンドは十分ご活躍いただきましたから!
リンダ・L・ワインライダー:行動放棄という発想!それはなかった!
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんでだよ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:そしてしょんぼりしている女はもうひとりいた!血統王……バージニア・ダネシュティ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:相手がちょうどいい達成値を出してくれないばかりに……
"血統王"バージニア・ダネシュティ:偉そうに出てきた割には不夜王にカバーしてもらってばっかりで……せめてカバーリングエフェクトを取っておけばよかった……
"血統王"バージニア・ダネシュティ:この状態からできることは何もありません。行動放棄します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:マイナーで武器を作ってターン終了するとブラッドコートのHPが足りない?
"血統王"バージニア・ダネシュティ:あ、そうだった
"血統王"バージニア・ダネシュティ:武器をまだ作ってすらいないことを忘れていました。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:《赫き剣》《破壊の血》。8点のHPを消費し、攻撃力43ガード5の武器を作成します。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:侵蝕107→112
ルナンシア・ラダ・ランパート:強い……強いのに……
GM:ではシスルの手番。視界攻撃が来た!
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっすいません 赫き剣はIAでHPを消費しなくなりました
"血統王"バージニア・ダネシュティ:そういえばそうだったね
"血統王"バージニア・ダネシュティ:元の性能がひどすぎたのだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:私も忘れてた
"血統王"バージニア・ダネシュティ:HP32→30
ルナンシア・ラダ・ランパート:では拷問王の攻撃
天沼チギリ:侵蝕139→145
ルナンシア・ラダ・ランパート:失ってた 適当言ってしまった
ルナンシア・ラダ・ランパート:陽炎の衣は別にいいかな 《コンセントレイト》《影縛りの魔弾》でマーガレット本体を攻撃
星徒マーガレット:や、やめろ――ッッ
ルナンシア・ラダ・ランパート:やっぱり陽炎の衣も使います! 万が一が怖い!
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕144
ルナンシア・ラダ・ランパート:13dx7+14
DoubleCross : (13DX7+14) → 10[1,1,2,2,2,2,3,5,5,7,8,8,9]+6[1,2,3,6]+14 → 30
ルナンシア・ラダ・ランパート:後乗せはできない! なぜなら隠密中だからだ……!
星徒マーガレット:これなら行けるぞ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:行けるな!
星徒マーガレット:12dx+3>=30
DoubleCross : (12DX10+3>=30) → 9[1,1,3,3,3,4,4,5,8,8,8,9]+3 → 12 → 失敗
星徒マーガレット:行けるわけねーだろ!!命中です!
天沼チギリ:やっちまえー!
ルナンシア・ラダ・ランパート:活性と水晶で……
オリーヴ・ウェールズ:水晶が10です、今
ルナンシア・ラダ・ランパート:4d10+11+18+10+5d10
DoubleCross : (4D10+11+18+10+5D10) → 21[1,8,7,5]+11+18+10+17[5,2,6,3,1] → 77
ルナンシア・ラダ・ランパート:装甲有効
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王の《巨人の影》
星徒マーガレット:ひどすぎる……残りHP4しかないのに
ルナンシア・ラダ・ランパート:通ればミラーパレスのレベルを+2します。
星徒マーガレット:星徒マーガレット死亡。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王の『不滅の妄執』が解除されます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王 侵蝕146
"戒功王"[8]
17m
ウルスラ[9/152] 五派[4/137]
チギリ[6/145] "拷問王"[17/146]
"不夜王"[9/151] "騎士王"[36/134]
×"死蔵王"[12/170] "鉄騎王"[8/195]
アルル[7/152] ミズキ[12/128]
リンダ[10/132] "血統王"[16/112]
GM:最後は行動値36の待機手番、ルナンシアさんの手番です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:いけるのか……?
ルナンシア・ラダ・ランパート:では倫道アカネのロイスをタイタス昇華。不利な効果を消す効果を使用し、破壊されたDロイスを修復します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:マイナーでジュラシックレコードを装備。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《コンセントレイト》《鮮血の一撃》《炎の刃》《フレイムタン》で戒功王を攻撃。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を8増加(134 → 142)
ルナンシア・ラダ・ランパート:14dx7+3 命中
DoubleCross : (14DX7+3) → 10[2,2,4,5,5,6,7,7,7,7,8,9,10,10]+10[1,1,2,5,8,8,9,9]+10[2,2,5,8]+10[9]+10[9]+5[5]+3 → 58
ルナンシア・ラダ・ランパート:でかい
"戒功王"セベクネフェルⅧ:本当にいいんですか?
天沼チギリ:いまさら命乞いかー!てめー!
"戒功王"セベクネフェルⅧ:いや、そうじゃなくて普通に……
ルナンシア・ラダ・ランパート:何か見落としが……
オリーヴ・ウェールズ:?!
天沼チギリ:え?
"戒功王"セベクネフェルⅧ:達成値無限で回避しますが…
天沼チギリ:あ
ルナンシア・ラダ・ランパート:アッ……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:よくないです!
オリーヴ・ウェールズ:誰かー!解除解除!
天沼チギリ:血統王の二重冠使いますか
"血統王"バージニア・ダネシュティ:私!私私私!
オリーヴ・ウェールズ:血統王様!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(ぴょんぴょん)
ルナンシア・ラダ・ランパート:バカスカ殴られていたから魔法冠が残っているのを完全に忘れていました 血統王! お願いします!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:はーい使います!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ハァハァ ありがとうGM……ありがとう血統王……
天沼チギリ:あぶねー
"血統王"バージニア・ダネシュティ:元番外第十七席!血統王!神聖二重冠で戒功王の侵星魔法冠を打ち消します!!!
"戒功王"セベクネフェルⅧ:おのれ血統王
"戒功王"セベクネフェルⅧ:奴の存在が計算外だった
"戒功王"セベクネフェルⅧ:あの女さえいなければ我々が完全勝利していたものを……
"戒功王"セベクネフェルⅧ:不夜王……これも計算の内というわけか
ルナンシア・ラダ・ランパート:なにする気だったんだ……
"戒功王"セベクネフェルⅧ:このタイミングで神聖二重冠とは見事という他ない
"戒功王"セベクネフェルⅧ:9dx>=58
DoubleCross : (9DX10>=58) → 10[3,4,4,6,6,7,7,8,10]+2[2] → 12 → 失敗
"戒功王"セベクネフェルⅧ:食らいました!そのまま倒れます。
天沼チギリ:ヤッター!
"戒功王"セベクネフェルⅧ:まさか1ラウンドで全滅まで持っていかれるなんて……
ルナンシア・ラダ・ランパート:6d10+46 一応ダメージ
DoubleCross : (6D10+46) → 34[5,3,6,9,5,6]+46 → 80
天沼チギリ:これで本校舎は救われた!
"戒功王"セベクネフェルⅧ:星徒が一体でも残っていたら《生命の大樹》で全回復してたのに
オリーヴ・ウェールズ:????
天沼チギリ:コワ~…
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんてやつだ……
ウルスラ・ミック・ベニ:怖すぎ
"戒功王"セベクネフェルⅧ:まあもともと他の星徒がいると《支配の因子》も《絶望の領域》も使えなかったし
"戒功王"セベクネフェルⅧ:所詮戦闘タイプではない円卓の王はこれが限界よ……
GM:戦闘終了。PCの勝利です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:勝っ…………た!
オリーヴ・ウェールズ:やったぁ……!
天沼チギリ:やったー!
七十橋シスル:五条悟の勝ちだ
任アルル:すごいぜ
GM:六体もの星徒が、キングダムを滅亡せしめる全力を発動する中、五人もの円卓が、最強たる覇鍵解錠で対峙した。
GM:拮抗の形は様々だった。無数の弾幕を撃墜する乱撃。無限の力を防ぎ躱す技巧。
GM:嵐の如き絶大な力が衝突したが故に、その破壊にも真空地帯が発生する。嵐の目が。
GM:ウルスラ・ミック・ベニと、彼女に抱えられた有崎五派は、そこに立っていた。
ウルスラ・ミック・ベニ:「さてさてごはせん、並びに不夜王!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ちょいと一筆頼みたい!」
ウルスラ・ミック・ベニ:ごはせんをそっと降ろし、たんたんとステップ刻みながらばらりと幾十ものパピルスをばら撒く。
ウルスラ・ミック・ベニ:うち二つは有崎五派並びにジェシカ・クロフォード両名の元に。
有崎五派:「……一筆?」
有崎五派:足元のソレを拾い上げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:『キングダム連合学院に於ける星室庁開廷の提案』
ウルスラ・ミック・ベニ:『容認する場合は当該学区行政府より調停依頼求む』
有崎五派:「これ……!そ、そういう事!?」
有崎五派:文面から顔を上げてウルスラを見やり、その後に恐る恐る不夜王へ視線を向ける。
ウルスラ・ミック・ベニ:「嫌なら他の子に頼んじゃうけど」チギリちゃんとかオリーヴちゃんとか。
ウルスラ・ミック・ベニ:「一番強く機能するのはキミなんだよね」
ジェシカ・クロフォード:ため息をつく。
ジェシカ・クロフォード:「期限は私が決める。」
ジェシカ・クロフォード:「少なくとも」
ジェシカ・クロフォード:「この星徒どもが消え去るまではその権限を振るうことを認めてやる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「依頼確かに承った」ばらまきパピルスその他全ては足元に貼りつき、合わさり巨大な地図に。
ウルスラ・ミック・ベニ:それはまさしく魔導書、『キングダム市街総括図』の極一部!
ウルスラ・ミック・ベニ:黒き一つの指輪が輝く。朽ち果て捨てられた過去が発掘される。
ウルスラ・ミック・ベニ:黒き三つの指輪が輝く。平面たる影線が図面通りに展開し、立体へと推移する。
ウルスラ・ミック・ベニ:嘴子原シェイルの建築魔術、その再現は極めて困難。一度合作した程度の身では到底不可能。
ウルスラ・ミック・ベニ:されど其処が廃墟なら、その地に纏わる死者が居るならば。
ウルスラ・ミック・ベニ:【贋作王の秘本】《巨匠の記憶》【ブラックダイアモンド】《万能器具》
ウルスラ・ミック・ベニ:立体上に浮かび上がった影絵と、残された遺骸を元に再現されたのは在りし日の姿。
ウルスラ・ミック・ベニ:「再見、連合司法裁判所」ただしだまし絵のように展延し、星徒たちさえも収容可能!
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごはせん、宣言を!」
有崎五派:「有崎五派、ウルスラ・ミック・ベニの名をも、もって……こっ……ここに──」
有崎五派:ガチガチに固まった筋肉を無理やりに動かしながら、高々と片手を上げる。
有崎五派:「──星室庁を、開廷する!!」

連合司法裁判所:『生徒並びに星徒諸君、機動法廷、星室庁へようこそ』効果音と共に大型ホログラム!
連合司法裁判所:『星室庁:ノヴァリスの諸問題に迅速に対応するため、最高生徒会が持つ裁判権を全面的に委任し、陪審員なしでの即時裁決を可能とする特務機関』
連合司法裁判所:『設立はシオンの議定書……理事会が認めたかつての最高生徒会長、雨月夜シオンによるもの』
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合法は星室庁なる機関を定義していない」冷たく呟く。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「調停依頼の主体であるキングダム現体制への刑は執行中である」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダムがあなた達の正当性を認めることはない」決壊の時が訪れる。
星徒マーガレット:拮抗状態が崩れ、巨大すぎるカラスの影が、無防備な五派達の頭上に迫った。
星徒マーガレット:影の速度は、光の速度そのものだ。嘴を大きく広げ、虚無の闇でウルスラと五派を食い破ろうとする。
ジェシカ・クロフォード:奴隷とは何か。
ジェシカ・クロフォード:不夜王"ジェシカ・クロフォード"はこう定義する。
ジェシカ・クロフォード:"他者の所有物として扱われる人間"であると。
ジェシカ・クロフォード:ではその役割とは何か。ジェシカ・クロフォードはこう考える。
ジェシカ・クロフォード:"それは全能力を持って所有者の負担を肩代わりすること"だと。
ジェシカ・クロフォード:故に不夜王は奴隷にこう命ずる。
ジェシカ・クロフォード:"その命に代えても我らを守れ"と
ジェシカ・クロフォード:瞬間、影が拡がる。薄く広がった影が星徒の攻撃を受け、砕ける。
ジェシカ・クロフォード:砕けた影は石くれと頭の無い蛇に別れ、頭の無い蛇はジェシカの体に戻り砕けた石くれは地面に落ちた。
星徒マーガレット:マーガレットは内臓を食い破った。腸と肺。
星徒マーガレット:だが、犠牲者の精神を強奪した象徴である臓器も、その嘴の中で石くれに戻っていく。
ジェシカ・クロフォード:「初撃は防いだ。次は任せるぞ、"元老”」
天沼チギリ:返答の代わりに、已に動いていた。
天沼チギリ:狙いはアカネ、ヒロ、コンスタンツェ、セベクネフェルⅧ。
天沼チギリ:そして迫りくる無数の弾頭。
天沼チギリ:ララゴを狙いから外したのは反撃を警戒してのことだ。
天沼チギリ:マーガレットへの攻撃は位置を割り出すだけにとどめる。
天沼チギリ:本来は至上王対策に、存在をここまで隠匿していた札を切った。
天沼チギリ:”破剣階乗”
天沼チギリ:剣を砕き、その刀身を無数に増大する。
天沼チギリ:”大介錯”が遺産に届き得なかったのは、その扱いの難しさと反動にある。
天沼チギリ:漫然と振るうだけでは自らを”介錯”する羽目になる。
天沼チギリ:花弁のように、あるいは鳥の羽のように舞う”大介錯”の刃を目にして、
天沼チギリ:殺意、害意、あらゆる悪意を以て迫りくる星徒を目にして、
天沼チギリ:アメリアを想う。
天沼チギリ:(優しいあの子を、”理不尽”から守りたい。)
天沼チギリ:(力を持つ者が与える絶望から守りたい。)
天沼チギリ:(だから私は叛意を抱いたんでしたね。)
天沼チギリ:「では───介錯いたします。」
天沼チギリ:切情を胸に、禍を断つ。
天沼チギリ:鋼の嵐が巻き起こり、星徒たちの身体を苛む。それだけではない。
天沼チギリ:星徒たちが向ける悪意は捻じ曲げられ、
天沼チギリ:仲間であるはずの星徒ララゴに集中する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「リンダ──ミサイルの主、あの戦艦だ」素早く脅威を計算し、チギリの攻撃が通った先を想定する
ルナンシア・ラダ・ランパート:「再生能力を分け与える。無限を絶つ必要がある。頼めるか」
リンダ・L・ワインライダー:「ああ!任せろ!」
リンダ・L・ワインライダー:「砂上艦の相手は、慣れているのでな!――神聖二重冠!」

星徒コンスタンツェ:大地を水上のごとく走る星徒コンスタンツェの進路が、突如として流砂と化した。座礁する。
星徒ヒロ:だが、機動力によらずあらゆる攻撃に耐え、再生する星徒ヒロも、天沼チギリの"大介錯"を避け得なかった。
GM:天沼チギリの最大発動である『大介錯』は、逆説的な現象として――
GM:その刃が、他のどのような攻撃よりも軽く、脆く、細かいからこそ防ぎ得ない。
GM:無限の防御力や生命力を持つ星徒であれ、その影響を例外なく受けることになる。
GM:例外があるとすれば――
天沼チギリ:「まずは三人。いただきました。」
天沼チギリ:その悪意をララゴに向けるヒロ、反撃を構えるララゴ、そして
天沼チギリ:土煙の向こうのアカネを見やり、呟く。
"風塵王"倫道アカネ:「鉱毒粉塵……」星徒アカネの視線は
"風塵王"倫道アカネ:天沼チギリではなく、眼前の任アルルに向けられたままだ。
"風塵王"倫道アカネ:だが、その言葉は間違いなくチギリの攻撃を指している。
天沼チギリ:眼が、見開かれる。
天沼チギリ:自身が持ち得る最大の攻撃。円卓の王にも届くと自負する切り札を、
天沼チギリ:倫道アカネは”片手間”で避けている。
"風塵王"倫道アカネ:「刀身が毒になるタイプの遺産か……自分の体の延長みたいに使えば、生物体内の無機金属要素を置換できる」
"風塵王"倫道アカネ:「正面から勝てない敵なら」
"風塵王"倫道アカネ:「判断能力を――頭をおかしくすればいい。普通かな」
天沼チギリ:「ふ」
天沼チギリ:ぎり、と奥歯を噛む
天沼チギリ:「ふざけ──」
GM:――ザン!!
GM:チギリの胴に深い切り傷が刻まれる。
天沼チギリ:「か、──は───」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――それは応報だ。遺産管理委員会元老、天沼チギリ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルの足元にも、ボタボタと鮮血が落ちる。
天沼チギリ:「い、いかに憎悪を煽っても、悪意を他所に向けさせても………」
天沼チギリ:「裁定は、裁定……感情を越えたシステム………だから、」
天沼チギリ:「反撃、出来た……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「被告が外部の法に基づき法廷を開くのならば、死者を裁き得る可能性もある」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「だが、死者を死刑にかけるのなら」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「生者も、同等の刑罰を受けるといい」
天沼チギリ:ごぼ、と泡の混じった血の塊を吐き、
天沼チギリ:腰が抜けたように跪く。
"風塵王"倫道アカネ:そちらを一瞥するのみだ。時間が経つほどに致命的な散布毒にアカネが対処をしなかったのは、
"風塵王"倫道アカネ:これほど大規模な攻撃には、必然的に『対処』が行われることを理解していたためである。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──“風塵王”の背後に一発逆転の抜け道はない」淡々と、感情を抑えた声。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「全てを見切られねじ伏せられる地獄にあって、なお確信のもとで技を振るう他に勝利への道は存在しない」
ジェシカ・クロフォード:チギリを庇うように足を一歩踏み出す。
ジェシカ・クロフォード:チギリの剣撃に巻き込まれ、砕けて散った石くれを拾う
ジェシカ・クロフォード:「酷いことをするな、"元老"。私の"友人"が砕けてしまった。」
ジェシカ・クロフォード:「実に哀しい。誰かに怒りをぶつけたくてたまらない気持ちだ」
ジェシカ・クロフォード:「セベク、貴様の裁判官として資質が失われていないというなら答えられるはずだ。」
ジェシカ・クロフォード:「今、私の"友人"が失われた。その罪を背負い、罰を受けるべきは誰だ。私は何者に怒りをぶつければいい?」
ジェシカ・クロフォード:「攻撃を放った元老か?」
ジェシカ・クロフォード:「間抜けにもその攻撃に巻き込まれた私の"友人"か?」
ジェシカ・クロフォード:「"友人"を助けることが出来なかったもう一人の"友人"か?」
ジェシカ・クロフォード:「"友人"を戦場に連れてきた私か?」
ジェシカ・クロフォード:「それとも戦場を作った貴様らか?」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が刑を執行すると定めた相手はその時点で存在していたキングダムの生徒だろう。」
ジェシカ・クロフォード:「故にその後に私が作り出した友人はその対象に入らない。例え貴様が正しい判決を下していようが手を下していい理由にはならない」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」
ジェシカ・クロフォード:「それらを考慮したうえで、私の"友人"が失われたことが誰の罪か答えてみろ」
天沼チギリ:「………!」
ジェシカ・クロフォード:くだらない茶番だ。生前の"戒功王"であればこのような戯言は一笑に付されて終わるだろう。
ジェシカ・クロフォード:だが、目の前の星徒はそうではない。"正しさ"という幻想に囚われている。正義を問われれば、それに対し解答を出さずにはいられない。
ジェシカ・クロフォード:そのことは、先の問答で確認している。
ジェシカ・クロフォード:やつの力を発揮させないためには、やつのタスクを、思考負担を増やすことだ。それで、僅かだか時間を稼ぐことが出来る。
ジェシカ・クロフォード:それで十分だ。
ジェシカ・クロフォード:ここには、僅かに時間を稼ぐだけで戦局を変え得る戦力が揃っている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ジェシカ・クロフォード。あなたの言う『友人』の定義について……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「解釈の時間を要する」
ジェシカ・クロフォード:「構わん。"裁判"には時間がかかるというのは自明の理だ」
天沼チギリ:(……巻き込ませた。)
天沼チギリ:(その一手で”戒功王”の手を止めた…!)
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「人権を認められぬ者であれ、命持たぬ器物であれ、『友人』と主張することは可能である」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……だが」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王の認識ですら、ただの石くれであるジェシカ・クロフォードの奴隷は
"戒功王"セベクネフェルⅧ:第二席の覇鍵解錠『頭の無い蛇』は
"戒功王"セベクネフェルⅧ:人間そのものとしか認知することができない。
天沼チギリ:(覇鍵開錠しても尚、直接攻撃は出来ないと見えますが…)
天沼チギリ:(どんな完璧なシステムにも脆弱性はある。そこを弁舌ひとつ、的確に突く。)
天沼チギリ:(こんな…”強さ”があるとは…!)
天沼チギリ:”戒功王”の手が止まっているうちに体勢を立て直す。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧは戦場への干渉能力を奪われた。
星徒ヒロ:よって――天沼チギリの"大介錯"は、無限の能力を有する星徒すらも狂わせた。
星徒ヒロ:星徒ヒロの無限量の触手が、星徒ララゴへと殺到する。
星徒ララゴ:星徒ララゴはそれを無限の槍で切り払い、防御する。齋藤リッコが見抜いた習性である。絶対の受動優先。
GM:ウルスラ・ミック・ベニによって構築された機動法廷を二体の怪物が紙細工のごとく破壊し、その端から空間が再構築される。
GM:だが、この場でもっとも巨大な破壊はこの二体によるものではない――
GM:"風塵王"倫道アカネ。そして“游随辰星”任アルル。

"風塵王"倫道アカネ:ガトリングガンの如き、という速度でも生ぬるい。光の波長そのもののような超速の斬撃で、アルルの攻撃をいなし、防ぎ、
"風塵王"倫道アカネ:そしてそれと同じくらいの頻度で急所を刺し、虚を突いて斬り、なお互いに致命傷はない。
任アルル:尋常の視力によってすれば、もはや両者の動きとはまったく無関係に、地が砕け、火花が咲き、風が裂ける。そのように見える。
任アルル:一見して互角──と見て取ることさえ、この場に集った最精鋭でなければ難いことだが。苛立ちの声を上げるのは、むしろ果敢に攻めかかって見える薄衣の少女の側だ。
任アルル:「さっきから急に……余所見ばっかり!」
任アルル:「浮気性なんですか!? 傷付くんですけど!」
"風塵王"倫道アカネ:「アルルくんってさあ――」赤すぎる瞳が、じっとアルル一人を観察している。
"風塵王"倫道アカネ:他の有象無象の攻撃は見るまでもなく対応できるのだと、その動きが語っている。
"風塵王"倫道アカネ:「無視されるのが嫌なんだ?」
"風塵王"倫道アカネ:にも関わらず、彼女はチギリの攻撃を看破した。任アルルと戦いながらだ。
任アルル:当然、そのことを察している。それもまた憤激の一因だ。
任アルル:天沼チギリの絶技を片手間で捌いたということは即ち、対峙していた己がその余裕を与えたということでもある。
"風塵王"倫道アカネ:恐ろしい速度で槍の穂先の圏外に。音速の壁を蹴って鋭角に方向転換する。
"風塵王"倫道アカネ:足場のない空中ですらそれができる。動きの軌跡に致命的な光刃が置かれる。星徒アカネの全力の機動はそれだ。
"風塵王"倫道アカネ:「プライドが高くて嫉妬深い」
"風塵王"倫道アカネ:「だから一対一のことしか考えてこれなかった。ちゃんと強いのに、性格が勿体ない……」
任アルル:「喧嘩なら既に買ってますが!?」
任アルル:愚直に追う。星徒と化した“風塵王”に対して、それを可能とする力がある。
任アルル:だが、追っているだけだ。追い詰められていない。
"風塵王"倫道アカネ:実際には、それだけでも恐るべきことだ。円卓の王ですら、星徒となった倫道アカネの影を追うことすらできないのだから。
"風塵王"倫道アカネ:だが、任アルルは――
"風塵王"倫道アカネ:「一人で勝てなきゃ満足できない」
"風塵王"倫道アカネ:「こんなに仲間がいるのにね。私は卑怯だなんて一言も言ってないのにな……」
任アルル:銀光が奔る。刺突の後に残された軌跡がそれだ。激情に駆られての一撃はこの一瞬、物理的に視覚可能な速度を超えた。
任アルル:しかし、それを以てしても。
任アルル:「……あなたは違うとでも?」
任アルル:「絆でも説くのですか。よりによって死者が」
"風塵王"倫道アカネ:アルルの槍が届いた。それは間違いない。届くという確信があり、同時に――
"風塵王"倫道アカネ:理解していたはずだ。倫道アカネがそんな隙を晒すのだとしたら、回避以外の手でそれを躱してくるはずだ、と。
リンダ・L・ワインライダー:「……ッ!!」
GM:アルルとアカネを除く時間が鈍化しているが如き超高速戦闘の最中では、
GM:その時空異常すら、一瞬の違和感に過ぎなかったかも知れない。
リンダ・L・ワインライダー:「ルナンシア!白い星徒の攻撃を止めた……が!」
リンダ・L・ワインライダー:リンダ・L・ワインライダー。巨大な砂の波濤で、星徒ララゴの攻撃余波を食い止めていた。
リンダ・L・ワインライダー:「これは……」だが、その砂が、任アルルの攻撃を遮っている……
任アルル:「……!!」
星徒ララゴ:時空を歪めるララゴの攻撃は、既に知られていたことだ。ほんの一瞬、知覚できない動きをこの星徒はする。
星徒ララゴ:それを読み切っての防御指示。そのリンダの防御すらを逆用した。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネの、隔絶した強さがあった。「ほら」
"風塵王"倫道アカネ:「一人で勝とうとしてたら」
"風塵王"倫道アカネ:「こうやって裏をかかれる」
星徒マーガレット:――ぞば!!
任アルル:「……可恨」
星徒マーガレット:影から無数の雛が湧き出るのは、それとほとんど同時だった。
星徒マーガレット:星徒の攻撃は無限故に無差別である。それを止めるために生徒も必ず動く。
星徒マーガレット:この広く、無数の意図が入り乱れる戦場で、絶え間なく取捨選択が発生し続ける。
籟ミズキ:「アルルさん──あんなに夢中になって」
籟ミズキ:死地にのみ見せる高揚を全身から発しているのを感じ取って、わずか笑みがこぼれる。
籟ミズキ:「お相手の方も楽しんでいればいいですが──では」
籟ミズキ:大気が荒れ歪む。その揺らぎが青帝の頭部を象ったかに見えた。
籟ミズキ:「神聖二重冠よ!」
籟ミズキ:瞬間に立ち現れた魁偉なる頭蓋に、ミズキの全身を収めて余りある。
籟ミズキ:硝煙と汚泥の匂いを吹き払う精気が意より発し、魔教の産湯に浸かって得た破邪の息吹を銃口より解放する。
籟ミズキ:銃身の切り詰められたハンドガンの弾丸の、果たして届くはずもない。だが摩訶不思議、遠当ての究極か。
籟ミズキ:遥か上空に存在する星徒マーガレットの影。"元老"が位置を突き止めた本体が、ミズキの拳を突き出すより一切の遅滞なく──傾ぐ。
ジェシカ・クロフォード:「無限の力か。実に厄介なものだ」
ジェシカ・クロフォード:「だから、貴様に倫道アカネのような知能が無くて実に助かるよ」
ジェシカ・クロフォード:再び影が拡がり、身を挺してその攻撃から味方を庇う
オリーヴ・ウェールズ:鉄騎の王は、これまでの戦闘、星徒全員の動きを目で追っていた。"追えていた"。
オリーヴ・ウェールズ:故に小さく、確かな戦場の起こりを見た。動く。
オリーヴ・ウェールズ:「先生、私達に力を。"これから大規模な攻勢が来ます"」
有崎五派:「……ッう、うん」
有崎五派:アルル、そしてアカネだけではない。この戦場の全てを追う事が出来ていなかった。それでも、頷く。
オリーヴ・ウェールズ:「……大丈夫」震える手を、優しく握りしめて。
オリーヴ・ウェールズ:「私達を、信じてください」
星徒コンスタンツェ:オリーヴは理解していた。星徒コンスタンツェが放った無限のミサイル群は……その一部が迂回し、大きな放物線弾道を描いて
星徒コンスタンツェ:この場に降り注ごうとしている。尋常の手段では防げない。不夜王のように、『起こり』を遮ることもできない。まさしく無限の攻撃である。
有崎五派:「……信じてる。貴方が私を信じてくれたのと同じように」
有崎五派:頷き、静かに目を閉じる。
有崎五派:有崎五派の能力はこの戦場においてあまりにもささやかなものだった。人間の思考領域に影響を与える"香り"という要素をほんの僅かに強化するのみ。
有崎五派:それでもこの力がある程度の性能を保証されている理由を上げるならそれは、調香師としての技術、そして他者への強い関心。
有崎五派:広く浅く作用するだけの香りに言語を持ってラベリングし、正しい香りを正しい相手へ処方する事で対象の力を引き出す事が出来た。
有崎五派:たとえ、星徒達の動きを捉える事が出来なくとも。私を信じてくれる生徒達の背中はきちんと見えている。
有崎五派:特に傷つき、疲労した四人の背中を歯噛みしながら見つめ──手を掲げる。
有崎五派:(私は貴方達に、新しく何かを与えてあげる事はできない──それ、でもッ)
有崎五派:「貴方達が持ってるなにかを、見つけることくらいは──ッ出来る!」
有崎五派:「処方香、ライム・トップノート!」
有崎五派:素早く、激しく香る柑橘のフレーバーは対象の疲弊したレネゲイドに再起を促す。
有崎五派:しかし、持続力を犠牲に、即効性を強化している故にそれは長続きはしない。
有崎五派:「チャンスは一回!お願い、みんな──ッ!」
星徒コンスタンツェ:その時は否応なく訪れる。無尽蔵のミサイルが、降り注ぐ!
"風塵王"倫道アカネ:生徒は、動かざるを得ない。
"風塵王"倫道アカネ:無限の攻撃に対処しないことはあり得ない。
"風塵王"倫道アカネ:(――やれる)
"風塵王"倫道アカネ:そうして確実に動かされる生徒の一人ひとりの座標を
"風塵王"倫道アカネ:超高速機動の最中にあって、じっと観察している。
"風塵王"倫道アカネ:(やれない。やれる。やれない。やれない)
"風塵王"倫道アカネ:(やれるやれるやれるやれるやれないやれるやれる)
"風塵王"倫道アカネ:ウルスラ・ミック・ベニが構築した法廷は、繰り返し自己修復する。
"風塵王"倫道アカネ:自己修復によって、それは宙を舞っていた。任アルルと倫道アカネの戦闘余波で巻き上げられたガラスの破片の一枚に過ぎず――
"風塵王"倫道アカネ:チ カ !!
GM:それは僅かに足を止める程度の光にすぎない。だが、無限の破壊力が降り注いでいる中で、一秒足を止めるだけのささやかな攻撃は
GM:殺戮の光だ。
ウルスラ・ミック・ベニ:無限の出力持つ星徒に対し、先の結界は極めて貧弱。だが僅かでも足止めとなれば、彼女たちが必ず生かすと信じていた。
ウルスラ・ミック・ベニ:そして影による遮断が故に、砕かれ破砕してなお風塵王の能力行使には滅法過敏に反応する。
ウルスラ・ミック・ベニ:美食王に放たれたような外光を活用する技は勿論、ここには僅かな兆しさえ活かし得る手練ればかり。
ウルスラ・ミック・ベニ:その警戒網さえ転用される。風塵王は最強の戦士なのだから。
オリーヴ・ウェールズ:「余波をお願いします。あれは───」
オリーヴ・ウェールズ:「私が止める」
オリーヴ・ウェールズ:輝きと共に飛び立ち、風塵王の放った光の前に光より尚早く割り込む。
オリーヴ・ウェールズ:ただひとつを滅ぼす光。熾天の火は、彼女自身の体内で常に展開されている。
オリーヴ・ウェールズ:聖剣炉心と化した体内で繰り返される凄絶な錬金反応は、その四肢に漲る力と輝きを与え続ける。
オリーヴ・ウェールズ:「ヤコブ様……その御力、お借りします」
オリーヴ・ウェールズ:振り上げる。拳。光に対し、ただ真っ直ぐに───
オリーヴ・ウェールズ:─── が ぁ ん !
オリーヴ・ウェールズ:爆光。この世のものとは思えぬ衝突音。
オリーヴ・ウェールズ:風塵王から放たれた光は、更なる力を加えて"撃ち返され"。
"風塵王"倫道アカネ:「ああ」苦笑する。
"風塵王"倫道アカネ:「光に勝つには、光より早ければいい」
"風塵王"倫道アカネ:「すっごい、ありきたりな発想――死ぬよ、それ」
オリーヴ・ウェールズ:コンスタンツェの放ったミサイルの一部に着弾、連鎖的に一部を巻き込んで爆砕していく。
オリーヴ・ウェールズ:「成程、確かに。これだけの僅かな力でも重い攻撃ですが」
オリーヴ・ウェールズ:「籠った思いが、軽い」
"風塵王"倫道アカネ:余所見をする。凄まじい機動で回避をしている。
"風塵王"倫道アカネ:任アルルの攻撃を避けた。
オリーヴ・ウェールズ:「これならば、私が知る生前の方が余程強かった」
"風塵王"倫道アカネ:「あはははは、嫉妬しないでってば」
"風塵王"倫道アカネ:――バチン!!
"風塵王"倫道アカネ:オリーヴを蹴り、ほとんど対角に近い空間へと移動している。
オリーヴ・ウェールズ:蹴りに合わせ、神速の受け手が間に合う。中空で回転し、その最中も目線を外さない。
オリーヴ・ウェールズ:その拳を、技を。現代の技巧者が見れば、とても古い技術だと思うだろう。
オリーヴ・ウェールズ:だが同時に、確かに天に届きうる格闘術。
オリーヴ・ウェールズ:格上の超常を押し留め、果てに打ち勝った聖人達の技。
オリーヴ・ウェールズ:古代から連綿と受け継いできた秘伝。門外不出の奥義。
オリーヴ・ウェールズ:こと、"守り"の技に置いて、オリーヴ・ウェールズはその幾つかを修めている。
オリーヴ・ウェールズ:遺産に依存しない自分自身の持つ極限のひとつ。熾天使を根負けさせた、信仰と共に放つ絶対防御。
オリーヴ・ウェールズ:喩え無限であろうとも、その一切を挫く。"最強"に対する"無敵"の拳。
GM:オリーヴの絶技は、確かに倫道アカネの強襲を防いだ。人の身で光速と無限に至る、絶大な負荷と引き換えではある。
GM:だが集中しなければならなかったが故に、それだけの過大な防御能力を、無限のミサイルに振り分けることができていない。
GM:倫道アカネと任アルルは、既に遠くの瞬きのようにしか見えない。
GM:ミサイルは降り注ぐ。地上にいた全ての生徒達に対して。
GM:その地上が爆発する。地面そのものが持ち上がったかのようでもある――
リンダ・L・ワインライダー:それはまさに、大地の砂塵化と操作だ。保護対象を覆うように地表を上空に移動させることで、ミサイルの着弾点を空中にする。
リンダ・L・ワインライダー:「すまないッ!オリヴィエ・クロムハーツ!」
リンダ・L・ワインライダー:「そこで起爆させるしかないのだ!撃ち落とすことはできるか!?」
オリーヴ・ウェールズ:「……無論です!」
GM:既に、爆発が始まりつつある。オリーヴのやや下方。だが、ほぼ爆心地に巻き込むかのような連鎖爆発!
リンダ・L・ワインライダー:「ぐううううううあああああああ―――ッ!!!」歯を食いしばり、砂塵の操作で地面を支え続ける!
オリーヴ・ウェールズ:(拳、蹴りでは手数が足りない……なら!)手に聖剣を───否、聖剣の内に秘めたひかりを、"熾天の火"を握る。
オリーヴ・ウェールズ:爆発に巻き込まれながら、光を天に掲げる。楽園の門番たる熾天使が持つその役割、使命、権能───
オリーヴ・ウェールズ:ヴ ン
オリーヴ・ウェールズ:一瞬。彼方までの光、その総てが確かにオリーヴの掌に集った。
オリーヴ・ウェールズ:「楽園追放───!」
オリーヴ・ウェールズ:是より先の侵入を決して許さぬ、空間そのものに対する神聖光を用いた防御陣。"それだけではない"。圧倒する光は地に届く前にその悉くを叩き落し、その罪を浄化する。
GM:――ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!
GM:終わりのない爆発が空で閃き続けている。
GM:全員の頭上で、オリーヴ・ウェールズ一人が……その下ではリンダ・L・ワインライダーが持ち上げた大地の盾が、攻撃を凌ぎ続けている。
GM:無限の攻撃をオリーヴが耐え続けている。奇跡に等しいその時は、好機だった。
GM:術式を行使する時間があれば、誰かが攻勢に移ることができる。その誰かとは――
竜胆ジョウカ:「――"おお、己の討つ者を知らずして何が神であることか"」
竜胆ジョウカ:爆音と言っても過言ではない音の中で、なお通る声がある。
竜胆ジョウカ:「"見よ、之が汝の罪であり汝を討ち曝す死因である"!!」
竜胆ジョウカ:手にしていたのはどこからか拾い上げてきた、薄汚れたコピー用紙の束。
竜胆ジョウカ:そこに神秘が凝縮され、縮小し。数百枚の束は、一切れの付箋程度になり。
竜胆ジョウカ:「"一切記し曇天に曝せ"!! "ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し"!!」
竜胆ジョウカ:権能が、封鎖していた一切が解錠する。
竜胆ジョウカ:刹那の後に、紙束が風に巻き上げられる――いや、正確ではない。
竜胆ジョウカ:"どう見繕っても先に持っていた枚数では足りない量の紙が"、
竜胆ジョウカ:"レネゲイドを多分に含んだ突風によって、魔術的かつ超質量による攻撃として"
竜胆ジョウカ:"星徒を轢き殺しにかかった"。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「無法者め」忌々しげに呟く。
竜胆ジョウカ:覇鍵解錠をした死蔵王は、詠唱を作れる。都合の良い神話を謡い、敵対者にとって最悪の攻性理論を構築できる。
竜胆ジョウカ:「……」
竜胆ジョウカ:だが。
星徒コンスタンツェ:まずは、星徒コンスタンツェが圧壊した。
星徒コンスタンツェ:座礁し、火に包まれながらなおも航行しようとする姿は、幽霊船じみている。
星徒コンスタンツェ:天沼チギリに体勢を崩された上で竜胆ジョウカの覇鍵解錠が直撃すれば――たった一撃で、星徒ですらそうなる。
星徒マーガレット:しかし星徒マーガレットは、呪詛返しを行使している。
星徒マーガレット:『鴉の塔』での戦いと同じ、術者のもとに転移して直接食い破る一撃だった。
星徒マーガレット:だが、最初とは違うことが一つある。
星徒マーガレット:死蔵王が、その手段を既に見ていること。
竜胆ジョウカ:「芸がないですね、っと」
竜胆ジョウカ:「"星骸攫え"、"ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し"」そう言いつつ手を返す。それだけで、何度か用いた魔術が起動する。
竜胆ジョウカ:顕現する蒼白い腕は、既に手札を読まれている故に。己を包むように展開し。
ジェシカ・クロフォード:「確かに、奴には芸がない」
ジェシカ・クロフォード:「だが、やつはしつこいぞ。"死蔵王"」
ジェシカ・クロフォード:"死蔵王"がマーガレットの切り札を打ち破ることを読んでいたように平静のまま声をかける
GM:星徒マーガレットの転移は失敗する。術理を真に知り尽くした術師は、呪詛返しすら受けることはない。
GM:全てを呑み込む津波の如き紙嵐。それは大型星徒すら絶命せしめる超絶の攻撃である。
GM:だが。その物量故に、ひどく単純で、克服不可能な弱点があるとすれば――
"風塵王"倫道アカネ:「自分自身の視界を」近い。
"風塵王"倫道アカネ:「遮ってる」
"風塵王"倫道アカネ:紙の一枚よりも軽く、この嵐の中を接近している。この物量の全てを回避したというのだろうか?
"風塵王"倫道アカネ:感知はできなかった。防御も間に合わない距離であることは確かだ。
竜胆ジョウカ:「バーカ。このくらいどうにかするから、円卓の兵器枠なんですよこちとら」
竜胆ジョウカ:今なお、敢えて、軽口めいた文言を呟く。
竜胆ジョウカ:二重冠が、一層光を増しつつ。
竜胆ジョウカ:そのつもりで手に持ったままでいた、コピー用紙の包み紙。それが、風でわずかに閃くと同時。
竜胆ジョウカ:「"待った"、"ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し"」
竜胆ジョウカ:広域に高火力で撃った攻撃。そのすべてが、元の位置――
竜胆ジョウカ:今まさに倫道アカネが構える位置を含む、死蔵王の周囲に殺到した。
"風塵王"倫道アカネ:既に、竜胆ジョウカを始末するためのブレードは展開していただろう。
"風塵王"倫道アカネ:だが、その一手を見て、理解し、反転する動きに、迷いは一切なかった。
"風塵王"倫道アカネ:――ブ
"風塵王"倫道アカネ:ザ ザ ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ
"風塵王"倫道アカネ:赤い光がかすみ、明滅する。
"風塵王"倫道アカネ:回避ではない。より小さな半径へと収束する紙片の物量を
"風塵王"倫道アカネ:焼却し尽くす『防御』を、倫道アカネは初めて選んだ。
竜胆ジョウカ:「……ひゅーう、滅茶苦茶ですねえ」吹けない口笛を喉を使ってうそぶく。
竜胆ジョウカ:「ですが、完璧ではない。私とおんなじです」
"風塵王"倫道アカネ:「王鍵って」
"風塵王"倫道アカネ:「そういう使い方できるんだ?……知らなかった」
"風塵王"倫道アカネ:「生きてる間にでも、もうちょっと遊んでおけばよかったな……」
竜胆ジョウカ:「本当にどうしようもないなら私がコピー用紙を拾うときに止めてたでしょうし、何より」
竜胆ジョウカ:「あなたが傷を負えば、それはあなたの傷にちゃんとなる」
竜胆ジョウカ:「――そうでしょう? 今防御したので確信しました」
竜胆ジョウカ:「きっとまだ見えない穴もあるでしょう。うん」
"風塵王"倫道アカネ:「奇遇だね」
"風塵王"倫道アカネ:「私もそれを知りたくてやってるんだ」
竜胆ジョウカ:既出の僅かな情報から手札の有無とそれを切るタイミングを読み切って、言うなれば先の先に動いてくる。
竜胆ジョウカ:慢心せずに全ての攻撃を的確に処理してくるため、対応し続けたとしても削りが間に合わない。
竜胆ジョウカ:手札を実質的に無限化できる自分はきっと、そんな超常の戦士と一番撃ち合える。
"風塵王"倫道アカネ:「君がそこまでできるのは、もう見た……」足を止めて防御したのは
竜胆ジョウカ:「とことんご教授しますよ。学芸員って一応教える職なので」
"風塵王"倫道アカネ:まずは竜胆ジョウカを始末するためだ、と何人が気づいただろうか。倫道アカネは何故か、死蔵王を殺そうとした。
任アルル:“何故”ではなく、“許さない”と考える。
任アルル:その者の攻撃が、死蔵王の攻撃が防御され切るのを待って放たれた。宙にちかちかと瞬く数条の光芒。
任アルル:跳ね散らされたガラス片の反射光めいて儚いそれは、悉く急所を穿つ軌道の刺突、その僅かに知覚可能な名残の軌跡である。
"風塵王"倫道アカネ:その攻撃が、僅かに倫道アカネの首筋を掠めるのと同時
"風塵王"倫道アカネ:鎌じみて湾曲したブレードも、アルルの白磁のような首筋を掠めていた。
"風塵王"倫道アカネ:死蔵王を始末しようとしたのではない。誘いだ。
"風塵王"倫道アカネ:「あはは。やっぱり、いい。アルルくんは飽きないな……」
"風塵王"倫道アカネ:「まだ」
任アルル:最早言葉を返すこともなく、対手と揃って残像の速度の中に消える。
GM:壁面。天井。ソニックブームの破壊とそれ以上の戦闘余波だけが二人の移動軌跡を伝える。
GM:余人が五感で知覚できるのは遥かに遅れた世界でしかない。
GM:そうでなくとも、無限の力で周囲を殲滅し続ける大型星徒が跋扈する戦場なのだ。
GM:紛れもなく最大の脅威でありながら、認知から外さざるを得ない状況にある。それが可能な者がいるとすれば
GM:同等の達人だろうか。
籟ミズキ:果たして、無遠慮に踏み込んだ女がいる。死域を縫い脚を運び胴を四肢を捻り、だが一切の重心のぶれがない。
籟ミズキ:移動も先避けも、とりたてて速い動きでないことがかえって功夫の卓越を感じさせる。
籟ミズキ:──そして。
籟ミズキ:天然自然の流れに身を任せるような挙措より、突如として二丁拳銃の引鉄が引かれる。
籟ミズキ:「参ります!」
籟ミズキ:弾丸は本命。だが銃口より発した魔風による姿勢制御もまた本命。
籟ミズキ:特注の旋棍を振りかざし、竜巻のごとく殴る! 殴る! 殴る! 無数のマズルフラッシュが瞬く!
籟ミズキ:手練れ同士の超至近戦において銃口はもはや武器の用を成しておらず、射撃の反動が慣性制御と緊急回避に使用されるのみ。
籟ミズキ:必殺の間合いを髪一本でずらし合う刹那の重なりの果て。
"風塵王"倫道アカネ:「おっ!」
"風塵王"倫道アカネ:「あははは!何か来た!」
"風塵王"倫道アカネ:「面白!」
任アルル:「ミズキ……!」歓迎している声音ではない。
籟ミズキ:隣から聞こえたのは──不満の声だろうか。『いいですよね。誘ってくださったんですから』と言わんばかりに悪びれない。否、戦いへの集中が、他のすべてを遮断している。
"風塵王"倫道アカネ:任アルルと籟ミズキ。ノヴァリス最強の五星君二名の攻撃を同時に浴びせられながら笑う。
"風塵王"倫道アカネ:絶速の両者に挟まれたために、倫道アカネの相対速度はその時、大きく下がった。大きく……常人の目にも映る程度に。
天沼チギリ:アカネが足を止めた瞬間。
天沼チギリ:”大介錯”の刃─もはやアカネによって正体の暴かれたそれ─致命の鉱毒が襲い掛かる。
天沼チギリ:誰しも空気は吸う。空気は流れる。
"風塵王"倫道アカネ:「あ」
天沼チギリ:アカネの速度がいかに速かろうと、その通り道に空の刃を置けばいい。
"風塵王"倫道アカネ:「まいったな……」ふらり、と戦闘機動がよろめく。
天沼チギリ:「介錯、いたします。」
"風塵王"倫道アカネ:「周りを見ろって、説教」
"風塵王"倫道アカネ:「したばかり」
籟ミズキ:「荒天八卦」
籟ミズキ:双銃を手放す。同時にマガジンが吐き出される。これまでの銃撃で荒れ狂っていた衝撃風がにわかに収束する。
籟ミズキ:六十四の仕掛け、八の分岐。その選択肢の中から直感で択び取った致命の龍爪に、
籟ミズキ:「四千九十六掌」
籟ミズキ:七つの風の刃が追随し、ミズキ本体と合わせて八方より襲いかかる!
"風塵王"倫道アカネ:「なの、に」――ギュン!
"風塵王"倫道アカネ:ブレードではない。手首を使って、
"風塵王"倫道アカネ:ミズキの拳を、アルルの方向へと受け流した。同等の格闘能力を持つ両者を打ち合わせる。
"風塵王"倫道アカネ:そうすれば、アルルも打ち返さざるを得ないことを知っている――彼女がミズキへと嫌悪の感情を表した一瞬を見逃していなかった。
天沼チギリ:「………!?」
籟ミズキ:「おろっ」
任アルル:「──あら」
籟ミズキ:それは、ごく自然な動作だった。軌道を歪められたミズキに追随するように、放たれた風刃の軌道も導かれる。方向を曲げられたとは思えないほど完璧な形で、ミズキの攻撃そのものは成立しているが故に、カオスに散逸しない。
籟ミズキ:致命のはずの包囲に、"風塵王"のすり抜ける隙間が生まれる。
籟ミズキ:「わわっ! 生きて! アルルさん!」
籟ミズキ:それぞれが僅かのラグを伴い、円環八陣の竜爪が降り注いだ。
任アルル:神経を削る絶叫じみた金切り音が生じる。
天沼チギリ:打ち込んだ毒の効力は誰よりもよく知っている。
天沼チギリ:反応速度の鈍化。抑うつ。自律神経の失調。手足のしびれ。やがて多臓器不全と脳不全に陥る。
天沼チギリ:何よりも、オーヴァードに対する毒。衝動の暴走。
天沼チギリ:反応速度と正反対に思考速度を異常に加速させ、オーバーヒートさせるものだ。
天沼チギリ:(その中で──どうやって)
天沼チギリ:打ち込んだ毒の効力は誰よりもよく知っている。”本当に?”
天沼チギリ:もしかしたら──目の前のこの星徒、倫道アカネの方が───
任アルル:一打、それに続く八刃。それぞれが絶死の域にある猛攻を、通常の打撃のように銀槍の柄の半ばで受ける。それができる技巧があり、そうする必要のある技巧だった。
籟ミズキ:「ナイスです! 銃も拾って!」
籟ミズキ:掌を放つに際し放り上げた拳銃の片方をキャッチ!
任アルル:返す刀で刺突を放つ。極めてシンプルな針のような形状をした得物によるそれは、姿と速度の両面で、貫く光芒そのものに比し──
任アルル:地に落ちかかった銃を、そこから放たれる弾丸の速度で持ち主へと打ち返す。
籟ミズキ:「謝謝小姐!」
任アルル:「真是的」
任アルル:「でも許します。頭が冷えました」
GM:五星君と五星君は、打ち合うしかなかった。そうして互いが互いの攻撃を凌がなければ、どちらかが絶命することを理解していた。
"風塵王"倫道アカネ:その最中――それまでほぼ接地すらしていなかったアカネが、着地する。
"風塵王"倫道アカネ:致死毒で弱体化した数呼吸を凌ぐための着地。
"風塵王"倫道アカネ:ミズキとアルルをぶつけ合わせることで、その数呼吸を作り出した。
"風塵王"倫道アカネ:「……今は」ポツリと呟く。
"風塵王"倫道アカネ:「勘弁してほしいんだけどなぁー」
オリーヴ・ウェールズ:───その頭上から、光が如き剛拳が落ちた。
"風塵王"倫道アカネ:――ヂ ッ!!!!
"風塵王"倫道アカネ:鏡像じみて異常な反応速度を見せた倫道アカネの斬撃は、
"風塵王"倫道アカネ:しかし、墜落する光に『押された』。
"風塵王"倫道アカネ:コマのように回転して、地面を抉りながら数歩分後退する。
天沼チギリ:(あの反応速度…信じられない。)
天沼チギリ:(もう毒が抜けてる。)
"風塵王"倫道アカネ:実際には、天沼チギリの毒は抜けていない。数呼吸を確保できていない。
"風塵王"倫道アカネ:それでもなお、そう錯覚させるに足る、絶大な身体能力と技がある。
オリーヴ・ウェールズ:その間隙を一切見逃すことは無い。後退した分を刹那の間に詰め切り、拳を、蹴りを重ねていく。
"風塵王"倫道アカネ:「ははは、あははは」
オリーヴ・ウェールズ:(隙を与えたら───終わり!)
"風塵王"倫道アカネ:畳み掛けられる拳と蹴りに、ひたすら光閃を合わせ、後退で破壊的な威力を殺し、押し込まれ続ける。
"風塵王"倫道アカネ:「立派だよ」
オリーヴ・ウェールズ:熾天の光纏う連撃。一撃一撃が必殺。それを───
オリーヴ・ウェールズ:(流して殺しますか!なんという超絶、なんという技巧……!)
"風塵王"倫道アカネ:「光の速度を越える。光速にそうやって対処しようとした連中は――」
"風塵王"倫道アカネ:バチッ!
"風塵王"倫道アカネ:右腕が弾かれるが、その勢いで上下逆転し、右足のブレードで次の拳を受けている。
"風塵王"倫道アカネ:「もっと、寿命が短かった」
"風塵王"倫道アカネ:「新記録じゃない?」
オリーヴ・ウェールズ:連続の秘技の、能力の限界を越えた応酬に、身体が罅割れる。光が漏れる。
オリーヴ・ウェールズ:聖剣の光を動力にした、神話級。極限の身体・能力駆動。
オリーヴ・ウェールズ:『――死ぬよ、それ』
オリーヴ・ウェールズ:分かっている。そんなもの、長く続く筈がない。
オリーヴ・ウェールズ:しかし、その間であるのならば、彼女を"必ず"留めることが出来る。
オリーヴ・ウェールズ:一人で戦っているのではない、背後には無数の味方が控えている。ならば、私の役割は繋ぐことだ。
"風塵王"倫道アカネ:こちらも、無駄口をもはや叩かない。丁寧に、観察して、オリーヴの攻撃を一撃ずつ捌き続ける。
オリーヴ・ウェールズ:如何なる武、如何なる技巧、如何なる超常、如何なる"無限"。
オリーヴ・ウェールズ:「恐れるに足らず───!」
オリーヴ・ウェールズ:光のブレードを"握り込む"。無理矢理に接近する。
"風塵王"倫道アカネ:ブレードを解いて腕を抜く、ことはしない。自分がそうすることを読んでの捨て身だと分かっているからだ。
"風塵王"倫道アカネ:「そういう覚悟は」
"風塵王"倫道アカネ:――ギャル!!!
"風塵王"倫道アカネ:もう片方のブレードが、螺旋状の回転とともにオリーヴへと叩き込まれる。
"風塵王"倫道アカネ:「好きだよ」
オリーヴ・ウェールズ:にやり、と。口角が吊り上がる。
オリーヴ・ウェールズ:身体を超駆動で腕と腕の間に滑り込ませ、背を向けて。
オリーヴ・ウェールズ:「で、やあああああああああぁぁぁぁ…………!!!!!!」
オリーヴ・ウェールズ:その片腕を全膂力で背負い、彼女の細身を地へと投げつける。巨大な衝突音と共に、大地が大きく砕け散る。
"風塵王"倫道アカネ:ザザザザザザザザザザザ!!!
"風塵王"倫道アカネ:投げつける間、オリーヴの腹部を螺旋状のブレードが抉り続けたが――
"風塵王"倫道アカネ:貫通に至るよりも、アカネが大地に叩きつけられる方が早い。
"風塵王"倫道アカネ:「こほっ」
"風塵王"倫道アカネ:「あはは……やる……」
"風塵王"倫道アカネ:ゆらりと立ち上がる。
"風塵王"倫道アカネ:目の前のオリーヴに対してなのか、これまでずっと意識していたアルルに対してなのか。
"風塵王"倫道アカネ:あるいは、この状況を目に見えぬ刃で導いたチギリに対してなのか。
オリーヴ・ウェールズ:「っ……」削られた身体を、莫大な太陽錬金が補修する。それでも限界が近い事は、誰よりも……目の前の倫道アカネよりも、まず自らが自覚している。
GM:――近接戦闘最強格の者達が鎬を削り続ける中。
GM:残る者も死力を尽くして星徒への対処を続けている。
GM:そうしなければならない。触手の一本、影の一つ、ミサイルの一基、槍の一本でも撃ち漏らせば、人が死に、あるいはキングダムが滅びるかもしれない。
ジェシカ・クロフォード:それは、信じられない光景だった。
ジェシカ・クロフォード:たった一人の星徒がキングダム…否、ノヴァリスでも最強格の戦闘巧者達と互角に戦っている。
ジェシカ・クロフォード:いや、違う。押されているのだ。円卓が、五星君が、他を圧するの武力を誇る生徒達が束になってかかっているにもかかわらず。そして星徒は尚、控えている。
ジェシカ・クロフォード:絶望的な状況。それでも、なお…
ジェシカ・クロフォード:(見えてきた)
ジェシカ・クロフォード:恐らく、"元老"が"破剣階乗"を放った時点から"騎士王”と共有していた絵図の一つ。
ジェシカ・クロフォード:彼女らが描いた、多くの傷を負い、無数の力を使い果たし、それでもなお最も最善に近いであろう決着の姿。
ジェシカ・クロフォード:それが朧気ながら不夜王にも理解出来た。恐らくそれが実現に近づきつつあることも。
ジェシカ・クロフォード:(だが、まだ足りない。それを為すにはあといくつの細い綱を渡り切ればいい)
ジェシカ・クロフォード:戦場に転がる石くれを拾い、それに向かい小さく言葉をつぶやく。
ジェシカ・クロフォード:(私にできることは)
ジェシカ・クロフォード:同時にジェシカの袖から頭の無い蛇を象った入れ墨が離れ、石に取り付く。
ジェシカ・クロフォード:(備えることだけか)
ジェシカ・クロフォード:それは一瞬のちに黒い影となり星徒に砕かれた影らと同じくジェシカの傍に侍った。
ジェシカ・クロフォード:(私が狙うべきは一瞬の交差。それを、逃がさない)
ジェシカ・クロフォード:垣間見えた、任アルルと籟ミズキの撃ち合い。それを詳細にイメージしながら、戦場を俯瞰する。
"風塵王"倫道アカネ:天沼チギリに刻まれた毒は抜けた。それだけの時間が既に経過してしまった。
"風塵王"倫道アカネ:だが、逆に言えばそれは、それだけの時間を鉄騎王が抑え込み続けたということでもあり――
"風塵王"倫道アカネ:今や、毒よりも明らかなダメージが、倫道アカネの身体に刻まれている。最速の戦闘機動に移るまで、二拍ほどの遅れがあった。
ウルスラ・ミック・ベニ:その周囲に散乱した、法廷瓦礫の全てから。
ウルスラ・ミック・ベニ:槍が伸びる。影と同じ、光と同じ速度。
ウルスラ・ミック・ベニ:倫道アカネ目掛けて直線的に、あるいは空域を制圧するように迂回して、または無秩序無作為出鱈目に。
"風塵王"倫道アカネ:「……」
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ~~……」
ウルスラ・ミック・ベニ:その全てが樹上に、いやもっと無秩序に分岐する。
"風塵王"倫道アカネ:とん、とん、と跳ねるように、同じく無作為に見えるステップを踏む。
"風塵王"倫道アカネ:だがそれは、無秩序のパターンを理解した上での回避行動だ。
"風塵王"倫道アカネ:「ランダムなら当たるだろう――は、10年くらい前に飽きてるんだけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごめんなさい」
ウルスラ・ミック・ベニ:遠方。砕け散った影絵の廃墟にて、血の涙を流しながら赤黒く染まった少女が囁く。
"風塵王"倫道アカネ:「勘弁してよ~。だいぶボロボロじゃん」
"風塵王"倫道アカネ:「大丈夫?離れてたほうがいいよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:法廷が持つ最重要の役割は、ウルスラ自身のレネゲイド散布。敵味方の情報収集。
ウルスラ・ミック・ベニ:(チギリちゃんにはああ言ったけど、こうして縁が合ったら、ね)
ウルスラ・ミック・ベニ:セベクネフェルⅧ、倫道アカネ、ララゴ・フォーモアナ、コンスタンツェ・レーヴ、弓木ヒロ、マーガレット・T・ファインズ。
ウルスラ・ミック・ベニ:その死後に触れている。その生前を詠んでいる。まだまだこれからだったのに、輝き半ばに流れた星を拾い集めている。
ウルスラ・ミック・ベニ:法廷再構築の負荷と相俟って、ありとあらゆる箇所から噴血。攻撃を受ける以前から死に体だった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ぉ、ごぇっ……そういえば、死ぬ時ってどんな気持ちだったんですかね、アカネ先輩」
"風塵王"倫道アカネ:「あはは」
"風塵王"倫道アカネ:「どんな気持ちだったと思う?」
"風塵王"倫道アカネ:「死ぬ前は、いつか知りたくて知りたくて仕方なかった。本気だったよ」
"風塵王"倫道アカネ:「今はねえ」
"風塵王"倫道アカネ:「教えてあげられるようになった。好きなだけ。誰にだって」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そういうの……昔は嫌ってたけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「やっぱ、死ねば変わるものですか」
ウルスラ・ミック・ベニ:人差し指と中指を合わせた先に、鉄砂の矢印を摘み取る。
ウルスラ・ミック・ベニ:倫道アカネの知る勇者の徴には、記されていなかったちっぽけな鏃。
GM:倫道アカネが用いる勇者の徴は、なぜ砂だったのか。
GM:――この王鍵が編む勇者の武装は、常に、死んでいった勇者達の遺灰から咲く花だからだ。
GM:この王鍵を遺灰のまま用いるのは、倫道アカネのように武装を生成する必要すらない天才か。あるいは。
GM:花を咲かせることもできないほど、絶望的に適性を持たなかった者。
ウルスラ・ミック・ベニ:「八代継承者、伊次リクスの誓いの矢」
ウルスラ・ミック・ベニ:託された言葉を、想いを必ず伝えるという誓約に基づいて、たった今編み出した力。
ウルスラ・ミック・ベニ:彼女は今なお生きている。ならば何者の死から咲いたのか。
ウルスラ・ミック・ベニ:砕けて散った瓦礫法廷から、啜っていたのは死者の記憶だけではない。
ウルスラ・ミック・ベニ:アーナンツ竜霊廟の墓守が受け継ぐ遺産の機能は三つ。圧縮、封入、解放。
ウルスラ・ミック・ベニ:乱戦で散らばった流星体を喰らい、放ち、回収し続けている。
ウルスラ・ミック・ベニ:無意識と結びついて幻獣を産み出す星珊胚は、死者の記憶を保存する勇者の徴と同様に最高の触媒である。
ウルスラ・ミック・ベニ:イグアノドンに角は無いし、アノマロカリスは空を飛ばない。
ウルスラ・ミック・ベニ:アーナンツの化石竜たちは皆一様に、本来の在り方から捻じ曲がっている。
ウルスラ・ミック・ベニ:地層から暴き出した骸に、幻想を塗りたくりながら成形し、かく在ったのだろうと愚直に信仰するからだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「これは生ける勇者伊次リクスと、死せる四人の星徒と、貴女への手向け」
"風塵王"倫道アカネ:興味すら抱いていないようだが、それでもまだ、ウルスラを放置して他の者に挑みにいっていない。
ウルスラ・ミック・ベニ:無限のリソースと、ありったけの想いを籠めた、ただ指向性を与えるだけの代物。
ウルスラ・ミック・ベニ:「生と死を繋ぐ、絆の弔花」
ウルスラ・ミック・ベニ:六代継承者、風塵王倫道アカネの天耳天眼。過去に一度も手を出すことのなかった力を以て。
ウルスラ・ミック・ベニ:狙い定めて、放つ。必ず届けると誓った、必中の矢。
ウルスラ・ミック・ベニ:コンスタンツェのミサイルのように際限なく、ヒロの再生のように無秩序に、ララゴの槍のように軌道を変えず、マーガレットの雛のように至る所から。
ウルスラ・ミック・ベニ:幾つも、幾つも幾つも幾つも幾つも幾つも幾つも幾つもウルスラが試行したその数限りなく。その全てが手仕込み。
ウルスラ・ミック・ベニ:倫道アカネについて知り得る全てを込めた、夢幻の軌跡が飽和して広がるのと全く同時に通過し終える。
GM:積年の想いと、因縁と、絆と、夢。
GM:倫道アカネの最後を飾るに相応しい攻撃があるとしたら、この時をおいて他になかっただろう。
GM:全方位から殺到した矢は、全てが一瞬の出来事だったが、まるで逆回しにしぼむ花のようでもあって――
"風塵王"倫道アカネ:「法廷を使った環境操作。いや、環境解読……」
"風塵王"倫道アカネ:声は、ウルスラの背後から聞こえた。
"風塵王"倫道アカネ:「それで因子を拾ったんだ?ウルスラらしいね」
GM:直撃したはずだ。無尽蔵の矢は確かに倫道アカネを通過していた。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ?避けられない攻撃を頑張るのはいいけど……」肩に手を置く。
"風塵王"倫道アカネ:「自分が狙えているかは、ちゃんと確かめないと駄目だよ」
GM:倫道アカネの最後を飾るに相応しい攻撃があるとしたら、この時をおいて他になかっただろう。
GM:だが、必殺の攻撃に誤算があったとしたら。
GM:倫道アカネが、幻影を作り出すことすら可能な、極めて精密なエンジェルハィロゥであり。
GM:彼女が勇者の徴から引き出した演算能力は、死亡した時点の、生徒の倫道アカネであり、
GM:そこから先、超高侵蝕ジャームとして死後成長した倫道アカネには
GM:理論的に、到達し得なかったということだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:(変わったのに、相変わらずだよな!先輩はさ!)己が出した結果は漏らさず見えている。
ウルスラ・ミック・ベニ:その程度は、生前の倫道アカネの演算能力でも十分。
"風塵王"倫道アカネ:――グシャ!!!
"風塵王"倫道アカネ:そのまま、ウルスラを地面に叩きつける。この程度はまだ、殺意ある攻撃ですらない。
"風塵王"倫道アカネ:既に次の脅威へと意識を向けている。ウルスラの想いを殺意に偏光させた攻撃は今――
天沼チギリ:「え───」
天沼チギリ:ウルスラが決めた、と思っていた。
天沼チギリ:その油断と言うには短すぎる間隙の代償が、
天沼チギリ:今、天沼チギリに襲い掛かる。
オリーヴ・ウェールズ:……鎧纏う天使の王が風塵王と戦闘を行った傍らで、白き羽が地上に幾つも落ちている。
オリーヴ・ウェールズ:或いは、その総てが聖なる触媒。能力を使用するための力場。
オリーヴ・ウェールズ:自らの熱量を昇華し、全霊で"奇跡"を祈り、それは直ちに行使される。
"風塵王"倫道アカネ:「あーあ……アルルくんか、あの小さい子ならよかったけど」
"風塵王"倫道アカネ:ぼやく。無限の触手。あるいは無限の槍。どれかを守るために手を尽くしているのだろう。人間の手は二本しかない。
"風塵王"倫道アカネ:「死ぬほうが来ちゃったな」
オリーヴ・ウェールズ:天沼チギリに襲い掛かったそれは、確かに彼女の身体を貫いて、しかし"何一つ影響も与えずに"、嵐は通り過ぎた。
天沼チギリ:「………!」
天沼チギリ:嵐が通り過ぎた後、どっと汗が噴き出す。
天沼チギリ:「お手数、おかけしました。鉄騎王。」
"風塵王"倫道アカネ:「わかったわかった。君も来なよ」ひらひらと手を振る。
"風塵王"倫道アカネ:ウルスラの攻撃をわざわざ天沼チギリへと逸らしてみせたのは、先ほどと同じ誘いだ。
"風塵王"倫道アカネ:これに対応できるレベルの誰かが割って入ることを理解していた。
ウルスラ・ミック・ベニ:「お、りぃぶ……!」ぐしゃりと地べたに敷かれた血染めの絨毯が、無数の感情を込め名を呼んで。
ウルスラ・ミック・ベニ:無数の矢は【ごめんなさい】とだけ囁いて。あぶくのように消え去った。
"風塵王"倫道アカネ:「賞味期限が切れるまでくらいは」
"風塵王"倫道アカネ:「遊んであげたっていい――」
オリーヴ・ウェールズ:「…………は っ」
オリーヴ・ウェールズ:踏み出す脚に力が入らない。目が霞む。息が荒い。今の能力行使で殆どを使い切り、残り火がちらつくのみ。
オリーヴ・ウェールズ:(……諦めるな)
オリーヴ・ウェールズ:(まだ)
オリーヴ・ウェールズ:(まだ)
オリーヴ・ウェールズ:(あの子と、話し合っていた時と、比べれば…………!!)
オリーヴ・ウェールズ:目の前で正面から撃ち合ってくれる彼女は、如何に容易いか。
オリーヴ・ウェールズ:倫道アカネは、真正面に居る。拳と刃が交錯し、確かに語り合って来た。
オリーヴ・ウェールズ:それが彼女との一番の関り方だと理解したからだ。
オリーヴ・ウェールズ:彼女の性質を知り、読み、そして───
オリーヴ・ウェールズ:「モーセ、様、御力を……!」
オリーヴ・ウェールズ:分が悪い事を理解したうえで、それでも───此処に、最後の攻勢に出る。
オリーヴ・ウェールズ:神聖二重冠が極光を湛える。残り火を焼き尽くし、彼女の下に進むだけの力を与える。
"風塵王"倫道アカネ:今、倫道アカネは天沼チギリの毒を受けていない。対するオリーヴは全力稼働の限界をとうに超えている。
オリーヴ・ウェールズ:拳を、構えた。その瞬間。
"風塵王"倫道アカネ:光の速度でブレードが照射され、寸前で消え、視界外からフェイントを織り交ぜた蹴りが顔を割ろうとする。
オリーヴ・ウェールズ:空間が"未だ来ていない"、"これから来たる衝撃"に打ち震える。
"風塵王"倫道アカネ:空気が前触れもなく爆発する。光エネルギーによる分子分解と着火。
オリーヴ・ウェールズ:本能的に、この場に存在する誰ですらも、今まさに攻撃を行う倫道アカネすらも。
"風塵王"倫道アカネ:渦。これまでの攻撃の軌道で空気を引きずり込む渦を作り出している。
オリーヴ・ウェールズ:単純な技巧であれば受けることも、避ける事も叶わないと理解する。
オリーヴ・ウェールズ:無限の力を度外視するのであれば、恐らくはこの場で最大の能力行使。
オリーヴ・ウェールズ:一万二千の破壊天使を統率する大天使。それを撲殺した聖人の"攻め"の技巧。
オリーヴ・ウェールズ:必殺───どころの話ではない。
"風塵王"倫道アカネ:「遅」
"風塵王"倫道アカネ:「すぎ」
オリーヴ・ウェールズ:踏み込み、地を砕いて。放たれた"必滅"の拳が、渦ごとその全てを直線に破砕する。
GM:構えて、撃つ。
GM:その単純な動きを完遂する間に
GM:オリーヴ・ウェールズは数百回に及ぶ斬撃を受けた。だが、それと引き換えに……
GM:最大の一撃を放った。無敵の、概念破壊の一撃を。
GM:攻め続けていた倫道アカネは回避もできない。そして攻撃の性質上、防御もできない。
GM:当たった者は『絶命』する。オリーヴ・ウェールズほどの人間が、神聖二重冠を以てしてようやく手が届く奇跡だった。
"風塵王"倫道アカネ:「寿命が少ない子は……」
"風塵王"倫道アカネ:破壊の粉塵の中から、声が響く。
"風塵王"倫道アカネ:「すぐ一発逆転しようとする」
"風塵王"倫道アカネ:「そういうのは、飽きちゃった。飽きすぎ……」
"風塵王"倫道アカネ:防御不能。命中させた者を、必ず絶命させる一撃は
"風塵王"倫道アカネ:「勝つっていうのは」
"風塵王"倫道アカネ:――べシャリ!
"風塵王"倫道アカネ:巨大な肉片を投げ捨てている。
"風塵王"倫道アカネ:無限の触手。星徒ヒロの断片だった。
"風塵王"倫道アカネ:それは『絶命』した。間違いなく。
"風塵王"倫道アカネ:「いっこずつ」
"風塵王"倫道アカネ:「しっかりと」
"風塵王"倫道アカネ:「努力を」
"風塵王"倫道アカネ:「積み重ねないと」
"風塵王"倫道アカネ:「駄目なんだよ」
オリーヴ・ウェールズ:「っ、ぁ…………」身体の力が尽き、天の羽が維持し切れずに砕け消える。
オリーヴ・ウェールズ:地に伏せ、四肢は既に指先一つも動かせる状態ではない。
オリーヴ・ウェールズ:或いは、後少しの時間があれば。動けるだけの体力を回復する術があるのかもしれないが。
オリーヴ・ウェールズ:そして、彼女がそれを与える程悠長ではないと知っている───私がまだ、彼女の興味の内であったならばの話だが。
"風塵王"倫道アカネ:「272秒」
"風塵王"倫道アカネ:「今まで見てきた一番長い子の6倍くらいあるよ!新記録!」
"風塵王"倫道アカネ:「最後さえ……あれじゃなきゃな……」踵を返して、別の標的へと狙いを定めようとする。
任アルル:──“一人で勝てなきゃ満足できない”。
任アルル:認めてもいい。半分だけ。
任アルル:正しくはこうだ。一人であろうと何人でであろうと、いつ何時どんな状況でも、勝てなければ満足できない。
任アルル:“プライドが高くて嫉妬深い”。そちらは完璧に合っている。今更なことだ。むしろそう在らずして至強を志せるのだろうか?
任アルル:だから、屈辱の言葉も、してやられたことも、何が何でも絶対に、やり返してやらなければ気が済まない。
任アルル:「“一人で勝とうとしてたら裏をかかれる”?」
任アルル:「真无聊」
任アルル:それは突然だった。大鴉の星徒が苦しみ出す。はるか上空の本体のその様を、地上に投げかけられた影もまた映じる。否。
任アルル:因果が逆だ。影に齎された影響によって本体がそうなっている。
任アルル:べりりりりり、と音がする。致命的ななにかが引き剥がされていく音。黒羽を散らすようにして、影たるマーガレットの体が末端から崩壊し、白銀の槍に吸い込まれていく。
任アルル:「影を介して力を振るうのなら、その逆もされ得るのが道理というもの。マスターオーダーの影を借りた経験があってよかった」
任アルル:「そして、一つ学んでいくといいでしょう。崑崙山の生徒を戦い合わせたりしたら、何が起こるのか」
星徒マーガレット:それは、魔術師から見ても異常な因果だった。
星徒マーガレット:影を実体として扱う技と、実体と照応させる術が極めて高いレベルで融合しなければ
星徒マーガレット:このような現象は起こらない。星徒マーガレットの身体がほとんど二つに裂けて、長い首が垂れ下がった。
任アルル:長大な針じみた“龍脊”を、二色の炎が包み込む。影の漆黒に──木行の翠。先の同士討ちは失着であると同時に、レネゲイドを収奪する好機ともなった。
任アルル:最高の意趣返しには条件がある。
任アルル:相手がしたり顔で言い放ち為して見せたこと全てを否定し、さもなくば、より上手くやってみせること。
任アルル:「力を合わせての戦いというもの」
任アルル:「私なりの、これが回答です」
任アルル:中空に無数の、真空の穴が空く。巻き込んだもの全てを消滅させる円筒形の虚無。消失直径を取り巻いて、大気の切れ端が渦を巻き、ぼ、というくぐもっと音が更に遅れて鳴った。
"風塵王"倫道アカネ:「……」オリーヴ・ウェールズが時間切れになった以上、次に立ちふさがる敵は任アルルだということは、当然、理解していた。
任アルル:武術の技巧は、自身の強みの半分だ。道術の手管がもう半分。正真正銘全霊の一撃を以て、“風塵王”を葬り去らんとする。
"風塵王"倫道アカネ:じっと、赤く丸い瞳でアルルを観察している。ミズキと、マーガレットの力を取り込んだ新たな武器。新たな技。
"風塵王"倫道アカネ:「……………」
"風塵王"倫道アカネ:「なんだか」
"風塵王"倫道アカネ:「飽きそう」
"風塵王"倫道アカネ:――ジッ!!
"風塵王"倫道アカネ:空気がイオン化して、焼ける音があった。アルルにとっては聞き慣れた音だ。
"風塵王"倫道アカネ:だが、倫道アカネはその高速機動によって
"風塵王"倫道アカネ:アルルに立ち向かうのではなく、戦場から遥かに後退した。それが大きな違いだった。
任アルル:「……」ただ目を細める。
任アルル:「私ならそうはしませんね……良くも悪くも」
"風塵王"倫道アカネ:「そう?」
"風塵王"倫道アカネ:距離はひどく離れている。大きく手を振る。
"風塵王"倫道アカネ:「ねえ、任アルル!」
"風塵王"倫道アカネ:「君は」
"風塵王"倫道アカネ:「――18人目よりも『良い』って?」
GM:光が。
GM:任アルルが想像できなかったのも無理はない。倫道アカネが後退したのは、見た目通り、退避のためだった。
GM:彼女はそのようなことをしない。必要がないからだ。通常は。
GM:だが、戦場となった連合司法裁判所は、ウルスラ・ミック・ベニによって密閉された
GM:空の見えない空間であり
GM:そして、倫道アカネは全員と戦いながら
GM:その『光』を集光し続けていた。
GM:誰もの死角となる、屋根の上。空に。
"風塵王"倫道アカネ:「"新月光"」
GM:―――― ジ ア ッ ! !
GM:アルルではない。それ以外の全員を一掃する。そのための技だった。
ジェシカ・クロフォード:「チッ」
ジェシカ・クロフォード:小さく舌打ちをする。出力だけの問題ではない。
ジェシカ・クロフォード:膨大な出力の裏に隠された技巧が単純な威力の収束を許さない。
ジェシカ・クロフォード:そういう攻撃であることを理解した。少なくとも、自分に対応できる技ではない。
ジェシカ・クロフォード:影を向かわせる。それで、たった一人を守る。それだけが今許された選択肢だった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ジェシカ!!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:考えることは相手側も同じだった。
ジェシカ・クロフォード:守るのは誰も構わない。ここにいる誰もが、切り札となる戦力を持っている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:血液の武装化。一人だけを守れるとすれば、ジェシカ・クロフォードを守ろうとした。
ジェシカ・クロフォード:そう思考してたはずなのに、何故か、影は遠く離れたバージニアにへと向かっていた。
ジェシカ・クロフォード:「バージニア…」
ジェシカ・クロフォード:「自惚れるな」
ジェシカ・クロフォード:「私という"王"の下についた時点で」
ジェシカ・クロフォード:「貴様は私に庇護される立場になったのだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「お前のことを」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(誰が守るのだ)光の到達直前、声にならない声を発する。
ジェシカ・クロフォード:従者が砕かれた痛みが本体にフィードバックしていく。そのような経験は初めてだった。
ジェシカ・クロフォード:だが、それを隠す様に不機嫌な表情のまま、バージニアに言葉を吐き捨てた。
オリーヴ・ウェールズ:身体から抜け落ちた聖剣の柄を握る。指先が崩れ落ちる。
オリーヴ・ウェールズ:既に幾つもの傷の果て。稼働限界を越えた肉体を回復もせずに動かした代償に、再生もできずに崩れていく。
オリーヴ・ウェールズ:奥の手は使った。だが"最後の手"は未だ残っている。
オリーヴ・ウェールズ:聖剣の光を最大解放する。単純な威力であれば、月の光を打ち砕くだけの極光を放てる。
オリーヴ・ウェールズ:だが、今の体力で撃つのならば、恐らく待つのは彼女が言うような───死。
オリーヴ・ウェールズ:幽鬼のように半身が立ち上がり、片手で聖剣を構える。
オリーヴ・ウェールズ:しかし、あれを打ち滅ぼせるならば。勝機を見出せるならば。これしかないのならば。……既に私が、これを耐えるだけの力が残っていないのであるならば。
オリーヴ・ウェールズ:「……だれ、か おね がい」血と共に、僅かに言葉と認識できる音が零れる。
オリーヴ・ウェールズ:「……みんな を、たすけて あげて」それだけ言って、小さく剣を振りかぶった。
有崎五派:全てを焼き尽くさんばかりの光の奔流。そこに──影が差す。
有崎五派:この戦場において、生徒に優先順位を付ける事は不可能だった。誰もが生徒であり、守るべき子供で。
有崎五派:オリーヴの前に走り出してしまったのは、ただ──伸ばした手がギリギリ届く範囲だったからだ。
有崎五派:確実な死の予感を前に、有崎の脳内に場違いかつ小さな気付きが生まれる。
有崎五派:"誰かを死なせる覚悟も、自分が死ぬ覚悟もしてきていない"
有崎五派:確かに、そう言った。
有崎五派:けど。
有崎五派:(ああ、しまったな──)
有崎五派:(私、死ぬのに覚悟とか別に要らないんじゃん)
有崎五派:覚悟をする強さすら持ち合わせない、考え無しの投げやりな愚行。
有崎五派:私は、自分が思っているよりもずっと弱くて。ずっとバカだった。
有崎五派:襲い来る痛みの想像すらできず、出来るだけ大きく腕を広げて目を瞑る。せめて、壁の役割くらいは全うできるように。
オリーヴ・ウェールズ:「……ぁ」
オリーヴ・ウェールズ:目の前に躍り出た姿に、剣を振る手が止まった。
オリーヴ・ウェールズ:「せ ん、ぁ、 あ───」
オリーヴ・ウェールズ:その時点で、助けて欲しい"みんな"の中に自分を入れていなかったことを、自覚した。自らの心が発する、救いの声を。
オリーヴ・ウェールズ:そして、そんな私を助けようと躍り出た姿に、目を奪われて。動けない。
竜胆ジョウカ:「――鉄騎王、何もう死ぬーって顔してんですか」
竜胆ジョウカ:そして。
竜胆ジョウカ:「先生もですよ。バカやるのは子供って相場が決まってんのにヤンチャしちゃってまあ」
竜胆ジョウカ:「――"肉体滅びるとも、神は不滅なれば"」
有崎五派:「じょ、うか……ちゃん?」
竜胆ジョウカ:「"神造躯体たれ"」
竜胆ジョウカ:詠唱は僅か。刹那、光は大きく逸れ。
ウルスラ・ミック・ベニ:影の宮にずるずる赤黒の痕を引きながら、這い進む動きが止まる。
ウルスラ・ミック・ベニ:もう自分がオリーヴを止める必要はないと分かり、力を抜く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「せんせ……つれてき から、な」
ウルスラ・ミック・ベニ:肉体の損傷はよほど軽微な方だ。だが死者の記憶を際限なく読み続けて。
ウルスラ・ミック・ベニ:今なお情報を蓄積し続けている精神は、無駄に元気ないつもと違ってすっかり摩耗しきっている。
ウルスラ・ミック・ベニ:必中を誓った矢を外した。友を射った。その代償は今のウルスラが背負うには重すぎた。
ウルスラ・ミック・ベニ:「けど、ごはせん……いるから」
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクの役割はそこで終わっていたのかもしれない。
ウルスラ・ミック・ベニ:もう諦めても、いいのかもしれない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「せんぱいにも、とどかなかったしな」
リンダ・L・ワインライダー:「――ウルスラ・ミック・ベニ」
リンダ・L・ワインライダー:片膝を突いて、ウルスラの傍らに屈んでいる。
リンダ・L・ワインライダー:「何をメソメソしている」
リンダ・L・ワインライダー:「いいか。すぐに攻撃が来る。すぐにだ。対ショック耐性を取れ」
ウルスラ・ミック・ベニ:どろりと見上げる視線。死臭が漂っている。そのことにウルスラだけが気付かない。
リンダ・L・ワインライダー:「いいか!ウルスラ・ミック・ベニ!」力強く手を握り、長いコートでウルスラの体を覆う。
リンダ・L・ワインライダー:「戦技で負ける程度のことなど」
リンダ・L・ワインライダー:「大したことではない!まったくもって、大したことではないぞ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「リン、あぅ」常の溌剌さの欠片もなく、気だるげに寄りかかる。
リンダ・L・ワインライダー:「おれは今ここに立つまで、何度も敗北を経験してきた!貴様だって同じはずだ!」
リンダ・L・ワインライダー:「だがな!」
リンダ・L・ワインライダー:小さな体で覆いかぶさるように、光から守る。
リンダ・L・ワインライダー:「敗北こそが友情だ!それは、死ぬことではない!」
リンダ・L・ワインライダー:「おまえはおれが守ってみせる!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……あっ」
ウルスラ・ミック・ベニ:法廷瓦礫の最も重要な役割は、ウルスラ自身のレネゲイド散布。敵味方の情報収集。
ウルスラ・ミック・ベニ:未だに味方の情報収集をし続けている理由をふと思い出した。
ウルスラ・ミック・ベニ:リンダらと共にキングダムへ侵攻した時、立ち塞がった王たち。
ウルスラ・ミック・ベニ:今宵は轡を並べて戦う彼女たち、その全てがノヴァリス最高峰の遺産使い。
ウルスラ・ミック・ベニ:彼らの闘いを、その覇鍵解錠を、あらゆる亜種活用法を、盗み取ること。
ウルスラ・ミック・ベニ:先輩から、後輩から、勇者たちから受け継いだ。戦友と共に勝ち取ったこの勇者の徴に。
ウルスラ・ミック・ベニ:もっと相応しくなるために、未だに読み取り続けていることを。思い出した。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……ね、リンダ。約束をしようか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「するほど強くなるって、まだまだ全然諦められないって、判ったからさ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「この戦いが終わったら、キミが会った星徒……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……友達の話、ボクに聞かせてよ」
リンダ・L・ワインライダー:「もちろんだ」ニッと笑う。顔は見えないが、体の上でそうした事がわかった。
リンダ・L・ワインライダー:明るすぎる光が。月光の熱が降り注ぐ。
ウルスラ・ミック・ベニ:幸せそうな満面の笑み、マント越しに照らされて。
ウルスラ・ミック・ベニ:太陽のように明るいまま、光の中に溶けていった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ただ無駄を排した動きで愚直に繰り出す。燃え盛る、全霊の槍と炎の壁を。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そこに計算があるようには見えない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(──例えば)
ルナンシア・ラダ・ランパート:例えば王鍵に。
ルナンシア・ラダ・ランパート:例えば遺産に。
ルナンシア・ラダ・ランパート:友に。王国に。守るべきと決めた生徒たちに。
ルナンシア・ラダ・ランパート:かの雨月夜シオンが背を押す二重冠にかもしれない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:望んだ何かに相応しくあろうとすることこそが真に己を定義づける。
ルナンシア・ラダ・ランパート:私も。倒された騎士も王たちも。この場にいる者たちも。
ルナンシア・ラダ・ランパート:おまえより明らかに弱い者たちがおまえに立ち向かったのは、ずるをすれば勝てると、近道をすれば勝てると思っていたからじゃない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それが理解できないことだけが、おまえの陷阱だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:あらゆる手管を捌き切ってしまうが故に、勝算未満の無数の攻撃を束ねた末の本物の乾坤一擲を見つけ出すことができない。
"風塵王"倫道アカネ:"新月光"の照射を経て、倫道アカネは全ての生徒の絶命を確信したか――
"風塵王"倫道アカネ:無論、そうではない。戦闘のレベルが高みに至るほど、幻想でしか一撃必殺は起こり得ない。
"風塵王"倫道アカネ:"新月光"は絶対滅殺の光であると同時に、常軌を逸して強大な目眩ましでもある。
"風塵王"倫道アカネ:技の発動と同時に、高速機動に入っていた。この瞬間に狙うのは、任アルルではない。
"風塵王"倫道アカネ:「――19人目」
"風塵王"倫道アカネ:着弾と同時に、倫道アカネは、その標的の背後に立っていた。
"風塵王"倫道アカネ:眩い光の中で、籟ミズキの首を切断する。
籟ミズキ:その機を確かに見た。
籟ミズキ:最強の存在が振るう最大最高の技。常に突きつけられてきた。乗り越える以外前に進む道はなかった。
籟ミズキ:「よき兵器、不祥の器なり」
籟ミズキ:そういう学区だ、ミズキたち五星君の育った、崑崙山は。
ルナンシア・ラダ・ランパート:と。知っている。様々な学区のことを調べたからだ。理事会を打ち倒し、それでもキングダムが変わり切らなかったあの日から。様々な学区の理事会のあり方と変化の様子について。
籟ミズキ:一つは風──
籟ミズキ:「絶招式」
籟ミズキ:崑崙一、二を争う化勁の達人が、剄をその身に宿す龍の螺旋に取り込み受け流している。
籟ミズキ:嵐の化身にのみ許された一度きりの絶技である。
籟ミズキ:最速最短必殺の縦拳。一方の銃口から飛び出した極光を噴射炎のように背負い、天地を逆にもう一方の引鉄を引く。
籟ミズキ:「双雷震極」
籟ミズキ:──そして一つは、炎。
竜胆ジョウカ:「"ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し"」
竜胆ジョウカ:攻撃がねじ曲がり、彼女の身体の方向が変わる。
竜胆ジョウカ:(あー、うん。この顔アレですね)
竜胆ジョウカ:ゾーンというやつか、加速した体感時間で星徒を見る。
竜胆ジョウカ:(こりゃカウンター狙いってこと、バレてるなうん)
ルナンシア・ラダ・ランパート:(だとしても)
ルナンシア・ラダ・ランパート:二つが同時に起こる。技を繰り出す両者ともにその了解はない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ここまでの絵図を一切の表に出さないことができることも、数少ない取り柄だった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:だから──通るとすれば、ここしかない。
"風塵王"倫道アカネ:それでも、ミズキの縦拳は
"風塵王"倫道アカネ:当たらなかった。この限定された状況下で、背後に放つことが可能な受け技の動作は
"風塵王"倫道アカネ:自ずと限定されることを理解していた。
"風塵王"倫道アカネ:それはもはや、絶望的な反応速度と言えた。
"風塵王"倫道アカネ:だが。
"風塵王"倫道アカネ:「ああ、失敗した――」
"風塵王"倫道アカネ:初めて、倫道アカネが溜息を付いた。
"風塵王"倫道アカネ:竜胆ジョウカの術式によって、わずかに遅れていた月光の熱量が着弾する。
"風塵王"倫道アカネ:それは倫道アカネに降り注いだものが屈折した分の熱量も含めて
"風塵王"倫道アカネ:上と、有崎五派と、倫道アカネからの三方向から、"死蔵王"を焼却した。
"風塵王"倫道アカネ:「こっちが」
"風塵王"倫道アカネ:「……19人目になっちゃったな」
竜胆ジョウカ:そして死蔵王は。
竜胆ジョウカ:誰もがカウンターを放つ、と読んだタイミングで何もせず。
竜胆ジョウカ:ゆっくりと倒れていく。
竜胆ジョウカ:『あー……死ぬかと思った』
竜胆ジョウカ:声が聞こえる。それは、風をレネゲイドで振るわせて発したものだ。
竜胆ジョウカ:それどころか大体の部分の機能を風で補っている。
竜胆ジョウカ:かなりの器官と表皮と筋肉が吹き飛んだからだ。
竜胆ジョウカ:『まあ、さっき撃ったのはあくまで「死なないための術式」ですから』
竜胆ジョウカ:『自らの身体を神に準えて全出力を……まあ、それは興味ないでしょうから置いときましょう』
竜胆ジョウカ:焼け焦げたはずの目から。視線が倫道アカネに向いたように見えた。
GM:それは、現実世界では僅かな間の出来事だ。あるいは――
GM:風で生体機能を保っているというのは気の所為で
GM:竜胆ジョウカの霊魂が、この状況を知覚しているにすぎないのかもしれなかった。
竜胆ジョウカ:『とにかく、私は死にはしないけど全部生存に回したので戦闘不能です。よく持ちますねこんなの』
竜胆ジョウカ:『――ところで。倫道アカネさん』
竜胆ジョウカ:『さっき見えない穴を教授する、と言いましたが。実際2個くらいありました』
竜胆ジョウカ:『一個は、あなたが完璧すぎること』
竜胆ジョウカ:『完璧だから必要以上に対処しない。取りこぼした些事が致死の一撃になっても、完璧ゆえに凌げるから』
竜胆ジョウカ:『一個は、あなたがバロールじゃないこと』
"風塵王"倫道アカネ:時間が鈍化している。倫道アカネは、仕留めたジョウカに一瞥もくれずにミズキとの戦闘を開始する……
"風塵王"倫道アカネ:……わけではなかった。何か、未知のものを感知しているかのように
竜胆ジョウカ:『高速移動と高速対応はできますが、過去に起こったことはもうどうにもならない』
竜胆ジョウカ:『だから。全部、もっと前に終わらせました』
"風塵王"倫道アカネ:竜胆ジョウカの、まだ倒れていない骸を注視していた。全てが、ほんの僅かな間だ。
"風塵王"倫道アカネ:ジョウカが語った言葉も
"風塵王"倫道アカネ:聞こえていたかもしれない。
竜胆ジョウカ:『詠唱は先置きしました』
竜胆ジョウカ:――『あなたが傷を負えば』
竜胆ジョウカ:――『それはあなたの傷にちゃんとなる』
竜胆ジョウカ:『致死の攻撃も、今食らいました』
竜胆ジョウカ:『あとそうですね。私が貴方と同一であるという照応ができれば、術式は完遂』
竜胆ジョウ■:『されま』
竜胆■ョ■■:『――ああ、よかった。倫道アカネさん、あなた、私が紙を飛ばした時、何枚か外に逃げたの見逃したでしょう。どうでもいいから』
竜胆■■■■:『あの裁判官サマのせいで、キングダムは今、法によって制御されてますよね』
竜胆■■■:『知ってますか』
"風塵王"倫道アカネ:「そういえば、君」呟く。直感や予感に近い引っ掛かりだった。
"風塵王"倫道アカネ:恐ろしく明晰な頭脳でも、そんな事実だけは
"風塵王"倫道アカネ:想像もしないことだから、直感でしか辿り着けはしない。
"風塵王"倫道アカネ:「――名前は?」
竜胆ア■:『名前って案外、王様なら』
竜胆ア■ネ:『書類一枚で変えられちゃうんですよ』
:キングダム連合法、戸籍法第百二十七条の3
:魔術規定に定められた簡易儀式を目的として、儀式中に限って氏名を変更しようとするとき、理事会または連合司法裁判所から派遣された裁判官が立ち会う場合に限り、連合司法裁判所の許可を得ずその旨を届け出ることができる。
竜胆アカネ:『はい。以上、竜胆アカネでした』
竜胆アカネ:倫道アカネを、倒しきるには。想定外の手法を持ち出し続けざるを得ない。
竜胆アカネ:そしてそれは、このキングダムの騒動において未出であり。
竜胆アカネ:倫道アカネが、竜胆ジョウカの台頭した八月革命の頃にはもう死んでいたために知りえなかったこととして。
竜胆アカネ:彼女はそもそも、それ単体で成り上がるほどの、照応魔術の名手である。
"風塵王"倫道アカネ:ありとあらゆる攻撃を防ぎ、躱し、弄んできた最強の星徒が
"風塵王"倫道アカネ:戦闘技術において究極の高みに達した星徒の一体である、倫道アカネが
"風塵王"倫道アカネ:"風塵王"が。
"風塵王"倫道アカネ:「それは」
"風塵王"倫道アカネ:「面白すぎるでしょ……」
"風塵王"倫道アカネ:紅蓮の炎とともに、自ら発火した。
竜胆■カ■:『……あーうん。よし。流石に限界か』
竜胆■■■■:『んまあ、何とかなるでしょう』
竜胆■■■■:そして。その場には、二体の、光と炎でそれぞれ焼かれた黒焦げの身体が、二つ転がり。戦闘は、決着した。
任アルル:既に遠いその光景を目に、両の瞼に力を込める。
任アルル:(…………ま~た)
任アルル:(振られましたね)
任アルル:これぞと見込んだ敵手ほど、己の指の間をすり抜けていく。今回もそうなると分かった。先の一撃に倫道アカネが応じなかった時点で──
任アルル:(……ああ、そうか)
任アルル:そこまで考えて、気付く。
任アルル:戦端が開かれてからずっと只管に彼女を追い回し続けていた自分が、先程はそうしなかった理由。
任アルル:あの時点で、既に。
任アルル:(こんな様では、元より届くはずもなかった、ですか)
任アルル:(仲間が決め手を打つと信じた、なんて……)
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──肝が冷えた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:全く以て、予測のつかない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だが、よくやった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:最強の星徒の切り札を受け止め砕かれた己の王鍵の、崩れるさまを感じながら小さく告げる。
GM:――魔人の領域での戦闘が決着した。
GM:キングダム連合学院、どころかノヴァリス全土における精鋭を結集してなお、その中の最精鋭でなければ追いすがれなかった戦い。
GM:任アルル。籟ミズキ。天沼チギリ。オリーヴ・ウェールズ。そして竜胆ジョウカ。彼女らが死力を尽くし、倫道アカネ一人を食い止めたその戦いの最中……
GM:……ジェシカ・クロフォードは理解していた。自分が狙える機会はたった一度であると。
GM:風塵王は恐ろしい。確かに、誰の手も届かない怪物だ。それでもこの場の全員が、その絶大な脅威に目を眩まされるべきではない。
GM:星徒ヒロ、星徒ララゴ――天沼チギリの『大介錯』により暴走状態にあるこの二体の星徒も、それぞれがキングダムを滅ぼすに十分すぎるのだ。
星徒ヒロ:地下水道の領域で増殖した触手が、大地を崩落させる。中からは水ではなく、半液状の触手が溢れ出る。
星徒ララゴ:尽きることのないその攻撃に、黒い槍が終わることなく降り注ぎ続ける。一撃ごとの威力は、まるで隕石に等しい。
GM:終わらぬ破壊、終わらぬ再生。ウルスラ・ミック・ベニが再現した裁判所の領域も限界が近づいているだろう。
GM:ウルスラの維持が途切れれば、無限が溢れ出て、キングダムを呑む。
GM:そんな怒涛の只中にあって、ジェシカ・クロフォードの小柄な体は、嵐の大海を漂流する小舟のようでもある――
ジェシカ・クロフォード:かつて強欲な商人がいた。その商人は悪魔とも商売をしていた。
ジェシカ・クロフォード:商人は悪魔との取引で様々な呪具を得た。その一つに、商人の財産たる奴隷を無限に増やす呪具もあった。
ジェシカ・クロフォード:商人は奴隷にその呪具を与え、奴隷が増えていくのを見て手を叩いて喜んだ。
ジェシカ・クロフォード:"頭の無い蛇"の原型となる伝承だ。
ジェシカ・クロフォード:"頭の無い蛇"は、本来『王』に与えられる遺産ではない。
ジェシカ・クロフォード:それは奴隷に与えられてきたものだからだ。
ジェシカ・クロフォード:"頭の無い蛇"に適合したジェシカ・クロフォードもその本質は"奴隷"だった。
ジェシカ・クロフォード:その本質故に、彼女はキングダムの誰よりも多くの労務を引き受け、回し続けてきた。
ジェシカ・クロフォード:奴隷には必ず仕えるべき主人がいる。ならば、ジェシカは誰に仕え続けてきたのか。
ジェシカ・クロフォード:円卓ではない。キングダムでもない。ロードマスターでもない。至上王でもない。
ジェシカ・クロフォード:彼女は、キングダムの民たちに仕えていた。
ジェシカ・クロフォード:神に仕える者は法王に成り得る。国に仕える者は宰相にもなれる。
ジェシカ・クロフォード:だが、彼女は奴隷でありながら一番高いところに登り詰めたかった。誰よりも高い景色を見たかった。
ジェシカ・クロフォード:だから、彼女は民に仕えると決めた。民に仕える奴隷こそが、最も王に相応しい者であると信じた。
ジェシカ・クロフォード:そう信じて、信じ続けて、歩み続けた先に
ジェシカ・クロフォード:(今、私は立っている)
ジェシカ・クロフォード:ジェシカの袖から頭の無い蛇を象った入れ墨が離れていく。
ジェシカ・クロフォード:無機物に"頭の無い蛇"を取り付かせれば、それは疑似的な生命を持ち、ジェシカと同じ奴隷となる。
ジェシカ・クロフォード:では命ある者に"頭の無い蛇"を取り付かせればどうなるのか。
ジェシカ・クロフォード:答えは、一瞬で引き剥がされる、だ。
ジェシカ・クロフォード:"頭の無い蛇"は所詮、名もなき奴隷。それに生命を支配する力はない。
ジェシカ・クロフォード:だが、引き剥がされるまでのほんの一瞬、"頭の無い蛇"は取り付いた者をジェシカと同じ奴隷に堕とす。
ジェシカ・クロフォード:(これが二度目、三度目はない。)
ジェシカ・クロフォード:他者を奴隷に堕とすことは重罪だ。
ジェシカ・クロフォード:それが星徒であれ、戒功王はそれを見逃すことはないだろう。
ジェシカ・クロフォード:一度目は騙せても、二度目で手の内はバレる。三度目にはその場で罪を指摘されるだろう。
ジェシカ・クロフォード:「奪われろ、"頭の無い蛇"よ」
ジェシカ・クロフォード:故に、この二度目の機会に全てを投げ打つ。
星徒ララゴ:それは、攻撃ではない。
星徒ララゴ:誰かを物理的に殺傷する力ではない。
星徒ララゴ:故に絶対反撃の機能を持つ星徒ララゴも、その王鍵には反応できなかった。
ジェシカ・クロフォード:奴隷は全てを奪われる。力を行使する権利も、自らの身を護る自由も。
ジェシカ・クロフォード:それは、無限の力を誇る星徒ですら例外ではない。
ジェシカ・クロフォード:無限の力も、振るうことが赦されなければ存在しないも同じだ。
星徒ヒロ:無尽蔵の反撃を受け続けた星徒ヒロは、もはや崩壊寸前の状態にあった。
星徒ヒロ:たった一呼吸さえあれば、即座に核を含めた全身を再生できるのだろう。
星徒ヒロ:だが、天沼チギリの与えた『毒』は、それを許さなかった。尽きることなく湧き上がるに憎悪と嫉妬を満たすために、身を削る攻撃を続けていた。
ジェシカ・クロフォード:「星徒ララゴ、貴様から自衛の権利を奪う。貴様が星徒ヒロの攻撃を防ぐことは許可しない。」
星徒ララゴ:星徒ララゴは、星徒ヒロの最後の攻撃に
星徒ララゴ:――バ ジ ュ ! ! !
星徒ララゴ:『動けなかった』。
GM:星徒ララゴの巨体を遥かに凌ぐ物量が、その上半身を轢き潰した。
ジェシカ・クロフォード:「だが、反撃の権利は奪わずにおいてやろう。」
ジェシカ・クロフォード:「最後に」
GM:崩れていく。山と山がぶつかり合い、諸共に崩落していくかのような轟音。
ジェシカ・クロフォード:「貴様がキングダムの為に最大の功績を立てる機をくれてやる」
ジェシカ・クロフォード:「星徒を、滅ぼせ」
ジェシカ・クロフォード:「報いを、受けろ!」
星徒ララゴ:「――」
星徒ララゴ:「私に……」
星徒ララゴ:「報いを……」
星徒ララゴ:半身を喪失したララゴの右腕が、地面に突き刺さっていた槍を
星徒ララゴ:力強く掴んだ。それを、愚直に振り上げた。
星徒ヒロ:星徒ヒロは、核を除く全ての質量を星徒ララゴへの攻撃に使っていた――そして、一呼吸さえあれば全身は再生する。
星徒ヒロ:核が膨れ上がり
GM:バ ン ! ! !
星徒ララゴ:無造作に叩き潰す。
星徒ララゴ:星徒ララゴには既に頭部も、胸部も、左腕もない。
星徒ララゴ:だが。
星徒ララゴ:頭がなくとも、奴隷は動く。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(ジェシカ……)その結末を理解して、目を一度閉じる。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(お前は、働きすぎだ。あの光から、身を挺して民を守った上で……)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(まだ、どこまでも、キングダムのために働くのだな)
ジェシカ・クロフォード:「バージニア、次は貴様の番だ」
ジェシカ・クロフォード:「見逃すな。貴様が力を振るうべき一瞬を」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……分かっている」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「必要なことをする。己は、そのために来た……」
GM:裁判所という結界内に封じられた、無限と無限が衝突する壮絶な死闘があった。
GM:しかし、ただ一人、その戦線に加わることなく、結界の内ではなく外――屋根の上に立ち、無限の攻勢を迎撃し続けていた者がいる。
星徒マーガレット:黒い羽。無限速で投射される影。相対するのは二度目となるが、今は竜胆ジョウカの支援はない。
星徒マーガレット:星徒マーガレットに相対しているのは今、七十橋シスルただ一人だった。
七十橋シスル:「――――――――――」
七十橋シスル:シスルは始めの一言以外、不気味なほど静かだった。
七十橋シスル:不夜王の供犠の王鍵と、かつてより遥かに洗練されたウルスラの閉鎖結界によって、マーガレットの最大の奪掠権能は封じられている。
七十橋シスル:遥か彼方の虚空までグリッド状に伸びゆく荊は、マーガレットの機動圏を少しずつ狭めている。
星徒マーガレット:星徒マーガレットに自意識と呼べるものが残っているのならば、それは
星徒マーガレット:全く道理に合わない現象のように感じただろう。無限の機動力を持つはずの流星体が
星徒マーガレット:照準させず、位置を確定させない超遠方の本体が
星徒マーガレット:有限の茨によって、その機動を制限され、翻弄されている。そのような現象が起こっていた。
七十橋シスル:空に巡らされた影荊の網を、安全靴で踏んで跳ねる。呪術的遡及で相手の位置を絶え間なく確認しながら、戦況を俯瞰する。
七十橋シスル:(――"戦争"だ)
七十橋シスル:建物一つに、無理矢理詰め込まれた極小サイズの地獄。そうとしか思えなかった。
七十橋シスル:風塵王。円卓。五星君。それに互する実力者たち。並び立つ埒外の力の前に、何より警戒すべき無限位階の星徒ですら二の次になっている。
七十橋シスル:元より"不夜王"が前線に出るということは、そういうことだ。至上王とは別の意味で、戦場に立たせてはならない女だった。
天沼チギリ:「倫堂アカネは斃れました。」
天沼チギリ:不意に隣から声がする。
天沼チギリ:浮遊する剣の切片からの声だ。
七十橋シスル:「そうか。やったのは誰だ」
天沼チギリ:「死蔵王です。」
七十橋シスル:「……一番有利なのは死蔵王だろうが、つくづくだな……」
七十橋シスル:「だが、ちょうど良い。手ェ空いてんな」
天沼チギリ:「下で迎え撃つ、でよろしいですね?」
七十橋シスル:「処刑人の心得はあるか?」
七十橋シスル:挑発するように含み笑いを浮かべる。
天沼チギリ:「でなければ大介錯を持てません。」
七十橋シスル:「OK。やってみせろ」
天沼チギリ:「仰せの通りに、拷問王。」
七十橋シスル:ゴ ォ ン
七十橋シスル:鈍い音と共に、荊を吐き出し続ける背景の糸車が止まる。
七十橋シスル:「お前らの"無限"。あァ、大したもんだよ。この世界に一個だって存在するべきじゃねえ」
七十橋シスル:彼方の空に、挑戦的に呼びかける。無限の機動力。無限の再生力。無限のミサイル。無限の反撃力。およそ全て、脅威ではあるが――
七十橋シスル:「使い方がなってねえ」
七十橋シスル:マーガレットはアカネとは違う。先の敗北を学習できていない。遥か20km先。
七十橋シスル:マーガレットと展開された幻影を、その外側から囲っていた荊が、その性質を変える。
七十橋シスル:「"ここ勝敗は灰に還り 遍く願いは夢と消える"」「"我は十三人目の魔女の末裔 刹那の安寧を誇るもの"」
七十橋シスル:「"ここに覇鍵は施錠せり――"いま 世界のすべては嗜眠に沈む"」
七十橋シスル:苦悶と慚愧から生まれ、狂気と妄執によって蘇らされた星徒の流星体。その出力を、強引に鎮静させる。
七十橋シスル:伝承そのままの、ひねりのない強制睡眠作用。
七十橋シスル:無限の力を操る、有限の意志を、拷問王の荊は挫く。
星徒マーガレット:無限の機動力と、座標の不確定性の前には、そのような呪いが命中する確率もなかった。本来は。
星徒マーガレット:だが、星徒マーガレットが存在し得る座標全てを囲う荊の棘――その破片の一つ一つが
星徒マーガレット:それも、術者に引き戻される形で背後から殺到する時
星徒マーガレット:すなわち、対象が回避判断に至る情報を全く与えていない攻撃であれば。命中の確率は発生する。
星徒マーガレット:夜空の彼方で、星徒マーガレットは身を捩った。呪いをかけたシスルにはそれが分かった。
星徒マーガレット:次に起こることも分かる。"凶兆王"マーガレット・T・ファインズは強力な呪術使いだった。
星徒マーガレット:無限の回避能力を持ちながら、万一その身に何者かの呪いが直撃した時――
星徒マーガレット:ず るり
星徒マーガレット:呪詛返しによる凶兆の転移。シスル自身の影から星徒マーガレットが出現する。
七十橋シスル:同じだ。
七十橋シスル:いつまで、(俺たちは)こんなことを繰り返すのか。
七十橋シスル:刹那の疑問を振り払う。覇鍵の施錠中においては、シスルの持つ莫大な攻撃能力は喪失する。
七十橋シスル:だが、来ると分かっている呪詛など、不幸の手紙にも劣る。
七十橋シスル:「やれ」 シスルの影は既に、処刑人の待ち構えるギロチン台である。
天沼チギリ:全て、計算通りであったかのように。
天沼チギリ:巨鳥が、チギリの右隣に落下する。
天沼チギリ:シスルの元にあったものも含め、切片がチギリの元に集まり、”大介錯”が本来の形を取り戻す。
天沼チギリ:”大介錯”は、罪人に切腹を強制させるために殺意の操作という権能を持っていた。
天沼チギリ:しかし、あくまで止め…介錯は自らの技量で行わなければならない。
天沼チギリ:”大介錯”を振るえるのは卓越した剣の技量の持ち主。
天沼チギリ:そして、
天沼チギリ: ざ ん っ
天沼チギリ: ─── 音が─ 消えた
天沼チギリ:ぐらりと巨鳥の首が皮一枚を残して前のめりに崩れ、
天沼チギリ:うつ伏せに斃れた。
星徒マーガレット:それは、たとえ星徒マーガレットに正常な意志があったとしても
星徒マーガレット:回避の能わぬ処刑だった。
星徒マーガレット:剣士ならぬ呪術師には、その"予兆"すら
星徒マーガレット:目視はできない。
天沼チギリ:”大介錯”が選ぶのは、処刑に際し心の揺れぬ者。
天沼チギリ:「御見事な、最期でした。」
天沼チギリ:どんな罪人であろうと平等に首を切り、
天沼チギリ:末期を肯定する者。
GM:戦闘は終局に向かいつつある。そのある一方では――
"風塵王"倫道アカネ:黒く、炭化したような人型は、一度起き上がった。
"風塵王"倫道アカネ:それは常軌を逸したジャームの生命力によるものだったが
"風塵王"倫道アカネ:それでも、足元に倒れている竜胆ジョウカの命を奪えるほどの余力すらなかった。
"風塵王"倫道アカネ:壁際に歩みを進めるたび、流星体が崩れ、ボロボロと剥離していく。
"風塵王"倫道アカネ:「一手……」
"風塵王"倫道アカネ:「一手ずつ、ずれたな……。龍の子の反撃を……避けなきゃいけなかったのは……私が、一手遅かったから……」
"風塵王"倫道アカネ:「避けていなかったら、一手分、考える時間があった……改名での、照応魔術か……」
"風塵王"倫道アカネ:「対応できたかも……しれないのに……」
"風塵王"倫道アカネ:壁にもたれて、荒い息をつく。
"風塵王"倫道アカネ:「一手分は……ああ、天使の子につきあわされたからか……。自滅まで放っておくつもりでいたのに……」
"風塵王"倫道アカネ:「……違うな。あそこで戦わされたのは――」
"風塵王"倫道アカネ:「チギリちゃんか。毒だ。ああ、あはははは……」
"風塵王"倫道アカネ:「そうか、そうか……あそこだったな……あんな、平凡な手……」
GM:再生不可能な致命傷を負った倫道アカネに、もはや未来はない。
GM:それでも彼女は今際の際まで、たった今の戦いの反復と学習を試みていた。
GM:もはやそれを活かせる戦いが来ることはない。ただ一人成長する星徒は、成長しかできない星徒でもある。
任アルル:流星体を失った倫道アカネに、覆い被さるように影が差す。一塊で、二人分だった。
任アルル:片方は瑠璃色の髪の少女だ。もはや繕いもせず仏頂面を晒し、薄衣を血にどす黒く染めている。自身の負傷ではない。
任アルル:死に行く風塵王と同等以上に満身創痍のウルスラ・ミック・ベニを、肩を貸して引き摺ってきたがゆえの汚れだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:全身赤黒装束の少女が、ずたぼろの四肢と外套、裾から血脈のように伸びる根をだらりとぶら下げている。
"風塵王"倫道アカネ:「アルルくんか……」
"風塵王"倫道アカネ:もはや前も見えていないだろうが、空気のゆらぎだけで分かるのだろう。呟く。
"風塵王"倫道アカネ:「こんなはずじゃなかったのにな……私の方が、飽きさせちゃった……」
任アルル:「まったくです」
任アルル:「こうも手酷く袖にされたこと、一生忘れませんから」
ウルスラ・ミック・ベニ:彼女たちがやって来た方向には綺麗さっぱり、穢れが残っていない。
ウルスラ・ミック・ベニ:勇者の徴と、今なお明滅を続ける四つの指輪が飲み干した。これ以上は蛇足となる星徒ララゴのものを除いて。
"風塵王"倫道アカネ:「……」
"風塵王"倫道アカネ:沈黙したのは、感傷のためではない。
"風塵王"倫道アカネ:五感を焼却された体で、言葉もなく、自発的な動きもない少女の気配を見ようとしたためだ。
"風塵王"倫道アカネ:「………あはは。ウルスラか~」
ウルスラ・ミック・ベニ:「せい、か~い……」精いっぱいに力強く笑い、ごそごそと懐をまさぐる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「では、もう一問……」
ウルスラ・ミック・ベニ:キン、という音を立てて、コインが弾かれる。
ウルスラ・ミック・ベニ:連合裁判所の綻びから染み入る月光、きらきらと反射して。
ウルスラ・ミック・ベニ:輝く白亜の記念石貨。カンブリア考古学校生徒会のメンバーに一人ずつ作られて、分厚く軽い。
ウルスラ・ミック・ベニ:古代ノヴァリスの遺跡や地層を探索していた母校の収蔵品は、その多くが大ノヴァリス博物館に収蔵されている。
ウルスラ・ミック・ベニ:発掘品を真似て造ったこれら硬貨はその目を免れている。何の価値もないからだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:もはや打ち棄てられたものもあるだろう。少なくとも一枚は墓の中に。
ウルスラ・ミック・ベニ:そして一枚、ぱちんと音を立てて手の中に。
ウルスラ・ミック・ベニ:「裏には校章、表には幻の龍」
ウルスラ・ミック・ベニ:「深い彫だから空気抵抗が読みやすくて、毎回落ちきる前に答えが出るんだよね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「どっちで、ンぎぎ……っしょう」戦場のどこかで黒き法の家が砕けちり、再修復される。
"風塵王"倫道アカネ:「わからない」
"風塵王"倫道アカネ:「もう、わからないよ」
"風塵王"倫道アカネ:「……そっか。こんな気分だったんだ……」顔は炭化している。項垂れたまま呟く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「どうか審判を」アルルの目前に手を差し出し開く。
任アルル:迷惑そうな顔をする。
ウルスラ・ミック・ベニ:饕餮紋様めいた奇怪な意匠が硬貨一面に張り巡らされている。
ウルスラ・ミック・ベニ:ぱっと見では判別つきがたいが、東洋の龍に通じるところがある。
任アルル:「……どっち?」
任アルル:「龍みたいにも見えますが。裏?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「おもて……」耳元でごにょごにょと。
任アルル:「自分で言ってくださいよ……。表です」呆れた風に返しつつも宣言はした。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクが言ったらフェアじゃないし……ありがとね」
ウルスラ・ミック・ベニ:アルルの腕の中からずるずると滑り落ち、自力で地を這い先輩の傍へ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「これから、さっき言った用事があるん、だ……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ドラゴンの巣に潜って、おひ……って呼ぶべきはボクじゃないか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「王様に会って、謝って、助けて帰らないといけなくってね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「手伝ってよアカネ先輩。表ならウルスラ、でしょ?」
ウルスラ・ミック・ベニ:朽ちてゆく玉体を触れないよう指先で慈しみ、胸元に石貨を翳す。
"風塵王"倫道アカネ:「……ああ」ため息のように呟く。本当に、ただの呼吸に過ぎないのかもしれない。
"風塵王"倫道アカネ:「それも面白いかも……」
"風塵王"倫道アカネ:「殺すのは、もう……飽きちゃったから……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「まだまだありますよ、ボクらが知らないこと、沢山ね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「お化粧とか、一緒にしてみたかったですし」新しい先生たち、本当に面白い人ばかりで。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ」
"風塵王"倫道アカネ:力が抜けたままだった顔が、ウルスラを見るように、少しだけ上がったようだった。
"風塵王"倫道アカネ:「王になりなよ」
"風塵王"倫道アカネ:「……19人、やったんだ……」
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラが……王様だったら……」
"風塵王"倫道アカネ:「20人で、キリよく終われる……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「王か……先輩の記憶は、どれだけ当てになるか分かりませんが」
ウルスラ・ミック・ベニ:「考えてみます。王様たちを見てると、大変なことばっかりで全然羨ましくないですけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「無理難題に全力で挑むのは、きっと面白くて幸せなことだから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キングダムを変える王になります。先輩たちと王様たちと、皆で」
"風塵王"倫道アカネ:「……そっか」
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ」
"風塵王"倫道アカネ:手を伸ばす。最後の力で可能な動作はそれだけだったのだろう。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネならば
"風塵王"倫道アカネ:この状態からでも、わずかに触れただけの人間を死に至らしめることができるかもしれない。
"風塵王"倫道アカネ:彼女はジャームと化していて、そうなってしまった人間にはもはや、救いの余地はない。
ウルスラ・ミック・ベニ:恭しく支える。逆の手は血が滲むほど固く握り、震えて。
ウルスラ・ミック・ベニ:手の甲に口付けを落とす。ただただ穏やかな笑顔で。
ウルスラ・ミック・ベニ:その脅威はよく知っている。抵抗の余地もない。自身は傷つけられないと思う程傲慢ではない。
ウルスラ・ミック・ベニ:愛する人への献身、それだけを一途に想っている。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネは、手を取ったウルスラの指を握り返し――
"風塵王"倫道アカネ:――ザク!!!
"風塵王"倫道アカネ:ごく弱いレーザーが手の平を貫通して、頸動脈に僅かに外れた首筋を切り裂いていた。
"風塵王"倫道アカネ:「ああ……こんなの」
"風塵王"倫道アカネ:「飽きちゃったのに……」そのまま、ボロボロと崩れていく。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ……ねえ、ウルスラ……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「20人目のウルスラですよ、先輩以外に殺されないので」
"風塵王"倫道アカネ:「……一人称変わった?」
"風塵王"倫道アカネ:そのまま風に吹きさらしになって、消えていく。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……致命傷を食らったー」
ウルスラ・ミック・ベニ:亡骸があった場所へうつ伏せに倒れ、緩慢に転がって仰向けに。
任アルル:見届け、嘆息する。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ありがとう」
ウルスラ・ミック・ベニ:誰へともなく口にして、指輪を掲げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「この後、ついてきます?」
任アルル:「わたしの行き先はわたしが決めます。あなたにくっついていくのではありません」
任アルル:「余計な口を叩く暇があったら、せいぜい今だけでも体を休めていなさい」
任アルル:「この場に決着がついたところで、あなたにとっても終わりではないでしょう。良いですね、戦う相手に困らなくて」
任アルル:半ば本心のことを皮肉めかして言いながら、今なお続く戦闘と、横たわるウルスラとを隔てるように立つ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「へへ……寝ちゃったらお願いね」ごろりと背を向け、身体を丸く。
ウルスラ・ミック・ベニ:首筋から血は流れ続け、指環は輝きを留めない。
ウルスラ・ミック・ベニ:それも、あと僅か。
GM:――そうして、全ての星徒が消滅した。星徒セベクネフェル一体を除いて。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:だが、この事態の中心である彼女自身は、そうした事実に対し、悲観も楽観もない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:ただ目を伏せ、書物を開き、読み上げ始める。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合法、議会法第二条2」
GM:それは、セベクネフェルが到来した際に読み上げた条文と、全く同じものだ。
GM:彼女は同じことをする。なぜならそれが正式な手続きであり、
GM:正しい処理がなされなければ、無限に終われないものであるからだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「血統王!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:合図は、誰に秘めることなく行われた。すでにその場に、隠す意味が存在しなかった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:セベクネフェルⅧが、行動方針を変化させることはない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――"戒功王"」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:冷たく凛とした呟きが裁判所に響いたが、それはセベクネフェルの宣告を止めるに足るものではなかった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム円卓議会は、理事会ならびに遺産管理委員会の選定に基づく王をもって、これを組織する。その人数は、七名以内とする」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ああ。その通りだ。今の円卓議会は、七名の誰しも例外なく、"至上王"に選定されたものだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「だが、よもや、忘れてはいないだろう?"戒功王"」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(なぜ、ジェシカがこの己を選び)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(この局面まで生き延びさせたのか)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:白い人差し指を、セベクネフェルへと向けた。その指先からは赤い血が、光る糸のように滴っている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「現円卓議会はこの条件を満たしておらず――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己の名は、"血統王"。バージニア・ダネシュティ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「正式な手順で、理事会に選定された」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:――そして、その一度の機会で、不正な手順によって失脚した。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「円卓の、王だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「この血は」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「その時と同じ、契約の血だ。……昔も今も、己は円卓の王ではないが」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「セベクネフェルⅧ。貴様は、あの時」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「違法な『選定の変更』に最後まで抗って、弁護してくれていたな」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……。理事会の選定に基づく王は……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……私は」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:鉄のような無表情だったセベクネフェルⅧが、ごく僅かに顔を歪めた。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:矛盾と、あまりにも大きな時代の差による苦痛だった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「セベクネフェルⅧ!己は!!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「理事会に選ばれた円卓の王として、今のキングダム円卓議会を肯定する!!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「幾多の苦難を踏み越えながら、絶対的な夜に抗いながら、民を守り、戦い、育んできた」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「キングダムが成してきた正義を認める!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――貴様はどうだ!"戒功王"!!」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「私、は……!」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:片目を覆った。表情を隠そうとしていた。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「執行する……!執行しなければならない……!」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「この世に不幸がある限り」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「この世に不平等がある限り」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「この世に不義がある限り」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「いつの日か、全ての民が、ほんとうの、正義の法に辿り着くまでは……!」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「私が……私が、執行する!」
ジェシカ・クロフォード:「そうだな。貴様が生き続けていれば、いずれは全ての悪を裁くことも叶っていたかもしれん」
ジェシカ・クロフォード:「だが、貴様では裁判官では悪を裁けても弱き民を助けることは出来ん」
ジェシカ・クロフォード:「民を助けて続け来たのは、民の盾となり続けてきたのは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:星徒として現れた"戒功王"が、初めて矛盾に喘ぐ姿。正義の綻び。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それを縫い留める一撃があった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:氷累の石棺──境界大絶滅紀における火山岩の大斧槍。騎士の資格を問う遺産。
ルナンシア・ラダ・ランパート:常に己の物でない悪意と恐怖を囁かれ続ける中で我を失わず戦場に立つ者のみが、槍の持つ絶大な凍気を意のままにできる。持ち主を戦場へ駆り立て、溺れた物を食らう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:翻って、槍が失われた事が何をもたらすのか。
ルナンシア・ラダ・ランパート:足元に散った黒曜の欠片の一つを拾い上げ、投擲した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それだけだ。遺産に抵抗することで、ただ鍛え抜いてきた化物じみた精神力集中力の全てが、それだけのために注ぎ込まれる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:狙いすまして、決断的で、猶予を与えない。眼窩に突き刺さり頭蓋を揺らす。駆け出している。
ジェシカ・クロフォード:「この学園では、いつも"騎士"だった」
ジェシカ・クロフォード:「そうだろう。騎士の王。ルナンシア・ラダ・ランパート」
ジェシカ・クロフォード:不夜王に騎士王の動きを読めるはずもない。見えるはずもない。
ジェシカ・クロフォード:それでも、この機を逃がさず動く女は彼女であると知っていた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:"戒功王"が意識の空隙より立ち戻った時、"騎士王"の視線に宿った超人的な意志の光は靄に包まれたように見えなくなっていた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:意味するところを悟るより先に熱感、否。それすら絶たれている。凍気を纏う薄氷の刃が脊椎を貫いて痛覚神経を麻痺させ、引き戻される。掌中に血液から析出させた黒曜石のかけら。そこから伸びているのが分かる。細く、使い手の身長ほどの長さ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:氷の短槍。それは騎士王が近接白兵戦最強の兵器として最も信頼する武装のひとつである。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「…………キングダム、連合法、刑法第十一条4」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:視界を奪われたことより、頭蓋への単純な衝撃のほうが大きかった。正常な意識を保てない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:それでも、淀みなく、はっきりとした発音で、成すべきことを遂行しようとした。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──挨拶が遅れてすまない。久しいな、戒功王」
ルナンシア・ラダ・ランパート:全ての大動脈から血が吹き出した。研ぎ澄まされた槍術を前に、その傷口は凍りつくことすらない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――――」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「死人に叱られる程度の体たらくではあるのかも知れないが──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえの思ったほど、だらしない有様でもないだろう」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:全身に纏う白い衣はひどく赤く、不吉な色に染まっていた。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……"騎士王"……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:……かつて。短い間。
ルナンシア・ラダ・ランパート:本当に短い間だ、王として、同じ円卓を囲んだことがある。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:それでも、キングダムを支配するセルの後ろ盾を持たない一生徒であったルナンシア・ラダ・ランパートの円卓昇格を承認し、
"戒功王"セベクネフェルⅧ:迎え入れたのは、当時の第三席――セベクネフェルⅧである。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ここにあるのはかつてのキングダムではない。が──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえ達の作り上げたものだ。今、おまえはかつての法に基づき私達を咎めると同時に」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「己をも否定している。そんな必要はない。道理もない。忘れてなど居ないはずだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ただ法典を諳んじるだけの女が、王になどなれるものか」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ああ……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「そうだ……ここは……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「私達の、故郷だった……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:凍りついた脚が折れて、仰向けに倒れる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:時を同じくして、未だ回復しきらぬ王鍵から生み出した槍が実体を失い、風に溶けて散った。
ルナンシア・ラダ・ランパート:瞑目する。深く息を吐く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そう言ってくれて嬉しいよ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ルナンシア・ラダ・ランパート……。王……王、として……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合学院の……全生徒の、責任と、未来を……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「…………その王鍵とともに……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧの呟きは小さなものだったが、ルナンシアは一度聞いたことがある。一度だけ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:跪いて、"戒功王"の手に、己の手を重ねた。どちらも冷たく、その温度の理由だけが違っていた。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「………………円卓議会への昇格を、承認する……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「王の……王としての名は……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――"騎士王"」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"戒功王"。セベクネフェルⅧ。本当に、本当におまえが再臨してからというもの、散々だったが────」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……会えてよかった。拝命しよう」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ルナンシア……ルナンシア・ラダ・ランパート……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「皆、幸せに暮らしているか……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「泣いている子供はいないか……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「幸せでない者も多いな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「泣いているものもいる。おまえが勝手に死ぬからだと……駄々を捏ねるのも良い……が」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「こう口にすべきだろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「皆、幸せになる。他愛のないことに涙を流せるようになる……私達が」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうする」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「………」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「正義を」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「私の……私達の、故郷は――」
GM:変わることのない結論を無限に繰り返す星徒の終わりは、戦闘と呼ぶにはあまりにも呆気ないものだった。
GM:その死と同時に、ウルスラ・ミック・ベニの結界維持も限界を迎えたのだろう――連合司法裁判所が崩れていく。
GM:全ては過去になっていく。この建物も、現れた星徒達も。
GM:鐘の音が鳴っている。
GM:誰かが鳴らした音ではなかった。けれどその鐘の音は――
GM:消えゆく連合司法裁判所の、結審を告げる鐘の音だった。
GM:シーンを終了します。ロイス取得のみが可能です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:戒功王に取得します
ルナンシア・ラダ・ランパート:セベクネフェルⅧ/敬意◯/脅威
ルナンシア・ラダ・ランパート:それと可能なら《不死者の恩寵》を使用したいです。
GM:構いません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を5増加(142 → 147)
ルナンシア・ラダ・ランパート:4d10+6+16 ありがとうございます
DoubleCross : (4D10+6+16) → 20[5,9,3,3]+6+16 → 42
ルナンシア・ラダ・ランパート:以上
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP42
七十橋シスル:ロイスを取得します 死蔵王に 感嘆:○/呆れ
七十橋シスル:さっきの会話でとっとくべきだったんだよな
七十橋シスル:ウルスラさんに称賛/隔意:○、ごはせんに期待:○/隔意
有崎五派:死蔵王に 感謝〇/ごめんね でロイス取得
有崎五派:ウルスラちゃんにも取っておこう 信頼〇/不安
天沼チギリ:ロイス取得 拷問王/〇信頼/隔意/ロイス
天沼チギリ:以上!
ジェシカ・クロフォード:血統王にロイスを取得します
ジェシカ・クロフォード:バージニア・ダネシュティ/感謝〇/不安
◆Climax02◆仰げば尊し
無人地帯 秘匿座標L

GM:――キャロル・ホプキンスは到達した。仲間もいない、援軍も望めない、ただ一人の戦いになる。
GM:"虚飾の世界を砕くもの"――理事会の遺した人型砲撃兵器は、やはり微動だにせず、背景の一部であるかのようだった。
GM:そして、容易には到達できないことも分かっている。
GM:この攻撃を仕掛けている誰かは、情報すら与えるつもりはない。




排撃系:空を埋め尽くすような青い光がある。球体の自律飛行機械――かつて"ロードマスター"が運用していた、異星の兵器だった。
排撃系:感知したキャロルへと、虫のように群がり始める。
排撃系:侵入した者は自動的に撃墜される。この敵が侵入者に与える情報は、それだけだ。

キャロル・ホプキンス:少しでも感知を遅らせる為、風景に紛れようと砂まみれになった体で剣を構える。
キャロル・ホプキンス:「こうする他なかったとはいえ、やはり少々無茶でしたか!」
排撃系:ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂッ!!
キャロル・ホプキンス:赤雷が迸り、迎撃しながら異星兵器の攻撃から逃れるように砂漠を駆ける。
排撃系:縦横無尽に降り注ぐレーザーは、まるで嵐だ。
排撃系:しかもそれは、一度潜り抜ければ生きて帰れる嵐ではない。
キャロル・ホプキンス:(ここで必ずしも勝つ必要はない)
排撃系:どこまでも降り注ぎ続ける。キャロル・ホプキンスが十字冠転送するまで。
キャロル・ホプキンス:(けれど、アーイシャさんとハングマンさんの安否だけは確かめなければならない!)
キャロル・ホプキンス:「あはははは! その程度で、私を倒せるとお思いですか!?」
キャロル・ホプキンス:機械群に対しての言葉ではない。
キャロル・ホプキンス:必ず、その背後で操っている者がいる筈だ。
キャロル・ホプキンス:最早、試すことのできる策は虚勢を張って、相手が動くことを期待する程度しかない。
キャロル・ホプキンス:コノカと繋がっていた通信機は先程から反応しない。
GM:それでも、数に任せた自律兵器の挙動はひたすらに非人間的で、無慈悲だ。
キャロル・ホプキンス:傍受対策の為か、隠匿性を重視した結果か、長くは稼働しないのかもしれない。
キャロル・ホプキンス:コノカの献策や、不夜王からの助言は期待できない。
キャロル・ホプキンス:ただ一人で、戦うしかない。
キャロル・ホプキンス:赤雷が兵器を一つ潰す間に、向こうの攻撃は倍する数でキャロルの肉体を苛む。
キャロル・ホプキンス:膝が折れても、翡翠剣を杖にして立ち上がる。転んで砂上に身を投げ出しても、這ってでも進む。
キャロル・ホプキンス:攻撃から逃げながら、傷付きながら――しかし、少しずつ巨大兵器の元へと近付いていた。
キャロル・ホプキンス:「あ――は、はは!」
キャロル・ホプキンス:――けれど、それもほんの数十歩分。

大型駆除系:――ガン!!!
大型駆除系:白く、巨大な多足機械が空から降った。
大型駆除系:排撃系だけではなかった。これも理事会の無人兵器なのだろうか?
キャロル・ホプキンス:「は、は……! 対応が……変わりましたね……!」
キャロル・ホプキンス:虚勢の笑みを浮かべる。
大型駆除系:キャロルが状況に対応するよりも早く、彼女の身長より長いブレードを展開し
大型駆除系:切断しようとする――
キャロル・ホプキンス:雷光を纏う翡翠剣で応じる。しかし――直感する。
キャロル・ホプキンス:耐えられない。
キャロル・ホプキンス:(ああ……)
キャロル・ホプキンス:(――ごめんなさい……!)
???:「悪手と分かっているなら手を止めろ、愚か者め」
???:敗着を直感したキャロルの視界をくん、と小さな銀球が横切る。
???:突然、虚空からの引力でキャロルの身体が大きく後方へ引き寄せられる。
キャロル・ホプキンス:「ぉ、おお……!?」
大型駆除系:キュリリリリリリリリリリ!!!
大型駆除系:耳障りな高周波とともに、キャロルのいた空間をブレードが通り抜けた。空気が焼ける匂いがある。
???:空間がゆっくりと歪み、一人の人間をくり抜くように映し出していく。

黒田コノカ:「"狭窄的空間視野"」
黒田コノカ:博物館襲撃の際に使用された隠密に特化した迷彩兵器。
黒田コノカ:そして、心底不快だと言わんばかりに顔を顰めた黒田コノカがキャロルを見下ろしていた。
キャロル・ホプキンス:「あ……ああ……こっ、コノカさん!?」
キャロル・ホプキンス:青ざめた顔で驚愕する。
キャロル・ホプキンス:「コノカさんがここに来れるということは……キングダムの封鎖が解けてしまったのですか!?」
黒田コノカ:「だったら貴様なんぞ助けに来るか、馬鹿め」
黒田コノカ:そう吐き捨て、ホルスターから古めかしい拳銃を引き抜いて構える。
黒田コノカ:「勝つ気もない悪手を打っておいて"精一杯やった"という顔をするのはやめろ。貴様の悪癖だ」
キャロル・ホプキンス:「う……いや……もうちょっと上手くやるつもりだったのですが……」
キャロル・ホプキンス:「相手の感知能力が思っていたより高かったというか……」
黒田コノカ:「ふん」
黒田コノカ:物の試しと言わんばかりに駆除系に向かって発砲しながら、キャロルを引き摺って後退する。
キャロル・ホプキンス:「しかし、どうしてコノカさんがここに? 実はキングダムの外に拘禁されていたのですか?」
黒田コノカ:「相変わらず、嘆かわしい程に突飛な発想だな。ただ──」
黒田コノカ:「今回ばかりは貴様の奇想天外な発想を現実が上回っている」
黒田コノカ:今まで以上に深い皺を眉間に作り、重々しいため息を吐く。
黒田コノカ:「ここまで揃うなら私が出てくる必要など無かった。腹立たしいことこの上ないぞ」
キャロル・ホプキンス:「それは一体、どういう――」
大型駆除系:ガン! ガン! ガン!
大型駆除系:さらに、次々と多足巨大兵器が降る。コノカとキャロルの潜伏地点を包囲するような出現だった。
大型駆除系:敵は無慈悲で、徹底的だ。同時に、自分を近づく者や探る者を決して逃さない敵意がある。
排撃系:空には青い雲が――排撃系の群れがある。逃げ場はどこにもないように見える。
レナ・ルナール:中空から鈴の音が響く
レナ・ルナール:「いきなり飛ばされたと思ったらなにこれ」
レナ・ルナール:「無茶ぶりにもほどがあるでしょ。」
排撃系:チチチチチチチチッ
排撃系:照準レーザーが、突如現れたレナ・ルナールを明るく照らし出した。
排撃系:一本一本は細い照準用のポインタだが、その物量と密度は、もはや巨大なライトに照らされているのと何も変わりはない。
レナ・ルナール:「シェイルがいなかったら詰んでたよ」
レナ・ルナール:再びりん、と鈴の音が響く。
レナ・ルナール:「というわけで、頑張って」
嘴子原シェイル:「無茶振り続きばっかりって顔、まさかきみのそれを見慣れる事になるなんてね」
嘴子原シェイル:同じく中空、彼女を抱き留めながら術式で浮かびつつそう宣う
嘴子原シェイル:「で、頑張るのはいつも私と」
嘴子原シェイル:「────なんて、規模じゃないんだよね。今回は」
嘴子原シェイル:まずは下に。たらり、と魔術光が垂れる。
嘴子原シェイル:孤立無援の二人を囲んだはずの大地が丘陵のように盛り上がり
嘴子原シェイル:ズ ル リ !と、まるで堀のように囲む四脚が、泥濘と化した地に足を取られる。
嘴子原シェイル:盛り土と堀囲い。9世紀ウェセックス王が包囲を受けるデーン人への反抗と勝利を得た
嘴子原シェイル:城の原型、塔状の中枢のその更に基に当たる、太古の簡易要塞。
大型駆除系:ゴシャ!!!
大型駆除系:大きく傾き、姿勢制御調整をすぐには取り戻すことができない。
レナ・ルナール:「これで終わり」
レナ・ルナール:「ってわけにはいかないんだよなあ」
大型駆除系:地形とともに包囲は大きく崩れた。
嘴子原シェイル:その間もずっと不気味なレーザー光から探られるような照射を受けつつも、彼女の表情に焦りはなく──
嘴子原シェイル:──遠くから見れば分かるだろう。
嘴子原シェイル:薄らと狼煙のようにして、駆除系から浮かぶ排撃系まで、魔術光でターゲットマーキングが施されていることを。
嘴子原シェイル:「そこは、ほら」
嘴子原シェイル:「一斉射撃とか、向いてる人に任せたほうが良いかなってさ?」
レナ・ルナール:「だね、せっかく射線を開けたわけだし」
排撃系:それでもなお、未知の焼却レーザーをレナ達に浴びせようとし――
エリザベス・タイラー:「"竜砲"」
エリザベス・タイラー:砂漠の夜空に艶やかな号令が響く。一拍の後に、
エリザベス・タイラー:連なり轟く砲声とともに、幾つもの地点で夥しい砂塵が舞い上がる。
エリザベス・タイラー:砂中より空へと放たれた砲弾が、シェイルのマーカーに吸い寄せられるようにして次々と戦闘機械に着弾、炸裂する。
排撃系:青い光で染まっていた空が、白や赤に彩られる。
排撃系:排撃系は次々と誘爆し、そうしてこじ開けられた穴に新たに雪崩込むように現れる。
大型駆除系:巻き込まれ、再起動も叶わぬまま爆発四散した大型駆除系も存在した。
大型駆除系:それでもなお尽きない敵の物量は異常といえた。あるいはそれが、この敵の執念なのだろうか?
GM:――無人兵器が入り乱れる戦場は、キャロルが目標とする巨大人型兵器とは遠く離れている。
GM:開発コードは"虚飾の世界を砕くもの"という。突如として急転した盤面にあって、悪意の源は、心揺らぐことなく駒を動かしていた。
GM:この仕掛けに気づき、何人かの生徒集団が慌てて駆けつけたところで、問題なく圧殺できる布陣は既に構築されている。
GM:不可解な点はある。なぜ、今も封鎖状態が続いているはずのキングダムから、これほどの戦力が出撃できたのか?

エリザベス・タイラー:「ジェシカ様にしてやられましたわね。私も、貴方も」語りかける。この場にいるものではなく、その思索の主へと。
エリザベス・タイラー:降り立った足元の砂が、静かにせり上がっていく。
エリザベス・タイラー:先ほど砲撃が放たれた地点の砂中から、次々と船の残骸が浮上する。
エリザベス・タイラー:かつての紛争で廃棄された砂上艦。キングダムの外縁砂漠にはかつての廃棄兵器が無数に埋没している。
エリザベス・タイラー:そして、"海賊王"の旗がその帆先にはためく限り、その船が真に沈むことはない。
エリザベス・タイラー:「機を見て本校舎に押し入るつもりでしたが、ここからでは間に合うかどうか……」
エリザベス・タイラー:「しかし、これも良しと致しましょう」
エリザベス・タイラー:「天国の一件、単に企みを挫いたと言うだけでは、艦隊のお礼には釣り合わないと思っておりましたの」
エリザベス・タイラー:遠く砂塵の先、キングダムへ照準を向け続ける巨人の影を睨み。
エリザベス・タイラー:「ああ、けれどごめんなさいまし」
エリザベス・タイラー:「今宵は、算砂様はお連れできませんでしたの」
エリザベス・タイラー:「きっと、お会いしたかったと思うのですけど」
エリザベス・タイラー:「何処の夜会に足を運ぶかは、女の側に権利がありますものね」くすりと笑う。
エリザベス・タイラー:「どうかこの度は、海賊流の御もてなしを満喫くださいな」
エリザベス・タイラー:砂塵を振りまいて、砲門が静かに照準を合わせる。
GM:……事実、一切の動作を見せぬ"虚飾の世界を砕くもの"の内に、一つ明白な意識があった。

"ブロンテス":("免罪王"。嘴子原シェイル)
"ブロンテス":(雑兵が2枚)
"ブロンテス":(……"海賊王")
"ブロンテス":大蛇を背負うかのような形をした暗銅の機体は、緑線の眼でその様を見る。陣容ではない。戦列だ。
"ブロンテス":(……無秩序)
"ブロンテス":最初の所感はそれだった。少なくとも組織的・計画的軍事作戦行動のそれではない。
"ブロンテス":だから殲滅砲撃のための自身の方策が、前提から破綻していた訳ではないと判断できた。
"ブロンテス":それゆえに解せない。いかにしてこれほどの戦力をこの場に集中投下できたのか。その手段と、判断が。
"ブロンテス":(ですが、それでも……目的は分かりきっています)
"ブロンテス":(それならば、私がすべきことも)
"ブロンテス":夜の空、星よりも冷たく青い光が瞬いている。排撃系。大型駆除系。尋常の兵力なれば、そもこれのみで圧殺が可能である。
"ブロンテス":今目に見えている範囲の戦力であっても、そうであろうと見込んでいた。もしも指先一つ限界の先にかかろうと、それを食い千切る牙がある。
"ブロンテス":(……ですからどうぞ、如何様にも姿をお見せください)
"ブロンテス":(それで終わりなら、これで終わりです)
"ブロンテス":(……そうではないんでしょう?)

"月下王":「グァアルルルルルルゥゥゥアアアアアアッ!!!」
"月下王":まさしく、砂中から飛び出したのは、海賊王が引き上げた砂上艦だけではなかった。
"月下王":白く巨大な、狼のような獣だった。
"月下王":それが稲光のように出現し、"ブロンテス"へと向けていた砲身を噛みちぎった。
"月下王":「ガッ、ア、アアアアアァ……ァッ!」
エリザベス・タイラー:「あら、しばらくお見えにならないと思ったら……意外な所でお会いしましたわね」
エリザベス・タイラー:砂上艦を狼の周囲から退避させながら、興味深そうに眉を上げる。
フローレンス・アシュモール:「――海賊王様。そのままお続けください」
フローレンス・アシュモール:噛み千切られた砲身が、修復している――否。
フローレンス・アシュモール:ダイヤモンドで砲身が再び形作られ、その船体もコーティングされている。
エリザベス・タイラー:「素敵」愉快そうに唇を舐める。

フローレンス・アシュモール:「みなさんも。守りはお任せください」
フローレンス・アシュモール:「未だ未熟な身ではありますが――硬さには多少の自負があります」
"月下王":「く、く、く」
"月下王":ぜえぜえと、喘鳴のような人語を発する。
"月下王":「『クライデ……フィレッ、セン』……」
"月下王":「は」
"月下王":「ど、どこ……どこ、だ……ッ!!」
"月下王":異形の獣を見れば、その前腕は半ばから水晶じみて異形化していることが分かる。
"月下王":そこには骨がないからだ。
"月下王":王鍵を破壊されている。
フローレンス・アシュモール:目を細める。
フローレンス・アシュモール:「――何ということを」
フローレンス・アシュモール:「その過ちは、看過できません」
フローレンス・アシュモール:「一学芸員として、人類の歴史の足跡たる遺産の破壊には断固たる態度を取らせていただきます」
フローレンス・アシュモール:「そして――ノヴァリスに住まう“妹”を害された彼女も、黙ってはいないでしょう」
"月下王":「ギャッ、アアアアアアアアアアッ!!」
"月下王":叫びとともに、フローレンスに飛びかかる。
"月下王":その爪も、牙も、青白い稲妻のような速さと力だ。
五辻モモカ:「──随分と、懐かしい声だ」
五辻モモカ:月下王の進路を阻むように、頭上から凄まじい数の聖剣が地面へと突き立てられる。
五辻モモカ:フローレンスと月下王の間を区切って作られた聖剣の壁の傍へと静かに降り立った。

"月下王":――グシャ!!!
"月下王":自ら聖剣の柵へと飛び込む形になる。毛皮を容易く切り裂き肉まで届いた剣に、ダラダラと血を流しながら
"月下王":「グルルルルルッルルルウルルルル」
"月下王":なお理性なき獣の如く、唸り声だけを上げ続けている。
GM:フアナ・メサやカルティカは、"ブロンテス"の望む指向性を与えられた暴走状態にあった。
GM:それでもキングダム崩壊のために送り込んだ手駒には、彼の関与を忘却させる程度の干渉しか施してはない。
GM:元よりそうした心の直接制御は、"ブロンテス"が得意とする分野ではなかった。
GM:彼のオルクス能力では、意識の混濁や理性の喪失、暴走――そうした副作用が起こる可能性があるためだ。
GM:それは、"ブロンテス"がテスラ・タイタニスを無理矢理に従わせなかった理由の一つでもある。
GM:だが、"月下王"のような単純戦闘能力者の人格を壊し、拠点をただ守るための兵器に作り変える程度ならば
GM:十分に役に立つ。
五辻モモカ:悲し気に目を細め、地面へ突き立った聖剣の一つを手に取る。
五辻モモカ:「……遅くなってしまった。私はどうにも出遅れてばかりだ」
五辻モモカ:「だが、生きているならば──」
五辻モモカ:地面へ突き立つ無数の聖剣が崩れ、手にした一つに収束していく。
五辻モモカ:「取返しの付かないことなど決してないと証明してみせる。もう少し、耐えてくれ」
GM:――一方。戦場の外縁。キャロルとコノカは、未だ苦しい戦いを強いられ続けている。
大型駆除系:ガシャガシャガシャガシャ!!!
大型駆除系:シェイルによって崩された地形を恐ろしい速さで駆け、大型兵器がキャロル達に追いすがる。
キャロル・ホプキンス:「状況が分からなすぎて私とても混乱しているのですが!」
キャロル・ホプキンス:「コノカさん! この状況を何とかできるとてもすごい作戦をお持ちなのですよね!?」
黒田コノカ:「し……知る、かッ!作戦も……はッ……クソも、ない!!」
黒田コノカ:たったこれだけの全力疾走で今にも死にそうな顔色になりながら、苦し紛れに叫ぶ。
キャロル・ホプキンス:「ええーっ! 作戦のないコノカさんなんて、ただの性格が悪くて諦めが悪い人じゃないですか!」
黒田コノカ:「黙れクソガキッ!!目の前の事だけの集中しろッ!!今この戦場、は──」
黒田コノカ:「此処にいる全員、が……っ!目の前の敵に勝利する事だけで決着するッ!!!」
黒田コノカ:叫び、出鱈目に追手に向かって射撃する。
大型駆除系:――ジンッ ギッ
大型駆除系:射撃は未知の材質の装甲で弾かれている。効いている気がしない!
黒田コノカ:「クソクソクソッ──!ふざけるなよ!!!これだけ駒があるのにこちらに気を配る奴は誰も居ないのかッ!」
レナ・ルナール:「応援に来てあげただけでも感謝してほしいなー」
キャロル・ホプキンス:「ああもう、コノカさん! 私が殿になります! 彼女達の援護を――」
大型駆除系:ブレードが展開される。脚部が大きく曲がり、既に突進の体勢を取っている……
久世川リンゼ:────しかし、
久世川リンゼ:その大型駆除系が動き出すより前に、後方から連鎖する青光の炸裂を伴い迫る白い影が一つある
大型駆除系:大型駆除系は、高速接近する脅威に対応しようとした。
大型駆除系:最も近い方位の多脚がブレードを展開し、その斬撃を受けようとする。だが……
久世川リンゼ:「────大博物館襲撃事件にて容疑を受け、追跡の最中に原因不明のロストを遂げたかと思えば」
久世川リンゼ:空中の排撃系を踏み壊すと同時に足場とし、直剣を抜き放った彼女が加速する
久世川リンゼ:展開され、刀身と交差したブレード。そして極めて強固な装甲に対し、まるで肉を断つかのように刃を通す
大型駆除系:――ギ ン!!
大型駆除系:まるで鏡のような断面を見せて
大型駆除系:大型駆除系が左右に割れた。爆発する。
久世川リンゼ:凝縮された極光によって構成されるその遺産は、その身を膨大な熱量によって押し切る一刀と化す

久世川リンゼ:「まさかこのような場所で遭遇することになるとはな、免罪王」
久世川リンゼ:振り抜いた直後からブレーキを掛けるように減速して降り立ち、そのまま振り向く
キャロル・ホプキンス:「そっ、捜査部……!? こんなところまで追って来たのですか……? お勤めご苦労様です……」
黒田コノカ:「……よりによって救伐騎士団か」
黒田コノカ:続けて博物館の連中よりはマシだが、と苦々しく口の中で呟く。
久世川リンゼ:「……思いの他余裕はあるようで何よりだ」呆れたように返す
久世川リンゼ:「安心しろ、ここで捕らえるつもりは無い。貴様らの罪状について、今この場では全て目を瞑ろう」
久世川リンゼ:「キングダム存亡の瀬戸際だ、存分に働いてもらうぞ」
黒田コノカ:「流石は騎士王様の配下。寛大なお心遣いに感謝申し上げる」
黒田コノカ:「ついでに……戦列を整えるのにもご協力いただけると助かるのですが?」
黒田コノカ:「コイツの対面では私はあまり役に立てませんので……出来るだけ人の多い所が良い」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「それならお任せを!」

トゥーナ・ネヴァーリンクス:大きな盾を持った生徒が駆け付け、キャロル、コノカと敵陣の間に立ちはだかる。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「私は救伐騎士団捜査部、トゥーナ・ネヴァーリンクスです。隊長が戦っている間、皆さんは私が護衛します!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「アメリアさんも一旦、こちらへどうぞ。あなたの護衛も引き続き行いますので」

アメリア・シュミット:「感謝いたします!今の私は何もできないですから……」
キャロル・ホプキンス:「“鴉飼”さんまで! お久しぶりです!」
アメリア・シュミット:車椅子に括りつけた巨大な鳥籠型の容器が嵩張っているぞ
黒田コノカ:「……」顔を顰める
久世川リンゼ:「立て続けに護衛を任せることになってすまないな、トゥーナ。よろしく頼む」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「いえ、お任せください!」
アメリア・シュミット:「”免罪王”に、コノカさん……いろいろ、ありましたね」
キャロル・ホプキンス:「いやあ、あなたの目を盗むのは大変でしたよ! ……っと、旧交を温めている場合ではありませんでした!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「なんだか思う所がありそうですが……」コノカの様子を見ながら。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「今は私に守られてください。このまま海賊王様の所までお連れします。さあ、こちらへ!」
黒田コノカ:「……どうかお気になさらず。よろしくお願いします」
黒田コノカ:引き攣った笑みを浮かべながら、戦場に視線を巡らせる。
アメリア・シュミット:「その通り!今は共に……きゃ~~っ!」後ろで排撃系のレーザーが爆発!
キャロル・ホプキンス:「“鴉飼”さーん!!」
黒田コノカ:(……チッ。目立ち過ぎたか)
アメリア・シュミット:「ところであの方は……?いの一番に来ていてもおかしくないのに……」上空を見渡す
黒田コノカ:空に浮かぶ排撃系の群体を目で捉え、視線を幾度も巡らせる。
随伴系:黒田コノカ以外は気付かなかったかもしれない。

随伴系:排撃系で埋め尽くされた空の中では目立たないが、黒い異質な機体の影がある。
随伴系:何らかの攻撃を仕掛けてきているわけではない。だがこちらに追従し、監視しているようでもあった。
黒田コノカ:「なんだアレは……?補給機、いや──」
アメリア・シュミット:「それとも……まだ誰かを連れてきているのでしょうか……?」
"ブロンテス":……遠く。緑の眼は依然戦場を見下ろしている。
"ブロンテス":(塔の女。救伐騎士)
"ブロンテス":("光耀王"、"金剛王"に……"法王")
"ブロンテス":(間違いなく戦略的判断が介されている……特に救伐騎士団の2枚。あの局面で騎士王の下を離れるという判断を、彼女らは自発的にはしないでしょう)
"ブロンテス":(封鎖が一時解けたことは確定。脳が誰かは構わない。問題は誰が為したか。空間転移はシャムロックの女の十八番ですが、あれは動くまい。となれば……)
"ブロンテス":(…………)
"ブロンテス":(なるほど)
"ブロンテス":当然、彼は把握している。あの革命の日、キングダムに在り、ロードマスター殺しに関与した者の名は、その後姿を消した者も含め、全て。
"ブロンテス":(貴女か)
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"は、長距離砲撃機である。近距離目標に対して、他の二機のような直接的な蹂躙能力を持たない。
"虚飾の世界を砕くもの":古代の巨像としての性能は、砲撃機に求められる強固な安定性と、連続砲撃に耐える自己修復能力に集中している。
"虚飾の世界を砕くもの":よってその攻撃行動は、極めて緩慢だが――
"虚飾の世界を砕くもの":背部装甲が展開し、星のような火を空に打ち上げた。
"虚飾の世界を砕くもの":火は、すぐに降下し始める。
"虚飾の世界を砕くもの":古代の機構である。名称も原理も不明だが、周囲をまとめて焼却する兵器だということだけは、誰しもが理解できた。
エリザベス・タイラー:(ミサイル……ではない!弾幕での迎撃は無意味)
キャロル・ホプキンス:「まずい……! ブリューナクや博物館級の兵器です! 防ぐのは無理です! 退避を――!」
エリザベス・タイラー:「錨鎖……!」
エリザベス・タイラー:多数の錨が砂中へと発射され、船体を地面に縫い留める。
エリザベス・タイラー:大部分を焼却されることを承知した上で、戦場から弾き出されることだけは避けなければならない。
アメリア・シュミット:「夜の砂漠は寒いと聞いていたのに……熱いのは大変です!」
嘴子原シェイル:「(質量弾じゃないから干渉しても効果は薄い……)」
嘴子原シェイル:「(……どころか、熱が地上の皆を焼き払うに十分な規模の半球になると踏むなら、空に居る私達ですら危ういか……?)」レナを更に抱き寄せながら顔を強張らせる
フローレンス・アシュモール:(防ぐには準備が足りない)
フローレンス・アシュモール:(この身が円卓であれば――!)
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「さすがにアレは……船に急ぎましょう!」
エリザベス・タイラー:「近くの船の影に!!お急ぎになって!!」
エリザベス・タイラー:面々を庇うように船を傾斜させる。もっとも、肉体が焼き尽くされる前に辿り着ける者がどれほどいるか……
"虚飾の世界を砕くもの":火は地上へと降下しながら微細に分かれ、強大なエネルギーの豪雨となって降り注ぐ。
"虚飾の世界を砕くもの":無人兵器の物量で生徒達を食い止めていた"ブロンテス"の戦術意図としては、まずはそれだった。
"虚飾の世界を砕くもの":例え大戦力に攻められようと、緩慢に過ぎる"虚飾の世界を砕くもの"の攻撃準備が完了するまで、戦場に敵戦力を縫い止めておくこと――
"月下王":それは無論、理性なき"月下王"をも巻き込むものだった。空から訪れる火にただ錯乱し、手当たり次第に周囲を破壊することしかできない。
"月下王":「グ――ァ――」
五辻モモカ:「ッマカ、ミ──!」月下王へ向けて駆けだすが、それ以上の意味はない。
五辻モモカ:(間に合わない、いや──間に合ったとて……ッ)
ヒナテア・オルブライト:多くの者が空を、降り注ぐ破滅を見上げた時。
ヒナテア・オルブライト:もう一つの異変を、否応なしに視界へ捉える。
ヒナテア・オルブライト:空の一角が色を変える。変わる。次々。万華鏡が転がるように。
ヒナテア・オルブライト:この世ならざる情景が垣間見え、射干玉色の稲光が、桜色の重金属酸性雨が、蒸栗色のそよ風がまろび出る。
ヒナテア・オルブライト:巻き込まれた機械群が擂り潰され、電脳を侵され、風に絡めとられて。
ヒナテア・オルブライト:ひとつのジャンク塊として、宙に打ち上げられる。
ヒナテア・オルブライト:自由自在に振り回される金属群が、降り注ぐ炎を払い除け、溶熱が赤々と輝く。
エリザベス・タイラー:(複数の異界法則?これではまるで……)千変万化する空の色を眼にし、僅かに背筋が強張る。
エリザベス・タイラー:革命の日、自分と騎士王は同種の異常摂理と真っ向から対峙し、幾度となく転送を経験している。
ヒナテア・オルブライト:青白い月光を背に、指揮者は長い影を落としている。
ヒナテア・オルブライト:長い褐色の手足に黒衣がへばりつき、幽鬼の如き白髪と共に揺らめく。

ヒナテア・オルブライト:左眼窩に捩じ込まれた、或いは内側から生えてきたかのように輝く宝石瞳。
ヒナテア・オルブライト:その赤に人は嚇怒の色を想起するだろうか。何もかも焼き尽くす焔を重ねるだろうか。
ヒナテア・オルブライト:もしも、かつての決戦に身を投じた者ならば。或いは。
ヒナテア・オルブライト:ロードマスターが振るった、一振りの魔剣の赫を見出すだろう。
ヒナテア・オルブライト:見下ろす先は巨大なる敵でも、長きにわたり捜し求めた戦友でもない。
ヒナテア・オルブライト:己が道に運ばれることなく、たった一人で砂漠に足跡を刻み、此処に戦士たちを導いた少女。
キャロル・ホプキンス:「まさか……黄道王……?」
レナ・ルナール:「誰それ?」
キャロル・ホプキンス:かつて、王国を守る戦いにおいて、背中を見て、あるいは壁となって守った、遙か高みに立つ王。
キャロル・ホプキンス:そして、至上王に真っ先に反逆し、王ではなくなった罪人。
キャロル・ホプキンス:「――英雄、ですよ」
五辻モモカ:「ヒナ……テア?」
五辻モモカ:変わり果てた姿を茫然と見上げる。
レナ・ルナール:「ふうん」少し興味深そうに視線を投げる。
ヒナテア・オルブライト:「免罪王……か」擦れた声と共に腕を振るい、一挙に炎と鉄屑を吹き飛ばす。
ヒナテア・オルブライト:「巡礼者の行程、見届けさせて貰う」黒い孔が開き、最後の客人たちを招き入れる。
GM:炎の豪雨は、ヒナテアが振り回した大鉄塊で大部分を防がれてはいた。
GM:だがその鉄塊もとうに溶解し、気化してしまった。雲の彼方に打ち上がっていた分は、まだ立て続けに降り注いでくる。
-:一帯に未だ殺到する、莫大な火勢。それは火である限りは、可燃の触媒があってこそ成立する。
-:それが到達する前に、別の“火”が軍勢のもとに現出し、焚べられるはずのものを使い尽くした。
-:その中心には、小さな少女の姿がある。
-:純白に青いラインの映える制服。袖の腕章にはこうある。
-:――"Supreme Student Council"
エリザベス・タイラー:「……最高生徒会」小さく呟いた後、愉しげに笑う。

綾云媛:「こちらは最高生徒会の者です!」
綾云媛:「“スブ・ロサ”綾云媛。最高生徒会の安全保障寮寮長を務めております」
綾云媛:「現在、キングダム連合学院にて――『星室庁』が開廷されています」
綾云媛:「あなた方の本行為は――最高生徒会執行機関『星室庁』の、有崎五派氏に危害をもたらし得るものと認定されます!」
綾云媛:「……とまあ、名目はこのくらいにしましょうか」
綾云媛:「補導団団長、“探索王”……ここではまあ、こちらのほうが通りがよろしいでしょう」
エリザベス・タイラー:「ごきげんよう綾様。貴方の寄越して下さった子、いい仕事をしましたわよ」
綾云媛:「お役に立てて光栄です、エリザベス様」
エリザベス・タイラー:「お互い立場が変わっても、有意義なお付き合いを続けていけそうですわね」
綾云媛:「ええ、勿論ですとも……して」
綾云媛:「エリザベス様に、クロス、フォーマー・アーマメント、フォーマー・レイ、果てはオービット……」
綾云媛:「“円卓でないだけ”の特記をこうも取り揃えて、総力戦も甚だしい」
綾云媛:「母校の危機だ、と頼み込まれるだけはありますか」
綾云媛:「しかも」新たな闖入者を見やりながら。「まだ足りぬと見える」
大型駆除系:そこには、戦場中央に雪崩込もうとする大型駆除系がいた――先程までは。
-:ゴ ト ン ッ
-:雲霞を成して迫りくる駆除系。鋼鉄の獣を思わせるその頸が。
-:尽く、地に落ちている。
-:将棋倒しのように崩れ連なった残骸の上に、一本の大剣が突き立つ。
-:紅玉の如く赤く分厚いその刀身は、次第に錆びた黒へと変わり
-:やがてボロボロと腐食して崩れ落ち、一本の見窄らしい槍だけが残る。
-:その槍の柄を、少女の手が掴む。
-:「総力戦……母校の危機」
-:かつて、十番目の席に名を連ねた王がいた。
-:極刑王。"天国派"の管理下にあったキングダムにおいて、理事会の内部粛清を請け負った処刑人。
-:彼女が裁くのは生徒ではない。
-:"天国派"の意に沿わぬ反乱分子、王道の妨げとなる佞臣を、生徒の手で処断させるための、忌まわしき王。
-:革命とともにその最後の役目……理事会残党の処刑を放棄し、行方をくらました。
-:未だその名を口にすることすら忌避されるが故に、第十の席にその名を残す、呪われた王。
-:そして、今は───。

ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「そのような状況、皆さんに絶対に必要なものを持ってきました」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「そう、"応援"です」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「強大な敵に立ち向かう時。誰も助けてくれない時。恐怖に足がすくむ時」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「それでも前に進まなければいけない時。そっと背中を押してくれるもの」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「そう!"応援"です!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:槍を引き抜く。錆びついた槍が白銀の輝きを取り戻し。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:その穂先に、幻影の旗がひるがえる。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「キングダム応援団団長!"喝采王"!!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「ノエミ・ジャンヌ・サンソン!義も縁もなく、後ろめたい気持ちも全然ありますが……」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「皆さんが頑張ってるので!!応援に馳せ参じました!!」
アメリア・シュミット:「”喝采王”!加わってくれるのですね……!」
綾云媛:「貴女をここで見るとは思いもよりませんでしたよ」くすりと笑い。
綾云媛:「どれだけ声を掛けたのやら。少し留保して価値を吊り上げておくべきでしたかね?」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「あわっ!?"探索王"!?どうぞお手柔らかに……!」"応援"活動を取り締まられる立場なので苦手だ。
GM:"探索王"だけではない。キングダムを離れた"喝采王"も、キングダムとの繋がりを完全に断絶してはいなかった。
GM:行方不明となった"黄道王"でさえそうだった。不夜王は彼女らを見つけ出し、か細い火を絶やさず、密かに守り続けてきた。
GM:最大の悪意を以て設計された破壊の波を、王達の軍勢が一時押し返した。
GM:ようやく、生徒達は――キャロル・ホプキンスは、この戦場に立つ権利を得たのだ。
GM:そして、別の足音が彼女のもとに近づく。
?????:胸には連合学院の弁護士証、赤いリボンで束ねられた黒髪が風の中揺らめいている
?????:少女の手には鈍く光る手鐘の王鍵、魔法鐘マギクムが穏やかに鳴り響き
?????:そして白い梟…ミネルヴァがそっと止まる。
キャロル・ホプキンス:自身の肩から飛び立ったを追って振り返る。
キャロル・ホプキンス:「……遅いですよ」

正法院ワカナ:「"レクシコン・ロア"正法院ワカナ。キングダム生の危機を守る一人として」
正法院ワカナ:「我が王、"免罪王"キャロル・ホプキンスの副臣として」
正法院ワカナ:「微力ではありますが、身骨を砕きキングダムの敵を排除します。」
正法院ワカナ:「なんてね。他人行儀な自己紹介は此処まで。」
正法院ワカナ:「…どんなに辛くても、一人でも、先の見えない暗闇の中でも、歩みを止めない貴方だけど」
正法院ワカナ:「本当に一人じゃない。後ろにはいつだって貴方の力になる人がいる。」
正法院ワカナ:「がむしゃらな貴方がきっとどこかの誰かの心に火を点けている」
正法院ワカナ:「─────やっと一緒に戦えるね。追いついたよ。キャロル!」
正法院ワカナ:「私に貴方の夢を応援させて。」
キャロル・ホプキンス:「――ワカナさん!」
キャロル・ホプキンス:「もう……私から目を離さないって言ったのはあなたなのに!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「何のことかはわかりませんが私も応援します!!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「何のことかはわかりませんが……応援されるということはきっと良いことなのでしょう!!」
キャロル・ホプキンス:「ええ、応援していただきましょう!」
キャロル・ホプキンス:「ワカナさんも、喝采王も、そう言ったのならもう応援してもらうつもりでいますからね!」
正法院ワカナ:「当然っ、もう嫌って言っても私…達が貴方の背中を押してやるんだから!」
正法院ワカナ:「そっちこそ、覚悟してよね。」
キャロル・ホプキンス:「覚悟ならとっくにできていますとも! ええ、ワカナさんには大切な友人として見届けてもらわなくては!」
キャロル・ホプキンス:「今から、その覚悟を見せます!」
キャロル・ホプキンス:振り返り、この戦場全てに声が届くように、息を大きく吸う。
キャロル・ホプキンス:「――鴉飼さん! リンゼさん! トゥーナさん! 金剛公! あなた達は今までも、そしてきっとこれからも私の厄介な敵になるでしょう!」
キャロル・ホプキンス:「シェイルさん! レナさん! ヒナテアさん! あなた達は至上王陛下に牙を剥いた罪人です!」
キャロル・ホプキンス:「探索王! 喝采王! 法王! 海賊王! あなた達は私と同じく王を名乗る罪人です!」
キャロル・ホプキンス:「私と、ここにいるコノカさんとワカナさんはあなた達の敵になります!」
正法院ワカナ:「えっ、えっと。キャロル…!?何を言ってるの!?それに黒田コノカもここに…っ!?」すごい勢いで反逆者となっている気がする。
キャロル・ホプキンス:「私は、至上王陛下に拝謁し、真の王であるかを確かめます!」ワカナの言葉は無視して続ける。
キャロル・ホプキンス:「ですが、その結果に関わらず、あなた達は等しく王に相応しくありません! 必ず罰を受けてもらいます!」
キャロル・ホプキンス:「ですが! その前に!」
キャロル・ホプキンス:「私の友達を助けるのを手伝ってください! お願いします!」勢いよく頭を下げる。
レナ・ルナール:「それで僕らの士気が上がると思ってるのが凄いよ」
レナ・ルナール:楽しそうに笑う
嘴子原シェイル:「その割には何だか嬉しそうにも見えるけど?」
レナ・ルナール:「嫌いじゃないからね、ああいう傲慢で我儘な人間は」
久世川リンゼ:額に指を当て、深いため息をつく
黒田コノカ:「私はお前の仲間ではない……」キリキリと痛む腹を抑えて首を振る
フローレンス・アシュモール:「本当に……懲りない方ですね……」苦笑い
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「友人を助けるのは立派なことです!一緒に頑張りましょう!」
綾云媛:「終わった後のことはこちらは感知しませんから。好きにやってくだされば」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「うぁあ……!うぐっ……!!お友達のためにそんなに一生懸命になって……!!」感極まっている。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「これは全力で応援しなければ!!頑張りましょう皆さん!!」
アメリア・シュミット:「これからも敵として仲良くしましょうね~♪」
正法院ワカナ:「あーあ、こうなっちゃったらもう止まらないわね。キャロルは筋金入りの頑固だもの。」
正法院ワカナ:「…ふふっ、今度こそ離さないんだから」
久世川リンゼ:「事が済み次第、捕まり裁きを受けるのは貴様一人だ」
久世川リンゼ:「それまでは猶予としてやる、忘れるな」
ヒナテア・オルブライト:「見届けると、そう言った」ばさりと袖を振るい、敵へと視線を動かす。
ヒナテア・オルブライト:「示してみせよ、貴様が相応しいかどうか!」
エリザベス・タイラー:「あらあら、なんともまとまりのありませんこと」くすりと笑って。
エリザベス・タイラー:「けれど、そのような船も悪くありませんわね」
"ブロンテス":(雑兵を一枚積み、そして"黄道王"、"探索王"。"極刑王"。無論、封鎖外の王鍵所持者は把握していましたが……)
"ブロンテス":(王、王、王! よくも節操なく掻き集まった!)
"ブロンテス":感情のさざ波を、努めて抑える。幸い、これ以上の増援は見て取れなかった。この局面で戦力の逐次投入に意味はない……これが盤面の決定形。
"ブロンテス":「――はぁ」
"ブロンテス":嘆息を漏らす。ままならぬことは覚悟していた。だが覚悟していた以上のままならなさに耐えかねて、機身に不要な精神の呼吸を漏らした。
"ブロンテス":「なるほど。これで……勝つつもりなのですね。なるほど」
"ブロンテス":「良いでしょう。ならば皆様に――百人長19th、"ブロンテス"が」
"ブロンテス":「……途方もなく不足なる我が身が」
"ブロンテス":「何を以て立っているか、ここに験しましょう」
GM:ぞう、と形のない風が溢れた。
GM:そもそも……その事実を知っている者がいれば、結論も明白であっただろう。
GM:排撃系、あるいは駆除系と呼ばれる機械群が、如何なる理路により制御されているか。
"ブロンテス":「忘れたとは――」「言わせない」
GM:彼の中に、何があるか。
"ブロンテス":「生き還れ。テノー66298到達点」
"ブロンテス":空の闇が、朝のそれに近づいた。夜天の向こう側から、無数の青い光点が、地上へと狙いを定めている。
"ブロンテス":「騙れ。シテラスクX字戒」
"ブロンテス":暗い桃色の文字が、暗銅の機体からぞろぞろと這い出た。地球上の誰も知らない後悔だった。
"ブロンテス":「火を点せ。大ナスナ紀計画躯体」
"ブロンテス":遥か彼方の距離から、その場にいる全員が『見られた』と直感した。そのような圧力があった。
"ブロンテス":「私が、貴女たちの」
"ブロンテス":「世界の終わりだ」
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
"ブロンテス"[9]
随伴系[9]
大型駆除系1[7] 大型駆除系2[7] 大型駆除系3[7]
大型駆除系4[7] 大型駆除系5[7] 大型駆除系6[7]
大型駆除系7[7] 大型駆除系8[7] 大型駆除系9[7]
排撃系[12]
"月下王"[8]
10m
シェイル[14/100] キャロル[9/100]
"海賊王"[5/153] コノカ[10/100]
レナ[4/110] フローレンス[7/141]
リンゼ[18/137] アメリア[11/100]
"法王"[12/131] トゥーナ[4/116]
ヒナテア[18/100] "探索王"[5/100]
"喝采王"[10/100] ワカナ[8/100]
【神聖二重冠(ダブルクロス)】
クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。
GM:クライマックス戦闘を開始します。
綾云媛:キャラシート
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:キャラシート
正法院ワカナ:キャラシート
GM:これはある獣の話だ。
GM:その獣はアメリカ、ニューメキシコ州の片隅、社会の汚泥に塗れて生まれた。
GM:美しい容姿をしていた。そしてそれを凌駕する知性を持ち、しかしそれを発揮するには、獣は幼く、世界は淀んでいた。
GM:獣はより大きな獣に抑えつけられ、それにより存続を許されていた。
GM:忌まわしい沼の底、その能力を目覚めさせ、また見出されるまでは。
FHエージェント:「……まずその穢れを洗い落とさないといけませんね」
GM:獣を見出した者はそう告げて、獣を彼の元へ連れ帰った。
GM:ファルスハーツ。ノヴァリス計画。数の思惑のうねりを頬に感じながら、しかし獣は彼に師事した。
GM:獣にとって、彼は生の指標だった。磁針が北を指すように、彼の言葉は法則であり、彼の評価は価値であった。
GM:獣が初めて目にした、全てが自らを上回り、それでいて自らを導く存在だったからだ。
GM:『父』と言うには恐ろしく、『神』と言うには近過ぎる。だから敢えて言葉にするなら、それは
GM:――『先生』だった。
-:……畏敬は、ノドスが漂流を始めようと変わらなかった。
-:彼の教えの半ばで脱落した自分は、きっともはや何の価値もない存在であろう。
-:それでも良かった。それならばそれで、その結論を確かめたかった。それこそが希望だった。
-:……"革命"を知った時ですら、希望を捨てはしなかった。
-:彼が、生徒の叛乱ごときで敗走を期すとは思わなかった。何か理由があるか、意図を以て『そう見せている』だけかとも考えた。
-:だが、"マスターゼウス"に傅き、『それ』を捨てることで得た鉄の身で自ら確かめられたのは――
GM:一つの事実。
"ブロンテス":「ああ」
GM:失われた民族、音楽、魔術、厄災、神――『世界から無くなったもの』だけが流れ着く地。"楽園"と呼ばれる場所。
GM:ある事件に乗じてアジール生物圏保護区を介し、調査のため踏み入ったその地に。
"ブロンテス":「……ああ」
GM:うら寂しい、左右非対称な造りの祭壇の片隅に、その事実は、転がっていた。

GM:歪んだ金属殻は鮮明な緑の苔が覆い、なめらかに濁った液体は、装甲局面に溜まったもの以外、土に染み込んでいた。
GM:跡形なく無惨な事実が、生き、語っていた頃の姿を、獣は昨日のことのように思い出せる。
"ブロンテス":「ああ――」
GM:……楽園は、流れ着いたものを外に出すことを許さない。
GM:獣は周到だった。訳の分からぬ場所へむやみに踏み込む性質はなく、当然その法則も把握していた。それを持ち帰る用意など、しているわけがなかった。
GM:だが、そのとき獣は……自らが人の形をしていることを発見した。
GM:それは人間であるノドスチルドレンが機械の身をスムーズに操作するための、機能を保たぬ象り物でしかなかったが。
GM:足と腕を持ち、胴を持ち、顔を持ち、
GM:口腔があった。
GM:それを用いて、他を自らに取り込むすべを、獣はよく知っていた。
GM:――遠いあの日。
GM:獣が彼の前に立つ時、携えていたものは三つ。恵まれた容姿。優れた能力。そしてもう一つ。
FHエージェント:「アーノルド・ウォッチャー。戸籍名は大事にしておいてください。真の名というのは、あった方が良いものです」
FHエージェント:「それとは別に、あなたには名を授けましょう」
FHエージェント:「"マーズウルフ"」
FHエージェント:「これは私が見つけたあなたという宝への、最大の激励です」
FHエージェント:「未だ人ならぬ獣のあなた」
FHエージェント:「穢れた口元を拭い、出自を超え、偉大なる導きを受け」
FHエージェント:「いつか王となりなさい」
"ブロンテス":その日は来ない。
"ブロンテス":もはや導きはなく、あるのは、ただ――
"ブロンテス":(……復讐? いや、そんなの無為過ぎる)
"ブロンテス":(……代行? いや、そんなの傲岸過ぎる)
"ブロンテス":偶然にも、その時指針となったのは、手段として"マスターゼウス"から受け取ったコードネーム。
"ブロンテス":"ブロンテス"。雷鳴を意味するその名。
"ブロンテス":("マーズウルフ"の名を捨てた今、私にふさわしいのは)
"ブロンテス":(それではないか)
"ブロンテス":(……破壊)
"ブロンテス":(あの人のいないキングダムで、王の座を弄ぶものすべて)
"ブロンテス":(それに相応しい末路を与える。……ノドスの力ではない)
"ブロンテス":(あの人の力の下に)
"ブロンテス":(私は"ブロンテス"だ)
"ブロンテス":――そして長く、長く解析と探査を続け。彼の遺したものを可能な限り結集して。敬意こそ無くも、恩ある同朋すら裏切り。
"ブロンテス":この日を迎えた。
"ブロンテス":キングダムの終わる日が。
GM:……これはある獣の話だ。
GM:終わりを知らぬ、穢れた獣の物語だ。
GM:――それがたとえ、超常の力を有する兵器だとしても
GM:なぜ彼は、遺産失格者すら忘れ去ってしまった"Pulverizer"を見出し、その起動権限すら手にしていたのか?
GM:なぜ彼は、この世界から失われたはずの、異世界の王鍵の力を振るえるのか?
GM:なぜ彼は、初めから王鍵を破壊することができたのか?
GM:『天国』で対面した"竜王"の指摘は、奇しくも正鵠を射たものであった。
GM:本来できることのない、絶対の優位性を
GM:――『できることを確かめたかった』。
GM:楽園に漂着した遺物は、楽園の外に持ち出すことはできない。
GM:それはノヴァリスの知性体の無意識領域に位置する、ノウアスフィアが仮初の形を取ったものにすぎない。
GM:だが、故に、虚実を崩すほどに凄まじい、妄執と妄想の内でだけは。
GM:それを、持ち出すことができる。修復することができる。
GM:復活する。
GM:衝動判定を行います。衝動判定は今回もGM側で処理しますが
GM:ここでバフを行いたい場合は先に宣言してください。
ヒナテア・オルブライト:キャラシート
レナ・ルナール:じゃあ綾さんに援護の風+ウィンドブレス投げます。
レナ・ルナール:ダイス+6、達成値+12
レナ・ルナール:侵蝕+4、→114
GM:では衝動判定処理。難易度は9です。
ヒナテア・オルブライト:7dx+2>=9
DoubleCross : (7DX10+2>=9) → 8[2,4,5,5,6,6,8]+2 → 10 → 成功
ヒナテア・オルブライト:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+17[8,9] → 117
レナ・ルナール:5dx+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[2,6,7,8,10]+4[4]+1 → 15 → 成功
レナ・ルナール:114+2D10
DoubleCross : (114+2D10) → 114+10[5,5] → 124
嘴子原シェイル:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 8[4,5,8,8]+3 → 11 → 成功
嘴子原シェイル:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+14[7,7] → 114
エリザベス・タイラー:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 6[1,1,2,6] → 6 → 失敗
エリザベス・タイラー:153+2D10
DoubleCross : (153+2D10) → 153+7[6,1] → 160
久世川リンゼ:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 7[2,5,5,6,7]+3 → 10 → 成功
久世川リンゼ:137+2D10
DoubleCross : (137+2D10) → 137+10[2,8] → 147
トゥーナ・ネヴァーリンクス:5dx+5>=9
DoubleCross : (5DX10+5>=9) → 10[1,3,5,6,10]+4[4]+5 → 19 → 成功
トゥーナ・ネヴァーリンクス:116+2D10
DoubleCross : (116+2D10) → 116+13[4,9] → 129
フローレンス・アシュモール:6dx+5>=9
DoubleCross : (6DX10+5>=9) → 8[3,3,5,6,7,8]+5 → 13 → 成功
フローレンス・アシュモール:141+2D10
DoubleCross : (141+2D10) → 141+16[7,9] → 157
アメリア・シュミット:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 5[4,4,4,4,5] → 5 → 失敗
アメリア・シュミット:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+14[7,7] → 114
五辻モモカ:4dx+2>=9
DoubleCross : (4DX10+2>=9) → 10[1,5,7,10]+9[9]+2 → 21 → 成功
五辻モモカ:131+2D10
DoubleCross : (131+2D10) → 131+15[9,6] → 146
綾云媛:10dx+5+12>=9
DoubleCross : (10DX10+17>=9) → 10[1,2,3,3,5,5,6,9,10,10]+5[4,5]+17 → 32 → 成功
綾云媛:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+9[7,2] → 109
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[2,5,5,8,10]+6[6]+3 → 19 → 成功
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+17[9,8] → 117
正法院ワカナ:7dx+3>=9
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 10[3,3,6,7,7,8,10]+4[4]+3 → 17 → 成功
正法院ワカナ:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+13[4,9] → 113
黒田コノカ:8dx>=9
DoubleCross : (8DX10>=9) → 9[2,2,4,5,5,5,7,9] → 9 → 成功
黒田コノカ:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+15[7,8] → 115
キャロル・ホプキンス:5dx+4>=9
DoubleCross : (5DX10+4>=9) → 10[2,2,3,5,10]+1[1]+4 → 15 → 成功
キャロル・ホプキンス:100+2D10
DoubleCross : (100+2D10) → 100+7[1,6] → 107
■ラウンド1
GM:セットアップは行動値順に処理していきます。まずは行動値18のヒナテアさん!
ヒナテア・オルブライト:【Grind Blind Frum Frame 】《螺旋の悪魔》暴走状態になり、ラウンド中ウロボロスエフェクトによる攻撃力+18。
ヒナテア・オルブライト:暴走状態につき《ロックンロールビート》により攻撃の達成値+10。
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を3増加(117 → 120)
GM:同じく行動値18、リンゼさん。
久世川リンゼ:エンブレム、ハウスオブデモンズを使用
久世川リンゼ:シーン登場しているキャラクターの行動値を+5します。対象は私、ヒナテアさん、シェイルさん以外の味方PC全員です
GM:行動値15、"虚飾の世界を砕くもの"。
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の黄:ファンアウト》。現在マップ上にいるエネミーを戦闘移動します。
レナ・ルナール:あ、頭がいい!!
久世川リンゼ:こいつ!!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:なんかやってる!
正法院ワカナ:こ、こいつ!!!!
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
大型駆除系1[7] 1m "ブロンテス"[9] 1m 大型駆除系2[7]
大型駆除系3[7] 大型駆除系4[7] 大型駆除系5[7]
1m 8m
大型駆除系6[7] 大型駆除系7[7]
大型駆除系8[7] 1m 排撃系[12] 1m 大型駆除系9[7]
2m
"月下王"[8]
随伴系[9]
シェイル[14/100] キャロル[9/100]
"海賊王"[5/153] コノカ[10/100]
レナ[4/110] フローレンス[7/141]
リンゼ[18/137] アメリア[11/100]
"法王"[12/131] トゥーナ[4/116]
ヒナテア[18/100] "探索王"[5/100]
"喝采王"[10/100] ワカナ[8/100]
GM:行動値と侵蝕率は後からまとめて反映します。
GM:あ、もう行動値変わりまくってる!この場合どういう順番でセットアップ処理すればいいんだ……!
GM:ちょっとすいません!処理した人と処理してない人がごちゃごちゃになるので
GM:イニシアチブ操作系はセットアップ後にまとめて行うとさせてもらっていいですか!?
GM:ゴールデンルールを発動します!この戦闘だけそうします!
ヒナテア・オルブライト:了解です!
久世川リンゼ:了解しました……!
ヒナテア・オルブライト:修正値の項目にデフォルト行動値入れておいたので、基準値として参考にしてください
ジェシカ・クロフォード:うすうす!
GM:デフォルト行動値でいえば、次は行動値14のシェイルちゃん……のはず!
GM:シェイルちゃんはセットアップないか。行動値12の法王!
五辻モモカ:なし!
排撃系:行動値12の排撃系!何もしません!
排撃系:ちなみにこの1体だけ残ってるやつは
排撃系:ミドルでキャロルさんが撃ち漏らした一体だよ
GM:行動値11のアメリアさん!
嘴子原シェイル:あっすみません!一応搭乗したいです
GM:どうぞ!シェイルちゃん搭乗OK!
嘴子原シェイル:ありがとうございます コーリングシステムでスカイキッドに搭乗
アメリア・シュミット:エフェクトあります!
GM:うおおお何をする気だ
アメリア・シュミット:『鴉の目からは逃げられません!』《絶望の領域》
GM:ギャアアアアアア―――ッッッ
アメリア・シュミット:ラウンド間、対象の判定ダイスーLv×2個
GM:じゃあ-2個かなあ?(幼女)
アメリア・シュミット:レベルが今6だから―12個で、対象はシーン(選択)!
GM:たちゅけてください……
アメリア・シュミット:対象は勿論エネミー全部!
アメリア・シュミット:侵蝕+4で118
GM:このラウンドのエネミーダイスはぜーんぶ-12個になりました!たちゅけてください……
GM:行動値10、ノエミ&コノカ!
黒田コノカ:では僭越ながら先に動きましょうか
黒田コノカ:《活性の霧+鮮血の奏者+アクセル+タブレット+多重生成》HPを2点消費して5体を対象に攻撃力+36、行動値+8。侵蝕13
黒田コノカ:対象はリンゼさん、ヒナテアさん、エリザベスさん、モモカ、キャロルさん
GM:加減しろ莫迦
黒田コノカ:黒田コノカの侵蝕率を13増加(115 → 128)
黒田コノカ:HPは24になりました
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《赫き鎧》《ブラッドコート》《限界突破》。《限界突破》は《波紋の方陣》を指定します。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕117→129
GM:行動値9のキャロルさん。
キャロル・ホプキンス:セットアップありません!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:HP36→33 装甲は30
GM:行動値9、"ブロンテス"。
"ブロンテス":《サポートデバイス》を普段なら使うところですが
"ブロンテス":「遺星の記憶」。
【遺産融合者専用アイテム:遺星の記憶】
種別:一般
セットアッププロセスで使用する。専用トループエネミーが10体、あなたのいるエンゲージに登場する。
あなたが行なうメジャーアクションのダイスを+10個する。
GM:排撃系を10体召喚します。
随伴系:行動値9、随伴系。
随伴系:《イベントホライゾン》《冥界の檻》。
随伴系:自分を含む全員のリアクションダイスを-12個し、硬直を付与します。
GM:行動値8、ワカナさんのセットアップ。
正法院ワカナ:セットアップに使用可能なエフェクトはありません。行動無し!
GM:行動値8、"月下王"。
"月下王":《フルパワーアタック》《地を掴む獣》。
"月下王":攻撃力を+20、ダメージを常時-20します。
GM:行動値7、金剛王。
フローレンス・アシュモール:コーリングシステム使用。対オーヴァード装甲車に搭乗します。行動値が6下がります。
GM:行動値7、大型駆除系
大型駆除系:全員何もなし。
GM:行動値5、海賊王と綾さん。
綾云媛:《先陣の火》《ソードマスター》ラウンド中行動値+20、素手による攻撃の達成値+9。
綾云媛:オートで「原初の混沌」を使用し、「スカルスローン」を入手し装備。
GM:アヤーッ!?
綾云媛:侵蝕率+5→114
ヒナテア・オルブライト:海賊王はなし。
GM:行動値4、トゥーナとレナ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《雷神の降臨》使用。攻撃力が+15され、行動値0に固定。侵蝕6上がって135です。
レナ・ルナール:≪活性の霧≫≪アクセル≫→≪タブレット≫≪多重生成≫
レナ・ルナール:攻撃力+12、行動値+12、ドッジダイス-2
レナ・ルナール:対象はアメリアさん、ノエミさん、ワカナさん、シェイルさん、フローレンスさん
レナ・ルナール:侵蝕+9
GM:これで全員処理。行動値を再度計算しましょう
排撃系[12]×10
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
大型駆除系1[7] 1m "ブロンテス"[9] 1m 大型駆除系2[7]
大型駆除系3[7] 大型駆除系4[7] 大型駆除系5[7]
1m 8m
大型駆除系6[7] 大型駆除系7[7]
大型駆除系8[7] 1m 排撃系[12] 1m 大型駆除系9[7]
2m
"月下王"[8]
随伴系[9]
シェイル[26/114] キャロル[22/107]
"海賊王"[18/160] コノカ[15/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
リンゼ[26/147] アメリア[28/118]
"法王"[25/146] トゥーナ[0/135]
ヒナテア[26/120] "探索王"[30/114]
"喝采王"[27/129] ワカナ[25/113]
GM:このイニシアチブ!味方がみんなここまで早いことがかつてあっただろうか?
GM:行動値30!綾さんの手番です 綾綾ーッ
綾云媛:アヤーッ
綾云媛:マイナーで「セカンドディール」を使用し、「原初の混沌」の使用回数を復活。オートで再使用し、「極光剣」を取得。
綾云媛:メジャーで《物質合成》、「スカルスローン」と「極光剣」を合成した武器(攻撃力75、素手として扱う)を取得。
GM:ヒエーッ!?
綾云媛:この最強の素手を“火”と呼び、復讐の刃と餓狼の爪に適用していきます。以上。
GM:ア、綾~~ッ!?
GM:綾ヤンヤ……
GM:内なるアヤキが出てきてしまいました……行動値28、アメリアちゃんの手番です
アメリア・シュミット:は~い!
アメリア・シュミット:マイナーアクションで暴走を解除します
GM:あっせっかく数少ない暴走人間だったのに……
アメリア・シュミット:時代は理性!メジャーアクション
アメリア・シュミット:『鴉の行軍』《コンセントレイト:オルクス》+《アニマルアタック》+《アニマルテイマー》+《要の陣形》
アメリア・シュミット:対象3体、射程:視界の交渉攻撃
GM:敵はめちゃくちゃいます
アメリア・シュミット:へへっ、ザコどもは他に任せてアタイは大物を狙うぜ
アメリア・シュミット:"虚飾の世界を砕くもの"、”ブロンテス”、”月下王”を対象に!
アメリア・シュミット:妨害なければ判定しちゃいます!
GM:妨害は……なくてもいいか!振ってください
アメリア・シュミット:14dx7+7
DoubleCross : (14DX7+7) → 10[1,1,2,3,4,4,4,4,6,7,7,9,9,9]+10[1,2,3,10,10]+1[1,1]+7 → 28
"虚飾の世界を砕くもの":ガード。
"ブロンテス":《サポートデバイス》を使っていないので、このラウンドはドッジができません。
"月下王":《復讐の刃》!が、できません!
"月下王":ダイスが-12個されているから、復讐分のダイスがないのだよ
"月下王":なのでガード
アメリア・シュミット:復讐なんておやめなさい
"月下王":クゥ~ン
アメリア・シュミット:だはダメージ出します!
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージへの攻撃の攻撃力+75
"月下王":何を言っているんだい?
アメリア・シュミット:デカすぎる……
"月下王":本当に俺は2ターンキルされてしまうのか? テキスト内容を念のため確認したい
綾云媛:DTさん製だぞ?
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージへの攻撃の攻撃力+75
GM:何度見てもそう書いてあるぜ
綾云媛:ラウンド1回だし……いいだろ
GM:ダメージをお願いします……+75は月下王だけなので
GM:補正前のダメージだけ出して、月下王だけ+75の処理にしましょう
アメリア・シュミット:3d10+24+12
DoubleCross : (3D10+24+12) → 19[4,8,7]+24+12 → 55
"月下王":月下王戦闘不能!地を掴んでもまったく耐えられない……!
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を3増加(114 → 117)
綾云媛:《再起の咆哮》使用、《餓狼の爪》の使用回数を回復。残り3回。
"虚飾の世界を砕くもの":《隆起する大地》。
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を2増加(117 → 119)
"虚飾の世界を砕くもの":55-1d10-18
DoubleCross : (55-1D10-18) → 55-3[3]-18 → 34
アメリア・シュミット:装甲、ガード、軽減等は有効 そしてダメージを1点でも受けたなら……
"虚飾の世界を砕くもの":二人へのダメージを34点に抑えます。
アメリア・シュミット:コンビネーターが有効になります このラウンド間、受ける全てのダメージが+2d10!
GM:強いな~
アメリア・シュミット:侵蝕+10で128に
排撃系[12]×10
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
大型駆除系1[7] 1m "ブロンテス"[9] 1m 大型駆除系2[7]
大型駆除系3[7] 大型駆除系4[7] 大型駆除系5[7]
1m 8m
大型駆除系6[7] 大型駆除系7[7]
大型駆除系8[7] 1m 排撃系[12] 1m 大型駆除系9[7]
2m
随伴系[9]
シェイル[26/114] キャロル[22/107]
"海賊王"[18/160] コノカ[15/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
リンゼ[26/147] アメリア[28/128]
"法王"[25/146] トゥーナ[0/135]
ヒナテア[18/120] "探索王"[30/119]
"喝采王"[27/129] ワカナ[25/113]
GM:行動値27!ノエミさんの手番です
黒田コノカ:ノエミさん!メジャー支援をリンゼさん、法王、キャロルさん、海賊王、シェイルさんにお願いできますか!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:うおおおお!ノエミ頑張りますッ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:がんばれがんばれ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《癒しの歌》《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:次に行うメジャーアクションのC値を-1 判定ダイス+3個します
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:HPも回復しちゃうよッ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:5D10+2
DoubleCross : (5D10+2) → 17[4,1,7,4,1]+2 → 19
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルのHPを19増加(4 → 23)
黒田コノカ:キャロルさんのHPは1→20に
久世川リンゼ:効果受けます! HP24
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕129→138
黒田コノカ:海賊王のHPも12→25
GM:行動値26。ヒナテア、リンゼ、シェイルの手番です。
綾云媛:一番手はもちろん私が行く
ヒナテア・オルブライト:こっちだよ
ヒナテア・オルブライト:もう一番手しただろ
ヒナテア・オルブライト:マイナー《ライトスピード》このメインプロセス中C値を+1してメジャーアクションを2回行う。
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を5増加(120 → 125)
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》《終焉の残響》
ヒナテア・オルブライト:リアクション不可、装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-8。対象はシーン内のエネミー全て。
"虚飾の世界を砕くもの":《隠された世界》。《混沌の宿命》で取得しているエフェクトです。対象を単体に変更。
ヒナテア・オルブライト:100%エフェクトか……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デビルストリング》+《デビルスレッド》を宣言 隠された世界を打ち消したいです 侵蝕10上がって145
"虚飾の世界を砕くもの":《デビルストリング》。《デビルスレッド》の起点である《デビルストリング》の方を打ち消します。
ヒナテア・オルブライト:海賊王……デビルストリングでデビルストリングを打ち消してもらえるかな?
エリザベス・タイラー:よくってよ!
エリザベス・タイラー:《デビルストリング》ですわ!
ヒナテア・オルブライト:ここにキングダム空軍、陸軍、宇宙軍が揃った
ヒナテア・オルブライト:デビルサイレンの判定をします
"虚飾の世界を砕くもの":そういうことなら仕方がないですね……
"虚飾の世界を砕くもの":《守護者の巨壁》。対象を自分一人にします。
"虚飾の世界を砕くもの":《デビルスレッド》……できるかい?
ヒナテア・オルブライト:デビル品切れ
"虚飾の世界を砕くもの":できないよなァ なぜなら《デビルスレッド》は《デビルストリング》といっしょに使うエフェクト……
"虚飾の世界を砕くもの":すでに《デビルストリング》を使っているキャラは使用できないのだからね
ヒナテア・オルブライト:やってやるよ!
GM:判定をどうぞ!
ヒナテア・オルブライト:9dx11+30
DoubleCross : (9DX11+30) → 10[1,1,3,3,3,3,7,8,10]+30 → 40
"虚飾の世界を砕くもの":リアクションはできません。
ヒナテア・オルブライト:36+36+5d10+2d10 コンビネーター含
DoubleCross : (36+36+5D10+2D10) → 36+36+29[4,9,2,7,7]+12[5,7] → 113
"虚飾の世界を砕くもの":グフォフォフォ……なかなか効くわい
"虚飾の世界を砕くもの":《デモンズウェブ》《異形の加護》を自分に。
"虚飾の世界を砕くもの":113-6d10-3d10
DoubleCross : (113-6D10-3D10) → 113-27[6,6,4,1,6,4]-13[7,4,2] → 73
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を12増加(125 → 137)
エリザベス・タイラー:侵蝕160→166
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風2号】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-8。対象はシーン内のエネミー全て。
ヒナテア・オルブライト:今回はリアクション可能のよわよわストームだ
"虚飾の世界を砕くもの":ウーム、さすがにもう対象変更は無理そうだ
GM:判定をどうぞ。
ヒナテア・オルブライト:9dx11+30
DoubleCross : (9DX11+30) → 9[1,3,5,5,6,7,7,8,9]+30 → 39
大型駆除系:4番は《マグネットフォース》。カバーするのは"虚飾の世界を砕くもの"。
大型駆除系:1番は3番をカバー。同じく《マグネットフォース》です。
大型駆除系:2番は5番をカバー。
大型駆除系:6番は8番をカバー。
大型駆除系:7番は9番をカバー。
排撃系:排撃系は何もできません。
随伴系:随伴系も同じく。
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージにいる随伴系を対象に含む攻撃の攻撃力+75
GM:綾ヤ~ッ!?
ヒナテア・オルブライト:ダメージロールします
ヒナテア・オルブライト:36+36+75+4d10
DoubleCross : (36+36+75+4D10) → 36+36+75+26[5,3,10,8] → 173
ヒナテア・オルブライト:2d10 ブロンテスにコンビネーター分
DoubleCross : (2D10) → 10[2,8] → 10
大型駆除系:大型駆除系のHPは179。
大型駆除系:そのダメージならギリギリ耐えられたんですが、カバーしたユニットは全員戦闘不能です。
"ブロンテス":"ブロンテス"はシテラスクX字戒の一回目を使います。
【遺産融合者専用アイテム:グフィヴの蔵書】
種別:一般
対象があなたに対し攻撃を行なってきた際に、HPダメージが適用される直前に使用する。
そのダメージをあなたではなく、対象に適用させる。1シナリオに3回まで使用できる。
"ブロンテス":ダメージを無効化。ヒナテアさんに173ダメージ。
随伴系:随伴系も撃破……ですが
ヒナテア・オルブライト:オーバーすぎる!マカミへのロイスを昇華して復活
随伴系:《ワームホール》。やはり173ダメージをヒナテアさんに返します。
ヒナテア・オルブライト:なんてことするの
ヒナテア・オルブライト:やっぱりこれは2回斃れるかい?
GM:うーん、反射タイミングは同じなんですが
GM:2回倒れてもらいますか……!
排撃系:排撃系は全部撃破されました。まだ行動してないのに……
ヒナテア・オルブライト:仕方がない……ロードマスターのロイスをタイタス昇華して再び復活
黒田コノカ:待って待って~
GM:なになに~?
ヒナテア・オルブライト:どうしたんだいワンちゃん
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(137 → 145)
綾云媛:《再起の咆哮》使用、《餓狼の爪》の使用回数を回復。残り2回
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を5増加(119 → 124)
黒田コノカ:ノエミさんの蘇生を切ってもらいたいワン~
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:了解ッ!蘇生了解ッッ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《救済の調べ》!ヒナテアさんのロイスを一枚守るぞッ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕138→143
ヒナテア・オルブライト:うおおお革命!
ヒナテア・オルブライト:これにて以上!
"虚飾の世界を砕くもの"[7]
大型駆除系3[0] 1m "ブロンテス"[1] 1m 大型駆除系5[0]
1m 8m
大型駆除系8[0] 1m ★ 1m 大型駆除系9[0]
2m
シェイル[26/114] キャロル[22/107]
"海賊王"[18/166] コノカ[15/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
リンゼ[26/147] アメリア[28/128]
"法王"[25/146] トゥーナ[0/135]
ヒナテア[18/145] "探索王"[30/124]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/113]
GM:手番は行動値26のリンゼさん。
GM:あとシェイルさん。行動値同じなの見逃してた
嘴子原シェイル:では私から
嘴子原シェイル:マイナーで一応硬直解除を挟んでメジャーに
嘴子原シェイル:メジャー、《ギガンティックモード》+《ストライクモード》+《コンセントレイト》
嘴子原シェイル:対象は10m先のブロンテス+砕きものくん
"虚飾の世界を砕くもの":砕きものです
嘴子原シェイル:(7+3+3)dx6+14 C値-1、ダイス+3込み
DoubleCross : (13DX6+14) → 10[1,1,4,5,6,6,7,7,7,8,8,10,10]+10[1,2,3,3,4,4,5,6,7]+10[1,7]+2[2]+14 → 46
"ブロンテス":回避ができないんだよな~
正法院ワカナ:《妖精の手》
正法院ワカナ:もう一回回せるドン!
嘴子原シェイル:C値6だから……!かしこい 有難く!
正法院ワカナ:ワカナの侵蝕率を117へ。
嘴子原シェイル:最後の2を10にして
嘴子原シェイル:1dx6+54
DoubleCross : (1DX6+54) → 1[1]+54 → 0 (ファンブル)
嘴子原シェイル:くーん
"ブロンテス":回避できないって……言ってるでしょ!
"虚飾の世界を砕くもの":ぼくも回避できません
GM:ダメージをどうぞ
嘴子原シェイル:6d10+5+9d10+12+2d10 活性コンビネーター込み
DoubleCross : (6D10+5+9D10+12+2D10) → 30[1,6,10,5,4,4]+5+55[8,7,2,4,1,10,4,9,10]+12+8[6,2] → 110
嘴子原シェイル:装甲-5扱い、武器が破壊されます
"ブロンテス":ゲッ、そんなダメージ出るの
"ブロンテス":《隆起する大地》で頑張ります
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を12増加(114 → 126)
"ブロンテス":《浮遊する大地》も入れられるか
"ブロンテス":《隆起する大地》《浮遊する大地》。
"ブロンテス":110-3d10-18
DoubleCross : (110-3D10-18) → 110-16[5,6,5]-18 → 76
"ブロンテス":ウワー、めちゃくちゃ効く
嘴子原シェイル:行動終了!
"ブロンテス":負けたくないッッ
"虚飾の世界を砕くもの":砕きものも当然めちゃくちゃ食らってます
GM:ではリンゼさんの手番です。
久世川リンゼ:はい!
久世川リンゼ:いやーーこれはもう、仕方ない……!!
久世川リンゼ:マイナーアクションの前にルキア・ティベリアの固定ロイスをタイタス昇華し、硬直を解除します
久世川リンゼ:マイナーアクションで《光芒の疾走》+《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:攻撃力19の武器を作成し、エンゲージを離脱して戦闘移動します。ブロンテスのエンゲージに突入。侵蝕率+4で151
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《クリスタライズ》+《ストライクミラージュ》+《ギガンティックモード》
久世川リンゼ:ブロンテスと砕きものに対してリアクション不可攻撃を仕掛けます!
"虚飾の世界を砕くもの":すいません!さっきのミスについて説明を申し上げると
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の紫:ミスディレクション》。本当はこれがあったんです
久世川リンゼ:そ、そんなものまで
GM:対象を単体にします!新たに選択をどうぞ
久世川リンゼ:改めて選択する対象はブロンテス! 判定を行います!
久世川リンゼ:(12+3)dx6+6
DoubleCross : (15DX6+6) → 10[2,2,2,3,4,4,4,5,6,7,7,8,9,9,9]+10[6,6,6,7,8,8,10]+10[1,4,6,6,6,9,10]+10[4,4,7,9,9]+10[2,2,8]+10[7]+10[10]+1[1]+6 → 77
正法院ワカナ:再び《妖精の手》宣言!もう一度回せます!
レナ・ルナール:ナイス回転
正法院ワカナ:侵蝕率を121%へ。
久世川リンゼ:もう一発!!
久世川リンゼ:1dx6+86
DoubleCross : (1DX6+86) → 10[6]+3[3]+86 → 99
久世川リンゼ:1足りない!!
"ブロンテス":こちらはリアクション不可!
久世川リンゼ:何もなければダメージロール行きます!
GM:ありません
久世川リンゼ:10d10+19+20+12+2d10+36+2d10
DoubleCross : (10D10+19+20+12+2D10+36+2D10) → 52[5,9,3,4,7,8,10,4,1,1]+19+20+12+9[2,7]+36+9[6,3] → 157
久世川リンゼ:装甲無視!
"ブロンテス":シテラスクX字戒の二回目。リンゼさんに157点ダメージを反射します。
久世川リンゼ:そのシテラスクX字戒の反射ダメージに対し、《鏡の盾》を使用!
"ブロンテス":グッ……!何点まで反射ですか?
久世川リンゼ:ここでマージナルヴィランの効果を適用し、LV5として効果を算出
久世川リンゼ:100点のダメージを更に反射します!
"ブロンテス":100点……は
"ブロンテス":戦闘不能!《魂の錬成》を切るしかありません!
久世川リンゼ:うおおお!!
久世川リンゼ:こちらも同時に戦闘不能! 騎士王のロイスを切って復活します!
GM:侵蝕上昇をどうぞ
久世川リンゼ:23点上昇し侵蝕率174点です
久世川リンゼ:手番は以上!
"虚飾の世界を砕くもの"[7]
大型駆除系3[0] 1m "ブロンテス"[1] 1m 大型駆除系5[0]
リンゼ[26/174]
1m 8m
大型駆除系8[0] 1m ★ 1m 大型駆除系9[0]
2m
シェイル[26/126] キャロル[22/107]
"海賊王"[18/166] コノカ[15/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
アメリア[28/128]
"法王"[25/146] トゥーナ[0/135]
ヒナテア[18/145] "探索王"[30/124]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/121]
GM:手番は行動値25組。法王とワカナさん。
五辻モモカ:では私が先に
五辻モモカ:マイナーで《インフィニティウェポン》攻撃力+19の白兵武器を作成。侵蝕3
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を3増加(146 → 149)
五辻モモカ:続けてメジャーアクション。
五辻モモカ:《サンドシャード+クリスタライズ+ストライクモード+コンセ》視界範囲選択の装甲無視RC攻撃。攻撃力6d+18 侵蝕16
五辻モモカ:対象はブロンテスと砕きものくん
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の紫:ミスディレクション》。これで二回目。
五辻モモカ:ギャーッ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デビルストリング》+《デビルスレッド》を宣言 ミスディレクションを打ち消したいです 侵蝕10上がって155
GM:デビルスレッドまで使って大丈夫ですか?
"虚飾の世界を砕くもの":《デビルストリング》に対して《デビルストリング》。これも二回目です。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:すいません! 会議の結果巻き戻していいならデビスト宣言なしにしたいです
"虚飾の世界を砕くもの":わかりました。ではこちらも引っ込めます
GM:対象は単体!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ありがとうございます!
五辻モモカ:では再選択
五辻モモカ:お待たせしてすみません!対象は砕きものくんでお願いします
"虚飾の世界を砕くもの":ウオーッ
五辻モモカ:判定前にオートで
五辻モモカ:《砂の加護+砂塵霊》判定ダイス+7個、攻撃力+24 侵蝕6
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を6増加(149 → 155)
五辻モモカ:15dx+8@6
DoubleCross : (15DX6+8) → 10[1,1,1,2,2,3,5,6,6,6,7,9,9,9,10]+10[2,3,3,5,6,8,10,10]+10[4,9,10,10]+10[5,6,8]+2[2,2]+8 → 50
五辻モモカ:うーん……!
"虚飾の世界を砕くもの":すごくダメージ受けそうで怖いなあ アメリアちゃんのお陰で何もできないので、ダメージお願いします
アメリア・シュミット:妖精ありますよ?
五辻モモカ:残数見たらめっちゃ持ってらっしゃるからちょっとくらい貰ってもバチはあたらんか……
五辻モモカ:ダメージ上がるかもだしください!
アメリア・シュミット:C6だから再回転の恩恵も大きいのだ
アメリア・シュミット:『遺産管理委員会、介入!』《妖精の手》
アメリア・シュミット:最後の判定ダイス目2を10に 侵蝕+4で132に
五辻モモカ:さんきゅーアメちゃん!
五辻モモカ:1dx+58@6
DoubleCross : (1DX6+58) → 10[7]+10[10]+2[2]+58 → 80
五辻モモカ:うお
"虚飾の世界を砕くもの":ダメージはその80点ってことになりませんか?
五辻モモカ:遠慮しなくてももっとあげるよ
五辻モモカ:15d10+97
DoubleCross : (15D10+97) → 92[6,4,10,7,10,3,5,10,9,5,2,9,2,6,4]+97 → 189
五辻モモカ:どうぞ
"虚飾の世界を砕くもの":めちゃくちゃ食らう!HPはすごいあるけどたった一撃で相当苦しい……!
五辻モモカ:あっすみません、コンビネーター忘れてたので追加で振ります
"虚飾の世界を砕くもの":もう十分堪能したよ……
五辻モモカ:189+2d10
DoubleCross : (189+2D10) → 189+19[9,10] → 208
五辻モモカ:おかわりだァ!
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を16増加(155 → 171)
GM:では行動値25、ワカナさんの手番。
正法院ワカナ:はーい。マイナーで一応硬直解除
正法院ワカナ:ヒナテアさんにナーブジャック。PCはリアクションダイスが-12個されてるので、抵抗自動失敗かな…?
ヒナテア・オルブライト:暴走リア不だぜ
ヒナテア・オルブライト:はい……ヒナテア浮きます……
正法院ワカナ:では、回数制限が必要でないコンボでキングダムの敵を殲滅してクダサイ…
ヒナテア・オルブライト:そんな……私に出来ることといったらシーン全体攻撃ぐらいなもので……
正法院ワカナ:十分すぎるほど強いでしょ…!
ヒナテア・オルブライト:キングダムの敵……つまりブロンテスと砕きもの、大型駆除系
ヒナテア・オルブライト:あと同エンゲージにも何人か反逆者がいましたね
GM:ほんと?
正法院ワカナ:彼らは貴い王とその勇士達ですが…
正法院ワカナ:味方なので…台風から除外してください
ヒナテア・オルブライト:ググ……キングダムの敵コワス……
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風V3】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-8。
ヒナテア・オルブライト:対象は散らばったエネミー全員と、同エンゲージのコノカさん
ヒナテア・オルブライト:判定します
正法院ワカナ:コノカ…貴方は防衛の犠牲になるの。キングダムの犠牲の犠牲に
ヒナテア・オルブライト:ワカナさんがやれっていうから……
黒田コノカ:貴様ーッ!!!
GM:仲間割れかァ~?
ヒナテア・オルブライト:9dx+30
DoubleCross : (9DX10+30) → 8[1,2,3,4,4,5,5,6,8]+30 → 38
"虚飾の世界を砕くもの":《領域の盾》。ブロンテスにカバーリングさせます。
大型駆除系:大型駆除系も含めてみんなリアクション不能!
GM:コノカさんもリアクション不能なはず。
黒田コノカ:ダイスが1つもありません
GM:ダメージをどうぞ。
ヒナテア・オルブライト:キングダムの敵は……私が倒す!
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージ対象を含む攻撃の攻撃力+75
ヒナテア・オルブライト:36+36+75+4d10
DoubleCross : (36+36+75+4D10) → 36+36+75+15[2,10,2,1] → 162
"ブロンテス":最後の「シテラスクX字戒」。2倍になったダメージを反射します。
"ブロンテス":324点ですね
大型駆除系:大型駆除系はみんなやられました!どうして……
綾云媛:《再起の咆哮》使用、《餓狼の爪》の使用回数を回復。残り1回。
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を5増加(124 → 129)
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(145 → 153)
黒田コノカ:死!不夜王のロイス切ってHP11で復活
ヒナテア・オルブライト:ロードマスターへのロイスをタイタス昇華し、復活
GM:ワカナさんも侵蝕上昇をどうぞ
正法院ワカナ:はーい。侵蝕率を131%へ…
"虚飾の世界を砕くもの"[7]
"ブロンテス"[1]
リンゼ[26/174]
10m
シェイル[26/126] キャロル[22/107]
"海賊王"[18/166] コノカ[7/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
アメリア[28/132]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/145]
ヒナテア[18/153] "探索王"[30/129]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/131]
GM:ではキャロルさんの手番です。
ヒナテア・オルブライト:あ、ワカナちゃんの行動値がー8されて7ですね
GM:ワカナさんの行動値ですか?
正法院ワカナ:恐らくコノカさんかな?
GM:ああそうか
ヒナテア・オルブライト:コノカちゃん!
GM:じゃあずっと間違ってたかも。ログで修正するの嫌だな……
GM:暗澹
ヒナテア・オルブライト:いえ、今遅くなりました。私が殴ったことで
黒田コノカ:そうじゃん……!
GM:ああそういうことか 昇華数も1増えた感じですね
黒田コノカ:すいません、昇華数も修正しました。行動値は7
GM:行動値22、キャロルさんです
キャロル・ホプキンス:まずコノカさんのロイスを切って硬直を解除します!
GM:ロイスまで切られて
キャロル・ホプキンス:駆けつけてくれたからもう疎外感を感じていないということです!
キャロル・ホプキンス:コノカさんのことは大切に思ってますよ!
GM:でもさっき見殺しに……
キャロル・ホプキンス:それはワカナさんのせいなので……
正法院ワカナ:秘書の私がした事です。
キャロル・ホプキンス:マイナーで戦闘移動! 砕きもの、ブロンテス、リンゼさんのエンゲージに入ります
キャロル・ホプキンス:メジャー:【チャネリング】《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》 10(+db)dx7+6 攻撃力33 5点のHPを失う。 侵蝕8
キャロル・ホプキンス:対象はブロンテス!
"虚飾の世界を砕くもの"[7]
"ブロンテス"[1]
リンゼ[26/174]
キャロル[22/107]
10m
シェイル[26/126] アメリア[28/132]
"海賊王"[18/166] コノカ[7/128]
レナ[9/124] フローレンス[18/157]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/145]
ヒナテア[18/153] "探索王"[30/129]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/131]
キャロル・ホプキンス:ダイス確認中……
キャロル・ホプキンス:行きます!
キャロル・ホプキンス:16dx6+6
DoubleCross : (16DX6+6) → 10[2,2,3,3,3,4,4,6,6,6,7,8,8,9,9,10]+10[2,2,4,6,7,7,7,9,10]+10[2,3,3,3,7,7]+10[2,8]+3[3]+6 → 49
"虚飾の世界を砕くもの":《崩れずの群れ》。今度はこっちがブロンテスをカバーします。
キャロル・ホプキンス:ム!
正法院ワカナ:《妖精の手》、宣言間に合いますか?
GM:間に合います、どうぞ!
正法院ワカナ:ありがとうございます!
キャロル・ホプキンス:1dx6+56
DoubleCross : (1DX6+56) → 10[8]+5[5]+56 → 71
GM:リアクションは例によって省略してます。時短にもなる!
正法院ワカナ:侵蝕率は135%へ
キャロル・ホプキンス:8d10+33+2d10+36
DoubleCross : (8D10+33+2D10+36) → 34[2,7,8,1,2,2,9,3]+33+16[8,8]+36 → 119
キャロル・ホプキンス:これで合ってるはず……!
"虚飾の世界を砕くもの":うおおメチャクチャ効く!このラウンドはもう軽減エフェクトもないし……!
"虚飾の世界を砕くもの":だが生きている!俺は生きているぞーッ!
キャロル・ホプキンス:HP5失い、HP15
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を8増加(107 → 115)
GM:行動値18!金剛公と海賊王の手番!
フローレンス・アシュモール:海賊王様お先にお願いします
黒田コノカ:海賊王様!マイナーコンボとメジャーコンボ使用で砕きものとブロンテスくんを殴って頂けませんこと~ッ?
エリザベス・タイラー:宴だ――っ!
エリザベス・タイラー:《骨の銃》《死招きの爪》!
エリザベス・タイラー:攻撃力38の武器を作成するぞ!スッゲェ~!
エリザベス・タイラー:《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》《要の陣形》!《要の陣形》は一回目!
エリザベス・タイラー:何が嫌いかより!
エリザベス・タイラー:何が好きかで自分を語れよ!!!
エリザベス・タイラー:20dx6+9
DoubleCross : (20DX6+9) → 10[1,1,1,1,2,3,3,4,4,5,5,5,5,6,7,7,8,8,9,10]+10[3,4,5,7,7,8,8]+10[5,5,8,9]+10[5,6]+10[9]+10[9]+3[3]+9 → 72
エリザベス・タイラー:ゴムゴムの!天竜人説!
エリザベス・タイラー:ドン!
"ブロンテス":うぎゃああああ
"ブロンテス":リアクション不能!
"虚飾の世界を砕くもの":同じくリアクション不能。ですが《崩れずの群れ》でカバーします。
エリザベス・タイラー:スッゲェ~!
エリザベス・タイラー:ダメージを出します
フローレンス・アシュモール:待てルフィ!
エリザベス・タイラー:ハァ、ハァ……
エリザベス・タイラー:敗北者……?
黒田コノカ:ノリノリでダメージ出してください
フローレンス・アシュモール:妖精の手を乗せろ、エース!
エリザベス・タイラー:宴だ―――ッッッ!!
正法院ワカナ:《妖精の手》!
正法院ワカナ:俺達は、ファミリー!
フローレンス・アシュモール:オーバーロードも使ってね
エリザベス・タイラー:1dx6+79
DoubleCross : (1DX6+79) → 1[1]+79 → 0 (ファンブル)
エリザベス・タイラー:0になってますけど
エリザベス・タイラー:実際は80です
エリザベス・タイラー:《オーバーロード》も使います。侵蝕も今のうちに出しちゃおうっと
正法院ワカナ:これが最後の妖精の手でした。侵蝕率は139へ
エリザベス・タイラー:侵蝕166→183
エリザベス・タイラー:9d10+38+38+36+3d10+2d10+2d10
DoubleCross : (9D10+38+38+36+3D10+2D10+2D10) → 48[7,3,4,7,8,3,6,5,5]+38+38+36+17[8,5,4]+10[6,4]+15[8,7] → 202
エリザベス・タイラー:人の夢は!!!!!終わらねえ!!!!
エリザベス・タイラー:(ドン!!!)
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"撃破……!現在HPは80でした
"虚飾の世界を砕くもの":が
"虚飾の世界を砕くもの":まず一枚目の『修羅の世界』を使用します。HP1で復活。残り三枚。
GM:これを踏まえて行動値18、金剛王の手番です!
フローレンス・アシュモール:マイナー:炸裂徹甲弾使用。メインプロセス中攻撃力+1d10
フローレンス・アシュモール:メジャー:【我に試練を】《スキルフォーカス》 2(+db)dx+28 対象:単体 射程:350m 攻撃力+21 侵蝕2
フローレンス・アシュモール:対象は砕きもの
フローレンス・アシュモール:6dx+28
DoubleCross : (6DX10+28) → 9[1,5,6,8,8,9]+28 → 37
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,1,1,1,3,3,4,4,4,6,6,7,8,10,10]+6[4,6]+3 → 19
"虚飾の世界を砕くもの":『修羅の世界』で不利な効果を全て解除し、やっとドッジできるようになりました。
フローレンス・アシュモール:ということはコンビネーターも外れているということ……?
GM:コンビネーターは入れていいですよ
GM:裁定によるかもしれないけど……
フローレンス・アシュモール:やったー!
フローレンス・アシュモール:まあHP1だが……
フローレンス・アシュモール:ダメージ!
ヒナテア・オルブライト:修羅の世界はGM裁定だからね、どこまで含むかは
フローレンス・アシュモール:4d10+21+12+2d10
DoubleCross : (4D10+21+12+2D10) → 22[8,6,5,3]+21+12+8[5,3] → 63
"虚飾の世界を砕くもの":戦闘不能に。『修羅の世界』は温存して、今度は《メカニカルハート》で蘇生。
"虚飾の世界を砕くもの":行動値15。"虚飾の世界を砕くもの"の手番です。
ヒナテア・オルブライト:このタイミングで原初の赤:ペトリファイ効果を解除
"虚飾の世界を砕くもの":ああ、ちょっとまってください
"虚飾の世界を砕くもの":忘れました
ヒナテア・オルブライト:むむっ
"虚飾の世界を砕くもの":《メカニカルハート》と同時に
"虚飾の世界を砕くもの":《再生の王笏》《創生の王笏》を使用します。
"虚飾の世界を砕くもの":《創生の王笏》の対象は自分と"ブロンテス"。
"虚飾の世界を砕くもの":5D10+30
DoubleCross : (5D10+30) → 20[10,1,2,4,3]+30 → 50
"虚飾の世界を砕くもの":50点回復しました。
黒田コノカ:きっ、貴様……
"虚飾の世界を砕くもの":では行動に入ります
ヒナテア・オルブライト:あっと
ヒナテア・オルブライト:イニシアチブで動いてもらいたい人がいます
キャロル・ホプキンス:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を2増加(157 → 159)
レナ・ルナール:動きまーす
レナ・ルナール:イニシアチブで≪覚醒の秘薬≫
レナ・ルナール:をオートで≪タブレット≫≪多重生成≫
レナ・ルナール:で5人にばらまきます。
GM:対象は誰にしますか?
ヒナテア・オルブライト:おくすり欲しい~
綾云媛:アヤーッ
嘴子原シェイル:ちょうだいレナ~
レナ・ルナール:シェイル,ヒナテア,海賊王,リンゼ,綾で!!
久世川リンゼ:おくすりもらいます!
レナ・ルナール:2d10+6+124
DoubleCross : (2D10+6+124) → 5[3,2]+6+124 → 135
GM:全員が未行動になりました。
GM:行動値30の綾さんの行動です。
綾云媛:マイナーで硬直解除、全力移動でブロンテスたちのエンゲージに突入
綾云媛:以上。
GM:硬直解除にロイス使わせるつもりだったのにな
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
"ブロンテス"[1]
リンゼ[26/174]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/129]
10m
シェイル[26/126] アメリア[28/132]
"海賊王"[18/183] コノカ[7/128]
レナ[9/135] フローレンス[18/159]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/145]
ヒナテア[18/153]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/139]
GM:続いて行動値26のヒナテアさんの手番。
GM:シェイルちゃんもいますね
GM:どちらかの手番だ
GM:いや、リンゼさんも同速なの!?
久世川リンゼ:我々行動値26です
GM:こんなに同時に行動値26なことってなくないですか?
GM:好きに動いてくれたまえ
ヒナテア・オルブライト:KGD26と呼んでくれたまえ
嘴子原シェイル:26ズ、テーブルの上から順にやりましょうか
GM:あ、しまった!同じことかも知れないですけど
"虚飾の世界を砕くもの":《覚醒の秘薬》のタブレットに《デビルストリング》だけ使ったことにさせてください。
"虚飾の世界を砕くもの":誰かの《デビルストリング》で打ち消すと思うので、その回数消費だけしてもらいます
GM:順番は後からでも並べ替えられるので
GM:ヒナテアさんから順に行動処理をお願いします
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デビルストリング》+《デビルスレッド》を宣言 覚醒の秘薬に撃たれたデビストを打ち消したいです スレッドはあえて使用 侵蝕10上がって155
ヒナテア・オルブライト:ではレナの支援をお願いしたい
レナ・ルナール:≪帰還の声≫→≪タブレット≫≪多重生成≫
レナ・ルナール:エフェクトの使用回数を増やします。侵蝕+12
レナ・ルナール:モモカ(帳),フローレンス(帳),トゥーナ(デビスト)ヒナテア(ライスピ),レナ(覚醒ドラッグ)
"虚飾の世界を砕くもの":《タブレット》に《デビルストリング》。これで3回目です。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:2回目のデビストは海賊王にお願いします!
エリザベス・タイラー:《デビルストリング》。侵蝕183→189
キャロル・ホプキンス:これで残りは帰還の声で回復した分込みでトゥーナちゃんの1回だけです
レナ・ルナール:ありがとう!エリザベス・D・タイラー!!
ヒナテア・オルブライト:エフェクト効果は任意で切れるので《原初の赤:ペトリファイ》解除。ブロンテスとコノカのー8が解ける。
GM:これだいぶ怪しいルールだと思ってるんだけどなあ
GM:カームダウンが打ち得になるんだもん
ヒナテア・オルブライト:私は解除する場合一括全員分解除ならありかな……って認識
ヒナテア・オルブライト:マイナーで《ライトスピード》、C値+1してメジャーアクションを2回行う
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【磨ぎ暗むフラムの火】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》《ナーヴジャック》
ヒナテア・オルブライト:装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-8、任意のメジャーアクションを強制。ドッジの代わりに意志判定で対決することも可能。
ヒナテア・オルブライト:対象は"虚飾の世界を砕くもの"。
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を5増加(153 → 158)
"虚飾の世界を砕くもの":分かりました。受けましょう……
ヒナテア・オルブライト:10dx+30
DoubleCross : (10DX10+30) → 10[2,3,5,5,6,7,7,7,10,10]+6[1,6]+30 → 46
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,2,2,2,5,6,6,6,6,7,7,9,9,10,10]+5[3,5]+3 → 18
ヒナテア・オルブライト:あっミス。C値+1で達成値40
ヒナテア・オルブライト:36+36+5d10 ダメージ
DoubleCross : (36+36+5D10) → 36+36+15[3,1,5,2,4] → 87
ヒナテア・オルブライト:87+2d10 コンビネーター分
DoubleCross : (87+2D10) → 87+7[5,2] → 94
"虚飾の世界を砕くもの":これは勿論戦闘不能になります。一番しょぼい《蘇生復活》からにしよう……HP1。
ヒナテア・オルブライト:ダメージを受けた後、全力で攻撃してもらいます
ヒナテア・オルブライト:対象は自分、可能ならブロンテスも
"虚飾の世界を砕くもの":《再生の王笏》《創生の王笏》。
"虚飾の世界を砕くもの":5d10+1
DoubleCross : (5D10+1) → 30[5,9,6,9,1]+1 → 31
"虚飾の世界を砕くもの":さらにブロンテスともども30点回復。
"虚飾の世界を砕くもの":ヒナテアさん
ヒナテア・オルブライト:もしかして……
"虚飾の世界を砕くもの":本当に対象は虚飾の世界を砕くものと
"虚飾の世界を砕くもの":ブロンテスでいいんですね?
ヒナテア・オルブライト:至近攻撃手段が素手しかない場合はブロンテスを攻撃してね
ヒナテア・オルブライト:おや……?
"虚飾の世界を砕くもの":それとも素手にしますか?
ヒナテア・オルブライト:アージは破壊ではなく闘争だし……
ヒナテア・オルブライト:君は一体防御以外に何が出来るんだ!
"虚飾の世界を砕くもの":《ナーヴジャック》は情報公開までを含めるかどうかは書かれていないので
"虚飾の世界を砕くもの":ここで決めてもらいます。回数制限のないエフェクトでブロンテスと自分自身を対象にするか
"虚飾の世界を砕くもの":素手で攻撃するかです
ヒナテア・オルブライト:不思議な効果によって範囲(選択じゃない)になるのが一番怖い
ヒナテア・オルブライト:素ででブロンテスを殴れ!
"虚飾の世界を砕くもの":分かりました。素手で攻撃
"虚飾の世界を砕くもの":15dx
DoubleCross : (15DX10) → 10[1,2,2,2,3,3,4,5,5,6,7,8,8,9,10]+6[6] → 16
"虚飾の世界を砕くもの":2d10-5
DoubleCross : (2D10-5) → 6[4,2]-5 → 1
ヒナテア・オルブライト:いや
"虚飾の世界を砕くもの":1点ダメージを与えました。
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージへの攻撃の攻撃力+75
綾云媛:これをしようと思っていたんだけど
"虚飾の世界を砕くもの":いいでしょう。76点ダメージ。
綾云媛:《再起の咆哮》使用、《餓狼の爪》の使用回数を回復。これで出がらし
"ブロンテス":まだHPは残っています。
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を5増加(129 → 134)
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を18増加(163 → 181)
GM:ヒナテアさん、二回目の攻撃をお願いします。
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風4th Edition】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-10。
ヒナテア・オルブライト:対象はブロンテス、砕きもの、フローレンスさん
フローレンス・アシュモール:サイレン……うっ、死蔵王……!
ヒナテア・オルブライト:トラウマが……判定します
ヒナテア・オルブライト:10dx+30
DoubleCross : (10DX10+30) → 10[1,1,2,6,6,7,8,8,9,10]+3[3]+30 → 43
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3>=43
DoubleCross : (15DX10+3>=43) → 9[1,1,4,4,4,5,6,6,6,6,7,7,8,9,9]+3 → 12 → 失敗
"ブロンテス":リアクション不可。
ヒナテア・オルブライト:だからC値!40です
フローレンス・アシュモール:ドッジを選択。ドッジダイス0で失敗。
"虚飾の世界を砕くもの":《崩れずの群れ》でカバーします。
ヒナテア・オルブライト:42+36+5d10
DoubleCross : (42+36+5D10) → 42+36+13[3,3,1,2,4] → 91
ヒナテア・オルブライト:92+2d10 コンビネーター分
DoubleCross : (92+2D10) → 92+12[5,7] → 104
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(176 → 184)
"虚飾の世界を砕くもの":よし、カバーして正解だった……!『修羅の世界』二枚目で復活。残り二枚です。
フローレンス・アシュモール:装甲無視なので耐えられません。戦闘不能。
フローレンス・アシュモール:《ラストアクション》 戦闘不能時追加行動。 侵蝕5
キャロル・ホプキンス:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を5増加(159 → 164)
"虚飾の世界を砕くもの":これはエフェクト復活じゃないから再生の王笏は入れられないのだ
GM:金剛王の行動をお願いします。
フローレンス・アシュモール:マイナー:炸裂徹甲弾使用。メインプロセス中攻撃力+1d10
フローレンス・アシュモール:メジャー:【我に試練を】《スキルフォーカス》 2(+db)dx+30 対象:単体 射程:350m 攻撃力+21 侵蝕2
フローレンス・アシュモール:対象は砕きもの
フローレンス・アシュモール:6dx+30
DoubleCross : (6DX10+30) → 7[3,3,4,6,7,7]+30 → 37
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,1,1,3,4,4,5,5,5,6,7,9,9,9,10]+8[8]+3 → 21
"虚飾の世界を砕くもの":命中。ダメージをどうぞ。
フローレンス・アシュモール:4d10+21+12+2d10+1d10
DoubleCross : (4D10+21+12+2D10+1D10) → 26[8,7,2,9]+21+12+15[7,8]+2[2] → 76
"虚飾の世界を砕くもの":戦闘不能。《リヴァイブセル》。
"虚飾の世界を砕くもの":《再生の王笏》《創生の王笏》。
フローレンス・アシュモール:死蔵王のロイスを切って復活します
"虚飾の世界を砕くもの":5d10
DoubleCross : (5D10) → 35[5,10,5,8,7] → 35
"虚飾の世界を砕くもの":いい出目だ。相当HPが回復している……!
"ブロンテス":至近にいる”ブロンテス"も30ずつ回復しています
GM:まだ行動は終わっていない!26のシェイルさん!
GM:金剛王も侵蝕を上げておいてください
キャロル・ホプキンス:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を2増加(164 → 166)
GM:この火力で2しか上がらないんだなあ……
GM:あ、ラストアクション分も上がってるはず!171ですかね
嘴子原シェイル:うーんエンゲージはこのままの方が良さげかな マイナー放棄してメジャーに
キャロル・ホプキンス:それは既に上げてあります!
嘴子原シェイル:メジャー、《ギガンティックモード》+《ストライクモード》+《コンセントレイト》 対象はブロンテスと砕きものくん
GM:本当だ!こっちで反映したの忘れただけだった
嘴子原シェイル:あっその前にウェポンケース使ってオートでキーンナイフ一本装備します
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の紫:ミスディレクション》。これはまだあります。単体で選び直してもらいましょう
嘴子原シェイル:ううーんならブロンテスに!どうせカバーするだろうけどルーチンを確定させる意味くらいはあるはず
"虚飾の世界を砕くもの":この辺のルーチンは耐久バランスを見ながらやってるんですけどもね……!でも残りHPの推定くらいには役立つはずです
嘴子原シェイル:見極めだ……
"虚飾の世界を砕くもの":大型星徒と違って確定した動作ではないということです
嘴子原シェイル:砕きものくんには高級AIが積まれておるようじゃの
嘴子原シェイル:(7+3+3)dx6+14 C値-1、ダイス+3込み
DoubleCross : (13DX6+14) → 10[2,3,4,4,5,5,5,6,7,7,8,9,10]+10[2,2,3,6,8,10]+10[4,6,6]+10[2,8]+10[6]+3[3]+14 → 67
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,2,2,2,4,4,5,5,6,7,7,9,9,10,10]+9[7,9]+3 → 22
嘴子原シェイル:あっ対象はブロンテスです!
"虚飾の世界を砕くもの":そうでした。《崩れずの群れ》でカバーに入ります。
"ブロンテス":ブロンテスはどちらにせよリアクション不可
嘴子原シェイル:すみませんC値間違ってたのでやり直します!
嘴子原シェイル:(7+3)dx7+14
DoubleCross : (10DX7+14) → 10[1,3,4,5,5,5,7,9,10,10]+10[3,6,6,8]+5[5]+14 → 39
GM:ダメージをどうぞ
嘴子原シェイル:4d10+5+9d10+12+2d10 活性とコンビネーターはそのまま
DoubleCross : (4D10+5+9D10+12+2D10) → 20[6,7,3,4]+5+49[4,10,2,9,10,7,1,1,5]+12+17[10,7] → 103
嘴子原シェイル:装甲-5扱い 武器が破壊されます
"虚飾の世界を砕くもの":それはギリギリ残ります!
嘴子原シェイル:くっ 侵蝕上げて以上です
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を12増加(126 → 138)
"虚飾の世界を砕くもの":まだ死んでない!というか一発で三桁を余裕で出してくる環境がおかしいんだが……
GM:26組の最後、リンゼさんに攻撃してもらいます。
久世川リンゼ:はい!
久世川リンゼ:マイナーアクションで《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:前の手番で破壊しているので今度は攻撃力22の武器を作成。侵蝕率+3で177
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《クリスタライズ》+《ストライクミラージュ》+《ギガンティックモード》
久世川リンゼ:対象砕きものブロンテス!
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の紫:ミスディレクション》!これで最後!
久世川リンゼ:ではブロンテスに攻撃!
久世川リンゼ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,4,4,5,6,6,6,7,7,8,8,9,10]+10[3,4,6,7,8,10]+10[5,5,10]+10[9]+5[5]+6 → 51
"虚飾の世界を砕くもの":《崩れずの群れ》でカバー
"ブロンテス":リアクションはできないです
久世川リンゼ:ダメージロール!
久世川リンゼ:6d10+22+25+15+2d10+36+2d10
DoubleCross : (6D10+22+25+15+2D10+36+2D10) → 41[10,10,8,4,5,4]+22+25+15+15[10,5]+36+11[4,7] → 165
久世川リンゼ:装甲無視リアクション不可です!
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の虚:魂の錬成》。
久世川リンゼ:侵蝕率+23で200!
"虚飾の世界を砕くもの":戦闘不能になりましたが復活します。《再生の王笏》《創生の王笏》も使用。
"虚飾の世界を砕くもの":5d10
DoubleCross : (5D10) → 32[8,4,2,9,9] → 32
久世川リンゼ:ぎゃー
"虚飾の世界を砕くもの":ブロンテスともどもさらに30回復します。
久世川リンゼ:これで手番は以上です!
GM:再行動組の最後は海賊王です
エリザベス・タイラー:宴だ――っ!
エリザベス・タイラー:《骨の銃》《死招きの爪》!
エリザベス・タイラー:攻撃力38の武器を作成するぞ!スッゲェ~!
エリザベス・タイラー:《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》《要の陣形》!《要の陣形》は一回目だってさっき言ったけど
エリザベス・タイラー:悪ィ!ミドルと合わせて4回目だった!!(ドン!!)
黒田コノカ:思い出せてすげぇよ船長!(小さいコマ)
エリザベス・タイラー:うるせェ!!!
エリザベス・タイラー:何が嫌いかより!!!!!
エリザベス・タイラー:何が好きかで自分を語れよ!!!
エリザベス・タイラー:17dx7+9
DoubleCross : (17DX7+9) → 10[2,3,3,4,5,5,6,6,6,6,8,9,9,9,9,9,10]+10[5,5,7,9,9,10,10]+10[4,4,7,7,10]+10[7,8,9]+10[3,4,7]+3[3]+9 → 62
"虚飾の世界を砕くもの":しかしそうか、次が海賊王だったら
"虚飾の世界を砕くもの":魂の錬成はちょっと悪手だったな……!
"虚飾の世界を砕くもの":リアクションできないブロンテスの代わりに《崩れずの群れ》でカバーします。
エリザベス・タイラー:《オーバーロード》も使うぜ!
エリザベス・タイラー:9d10+38+38+36+3d10+2d10+2d10
DoubleCross : (9D10+38+38+36+3D10+2D10+2D10) → 41[1,8,5,5,8,2,4,5,3]+38+38+36+9[5,3,1]+16[6,10]+11[5,6] → 189
"虚飾の世界を砕くもの":うわああああ!やられた!
"虚飾の世界を砕くもの":『修羅の世界』で蘇生……!残りHP1!『修羅の世界』はあと一枚です。
レナ・ルナール:やったーー!!!
正法院ワカナ:すっげ~~~!!!
エリザベス・タイラー:お前に勝てる(ドン!!!!)
エリザベス・タイラー:侵蝕183→200
ヒナテア・オルブライト:200越えのルーキー……!
レナ・ルナール:これが、Dの意志か…
GM:もう本当に、本当に長い戦いでしたけれど
GM:行動値15。
GM:"虚飾の世界を砕くもの"の行動です。
"虚飾の世界を砕くもの":マイナーアクションで《黒曜の鎧》《原初の青:メタルフュージョン》。
"虚飾の世界を砕くもの":装甲18、行動値-3の防具を装備しつつ
"虚飾の世界を砕くもの":HPを8D+5点回復します。
"虚飾の世界を砕くもの":さらに《再生の王笏》《創生の王笏》。
"虚飾の世界を砕くもの":13d10+35
DoubleCross : (13D10+35) → 71[3,6,7,6,9,2,5,5,3,7,10,3,5]+35 → 106
"虚飾の世界を砕くもの":136点回復します。
"ブロンテス":30点回復します。
"虚飾の世界を砕くもの":メジャーアクションに入ります。
"虚飾の世界を砕くもの":《アスクレピオスの杖》《カンビュセスの籤》《原初の赤:癒しの水》《幻想の色彩》《世界樹の葉》《要の陣形》《未知なる陣形》。
"ブロンテス":《拡散する世界》。対象をシーン(選択)にします。
レナ・ルナール:やめろーーー!!!
"ブロンテス":シーンの戦闘不能になったエネミーをHP1で回復するとともに
"ブロンテス":HPを18D10+15+侵蝕/10点回復します。
"虚飾の世界を砕くもの":18D10+15+12+1
DoubleCross : (18D10+15+12+1) → 85[5,10,4,2,5,3,5,7,4,3,3,5,1,9,3,2,4,10]+15+12+1 → 113
"虚飾の世界を砕くもの":侵蝕120のエネミーはHP113(未満の場合は全回復)で復活。
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"は121点回復し、さらに
"虚飾の世界を砕くもの":《再生の王笏》《創生の王笏》。
"虚飾の世界を砕くもの":5d10+30
DoubleCross : (5D10+30) → 19[4,2,4,8,1]+30 → 49
"虚飾の世界を砕くもの":49点回復しました。
排撃系[4]×10
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[0] 1m 大型駆除系2[0]
大型駆除系3[0] 大型駆除系4[0] 大型駆除系5[0]
リンゼ[26/174]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/129]
8m
大型駆除系6[0] 大型駆除系7[0]
大型駆除系8[0] 1m 排撃系[4] 1m 大型駆除系9[0]
2m
随伴系[1]
"月下王"[0]
シェイル[26/138] アメリア[28/132]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/128]
レナ[9/147] フローレンス[18/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/155]
ヒナテア[18/184]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/139]
GM:続いて行動値9。レナさんの手番になります。
GM:が、
GM:"虚飾の世界を砕くもの"は非常に緩慢な攻撃だけを行います。
"虚飾の世界を砕くもの":《裏切りの真名》。対象はシェイルさん達のエンゲージにいるPC全員です。
"虚飾の世界を砕くもの":8d10+10
DoubleCross : (8D10+10) → 42[4,4,6,9,5,6,4,4]+10 → 52
"虚飾の世界を砕くもの":これに加えて(侵蝕率-100)/10の端数ダメージを受けてください。
ヒナテア・オルブライト:射程至近では?
GM:あ、そうか!
GM:じゃあすみません、ヒナテアさん達のエンゲージにします。
GM:ヒナテアじゃないや
GM:リンゼさん達ですね
久世川リンゼ:やだーーーー!!!!
GM:リンゼ、キャロル、綾を攻撃。
綾云媛:リアクション出来ない攻撃なんてずるい
トゥーナ・ネヴァーリンクス:隊長~~!
綾云媛:復讐できないじゃんね
キャロル・ホプキンス:カバーリングはできるはず
ヒナテア・オルブライト:リア不攻撃なんて酷い事をするやつがいたもんだ
キャロル・ホプキンス:【フォックスグローブ】《マグネットフォース》カバーリングを行う。 侵蝕2
キャロル・ホプキンス:リンゼさんをカバーします
久世川リンゼ:免罪王……!!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を2増加(115 → 117)
GM:イニシアチブダメージのエフェクトにカバーってできるのかしら
GM:ちょっとルールを見てみます
キャロル・ホプキンス:FQAで
キャロル・ホプキンス:極大消滅波はできるとあったので
GM:
Q:《極大消滅波》のダメージにカバーリングは可能ですか?
A:可能です。ただし、《極大消滅波》にはリアクションできないため、カバーリングをしてもガードを行なうことはできません。
GM:確かに書いてありますね!じゃあカバー可能です
久世川リンゼ:ちょっとお待ちを!
綾云媛:カバーするなら私の方が良い?
久世川リンゼ:ああーーなるほど
キャロル・ホプキンス:そうかも
綾云媛:キャロルさんのカバーリングを取りやめてもらい
綾云媛:《砂の結界》リンゼちゃんをカバーリング。
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を2増加(134 → 136)
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を-2増加(117 → 115)
久世川リンゼ:すまない探索王……!
正法院ワカナ:固定ロイスのキャロル・ホプキンスをSロ指定、カラーロイス白の効果を使用
正法院ワカナ:この攻撃でのダメージを無効化します。
綾云媛:海賊王のロイスをタイタス昇華、復活します
キャロル・ホプキンス:ワカナさんありがとうございます……!
排撃系[4]×10
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[0] 1m 大型駆除系2[0]
大型駆除系3[0] 大型駆除系4[0] 大型駆除系5[0]
リンゼ[26/174]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/136]
8m
大型駆除系6[0] 大型駆除系7[0]
大型駆除系8[0] 1m 排撃系[4] 1m 大型駆除系9[0]
2m
随伴系[1]
"月下王"[0]
シェイル[26/138] アメリア[28/132]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/128]
レナ[9/147] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/155]
ヒナテア[18/184]
"喝采王"[27/143] ワカナ[25/139]
GM:それでは手番は行動値9のレナさんになります。
レナ・ルナール:私!
レナ・ルナール:≪止まらずの舌≫+≪さらなる力≫
レナ・ルナール:ヒナテアさんに意志勝負をしかけ買ったら再行動させます。
レナ・ルナール:6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 10[1,3,9,10,10,10]+7[6,7,7]+1 → 18
ヒナテア・オルブライト:暴走リア不
ヒナテア・オルブライト:6回目の行動します……ある事ない事も喋ります……
レナ・ルナール:や~い、や~い、意志薄弱♡
ヒナテア・オルブライト:うう……
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風・ざ・6】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-10。対象は排撃系以外のエネミー全て。
ヒナテア・オルブライト:判定します
ヒナテア・オルブライト:10dx+30
DoubleCross : (10DX10+30) → 5[1,1,2,2,3,3,4,4,4,5]+30 → 35
"虚飾の世界を砕くもの":よし、やるか……
"虚飾の世界を砕くもの":《アナザーセルフ》。エフェクトの使用回数を回復します。回復するのは《守護者の巨壁》です。
"虚飾の世界を砕くもの":《守護者の巨壁》。対象を自分一人に変更します。
ヒナテア・オルブライト:なんですって~!
ヒナテア・オルブライト:《原初のアージ闘争の渦》も持ってると見てよかろ……タフなやつめ
ヒナテア・オルブライト:36+36+4d10+2d10
DoubleCross : (36+36+4D10+2D10) → 36+36+13[1,1,2,9]+4[2,2] → 89
"虚飾の世界を砕くもの":89点のダメージを受けます……と同時に
"虚飾の世界を砕くもの":《復讐の領域》。89点ダメージをヒナテアさんに与えます。
ヒナテア・オルブライト:89,89か……!
ヒナテア・オルブライト:救けてダメージ軽減者~!
ヒナテア・オルブライト:応援頼む、ノエミさん……!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《波紋の方陣》LV6、ヒナテアが受けるダメージを7d10点軽減します!モンジョワ!
ヒナテア・オルブライト:ノエミ・ジャンヌ・サンソンの侵蝕率を4増加(143 → 147)
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:89-7d10
DoubleCross : (89-7D10) → 89-34[4,10,1,2,7,3,7] → 55
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デモンズウェブ》します 現在Lv6で、死神の鋼糸の効果もあるのでダイスは-7D-7 侵蝕2上がって157
トゥーナ・ネヴァーリンクス:55-7D-7
DoubleCross : (55-7D10-7) → 55-41[7,4,7,8,5,1,9]-7 → 7
嘴子原シェイル:あ、待ってください
トゥーナ・ネヴァーリンクス:アッハイ
嘴子原シェイル:波紋の方陣、防具効果で+2D軽減あるのでそれもお願いします
トゥーナ・ネヴァーリンクス:波紋のほうにあるのね
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:すっかり忘れていました……自分のデータなのに。テヘッ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:7-2d10
DoubleCross : (7-2D10) → 7-16[10,6] → -9
ヒナテア・オルブライト:応援ありがとう!お陰でノーダメージです
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(184 → 192)
ヒナテア・オルブライト:あ、すいません!
ヒナテア・オルブライト:エフェクトレベルが2上がってるのでダメージが+6されます。
ヒナテア・オルブライト:私はノーダメージのままです
GM:OK!反映しました。次は行動値7のコノカさんです。
ヒナテア・オルブライト:ワンちゃんには何して貰おうかな~
黒田コノカ:マイナーで硬直解除、メジャーで《スキルフォーカス》フォールンピストルで射撃攻撃。対象はブロンテス。
GM:本当に黒田さんかなあ
GM:綾綾してるぜ
黒田コノカ:天才軍師黒田コノで兵衛ござるよ~
黒田コノカ:これで+2、エフェクトレベル上げるにはあと30欲しいから
黒田コノカ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
黒田コノカ:神聖十字冠発動、侵蝕率+30して160まで上げ、攻撃力+60
ヒナテア・オルブライト:黒田コノカの侵蝕率を30増加(128 → 158)
黒田コノカ:フォールンピストルの効果発動、リアクションのC値+1
GM:ずっと心配ですけど、大丈夫かい?第1ラウンドでそんなに切り札全部使って……
GM:フフフ……責任は取りませんよ……
黒田コノカ:バフは特にないな……
黒田コノカ:7dx+12 命中判定
DoubleCross : (7DX10+12) → 10[1,5,6,7,9,9,10]+5[5]+12 → 27
"虚飾の世界を砕くもの":15dx11+3>=27
DoubleCross : (15DX11+3>=27) → 10[1,1,2,2,3,3,4,6,6,6,7,8,9,10,10]+3 → 13 → 失敗
大型駆除系:《マグネットフォース》《磁力結界》。カバーリングします。
大型駆除系:4d10 先に振っておきます
DoubleCross : (4D10) → 24[2,8,5,9] → 24
黒田コノカ:8+60+3d10 装甲ガード有効
DoubleCross : (8+60+3D10) → 8+60+16[6,9,1] → 84
大型駆除系:60点ダメージ。十分に生存します。
黒田コノカ:ぴったり神聖十字冠の分だけ通る
黒田コノカ:戦闘前描写の通りだ
GM:本当だ!
GM:こういうのいいですね
黒田コノカ:ね
黒田コノカ:これによりエフェクトレベル+2の領域に突入
黒田コノカ:リンゼ、ヒナテア、エリザベス、モモカ、キャロル 攻撃力+39、行動値+10
黒田コノカ:次ラウンドからは鮮血の奏者も強化していくぞ
GM:アヤヤ~ッ
黒田コノカ:以上ワン
GM:それでは行動値5の砕きものくんは……行動済みなので
GM:行動値4の排撃系が動きます。
レナ・ルナール:チブ行動します。
GM:どうぞ
レナ・ルナール:イニシアチブで≪覚醒の秘薬≫
レナ・ルナール:をオートで≪タブレット≫≪多重生成≫
"虚飾の世界を砕くもの":《デビルストリング》。《タブレット》を打ち消します。
レナ・ルナール:助けてデビスト組!!!
GM:残り回数はちゃんとカウントしておいてくださいよ!
ヒナテア・オルブライト:海賊王が4回使って残り1回か(LV3+2)
ヒナテア・オルブライト:ログのクライマックス前表だと1/4ってあるけど、あれは1回取りやめたのをカウントしている(はず)
GM:いいえ、海賊王は合計5回使ってます 取り消し部分を除いても、一度に二回使った場面があったので
ヒナテア・オルブライト:なるほど、失礼
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デビルストリング》を宣言。《デビルストリング》を打ち消します 侵蝕6上がって163
レナ・ルナール:ヒナテア、リンゼ、免罪王、海賊王、シェイルを再行動させます
GM:どうぞ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:デビストはこれで全部ですが、今侵蝕が160以上になったのでエフェクトレベルが上がり、もう1回使えるようになります
GM:いや、
GM:それは変だな……トゥーナさんもデビルストリング5回、デビルスレッド5回使ってるはずだったので
GM:この時点で160行ってなかったなら使用回数がおかしい気がする……
キャロル・ホプキンス:帰還の声で回復してる分だと思います!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:こちらでも管理してはいたんですが……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:自分は信用できないので、とりあえず戦闘メモ見てみます
GM:帰還の声前まででトゥーナさんがデビスト4回、帰還の声で回復して、その後デビスト1回なら
GM:辻褄は合います 私もちょっとログ検索しただけなのでカウント間違ってるかも
トゥーナ・ネヴァーリンクス:帰還の声で回復した分が今使ったデビストのはずです
GM:というか、そうか、帰還の声で回数回復した後は
GM:いや、待った、そもそもログで見れる分だけで5回使ってるんだよな……!
GM:解決しました!《原初の紫:ミスディレクション》に使った分の《デビルストリング》が使用宣言を取り消されているので
GM:ちゃんと《帰還の声》までに使用された《デビルストリング》は4回に収まっています。なので今回の打ち消しは有効です!
レナ・ルナール:やったー!!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:助かった
ヒナテア・オルブライト:チェックお疲れ様です……!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:お疲れ様です ありがとうございます
レナ・ルナール:侵蝕上昇
レナ・ルナール:2d10+6+155
DoubleCross : (2D10+6+155) → 9[4,5]+6+155 → 170
ヒナテア・オルブライト:最速行動値は私とリンゼに変更ですね。リンゼに先を譲ります
久世川リンゼ:では私から先に動きます
久世川リンゼ:マイナーアクションで《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:攻撃力22の武器を作成。侵蝕率+3で203
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《ギガンティックモード》
久世川リンゼ:対象は同エンゲージのエネミー全て!
久世川リンゼ:今度はリアクション出来ます、ミラージュは品切れ
久世川リンゼ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,1,2,3,7,7,7,7,7,8,8,10,10]+10[2,3,3,3,3,4,7,8,10]+10[2,4,9]+1[1]+6 → 37
"虚飾の世界を砕くもの":《消散する魔法》。達成値を-50します!
アメリア・シュミット:『遺産管理委員会、介入!』《妖精の手》
アメリア・シュミット:判定の最期のダイス目の1を10に変更! 侵蝕*4で136に
久世川リンゼ:た、助かります!!!!
久世川リンゼ:1dx7+46
DoubleCross : (1DX7+46) → 10[8]+6[6]+46 → 62
久世川リンゼ:しゃあッッ!!!!
久世川リンゼ:達成値-50されても12残ります!!
"虚飾の世界を砕くもの":これをどうするかは迷いどころだな……!
大型駆除系:いや、シンプルに行くか。大型駆除系が"ブロンテス"を《マグネットフォース》《磁力結界》。
"ブロンテス":忘れがちだけどブロンテスはまだリアクション不能です。
"虚飾の世界を砕くもの":で、こいつは素で受けてみよう
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3>=62
DoubleCross : (15DX10+3>=62) → 10[1,3,4,4,5,5,6,7,7,8,9,9,9,9,10]+7[7]+3 → 20 → 失敗
久世川リンゼ:ぎゃー
正法院ワカナ:勝利の女神使いたいんですが、出目確定していますか?
GM:まだ載せていいですよ
正法院ワカナ:ありがとうございます!
正法院ワカナ:原初の黒:勝利の女神 使用。達成値+12
久世川リンゼ:ワカナさんありがとうございます……!
久世川リンゼ:これで達成値は24! 砕きものにも命中!
正法院ワカナ:侵蝕率+6され、145%へ
久世川リンゼ:それではダメージロール!
久世川リンゼ:3d10+22+25+2d10+39+2d10
DoubleCross : (3D10+22+25+2D10+39+2D10) → 12[3,8,1]+22+25+10[2,8]+39+11[3,8] → 119
久世川リンゼ:装甲ガード有効です
GM:119か
"月下王":それなら、《子羊の歌》。
"月下王":対象は"虚飾の世界を砕くもの"。《地を掴む獣》の軽減と合わせて一回耐えられます。
久世川リンゼ:ぐぐぐ
大型駆除系:大型駆除系は爆発四散します。貴重なシールドが……
久世川リンゼ:侵蝕率+11で214となります
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[1] 1m 大型駆除系2[0]
大型駆除系3[0] リンゼ[26/214] 大型駆除系5[0]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/136]
8m
大型駆除系6[0] 大型駆除系7[0]
大型駆除系8[0] 1m 排撃系[4] 1m 大型駆除系9[0]
2m
随伴系[1]
"月下王"[0]
シェイル[26/138] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/163]
ヒナテア[18/192]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
GM:残りはヒナテアさん、キャロルさん、エリザベスさん。
久世川リンゼ:あっ排撃系へのダメージ処理はどうなりますでしょうか?
GM:あ、そうでした!消し忘れです。
排撃系:排撃系はどちらにせよ《イベイジョン》なので、命中しており、ダメージは全部受けました。
ヒナテア・オルブライト:覚醒の秘薬は未行動になる効果だから、動くのはイニシアチブ順で私だね
ヒナテア・オルブライト:GMに質問、今回の戦闘はエネミーが蘇生エフェクトを使ってくるわけだけど
ヒナテア・オルブライト:戦闘不能になったエネミーを攻撃対象に含み、とどめをさす宣言すれば蘇生できなくなるかな?
GM:そうですね。そうなります。
ヒナテア・オルブライト:この状況も私の判断の甘さというわけだ
ヒナテア・オルブライト:強制起動者、《ライトスピード》の使用回数を回復
ヒナテア・オルブライト:これが正真正銘最後のライトスピードだ
ヒナテア・オルブライト:マイナーで《ライトスピード》C値+1してメジャーを2回
ヒナテア・オルブライト:メジャーで《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-10。対象はシーン内のエネミー全て。
ヒナテア・オルブライト:対象には戦闘不能状態のエネミーも含み、とどめをさす宣言をする……【メモ】月下王が斃れた時は注意すること
GM:現在戦闘不能状態なのは、ブロンテスと同じエンゲージの大型駆除系、及び排撃系10体です
ヒナテア・オルブライト:判定します
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を5増加(192 → 197)
ヒナテア・オルブライト:11dx+30
DoubleCross : (11DX10+30) → 10[1,2,4,5,5,7,8,9,10,10,10]+9[5,6,9]+30 → 49
ヒナテア・オルブライト:毎回C値増やし忘れる!40です
ヒナテア・オルブライト:チャパレいじったのでもう間違えません
"虚飾の世界を砕くもの":下手にカバーでダメージ増やさないほうが得策と判断……普通にドッジします。
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3>=40
DoubleCross : (15DX10+3>=40) → 9[1,2,2,2,2,2,3,3,5,6,6,6,7,8,9]+3 → 12 → 失敗
"ブロンテス":こちらはリアクション不可。手番さえ回ればシールドクリエイトできるんですけど……
ヒナテア・オルブライト:チャージなどさせるものか
大型駆除系:そうでした、すっかり忘れていましたね
大型駆除系:《マグネットフォース》《磁力結界》。
大型駆除系:1が3を、2が5を、6が8を、7が9をカバーします。
大型駆除系:いや、カバーしないほうがいいのかな……!どっちがいいかな
ヒナテア・オルブライト:悩め悩め~
大型駆除系:うーん、カバーしないでやってみるか
大型駆除系:全員が《磁力結界》。
ヒナテア・オルブライト:纏めて吹っ飛ばしてくれるわ
"月下王":月下王もガード。
排撃系:この辺の雑魚は
随伴系:自動命中です
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージへの攻撃の攻撃力+75
GM:うわ!それがあったな
綾云媛:《再起の咆哮》は出がらしだけど、最後の咆哮で使用回数は回復してるもんね
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を3増加(136 → 139)
ヒナテア・オルブライト:42+39+75+5d10
DoubleCross : (42+39+75+5D10) → 42+39+75+36[10,3,6,9,8] → 192
ヒナテア・オルブライト:192+2d10 コンビネーター対象
DoubleCross : (192+2D10) → 192+11[1,10] → 203
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(197 → 205)
"虚飾の世界を砕くもの":ここはもう使いどころのはず……!《透過》でダメージを0。
"月下王":《子羊の歌》。"ブロンテス"へのダメージを引き受けます。
ヒナテア・オルブライト:マカミ~!
GM:これによってブロンテスと砕きもの以外全員撃破され、排撃系10体と大型駆除系1体はトドメを刺されました。
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
"ブロンテス"[0]
リンゼ[26/214]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/136]
10m
シェイル[26/138] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/163]
ヒナテア[18/205]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
ヒナテア・オルブライト:私も200越えの超新星になったぜ
ヒナテア・オルブライト:メジャーで《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-10。対象は月下王以外のシーン内のエネミー全て。
大型駆除系:意味ないけど《磁力結界》のダイスだけ振っておきます
大型駆除系:4d10
DoubleCross : (4D10) → 20[3,5,4,8] → 20
大型駆除系:当然無理。
ヒナテア・オルブライト:二度と復活など出来ないよう、メカメカ軍団にはとどめを刺してくれる
"虚飾の世界を砕くもの":やるしかなさそう……《闘争の渦》。《隠された世界》を回復します。
"虚飾の世界を砕くもの":《隠された世界》で対象を単体に変更。
ヒナテア・オルブライト:やると思ってたぜ……!
ヒナテア・オルブライト:対象はブロンテス、君に届け!
"虚飾の世界を砕くもの":本当なら復活エフェクトに使いたかったんだけどな
ヒナテア・オルブライト:私の頑張り過ぎだ!
ヒナテア・オルブライト:12dx11+30
DoubleCross : (12DX11+30) → 10[2,3,4,4,4,6,6,7,7,7,9,10]+30 → 40
"虚飾の世界を砕くもの":達成値40ならできることはする……!《スモールワールド》で達成値を-20。
ヒナテア・オルブライト:スモールワールドの方がよっぽど虚飾の世界っぽいだろ!ほとんどディズニー
ヒナテア・オルブライト:ダメージ出します
ヒナテア・オルブライト:42+39+3d10+2d10 コンビネーター含む
DoubleCross : (42+39+3D10+2D10) → 42+39+16[2,8,6]+15[5,10] → 112
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(205 → 213)
"ブロンテス":コンビネーター込みでも残ります!装甲が効かないのが本当に辛い
ヒナテア・オルブライト:回復しすぎだぞ~。以上!
GM:次は誰……キャロルさんか……?
キャロル・ホプキンス:シェイルさんかな
嘴子原シェイル:未行動になった私ですね
GM:もう勘弁してくれ~
嘴子原シェイル:マイナーで新しいキーンナイフと入れ替えて装備
嘴子原シェイル:メジャー、《ギガンティックモード》+《ストライクモード》+《コンセントレイト》 対象はブロンテスと砕きものくん
嘴子原シェイル:(7+4)dx7+14
DoubleCross : (11DX7+14) → 10[1,3,3,3,5,5,6,7,8,8,9]+10[3,4,6,10]+3[3]+14 → 37
"ブロンテス":ブロンテスはリアクション不能として
"虚飾の世界を砕くもの":いや、カバー以外の選択肢はない!《崩れずの群れ》でカバー。
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3>=37
DoubleCross : (15DX10+3>=37) → 10[1,3,4,4,4,5,5,6,7,8,8,8,9,9,10]+9[9]+3 → 22 → 失敗
嘴子原シェイル:ではダメージ レナが160超えてるから攻撃力+15だ
嘴子原シェイル:4d10+5+9d10+15+2d10 活性コンビネーター込み
DoubleCross : (4D10+5+9D10+15+2D10) → 20[1,9,8,2]+5+50[8,5,3,9,5,10,3,1,6]+15+9[7,2] → 99
嘴子原シェイル:装甲-5扱い、武器破壊
"虚飾の世界を砕くもの":装甲は結構ある。13マイナスして2倍なので
"虚飾の世界を砕くもの":172!それでも相当食らったな……!
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を12増加(138 → 150)
嘴子原シェイル:行動終了!
GM:キャロルさんの手番です。
"虚飾の世界を砕くもの":あ、しまった、さっきからリアクションしてますが、《闘争の渦》を使ったので暴走してます
キャロル・ホプキンス:む、つまりカバーリングもできないということか……チャンス!
GM:そうじゃん
GM:すいません!じゃあカバーできないな!
ヒナテア・オルブライト:己の闘争衝動を恨むが良い!
"虚飾の世界を砕くもの":カバーしてもらうことしかできませんでした。さっきのは自分がカバーではなく、《領域の盾》でブロンテスにカバーしてもらうことにします。
"ブロンテス":それでブロンテスは戦闘不能になるので……
"虚飾の世界を砕くもの":もうここが限界……!イニシアチブで動きます。
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の白:時間凍結》。
"虚飾の世界を砕くもの":イニシアチブで行動します。
"虚飾の世界を砕くもの":メジャーアクションで《アスクレピオスの杖》《カンビュセスの籤》《原初の赤:癒しの水》《幻想の色彩》《世界樹の葉》《要の陣形》《未知なる陣形》。
"虚飾の世界を砕くもの":対象は、"ブロンテス"、"月下王"、両隣のエンゲージの大型駆除系3体にします。
ヒナテア・オルブライト:その大型駆除系にはとどめ刺せてなかったかな?
GM:いいえ、一度目のサイレンで全滅させて
GM:二度目のトドメを刺すサイレンは《隠された世界》で単体化していました
GM:一度目のサイレンでトドメを刺したのは
GM:ブロンテスと同じエンゲージの大型駆除系1体と、排撃系10体です
ヒナテア・オルブライト:そうだった
"虚飾の世界を砕くもの":18D10+15+12
DoubleCross : (18D10+15+12) → 100[1,4,6,7,6,9,6,5,5,5,6,10,2,7,2,2,10,7]+15+12 → 127
"虚飾の世界を砕くもの":全員がHP1で蘇生し、HPが127回復します。
"虚飾の世界を砕くもの":いや、待った。《創生の王笏》は自分と同じエンゲージのキャラが回復するなら使えるのか
"虚飾の世界を砕くもの":《再生の王笏》《創生の王笏》も使います。対象は自分とブロンテス。
"虚飾の世界を砕くもの":5d10+30
DoubleCross : (5D10+30) → 32[10,4,7,3,8]+30 → 62
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[0] 1m 大型駆除系2[0]
大型駆除系3[0] リンゼ[26/214]
キャロル[22/115]
"探索王"[30/136]
10m
"月下王"[0]
シェイル[26/150] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/163]
ヒナテア[18/213]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
GM:手番は行動値22のキャロルさんです。
キャロル・ホプキンス:ちょっと確認しておきたいことがあるのですが
キャロル・ホプキンス:砕きもののデビルストリングはこれまで5回使っていますが、まだ打ち止めではないという認識でいいでしょうか?
GM:いいえ、打ち止めです
キャロル・ホプキンス:ありがとうございます!
GM:でも打ち止めかどうかを宣言するのは
GM:基本的にはGMの親切心ですからね……!あまりあてにしないでくださいね
キャロル・ホプキンス:確かにそうですね……五体投地して感謝します!
GM:あとデビルストリングは一回使用を取り消しているので
GM:回数は4回です
キャロル・ホプキンス:なるほど
キャロル・ホプキンス:では行動します!
キャロル・ホプキンス:メジャー:【ブラックドッグ】《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》《雷鳴の申し子》《獅子奮迅》 10(+db)dx7+6 攻撃力33+α 範囲(選択) メインプロセス終了自にHP0になる。 侵蝕17
キャロル・ホプキンス:対象はブロンテスと砕きもの!
キャロル・ホプキンス:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[2,3,3,4,4,5,5,5,5,7,8,9,10,10]+10[1,5,6,9,10]+6[4,6]+6 → 32
"虚飾の世界を砕くもの":どちらもリアクション不可なので、《領域の盾》でブロンテスにカバーさせます。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《デビルストリング》宣言。カバーリングを打ち消したいです 侵蝕6上がって169
"ブロンテス":わかりました……エフェクトでカバーするのは無理そうなので
"ブロンテス":行動放棄でカバーします……
キャロル・ホプキンス:ではダメージ行きます!
キャロル・ホプキンス:4d10+128+39+2d10
DoubleCross : (4D10+128+39+2D10) → 22[1,7,9,5]+128+39+6[3,3] → 195
"月下王":《子羊の歌》。この2倍ダメージを受けきれるのはでかい!
"月下王":戦闘不能になりました。
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を017増加(115 → 132)
キャロル・ホプキンス:こちらも戦闘不能……
GM:オーバーフローしてませんか?
キャロル・ホプキンス:頭に0が付いてるだけなので数値としては問題ないと思います
GM:いや、さすがに侵蝕115ってことはないはず……
GM:いや、115なのか……!?
GM:他がこんな侵蝕率の中で115だったの……?
キャロル・ホプキンス:100スタート、衝動侵蝕、メジャー8で115でした
GM:115だ!どこかで170に誤表記してました
GM:すいません、ずっと間違ってたのでログで修正すると思います!とにかく次の手番!
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[0] 1m 大型駆除系2[0]
大型駆除系3[0] リンゼ[26/214]
キャロル[22/132]
"探索王"[30/136]
10m
シェイル[26/150] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/200] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/163]
ヒナテア[18/213]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
キャロル・ホプキンス:ワカナさんのロイスを切って復活します!
正法院ワカナ:頑張って…キャロル
エリザベス・タイラー:船はよ!乗り換えることにしたんだ
正法院ワカナ:決めて…海賊王!
エリザベス・タイラー:《デビルストリング》には世話になったけどこの船での航海はここまでだ
エリザベス・タイラー:ゴムゴムの~~~
エリザベス・タイラー:《骨の銃》!
エリザベス・タイラー:ゴムゴムの~~
エリザベス・タイラー:《死招きの爪》!
エリザベス・タイラー:攻撃45の武器を作成!
エリザベス・タイラー:おれの《骨の銃》は 銃のように強いんだ!!!!
エリザベス・タイラー:《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》《要の陣形》!対象は……
エリザベス・タイラー:すっげェ~!ちょうど5体いる!!!!
エリザベス・タイラー:こんな部屋があるからいけねェんだ!!!!
エリザベス・タイラー:「生きたい」と言えェ!
エリザベス・タイラー:18dx7+9
DoubleCross : (18DX7+9) → 10[2,3,3,4,6,6,6,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,2,4,4,5,5,6,6,8,9,10]+10[5,8,10]+5[3,5]+9 → 44
大型駆除系:大型駆除系は1が3をカバー。
大型駆除系:全員が《磁力結界》だけは使います。
"虚飾の世界を砕くもの":そのまま受けます。
"ブロンテス":そのまま受けます。
エリザベス・タイラー:《オーバーロード》も使用。
エリザベス・タイラー:5d10+45+45+39+3d10+2d10
DoubleCross : (5D10+45+45+39+3D10+2D10) → 25[8,1,1,6,9]+45+45+39+12[7,2,3]+13[9,4] → 179
エリザベス・タイラー:2d10 コンビネーター分
DoubleCross : (2D10) → 4[3,1] → 4
"ブロンテス":いや、このダメージならブロンテスも残るのか……!絶対無理だと思ったのに
"ブロンテス":さっきの蘇生で全回復してるからな……
"虚飾の世界を砕くもの":砕くものはどうしようかな……!
"虚飾の世界を砕くもの":179はさすがに切り札切り得か 《虚無への回帰》でダメージ0に。
大型駆除系:大型駆除系は一体しか残りません。
エリザベス・タイラー:侵蝕200→217
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[0] 1m "ブロンテス"[0]
リンゼ[26/214]
キャロル[22/132]
"探索王"[30/136]
10m
シェイル[26/150] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/217] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/163]
ヒナテア[18/213]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
GM:行動値0。トゥーナさんの手番です。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:トゥーナ、動きます
トゥーナ・ネヴァーリンクス:マイナーでヴィブロウィップの効果を使用、攻撃力+5
トゥーナ・ネヴァーリンクス:メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アタックプログラム》 侵蝕4上がって167
トゥーナ・ネヴァーリンクス:あと、《雷神の降臨》使った時に侵蝕率レベルボーナスあったの忘れてました 今侵蝕160なのでレベルが2上昇、つまり攻撃力+25です
トゥーナ・ネヴァーリンクス:12dx7+14
DoubleCross : (12DX7+14) → 10[2,2,3,3,3,4,6,7,7,7,9,10]+10[1,5,8,9,10]+6[5,5,6]+14 → 40
GM:対象はどちらですか?
トゥーナ・ネヴァーリンクス:アッ ブロンテスです!
"ブロンテス":リアクションはできません。命中します。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ウオオダメージ!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:5D10+40
DoubleCross : (5D10+40) → 35[9,8,3,7,8]+40 → 75
"ブロンテス":現在HPは8しかありません。戦闘不能になります!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:やった~!
大型駆除系:大型駆除系の行動。
大型駆除系:《絶望の領域》のせいでメジャーアクションが何もできないので
大型駆除系:マイナーで行動値低下を解除。"虚飾の世界を砕くもの"のエンゲージに移動して行動終了。
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[7]
リンゼ[26/214]
キャロル[22/132]
"探索王"[30/136]
10m
シェイル[26/150] アメリア[28/136]
"海賊王"[18/217] コノカ[7/160]
レナ[9/170] フローレンス[11/166]
"法王"[25/171] トゥーナ[0/167]
ヒナテア[18/213]
"喝采王"[27/147] ワカナ[25/145]
■ラウンド2
GM:行動値順にセットアップを処理していきます。が
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"は非常に緩慢な攻撃を行います。
"虚飾の世界を砕くもの":オートアクションでEロイス『予告された終焉』を宣言します。対象はキングダム連合学院。
"虚飾の世界を砕くもの":クライマックス2の戦闘では、エンディングフェイズを待たず、このラウンド終了時にエネミーが生存している場合キングダムを滅亡させるものとします。
レナ・ルナール:ひえ~~~~
正法院ワカナ:ヤバいよヤバイよ~!
アメリア・シュミット:規模が緩慢じゃないんですが?
GM:まずは皆さん行動値を元に戻していただいて
GM:順に処理していきます
GM:行動値18。ヒナテアさんとリンゼさん。
ヒナテア・オルブライト:【Grind Blind Frum Frame 】《螺旋の悪魔》暴走状態になり、ラウンド中ウロボロスエフェクトによる攻撃力+21。
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を3増加(213 → 216)
GM:リンゼさんはセットアップなさそう。
ヒナテア・オルブライト:シーン1回だもんね
GM:行動値14のシェイルさん。
嘴子原シェイル:特にありません!
GM:12の法王。
ヒナテア・オルブライト:ないはず
GM:11のアメリアちゃん。
アメリア・シュミット:なし。絶望の領域はシナリオ1回だから……もっとみんなに絶望してほしかった
GM:10のコノカさん、ノエミさん。
キャロル・ホプキンス:私はありません!
GM:↑はノエミさんの間違いでした。でもキャロルさんはなしですね
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:PS『詠嘆桜歌ユイマリア』《ブラッドコート》
GM:コノカさんは……使ったほうがいいのでは?
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:HP8消費、ラウンド中ガード値を+【20】する
キャロル・ホプキンス:限界突破も使いましょう!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:では《限界突破》波紋の方陣の使用回数をラウンド2回に変更!
ヒナテア・オルブライト:ノエミ・ジャンヌ・サンソンのHPを-8増加(33 → 25)
ヒナテア・オルブライト:ノエミ・ジャンヌ・サンソンの侵蝕率を5増加(147 → 152)
GM:行動値8のワカナさん。
正法院ワカナ:ワカナは行動ありません。
キャロル・ホプキンス:コノカさんも使います!
嘴子原シェイル:コノカさんバフもお願いします!
ヒナテア・オルブライト:《アクセル+活性の霧+鮮血の奏者+タブレット+多重生成》行動値+10、HPを3点消費して6体を対象に攻撃力+39と鮮血の奏者上がって……
ヒナテア・オルブライト:+42!
ヒナテア・オルブライト:黒田コノカの侵蝕率を13増加(160 → 173)
ヒナテア・オルブライト:対象は行動早い順でヒナテア、リンゼ、シェイル、モモカ、アメリア、コノカ
ヒナテア・オルブライト:黒田コノカのHPを-3増加(11 → 8)
"虚飾の世界を砕くもの":行動値5。でもここまで来たらセットアップ何もできないな
GM:続いてエリザベスさん、綾さんはセットアップなさそうだから……
GM:トゥーナさんどうでしょう
綾云媛:いや、《ソードマスター》はありましたね
トゥーナ・ネヴァーリンクス:《雷神の降臨》使用。攻撃力が+25され、行動値0に固定。侵蝕6上がって175です
綾云媛:任意の対象の武器攻撃達成値に+9できるはずです。
レナ・ルナール:レナはここはやすみます!
嘴子原シェイル:ごめんレナ……!多重抜きでも活性だけ貰っていいかな……!
キャロル・ホプキンス:ソードマスターは綾さん自身対象でお願いします!
綾云媛:自分の素手に《ソードマスター》、達成値+9
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を3増加(139 → 142)
GM:金剛王もセットアップなさそうですね。
フローレンス・アシュモール:ありません!
GM:では行動値18。ヒナテアさんの手番になります。
レナ・ルナール:すいません。シェイルに活性の霧とアクセル!!
嘴子原シェイル:ありがとう~~ 大好き~
GM:いや、行動値再計算がまだか
GM:ちょっと待ってくださいね
キャロル・ホプキンス:活性被ってるからシェイルちゃんには意味ないかも!
レナ・ルナール:攻撃力+15、行動値+14
レナ・ルナール:じゃあ海賊王にだけあげよ
キャロル・ホプキンス:やるなら海賊王がいいかも
嘴子原シェイル:あっほんとだもう貰ってる 他に回してください……!
嘴子原シェイル:そうですね 砕きものの足15を抜けますし
正法院ワカナ:ああー…砕きもの早いんだった
正法院ワカナ:いや、今は5か…。
GM:シェイルさんの行動値、素だと14になってますけど大丈夫ですか?
レナ・ルナール:侵蝕170→174
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
大型駆除系1[7]
リンゼ[28/214]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/150] アメリア[21/136]
"海賊王"[19/217] コノカ[20/171]
レナ[9/174] フローレンス[1/166]
"法王"[22/171] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/216]
"喝采王"[10/152] ワカナ[8/145]
GM:これで完璧!
嘴子原シェイル:完璧……!
GM:行動値28のヒナテアさんおよびリンゼさんから。行動をどうぞ。
ヒナテア・オルブライト:先にリンゼちゃんに動いて貰います
久世川リンゼ:動きます
久世川リンゼ:マイナーアクションで《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:攻撃力22の武器を作成。侵蝕率+3で217
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《ギガンティックモード》
久世川リンゼ:対象は同エンゲージのエネミー全て
久世川リンゼ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,2,2,3,3,6,7,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,3,6,7,9,10]+10[7,9,10]+6[1,2,6]+6 → 42
GM:リンゼさんの攻撃はさすがに受けれないかもな……
"虚飾の世界を砕くもの":一応回避だけは試みて
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,1,1,1,3,4,5,5,7,7,7,8,9,10,10]+10[8,10]+6[6]+3 → 29
久世川リンゼ:怖いなぁ!!
"虚飾の世界を砕くもの":あっいい出目が出ているのに……!
大型駆除系:ただ、やはりカバーリングはしてしまいましょう。《マグネットフォース》《磁力結界》。
大型駆除系:4d10 ガード値
DoubleCross : (4D10) → 22[2,7,7,6] → 22
久世川リンゼ:ダメージロール行きます
久世川リンゼ:5d10+22+25+2d10+42+2d10
DoubleCross : (5D10+22+25+2D10+42+2D10) → 32[3,10,7,9,3]+22+25+7[1,6]+42+12[5,7] → 140
久世川リンゼ:装甲ガード有効
大型駆除系:やっぱりカバー入っていてよかった……!ガード+1倍で受けても耐えられなかった。
大型駆除系:大型駆除系は爆発四散。あとは一体だけです。
久世川リンゼ:侵蝕率+11で228。手番は以上
久世川リンゼ:任せるぞ黄道王
"虚飾の世界を砕くもの"[5]
リンゼ[28/228]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/150] アメリア[21/136]
"海賊王"[19/217] コノカ[20/171]
レナ[9/174] フローレンス[1/166]
"法王"[22/171] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/216]
"喝采王"[10/152] ワカナ[8/145]
ヒナテア・オルブライト:任せんしゃい
ヒナテア・オルブライト:手番いきます
GM:どうぞ。割り込みはありません。
ヒナテア・オルブライト:メジャーで【予期し得ぬ台風】《サイレンの魔女》《原初の赤:ペトリファイ》装甲無視のRC射撃攻撃。命中したらマイナーで解除するまで行動値-10……メインプロセス終了後にエフェクトレベル上がって-12。
ヒナテア・オルブライト:対象はシーン内の月下王以外のエネミー全て。戦闘不能状態のみんなにはとどめを刺す宣言。
GM:いいでしょう。判定をお願いします!
ヒナテア・オルブライト:11dx+30
DoubleCross : (11DX10+30) → 10[2,2,3,3,5,6,8,9,9,10,10]+7[6,7]+30 → 47
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 10[1,3,4,4,5,5,6,6,6,7,9,10,10,10,10]+10[1,1,7,10]+1[1]+3 → 24
ヒナテア・オルブライト:ダメージ出します
ヒナテア・オルブライト:42+39+5d10
DoubleCross : (42+39+5D10) → 42+39+27[4,2,5,9,7] → 108
"虚飾の世界を砕くもの":《隆起する大地》《異形の加護》。《異形の加護》は暴走中回数制限がありません。
"虚飾の世界を砕くもの":108-1D10-18-3D10
DoubleCross : (108-1D10-18-3D10) → 108-4[4]-18-18[7,7,4] → 68
ヒナテア・オルブライト:ヒナテア・オルブライトの侵蝕率を8増加(216 → 224)
"虚飾の世界を砕くもの":68点ダメージを受けました。
GM:次は行動値24、シェイルさんの手番になります。
嘴子原シェイル:マイナーで武器を新品に交換してメジャーへ
嘴子原シェイル:虚飾の世界を砕くものを対象に《ギガンティックモード》+《ストライクモード》+《コンセントレイト》
嘴子原シェイル:(7+4)dx7+14
DoubleCross : (11DX7+14) → 10[1,2,3,4,5,5,6,8,8,9,10]+10[1,1,3,9]+10[8]+10[9]+2[2]+14 → 56
"虚飾の世界を砕くもの":装甲が効く……!心置きなくドッジさせてもらおう
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3>=56
DoubleCross : (15DX10+3>=56) → 10[2,2,2,3,3,4,5,5,6,7,8,8,8,9,10]+2[2]+3 → 15 → 失敗
綾云媛:ダメージロール直前に《餓狼の爪》同エンゲージへの攻撃の攻撃力+75
"虚飾の世界を砕くもの":え~~!?
綾云媛:さっきはタイミング逃してごめんねアヤ
"虚飾の世界を砕くもの":1ラウンド目で打ち止めになったはずでは!?
嘴子原シェイル:アヤヤンヤ!?ヤッタ~
キャロル・ホプキンス:回数回復が打ち止めになっただけで、餓狼の爪自体はラウンド一回のエフェクトなので……
"虚飾の世界を砕くもの":そうか、そうだった……!
"虚飾の世界を砕くもの":ラウンドを跨げば回復するんだ!
ヒナテア・オルブライト:綾云媛の侵蝕率を3増加(142 → 145)
"虚飾の世界を砕くもの":そうなってしまえばもはやその攻撃を受けるしかない……
"虚飾の世界を砕くもの":ダメージをお願いします……
嘴子原シェイル:活性鮮血に餓狼も乗ったから……
嘴子原シェイル:6d10+5+9d10+42+75
DoubleCross : (6D10+5+9D10+42+75) → 25[1,6,10,1,3,4]+5+36[8,2,1,2,3,1,3,9,7]+42+75 → 183
嘴子原シェイル:装甲-5扱い、武器が破壊されます
"虚飾の世界を砕くもの":これだけHPがあるのに……!
"虚飾の世界を砕くもの":装甲でぎりぎり耐えているというありさま!
"虚飾の世界を砕くもの":いや、もう使ってしまうか
"虚飾の世界を砕くもの":《デモンズウェブ》《異形の加護》。
"虚飾の世界を砕くもの":183-6d10-3d10
DoubleCross : (183-6D10-3D10) → 183-36[10,6,7,1,10,2]-20[4,8,8] → 127
"虚飾の世界を砕くもの":これに加えて装甲18-5点で軽減するから、ほんのちょっと余命が伸びる
嘴子原シェイル:くっ 侵食を上げて行動終了
"虚飾の世界を砕くもの":餓狼の爪は強すぎる
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を12増加(150 → 162)
GM:次は行動値22、モモカさんの手番です。
ヒナテア・オルブライト:姉さんはマイナー埋まるから硬直解除まだだろうね
嘴子原シェイル:まだだったはず……!
GM:そうそう、硬直入ってる人はこちらで記録してませんけれど
GM:重要になるかもしれないのでチェックしておいてくださいね
ヒナテア・オルブライト:使用回数が+1してるので、サンドシャード込みの最大火力で殴ってもらいましょう
五辻モモカ:マイナーで《インフィニティウェポン》攻撃力+19の白兵武器を作成。侵蝕3
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を3増加(171 → 174)
五辻モモカ:メジャーで《サンドシャード+クリスタライズ+ストライクモード+コンセ》視界範囲選択の装甲無視RC攻撃。攻撃力6d+18 侵蝕16
五辻モモカ:対象は虚飾の世界を砕くもの
"虚飾の世界を砕くもの":ぼく以外の敵を狙ったほうがいいよ
五辻モモカ:判定前にオートで《砂の加護+砂塵霊》判定ダイス+7個、攻撃力+24 侵蝕6
五辻モモカ:そうかも……
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を6増加(174 → 180)
五辻モモカ:対象は虚飾の世界を砕くもの
"虚飾の世界を砕くもの":おい!
五辻モモカ:前回はエンジェルヴォイス込みだからC値上げて
五辻モモカ:15dx+8@7
DoubleCross : (15DX7+8) → 10[2,2,3,4,5,5,6,8,8,8,9,10,10,10,10]+10[2,3,4,5,6,7,8,10]+10[5,6,10]+6[6]+8 → 44
"虚飾の世界を砕くもの":15dx+3
DoubleCross : (15DX10+3) → 9[1,2,2,4,5,5,5,5,6,6,6,7,8,9,9]+3 → 12
五辻モモカ:19+24+42+5d10+6d10 装甲無視、これで合ってるはず
DoubleCross : (19+24+42+5D10+6D10) → 19+24+42+30[10,9,1,7,3]+32[3,8,10,2,8,1] → 147
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を16増加(180 → 196)
"虚飾の世界を砕くもの":強い……強すぎる……!
"虚飾の世界を砕くもの":もう軽減エフェクトはありません。《デモンズウェブ》も《隆起する大地》も使い切りました。
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の紫:ミスディレクション》も《デビルストリング》も回数は残っていません。
五辻モモカ:勝ったなガハハ
"虚飾の世界を砕くもの":《リヴァイブセル》も《原初の灰:メカニカルハート》も《原初の虚:魂の錬成》も
"虚飾の世界を砕くもの":《闘争の渦》も《消散する魔法》も《アナザーセルフ》も《虚無への回帰》も《透過》も
"虚飾の世界を砕くもの":《原初の白:時間凍結》も《蘇生復活》も……全部使い切りました!
"虚飾の世界を砕くもの":こいつにはエフェクトの切り札は何も残っていません。ですが、最後の『修羅の世界』で復活し
"虚飾の世界を砕くもの":同時にEロイスでイベントを起こします。『さらなる絶望』。
"虚飾の世界を砕くもの":完全撃破された"ブロンテス"を
"虚飾の世界を砕くもの":シーンから退場させ、代わりに別のエネミーをこのエンゲージに出現させます。
五辻モモカ:そういえばブリューナクの後継機だったね……!
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
"過日の影"[29]
リンゼ[28/228]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/145]
10m
シェイル[24/162] アメリア[21/136]
"海賊王"[19/217] コノカ[20/171]
レナ[9/174] フローレンス[1/166]
"法王"[22/1961] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/152] ワカナ[8/145]
五辻モモカ:第二形態が……ある!
GM:そうです。これが第二形態に相当するものだと考えてください。
"過日の影":行動値29。新たに出現したエネミー、"過日の影"のイニシアチブ行動です。
レナ・ルナール:やだー!!
"過日の影":『屋根裏の穴(未詳の怪異)』を使用します。
【遺産融合者専用アイテム:未詳の怪異】
種別:一般
イニシアチブプロセスで使用する。専用エネミーが1体、暴走状態であなたのいるエンゲージに登場する。
さらに、このアイテムの効果で登場したエネミーがメジャーアクションで攻撃の対象を選択するたび、
その対象のうち一人に、バッドステータスの重圧と硬直と邪毒と暴走を与える。邪毒のランクは8となる。
1ラウンドに1回まで使用できる。
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
"過日の影"[29]
怪異[5]
リンゼ[28/228]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/145]
10m
シェイル[24/162] アメリア[21/136]
"海賊王"[19/217] コノカ[20/171]
レナ[9/170] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/152] ワカナ[8/145]
"過日の影":割り込みがなければ、そのまま行動します。
"過日の影":マイナーは何もなし。
"過日の影":《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《インフェルノ》《ブルータルウェポン》《炎神の怒り》《フレイムタン》《煉獄魔神》《ギガノトランス》。
"過日の影":対象はシーンのPC全員+"月下王"。"月下王"にはトドメを刺します。
レナ・ルナール:月っちゃん!!
"過日の影":使用する武器は、『リギアルカレド(神祖の剣)』です。
【遺産融合者専用アイテム:神祖の剣】
種別:白兵
技能:〈白兵〉 命中:0 攻撃力:60 ガード値:5 射程:至近
この武器による攻撃は、あらゆるエフェクトやアイテムの効果によって達成値を下げられず、失敗にもできない。
また、この武器による攻撃にはカバーリングを行なえない。
ヒナテア・オルブライト:こら!
かわいい不夜王:インチキしてんのら!!
"過日の影":ダメージを受けた場合は行動済みになります。カバーリングはできません。
五辻モモカ:《インフェルノ》の対象は変更できないと思うけど
GM:あれ?過日ではどうなってたかな……
GM:すみません、《インフェルノ》を入れる時は単体攻撃でやってました。
"過日の影":なので《インフェルノ》抜きでシーン攻撃したことにいたします。
ヒナテア・オルブライト:来てくれ、世界の敵~!
久世川リンゼ:アメリアさん助けて!!!
アメリア・シュミット:はい!『謎多き麗人です♪』《隠された世界》
"過日の影":ではアメリアさん単体に攻撃。達成値を出します。
アメリア・シュミット:ヒエ~ッ
"過日の影":37dx7+10
DoubleCross : (37DX7+10) → 10[1,1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,8,8,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,1,2,3,4,5,6,6,9,9,9,10]+10[1,9,9,10]+10[5,7,9]+5[1,5]+10 → 55
アメリア・シュミット:まず隠された世界分の侵蝕増加
アメリア・シュミット:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9
アメリア・シュミット:一応ドッジを……
アメリア・シュミット:3dx+1>=55
DoubleCross : (3DX10+1>=55) → 9[1,3,9]+1 → 10 → 失敗
アメリア・シュミット:失敗!
嘴子原シェイル:ドッジに失敗したのでワカナさんのオートを挟みます
正法院ワカナ:《運命の切り替え》+《反転する運命》
正法院ワカナ:侵食+7 145→152
アメリア・シュミット:お願い……!痛いのはいや!
正法院ワカナ:代理ドッジを《幸運の守護》+《リフレックス》で行います
正法院ワカナ:(4+3+4)dx7+2>=55
DoubleCross : (11DX7+2>=55) → 10[2,3,4,6,6,7,8,9,9,10,10]+10[2,5,5,6,7,8]+5[1,5]+2 → 27 → 失敗
正法院ワカナ:アメリアさん妖精貰えますか?
アメリア・シュミット:妖精します!
正法院ワカナ:ありがとうございます!
アメリア・シュミット:『遺産管理委員会、介入!』《妖精の手》3回目 侵蝕+4で149
アメリア・シュミット:振り足しどうぞ!
正法院ワカナ:1dx7+32
DoubleCross : (1DX7+32) → 3[3]+32 → 35
正法院ワカナ:《原初の黒:勝利の女神》 侵蝕+6 152→158
正法院ワカナ:達成値+12で47 足りない!
レナ・ルナール:《夢の雫》達成値を+14します
アメリア・シュミット:これで61!
レナ・ルナール:侵蝕率+3、177
"過日の影":この場合ダメージは出したほうがいいですね
"過日の影":6d10+60+36
DoubleCross : (6D10+60+36) → 35[6,8,3,6,8,4]+60+36 → 131
正法院ワカナ:対決に勝利!《運命の切り替え》+《反転する運命》の効果でアメリアさんを回避成功にし、その攻撃を使用者である過日の影に命中させます
"過日の影":戦闘不能になります。《燃える魂》で復活。
"過日の影":メジャーアクションを終了しましたが
"過日の影":もう一度メジャーアクションを行います。『大ナスナ紀計画駆体(コープスマキナ)』。
【遺産融合者専用アイテム:コープスマキナ】
種別:防具
ドッジ:0 行動:0 装甲値:10
あなたはメインプロセスで、メジャーアクションを2回行なえる。
嘴子原シェイル:それも持ってるの~~っ
"過日の影":「強制起動者」を使用します。回復するのは《ギガノトランス》。
"過日の影":《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《ブルータルウェポン》《炎神の怒り》《フレイムタン》《煉獄魔神》《ギガノトランス》。
"過日の影":対象は先程と同じです。
"過日の影":第1ラウンドでは攻撃機会がありませんでしたが、"月下王"に限らず、エネミー側も戦闘不能キャラがいる時は必ずトドメを刺します。
"過日の影":37dx7+10
DoubleCross : (37DX7+10) → 10[1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,10,10,10]+10[1,2,3,3,3,5,7,7,8,9,9,9,10]+10[1,3,3,5,6,9,10]+10[3,9]+4[4]+10 → 54
嘴子原シェイル:使用する武器は何でしょうか!
"過日の影":『リギアルカレド(神祖の剣)』です。武器は持ち替えていません
嘴子原シェイル:ふえ~~ん
アメリア・シュミット:待った!天沼チギリ会長へのロイスをSロイスへ指定し
アメリア・シュミット:昇華!《隠された世界》の使用回数を回復します!そして使用!
"過日の影":分かりました。アメリアさん単体に対象を変更します!リアクションをどうぞ。
アメリア・シュミット:1d10 侵蝕増加
DoubleCross : (1D10) → 8
アメリア・シュミット:ドッジ!
アメリア・シュミット:3dx+1>=54
DoubleCross : (3DX10+1>=54) → 6[2,3,6]+1 → 7 → 失敗
正法院ワカナ:《運命の切り替え》2回目 代理ドッジします 侵蝕+3 158→161
正法院ワカナ:《幸運の守護》+《リフレックス》
レナ・ルナール:援護とウィンドブレス投げる?
正法院ワカナ:お願いします~~
レナ・ルナール:《援護の風》+《ウィンドブレス》
レナ・ルナール:ダイス+7、達成値+15
正法院ワカナ:(4+3+4+7)dx7+2+15>=54 《幸運の守護》+《リフレックス》、ダイス+7、達成値+15
DoubleCross : (18DX7+17>=54) → 10[1,1,2,2,2,2,3,5,6,6,7,7,8,8,10,10,10,10]+10[4,6,6,7,10,10,10,10]+10[3,6,7,8,8]+10[5,8,10]+2[1,2]+17 → 59 → 成功
正法院ワカナ:しゃっしゃっ!
正法院ワカナ:代理ドッジ成功でアメリアさんは無傷に!
アメリア・シュミット:無敵のアメリア
GM:合計でロイス1個の損失に抑えましたね
GM:皆さん侵蝕をあげていただく間に
GM:"過日の影"について説明します。
GM:このエネミーのデータは、最大HPが1であること以外は"ロードマスター"と全く同じです。
GM:このラウンド中、同じことをしてきます。そしてラウンド開始時に説明した通り
GM:ラウンド終了時にエネミーの誰かが生存している場合、キングダム連合学院を滅亡させます。
GM:アメリアさんは侵蝕149から8上昇して157
かわいい不夜王:やだー!
正法院ワカナ:こちらはプロセス終了時にリアクション2回分の侵蝕を上昇させて+3×2の161→167
GM:レナさんは侵蝕177から5上昇して182
レナ・ルナール:失礼、あげました。
"虚飾の世界を砕くもの"[15]
"過日の影"[29]
怪異[5]
リンゼ[28/228]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/162] アメリア[21/157]
"海賊王"[19/217] コノカ[20/171]
レナ[9/182] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/152] ワカナ[8/167]
GM:こちらのリソースは本当に最後です。追加行動とか、過日で見せていないデータはありません。"虚飾の世界を砕くもの"も今やHP1のハリボテです。
GM:行動値21。アメリアさんの手番
GM:の、イニシアチブ。
"過日の影":《極大消滅波》。
"過日の影":後方のシェイル、アメリア、エリザベス、コノカ、レナ、フローレンス、モモカ、トゥーナ、ヒナテア、ノエミ、ワカナのエンゲージを狙います。
レナ・ルナール:ば、ばか!!
"過日の影":「狂想の火種」を使用。ダメージを+5D10。
"過日の影":8D10+5D10
DoubleCross : (8D10+5D10) → 49[8,5,4,6,5,6,8,7]+11[1,3,1,3,3] → 60
嘴子原シェイル:《不壊の城壁》
"過日の影":これはメジャーアクションではないのでトドメを刺すことはできないものとします。
レナ・ルナール:シェイル♡
嘴子原シェイル:マージナルヴィランを同時使用して、取得できる最大レベルとして扱います
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を5増加(162 → 167)
嘴子原シェイル:侵蝕160なので、至近範囲全員が受けるHPダメージを-70します
GM:強すぎる……!こんな切り札を隠していたとは
"過日の影":ではこちらの攻撃の手番は以上!
GM:あとは……攻撃せよ!行動値21のアメリアさんの手番です!
アメリア・シュミット:はーい!
アメリア・シュミット:マイナーで硬直を解除して
アメリア・シュミット:メジャーアクション『鴉の行軍』《コンセントレイト:オルクス》+《アニマルアタック》+《アニマルテイマー》+《要の陣形》
アメリア・シュミット:対象は3体、影と怪異と砕きもの!
GM:バカとテストと召喚獣みたい
アメリア・シュミット:15dx7+7
DoubleCross : (15DX7+7) → 10[1,1,2,3,4,5,6,7,7,7,7,7,9,9,10]+10[1,1,6,6,7,8,8,10]+10[1,2,5,7]+10[8]+5[5]+7 → 52
アメリア・シュミット:全52巻、好評発売中!
GM:ベストセラー過ぎ
"過日の影":ガードします。『秋彁(根絶の病)』を使用。
【遺産融合者専用アイテム:根絶の病】
種別:一般
あなたがガードを行なう際に宣言する。あなたを攻撃してきたキャラクターに35点のHPダメージを与える。
さらに、そのキャラクターの侵蝕率はただちに5点上昇する。
アメリア・シュミット:うげっ
"虚飾の世界を砕くもの":《崩れずの群れ》。"過日の影"をカバーリング。
怪異:こちらは暴走です。
キャロル・ホプキンス:ノエミさん! 波紋の方陣でアメリアさんを守ってください!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:おう!合点承知!
アメリア・シュミット:(こんな話し方だったでしょうか……?)
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《波紋の方陣》で6D10点軽減だいべらぼうめ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕152→156
キャロル・ホプキンス:波紋の衣もあるから更に2d10です!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:おっといけねえや
久世川リンゼ:あとエフェクトレベル上昇分もで合計9d10!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:自分で組んでないキャラシは把握が甘くていけねえ
アメリア・シュミット:大将……申し訳ないのですがその方陣は他の方にお願いしますわ
アメリア・シュミット:侵蝕を5上げてから35ダメージ受けます
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:おいお嬢ちゃん!何言ってるんでい!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:こちとら宵越しの銭は持たねえや
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:引っ込めます。侵蝕は152に
アメリア・シュミット:あっ侵蝕が162になったのでエフェクトLvが上がりました ではこちらのダメージを出します
GM:どうぞどうぞ
アメリア・シュミット:6d10+28+42
DoubleCross : (6D10+28+42) → 39[5,4,6,10,7,7]+28+42 → 109
"虚飾の世界を砕くもの":砕きものはこれで完全停止。死亡です。
アメリア・シュミット:お前は今日から砕けものだ!
怪異:怪異にも大きなダメージ。ただしこいつを残していてもキングダムは壊滅します
アメリア・シュミット:コンビネーターを受けてもらうぜ これから受けるダメージ+2d10だ
怪異:ヒエーッ
GM:次は行動値20。コノカさんの手番になります。
アメリア・シュミット:そして秋彁からダメージを受けて倒れて、2個目のロイスをタイタス昇華して
アメリア・シュミット:HP11で復活、侵蝕は+10で172に
黒田コノカ:わんわん、ワンダフル~
黒田コノカ:メジャーで《スキルフォーカス》フォールンピストルで射撃攻撃。対象は過日の影
黒田コノカ:フォールンピストルの効果発動、リアクションのC値+1。残り2回
黒田コノカ:7dx+14
DoubleCross : (7DX10+14) → 9[1,2,7,7,7,9,9]+14 → 23
GM:何もないか確認しますが、リアクションに入っていいですね?
黒田コノカ:ふーむリフレックスは持っていないと思われるが
黒田コノカ:このまま行きます
"過日の影":「原初の混沌」を使用します。指定するのは「デスティニーストーン」。
"過日の影":達成値を-20して、肉体でドッジします。
"過日の影":16dx+3>=3
DoubleCross : (16DX10+3>=3) → 10[1,3,5,6,6,7,7,7,8,8,8,9,10,10,10,10]+8[3,4,6,8]+3 → 21 → 成功
黒田コノカ:ノエミさんにお願いしようかな
レナ・ルナール:あ、あほう!!
黒田コノカ:ストレイト・ブラッドを
"過日の影":C値は+1されているので、実際の回避達成値は13です
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:なんだなんだべらぼうめ
黒田コノカ:達成値ー20すれば……ドッジは0!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:しょうがねえ、一花咲かせてやるか!火事と喧嘩は江戸の花ってねえ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《ブラッドコート》の効果と引き換えに《ストレイトブラッド》を使用。達成値を-20します。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕152→156
GM:距離が10mでよかったですね……ダメージをお願いします。
黒田コノカ:8+42+3d10
DoubleCross : (8+42+3D10) → 8+42+6[1,4,1] → 56
黒田コノカ:黒田コノカの侵蝕率を2増加(173 → 175)
"過日の影":『シテラスクX字戒(グフィヴの蔵書)』を使用。56ダメージを反射します。
【遺産融合者専用アイテム:グフィヴの蔵書】
種別:一般
対象があなたに対し攻撃を行なってきた際に、HPダメージが適用される直前に使用する。
そのダメージをあなたではなく、対象に適用させる。1シナリオに3回まで使用できる。
黒田コノカ:ロイスをタイタス昇華して復活。昇華数2
GM:いよいよ佳境に近づいてるぞ……!行動値19、エリザベスの手番!!
エリザベス・タイラー:宴だ―――ッッッ!!!!!
エリザベス・タイラー:オッス!俺、海賊王!
エリザベス・タイラー:俺、スッゲ~ワクワクすんぞ!
エリザベス・タイラー:攻撃対象は過日の影と怪異で構いませんかね?
黒田コノカ:よろしくお願いします~
エリザベス・タイラー:《骨の銃》《死招きの爪》だ――ッ!!!
エリザベス・タイラー:これで侵蝕217→224になるから……
エリザベス・タイラー:エフェクトレベルは+1!
エリザベス・タイラー:攻撃力は52倍だ――ッッッ!!!
エリザベス・タイラー:《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション》、たった今回復した《要の陣形》!
エリザベス・タイラー:心まで障害者になるな!!!
エリザベス・タイラー:18dx7+9
DoubleCross : (18DX7+9) → 10[1,1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,5,5,6,6,7,8,10]+10[6,9,10]+5[3,5]+9 → 34
"過日の影":さすがにガードしかない!侵蝕5+35点ダメージ!
怪異:こちらは暴走です
エリザベス・タイラー:戦闘不能になる前にダメージだけ出します!!!
エリザベス・タイラー:《オーバーロード》!忘れるところでした。
エリザベス・タイラー:4d10+52+52+3d10+2d10
DoubleCross : (4D10+52+52+3D10+2D10) → 22[8,4,6,4]+52+52+15[9,2,4]+11[1,10] → 152
"過日の影":そんなエアプもクソもねェテメェが円卓議会の船長の器か!?てめェに一体何ができる!!!
エリザベス・タイラー:お前に勝てる(どん!!)
GM:"過日の影"の対応は、最初の35点ダメージへの処理で決定します。
GM:どうしますか?
黒田コノカ:昇華数は1か
GM:そう、つまりロイスを切って復活しても、すぐさま反射ダメージで戦闘不能になる昇華数……!
怪異:怪異のほうはダメージを確定してしまいます。まだ生きており、相当TOUGH
エリザベス・タイラー:侵蝕224→234→根絶の病239
キャロル・ホプキンス:ロイスを昇華して復活してください!
エリザベス・タイラー:仲間がいる"よ!!!!
エリザベス・タイラー:ギア2!復活します!
"過日の影":そういうことならば、こちらの対応は『シテラスクX字戒(グフィヴの蔵書)』の二回目です。
"過日の影":152点を反射し、エリザベスさんを戦闘不能にします。
エリザベス・タイラー:わりぃ おれ死んだ
"過日の影"[29]
怪異[5]
リンゼ[28/228]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/167] アメリア[21/172]
×"海賊王"[19/239] コノカ[20/175]
レナ[9/182] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/156] ワカナ[8/167]
GM:手番は行動値9。キャロルさんです。
GM:侵蝕132がとても低く見える日が来るとは……
久世川リンゼ:次はノエミさんかも!
GM:すみません!見落としでした。行動値10のノエミさんの手番になります
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:ばかやろうべらぼうめ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:この俺を無視するとは太えやろうだ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:で、俺はどうすんだい旦那!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:今更《癒しの歌》やら《エンジェルヴォイス》したところで足しにもならねえや
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:おうおう、とっとと決めてくんな!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:江戸っ子は気が短えんだ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:好きな食い物はかけそば!得意は丁半博打よ!
レナ・ルナール:wwwww
レナ・ルナール:今何時?
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:おう、四つだぜ!五、六、七、八……
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:って、これじゃ俺が蕎麦屋じゃねえかい
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:作戦会議中に人をからかうもんじゃねえよ!
久世川リンゼ:バフ対象はリンゼ、ワカナさん、トゥーナさん、金剛公、アメリアさん、シェイルさんでお願いします!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:あいよっ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《シルフの歌》を使って
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:《癒しの歌》《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》一丁上がり!!
久世川リンゼ:ありがとよッ!
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:侵蝕156→167
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:次のメジャーアクションのC値-1、ダイス+4個
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:HPはレベル上がる前なので5D10+2回復だ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:5d10+2
DoubleCross : (5D10+2) → 22[10,2,2,1,7]+2 → 24
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:そらよッ!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:助かる~ HP最大値まで回復します つまり30
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルのHPを24増加(23 → 25)
久世川リンゼ:HP24まで回復
嘴子原シェイル:応援が沁みる
アメリア・シュミット:HP最大の24まで回復しました!
正法院ワカナ:HPは現在最大値!回復による変更はありません!
怪異:すいません、さっきの海賊王のダメージ、コンビネーター分を計上していませんでした。今計上します。
怪異:2d10
DoubleCross : (2D10) → 14[8,6] → 14
怪異:14点ダメージを受けました。
レナ・ルナール:でかい!
GM:さあ、次は行動値9のキャロルさん!どうしますか!
キャロル・ホプキンス:その前にレナさんお願いします!
GM:なに~?
GM:行動値4のレナさんの手番はまだ先だが?
レナ・ルナール:固定ロイス!!!!!!!(強調)のシェイルさんをSロイスに指定し
レナ・ルナール:即昇華します。
レナ・ルナール:覚醒の秘薬の使用回数を復活!!
レナ・ルナール:イニシアチブで≪覚醒の秘薬≫
GM:最悪のエフェクト!
レナ・ルナール:をオートで≪タブレット≫≪多重生成≫
"過日の影":「贋作王の秘本:時の砂時計」。《タブレット》を打ち消します。
レナ・ルナール:対象はヒナテア,リンゼ,シェイル,モモカ,アメリア,コノカ
レナ・ルナール:あばばばばば
レナ・ルナール:助けてトゥナえも~~~~ん!!!!
"過日の影":再行動対象は……単体だ!
レナ・ルナール:あー、エフェクトじゃないから!!!
ヒナテア・オルブライト:デビストで打ち消せない!
レナ・ルナール:なんもできねえ!!
"過日の影":そうです。過日の時点で時の砂時計を持っていたことは破壊時に公開されていたのに……
"過日の影":油断したな、レナ・ルナール……
レナ・ルナール:したぜ…!じゃあ、リンゼさんお願いします!!
GM:リンゼさんが未行動に。即座に手番が回ります。
GM:レナさんは侵蝕上昇をお願いします。
レナ・ルナール:2d10+6+182
DoubleCross : (2D10+6+182) → 12[9,3]+6+182 → 200
久世川リンゼ:久世川リンゼ動きます
久世川リンゼ:マイナーアクションで《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:侵蝕率220を超えたためエフェクトレベル上昇、攻撃力25の武器を作成。侵蝕率+3で231
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《ギガンティックモード》+《ストライクミラージュ》
"過日の影":ストライクミラージュ……!!
久世川リンゼ:同エンゲージのエネミー全てを対象に攻撃、リアクションは不可!
久世川リンゼ:これが最後の一発……!!
"過日の影":来い!これに対してはガード反撃もできない!
久世川リンゼ:17dx6+6
DoubleCross : (17DX6+6) → 10[3,3,3,4,5,5,6,6,6,6,6,8,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,4,5,5,6,7,8,10,10]+5[1,3,3,4,5]+6 → 31
久世川リンゼ:び、微妙に回らないな……!
"過日の影":自動命中
怪異:自動命中
久世川リンゼ:それではダメージロール
久世川リンゼ:4d10+25+30+2d10+42+2d10
DoubleCross : (4D10+25+30+2D10+42+2D10) → 18[7,5,3,3]+25+30+14[9,5]+42+10[4,6] → 139
レナ・ルナール:えらい!!
怪異:怪異は爆散!残りHPは74でした。
嘴子原シェイル:ヤッター!
久世川リンゼ:よしッッ!!
"過日の影":最後の『シテラスクX字戒(グフィヴの蔵書)』を使用!リンゼさんを戦闘不能にします!
久世川リンゼ:昇華可能ロイス無し! 復活せずそのまま倒れます!
久世川リンゼ:侵蝕率+17で241。手番以上です
"過日の影"[29]
×リンゼ[28/241]
キャロル[9/132]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/167] アメリア[21/172]
×"海賊王"[19/239] コノカ[20/175]
レナ[9/200] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/167] ワカナ[8/167]
GM:手番はキャロルさん!お願いします!
キャロル・ホプキンス:これなら……必要以上にリソースを吐かずに済む……
キャロル・ホプキンス:みんなありがとう……
キャロル・ホプキンス:メジャー:【チャネリング】《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》 10(+db)dx7+6 攻撃力33 5点のHPを失う。 侵蝕8
キャロル・ホプキンス:対象は過日の影!
キャロル・ホプキンス:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[2,3,4,4,4,6,7,8,8,9,9,9,9,9]+10[1,2,2,4,5,6,9,9]+3[3,3]+6 → 29
"過日の影":ここからは削り合いだ……!ガード!『秋彁(根絶の病)』で35点ダメージと侵蝕+5!
キャロル・ホプキンス:受けて戦闘不能になり、そのまま寝ているつもりですが
キャロル・ホプキンス:その前にダメージだけ出します!
"過日の影":OK……!処理的にももちろんダメージは出ます
キャロル・ホプキンス:3d10+33
DoubleCross : (3D10+33) → 14[3,9,2]+33 → 47
"過日の影":戦闘不能!《魂の錬成》でHP1で復活します!
キャロル・ホプキンス:倒れます!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を5増加(132 → 137)
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を8増加(137 → 145)
"過日の影"[29]
×リンゼ[28/241]
×キャロル[9/145]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/167] アメリア[21/172]
×"海賊王"[19/239] コノカ[20/175]
レナ[9/200] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/167] ワカナ[8/167]
GM:手番は行動値8!ワカナさんです!
正法院ワカナ:はーい!
正法院ワカナ:メジャー:《ダンシングシミター》《コンセ:オルクス》《アニマルテイマー》
正法院ワカナ:使用武器はナックルダスター×2、神木の丸太
正法院ワカナ:対象は、過日の影
"過日の影":カモン!
正法院ワカナ:【神聖二重冠(ダブルクロス)】発動
正法院ワカナ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
正法院ワカナ:これで侵蝕率+20、達成値+60
正法院ワカナ:(16+4)dx6+62
DoubleCross : (20DX6+62) → 10[1,1,2,2,3,3,3,3,6,6,6,7,7,8,8,9,10,10,10,10]+10[1,1,2,2,2,3,5,6,7,9,10,10]+10[3,4,5,7,8]+10[6,10]+10[2,7]+5[5]+62 → 117
"過日の影":ガード。『秋彁(根絶の病)』を使用。
"過日の影":侵蝕+5、35点ダメージ!
正法院ワカナ:ぐわー!キャロルのロイスを昇華し復活しますがその前に
正法院ワカナ:19+12d10 こちらがダメージ
DoubleCross : (19+12D10) → 19+61[7,5,8,7,2,9,1,1,4,5,4,8] → 80
"過日の影":「贋作王の秘本:予備心臓」!HP1で復活!
正法院ワカナ:C(167+4+3+2+20+5)
DoubleCross : c(167+4+3+2+20+5) → 201
正法院ワカナ:侵蝕率201%まで上昇
GM:行動値5!綾さんの手番!
綾云媛:綾ヤンヤ!
"過日の影"[29]
×リンゼ[28/241]
×キャロル[9/145]
"探索王"[5/142]
10m
シェイル[24/167] アメリア[21/172]
×"海賊王"[19/239] コノカ[20/175]
レナ[9/200] フローレンス[1/166]
"法王"[22/196] トゥーナ[0/175]
ヒナテア[28/224]
"喝采王"[10/167] ワカナ[8/201]
綾云媛:マイナーなし、メジャーは過日の影を素手殴りします。
綾云媛:神聖二重冠の選択効果で「・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。」
綾云媛:こちらを選択、侵蝕率を+10し、達成値を+30。
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を10増加(145 → 155)
綾云媛:8dx+48
DoubleCross : (8DX10+48) → 10[2,3,4,4,6,8,10,10]+9[8,9]+48 → 67
"過日の影":素のダイスで67を上回る奇跡には期待できない……!神聖二重冠め……!
"過日の影":ガード!『秋彁(根絶の病)』を使用。
"過日の影":侵蝕+5、35点ダメージ!
綾云媛:補導団団員のロイスを昇華して復活。
綾云媛:綾云媛の侵蝕率を5増加(155 → 160)
綾云媛:綾云媛の昇華数を1増加(1 → 2)
綾云媛:7d10+75 諸々有効
DoubleCross : (7D10+75) → 48[7,7,5,9,8,2,10]+75 → 123
"過日の影":もちろん戦闘不能。
"過日の影":復活手段は……ありません!
GM:エネミー全員撃破!PCの勝利です!
綾云媛:綾ッタ~!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:わ~い!
正法院ワカナ:やったー!
ヒナテア・オルブライト:ヒンナヒンナ
久世川リンゼ:うおおおおお
レナ・ルナール:ありがとう最高生徒会!!
キャロル・ホプキンス:勝ったぞ……!
嘴子原シェイル:やったぞ~~っ
アメリア・シュミット:大勝利!
GM:学区破壊兵器――を名目に製造された兵器は、八月革命当時から現在に至るまで、ノヴァリス各地に存在する。
GM:ノヴァリス計画完成の際に、優位な派閥がその優位を決定づけるため、あるいは劣位な派閥がその劣位を覆すためにいずれ行われる、学区間の絶滅戦争。
GM:もしくはそれこそが、理事会の想定していた『最高生徒会長選挙』の形であったのか――
GM:いずれにせよ、学区破壊兵器という肩書きそのものは、兵器の想定用途のカテゴライズに過ぎない。
GM:学区破壊に投じられる兵器であれば、掘り起こされた巨大遺物も、極小のドローンも、威力の大小を問わず、学区破壊兵器と呼称できる。
GM:……だが、その兵器は。七大派閥の中でも特に強大な三大学区の一つ、キングダム連合学院がその日のために造り上げた兵器である。
GM:故にそのカテゴライズに、誇張はない。Devastator、Clouderという規格外兵器までも『試作実験』として製造されたそれは
GM:Pulverazerと呼ばれる。まさしく単騎で学区を滅ぼすことが可能な、学区破壊兵器である。
GM:人間の認知の限界に近い巨大兵器の中に、ノドスチルドレン19th"ブロンテス"は乗り込んでいる。
GM:ただでさえ常人を圧するスケールを持つ暗銅の機体"軒轅鏡"も、"虚飾の世界を砕くもの"と比較すれば、トバルカインと人間以上の尺度の開きがあった。
GM:故に遭遇して間もない現時点では、この敵の正体を推察できた者すら、皆無に近い。今はただ一人、エリザベス・タイラーのみである。
GM:その場の全員が共通して、はっきりと理解していたことは、二つだけだっただろう。
GM:八月革命当時のような理事会兵器が蠢く戦場で、この『敵』を倒さなければならないこと。
GM:そして、八月革命当時のように――この『敵』を倒さなければ、キングダム連合学院が終わってしまうということ。
レナ・ルナール:りん、と鈴を鳴らす。
レナ・ルナール:音を媒介に自らの『魔法』を送り出す。
レナ・ルナール:それは偽りの英雄を創り出す魔法。
レナ・ルナール:レナが信じる英雄、自らの意志で他者を踏み躙り全てを灼き尽くさんとする覚悟を持つ者。
レナ・ルナール:その覚悟を得るために必要な『全能感』を与える魔法。
レナ・ルナール:魔法を受けた者は己のイメージする全てが叶うようになる。
レナ・ルナール:限界を超えたレネゲイドの消耗により焼き切れた回路も強く願えば再び繋がりを得る。
レナ・ルナール:駆動限界を迎えた肉体すら脳が駆動をイメージ出来ればその理想通りに動く。
レナ・ルナール:だから、レナはこの魔法が嫌いだ。
レナ・ルナール:レナは世界を灼き尽くしてくれる英雄の出会いを切望している。
レナ・ルナール:だから、全ての人間を偽りの英雄にし得る魔法なんて、邪魔でしかない。レナが出会いたいのは本物だけだ。
レナ・ルナール:それでもこの魔法を届けたのは。
レナ・ルナール:予感したからだ。
レナ・ルナール:自分の全力の魔法を使っても、この敵にはまだ届かない。
レナ・ルナール:戦いの最中に偽りの英雄となる魔法は切れて
レナ・ルナール:きっと、彼女たちが本物の英雄になる試練が訪れる。
レナ・ルナール:そこに辿り着くためなら、大嫌いな『魔法』だって使ってもいい。
レナ・ルナール:(だから、シェイル。大好きなシェイル)
レナ・ルナール:(僕はずっと君を好きでいたい。君の傍に居たい。だから)
レナ・ルナール:(君の輝きが、どんな絶望を前にしても褪せないことを)
レナ・ルナール:(また魔女に証明してくれ)
大型駆除系:丘陵の影。地平線の彼方。巻き上がる粉塵の線は、ホバー移動の軌跡だ。

大型駆除系:一体どれだけの総数がいるのか。あるいはそれすらも諭されないように、巧みに包囲を進めているのだろう。
大型駆除系:この敵には明確な『悪意』と『戦術』がある。敵は統制されている。
レナ・ルナール:絶望的とも言える敵の包囲網を見て、楽しそうに笑う。
レナ・ルナール:「いくら、なんでも多過ぎる。僕たちをここに送り込んだやつは人の心がない腐れ外道に違いないよ」
レナ・ルナール:「僕から届けられる魔法はこれで全部だから」
レナ・ルナール:「あとは皆お願いね」
嘴子原シェイル:魔女の鳴らす鈴の音。全身の肌の1ミリより深くが逆立つような、慣れ親しんだいつもの感覚。
嘴子原シェイル:流れた汗ごと冷やすそれは、なのに今日のはどこか熱が入っているような錯覚すら覚え──
嘴子原シェイル:背後でまた一つ迎撃音が響いた。術式のストックはあと幾つだろうか。
嘴子原シェイル:ふと、懐の奥に仕舞いこんだ道具に遣っていた目から、引き離されずにはいられないようなレネゲイドの奔流を感じ取る。
綾云媛:「――ああ、得心しました」敵の動きを見て。
綾云媛:「あの女嫌いのおまけですか」
"ブロンテス":鈴の音が聞こえた。それはいよいよ自分の交戦射程に、彼女たちが及びつつあることを意味していた。
"ブロンテス":(……あの人であれば、きっと彼女らを殺すまい。いつだって人を導き、成長の可能性を値踏みしていた)
"ブロンテス":(だが、今の自分はそうではない――)
"ブロンテス":「……『王国の千人』」
"ブロンテス":不意に響いたその声は、"虚飾の世界を砕くもの"の音響機能から漏れた、操縦者……"ブロンテス"のものであった。
"ブロンテス":「死後の貴女たちは、そう呼ばれるでしょう。このノヴァリスにおいて、『楽園の三百人』とやらは、あなたがたの革命の栄誉を語り継ぐ象徴らしいですが……」
"ブロンテス":「『王国の千人』は、後先なく師へ反発し、さりとて相応しき主も擁さず、それでいて反旗を翻すこともなく」
"ブロンテス":「ただ残った枠組みの中で漫然と生きる、その罪深さへの警句として、残るノヴァリスの生徒に知見を与えるしるべとなる」
"ブロンテス":「上等なものでしょう? その浅ましい愚かさにより、キングダムのすべてが焼け、砕かれた……その痕に残るものとしては」
"ブロンテス":「……当然、今この場に雪崩込んだ貴女たちも、一人残らず例外ではない。Pulverizerの射程の懐に入ろうと……」
"ブロンテス":「回答! ……テノー66298到達点!」
"ブロンテス":――輝く! 夜の荒野を照らし出すのは、朝の光などではない。天の星光が攻撃指向を持ち、大地を破壊し尽くす予兆。
"ブロンテス":無機なる機械の群れが、戦場に牙を剥き、唸りを上げる……!




ヒナテア・オルブライト:「あの日の用兵を思い出す。それにこの男声……」
ヒナテア・オルブライト:「"奨励会"に、一人居たのだったか。男子が……」
ヒナテア・オルブライト:脱獄してから今日まで行っていたのは、戦友の捜索と師の足跡を辿ることだった。
エリザベス・タイラー:「算砂様とは少々打ち筋が異なりますけれどね」輝く空を睨む。
エリザベス・タイラー:「あの方なら、こうして語りかけることすらしないでしょう。やはりなんと言いましょうか」小さく嗤う。
エリザベス・タイラー:「格好つけたがりなのですわね」
綾云媛:群れが自陣に至る前に、少女の腹が裂けた。
綾云媛:うぞうぞと、肉や内臓が沸き立っては、様々な獣相を生み出していく。
綾云媛:蛇。豹。獅子。鹿。様々な獣の様相が入り交じる、何とも取れぬ奇怪な姿。
綾云媛:それは王の不義により生まれた、憎悪と混沌の獣。
綾云媛:その姿を探索したとて、ついぞ狩ることは叶わない不定の獣。
綾云媛:それが一斉に――
綾云媛:「嚆べ――“ナルテークス軸心髄”」
綾云媛:――焚べられる。燃え上がり、嚆んだ。
綾云媛:彼女の全身の獣顔が、灼かれて苦悶の咆哮を上げる。
綾云媛:それは燃料だ。全てに火を点すに値する、先駆けの灯の。
綾云媛:周囲へと熱を伝播させる。無尽蔵にも思える、取り出し可能なエネルギーの形態が周囲に満ちた。
綾云媛:とみに、“魔女”の魔法に満ち溢れたこの空間で、もっとも必要なものは――
綾云媛:――温度そのものである。それは思考から寒々しい悲観を除き、燃え盛る熱狂をもたらす。
綾云媛:「あなた達をやりやすくするのが、私の仕事ですから」
綾云媛:「後はよろしくおねがいしますね? 御歴々」
排撃系:天空全体が降り注ぐかのような非現実的な物量は、撃ち落とす試みすら無意味に思わせるようなものだ。
排撃系:大海を焼き払い、その水面を焼き払ったとして、そうして海の全てを干上がらせるまで――
排撃系:どれだけ戦い続けなければならないのか?
排撃系:魔女の魔法が鼓舞し、獣の骸が熱を焚べた。初めて立った未踏の地でも、全員が、完全な全力を出せる状況にある。
排撃系:迎撃はできるだろう。まだ、しばらくの間は。終わることなく殺到してくる。
"月下王":機械群の奥底のどこかで、唸り声があった。それは獲物を求めて移動している。
"月下王":理性を失いながらも、求めているのだ――戦争を。あの日のような戦争を。
ヒナテア・オルブライト:かつての戦場で声の主に守られたことを想い、目をすがめる。
アメリア・シュミット:「うんしょ、うんしょ……」
アメリア・シュミット:引きずってきたものを、平らな場所を見つけて安置する。
アメリア・シュミット:鳥籠。ヒナテアに秘匿座標まで転送してもらう最中、鴉の塔に寄り道して持ってきた魔具だ。
アメリア・シュミット:名の通り鳥籠の形をしているが、アメリアの身長と同じくらいの大きさであり、格子の隙間は埋められている。
アメリア・シュミット:その中身はエフェクトにより、外見の何十倍にも拡張された広さの異空間。
アメリア・シュミット:そこではキングダム中より呼び集められたアメリアの配下の鴉、総勢1000羽が既に、ドローンへの搭乗を済ませていた。
アメリア・シュミット:「よし、みんな優秀ね。私も……あっ」ズルッ
アメリア・シュミット:スムーズに車椅子ごと身を投げ出し、自らも機体への搭乗を開始する。
アメリア・シュミット:鳥籠の最奥に収められた金属製の鴉の巨像が、それを迎えるように飛び立ち
アメリア・シュミット:分離・合体。車椅子をコックピットとした戦闘機『枢機鴉』へと変形する。
アメリア・シュミット:「ふ、ふ~~~っ……。予定通りです、予定通り……」機動礼装へと着替え、鴉たちとのリンクを開始する。
アメリア・シュミット:「087、354、傷が塞がったばかりなんだから無理はしないようにね?」
アメリア・シュミット:「621は前に出すぎないように」
アメリア・シュミット:「489、アヤヤンヤって何?」
アメリア・シュミット:「001、分かってるよ、ご飯増やしてあげるから」
アメリア・シュミット:「……よし、準備完了!アメリア・シュミット、出ます!」
アメリア・シュミット:エンジンが点火する。加速が始まる。
アメリア・シュミット:キングダムを狙う悪意の銃口が待つ戦場へ向かう最中で、
アメリア・シュミット:天沼チギリを想う。
アメリア・シュミット:(私を守ってくれた、会長の優しさに応えたい。)
アメリア・シュミット:(生徒の絶望的な力にすら立ち向かうあなたの、力になりたい。)
アメリア・シュミット:(だから私は、ここで戦うのです。)
アメリア・シュミット:(あなたが得る勝利を、キングダムを、こんなものに壊させはしない──!)
アメリア・シュミット:鳥籠から発進する枢機鴉。それに続くドローン。
アメリア・シュミット:戦場の全てを俯瞰できる高度まで上昇する。
アメリア・シュミット:アメリアのオーヴァードとしての力は、因子を埋め込んだ動物・器物と対話すること、感覚を共有することだ。
アメリア・シュミット:キングダム全土の監視に使っていたその能力を、この戦場に集約する。
アメリア・シュミット:「これより全ては我が羽の圏」
アメリア・シュミット:「戒めの聶を聞きなさい」
アメリア・シュミット:「これが私の───”羽圏戒聶”!」

アメリア・シュミット:鴉の搭乗したドローンより放たれたアメリアの因子が、一帯を包む。
アメリア・シュミット:戦場の誰であっても、無人兵器も、暴走状態にある巨獣であっても、その”心”を読むことができる。そして、アメリアの”言葉”を聞かせることができる。
アメリア・シュミット:「これぞ”レイヴンマスター”直伝の……うっ……」
アメリア・シュミット:代償のように、精神に流れ込む『悪意』の数々。
アメリア・シュミット:それでも、心を潰されはしない。
アメリア・シュミット:(私はもっと、素敵なものを、知っているから)
アメリア・シュミット:ガラス玉、銅像、レアカード、王鍵の数々、大通りに差し込む夕日、そして
アメリア・シュミット:困難に立ち向かう心。誰かを想い、奮い立つ心。キラキラと輝く、キングダムの心。
アメリア・シュミット:「もっと見ていたい物が、たくさんあるんです!キングダムには、指一本触れさせません!」
アメリア・シュミット:指を振るう。空を覆う排撃系が、いっせいに光を失う
排撃系:人類の到達していないどこかからの存在。
排撃系:人ならぬ異星の精神。――だが、それでも。
排撃系:抵抗することができない。他ならぬこの空を、ずっと見続けてきた者の意思であるから。
エリザベス・タイラー:「大海に挑むために、全てを灼き払う必要などありません」
エリザベス・タイラー:「風を読み、波に乗り、踏破する。それこそが海原を征するということ」
エリザベス・タイラー:「嵐は凪ぎましたわ!今度はこちらから風を起こす番です!」
"月下王":だが、嵐が凪いだその瞬間を
"月下王":海賊王の次に、鋭敏に感じ取っていた者がいた。嵐の目となる一点――敵部隊の急所を、理屈ではなく本能で理解していた。
"月下王":それは、生物の動脈や喉笛のような急所。もしもここが戦場だとするなら……『指揮官』。
"月下王":かつて、戦意を持たぬ邪魔者としてしか見ていなかったアメリア・シュミットを、今はそう認知していた。

"月下王":「グ――ァルルルルルルルルァッ!!!」
"月下王":90度。垂直に跳躍した真下では、砂塵が同心円状に波紋を刻んだ。
"月下王":通常では不可能な高度にも追いすがり、狩る。
"月下王":獣から人に成った少年に使役される、人から獣に堕とされた王である。
アメリア・シュミット:「”月下王”、月にすら届かんという戦いの意思」
アメリア・シュミット:「強く美しい……だからこそ!私も、強い意志で立ち向かいます!」
アメリア・シュミット:枢機鴉は退かず、”月下王”に肉薄する
アメリア・シュミット:ぶつかり合う刹那に旋回、腹部へ潜り込み、
アメリア・シュミット:機首から放つ魔力光で、撃ち抜いた
"月下王":州来マカミは、定時制における、近接戦闘最強の王であった。
"月下王":爪を立てる大地のない、跳躍中の出来事だとしても、そのようにして、突進の力を受け流されることは――
"月下王":「――」本来、ありえないことだった。
"月下王":バ シュ ! ! !
"月下王":魔力光が、"月下王"を吹き飛ばす。
"月下王":思考だけではない。この戦場の力の流れすらも、全てを読まれていたのだ、と
"月下王":今の"月下王"に理解できたかどうか。
アメリア・シュミット:「……あなたの戦いは、私が一番見てきましたもの」
アメリア・シュミット:「……ドキドキしました。でも今は、私の勝利です!」
アメリア・シュミット:枢機鴉は飛ぶ。まだ戦端は切られたばかり。
アメリア・シュミット:王と、それに続く者たちを支えるべく。アメリアの役目は、これからが本番である。
GM:口火を切った空の戦いの様子は、地上の全ての生徒にも『見えて』いた。
GM:それがアメリア・シュミットの能力だった。この広大な戦場のどの戦いでも見て、聞くことができる。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:それは、かつては王国における管理と抑圧の象徴でもあった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:如何なる場所にも、鴉の眼があった。それは王と民の在り方隔てる檻であり、戒める鎖だった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:その塔の主に意志はない。ただ視たままを写し、言われたままを伝える。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:自分はおおよそ、その黒い瞳の先に生徒の存在を意識したことはなかった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:それが、今は───。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:大鴉が夜空に残した、一筋の雲を見上げる。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「……貴方も、前に踏み出したのですね。自分の意志で」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:後先のない反抗だったかもしれない。新たな価値を生み出すには至らなかったかもしれない。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:外から見れば、代わり映えのない堂々巡りにしか見えなかったかもしれない。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「それでも、確かに進もうとしているのです。あの日から……」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「行き先なんてわからなくても、実は逃げているだけだったとしても」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「そのための勇気を、確かに振り絞った」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「だから私が、応援しなくては」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:白銀の槍を握り込む。祈るように、その柄に額を当てる。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン: 「絆げ」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"詠嘆桜歌ユイマリア"」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:幻影の旗が翻り、波紋とともに白銀の粒子が砂漠に広がっていく。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:戦禍に在って尚倒れぬ、信仰と意志の具現。万軍の先頭で掲げられ続ける軍旗は、逆説的に軍勢の不撓を証明する。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:清浄な風が熱気を和らげるとともに、彼方から喇叭の音と唄声が響く。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「すぅー……」どこか緊張した面持ちで、大きく深呼吸する。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"とーもしっびきーえてー さーあとっはねーむりー"」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"たーえなるひかりー かーがーやーきっ いーでー"」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:奇妙な賛美歌だった。キングダムで用いられる聖唱とは異なる節回し。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:荘厳よりも勇壮さを強く感じさせる音色と、何故か混じっている和太鼓のリズム。
"ブロンテス":「…………」
"ブロンテス":敢えて反応はすまいとしていた。元より複数の遺産を外道にて制御している中だ。戦況に関わらぬ敵の動きなど知りたくもない
"ブロンテス":だが 「……何です。この……雑音は」
"ブロンテス":苛立たしげに言葉が漏れる。不快ゆえの溜息のような言葉だ
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:応援歌だった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:ノエミ・ジャンヌ・サンソンの名は、現在も"極刑王"として学院に残っている。"喝采王"は自称であり。応援団は非認可組織だ。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:指導者も手本もなく、偏った知識と情熱のみで練り上げられた応援団の術式は歪だった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:聖歌隊の秘跡を土台としつつも、形から入りすぎて古今東西の応援文化を無秩序に取り入れたそれは。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:しかし形を愚直になぞったが故に、魔術としての権能を奇跡的に獲得していた。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"今日もー 王土~に~ かぁげーりっ ぃなーしー"」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"嗚呼~ 栄えあーれー 我らキングダ~ム キングダム連合学院~"」
"ブロンテス":(情報負荷による圧力……)(……で、すらない)(術式としても到底形を成していない)(こんなに非効率な形式はない)
"ブロンテス":(それとも、まさか、意味などないのに、意味があると信じて歌っている? ……判断力を著しく欠いているのか? 狂っているのか? いや……)
"ブロンテス":「……どうでもいいですね」 それはまた、苛立たしげな嘆息にも似たぼやきだった。排撃機械による攻撃は、未だ止む所を知らない
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:意味はない。応援に意味などいらない。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:エールを送り、それが届いた。その事実だけで十分。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:たったそれだけで、人は前に進む事ができる。その歌声は、目に見えて身体能力を引き上げるわけでも、知覚を鋭敏にするわけでもなかったが。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:空を埋め尽くす光。一つの都市を消し飛ばす脅威。踏破する意志を持って尚、脚を竦ませる迷い。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:その一瞬こそが生死を分ける境界であり、勇気だけがそれを穿つ。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:唄声が届いた全ての者の背に、確かにその熱は宿っていた。
ヒナテア・オルブライト:一途な信仰を、意味のない祈りを、胸に抱いて進む者が。
ヒナテア・オルブライト:勇気と夢を頼りに、無限の可能性へと踏み出す者たちが、ここに居る。
ヒナテア・オルブライト:無数のドローンが飛び交う上空、幽鬼のような女が瞳を開く。夥しい機械群を見据える。
ヒナテア・オルブライト:「助かったぞ、アメリア・シュミット。マカミを止め、戦域情報を送ってくれて」
ヒナテア・オルブライト:「開け、我がたましいの扉」左目を覆う不揃いな結晶面が、散り散りに赫い光を描く。
ヒナテア・オルブライト:排撃系の覆う空に、大型駆除系と交戦する者の頭上に、機械の巨人にかぶりつくように。
ヒナテア・オルブライト:真っ黒い大きな鍵穴が開く。そこから黒々と輝く雲が湧き出て影を落とす。
ヒナテア・オルブライト:その光景はここに生徒たちを運んだ孔、タコスメラ宇宙閘に感化されて得た空間転移能力とは趣を異にする。
ヒナテア・オルブライト:「とっくのとうに過ぎてしまった日のこと。ロードマスターを倒し切れず、勝利がこの手から零れ落ちた後のこと」
ヒナテア・オルブライト:「至上王へ叛逆しない選択はなかった。誰かがそうするべきであり、私がせずには居られなかったのだから」
ヒナテア・オルブライト:「反至上王派の旗頭として私は挑み、後の始末を不夜王らに任せ、騎士王の氷牢に収監された」
ヒナテア・オルブライト:後に聞くところによると、マカミは怒っていたらしい。凄まじい戦争に誘わなかったせいだろう。
ヒナテア・オルブライト:王鍵さえ破壊されるような敗北を与えずに済んで良かったと、今日再会するまでは思っていた。
ヒナテア・オルブライト:「死のように冷たき惰眠の中で、ある夢を見た」黒雲が広がる。
ヒナテア・オルブライト:「この世の果てを知らぬ私の、認識を拡張するような世界の夢を」
ヒナテア・オルブライト:「私たちの想像のつかない、あり得ざる"光景"と」
ヒナテア・オルブライト:「絶大な力をもって人を脅かす遺産と、遺産継承者を前に」
ヒナテア・オルブライト:「立ち向かい続けた者の姿を。私は見た」
ヒナテア・オルブライト:目覚めたヒナテアの頭髪は白く褪せて。左の眼窩からはかつて自身を投射した魔剣のように、赫き結晶が生えていた。
ヒナテア・オルブライト:「ただ、眩しかった」心は昔日の師を眼差していた。
ヒナテア・オルブライト:「世界は、広く、果てしない。師はこう言った」
ヒナテア・オルブライト:両手を掲げた黒い鍵穴から、光が漏出する。
ヒナテア・オルブライト:「──宇宙の遥か彼方、不可思議な惑星が観測された」
ヒナテア・オルブライト:「重金属雲が覆い隠す地表は、その全てが結晶化していた」
ヒナテア・オルブライト:「あらゆる生命は僅かな雲間を避けて動き、足を止めたものには脇目をも振らない」
ヒナテア・オルブライト:「そんな世界が、ある──惑星ジンメルマールの夜明け」
ヒナテア・オルブライト:孔から覗くのは、プラネットフォーミングを目的とする衛星兵器。
ヒナテア・オルブライト:一つの惑星を帰還不可能なまでに造り替えた魔星の邪視が顕現する。
ヒナテア・オルブライト:宇宙線に晒された機械群が石化する。黒き雲間から漏れた一舐めで。
ヒナテア・オルブライト:顔の半分近くまで広がった結晶が映すのは、一人の騎士が踏破した異世界の光景か。或いは狂った少女の妄念か。
ヒナテア・オルブライト:いずれにしろ、臨界した異常法則が流出する事に変わりはない。
ヒナテア・オルブライト:光明が、宝玉が、金属が、生命が、息吹が、変調が、和音が、財貨が、知性が、法則が、氷熱が、薬毒が、破局が、未知が。
ヒナテア・オルブライト:代わるがわる無数の鍵穴から滲み出ては、夢のように儚く消える。
ヒナテア・オルブライト:「望む物あらば、願うが良い。ジョン・フラムの名のもとに」
ヒナテア・オルブライト:「私が"積荷"を運ぶ。存分に奪い、収め、暴き、建てよ」
ヒナテア・オルブライト:赤き宝石瞳は異界の光景を垣間見、それらを引き寄せる。
ヒナテア・オルブライト:「ブロンテス、貴様には……」
ヒナテア・オルブライト:「嵐を運ぼう。正義司る神王の裁きを名乗るならば」
ヒナテア・オルブライト:「試練の嵐が必要だ」
ヒナテア・オルブライト:捩じれ曲がる極光の嵐、かつて師にも放った一撃を巨人に叩きつける。
"ブロンテス":「く……異界の遺産を……!」
"ブロンテス":その声には怒りが滲んでいた。理由は単純で、"ブロンテス"は必死を超えた決死の手順で、ぎりぎりにそれを扱いこなしていたからだ。
"ブロンテス":……いかに"ロードマスター"を取り込もうと、彼の遺産を意のまま振るうことはできない。
"ブロンテス":"ロードマスター"の遺産融合情報を以てしても、その制御権を得られる訳ではなかった。そこで"ブロンテス"が準備したのが『回答』である。
"ブロンテス":異なる世界、異なる次元の産物を、あるがまま振るうのではなく、想像にて理解し、陳腐に解釈し、自らの操作の及ぶ次元へ引きずり落とす。
"ブロンテス":今の彼は、謂うなれば遺産解釈者。それは遺産に対する最大の侮辱であり、強みを殺す恥ずべき失策である。
"ブロンテス":「だのに……お前は……!」
ヒナテア・オルブライト:「私はあの日、ロードマスターと戦った」
ヒナテア・オルブライト:「直に最後の指導を受けた、ということだ」
ヒナテア・オルブライト:「あの革命に意味がなかった等、言わせない」
ヒナテア・オルブライト:「羨ましかろう?」漏出する異界現象に己の前面を結晶化させながら、不敵に笑う。
"ブロンテス":「…………ッ」 息にも言葉にもならない音が漏れた。何かを噛み砕くかのような
"ブロンテス":そしてそれ以上の返答はない……攻撃は依然、止むことを知らない。
GM:ヒナテア・オルブライトが引き起こす現象は、単純な物理的対処では多くの場合、抵抗し得ないものである――
GM:万全の防衛兵器に守られた"虚飾の世界を砕くもの"も、そうした攻撃手段で攻略され得ることは、当然に想定されていた。"天国派"は魔術と遺産の学区である。

随伴系:破壊現象の大嵐の片隅で、巻き込まれて拉げ、砕けた小さな機体があった――
随伴系:誰もそれを気に留めないような、黒い観測ドローン。
随伴系:だが、その観測機が送る座標データは、常に、この世に実在しない『どこか』のアドレスへと送信されており
随伴系:『どこか』の存在にとっての、その唯一の観測点が、何らかの原因で破壊され、失われた時。
随伴系:―― グ ニ ャ
GM:平坦で広大だった砂漠が、大きく歪んだ。
GM:垂直で底なしに切り立った谷のように。あるいは正弦波めいて正確すぎる形の山のように。
GM:空間を固定する何かが崩壊したということだけが分かった。この、誰も気に留めぬ小さな観測機は
GM:この最終兵器が発見され、破壊工作が試みられた時――"虚飾の世界を砕くもの"以外の全てを巻き込んで引きずり込む、キルスイッチだ。
エリザベス・タイラー:「大渦が来ますわよ!!」叫び、地中へとアンカーを打ち込み船体を支える。しかし打ち込まれたその地盤も、流砂と化して歪みへと飲み込まれていく。
黒田コノカ:「──ッヒナテア・オルブライトッ!!!!貴様が受け止めろッ!!」
黒田コノカ:確信も、時間も無かった故に。追い立てる"予感"に従って最短で叫ぶ。この戦場で最も迷いと縁のない兵はこの女を除いて他にない。
ヒナテア・オルブライト:張り巡らせた空間操作故に一足早く、現象発生の先触れを受ける。回路の寸断に伴う吐血と共に。
ヒナテア・オルブライト:広域殲滅ないし味方の支援用に開いていた鍵穴が幾つも閉じ、空間安定のための施錠に切り替える。
ヒナテア・オルブライト:「ふ、ぐく、ごぽっ」血の泡を吐きながら目を爛々と開き、強引に破局を押しとどめる。
ヒナテア・オルブライト:いつ意識が飛んでもおかしくない状態で、魔女の齎す全能感と軍師の明晰な指図。
ヒナテア・オルブライト:そして胸打つ応援歌が、空間を繋ぎ留める楔としての役割を全うさせる。
エリザベス・タイラー:「身一つで世界の裂け目を繋ぎ止めた……天晴ですわ」瞳を見開いて、傾いた船体を持ち直させる。
大型駆除系:いかなる理路なのかは不明だが、命なき理事会兵器はこの空間変動に巻き込まれていなかった。
大型駆除系:単独で一部隊を相手取れる大型駆除系が数機破壊されていたが、それはヒナテアの異空の嵐の直撃によるものである。
大型駆除系:残存している機体は地を滑り、体勢を崩した生徒達への追撃へと向かっていく。
正法院ワカナ:「──千切れ、魔法鐘マギクム。」迫る危機の中ワカナの王鍵たる鐘の権能が彼女の魂を切り刻み、彼女は異能を行使する。
正法院ワカナ:万霊無主。
正法院ワカナ:自身の魂を一時的に肉体から離脱させ、他者の身体や無生物に合一する、ワカナの異能。
正法院ワカナ:相手の意識は残ったまま憑依対象の能力を操作する、シンプルな力だが彼女は二つの縛りを施し強化している。
正法院ワカナ:一つは、使い魔のミネルヴァがそうであるように特定の手続きを踏んだ魂の相棒へのもの。
正法院ワカナ:そして、もう一つは全ての存在に対し法の如く広く適用されている。
正法院ワカナ:”キングダムにとって正しいのなら、より強く。正しくないのなら、その力は発揮されぬこと”
正法院ワカナ:─────影と共に切り離されたワカナの魂がシェイル、そしてリンゼに届き、力となった。
正法院ワカナ:今日、この時。この場にいる総ての生徒は正しい側にいるのだと宣言するように。
嘴子原シェイル:手が足りなかった。隣で白い長身痩躯の彼女が一瞬の空間変動を受け止めるなかに合って只、じりじりと大型機械群を押し留めている。
嘴子原シェイル:身体の機能は足りず、なのに魂は満ち満ちている。
嘴子原シェイル:それは彼女たちが力を分け与えてくれたから──それもある。秩序の権能による後押し、聖霊詠唱を踏み台にした歌唱、相棒たる魔女の齎す全能感。
嘴子原シェイル:そして
嘴子原シェイル:「──ああ。きみは、異界を見たのか。その眩さを」
嘴子原シェイル:「……その先達が、ここまでしてくれたんだ」
嘴子原シェイル:「……だったら私も、手札を切らないとね」
嘴子原シェイル:単純な話であった。
嘴子原シェイル:1度目より幾ばくかの間は奇襲によって補われていたが
嘴子原シェイル:単一の方式では対応しきれず、術式を組み替え続けるには敵が多く、複合化を為す構築へ目指そうとすれば時間が足りない。
嘴子原シェイル:だから。
嘴子原シェイル:だから。
嘴子原シェイル:だから。
嘴子原シェイル:────ぞぶり、と水の沁みる音がする。
嘴子原シェイル:手に握られた、製図ペン型のナイフより二回り以上も大きい、鈍色に夜を映した刃。
嘴子原シェイル:その形……正しく魔女の短剣が、彼女の肋骨と肋骨の薄い隙間へと縫い入っている音だった。
嘴子原シェイル:──
嘴子原シェイル:──まるで有り触れた表情を描くようにして、魔法を使う人を見た。
嘴子原シェイル:ペンの炭で手の縁と鼻の頭が黒くなっていた日を覚えている。
嘴子原シェイル:夜と朝の間に瞬きよりも長い隙間があると知った日を覚えている。
嘴子原シェイル:それを、四季を十も重ね続けてなお、
嘴子原シェイル:誰も悪くない別れの瞬間が来ることを
嘴子原シェイル:家と街を造り、壊し、造り上げる人の間に生まれた少女は覚えている。
嘴子原シェイル:……泣きじゃくる幼子を、まじないの光であやそうとしてくれたけれど。
嘴子原シェイル:「『それでもきっと、素晴らしい何かが残りますように』と」
嘴子原シェイル:きっと……そんな笑顔にこそ、私は取り憑かれてしまったんだろうね。
嘴子原シェイル:──
嘴子原シェイル:「──あのときの曖昧な答えを、今更になってこそ返そう。"ブロンテス"」
嘴子原シェイル:昂り出した奔流は風を巻き上げ、滴る血すらも砂漠を濡らさず漂っている。
嘴子原シェイル:黄金の裂け目が胸の傷口から肩へ頬へと広がるのに呼応して、濃紺色の闇空へ光の雲間が生まれていく。
嘴子原シェイル:──それは窮極であるがゆえに不完全だった。
嘴子原シェイル:追い求めた術式を再現するには、
嘴子原シェイル:あまりに未熟で、一か八かで、不格好で────熱に浮かれすぎている。
嘴子原シェイル:"言葉の振動は星と共鳴り、星は世界と一致する"、そんな基本
嘴子原シェイル:だから魂の裡にのみ広がる内的世界に罅を入れ
嘴子原シェイル:第一原質を取り出せる世界を貼り付けたなどと!!
嘴子原シェイル:「ἄνοιαとελπιζ」
嘴子原シェイル:「閉じない楕円」
嘴子原シェイル:「振えた星が架橋する」
嘴子原シェイル:「我が数価は一三ニ、『内より外へ向かうもの』」
嘴子原シェイル:「即ち」
嘴子原シェイル:「その意味は、
嘴子原シェイル:──『まだ生まれていないもののために』」
嘴子原シェイル:光が翳された。
嘴子原シェイル:朝日差す雲間のような空の裂け目、その奥に広がる黄金の海から。
嘴子原シェイル:たったそれだけで──異界の機械群が、歯車を詰まらせたような機能の低下を引き起こされる。
嘴子原シェイル:第一原質を齎す、世界卵の術式。
嘴子原シェイル:だがその本質は、未知を既知に引き下ろす世界開闢のコスモロジー……だけではない。
嘴子原シェイル:また、ふわりと。光が翳される。
嘴子原シェイル:たったそれだけで──火が、鉛弾が、風が、精神支配が、異界の質量が、その効果を増した。
嘴子原シェイル:神秘は拡張する。
嘴子原シェイル:既知は未知へと昇華され、その結果は一瞬先の自らしか知り得ない、未明の曙光に照らされる世界。
嘴子原シェイル:「……"ブロンテス"。やっぱり私は、王を殺したいなんて思わないよ」
嘴子原シェイル:「だって、きっと──何かが生まれる」
嘴子原シェイル:「それが大いなる変革か、小さな心変わりかは分からないけれど」
嘴子原シェイル:「──私はそれに賭けてみたい。だってさ」
嘴子原シェイル:「明日が潰えたなんて、明日になってみないと誰も分からないじゃないか?」
"ブロンテス":「……残念です。嘴子原……シェイル。ですが、理解及ばぬ訳ではない」
"ブロンテス":「結局このノヴァリスにおき、死とは存外に重く大きなものなのだと、今ならば分かっているからです」
"ブロンテス":「『楽園の三百人』」
"ブロンテス":「ただそれだけの犠牲者が、ここでは悲劇の象徴のように取り扱われる」
"ブロンテス":「そして、だが、だから。今ここで、貴女のことも、例外なく――」
"ブロンテス":「砕きます。キングダムならぬ貴女をその射程に収めねばならないのは心苦しい限りですが……!」
嘴子原シェイル:「……大きな苦しみを忘れろなんて思わない」
嘴子原シェイル:「だけど全てのものはいずれ終わり、変わる──だから」
嘴子原シェイル:「ちっぽけな苦しみだって、同じ列に並べないはずがないんだ」
嘴子原シェイル:「私達も、きみ達も」
久世川リンゼ:魔術師によってもたらされる大いなる黄金の海からの暁光が差したことで、戦場に生み出された間隙が一つの合図となった
久世川リンゼ:かつて王国を去った諸王達は今再び一つの戦場に集約された
久世川リンゼ:探索王が火を焚べ狼煙を上げ、喝采王が号を鳴らし、黄道王が戦場を攪拌する
久世川リンゼ:そして、乱戦と化したこの戦場で最も疾く敵陣に踏み込み、剣を抜いたのは、
久世川リンゼ:元番外第十四席。"光耀王"久世川リンゼ
久世川リンゼ:閃光爆発の連鎖を伴い、白影が線を描くように銀砂の上を駆ける。
久世川リンゼ:エンジェルハィロゥ能力によって制御される、光子の輻射圧で生まれる運動量を利用した高速機動。
久世川リンゼ:機械群が切り捨てられる度に生まれる蒼白の閃光、異界より降り注ぐ不可視光の嵐、黄金の海より差し込む暁光、
久世川リンゼ:それらが注がれる度ソーラーセイルのように久世川リンゼを加速させる熱量に変わる。
久世川リンゼ:展開された無数の支援を前提とする肉体の全力駆動。オーヴァードが耐え得る最高速度への到達。超過。突破。
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"の動作は、その巨体に比例して、決して鈍重ではなかったが
"虚飾の世界を砕くもの":真に格闘戦を極めた戦士の機動には対応できない。そのようには設計されていなかった。
久世川リンゼ:対応不能の最高速度のまま踏み切り、高く跳ねあがった五体は、宙上で敵の前に躍り出る
久世川リンゼ:「『楽園の三百人』。確かにそれは我々にとって悲劇であり、警句であり、決して忘れてはならぬ名であるが」
久世川リンゼ:「その犠牲の存在を、我々が許容したことなど一度たりとも無い。同胞の死が、決して栄誉などであるものか」
久世川リンゼ:「どれだけ時が掛かろうとも、我々は全ての悪意を断ち続ける。何れ未来に出るべき芽のために」
久世川リンゼ:「まずは貴様だ、ブロンテス」
久世川リンゼ:一、二、三。鏃と化した光刃が屈折するレーザー光のように変則軌道で複数放たれ、突き刺さる。
久世川リンゼ:四、五、六。僅かにタイミングをずらし撃ち込まれる。最高速度を伴って尚装甲を貫くに至らぬ六発は、しかし消え去るまでの間楔の如く機体に喰い込み阻害し
久世川リンゼ:七。その速度と六度の光刃は、ただ一刀を確実に当てるためにあった。異常加速する身体感覚の中で、彼女の指先が、白き直剣の柄を掴む。
久世川リンゼ:その剣身は光という本来物質化し得ない材質によって構成され、それ故に"物理法則の逸脱"を強引に実現するための熱量が常時生み出され続けている。
久世川リンゼ:人類史以前の古代地層からの"発掘"という奇妙な経緯によって見つかったその直剣は周囲の光を支配し、無尽蔵の刃として扱う王鍵であるが、
久世川リンゼ:その剥き出しとなった剣身こそが遺産としての真価であり、理外の法則に内包される熱量と未知なる硬度によって彼女の剣技を遍く致命と化す、最大威力の攻撃手段である。
久世川リンゼ:「灯せ────"白暁の遺剣"」
久世川リンゼ:一閃。輻射圧制御によって更に加速する極限光の刃が、機体の内に潜む搭乗者を狙い、振り抜かれる。
"虚飾の世界を砕くもの":――リ、
"虚飾の世界を砕くもの":異様だった。
"虚飾の世界を砕くもの":直撃と同時に鳴り響いたのは楽器のような音だけで、破壊音ではなかった。
"虚飾の世界を砕くもの":斬撃を浴びせた箇所のそれぞれから、八つの桃色の波紋が広がるように――
"虚飾の世界を砕くもの":"虚飾の世界を砕くもの"の全身に、解読不能の、緻密な光の文字列が浮かび上がった。
"虚飾の世界を砕くもの":久世川リンゼが与えた破壊衝撃そのものが変換された光である。
"ブロンテス":"ブロンテス"は、久世川リンゼの動きに反応できなかった。事実である。
"ブロンテス":だが最も速く鋭く戦場を駆ける久世川リンゼの存在を敢えて考慮から外していたのは、
"ブロンテス":その動きが、反応の必要がない動きであったためでもある。
"虚飾の世界を砕くもの":その様相の恐怖を知る者もいたことだろう。"ロードマスター"の、『シテラスクX字戒』。
"虚飾の世界を砕くもの":『星界正義の剣』の覇鍵解錠すら無効化した、異界の遺産だった。
"虚飾の世界を砕くもの":これを設計した者も含めて、誰が想定しただろうか――
"虚飾の世界を砕くもの":"ブロンテス"の手によって起動した"虚飾の世界を砕くもの"は、人ならぬ古代の巨像でありながら、
"虚飾の世界を砕くもの":それ自体が、"ロードマスター"の無敵の王鍵を用いることができる。
"虚飾の世界を砕くもの":浮かび上がった文字列には、物理法則を逸脱する熱量がそのまま保持されていた。
"虚飾の世界を砕くもの":その文字列が、剣の担い手に逆流する。
久世川リンゼ:「────ッッガッ!!!!」
久世川リンゼ:────直後、久世川リンゼの肉体は大きく引き裂かれていた
久世川リンゼ:防刃素材によって編み込まれたはずのロングコートは断面を晒すように容易く断ち切られ、右肩から胴にかけては深々と熱と斬撃の痕跡が刻まれている
GM:絶死、必殺を期した攻撃であるほど
GM:それはその者自身にとっての絶死となる。
GM:――『奪いませんように』『殺しませんように』『悪意を抱きませんように』。
GM:無意味な意志が、殺滅の熱量とともに久世川リンゼを焼き尽くそうとする。
久世川リンゼ:かつて鉄騎王の振るった究極の一撃、熾天の火さえも跳ね返し滅ぼしたシテラスクX字戒
久世川リンゼ:全ての害意を無条件で跳ね返す致命の遺産
久世川リンゼ:しかし、この瞬間ばかりは、久世川リンゼの肉体を焼き斬りながらも完全に滅ぼし切ることはなく、それどころか
久世川リンゼ:────ジィィッッ!!!!
久世川リンゼ:ブロンテスの機体に、まるで跳ね返るかのように彼女が受けたものと同じ斬撃が現れ、その身に深い傷を与えていた
久世川リンゼ:「『奪いませんように』『殺しませんように』『悪意を抱きませんように』」
久世川リンゼ:「2076kmの大深度から完全な形で掘り出された石碑に書かれていた警句は、未来の誰かに向けてのものでは無かった」
久世川リンゼ:「それが示していたものは、ただの、後悔にすぎず」
久世川リンゼ:「自らの文明を滅ぼした悪性を、悔いるためだけの石碑であった」
久世川リンゼ:「それを我々に教導したのは、他ならぬロードマスター自身だ」
久世川リンゼ:虚飾の世界を砕くものに浮かび上がっていたはずの桃光を帯びた文字列は、奇妙なことにその一部が光を失っていた
久世川リンゼ:そして、白暁の遺剣の剣身には、剥がされた文字列が貼り付けられたかのように警句が刻まれていた
久世川リンゼ:久世川リンゼは八月革命の戦場において、諸王として戦場を駆け戦果を上げながらも大局に影響を及ぼすことは無かった
久世川リンゼ:ロードマスターの口から彼女の名が出ることも無く、王を名乗り円卓を目指しながらも、その身は凡百の一つでしかなく
久世川リンゼ:それでも彼女の眼はロードマスターの姿を焼き付けていた。八月革命が終わった後も、恐れと共に消えることなく、ずっと
久世川リンゼ:虚空に残影を浮かべ、もはや"二度と"会敵するはずもない相手への対抗策を無意味に練り上げながら
久世川リンゼ:王座を捨てた者、久世川リンゼの恐れと執着は今、奇妙な形で結実する
久世川リンゼ:「────擬鍵開錠。『白天に暁す十戒剣』」
久世川リンゼ:「誰にも傷つけられないことを祈りとして効力を担保する遺産が、その効力によって己自身を傷つけた時」
久世川リンゼ:「その自己矛盾はどのように処理するのだろうな」
GM:傷が刻まれている――それも、"虚飾の世界を砕くもの"にではない。
GM:巨像の質量と装甲に守られている、"ブロンテス"自身の機体に逆流した。
GM:自らを滅ぼす熱が確かに直撃しながら、久世川リンゼは死んでいない。――絶死の熱量が、分散されていたからだ。
"ブロンテス":……"虚飾の世界を砕くもの"、その中枢にて。
"ブロンテス":"ブロンテス"は地球上の言語九種を組み合わせ、もっとも自らの意図に沿う意味を帯びた文章を隙間なく唱えていた。
"ブロンテス":「シテラスクX字戒回答――」
"ブロンテス":「シテラスク系地情人の感情文語は協調を強いるため発見された碑文は紛いなき悔悟であったがこれを見知った者は記銘者の悔いを意識階層深第九レイヤに至りその悔いを灼き付かせ影響下の知性体は世界無意識より攻撃行動を原動力とする致死級後悔を得て個体感情に関わらず」
"ブロンテス":「破綻す」
"ブロンテス":それは遺産解釈の代償。発動に対し都度準備した『回答』を提示しなければ、"ブロンテス"は『存在しないものを存在させた』矛盾により全てを収奪される。
"ブロンテス":そして、斯くまでしても……
"ブロンテス":「"光耀王"……」 逆流損傷を深々刻まれ、関節から濁った火花を放ちながら、忌々しげにその名を口走る
"ブロンテス":「貴女は……あの革命の日、大局に影響を与えないながらも、戦果を挙げた者の一人だったはず」
"ブロンテス":「そして、その事実を知るということは、即ち、あの人に教えを受けながら――あの人を殺した者の一人」
"ブロンテス":「それは、キングダムの人間であるのであれば、誰もが……ですが」
"ブロンテス":「その、何か……今使った、技? すら、あの人の教えがなければ編み出されなかったものでしょう」
"ブロンテス":「なのに殺した。それはあなたの断とうとする悪意ではないのか?」
"ブロンテス":「……ふ……」
"ブロンテス":自嘲する。口と喉が、感情で勝手に動いていた――自らの制御すらままならぬ自らを嘲りながら
"ブロンテス":しかし戦闘が続く以上、制御を終わらせる訳にはいかない。再びその言葉を口にする 「……テノー66298到達点、回答――」
GM:青いオーロラのような波が、戦場を撫でた。
GM:それに触れた多くは発火した。その光のカーテンは、全てが統制された排撃系による、破壊の光だったからだ。
GM:打撃と、衝突と、斬撃の騒音が、砂漠のそこかしこで響いている。
GM:大型駆除系が全ての生徒を同時に捕捉し、交戦している。その音だ。
GM:致死量の光線を浴びせられてもなお、それぞれの生徒が、それぞれの手段で致命傷を避けたかもしれない。
GM:同時に彼女らは、それぞれの戦闘を認識している。アメリア・シュミットの知覚共有によるものだが……
GM:その共有する知覚で、たった今到達した久世川リンゼ以外の誰も、"虚飾の世界を砕くもの"に到達できないことをも理解する。
GM:届かせなければ良い。砲撃兵器である"虚飾の世界を砕くもの"は、古代の巨像としての性能を、ひたすらに倒れぬこと、修復することに費やされた兵器だ。
GM:これらの兵器群による攻撃にしても――"ブロンテス"の戦術においては、生徒の全滅を狙ったものなどではない。
GM:持ちこたえてさえいれば、いずれ生徒のリソースは尽き、キングダム連合学院は滅びるのだから。
GM:ただ一人到達した久世川リンゼにしても、反撃によって即死しなかったのは、誰にも理解の及ばぬ、恐るべき研鑽の結実でしかなかった。
GM:空から降り注ぐ排撃系は幾度となく全滅したが、空の果てから果てしなく飛来する。
GM:星徒のような『無限』ではない。だがそれに近い執念で、どこかの宇宙の、何者かが構築したシステムだった。
GM:"月下王"は青白い閃光のように切り結んでいた――綾云媛。五辻モモカ。フローレンス・アシュモール。無差別に、思考もなく暴れ続ける。
GM:誰かが、打開策を考える必要があった。黒田コノカは……
GM:致命傷を避けることはできた。いかなる理由であれ、幸運だった、と表現してもいいかもしれない。
GM:戦場は全て見えている。考えることはできる。コノカ以外の誰かが、この戦線を押し切られるより早く打開策を打ち出すことができるだろうか?
キャロル・ホプキンス:「コノカさん……策を!」
キャロル・ホプキンス:「やはり持っているはずです! あなたならば、この状況を打開する策を!」
キャロル・ホプキンス:無責任な期待だ。そう思うのは、客観的に見て何の根拠もない。
キャロル・ホプキンス:「なければ今思い付いてください!」
黒田コノカ:キャロルの呼びかけに、コノカは少しの間応えなかった。
黒田コノカ:想像を絶する技巧、物量、火力、解釈が飛び交う戦場に立ち尽くす。既に状況は自身の手を離れてしまったように見える。
黒田コノカ:荒れ狂う大海を越えていかんとする輝きにあてられた羽虫の如く。ともすれば悪意ですらない波の一つに呑まれて消えてしまいかねない雑兵こそが自分である事を充分に理解していた。
アメリア・シュミット:「もったいぶらずとも……私がすぐ皆さんにお伝えしますよっ」念話を送る
黒田コノカ:「……………少し黙れ」
アメリア・シュミット:「ひぃん」
黒田コノカ:切迫した状況、正気とは思えない指示に。
黒田コノカ:「ク」
黒田コノカ:「ハハ」
黒田コノカ:黒田コノカは嗤っていた。
黒田コノカ:大博物館で死蔵王にしがみ付いてギリギリで生き残り。ミスルトウ樹海学園で情けなく駆けずり回ってノドスと痛み分け。そして、ようやく手を掛けた反逆はゴールを目にすることも無く無様に敗北した。
黒田コノカ:竜王、そして不夜王。たった一度の敗北を契機に私は負け続けた。矜持を捨てて地をはいずり回っても手に入れられなかった勝利が。
黒田コノカ:今、目の前まで来ている。
黒田コノカ:(キングダムの連中が操る魔術なんぞ、相も変わらず理解の外だが)
黒田コノカ:(その"極地"を私は既に見ている)
黒田コノカ:紅い瞳が激しく動き、そしてアメリア・シュミットを睨みつけて停止する。
黒田コノカ:「鴉」
黒田コノカ:「正法院ワカナと繋げるか」
アメリア・シュミット:「直通のチャンネルをご用意します!」
黒田コノカ:「感謝する。おい、聞こえているか盲信者」
正法院ワカナ:「なに、まだ策はないの?思ったよりも大したことないのね」
正法院ワカナ:苛立ち半分、愉悦半分と言った声が聞こえる。
キャロル・ホプキンス:「もう! お二人とも! こんな時くらい仲良くしてください!」
黒田コノカ:「貴様が廃骸窟に使った"槍"。今すぐ出せるか」
黒田コノカ:ワカナの皮肉を無視して口早に告げる。
正法院ワカナ:「マギクムの変形させたものよね?確かにできるけど。」
正法院ワカナ:「それで何をするつもり」」
黒田コノカ:「ヒナテアオルブライトを働かせろ」
黒田コノカ:「敵を操る事が出来るのならば味方を操れん道理はないだろう」
黒田コノカ:少なくとも、廃骸窟を貫いたあの槍自身が対象者にダメージを与えていたという記憶はない。
黒田コノカ:随伴系の攻撃を受け止めたヒナテアが再度行動可能になるまで待っている時間は無かった。
正法院ワカナ:「…はぁ。しょうがないわね。本当なら受けたくないけど。」
正法院ワカナ:「今の貴方の策は、私の王の策と同義。これに異を唱える事はできない。」
正法院ワカナ:「しょうがなく、本当~~~っに!しょうがなくだから」
黒田コノカ:「貴様の私に対する好悪など知るか。神輿を倒したくなければさっさとしろ!」
黒田コノカ:吐き捨てるように言って、迫る好機に汗を流しながらアメリアへ再び叫ぶ。
黒田コノカ:「ヒナテアへ──ッ!?」
GM:――ゴォン!!
大型駆除系:コノカ達が隠れていた丘陵が吹き飛ばされた。ブレードの不快な振動音がある。
大型駆除系:捕捉された。
大型駆除系:未知のテクノロジーで生み出された大型駆除系の出力は、単体でも怪物的な領域にある。
キャロル・ホプキンス:「この状況を作り出した策士にしては、見込みが甘いですね」
キャロル・ホプキンス:赤雷がプラズマと化し、翡翠剣の剣身を延長するブレードとなって空気を焼く。
大型駆除系:――ギン!!!
キャロル・ホプキンス:ヂ、ヂヂィ――ッ!
大型駆除系:打ち合う。プラズマの余波で腕部を損傷しても、自らを再構成し、執拗に殲滅を試みている。
キャロル・ホプキンス:排撃系の群れに襲われ、満身創痍の状態で襲われた際はこの斬撃に耐えることはできなかっただろう。
キャロル・ホプキンス:それでも、魔女の支援によって取り戻した力で、腰を据えて打ち合ったならば。
キャロル・ホプキンス:何より、
キャロル・ホプキンス:「同士を背にした私が、一人の時と同じ強さだと思いましたか!」
キャロル・ホプキンス:負ける道理はない。
大型駆除系:――ゴシャ!!!
大型駆除系:大型駆除系の半身が溶断される。
大型駆除系:それでも次の、その次の駆除系が襲来しつつあった。
GM:キャロル・ホプキンスが駆除系を食い止めている。
GM:黒田コノカが策を実行に移す猶予は、まだあるということだった。
黒田コノカ:背後で叫ぶ"愚か者"の声に顔を顰めながら、ヒナテアへ向けて口早に語る。
黒田コノカ:「あの"反射"には絶対に限りがある。致命打とならない攻撃では恐らく出し惜しまれるだろう」
黒田コノカ:「故に使えるリソースを出し惜しんでいる暇はない。詳しく説明する暇も、な」
黒田コノカ:("探索王"の力抜きで奴にシテラスクX字戒とやらを抜かせるのは難しい)
黒田コノカ:「次の一撃は──私ごと焼け。貴様ならその程度の取捨選択は容易だろう」
黒田コノカ:"探索王"の支援は術者本人と対象の距離が密接に関係している──ように見えた。熱を媒体として広がるソレは当然、距離が開けば減衰していく。
黒田コノカ:(であれば、もう少しくべてやろう。"燃料"を)
黒田コノカ:(たった一度の敗北でここまで到達した私の怨念は獣どもに負けず劣らず、良く燃えるだろうさ)
正法院ワカナ:ヒナテアに声を掛ける。時間がない中での最大限の誠意として。
正法院ワカナ:「我が軍の勢力は危機的状況。このままでは敗北は免れません。」
正法院ワカナ:「私が今から貴方に洗脳を掛け、この状況の打開を指示します。…ごめんなさい。私にできることならば代償は幾らでも払うわ。」
正法院ワカナ:「"黄道王"、私達を勝たせて」
正法院ワカナ:"この鐘はエレクトリクム・マギクムを用いて鋳造し、以下図の如く細工すべし。"
正法院ワカナ:ワカナの王鍵、魔法鐘マギクムは魔法道具を作る中で偶然生まれた産物である。
正法院ワカナ:故に、元となった魔法鐘自体はその製造法も、素材も知られている。
正法院ワカナ:詳細は不明だが、一説によればこれは星から来る燃える石…つまり、隕石と推測される。
正法院ワカナ:人が最初に手にした最初の金属である隕鉄は古今東西の神話にも親和性を持つ優れた素体。
正法院ワカナ:故に魔法鐘マギクムは人の望みを叶えるレネゲイドの根源を強く持つ。
正法院ワカナ:極限まで同調した金は姿を変え、棒状の姿へと変わりやがて槍を形成した。
正法院ワカナ:「之なるは古の時代アダムから数えて七代目」
正法院ワカナ:「鍛治の祖トバルカインがアララト山の燃える石を鍛えた槍」
正法院ワカナ:魔法鐘マギクムは使い手の無意識を切り出し悪魔とすることで鐘に刻んだシジルの悪魔召喚が権能。
正法院ワカナ:それは、如何な姿に成れど変わらない。
正法院ワカナ:「──契れ、魔法鐘マギクム。26の軍団を指揮する地獄の大君主ストラスよ、王国の敵を殲滅する力を彼女に与えよ!」
ヒナテア・オルブライト:「ふんぐ、ギギギィ……」彼方からの観測が断たれ、圧壊する空間。
ヒナテア・オルブライト:四肢に全力込め歯を食いしばり、断裂を繋ぎ留めながら、膨張維持。芽生えた傍からパキパキと砕け落ちてゆく結晶を全能感で無視していて。
ヒナテア・オルブライト:「貴っ様らぁぁ……!よりによって私を、操ろうなどと、ォォ!」
ヒナテア・オルブライト:「やってみせるわ、圧政者どもぐわぁ!」全身全霊の限界状態から、更に一歩踏み外す。
ヒナテア・オルブライト:ガキン ガキン ガキン 鍵穴が開くこと幾重。
GM:この場の全員がまだ戦闘を継続できているのは、ヒナテア・オルブライトの絶大な空間掌握能力によるものであることは疑いない。
GM:翻って言えば、この戦闘は、ヒナテア一人が力尽きれば、すぐにでもこの戦場ごと全滅する状態であったともいえる。
GM:その上でさらなる攻撃への能力行使は、無謀を越えた無理にも等しい命令だったが――
GM:正法院ワカナの絶対命令は、その無理をも可能とする!
ヒナテア・オルブライト:黒田コノカの悪意を道標に、"探索王"の熱量を媒介に、繋ぎ留めた空間に新たな回路を接続。
ヒナテア・オルブライト:通じた鍵穴から向こう側を覗き込み、この空間変動のタネは理解した。
ヒナテア・オルブライト:その観測を無理やり維持することが可能ならば。
ヒナテア・オルブライト:穴を広げ、より多くを巻き込むことは遥かに容易。
ヒナテア・オルブライト:「纏めて、潰れろッ!」随伴機から生じた空間圧壊、破局が伝播。
ヒナテア・オルブライト:巨人を呑み込み、排撃系がやってくる空を巻き込み、ぐしゃぐしゃに破壊してゆく。
ヒナテア・オルブライト:「悪意。敵意。全ての害を報復する『シテラスクX字戒』」
ヒナテア・オルブライト:「観測者の、底の居なくなった彼方には、如何に回答する!」
GM:ヒナテア・オルブライトが無理矢理にもたらした破壊は、黒田コノカをも巻き込んだ。それは策の通りである。
GM:そのコノカ自身の悪意、敵意こそが『シテラスクX字戒』のトリガーとなり得る――何よりも。
GM:宇宙を越えるヒナテアの攻撃出力に対してだけは、"ブロンテス"も『シテラスクX字戒』を使わざるを得ないのだ。
GM:光の文字が地平線の果てまで一瞬で広がり、一点に収束し、あるいは物質表面を沿わずその配置が乱れた。
GM:それは異次元の立体上を伝播しているかのような動きであった。
GM:空間の大変動。攻撃者とは別の起点を持つ悪意。随伴系と接続された彼方。
GM:あまりにも異質な変数を複数入力されながら、報復を回答せねばならない"ブロンテス”にとっては、恐るべき――
GM: バ チ ン ! ! !
GM:戦場から外れたどこかで、世界が弾け飛んだ。
GM:空間の向こう側の何者かが発した悲鳴のようだった。
GM:緻密に構築された陣形の一角が、それで崩れた。なおも続く破壊の嵐に晒されながら、"ブロンテス"は。
"ブロンテス":(――ここで)(使い果たさせられる、か!)
"ブロンテス":敢えてシテラスクX字戒を最大駆動させる――再起動が不可能になることが見えていても。そうしなければいけない。自らの身惜しさではない。
"ブロンテス":("虚飾の世界を砕くもの"……だけがあればいい。この身は駒の一つ)
"ブロンテス":(だがまだ――)
"ブロンテス":「回答……大ナスナ紀、計画躯体」
"ブロンテス":それに対する回答は、もっともシンプルなものだった。それは数式で事足り、第二次セイクリッドピラー襲撃の折に掌握したジェネシスの演算能力とコンパイラを使用することで、容量は14.7MBまで圧縮されていた。
"ブロンテス":たった7つの外部要素を引数として数式を実行すれば、回答はおのず達成される。そう、たった7つ……
"ブロンテス":(……)
"ブロンテス":静止。わずか、本人も認識できないほどの思考停止。
"ブロンテス":客観的にその状態を表現するのであれば、『限界』の二文字で十分。
"ブロンテス":「……は」 間の抜けた嘆息
"ブロンテス":(回答を損ねた。大ナスナ紀計画躯体は休眠に入る。起動インターバルが……くそっ)
"ブロンテス":(だが……)「……だがまだ我が身は残っている」
"ブロンテス":「そしてこれだけは動く。テノー66298到達点――!」
"ブロンテス":ヒナテア・オルブライトの空間級破壊の後であれ、それは無限に朋来する。打ち手たる"ブロンテス"にとり、それだけは譲れぬ優位点であり、それがある限り戦意の果てる所はない。
"ブロンテス":「悪意なくして攻撃が行われることはない」
"ブロンテス":「どれだけ虚飾を張ろうと、攻撃の裏に悪意がある事実は揺るがない。戦う以上、誰もが相手を負かし、価値を毀損せしめんとする」
"ブロンテス":「その虚飾を拭えないからお前たちを……私が焼く……!」
GM:無敵の反射攻撃遺産、シテラスクX字戒の無効化。
GM:黒田コノカの一手は、戦略的に大きな意味を持つものであった。攻撃を加えれば、防御を貫通した分の力が伝わる。そんな『常識』が通用するようになる。
GM:同時に、常識的な限界を越えて発動されたヒナテア・オルブライトの広域破壊は
GM:各地で意図的に作り出されていた膠着状態を、様々な形で崩した。
GM:すぐにでも修復される穴ではある。戦場のすべてを把握しているのは"ブロンテス"も同じだ。
GM:しかし。
GM:その一手にも満たぬ好機を、見逃さなかった者がいる。
フローレンス・アシュモール:夜闇の砂海に、輝きがあった。
フローレンス・アシュモール:「――“我に試練を”」
フローレンス・アシュモール:ほのかに地上を照らす星の光を乱反射しているとすれば、その光彩は明らかに平仄の合わない眩さだった。
フローレンス・アシュモール:空を埋め尽くす異界の機械を映し取っているとすれば、清澄に過ぎる光明だった。
フローレンス・アシュモール:この砂漠が夜空を映す鏡だとすれば、透徹とした金剛石の輝きを放つ立ち姿は一等煌めく星と言えた。
フローレンス・アシュモール:「“勇士は輝石の檻に囚われし虜囚”」
フローレンス・アシュモール:詠唱は、このノヴァリスの地に残された神話をなぞっていた。
フローレンス・アシュモール:『財禍賜わすリテパデウ』は、“輝石の主”リテパデウ――遠きものと呼ばれる古代神性が化身した王鍵だ。
フローレンス・アシュモール:リテパデウはこれと定めた勇士に試練とそれに見合う財を与える。
フローレンス・アシュモール:リテパデウが与える試練とは、物理的なものではなく、運命そのものだ。
フローレンス・アシュモール:本質的に、リテパデウの試練とそれ以外の事象を峻別することは不可能だ。
フローレンス・アシュモール:ならば、見合う財とは、どのような基準で与えられているのか?
フローレンス・アシュモール:「“遍く災禍は凶方に棲まう蛇より出で”」
フローレンス・アシュモール:その基準を決めるからこその、神である。
フローレンス・アシュモール:「“遍く財貨は輝石の主より下賜される”」
フローレンス・アシュモール:『財禍賜わすリテパデウ』は、価値を騭める王鍵である。
フローレンス・アシュモール:故に、全ては王鍵に化身したリテパデウの匙加減であり、その裁定に関してフローレンスにできるのは、そこに干渉して都合のいい判定を期待する程度のことだった。
フローレンス・アシュモール:「“されど、神蛇は我が手にあり”」
フローレンス・アシュモール:『廃骸窟』での一件において、リテパデウはこう言った。
フローレンス・アシュモール:――『おめでとう……君達は僕という試練に打ち勝った』
フローレンス・アシュモール:この承認を経て、フローレンスは真に王鍵に選ばれた。これまでのような試される勇士ではなく、試練を乗り越えた王鍵の主として。
フローレンス・アシュモール:燦光束ね、凶禍掌る、新たなる輝石の主。
フローレンス・アシュモール:故に、ここからは神話を語るのではなく、自ら神話を紡ぎ出す。
フローレンス・アシュモール:無論、試練と財貨の均衡を無限に恣意的に操作できる訳ではない。それは、人の認識を持ったまま叶うことではない。
フローレンス・アシュモール:だが、格段にその自由度は増した。
フローレンス・アシュモール:例えば、自身に降りかかる試練のみならず、共に戦う者に課せられた試練を参照することすらも、可能となった。
フローレンス・アシュモール:ヒナテア・オルブライト。
フローレンス・アシュモール:臣下でありながら全ての王を支配した最悪にして最強の忠臣と、王国に君臨し全ての王を支配する最新にして最強の魔王。
フローレンス・アシュモール:その両名を相手取り――敗北しながらもなお不屈にして不敵なる勇士。
フローレンス・アシュモール:「“――遍く試練は踏破される為にある”」
フローレンス・アシュモール:暗闇の砂海に、幾万の星が煌々と輝いた。
フローレンス・アシュモール:ヒナテアの穿った異界に繋がる鍵穴から、常世のものとは一線を画する煌めきを持つ宝玉が降り注ぐ。
フローレンス・アシュモール:異界の機械群の残骸が、金剛石の輝きを放っている。
フローレンス・アシュモール:それは最早個別に認識できる規模ではない。
フローレンス・アシュモール:横溢する光の洪水。金剛石のミルキーウェイ。神の権能によって顕現した白夜がそこにあった。
フローレンス・アシュモール:その光輝の全ては、本命の為の触媒だ。
フローレンス・アシュモール:「騭めよ――『財禍賜わすリテパデウ』」
フローレンス・アシュモール:フローレンスは、自身に降りかかる試練のみならず、共に戦う者に課せられた試練を参照することすらも、可能となった。
フローレンス・アシュモール:それは今この時に限らない。かつての試練の報酬を、今この時に取り立てる。
フローレンス・アシュモール:「贋造遺産」
フローレンス・アシュモール:それらは、王鍵ではない。
フローレンス・アシュモール:王が握るべきものではないから、その呼称は正しくない。
フローレンス・アシュモール:フローレンス自身は伝聞でしか知らぬはずのそれらは。
フローレンス・アシュモール:かつてヒナテアの前に――キングダムの全ての生徒の前に立ちはだかった試練。
フローレンス・アシュモール:「リギアルカレド」
フローレンス・アシュモール:「テノー66298到達点」
フローレンス・アシュモール:「礎の赤剣」
フローレンス・アシュモール:「シテラスクX字戒」
フローレンス・アシュモール:「屋根裏の穴」
フローレンス・アシュモール:「秋彁」
フローレンス・アシュモール:「大ナスナ紀計画躯体」
フローレンス・アシュモール:それらの名を呼ぶ毎に、フローレンスの鎧が形を変え、一帯を照らす残骸の光量が増してゆく。
フローレンス・アシュモール:最早目を開くこともままならない輝き。されど、“ロード・マスター”の遺産を再現するという不遜を、彼を敬愛する者が見過ごせるだろうか。
"ブロンテス":「――――」
"ブロンテス":常の彼ならば、微かな笑みと共に流し過ごしていただろう。所詮は贋作。見様見真似の紛い物。
"ブロンテス":だが、のたうつほどの負荷を支払いながら『彼』の遺産の一部をようやく制御し、今まさに自らの不足で『彼』の遺産の一部を損ねた彼に、その光景は
"ブロンテス":「……ハハハ」
"ブロンテス":「そんな迂遠な自己表現をするなんて、全く効率が悪い」
"ブロンテス":「『死にたい』の四語で済ませるべきですね」
"ブロンテス":笑いながら吐き捨てる。
フローレンス・アシュモール:「――ええ、あなたの仰る通りに、これは悪意です」
フローレンス・アシュモール:網膜を焼く輝きの向こう。
フローレンス・アシュモール:形を変えた、フローレンスの鎧うそれはあたかも“ロード・マスター”の形に錯覚――などしようもない、似ても似つかない姿だった。
フローレンス・アシュモール:“ロード・マスター”の携えた異界の遺産群は、人としてあるべき段階を飛び越えるような異常で奇怪な才を持つ“死蔵王”にすら解析不能の未知なる何かだった。
フローレンス・アシュモール:才知あれど尋常の世界観しか持たないフローレンスに、再現などできるはずもない。
フローレンス・アシュモール:「断固たる態度を取らせていただきますと言いましたので、少々品のない手段で失礼致します」
フローレンス・アシュモール:全ては“ブロンテス”の目を引き付け、術式の発動起点を誤認させる為の――ブラフだ。
フローレンス・アシュモール:“虚飾の世界を砕くもの”の駆体内部から僅かに光が漏れている。
フローレンス・アシュモール:フローレンスは大博物館――“敵意を栄光に陰らせるもの”の前館長であり、それらの原型となった『廃骸窟』の採掘人員だ。
フローレンス・アシュモール:内部構造を推測し、どこに余計な部品を噛ませれば、効率的にその機能を阻害できるのか類推することができる。
フローレンス・アシュモール:自動的な迎撃が可能な『シテラスクX字戒』の力を使い切った今、操縦者の意識を別の場所に逸らし、対策を取られる前にその為の術式を完遂した。
フローレンス・アシュモール:「異界の遺産。その解析も解釈も、非才の身には叶いませんが」
フローレンス・アシュモール:「それを扱う兵器の機構を止めてしまえば、十全に力を発揮することは困難であるとは思いませんか?」
フローレンス・アシュモール:(とはいえ、これは一時凌ぎに過ぎない。ですが――)
フローレンス・アシュモール:一手分の隙は、二手に増えた。
エリザベス・タイラー:その好機を、はじめから読んでいた筈もない。
エリザベス・タイラー:彼女は軍師でも策士でもなく、戦いの先を読む眼も、操る指先も持ち合わせてはいない。
エリザベス・タイラー:それでも尚、海賊だけが持ちうる信仰がある。どのような大時化の海にあっても。
エリザベス・タイラー:全てを覆す大波が必ず訪れる。それはともすれば、船そのものを砕き、沈めるような災いかもしれないが。
エリザベス・タイラー:"悪運"こそが、海賊を生かすのだ。
エリザベス・タイラー:「躡れ───」
エリザベス・タイラー:旗が掲げられる。全ての富と財と力を奪い、与える貪欲の王権。
エリザベス・タイラー:「躡れ。躡れ。躡れ。躡れ」
エリザベス・タイラー:砂中に沈む廃船へ。たった今朽ち、墜落したばかりの随船へ。果ては自ら撃ち落とした排撃系や駆除系まで。
エリザベス・タイラー:汎ゆる兵器という兵器へ、海賊王の所有物である証が刻まれる。
エリザベス・タイラー:「躡れ」
エリザベス・タイラー:そして───
エリザベス・タイラー:「覇鍵解錠♪」

エリザベス・タイラー:「"聖火絢爛照星章"」
エリザベス・タイラー:船団の帆先を飾る骸骨がその輪郭を霧散させる。
エリザベス・タイラー:そして。空を埋め尽くす排撃系の更に上空、夜空の極点の彼方に、遠く霞んだ、二つに連なる星の影が映し出される。
エリザベス・タイラー:王鍵、"征嵐旗章エル・ドラゴ"の覇鍵解錠は、財を与え、奪い、差配する権能を最大化するもの。
エリザベス・タイラー:それは兵器単体の運用に留まらず、その複合的運用……航路を描く力であると認識されている。
エリザベス・タイラー:霞んだ星冠を戴き、獰猛に唇を歪めて号令を発する。
エリザベス・タイラー:「"連環渦船"」
エリザベス・タイラー:虚空に幾つもの孔が開き、鎖に繋がれた錨が無数に放たれて空を埋め尽くす。
エリザベス・タイラー:それらは排撃系を絡め取り、また排撃系同士を数珠繋ぎに繋ぎ止める。
エリザベス・タイラー:やがて、巻き取られた鎖に釣り上げられるように、排撃系全体が大きな流れを伴って回転していく。
エリザベス・タイラー:空に大渦を描いた機械の群れは、その流動によって巻き上げられた砂嵐と共に磨り潰され、形を失っていく。
エリザベス・タイラー:「"大乱海火"」
エリザベス・タイラー:砂嵐の各所で、大きく火花が散った。
エリザベス・タイラー:水中ですら燃焼する"ギリシアの火"。漏出した排撃系の駆動液に引火し、次々と誘爆を起こす。
エリザベス・タイラー:砂塵の間を舞う金属粉を媒介として瞬く間に広まった焼夷が、砂漠の空一面を炎で埋め尽くす。
GM:この敵には限りがある。全てを撃破すれば、"ブロンテス"にこちらを攻め立てる手立てはなくなる。
GM:……ように見える。この敵はそう見せかけていることも、エリザベス・タイラーは理解していた。
GM:テノー66298到達点。異空の星系が置換された、理解の及ばぬ文明の果て。その一端を喚び出す遺産である。
GM:それはただ製造し、送り出し、排除し続ける。生命を持たぬ排撃系を、駆除系を、生命のように再構築し続ける。
GM:その資源は、星系全てだ。終わりなどあるはずがない。
GM:これだけの生徒達が、どれほどの広域殲滅を繰り返しても、終わらない。何度でも再生するからだ。
GM:それが、"ブロンテス"の勝算であった。いかに神聖二重冠を発動した、不死のノヴァリスの生徒であっても――
GM:稼働限界は確実に存在する。その限界を確実にするための手段が、テノー66298到達点。
GM:だが、空を埋め尽くす大火の渦からは、新たな排撃系は物理的に降下できない。レーザー波長も熱源に曲げられ、照準できない。
GM:黒田コノカの策は、フローレンスに、エリザベスに、好機を繋いだ。そうして作り出された一手で、他の誰かのための好機をこじ開け続けなければならない。
GM:そうして繋ぎ続けることだけが、キングダムを滅ぼす悪意へと、彼女らの誰かを到達させ得るのだから。
エリザベス・タイラー:敵の軍勢に際限がないことは百も承知だ。焼き尽くしても焼き尽くしても、空を覆う鉄の雲に穴が空く気配はない。
エリザベス・タイラー:されど、広さが有限であろうとも、欲深さではこちらも負けはしない。そのすべてを飲み干す必要すら、ない。
エリザベス・タイラー:無限の海原に道を拓く。それこそが"海賊王"の本懐だ。
エリザベス・タイラー:「"黒閃衝角"」
エリザベス・タイラー:砂中に埋没した無数の廃船が尽く浮上する。否、機関を暴走させて爆発的な推進力を得たそれは、噴出したと表現するのが正しい。
エリザベス・タイラー:黒い金剛石によってコーティングされた衝角を向けて、炎に包まれた敵の軍勢へと突撃する。
エリザベス・タイラー:排撃系、駆除系、そしてキングダムへ照準を定め続ける巨人へと。
エリザベス・タイラー:炎の嵐を突き破って、その切っ先を突き穿つ。
エリザベス・タイラー:「"重撃竜砲"」
エリザベス・タイラー:敵を突き穿ち動きを止めた船団の側面に、夥しい戦列砲が砲門を並べる。
エリザベス・タイラー:巨竜の咆哮にも等しい砲声が、絶え間なく連鎖して轟く。
エリザベス・タイラー:逃げ場のない3次元的十字砲火に飲み込まれて、隙間なく空を埋め尽くしていた群れに、ごく僅かに、補填しきれない密度の濃淡が生じていく。
エリザベス・タイラー:「"閃枝万光"」
エリザベス・タイラー:それらを飲み込むように、光が瞬いた。
エリザベス・タイラー:"征嵐旗章エル・ドラゴ"の覇鍵解錠は戦場の全ての、主なき兵器を差配する。フローレンス・アシュモールが用いた金剛石の結晶片が空中に浮かび上がり、
エリザベス・タイラー:久世川リンゼが遺した燐光の残滓を吸収、収束させて指向性を付与する。
エリザベス・タイラー:更には、砂中より放たれた枝針船団のミサイルと合わさって、敵軍の最も密度が薄まった一点へと殺到する。
エリザベス・タイラー:レーザー照射とミサイル弾頭による飽和爆撃。
エリザベス・タイラー:"決して奪わないように"、などという忌々しい警句は既に失われた。
エリザベス・タイラー:「略奪せよ!収奪せよ!簒奪せよ!」
エリザベス・タイラー:「そして、貴方に与えて差し上げましょう!!」
エリザベス・タイラー:「敗北と言う名の安息を!!」
エリザベス・タイラー:尤も、それを与えるのは"海賊王"では無いだろう。
エリザベス・タイラー:敗者には、"赦す王"が必要だ。
キャロル・ホプキンス:ボンッ ボンッ ボンッ
キャロル・ホプキンス:断続的に破裂音が上昇してゆく。
キャロル・ホプキンス:風景を埋め尽くす程の兵器が跋扈し、エフェクトや王鍵が齎す超越的な破壊の狂飆の中では、注意して耳を傾けなければ気付くこともない程度の音だ。
キャロル・ホプキンス:その正体は、赤雷によって加熱された空気が爆発的に膨張する音だ。
キャロル・ホプキンス:キャロルは、瞬間的に体積を増した大気の後押しを受けながら、黒く巨大な機身を駆け上がっていた。
キャロル・ホプキンス:(――どこに)
キャロル・ホプキンス:コノカの策によって、ここに集った戦士達の奮闘によって切り開かれた道を、群がる敵には目も向けずに駆け抜け、ようやく到達した巨大兵器を垂直に登る。
キャロル・ホプキンス:海賊王は敗北を与えると言ったが、この極限の戦場で、キャロルにとってあるいは勝利よりも重大と言えることがあった。
キャロル・ホプキンス:アーイシャと“慈悲なきもの”の安否と、所在。
キャロル・ホプキンス:たとえ、“虚飾の世界を砕くもの”を破壊し、キングダムを守り切ったとして。その後に“至上王”が真の王であるかを確かめられたとして。
キャロル・ホプキンス:二人を見殺しにしたのなら、きっと自分は耐えられない。
キャロル・ホプキンス:(どこにいるのですか!)
キャロル・ホプキンス:ここまで来て、この戦場に二人の姿は見当たらない。
キャロル・ホプキンス:だとすれば――最悪の可能性を排除するならば――“虚飾の世界を砕くもの”の内部に捕らえられているのではないか。キャロルはそう考えた。
キャロル・ホプキンス:『廃骸窟』や大博物館と通ずる兵器ならば、人間が搭乗することを想定されているはずだ。
キャロル・ホプキンス:これを操る者からすれば、キャロルを十字冠離脱で逃がし、キングダムに情報を渡されたのは、失策とまでは行かずとも最良の手筋ではなかったはずだ。
キャロル・ホプキンス:ならば、アーイシャを同様に十字冠離脱はさせまい。
キャロル・ホプキンス:そして、“月下王”を見る限り、オーヴァードを暴走させ、ある程度制御する力を有している。
キャロル・ホプキンス:ならば、“慈悲なきもの”も手駒にすることを考えてもおかしくはない。
キャロル・ホプキンス:戦場に二人の姿がないのは、その為の処置に時間がかかるからか。何らかの秘められた策によるものか。
キャロル・ホプキンス:何にせよ、決着より先に探し出さねばならない。
キャロル・ホプキンス:“虚飾の世界を砕くもの”を打ち倒したとして、味方の攻撃によって二人が斃れるなど冗談にもならない。
キャロル・ホプキンス:「赦し給え! 『楽園刑場メム』!」
キャロル・ホプキンス:駆け上がりながら、『チェンジリング現象』によって周囲の空間を妖精界の環境へと置換する。
キャロル・ホプキンス:妖精が人間に気付かれることなく悪戯を仕掛けるという伝承がままあるように、妖精の知覚は人間以上に優れている。
キャロル・ホプキンス:『楽園刑場メム』はお互いにそれを許せば、ある程度口に出さない意思疎通をも可能とする精神感応能力を持つ。
キャロル・ホプキンス:『チェンジリング現象』の置換範囲に生命があれば、判別は可能だ。
キャロル・ホプキンス:「赦し給え……! 『楽園刑場メム』!!」
キャロル・ホプキンス:妖精界の展開半径は、“虚飾の世界を砕くもの”全体を覆いきる程の規模を持たない。
キャロル・ホプキンス:故に、何度も王鍵を起動し、虱潰しに探査してゆく。
キャロル・ホプキンス:「赦し……給、え……」
キャロル・ホプキンス:『楽園刑場メム』は臨死体験を代償に『チェンジリング現象』を引き起こす王鍵だ。
キャロル・ホプキンス:繰り返し起動すれば、肉体精神両面での負担は計り知れない。
キャロル・ホプキンス:ましてや、神聖二重冠が発動している今、本当に絶命するリスクは強大な生命力があっても無視できるものではない。
キャロル・ホプキンス:集中を乱し、姿勢制御の為の魔術行使をしくじれば転落死もあり得る。
キャロル・ホプキンス:「赦……し、給……え……!」
キャロル・ホプキンス:『楽園刑場メム』が何度も、何度も、何度も、何度も、頸動脈を圧迫する。
キャロル・ホプキンス:痣を通り越して破れた皮膚が剥がれ落ち、縄の王鍵が血で赤く染まっている。顔色は蒼白どころか土気色だ。酸素を失った脳が現実を映しているかも怪しい。
キャロル・ホプキンス:「ゆる……し……た……まえ……」
キャロル・ホプキンス:喉はとうに潰れて、どのような機序で発声しているのかも分からなくなるような有様で、それでも掠れきった声で起動句を唱え続ける。
キャロル・ホプキンス:海賊王の凄まじい殲滅攻撃に紛れる形での、計168回に及ぶ王鍵起動。
キャロル・ホプキンス:その結実として、天を衝く巨躯全ての走査が完了した。
キャロル・ホプキンス:ここに、二人はいない。
キャロル・ホプキンス:分からない。二人が生きているのか、死んでいるのかすら。
キャロル・ホプキンス:思考が朦朧とする。生死の境を行き来し続けて、最早自分の生死すら曖昧だ。
キャロル・ホプキンス:もう全て放り出してしまいたい。楽になりたい。
キャロル・ホプキンス:ずっと思っていた。もう死んでしまいたい。
キャロル・ホプキンス:けれど。
キャロル・ホプキンス:「ああ……」
キャロル・ホプキンス:罪に塗れたこの身の贖罪は、まだ叶わない。こんなところで赦されるような、軽い罪を背負ってはいない。
キャロル・ホプキンス:「――見付、けた」
キャロル・ホプキンス:助けるべき二人の安否は分からずとも――討つべき相手がどこにいるのかだけは、罪の証が教えてくれる。
キャロル・ホプキンス:妖精の嬌笑のような雷鳴が砂漠に響く。
キャロル・ホプキンス:瞬間的に圧縮して展開された妖精界から物質界に放たれた雷撃が、二つの世界の衝突によって、世界そのものを引き裂いて進む暗黒の陥穽となって顕現する。
キャロル・ホプキンス:「赦し給え」
キャロル・ホプキンス:血に塗れた王鍵が、強く――強く罪人の首を締め付ける。
キャロル・ホプキンス:罪人を妖精が住まう楽園へと導くその処刑具は、罪人自身がその罪を赦せぬ限りは再び厳しき現実へと立ち戻らせ、赦しの機会を与える。
キャロル・ホプキンス:苦痛に塗れた――されど、慈悲深き王鍵の名は。
キャロル・ホプキンス:「――『楽園刑場メム』」
キャロル・ホプキンス:世界を割り裂く黒雷が、巨躯の機兵の装甲を食い破り――雷鳴の名を冠する者の頭上へと落ちる。
"ブロンテス":「……貴女は」
"ブロンテス":「殊更に騒がしかった。何かを救おうとしていた。理解しましょう。だがそのために、それほど存在を誇示しておいて」
"ブロンテス":「攻撃まで通して見せようというのは」
"ブロンテス":雷撃の矛先と"ブロンテス"が座する総体制御部の間に、少し前まで存在しなかったものがある。
"ブロンテス":白い盾――
"ブロンテス":「貴女たちらしい、陳腐な傲岸だ」
"ブロンテス":――月下王の、血に汚れてなお白い体である。盾と錯覚させられたのは、盾としか言いようのない場所に、盾が如く掲げられていたからだ。
"ブロンテス":排撃系の最小火力による砲撃によって球技のように運ばれて、"虚飾の世界を砕くもの"表面にいくつかある作業腕に掴まれた彼女は
"ブロンテス":その身の耐久力のみを『使われて』いる。
"ブロンテス":「"免罪王"――私の知る中で最も意味無きキングダム生徒」
"ブロンテス":「この王国において、誰の罪も免れることはなく」
"ブロンテス":「ゆえに貴女は最も無為であると、この死を前に学ぶがいい」
キャロル・ホプキンス:雷は“ブロンテス”には届かなかった。
キャロル・ホプキンス:掲げられた“月下王”の肉体にその殆どを受け止められ、通過した黒雷も、装甲表面を焦げ付かせるに終わった。
キャロル・ホプキンス:「――」
キャロル・ホプキンス:「――あは」
キャロル・ホプキンス:「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは――――――――!!」
キャロル・ホプキンス:渾身の一撃が不発に終わったとは思えない、それは狂笑だった。
キャロル・ホプキンス:「おかしなことを仰る!」
キャロル・ホプキンス:「私を傲岸と言いながら、他者の行いを無意味と断じるとは!」
キャロル・ホプキンス:ボンッ
キャロル・ホプキンス:熱せられた空気の膨張圧が、空中でキャロルを押し出し、焦げの残る装甲へと着地させた。
キャロル・ホプキンス:プラズマの刃が、黒雷の疵痕に重ねられる。溶断の耳障りな騒音が鳴り響くが、それを上回る声量で語りかける。
キャロル・ホプキンス:「何より! 相手の傲岸故に、相手の罪故に、相手に殺された故に――相手を殺す!」
キャロル・ホプキンス:「そんな無意味なことに執着しながら、よくぞ言ったものです!」
キャロル・ホプキンス:黒い雷剣は、世界に裂け目を刻む。どれだけ強固な装甲であろうと、それが物理的に存在するだけならば断てぬ道理はない。
キャロル・ホプキンス:だから問題は、断ちきれるかだ。
キャロル・ホプキンス:全く刃が立たない訳ではない。だが、再生機構すら備えたこの巨兵に穴を穿つのは、切れ味だけでは足りない。
キャロル・ホプキンス:「免れる罪はない! そうかもしれません!」
キャロル・ホプキンス:「私の行いは無為であるかもしれません!」
キャロル・ホプキンス:「それでも――そんなことはあなたの決めることではない!」
キャロル・ホプキンス:排撃系の殆どは海賊王によって絶え間ない破壊に晒されている。
キャロル・ホプキンス:しかし、それを束の間逃れた僅かな個体が、こうしている間にもキャロルに攻撃を加えている。
キャロル・ホプキンス:「忘れてしまったのですか! あなたが“ロードマスター”の教え子であるというのなら、知っているはずだ!」
キャロル・ホプキンス:「私は、“ロードマスター”の行いを肯定することはできませんが、彼の理念だけは共感します!」
キャロル・ホプキンス:「全てを救う王ならば! 罪人すらも救うはずだ!」
キャロル・ホプキンス:「死は、最後の救いすら奪う――それこそが、本当の無意味だ!」
キャロル・ホプキンス:「師の悲願を忘れ、キングダムに住む人々の命を奪うというのなら!」
キャロル・ホプキンス:「私は、あなたが取り返しのつかない罪を重ねる前に――まだあなたの罪が赦されるうちに!」
キャロル・ホプキンス:度重なる『楽園刑場メム』の起動による臨死体験。全身に受けた攻撃による負傷。
キャロル・ホプキンス:満身創痍の体で――しかし。
キャロル・ホプキンス:「――私の意味を示します!」
キャロル・ホプキンス:漆黒の装甲を切り開き、内に座す機体を外に晒した。
"ブロンテス":「フ、フフッ」
"ブロンテス":ごぼりと、泡の立つような笑いであった。自らを防護する装甲板を割かれながら、それそのものは問題でないかのように笑う。
"ブロンテス":「よくぞ、よくぞその脳と口で、あの方を代弁した――傲岸を重ねた果てに何が傲りかすら分からなくなったと見えます」
"ブロンテス":「成程、免罪王の名に全く相応しい……」
"ブロンテス":……燃えるような空の彼方、あるいは焼き尽くされるような大地の上に、なおもって尽きることなき無機機械群を掌握する回答を、口にする。
"ブロンテス":「――回答」
"ブロンテス":その解釈を言語化するため、"ブロンテス"は34単語を持つ新たな言語を創設していた。他の二遺産の数倍の時間を費やしたが……テノー66298到達地点には、それだけの労力を費やす意味があった。
"ブロンテス":「遥か遥か未来、継続膨張する宇宙の断崖に到達した人類はその突入速度に比例した時間逆行現象を発見するものの許される情報量はごく些少故に宇宙資源蓄積を目的とした無機虫の隕卵鞘石を送り込む計画に成功しだが宇宙は途絶え生まれたテノー66298到達地点とは即ち」
"ブロンテス":「未来が現在を圧殺する歴史座標」
"ブロンテス":「だから」
"ブロンテス":「……貴女もここで焼け尽きる!」
"ブロンテス":……この瞬間、テノー66298到達地点という遺産への回答を示しながら、"ブロンテス"の意識は眼前の個人へと向いていた。
"ブロンテス":その言葉に対する憤慨ゆえか。装甲を割き迫る危機感ゆえか。
"ブロンテス":有り得ざる失策にして、決定的な間隙である。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:機が訪れた。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:全ての生徒があらゆるリソースを投入し集中せざるを得ない極限の戦場において、何の因果か。今この機を掴めるのは彼女しかいなかった。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ボロボロの大盾を放り投げる。十字冠に次ぐ精神的主柱である装備だが、今だけは必要ない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:両手からワイヤーを展開。海賊王によって空に無数に浮かぶ船たちに巻き付き、突き刺しては登り、僅かに残った排撃系すら足場にして高速で移動する。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:目標は"虚飾の世界を砕くもの"。正確にはその内部に潜んでいる"ブロンテス"なる敵。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(急げ!)
トゥーナ・ネヴァーリンクス:本来、トゥーナ・ネヴァーリンクスは捕縛に最適化されたオーヴァードだ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ワイヤーも、電流も、暴れるオーヴァードや獣を抑え込むためのもの。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:これ程の大規模戦闘への参加は想定されていない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:また、戦場に因縁ある相手がいるわけでもなく、語りかけるに足る話もない。敵から見てもそうだろう。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:それでもついて来たのは、彼女が騎士だからだ。アメリア・シュミットが決戦に赴く。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:彼女を本校舎まで護衛する任務は続いている。約束を違える騎士はいない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(今はこの戦闘を少しでも早く終わらせるために働く。それが全ての約束を守ることに繋がるはず!)
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ただ騎士道精神を振り回して無謀な参戦を果たしたわけではない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:捕縛用オーヴァードであった彼女は、それでは到底手に負えないノヴァリスの荒波を制するため、常に自身の出力向上に努めてきた。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:今この場においても、戦力足りえる自負はある。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「間に……合った」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:彼女の言う「機」とは、免罪王の攻撃のことだ。彼女が"ブロンテス"の姿を晒した時、既にトゥーナはその場に到達している。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(人型!致命部位は!?頭?胸?ダメだ!分からない!勘!)
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「うおおーーーー!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:気合を込めた叫びと共に両手を組み合わせ、合体機構を発動。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:1つの発射装置と化した両手から、先端が銛状になった極太のワイヤーが螺旋を描きながら発射される。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:それが装甲を砕き、抉り込み、深々と突き刺さると同時、自らも焼き焦がす全力の電撃で追い打ちをかける。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ワイヤーと電流。彼女の基本機能の出力を極限まで高めただけの技。彼女にとって最も殺傷力に優れた攻撃手段だ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:さりとて王鍵には遠く及ばない。恐るべき性能を持つ敵にどこまで通じるのかは未知数。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:だが……それは今仕掛けない理由にはならない。
"ブロンテス":目も伸ばした手も、"免罪王"へと向いていた。そこへ乱入してきた気合の声と攻撃にも、反応できなかった訳ではない。
"ブロンテス":ただ一瞬の躊躇があった。それは自らをはるかに越える大型機を制御しながら、更に遺産を介して排撃系機械群を招いているこの状況で、本来の身体により防御態勢を取るというその行いには、スケールギャップがあった。
"ブロンテス":想定されたことだ。戦闘の直後であれば、問題なく対応できただろう。だが、今は――
"ブロンテス":「……は……」
"ブロンテス":深くその矛先が、"ブロンテス"の機身の中枢を穿っている。
"ブロンテス":「な……っく、お」
"ブロンテス":その主を見て
"ブロンテス":「……誰だ……?」 呆然とした声を漏らす
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「私は……救伐騎士団調査部、トゥーナ・ネヴァーリンクスです!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:騎士として名乗りをあげる。ただ、そこまでだ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:彼女は攻撃に使用したワイヤーを根元から切り離し、ただちにその場を離脱していた。
キャロル・ホプキンス:「はは……不勉強ですよ……」
キャロル・ホプキンス:「彼女達こそ、私達のような罪人を捕らえる、キングダムが誇る騎士です」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:通じたとて、それで敵が倒れてくれるとも限らない。倒れたとしても、次に何があるか分からない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:戦場の味方を守りに戻るため、そして自らの命を守るための行動であった。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:捨て身の雷撃を放ったのは事実だが、動ける余力は残してある。彼女は絶対に生き残らなければならない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:友と約束した。生きて帰ると。約束を違える騎士はいない。
"ブロンテス":「……っぐ、何が、救、……」
"ブロンテス":お手本のような離脱動作の後を、機械の手が力なく掻く。既にまともな動作は不能なほどに砕けた機身が、バランスを失して墜落する。
"ブロンテス":(……それでも……)
"ブロンテス":まだその意識は、停止しかけの機身に紐づいていた。様々な機能を失しながら、しかし原初の、というよりは前提的な、視覚聴覚ばかりは残っている。
"ブロンテス":("虚飾の世界を砕くもの"……は、機動を継続している)
"ブロンテス":(私が止まろうと)
"ブロンテス":(――これは止まらない)
GM:テノー66298到達点はその機能を止めた。"ブロンテス"が展開していた軍勢は、無尽蔵の再生能力を喪失した。
GM:エリザベス・タイラーの艦隊が。久世川リンゼの光刃が、嘴子原シェイルの構築要塞が、ヒナテア・オルブライトの異界の嵐が
GM:すぐにでも、それらの軍勢を焼き払うだろう。だが、だとしても。
GM:初めからそれらの兵器は、"ブロンテス"自身すらも最重要の駒ではないのだ。キングダム連合学院を滅ぼし得る兵器は、"虚飾の世界を砕くもの"のみ。
"虚飾の世界を砕くもの":それは尋常の生徒ならば三桁以上の転送に至る破壊の渦に晒されながら
"虚飾の世界を砕くもの":まだ、射撃姿勢を一切崩していない。キングダムは滅ぶ――キングダムの封鎖が解除されれば、すぐにでも。
"虚飾の世界を砕くもの":その時が訪れるのが早いのか。生徒がこの巨像を逆に砕く方が早いのか。
"虚飾の世界を砕くもの":それはもはや、"ブロンテス"にも、もしかしたらこの場の生徒達にも、左右できる領域ではなかった。
"虚飾の世界を砕くもの":"ブロンテス"は全力を尽くして彼に可能な時間を稼いだ。生徒達も、全力を尽くす必要がある――
"虚飾の世界を砕くもの":不夜王達が勝ち、裁判が終わり、封鎖が解除されるよりも、早く。
GM:力場が捻じ曲げられ、迎撃兵器が炸裂し、装甲の内からなお装甲が出現し、地中から引きずり出された遺物が機体を補い、
GM:群がり斬撃する生徒達を補助肢が迎撃し、飛来する宝石や銃弾を異なる物質へと変換し
GM:そんな地獄の只中で、一体、また一体と、もはや再生することのない兵器が墜落し、崩れ、大地を鉄と炎で埋め尽くしていく。
"虚飾の世界を砕くもの":夜を照らす炎の中で、破滅の機体は、なお立っている。もはや動かぬ"ブロンテス"の視点は、ノヴァリスとの接続が薄れつつある意識で、それを見上げている。
GM:だが、そんな戦争にも、やがて終わりが訪れる。決定的な終わりが。
五辻モモカ:振るった聖剣が"虚飾の世界を砕くもの"の装甲を切り飛ばして砕ける。
五辻モモカ:動きを止めるべく伸びる補助肢を駆け上がり、再び手の中に現出する聖剣を強く握りしめる。
五辻モモカ:照準を合わせる小型兵器を視線を向けることなく分離した聖剣で地面へと縫い付け、ただ走る。
五辻モモカ:絶望的にも思えた道を、妹達が切り拓いた。生半可な攻撃ではその先へはたどり着けない。一撃で──決めなければならない。
五辻モモカ:五辻モモカは既に限界であった。傷つけてはならない一般生徒から受けた傷は深く、そして神聖二重冠の力もとうに尽きている。
五辻モモカ:消耗、疲弊。だが、"白面の祈り"には使い手がどれほど消耗しているかなど何の関係もない。
五辻モモカ:卓越した技術も強力無比なレネゲイドも、ましてや円卓の王が翳す特権も必要ない。ソレはキングダムでも有数の使い手を選ばない王鍵だった。
五辻モモカ:眠っていようと永久に止むことのない祈りの声と正面から向き合う器さえ持ちうるのならば、誰にでも扱える。
五辻モモカ:コートを貫いて身を焦がす痛みに表情を変える事無く、補助肢を上がり切り──空へ飛びあがる。
五辻モモカ:無数の兵器の一部を縫い留めていた聖剣が解けて光の筋となり、手にしたたった一つに収束する。
五辻モモカ:(──わたしは、弱い)
五辻モモカ:ロードマスターと対峙したあの日、そして平和を取り戻したキングダムで。五辻モモカは自らが理想の王足りえない事を悟っていた。
五辻モモカ:ペンテコステで生まれ万人を愛する救世主として象られたこの身は、どんな人間が相手であろうと憎むことができない。
五辻モモカ:(命を奪うつもりで対峙したロードマスターでさえ、わたしは憎んでやる事も出来なかった)
五辻モモカ:だがそれは王としてあるべき姿ではない。革命で大人を、その後のキングダムで至上王を諦めた己は救世主としても不完全だ。
五辻モモカ:戦場を彩る輝きを背に、聖剣を振り上げる。
五辻モモカ:全ての嘆きの代行者であり続けたこの身、そしてその象徴であるこの剣。
"虚飾の世界を砕くもの":頭部にあたる橙色の光が、それを見上げた。
"虚飾の世界を砕くもの":最後の一手――五辻モモカがこの距離まで迫り、聖剣を振り上げられて
"虚飾の世界を砕くもの":しかしこの時、総攻撃を凌ぎ続けた"虚飾の世界を砕くもの"には、
"虚飾の世界を砕くもの":この距離からの攻撃に対する防御手段が残っていなかった。
五辻モモカ:聖剣を手にしたその身の輝きが極限までに高まり、月と重なる。
五辻モモカ:(私は──独りでは王にはなり得ない。一人ではこの一筋に足る輝きすら見せる事が出来ない)
五辻モモカ:聖剣を構えた手に力が籠る。
五辻モモカ:代行者たるその身が、これほどまでに眩く光る。それが何よりも誇らしい。
五辻モモカ:「お前達の願いは、望むものは──美しい」
五辻モモカ:聖剣が、振り下ろされる。
五辻モモカ:「ただ、祈れ。私が聞き届けよう──!」
五辻モモカ:地面を切り裂かんばかりの光の刃が"虚飾の世界を砕くもの"へ到達する。装甲を、内部機構を頂から破壊し進んでいく。
"虚飾の世界を砕くもの":構造的な、魔術的な、概念的な多重装甲が
"虚飾の世界を砕くもの":その一閃を食い止め、阻んだ。その機体は斬撃の最中であっても、あり得ない速度で再生すらした。
"虚飾の世界を砕くもの":だが、無意味だった。
"虚飾の世界を砕くもの":法王は、八月革命のあの日――騎士王以外に唯一、”ロードマスター"と斬り合うことのできた剣士である。
GM:その眼と同じような、太陽の如き橙色の、内部機関の光が。
GM:頭頂から胴の下まで、一直線に漏れた。
五辻モモカ:「……見ろ。お前達の祈りを阻むことのできる者など居はしない」
五辻モモカ:羽が落ちるようにゆっくりと着地し、静かに構える。真に決着を見届けるまで気を抜くことはできない。
"虚飾の世界を砕くもの":降り立った法王の背後で、"虚飾の世界を砕くもの"は
"虚飾の世界を砕くもの":一つずつになった膝をついに折り、二つに倒れた。
アメリア・シュミット:「やりました!これで……ついに……!」
"ブロンテス":(ああ)
"ブロンテス":戦闘不能の一撃を受けて後も、落下の衝撃、戦闘余波にて、その鉄の身体は見る影もなく損壊し
"ブロンテス":思考も精神も摩耗し尽くし、感覚野はもはや雑音ばかりで、このノヴァリスを正しく知覚できない。それでも、分かった。
"ブロンテス":(私は……至らなかったのか?)
"ブロンテス":(……これだけの、手を、手を尽くして……)
"ブロンテス":(先生……)
"ブロンテス":(…………)
"ブロンテス":(……?)
"ブロンテス":――"何か"
"ブロンテス":途方もない何かの気配を感じた。それは焼けた感覚野のもたらした幻覚かとも判断しかけたが……
"ブロンテス":明確に答えを出す前に、ふと"ブロンテス"は思い出す。
"ブロンテス":――自覚的に、自分へ嘘を吐いていた。
"ブロンテス":ノドスでの戦いの中抱いた希望の炎は、途中で失格した自分を"ロードマスター"に見限ってもらうこと、ではない。
"ブロンテス":『見限られないかもしれない』ことだ。
"ブロンテス":到底有り得ず、望み得ぬことだが、それでももしかしたら、彼は帰還した自分を、何らかの――言葉にするのも恥ずべき感傷をして、一瞥してくれるのではないか。
"ブロンテス":確かめぬ限りただゼロではない可能性こそが、希望、生のよすがであった。
"ブロンテス":(……いや、おかしい)(何故いま、そんなことを思い出して――)
"ブロンテス":「――――」
"ブロンテス":沈黙。
"ブロンテス":それは、彼の意識がその場より離脱したことを意味する。ブツン、という電子切断音と、微かな火花だけを残して。
"ブロンテス":それが機能的限界であったからか、『何か』を恐れてのことか、あるいは、もっと別の要員によるところか
"ブロンテス":この戦場に、知る者はいない。少なくとも、この瞬間には。
GM:――それと時を同じくして。
GM:"ブロンテス"がもはや見ることのできなくなった外界で、生徒達は、信じがたいものを見た。
"虚飾の世界を砕くもの":巨大な影が聳えている。それは、再びその身を起こしていた。
"虚飾の世界を砕くもの":確かに倒れたはずの、"虚飾の世界を砕く者"だった。
五辻モモカ:「──馬鹿な」
フローレンス・アシュモール:(大博物館は砕かれてなお、再構築機能があった)
フローレンス・アシュモール:(けれど、これは――本当に、『再』構築なの……?)
"虚飾の世界を砕くもの":なぜそうなっているのかを理解したならば、尚更あり得ないことだと感じるはずだ。
"虚飾の世界を砕くもの":暗胴色の毒蛇が……"ブロンテス"の"軒轅鏡"から、まるで意志持つように這い出した毒蛇が
"虚飾の世界を砕くもの":両断された機体を、縫い合わせるかのように繋ぎ止めていた。
"虚飾の世界を砕くもの": 巨像は生命である。故にこそ虚ろな機械の体を動かす、知性体の心を求める。
"虚飾の世界を砕くもの":この兵器を動かしていたのは、擬似的な『心』でも、意志持つ器物の『心』でもない。
"虚飾の世界を砕くもの":ノドスチルドレンのみが転写できる、本物の『心』だった。
"虚飾の世界を砕くもの":Pulverizerが宿した"ブロンテス"の心は、いかなる犠牲を払っても目的を達するべく造られた、学区破壊兵器の心そのものである――
エリザベス・タイラー:起き上がりつつある"虚飾の世界を砕くもの"を、再び爆炎が包む。果断ではなく、焦りがそうさせた。
アメリア・シュミット:「危険です”法王”!そこから離れてっ!」
五辻モモカ:「──ッ、だが!」
エリザベス・タイラー:「呆けてる場合ではありませんわよ!」取り付いた生徒たちが離脱するのを待たず、全力の砲火を浴びせる。
GM:奇跡は存在する。
GM:第二次セイクリッドピラー襲撃作戦において、想定不可能な戦略と対処能力を凌駕する戦力の只中で
GM:"ブロンテス"や"マスターゼウス"と対峙した生徒達は、定められた結果を覆してみせた。
GM:神聖二重冠を封じられた状態でもなお、だ。
GM:『奇跡はなくとも、奇跡的はある』――というのは、ノドスの誰かが、いつか主張していたことだったか。
GM:それが、神聖二重冠のような、目に見える可能性ですらないというのなら。
GM:本来起こるはずのないことを、蓋然性の極めて低い事象を奇跡と呼ぶのならば。
GM:故にこそ、その権利を持ち合わせない者にすら
GM:本当の奇跡が訪れる可能性がある。
GM:ずるり
GM:その場の全員が、脅威を理解する。
GM:再びキングダムに絶滅の兵器を向けた"虚飾の世界を砕くもの"ではない――
GM:操作者を失い、纏っていた毒蛇も失われて
GM:もはや抜け殻になったはずの、"ブロンテス"の依代である機身の方に、それを感じた。
GM:王鍵殺しの毒蛇を担うその機身は、"軒轅鏡"の名を冠している。
GM:玉座の天に輝き、相応しからぬ王を誅殺する、裁定の龍珠の名。
GM:ずるり
GM:その中から、影が。
GM:規格外の理事会兵器よりも、ノドスの機体よりも遥かに小さな

"過日の影":まるで人間のような影が、出現する。
五辻モモカ:「────」目を、見開く。全身が凍り付くような怖気。
嘴子原シェイル:それの第一印象は、のっぺりとした、存在感のない
嘴子原シェイル:まさしく張り付いた影のようだった。────それがどれだけ恐ろしいか。
嘴子原シェイル:「星徒は、元より組み込まれたシステムだった」
嘴子原シェイル:「でも、これは────」
エリザベス・タイラー:「……ッ」唇を噛む。背筋に走る怖気は、自身から湧き上がるものではない。
エリザベス・タイラー:或いはそれは、王鍵自身に刻まれ、継承された恐怖の残滓だろうか。それでも尚、畏れを打ち払うようにその名を口にする。
エリザベス・タイラー:「……"ロードマスター"」
久世川リンゼ:「……八月革命以降、必ず存在するはずのそれを、我々の誰もが見つけることが出来なかった」
久世川リンゼ:「まさか取り込んでいたのか、死骸を……!!」
正法院ワカナ:ぞわりと汗が噴き出る。決してここにいてはいけない筈のものがある事を理解し己の正気を疑う。
正法院ワカナ:「な、なんで、どうして…?私達はあの時勝ったんじゃ…っ!」
綾云媛:「何を……言っているんです?」
綾云媛:「あれは……死んだんでしょう」
フローレンス・アシュモール:理解できない。
フローレンス・アシュモール:故に理解できる。あの遺産群は、間違いなく。
フローレンス・アシュモール:「これが仕組まれた試練でないのなら……こんなことが、まさか」
フローレンス・アシュモール:「ただの現実だというのですか」
アメリア・シュミット:「自分の目を疑いたいところですが」
アメリア・シュミット:「……何度分析しても、あれは……見た通りの存在です」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あれ、は……?」
レナ・ルナール:(あれだ)
レナ・ルナール:(僕が予感してた試練は、きっとあいつだ)
レナ・ルナール:レナが予感が現実に変わった瞬間
レナ・ルナール:『魔法』が、切れる
ヒナテア・オルブライト:無数に散らばる機械群の残骸を巻き込みながら、嵐が殺到する。
ヒナテア・オルブライト:再び立ち上がった巨体ではなく、人間一人ぶんの影に向けて。
ヒナテア・オルブライト:日の名残りを掻き消さんがため、持てんばかりの全力を叩きつけながら。
ヒナテア・オルブライト:「ロード、マスタァァァァ!」勇ましい筈の怒声には、敬意にいや増す恐怖の念が透けて見えた。
"過日の影":音もなく
"過日の影":否――音すら飲み込む破壊的な渦動が
"過日の影":ヒナテア・オルブライトを斬撃し、通過し、大地を割り、彼方まで到達した。
"過日の影":抜剣したのだ。それは、ヒナテア・オルブライトの瞳に刻まれた残光と同じ色をしている。
"過日の影":過日の影でしかないそれは、もはやその由来を語ることもなく、起動句を告げることもないが――
"過日の影":本物だった。『礎の赤剣』という。
GM:奇跡は存在する。
GM:救いと呼ぶには遅すぎて
GM:報いと呼ぶには歪み果て
GM:願いと呼ぶには悍ましい
GM:そのような奇跡だったとしても――存在し得る。
GM:虚実を崩すほどに凄まじい、妄執と妄想を抱く者の中で、在りし日の姿を幾度も追想されたそれは。
GM:破壊され廃棄された骸に過ぎないそれに、ほんの一時、追想の力を与えていた。
GM:絆の力がもたらした奇跡としか言いようがない。
GM:復活する。
:その剣閃と呼ぶのも烏滸がましい、破壊の軌道上に。
:ヒナテア・オルブライトの姿は、影も形も見えなくなっていた。
五辻モモカ:「ヒナ……テア……」
五辻モモカ:驚愕で聖剣を握りしめたまま完全に停止する。それは五辻モモカにとって初めての経験だった。
"過日の影":その場の全員が絶大な脅威に備えはじめるよりも早く
"過日の影":影は別の剣を抜いていた。
"過日の影":白い炎のような剣身――剣と呼ぶには、美しすぎる何かだった。
"過日の影":『リギアルカレド』という名前がある。異界の、神なる聖剣である。
"過日の影":白い炎が膨れ上がる。再び青い光を帯び始めた空の排撃系は、この世ならぬ周波数に触れただけで炎上し、墜ちていく。
"過日の影":炎の空。炎の大地。その狭間で
"過日の影":もっとも破滅的な炎が、破裂しようとしている。
GM:この場に集ったノヴァリスの生徒達は、全力を尽くした。
GM:持ち得る力をすべて出し尽くして、キングダム連合学院の滅びを食い止めようとした。
GM:それは奇しくも、"ブロンテス"が味わい続けてきた絶望と無力感に似通っている――
GM:死力を尽くし、守り、心を輝かせてきたのは
GM:最後に、このような形で終わるためだったのだろうか?
綾云媛:「退避……!」言いながら、間に合うまいと思っている。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「あ…あはは……」錆びついた喉から、やっとのことで乾いた笑いを漏らす。
フローレンス・アシュモール:(偽鍵壊錠……間に合わない。防壁は意味がない)
フローレンス・アシュモール:(……。リテパデウにこの身を全て売り渡して――)
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:綾の号令によって、周囲の面々が漸く、辛うじて硬直した身体を動かそうとする中、奥歯をカチカチと鳴らしながら、
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:小さく一歩、前に踏み出す
久世川リンゼ:「……!? 何を……!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「み、皆さん……」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「まだやれますよね?」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:勇気のようなものを振り絞ったわけではない。彼女の遺産は、自ら折れた瞬間にその力を失うものだから。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:打算から生じた虚勢に過ぎない。決して、勇気ある行いではない。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「これが、奇跡ですか……?違うでしょう」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「あれはただの死体で……影に過ぎません……」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「大人の死体を一番見てきた私が言うんですから本当です……!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「退いちゃだめです!どんな相手が出てきたって……やることは一つでしょう!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「がんばりましょう!!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「私達は、革命で最後まであれに勝てなかった……そうかも知れません」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「ならこれってチャンスですよ!」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「証明できます!私達には、彼に勝てる力があったのだと。あの時は足りなかったとしても、今は手に入れたのだと」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「前に進んだのだと!!」
GM:眩すぎる光の収束で、光景は白と黒に塗り分けられている。
GM:滅びが来る。逃げ場はない。それは子供でも分かることだった。
"過日の影":影は剣を薙いで、異界の太陽のような、聖なる、白い光を放った。
アメリア・シュミット:「がん……ばる……!」
アメリア・シュミット:白い光が迫る中、ノエミの言葉を心の中で反芻する
アメリア・シュミット:この場に立つ多くの者と違って、アメリアは遺産を手にしていない
アメリア・シュミット:本人の能力は一般的なオルクスシンドロームのそれであり
アメリア・シュミット:この戦場においても、多くのEXレネゲイドの力を借りているに過ぎず、負担も大きい
アメリア・シュミット:────それでもだ。頑張るのだ。
アメリア・シュミット:革命のあの日、アメリア・シュミットは見ていることしかできなかった
アメリア・シュミット:今、ロードマスターの残滓を前にして、退くわけにはいかない
アメリア・シュミット:退きたくない。そして誰も、彼に傷つけさせたくはない。
アメリア・シュミット:「無理でもやる、怖くてもやる、怖くない怖くない……!」
アメリア・シュミット:「目を逸らさない……!」
アメリア・シュミット:アメリアの神聖二重冠、ひび割れた卵から覗く瞳が、動いた
アメリア・シュミット:見つめる。ロードマスターの残滓と、その炎を。
アメリア・シュミット:「あなたなんかに……やらせない」
アメリア・シュミット:「この世界は───!」
アメリア・シュミット:そしてリギアルカレドは、世界を焼いた。
アメリア・シュミット:だがその瞬間、この世界にいた者は、アメリア・シュミットただ一人であった。
アメリア・シュミット:脅威を見つめ続けることで、守りたいもの全てを隠し、やりすごす。
アメリア・シュミット:土壇場で覚醒した、奇跡の───しかしこの時、何よりも、アメリアの望んだ力であった
GM:その時アメリア・シュミットが引き起こした現象もまた、奇跡に他ならなかった。
GM:地平の果てまで滅ぼし尽くすリギアルカレドの犠牲を、ただ一人にした。
GM:――焼ける。分解される。浄化される。
GM:どれも正確な表現ではない。リギアルカレドの光に晒されたものは、少なくともこの世からは消滅することになる。
GM:……そして、アメリア・シュミットは。
正法院ワカナ:「がん、ばる」
正法院ワカナ:「っ、もう誰も犠牲になんてさせない…!」
正法院ワカナ:無謀にも、手を伸ばす者が一人いた。
正法院ワカナ:本来は精神が屈指叶わぬはずの一手。しかし喝采王の"応援"、そしてアメリアの雄姿を前に奮起する
正法院ワカナ:「私は誰も死んでほしくない…っ!」「例え、相手が貴方でも!」
正法院ワカナ:咄嗟の中、切り札を切る事を決意する。
正法院ワカナ:彼女の王鍵は使い手の無意識を切り出し悪魔とすることで鐘に刻んだシジルの悪魔召喚が権能ではあるが
正法院ワカナ:…故に悪魔と言えど故に実体はなく、影として作用するに過ぎない。
正法院ワカナ:ワカナは例外を作った。
正法院ワカナ:魂の相棒と言える使い魔に自身の影を与え依り代とすることで逸話に対応する悪魔を喚起。
正法院ワカナ:本来実体無く形而下活動に限界ある悪魔を実体あるものとして駆動させる。
正法院ワカナ:王鍵の天より定められた使用法を越える。
正法院ワカナ:魔法を使う事が出来る。
正法院ワカナ:「──千切れ、マギクム。」
正法院ワカナ:彼女の囁きは、戦場を切り裂く一筋の光明の様に響く。
正法院ワカナ:紋章は地を這うがごとく広がり青白い輝きが戦場の大地を洗い流す。
正法院ワカナ:ワカナの指先から紡がれる鮮血が、蜘蛛の糸の様に陣を彩る。
正法院ワカナ:夜を切り裂き
正法院ワカナ:閃光が迸った
正法院ワカナ:
正法院ワカナ:それは梟を元に巨大な梟を象った怪物。
正法院ワカナ:コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』における悪魔ストラス
正法院ワカナ:それと同一のもの。
正法院ワカナ:轟雷の如き咆哮と薄い影を散らし土地へ憑依。一帯の沙漠そのものが意志持つ生物のようにアメリアを守る
正法院ワカナ:世界を守った少女は、世界に斯くして守られる
正法院ワカナ:二次紛争にて懲罰奉仕部員の仲間であった忌寸ウイカを失ってからも。
正法院ワカナ:キャロル・ホプキンスにより懲罰奉仕部の副官の任を解かれてからも。
正法院ワカナ:八月革命で王鍵を手に入れてからも彼女は変わらずにこの時の為に備えてきた。
正法院ワカナ:この時、あの時は言えなかったこの言葉を掛ける為だ。
正法院ワカナ:「いつもみんなを見ている貴方を、私が見てあげる。」
正法院ワカナ:「─────アメリア、一緒に学校へ帰りましょう!絶対に!」
アメリア・シュミット:(……ああ、ビデオレターでも残しておくべきでした)
アメリア・シュミット:(2時間半の超大作……全土で上映してもらって……)
アメリア・シュミット:「ん……」墜落した機体のコックピットの中で、目を覚ます
GM:世界の情報が戻る。音も、光も、津波のように復活する。
GM:全員が無事だった。十字冠転送が不可能な状況下、リギアルカレドの絶滅の一撃が放たれてなお。
GM:何もかもが嘘のように、とすら思えた――恐るべき影が、陽炎の向こうで未だ揺らめいていることの他は。
GM:ジリリリリリリ、という、旧式の電話機のベルが鳴り続けている。
怪異:「お、お、おとーさーん」
怪異:「地面が黄色いよお。どこにいるのお」
アメリア・シュミット:「っ!」一瞬の驚きと安堵から、その恐怖に意識が引き戻される
怪異:名状しがたい、肉と襤褸切れの塊のような怪異が、世界の隙間から這い出していた。
怪異:"ブロンテス"がその非凡な才能と努力を費やしても回析のできなかった異界の遺産。『屋根裏の穴』。
怪異:「風船だ!風船だ!」
怪異:「みんなの顔が、風船みたいだ!」
"過日の影":支離滅裂な叫びとは無関係に、影はただ、手を差し伸べた。
"過日の影":最も生徒が密集する一角に、単純に、意識を向けたかのような。
"過日の影":だが、それだけのことが恐るべき死をもたらすのだと、かつて"ロードマスター"との戦いに参戦した者の多くは知っているだろう。
"過日の影":人体に、地獄の熱を召喚する魔術。
嘴子原シェイル:異界の機械の軍勢から、先刻の一瞬においてなお、空を覆う術式は一度たりとも解除されていなかった。
嘴子原シェイル:ゆえに身体にはさらに黄金の罅が広がり、魂が裂ける痛みが走り、もはや肺で息をしていないほど。
嘴子原シェイル:「はは……でも」
嘴子原シェイル:「前に進んだと示す、か」
嘴子原シェイル:ずしゃり。右の靴底が、砂を踏みしめる音が鳴った。
嘴子原シェイル:魔術とは、過去から伸びる炎だ。
嘴子原シェイル:……だから人は、自分の一瞬が更新されるたびに、その輝きも、暗泥も
嘴子原シェイル:背後の闇と炎が遠くから生んだものだと思ってしまう。それに全てを丸め込まれてしまう。
嘴子原シェイル:それは勘違いだ。何故なら……覚えていなくても、認識できなくても。確かに一歩を踏み出しているのだから。
嘴子原シェイル:「何とか出来るからやるんじゃない」
嘴子原シェイル:「やってみて……それでようやく、その一歩が何を為したか知ることが出来る」
嘴子原シェイル:「きっとそれが」
嘴子原シェイル:「諦めないとか────がんばるってことなんだろうね」
嘴子原シェイル:踏み出した足から上へ貫くようにして掻き毟るような痛みが走る。身体への負担と代償。
嘴子原シェイル:だが、そもそもとして
嘴子原シェイル:心的世界と現実世界を重ね合わせる事自体は、オーソドックスな術理と言える。
嘴子原シェイル:しかし、外殻を作ることで内側に影響を齎す彼女の既存方式では、足りない。……なら、写し取るべき中身だけの世界を、どうやって作ったというのだ?
嘴子原シェイル:獄炎が迫る。
嘴子原シェイル:それは地に広がるような灼熱────そうなる数瞬だけの前、天に座す熱球のようだ。
嘴子原シェイル:……原則として、第一原質を取り出すには、開闢か開放か拡張か──いずれにせよ、世界創造の権能に指を掛ける必要がある
嘴子原シェイル:「胸を儀礼短剣で刺す」?、たかが自傷や肉体・霊的死の再現儀式では見当違いも甚だしい。
嘴子原シェイル:──ゆるりと、胸に刺さる短剣をゆるりと引き抜いた。
嘴子原シェイル:鍔から握りに掛けて施された流麗な装飾とともに、自らの役割を果たしたと言わんばかりの勢いで、耐え切れず刀身ごと脆く砕け散る。
嘴子原シェイル:それは、とある遺産のレプリカを用いた魔術道具。
嘴子原シェイル:世界を裂く魔剣。
嘴子原シェイル:元の銘を────額縁という。
嘴子原シェイル:「星の」
嘴子原シェイル:───
嘴子原シェイル:「────窓よ」
嘴子原シェイル:カ ガッッッッ ッ !! !!!!
嘴子原シェイル:その色のない閃光は、空に貼られた亀裂から覗く黄金の海まで届いて全てを塗り上げた。
嘴子原シェイル:未分化状態の無色透明な力であろうと
嘴子原シェイル:空間そのものを満たし切られてしまえば
嘴子原シェイル:────ぱ、
嘴子原シェイル:と、だ。
嘴子原シェイル:悍ましく熱を鳴らす呪いの煌炎は、まるで手品が弾けるように霧散した。
嘴子原シェイル:"無題原景"。生まれたばかりの世界。
嘴子原シェイル:誰なら気が付けただろうか。
嘴子原シェイル:瞬く如き間に広がった透明な力、それは奇しくも
嘴子原シェイル:十二の色を統合する遺産、エクス・カラーの擁いた空想卵に備わる位相と、対極に位置するエネルギーだった。
GM:嘴子原シェイルは建築家だが、卓越した魔術師でもあった。
GM:"ロードマスター"の地獄の召喚は、直接的な、瞬時の干渉を可能とするものだったが――
GM:常人では知覚できないその予兆を『太陽のように』理解し、干渉することさえ可能だったのは、尋常の魔術師とも異なるセンスによるものとしか言いようがない。
GM:あるいは極限の集中力と、魔女に与えられた全能感ががそのような絶技を成し遂げさせたのか。
嘴子原シェイル:背後。機械群の残骸から立ち昇っていた、
嘴子原シェイル:煤で黒ずむ小火すらもいつの間にか消えている。
嘴子原シェイル:それと足並みを揃えたように────脳髄を支配していた全能感の残り香も、あっさり途絶え
嘴子原シェイル:「(──ああ、でも)」
嘴子原シェイル:おとぎの国を、至上の王を求めた老臣の影。
嘴子原シェイル:最上の上を、新たなる色を求めた先達。
嘴子原シェイル:「(──会えなかったはずだった。あの日)」
嘴子原シェイル:「(二度も辿り着けなくて、そんな日々の中で、魔法局に一番大事なものすら奪われていたら)」
嘴子原シェイル:「(今でこそこんな口が利けるけど……たぶん、折れていた。諦めていた。がんばれなかった)」
嘴子原シェイル:「(だからきみなんだ。あの日────きみが、魔法をくれたから)」
嘴子原シェイル:ぱたりと、それだけを想いながら倒れ伏せた。
GM:出現と同時に全滅するはずだった生徒達の運命は、そうして変わった。
GM:二度目である。
GM:そして、たとえ敵があの"ロードマスター"の映し身だとしても
GM:二手――それもノエミ・ジャンヌ・サンソンの鼓舞に後押しされた二手があれば
GM:彼女達は、動くことができた。
GM:しかし、最精鋭の生徒達すら予想だにしない出来事も、その瞬間に起こった。口火を切ったのは……
黒田コノカ:「──どいつも、こいつも」
黒田コノカ:身に纏った軍服は焼け焦げて、犬歯が覗く口から零れる声は掠れ切っていた。
黒田コノカ:炎に身をくべてもまだ燻ぶり続ける炎に突き動かされるように古ぼけたピストルの撃鉄を起こす。
黒田コノカ:無為な手は打ちたくない。私は矜持だの絆だの唾棄すべき感傷に突き動かされる奴らとは違う。
黒田コノカ:絶望的な性能をもった"虚飾の世界を砕くもの"どころか、大型駆除系に傷を付ける事すら困難だったこの弾丸。
黒田コノカ:「もう一瞬たりとも貴様の満足しきった面を拝みたくない」
黒田コノカ:この豆鉄砲が巨大兵器に通じないのが物の道理なら
黒田コノカ:「お前もだ。貼りつく身すら失った影め」
黒田コノカ:弾丸が"人"を充分に殺傷しうる武器であるという事もまた道理である。
黒田コノカ:「いつまでこびりついているつもりだ。さっさと私に──勝利を寄こせッッ!!!」
黒田コノカ:引き金を引くと同時、コノカの十字冠が木を打つような渇いた音を立てて変形する。
黒田コノカ:女王の名を冠する駒が、頭上で輝く。豆鉄砲が人を打つ。
黒田コノカ:人の物語を断つのに大層な武器など必要ない。煮えたぎる殺意さえあればそれで充分だ。
黒田コノカ:空気を切り裂き、音速に並んだ鉛玉が影の急所を貫かんと迫る。
"過日の影":一瞥すらしない。赤い刃が閃き、銃弾を消し飛ばす。
"過日の影":「……」
"過日の影":はずだった。
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「弑せ」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:「"断頭忌椿ワゾイリス"」
ノエミ・ジャンヌ・サンソン:王鍵の反転解放。不撓の祝福を致命の呪いへと歪ませる弑逆の遺産。赤刃にもう一つの赤い剣が打ち合わされる。
"過日の影":一瞬。ほんの一撃。
"過日の影":長く拮抗できるはずもなかったが、その一瞬は、確かに
"過日の影":影に小さな掠り傷を刻んだ。黒田コノカの弾丸が、影を撃った。
"過日の影":血ではなく、影の煙が舞う。
"過日の影":異常で、不可解な、恐怖そのものの影だが
"過日の影":傷はつく。
黒田コノカ:込めた悪意の分だけ受けた戒めに血反吐を吐きながら、ゆっくりと倒れ伏す。
黒田コノカ:「……忌々しい」
黒田コノカ:「弾丸の通る只人相手に一々慄くな……さっさと決めてしまえ、馬鹿どもめ」
黒田コノカ:喝采王の声に対して吐き捨てるように精一杯の挑発を返して動かなくなった。
GM:『シテラスクX字戒』。"ロードマスター"の影は、その遺産も当然のように機能している。銃弾一発分で、コノカはそれを明らかにした。
エリザベス・タイラー:それを認識して尚、躊躇うことなく照準を合わせる。
エリザベス・タイラー:『奪いませんように』『殺しませんように』『悪意を抱きませんように』
エリザベス・タイラー:汎ゆる害悪を対手へと返すその警句を欺く術は、最早持ち合わせてはいない。
エリザベス・タイラー:その必要もない。どれだけ削れば『シテラスクX字戒』の碑文がその価値を失うのかは、
エリザベス・タイラー:既に見えている。八月革命と、ブロンテスとの戦いに於いて、確実な経験値として。
エリザベス・タイラー:「奪って差し上げます。貴方がそれをどれだけ拒もうとも」
エリザベス・タイラー:「私達の欲望は底なしですわ!!」
エリザベス・タイラー:排撃系が消え去った夜空に、星が瞬く。
エリザベス・タイラー:"征嵐旗章"の覇鍵解錠は、航路を描く力だとされている。
エリザベス・タイラー:それは、星と星とを繋ぐ道、古の船乗りに許された、星座を見出す権能。
エリザベス・タイラー:「竜骨」
エリザベス・タイラー:「錨」
エリザベス・タイラー:「舵」
エリザベス・タイラー:「砲」
エリザベス・タイラー:ノヴァリスの空には、正しき神話の星座は存在しない。
エリザベス・タイラー:星の数も配置も外の世界とは大きく異なり、その光の源は、この都市が孕む宿痾そのものから来ている。
エリザベス・タイラー:しかし、"征嵐旗章"の担い手であれば、星の海に新たな線を引くことができる。
エリザベス・タイラー:「六分儀」
エリザベス・タイラー:「船尾」
エリザベス・タイラー:「帆」
エリザベス・タイラー:「旗!」
エリザベス・タイラー:数多の英雄を乗せ、冒険を繰り広げた船があった。
エリザベス・タイラー:船員が去り、陸に揚げられたまま朽ち果てた船の最後の役目は、
エリザベス・タイラー:嘗ての船長。世界を征する船に乗せる宝を、その眼で見定めた責任者。
エリザベス・タイラー:"道を失った王"を、自らの下敷きにすることだったという。
エリザベス・タイラー:「───"方舟"!!」
エリザベス・タイラー:幾つもの輝線が像を結び、組み合わさって巨大な帆船の幻影を形作る。
エリザベス・タイラー:夜空に浮かび上がった幻影は、その主である海賊王を乗せ、小さな影を押しつぶすように船首を傾け突進する。
GM:今や、こちらが軍勢をつぎ込む番だった。
GM:光が、炎が、目に見えぬ衝撃が地上から殺到して、空を圧する船団を次々と落としていく。
GM:そうして落とされたものも再び海賊王の旗のもとに戦列へ蘇り、艦砲を絶え間なく浴びせ続ける。
"過日の影":影は揺らめく。いくつかの弾が貫通し、崩れ、形を取り戻す。
"過日の影":認識を侵す疫病『秋彁』。必殺の一撃であるほど自身への致命となる『シテラスクX字戒』。
GM:それが絶望的な消耗戦となることは明らかだ。
GM:分かっていても、エリザベス・タイラーはそれをした。
GM:軍勢が尽きるまで。彼女の引き連れる火と光が、星座が、一つ残らず絶えるまで。
GM:八月革命のあの日もそうだったように。
"過日の影":影は、倒れていない。
"過日の影":これが真に"ロードマスター"の情報の再現であったとしたら、エリザベス・タイラーの総攻撃ですら不十分だ。
GM:だが、あの日とは異なることがある。その一つは――
久世川リンゼ:尋常を超えた断末魔と共に、戦場に鳴り続けた旧式の電話機のベルが止まった
久世川リンゼ:鏡のように割れた断面を晒す怪異を踏み越えて、ゆらめく影の前に立つ
怪異:地球上の誰一人として理解の及ばぬ怪異は――
怪異:理解を必要としないままに、断ち切られていた。
怪異:今の久世川リンゼには、それだけの力があった。
GM:海賊王との激烈な戦闘を繰り広げた影と対峙する。果たして、消耗しているのか。傷を負っているのか。
GM:僅かな手傷で死ぬのか。それとも永遠に殺せない相手なのか――
"過日の影":条理の上で現出した存在ではない。どの可能性でもあり得る。どの可能性でもないかもしれない。未知だ。
"過日の影":影は、久世川リンゼへと剣を向ける。二振りの剣はいずれも、ただそれだけで死んでしまうような圧力を発している。
久世川リンゼ:────かつて光耀王を名乗った少女は、ロードマスターと相対さえすること無く、その革命を終えた
久世川リンゼ:繰り広げられる革命と敗北、そしてその後に君臨した白き王を、手の届かない場所で目撃することしか出来なかった
久世川リンゼ:白暁の遺剣は契約者の器を見定める王鍵である。その心が絶望に折れた時、剣身は腐り落ち、王の資格は剥奪される。
久世川リンゼ:かつてその刃は一度腐り落ちた。そして過去の悔悟を、深く刻まれた恐れを呼び起こすかの如きこの状況が、再び訪れた。
久世川リンゼ:────しかし、純白の剣身は刃毀れ一つ無く、確かにそこに在る
久世川リンゼ:「……何度も何度も、繰り返し貴方の幻影を見てきた」
久世川リンゼ:「それもここで終わりだ。悔やみ続けるにはあまりにも長い時間だった」
久世川リンゼ:その手に握られるのは巨いなる絶望に突き立てる、怪物殺しの大だんびら
久世川リンゼ:光を伴い限界速度で駆ける。そして、その一刀を振り抜く
久世川リンゼ:「────擬鍵開錠。『白天に暁す竜殺剣』」
"過日の影":その動作と同時に、異界の魔剣が襲いかかった。
"過日の影":空間や概念ごと飲み込むような、非常識的な破壊力の奔流。
"過日の影":斬り合うことができたのは、騎士王と法王の二人だけだ。その二人さえ最後には負けた。
"過日の影":『大ナスナ紀計画駆体』が振るう『礎の赤剣』。『リギアルカレド』。奇跡的な好機を掴めてもなお、『シテラスクX字戒』。
"過日の影":この距離まで近づき、剣の戦闘を選んだ時点で、久世川リンゼは敗北を覚悟しなければならない――
久世川リンゼ:内包された膨大な熱量が、凝縮された極光が、二振りの魔剣と一瞬拮抗し、そして、"奇跡的"に押し勝った
久世川リンゼ:展開されたアトリエ、最後の魔女の魔法、海賊王によって今も降り注ぐ砲撃の嵐。多くの支援を以て届かせたその一撃は、
久世川リンゼ:『シテラスクX字戒』によって、当然のように阻まれ、停止した
久世川リンゼ:「────免罪王!!」
久世川リンゼ:彼女の敗北によって決着はついた。奇跡の再演は終わった。しかし、それでも繋げなければならない。
久世川リンゼ:「後は、頼むぞ」
"過日の影":ザ ン ! ! !
"過日の影":リンゼの光剣をその身に受けながら振り抜かれた斬撃は
"過日の影":彼女を深く切り裂き、吹き飛ばした。
"過日の影":影は、実体を持つようではない――だが。
"過日の影":上半身には深すぎる切り込みが入って、向こう側の景色が見える。
"過日の影":久世川リンゼは、"ロードマスター"の影を斬ったのだ。勝ち目を度外視したかのような覚悟が、その傷を刻んでいた。
キャロル・ホプキンス:久世川リンゼの呼びかけに、返ってくる声はなかった。
キャロル・ホプキンス:何故なら――
キャロル・ホプキンス:――――――――
キャロル・ホプキンス:――――――
キャロル・ホプキンス:――――
キャロル・ホプキンス:――
キャロル・ホプキンス:
キャロル・ホプキンス:――その影が現れた時、キャロルは他の面々と同様に立ち尽くしていた
キャロル・ホプキンス:それは恐怖故ではない。
キャロル・ホプキンス:それは、既に死力を尽くした故に、朦朧とした意識には恐怖を感じる余裕すら残っていなかったからかもしれない。
キャロル・ホプキンス:あるいは、既に死したはずの大人が蘇るのを、誰よりも身近に知っていたからかもしれない。
キャロル・ホプキンス:それでも――それ以上に。
キャロル・ホプキンス:(あなたは……それ程までに)
キャロル・ホプキンス:師を想い続け、遂にはその影を生み出すに至った“ブロンテス”の想いの力を知り、感嘆せずにはいられなかった。
キャロル・ホプキンス:なればこそ。
キャロル・ホプキンス:(その純粋な想いの結果が、罪の形であっていいはずがない)
キャロル・ホプキンス:だが、キャロルの意識が保っていたのは、そこまでだ。
キャロル・ホプキンス:そこまで立っていた方が不条理だった。
キャロル・ホプキンス:異常な回数の王鍵起動による絞首によって、キャロルの脳機能は著しく低下していた。後遺症も残るかもしれない。
キャロル・ホプキンス:喪失した意識。今見ているのは夢か。あるいは――誰かの記憶か。
ヘンリー・ホプキンス:――妖精魔術を扱う際、最も重要な素質は何だと思う。
キャロル・ホプキンス:幼子を見下ろしていた。無知で、まだ世界の残酷さを知らない小さな子供。
キャロル・ホプキンス:父の記憶だ。
キャロル・ホプキンス:父はキャロルを娘として愛さなかったが、思想の授業や魔術の手解きは自ら行った。
ヘンリー・ホプキンス:妖精に好かれる素質ではない。
ヘンリー・ホプキンス:妖精と適度な距離を保つ素質だ。
ヘンリー・ホプキンス:気に入られ過ぎれば、戻って来れなくなることもある。
ヘンリー・ホプキンス:ジャーム化ということではない。それならば問題はない。入れ替わられるのだ。
ヘンリー・ホプキンス:妖精は童話の中の無垢で無害な存在とは違う。
ヘンリー・ホプキンス:無垢ではあるが、人間にとって無害ではない。
ヘンリー・ホプキンス:だから、妖精に近付き過ぎてはならない。
ヘンリー・ホプキンス:その為の『処置』をお前に施してある。
ヘンリー・ホプキンス:ブラックドッグシンドロームという言葉がある。この場合、レネゲイドの形態であるシンドロームを指す言葉ではない。
ヘンリー・ホプキンス:『シェルターに保護されている黒い犬は他の明るい毛色の犬たちに比べて新しい家族に引き取られにくい』。そのような傾向を示す言葉だ。
ヘンリー・ホプキンス:お前は、妖精にとってのそれだ。
ヘンリー・ホプキンス:どれだけ気に入られようと、妖精がお前を欲しがることはない。
ヘンリー・ホプキンス:妖精術師としては、破格の才だ。上手く使いなさい。
キャロル・ホプキンス:――これは、父の記憶を得て初めて知ったことだが。
キャロル・ホプキンス:父は、キャロルを次の自分の肉体にするつもりだった。
キャロル・ホプキンス:だから、妖精に替わられる訳にはいかなかった。その為の『処置』でしかなかった。
キャロル・ホプキンス:けれど、今は。
キャロル・ホプキンス:(ありがとう、お父さん)
キャロル・ホプキンス:そのお陰で、まだ立っていられる。戦える。
キャロル・ホプキンス:彼の師への想いが、悍ましい罪に堕すことを止められる。
キャロル・ホプキンス:キャロルは、意識を失う寸前、体内の妖精に自らの肉体の使用権を譲り渡した。
キャロル・ホプキンス:彼らは、キャロルの最後の意志を代行する。ただの感傷の為だけにその肉体を突き動かす。
キャロル・ホプキンス:幽鬼のような動きで、いつの間にか、影に迫っていた。
キャロル・ホプキンス:技術も何もない、幼子が傘をぶつけ合わせて遊ぶような動きで、翡翠剣を突き刺す。
"過日の影":「――」
"過日の影":影ははじめ、その攻撃を無視しようとした。
"過日の影":だが、リンゼに深く刻まれた傷は、影の反応動作を著しく遅らせていた。
"過日の影":無造作に躱すことも、撃ち落とすこともできたはずの自動的な攻撃を、影は無防備に受けている。
"過日の影":頭のような部位が、曖昧な輪郭とともに動いて、キャロル・ホプキンスを見た。
キャロル・ホプキンス:「きゃ、はは」
キャロル・ホプキンス:「きゃははははははは!」
"過日の影":影は、次こそ対応をしようとした。左腕の、『礎の赤剣』。追想の通りの剣技を振るうことができる。
"過日の影":だが。その左腕も、繋がっていなかった。久世川リンゼに刻まれた傷は、ひどく深い――
キャロル・ホプキンス:ずぶ、ずぶ、と砂山に枝を突き刺すように、何度も何度も剣を突き刺す。
"過日の影":影は、かつて生命と判断力を有していた"ロードマスター"ではあり得ない誤動作ばかりを起こした。
"過日の影":幼児が戯れるような刺突を、二度、三度と受けた。
キャロル・ホプキンス:既に限界を超えた体のことなど、何も考えていない。子供が、遊びの為に怪我の痛みを忘れるように。
"過日の影":煙のような影が滴り、崩れ、やがて――
"過日の影":ガ ン !!
"過日の影":キャロル・ホプキンスの身体が吹き飛ばされた。『リギアルカレド』を取り落とした右腕の殴打。
キャロル・ホプキンス:避けることも受けることもできない。否――しない。
キャロル・ホプキンス:吹き飛ばされ、翡翠剣を取り落としても、再び影へと躍りかかる。
キャロル・ホプキンス:子供が戯れるような動き――ただし、子供は得てして自らの限界すら知らない全力で遊ぶ。
キャロル・ホプキンス:何度弾き飛ばされようと、何度も、何度も縋り付く。
"過日の影":それを何度も、何度も叩き潰す。
"過日の影":キャロルの身体が血まみれになっても、手足が逆方向に折れ曲がっても、何度も。
"過日の影":同じだった。
"過日の影":妖精が憑依したかのように動くキャロル・ホプキンスと同じように、この"ロードマスター"は自動的ななにかに過ぎなかった。
"過日の影":それは確かに、かつてと同じような怪物であり、妄執のままに、全てを滅ぼす力すらあった。
"過日の影":だが、誰もが理解していることだ。
"過日の影":この妄執の主である"ブロンテス"さえ、理解している。
"過日の影":奇跡が起こったとしても
"過日の影":死人は蘇らない。
キャロル・ホプキンス:ヂヂッ
キャロル・ホプキンス:鳴るはずのない雷鳴が鳴った。
キャロル・ホプキンス:何度目になるかも分からない。影がキャロルの体を弾き飛ばそうとしたが――その体を掴んで離さない。
キャロル・ホプキンス:「は――」
キャロル・ホプキンス:その目には、確かに狂気じみてはいるが、人間の意志が点っていた。
キャロル・ホプキンス:「あ、はは……もう、動けません……」
キャロル・ホプキンス:ブラックドッグシンドローム――キャロル・ホプキンスは妖精に成り代わられることはない。
綾云媛:「シッ……!」そこに飛び込むように殺到した。ここまでの交錯の意識の外にあった女。
綾云媛:この局面を作ったのは誰か?
綾云媛:円卓の王に劣ることは許容してしまえていた。だが。
綾云媛:自分が退避を叫んだときに、最初に一歩を踏み出させたのは、ノエミ・ジャンヌ・サンソンだった。
綾云媛:かの大攻撃を阻止してみせたのは?それを支えたのは?
綾云媛:今、確かに打撃を与え、傷つき倒れているのは?
綾云媛:どれもが自分ではなかった。自分の敵わぬと断じた相手でもなかった。
綾云媛:全身に獣相を生み出し、組み付くように至近へとにじり寄った。
綾云媛:剣の間合いよりも遥かに短い、超近接距離。
"過日の影":影が、キャロル・ホプキンスの頭蓋を殴り潰す――その直前だった。
"過日の影":接近した獣を、脚も尾も区別なく掴み、引き千切る。
"過日の影":その挙動はもはや、人としての情報を維持できていない。
"過日の影":まるで獣だった。
綾云媛:獣の姿が叩きつけられ、潰れてはまた新たな獣が湧き立つ。
綾云媛:彼女の王鍵は、完全支援型の“火”を与えるものである。それはまったく正しい。
綾云媛:だがその事実は……彼女自身が卓絶たる近接戦闘能力を持たないことにはならない。
綾云媛:“ナルテークス軸心髄”は、王鍵としてのプロメテウスの権能を持つ。それは火を与えることに限られているが。
綾云媛:それを操るものに、副次的に備わるものがある。
綾云媛:火を与えたプロメテウスは、罰を受けた。
綾云媛:権力の神と暴力の神が、それを大山の山頂に磔にさせた。
綾云媛:そして生きながらにして、毎日臓腑を貪り食われる責め苦を強いられた。
綾云媛:その刑期は3万年であったという。
綾云媛:それだけの責め苦にも生き残る、無尽蔵の耐久性。
綾云媛:それを備えていると、そう思わせるだけの持久力があった。
綾云媛:「私が」
綾云媛:「私が、ここで――」手は止めない。手数は増える一方。
"過日の影":ひたすらに、ひたすらに、殺到する獣を叩き潰す。叩き潰す。叩き潰す。
綾云媛:「ア――アアアアッ!」叫ぶ。苦悶と喚声のどちらか、自分でも判別できていない。
"過日の影":地上を滅ぼすかのような神秘が褪せていく中で、情報が急速に散逸していく中で、
"過日の影":そこに残っている意志は一つだけだ。
"過日の影":王を。
"過日の影":王を、一人残らず殺す。
綾云媛:――最も優れし者であることを……それでも諦めたくはない。
綾云媛:誰かがそう言ったとき、自分はその道を歩まないと選んだと言った。そのはずだった。
綾云媛:であれば今、何故自分はこんな事になっているのだろうか?
綾云媛:答えを探す思考のエネルギーは、もう脳に回すことができなかった。
綾云媛:ひたすら自らの肉体を叩きつける。いつ終わるとも知れないままに。
キャロル・ホプキンス:襤褸布ような有様の女が叫んだ。
キャロル・ホプキンス:「終わらせ……なさい」
キャロル・ホプキンス:「あなたは、王なのでしょう――!」
GM:世界を焼き尽くすかのような大戦争の終わり。
GM:それは、ひどく小さく、血生臭く、見苦しい戦いだった。
"過日の影":影は、獣を殴り、殴り、終わりには四足で這うようにして、満たされぬ害意のままに殺戮し続けた。
"過日の影":やがて、その形状も保てなくなった。時間の経過と、綾云媛に刻まれた数限りない傷が
"過日の影":遺体に刻まれた情報を、自然の摂理のように霧散させていった。
"過日の影":どこかの時点で胴を食い破られて、その上半身は落ちた。
"過日の影":影はその状態でもなお、動き続けていたが、
"過日の影":やがて止まり、消えた。
GM:"ロードマスター"の遺体は残らなかった。本来、完全に破壊されて処分されていたものだった。
GM:楽園の中にあるものを、ノヴァリスへと持ち出すことはできない――
綾云媛:「……誰が」
綾云媛:「……誰が決めたか、」
綾云媛:「覚えておけ……」
綾云媛:それだけ告げると、そのまま沈むように倒れる。
"虚飾の世界を砕くもの":その背後で、天を衝く黒い巨像が
"虚飾の世界を砕くもの":再び二つに爆ぜ割れて、崩れていった。
GM:"ロードマスター"を殺した王の僭称者を、一人残らず滅ぼすために。
GM:全ての過去と、失われた全ての未来を費やした、アーノルド・ウォッチャーの願いは、そうして終わった。
アメリア・シュミット:「……ロードマスターの、その影。完全な消滅を確認」
アメリア・シュミット:「”ブロンテス”、"虚飾の世界を砕くもの"、その他理事会兵器群の沈黙を確認───」
アメリア・シュミット:「勝利、勝利です!」大きな声で、そう告げた
GM:"ブロンテス"が遺した影は消えた。綾云媛が倒れている地点にはそれがあった痕跡すら残っておらず、何かの悪い夢が通り過ぎたかのようだった。
GM:一方で、キャロル・ホプキンスは危険な状態だった。神聖二重冠の保護すら限界に近い状態で『妖精』に体を開け渡し、何度も致命的な打撃を受けた。
GM:キャロルの生命力は非常識的である――ことは、正法院ワカナもよく知っている。だがその上でも、後戻りのできない一線に踏み込んでいるように見えた。
正法院ワカナ:「キャロル…っ、ねぇ、キャロル!返事をして!」
正法院ワカナ:左半身が真面に動かぬ身体を引きづり、自身の王の元で声を掛け続けている。
正法院ワカナ:王鍵の代償、精神を切り刻んだ反動によりワカナもまた本来は危篤であったが。
正法院ワカナ:そんな些事を気にする余裕のない程に今のキャロル・ホプキンスは深い傷を負っているとすぐに分かった。
正法院ワカナ:"堕剣の楔片"をヘンリーに使われた状態で一度は倒れても
正法院ワカナ:廃躯窟に乗り込みキングダムを破壊しようとした。至上王に裁かれようとした程の頑固な王なのだ。
正法院ワカナ:出来る限り傍に居たい。しかし未だ目を覚まさぬのならば、最早誰かの助けが必要だと悟り始めていた。
正法院ワカナ:声を掛け、心臓マッサージをしても、未だに息を吹き返す見込みはない。
正法院ワカナ:もう駄目だと思ったその時─────
黒田コノカ:「おい」
黒田コノカ:「さっさと起きろ、キャロルホプキンス」
黒田コノカ:シリンダーの回転する音と同時、炸裂音と共に血液の弾丸がキャロルの身体に撃ち込まれる。
正法院ワカナ:「っ、黒田コノカ…?どうして貴方が此処に…?」
正法院ワカナ:一瞬彼女の存在に対して唖然とする中。血液の弾丸を撃ち込まれた様を見て顔を青くする。
正法院ワカナ:「とどめを刺しに来たのなら、承知しない。私が相手に─────!」
黒田コノカ:「五月蠅いヤツだな。判断力すら失った貴様に一体何の価値があるんだ」
黒田コノカ:キャロルが目を覚まさないのを見てとって、その隣にどかりと腰を掛ける。
黒田コノカ:「死んでいないならまだ働いてもらわねばならん。仮に死んでいるのなら撃っても別に構わんだろう」
正法院ワカナ:「貴方、一体何を言ってるの…っ?瀕死のキャロル銃弾を撃ち込んでおいて…正気じゃない」
黒田コノカ:「貴様……もう私の能力を忘却したのか?ああ、いや」
黒田コノカ:「そういえばお前の前で見せた事は無かったか」
黒田コノカ:「一々説明するのも面倒だ。効果がないのは確認した、あとはお前が何とかするがいい」
黒田コノカ:「本当にお前がキャロル・ホプキンスの目的に手を貸すつもりがあるなら──」
黒田コノカ:「お行儀の良い"蘇生ごっこ"なんぞしている暇はないだろうがな」
黒田コノカ:吐き捨てるように言って、軍帽を取って空を眺める。
正法院ワカナ:「蘇生ごっこって…!」
正法院ワカナ:これ以上の事となれば、手段は限られる。
正法院ワカナ:「……………。」深く息を吸い、吐き。
正法院ワカナ:(ごめん、キャロル……。もうこれくらいしか私には手段が…!)
正法院ワカナ:眠り姫の逸話というモノがある。眠っている姫に口づけをすることで、目を覚ますという古典的な術だ。
正法院ワカナ:仮死状態にある、貴い血の娘。という条件は今の彼女に合致し。
正法院ワカナ:そして、試練を乗り越え彼女に会いに来た勇士も今ならここにいる。
正法院ワカナ:他ならぬワカナがそうだからだ。
黒田コノカ:「お友達ごっこではないなら、相手にどう思われるかなど考えるべきではない。くだらん感傷だ」
黒田コノカ:ワカナが何をしようとしているのか、空を見上げている為に気付かず語り続ける。
正法院ワカナ:「せ、急かさないで!やれることは何でもするわ。」
正法院ワカナ:「私の王の為ですもの。漸く彼女の夢を応援できる最初で最後の機会。」
正法院ワカナ:リップを塗り、呼吸を整える。
正法院ワカナ:目を瞑り、そっと免罪王の端正な顔へとそっと唇を近づける。
黒田コノカ:「おい、いつまでぶつくさ言って──」
黒田コノカ:呆れたようにため息を吐いて振り返り、目を見開く。
正法院ワカナ:近づいて分かる。体温はあれど、本来存在しているはずの呼吸はない。
正法院ワカナ:いよいよと言う所で─────
キャロル・ホプキンス:「はっ! 戦況はどうなりましたか!?」目を開けた途端、勢いよく起き上がる。
正法院ワカナ:「へっ!??」
キャロル・ホプキンス:ゴチン!
キャロル・ホプキンス:「あいたーっ!?」
キャロル・ホプキンス:顔を押さえてのた打ち回る。
正法院ワカナ:接吻の間際。唇が、キャロルの顔に強くぶつかり
正法院ワカナ:「~~~っ!」
正法院ワカナ:ワカナも顔を抑え、唇から血を流している
正法院ワカナ:果たして、何処に彼女のリップが当たったかは。わからない。
正法院ワカナ:少なくとも、キャロルの白い肌には、何処にも赫いリップの跡はないのだから。
黒田コノカ:「…………阿呆め。とっくに終わっている」
キャロル・ホプキンス:「うぉお……ワカナさん、コノカさん……それはよかった……」
黒田コノカ:「立てるか」
キャロル・ホプキンス:「ええ……終わったなら、私にはやるべきことが……あらら?」立ち上がろうとしてバランスを崩してコノカに寄りかかる。
黒田コノカ:「邪魔だ、どけ」
黒田コノカ:キャロルの身体を押しのけて、その反動で完全に地面へ大の字に倒れ伏す。
キャロル・ホプキンス:「おわ~!」非力なはずのコノカに押し退けられただけでこてりと倒れる。
黒田コノカ:「お陰様で私はこれ以上一歩も動けん。土産をやるからそこで聞け」
正法院ワカナ:そっと膝をつき、免罪王を従者らしく甲斐甲斐しく支える。
キャロル・ホプキンス:「うう……か弱いこの身が憎い……」
正法院ワカナ:「大丈夫ですか、我が王。土産…?」
正法院ワカナ:「ひょっとしてキングダムの情報?」
正法院ワカナ:触れあった体躯からは、自分よりも余程柔らかな熱を感じる。
正法院ワカナ:(ん…意外と背が高いのね。すっかり忘れてた)
黒田コノカ:「……おい、鴉。居るか」
アメリア・シュミット:「きゃうきゃう。きゃうきゃう。キングダムの情報通とはこの私のこと」
アメリア・シュミット:物陰から現れた。パイロットスーツはところどころ破れているが、目立った負傷は無い。
正法院ワカナ:「ア、アメリアっ!?無事だったのね!良かった…。」
正法院ワカナ:遺産の攻撃からは確かに守ったが、それ以降の保証は何もできなかった。太陽のように暖かい彼女の無事を知り、安堵する。
キャロル・ホプキンス:「鴉飼さん……」
キャロル・ホプキンス:「そういえば……キングダムは封鎖されているはずなのに、何故みなさんがここに?」
アメリア・シュミット:「?黄道王……ヒナテア様に連れてこられたのではないのですか?」
キャロル・ホプキンス:「ヒナテアさんの転移能力がどれほど卓越していても、星徒となった戒功王の封鎖をすり抜けられるとは思えませんでしたが……」
正法院ワカナ:「それは……。その。」軽く咳払い。しかし広大な戦場の中で必要な情報を取捨選択する能力なら、自分以上の者がいた。
正法院ワカナ:「…詳しい事を教えなさいよ、黒田コノカ!軍師なんだから、役目でしょ。」
アメリア・シュミット:「では私がコノカさんのお耳にゴニョゴニョいたしますので、伝えてあげてください」
黒田コノカ:「……要らん」
黒田コノカ:「風塵王を除いた星徒は一度死んでいる。封鎖が解除されたのはそのタイミングだ」
黒田コノカ:「アメリア・シュミット。二度目は……為されたか?」
アメリア・シュミット:「確認しております。既に戒功王を含めた全ての星徒の脅威は、討ち果たされました」
アメリア・シュミット:「円卓の王たち……そしてチギリ会長によって!」
正法院ワカナ:「アメリアの上司もいたのだものね。頼もしいわ。」
黒田コノカ:「……そうか。竜は?」
キャロル・ホプキンス:「竜? 竜王のことですか?」
キャロル・ホプキンス:「コノカさん、不倶戴天の天敵とはいえ、こんな時にまで竜王のことを気にせずとも……」
アメリア・シュミット:「竜王ではなく……キングダム市街は今、こんな感じに……」
アメリア・シュミット:ホログラムの中継映像を見せる
キャロル・ホプキンス:「何ですかこれ!?」
黒田コノカ:眉がぴくりと動くが無視してアメリアの映し出した映像に視線を向ける。
黒田コノカ:「お前の目的を考えると事態は何も解決していない……どころか、始まってすらいない」
正法院ワカナ:「………。キングダムの危機はこれで一件落着、じゃないってこと?」
アメリア・シュミット:「これが至上王の正体……ダークキングダムドラゴン……ということではないのですが」映像をキングダム本校舎に切り替える
キャロル・ホプキンス:「そんな……至上王陛下の正体がダークキングダムドラゴン……」
キャロル・ホプキンス:「……ではないのですね。安心しました!」
アメリア・シュミット:「至上王は……生まれ故郷という『おとぎの国』への帰宅部活動を開始しました」
黒田コノカ:(喋るのも億劫になってきたな……間抜けどもめ)
キャロル・ホプキンス:「陛下の故郷……『おとぎの国』、ですか?」
キャロル・ホプキンス:「それは何かの比喩ですか?」
キャロル・ホプキンス:「すみません、私がいない間にキングダムではいろいろなことが起きていたようで……前提を共有できていない可能性があります!」
黒田コノカ:「第一に」
黒田コノカ:「キングダム内に映像にあった竜の影が出現。本校舎が完全に封鎖された」
黒田コノカ:「第二に」
黒田コノカ:「キングダム内に"戒功王"、"風塵王"を含む星徒6体の襲撃。これは撃退済みだ」
黒田コノカ:「第三に」
黒田コノカ:「至上王の里帰り──詳細は知らんし知りたくもないがおとぎの国と呼ばれる異界への帰還を開始した」
黒田コノカ:「キングダム内の竜の影と本校舎封鎖はこれが原因だと思われる」
アメリア・シュミット:「星徒の襲撃と竜の影は関係ないのがビックリですよねえ」
黒田コノカ:「現状の我々ではこの封鎖を解除する手段が非常に限られる」
キャロル・ホプキンス:「異界への帰還……ノヴァリスにとっての異界といえば、真っ先に思い付くのは『外』ですが……」
キャロル・ホプキンス:「わざわざおとぎの国と言っているということはそうではなさそうですね……」
正法院ワカナ:「ノヴァリスじゃないのよね?十字冠のある私達がいける所なのかしら。」
黒田コノカ:「同じ事だ。異界である以上我々の立ち入りは不可能」
黒田コノカ:そこまで言って、懐から取り出した紙の切れ端をキャロルに丸めて投げる。
キャロル・ホプキンス:「これは……?」
黒田コノカ:「行政部の調査結果だ。魔術だのについては私には理解不能だからな」
黒田コノカ:「お前が勝手に読んで勝手に理解しろ」
キャロル・ホプキンス:「……」渡された紙に目を落とす。
キャロル・ホプキンス:「流石ですね、コノカさん」
正法院ワカナ:「これって、かなりの重要情報よね。」手に入れる事も、きっと一筋縄ではいかない事だとワカナでも分かる。
正法院ワカナ:「黒田コノカ、貴方…。」
黒田コノカ:「有体に言えば現状は世界の書き換えなぞという夢物語、あるいはエネルギー量での力押しのみが有効だろう、という事だ」
アメリア・シュミット:「難しいですが、とっても頑張れば可能ということですね!」
キャロル・ホプキンス:「あははは! どうやら、鴉飼さんの仰る通りのようです!」
正法院ワカナ:「相変わらず無茶苦茶…でも。あともう一息。何とかして手段を探さなきゃ」
キャロル・ホプキンス:ワカナの膝から頭を上げて、立ち上がる。
キャロル・ホプキンス:「まあ、何とかなりますよ!」
アメリア・シュミット:「……行かれるのですね」
正法院ワカナ:「必ず帰って来てね、キャロル。」
正法院ワカナ:「絶対辿り着いて、なんて言わないわ。」
正法院ワカナ:「貴方ならきっと成し遂げられるって、信じてるから。」
正法院ワカナ:立ち上がった彼女をそっと抱きしめ、名残惜しそうに手を離す。
キャロル・ホプキンス:「何を他人事のように言っているのですか、ワカナさん!」
キャロル・ホプキンス:「まだその前にみんなでやるべきことがあります!」
キャロル・ホプキンス:「戦闘が始まる前にみなさんにお願いしましたよ、私は!」
キャロル・ホプキンス:「陛下の元へ馳せ参じるのは、友達を助けてからです!」
正法院ワカナ:「とも…だち?」
正法院ワカナ:「いたの?」
キャロル・ホプキンス:「そんな……! たくさんいますよ!」
アメリア・シュミット:ニコニコとした顔でいる
キャロル・ホプキンス:「ワカナさんも、コノカさんも……トバリさん、マリガルさん、ナカズさん、クレタさん、サイロさん、シアさん、ツキさん、ハンさん、モノさん……」
正法院ワカナ:「も、もういいから!沢山いるって分かったわ。」
キャロル・ホプキンス:このままだと延々と友達の名前を羅列するだろう。
黒田コノカ:「やる事があるならさっさといけ、馬鹿め」
黒田コノカ:「おとぎの国に関しては分かっていない事の方が多い。時間に猶予があると思うな」
正法院ワカナ:内心ナカズも友達に入ってることに心配もあったが、勢いで流されてしまった。
アメリア・シュミット:「……私の調べによれば、現状、この戦いにおけるキングダムでの死者はゼロです」
アメリア・シュミット:「星徒は別ですが……免罪王のお友達もみな、無事でいますよ」
キャロル・ホプキンス:「……アーイシャさんと、ハングマンさんは、この戦いの前にはぐれてしまいました」
正法院ワカナ:「アーイシャ…、四腕王?へ、へぇー…。」
キャロル・ホプキンス:「きっと、鴉飼さんの目の外側にいます……お願いします……お二人を探すのを手伝ってください!」
正法院ワカナ:(やっぱりまた、私のいない所で新しい仲間を作っていたんだ…)
正法院ワカナ:「…ん、勿論。その人たちもキャロルの友達なのよね。」
キャロル・ホプキンス:「ワカナさん! また謎の情緒を発揮している場合ではありませんよ! 人命がかかっているのです!」
アメリア・シュミット:「ハ……ハングマンというと……理事会の!?」
キャロル・ホプキンス:「コノカさんも、寝てる場合じゃありません!」
キャロル・ホプキンス:「そうです! ハングマンさんは理事会の人間ですが、とてもいい人です!」
黒田コノカ:「私は行かん。貴様で勝手にやれ」寝返りを打って肘を立てる。
キャロル・ホプキンス:「今度は実弾じゃなくて支援弾を撃ってくれたから反省したと思ったのに! コノカさんの冷血漢!」
正法院ワカナ:「は、はぁ~~!貴方ついこの間理事会エージェントからどれだけ酷い目に遭ったのか忘れてるの!?」
キャロル・ホプキンス:「忘れるはずありません! お父さんに酷い目に遭わせられたのはこの前どころかずっと前からです!」
キャロル・ホプキンス:「ああもう! 私はもう行きますからね! 分からず屋のコノカさんはともかく、ワカナさんはちゃんと探してくださいよ!」
黒田コノカ:「いいからさっさと行け。キングダムにも良いように使われて、貴様にまでこき使われて堪るか」
正法院ワカナ:「分かったわよ。もう!…さっさと果たして…次の勅令を待っているわ。」
正法院ワカナ:「またね。帰ってこれないならこっちから化けて出てやるんだから。」
アメリア・シュミット:「……”四腕王”に、理事会エージェント……どんな冒険があったのやら、後で聞かせてくださいね?アメリア、興味津々ですから」
アメリア・シュミット:「それを報酬として、私も捜索をお手伝いします♪」
黒田コノカ:(……理想の王など居る筈もない)
黒田コノカ:去っていく三人の姿を見送りながら静かに思案する。
黒田コノカ:(そも、理想すら存在しえない夢物語だ。私達は求める者が違うのだから)
黒田コノカ:(だから私は、失望したお前がこの憎たらしいキングダムを破壊する事を望む)
黒田コノカ:(だが、あるいは)
黒田コノカ:(存在そのものが夢物語である"おとぎの国"でなら──)
黒田コノカ:「……ふん。くだらん」
黒田コノカ:思考を失笑で打ち切り、寝返りを打って空を見上げた。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「終わったようですね……よかった」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:この戦いで増えた新たな護衛対象2人──"月下王"州来マカミと"四腕王"アーイシャ・ナッジャールの様子を見ながら安堵する。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:"過日の影"の出現で竦む足を"喝采王"の鼓舞で奮い立たせたトゥーナは、下手に戦いに参加することはしなかった。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:代わりに行っていたのは、離脱に紛れて回収した"月下王"を保護しつつの要救助者を探索、救助。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:戦後を見据えた行動──味方が必ずや勝利すると信じての行動である。

"月下王"州来マカミ:"月下王"――州来マカミは、盾としてキャロル・ホプキンスの最大の攻撃を受けたが
"月下王"州来マカミ:絶命には至っていなかった。元より攻撃を受け止めきれないのなら、"ブロンテス"が盾にするはずもない。
"月下王"州来マカミ:尋常ならぬ生命力があったことに加え、本人の意志がなくとも、神聖二重冠が生存のために働いたのだろう。
"月下王"州来マカミ:今は意識を失い、人間状態に戻っていた。レネゲイドを暴走させていた"ブロンテス"が消えたことで、侵蝕率もじきに減少し始めるはずだ。
五辻モモカ:それを見降ろし、安堵したように息を漏らして振り返る。
五辻モモカ:「……もう動けるのか、トゥーナ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「私はまだ動けます。なので、戦闘中に行方が見えなくなった方々も探しに行こうかと……」
五辻モモカ:「……ふ。会うのは初めてだが、評判通りだな」
五辻モモカ:ふっと微笑みを漏らして頷く。
五辻モモカ:「であれば私も同行させてくれ。多少は力になれるだろう」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「よろしいのですか?でしたら是非ご一緒させてください」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「人手が増えたのであれば、まずは……目星も大まかにしかつけられない状態の黄道王様を探しに行きましょう」
五辻モモカ:「……ああ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「恐らく、この戦闘で最もダメージを受けているのも黄道王様でしょうから、なるべく早く見つけたいのです」

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ちょ……ちょっと、あなた達!」がばりと起き上がる。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「一緒に行くのはいいけど!あたしのこと無視しすぎてない!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:"四腕王"がこの戦場で戦わされていたことは、意外な事実であった。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:"虚飾の世界を砕くもの"を目撃したために捕縛された彼女は、それ以上尋問の価値がないと判断された時点で
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:大型駆除系の一体に取り込まれ、見えない人質のごとく、キングダムの生徒達と戦わされていた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:いつでも始末できる彼女を、"ブロンテス"はキングダムの手で殺させようとしたのだ。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:それは、王道や清廉を掲げるキングダム生にも生徒の命を奪わせようとする、底なしの悪意の故か。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:あるいは無能だった反逆者に、皮肉を込めて『本懐』を遂げさせようとしたのか。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:かつて奨励会として席を並べたものへのごく僅かな感傷――という可能性は、最も低いだろう。
五辻モモカ:「……お前も随分と無理をした。休ませておくのが良いかと思っていたが」
五辻モモカ:声に振り返って歩み寄る。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ほ、法王……ッ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……様」
五辻モモカ:「心細いか、アーイシャ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「そもそも、なんでキングダムが……あなた達が、こんなところに……」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「無視をしていたつもりではないのですが……申し訳ありません」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「当然のように片付けて次に行かないで!トゥーナ・ネヴァーリンクスだっけ?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……ありがとう」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「礼の一つも言わないままどこか行かれると、あたしが無礼者みたいじゃない」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「お褒めに預かり光栄です。四腕王様」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キャロル・ホプキンスがどっちにいるかだけ教えて。自分で行くから」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あなたは次の要救助者を探しに行くんでしょう」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「それでしたら、あちらにおられたかと」キャロルのいた方向を示す。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「はい。そのつもりです」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:と言いつつ、マカミを担ぎ上げる。一刻も早く探索に出る必要はあるが、まずは彼女をより安全な所に連れて行くのが先だ。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……真面目くさっちゃって」悪態のようなものをつく。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「じゃあね」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:そのまま去っていった。
五辻モモカ:「……ふむ。律儀なものだな」
五辻モモカ:辺りを見渡す。地形から見て殆ど死角はない。ヒナテアの消耗具合から考えてもそう遠くまで移動する事は出来ない筈だが──
:ぼごん
:砂丘の一角が僅かに盛り上がり、斜面を砂粒が滑り落ちてゆく。
:まるで影のような人間が、出現する。
ヒナテア・オルブライト:袖口や頭髪から滝のように砂を溢れさせながら。
ヒナテア・オルブライト:左眼窩から血にも増して赫い、融解結晶を零しながら。
ヒナテア・オルブライト:「うむ、うむ……やはりこうなる」
ヒナテア・オルブライト:腕と頭をぶんぶん振り払い、砂を落とす。空間移動の座標が狂い、砂中に転移したのだろう。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「……よかった。無事……ではなさそうですが、生きてはいらっしゃるようですね」
ヒナテア・オルブライト:トゥーナたちを認めると、ゆらゆらと覚束ない足取りで斜面を進み、足をもつれさせてごろごろと転がり降りてくる。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あわわ」一旦マカミを下ろし、支えるために走り寄っていく。
五辻モモカ:「……ふ。お前は全く」
五辻モモカ:「いつだって私達の度肝を抜いてくれるな、ヒナテア」
五辻モモカ:トゥーナと合わせるようにして、その体を支えて立ち上がらせる。
ヒナテア・オルブライト:「やれるだけの事をやった、それだけだ」長い手足をだらりとぶら下げすまんな、と会釈して。
ヒナテア・オルブライト:「そこは誰しも変わるまい。トゥーナ・ネヴァーリンクスも、姉上も」
五辻モモカ:「くく。まだ私を姉と呼んでくれるか」
五辻モモカ:苦笑しながらゆっくりと歩を進める。体格差だけはどうしようもない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「そうですね。全員がやれるだけのことをやった……」
ヒナテア・オルブライト:「まだ終わりではない。私にはまだ仕事が残っている」
ヒナテア・オルブライト:「……が、この様でな。迷惑無ければ手伝って頂きたい」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「お任せください……と言いたい所ですが、まずは要救助者を全員保護してからでもよろしいでしょうか?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「みなさん強力なオーヴァードですので生きておられるとは思いますが……実際に見るまでは安心も出来ませんので」
五辻モモカ:「ヒナテア、お前もこれ以上ない程に重傷者だ。他の者を足並みをそろえる時間は必要だろうさ」
ヒナテア・オルブライト:「無論救命活動は最優先だ。私の仕事は這ってでも果たせば良い」
ヒナテア・オルブライト:「集めた負傷者を運ぶのは、私だしな。順位でなく順序としてその後の」
五辻モモカ:「少しは自分を顧みてもバチは当たらんと思うがな……とはいえ、お前のやるべき事に手を貸せるというのは喜ばしい事だ」
五辻モモカ:「私で良ければ幾らでも使うがいい」
ヒナテア・オルブライト:「うん、その隣にでも降ろしてくれ」マカミを指して。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「承知しました」
ヒナテア・オルブライト:「……先の醜態の通り、往路のような空間転移は出来ん」
ヒナテア・オルブライト:「こうも大規模な戦場跡では、他者のレネゲイド圧が強すぎる」
ヒナテア・オルブライト:「計算が狂う。自分なら兎も角、人を飛ばす気にはなれん」
五辻モモカ:ヒナテアの言葉に頷いて月下王の傍へゆっくりとヒナテアの身体を降ろす。
ヒナテア・オルブライト:ぴっぴっと改めて袖の砂を切り、マカミの腕に手を載せる。
"月下王"州来マカミ:呼吸はひどく弱いが、まだ生きている。この戦いで死に至らなかったのは奇跡と呼ぶべきだろう。
"月下王"州来マカミ:死と瀕死の差は、このノヴァリスでは極めて大きい。意識が覚醒するのは暫く先になるはずだ。
ヒナテア・オルブライト:王鍵所持者、王の僭称者、よりによって八月革命での決戦参加者。
ヒナテア・オルブライト:この身と同じく、"ブロンテス"が最も憎悪を向けるだろう相手の一人。
ヒナテア・オルブライト:「……まあ、お前ならば問題あるまい」
ヒナテア・オルブライト:「私が知る中で一番頑丈だからな……と、話が逸れたな」
ヒナテア・オルブライト:「トゥーナ・ネヴァーリンクス。そのまま要救助者を集めてくれ」
ヒナテア・オルブライト:「私の空間掌握が戻り次第、全員キングダムないし他学区の病院施設へ送り込む」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「はい。お任せください」探索のため、走り去っていく。
ヒナテア・オルブライト:「それで姉上。宗旨違う身で頼むことでもあるまいが……なんだ」
五辻モモカ:「うむ」
ヒナテア・オルブライト:がりがりと渇き切った髪をいじくる。
ヒナテア・オルブライト:「身を浄めて貰えるか、私の」
ヒナテア・オルブライト:「巡礼者を送ってやらねばならんのだ」
ヒナテア・オルブライト:「キャロル・ホプキンスが、それに見合う者であれば」
五辻モモカ:「……あの"大物"か。いいだろう」
五辻モモカ:口端をほんの少し持ち上げて頷き、ゆっくりとヒナテアの頭上に手を翳す。
五辻モモカ:「"父の光の前に、祈りを掲げよ"」
五辻モモカ:その言葉に合わせるように王鍵が収められたペンダントから白く輝く砂塵がヒナテアを優しく包む。
五辻モモカ:「"お前が如何なる星の元に生まれようと、其の祈りに偽りがない限り"」
五辻モモカ:ヒナテアの身体を包む砂塵が汚れを包んで地面へと流れていく。
五辻モモカ:「"身の内より出づる光は見せかけの穢れによって曇る事はない"」
五辻モモカ:砂塵の全てが剥がれ落ちると同時に、かざしていた手を降ろして微笑む。
五辻モモカ:「うむ。これで良かろう」
五辻モモカ:「お前とあの者がたどり着くべき場所を見失わない事を祈る」
ヒナテア・オルブライト:「恩に着る」結晶で半ば覆われた顔にぎこちなく笑みを浮かべ、両脚に力を籠める。
ヒナテア・オルブライト:「……」ぷるぷると震える足に、まだ砂漠を歩いて移動するのは無理だなと見切りを付けて。
ヒナテア・オルブライト:「……恨み言でも聞こうか、随分長く留守にした分をな」誤魔化しに掛かることにした。
五辻モモカ:「あると思うか?そんなものが」
五辻モモカ:「どうしても聞きたいなら鉄騎王に声を掛けるといいだろうさ」
五辻モモカ:静かに呟いて、同じくヒナテアの傍に腰を掛けた。
GM:文字通りの死力を尽くした戦いの後には、救助に動く余力が残らない者もいた――事実、大半の生徒はそうであった。
GM:嘴子原シェイルもそうだ。"ロードマスター"の地獄の熱の呪詛を凌ぎきった大魔法にして大芸術は、それだけの消耗を強いた。
嘴子原シェイル:自分が柔らかい砂漠に五体を投げ出しているのか、堅い岩を枕にしているかすら判然としない
嘴子原シェイル:そんな朦朧とした意識の中で、薄く開いた目に陰りが差すのを感じた。
嘴子原シェイル:「(雲……?いや、そもそも月明かりのある夜だっけか。それもわかんないや……)」
レナ・ルナール:「いくらなんでも」
レナ・ルナール:「硬い岩はひどくない?」
レナ・ルナール:「僕の膝ってそんなに硬いかなー」
嘴子原シェイル:「……く、口に出てた……?」
嘴子原シェイル:「もう頬の筋肉まで麻痺するくらいなんだ……許してレナ……」
レナ・ルナール:「いいよ、許してあげる」
レナ・ルナール:そう言いながら、酷使された肉体をそっと撫でる
嘴子原シェイル:「はは、いやに優しいね」
レナ・ルナール:「カッコいいところ、見せてくれたしね」
嘴子原シェイル:「きみのおかげだよ。……心の声が聞こえてたのなら、それもバレちゃってたかな?」
レナ・ルナール:蒼氷色の瞳が静かにシェイルを見下ろす。
レナ・ルナール:「当然。だって僕は君の魔女だもん。」
嘴子原シェイル:「……叶わないなぁ。ずっと見透かされてたなんて」
レナ・ルナール:シェイルの髪を細い指先で梳かしながら、柔らかな声でシェイルの耳を擽る。
レナ・ルナール:「あーあ。でも、これからどうしよう。」
レナ・ルナール:「これから怪獣探しに戻るのも大変だよね」
嘴子原シェイル:「ひゅ……いや、怪獣Xも気になるけど」耳元のこそばゆさ。全身の感覚の僅かな戻りを覚えるも
嘴子原シェイル:「……あーあ。本音を言えば、このまま中央まで蜻蛉帰りできるに越したことはないんだけどなぁ」
嘴子原シェイル:「どうする?……なんて、少なくとも」
レナ・ルナール:楽しそうにシェイルの言葉を待っている。
嘴子原シェイル:「出会ったころのきみなら、そのまま鞭打って行かせるか」
レナ・ルナール:「ふふ、シェイルも僕のこと見透かしてるね」
嘴子原シェイル:「もしくは……飽きて見捨ててたのかなって、そんな言い草もできなくはないけど」
レナ・ルナール:「ねえ、シェイル」
嘴子原シェイル:「なんだい、レナ」
レナ・ルナール:「僕はね。さっきの戦いで魔法を使い果たしちゃったけど」
レナ・ルナール:「本当は、あと一回だけ使えるんだ」
嘴子原シェイル:「それは……きっと、とっておきの魔法なんだろうね」
レナ・ルナール:「うん、とっておきの魔法」
レナ・ルナール:「だから、それを使ったら」
レナ・ルナール:「シェイルとはここでお別れだ」
レナ・ルナール:「でも、それを使えばきっとシェイルはここから進めるようになる」
レナ・ルナール:「どうする?」
嘴子原シェイル:眼前に据えられた蒼氷色と、その奥に広がる深い濃紺の海を仰ぐ
嘴子原シェイル:「……私がいなくなったら」レナ・ルナールが、ではない
嘴子原シェイル:「きみは、幸せになれるかい?」
レナ・ルナール:「それはわからないな」
レナ・ルナール:「楽しいと思ったことはあっても」
レナ・ルナール:「幸せだと思えたことはないから」
レナ・ルナール:「シェイルからみて、僕は幸せそうだった?」
嘴子原シェイル:「はは……どうだろ、難しいな」
嘴子原シェイル:難しい問いだ、それでも。
嘴子原シェイル:これだけは逃げてはいけないと感じた。あの日と同じように。
嘴子原シェイル:「……うん。楽しそうだった、幸せそうに見えた」
嘴子原シェイル:「錯覚かもしれない。だって、幸せになって欲しかったから」
嘴子原シェイル:「……私は自分の興味のために、感動のために、幸せのために。普通の家を飛び出した」
嘴子原シェイル:「誰だって幸せになりたい」
嘴子原シェイル:「──でも、ただ泣きじゃくるだけの無垢な幼子から始まったはずの、全ての人間が」
嘴子原シェイル:「そこまで辿り着けたんだったら」
嘴子原シェイル:「隣にいる誰かの事も幸せにしたいって思ってしまうのは、ほんのあと一歩の距離じゃないかな?」
レナ・ルナール:「詩人だなあ、シェイルは」
レナ・ルナール:「君がそう言ってくれるなら、僕は本当に幸せだったんだろうね」
嘴子原シェイル:「……うん。だって、私はそんな魔法を使いたかった」
嘴子原シェイル:「だから、きみの魔法はおあずけだ」
レナ・ルナール:「………」
レナ・ルナール:少し拗ねたように、シェイルの頬をつねる
レナ・ルナール:「寂しがり」
嘴子原シェイル:「いひゃっ……あふ、はは。それにさ」
嘴子原シェイル:なんだかおかしくて、つい笑ってしまった
嘴子原シェイル:「私から破るわけにはいかないだろう?魔女との契約をさ」
嘴子原シェイル:「──"世界の終わりを一緒に見る"」
嘴子原シェイル:「まだまだ続くよ、この世界は」
レナ・ルナール:「なら、しょうがないか」
レナ・ルナール:楽しそうに目を細めて
レナ・ルナール:こつん
レナ・ルナール:と自分の額をシェイルの額にぶつける
レナ・ルナール:「『魔法』が必要ないならそろそろ起き上がってよね」
レナ・ルナール:「いい加減注目されちゃうよ?僕みたいな可愛い女の子を独占してるとさ」
嘴子原シェイル:「厳しいなぁ」
嘴子原シェイル:「まぁでも……今日くらいは、許してもらうことにしよう」
嘴子原シェイル:そう言いながら──彼女の触れた距離が遠ざかるまで待ち続けた。
レナ・ルナール:「許してもいいと思う?」
レナ・ルナール:「専門家の意見を聞きたいなー」
レナ・ルナール:少し離れた距離に居る免罪王に声をかけます。
キャロル・ホプキンス:ゆっくりとその場を離れようとしていたところで声をかけられる。
キャロル・ホプキンス:「……あの」
キャロル・ホプキンス:「出歯亀していたつもりはないのです……アーイシャさんとハングマンさんを探していたら通りかかってしまっただけで……」
キャロル・ホプキンス:とても気まずそうだ。
レナ・ルナール:「別にやましいことなんかしてないのに」
レナ・ルナール:「ね?」
レナ・ルナール:白い指先をシェイルの手と絡ませながら悪びれずに言います
嘴子原シェイル:「きみみたいな子を独占してるのは悪いことって言ってなかったっけ?」
レナ・ルナール:「注目されちゃうって言っただけだよー」
キャロル・ホプキンス:「やましくなくとも、愛する人同士の逢瀬には、余人は邪魔でしょう」
嘴子原シェイル:「ふふ」
嘴子原シェイル:「そっか。愛、ね……」
嘴子原シェイル:「……ねぇキャロル・ホプキンス」
嘴子原シェイル:半身になって顔を覗かせる彼女の名前を呼ぶ
レナ・ルナール:「っていうか」と言いかけてシェイルの言葉を待つように止まります
嘴子原シェイル:「あ、ええっと……」まるで発言のお見合いのようになり
嘴子原シェイル:「確かきみは、このあと至上王に謁見しに行くんだったよね」
キャロル・ホプキンス:「はい! どうやら今は思ったより大変なことになっているようですが……」
キャロル・ホプキンス:「友人の安否を確認次第、キングダムに向かうつもりです!」
キャロル・ホプキンス:「あ、リンゼさんやトゥーナさんには通報しないでいただけると助かります……」
嘴子原シェイル:「あはは……この状況の直後なのに通常業務に戻った顔をしながら捕まえるようだったら」
嘴子原シェイル:「その話をしに行ったとき私達も一緒にお縄になっちゃうだろうね」
レナ・ルナール:「お縄はやだなー」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キャロル!キャロル・ホプキンス!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:丘陵を回り込むように歩いてきた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「なんでそんなケガなのにじっとしてないの!?おかげで無駄に歩き回ったじゃない!」
キャロル・ホプキンス:「あ……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「しかも通報だとかなんとか、物騒な話を……」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさん!」駆け寄って、飛び込むようにして抱きつく。
レナ・ルナール:「……?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「!?」
キャロル・ホプキンス:「生きていたのですね……! 私……私……アーイシャさんが殺されてしまったんじゃないかと……!」
レナ・ルナール:「さっきあんな人いたっけ?」
嘴子原シェイル:「さぁ?」
嘴子原シェイル:「ま……いなかったから、あんなに喜んでるんじゃないかな?」
レナ・ルナール:「なるほど。合理的な推理だ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あ、あたしがあんな……落第生なんかに、殺されるわけないでしょ……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:少し目が泳ぐ。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……あなたこそ、よくあのザマから戻ってこれたわね」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「転送直後に動ける生徒なんて、崑崙山の連中以外じゃほとんど見たことないわ。その上戦闘するなんて……」
キャロル・ホプキンス:「ええ、まあ、しぶとさと行動力には自信がありますので」アーイシャから体を離しながら
キャロル・ホプキンス:「さっきまで死にそうでしたが、何とか歩けるくらいにはなりましたし」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「タフすぎる……」
キャロル・ホプキンス:「それより! ハングマンさんはどうなりましたか!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「え」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「う」先程よりさらに目が泳ぐ。
キャロル・ホプキンス:「十字冠がない彼女の方が心配です!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「うーん……」
キャロル・ホプキンス:「ま……まさか……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ま、まあ……いいでしょ……あんな得体の知れない女、どうなったかなんて……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「関係なくない?」
キャロル・ホプキンス:「そんな……ハングマンさん……私は……また……」
キャロル・ホプキンス:地面に膝を付いて絶望します。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あああああ!もう!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「逃がしたわよ!ちゃんと!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「『グレイトフル・ギャンビット』抜きの中距離転移だけど……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「アイツくらいの達人なら、そこから戦闘圏外まで逃げるくらい楽勝でしょ……!」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさん!」また抱きつく。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ぎゃああああ!」こちらも重傷者だ。
キャロル・ホプキンス:「最高です! 今ならきっと竜王にだって勝てますよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……"慈悲なきもの"のやつは、あたしが探しておくわ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「救伐騎士団に捕まって面倒なことになるの、ごめんだし」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あと……このことに限っては、一応、まあ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしの責任でもあるから」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「それだけ言いたかったの!ずいぶん元気なようで安心したわ、キャロル・ホプキンス!」嫌味ったらしく言う。
キャロル・ホプキンス:「はい! ありがとうございます! アーイシャさんも元気で安心しました!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「うぜ~」
嘴子原シェイル:「……中に入れなかったってことは、キングダム学区境より外の話だろう?」
嘴子原シェイル:耳聡く声を掛ける
キャロル・ホプキンス:「そうです! みなさんがここに来るより前に私とアーイシャさんとハングマンさんであの兵器と遭遇してしまって」
嘴子原シェイル:「なら」
嘴子原シェイル:「私も探しておくよ…………ああもう、これで本格的に中枢から遠ざかるな……」
キャロル・ホプキンス:「いいのですか?」
キャロル・ホプキンス:「シェイルさんにもやりたいことがある様子でしたが」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「はあ?何あなたいきなり……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「嘴子原シェイル!?!?」一歩後ずさる。
嘴子原シェイル:「……ま、少し前までキングダムにいた"四腕王"ならご存知だろうけど」
嘴子原シェイル:「友人か、多少の時間をともにした仲間なんだろう?」
レナ・ルナール:なんか嬉しそう
嘴子原シェイル:「また会いたい気持ち、私も分かるからさ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「いっ、いいんですか?」
嘴子原シェイル:「急に口調が変わったな……」
キャロル・ホプキンス:「何故シェイルさんには敬語なのですか……私には最初からタメ口だったのに……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「バカ……あなたとは実績が違うのよ!鴉の塔を占拠して、その上至上王襲撃まで……」
キャロル・ホプキンス:「それは悪い実績ではないですか!」
嘴子原シェイル:「くそぅ……至上王が持ってるとやらの『おとぎの国』の鍵も気になってたのに……」ぶつぶつ
嘴子原シェイル:「……うん、まぁ多少気にするなら、私の友達に会ったらよろしく言ってくれるだけで貸し無しでいいよ」
キャロル・ホプキンス:「……シェイルさんは、『おとぎの国』の鍵が気になるのですね?」
嘴子原シェイル:「鍵が気になるというか……」
嘴子原シェイル:「……もう持ってるらしいんだよね、至上王が」
キャロル・ホプキンス:「では、こうしましょう!」
キャロル・ホプキンス:「私が至上王陛下にシェイルさんにお貸しいただけるように頼んでみます!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「寝ぼけてるの?」
嘴子原シェイル:「す、凄いこと言い出すねきみ……!?」
レナ・ルナール:「多分ね、脳がやられてるんだと思う」
レナ・ルナール:「激闘だったから」
キャロル・ホプキンス:「もちろん、至上王陛下が否と言えば無理ですからね! それくらいは弁えていますとも!」
嘴子原シェイル:「ふ、ふふ……あはは!」
嘴子原シェイル:「……はぁ……うん。じゃ、ちょっとだけ期待しちゃおっかな」
レナ・ルナール:「自分のことを児童向け漫画の主人公だと思ってる?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「大体さあ、今からキングダムに向かったとして、どれくらいかかると思ってるの?」
キャロル・ホプキンス:「そこなんですよね……アーイシャさん、何とかなりませんか?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしの能力の射程だってそんなにないわよ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「無理よ、無理。星徒どもがキングダムをある程度削っていたとして、すぐに不夜王辺りが防衛体制を組み直して」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ここにいる全員至上王に会うどころか、学区への立ち入りだってできなくなるわ」
嘴子原シェイル:「学区境どころの話じゃないからなぁ。どれだけ飛んだんだろ、あのワープ」
キャロル・ホプキンス:「いえ……キングダムに着きさえすれば、ある程度交渉はできると思うんですよ」
キャロル・ホプキンス:「このことに、不夜王が気付いていないはずがないのですから」
キャロル・ホプキンス:Rハンドアウトを開示します。
◆RHO
EXPC3:キャロル・ホプキンス
『おとぎの国』の召喚により、本校舎はノヴァリスから断絶した。
だがこの空間に、現実性の低い別世界の上書きができるのならば、一時的な立ち入りも可能となるかもしれない。
あなたにはその手段がある。限定空間に対し、妖精界とのチェンジリング現象を引き起こす『楽園刑場メム』だ。
『おとぎの国』の現実強度に対して、『楽園刑場メム』で切り開ける許容量はごく僅かなものだが、
あなた自身の他にも一人だけ、本校舎内へと導く程度の余裕はある。
同行希望者が競合する場合、全員が〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉〈交渉〉のいずれかの技能で判定を行う。
この判定で、最も高い数値を出した者だけが同行できる。
クライマックス戦闘終了後に公開できる。あなたがキングダム連合学院にいる時のみ使用できる。
キャロル・ホプキンス:「私の『楽園刑場メム』なら、至上王陛下との謁見を妨げる世界の壁を、すり抜けられる可能性があります」
嘴子原シェイル:「妖精界ね……確かに、異界攫いの伝承は事欠かないわけだし」
嘴子原シェイル:「でもその伝承は、戻ってこれるものだけに限らない。むしろ一方通行なのが常だ」
嘴子原シェイル:「……それでも行くのだろう?『おとぎの国』へ」
キャロル・ホプキンス:「ええ! おとぎの国だろうと、地獄だろうと、宇宙の果てだろうと!」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下が御座すなら、どこへでも行きましょう!」
嘴子原シェイル:「……そうか、なら」
嘴子原シェイル:GMに質問です 所持しているアイテムの全譲渡を行いたいのですが可能ですか?
GM:なんということを……!いいでしょう!
嘴子原シェイル:ありがとうございます……!
嘴子原シェイル:製図ペンに似た魔術ナイフ、触媒、
嘴子原シェイル:本来はバックアップであるはずの『キングダム市街総括図』、そこに逆転移させた魔術データすべてを
嘴子原シェイル:「持って行くといい」
嘴子原シェイル:「一度目は逃げるのに必死で何も持たせてやれなかったからね」
嘴子原シェイル:「その代わりみたいなものさ……ウルスラ・ミック・ベニのこと、よろしく」
レナ・ルナール:「シェイル…」
キャロル・ホプキンス:「……先程の答えを訂正します」
キャロル・ホプキンス:「必ず戻って、お返ししにきます!」
ヒナテア・オルブライト:「一つ、前段階を飛ばしているようだが」
ヒナテア・オルブライト:「世界の壁を超える前に、砂漠越えする必要があろう」
ヒナテア・オルブライト:「キャロル・ホプキンス」亡霊の如き女が名を呼ばう。
キャロル・ホプキンス:「む! ヒナテアさん……! あなたも無事だったのですね!」
キャロル・ホプキンス:「私の意識が飛んだ間にいなくなっていたので心配していました!」
キャロル・ホプキンス:“ロードマスター”の影との戦いの大半、キャロルは意識を失っていた。その為、決定的な瞬間を見ていないのだ。
ヒナテア・オルブライト:「あの突きは一度食らいそびれている」
ヒナテア・オルブライト:「二度目も同様に回避可能……と言えたなら格好もついたが、空間転移は下手になった分復帰が遅れた」
キャロル・ホプキンス:「ともかく、無事なら何よりです!」
レナ・ルナール:「よくあれで無事だったね、本当に」
ヒナテア・オルブライト:「うむ……で続けるが」
ヒナテア・オルブライト:「ひと、一人」
ヒナテア・オルブライト:「それが今の私の限界だ」
ヒナテア・オルブライト:RHOを開示します。
◆RHO
ゲスト:ヒナテア・オルブライト
かつての友の危機に際し、あなたはかつてのような力を発揮することを望み、左目はそれに応えた。
命を削るほどの激戦を経た後でも、一度だけなら、あなたは自由自在の長距離転移を実現できる余力がある。
クライマックス戦闘に参加したキャラクター誰か一人を、キングダム連合学院に移動できる。
クライマックス戦闘終了後に公開できる。
ヒナテア・オルブライト:「貴様らの中で話がどう纏まっていようと」
ヒナテア・オルブライト:「私が運ぶべきと認められぬ限りは、運べん」
ヒナテア・オルブライト:「私は至上王と対面し、決定的な敗北を迎えた者だからだ」
キャロル・ホプキンス:「ヒナテアさんは、革命の時と随分雰囲気が変わったと思いましたが」
キャロル・ホプキンス:「その暖かい心はお変わりないようですね」
ヒナテア・オルブライト:「おだてても乗らんぞ」
ヒナテア・オルブライト:「キャロル・ホプキンス」
ヒナテア・オルブライト:「貴様は何の為に至上王の元へ往く?」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下が全てを救う王であるか、この目で見定める為です」
キャロル・ホプキンス:「陛下が全てをお救いくださるのなら、他の王は不要です」
キャロル・ホプキンス:「私は、王に相応しい者を見たことがありません。もちろん、私自身も含めて」
キャロル・ホプキンス:「偽りの王という罪を背負う必要がないのなら、全ての王を、その罪から解放したい」
ヒナテア・オルブライト:「これまで歩んできた過去と、その先に続く未来に報いるものが」
ヒナテア・オルブライト:「旅路の果てには確かにあると、責任を持って言えるか?」
キャロル・ホプキンス:「ある、とは言えません。言えないから確かめるのです」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下が全てを救う王に相応しくない――もしかしたら、そんな結論が待っているのかもしれません」
キャロル・ホプキンス:「旅路の果てに、報いがなくとも」
キャロル・ホプキンス:「それでも進むべきでしょう」
キャロル・ホプキンス:「未来に報いがあると分かっていることなど、いつだってない」
キャロル・ホプキンス:「それでも、自ら報いとなる。もし、私が王で在り続けなければならなかった時は、そうします」
ヒナテア・オルブライト:「……」宝石瞳から結晶雫をぼたぼたと零しながら、変わらぬ橙の右目で受け止める。
ヒナテア・オルブライト:「ルキア・ティベリアが己の都合の良い存在であるなどと」
ヒナテア・オルブライト:「妄信していたならば、運びはしなかったよ」
キャロル・ホプキンス:「それは危なかったですね。少し前なら、運んでもらえませんでした」苦笑する。
ヒナテア・オルブライト:「圧迫面接などという愚行を働いた罰として」
ヒナテア・オルブライト:「生徒相手に話したことのない、秘密を洩らそう」
ヒナテア・オルブライト:「七賢人になる以前、ロードマスターは金獅子騎士団のエージェントだった」
ヒナテア・オルブライト:「そこは強大無比なる世界の脅威、遺産の収容と管理を使命とする秘密結社であったが」
ヒナテア・オルブライト:「当時の当主を追放し、技術と資産を売り渡すことでFHからリエゾンロードの地位を買い取った」
ヒナテア・オルブライト:「……UGNの出先機関、進路指導室で聞かせてもらった話によれば」
ヒナテア・オルブライト:「追放された男は、近年まである部隊に在籍し、使命を全うせんと戦っていたそうだ」
ヒナテア・オルブライト:牢獄の中で夢を見た。使命に殉じた若き騎士の戦いの日々を。
ヒナテア・オルブライト:それは私たちが知る姿よりずっと弱く、未熟で、眩しかった。
ヒナテア・オルブライト:「我が希望進路は、UGN遺産管理局、対策部隊ナイトフォール」
ヒナテア・オルブライト:「貴き使命が再び歪むことあらばこれを糺し、正しく遂行されているならばそれに参ずる」
ヒナテア・オルブライト:「師が諦めてしまった願いをこの手で掬い上げることこそが」
ヒナテア・オルブライト:「私の見出した罪の贖いであり、憧れに近づく道筋である」
ヒナテア・オルブライト:蕩けた結晶瞳に三つ指を突き込み、引き抜く。
ヒナテア・オルブライト:かつて振るわれた赫剣の柄とは、剣身とは。比べるべくもなく小さい。
ヒナテア・オルブライト:ほんの小さな断片。赫い鍵。
ヒナテア・オルブライト:「解錠」世界に孔が穿たれる。ひと、一人分。
ヒナテア・オルブライト:「物語の終着点へ、向かうが良い」
ヒナテア・オルブライト:「免罪王の旅路に、報いあらんことを」
キャロル・ホプキンス:橙の隻眼を、真っ直ぐに見返す。
キャロル・ホプキンス:「ヒナテア・オルブライト」
キャロル・ホプキンス:「あなたの贖罪が、果たされますように」
キャロル・ホプキンス:そう返して、孔へと飛び込んだ。
嘴子原シェイル:彼女の姿が虚空へと消える。
嘴子原シェイル:その一瞬すらも待てない勢いで孔が閉じて行くのを、ただ眺めていた。
嘴子原シェイル:「『もう"1人"は決まってた』……送り出してばっかりだな、私は」
嘴子原シェイル:万感の思いとともに呟きながら、痛む身体を押して立ち上がる。
嘴子原シェイル:視線はその奥、向こう、空の彼方──見えない一瞬の果てへと。
嘴子原シェイル:「(──きみは至上の王が、真なる王か確かめると言った)」
嘴子原シェイル:それは唯一、キャロル・ホプキンスに伝えなかったこと。
嘴子原シェイル:「(もし、そうでなかったとしたら?)」
嘴子原シェイル:数瞬前も問われていた、ありきたりな言葉。だがそこに続く二の句は──
嘴子原シェイル:「(もし、そうでなかったとして────その一瞬の後に、そうなるなんて事が起きない保障がどこにある?)」
嘴子原シェイル:彼女だけではない。他の人間に於いても同じことだ。
嘴子原シェイル:「(求めていたものへと至る、それに必要なのは)」
嘴子原シェイル:「(昨日や今日よりずっと、キングダムにとって一番必要なのは、ただの──)」
嘴子原シェイル:「(…………)」
嘴子原シェイル:「(…………ま、だからさ)」
嘴子原シェイル:「──面白いものを見せてくれよ、キャロル・ホプキンス」
GM:シーンを終了します。EXPCはロイス取得のみが可能です。
嘴子原シェイル:キャロル・ホプキンス ○託す/不安
嘴子原シェイル:ウルスラ・ミック・ベニ ○信頼/心配
嘴子原シェイル:で取得し、
嘴子原シェイル:レナ・ルナール ○信頼/不安→○幸福感/心配
嘴子原シェイル:キングダム連合学院 希望/隔意○→○希望/隔意
嘴子原シェイル:に変更します
キャロル・ホプキンス:ヒナテア・オルブライト ○祈願/憤懣
キャロル・ホプキンス:で取得
キャロル・ホプキンス:“慈悲なきもの” 執着/恐怖○→○安心/寂寥感
アーイシャ・ナッジャール ○友情/罪悪感→○友情/不安
キャロル・ホプキンス:に変更します
◆Middle12◆大切なもの
キングダム連合学院

GM:竜胆ジョウカは勝利した。――それも、単騎最強の星徒である倫道アカネに。
GM:死のないノヴァリスにおいてでさえ、『命をかけた』勝利であると表現するべきだろう。
GM:倫道アカネと同様に全身が炭化した竜胆ジョウカは、もはや元が人かどうかも怪しい有様だ。神聖二重冠の光は極めて弱い。
医療部生徒:「揺れや衝撃を与えずに搬送したい!精密念動能力者を手配して!」
医療部生徒:「ゲートでの搬送!?多分無理よ!ゲートを出入りする瞬間の位相反動が――」
GM:医療部の生徒が、搬送と緊急治療準備の通信を交わし続けている。
GM:医療部は既にキャパシティの限界近くの生徒を抱えていたが、それでも竜胆ジョウカの生命維持は最優先事項だった。
GM:言うまでもなく、この場でも応急処置を施さなければ命が保つ見込みはない……七十橋シスルが、それを執り行っていた。
竜胆ジョウカ:「――」息は微かである。当然会話はできそうにない。
竜胆ジョウカ:彼女の遺産が見えず、何らかの霊的な守護が走っていることから何かしらの処置を本人もしている――ことは分かるものの。
竜胆ジョウカ:それが逆に、魔術的な応急処置を躊躇わせている一種の膠着状態にあった。
有崎五派:緊迫した空気の中、小刻みに震える膝の上に乗せて握りしめられた拳の上には先ほどからぽたぽたと涙が落ちていた。
有崎五派:「…………」
七十橋シスル:チョークを走らせて、周辺に治癒の紋様を刻んでいる。恐ろしくアナログだが、この場合、特殊な応用はないほうが良かった。
七十橋シスル:「チッ、最強と相打ちしたってのかよ、こいつ……!」
七十橋シスル:魔術・呪術とはつまるところ、個々の才能によらず行えるレネゲイドの方向付けであると解釈している。
七十橋シスル:属性さえ同一ならば、誰でも共通のルールで術式を起動させる。
七十橋シスル:「おい有崎先生、お前シンドロームは!?」
有崎五派:「……えっ!?あ……えと、ソラリス!」
七十橋シスル:「水か。混ざりがないのは助かるな。エフェクトとして方向性を持たせずに、レネゲイドだけ出すこと出来るか」
七十橋シスル:「出来ないんだったら適当に力んでろ。……こいつは風、俺のウロボロスよりは水のほうが変換はしやすいか……」
有崎五派:「ほ、方向性……無色、透明……待って、出来る……かも」
七十橋シスル:「治癒だかなんだか分からんが、術式は起動している。なら周囲に潤沢なリソースさえあれば、死蔵王の肉体が崩れる速度を、自己蘇生術式による再生速度が上回れば、こいつは勝手に生き返る」
有崎五派:「分かった、ちょっと待って……えと……これは……」
有崎五派:シスルの言葉の殆どは理解できなかったが、"混ざりのない"そして"水"という表現はむしろ馴染み深いものだった。
有崎五派:香水とは元々アルコール、香料、そして水で構成されるものであり──精製水は調香師の資格を持つものとしてはむしろイメージが容易なものだ。
七十橋シスル:「光によって水は蒸発して風になる。風は雲を生み、雲は雨になって地に注ぐ……」 定時制の小等部のような素朴な文言を苛立たしげに繰り返す。陰陽道において相生と呼ばれるものに近いが、すなわち自然の観察による連想ゲーム。
有崎五派:「水、水……」
有崎五派:本来対象者の人格や性質など、調香の基準に据えるべきものをシスルの語るイメージへと差し替える。誰の為でもない一滴。
七十橋シスル:とかく何もかもを自らの望むように準える死蔵王にとって、余計なレネゲイドを混ぜるべきではない。
七十橋シスル:(……飲み込みが早い。変な先入観を受けてねぇのがいいのか)
七十橋シスル:有崎から薫るように沸き立ち始めた水の魔力を誘導し、死蔵王の神聖二重冠に浸らせるように広げる。
七十橋シスル:(十字冠は対象の生命維持を行なう。なら、その修復は、死蔵王自身の肉体に照応できる。程度の照応、こいつなら無意識下でもできるはず)
有崎五派:「ちょ、ちょっとシスルちゃん……あの……」
有崎五派:必死に透明に輝くレネゲイドを湛える指先に意識を集中しながら、か細く呟く。
七十橋シスル:「何だ急に、今、こっちも忙しい……!」
有崎五派:「わ、分かってる……!分かってるんだけど、何か話してくれない……?全然関係ない話!」
有崎五派:唇を噛みしめて震えるように言葉を続ける。
七十橋シスル:「全然関係ない話ィ?」
有崎五派:重体の生徒を目の前にして、誰にも意識を向けながらレネゲイドを生成し続けるというのは有崎にとって至難の業だった。
有崎五派:気を緩めてしまえば余計なものが混ざってしまいかねない。
有崎五派:「お願い、好きなモノの話でも何でも良いから……集中し過ぎると、混ざっちゃう……」
有崎五派:その口ぶりは、言葉の内容に反して真に迫ったものだった。
七十橋シスル:レネゲイドの乱れで、切迫さを感じる。リソースとしてはシスル自身より有崎の方が遥かに効果的だ。
七十橋シスル:「あ゛~くそ!」
有崎五派:「ごめんってばぁ!こんなことした事ないんだもん!」
有崎五派:悲鳴にも似た弱音でまた指先が震える。
七十橋シスル:「関係ない話関係ない話……ああ、キングダムとは一切関係ないんだがな」
七十橋シスル:「メサイア学区ン中に、『ローズランド王国』って名前の雑貨屋がある」
有崎五派:「……雑貨屋なのに王国?」
有崎五派:シスルが応えてくれたことに安堵しながら、雑談へ意識を向ける為に相槌を打つ。
七十橋シスル:「店長が、王様を名乗ってんだよ。キングダムの思想とかとは全く関係ない。店員のことを国民と呼んでる」
有崎五派:「……キングダムの外にも王様になりたい子、居るんだ」
七十橋シスル:「雑貨屋じゃああるんだが、その王様は、国民に賃金を払うためにあちこち出稼ぎに出てるんだと」
七十橋シスル:「国民のほうも店舗の経営を支えるためにあちこちで任務を受けてるらしい」
有崎五派:「店舗経営かぁ……雑貨屋だけじゃやっていくの、難しいのね」
有崎五派:ほんの少し、肩の力が抜ける。見た事もない雑貨屋について想像を巡らせる。
七十橋シスル:「国民の一人にパティシエがいてな、パウンドケーキが美味い」
七十橋シスル:「医療部でもよく甘味に出てくる」
有崎五派:「パウンドケーキ……はぁ……甘いもの……良いなぁ……シスルちゃんも甘いの好きなの?」
七十橋シスル:「口の中がパサパサするのは苦手だ」
七十橋シスル:「バラジャムを練り込んだやつが一時期、季節限定で出てたのは悪くなかった」
有崎五派:「バラジャム……キングダムなら紅茶との合わせ技もあるし……良いなぁ~!」
七十橋シスル:まるで関係のない雑談と、全身全霊の応急治癒術式。どちらも片手間になる。だが、奇妙なことに、安定していく。
有崎五派:「この前来た時はチョコレートは美味しいの食べたけど……他は全然手ぇ出せてないのよね……」
七十橋シスル:「あれでいいんだと思う。王様と国民なんてのは」
有崎五派:「……」
有崎五派:荒かった呼吸は落ち着き、シスルの言葉の続きを待つ間に固く握りしめられた拳もいつの間にか解けていた。
七十橋シスル:「手が届く範囲で、目が合う距離で。お互いに、細かなことを気にし合える」
七十橋シスル:(考えてみれば)(このノヴァリスで、ロードマスターに呪われてない王サマは、あいつらだけか)
七十橋シスル:「……じゃねえ。うちの部員が、メサイア方面に行く度に買ってくるんだ」
有崎五派:(じゃねえ、ではないと思うけど……)
有崎五派:「シスルちゃんって……顔怖いけどやっぱりみんなに好かれてるのね」
有崎五派:何の他意もなく、じっとシスルの顔を見つめながら感慨深げにつぶやく。
七十橋シスル:「あァ? 何だってんだよ!」
有崎五派:「んー……?いや、何というか……」
有崎五派:「王様って……何となく、言葉のイメージだけだととっつきにくいじゃない?」
有崎五派:膝の上に乗せていた手を上げて乱れた前髪を弄る。
七十橋シスル:「そりゃあな!」
七十橋シスル:十字冠へのレネゲイドの"吸収"が早まっている。前髪を拭って、乱れかけたチョークの陣を引き直す。
七十橋シスル:「おい、身につけてるもの一つ寄越せ! ハンカチでも何でもいい!」話をしながら片手を出す
有崎五派:「んっ、えっと……じゃあ……これで……」
有崎五派:ハンカチを取り出そうとして、それが血に染まっている事に気が付いてピアスを片手で器用に外して渡す。
有崎五派:「き、金属でも大丈夫……?」
七十橋シスル:「んー、ーーーーーー」やや悩む。「血とかで、つながりが強すぎるよりはマシか」
七十橋シスル:チョークにピアスを重ねて、作図を再開する。レネゲイドが、溝に落としたスポイトの水のように陣に満ちていく。
七十橋シスル:「お前こそ」
有崎五派:「……?」
有崎五派:まじまじとその作業を見守っていたが、顔を上げる。
七十橋シスル:「仲良いやつで、向こうに残してきた奴とかいねえのか?」
七十橋シスル:「お前がこんなどことも知れねえ場所で傷ついて、死んだら悲しむやつがいるだろ」
有崎五派:「……んん」
有崎五派:痛い所を突かれたように少しの間沈黙する。
有崎五派:「まあ……うん、居ない!って言えるほど薄情じゃあ……ない、かな」
七十橋シスル:「お前が無謀なことをすんのは、そいつらへの義理を欠くことだぜ」
七十橋シスル:「今の戦場がどんだけイカれてたか分かっとけよ」
有崎五派:「それは……はい。ほんと、反省してます……」
有崎五派:生徒の危機に体が動いた、といえば聞こえはいいが。
有崎五派:徒に命を投げ出す事を責任を取るとは呼ばないことくらいは理解している──つもり、だった。
竜胆ジョウカ:「……」呼吸は安定し始めている。若干リザレクトめいた気配も。
有崎五派:「あ~……恥ずかしい……私、まだまだ全然未熟だ……」
七十橋シスル:「……んな真面目に受けとられても困るんだがな」
七十橋シスル:「失格ッてんなら俺だって医療者失格なんだ」
有崎五派:「なんで?今だってちゃんと治療、してるじゃない」
有崎五派:「全然専門外のヤツから言われても、かもだけど」
七十橋シスル:「前線に出て戦ってる時点で駄目なんだよ」
七十橋シスル:「敵を殺すなんてのは酔っ払った浮浪者にだってナイフを持たせりゃ出来るんだ」
七十橋シスル:「戦時の医療者ってのは、自分が戦えないことにぐっと耐えて、血と硝煙の臭いを退けて。それで初めて、帰ってきた人達をトラウマや痛みから救けることができる」
有崎五派:「……じゃあ、なんでシスルちゃんは戦ってるの?」
有崎五派:ちり、と香りが脳裏を過りかけたのを抑えて穏やかに問う。
七十橋シスル:「…………」
有崎五派:「戦うのが好きだから?それとも、耐えられなかったから?」
有崎五派:口調は穏やかなまま、静かな微笑みを浮かべて問いを続ける。
七十橋シスル:容態が安定した。削れたチョークを片手に、じっと手を見つめる。
七十橋シスル:「探してる」どうして、こんなことを話しているのか。
七十橋シスル:だが、話すべきは誰だったろうか。法王か。医療部員か。天使の如き鉄騎王か。
七十橋シスル:「こんな私でも、救える誰かがいるかもしれない」
七十橋シスル:極限の戦闘を終えて、死蔵王の治療を一段落して、ふっと漏らした言葉は懺悔のようだった。
有崎五派:「……誰かを救う、って」
有崎五派:ゆっくりと、丁寧にシスルの言葉を受け取って呟く。
有崎五派:「ほんっっと、色んなやり方があるわよね」
有崎五派:「言葉、医療、戦い、音楽とか……本もそうかな。あとは……教育も、私はそうだと思ってるけど」
有崎五派:「一人一人、救いになるものは違って……きちんとその人を見定めて処方する必要があったりするし……」
有崎五派:「私は……言葉、と。教育か」
七十橋シスル:「自分で言うのかよ、それ……」
有崎五派:「ちっ、違うわよ!私が救われた、って話!」
有崎五派:恥ずかしそうに叫ぶ。
有崎五派:「とっ、とにかく……難しいわよね。そういうの、答えを知ってる人なんて誰も居ないと思う」
有崎五派:「だから……私達は自分が救いになるって信じてる事を続けるしかないと思うの」
有崎五派:「どれだけ不毛でも、迷惑でも……続けていればきっとぴったり合う人は救われてくれる」
有崎五派:「一人でみんなを救う!なんて無理でも……みんなでみんなを救う事はきっとできるわよね、うん」
有崎五派:「自分で救えない子は誰かに救ってもらう、誰かが救えない子は自分で救う。あくまで私のやり方、だけどね」
有崎五派:「シスルちゃんのやり方、誰も救えなかった?私は……そんな事無いんじゃないかなって思うけど」
七十橋シスル:「みんなでみんなを救う、ね。……スイーツみたいな話だが」
七十橋シスル:「互いで互いを引きずり下ろし合ってるからな。今のトコ」 星徒の破壊の残骸を見る。
七十橋シスル:「そのくらい掲げて貰っておいた方が釣り合いが取れるか」
有崎五派:「それこそこれから、よ。みんな幸せになりたいか、なって欲しい筈だもの」
有崎五派:「せっかくこんな素敵な学校を積み上げてきたんだから……途中で降りちゃ勿体ないわ」
七十橋シスル:「…………で、ついてくると」
有崎五派:「え"っ…………い、嫌?」
有崎五派:今にも泣き出しそうな顔でシスルを見やる。
七十橋シスル:「嫌」
竜胆ジョウカ:「……う……」ぴくり。
有崎五派:「そんなぁ……私はみんなの事がこんなに好きなのに……た、頼りなさ過ぎ……?」
七十橋シスル:「……冗談だよ。好きにすりゃあいいんじゃねえの」 軽く息を吐いて舌を出す。
竜胆ジョウカ:「うー……」
有崎五派:「ちょっと………ッジョウカちゃん!?」
七十橋シスル:吹き出すような息の漏らし方ではあった。
七十橋シスル:「うお」
竜胆ジョウカ:「……あ゛ー……」
竜胆ジョウカ:炭化した部分はまだそこそこあるものの、いつの間にか、かなり息を吹き返している。
有崎五派:「ジョウカちゃ"ん"~~~~ッ!!」
有崎五派:あっさりとダムが決壊しボロボロ泣き始める
竜胆ジョウカ:身体を起こそうとして失敗しつつ、周囲を弱った五感で探ろうとし。
竜胆ジョウカ:「……なんで、まだ」「こっちいるんですか」
竜胆ジョウカ:「さがしにいくんなら、はやいほうがいいでしょうに」
有崎五派:「だってぇ……わ、私のせいで……余計に怪我しちゃったじゃない…………」
有崎五派:「ジョウカちゃんの無事確認しないと足腰立たない……」
竜胆ジョウカ:「……う゛ー……あ゛ー……」
七十橋シスル:「この戦いの大殊勲賞おいていくほど薄情じゃねえよ」
竜胆ジョウカ:「ありがとうございます……が」
竜胆ジョウカ:「このとおり、ぶじ……無事なので、さっさと」
竜胆ジョウカ:「やりたいこと、やりに行ってくださいよ」
竜胆ジョウカ:「そっちの方が……きっと、いいですし」
竜胆ジョウカ:「それに、前の騒動でやりたいことやりまくった私が、バカみたいになっちゃいます」
竜胆ジョウカ:指先を動かし、魔法陣をなぞり。
竜胆ジョウカ:ちいさな金属の塊……削り取って魔術に流用したピアスの破片の大きな粒を拾い。
竜胆ジョウカ:「……あ゛ー……"何とかなれ"?」僅かにレネゲイドを込め。
竜胆ジョウカ:「い、よいしょっ」投げ渡す。
竜胆ジョウカ:「お守りでーす……まあ……拷問王サマならなんか……いい感じに使ってくれるでしょう」
竜胆ジョウカ:「では寝ます」
竜胆ジョウカ:「よき旅路を」
七十橋シスル:驚きに眼を見開きながらも、ぱしっと受けとる。
竜胆ジョウカ:そう言うだけ言って、体力の限界なのかぶっ倒れる。
七十橋シスル:「……、……」
七十橋シスル:その様を呆れた様子で見下ろして。「……ハッ」
七十橋シスル:「持つべきものは、頭のネジぶっとんだ遺産オタクの魔術チート女のダチ、か」
七十橋シスル:「……ありがとな」
七十橋シスル:医療部部員を呼びつけながら立ち上がる。
有崎五派:「……きっと、いっぱいお土産話があるから。待っててね」
有崎五派:少し痺れた足をふらつかせながら続くように立ち上がる。
GM:"戒功王"。"風塵王"。旧円卓の星徒二体を含む星徒六体の同時襲撃を、キングダムはついに乗り越えた。
GM:その戦いはキングダムのみならず多数の勢力が入り乱れる混沌そのものだったが、誰一人欠けても、学区の滅びは避けられなかったはずだ。
GM:キングダムの外部勢力の扱いを含む戦闘の事後処理は、不夜王が手抜かりなく行うだろう。
GM:だが、終わりではなかった。目的を持つ生徒達――そして唯一の先生は、これから本校舎へと向かわなければならない。
GM:ルキア・ティベリアを引き止めなければ、彼女は永遠にどこかの世界へと旅立ってしまうかもしれないのだ。
GM:それどころか、キングダムの危機も、まだ本当に去ってはいないのだろう。全員の頭上には神聖二重冠が輝き続けている。
GM:砂漠からキングダムへと狙いを定める理事会兵器がある。こちらへの対処は、もはや送り出された生徒達を信じるしかない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「随分と」
ルナンシア・ラダ・ランパート:……決着がついてから暫くの時をおいて、足音とともにその声はやってきた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ぼろぼろになって横たわるウルスラ・ミック・ベニの傍らで立ち止まる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「大立ち回りを演じてくれたものだな。息災なようで何よりだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:どこか声色に皮肉のようなものが混じっている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「や……久しぶり」ぐぐ……と四肢の伸びをし、ゆっくりと立ち上がる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「この前は悪い事しちゃったね、ごめんよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「お互い様だ」仏頂面で応じる。「立ち上がる必要はない。救護の人員も到着しつつある」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「大まかな経緯はジェシカの一体から聞いているが、それにしても今のおまえは寝ているべきだと思うが」
ウルスラ・ミック・ベニ:「味方になるとつくづく有り難いよねぇ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でもその時はまだだ。星徒の皆、アカネ先輩たちと向き合うのも当然大事なことだったけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクの本題は、ようやく取り掛かれるというところだもの」
オリーヴ・ウェールズ:「……はい。私達には、まだやらなきゃいけない事がありますから」
オリーヴ・ウェールズ:体を引きずるようないで立ちで、静かに二人の下へと歩み寄る。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「オリヴィエ……」迷惑そうに眉を潜める。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ベッドに向かうべき半死人が二人になったな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ま、死にかけなのはこの際全員でしょ」輝き続ける神聖十字冠を指して笑う。
ウルスラ・ミック・ベニ:「救護施設どころかキングダムの外まで避難した方が良いのかも」
オリーヴ・ウェールズ:「……終わったら、いくらでもベッドで眠りましょう」
オリーヴ・ウェールズ:「それに、キングダムの外は……」総毛立つ予感に身を震わせながら、視線を戻す。
オリーヴ・ウェールズ:「……ええ。きっと大丈夫です。彼女らなら必ず成し遂げられる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それは前提だ。ジェシカに采配を任せた我々の」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ひととき同じ方角を見て。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「言って聞く性質でもないか」嘆息する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「問うていいだろうか。あれと正常なコミュニケーションに成功したものは、知る限りいない。あるいは……一人を除いて、かもしれないが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:視線で軽く"拷問王"を示して。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「自分なら可能だと思う根拠は? ウルスラ・ミック・ベニ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふむ、実際ボクも一回失敗してるからね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「コテンパンにのされて、顔ももう覚えられてないかも」
ウルスラ・ミック・ベニ:「誰かに示して納得させられる明確な根拠だって、別段あるわけじゃないかな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「どうだろうな。大逆者の名を忘れてくれるような性質でもないだろうと思うが……はあ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「いいだろう。その言葉を以て誠実さだと受け取ろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「期限はもうない。確証は望めない。今、ルキアに呼びかけるために必要なことは……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「第一に……彼女を求める意志なのではないかと……思う」
ルナンシア・ラダ・ランパート:あまり自信があるようには見えない口ぶりだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふむ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「この学区には、それが大きく欠けていた。逆も然りだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そうだね、だからボクが来たようなものだ」
オリーヴ・ウェールズ:「……色んな意味で、私達は彼女と一線を引いてしまっていましたから」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ああ。ウルスラの口ぶりに言いたいことはあるが──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"不夜王"は私より柔軟だ。星徒たちを退けるのも、我々だけの力ではより困難だっただろうし、魔術王の予言も……まだ続いている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君を送り出さない理由よりも、先に進ませるべきだと判断する理由のほうが多い……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そのまま黙り込む。表情から、その内心は読み取れない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふ……」
ウルスラ・ミック・ベニ:ぴしりと背筋を正し、騎士王に恭しく頭を下げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクは成功の算段がなくとも、そうする。誰かかしなければならないと思ったから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「他の皆が諦めてしまったなら、ボクがやらねば、と」
ウルスラ・ミック・ベニ:「これは傲慢だったね。キミだってずっとそうしたかった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:かすかに目を瞠る。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「なぜそう思った?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキアちゃんとしっかり向き合いたくて、その勝算を高めてきた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そうでなければ、不確かな助言なんて出来ないでしょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「不確かながら誠実な態度に返せるのは、不確かでも誠実な言葉だけだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:恥ずかしいものを見られたかとでも言うように、かるく頬に朱が差した。知らず、所在のない指先が後れ毛を弄りかけていたことに気づく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……オリヴィエ」
オリーヴ・ウェールズ:「……はい」
オリーヴ・ウェールズ:静かに二人を見守っていた女が、常と違う温和な顔で見やる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:あるいは彼女のことも本来の名で呼ぶべきなのかもしれないが、プライベートで交流が厚いわけでもなし、馴染みがなかった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私はよもや、キングダムの一員ですらない者が至上王を呼び戻す鍵になりかねないこの場面に対し、面白くないと感じているのだろうか? 君はどう思う」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「円卓の中でも、きわめて物わかりはいい側としてやってきたつもりなんだがな」
オリーヴ・ウェールズ:「ふふ……」少しばかり苦笑しながら。
オリーヴ・ウェールズ:「私は……誰であれ、至上王の下へ進み。向き合いたいという意志があり、彼女はそれを為せる可能性がある。それで善いと思いますが───」
オリーヴ・ウェールズ:「……それでも、ずっと思って来た貴女が嫉妬してしまうのは、同じ立場だとするなら当然だと思います」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「元も子もない表現をするな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:むすっとした様子で。
ウルスラ・ミック・ベニ:「というかボクは一緒に来るものだとばかり思ってたけどね」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「当たり前だ。誰か一人にしか資格がないとするなら、いくらか悩んでシスルに任せただろうが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「先生やおまえのような何をするか分からない……いつ命を擲つかも分からない者をただ行かせるくらいなら、先も言った通りここで叩き伏せている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「同行はする。キングダムの盾たるこの身がな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そういう優しさは向けられ慣れてる幸せ者ですよ」オリーヴちゃんにも追いかけられたし。
オリーヴ・ウェールズ:「騎士王が来るのであれば百人力、ですね……何かあっても安心です」大きく息をついて、壁に少し寄りかかる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君は来るなよ。仕事はしてもらうが、そこまでだ」
オリーヴ・ウェールズ:「…………」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「死蔵王を見ろ。ああなった時に守りきれるとは限らない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「さっきの闘いでだって無理しすぎなんだからね」
オリーヴ・ウェールズ:「……可能な限りは進みます。勿論、無理だと判断した時点で撤退はしますが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」難しい表情でウルスラを一瞥するが、何も言わない。
オリーヴ・ウェールズ:「それまでは、どうか。余力のある状態で足を踏むのは、もうできないのです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「体が丈夫なのも知ってるけど、課す無茶の上限も段違いなんだからなーもう……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……そこまで言うなら任せるが。今余力を無くしたら、死と紙一重であることを忘れるなよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「キングダムはまだ混乱の最中にある」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「単に気を遣っているのではない。速やかに健常になるのも王の務めなのだからな」
オリーヴ・ウェールズ:「分かっています。王として立つ以上、再び皆の下に帰り、壮健な姿を見せるまでが務め」
オリーヴ・ウェールズ:「……貴女と比べれば円卓としての期も、王としての経験も短く、未熟な身ですけれど」
オリーヴ・ウェールズ:「同じ立場として並び、その間に学んだことは……しかと果たすつもりです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「王の資格、王の務めか……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「無縁そうだったな。倫道アカネは」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから困ってる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「実はさっきアカネ先輩に、王様になってねって末期の頼みをされちゃってさ」
オリーヴ・ウェールズ:「そうですか、彼女から……」考えこんで、ウルスラの王としての姿を思い浮かべている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「呼び方の時点で王様と従者じゃなく先輩後輩の関係じゃん?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「仕えた相手が全く参考にならないわけ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「どういう温度でのやりとりかは知らないが、そうだな……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「なればいいんじゃないか? 既に教育実習生らしいが。ノヴァリス中でも、外に出てからもいくらでも機はあるだろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「キングダムの王からして、ただの一部活の主だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:その言葉を自然に口に出せる己に少し驚く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「言うねえ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「何が王かは君が決めればいい」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……それに」
ルナンシア・ラダ・ランパート:少し、言うか悩んで。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あんなやつの遺言を律儀に気にしてやっている時点で十分だろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:結局、口に出した。
ウルスラ・ミック・ベニ:「言うねえ!」けらけらと笑う。
オリーヴ・ウェールズ:「割と無責任で、自由で、そういう奔放なところが素敵な方でしたけれど……」あはは、と困ったように笑って。
オリーヴ・ウェールズ:「そうですね……」ふと、考え込んだ瞳を開いて。
オリーヴ・ウェールズ:「……貴女は、どんな王様になりたいですか?」夢を聞くように、なりたい姿を問いかける。
ウルスラ・ミック・ベニ:円卓、王鍵、それらシステムはロードマスターが残し尾を引く遺産に過ぎない。
ウルスラ・ミック・ベニ:故に古きキングダムを終わらせなければならない、そう決意を固めたのがいつかといえば。
ウルスラ・ミック・ベニ:そして、誰のためだったかといえば。
ウルスラ・ミック・ベニ:「勇者の徴を取り戻しに来た時、チギリちゃんに頼まれたんだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「至上王を倒して欲しいと、その真意を見定めて欲しいと」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あの子はずっと怖がっていた。だから助けたいと思った」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキア・ティベリアは、自分がどんな人か教えてあげるとそう言って」
ウルスラ・ミック・ベニ:「色々なものを出してくれたけど、ボクはその時全然分かってあげられなかった」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だからやっぱり、助けてあげたいな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「頼りにできる物が無い子の手を取ってあげたい」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクがなりたいのは、そんな王様だ」清々しく笑う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞く限りだと、それは王というよりは……」
オリーヴ・ウェールズ:「……いいじゃないですか。私は……とても、素敵な在り方だと思います」どこか、自分の目指す姿と重ねながら。花のような表情を見せる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふん、ありがとうねオリーヴちゃん」
ウルスラ・ミック・ベニ:「もちろん王様たちだっていつでも頼ってくれていいんだから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクがあれでも職員室の先生たち紹介できるし。一度見に来ると良いよ~」
オリーヴ・ウェールズ:「職員室と……後はヒナテアさんが言うには進路指導室もあるのでしたか。どちらも一度顔を見せておこうかしら……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「有難い申し出だ。この動乱の結果文無し宿無しになったら考えてみよう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「来る気ゼロじゃん!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今の立場の私が頼っては必要な者に助けが行き渡らないだろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:きょとんとして応じる。今度は嫌味のつもりはなかったようだ。
オリーヴ・ウェールズ:「今更ではないですか、既に今も頼ってしまってますし……私は、既に助けられた身でもありますから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「自分でお世話にならずとも、周りに紹介できるじゃない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「縁を繋ぐってそういうものでしょ。ボクより遥かに社会信頼度高いし」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「む」
ルナンシア・ラダ・ランパート:理屈ではそうなるか、と思い直した様子で。
オリーヴ・ウェールズ:「……言いくるめられてしまいましたね」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「オリヴィエ。君はとんでもなく居直っているが……いや、あらゆる体面が用を成していない局面ではあるが……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「一応我々が治安を維持する学区で彼女が凄まじい横紙破りを通そうとし、大きな被害を出して逃走した人物であることは忘れないでくれよ。本当に……私が王である限り、そういう約束はできないから……本当に…………」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……いい、いいさ。約束はしないが頭には入れておこう。ここまでだからな」
オリーヴ・ウェールズ:「はい、今日のところはそこまで、ということで。でも……」
ウルスラ・ミック・ベニ:困らせる気はなかったのにそんな可愛げ出されると困るな……という顔。
オリーヴ・ウェールズ:「改めて、横紙破りは推奨できるものではありません、どんな理由があっても、です」
オリーヴ・ウェールズ:「結果的に良い方向に繋がるのだとしても、その過程で何が起こるかはしっかり考えてくださいね」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「無駄だ無駄。結果を考えて行動しているわけじゃない。聞いただろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「彼女個人のことは少しは分かったが、その好悪とこれまでや今後の振舞いをこちらがどう処理していくかは別の話だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そういうことだ。わかったな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:話は終わりだとばかりに踵を返し場を後にする、他の王と今後の動向を話し合うのだろう。
ウルスラ・ミック・ベニ:「くっ……リンゼちゃんの場合あと一押しってところ」
オリーヴ・ウェールズ:「……こら、あまりそういう言い方はよくありませんよ。双方に失礼です」
オリーヴ・ウェールズ:少しは身体を休めたのか、寄りかかった壁から離れて。
ウルスラ・ミック・ベニ:「所属もそうだけどちょっと似てたから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「初めは敵同士だったけど、話してみれば仲良くなれたところとかね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクらも行こうか、いよいよ大仕事だ」手を差し出す。
オリーヴ・ウェールズ:「そういうところ、貴女のいい所ではあるのですが……」手を取って、姿勢を正し。
オリーヴ・ウェールズ:「やるべきを果たし、"皆"で戻る」
オリーヴ・ウェールズ:「行きましょう───本校舎へ」
GM:――最初の兆候は、全員の神聖二重冠の沈静化だった。
GM:それからほとんど間を置かず、不夜王の口から、または通信を通し、別働隊が理事会兵器の撃破に成功したことが関係者へと伝えられた。
GM:重態であった竜胆ジョウカも、ひとまずの命の保証はなされたと言えるかもしれない。
GM:もっとも、これだけの異変の直後にあっては、誰一人として予断を許さぬ状況にあることに変わりはない。
GM:全く別の脅威が同時多発的に起こるかもしれない。キングダムの封鎖が解けた以上は、外部勢力がこの機会を狙って介入してくる事もあり得る。
GM:『事後処理』などという一言で片付けるには大きすぎる状況である。キングダムの生徒は備えなければならなかった。
GM:その上でなお『今』動く必要性を認められた者は、集った戦力に比べれば数少ない。
GM:ルキア・ティベリアを取り返そうとする者は、当初の目的――本校舎へと突入する必要があった。
GM:時間は大きく削られて、余力も残り僅かだ。間に合うかどうかも、もはやわからない。
GM:――まずは、天沼チギリが話し始める。最後の作戦確認だった。
天沼チギリ:「まず、鉄騎王の聖剣で無理矢理こちらとあちらを繋げます。」
天沼チギリ:「向こうがどんな状況になってるかは想像できません。」
天沼チギリ:「待ち受けているのは至上王だけなのか、あるいは他にも敵がいるのか…」
天沼チギリ:「敵がいればウルスラさんと拷問王以外で対処。」
天沼チギリ:「お二人のどちらかが遺伝橋を至上王と繋げ、」
天沼チギリ:「遺産、可能であれば石の魔剣や破戒免状にも干渉できればいいですが…」
天沼チギリ:「とにかく至上王の力を削ぎ、絆を結びます。」
天沼チギリ:自分で話していてめまいがする。
天沼チギリ:作戦と呼ぶのもおこがましい。机上の空論に妄言を重ねた世迷言のようなものだ。
天沼チギリ:「……………おっしゃりたいことは分かります。」
天沼チギリ:「が、こんな妄想を真としなければ至上王は還られてしまう。」
天沼チギリ:「要のお二人をお守りすべく、全力を尽くします。」
七十橋シスル:「整理ご苦労。テメェもついてくんのか」
七十橋シスル:ばしゃあ、と部員が持ってきたペットボトルの水を被って、髪を整えている。
七十橋シスル:激戦に次ぐ激戦によって、地と灰とスス塗れになった身を、申し訳程度に洗い流す。
天沼チギリ:「はい。ウルスラさんを至上王に引き合わせたのは私です。」
天沼チギリ:「この状況に巻き込んだ、と言えるでしょう。」
七十橋シスル:「ジョウカとどっこいどっこいだろ、消耗具合で言えば」
天沼チギリ:「…………。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「気にしないでいいのに。ボクもやりたい事のため、チギリちゃんには頼りっぱなしだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:久しぶりに遺伝橋へ手を通し、感覚を馴染ませている。
七十橋シスル:「使命感は結構だが、それで死ぬんじゃ本末転倒だ」
七十橋シスル:「俺は遺伝橋は使うつもりはねえ。使うならお前の方が良いだろ」
七十橋シスル:「慣れてるだろうしな?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「2回使った上で遺産保持してるのはボクだけかも」にやりと笑い返す。
七十橋シスル:「嫌味が伝わらないオツムで何よりだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「こういう変な道具の操縦手としても適任でしょ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「拷問王ともあろうお方が反逆者をご指名とは、キングダム開国計画も進んだもの……」
天沼チギリ:「………使命感だけではありません。」
七十橋シスル:「さっきまで地面に寝っ転がって土舐めてたくせに……あ?」
天沼チギリ:「”大介錯”で至上王の殺意を逸らし、手を握る隙を作ります。」
天沼チギリ:「握った手を、もう斬られたくないでしょう?」
七十橋シスル:「お前の剣ならそれが出来る。……本当に出来ると思ってるか?」
天沼チギリ:「正直に言いますと…これも空論です。が、」
天沼チギリ:「僅かな間でもこの剣は”風塵王”に届いた。」
天沼チギリ:「……実績に不安がおありで?」
七十橋シスル:「お前自身が不安に思ってなきゃいいさ」
七十橋シスル:「だが、全ての想定外は想定しとけって話だ」
七十橋シスル:泥で固まった髪を、剣山のような櫛で削る。
天沼チギリ:「それはもちろん。」
七十橋シスル:「個人的には、他の戦力が気になる」
天沼チギリ:「こんな作戦、想定外のことしか起きないでしょうし……他の戦力?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「おとぎの国、ワイバーンたちが来るところか」
七十橋シスル:「至上王と話ができれば、俺はそこからどうにでもしてやる。だが、その前で止められるのは御免だ」
七十橋シスル:「星徒だって、この異常とは関係なかった。コンビニの前でたむろしてる不良と同レベルだ」
七十橋シスル:「たまたま本校舎への通り道に、横から突っかかってきただけだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「また全然知らないところから何かがやって来るかもと」
ウルスラ・ミック・ベニ:「他のイースターエッグが眠る異界にも、ノドスやら星徒やら介入があったそうだけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「おとぎの国はノヴァリスとの断絶度合いがより強固って話だし、早々行ける者は居ない……筈だね」
七十橋シスル:「こっちでしっかり余力が残ってるのは、俺に騎士王、五星君くらいか」
天沼チギリ:自分が数えられてないことに、見透かされてるな、と内心で思う
ウルスラ・ミック・ベニ:「あっ戦力外扱いされてるし」手を挙げ、横に振ってアピール。
七十橋シスル:「数えられてえんなら数えてやるがよ……」
七十橋シスル:二人の態度に面倒くさそうな顔をする。
ウルスラ・ミック・ベニ:満足げ。
七十橋シスル:「鴉女を宥めるのは御免だからな」
七十橋シスル:チギリさんに、無理はするなよと暗に言っている。
天沼チギリ:「ええ。優しい拷問王のお話をいっぱいしてあげないといけませんからね。」
天沼チギリ:「私の口から。」
七十橋シスル:「…………落ち着いて話ができる場を作る」
七十橋シスル:「鉄騎のあのはっちゃけた力でこじ開ける時点で、どうなんだって話でもあるがな」
七十橋シスル:医療部員が近寄ってくる。櫛を預けて、新しいコートを貰う。
七十橋シスル:涙ぐむ部員を背後に、首を鳴らして、行く先の本校舎を見据える。
七十橋シスル:前髪を上げる。「行くぞ」

GM:――本校舎突入のプランは単純なものだった。というより、それ以外に用意できる手はなかった。
GM:円卓議会の内で、そしてキングダムの内で最大最強の王鍵たる"鉄騎王"の『星界正義の剣』を叩きつけ、本校舎とノヴァリスを隔てる力場を吹き飛ばす。
GM:既に消耗しているオリーヴ・ウェールズに、健在状態での限界か、それ以上の出力を要求することになる。少なくとも彼女は、覇鍵解錠に集中させなければならない。
GM:懸念点はもう一つある。本校舎への攻撃を試みる以上、その本校舎前に何者かがいるのなら……
GM:その何者かを巻き込まざるを得ない。これまで全員が意識していなかった嫌な予感を、思い出すかも知れない。
GM:キングダムの危機にあって、誰よりも動かなければならなかった者がいる。彼女は何をしていたのか?
GM:いつの間にか、頭上には再び神聖二重冠が灯っている。遭遇する。

"竜王"伊藤算砂:「――予想よりも」こつ、と杖を付く音。
"竜王"伊藤算砂:「大勢いらしましたね」
天沼チギリ:「………竜王。」
オリーヴ・ウェールズ:「……そう、ですか。竜王、貴女……」彼女の様子に、行動に、何かを察しながら。
七十橋シスル:「随分と重役出勤じゃねえか、軍事顧問殿」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「はははははは!元老殿だけならばともかく」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「円卓の方々が三名も、この場に来られるとは!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「私は構いませんが、キングダムの防衛はよろしいのですか?」

有崎五派:「ん……ん………?んん……??」
七十橋シスル:「番外第九席 軍事顧問、竜王。スコップ持ってる奴はその補佐、"建設王"」
有崎五派:「ぶっ……無事でよかった~……って空気じゃ、もしかして……ない?」
オリーヴ・ウェールズ:「……先生。どうか、少し下がって」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「間抜けな質問に思えるだろうが、答えてもらいたい」
ルナンシア・ラダ・ランパート:一歩前に出る。茫洋とした視線が眇められる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「このキングダムの一大事にあって、おまえたちこそ何をしていた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今、何を考えている」
"竜王"伊藤算砂:「質問に質問で返す無礼をお許しくださるのであれば」
"竜王"伊藤算砂:「今、こちらにお越しになって何をお考えなのです?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「此度の防衛に至るまで」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「我らキングダム連合学院は辛くも勝利を収めた。取り急ぎその報告として至上王に拝謁するつもりだ。疑問を差し挟まれる謂れはないな」
ウルスラ・ミック・ベニ:静かにオリーヴを庇える立ち位置に移動する。
"竜王"伊藤算砂:「その至上王より仰せつかっております。誰もお通しするなと」
"竜王"伊藤算砂:「たとえキングダムが一大事の最中にあろうとも」
"竜王"伊藤算砂:「軍を将る部門が、独断で行動に出ることは致しません故」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「不夜王にも、他の円卓にすら伝えずにか? その言葉をなぜこちらが信用できる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:口にしながら、おそらく真実なのだろうな、と思う。

"焦螟王"ジン・ツァン:「……よくわかっただろう。騎士王……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「持ち場を守っていたおれのような王はともかく、竜王や建設王は……この事態への干渉を許可されなかった」
"焦螟王"ジン・ツァン:「至上王は、そのような命を下す王だ」
"焦螟王"ジン・ツァン:「このまま待てば、至上王はこのキングダムから去ってくれる」
"焦螟王"ジン・ツァン:「誰にとっても、ありがたい話だ……」ざわざわと、風のようなざわめきが聞こえてくる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それは……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:一面には真実だ。至上王がキングダムから消えることで、喜ぶもののほうが圧倒的に多い。
ルナンシア・ラダ・ランパート:誰もが多くを奪われている。キングダムに残された宿痾から。至上王は間違いなくその一つだ。"焦螟王"の言葉をすぐさま一蹴することはできなかった。
天沼チギリ:「誰にとってもではありません。」
天沼チギリ:「少なくとも、”勝手にいなくなっては困る”と思う人間が今、」
天沼チギリ:「あなたたちの前にいます。」
天沼チギリ:「主語を大きくするのは大人の手口ですよ。」
"竜王"伊藤算砂:「“元老”がそちらなはずはありますまい?」
"竜王"伊藤算砂:「いつでも彼女を討つ機会を伺いながらも……ついぞ実行に移りえなかった貴女は」
"竜王"伊藤算砂:「ありがたがる側のはずでは有りませんか?」
天沼チギリ:「……。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それは違うよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「恐ろしい相手を討つ機会、それを求めていたのは確かだろう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「探し続けて、それよりもっと良いやり方を掴めそう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そんな希望を抱いたのがここにいる全員……全……大体だ」
天沼チギリ:「それに、」
天沼チギリ:「自ら倒すのと勝手に去られるのは全く違います。」
天沼チギリ:「………子供の論理を振りかざすなら」
天沼チギリ:「私は、彼女に”ぎゃふん”と言わせたかったのです。」
天沼チギリ:「いつも上から目線で、力で何でも解決して、」
天沼チギリ:「私たちを振り回していじめる。そんな困った”クラスメート”に、痛い目を見せてやりたかったのです。」
"竜王"伊藤算砂:「大人に泣きついて後ろに立ってもらえばそれが為せる、と」
天沼チギリ:「大人に泣きついたのは彼女が勝手にどこかに行きそうだからです。」
天沼チギリ:「至上王には、皆言いたいことはあるでしょう。私にだってあります。」
天沼チギリ:「感謝したり、恨んだり、怒ったり………」
天沼チギリ:「そんな思いをぶつける間もなく消えないで欲しいからここにいるんです。」
有崎五派:「……ふーん、なるほど」
有崎五派:生徒達のやり取りをみて、何かを得心したように呟く。
有崎五派:「子供の頃なんてねぇ、大人に泣きついてなんぼよ。私は貴方達も大歓迎だけど」
有崎五派:「初めましてからやってみる?」
"竜王"伊藤算砂:「そうですね、そうさせて頂きましょうか」
有崎五派:「えっ、まじ?」
"竜王"伊藤算砂:「先程ご紹介に預かりました伊藤と申します」
"竜王"伊藤算砂:「こちらが“建築王”のタナー、こちらは"焦螟王"のジン」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「よろしくお願いします!!!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「……」不愉快そうに眉をひそめるだけ。
有崎五派:「れ、礼儀正しい……そっちの子が普通なんだろうけど……え、ええと……」
有崎五派:おほん、と咳払いして。
"竜王"伊藤算砂:「それから」遮るように。
"竜王"伊藤算砂:「未だご紹介を差し上げてない面々もおりますから」
"竜王"伊藤算砂:促すように、後ろに控える面々へと告げる。
有崎五派:「────?」
???:「──ええ、ええ」精緻な氷細工を踏み砕くような音

"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:小さな悲鳴は靴と石畳に挟まれ、消え入るように空気へ溶けた。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「諸王第十五席、"厩司王"。お初にお目にかかります」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:天然の澄んだ鈴声が、無邪気に凛と転がる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「皆様、そうして剣をお掲げになられて」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「いったい何に用いられるおつもりなのでしょう?」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「鍵穴は鞘にあらず、そして獣の口腔でもないというのに」
???:広間に、霧が広がっていた。たった今その場に現れたような、二つの影を隠していた。

"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「……状況観測。現状の侵蝕負荷はone_hundredまで鎮静」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「神聖二重冠の再展を観測────対応して、キングダム市街での発現は収束傾向にあることも、確認した」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:断続的に、蒸気の音が響いている。絶え間なく、機関が躍動し続けている。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「番外第二十八席。汽罐王は、現時刻を以てキングダムの危機は去ったと判断する」
"竜王"伊藤算砂:「“厩司王”のヴェーラ。“汽罐王”のナターリヤです」
"竜王"伊藤算砂:「どうです?なかなか面白い取り合わせだと思いませんか」
"竜王"伊藤算砂:「皆様を上回るなどとは土台申しませんが……」
"竜王"伊藤算砂:「入玉を防ぐには心強い布陣かと」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……すまないな。算砂」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「建前から話し始めることに意味はなかったし、君がルキアの命を受けたと聞いた時点で、激突が避け得ないことも知っていた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「我々の結論は決まっているんだ。彼女には帰ってきてもらわなければならない。そうでないとしても、このまま何も告げずに去るのを黙って見過ごすことはできない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「消耗をすることになるだろう。互いに」
ルナンシア・ラダ・ランパート:掌中に槍が出現する。
"竜王"伊藤算砂:「でしょうね。こちらも申し上げておきますが」
"竜王"伊藤算砂:「我々も死にもの狂いですので。倒れるものがあれば、容赦なくその者へと攻撃を加えるでしょうね」
"竜王"伊藤算砂:「どうぞご留意の上、手合わせを」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「厄介な女だ。だが、それでこそ」
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:はあ、と大きな溜息をつく。
七十橋シスル:戦闘態勢の竜王の率いる諸王の前にして、ざ、と踏み出す。
七十橋シスル:ざ。ざ。ざ。ざ。ざ。ざ。ざ。ざ。ざ。
七十橋シスル:全員を無視して、本校舎の境目に近づく。
七十橋シスル:軽く手を払う。「のけ」
"竜王"伊藤算砂:「……何を?」
"建設王"タナー・K・クエイクス:――ザン!
"建設王"タナー・K・クエイクス:すぐさま、巨大なスコップで斬り掛かっている。
七十橋シスル:ザ ギュ!
七十橋シスル:影より現れた荊が、そのスコップを縛り止めている。
七十橋シスル:一瞥すらしていない。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「……おおっと!ははははは!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「失礼いたしました、反射的に!拷問王様でしたか……!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:額に汗を浮かべているが、王鍵の力を以てしても、スコップを引くことも、押すこともできずにいる。
七十橋シスル:いや、一つだけ視線を向けている相手があった。
七十橋シスル:「厩司王。テメェなら多少は"知ってる"と思ってたが……そういう気質じゃねえか」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「くす……失敬ながら、その迂遠な言い回しも呪言の類いなのでしょうか」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「生憎と人間の唄には疎いものでして。ご教授頂いても?」
七十橋シスル:「いや。こっちから言うことじゃねえ」
七十橋シスル:すう。
七十橋シスル:「―――――――――――――― ル 」
七十橋シスル:「―――――――――――――――――――――― キ」
七十橋シスル:「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ア ぁァアアアアア!!!」
七十橋シスル:声を張り上げる。
七十橋シスル:「いっっっっっっつまでも、引き籠もってんじゃああああああああ、ねェエエエエエエ!!!!!」
七十橋シスル:「今から!! そっち!! 行くからなァ!! 良い子にして 待ってやがれや コラァァァアアアアア!!」
"竜王"伊藤算砂:「……無駄なことを。届くはずがない」
七十橋シスル:ひとしきり、高々と声を張り上げて、やがて大きく肩を下げる。
七十橋シスル:「てめぇらはずっとそうだろうな」
七十橋シスル:ごぉん、と糸車が改めて出現する。建設王のスコップを解放して、数歩下がる。
七十橋シスル:指を立てる。「かかってこいよ、コンビニの入口で座り込んでる迷惑客ども」
GM:敵に、味方に、七十橋シスルの臨戦の気迫が伝播した時。
GM:すぐさま戦いが始まると、誰もが考えただろう。
GM:この中のただ一人……
GM:竜王を除いては。
GM:――ガ ン
GM:世界が激震した。
GM:七十橋シスルだけではなく全員が、その場に立った状態のまま、本校舎から大きく離れた。
GM:異常現象だ。空間が歪んだのだ。まるで本校舎を頂点とする空間の坂が発生したかのように。
GM:夜空に龍が浮かんだ時と同じ、否。それ以上の位相変動。
GM:多くの生徒は、そうして理解する。
GM:時間切れが来たのだと。
天沼チギリ:「そんな……」
オリーヴ・ウェールズ:「これは……本校舎までの距離が……?!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ようやく戻ってきたのに!?」
七十橋シスル:「あ?」
七十橋シスル:忌々しげに空を見上げる。
天沼チギリ:「間に合わなかった…!?」
有崎五派:「な──ん、でッ!やっと、やっと……」
"竜王"伊藤算砂:「……あえて繰り返しましょうか」
"竜王"伊藤算砂:「無駄なことを。届くはずがない」
GM:"竜王"伊藤算砂はキングダム最強の軍師である。
GM:言うまでもなく、この手勢で円卓の王達を十分に食い止められると考えていたわけではなかった。
GM:だから彼女がしたことは、奇襲や包囲などで戦ってみせることではなく、ただ、こうして立ちはだかってみせることだ。
GM:困惑させ、話し合いや交渉の選択肢を思い浮かばせること。
GM:限界までの消耗戦をする必要も、まして生徒の命を奪う必要もない。
GM:"戒功王"が倒れ、キングダム領外への退廷禁止令が解除された時点で――
GM:世界を繋ぐ術式が既に成功していたのならば、ルキア・ティベリアはこの世界を去れるのだと。
GM:"竜王"は全ての終わりを確信し
GM:それ以外の全ての生徒も、遅れてその事実を理解した。
GM:だが、それと、全く時を同じくして。
GM:本校舎直上に、宇宙の如きゲートが現出していた。
GM:新たに現れた一人はまだ、終わりを確信していない。
キャロル・ホプキンス:「――ぉ」
キャロル・ホプキンス:「ぉおおおおおおおおおおおおおお――――!? ひっ、ヒナテアさん! 何でこんな高いところに繋げてるんですか!!」
キャロル・ホプキンス:蒼銀のシルエットに、赤い神聖二重冠の光が追随して、その人影は落ちてきた。
GM:この場で動ける者は、キャロル・ホプキンスとともに本校舎へと突入可能です。
EXPC3:キャロル・ホプキンス
『おとぎの国』の召喚により、本校舎はノヴァリスから断絶した。
だがこの空間に、現実性の低い別世界の上書きができるのならば、一時的な立ち入りも可能となるかもしれない。
あなたにはその手段がある。限定空間に対し、妖精界とのチェンジリング現象を引き起こす『楽園刑場メム』だ。
『おとぎの国』の現実強度に対して、『楽園刑場メム』で切り開ける許容量はごく僅かなものだが、
あなた自身の他にも一人だけ、本校舎内へと導く程度の余裕はある。
同行希望者が競合する場合、全員が〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉〈交渉〉のいずれかの技能で判定を行う。
この判定で、最も高い数値を出した者だけが同行できる。
クライマックス戦闘終了後に公開できる。あなたがキングダム連合学院にいる時のみ使用できる。
GM:人数は一人だけ。同行希望者が競合する場合、全員が〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉〈交渉〉のいずれかの技能で判定を行い
GM:最も高い数値を出した者だけが突入できます!
ウルスラ・ミック・ベニ:チャレンジしません
ルナンシア・ラダ・ランパート:チャレンジしません
天沼チギリ:チャレンジしません
オリーヴ・ウェールズ:チャレンジしません
有崎五派:しま~せん!
任アルル:チャレンジします!
七十橋シスル:ではチャレンジします。このタイミング逃さでおるべきか
ルナンシア・ラダ・ランパート:いけ!
キャロル・ホプキンス:よかった……誰もいなかったら私が嫌われてるみたいだったから……
七十橋シスル:これってエフェクト使用可能?
GM:使用可能です
任アルル:そうなんだ……
七十橋シスル:《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》で判定。あとアルルさんに《フラッシュゲイズ》でダイス-10。 侵蝕+7
任アルル:《時の棺》します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:陽炎はいいんですか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:うわ
七十橋シスル:棺wwwwwwwww
GM:まあ、マイナーはできないものとしましょう……!判定はメインプロセスじゃないから
ルナンシア・ラダ・ランパート:なるほどね
七十橋シスル:隠密さえ出来れば……!!
任アルル:侵蝕は156→166に。
GM:宣言されてから巻き戻し認めるかも難しいですしね
七十橋シスル:はあ~私は失敗! だがアルルさん!
七十橋シスル:ダイス-10されて失敗してませんか? これが足引っ張り合い学区キングダムのやり方だ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:www
オリーヴ・ウェールズ:www
任アルル:おのれ~
任アルル:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》で射撃。ダイスが10個減って
任アルル:6dx7+9
DoubleCross : (6DX7+9) → 10[6,6,7,8,9,10]+10[5,5,9,10]+4[1,4]+9 → 33
七十橋シスル:くそっ 日和らずに原初の黒:時の棺 覚えておけばよかった
任アルル:目標値は無しでいいんですっけこれ
GM:ありません。最も高い達成値を出した人が成功なので
七十橋シスル:でもさあ 原初の黒で時の棺とるのってさ……なんかさ……違うじゃん……!(いとぐるま)
GM:これから誰も33を出せなければアルルさんが突入です
七十橋シスル:こう……もっとさ……原初の黒ってさあ……(ろくろ)(いとぐるま)
任アルル:とりあえず侵蝕率は166→171になりました
七十橋シスル:侵蝕146→153です
GM:では突如現れたキャロルさんは本校舎に突入し
GM:アルルさんもそれと同時に突破します。
任アルル:へへ 悪いな
GM:全てが、一瞬の交錯だった。
GM:まずは、キャロル・ホプキンスだった――本校舎が目の前にある。
GM:猶予がもはやないことは、キャロルにも分かった。すぐにでも飛び込まなければ、至上王が去るまでには間に合わない。
キャロル・ホプキンス:「っ、高度に思いやりはありませんが……これならば……!」
キャロル・ホプキンス:高空からの落下。風に砂と血塗れの外套と髪をはためかせながら、眼下の本校舎を見据える。
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下! 今参ります!」
キャロル・ホプキンス:「赦し給え――」
キャロル・ホプキンス:妖精界を展開する王鍵を発動する。厳然と聳える世界の壁が、曖昧な現実性のあわいに薄められてゆく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あれは──」
GM:虹か、オーロラのような波紋が浮かんだ。
GM:『世界』同士の干渉によるものだった。衝突の一瞬、キャロル・ホプキンスの『楽園刑場メム』は確かに十字冠の排斥作用を中和した――
GM:位相震動によって弾き飛ばされた位置でその瞬間を目撃できた者は、ごく限られている。
GM:ましてその瞬間、すぐさま動くことができた者は。
オリーヴ・ウェールズ:(免罪王……ということは、あれは『楽園刑場メム』……!)聞いていた突破法の一つ。世界の干渉。それを引き起こせる遺産であれば、確かにごく少人数なら本校舎へ入り込める。
七十橋シスル:(ありゃ確か……罪人矯正ンとこの王か!? 黄道王の転移で来た? 何故――いや、この感じ)
七十橋シスル:張り巡らされた荊のいくらかが、位相変動を越えて本校舎の奥へと向かう。
七十橋シスル:あの王の王鍵の効果か。僅かに緩んだ世界――――咄嗟に荊を踏む。
七十橋シスル:ギャ リリリリ!
七十橋シスル:荊の伸張の勢いに任せて、上空、罪人矯正王の周囲、荊が通れるところへと自らの身を運ぶ。
七十橋シスル:状況は分からない。だが元老に言ったとおりだ――すべての想定外を想定する。
任アルル:ほんの須臾の間を掴むだけの、研ぎ澄まされた感覚が必要だった。
任アルル:拷問王の実力はそれに足りた。本意か否かを問わずに踏んだ夥しいほどの場数に裏打ちされ、いついかなる異常が起ころうと、即座に対応してのける能力があった。
任アルル:だが。
任アルル:「どいて」
任アルル:声がした。それを聞き取れること自体、引き延ばされた一瞬に過ぎないこの時においては有り得ないはずだった。
七十橋シスル:地から上空へ。狂い咲いたワイヤー・ソーのごとき影の濁流の合間に、場違いな花弁が滑り込んでいる。
七十橋シスル:「――――」 眼を見開く。この反射速度で同期しうる相手など、いるはずもない。「あァ!?」
七十橋シスル:その人物。何故ここに。だが混乱するよりも先に、記憶にある「彼女」の目的、嗜好、趣味で、嫌な思い至りをしてしまう。
任アルル:上向き何事かを言いかけたその顔を、靴の裏が踏みつけた。
七十橋シスル:(至上王)(五星君)(任アルル)(何故)(不夜王)(この状況)(至上王が去る寸前)(まさか)(おい、まさかオイ)
任アルル:視界が一瞬だけ黒く閉ざされ、ごく僅かな間を置いて戻る時には、彼方に──前方に、人の影が離れている。月光に煌めく瑠璃色の髪を、彗星の尾の如くに曳いて。
任アルル:「……反応できるだけ流石ですね。でも、主役は後から来るといい」
任アルル:置き土産めいた言葉だけが残る。魔術、呪術、道術──形式は様々にあるが、起こったことは単純だ。バロールシンドロームの時間停止。
七十橋シスル:「おま」
任アルル:生じたのは瞬きほどの遅滞。掴んだ須臾が指先から零れ落ちるには十分な隙。
任アルル:「精々、全てが終わった後で」
七十橋シスル:僅かに、ほんの僅かに速度が鈍る。影の荊が空間に置いて行かれる。
七十橋シスル:「テメッ、レ、ェェェェェエンーーーーーー!!」
キャロル・ホプキンス:「――『楽園刑場メム』!」
キャロル・ホプキンス:妖精界が、『二人分』の人影を飲み込んで――この世界から、消えた。
"竜王"伊藤算砂:「……」その様子を遅れて把握して。「……いや」
"竜王"伊藤算砂:「問題ない。あの程度であれば……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:雪。
ルナンシア・ラダ・ランパート:落下した七十橋シスルをそれが受け止めた。斧槍の錨爪がコートの襟元を捉えると同時。石突が地面を突き、風に吹かれて霧散する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「1秒やる。切り替えろ」
七十橋シスル:「誰だあのクソバカ助力に呼んだ奴はァ!!!!!」
七十橋シスル:「どーせ不夜王だろうがあの治世フリークの政治バカが!!!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「頭を冷やせ。状況が変わったようだ」それは、"竜王"が交戦の構えを解いていないことであり。
オリーヴ・ウェールズ:「……"あの二人"が向かったのならば」至上王に執着する感情を持った二人が、ただ一人で消えるこの状況を許す訳がない。であるならば───
オリーヴ・ウェールズ:「まだ、此方にも時間は残っています……!」
七十橋シスル:「あぁ゛ぁぁぁあぁぁああ゛…………」自らの顔面を鷲掴みにしながら呻き、ルナンシアの槍から飛び降りる。
七十橋シスル:「まあいい。ただ不良の次にコンビニ店員が出てきやがっただけだ。まとめてぶっ飛ばす順番が変わって増えただけだ」
七十橋シスル:「テメェの言うこと聞いたんじゃねえぞ、優等生!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君の感覚を補正する一助になったのなら光栄だ」
七十橋シスル:「面白みのねえ……テメェこそ、ああいう奴らの主張をいちいち真面目に返してやってんな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それはまごうことなき失策だったが、良いことも一つある」
七十橋シスル:交戦の構えを崩さない竜王たちを睨めつける。「ああ?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「これから始まる筈のやりとりを先に終わらせていることだ! ゆくぞ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:依然、時間はない。竜王の中にも、実際に交戦に入った場合のプランのない筈がない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(面白みのない。大いに結構)
ルナンシア・ラダ・ランパート:他にも、己を示す言葉はある。
ルナンシア・ラダ・ランパート:可愛げのない。妥協はない。慈悲もない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そして、今この場で最も排すべきもの──。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「全力だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:油断もない。
GM:シーンを終了します。ロイス取得のみが可能。
ルナンシア・ラダ・ランパート:伊藤算砂に取得します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:友情/敵意◯
七十橋シスル:任アルルに取得します 驚嘆/こいつをこの学区に呼んだバカは誰だ!!!!:○
GM:www
GM:「驚嘆」まで面白い
◆Climax03◆風になりたい
キングダム本校舎『白宮』

GM:有崎五派が公式派遣され、彼女らが『鴉の塔』で過去の真相の一端を知るよりも前。
GM:"海賊王"の粛清を受けて、多くのキングダム生徒が"至上王"に謁見と説明を求め、この『白宮』を訪れた。
GM:至上王は一切の面会を拒絶した。強引に侵入しようとした者はその全員が至上王の手で十字冠転送され、じきに円卓の手で退けられるようになった。
GM:だが一人だけ、例外が存在したことを、この時点では誰も知らない。

"至上王"ルキア・ティベリア:「算砂」
GM:"竜王"伊藤算砂もまた、至上王の突然の乱心の理由を理解できなかった。そもそもこの状況は、彼女の作戦に端を発したことである――
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは知っていたわね?」
"至上王"ルキア・ティベリア:殺人的な圧力が――それも、物理的な圧力がある。頭を上げていられないような。
"竜王"伊藤算砂:膝を付き、傍に控えている。礼儀からではない。
"竜王"伊藤算砂:他の姿勢を取ることがままならない。
"竜王"伊藤算砂:「……何を」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私がどこから来たのか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「なぜ、ノヴァリスに生まれたのか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「なのにあなたは、竜化器を使った」
"竜王"伊藤算砂:「……確度をある程度もった、予想としては……」
"竜王"伊藤算砂:「そうであろうとは考えていましたが……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうよね?あなたは知っていてもそれを使った」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それが将棋部の戦術だから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の命令を達するために、あなたは手段を選ばないから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――そして」
"至上王"ルキア・ティベリア:跪いた算砂の首元には、刃の感触がある。
"竜王"伊藤算砂:「――っ」
"至上王"ルキア・ティベリア:劣剣グウィバーではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:『石の魔剣』だ。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは私が嫌いだから」
"竜王"伊藤算砂:「……ですが」
"竜王"伊藤算砂:「私をここにお呼びになった」
"竜王"伊藤算砂:「それは…………」
"竜王"伊藤算砂:「次の令があると、考えています」
"至上王"ルキア・ティベリア:「何を思い上がっているの?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「命令ではない」
"至上王"ルキア・ティベリア:「罰よ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは私を侮辱した。私の生まれと、命を」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そして、たくさんの子供を殺した」
"竜王"伊藤算砂:(……そんなことを)
"竜王"伊藤算砂:(……“そんなこと”を思っていた?)
GM:至上王の激怒は、それを見る者の恐怖故に、真っ白に塗り潰された、同質なもののように見える。
GM:だが今、算砂の前に立つルキアは何を思っているのだろうか――。怒りの裏には、悲嘆や、絶望があるのだろうか?
"至上王"ルキア・ティベリア:「――あなたも、同じだけの屈辱を被るべきよ。そうよね?算砂?」
"竜王"伊藤算砂:「それに値する辱は」
"竜王"伊藤算砂:「……私に課しきれぬほどになるのではありませんか?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたの持つ、もっとも優れたものを捨てなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、私が来た世界に帰るわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その日が来たら、全身全霊を賭して、誰もこの校舎に入れぬようにしなさい」
"竜王"伊藤算砂:「……は?」
"至上王"ルキア・ティベリア:――ガン!!
"至上王"ルキア・ティベリア:ヒールで後頭部を踏みつける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「『は?』では」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ないわよね?」
"竜王"伊藤算砂:「ぐうっ……!?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、あなたの返事を聞いているの」
"竜王"伊藤算砂:「全身全霊を賭して……」
"竜王"伊藤算砂:「誰もこの校舎に入れぬように……」なんとか復唱する。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは賢いから、『全身全霊』の意味はわかるわよね?」
"至上王"ルキア・ティベリア:頭から靴を下ろす。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは、キングダムのためにも、民のためにも――」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その力を使わない」
"竜王"伊藤算砂:「……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「算砂。わかっているでしょう?あなたに部下がいて、地位があるのは……あなたに人望があるからじゃないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたに高い能力があるから。あなたがキングダムにとって必要な人間だったから」
"竜王"伊藤算砂:備えてきた。最大の脅威は見込んでいた。
"竜王"伊藤算砂:打ち崩すための策もある。それを。
"至上王"ルキア・ティベリア:「キングダム連合学院の歴史に、あなたの名前を残しなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「最も無能で愚昧な」
"至上王"ルキア・ティベリア:「最悪の軍師として」
"竜王"伊藤算砂:「――はい」
"竜王"伊藤算砂:このキングダムにおいて、伊藤算砂が王であったことは正しく一度もない。
"竜王"伊藤算砂:いずれ王になるために備え、自らよりも相応しき王が現れた折には、王佐に専念することを選んだ。
"竜王"伊藤算砂:それを。それまでも。
"竜王"伊藤算砂:「――貴女の望むままに致しましょう」
"竜王"伊藤算砂:「至上なる我が王」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたはずっと、私の手足だったわね。算砂……」
"至上王"ルキア・ティベリア:初めて、口元で微笑む。
"至上王"ルキア・ティベリア:「だから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私によく似ているほうがいいでしょう?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「キングダムの、みんなからの」
"至上王"ルキア・ティベリア:「嫌われ者になりなさい」
現在 キングダム本校舎前

GM:もはや、衝突は避けられない。それも、つい先程まで共にキングダムを守ってきたはずの、王同士の戦いになる。
GM:"汽罐王"はこの非常時にあって自らの危機を顧みず定時制の魔導システム保守に尽力し、生徒達を守った。
GM:"厩司王"はその機動力で、逃げ遅れた生徒達の足となった。それと同時に幻獣避難の指揮すら取った。
GM:"焦螟王"は、行き先が分からず廃棄区画に迷い込んだ生徒の保護を請け負った。"密航王"と共同でそれを行ったという。
GM:"建設王"だけは動かず、連絡も取れなかったが――彼女だけは、最初から追随することを決めていたのだろう。
GM:"竜王"の名が堕ちるのならば、同じ悪名を被るつもりでいたのかもしれない。
GM:そしてそれぞれの理由で、本校舎の突破を阻もうとしている。刑罰、忠義、保身、尊重、利害。
GM:対決しなければならない。
"焦螟王"ジン・ツァン:「ゴミが分解されて、土に還り……新しい生命を芽吹かせるように」
"焦螟王"ジン・ツァン:「キングダムは生まれ変わる必要がある……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「狂った、制御不能な王が……自ら消えるつもりなら、それ以上の危険を犯す必要はどこにもない……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「不夜王が、この国を治めれば良い。今よりも遥かに真っ当で、恐怖のない暮らしができるようになる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「理事会の遺産に囚われたキングダムを革命し、生まれ変わらせる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「全く以って同じ想いだが、一つだけ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキア・ティベリアもまた新しき生命、生徒の一人!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「過去に囚われた王を解放せねば、幸せな結末には程遠い!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……ま、我儘とは分かっているし。どちらが通るかは交流を通じて決めるとしよう」
"焦螟王"ジン・ツァン:うんざりしたように顔を背ける。
"焦螟王"ジン・ツァン:「"騎士王"。なぜこの女は捕まっていない?何か……言ってるが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"焦螟王"。君の溜飲を下げる説明はできないが、私も彼女の面の皮にはほとほと呆れている!」
有崎五派:「あはは……まあ、うん。学校に嫌いだったり、苦手だったりする子が居るのは当然よね」
有崎五派:「関わりたくないって気持ちも、当然あるでしょう!それはぜーんぜん否定しない!」
有崎五派:「ただ、あの子も生徒だから。せめて一度話を聞くまでは私は送り出せない」
有崎五派:「信じろって言うのは無理な話だろうけど……無責任に引っ張り出してはいお終い、ってのは先生のやる事じゃないから」
有崎五派:「バッチリみんなでお説教かまして来る。アンタ達はそこで大人しく待ってなさい!」
"竜王"伊藤算砂:「信じられませんね」
"竜王"伊藤算砂:「個人の人格を問うてそう申し上げるのでは有りません。貴女の仰る“みんな”が」
"竜王"伊藤算砂:「貴女と全て目的を同じにしているわけではないですよね」
"竜王"伊藤算砂:「であれば、個人の崇高な理由で、こちらを降りる理由足りえません」
有崎五派:「……きちんと、話してくれるのね」
有崎五派:竜王の言葉に微笑み、服の袖をまくり上げる。
有崎五派:「貴方の言ってる事は間違ってない。そして私の言ってる事も私は間違ってると思わない」
有崎五派:「だったら後は喧嘩しかないってわけね……ちょびっとばかし大人げないけど、誰も死なせないから覚悟しなさいよ!」
GM:…ミシ
GM:有崎五派の足元に、その時小さな罅が入った。
GM:ごく小さな変化だが、その兆候は――
有崎五派:「……えっ」
GM:ガ ン !
GM:五派の足元の大地が、刃じみて急角度に隆起する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「問題を」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ばきり。そのまま地面が凍りついた。よろめいた先生の肩を支える。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「矮小化した表現ではない。以前会った先生も、極めて核心的な話としてこういった事柄を口にする人種だった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:凍結による膨張圧で、変化した地形にひび割れが生じている。凍結処理工法の隙は、防御であると同時、さらなる攻防の誘いの一手でもある。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「はははははははは!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:騎士王が咄嗟に動いたのと全く同時に、オリーヴ・ウェールズに斬り掛かっていた。
"建設王"タナー・K・クエイクス:状況の中心が彼女にあることを理解していた――大地を変動させる『オズディリヲ大掻掘の手』は、建設王の王鍵だ。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「『喧嘩しかない』というので、やってみましたが」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「なかなか上手くはいきませんなあ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:(乗ってこない)当然だ。指揮している者が彼女なのだから。
"建設王"タナー・K・クエイクス:巨大なスコップの刃は、オリーヴに届く寸前で食い止められている。
ウルスラ・ミック・ベニ:巨大な化石竜の顎が、がっぷりと文字通り。読めていたから出は早い。
ウルスラ・ミック・ベニ:「当然こっちに来るよね」竜王の目的、進路閉鎖の為に誰を狙えばいいか。
オリーヴ・ウェールズ:動かない。状況から決して瞳を逸らさない。何故ならば、この場に同行する全員を"等しく"信じているから。
ウルスラ・ミック・ベニ:「披け、勇者の徴」
ウルスラ・ミック・ベニ:花弁が舞う。鮮やかな礼装を身に纏い、武骨な大剣を軽々振るう。
ウルスラ・ミック・ベニ:「まだまだ、これからさ!」建設王を薙ぎ払うように一閃!
"建設王"タナー・K・クエイクス:「さすがは、ウルスラ・ミック・ベニ」弾かれて飛び退き、凶暴に笑う。
有崎五派:「る、ルナンシア……ちゃん……あ、ありがと……啖呵きって早速カッコ悪いトコ見せちゃった……」
有崎五派:ルナンシアを支えに、体勢を立て直す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「気にしないでくれ。格好良さにはそこまで期待していない」
"竜王"伊藤算砂:「元よりハメ手が通じるとは考えていませんでしたが」
"竜王"伊藤算砂:(だが、それにしても……連携の精度が高い)
"竜王"伊藤算砂:(“異物”を迎え入れてなおこれですか)
七十橋シスル:「――あァ、うるせえ、うるせえ!」
七十橋シスル:「ディベート自体、向こうの思うツボだって分かってんだろうな!」
七十橋シスル:「さっき免罪王と一緒に飛び込んでったクラゲ女のこと頭からもう吹っ飛んでんのか!!?」
七十橋シスル:糸車が回転する。溢れた荊が宙で渦を巻き、――――異常な首の長さを持つ、巨大な鴉の星徒のカタチを真似る。
七十橋シスル:「テメェらが、校舎の前でお茶会でもやってたのかどうか!」
七十橋シスル:「確かめてやるよォ!」 荊が擦り合う耳障りな囀り音を立てて、鴉の爪が全てを薙ぎ払おうとする。
"竜王"伊藤算砂:「――研究通りに」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:空気と氷が不愉快に軋む音を鳴り響かせた。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「────宜し」術式を奔らせる文句を呟く。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:口を不吉に裂き開かせる鴉は、足下に群れる狼の駆をずたずたにして
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:哄笑を上げながら砕かれた水晶に取り囲まれる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:空気に溶け、大気に表面を晒し、もっとも熱を取り込みやすい形となったそれが────
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:爆発した。固形の水と、固形の熱が、鴉を模した茨に殺到する。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「"炎素構造式"、仮想環境内で論証済み」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「……今の形状はこの地に降り立った凶兆王によく似ていた」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「屠った獲物を飾り付けにする趣味がお有りか」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:かつ、と杖をつく。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「はやにえがお好みなのでしょうか。ふふ、噂通り恐ろしい方ですね」
七十橋シスル:「ハッ、一丁前に言いやがる」
七十橋シスル:二人の様子から、戦い続けてきた気配を受けとる。「校舎前で、バケツ持って突っ立ってた訳じゃあねえか」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「戦ったさ」損耗の目立つ鎧を撫で付ける「表には見えぬ働きであっても」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「諸王も、定時制も、この危機に当たり奮戦した」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「ええ。この子も頑張ってくれましたから」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:その背に音もなく影が寄る。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:白の鬣。艶やかな蹄。生きた、意志持つ遺産。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:今まさに本校舎敷地の外より現れたそれが、駆けつけ、恭しく控える。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「申し訳なく思います──あなたがたには」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「森を抜ける白馬はいないのです。夜明けを叫ぶ狼はいないのです」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「ごめんなさいませ────妖精が、この手で攫ってあげられなくて」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ふふ、と。まるで幼子のような笑みを浮かべて告げる。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「オレの立場はもっと単純なものだ」目線を前に戻し
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「奮戦し……そして、辛くも勝利したキングダムにとって」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「ここからは戦後処理が必要になる」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「王として為すべきことは、まだ山のようにある」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「貴重な人材を浪費するわけにはいかない」しきりに計器に目を落としている。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「アナタ達には、まだ、キングダムに居てもらわねばならない」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:汗が玉のように額を伝う。手が震え、目線がぶれる。「オレは」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「間違った話をしているか?」
七十橋シスル:「…………」舌打ちする。恐怖を堪え、無力を知りながら、こちらを見据えんとする眼だった。
七十橋シスル:戻らない可能性を告げた、医療部の面々の反応を少しだけ思い出した。
七十橋シスル:荒々しく回転していた糸車が静まる。……それは、戦意を失ったわけではない。
七十橋シスル:「そうかよ」より精密に、研ぎ澄ませている。勢いだけで突破できる陣ではないと認めた。
七十橋シスル:「なら、その正しさを抱えたまま斃れろ。上等なベッドは手配してやる」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「オレが寝台で身を休めるのは」かつ、と。もう一度だけ杖を打ち付ける。呼吸を整える間だった。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「魔導工学部の部員の無事を確認してからだ……!」
???:「待ッ…」
???:後方からゆっくりと人影が現れる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ゼハァー…ッ…は…ゲホッ…話ッ…ゼェゼェ…聞かせ…ゼハァー…もら…ゲホゲホッ…した…」

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:よろよろと前に歩き出る。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:手をかざしてちょっと待てのポーズを取り
七十橋シスル:「…………………」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:懐から2ℓのペットボトルを紅茶を取り出しベコッっと一瞬で飲み干し捨てた。
有崎五派:「えっえっ?なに?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──は。遅かったじゃないか」叱責のような、安堵のような。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「クソ…日本には無限に食べられる犬の蕎麦ヌードルがあるといいますが…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「倫道アカネ…もう無理ってくらい腹に詰め込んでくるとは…そして気絶した後に…全力疾走でここまで走る羽目になるとは…クソ…美食の王のする事じゃないッ…フゥー…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ブツブツ…
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(クソ…何だこの状況はッ!アホなのか!寄りにもよって内紛の恥を外部に晒すなんてッ!不夜王は何をしているんだ!)
オリーヴ・ウェールズ:「美食王……?!」
オリーヴ・ウェールズ:少しの驚きと共に、その姿を見遣る。
七十橋シスル:「るっせーな今ァ取り込んでんだよ! 下がってろ第四席殿!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「駆けつけてくれたんだね……ボクたちの危機に!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ウルスラ、今は弁えてくれ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(星徒アカネと…交戦したと聞いていたのに)目を見開いている
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「王…王の仕事だと?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:"汽罐王"を見据える。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ここに何の王がいるというんだ…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「王は正当な理由があって立つから王と言うんだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「キングダムがその辺の十把一絡げの有象無象学区と違ったのは何故か!王などと言う傍若無人の徒が纏まったのは誰のおかげかッ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ならば聞こう美食王よ、正当な理由とはなんだ!」勢いづいて問う。槍の持つ凍気がいや増す。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「正当な理由なく王など立つわけないだろ!少なくとも対外的に認められない!至上王が正当であったのはその力で全てを従えたからだ!今こうして争っている時点で残された有象無象の連中は王でなどあるもんか!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「何を……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いいか!軍事バカども!お友達ごっこ連中でもいい!王位は勝手に転がり込んでなど来ない!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「禅譲か簒奪か!今の状況でならそれだけだ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「民衆が担ぐ王がいるわけでもあるまいからな!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「でなければ群雄割拠だ!その混乱の中で王の仕事?笑わせるな!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「すでに外部戦力が入り込んでるんだぞ!この機を他学区が悠長にみてくれるわけないだろ!」
七十橋シスル:(こいつ……)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「この時点で意見もバラバラだ!どうする?それで?纏まれるのか?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なら正当な理由を勝ち取ったやつがやるしかないだろ!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「ははははは!さすが、力で第四席を勝ち取ったお方は言うことが違う!」騎士王と斬り合いながら笑う。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「私は……群雄割拠も悪くないと思いますが!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「キングダムの誰もが本当は、自分の奉ずる王に頂点に立ってほしかったのではないですか!?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうだな!それをジェネシスやらノドスやらメサイアやら同窓会やら崑崙やらその他諸々が優しく見守ってくれるならな!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「至上王は確かに怖いしワケわからないしヤバいのは確かだが、それをやり切っていたぞ!」
七十橋シスル:(不夜王が気に入るわけだ。視点が近ェ)
"竜王"伊藤算砂:「……では、手早く済ませるべきでしょうね?」
"竜王"伊藤算砂:「誰も王と建てず……落ち目の民主主義なり、流行りの企業経済主義なりに飲み込まれては下らない」
"竜王"伊藤算砂:「ノヴァリスでやる意味がない」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ヒィ…手早くすんなよ)
"焦螟王"ジン・ツァン:「オリヴィエ・クロムハーツを陥とす」虫の姿はないが、羽音だけが渦巻くように響く。
"焦螟王"ジン・ツァン:「竜骸を動かしてくれ……竜王」
"竜王"伊藤算砂:「……」何度もやってきたように、竜化器に手をやるが。
"竜王"伊藤算砂:「……まあ、今更ですか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それでも…やるのですか?”竜王”…ここに正当な手続きなどないというのに」
"竜王"伊藤算砂:「誰もあの王には追いつけない」
"竜王"伊藤算砂:「禅譲とは参りますまい。討伐であるならばそれもまあよいでしょうが」
"竜王"伊藤算砂:「こういうのはどうです?“あれは王ならざる神であった”」
"竜王"伊藤算砂:「神は乱を収め、国をもたらし……役目を終え、神の国へと還った」
"竜王"伊藤算砂:「我々は神の創りし王国を、末永く収める」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうだとしても…神に挑んで負けたとしても…何もしないよりはメンツが立つでしょう…政治は他に威信をしめしてこそ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何もしなかったバカを黙らせる事が出来るだけマシでしょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「『では…お前は挑んだのか?』です」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「やらないよりは正当性ってものが…できる」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(と良いなあ…)
"竜王"伊藤算砂:「それが寄って集ってで格好が付きますか?」
"竜王"伊藤算砂:「相手が必要と存じますが」
"竜王"伊藤算砂:「ここにおります。不足でしょうか?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「不足のあろう筈もない。元より至上王の命でここを守護するのなら、それは彼女の王権に挑むことだ」
七十橋シスル:荊は濁流のようにうねり、諸王連合に向けて襲いかかる。
"焦螟王"ジン・ツァン:「――チッ!!」目に見えない群れが荊の動きに衝突する。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「はははははは!まだまだ……まだまだ!どこまで守り切れますか!?」執拗に、有崎五派とオリーヴ・ウェールズのみを狙っている。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「始めているな、オリヴィエ!」大槍が俊敏にそれを弾く!
有崎五派:「ちょ、ちょっと……やっばい!」頭を抱えてルナンシアの傍にしゃがみ込む
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こ、こいつら~ッ!結局こうなるのか~ッ!)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「く、うっ……」熱を帯びた霧が茨を萎びさせていた。円卓の王の一挙手には”二人がかり”が必要になる。
七十橋シスル:荊を間断なく操りながら、それ自体が決定打にならないことを把握する。
七十橋シスル:美食王の言う通りだ。時間が立てば更に乱入者は増えるだろう。
七十橋シスル:決定的な一撃がいる。戦線の中心にいさせていない、背後を振り返る。
天沼チギリ:「鉄騎王!構えてください!」
天沼チギリ:「それのみに集中を!彼女らは…我々で引き受けます!」
GM:本校舎を突破するには、非現実的なほどの出力が必要となる。
GM:大ノヴァリス博物館が起動不可能な今のキングダムでそれが可能なのは、一人だけだ。
オリーヴ・ウェールズ:「───聖なるかな」
オリーヴ・ウェールズ:天翼が花開く。白銀の鉄を身に纏い、聖剣の光を手に執り掲げる。
オリーヴ・ウェールズ:本校舎とを阻む狭間を視界に収め。地平を照らす黎明の如く、燐光が地より湧き上がる。
オリーヴ・ウェールズ:「……そうして、"誰でもない一人"に手を伸ばせないのであれば。きっと、残るのは後悔だけ」
オリーヴ・ウェールズ:「これから事態はどう動くとしても、今一度会って話をする」
オリーヴ・ウェールズ:「怒りも、恨みも、憧憬も、悔悟も、全てを籠めて。今、それを諦めたら」
オリーヴ・ウェールズ:「……二度と、その手を伸ばす機会は訪れなくなってしまうのだから」
オリーヴ・ウェールズ:「その先に待つのが、再びの断絶であるとしても」
オリーヴ・ウェールズ:「誰一人見捨てない為の───扉を開く王鍵は、此処にある」
オリーヴ・ウェールズ:己が全霊を、その為に注ぐ。この瞬間だけではない。
オリーヴ・ウェールズ:「行き路も、帰り路も。誰の道行も、太陽は照らす。照らしてみせる」
オリーヴ・ウェールズ:負けず嫌いで諦めの悪い少女は、まだ、何も諦めていない。進んだ先の帰還すらも。
オリーヴ・ウェールズ:「……必ず、追いつきます」
オリーヴ・ウェールズ:「だから、背中は任せました!本校舎に届かせるための大儀礼術式を組み上げます……!」
GM:戦端は既に開かれている。大気が凍結する中、大地が変動し、その裂け目から蒸気が噴き出し、目に見えぬ虫がその勢いで加速する。
GM:七十橋シスルが、ウルスラ・ミック・ベニが、天沼チギリが、ルナンシア・ラダ・ランパートが――
GM:そしてオーシャンズ・マウンテンヒルズと有崎五派が、阻害の大波へと立ち向かっている。
GM:だが、全員が理解している。互いの心情を探り、攻撃を交わし合う、この段階はまだ『交渉』や『話し合い』に過ぎない。
GM:キングダムの王にはさらに次の、『戦闘』の段階がある。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「地を均せ!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「…………集け」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「───嘯れ」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「架けよ」
"竜王"伊藤算砂:「――“司れ”」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「オズディリヲ大掻掘の手!!!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「太宗躬災……!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「暗渠孔」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「アンヴァル──」
"竜王"伊藤算砂:「――『円卓』」
【遺産継承者専用アイテム:円卓】
種別:一般
あなたはアイテムアーカイブ掲載の遺産継承者専用アイテム(p118-p121)を、全て同時に所持しているかのように扱う。
装備可能アイテムについては、オートアクションでいくつでも装備を変更してよい。代償は適用しない。
"竜王"[17/120]
"汽罐王"[5/120] "厩司王"[5/120]
"建設王"[8/120] "焦螟王"[6/120]
竜骸[5] 竜骸[5]
竜骸[5]
10m
"拷問王"[17/153] ウルスラ[9/152]
チギリ[6/145] 五派[4/137]
"騎士王"[6/147] "美食王"[7/149]
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:この戦闘におけるルールを説明します。
GM:エネミー生徒および"美食王"は、全員がゲストキャラクターの扱いに準じます。つまり一人につき初期ロイス2つを持ち、PCと同様の形で使用できます。
GM:また"美食王"はエフェクトやアイテムの使用回数は回復していませんが、HPに関しては全回復した状態で参戦しているとして構いません。
GM:エネミーの侵蝕率は120固定で、侵蝕管理をしません。神聖二重冠の効果も侵蝕管理のないNPCに準じ、
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
GM:基本的には、以上の二つの効果のみです。
GM:竜骸の侵蝕率は80%固定です。よって《魔獣の証》は使用できませんが、代わりに暴走状態ではなく、カバーリング可能です。
GM:エネミー生徒は、残りロイス数が0になった上で戦闘不能になると即座に戦場から撤退します。
GM:衝動判定はありません。
■ラウンド1
GM:ここからはGMの仕事はマップを打つくらいしかない……!セットアップ宣言を順にお願いします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《赫き鎧》《鮮血の奏者》《紅の騎行》
ルナンシア・ラダ・ランパート:HPを8点消費し侵蝕+12、ガード・装甲・攻撃力・行動値を上昇させます
七十橋シスル:怨念の呪石。侵蝕+3 暴走します
七十橋シスル:七十橋シスルの侵蝕率を3増加(153 → 156)
七十橋シスル:《ミラーパレス》発動。シスルを相手にしたダイス-8
天沼チギリ:なし
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP34、侵蝕159、ガード+14、装甲値27の防具を装備、攻撃力+27、行動値36
"竜王"伊藤算砂:イニシアチブは精神+4 白猿の額冠で+3 聖者の遺骨で+5で17です。
"竜王"伊藤算砂:同エンゲージの味方全員に対し《戦術》《サポートボディ》 ラウンド間、自分以外のメジャーダイスを+14個、メジャー以外は+8個、自分のダイスを-5個。
"建設王"タナー・K・クエイクス:なし
"焦螟王"ジン・ツァン:なし
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《戦術》 ラウンド間、自分以外のメジャーダイスを+6個。竜王のものとは重複しません。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ナイヨー
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《オーバーウォッチ》《クロックフィールド》。同エンゲージの味方全員のメジャーダイスを+3個、行動値を+5。
竜骸:竜骸は全員が《スタートダッシュ》。移動先ですが……
竜骸:2体をPCのエンゲージに。1体は5mの地点へ。
"竜王"伊藤算砂:エネミーのセットアップは以上。
有崎五派:《活性の霧+タブレット+多重生成》4人を対象にラウンド間攻撃力+18、ドッジダイス-2個。侵蝕8
有崎五派:対象は拷問王、ウルスラちゃん、騎士王、チギリちゃん
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を8増加(137 → 145)
"竜王"伊藤算砂:《デビルストリング》。《タブレット》を打ち消します。
有崎五派:うおっ
"竜王"伊藤算砂:対象を1体から再選択してください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ギャアーッ
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王でお願いします
有崎五派:了解。では拷問王を再選択
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
5m
竜骸[10]
5m
竜骸[10] 竜骸[10]
"拷問王"[17/156] ウルスラ[9/152]
チギリ[6/145] 五派[4/145]
"騎士王"[36/159] "美食王"[7/149]
ルナンシア・ラダ・ランパート:やっぱ散らしてきたか竜骸……
GM:行動値は36。騎士王の手番です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:考えます
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:イニシアチブにエフェクトを宣言したいです。他になければやります。
有崎五派:同じくイニシアチブ宣言。行動値はそちらが先なのでどうぞ~
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《氷熱の軍団》。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ラウンド間の、シーン全体のエネミーの攻撃力を+24。
有崎五派:つよ……では次は私が
有崎五派:《スタヴェイション》対象のあらゆるダイスをラウンド間-18個する。シナリオ1回、侵蝕4
有崎五派:対象は竜王の居るエンゲージ内の全員。
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を4増加(145 → 149)
"竜王"伊藤算砂:このエフェクト……ひどすぎない!?
"竜王"伊藤算砂:やっていいことと悪いことがあるだろ
ルナンシア・ラダ・ランパート:いいだろメジャーダイス17個増えてるんだから
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ww
ルナンシア・ラダ・ランパート:では行動します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《コンセントレイト》《炎の刃》《鮮血の一撃》《血の宴》HP32まで
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を9増加(159 → 168)
ルナンシア・ラダ・ランパート:先にあげちゃったけどまだエフェクトレベルは+1。対象は竜王のエンゲージ全員
ルナンシア・ラダ・ランパート:判定していいかな?
"竜王"伊藤算砂:どうぞ
ルナンシア・ラダ・ランパート:13DX7+3 不安な固定値!
DoubleCross : (13DX7+3) → 10[1,2,3,3,4,5,5,5,6,7,8,8,9]+6[1,1,5,6]+3 → 19
ルナンシア・ラダ・ランパート:ヤバいこと起きちゃったな
天沼チギリ:うわっ
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:海鳴の石版。達成値を-15します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:はい……(しょぼしょぼ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:悲しい
七十橋シスル:でも君たちドッジできるんですか?
"竜王"伊藤算砂:できるわけないでしょ ドッジなんて誰も……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《氷壁》します
天沼チギリ:全部1出ろ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ファンブルしか希望がない
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:行動権を消費、攻撃達成値を難易度とした判定に成功すれば攻撃失敗させます。
七十橋シスル:氷壁って
七十橋シスル:メジャーアクション対象のダイス乗るんですか?
"竜王"伊藤算砂:乗らないです
天沼チギリ:載らないはず
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうだった ククク……現時点で振れるダイスは-1のはず……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:あっ正確には《氷壁》《リフレックス:サラマンダー》ですね。
ルナンシア・ラダ・ランパート:-2か。8+8-18
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:そう もともと8個 支援で8個増えて……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:なんか-18されてるので……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:今のところ振れませんが。止めますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:止めません
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ロイスを1つ昇華。不利な効果を解除します。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:16個で判定します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:何~~ッ!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:やるな~ッ
ルナンシア・ラダ・ランパート:おもしれえ 越えてみな この騎士王の達成値を
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:16DX7+21
DoubleCross : (16DX7+21) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,2,4,5,8,10,10,10,10]+10[1,4,5,5,9]+6[6]+21 → 47
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:行動済になりました。
ルナンシア・ラダ・ランパート:はい……騎士王攻撃打ち消されます・・
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕が上がったのでイニシアチブが46になりました(だから?)
"竜王"伊藤算砂:はや
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
5m
竜骸[10]
5m
竜骸[10] 竜骸[10]
"拷問王"[17/156] ウルスラ[9/152]
チギリ[6/145] 五派[4/145]
"騎士王"[46/168] "美食王"[7/149]
"竜王"伊藤算砂:こちらのイニシアチブ。宣言ありますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王、お願いします。
七十橋シスル:かしこまりました。《原初の白:時間凍結》
七十橋シスル:HP25→5、侵蝕は156→163
七十橋シスル:行動権を得ます
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵入してください。竜王エンゲージに!
七十橋シスル:お望みのままに……
"竜王"伊藤算砂:なんだと……
"竜王"伊藤算砂:同エンゲージ不可が怖くないのか
七十橋シスル:【荊影相伴う】マイナーで《陽炎の衣》《光芒の疾走》。隠密しながらエンゲージに侵入!
七十橋シスル:【杯無き魔女の糸を逐う】メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《原初の赤:要の陣形》!
七十橋シスル:ワイバーン3騎を攻撃!
"竜王"伊藤算砂:くっ……隠密相手には何もありません
七十橋シスル:隠密こそ最強!!
七十橋シスル:命中時にガード値-6です
七十橋シスル:えっとダイス数は
七十橋シスル:14dx7+14
DoubleCross : (14DX7+14) → 10[1,1,2,2,3,6,7,7,8,8,9,10,10,10]+10[1,2,2,3,4,4,6,9]+4[4]+14 → 38
七十橋シスル:そこそこ 固定値ありがとう
竜骸:こいつらは《スタベイジョン》を免れているのでリアクション可能です。ドッジ。
竜骸:x3 15dx>=38
DoubleCross : #1
(15DX10>=38) → 10[3,3,4,5,5,5,6,7,7,7,8,8,9,9,10]+9[9] → 19 → 失敗
#2
(15DX10>=38) → 9[1,1,3,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8,9,9] → 9 → 失敗
#3
(15DX10>=38) → 8[1,1,2,2,3,3,4,5,5,6,7,7,8,8,8] → 8 → 失敗
竜骸:まあ流石にね……ダメージどうぞ。
七十橋シスル:ではダメージ
七十橋シスル:11+10+18+5d10+4d10
DoubleCross : (11+10+18+5D10+4D10) → 11+10+18+35[9,3,10,3,10]+23[8,8,4,3] → 97
"竜王"伊藤算砂:マジ……?
"竜王"伊藤算砂:ガードも装甲もないのでそのままダメージが入ります。
七十橋シスル:ではダメージが入ったことで
"竜王"伊藤算砂:残りHP24点になりました。
七十橋シスル:【影は傍近く】 《巨人の影》ミラーパレスのレベル+2
七十橋シスル:で、更にダメージが入ったことで
七十橋シスル:《悪食の蛇》。《巨人の影》の回数を回復。
七十橋シスル:で、更に更にダメージが入ったので、
七十橋シスル:《巨人の影》。フラッシュゲイズのレベル+2。
"竜王"伊藤算砂:隠密中にカスのオートコンボするんじゃないよ
七十橋シスル:対象自身だし……
七十橋シスル:侵蝕は16あがって179
七十橋シスル:シスルを対象にしたダイス-12、フラッシュゲイズのレベルは160越えたので7
"竜王"伊藤算砂:悪夢
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
"拷問王"[17/179]
5m
竜骸[10]
5m
竜骸[10] 竜骸[10]
ウルスラ[9/152]
チギリ[6/145] 五派[4/145]
"騎士王"[46/168] "美食王"[7/149]
"竜王"伊藤算砂:もうすでに《スタベイジョン》とかいうやつあるんだぞ!
七十橋シスル:何も出来ないまま死んでくれ……以上
"竜王"伊藤算砂:今度こそ動きます 今度こそ……
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうぞ!
"竜王"伊藤算砂:マイナーで《陽炎の衣》。夜の小鳥により獲得しています。
"竜王"伊藤算砂:強いんですよ この隠密ってやつ……
ルナンシア・ラダ・ランパート:何ぃ 一体何を企んでいる
"竜王"伊藤算砂:メジャー『私は十字に使え』:《原初の赤:ダンシングシミター》《砂の刃》《クリスタライズ》《サイレンの魔女》。使用武器は黒曜石のナイフと鬼切りの古太刀です。
"竜王"伊藤算砂:蛇王の外套によって《原初の赤:ダンシングシミター》、白猿の額冠によって《サイレンの魔女》を獲得しています。
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんてやつだ……しかも雷神の戦鎚とかで打点も高い
ルナンシア・ラダ・ランパート:だが……サポートボディでダイスは-5! 果たして振れるかな!
天沼チギリ:スタヴェイションも乗ってたっけ
"竜王"伊藤算砂:今のダイスは……元が自前による影響で8個
"竜王"伊藤算砂:スタベイジョンで-18 戦術とオーバークロックもらって+9
"竜王"伊藤算砂:正味-1個なので……
"竜王"伊藤算砂:神聖二重冠の選択効果を使用。
ルナンシア・ラダ・ランパート:こいつ!
"竜王"伊藤算砂:・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
"竜王"伊藤算砂:ダイスボーナスが3個→9個 5個で判定できるようになります。
"竜王"伊藤算砂:5dx+14
DoubleCross : (5DX10+14) → 9[2,2,4,7,9]+14 → 23
"竜王"伊藤算砂:あっすいません
七十橋シスル:攻撃対象は?
"竜王"伊藤算砂:対象指定してない
"竜王"伊藤算砂:拷問王以外のPC全員です。
七十橋シスル:チッ
ウルスラ・ミック・ベニ:美食王頼みます
天沼チギリ:美食王!たすけて!
天沼チギリ:あ、隠密か!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:隠密では
天沼チギリ:ギャー!死んじゃう!
ウルスラ・ミック・ベニ:これは単体対象に取るのか……!
七十橋シスル:孤独の魔眼は使えるけど巨壁はどうかしら
ルナンシア・ラダ・ランパート:使えるらしいです お願い!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ならば使いましょう
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:守護者の巨壁
"竜王"伊藤算砂:『王より私を可愛がる』《デビルストリング》《デビルスレッド》。《守護者の巨壁》を打ち消し。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:デスヨネ
"竜王"伊藤算砂:対応どうぞ。《砂の刃》の効果でガード値を-5します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガード EX『緘ざせ、氷累の石棺(グレイシア)』《氷盾》で他の人のドッジを見てカバーします。
天沼チギリ:ドッジします
天沼チギリ:7dx+1
DoubleCross : (7DX10+1) → 9[2,5,9,9,9,9,9]+1 → 10
天沼チギリ:ウーンだめ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ではチギリちゃんにPS『ザ・ナイツ・ソルヴァ』《炎陣》
ウルスラ・ミック・ベニ:6dx>=23 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=23) → 8[1,1,4,5,7,8] → 8 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を4増加(168 → 172)
有崎五派:ドッジ
有崎五派:5dx>=23
DoubleCross : (5DX10>=23) → 6[1,2,3,4,6] → 6 → 失敗
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:7dx>=23
DoubleCross : (7DX10>=23) → 9[3,4,4,5,5,7,9] → 9 → 失敗
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:小皿料理は細やかに 崩れずの群れで有崎先生をカバー
"竜王"伊藤算砂:みんなOKかな?ダメージ行きます
ルナンシア・ラダ・ランパート:お願いします
"竜王"伊藤算砂:雷神の戦鎚の効果を使用。シナリオ1回、ダメージに+2D10。
"竜王"伊藤算砂:3d10+2d10+38+24 装甲無視
DoubleCross : (3D10+2D10+38+24) → 23[6,7,10]+10[5,5]+38+24 → 95
ルナンシア・ラダ・ランパート:アタッカーみたいなダメージ出しやがって!
"竜王"伊藤算砂:外付けだけでこんな出るんだなあ
ルナンシア・ラダ・ランパート:当然爆散し、セベクちゃんのロイスで復帰します
ウルスラ・ミック・ベニ:戦闘不能、予備心臓を使って復活
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(152 → 159)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:まだカバに載ってないんだよな
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:うーん ダメージ軽減がちょっとでもあれば耐えられたのに
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王が……落とされた!
"竜王"伊藤算砂:美食王倒せることあるんだ
"竜王"伊藤算砂:円卓って……すごいな
ルナンシア・ラダ・ランパート:マジか
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:3点足りない 全快してないからなあ
有崎五派:ごめん……ッ守ってくれてありがとう……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:カバに乗って居れば耐えられた
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:仕方ないのでエンブレムのギルティ使います
GM:あ、すいません
GM:戦闘の最初でご説明したのですが
GM:美食王は全快扱いで復帰しているとしています
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:あ、じゃあ耐えられる!
ルナンシア・ラダ・ランパート:耐えてる!
"竜王"伊藤算砂:全回復だったら……190点ダメージを耐えられるってのかよ
"竜王"伊藤算砂:耐えられるんだよな……
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんでだよ
有崎五派:すごすぎ
天沼チギリ:嘘みたいな耐久力
GM:HPは持ち越ししていません なぜならアカネ先輩に倒された時点でHP0になっているからです
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:やったか!?だった
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:冗談みたいなHP
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを190減少(227 → 37)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:耐えた!
GM:美食王はカバー分の侵蝕上昇もお願いします
七十橋シスル:普通のPCみたいなHPだ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:はーい
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(155 → 157)
"竜王"伊藤算砂:ルナンシア、ウルスラ、オーシャンズに《餓鬼魂の使い》。エンブレム「死毒袋」の効果によってランク4になった邪毒を与えます。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:冥府の棺
ルナンシア・ラダ・ランパート:くらいます
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:邪毒を解除
ルナンシア・ラダ・ランパート:健康~~
ウルスラ・ミック・ベニ:喰らいます
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王の侵蝕を159にしておきます。
"竜王"伊藤算砂:削りきれなくても……侵蝕率は上げさせねばね
GM:カバー分でしたら、上昇させた後の数値が157です
GM:ああいや、すいません
GM:冥府の棺分か
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
"拷問王"[17/179]
5m
竜骸[10]
5m
竜骸[10] 竜骸[10]
ウルスラ[9/159]
チギリ[6/145] 五派[4/145]
"騎士王"[46/172] "美食王"[7/159]
"竜王"伊藤算砂:以上。なお、こちらにはこのラウンドこれ以上イニシアチブ行使ありません。
七十橋シスル:では私かな
ルナンシア・ラダ・ランパート:たのむぜ
七十橋シスル:マイナーで《陽炎の衣》。移動はなし。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《原初の赤:要の陣形》
七十橋シスル:陽炎と要は残り3回ずつ
七十橋シスル:ワイバーン3体に攻撃します
"竜王"伊藤算砂:だから止められないんだよ……判定どうぞ。
七十橋シスル:14dx7+14
DoubleCross : (14DX7+14) → 10[2,2,2,2,3,5,5,6,6,7,9,10,10,10]+6[1,2,5,5,6]+14 → 30
七十橋シスル:地味に腐ってるの怖いなあ……!
七十橋シスル:リアクションどうぞ
竜骸:全員ドッジします。
竜骸:x3 15dx>=30
DoubleCross : #1
(15DX10>=30) → 10[1,1,2,3,3,4,5,6,6,7,8,9,10,10,10]+10[8,9,10]+7[7] → 27 → 失敗
#2
(15DX10>=30) → 10[1,1,2,3,3,4,5,5,5,7,9,10,10,10,10]+9[6,7,8,9] → 19 → 失敗
#3
(15DX10>=30) → 10[1,1,2,5,6,7,8,8,8,9,9,9,9,9,10]+9[9] → 19 → 失敗
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:1に《妖精の手》。
七十橋シスル:待った
"竜王"伊藤算砂:あっすいません……!
七十橋シスル:あ、いや大丈夫です
"竜王"伊藤算砂:どれが123ってタグ付けしてなかったです
"竜王"伊藤算砂:ここまでの条件同じなので……ランダムで決めます
ルナンシア・ラダ・ランパート:賢い お願いします
"竜王"伊藤算砂:choice[5m先の,エンゲージの1,エンゲージの2]
DoubleCross : (choice[5M先の,エンゲージの1,エンゲージの2]) → エンゲージの2
竜骸:ぼく1!
有崎五派:かわいいね
"竜王"伊藤算砂:一応2,3も決めます
"竜王"伊藤算砂:choice[5m先の,エンゲージの2] これが2
DoubleCross : (choice[5M先の,エンゲージの2]) → エンゲージの2
"竜王"伊藤算砂:1,2がエンゲージ中のやつ、3が5m先のやつです。
"竜王"伊藤算砂:1が27出したやつ
ルナンシア・ラダ・ランパート:了解!
七十橋シスル:こちらは割り込み等なしです。どうぞ再回転を
竜骸1:1DX+30
DoubleCross : (1DX10+30) → 8[8]+30 → 38
七十橋シスル:では1以外にダメージ
七十橋シスル:11+10+18+5d10+4d10
DoubleCross : (11+10+18+5D10+4D10) → 11+10+18+39[3,10,9,8,9]+20[3,7,3,7] → 98
七十橋シスル:侵蝕は11上がって190
竜骸:耐えられません。2,3は撃破。
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
"拷問王"[17/190]
10m
竜骸[10]
ウルスラ[9/159]
チギリ[6/145] 五派[4/145]
"騎士王"[46/172] "美食王"[7/159]
"建設王"タナー・K・クエイクス:建設王の手番。
有崎五派:来なッ
"建設王"タナー・K・クエイクス:マイナーで《縮退機関》。HPを12点消費し攻撃力を+24。
"建設王"タナー・K・クエイクス:メジャーは《コンセントレイト:バロール》《漆黒の拳》《カスタマイズ》。対象ですが……
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《拡散する世界》を使用。HPを20点消費し、射程を視界、対象をシーン(選択)に拡張。
天沼チギリ:こいつ…!
ルナンシア・ラダ・ランパート:完全に忘れてた
七十橋シスル:こっちに使うのか!
"建設王"タナー・K・クエイクス:拷問王以外を攻撃します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:くそっせっかく拷問王以外殴れなくしたと思ったのに!
ルナンシア・ラダ・ランパート:時の棺お願いできますか?
天沼チギリ:おうよ!
天沼チギリ:《時の棺》!くらいなっ!
"竜王"伊藤算砂:『王より私を可愛がる』《デビルストリング》《デビルスレッド》
"竜王"伊藤算砂:させられている 消費を……
天沼チギリ:ミ゛ッ
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を10増加(145 → 155)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ダイスはいくつでしょう
"建設王"タナー・K・クエイクス:いま9個です
ルナンシア・ラダ・ランパート:通します。
"建設王"タナー・K・クエイクス:9dx7+2
DoubleCross : (9DX7+2) → 10[5,5,5,6,6,8,8,9,10]+10[1,5,6,9]+4[4]+2 → 26
天沼チギリ:ドッジ…出来そう!
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《妖精の手》
天沼チギリ:やめろー!
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうだそうだ やめなさい
"建設王"タナー・K・クエイクス:まあこんなん止めないでしょ……振ります
天沼チギリ:どうぞ
ウルスラ・ミック・ベニ:どうぞ
"建設王"タナー・K・クエイクス:1DX7+32
DoubleCross : (1DX7+32) → 5[5]+32 → 37
天沼チギリ:うーん、一応ドッジ
天沼チギリ:してもいいかな?
"竜王"伊藤算砂:ドッジ宣言自体を止めるすべはこっちにはないです
ウルスラ・ミック・ベニ:6dx>=37 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=37) → 10[2,3,6,7,7,10]+6[6] → 16 → 失敗
有崎五派:5dx>=37 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=37) → 10[2,5,6,10,10]+5[3,5] → 15 → 失敗
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:じゃあドッジ
天沼チギリ:7dx+1
DoubleCross : (7DX10+1) → 9[1,2,3,3,8,9,9]+1 → 10
天沼チギリ:むりだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガード《氷盾》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:7dx>=37
DoubleCross : (7DX10>=37) → 9[1,4,4,7,7,8,9] → 9 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》先生をカバーします。チギリちゃんは美食王が守ってください
天沼チギリ:ヒーンヒーン
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を4増加(172 → 176)
天沼チギリ:お願いします
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》チギリを守ります
ルナンシア・ラダ・ランパート:すいませんエフェクトの宣言を取り消し!
ルナンシア・ラダ・ランパート:10DX+1 ドッジ
DoubleCross : (10DX10+1) → 10[2,2,3,3,4,6,6,9,9,10]+1[1]+1 → 12
ルナンシア・ラダ・ランパート:お願いします!
有崎五派:ウォォォルナンシアちゃんは私が護るッ!行動放棄でカバー!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(159 → 161)
ルナンシア・ラダ・ランパート:先生……♡
"建設王"タナー・K・クエイクス:4d10+17+24+24 装甲無視
DoubleCross : (4D10+17+24+24) → 23[1,2,10,10]+17+24+24 → 88
ウルスラ・ミック・ベニ:旧友:オリーヴ・ウェールズ/P友情〇:N心配 ロイス取得してタイタス昇華、復活
有崎五派:ひ~~~んみんな強いよぉ……弩兎流のロイス切ってHP11で復活
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:これは耐えられないのでエンブレムのギルティを使用 HP全快して復活します
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
"拷問王"[17/190]
10m
竜骸[10]
ウルスラ[9/159]
チギリ[6/155] 五派[4/145]
"騎士王"[46/172] "美食王"[7/161]
"建設王"タナー・K・クエイクス:銀色の腕の効果でHP-2 今度はバックファイアでも大丈夫!
"焦螟王"ジン・ツァン:"焦螟王"の手番です。
"焦螟王"ジン・ツァン:マイナーなし、メジャー《雨粒の矢》《砂の刃》《クリスタライズ》。
"焦螟王"ジン・ツァン:対象は拷問王を含めたPC全員です。
"焦螟王"ジン・ツァン:対応ありますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王の《フラッシュゲイズ》
ルナンシア・ラダ・ランパート:七十橋シスルの侵蝕率を193に変更
"焦螟王"ジン・ツァン:じゃあええと 何個になるんだ今……?
"竜王"伊藤算砂:拷問王だけでいくつ減るんですっけ
七十橋シスル:12+14
七十橋シスル:26へる
ルナンシア・ラダ・ランパート:そもそも拷問王を含んで判定できるのかというレベルになってきたな
ルナンシア・ラダ・ランパート:スタヴェイジョンで18減ってるから
ルナンシア・ラダ・ランパート:フラッシュゲイズ前に30減ってる
七十橋シスル:でもサポート戦術で17増えてる
ルナンシア・ラダ・ランパート:本来のダイス数が少なかったはず
"竜王"伊藤算砂:30個減って17個増えてるので 外付けで-13個になってる
"焦螟王"ジン・ツァン:ロイスを昇華、不利な効果を解除します。
七十橋シスル:これって
七十橋シスル:素のダイスは?
"焦螟王"ジン・ツァン:5個です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:タイタス昇華で常時エフェクトであるミラーパレスの効果は消えるんでしょうか
"竜王"伊藤算砂:不利な効果を解除したから これからの判定は22個振ります
七十橋シスル:この判定に限りは消えるはず
ルナンシア・ラダ・ランパート:フラッシュゲイズは取り下げてもいいですか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:本来ダイスを振れなかったことを知らずに宣言していたので……
ルナンシア・ラダ・ランパート:取り下げてもいいらしいですが、使用します。ダイスを-14個してください
"焦螟王"ジン・ツァン:では判定します!
"焦螟王"ジン・ツァン:8dx+11
DoubleCross : (8DX10+11) → 10[2,3,4,4,7,8,10,10]+3[1,3]+11 → 24
"焦螟王"ジン・ツァン:自分に《妖精の手》
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうぞ!
"焦螟王"ジン・ツァン:1dx+31
DoubleCross : (1DX10+31) → 5[5]+31 → 36
七十橋シスル:暴走中につきリアクション不可~
ウルスラ・ミック・ベニ:6dx>=36 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=36) → 10[2,5,7,7,7,10]+10[10]+8[8] → 28 → 失敗
"竜王"伊藤算砂:こわ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガードし《氷盾》のみ使用
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を2増加(172 → 174)
天沼チギリ:7dx+1 ドッジ
DoubleCross : (7DX10+1) → 9[1,2,5,6,6,7,9]+1 → 10
ウルスラ・ミック・ベニ:妖精の手が無ければ
有崎五派:5dx>=36 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=36) → 10[3,8,10,10,10]+8[3,7,8] → 18 → 失敗
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ドッジ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:8dx>=36
DoubleCross : (8DX10>=36) → 10[1,1,2,5,7,8,9,10]+3[3] → 13 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃんをカバーしてください
天沼チギリ:ありがたい…
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:はーい
有崎五派:有崎シールドは品切れ……カバーエフェクト取るべきだったか
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(161 → 163)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《凍てつく刃》。攻撃力を+1d10+18
ルナンシア・ラダ・ランパート:ダメージをお願いします
"焦螟王"ジン・ツァン:4d10+1d10+28+24+18 ガード-5 装甲無視
DoubleCross : (4D10+1D10+28+24+18) → 21[3,7,2,9]+6[6]+28+24+18 → 97
七十橋シスル:死にます。死蔵王のロイスを昇華して復活
ウルスラ・ミック・ベニ:チギリロイスをタイタス昇華して復活
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあ全然死ぬよね! すればよかったカバーリング!
"竜王"伊藤算砂:さっき忘れてました 《餓鬼魂の使い》を拷問王と先生へ。邪毒ランク4を受けてください。
有崎五派:死死死死!死蔵王へのロイスを切ってHP11で復活!
有崎五派:ギャーッ!!
七十橋シスル:初ロイス昇華……うわっ餓鬼玉4!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを194減少(227 → 33)
ルナンシア・ラダ・ランパート:名もなき生徒のロイスを昇華して立ち上がります。残ロイス2。
七十橋シスル:肉体1勢にきっちり刺して来やがる
ルナンシア・ラダ・ランパート:餓鬼魂きつすぎるな……
"竜王"伊藤算砂:行動値10組を動かします。
有崎五派:どうぞ~!
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:こっちから!
ルナンシア・ラダ・ランパート:すいません遡ります!
ルナンシア・ラダ・ランパート:こちらの復活処理前、五波先生の《奇跡の雫》《タブレット》《多重生成》
ルナンシア・ラダ・ランパート:私と拷問王とウルスラを復活したいです。
"竜王"伊藤算砂:《デビルストリング》だけ使います。《タブレット》を打ち消し。
"竜王"伊藤算砂:単体にしてください。
有崎五派:おっ一人は起こせる。じゃあ騎士王かな
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありがとうございます。起きます
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を11増加(149 → 160)
"竜王"伊藤算砂:ちょっと待ってください あの……
"竜王"伊藤算砂:なんかエフェクトレベル上がってないですか……?
"竜王"伊藤算砂:なんだかダイスマイナスが-21個になっているような……
有崎五派:いつの間にこんなことになったのかしらね……
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあでももう残ってるのスタヴェられてない竜骸の攻撃だけですからね
"竜王"伊藤算砂:な~んだ 安心だ
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:改めて行動しようかな~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:イニシアチブ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:色ロイスを使用します
ルナンシア・ラダ・ランパート:PU!
"竜王"伊藤算砂:ピイイ……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:色ロイスパープル 至上王への恩義の力でHPを全回復
七十橋シスル:なんて忠誠心だ
"竜王"伊藤算砂:HP227って……なんなんですか?
"竜王"伊藤算砂:エネミーのHP合計しても届かないんですけど……
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:では改めて。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:マイナーでパラダイスフルーツを使用。HPを5D点回復し、重圧と放心を受けます。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《リフレッシュ》で両者を解除。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:7+5d10
DoubleCross : (7+5D10) → 7+35[4,7,10,4,10] → 42
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王も御用達のフルーツを
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:MAXの27点まで回復しました。
ルナンシア・ラダ・ランパート:やべ
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:メジャーアクションは「ハーミットセプター」を使用します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ギャーッ!
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「カーテンライズ」の効果が発動。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:自身が"ハーミットセプター"の影響下にある場所にいる間、シーンにいる自身以外の任意のキャラクターのC値-1(下限値6)
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:エネミー全員を対象にします。
竜骸:優秀な回避の冴えを見せた竜骸1の行動に移ります。
竜骸:マイナーで《破壊の爪》
竜骸:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《銘なき刃》《疾風剣》《獅子奮迅》。
竜骸:エンゲージ内の美食王以外を攻撃します。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:来いヨビビってんのかい?
竜骸:そうなの ビビってるから……
竜骸:そっちから飛び込んできてね
竜骸:ダイス数は24個です。対応ありますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:えーっとですね 考えます
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃんの《異世界の因子》を使用したいです。
天沼チギリ:使用します!
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を5増加(155 → 160)
天沼チギリ:《デビルストリング》を取ります
"竜王"伊藤算砂:《デビルストリング》《デビルスレッド》。《異世界の因子》を打ち消し。
"竜王"伊藤算砂:《デビルスレッド》はこれで打ち止めです。
ウルスラ・ミック・ベニ:通します
天沼チギリ:ウエーン
ルナンシア・ラダ・ランパート:では五派先生……お願いします!
有崎五派:シャァ!私は……お前達が大好きだッ!
有崎五派:キングダムの生徒達 のロイスをSロイスに指定、即昇華!《帰還の声》の使用回数を回復します
"竜王"伊藤算砂:止めろ~~~
"竜王"伊藤算砂:犯罪でしょ
有崎五派:そのまま使用。《帰還の声+タブレット+多重生成》
ルナンシア・ラダ・ランパート:犯罪に手を染めるしか……おまえを倒す手段はない!
"竜王"伊藤算砂:最後の《デビルストリング》。《タブレット》を打ち消します。
"竜王"伊藤算砂:対象を単体にしてください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では単体対象の回復を
ウルスラ・ミック・ベニ:時の砂時計使用、竜王の《デビルストリング》打ち消し。
ルナンシア・ラダ・ランパート:待って!
ウルスラ・ミック・ベニ:待ちます
ルナンシア・ラダ・ランパート:失礼しました。待たなくて大丈夫です。砂時計を適用してください
"竜王"伊藤算砂:こっちが必死に……節約しながら止めてきた数々の極悪エフェクトを……
"竜王"伊藤算砂:全部復活させるんじゃないよ
有崎五派:では改めて対象宣言。私、チギリちゃん、拷問王、騎士王、美食王の5人
有崎五派:私はせっかくだからこの《スタヴェイション》を選ぶわ!
有崎五派:みんなも好きなのを買いなさい!奢りよ!
天沼チギリ:ありがとうございます!《異世界の因子》を復活!
七十橋シスル:《原初の白:時間凍結》を復活します
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありがとう先生!《血の宴》を未使用に
七十橋シスル:さすが先生、太っ腹~!
七十橋シスル:騎士王は騎行を回復しなさい
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうだった 記憶失ってた
ルナンシア・ラダ・ランパート:《紅の騎行》の回数を復活
"竜王"伊藤算砂:ひどすぎる~~~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:そこの《守護者の巨壁》をちょうだい!
GM:どんなミラクルも起き放題だ
竜骸:改めてボクの攻撃直前!
ルナンシア・ラダ・ランパート:すみません 判定どうぞ
GM:侵蝕上昇もお願いね
有崎五派:あっそうでした!
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を11増加(160 → 171)
"竜王"伊藤算砂:11でやっていい狼藉か……?これが
竜骸:24DX6+3
DoubleCross : (24DX6+3) → 10[1,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6,6,6,6,7,7,7,9,9,9,9,10,10,10]+10[2,2,2,4,4,5,5,6,7,7,7,8,8,9,9,9,10]+10[1,1,2,3,6,7,8,8,9,9]+10[1,2,6,6,7,9]+10[3,6,9,9]+10[7,7,10]+10[5,7,8]+10[3,9]+4[4]+3 → 87
竜骸:ボクがんばったよ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ふざけんなバーカ!
天沼チギリ:バーカ!!
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:よくやった!!
天沼チギリ:ど、ドッジ…
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:感動した!!
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:えらいぞ~♡
竜骸:エヘヘ……
有崎五派:もしかして君があの影の正体なのか?
ウルスラ・ミック・ベニ:6dx>=87 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=87) → 10[1,2,5,9,10,10]+6[5,6] → 16 → 失敗
有崎五派:6dx>=87 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=87) → 8[2,2,2,3,6,8] → 8 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:10DX+1>=87
DoubleCross : (10DX10+1>=87) → 9[1,2,4,4,5,6,7,8,9,9]+1 → 10 → 失敗
天沼チギリ:7dx+1
DoubleCross : (7DX10+1) → 8[2,4,6,7,7,8,8]+1 → 9
ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》ウルスラをカバーします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:8DX 美食王のドッジ
DoubleCross : (8DX10) → 9[1,1,3,4,6,7,9,9] → 9
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王の《崩れずの群れ》五波先生をカバーします
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を2増加(174 → 176)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ねらわれてない
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっ本当だ 範囲だから
"竜王"伊藤算砂:狙ってはいけない対象が多すぎる
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあ普通にカバーしたということでお願いします
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ほーい
ルナンシア・ラダ・ランパート:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を165に。
"焦螟王"ジン・ツァン:《力の法則》 ダメージを+6d10。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《凍てつく刃》ダメージを+1d10+18。
ルナンシア・ラダ・ランパート:うう……しぬ……
有崎五派:ありがとう……美食王さま……
竜骸:あっ言い忘れてました ドッジダイスは-5個でしたね
竜骸:まあ絶対無理でしたでしょうけど……
ウルスラ・ミック・ベニ:ごはせんはメジャー放棄カバーしなくていいの?
ウルスラ・ミック・ベニ:メジャーで何かやる?
有崎五派:実はもう一回切っちゃってる!
"竜王"伊藤算砂:もうした
天沼チギリ:ごはせんはメジャー放棄カバーした!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ごはせんはメジャー放棄カバーもうしてます
ルナンシア・ラダ・ランパート:総ツッコミになっちゃった
ウルスラ・ミック・ベニ:失礼!
ルナンシア・ラダ・ランパート:そういえばドッジ-5だった
ルナンシア・ラダ・ランパート:まぁ食らうのでダメージを頼む!
竜骸:9d10+6d10+1d10+18+18+24 諸々有効
DoubleCross : (9D10+6D10+1D10+18+18+24) → 46[1,3,8,3,6,7,9,8,1]+32[6,7,5,9,1,4]+3[3]+18+18+24 → 141
ウルスラ・ミック・ベニ:先生:ごはせん/P尊敬〇:N不安 ロイス取得、昇華して復活
天沼チギリ:竜王にロイス取得。感服/〇脅威、昇華復活
ルナンシア・ラダ・ランパート:先ほど温存していた名もなき生徒のタイタスを昇華、HP16で復活します。
天沼チギリ:HP13で復活
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを134減少(227 → 93)
竜骸:くっ……カバー2倍じゃないばかりに
"竜王"伊藤算砂:しばらく連続していましたが、こちらの手番は以上です。
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
"拷問王"[17/193]
10m
竜骸[10]
ウルスラ[9/159]
チギリ[6/160] 五派[4/171]
"騎士王"[46/176] "美食王"[7/165]
ルナンシア・ラダ・ランパート:【重要】ウルスラちゃんがタイタス復活の宣言をしていますが、私がカバーしています。今回はチギリちゃんがタイタスを昇華しているので、チギリちゃんの昇華を3、ウルスラちゃんの昇華を2に変更しておきます。
ウルスラ・ミック・ベニ:ごめん、ありがとう!
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王が神聖二重冠の効果を使用します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕率を5上昇しHPを最大値まで回復
ルナンシア・ラダ・ランパート:《時間凍結》を使用し行動します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《陽炎の衣》《光芒の疾走》隠密しながらエンゲージを離脱。PCエンゲージを飛び越えて22m後退
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕率が202に。
七十橋シスル:では引き継ぎます。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《原初の赤:要の陣形》
七十橋シスル:攻撃対象は、竜骸、建設王、厩司王の三人。
七十橋シスル:攻撃時にウルスラさんのロイスを昇華。ダイス数+10。
ルナンシア・ラダ・ランパート:C値低下のほうがいいかも
七十橋シスル:じゃあそっちの方で! C値-1
七十橋シスル:侵蝕200を越えてるので更にダイスふえる
七十橋シスル:いきます
七十橋シスル:15dx6+14
DoubleCross : (15DX6+14) → 10[1,1,2,3,5,6,6,6,7,7,8,8,8,9,9]+10[1,1,2,3,5,6,7,8,8,10]+5[1,3,3,3,5]+14 → 39
竜骸:こいつだけドッジできる。ドッジを試みます。
竜骸:カーテンライズの効果でC値は-1されています。
ルナンシア・ラダ・ランパート:躱すな!
竜骸:15dx9>=39
DoubleCross : (15DX9>=39) → 10[1,1,2,3,4,4,4,5,5,6,6,8,8,9,10]+2[1,2] → 12 → 失敗
天沼チギリ:まんじりともせず攻撃を受け入れろ!
ウルスラ・ミック・ベニ:通った!
竜骸:ウワ~ 全然ダメだ
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《妖精の手》
ルナンシア・ラダ・ランパート:やめなさい
天沼チギリ:余計な事すんな!
竜骸:こういうところに使うのがいっちゃんいいんだから
ルナンシア・ラダ・ランパート:……じゃあこっちも使いますか
ルナンシア・ラダ・ランパート:待って、考える。1DX9+20スタートで39越えてくるのは4%か
天沼チギリ:96%あたるぜ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:怖ェ~! 通す!
竜骸:チッ 浪費すればいいものを……
竜骸:1dx9+20>=39
DoubleCross : (1DX9+20>=39) → 6[6]+20 → 26 → 失敗
竜骸:くっ……
七十橋シスル:期待させちまって
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ガードします。ガード値は無いんですけど……
七十橋シスル:ワリィーーーーーなあ!
"建設王"タナー・K・クエイクス:ガード。《砂の結界》で"厩司王"をカバーリング。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:暴食する?
七十橋シスル:隠密!
ルナンシア・ラダ・ランパート:隠密!
ルナンシア・ラダ・ランパート:このままいきましょう。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:残念
七十橋シスル:でもお陰で隠されないからなあ
七十橋シスル:ダメージ
七十橋シスル:11+10+18+5d10+4d10
DoubleCross : (11+10+18+5D10+4D10) → 11+10+18+25[8,2,5,7,3]+30[10,3,9,8] → 94
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:イエーイ
竜骸:竜骸は当然死亡!全滅しました。
"建設王"タナー・K・クエイクス:建設王も2倍にならずとも耐えられない。復活回数を1回消費しHP12で復活します。
七十橋シスル:やっと素の攻撃で落ちたな…… 侵蝕は210に
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクの手番
ウルスラ・ミック・ベニ:【NS:インフィニティ・バッグ】マイナーで《インフィニティウェポン》《スーパーランナー》攻撃力19の白兵武器を作成して移動距離+5mの戦闘移動。
ウルスラ・ミック・ベニ:エネミーのエンゲージに突入しつつ侵蝕率上昇によりエフェクトレベル+2。作成武器の攻撃力22。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を4増加(159 → 163)
ルナンシア・ラダ・ランパート:いけー!
オリーヴ・ウェールズ:やっちゃえ!
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》《スプリットアタック》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ウルスラ・ミック・ベニ:対象は5体なので5人の王全員。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《隠された世界》を使用。対象を単体に変更してください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では対象指定は厩司王。
ウルスラ・ミック・ベニ:厩司王を狙います。
ウルスラ・ミック・ベニ:【PS:死者の加護】《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+8D、攻撃力+28。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(163 → 169)
ウルスラ・ミック・ベニ:判定します
ウルスラ・ミック・ベニ:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[2,3,4,4,4,4,5,5,6,6,6,8,9,9]+10[2,6,9]+2[2]+6 → 28
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「海鳴の石版」を使用。達成値を-15。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:まあ下げてもらっても……《スタヴェイション》の効果でダイスは振れないんですが……
ウルスラ・ミック・ベニ:ダメージ出します。こんな達成値じゃダメージ出ないよ~
ルナンシア・ラダ・ランパート:本当に助かる 先生
有崎五派:ふふん
ウルスラ・ミック・ベニ:2d10+85 装甲ガード有効
DoubleCross : (2D10+85) → 10[9,1]+85 → 95
オリーヴ・ウェールズ:圧倒的固定値
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を10増加(169 → 179)
"竜王"伊藤算砂:ちょっと待ってね ダメージ出されちゃったけど……
"建設王"タナー・K・クエイクス:《砂の結界》でカバーに入ります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:特に妨害などはありません。
"建設王"タナー・K・クエイクス:耐えられないので2回目の戦闘不能。復活回数を完全に消費しました。
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
ウルスラ[9/179]
10m
チギリ[6/160] 五派[4/171]
"騎士王"[46/176] "美食王"[7/165]
12m
"拷問王"[17/210]
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王の手番。《赤色の従者》《再生の血》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:再生の血は入らない
"竜王"伊藤算砂:なんでここに来て……ユニットが増えるんだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:あれ? そう?
天沼チギリ:対象が違うからね
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっ技能が違う!
ルナンシア・ラダ・ランパート:対象は自身で共通じゃない?
天沼チギリ:あ、技能が違うのか
天沼チギリ:すいません勘違い
ルナンシア・ラダ・ランパート:失礼しました。従者の作成だけします。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ただ従者のHPは70だ
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕率が5上がって170。手番終了。
"竜王"伊藤算砂:赤色の従者自体のレベルが上ってるせいでよ
ルナンシア・ラダ・ランパート:というわけでチギリちゃんお願い!
天沼チギリ:了解です。マイナーでジェネシフト。
天沼チギリ:160+3d10
DoubleCross : (160+3D10) → 160+17[6,2,9] → 177
天沼チギリ:メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《ブレインハック》《死神の精度》《伸縮腕》
天沼チギリ:対象は…"焦螟王"!
天沼チギリ:判定前に割り込みあります?
"竜王"伊藤算砂:ありません。どうぞ。
天沼チギリ:16dx7+8
DoubleCross : (16DX7+8) → 10[1,2,4,4,5,6,7,7,7,7,8,8,8,8,9,9]+10[1,2,2,3,3,5,6,6,10,10]+10[5,7]+4[4]+8 → 42
"焦螟王"ジン・ツァン:ドッジはできません。ガード。
天沼チギリ:ダメージ
"建設王"タナー・K・クエイクス:《砂の結界》でカバーします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:うーん。
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや大丈夫 このままいこう
天沼チギリ:憎悪抱え落ちするけどいい?
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや
天沼チギリ:建設王が
ルナンシア・ラダ・ランパート:厩司王が蘇生対象にした場合でも建設王の攻撃がなくなるから
ルナンシア・ラダ・ランパート:意味はある
天沼チギリ:了解です。ではこのままで。
天沼チギリ:ダメージ出します
"竜王"伊藤算砂:お待ち下さい
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんだなんだ
"竜王"伊藤算砂:あっいや 大丈夫か
"竜王"伊藤算砂:どうぞ
天沼チギリ:ダメージ出します
天沼チギリ:5d10+14+25 装甲無視
DoubleCross : (5D10+14+25) → 30[10,7,7,3,3]+14+25 → 69
"竜王"伊藤算砂:「内の私は外の私に勝る」:《デモンズウェブ》。
"竜王"伊藤算砂:ダメージを軽減します。
"竜王"伊藤算砂:69-9d10
DoubleCross : (69-9D10) → 69-55[4,10,9,1,6,5,7,10,3] → 14
ルナンシア・ラダ・ランパート:これは……どうなんだ……?
オリーヴ・ウェールズ:建設王の肉体は2
七十橋シスル:銀色の腕はガード値は7
"竜王"伊藤算砂:ガードに使用するたびにHP-2されるので
ルナンシア・ラダ・ランパート:くそっ純然たるガバをやってしまった!
七十橋シスル:ところでここに影縛りの魔弾がございます ガード値-9
天沼チギリ:うげ、死なないか。ごめんなさい!
七十橋シスル:0だ 死ね
"竜王"伊藤算砂:足りない……
天沼チギリ:あ、影縛り!
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王~~♡♡
オリーヴ・ウェールズ:うおおおおお
天沼チギリ:ありがたい!
ウルスラ・ミック・ベニ:ガード削り最高~
七十橋シスル:ああ、バックファイアでも死んでたか? どのみち
"建設王"タナー・K・クエイクス:うわああん
"建設王"タナー・K・クエイクス:では倒れます!復活不能。
天沼チギリ:憎悪は焦螟王ね
"建設王"タナー・K・クエイクス:はい……
天沼チギリ:君は復活しても仲間を攻撃する定めなのだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあ侵蝕を上げてもらってクリンナップだ。
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を21増加(177 → 198)
"竜王"伊藤算砂:こちらはクリンナップありません。
ウルスラ・ミック・ベニ:ごはせんのロイスをタイタス昇華して邪毒解除。昇華数3
七十橋シスル:医療部のロイスを昇華して邪毒4を回復!
有崎五派:ウルスラちゃんへのロイスをタイタス化して邪毒解除
ルナンシア・ラダ・ランパート:騎士王と美食王は毒をくらってから回復エフェクトを使います。
天沼チギリ:ごはせんは手番ないからクリンナップか
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:毒はないよ
"竜王"伊藤算砂:美食王は無毒
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:回復したからね
天沼チギリ:無毒
七十橋シスル:最悪すぎる ロイスをこの効率で削るんじゃない
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:フフフ
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうだった
"竜王"伊藤算砂:自分で使っておいて……
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあ私だけHP4になってから《不死者の恩寵》。美食王も回復して
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《不死者の恩寵》+《再生の王錫》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:だね
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を5増加(176 → 181)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:9d10+3
DoubleCross : (9D10+3) → 36[7,1,2,1,4,9,6,3,3]+3 → 39
ルナンシア・ラダ・ランパート:そういえばこの再生の王笏って私が貰うこともできるんですか?
"竜王"伊藤算砂:削りきれる気がしない こいつ……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:リザレクトになら載せられるよ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを39増加(93 → 132)
ルナンシア・ラダ・ランパート:リザレクトじゃないから無理か……
ルナンシア・ラダ・ランパート:6d10+4+6
DoubleCross : (6D10+4+6) → 28[9,3,9,4,2,1]+4+6 → 38
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP38に。
ルナンシア・ラダ・ランパート:何もなければラウンド2に移行しましょう
GM:美食王は侵蝕上昇をどうぞ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を8増加(170 → 178)
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
ウルスラ[9/179]
10m
チギリ[6/198] 五派[4/171]
"騎士王"[46/181] "美食王"[7/178]
"無限の食彩"[9/178]
12m
"拷問王"[17/210]
■ラウンド2
GM:全員の行動値がもとに戻ります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《鮮血の奏者》復活した《紅の騎行》
"竜王"伊藤算砂:こちらのセットアップは1ラウンド目と全員同じです。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を9増加(181 → 190)
"竜王"伊藤算砂:同エンゲージの味方全員に対し《戦術》《サポートボディ》 ラウンド間、自分以外のメジャーダイスを+14個、メジャー以外は+8個、自分のダイスを-5個。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《戦術》 ラウンド間、自分以外のメジャーダイスを+6個。竜王のものとは重複しません。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《オーバーウォッチ》《クロックフィールド》。同エンゲージの味方全員のメジャーダイスを+3個、行動値を+5。
"焦螟王"ジン・ツァン:なし
ルナンシア・ラダ・ランパート:HPを8点消費しガード+16、攻撃力+30、行動値46
有崎五派:《活性の霧+タブレット+多重生成》5人を対象にラウンド間攻撃力+21、ドッジダイス-2個。侵蝕8
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を8増加(171 → 179)
ルナンシア・ラダ・ランパート:頂きます
天沼チギリ:やったー!もらいまーす
七十橋シスル:飯が美味い
"竜王"伊藤算砂:もしかしてそれは……+18ではなく……
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕160越えてるから
ルナンシア・ラダ・ランパート:21ですね
ウルスラ・ミック・ベニ:澄み渡る~
"竜王"伊藤算砂:+21になっているやつなのでは……
"竜王"伊藤算砂:ヒエエ
有崎五派:なっていました……修正済み
有崎五派:アタッカー4人以外の対象は美食王にしておきましょうか
ルナンシア・ラダ・ランパート:一応そうしましょう。 攻撃が可能ではある
"竜王"伊藤算砂:へっ 当たるものかよ
"竜王"[22/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
ウルスラ[9/179]
10m
チギリ[6/198] 五派[4/179]
"騎士王"[46/190] "美食王"[7/178]
"無限の食彩"[9/178]
12m
"拷問王"[17/210]
ルナンシア・ラダ・ランパート:それが……当たるんですよね。なぜならこのラウンドにもあるからだ!
有崎五派:もしかして……今はイニシアチブですか……?
"竜王"伊藤算砂:こちらが先にやります。まあ影響ないでしょうが。
有崎五派:はい、お願いします
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《氷熱の軍団》。エンブレム「マージナルヴィラン」を使用し、取得可能な最大LVとして扱います。
ルナンシア・ラダ・ランパート:厄介だな~
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:エネミーの攻撃力を+24。倒れたやつにももちろん付けておくよ
ルナンシア・ラダ・ランパート:憎悪なのに
有崎五派:では
有崎五派:《スタヴェイション》対象のあらゆるダイスをラウンド間-21個する。シナリオ1回、侵蝕4
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を4増加(179 → 183)
有崎五派:対象は……建設王は入れなくても良いですよね?
ルナンシア・ラダ・ランパート:うーん。そうですね。抜きましょう。
"建設王"タナー・K・クエイクス:やった~(死)
天沼チギリ:きみには味方を殴ってもらうという大事な役目があるからな
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあ急にドッジしてくるようになるけど……
有崎五派:よし、では竜王のエンゲージ内のエネミー、建設王以外を対象にします
"竜王"伊藤算砂:やめて~
ルナンシア・ラダ・ランパート:そして行動値46。行動します
ルナンシア・ラダ・ランパート:神聖二重冠の選択効果を使用。侵蝕率を30上昇し攻撃達成値+90
ルナンシア・ラダ・ランパート:《コンセントレイト》《炎の刃》《鮮血の一撃》《血の宴》HP28。竜王・焦螟王・汽罐王・厩司王を攻撃。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「強制起動者」で《隠された世界》の使用回数を復活。即使用します。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:対象を単体にしてください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では竜王を対象にします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を9増加(220 → 229)
ルナンシア・ラダ・ランパート:チョットマッテネ ダイス数える
ルナンシア・ラダ・ランパート:16DX7+3 命中
DoubleCross : (16DX7+3) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,6,6,6,7,8,8,9,10]+10[1,4,6,8,9]+10[6,9]+3[3]+3 → 36
"竜王"伊藤算砂:海鳴の石版。達成値を-15。
ルナンシア・ラダ・ランパート:達成値21に
オリーヴ・ウェールズ:90追加だよ!
ウルスラ・ミック・ベニ:達成値+90してなかったっけ
"竜王"伊藤算砂:そうじゃん
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんか今日本当にダメダメだ
ルナンシア・ラダ・ランパート:111です
"竜王"伊藤算砂:じゃあいらねーよこんな石版!
"竜王"伊藤算砂:変わんねえよ
ウルスラ・ミック・ベニ:頑張って作戦考えたから……
ルナンシア・ラダ・ランパート:だよねごめん!
ルナンシア・ラダ・ランパート:誰で受けますか
"竜王"伊藤算砂:う~ん
"竜王"伊藤算砂:そのまま貰いましょう。ガードします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:考えます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP53、デモンズウェブが最大9D、装甲ガード38を全部バカ正直に食わなきゃいけない
ルナンシア・ラダ・ランパート:先生の霊水をください
有崎五派:OK
有崎五派:《力の霊水》ダメージロール+6D。ラウンド1回、侵蝕4
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を4増加(183 → 187)
天沼チギリ:頼れる先生~~
有崎五派:あっすみません、160越えなので7Dです
ルナンシア・ラダ・ランパート:ダメージ出します
ルナンシア・ラダ・ランパート:20d10+12+14+30+21
DoubleCross : (20D10+12+14+30+21) → 109[6,2,2,3,8,10,4,1,9,7,8,5,8,2,6,4,2,10,9,3]+12+14+30+21 → 186
"竜王"伊藤算砂:マジかよ……
"竜王"伊藤算砂:全然マジメに計算してないけど まあ……
"竜王"伊藤算砂:耐えきれないです 復活回数を1回消費。
ルナンシア・ラダ・ランパート:手番終了。
"竜王"伊藤算砂:せっかくあったHP53が……
"竜王"伊藤算砂:復活後HPは14です。
七十橋シスル:そんなキリの悪い数字にするから……
"竜王"伊藤算砂:最後の《餓鬼魂の使い》を使用します。対象自身。
ルナンシア・ラダ・ランパート:!?
"竜王"伊藤算砂:邪毒を受け、死毒袋で効果自体は無効化しますが……
七十橋シスル:うっわ!
七十橋シスル:牢獄入りやがった!
"竜王"伊藤算砂:「謀略の牢獄」が適用されるようになります。
七十橋シスル:勝手に入ってろ!!!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:おもしれ~こと考えやがって
"竜王"伊藤算砂:行動値は29になりました。
ルナンシア・ラダ・ランパート:はやすぎ!
"竜王"[29/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
ウルスラ[9/179]
10m
チギリ[6/198] 五派[4/187]
"騎士王"[46/229] "美食王"[7/178]
"無限の食彩"[9/178]
12m
"拷問王"[17/210]
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっ……すいません!
ルナンシア・ラダ・ランパート:エンゲージ表を見て移動の宣言を忘れていたことに気づきました、攻撃が至近なので届いてない。メインプロセスで竜王エンゲージに入っていたことにさせてください。
GM:了解です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:改めて竜王手番どうぞ
"竜王"[29/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120] "焦螟王"[11/120]
ウルスラ[9/179] "騎士王"[46/229]
10m
チギリ[6/198] 五派[4/187]
"美食王"[7/178]
"無限の食彩"[9/178]
12m
"拷問王"[17/210]
"竜王"伊藤算砂:とはいえ攻撃ができないんですよね。この《スタヴェイション》とかいうやつの影響下では……
"竜王"伊藤算砂:マイナーで《陽炎の衣》。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そのまま失敗しろ!
"竜王"伊藤算砂:メジャーは拷問王を素撃ちします。使用武器は必中の弓。
"竜王"伊藤算砂:ダイスが……いくつ減るんですっけ?
ルナンシア・ラダ・ランパート:こいつ……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:減りません……
有崎五派:そっそんな……
七十橋シスル:ミラーパレスの唯一の弱点を!
天沼チギリ:素撃ち程度防御で弾いてやるぜ!
天沼チギリ:あ、拷問王エンゲージ離れてる
天沼チギリ:こ、こいつ…!
七十橋シスル:さっきは竜骸と相手を攻撃しなきゃいけなかったから
"竜王"伊藤算砂:いや……すみません 隠密なんていらないな。取っておきます。ダイスは3個減るけど……
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王のHPが132か。
"竜王"伊藤算砂:17dx9+21
DoubleCross : (17DX9+21) → 10[1,1,1,2,2,2,3,4,5,5,6,6,7,8,9,9,10]+7[1,5,7]+21 → 38
七十橋シスル:暴走! 自動命中
ルナンシア・ラダ・ランパート:必中の打点が28くらい? あって、力の法則と凍てつく刃が最大乗る。謀略の牢獄は攻撃力上がるんでしたっけ
七十橋シスル:7上がる
ルナンシア・ラダ・ランパート:よし。
ルナンシア・ラダ・ランパート:いやダメか。関係なかった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:離れすぎ
ルナンシア・ラダ・ランパート:受けます……
"竜王"伊藤算砂:4d10+35+24 装甲有効
DoubleCross : (4D10+35+24) → 36[6,10,10,10]+35+24 → 95
"竜王"伊藤算砂:ダメージ振るってるな……
七十橋シスル:ごはせんのロイスを昇華。復活します
七十橋シスル:残りロイス2
"竜王"伊藤算砂:必中の弓は……わたしのことが大好きなのかも
ルナンシア・ラダ・ランパート:何だと~ この円卓一の必中使いを前にして!
七十橋シスル:じゃあ弓以外は要りませんよね?
"竜王"伊藤算砂:手番終わりです
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあ……調子に乗って離れすぎた拷問王さんにちょっと前進して頂き、竜王以外の3名を狙っていただきますか
七十橋シスル:エンゲージ合流する?
ルナンシア・ラダ・ランパート:しないメリットない……のかな?
七十橋シスル:向こうに範囲攻撃ないですし、念の為しておきましょうか
七十橋シスル:マイナーで戦闘移動。ごはせんのエンゲージに合流します
ルナンシア・ラダ・ランパート:竜王以外っつったけど竜王は狙いましょう
ルナンシア・ラダ・ランパート:汽罐王以外。
七十橋シスル:メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《要の陣形》
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ビビッてんのかよ
七十橋シスル:残り一人になってから美味しく料理さしあげますよォ~~~~
七十橋シスル:竜王、焦螟王、厩司王!
七十橋シスル:15dx7+14
DoubleCross : (15DX7+14) → 10[1,2,2,2,4,4,5,6,7,8,9,10,10,10,10]+10[1,2,2,3,6,8,9]+10[2,7]+5[5]+14 → 49
ルナンシア・ラダ・ランパート:ナイス命中
天沼チギリ:イイネ!
七十橋シスル:よし!
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《氷壁》《リフレックス:サラマンダー》。49を目標値とした判定に成功した場合、攻撃を失敗させます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:元老!
ルナンシア・ラダ・ランパート:勝手に宣言しちゃお~っと。《異世界の因子》。《デビルストリング》を取得し使用します。
天沼チギリ:あ、すいません反応遅れ!
天沼チギリ:使用するぜするぜ!
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を5増加(198 → 203)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:スン……
七十橋シスル:よしよし いいこにしてな
天沼チギリ:お前のデビスト、俺によく馴染むぜ
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(203 → 209)
天沼チギリ:デビルストリングをLV1で取得してますが
天沼チギリ:侵蝕ボーナスでエフェクトレベルが3上がってるので
天沼チギリ:LV4。一回使ってあと3回です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:現在はあと2回だけど2回使うともう1回使えるようになる
ルナンシア・ラダ・ランパート:このためにジェネシフトをしてもらいました
"竜王"伊藤算砂:220でしたっけ LVUP
ルナンシア・ラダ・ランパート:だぜ
天沼チギリ:おっと、220だった
天沼チギリ:失礼しました
"竜王"伊藤算砂:エネミーみたいな侵蝕率しやがって
ルナンシア・ラダ・ランパート:伊庭さんとかこんなもんだったよね
天沼チギリ:そっちがPCみたいな無慈悲な攻撃してくるからだよ
ルナンシア・ラダ・ランパート:本当に無慈悲なのはカバーリングの手厚さだという噂もある
ルナンシア・ラダ・ランパート:狙った相手に攻撃を当てる難易度が高すぎなんだよ
"竜王"伊藤算砂:エネミーのリアクションはすべてガード。ドッジなんて振れないから……
七十橋シスル:あ、私の手番だったわ
七十橋シスル:ダメージいきます 先生の霧がよく馴染むぜえ
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《炎陣》で"焦螟王"をカバーリング。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ここは考えよう 建設王の砂の結界がない
ルナンシア・ラダ・ランパート:汽罐王の行動放棄カバーも消えた。
天沼チギリ:《炎陣》に《デビルストリング》使います。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《領域の盾》を自身に。"焦螟王"をカバーリング。
天沼チギリ:《領域の盾》に《デビルストリング》
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(209 → 215)
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(215 → 221)
天沼チギリ:これでエフェクトレベル上がりました
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:行動放棄で"焦螟王"をカバーリング。
ルナンシア・ラダ・ランパート:これはしょうがないな……
七十橋シスル:これを防ぐ手段はないですね
ルナンシア・ラダ・ランパート:ダメージロールですが
ルナンシア・ラダ・ランパート:崩壊のスフィアをもらいましょう
天沼チギリ:では使います。
天沼チギリ:《崩壊のスフィア》!
七十橋シスル:ダイス+いくつ?
天沼チギリ:ちょっと待ってくださいね
天沼チギリ:12Dです
天沼チギリ:221+2d10
DoubleCross : (221+2D10) → 221+8[7,1] → 229
七十橋シスル:?
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕ダイスです
天沼チギリ:a,
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや違うか 支援量に対するリアクションか
天沼チギリ:今のは侵蝕のダイスね
七十橋シスル:なるほどね
七十橋シスル:全てを理解しました……
天沼チギリ:これで倒してくれ!
七十橋シスル:隠密してないことでトラッパーはありませんが、その分みんなの力を受けます
七十橋シスル:11+10+21+3d10+5d10+12d10
DoubleCross : (11+10+21+3D10+5D10+12D10) → 11+10+21+7[2,2,3]+16[1,2,1,4,8]+61[6,8,5,1,10,4,4,3,4,4,8,4] → 126
七十橋シスル:ダメージダイス普通に死んでるけど十分
ルナンシア・ラダ・ランパート:デモンズウェブを嫌うならここまでやって正解だったな……暴食の魔王だとやや不安が残る
ルナンシア・ラダ・ランパート:残らないでくれ なんなんだ
"竜王"伊藤算砂:戦闘不能。2度目の復活回数を消費。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:戦闘不能。1度目の復活回数を消費。
七十橋シスル:侵蝕は8あがって218
"焦螟王"ジン・ツァン:"焦螟王"の手番。
"焦螟王"ジン・ツァン:マイナーなし、メジャー《雨粒の矢》《砂の刃》《クリスタライズ》。
"焦螟王"ジン・ツァン:拷問王以外のPC全員と従者を攻撃します。
七十橋シスル:ダイスは足りてるの?
ルナンシア・ラダ・ランパート:1個あるか
ルナンシア・ラダ・ランパート:5+17-21
"焦螟王"ジン・ツァン:ふふん
七十橋シスル:③個増えてもまだダメか
七十橋シスル:はあい 仕方ないなあジンつぁんは……
ルナンシア・ラダ・ランパート:ちょっと考えましょう
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王、お願いします!
無限の食彩(従者):《守護者の巨壁》
"焦螟王"ジン・ツァン:ズルすぎる~~~
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕は186
無限の食彩(従者):対象をお料理に変更
七十橋シスル:いちごゼリーとかなんだろうな
七十橋シスル:小さいパックに入ってる奴
"焦螟王"ジン・ツァン:じゃあ……ご飯だけモグモグするか……判定します。
七十橋シスル:《フラッシュゲイズ》。ダイス-14。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を6増加(184 → 190)
"焦螟王"ジン・ツァン:?????
"焦螟王"ジン・ツァン:どうして……ご飯に虫が集っちゃだめだってのか
ルナンシア・ラダ・ランパート:お休みになって!
七十橋シスル:だめだろ
ルナンシア・ラダ・ランパート:www
"焦螟王"ジン・ツァン:はい……休みます……
"焦螟王"ジン・ツァン:ダイスが振れないため、攻撃失敗です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:やった~!
"竜王"伊藤算砂:エネミーの手番全部終わっちゃった PCの手番をどうぞ。
ウルスラ・ミック・ベニ:私の手番。アカネ先輩をSロイスに指定し、タイタス昇華して《スプリットアタック》使用回数を回復。
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》《スプリットアタック》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ウルスラ・ミック・ベニ:対象は竜王、焦螟王、厩司王の3体。
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+8D、攻撃力+28。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(179 → 185)
ウルスラ・ミック・ベニ:判定します。
"竜王"伊藤算砂:妨害が一応あります
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「マクスウェルプログラム」。エンゲージ内での判定ダイスに-3個。
ウルスラ・ミック・ベニ:ダイス3つ減って11個に。
"竜王"伊藤算砂:他にはないです。判定どうぞ。
ウルスラ・ミック・ベニ:11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,2,3,4,4,4,6,7,9,9,10]+10[1,4,5,8]+6[6]+6 → 32
"竜王"伊藤算砂:「海鳴の石版」。達成値を-15。
ウルスラ・ミック・ベニ:達成値17に。
ウルスラ・ミック・ベニ:固定値殴りが主体なのでダメージ増加は不要。
ルナンシア・ラダ・ランパート:頼りんなるぜ
ルナンシア・ラダ・ランパート:カバーリングは!
"竜王"伊藤算砂:リアクションちょっと待ってね
ウルスラ・ミック・ベニ:は~い
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:神聖二重冠の選択効果を使用。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
"焦螟王"ジン・ツァン:神聖二重冠の選択効果を使用。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ゲッ
"焦螟王"ジン・ツァン:・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
"竜王"伊藤算砂:これで両者とも、ダイス数が2+8+9-21で-2個。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:両者に「マクスウェルプログラム」することで、1個をギリギリ確保できます。
ウルスラ・ミック・ベニ:最大限に活用している……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:この軍師、賢い……!
七十橋シスル:マクスウェルプログラムは上級ルルブの大雑把なユニークアイテム
七十橋シスル:同エンゲージならばあらゆる判定に使える
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:1DX9>=17
DoubleCross : (1DX9>=17) → 5[5] → 5 → 失敗
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《妖精の手》
天沼チギリ:一旦待ってください
ルナンシア・ラダ・ランパート:通します。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:1DX9+10>=17
DoubleCross : (1DX9+10>=17) → 10[9]+7[7]+10 → 27 → 成功
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:フ……!
有崎五派:つ、強い……!
ウルスラ・ミック・ベニ:ぬぅ~っ
ルナンシア・ラダ・ランパート:4割成功だからな……
"焦螟王"ジン・ツァン:続くぜ
"焦螟王"ジン・ツァン:1DX9>=17
DoubleCross : (1DX9>=17) → 4[4] → 4 → 失敗
"焦螟王"ジン・ツァン:《妖精の手》
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうぞ
"焦螟王"ジン・ツァン:1DX9+10>=17
DoubleCross : (1DX9+10>=17) → 1[1]+10 → 0 (ファンブル) → 失敗
"焦螟王"ジン・ツァン:くっ……
天沼チギリ:ほっ
ウルスラ・ミック・ベニ:よ~しよし
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:アーッ
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《領域の盾》 焦螟王に竜王を庇わせます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:こっちが当たったのは大きい
ルナンシア・ラダ・ランパート:元老、デビルストリングを宣言してください。
天沼チギリ:はい!
天沼チギリ:《デビルストリング》
天沼チギリ:領域の盾を無効!
ルナンシア・ラダ・ランパート:これでさらなるカバーリングは……ない! はず ※後注。普通にカバーされて流してますが、さらに攻撃対象を減らされることはないくらいのつもりで口にしていました
"竜王"伊藤算砂:これでデビストは使い切りなんですっけ
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうです
ルナンシア・ラダ・ランパート:怖 確認
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(229 → 235)
ウルスラ・ミック・ベニ:ダメージ出して大丈夫?
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《炎陣》します。竜王をカバー。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では後乗せはありません。
ウルスラ・ミック・ベニ:ダメージ出します
"竜王"伊藤算砂:ダメージどうぞ
ウルスラ・ミック・ベニ:2d10+85 装甲ガード有効
DoubleCross : (2D10+85) → 14[10,4]+85 → 99
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を10増加(185 → 195)
"焦螟王"ジン・ツァン:もちろん耐えられない!復活ももう有りません。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:こちらも耐えられません。2回目の復活を使用します。
"竜王"[29/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120]
ウルスラ[9/195] "騎士王"[46/229]
10m
チギリ[6/235] 五派[4/187]
"美食王"[7/190] "拷問王"[17/218]
"無限の食彩"[9/190]
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王モグモグタイムかな?
七十橋シスル:ちょっと待ってね
ルナンシア・ラダ・ランパート:すみませんGM。もやしさんから提案があったのですが、トゥルーイミテーションで「強制起動者」のようなエンブレムアイテムの複製を取得し使用することは可能でしょうか。
GM:これは非常に自信の持てない……というより公式の書き方が曖昧なので人によって解釈の分かれる裁定だと思うのですが
GM:「アイテムを一つ指定し」「そのシナリオであなたが目撃したもの」という条件をそのまま適用すると、実体があるかどうかというフレーバーが効果に大きく関わってしまうので
GM:今回は、ひとまずフレーバーとして実体があるかどうかということは考えずに使用可能なものとします。
GM:その代わりですが、経験点50以下のアイテム・エンブレムアイテムに関してのみ取得できるものとし、またデータとして取得不可なアイテムも取得できません。
GM:取得不可アイテムの例は、各種遺産、遺伝橋、侵星魔法冠などです。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありがとうございます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:では改めて行動値9。美食王の従者が行動します。
無限の食彩(従者):《再生の血》
無限の食彩(従者):拷問王を回復します
無限の食彩(従者):5d10
DoubleCross : (5D10) → 20[1,6,1,2,10] → 20
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(190 → 192)
七十橋シスル:HPがMAX25になりました
ルナンシア・ラダ・ランパート:行動値7。美食王が行動。
ルナンシア・ラダ・ランパート:1ラウンド目に宣言を忘れていましたが、対オーヴァード装甲車に搭乗しご自身を回復してください
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:マイナーで対オーヴァード装甲車に搭乗
"竜王"伊藤算砂:ウワッ出た
ルナンシア・ラダ・ランパート:かわいいな……
七十橋シスル:いやされる~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:メジャーで《再生の血》《再生の王錫》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:9d10
DoubleCross : (9D10) → 51[3,3,5,10,9,1,9,5,6] → 51
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを51増加(132 → 183)
"竜王"伊藤算砂:あんなに削ったのに……!
無限の食彩(従者):これに従者の《再生の王錫》ってのせてもいいのかな
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんなんだこのユニット
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうなんでしょうGM
GM:ああなるほど
GM:でもこれはさすがに無理かな~。従者のエフェクトといえど同一人物と共有しているエフェクトのはずだから
GM:同じ回復に二回使えないとは思う
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:了解です
GM:ただ、従者と本体が別々のキャラに対して《再生の王笏》するなら通すだろうなと思います
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王の侵蝕が197になります
ルナンシア・ラダ・ランパート:行動値6。チギリ会長が待機します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:行動値4。五波先生の手番です。
有崎五派:えーっと……
有崎五派:ちょっと待ってね……今、今思い出すから……アレは……そう
有崎五派:【トゥルーイミテーション】メジャーアクションでアイテムを一つ指定して使用。対象のアイテムと同等の効果を持った偽物を作成、所持する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:一体何が起きるんですか?
有崎五派:何かしら、ほら……アレ……強制、強制起動者?っていうの?あれ頂けるかしら
"竜王"伊藤算砂:そんなのどこで見かけたっていうんですか
"竜王"伊藤算砂:どこにでもあるな……
ルナンシア・ラダ・ランパート:めちゃくちゃ見た
有崎五派:ナターリヤちゃんとか……オリーヴちゃんが持ってたヤツ……アレ私も欲しいわ
ルナンシア・ラダ・ランパート:使ったのはヴェーラちゃんですよ
有崎五派:二人共持ってんの??
オリーヴ・ウェールズ:おすそ分けしますね
ルナンシア・ラダ・ランパート:はい。
"竜王"伊藤算砂:先生が限界を超えてエフェクトを行使する訓練を受けていたなんて……
有崎五派:本当にどこにでもあるな……まあ、とにかく取得します。詳しくは上の方にある質疑応答を見るように
ルナンシア・ラダ・ランパート:先生っぽい
有崎五派:そのまま次の手番へ行く前に強制起動者を使用。
有崎五派:回復させるのはよォ~~~~
有崎五派:《帰還の声》だッ!!
有崎五派:そのまま使用ッ!
有崎五派:《帰還の声+タブレット+多重生成》5人を対象に使用回数制限のあるエフェクトの使用回数を一つ回復させる。侵蝕11
有崎五派:対象は私、シスルちゃん、ルナンシアちゃん、チギリちゃん、オーシャンズちゃんかな
有崎五派:私は《スタヴェイション》を回復させるわ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありがとうございます。もらいます! 予想外の事が起きた時用に《紅の騎行》を回復。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《守護者の巨壁》を持ってきてほしいわ
天沼チギリ:《デビルストリング》回復
"竜王"伊藤算砂:やめてくれ~~~
有崎五派:シスルさんは《時間凍結》で良いかな~?
七十橋シスル:原初の白:時間凍結でお願いします
有崎五派:OK!ではこれで私の手番は終わり
ルナンシア・ラダ・ランパート:待機手番行動値6。チギリ会長が行動します。
天沼チギリ:はい!
天沼チギリ:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《伸縮腕》
天沼チギリ:対象は…
天沼チギリ:厩司王!
天沼チギリ:割り込みありますか?
"竜王"伊藤算砂:なにもないぜ このタイミングで挟めるものなんて
天沼チギリ:すいません、ダイス計算します。
天沼チギリ:侵蝕率、見たことないので
天沼チギリ:計算出来ました。振ります。
天沼チギリ:18dx7+8
DoubleCross : (18DX7+8) → 10[1,2,2,2,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,10]+10[7,8,8,8,9,10]+10[7,10,10,10,10,10]+10[1,2,5,6,8,8]+5[2,5]+8 → 53
"竜王"伊藤算砂:海鳴の石板。達成値を-15。
天沼チギリ:達成値38
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《領域の盾》。竜王にカバーしてもらいます。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《暴食の魔王》ダメージ+5d10
"竜王"伊藤算砂:《氷盾》を使用します。「イフリートの腕」で取得したエフェクト。
天沼チギリ:ではダメージ振ります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:あったか~
天沼チギリ:5d10+4d10+14+10+21 一次装甲無視
DoubleCross : (5D10+4D10+14+10+21) → 29[2,7,8,5,7]+11[4,3,2,2]+14+10+21 → 85
"竜王"伊藤算砂:《デモンズウェブ》。
"竜王"伊藤算砂:85-9d10
DoubleCross : (85-9D10) → 85-49[5,9,7,4,3,3,7,6,5] → 36
"竜王"伊藤算砂:氷盾+乙女の旗+ニーベルングの指輪+女神の盾の効果でガード値が29
天沼チギリ:バカみたいなガード値ある
"竜王"伊藤算砂:女神の盾の装甲が9点無視されますが ジュラシックレコードと白猿の額冠の効果で13は残ります。
"竜王"伊藤算砂:無傷。
天沼チギリ:うそやろ
天沼チギリ:しょぼしょぼ…おわりです
"竜王"伊藤算砂:あ、あとカバー時はダメージここに-10もあるんだった
ルナンシア・ラダ・ランパート:女神の盾は装甲無視無視じゃないんですか?
"竜王"伊藤算砂:「エフェクトによる」みたいです
ルナンシア・ラダ・ランパート:エアプだった……腹を斬ります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:シザーリッパーの装甲無視のほうが強い珍しい場面
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃんの侵蝕が241に
ルナンシア・ラダ・ランパート:クリンナップです。
"竜王"伊藤算砂:エネミー側はなし。
ルナンシア・ラダ・ランパート:騎士王が邪毒ダメージ12点を受け、《不死者の恩寵》でHPを6d10+6回復
ルナンシア・ラダ・ランパート:6d10+6+22
DoubleCross : (6D10+6+22) → 24[3,7,4,6,2,2]+6+22 → 52
天沼チギリ:あれ
天沼チギリ:ウルスラさんって手番やったっけ
天沼チギリ:やったか
天沼チギリ:すいません
ルナンシア・ラダ・ランパート:Sロアタックしてもらいました。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を5増加(229 → 234)
ウルスラ・ミック・ベニ:V
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王が《不死者の恩寵》《再生の王錫》9d10+3回復
ルナンシア・ラダ・ランパート:9d10+3+183
DoubleCross : (9D10+3+183) → 39[1,9,9,1,3,3,1,4,8]+3+183 → 225
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP225。侵蝕205に。
ルナンシア・ラダ・ランパート:PC側の処理も以上です。ラウンド3に行きましょう。
"竜王"[29/120]
"汽罐王"[10/120] "厩司王"[10/120]
"建設王"[13/120]
ウルスラ[9/195] "騎士王"[46/234]
10m
チギリ[6/241] 五派[4/198]
"美食王"[7/205] "拷問王"[17/221]
"無限の食彩"[9/205]
■ラウンド3
ルナンシア・ラダ・ランパート:セットアップ。
"竜王"伊藤算砂:《戦術》《サポートボディ》。戦闘不能者を含む同エンゲージのエネミーを対象にします。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを42増加(183 → 225)
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《戦術》。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《鮮血の奏者》。侵蝕+6、HP消費8でガード値と攻撃力を上昇。紅の騎行は使用しません。私が最速でないことで有利になる要素があると思われるため
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王・ウルスラ・チギリ・美食王はありません。
有崎五派:《活性の霧+タブレット+多重生成》5人を対象にラウンド間攻撃力+21、ドッジダイス-2個。侵蝕8
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕240
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「強制起動者」。《クロックフィールド》の使用回数を回復し使用。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:戦闘不能者を含む同エンゲージのエネミーの行動値を+5。
七十橋シスル:ないんですが、フラッシュゲイズの侵蝕+3を忘れていました。221
有崎五派:対象者は美食王、拷問王、ウルスラ、チギリ、騎士王
有崎五派:あとさっきの帰還タブレットの分を忘れてたので合わせて上げます
ルナンシア・ラダ・ランパート:くそっ うまぶって行動値増加を温存しなければよかった!
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を19増加(187 → 206)
七十橋シスル:エフェクトレベルが上がります
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕が220あるなら本格的に騎行ケチった意味ないじゃん!
七十橋シスル:大丈夫ですよ
七十橋シスル:ごはせんが全部なんとかしてくれるから
ルナンシア・ラダ・ランパート:それはそう
"竜王"伊藤算砂:3ラウンド目にもなって……なんとかできる手段があるというのかね
ルナンシア・ラダ・ランパート:そして活性を受けます。みんなも受けます。
天沼チギリ:うけまーす
ウルスラ・ミック・ベニ:活性化しています
ルナンシア・ラダ・ランパート:じゃあイニシアチブにいくぜ!
有崎五派:ふにゃふにゃ。なんだかよく分からないけどなんとかすればいいのね
ルナンシア・ラダ・ランパート:お願いお願い~
有崎五派:《スタヴェイション》対象のあらゆるダイスをラウンド間-21個する。シナリオ1回、侵蝕4
ルナンシア・ラダ・ランパート:やった~大人のカード!
"竜王"伊藤算砂:シナリオ1回って文字が見えねえのか!
有崎五派:対象は竜王のエンゲージに存在する建設王以外のエネミー
"竜王"伊藤算砂:3回もするな
ルナンシア・ラダ・ランパート:ほんとにね
七十橋シスル:お前達には何も出来ないまま無惨に死んで欲しかった
七十橋シスル:3ラウンドも抵抗するな
ルナンシア・ラダ・ランパート:これ以上割り込みはありません。竜王の手番をどうぞ。
"竜王"伊藤算砂:尋常の普段ではもはやダイスは振れないので、「必中の弓」で素打ちするしか無いんですよね。
ルナンシア・ラダ・ランパート:誰を狙いますか
"竜王"伊藤算砂:まあ拷問王かな……他のキャラでは狙うことままならないので。
ルナンシア・ラダ・ランパート:きやがれ
"竜王"伊藤算砂:コンボ名つけてたの忘れていた「私の捨てどころ肝要なり」。判定します。
"竜王"伊藤算砂:5dx9+21
DoubleCross : (5DX9+21) → 10[2,2,5,9,9]+4[1,4]+21 → 35
七十橋シスル:暴走中につき回避不可
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:《凍てつく刃》。ダメージを+1d10+18。
ルナンシア・ラダ・ランパート:手順前後しますが美食王の《崩れずの群れ》
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕が207
"竜王"伊藤算砂:あっ全然ダイス数ちがう バフ入れてないな……
"竜王"伊藤算砂:振り足します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ほんとだ お願いします
"竜王"伊藤算砂:6dx9+21
DoubleCross : (6DX9+21) → 10[3,6,7,9,9,10]+7[1,5,7]+21 → 38
"竜王"伊藤算砂:かわらないな結局……
"竜王"伊藤算砂:4d10+1d10+35+18 諸々有効
DoubleCross : (4D10+1D10+35+18) → 27[7,3,9,8]+2[2]+35+18 → 82
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:装甲は15
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:素撃ちだから軽減は効かないかな
"竜王"伊藤算砂:エフェクト不使用です
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを67減少(225 → 158)
ルナンシア・ラダ・ランパート:では行動値17、拷問王の手番
七十橋シスル:マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《要の陣形》
七十橋シスル:必中の弓でエネミー三人に攻撃します。
七十橋シスル:15dx7+14
DoubleCross : (15DX7+14) → 10[3,4,4,5,6,6,7,7,7,7,8,9,9,9,10]+10[4,4,5,6,8,8,8,9,10]+10[3,5,6,7,7]+10[2,9]+10[9]+3[3]+14 → 67
七十橋シスル:ここに来て一番回すな……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:海鳴の石板。2人分含めてこれで撃ち止めです。達成値-15。
七十橋シスル:達成値52
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:《氷壁》《リフレックス:サラマンダー》を宣言します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:振れるダイスはありますか?
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:基本が8個 支援で+8個されているので……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:-5個ですね。
ルナンシア・ラダ・ランパート:デビルストリングによる妨害はありません。
天沼チギリ:なしね。了解!
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:神聖二重冠の選択効果を使用。ダイスボーナスが6個増え、1個で判定できるようになります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:あっ!そうかこいつまだ!
天沼チギリ:フラッシュゲイズする?
ルナンシア・ラダ・ランパート:絶対しません
七十橋シスル:しないと宣言するしかないな
ルナンシア・ラダ・ランパート:絶対は嘘だけど現時点ではしない
七十橋シスル:してもしなくてもいっしょ
天沼チギリ:了解です
"竜王"伊藤算砂:まあ流石にそうですよね こっちもわかっていても言わざるを得なかったので……
ルナンシア・ラダ・ランパート:判定をどうぞ。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ロイスを切ります。不利な効果を解除。
ルナンシア・ラダ・ランパート:やれ、拷問王。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:うええええん
七十橋シスル:《フラッシュゲイズ》。ダイス-16。
七十橋シスル:巨人の影で3が5になり、今3レベルあがって8。侵蝕は224。
天沼チギリ:そういうことか…
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:じゃあ21個増えて 16個減って……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:正味6個で判定します。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:6dx6+21>=52
DoubleCross : (6DX6+21>=52) → 10[2,5,6,6,7,8]+10[8,9,10,10]+10[1,3,10,10]+10[10,10]+10[2,7]+10[10]+10[7]+10[10]+10[8]+10[7]+10[7]+10[8]+2[2]+21 → 143 → 成功
ルナンシア・ラダ・ランパート:すいません
有崎五派:??????
オリーヴ・ウェールズ:?!
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや大丈夫
ルナンシア・ラダ・ランパート:大丈夫じゃないけど
"竜王"伊藤算砂:なんだこいつ……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:うおおおおおおおお
ウルスラ・ミック・ベニ:すごいことしたな……
ルナンシア・ラダ・ランパート:いやえらいことになったぜ
"竜王"伊藤算砂:この人を次の円卓に入れませんか?
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:攻撃を失敗させます。
七十橋シスル:では攻撃は失敗しました。やっぱりナターリヤさんかっこいいな……最後の最後で
七十橋シスル:侵蝕は上がって232。
七十橋シスル:ではイニシアチブで《原初の白:時間凍結》。
"竜王"伊藤算砂:おかしいな……毎ラウンド時間凍結されてないか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:なぜかHPを回復できるユニットが居たんだよな
七十橋シスル:侵蝕は239。HPは5に。コンボは先程と同じです。マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》《原初の赤:要の陣形》
七十橋シスル:要の陣形はこれで5回目か。あと1回ありますね
七十橋シスル:対象は竜王と厩司王
"竜王"伊藤算砂:毎ラウンド2回使ってませんっけ
七十橋シスル:あ、そうか
七十橋シスル:じゃあこれでラストだわ
ルナンシア・ラダ・ランパート:もうない? 要
天沼チギリ:汽罐王含めなくていいの?
ルナンシア・ラダ・ランパート:あるわ
七十橋シスル:反撃で死ぬ
七十橋シスル:あ、いや
ルナンシア・ラダ・ランパート:汽罐王は行動済みだしカバーもしてこないので大丈夫です
ウルスラ・ミック・ベニ:含めるとカバーされつつ反撃してくる
天沼チギリ:反撃消せるけど…
天沼チギリ:まああえて踏みに行かなくてもいいか
ルナンシア・ラダ・ランパート:消すのは炎陣のほうがいい
天沼チギリ:了解です
七十橋シスル:では振りますね
七十橋シスル:15dx7+14
DoubleCross : (15DX7+14) → 10[1,1,1,4,4,5,5,5,6,7,7,7,8,8,10]+10[4,5,7,9,10,10]+10[2,3,4,7]+6[6]+14 → 50
ルナンシア・ラダ・ランパート:リアクションをお願いします。
"竜王"伊藤算砂:ガード《氷盾》。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ガード《炎陣》。竜王をカバー。
七十橋シスル:チギリさん、お願いします
天沼チギリ:《デビルストリング》
天沼チギリ:《炎陣》を消去
ルナンシア・ラダ・ランパート:あ! ストップ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:やっぱやめときましょう。
七十橋シスル:あ、そうか
ルナンシア・ラダ・ランパート:行動放棄カバーされるだけ
天沼チギリ:あ、了解です
七十橋シスル:まだ行動放棄できたな
天沼チギリ:蘇生されちゃうけどいい?
ルナンシア・ラダ・ランパート:駄目だわ
ウルスラ・ミック・ベニ:もう蘇生回数切れてるはず
七十橋シスル:いや、動かすと世界樹の葉がある
オリーヴ・ウェールズ:世界樹の葉!
七十橋シスル:いや、どのみち
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや待って
七十橋シスル:炎陣でカバーしてるんだから
ルナンシア・ラダ・ランパート:ここで倒れるのは厩司王だよ!
"竜王"伊藤算砂:混乱してない?
七十橋シスル:こっちが死でしょ
ウルスラ・ミック・ベニ:厩司王自身の蘇生回数ね
"竜王"伊藤算砂:それはもうないです。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうそう
ウルスラ・ミック・ベニ:カバーしてダメージ通ったら斃れる
七十橋シスル:だからこれで確実に彼女は倒れます
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:領域の盾はもうないから……
七十橋シスル:死人にエフェクトは使えない
天沼チギリ:すいません、デビスト取り下げで
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:前のラウンド行動放棄してなければ妖精樹の種で回数復活させてたんだけど……
七十橋シスル:じゃあ命中はヴェーラさんのみか。デモウェがあるかもしんないんで
七十橋シスル:暴食の魔王だけ貰えますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:9D減らされた程度で倒せないことあるかな
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《暴食の魔王》
ルナンシア・ラダ・ランパート:カバーしたから倍ですよ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあよし。
七十橋シスル:いらなかったかな。とはいえ貰ったもんは貰います。まだ二枚在るし
"竜王"伊藤算砂:ダメージをどうぞ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ダメージ+5d10です
ルナンシア・ラダ・ランパート:効果量のアピールね
七十橋シスル:11+10+21+3d10+6d10+5d10
DoubleCross : (11+10+21+3D10+6D10+5D10) → 11+10+21+15[8,6,1]+27[9,3,3,5,4,3]+35[8,9,7,4,7] → 119
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:もちろん耐えられません!戦闘不能。復活回数も消費しきっています。
七十橋シスル:ヴェーラさん、強敵だった
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕の上昇をお願い。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:クゥ~ン
七十橋シスル:次からは紹介に「防御に徹した場合、その力は円卓にも匹敵すると言われている。」って書いておいてください
ルナンシア・ラダ・ランパート:www
七十橋シスル:侵蝕は239→247
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:www
ルナンシア・ラダ・ランパート:強かったね……
"竜王"伊藤算砂:でもそれで匹敵させられるの……
"竜王"伊藤算砂:美食王だろ
ルナンシア・ラダ・ランパート:これで厩司王・汽罐王ともに行動不能となり、行動値9です。ウルスラ・ミック・ベニの手番。
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ルナンシア・ラダ・ランパート:その高火力で……竜王を落としてください!
ウルスラ・ミック・ベニ:やります……対象は竜王!
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+8D、攻撃力+28。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(195 → 201)
ウルスラ・ミック・ベニ:判定します
"竜王"伊藤算砂:どうぞ
ウルスラ・ミック・ベニ:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,1,2,2,4,5,5,5,5,6,6,8,10,10,10]+5[3,4,5,5]+6 → 21
ウルスラ・ミック・ベニ:今シナリオ本当に振るわない
有崎五派:ウルスラちゃん……ッ!
"竜王"伊藤算砂:とはいえこれしか無いんですが。ガード。《氷盾》を使用。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ごはせん!
有崎五派:そうだった!
ウルスラ・ミック・ベニ:お水ちょうだい!
有崎五派:《力の霊水》ダメージロール+6D。ラウンド1回、侵蝕4
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を4増加(206 → 210)
有崎五派:危ない危ない
ウルスラ・ミック・ベニ:POWER UP!
ウルスラ・ミック・ベニ:ダメージ出します
ウルスラ・ミック・ベニ:3d10+6d10+85+21 装甲ガード有効
DoubleCross : (3D10+6D10+85+21) → 11[6,3,2]+42[2,10,8,5,9,8]+85+21 → 159
ルナンシア・ラダ・ランパート:デッカ
"竜王"伊藤算砂:《デモンズウェブ》
"竜王"伊藤算砂:159-9d10
DoubleCross : (159-9D10) → 159-29[4,6,1,4,1,1,2,8,2] → 130
"竜王"伊藤算砂:ガード29 装甲24で減算して77点。
"竜王"伊藤算砂:残りHP14点なので耐えられません。復活も不可能。戦闘不能になります。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を10増加(201 → 211)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ハアッハアッ……本当に強敵だった……キングダム最強の軍師…………!
有崎五派:強すぎ……ッ!!
天沼チギリ:強すぎた…
ウルスラ・ミック・ベニ:竜王が円卓を使っていたら、過日の熱すぎるIFだった
"竜王"伊藤算砂:残エネミーは"汽罐王"のみですが……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:……投降します!
GM:戦闘終了。PC側の勝利です。
有崎五派:う、ウォォォォォォ!!!!!!みんなありがとう……死ぬかと思った……
七十橋シスル:クライマックス1,2でみんなで温存したロイスが
七十橋シスル:こんな有様
ルナンシア・ラダ・ランパート:やった──────!!!
オリーヴ・ウェールズ:おつかれさま……!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヤッター
GM:――竜王が発動したものは、本来の彼女であればあり得ない王鍵であった。
GM:拷問王と鉄騎王は、一度だけ、その力を目の当たりにしたこともある。
GM:最古にして最悪の『石の魔剣』と並ぶ、最新にして最強の王鍵――『円卓』。
"竜王"伊藤算砂:「至上王に挑むのであれば――」
"竜王"伊藤算砂:「すなわち“円卓”に挑むことに他ならない」
"竜王"伊藤算砂:「文字通りと言うだけです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「これは、八月革命の交戦記録にあった……」
オリーヴ・ウェールズ:「この、身体に奔る威圧感……まさか、円卓を……?!」
オリーヴ・ウェールズ:遠間から術式を練りながらでも理解できる。それだけの存在感を、積み上げられた歴史を、圧倒し制する力を。竜王はその手に握っている。
天沼チギリ:「………それが、ここにあるということは──間違いなく至上王の命でここにいるのですね。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(じょ、冗談じゃない…そんな物を持ち出すな!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(やっていい事と悪い事があるだろ)
七十橋シスル:無限に現れる王鍵の幻影。彼女がそちら側にいるのは二度目だ。「こんの……カス女が……!!」
七十橋シスル:同時に確信する。竜王は間違いなく、至上王の命令を受けて立ち塞がっている。
有崎五派:「あ、あれ……やばい……?」
天沼チギリ:「ええ。これ以上なく。」
天沼チギリ:「先生はくれぐれも自分の身を第一に。」
オリーヴ・ウェールズ:「皆、どうか……!」この状況で戦線に出られぬ歯痒い思いを噛み潰し、今は只管己の役割に殉じる。"円卓"を乗り越えた、その先の為に。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(アレを持ち出したという事は…至上王は少なくとも竜王に妨害役を任せたという事だ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(負ければ、反逆者扱いは免れない)
"竜王"伊藤算砂:竜骸の群れが四方へと展開する。それは尋常の、ただひたすらに生者を食らう動きではない。
"竜王"伊藤算砂:上空にて隊列を組み、その場で羽搏き佇んでいる。
"竜王"伊藤算砂:「ご安心ください」
"竜王"伊藤算砂:「これの覇鍵解錠は出来ませんから」
"竜王"伊藤算砂:「そちらの王鍵を、直接止めることは出来ませんよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:対し、朝霧の蒼白の騎士が真っ先に動く。竜骸に目もくれず。衒いのない踏み込み。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「鮮血を薪に、意志を槍に、智慧を術に、照準を敵意へ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:大槍を軽々操る怪力と連戦に耐える回復力は、"カヴン血梯騎士団"を称する魔術セルに由来する。鮮血を媒介とした生命魔術である。
ルナンシア・ラダ・ランパート:王鍵を呼び出す際、"騎士王"の掌は浅く傷つけられ、黒曜が血を啜る。遺産の力を振るうための契約であり、それだけの意味に終始しない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「緘ざせ。氷累の石棺」
ルナンシア・ラダ・ランパート:武装を己が爪牙と見做す感染術式を以て、ルナンシア・ラダ・ランパートは槍の身体制御性を完璧なものとする。黒い軌跡を追って寒災が迸り、風波の凍りついたが如き斜めに突き立つ氷筍を無数生む。斬撃が往復し、そのどちらもが竜王の手勢となる生徒全員を射程に収める。
ルナンシア・ラダ・ランパート:筈であった
"竜王"伊藤算砂:対応を指揮する声はない。まるで対応できていないように見えるが。
"竜王"伊藤算砂:その必要がないだけだ。彼女の躰――鱗の一部を、手駒全てに分け与えている。
"竜王"伊藤算砂:それは発声よりも早く、意味よりも正確な指揮を与え続けている。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:爆発的な蒸気の膨れがあった。弾かれるように、蒼い身躯が騎士王の眼前へと跳ぶ。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「──”叡聞”!」「研究通りに!」

"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈はい〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈観測は、すみません〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈98%の精度で確定できています〉
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(……任せろ、2%はオレでなんとかする)相対する暴威を前に、思考だけが応答を返す。
"Screen":王鍵の解号とともに広がった霧の中に、電子のスクリーンが浮かんだ。
"Screen":{public class RegaliaController : LordBehaviour}
"Screen":{System_legacy.compile("Record");}
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:”騎士王”を取り囲むように、用意された記述式が展開される。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「宜し」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「王鍵、僭称────」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「"トザセ"、『白亜の石斧』」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:──兆候。騎士王ほどの遺産の使い手であれば、即座に気が付く変調があった。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:『氷累の石棺』の一部に、自らの意志の及ばない領域が発生している。虫が食ったように欠け落ちる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(──!)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:非活性範囲が全てを塗りつぶすことはなく、王鍵が機能を停止することはないが──その代わりに、制御不能な領域は絶え間なく変動している。
ルナンシア・ラダ・ランパート:遺産と紐づいた騎士王の身体制御がずれる。
GM:遺産のEXレネゲイドを、直接的に阻害する。
GM:遺産もまたレネゲイドを力の源泉とする限り、オーヴァードに対してと同じように、理論上は、可能なことだ。
GM:あくまで理論上に過ぎない。『円卓』を通じたリアルタイムの波長確定と、それに対応するナターリアの魔導工学技術があって初めて可能となる絶技である。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:遺産の研究者ならば、誰しもがたどり着く”仮説”がある。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:”この世界に無数に存在する遺産は、大別して数十種の伝承が分化したものに過ぎない”……大ノヴァリス博物館でも採用されている遺産の類型学。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(白亜の石斧……必中の弓……祈りの造花……蛇王の外套……そして、”聖剣”)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(心苦しいが、それらのレネゲイド波形は観測済みだよ────”円卓”がオレを答えに導いてくれた)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(……本来なら、自らの手で辿り着きたかった境地だ、が!)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:王鍵の出力が根源から阻害される。遺産の収奪とも、強制停止ともまた異なる脅威。
ルナンシア・ラダ・ランパート:警戒距離を保ったまま放たれた2つの斬撃が、片側は手前、片側は左へ逸れ、石畳をめくりあげ巨大な裂創を刻んだ、後隙をなくすために後退を選んでいる。選ばざるを得ない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:("汽罐王"。魔導工学部を抱き込んだのは──そういうことか!)
GM:こちらの動きを誘導する戦術を敷き、『円卓』へのアクセス権限を持つ竜王。
GM:『円卓』から得られたレネゲイド波長を解析する叡聞。その波長を乱す干渉を通してみせた汽罐王。
GM:――この『集団』は、絶技を必然として成功させた。攻撃を凌がれたルナンシアには、それが分かる。
"竜王"伊藤算砂:(――初見であれば、死蔵王でもなくば対応できない)
"竜王"伊藤算砂:(彼女が落ちていて助かりました)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「『遺産分類仮説』」荒れ果てた石畳に杖を突く。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「────論証」
ルナンシア・ラダ・ランパート:"騎士王"は、救伐騎士団の主戦場において陣頭に立つ、軍務機関の責任者である。
ルナンシア・ラダ・ランパート:キングダム最高の軍師である"竜王"との軍議の肴に将棋を覚えた。当然ながら向こうが上手の駒落ち対局だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:彼女自身が極めて応用性に富む最大最強の遺産を手にした現状、戦力で上回るとは断定できないが。
ルナンシア・ラダ・ランパート:円卓王を含む面々で伊藤算砂の操る諸王を相手取る今の状況は、在りし日のそれを思い出させる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「鱗。反応も速い──だが、利かしだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:打ち込みが入る。受けづらいと判断した一手。
七十橋シスル:(――ああ、クソが、よりにもよって、だ!)
七十橋シスル:「おい、ゴハセン」
七十橋シスル:ルナンシアとナターリヤが、互角の力で激突した。その衝撃の中に紛れて、傍らの女性に声をかける。
有崎五派:「……えッ!?わ、私呼んだ!?」
有崎五派:少し離れた所からでも充分に伝わる衝撃に顔を腕で庇いながら叫ぶ。
七十橋シスル:「この状況で呼ぶも呼ばないかもあるか! ……あいつらは今、竜王の指揮下で完璧な連携をしてくる」
有崎五派:「そ、そう……ね。正直、どうやって首突っ込んだらいいのかも分かんないんだけど……!」
七十橋シスル:「死ぬほど腹立つが、俺はあのクソカストカゲ女が苦手だ。手を貸せ」
七十橋シスル:竜王がその全力を発揮する場合、その脅威をもっとも受けるのがシスルだった。
七十橋シスル:敵意や悪意、害意や戦闘本能にすら自動反応する影の荊は、戦闘において盤上に立つだけの竜王と、相性が極めて悪い。
有崎五派:「どうしたら良い?どうしたら、あの子を……」
七十橋シスル:「一瞬、一度でもいい。お前の記憶の中で、もっともここから遠いもの」
七十橋シスル:「あいつらを、戦場から叩き出せるものを作れ。俺がそれを広げる。できるか?」
有崎五派:「ここから遠いもの……遠いもの!?」
有崎五派:呑み込みかけて叫びながらシスルを見やる。が、それも一瞬。
有崎五派:「や、やれる……!あの子達がずっと難しい事を通してきてるんだもの」
有崎五派:「それくらい、それくらいは……出来なきゃッ!」
七十橋シスル:「いい返事だ。――氷と蒸気が消える。動くぞ」
"竜王"伊藤算砂:(唯一の予測不能値は“先生”たる彼女ですが……)
"竜王"伊藤算砂:(これまでの戦闘の分析から、一般的な薬効能力者の域を出るとは思えない)
"竜王"伊藤算砂:(外から引き入れるならば、もっと強い駒を引っ張ればいいものを……)
"竜王"伊藤算砂:(なぜ彼女を?)
有崎五派:「おっけい!」シスルの言葉に力強く頷く
七十橋シスル:「我が爪先が踏みしめる大地を 即ち国土とし 萌え広がる茨の仔らを 即ち民とすれば 歩む足跡こそが道となり 紡ぐ言の葉は絶対の法となる」
七十橋シスル:「私は今 私という国の王と成った」
七十橋シスル:「覇鍵解錠。『安息篇/慟哭鼓行』――――――――」
七十橋シスル:コォ、と大地が輝いた。
七十橋シスル:周囲の建物が、人が、鎧が、瓦礫が、炎が、夜空が、すべて白く染まった。
七十橋シスル:それは厳密には"輝き"ではない。
七十橋シスル:ただ不自然な白青。大地の凹凸は不明瞭で、薄青の灰を撒いた湖面のように、地面も建物も窓も一つの色合いと化している。
七十橋シスル:覇鍵解錠の能力。影を変換し、苦痛の荊とする。
七十橋シスル:恐るべき精密さと出力を以て、全ての影を荊に変換した。
七十橋シスル:影を奪われ、反射も吸収も遮断も許されなくなった大地を前に。有崎の正面に、影色の種子が現れる。
七十橋シスル:「影よ、変換せよ。荊となれ」
七十橋シスル:目線で伝える。その種子に、重ねろと。
有崎五派:「──────」
有崎五派:すぅ、と息を吸いこみ。目を閉じる。
有崎五派:(戦場から、最も遠いもの)
有崎五派:(今、ここに無いもの)
有崎五派:遠い、遠い記憶から仄かな香りが鼻腔をくすぐる。
有崎五派:湿り気のある布の香り。清潔感のある、アルコールの香り。
有崎五派:有崎五派は──記憶の中で、小さな病室を幻視していた。
有崎五派:身体も、心も。私の痛みが止まった場所。戦いから最も遠い──私の記憶。
有崎五派:(これで合ってんのか分かんないけど──うん。いい気分だ)
有崎五派:影を失った非現実的な空間を再び視界に映す。感情の揺らぎが止まっているのを感じる。無色、透明。
有崎五派:「──よし!」
有崎五派:鋭く息を吐き、スカートのポケットからアトマイザーを取り出して透明の液体で満たす。それは死蔵王の治療で精製法を学んだ、混ざりのない"レネゲイド"の塊。
七十橋シスル:重ねられることは分かっていた。ついさっき教えたことを活かす他人を見るのは、少しだけ気分が良かった。
七十橋シスル:荊とはすなわち――
七十橋シスル:「水を得て、逐い繁れ。《荊広げしターリア》」
七十橋シスル:そうして、棘でも苦痛でもなく。彼女の選んだいろが、この戦場を満たす権利を得る。
"竜王"伊藤算砂:「――差し贏て!」それが広がった瞬間、いち早く叫んだ。
"竜王"伊藤算砂:(……いや。足りない……)
"竜王"伊藤算砂:「ここは……」
"竜王"伊藤算砂:「越鍵解錠、とさせて頂きます」
"竜王"伊藤算砂:「霜は軍営に満ちて 秋気清し 数行の過雁 月三更――放生鴇嘶曳叡王」
"竜王"伊藤算砂:それは円卓に坐す者にしか与えられぬ特権である、覇鍵解錠であった。
"竜王"伊藤算砂:かつて円卓であった頃に、遺しておいた合鍵の偸盗のようなもの。
"竜王"伊藤算砂:本来の適合者が使うことには優越せず、弾き出されるものだが……
"竜王"伊藤算砂:(今、“絶対解錠しないことが分かっている”円卓が一人いる)戦場の奥の存在を見やる。
"竜王"伊藤算砂:(彼女が動き出すまでに決着をつける)
"竜王"伊藤算砂:指揮する全ての者に、幻影の竜種の装いを与える。
"竜王"伊藤算砂:それは翼であり、牙であり、尾であり、鱗であり……炎であり、
"竜王"伊藤算砂:知恵である。
有崎五派:竜王の思考は当然読めない試みる事すらしない。ただ、時を逸してはならないという焦りだけが体を突き動かす。
有崎五派:アトマイザーの蓋を親指で弾き開く。その勢いで揺れる"無色"の内用液に影の種が落ちて。
有崎五派:
ど
ろり
有崎五派:液体は全てを覆い閉じ込めるような黒、そしてそこから漏れだす光を表すような紫へと変わる。
有崎五派:一人では何もできない無色透明。そのことに負い目を感じる事が無いとは言わない。しかし──
有崎五派:無色であるからこそ、どんな色も受け入れて大きく成長させることが出来ると。
有崎五派:(なら私は、透明を……いいえ、貴方達の色を選ぶ)
有崎五派:鈍く光る紫の香水が、薔薇の重い香りを放ち。
有崎五派:「受容調香:拷問王!」
有崎五派:「貴方なら育っていける──どこまでだって!」
有崎五派:空高く放り投げられたソレは茨を育てる雨のように降り撒かれる。
有崎五派:死蔵王の治療に使用したものではない、より深く関わりの有るものにだけ力を与える"貴方の為だけの香り"。
七十橋シスル:影を奪われて白く染まっていた環境が元に戻る。雨を受けて、荊が、戦場一帯を覆い尽くす。
七十橋シスル:それは、唐草模様とさしてかわらない。傷みも苦痛も眠気ももたらさない。ただ、その香りは、一つの群体として戦うはずの諸王達を、ふと我に返らせる。
七十橋シスル:自分たちは王でも兵士でもない。ただ、ひとりひとりの生徒である。
七十橋シスル:ありていにいえば――――一糸乱れぬはずのレネゲイドを、ただ無制限に、雑多に乱していく。
七十橋シスル:(――――想像以上だ!) 口角があがった。
"竜王"伊藤算砂:(――阻止しきれない)
"竜王"伊藤算砂:(防御布陣は無理ですね……相手が悪い)
"竜王"伊藤算砂:迎撃のための連携は、攻撃よりも無私の歯車となることを要求する。
"竜王"伊藤算砂:(脅威だ)と思う。(――だが)
"竜王"伊藤算砂:(これだけのはずがない……)
"竜王"伊藤算砂:「こちらからも参ります」あえて朗々と宣言した。
"竜王"伊藤算砂:彼女の軍略家としての強みは、その客観性である。
"竜王"伊藤算砂:自ら最前線の只中にありながらも、最愛の人間も、憎むべき仇敵でも。
"竜王"伊藤算砂:ただ、駒を駒として、その性能のままに用いることができる。
"竜王"伊藤算砂:竜骸の材料が何であろうと。そして。
"竜王"伊藤算砂:その王鍵の持ち主が誰であろうと。
"竜王"伊藤算砂:「陽を陰せ」
"竜王"伊藤算砂:意識を集めたはずのその姿が消えた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「美食王!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:仕掛けてきた。既に攻めが成立しているということ。だが、交換を入れる意味はあると信じた。
"竜王"伊藤算砂:たとえ自らを苦しめた恐るべき星徒のものであろうとも。
"竜王"伊藤算砂:「躡れ」
"竜王"伊藤算砂:無数の大船団のような、無形の圧力が生じる。
"竜王"伊藤算砂:たとえ放逐された円卓の朋友のものであろうとも。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(くそッ!)
"竜王"伊藤算砂:「隷従せよ」
"竜王"伊藤算砂:無数の蛇が、奉仕者となり王鍵の同時運用を支えていた。
"竜王"伊藤算砂:たとえ円卓の管理者として拠って立つ者のものであろうとも。
"竜王"伊藤算砂:そして。
"竜王"伊藤算砂:「圧せ」
"竜王"伊藤算砂:白い細剣が生じ、戦場に閃いた。
"竜王"伊藤算砂:“絶対に触れるべかざるはずの王鍵”さえも。
"竜王"伊藤算砂:それが有効な手立てであるならば、用いる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「──グウィバー!」
天沼チギリ:「至上王の王鍵すら──!」
有崎五派:「あ──ヤバ、い」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ふざけている!ふざけている!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「こんな事をやって良いと思うなッ!!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズは元々異常な生命力と再生力の付与実験の為の素体である。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:しかし、汎用化に失敗した素体として半ば廃棄された存在だ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:あらゆる攻撃を、あらゆる苦痛を浴びせられ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それでも死なないサンドバック。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:兵器と異能の標的としての実験体。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:研究室の一角に転がされていただけのダーツの的。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:だが、そんな女に悪魔が囁いた。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:『お前の苦痛を快楽に変えてやろう、満たせぬ腹を満たしてやろう』と。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(舐めやがって!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:結局は誤魔化しにすぎない。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:苦痛を食事として誤魔化しているに過ぎない。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:その代償として得たものは永遠の空腹と無限の食事だ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私は円卓第4席!お前如きの好きにさせるかッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「お前は水面に映る月の影だ!腹の足しにもなるものかよ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「覇鍵解錠ッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「全てを喰らうぞ…最後なき晩餐ッ!!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:スマートに椅子に座り。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:食卓に布をかける。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:地の底から這い出す顎が飛来する圧を喰らおうとする。
"竜王"伊藤算砂:「嚆べ」「咬れ」「――饗せ」
"竜王"伊藤算砂:圧力が、それに耐えかねたように弾けた。
"竜王"伊藤算砂:顎に抗するように、牙持つ大口が生まれた。無限の食い合いが発生する。
"竜王"伊藤算砂:同じ王鍵同士では適合率による出力差を免れることは出来ないが、
"竜王"伊藤算砂:食い合わせは時にその差を埋め凌ぐ。
"竜王"伊藤算砂:「であれば、水に飛び込みなさいませ」
"竜王"伊藤算砂:「腹が満たされますよ。――脹れ上がれ」
"竜王"伊藤算砂:激突に耐えきれぬ奔流が、口から溢れるように周囲に溢れ出た。
"竜王"伊藤算砂:そして、その飛び散った飛沫は。
"竜王"伊藤算砂:「喪え――弑せ」
"竜王"伊藤算砂:死を予告する血刃となって降り注いだ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ガボッ!ぐむっ!ゴクゴク…グビグボッ!くそッ…零れた分は自分で何とかしろッ…毒杯は飲みごたえがある…ゴクリ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:無数の杯に注がれた酒を次々と飲み干していく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「応!」ぐっ。有崎五波の体に突如として圧力がかかる。
有崎五派:「──ッ!?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:既に掲げていた氷の大盾の破られぬうちに、機械じみた段階的な加圧から肉体にダメージが入るギリギリの加速。範囲の外へと蹴り出した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:騎士にあるまじき足癖の悪さである。「がっ……軽々と破られるな。自信を無くす──!」
有崎五派:「なっ……にやって……ッ!」
有崎五派:まともに受け身を取る事すら叶わず地面へ転がる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「くぅ、ぁぐぁ……!」飛竜を捌き建設王を剣舞で抑え込んでいたさなか、意識の外から浴びせられた呪いに腕を持っていかれる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:盾を破り自らを襲う血刃を、次々と凍らせて折り飛ばす──足りない。消しきれない。みるみるうちに傷を負っていく。
七十橋シスル:「チッ……!」
七十橋シスル:有崎五派の雫を受けて広がった薔薇の芳香庭園は、今や戦闘特化の王すら鎮静するほどの出力を得ている。だが、同じく埒外の円卓のレネゲイドがそれを相殺している。
七十橋シスル:その間に、手駒を少しでも減らす。背後で糸車が回り、撃ち放たれた影の荊が、空を薙ぎ払って上空にいる竜骸を撃ち落とす。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:氷像が現出した──竜王から零れ上がった些末な水、痛みの記憶を依代として。まるで氷晶が塵を核とするような。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ひとつの「群れ」は、荊の前に。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:薄汚く長い鬣が目元まで覆っている。豹のような爪を備えながら、老犬のような歩みを伺わせる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:誰かの記憶の端になら残っているかもしれない──例えば、落伍者の流れ着く雨の廃区画などで、だ。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それは狩りを不得手としていた。力なく弱ったものに取り憑いて荒らされないよう守る習性を身に付けた。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:死の遠いノヴァリスで瘦せ細ったそれは、死神の使いではなく、ただ不幸と凋落の使いと見なされるようになった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:腐肉を守り、掘り返すもの。盗掘犬。
七十橋シスル:絶死の荊が、同族を避けるように自ら狙いを外す。この場で全滅させるつもりだった計算が外される。
七十橋シスル:「テメェか、羊飼いィ……!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「狙え、"元老"」淀みなく指示を飛ばす。彼女が動いたらそうすると決めていた。"厩司王"が生命体を従えるということは、その数のセキュリティホールが生まれるということだ。
天沼チギリ:「仰せの通りに。」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:──また別の氷像は、切り出されたような逆錐形の氷とともに。そう宣う彼女らの頭上へと降った。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:群れから外れた羊雲のように、視界に穴を造り──その上から伸し掛かるものへ気付くのを、僅かに遅らせる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:猛牛にも劣らぬ体躯と、それを支える硬く靭やかな脚。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:根を分け、踏み拉くもの。駆光馬。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:──また、別の。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:戦場が混乱し瞬断する傍ら、タナー・K・クエイクスに白き王鍵が傅いていた。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:"遺産"アンヴァルは騎馬の形をしている──が、それは騎手にしか扱えないことを意味しない。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「土地を与えます、足を与えます、暇を与えます」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:大地の結合が緩む。神馬が嘶く。一瞬の隙は続いたまま。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それは王の言葉に非ざり、命令の体を為していなかった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「妖精が貴方を試しましょう────ご存分に」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「感」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「謝!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:アンヴァルを駆り、乱れ飛ぶ血刃の後を追って、既に走り出している。
天沼チギリ:「破剣階乗───」
天沼チギリ:突進に合わせて、白刃の吹雪が舞う。
"竜王"伊藤算砂:「――遠い」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「遅い!遅い遅い遅い!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:"建設王"タナー・K・クエイクスは、本来ならば、とうに追放されていた立場である。
"建設王"タナー・K・クエイクス:理事会時代、彼女は大ノヴァリス博物館の地下構造施工に関わっていた。
"建設王"タナー・K・クエイクス:だがタナーは、円卓議会への当時の施工事例報告を怠っていた。
"建設王"タナー・K・クエイクス:それは今はなき『顧客』の情報を守るためだったが、そのために死蔵王は一度、命を脅かされている。
"建設王"タナー・K・クエイクス:職人としての実績だけで得た諸王の座である。政治的な後ろ盾もない彼女の"過失"を、竜王は隠蔽した。
"建設王"タナー・K・クエイクス:彼女の力と組織は、軍事において有益だ。このような有事に活用するために、手を差し伸べたのだろう。
"建設王"タナー・K・クエイクス:(構わない)
"建設王"タナー・K・クエイクス:建設王自身も、そのことを理解している。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「――オズディリヲ」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「大掻掘の手!!!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:博物館地下遺跡発掘の際に発見され、王鍵として登録された、遠き者の遺産だった。
"建設王"タナー・K・クエイクス:開拓神オズディリヲが、世界の始まりにあった海を掻き出した腕。
"建設王"タナー・K・クエイクス:巨大なスコップが、異形の、銀色の柱に変化する。精密に見定めた、大地の一点に突き立てようとする。
"建設王"タナー・K・クエイクス:神馬アンヴァルによって加速されたその最大発動が齎すものは。
"建設王"タナー・K・クエイクス:壊滅的な大地震に他ならない。
天沼チギリ:「”枕刀・帰り去くに如かず”───」
天沼チギリ:”大介錯”の殺意の操作は、増幅だけに留まらない。喪失させることも出来る。
天沼チギリ:”建設王”の攻撃による大破壊を未然に防ごうとした。
天沼チギリ:しかし────
"竜王"伊藤算砂:「㴅せ」
"竜王"伊藤算砂:絶大な光輝が、その光熱にて細工ごと消し飛ばした。
天沼チギリ:「鉱毒の、融解───!」
天沼チギリ:(破剣階乗の弱点は、一つ一つの刃が小さく脆いこと。)
天沼チギリ:(それらすべてを一度に失わせるような広範囲干渉には太刀打ちできない!)
天沼チギリ:(”風塵王”に見破られさえしなければ───)
"建設王"タナー・K・クエイクス:「――ドリャアアアアアアアッ!!!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:ガキン!!
"建設王"タナー・K・クエイクス:硬い、金属同士がぶつかるような音。腕は、建設王が突き刺した一点に食い込むことはなかった。
"建設王"タナー・K・クエイクス:だがその一点は、この戦闘の渦中で見極めた土地の急所である――
"建設王"タナー・K・クエイクス:ド ゴ オ ! !
"建設王"タナー・K・クエイクス:地震が巻き起こる。
天沼チギリ:「が、はっ……!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:大地がうねり、引き裂かれ、しかし狙いすましたかのように円卓の王達だけを変動へと巻き込む。
"建設王"タナー・K・クエイクス:地割れが擦り潰そうとする。隆起が肉体を剪断しようとする。その全てが土地の質量と破壊力で行われる。
"建設王"タナー・K・クエイクス:神馬アンヴァルを乗り捨てたタナーは、しかし休むこともない。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「――好機!」それを全員を巻き込む攻撃ではなく、全員をその場に縫い付ける一手だと判断した。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「その首」大地の変動を意に介さず、最初から全て見えているかのように跳び
"建設王"タナー・K・クエイクス:「貰い受けます!元老殿!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:スコップ型に戻った王鍵で薙ぐ。
"建設王"タナー・K・クエイクス:遺産の最大発動を打ち消され、体勢を崩した少女である。他の介入はない。そう判断した。
天沼チギリ:大地の変動が、凪いだ。
天沼チギリ:王たちを襲うように隆起した大地を斬り、無理矢理振動を止めたのである。
天沼チギリ:納刀。
天沼チギリ:視線は、”建設王”に。
"竜王"伊藤算砂:「ジンを!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「承知!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:想定外の異変が起こったことは理解しているが、突撃を止めはしない。
"建設王"タナー・K・クエイクス:攻撃を継続することで、他の者への直撃を食い止められる。
"建設王"タナー・K・クエイクス:(そして)
"建設王"タナー・K・クエイクス:(負けるつもりもない!)
天沼チギリ:────天沼チギリの生国は極東の島国である。
天沼チギリ:先祖はその国の王の庶子の家臣であった。
天沼チギリ:王子の乱暴なふるまいを諫める忠心を見せたものの、
天沼チギリ:その咎により腹を切り、没落した。
天沼チギリ:しかし、子孫は再び歴史の表舞台に立つ。
天沼チギリ:”処刑人”の一族として。
天沼チギリ:天沼チギリ。ノヴァリスに渡る前の名は、
天沼チギリ:山田浅右衛門。
天沼チギリ:天沼チギリの最も恐るべき能力は、”大介錯”ではない。
天沼チギリ:ましてやその野心でも、政治力でもない。
天沼チギリ:剣術そのもの、である。
"建設王"タナー・K・クエイクス:文字通りの、地の利を活かした斬撃であった。
"建設王"タナー・K・クエイクス:断層がぶつかり合い、弾き出されるその出力を
"建設王"タナー・K・クエイクス:そのまま乗せた、対応不可能な速度の――正面からの唐竹割り。
"建設王"タナー・K・クエイクス:それが。
天沼チギリ:唐竹割に対して、垂直に
天沼チギリ:文字通り、”返す刀”のように、
天沼チギリ:刀を振り上げる。
天沼チギリ:「遺産を管理する者が──」
天沼チギリ:「遺産より弱いとお思いですか?」
"建設王"タナー・K・クエイクス:――ザク!!!
"建設王"タナー・K・クエイクス:スコップが、その柄の半ばまで地面に埋まる。
"建設王"タナー・K・クエイクス:それを握ったままの片腕ごと。
天沼チギリ:スコップと片腕が、すぱりと左右に分かれる。
天沼チギリ:グロテスクだが、美しい標本が出来上がった。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「は、はは」
"建設王"タナー・K・クエイクス:「ははははははははは!」
"建設王"タナー・K・クエイクス:白いスーツを血に染めながら笑う。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「見事です、元老殿……!」
天沼チギリ:「この剣を振るわせたこと、誇りなさいませ。」
天沼チギリ:「”大介錯”で決着のつかない相手など、そうはいません。」
GM:天沼チギリは、その特異かつ強大な遺産の性能故に――
GM:その遺産の能力を抜きにした戦闘能力を目にした者は、ほとんどいない。
"建設王"タナー・K・クエイクス:「強すぎる……!」そのまま、血の海へと倒れる。
"竜王"伊藤算砂:(……タナー。起き上がらずともよい。あなたの仕事は終わりました)
"竜王"伊藤算砂:(後は見届けなさい)
"焦螟王"ジン・ツァン:「……いい働きだったぞ。タナー・K・クエイクス。貴様のことは嫌いだったが……」
"焦螟王"ジン・ツァン:陰鬱に呟く。先程まで空間を満たしていた羽音はない。
"竜王"伊藤算砂:半分は正で、半分は偽であった。
"竜王"伊藤算砂:起き上がっては向こうの駒になると理解している。
"焦螟王"ジン・ツァン:「大地を割り、戦場を十分に掻き回してくれた」
"焦螟王"ジン・ツァン:「所冀移災朕躬。何疾之避」
"焦螟王"ジン・ツァン:「――太宗躬災」
"焦螟王"ジン・ツァン:騎士王の冷気と炎が空気を満たし、チギリの鉱毒に制圧された大気である。
"焦螟王"ジン・ツァン:『目に見えぬ虫の軍勢』を操るジン・ツァンの王鍵運用には最悪の環境であると言えた。
"焦螟王"ジン・ツァン:戦闘を組み立てることのできる騎士王の認識でも、そうであったはずだ。
"焦螟王"ジン・ツァン:だが、建設王の脱落を含むここまでの戦況の推移は
"焦螟王"ジン・ツァン:竜王の戦術通りである。
"焦螟王"ジン・ツァン:全員が、足元から爆発的に膨れ上がる何かを感じ取った。その群れを目視することはできない。――小さすぎるからだ。
"焦螟王"ジン・ツァン:「地虫。百足。蚯蚓」
"焦螟王"ジン・ツァン:それは、タナーが戦場全体に作り出した地割れの底から。
"焦螟王"ジン・ツァン:「おれの軍勢達だ。このおれが、地下の下水道を管理する王だということを……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「まさか、忘れていたわけではないだろう……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そんな手がッ……!」
"竜王"伊藤算砂:(なぜ他の幻獣を用いず、竜骸ばかりを選んでいるか)
"竜王"伊藤算砂:(空に意識を釘付けにするためです)
ウルスラ・ミック・ベニ:「ぬ、ぐぉ、ぉぐ……!」建設王の環境破壊攻撃に逆戻しの修繕を掛けなかった訳ではない。先んじて干渉が行き渡り、届かなかった。
ウルスラ・ミック・ベニ:地盤を崩せば祟るよう埋め込んでいた影の竜たちも、姿なきスカベンジャー共に食い荒らされている。
七十橋シスル:荊の多重加護により地割れと円卓の飽和攻撃を回避しきっていたが、初めて攻撃を受ける。
七十橋シスル:「あぁあァ、親友の命を賭けた攻撃ってか! ゲホッ」
天沼チギリ:(微細。破剣階乗した”大介錯”よりも。)
天沼チギリ:(剣で凌ぎ切れるかどうか…)
七十橋シスル:「好きにしろやァ! 命を賭けた程度の雑魚に追いつかれるなんざ、円卓議会の名折れだぜ!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「あまり威圧するな、拷問王……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「大きな声は苦手だ……人一人程度、すぐに食い切るぞ」
"竜王"伊藤算砂:「威圧ではありませんよ。自己奮起です」
"竜王"伊藤算砂:「あれを引き出したということは、追い詰めている証左」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「喰いきる…喰いきるだと?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「はぐッ…もぐ…」一定範囲の蟲は美食王に食い荒らされていく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「この私の前で何を食べきると言うのか」
"焦螟王"ジン・ツァン:「妖怪め。貴様は……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「……最後だ」不愉快そうに眉を顰める。
天沼チギリ:「助かりました。美食王。」
天沼チギリ:「どんどん召し上がってください。」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:愚にもつかず前へと歩み出す靴音が響いた。同じようにして、白肌を濡らし彩る赤い果汁を指で拭う。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「(そろそろ取り決めた……ええと、手筋?というものだったでしょうか)」 ただ従えるばかりの羊飼いが、何の準備をしていたのか。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「多少のつもりが思いがけず十分以上の補充になってしまいました」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「食事は良いものですね。そちらに庭の薬草を卸していたいた子ともども、あの子たちは良く計らって頂けると嬉しいです、美食王様」偽りのない喜色の声
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「──ああ、それと」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「貴方の好きな、どんな生き物が多少萎れていてもお気になさらず。明日の陽が落ちる頃には戻るでしょう」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「少しばかり、頂いてしまうだけですので」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:────終わってから思い出せば、それは一瞬の変化だった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「"夏の名残り、最後の薔薇、ひとりぼっちで咲いている"」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:決して意識から外されてなどいないはずだった。ただ、まるで大平野を囲む山嶺の連なりのようであり、人を飲み込まんと首を上げる高波のようであり
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「"私は貴方を見捨てはしない、茎の上で嘆かせはしない"」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:空気が零下まで堕とされ、ひび割れる音を幻視する。熱量を制御下に置き、氷雪を生むほどの収奪を、これほどの規模で行うにしては小さな変化痕。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:つまり────そうではないのだ。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:退路を断ち介入を防ぐようにとぐろを巻く大氷濤を生む環境改変こそ、大地に住まう銀精の領分であり──
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「"優しく手折って寝床に散らそう、香りもなく臥す彼らの上に"」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「──"嗚呼、凍える世界にまたひとり?"」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:全てが凍った。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:どれだけ微弱な生物でも大地と繋がっている。国の主ではない、大地の代理人としての越権的な執行を──
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「……ふう、スぅ、ふうう…………────架けよ、アンヴァル」唐突に。光もなく広がる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それは騎手と旗下をあらゆる環境から守る、ただそれだけの王鍵だった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:だから。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:銀世界に足を折り、視界を曇らせ、意識を挫かれるのは────大地と妖精の敵だけだ。
"竜王"伊藤算砂:「これにて、囲いは組み終えました」
"竜王"伊藤算砂:「どう返しますか?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:美食王の王鍵が敵の攻撃を凌いだ格好の裏、こちらは備えの裏をかかれた格好のまま、意識外の攻撃をもろに受けている。
ルナンシア・ラダ・ランパート:寒冷の呪いが蝕みの進行を抑えるが、その寒冷の性質に被せるように"厩司王"の冷気が侵蝕する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「友達を無くす手というやつだろう、それは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:僅かずつ手足の感覚の壊死してゆくのを感じながら毒づく。視野で上を取られるのは避けられない。なんとか、間合いに持ち込む必要がある────。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「ふふ……いえ。これは子守唄、といった所でしょうか?」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「嵐の夜に怯えた幼子が、この眠りから起きたらどうか、悪いものが去っていますように──なんて」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「もっとも、それを起こすのが──わたしなのですが」
有崎五派:「ッぐ、ぅぅうッ──」
有崎五派:蟲に体を喰い荒らされる痛みと恐怖は経験がある、無い、という問題ではない。加えて、有崎は生徒と比べて明らかにリザレクトの進行が遅い。
有崎五派:今にも叫びだしのたうち回りたくなる衝動を口内を噛み切りながら必死に耐え、蓄えられた知識の頁を捲り続ける。
有崎五派:(蟲、傷、──、あ、る……けど、みんなには──届かない)
有崎五派:あちこちから血を噴き出す身体で這いずり、視線の先に騎士王を捉える。
有崎五派:確信があった。小さな伝承、風習。効能は気休め程度のソレだが、現実を嗤うような魔術が飛び交う今なら──力を、借りれば。
有崎五派:即座に特定した頁に記載された"名"を叫びながらアトマイザーを充填する。
有崎五派:「"カンファ―"、"カブリューバ"!!」
有崎五派:「と、どけ──ッ!!」
有崎五派:力を振り絞って投擲したそれが、騎士王の足元で砕ける。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──先生、これは……?」
有崎五派:樟脳と呼ばれる、クスノキから抽出される虫よけの呪い。そして。
有崎五派:カブリューバはヨーロッパで傷を隠し、誤魔化す薬として使用されていた。
有崎五派:「時間……稼ぎに、しかならないッ!散ったら……自分で抜けてッ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「! 感謝する」
ルナンシア・ラダ・ランパート:確かに一瞬、体内を侵す虫たちの活動が和らいだのを感じ取る。「血肉を薪に──」呪句とともに働きかけ、自らの抵抗力を高める。干渉を停止させてゆく。
"竜王"伊藤算砂:(……凌がれてはいる。だが……)
"竜王"伊藤算砂:(気持ちの悪い。考えすぎか……?)
"焦螟王"ジン・ツァン:(……単純な薬効能力者)
"焦螟王"ジン・ツァン:(虫を避ける程度の手は想定内だ。守れるのは限られた範囲の一人か二人……)
"焦螟王"ジン・ツァン:(それ以上を巻き込み続ければ、いずれこちらが勝つ)
"焦螟王"ジン・ツァン:(そうだろう、竜王……)
有崎五派:「……は……ッあと、あともう少し……」
有崎五派:生徒達の消耗は激しい。味方も、あの子達も。これ以上戦いが長引く事は許容できなかった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……ごはせん」傍に寄り、ひゅうと白い息を吐く。
有崎五派:「ウルスラちゃん」
有崎五派:痛みを耐えながら手を付いて体を重々しく起こす。
ウルスラ・ミック・ベニ:「切り札を使えば、一度だけ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一度だけなら、相手が円卓でも全力の諸王でも、動きを止められる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「僅かに稼いだそのひと時、ごはせんは……ボクたちは何が出来るかな?」
ウルスラ・ミック・ベニ:熱に浮かされたような無邪気さで笑い、質問する。冷気と出血で朦朧とする意識の故か。
有崎五派:「何だって…………出来る……」
有崎五派:何も知らなかったあの時から、何度も助けられた笑顔に同じく微笑みで応える。
有崎五派:「ねえ、ウルスラちゃん。……ズルいこと、言ってもいいかな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「大丈夫、ボクだってズルいことするから」
有崎五派:「………ふふ」
有崎五派:小さく笑い、真っ直ぐにウルスラの顔を見つめる。
有崎五派:「貴方達に可能性を──繋いでみせるから」
有崎五派:「任せても良いかな、ウルスラ先生」
ウルスラ・ミック・ベニ:「──頑張る!」外套をひらりと翻し、先生の傍を立つ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「三代勇者、竜頭賢人ウロルーシェが火打牙!」
ウルスラ・ミック・ベニ:肩口から芽生え、袖と一体化した火竜の首が細腕を呑み込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:死毒の呪いを喰らい、焼け付く吐息が不可視の虫を滅却し、凍てつく四肢に熱を巡らせる。
ウルスラ・ミック・ベニ:異形持って生まれたウロルーシェは力ではなく、その賢明さと忍耐力によって数多の都邑に平和を齎した傑物である。
ウルスラ・ミック・ベニ:竜の異能を用いた回数は、生涯通して蜥蜴の指で数えられる程。
ウルスラ・ミック・ベニ:その最後の一回。猛々しき怪物に救われた村は、報酬として若い娘の肉を差し出した。
ウルスラ・ミック・ベニ:知らず犯した人喰いの過ちを賢者は死しても忘れぬよう、己の四肢を食らった末。竜頭のみが残って餓死を迎えた。
ウルスラ・ミック・ベニ:生贄を求め人を喰らう蚯蚓竜以外の形で彼を伝える伝承は、勇者の徴以外に残されていない。
ウルスラ・ミック・ベニ:怪物に堕すことなく己を終わらせた戒めを、読み取る事が出来るのはこの身のみ。
ウルスラ・ミック・ベニ:故にウロルーシェの力を使うのは、かつて騎士王や至上王と対峙した時のように。己が破滅に向かっている自覚がある時だけと誓っている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「点火」
ウルスラ・ミック・ベニ:袖の竜頭が、己の腕を丸呑みする。黒き指輪に食らい付く。火花が散る。
ウルスラ・ミック・ベニ:かつてウルスラが最強の敵と対峙した時、この指輪は時空を捻じ曲げ戦場を修復しなかった。
ウルスラ・ミック・ベニ:自分が現れた爪痕を少しでも残すためでもあったが、最大の理由はその余裕が指輪に無かったからだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:アーナンツ竜霊廟の墓守が受け継ぐ遺産の機能は三つ。圧縮、封入、解放。中でも原竜骸墓が持つ形質はバロール。
ウルスラ・ミック・ベニ:副葬品として宝玉を収め、骸竜に魔眼を嵌めて仮初の命を宿す指環は、あの時封入で精いっぱいだったのだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:副葬品として納められた宝玉の中でも、最重純度の群を、がり、ごりごり がきり。
ウルスラ・ミック・ベニ:竜牙が噛みしめ、無理矢理にスイッチが切り替わる。砂時計をひっくり返したように、魔眼が指輪から溢れ、顎に満ちる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「是なるは全ての王鍵、全ての王の上に君臨せし者の覇気!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「王の征圧!」
ウルスラ・ミック・ベニ:至上王から浴びせられた魔王の重圧を、竜の咆哮によって指向性を与えて、放つ!
"竜王"伊藤算砂:「糾せ」「灯せ」強烈な炎熱と光輝。それが竜の吐息として生み出され――
"竜王"伊藤算砂:(それを字面通りに捉えてやるとして)
"竜王"伊藤算砂:(勝負に乗る理由はない)
"竜王"伊藤算砂:囮としている。本命はあくまで有崎五派であると見做している。
"竜王"伊藤算砂:それには武装の展開の出掛かりはない。
"竜王"伊藤算砂:「擘け」「天から下れ」本命の妨害。言霊と視線による二重の支配を行使する。
ウルスラ・ミック・ベニ:この世ならざる暴竜の咆哮が広がる傍から、一切が色と音を失い、屈服し、圧壊してゆく。
ウルスラ・ミック・ベニ:「屈する、かぁぁぁ!」霧の中、更に幾つもの竜の頭が浮かび上がって吠え猛る。
"竜王"伊藤算砂:(――これ以上は)
"竜王"伊藤算砂:(浪費か)一方の圧力がかき消えた。
"竜王"伊藤算砂:透かし逸らし、凌ぐ。一瞬の空隙。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラが再現せしウロルーシェの力の発現は、金冠の進軍喇叭。出力基幹たる指輪の数に合わせ、門数を揃える事が出来る。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:──だから、目を疑うまでもなくシンプルなことで。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それより大きな威容に塗り潰された。バヂ ィ ッ!と、薄青い白に弾かれ火花が散る。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:目を疑う。盤上の駒が、その意図を超えてかき乱すように。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:立ちはだかる氷像のカタチに、
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:もはや飾り立てる言葉は必要なかった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:幻想の落とした影、巨竜。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ひとつの施設があった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:閉じられた世界に座す幻獣の無用さを、生徒たちの卒業と入学の中で神秘を高めることに用いるための飼育小屋。王に相応しい器を待ち望む、緑の箱庭が。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:ひとつの研究があった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:究極の器とは、人に王の力を齎す幻想種とは、神の如く授ける王権の種とは何か。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:幻想種は交雑の果てによる逸脱と、突然的な変異を大まかな由来とする。ゆえに目指した、既存の生命に当てはまらない純粋なる幻想────竜を生む研究を。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「私ですよ」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:眼前で叫ぶウルスラ・ミック・ベニに、そっと囁くように。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「系統樹の極点、血統なき貴種」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「────竜化器の原型を作った、その基盤は。『アヴァロン』です」
ウルスラ・ミック・ベニ:「──っ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボク、は……ルキアに、会いに行く」
ウルスラ・ミック・ベニ:力を使い果たした竜頭が萎び、氷界に枯れ花と散る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「通してもらうよ、おねえさん」役割は二つ果たした。そこから取られる可能性は無限大らしい。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「───ならば」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:受け入れるように腕を開いて、歌うように奏でる
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「大地を超えて、その先へ行くというのならば」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:その業の継承すらも
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「乗り越えて頂きましょう──この、罪深き『箱庭の妖精』を」
有崎五派:「歩いて……前に進めば……越えられないもんなんて……ないのよ」
有崎五派:ウルスラが全力を賭して稼いだ時間は、実を結んだ。
有崎五派:選択する香りは、最初から決まっていた。後は彼女達一人一人を見てその濃度を決定するだけ。
有崎五派:襲い来る理不尽の全てを喰らい尽くさんと立ち続ける美食王の背中も、燃え滾り、凍てつく衝動をその身に留め続け剣を振るう騎士王の背中も。共に歩いてきた生徒の背中も。
有崎五派:充分に、見た。
有崎五派:「充分、好きになった!」
有崎五派:最後のアトマイザーに充填された香りの名は、アルデヒド。自然の神秘ではない、人の叡智の結晶。
有崎五派:それは奉仕の香り。単体では不愉快な異臭でしかないが、花々の気高い香りに混ざれば彼女達を華やかに飾り立ててくれる。より、貴方が輝くように。そんな思いがこもった一滴。
有崎五派:(もう一度、いや、何度だって)
有崎五派:「香り立って。私に見せて、貴方達の輝きを!」
有崎五派:振り撒かれた香りが萎びて散った花弁に付着して舞い、生徒達を包んで再起を促す。
"竜王"伊藤算砂:「……は?」
"竜王"伊藤算砂:(……エネルギーの賦活……だが……)
"竜王"伊藤算砂:(その程度?それが……何になる?)
有崎五派:使い切った空洞を、微細な香りに反応して増幅させるレネゲイドが満たす。
有崎五派:たった、それだけ。けれど──貴方達なら。どんなに小さくとも残った闘志があるのなら、立ち上がる事が出来る筈だ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ああ、見せるとも!踏破してみせるとも!」
ウルスラ・ミック・ベニ:飾り気のない武骨な直剣。魔を掃う真銀の刃を振りかざし、きらりとした輝きが視界を貫く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「剣はただ傷つけ殺すだけのものではないって、あの子に教えてあげるんだから!」
ウルスラ・ミック・ベニ:巨竜の像を雨細工のように斬り飛ばし、守るものなき厩司王へと掴み掛かる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:氷を依代にした幻獣兵器の現出は、竜王の差配によって縫われた隙間で以て絶えず訪れることを可能としていた。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:無防備な身体へ、邪悪を斬る勇者の手が迫る。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「……Верка、ぼうっとしすぎだ!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:真鍮合金製のサブアームから吹き出される蒸気圧で、乱れた大地を直角に飛び越え、広がりきったスクリーン、術式は既に起動させてある。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「────ッ!第二法偽証論、論証!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「さっさと起動れ、宜し、宜し!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ナターリヤ・ネプチャンの用いる異能は、極めて原始的かつ破壊的な雷炎の行使だった。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:暗渠孔とは致命的な相性だ。炎に対する水、電導を狂わす水、といった単純な食い合わせは元より
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:この王鍵が生み出す『水』は術者のレネゲイドすら非活性化させ、湧水量に応じた侵蝕上昇の代償すら迫る。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:より洗練された理法が必要だった。強力でなくとも、一工程で起動できるような、あらたな異能。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:───────ッバ、シュゥゥゥゥゥウウゥウィィィィィィィィイイイイイッッッ
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:ビデオテープが早回しにされるように、断ち切られた氷像が蒸気へと変換される。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:王鍵から汲み出した水とより合わさり、質量すら伴う防壁を形作る。空間に集まった蒸気が、だ。
ウルスラ・ミック・ベニ:毛皮のマントで蒸気圧を防ぎ、風踏む靴で機動力にも転換できよう。だが踏み込む一手は、道は遮られて取り返しがつかない。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:視界を遮る蒸気の流れは、空間の分子量変遷の観測の賜物。そのすべてを見据える眼を持ち備えた、仮想の”悪魔”との契約ゆえ。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:はるか昔に否定された学説。進歩と発展に伴い淘汰されていった理法。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:────あるいは、たった今論証されたばかりの”仮説”。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:汽罐王が用いる異能は、『ここにはない』ものと契りを交わす魔導式。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「次の持ち場に戻るぞ────どうも、嫌な空気があってたまらない」ヴェーラの体を抱き寄せ、即席の機動力でその場を離れる。
"竜王"伊藤算砂:(……)
"竜王"伊藤算砂:致命の呪いは与えた。ここまでの運びにもさしたる問題はない。
"竜王"伊藤算砂:(……研究内、のはず)
"竜王"伊藤算砂:(だが……どうして詰みが見えない?)
"竜王"伊藤算砂:ずっとずっと、気持ちの悪さを拭えずにいる。
"竜王"伊藤算砂:不確定要素だった“先生”さえ、大した能力者ではない。
"竜王"伊藤算砂:そのはずだ。
"竜王"伊藤算砂:(……何が、私に見えていない?)
ルナンシア・ラダ・ランパート:「心底嫌になる状況でこそ、本当に必要なものはこれだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:呼吸であり、切替であり、整頓。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ありがとう。先生」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ふっと。冷たく硬い表情が綻んだように見えた。それは一瞬のことで、錯覚だったように影も形もない。
有崎五派:「何度だって、貴方達が必要とする限りは届けてみせる。しんどくなったら下がっておいで」
有崎五派:微笑みと共に頷き、視線をその先へと戻した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──ある生徒と話した。円卓王を恐れ、跪き、不信を抱き、反目へ駆り立てられる——」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あれは……ルキアにとっての私たちだ。至上王は言っている……我々とは何もないと。関係ないのだと」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「真実にしたまま、行かせるものか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:未だ呪いの影響下にあるまま、身の丈三倍の大斧槍をかざし、再び敵陣へ駆け出す。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:敵意を挫くような寒さの下、より一層強く吹雪が鳴り荒んだ。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それは常人においても足を止めうる程のものである事は当然として、"騎士王"にとって別の側面を顕した。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:極端な低温化では大気の振動が少ないためエネルギーの収奪が発生し辛いと知ってか知らずか、
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:もしくは、そもそもこれが「低温化」ではなく「環境の固定」に近いが故、熱量操作という土俵に上がっていないからなのか。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:どうであれ──拒絶するような致死の寒波が、彼女を取り巻いて襲う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(──ここ)
ルナンシア・ラダ・ランパート:先程のような複数を巻き込んだ攻撃を仕掛けるのは、やはり難しい。視野は不明瞭で、戦場が敵へ味方する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:十字冠に重なった、灼金の尾羽根の十字が煌めくのが見えた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:円卓三位ルナンシア。熱への恐怖を呼び起こす遺産の呪いを踏み越え戦線に立つ遺産継承者。
ルナンシア・ラダ・ランパート:痛み、怠惰、欲望、同情、憐憫、陶酔や狂奔。
ルナンシア・ラダ・ランパート:情動に流れず騎士道に準ずる精神性がその戦士としての強みであり、戦術家としての限界となる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:倒れた者あればとどめを刺すという宣言に、確実に行動を縛られる。護衛と監視の二重目的のため、己が真っ先に倒れる戦法も選択できない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:強さへの絶対の自負を至上王に折られ、過信はしない。敵味方に不確定要素を孕む負けられない戦場で自ら博打を打つこともない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それが読みの絶対の判断材料となる、駒としての"騎士王"の『効き』の前提。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(──そしておまえたちは知らない)
ルナンシア・ラダ・ランパート:キングダム外縁砂漠より発掘された破壊兵器『造換塔』を巡る、反十字冠組織ARESとの戦いを経て手に入れたものを今に至るまで隠すことが、己にはできた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ウルスラや五波を信用できない、彼女たちを自由にさせるべきでないと言った。本当のことだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:その上で口にしていないことがある。
ルナンシア・ラダ・ランパート:件のとぼけた隠蔽者と同じ、星室庁の認めた二人の『先生』のこと──。
ルナンシア・ラダ・ランパート:信用しているとは言えない。その上で信じたいのだと。
ルナンシア・ラダ・ランパート:立場や信念すら越えて──心が命ずるままに動く選択肢を、ほんとうは手にしている。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「覇鍵破錠──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:"厩司王"の冷気が空間を満たす中、もう一人の冷気が全て発動者の体躯へ向けられたこと、誰が気づけただろう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:吹雪のスクリーンを遥か抜け──ただ一人へ神速の斬撃が降り注ぎ、銀の霧が舞った。
ルナンシア・ラダ・ランパート:自然界にありえざる低温に達した過冷却水の体積は、理論値無限の増大を見せる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それが騎士王の傷口から渾々と溢れ出し即座に凍って煌めく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:生命魔術と遺産の力が不凍状態に留めた血中水分が無限に希釈放出され血液を介した竜王の呪詛をゼロの極限へ導く中、
ルナンシア・ラダ・ランパート:人体の大半を構成する水の比重を捨て去り目にも止まらぬ短槍の技を繰り出す、王鍵の高速攻撃発動形態。
ルナンシア・ラダ・ランパート:倫道アカネに看破され、おそらくは"叡聞"を通じて知られている。だが同時に──
ルナンシア・ラダ・ランパート:「氷累の石棺・無量冷血形態」
ルナンシア・ラダ・ランパート:術が途切れれば体内の水分全てを失う。いまこの状況で繰り出されるはずのない捨て身の自殺手である。
"竜王"伊藤算砂:「……」一瞬の思考の後。(迎撃を継続)短く意志の指示。
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈無量冷血形態!〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:叡聞の鋭い警告が行き渡る。最も警戒すべき、それでもなお突破できるかどうかは未確定の技であったが
"叡聞"アストラ・アクアティカ:いざ使用された際の想定はされていた。竜王の軍勢は意思の速度で戦術的に動く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:陽炎の揺らめきか。覚悟/責務/歓喜/悲憤/増長/怯懦/危機感/無力感のどれもを払い落とした穂先はこれまで見せた全てより軽く鋭く舞い、無数の火花とともに迎撃の遺産と打ち合い、次々と位置取りを変える。
ルナンシア・ラダ・ランパート:危うくも自然な動作が踏み込みを伴い、蝗の刃の火の犠牲を皮一枚に留める様は突風に舞う葉に似て、交錯とともにわずかの血飛沫を上げたのは──"竜王"。
ルナンシア・ラダ・ランパート:研究する意味のない一生に二度と現れない予測できない一瞬一瞬に、理論も推測もない。磨いた技と極限の戦闘勘で切り込んでゆく。奇跡のような一瞬を手繰る。次の一瞬を切り抜ける。次の次の一瞬を。己すら次に何をするか思索せぬ攻防の中で卓越した読みに価値を与えない、何で優越されようと魂だけは敗北するなと全霊で叫ぶ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「自らに──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:守りの奥へ。吸い付くように迫り、穿ち、巻き、払い弾き引き突き斬り払い突き突き返し滑らせ叩き持ち換え迫り弾き引き────
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈汽罐王!厩司王!竜王様を……!〉間に合わない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君臨するとはこういうことだ。私の切り札は頭脳でも技でもない。おまえはそれを知っていたし」
ルナンシア・ラダ・ランパート:斬り裂く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「真実、知らない」
"竜王"伊藤算砂:「ぐっ……!滾れ!」
"竜王"伊藤算砂:竜血がだくだくと流れ、沸血して凝固し傷を塞ぐ。
"竜王"伊藤算砂:「今更――」
"竜王"伊藤算砂:(否)
"竜王"伊藤算砂:(なぜ、今更口にできるようになった?)
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈分かっていた……!〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈能力は……分かっていたのに!〉
ルナンシア・ラダ・ランパート:思い出させるのだ。先生が。
ルナンシア・ラダ・ランパート:自らが、子どもたちが駒の領分を越えて動くことを。自らが可能性を持つことを。それだけのことが強烈で。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「決して分からない。おまえには」
"竜王"伊藤算砂:「――それを貴方がた全員が共有していると?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「見ているものは違うさ」
"竜王"伊藤算砂:「同じ向きを向かせることが」
"竜王"伊藤算砂:「王のあり方ではないのですか?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「同じ方角へ向かうことはできる。これ以上親切にしてやるつもりはないな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:教えるのは己の領分ではない。上手くできる自信もなかった。
"竜王"伊藤算砂:「こちらは親切心から申し上げますが」
"竜王"伊藤算砂:「対手の予想を崩す事自体は、展開を有利に進める事とは異なることもございますよ」
"竜王"伊藤算砂:「■■廻れ」
"竜王"伊藤算砂:それは今は破壊されたはずの王鍵のものだ。その機序を予想することは誰にも叶わない。
"竜王"伊藤算砂:「荒れて蕪れよ」「逐い縋れ」
"竜王"伊藤算砂:花の香。刹那、竜骸が落とした影から、花咲かす茨が生じて殺到する。
"竜王"伊藤算砂:それは唯一人を執拗に狙っていた。
"竜王"伊藤算砂:彼女の円卓への適合度は、かつてこれを用いた“処記官”に劣る。
"竜王"伊藤算砂:まして、本人の出力には、遠く及ばぬ、隔絶たる差がある。
"竜王"伊藤算砂:だが。組み合わせれば。
"竜王"伊藤算砂:「鳳翼を拡げよ」
"竜王"伊藤算砂:文字通り一矢報いることは十分に可能であった。
七十橋シスル:「テメェ――――」
"竜王"伊藤算砂:それらを掩蔽として、したたかに撃ち抜く。
七十橋シスル:でたらめに咲き狂った拙速の茨が、絶対であるはずの影茨の防御と混ざり、すり抜ける。
七十橋シスル:「があ、アァアッ…………!」全身を貫かれる。制服が、コートが引き裂かれ、鮮血がしぶく。
"竜王"伊藤算砂:「自らの力は自らが最も理解している」
"竜王"伊藤算砂:「それはある意味では正しいですが、例外が一つございます」
"竜王"伊藤算砂:「自分自身の力と戦う場合においては、一度目は最も無知な者として対することになる」
"竜王"伊藤算砂:一人を狙ったのには理由がある。
"竜王"伊藤算砂:同時に行う、他の“攻撃手段”を逃れうるものであったからだ。
竜骸:陣形の後方では、意思持たぬ、冷たい翼の音が響いていた。
竜骸:騎士王の無量冷血形態による突撃戦術は、彼女自身に、それがある種の交換となる覚悟を強いるものだ。
竜骸:騎士王が突出し、拷問王が撃ち抜かれ、守るもののなくなった後衛を、竜骸の群れが攻め立てる。
竜骸:防衛を得手とするのは美食王一人であるのに対し、有崎五派とオリーヴ・ウェールズを守らなければならない――
竜骸:大駒を取るものは、同じく大きな駒であるとは限らない。
竜骸:殺到する。
有崎五派:逃れられない為に容易に意図を汲み取る事が出来る攻撃に対しオリーヴとは反対方向へ駆けだそうとするが、それも遅すぎた。
有崎五派:「──ッ」
有崎五派:ただでさえ力の入らない足が戦闘の余波で陥没した地面にとられて倒れる。
七十橋シスル:新たな手を見せて僅かな機を、既存の手と共に雪崩をうって打ち崩す。
七十橋シスル:無限を操る星徒ですら、その運用自体は単純なものだ。
七十橋シスル:ほぼ無限の選択肢をもたらす"円卓"を完璧に近いカタチで扱えるという点で、竜王以上の適正者はいまい。
七十橋シスル:「"竜王"!」 腹を貫いた茨を鷲掴みに、血反吐を吐きながら叫びかける。
七十橋シスル:「お前、ルキアの目的は聞いてんのか!」
"竜王"伊藤算砂:「いいえ?」
七十橋シスル:「じゃあ命令を受けただけか。アイツがどうして世界に帰ろうとしてるのか、何も?」
"竜王"伊藤算砂:「はい。聞いてはおりませんが……」
"竜王"伊藤算砂:「“拷問王”様には思い当たる節がない?」
七十橋シスル:「引っ掛かりはあるがな。想像で語るつもりはねえよ」
七十橋シスル:「だから聞きに行くんだ」
"竜王"伊藤算砂:「聞いて得られた答えであれば、正しいと?」
七十橋シスル:「そうやって諦めてんだよなあ。お前だけじゃねえ、――誰も、彼も」
七十橋シスル:血液が流れ続ける。
七十橋シスル:「だよなあ。ロードアンドマスター、至上王はキングダムの恐怖の象徴、圧倒的な力でこの学区を支配する暴君」
七十橋シスル:「その真意は誰にも理解できず、気まぐれに異常な命令をし、一般生徒も諸王すらも、絶大な力と畏怖で従わせる魔王――」
七十橋シスル:茨が、蠢く。「――なあ」
七十橋シスル:「じゃあ。あいつの支配下で、死んだ生徒はいたか」
七十橋シスル:「自由を、希望を、半永久的に奪われた生徒はいたか」
七十橋シスル:シスルの脳裏を再現するように、地面を埋め尽くす茨が、シルエットを描く。大鴉、沼地、高速船、槍の獣。
七十橋シスル:「あいつ以外の誰が、ロードマスターを倒せたんだ」
"竜王"伊藤算砂:無表情で聞いていたが、“ロードマスター”の名前だけには些かながら眉根を寄せた。
七十橋シスル:「ルキアが、キングダムの全てを変えたんだ」
七十橋シスル:「完璧じゃねえだろうさ。理想じゃねえだろうさ。――それでも、その恩を忘れて、理解を放棄して、ただ盲目に従ってんじゃねえよ!!」
七十橋シスル:「あぁぁあぁぁあああア゛、気に食わねえェェェェエ!」
七十橋シスル:この時点で、竜王は気付くだろう。この言葉は、説得や交渉ではない。
七十橋シスル:シスルは呪術師だ。呪詛を使うにあたって、全ての方法を修めている。茨が、不意に晴れる。
七十橋シスル:地面に染み込んだ血が、文字を描いている。
"ウィリー・ウィンキー 聞こえるか"
"鰻の様に皆の耳からのたくって"
"猫の膝を引っ張って喉鳴りを乱してる"
"なあ ウィリー・ウィンキー そら 奴が来るぞ!"
"竜王"伊藤算砂:竜骸を垂直に再展開する。地から脅威が来るのであれば、下の部隊だけが犠牲になろう。
"竜王"伊藤算砂:大半が持っていかれても、まだ制空権維持には事足りる――それが見立てであった。
七十橋シスル:原始的な呪詛が、鎌首をもたげる。シスルが受けた無数の傷が、出鱈目に周囲に伝播していく。
七十橋シスル:「お得意の能面顔で」
七十橋シスル:「いっっっっつまでも、俺の前に、立ってるんじゃあねえ―――――――――!!」
七十橋シスル:竜骸が、空中で爆ぜ散る。
竜骸:絡め取られる、どころの話ではなかった。
竜骸:強固な竜骸が、空中にあるまま、引きちぎられた。
"竜王"伊藤算砂:「伝播……!」
七十橋シスル:片手を真っ直ぐ伸ばしている。指先には、傷の入ったピアスを摘まんでいる。厳かに紡ぐ。「竜骸を、竜王に照応する」
七十橋シスル:万物万象を、莫大な知識量とその傲慢な定義付けで同一と見なす、あの異常者の術式には及ばないが。
七十橋シスル:「今、このキングダムで!」
七十橋シスル:「竜骸を使うのはテメエだけだよなあ!!!」
"竜王"伊藤算砂:「――赦し給え!グッ、ガフッ……!」即座に自死を選んだ。
"竜王"伊藤算砂:それは無論、自らの耐久を大きく損なう行いであったが。
"竜王"伊藤算砂:それでもなお、この照応を切らねばならないと判断した。
"竜王"伊藤算砂:「――従えなかったのは」
"竜王"伊藤算砂:「あなた達でしょう……!」
"竜王"伊藤算砂:「嘘の諛いを、解釈を、自己欺瞞を重ねて……」
"竜王"伊藤算砂:「その命令を、都合に添うように曲げ続けてきたのは誰だ?」
七十橋シスル:「あァ! お似合いの化粧じゃねえか!」 傷口のみならず目から血を流す。
七十橋シスル:「それで、このギリッギリの状況で!」
七十橋シスル:「最後の最後に、唯一人、至上王と直に話せた機会を! 無にしたカスは誰だァ!?」
"竜王"伊藤算砂:「私と」
"竜王"伊藤算砂:「お前だ」
"竜王"伊藤算砂:それは苦し紛れの発言でもあったが。
"竜王"伊藤算砂:これ以上の照応を許さないという宣言であった。
七十橋シスル:全てを竜王一人に費やしている。全力である。竜王ほどに戦況を読むことはできない。騎士王のごとくに、技巧の果てを尽くすことはできない。
七十橋シスル:拷問王ができるのは、ただ痛みを与えることだけである。
"焦螟王"ジン・ツァン:――同時に、神聖二重冠の光が戦場の片隅で閃く。
"焦螟王"ジン・ツァン:大気を鳴動させる震動がある。台風の如き、極小の蝗の群れ。
"焦螟王"ジン・ツァン:竜王が自死の切り札を切った。捨て身の攻勢をかけるべき局面だということを、ジン・ツァンは理解していた。
"焦螟王"ジン・ツァン:多量の傷を受けながら、身動きの取れぬ拷問王の懐へと走っている。
"焦螟王"ジン・ツァン:「あああああああああっ!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「七十橋……シスル!!」
"焦螟王"ジン・ツァン:全リソースを吐き出し、空間を食い尽くす攻撃――
"焦螟王"ジン・ツァン:だけではなく。
"焦螟王"ジン・ツァン:小柄な体を隠すクロークの内側からは、蟷螂の前脚のような巨大な攻擊肢を初めて露にした。
"焦螟王"ジン・ツァン:飛び込み、首を刈り取ろうとする。
天沼チギリ:「させません。」
天沼チギリ:現れたのは、同じく小柄な影。
天沼チギリ:だがどういうわけか。
天沼チギリ:"焦螟王"と同じように極小の蟲の群れを引き連れ、
天沼チギリ:蝙蝠の前脚のような攻撃肢を振るい、相殺する。
天沼チギリ:違う。
天沼チギリ:剣である。
天沼チギリ:剣で遺産を模倣したのである。
"焦螟王"ジン・ツァン:「なぜだ!!」叫ぶ。
"焦螟王"ジン・ツァン:「自分達を嫌い、虐げ、憎む者を……!」「どうして、手放そうとしない!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「何もかもが手を取り合う王国など、永遠に実現しない!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「狂った"ロードマスター"から学べたことなど、その一つだけのはずだ!」
天沼チギリ:「………。」
天沼チギリ:「それは──」
天沼チギリ:「王が言ってはならぬ言葉です。」
天沼チギリ:「王は、理想を追うべきなんです。」
天沼チギリ:「そのために仕えるものがいる。」
天沼チギリ:「手を取り合う隣人として。あるいは、」
天沼チギリ:「理想を見失った時、道を誤った時正してくれる見張り人として。」
天沼チギリ:前脚と剣がぶつかる。
"焦螟王"ジン・ツァン:天沼チギリの剣技に対応できるはずもない。彼女が割り込んだ時点で、敗北の決まっていた勝負だった。
天沼チギリ:振るわれる前脚と同じ太刀筋、同じ軌道の剣。
"焦螟王"ジン・ツァン:「その理想が……何億の人間を殺してきたと思っている……!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「キングダムは間違っていた!小さい世界でも構わなかったのだ、おれ達には!」
"焦螟王"ジン・ツァン:焦螟王のそれは元より、自身の命を弾丸とした捨て身の攻撃だった。
"焦螟王"ジン・ツァン:だが彼女は、神聖二重冠と竜王の越権解錠から得られた全ての出力を太宗躬災へと注ぎ込んだ。
"焦螟王"ジン・ツァン:怒涛のように流れ込む極小の蝗の物量は、空をも制する荊の密度すらも上回り……
"焦螟王"ジン・ツァン:天沼チギリの後方へと、絶滅の嵐が降り注ぐ。
"焦螟王"ジン・ツァン:「天沼チギリ!貴様は子供だ!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「誰も守らせはしない!」
天沼チギリ:「ならあなたも子供です!」
天沼チギリ:「虐げられたから、それが世界の摂理だと思い込んでいる!」
天沼チギリ:「弱いものは強い者の犠牲になるのが道理だと!」
天沼チギリ:「そんな単純な世界なら───」
天沼チギリ:「そこに立ってるのは一人だけです!」
天沼チギリ:「だけど現実はどうですか!」
天沼チギリ:「ここにいる人間を単純な強さで測れますか!」
天沼チギリ:「極限まで強かった──”風塵王”はどうなりましたか!」
天沼チギリ:「人を傷つける力のない──」
天沼チギリ:「彼女は弱いですか!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:荒れ狂う蝗の群れを。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:全てを喰らう飢餓の象徴を美食王が大きな口を開けて飲み込んだ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:海の月を喰った。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:月の光を喰った。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:月の影を喰った。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:大地を喰った。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:蝗を喰った。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ただ一日に。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:一線級のオーヴァードですら30回は死に跡形も無くなるほどの暴力を。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ただ食べた。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(もう…倒れても良いんじゃないか?)
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:いつの間にかヒポポタンクに乗って乱入してきた美食部員たちが懸命に自分を支えているのが見える。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それを見ると少し力が湧いてくる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:目の前に湧き出る料理に手を伸ばし口に詰め込んでいく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:至上の王。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:誰もが恐れた王。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:正直に言えば未だにその真意は理解できないし。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それを理解したり理解しようとしたりする連中の事も理解できない。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:だが、それでも彼女はこの地を支配した王で。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王を取り立てた主である。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(誰もが死を恐れて意見を言えず)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(言ったとしても一言で斬り捨てられた)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(だが、私なら…)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(一撃くらい…いや頑張れば…2~3回くらいは)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(耐えて意見を言えたんじゃないか?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(知啓深き提言や機知に富んだ策略や正義や愛に溢れた言葉は私の口からは溢れない)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(でも…それでも)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ビビッてばかりで黙ってないで)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(続けて意見が言えるなら…声の小さな誰かの代わりに王に言葉を伝えるくらいなら)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(私ができたはずなんだッ!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ゴクリ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:もはや嵐は胃袋に収まった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「蝗…日本の田舎では食べるそうですね…美味しいです」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「まだ…私は…臣下として」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:焦点の定まらない目が。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:輝きを取り戻す。
"焦螟王"ジン・ツァン:「後悔……するぞ……!貴様らは……必ず……!」
"焦螟王"ジン・ツァン:全ての攻撃を挫かれ、膝を折り、負け惜しみのように叫ぶしかない。
"焦螟王"ジン・ツァン:「八月革命で……おれ達は、間違えたのだ……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「次こそは物申さねば…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「皆の言葉を伝えねば…」
"焦螟王"ジン・ツァン:「……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「おれは……もう……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「後悔したくない……!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「君たちの言葉を…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「まだ…まだ食える」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私の口はまだ食えるし。まだ物を言う事が出来る」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なんでも…持ってきてくれ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何でも…だ」
"竜王"伊藤算砂:(失着はしていない)
"竜王"伊藤算砂:(だが、すでに研究通りではない)
"竜王"伊藤算砂:(なぜ力戦を強いられている?)
ルナンシア・ラダ・ランパート:(定跡を外れれば、往々に攻めている側が強い──)
ルナンシア・ラダ・ランパート:(と言っていたのは、おまえだったか)受かった。手番を握る側が逆転している。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「頼みます…”拷問王”」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「王を連れ帰ってくれ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:小さなケーキが拷問王の前に飛ぶ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「茶会の用意をして待っている」
七十橋シスル:「…………今更、円卓就任のご挨拶か? 遅ェんだよ」
七十橋シスル:「だが、その減らず口に免じて」 ケーキを鷲掴み、掻き込む。「認めてやる」
七十橋シスル:呪詛で大きく減らした血量が、熱量の形で充足していく。まだ無理は利かせられる。
ウルスラ・ミック・ベニ:使い捨てられ地に伏せた、竜の骸に白い指がぴったりと寄り添う。鱗を一枚毟り取る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ぁぐ……ご、おぅむ」竜王が手駒に分け与え、指揮の受信機として運用した分け身を。噛み砕く。呑み込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:美食王ならぬこの身、他者のレネゲイドを取り込むのは毒杯を呑むより死に近い。
ウルスラ・ミック・ベニ:喰らったそれに自身を構成する因子が反発し、己の全身が毒へと変わるのだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「六代継承者、風塵王倫道アカネの天耳天眼」瞳の色が、映す光景が変わる。
ウルスラ・ミック・ベニ:王鍵の意志をも瞬時に読み取る精神感応が、戦闘単位に於ける歴王最高の分析能力と合一。
ウルスラ・ミック・ベニ:撫ぜる竜骸が生きて情報を受け取っていた時までの棋譜を読み取り、耳と合わせて現況把握。
ウルスラ・ミック・ベニ:無論この無茶は続かない。身が持たない。竜王は、彼女が選んだ駒たちは直ちに対処する。
ウルスラ・ミック・ベニ:盤面を知ったとて、正統な王ならず、一人前の先生とは口が裂けても言えない小娘。この戦いの指揮者足り得ない。
ウルスラ・ミック・ベニ:しかしこの身は勇者の系譜であり、その手管は死霊術師。
ウルスラ・ミック・ベニ:「持ち駒は、皆が稼いでくれた」
ウルスラ・ミック・ベニ:撃墜され次々に落ちて、地を埋め尽くすばかりの、無数の骸に蔦が這う。
ウルスラ・ミック・ベニ:影が茨へと変わるように、万力が食事に変換されるように。
"竜王"伊藤算砂:「竜骸を……!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「冥王の娘の名の下、骸は過去を取り戻す」
ウルスラ・ミック・ベニ:「勇者の徴、襲名披露」
ウルスラ・ミック・ベニ:蔓草に覆われた骸が立ち上がり、芽吹き花開き、色を変える。
ウルスラ・ミック・ベニ:(ここ、ここ、そこ。今置かれると……困るよね)
ウルスラ・ミック・ベニ:焦螟王の元に竜の頭の賢人が現れ、蒸し焼く息吹を吐き掛ける。
ウルスラ・ミック・ベニ:風踏み空舞う剣士と鏃番えし少女が、厩司王と乗騎を囲み行く手を阻む。
ウルスラ・ミック・ベニ:汽罐王の前に立ちはだかる風塵王は、あらゆる起こりを見抜く。その技に遺産知識は一切通用しない。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(………ッ)(観測えてはいる……だが、対応しきれない!)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(祈りの造花のレネゲイド周波は……)あまりに、自由。
ウルスラ・ミック・ベニ:竜王に、誰も名を知らぬ異界の竜屠りと、何者にも屈することなく果てた無敵の女傑が挑みかかる。
ウルスラ・ミック・ベニ:歴代勇者の冒険の記録、その全てを召霊し同時に盤面へと叩きつける。
ウルスラ・ミック・ベニ:「お手並み、拝見!」
"竜王"伊藤算砂:(自分で取った駒を自分で――)
"竜王"伊藤算砂:出力維持のため、“それぞれを一度しか用いない”縛りを、自らに「令せよ」とした。
"竜王"伊藤算砂:故に、手が足りぬ。彼女自身は。
"竜王"伊藤算砂:(――お願いします)
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:子どもの真似唄が聞こえた気がした。神聖二重冠がひときわ強く輝く。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「妖精の名の限り、骸は今も青の底」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:至る所に散らばっていた氷塊、切り捨てられ残骸となったカケラが命もなく集い
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:さながら獣骨の墓標のように、ウルスラの周囲へ次々と降り注ぐ。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:そして眼前に────人が頬を上気させるのと真逆、まるで幽鬼のごとき凍てついた肌の妖精が、先刻のように冷気を構え立ち塞がった。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「涙は風が攫えばいい。傷は時が癒せばいい」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「──そして零れた罪は、残った汚泥は、風化を待つ爪痕は。大地が引き受けます」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:それは異様な光景だった。清廉で気紛れで涼しげな様子を浮かべる彼女に合わない
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:氷に非ざる、熱の籠もった声。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:幼気さで塗装した表情が、割れた路面の氷膜のように剥がれて往く。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「だって」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「人が人を恨むのは、とても悲しいことだから」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:勇者を試すようにして、強く強く吹き付ける。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「大地とは。風で、砂で、雨で、雪で」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「さよならと去る背中に、そっと蓋をすること」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「分かり切った別れを二度も告げさせる。そんなものは純真さですらない、そんな事はさせたくないから」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「銀世界は、変わらない────!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクは、ルキア・ティベリアに会いに行った」
ウルスラ・ミック・ベニ:「恐れられて、嫌われて、怯えられている彼女は」怖じることなく、一歩。
ウルスラ・ミック・ベニ:「とても寂しく、辛い在り様でもあると、思って……」全身を苛む熱が、吹雪と共にこの身を苛む。
ウルスラ・ミック・ベニ:「彼女は罪深い魔王なのか、何かに囚われた哀れな人なのか、確かめたくて……!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「会ったら、嫌な子だった!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「こっちの言う事、いちいち間違ってるって指摘して……すごいけど、性格悪かった……!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「めちゃくちゃ痛かったし!今も夢に見て飛び起きるし!」
ウルスラ・ミック・ベニ:吐き捨てるように身もだえしながら、気付けば妖精に手の届く距離。呼吸を整えて。
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも、もう嫌いじゃ、ない」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「あの方は、嫌いだったとしても?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「こっちだって嫌いだ。ああいや、今でも、嫌いなところはあるけど……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「明確に、正しく、ここが好きだって」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキア・ティベリアに言えることを、ボクは見つけた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから、教えてあげたいんだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「彼女が残したのは罪だけじゃないし」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミの咎は、キミだけのものじゃない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから、通して!」
ウルスラ・ミック・ベニ:魔剣は正しき主の元に。ただ己の膂力で、妖精に殴りかかる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「元より大地は人を呪い呪われるもの。存分にお恨みなさって下さい──なんて」断絶を告げるはずが
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「ごめんなさい。それでも、ちょっとだけなら」
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:重い打撃が身体を揺らす中で、心にかすかな信を浮かべる。
"厩司王"ヴェーラ・チルレイン:「妖精は──彼女が……人間が、大好きですから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あの子に……ただ味方するだけの人が居て、嬉しかったよ」ぜひゅぅ、と搾り切るような声を吐き、背を向け別れる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「一人ぼっちの子に寄ってたかっちゃ、弱いものいじめみたいだからな」
"竜王"伊藤算砂:(……各々の打ち筋が違いすぎる)
"竜王"伊藤算砂:(誰かが統一した指図をしているわけではない――であるのに)
"竜王"伊藤算砂:(なぜ破綻なくあれる……)
有崎五派:目まぐるしく優劣が入れ替わる戦場の中で、感覚が常軌を逸した"経験"というやすりに掛けられて悲鳴を上げながら研ぎ澄まされていく。
有崎五派:例えささやかな力であったとしても、有崎五派は今この瞬間において間違いなく成長していた。
有崎五派:(まだ、まだやれる)
有崎五派:だが。
有崎五派:湧き上がる意思の力に任せ、足を一歩踏み出した──という勘違いに、ぐらつく視界と後方へと傾いていく身体を知覚した瞬間に気付く。
有崎五派:生徒の姿が見えない。生徒の声が聞こえない。
有崎五派:戦場に撒かれた香りは拷問王の手を借りているとはいえ、その維持の為に必要経費を貧相極まりない肉体から奪い続ける。その消耗はリザレクトで補える範囲をとうに越えていた。
有崎五派:次に攻撃を受ければ、死ぬ。受けずとも──
有崎五派:いずれ、死ぬ。いずれ。
有崎五派:「いずれ、だったら……」掠れた声が熱を持って喉から漏れる。
有崎五派:「まだ、死んでない……ッ」
有崎五派:だん、と地面を踏みしめて倒れ始めていた身体を無理やりに留め拳を握りしめる。
有崎五派:生徒に可能性を説くならば、その先にいる大人がソレを使い果たして萎れるだけの花であって良いわけがない。
有崎五派:首を垂れ、枯れ始めていた香りが戦場の後方で掲げられた聖なる輝きに照らされて咲き誇る。極限まで高まった生存本能が"模倣"と"増幅"に特化したレネゲイドを更に尖らせていた。
有崎五派:永久に続くかと思われた戦場で幾度も見た限界を超える方法。
有崎五派:全身の皮膚が裂けて噴き出した血液がすぐさま噎せ返るような香りをまき散らしながら気化する。身体の傷ではなく、抱えた命から可能性を僅かに抽出して消耗したレネゲイドを丸ごと刷新した。
有崎五派:恐らく人生最初で最後、そして最大のリフレッシュ。
有崎五派:「友達に会いに行くってだけで……誰か死んでたまるもんですか」
有崎五派:「それにねえ!!どんな理想も、夢物語も!」
有崎五派:「笑うんじゃなくて、こうやって現実にしていくんだって、教えんのがほんとの大人なんだから!!」
有崎五派:「全部、ひっくるめて責任取り来たのよ、私は!」
有崎五派:「まだぶっ倒れてたまりますかい!あんたらもくさってないで見てなさいよ!」
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈レネゲイド出力が……再活性して……!〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈どうしてなんですか!?どうして……こんなことが!?〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈神聖二重冠もない!生徒同士の戦いに、介入する動機もない……〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈ただの大人なのに!〉
有崎五派:「大人だから!!」
有崎五派:「子供を助けんのよ!!」
有崎五派:「どいつもこいつも間違いばっかり残していって……ッ!」
有崎五派:「あんたらには助けてって言う権利があって!」
有崎五派:「夢を、理想を語る権利があって!」
有崎五派:「何にも諦めないで、幸せになる権利がある!!」
有崎五派:「捨てんな!全部!!」
有崎五派:心からの叫びが、体に残された最後のレネゲイドを生徒達に託す。
"焦螟王"ジン・ツァン:「捨てるな、だと……ク、ククク……」
"焦螟王"ジン・ツァン:限界を超えた戦闘で、天沼チギリと斬り合っていた。決着は近い。
"焦螟王"ジン・ツァン:「おれに……ゴミ処理の王のおれにまで、そんな言葉を……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「…………天沼チギリ……」
天沼チギリ:「はい。」
"焦螟王"ジン・ツァン:「有崎五派は……信じるに足る大人だと思うのか……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「おれ達の見てきた大人達と、違うのか……」
天沼チギリ:「はい。」
"焦螟王"ジン・ツァン:「………………………………」
天沼チギリ:「先生は理事会のどの大人よりも弱いです。」
天沼チギリ:「ですが、理事会のどの大人よりも頼れます。」
"焦螟王"ジン・ツァン:「貴様らのような……血迷った連中の言葉を。簡単に信じることはできない」
"焦螟王"ジン・ツァン:「試してやる……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「おれには、神聖二重冠がある。輝きを使い切った貴様を上回る、実在の奇跡が!」
"焦螟王"ジン・ツァン:二本。三本。四本。虫の六脚のうち二脚を除いた四本の刃で
"焦螟王"ジン・ツァン:天沼チギリへと斬りかかる。
天沼チギリ:”焦螟王”を見据える。
天沼チギリ:襲い掛かるは無数の蟲と顕在化した前脚。
天沼チギリ:(例えるなら───)
天沼チギリ:仮想する。
天沼チギリ:チギリの脳裏に浮かぶのは、全ての手に剣を持つ千手観音。
天沼チギリ:印を結ぶはずの手は、蟷螂の手のように湾曲している。
天沼チギリ:(こう。)
天沼チギリ:一手。左胴。二手。右逆袈裟。三手。突き。四手。左袈裟。五手。唐竹。六手。小手。七手。右胴。八手。鎌。九手────
天沼チギリ:思考と剣戟を限界まで加速させ、迫り来る攻撃をいなしていく。
天沼チギリ:遺産を誰よりも見続けてきたからこそ、そして技を極めたからこそ、
天沼チギリ:ただ一振りの剣で遺産を再現し、
天沼チギリ:「集け────」
天沼チギリ:唐竹。切り上げ。左胴、右胴。
天沼チギリ:同時に放たれた四撃が”焦螟王”の身体を切り裂く。
"焦螟王"ジン・ツァン:「……………っ!!」
"焦螟王"ジン・ツァン:「ク、クク……それは、そうか……」
"焦螟王"ジン・ツァン:「このおれ如きが……命をかけたところで」
"焦螟王"ジン・ツァン:「建設王が勝てなかった相手なのだ…………」
"焦螟王"ジン・ツァン:倒れる。
天沼チギリ:ただ一振りの剣で、遺産を”管理”することが出来る。
天沼チギリ:「”見様見真似・太宗救済”」
七十橋シスル:駒が落ちた。竜王以外の、攻撃の要であった二者が落ちた。
七十橋シスル:残るは二人。己が中の、感情を最後の一滴まで燃やす。
七十橋シスル:「"鉤のない鷲 手負いの川獺 稚魚を未来へ繋ぐもの"」
七十橋シスル:「"イラクサの套が編まれる前に 真珠をその手に持ち帰れ"!」
七十橋シスル:詠唱を重ねる。掌印で茨を操る。歩法を踏む。
七十橋シスル:「安息篇異譚/ヘブリディーズの大巨人!」
七十橋シスル:影茨が渦を巻いた。形成するは、天を衝くかの如き大巨人。
七十橋シスル:影茨の濁流は振り上げた腕先から更に伸び、絶えず内部で茨が流動する大槌と化す。それは夥しく重ねられた回転鋸めいて、万物万象を削り取り、押し潰す。
七十橋シスル:それは、キングダム辺境伯にして、最も荒々しく、最も危険な王。
七十橋シスル:慈心もたぬ激痛の主、《拷問王》の名に負える限りの、最大最強の滅殺呪詛。
七十橋シスル:「落ち、やが、れェッッェエエエエエエア!」
七十橋シスル:今だ立つ二人にむけて、呪詛の大槌が振り下ろされる。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(……また、間に合わなかったな)なまじ計器を眺めているだけあって、戦場の遷移はクリアに把握できる。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(感傷に浸る間など、ない)レネゲイド非活性蒸気は戦場の混乱から己の身を守っていた。自分は駒として、まだ残っている。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「”拷問王”を狙う」「必中の弓の波長同定を」
"叡聞"アストラ・アクアティカ:〈ええ、すみません!すぐに!〉
"叡聞"アストラ・アクアティカ:叡聞も既に限界まで消耗していることは分かった。恐らく、戦える時間はそう長く残っていないだろう。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:翼を持たぬ蛇人である。竜王からは巨大な角を賜った。
"竜王"伊藤算砂:「――契れ、ヴィネ」
"竜王"伊藤算砂:魔術支援。“自分に呪いをかける魔女”を見つけ出す悪魔の力を借りる。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:冴えた頭で詠唱を続ける「王鍵、僭称。 "オイスガ────」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(いや)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(いいのか)(これで)(……本当に?)(研究にあった一手)(最良の手段として)("最良”でも)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(これでは妨害となっても……止められないことは分かっているのに?)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(オレは──)髪を乱暴にかき上げ、(オレは何のためにここに居る)(駒か)(”正しき王”か!)叫ぶ。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「違うッ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「違う!──────神聖二重冠ッ!!」

"竜王"伊藤算砂:「――!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:かつて自らに神聖二重冠が発動した戦場に於いて、ナターリヤがこの力に頼ったことはなかった。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:『不確定要素』として使用を躊躇った。計器で測れない因子に手を出すことを憚った。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:自分の手で王鍵を管理することを誓い、王を志した者のプライドだ。斑なく隅々に、己の意志が行き渡ってこそなのだ。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:そのための研究を進め、機構を組み上げ、プログラムを記し、暗渠孔の所有権を得て……
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:…真に、己自身の手で王鍵を管理できたことは、終ぞなかったのではないか。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:疑念を抱いたことが、無いはずもない。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「暗渠孔!! オレの王鍵ッ!!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「最良の手段では足りない、それでは憧れには届かない!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「今、この瞬間、オレの為すべきことのために」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「……一度くらい、思い通りになって見せろ!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:”水”が、逆巻く。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「嘯れ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:液体のままの水流が、渦を描くように立ち昇る────その一部は気化している。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「嘯れ!」 「嘯れ!」 「嘯れ!!」「嘯れ!!」「嘯れ!!!」「嘯れ!!!!」
七十橋シスル:降り注ぐ。茨が超速度で回転し続ける大槌が。
七十橋シスル:水流と衝突する。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:螺旋を描く上昇気流が竜巻き、竜巻いて、ぐるぐると広がり────茨と、水流が、鎬を削り合う。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「オレは────王様に憧れてここまで来たんだ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「ここで食い止めなければならない一番の理由は」正しい考えなんて、とんでもない。「オレ自身が誰よりも、その無事を願っているからさ!」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:初めに告げたより、ずっとシンプルで飾りのない立場。告げきった。息を吸い、もうひと押し。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「”ウ” ”ナ” ”レ” ェェェェェェェェェ────────!!!」
七十橋シスル:――――――――茨が、弾ける。
七十橋シスル:全ての影は、変換し尽くされている。
七十橋シスル:原初の白に染められ。時間が凍結したかのような世界の中で、ナターリヤは見た。
七十橋シスル:(そうかよ) いや。正確には、聞いた。 (ありがとよ)
七十橋シスル:「――Should auld acquaintance be forgot……」
七十橋シスル:七十橋シスルは呪術師だ。全ての呪術を、その行使の方法を知っている。
七十橋シスル:詠唱、薬物、印字、方陣、歩法――そして、自らをトランス状態におく呪歌。
七十橋シスル:それは、この広く長いキングダムの歴史の中で、一人を除いて誰もが初見のはずだった。
七十橋シスル:自らの怒りと威圧を込めた、拷問王としての全てを預け、弾け散った影を見上げて、
七十橋シスル:七十橋シスルが、歌っている。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:( 声 ) ( ……違う、詩? )
七十橋シスル:「――An there’s a hand my trusty fere An gies a hand o thine……」
七十橋シスル:両者の動きが、止まる。もとより、いばら姫の伝承における眠りは、時間を停止させるものであり。
七十橋シスル:ナターリヤの渾身は、ここで完全に、シスルの手によって足止めされる。
七十橋シスル:友情と、別れと、再会の歌だった。同じ出身ならば誰もが知る民の歌であり、
七十橋シスル:そしてそれ以上に、ある国のものにとって……有崎五派は、そのメロディーにひどく聞き覚えがあっただろう。
有崎五派:「……これ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「知っているのか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:先生の支援を上手く取り込んだのか。己の能力によって死人そのものだった顔色に血色が戻りつつある。防御のポジションに戻り、真十字の構え。
有崎五派:「蛍の……光」
有崎五派:何故彼女がこれを歌っているのかは分からない。当然、これが厳密には違う事も。
有崎五派:ただ、懐かしい旋律に膝の力が一気に抜け落ちる。偶然にもそれが有崎五派自身を行動不能に陥らせる過剰浸食をギリギリで防いだ。
"竜王"伊藤算砂:(理解が)
"竜王"伊藤算砂:(出来ない……!)
ウルスラ・ミック・ベニ:荒唐無稽な熱き友情と、御伽噺の傍ら。
ウルスラ・ミック・ベニ:死臭漂わせ赤黒く穢れ、死を思わせる霜を纏い、竜王と対面する。
ウルスラ・ミック・ベニ:「竜王、伊藤算砂」
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女はルキア・ティベリアの出生を、その産まれ方を知っていますか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「知った上でなお、此度竜骸たちを使いましたか」
"竜王"伊藤算砂:「竜化器の材料に用いられる意志切除のホムンクルスに、それの宿った奇跡」
"竜王"伊藤算砂:二つの問に、一つの答えを返す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「それを罪と思わぬならば」剣を掲げて。
ウルスラ・ミック・ベニ:「謝らなければなりません。貴女に使わせた、ボクの罪を」
"竜王"伊藤算砂:「他に贖うべき罪を――人の所為にして後回しにしないことです」
ウルスラ・ミック・ベニ:天高く、勢いよく、放り上げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「Waw, bydda i'n fachgen da, ond dydw i ddim yn mynd i fod yn fachgen da」
ウルスラ・ミック・ベニ:続いて意味不明な呪文を呟くと、魂の抜けたようにぐにゃり。無防備に倒れる。
:べこ めき、ぶちっ
:音がする。分厚い金属板が凹み、頑強な躯体が軋み、汚濁の溢れる音がする。
:発生源は竜王の背後。音に続いて異臭が立ち込める。むせかえるような腐敗臭。
竜化器:竜化器の内側から濁った黄色い液。おびただしい量の肉と血が溢れ出す。
竜化器:匣の容量を超えた肉塊が、竜たちの骸が。この戦いの為に生産したのと同じ分、一斉に溢れて破裂した。
"竜王"伊藤算砂:「騭よ」「遠ざけよ」「吐出せ」「緘ざせ!」
"竜王"伊藤算砂:強烈な防護力をかき集めた、過剰とも言える一度限りの防御陣。
ウルスラ・ミック・ベニ:上古の時代に朽ち滅びた化石竜たちを甦らせる死霊魔術のタネは、宝玉指環による時間操作。
ウルスラ・ミック・ベニ:彼らが生きた年代の分だけ巻き戻した時間流を、眼下に嵌めた魔眼で観測させて。
ウルスラ・ミック・ベニ:精神感応で呼び起こした記憶に、自分はまだ生きていると誤認させる。
ウルスラ・ミック・ベニ:まだ産まれたばかりの彼らに適用すれば、時間的空間的に離れていない今、『復活の呪文』を用いれば。
ウルスラ・ミック・ベニ:産まれた時、産まれた場所に死したまま還す、不完全な再誕の呪文となる。
竜化器:生ける骸の狂瀾怒濤が竜王の死角から押し寄せ、防御陣と衝突。
竜化器:潰れてひしゃげて、もはや誰にも利用できなくなるよう原形を失い埋没。
ウルスラ・ミック・ベニ:そして死体の群れから、一人の影が抜け出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:死竜たちに抱かれ、屍衾から立ち上がり、武骨な棺を開いて飛び出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ウルスラは、竜骸である」
ウルスラ・ミック・ベニ:異形化を引き起こすまでに竜骸を読み喰らい、先の死闘で盗み学んだ照応魔術を適用。
"竜王"伊藤算砂:「どいつも、こいつも」
"竜王"伊藤算砂:「都合の良いようにばかり……!」
ウルスラ・ミック・ベニ:骸の中に仕込んだ種に己の意識を宿し、共に転移させた。
ウルスラ・ミック・ベニ:その身は死と異形に混ざり、砕けて不完全。
ウルスラ・ミック・ベニ:他の多くの盤上の駒たち同様、パラメータがてんでばらばらに変質している。
ウルスラ・ミック・ベニ:「この戦いが終わったら、救伐騎士団に出頭する」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それまでは、好きにさせてもらうッ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:屍竜の頭に乗るその手に、真銀の竜殺し。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクたちノヴァリス生徒は、解放されたんだ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:防壁に噛みつき、刃をねじ込み、力づくで切り開く。力強く宣言する。
"竜王"伊藤算砂:防壁は保たない。残る迎撃の駒を、選ばざるを得なかった。
"竜王"伊藤算砂:「起動せよ!」
"竜王"伊藤算砂:それは普段、隔絶たる遺産への理解を示す王が、適宜の起動句を以てこそ制御できる王鍵。
"竜王"伊藤算砂:それに対して、最悪とも言える、無個性化の極地となるような起動句をあえて唱えた。
"竜王"伊藤算砂:カタストロフを意図して生じる。理解が出来ないものを、理解が出来ないまま用いる。
"竜王"伊藤算砂:彼女の戦術からすれば、本来断じて有り得べからざることだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「やる、じゃない!」
ウルスラ・ミック・ベニ:手のひらを翳し、読み取る。出鱈目に移り変わる、結末の指定されていない奔流。
ウルスラ・ミック・ベニ:竜の骸たちが浄化され、目が焼け足場も手がかりも吹き飛んで。
ウルスラ・ミック・ベニ:無心に剣を振り抜いた。
ウルスラ・ミック・ベニ:王鍵に秘められた意志はばかでかく、無秩序に巻き起こる力の現出を読み切ることは出来なかったけど。
ウルスラ・ミック・ベニ:アカネ先輩の力を借りて、勝手に読み取った棋譜を参考に。
ウルスラ・ミック・ベニ:こういう位置取りを彼女はするんじゃないかな、と。手前勝手な信頼を寄せて斬った。
ウルスラ・ミック・ベニ:「チェックメイト?」焼け爛れた目を瞼で隠し、聞いてみる。
"竜王"伊藤算砂:「……私は“竜王”です」その身体に、深々と刃が食い込んでいる。
"竜王"伊藤算砂:「“王”の名を持ちながら、王にあらざる駒」
"竜王"伊藤算砂:「王手は掛かっていません」
ウルスラ・ミック・ベニ:「いや、掛かったさ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミをここで食い止められたなら」
ウルスラ・ミック・ベニ:「至上王への道は、オリーヴちゃんが開いてくれる」
"竜王"伊藤算砂:「ぐ……」食い込んだ刃を握る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「竜骸もこれ以上、増やすことは出来ない…」
ウルスラ・ミック・ベニ:「諦めさせてあげようか?」剣を硬く握りしめる。
"竜王"伊藤算砂:「ぐっ……! そちらの、王は……誰です」
"竜王"伊藤算砂:剣を離さない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「騎士王ルナンシア・ラダ・ランパートを、頼りにしていた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「拷問王七十橋シスルには、これからを目一杯期待している」
ウルスラ・ミック・ベニ:「美食王オーシャンズ・マウンテンヒルズ、これほど信頼できる人はいない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「不夜王ジェシカ・クロフォードが、死蔵王竜胆ジョウカが、ボクたちをここに送り出した」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも、ボクたちの上に君臨した人は居ない」
ウルスラ・ミック・ベニ:ちらりと肩越しに、一人の大人を覗き込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクたちを生徒と想ってくれる、先生は居たかな」
"竜王"伊藤算砂:「教えを請うべき相手が存在する。それには理解を示しますが……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そういう頼りにはあんまり…」首をひねる。
"竜王"伊藤算砂:「……君臨する人が居ないは、あってはならない」無視するように続ける。
"竜王"伊藤算砂:「至上王が、その名を擲つのであれば」
"竜王"伊藤算砂:「次の至上の王を戴くに相応しい者は居ない」
"竜王"伊藤算砂:「夜も迎えぬ隷奴が至上の王になれますか?」
"竜王"伊藤算砂:「叙任され仕える者が至上の王になれますか?」
"竜王"伊藤算砂:「賊を率いる者は?蚕食する者は?」
"竜王"伊藤算砂:「知財を蓄えるばかりの者?黒鉄に光を押し込めた者?」
"竜王"伊藤算砂:「王を問いただし拷つ者?」
"竜王"伊藤算砂:「王である前に神に従うとした者でもなければ」
"竜王"伊藤算砂:「王に従うことに腐心した者でもないでしょう」
"竜王"伊藤算砂:「誰も王は継げない!であれば……!」握る力をさらに強める。指が裂けんばかりに鮮血が吹き出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「…キミは、本当にロードマスターのことが大好きだったんだね」
"竜王"伊藤算砂:「好きなものか!」
"竜王"伊藤算砂:「正しかった!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「否定が強い…!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「その正しさに憧れたなら、目指してみるのもいいんじゃない?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ロードマスターのように、正しい王を導き育てる。そういう、大人を」
ウルスラ・ミック・ベニ:剣を引き抜き、返す刀で胴と顎を打つ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「教育実習生は、いつだって歓迎されてるからね」
"竜王"伊藤算砂:「ガッ……!」そのまま打ち倒されてなお、まだ句を継ぐ。
"竜王"伊藤算砂:「彼女を神として還し、円卓がこれまで通りに国を治める……」
"竜王"伊藤算砂:「他にこの王国を維持する手段はなく、そのためには万一にも円卓が壊れるわけにはいかない……」
"竜王"伊藤算砂:「円卓の王を、一つの王体として、君臨し続ける……」
"竜王"伊藤算砂:足にすがりつくように、その動きを留めようとする。
"竜王"伊藤算砂:「それ以上の策は無い」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「羊の群れに生まれた狼が何を望むのか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:二人の間に、澄んだ声が割り入った。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そういった問いが、キングダム全域に布告されたことがあったな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「訳知り顔で答えを語るものは多く居た。様々な推論が展開された。どれもが蓋を開ければ間違っていた。問いを発した者さえ、その意味を知らなかった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「算砂。我々が度し難い無知であるのと同じく、おまえが"至上王"の何を知っているというのだ。なぜ他の正解がないなどと言える」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──私は、確かめに行く。あの時と同じように。その時初めて正解がわかる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえを間違っていると断じはすまいよ。だが、今は道を譲って貰う」
"竜王"伊藤算砂:手に込めていた力が抜けた。
"竜王"伊藤算砂:「……“不夜王”に言伝を」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「承ろう」
"竜王"伊藤算砂:「“次”の形に必要なら」
"竜王"伊藤算砂:「“竜王”の駒をお切りください。材料は揃っています」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……伝えておく。おまえにとって意味のないらえを連ねるとしたら」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"そうはならないと思うがな"だ」
七十橋シスル:「An we’ll tak a right gude-willie waucht――」「…………For auld lang syne」
七十橋シスル:竜王の戦闘不能を見届けて、歌が終わる。
七十橋シスル:同時に、不可解な停止現象に縛られていた汽罐王の行動が可能となる。
七十橋シスル:「これで残るはお前一人だ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:乱れた髪を手ぐしで直す。己の頭蓋に角のなくなったことを手触りで確認する。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「……数奇なものだ」浮遊感からの解放。重力が体をめぐる。「ひとつ、聞かせて欲しい」
七十橋シスル:「なんだ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「あの詩は……誰に向けたものだったのか」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:王鍵の最大解放を越え、声色にも疲弊の色が濃かった。訥々と浮かんだ問を尋ねる。
七十橋シスル:「誰のためでもねえよ。これは単に、本当に他に何もねえときに、俺の力を多少底上げする時に使うワザだ」
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:「お前達よりも先に、一人だけ聞いたやつがいる」
七十橋シスル:「これは故郷の歌だ。もしかしたらそれが……悪い風に効いちまったのかもしれない」
七十橋シスル:「…………なあ」
七十橋シスル:「――俺たちの力が、お前達の力を上回った。勝った俺たちは、要求を通す権利がある……」
七十橋シスル:「オーヴァードなら、キングダムなら当たり前のことだ。当たり前のことだが」
七十橋シスル:「俺は、それが死ぬほど気に食わねえ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「………………」「今更、では?」
七十橋シスル:「今更だろうさ。けどな……変えれるときには、変えたいんだよ」
七十橋シスル:そうして七十橋シスルは、一つの行動をとった。
七十橋シスル:目線を伏せて、腰を折って、頭の位置を下げた。
七十橋シスル:「頼む。道を空けてくれ」
七十橋シスル:「俺は、もう一度ルキアと話がしたい」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:瞠目する。拷問王が傅いたその所作に、ではない。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:その言葉に込められた色が、あまりに素朴な響きを伴っていたこと。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:(オレは)(一点だけ……思い違いをしていたのかもしれないな)
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:停止された空間で聞き留めた、先の会話を思い出す。至上王に対する無知。あまりに当たり前に、ただ唯一の存在だと。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「格好を」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:カン! 手の杖を石畳の欠片に付く音が響く。「付けさせてくれ」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「状況、記録」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「現状の侵蝕負荷は……当該計器では、測定不能……神聖二重冠現象の収束を、確認」」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「"建設王"、"厩司王"、"焦螟王"、"竜王"……ならびに」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「"汽罐王"の戦闘意志は……すでに、未観測である」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「番外第二十八席、”汽罐王”は────」声の調子に気を使っていた。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:震えの無いように。なるべく遠くへと届くように。最後まで意地を張り通せるように。
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「現時刻を以て、投降する」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:目線を下に落とし……口角を、僅かにだけ上げる。「”拷問王”……オレは、王らしかったか?」小さな呟き。
七十橋シスル:「投降を受け入れる」
七十橋シスル:「"汽罐王"。お前は俺の知る限り」
七十橋シスル:「……最も勇気ある王だった」
七十橋シスル:強さも、賢明さも、彼女を評して良い言葉だが。そこではなかった。
七十橋シスル:恐怖と威圧による拷問王の築城は、より強い力か、より狡猾な賢さか、……或いは、途方もないほどの勇気でのみ越えられる。
七十橋シスル:「その勇気を、私は敬う。……キングダムの同胞として、感謝する」
"汽罐王"ナターリヤ・ネプチャン:「ハハ──── 」ゆるゆると瞼を閉じる。力が抜けたようでもあり、言葉を飲み下す動きにも見えた。
ナターリヤ・ネプチャン:「私にとって……それ以上の言葉はありません」
GM:最後の一人が矛を下ろした。合理と信念の全てを賭けて、竜王は敗北した。
GM:王と王とが信念を削り合った本校舎前の死闘は、終わりを告げる。
GM:――そして。
GM:至上王への最後の謁見の期限も、目前にまで迫っていた。
GM:シーンを終了します。
◆Climax04◆約束
キングダム本校舎『白宮』

GM:本校舎へと突入した――というよりも落下したキャロル・ホプキンスは
GM:所々が不可視の力場に巻き込まれて崩れ、かつての明るさと純白を失った白宮を見た。
GM:本校舎の突破を試みる拷問王達と、それを阻止する竜王が対立する最中である。この光景を目にしているのはキャロルだけだ。
GM:任アルルが彼女の後に続いて侵入していることに気付くのも、まだしばらく後のことである。
キャロル・ホプキンス:「あいたたた……。内装はこんな感じ……なのは、初めからではないですよね」
キャロル・ホプキンス:落下の衝撃でできた小規模なクレーターから立ち上がり、辺りを見回す。
キャロル・ホプキンス:「うーむ、妖精界の展開圏内に誰かが入ってきた気がしたのですが……」
キャロル・ホプキンス:「流石に別世界に突入するのは初めてですし、中に入れたのは私だけということでしょうか……?」
キャロル・ホプキンス:思考を口に出している。未知のシチュエーションに加え、本校舎外部の状況も目にして、認識を整理しようという心理が働いていた。
キャロル・ホプキンス:「騎士王、鉄騎王、拷問王、竜王……他にも諸王が何人か……元老さんもいましたね……」
キャロル・ホプキンス:「知らない人も三人くらい……いや……一人見たことがあるような……」
キャロル・ホプキンス:「ああ! ウルスラ・ミック・ベニ! ということは彼女達も本校舎に入ろうとしているのでしょうか?」
キャロル・ホプキンス:考えを口にしながら、奥へと進んでいく。
GM:本校舎は巨大だったが、活動可能な領域そのものは広くはなかった。
GM:中央のホールに至る道を進んでいく。やがて、大きく壁が崩れて、空が見える一角へと辿り着いた。
GM:空は白い。雲も太陽もなく、この世の空ではなかった。
GM:そして、瓦礫の一つに大人しく座って、その空を眺めている少女がいる――
"至上王"ルキア・ティベリア:「……誰かしら?」
"至上王"ルキア・ティベリア:"至上王"ルキア・ティベリアだった。
キャロル・ホプキンス:「“免罪王”キャロル・ホプキンスにございます」
キャロル・ホプキンス:即座に跪いた。
キャロル・ホプキンス:初めて直接目にするその威光に、反射的に体が動いていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:「免罪王……ああ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「なんだったっけ。あの、懲罰の」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ごめんね、あまり覚えていなくて」
GM:ルキア・ティベリアは、人の名前を強く記憶することがない。
GM:明晰な頭脳を持つはずの彼女がそのような言動を取るのは、暴君故の侮りと悪意によるもの――と、多くの者は認識している。
GM:だが、ルキア・ティベリアは他者への絆を保つことのできない体質だった。真実はどうだったのだろうか?
キャロル・ホプキンス:「片隅にでも私の働きを憶えていただけているのなら、光栄なことでございます」
キャロル・ホプキンス:「まず、畏れながら、本日は許可なく推参いたしましたこと、お詫び致します」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……そうね」キャロル・ホプキンスの無礼を肯定しながらも
"至上王"ルキア・ティベリア:この時のルキアは、なぜか穏やかだった。普段ならば警告なしで粛清されていてもおかしくはない行いだった。
キャロル・ホプキンス:「ですが、無礼を承知してなお、お尋ねせねばならないことがあり、参りました」
"至上王"ルキア・ティベリア:ただ、空の彼方を見ている。
"至上王"ルキア・ティベリア:「こんなところまで来るのだから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……きっと、とても大事な話をしてくれるんでしょうね」
キャロル・ホプキンス:「は。私は何より重要な話だと思っております」
キャロル・ホプキンス:「詳細は存じませんが、陛下がお生まれになった場所へ帰られるという話は聞き及んでおります」
キャロル・ホプキンス:「その前に、陛下に王のあるべき在り方についてお尋ねさせていただきます」
キャロル・ホプキンス:「陛下は……世界を統べる王は、どのような王であるべきとお考えでしょうか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんなを……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「幸せにできる王」
"至上王"ルキア・ティベリア:「豊かな富を持つ人も、家族のいない子供も、隣にいる友人も、路地裏で飢えた老人も、星の裏側にいる誰かも」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんなのことを好きになれて、幸せにできる王よ」
キャロル・ホプキンス:「私は……至上王陛下こそ、そのような……真の王であると思っておりました。いえ、今もそう信じております」
キャロル・ホプキンス:「ですが……それは私の勝手な期待に過ぎないと、確かめもしないのに信じるのかと、友人に言われました」
キャロル・ホプキンス:「私は……陛下に、そのような重りを、押し付けていたのでしょうか……?」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下こそが、全ての人を救い、幸せにできる、真の王なのでしょうか?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「違うわ。キャロル・ホプキンス。あなたはキングダムのことを、何も知らないのね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「この国には、不幸な人がいくらでもいる」
"至上王"ルキア・ティベリア:「本当の王様が統べるべき世界はもっと広く、果てしないというのに――」
"至上王"ルキア・ティベリア:「キングダムのような、ひどく小さな世界でだって」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんなは私のことが嫌いだし」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私も、みんなのことが嫌い」
キャロル・ホプキンス:そんなことはないと、今幸せになれずとも、これから幸せになることはできるのだと。
キャロル・ホプキンス:あなたはそれができるのではないかと、そう口にしようとした言葉が、最後の一言で消え失せた。
キャロル・ホプキンス:既に、キングダムは見限られていた。
キャロル・ホプキンス:たとえ、全てを救う力を持つ王がいたとして、全てを救う意思がなければ、救われる者はない。
キャロル・ホプキンス:「……では、何故」声は、意識せず震えていた。
キャロル・ホプキンス:「何故、これまでキングダムの頂に君臨されていたのですか……?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私のための王国がそこにあって」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――王様として生まれたから」
キャロル・ホプキンス:「生まれ、た……? キングダムは、初めからあなたの為のものだったと……?」
キャロル・ホプキンス:「いえ、ですが、“ロード・マスター”は、全ての人を救う王を教育する為に、キングダムを作ったはず……」
キャロル・ホプキンス:「あ……あなたは、一体……」
キャロル・ホプキンス:「何なのですか?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「自分がなぜ、何者として生まれたのか――分かっている人が、この世界にどれだけいるのかしら?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、竜化器から……竜の生贄のホムンクルスとして生まれた、十字冠を持つ個体」
"至上王"ルキア・ティベリア:「もし、それが一度きりの奇跡だったというのなら……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その奇跡は、天がお父さんの願いに応えて、王国を統べる生まれながらの王様を、賜ったから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だから私は、生まれつきの王様なの」
キャロル・ホプキンス:「……竜化器? ホムンクルス? いけ、にえ……?」
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスは、竜化器の仕組みを知らない。
キャロル・ホプキンス:だが、その言葉が、もう一つの記憶を刺激した。
キャロル・ホプキンス:理事会の上級エージェントだった父の記憶。竜化器は、自動的に生産されるホムンクルスを捧げることで、竜骸をこの世界に顕現させる。
キャロル・ホプキンス:そして――キャロル・ホプキンスは、博物館襲撃時、懲罰奉仕部に竜化器を使用させている。
キャロル・ホプキンス:「ぐ……う゛、ぅぁ……!」強烈な嘔吐感に、口を押さえる。
キャロル・ホプキンス:「ぅ……ぁ、っう、げほっ、ぐ、げほ……っ! ぎ、ぃ、ぁ……」
キャロル・ホプキンス:無理矢理に嘔吐物を飲み込んで、胃が裏返るような不快感と呼吸不全から、咳き込む。
キャロル・ホプキンス:もはや、跪拝の姿勢も保てず、這いつくばりながら、目に涙を浮かべる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「体が悪いなら、帰りなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「汚らしいわ」
キャロル・ホプキンス:キャロルは、贖罪を目指しながら、人を殺していた。
キャロル・ホプキンス:誘導された訳でもない。罪のある相手ですらない。ただ生まれただけの無垢な命を。
キャロル・ホプキンス:そして、真の王がいないのなら、この罪を償う方法ももはやない。
キャロル・ホプキンス:「……それは、できません」
キャロル・ホプキンス:もう救いはない。報われることはない。
キャロル・ホプキンス:「まだ、聞いていないことが、あります」
キャロル・ホプキンス:「何故、あなたは、キングダムから、『おとぎの国』に帰ろうとしているのですか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どうでもいいでしょう?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私が消えてしまったほうが、みんなが喜ぶはずだわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、お父さんに願われていたような、真の王ではなかった」
"至上王"ルキア・ティベリア:「残虐で、気まぐれで」
"至上王"ルキア・ティベリア:「優しくもなかった」もう一度、空を見上げる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……人を好きになることもできなかった」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私が……王の座にいても、この世界に不幸せしかあげられない」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だから、この世界が私にくれるのも不幸せだけ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「生まれなかったほうがよかった」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だから私は、生まれてきたところに帰るの」
キャロル・ホプキンス:「……もう一つだけ、聞かせてください」
"至上王"ルキア・ティベリア:「キャロル・ホプキンス」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたはとても質問が多いのね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その質問は、いつになったら終わるのかしら?」
キャロル・ホプキンス:「これで最後です」
キャロル・ホプキンス:「細かいことなら、他にも聞きたいこともありましたが、この一つで終わりにします」
キャロル・ホプキンス:「『おとぎの国』に帰れば、あなたは幸せになれるのですか?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ある王国に――とても美しくて、けれど意地の悪いお姫様がいたわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「お姫様は……求婚に訪れた人々をひどく侮辱して、みんなを不幸せにした」
"至上王"ルキア・ティベリア:「誰かに慕ってもらえるということは、本当は、とても価値あることだったのに」
"至上王"ルキア・ティベリア:「賢い王様は、お姫様の傲慢さに罰を与えることを思いついた」
"至上王"ルキア・ティベリア:「次にお城に訪れた乞食とそのお姫様を、婚姻させるのだと」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうして、お姫様は……恵まれていた世界を捨てて、辛くて、苦しい民の暮らしをすることになる」
"至上王"ルキア・ティベリア:「キャロル。『おとぎの国』が私のためにある世界なのか――幸せになれる世界なのか、私にもわからないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「お城で暮らしていたお姫様には、その外の世界のことが何もわからなかったのと同じ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だけど、みんながいつか、あるべきところに帰る」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、私が異物ではない世界に」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなた達は、あなた達の王国に」
"至上王"ルキア・ティベリア:「人を愛することのできないお姫様は――」
"至上王"ルキア・ティベリア:「誰からも愛されない暮らしに」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は幸せを求めて『おとぎの国』に行くのではないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「けれど、いつかの奇跡が、もしも起こらなかったのなら……私がどんな世界で生まれるはずだったのかを見たい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の望みはそれだけよ。もう帰ってくることはないわ」
キャロル・ホプキンス:「……あなたの話は」
キャロル・ホプキンス:「私には認められない」
キャロル・ホプキンス:「あるべきところなんて場所があって、誰もが必ずそこに帰らなければならないのなら」
キャロル・ホプキンス:「救われるべきでない者は、絶対に救われることはなくなってしまう」
キャロル・ホプキンス:「不幸な生まれの者は永遠に不幸で、罪を犯した者は永遠に赦されることはなくなってしまう」
キャロル・ホプキンス:「あなたがそうでなかったように、全てを救う王はいないのかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「あなたは人を愛することができないのかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「私の罪も赦されないのかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「全ての人が幸せになる日は来ないのかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「それが正しいことなのかもしれない。あるべき人が、いるべき場所にいることが、正義なのかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「私は、何人も人を殺しました。この罪は赦されるべきではないのだと自分でも思います」
キャロル・ホプキンス:「こう考えること自体が、罪深いことだとは分かっているけれど」
キャロル・ホプキンス:「私は、赦されたい。幸せになりたい」
キャロル・ホプキンス:「あなたが、幸せになる為ではなく、ただ帰るべきだから帰ると言うのなら」
キャロル・ホプキンス:「私はそれを認める訳にはいかない」
キャロル・ホプキンス:「あなたにも、赦しがなければ――私が困ります」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――キャロル。あなたはとても賢くて、何が道理なのかを分かっているのね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の考えが正しいかどうかを決められる権利が、自分にあると思っている」
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアは、ようやく立ち上がった。
キャロル・ホプキンス:「まさか。私は間違いだらけの女です」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ええ、キャロル。あなたが何人も人を殺したのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたの、その考えは」
"至上王"ルキア・ティベリア:「人殺しが、人殺しの頭で考えた正義なのよ」
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキアは一振りの剣を持っていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:『石の魔剣』という。
"至上王"ルキア・ティベリア:「間違いだらけで、罪深いですって?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは本当に、心の底からはそう考えていない」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたの口から出てくるのは、自己弁護と、許されたいという浅ましい欲求だけ」
"至上王"ルキア・ティベリア:キャロルの方へと歩んでいく。
"至上王"ルキア・ティベリア:「キャロル。私は、あなたの命令をたくさん聞いてあげたわね?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「今度は、あなたが私の命令を聞いてくれるでしょう?」
"至上王"ルキア・ティベリア:キャロルの首筋に刃を向ける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「本当の心を言いなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『仕方なかった』と」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『私は悪くなかった』と」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『私が罪を犯した相手よりも』」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『私のほうが大事なのだ』と」
キャロル・ホプキンス:刃をあてがわれて、しかし動じることなく立っている。
キャロル・ホプキンス:「それは、どちらの命令を聞けばいいのでしょう」
キャロル・ホプキンス:「本当の心を言えばいいのか、あなたに許しを乞う言葉を言えばいいのか」
キャロル・ホプキンス:「矛盾した命令を、どう聞けばいいのでしょう」
"至上王"ルキア・ティベリア:「嘘をつき続けて、自分の心にまで信じ込ませてしまった人間は」
"至上王"ルキア・ティベリア:「本当に、自分がそうだと思い込むようになる――」
キャロル・ホプキンス:「仰る通りです」
"至上王"ルキア・ティベリア:「キャロル。あなたが心の底から、自分の罪が許されず、弁護の余地がなく」
"至上王"ルキア・ティベリア:「取り返しのつかないものだと分かっているのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「他の誰かに許されて、その罪が消えると思っているの?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたはそれを私に求めて、私の行く先にすら求めた」
"至上王"ルキア・ティベリア:「本当に罪業を理解しているのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その罪を責めるのはあなた自身よ。永遠に」
キャロル・ホプキンス:「あなたのその言葉は正しい」
キャロル・ホプキンス:「私は、私を赦せない。それでも赦されたいから、ありもしない全てを救う王を求めた」
キャロル・ホプキンス:「夢見がちな戯れ言でしかなく、愚かで、矛盾した行いです」
キャロル・ホプキンス:「それでも、諦められないから、私はまだ生きている」
キャロル・ホプキンス:「嘘で自分の心を塗り固めて、信じているだけと言いましたね」
キャロル・ホプキンス:「そうしてまで、諦められないのです」
キャロル・ホプキンス:「あなたに理解できないのは無理もないことです」
キャロル・ホプキンス:「自分に嘘をついてまで諦めようとしているあなたには」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私が嘘をついている」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……どうして?」
キャロル・ホプキンス:「みんながあなたのことが嫌い? あなたがいなくなった方がみんなが喜ぶ?」
キャロル・ホプキンス:「少なくとも、私はそうでない人達を知っています」
キャロル・ホプキンス:「勝手にいなくなろうとしているあなたを追いかけようとしている人達を」
キャロル・ホプキンス:「あなたは、愛されている」
"至上王"ルキア・ティベリア:「嘘よ」
キャロル・ホプキンス:「その愛に自分が応えられないから、そんなことはないと嘘をついているだけだ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたみたいな嘘つきの話を」
"至上王"ルキア・ティベリア:「信じる者は誰もいない」
キャロル・ホプキンス:「信じなくても構いませんよ」
キャロル・ホプキンス:「いずれ分かることです。彼女達は必ず来る」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、あなたみたいな人間が一番嫌い」
"至上王"ルキア・ティベリア:「口では正しいと言っていることに従わない」
"至上王"ルキア・ティベリア:「口では助けたいと言っている相手を傷つけようとする」
"至上王"ルキア・ティベリア:「口では不幸せだと言っているのに恵まれている」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ねえ――キャロル。そんな人ばかりなの」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どうして……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんなは、嘘ばかりつくのかしら?」
キャロル・ホプキンス:「本当に正しい人などいないからです」
キャロル・ホプキンス:「誰もが何かを間違えている。それでも、正しくありたいから、理想を口にする」
キャロル・ホプキンス:「あるいは、正しくありたくても、正しくあれないから、嘘の諦めを口にする」
キャロル・ホプキンス:「あなたも真の王ではない、私達と変わりない嘘つきですよ、ルキアさん」
"至上王"ルキア・ティベリア:首筋に当てていた剣を下ろす。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……もうじき、あちらの世界が降りてくるわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私には分かるの」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうなる前に、立ち去りなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたも巻き込まれてしまうわ」
キャロル・ホプキンス:「確かに、外に待っている友人もいますし、必ず帰ると約束した人もいます」
キャロル・ホプキンス:そう言って、床に座り込む。
キャロル・ホプキンス:「嘘つきが嫌いなら、あなたもノヴァリスに戻らなければいけませんね」
キャロル・ホプキンス:「このままだと、嘘つきが付いて行ってしまいます」
"至上王"ルキア・ティベリア:「大丈夫よ」
"至上王"ルキア・ティベリア:再び元の瓦礫の上に戻って、背を向ける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「その時には、あなたを殺すわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それまで私のことを眺めていたいのなら……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「好きにしなさい」
キャロル・ホプキンス:「ではそうします!」
キャロル・ホプキンス:「ただし、私が殺されるまでではなく」
キャロル・ホプキンス:「あなたを愛する人達があなたを連れ戻すまでになると思いますがね!」
:「……ふむ」
:問答の切れ目に零された呟きは、静謐の中にあっては声量以上に大きく響いた。
:「順番待ちになるかと思いましたが」
:「この期に及んで、何を為すまでもなく見つめ合うとは」
:石床を氷じみて鳴らす靴音が近付く。
:「大いに冷やかして差し上げたところです。今この時でなかったならば」
:柘榴石の瞳。一つに括った瑠璃の髪。物語の精霊めいて尖った耳。その姿が現れる。
:深青色の道服。緩く羽織った法衣に金鎖の装飾。武侠とも、東洋異教の祭祀とも取れる装い。
任アルル:「崑崙山中等専門学校、任珥露」
任アルル:「ルキア・ティベリア……是が非にも、貴女に一手立ち会っていただきたく参りました」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そう」空を見たまま、顔を向けずに呟く。
キャロル・ホプキンス:「崑崙山の五星君!? 何故ここに……!?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「五星君……ああ。崑崙山の、あれ」
"至上王"ルキア・ティベリア:肩越しに振り返って、アルルを見る。
"至上王"ルキア・ティベリア:「構わないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どちらにしろ、このノヴァリスから帰るのだし……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「少しくらいは、遊んであげたっていい」
キャロル・ホプキンス:「立ち会い……立ち会いって、ええ!? これから戦うってことですか!?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私が……あなたのお願いを聞いてあげるのだから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の質問にも答えてくれるわよね?ええと……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「アルル」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私と戦いたいのはなぜ?」
任アルル:「あなたが強いからです」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふっ、ふふ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふふふふふふ」愉快そうに笑う。
"至上王"ルキア・ティベリア:「それだけ?」
任アルル:「理屈は如何様にも付けられる。嘘でもなく」
任アルル:「そちらの子や」初めてキャロル・ホプキンスに目を向ける。「品行方正なキングダム生を納得させるための方便も……一応それなりに揃えてはありました。が」
任アルル:「私が真に重要に思うのは」
任アルル:「やはり、あなたに焦がれたからです。あなたの力に。あなたの専横に」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私に……挑んできた子は、たくさんいて」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんな、色んなことを言っていたわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「自分のほうが、私よりも正しい考えを持っているだとか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私に、言うことを聞かせたいだとか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私を倒すことで、私を救いたいだとか……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そういう人間は、全部嫌い。本当は人を傷つけたいのに、嘘をついているから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だけど――ああ、初めて会ったかしら?任アルル」
"至上王"ルキア・ティベリア:少し笑う。実際には七十橋シスルとの休日で遭遇していたが、もはやそのことを認知していない。
"至上王"ルキア・ティベリア:「会ったばかりだけれど、あなたのことは少し気に入ったわ」
任アルル:皮肉の笑みを返す。いつも浮かべていた、超然と振る舞うための微笑ではなく。
任アルル:「喜ぶべきか嘆くべきか悩みますね。膝を突かされた恥辱と昂揚は、こちらには今も鮮やかな思い出なのですが」
任アルル:「そして意外です。あなたほどの強者を傍近くに仰ぎながら、挑むために挑んだ者が居ないなどとは」
任アルル:「キングダムに愛想を尽かしたなら、おとぎの国とは言わず、崑崙山に居を移しては? きっと歓迎されますよ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「崑崙山に?ふふふふ」笑う。
"至上王"ルキア・ティベリア:「そんなところに人が住んでいるのが冗談みたいなのに」
任アルル:「これから行こうとしているところほど戯言ではないでしょう」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうかもしれないわね?だけど、私が行く先は私が決めるの」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたがしたいことは、私を思い通りに操ることじゃない。……そうでしょう?」
"至上王"ルキア・ティベリア:剣を取る。『石の魔剣』ではなかった。純白の、細く軽い直剣。
"至上王"ルキア・ティベリア:劣剣グウィバーという名の、ジャーム殺しの王鍵だった。
任アルル:「いいえ? そうしたいと思っていますよ」
任アルル:「あなたを這い蹲らせ、背を踏み躙り、憤怒と羞恥に歪む顔を眺めて、到底意に添わぬことをさせてやれたら」
任アルル:「一体どれだけ痛快だろうかと」
任アルル:淡々と述べる。虚空へ伸ばした手に光芒が集い、撚り合わさるようにして得物を形作る。
任アルル:龍脊。白銀の槍。ただ長細いその輪郭に、今は茨が巻き付くような浮彫りがある。這い回り餌食を漁る、貪欲なる大百足の意匠。
任アルル:「ジェシカはあなたを天に住まう者だと言った」
任アルル:「借り物として天の力を振るうだけの自分たちと、真実天に属するあなたとの間には隔絶した開きがあると」
任アルル:「なるほど。あなたの出生は、ノヴァリスの他の生徒とは違う──」
任アルル:「だから? それが、何ですか」
任アルル:「ルキア・ティベリア。ただ一人の生徒。あなたが癇癪を起こして暴れたところで、世界もノヴァリスも、どうともなりはしない」
任アルル:「あなたが真に壊したものも、これから先に壊せるものも、他の誰ともそう変わりはしない」
任アルル:「あなたでは、凡庸なこの私一人でさえ、恣にすることは叶わない」
任アルル:「それを証明してみせる」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふふ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「恥ずかしいわよ、任アルル。これから自分が挑む相手を……殊更に下げてみせるのは」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は生まれつき強かった」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それは私が特別だったから。天から降りた、人の王種だったから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だけど天の『おとぎの国』に帰るなら、そんなものは持っていけないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「だから、もしもこの決闘であなたが勝つのなら――任アルル」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたにその特別をあげたってよかった」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『けど』」
"至上王"ルキア・ティベリア:「気が変わったわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「この私が、他の生徒と何も違わない、ただ一人の、平凡な生徒に過ぎないとあなたがいうのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたが負けたその時には」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは生涯――」
"至上王"ルキア・ティベリア:「平凡な生徒『以下』を名乗りなさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――キャロル」
キャロル・ホプキンス:目を瞑り、考え込んでいたが、声を掛けられ、顔を上げる。
キャロル・ホプキンス:「はい、何でしょう!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは手を出さないで」
"至上王"ルキア・ティベリア:「この子と遊ぶことにしたわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは……」白い剣をアルルへと向ける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「この決闘を見届ける、立会人になりなさい」
キャロル・ホプキンス:「うーーーーん」腕を組んで考える。
キャロル・ホプキンス:「条件があります」
任アルル:キャロルを見る。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」露骨に不機嫌そうな顔になる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたはなんでも欲しがるのね。キャロル」
"至上王"ルキア・ティベリア:「見ているだけでいいのよ」
キャロル・ホプキンス:「あなたが勝つならそうします」
キャロル・ホプキンス:「ですが、あなたが負けて、無理矢理、力ずくで彼女があなたを引きずって行くのなら」
キャロル・ホプキンス:「次は私が戦います」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……そう」
キャロル・ホプキンス:「私は、あなたが嘘つきなのだと、証明するつもりですから。その前に戻られては困ります」
任アルル:笑声を零す。
任アルル:「良いですね、それは」
任アルル:「あちらが勝つと信じてはいないところが良い」
"至上王"ルキア・ティベリア:「心配する必要はないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「強い相手と戦いたい――アルルが、本当のことを言っているなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「勝つにせよ負けるにせよ、そんな不純物を考えている余裕はなくなる」
"至上王"ルキア・ティベリア:「崑崙山ではどうか分からないけれど」
"至上王"ルキア・ティベリア:「真剣な決闘って、そういうことでしょう?」
キャロル・ホプキンス:「分かりました!」
キャロル・ホプキンス:「私も崑崙山のことはよく分かりませんが、ひとまず信じることにします!」
キャロル・ホプキンス:「どちらにせよ、勝負が決まるまでは、やることは変わらないですしね!」
キャロル・ホプキンス:「不肖、このキャロル・ホプキンスがこの決闘の立会人になりましょう!」
任アルル:「……。聞き分けが良すぎて不気味ですが、一応、感謝しておきましょう」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ありがとう。キャロル」
キャロル・ホプキンス:「感謝には及びません! アルルさんが余計なことを言わなければ変な条件を出すこともありませんでしたし」
キャロル・ホプキンス:「ルキアさんが受けるというのなら、戦うだけなら、別に私のやりたいことの邪魔にはなりませんから」
任アルル:「勝っても負けても、二度とキングダムの土は踏めそうにありませんね」苦笑する。
任アルル:「ですがまあ、それくらいでなければ、知己に不義理を働いた甲斐もない」
任アルル:音もなく槍を回し、切っ先を白髪の少女へ向ける。
任アルル:「一世一代の暴挙と参りましょう」
"至上王"ルキア・ティベリア:「決闘に臨むのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ちゃんと、名乗らなければいけなかったわね」
"至上王"ルキア・ティベリア:透き通るような純白の髪と肌。両肩を露出する布地の多いドレスは、戦闘用の衣装とはかけ離れている。
"至上王"ルキア・ティベリア:腰には、竜のような翼があった。ノヴァリスの生徒ならば一般的な、ファッションとしての身体の異形化――
"至上王"ルキア・ティベリア:それは、彼女にとっては別の意味があったのかもしれない。
"至上王"ルキア・ティベリア:「キングダム連合学院、円卓議会」
"至上王"ルキア・ティベリア:「第一席。"至上王"。ルキア・ティベリア」
GM:世界を隔てて、本校舎を貫く光がある。
GM:大十字冠の光だった。今は、二つの世界が重なり合っている。『おとぎの国』にも届くのだろうか?
GM:セイクリッドピラー襲撃事件から、その現象は多数確認されているが
GM:至上王には、一度として起こったことはなかった。
GM:ノヴァリスの生徒達が、宿命と対決に、自らの意思で臨む時――

"至上王"ルキア・ティベリア:「神聖二重冠」
"至上王"[12]
5m
アルル[7/171]
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:アルルさんはこの戦闘で、二枚のプライズを獲得します。
■
錬気精髄
いつでも使用できる。取得しているエフェクトのうち、使用回数制限のあるエフェクトひとつの使用回数を1回ぶん回復させる。
1シナリオに1回まで使用できる。
■
生死大活
侵蝕率100以上の状態で現在値以上のHPダメージを受けた時に使用できる。
そのダメージを(現在HP-1)の値とする。1シナリオに1回まで使用できる。
任アルル:この力は……!
GM:ルキアの復活回数は、アルルさんと同じく2回。どちらかが復活回数を使い切った状態で戦闘不能になれば、戦闘を終了します。
GM:勝利しても特にメリットはありませんし、逆に敗北してもまったくデメリットはありません。
任アルル:平凡な生徒以下になっちゃうだけ!
GM:戦闘データは、凶日で出現したときと全く同じです。それでは開始します。
■ラウンド1
"至上王"ルキア・ティベリア:セットアップ。《灰色の庭》をアルルさんに使用します。行動値を-18。
任アルル:ヒーッ
任アルル:受けて0になります。こちらはセットアップなし。
GM:では行動値12。のイニシアチブで行動します。
"至上王"ルキア・ティベリア:《時間凍結》。HPを-20。
"至上王"ルキア・ティベリア:マイナーアクションでアルルさんのエンゲージに移動します。
"至上王"[12]
アルル[0/171]
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《黒の咆哮》《魔神の心臓》。アルルさんを攻撃します。
任アルル:えーっと 少々お待ちください
GM:どうぞ。まだ判定前です
任アルル:お待たせしました
任アルル:《ジャミング》します。その攻撃の判定のダイスを-5個。
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(171 → 174)
"至上王"ルキア・ティベリア:《紡ぎの魔眼》を自分に使います。ダイスを+6個。
"至上王"ルキア・ティベリア:他にはありませんか?
任アルル:対象は単体の攻撃になりますよね?
"至上王"ルキア・ティベリア:はい。範囲攻撃は入れていません。
任アルル:では他にはありません!
"至上王"ルキア・ティベリア:17dx7+11
DoubleCross : (17DX7+11) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,5,5,6,6,6,7,7,7,9]+10[4,4,5,10]+2[2]+11 → 33
任アルル:《支配の領域》《絶対支配》。
任アルル:一度目のロールの6,6,7,7,7,9を1に変更します。まあ6は一つ残ってしまうんですが……。
"至上王"ルキア・ティベリア:強すぎる……達成値は17になりました
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(174 → 184)
任アルル:その上で《カウンター》。《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
"至上王"ルキア・ティベリア:《時の棺》。
任アルル:ですよねーッ!失敗!
"至上王"ルキア・ティベリア:2d10+45
DoubleCross : (2D10+45) → 13[5,8]+45 → 58
"至上王"ルキア・ティベリア:攻撃が命中したため、《魔神の心臓》の効果を受けます。マイナーアクションを使用するまで、ラウンド中、判定ダイスを-18個。
任アルル:まずカウンター分の一連の侵蝕率を上げて……
任アルル:任アルルの侵蝕率を11増加(184 → 195)
任アルル:ダメージは通り、そのままだと死ぬので
任アルル:生死大活を使用します。
GM:ではHP1で踏みとどまります。
"至上王"[12]
アルル[0/195]
GM:行動値12。
"至上王"ルキア・ティベリア:至上王の手番になります。
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《黒の咆哮》。アルルさんを攻撃します。
"至上王"ルキア・ティベリア:いや
"至上王"ルキア・ティベリア:やっぱり《魔神の心臓》も入れます
任アルル:ウヌーッ
任アルル:やはりそのままだとリアクションできなくて死ぬのですが……ちょっと質問させてください
GM:OK
任アルル:至上王の神聖二重冠の使用はどのような処理になるか教えていただけますか?
GM:至上王の神聖二重冠の処理は、侵蝕管理のないNPCと同じです。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
GM:このどちらかだと考えてください
任アルル:承知しました。うーん
任アルル:としても食らえないな……錬気精髄を使用して、《時の棺》の使用回数を回復します。
任アルル:そして回復した《時の棺》を使用します。
"至上王"ルキア・ティベリア:了解しました。判定は失敗します。行動終了。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(195 → 205)
GM:アルルさんはカウンターで手番を消費しているので……
GM:ラウンドは終了。第2ラウンドになります。
■ラウンド2
"至上王"[12]
アルル[0/205]
"至上王"ルキア・ティベリア:行動値12。至上王の手番になります。
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《黒の咆哮》《魔神の心臓》。
任アルル:《ジャミング》。その攻撃の判定のダイスを-5個。
"至上王"ルキア・ティベリア:《紡ぎの魔眼》。ダイス+6個。
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(205 → 208)
"至上王"ルキア・ティベリア:17dx7+11
DoubleCross : (17DX7+11) → 10[1,1,1,2,2,2,3,4,6,6,6,7,8,9,10,10,10]+10[3,4,6,8,8,9]+10[1,6,7]+10[7]+4[4]+11 → 55
任アルル:危ないな……《支配の領域》《絶対支配》。
任アルル:一度目のロールの7,8,9,10,10,10を1にします。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(208 → 218)
"至上王"ルキア・ティベリア:とんでもないエフェクト……こんなの許していいんですか?FEARさん
"至上王"ルキア・ティベリア:達成値は17になりました。
任アルル:《カウンター》。《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:棺はもうありませんか?
"至上王"ルキア・ティベリア:ありません。強制起動者とかいうやつが出てくる前のデータなので……
任アルル:あいつなんなんでしょうね じゃあ判定します!
任アルル:17dx7+9
DoubleCross : (17DX7+9) → 10[1,1,2,2,4,4,5,5,6,6,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,2,4,6,8,9,9]+10[2,9,10]+3[2,3]+9 → 42
"至上王"ルキア・ティベリア:くそ……!42か
"至上王"ルキア・ティベリア:それは受けるしかなさそう。ダメージをどうぞ。
任アルル:では
任アルル:ダメージ算出前に廻栖野アマネへのロイスをタイタス化して昇華。今は敵は一人だけだ……
任アルル:ORなので、効果はダメージ+5D。
任アルル:5d10+11+1d10+2d10+5d10
DoubleCross : (5D10+11+1D10+2D10+5D10) → 28[4,4,8,2,10]+11+9[9]+9[7,2]+32[10,1,4,9,8] → 89
任アルル:装甲有効です。
"至上王"ルキア・ティベリア:フフ……
"至上王"ルキア・ティベリア:そんなところでロイスを使ってしまって良かったのかな 貴重なロイスを……
"至上王"ルキア・ティベリア:ロイスを切って戦闘不能から復帰。残り復活回数は1です。
任アルル:こちらも昇華したので残り1!
GM:侵蝕も上昇させてください。
任アルル:任アルルの侵蝕率を11増加(218 → 229)
■ラウンド3
"至上王"ルキア・ティベリア:すいません、さっき宣言忘れたのですが、《灰色の庭》は毎ラウンド使っていることにさせてください。
"至上王"ルキア・ティベリア:アルルさんの行動値を-18。
任アルル:あっ了解です
"至上王"[12]
アルル[0/229]
"至上王"ルキア・ティベリア:これがないと《暴君の槌》が乗らないのだ
"至上王"ルキア・ティベリア:といってもやることはそう多くはない……!
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《黒の咆哮》《魔神の心臓》。
"至上王"ルキア・ティベリア:神聖二重冠を使用します。「・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。」
任アルル:またちょっと待ってください
任アルル:いや使おう エンブレムの強制起動者を使用。《時の棺》の使用回数を回復。
任アルル:それを使用して判定を失敗にさせます。
"至上王"ルキア・ティベリア:攻撃を失敗しました。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(229 → 239)
GM:手番は行動値0のアルルさんです。
任アルル:かつてないほど斥力跳躍か縮地が欲しい……!
任アルル:無いので、一旦待機。その後ルキアさんの追加行動がないようであればマイナーでジェネシフトします。
"至上王"ルキア・ティベリア:こちらの行動はありません。
任アルル:239+3d10 ジェネシフト
DoubleCross : (239+3D10) → 239+24[9,5,10] → 263
任アルル:任アルルの侵蝕率を24増加(239 → 263)
任アルル:メジャー行動は放棄して手番を終えます。
■ラウンド4
"至上王"[12]
アルル[0/263]
"至上王"ルキア・ティベリア:《灰色の庭》をアルルさんに。
任アルル:受けます。こちらは無し。
"至上王"ルキア・ティベリア:行動値12。《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《魔神の心臓》。
"至上王"ルキア・ティベリア:《黒の咆哮》を抜くことにしました。火力は大幅低下しますが、これでダイスは+2個。
"至上王"ルキア・ティベリア:《紡ぎの魔眼》を自分に。ダイス+6個です。
任アルル:プレイミスが発覚しましたが《ジャミング》します……!
"至上王"ルキア・ティベリア:どうぞ!
任アルル:エフェクトレベルが+3されてるのでダイスは-6個!
"至上王"ルキア・ティベリア:18dx7+11
DoubleCross : (18DX7+11) → 10[1,2,2,3,3,3,4,4,5,5,5,5,6,7,7,8,8,9]+10[1,3,3,6,10]+5[5]+11 → 36
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(263 → 266)
任アルル:《支配の領域》《絶対支配》。
任アルル:5,6,7,7,8,8,9を1に。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(266 → 276)
"至上王"ルキア・ティベリア:達成値は16です。
任アルル:《カウンター》《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:19dx7+9
DoubleCross : (19DX7+9) → 10[1,1,1,1,1,2,3,3,5,6,6,6,6,6,7,7,7,9,10]+10[3,4,5,5,8]+1[1]+9 → 30
"至上王"ルキア・ティベリア:《グラビティバインド》。達成値を-18します。
任アルル:《妖精の手》
任アルル:1dx7+39
DoubleCross : (1DX7+39) → 10[8]+6[6]+39 → 55
"至上王"ルキア・ティベリア:16からでは追いつく手段がない……!攻撃を受けます。
任アルル:ハアハア 達成値は37になって……
任アルル:4d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (4D10+11+1D10+2D10) → 12[2,4,5,1]+11+7[7]+12[10,2] → 42
任アルル:装甲有効です!
任アルル:任アルルの侵蝕率を15増加(276 → 291)
"至上王"ルキア・ティベリア:復活回数を一回消費。残り0回です。
■ラウンド5
"至上王"ルキア・ティベリア:《灰色の庭》。
任アルル:受けます。こちらはなし。
"至上王"[12]
アルル[0/291]
"至上王"ルキア・ティベリア:行動値12。
"至上王"ルキア・ティベリア:待機します。
GM:行動値0。アルルさんどうぞ。
任アルル:マイナー無し。
任アルル:メジャーで《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。栄光と勝利の槍で射撃攻撃します。
任アルル:19dx7+9
DoubleCross : (19DX7+9) → 10[1,2,3,3,3,4,5,5,6,6,6,6,6,8,8,8,9,9,10]+10[1,1,3,8,9,10]+10[1,2,10]+6[6]+9 → 45
GM:他にはありませんか?
任アルル:《妖精の手》します。
任アルル:1dx7+49
DoubleCross : (1DX7+49) → 2[2]+49 → 51
"至上王"ルキア・ティベリア:《グラビティバインド》。達成値を-18します。
GM:他にはありませんか?
任アルル:ンン~~~
任アルル:ありま……せん!
"至上王"ルキア・ティベリア:ガード。《魔人の盾》。
任アルル:ダメージ算出前に
任アルル:ルキア・ティベリアへのロイスをタイタス化、昇華します。
任アルル:失礼
任アルル:色ロイスの効果はシナリオ1回のみでした……。取り消します。
任アルル:通常の形でダメージを出します。
任アルル:達成値は33
任アルル:4d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (4D10+11+1D10+2D10) → 24[6,10,5,3]+11+2[2]+14[5,9] → 51
任アルル:任アルルの侵蝕率を5増加(291 → 296)
"至上王"ルキア・ティベリア:ガード値は60。ダメージは0です。
"至上王"ルキア・ティベリア:待機中のルキアの手番。
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《黒の咆哮》。
"至上王"ルキア・ティベリア:いや、《黒の咆哮》はやっぱり抜きます。
任アルル:《ジャミング》。ダイスを-6個します。
"至上王"ルキア・ティベリア:自分に《紡ぎの魔眼》。差し引き0
"至上王"ルキア・ティベリア:18dx7+11
DoubleCross : (18DX7+11) → 10[1,2,2,3,3,3,3,5,5,5,5,5,5,6,6,9,9,10]+10[2,6,7]+6[6]+11 → 37
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(296 → 299)
任アルル:《支配の領域》《絶対支配》
任アルル:一度目の5,5,6,6,9,9,10を1に。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(299 → 309)
任アルル:達成値は16になるはず。回避します。
任アルル:8dx+1>=16
DoubleCross : (8DX10+1>=16) → 8[3,4,5,5,5,6,6,8]+1 → 9 → 失敗
任アルル:んん……ここはこのまま。
"至上王"ルキア・ティベリア:2d10+28
DoubleCross : (2D10+28) → 14[6,8]+28 → 42
任アルル:ルキア・ティベリアへのロイスをSロイスに指定します。
任アルル:昇華して復活。その際に完全回復の効果を使います。
GM:お互い復活回数は0。最後のラウンドになるでしょう……
■ラウンド6
任アルル:HPは25に。
"至上王"ルキア・ティベリア:《灰色の庭》。
任アルル:受けます。変わらずこちらは無し。
"至上王"[12]
アルル[0/309]
"至上王"ルキア・ティベリア:先に動かれたらこちらも負けなので
"至上王"ルキア・ティベリア:カウンター相手に勝負しましょう。
"至上王"ルキア・ティベリア:《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》《黒星の門》《暴君の槌》《魔神の心臓》。
"至上王"ルキア・ティベリア:《紡ぎの魔眼》を自分に。ダイス+6個。
任アルル:《ジャミング》。ダイスを-6。
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(309 → 312)
"至上王"ルキア・ティベリア:18dx7+11
DoubleCross : (18DX7+11) → 10[1,1,1,2,3,4,4,4,5,6,6,7,8,8,8,9,10,10]+10[2,3,4,4,7,8,8]+10[2,7,8]+4[3,4]+11 → 45
任アルル:最後の《支配の領域》《絶対支配》。
任アルル:一度目の7,8,8,8,9,10,10を1に。
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(312 → 322)
GM:エフェクトレベルが+3されてなければクリティカルを出せてたんだけどな
"至上王"ルキア・ティベリア:達成値は17です。
任アルル:《カウンター》します。《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:20dx7+9
DoubleCross : (20DX7+9) → 10[1,1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,5,5,6,7,8,10]+10[1,6,7]+10[7]+3[3]+9 → 42
"至上王"ルキア・ティベリア:《グラビティバインド》。達成値を-18。
任アルル:ダメージを出します。
任アルル:達成値は24になって
任アルル:3d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (3D10+11+1D10+2D10) → 19[7,9,3]+11+9[9]+7[2,5] → 46
任アルル:任アルルの侵蝕率を11増加(322 → 333)
"至上王"ルキア・ティベリア:HPはタイタス昇華分の11。復活回数はありません。
GM:戦闘終了。任アルルの勝利です。
任アルル:は、はい……
GM:戦闘の始まりは、とても静かだった。
GM:壮絶な動きや、音や、破壊があったわけではない。だが――
GM:みしり、という音が。
GM:壁の、床の、天井の……骨の、肉の。そして大気の内側から。
GM:その全ての構造の内側から小さく、断続的に響いている、みしり、という音があった。
"至上王"ルキア・ティベリア:至上王はまだ何もしていない。
"至上王"ルキア・ティベリア:ただ、周囲全ての物体の質量が――それを生み出す重力定数が
"至上王"ルキア・ティベリア:数百倍にも膨れ上がっているというだけだ。
キャロル・ホプキンス:「がっ……ぁ、ぐ」
キャロル・ホプキンス:既に壮絶な死闘を繰り広げた身では、立っていることもままならない。
"至上王"ルキア・ティベリア:言うまでもなく、キャロル・ホプキンスを巻き込むことも一切考慮していない。
"至上王"ルキア・ティベリア:だが任アルルは、近づけば近づくほど重力が増していくことが分かるだろう――歩いて近づく。それだけのことが既に攻撃になる。
キャロル・ホプキンス:人智を超えた生命力を持つキャロルですら。最早、武の領域ではなく、純粋な生命の強さの問題のように思えた。
キャロル・ホプキンス:より強烈な重力を受けて、たとえ達人といえど、果たして為す術などあるのか?
任アルル:「……!」眉根を寄せる。経験がある。初めての邂逅……その際には何をされたのかも分からなかった。屈辱の記憶だ。
任アルル:しかして今、己はあの時点よりも強く、如何に凌ぐかの算段も立ててある。一方でまた、この重みは。
任アルル:「……まだ侮りがあった。認めましょう」
任アルル:前に出る。進む。五体にかかる負荷は増すが、動作は却って一歩ごとに滑らかになる。自身が適応する方が早い。今は。
任アルル:「……そうでなくては甲斐もない」
"至上王"ルキア・ティベリア:「構わないのよ。あなたの侮りたいように」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私を侮っていても」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ただ、そうね?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の前に跪かないというのは、あなたが言ったことなのだから」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の言葉には従わなくとも」
"至上王"ルキア・ティベリア:「自分の言葉には従えるわよね?」
GM:仮に、空間に100倍の重量負荷がかかるとすれば
GM:体重50kgの人間の場合、5tもの自重を自ら動かす必要がある――
GM:だけではない。
GM:自分自身にのしかかる空気の重さも、同じく絶大に加算される。
GM:地上の1気圧の100倍、100気圧の空間は
GM:深海1000mの水圧に相当する。
任アルル:「その物言い」
任アルル:「なるほど優等生どもの大元締めらしい。いちいち癇に障ります……!」
任アルル:例えば、アマネやニヌリならば。単に頑健さだけで耐えて支障のない範囲だろう。
任アルル:ミズキやウタタなら、無理に動かず逆撃を狙うか。才に恵まれた彼女らならば、もっと予想もつかぬ手を打つかもしれないが。
任アルル:自身はどちらもしない。できない。
任アルル:故に、小細工で対抗する。渦巻く風の中心が無風となるように、超重力に干渉し流れを作り、己への影響を軽減する。
"至上王"ルキア・ティベリア:そうして力を逃がそうとする挙動の起こりを見ていたかのように――
"至上王"ルキア・ティベリア:あるいは文字通りの天賦の才には、真に見えているのか。
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアは即座に距離を詰めた。踊るように優雅な、旋回の動作。
"至上王"ルキア・ティベリア:その旋回に伴って広がる腰の翼が、アルルの視界を僅かに遮り――
"至上王"ルキア・ティベリア: ザ ! ! !
"至上王"ルキア・ティベリア:その瞬間には、斬撃が襲っていた。完全な垂直線の、縦の剣撃だった。
任アルル:(ここ)
任アルル:寸前、不可視の渦が別に一つ生じた。
任アルル:逃がすのではなく引き込む螺旋。その中心にはルキア・ティベリア。彼女が放ち続ける圧力を、さらに幾重にも凝縮して彼女自身に返す。
任アルル:大して効きはすまい。だが僅かにでも乱れがあれば、逆に痛撃を返すことができる──
"至上王"ルキア・ティベリア:任アルルの、その螺旋の動きが
"至上王"ルキア・ティベリア:急激に――ひどく加速した。坂道でブレーキの効かなくなった車のようだった。
"至上王"ルキア・ティベリア:斬撃の最中で重力を戻したことを、任アルルは理解できただろう。
"至上王"ルキア・ティベリア:打撃を撃ち込まれ、しかし尋常の斬撃をアルルへと同時に切り込んでいる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふふ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「楽しいわね」
"至上王"ルキア・ティベリア:――キン!!
"至上王"ルキア・ティベリア:白い斬線がすぐさま走る。恐ろしく速い。
"至上王"ルキア・ティベリア:劣剣グウィバーは、ジャームを殺す機能の他に、真に超常と呼べる作用はない。
"至上王"ルキア・ティベリア:ジャームへの敵意を増幅させる精神作用すら、ルキアの本来の精神性と比べれば微々たるものである。
"至上王"ルキア・ティベリア:それでもこの剣には、ルキア・ティベリアが求める必要十分な機能がある。
"至上王"ルキア・ティベリア:「圧せ」
"至上王"ルキア・ティベリア:まるで、視界を覆い尽くす光の波長のような連撃。先程のような重さではなく、単純に、技量だけでこれほどに速い。
"至上王"ルキア・ティベリア:「グウィバー」
"至上王"ルキア・ティベリア:劣剣グウィバーの機能とは――
"至上王"ルキア・ティベリア:軽く。
"至上王"ルキア・ティベリア:丈夫なこと。
キャロル・ホプキンス:(すごい)
キャロル・ホプキンス:驚愕する。ルキアに対して、ではない。
キャロル・ホプキンス:これ程までに圧倒的な力を持つルキアが、能力の解除という『駆け引き』を行ったこと。
キャロル・ホプキンス:『蹂躙』ではなく、『戦闘』をさせたアルルの技量にこそ驚愕した。
キャロル・ホプキンス:健闘した。勝負は決した。そう思えた――
任アルル:赤く染まる。
任アルル:まずは体が、服が。次いで霧に包まれるように周囲の大気ごと。
任アルル:剣の速度があまりにも早く、最初の傷から溢れた鮮血が宮殿の床を染めるより前に、そのようになっている。
任アルル:だが、それでも。
任アルル:「……ふっ、ふ!」
任アルル:跪かない、だけではない。笑っている。
"至上王"ルキア・ティベリア:「――」
任アルル:「良いですねぇ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「避けているわね」急所を、臓器を、動脈を……という意味だった。
任アルル:「惨めだ」
任アルル:「初心を思い出す」
任アルル:言いながら槍を振るう。無造作で、さほど速度もない。だが反応するための起こりが存在しない。そういう一撃。
"至上王"ルキア・ティベリア:霞むような速度で、その穂先に反応している。
"至上王"ルキア・ティベリア:アルルの視点では分かる――ルキア・ティベリアのそれは、学習や反復訓練で身につけた動きではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:昆虫の目が、生まれつき人間の数十倍の分解能と反射能力を持っているように
"至上王"ルキア・ティベリア:生まれつき見えて、対応できるから、最適に動けるというだけのことに過ぎない。
任アルル:「ああ、ああ──」
任アルル:「必死なんですけどね。事もなげに避けてくれる」
任アルル:「老婆子教主を思い出す……!!」
任アルル:そうならないと思わなかったわけではない。むしろ予測していた。まったく同じようにいなされた過去があった。
任アルル:それが当たったことが、より我慢ならない。
"至上王"ルキア・ティベリア:「誰と比べているのか知らないけれど」
"至上王"ルキア・ティベリア:「不敬よ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私の前に立ったのなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その時以下になるのだから」
"至上王"ルキア・ティベリア:再び、あの斬撃が来る――超重力を乗せた、垂直線の一撃が。
任アルル:「──」
任アルル:攻撃が行われようとする刹那、激情に燃える双眸が、細められ、不意に。
任アルル:うねる軌跡の赤くも冷たい残光を、ルキアの懐まで、描き終えた。
"至上王"ルキア・ティベリア:「っ」
任アルル:埋め込んでいる。白銀の槍、生々しく煌めくその穂先を。無垢色の衣、その内に隠された玉体に。
任アルル:踏み込みによって敵の間合いを殺し、自身は充分な加速を乗せて突く。単純で理想的な、しかし現実的にはよほどの力量差が無くば行い得ない技を、現実を歪めることによって実行する。絶招“草昧”。
"至上王"ルキア・ティベリア:血液が飛び散る。それも、手傷という域ではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:槍に貫通された傷の、背中側から、白いドレスを浸すように流れ落ちている。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」ルキアは、それでも即座に次の戦闘反応をした。
キャロル・ホプキンス:(傷を――付けた)
"至上王"ルキア・ティベリア:キャロル・ホプキンスは勿論、キングダムの誰も――見たことがなかったはずだ。
"至上王"ルキア・ティベリア:八月革命の壮絶な殲滅戦のどの局面でも、ヒナテア・オルブライト誅伐の時ですら。
"至上王"ルキア・ティベリア:至上王が下がり、続く攻撃を予期した防御の構えを取った。
キャロル・ホプキンス:(本当に……勝負が成立している!)
キャロル・ホプキンス:戦いになる、という意味ではない。勝敗が、どちらにも傾き得るという意味で。
任アルル:ヒ、と音が鳴った。笛を思わせるその音色から、招法の名を“悲笳”。縮地神功により一撃ごとに殺傷圏を伸ばし、決して逃さず刈り取る五連刺突に──
任アルル:更なる手を重ねている。“明月”。純粋なる槍の技。手元に生じさせたぶれを穂先で増幅し、超振動により血肉を沸騰、蒸発させて失わせしめる。特に頭部に的中させた場合、露わになった頭蓋骨が白く輝くことから付いた名だ。
"至上王"ルキア・ティベリア:それまでの人生で一度たりとも取ったことのない防御を、しかし至上王は何度も成功させた。
"至上王"ルキア・ティベリア:"悲笳"の奇襲を、超速の斬撃と密度で凌ぐ。一突きを打ち返すために五振りを当てていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:"明月"は直撃を受けた。露出した肩口に穂先が食い込んでいた。
"至上王"ルキア・ティベリア:血液の沸騰を絶大な出力で抑え込む。超高気圧状態では液体の沸点は大きく高まる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふ、ふふ」だが、至上王も
"至上王"ルキア・ティベリア:笑っていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:「楽しい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「楽しいわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「人を傷つけるだけなのに、こんなに楽しいなんて」
任アルル:「あははっ!」
任アルル:笑う。笑った後で、自身で意外そうな顔をした。
任アルル:「……そう」
任アルル:「そうなんですよ」
任アルル:「そうだった」
任アルル:「楽しいんです。楽しいでしょう」
任アルル:「私は私より強い人間が誰も彼も大嫌いで仕方ありませんが」
任アルル:「そういう相手ほど……戦っていると楽しい。知ってください」
任アルル:「もっともっと楽しみましょう。できますよ、それが」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたが――」セミの羽音のような音が連続する。
"至上王"ルキア・ティベリア:アルルの攻勢を凌ぎ続けるグウィバーの斬撃が重なってそう聞こえる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたが私と何も違わないだなんて、ふ、ふふ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「やっぱり全然面白くないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私が、こんなに」
"至上王"ルキア・ティベリア:だが、それはただ攻撃を防ぐためだけの動作ではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:一斬ごとに、掠るように床を撫で、下がりながら吹き飛ばしていた、塵のような瓦礫を――
"至上王"ルキア・ティベリア:「本気になるなんて」
"至上王"ルキア・ティベリア:何も持たない側の手を握り込む。
"至上王"ルキア・ティベリア:――ガガガガガガガガガッ!!
"至上王"ルキア・ティベリア:超重力の方向を変化させ、それらを流星群のごとく、背後から降り注がせる。
任アルル:「“深山大澤”──」
任アルル:渦を描くように穂先を振るい、攻め手を絡め取って突き返す。形意五行槍における炮槍を原形とし、実体を持たない攻撃をも呑み込み、反撃の糧として上乗せする招法──
任アルル:それを、背後に向いた石突を用いて為した。
任アルル:幾重にも重なった銀弧の軌跡は、虚空に描かれた薔薇の大輪にも似た。その内に溶けて消えるように、瓦礫が失せて塵に戻る。
任アルル:……正面のルキアに一手の隙を与えることと引き換えに。
"至上王"ルキア・ティベリア:アルルが、呼気を吐く瞬間。
"至上王"ルキア・ティベリア:それが阻害される感覚があった。外気圧が恐ろしく高まっていて、息を『吐く』ことができない一瞬があった。
"至上王"ルキア・ティベリア:後退を続けていた至上王は、やはり天性の感覚でその機を見極めることができたと言うしかない――
"至上王"ルキア・ティベリア:踏み込むと同時に、任アルルの体を刺し貫いていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:細く軽い剣の刺突は、それ自体は致命傷にはなり得ない。急所からも外れている。
"至上王"ルキア・ティベリア:だが、アルルを刺し貫いた剣を握りながら
"至上王"ルキア・ティベリア:触れ合う距離の、耳元で囁く。
"至上王"ルキア・ティベリア:「覇鍵解錠……」
"至上王"ルキア・ティベリア:圧縮。破裂。剪断。歪曲。劣化。
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアが王鍵を媒介として発動する最大出力は、単独の作用として発現するものではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:だが、すべての結果は同じになる。宇宙の最後が等しく熱的死を迎えるように――
"至上王"ルキア・ティベリア:物質が、物質として成立できなくなるような、『解体』が起こる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「『崩劣白燼大故国』」
GM:ルキア・ティベリアと任アルルを中心にして、『白宮』は、抉れるように陥没した。
GM:その陥没にあった分の物質が何処に消えたのかを、誰も理解できないだろう。
GM:瓦礫でも、微塵でもなく、『消えた』のだ。
キャロル・ホプキンス:「これが……ルキアさんの……」
キャロル・ホプキンス:円卓一位。天より降り立った、真なる王を望まれた、頂点の魔王の。
キャロル・ホプキンス:「覇鍵解錠……」
GM:そして、その滅殺の中心に立っていた任アルルは――
任アルル:……受けた刺突が致命になると直観し、対処しようとした。
任アルル:だが時はあまりにも足りず、何よりも強大に過ぎた。術の細工を潜り込ませる隙もなく。
任アルル:思考が黒く、閉ざされる──
任アルル:任珥露の親は世界規模の活躍を確実視されたアスリートだったが、その名が広く知られたのはむしろ醜聞によるものだった。
任アルル:困窮した彼は幼い娘を売った。彼にとっては得体の知れぬ闇組織だったが、娘の方がむしろ、その実態をよく理解していた。
任アルル:ファルスハーツ。隠された神秘の体現者たちにして、何よりも実力を重んじる探求者。
任アルル:彼らの元でなら、彼らの元でこそ、己の望みを果たすことができる──
任アルル:──誇大妄想をそうと思い知らされるのに、時間はほんの僅かで足りた。
任アルル:あると信じた才能は、望みについていかなかった。
任アルル:他の子どもたちと比べればなお理解できる。元より彼らの元で育ち、過酷に過ぎる扱いを生き抜いた少女。龍種の落胤。そもそも人の形をしていることが悪い冗談としか思えないような怪物たち。
任アルル:鍛錬を繰り返しては力尽きて気絶し、同輩に、あるいは理事会の神仙鬼妖たちに挑んでは気絶し、気絶しながら学習装置を脳に焼き付け、なお。
任アルル:不相応な欲望だけが在り続け──
任アルル:ある朝に、それが現れた。
任アルル:“龍脊”。白銀の槍。龍神喰らいの大百足の化身。
任アルル:それは自分と同じ望みを持ち、体を持っていなかった。己だけでは儘ならず、さりとて捨てられない欲望だけが肥大化した、無様な執着の同志だった。
任アルル:「“實……生」
任アルル:暗く深いクレーターの底に、か細く声が生じる。
任アルル:「龍、蛇”」
任アルル:芽生えて蔦が伸び、花を咲かせるかの如く。
任アルル:歩脚を備えた体節が地を割って生え、うねくりながら伸長し、鋏めいた爪を打ち鳴らす。いくつも、いくつも。
"至上王"ルキア・ティベリア:「起き上がらないで」
"至上王"ルキア・ティベリア:任アルルが蘇生したことは、誰しもにとって予想の外であったが
"至上王"ルキア・ティベリア:理解はした。
"至上王"ルキア・ティベリア:「殺したくないわ」
任アルル:白銀の長虫が寄り集まり、大まかな人型の輪郭を取った。甲殻が爆ぜ飛び、娘が現れた。
任アルル:瑠璃の髪は解けて乱れ、もはや一糸纏わぬ白い肢体に、枯れ草めいて纏わりつく。消え去らず残った百足が巻き付き、体を縛り、倒れることを許さず、十字冠すら縛めて、それが砕けることを防いでいる。
任アルル:「……私が」
任アルル:眼差しは凪いでいた。嵐に氾濫を迎え、一瞬後に決壊するさだめの堤のように。
任アルル:「私たちが」
任アルル:「勝つ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「頭が」
"至上王"ルキア・ティベリア:「高いよね?」
任アルル:「真无聊」
任アルル:武の頂に至った者は力に制されることがなく、術を極めたる者は策に敗れることがなくなる。故に理論上、二つを共に練り上げれば、あらゆる戦いに勝利することが叶う。
任アルル:それができれば苦労は無いなどと、賢しらぶって笑うことは、かつての己にはできなかった。そうでもしなければ勝てないと、散々思い知らされた後だったから。
任アルル:「這い蹲れ。ルキア・ティベリア」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――気にすることはないわ。任アルル」切っ先を向ける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「これまで私を楽しませてくれた分だけで」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その雑言も、十分に許してあげる」
任アルル:「そう」
任アルル:「それは違う」
任アルル:「あなたはもっともっと楽しめる」
任アルル:「私を楽しませることができる」
任アルル:「楽しめ。そして」
任アルル:ふ、と声が、姿が、溶ける。
任アルル:「地に墜ちろ」
任アルル:再度出現するのは、ルキアの背後。
任アルル:「天上にあって仰ぎ見られるのは」
任アルル:「この私一人だけでいい!」
"至上王"ルキア・ティベリア:知覚不能なアルルの最後の挙動を、それでもルキアは認知していた。
"至上王"ルキア・ティベリア:剣の柄で攻撃を受け、次の一動作、手首を返す半月状の動きで薙ぎ払う――
"至上王"ルキア・ティベリア:その意図を持った、無駄のない動作だった。
任アルル:「うん──」
任アルル:無意識に漏れ出るような呟きの源は、斬撃が描いた円弧の、その軌跡の上。
任アルル:虚空を駆ける道術から発展し、如何なるものも踏み締めてのける“踣鐵”。普段はただ素足で外出するためだけに使うそれで、例えば魔剣の刃を足場とすることもできる。
任アルル:だが。
任アルル:「少し慣れてきましたね」
"至上王"ルキア・ティベリア:背後を取り、そこからさらに頭上へと跳躍する。
"至上王"ルキア・ティベリア:攻撃ではなく、フェイントのための動作。その判断を、ルキアは読むことができなかった。
"至上王"ルキア・ティベリア:数百倍の重力負荷がかかり続けている空間である。死に際の体でただ跳躍することに、どれだけのエネルギーを費やすのか。
"至上王"ルキア・ティベリア:その合理を理解しているが故に、この極限の刹那に、一手、読み違えた。
任アルル:己の信条には反することだった。
任アルル:敗北からしか得られないものはある。しかし真に力のある者は、そんなものがなくても勝ち続けることができる。
任アルル:にも関わらず、この局面を決定付けたのは──けれど、それも必然だっただろうか?
任アルル:至上王に鍛錬は必要なく、格上の敵など存在せず、殺されかけたこともない。
任アルル:「世界という生命の息吹たる大河。地の下を循環する神秘の伏流」
任アルル:「是を大地の血管に擬えて地脈と呼び、或いはその力と形から龍脈と表す──」
任アルル:凝った時間の中、ぽつりと零す。
任アルル:五星君は、それぞれが自らの宿星に即した絶招を持つ。
"至上王"ルキア・ティベリア:「――殺してしまうわ」果たして、音として発せられた呟きだったか。
"至上王"ルキア・ティベリア:「これ以上」
"至上王"ルキア・ティベリア:「楽しませないで」低く、地に伏せる龍のように。
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアも地上で、また構えていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:屈み、蹲り、惑星の重力をまるで蓄えるかのように。
任アルル:「“随风潜入夜,润物细无声”」
任アルル:──その号は門派の理想であり、“游随辰星”は体現者の称だ。
任アルル:龍脈の気との深い合一。在り様が自ずと然う成れば、春の夜の静かな雨の如く、穏やかにして何物も阻むこと能わぬ技が現れる──。
任アルル:その様を以て、いつか、その名を得た。
"至上王"ルキア・ティベリア:その構えからでも、ルキア・ティベリアは発動することができる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「『崩劣白燼大故国』」
任アルル:「私は」
任アルル:「“龍に随いて遊び泳ぐ星”」
任アルル:天より雨と雪の降る如く、あえかな銀光が地へと注いだ。
任アルル:爆発的に膨れ上がる異常重力崩壊圏を、一見儚い慈雨のような光が、しかし食い留め、溶かし流していく。
"至上王"ルキア・ティベリア:命中すれば必殺の覇鍵解錠である。
"至上王"ルキア・ティベリア:任アルルが無から自らを再構成したとしても、無にする、という結果は確実であった。
"至上王"ルキア・ティベリア:その絶対の自負故に、ルキア・ティベリアが想定し得なかった弱点が一つある――
"至上王"ルキア・ティベリア:それは
"至上王"ルキア・ティベリア:命中してもなお敵が消滅しない場合を
"至上王"ルキア・ティベリア:考慮しない技であったということ。
任アルル:雨の如き刺突と、重力とが、やがて互いを相殺し切った。
任アルル:絶死の戦場にあって奇妙なほどの静謐が、瞬きほどの間、僅かに生じた。
任アルル:絶招を繰り出し終えた任アルルは──
任アルル:流星のように、と表現するにはあまりにも緩やかに、ルキア・ティベリアの上へと落ちた。あるいは、こう述べた方がより正確かもしれない。
任アルル:花嫁が新郎の胸に飛び込むように、ルキア・ティベリアの懐へ入った。白銀に煌めく龍喰らいの槍を、花束の代わりに携えて。
"至上王"ルキア・ティベリア:胸元を貫いた槍に縫い留められるようにして
"至上王"ルキア・ティベリア:白い魔王は、初めて、地に膝をついた。
"至上王"ルキア・ティベリア:ドレスを浸してなお床へと広がり続ける裾のように、鮮血が溢れた。
"至上王"ルキア・ティベリア:白い肌と髪の只中にある青色の瞳が、自分を見下ろすアルルを見上げている。
"至上王"ルキア・ティベリア:「任……アルル」
"至上王"ルキア・ティベリア:囁くように呟く。
任アルル:止めの一撃を繰り出し終えた得物を片手に、もう片腕で、その背を抱擁するようにしている。
"至上王"ルキア・ティベリア: 「………………。殺さずに済んで……よかったわ……」
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアが絆を育んだ時、その絆は反転する。
"至上王"ルキア・ティベリア:だがルキアは、最後まで『石の魔剣』を手に取ることはなかった。
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたのこと……やっぱり……嫌いになったもの……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私よりも」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……強いから」
任アルル:「……大いに結構ですが」
任アルル:「まだ一勝一敗です」
任アルル:自分で口にして、おかしそうに笑う。
任アルル:「またやりましょうよ」
任アルル:「いくら嫌われて、よすがとされても、私はあなたに殺されはしない」
任アルル:「だから、もっと遊んでください」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ふ、かふっ」咳き込んで、血を出す。
"至上王"ルキア・ティベリア:「残念だけど……もう、遊ぶのは無理ね」
"至上王"ルキア・ティベリア:胸の穴を押さえて、よろよろと歩く。
"至上王"ルキア・ティベリア:「最後の遊びには、十分な時間だと思っていたのに……」
GM:空は白い。異世界の白だった。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……門限が来てしまったわ」微笑む。
任アルル:「…………」
任アルル:唇をへの字に結ぶ。
任アルル:「もっと我儘になってもいいのでは?」
任アルル:「仮にも暴君で通っていたでしょう」
"至上王"ルキア・ティベリア:「我儘よ。これが私の、最後の……一番の……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「任アルル。キャロル・ホプキンスを連れて、この本校舎を出なさい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたは……あなたは、円卓第一席に勝った。"至上王"よりも強い、ただ一人の生徒!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そのあなたがいながら、キャロルを見捨てて消してしまうなんて」
"至上王"ルキア・ティベリア:「けほっ……そんな恥さらしな真似は、しないわよね!?」
キャロル・ホプキンス:「私が……」ふらついたまま立ち上がる。
キャロル・ホプキンス:「どうするか、あなた達が……決めないでください」
任アルル:「ん」言葉に詰まり、唸って、そちらを見る。「……むう」
キャロル・ホプキンス:「私は反逆者ですよ。“至上王”だろうが、“游随辰星”だろうが」
キャロル・ホプキンス:「私の贖罪を邪魔するのなら、歯向かいます」
GM:ノヴァリスと『おとぎの国』の交差が近づいています。
GM:この状態で巻き込まれれば、仮に転移に成功したとしても互いにバラバラの座標へと送られることになり
GM:帰還の手立てはありません。ロスト扱いとなります。
"至上王"ルキア・ティベリア:「キャロル!言ったはずよね!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「その時が来るなら、その前に、あなたを殺すと」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は……私は、どちらでも構わないわ……!」『石の魔剣』を向ける。
"至上王"ルキア・ティベリア:「選びなさい。キャロル・ホプキンス!」
キャロル・ホプキンス:「私も言いました! その前に、必ず間に合うと!」
キャロル・ホプキンス:「あなたの居場所はノヴァリスにだってある!」
キャロル・ホプキンス:「どちらを選んでもいい……でも、それは幸せになる為に選ばなければ、私は……!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたには分からないわ!あなたなんかには!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「親愛を向けられても、真心を贈られても」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それを永久に返せない苦しみは!」
キャロル・ホプキンス:「ようやく正直に言いましたね……!」
キャロル・ホプキンス:「それは、親愛や真心が心地よいものだと、大切だと分かっているから出る言葉じゃないですか!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、みんなのことが嫌い」
"至上王"ルキア・ティベリア:「あなたのことも、誰のことも……!」
"至上王"ルキア・ティベリア:「帰りなさい!あなた達の場所に――」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ノヴァリスに!」
キャロル・ホプキンス:「私達とあなたは何も変わらない! 負けたのにいつまで天上の人みたいなこと言ってるんですか!」
任アルル:「主張の上では全面的に賛成ですが」複数の百足が飛びかかり、キャロル・ホプキンスを雁字搦めに拘束する。
任アルル:「この場は限界です。連行しますね」
キャロル・ホプキンス:「ぁ……っ、ぐ……! ちょっと、アルルさん! 邪魔です!」
キャロル・ホプキンス:「離してください! 私は、私はまだ……!」
任アルル:「私だって残りたいですけど」唇を尖らせ。
任アルル:「待っている人がいるでしょう。あなたにも。そして」
任アルル:「諦めが悪いのも、私たちだけではないですよ」
任アルル:「……覚えておいてくださいね?」
任アルル:最後にルキアに顔を向け、おどけた仕草で片目を瞑り。
任アルル:縮地神功を以て、キャロルと共にその場から消える。
GM:崩壊していく。本校舎の、物質的な構造が――ではない。
GM:世界を構成する根底の法則が何もかも崩れ、別世界のそれと入れ替わっていく。
GM:『おとぎの国』は到来した。
"至上王"ルキア・ティベリア:踏みしめる大地すらない白い世界で
"至上王"ルキア・ティベリア:キャロル・ホプキンスと任アルルが消え去った名残りのような影を、目を細めて見送った。
"至上王"ルキア・ティベリア:「――」
"至上王"ルキア・ティベリア:(いつか全ての人達に、天国が訪れればいい)
"至上王"ルキア・ティベリア:(誰だって、幸福で温かな、王国の日を求めて生きてきたのだから)
"至上王"ルキア・ティベリア:「さようなら」
"至上王"ルキア・ティベリア:「はじめまして」
GM:シーンを終了します。
キャロル・ホプキンス:ルキア・ティベリア 共感/悔悟○ で取得します。
◆Middle13◆蛍の光
キングダム本校舎前

GM:至上王の命で立ち塞がった伊藤算砂達を突破した七十橋シスル達は、ほとんど間を置かず、その異変を見ることになる。
GM:本校舎から遠く投影される竜の影が乱れ、薄れ始めていた。それと同時――
GM:その本校者の只中から、恐ろしい速度で飛び出してきた影があった。
GM:任アルル。そして彼女に抱えられる形のキャロル・ホプキンスである。どちらも瀕死に等しい重傷を負っていた。
キャロル・ホプキンス:「ああ”~~~! 出てきちゃったじゃないですか!」拘束されたままジタバタしている。
任アルル:「はいはい。お礼は後で聞いてあげますね」弾丸めいていた速度を素足で地を削って殺し、砂煙を上げながら静止する。
任アルル:抱えていたキャロルを降ろす。まだ銀の茨めいた百足の拘束は解いていない。
キャロル・ホプキンス:暴れるので、余計に拘束はきつくなり、全身の関節を極められているような格好になっている。
任アルル:重傷を除けば自身の服装は普段通りの夜着めいたものだが、いつも真っ白なそれと比較して、今は黒く、霧めいて時折輪郭を解れさせる不可解な衣になっている。以前にマスターオーダーから借りた影の装束の残滓を用い、即席の術で仕立て直した。
キャロル・ホプキンス:「ぐごごごご……」関節が人体ではあり得ない方向を向きつつある。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(何だアイツら、どこから出てきたんだ)
有崎五派:「あっ、ちょっと!?折れちゃうんじゃないの、あの子!?」
七十橋シスル:「あァ?!」 全力を使い果たし、座り込んでいた。眼だけ睨み付ける。
ウルスラ・ミック・ベニ:「あれは横入りしていった二人…状況に比して元気そうで何よりだ」
オリーヴ・ウェールズ:「っ、ふ、く…………」術式の構築を終えた後の異常な疲弊のまま、全員の無事を確認し。
オリーヴ・ウェールズ:無理矢理に呼吸を整え、近づく。「状況は……」
天沼チギリ:「…………。」二人越しに、薄れつつある巨竜の影を見やる。
天沼チギリ:「お二人が出現して、あの巨竜の影が薄れつつある。もしや…」
オリーヴ・ウェールズ:「本校舎の中から戻ってきたのでしょう!どうなったのですか……?!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"游随辰星"、状況を聞いてもいいだろうか」
七十橋シスル:「免罪王! 任アルル! 人を足蹴にしやがって、どの面下げて出てきやがったァ……!」
任アルル:「その節はどうも」拷問王へ片目を瞑る。「おかげでたっぷり戦ってきました」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「挑発をするな!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ほ、本校舎?中から?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あの二人、ボクらを余所に至上王に謁見してきたんだよ」説明
ルナンシア・ラダ・ランパート:「詳しい説明はしないが、彼女たちが先に乗り込んだ」美食王に耳打ちする。
キャロル・ホプキンス:「ぐっ……拷問王が怒っている意味は全く分かりませんが……」
キャロル・ホプキンス:「すぐに戻らないと! 赦し給……げほっ、ごほっ!」
有崎五派:「至上王は……ルキアちゃんは!?」
任アルル:「引き止めもしましたが」
任アルル:「わたしたちでは聞いてもらえず。もう門限が近いとかで」
任アルル:「いよいよ帰ってしまいそうですよ」
任アルル:言いながらさすがに免罪王が危険そうになってきたので手足だけの拘束に変える。
天沼チギリ:「やはり…。」
天沼チギリ:「猶予はないでしょう。鉄騎王。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「え?何の話…」
天沼チギリ:「術式は?」
オリーヴ・ウェールズ:「繋ぐ所までは滞りなく、後は開くだけ、ですが……」
オリーヴ・ウェールズ:繋がりそのものが薄れていくのを、レネゲイドを通して感じる。強制的な喚起を行わざるを得ない。
天沼チギリ:「ではお頼みします。」
天沼チギリ:「至上王に謁見します。」
天沼チギリ:「至上王に諫言したい者、かつ余力のある者だけ」
天沼チギリ:「本校舎に乗り込みます。」
任アルル:「迷いがなくて良いことです」
天沼チギリ:「鉄騎王はその術式が全力でしょう。」
天沼チギリ:「騎士王は…」
ルナンシア・ラダ・ランパート:《不死者の恩寵》
ルナンシア・ラダ・ランパート:6d10+6+28
DoubleCross : (6D10+6+28) → 30[2,10,2,2,8,6]+6+28 → 64
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を5増加(240 → 245)
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP全回復。軽く呪句を唱え、傷を塞ぐ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「諸君らと大差はない。盾としても槍としても多少は保つ」
天沼チギリ:頷く
天沼チギリ:「美食王は?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「わ、私?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いや、どういう…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうだな、私は待つよ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「帰りをお待ち申し上げる、とお伝え願いたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「茶会を用意していると」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(というか…クソ…つまり…なんだ?行かせたのか?任アルルを?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(何でだよ!)
天沼チギリ:「お伝えします。では補給線の再建と本校舎周辺の保持を。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「承った」
天沼チギリ:「有崎先生、ウルスラさん、拷問王。あなた方は…聞くまでもないでしょうね。」
有崎五派:「……そうね。聞くまでもない事だし、聞かなきゃ分からない事もまだ残ってる」
有崎五派:チギリの言葉に頷く。裂けた衣服から覗く肌は見るに堪えない傷を残しているが、それでも。
天沼チギリ:「私も最後まで見届けます。」
天沼チギリ:「この五人で参りましょう。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(だ、大丈夫なのか?このメンバーで)
七十橋シスル:「…………。」アルルに更に何か言い募ろうとしていたが、諦める。「頼む。やってくれ、オリーヴ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「初代、名も無き子亡しの真の銀の長き刃」
ウルスラ・ミック・ベニ:両手で高く掲げられたるはきらり輝く大だんびら。
ウルスラ・ミック・ベニ:見る間に散り散り砂へと変わり、鉄騎王。否、親愛なる友人への加護へと変わる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「任せたよ、オリーヴ」軽やかに笑い、竜退治の試練を任せる。
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》オリーヴ・ウェールズの判定値に+8D。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を3増加(211 → 214)
オリーヴ・ウェールズ:「はい……此処に道行を、照らします!」魂の焼けるような音と共に、最後の聖句を唱える。
GM:本校舎の突破判定に入ります。
GM:この判定では一度だけ、手番なしのジェネシフトを行うことができるとします。
GM:達成値300を上回る攻撃によって、一時的に本校舎の封鎖を解除できます。
オリーヴ・ウェールズ:ジェネシフトを使用します
オリーヴ・ウェールズ:3d10+208
DoubleCross : (3D10+208) → 20[9,1,10]+208 → 228
オリーヴ・ウェールズ:では……
オリーヴ・ウェールズ:マイナーで聖剣起動、c値-2
オリーヴ・ウェールズ:メジャーでカスタマイズ、コンセントレイト。さらにオートで天の業物。
オリーヴ・ウェールズ:固定ロイス、ウルスラ・ミック・ベニ。並びにルキア・ティベリアのものをタイタス、昇華。c値を-2。
オリーヴ・ウェールズ:これでc2、判定を行います
オリーヴ・ウェールズ:26dx2+4
DoubleCross : (26DX2+4) → 10[1,1,1,1,1,3,3,3,3,5,5,5,6,6,6,7,7,7,7,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,5,5,5,5,7,7,7,8,8,8,9]+10[1,1,3,3,3,4,5,6,6,6,7,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,1,2,3,4,4,5,5,5,7,7,8,9,9,9,10]+10[2,2,2,3,3,5,5,8,8,8,9,9,10,10]+10[1,1,1,2,3,5,6,7,8,8,9,9,10,10]+10[2,2,2,5,5,7,7,7,9,10,10]+10[1,2,2,3,4,4,6,6,7,9,10]+10[2,2,2,2,6,6,6,8,9,10]+10[1,2,3,4,4,4,5,7,7,9]+10[1,2,4,5,7,8,9,9,10]+10[2,3,6,6,6,7,7,8]+10[2,2,2,4,6,7,9,10]+10[2,5,5,6,6,9,9,9]+10[1,2,2,4,6,8,9,10]+10[2,2,6,6,7,8,9]+10[2,2,3,6,8,9,9]+10[1,1,3,4,4,7,10]+10[2,3,4,9,10]+10[4,6,6,7,8]+10[2,5,7,8,10]+10[3,3,5,5,7]+10[3,6,7,7,10]+10[3,4,8,8,8]+10[1,2,3,7,9]+10[7,8,8,10]+10[1,1,2,7]+10[10,10]+10[4,8]+10[5,6]+10[1,10]+10[8]+10[10]+1[1]+4 → 335
オリーヴ・ウェールズ:剣精の手
オリーヴ・ウェールズ:1dx2+345
DoubleCross : (1DX2+345) → 10[10]+10[9]+10[5]+10[2]+10[3]+10[9]+10[9]+1[1]+345 → 416
オリーヴ・ウェールズ:妖精の手
オリーヴ・ウェールズ:1dx2+424
DoubleCross : (1DX2+424) → 10[10]+10[8]+10[10]+10[7]+1[1]+424 → 465
オリーヴ・ウェールズ:最初から、そうだった訳じゃない。
オリーヴ・ウェールズ:家系に伝わる聖霊術式。そして、自らの叶えられる範囲の奇跡を為す能力。王国の色を示す名。
オリーヴ・ウェールズ:そして持ち前の霊媒・触媒体質から、秘奥ともされる聖人の技を幼い内で会得し、それを振るえるだけの恵まれた体躯を持ち。
オリーヴ・ウェールズ:有望株とされた少女は、その為に様々な地獄を見せられた。
オリーヴ・ウェールズ:世界の不平。不義。汚濁。虐殺。戦争。裏切り。
オリーヴ・ウェールズ:その全てを救えと命じられた。それだけの力が在ると。
オリーヴ・ウェールズ:……心が追い付いていない少女には、それはあまりにも重荷だった。
オリーヴ・ウェールズ:戦う事が、何よりも嫌いだった。自他問わずに痛みが嫌いだった。それだけの、ただの少女だった。
オリーヴ・ウェールズ:傷つきたくない、見たくない、声を聴きたくない。
オリーヴ・ウェールズ:おそろしいものから瞳を逸らして。そのまま目を閉じ、心を閉ざした。
オリーヴ・ウェールズ:それでも、焼き付いて離れない。地獄が、悲鳴が、瞼の裏で己を苛む。
オリーヴ・ウェールズ:優しい表情と態度で固めた、誰も救えない薄情者。オリーヴ・ウェールズという少女は、自らをそう定めた。
オリーヴ・ウェールズ:結果、"それ"を求めたのは、パックスデイとしては自然なことであり。自分にその資格も素質も無かったという事だ。
オリーヴ・ウェールズ:正義を。不変であり、絶対であり、全てを救うものを。不出来な己では不可能である───
オリーヴ・ウェールズ:自らの為せない本物の"奇跡"を。自分ではない誰かに願った。
オリーヴ・ウェールズ:でも───それでも。心のどこかで、思っていた。燻り続けていた。
オリーヴ・ウェールズ:私は、助けたかった。すべてを、何もかもを。なにひとつ、悲劇の起きないように。
オリーヴ・ウェールズ:閉じ切った目は、まだ微かに開かれていた。
オリーヴ・ウェールズ:……気付いたのは、きっと。聖剣を手に執った時。
オリーヴ・ウェールズ:キングダム最大最強の遺産ともされる、星界正義の剣。天使の聖剣。その伝承は多岐に及ぶ。
オリーヴ・ウェールズ:例えば、罪を裁く光。
オリーヴ・ウェールズ:例えば、都市を滅ぼす火。
オリーヴ・ウェールズ:それがひとえにノヴァリス内の王鍵として絶大な力を持つのは、その剣があらゆる逸話より強大な信仰補正を得ているから。
オリーヴ・ウェールズ:───だけではない。
オリーヴ・ウェールズ:『וַיְגָרֶשׁ אֶת־הָאָדָם וַיַּשְׁכֵּן מִקֶּדֶם לגן־עֵדֶן』
オリーヴ・ウェールズ:『אֶת־הַכְּרֻבִים וְאֵת לַהַט הַחֶרֶב הַמִּתְהַפֶּכֶת』
オリーヴ・ウェールズ:『לִשְׁמֹר אֶת־דֶּרֶךְ עֵץ הַחַיִּים׃』
オリーヴ・ウェールズ:『燃える剣の道よ、楽園を封する炎よ』
オリーヴ・ウェールズ:『無限の源より発し、王冠より生まれ、王国を満たす光よ』
オリーヴ・ウェールズ:『───その戒めを、今こそ解く』
オリーヴ・ウェールズ:本校舎に向けて、10の円と22の直線が形を為す。示すは天地創造の理。
オリーヴ・ウェールズ:『我、閉ざされた楽園を開く鍵。炎のあるじ、問いに答える者也───!』
オリーヴ・ウェールズ:天使の剣───楽園の鍵剣。王冠から王国へ伝う路を満たす炎。
オリーヴ・ウェールズ:即ち、王路の鍵。そう認定されるより前から、或いは始まりから、これは"王鍵"である。
オリーヴ・ウェールズ:同時に、それはノヴァリスに存在する遍く遺産の中で───ひとつの戒律に、最も近いもの。
オリーヴ・ウェールズ:【天使の聖剣。生命樹の路を顕す、楽園の扉を封する炎】
オリーヴ・ウェールズ:【十字の戒めが一つ。ノヴァリスからの脱出を禁ずる炎】
オリーヴ・ウェールズ:ノヴァリスに存在する戒。その一つと星界正義の剣を同一とする、所謂照応の術式。
オリーヴ・ウェールズ:旧から新に語られ、変じながら世界に広がる伝承は、その最高級の触媒である。
オリーヴ・ウェールズ:無限の始原が齎した炎の戒則を、無限の始原より来る炎を扱う者として、一時的に取り除く。
オリーヴ・ウェールズ:───確かに、近い。天使の剣は、無限から生まれ落ちたものであろう。しかし起源が近いとはいえ。
オリーヴ・ウェールズ:それは如何に忠実で強大な術式であろうと、困難を越え不可能である筈だ。
オリーヴ・ウェールズ:ひとつの遺産、一人のオーヴァードと、無限より生み出された世界の基礎では、絶対的な差が存在する。それは無限の出力でもない限り、覆せない。
オリーヴ・ウェールズ:奇跡でも、起きない限りは。
オリーヴ・ウェールズ:
オリーヴ・ウェールズ:星界正義の剣。それは、己が信じる正義を立証することで、輝きを増す光。
オリーヴ・ウェールズ:聖書において、熾天使の問いは正解の無い、解答不能の神の問いとされる。故に。
オリーヴ・ウェールズ:どれだけ己を信じられるか。どこまでその行いを肯定できるか───窮極的な、己との対話。
オリーヴ・ウェールズ:オリーヴ・ウェールズは術式を構築しながら精神を己の中に沈め、繰り返していた。
オリーヴ・ウェールズ:その回数は四百六十五。時間の足りる限り、魂を削りながら問と解を巡らせる。
オリーヴ・ウェールズ:昔日に求めた完璧な回答は存在しなくとも。それでも、出ない答えを示し続けた。
オリーヴ・ウェールズ:四百を越える問答の果て、時は来る。最後の問。
オリーヴ・ウェールズ:お前は───何が、したい?
オリーヴ・ウェールズ:「私は───」
オリーヴ・ウェールズ:「……誰でもないあなたの下へ手を伸ばしたい」
オリーヴ・ウェールズ:「私でなくとも、繋いだ手の一つが」
オリーヴ・ウェールズ:「───どこまでも、届くように」
オリーヴ・ウェールズ:星界正義の剣。その覇鍵解錠は、使用者に絶対的な光を与える。願いを叶えるに相応しい、真天に輝く恒星級の熱量を。
オリーヴ・ウェールズ:
オリーヴ・ウェールズ:『王国たる我が告げる。地球の王座の我が告げる』
オリーヴ・ウェールズ:影が、王冠と王国の経路を巡る。
オリーヴ・ウェールズ:生み出すは己すら喰らう無数無限の形。
オリーヴ・ウェールズ:影は逆説的に主の光を証明し続け、もう一つの0を世界へと呼び込んで───
オリーヴ・ウェールズ:果てに、真の創造の力は訪れる。
オリーヴ・ウェールズ:「───ひかり、あれ」
オリーヴ・ウェールズ:王国から王冠へ。無限の始まりに向け、光が盈ちていく。
オリーヴ・ウェールズ:聖剣の齎す光は爆発的な威力と共に無限に収縮し、それによって何もない空間が現れ、そして無限の光から一筋の光線が出現し、形を為す。
オリーヴ・ウェールズ:───光の門。

オリーヴ・ウェールズ:剣を回す。覇鍵解錠。
オリーヴ・ウェールズ:「この奇跡を為した果て───我が身を裁け、星界正義の剣」
オリーヴ・ウェールズ:「……けれどどうか、その時まで御目溢しを」
オリーヴ・ウェールズ:「彼女たちが進み、そして帰るその時まで」
オリーヴ・ウェールズ:『啓け───』
オリーヴ・ウェールズ:求める正義の為、我が身は大罪を犯す。
オリーヴ・ウェールズ:絶対的な正義ではない。私たちは神の子でも、全てを救う真の王でもない。けれど、手を伸ばしたい者を、貴女の下まで連れて行く。
オリーヴ・ウェールズ:『───偽典・楽園解錠』
オリーヴ・ウェールズ:静かに、楽園の門は開かれる。路の先は、まだ見えない。
GM:本校舎を封鎖する力場の投影であった、竜の影が消え去っている。
GM:だが、オリーヴ・ウェールズの成した絶大な奇跡を前に、その消失の瞬間を確認できた者もいなかっただろう。
GM:そして、全ての帳が取り払われ、明らかになった本校舎の空は――

GM:真夜中でありながら白い。現象や戦闘の余波で崩れた正門の向こうには、白く霞んだような、異世界の空だけがある。
GM:ルキア・ティベリアがいたはずの校舎の上層は、その異界の空に融けて消えてしまっていた。
GM:行政部の調査結果を知る者は、思い出すかもしれない。
GM:別世界の障壁の突破手段は、非現実的な破壊力による突破。さらなる異世界による上書き。『石の魔剣』による戒律の無効化。
GM:そして、世界の重なり合いが終わる間際に
GM:道が残るかもしれない。一方通行の道だ。
七十橋シスル:「…………」静かに、そのことを理解した。門は開かれた。だが、戻る道はない。
七十橋シスル:「お前ら、どうする?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「行くさ」眩き空を瞳に宿し、門に向けて一歩進む。
ウルスラ・ミック・ベニ:「行って、必ず帰る。オリーヴちゃんに微力ながら力を貸したし、罰も一緒に受けないとね」
天沼チギリ:「行きます。」こちらも一歩進む。
天沼チギリ:「罰を受けるというのなら、私がその筆頭でしょう。」
有崎五派:「…………………」美しい門を見上げ、僅かな間沈黙する。
有崎五派:「ま、なんというか」
有崎五派:「進んだからって戻れるかどうかはわかんないもんよね。いつだって」
有崎五派:「それに、生徒が居るなら先生も居ないと締まらないし?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:"不夜王"に"竜王"よりのメッセージを送り、端末を仕舞う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「無茶をさせたな。オリヴィエ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私は……どうやらこの先に向かうべきではない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「前途は極めて不確定で、戻れなくなる可能性が高いように思える。やらねばならないことが残っている……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうして、言葉に反し一歩を踏み出す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だが行こう。君たちを信じたいと思う。ならば先に口にしたことを、貫徹するのが筋だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:即ち、ウルスラ・ミック・ベニと有崎五派。二人の先生の護衛として。
七十橋シスル:「他の向こう見ずどもはともかく……優等生の名は返上か?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:くしゃりと髪を掻きながら兜を直す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ちょっとは面白かったか?」
七十橋シスル:「…………」唇を歪める。眉間の皺が消える。「どうだかな」
キャロル・ホプキンス:「待ちな……さい」手足を拘束されたまま、踏み出した者達の前に立ちはだかる。
キャロル・ホプキンス:「確かめなければ……なりません。あなた達が何故、この先に行こうとしているのか」
キャロル・ホプキンス:「理由によっては……私も同行しなければ」
任アルル:「行かせませんけどね」呆れた様子で言う。手近な瓦礫に腰を下ろしている。
七十橋シスル:「……てめぇか。その傷。随分と念入りにやられたな」
キャロル・ホプキンス:「こんなもの、どうとでもなります」
キャロル・ホプキンス:そう言いながら、瞼すら重いのか、目を開けるのにも苦労している様子だ。
七十橋シスル:「後ろで涼しい顔してるクラゲはともかく。竜王の邪魔を退ける間の、足止めにはなった」
任アルル:(クラゲ……)不満そうな顔。
七十橋シスル:「そこまで帰りたがってるのか、アイツは」
キャロル・ホプキンス:「あんなの、ただの強がりの嘘です!」
七十橋シスル:「あ?」
キャロル・ホプキンス:「ルキアさんは、帰るべき場所に帰ると言いました!」
キャロル・ホプキンス:「親愛や真心に返すことができないことを苦しんでいました!」
キャロル・ホプキンス:「彼女は、幸せになる為ではなく、届かない幸せから逃げる為に行くのです!」
キャロル・ホプキンス:「私では……何もできない。私の言葉は届いても、彼女の心を変えることはできない」
キャロル・ホプキンス:「あなた達は、それができる人なのですか」
キャロル・ホプキンス:「彼女の心を、愛で変えることができるのですか」
七十橋シスル:おもむろに、"免罪王"の襟首をつかみ、持ち上げる。
七十橋シスル:反射的な動作だった。思わず口を開いて、「…………?」もう一度、首を傾げて目を細めた。
七十橋シスル:「いや、いきなり飛び出てきて何だ、てめぇ」言葉の勢いが緩い。困惑している。
任アルル:「…………」不満顔が愉快そうな笑みに変わる。
キャロル・ホプキンス:「いきなりとか、関係ありますか!?」
キャロル・ホプキンス:「あなた、さっきルキアさんがそんなに帰りたがってるのかと聞きましたね!」
キャロル・ホプキンス:「それを私に聞いてる時点で、ルキアさんから聞いてないじゃないですか!」
キャロル・ホプキンス:「私は聞いてきたんです! いきなりだろうが、何だろうが私の話を聞きなさい!」
七十橋シスル:「あの至上王が。他人を傷つけることに? 倖せから逃げて? …………は?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:背後で、同じように唖然としています。
七十橋シスル:首根っこを掴まれながら猛烈な勢いを見せるキャロルに、その向こうに佇むアルルさんを見る。
任アルル:「キャロルは嘘を言っていませんよ」
任アルル:「あんなに可愛い子をずっと寂しがらせておいていたなんて、わるぅい人がいたものですよねえ」
ウルスラ・ミック・ベニ:思案気に様子を伺っている。以前受けたテストの答え合わせをするように。
七十橋シスル:「……………?」
七十橋シスル:背後を振り返る。倒れている竜王と、諸王連合。
七十橋シスル:その遙か向こうにいただろう、星徒の骸。絶え間ない災厄に燃え上がるキングダム。
七十橋シスル:「レン。お前中で何してきた」
任アルル:「ルキアと決闘して勝ってきました」
有崎五派:「は!?」
七十橋シスル:「あァ!?!」
七十橋シスル:思わず叫び返す。勢いでキャロルの首が更に締まる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ハァ!?)
ルナンシア・ラダ・ランパート:自分も驚愕しながら、反射的に口を塞ぐ。
キャロル・ホプキンス:「ぐぇ……アルルさんの蛮行に驚くのは無理もありません……私も驚きました……」
キャロル・ホプキンス:「でも……ルキアさんは、楽しそうでしたよ……」
天沼チギリ:(至上王を…そんなにあっさりと…?)あっけに取られている
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こいつら…何を言っているんだ…だからこんな連中を招き入れ…不夜王は何を考えていたんだ?)
ウルスラ・ミック・ベニ:(ボクの時はつまらなそうだったからな…役者が違うや)
七十橋シスル:「オイ。」口を押さえる。見開く。「待て。待て」ついでにキャロルを捻る。「待てよ」
キャロル・ホプキンス:「げぇぇ……この人……本当に医療部部長なんですか……?」
七十橋シスル:否定はしたい。だが、面識のあまりない免罪王はともかく
七十橋シスル:任アルルの艶々顔が、少なくとも当人達の認識には嘘がないことが分かってしまう。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(どういう事なんだ?どうするんだ拷問王!騎士王!)という視線
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……シスル、急ぎ答えろ。おまえが回答するべきだ」なんとか、それだけを絞り出す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:申し訳無さそうな目配せを返します。
七十橋シスル:「回答って……ン何だよ! 何で何を変えるって!?」 美食王と騎士王を睨み返す。
七十橋シスル:ついでに気に食わなかったので、指先から茨カッターが飛び出しアルルを襲う。
任アルル:漆黒の衣の一部が触腕じみて伸びて迎え撃ち逸らす。
キャロル・ホプキンス:「愛です……! 愛でルキアさんの心を変えられるのかと聞いているんです! 円卓の王は今してる会話の発端も忘れる頭でも務まるのですか!」
七十橋シスル:「うるっせえええええテメエは黙ってろ!!!」
キャロル・ホプキンス:「聞いてるのは私ですよ!? 黙ってほしかったら答えなさい!」
七十橋シスル:「なんなんだこいつ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「余計な話をするな! 愚か者ども!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:一喝!
有崎五派:「………………」神妙な顔で腕を組み、その様子を見守る。
七十橋シスル:「…………!」少しの逡巡の後、ぱっと手を離す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「…キャロルちゃんの語るルキア・ティベリア像はボクのと一致している」
ウルスラ・ミック・ベニ:「『私がどんな人かを教えてあげる』『誰かを傷つけて幸せになれるわけがないでしょう』」
ウルスラ・ミック・ベニ:「塔の記録を見て、彼女は真摯に話してくれたのだと理解できた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「傷つけた誰かは、彼女が愛した人。ロードマスター」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それから…シスルちゃんのことだったのだろうね」だから彼女は、自分を許さない。
七十橋シスル:「……………、…………!」
七十橋シスル:ちゃん付けしてんじゃねえと言いかけたが騎士王にまた止められそうなのでやめた。
七十橋シスル:床に倒した免罪王を見下ろす。
キャロル・ホプキンス:転がったまま睨み返す。
七十橋シスル:「先行偵察、ご苦労だった」
七十橋シスル:軽く自分の頬を擦り、表情を整えたあと、忌々しげに見下ろす。
七十橋シスル:「だが、それならなおさら、俺が行くべきだ」
キャロル・ホプキンス:「……」
七十橋シスル:「どうしても帰りたい、元の場所に戻れなくても、生まれ故郷を一目みたいってんなら」
七十橋シスル:「付き合う気もあったけどな」
七十橋シスル:「ルキアの、救いだの、幸せだの、……愛だのは知らねえが」
七十橋シスル:「あいつの手を引けるのは」 何度斬り落とされようと 「このキングダムで、ノヴァリスで、」
七十橋シスル:「この世界で、俺だけだ」
キャロル・ホプキンス:「……まだ少し照れがあるのがちょっと心配ですが」
キャロル・ホプキンス:にっこりと笑う。
キャロル・ホプキンス:「安心しました! 彼女をこんなに愛している人がいるなら、きっと幸せになれる」
七十橋シスル:「テメェは何の王なんだよ…………」 げんなりしている。
七十橋シスル:「恋愛無罪だから免罪王なのか……………?」
キャロル・ホプキンス:「恋愛……?」愛=色恋という発想がなかった。
キャロル・ホプキンス:「え!? そういうことなのですか!?」
七十橋シスル:「黙ってろマジで」(変なやつだ。キングダムは広ェな)
七十橋シスル:後頭部を安全靴で踏んでいる。
キャロル・ホプキンス:「痛い! 痛いです! 何ですぐ暴力を振るうのですか!?」
任アルル:「よくないですよ」
有崎五派:「し、シスルちゃん……その辺で……ね……?」
有崎五派:安全靴を両手で包んでカバーする。
七十橋シスル:大人しく従う。「……戻れなくても構わねえ。俺は、この先に行く」
七十橋シスル:静かに門に踏み出す。「お前ら………」
七十橋シスル:「絶対ついてくんな」
有崎五派:「……」
有崎五派:「そうしてあげたいのは山々だけどね、シスルちゃん……」そっと肩に手を添える。
有崎五派:「ちょっと遅かったかな……もう、みんな覚悟決めちゃった後だし……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクは元々そういう話だと思ってたし、やることは変わらないかな」
天沼チギリ:「もしもの時のバックアップも必要でしょうし…………」
天沼チギリ:流石に気まずそうに
七十橋シスル:「俺の目を見て話せよ あ?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「シスル」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「無責任な楽観を語る気はないがな」
七十橋シスル:「ンだよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「これまでの話を思い出せ。もしもの際、帰還できなくなるという前提なら、君を送り出すわけには行かない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「すまないが……本当に、私は堅物で」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君のそういった……勢いに任せて送り出してしまうことが……私は……」
七十橋シスル:「…………」小さく息を吐く。「っとに、頼りになる委員長様だぜ」
七十橋シスル:「オリーヴ」
七十橋シスル:少し離れた位置にいる相手に声を掛ける。
七十橋シスル:「もし万が一だ。入っていった俺たちよりも先に、竜骸や、何とも知らねえ何かが出てきたら」
七十橋シスル:「門を閉じろ。できるな?」
オリーヴ・ウェールズ:「…………」
オリーヴ・ウェールズ:「この剣は門の鍵。貴女方が帰るまで、開き留めておく義務があります」
オリーヴ・ウェールズ:その四肢は既に炎に包まれ、白く罅割れ始めている。
オリーヴ・ウェールズ:「満身創痍とはいえ、五星君に免罪王、美食王まで此方には居る。持たせますよ、何としてでも」
任アルル:ひらひらと手を振る。
オリーヴ・ウェールズ:能力の使用をそのままに、小さく距離を詰める。
七十橋シスル:「すっかり覚悟キマりやがって……」
オリーヴ・ウェールズ:「そんなもの、最初からです。共に向かえない分の役目は果たさねば」
オリーヴ・ウェールズ:「そしてやはり……彼女は、一人でいることを選んでいたのですね」
キャロル・ホプキンス:「……オリーヴさん。ノヴァリスに来てからはあまり会うこともありませんでしたが」
キャロル・ホプキンス:「変わりませんね。鉄騎王などになって変わってしまったと思いましたが、人の痛みを感じすぎる、優しいオリーヴさんのままです」
オリーヴ・ウェールズ:「……優しいまま、か。そう言ってもらえると……少し、嬉しいです」何処か遠くを見るような瞳で、返す。
オリーヴ・ウェールズ:「今は、自分を少しだけ赦して、そのままでいいのだと思えるようになりました。私は……きっと、その心こそが必要だった。それが、私にとっての正義だから」
オリーヴ・ウェールズ:再び、進む皆へと向き直る。
オリーヴ・ウェールズ:「ウルスラ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「なんだい」首を傾げ、目を細める。
オリーヴ・ウェールズ:「やはりこの場では、貴女に告げるのが相応しい」
オリーヴ・ウェールズ:「勇者一行に探求を言い渡すのは、王の役目!」胸を張り、出来る限りの大きな声で叫ぶ。
オリーヴ・ウェールズ:「異界の国を踏破し……必ず帰りなさい。全員で」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……承りました」胸に手を当て、跪き。
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女がそうしたように、奇跡をご覧に入れましょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから終わった後のことでも考えて待ってて。お茶とかお買い物とか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクたちが戦うのは、そういう幸せを求めてであるべきなのです」
キャロル・ホプキンス:「では……もっと帰ってきたくなるものをお渡ししましょう」
キャロル・ホプキンス:ごそごそと拘束された手で苦戦しながら取り出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「え、ボク宛て?」
キャロル・ホプキンス:『キングダム市街総括図』を初めとした、嘴子原シェイルから預けられた餞の品。
キャロル・ホプキンス:「あなたの仲間からです」
キャロル・ホプキンス:「一度目は逃げるのに必死で何も持たせてやれなかったから、その代わりだそうです」
任アルル:苦戦するのを眺めているが特にこれ以上緩めたりはしない。外した瞬間暴走するのではないかと少し思っているので。
ウルスラ・ミック・ベニ:「わわっ、え~っこんなだいじなものを!」
ウルスラ・ミック・ベニ:かつて友が全てを捧げて編み出し、全てを懸けて取り戻そうとしたものを渡される。
ウルスラ・ミック・ベニ:胸が熱くなって(いよいよこれからだというのに!)涙ぐむのをどうにか堪えて。
オリーヴ・ウェールズ:「……私からも、ひとつ」
オリーヴ・ウェールズ:胸に下げた小さな十字架。それを手に取り、渡す。
オリーヴ・ウェールズ:「これは何か力が在る訳でもない。ただの御守。けれど───」
オリーヴ・ウェールズ:「……道の名残は残らずとも、想いこそが帰り道を示しましょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:かつてキングダムを去った時は、死体から王鍵を奪い去って身一つだったというのに。
ウルスラ・ミック・ベニ:今日はこんなにも贈り物を受け取って、見送られるのだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ありがとう。シェイルにも、自分で言う」
ウルスラ・ミック・ベニ:「おとぎの国からは、幸福な結末を持ち帰ると約束するね!」
ウルスラ・ミック・ベニ:元気一杯に腕を振りながら、門へと駆け出す。
キャロル・ホプキンス:にっ、と歯を見せて笑う。
オリーヴ・ウェールズ:こくり頷き、柔らかな表情で返して。
オリーヴ・ウェールズ:「騎士王、先生方を頼みます!」
オリーヴ・ウェールズ:「拷問王、必ず……彼女に。ルキア・ティベリアに、その手と愛を!」
オリーヴ・ウェールズ:「元老、その為に、貴女の手で道を切り開かん事を!」
オリーヴ・ウェールズ:「……先生!」
オリーヴ・ウェールズ:既に絶え絶えの声で、一つずつ言葉を投げかけていく。
オリーヴ・ウェールズ:「……貴女の事を信じています。私を、私達を信じてくれたように」
オリーヴ・ウェールズ:「だから───きっと、何処までも、誰にだって届く」
有崎五派:「──うん!みんなで、伸ばした手だもの!」
有崎五派:「足りない分は……私が肩車でもなんでもしてあげるから」
有崎五派:「掴もうね、みんなで!」
オリーヴ・ウェールズ:「皆」
オリーヴ・ウェールズ:「───いってらっしゃい!」
オリーヴ・ウェールズ:戻ることを、届くことを信じた、心からの笑顔で。王は探求へ進む勇者たちへと手を振った。
GM:多くの生徒達が、明るく希望に満ちた言葉を交わして、送り出し、送り出された。
GM:だがその誰もが、理解していないわけではなかっただろう。
GM:帰還の保証のない旅路だった。
GM:元の世界へと至る手立てが見つかるかどうか。
GM:『おとぎの国』の法則が、人間の生存を許すものであるかどうか。
GM:5人がキングダムから旅立った先は、上下左右の感覚も、時間の感覚もなくなるような、白く重い微睡みであり――
-:「だったら。お前、一体、何のために君臨したんだ」
-:やってみたいことがある。知らなかったことがある。経験したかったことがある。
-:――キングダムで最も自由なはずの”暴君”が、自らの望みを縛っているなど。不可解だ。
-:「やりたいことが……変えたいものがあるからだろ」 少なくとも自分はそうだ。
-:「王国が、そこにあって」
-:「王様として生まれたからよ」
-:「冗談みてーに似合ってるよ。なんて、言われ慣れてるか?」
-:「そうかも」
-:「でも、シスルに言われるのが一番嬉しいな」
-:「お前を傷つけられるものなんて、この世にはいねえ。無意味なことに、礼なんて言うな」
-:「でも、嬉しいの」
-:「私を守ってくれる人なんて、シスルくらいしかいないもの」
-:「やりたいことをしても許してくれる?」
-:「――私の全部を許す世界なんて」
-:「思うように振る舞っていい人間なんて」
-:「ない」
-:義務。法。摂理。"ねばならぬ"。"でしかない"。"しか許されぬ"。"それしかないから"。"当然に"。
-:それが、およそシスルの嫌いな物事のすべてだ。
-:「やりたいことがあれば、いくらでも言えよ」
-:「私は、シスルのことが、きらい」
-:「皆は、私のことが、きらい」
-:一語一語、自分に言い聞かせるように呟いている。
-:「シスル。ねえ……私、帰るわ……」
-:「キングダムのことが、きらい」
-:シスルに伸ばそうとした手を、自分で止めたようだった。
-:「……じゃあね」
-:舞台の光に背を向けるようにして、一人、群衆から離れていく。
2年前 キングダム連合学院 市街

GM:理事会を滅ぼした至上王は、円卓に君臨した。新たな体制が始まって間もない頃である。
GM:ヒナテア・オルブライトを筆頭に、発足した新体制に刃を向け誅伐された者は、この時期に特に多い。
GM:だが、八月革命で深く傷ついた一般生徒の多くは、そうした政情を気に掛ける余裕もなかっただろう。
GM:七十橋シスルは、新たな円卓議会へと取り立てられながら、拠点を持っていなかった。放浪し、傷病者を癒やすことに尽力した。
GM:王としての名もない――シャムロック辺境伯として、残虐な"拷問王"の名が恐れられるようになるのは、しばらく後である。
キングダム一般生徒:「ぐすっ、ぐすっ」
キングダム一般生徒:「ぐすっ、ごめんなさい……ごめんなさい……」
キングダム一般生徒:「……涙が止まらないんです」別の生徒が付き添っている。
キングダム一般生徒:「体には何も異常がないって、診断されていますけれど」
キングダム一般生徒:「八月革命で受けた理事会の呪詛が、ずっと残っているんじゃないかって苦しんでいて……」
七十橋シスル:「そうか」 薄汚れた白衣を着て、空き家を利用した診療室の椅子に座っている。
七十橋シスル:かつてのキングダムにおいて、失笑ものに近い"医療部"の肩書きは。
七十橋シスル:皮肉にも今、こういった生徒達の藁にも縋る思いの受けどころとして機能した。
七十橋シスル:「"八月革命"は成った。ノヴァリスは、俺たちの手に戻った」
キングダム一般生徒:「ぐすっ、ぐすっ」
七十橋シスル:「何が怖い。何を夢に見る?」
キングダム一般生徒:「私、私が……」俯き、ベッドのシーツを掴む。
キングダム一般生徒:「私がっ」
キングダム一般生徒:「殺した人の顔」
七十橋シスル:「……そうか」
七十橋シスル:「そんなこと、したくはなかっただろうな」
七十橋シスル:「理事会は俺たちを抑え付け、支配しようとしていた」
七十橋シスル:「それでも、殺したくはなかった……」
キングダム一般生徒:「王……シスル、様」呼び名に迷いながら問う。
キングダム一般生徒:「やっぱりこれは、呪詛なのでしょうか」
七十橋シスル:「呪詛――ああ、呪詛だよ」
七十橋シスル:「ただ、明確な害意によるものじゃない。偶然そうなっちまったんだろう……」
七十橋シスル:七十橋シスルは、スコットランドの古い呪術医の末裔である。その技術は、神秘よりも、心理療法に近い。
七十橋シスル:「食事は? とれてるか?」
キングダム一般生徒:「少しずつは食べさせるように気をつけていますが」嗚咽する患者生徒の背中を撫でる。
キングダム一般生徒:「ずっと少ないです。一日に一食と少しくらいしか……」
七十橋シスル:「水はしっかり飲め。奥に病室がある」
七十橋シスル:「陣を敷いてある。夢を見ずに寝られる。……付き添いのお前も」
七十橋シスル:「休んでいけ。顔色が悪い。化粧で隠しても分かる」
キングダム一般生徒:「……。ありがとうございます」
キングダム一般生徒:「ぐすっ、ぐすっ……」
七十橋シスル:「さっきも言ったとおり、お前の呪詛は偶然そうなっちまっただけだ」
七十橋シスル:「食べれるもの食べて、ゆっくり眠れ。その間に、自然と消える」
GM:――精神の傷は、一朝一夕で治療できるようなものではなかった。
GM:原因へと真摯に向き合い、治療への道筋を理解しても、最後には『時間』が必要になる。
GM:今の生徒すら、幸運な例だ。精神の傷に寄り添い、こうしてシスルの元に連れてこれるような友がいたのだから。
GM:癒えない傷を抱えたまま、生活すらままならない生徒を、七十橋シスルは数多く見てきた。
GM:彼女達の心が平穏を取り戻すまで、生活の面倒を診ることには酷く費用がかかり、誰もやりたがらない事だったが
GM:七十橋シスルにはできた。彼女はもはや、かつてのような立場ではない。円卓議会の王となったのだから。
七十橋シスル:(俺は王にはなるつもりはない)
七十橋シスル:(桟には、そう言ったんだがな……)
七十橋シスル:八月革命は成った。他学区との親交も、開かれるのかもしれない。
七十橋シスル:だが、医療部の創設者である少女の行方は、既に杳と知れず。
七十橋シスル:こうして、意味があるかも分からないまま、できることをしている。
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:夜。建物の外に出る。
七十橋シスル:呪術医のとる心的外傷への治療法は、悪く言えばペテンとハッタリである。
七十橋シスル:呪詛に対抗するため、といえば、原因不明だが頑張れ、というより治療に向かいやすい。
七十橋シスル:だが、嘘をついていないこともある。この建物の中において、"睡眠"は極めて深い。
七十橋シスル:「"茨広げしターリア"。王鍵、順転」 掌サイズの、小さな糸車から、細く柔らかな茨が、建物全体へと伸びる。
七十橋シスル:遺産の持つ伝承の睡眠作用が、病室で眠れぬ夜を過ごす少女達に、強制的な安眠を与える。
七十橋シスル:後に覇鍵施錠と名付けられる技。現時点では円卓の後押しも薄く、シスル自身の技術による上乗せが必要だった。
七十橋シスル:「――Should auld acquaintance be forgot An never brought tae mind」
七十橋シスル:「Should auld acquaintance be forgot An days o auld lang syne ――」
GM:夜の風が吹く。星空が高く見えた。
GM:そんな、静まり返った深夜の町並みに

"至上王"ルキア・ティベリア:「――」ルキア・ティベリアがいた。
"至上王"ルキア・ティベリア:シスルの顔を見て、どこか驚いたような表情を浮かべた。
七十橋シスル:「For auld lang syne, my dear, for auld lang syne,」「we'll tak ―― …………!?」
七十橋シスル:バチリと、歌が途切れる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」「シスルが」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……歌っていたんだね」
七十橋シスル:「…………な、…………」
七十橋シスル:三日月が、うっかり空と地面を間違えたかのような。純白のシルエット。
七十橋シスル:全身が危機感を叫ぶ。あの治世狂いの不夜王が、迷うことなく直属となり、今やキングダムの頂点に立った少女。
七十橋シスル:独裁体制に抵抗したヒナテア・オルブライトを、まるで悪夢のように蹂躙する姿は、それこそ夜も眠れなくなる。
七十橋シスル:由来不明。目的不明。実力不明、ただそこにいるだけの最強。
七十橋シスル:「"至上王"……何で、ここに」
GM:ルキア・ティベリアが本校舎から出て、こうした市街に出てくるなど、そもそも誰一人思いも寄らないことだったはずだ。
GM:ただの住宅街だ。学区の運営に重要な施設があるわけでもない。ただ生徒が生活しているだけの区画。
GM:天に座す、意図も推し量れぬような超越者が、訪れるような場所ではない。
"至上王"ルキア・ティベリア:「街を……」小さく呟く。
"至上王"ルキア・ティベリア:「街を、見てみたくて」
七十橋シスル:「…………、?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ねえ、シスル。今の歌は……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」
七十橋シスル:名前を知られている。円卓の叙勲のときに、何もかもを見下すような顔で、立ってはいた。
七十橋シスル:「…………歌は歌だ」
七十橋シスル:「同じ出身なら誰でも知ってる、オールド・ラング・ザイン」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私」
"至上王"ルキア・ティベリア:「初めて聞いたわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「シスルが……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……歌を歌うなんてことも、知らなかった」
七十橋シスル:「…………そりゃ、普段使うやつじゃない、からな」 呪歌は、効果の激しい……戦闘用のエフェクトには合わせがたい。
七十橋シスル:数多の激戦の果てに、他の術式媒介を全て使い切った状態でなら使用の可能性もあるが。
七十橋シスル:「……歌が好きなのか?」
七十橋シスル:何を聞いているんだと思いながら、話を合わせる。
"至上王"ルキア・ティベリア:「そう……なのかな……」
"至上王"ルキア・ティベリア:遠い街の光を見ながら言う。
"至上王"ルキア・ティベリア:夜でもなお真昼のごとく照らされた"全日制"がキングダムに戻ってくるのは、まだ後の話だ。
"至上王"ルキア・ティベリア:この時期――戦火の傷深いキングダムで強く輝き続ける施設は、行政部しかなかった。
七十橋シスル:「偉大なる至上王陛下……街を見るなら、昼間の方が良いんじゃあ、ねえのか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「…………どうして?」
"至上王"ルキア・ティベリア:ドレスの胸元に手を当てる。「皆が暮らしているところに降りてはいけないでしょう?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、王様だから」
七十橋シスル:「確かに、騒ぎには……なるだろうな」
七十橋シスル:日中の、烈火のごとき印象が、なりを潜めている。
七十橋シスル:「だが、王様なら……行きたいと言えば叶えてくれるだろ」
七十橋シスル:少なくとも不夜王や、早々と彼女への恭順を決めた王は多い。
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「歌だって、歌手を呼んだっていいかもしれないわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そんなこと、想像したことなかったけれど……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「好きになれるのかも」
七十橋シスル:(初等部みたいなことを言う)
七十橋シスル:「……偉大なる至上王、ルキア・ティベリア陛下……サマ」
七十橋シスル:「ここに、見て面白いものはない……」
七十橋シスル:「戦火に傷つきトラウマを抱えた、弱い生徒だけだ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうね。全然……」静まり返った町並みを振り返る。
"至上王"ルキア・ティベリア:「――全然、面白くなかったわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ねえ」
"至上王"ルキア・ティベリア:そもそも、遭遇は偶然だった。
"至上王"ルキア・ティベリア:そのまま立ち去ろうと、ルキアも考えたのだろう。
七十橋シスル:「何でしょう……か」
"至上王"ルキア・ティベリア:「――心が怪我をするって」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どういうことなのかしら?」
七十橋シスル:病院について話したのは、ある種の確認であり、賭けでもあった。
七十橋シスル:抵抗する相手を許さない。意見するものを許さない。許さないと決めたものに、容赦しない。
七十橋シスル:シスル自身、決めかねていた。もしここで至上王が、弱い生徒達を面白半分に薙ぐようなことがあれば、シスルの立場は決まるところだった。
七十橋シスル:「…………それは」
七十橋シスル:だが、帰ってきたのは問いだった。思ったよりもずっと、無邪気で、難解な。
七十橋シスル:「足を怪我すると、足が動かせなくなる」
七十橋シスル:「喉の風邪をすれば、喋りづらくなる」
七十橋シスル:「心に怪我を負った人間は……心が自由にならなくなる」
七十橋シスル:「考える。思い出す。選ぶ。楽しむ。望む。……そういうことが、うまくできなくなります」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それは、王様でも?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「『王たる魂は滅びず、侵されない』」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は、知っているわ。それが摂理なのだと」
七十橋シスル:聞き慣れない文言。ノヴァリスの古い言葉……だったか?
七十橋シスル:「俺はそれは知らない。……本当に、決して滅びず、侵されない魂があるとして」
七十橋シスル:腕を組んで考え込む。
七十橋シスル:「そいつは……滅びないから、変化することもない。侵されないってことは、誰の影響も受けられない」
七十橋シスル:「完全である。その時点で、自由じゃあないんじゃないか……?」
"至上王"ルキア・ティベリア:「シスルは、そう思うのね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は……私は、違うと思う」
"至上王"ルキア・ティベリア:「完全でない魂は、完全でないからこそ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どうしても、欠落を埋めたがってしまうと思うわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「不完全な者は、欠けてしまった方向のことしか望めない……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「それは、本当に自由なのかしら?」
七十橋シスル:「傷つかない、その心配がない存在こそ、自由に何でも選択できる?」
七十橋シスル:「なるほどな……そういう考え方もあるか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「みんなが完全であろうと目指すのは、本当の自由になりたいから……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……でも。怪我をしてしまった王様は」
"至上王"ルキア・ティベリア:「自由なのかしら?」
七十橋シスル:「言葉遊びの域を越えないが」
七十橋シスル:「もしそれが、完全な王が、"怪我をするという自由"を選んだ結果なら」
七十橋シスル:「そいつは怪我をしても、欠落があっても、完全な王のままかもしれない」
七十橋シスル:「お前は」
七十橋シスル:「完璧な王なのか? 至上王陛下」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……………」
"至上王"ルキア・ティベリア:そのような問いをかけた者は多くいて
"至上王"ルキア・ティベリア:その全てが粛清されていた。
"至上王"ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアは、そうした問いの全てに
"至上王"ルキア・ティベリア:自分こそが『そう』だと、答え続けてきた。
"至上王"ルキア・ティベリア:「…………………そうよ」
"至上王"ルキア・ティベリア:町並みを見つめたまま言う。彼女の王国を。
"至上王"ルキア・ティベリア:「私だけが、完璧な王」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ただ一人の、望まれた……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「…………何もかもを救うための、王様」
七十橋シスル:「じゃあ」七十橋シスルは、その迂闊さに気付いてない。
七十橋シスル:申し訳程度の敬語がとうに消えていた。これを、王との問答ではなく、他愛のない問答として捉えていた。
七十橋シスル:「何だってできる。何だって選べる、完全なる王には」
七十橋シスル:「怪我をする自由はあるのか」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……」
"至上王"ルキア・ティベリア:「どうかしらね」腰に下げている白い剣を、握りしめたようだった。
"至上王"ルキア・ティベリア:けれどそれは、誰かを切り捨てるための動きではなく――
"至上王"ルキア・ティベリア:「私は……怪我なんて、したくもないし」
"至上王"ルキア・ティベリア:「…………したこともない」
七十橋シスル:「そうか」
七十橋シスル:「……あ、いえ、そう……で、ありましょうな」
"至上王"ルキア・ティベリア:「ありがとう、シスル」
"至上王"ルキア・ティベリア:「少しの間だけれど、暇つぶしになったわ」
"至上王"ルキア・ティベリア:「……やっぱり」
"至上王"ルキア・ティベリア:「夜に散歩するなんて、やめたほうがいいわね」
七十橋シスル:「ああ。誰かが見たら驚く、でしょう」
七十橋シスル:「王の暇つぶしになったんなら、光栄の至り」
"至上王"ルキア・ティベリア:目を閉じて、頷く。
七十橋シスル:「次に出歩くときは、円卓の誰かでも供につけて頂きたい」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうね」
"至上王"ルキア・ティベリア:「そうね……誰がいいかしら……」
"至上王"ルキア・ティベリア:呟きながら歩いていく。
"至上王"ルキア・ティベリア:「シスル。――みんなのことを」
"至上王"ルキア・ティベリア:「労ってあげなさいね」
七十橋シスル:「ええ。俺は医療部ですから」
七十橋シスル:「少なくとも、怪我人を救うための王です」
七十橋シスル:(…………ああ)
七十橋シスル:白い少女を、黙って見送る。今更ながらに心中で安堵の息をつきながら。
七十橋シスル:一つだけ思い出す。自分の、すっかり忘れていた、あまりにも小さい、最初の願い。
七十橋シスル:(『何もかもを救うため』か)
七十橋シスル:(俺は)
七十橋シスル:(――――――――を、救いたくて)
七十橋シスル:(こんなところまで、来ちまったんだったな)
GM:シーンを終了します。
◆Climax05◆この地球のどこかで
"ロードマスター":〈この世界とは異なる歴史。異なる分岐〉
"ロードマスター":〈そうした異世界の一端が、時にこの世界へと零れ落ちてくる〉
"ロードマスター":〈それらは別の可能性世界の存在を証明する、文字通りの遺産だった〉
"ロードマスター":〈遺産の記憶を読める私だけが、そのような世界が実在することを確信できた〉
"ロードマスター":〈――そして、検証せざるを得なかった〉
"ロードマスター":〈人の不幸と堕落は、心という機構に組み込まれた宿命なのか〉
"ロードマスター":〈私達が、私達であろうとする限り〉
"ロードマスター":〈幸福で温かな王国の日は、永遠に到達できない結末なのか?〉
"ロードマスター":〈全ての民の自由意思を管理し、社会を永久に運営し続けた世界があった〉
"ロードマスター":〈あらゆる知性体の精神を統合し、喜びも悲しみも消去した世界があった〉
"ロードマスター":〈現実と争うことを放棄し、夢の中で幸福だけを与え続けた世界があった〉
"ロードマスター":〈違う。どれも違う〉
"ロードマスター":〈私は、どの結末も目指したいとは思わない〉
"ロードマスター":〈そのような世界が、全ての者にとっての幸いであるはずがない〉
"ロードマスター":〈陳腐で安易な、妥協の産物に過ぎない。理想から最も遠い、醜悪な失敗例だ〉
"ロードマスター":〈だが、同時に――〉
"ロードマスター":〈そのような失敗例を理由に、この世界を肯定するべきでは、ないのだ〉
"ロードマスター":〈紛争と飢餓は絶えることがなく〉
"ロードマスター":〈老いと別れが克服されることもない〉
"ロードマスター":〈おぞましい不幸に苦しみ続けている……この地球の、何億もの人々の現実を差し置いて〉
"ロードマスター":〈日々の衣食を得て、生きることを許されてきた、私達のような幸運な者が〉
"ロードマスター":〈『ありのままの世界こそが素晴らしい』などという、厚かましい妥協を――〉
"ロードマスター":〈断じて、口にするべきではない〉
"ロードマスター":〈私達の目指すべき世界が……本当の結末が〉
"ロードマスター":〈無限の可能性分岐のどこかに実在するはずなのだ〉
"ロードマスター":〈私はそう信じた〉
"ロードマスター":〈――そして、数限りない探求と否定の果て〉
"ロードマスター":〈私は、ついに辿り着いた〉
"ロードマスター":〈人類とは異なる知性体が作り出した、遠い可能性分岐〉
"ロードマスター":〈個が個として絆を繋ぎ、自由と望みを満たし〉
"ロードマスター":〈永遠に存続する〉
"ロードマスター":〈王が築き上げた、幸福な世界――〉
"ロードマスター":〈『おとぎの国』〉
-:おきてください。
-:有崎五派。
GM:微睡みのように不明瞭な知覚だったが、その声はよく聞こえた。
GM:傍らに佇み、優しく呼びかけるような声だった。
GM:人の声ではなく、物理的な音として聞こえるものでもなかったが、どこか女性じみた声色でもある。
有崎五派:全身を絡めとるような虚脱感に身じろぎする。
有崎五派:「ん…………」
有崎五派:優しい声は眠気を誘い、瞼は鉛のように重く。それでも、ぼんやりと視界を取り戻す。
有崎五派:「あれ……みんな……」
-:急ぐ必要はありませんよ。
-:時間が必要なら、ここでは必要なだけ配られます。
-:みんなというのは、七十橋シスルと、天沼チギリと、ウルスラ・ミック・ベニと、ルナンシア・ラダ・ランパートですね?
有崎五派:「……んぅ、そう……」
-:まだ眠っていたいのなら、もう少し後にお話をしましょう。
有崎五派:「じゃあ…………あと5分────じゃない!!!」
-:わ。
有崎五派:「あれ!?みんな、そう!シスルちゃん、チギリちゃん、ウルスラちゃん、ルナンシアちゃん!どこ!?」
有崎五派:「あっごめんなさい、大きい声出して!」
-:いいえ。あなたを責めたわけではないのです。
-:ただ、私も、いくらかの驚きは良いことだと思っていますから。
有崎五派:「そ、そうかしら?まあ、良い意味での驚きってのもあるものね……」
有崎五派:穏やかな声につられるようにして落ち着きを少しずつ取り戻していく。
有崎五派:「そういえば、貴方は……というか、ここは……」
-:あなた達が知っている名前で伝えます。
-:『おとぎの国』と呼ばれている世界です。
-:私は――
-:名前は、持っていません。それはあまり、必要ではなくなってしまいましたから。
-:けれど、あなた達の世界の人が呼んでいた名前はあります。
有崎五派:「知りたい!せっかくなら貴方、とかじゃなくて名前で呼びたいもの」
GM:黒一色の暗闇の世界で、知覚できる映像がある。遥か遠く――あるいは、有崎五派の傍らかもしれない。
GM:ただ、声と視線の主がそれだということは確信できた。
GM:輝く、計り知れない、白い竜。

-:"最初の竜化者"。
-:好きなように呼んでも、気にしません。
有崎五派:「…………………わお」
有崎五派:美しい竜のビジョンを呆けた顔で見上げ、首を振る。
有崎五派:「えっと……じゃあ、リュウちゃんにしましょうか。最初の、ってのが恰好良いけど……上手く思いつかないわ」
-:ぜひ、そう呼んでください。
有崎五派:「ふふ。じゃあ、リュウちゃん……えっと、ここが"おとぎの国"なのよね?」
有崎五派:「想像と違うというか……結構……その……ええと……黒い、のね」
有崎五派:出来るだけ相手の居る世界を侮辱しないよう言葉を選んだせいで妙な感想を口にしてしまう。
-:それは、あなたにはまだ見えないようにしているからです。
-:私の姿が見えたのなら
-:見たいと望めば、見えるようになります。
有崎五派:「望むことが、大事なの?」
有崎五派:「理想の国……は、そういうものを受け入れるかどうかも選ばせてくれるのかしら」
-:はい。この『おとぎの国』は……
-:望みに応じて多くの物事が叶います。
-:けれど、それは欲ばりが全てを手に入れられるように、そんな仕組みになっているのではありません。
-:望まないことが叶ってしまわないように、そのようになっています。
有崎五派:「ふぅん……」
有崎五派:相手の言葉を咀嚼するように静かに頷く。
-:もう少し、詳しいことを話したほうがいいでしょうか?
-:外から来たばかりなのですから、何も分かりませんよね。
有崎五派:「……普段なら、"まあそういうもんか"ってとこだけど」
有崎五派:「少なくとも私は……ただあの子を連れ戻しに来たわけじゃないもの」
有崎五派:「知りたい。ここがどんな場所なのか」
-:わかりました。
-:ここが『おとぎの国』です。
『おとぎの国』

-:私達は、あなた達のような形をしていませんけれど――
-:同じように社会と文明を築き、王国を作り、宇宙の果てまでを分かることができました。
-:この世界の力と情報は、失われることなく循環するようになっています。
-:宇宙全部の資源を使って……ずっと存続することが確定した世界ということになるのでしょうか?
-:わかりにくかったのなら、もっとやさしい言い方で説明したいです。
有崎五派:「………………待ってね。もうちょっと、もうちょっと頑張るから」
有崎五派:掌を竜のビジョンに向けながら、眉間を抑える。
有崎五派:「ええと、つまり……この世界からは物が無くならないから、この世界自体が無くなる事も無くて」
有崎五派:「それは貴方達が頑張ってこの世界の全部を……ええと……見つけたから出来る事……って……こと?」
-:はい。
-:私が、その大仕事をしたんです。
-:すごいでしょう。
有崎五派:「リュウちゃんが!?凄いじゃない!!」
有崎五派:「なんだか昔話か、神話とか……そういうスケールで捉えてたわ……」
有崎五派:「ん……?」
有崎五派:「ねえ、リュウちゃん」
有崎五派:感動で口元を手で覆っていた有崎がふと、思いついたように声を上げる。
-:?
有崎五派:「リュウちゃん達の世界って、全部をリュウちゃんが見つけたからきちんと巡っているのよね?だったら……」
有崎五派:「わ、私たち……邪魔になっちゃうんじゃない?」
-:はい。
-:あ、ごめんなさい。邪魔だと言いたかったわけではなくて。
-:これは世界の仕組みとして、仕方のないことなんですけれど……説明しますね。
有崎五派:「あっ、それは全然良いのよ。聞かせて」
-:あなた達の世界ではまだ見つかっていないことも多いのかもしれませんけれど――
-:世界は、本当は一つ一つがはっきり閉じられたものでもありません。
-:どこかにほころびや穴のようなものがあって、そこを情報や力が行き来してしまいます。……見たことはあるのではないでしょうか?
-:そして私達の『おとぎの国』は、一つの宇宙のぶんの力と情報で、世界を循環させています。
-:それ以上の力と情報が必要であるとすれば、無限に他の世界から奪い続けなければならなくなりますし
-:余分な力があるとすれば、その力が必ずいつか、仕組みを破綻させてしまいます。
-:ですから、これは、あなた達の世界にも関係のある話なんです。
-:私達は、別の世界から流れ込んできた力や情報があれば
-:それと同じだけを、元の世界や――または、必要としている別の世界へと送り出してきました。
有崎五派:「同じだけの………何を?」
-:力や情報。本当は、どちらも同じことなんですけどね。
-:たとえばあなた達の世界には、まだ川や風があるでしょう。
有崎五派:「そう……ね」
-:あなた達の世界から、力や情報が送られた時。あなた達の世界が必要とした時。
-:この世界は、同じだけの力をあなた達の世界へと送り返してきました。
-:繰り返しますけれど、これはそのような仕組みなので、誰かが意図してそうしたというわけではないのです。
-:そうして送り返された力が、風を動かしたり、川を暴れさせたりしたことだってあるかもしれません。
有崎五派:(……ただ、そこにあるだけ)
-:私達が直接行き来することがなくても、『力』は私達のような影を映し出します。私達の世界からのものですから。
-:そうしてもたらされた結果や、あるいは巨大な力そのものを――
-:あなた達は、竜と呼び伝えています。
-:そうした言い伝えから想像された竜も、きっとあなた達の世界に生きているのでしょうね。
-:現象と伝承のどちらが本物だと言いたいわけではないんですよ。私達の考えでは、どちらも等しい生命です。
有崎五派:「形は……私達が想像しただけのモノで……特別な意味はないのね」
有崎五派:「リュウちゃんのその姿も、とっても綺麗だけど……私が見たいように見ているだけなのかしら?」
-:そうなのかもしれません。綺麗だったら嬉しいです。
-:でも、きっと、こんな姿を見たいと願って見たのではないのでしたら
-:あなた達の知覚では、私達はこうした格好に見えるのでしょう。
-:宇宙の全てを見つけた生き物としては、すごく原始的な姿かもしれませんけど……
-:私達は、この姿や心を捨てないようにしたかったのです。
有崎五派:「それは、どうして?」
有崎五派:純粋な疑問が口から零れる。人間よりも遥かに物事の本質に寄り添った存在である彼、あるいは彼女が外見に執着する意味は?
-:どうしてでしょう?合理的なことではないですよね。
-:有崎五派。あなたならどう思いますか?
-:何もかもが満たされて、自分よりも大きな力を自由にできるようになった時――
-:心や体を、自分ではない何かの形に変えたいと思うでしょうか?
有崎五派:「何もかもが満たされて、か」
有崎五派:想像を、巡らせるしかない。暗闇の中で視線を泳がせてリュウの姿を見つめる。
有崎五派:「……満たされるって、どういう状態なんだろう。変わりたいって思うなら、欲しいものがあるように聞こえるけれど」
有崎五派:「んー」
-:難しいことですよね。
-:あなたが言うように、私達の間でも答えは一つだけではありませんでした。
-:変わり続けたいと望む者もいましたし、消えてなくなりたいと望んだ者も、います。
有崎五派:「……そっか」
-:だけど――私を含めた多くの者は、心や姿をなくしたくはなかったのです。
有崎五派:「心や、姿……リュウちゃん、さっき……"綺麗だったら嬉しい"って言ってたわよね」
-:はい。
有崎五派:「これは、私の考えなんだけど……心も、姿も、誰かに見せるものだと思うのよね」
有崎五派:「人でなくても、自分以外の何かに」
-:はい。
有崎五派:「だったら、リュウちゃん達も、私達も」
有崎五派:「自分一人じゃ満たされないって事を知っているから、その"何か"から見て綺麗な姿と、心が欲しかったのかな」
有崎五派:「満たされているために……んー……ちょっと、違うかな……結局は私の話だしな……」
-:いいえ。有崎五派。私も、きっとそうだと思っています。
有崎五派:「そう?だったら、嬉しいな」
-:あなたは、自分以外の誰かを美しく装うお仕事をしていますよね。
有崎五派:「あら、そういう事も分かるのね。そうよ」
-:それは、誰かと誰かを繋ぐ仕事だといえるのではないでしょうか?
-:勝手に分かってしまって、ごめんなさい。お話がしやすいと思ったんです。
有崎五派:「んーん。誰かに分かってもらうのって嬉しい事だもの」
有崎五派:「……繋ぐ仕事、か。そうね、まさにそうかも」
-:素敵なことだと思います。
-:あなたの世界とは多くの点で違う私達の世界ですら
-:必要なことなのですから。
有崎五派:「誰かに見て欲しい、って気持ちがあるなら」
有崎五派:「そうかも!なんかちょっと鼻が高いわ」
有崎五派:小さく笑みを零す。
-:私も、楽しいお話ができて嬉しいです。
-:だけど、ごめんなさい。
有崎五派:「うん?」
-:あなたにとって、あまり嬉しくないお話も伝える必要があると思います。
-:今説明したように――この世界は、入ってきた力と情報を仕組みの中に組み込んで、同じだけの力と情報を送り返すことで存続しています。
有崎五派:「そうね」
-:ですから、有崎五派。あなたをあなたという情報のままで送り返すことも、いずれできなくなります。
-:時間は必要なだけ配られますが――望みは有限です。
-:あなたは、七十橋シスルと、天沼チギリと、ウルスラ・ミック・ベニと、ルナンシア・ラダ・ランパートと会いたいと願っていますが
-:代わりに、元の世界に戻りたいと願うこともできます。
有崎五派:「…………」
有崎五派:「リュウちゃん」
-:はい。
有崎五派:「それは、嬉しい話よ!」
有崎五派:「それなら、みんなと会いたいって願う事は出来るってことでしょう?」
有崎五派:「もう会えません、って言われちゃったらどうしようかと思った!」
-:わ。
有崎五派:「あっ、ごめんなさい!また声、大きかった?」
-:いいえ。けれど驚いてしまいました。嬉しい話ができたとは、思っていなかったので。
有崎五派:「そりゃまあ、みんなと会えて……何事も無く帰れるってのが一番うれしいけど」
有崎五派:「みんなと会えるなら、まだ何とでもなる。あの子達と一緒なら!」
有崎五派:「少なくとも、"嬉しくない"って事はないわ」
-:とっても、信頼しているんですね。
有崎五派:「そりゃもう。あの子達が居なかったら……なんにもできないもの、私」
-:有崎五派。この世界は、知性体の望みに応えられるように仕組みが作られています。けれど……
-:叶えることが困難な物事ほど、強い願いが必要で、負荷が伴うことになります。
-:欲ばりのための世界ではないというのは、そういうことです。
有崎五派:「全部が、巡っているんだものね」うんうん、と頷く
-:この世界にいる友達に会いたいという願いが本心の願いであるなら
-:その分だけ、元の世界に戻りたいという願いは強くはない、ということになってしまいます。
-:あなた達の意には反することかもしれませんけれど、そういう法則なのです。
-:だけど、あなたが願うことなら、できる限り……あなたが散逸してしまうまでは
-:お手伝いしたいと思っています。
-:この世界には、多くの宇宙から、たくさんの知性体が迷い込んできてしまいますが
-:どんな心でも、消えてしまうのは悲しいことですから。
有崎五派:「リュウちゃんは……満たされている、っていう事にきちんと責任感があるのね」
有崎五派:優しい、と言い切ってしまうのも何だかおかしな気がして僅かに言葉に迷う。
有崎五派:「私、欲ばりって程じゃあないかもだけど」
有崎五派:「貰えるものは貰っちゃう主義だから、リュウちゃんの事……頼っちゃうわよ?」
-:たくさん頼ってください。
-:私は王様なのですから。
有崎五派:「おうさま……………そっか。ここは」
有崎五派:「おとぎの"国"だものね」
-:皆さんのところに連れていきます。
-:有崎五派。他に会いたい人はいますか?
有崎五派:「……いる」
有崎五派:「ルキア・ティベリア。ルキアちゃんに、会いたい」
有崎五派:「あの子も"みんな"の一人の筈だから」
GM:『おとぎの国』へと迷い込んだ5人は、時間軸と空間軸を越えて再び出会った。
GM:果てがないほど広い白い大地は、確かに踏みしめる感覚こそあれ、宇宙の只中に浮遊しているような感覚でもある。
GM:それでも、少なくとも人間の認知で理解できるような大地と、距離が与えられていた。そうした望みも反映されるのかもしれない。
-:あなた達は、この世界の外側の人達なので
-:私達のように、望むだけのことを叶えてあげることはできません。
-:今、この世界があなた達の願いを反映できているのは、あなた達のような外からの知性体が迷い込んでしまった時のための仕組みで――
-:元の世界に戻りたいと望むのならば、望むように戻してあげるためのはたらきですから。
-:だから、この世界の力と情報を使ってたくさんのことをしてあげることは、できません。
-:強い願いを叶えるごとに、あなた達自身の望みが――力と情報が使われてしまいます。
七十橋シスル:「…………」足下の大地……そう認知できる場所を、踵で叩く。
GM:音という形でエネルギーが拡散することはないが、確かな反作用があった。
GM:実体のない、概念のような世界ではないということは確信できるだろう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……まずは感謝しよう。我々を引き合わせてくれたこと。きわめて友好的なコンタクトを取ってくれたことに」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今回合流できたのは、我々皆がそう望んだから……という理解でいいんだな。その願いに応じたリソースが、既に失われていると」
-:はい。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞きたいことが一つできた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「2つの願いがコンフリクトを起こした時、どうなるのだろうか。他の知性が関わる願いを叶えようとした時当然に発生する状況に思う」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それともこのような疑問を覚えるのは、我々が野蛮で無分別な生命だからなのだろうか」
-:いいえ。私はそうは思いません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ふむ」
-:たとえば、一つの物質や空間を二つの者が同じようにほしがった時は
-:それは、争うことなく叶えられる願いでしょう。取り合いになっているものを、二つに増やしてしまえばいいのですから。
-:ですが
-:あなたが質問している争いとは、そういうことではありませんね?
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ルキア・ティベリアと会いたい。きっと、彼女はそうは思っていない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だからこれは、この理想の世界で、他者を傷つけることができるのかという問いでもある」
-:誰かが、他の誰かを、自分の望むようにしたいと願う時。
-:それだけは、連続性のある心とは両立のできない願いでした。
-:二つの願いがぶつかり合うことになるでしょう。どちらの願いが叶うべきという決まりはありません。
-:それがどのような形のぶつかり合いでも、最後には、相手の心がわかるようになるかもしれません。
-:そうならないこともあります。互いが互いのことを、いなくなってしまう方がいい、と願うようになる時――
-:そうなってしまった時は、互いに触れられないような遠くに離れて、二度と会うことはありません。
七十橋シスル:「…………永久のリソースがあるなら、それができる」
七十橋シスル:「矛盾がない万能性は存在しねえ。……いくらでも、矛盾を補填できる理想……」
七十橋シスル:「……………情報量の桁数が違ぇぞ。既に頭が痛ェ」
-:そうかもしれません。七十橋シスル。
-:願うことは、それだけ大変なことなんです。
-:あなた達の世界からの力や情報に対して、私達があなた達の世界へと返してきた力は、とても大きなもののように見えるかもしれません。
-:だけど全ての可能性を含めて見れば、本当は、それは等しい力なんです。
七十橋シスル:「疑問はいくらでも出てくるが、……目的とは、関係のない質問はするべきじゃねえな」
七十橋シスル:「お前に問いかけをして、その回答を貰うことも、俺たちのリソースを消費する」
-:そんなことを心配していたのですね? うまく説明できなくて、ごめんなさい。
-:意思疎通で失われていく力はほんの少しだけです。宇宙の成り行きに沿った、情報の広がりにすぎないのですから。
-:時間や機会が失われることを怖がる必要はないんですよ。
-:望みを決めることだけが、大切なことです。
七十橋シスル:「ああ、そう……」
七十橋シスル:やや気苦労をしている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ありがとう、優しい言葉を掛けてくれて。その心遣いがとても嬉しいです」
天沼チギリ:「………ご厚意に甘えて、質問を二点。」
天沼チギリ:「”至上王”…ルキア・ティベリアはどちらにいますか?今何をしていますか?」
-:ルキア・ティベリアがどこにいるかを知ることは、あなた達にとってはあまり大きな意味がないかもしれませんね。
-:会おうと思えば会うことができます。会おうと思わなければ会いにいくことはありません。
-:ルキア・ティベリアは、あなた達と同じように、外の世界からの知性体ですから――
-:いずれ仕組みの中に溶けて消えてしまう運命にあります。
-:ですがルキア・ティベリアは、この世界で生きることを望みました。
-:本当なら、とてもむずかしい願いだったかもしれません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」
七十橋シスル:がしがしと髪を掻いている。
-:ですがこの世界には、ルキア・ティベリアを受け入れられる小さなあまりがあります。幸運なことです。
-:同じように、あなた達の世界から預けられた
-:可能性の卵。イースターエッグと呼ばれているのですね。
-:それを返せば、ルキア・ティベリアに等しい力と情報を、あなた達の世界へと送り返すことができるでしょう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「目的を……」己に言い聞かせるように、口に出していた。掌にじっとりと汗が滲む。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「散逸させるなよ。退路のことも考えるべきではない。そうした意識の弱まりが、ルキアへの道を遠ざける」
七十橋シスル:「ロードマスターが、この世界に預けて……隠してたのか」
-:はい。
七十橋シスル:「……知性体じゃない。何かを望みはしない。だから、ただ在るだけで残っている」
七十橋シスル:「だが……返す? ルキアがここに残る代わりに、イースターエッグは俺たちの来た世界に戻ってくるって意味か?」
-:それがルキア・ティベリアの望みです。
-:あなた達は違うことを望むのですね?
ルナンシア・ラダ・ランパート:「先生!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:反射的に叫んだ。
有崎五派:「…………」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞きたい……聞くべきことがある!」
有崎五派:ここまでの間、何かを考えるように沈黙を保っていたが反射的に視線を向ける。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「何度か……試した。この世界に魔術はない。そして精神活動までが定量的で、整然性が喪失することもない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「望むことは叶い、それはもはや奇蹟ではない──全てが数値化される。解明されている」
GM:有崎五派以外は、既に全員が理解しているだろう。魔術、技能、奇跡――そういったものが働かない世界だ。
GM:正確に言えば、それを必要としない世界である。魔術も技能も奇跡も、願望を実現するための手段なのだから。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「竜化者は誠実だ。捕捉も交えて、可能な限り我々の思考を縛らないように、この世界の仕組みを教えている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:しばしの時を経て。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「…………そして」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それでも、できるか? 私達に」
ルナンシア・ラダ・ランパート:何を、とは続けない。決着をいま自分が定義することで、その過程までもが決してしまうことを恐れたのかもしれない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:固唾を飲んで見つめた。有崎五派と、そしてもうひとり。ウルスラ・ミック・ベニを。
有崎五派:その視線を受け止め、強く拳を握りしめる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私達に、可能性はあるか?」
有崎五派:「ある。絶対に」
有崎五派:「この世界は全ての願いを叶える場所で、ルキアちゃんの願いと貴方達の願いが相反するものだったなら」
有崎五派:その結末はきっと、"心の連続性"が左右する事になる筈だ。
有崎五派:「ルキアちゃんが本当に、心の底からこの世界に留まって帰らない事を望むなら……私はどうするべきなんだろうって思ってた」
有崎五派:扉の前で"免罪王"と名乗った彼女の言葉や、塔の記録。その全てを思い返す。
有崎五派:「でも。ルキアちゃんの本当の望みを妨げるものがあるなら、私達のやるべき事はもう決まってるし」
有崎五派:「難しい事じゃない」
有崎五派:この世界の仕組み、その理解は彼女達に比べてはるかに劣る。
有崎五派:「だから、私は」
有崎五派:「あの子がキングダムに、貴方達と一緒に居たいって願うって可能性を信じる事にした」
有崎五派:「だから、答えは……出来る!よ。絶対に!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ああ。それは──」そうだ。キャロル・ホプキンスの語っていた。極めて直感には反する、重要な手がかり。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「いいな」
天沼チギリ:「では質問をもう一つ。」
天沼チギリ:「望みが変わった場合、それも叶えられるのでしょうか?」
天沼チギリ:「たとえそれが、以前抱いていた望みと矛盾していた場合でも。」
-:もちろんです。
-:心は変化するものですから。新しい力や情報によって。
-:あるいは別の心によって。
七十橋シスル:「柔軟だな……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「最後には相手の心がわかるようになるかもしれません、ルナンシアが導いてくれた解だね」
七十橋シスル:(無限のリソースがあれば、個々が保たれる限り、必ず衝突するはずの数多の願いに対して、止揚する対応を、無限に返すことができる)
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクがかつて今日と同じように、ルキアちゃんの元へ無理矢理押し入ったのは」
ウルスラ・ミック・ベニ:「彼女がどうして王様をやっているのか、それは己の願いに依るものなのか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それを確かめたかったからだ。それを誰もやっていないんじゃないかと、思ってた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今となってはまあ、大概な勘違いだよね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「彼女は帰郷のためにその能力をまっすぐ行使していたし、大切なお父さんの望みも叶えてあげたかった」
ウルスラ・ミック・ベニ:「けど無駄じゃなかったよ。彼女について色々知るきっかけになったし」
ウルスラ・ミック・ベニ:「チギリちゃんやシスルちゃんと出会って、彼女がまだ一人ではないと分かった」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルナンシアも、ずっとあの子と対話したいと思い続けてきたんだろう?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……そうだな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それが真の想いであると、ボクには信じられる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキアちゃんにだって、まだ変わる余地は十分にある」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボク自身、たくさん横道に突っかかっては変化を得てきたから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「知らない事ばかりで、沢山の出会いが待っていて、予期せぬ変化を残していて」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だけど真っ直ぐ一つの想いを貫ける、完璧には程遠い矛盾だらけの子ども」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そんな生徒だよ。ボクもキミも、彼女も等しく」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうでもないさ。だが、ああ──あの日、至上王の庭へ押し入った君のような愚かしさこそ、今必要だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「理性や計算に優越する──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「行こう。彼女のもとへ。拒絶はされるだろうが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……なに。どうすべきかは明らかだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「逐い縋ればいい、だろ」
天沼チギリ:頷く。
七十橋シスル:「……………人の台詞をパクんじゃねえよ」肩を竦める。
七十橋シスル:「だが、結論は同じだ」
-:私は、この世界のほとんどを分かることができました。
-:ですが、この世界の……私以外の者達は、いつもすべてが分かるわけではありません。
-:それは、分からないことがある方が、ずっと素晴らしいと考える者が多かったからです。
-:事象世界の果てや、最小単位の揺らぎ。
-:自分がこれから成すことの結末。
-:他の誰かの心。
-:あなた達は、ルキア・ティベリアに会いたいと願いました。
-:どうか、分からないことを、確かめてください。
GM:5人は、他の全員と合流する時に、既に願っている。
GM:ルキア・ティベリアに会うということを。――それは既に叶っていた。
GM:一見して分からなかったのは、とても遠く、元の姿からはかけ離れていたからだ。

真竜ルキア:「……どうして来てしまったの?」
真竜ルキア:白い、宇宙のどこかに瞬く光のようだった。
真竜ルキア:「"最初の竜化者"から、全て聞いたでしょう」
真竜ルキア:「ノヴァリスに帰りなさい。……戻れなくなるわ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……驚いた」聞いてはいたが。「シスル、君を心配している……もしかしたら、我々のことも」
真竜ルキア:「そうね。この世界なら、私にもそんなことができる――」
真竜ルキア:「みんなが当たり前のようにできていたことを」
真竜ルキア:「ルナンシア。……手を」
ルナンシア・ラダ・ランパート:言われるままに手を差し出す。警戒すべきでないと思った。
GM:白い光を灯す、卵のような球体が降りた。ルナンシアの手の内に収まる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……これは。見つけていたのか」
真竜ルキア:「摂理のイースターエッグよ。あなたに託すわ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ああ。有難いと思うよ。そして悪いとも思う」
ルナンシア・ラダ・ランパート:床──と認識している平面にエッグを置き、ふたたび立ち上がると、一歩後退する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今はまだ受け取れない」
真竜ルキア:「……」
真竜ルキア:「私がいない間――」
真竜ルキア:「キングダムに何が起こっていたのかを見たわ」
真竜ルキア:「知りたいと願えば、知ることができるから」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「幾つもの勢力が入り乱れて、うんざりするほどの物事が起きた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「全貌を把握しているのはおまえと、ジェシカくらいのものだろうな」
真竜ルキア:「そうね。でも、あなたも分かっているでしょう?」
真竜ルキア:「私がいなくたって、キングダムは滅びの運命を破ることができた」
真竜ルキア:「私だけじゃない。私の手足の算砂がいなくたって」
真竜ルキア:「あなた達は大丈夫だった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「………………」
真竜ルキア:「最初からいなくてもよかったんだわ――王様なんて」
ルナンシア・ラダ・ランパート:沈黙。
ルナンシア・ラダ・ランパート:だが、正面からそれを見ていたとしたら、ルキアだけは。
ルナンシア・ラダ・ランパート:その口元が、キングダムの長い、長い日が始まってから──初めてはっきりと緩んだ事に気がつくだろう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「この五人の中で」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私は──最もこの場にいる意味が薄い人間だ。ルキア。彼女たちを監視し、守る。キングダムのためにおまえの真意を知る。そんな目的がなければこの場についてくることもできない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……本当に、度し難いほどつまらない女だがな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それだけは……その言葉にだけは否定を返すことができるぞ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:すう、と深く呼吸する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえに負けてからだ。かつては口癖のように弱い者の気持ちがわからないと言っていた頃がある。かなり真剣な悩みだった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえに負けて、今の己がある。騎士団との意思疎通も、随分と楽になっていた。知らないかも知れないが、昔はキングダム連合学院で一番強いのが私だったんだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今は二番目だ。私は、おまえの事が嫌いじゃない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「他の誰がルキアが必要なかったと言っても、私は否定するよ。おまえに勝つために修行もしたんだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「何かに────値するのだと、何だっていい、示したかった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえがこうするまでに、敵にも、友にも、相談役にも、簒奪者にもなれなかったことは、まあ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「情けない限りだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そこまで言って、ひとまず口を閉じる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:随分すらすらと言葉が出てくるものだと思った。ずっと、こんな事を考えていたんだろうか。
真竜ルキア:「この世界は、キングダムのように――私だけのわがままが通りはしないわ」
真竜ルキア:「だから、あなた達とこうして会っている」
真竜ルキア:「でも、ルナンシア。私は」
真竜ルキア:「あなた達のことが、きらい」
真竜ルキア:「命じるわ」
真竜ルキア:「帰りなさい」
真竜ルキア[12/300]
絶縁[0]
???
"拷問王"[17/247/4]
ウルスラ[9/214/4] チギリ[6/241/3]
五派[4/210/4] "騎士王"[6/245/4]
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:この戦闘は、ノヴァリスや既知の物理法則世界での戦闘ではありません。
GM:よって、特殊ルールが複数採用されています。
GM:また、遺伝橋の使用タイミングについて事前にお伝えします。
GM:戦闘中に遺伝橋を使用する必要がある場合、メジャーアクションで対象の遺産継承者を移動させることができるとします。
GM:対象は至近となります。アイテムの持ち主しかこのアクションは行えません。
GM:この戦闘で適用されるデータは以下の通りです。
『超常の否定』
シーン内に登場しているキャラクター全てを対象とする。
対象となったキャラクターは、あらゆるエフェクトとアイテム(エンブレム含む)の使用が不可能になる。
この効果はEロイスとして扱うが、バックトラックと経験点の計算の際には加算しない。
『排除の否定』
シーン内に登場しているキャラクター全てを対象とする。
対象となったキャラクターが意思を持つキャラクターにダメージを与える際、そのダメージを0とする。
武器攻撃力、エフェクトの攻撃力、エフェクトによって上昇する攻撃力を0として扱う。
この効果はEロイスとして扱うが、バックトラックと経験点の計算の際には加算しない。
『願い』
全てのキャラクターは、メインプロセスを行なうごとに、ロイスひとつを消去する。
ロイスを持たないキャラクターは、以降メインプロセスを行なえない。
GM:エネミーデータは以下の通りです。
■真竜ルキア
・行動順ではメインプロセスを4回行い、メジャーアクションで単体対象の特殊行動を行う。
・バックトラックの直前、Eロイスの計算によって侵蝕率が100以下になる場合、代わりにその値を100とする。
・他のキャラクターのあらゆる「侵蝕率を低下させる」行動で侵蝕率が100以下になる場合、代わりにその値を100とする。
・全てのロイスをタイタス化しているものとして扱う。侵蝕率は300とする。
■絶縁
・HP70
・あらゆる行動を行わない。
・マップ上に存在する限り、真竜ルキアへのあらゆる干渉を肩代わりする。
GM:戦闘の終了条件は全員がメインプロセスを行えなくなるか、帰還を決定するかです。
GM:また、エンゲージの距離は???となっていますが、移動に相当するアクションを取れば接触は可能とします。
■ラウンド1
GM:セットアッププロセス。アイテムとエフェクトは使用できません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:なし
有崎五派:なし
七十橋シスル:アイテムとエフェクトが使用できない なし
GM:いや、このタイミングでアイテムとエフェクトを使用できるようにする手段はありましたね。どうしますか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:あ~
ウルスラ・ミック・ベニ:まだ様子見で良いと思います
天沼チギリ:様子見で!
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうだろう でも我々
ウルスラ・ミック・ベニ:ルナちゃんが装甲とか欲しいなら別
ルナンシア・ラダ・ランパート:結構セットアップの火力依存あるし、ルキアが絶縁を増やしてくるかもしれませんよ
有崎五派:あ~……そうか、様子見りゃ良いわけでもないのか
ウルスラ・ミック・ベニ:武器攻撃力、エフェクトの攻撃力、エフェクトによって上昇する攻撃力を0
ルナンシア・ラダ・ランパート:絶縁を割る以外の仕事が普通に見えないのもある
ウルスラ・ミック・ベニ:シスルちゃんの攻撃力は上げられるんだな、アイテム効果だし
ルナンシア・ラダ・ランパート:あ~ そうなるのか?
ウルスラ・ミック・ベニ:単に記述の穴かも。GM裁定に全て従います
ルナンシア・ラダ・ランパート:まあ別に、今アイテム使えなくても最低限殴れるし ロイス1個が凄まじく貴重なので
GM:これは実は記入漏れではありません
ルナンシア・ラダ・ランパート:ウルスラ・チギリの火力変わんない組が結構高打点で殴れるのがありがたいな 様子見るか
GM:アイテムで増える攻撃力なら加算できるのだ……
七十橋シスル:そ、そうなんだ
GM:武器攻撃力が0と、アイテムで増える攻撃力が0は違うので
有崎五派:所持品の中にある携帯電話を新星白書にアップグレード。
有崎五派:・あなたを効果の対象に含むEロイスを一つ指定する。このシナリオ中、その効果は無効化される。を
有崎五派:ノヴァリスへのロイスを昇華して『超常の否定』を解除したいです。
GM:これはアイテムの使用なのではないかという指摘がありましたが、実際のところはアイテムを媒介にしたタイタス効果への追加なので
GM:通せるものとしてください。アイテムを何も持ってないと新星白書が起動できないといった処理は他のどなたかのセッションで使ってもらいましょう
GM:『超常の否定』が解除されます。あらためて、エフェクトとアイテムの使用が可能なものとしてセットアップを宣言してください。
有崎五派:了解です!ありがとうございます
真竜ルキア:真竜ルキアは何もありません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《赫き鎧》《鮮血の奏者》侵蝕+9 HP-16 装甲+39 ガード+18 攻撃力+33
天沼チギリ:セットアップは何もなしです
有崎五派:《活性の霧+タブレット+多重生成》5人を対象にラウンド間攻撃力+21、ドッジダイス-2個。侵蝕8
ウルスラ・ミック・ベニ:なしです
有崎五派:対象は……選ぶ必要もないか。PC全員!
ルナンシア・ラダ・ランパート:受けます! サンキューごはせん チュッ♡
GM:『排除の否定』は依然として有効なので、攻撃力上昇は0として扱われます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そういえばそうでした。
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を8増加(210 → 218)
ウルスラ・ミック・ベニ:でも気持ちがありがたいぜ
七十橋シスル:なしです。 あと行動値17ですが待機を選択します。
GM:騎士王の侵蝕率は245→254
ルナンシア・ラダ・ランパート:HPは44→28です
真竜ルキア:手番は行動値12の真竜ルキアです。
真竜ルキア:メジャーアクションでは「拒み」という特殊行動を行います。
真竜ルキア:単体対象、射程視界の特殊行動。命中ダイスを振り、攻撃力20相当のダメージを計算しますが……
真竜ルキア:ダメージは受けません。代わりに、受けたダメージに相当する距離mだけ、後退することになります。
ルナンシア・ラダ・ランパート:カバーリングは可能ですか?
真竜ルキア:可能です。
真竜ルキア:choice[拷問王,ウルスラ,チギリ,五派,騎士王]
DoubleCross : (choice[拷問王,ウルスラ,チギリ,五派,騎士王]) → チギリ
真竜ルキア:チギリさんに攻撃。
天沼チギリ:チギー!
真竜ルキア:20dx7
DoubleCross : (20DX7) → 10[1,1,1,2,2,2,2,3,3,4,4,6,6,6,7,9,10,10,10,10]+10[4,5,6,6,7,10]+10[9,10]+10[7,9]+4[2,4] → 44
天沼チギリ:ドッジは…素振りだけできたり?
ウルスラ・ミック・ベニ:ガードすればガード値m後退を防げるよ
ルナンシア・ラダ・ランパート:活性の霧-2を忘れないでね
天沼チギリ:ガードしましょう
天沼チギリ:あ、ガード値無かった
天沼チギリ:やっぱドッジします
真竜ルキア:ダメージを出します。大丈夫ですか?
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃんがドッジダイスを計算してます
ルナンシア・ラダ・ランパート:お待ちを……
天沼チギリ:すいません
天沼チギリ:見た事のない侵蝕なので…
天沼チギリ:8dx+1
DoubleCross : (8DX10+1) → 9[3,4,6,6,7,8,8,9]+1 → 10
天沼チギリ:侵蝕がすごすぎて活性の霧の中でも8dx振れる
ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》
ルナンシア・ラダ・ランパート:だけで全部10出ても弾ける気がするがガバが怖いので最初は使おう《氷盾》カバーします。装甲ガード101
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を4増加(254 → 258)
真竜ルキア:5d10+20
DoubleCross : (5D10+20) → 24[3,5,4,7,5]+20 → 44
真竜ルキア:もちろん装甲もガードも有効なので、防がれました。
ルナンシア・ラダ・ランパート:よかった
真竜ルキア:続けて残る3回分のターゲットも選択します。
真竜ルキア:choice3[拷問王,ウルスラ,チギリ,五派,騎士王]
DoubleCross : (choice3[拷問王,ウルスラ,チギリ,五派,騎士王]) → ウルスラ, 拷問王, チギリ
真竜ルキア:20dx7 ウルスラ
DoubleCross : (20DX7) → 10[2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,2,3,3,4,5,6,7,7,8,9,10]+6[3,4,4,5,6] → 26
ウルスラ・ミック・ベニ:5dx>=26 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=26) → 10[3,4,5,7,10]+4[4] → 14 → 失敗
ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》装甲ガード71でカバー
天沼チギリ:8dx+1 ドッジ
DoubleCross : (8DX10+1) → 10[1,2,5,7,7,8,9,10]+5[5]+1 → 16
天沼チギリ:グワー!
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕は一通り庇ってからまとめて上げます
七十橋シスル:まだチギリさんへのダイスは振られていないわよ
真竜ルキア:20dx7 チギリ
DoubleCross : (20DX7) → 10[2,3,3,3,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7,8,10,10,10,10]+10[2,2,3,5,7,8,8,9]+10[1,6,7,9]+10[8,9]+3[3,3] → 43
真竜ルキア:これにリアクションしたことにしてください
七十橋シスル:あ、《フラッシュゲイズ》。シスルへの攻撃へのダイス-12
真竜ルキア:8dx7 拷問王
DoubleCross : (8DX7) → 10[2,3,3,7,8,9,10,10]+10[4,4,5,8,9]+6[5,6] → 26
七十橋シスル:ドッジ
ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》チギリちゃんをカバー
天沼チギリ:騎士王…!
七十橋シスル:7dx
DoubleCross : (7DX10) → 10[1,3,3,6,6,7,10]+5[5] → 15
ルナンシア・ラダ・ランパート:拷問王へのカバーは行いません 侵蝕262
七十橋シスル:ちょっと頑張ってるじゃん私
七十橋シスル:いやダイスマイナス入れてないわ 失敗だったからこのままで
真竜ルキア:3d10+20 ウルスラ
DoubleCross : (3D10+20) → 21[9,10,2]+20 → 41
真竜ルキア:5d10+20 チギリ
DoubleCross : (5D10+20) → 22[3,5,9,2,3]+20 → 42
真竜ルキア:3d10+20 拷問王
DoubleCross : (3D10+20) → 24[10,4,10]+20 → 44
七十橋シスル:44m下がります
真竜ルキア[12/300]
絶縁[0]
???
ウルスラ[9/214/4] チギリ[6/241/3]
五派[4/218/5] "騎士王"[6/262/4]
44m
"拷問王"[17/247/4]
GM:行動値9。ウルスラさんの手番になります。
ウルスラ・ミック・ベニ:待機……しましょう。
GM:行動値6。チギリさんと騎士王。
ルナンシア・ラダ・ランパート:チギリちゃんお願い
天沼チギリ:動きます。
天沼チギリ:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《伸縮腕》《オールレンジ》
天沼チギリ:対象は絶縁。
天沼チギリ:エフェクトによる攻撃力上昇が無いからこれでいいかな…?
絶縁:なんだァ?人間ごときが……
ウルスラ・ミック・ベニ:そんなキャラなの
絶縁:エフェクトも武器も攻撃力加算できない状態で
天沼チギリ:ロイスを切ればメインプロセスが出来るんですよね…
絶縁:HP70のこの俺様を倒せるとでも思っているのか
ルナンシア・ラダ・ランパート:絶妙にダメージダイスだけで抜こうとすると日が暮れる数字
天沼チギリ:二重冠は友達ー!
天沼チギリ:二重冠つかいます。
絶縁:なにィ
ルナンシア・ラダ・ランパート:いけーッ!
天沼チギリ:うーん、
天沼チギリ:侵蝕25点あげます。
天沼チギリ:241→266
天沼チギリ:これで攻撃力+50
ルナンシア・ラダ・ランパート:ちょっと不安じゃない?
絶縁:ダメージダイスだけで20が出るわけないからな
絶縁:俺様もこれで安泰というわけよ
天沼チギリ:あ、武器攻撃力も無くなるのか!
天沼チギリ:じゃあもっと上げます
天沼チギリ:侵蝕35点
絶縁:神聖二重冠を宣言された時はどうなることかと思ったが……
絶縁:フー、安心安心
ルナンシア・ラダ・ランパート:問答無用の確定ラインだ
絶縁:あんし……
絶縁:え……
天沼チギリ:241→276
七十橋シスル:意志めちゃくちゃあるな この絶縁
天沼チギリ:なぐるぜ!
絶縁:や、やめろ
絶縁:俺には意思がある!
絶縁:意思があるんだ!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルキアでふざけられないぶんのリビドーをぶつけられてる
天沼チギリ:素手だから補正値は0かな
GM:補正値は0です
天沼チギリ:了解です
GM:素手の-5もなくなります
ルナンシア・ラダ・ランパート:シザーリッパー使ったら
GM:そうですね、装甲無視にもなります
ルナンシア・ラダ・ランパート:装甲あったときも安心ですよ
天沼チギリ:あ、アイテムの効果は乗るのか
天沼チギリ:じゃあシザーリッパーで
天沼チギリ:失礼しました、振ります
天沼チギリ:17dx7+8
DoubleCross : (17DX7+8) → 10[1,2,2,3,3,4,5,5,6,6,6,7,9,9,9,10,10]+10[2,3,6,6,7,8]+6[3,6]+8 → 34
天沼チギリ:イイ感じ
絶縁:ガード。ダメージをお願いします。
天沼チギリ:4d10+70
DoubleCross : (4D10+70) → 21[2,8,8,3]+70 → 91
天沼チギリ:91ダメージ!
絶縁:オゴーッッッッ!!!
絶縁:なぜだ……ここは理想の世界のはずッ!
絶縁:絶対に倒されたくないという俺の理想を!
絶縁:なぜ叶えない――ッ!おとぎの国――ッッ!!!
絶縁:ピシャーン!ピシャーン!
天沼チギリ:絶縁なんて許さないという俺の願いを叶えたのさ!
絶縁:ゴゴゴゴゴゴゴ……
七十橋シスル:まず普通にダメージダイス20出てるんだよな
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(276 → 282)
GM:宣言した通りHPは70。装甲ガードもありませんので
GM:FFのボスみたいに死にました。
GM:ロイスの昇華をお願いします。
天沼チギリ:ウルスラさんのロイスを昇華します。
真竜ルキア[12/300]
???
ウルスラ[9/214/4] チギリ[6/282/4]
五派[4/218/5] "騎士王"[6/262/4]
44m
"拷問王"[17/247/4]
GM:手番は行動値6の騎士王。
ルナンシア・ラダ・ランパート:待機しましょう
GM:そうだ、『願い』の裁定について
GM:これは表記通り、メインプロセスを行わなければロイスは消費されません。
GM:行動放棄すればいつまでも戦っていられるということ
GM:時間は無限に配られるのだ
GM:では行動値4、五派先生です。
有崎五派:私も待機しましょう
七十橋シスル:質問です。ルキアの挙動に対してですが
七十橋シスル:全ロイスがタイタス化している状態で、遺産継承者の分のロイス枠が空いた場合、ロイスを新たに取得することはできますか。
GM:できません。遺産継承者を剥奪しても、必ず侵蝕100以上、ロイス0の状態でバックトラックが開始します。
七十橋シスル:処理について確認しました。ありがとうございます。
ウルスラ・ミック・ベニ:次の手番なのですが……ごはせん
ウルスラ・ミック・ベニ:今は何も聞かず、ルキアちゃんの元へ向かって欲しい
ウルスラ・ミック・ベニ:ルナちゃんも同様
有崎五派:ハイ……
有崎五派:有崎、移動を宣言しルキアちゃんの元へ向かいます……
有崎五派:最後のロイス、オリーヴちゃんを昇華します。
有崎五派:ちょっと行動宣言を修正します。
有崎五派:ロイス昇華は変わらず、マイナーで戦闘移動。ルキアちゃんへエンゲージしたいです
GM:分かりました。
真竜ルキア[12/300]
五派[4/218/6]
???
ウルスラ[9/214/4] チギリ[6/282/4]
"騎士王"[6/262/4]
44m
"拷問王"[17/247/4]
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》を使ってごはせんの判定値+8D
有崎五派:その後メジャーで……ルキアちゃんを対象に説得を……試みる!
有崎五派:ウルスラちゃん……!!!
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を3増加(214 → 217)
ウルスラ・ミック・ベニ:かましてきて!
有崎五派:ありがとう!選択技能は交渉!行くぞ!!!
有崎五派:19dx+7
DoubleCross : (19DX10+7) → 10[2,2,3,3,3,4,4,4,5,7,7,7,8,8,9,9,10,10,10]+6[4,4,6]+7 → 23
有崎五派:く……ッ!
真竜ルキア:分かりました。説得判定は対決ですが……
真竜ルキア:今回ばかりは
真竜ルキア:ロールの結果次第ということにします
有崎五派:了解です……!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:待機手番の行動を宣言します。 ???の距離を移動して真竜ルキアのエンゲージへ。メジャーアクションはありません。伊藤算砂へのロイスを消費します。行動終了。
真竜ルキア[12/300]
五派[4/218/6]
"騎士王"[6/262/5]
???
ウルスラ[9/217/4] チギリ[6/282/4]
44m
"拷問王"[17/247/4]
GM:ルキア・ティベリアは空に瞬いている。星のような、純粋なエネルギー体だった。
GM:――宇宙の全てを掌握した竜化者達でさえ、姿や心を変えたくはなかった。
GM:ルキア・ティベリアは、どちらも捨ててしまいたかったのだろうか?
GM:白い星は遠く離れていく。ルキアは二度と出会わないことを望んでいる。
GM:『おとぎの国』に超常はない。それは、願った分に応えることのできる世界であるから。
GM:魔術も、技能も、奇跡も不要な世界。
GM:だが、今、それこそが必要だった。
有崎五派:姿も、心も。誰かに見せる為のもの。
有崎五派:だが、今のあの子は誰にも形を捉える事の出来ない輝きと変わり果てている。
有崎五派:(綺麗、だけど)
有崎五派:「あれは、あの子の姿でも、心でもない」
有崎五派:心も、姿も、捨ててしまいたいのか。彼女自身の望みは自分には推し量る事は出来ない。
有崎五派:ポシェットから、何の変哲もないスマートフォンを取り出す。
-:大きな願いを
-:使うことになりますよ。有崎五派。
有崎五派:「それで良いの」
-:私は、あなたに嘘をつきたくはありません。
-:あなたが来た世界には、戻ることができなくなります。
有崎五派:「……リュウちゃんが言うならそうなんでしょうね」
有崎五派:「それでも」
有崎五派:スマートフォンを頭上へ掲げて笑う。
有崎五派:「生徒の幸せ以上の願いも、独りぼっちの生徒を置いて帰りたい世界も!」
有崎五派:「私には──ないの!」
有崎五派:「お願い。大人の私に────奇跡を貸して!新星白書!」
GM:スマートフォンの画面には、ノイズ混じりのエンブレムが揺れる。
GM:世界を隔て、繋がりが絶たれ、より大きな力に囲まれる中にあって、なお。
GM:有崎五派の願いが輝く。奇跡が発動する!
GM:星と星ほどの距離が離れていたはずの5人は――今、再びルキアに手が届く距離にまで到達している。
GM:全員分の願いを、有崎五派が肩代わりしたのだった。
GM:何も特別ではなく、ただの大人でしかない彼女が、それだけの力を出した。
真竜ルキア:「どうして……」
真竜ルキア:「有崎五派。はじめから――こんな生徒達の破滅に、あなたが巻き込まれる理由なんてなかったのよ」
真竜ルキア:「あなたには、何もしないということが求められていたはず」
真竜ルキア:「誰かに期待されたり、責任を負わされてもいなかったはずなのに」
有崎五派:「──あのねぇ!」
有崎五派:「助けてって言われなくちゃ誰も助けられないなんて……先生失格なのよ!」
有崎五派:「大人は傲慢だから──困ってるように見えたら首を突っ込むものなの!」
有崎五派:「私は巻き込まれたんじゃない。期待されたんじゃない。責任を負わされたんじゃない」
有崎五派:「自分で首を突っ込んで、貴方達の心に期待して、責任を背負いこむ為に来たの!」
有崎五派:「初めましてから始めてやるから、そこで大人しく待ってなさい!」
真竜ルキア:「やめて!やめて!」
真竜ルキア:「私がどれだけ苦しむのか分かっているの!?」
真竜ルキア:「あなた達は、ひどい人間ばかりよ」
真竜ルキア:「ウルスラ・ミック・ベニが勝手に心を読んで、胸の内を語るように強要した相手に、どんな仕打ちをしてきたかを見たでしょう!?」
真竜ルキア:「伊次リクス、弓木ヒロ、倫道アカネ、伊藤算砂!その子が、どれだけの相手を踏みにじって勝ってきたかを!」
真竜ルキア:「私は、天沼チギリほど卑怯な子を見たことがない。武力も権力も持っていたのに、その子には私に立ち向かう勇気すらなかった」
真竜ルキア:「チギリが私を蹴落とそうとした方法は、幼子の甘えみたいな……彼女の持つ力で、一番拙い謀略だった」
真竜ルキア:「ルナンシア・ラダ・ランパート。彼女を見ていると、お父さんが王に力を求めた理由がよく分かるわ!」
真竜ルキア:「彼女の強さは、現状に適応するだけの強さだった!彼女はもはや子供ですらない。何も変えられない、大人になってしまった」
真竜ルキア:「シスル……七十橋シスルのことも――」
七十橋シスル:「知ってるよ」
七十橋シスル:一歩踏み出した瞬間、互いの距離が大きく離れたのを感じた。
真竜ルキア:「あなたは」
真竜ルキア:「あなたは、不誠実よ」実体すらない声が震えているようだった。
七十橋シスル:「俺は、何もしなかった。何も気付いてやれなかった」
七十橋シスル:「お前の過去も分からなかった。ロードマスターを倒したことを褒めそやした」
真竜ルキア:「ロ……"ロードマスター"を殺した、英雄ですって?」
真竜ルキア:「あなたに、何が……」
七十橋シスル:「大事な父親を。……その手で殺したことを。俺たちが無能だったから」
七十橋シスル:「お前に親殺しさせたことを、持て囃して、崇め奉って、感謝して」
七十橋シスル:「少しでも返せるものがあればと思ってたが、この様だ」
七十橋シスル:「…………ルキア。怪我してないか」
真竜ルキア:「怪我」
七十橋シスル:「任アルルに……あのクラゲ女に、やられたって聞いたぞ」
真竜ルキア:「怪我、なんて」
真竜ルキア:「この私が、するわけ、ないでしょう」
真竜ルキア:「私が……私が生まれるはずだった世界は、ここなんだから」
真竜ルキア:「幸せで、満たされていて」
真竜ルキア:「――自由に生まれるはずだったのよ。本当は」
七十橋シスル:「そうか」
七十橋シスル:「…………それでも」
七十橋シスル:離れた距離を、もう一度近づいていく。
七十橋シスル:「もう少しだけ、待ってくれ」
真竜ルキア:「あなたが、そんなだから……」
真竜ルキア:「みんなが私を怖がって、嫌っていたのに」
真竜ルキア:「あなただけが、そんなだったせいで!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:──他方。
ルナンシア・ラダ・ランパート:こちらのアプローチは単純だった。距離が離されそうになった者を掴み上げる。己に対する拒絶には、そのまま距離を詰める。疾駆する。ただ信じ難い力と速度で。
真竜ルキア:その距離――空間は、やはり信じがたい速度で拡大を続けている事がわかる。
GM:拒絶を突破する。その方法は簡単なものだ。願えば良い。
GM:だが願うほどに、現実への帰還という願いは遠のく。
GM:全員が、本来元の世界に戻れたはずの猶予を費やして、ルキア・ティベリアに触れようと足掻いているだけにすぎない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえの言うとおりだ。こんな強さに、何の意味もない! いまこの場の、願う事こそが力であるのなら」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だが、見ろ、大人だ。たった今唾棄して見せた! 有崎五派の魂が、おまえの無限遠に去っていくのを許さない──この私も」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「見くびってくれるなよ──おまえの知る、いつかの私のままだと!」
真竜ルキア:「ルナンシア……」
-:命のないものはこの世界を循環しない。七十橋シスルの考えは、少しだけ間違っています。
-:私が……"ロードマスター"に託されたイースターエッグが、バラバラの力と情報になって散逸することがなかったのは
-:天沼チギリ。あなたがこれからしようとしていることで、きっと分かると思います。
天沼チギリ:「…………。」
天沼チギリ:す、と右手を構える。
天沼チギリ:「ひきょう…そう、ですね。」
天沼チギリ:「認めます。あなたを追い落とそうとしたことも。幼子のような甘えも。」
天沼チギリ:「もはや私の言葉など聞く耳を持たないでしょう。」
天沼チギリ:「私も以前はあなたのことを本当の意味で知ろうとはしなかった。」
天沼チギリ:「弱点や能力を探っても、その御心まで踏み込もうとはしなかった。」
天沼チギリ:「ですが……そう。”幼子のような甘え”で頼った人と行動を共にするうちに、知ってしまった。」
天沼チギリ:「自分の愚かさを。」
天沼チギリ:「あなたを早々に蹴落としておくべきでした。」
天沼チギリ:「それも私自身が、勇気を出して、剣を握って。」
天沼チギリ:「であれば、その言葉をもっと早く聞けたはずです。」
真竜ルキア:「そうしなかったのは、あなたの望みが弱かったから」
真竜ルキア:「この『おとぎの国』では、なおさら」
真竜ルキア:「あなたが私を打ち倒せるはずがないわ」
天沼チギリ:「打ち倒す? いいえ。」
天沼チギリ:「”落とす”のです。」
天沼チギリ:「至上王、ルキア・ティベリア。どうか、曲げてお頼み申し上げます。」
天沼チギリ:居合のように、左脇から右上方へ。
天沼チギリ:右手を振り抜く。
天沼チギリ:縁を、切って、
天沼チギリ:組織を壊さずに分かたれた二つの糸が、
天沼チギリ:逆再生のように強固に接合する。
天沼チギリ:願いを込めた、一刀。
天沼チギリ:「どうか、」
天沼チギリ:「騎士王の、有崎先生の、ウルスラさんの、そして…」
天沼チギリ:「拷問王…シスルさんの話に耳を傾けてはくれませんか。」
GM:有崎五派が新星白書の発動を可能としたのは
GM:果たして『おとぎの国』の想定の外にある『奇跡』だっただろうか?
GM:新星白書だけではない。この世界に訪れてもなお、生徒達の頭上には、十字冠がある。
-:あなた達の世界では、インフィニティコード、と呼ばれているのですね。
-:私達は宇宙の何もかもを見つけることができましたが、他の世界まで全て組み込んでしまいたいとは思っていませんし、できません。
-:物質と情報全てが循環する私達の世界が、仕組みに組み込むことのできないものがあるとしたら、それは――
-:世界。
-:世界を内包する可能性そのものなのですよ。天沼チギリ。
天沼チギリ:斬撃に遅れて、十字冠に光が灯った。
天沼チギリ:「少しでいい。」
天沼チギリ:「だって、みんなようやく気付いたんです。」
天沼チギリ:「あなたに向き合わなきゃって。」
天沼チギリ:「キングダムで、みんな待ってます。」
GM:天沼チギリが、距離を斬った。
GM:再び。何度目かの距離が縮まる。
GM:ルキア・ティベリアが、手の届く距離にいる。
天沼チギリ:「さあ、もっと吐き出してください。」
天沼チギリ:至上王に向き合った時、震えあがるだろうと思っていた。
天沼チギリ:しかし、驚くほど穏やかな心で相対している。
天沼チギリ:「今みたいなこと、言っていいんです。」
天沼チギリ:「何が嫌いか、何故嫌いか。」
天沼チギリ:「我々は、向き合います。少なくとも───」
天沼チギリ:「今この場にいる者は。」
真竜ルキア:「もう遅いわ」
真竜ルキア:「あなた達は……もう」
真竜ルキア:「元の世界に戻れるだけの力だってないじゃない」
真竜ルキア:「……たとえノヴァリスでだって」
真竜ルキア:「私と、あなた達が向き合って、何かが変わっていただなんて思わない」
真竜ルキア:「私が…………私が、そんなことをしようとして、どうなったのか」
真竜ルキア:「知っているはずよ」
有崎五派:「ルキアちゃん」
有崎五派:天沼チギリが斬り寄せた機会。ルキアの元へゆっくりと歩み寄る。
有崎五派:「さっき呼んでくれたけど……改めて初めまして」
真竜ルキア:「……」
真竜ルキア:「うん……」
有崎五派:初めて会う筈の彼女の、弱弱しい声を聞いて胸が締め付けられる。
有崎五派:想像を絶する世界で、想像を絶する力によって輝きとなり果てた彼女の声は──有崎には小さな女の子のものにしか聞こえなかった。
真竜ルキア:「……有崎五派。私は……あなたに同情するわ」
真竜ルキア:「あなたは、強がっているから」
真竜ルキア:「あなたには……何度も、進むべきか、引き返すべきかの岐路があったはずよ」
有崎五派:「……そうね」
真竜ルキア:「あなたは進むことだけを選んだ」
真竜ルキア:「それは過去の何かや、子供たちの重圧や、あなたがあろうとする規範が」
真竜ルキア:「あなたを自由にしなかったからでしょう?」
有崎五派:ルキアの言葉に、静かにかぶりを振る。
有崎五派:「いいえ」
有崎五派:「こうありたい、という想いが私を縛っているっていうなら」
有崎五派:「それは私が私自身に与えた縛り」
有崎五派:「貴方の言う通り、私は怖かったし」
有崎五派:「今も怖い。私の望みが偽りで無い事をこの綺麗な世界が保証してくれているから、私はまだ立っているけれど」
有崎五派:「それでも、怖い事は否定しない。でもね」
有崎五派:「自分で選び取った責任を捨ててしまう事は絶対にしたくない」
真竜ルキア:「自由ではないわ」
真竜ルキア:「何も、自由じゃない……」
有崎五派:「ふふ、そうね。私は貴方達と違って強くも無いし、多くを選択する立場にもないかもしれない」
有崎五派:「でも、幸せよ」
有崎五派:「みんなに会えて、貴方に会えて。これだけは──」
有崎五派:「私自身が責任と一緒に掴み取ったものよ」
真竜ルキア:「……」
有崎五派:「ねえ、ルキアちゃん。貴方は自由になりたいの?」
有崎五派:「自由は、幸せ?」
真竜ルキア:「それは……」
真竜ルキア:「私、私は……みんなに、嫌われるようなことをして」
真竜ルキア:「みんな、私のことが嫌いで」
真竜ルキア:「誰のことだって好きになれない……ノヴァリスで生きていても、ずっと苦しいまま」
真竜ルキア:「せめて、自由だけでも欲しいと」
真竜ルキア:「――幸せ?私は、どうすれば幸せだったの?」
有崎五派:「ルキアちゃん。私は、貴方が好きよ」
有崎五派:敢えてすぐに問いに応える事はせず、静かに語り掛ける。
有崎五派:「キングダムの一番高い所にいて、何もかもが見えてしまって」
有崎五派:「あまりにも大きいから、何かをする度に多くの人を傷つけてしまう」
有崎五派:「誰だって、経験する事の筈なのに。貴方が見えてしまうものはあまりにも多かった」
真竜ルキア:「だって私は、王様なの」
真竜ルキア:「みんなを幸せにしなくちゃいけなかった。お父さんの願いを叶えなくちゃいけなかったのに」
真竜ルキア:「私は」
真竜ルキア:「ずっと、ひどい人間だったのよ……………」
有崎五派:彼女の負ってきた責任は、あまりにも大きい。本来なら、自分などには想像もつかない程に。
有崎五派:だが、目の前の少女が語る言葉は。
有崎五派:「私は、ルキアちゃんが何を幸せだと感じるのか知らない。どうすれば幸せになれるのかも」
有崎五派:「それは、ルキアちゃん自身にもまだ分からないこと」
有崎五派:「誰も、誰も。誰かを幸せにするなんてことはできないかもしれないわ」
有崎五派:そこまで言って、自分よりも高い位置にある光に語り掛けているにもかかわらずしゃがみ込む。
有崎五派:「ね、ルキアちゃん。私達は、誰かに幸せになって欲しいと願う事しかできない」
有崎五派:「私の幸せも、貴方の幸せも、この世界にだってないんだもの」
有崎五派:「貴方は、ずっと。ずーっと」
有崎五派:「誰かの幸せを願ってきた。素敵よ」
真竜ルキア:「嘘」
真竜ルキア:「私が、誰かの幸せを願っていたなんて、嘘」
真竜ルキア:「私がしたことは、たくさんのものを壊して、たくさんの人を苦しめただけ」
有崎五派:「じゃあ、どうして」
有崎五派:「貴方は自分が幸せになれないと思うの」
有崎五派:「誰かを幸せにしなければ、幸せになってはいけない。愛を返せないなら誰にも愛されてはいけない」
有崎五派:「ルキアちゃん。自分の幸せの為に誰かの幸せを願う事を否定しないで」
有崎五派:穏やかに、静かに。囁くように語る。
有崎五派:「貴方は、本当に誰かの幸せを願っていた。自分が幸せになりたいと思っているからこそ」
有崎五派:「何度だって言うわ。素敵よ。貴方の、そういう所が好き」
真竜ルキア:「願っていただけよ」
真竜ルキア:「好きになりたかっただけ」
真竜ルキア:「それだけだった。私にはそれを本当にする力がなかった」
真竜ルキア:「幸せを願って、好きだと言った口で傷つけられるような人は、どこにでもいるのに」
真竜ルキア:「あなたのように、言葉通りに心を寄り添わせることができる人だって、どこにでもいるのに」
真竜ルキア:「どうして……どうして私だけが」
真竜ルキア:「こうだったの?」
真竜ルキア:声が弱々しく呻く。
有崎五派:「もう、このちびっ子め」
有崎五派:ほんの少しだけ、悪戯っぽい微笑みを浮かべる。
有崎五派:「諦めるのが早すぎるのよ、ルキアちゃんは」
有崎五派:「誰もが願った理想は、ここまでずっと繋げられてきたのよ。貴方のお父さんも、それ以前からも」
有崎五派:「ルキアちゃん。本当はね」
有崎五派:「誰も幸せにできなくたって、幸せになっていいの。誰も好きになれなくても、好きになってもらったっていいの」
有崎五派:「でも」
有崎五派:「貴方が、誰もを幸せにして幸せになりたくて」
有崎五派:「誰かを好きになって、好きになってもらいたいなら」
有崎五派:「今度は私が、貴方と向き合うみんなが隣に居る」
有崎五派:「ルキアちゃんの夢を、一緒に追いたいの。貴方に幸せになって欲しいと願っているから」
有崎五派:「それでも、決めるのは貴方。私達は願う事しかできないから」
有崎五派:「その先に行きたいなら、貴方は成長しなきゃならない。けど、それも不可能じゃない」
有崎五派:「だって、貴方は子供なんだから」
真竜ルキア:「……」
真竜ルキア:「…………」
GM:ルキアは、はっきりと答えを返しはしなかった。
GM:だが、止まった。5人から距離を取り続けることをやめた。
有崎五派:(………そっか。うん)
有崎五派:それを知覚して、敢えて口は開かず。
有崎五派:(……お願い、皆)
有崎五派:(一緒にあの子の手を取ってあげて)
有崎五派:隣に、そして後方へ控える生徒達へ願った。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ルキア・ティベリアはひどいやつだ。それは私が認めてやる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:気づけば、元の場所へ戻ってきていた。足元に転がるイースターエッグが、それを伝えていた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:どうすべきか。分かっている。生徒たちを卒業させるためのキーパーツ、ノヴァリスの最重要アイテム。拾って帰るのが正解だ。そして。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「悪いな。そんなひどいやつの、なけなしの良心を」
ルナンシア・ラダ・ランパート:迷いと一緒に蹴り飛ばす。目に見える形で願いを選択したと同時、理解不能の推力がかかる。一息に追いついた。
真竜ルキア:「ルナンシア。だってあなたが……」
真竜ルキア:「あなたが一番、私のことを嫌っていたんじゃないの……!」
真竜ルキア:「正しくないと思っていたんでしょう。キングダムの皆を、私から救いたいと思っていたんでしょう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうとも。おまえを打ち倒す準備をしてきた、でもな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──最近わかったことがある。認めがたいことだが、どうやら私は」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「強靱で、邪悪で、ひどいやつの事が気になってしまう性質らしくてな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:それは、かつて己が抱いた断絶と孤独を回顧しているようでもあり。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「頂点に立つ一人のことを、誰も理解できない。周囲に誰がいる、というのは関係がない。理解されるはずがないと思っていることが核心で、困難だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:十字冠の廃絶を掲げた、かつての敵を思っているようでもあり。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だから──ここに来て目的の半分は達せられた。おまえの内心は、考えていたよりずっと理解できない類ではなかった。あとは……それすらも途方もないことだと言われるだろうし、私もそう思うが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「この先どう立ち向かうかを考えれば事足りる、おまえではなく、おまえの抱える宿痾に」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「イースターエッグのことは……あれは」眉根が寄る。「また取りに来るさ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:かぶりを振って、頭から追い出す。
真竜ルキア:「どうして」
真竜ルキア:「あなたは……そんなことを、そんなに簡単に……」
GM:ルキア・ティベリアは、ジャームだ。今の状態がということではなく、必ず至る可能性として。
GM:ノヴァリスの中にいたからこそ、ルキアはジャームに成り果てることはなかった。十字冠の保護が存在した。
GM:彼女が絆を抱いた時、それは常に反転する。オーヴァードとして、人へと戻りゆく道筋がない。
GM:『おとぎの国』からルキア・ティベリアを連れ帰ることは、ジャームと化した彼女を連れ帰ることに他ならない――
ルナンシア・ラダ・ランパート:……簡単なものか。簡単なことのように蹴ってしまわなければ、ここまでたどり着けなかっただけ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:だから、別のことを告げるべきな気がした。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それだけの価値があるんだ、おまえに」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ええ、その通り」
ウルスラ・ミック・ベニ:チギリが斬り裂き、ルナンシアが詰めた距離を進み、背後からやって来る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「かつてそれを確かめたくて、そして今日それを確認し、納得して」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから今、貴女に胸を張ってこう言えます」
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴方は幸せになるべきです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「その鍵は、今ここに」スーツの袖からするりと広がる、奇妙な紋様の刻まれた布。
ウルスラ・ミック・ベニ:マイナーで戦闘移動、真竜ルキアのエンゲージに突入。
ウルスラ・ミック・ベニ:メジャーで遺伝橋を使用。
ウルスラ・ミック・ベニ:「Dロイス:遺産継承者」を持つキャラクターに使用し、同意した他のキャラクターへと移植します。
ウルスラ・ミック・ベニ:対象は私、ウルスラ・ミック・ベニ。
ウルスラ・ミック・ベニ:遺産継承者:祈りの造花、勇者の徴を有崎五派先生に移植したいと思います。
ウルスラ・ミック・ベニ:ロイス枠一つを失い、受け取ってくれますか?
有崎五派:えっ……え!?!?
有崎五派:あっはい!!
有崎五派:えっと……ウルスラちゃんのロイス枠の代わりに、受け取りましょう。
ウルスラ・ミック・ベニ:ありがとうございます。メインプロセスを終えて伊次リクスのロイスをタイタスにします。
ウルスラ・ミック・ベニ:RHOを公開し、効果を使用します。
"風塵王"倫道アカネ::倫道アカネは、手を取ったウルスラの指を握り返し――
"風塵王"倫道アカネ::――ザク!!!
"風塵王"倫道アカネ::ごく弱いレーザーが手の平を貫通して、頸動脈に僅かに外れた首筋を切り裂いていた。
◆RHO
PC2:ウルスラ・ミック・ベニ
あなたは星徒アカネの手によって、勇者の徴の真なる力を継承した。
それは勇者として名もなき人々の想いを繋ぐ、絆の力だ。
あなたが勇者の徴を失った時、RHOを公開することで使用できる。
勇者の徴が他者の手に渡る時、その次の継承者には、対象が元々保有していたDロイスを含めて継承できる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「お久しぶりです、ルキア・ティベリア。覚えてくれていたようで嬉しいですよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:忘れちゃうかもしれないと、意地悪を言われた。昨日のことのように未練がましく覚えている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「先日は何が言いたいか分からないと困らせてしまったので、頑張って纏めてみました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「1つは謝罪です。貴女は真摯に自分を紹介してくれていたのに、全然わかってあげられませんでした」
ウルスラ・ミック・ベニ:「本当に申し訳ございません」ぺこりと頭を下げる。
真竜ルキア:「……どうして、あなたはそんなことをしているの?」
真竜ルキア:「ルナンシアは、私に立ち向かおうとしていて……チギリは、私を疎んでいた」
真竜ルキア:「……ウルスラ・ミック・ベニ。あなたには……ここまでして嫌われる理由も、ここまでして好かれる理由もないわ……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「私は先ほど指摘されたように、私が我儘で自分勝手で、その上救いようのない思慮が浅いですから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「やりたいと思ったら手を出してしまうし、どうして自分がそう動いているかも後から考えてしまう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「後で分かれば良いと思って駆け抜けました。貴女に無理矢理会いにいったり、職員室で大人と相談したり」
ウルスラ・ミック・ベニ:「鴉の塔で貴女の秘密を暴いて……これだけ蛮行を重ねて、ようやく納得が行きました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「私はルキア・ティベリアに幸せになって欲しい」
ウルスラ・ミック・ベニ:「何故ならば、貴女は人を幸せにできる存在で」
ウルスラ・ミック・ベニ:「私たちと何も変わらない、一人の生徒だからです」
真竜ルキア:「地球のどこかで」
真竜ルキア:「世界のどこかで」
真竜ルキア:「誰かが幸せになれなかったとして、そんなことを気にして生きている人たちはいないわ」
真竜ルキア:「あなたと私には、関わりなんてなかった。命をかけるような関わりなんて――」
真竜ルキア:「そんなたった一人を救ったところで、他の子供たちはどうなるの?」
真竜ルキア:「何もかもを余さず救うなんて」
真竜ルキア:「本物の王様にしか、できないことなのに」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ええ、出来ません。この美しい世界のような偉業は」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だけど地球のどこかでも、世界のどこかでもなく」
ウルスラ・ミック・ベニ:「同じ学校の、同じ宿命を背負った者同士なら」
ウルスラ・ミック・ベニ:「この短くてちっぽけな腕一本分ぐらい、何度でも伸ばせます」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……ノヴァリスの外に行けば、確かにルキア・ティベリアはジャームとなるでしょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「誰かを傷つけることしかできない、何者をも救うことの、幸せにすることの出来ない者に」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でもそれは、貴女だけの問題ではありませんでした」未だ輝く十字冠を指し示す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ノヴァリスからの卒業は、私たちのジャーム体、星徒が外の世界へ出ることを意味する」
ウルスラ・ミック・ベニ:「戴く茨の冠は、背負わされた罪深き運命は同じです」
ウルスラ・ミック・ベニ:予定説という理論がある。天国に行ける者も地獄に堕ちる者も、全知全能なる神によって初めから決められているという考えだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:残酷で恐ろしい、禍々しいものだと思った。自力救済を可能とする免罪符の方が、避難される謂れは有っても好きだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「だけど諦めてない人たちは居ます」
ウルスラ・ミック・ベニ:「果てしない道のりに思えた、イースターエッグを七つ集めて正しき卒業を迎える、巡礼の旅は」
ウルスラ・ミック・ベニ:「既に五つが果たされました。そして六つ目が今日この時」
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女はこの地と希望の欠片を見つけ出し、結果的には私たちを運んでくれました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「なるほど、全ノヴァリス生徒の未来を、貴女は正しく救おうとしていますね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……でも、ここではないのです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「聞いてたようですから、貴女の嫌いなところも色々あると知っているでしょうけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それでも明確に好きになったのは、貴女が人を幸せにできると断言できるのは」
ウルスラ・ミック・ベニ:息を吸う。また失礼な、墓を暴くようなことを言うから。
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女がロードマスターを幸せにしたからです」
真竜ルキア:「……………っ」
真竜ルキア:「し、知ったような、ことを」
真竜ルキア:「私が、私が、お父さんを……殺したって、知っているくせに」
真竜ルキア:「みんなが嫌っていた私を……好きでいてくれた、たった一人の人だったのに」
真竜ルキア:「お父さんの願いすら、私は……」
真竜ルキア:「責任に耐えられなくて、手放して、逃げ出したのに」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……」
ウルスラ・ミック・ベニ:目を伏せ、手を固く握りしめて。再び白き光を直視する。
ウルスラ・ミック・ベニ:「私は死霊術師として、墓守気取りの浅ましい盗掘者の末裔として、多くの死者に触れてきました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そこから得た一つの見解があります。今宵多くの星徒たちに触れ、確信を強めました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「人は死する時、何を想って逝くか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「絆断たれて、一人になって、我に呑まれて終わるのです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「弓木ヒロは誰との繋がりをも失い、儚い願いのみを抱えて死にました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「マーガレットは誰かを救うためでなく、ただ言葉を伝えることに囚われて」
ウルスラ・ミック・ベニ:「アカネ先輩は……死ぬときはどんな気持ちなのかを確かめて。それを教えたいと、殺戮を振りまくばかりに成り果てた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「人は死ぬとき、誰のことをも想えず、一人で死ぬと……私はずっと信じてきた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも、そうとは限らないと、ロードマスターが教えてくれたのです」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今、ご自分で仰った通り。ルキア・ティベリアはロードマスターの理想には届かない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「個として絆を繋ぎ、人々の自由と望みを満たし、全ての人に幸いを与えられない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキア・ティベリアは理想の王ではなかった」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それでも……追い詰められたあの人は貴女に会いに行った」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あの完璧主義の超人が、自分に迫る危険を感知する事さえ叶わず」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ただ、貴女の事を想いながら、安らかな死を迎えた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「これが大いなる幸福でなくて、これが人の罪許す愛でなくて」
ウルスラ・ミック・ベニ:「これを奇跡と呼ばずに何だというのですか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女はルキア・ティベリアとして愛され、ルキア・ティベリアとして人を幸せにした」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そんな人に幸せになって欲しくないと、誰が言えるというのですか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……だから私は、ここに来ました」
ウルスラ・ミック・ベニ:「貴女を変える鍵はチギリちゃんが持ってきてくれて」遺伝橋を広げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごはせ……有崎先生が、繋げる道となってくれる」先生の手を取る。
有崎五派:頷き、しっかりとその手を握る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「だからどうか……受け取って欲しい」
ウルスラ・ミック・ベニ:「私に送れる精一杯の、祝福の花束を」
真竜ルキア:「遺伝橋……あなた……!」
真竜ルキア:「何を考えているの!?勇者の徴を!」
真竜ルキア:「簒奪してまで手に入れた王鍵なのでしょう!?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そうです、だからこそ私は……ボクは手放す!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あらゆる願いも叶いそうなこの世界で、命よりも大切な有限を失う!」
真竜ルキア:「私にそんな価値なんかない!」
真竜ルキア:「たくさんの人を助ける王が、たくさんの心を救う王が」
真竜ルキア:「その価値を使うべき人が、きっといる!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そんなこと、言っちゃダメだ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:状況が今より遥かに平和だった頃。鴉の塔でチギリちゃんは、遺伝橋で劣剣を切除することを提案した。
真竜ルキア:「本当は――」
真竜ルキア:「本当は、ずっとそう言いたかったわ!!」
ウルスラ・ミック・ベニ:少しでも戦力を削り、彼女の負担を減らそうと考えてのことだ。理に適っていた。
真竜ルキア:「どうして私が王様なの!?」
真竜ルキア:「どうしてあんな世界に生まれなきゃいけなかったの!?」
真竜ルキア:「どうして皆に嫌われるように生まれついたの!?」
ウルスラ・ミック・ベニ:だけど嫌だった。ルキアにこれ以上失わせるのは……大好きなお父さんの形見なのだから。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごめん、今のはボクの間違いだ!言っていい!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「その分、何度だってキミを肯定して、受け入れられるよう頑張る!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だから、諦めないで欲しい!だって……本当は幸せになりたいんでしょ!?」
真竜ルキア:「私は……!」
真竜ルキア:「……っ」言葉に詰まる。有崎五派に言われた言葉を想起しているようだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「どうかルキアも手を出して……私たちに、貴女を助けさせて欲しい……おとぎ話みたいに幸せな結末を、一緒に探してほしい!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクからの贈り物は……キミにその勇気を持たせるものだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:繋ぎあった二人分の腕を、寄生植物が伝って進む。
ウルスラ・ミック・ベニ:適合率の遥かに低い新たな宿主は、そこに記された数多の物語を解読することは出来ないかもしれない。
ウルスラ・ミック・ベニ:だから別れ際に最後の操作を行う。勇者の殿堂に有崎五派が刻まれることを。
ウルスラ・ミック・ベニ:彼女は間違いなく、ボクを奮い立たせてくれた人なのだから。
真竜ルキア[12/300]
五派[4/218/6]
"騎士王"[6/262/5] ウルスラ[9/217/5]
???
チギリ[6/282/4]
44m
"拷問王"[17/247/4]
GM:最後の手番は拷問王です。メインプロセスを行うとロイスを消費しますが、どうしますか
七十橋シスル:ロイスを消費します。アルルさんのロイスを昇華
七十橋シスル:怪我してないって言ったからな
七十橋シスル:戦闘移動と全力移動で、あわせて66m。
七十橋シスル:至上王のエンゲージに入ります。
真竜ルキア[12/300]
五派[4/218/6]
"騎士王"[6/262/5] ウルスラ[9/217/5]
"拷問王"[17/247/5]
???
チギリ[6/282/4]
GM:ラウンド終了。
■ラウンド2
GM:とはいえ、クリア条件は満たしています。ルキアは説得により友好ユニットであり
GM:遺伝橋の移植に同意することもできるでしょう。
GM:よって、第2ラウンドは、ウルスラさんが最後のロイスを切り、遺伝橋を起動すれば
GM:終了するものとします。
ウルスラ・ミック・ベニ:遺伝橋を再度使用します。対象はごはせんの勇者の徴。
ウルスラ・ミック・ベニ:ルキア・ティベリアに勇者の徴と、RHO効果により生還者を移植。
ウルスラ・ミック・ベニ:固定ロイスルキア・ティベリアをタイタスにします。次に取る時はWHを選ぶよ
有崎五派:私からも餞別だ!もっていきな!
真竜ルキア:分かりました。
真竜ルキア:移植を受け入れます。
GM:戦闘終了。
GM:――瞬く星々が、ともにノヴァリスから来訪した仲間たちが、七十橋シスルの視点からは遠くに見えた。
GM:ルキアの拒絶を正面から受け入れたために、そうなっているのだと分かった。
GM:自分自身を含む多大な犠牲を払ってこの地まで辿り着きながら
GM:奇妙なことに、七十橋シスル一人だけが、ルキアの我儘に対して、我を通すことをしなかった。
七十橋シスル:「一つだけ確認したい」
七十橋シスル:問いかけたのは、ルキアにではない。
七十橋シスル:虚空に向けて。最初の竜化者に向けて。
-:はい。
七十橋シスル:「俺たちはここで願いを叶える毎に、それに相応しいリソースを失う」
七十橋シスル:「願いは、ここに関わるものでもいいのか?」
-:ごめんなさい。どのような願いであるのか、私はまだ分かりません。
七十橋シスル:「いや。回りくどいな」
-:分かってしまったほうが良かったですか?
七十橋シスル:「気遣いどーも。口に出した方が良いな」
七十橋シスル:「俺自身か、あるいは俺自身を消費して作った俺の複製を、"願い"でここに残ることはできるのか」
-:できるかもしれません。
-:あなたは、外の世界からの知性体ですが――
-:この世界の者があなたを引き止めたいと望み、あなたもそれに応えることを望むのなら
-:情報が繋ぎ止められることになるでしょう。
-:そして、ルキア・ティベリアは今、この世界の者になることを望んでいます。
-:あなたの中では、どちらの望みが強いのでしょうか?
七十橋シスル:「それを、これから聞くんだよ」
七十橋シスル:口を開ける。「ル、」 「キ、」 「ア」
七十橋シスル:「聞こえてるな。お前は説明を受けた方が良いだろうから、伝えるよ」
七十橋シスル:「有崎先生の特異性は、他のレネゲイドよりもほんの少しだけ、自己鎮静能力が高い」
七十橋シスル:「生還者って分類だ。これは、オーヴァード自身に帰還能力が一切残ってない場合でも、最低限働く」
七十橋シスル:竜王と戦う前に、この方策については聞かされていた。既にルキアの握る手も、奪うべき石の魔剣もグヴィバーも無いために、こちらの方策に切り替えたのだろう。
七十橋シスル:「これを、ウルスラの深化した遺産と技術で、お前に移植する。お前が常に晒されていた、ジャーム化の危険は劇的に減少するってことだ」
真竜ルキア:「そんなことをしても」
真竜ルキア:「もう、戻れないのに」
真竜ルキア:「それに、有崎五派は……有崎先生は」
真竜ルキア:「そんなことして、無事で済むの!?」
七十橋シスル:「済む。あくまで取るのは特異性だ。それがなくても安定してるオーヴァードは大勢居る、そのうちの一人になるだけだ」
七十橋シスル:「……随分と、素直になったもんじゃねえかよ、まったく」
七十橋シスル:「お前が誰かのことを先生なんてなあ……」
七十橋シスル:見上げる。光球そのものになったルキア・ティベリアを。
七十橋シスル:「これは外科手術だ。絶対に成功するとも言えないし……全ての障害がなくなるわけでもない。むしろお前は、力を自由に振うことが出来なくなる」
七十橋シスル:「だからお前に問いかける。お前が、そういう可能性があっても、もうノヴァリスに戻りたくない。この故郷で良いって言うんだったら、それでいい。ここに残れ」
七十橋シスル:「ただ」
七十橋シスル:「その時は、俺もこっちに残る」
ルナンシア・ラダ・ランパート:渋面で額を押さえている。
真竜ルキア:「シスル、私は」
真竜ルキア:「シスルを、苦しませたくなかったのよ」
真竜ルキア:「ずっと、冷たいことばかりして……」
真竜ルキア:「つ、伝わらなかった」
真竜ルキア:「全然、伝わらなかったかもしれないけれど」
真竜ルキア:「私がキングダムから消えて……怖がったり、怯えたりする子も、いなくなって……」
真竜ルキア:「私よりずっと多くの人を」
真竜ルキア:「シスルが、救ってくれるって、思っていた」
七十橋シスル:「……ああ。ルキア」 静かに子供に言い聞かせるように、優しく言葉を選ぶ。
七十橋シスル:「お前はな。お前が今言ってたとおり――――」
七十橋シスル:「性格が悪い」
真竜ルキア:「そうね」
真竜ルキア:「ずっと、そうだったわ」
七十橋シスル:「そうだ。劣ってる他人を見下して罵倒して、すぐ理屈こねて上から押さえ付けて、逆らう他人は力で分からせて、嫌われたかったっつっても才能は絶対あった」
七十橋シスル:「だがな。だが、苦しめたくなかった、私の代わりに救ってくれって、……………」
七十橋シスル:足下にのっぺりとしたゴミ箱状の構造物が出現。
七十橋シスル:シスルはそれを怒りのままに蹴っ飛ばし、音を立てて、虚空に消える。望んだのだ。
七十橋シスル:「言えよ! ――――俺はな、誰とも知らねえ免罪王と、任アルルから聞いたぞ! ここに帰れると決まった途端に、随分とまあ穏やかで、物わかりよく素直だったらしいじゃねえか!」
真竜ルキア:「そんなこと、そんなこと言ったって!」
真竜ルキア:「だって、全部嘘じゃない!」
真竜ルキア:「思うことなんて誰にだってできるわ!」
真竜ルキア:「全ての人を救いたい、幸せにしたい――」
真竜ルキア:「心から願っていたことなら、そうできた!するべきだったのに!」
七十橋シスル:「出来ねえよ! 想うだけで出来るなんて!」
七十橋シスル:「過剰評価だ! 今まで何ッ万回、俺が救い損ねてると思ってるんだ!」
七十橋シスル:「俺はな、最後の呪術医なんだよ! 普通の怪我なら科学の医者がいくらでも直せる! 超常の傷は、UGNでもFHでも研究してる技術はあっちが最前線だ!」
七十橋シスル:「時代遅れの、場違いな技術なんだよ! 俺は、俺はそれを、ただ親から引き継いだ!」
真竜ルキア:「だけど、シスルは」
真竜ルキア:「――私を救ってくれたのよ。生まれた時から呪われていた、誰にも救えないような、私を」
真竜ルキア:「一緒にお買い物をしたわね。シスル」
七十橋シスル:「…………ッ!」
真竜ルキア:「幻獣公園にも連れて行ってもらったわ」
真竜ルキア:「街を……真夜中の街じゃない。人が沢山いて、きらきらして、明るい街を歩いて――」
真竜ルキア:「もしかしたら、幸せになれるかもしれないって」
真竜ルキア:「私だって、優しい人間になれるのかもしれないって」
真竜ルキア:「あなたにしか……」
真竜ルキア:「あなたにしか、できないことだったのよ。シスル」
七十橋シスル:「分かってる」
七十橋シスル:「お前を引き戻すのは、また同じようなことを、お前に繰り返させることだって、分かってる」
七十橋シスル:「だから、お前はここに残して。俺自身でも残影でもいい、ノヴァリスの時の愚痴でも何でも聞いてやりながら、緩やかに散逸を待つ」
七十橋シスル:「お前は、そのくらいは受けて良いし、それくらいは渡したい。……それでもいいと思ってた」
七十橋シスル:「けどな。…………ああ、ダメだ」
七十橋シスル:「お前はさ。ルキア。あの休日で」
七十橋シスル:「――――楽しかったのは自分だけだなんて思ってたのか?」
真竜ルキア:「え……」
真竜ルキア:星のように輝く、超越者の一柱と化した存在が発するには
真竜ルキア:あまりにもか細くて、思いもよらなかったかのような吐息だった。
七十橋シスル:「振り回されるのも別に嫌いじゃなかった。任から守るのも気分が良かったよ。日々の気休めになってんのかも、何も分からなかったけど」
七十橋シスル:「黒壇通りでああなって、病院で起きたときは、本当に最悪だった」
七十橋シスル:「"次はもっと上手くやってやる"って、そう思った」
真竜ルキア:「違う」
真竜ルキア:「あなたのせいじゃなかった」
真竜ルキア:「私が、あなたのことを」
真竜ルキア:「好きになりすぎたから」
真竜ルキア:「私が苦しくて、辛かったのは、私の……私のせいなの」
真竜ルキア:「そんな思いをしたくなくて、私は――」
真竜ルキア:「帰りたかった」
七十橋シスル:「せいとか、べきとか、罪とか、責任とか! そういう当たり前のどーでもいいことを聞いてんじゃねえんだよ!」
真竜ルキア:「……っ」
七十橋シスル:「そういうのが俺は一番嫌いなんだ! 弱ければ罪で、劣っていたら踏み躙られても仕方なくて、時代遅れなら廃れて当然で」
七十橋シスル:「誰よりも力があったら、誰もをみんな幸せにしなくちゃいけない、しなきゃ生きてる意味が無い!?」
七十橋シスル:「……………………なあ」
七十橋シスル:「お前には、まだ見てほしいものがあるんだ」
七十橋シスル:「さっき言ってた、お前の父親の残したメッセージもある。お前の兄弟……とは全然言えねえが、由来が近い生徒だっている」
七十橋シスル:「それは苦しいと思う。傷つくと思う。俺はまだ未熟だ、前と同じことを繰り返すかもしれねえ」
七十橋シスル:「それでもだ。至上王、偉大なりしルキア・ティベリア陛下」
七十橋シスル:見上げる。
七十橋シスル:「傷つく自由を、選んでくれ」
七十橋シスル:「――――――お前の傷を癒す権利を、俺にくれ」
真竜ルキア:「みんなが、私を嫌ってるわ」
真竜ルキア:「円卓を踏みにじって、君臨している魔王だって」
七十橋シスル:「みんなじゃない。お前の恩恵を受けてるやつはいる」
七十橋シスル:「遠い奴が気付かないだけだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……"美食王"が」そうしていいか迷うように口を挟む。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「茶会を、用意していると」
真竜ルキア:「…………オーシャンズ」
真竜ルキア:「オーシャンズが」
七十橋シスル:「王様だって、ずっとやってなくていい」
七十橋シスル:「頼りになる奴は大勢いる。好き好んで王をやってる奴も」
真竜ルキア:「……ジェシカ」ぽつりと呟く。
真竜ルキア:「ジョウカ。オリヴィエ……算砂」
真竜ルキア:「…………エリザベス。みんな、みんないたのに。私は……」
七十橋シスル:「……正直な。気に食わねえところはあんだよ」
七十橋シスル:背後の、騎士王、ウルスラ、チギリ、ごはせんたちを嫌そうに見る。
七十橋シスル:「次から次へと助けに来やがって」
七十橋シスル:片手をあげる。
真竜ルキア:「ルナンシア……」
真竜ルキア:「ウルスラ。チギリ。先生……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ああ、ああ。悪かった、王子様」両手を挙げて応じる。
有崎五派:微笑みと共に頷く。
七十橋シスル:舌打ち。
七十橋シスル:再び向き直って、改めて手を伸ばす。「だから、降りてこい」
七十橋シスル:「一緒に帰ろう」
真竜ルキア:「…………………………シスル。シスル……」
真竜ルキア:「シスル!!」
真竜ルキア:白い光から、手が伸びた。シスル達と同じような年頃の少女の、
真竜ルキア:シスルの見慣れた手だった。

ルキア・ティベリア:「う、わあああああああ」
ルキア・ティベリア:「わあああああああああん」
ルキア・ティベリア:「わあああああああ」
七十橋シスル:「……、……っと!」
七十橋シスル:手を取る。軽い。光とそう代わらない色合いの、少女。
七十橋シスル:「手間、かけさせやがって」
ルキア・ティベリア:「好きになりたかった!!!」
ルキア・ティベリア:「私の、幸せは……誰かを…………心から……っ」
ルキア・ティベリア:「好きになりたかったの……!」
七十橋シスル:「そうか。」
七十橋シスル:その手を取って、体を優しく支える。
七十橋シスル:そして、静かに言葉を紡ぐ。
七十橋シスル:「――"その爪先が触れ歩む大地を すなわち国土とし"」
七十橋シスル:「”その御身を支える私を すなわち民とすれば”」
七十橋シスル:「"その唇より紡がれし言葉全てが 尊き法となる"」
七十橋シスル:少しだけ身を離す。泣きはらす少女を、呆れたように微笑んで見据える。
七十橋シスル:「"貴女は今 貴女という国の姫君となられた"」
七十橋シスル:「"私は魔女。十二人目の魔女。遍く悪意と傷から守る、皙杖の魔女"」
七十橋シスル:「"シスル・フィン=ファーカーは、ルキア・ティベリアに、その苦しみと傷の全てを任ぜられることを"」
七十橋シスル:「"――ここに、誓う"。受けて頂けますか?」
七十橋シスル:ルキア・ティベリアをSロイスに指定します。
GM:七十橋シスルに縋り付くようにして泣くルキアの答えは、
GM:子どものような泣き声に紛れてほとんど聞こえなかった。
GM:だが、相反する望みを抱いていた彼女達の戦いは終わった。それが答えだった。
GM:そして――
-:あなた達の世界への道筋を、もう保つことができなくなってしまいました。
-:けれど、最後にわかりあうことができて、よかった。
-:あなた達という素晴らしい情報が散逸してしまうことだけが
-:――残念です。
キングダム本校舎

GM:報告を受けたジェシカ・クロフォードが現場へと向かった時には、既に全てが終わった後であった。
GM:ルナンシア・ラダ・ランパートや七十橋シスルをはじめとした5人は、帰還の手立てのない『おとぎの国』へと突入した。
GM:本校舎の上層はまるで別世界に放逐されたかのように消し飛ばされていて、
GM:――空は深い夜空の黒だ。『おとぎの国』への接続は途絶えたのだ。
キングダム一般生徒:「……ふ、不夜王様」目撃者だという生徒の一人だ。
キングダム一般生徒:「消えてしまいました。騎士王様達は……」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、報告ご苦労だった」
ジェシカ・クロフォード:「だが、その表現は適切ではないな」
ジェシカ・クロフォード:「騎士王達は自らの意志で進んだのだ」
ジェシカ・クロフォード:「『消えてしまった』では、やつらが巻き込まれたかのように取られてしまう」「それは彼女らの覚悟への侮辱だよ」
キングダム一般生徒:「ですが」
キングダム一般生徒:「わ、私達にとっては、同じことではないですか」
キングダム一般生徒:動揺している。円卓第二席に対する適切な言葉遣いを忘れていた。
GM:――ノヴァリスからの物理的離脱の禁止。十字冠持つ生徒である限り、ノヴァリスからの『完全な消失』は起こり得ないものとされている。
GM:だが、ルキア・ティベリアは、まさにそのための試みをした。そして七十橋シスル達が、その後を追っていったというのなら。
GM:彼女らを再び見つけ出し、連れ戻す方法はない――本当にそうだろうか?
ジェシカ・クロフォード:「それに」
ジェシカ・クロフォード:「騎士王達を『観測』する術があるのなら」
ジェシカ・クロフォード:「それは『消えた』とは言えまい?」
キングダム一般生徒:「何をなさるのですか!?不夜王様……!」
ジェシカ・クロフォード:「かつて、いたんだよ」
ジェシカ・クロフォード:「妄執的にまで理想を求めた愚か者が」
ジェシカ・クロフォード:「それはこの世界のみに飽き足らず、他の世界を観測してまで自分が目指すべき世界を探し続けた」
ジェシカ・クロフォード:「その愚か者に倣う。」
ジェシカ・クロフォード:「その愚か者が辿った道筋を我らは別のやり方で進む」
ジェシカ・クロフォード:言葉を切り、『そこ』へと向かいます。
ジェシカ・クロフォード:「着いてくるか?」
キングダム一般生徒:「私も……はい!わ、私も!」
キングダム一般生徒:「お供します!」
救伐騎士団:「不夜王様!」別の生徒が、ジェシカを呼び止めようとする。
ジェシカ・クロフォード:「なんだ?」
救伐騎士団:「本校舎内は危険です!どのような現象が起こるか、まだ解析されておらず――」
救伐騎士団:「生徒達の立ち入りを禁じております!どうか、調査は我々にお任せください!」
ジェシカ・クロフォード:「ならば」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が私を守れ」
救伐騎士団:「しかし、私は……騎士団として、規則を守らなければ……!」
ジェシカ・クロフォード:「私が赦す」
ジェシカ・クロフォード:「真に守りたいモノを守るためならば」
ジェシカ・クロフォード:「一生に一度ぐらい法を破ってもかまわんさ」
救伐騎士団:「わ、私は…………ルナンシア様を……」狼狽しているようだった。
ジェシカ・クロフォード:「迎えに行くぞ。騎士王を。拷問王を。至上王を」「我らの輩を」
救伐騎士団:「……分かりました。私は、私の意思で、キングダムの規則に反します!」
GM:3人となった一団は歩き出す。
行政部生徒:「不夜王様!」
GM:そうして、
キングダム一般生徒:「不夜王様!」
GM:多くの生徒が……
医療部生徒:「不夜王様!」
GM:ジェシカ・クロフォードの後に続いた。
GM:彼女達はそうして、目指していた場所へと辿り着く。

GM:――円卓の間。
GM:傾いて、瓦礫に半ば埋もれた白い円卓が、そこにある。
GM:天井はない。白い光ではなく、遠い星の光だけに照らされていた。
GM:この円卓の間に、これだけの数の、それも立場を持たない生徒達が踏み入ったことはなかった。
GM:この状態の円卓が、王鍵を繋ぐシステムとして起動できるのだろうか?
GM:できるはずだ。
GM:"竜王"はそれを実証した。円卓の機能は健在なのだ。
GM:そして、"不夜王"はこの円卓を起動する適格者ですらなかったが
GM:いつかの日に一度、システムを動かしたことがある。円卓議会とは、そもそも『円卓』の七名の管理者権限のことでもある。
GM:『氷累の石棺』。『茨広げしターリア』。『勇者の徴』。……『劣剣グウィバー』。
GM:ジェシカのみが理解できるインターフェイスに、それらの王鍵の接続状態が流れる。
GM:『氷累の石棺』、消失。
GM:『茨広げしターリア』、消失。
GM:『勇者の徴』、消失。
GM:『劣剣グウィバー』、消失。
ジェシカ・クロフォード:「…………」
ジェシカ・クロフォード:(やはり『接続』が失われている)
ジェシカ・クロフォード:(いや、だが想定内だ)
ジェシカ・クロフォード:(失われているのは『接続』だけ)
ジェシカ・クロフォード:(ならば。こちらから迎えにいけばいい。それだけだ)
ジェシカ・クロフォード:(だが)
救伐騎士団:「ルナンシア様……」
キングダム一般生徒:「そんな」
ジェシカ・クロフォード:焦燥を隠しながら思考を進める。
ジェシカ・クロフォード:しかし、思考を進める度に汗が頬を伝っていく。
キングダム一般生徒:「みんな死んでしまった、ってこと……?」
キングダム一般生徒:「でも、こんな……こんな簡単に、元老様が」
ジェシカ・クロフォード:「死んではいない。ただ、遠いところにいるだけだ。」
ジェシカ・クロフォード:「円卓でも認識出来ないほどにな。」
キングダム一般生徒:「し、仕方のないことでしょう――」
キングダム一般生徒:「私達は十分やったと思うわ。星徒達の襲撃があって、キングダムの皆で乗り切って」
キングダム一般生徒:「今でなくたって、いつか戻って来るかもしれないなら……」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「――諦めては!!」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「いけません!!」

"魔術王"ナアマ・キクロス:いつの間にか、夜空に青いローブがはためいていた。
ジェシカ・クロフォード:「"魔術王"」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ジェシカ・クロフォード!」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「あなたは最も賢い選択をいたしました!」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「それは、私に、キングダムの危機にまつわる未来の全てを予知させなかったこと――」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「私はこの先の未来を見ておりません!」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「分からない限りは、可能性はあるのです!必ず!」
ジェシカ・クロフォード:「…………」
ジェシカ・クロフォード:その言葉が
ジェシカ・クロフォード:ジェシカの周りを覆っていた諦念と閉塞感を霧散させた。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ジェシカ・クロフォード」
ジェシカ・クロフォード:「ああ」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「今のあなたは、私が夢で見ていたあなたとは違う答えを出すことができます」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「そうですよね?もうあなたは、あなた一人だけの力ではないのですから」
ジェシカ・クロフォード:「そう、だな」
ジェシカ・クロフォード:「私は誰よりも近くで至上王を見てきた。」
ジェシカ・クロフォード:「彼女は、良き王であったとは言えないが」
ジェシカ・クロフォード:「その力も叡智も、暴虐さえも含めて」
ジェシカ・クロフォード:「彼女こそがキングダムで唯一の、真の王だった。」
ジェシカ・クロフォード:「彼女を通して、学ばせてもらったよ。」
ジェシカ・クロフォード:「王に必要なのは、自らの理想を貫くための意志と力だと」
ジェシカ・クロフォード:「私も、それを行使する。」
ジェシカ・クロフォード:「私は、今回の騒動でキングダムの生徒を誰一人犠牲にせぬと誓った。」
ジェシカ・クロフォード:「最後の最後でそれを諦めるものに」
ジェシカ・クロフォード:「"王"たる資格があるものかッ」
ジェシカ・クロフォード:バ シ ッ
ジェシカ・クロフォード:円卓に手を叩きつける
ジェシカ・クロフォード:「死蔵王ッ」
GM:『円卓』は全ての王鍵と接続されている。
GM:『ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し』を通じた通信が、死蔵王へと繋がった。彼女は医療部のベッドで安静状態にあるはずだったが――
竜胆ジョウカ:〈……は~い、こちら”死蔵王”〉
竜胆ジョウカ:〈今行きます〉
キングダム一般生徒:コツコツ、と軽い足音。
キングダム一般生徒:血まみれの一般制服の下から包帯を巻いた生徒が、その声を運んでくる。
キングダム一般生徒:まるで人形を操るように丁重に、形を崩壊させないように"死蔵王"が運ばれている
ジェシカ・クロフォード:「すまんな。苦労を掛ける」

竜胆ジョウカ:「イチチ……まあ馬鹿やるってことならとことんやった方がいいでしょう」
医療部生徒:「死蔵王様!?」悲鳴のような声を上げる。
医療部生徒:「無茶です!働かせるなんて……いえ、何をするつもりでも、そんな状態で……!!」
キングダム一般生徒:「こちら飲めますか?死蔵王さん」美食部印の液体栄養食を運び、死蔵王の口元を湿らせている。
竜胆ジョウカ:「あ、どうも……んく」
竜胆ジョウカ:「……ぷは。まあ”ムカト=ヒャンデル”は生命維持に回してますが」
竜胆ジョウカ:「指図はできるし、魔術も……まあちょっと回復してきたので、多少は使えるでしょう」
ジェシカ・クロフォード:「無茶は承知だ」
ジェシカ・クロフォード:「だが、この女なら適う。」
竜胆ジョウカ:「何より専門は遺産等々の管理ですので。私抜きでベタベタ触られまくっても困りますしね……っと?」
医療部生徒:「でも、こんな状態では目も見えないでしょう!」
医療部生徒:「こんな複雑な魔導システムの解析ができる方なんて、死蔵王様ご自身以外には――」
キングダム一般生徒:「死蔵王さん、こちらに体を預けてください。」アウトドア用のエアマットに体を安置する。
キングダム一般生徒:「準備してきますね」
竜胆ジョウカ:「あっ助かりま……ヒ~ッ」
キングダム一般生徒:つい、と礼をして怪我だらけの一般生徒が円卓に近づく。
キングダム一般生徒:そのまま円卓に触れて──
キングダム一般生徒:「ふふ」
キングダム一般生徒:ガラララララッ。瓦礫にまみれた円卓を指先で摘み、持ち上げる。
GM:埋もれた円卓が引き上げられた。
GM:数百kgに及ぶ瓦礫が転がる。

"情王"ブレス・ブリギッド:「"円卓"──こんな形で触れることになりますとは」
"情王"ブレス・ブリギッド:持ち上げた円卓を見上げる。
ジェシカ・クロフォード:「ご苦労。"情王"」
"情王"ブレス・ブリギッド:「無作法を失礼しますね、不夜王さん。」片手で持ち上げながらの会釈。
ジェシカ・クロフォード:「許す。危急の事態故な」
"情王"ブレス・ブリギッド:最中に有って表面に傷はなく、わずかに触れば汚れすらも払われる。
"情王"ブレス・ブリギッド:(ほんと──求めた時は、あんなに届かなかったですのに)
"情王"ブレス・ブリギッド:「感謝いたします」わずかに目を細める。
"情王"ブレス・ブリギッド:円卓が穢れることはない。だからこそ、今までお掃除部として触れる機会はなかった。
"情王"ブレス・ブリギッド:(でも、こうして触れてみれば)
"情王"ブレス・ブリギッド:(案外、なんてことないものですね)
"情王"ブレス・ブリギッド:フフ。と自分の思考に自然と笑みが浮かぶ。珍しいことだ。遺産を継承してからは、特に。
"情王"ブレス・ブリギッド:触れるだけなら誰でも出来る。それでも『円卓』が象徴たり得たのは、きっと。
"情王"ブレス・ブリギッド:("特別"だったから、円卓に選ばれたのか)
"情王"ブレス・ブリギッド:(円卓に選ばれたから、"特別"だったのか)
"情王"ブレス・ブリギッド:(いえいえ……そうじゃ、ありませんよね。だって、そうなら)
"情王"ブレス・ブリギッド:私には"特別"になる機会があったし
"情王"ブレス・ブリギッド:自分と同じ立ち位置から、新たに"特別"を手にした王の姿も、見た。
"情王"ブレス・ブリギッド:「『円卓議会』の標語を、覚えてらっしゃいますか?」
"情王"ブレス・ブリギッド:誰にともなく、語りかける。
"情王"ブレス・ブリギッド:同じ制服を纏う生徒たち。ここに至るまでに前線に立ち続けた人たちに。
キングダム一般生徒:「自らに……君臨せよ」
"情王"ブレス・ブリギッド:「えぇ」
"情王"ブレス・ブリギッド:「わかりますよね?──それは、心構えです」
"情王"ブレス・ブリギッド:「円卓の王だから、特別なのではない」
"情王"ブレス・ブリギッド:「特別だから、円卓の王に選ばれるのではない」
"情王"ブレス・ブリギッド:「円卓に触れた人たちは、"特別"であろうとして──」
"情王"ブレス・ブリギッド:「特別に、成ったのです」
"情王"ブレス・ブリギッド:「その姿を、覚えてますよね?私達は、知っていますよね」
"情王"ブレス・ブリギッド:「"円卓の王"と呼ばれて、そうであろうとしてくれた方々」
"情王"ブレス・ブリギッド:「その姿に憧れたから」
"情王"ブレス・ブリギッド:「──私達は、ここにいるのでしょう?」
"情王"ブレス・ブリギッド:重さを感じさせない仕草で"円卓"を置く。
"情王"ブレス・ブリギッド:「今なら円卓に触れることが出来るのです」
"情王"ブレス・ブリギッド:「ならば、その心構えこそ忘れないで」
"情王"ブレス・ブリギッド:「あなた達が憧れた、"円卓の王"達のように」
行政部生徒:「……はい。可能な限り解析を行います」円卓に触れ、システムを読み取ろうとする。記憶解読の術師なのだろう。
行政部生徒:「不夜王様の仰る通りに、まだ至上王様達が生きていらっしゃるなら……」
行政部生徒:「通信も、もしかしたら繋がるようになるかもしれません」
"情王"ブレス・ブリギッド:答えた生徒に柔らかく笑う。珍しく、口元を緩ませる笑み。
"情王"ブレス・ブリギッド:「ええ。きっとそう。私達は、星徒達の襲撃だって乗り越えた」
"情王"ブレス・ブリギッド:「だからきっと……」腰に手を当てて胸を張る。"憧れの先輩"を意識して。
"情王"ブレス・ブリギッド:「なんとかなるわ。────だって、お手本を見せてくれる人達もいるもの」
ジェシカ・クロフォード:「そういうことだ。"汽罐王"」
ジェシカ・クロフォード:「卿らにも力を貸してもらう」
GM:今の本校舎は、救伐騎士団に封鎖されていない。円卓の間に、新たに現れた生徒達がいる。

ナターリヤ・ネプチャン:カツ、かつ。金属質の靴音と、それよりもやや静かなもの。
ナターリヤ・ネプチャン:二人分の足音が緩やかなテンポで円卓の間に響く。
ナターリヤ・ネプチャン:「……端末の通信状態が不安定な時」
ナターリヤ・ネプチャン:「オレならば、まず機器の不調の方を疑いますね────どうです?」
ナターリヤ・ネプチャン:傍らの影に問う。

"竜王"伊藤算砂:「無力化ではない」肩を貸されるようにしていた、竜角の少女が応えた。
"竜王"伊藤算砂:「円卓そのものへの理解の時間から始めるべきではありません。手短に」
"竜王"伊藤算砂:「円卓自身が遺産の多重適合者であり円卓の管理者は個々の遺産の代償を受けない」
"竜王"伊藤算砂:「それは相互に王鍵の起動を行い出力を食い合わせて平衡を取っているため」
"竜王"伊藤算砂:「そして主たる操作者は1人と置くとしても十全に運用を行うためには7つの管理者枠は埋めるべきです」
"竜王"伊藤算砂:「“不夜王”。“死蔵王”」
"竜王"伊藤算砂:「“竜王”。“魔術王”。“汽罐王”の3名にも一時委譲を」
"竜王"伊藤算砂:「それから、“至上王”が円卓候補としたという事実を以て円卓相当とし、“情王”にも管理権限を代行頂きます」
ジェシカ・クロフォード:「いいだろう。」
"竜王"伊藤算砂:「これで6。“不夜王”様。最後の一枠ですが……」周囲の生徒らを見渡す。
"竜王"伊藤算砂:「ここの者より選定下さい」
ジェシカ・クロフォード:「…………」
ジェシカ・クロフォード:周囲に目をやる。
ジェシカ・クロフォード:「私が選定する必要はない」
ジェシカ・クロフォード:「彼女らは知っている。」
ジェシカ・クロフォード:「この学園において王たる資格があるのは」
ジェシカ・クロフォード:「『自らに君臨するもの』だと」
ジェシカ・クロフォード:「その覚悟を有する者ならば」
ジェシカ・クロフォード:「我らが何も言わずとも、一歩を踏み出すはずだ」
ジェシカ・クロフォード:「王たる道への、最初の歩みを」
GM:――やがて、一人の生徒が進み出た。
GM:名の知られた生徒ではない。その能力も、この場に並んだ他の王と比べれば、ひどく劣っていただろう。
GM:だが、王となることを選んだ生徒だった。その願いと意思こそが重要なことだった。
GM:無尽蔵とも思える試行が始まった。
GM:2時間。3時間。時間だけが無情に流れ、手遅れなのかもしれないという焦りと絶望が、生徒達の間で募っていくことが分かった。
GM:ジェシカ・クロフォードは
GM:諦めなかった。
GM:――そして。
『おとぎの国』

GM:七十橋シスル。ウルスラ・ミック・ベニ。天沼チギリ。ルナンシア・ラダ・ランパート。有崎五派。そして、ルキア・ティベリア。
GM:6人は、果てのない世界の只中に取り残されていた。
GM:そして、戻る方法も進む方法もないことを、全員が理解していた。
GM:それを望んだとしても、『おとぎの国』は応えない――なぜなら多くの願いが、既に叶った後であるから。
ルキア・ティベリア:「……有崎先生」
ルキア・ティベリア:そんな漂流の最中で、ぽつりと呟く。
ルキア・ティベリア:「体は大丈夫?」
ルキア・ティベリア:「私に……先生の持っていた特異性を移植する手術だったのよね」
有崎五派:「だいじょーぶ!」
有崎五派:その声に、歯を見せて笑う。
有崎五派:「元々自分でもよく分かってないモノだったし、ルキアちゃんの役に立ったならそれでいいのよ」
有崎五派:「ルキアちゃんこそ大丈夫なの?気分、悪かったりしない?」
ルキア・ティベリア:「……ううん」
ルキア・ティベリア:「こんなに穏やかな気分は」
ルキア・ティベリア:「生まれてから、初めて……」
ルキア・ティベリア:「ああ、でも……」
ルキア・ティベリア:「……ごめんなさい」
有崎五派:「うん?なにが?」
ルキア・ティベリア:「みんな、消えてしまうのは……私のせいだから……」
有崎五派:「うーん、そこよね」
有崎五派:腕組をして唸る。
有崎五派:「どうしたもんかしら……みんな、ぴしゃーんと何か良い案思いついたりしない?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「時間はある」
有崎五派:朗らかな声色のまま、ルキアを含めて全員を見回す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「依然……ある程度はそのようになっているはずだ。整然性の総量が変化しないというのは、時間の経過にさしたる意味がないということ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「これ以上何かをシステムに対し願わなければ、散逸のペースはかなり抑えられる。抑えられている」
七十橋シスル:「お前が蹴飛ばしたアレの力でどうにかなんねえのか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ふん。どうだかな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「この世界は神秘による働きかけを許容しない、イースターエッグが単独で意味をもつことはないし」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それこそ、シスル。おまえが感情まかせに余計なゴミ箱を作っていなければ、そうする目もあったかもしれないが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:目を閉じて微動だにしないまま憎まれ口を返す。
七十橋シスル:「あ? あのゴミ箱が無駄だったってのか? 憂さ晴らしに蹴れるもん作って何が悪い」
七十橋シスル:「3、4割ほど死ぬ予感がしてたからな、いささか良い子ちゃんで居すぎた」
天沼チギリ:「おやめください。幼子のような言い争いは。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふ、喧嘩する元気はあるみたい?」
有崎五派:「そうよ~!ルキアちゃん含めてみんな自分の意思で来たんだから!」
有崎五派:「誰かのせい、ってならみんなのせいでしょ?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ああ、済まない。無駄話をしているように見えるだろうが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「余計なことを思い浮かべないためだ。叶ってしまうと、その分だけ早まる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「まあ……いささか本気だったのは否定しない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ばつが悪そうに。
ウルスラ・ミック・ベニ:「人事を尽くして天命を待つ……何もしないで休んでいいのも、考えてみれば贅沢な話だ」
七十橋シスル:「尽きてんのは天命のほうだけどな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「じゃあこっちも出涸らしでーす、何にも残ってませーん」
ウルスラ・ミック・ベニ:空っぽの掌を広げ、四肢を気持ちよさそうに伸ばす。
有崎五派:「じゃあ私もそうしちゃお!いざって時走れもしないんじゃ困るし」
有崎五派:ウルスラの隣に大の字になって寝ころぶ。
天沼チギリ:「……。」ふぅ、とため息を吐く。
天沼チギリ:こてん、と先生の隣に寝転がる。
天沼チギリ:「では、しばし横になりますか。」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……私もそうする」兜を外して、同じように寝転ぶ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:騎士王のトレードマークの一つである、薄皮1枚を隔てた別世界を眺むような視線は今はない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:遺産の働きが抑制され、倫道アカネに槍を破壊されたときと同じ状態になっているためだ。
七十橋シスル:「だりい。まあ騒いだところで疲れるだけ……でもないのか? この世界だと」どっかりと片膝を立ててその場に座り込む。
ルキア・ティベリア:「……そうね」両足を横に寝かせるように、シスルの隣で座り込んだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「こういう日も、たまにはいい」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「暫し休んで、奇跡を期待して、それからまた考えよう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:様々な約束が果たされないまま、確かな終わりの予感を覚えながら、不思議と悪い気分ではなかった。
七十橋シスル:「ハァ。これはこれで貴重な機会か……」
七十橋シスル:コートを脱いで、鎖やアクセサリーをのけて、くるくると布部分を長方形に丸める。
GM:しばらくの時が経った。
GM:時間の概念が自在な『おとぎの国』でも、精神が十分に休息する時間は経過するらしい。
GM:故に、はじめはその彼方からの声も、夢の中の呼びかけのように思えただろう。
GM:もっとも、それが届いたのは3名だけだ――至上王、拷問王、騎士王。
GM:王鍵が時に人の精神に影響を及ぼすのと同じように
GM:適合者の内へと語りかける波長として、その声が届く。
:……ザッッ………ザザッッ……

ジェシカ・クロフォード:『……消失状態の解除を確認したッ』
ジェシカ・クロフォード:『遺産との『接続』が出来たぞ。"汽罐王"」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──」ぱちり、と開眼する。
ジェシカ・クロフォード:『ここにいる。いるはずだなッ』
ルキア・ティベリア:「ジェシカの……声だわ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞こえた者」
七十橋シスル:黙ってひらひら手をあげる。
七十橋シスル:脱いだコートはルキアの下に敷かれている。
ルキア・ティベリア:胸の前で小さく手を上げている。
ナターリヤ・ネプチャン:『……はり、”微弱すぎた”だけ……ったのですね!』跡切れ跡切れに加わる声。
ウルスラ・ミック・ベニ:「声が増えたね」びしっと万歳。
有崎五派:「えっ?えっ?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「『おとぎの国』が誰かの無意識の願いを汲んだ──わけではないな」
竜胆ジョウカ:『よーし、よしよし……いいですね』音を拾っているところから遠い感じ。
ジェシカ・クロフォード:『聞こえるか。至上王。騎士王。拷問王』
ルキア・ティベリア:「ジェシカ!ジェシカなのね!?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞こえている、こちらの言葉はわかるか。あるいは念話を試みたほうがいいか」
ジェシカ・クロフォード:『聞こえた。”竜王"。そちらでも確認できたな』
"竜王"伊藤算砂:『はい、しかし……何がどうなっているのか……』
"情王"ブレス・ブリギッド:『一緒に突入した方もご一緒でしょうか?離れてたら大変ですよ』
ルキア・ティベリア:「みんな一緒にいるわ。ウルスラも、チギリも、有崎先生も」
ウルスラ・ミック・ベニ:「皆欠けることなく揃ってま~す」
ジェシカ・クロフォード:至上王の聞きなれない声にやや背筋に悪寒を覚えるがそれはなんとか隠す。
"情王"ブレス・ブリギッド:『わっ、……今の声。あんなお声で話すこともあるんですねえ…』呑気な呟きが通信に載っている。
七十橋シスル:「ご機嫌麗しゅう、不夜王閣下」
七十橋シスル:「俺たちのいないキングダムは居心地が良かったろうに、どうした?」
ジェシカ・クロフォード:『黙れ。この未曽有の混乱の後始末から逃げようとしてもそうはいかん』『貴様らにはまだやってもらうことがある』
ルナンシア・ラダ・ランパート:体を起こし、拷問王を肘で小突く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「込み入ったことになっている。『おとぎの国』が、我々の想像を越えた世界だった……今から話す」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうして、自分たちの現在の状況を共有する。
有崎五派:頭上に疑問符がいくつも浮かんでは消えていくが、会話の内容に耳を澄ませている。
ジェシカ・クロフォード:『なるほど、な』
ジェシカ・クロフォード:『通りで『円卓』を介しても通信が困難極まるわけだ』
"情王"ブレス・ブリギッド:『おとぎの国。絶えることのないエネルギーの循環に、ルナンシアさん達の消耗ですか……』
"竜王"伊藤算砂:『つまり、残る問題は……帰還のためのリソースのみと』
"竜王"伊藤算砂:『わかりやすくはあります』
ナターリヤ・ネプチャン:(───想像を絶するな)計器を具に確認しながら、わずかに思考を割く。
七十橋シスル:(……過度に時間がズレてるわけじゃねえか)
ルナンシア・ラダ・ランパート:「本当に……よく、繋げてくれた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それからなるべく考えないようにしてたけど、イースターエッグ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキアがボクたちを導いてくれたんだから、やっぱり欲張りたいところだよ」
有崎五派:「どこに転がってっちゃったのかしらね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「まあ、どうにかする手はそっちに全部任せちゃうんだけどぉ……」
ルキア・ティベリア:「あんなことをしておいて」
ルキア・ティベリア:「今更そんなこと……」
ルキア・ティベリア:「度し難いわ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「愚かな切掛が必要だったんだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おかげで今、大団円の糸口が見えている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:悪びれる様子なく応じる。
ジェシカ・クロフォード:『そうだな。任せろ』
キングダム一般生徒:『救出する手立てはあるのですか?不夜王様』
行政部生徒:『いえ……そもそも、至上王様がご自分の意思で去られたなら、わざわざ呼び戻すことなんて……』
ジェシカ・クロフォード:『卿らの後始末はいつだって私の仕事だ』
"情王"ブレス・ブリギッド:『後始末なら、私も専門ですねっ』
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえほど頼もしいやつはいないよ、ジェシカ。それに……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「汽罐王。ブレス、算砂、ジョウカ──もう一つ声があるな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうだとも。我々はするべきでないことを全てやったが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おかげでルキアが帰って来る」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「なんとかしてくれ。後生だ」
"竜王"伊藤算砂:『全員帰られる意志があるのですね?』
七十橋シスル:「当たり前だ」
ジェシカ・クロフォード:『そういうことだ』
ジェシカ・クロフォード:『至上王に帰る意志があるなら問題あるまい。家出など」
ジェシカ・クロフォード:『誰だって一度は経験することだ』と生徒たちに声をかけ
ジェシカ・クロフォード:『至上王…いや、ルキア・ティベリア』
ルキア・ティベリア:「……」
ジェシカ・クロフォード:『君と初めて会った時』
ジェシカ・クロフォード:『私は君を拒絶した』
ジェシカ・クロフォード:『だから、今更君に手を伸ばす資格がないことは自覚している』
ルキア・ティベリア:「初めて会った時――」
ルキア・ティベリア:「……ああ」
ルキア・ティベリア:「鴉の塔で、会ったわよね。私達」
ジェシカ・クロフォード:『ああ、あの時の君は、私には何よりも恐ろしい化け物に見えたよ』
ルキア・ティベリア:「そんなことも、言われたかしら」苦笑のように笑う。
ルキア・ティベリア:「もう忘れてしまったわ」
ジェシカ・クロフォード:小さく笑う。
ジェシカ・クロフォード:『私は覚えている。忘れらない』
ジェシカ・クロフォード:『だから、もう一度君と会って』
ジェシカ・クロフォード:『今度は、君をどう見ることが出来るのか確かめたい。』
ジェシカ・クロフォード:『私が君に手を伸ばすかどうかは、それから決める』
ジェシカ・クロフォード:『だから、今は』
ジェシカ・クロフォード:『私の代わりに、君の父上に手を伸ばしてもらうとするよ』
七十橋シスル:「ンだと?」
ルキア・ティベリア:「……ジェシカ」
ルキア・ティベリア:何かを悟ったように目を閉じる。
ルキア・ティベリア:はじめから気付いていた事かもしれない――円卓議会としてジェシカと共にいた時からずっと。
ジェシカ・クロフォード:RHOを公開します。
【第三の切り札】
"ロードマスター"の理事会権限。
"ロードマスター"の死後、彼が有していた形なき遺産がどこに散逸したのかは、あなた以外の誰も知らない。
エンブレム「死体漁り」、エンブレム「君臨者」を取得する。
ルキア・ティベリア:「あなたは、だから、私を怖がっていた」
ルキア・ティベリア:「私も、そんなあなたのことが、嫌いだったわ」
ルキア・ティベリア:「だけど……ジェシカ。あなたは、いつもそうだったわね」
ルキア・ティベリア:「あなたがいつも徹底していて……無慈悲ですらある、備えをしていたのは」
ルキア・ティベリア:「……。未来の誰かを救えるかもしれないから――」
ジェシカ・クロフォード:『………』
GM:"ブロンテス"がアジール生物圏保護区で発見した"ロードマスター"の遺体は、このノヴァリスから既に失われたものである。
GM:"楽園"には失われたものしか漂着しない。生徒の誰かが、"ロードマスター"の遺体を跡形もなく処分しているはずだった。
ジェシカ・クロフォード:あの時、私の心は折れた。
ジェシカ・クロフォード:心が折れて尚、一番高いところを目指すことを諦めることが出来なかった。
ジェシカ・クロフォード:それが私に浅ましい行動をさせた。
ジェシカ・クロフォード:私はそれを隠し続けた。後悔と罪悪感と。
ジェシカ・クロフォード:ほんの僅かな、未来への希望故に。
ジェシカ・クロフォード:出来ることなら、隠し続けたかった。
ジェシカ・クロフォード:隠し続けることで、自らの浅ましさと愚かさを無かったことにしたかった。
ジェシカ・クロフォード:だが、今、これを使うことに後悔はない。
ジェシカ・クロフォード:"魔術王"と話した時から決めていた。
ジェシカ・クロフォード:私が私で無くなることで。キングダムを救えるのなら。
ジェシカ・クロフォード:私のちっぽけな誇りや矜持を捨てることなど、どうということもない。
ジェシカ・クロフォード:今、最後の最後の瞬間に
ジェシカ・クロフォード:一番ちっぽけプライドを捨てる時が来た。
ジェシカ・クロフォード:それだけだ。
ジェシカ・クロフォード:『"ロードマスター"の名において命ずる』
ジェシカ・クロフォード:『”再現"せよ』
ジェシカ・クロフォード:『ルキア・ティベリアが起こした奇跡を』
ジェシカ・クロフォード:『オリーヴ・ウェールズがもたらした神変を』
ジェシカ・クロフォード:『今、再び、"おとぎの国"と”我が領土"を繋ぎ』 『我らが輩を帰還せしめよ』
-:ルキア・ティベリア。有崎五派。七十橋シスル。ウルスラ・ミック・ベニ。天沼チギリ。ルナンシア・ラダ・ランパート。
-:あなた達自身の願いでは、もう、あなた達を元の世界に送り届けることはできません。
-:ですが。
-:この世界の外側からの、とてもたくさんの願いが、あなた達が帰ってくることを望んでいます。
-:私達の世界が、外の世界からの願いに応えて返してあげられたのは、多くの場合、情報量と等価の、ただの力でしかありませんでした。
-:願われた通りの情報を持つ存在が、私達の世界にいるということは――
-:宇宙全体で見ても、奇跡のように珍しいことです。
有崎五派:「…………リュウちゃん」
有崎五派:その問いに、敢えて生徒達を振り返る事はしない。
有崎五派:全ての人が願った本当の理想がある世界。欺瞞でも無く、誤魔化しでもなく、おとぎの国はまさしく理想の国だった。
-:あなた達は、あなた達の世界に帰ることを願いますか?
有崎五派:「此処はとっても、とーっても素敵な場所だった。それでも」
有崎五派:「私たちは、私たちの……幸せを探しに行くね」
有崎五派:理想ではないかもしれない。完璧では無いかもしれない。それでも、それはあの場所で見つけたいから。
有崎五派:「ここまで……ありがとう、リュウちゃん!」
有崎五派:「私、きっとあなたの事を忘れないわ。これからも、今までも──」
有崎五派:「貴方より綺麗なものを、私は知らないまま生きていく」
有崎五派:「ありがとう!本当に、会えてよかった!」
-:はい。私も、これまで出会った心のことを忘れたことはありません。
-:望み通りに、送り届けましょう。あなた達の世界に。
-:お元気で。
GM:バックトラックです。
GM:ついに、最強のバックトラックが来てしまいました。
ウルスラ・ミック・ベニ:最強の卓の最強のバックトラック……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ついに……!
七十橋シスル:侵蝕率247……いや最後のフラッシュゲイズの分たしてないな
七十橋シスル:侵蝕率250。ロイス1! こんな美食王のHPみたいな侵蝕率で
七十橋シスル:帰ってこられるわけがない!
有崎五派:ひぃッロイスが一つもないぞ!どうなっているッ!!
GM:PCの皆さんのバックトラックを行い、そしてルキア・ティベリアを含むゲストNPC全員分のバックトラックを私が行います。
GM:私が凄惨な出目を出せば、全員が全滅することになります
ウルスラ・ミック・ベニ:最強じゃん
有崎五派:珪素さん……ッ勝って……ッ
ルナンシア・ラダ・ランパート:これまで様々なダブルクロスをやってきたが、PCデータを持つキャラの合計侵蝕率でこの卓の1/5に到達した回すらないと断言できる
GM:それでは、今回もっとも大事なEロイス数を発表いたしましょう……。
天沼チギリ:何個だ!
【Eロイス】
"戒功王"「星徒」「悪意の伝染」「不滅の妄執」「血の花嫁」「血の花嫁」「血の花嫁」「血の花嫁」「侵星魔法冠」
"風塵王"「星徒」
星徒マーガレット「星徒」「殺刃圏」「唯我独尊」「惨劇の輪廻」「侵星魔法冠」「侵星魔法冠」
星徒ヒロ「星徒」「怨念の一打」「怨念の一打」「怨念の一打」「侵星魔法冠」「侵星魔法冠」
星徒コンスタンツェ「星徒」「さらなる絶望」「さらなる絶望」「さらなる絶望」「侵星魔法冠」「侵星魔法冠」
星徒ララゴ「星徒」「衝動侵蝕」「衝動侵蝕」「衝動侵蝕」「侵星魔法冠」「侵星魔法冠」
"虚飾の世界を砕くもの"「修羅の世界」「修羅の世界」「修羅の世界」「修羅の世界」「さらなる絶望」「予告された終焉」
"ブロンテス"「罪の仔ら」「虚実崩壊」「虚実崩壊」「マジカル☆リクエスト」「マジカル☆リクエスト」「マジカル☆リクエスト」
"過日の影"「遺産融合者」「遺産融合者」「遺産融合者」「遺産融合者」「遺産融合者」「遺産融合者」「遺産融合者」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ウワッ
GM:52個あるはずです。数え間違いがないかどうか
GM:計上されていないEロイスがあるかどうか、マジで確認してください
GM:計算違いがあったとしてもこのまま振ります
GM:チェックできましたか?
天沼チギリ:ありそうです
ルナンシア・ラダ・ランパート:ドキュメントに放り込んで『「』で検索したら52個でした
有崎五派:52!
GM:よかった……
天沼チギリ:眼で数えてたぜ…
七十橋シスル:かしこい
GM:じゃあ……振ってもらいますか……
ルナンシア・ラダ・ランパート:当然振ります!
ルナンシア・ラダ・ランパート:262-52d10
DoubleCross : (262-52D10) → 262-239[3,6,8,2,3,2,1,7,6,7,4,6,10,10,6,5,2,3,3,2,7,1,3,5,2,10,5,9,9,5,7,5,1,4,1,8,4,3,6,1,5,6,3,1,2,6,9,2,1,1,6,5] → 23
ルナンシア・ラダ・ランパート:23-4d10 2倍! 3点!
DoubleCross : (23-4D10) → 23-21[8,9,2,2] → 2
GM:2
天沼チギリ:振ります!
天沼チギリ:282-52d10
DoubleCross : (282-52D10) → 282-257[3,3,2,3,5,1,8,4,3,2,4,8,3,2,4,6,4,8,10,2,7,8,3,10,2,7,1,9,8,4,3,5,2,8,10,7,7,5,3,3,2,2,6,7,8,4,8,8,2,6,6,1] → 25
天沼チギリ:二倍!
天沼チギリ:25-4d10
DoubleCross : (25-4D10) → 25-15[4,7,1,3] → 10
天沼チギリ:帰還!3点!
ウルスラ・ミック・ベニ:振ります
ウルスラ・ミック・ベニ:217-52d10
DoubleCross : (217-52D10) → 217-315[2,3,5,5,10,3,8,6,2,6,6,8,9,9,5,5,8,6,4,2,6,4,7,10,8,5,7,10,10,3,1,10,7,8,3,10,3,7,9,3,7,8,9,4,2,8,6,6,4,7,5,6] → -98
GM:-98!?
天沼チギリ:ギリギリじゃんって思ったらマイナス付いてた
ウルスラ・ミック・ベニ:2倍振りして0d10、-98で帰還です
GM:オーヴァードが治った!!!
ウルスラ・ミック・ベニ:帰還できてるこれ?
GM:今のウルスラ・ミック・ベニは、人間以上に人間だ
有崎五派:振らなきゃ死ぬ!
有崎五派:218-52d10
DoubleCross : (218-52D10) → 218-270[5,2,6,6,5,9,9,6,10,10,1,2,10,10,8,3,1,6,6,2,10,3,7,2,8,8,10,4,6,2,4,5,5,4,1,3,3,4,9,9,1,4,5,1,1,2,8,9,2,1,10,2] → -52
有崎五派:2倍振りで-52~
GM:先生もオーヴァードが治って……
七十橋シスル:ヒャ~~~~ッハッハッハァ! すげえ量のダイスだ! 誰にも渡さねえ……このダイスは全部……全部俺のもんだァ! ハハハハーッ!
七十橋シスル:250-52d10
DoubleCross : (250-52D10) → 250-307[7,8,10,9,1,8,10,4,4,1,1,4,1,7,7,6,8,7,2,8,7,2,3,8,4,9,2,8,7,5,10,2,7,10,3,5,8,8,10,5,10,6,7,1,4,7,4,4,6,6,7,9] → -57
ルナンシア・ラダ・ランパート:ダイスいっぱい振れると楽しいもんね
七十橋シスル:-57-2d10
DoubleCross : (-57-2D10) → -57-17[8,9] → -74
七十橋シスル:2倍振りで-74。キリが悪い……
七十橋シスル:帰還の声です
GM:ふー、皆さん帰還できたようで何よりです
GM:あとはNPCの侵蝕処理となりますが
GM:この場合は、間違いなくぶっちぎりで侵蝕トップの人を参照したほうが
GM:一律で帰還できているかどうかわかりやすいでしょう。
GM:アルルさんです。
円卓第零席ヒナテア・オルブライト:くっ……アルルに負けた
七十橋シスル:wwwwww
天沼チギリ:www
天沼チギリ:え、というか
天沼チギリ:至上王より侵蝕高いんですか?
GM:そうです。
天沼チギリ:ヤバすぎ
七十橋シスル:至上王300固定だもん
GM:では、Eロイス分を振り、足りなかったらロイス分を振り足しますね。
GM:333-52d10
DoubleCross : (333-52D10) → 333-278[2,6,5,9,8,3,8,9,10,3,1,4,1,7,5,10,9,10,3,3,10,5,7,7,9,7,10,7,10,3,1,6,3,4,4,10,6,10,2,7,3,1,5,3,1,1,3,2,1,7,5,2] → 55
GM:帰還!!至上王以外は全員帰還です!!
かわいい不夜王:よっしゃあああああああ!!!
天沼チギリ:やったー!帰還!
有崎五派:よかったあああ
かわいい不夜王:ルキア!?
ウルスラ・ミック・ベニ:みんな、お疲れ様~~!
GM:至上王はこのタイミングで侵蝕率が100になります。本来なら間違いなくジャーム化しますが……
天沼チギリ:最強のDロイスを見せてくれ!
ルキア・ティベリア:Dロイス「生還者」を振ります。
ルキア・ティベリア:100-3d10
DoubleCross : (100-3D10) → 100-7[2,4,1] → 93
ジェシカ・クロフォード:やったー!
ルナンシア・ラダ・ランパート:低い! だがよくやった!
七十橋シスル:出目低いよ!
有崎五派:良かった……おかえり……
ウルスラ・ミック・ベニ:キングダムの皆さん……オペは無事成功です!
七十橋シスル:だが……真に無敵のDロイス
【Dロイス】
"至上王"「遺産継承者」「遺産継承者」「遺産継承者」「生還者」
"竜王"「遺産継承者」
"汽罐王"「遺産継承者」
"厩司王"「遺産継承者」
"焦螟王"「遺産継承者」
"建設王"「遺産継承者」
GM:シナリオ10いつもの5を加えて基礎経験点は76点!
GM:Sロイスとか、変な経験点効果とかある人は使え!
七十橋シスル:ルキア・ティベリアがSロイスです
ルキア・ティベリア:シスル~♡
ウルスラ・ミック・ベニ:シスルのSロイス残せて本当に良かったね
七十橋シスル:ホントにね…………
天沼チギリ:追加点はないので79点!
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクはもうなんもないので79点!
ウルスラ・ミック・ベニ:出がらしのポーズ!
有崎五派:私も79点………79点!?!?!?!?
ルナンシア・ラダ・ランパート:ないぜ! 79点!
七十橋シスル:84点でーす
【経験点】
アスハルさん:84点
粘土さん:79点
猫口さん:79点
もやし炒めさん:79点
GM(珪素):107点
GM:全員帰還!!お疲れ様でした。
七十橋シスル:珪素さんは300点くらい貰って良いよ
七十橋シスル:ルキアに使いな 全部メモリーで
ウルスラ・ミック・ベニ:少なすぎる
ルナンシア・ラダ・ランパート:お疲れ様でした!
天沼チギリ:お疲れさまでした!
有崎五派:お疲れ様でした~~~~!みんなお帰り~~~!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ただいま~~~
七十橋シスル:お疲れ様でした 一緒に帰れて本当に良かった
◆Ending◆ジェシカ・クロフォード
キングダム連合学院

GM:『おとぎの国』へと旅立った5人の生徒と1人の先生は、未知なる彼岸から生きて還った。
GM:彼女らは、消失したはずの上層に続く階段から現れた。
GM:まるで最初からそこに隠れていたかのようでもあった。『おとぎの国』の実在を証明するものは、彼女らの記憶以外には残っていないのだろう。
ウルスラ・ミック・ベニ:や、ただいま。と語り掛けるような気軽さで片手を上げる。実際のところ、それが精いっぱいなのだけど。
有崎五派:その少し後ろ、階段の手すりに殆どしがみつくようにしてよろよろと降りてくる。腰が抜けてしまった。
天沼チギリ:「………戻って、来れたんですね。」
天沼チギリ:先生に手を伸ばす
有崎五派:「ご、ごめんチギリちゃん……最後までカッコつけたかったのに……」
天沼チギリ:「いえ。あなたはその姿こそがかっこいいのです。」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「やあ、信じ難いことだ。明日の天気が今から怖いな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:兜を整えて降りてくるのは"騎士王"である。
ジェシカ・クロフォード:「ご苦労だった」
七十橋シスル:がじゅ、と足下から数本の茨が渦を巻いたかと思えば、再び影に戻る。
ルキア・ティベリア:「……」ルキア・ティベリアは、七十橋シスルの裾を掴んで、後ろに隠れるようにしていた。
ルキア・ティベリア:これまでの振る舞いからは、信じがたいことである。
七十橋シスル:遺産の手応えを確認する。背後の少女を隠すように、背筋を伸ばしている。
ジェシカ・クロフォード:「随分と」
ジェシカ・クロフォード:ルキアとシスルに視線をやる
ジェシカ・クロフォード:「仲が良くなったものだな、少し見ない間に」
ウルスラ・ミック・ベニ:その光景をにこにこと楽し気に後ろから眺めている。
七十橋シスル:「王は三日会わざれば何とやら、だ」
ジェシカ・クロフォード:「卿を阿蒙だと思ったことは一度もないが」
ジェシカ・クロフォード:「まあ、色々あったということはわかるさ」
"情王"ブレス・ブリギッド:「皆様!無事のお帰り、なによりです」主人を迎えるメイドのように一礼する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「お陰様でな」
天沼チギリ:「ご無事でしたか、”情王”。」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ブレスの頭をくしゃりと撫でる。手つきにも疲労の色が濃い。
"情王"ブレス・ブリギッド:くすぐったそうに撫でる手を受け入れる。
"情王"ブレス・ブリギッド:「はい、美食王……オーシャンズさんの手配のお陰で」
"情王"ブレス・ブリギッド:「チギリさんにも大層助けていただいたと聞いています」
天沼チギリ:「………ええ、それは…………」
天沼チギリ:「………ちなみに何皿食べました?」
"情王"ブレス・ブリギッド:「…………」
"情王"ブレス・ブリギッド:「………さんじゅう……」
"情王"ブレス・ブリギッド:「いえ、29皿です」
天沼チギリ:「………明日から、互いに運動でもしますか。」
"情王"ブレス・ブリギッド:「………人目につかない、いい場所を紹介しますよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「寝ろ」
"情王"ブレス・ブリギッド:「あうん……」撫でる手の力が強まる。「はい…」騎士王にされるがまま。
竜胆ジョウカ:「……流石に疲れましたね……」円卓に顔を伏せ、周りには何かの礼装を解体して使った周りにぐでっとしている。僅かな笑み。
ナターリヤ・ネプチャン:「……お疲れさまです、死蔵王」瓦礫を背もたれにし、サブアームも力なくへたれている。「ハハ、無理はするものですね……」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ひどい重労働でした。寝起きの身だというのに、奇跡まで起こせと無茶を言われるとは……」
竜胆ジョウカ:「お疲れ様でーす……”ワジ・ハルファ”……えー……とにかく助かりました……」
天沼チギリ:「すみません……」
七十橋シスル:「ルキアは、しばらくこっちで預かる」
七十橋シスル:「経過観察もあるんでな。医療部棟は……空きがねえか今は」
天沼チギリ:「それなら、拷問王の私室に招いてはいかがですか?」
天沼チギリ:「これだけキングダムが荒れてますと、部屋の空きがあるのはもうそこしかないでしょう。」
七十橋シスル:「いちいち目配せがすぎんだよ」
七十橋シスル:「お前は良いから鴉に群がられる心配だけしとけ」
天沼チギリ:「これは失礼を…」袖で口元を隠す。いつもの癖だ。
ウルスラ・ミック・ベニ:一番の仲良しを目ざとく見つけて、よろよろと寄ってゆく。
オリーヴ・ウェールズ:「……ぁ」強引な行使の反動。砕けた陶器の如き欠けた四肢を引きずりながら、遅れてこの場に参じて。
オリーヴ・ウェールズ:全員の顔を見回す。"全員"無事で、帰る。その奇蹟を目の当たりにして、どうしようもなく耐えられなくなって。
オリーヴ・ウェールズ:「おかえり、なさい……!」一番近くに寄ってきてくれたウルスラに力なく抱き着きながら。大声で歓喜の涙を流し、その場に崩れる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「やくそく、守れてよか……むぎゅぅ」疲労困憊の上、遺伝橋で根こそぎ力を手放した。見た目通りのただの少女として友人の腕の中に沈む。
"竜王"伊藤算砂:「……イースターエッグはどなたが?」
天沼チギリ:騎士王に視線を送る
天沼チギリ:「それが……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「置いてきてしまった。取りに行くには、また厄介な試行が必要になるだろう」
"竜王"伊藤算砂:「は?」
"情王"ブレス・ブリギッド:「あら、まぁ……」
ジェシカ・クロフォード:思わず出かかった『この野郎』という言葉を飲み込む
ルナンシア・ラダ・ランパート:「必要なことだった。すまない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そう口にして、頭を下げる。
"情王"ブレス・ブリギッド:視線を追って、何気なく目線を上げる。
"情王"ブレス・ブリギッド:頭一つ分高いルナンシアの顔。そして、その先を見上げるように。
"情王"ブレス・ブリギッド:(竜王さんに不夜王さん、お二人が絶句するとは珍しい)
"竜王"伊藤算砂:「いえ……それどころではなかったのでしょうが……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君に理解を示して貰えるとは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:面を上げ、目を丸くする。
ジェシカ・クロフォード:「あ」
ジェシカ・クロフォード:騎士王の頭上を見る
GM:その時だった。まったく出し抜けに、
GM:トッ、という軽い音がルナンシアの足元で響いた。
GM:白く、それ自体が光を放つような、小さな卵。
GM:摂理のイースターエッグ。
天沼チギリ:「………え?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……これはどうしたことだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:屈み込んで、拾う。
-:あなた達の世界からは、多くのものを受け取りました。
-:それを保管しておけるだけのあまりは、もうありません。
-:私達の世界からの贈り物です。ルナンシア・ラダ・ランパート。そして――
-:"ロードマスター"。
GM:卵に残されていた僅かな情報が、ルナンシアの頭に一度だけ流れて、消える。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「は……最後の最後まで、面倒見のいい」
"情王"ブレス・ブリギッド:「ルナンシアさん、……そちらは?」
"情王"ブレス・ブリギッド:珍しげにしげしげと眺めている
ジェシカ・クロフォード:「向こうにも味方が居てくれたようだな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……『摂理のイースターエッグ』」ぽつり、呟く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あちらの王が、譲ってくれるとさ」
ルキア・ティベリア:「……ジェシカ」
ルキア・ティベリア:多くのものに……自分たちを見る一般生徒にさえ、どこか怯えているようだったが、
ルキア・ティベリア:それでも、ジェシカの元へと歩み出た。
ジェシカ・クロフォード:「残念だよ、ルキア」
ジェシカ・クロフォード:同じく一歩前に出る
ジェシカ・クロフォード:「私は、君と再会したら今度こそ」
ジェシカ・クロフォード:「君に手を伸ばしたいと思っていたのだが」
ジェシカ・クロフォード:「今、君に触れたら、茨の棘が手に刺さってしまいそうだ」
ルキア・ティベリア:「その必要はないわ」
ルキア・ティベリア:「あなたはやっと、嘘つきではなくなったもの」
ルキア・ティベリア:「"ロードマスター"の力を受け継いだ、キングダムを統べる王。……そうなんでしょう?」
ジェシカ・クロフォード:「そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「そう"在る"と、私が決めた」
ルキア・ティベリア:「だから、いつか、あなたのことだって好きになれるかもしれない」
ルキア・ティベリア:「――私も、嘘をつきたくないと思ったの」
ルキア・ティベリア:「ジェシカ」
ジェシカ・クロフォード:「何かな」
ジェシカ・クロフォード:緊張を解かぬまま、穏やかに返事をする
ルキア・ティベリア:「私は、本来あなたが継承するべき王の座を、八月革命で簒奪した」
ルキア・ティベリア:「あの時……本当にキングダムの円卓を選ぶべきだったのは、あなた」
ルキア・ティベリア:「私は、全てを救う王ではなかった」
ルキア・ティベリア:「私に選ばれたせいで、不幸になってしまった王もいる」
ルキア・ティベリア:「新しい円卓議会の選定を」
ルキア・ティベリア:「……あなたに。誰よりもキングダムのことを考えてきたあなたに、託したいわ。ジェシカ」
ジェシカ・クロフォード:その言葉を受け、恭しく頭を下げる
ジェシカ・クロフォード:「至上王」
ジェシカ・クロフォード:「八月革命を、その後の混乱を」
ジェシカ・クロフォード:「本来、私が収めるべきだったモノを力無き私に代わって収めてくれたのは貴方だ」
ジェシカ・クロフォード:「その偉大なる功績と恩は、何があろうと決して色褪せるものではない。」
ジェシカ・クロフォード:「そしてそれに報いる術は、私には一つしか思い浮かばない。」
ジェシカ・クロフォード:「至上王、貴方の王位は天へと返上させていただく。」
ルキア・ティベリア:目を閉じて頷く。そうあるべきだったと理解しているからだ。
ジェシカ・クロフォード:「どうか。これから先は一生徒として」
ジェシカ・クロフォード:「穏やかな学園生活をお営みください」
ルキア・ティベリア:「――聞いたわね?」
ルキア・ティベリア:その場の全員に聞こえるような声で言う。穏やかなままだが、王として何度も彼女らの前に立ってきたかのような姿勢で。
ルキア・ティベリア:「私は、もう円卓の王ではないわ」
ルキア・ティベリア:「あなた達は、私がいなくともキングダムの滅びを打ち破った」
ルキア・ティベリア:「この危難にあって、己の身を守るという最も重い仕事を、あなた達が成し遂げたことを――」
ルキア・ティベリア:「『おとぎの国』で、私は、全て見てきたわ」
ルキア・ティベリア:「そして皆が、知っているでしょう。"不夜王"こそが誰よりも、このキングダムの未来を思い」
ルキア・ティベリア:「絶えることのない光を灯してきた。私が成し遂げなかったことを全て果たしてきた、王なのだと」
ルキア・ティベリア:「彼女の手にこそ、キングダムの未来を」
ルキア・ティベリア:「きっと、いい日が来るわ」
七十橋シスル:「…………」医療部員への連絡を一旦止め、眼を細めてその言葉を聞いていた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:厳かな面持ちで受容する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞き届けた。確かに」
天沼チギリ:「………。」その場に跪き、
天沼チギリ:ルキアに頭を下げる。
有崎五派:疲労と眠気で重くなった瞼を開き、微笑む。
"竜王"伊藤算砂:「……納得はしていません。ですが」
"竜王"伊藤算砂:「それがお望みであるのならば。承知いたしました」
オリーヴ・ウェールズ:顔を見、その声を聞き、そうして静かに目を瞑り。ルキア・ティベリアのことばを心に受け取る。
ウルスラ・ミック・ベニ:(終わったよプロンプト015C、みんな……あなたたちの八月革命が)安堵の溜息を零す。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「――星の光と悪意が訪れて」魔導書を開きながら呟く。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「王国は、砕かれる」
GM:キングダム最大の危機を予知した"魔術王"の予言は
GM:しかし、決して『滅びる』とは告げていなかった。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「私の予知は」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「全て、成就しました」
GM:天井のない円卓の間からは、高い空が見えている。
GM:長い夜が明けはじめていた。
GM:三大校最大の学区として知られていたキングダム連合学院は、この事件で大きく揺らぎ、あるいは砕けたように見える。
GM:混乱に乗じた事件や他学区の介入は数多い。一括りにすることなど到底できないような、多くのことが起こった。
GM:星徒の同時襲来を受け、"ブロンテス"による学区絶滅危機に晒され、円卓と諸王の間で前例のない衝突が起こり
GM:そして『おとぎの国』への突入と帰還が起こった――最も長い一日の、その翌日から。
GM:"不夜王"ジェシカ・クロフォードは、それらの事態の収拾に奔走した。
GM:円卓の誰もが疲弊していて、取りこぼしてしまったことも多くあった。一連の危機から数週間、キングダムは八月革命直後以来の混乱期にあった。
GM:それでもジェシカ・クロフォードは、彼女にできる限りのことをした。それが、自分の最後の仕事だと決めていたかのようだった。
GM:だが一方で、民からしてみれば、それはある意味でいつも通りの混沌に過ぎなかったのかもしれない。
GM:誰もが自由に力を振るい、事件を起こす、学園都市ノヴァリス。
GM:八月革命を終えられていなかったキングダム連合学院も、その一つになったということだ。
GM:この事件を契機とした混乱の数々も、やがて日常の中に紛れて消えていくのだろう。
GM:そうして、生徒達がかつてのような暮らしを取り戻し、"不夜王"の名が意識されなくなりつつあった時。
GM:行政部から発表されたことがあった。
GM:ルキア・ティベリアから全権を委任されたジェシカ・クロフォードが
GM:再選定を行った、円卓の公布だった。
第一席 騎士王
第二席 美食王
第三席 海賊王
第四席 死蔵王
第五席 汽罐王
第六席 血統王
第七席 拷問王
GM:そうして、光の絶えぬキングダムの王。"不夜王"ジェシカ・クロフォードは
GM:静かに、キングダムの表舞台を去ろうとしていた。
キングダム連合学院 行政部

GM:行政部の業務は、徐々に縮小されている。それはジェシカ・クロフォードが最後に手掛けた事業だった。
GM:行政部の施設は今も夜を通して光を灯し続けているが、それも、かつてのような光量ではなくなっている。
GM:もはや、ただ一人の王がキングダムの全てを運営することはない。
GM:執務室から資料が運び出されていく作業を、ジェシカは眺めている――そこに来訪した客人がいた。

ジェシカ・クロフォード:「何か用か?」
ジェシカ・クロフォード:「こう見えても、私はまだ忙しいのだが」
ジェシカ・クロフォード:客人に視線を投げる。
ジェシカ・クロフォード:不機嫌そうな表情は変わらないが、その目からはいくらか険は取れている

エリザベス・タイラー:「勿論、存じ上げておりますわ」
エリザベス・タイラー:薄い笑みを浮かべて、机に向かったままのジェシカの前に立っている。
ジェシカ・クロフォード:「ならば、手短に済ませてくれると助かる」
ジェシカ・クロフォード:「君も決して暇ではないはずだからな」
ジェシカ・クロフォード:「何しろ、私がそう仕向けた」
エリザベス・タイラー:「ええ、本当に。せっかく円卓に舞い戻ったというのに、これでは旨味がありませんわ」大げさに嘆息する。
エリザベス・タイラー:「ですからジェシカ様のお望み通り、手短に要件をお伝えいたします」
ジェシカ・クロフォード:「聞こう。今の私の立場では聞くだけになるかもしれないが」
エリザベス・タイラー:「あの日、ジェシカ様はおっしゃいましたわね。私が求める特権に見合う手柄を立てよと」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、一字一句…とは言わないがそのような言葉を伝えた」
エリザベス・タイラー:「"海賊王"と海賊部……『ローレライ商船学校』の働きは、十分にそれに応えるものでしたかしら?」
ジェシカ・クロフォード:「私はそう判断した。」
ジェシカ・クロフォード:「君たちの活躍が無ければ、"ブロンテス"によりキングダムは滅ぼされていただろう。」
ジェシカ・クロフォード:「故に、それに相応しい褒章を与えた。」
エリザベス・タイラー:「……ふふ」ジェシカの言葉に、低く笑う。
エリザベス・タイラー:「いいえジェシカ様」
エリザベス・タイラー:「まだ褒章を頂いてはおりませんわ」
ジェシカ・クロフォード:「強欲もいい加減にしないと身を亡ぼすぞ」
エリザベス・タイラー:「強欲?面白いことをおっしゃいますのね」
エリザベス・タイラー:「私は身の丈に合った宝を求めているに過ぎません。そしてそれは」
エリザベス・タイラー:「キングダム連合学院の、円卓の第三席などという立場ではない」
エリザベス・タイラー:ジェシカの机の上に、蝋印が押された封書を置く。
ジェシカ・クロフォード:「ふむ」
ジェシカ・クロフォード:「それは私の不徳だな。」
ジェシカ・クロフォード:封書を手に取る
エリザベス・タイラー:「いえ、ジェシカ様」
エリザベス・タイラー:「むしろこれは、真に徳を備えた王にしかできないことですわ」
ジェシカ・クロフォード:「当人が望む褒章を与えるのも王の器量だと思うが、話を聞こう」
エリザベス・タイラー:封書の中に収められていたのは、動乱時に付与された、ローレライ商船学校への植民姉妹校指定。
エリザベス・タイラー:そして、海賊部に対する、領空内における他学籍船舶への略奪許可証。
ジェシカ・クロフォード:「なるほど」
ジェシカ・クロフォード:「"自由"か?」
ジェシカ・クロフォード:「エリザベス・タイラー、君が欲するものは」
エリザベス・タイラー:にこりと笑って。
エリザベス・タイラー:「私、"海賊王"エリザベス・タイラー、及び『ローレライ商船学校』に所属する生徒一同は」
エリザベス・タイラー:「只今をもって、円卓第三席の座と、キングダム植民姉妹校としての権益を辞し」
エリザベス・タイラー:「キングダム連合学院より、『独立』することを宣言いたします」
ジェシカ・クロフォード:小さくため息をつく 「失いたくないのだがな。君の持つ貿易の手腕と防衛能力は」
エリザベス・タイラー:「ご安心下さい。未だ十分とはいえない復興や、経済的な支援は」
エリザベス・タイラー:「友誼を結んだ同盟校として、"対等な立場"で続けさせて頂きますわ」小さく舌を出す。
ジェシカ・クロフォード:「その友誼が途切れないことを祈っておくよ」
ジェシカ・クロフォード:「キングダムにはルキア・ティベリアも健在だ」
ジェシカ・クロフォード:「いや、"王"で無くなった分身軽になったとも言える」
ジェシカ・クロフォード:「あまり、彼女の地雷原で舞に興じないように気を付けてくれ」
エリザベス・タイラー:「ご心配なく。嵐を避ける術は心得ておりますので」
エリザベス・タイラー:「それに、ジェシカ様」
ジェシカ・クロフォード:「なんだ?」
エリザベス・タイラー:「健在なのはあの方だけではないでしょう」
エリザベス・タイラー:「陽が陰るには、まだ早すぎるのではないかしら」
エリザベス・タイラー:そういって、出口へと向かって踵を返す。
エリザベス・タイラー:「空いた第三席は、ご自由に差配下さいませ。私からは特に推薦はありませんので」
ジェシカ・クロフォード:「それも、随分と無責任な話だな」
ジェシカ・クロフォード:「だが、活用はさせてもらうよ」
エリザベス・タイラー:「ええ、お互いに」ウインクを飛ばして、扉を閉じる。
エリザベス・タイラー:「またいつか、ごきげんよう♪」
ジェシカ・クロフォード:その後ろ姿を見送り
ジェシカ・クロフォード:静かに目を閉じる。
ジェシカ・クロフォード:海賊王の円卓辞退はすぐさま受理された。
ジェシカ・クロフォード:彼女の後釜には竜王が座ることになる。
ジェシカ・クロフォード:それ自体は悪くない。
ジェシカ・クロフォード:過日の騒動にて反至上王の象徴ともなった海賊王に代わり
ジェシカ・クロフォード:親至上王の象徴たる竜王が入るのだ。
ジェシカ・クロフォード:これは現円卓が親至上王派を冷遇することはないという強いアピールになるだろう。
ジェシカ・クロフォード:それに、海賊王の生き様はキングダムの生徒であれば誰もが知るところだ。
ジェシカ・クロフォード:彼女が”自由"を求めて海に出たとしても
ジェシカ・クロフォード:それを咎める者は誰もいない。
ジェシカ・クロフォード:そしてその人事は翌日には発表された。
第三席 竜王
ジェシカ・クロフォード:そしてもう一つ
ジェシカ・クロフォード:円卓に属さない新たな肩書
"王" ジェシカ・クロフォード
ジェシカ・クロフォード:円卓を支配する王達
ジェシカ・クロフォード:そしてその王達の上に立つ王として、ジェシカ・クロフォードは自らを定義した。
ジェシカ・クロフォード:実質的な力は"円卓"に近い王達の方が上だろう。
ジェシカ・クロフォード:だが、名目上、彼女らより強い権力を有することで互いに権力の分散、監視をし政権の運営を健全化していく。
ジェシカ・クロフォード:細かな狙いは多くあるが、大きなところで言えばそういう狙いだった。
ジェシカ・クロフォード:海賊王の言葉を思い返す。
ジェシカ・クロフォード:ああ、全く嫌味な女だ。
ジェシカ・クロフォード:この政権のことは誰にも話していなかったのに。
ジェシカ・クロフォード:それを知っているかの如く
ジェシカ・クロフォード:私が今後背負う労苦を揶揄していった。
ジェシカ・クロフォード:「……全く」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだ。陰らせてなどなるものかよ」
ジェシカ・クロフォード:「偉大なる王から受け継いだこの学園を」
ジェシカ・クロフォード:「守り続けていくのが私の使命だ」
◆Ending◆ウルスラ・ミック・ベニ
キングダム連合学院

GM:キングダムには、新たな"王"が就任した。
GM:これに伴イ、星徒襲来に端を発した一連の事変に貢献したとされる罪人達の多くには、恩赦が与えられている。
GM:彼女らに現時点で問題を起こす意思がないのであれば、そうした者達の再逮捕に現時点でキングダムが割く余裕が少ないことも、この恩赦が与えられた理由かもしれない。
GM:あるいは、それはジェシカ・クロフォードが個人として、キングダムを打ち破った、キングダムの外の者達にに返した返礼や敬意の形だったのだろう。
GM:全てを確かめる術はなかった――元より、多くの生徒に悪名を知られたキングダムには、いつまでも留まっていられない。
GM:ウルスラ・ミック・ベニもその一人だった。ルキア・ティベリアを『おとぎの国』から救出し、その後に頻発した事件のいくつかも解決を助けてきた。
GM:ようやく彼女の成すべき事が終わったと考えられるようになったのが、今だった。他の学区へと向かう日が来た。――彼女は先生である。

ウルスラ・ミック・ベニ:スクールバッグにあれこれ詰め込み、忘れ物がないか指差し確認。
ウルスラ・ミック・ベニ:色々引き出せる便利な王鍵があれば、手ぶら身一つでどこへも駆けつけられたものだが。
ウルスラ・ミック・ベニ:「これを機に大人らしい鞄でも買ってみるかな」こういう変化も新鮮だ。悪くない。
GM:グレートブリッジを行き来する車両はとても多い。どれもがこの学区を目指し、あるいは、この学区から旅立っていく。
GM:そして、大橋を徒歩で歩いて近づいてくる姿があることに気付いた。

ルキア・ティベリア:「――ウルスラ・ミック・ベニ」
ルキア・ティベリア:純白のドレスに、同じように輝く白の髪。ルキア・ティベリアという。かつて"至上王"と呼ばれていた生徒だ。
ルキア・ティベリア:「これから出発するのね?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「やあルキア。キミが居ると復興途中の街角も絵になるね」
ルキア・ティベリア:「驚かないのね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「少しは……少しだけ落ち着いてきたところだし、長居しても面倒だから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一人で居るのはちょっと意外かな?」
ルキア・ティベリア:「街を歩くだけで大変なの。見かけただけでついて来ようとする、変なのもいるから」
ルキア・ティベリア:「シスルがいてくれればよかったんだけど。……でも、あなたには一人でお礼を言わなければね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふ、やっぱり面倒ごとを起こしちゃったか。ごめんねシスルちゃん」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミとまた二人きりで、穏やかに話せる時っていうのは」
ウルスラ・ミック・ベニ:「夢にまで見た、目指した未来だ」あの日抱いたのは、痛めつけられる悪夢ばかりではない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「聞きます、ルキア・ティベリア」
ルキア・ティベリア:「悪いけれど、私はあなたのことが嫌いだから」
ルキア・ティベリア:「長話をするつもりも、ありがとうを言うつもりもないの」
ルキア・ティベリア:「だけど」
ルキア・ティベリア:布を取り出す。不可思議な幾何学のパターンで織られた布だった。
ルキア・ティベリア:「チギリに、貸してもらったわ」
ルキア・ティベリア:「遺伝橋よ」
ルキア・ティベリア:「今はあの変な機械はついていないから、より優れた適合者に遺産を移すだけの道具だけど――」
ルキア・ティベリア:「ふふ」
ルキア・ティベリア:「私とあなたなら、どちらのほうに『勇者の徴』は適合するかしら?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「すっかり馴染み深いアイテムが出てきたね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「遺伝橋との相性は自信があるけど、ロードマスターの秘蔵っ子相手は少し怖いや」
ウルスラ・ミック・ベニ:機械による適合率欺瞞を行わずしてごはせんに移植出来たのは、願いこそが最大の価値を持つおとぎの国あってのことだった。
ルキア・ティベリア:「ウルスラ・ミック・ベニ。あなたから預かった『勇者の徴』を、あなたへと返します」
ルキア・ティベリア:「私はもう、とっくに王ではないけれど」
ルキア・ティベリア:「知っておきなさい。キングダムはいつも、キングダムが認めた生徒だけに王鍵を与えてきたと」
ルキア・ティベリア:そうして、遺伝橋をまとった片手を差し出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……」彼女から差し出された手を、感慨深く見つめる。
ルキア・ティベリア:すっ、とその手が上に上がる。
ルキア・ティベリア:「やっぱり」
ルキア・ティベリア:「意地悪を言ってもいい?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「え~~~~っ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「いいけど……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「状況が状況でないので恩赦は受け入れたけど、特にキミには一杯やらかした身だし……」
ルキア・ティベリア:「そうでしょう?」上げた片手をひらひらと頭上で振ってみせる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「はい……」肩身を狭めて小さくまとまる。
ルキア・ティベリア:「ウルスラ・ミック・ベニ」
ルキア・ティベリア:「あなたが、あんな移植手術を最初から考えて『おとぎの国』に来たって聞いた時は、びっくりしたわ」
ルキア・ティベリア:「あなたは……人を手当たり次第に救いたがっているのかもしれないけど。救い方は本当にだめ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「はい、ルキアさんの指摘はいちいち正しいです……」
ルキア・ティベリア:「救う相手の心を勝手に読み取って、何をしてほしいかを勝手に解釈して」
ルキア・ティベリア:「あなたが考えた答えを押し付けているだけだわ。みんなの心はそれぞれ、あなたと違うはずなのに」
ルキア・ティベリア:「救いたい相手の心を会って、聞いて、考えるよりも先に」
ルキア・ティベリア:「どんな救い方をするか決まっているなんて、そんなおかしなことはないでしょう?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「はい、私は我儘で自分勝手で、その上救いようのないほど思慮が浅いです……」
ルキア・ティベリア:「いじけないの」
ルキア・ティベリア:「あなたは先生なのでしょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミと会う前にも友達に言われたから、成長が無いなって……はい」
ルキア・ティベリア:「私から『勇者の徴』を受け取るのなら」
ルキア・ティベリア:「あなたはただ勇気だけがある者であってはいけない」
ルキア・ティベリア:「オリーヴ・ウェールズや」
ルキア・ティベリア:「有崎先生のように。自分の気質や思慮を諦めることなく、向き合いなさい」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……」受け止め、噛みしめ、一旦押し黙る。
ルキア・ティベリア:「ウルスラ」
ルキア・ティベリア:「次はあなたが意地悪を言っていいわ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……もう一杯言っちゃってるけど、そう言うなら」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あんまり細かく、相手の悪いところ間違ったところを指摘すると」
ウルスラ・ミック・ベニ:「良くない癖だよ。キミがますます嫌われちゃう」
ルキア・ティベリア:「嫌われるのは慣れてるわ」
ルキア・ティベリア:「それに、本当に辛いのは嫌われることじゃないって、知っているもの」
ウルスラ・ミック・ベニ:「くっ、こっちの心がじくじく痛むな……嫌っててももう好きになってるから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキアは、どんなことが一番辛い?ボクは自分の浅ましさを直視させられる時ね」
ルキア・ティベリア:「人を好きになれないこと」
ルキア・ティベリア:「みんなに嫌われていることじゃなくて……」
ルキア・ティベリア:「みんなを嫌うしかないと思っていたことが、本当は、一番つらかったわ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そっか……うん、うん」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今がそうじゃないなら、ボクの愚行も捨てたものじゃない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あ、反省はするからねちゃんと!」あたふた焦りのジェスチャー。
ルキア・ティベリア:「えーっ、もう終わりなの?」
ルキア・ティベリア:「もっと嫌われてると思ってたわ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「えー、竜王とのやり取りもあっちで聞いてたんでしょ……?」
ルキア・ティベリア:「そう……その自分勝手な反省だって。勝手に出頭したって、算砂が喜ぶわけがないんだから――」
ルキア・ティベリア:「……。やっぱり、あなたの言う通りね。悪い癖だわ」
ルキア・ティベリア:「意地悪はおしまい」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ま、ボク相手なら別に構わないさ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「第一印象お互いに最悪だったし、これ以上嫌いにならないよ」
ルキア・ティベリア:「私も」
ルキア・ティベリア:「あなたを、これ以上嫌いにはならないわ」
ルキア・ティベリア:改めて、手を差し出す。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキア・ティベリア」
ウルスラ・ミック・ベニ:遺伝橋の中に手を伸ばす。手を繋ぐ。
GM:『勇者の徴』が、ウルスラの身体へと戻ってくることが分かった。
GM:一切の作為がなくとも、相手が『おとぎの国』から降りた天の申し子であっても。
GM:『勇者の徴』は、ウルスラ・ミック・ベニを選んだ。
GM:ルキア・ティベリアも、それは最初から確信していたようだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:勇者の徴は過去の継承者たちの力を、伝承を、記憶を保存する。
ウルスラ・ミック・ベニ:かつて生き、笑い、戦い、死していった英雄たち。私の憧れでいっぱいの冒険の書。
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミが生きてゆく道標に、勇気を与える一助になればと、ボクはこれを贈った」
ウルスラ・ミック・ベニ:「返されたからには、その価値はボク自身で果たそう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「何かあったら、何もなくても。ボクを呼んでいいよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「勇者ってのは王様やお姫様、そうでない誰かのお願いを聞くもので……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「単にウルスラ・ミック・ベニは、あなたの友達だからね」
ルキア・ティベリア:「いいえ。それだけではいけないわ」
ルキア・ティベリア:「あなたは、王に願われたとおりに、魔王を倒した。与えられた旅路の通りに」
ルキア・ティベリア:「だからその先は、本当はあなたの自由に決めたっていい」
ルキア・ティベリア:「願われるのではなく」
ルキア・ティベリア:「これからは、あなたがあなたのために願うのよ」
ルキア・ティベリア:「――自らに君臨する」
ルキア・ティベリア:「王になりなさい」
ウルスラ・ミック・ベニ:きっと一生忘れられない会話をして、心を繋げて。手が離れる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「いってきます、ルキア」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミが幸せな日々を過ごすことを願ってる。いつまでも」
ルキア・ティベリア:「ええ」
ルキア・ティベリア:「また会いましょう。いつか」
ウルスラ・ミック・ベニ:美しい白を網膜に宿して、すれ違うように大橋を歩く。
GM:その先には巨大な重二輪が停車している。出発の時が近づいていた。

リンダ・L・ワインライダー:「話はもう構わないのか?ウルスラ・ミック・ベニ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「お待たせしたね、大満足!」ぐっと親指を立てる。
リンダ・L・ワインライダー:「パンチの一発でも食らわせるものかと期待していたが」
ウルスラ・ミック・ベニ:「暴力は良くない。向こうが先に振るってきたくせして剣を抜くとすごく責めるんだから」
ウルスラ・ミック・ベニ:「うっかり大ごとになったら建設王に申し訳ないし」
リンダ・L・ワインライダー:「不満ならばまだここで待てる時間はあるが」
リンダ・L・ワインライダー:「そうではなさそうだな」サングラス越しに、ウルスラの表情を見る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ん……ふふ、そう見えるか」露骨に上機嫌。

籟ミズキ:「美しきは友情ですね!」
籟ミズキ:話を聞いていたのかいないのか。
籟ミズキ:どこからかひょっこり出現すると、切り分けられたキドニーパイのひとかけをリンダの口に押し込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:「そういうことだぜ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクがキングダムの生徒になったり、そうじゃなくなったりして長いけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今日が一番良い日になった。ようやくキングダムを好きになれたよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:そう言いながらバイクに乗っかる。好きになった土地を去るために。

ニーアム・マッキーン:「それならよかったけど」後部座席に小さく収まっている。
ニーアム・マッキーン:「早く出発したいな。キングダムの気候はあんまり合わない……」
リンダ・L・ワインライダー:「おれはクリスマス会に帰還した後どのような制裁を受けるかわからないが」
リンダ・L・ワインライダー:「なに、なんとかなる!まずは戦友を送り届けよう!」
リンダ・L・ワインライダー:「まずは貴様からだ!どこに行きたい?ウルスラ・ミック・ベニ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「中央市街、職員室!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「実はボクも同罪でね。内緒で密入学区してたから説教してもらわないといけないんだ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一人だとちょっと逃げたいから、コネ作りと思ってついてきてほしい!」嬉しそうに泣き言を叫ぶ。
GM:そうして、4人を乗せた重二輪は、光の絶えない王国を後にする。
GM:新たなる冒険の旅へ。
一ヶ月後 中央市街地 職員室オフィス

GM:キングダム連合学院がそうであったように、ウルスラ・ミック・ベニにとっても目まぐるしい日々が過ぎた。
GM:ノヴァリスで事件が起こらない日はなく、退屈を味わう暇などは与えられない。まして、職員室の『先生』ともなれば、なおさらそうだ。
GM:そんな日々の中にあって――それは単に幸運だったのかもしれないし、連絡を受けたウルスラが、その時だけは出動を控えたのかもしれない。
GM:希少な休憩時間に、懐かしい顔が訪れていた。
ウルスラ・ミック・ベニ:約束の時間から10分前。アフタヌーンティーセットをせっせと準備している。
ウルスラ・ミック・ベニ:キングダム最大手の百貨店プロンプト社から贈呈された、自慢の宝物だ。
オリーヴ・ウェールズ:その職員室オフィスの扉に。小さくコン、とノックの音が響く。
オリーヴ・ウェールズ:(……随分と、遅くなってしまいました)扉の前には、前髪を弄る少女が一人立っている。

オリーヴ・ウェールズ:今日の時間ではなく、これまでの期間。
オリーヴ・ウェールズ:限界を越えた行使の末、崩壊した身体の療養と、王位の───"聖剣の返還"。
オリーヴ・ウェールズ:守るために誰かを裁き続ける役割は、もう必要なくなった。
オリーヴ・ウェールズ:生徒達を見張るおそろしき鉄は、今のキングダムには不要なのだ。
オリーヴ・ウェールズ:天使の聖剣も、同じく。生まれ変わる社会で、前時代の過剰な威が与えるのは不安だけ。
オリーヴ・ウェールズ:だから、誰にも継承はしなかった。しかしその時が来るのならば、きっと。剣は再び担い手を選ぶのだろう。
オリーヴ・ウェールズ:───鴉の塔の奥深くに、静かに佇んで。人を愛する天使の剣は、地上の営みを眺め続けている。
オリーヴ・ウェールズ:残りは部活の引継ぎと、お世話になった人たちへの挨拶。円卓や、関わった諸王の皆に謝罪と感謝を告げる、最後の仕事。
オリーヴ・ウェールズ:体制の変更もあり、激動の中。この選択で、事実迷惑をかけたことも多いのだろう。
オリーヴ・ウェールズ:でも、私はそうしたいと願った。
オリーヴ・ウェールズ:自らに伸ばされたあの人の手を見た時から、きっと。何処か心に決めていたのかもしれない。
オリーヴ・ウェールズ:それが、目指すべきへの一番の王道であると。確かな思いがあったから。
オリーヴ・ウェールズ:皆に手を伸ばす。その答えのない方法を、少しでも多く学ぶために。
ウルスラ・ミック・ベニ:「いらっしゃい、待ってたよ」扉を開き、客人を迎え入れる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……うん、様になってる。ていうか越された」
オリーヴ・ウェールズ:「───お久しぶりです、ウルスラ」
オリーヴ・ウェールズ:慣れないスーツに身を包み、チークとリップが薄紅に染まり、長い髪を纏め上げ。
オリーヴ・ウェールズ:少しばかりの緊張を携えて、オフィスの中へと足を運ぶ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「やっぱ立派なもの持ってると違うよなー」
ウルスラ・ミック・ベニ:そう高くない背丈と童顔、ころころと変わる軽い表情。多少スーツに着慣れていようと、憧れるような大人になる日は程遠い。
オリーヴ・ウェールズ:「そう……でしょうか。どうしても採寸が合わず、オーダーメイドで出来上がる間はこのままとなってしまうのですが……」
オリーヴ・ウェールズ:その顔は、前よりはずっと柔らかく見える。大人びた背の割には、作る表情は年相応よりも少し幼げで。
オリーヴ・ウェールズ:「……っと、失礼しました。改めて……」
オリーヴ・ウェールズ:「本日付けでキングダムより、教育実習生になるべく中央市街、職員室に参りました」
オリーヴ・ウェールズ:「St.プロテクター。オリーヴ・ウェールズです。改めて……よろしくお願いします」
ウルスラ・ミック・ベニ:「書類審査、オンライン面談、事務手続きは完了しています」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ようこそ職員室へ。これから教育実習生として、多くの事を学び、教えられていきましょう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……明日からね!今日は約束した通り、のんびり過ごしたりお部屋探したりだ」
オリーヴ・ウェールズ:「では、"ウルスラ先輩"と呼ぶのも明日からという事で」打って変わって、悪戯な表情で。
ウルスラ・ミック・ベニ:「見つかるまではホテルかボクの部屋で……ふふん、後輩になったらビシバシ指導しちゃうよ」
オリーヴ・ウェールズ:「ふふ……どんと来い、体力には自信があります!鎧を纏い動き続けた経験が活きますね……!」
オリーヴ・ウェールズ:「……ともあれ、です。勇者の道筋に、神官が合流しに来た、といったところでしょうか」
オリーヴ・ウェールズ:陽だまりの様に笑って、歩み寄る。「着席してもよろしいですか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「勿論、今日は賓客としてエスコートさせてもらうよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:恭しく椅子を引く。ティーポットから芳しい香りが漂い始めた。
オリーヴ・ウェールズ:無いスカートの裾を掴もうとして、はたと気付き。少し恥ずかしげに一礼。
オリーヴ・ウェールズ:「こうしてゆっくりと話せるのも、鴉の塔からひと月ぶりでしょうか……間にはずっと、長い時があったように思えますが」
オリーヴ・ウェールズ:椅子に静かに腰掛けて。紅茶の香りを楽しみながら、話に耳を傾ける。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクはずっと激動の日々だよ、あれほど激しい事件は無かったけどね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キングダム近辺だけでもとんでもない衝突発生数。業武燐遊牧学区の略奪遠足とかすごい頻度よ」
オリーヴ・ウェールズ:「ううっ……それに関しては、私もご迷惑を……この状況が動く時期にキングダムを離れる決断をしてしまい……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「向こうの味方側として顔が利くから、何度か駆り出されてまーす」
オリーヴ・ウェールズ:「えっ……業武燐遊牧学区と……?」前の立場上、少しだけ唖然とした表情で。
ウルスラ・ミック・ベニ:「色んなところに顔出せるのもこの仕事の面白いとこ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「シェオルとかすごいエネルギッシュで人生観変わるよ~?」
オリーヴ・ウェールズ:「いや……これから、私も同じく頑張っていくんですから。偏見は無くさないと……」
オリーヴ・ウェールズ:「シェオル……といえばその、発電王がいらっしゃると」
オリーヴ・ウェールズ:「生憎私も顔を合わせたことが無く、どのような人物か気になってはいたのですが……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「えーっとね、元気にしてたよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「すごくのびのびとしてた」
オリーヴ・ウェールズ:「元気ならば何よりです……もし彼女が帰ってきても、伸び伸びと生活できるキングダムへと、これから変わっていくはず」
ウルスラ・ミック・ベニ:眩しそうに眼を細め……というか眼を潰されたかのように塞ぐ。
オリーヴ・ウェールズ:「私にできるのは、職員室からの出来る限りの支援」
オリーヴ・ウェールズ:「きっと、今までとは違い。沢山のお話が来るのでしょうね。これも……」
オリーヴ・ウェールズ:「ウルスラ先生と五派先生のおかげ、でしょうか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふん、そんなことを言うとデレデレしちゃうぜ。二人とも」
ウルスラ・ミック・ベニ:「素敵な先生や同僚は他にも沢山いるから、期待しててよね」
ウルスラ・ミック・ベニ:午後2時を告げる間延びしたチャイムが鳴り響く中、ゆっくりとお茶を淹れる。
ウルスラ・ミック・ベニ:《万能器具》自分の椅子をずらし、空いたスペースにもう一組席を用意する。
オリーヴ・ウェールズ:「あら、もう一人……ぁ」もしかして、と思い、周囲を見回して。
ヒナテア・オルブライト:お茶会開始予定時刻きっかり。室内に闇が浮かび上がり、閉じた時には新たな客人が椅子に座っている。

ウルスラ・ミック・ベニ:「ギリギリ過ぎない?5分前集合が大人の基本って先生言ってたけど」
ヒナテア・オルブライト:「何処の国の常識だ、それは」むすっとした顔で紅茶に口を付ける。
オリーヴ・ウェールズ:「……お久しぶりです、ヒナテアさん。こうして装いを改め再び会えた事、本当に嬉しく思います」
オリーヴ・ウェールズ:涙ぐむのは、あの時と同じ。覚えた化粧を少し崩し、ハンカチで拭いながら、へにゃりと笑う。
ヒナテア・オルブライト:「………………泣き落としは立派な大人の用いる武器ではない」
ヒナテア・オルブライト:「スーツを鎧い明日へ踏み出すならば、精々しっかり封印することだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「強烈な兵器だもんね」
オリーヴ・ウェールズ:「……す、すみません……すぐ泣いちゃうのは、昔からどうしても変わらなくて……うう、兜があれば被りたい……」
ヒナテア・オルブライト:「こうして約束は守ったんだ、これ以上泣かないでくれ」
オリーヴ・ウェールズ:「はい……」なんとか持ち直し、顔をふるふると振って。
オリーヴ・ウェールズ:「……せっかく三人が揃ったので、少しお話したいことがあります」ティーカップに小さく口紅の跡を付けてから、向き直る。
ヒナテア・オルブライト:実際のところ。ブロンテスとの戦闘を終え、多くの傷病者を医療部施設や避難施設に送り込んだ後。
ヒナテア・オルブライト:キングダムに寄りつかず、一人で何処かへ消え去って。要はうやむやにして逃げていた。
オリーヴ・ウェールズ:「改めて、私が職員室に来て。教育実習生になった理由を」
ウルスラ・ミック・ベニ:以前進路指導室に挨拶回りした時、ばったり遭遇して連絡先も交換していたウルスラが今回誘い込むことに成功した、というのが真実である。
ヒナテア・オルブライト:「聞かせてもらおう」オリーヴがいるとは聞かされていなかったことをおくびにも出さず、促す。
オリーヴ・ウェールズ:「ずっと、考え続けたんです。誰も見捨てない世界。誰もが救われる、理想の世界について」
オリーヴ・ウェールズ:「ロードマスターの目指した理想。"おとぎの国"には、私は行けずに……後でお話を聞くだけでしたけれど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「向こうのことはヒナ先輩にも話しておいたよ。せがまれたし」
ヒナテア・オルブライト:「ウルスラ」
ヒナテア・オルブライト:「……相変わらずだな、オリーヴ・ウェールズ」
オリーヴ・ウェールズ:「私は、彼の目指した理想の王にはなれなかった。視点が違っていた。目指していた高みは、遥か彼方だった」
オリーヴ・ウェールズ:「……でも、高みを知る事で、改めて自分の脚元の脆さを知りました」
オリーヴ・ウェールズ:「これまでのルキアさんへの対応も……そして、今回の事件もそう。方法を間違えて、一人の子とのお話が平行線になって」
オリーヴ・ウェールズ:「言ってしまえば、私は……ただ"優しくあろうとしただけ"の、無知な存在だった」
オリーヴ・ウェールズ:「ならば……どうすれば相手を知ることが出来るのか、その心に寄り添えるのか」
オリーヴ・ウェールズ:「唯一の答えはきっと、何処にも無い。無いからこそ、多くを学ばねばならない」
オリーヴ・ウェールズ:「……その為の。自分に今無いものを知るための、巡礼の旅」
オリーヴ・ウェールズ:「誰もに手を伸ばすための、様々な視点を得るために……キングダムの外へ。教育実習生の門戸を開きました」
ヒナテア・オルブライト:「……私には」
ヒナテア・オルブライト:「オリーヴ・ウェールズ。貴様の旅路を見守る時間は、残されていない」
ヒナテア・オルブライト:「卒業してやりたい事を見つけた。貴様らは教育実習生として、ノヴァリスに残り研鑽を重ねる」
ヒナテア・オルブライト:「過酷な道の先に何が待っているか、知ることも諭すことも、止める事も出来ない」
ヒナテア・オルブライト:「だが……私の世話になっている先生。進路指導室の、UGNエージェントが語ったことだ」
ヒナテア・オルブライト:「生徒たちがノヴァリスを卒業して、外へ巣立った後」
ヒナテア・オルブライト:「UGNに向かう窓口を出来る限り広げている。FHに戻る者も多いだろう」
ヒナテア・オルブライト:「そのどちらに向かった子も、大人たちが作ってしまった世界をより良く変えてくれる」
ヒナテア・オルブライト:「そう信じ、期待していると。私たちが変える未来を楽しみにしているそうだ」
ヒナテア・オルブライト:「……私も外で待とう。オリーヴの教え子を」
ヒナテア・オルブライト:「私が抱く期待より、きっと上を行ってくれ」
オリーヴ・ウェールズ:「私の目標は……まだまだきっと、遠い場所に居ますけれど」自分に手を伸ばしてくれた、先生の顔を思い出す。今日も忙しく、誰かに寄り添っているのだろうか。
オリーヴ・ウェールズ:「……必ず。皆と一緒に成長し、貴女の想像を越えられるように邁進します」
オリーヴ・ウェールズ:立ち上がって、手を握る。二人へ向けて。
オリーヴ・ウェールズ:「……誰もが救われる、誰一人取り零されない、理想の世界」ロードマスターが見た、自分が願った、最果て。
オリーヴ・ウェールズ:「それはきっと……連鎖の中に生まれるものじゃないかと思うんです」
オリーヴ・ウェールズ:「私に伸ばされた手を、また誰かに伸ばす。そうして私が伸ばした手が、別の誰かに」
オリーヴ・ウェールズ:「……ありきたりで、どこかで聞いたような答えだけれど」
オリーヴ・ウェールズ:「きっと、そういった"ありきたり"を真面目に進んだ先にこそ、見えるものがある」
オリーヴ・ウェールズ:「……それぞれ、皆。最終的に目指す先は違うかもしれませんが」
オリーヴ・ウェールズ:「───少しでも、世界が目指した理想に。善い方向に進んでいきますように」静かに、目を瞑る。繋いだ手が伸びる先を、信じている。
ヒナテア・オルブライト:「貴様はやはり、図太く強い」右目を僅かに薄め、宝石瞳が瞬く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「……なら、さっそく一歩目踏み出してみる?」
ウルスラ・ミック・ベニ:取り出したタブレットには、今起こりつつある生徒間抗争の報告。
ウルスラ・ミック・ベニ:「オリーヴちゃんが成るのは明日からだから、協力してくれる一般生徒として」
ヒナテア・オルブライト:「……現地直通の道ぐらいは用意してやろう」
オリーヴ・ウェールズ:少しだけ緊張に身体を強張らせてから、大きく深呼吸して。
オリーヴ・ウェールズ:「───はい!ぜひ、協力させてください。ウルスラ先生!」
ヒナテア・オルブライト:《イージーフェイカー:ディメンションゲート》
ウルスラ・ミック・ベニ:【ブラックダイアモンド】
ヒナテア・オルブライト:取り出した懐中時計が停止し、湯気を吐いていた紅茶が冷めることを忘れる。
ヒナテア・オルブライト:「いってらっしゃい、先生方」
ウルスラ・ミック・ベニ:「保存ヨシ、いってきます!」オリーヴの手を引き、開いた穴へと身を投げ出す。
オリーヴ・ウェールズ:未曽有が待つ穴の中へと、勇気を出して飛び込んでいく。剣ではなく───まだ知らぬ誰かに、その手を伸ばす為に。
ウルスラ・ミック・ベニ:壮絶な連戦を乗り越えても、八月以来止まっていた時を再び動かしても。
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクたちとみんなの日常は、波乱と出会いに満ちている。
ウルスラ・ミック・ベニ:少しだけ背伸びすることを決めた二人は、今日も明日も若さを頼りに青春へ首を突っ込んでゆくのだ。
◆Ending◆ルナンシア・ラダ・ランパート
キングダム本校舎

GM:"王"ジェシカ・クロフォードによって定められた新たな円卓議会は、この日も招集された。
GM:今はキングダムの体制の大幅な移行に伴って、全員が困難な案件を抱えている状況にある。
GM:円卓の七名が欠けていることも、むしろ日常的な状況とすらいえた。
GM:だが、この日の議題は、今後のキングダム連合学院の外交の指針を定めるに等しい、極めて重要なものだったといえる――
GM:一連の事件において、キングダムの対応能力を大きく混乱させた一因には
GM:シャムロック自由学園の特別牢獄から解放された囚人生徒達の暴走が大きく関わっていた。
GM:無論、そのような収監施設をシャムロックが擁していたという事実自体、ノヴァリスでは誰も知らされていなかった。
GM:エラ・グレイフォートをはじめとしたキングダムの生徒達が不当に監禁を受けていたという事実も確認されている。
GM:以上の出来事に関与した重要参考人として、棚エアリの証人喚問が予定されていた。

ルナンシア・ラダ・ランパート:「件の女と直近で話したのは"竜王"……そして"美食王"か」
ルナンシア・ラダ・ランパート:座す王が等しく同じ立場となった円卓に、全員が集合していた。

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「一応は…そうですね…モグ…バリボリ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:90Lサイズのバケツに一匹丸ごとフライドチキンが詰め込まれたクソデカバーレル
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それをつまみながら骨ごとかみ砕いて食べている。

竜胆ジョウカ:(居た方がいい内容とはいえあんまり関係なさそうでよかった……)傷もだいぶ治り、「安静に」とは釘を刺されているもののちゃんと復帰している。

バージニア・ダネシュティ:「決定しておくべきことは、一連の事件でキングダムにもたらした被害について」
バージニア・ダネシュティ:「どの程度の責任能力を棚エアリに求めるか、だろう」

七十橋シスル:腕を組み、椅子に浅く腰かけ、足を円卓に載せている。
七十橋シスル:表情はいつもの不機嫌そうなものだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"フォモーリアン"の件を忘れたものは居ないだろう」それから、一旦死蔵王を気にして「ほとんど居ないだろうが」
竜胆ジョウカ:口を開かず、内職で各種魔術式を弄っている。改名なんてしたせいで調整必須になってしまいてんやわんやなのだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「組織の存在が知られると同時、シャムロック生徒会は"フォモーリアン"が現シャムロックとは無関係であることを強調した」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今回も同じことが起きる可能性があるだろうな」

伊藤算砂:「――とはいえ」
伊藤算砂:「彼女らが"フォモーリアン"放逐の立役者であったのはある程度の事実のようです」
伊藤算砂:「学内での人気も高いようで。対応を誤れば、後の対キングダム感情を左右するでしょうね」
七十橋シスル:「そっちの首魁も今か片付いてるんだったか?」
七十橋シスル:「ピラーの襲撃事件の時に捕えたとかなんとか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「無力化されている。今回キングダムの混乱の1つが、シャムロックに拘禁されていたかの一派の残党らしいが」
七十橋シスル:「ノドスのカスの手駒として使われたらしいな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「エラ──同じく拘禁を受けていたうちの団員だ──と同じように、現在のノヴァリスの情報を全く知らない様子だったと聞いている。組織としては事実上消滅しただろう」
七十橋シスル:「俺は解体すべきだと思うがな」
七十橋シスル:「放置するには妙なモンがありすぎる。もう"壁"もねえ。分けておく必然性を感じねえ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「は、反発を招きませんか?」
バージニア・ダネシュティ:「解体を求めるにしても、少なくとも最高生徒会の承認を得ておくほうが今後の体裁は良い」
バージニア・ダネシュティ:「詳細な情報は聞き取るべきだと、己は思うがな」
バージニア・ダネシュティ:「なぜ脱走を許したのか。再発の可能性はあるか。棚エアリを含めた何者かの意図が絡んでいたかどうか」
伊藤算砂:「解体したとて、置く駒がないでしょう」
伊藤算砂:「誰を総督に据えるのです?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「組織として懐柔するなら…モグ…それなりの名前は必要か…」

ナターリヤ・ネプチャン:「書類上はあくまで無関係を貫いているようですし」防水加工された資料をサブアームで手に取っている
ナターリヤ・ネプチャン:「オレも美食王の懸念に同意しますが……」
伊藤算砂:「まだ防衛力のほうが供出しやすいのでは。今の我々は内政人材のほうが足りていません」
七十橋シスル:「海賊王……は出て行ったんだか」
七十橋シスル:「面倒だな。あの子犬どもを出されると」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「解体が現実的でないとしても、一定の態度は示す必要がある」
七十橋シスル:「しっかり捕まえとけよなァ、ローーーード様よォ」
七十橋シスル:ここにいない相手……だが間違いなく後で聞こえるだろう相手に文句たらたらに声を挙げる。
バージニア・ダネシュティ:「この場にいない者に文句を言ったところで」顔をしかめる。
バージニア・ダネシュティ:「仕方があるまい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(態度が怖いんだよォ)
竜胆ジョウカ:(……思ったより会議してるな……)何も言わないの今更ながらマズいかも……という顔。
伊藤算砂:「ああ。“海賊王”みたいなものかもしれませんね。彼女と相対して議論するのは」
伊藤算砂:「弱者ぶる“海賊王”といった印象です」
竜胆ジョウカ:(まあでもそうか。至上王と不夜王が取りまとめてた頃は楽だったけどワンマンではあった)
竜胆ジョウカ:(新しいキングダム、新しい円卓……そういうのに伴う弊害か……なるほど……)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「取り敢えず…自由にさせるメリットは皆無…モグムシャ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:チキンを飲み込む。
バージニア・ダネシュティ:「解体。監視。まああり得ないとは思うが、不起訴。どの結果になるとしても」
バージニア・ダネシュティ:「今から送り込む人員を選定するようでは、それこそ証人喚問の意味がない」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ただ、現在のキングダムの現状として…相手の言い分を聞き…最低限の度量を見せる必要はある…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「反乱、騒乱、そういった後は温情を広く示す時期…」
伊藤算砂:「はい。我々の最初の対外姿勢になる」
七十橋シスル:「そうさな。まずは拝むか。俺サマの国境に一回も顔出したことねえ相手の顔だ」
七十橋シスル:「興味はある」
ナターリヤ・ネプチャン:「……文書からは確認しきれない部分も多い」真に受けたわけではない。単に緊張しているのだ。
ナターリヤ・ネプチャン:「重要なのは徹底した事実確認でしょう」
竜胆ジョウカ:(……第五席には悪い事したかな……)面識があるらしく、早く来て挨拶なんてされた時に心構えを聞かれたのだが「黙ってても平気」みたいなこと言った気がする。
バージニア・ダネシュティ:「"死蔵王"。大丈夫か?体調が悪いのか?」普通に心配している。
竜胆ジョウカ:「ウエッ⁉ ……い、いえ、大丈夫です……」
竜胆ジョウカ:「……えと、その。呼んじゃって話した方が、良かったりしませんか……?」
GM:"死蔵王"のその提案が、図らずも議論に一区切りをつけた。
GM:――まずは、棚エアリを含めて、今後の外交について取り決めを行わなければならない。
GM:やがて渦中の人物が……棚エアリが姿を表すことになる。
GM:新たな七名の円卓を、初めて揃って目にする生徒だったかもしれない。

棚エアリ:質の良い黒いドレスが、彼女の仕草の半拍子後を追い、揺れていた。
棚エアリ:"ローレルリース"棚エアリ。留年後もシャムロック自由学園の生徒会長の座についていた彼女も、今や一生徒だ。
棚エアリ:キングダムの動乱が晴れると同時、生徒会長の座より追われ、一般生徒と同等地位となった……ということになっている。
棚エアリ:その場に姿を現した彼女は、何よりまず丁寧な所作で眼を伏せ、慎ましやかに礼を示した
棚エアリ:「ご機嫌よう。シャムロック自由学園の棚エアリです」
棚エアリ:そして……すぐさまの破顔。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「足労感謝する。シャムロック自由学園前生徒会長」
ルナンシア・ラダ・ランパート:いかめしく応じる。
棚エアリ:「いいの。だって……皆さんにお会いする機会ができてとっても嬉しい!」
棚エアリ:ぱっと純真に明るい笑みを見せた。演技であることを分かっていても、なお純真と表現させられるような
棚エアリ:「全然存じない方もいますけど……消去法でだいたい分かります。直接お会いしたことがある方もいますし……その節はどうも」
棚エアリ:気持ち、"竜王"と"美食王"を見て会釈をした
伊藤算砂:会釈をにこやかに返す。
バージニア・ダネシュティ:「第六席"血統王"。バージニア・ダネシュティだ」
竜胆ジョウカ:角度の浅い首だけのお辞儀。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"騎士王"。ルナンシア・ラダ・ランパート」
ナターリヤ・ネプチャン:「……"汽罐王"。ナターリヤ・ネプチャンという」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「第二席!”美食王”オーシャンズ・マウンテンヒルズです」
棚エアリ:笑みを浮かべながら皆の自己紹介を聞く
ルナンシア・ラダ・ランパート:ほかに名乗るものがいないのを確認して。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「さて、長々とした前口上は必要ないだろう。なぜこうした会合を設ける必要があったのかは理解してくれているな」
バージニア・ダネシュティ:「……」隣の第七席を円卓の下で小突いている。
七十橋シスル:こちらから近づくつもりはない。目を細めて、片目で睨めつけている。
棚エアリ:「はい、もちろん」
棚エアリ:「変身――これも正確ではないのですが、姿を変える能力による諸々の諜報活動」
棚エアリ:「そしてそれを知った者の拘禁」
棚エアリ:「私の振る舞いが旧キングダム体制に対し著しく敵対的であったことはもはやご存知の通りです」
棚エアリ:「このたびは……どこから何を、誰へ謝罪するべきか」
棚エアリ:「私自身も答えを出し切れてはいません」
バージニア・ダネシュティ:「随分と挑戦的な物言いをするものだな」赤い目を細める。
伊藤算砂:「……人がすげ替わったとしても、学校の関係は変わりませんよ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「一番簡単なのは貴女がシャムロック自由学園を代表してキングダムに全面的に謝罪する」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「完全に全面的に…だ」
バージニア・ダネシュティ:「然りだ。特定の被害者に対する民事解決を求めているわけではない」
バージニア・ダネシュティ:「一連の行為は学区間攻撃に相当する。互いの学区でどのような落とし所を見出すべきか、だ」
棚エアリ:「……」 僅かに目が揺らぐ 「おっしゃる通りですね」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「極めて悪辣な学区間攻撃だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「正当性のない、意識を失わせての拘束、のちのノドスへの人材提供。"ブリューナク"がキングダムを襲撃した際の情報提供のミスリード、血統政変における安臥王の暗躍……どの干渉にせよ、こちらに死者が出ていないのが、こう言えば安い言葉に思うだろうが──奇跡のようなものだ……そして」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ああ。キングダムから死者が出たときすら、シャムロック自由学園には随分と冷淡な対応をされたと記憶しているな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:声の調子は奇妙なほど一定で、表情に全くの変化がなかった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それこそが"騎士王"の激怒を物語っている。
伊藤算砂:「……“騎士王”様。彼女一人にそこまで仰っても」
伊藤算砂:「いささか酷というものでは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「すまない"竜王"。君の言うとおりだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(うぅーん…初手はまずこう…飲みにくい要求を出してからが本番だ…ここから落とし所を図るのが面倒に尽きる)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(”前”生徒会長に責を負わせて…次期生徒会長に温情というのが定石だが…どうなるか)
ルナンシア・ラダ・ランパート:「よもやこれら全てが一人に負わせるべき……負い切れる責であるなどとは、この私も思っては居ないのでな」
棚エアリ:「冷淡というのは誤解……と弁明したい所ですが、人の所感を後から修正するのも適切ではありませんね」
棚エアリ:「あの頃のあなたがたがもう少々脅威的でなければ、私としても懐を開いた対応をすることはできたのですけど……」
バージニア・ダネシュティ:「己は、棚エアリの一連の謀略に無関係ではない立場だ。よって先に、シャムロックに対する具体的な処分を提案しておきたい」
バージニア・ダネシュティ:うんざりしたような溜息を付いて、挙手する。
バージニア・ダネシュティ:「キングダムおよび中立な第三者からなる監査機関をシャムロック生徒会に置き、今後の運営状況はノヴァリス生徒全てが閲覧できる公開情報とする」
バージニア・ダネシュティ:「今後、生徒の不当監禁や"フォモーリアン"の発生などがないように、だ」
バージニア・ダネシュティ:「シャムロック自由学園全体が要注意学区の扱いを受けることは、彼女らも本意ではないだろう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「当然その場合、シャムロックに対する援助や支援は請け負っても良い」
伊藤算砂:「中立な第三者と言いますと……」
伊藤算砂:「“最高生徒会”ですか?」
バージニア・ダネシュティ:「最高生徒会にそれだけの権威があるかどうかは疑問だがな」
バージニア・ダネシュティ:「だが、利害関係さえ絡まなければどこの学区でも構わんと、己は考えている。ショコラショコランなどはどうだ?」
棚エアリ:(おいしいお菓子が流通しやすくなるのは普通にみんな喜びそうだな~)
棚エアリ:少し考えるような、真面目な表情を作り、その場の者の他の発言を待つ
伊藤算砂:「そもそも。処分の決定など性急では」
伊藤算砂:「まだ何も仰って頂いていません。お話を聞いてからでもよいのでは?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こいつの処遇とシャムロックは分けて考えたい所だが…分けるのは難しいか…)
七十橋シスル:ガ、ツン。
七十橋シスル:円卓の上に雑多に置いてあった踵が落ちた。
棚エアリ:「……!」
竜胆ジョウカ:「っ」びくり。そうなる案件であることは一応知ってはいたものの、空気が思っていた数倍重かったので黙っていた。
七十橋シスル:「まず確認する」
ナターリヤ・ネプチャン:(……拷問王)視線を送り、目線を細める。
七十橋シスル:「"ゼロ・レイ"はどうした?」
七十橋シスル:「バズヴは? 爆弾魔は? あのウィドウみてーな喪服の女は?」
七十橋シスル:「なんでお前一人でここに来てる?」
棚エアリ:「"騎士団"の役目は、シャムロック学区内警備、およびその治安維持ですから」
棚エアリ:「ここに来る道理はないと思います。今日も平常通りの活動をしているはずです」
七十橋シスル:「ヘラヘラしてんじゃねえよ」 眼は細めている。
七十橋シスル:「悪の巣窟、キングダム全員に、自分たちの生徒会長がボコボコにされるのを」
七十橋シスル:「黙って送り出すようなタマか?」
七十橋シスル:「もう一度聞くぞ。お前はなんて言ってここに来た」
棚エアリ:(ヘラヘラ、って受け取り手次第だから困るんですよね。丁寧に笑っているつもりなんですけど……) 穏やかな表情を作りながら、さすがに口には出さない
棚エアリ:「何と言って、という質問に答えるなら、特に何も言っていない……としか言いようがありません。経緯の説明を許して下さるなら……」
棚エアリ:「……"ブロンテス"によりシャムロック内部での私の様々な企みが、ほとんど破綻のような形で明らかになった時点で、私はもう会長として相応しい者ではなくなっていたので」
棚エアリ:「その座を罷免し、今や一生徒として、その行いの責任を支払うべきと思い、ここに訪れたのです」
棚エアリ:「その過程に、何かを言う必要なんてない」
七十橋シスル:「"美食王"」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なんでしょう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(なんだろう…)
七十橋シスル:「手持ちで、こいつらが気に入りそうな一番良い茶と菓子は?」
棚エアリ:(こいつら……)
七十橋シスル:それは殆ど、名目上のものに過ぎない。シスル自身の都合によるものも多分にある。
七十橋シスル:だが拷問王は、対シャムロック戦線における辺境伯である。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「最近…崑崙で天然モノの良い茶葉が手に入りましてね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「チャイニーズティーに仕立てれば中々かと…となれば月餅あたりをチョイスしたい所」
七十橋シスル:「騎士王……俺は今、こいつを初めて見た」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「適うなら、君もどうすべきだと思ったか聞かせてくれ。拷問王」
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:「乱暴に言うぞ」 およそ拷問王らしからぬ枕である。
七十橋シスル:「腹の探り合いは思うツボだ。こいつは、たかが変身能力一つを隠すためにこれだけのことをして」
七十橋シスル:「たかが変身能力一つだけで、俺の茨に引っかからずに今まで走り回ってる」
棚エアリ:(非常な苦労を伴ってるんですけどね、そこは……!) シャムロックとキングダムの学区境を大きく迂回することなどはしょっちゅうだ。転移能力ゆえ、人よりは容易い道のりではあるが……
七十橋シスル:「ここで決めつけるべきじゃない。賓客として扱い、丁重に返して、そして他の奴を引き出して、そいつらの意見を聞け」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「成程。竜王と方針は近いが、より慎重だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:この召喚に応じた決め手も、キングダム連合学院ではなく"ブロンテス"の動向によるものでしかない。
バージニア・ダネシュティ:「……議論の先送りということでもあるがな」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(いや…悪くないぞ…何もせずに送り返すという事は)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(コイツを相手にしないという宣言だ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(相手にするのが悪手の相手は相手にしないのが良い…その上で陰謀をめぐらせてくるなら相手をすればいい)
七十橋シスル:「つーかな。お前らも気付けよ。この前の今だぞ」
七十橋シスル:忌々しげに言う。「また俺は嫌だぞ。『本性の見えない学区のワンマン』に、真実を喋られた瞬間に、全員で一斉に掌返すのは」
七十橋シスル:「もう一回ごはせんを呼ぶのか? 次はウルスラと成り立てオリーヴもついてくるぞ?」
伊藤算砂:「最悪ですね」冗談めかして。
竜胆ジョウカ:(呼び方……)口には出さない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……流石にそれを引き合いに出されてしまってはな」
ナターリヤ・ネプチャン:「……オレも本件についてはあまりに不勉強なところがあった」
ナターリヤ・ネプチャン:「次回”以降”を見据えて、対策を講じるのもいいか」
バージニア・ダネシュティ:「"戒功王"が生きていてくれればと思うな」白い肩を竦める。
バージニア・ダネシュティ:「少なくとも真実か嘘かは、はっきりさせてくれた」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「では確かに土産は良い物を持っていってもらうのが良いですね…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ちゃんとした現在の責任者に我々のメッセージをしっかり伝えて貰わなければ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「伝言くらいは嘘を交えずに伝えてくれるでしょう」
棚エアリ:(…………)
棚エアリ:事実として、エアリにとってはそれは都合で、不自由な提案であった
棚エアリ:怒りのまま処断と虜囚を受け、以て逆説的にシャムロックの安全保障を得たかった。それはやもすれば捨鉢な選択ではあったが……
七十橋シスル:「フォモーリアンと同じように、自分を切り捨てるつもりだったか? アア?」
七十橋シスル:恫喝そのものの声音で眉間に皺を寄せる。
棚エアリ:(キングダムが弱体化した今こそ、そういった形で関係性の安定を図ることができる)
棚エアリ:(……と、思っていたんですが)
棚エアリ:(弱体化しただけでもないのか、これは)
棚エアリ:「……いえ、まさか」 どうにかシスルの言葉を否定する。目にはまだ動揺が浮かんでいた
七十橋シスル:「この中で星室庁の教師と繋がりある奴手ェあげろ。ごはせん以外で」
竜胆ジョウカ:「……あっ、ああ。はい」挙手。
ルナンシア・ラダ・ランパート:挙手します。
七十橋シスル:「お前…………」 死蔵王の方を意外そうに見る
竜胆ジョウカ:「なんですか……?」
ナターリヤ・ネプチャン:(こういうところは流石だな……)
七十橋シスル:「フォモーリアンの首魁捕縛の情報。ピラーで捕まったんなら、詳しいのは教師だろ」
七十橋シスル:「なんとか繋がりをどうにか上手くして仕入れた方が良いんじゃねえか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「任せていいか、"死蔵王"」
竜胆ジョウカ:「ウヘ……はい、了解です……」
バージニア・ダネシュティ:「え……大丈夫か……?」心配そう
竜胆ジョウカ:「……はい、まあ……連絡先どこいったか忘れたので、今度挨拶がてら星室庁に顔出してきます……」
伊藤算砂:「難しそうなら“スブ・ロサ”に……“探索王”に渡りをつけて下さい」
伊藤算砂:「“ナルテークス軸心髄”のです」補足する。
竜胆ジョウカ:「……?」しばし悩み。
竜胆ジョウカ:「……ああ、あー。分かりました、大丈夫です」
バージニア・ダネシュティ:「大丈夫か?」疑問
竜胆ジョウカ:「一応円卓ですので……」
棚エアリ:(相変わらずだなこの人……カトで何度か絡んだのも覚えてないんだろうな)
ルナンシア・ラダ・ランパート:「他の案件の裏も改めて取ったほうがいいだろうな。キングダム学区内の痕跡についてはこちらが担当しよう。捜査部に回す」
七十橋シスル:「あとは……」視線を彷徨わせる。ナターリヤさんを見る。
ナターリヤ・ネプチャン:「定時制の方はオレに任せてほしい。……"月下王"の件もある」
ナターリヤ・ネプチャン:「そちらも容態が回復次第、聞き取りは進めてもらう」
バージニア・ダネシュティ:「そうだな。己よりナターリヤに任せたほうが円滑に済む」
伊藤算砂:(完全に客人を放置して政務を進めていますが)ちらりと見る。
伊藤算砂:(放置のほうが効くこともありますか)
七十橋シスル:「犬の扱いは得意か?」
七十橋シスル:「犬っつうか……獣系」
七十橋シスル:ちなみに拷問王は全く向いていないことが伝わる嫌そうな声音である。
ナターリヤ・ネプチャン:「面識がある、というだけだよ。まあ、差し入れのチョイスに困らないのは良いところだけど……」
七十橋シスル:「こいつを送り返す役がいるだろ」
七十橋シスル:「今までの円卓だと、フィオナ騎士団が絶対つっかかってくる」
棚エアリ:「それはまあ……」 苦笑
棚エアリ:実際、"バズヴ・カタ"、"騎士団"の団長たる彼女とエアリは確かに暗黙のツーカーで通じ合っていたが、"騎士団"下部まで徹底されている訳ではない
棚エアリ:たとえばシスルが名を挙げた"ゼロ・レイ"辺りは、エアリの惰弱で流されるような態度に憤慨し、テロリズムの機会を虎視眈々と狙っているだろうとエアリは想像していた
七十橋シスル:「定時制なら、先住民も慣れたものだろ。お前か血統王が行ったらどうだ」
ナターリヤ・ネプチャン:「ああ、なるほど」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「実際にあちらの生徒会と膝を突き合わせる日取りも決めてしまうべきだろうな。取次と条件の摺合せは"竜王"に任せてもいいか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「先住民相手なら私も手伝いましょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ちょうど交流を持ちたい相手ですので」
バージニア・ダネシュティ:「定時制の調査委託程度なら良いが、あまり己達が暇だと思ってくれるなよ」
バージニア・ダネシュティ:「ナターリヤ。あまりこうした頼まれ事をハイハイと引き受けてやるな」
バージニア・ダネシュティ:「貴様は実直に過ぎる点が心配事の一つだ」
ナターリヤ・ネプチャン:「……う。しかし、相手の面目を立てるという立て付けはありますし……」血統王にはまったく強く出れない。名目上の席次は上なのだが……
伊藤算砂:「任されてもよろしいですが」
伊藤算砂:「向こうがお嫌なのでは」
七十橋シスル:「棚エアリ。誰が来て欲しい?」
バージニア・ダネシュティ:「"美食王"が良い」
バージニア・ダネシュティ:「ファウセットとの交流もあっただろう」
棚エアリ:「えーっ、選んで良いなら……そうですね、私もオーシャンズさんが良いと思ってました」
棚エアリ:本心である。今後のことを考えるなら、一人は明白に親シャムロックの王を円卓に用意しておきたかったし、それにはオーシャンズが適切だろうと見ていた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「成程」頷く。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「まあ、騎士団とも面識もありますしね」(問答無用で攻撃されましたが)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ん…いやどうなんだ…貧乏くじでは?)
棚エアリ:(……考えさせられてるなあ)(今後のこと……)
七十橋シスル:「じゃあ載せてってやれ、あのアホみてーな顔の車で」
七十橋シスル:カバ戦車のことを言っている。
ナターリヤ・ネプチャン:「……拷問王」窘める声色が強い。
七十橋シスル:「アホみてーな顔にアホみてーって言って何が悪い」
七十橋シスル:「それともお前アレかっこいいって思ってるのか?」
伊藤算砂:「慰撫効果は一定ありますから……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「不要な野次や諧謔が喜ばれる場でないのは承知して貰いたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(そのうちカバ列車を開通させてやるからな…お前もそれに乗せてやるぞ拷問王ッ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「まあ、カバの格好良さは置いておくとして」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その手の地味な交渉は任せてもらいましょうか」
竜胆ジョウカ:「……というかそうだ。あの”不夜王”……じゃなくなった、”王”まで巻き込んでもいいのでは。我々より上らしいですし」
竜胆ジョウカ:「一筆いただいて……でもいいですし。どうしても首が回らなくなったら増えてもらって聴取手伝わせましょう」
バージニア・ダネシュティ:「ふん。それもいいな。あいつは自分だけ楽をしようとしているようだが、そうはいかん」
伊藤算砂:「まあ、色々巻き込んでもよいのかもしれませんね」
伊藤算砂:「こちらも庶務の藤和ミノリさんなどには個人的に興味がありますし」
棚エアリ:「……さすが竜王は駒をご存知で……」
七十橋シスル:何らかのやり取りを横目に。「てめえも言いたいことは素直に言えよ」
七十橋シスル:エアリを見下ろす。「ルキアがああだったんだ。いつまでも身内相手の腹芸で遊んでらんねーんだよこっちは」
棚エアリ:「……その辺りのお話、今度聞かせてくださいね。野次馬とかじゃなく、本気で気になるので」
棚エアリ:(何がどうして、こんな……この人たちが)
棚エアリ:(あのキングダムの頂点の円卓を囲む人たちが前向きになったのか)
棚エアリ:(まあこの感じだと、話してくれるかは半々だとは思いますが……)
棚エアリ:……こうして、エアリはその場を辞した。幾人かの視線が常にあり、当然自由ではなかったが、さりとて窮屈でも、寒々しくもなかった。
棚エアリ:(結局……生かされた、かなあ)
棚エアリ:(ま、これを使わないで済んだのは良かった)
棚エアリ:ドレスの下。エアリは、透き通った石と木片で出来たアンクレットを足首に巻いていた。
棚エアリ:レネゲイドにより砕け安定電流を一度だけ生じる結晶を心臓部に据えた、木と石で組まれた回路は力を少し注ぐだけで『軍隊』へと攻撃開始の号令を送る、局所通信機だ。
棚エアリ:そう――『軍隊』。
棚エアリ:ことノヴァリス生徒に対して、無二の軍隊がシャムロックには今この瞬間、ある。それは総勢100人にも満たぬ、しかし総勢100人にも迫る先住市民の全方位戦闘部隊である。
棚エアリ:先だってのファウセット新陸帯を巡る係争において、エアリは2名の先住市民工作員を送り込んでいた。
棚エアリ:それはキングダムの対先住市民能力を見るための先遣隊であると同時、シャムロックが今後先住市民を戦力化するのかもしれないと誤認させるための見せ札だった。
棚エアリ:……彼らの価値観はどこまで行ってもプリミティブで単純だ。
棚エアリ:たとえ狩猟や原生動物との戦闘を生業としていた個体であっても、敵対学園を攻めて滅ぼせと言われて尻尾を振るようなことはない。彼らが牙を剥くのは自らの愛する者が傷つけられ、自らの平和を脅かされるからである。
棚エアリ:ゆえに、描き出した。悪の王国の侵略の矛先に、『愛と平和のシャムロック』を――長い時間をかけて。
棚エアリ:それがエアリのキングダム滅殺のための、ノヴァリス入学以来の一貫した事業であった。
棚エアリ:(……もし、私だけじゃない。シャムロックが損なわれるようなことであれば、これを使わざるを得なかった)
棚エアリ:(私個人の損得じゃない。軍隊にしてしまった彼らに対する誠意として……)
棚エアリ:(……っていうのも、まあ美辞麗句だよな~)
棚エアリ:(降りたかっただけだし……)
棚エアリ:――結局、エアリは"ブロンテス"の一件……先住市民が大量に毒殺される危険性に晒された件で、一度『折れ』ていたのだ。
棚エアリ:シャムロックのためであれば、数十人の先住市民の死よりも、"ブロンテス"の凶行をこそ止めるべきだった。
棚エアリ:その選択を取れなかった。自ら描き出した愛と平和に、足元を取られたがゆえに。
棚エアリ:(キングダムに勝つならこれしかなかったと思うけど、今やそれより、シャムロックが変わらず愛と平和に満ちていることを望んでいる)
棚エアリ:(そのためなら自分がどうなっても良いと思うくらいには)
棚エアリ:(なんたる愚女!)
棚エアリ:ふう、と人知れず溜息を吐き、それから笑みを浮かべて顔を上げる。
棚エアリ:「……さて」
棚エアリ:「どうにも優しく許されてしまった愚かな女なりに……もう少し働かせていただきますか」
GM:――証人喚問の結果として、今後の対シャムロック情勢の方針決定は、より多くの生徒達を交えた議論とすべきという結論に至った。
GM:特にかつての円卓を知る者達にとって、それはとても大きな変化だ。
GM:キングダムは変わりつつある。円卓が変わったのならば、いずれ確実に、この学区全ても。
GM:他の王は先に退室していた。偶然、この二人だけが残っている。
GM:あの激動の日を、互いに敵として経験した二人の王である。
ルナンシア・ラダ・ランパート:人がはけたのを見て、長い溜め息を吐いた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あの時は、まさに総決算に赴くというつもりだったが。なかなかどうして気持ちよく終わらない」
伊藤算砂:「気持ちよく終われそうという色気は」
伊藤算砂:「勝利を遠ざけますよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君に何度かそれでしてやられたのは覚えている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:むすっとして返す。
伊藤算砂:「美しく勝たせてくれない程には、そちらの筋も老獪になっては居ますから」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「どこまで本気で褒めているのやら。とはいえ助かったぞ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「怒りに駆られるのには慣れない。君の一言で自覚できた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……久々の円卓の席はどうだ?」
伊藤算砂:「……業腹ですが」
伊藤算砂:「座り心地はよいですね」
伊藤算砂:他に座すものの違いですかね、と加えて。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「算砂が自ら頂点に立つ気がないのは我らが"王"も承知していただろうが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君の佐ける王が居ない上に能力があるのだから、こうなるのが自然なことだ──どちらも、既に十全に示されていることもあるのではないかと思う」
伊藤算砂:「……何よりもよいことは」
伊藤算砂:「指南の甲斐があることです」
伊藤算砂:「先王は完成されていましたから。そう私が思い込んでいただけではありますが」
伊藤算砂:「輜重。戦術。遺産。魔道工学……覚えていただくべきことは、枚挙に暇がありません」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……おまえに目をつけられたやつは大変だな」苦笑する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ルキアは──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「多くを語らなかった。そうすることで他者を遠ざけようとした。ただ己の持つ謎に強い引力があることを知らなかった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「様々な者が、思い思いの"至上王"を幻視した。例えばウルスラ・ミック・ベニが。天沼チギリが。"免罪王"が。生徒たちが──君も、私も」
伊藤算砂:「そのどれもが正しく。そのどれもが誤っていた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だな。我らの臨む巨大な幻想そのものがロード・アンド・マスターであり」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「魔術王の予言に砕け去るキングダム連合学院だったのだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「近頃、何度も身につまされている教訓がある」
伊藤算砂:「何でしょう?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私が教わるばかりでなく、算砂に知らせるべき事柄の一つかもしれないな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「大事なことほど案外、口に出さなければ伝わらないということさ」
伊藤算砂:「私も先生ではありませんから……ふふ」
伊藤算砂:「言わぬが花と。私の国では教わるのですがね」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──感謝している」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「意図はどうあれ、ルキアの味方をしてくれたことを。もちろん、手ひどくやられたことは恨んだがな」
伊藤算砂:「手ひどくやられたのはこちらでしょうに」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「当たり前だ、本気の円卓三人を相手取って勝てる気でいたのが恐ろしい」
伊藤算砂:「消耗した円卓三人です。勝つ算段が完全についていたのですが……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「口だけは本当に減らないやつ」
伊藤算砂:「口に出さなければ伝わらないと」
伊藤算砂:「言った口はどちらであるのか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:くつくつと笑う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「違いない。早速言行不一致を糾されてしまった!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「これからもよろしく頼むぞ」
伊藤算砂:「ええ。“騎士王”様のことは、すべてを以って好ましいとは言い難いのですけれど」
伊藤算砂:「翻させて頂けるのでしょう。これから」
伊藤算砂:「ご期待しております。王よ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:頷いて立ち上がった。その動作の間も、自らの胸元に同化した白い宝玉には一切の異物感がない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:既に6つが発見され、残すところはあと1つ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:全てが発見された時状況がどう動くのかは分からないが。最後がどの学区にあるのかは、以前から示唆されていたのだという。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ジェネシスインダストリアルアカデミー。
ルナンシア・ラダ・ランパート:『電脳深海』。
GM:いずれ、7つ全てが発見される時に、何が起こるのだろうか?
GM:あの日のルナンシア・ラダ・ランパートの旅は、あまりにも非現実的で、再現不能で、奇跡的な探索だった。
GM:既に発見された他の5つにも、それぞれに、そうした奇跡的な物語があったのだろうか?
GM:――『おとぎの国』。この世界に生きることを選んだ者である限り、その世界を二度見ることはないのだろう。
GM:何故なら『おとぎの国』からこの世界へと立ち戻ったということは
GM:自由意志によって、この世界で生きる願いを選び取ったということだから。
GM:声がある。あの日、『おとぎの国』から帰還した時から、ルナンシア・ラダ・ランパートの中で響き続ける声。
GM:しかしそれは、決して不快感を伴うものではなかった。
GM:まるでルナンシアの心臓の鼓動のように自然に、命とともにある。
GM:所有者の欲望を問う、ただひとつの簡潔な問い。
GM:この世の誰も、そのような問いに、すぐさま答える必要だってないのだろう。
GM:時間ではなく、いつか望みを決めることだけが、大切なことなのだから。
GM:摂理のイースターエッグは、問いかけている。
GM:――"なぜ、自由でありたいのか"。
◆Ending◆キャロル・ホプキンス
無人地帯 秘匿座標L

GM:キングダム連合学院に、激動と言っても差し支えないほどの変化が起ころうとしていた頃。
GM:キャロル・ホプキンスは恩赦も待つことなく、他のどんな罪人よりも先に、自らキングダムを出奔した。
GM:それはキングダムに捕縛されることを逃れるためではない。
GM:幾度となく死の淵に瀕した身を押してでも、確かめに行かなければならないことがあった。
GM:過去の罪は許されなかったとして、彼女自身は――
GM:新たな罪を犯してしまっていたのだろうか?
GM:何名かの生徒の協力を得て、キャロルはこの地に再び立った。
GM:明確な目標がなければ、誰一人として踏み込むことのないであろう無人地帯。"虚飾の世界を砕くもの"が位置していた座標区画だ。
GM:夜の砂漠に、火を焚いて野営をしていた者がいた。

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「遅いわよ」

キャロル・ホプキンス:薄汚れた着衣は、ここまで砂漠を歩いてきた為だけではない。
キャロル・ホプキンス:ルキア達の帰還を確かめてすぐに休むことなくここまでやって来た為だった。
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさん」
キャロル・ホプキンス:「その……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「見つけたわよ!」声を遮る。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あの……嘴子原シェイルが協力してくれて」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「駆けずり回って見つけたわよ!まったく、こんな来るかどうかもわからないところで……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「何日も野営までして!」

"慈悲なきもの":「……キャロル・ホプキンス」
"慈悲なきもの":「心配をかけた。済まなかったな」
キャロル・ホプキンス:「ぁ……っ、は、はは……」
キャロル・ホプキンス:涙が溢れそうになるのを堪えて、笑う。
キャロル・ホプキンス:「ハングマンさん……! よかっ……あれ?」駆け寄って抱きつこうとして、足の力が抜けてその場に崩れるように座り込む。
キャロル・ホプキンス:「力が入りません!」
"慈悲なきもの":「おい……!大丈夫か!」傍に駆け寄る。
"慈悲なきもの":「無理をしすぎだ。見ただけでも分かる」
キャロル・ホプキンス:「それは否めませんね……人生で一番頑張りました」
"慈悲なきもの":「そこまでして、なぜ私を?」
"慈悲なきもの":「私は理事会の大人だ。お前たちを虐げていたか、それに加担していた」
"慈悲なきもの":「お前が必死に私を探していたと聞いて、驚いた」
"慈悲なきもの":「私は死人なのだ。そんな執着を、生きた誰かから持たれる日など来ないと思っていた……」
キャロル・ホプキンス:目を丸くして驚いている。……というより、ショックを受けている。
キャロル・ホプキンス:「ハングマンさんはそんな認識だったのですか……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あのねえ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしだって同じ意見よ!?こんなことに付き合わせたのはあなたなんだからね!?」
キャロル・ホプキンス:「えっ、アーイシャさんも!?」
キャロル・ホプキンス:「これは……ワカナさんの言っていたことを真剣に考えなければいけないのでしょうか……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ほら他の生徒からも言われてるんでしょ!あなたがズレてるの!」
キャロル・ホプキンス:「まさかお二人を友達だと思っていたのが私だけだったとは……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「えっ、いや」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「友達だからって、よ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「そんな、どう見たって死にそうな有様で走り回って……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「何日もかけて、待ってるかどうかも分からない……こんな所まで来て……」
キャロル・ホプキンス:「……まあ、確かに友達なのは理由ではありませんが」
キャロル・ホプキンス:「いえ、それだけが理由ではありませんが、友達に死んでほしくないというのは驚かれる程の理由ではないと思うのですが……」
キャロル・ホプキンス:「他の理由なら、まあ、私個人の信条の話なので分かりますが……」
キャロル・ホプキンス:「でも、アーイシャさんはちゃんと私のことを友達だと思ってくれていたんですね! 嬉しいです!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「関係ないでしょ!全然関係ない!」
"慈悲なきもの":「……」騒ぎ立てるアーイシャとは裏腹に、黙り込んでいる。
"慈悲なきもの":「……改めて、済まない」
"慈悲なきもの":「連絡をする必要もないと思っていた」
"慈悲なきもの":「確かに僅かな間、行動をともにしていたが」
"慈悲なきもの":「私のようなものは、特に気にもされずに捨て置かれるものだと、それが当然だと」
"慈悲なきもの":「心のどこかで思っていたのだろうな」
キャロル・ホプキンス:「連絡がなかったことはいいです」
キャロル・ホプキンス:「ハングマンさんの言う通り、理事会の人間が表立って連絡するのが難しいのは分かります」
キャロル・ホプキンス:「私はハングマンさんのことを知っていますが、そうでない人の方が多いですし」
キャロル・ホプキンス:「でも、会った時からずっと思っていますが、自分を死人と言うのはやめてほしいです」
キャロル・ホプキンス:「これは、私のわがままですが……私、人が死ぬのは嫌なんです」
"慈悲なきもの":「誰であろうとそうだ」
"慈悲なきもの":「だが、キャロル・ホプキンス――今だから告白するが」
"慈悲なきもの":焚き火の前で座り込む。
"慈悲なきもの":「私は人を殺した。ノヴァリスに来る前、とても多くの人を」
"慈悲なきもの":「罪を裁くための役割だった」
"慈悲なきもの":「生者が、生者の上位として罪を裁くことは許されない」
"慈悲なきもの":「罪を裁く権利を持つ者がいるとするなら、死者だけだ」
キャロル・ホプキンス:「厳しいことを言いますが」
キャロル・ホプキンス:「生者が死者となるのは、死んだ時だけです」
キャロル・ホプキンス:「死者を名乗って、死人のように生きても――生きているんです」
"慈悲なきもの":「"ロードマスター"は」
"慈悲なきもの":「理事会のエージェントは、そうは言わなかった。私を死人として扱ってくれた」
"慈悲なきもの":「私は、自分を本当の死人のように思うことができた……」星空を見上げる。
"慈悲なきもの":「罪人に厳しいのだな。キャロル・ホプキンス」
キャロル・ホプキンス:「罪人が救われるのは、罰を免れた時ではありません」
キャロル・ホプキンス:「正しい罰を受けて、初めて罪は赦されるのです」
キャロル・ホプキンス:「罪から目を逸らして、なかったことにして、本当に罪を忘れられても」
キャロル・ホプキンス:「罪は消えません。確かに、それで心が楽になる人もいるかもしれません」
キャロル・ホプキンス:「でも、正しい罰を受けて、罪を赦されなければ――自分の罪を見ることができなくなってしまう」
キャロル・ホプキンス:「見えない罪を、知らぬ間に重ねて、いずれ必ず積み重なった罪に押し潰される時が来る」
"慈悲なきもの":「そういうものかもしれないな。私が死人のように生きていたのは」
"慈悲なきもの":「知らない内に、積み重なった罪に呪われていたからなのかもしれ――」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「――あの、ねえ!」ガン!
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:焚き火の上に、巨大な寸胴を置いた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:中には乳白色のスープが満たされている。圧縮携帯糧食を溶かしたものだった。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ごちゃごちゃ小難しいこと話して」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「二人で納得してるんじゃないわよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしは生まれてから今まで、一度も罪を犯しただなんて思ってない!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「なかったことにしてるわよ!それであたしに何か悪いことが起こってるかしら!?」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさん! 今はそうやって元気でいられるかもしれませんが」
キャロル・ホプキンス:「後々辛くなるのはアーイシャさん自身なのですよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「残念でした!ぜーんぜん辛くなったことなんてありませ~ん!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キャロル!ほら!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:食器を強引に押し付ける。
キャロル・ホプキンス:「後々と言ったはずです! 私の話もなかったことにしないで……はい?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「体力をつけるにはまず食べなくちゃいけないでしょ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「これから一番近い街にだって、何日かかるか分かったものじゃないんだから」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさんが作ってくれたんですか!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ほっ、他に誰がいるのよ!?」
キャロル・ホプキンス:「アウトドアの知識なんて全くなさそうなアーイシャさんが……砂漠を歩くのも文句たらたらだったアーイシャさんが……」
キャロル・ホプキンス:「ありがとうございます!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「うるさすぎ!最悪!」
キャロル・ホプキンス:「いただきます!」
"慈悲なきもの":「……」先程のキャロルの話を噛みしめるように、コップのような容器でスープを口にしている。
"慈悲なきもの":「街か」
"慈悲なきもの":「私も行けるだろうか?」
キャロル・ホプキンス:「行きましょう! みんなびっくりするかもしれませんが、誰もいないところに一人でいるよりはいいはずです!」
"慈悲なきもの":「そうだな……」
"慈悲なきもの":「私ももう、勝手にいなくなったりはしない」
キャロル・ホプキンス:「偶にはハングマンさんも、おもてなしするだけでなく、おもてなしされる側になるのもいいと思います!」
キャロル・ホプキンス:「六壬辺りに行けば、本格的なお茶も飲めると思います!」
キャロル・ホプキンス:「あ、でも、順序で言ったら最高生徒会に顔を出すべきなのでしょうか……?」
キャロル・ホプキンス:「まあ、多少の寄り道くらいはいいでしょう!」
"慈悲なきもの":「……ああ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「車」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"月下王"のばかに壊された車、直して……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:頭を掻く。「……直して、くれたから。嘴子原シェイルが、善意で」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「飲み終わったら行くわよ」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさん、善意を受けることは恥ずかしいことではないのですよ」微笑む
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「うるさいわね!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「だいたいあんたはキングダムに帰る方が先でしょう!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あんたと入れ違いで、あんたのお友達がキングダムに帰ってるんだから!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「それなのに勝手にこんなところに来て」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「バカ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「本当に、知能が低いし、バカすぎる」
キャロル・ホプキンス:「それはまあ、アーイシャさんから見ればそうかもしれませんね!」
キャロル・ホプキンス:「コノカさんにも愚か者といっぱい言われましたし、その辺りは自覚してます!」
キャロル・ホプキンス:「まあ、ワカナさん達にはちゃんと連絡を入れますから!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「なんなのよあんた達の関係って……」引いている。
キャロル・ホプキンス:「詳しく説明するとちょっと面倒ですが、一言で言うと友達です!」
"慈悲なきもの":「ふ。私達もそうか?」
キャロル・ホプキンス:「そうです!」
キャロル・ホプキンス:「ですので、とりあえずはハングマンさんが腰を落ち着けるまでは一緒に行きますよ!」
"慈悲なきもの":「ああ。そうだな」
"慈悲なきもの":「思えば……お前を拾ったのは、とてつもない偶然だった。こんな砂漠区画の、たった一点で遭遇して」空を見る。
"慈悲なきもの":「意味のある出会いだっただろうか?」
キャロル・ホプキンス:「ええ、とてつもない確率の幸運でした」
キャロル・ホプキンス:「意味があってもなくても、私は嬉しかったです!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"慈悲なきもの"!そんなのに構って遊んでる場合じゃないわよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「誰彼構わず懐いてくる馬鹿な大型犬みたいなもんなんだから!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「こっち手伝いなさい!車を始動するわよ!」
キャロル・ホプキンス:「あ! 今のはちょっと心外ですよ!」
キャロル・ホプキンス:「例えば拷問王は私苦手です! あの人すぐ暴力振るってくるんですよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「そんなの聞いてないっての!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:エンジンスターターを引く音。
"慈悲なきもの":「キャロル。まだしばらくかかりそうだ。体を休めて、温かいものを食べろ」
"慈悲なきもの":「温かさはいい」
"慈悲なきもの":「こんな私でもこの世に生きているのだと思えたのは、そういう時だったのかもしれない」
"慈悲なきもの":「きっと、長い旅になる」
"慈悲なきもの":キャロルの肩に優しく手を置き
"慈悲なきもの":火から離れて、アーイシャに何かを呼びかけながら車の方へと歩いていく。
キャロル・ホプキンス:「そうですね……」
キャロル・ホプキンス:全てを救う真の王はいない。
キャロル・ホプキンス:キャロルの罪を裁き、赦し、救ってくれる誰かはいなかった。
キャロル・ホプキンス:人を殺した。友を死に追いやり、父を殺し、無辜の命を大勢殺した。
キャロル・ホプキンス:キャロルの罪はきっと赦されることはない。
キャロル・ホプキンス:これからの人生は、赦されることのない罪を背負い続ける、徒労の旅路となる。
キャロル・ホプキンス:長い旅だ。それでも、いつか、あるはずのない罪の赦しを求め続け、罪を直視し続ける。
キャロル・ホプキンス:“慈悲なきもの”を新たな人生へと見送ったら、キングダムに帰ろうと思う。
キャロル・ホプキンス:キングダムが規定する罪に従って罰を受ける。それで、自分の本当の罪が裁かれるとは思わないけれど。
キャロル・ホプキンス:反乱の罪を清算したら、再び王となろう。ヒナテアとの約定もある。全てを救う王がいないのなら、せめて、その罪を人に任せるだけでなく自分でも背負う。
キャロル・ホプキンス:今度は、正しい順序でより高い序列の王を目指そう。自分に可能とは思わないが、可能ならばキングダムの頂点の王を目指す。
キャロル・ホプキンス:誰かが背負うのなら、その罪は、責任は、自分のできる限り背負いたい。
キャロル・ホプキンス:罪を重ねるだけの巡礼でも――罪から逃げることだけはしたくない。
キャロル・ホプキンス:そして、願わくば、その長い旅の終わりに――罪が赦されますように。
キャロル・ホプキンス:「ごちそうさま! とっても美味しかったです!」
キャロル・ホプキンス:「さあ――行きましょう!」
◆Ending◆天沼チギリ
キングダム王鍵管理施設 鴉の塔

GM:キングダム連合学院は、新たな体制で動き出そうとしている。
GM:至上王の圧政から解放されたことを歓迎する者ばかりではない。反発する者、至上王の復帰を求める者、自らが王に成り代わろうとする者――
GM:今のキングダムにはあまりにも多くの声があって、天沼チギリが勇気を振り絞ったあの反逆すら、そんな声の一つに埋もれてしまったかのように思える。
GM:少なくとも、天沼チギリは罪を問われることはなかった。ウルスラ・ミック・ベニの罪が恩赦されたのならば、彼女をキングダムに招いたことは何も問題ではない。
GM:遺産管理委員会は以前の体制のまま、"王"と並ぶ円卓議会の監視機関として残されることになった。
GM:少しずつ、かつてのような日常が戻ってくる。……そしてかつてよりも、肩の荷は少しだけ軽い。
GM:もう誰も、理不尽な滅びに怯える必要はない。天沼チギリは、アメリア・シュミットとともに、一つの大仕事を手掛けていた。
天沼チギリ:鴉の塔は上は当然のことながら、下にも広大な空間がある。

天沼チギリ:鴉の塔の底部、中央に巨大な穴の開いた部屋にチギリとアメリアはいた。
天沼チギリ:クレーンが一本の剣…”石の魔剣”を吊り、その穴に納めようとしている。
天沼チギリ:「”石の魔剣”、安置。確認。」
天沼チギリ:クレーンのワイヤーが巻き上げられていく。
天沼チギリ:「第一、第二隔壁閉鎖。第三隔壁注水。」
天沼チギリ:「第四、第五隔壁閉鎖。」
天沼チギリ:「第六隔壁、疑似王鍵”黒鉄檻ハインリッヒ”、覇鍵施錠。」
天沼チギリ:「…………全行程、終了。」
天沼チギリ:ふっと息を吐き、背後の三人に振り返る。
天沼チギリ:「”拷問王”。ご覧いただいたように、”石の魔剣”は厳重に封印いたしました。」

アメリア・シュミット:「ふぅ……流石に緊張しました!」チギリの指示に合わせ鴉を動かしていた
アメリア・シュミット:『安全第一』のヘルメットを被った鴉たちも、安堵のため息をついている

七十橋シスル:「お疲れ様だっつってやる」
七十橋シスル:「目が覚めたら手元に戻ってる、みたいな性質はないと考えて良いんだな」
天沼チギリ:「はい。」
七十橋シスル:「ならいい。……ルキア、どうする」
七十橋シスル:「グウィバーの方は持ってるか。それとも、そっちも預けていくか」

ルキア・ティベリア:「私は、どっちでも構わないけど」端に立ち、髪をいじっている。
ルキア・ティベリア:「チギリはどう思うの?」
天沼チギリ:「劣剣グウィバーを預ける場合、接続を切ることになるでしょう。」
天沼チギリ:「遺伝橋を使った処置になるかと思いますが、副作用がないわけではありません。」
天沼チギリ:「ルキアさんの体調が安定しているのなら、持ったままでもいいと思いますが、」
天沼チギリ:「どうしてもというのであれば、あるいは体に変調があれば接続を切る処置を行います。」
アメリア・シュミット:「安全第一、ですからね」ヘルメットの印字を指差す
七十橋シスル:「……やめておくか。一気に何もかも変えるべきじゃない」
ルキア・ティベリア:「私がグウィバーを持ったままだと」
ルキア・ティベリア:「チギリが怖いんじゃないの?」笑う。
天沼チギリ:「………」柔らかく笑う。「以前なら、そうですね。」
天沼チギリ:「ですが今は大丈夫です。」
七十橋シスル:「お前も色々暗躍してたよなァ」
天沼チギリ:「正直、この地位を失うものと思っていました。」
七十橋シスル:揶揄するように言う。「そうしたら、どうするつもりだったんだ?」
天沼チギリ:「アメリアに鴉の塔を託すつもりでしたよ。」
アメリア・シュミット:「そうだったんです……」「……ええっ!?」
ルキア・ティベリア:「それはかわいそうよ」
ルキア・ティベリア:「アメリアだって大変よねー?」
七十橋シスル:「絶対無理だろ……」
アメリア・シュミット:「初耳です!」
天沼チギリ:「アメリア一人に任せませんよ。」
天沼チギリ:「遺産管理委員会で優秀なものを数人選抜して、」
天沼チギリ:「合議制で運営するように伝えていたでしょうね。その首長がアメリアです。」
七十橋シスル:「お飾りなら何とかなるか……?」
ルキア・ティベリア:「あなたにそんな人事能力があるようには見えないわ」素朴な感想。
天沼チギリ:「これは手厳しい。」
アメリア・シュミット:「お飾りですか……電飾でも巻きますか?」
七十橋シスル:「お前はそのままでいろよ……」
天沼チギリ:「……アメリアは、」
天沼チギリ:「”目”と”手”です。情報を集める能力と実際に物事を動かす力はあります。」
天沼チギリ:「合議で出た結論を実行に移すのなら彼女が適任です。それに、」
天沼チギリ:「人徳は、私以上にありそうですしね。」
天沼チギリ:「ルキアさんもアメリアを気に入ってるようですし。」
七十橋シスル:「微妙に質問に答えてねえな」
七十橋シスル:「お前はどうするつもりだったんだよ、元老」
七十橋シスル:「ここぞとばかりに行きたい場所とかねえのか?」
天沼チギリ:「行きたい場所、ですか。」
天沼チギリ:「この地位を失ったらどこか別のところに行こうとも思いましたが」
天沼チギリ:「アメリアが隣にいたら、ここから離れ辛くなってしまいました。」
アメリア・シュミット:「会長……」
七十橋シスル:「それならそれでいいさ」
七十橋シスル:「引きこもってても、人は集まってきそうだしな。思ったよりずっと社交的だったな」
七十橋シスル:先生とウルスラを呼び寄せたことを言っている。
アメリア・シュミット:「すごいんですよ会長は!」
天沼チギリ:「ありがとうございます、アメリア。」頭を撫でる。
天沼チギリ:「……拷問王も、名前に反して社交的でしたね。」
天沼チギリ:「医療部の長なら当然でしょうか。」
七十橋シスル:「生憎。ここ最近は、突っぱねてる暇がなかったんだよ。俺は魔女だよ」
ルキア・ティベリア:「……」髪をいじっている。
天沼チギリ:その様子に気付き、居住まいを正してルキアに向き直る。
天沼チギリ:「ルキアさん。」
ルキア・ティベリア:「なに?」
天沼チギリ:「石の魔剣は封印しました。」
ルキア・ティベリア:「そうね」
天沼チギリ:「もう、あなたが生徒を殺めることはありません。」
天沼チギリ:「それを、お見せしたかった。」
ルキア・ティベリア:「ウルスラも、あなたも」
ルキア・ティベリア:「頼んでもいないことばかり。……でも、そうね」
ルキア・ティベリア:「これで良かったわ」『石の魔剣』が埋められた跡を見る。
七十橋シスル:小さく息を吐いて、肩を竦める。
七十橋シスル:「世話になったな。色々と」
七十橋シスル:「……つっても、俺は円卓のままだ。引き続き、お前らとはナカヨシするわけだがな」
七十橋シスル:「あの野心が眼鏡かけて歩いてる奴め、なァーにが"ザ・ロード"だ……」
七十橋シスル:「上手いこと全部もっていきやがって」
ルキア・ティベリア:「いいじゃない。ジェシカが、一番やりたかったことなんだもの」
ルキア・ティベリア:「誰だって、似合わないことを無理して続けるものじゃないわ。――そう思わない?チギリ」目を閉じて言う。
天沼チギリ:「ええ。その通りでございます。」
ルキア・ティベリア:その瞬間
ルキア・ティベリア:ほとんど一瞬、一動作の内に、劣剣グウィバーが天沼チギリへと振り抜かれている。
天沼チギリ:ルキアの右手が霞んだ瞬間に、傍らに大剣が出現。
天沼チギリ:居合のように剣を抜き、劣剣を受ける。
ルキア・ティベリア:ギン、という鈍い音が鳴った。受け止められた斬撃をひらりと返して、再び仕舞う。
ルキア・ティベリア:「――ほら。あなたは、ちゃんとした剣士なのだから」
ルキア・ティベリア:「怖がる必要なんてなかったでしょう?似合うわ」
天沼チギリ:瞠目して、息を吐いた後、呆れたように笑った。
七十橋シスル:「おま………………」
七十橋シスル:一瞬の剣撃音が響き渡って、やや遅れて糸車を出しかけていた。
アメリア・シュミット:「ご乱心……ではないのですか?」
天沼チギリ:「それに最初から気付いていたら、私はどうなっていたでしょうね?」
ルキア・ティベリア:「どうかしら?けれど私は、自分をよく知ってる子の方が好きよ」
ルキア・ティベリア:「そろそろ行こうかしら」小さく伸びをする。
ルキア・ティベリア:「アメリアと仲良くしなさいね。チギリ」
天沼チギリ:剣を納める。
天沼チギリ:「はい。」
天沼チギリ:「……そういえば。」
天沼チギリ:「思い出しました。元老を辞めたら甘いものを食べに行こうと思ってたんです。」
天沼チギリ:「復興の終わった高台の区画においしいスイーツ屋がございます。」
天沼チギリ:「円卓の茶会には及ばないかもしれませんが…時間もよい頃です。」
天沼チギリ:「そこで休憩されては?」
ルキア・ティベリア:「別に、あなたに行き先を命令される筋合いなんてないんだけど」
ルキア・ティベリア:シスルの背にくっつきながら不満を言う。
天沼チギリ:「これは失礼いたしました…お二人で行き先を決めるのが楽しい時期ですね。」
天沼チギリ:口元を袖で隠す
七十橋シスル:「……前言撤回だ」
七十橋シスル:「他人の諍いに首突っ込むのが楽しくて仕方ねえって顔してんぞ」
七十橋シスル:「あのへんは通り道だ。選択肢としては聞いておく」
アメリア・シュミット:「おほほ……そんなことありませんわよね?」口元を隠して笑う
天沼チギリ:店のチラシをシスルに渡す。
天沼チギリ:「それではお二人とも。良い休日を。」
七十橋シスル:「そっちもな。……ルキア」
七十橋シスル:踵を返して、ひらひらと片手を振う。
ルキア・ティベリア:「ん」
七十橋シスル:空いた片手をルキアに差し出す。
ルキア・ティベリア:「あなたに引いてもらわなくたって……」
ルキア・ティベリア:「歩けるんだけど」さらに背中に密着する。
七十橋シスル:「それは失礼を。魔剣の分、手持ち無沙汰かと思ったのでね」
七十橋シスル:馬鹿丁寧にぼやきながら、出て行った。
GM:"天国派"の『十字冠を破壊する兵器』。物語を破壊する最悪の魔剣、『石の魔剣』は――
GM:そうして、鴉の塔の奥底へと封印された。
GM:もはやこのキングダムで、誰かの物語が壊されることはない。
◆Ending◆有崎五派
キングダム市街

GM:事件の後も、有崎五派はキングダム連合学院に暫く留まり、問題への対処を続けることになった。
GM:キングダム初の公式招聘を受けた時、彼女に要求された仕事は――星室庁の『先生』として、『キングダムに問題はない』と発表すること。
GM:そして彼女は、その仕事に責任を負うことを選んだ。政治的な建前としてではなく、有崎五派が自信を持ってそれを口にできる日も、きっと遠くはない。
GM:大小様々な問題を解決する以外にも、彼女が知ろうと望んだことがあった。
GM:理事会時代から今に至るまでのキングダムの歴史。この学区にどのような歴史の積み重ねがあり、生徒達がどのように選択した果てに、今があるのか。
GM:有崎五派は物理的にも電子的にも膨大な資料を返却し、同時に貸出を受けているところだった。

プロンプト015C:「歴史研究系の部活動では、この量の資料の貸出はそう珍しくはないのですが」
プロンプト015C:プロンプト015C。キングダム最大の百貨店の支配人とも、すっかり顔馴染みになった。
プロンプト015C:「それでも、学外の方がこれほど勉強熱心なのは、感心を通り越して心配になってしまいます」
プロンプト015C:「睡眠時間は確保できていますか?」

有崎五派:スマートフォンと小さなタブレットPCを交互に指先でなぞり、やけに派手なメモ帳へ何かを書き込んでいたがその言葉に顔を上げる。
有崎五派:「そりゃまあ……多少は影響出てるけど」
有崎五派:「自己管理には結構自信あるからだいじょーぶ。それに……」
有崎五派:プロンプト015Cの顔をじぃ、と見つめて笑う。
有崎五派:「勉強熱心っていうならプロちゃんこそじゃない?眠る必要が無い分、私より余計に詰め込み過ぎなんじゃないかって心配になるわ」
有崎五派:「ま、そのおかげで私もこうして楽させてもらってるわけですケド」
プロンプト015C:「個人的な学習は、確かに嫌いではありませんが」
プロンプト015C:「我々の学習プロセスは、実は我々自身でもまだ完全に解明できていないものです」
プロンプト015C:「『心ある者は語るすべを学ばなければならない』。そんな戒則を聞いたことはございますか?」
有崎五派:「……6番目ね」
有崎五派:ここ暫くの反復学習の成果なのか、メモ帳を開くことなく小さく呟く。
プロンプト015C:「その意味合いには様々な説がありますが、どうやら私達の心は、関わった生徒達の知識と精神を参照して発達を続けているらしいのです」
プロンプト015C:「……有崎先生のご意見はどうでしょう?」
プロンプト015C:「私は理事会の管理下で、理事会の意図に沿うように製造されました。他の社会人と同じです」
プロンプト015C:「けれどあの『八月革命』で、生徒達の陣営として革命に参加することを選び……」
プロンプト015C:「ウルスラ・ミック・ベニ……いえ、ウルスラ先生に、このキングダムの何かを変えてもらうことを望んだ」
プロンプト015C:「声を上げずとも、キングダムのみんながそう思っていたのでしょうか?」
有崎五派:「さあ……どうかしら」
有崎五派:メモ帳へ書き込んでいた手を止め、ペンを置く。
有崎五派:「私はそのみんな、を知らない。プロちゃんの事を知ってるっていうのも……変だけど」
有崎五派:「みんな同じ教科書から学んでも、興味を持つ分野はそれぞれ違うし」
有崎五派:「そればっかりは聞いてみるしかないんじゃない?同じように生まれたって同じように育つとは限らないわよ」
有崎五派:「心を語ってもらって、それを学習したなら猶更ね」
プロンプト015C:「確かに。非常に労力のかかる作業なので、そうした手段を除外していました」
プロンプト015C:「しかし、有崎先生が毎日のようにしていることですからね」
有崎五派:「やーね。私のはこれ、殆ど自己満足だから」
有崎五派:「そんな大層なもんじゃないっての」
有崎五派:ひらひらと手を振って笑う。
プロンプト015C:「資料の方はいかがでしたか?」
プロンプト015C:「第二次ノヴァリス紛争の記録は、あまり愉快な記録ではありませんので」
プロンプト015C:「こうして大量に貸し出すことも珍しかったのですが……」
有崎五派:「そりゃそうでしょうね……うーん」
有崎五派:「確かに愉快じゃあないけど……ちょっと」
有崎五派:ララゴ・フォーモアナ、コンスタンツェ・レーヴ、弓木ヒロ、マーガレット・T・ファインズ。
有崎五派:そして、倫道アカネ、セベクネフェルⅧ。
有崎五派:キングダムを襲う危機を切り抜けた今、彼女たちを"キングダムを襲った敵"として記憶し続ける事はしたくなかった。
有崎五派:「死んでしまった子達に報いる事は出来ないけど……思い出し方くらいは変えられるかなって」
有崎五派:「だから、自己満足」
プロンプト015C:「結構なことです」
プロンプト015C:「自己満足こそが、もっとも自己を成長させるものですから」
プロンプト015C:「また必要な記録があれば、なんでもお申し付けください」
有崎五派:「勿論!暫くはしっかりお世話になるつもりだから、よろしくね」
GM:そうして、五派はキングダムの支店を後にする。訪れた当初は戸惑うことばかりだったキングダムの町並みにも、今では随分慣れた。

キングダム一般生徒:「ごはせん元気ィ?」
キングダム一般生徒:「よう有崎先生!」
キングダム一般生徒:「調べ物かいごはせん」
キングダム一般生徒:「まったくどうなってるんだろうねえ……彼女はわたしの親友なんだけど彼女の妹が彼女を殴るんで困ってるんだよ」
有崎五派:「はいはい、こんにちは。今日も今日とて調べものですよ……」
有崎五派:「……いやちょっと?最後のあんたのは聞き逃せないから後で連絡しなさいよ」
GM:生徒達にも、顔見知りがとても多くなってきた。
GM:どれだけ異質な第一印象の生徒であっても、話してみれば、本質は高校生の年頃の少女達であることがわかった。
キングダム一般生徒:「ごーはーせん!」
キングダム一般生徒:後ろから飛びつく。「ごはせんってー、甘いもの好き?」
有崎五派:「ん~?そりゃあ……」
有崎五派:飛びついてきた生徒の髪を撫でながら笑う。
有崎五派:「これ以上ない程に!甘いものを食べる為に生まれてきたと言っても過言じゃあないわ!」
キングダム一般生徒:「え~~?じゃああげちゃう!」
キングダム一般生徒:「灰簾区のほうにあるスイーツ屋なんだけど」
キングダム一般生徒:「今日だけの割引券もらっちゃって!私別の予定あるから、ごはせんがいてちょうど良かった!」
有崎五派:「……マジ?いいの、これ?」
キングダム一般生徒:「なになにスイーツ屋?」
キングダム一般生徒:「お前らのことは呼んでねーから!ごはせんにしかあげないからね!」
キングダム一般生徒:「へ~、行ってきなよごはせん。ちょっと坂登るけど、いい店だよ」
有崎五派:「ふ、ふふ……やった~ッ!!スイーツ休暇じゃ~!」
有崎五派:券を差し出した生徒を抱えてくるくると回る。
有崎五派:「ありがと~~!も~~可愛いやつめ!」
キングダム一般生徒:「あの~先生……妹に殴られて困ってるんですけど、どうすればいいでしょうか?」
キングダム一般生徒:おんぶ紐で背負っている2歳くらいの妹に髪を引っ張られている。
有崎五派:「あー……うん、ちょっと待ってなさい」
有崎五派:生徒を降ろし、ポシェットを漁り小さな香水瓶を取り出す。
キングダム幼年部生徒:「にゃっ!」パチーン!と姉の頭を叩く。
キングダム一般生徒:「痛い痛い」
有崎五派:「こらこら」
有崎五派:「ちょっと失礼」香水瓶にアトマイザーから液体を注入すると、姉の首元に優しく吹きかける。
キングダム一般生徒:「わ」
有崎五派:薄く香るのはストレスを緩和するシナモンの香り。
有崎五派:「これでちょっとは落ち着くんじゃないかしら?ま、それでもある程度は大目に見てあげないとだけど」
有崎五派:「赤ちゃんってのは家庭の王様みたいなもんよ。上手く付き合いなさい」
有崎五派:ふふ、と笑って姉の頭を撫でる。
キングダム一般生徒:「本当だ……叩いてこない」
キングダム幼年部生徒:「んー」
キングダム一般生徒:「ありがとうねぇごはせん」
有崎五派:「ん!とは言っても、私は別に子育ての専門家じゃないから……必要だったらちゃんとしたとこに相談するのよ?」
有崎五派:「調べて欲しかったら手伝うから」
キングダム一般生徒:「分かりました。へへ……大丈夫?機嫌良くなった?」
キングダム幼年部生徒:「ぱぁ!」
キングダム一般生徒:「あはは。ありがとうございました!」
有崎五派:「は~い。あんたも無理しないのよ!特注が欲しくなったらいつでも連絡しなさい」
GM:そうして出発し――あるいは道すがら、同じような小さなトラブルを解決したかもしれないが――有崎五派は、高台のスイーツ屋に辿り着いた。
GM:生クリームの入った、小さなドーナツのような菓子を売っている店だ。
GM:屋台には黒一色に白い筆文字で『濃厚ドーナツ生無双』『ショコラショコラン直伝』と書かれている。
キングダム一般生徒:「……いらっしゃい。ご注文は」
有崎五派:「……ふむ」
有崎五派:腕を組み、神妙な顔つきで僅かに悩む。
キングダム一般生徒:「クリーム。チョコレート。ストロベリー。他にも44種類あるよ」
有崎五派:「……ふふ。流石はショコラショコラン直伝、隙が無いじゃない」
キングダム一般生徒:頭にタオルを巻き、腕組みをしている。寡黙な店主だ……。
有崎五派:「じゃあ……プレーンとストロベリーとレモンとキャラメルを頂きましょうか」
有崎五派:(お手並み拝見、ってとこね)
キングダム一般生徒:奥へと下がり
キングダム一般生徒:すぐに持ってくる。まとまった数を作り置きしているので別にその場で調理するとかではない。
キングダム一般生徒:「へい。プレーンとストロベリーとレモンとキャラメルお待ち」
キングダム一般生徒:「イートインスペースはあっちだよ」
キングダム一般生徒:「紅生姜は食べ放題だけど、最初の一口はそのまま食べるべし」
有崎五派:「ああ、はいはい紅生姜ね……生姜?」
有崎五派:「…………?」
有崎五派:(わ、私が暫く目を離してる間に何が起きたの、スイーツ界隈ッ)
有崎五派:内心の戦慄を隠す為に咳払いし、プレートを持ってイートインスペースへ向かう。

ルキア・ティベリア:「あ」その席の一つに、白いドレス姿の生徒がいる。遠目からでも目立った。
ルキア・ティベリア:「有崎先生!」立ち上がって手を振る。
有崎五派:「あら、ルキアちゃん!」
有崎五派:その姿を認めると、方向を修正してそちらへ近づいていく。
ルキア・ティベリア:「一緒に座りましょう!いいよねシスル?」

七十橋シスル:「うおビビッた。こんなところで何してんだよ、ごはせん」
七十橋シスル:「好きにしろよ」スペースを開けながら長机の脇による。口の端から紅ショウガが覗いていた。
有崎五派:「うお…………ほんとにあるんだ紅生姜……」
ルキア・ティベリア:「食べ放題よ」
七十橋シスル:「甘すぎるンだよ……」
七十橋シスル:「ほぼクリームの塊じゃねえか」
ルキア・ティベリア:「それがいいのに」
有崎五派:「そうよね~?クリーム食べる為に来たようなもんよ」
ルキア・ティベリア:「やった。有崎先生もこう言ってるわよシスル」
有崎五派:席に付くと早速プレーンに齧りつく。
GM:圧倒的存在感のドーナツ生地の中に、これでもかってくらい濃厚なクリームが入っているスイーツだ。
七十橋シスル:「理解できねえ。これはもう甘みという攻撃だろ……」 抹茶味をもそもそと食っている
有崎五派:「──ふぅん。中々やるじゃない」
有崎五派:何故か店主の引っ込んでいった方をちらりと見て笑っている。
ルキア・ティベリア:「とっても美味しいわよね」ニコニコしている。
有崎五派:「うん!坂、全然ちょっとじゃなかったけど来て良かったわ~……ルキアちゃん何味食べてんの?」
ルキア・ティベリア:「なんだったかしら。レアチーズ味かな」
ルキア・ティベリア:シスルとは違って、もう注文した分は食べ終えてしまったらしい。追加注文したカフェオレを口にしている。
七十橋シスル:「気に入ったんなら持ち帰るか。アソートあるぞ」
有崎五派:「あっ!もし持って帰るならレモンは絶対外せないわよ~!さっぱりしてるから甘すぎもしないし!」
有崎五派:さっそく2個目のレモンへ突入している。
ルキア・ティベリア:「すごい注文してる……5種類を2個ずつ頼んでるよシスル」
七十橋シスル:「見てるだけで胸焼けしそうだ。サラマンダー始めたか?」
七十橋シスル:「つーか、やっぱまだ帰ってねえんだな」
有崎五派:「1週間我慢したんだから、1週間分食べたって……ん?ああ、まあね」
有崎五派:「まだもうちょい居るかな……ルキアちゃんには今日会えたからまあいいとして」
有崎五派:「調べたい事が残ってるから……それが終わるまでは居るわ」
有崎五派:2個目のレモンを完食し、ストロベリーへ移行する。
七十橋シスル:「そのままずるずる身を埋めそうだな……星室庁の先生ってのは皆そうなのか」
ルキア・ティベリア:「え~?別にずっといたっていいのに」
有崎五派:「私も本当は……居たい……可愛い生徒に囲まれて美味しいスイーツを食べて……それだけで生きていたい……」
有崎五派:ぐで、と長机に倒れ伏して呻く。
七十橋シスル:「思ったより理由が俗だな!?」
有崎五派:「元々私は俗な人間だも~ん」
有崎五派:「でも……帰ったらデスクに山のように仕事が溜まっているのよ……ふふ……」
有崎五派:「報告もまだあるし……ふ……」
七十橋シスル:「……必要ならこっちの力も使えよ」
ルキア・ティベリア:「本当に心配……シスル、円卓の誰か応援に送ってあげられないの?」
ルキア・ティベリア:五派の背中をさする。
ルキア・ティベリア:「オーシャンズとか……」
七十橋シスル:「ロード殿は……送り込むとそのまま乗っ取ろうとするな」
七十橋シスル:「美食王はもともと外との繋がり強ェ奴だろ」
七十橋シスル:「ノヴァリスでもどーも孤立しがちだったからな、ここは」
七十橋シスル:「外に出てくやつは増やした方が良い」
有崎五派:「いーのいーの。あの子達、今が一番大事でしょ」
有崎五派:「というか事務仕事を生徒に手伝わせる教師とかあり得んし……」
有崎五派:「たまにこうやって愚痴を聞いてくれればそれだけで救われるってもんよ」
有崎五派:苦笑いを浮かべながらひらひらと手を振る。
七十橋シスル:「変わり者の善意に乗っかるの、居心地悪ィんだよな……」
七十橋シスル:「俺個人の問題か」
ルキア・ティベリア:「私は有崎先生のこと好きよ」
ルキア・ティベリア:「いつもありがとう」微笑む。
七十橋シスル:「……大丈夫かそれ。気ィ付けろよ」どっちに対してもだ。
有崎五派:「ルキアちゃん…………」ほろりと涙を流す
ルキア・ティベリア:「……む。なにそれ」シスルの物言いに頬を膨らませる。
ルキア・ティベリア:「確かに有崎先生のことは好きだけど、そういうのじゃないって分かるでしょ?」
ルキア・ティベリア:「無神経なんだから。もう」
七十橋シスル:「……あーはいはい。失礼いたしましたオヒメサマ」
有崎五派:やれやれとでも言いたげにわざとらしく肩を竦める。
有崎五派:「見せつけるじゃない……」
有崎五派:「あっそうだ」
有崎五派:摘まみ上げた最後のドーナツを置いて、シスルの方を見やる。
有崎五派:「シスルちゃんってさ、日本の生れ?」
有崎五派:「もしくは、日本に来たことあるとか……留学……はないか?」
七十橋シスル:「言葉は学習システムで覚えてっけど」
七十橋シスル:「行ったことはねえよ。なんでだ?」
ルキア・ティベリア:「シスルはカンジ組だもんね」"プランナー"によるFHの日本進出戦略を見据えて、日本人名をつけられた生徒のことだ。
有崎五派:「ふぅん……いや、私の聞き間違いだったかもしれないんだけど……懐かしい歌を聴いた気がしたから」
有崎五派:「ほら、本校舎の前で」
有崎五派:何でもない雑談のようにドーナツをかじりながら呟く。
七十橋シスル:「汽罐王止めたやつか?」
有崎五派:「そうそうそれ!あれだ、蛍の光!」
七十橋シスル:「オールドラングザイン。俺の出身の……地元の民謡だぞ」
七十橋シスル:「Should auld acquaintance be forgot An never brought tae mind……」
有崎五派:「それッ!」
有崎五派:びし、と指を立てる。
七十橋シスル:軽く節をつけて口ずさむ。
有崎五派:「日本の詩って訳じゃないのねそれ……歌詞の意味も同じなのかしら」
七十橋シスル:「和訳されて日本でも流行ってるのか」
七十橋シスル:「いや蛍の光なんて全く出てこねえぞ……」
ルキア・ティベリア:「オールド・ラング・ザインがニホンだとファイアフライ・ライトになるの?変なの」
七十橋シスル:「友よ、あの頃のために 親愛の一杯を今、共に飲もう 懐かしいあの日々を想って」
七十橋シスル:「だいたい祝いの席だな。別れと再会の歌だ」
有崎五派:「別れと再会……ふぅん……懐かしさ、か」
有崎五派:「それで蛍の光ってのも、感覚的に分からないわけじゃないわね」
ルキア・ティベリア:「ニホンでもよく歌われてるのね?」机に片肘を突こうとしたが
ルキア・ティベリア:先生の前なので止めた。代わりに膝の上に手を置く。
七十橋シスル:「面白ェもんだな。こんだけ離れたところの出身で、こんな最果てで出会って」
七十橋シスル:「馴染んでる曲は同じってのも」
有崎五派:「そうねぇ……それに、あの時は──」
有崎五派:本校舎の前で、あまりの痛みと消耗に意識を手放しそうになった瞬間を思い出す。
有崎五派:「その歌のお陰で立ってられたようなもんだから、何が力になるのか分からないもんね」
有崎五派:「歌詞の意味も、思い出すものも違って……それで抱く感情が同じ……うん、確かに面白いわね」
七十橋シスル:「そういうこともあるんだな」
七十橋シスル:「じゃあ先生の方も聞かせてくれよ」
七十橋シスル:「"蛍の光"。耳に残るくらい覚えてんだろ?」
有崎五派:「…………」
有崎五派:「……」
有崎五派:「…」
有崎五派:明らかに顔が引き攣っている。
ルキア・ティベリア:「どうしたの?」
有崎五派:「い、いや……そのぉ……も、物凄く……」
有崎五派:「その……」
有崎五派:口を開くたびにどんどん小さくなっていくように見える。
ルキア・ティベリア:「有崎先生が小さくなっちゃう」
有崎五派:「お、音痴なの……」
有崎五派:「参考になるかどうか……」
ルキア・ティベリア:「……」
七十橋シスル:「…………」
ルキア・ティベリア:「今度カラオケで練習しましょう?一緒に」
有崎五派:「かっ、カラオケ!?あの、皆の前で歌わされて残酷にも点数が付けられるあの無慈悲な施設!?」
七十橋シスル:「お前カラオケなんてどこで覚えたんだよ」
七十橋シスル:びっくりしている
ルキア・ティベリア:「私だって調べてるもの。その、一緒に行けそうなところとか」
有崎五派:(あら)
七十橋シスル:「……そりゃ有難ェけどよ。ンな急に何もかも変えなくても」
七十橋シスル:「いいのか? 不夜王とか虐めに行かなくても」
ルキア・ティベリア:「そんなつまんないことしてる暇なんてないわ」
ルキア・ティベリア:「ね?有崎先生。今度一緒に行きましょう」
ルキア・ティベリア:「私しか聞かないから!平気よ」
有崎五派:「わ、分かった…………ほんとは、歌えたら楽しいだろうなって……思う、し」
有崎五派:「でっ、でも笑わないでね?ほんとに、ほんっとーに下手なのよ!」
七十橋シスル:「発声練習でも手伝ってやろうか」
ルキア・ティベリア:「シスルはうまいものね」
七十橋シスル:揶揄うように表情を歪めている。呪歌の訓練はしている。
七十橋シスル:「ルキアこそ、歌なんて歌ったことあるのか?」
有崎五派:「あっそれ気になる!上手なの?」
ルキア・ティベリア:「私が下手だと思う?」
ルキア・ティベリア:「聞かせたことがないだけよ」
七十橋シスル:「どうだかな。録音機材みたいな歌じゃねえのか?」
有崎五派:「こら。伝わりゃ何言ってもいいわけじゃないのよ」
有崎五派:じと、とシスルを横目で睨む。
ルキア・ティベリア:「でも、私との約束をしちゃったから」
ルキア・ティベリア:「まだ、キングダムを離れられないわね。先生」笑う。
有崎五派:「え?」
有崎五派:「あっ……えっ、そういう事!?」
ルキア・ティベリア:「ふふふふ」
七十橋シスル:「あーあー、捕まっちまったな」
有崎五派:「お、大人に二言は……」
有崎五派:ぐで、と机に倒れ伏す。
ルキア・ティベリア:「やっぱり一度に食べすぎよ。有崎先生……」
有崎五派:「……半分は持ち帰りにするべきだった……かも」
有崎五派:そこまで言って、小さく吹き出す。
有崎五派:「ふふ!」
有崎五派:「まーいっか!楽しいから!」
有崎五派:ガバ、と体を起こして二人を見やる。
有崎五派:「ルキアちゃん、シスルちゃん」
ルキア・ティベリア:「ん」
七十橋シスル:「何だよ」
有崎五派:「学校、楽しい?」
ルキア・ティベリア:「…………」目を閉じる。
ルキア・ティベリア:穏やかに、深く考えているようだった。
七十橋シスル:肘をついて頬に手を当てる。
七十橋シスル:「どうだ」隣の少女の回答を待っているようだった。
ルキア・ティベリア:「楽しい」
ルキア・ティベリア:「最初から楽しかったんだわ。きっと」
七十橋シスル:「そうか」
七十橋シスル:「じゃあ、俺もだよ」
七十橋シスル:落とすように微笑む。
有崎五派:「──そっか」
有崎五派:「じゃあ、私」
有崎五派:「来て良かった」
ルキア・ティベリア:「ええ。ありがとう。有崎先生」
ルキア・ティベリア:「本当に、感謝してるのよ」
有崎五派:「ふふ」
有崎五派:その言葉が何より嬉しくて、目の端に滲みかけた涙を拭う。
有崎五派:「なら、これからも……ルキアちゃんの楽しい学校生活、聞かせてね」
ルキア・ティベリア:「なんだって話せるわ。有崎先生になら、なんでも」
有崎五派:少女の言葉が胸の奥まで沁みていく。
有崎五派:あの戦場を耐え抜く為、心に必死に張っていた最後の膜が無くなったのを感じた。
有崎五派:キングダムを襲った脅威も、あの戦いも、全ては決着した。この学区にも平穏と呼べる日が戻ってきたのだろう。
有崎五派:だからこそ、と私は思う。
有崎五派:これから、忙しくなる。
有崎五派:生徒を守る事も、当然先生の仕事だけれど──
有崎五派:この日常を守って、繋ぎ続けるのが真に私がやるべき事だと思うから。
有崎五派:ようやくスタートラインに戻って来た。とても、一言では言い表す事の出来ない出遅れだったけど。
有崎五派:これで初めて私は彼女達の手を引く準備を始められるようになった。この先、"卒業"した後に何が待っているのか今は想像すら付かない。
有崎五派:それでもその先を想像し、語り合う為の資格を"大人"として取り戻す事が出来たのだから。
有崎五派:語り合う二人を横目に、ぐっと背を伸ばす。
有崎五派:「さ、忙しくなるぞっ」
◆Ending◆嘴子原シェイル
キングダム連合学院

GM:高台の尖塔からは、キングダムの発展した、広大な町並みを見下ろすことができた。
GM:遠くには夕焼け色の昼夜境域。そのさらに向こうに広がるのは、定時制の領土だ。
GM:嘴子原シェイルの知っている町並みとは、多くの点で変化している。
GM:だが、聞こえてくる活気は変わらなかった。それとも、以前よりも賑やかに感じるだろうか。
GM:嘴子原シェイルはその様子を眺めながら、かつてこの王国を離れる時に誓ったことを思い出していた。

嘴子原シェイル:風が頬を撫で、眼下の喧噪をこんなに遠くまで包んで届ける。
嘴子原シェイル:所々にあった、嵐が地の根ごとひっくり返したような破壊痕は面影すらなく
嘴子原シェイル:魔導機械に荷を積んだ行商生徒が、空の船に代わって石畳を駆け
嘴子原シェイル:陰の気が溜まるとしていた路地裏には陽の光のもとスイーツ店の行列の足が伸び
嘴子原シェイル:騎士団の二人組がせわしなくも鷹揚に巡り歩き
嘴子原シェイル:蜘蛛糸のように計画的に敷かれた幹線路も、あるいは人や獣が幾度となく踏みしめた自然の往路も、遠くの昼夜境域を越えて道を架けていた。
嘴子原シェイル:「……いい風だね。湿り気があって、でも厭じゃない。春で一番良い日の倫敦を思い出す」
嘴子原シェイル:「もっと散発的に発展してる部分とそうじゃない部分が出てくるかと思ったけど」
嘴子原シェイル:「うん、それぞれの中心から波紋状に広がって、なのにぶつかって飛沫を上げるようなこともない」
嘴子原シェイル:「それに、統制下だと画一的に進めていくのが一番効率が良いのに、中心地までの流れが見えるってことは……」
嘴子原シェイル:「……ちゃんとそういう部署が手を回してるだけじゃないね。どうにも、随分と慕われて集まっている証拠らしい」
嘴子原シェイル:「もっとずっと手強い街になるだろうなぁ、これは」もうそんな必要もないのについ零れる
嘴子原シェイル:かつて立てた、一つの誓いを思い出す。
嘴子原シェイル:シャムロック─キングダム境のファウセット新陸帯まで"海賊王"に追い詰められた。
嘴子原シェイル:そうされて尚、いやそうあってこそ吐いた、背ではなく前を向き打ち立てたもの。
嘴子原シェイル:『──キングダムの停滞の打破と、新生を。その眼で確かめる』
嘴子原シェイル:小さな風に巻かれながら、黄金色の喧噪に耳を傾ける。
嘴子原シェイル:『キングダム市街総括図』は、最早その手にはない。
嘴子原シェイル:仮にサルベージしたとして、魔導書や若い歴史書の類として効果を発揮するのかもしれないが
嘴子原シェイル:それでも、眼下を眺めるほどに強く思う────最早、この手にあるものでは無いのだ、と。
嘴子原シェイル:それがどこか寂しく、くすぐったかった。
嘴子原シェイル:「……叶っちゃったなぁ、夢」
アトラ・アーリーバード:「なァ~~にが」

アトラ・アーリーバード:「叶っちゃったなぁ、夢だ。黄昏れよって」
アトラ・アーリーバード:背後から小突かれる。
嘴子原シェイル:「うわっ!?」
嘴子原シェイル:腰掛けていた尖塔からつんのめる。
アトラ・アーリーバード:同窓会議長、アトラ・アーリーバードの顔がフードから覗いていた。鴉の目に映るからと必死に説明され、丈のながいローブを身に着けて変装している。
アトラ・アーリーバード:「全く……蓋を開けてみれば海賊王ともどもエッグと無関係な騒ぎにかかずらったあげく」
アトラ・アーリーバード:「モンスターXの正体を確かめることもなく、気配は去った……などと勝手に納得しているアホはいるわ」
嘴子原シェイル:「うっ……」途端に気まずそうな表情に変わる
嘴子原シェイル:「実はちょっと気にしていたことを…………」
アトラ・アーリーバード:「ちなみにイノリやムツミなどは充分に貴様らの成果を褒めていた」
アトラ・アーリーバード:実際のところ、同窓会の目的はイースターエッグが発見されたことで達成されており、確保ではない。他の二人のリーダーは、それを理解しているのだろう。
アトラ・アーリーバード:「だが……おお、なんという穏やかな瞳なのだ。その腑抜けた調子をレナに見せられるのか!」
アトラ・アーリーバード:天を仰ぐ。輝く六枚羽を隠しても、その大仰で芝居がかった仕草は健在である。
嘴子原シェイル:「うっ、うるさいな!仕方ないだろうあれは!」
嘴子原シェイル:「送り出してばっかだよなぁ私……とか人が仕舞いこんでたちょっとしたささくれをえぐるのが趣味なのかい議長は!?」
嘴子原シェイル:「ひと段落して望外の喜びに黄昏るくらい好きにさせてくれ……!」
アトラ・アーリーバード:「出っ張っている部分には触れたくなる性分でな」
嘴子原シェイル:「だから毎度指を怪我してはイノリ委員長に𠮟られてるんだね」
アトラ・アーリーバード:「うっ……まあ、いいだろうそんなことは」
アトラ・アーリーバード:「キングダムは確かに激変……貴様の視点からは激変したのだろうが……」
アトラ・アーリーバード:良いことを言おうとしているが、そんなにピンと来ていないようだ。自分は相変わらずお尋ね者のままだし。
アトラ・アーリーバード:「我らにとっては最後のエッグと……その先が残っている」
嘴子原シェイル:「……ま、外からしてみれば」
嘴子原シェイル:「至上王が退いたのに新政権がより堅牢になってるんだから、むしろ穏やかな変化にすら見えるだろうね」
アトラ・アーリーバード:「これがキングダムの破壊だったとするなら、我々が達成しなければならないのは全ノヴァリスの破壊だ」
アトラ・アーリーバード:「……次にあの魔女と会う時くらいまでには気合いを入れておけよ」
アトラ・アーリーバード:「これ以上口うるさくするのはやめておいてやる。今日くらいはな」
アトラ・アーリーバード:そう言って、差し入れらしき飲料缶を押し付ける。
嘴子原シェイル:「…………」
嘴子原シェイル:「議長って多少は人の機微が分かるんだ…………」深刻そうなトーン
アトラ・アーリーバード:「はっはっは」軽く剣の柄に指をかける。
嘴子原シェイル:「わーっ!冗談!冗談です!」
アトラ・アーリーバード:「そうだろうそうだろう。素直が一番だぞ」
嘴子原シェイル:剣を握る代わりに投げ出された缶をキャッチして
嘴子原シェイル:「……ほっ。あっ冷たっ」
アトラ・アーリーバード:小さく笑うと、くるりと背を見せて颯爽と去る。
アトラ・アーリーバード:…………気配を見せて、尖塔の屋根の縁を数歩歩き、止まる。
アトラ・アーリーバード:どかりと座り込む。
アトラ・アーリーバード:「…………シェイル」
アトラ・アーリーバード:「どうやって降りるんだ、ここ…………」
嘴子原シェイル:「うん……?」プシュ、と缶のタブを開き
嘴子原シェイル:「……ううん……お姫様抱っことか、されたい……?」一口だけ口を付けおそるおそる尋ねた
嘴子原シェイル:「というかじゃあどうやって登ったんだ……」
アトラ・アーリーバード:「……」しばらく悩む素振りを見せた後。
アトラ・アーリーバード:おもむろに十字冠転送の光がひとつ、新生したキングダムの空に弧を描いた。
嘴子原シェイル:「ぎっ議長ーーーっ!!」
嘴子原シェイル:「馬鹿だ……絶対馬鹿だ……あれだけ元の十字冠に戻りたいって思ってた記憶が、こんなことでリフレインするなんて……」
嘴子原シェイル:「というか私モルフェウス能力者だし……」
嘴子原シェイル:ごくっ。開けてしまった手前、遠慮なく飲み干す勢いで喉に冷たさが通り抜けた。
嘴子原シェイル:「……ふう。次までに、ね」
嘴子原シェイル:キングダムの破壊は為された。
嘴子原シェイル:決定的な瞬間は、嘴子原シェイルの手の外で。
嘴子原シェイル:だからそれが、大いなる変革か、小さな心変わりだったのか、知ることは出来ないだろう。
嘴子原シェイル:「ああ、それでも──面白いものが見れた」
嘴子原シェイル:未来は未明で、何が起きるかは分からない。
嘴子原シェイル:だからせめて。後に残るものが、素晴らしいものでありますようにと魔法に刻んだ。
嘴子原シェイル:「彼女たちに賭けて間違いじゃなかった」
嘴子原シェイル:「だから」
嘴子原シェイル:「7つの神秘を超えた先──ノヴァリスの破壊も、楽しみさせて貰おうじゃないか」
嘴子原シェイル:凪ぐような視界を、春の暖風が堰を切って唸り出す。
嘴子原シェイル:必要なものは既に、必要なだけ配られた。
嘴子原シェイル:「さようなら」
嘴子原シェイル:「またいつか」
嘴子原シェイル:踵を返し────キングダムの明日から、手を放した。
GM:キングダムの最も長い一日にまつわる物語は、これで終わりだ。
GM:けれど、おとぎ話の最後には。
GM:いつも沿えられてきた、結びの言葉がある。
◆Ending◆旅立ちの日に
数年前 某国

:――――数年前。とある田舎町。
少女:「ノヴァリス?」
:冷えた枕に布を巻きながら、少女は問い返した。
女:「ええ……ええ。あなたは、そこに行くのよ、ゲホッ」
:部屋の奥で、ひどくやつれた老女が、そう言った。爛々と、落ち窪んだ瞳だけを輝かせている。
女:「この先、彼ら、……ファ、ルスハーツ? だった、かしら」
女:「彼らが、世界を覆ったときに」
女:「人々を治める立場となる子供たちを、そこで、育成するのですって」
女:「その候補のひとりに……あなたが選ばれ、選ばれたのよ! ゲホッ、ゲホッ!」
女:「シスル!」
シスル・フィン・ファーカー:「落ち着いて、母さん」
シスル・フィン・ファーカー:「無茶するなって。それで……」
:少女の母親は、末期だった。
:どんな解呪の術式も、祈りも効かない――ごく普通の、ウイルス性の肺炎だった。
:年頃を考えれば完治は難しい。だが、ごく普通の通常医療にかかれば、苦痛は和らげられるはずだった。
:だが、彼女はそれを拒絶した。長く積み上げてきた、自らの家系の民間療法以外は。
シスル・フィン=ファーカー:「……ファルスハーツ。あいつらが、そんなことを、私に?」
:怪しい話だ。大拡散によって、魔術がレネゲイドという最小単位に分解解析され。
:魔力が自然の属性ではなく、12の症例に分けられた今でも、ノヴァリスとかいう話の信憑性は不確かだった。
女:「ああ、シスル。私たちの、希望の仔」
女:女が、娘の頬に手を当てる。枯れ木のような指が、立てた爪を食い込ませる。
女:「ファーカーの、最高傑作。だって、そうだわ! 魔女狩りだって、乗り越えた、私たち白魔女が」
女:「大拡散? 近代医療? こんな、こんなことで、終わっていいはずがない……!」
シスル・フィン=ファーカー:「…………」
女:「もう一度。私たちに、地位を、評価を、……力を」
シスル・フィン=ファーカー:「分かってるよ、母さん」
シスル・フィン=ファーカー:「私は……強い。知ってるだろう。母さんも、祖母さんも、大いなる始祖まで」
シスル・フィン=ファーカー:「伝わってる術は……すべて受け継いでる。なりたてのバカ共に後れを取ったりしない」
:母の手を静かに取って、爪先の血を清潔なタオルでぬぐって、毛布の中に戻す。
シスル・フィン=ファーカー:「行ってやるよ、ノヴァリスに。母さんの悲願は、必ず果たすさ」
シスル・フィン=ファーカー:たとえそれが、古き良き扱い辛いオールドオーヴァードの、体のいいお払い箱だとしても。
シスル・フィン=ファーカー:……かつては、こうではなかった。
シスル・フィン=ファーカー:シスルは天才だった。全てを学んだ。人を救うために、研鑽され、計算された数多の術式・呪詛・手練手管。
シスル・フィン=ファーカー:一つ一つが、勘違いや迷信こそ交じっていたとはいえ、間違いなくそれは人を救うという理念に満ちていて。
シスル・フィン=ファーカー:……ただ一度の、時代の流れ、選択の誤りでここまで落ちてしまった。
シスル・フィン=ファーカー:この数か月後、母親は亡くなった。白呪術師ファーカーの家系は、もう途切れる。
シスル・フィン=ファーカー:(ノヴァリス。どこにあるかどうかも判然としねえ、最果ての土地。FHのとびきり共が集められる場所)
シスル・フィン=ファーカー:そんな最果ての場所になら、あるかもしれない。
シスル・フィン=ファーカー:儚い希望だった。儚い祈りだった。ただ一つ。ただ一度。ただ一人で良い。
シスル・フィン=ファーカー:(選択を間違えた、この時代遅れの、消滅寸前のこの術式で)
シスル・フィン=ファーカー:俺にしか救えないものが、どこかにあってほしい――――
:そして少女は、ノヴァリスに至る。
キングダム市街

GM:路面電車の発車を告げる鐘の音が鳴りはじめていた。
ルキア・ティベリア:「電車が出ちゃうよ、シスル!」
ルキア・ティベリア:雑踏の中で一際目立つ、白いドレスと髪の少女。
ルキア・ティベリア:彼女がこうして市街を走る姿など、少し前には誰も、彼女自身すら想像したことはなかっただろう。
キングダム不良生徒:「おい!あの女!ルキア・ティベリアじゃねーか!?」少女を追いかける生徒達もいた。
キングダム不良生徒:「キングダム失陥の元凶が、呑気にお散歩かしらァ!?」
キングダム不良生徒:「しかもあの女!円卓第一席から一般生徒に格下げされたって話じゃねーか!」
キングダム不良生徒:「つまり一般生徒のアタシ達と実力は同じ!いやそれ以下ってことになるぜ~ッ!」
七十橋シスル:「ルキア」
七十橋シスル:「小雨が降ってきた、そこの木陰に入ってろ」
七十橋シスル:雨など降っていない。突き抜けるような晴天だ
ルキア・ティベリア:「うん……」まばたきをして、木陰に入る。
キングダム不良生徒:「ルキア・ティベリアーッ!」
キングダム不良生徒:「お命頂戴ィ~~ッ!」
七十橋シスル:ご ぉん!
七十橋シスル:空中に出現した糸車が 隙だらけで飛びかかってきた不良生徒を絡めとる形で出現!
キングダム不良生徒:「ゲェェ~~ッ!!ご、拷問王~~~ッ!?」
キングダム不良生徒:「な、なんでアンタ様がここにィ~~ッ!」
七十橋シスル:「なあおい、水車の拷問ってのがあるよなァ…………」 回転レバーに手を掛ける。
七十橋シスル:「水がなければ拷問として成立しないかどうか……試してみてぇんだよ」
キングダム不良生徒:「ヒィ~~ッ」
キングダム不良生徒:「お、おやめくださいませ~ッ、拷問王様……わたくし達はちょっと一般生徒を痛めつけたかっただけで……」
キングダム不良生徒:「あなた様にお逆らいするつもりじゃあございませんでしたのよ……へへ……」
七十橋シスル:「へえそりゃ……殊勝な心がけで大変結構ォ」
七十橋シスル:「褒美に、よく眠れる医療部まで飛ばしてやるァ!!」
七十橋シスル:王鍵が高速回転!! 悲鳴!! 十字冠射出!
キングダム不良生徒達:「「「ウギャアアアアアア――――ッ!!!!!」」」
ルキア・ティベリア:「……」大人しくその様子を見守っていた。
ルキア・ティベリア:「……電車が行っちゃったわ。次のを待たないと」
七十橋シスル:「思ったより夕立が多い」
七十橋シスル:「新円卓の威光が足りねえな。ごはせんもめちゃくちゃ舐められまくってっし……」
七十橋シスル:トロッコ電車の待合ベンチに座る。
七十橋シスル:「実感あるか? ごはせんの形質の」
ルキア・ティベリア:「――うん」胸元を押さえて言う。
ルキア・ティベリア:「前よりも、ずっと……苦しくない気がする」
ルキア・ティベリア:「憎んだり、怒ったりしなくてもよくなったの。……有崎先生のおかげなのかな」
七十橋シスル:「そりゃま……いいことだ」
GM:以前までのルキアならば、先程のような生徒達は近くのシスル諸共粛清されていてもおかしくはない。
GM:有崎五派の因子を受け継いだことが、その変化にどの程度大きな比重を占めているのかは分からなかった。ルキアの心の問題だからだ。
GM:『おとぎの国』を見て、立場が大きく変化し、互いに尊重できる人間関係を得た。
GM:人が大きく変わるには、どれも些細な、あるいは十分なきっかけのように思える。
ルキア・ティベリア:「……電車が来る」顔を上げた。
ルキア・ティベリア:「どこに行こうか。シスル」
七十橋シスル:「どこにでも。聞くところによると美食王が、輸出入を見越して路線拡大を狙ってるらしい」
七十橋シスル:「今はまだ、キングダム領内だけだけどな。そのうちメサイアやジェネシスにだって行けるかもしれない」
七十橋シスル:「見たことないものを、端から見て回る」
七十橋シスル:「どうだ」 電車が止まり、ドアが開く。
七十橋シスル:慣れた様子で一歩登って、手を差し出そうとして、先のやりとりを思い出して止める。
ルキア・ティベリア:口元で笑って、手を取る。「そうしたいわ」
ルキア・ティベリア:「とても素敵よ」
路面電車

GM:電車が走り始めた。キングダムの町並みが車窓の外で流れていく。
GM:この時間帯は利用者の少ない路線なのか、車両にはシスルとルキアだけだ。
ルキア・ティベリア:「……電車」座席に座って、横の手すりに頭を預けながら呟く。
ルキア・ティベリア:「初めて乗ったわ」
七十橋シスル:「見たのは?」
ルキア・ティベリア:「二回かな。一回は……」
ルキア・ティベリア:「シスルと、休日に出かけたとき」
七十橋シスル:「あれも大概な日だったな……」
七十橋シスル:「任アルルはあの時からお前にちょっかいかけてきやがって」
ルキア・ティベリア:「ふふ。そうね。思い出すのに時間かかっちゃった……」
七十橋シスル:「とうとうあんなトコまで、だ」
七十橋シスル:「ウルスラもだ。ルキアまでたどり着く奴は、いっつも学区の外から来る」
七十橋シスル:シスルの言動はいつも通り攻撃的だが。
七十橋シスル:少しだけ傾向がある。ウルスラ・ミック・ベニ。任アルル。有崎五派。
七十橋シスル:彼女らについて語るとき、攻撃以上に、いじけるような悔しさの響きが混じる。
ルキア・ティベリア:「……シスル」
ルキア・ティベリア:「シスルだって、我儘を言っていいのよ」
ルキア・ティベリア:「私は……シスルからもらってばかりだもの……」
七十橋シスル:「ガキみたいな話なんだよ。……騎士王も、鉄騎王も、あるいは不夜王なんかも」
七十橋シスル:「似たようなことは思ってるだろうさ」
七十橋シスル:「私だけが」 「ルキアを救える立場でありゃよかった」
ルキア・ティベリア:「そんなこと。ふふ」堪えきれないように笑う。信じられないといった風に。
ルキア・ティベリア:「そんなことを、みんなが思っていたの?」
ルキア・ティベリア:「……」そして、窓の向こうのキングダムの町並みを見た。
ルキア・ティベリア:「私、みんなにひどいことをしたわ」
七十橋シスル:「正確なところは分からねえさ。もとが権力欲か、義務感か、みたいな違いもあるだろ」
七十橋シスル:「騎士王だって、恥ずかしげもなくよくあんなこと言えたもんだぜ」
七十橋シスル:「ルキア」
七十橋シスル:「素直に答えてくれ。まだ、王になりたいって思うか?」
ルキア・ティベリア:「理想の王様になれたなら……私だって……そうなりたかったわ」
ルキア・ティベリア:「お父さんが望んだことだから。私には、正しく国を治める方法が……分かるから」
ルキア・ティベリア:「でもね」
ルキア・ティベリア:「本当は、ずっと辛かったのかもしれないわね。……苦しかった」
ルキア・ティベリア:「どうしてみんな正しいことをしないのか。どうして嘘ばかりをつくのか――」
ルキア・ティベリア:「シスルにも、ジェシカにも、ルナンシアにも、エリザベスにも、オリヴィアにも……もしかしたらジョウカにもできたことが、私にはできなかった」
ルキア・ティベリア:「みんなの不完全を認めて、愛してあげることが」
七十橋シスル:「完璧主義なのは、親御さん似だな。……けど、そうだな」
七十橋シスル:「もう一つ、俺が感じたものは……クイズだ、ルキア」
七十橋シスル:「死蔵王にはある。海賊王、美食王にはある。不夜王も……まああるか」 「鉄騎王はない。竜王もない。騎士王は……微妙な所だが、ない寄りかな」
七十橋シスル:「王に必要なもの。なんだと思う?」
ルキア・ティベリア:目を閉じて考えはじめるように見えたが、その直後には、もう言葉を発した。
ルキア・ティベリア:「叛骨」
ルキア・ティベリア:「既存の何かに従わない道を、尊敬の有無ではなく、自分で選び取れたものかどうか」
ルキア・ティベリア:「……そう思ったわ。正解はなに?」
七十橋シスル:「ある種の向上心か。ルキアらしい回答だな……」
七十橋シスル:口の前で指を振る。「だがハズレだ」
ルキア・ティベリア:目を開ける。文句は口にしないが、やや不満そうだった。
七十橋シスル:「もっとシンプルだよ。……王の責務に伴う権力を、自分のために使うかどうか。つまり」
七十橋シスル:「王様を楽しむこと、だ」
ルキア・ティベリア:「ふふ」
ルキア・ティベリア:「ふふふふふ」
ルキア・ティベリア:「そう。そうね……」
七十橋シスル:「好き嫌いってのは、才能の一番根本にある」
七十橋シスル:「その意味じゃ、ルキア、お前はちっとばかし、王様に向いてなかったな」
七十橋シスル:「キングダムの頂点の権力を、もっと自分のために使えるんなら」
七十橋シスル:「主治医として、返り咲きを認めてもいい」
ルキア・ティベリア:「自分のために権力を使う、なんて――」
ルキア・ティベリア:やりたいことではなく、やらせたいことばかりだった。ルキア・ティベリアはそう語っていたことがある。
ルキア・ティベリア:「どうすればいいのかしら。だって私……今だって綺麗な服を着て、ちゃんとしたベッドに寝て」
ルキア・ティベリア:「辛かったり、苦しい思いをしないで暮らせているのよ」
ルキア・ティベリア:「こうして、シスルが一緒にいてくれる」
ルキア・ティベリア:「ウルスラも。チギリも。アルルも。有崎先生も。ルナンシア達も……私のことを分かってくれた」
ルキア・ティベリア:「私が欲しいものなんて……」
ルキア・ティベリア:「……王様にならないと手に入らないものなんて、なかったのよ」
七十橋シスル:「……………」
七十橋シスル:そっと、片腕をあげる。
七十橋シスル:一度ためらって。
七十橋シスル:ルキアの細い肩に手を回す。
七十橋シスル:「あるよ。人間は、おとぎの国みたいに完全じゃない」
七十橋シスル:「生きてる限り、何かが不足して、何かを求める」
ルキア・ティベリア:「私や、シスルでもそう?」
ルキア・ティベリア:薄青の瞳で見上げる。
七十橋シスル:夕陽によく似た、けれど決定的に異なる、暁色の眼が横目で見返す。
七十橋シスル:「そうさ。いいか悪いかは分からねえけど。……FHの教えで、唯一共感できたのは欲望だけだったな」
七十橋シスル:「……眠り姫は、百年間、ずうっと眠っていた」
七十橋シスル:「11人の魔女に祝福されて、王様に愛され、民に愛され、幸せな生涯を、その絶頂で止めて眠り続けた」
七十橋シスル:「百年の呪いを終えて目覚めた姫に、もう祝福は残っていない。様変わりした、100年後の世界だけ」
ルキア・ティベリア:「……」
七十橋シスル:「童話の後には、もしかしたら苦しみや悲しみが起きるのかもしれない。その人生の終わりは、良いものじゃないかもしれない」
七十橋シスル:「それでも、起こしたかったんだ」
ルキア・ティベリア:「幸せな生涯の絶頂で止まったお姫様には――」
ルキア・ティベリア:「手に入れられないものがあったから?」
七十橋シスル:「ああ。……そういうものが、きっとあるはずだ、って信じたかったんだ」
七十橋シスル:「……ルキア」
七十橋シスル:「ありがとう。私を選んでくれて」
ルキア・ティベリア:「私こそ、ありがとう……」
ルキア・ティベリア:「――昔ね。お父さんに読ませてもらった絵本があったの」
ルキア・ティベリア:「……すごく変な絵本だったわ。何もかもを与えられて、人を虐げていたお姫様が」
ルキア・ティベリア:「望まない結婚をさせられて、とても傷つく、苦しい生活を強いられて」
ルキア・ティベリア:「……なのにお姫様は最後に、そんな仕打ちをした王様や、自分を騙した夫を許してしまう」
ルキア・ティベリア:「ずっと、不思議だった。その絵本のお姫様はどうして、そんな理不尽を受け入れたのかしら――」
ルキア・ティベリア:「だけど、今になって思うの。もしかしたら……」
ルキア・ティベリア:「最初からこのお話は」
ルキア・ティベリア:「お姫様自身が、望んでいた物語だったんじゃないかって」
ルキア・ティベリア:「眠り姫が、幸せな眠りから目覚めることを選んだように」
ルキア・ティベリア:「いつも誰かを嫌っていたお姫様が、そんな自分を叱ってほしかったように」
ルキア・ティベリア:「傷つく自由を、選んだんだわ」
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:「私は、王子様ってガラじゃない」
七十橋シスル:「望みのままに全ての願いを叶えられる、お伽話の魔法使いでもない」
七十橋シスル:「選択を間違えて、悪い王様になっちまった、時代遅れの、つまらない魔女だ」
ルキア・ティベリア:「だけど、救いに来てくれたわ」
七十橋シスル:「……救えるものがほしかった」 「自分だけに救えるものが一つでも残っていたら、私の、私たちの生涯は無駄じゃなくなる」
七十橋シスル:「お前はひどいことばかりした、みんなに嫌われていた、と言うけれど」
七十橋シスル:振り向く。両の眼が、ルキアを見る。
七十橋シスル:猛々しさは欠片もない。潤んだような眼だった。
七十橋シスル:「私は、ルキアに救われたんだ」
ルキア・ティベリア:「……………っ」
ルキア・ティベリア:「ああ……」何か言葉を続けようとした。
ルキア・ティベリア:『ありがとう』だったのかもしれないし、『ごめんなさい』だったのかもしれない。
ルキア・ティベリア:「……ねえ、シスル。あなただったからなのよ――他の誰でもないの」
ルキア・ティベリア:それこそが、自分が言ってほしいと言った我儘なのだと理解していた。
ルキア・ティベリア:「私に手を届かせたのは、チギリとルナンシアで」
ルキア・ティベリア:「有崎先生の真心を私に継承させてくれたのは、ウルスラだった」
ルキア・ティベリア:「だけど、シスル。人が人に救われるって、きっと。それだけのことじゃないでしょう」
ルキア・ティベリア:「……私は、『おとぎの国』で……姿をすっかり変えてしまったのに」
ルキア・ティベリア:「どうしてだか、心は変えてしまいたくないって思ったのよ」
ルキア・ティベリア:「みんなを嫌って、みんなに嫌われて、私に苦しみばかりをくれた心だったのに」
ルキア・ティベリア:「……あなたがいたから」
ルキア・ティベリア:「世界が違ったって、シスルがどこかにいるって」
ルキア・ティベリア:「それを忘れたくなかったから――」
ルキア・ティベリア:「あなたに助けてもらいたかった」
ルキア・ティベリア:「ああ、だから……」
ルキア・ティベリア:「私は、私の本当の願いを叶えたんだわ」
七十橋シスル:手を引く。姿勢が変わる。夕陽が照り返す
七十橋シスル:ルキアの小さな体を、胸元に抱き寄せる。
ルキア・ティベリア:「っ……」驚いたような顔を見せる。
七十橋シスル:「ルキア。……ルキア」
七十橋シスル:「ルキア…………!」
ルキア・ティベリア:「シスル……!」
七十橋シスル:「幸せに、なろう」
七十橋シスル:「なくしたものを、ぜんぶ拾って。集めて。一緒に」
七十橋シスル:「ずっと、ずっと。誰よりも」
ルキア・ティベリア:「私も」
ルキア・ティベリア:「もうシスルに、寂しいことを言わせたくない」
ルキア・ティベリア:「こんなに優しくて、立派で……私のことを思ってくれた、王様だもの……」
ルキア・ティベリア:「だから、シスル。きっと、素敵な未来があるって言って」
ルキア・ティベリア:「私にも。あなたにも」
GM:最も親しい絆が反転するルキア・ティベリアの症状は、完治したと言い切ることはできない。
GM:もしかしたら、この一瞬後にも、全てが崩れ去って敵意に変わってしまうのかもしれない。
GM:それでも、有崎五派が贈った心の欠片が、ルキア・ティベリアに人を愛する幸せを、一時でも与えられているのなら――
GM:それは奇跡だった。日々の果てに辿り着いた、小さな奇跡。
GM:正しき王が王国を治めるおとぎ話の最後に
GM:いつも沿えられてきた、結びの言葉がある。
GM:この世界では決してあり得ない、子供でさえ幻想だと分かる言葉だ。
GM:物語を言い伝え、書き記してきた人々だって、一人残らず分かっていたに違いなかった。
GM:けれどそんな、素朴で、当たり前で、不可能な願いを。
GM:物語を読んだ誰もが、同じように願ったのだ。
GM:だからいつの時代も、物語が希望に満ちた終わりを迎えることを、誰もが知っている。
GM:――そうして、王国はいつまでも栄え
GM:王様も、お姫様も。
GM:すべての人達も。
GM:いつまでも幸せに、暮らしました。
『キングダムの日』 完
Double Cross The 3rd edition
ステージ『オーヴァード・ノヴァ』
キングダムの日々(キングダム連合学院メインストーリー)
おしまい