『キングダムの休日』(GM:珪素)




本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
掲載の一部画像はAI生成イラストを加工したものです。

採用プレイエイド

ステージ『オーヴァード・ノヴァ』ver.1.08(入学版)
キングダム連合学院『円卓議会』

Ⅰ『キングダムの休日』◀
Ⅱ『キングダムの凶日』
Ⅲ『キングダムの落日』
Ⅳ『キングダムの過日』

メインログ雑談ログ
PC1:七十橋(ななとばし)シスル( キャラシート )PL:アスハル

PC2:ジェシカ・クロフォード( キャラシート )PL:中村

PC3:アメリア・シュミット( キャラシート )PL:有限無限

PC4:(にん)アルル( キャラシート )PL:敗者T

目次

Preplay

GM:それではオーヴァード・ノヴァ卓『キングダムの休日』を初めてまいります。
GM:参加キャラクターの自己紹介はPC番号順。まずはPC1のシスルさんからとなります。
七十橋シスル:はあい
七十橋シスルキャラシート
七十橋シスル:キングダム円卓の最下位議席、《拷問王》。
七十橋シスル:獰猛なサメのような雰囲気の女であり、七王の中でも最も危険とされる。
GM:絶対にギザ歯だと思ってました
七十橋シスル:そうだと思います
七十橋シスル:普段はあのケルトかぶれことシャムロック自由学園との境界線を陣地にしており、
七十橋シスル:無断の侵犯は敵だろうと味方だろうと問答無用で抑え付ける、門番にして辺境伯のような役割をしている。
GM:キングダム領内に常駐しないことが仕事だが、それ故に極めて重要な王なのだ
GM:最下位にして最前線の王!
七十橋シスル:能力は最強遺産《必中の弓》による、暴走型。
七十橋シスル:自分への攻撃は《ミラーパレス》によって常にダイス-8し、変異衝動:破壊によって回避も可能。
GM:必中の弓を使ってるのにそもそも暴走型なの、最悪すぎる
七十橋シスル:暴走、最近はそこそこメリットなんだよな
GM:必中の弓はクソ!
七十橋シスル:糸繰り車から紡ぐ雷鳴じみた影の茨で、格下を一方的に蹂躙するのが得意です。
七十橋シスル:学生時代に打ち込んだものは愚かなザコ共への恐怖という楔です。
GM:実際まともなオーヴァードでは拷問王一人を突破できない……
七十橋シスル:かといってシスルを避けようとすると余分なダメージが入ったりします
七十橋シスル:200点になって追加行動とか範囲とか覚えました
七十橋シスル:そんな感じです。よろしくお願いします!
GM:時間凍結怖い……
GM:そんなシスルさんへのハンドアウトはこちらです。

PC1:七十橋シスル(PL:アスハルさん)
シナリオロイス:ルキア・ティベリア

ファウセット新陸帯を巡るシャムロック自由学園との領土境界情勢は、超大型社会人ブリューナクの暴走及び撃破を経て、一時の平穏状態を取り戻していた。
それは、領土境界を防衛する"拷問王"が強大な戦力の侵攻に備え続ける必要がなくなったことも意味している。
医療部の生徒達からの強い薦めもあり久しぶりの休日を取ったあなただが、"至上王"はそれを認可する代わり、自分も是非休日に同行したいと申し出てきた。
"至上王"はあなたのことを他のどの王よりも気に入り、こうした機会を見つけては甘えてくることがあった。
どのみち、街に出てしまった"至上王"の面倒を見てやれる者など、キングダム広しといえどもあなた一人くらいしかいないだろう。
ひどく迷惑で、そして危険な休日が始まろうとしている。

GM:なんとヒロインは至上王!休日デートを楽しんでいただくセッションです
GM:いつもお仕事大変でしょうしね
七十橋シスル:やった~~~ 羽を伸ばすぞ~~~~
七十橋シスル:出来るか??????
GM:大丈夫!機嫌がよければ首をはねたりしないから
七十橋シスル:トリオン体になってきていいですか?
GM:だめです!では頑張ってください
GM:続いてはPC2、初登場のジェシカさんです。
ジェシカ・クロフォード:はーい。
ジェシカ・クロフォードキャラシート
ジェシカ・クロフォード:“不夜王”ジェシカ・クロフォード
ジェシカ・クロフォード:円卓の第二席を務めています。
GM:ついに登場したNo.2
ジェシカ・クロフォード:短く刈り揃えた黒髪と、鋭い目つきが特徴の少女で
ジェシカ・クロフォード:年中ある目の下の隈がその鋭さをより強調しています。
GM:苦労してそう~
ジェシカ・クロフォード:主に内政を担当しており、この主にというのは業務内容のほとんど、ということではなく
ジェシカ・クロフォード:キングダム連合学院の内政をほとんど、という意味です。
GM:凄すぎる
GM:一人で都市運営ができてしまう!化け物だぜ
ジェシカ・クロフォード:オーヴァード能力はほとんど内政に特化しており戦場ではほぼ役に立ちません!
ジェシカ・クロフォード:性能としては従者をいっぱい召喚してその従者たちに天性のひらめきでいろんな判定させたり。
GM:天性のひらめき、いいエフェクトだけど使い手が少ないからなあ
ジェシカ・クロフォード:戦闘ではカバーリングや孤独の魔眼で味方を守ったり守れなかったりします。
ジェシカ・クロフォード:所持している遺産は『蛇王の外套』、通称は"頭の無い蛇"
ジェシカ・クロフォード:外套という名称にはなっているけれど実際には刺青です。
GM:そうだったんだ!
ジェシカ・クロフォード:継承者の身体の何処かに頭のない蛇の刺青が入れられており
ジェシカ・クロフォード:それが無機物に擬似的な命を与えたりなんかしたりします。
ジェシカ・クロフォード:そんな感じのナンバー2として規律を重んじる堅物な少女です。宜しくお願いします
GM:ありがとうございます!かっこいい遺産だぜ~
GM:ハンドアウトもあげちゃうよ!

PC2: ジェシカ・クロフォード(PL:中村さん)
シナリオロイス:バージニア・ダネシュティ

価値観も要求も異なる諸王達の無数の派閥が、このキングダム連合学院を形成している。中には現在の円卓議会に反発し、抵抗する勢力も少なくない。
ARESによる第三席襲撃事件やブリューナク侵攻危機……キングダムを脅かす問題の数々は、この数ヶ月で顕著に増加した。
学区外の情勢が不安定になれば、学区内の抵抗勢力の動きは活発化するはずだ。その兆しを見逃さぬよう網を張っていたあなたの耳に、ある学区内暴動を扇動していたとされる勢力についての情報が入る。
人外の貴種や古代種によって構成された常夜の派閥――キングダム定時制。
その主である"血統王"バージニア・ダネシュティは、あなたと共に『八月革命』を戦った同志であり、盟友でもあった。
元よりあなたに休日はない。"至上王"が政治の座から離れている今のうちに、和解を成立できればいいのだが。

GM:バージニア・ダネシュティは吸血鬼の混血一族の"血統王"。
GM:序列は第十七席で、『八月革命』では定時制生徒を率いて勝利に大きく貢献しました。
ジェシカ・クロフォード:かっこよさそうな人だ…!
ジェシカ・クロフォード:なんとか、こっそり目の上のたんこぶがいないうちに話を進めよう!
ジェシカ・クロフォード:鎌倉殿ではいっつもそれで話がこじれているが
ジェシカ・クロフォード:私達になら…できる!!
GM:頑張ってくれ……!ルキアがいると族滅しかねないからね
ジェシカ・クロフォード:頑張ります!
GM:お次はPC3、アメリアさんのご紹介です。
アメリアキャラシート
アメリア:”鴉飼”(ドミヌス)。アメリア・シュミットです。
アメリア:キングダム所属ですが……お二人のような”王”ではなく
アメリア:遺産管理委員会の副長を務めています。
GM:王の選定にも関わる、円卓議会とは独立した特別権限を持つ組織、それが遺産管理委員会なのだ。
アメリア:なのです!
アメリア:オルクス能力により動物や機械を操ったり、情報を共有したり、会話したりができ
アメリア:たくさんの鴉や、カラス型ドローンを使って、遺産の収容された”鴉の塔”の警備を担当しているのです
GM:不吉で怖そうな人だなあ黒尽くめだし
アメリア:フフフ……キングダムじゅうの噂話を知っているんですよ……!
アメリア:円卓とは独立した組織ということで、特定の王と関わり合いになることを避けています
アメリア:つまり……不特定多数の王と、同じくらい仲良くなくてはならない!
GM:なるほどね
GM:今回登場する定時制の反乱勢力にも諸王が何人か存在するので
GM:アメリアさんが橋渡し役になることもあるかもしれません
アメリア:果たさねば 勤めを
アメリア:情報を共有するデバイスを兼ねた車椅子に座っています 空前の車椅子美少女ブームにドキドキしています
GM:ナイスタイミングでしたね
アメリア:エフェクト構成はDロイス《動物使い》の交渉アタッカー!
アメリア:要の陣形で3体攻撃したり、妖精の手で判定をサポートしたり……ピュアオルの暴力を振るいます
アメリア:あと最強(と思っている)エンブレム、コンビネーターも搭載!
アメリア:長くなりましたが以上です!
GM:ありがとうございます!今回参加者みんな速めなんだよな
GM:そんなアメリアちゃんへのハンドアウトはこれ。

PC3: アメリア・シュミット(PL:有限無限さん)
シナリオロイス:プロンプト015C

『開放裁定』で散逸した王鍵の回収は、『円卓議会』の決定に優越する遺産管理委員会の責務である。
そしてこの日、所在不明王鍵の一つである"オズマメガリス"を、あなたの監視の目が捉えた。
遺産が運び込まれた場所は、キングダム学領最大級の名門百貨店、プロンプト社。
"元老"の指示を受けて現場へと急行し、プロンプトを経営する社会人、プロンプト015Cとの接触を試みたあなただったが、暴動めいたトラブルに巻き込まれ、追求は阻まれてしまう。
暴動を起こした集団は、キングダム定時制の混血種の生徒達であった。仮にもキングダムの治安管理の一角を担うものとして、この状況を放置しておくことはできない。
ここ数ヶ月間の定時制の不穏な動きと、王鍵を取引する企業。さらには『円卓議会』の王も動きつつある中……あなたはこの過酷な休日出勤を乗り越え、なんとしてでも王鍵を回収する必要がある。

GM:行方知れずになっていた王鍵候補遺産の所在を捕捉します。別に誰かから報告を受けたとかじゃなく、真っ先に見つけられるので。
アメリア:キングダムの王鍵は委員会通せや!
GM:もちろん王鍵を隠匿したりあまつさえ他の学区に売りさばいたりするのはキングダムではスーパー重罪なので
GM:なんとしてでも回収する必要があるでしょう。
アメリア:せっかく拷問王のデートをこっそり見て楽しむ予定だったのに……!
アメリア:スピード解決を目指します!
GM:がんばって!
GM:それでは唯一の非キングダムPC、PC4アルルさんのご登場です。
任アルル:はーい
任アルルキャラシート
任アルルにんアルル。常に薄衣姿、学区を問わずどこにでもふらりと現れ、好き勝手して去っていく謎の生徒。
GM:エッチな妖怪とかじゃないのかな
任アルル:しかしてその正体は、崑崙山五星君のひとり、“游随辰星”です。
任アルル:最近のマイブームは暴力全振りの半生で培ってきた技を碌でもない方向に活用すること。色々な女の子にちょっかいをかけている。
任アルル:宙に浮いて移動できるので靴も要らず、出先からシームレスにベッドに直行できます。便利。
GM:め、迷惑……!
任アルル:迷惑だって言ってくる人もたまにいますが、すぐいなくなるので大丈夫です。
GM:逮捕できないってことなのでは……
任アルル:えへへ
任アルル:性能的には遺産・栄光と勝利の槍の持ち主であり、妖精の輪や絶対支配で何がなんでもカウンターを成功させるべくあるビルドではありますが、
任アルル:パーティに編成する際のバリューとしては、ダイス操作による補助や孤独の魔眼によるロイス管理が主なところになるのではないでしょうか。サポート寄りのタンクです。
GM:こういうキャラがGMの何もかもの計算を狂わせるんだ
任アルル:頑張って風紀などをかき乱します。よろしくお願いします!
GM:お願いします!そのアルルちゃんのハンドアウトがどういうのかというと……

PC4: 任アルル(PL:敗者Tさん)
シナリオロイス:州来マカミ

実在が不確かな都市伝説に接触できる者がいない以上、派兵依頼に赴くのは常にあなたの意志だ。
だが今回に限っては、それこそが今回の依頼人の求めている傭兵の条件でもあった。
一騎当千の強さを持ち、実在が不確かであるが故に、誰からも関連性を掴まれることがない。
依頼人は、人狼との混血である"月下王"州来マカミ。キングダム定時制の混血種達は、戦力を揃え、機会を狙い、これまでにない大規模な王への反逆を企てている。
崑崙山最強の五星君であるあなたが用心棒として戦う以上、キングダム定時制の反逆計画の成功率は大きく高まるに違いない。あるいは『円卓議会』の王達と戦うこともあるだろう。
だからこそ、この依頼を受けたのだ。定時制が勝つにせよ、負けるにせよ……少なくとも、愉快な休日になることだろう。

GM:反乱軍側の用心棒だ!キングダムの王どもと喧嘩ができるぜ……!!
任アルル:うまい話があったもんだな~!
GM:少なくとも、反乱計画が動くまでは食客としてキングダムを活動拠点にしてもらうことになりますが
GM:特に自由を制限されているわけではありません。というか神出鬼没の五星君相手にそんなことは不可能……!
任アルル:なるほどなるほど
任アルル:己なりに最善の結果となるよう力を尽くします
GM:怖いな~……
GM:ということでこの4人でやっていきたいと思います!やるぞ!
アメリア:王(応)!
任アルル:よろしくお願いします!
七十橋シスル:お願いします~
ジェシカ・クロフォード:しゃす!!
トレーラー ノヴァリス三大校の一角、キングダム連合学院。
数多くの諸王の手で統治される王者達の学園の上にもなお、その頂点に君臨する王が存在する。
残虐な暴君として知られる、円卓議会第一席"至上王"――ルキア・ティベリア。
謁見すら困難な彼女の姿を目撃したことのある者は、キングダムにも少ない。
ごく稀に市井に下り、休日を楽しむことがあったのだとしても……

ルキア・ティベリアの休日は、円卓議会にとって極めて困難かつ重要なミッションである。
彼女が"至上王"であると一般生徒に露見することがあってはならない。
彼女への危害を未然に防ぎ、彼女に何らかの戦闘行動を行わせてはならない。
そして何より、彼女の機嫌を損ねてはならない。

今はそれに加えて、さらなる危機が目前に迫っていた。
近年多発する暴動の裏で、混血種の生徒達による不穏な扇動行為が確認されたのだ。
キングダム連合学園定時制による、全日制への『反逆計画』が進行している。




オーヴァード・ノヴァ『キングダムの休日』





◆Opening◆七十橋シスル

GM:最初のオープニングは七十橋シスルさんからです。
七十橋シスル:はあい
GM:侵蝕ダイスをどうぞ。
七十橋シスル:あ、初期侵蝕まちがえてました 45です
七十橋シスル:45+1d10
DoubleCross : (45+1D10) → 45+1[1] → 46




キングダム学区 商店通り

GM:"拷問王"七十橋シスル。
GM:キングダム円卓議会の中で最も苛烈にして凶暴な王と知られる彼女は、平時は学区領土境界で活動しており、
GM:キングダムの生徒達と直接触れ合うことも少ない。
GM:しかしそんな彼女は今、商店街の一角にある公園で、人を待っていた……。
GM:既に約束の時刻にはなっているが、もう少し待つ必要があるかもしれない。相手が相手だ。
七十橋シスル:遮光率最大のサングラスに、ビッグサイズのパーカーは、フードをすっぽりと被っている。
七十橋シスル:変装というほどではないが、正体を誤魔化す。街灯に背を預け、組んだ腕の片方では、指先が忙しなくたんたんと上下する。
七十橋シスル:(――なんで)
七十橋シスル:(なんでこうなってる…………?)



一日前 キングダム議会応接室

GM:議会応接室は、普段会議が行われる円卓の間よりも幾分小さい部屋だ。
GM:豪華でありながら繊細な調度が全体に施され、一対一での相談事などにもストレスがない造りとなっている。
GM:とはいえ、それも七十橋シスルにとっては意味のないことだろう。その相手が"至上王"ルキア・ティベリアともなれば――
ルキア・ティベリア:「――休暇申請」
ルキア・ティベリア:「の話だったわね?」
ルキア・ティベリア:机に突っ伏したまま、散らかしている書類の一枚を手にとって眺めている。
七十橋シスル:「…………ああ」
七十橋シスル:「至上王様につきましては、……ご機嫌麗しう」
七十橋シスル:対角線上から少しずれた、ねじれの位置に浅く座っている。

ルキア・ティベリア:ドレスも、床につくほどの長い髪も、肌も純白。
ルキア・ティベリア:"至上王"が存在する空間は、常にそこだけが白く人型に切り抜かれているかのようだ。
七十橋シスル:このキングダムで、彼女と一対一で向かい合える者自体、そう多くはない。
ルキア・ティベリア:「私のことはいいけれど、どうするの?」
ルキア・ティベリア:「書類には問題はないって、ジェシカは言っているけど」
ルキア・ティベリア:「休みたいのかしら?」
ルキア・ティベリア:「シスルがそんなこと言い出すなんて、はじめて」
七十橋シスル:「別に、休暇取らなきゃあ、やっていけねえ訳じゃあない」
七十橋シスル:涼やかな鈴のような、鳴り響く鐘のような声に、眉をしかめる。「ただ、あのクズ鉄の話があったでしょう」
ルキア・ティベリア:「クズ鉄?」本気で言い回しを理解していない顔。
七十橋シスル:「……シャムロック自由学園を守ってた、超巨大社会人、ブリューナク」
ルキア・ティベリア:「ああ」くすりと笑う。
ルキア・ティベリア:「あれ」
七十橋シスル:「鉄騎王と海賊王、あと幾らかでぶっ壊したでしょう」
ルキア・ティベリア:「シスルも頑張ったわ」
七十橋シスル:「どうだか。……とにかく、至上王サマはお忘れかもしれないが」
七十橋シスル:「あれの暴走で、しばらくシャムロック自由学園も動けない」
ルキア・ティベリア:「ふふふ、よかったわねぇ」
ルキア・ティベリア:他人事のようにニコニコと笑うが、本気でそう感じているのかどうかはわからない。
七十橋シスル:「だから、休暇……っつか。たまには、部員どもに羽を伸ばさせなきゃあならねえ」
七十橋シスル:「普段は俺が縛りつけて戦わせてるが、少しは解放してやんなきゃあ、ザコどもは耐えらんねえしな」
ルキア・ティベリア:「それって本当かしら?」机の上に広がった白い髪を、くるくると指で巻く。
七十橋シスル:「…………」眉間の皺を深める。拷問王がいなくても保たせますからと、ゆっくりしてくださいと。
ルキア・ティベリア:「休暇書類の申請者だけど。シスル本人が出す書類は、こういう印の押し方はしないわよね……」
ルキア・ティベリア:「もしかして、医療部の誰かが……代わりに出してしまった書類だったりして?」
七十橋シスル:流石に、崑崙山の名湯がどうとかいう与太広告は突き返したが。
七十橋シスル:「さあ。俺が与り知ることじゃあない。偉大なる、至上王の御心のままに」
ルキア・ティベリア:「ええ~~~」
ルキア・ティベリア:「どうしようかな?」
七十橋シスル:「どうしようかなと来たか…………」
七十橋シスル:「俺だって、別にあそこに住んでるわけじゃない」
七十橋シスル:「買い物にだって行くし、映画だって見るさ。それはキングダム生なら誰でもやってんだろ」
ルキア・ティベリア:「そうね」
ルキア・ティベリア:「ねえシスル。ブリューナクが壊れて、シャムロックが動けないのは確かなのね?」
七十橋シスル:「それをお止めに……ああ、間違いない」
七十橋シスル:「それこそ、他の王からもいくらでも裏付けは取れんだろ」
ルキア・ティベリア:「じゃあ私も休んじゃっていい?」
七十橋シスル:「……は?」
ルキア・ティベリア:ニコニコと笑う。
七十橋シスル:そもそもルキアに、仕事らしい仕事はない。彼女を働かせないことが、円卓の王の命題といってもいい
七十橋シスル:強いて言うなら……「そこにいる」と君臨させること。
ルキア・ティベリア:「シスルと一緒に買い物に行ったり、映画を見たりしたいな」
七十橋シスル:キングダム連合学院が、連合であるための、最重要事項…………
七十橋シスル:「………………………」
七十橋シスル:「何て?」
七十橋シスル:「お戯れを」
七十橋シスル:「……?」
ルキア・ティベリア:「まじめに言ってるのに」頬を膨らませる。
七十橋シスル:「真面目に」
七十橋シスル:「…………マジですか?」
七十橋シスル:子供のように頬を膨らませる純白を見上げる。
ルキア・ティベリア:「じゃあ、シスルの休暇申請は――認可!」
ルキア・ティベリア:パ、と書類を空に掲げる。
ルキア・ティベリア:「あと、私の休暇申請も認可!」
七十橋シスル:「認――って、待て待て! ちょ待て!」
ルキア・ティベリア:「あははは」
ルキア・ティベリア:「もう取り消せませーん!申請したんだもん!」
七十橋シスル:「出来んのかそれ!?」出来る。彼女はキングダムそのものである。権利的には可能だ。
七十橋シスル:問題はそこではない。「俺がやんのか!?」
ルキア・ティベリア:「一緒に遊びに行こう!ね」
ルキア・ティベリア:席をぱっと立ち、シスルの片腕に抱きつく。
ルキア・ティベリア:「私も、キングダムの街がどうなってるのか、自分で見てみたいんだもの」
七十橋シスル:飛びついてきた少女を見る。どこまで本気で言ってるんだこいつは。
七十橋シスル:そして同時に確信する。いつも第二や、他のあれこれが振り回される彼女の気まぐれが。
七十橋シスル:自分に飛んできたということ。それも、およそ全く想定していなかった、最悪の形で。
七十橋シスル:非現実的な美貌が、自分の片腕に絡みついている
七十橋シスル:「………………至上王……!」



現在 キングダム学区 商店通り

GM:――そして、このようになっている。
GM:"至上王"と一緒に、それも円卓の王が休日を楽しむなど、恐らく至上王戴冠以来前例のない事態であろう。
七十橋シスル:(最悪、キングダムが今日滅びる可能性まであるんじゃねーか)
七十橋シスル:指の貧乏ゆすり速度が、ロックフェスのそれに匹敵しはじめた頃。
GM:待ち合わせの時刻からは、そろそろ一分が過ぎるところだ。公園の時計の分針が動く。
GM:軽く走る足音が、シスルの座るベンチへと近づいていた。
ルキア・ティベリア:「シスル!」
ルキア・ティベリア:「早く来すぎてるわ!」
七十橋シスル:「……!」
七十橋シスル:振り向いて、目を見開く。

ルキア・ティベリア:偶然にもシスルと揃いのような、しかしやはり純白のパーカー姿だ。
ルキア・ティベリア:変装のつもりでいるのかは分からないが、眼鏡もかけている。
七十橋シスル:見開いて、……閉じ、眼鏡をずらして眉間を揉む。
ルキア・ティベリア:「どう?」小さく笑う。
七十橋シスル:眼鏡を戻して、再び目を開ける。
ルキア・ティベリア:「久しぶりに自分で服を選んじゃった」
七十橋シスル:パーカー姿の……まあ目立ちはするものの……ノヴァリスの平均的な目立ち方にまで落ち着いた、至上王の姿。
七十橋シスル:「……思ってたより百倍マシだった」
ルキア・ティベリア:「マシじゃないって思ってたんだ」
七十橋シスル:「あのドレス姿しか想像つかなかったからな……」
七十橋シスル:「どっかから至上王を見た絶叫か悲鳴が聞こえる方が先かと思ってた」
ルキア・ティベリア:「この格好ならどう?」
ルキア・ティベリア:「普通の女の子でしょう?」
七十橋シスル:「普通の女の子……つーにはいささかならず麗しすぎるが」
七十橋シスル:「通りすがりの一般生徒が失神あるいは五体投地されるほどじゃあないな……」
ルキア・ティベリア:「ふふふっ、なにそれ」
七十橋シスル:言いながら、至上王のずれかけているパーカーの肩口を首元まで引き上げる。
ルキア・ティベリア:「あっ」着慣れてないパーカーを着せ直される。
ルキア・ティベリア:「へへ……」短く、少し照れくさそうに笑う。
七十橋シスル:(………………???)
七十橋シスル:短く、少し照れくさそうに笑った至上王に、天地がトリプルアクセルしたかのような衝撃を覚えるが。
ルキア・ティベリア:「じゃあ、最初はどこに行こうかしら?」
ルキア・ティベリア:「はやくはやく!」シスルの袖を引く。
ルキア・ティベリア:「時間がもったいないわ!」
七十橋シスル:「…………了、解……」
七十橋シスル:(マジでなんなんだ、この状況)
七十橋シスル:単に自分の予定では。「髪のケア用品買いに行くんだが……」
七十橋シスル:隣を歩く、木漏れ日めいて軽く流れる白髪を見て。「要るのか、アンタに……?」



GM:オープニング終了。ロイス取得のみ可能です。
七十橋シスル:至上王へのロイスは元々、執着/危険視:○ で取っているのですが
GM:今回も不可解な命令に苦渋を飲まされてますね
七十橋シスル:困惑:○/危険視:  に変更します
GM:おお……P感情
GM:やったぜ。
七十橋シスル:まじで……なに……? 以上


◆Opening◆ジェシカ・クロフォード

GM:それでは順番通り、PC2ジェシカさんのOPに入りましょう。侵蝕ダイスどうぞ。
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (51 → 58)
ジェシカ・クロフォード:やー!



キングダム定時制 中枢校舎

GM:その夜、円卓議会第二席ジェシカ・クロフォードは、キングダム定時制の校舎に自ら赴いていた。
GM:全日制と定時制は同じキングダムにありながら、互いの交流はかなり乏しい。
GM:円卓議会の王の中でも、今も定期的にそれをしているのは、ジェシカくらいであろう。
キングダム一般生徒:「お待ちしておりました。"不夜王"」
キングダム一般生徒:生徒が一礼して、門を開く。
ジェシカ・クロフォード:「丁重な出迎え、痛み入る」
ジェシカ・クロフォード:出迎えた生徒を一瞥し、校内へと歩みを進める
ジェシカ・クロフォード:生徒はまるで睨まれたかのように感じるかもしれないが、本人はそんなつもりはなく、日々の疲れと睡眠不足のせいで眉間にシワが寄っているだけだ
GM:時刻は既に深夜だが、昼のキングダムに劣らず活気がある。運動場で競技をする者。怪しげな露店を開く者。
GM:街路樹の合間に見える異形の姿や、空を飛び交う影も生徒だ。キングダム定時制は、人外の血を入れた混血種のオールドオーヴァードを主とする学区である。
ジェシカ・クロフォード:(相も変わらぬ伏魔殿ぶりだ)
ジェシカ・クロフォード:(さて、これが味方である内は実に頼もしくあるのだが)
???:「相も変わらず、この世が滅んでしまったような顔だな」
GM:校庭をよぎる途中、庭園の方角から声があった。
???:「親族が全部滅びでもしたか?ジェシカ」
ジェシカ・クロフォード:「違うよ。」
ジェシカ・クロフォード:「これは滅んでしまったことを悲しむのではなく」
ジェシカ・クロフォード:「これから来る滅びを憂いている顔だ」
ジェシカ・クロフォード:至上王足下の円卓、それはかの王の足に敷かれた薄氷に他ならぬのだから
GM:夜の庭園で花の世話をしているのは、黒髪に赤い瞳を持つ少女だ。夜闇にあっても一際目を引く美貌を持つが――
GM:それは彼女が吸血鬼の混種であるからだ。"血統王"バージニア・ダネシュティ。

"血統王"バージニア・ダネシュティ:「迎えに行く手間が省けた」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「いや、この様子だと、待たせる手間が省けたと」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「言うべきかな」
ジェシカ・クロフォード:「相変わらず」
ジェシカ・クロフォード:「卿の言い回しは難しいな」
ジェシカ・クロフォード:「私は君たちを全面的に信頼している。」
ジェシカ・クロフォード:「なれば、私がここに足を運ぶのに駆け引きも何も必要ないと思うのだがね」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「気付かずにすれ違っていたなら、己が花の世話を終えるまで、二十分は待たせていた」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:握った手を口元に当てて、くく、と小さく笑う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――ここで見つけられてよかった、という話をしているのだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「もちろん歓迎する。一緒にテラスにでも行こう」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、案内してくれ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「紅茶は前と同じものでいいか?」
ジェシカ・クロフォード:「それでかまわない。」
ジェシカ・クロフォード:「いや、砂糖だけは多めにしてもらえるか?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ほう。好みが変わったのか」
ジェシカ・クロフォード:「いや、近頃は厄介な案件が多くてな。」
ジェシカ・クロフォード:「少しは脳を糖分で労ってやらねば」
ジェシカ・クロフォード:「いつ身体に裏切られるかもわからんのだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君の身体ならば」また愉快そうに笑う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「それは違いないな」



中枢校舎 三十六階テラス

GM:バージニアが管理する最上層部のテラスからは、定時制から全日制に至るまでの夜景を一望できる。
GM:互いの目の前にあるグラスには、どちらも赤い液体が満たされている。ジェシカのそれは紅茶だが……
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――用件を当ててみせようか?」
ジェシカ・クロフォード:「ふむ」
ジェシカ・クロフォード:「それは面白い趣向だとは思うが」
ジェシカ・クロフォード:「あいにく今は、それに相応しいお返しがなくてな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「遊び心のないやつめ」
ジェシカ・クロフォード:「それに君にはわかりきっていることだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「すまないが、今はホームズに驚嘆するワトスンにになる気分にはなれなくてな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「まあいい。先日の東三十七区爆破事件。それだろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:テーブルの上で手を組んで、身を乗り出す。
ジェシカ・クロフォード:紅茶のカップを机に置き、静かにうなずく
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「キングダム生の暴動に端を発する爆破テロで、ライフラインが一時寸断された」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「その主犯として、我々定時制の生徒の名が挙がっている――」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「私は、人格も能力も含め卿という存在を全面的に信頼している。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、円卓を含む全日制の生徒総てがそうであるわけもなく」
ジェシカ・クロフォード:「私も、君の存在の外にあるものについては、そこまでも信頼を置くことはできない。」
ジェシカ・クロフォード:「ということだ。」
ジェシカ・クロフォード:今ならば、"血統王"の立場は保証できる。
ジェシカ・クロフォード:言外にそう告げている
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己も、今回の一件の重大さは理解しているつもりだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「すまなかった」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「定時制の犯人を挙げる必要があるのであれば、こちらでも捜査に協力しよう」
ジェシカ・クロフォード:「謝罪は受け入れさせてもらう。"至上王”の代理としてな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"至上王"の代理としてか」
ジェシカ・クロフォード:「不満か?君たちの営みを保証するに、これ以上ない立場だと思うが」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「いや?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「それならばそれで、"至上王"の代理としての君に聞いて欲しいこともある」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「今回のような事件は起こってはならぬことではあるが――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「定時制の生徒には不満を抱えている者も多い」
ジェシカ・クロフォード:「うむ…」
ジェシカ・クロフォード:深くなった皺を隠すように、眉間を抑える
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「『八月革命』では、我々も命をかけて戦い抜いた」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「もしかしたら、全日制以上に。そう信じている者も多いだろう」
ジェシカ・クロフォード:"血統王"の言葉の端は静かなものだが、彼女がそういうということは彼女でも抑え切れないほどの、或いは彼女自身が少なからぬ不満を持っているということだろう。
ジェシカ・クロフォード:「わかっている。それは我々の不備だ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「にも関わらず、今の円卓議会に……混血種は何人いる?」
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:言葉が止まる
ジェシカ・クロフォード:利益の分配に関してことだと思っていたが、そこに踏み込んでくるか。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「フフフ、竜はいるな。あの竜王……敵であった時間の方が長いというのに」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど。」
ジェシカ・クロフォード:「それは確かに”至上王”にしか投げられぬ問いだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:グラスを傾ける。「すまない。君を困らせるのは本意ではなかった」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「あくまで、"至上王"への代理に対しての言葉だ。分かるだろう?」
ジェシカ・クロフォード:「ああ」
ジェシカ・クロフォード:「利益の分配に不備があるならば、私の責任だ。」
ジェシカ・クロフォード:「私の存在は学園の平穏と発展のためにある。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、君たちがそのシステムの庇護下以上の力で持って定時制を守りたいというのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「その思考は十分に理解できる。」
ジェシカ・クロフォード:「この学園では、自治を維持するのに必要なのは何よりも力であり。」
ジェシカ・クロフォード:「その力の象徴こそが、円卓だからな。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ああ。我々に必要なのは金ではない。妖異へと金貨を与えたところで、果たしてどこで使うものやら……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ワイングラスの中で回る液体を横目で見る。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「しかし、混血種も何かを食わねば生きていけないのだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「謎掛け遊びには付き合ってくれないだろうが。それが何かは分かるか?」
ジェシカ・クロフォード:「卿らに必要な栄養素は或いは人間以上に多岐に渡る。」
ジェシカ・クロフォード:「それを一口で表す語彙は、残念ながら持ち合わせていないな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「そうとも。血。獣。宝石。森の精気……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……普通の人間ならばどれかを答えるものだが、やはり君は」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「間違った答えが間違いであることだけは、すぐに分かるのだな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「謎掛けの答えは」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「誇りだ」
ジェシカ・クロフォード:「…ふむ」
ジェシカ・クロフォード:最初に頭に浮かんだ言葉であり
ジェシカ・クロフォード:学院の内政を預かる人間として、もっと聞きたくななかった言葉
ジェシカ・クロフォード:それが"血統王"の艶やかな唇によって刻まれるのを、静かに受け止めた。
ジェシカ・クロフォード:「不躾な問をさせてくれ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「不躾なことなんてないさ」
ジェシカ・クロフォード:「それは、定時制を預かる"血統王"としての言葉か?」
ジェシカ・クロフォード:「それとも、バージニア・ダネシュティという一人の少女が」
ジェシカ・クロフォード:「そのような思考を重ねているのか。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……。どちらでもある。王として、民の上にあるということは……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「自分自身が、民の意の鏡であるかのように思い、そうなることを望むことだと思っている」
ジェシカ・クロフォード:「立派なことだ。」「民も臣下も省みぬどこぞの王にも聞かせてやりたいよ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「だが、それでも、己は思っているよ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君と戦いたくはない」少し寂しそうに笑う。
ジェシカ・クロフォード:「私もだ。バージニア」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「なぜだろうな。茶目っ気もなく仏頂面で、冗談もまるで言ってくれない君のような女が」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「昔と同じような紅茶をここで飲んでくれることを嬉しく思う」
ジェシカ・クロフォード:この言葉が友誼のためなのか。或いは内戦による損害を無意識下で計算したが故に出たのか。自分にもわからなかった。
ジェシカ・クロフォード:無為な思考に囚われたまま、紅茶を口元に運ぶ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「キングダムという機構は、もはや君抜きでは回らんだろう。だが……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ジェシカから顔を背けて、夜景の光を――不夜王が今なお維持し続けている、秩序の光を見ている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「損失かもしれん」
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:カップを机に置く。カランと軽やかな音が響く。
ジェシカ・クロフォード:「美味いお茶だった。」
ジェシカ・クロフォード:「卿が喜んでくれるのなら」
ジェシカ・クロフォード:「また席を共にしよう。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「もちろんだ」目を閉じる。
ジェシカ・クロフォード:「同じ場所、同じように輝く夜景を見ながら」
ジェシカ・クロフォード:──だから、早まるな
ジェシカ・クロフォード:とは言えなかった。
ジェシカ・クロフォード:その疑念が、ギリギリのところで平衡を保っている彼女の立場に
ジェシカ・クロフォード:決定的な亀裂を入れるような気がして



GM:オープニング終了です。ロイス取得のみが可能。
ジェシカ・クロフォード:"血統王"バージニア・ダネシュティ/信頼○/警戒
ジェシカ・クロフォード:以上で!


◆Opening◆アメリア・シュミット

GM:では、アメリアさんのOPにまいります。
GM:侵蝕ダイスをどうぞ。
アメリア:32+1d10
DoubleCross : (32+1D10) → 32+10[10] → 42

アメリア:フルスロットル



キングダム学区 商店通り

GM:生徒達が賑やかに行き交う、白昼の商店通り。
GM:アメリア・シュミットはその只中を行く。目指しているのは、この区画の中心とも言える総合百貨店――
GM:『プロンプト』である。
アメリア:「~♪」浮遊する車椅子に乗り、鼻歌交じりに、優雅な速度で進む
アメリア:正直、休日に出動することになったのには不満はあるが
アメリア:こうして町並みを歩けて(歩いてはいないが)、しかも目的地が百貨店だなんて
アメリア:それだけでワクワクする、というものだ
GM:今回の目的は、王鍵候補遺産の回収。その一つ――"オズマメガリス"が『プロンプト』に運び込まれることを確認した。
GM:誤情報や見間違えの余地はない。なぜならアメリア自身の監視網がそれを捉えたからだ。アメリア・シュミットはキングダム最高峰の情報能力者である。
GM:アメリアは"元老"の指示を受け、その押収任務へと向かうところだった。とはいえ。
GM:所在がわかっているものを引き渡してもらえばいいのである。遺産を回収班に引き渡した後は商店街で休日を楽しむのもいい。
GM:そのうち、車椅子は百貨店に到着する。
アメリア:「キキ―ッ……と」
社会人:「いらっしゃいませ、お客様」入口の店員が一礼する。
アメリア:「どうも、私です、私」
アメリア:顔を指さす
社会人:「はて。予約などございましたでしょうか」
社会人:「生徒証のID照合が必要でしたら私の胸元のリーダーにかざしていただければ……」
アメリア:「むむ……顔パス、憧れていたんですが」
社会人:「お買い物でしたらごゆっくりお楽しみくださいませ」
GM:もちろん、支配人にアポを取る必要があるのだ。
GM:だが事態が事態だ。身分を明かし、遺産管理委員会としての権限を使えば接触することは容易である。
アメリア:「遺産管理委員会のアメリアです……と」手帳に挟んでいた生徒証を、社会人の胸に押し当てる
社会人:「むむ!」
社会人:「確かに……遺産管理委員会の、アメリア・シュミット様」
アメリア:「ふふ、控えおろう……」
社会人:社会人のバイザーに浮かぶ表情が笑顔に変わる。
社会人:「これは失礼しました!」
社会人:「ご案内が必要でしたら、なんなりとお申し付けくださいませ」
アメリア:「では早速……責任者を呼んでちょうだいな」
アメリア:「プロンプト015Cさん」
社会人:「支配人ですね。かしこまりました!」



プロンプト 応接室

GM:キングダム校舎とは異なり、ごく最小限の机と椅子のみが据えられた応接室。
GM:そこに招かれてわずか3分ほどで扉が開き、目当ての相手が現れた。

プロンプト015C:「ごきげんよう。アメリア・シュミット嬢」
プロンプト015C:「プロンプトの支配人、プロンプト015Cです」
アメリア:「ごきげんよう……お忙しいでしょうに、ありがとうございます」
プロンプト015C:「いえいえ。遺産管理委員会からの要請ということでしたら、直接応対しなければ失礼にあたるというもの」
プロンプト015C:「水分や栄養素は必要ですか?従業員に持ってこさせますが」
アメリア:「ん~……せっかくなら!お勧めの紅茶やお菓子があれば、ぜひ」
プロンプト015C:「先日ジェネシスから入荷したばかりの新製品がございます」
アメリア:「会長や諸王へのお土産にもしたいですし……」
プロンプト015C:「オーガニック紅茶にかなり……従来品の60%増しの近似値で成分類似させたものとのことです」
プロンプト015C:「お気に召した暁にはぜひとも、お買い求めいただければ」
アメリア:「ふふ……では、用意してもらっている間に」
アメリア:「王鍵の引き渡しの件、済ませてしまいましょうか」
プロンプト015C:「……」
プロンプト015C:それまで饒舌だったプロンプト015Cは、やや沈黙する。
プロンプト015C:「そちらの車椅子」
プロンプト015C:「なかなか面白い機構をしております。どちらでお買い上げに?」
アメリア:「?これは……言わば非売品です」
プロンプト015C:「ほう!もしやハンドメイドでそこまでの完成度を!」
アメリア:「ノヴァリスこちらに来る時授けられ、私の手でも改造を施してます」
アメリア:その場でくるりと回る
アメリア:「えへん……!」
プロンプト015C:「……ふうむ。"外"の品でしたか。食料品や書籍ならともかく」
プロンプト015C:「機械技術に関してはかなりこちら側とレベルに差異があるようです」
プロンプト015C:「いかがでしょう?是非とも構造情報を我々にご販売いただければ……」
アメリア:「あら!商談ですか?」
アメリア:「でもごめんなさい、私用にかなり専用の調整をしていますし」
アメリア:「こちらの……『プロンプト』の全てとも」
アメリア:「とても釣り合わない価値のものですから……」
アメリア:「私、払えないものを要求する気にはなれません」
プロンプト015C:「なるほど。ブラックドッグ用兵器や、それこそ遺産と同じような個人チューニングがあると。ふむふむふむ」
プロンプト015C:「そうでした、以前から疑問だったのですが、よい機会です。あの遺産の適合性というのは一体どのように――」
GM:先程から
GM:様々な手管を用いて、『本題に入らせない』ようにしている。
アメリア:「社会人の方はなんでもズバッと、単刀直入に話を進めるイメージがありましたけど」
アメリア:「あなたって面白い!いろんなお話をしてくれて……おモテになるのでは?」
プロンプト015C:「……」
プロンプト015C:「いやあ、仕事柄年中多忙なもので!」
プロンプト015C:「それに私のような管理型の社会人は、アミューズ型などと比べれば人気などとても……」
アメリア:「ビジネスマンともなると、いろんな付き合いもあるのかしらね……なんて」
アメリア:「もっとお話ししたいけど……”本題”を済ませない内は、ちょっとそわそわしてしまいます」
アメリア:「お喋りは、その後に……ね?」
GM: ズ ド ン !
GM:それと同時、地震めいた振動が応接室に響く。
GM:何かが爆発した音だと分かる。
アメリア:「!?」
社会人:「支配人~!大変です!」
社会人:「地上フロアで生徒達が暴動を起こしています!爆発物も投げ込まれて、損害額は推定で532万2310……」
アメリア:「天気は良かったですし……暴動日和ということでしょうか……!」
プロンプト015C:「ぬう、なんということだ……」
プロンプト015C:「アメリア・シュミット嬢。すぐに避難を」
プロンプト015C:「私もお客様を誘導して安全を確保します」
アメリア:「ええ!お元気で……!」
GM:ドガン!!
アメリア:「きゃあ!」
GM:再び爆発。少なくとも、この場にとどまっているのが危険なのは確かなようだ。
社会人:「お客様!こちらへ早く!」
アメリア:導かれるまま、避難経路を進む
アメリア:でも、プロンプト015Cのことも心配だ。万が一のことがあったら……
アメリア:念のため、彼に”マーク”しておいた ドローンや鴉が、自動で彼を負い、情報を伝えてくれるように
アメリア:アメリアにとっては、全くの善意で
GM:では、連絡路を進むと
GM:ダダダダダダ!
社会人:「ぎゃあ!」
アメリア:「ああそんな!」
GM:銃弾が飛び、流れ弾を浴びた社会人が倒れる。
GM:通路の向こうに、複数人の学生がいる。あの制服は――
定時制不良生徒A:「おい、なんだこの女!」
定時制不良生徒B:「百貨店のやつじゃねーだろ!放っとけよ!」
アメリア:「なんだかんだと聞かれれば」
アメリア:「答えて差し上げるのが世の情け……遺産管理委員会副長」
アメリア:「”鴉飼”(ドミヌス)……アメリア・シュミットとは私のことですが?」
定時制不良生徒A:「え?」
定時制不良生徒B:「別に聞いてないんだけど……」
アメリア:「そんなぁ……」
定時制不良生徒A:「とにかくこんな奴はもういい!金目のもんは大体盗ったろ!」
定時制不良生徒B:「そうだな、これくらいありゃ計画の資金も……」
アメリア:鴉型ドローンでスキャンした画像から、定時制の生徒であると分析
アメリア:「何やら物騒なお話!私にも聞かせてくれませんか~」
アメリア:ちょっと優雅じゃない速度で、定時制不良生徒に接近!
定時制不良生徒A:「う、うぜ~!なんでこんなグイグイ来るんだよこいつ!」
定時制不良生徒A:「どう見たって強盗だろ!わかれ!」
アメリア:「強盗の相手をいつもしてるんですよ私は!」
定時制不良生徒A:「はあ?そりゃどういう……」
アメリア:「何を隠そう”鴉の塔”の警備をしているのは……」
アメリア:「あっ」勢いあまって定時制不良生徒たちとあわや衝突しそうになる
定時制不良生徒A:「うわ!」
定時制不良生徒A:「あっぶねーな!」銃を突きつける。
定時制不良生徒B:「安全運転しろやこら!」
定時制不良生徒B:「そうだ!こいつの椅子!」
定時制不良生徒B:「逃走用に使えるんじゃねーか?」
アメリア:「え?」
定時制不良生徒A:「なるほどな……おい、そこ降りろ」
アメリア:「そ、そんな……か弱い私にそんなこと……」
定時制不良生徒A:「いやか弱いかどうかの問題じゃないだろ!なんでこの期に及んでまだ瞳がピュアなんだよ!?」
アメリア:涙目で両手を上げ
アメリア:振り下ろすと同時、背後から放たれた光線が、定時制生徒2人の腹を貫く
定時制不良生徒B:「これ一人乗りだけどどうすグワーッ!?」
定時制不良生徒A:「ギャアーッ!?」
アメリア:戦闘用にチューニングした鴉型ドローンによるものだ
定時制不良生徒B:「え、そんな……なんで!?」床にブッ倒れている。
定時制不良生徒B:「あのやり取りから突然殺人光線撃ってくることあるか!?」
アメリア:「ふふふ、手札は隠しておくものですよ」
アメリア:「情報アドバンテージというものです」
アメリア:「……それでは、ここは危ないので」
アメリア:「頑張ってくださいねー!」優雅さを超えたスピードで避難経路を進む
GM:爆発する百貨店の中から、優雅を超えて脱出!
アメリア:ふわぁ……優雅な着地
GM:見事に窮地を乗り越えた。優雅な着地を決めて、顔を上げると、そこにはちょうど二人の生徒がいる。
ルキア・ティベリア:「あ」



GM:ロイス取得のみが可能です。
アメリア:ロイス プロンプト015C 〇興味/不安
アメリア:これで~
GM:あれでN感情じゃないの、心優しすぎる
GM:ということで本日の進行は以上となります。次回は月曜21時にアルルさんのOPから!よろしいでしょうか?
任アルル:大丈夫です!


◆Opening◆任アルル

GM:アルルさんは登場侵蝕をお願いいたします。
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (34 → 36)



キングダム定時制 廃墟

GM:巨大かつ瀟洒な建造物が立ち並ぶ全日制の学区に比べ、定時制の学区には、ところどころ荒れ果てた廃墟のような領域がある。
GM:この廃墟も、"血統王"が統べる中枢校舎からそう離れているわけではない。
GM:人外の者が暮らす限り、少しずつその領域は秩序を失い、混沌としていくものであるのかもしれない――
GM:任アルルがここを訪れたのは、依頼によるものである。
GM:キングダム定時制からの、崑崙山への派兵依頼。誰かを指名しての依頼ではなかったが、
GM:ならば赴く者は、崑崙山最強の"五星君"でも構わない。
GM:廃墟の柱に寄り掛かって、屋上に座り込んで、あるいは地べたに寝そべって、既に集っている者達がいる。
GM:……それが、任アルルの依頼主達だった。
"月下王"州来マカミ:「驚いた。本当に来るなんて」
"月下王"州来マカミ:「"游随辰星"……てっきり名前を騙る偽物が受けたんだと思ってた」

"月下王"州来マカミ:"月下王"州来マカミは、耳のように飛び出た白髪頭の、小柄な眼鏡の少女だ。
任アルル:「仮にそーだったとしても、来るのは結局わたしだったでしょうね」どこか舌足らずな口調で言い、くすと笑う。
"月下王"州来マカミ:「確かに。"五星君"が半端者に名前を貸すのを許すはずがない」
任アルル:薄手でごく裾の短い、絹の夜着一枚だけの姿。足を内に折り楚々と座す姿勢を取っているが、その腰は地面と接していない。浮いているのだ。
任アルル:およそ称号に似つかわしくない装いに、かつて傷付いたことがないかのような白く滑らかな肌。月の下で舞う妖精か、あるいはこのような場所にあっては、旅人を底なし沼に誘う女怪の如く、人の目には映るであろうものか。
"羽檄王"長持サラス:「でも、ほんとに強いのかなぁ?」
"羽檄王"長持サラス:右手の建物の屋上――三階以上が崩れているためそう見えるだけだが――に座っている女が、声を発した。

"羽檄王"長持サラス:青く長い髪と、豊満な体つき。しかしその両肘から先は白い鳥の翼だった。
"羽檄王"長持サラス:「思ってたより、筋肉とかなさそーだし」
"羽檄王"長持サラス:「試してあげたほうがいいんじゃないの?」
"羽檄王"長持サラス:"羽檄王"長持サラスという。王を名乗っているが、まだ番外の席次としては登録されていない。
任アルル:「かまわないですよ。あなたが?」
"羽檄王"長持サラス:「あはは!あたしがやってもいい?」
任アルル:「あるいはお友達と一緒でも」
任アルル:首を巡らし、その場に集う者たちを見渡す。羽檄王から視線を外す、いっそ露骨な誘い。
"羽檄王"長持サラス:「じゃあ。勝ったら」
"羽檄王"長持サラス:ズパッ、という音が鳴る。
"羽檄王"長持サラス:その時には、サラスは屋上にはいない。音速を突破して、空気が破裂する音だった。
"羽檄王"長持サラス:「片目をもらうね」
"羽檄王"長持サラス:アルルの背後上方から、打ち下ろすような蹴りを叩きつけるところだった。
任アルル:「“勝ったら”──」
任アルル:奇怪にも、声は薄衣の娘の姿が、水に垂らした絵の具のようにほつれて消えるその前に響いた。
任アルル:有翼ゆえの、宙に留まったままでの一撃。その足刀が残像を捉えるのと同時、ひやりとした感触が彼女の肌に触れる。
"羽檄王"長持サラス:「あれ」
"羽檄王"長持サラス:戸惑った表情を浮かべたと同時に、背後に肘を叩きつけようとした。が。
任アルル:右手は首筋を、左手は大きくはだけられた胸元を。見た目の印象を裏切らぬなめらかさで以て撫で上げた。
任アルル:「良いことですね。自身の武に誇りがあって」
任アルル:耳元で囁き、ついでとばかりに吐息を吹きかける。
任アルル:「わたしと戦いになるなんて思っている」
"羽檄王"長持サラス:「あっ。やだっ、この人」
"羽檄王"長持サラス:「手付きがやらしいよっ!えーん!」
任アルル:空中にある女の背後から、同じくその身を浮かせたままで抱きすくめている──戦に臨んでは維持できぬ術法を、言葉通りの現実として誇示するが如く。
任アルル:「わたしが勝ったら……一晩をもらおうかと思ったのですけれど」
任アルル:「子猫をあしらうだけの行いに、勝ちも負けもありませんものね。残念」そう言いながら、肉付きのよい体に味を占めたように手を這わせ続けている。
"羽檄王"長持サラス:子供のようにぴいぴいと鳴く。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「――見苦しいですよ。"羽檄王"」オリーブ色の髪をした生徒が、彼女らの下から見上げている。

"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:先程から、この少女だけが姿勢正しく佇んでいた。その両耳は長く尖り、包帯のようなもので両目を覆っている。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「せっかく依頼をお受けいただいた矢先、礼を失しました。任アルル様。彼女の処遇であればお任せします」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:番外第四十席、"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ。
任アルル:「任されちゃいました」
"羽檄王"長持サラス:「い、いやだあ!シャジャラ助けてようっ」
"月下王"州来マカミ:「……どっちにしても、サラスの考え通り、実力は図れた」
"月下王"州来マカミ:「いいことだと思う。私達と共に戦ってほしい」
任アルル:「私達と共に」意図の知れぬ復唱をする。「誰とでしたっけ?」
"月下王"州来マカミ:「円卓議会」
"月下王"州来マカミ:「"五星君"は、一騎当千の崑崙山において、なお最強の精鋭」
"月下王"州来マカミ:「相手が円卓の王だとしても、戦えば……勝つのは"五星君"だと私は思う」
任アルル:「ふふ。さて」
任アルル:「実際どーだかは、試してみないと分からないでしょう」
任アルル:「機会があればと思ってたところ、です。お受けしますね」
"月下王"州来マカミ:「ありがとう。けれど、崑崙山の生徒なら誰だって――」
"月下王"州来マカミ:「断るはずがないと思っていた。戦えるものなら、戦いたいはずだから」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「"月下王"。私達の理念についてはご説明されないのですか?」
"月下王"州来マカミ:「別に……そういうのがなくても、戦いたい人間はいる」
"月下王"州来マカミ:「説明をしたいならあなたがして。シャジャラ」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……。アルル様は、我々キングダム定時制が置かれている現状をご存知ですか?」
任アルル:「学友の名誉のためにいちおー言っておくと、人の話を聞く気がある子もそれなりには居ますよ」理解して検討する気まであるかは別として。
任アルル:「幸運にもわたしもその一人です……定時制」
任アルル:羽檄王から右手を離して指先を口元に添える。「ううん。混血のあなたがたが所属していて……こーいう依頼をしてくるからには、円卓に不満があるということくらいは分かります」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「我々は人ならぬものです。しかし、完全な人外というわけでもございません。それが混血の血統ということですから」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「かつて、そうした本物の異形――きっと今でいうジャームか、自意識発生前のレネゲイドビーイングと交わり」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「人の意志を以て異形の力を扱えるよう、一族を成した者達の末裔です」
任アルル:「ふむふむ」髪の毛先を指で巻いている。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「けれど私達が世界に認められる機会は、ついにこなかった。正常な姿すら捨て、レネゲイドの脅威を食い止め続けた私達が」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「大拡散を経てすら、UGNなる殺妖者どもは逆にレネゲイドを……我々の存在を、徹底的に覆い隠そうとした」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ノヴァリス計画は、私達混血が再び世界を取り戻すための戦いでした」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……ですがFHすら私達を見捨てました。全てが利用され使い潰されるだけのものだったと分かった時、私達は革命側につきました」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「それでも、なお、今」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私達は光を取り戻せていない。なぜでしょうか?」
任アルル:「日の射す下に出ていきたいのですか?」
任アルル:羽檄王の服の下まで指先が伸び始めている。
"羽檄王"長持サラス:「ああっ……」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「純人に代わって主権を握り、栄華を謳歌したいとまでは望みません」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ただ、認められたい。力を、功績を……存在を。ご理解いただけるでしょうか?」
任アルル:「……」
任アルル:「ええ。それはよく分かります」
"月下王"州来マカミ:「興味ある人はいないよ」
"月下王"州来マカミ:「そんな話を聞かせたって」
"月下王"州来マカミ:「別に私達は革命の同志を求めてるわけじゃない。対価を払って、戦ってもらう。それだけ」
任アルル:「ま、それもそーですね」
任アルル:「わたしはUGNなんて大して知りませんし……歴史の裏でレネゲイドの脅威を食い止め続けたこともない」
任アルル:「軽々しく気持ちが分かるなんて、言ってはいけなかったかも」笑う。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……」
"月下王"州来マカミ:「勘違いしないでほしいけど。私達だって、真正面から円卓議会とやりあって勝てるとは思ってない」
"月下王"州来マカミ:「でも、キングダムを崩すだけなら、そんなことをする必要はないんだ」
任アルル:「ふむ?」
"月下王"州来マカミ:「どこにでも現れ、どこからでも消える。単体最強の"五星君"にあって、誰よりも神出鬼没の使い手……」
"月下王"州来マカミ:「あなたに消してもらいたい標的が一人いる」
任アルル:首を傾げて見せる。
"月下王"州来マカミ:「円卓議会第二席、ジェシカ・クロフォード」
"月下王"州来マカミ:「"不夜王"を始末して欲しい」



GM:ロイス取得のみが可能です。
任アルル:"月下王"州来マカミ ○興味/正面からはやらない
任アルル:サラスちゃんどうしようか迷ったけどひとまずこれだけで……
GM:ちなみにサラスちゃんはどうしたんですか?
任アルル:離してやった
GM:よかった~
GM:安心して全年齢として出すことができると思います
GM:それでは本日はここまでです。次回は水曜21:00に、やや変則的な合流シーンから開始します。
GM:よろしくね~
七十橋シスル:わあい! 楽しみ~
任アルル:了解です!どうなるのかなあ
アメリア:優雅にショッピングしながらなのかな


◆Middle01◆プロンプト爆破事件

GM:こちらのタブでは、シスルさんとアメリアさんの合流シーンを行います。
GM:二人の侵蝕率を上昇させてください。
七十橋シスル:1d10+46
DoubleCross : (1D10+46) → 1[1]+46 → 47

七十橋シスル:なんだこいつ……。
アメリア:42+1d10
DoubleCross : (42+1D10) → 42+10[10] → 52

アメリア:相対的すぎ
GM:シスルは私と一緒にいてドキドキしないの?
七十橋シスル:しません! しまァす!
GM:チェンソーンマンだ

キングダム学区 商店通り

GM:爆発の余韻が、まだ通りの窓を小さく揺らしている。
GM:たった今爆発した百貨店プロンプトから飛び出してきた女は、遺産管理委員会の副長、アメリア・シュミットだった。
GM:先程までまさに、この店に入ろうとしていたシスルとルキアの目の前で……
七十橋シスル:「あァ?」
アメリア:ぱちくりぱちくり。瞬きをして。
アメリア:「ご……ごきげんよう~……」
七十橋シスル:変わった車椅子で、華麗に着地を決めた女を睨む。
ルキア・ティベリア:「……」こちらもぱちぱちと、まばたきをしている。
七十橋シスル:「お前、確か倉庫番トコの」
七十橋シスル:自分と至上王に当たりそうな硝子の破片をばしばしと弾き、サングラスを僅かにずらす。
アメリア:「そ……その突き刺すような眼光は!」
アメリア:「拷問王さま!」
七十橋シスル:「あァそうだ。平身低頭して媚び諂えって言うとこだが、特別に省略してやる」
七十橋シスル:「遺産倉庫の鴉飼いだろ。なんだコリャ」上を顎で示す。
ルキア・ティベリア:「なんで爆発してるの?」素朴な疑問。
アメリア:「私はただ、ショッピングをしに……ではなく」
アメリア:「遺産の回収に赴いたところ……なんか……爆発して……」
ルキア・ティベリア:「ええ~~」
ルキア・ティベリア:「髪のケア用品買いにきたのに」
七十橋シスル:「爆発? 遺産? そりゃ……」
七十橋シスル:興味深い話題だ。遺産管理委員会の遺産回収に手を貸せたら大きなポイント稼ぎになる………………が
七十橋シスル:が! 今はそれよりも100倍重要な最重要課題が、背後で頬を膨らませている!
アメリア:「あ……そうでした!あのビルの中で、定時制の子たちに遭遇しました」
七十橋シスル:「別にここじゃなくても、目当ての店なら他にもある……定時制?」
アメリア:「襲ってきましたし……犯人はあの子達でしょうか!反乱ですかね~」
七十橋シスル:「『反乱ですかね~』」
七十橋シスル:「じゃねェよ!」
七十橋シスル:視線を、背後と前に行き来させている。
アメリア:「ひぃん!でも怪しい動きは最近ありましたし~……」
七十橋シスル:ざっざっざと近づき、座ったままの少女に顔を近づける。
七十橋シスル:「いいから。今、ここで、そういう情報を言うな」
七十橋シスル:「理由は聞くんじゃねえ。何でもだ」
アメリア:「むぐっ……」
七十橋シスル:アメリアさんの口を押さえ込むように顎を掴む。
ルキア・ティベリア:「反乱かどうかは、別にいいんだけど」
ルキア・ティベリア:「定時制の子達はちゃんと逃げられたの?」
ルキア・ティベリア:「爆発したんでしょう?」
七十橋シスル:「遅かった……」
七十橋シスル:げんなりしながら口を離す
アメリア:「え?えーっと……」至上王と拷問王、二人の顔を交互に見やり
アメリア:「大丈夫でしょう……きっと!爆発くらいでやられるほどやわなら、あんなことしないと思いますし!」
七十橋シスル:「……だー畜生。爆発って、何か盗ってったりしてねえのかよ」
七十橋シスル:「ここは特別どこの王の圏内ってわけでもねー筈だろ」
アメリア:「……それについてなのですが」こそこそと、拷問王にだけ聞こえる声で
アメリア:「こちらの百貨店には……所在不明だった王鍵の一つが運び込まれておりまして」
アメリア:「それが盗まれたという可能性も……無きにしもあらずで……」
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:「テメェが居るんならそりゃそうかよ……クソッ」額に手を当てる。
アメリア:「それよりも~……至上王と二人きりだなんて~」
アメリア:「おデートですか?この私もお二人の仲がそうとは知りませんでしたよ~」にまにまと
ルキア・ティベリア:「ふふふ。そう見える?」ぎゅっとシスルに肩をくっつける。
七十橋シスル:「違ェよ! 乗んなやマイロード」
七十橋シスル:「日程合わせて休暇取って周りにバレねえように出歩いてるだけだ……!」
ルキア・ティベリア:「ねえシスル。あと、アメ……」アメリアを指さしている。
ルキア・ティベリア:「アメ……アナ、だったっけ?なんとか」
ルキア・ティベリア:「いいことを思いついたんだけど」
アメリア:「はい!アメリアです。アメリア!」
七十橋シスル:「(アメリアですじゃねえよ! つーかなんだこいつ! 心臓が羽毛布団で出来てんのか!?)」
ルキア・ティベリア:「そう、アメリア。定時制の子たちを助けてあげたらどうかしら?」
GM:3人の眼前では、プロンプトが今なお大炎上を続けている。
七十橋シスル:「(ちゃんと教育しろよあのワビサビかぶれ!)……ああ? 助けるゥ?」
ルキア・ティベリア:「だって、取り残されてるんでしょう?」
アメリア:「おお至上王……なんて慈悲のお心」
ルキア・ティベリア:「定時制の子達だって、キングダムの生徒なんだから」
ルキア・ティベリア:「助けてあげると喜ぶんじゃないかな?」
GM:慈悲の心などでは全くないことをシスルは知っている。
GM:この火災の中に、二人で飛び込めと言っているのだ。
アメリア:「このアメリア、感服いたしました……今すぐ救助に向かいましょう!」
七十橋シスル:「偉大なりしマイロードは?」
ルキア・ティベリア:「私はここで待っているわ」
ルキア・ティベリア:「それとも、一緒に来てほしいの?」
七十橋シスル:「まさか、まさか。お気遣いなく」
七十橋シスル:純白の髪に灰のひとかけでもついたら、この建物……区画ごと、丸ごと消失しかねない。
ルキア・ティベリア:路肩の消火栓に腰掛けて、百貨店を見上げている。
ルキア・ティベリア:「二人だけで話したいことだってあるでしょう?」
ルキア・ティベリア:アメリアの先程の囁き話のことだ。
七十橋シスル:「まさか。キングダムの麗しき頂きたる至上王に、隠し事なんて」
七十橋シスル:「するかどうかは別としてマジでクレープでも食べて待ってて頂けるとこの上なき幸せ」
ルキア・ティベリア:「お願いね」
七十橋シスル:ばしっと礼をした後、早足で歩きながら車椅子の背もたれを掴んで引っ張る。
七十橋シスル:「オラ行くぞ飼育係!」
ルキア・ティベリア:通りかかった小等部の少女に本当に貨幣を渡して、クレープを買いに行かせている。
アメリア:「あ、私もクレープ……」指を咥えながら滑らかに引っ張られていく

プロンプト 店内

GM:大火災の只中に、シスルとアメリアは飛び込んだ。飛び込まされた、と言ってもいいが。
GM:頼りになるのはアメリアの記憶だけだ。とりあえず、定時制生徒が出現した連絡通路までの経路は覚えているが……
GM:倒壊した柱や天井などの障害物が散乱している。
GM:〈白兵〉か〈射撃〉で難易度10。ペナルティなどはないので気軽に判定チャレンジしてください。
アメリア:いきます!アメリア・パンチ!
アメリア:1dx+1>=10 白兵
DoubleCross : (1DX10+1>=10) → 9[9]+1 → 10 → 成功

七十橋シスル:くっ……侵蝕のことを考えて素打ちするしかないぜ
アメリア:えっ
七十橋シスル:必中の弓で攻撃
七十橋シスル:5dx+14
DoubleCross : (5DX10+14) → 10[4,5,6,7,10]+8[8]+14 → 32

GM:ではアメリアパンチとシスルビームが障害物をふっ飛ばすことでしょう。
七十橋シスル:アメリアパンチ強いな……
アメリア:「岩をも砕く~……」
アメリア:「アメリア・パーンチ!」
アメリア:座ったまま、へにゃへにゃなパンチを繰り出し
アメリア:背後の戦闘用ドローンが出したビームが瓦礫を破壊する!
GM:ドカーン!!!
GM:瓦礫が爆発四散!
アメリア:「ショーユアムー!」
七十橋シスル:「"生まれ落ちよ 翳りの子"」
七十橋シスル:足下から広がった影の茨が、通路を先々まで覆い尽くし、
七十橋シスル:火事で脆くなった通路を支え、留めている。
GM:視界が完全に開けた。アメリアのビームで火炎や煙が吹き飛んだためか、
GM:通路の向こうで倒れている生徒達の姿も確認できる。
定時制不良生徒A:「うう……」
定時制不良生徒B:「お腹が()いて動けない……」
GM:当然のことだが、生きてはいるようだ。
七十橋シスル:「舐め腐ってんのか……」 放置しても十字冠が作動するだけだろう。
七十橋シスル:「こいつらか?」
アメリア:「あれは……私のビームの餌食となった方たち!」
アメリア:「そうです!」
七十橋シスル:「OK。仕方ねえ、オフだってのに、部長らしい仕事をするか……」
GM:そうつぶやき、七十橋シスルが近づこうとしたのと同時だった。
???:ごぼり
???:床下から、まるで水面から突き出したかのように
???:白い手が生えて、定時制の生徒を掴んだ。
七十橋シスル:「あ?」
???:「君達……逃げ遅れたのか?」
???:ズズ……
???:ざば、という音が立ったかのように思える。そう錯覚しそうなほど、硬い床を水面のようにかき分けて
"暗礁王"サルガッサム:黒いスーツの少女が現れている。ガスマスクのような、呼吸補助具を顔に装着していた。

"暗礁王"サルガッサム:「"拷問王"に"鴉飼"――まさか、逃げ遅れるような人間ではないだろう……」
七十橋シスル:「でけえ態度だな。お目々が見えてねえらしい」
七十橋シスル:「プール上がりには目を洗いましょうって習わなかったか?」
アメリア:「あなたは……!定時制の王の一人、暗礁王!」
"暗礁王"サルガッサム:「名前を知られているなんて、意外だったな」
GM:番外第三十六席。"暗礁王"サルガッサム。
GM:定時制の王。種族は、人魚。
七十橋シスル:「ふん。こっちは、単にそいつらを助けに来てやっただけだが?」
"暗礁王"サルガッサム:「私だってそうだ。利害は一致してる……だから、彼女らはこのまま安全なところに連れて行く」
七十橋シスル:「いいや。よく話も聞かなきゃならねえ。どうしてこんなことをしたのか……カウンセリングって奴だ」
"暗礁王"サルガッサム:「それも、こちらで聞いておこう」
七十橋シスル:「俺ァ医療部部長だ。そっちよりは確実だ」
"暗礁王"サルガッサム:「私は定時制の王だ」
七十橋シスル:「…………へえ」
"暗礁王"サルガッサム:「彼女らも、"拷問王"相手よりは心を開くだろう」
七十橋シスル:「心を開く、ね。そりゃ二の次だ」
七十橋シスル:影から茨が立ち昇る。「お前が連絡先を差し出して、報告書を上げてくれるってんなら考えてもいいが」
"暗礁王"サルガッサム:「さあ?私達が報告書を提出したとして、その記述を君達がそうですかと信じるかな……」
"暗礁王"サルガッサム:「そういったことには、あまり期待しないようにしている」
アメリア:「……あの!暗礁王!ひとつよろしいでしょうか!」挙手する
"暗礁王"サルガッサム:「……いいよ。何か質問でも?」
七十橋シスル:茨を撃ちかけようとして、隣の問いにつんのめる
アメリア:「……あなたは、彼女たちがこの暴動を起こした理由を……知らないということでよろしいでしょうか?」
"暗礁王"サルガッサム:「……どうかな。たとえ知らなくたって、推測することはできる……」
"暗礁王"サルガッサム:「圧政や差別的な扱いに、我慢ができなくなった。または単に、暴力衝動を抑えることができなかった……」
"暗礁王"サルガッサム:「あるいは……何らかの計画のために、利用された」
"暗礁王"サルガッサム:「君達でも、それくらいの仮説は立ててるんじゃないか?」
アメリア:「……そう、なんですか?」
アメリア:隣の拷問王に、こそこそと
七十橋シスル:「こっちに聞くな。アイツは思いつけること全部言ってるだけだ」
七十橋シスル:「それに、違ェな。このノヴァリスで暴動を起こす理由なんて、一つだけだ」
"暗礁王"サルガッサム:「……」
七十橋シスル:「"死んでもなんとかなる"って思ってる」
"暗礁王"サルガッサム:「そうかもしれないな。私も……君達だってそうだろう?」
"暗礁王"サルガッサム:既に体を屈めている。両手にそれぞれ、定時制生徒の襟首を掴んでいた。
七十橋シスル:「違うね――そうじゃねえと、痛みを教えてやるのが、医療部部長オ レの役割だ」
七十橋シスル:同時に、影の茨が走る。床を、天井を、黒い雷のように。
"暗礁王"サルガッサム:空間を埋め尽くす、不可避の茨。
"暗礁王"サルガッサム:だが空間の外を移動できる者がいたならばどうか。
"暗礁王"サルガッサム:生徒達が転がっていた床には、今は何もない。
"暗礁王"サルガッサム:"暗礁王"とともに、一瞬にして『沈んだ』のだ。
七十橋シスル:「……チッ!」
GM:茨には僅かに血が付着していた。"暗礁王"に一撃を喰らわせることはできたが、その途中で物質に潜り込まれたということになる。
七十橋シスル:「尻尾巻いて逃げやがった。……おい、あいつァ知り合いか?」
アメリア:「……いえ、お話しするのは初めてです」
アメリア:「王のお顔のお名前は、殆ど記憶している……というだけですから……」
七十橋シスル:「(だけじゃねえんだよそれは)」と思いつつも口には出さない。
七十橋シスル:「仕方ねえ。撤収すンぞ」
アメリア:「……至上王にはどう説明しましょう」
七十橋シスル:「功徳のために逃がした、って言っとけ」
七十橋シスル:「亀とか魚とか放流する験担ぎあんだろ、てめえんとこのトップから前に聞いた」
アメリア:「ああ、ジャパンの風習ですね」
アメリア:「そうですね……では、定時制の方々の豊漁のために……とお伝えしましょう!」
アメリア:車椅子の速度を上げる

キングダム学区 商店通り

ルキア・ティベリア:「誰も助けてこられなかったの?」
ルキア・ティベリア:ルキアは先程と同じく消火栓に座って、クレープを食べていた。
ルキア・ティベリア:「びっくりしたわ」本当に意外そうな表情。
七十橋シスル:「助けてやろうとはしたさ」
七十橋シスル:「だが恐れ多いってんで、自分から逃げてったよ。人魚の背中に乗ってな」
七十橋シスル:「そういうフェアリーティルあんだろ、確か」
ルキア・ティベリア:「あったかしら」
ルキア・ティベリア:「あったかも?」指を頬に当てる。
アメリア:「ふふ……これできっと今年は豊漁です……」
七十橋シスル:「マイロード。お前がトップに立つときに、定時制の生徒とやりあったか?」
ルキア・ティベリア:「ううん。『八月革命』の時は、みんな味方だったでしょう?」
七十橋シスル:「そりゃあ……そうだろうがよ」それ以前の話は出来ない。彼女の情報は、それより以前には存在しない。
七十橋シスル:「どうも、俺たちとお話したがってる……」言い直す。「今の体制に文句があるみてーだ」
七十橋シスル:「どうする? 苦情申し立て、聞いてやるか?」
ルキア・ティベリア:「んー……そういうのは、ジェシカのほうがよく分かると思うけど……」
ルキア・ティベリア:「話がしたいなら、聞いてあげてもいいかな」
ルキア・ティベリア:あまり乗り気ではないことが表情から分かる。楽しくないからだ。
アメリア:「……お茶会というのはどうでしょう!紅茶とお菓子があれば、きっと和やかで楽しくなるはず」
七十橋シスル:「食うモンが同じならな」
七十橋シスル:ルキアに不機嫌を推して立たせる? そんな選択肢が存在するわけがない。
ルキア・ティベリア:「シスルが行きたいなら、定時制に遊びにいってもいいわよ」
七十橋シスル:「俺ァ下剋上するのは好きだがされるのは大嫌いでね」
七十橋シスル:「至上王のお手を煩わせるには、二つ三つ早ェよ」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「じゃあ、シスルに任せようかしら」両手を合わせる。
ルキア・ティベリア:「アメリアも、手伝ってくれるわよね?」
アメリア:「至上王のお言葉、断るはずもありません!」
七十橋シスル:「両手両足ふんじばって、御身の前に連れてこようか」
七十橋シスル:「それならもう少しは楽しくなるだろ?」
七十橋シスル:唇を釣り上げて言う。半分冗談、半分本気。
アメリア:「あら、ワイルド」
ルキア・ティベリア:「面白そう」
ルキア・ティベリア:「デートしながら、いろいろと聞いてみましょうよ。定時制のこと」
七十橋シスル:「そこは続けるのかよ。マイロードが狙われてる可能性だって……」
七十橋シスル:言いかけて、流石にそれはねえな…………と言葉が途切れる。
七十橋シスル:「(現体制への不満があるなら……武力武門トップの第三か、)」
七十橋シスル:「(もっと直接的に根幹を支える第二あたりを狙うか? さて……)」
ルキア・ティベリア:「大丈夫!」なぜか嬉しそう。
ルキア・ティベリア:「今日狙われても、シスルが守ってくれるでしょう?」
七十橋シスル:「……………………まあ、そうですね」
アメリア:「あらお熱い~!」
七十橋シスル:「微力かつ、センエツながら、全力で守りますよ。マイロード」
ルキア・ティベリア:「やった」
ルキア・ティベリア:ぱ、と消火栓から立ち上がる。
七十橋シスル:(つーか守るしかねえ。……でなきゃ、今日キングダムが滅ぶ)
ルキア・ティベリア:「よろしくね、シスル?」パーカーの袖が余った両手を広げて、
ルキア・ティベリア:シスルへと微笑みかける。
七十橋シスル:(このアメリアへの苦情は絶対あとで遺産管理委員長に入れるとして)
七十橋シスル:静かに指を伸ばして。
ルキア・ティベリア:「ん?」両腕を広げたまま、首を傾げてみせる。
七十橋シスル:「いいや、何も」 手を取りながら、気付かせない程度に袖口の灰を払った。



GM:ロイス取得のみが可能です。
七十橋シスル:中立者/アメリア・シュミット/有為/頭お花畑か?:○/ロイス
アメリア:ロイス取得 ”拷問王” 〇尊敬/隔意
GM:では、このシーンは以上。


◆Middle02◆"不夜王"暗殺事件

GM:こちらのタブでは、ジェシカさんとアルルさんの合流シーンを行いますが
GM:先に登場していただくのはジェシカさんだけになります。
GM:まず登場侵蝕のみどうぞ。判定を先にチャレンジしていただきます。
ジェシカ・クロフォード:先んじるぜ
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (58 → 66)
GM:オープニングの流れを受けて、ジェシカさんはアルルさんの襲撃を受けることになります。
GM:しかし"不夜王"というもの、不測の事態への備えは当然しているはず。
GM:このままだと為すすべなくアルルさんとの一対一の戦闘に入るところでしたが
GM:〈知覚〉で難易度20、任意の〈情報:〉で難易度20をクリアすれば
GM:日々用意している襲撃への備えで、彼女を一時退けることが可能になります。
GM:もちろん難易度20の二つの判定を同時にクリアするなんてまともなキャラでは不可能でしょうが……
ジェシカ・クロフォード:そうだぜ!理不尽だぜ!!
GM:これで不夜王も一巻の終わりかな……頑張ってね
ジェシカ・クロフォード:従者を呼び出してもよろしいですか?
GM:仕方ないなあ。よいとしましょう
ジェシカ・クロフォード:優しいGM!
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
GM:コピペミスですかこれ?
ジェシカ・クロフォード:いいえ、本気です。
ジェシカ・クロフォード:シナリオ終了時まで存続する従者を3体呼び寄せます。
GM:なんて覚悟だ……!侵蝕率上昇をお願いします
ジェシカ・クロフォード:侵蝕が27上昇。
ジェシカ・クロフォード:c(73+27)
DoubleCross : c(73+27) → 100

ジェシカ・クロフォード:草
GM:え!?
GM:まだオープニング終わったばかりだよ?
ジェシカ・クロフォード:不夜王の座は伊達じゃない
ジェシカ・クロフォード:いつでも過労死寸前だ。ぐっすり眠るはずの、夜が…ないからね…!
GM:凄すぎる 死の王だ
ジェシカ・クロフォード:赤河の従僕により従者の能力値が+5され能力が8に、あとダイスボーナスで11個のダイスが振れます。
ジェシカ・クロフォード:こいつで、判定!
GM:すごい能力値!頑張って
GM:ダイスボーナスももう3つついてるんだよな
従者A:《原初の赤:天性のひらめき》
ジェシカ・クロフォード:《愚者の兵装》で獲得した《従者の安らぎ》×4により上昇侵蝕は1
従者A:まずは知覚で
従者A:11dx7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,2,2,3,3,4,4,4,9,9,10]+10[9,9,10]+6[3,4,6] → 26

GM:すげ~ もう侵蝕100あるとはいえ
従者B:〈情報:ノヴァリス〉でよろしいですか?
GM:任意の情報ですので、どれに設定していただいても自由です。
従者B:《原初の赤:天性のひらめき》
従者B:11dx7>=20
DoubleCross : (11DX7>=20) → 10[2,2,2,4,4,7,7,8,9,10,10]+10[1,2,8,8,10,10]+5[1,2,5,5] → 25 → 成功

従者B:わーい!
GM:めちゃくちゃやで
従者C:よくやったな。カスども
GM:では完全に成功!執務室のセキュリティは万全だ。
GM:こいつが本体……!
GM:完璧に成功したので大抵の演出は許されます。従者使用ロール等はまとめてやってもらいましょう。

キングダム行政部 執務室

GM:行政部、というのは、文字が示す通りキングダム連合学院の行政を一手に取り仕切る部活動である。
GM:とはいえその名称もほぼジェシカ・クロフォード個人を示すものと言って差し支えない。
GM:一般部員は行政活動より、書類整理や備品補充等の雑用に従事する者のほうが多いのだ。
GM:それでもなお、行政部庁舎から明かりが絶えることはない。業務に伴う雑用ですらそれほどの労働量を誇る仕事を――
GM:ジェシカ・クロフォードはこの執務室にいながら、ほぼ一人で処理することが可能だ。
ジェシカ・クロフォード:人気のない執務室に硬質な鉛筆の音が響いている
ジェシカ・クロフォード:不夜王は他人と共同で行う仕事であればパソコンなどのデジタル機器も使用するが
ジェシカ・クロフォード:個人で済ませる仕事であればアナログでの処理を好んでいる。
ジェシカ・クロフォード:理由は単純でPCを介して出力するのが不夜王にとってはラグが大きいからだ。
ジェシカ・クロフォード:自身の思考をそのまま出力できるアナログの方が効率的である。
ジェシカ・クロフォード:その為に不夜王の執務室には手書きの資料が多く
ジェシカ・クロフォード:そして彼女の多忙を知る者の多くが想像する通りに部屋は乱雑になっている。
ジェシカ・クロフォード:というはずもなく。
ジェシカ・クロフォード:総て資料は(ジェシカの好みが多少入ってはいるが)これ以上なくわかりやすく整頓されている。
ジェシカ・クロフォード:ただ、キングダム学院の内政を回すために必要な資料はあまりにも膨大であるため
ジェシカ・クロフォード:部外者にとっては整理されていても乱雑に置かれていても区別はつかないだろう
GM:時刻は深夜を回っている。ジェシカが"血統王"との会談を終えて戻ってきてから、ずっと作業をしていたからだ。
GM:季節柄だろう。少しだけ気温も低くなったような気がする。窓のカーテンが、さらさらと風に揺れていた。
GM:だが、あの窓はジェシカが開けたものだっただろうか?
GM:開けた覚えがあっても、なくても構わない。
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「またあの子達か、換気をしろと煩いからな。」
ジェシカ・クロフォード:そう独り言を零しながら、鉛筆を動かす手を止め、窓を閉めようと席を立つ
ジェシカ・クロフォード:外から入ってくる風に肌を撫でられるのが、妙に気に障るのだ。
ジェシカ・クロフォード:執務に集中したい時は余計そんな傾向が強くなる
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (36 → 39)
任アルル:吹き込む風に、微かに桃の花の香りが混ざり込んだかに思えた。
任アルル:遠く、霧深き深山幽谷の幻景が、瞬きほどの間の眩暈を齎し──その刹那に、事は終わっている。
任アルル:「小道给不夜王陛下请安」
任アルル:王国の夜景を切り取る窓枠を映す視界に、白く煌く切っ先が現れる。
ジェシカ・クロフォード:「……」
任アルル:あなたの胸から生えた槍の穂先だ。
任アルル:「再见了」
任アルル:囁く声も、それを引き抜く動作もあくまで柔らかく。
ジェシカ・クロフォード:任アルルに不夜王の表情が見えていたとしたら
ジェシカ・クロフォード:それは『呆然』という言葉が最も相応しかっただろう。
ジェシカ・クロフォード:自身の身に何が起きたかもわからないまま、脳が発する痛み、次第に白くなっていく視界すら信じられずに死んでいく
ジェシカ・クロフォード:古今東西、優れた暗殺者が幾度も眺めてきた、つまらない顔だ
任アルル:──寝入る子供に親がそうするように、夜着めいた装いの娘が頽れる王を見守る。
ジェシカ・クロフォード:だが、この部屋で起こった『真実』を理解し
ジェシカ・クロフォード:その感情に僅かな驚愕を呼び起こされるのは
ジェシカ・クロフォード:君の方だ。"游随辰星"
ジェシカ・クロフォード:どろり
ジェシカ・クロフォード:槍で貫かれた身体が奇妙に溶けていく
任アルル:「……あら」
”頭の無い蛇":不夜王の姿が立体感のない、まるで絵のような蛇へと変わっていく
ジェシカ・クロフォード:「全く舐められたものだな。」
ジェシカ・クロフォード:不夜王の形をした者が不意に君の視界の外から声をかけた
ジェシカ・クロフォード:「"不夜王”を、円卓の第二席を」
ジェシカ・クロフォード:「夜の散歩のついでに仕留められると思っていたのか?」
任アルル:「……ふふ! ええ、ええ」
任アルル:「そうできればいーなと思っていたのは事実ですけれど」無造作に槍を突き出し、新たな“不夜王”の頭を貫く。
任アルル:「できなくてよかったとも思っています──流石! 一歩目から楽ではないですね」
ジェシカ・クロフォード:どろりとその頭蓋が溶ける
ジェシカ・クロフォード:だが、最初から頭などなかったかのように身体だけで奇妙に声が響く
ジェシカ・クロフォード:「桃源郷の人よ」
ジェシカ・クロフォード:「今立ち去るのなら」
ジェシカ・クロフォード:「君が何者であるかも、君が何故、このような暴挙に出たのかも」
ジェシカ・クロフォード:「目を瞑り、何もなかったことにしてやろう。」
ジェシカ・クロフォード:「私の願いは学園全体の繁栄と幸福だ」
ジェシカ・クロフォード:「無用な戦いは、私をその願いから遠ざける」
ジェシカ・クロフォード:或いは、その声には全てを見通している確信があるかのように聞こえた
ジェシカ・クロフォード:「それとも、貴様は私が王としての示威を望むのか?」
ジェシカ・クロフォード:どろりと溶けた頭蓋が再び形を取った。それは十字冠に守られた生徒ではありえない挙動であるかのように見えた
任アルル:「無用な戦い」
任アルル:切っ先を向け直す。依然として穏やかな気配を湛えたまま……だが、執務室の床に素足を着けて。
任アルル:「らしー言葉だって言ってあげるべきでしょうか。それとも合わせてくれているんですか?」
ジェシカ・クロフォード:「異な事を言う」
ジェシカ・クロフォード:「名すら知らぬ者の趣向に合わせることなど出来るはずがないだろう」
任アルル:「わたしの願いは、まさしく」
任アルル:「わたしが何者であるかを調べ、なぜこんなことをしたのかを調べ、あなたの力を存分に振るい」
任アルル:「その上であなたたちを打ち倒すことです──では、この口上をもって贈る手がかりとしましょう」
ジェシカ・クロフォード:アルルの言葉が途切れると同時に
ジェシカ・クロフォード:執務室にそぐわぬ殺気と敵意が充満する。
ジェシカ・クロフォード:百合のような可憐さの中に虎の如き”蛮"の気配を漂われるそれは
ジェシカ・クロフォード:行政部のものではなく、円卓に所属する王の配下において
ジェシカ・クロフォード:最も好戦的で最も自分たちと近い性質を持つ
ジェシカ・クロフォード:海賊部のものであると、任アルルになら理解できるだろう。
GM:窓の外の星空が――近い。先程よりもずっと地上に近い位置で、星々が瞬いている。
GM:それが飛行船団の光だということが分かる。
GM:この執務室ごと、照準されている。
任アルル:「……おーさまが直々にお越しなら、残ってもよかったかもですけど」呟く。
任アルル:「どーか、つれなくしないでくださいね。でないと」
任アルル:「構ってもらうために、次はもっとえらい人を狙わなきゃいけないなと思うので」
ジェシカ・クロフォード:「友好的な挨拶ならいくらでも歓迎するとも」
ジェシカ・クロフォード:「だが、貴様の言う私よりえらい人間が私の思う人物だとしたら」
ジェシカ・クロフォード:「その時は同じように立ちふさがるかもしれんな。」
ジェシカ・クロフォード:「誰でもない、貴様らのために。」
任アルル:返答はせず、ただ微笑を向けた。目の前に立つジェシカ・クロフォードではなく、何もない部屋の隅に向けて。
任アルル:とん、と床を蹴り、後ろに飛ぶ。背後には本棚の詰まった壁。
任アルル:その中に溶け込むようにして、姿が消える。
任アルル:後には現れた時と同じく、ただ仄かな花の香りだけが残った。
ジェシカ・クロフォード:「ふん…」
”頭の無い蛇":不夜王の身体がどろりと溶け”頭の無い蛇"がその姿を現す
ジェシカ・クロフォード:「やはり気づいていたか。」
ジェシカ・クロフォード:「全く、これだから彼の山のやつらは侮れん」
ジェシカ・クロフォード:そう独りごち、一つの劇が終わったことを示すように窓を締め
ジェシカ・クロフォード:微かな花の香りが残る執務室で再び資料と向き合い始めた

キングダム学区 路地

GM:人通りのない、深夜の路地。任アルルはその一角に降り立つ。
GM:キングダム円卓に攻撃を仕掛けながらここまで優雅でいられる者など、ノヴァリス広しといえども"五星君"程度のものだろう。
GM:路地の石畳は、小雨で少し濡れている。そもそも地に足をつけぬ任アルルにとっては無関係なことだが――
???:「任アルルさん。情報をお渡しします」
???:その路地の片隅で、うつ伏せに丸くなっていた緑の影があった。
???:「"海賊部"が……"不夜王"の増援として、先程……くああ」
任アルル:「……」

"安臥王"王覇カト:それは生徒だ。猫耳型のフードがついた長衣を一枚だけ身につけた、金髪の少女である。
"安臥王"王覇カト:「……すみません。遅い情報でしたか」目をこする。
任アルル:するりと宙を泳ぐようにして、真上から観察する位置を占める。相手が少しでも目線を上げれば、元より短い裾の内側が視界に入るだろう……当然、それを気にするような精神性は持ち合わせていないが。
任アルル:「どちらかといえば、あなたのことの方が気になりますね」
任アルル:「わたしを手伝うようにと?」
"安臥王"王覇カト:「……いました。最初……あなたが来た時から……」
"安臥王"王覇カト:月下王に呼び出されたあの時、床に寝そべっていた奇矯な生徒がいたはずだ。
任アルル:「……言われてみればいたかも?」小首を傾げる。群青の長髪がさらりと流れる。
"安臥王"王覇カト:「"月下王"からの伝言を……伝えます……」
"安臥王"王覇カト:「……お仕事をするにあたって……アルルさんの……」
"安臥王"王覇カト:「ぐう」
任アルル:「まあ
"安臥王"王覇カト:いつの間にか、少し起きていた頭がうつ伏せに倒れている。
任アルル:「なんですか。気になるでしょう」前屈姿勢で肩を掴んでゆする。
"安臥王"王覇カト:「ニャム……すみません」
"安臥王"王覇カト:「ここのところ情報収集をがんばり、1日8時間しか寝ていないんですよ」
任アルル:「ねてる……」
"安臥王"王覇カト:「……伝言……どこまで話しましたっけ」
"安臥王"王覇カト:「……そう。アルルさんの好きに遊んでいただく分には構いません、が……」
"安臥王"王覇カト:「とにかく、決行の日には……"不夜王"を動かさないように、とのことで……」
"安臥王"王覇カト:「本日のように……対処させて、釘付けにしていただくのも……よいとのこと……」
"安臥王"王覇カト:「……伝言終わり……」バターン!
"安臥王"王覇カト:地面に倒れ、眠り始める。
任アルル:「ねてる…………」
任アルル:「お話はうかがいました。……別に風邪とかひいちゃわないですよね、たぶん」
任アルル:くるりと空中で背を向けて。
任アルル:「“不夜王”、不夜王……ふむ」
任アルル:「夜無き王と一夜を共にするってゆーのも、それはそれで洒落が利いてるかも……?」
任アルル:桜色の唇に白い指先を添えて呟いた言葉は、その主と同様に、路地の暗がりに朧に浮いて消えた。



GM:ロイス取得のみが可能です。
ジェシカ・クロフォード:任アルル/有為/驚異○
ジェシカ・クロフォード:ひとまず以上です
任アルル:“不夜王” ○期待/脅威 でこちらも以上!

【十字冠(クロス・クラウン)】
このアイテムを所持している間、あなたは以下の効果を得る。
・侵蝕率が100%を超えた状態でHPが0になった場合、即座にそのシーンから退場する。
・侵蝕率が100%を超えた状態では、新たにシーンに登場することはできない。
・侵蝕率が100%を超えている間、シーンの終了時に侵蝕率を-[10+1D10]する。

ジェシカ・クロフォード:この効果により侵蝕率を下げます
ジェシカ・クロフォード:102-10-1d10
DoubleCross : (102-10-1D10) → 102-10-8[8] → 84

ジェシカ・クロフォード:がっつり下がった。よかったね。


◆Middle03◆vs"霊樹王"

GM:続いて情報収集シーンになるわけですが……
GM:先程までのシーンでお見せした通り、今回はそれぞれのキャラクターが進行しているストーリーがあり、
GM:シスルとアメリア以外はほぼ関連していません。
GM:なので、基本はルキアの休日デートシーンを軸としつつも
GM:ジェシカさんとアルルさんはサブで活動することができ、またそれぞれの手段でデートシーンにも顔を出して構いません。
ジェシカ・クロフォード:なるほど
GM:ジェシカさんであれば従者を使ってシスルさんに連絡を取る、アルルさんは通りがかりにちょっかいをかけるといった形ですね。
任アルル:ほうほう
七十橋シスル:だからデートじゃないです  私服で休日に趣味の品をショッピングしたりしてるだけです。
アメリア:それをデートと言うのですよ!
GM:アメリアちゃんが正論だぜ
七十橋シスル:こんなときだけ!
GM:また、このセッションはシナリオクラフトではないのにも関わらずアドヴェントが設定されています。
GM:条件はシンプル。4つある"至上王"のご機嫌ゲージが0になった時!
ジェシカ・クロフォード:わーい、仏の顔より多いぞ!
GM:これは"至上王"のご機嫌取り判定にそのシーンで誰も成功しなかった時に1つずつ下がっていきます。
任アルル:ご機嫌取り判定
GM:これが0になるとアドヴェントが発動し、"至上王"が何もかも吹き飛ばしてセッションクリアとなります。
GM:経験点は獲得できません。
七十橋シスル:それはセッションクリアなんですか?
アメリア:至上王オチなんてサイテー!
七十橋シスル:アドヴェントならそうか……
GM:別にキャラロストとかするわけではないので
GM:ただちょっとキングダムの地形が変わったりするかもしれませんね
GM:まあ万が一そんなことになっても大丈夫でしょ……ノヴァリスだし
七十橋シスル:ちなみに現在のご機嫌取り判定は4つ残ってるってことでいいのかな
ジェシカ・クロフォード:至上王が不機嫌になると
GM:そうです。あんまりひどい態度を取ると1減るかもしれませんが、まあ基本的には判定に成功してれば大丈夫です
ジェシカ・クロフォード:至上王のお気に入りランキングが変動したりしますか?
GM:え~っ、でもシスルがやっぱり一番だなあ
ジェシカ・クロフォード:ベタボレしてる~~
GM:それ以降はランキング争っていいよ
ジェシカ・クロフォード:w
任アルル:あらあら~
七十橋シスル:うううう…………!!
七十橋シスル:やらねば
アメリア:デートで彼女を怒らせるなんて良くないですからね シスルさんのために頑張ります
GM:またこのセッションでは、シーン終わりに購入判定が出てきません。
ジェシカ・クロフォード:な、なにぃ!?
GM:みんな忙しいからね 崑崙山の人はお金持ってなさそうだし
任アルル:何っ
アメリア:そんな~
GM:ですが情報収集で手番を余らせている人なら、アイテム購入にチャレンジしていただくことは可能。
任アルル:せっかく持ってきてたきれいな石が……
GM:たぬきの社会かな?
GM:まあ最初のミドルは割りと普通の情報項目が出てくるので、そんなに難易度は高くありません。

・"血統王"〈情報:ノヴァリス〉難易度5
・"羽檄王"〈情報:ノヴァリス〉難易度10
・"月下王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
・"霊樹王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
・"暗礁王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
・"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20

・"至上王"の機嫌を取る〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4
・"至上王"の機嫌を損ねる〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4

七十橋シスル:損ねるってなに!?
任アルル:任意機嫌損ね!?
ジェシカ・クロフォード:損ねる!?
GM:機嫌を損ねる判定に成功すると、ご機嫌ゲージを1下げることができます。
七十橋シスル:???
ジェシカ・クロフォード:あえて、あえてね。
アメリア:メ……メリットは!?
GM:あ、そうだ言い忘れましたが
七十橋シスル:ああ、あえてか……
GM:ご機嫌ゲージは減ることはあっても回復することはないです。
GM:これはプライズポイントと同じ扱いで
GM:あれもファンブルしない限りは減ったりしないので
任アルル:できると思うとちょっとやってみたくなるな
七十橋シスル:1回やってみたいですね
アメリア:ノリノリじゃん
GM:ということで、皆さんに情報収集チャレンジしていただきましょう。先程の理屈で、4人誰でも登場はできます。
任アルル:気が合いますね拷問王~
GM:他に質問などありましたらどうぞ
七十橋シスル:PL発言ですPL発言
七十橋シスル:デートではありません
アメリア:情報には自信アリ!出てみましょうか
ジェシカ・クロフォード:問題なく、行けます!やってやるぜ!
任アルル:こちらも出ない理由はないぜ
アメリア:52+1d10 登場侵蝕
DoubleCross : (52+1D10) → 52+5[5] → 57

七十橋シスル:1d10+47
DoubleCross : (1D10+47) → 2[2]+47 → 49

任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (39 → 49)
七十橋シスル:登場侵蝕値、1,1,2
アメリア:安定王
アメリア:"月下王"に当たってみましょうか
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (84 → 90)
ジェシカ・クロフォード:お願いします!
アメリア:〈情報:ノヴァリス〉で
アメリア:オルクス最強アイテムミーミルの覚書をコネとして扱い、判定……
アメリア:6dx>=15
DoubleCross : (6DX10>=15) → 10[3,4,4,9,10,10]+7[6,7] → 17 → 成功

アメリア:これが”鴉飼”の情報収集能力でしてよ~~~~!
GM:やるねえ
ジェシカ・クロフォード:ひゅー!
ジェシカ・クロフォード:負けてられませんわね。
任アルル:こちらは羽檄王ちゃんをやろうかな 縁もあるし
ジェシカ・クロフォード:やっちゃえ
任アルル:情報収集能力としては苦手ではないけどすごい得意でもないくらいなのだ
任アルル:学園通の友人を使って情報ノヴァリスで。
任アルル:5dx+1>=10
DoubleCross : (5DX10+1>=10) → 8[2,3,4,6,8]+1 → 9 → 失敗

任アルル:あらら
任アルル:仕方ない……このきれいな石をいっこ使うぜ
GM:あっ崑崙山のピカピカの石だ
アメリア:高値で売れそう!
任アルル:財産点を2→1にして成功にしておきます
七十橋シスル:それ仙人骨とかじゃない?
任アルル:鑑定アイテムを使ってから売ればもっと高いのかも
GM:判定は二人成功しましたが、ルキアごきげん判定はまだ誰もクリアしてませんね
GM:誰もクリアできなかったシーンの終了時にゲージが1下がるぞ
七十橋シスル:ではわたくしめが……
ジェシカ・クロフォード:世界を守ってくれ、拷問王
七十橋シスル:侵蝕ボーナスが全くありません 知識:医療で振ります
七十橋シスル:3dx+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 9[3,9,9]+4 → 13

GM:医療でどうやってご機嫌とってるんだろ
雨月夜シオン:お医者さんごっこ
GM:こら!
任アルル:なるほどね
GM:見学室から出てきてまで
アメリア:療養施設(ホテル)で……
七十橋シスル:生徒会長は黙ってて!
七十橋シスル:医療用品系のお店に行ってなんか色々と関係ないもの買わされてます
ジェシカ・クロフォード:では余ったやつを適当に開かせてもらいます。
ジェシカ・クロフォード:・"霊樹王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
・"暗礁王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
・"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20

GM:こんな難易度の判定を3つも!本当にクリアできるのかよ~!
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:10dx7>=15
DoubleCross : (10DX7>=15) → 10[1,1,1,1,5,5,7,9,9,10]+10[1,5,6,8]+1[1] → 21 → 成功

”頭の無い蛇"B:"暗礁王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
”頭の無い蛇"B:10dx7>=20
DoubleCross : (10DX7>=20) → 10[1,3,4,4,7,7,8,8,10,10]+10[3,4,4,7,7,8]+10[4,6,10]+2[2] → 32 → 成功

”頭の無い蛇"C:"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"C:10dx7>=20
DoubleCross : (10DX7>=20) → 10[1,1,3,3,4,6,7,7,9,10]+6[1,1,4,6] → 16 → 失敗

ジェシカ・クロフォード:しま…!ここは躊躇なく財産を投入します。
ジェシカ・クロフォード:全ての財産Pをツッコミ成功
任アルル:キングダムのきれいな石だ
GM:な、なんだこの達成値は
GM:でも、従者って財産点使えたかしら
GM:ちょっと確認するわね
ジェシカ・クロフォード:あ、そうか…!DTさんが使えないって言ってるから使えないね。
七十橋シスル:使えなかったはず
アメリア:ダメだったら妖精が控えてます
任アルル:たくさん控えてるぞ
ジェシカ・クロフォード:いっぱい控えてるならもらおうかな…w
GM:DTさんが言うならそうかもしれないなあ
七十橋シスル:めちゃくちゃあるんですよね妖精……次のシーンで残り一気に抜けるとは思うけど……w
GM:まあ今回の情報はいつものセッションと同じ判定でしかないので
GM:別に取り逃したところでなんらかのデメリットがあるわけではないです
任アルル:そういえばすごく今更なんですけど
GM:はいはい
任アルル:キングダムのひとたちと開示された情報は相互に知ることができていいんでしょうか
GM:大丈夫です!キングダムの人が抜いた情報に関しては、アルルさんも同じく調べていた、という処理になります。変則的ですが
ジェシカ・クロフォード:やった~
GM:アルルさんからしても依頼主のことを調査するのは当然ですしね。
アメリア:安心!
任アルル:ありがた~
アメリア:どうせ次のシーンまでかかるし、妖精は使わないでおきますか
ジェシカ・クロフォード:そうしましょうか。
七十橋シスル:それでいいと思います
GM:じゃあ安臥王は失敗かな。
ジェシカ・クロフォード:く、すまない
GM:それではいいところですが、続きは次回!明日木曜21:00のキングダムの休日でお会いしましょう。
アメリア:ごきげんよう~
GM:それでは一日と30分遅れになってしまいましたが、情報公開に入ります。
GM:前回の判定でまず"至上王"のご機嫌判定はクリアしており、かつ成功した公開項目は以下の通りです。

■"羽檄王"
"羽檄王(ロード・シュリーク)"長持サラス。番外第五十九席(未認可)。
青く長い髪と豊満な体、肘から先の純白の翼を持つ、ハーピーの生徒。
混血というより原種に近く、本能に忠実かつ幼い性格。良く言えば純粋無垢、悪く言えば気まぐれで残虐。
今回の反逆計画に対しても、確たる信念による賛同というよりは、本能の赴くままに暴れられるからという理由が大きいものと思われる。
鳥人種はそもそもの個体数が少なく、彼女も何らかの血族に連なる者ではないと思われる。
動画配信部部長。歌ってみた動画や踊ってみた動画を投稿しているようだが、再生数は芳しくない。
保有する王鍵名は、『辻傾城辻傾国(夜の小鳥)』。つい最近まで、正式な生徒登録が存在していなかった。

■"月下王"
"月下王(ロード・ルナシー)"州来マカミ。番外第二十五席。
小柄だが毛量の多い白髪と、常に口元を覆うマフラー、そして眼鏡が特徴の、人狼の生徒。
率いる派閥は小さいものの、『八月革命』時における個人の武勇によって知名度がある。
戦場の最前線に立ち、十字冠による緊急離脱が発動してもなお強靭な精神力で復帰、累計五度も理事会の兵器へと突撃を敢行したという。
"羽檄王"とは別の方向性の戦闘狂。落ち着いた態度の反面、戦闘に対しては独自の哲学を伺わせる。
天文部部長。天体の観測を行い、他の学校の天文部と情報を交換してノヴァリスの所在地を突き止めようとしている。
保有する王鍵名は、『クライデ・フィレッセン(聖者の遺骨)』。任アルルの直接の依頼主である。

■"暗礁王"
"暗礁王(ロード・デプス)"サルガッサム。番外第三十六席。
肩口までの黒髪に黒スーツ、口元を覆う呼吸補助具を身につけた、人魚の生徒。
冷静かつ頭脳明晰で知られ、暴動や反逆計画には関与しないものと思われていたが、今回はその可能性が高まっている。
このことから、定時制の生徒達は今回、何らかの高い勝算を見出している可能性が考えられるだろう。
"拷問王"の攻撃を凌いで逃れたように、陸上においても高い防御能力を有し、配下の生徒達にもそのような訓練を与えている。
トレジャーハンター部部長。ノヴァリスの河川や湖の底を浚い何かを探しているとされるが、その対象が何かは不明である。
保有する王鍵名は不明。高い確率で適合者と目されてはいるが、それ自体がブラフである可能性もある。

■"霊樹王"
"霊樹王(ロード・アッシュ)"シャジャラ・ムバラカ。番外第四十席。
オリーブ色の長髪と長く尖った耳、両目を覆う包帯が特徴の、ニンフの生徒。
一見して礼儀正しく常識的に見えるが、純人に対して非常に強い敵意と憎悪を持つ危険人物。
仮に今回の計画がなかったとしても、いずれ何らかの形で反乱を企て攻勢に出ていた可能性がある。
定時制の王の派閥の中で、彼女が率いる生徒は有事に向けて訓練され、練度と士気がもっとも高い。
反殺妖反闘争主義全学同盟委員会会長。キングダム学内で時折見かける過激なチラシはこの会のしわざである。
保有する王鍵名は、『テルペリオンの雫(欲望の姫君)』。キングダム学外にも仮想敵を設定していると思われる。

GM:公開項目は以上。
GM:これを踏まえてですが、ジェシカさんはこれらの反乱容疑者に1シーン一人ずつ会談に向かうことができます。
GM:交渉に成功すれば、クライマックスで登場する敵戦力が減じる、あるいは弱まるなどの恩恵を受けることができるようになっています。
ジェシカ・クロフォード:わーい
GM:参考までに、現時点での状況でクライマックス戦闘を行う場合、戦力差は次の図の通りになる予定です。

         "血統王"
         親衛隊×4

          10m

定時制・防御×2           定時制・防御×2
"羽檄王"      シスル      "安臥王"
      10m  アメリア  10m
"霊樹王"               "暗礁王"
定時制・射撃×3           定時制・白兵×3

          10m

        定時制・防御×2
         "月下王"

ジェシカ・クロフォード:ふ…拷問王がいればなんとかなるな!!
アメリア:四面楚歌~
七十橋シスル:全員ダイス目が12以下であれ
任アルル:血統王もやはりちゃんといるのか
七十橋シスル:自動成功のシーン攻撃を持ってる先生はいないの?
GM:先に予定図を見せておいた方が戦力削ったときの達成感が大きくなると思いました
ジェシカ・クロフォード:めちゃくちゃやばいのでいっぱい頑張るね
任アルル:なるほどなあ
アメリア:フフフ……削り切ってやりますよ(不夜王が)
ジェシカ・クロフォード:皆は二人のデートを守ってくれ…!!
GM:とはいえこの時点では普通に会うくらいのことしかできません。次以降のシーンではオプションプランを用意しておきます……
七十橋シスル:助かります 戦力削られるの、確かにこうしてみないと分からないもんな



キングダム学区 山岳校舎

GM:"霊樹王"の統治区画は、山の中にある。
GM:とはいえ、一般的に想像されるような山林とは程遠い――その体積の大半は人工的な建造物に占められている。
GM:だが、コンクリートに塞がれた枝や葉が、さらにその構造物すらも飲み込むように絡みつき、繁茂し、
GM:まるで人類滅亡後の廃墟の如き異様な様相と化した『山』である。それが"霊樹王"の山岳校舎。
定時制生徒:「……止まれ」
GM:一見して無人の道に見えたが、木々の合間から鋭い声がジェシカを呼び止めた。
定時制生徒:「"霊樹王"への来客か?」
ジェシカ・クロフォード:「そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「そちらにも報は入れているはずだが、届いてはいなかったか?」
定時制生徒:「届いている。故に確認をしている」
定時制生徒:「名乗れ」
ジェシカ・クロフォード:「”不夜王"ジェシカ・クロフォード」
ジェシカ・クロフォード:眉間に深い皺を寄せたまま、自らの名を告げる
定時制生徒:「確かに。他に同行者は?」
ジェシカ・クロフォード:「共に歩く者はいない。」
ジェシカ・クロフォード:「ただ、"霊樹王"との会見に立ち会ってもらいたい者はいる。」
定時制生徒:「名を」
ジェシカ・クロフォード:「アメリア・シュミット」
定時制生徒:「……」
ジェシカ・クロフォード:「卿らには鴉飼(ドミヌス)と言った方が通りがいいか?」
定時制生徒:「……通信での同席か。いいだろう」
定時制生徒:「ただし、領空に入るのは生きた鴉に限る」
定時制生徒:「厳守するように」
ジェシカ・クロフォード:「だ、そうだ。それでよろしいな?」
:枝に止まっていた一羽の鴉が、ジェシカの肩に
ジェシカ・クロフォード:肩に降りてきた鴉に声をかける
アメリア:『構いませんよ……ちゃんと、生身の子でやって来ましたから』
定時制生徒:「通ってよし……」
定時制生徒:弓を下げる気配がある。何らかの操作によって、絡み合って道を阻んでいた樹木が両脇へと開く。
GM:円卓第二席と、遺産管理委員会副長を、まるで侵入者の如く険悪に扱う。
GM:ごく一部だが、未だ全日制の権威が何もかも及ばない領域というものがある。この山岳校舎はその象徴のようなものだ。
ジェシカ・クロフォード:「さて、卿はこの歓迎をどう見る。鴉飼」
ジェシカ・クロフォード:自分の肩にいる鴉以外には聞き取れぬ声量で
ジェシカ・クロフォード:だが、それでもなお"霊樹王"には聞かれていることを承知の上で言葉を綴る
アメリア:『……どんな人間だって、最初から仲良しさんな訳ではないのです』
アメリア:『ここからですよ、ここから!』
ジェシカ・クロフォード:「ふふ、そうか。」
ジェシカ・クロフォード:「卿にしても、『仲良しさん』には見えんか。」

山岳校舎 ホール

GM:門からはさらに10分ほど歩く必要があった。校舎内に設えられた、噴水付きのホールである。
GM:天井の一部は崩れて陽光が差し込んでいた。巨大な幹を持つ樹が、穴を貫いて生えている。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「"不夜王"様。本日はこのような僻地までお越しいただき、まことにありがとうございます」
ジェシカ・クロフォード:「何、おかげで風光明媚な景色を楽しめた。」
アメリア:『美しい景色でした……豊かな自然というものは、心が洗われますね』
ジェシカ・クロフォード:「卿がより多くの生徒に門戸を開いてくれれば」
ジェシカ・クロフォード:「この風雅さを味わえる者も増えるのだがな」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……委員の者が、なにかと無礼を働いたでしょう。やはり純人に対して敵意が強いようで」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私の方から謝罪させていただきます」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:ごく穏やかで、丁寧な物腰だ。そう見える。
ジェシカ・クロフォード:「何、気にするな。敵意に触れるのには慣れている。」
ジェシカ・クロフォード:「それに生来のこの陰気な顔だ。」
ジェシカ・クロフォード:「"幽鬼”、"悪霊"の如く見られるのも、また慣れたものだ」
ジェシカ・クロフォード:自身が何者かに暗殺…拘束される。その危険があったことを暗に示唆している。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ふふ……寛大なお心に、感謝いたしましょう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「"鴉飼"様も、本日はお立ち会いいただけるとのことで――」
アメリア:『フフフ……遺産管理委員会は、どの王に対しても中立を貫いていますので』
アメリア:『だからこそ、全ての王が、わだかまりなく関係を築けることを願っています』
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……中立。それでは、この話し合いにおいても」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「中立の立会人として立っていただいている、と考えてよいのですね」
ジェシカ・クロフォード:「私はそのつもりで呼んでいる。」
アメリア:『ええ、どんな話を伺えるのか、楽しみです』
ジェシカ・クロフォード:「そして、その中立とは”霊樹王"と私だけではなく。それらを含む全ての王に対するもの」
ジェシカ・クロフォード:「そう考えて良いな。"鴉飼"」
ジェシカ・クロフォード:この場でその均衡を崩すことがあれば、円卓をも巻き込む動乱になりかねない。そのことを改めて宣言する
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私からも、そう望みます。それでは、"不夜王"。本題に参りましょう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「日々多忙なあなたが、わざわざこうして足を運んだということは、それに相応の用件があってのことと存じます」
ジェシカ・クロフォード:「うむ」
ジェシカ・クロフォード:「実はな。"霊樹王”」
ジェシカ・クロフォード:「これは、卿の胸の内に秘めておいてほしい事実なのだが。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……はい」真剣な声色になる。
:緊張感を感じ、鴉が身震いする
ジェシカ・クロフォード:「今日、この日。”至上王"は円卓…否、学園においての権限を放棄している。」
ジェシカ・クロフォード:「有り体に言えば、『休日』を取っているのだ。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「それは、結構なことです。王といえども休息がなければ」
GM:至上王は、拷問王に合わせて3日の休日を申請している。
GM:3日。何らかの行動を定時制が起こすのであれば、この期間のどこかである可能性が高い。
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そして重要なのはその際に彼女の権限の多くが私に一時的に委譲されたということだ。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……そう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「今は"不夜王"。あなたがこのキングダムを自由に動かせるということ――」
ジェシカ・クロフォード:他者から告げられる事実に、改めて重さを感じるが
ジェシカ・クロフォード:それを隠すように
ジェシカ・クロフォード:「そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:短く、平然と言葉を切った。
ジェシカ・クロフォード:「卿が先に行った通り、私は寛大さを示すしか能の無い王だ。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、至上王が上にいる限り、それを遍くに行う機会はほぼ無いと言っていいだろう。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「心中、お察しいたします」丁寧な礼。
ジェシカ・クロフォード:「故に、この数日が好機なのだ。全日制と、定時制の溝を埋めるためのな。」
ジェシカ・クロフォード:「卿も知っていよう。この定時制に蔓延る全日制への不満を。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ええ。定時制では昨今、どこに赴いてもその話を聞かぬ日はありません」
ジェシカ・クロフォード:彼女がその中心にいることを知りながら、あえて、彼女はその輪の外にいるかのように振る舞う
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「もちろん、ただの噂であればいいと願っております」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「もしや"不夜王"は、そうではないとお考えに?」
ジェシカ・クロフォード:「もちろん、そうであってほしくないと願っている。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、為政者には噂が噂である内にことを納める責務があるのだ。」
アメリア:『……私の耳にも、数多く入ってきます』
アメリア:『だからこそ、この場に立ち会わせていただいたのです』
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私にあえて確認を取るということは、何か……」
ジェシカ・クロフォード:「……」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「確証があってのこと、だと思ったのですが。"鴉飼"様がそう仰るのなら、ひとつ安心できました」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「キングダムで最も鋭く広い"鴉飼"様の目ですら、確かな兆しを見つけられてはいないということですから」
ジェシカ・クロフォード:(確かな証を残すようなヘマをする女ではあるまいに)
ジェシカ・クロフォード:「それで、霊樹王。卿は動いてはくれないのか。」
ジェシカ・クロフォード:「至上王の休日、これが千載一遇の好機だということは卿になら重々に理解してくれると思ったのだが」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「見返りを、求めてもよいと仰っているのですか?」目隠し越しに、"不夜王"を正面から見た。
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだ。」
アメリア:『わあ、何でしょう何でしょう!』
ジェシカ・クロフォード:「無論、全てを無条件に叶えるとは言えん。討論を重ね互いの妥協点を探り合う作業はするべきだと考えているが」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……ええ。確かに、私達の意見を……少しでも、ご考慮いただけるのなら」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「全日制と協力することで、不穏な誤解を解く一助となることもやぶさかではありません」
ジェシカ・クロフォード:「ありがたい。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……"不夜王"」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私の他の定時制の王には、それぞれ異なる思惑があるかもしれません」
ジェシカ・クロフォード:「なんだ。"霊樹王"」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「しかし私達の願いは……昔から同じ、とても単純な一つだけのことなのです」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:自分の胸元に手を当てて言う。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……殺妖者の根絶」
ジェシカ・クロフォード:「……」
GM:『殺妖者』はシャジャラ特有の言い回しだ。
GM:退魔家系。陰陽師。祓魔師。そうした、魔を滅する純人の術者――混血を除くオールドオーヴァードの総称。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「殺妖者は全て殺すべし、とまでは申しません」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「しかし、古くから我々を虐げてきたあれらが、日の当たる豊かな暮らしを送り」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「混血を今なお見下していると考えるだけで」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「臓腑が煮えるような心持ちになります」
ジェシカ・クロフォード:「…安易にわかっているとは言うべきではないのだろうな。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、『知って』はいる。怨嗟の深さや大きさは別として。」
ジェシカ・クロフォード:「人間が重ねてきた歴史の中で、そのような対立はいくつもあった。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「それでも、キングダムを乱す裁定を下すことはできない。あなたはそうお考えでしょう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「もう一つ、妥協案もご用意しております」口元に昏い笑いを浮かべる。
ジェシカ・クロフォード:「聞かせていただこう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「六壬学園高等専門学校を攻め落としていただきたいのです」
ジェシカ・クロフォード:「……なるほど。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「殺妖者の集団ということでしたら、全日制以上にあれらが我々の大敵」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「むしろ、六壬から目を背けてキングダムの内輪で滅ぼし合うというのも」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「順序として筋が通らぬ話でしょう」
ジェシカ・クロフォード:「確かに悪くはない提案だ。」
アメリア:『………!』
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「共通の敵、があれば」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「全日制と定時制は、手を取ることができます」
ジェシカ・クロフォード:「『八月革命』の時のようにか?」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ええ」短く答える。
ジェシカ・クロフォード:(それでは、問題を先送りにするだけだな)と心中で吐き捨てるように言葉にした
ジェシカ・クロフォード:あの時、共通の敵に向け手を取り合った2つの勢力が
ジェシカ・クロフォード:ほんの少し時が経っただけで、不和を抱いてしまっているのだから
ジェシカ・クロフォード:「魅力的な案だが、すぐには返事は出来ない。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「もちろん、熟慮の上でのお答えでなければ――意味がございませんので」
ジェシカ・クロフォード:「今の学園は火薬庫だ。我らが六壬を潰すためだけに動いたとしても、それが他の三大勢力にどんな影響を与えるのかも見極めねばならない。」
アメリア:『……遺産管理委員会としても、同じ意見です』
アメリア:『もしそうするなら……たくさんの遺産を解放することになるでしょうし……』
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「見極めた上で、可能性を検討していただきましょう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「何しろ……ふふ。キングダムはとうに、シャムロックをはじめとしていくつもの学区と戦争をしているのです」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「今更一つ増えたところで……」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……"至上王"も、お好きなのでしょう?戦争が」
ジェシカ・クロフォード:「そうだ…と言いたいところが、それは違うだろうな。」
ジェシカ・クロフォード:「あれは、ただ嫌いなだけなのだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「”退屈”がな」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ふふ!ふふふふふ」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「でしたら、重畳というもの」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「退屈を紛らわせる余興であれば、いくらでもお見せできるでしょう」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「"不夜王"。あなたが見せないのであれば――私達が代わりに」
ジェシカ・クロフォード:"霊樹王"を合わせられていた不機嫌な視線が
ジェシカ・クロフォード:不意に鋭さを増す
ジェシカ・クロフォード:「口を止めろ、"霊樹王"」
ジェシカ・クロフォード:「卿は多くの生徒の範たり束ねるべき王だ。」
ジェシカ・クロフォード:「軽挙な言動は慎むべきだろう。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「それは、失礼しました。しかし……」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私達の言動を、軽挙や妄言の類と断ずるのも」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「権力の座を得た故の傲慢と取る者もいるかもしれませんよ。"不夜王"」
アメリア:『……な、仲良く!』
アメリア:『仲良く!ね?』
ジェシカ・クロフォード:「ああ、すまない。それは不躾だった。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……熱が入りすぎたかもしれません」
ジェシカ・クロフォード:「何にせよ」
ジェシカ・クロフォード:「私は鴉飼の言うように、卿らと仲良くやってきたいと本気で思っているのだ。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……私とて」包帯越しの視線は読めない。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私とて……あなたを憎んで、こうしているわけではありませんので」
ジェシカ・クロフォード:「知っている。」
ジェシカ・クロフォード:「だからこそ、卿らと手を取り合うことが難しいということもな。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「…………」ほう、とため息をつく。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「せっかく足労いただいたのです。山岳校舎の風景を眺めるのもよいでしょう。屋上を解放しておきます」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「"鴉飼"様もご一緒に」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだな。」
ジェシカ・クロフォード:席を立つ。"会談”は終わりということだ。
ジェシカ・クロフォード:「新緑の、優しい香りだ。」
ジェシカ・クロフォード:「たまには、このような空気で心身を洗い流すのも悪くないな」
アメリア:『…………』
アメリア:『……また、来たいです』
アメリア:『今度は、私自身の体で』
ジェシカ・クロフォード:「………」
アメリア:『でも、よそとの戦争になったら、そんな暇は無くなってしまうかも……ですね』
ジェシカ・クロフォード:「させないさ。」
ジェシカ・クロフォード:「これ以上、戦争などという不合理な活動を赦してたまるか。」
アメリア:『……私たち、心は一つ、ですね』
アメリア:『至上王がショッピングを楽しんでいる間に……ビシッと、お話を纏めちゃいましょう!』
ジェシカ・クロフォード:「………ああ、楽しんでいる内が、勝負だ。」
ジェシカ・クロフォード:(頼んだぞ、拷問王)
ジェシカ・クロフォード:胃薬の代わりに山の空気を思いっきり吸い込んで、身体を癒そうとした。



GM:今回の会談では、以下の成果を得られました。

・キングダム全日制のオールドを追放する
・六壬学園高等専門学校に戦争を仕掛ける

以上の二つの条件のいずれかを達成できた場合、"霊樹王"およびその配下である定時制・射撃×3がクライマックス戦闘から撤退します。

GM:ロイスと、情報収集で手番を使っていなければ購入判定が可能。
ジェシカ・クロフォード:無茶言うな~~~~!
アメリア:ハードすぎる選択肢~
ジェシカ・クロフォード:アメリア・シュミット/信用○/隔意
ジェシカ・クロフォード:以上で
アメリア:ジェシカ・クロフォード 〇信頼/ちょっと怖い
アメリア:以上です~



GM:では、メインタブではシスルさんのご機嫌取りロールを進行していきます。

キングダム学区 商店通り

GM:百貨店が突然爆発するという予期せぬハプニングこそあったものの
GM:それを除けば、キングダムの市街は普段どおりの賑わいを見せている。
GM:屋台でスイーツを選ぶ生徒や、アクセサリーやアパレルの店に出入りする生徒……
GM:事件らしい事件はない。強盗に走った不良生徒達の行動にしても、特に理由なく単発で犯罪を起こす者というのはノヴァリスには一定数いるものだ。
ルキア・ティベリア:「どこに連れてってくれるの?シスル」
七十橋シスル:「ご希望はあんのか、マイロード」
七十橋シスル:「映画でもレストランでもテーマパークでも、お前にとっちゃ下々の遊びになるだろ」
ルキア・ティベリア:「私、映画を最後まで見られたことないの」
ルキア・ティベリア:「絶対に途中で飽きちゃう。なんであんなに長いのかしら?」
七十橋シスル:「その方が、客の可処分時間を長く奪えるからだろ」
七十橋シスル:「ギネス記録だと、一ヶ月上映し続ける映画が最長だって話だ」
ルキア・ティベリア:「一ヶ月!?餓死しないのかしら」
七十橋シスル:「そこまで行ったらもはや背景だろ」
七十橋シスル:ビルに大写しになっているモニタを見る。「通りがかった人がたまたま見るように、ああいう所で流しておけばいい」
七十橋シスル:「……んじゃ」
ルキア・ティベリア:パチパチとまばたきをして、モニタを見上げている。
七十橋シスル:「珍しくててっとり早く、ってんなら。余所の学区の製品、気になるか?」
ルキア・ティベリア:「うん。よその学校って、あまり行ったことがないもの」
七十橋シスル:「なら、こっちだ」すぐ横の、大通りの端にある目立たないビル。その地下へと向かう階段を示す。
七十橋シスル:「足下気ィつけろよ。……つか、ヒールか?」
ルキア・ティベリア:「そうだとよくないの?」
ルキア・ティベリア:「あんまり分からなくて」
七十橋シスル:「歩くのに問題がなければいいさ」 先んじて少し降りて、振り向きながら手を差し出す。
ルキア・ティベリア:階段の上からシスルの手をそっと取って、
ルキア・ティベリア:二段飛ばしてひらりと飛び降りてみせる。
ルキア・ティベリア:「あはは!」
七十橋シスル:「……」通り過ぎた少女に肩を竦める。「闊達で何より」
ルキア・ティベリア:「シスルもたまには履いたっていいのに。ヒール」
七十橋シスル:「何すんだよ。蹴るのか?」
七十橋シスル:やや薄暗い階段を過ぎると、キングダムでも限られた生徒しか知らない、広い地下空間に出る。
七十橋シスル:複数学区をまたいで商品の売買を行なっている、希少な店舗である。
GM:そう、その名は――
店員:「ようこそお越しくださいました。お客さま」
店員:仮面で顔を覆い隠した、奇妙な店員が出迎える。
店員:「――私達の理念の中心は『お客さま』」
店員:「お客さまへの貢献を永遠の使命とし、最もお客さま志向に徹する企業集団です」
店員:「『平和』。『人間』。『地域』」
店員:「我々《イオン》は基本理念のもと、絶えず革新し続ける企業集団として――」
店員:「『お客さま第一』を実践して参ります」

イオン ノヴァリス支店

七十橋シスル:「はいよ。仰々しい出迎え、ご苦労さん」
七十橋シスル:イオン。正体不明の"社会人"集団。これは拷問王だけでなく、単に全ての客に対してそうだ。
ルキア・ティベリア:「本当にこんなお店使ってるのシスル?」半分シスルに隠れるようにしがみついている。
ルキア・ティベリア:「なんだか怖いよ……?」
七十橋シスル:「お前に怖いって感情があンのがまず驚きだ」
GM:見た目や理念こそ常軌を逸しているが、《イオン》はむしろノヴァリスの中にあってはかなり健全性の高いマーケットだ。
GM:その理念は『お客さま第一』。これを徹底できる企業はノヴァリスでは貴重といえよう。
店員:「イオン(AEON)とは、ラテン語で『永遠』をあらわします」
GM:店員が補足説明をする。全く怪しいところのない店名なのだ。
七十橋シスル:「まあ、確かに"外"にもねェだろうがな、こんな店……」
七十橋シスル:「由来がガチすぎる。普通の店のフリをしろよ」
ルキア・ティベリア:「シスルはいつも何を買っているの?」
七十橋シスル:「お前には面白くねえぞ。使ってて勝手に溶けたり合体したり巨大化したり金を溶かしたりポケットで叩いて倍に増えたりしない薬品だ」
七十橋シスル:ジェネシスのコーナー近くに、他愛のない薬品棚がある。実験器具、白衣。地味な置き方をされているが、それでも手入れは間違いが無い。
七十橋シスル:「補充しとくか。おい、これ拷問王名義で。いつもんとこ送付頼む」
店員:「かしこまりました。お客さま」
ルキア・ティベリア:「ふーん……こんな服もあるんだ。試着できるのかしら」
ルキア・ティベリア:特に薬品のことはわからないため、白衣を広げて眺めていたりする。
任アルル:「……あら?」
七十橋シスル:「それ使い捨てだぞ。お前のいつも着てる服の、袖口の刺繍より安い」
任アルル:そこへ、二人の斜め上方から声がかかる。
ルキア・ティベリア:「?」首を傾げる。
任アルル:割れた輪を接いだような、あるいは何かを堰き止めるような形の十字冠。尖った耳。水中にあるかの如く波打って揺らめく群青の長髪。薄く丈の短い絹の夜着一枚の装い。
任アルル:非人間的な整然さを見せる店内からは浮いた──文字通り宙に浮いた女。それが、深紅の瞳を興味深げに煌かせ、そちらへ視線を注いでいる。
七十橋シスル:「あァ?」
七十橋シスル:不自然な角度から掛かった声に、訝しげに振り仰ぐ――瞬間。
七十橋シスル:ご      ぉん
任アルル:「ひゃ」
七十橋シスル:水車めいた大きさの糸繰り車が、シスルの背中に瞬時に出現。
七十橋シスル:糸繰り車が回転。溢れた平面の茨が周囲の商品棚を覆い尽くし、床から立ち上った立体の茨は、背後の至上王を檻のように囲い、庇う。
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「どうしたの?」普段どおりにニコニコしている。
任アルル:空中にある少女の姿勢は、存在しない窓の縁から身を乗り出して下方を覗き込む様に似ていた。その目が驚きに丸く見開かれ、両手で口元を抑えてみせる。
七十橋シスル:「何もねえよマイロード。試着でも何でも好きにしてくれ」
七十橋シスル:「いつから余所の生徒まで棚に置くようになったんだ? この店は」
任アルル:「学生証の提示は求められませんでしたよ」やや不服そうに。
任アルル:「どーしてそんなに喧嘩腰なんですか、シスル。これでは品物が見られないでしょう」
任アルル:「それに」“至上王”へ視線を移す。「そちらの方は?」
七十橋シスル:「喧嘩腰と常態が無境界のテメェよりはマシだ、クラゲ女」
ルキア・ティベリア:白衣を胸の前に当てて、サイズを確認していた。
ルキア・ティベリア:「シスル、喧嘩したらだめよ?」
任アルル:「……」
七十橋シスル:「チッ」
七十橋シスル:獲物を食らわんと蠢いていた茨が、その一言で停止する。相変わらず展開はしたままだが。
七十橋シスル:解くつもりはない。これで、任アルルと”同等の戦闘態勢”だ。
任アルル:「……かわいー彼女さんと一緒でよかったですね」
任アルル:「ナナカあたりなら、準備よしと見て襲い掛かりかねないところです。わたしはそんなことしませんけど」言いながらじっと白髪の少女を見ている。
七十橋シスル:「は。よく言う」
七十橋シスル:「こいつに手ェ出したら殺すぞ」
七十橋シスル:視線を遮るように立ち位置をずらす。どうして俺は、硝子細工の爆弾を運んでいるときに放火魔と遭遇してるんだ?
七十橋シスル:「お前もイオンに入り浸りか? 似合わねえな」
任アルル:「さて──仮にそうしたら、そうなるんでしょうか」
任アルル:呟くように言って、そこで拷問王へと視線を戻す。
任アルル:「おかしくもないでしょう? わたしの学区では手に入らないものがたくさん売っているんですもの」
任アルル:「品物は各学区から揃えてるのに、通貨はキングダムここのじゃなきゃダメっていうのが不便ですけど。さっきの情報屋の方もそーでしたが」
七十橋シスル:「五星君おまえらに、学境って漢字を覚えさせてえ」
七十橋シスル:茨が、遠距離のものから順に消えていく。
任アルル:「めんどくさいですよね」
任アルル:「そーいうの気にかけるのって。なくなればいいと思いません?」
任アルル:言いながら、再びそちらの連れの少女を一瞥している。
ルキア・ティベリア:「シスルと……」
ルキア・ティベリア:「ずいぶん仲がいいのね?」
七十橋シスル:「!!!」
任アルル:「!──ええ」
任アルル:「それはもう。好きな子を挙げろと言われたら、シスルを外すことはできません」
任アルル:にこりと笑う。
七十橋シスル:「テッ…………!!」
ルキア・ティベリア:「ふーん……」
GM:では、その時。
GM:シスルとアルルは、気づいても良い。
GM:シスルは、視界からアルルが消えたことを。アルルは、露わな太腿に冷たく平坦な感触があることを。
GM:つまり。
七十橋シスル:( まずい )( あのアホ )( 言い逃れ? 否 悪化 )
GM:任アルルが、床に座っている、、、、、、、
任アルル:「…………」
任アルル:「あら」
七十橋シスル:茨が消える。振り向きざま、伸ばした手が至上王の手首を取っている。
ルキア・ティベリア:「ん?」シスルの方を振り向く。
任アルル:不思議だわ、と言う風に、頬に片手を添えて見せる。考えてそうした、と取れる間があった。
七十橋シスル:「落ち着けよ。ルキア・・・
七十橋シスル:「ありゃ崑崙山の"五星君"だ。俺とも何もねえ。お前をからかいたいだけだ」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「うん」目を見開いて、二度まばたきをする。
ルキア・ティベリア:大人しくなった猫のように、シスルの後ろに下がった。
七十橋シスル:「……いい子だ。涙が出るよ、マイロード」手首をゆるく掴んだまま、地面に座り込むアルルを見る。
七十橋シスル:(こいつが床に接してるところを初めて見た)
GM:任アルルは、普通に立つことができる。
GM:先程までのように浮遊することにも問題はない。
GM:ただ、あの一瞬、浮遊を解いたつもりはなかった。
任アルル:「……ふふ! 仲のいーこと」
任アルル:すいと立ち上がる。「降参です……入れられる罅もないみたい」
七十橋シスル:「安心しろ。戦いを挑まれた覚えもねえよ」
七十橋シスル:小さな肩を自分に寄せるように、取った腕を軽く引く。
ルキア・ティベリア:「かっ、買い物は……いいのかしら。シスル」
任アルル:「わたしはもう邪魔しませんから、ごゆっくりどーぞ」
任アルル:「こちらの探し物はもういいので」
任アルル:軽く手を振り、背中を見せて去る。素足でぺたぺたと床を鳴らしながら。
七十橋シスル:「そりゃ何よりだ……」
七十橋シスル:背中は汗でダラダラだ。「俺の補充はさっき済ませてる」
七十橋シスル:「崑崙山はもう見たから……アップルシードの方に行くか」
ルキア・ティベリア:「そうだね。行こう」
ルキア・ティベリア:「ねえシスル。さっきはありがとう」
七十橋シスル:「この前はブレイクダンスするダンシングフラワーとかワケの分からんもんが……ん?」
ルキア・ティベリア:「守ってくれたでしょ?」
七十橋シスル:「……ガワだけだ」
七十橋シスル:「お前を傷つけられるものなんて、この世にはいねえ。無意味なことに、礼なんて言うな」
ルキア・ティベリア:「でも、嬉しいの」
ルキア・ティベリア:「私を守ってくれる人なんて、シスルくらいしかいないもの」
七十橋シスル:「…………、……」
七十橋シスル:誤解だ。ともすれば曲解だ。ただ、彼女が暴れることによって起きる被害から、自分とキングダムを守るためだ。
七十橋シスル:斜め上から、近い位置の少女を見下ろす。まごうことなき、ノヴァリス最強の一角。
七十橋シスル:FHが席巻した未来で、世界の王になりうる少女。
七十橋シスル:「…………」唇の端を釣り上げる。
七十橋シスル:「そんな程度のことで良ければいくらでも。お守りするよ、……マイロード」
七十橋シスル:軽く屈んで、持ち上げた真白い手の甲を、軽く自分の額に当てる。
ルキア・ティベリア:「……うん」
ルキア・ティベリア:「ありがとう」子供のように、素朴な語彙だった。



GM:ロイスと、情報収集で手番を使っていなければ購入判定が可能。
任アルル:これは取るしかないよな……
任アルル:ルキア・ティベリア 僥倖/○殺意 で。
七十橋シスル:厄介者/任アルル/強者:/歩く……浮かぶ火薬庫:○/ロイス
GM:殺意……!
七十橋シスル:こらー!
七十橋シスル:あとコレ
七十橋シスル:自己/七十橋シスル/有為/何をやってるんだ、俺は?:○/ロイス
任アルル:七十橋シスル ○感謝/不満 でシスルさんにも取って以上です。
任アルル:この借りは必ず返す……オーヴァード・ノヴァ最終話とかまでに
七十橋シスル:来るのかなあ……。
GM:では、シーンはここで終了。


◆Middle04◆vs"游随辰星"

GM:で、次のシーンですが、ここからが実はミドル判定としては本番で
GM:単なる情報収集ではない判定が出てきます。
GM:ただ、これは私が全部列挙できるようなものではないので、何かしたいことがあれば
GM:提案してもらってもいいのですが……
任アルル:へえっ

・"血統王"〈情報:ノヴァリス〉難易度5
◎"羽檄王"〈情報:ノヴァリス〉難易度10
◎"月下王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
◎"霊樹王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
◎"暗礁王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
・"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20

・"至上王"の機嫌を取る〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4
・"至上王"の機嫌を損ねる〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4

・プロンプトの動向〈情報:ビジネス〉難易度11
・任アルル〈情報:ノヴァリス〉難易度15


・救伐騎士団を動かす〈調達〉難易度20
 クライマックスの任意のエンゲージに存在するトループを全滅させる。
 対象エンゲージは判定挑戦時に指定する必要がある。

・定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25
 現状の定時制の待遇を改善し、生徒の不満を低減する改革案を立案できる。
 ただし"至上王"帰還後の情勢にも関わるため、"至上王"との交渉が必要。

・暴動を扇動する〈交渉〉難易度15
 キングダムの任意の地点で暴動を引き起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

・崑崙山中等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度20
 密かに、崑崙山中等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

・所属情報を改竄する〈知識:ウェブ〉難易度20
 任意の1つの事件に関わった組織の組織名を改竄できる。

・戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
 特定の学校に対して戦争を起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

・海賊部を動かす〈調達〉難易度20
 所在が判明している任意の物品を強奪できる。
 任意のエキストラを誘拐することもできる。

・"鉄騎王"を動かす〈交渉〉難易度15
 任意の建造物を破壊できる。隠蔽には別の判定を使用すること。

・事件を隠蔽する〈情報:ノヴァリス〉難易度10
 任意の事件が起こった事実を隠蔽できる。
 ただし、学区外の事件については適用できない。

GM:すいません、本当はもっとある方がいいのですが、今のところこんな感じです。
ジェシカ・クロフォード:多すぎい!!
アメリア:気軽に戦争起こせすぎ!
七十橋シスル:情報が……情報が多い!
GM:情報項目とご機嫌ゲージ以外はほとんどジェシカさん専用の項目みたいなものです。これらの判定の中から
GM:今後の交渉で有利そうな項目を取ったり、あるいは会談で様子を見てから判定するなどして
七十橋シスル:じゃあショコラショコランに戦争起こすか……美味しいお菓子食べたいし……
GM:クライマックス戦闘をミドルの時点から攻略してもらおうというシナリオです。
ジェシカ・クロフォード:な、なるほどな~
GM:ただし、シーンに登場する場合常に順番は判定→会談です。
GM:判定で無駄行動を抜いてしまったとしても、会談の後から挑戦し直すことはできません。
任アルル:ははあ
ジェシカ・クロフォード:・定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25については
ジェシカ・クロフォード:拷問王の色仕掛けにより難易度が下がったりしませんか?
七十橋シスル:何を言ってるのか・ナ?
GM:ルキアはそういうのを見てもよく分からないので効きません
GM:「なんで服を脱いでるのシスル?」
GM:「寒くない?」
ジェシカ・クロフォード:ク、クソー!
任アルル:逆に交渉難易度は上がってもいいから至上王が脱いでくれないかな
アメリア:なんて慧眼なんだ
七十橋シスル:それはもうただの欲望だろ!!
GM:すいません、3つ追加させてください。編集で上のに付け足します。
ジェシカ・クロフォード:やったー!頼れる味方!!
GM:それと、これらの政治判定(そう呼ぶことにしました)については、効力は基本的には一つの判定につき一回だけです。
GM:つまり・事件を隠蔽する に二回チャレンジして、事件を二つ隠蔽するとかはできないんですね
ジェシカ・クロフォード:理解です
アメリア:破壊破壊!隠蔽隠蔽!は禁止ということね
GM:イエス
アメリア:とりあえず定時制の王たちは抜いておきたいし、”安臥王”に挑んでいいですか!
GM:あ、判定に挑む場合は登場侵蝕まず上げてくださいませ
アメリア:そうじゃった
アメリア:57+1d10
DoubleCross : (57+1D10) → 57+5[5] → 62

ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (93 → 99)
任アルル:でとこう
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (49 → 54)
七十橋シスル:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 1[1]+49 → 50

七十橋シスル:????
GM:シスル……?
アメリア:明鏡止水の心
GM:イカサマは犯罪なのよ?
七十橋シスル:おいこれグラサイ使ってんぞ
ジェシカ・クロフォード:こんなことあるんだ。
七十橋シスル:というかアルルさんもそう変わらないの何?
任アルル:初期侵蝕が全然ちがうのよ
ジェシカ・クロフォード:待っているぞ、高みで
アメリア:高すぎる
GM:すごいよね
GM:50のやつと、99のやつが、同じシーンにいる
アメリア:しかも事故じゃなくて想定通りの挙動でこれだもんね
アメリア:では判定していきましょうか!"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20に挑戦!
ジェシカ・クロフォード:ひゅー!
アメリア:ミーミルの覚書をコネとして使用
アメリア:7dx+1>=20
DoubleCross : (7DX10+1>=20) → 10[2,3,4,4,6,7,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

アメリア:ぐぬぬ……ここは《妖精の手》!
GM:そう、別にこのメンバー
GM:ジェシカさん抜きにしてもミドルがクソ強いんだよな
アメリア:侵蝕+4して振り足し~
GM:立ち回りが器用すぎるのだ
アメリア:1dx+21
DoubleCross : (1DX10+21) → 10[10]+5[5]+21 → 36

アメリア:その情報、スケスケだぜ
ジェシカ・クロフォード:ありがえてえ
アメリア:残り4回になってしまった……
任アルル:まだ4回もあるの
七十橋シスル:引き続き"至上王"の機嫌を取ります。技能は〈芸術:幻獣遊び〉で。
七十橋シスル:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 6[2,3,5,5,6] → 6

七十橋シスル:…………。
七十橋シスル:財産点の使用は……
ジェシカ・クロフォード:シスルーー!!
アメリア:シュッシュッ(妖精素振り)
七十橋シスル:助けてくれーっ! アメリア=サン!
アメリア:フフフ……私は通りすがりのレイヴン仮面 これを使いなさい!
アメリア:《妖精の手》侵蝕+4
アメリア:出目を1つ10にするのです……
GM:シスル……♡
七十橋シスル:お前は……謎のレイヴン仮面! へっ、やるやつだぜ……!
七十橋シスル:1dx+10
DoubleCross : (1DX10+10) → 6[6]+10 → 16

ジェシカ・クロフォード:では次は私が
”頭の無い蛇"A:・崑崙山中等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度20
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:10dx7>=20
DoubleCross : (10DX7>=20) → 10[1,1,3,3,3,3,5,5,8,9]+10[6,7]+4[4] → 24 → 成功

”頭の無い蛇"A:やったぜ!
ジェシカ・クロフォード:これで侵蝕が100になり、血の絆のレベルが上ったので
ジェシカ・クロフォード:新たな従者を作成します!
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
GM:なんてことを……考えやがる
”頭の無い蛇"D:オギャーオギャー
GM:《血の絆》が回数エフェクトであるが故の裏技!
任アルル:無限従者作成コンボ……!(全然文字が収まってないウニフラッシュ)
ジェシカ・クロフォード:侵蝕が109に
ジェシカ・クロフォード:・定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:11dx7>=25
DoubleCross : (11DX7>=25) → 10[2,2,4,6,6,7,7,8,9,9,10]+10[1,3,6,8,9,10]+10[1,7,8]+10[1,9]+5[5] → 45 → 成功

”頭の無い蛇"B:やったぜ
GM:45って
GM:当然のように出しているけどこんなミドル達成値が侵蝕1で連発されるの
GM:並のセッションならもうとっくに全部情報抜かれて終わってるところ
ジェシカ・クロフォード:ふむそしてあと従者2体の判定が残っていますが
ジェシカ・クロフォード:現在侵蝕が110でありこれ以上上がると十字冠効果の侵蝕マイナスしても100を超えたままになってしまう可能性があるので
ジェシカ・クロフォード:今回はここで一旦判定をお預けします…!!
GM:了解です……!
ジェシカ・クロフォード:あ、ジェシカの素の判定で・"血統王"〈情報:ノヴァリス〉難易度5だけやろ。
ジェシカ・クロフォード:1dx>=5
DoubleCross : (1DX10>=5) → 4[4] → 4 → 失敗

GM:そういえばそっちもいた!なんて手数だ
ジェシカ・クロフォード:財産1消費、成功!!
ジェシカ・クロフォード:以上です。
任アルル:こちらはアイテム購入をしておきます。狙うのはシューターズジャケット。
任アルル:3dx>=13
DoubleCross : (3DX10>=13) → 5[4,5,5] → 5 → 失敗

任アルル:うむ……
GM:ピカピカした石なのに……
七十橋シスル:かわいい
アメリア:百貨店では買取に応じてくれなかった……
任アルル:妖精使うほどでもないというか使ったところで絶対買えるものでもないんですよね……おとなしく失敗しておきます。
”頭の無い蛇"C:・プロンプトの動向〈情報:ビジネス〉難易度11
ジェシカ・クロフォード:11dx>=11
DoubleCross : (11DX10>=11) → 10[1,1,2,3,3,4,4,4,5,8,10]+2[2] → 12 → 成功

ジェシカ・クロフォード:やったぜ
GM:す、すげ~! GM:では本日はここまで。次回は明日土曜、21:00からの再開です。
GM:皆さん本当にありがとうございました!次回もお楽しみに~
ジェシカ・クロフォード:お疲れ様でした~
七十橋シスル:ありがとうございましたー!
アメリア:お疲れ様でした!
任アルル:お疲れ様でしたー また21時!
GM:はーい!お疲れ様でした!

■任アルル
昨夜の"不夜王"襲撃事件の実行犯は、崑崙山中等専門学校の"五星君"、任アルルだ。
ジェシカ自身が目撃した姿形だけでは確実な証拠とはならなかっただろうが、それを断定できる程度の証拠は発見できている。
だが、"五星君"で最も神出鬼没とされる任アルルが、容易く尻尾を掴ませるだろうか?
多少難易度の高い調査だったとはいえ、時間をかければ"不夜王"以外が調査を試みても彼女の名は上がっていただろう。
むしろ最初の襲撃で"不夜王"が倒れたあと、他の何者かにたどり着かせるための情報であったかのようですらある。
任アルルは単なる襲撃実行犯というだけではなく、何らかの裏の役割を担わされているのかもしれない。
この情報は、任アルル自身も調査できているものとしてよい。

GM:ちょっと予定を変更して、任アルルの情報は判定なしの時間経過で公開されることとなりました。
GM:これは見学室でも参加者に了解を取っています。

■プロンプトの動向
まるでアメリアの追求を遮るようなタイミングで発生したプロンプト爆破事件は、実際にそれを意図してのものだった可能性がある。
爆破が起こるよりも前に、プロンプトがいくつかの重要物資や商品を店外へと運び出していたという証言が目撃者から得られた。
アメリアが当初探索していた"オズマメガリス"も未だ発見されていない以上、プロンプトが保有している疑いは晴れていない。
プロンプトの取引先を調査した結果、キングダム領内で"オズマメガリス"の取引を行ったものは発見できなかった。
ただし、円卓議会の調査能力が及ぶのは、あくまで全日制における取引のみである。
アメリア・シュミットがこの情報判定に成功していた場合、この項目に関する追加情報を公開することができる。

■"安臥王"
"安臥王(ロード・ライ)"王覇カト。番外第五十八席(未認可)。
緑の長衣とブーツだけを身につけた、どこか甘い香りを漂わせる猫人の生徒。
常に気力なく横たわっているが、優れた情報収集能力を持ち、伝令としても行動する。
『八月革命』で多大な功績を挙げた猫人の目撃談はかねてから囁かれており、彼女こそがそれだと信じる者も多い。
いずれにせよ、直接戦闘を行わずとも彼女が提供する情報は定時制の戦局を左右するに十分なものであり、
生徒からも「安臥王起つな」、「安臥王起て!世界を絶望させろ!」などと評価が二分される存在である。
保有する王鍵名は不明。恐らく王鍵保有者ではなく、情報収集は本人の能力によるものと思われる。

GM:ジェシカさんは判定の成功を踏まえ、崑崙山との任意の協定を交わすことと、定時制待遇改善を至上王に訴えることが可能となります。
ジェシカ・クロフォード:やったんぞ!!
GM:他にチャレンジする判定がなければシーン進行に移行します。メインタブはアルルさん視点で進めましょう。
ジェシカ・クロフォード:あ、では
ジェシカ・クロフォード:アルルさんに賄賂を送るチャレンジをしたいです。
ジェシカ・クロフォード:シューターズジャケットを、買う!
GM:ほ~!
GM:面白い!シューターズジャケットを賄賂の代わりに渡すことができるとしましょう
GM:受けるかどうかはもちろんアルルさん次第ですが
GM:シューターズジャケットは結構いいものだからな 崑崙山にはなさそうだし……
ジェシカ・クロフォード:流れるようにディスる
”頭の無い蛇"D:11dx>=13
DoubleCross : (11DX10>=13) → 9[1,1,3,4,4,5,5,6,8,9,9] → 9 → 失敗

任アルル:キングダムにもなかった
”頭の無い蛇"D:く…!やはり生まれたての従者はダメ…!!
GM:悲しすぎる



キングダム学区 幻獣ふれあいパーク

GM:市街の只中に設けられた、ドーム状の自然公園施設がある。
GM:キングダムの名所のひとつ、『幻獣ふれあいパーク』だ。他の学区では珍しい動物種やAオーヴァードなどが放し飼いにされており、
GM:来場者はそうした幻獣と自由に触れ合うことができる人気のスポットである。安全性も高く、幻獣による事故も年間60件くらいしかない。
七十橋シスル:安全だな~
GM:来場に伴う記入事項の関係で、七十橋シスルは10分程度、至上王から離れて行動できている。
GM:……そのタイミングを見ていたように。あるいは見透かしたように、通信が入っていた。ジェシカ・クロフォード。
GM:円卓議会第二席、"不夜王"である。
七十橋シスル:良すぎるタイミングに顔をしかめつつ。(アメリアに場所を聞いたからな……そのラインか?)着信に応じる。
七十橋シスル:「よォ、ワーカホリック。何か用か?」
ジェシカ・クロフォード:「デートは楽しんでいるか?」
七十橋シスル:「冗談なんざ珍しいな。キングダムは滅んでねぇだろ」
ジェシカ・クロフォード:「冗談ではない。卿が現在行っているのは学院における最重要特務事項だ。」
ジェシカ・クロフォード:「その状況を気にかけるのは政務を預かるものととして当然のことだろう」
七十橋シスル:「は、笑える話だぜ」
七十橋シスル:「元セルの最精鋭から純粋培養まで何千何万集めて、小娘一人に右往左往か」
ジェシカ・クロフォード:「ふむ。そう言うのであれば卿はさぞ優雅に至上王をエスコートしてくれているのだろうな。」
七十橋シスル:「当然、それくらいは容易い……てェ言いてえトコだがな。限度がある」
ジェシカ・クロフォード:「まさか、少女の色香に誑かされるなどという醜態を晒すはずもなく」
七十橋シスル:「ンなわけねえだろ! ……だが"五星君"は、流石に片手間であしらえる相手じゃねえ」
七十橋シスル:「把握してるか? イオンで出くわしたぞ」
ジェシカ・クロフォード:「無論だ。」
ジェシカ・クロフォード:「その件に関しては既に把握し、対応している。」
ジェシカ・クロフォード:「その上で、卿に頼みたいことがある。」
七十橋シスル:「なら良い。それだけがテメェの取り柄なんだからな……あァ?」
ジェシカ・クロフォード:命令ではない。円卓は形の上では平等だ。たとえ議席が上位であれ命令をする立場にはない
ジェシカ・クロフォード:「いいか。"五星君"の件を含め、他にどのような問題が起ころうとも。」
ジェシカ・クロフォード:「卿は"至上王とのデート"以外の事柄に一片足りとも心を砕くな」
ジェシカ・クロフォード:冗談のような言葉であるが、その響きは真剣そのものだった
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:「へェ。それで良いんだな?」 試すような声音。
ジェシカ・クロフォード:「わかってくれ。今学院の平穏を支えているのは"五星君"の襲撃に対応するものでも他学区との抗争に参加するものでも内乱の火種を消す者でもない。」
ジェシカ・クロフォード:「”至上王"とデートをしている卿なのだ。」
ジェシカ・クロフォード:拷問王の問に強い肯定の意味を加え、そう言い放った
七十橋シスル:「は。……とんだ休日だ」
七十橋シスル:「オーケー。《拷問王》も、俺の無敵の王鍵の力もなしにやるってんなら、お手並み拝見だ」
ジェシカ・クロフォード:「必要とあらば別途手当も支給できるよう手配する。」
七十橋シスル:「馬ァ鹿」
七十橋シスル:「金貰って女とデートするほど、俺ァ墜ちてねえよ」
ジェシカ・クロフォード:「そうだな、礼を失した言であった。忘れてくれ。」
ジェシカ・クロフォード:「詫びと言ってはなんだが、一つ助言を贈らせてもらえるか?」
七十橋シスル:「へえ。第二席直々の助言ね。なんだ?」
ジェシカ・クロフォード:「言うまでもないことだが、今回最も重要なことは"至上王"の機嫌を損ねないことだ。」
ジェシカ・クロフォード:「そしてそれを為すために、卿もデートを楽しめ。」
七十橋シスル:「至上王に、俺の機嫌が関係するかァ?」
ジェシカ・クロフォード:「彼女は間違いなく暴君の類だ。暴君とは他者を顧みず己が願望を叶えるために力を振るう王のことを言う。」
ジェシカ・クロフォード:「だがな、暴君とも言えど、人間だ。」
ジェシカ・クロフォード:「名君と言えるほどに多くの人間を顧みることは出来ないが」
ジェシカ・クロフォード:「それでも、ごく僅かな人間に対しては慈悲を施し、或いは逆にその優しさを請うこともある。」
ジェシカ・クロフォード:「そして、至上王にとってごく僅かな人間が、卿なのだ。」
ジェシカ・クロフォード:「卿が喜べば、彼女も空気も緩まるだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「少なくとも私の知る歴史上の暴君には、多かれ少なかれそういう人間がいたものだ。」
七十橋シスル:「……意外だな」
七十橋シスル:「お前が一番、あいつを怖がってると思ったが」
ジェシカ・クロフォード:ふ…と小さく吐息が漏れる
ジェシカ・クロフォード:「私には、恐怖の対象から目を逸らす勇気がないからな」
ジェシカ・クロフォード:恐ろしいがゆえに、観察するのだ。何があっても、対応が出来るように
七十橋シスル:「言いやがる。有難い忠告どうも。頭の端にゃ留めておく」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうしてくれ。」
七十橋シスル:「代わりに、俺からも一つ」
ジェシカ・クロフォード:「なんだ。」
七十橋シスル:「部長としての言葉だ。お前、今の案件で、何回"飛んでる"?」
七十橋シスル:険しい声だ。十字冠による侵蝕低減の発動回数を意味している。
ジェシカ・クロフォード:「1回」
ジェシカ・クロフォード:「だが、感覚でわかる。じきに”次”が来るだろう」
七十橋シスル:「………………はァア…………」 髪を掻き回す。キングダム医療部部長、七十橋シスルは、ノヴァリス全体でも特異な価値観を一つ保有する。
七十橋シスル:「何度でも言うがな。――頭の上の十字冠コレを、信用しすぎんな」
七十橋シスル:「戦いもせずなんのはテメェくらいだぞ。心に刻んどけ」
ジェシカ・クロフォード:「忠告、痛み入る」
ジェシカ・クロフォード:「そのための後進も、育てたいと思っているのだがな。」
七十橋シスル:「もっと死ぬほど痛み入れ。……そろそろ入場手続きが終わる。楽しいデートの再開だ」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、こちらも次の案件に動く」
ジェシカ・クロフォード:「健闘を祈っている」
七十橋シスル:「あいよ」 サングラスをかけ直し、ぴ、と通信を切る。
『アヴァロン』部員:「番号札62番でお待ちの二名様ー!」
『アヴァロン』部員:「書類確認が終わりましたのでご入場くださーい」
ルキア・ティベリア:「シスル。呼ばれてるわよ?」アイスを舐めていた。
七十橋シスル:「みたいだな。……幻獣か…………」
ルキア・ティベリア:「すごく楽しみ!私、騎狼犬に一度乗ってみたかったの」
ルキア・ティベリア:「シスルは幻獣好き?」
七十橋シスル:「好きっつーと……」あまり好きではない。が、さっき言われたばかりの言葉を思い出す。
七十橋シスル:「俺を相手に尻尾巻かない奴がいたら、遊んでやってもいい」
GM:そう言って、三重のゲートを通りパーク内へと進んでいった……
GM:……そして。
騎狼犬:「グルルルルルッ」
騎狼犬:「グギャオォォッ!!」
騎狼犬:「ハウッ……ガハウッ!」
騎狼犬:「グワオ……」
『アヴァロン』部員:「す、すごい……!こんなの初めて見ました!」係員がびっくりしている。
『アヴァロン』部員:「この子達がこんなにも懐かなかった人なんて、お客様が初めてです!」
七十橋シスル:「…………………………」
七十橋シスル:まあ分かってた。
七十橋シスル:一族郎党の仇のように睨み付けてくるワンコ達にガンをつけ返す。
七十橋シスル:「あぁん? 良い度胸じゃねえかオラ」
ルキア・ティベリア:「……」騎狼犬を撫でようとした姿勢のまま固まっていた。
ルキア・ティベリア:「さ、最近の騎狼犬って……凶暴なのね」
七十橋シスル:シスルを迂回するように、小型の騎狼犬がルキアに近寄っている。
騎狼犬:「ヒュン」危機には敏感なのか、ガンを飛ばされると、全員が一斉に尻尾を足の間に入れた。
ルキア・ティベリア:「……シスル、大丈夫……?」小さな騎狼犬を抱き上げているが、シスルへの心配が勝っている。
七十橋シスル:「おい平部員、エサあるだろエサ。」
『アヴァロン』部員:「はい、販売してますが」
七十橋シスル:「十個よこせ」
『アヴァロン』部員:「だ、大丈夫ですか……?」ワゴンから餌の袋をたくさん取り出して渡す。
七十橋シスル:手早く代金を支払い、ルキアに二つ渡す。そして、彼女の前で、尻尾を巻きながら威嚇を続ける八匹に
七十橋シスル:「ハッ。ま、この俺を前に頑張った方じゃねえの」 袋まるごと一匹に渡していく
騎狼犬:「クゥーン……」すっかり服従した。
ルキア・ティベリア:「あはは、かわいい……!子犬の脚って短すぎ!」
ルキア・ティベリア:「舌が出ちゃってる!あはは」
七十橋シスル:少し下がり、ルキアのその様をベンチから眺める。
ルキア・ティベリア:後ろの方ではルキアが上機嫌で騎狼犬の仔と遊んでいる。
GM:――だが、休息の時は訪れていない。それを感じ取っていた。
GM:ちょうどルキアと対角線上、シスルの背後から……
一角獣:「シュルルル……ブルルッ、ブルァッ」
一角獣:「ダービー……プリティ……!!」
一角獣:眼光を光らせる黒く巨大な一角獣!
デス・プレデター:「ニャン!!ニャオォォォン……!!」
デス・プレデター:猫のような鳴き声を発する冒涜的な怪物!
寿司ドラゴン:「オレ……ヌシ……」
寿司ドラゴン:「アマネク……セイメイタイノ……ヌシ!!!」
寿司ドラゴン:寿司ドラゴン!!
七十橋シスル:「…………」
『アヴァロン』部員:「ああ!あれはふれあいパークの奥地にしか生息していないという」
『アヴァロン』部員:「恐るべきレベル6幻獣ども……!どうして一斉に出現したんでしょうか!?」
七十橋シスル:「ふれあいパークの奥地になんで寿司が居るんだよ!?」
『アヴァロン』部員:「さあ……。あれは最近収容されたばかりで……よくわかんないものは取りあえず押し込んでおいてるので……」
七十橋シスル:「担当の王は何やってんだボケ!」

 凶暴幻獣ども[10]

   10m

  シスル[13]

   5m

  ルキア[行動なし]

■ラウンド1

GM:ミドル戦闘を開始します。凶暴幻獣ども(トループ)は25点ダメージを与えると退散します。
七十橋シスル:嘘だろ??
GM:こちらのセットアップはなし。
七十橋シスル:セットアップ怨念の呪石 暴走します 侵蝕50→53
ルキア・ティベリア:「かわいいなあ……!肉球が小さい!」迫りくる脅威にルキアは全く気づいていないぞ。
GM:手番は行動値13のシスルさんです。
七十橋シスル:はあい
七十橋シスル:マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:スパークウェッジ》
七十橋シスル:必中の弓で攻撃します
七十橋シスル:5dx8+14
DoubleCross : (5DX8+14) → 10[2,3,8,8,9]+10[1,2,10]+2[2]+14 → 36

GM:こちらも暴走状態なので命中します。
七十橋シスル:確かに暴走してるけどさあ!
七十橋シスル:11+4d10+2d10
DoubleCross : (11+4D10+2D10) → 11+33[9,5,10,9]+8[1,7] → 52

七十橋シスル:出目こわっ 侵蝕53→58
GM:一撃調伏!七十橋シスルの勝利です。
GM:VICTORY
七十橋シスル:こんなものが勝利か……?



GM:ドドドドドドド
GM:地響きが迫ってくる……!幻獣は例外なくシスルへと殺意を向けているぞ。
七十橋シスル:「前の星室庁の事件以来、円卓の地位を狙うクソバカアホカスどもならたまに来たがな……」
七十橋シスル:「幻獣に狙われたのは初めてだ」 だん、と踵が地面を蹴りつける。
七十橋シスル:衝撃波じみて同心円上に広がるのは、彼女の遺産が無限に生み出す黒き茨だ。
七十橋シスル:「"我が爪先が踏みしめる大地を 即ち国土とす"」
七十橋シスル:茨は瞬く間に地面から立ち上り、名状しがたい無秩序暴走幻獣たちを、有刺鉄線柵めいて絡め取る!
一角獣:「オゴーッ!!?」バターン!
デス・プレデター:「ニャンニャーン!!」ニャーン
寿司ドラゴン:「ス……死……!」ガクッ
七十橋シスル:「尻尾巻いて故郷に帰るんだな。帰ってママの乳でも吸ってろ……」
七十橋シスル:(家族、いるか? この造形の生物に)
『アヴァロン』部員:「あ、あわわ……」背後でガタガタと震えている。
『アヴァロン』部員:「黒い茨の遺産!そしてレベル6幻獣の群れすら一蹴する戦闘能力……」
『アヴァロン』部員:「お、お客様は……あなた様はもしや……!」
七十橋シスル:「シィ」
七十橋シスル:「黙ってろ。お前は何も見なかった。オーケー?」
『アヴァロン』部員:「は、はいい……」
七十橋シスル:「あとレベル1から5はどういう基準で決まってんだ」
『アヴァロン』部員:「幻獣レベル1は猟銃で武装したハンターが10人で捕獲可能です……」
七十橋シスル:「……俺はツッコまねーからな! ったく」踵を返してルキアの元に戻ろうとする。
ルキア・ティベリア:「ああ、ごめんねシスル」
ルキア・ティベリア:笑いすぎて涙が出たのか、目元をぬぐっている。
ルキア・ティベリア:「一人ですごく楽しんじゃった。シスルも楽しめた?」
七十橋シスル:「あァ、……」背後の惨劇を隠しつつ。「興味深くはあったな」
GM:騎狼犬は、シスルを円状に避けて近づこうとしていない。
GM:だが、一匹だけ、足元に寄ってくる騎狼犬がいた。片目に傷を負った、年老いた個体だ。
騎狼犬:「……ゥゥ」
七十橋シスル:「ん?」
騎狼犬:「……」シスルの足元で、穏やかに伏せる。
七十橋シスル:「なんだ。俺に撫でられたいって?」
ルキア・ティベリア:「撫でてあげましょうよ、ねえ」
ルキア・ティベリア:「きっと喜ぶと思うわ」
七十橋シスル:目を細める。「どこの世界にも、変わった奴がいやがる」
七十橋シスル:豊富な毛に手を差し込んで、頭から首元をわしゃわしゃと掻いてやる。
七十橋シスル:にやりと頬がつり上がっている。
七十橋シスル:「いかした傷があるじゃねえか。どこぞで武勇伝でも立ててるか?」
騎狼犬:「ルルッ……ガフッ、ハフッ」目を細めて、気持ちよさそうにしている。
ルキア・ティベリア:嬉しそうにその様子を眺めている。
『アヴァロン』部員:("拷問王"様……)物陰でドキドキしている。
『アヴァロン』部員:(あんな怖い人に、まさかこんな一面が……!)
七十橋シスル:「モップみたいな毛だな。おら、おら」
GM:その後、ルキアとともにしばし穏やかな時間を過ごした。
GM:"不夜王"の助言通り……シスルが楽しむことでこそ、ルキアも楽しむのかもしれなかった。



GM:ルキア・ティベリアの好感度が上がりました!
GM:機嫌ゲージには影響しません。
七十橋シスル:やった~~~! 愛用品実装まだかな
GM:今後を楽しみにしててね
GM:ロイス取得のみ可能ですが、まあないかな?ジェシカさんに取るかどうかでしょうか
七十橋シスル:そうですね!
七十橋シスル:ワーカホリック/ジェシカ・クロフォード/有為:○/憤懣/ロイス
GM:過労死に……厳しいぜ!
七十橋シスル:自分を大切にしない奴は……死ね!!(医療部長)



キングダム市街 喫茶室『モネ』

GM:キングダム中央大通り沿いには、ブランドショップや高級レストランなどの華々しい店舗が並ぶ。
GM:この喫茶室『モネ』もその一つだ。コーヒー一杯で4桁の値段こそするが
GM:それでもサービスは極めて行き届いており、客層もよく、静かに響くクラシックと共に憩いの時を過ごすことができる。
GM:任アルルはそこにいた。――『鴉の塔』警備責任者アメリア・シュミットがそこにいることも知っている。
GM:とはいえ、あえてちょっかいを出すかどうかは、まったくアルルの自由だが。
社会人:「いらっしゃいませお客様。お席の指定はございますか?」
任アルル:悟られぬ程度の一瞬で店内を見渡して。
任アルル:「ええ、待ち合わせをしているのです……ああ」
任アルル:「いました。あちらの方と」
任アルル:目に留まった黄金の髪の乙女に向け、笑顔で軽く手を振って見せる。
社会人:「かしこまりました。ご案内します」
GM:席へと案内される。対面にはアメリア・シュミット。
アメリア:「えっ私待ち合わせしてたんですか!?」
アメリア:「フフ……私ったらとんだうっかりさんですね」「約束を忘れてしまうなんて……」
任アルル:「していたんです」
任アルル:ふわふわと宙を移動して対面に腰を下ろす。
任アルル:「この学区では……」
任アルル:「王さまがそうだって言えば白い薔薇も赤くなる。でしょう?」
任アルル:「わたしも意味合いは違えど王のようなものですし。お付き合いくださいな、かわいらしいお嬢さん」
アメリア:「あらあら、そんなに言われたら、私も赤くなってしまいます」
アメリア:「名高き崑崙山の、”游随辰星”さま」
任アルル:「嘛」目をぱちくりとさせる。「どなたかのお知り合いだったでしょうか」
任アルル:定時制の王の関係者かと思って訊いている。
アメリア:「先程、拷問王や至上王と、仲睦まじくされていたじゃないですか」
GM:アメリア・シュミットの目は、キングダムのどこにでもある。
GM:本人がその場にいないように見えても、キングダムで発生したすべての事件を把握しているのだという。
アメリア:「やっぱり……学園の頂点に立つようなお方って、秘密のお出かけが好きなんでしょうか?」
任アルル:「ふふ! 今日は本当に好ましい出会いに恵まれるみたい」
任アルル:「地位や力は自由のためにあるものですから──改めまして、ご存知のよーですけれど、任アルルと申します」
任アルル:「あなたのお名前と、もしよければこのお店のお勧めなどを窺っても?」
アメリア:「アメリア……アメリア・シュミットです」
アメリア:「お勧めは……私と同じものですかね」
アメリア:ウェイターに言いつけ、同じものを注文する
社会人:「かしこまりました。カプチーノのダークローストをお持ちいたします」
任アルル:「ありがとうございます。実のところあまり慣れていなくって」
任アルル:「ちょっと緊張していたのです」とてもそうは見えない微笑。「アメリアみたいに、優しくて親切な子に会えてよかった」
アメリア:「それはよかったです!」「キングダムここを、気に入ってくれたのなら」
任アルル:「それはもう。思っていたよりおおらかですし」
任アルル:「こーいう場所って、ドレスコードとかあるのかなって思っていましたけれど。特に何も言われませんでしたしね」
任アルル:「王さまにも、けっこー、わたしみたいな格好のひとがいるからでしょうか」
アメリア:「そうですねぇ……キングダムには数多くの王が居ます」
任アルル:こちらの学区で日中に動く際も、服装はまったく変えていない。卓で胴から下が隠れている今ならば、落ち着いて重厚な喫茶の内装と合わせ、夜会の出席者のように見えないこともないのだが。
アメリア:「様々な来歴を経て。ここに居る者だって……」
アメリア:「ですから、それぞれの服装だとか、考え方だとか」
アメリア:「そういったものを受け入れて認め合える……そんな学園です」
アメリア:「……いえ、そんな学園であってほしい……と言うべきですかね」
アメリア:”霊樹王”からの言葉を受けて、胸の内で、いろいろなことを考えている
任アルル:「いー考え方だと思います」
任アルル:配膳されたコーヒーに口を付ける。
任アルル:「……ふむ」
任アルル:一度それをソーサーに置き、小さなポットからミルクを注いで。
任アルル:「多くの色が混ざりすぎると黒になり、黒はそれ以上変わることはない──」
任アルル:「──とゆーような印象をもって語られがちですけど」
アメリア:「けど……?」興味深く聞いている
任アルル:カップの中で、コーヒーの黒が暖かみのあるブラウンに変わっていく。「実際にはこの通り、必ずしもそうではない」
任アルル:「既に多くを受け入れているからといって、もう受け入れる余地がないということにはならない……でも」
任アルル:「そんな事実とはまた別に、新たな色を入れるか入れないかの判断はある」
任アルル:「ブラックのままのコーヒーが好きなひともいるでしょう。そういう相手に、新たな味を試させることはできるでしょうか?」
任アルル:「まして、相手が王様で、自分はそうではなかったとしたら?」
アメリア:頬に指をついて考える
アメリア:「それは……やって見なくちゃ、分からない」
アメリア:ポットからミルクを注ぐ。多めに
アメリア:「答えになるかは分かりませんけど……私は、ブラックもミルクも好きなんです」
任アルル:「ふーん……?」
任アルル:席から浮き上がり、卓を回って金髪の乙女の傍らへ行く。
アメリア:「あまり難しいことを考えるのが……苦手だったりもするのですが……」
任アルル:「それはわたしも苦手ですけど」
任アルル:「わたしの場合、大抵のことは力でなんとかなりもします。あなたはどうでしょう?」
任アルル:その手を取り、もう片方の手で二の腕を優しく撫でるようにする。「こんなに細い腕で──ほんとに細いですね。ちゃんと食べてます?」
アメリア:「ひゃっ、……人並みには……?」
任アルル:「まあそーですか」胸元に視線をやる。「食べるに困ってる感じではないですよね」
任アルル:「むしろとても豊か。ええ、食生活が」
アメリア:「うう……確かに武闘派な王の様に、鍛えてはいないですが……」
アメリア:「自分の身を守るくらいは……!今日も、襲ってきた生徒を返り討ちにしましたし……!」
任アルル:「襲ってきた生徒」わざとらしく驚いて見せる。「キングダムでも、そういったことはあるのですね」
任アルル:「であればやはり、自らの身を鍛えるのも大事、ですよ。最後に頼れるのはやっぱりそれですもの」
任アルル:すいと顔を近付け、互いの指を何気なく絡めさせる。かすかな花の香りが鼻先に届く。
アメリア:「……!」
任アルル:「多少でしたら、わたしも教えられますし──」
任アルル:「それに、ほら」自分の足元を指す。「アメリアに学ぶ気があるのなら、こーやってふわふわ浮いて移動する方法も伝授します。楽しーですよ」
アメリア:「そ、そんなことが……!?」
アメリア:「どうやって……?」
任アルル:「興味がありますか……?」
任アルル:頬に片手を添える。深紅の瞳が楽しげに細められる。
任アルル:「誰にでも聞かせられることではありません。そうでしたらぜひ、二人きりでお話ができるところに行きましょう」
アメリア:「え、ええ……」顔が何故だか紅くなる
アメリア:なんだか頭がポーっとして、ああ、桃のいい香りがする───
アメリア:「はっ!いけませんいけません!」
アメリア:いつの間にか胸に添えられていた手を振り払って
アメリア:「……おほん、私のお友達が、もうすぐ来るはずですので……」
GM:アメリアの持つ端末に着信があったことに、先程気づいた。
GM:そして無視できる名前でもない――円卓第二席、"不夜王"。
任アルル:「あら。そうとは知らず失礼しました」やや残念そうに手を離す。
ジェシカ・クロフォード:「安心したよ」
ジェシカ・クロフォード:「てっきり私が来ていることに気づいた上で事に及んでいるのかと判断するところだった。」
アメリア:「そ、そそ、そんな破廉恥ではないですよ私!」
任アルル:「あらあら。そうだったのですか」
任アルル:「奥手そうな顔をして、やるのですね、アメリア」
ジェシカ・クロフォード:端正な顔立ち。だがそのような印象が消し飛ぶほどに不機嫌な顔をした少女が君たちの前に立っていた。
ジェシカ・クロフォード:「座らせてもらってよろしいかな?」
アメリア:「も、もちろんです!」さささっ、と隣の引く
任アルル:自分も元の席に戻る。
ジェシカ・クロフォード:「失礼する」
ジェシカ・クロフォード:そう言ってアメリアの隣に座る。
ジェシカ・クロフォード:そして任アルルに視線を合わせ
ジェシカ・クロフォード:「君とは」
ジェシカ・クロフォード:「"初めまして"」
ジェシカ・クロフォード:「でよろしかったかな?」
任アルル:「あっ」ぱっと目を輝かせる。「キングダムっぽい!」
ジェシカ・クロフォード:眉間の皺が深くなる。
任アルル:「気を使われている、ってゆーやつですよね。ええ、わたしは崑崙生ではありますけれど、もちろんそーゆー機微を解します」
任アルル:「はい。ふふ。はじめまして……任アルルです。アメリアとはつい先ほど偶然知り合いました」
ジェシカ・クロフォード:「会話を楽しんでくれる御仁のようで、助かるよ」
ジェシカ・クロフォード:苛立ちを隠すように眼鏡の縁を直す仕草をする
任アルル:「それにしても」
任アルル:「急遽連絡された……なら、さすがに気付けると思いたいし。かといって元から会う予定だったのでも、堂々と出てこられるのはちょっと意外です」
任アルル:興味深そうに不夜王の顔を見つめる。
任アルル:「いちおーあんなことがあったわけですし。あ、初対面ですけど」
ジェシカ・クロフォード:その言葉に苦笑する。
ジェシカ・クロフォード:なるほど、どうやら駆け引きをしているわけではないらしい。
ジェシカ・クロフォード:最も、或いはその方が厄介なのかもしれないが。
ジェシカ・クロフォード:「君が至上王、拷問王と接触したという情報は私の耳にも入っている。」
ジェシカ・クロフォード:「"五星君"にその名を連ねるほどの武人であれば。」
ジェシカ・クロフォード:「彼女らの気に触れた後に、私程度に食指が動くほど野暮ではあるまい。」
任アルル:「ええ。気難しそーなお顔の割に、乙女心をよく分かっているのですね」特に皮肉のつもりではない。
ジェシカ・クロフォード:「乙女心で動く王の機嫌を毎日伺っているのでね。」
アメリア:(よし、楽しく話せているようですね……)2人の会話を見守っている
任アルル:「だから安心して、予定通りに友達に会いに来た……わけじゃないですよね」
アメリア:「そうなのですか不夜王?」
任アルル:「や……意外とそういうこともあるんでしょうか」自身の柔らかな唇に真っ白な指先を添えて。「トラブルで自分の予定を変えるのは我慢ならん、みたいなのも王さまっぽいですし……」
ジェシカ・クロフォード:「確かに、円卓にはそのような王もいるがな」
ジェシカ・クロフォード:「私が会いたかったのは、君にだよ。"游随辰星"」
任アルル:「わたしに」唇にやっていた手でそのまま自分を指差す。
アメリア:「……もしや」
アメリア:「サインですか?」
ジェシカ・クロフォード:「そうだ。」
アメリア:「そうなんですか!?」
任アルル:「真的?」
任アルル:長い睫に囲われた両目が瞬く。
ジェシカ・クロフォード:「そんなに驚くことか?」
ジェシカ・クロフォード:「崑崙山五星君は崑崙の生徒の代表組織。我が学院に照らし合わせば円卓と等しい。」
アメリア:「確かに……会うことも難しい存在ですものね……」
ジェシカ・クロフォード:「なれば、学区同士の協定を結ぶ際に、彼女のサイン、或いは調印を求めることには何の不思議はないと判断しているのだが」
アメリア:「キョーテイ……協定!そちらの方でしたか……」
任アルル:「……ああー……?」
任アルル:「協定」
任アルル:「崑崙山と。結ぶのに、生徒会であるわたしのハンコがいる」
ジェシカ・クロフォード:「そういうことだ。」
ジェシカ・クロフォード:「他の五星君には『君がいいならいいんじゃないか』という返事を貰っている」
任アルル:「へえー……たしかにそうなるんですね」
任アルル:「初めて言われました。そっか、五星君ってそういうこともやるんだ……」
アメリア:「他の五星君からも厚い信頼があるのですね……!」
ジェシカ・クロフォード:「生徒の代表組織とはそういうものだ。」
任アルル:「なるほど~」
ジェシカ・クロフォード:約定を纏めた資料をアルルさんとアメリアさんに渡す
ジェシカ・クロフォード:硬質な文字で纏められたそれは細かい文章が多岐に渡り書かれているが
アメリア:「これは……つまり……!」
ジェシカ・クロフォード:主な約定は崑崙とキングダムの貿易の活発化に商業の高揚化
ジェシカ・クロフォード:そして最も重要な『崑崙五星君』と『円卓』の不戦協定だ。
ジェシカ・クロフォード:各組織にそれを破った者がいた場合
ジェシカ・クロフォード:その組織が責任を持って処罰を行うことが明文化されている。
任アルル:ぺらぺらと捲って内容を眺める。
任アルル:「これ」
任アルル:「この不戦協定っていうの。いつからいつまで有効になるんです?」
ジェシカ・クロフォード:「出来るのなら、年度内が理想であるが」
ジェシカ・クロフォード:「それは勿論君たちと交渉しよう。」
任アルル:「そんなにお預けを食らわされるのですか……?」
任アルル:「じゃあいやです」
任アルル:貿易や商業といった内容には触れもしない。
ジェシカ・クロフォード:「意外だな。」
ジェシカ・クロフォード:「これは君にとっても悪くない条件だと思ったのだが。」
ジェシカ・クロフォード:「君がほんの気まぐれで条約を破るだけで」
ジェシカ・クロフォード:「他の五星君が君を罰せんと襲いかかってくる場を整えたのだぞ?」
任アルル:「あっはははは!」
任アルル:「っ、失礼……ふふっ、いえ……うん」
任アルル:「た、確かに、そう……そうですね。そういうこともあるかもしれません」
ジェシカ・クロフォード:鋭い眼差しで任アルルを射抜いている
アメリア:良いんですかそんなの……と口にしかけて、アルルの笑い声に止められた
任アルル:「“歳星雷”や……もしかしたら“中霤填星”あたりもそうかも。うん」
任アルル:認めながら、未だに剥き出しの肩を震わしている。
ジェシカ・クロフォード:最期の判断は君に任せる
ジェシカ・クロフォード:その言葉を他の五星君は暗に同意を示している、と理解することをジェシカは期待している
任アルル:「ねえ、でも……」
任アルル:「あなたが欲しいのは、わたしの行動への縛りなのでしょう?」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「君ほどの武力を有しながら」
ジェシカ・クロフォード:「同時にそれ以外のものを何も持ち得ない人間と」
ジェシカ・クロフォード:「闘争をし、得られるメリットは皆無と言っていいからな。」
任アルル:「あなたは何を払うのですか?」
任アルル:「交渉の場で、こうして顔を突き合わせて……わたしが自重し、わたしの学校がそれを見張る」
任アルル:「あまりフェアではないですね」
ジェシカ・クロフォード:「全くそのとおりだ。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、私に用意できるものは限られていてな。」
ジェシカ・クロフォード:「こちらが君に用意が出来るのは、別の『闘争の場』」
アメリア:「………」いざという時は、自分がコーヒー代を全て持つつもりでいる
ジェシカ・クロフォード:「そして、その代価は”不夜王"の名誉。ということになるのかな。」
ジェシカ・クロフォード:不戦協定を結ぶのは"『崑崙五星君』と『円卓』"だ。
ジェシカ・クロフォード:条約を細かく読んでいけば同じ学区でありながら、その他の勢力においては不戦協定は適用されないことになる。
ジェシカ・クロフォード:そしてこれを広義の同盟として捉えるのなら、五星君には円卓の敵を討ち果たす大義名分が与えられる。
ジェシカ・クロフォード:そして、内部の抗争を解決するために外部の勢力を手招いた”不夜王"には
ジェシカ・クロフォード:売国奴の汚名が着せられることになるだろう。
ジェシカ・クロフォード:「それでは不足かな」
任アルル:「どうも──事実に基づく偏見があるみたい、ですけれど」
任アルル:「わたしたちだって、魚が釣りたければ河に、獣を狩りたければ山に行くくらいの知恵はあります。円卓の王なんて雑なくくりをして、あなたに敵手としての価値を求めたりはしないのと同じように……ましてあなたの名誉如何なんて、さして興味の持てないことです」
任アルル:「用意できるものが限られると仰いましたが、あなたにこそ求められるものもある」
ジェシカ・クロフォード:「ぜひ、伺いたい」
任アルル:「いくら正式な条約だとしたって、既に請けているお仕事と反するものを結べば、わたしが不義理をしたことになるでしょう」
任アルル:「だから、わたしの直接の雇い主と話をつけるか、無理ならわたしや崑崙山の悪評が広がらないようにしてください。……というのは、まあ、できたらで構いません」
任アルル:「いまわたしが最もあなたから得たいのは」
任アルル:温室の花のように微笑む。
任アルル:「ルキア・ティベリアとは何者であるのか。その情報です」
GM:――その情報は、ある。
GM:ジェシカ・クロフォードこそが、あの『八月革命』で
GM:ルキア・ティベリアを最初に見出した者であるからだ。
アメリア:「待ってください、それは……」”その情報”は、キングダム随一の情報収集能力を持ってしても、手がかりすら掴めずにいるものだ
ジェシカ・クロフォード:"不夜王”は依然鋭い眼差しであって任アルルを射抜いている
ジェシカ・クロフォード:だが、任アルルがルキア・ティベリアの名を出した瞬間
ジェシカ・クロフォード:僅かな動揺があったことが任アルルになら悟れるだろう
任アルル:「……」微笑を保ったままでいる。次に口を開く者が誰かは自明だと示すかの如く。
ジェシカ・クロフォード:「なるほど。」
ジェシカ・クロフォード:「流石に五星君。その対価は重いな。」
ジェシカ・クロフォード:「だがな。"游随辰星"」
ジェシカ・クロフォード:「円卓に名を列する者にとって我が王の名は、それ以上に重いのだ。」
ジェシカ・クロフォード:その口の堅さは、決意や忠誠によるものだけではない。
ジェシカ・クロフォード:或いは、口にすることすら憚られる『驚異』によるものかもしれなかった。
ジェシカ・クロフォード:「だが、そうだな。」
ジェシカ・クロフォード:「私は確かに君が求める情報を知っている。」
ジェシカ・クロフォード:「そしてこれから互いの交流が深まることがあれば」
ジェシカ・クロフォード:「そのことについて、話せる時が来るかもしれない。」
ジェシカ・クロフォード:「今は、それでどうだろうか」
ジェシカ・クロフォード:声の震えを隠すために、普段よりもより冷徹に言葉を紡いだ
任アルル:コーヒーに口をつける。
任アルル:「思いのほか話し込んじゃったみたいです」
任アルル:「冷めてますね。キングダムの美味しいコーヒーでも」
任アルル:「ずっとその味を保てるわけではない」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、すっかりコーヒーも冷めてしまったな」
任アルル:「これと比べれば、崑崙の粗野でも温かいお茶の方が、きっと人の舌を喜ばせるでしょう」
任アルル:「あなたが大事にしているそれはどうでしょうか?」
ジェシカ・クロフォード:「はは」
ジェシカ・クロフォード:「君のほうが、よほどキングダムらしい言い回しだな。」
任アルル:「わたしが担うのは、確かにただ一時の助力に過ぎません。代価を惜しまれるのもとーぜんです」
任アルル:「だけど今まさに、あなたが必要とするものでもある」
任アルル:「そう思っていたのですが。違うのですか? “不夜王”」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、然りだ。"游随辰星"」
ジェシカ・クロフォード:「だが、今の君にはその代価を払う価値はあっても。」
ジェシカ・クロフォード:「代価を受け取りに値する”信用”がない」
ジェシカ・クロフォード:自身の胸、そして額。
ジェシカ・クロフォード:昨晩、”何者"かの槍によって射抜かれた箇所を、静かに指で示す。
ジェシカ・クロフォード:「そうは思わないか?」
任アルル:「それは考えたことがありませんでしたね」
任アルル:小首を傾げる。「どうやったら示せるでしょうか。それとも代わる何かが必要ですか?」
ジェシカ・クロフォード:「古来より、信頼を築くために必要なものはそう多くない」
ジェシカ・クロフォード:「今回は、互いに”時”を代価にして信頼を築き上げることにしないか?」
ジェシカ・クロフォード:「私は、君が"情報"を受け取るに値するという信頼を」
ジェシカ・クロフォード:「君は、私が偽りなく君に”代価”を支払うという信頼を」
任アルル:「…………。確かに」
任アルル:こくんと頷く。
任アルル:「湯を沸かす前から茶の味を論じても詮無いこと」
任アルル:「……ちょっぴり逸ってた、みたいです。お許しくださいね、王さま」
ジェシカ・クロフォード:「何、交渉とはこのようなものだ。」
ジェシカ・クロフォード:「むしろ手強い相手の方が、味方となった時はありがたい。」
任アルル:笑う。ずっとそうしていたはずだが、いつの間にか張り詰めていた無形の圧力が霧散する。
任アルル:「ではまず、こちらが働きを見せましょうか……ああ」
ジェシカ・クロフォード:机の上には君の調印を待つのみとなった書類が置かれている
任アルル:「なんでしたっけ、調印?」
任アルル:「血判でいーですか?」
ジェシカ・クロフォード:「君の流儀で構わない」
任アルル:「……」
任アルル:「これは試しに言ってみる程度なんですけど」
ジェシカ・クロフォード:「何かな?」
任アルル:「今は、条約に調印することへの調印、じゃダメでしょうか」
任アルル:「いえ、内容に文句はないんですよ」
任アルル:「実質の同盟と……」とん、と指先で条文の一か所を示す。
任アルル:そこに記されている条項は、『“崑崙山五星君”と“円卓の王”の不戦』。
ジェシカ・クロフォード:「うむ」
任アルル:「“崑崙山五星君”と“円卓に等しく・・・座する王”の不戦」
任アルル:「うん。ぜんぜん、問題ないんですけど」
任アルル:ちら、と上目で不夜王を窺う。
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「どうやら」
ジェシカ・クロフォード:「キングダムの山野にも、どうしても逃したくない獲物がいるらしいな。」
ジェシカ・クロフォード:円卓に座する王たちは全員が平等である。それが建前であり、真実だった。
ジェシカ・クロフォード:唯一人の例外にして規格外の王が現れるまでは。
アメリア:「……もしや」
ジェシカ・クロフォード:「構わない。円卓は"平等"の力を有しそのことはキングダムに籍を有するものは全て理解している。」
ジェシカ・クロフォード:「それを改めて明文化したところで”何も問題はない”」
任アルル:「やったあ!」
任アルル:「お顔は怖いのに優しーのですね、不夜王。もしかしてわたし惚れられてます?」
ジェシカ・クロフォード:「もしそうだとしたら、君と鴉飼の戯れを赦しはしないよ」
ジェシカ・クロフォード:「こう見えて私は嫉妬深いんだ」
任アルル:「うふふっ。じょーだんです」
任アルル:指先に片手の爪を走らせる。白魚の如きその端に、宝石を思わせる赤い珠が浮かぶ。
任アルル:「じゃ、ぺったんとやりましょっか──」
ジェシカ・クロフォード:「確かに」
ジェシカ・クロフォード:「これで崑崙とキングダムの協定は成立した。」
ジェシカ・クロフォード:「鴉飼。卿がその立会人だ。」
アメリア:ふぅー、と胸をなでおろしていたところに
アメリア:「うおっ、はい!」
ジェシカ・クロフォード:「このことを崑崙及びキングダムの各組織に至急伝達してくれ」
任アルル:「定時制の子たちに裏切ったって知られちゃいますねえ」もはや関係があったことを隠そうともしない。
アメリア:誰に連絡を取るまでもなく、数秒、目を閉じて
アメリア:それだけで手順は済んだ。後は、鴉たちが協定について、諸王に伝えて回る。
アメリア:無論、崑崙山へも
アメリア:「ならば……定時制の方々ともうまく和解して」
アメリア:「裏切らなかったことにしてしまいましょう!」
アメリア:「……とても合理的だとは思いませんか?」
ジェシカ・クロフォード:「合理的ではあるが」
ジェシカ・クロフォード:「君はもう少し建前を大切にしてくれ」
任アルル:「いいですね。平和」くすくすと笑う。
アメリア:「フフフ……!」
アメリア:得意げに、最後の1杯を飲み干した



GM:ロイス取得が可能です。
任アルル:枠はいっぱいなので……
ジェシカ・クロフォード:任アルル/有意○/驚異
ジェシカ・クロフォード:あと侵蝕を下げます
ジェシカ・クロフォード:110-10-1d10
DoubleCross : (110-10-1D10) → 110-10-8[8] → 92

任アルル:不夜王への感情を ○親愛/疑念 に変更します。
ジェシカ・クロフォード:グッド
アメリア:任アルルさんに 〇感服/恐怖 で!
任アルル:ジェシカさんミドルでこちらにロイス取ってくれてませんでしたっけ
任アルル:合流時に
ジェシカ・クロフォード:あ、そうだった。
ジェシカ・クロフォード:ロイス管理が甘い!
GM:まあ感情変更で処理していただいてOKですよ
GM:今回ロイスメモがないからなあ
GM:それでは本日はここまで……!本当にお疲れ様!次回もお楽しみに!
アメリア:コーヒーブレイクで心も癒されましたね!(?)
任アルル:お疲れ様でしたー!
ジェシカ・クロフォード:さっしたー!


◆Middle05◆vs"羽檄王"

GM:では、本日の情報収集メニューをご紹介します。

・"血統王"〈情報:ノヴァリス〉難易度5
◎"羽檄王"〈情報:ノヴァリス〉難易度10
◎"月下王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
◎"霊樹王"〈情報:ノヴァリス〉難易度15
◎"暗礁王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20
◎"安臥王"〈情報:ノヴァリス〉難易度20

・"至上王"の機嫌を取る〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4
・"至上王"の機嫌を損ねる〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 4/4

○プロンプトの動向〈情報:ビジネス〉難易度11
◎任アルル〈情報:ノヴァリス〉自動成功
・"不夜王"暗殺依頼の真意〈情報:ノヴァリス〉難易度10


・救伐騎士団を動かす〈調達〉難易度20
 クライマックスの任意のエンゲージに存在するトループを全滅させる。
 対象エンゲージは判定挑戦時に指定する必要がある。

○定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25
 現状の定時制の待遇を改善し、生徒の不満を低減する改革案を立案できる。
 ただし"至上王"帰還後の情勢にも関わるため、"至上王"との交渉が必要。

・暴動を扇動する〈交渉〉難易度15
 キングダムの任意の地点で暴動を引き起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

◎崑崙山中等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度20
 密かに、崑崙山中等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

・所属情報を改竄する〈知識:ウェブ〉難易度20
 任意の1つの事件に関わった組織の組織名を改竄できる。

・戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
 特定の学校に対して戦争を起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

・海賊部を動かす〈調達〉難易度20
 所在が判明している任意の物品を強奪できる。
 任意のエキストラを誘拐することもできる。

・"鉄騎王"を動かす〈交渉〉難易度15
 任意の建造物を破壊できる。隠蔽には別の判定を使用すること。

・事件を隠蔽する〈情報:ノヴァリス〉難易度10
 任意の事件が起こった事実を隠蔽できる。
 ただし、学区外の事件については適用できない。

GM:プロンプトの動向については追加情報が多少あります。そして"不夜王"暗殺依頼の真意が新たに開放されました。
GM:また定時制の待遇改善は、"至上王"に直接具申する必要があります。デート中にするような話じゃないからね。
GM:そして、政治判定に加入する新たな仲間をご紹介します。

・キングダムの生徒を追放する〈知識:政治〉難易度25
 任意のキングダム生徒の集団に対し、円卓議会が正式に放校処分を下すことができる。
 ネームドキャラに対しても可能。ただし対象がその処分に従うとは限らない。

・決闘〈任意の技能〉自動成功
 1対1の決闘をセッティングすることができる。ただし、互いに同意している必要がある。

・生徒を庇護する〈交渉〉難易度10
 指定したエキストラ集団を、政治的非難から庇護することができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

GM:"霊樹王"の取引条件として提示された殺妖者追放は、もちろんキングダムの内政能力をもってすれば可能。
GM:反逆される前に反逆容疑者を全員追放してしまうこともできます。あくまで除籍処分というだけなので多分計画は止まらないけど……
GM:また、このシーンから休日は2日目となります。新たなデートプランを考えましょう。
GM:判定にチャレンジしたい方は登場してください。
ジェシカ・クロフォード:チャレンジ!
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (92 → 101)
任アルル:また100超えてる……
任アルル:こちらも出ます
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (54 → 62)
七十橋シスル:1d10+53
DoubleCross : (1D10+53) → 2[2]+53 → 55

七十橋シスル:登場侵蝕が1と2しかねえ
アメリア:とりあえず出ましょう!
アメリア:70+1d10
DoubleCross : (70+1D10) → 70+4[4] → 74

アメリア:プロンプトの動向〈情報:ビジネス〉、何やら新情報もあるとのことなので挑戦したく!
任アルル:自分は“不夜王”暗殺以来の真意に挑戦します。コネ学園通の友人を使いまして
任アルル:6dx+1>=10
DoubleCross : (6DX10+1>=10) → 9[1,5,5,5,8,9]+1 → 10 → 成功

任アルル:ギリギリセーフ
アメリア:ミーミルコネ使用!
アメリア:7dx+1>=11
DoubleCross : (7DX10+1>=11) → 10[2,5,7,7,7,10,10]+9[9,9]+1 → 20 → 成功

アメリア:余裕のセーフ
七十橋シスル:至上王の機嫌を芸術:服飾で振ります。……判定前に
七十橋シスル:ジェネシフト。
七十橋シスル:55+2d10
DoubleCross : (55+2D10) → 55+11[6,5] → 66

任アルル:本気だ
七十橋シスル:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[1,2,4,4,4,10]+10[10]+10[10]+9[9] → 39

七十橋シスル:???
任アルル:めちゃくちゃ本気だ
七十橋シスル:二日目なので徹夜で予習していました
アメリア:えらい
任アルル:あらあら
GM:すごすぎる
GM:どれだけ着せ替えたがってたんだ
ジェシカ・クロフォード:スパダリ過ぎる
ジェシカ・クロフォード:確認ですが
GM:はいな
ジェシカ・クロフォード:「いつでも使用できる」という文面がついていない判定は、全て判定成功時に効果が現れるってことでよいですか?
GM:書き損じがなければそのはずです。
GM:例えば所属情報の改竄や事件の隠蔽は、判定時点で既に起こっている物事に対してでなければ使えないということですね
ジェシカ・クロフォード:なるほど、難しすぎるよ~~~!!
任アルル:隠蔽しなきゃいけないような事件なんて起こるのかなあ
ジェシカ・クロフォード:それでは
ジェシカ・クロフォード:・暴動を扇動する〈交渉〉難易度15
ジェシカ・クロフォード:・戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
ジェシカ・クロフォード:・生徒を庇護する 〈交渉〉難易度10
GM:なるほど。「いつでも使用できる」を優先して判定するということ……!
ジェシカ・クロフォード:まずはこれらのいつでもシリーズから行ってみたいと思います。
GM:いいでしょう。やってみてください
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (101 → 110)
ジェシカ・クロフォード:ミス!!
”頭の無い蛇"A:・生徒を庇護する 〈交渉〉難易度10
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:11dx7>=10
DoubleCross : (11DX7>=10) → 5[1,1,1,2,3,3,3,4,4,5,5] → 5 → 失敗

”頭の無い蛇"A:嘘だろ
GM:本当は生徒守りたくないんじゃないの~?
”頭の無い蛇"B:・生徒を庇護する 〈交渉〉難易度10
ジェシカ・クロフォード:守りたいよ~~~!
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:11dx7>=10
DoubleCross : (11DX7>=10) → 10[3,4,4,6,6,7,9,9,9,10,10]+10[3,4,8,9,9,10]+10[2,4,6,7]+5[5] → 35 → 成功

GM:Bは優しい蛇だね
”頭の無い蛇"B:Bはいいやつ
GM:Aは冷酷
”頭の無い蛇"C:・暴動を扇動する〈交渉〉難易度15[
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"C:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,2,3,4,5,6,7,8,8,8,9]+10[1,6,7,8,8]+10[5,6,8]+10[7]+10[8]+2[2] → 52 → 成功

”頭の無い蛇"C:Cは優秀
”頭の無い蛇"D:・戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
”頭の無い蛇"D:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"D:11dx7>=30
DoubleCross : (11DX7>=30) → 10[1,2,3,3,4,4,5,6,7,8,8]+10[1,3,7]+4[4] → 24 → 失敗

”頭の無い蛇"D:よ、妖精を…!妖精をいただいても……!
任アルル:Dも優しい子なのかもしれん
GM:戦争したくないんだね
任アルル:はーい アメリアさんとどっち行きましょう
アメリア:はやく戦争になーれ♡
GM:ガンダムWやめろ
アメリア:あ、侵蝕率的にはアルルさんに任せたいかな……!
任アルル:OK!ではこちらでジェシカさんに《妖精の手》。
任アルル:任アルルの侵蝕率を4(→ 4)増加 (62 → 66)
ジェシカ・クロフォード:ありがてえ!一緒にがんがん侵略戦争してこうな!!
GM:前回のシーンからさっそく協力体制に入るの熱いですね
GM:これで戦争ができるね
ジェシカ・クロフォード:1dx7+30>=30
DoubleCross : (1DX7+30>=30) → 6[6]+30 → 36 → 成功

ジェシカ・クロフォード:やりました
GM:本体でチャレンジする判定はございませんか?
ジェシカ・クロフォード:本体はじゃあシューターズジャケット買ってみます
ジェシカ・クロフォード:1dx>=13
DoubleCross : (1DX10>=13) → 6[6] → 6 → 失敗

ジェシカ・クロフォード:ダメ
GM:賄賂が苦手な王なんだ
GM:では、ひとつ前のシーンで公開し忘れた"血統王"の情報から開示していきます。

■"血統王"
"血統王(ロード・ブリード)"バージニア・ダネシュティ。番外第十七席。
長い黒髪と赤い瞳、人目を惹く怜悧な美貌を持つ、吸血鬼の生徒。
派閥を超えて定時制を統率する、キングダムの中でも特に有力な王の一人。
彼女の家系は長い歴史を持つ混血一族であり、貴種としてふさわしいカリスマと能力を持つ。
特に『八月革命』において、故郷や家系、魔術的契約など様々な形で理事会に縛られていた定時制の混血種達を解放し、全日制へと合流させたことは、彼女が成した最大の功績として知られている。
園芸部部長。定時制中枢校舎を取り囲む大庭園や、全日制本校舎の庭園も彼女が設計、管理している。
自身も一線級の戦闘能力を備えているものの、王鍵には適合していない。功績に比して低い序列もそれが理由なのだという。

■プロンプトの動向(2)
まるでアメリアの追求を遮るようなタイミングで発生したプロンプト爆破事件は、実際にそれを意図してのものだった可能性がある。
爆破が起こるよりも前に、プロンプトがいくつかの重要物資や商品を店外へと運び出していたという証言が目撃者から得られた。
アメリアが当初探索していた"オズマメガリス"も未だ発見されていない以上、プロンプトが保有している疑いは晴れていない。
プロンプトの取引先を調査した結果、キングダム領内で"オズマメガリス"の取引を行ったものは発見できなかった。
ただし、円卓議会の調査能力が及ぶのは、あくまで全日制における取引のみである。
アメリア・シュミットがこの情報判定に成功していた場合、この項目に関する追加情報を公開することができる。

プロンプトの取引相手は、定時制の王達で構成された反逆軍である。
彼女らは、適合する王鍵を持たない強力な王に"オズマメガリス"を適合させ、反逆の旗印としようとしている。
定時制不良生徒を使嗾したプロンプト爆破事件は、反逆軍とプロンプトが遺産管理委員会の追求をかわすべく共謀した、大規模なリスクヘッジだ。
"オズマメガリス"は既に定時制領内に運び込まれており、尋常な手段ではこの奪還は不可能なように思える。
プロンプト015Cと接触することで、"オズマメガリス"の所在を問いただすことができる。

■"不夜王"暗殺依頼の真意
外部からの戦力を雇い"不夜王"を無力化する計画は、巧妙に実行犯の任アルルだけを特定可能なように、
かつその真の依頼主を覆い隠す形で証拠が残されていた。これらは事件の裏で"安臥王"が配置したものである。
"不夜王"が無力化されていた場合、残る円卓議会は唯一の手がかりである任アルルの確保に動かざるを得なかったはずだ。
そのように事態が動けば、任アルルの気質からして嬉々として応戦していたことも想像に難くない。
そして円卓議会と五星君が直接交戦する状況は、キングダム全日制と崑崙山の全面衝突と同義である――
彼女の存在自体が、"不夜王"を欠いたキングダム全日制の軍事力を別の正面へと向け、反逆軍突破の隙をこじ開けるためのトラップである。

任アルル:なに~
GM:では、以上の情報を踏まえてこのシーンでやりたいことを決めていただきましょう。
アメリア:プロンプトへの接触には特別な判定などは必要になりますか?
GM:必要ありません。希望すれば接触できます。
アメリア:ならそちらに行きます!
GM:アメリアちゃんはプロンプトと接触
ジェシカ・クロフォード:じゃあ、僕は至上王に定時制の件で…
ジェシカ・クロフォード:お話をさせていただきたい…です…!!
ジェシカ・クロフォード:達成値39のデートの直後なら機嫌も最高やろ!!!
GM:しょうがないな~聞いてあげようか
GM:ジェシカさんは至上王と交渉 その後シスルとデートになるでしょう
GM:至上王がね
七十橋シスル:これが策略家の技か……
GM:アルルさんはどうします?
任アルル:そうだな~
任アルル:サラスちゃんに会いに行けます?
GM:もちろんOKです。
GM:そうだ、もちろんジェシカさん以外が定時制の諸王と会談したとしても
GM:ジェシカさんが会談するのと同じだけの効果はあります。つまりクライマックスの戦力を削れる可能性が出るということですね
ジェシカ・クロフォード:やったぜ~
ジェシカ・クロフォード:そこら辺は希望があればアルルさんやアメリアさんにも活躍して欲しさがあり
GM:では、メインはジェシカ→シスル、サブはアメリア→アルルでいきましょうか
任アルル:了解!

キングダム学区 本校舎『白宮(ホワイトホール)

GM:激動の一日が終わった。それから日が沈み、夜が明けるまで、"不夜王"はその名が示す通りに働き続けた。
GM:現行制度の改善案の策定。万が一の事態に向けた開戦の備え。さらには様々な裏の手管も事前に手配している。
GM:そして、朝。この日も"至上王"は休日を取っている……よって、話を通す機会は、彼女が出かける前の僅かな時間しかない。
GM:ルキア・ティベリアは、広い食堂で一人で食事を取っていた。"美食王"の美食クラブに手配させたものである。
ジェシカ・クロフォード:「至上王」
ジェシカ・クロフォード:美味を味わう時間の隙間
ジェシカ・クロフォード:幸福の中にある舌の上に新たな幸福を迎えるために
ジェシカ・クロフォード:至上王が卓上の茶を味わった直後に声をかけた
ルキア・ティベリア:「……」
ジェシカ・クロフォード:「朝食の最中、失礼する。」
ルキア・ティベリア:「どうしたの?」特に、機嫌が悪いようではない。
ジェシカ・クロフォード:「休日をお楽しみのところ申し訳ない。」
ジェシカ・クロフォード:「不徳ながら、私の判断だけでは手に余る案件について」
ジェシカ・クロフォード:「貴君の知恵をお貸し頂きたく参上した。」
ジェシカ・クロフォード:慎重に言葉を選びながら発言をした。
ルキア・ティベリア:「ふふ。そんなに難しく言わなくたっていいのに」
ルキア・ティベリア:「いいよ。すぐ終わる?」
ルキア・ティベリア:テーブルに肘を突いて、片手を差し出す。
ジェシカ・クロフォード:「勿論」
ジェシカ・クロフォード:「拷問王との逢瀬の邪魔をするつもりはありません。」
ジェシカ・クロフォード:僅かに踏み込む。
ジェシカ・クロフォード:彼女のプライバシーに片足を踏み入れた言葉。これを受けその機嫌が変わらなければ。
ジェシカ・クロフォード:今回の交渉は大分楽になるものと判断ができる
ルキア・ティベリア:「いいよいいよ。ジェシカのほうだって大事な仕事なんでしょ?」
ジェシカ・クロフォード:「有り難く」
ジェシカ・クロフォード:恭しく一礼をする
ジェシカ・クロフォード:「それでは、不躾ながらさっそく本題に入らせていただく。」
ジェシカ・クロフォード:「今回の奏上は、定時制の待遇についてです。」
ルキア・ティベリア:「うん」機嫌を損ねていない。というより、興味をそこまで持っていないような態度だった。
ジェシカ・クロフォード:「『八月革命』以降より、我らは旧体制の改革、及びその戦果の恩賞等に務めてきましたが。」
ジェシカ・クロフォード:「我らの力不足もあり」
ジェシカ・クロフォード:「現状では、至上王の慈悲は定時制の遍くにまでは届いておりません。」
ジェシカ・クロフォード:「そこで、それを改善するために現行の制度を改変したいのです。」
ルキア・ティベリア:「もう草案はまとめてるの?」
ジェシカ・クロフォード:「大まかにではありますが。」
ジェシカ・クロフォード:昨夜の内に纏めた資料を提出する。
ルキア・ティベリア:「ん」
ジェシカ・クロフォード:・定時制の代表となる王の正式な拝命
ジェシカ・クロフォード:・その王による自治権の裁量の増加
ジェシカ・クロフォード:・互いの生徒の定期的な交換
ジェシカ・クロフォード:・円卓麾下からの監督役の派遣
ジェシカ・クロフォード:等が主な内容となる。
ルキア・ティベリア:資料をめくることはない。大きなテーブルに資料を無造作に広げるようにして
ルキア・ティベリア:同時に目を通している。「……ふーん」
ジェシカ・クロフォード:定時制の自治権を大幅に認める代わりに監視も強化する。そして互いの生徒の交流を増やすことで生徒間の摩擦も緩和する
ジェシカ・クロフォード:狙いとしては、そのようなところだ。
ルキア・ティベリア:「まず、これ」フォークで、一つの項目を突く。
ルキア・ティベリア:「王の正式な拝命はできないかも」
ジェシカ・クロフォード:「理由をお聞かせ願いたい」
ルキア・ティベリア:「円卓議会の席は七つしかなくて、今はみんなに働いてもらわなきゃいけない時だから」
ルキア・ティベリア:「定時制の諸王を正式な王として認めるなら、七人のうちの誰かを除名しなきゃいけないと思うの」
ルキア・ティベリア:「誰がいいと思う?」じっとジェシカを見る。
ジェシカ・クロフォード:「ふむ…」
ジェシカ・クロフォード:「確かに、現状では外すべき王も、穏当に外すことが出来る王も円卓にはいませんな。」
ジェシカ・クロフォード:狙い通りだ。
ジェシカ・クロフォード:わかりやすい指摘点を作ることで、あえて至上王の言葉を誘う。
ジェシカ・クロフォード:そして、その言葉を受けて代案を出したかのように振る舞い、至上王が許可を出しやすい空気を作る。
ジェシカ・クロフォード:「では、新たな王の新設と言うはいかがでしょうか。」
ジェシカ・クロフォード:「定時王…では些か華に欠けますので、名称は考える必要がありますが」
ルキア・ティベリア:「あれみたいな?」
ルキア・ティベリア:『あれ』というのは円卓顧問のことだ。
ジェシカ・クロフォード:「ええ、まさしく。」
ルキア・ティベリア:「いいよ。いいと思う。でもね」
ルキア・ティベリア:「……いいことを、思いついたんだけど」
ジェシカ・クロフォード:「なんでしょう。」
ジェシカ・クロフォード:ごくりとツバを飲んだ。その時にはじめて自身の喉が乾ききっていることを自覚した
ルキア・ティベリア:「今、動いているでしょう。その……あの……」こめかみに指を当てる。
ルキア・ティベリア:「ふふ」
ルキア・ティベリア:「反乱を起こそうとしているのが」
ジェシカ・クロフォード:「お言葉ながら。」
ジェシカ・クロフォード:「その言はやや正確性に欠けています。」
ジェシカ・クロフォード:「奇妙な動きは確かにある。だが、今はその詳細は把握できていないというのが現状。」
ジェシカ・クロフォード:「『反乱』の可能性もありますが、現時点ではそれを断言できる要素はありません。」
ジェシカ・クロフォード:否、既に彼女らの動きはほぼ把握している。それでも至上王の前で反乱の事実を認めることは出来ない。学院の平穏のためにもだ。
ルキア・ティベリア:「そうなの?まあ、どっちでもいいよ。反乱しそうなのもいるんでしょう?」
ルキア・ティベリア:「そういう動きで盛り上がってるところに……新しく権利なんて餌を与えたら」
ルキア・ティベリア:「その子達がもっと増長するって思わない?」
ルキア・ティベリア:「ジェシカのお仕事が大変だよ?」
ジェシカ・クロフォード:「確かにその可能性はあります。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、彼女らの性質上増長はやがて誇りへと繋がり。」
ジェシカ・クロフォード:「そして、交流が増えていけば、彼女らも次第に至上王の慈悲を理解していくでしょう。」
ジェシカ・クロフォード:「その為であれば、私の仕事が増えることぐらい、何ほども御座いません。」
ルキア・ティベリア:「全日制と定時制が仲良くして、誇りを持たせてあげる方法はあるよ」
ルキア・ティベリア:当然わかっていることを告げるかのように、笑顔で言う。
ルキア・ティベリア:「反乱を起こさせよう」
ルキア・ティベリア:「今、『何か』をしようとしている子達に……反乱を起こさせて、それで」
ルキア・ティベリア:「その子達をきれいに片付けてから」
ルキア・ティベリア:「反乱に参加しなかった、、、、、、、、、、子達に、ご褒美で権利を与えてあげるの」
ジェシカ・クロフォード:ぞわり、と背筋が凍りつくのを感じる
ジェシカ・クロフォード:これだ。
ジェシカ・クロフォード:これが彼女が唯一絶対の王足る所以だ。
ジェシカ・クロフォード:彼女の言葉は覇道を行く者として絶望的なまでに正しい。
ジェシカ・クロフォード:そして彼女はその正しさによって付きまとわれる怨嗟や畏怖など気に求めない。
ジェシカ・クロフォード:何故なら、生まれついての王である彼女は、王とは孤独なものであるということを肌で理解し
ジェシカ・クロフォード:同時にその孤独を当然のものとして受け止めているからだ。
ルキア・ティベリア:「私の意見はね、これだけ!」笑顔で伸びをする。
ルキア・ティベリア:「それさえやってくれれば、全部ジェシカの好きにしていいから!」
ジェシカ・クロフォード:「……畏まりました。」
ジェシカ・クロフォード:「ただ、至上王の案は最善の策ではありますが、同時に最後の手段でもあります。」
ジェシカ・クロフォード:「その時が来るまでは」
ジェシカ・クロフォード:「至上王のお言葉通り、私の好きにさせていただきます。」
ジェシカ・クロフォード:深く頭を下げる
ルキア・ティベリア:「よろしくね」口元をナプキンで拭う。
ルキア・ティベリア:「それ、片付けておいて」テーブルの上に広げた資料を一瞥する。
ルキア・ティベリア:"至上王"は、そのまま退席していった。
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:「はあ……はあ……!」
ジェシカ・クロフォード:汗がどっと噴き出す。心臓が口から飛び出るかのように跳ね回っている。
ジェシカ・クロフォード:これが自室であったのなら、とうに膝から崩れ落ちて蹲ってしまいたかった。
ジェシカ・クロフォード:だが、まだ休むことは出来ない。あの暴君の目を盗み、なんとか定時制の反乱を安寧の内に鎮めねばならない。
ジェシカ・クロフォード:(拷問王は、これ以上の時間を彼女と共有しているのか。)
ジェシカ・クロフォード:(だが、彼女にはまだ苦労をしてもらわねばならん。すまないが、頼むぞ…)



GM:この会談では、以下の成果を得られました。

・定時制の待遇改善

クライマックスで反乱を戦闘によって解決した場合、クライマックスに登場したエネミーを除く定時制生徒の待遇を改善できる。

ジェシカ・クロフォード:そ、そういうことか~~~!!
七十橋シスル:wwwwwww
七十橋シスル:最悪!
任アルル:キングダムって怖いところなんだな
アメリア:ひぃ~~~~~
GM:頑張って和平交渉してもらう必要があるわけなのだ
GM:もちろん、戦闘を経ずに解決した場合は、待遇改善の話も白紙になってしまいます。
任アルル:wow...
ジェシカ・クロフォード:ぴえ~
七十橋シスル:泣いちゃう
アメリア:犠牲になるのだ……待遇改善の犠牲にな
GM:ではこの勢いに乗って、ドキドキデートシーン……やっちゃいますか……!
アメリア:この勢いからのドキドキ、マズいでしょ



キングダム 商店通り

GM:七十橋シスルは、やはり昨日と同じ場所で待ち合わせをしていた。既に10分程度遅れている。
GM:今日は、一日目で回らなかった方向――通りの北側の店を見て回る約束をしていた。
ルキア・ティベリア:「ごめんシスル!また遅れちゃった」
ルキア・ティベリア:「ジェシカの用事に付き合ってて……困っちゃうよね」
七十橋シスル:腕時計を確認していた。「遅れたって程じゃねえだろ」
七十橋シスル:昨日よりはラフな格好。ティアドロップのサングラスに、ニットのハンチング帽子。
ルキア・ティベリア:「シスルって」興味深げにシスルを眺める。
ルキア・ティベリア:「いろんな服もってるんだね」
ルキア・ティベリア:昨日と同じ純白のパーカーと、細いリムの眼鏡だ。
七十橋シスル:「お前みたいに、個人付きの裁縫部に衣装を奏上されてねえからな」
七十橋シスル:(……ジェシカ。この分だと、そう上手くは行ってねえんじゃねえか)
七十橋シスル:丈の切り詰めたタンクトップの下は、長い足を包むダメージジーンズ。
七十橋シスル:「お前もお忍びの服が必要か?」
ルキア・ティベリア:「もっとおしゃれなのがあってもいいかなって思うの」
ルキア・ティベリア:「シスルと一緒にいると、なんだか……地味に見えちゃう」
ルキア・ティベリア:やや余ったパーカーの袖をパタパタと振る。
七十橋シスル:「それは百歩譲ってもねえよ…………」
七十橋シスル:「中身が平凡だと、ガワに色々盛る必要があるってだけだ」
七十橋シスル:「中身が一際良けりゃ、服なんて布一枚でも映える。……とはいえ、本人の希望なら、今日はそっち行くか」
ルキア・ティベリア:「そっちって?」
七十橋シスル:「服屋。……まさか買えるもんだって知らないとかねえよな?」
ルキア・ティベリア:「……」まばたきをする。
ルキア・ティベリア:「……うん。もちろん、知ってるよ?」
七十橋シスル:「その妙な間はなんだ」
ルキア・ティベリア:「大丈夫大丈夫!知ってたから!お店に行こう?」
七十橋シスル:「じゃあ決まりだ。こっから近場は……」
七十橋シスル:何気なく調べるフリをして、昨夜の間に想定したルートコースの選択肢を、確定させるのだった。

キングダム学区 ファッションセンター『卯月』

GM:ルキアを連れて行った店は、キングダムでも有名な高級商店の一つだ。
GM:オーヴァード生徒の趣味嗜好に合わせて、角や翼を出せる構造の衣服や、かなりのオーバーサイズ衣服など……
GM:様々なラインナップが揃えられている。
七十橋シスル:「がっつりシルエットが異形だと、オートクチュールにしなきゃいけないんだろうがな」
ルキア・ティベリア:「キュマイラやエグザイルで体型が変わっちゃう生徒用の服もあるんだって。さっきポスター貼ってあったよ」
ルキア・ティベリア:「こう……」両手を広げたり狭めたりする。「伸び縮みする素材で、できてて」
七十橋シスル:「ありゃ便利なんだろうが肌感がな……」
七十橋シスル:「お前の場合、翼さえ出せりゃ良いだろ。選択肢はかなりある」
ルキア・ティベリア:「うん。これ、試しに着てみてもいい?」
ルキア・ティベリア:日本の和服めいた衣装だ。
ルキア・ティベリア:「算砂が着てるみたいなやつ!」
七十橋シスル:「いきなりムズめの奴に挑戦するな……」
七十橋シスル:「試着室は……あっちか」
ルキア・ティベリア:「あの中で自由に着ていいんでしょう?やってみるね」
ルキア・ティベリア:パタパタと試着室に駆け込んでいく。
七十橋シスル:待っている間、 ※有翼可 のタグがついている服をがさがさと見繕いつつ。
七十橋シスル:(……マジで何やってんだ俺) の気持ちを新たにしている。
ルキア・ティベリア:「シスル!シスル!」
ルキア・ティベリア:試着室の中から慌てた声がする。
七十橋シスル:「どうした!」
ルキア・ティベリア:「な、なんか変になっちゃった!変になっちゃったよ!」
ルキア・ティベリア:「袖がどこに行ったかわからなくなっちゃって……!」
七十橋シスル:「だー、一体何やって……!」仕方なくカーテンを開ける
ルキア・ティベリア:「あ……」
ルキア・ティベリア:上半身をほぼはだけたような状態で、帯もめちゃくちゃに巻かれている。
七十橋シスル:「…………」
七十橋シスル:額に拳を当てる。「いっつもワケの分からねえドレス着てるだろ……」
七十橋シスル:目を伏せている。
ルキア・ティベリア:「あのドレスも……みんなが着せてくれるから」
ルキア・ティベリア:「やっと自分で着方を覚えたの……最近……」胸を隠す。
七十橋シスル:「俺だって詳しかねえって。店員……」呼びかけて。
七十橋シスル:真下を見る。真白な肩口。胸元に寄せられた、染め抜きのキモノ。
七十橋シスル:「あ゛~……」茨が、近くの和服を引き寄せてくる。
七十橋シスル:浴衣だ。幾分か着安いだろう。
七十橋シスル:「アホか。着せてやるから、背中向けて立て」
ルキア・ティベリア:「うん……ありがとう、シスル……」
ルキア・ティベリア:背中を向けて、ごちゃごちゃになった服を脱ぐ。
ルキア・ティベリア:白い背中が露わになる。
七十橋シスル:「……」
七十橋シスル:「白いな」
七十橋シスル:広げた細い腕に、片方ずつ袖を通してやる。
七十橋シスル:思わず漏れた言葉は、完全に無意識である。
ルキア・ティベリア:「さっきのより、生地が薄いね」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「この帯を結ぶの?どういう結び方すればいい?」
七十橋シスル:「……っ、コルセットみてーなもんだろ。そのままじっとしてる」
七十橋シスル:「あ、ちょっと待て」通常の浴衣には存在しない機構。背中側の布を軽く触る。
七十橋シスル:「あった」 肩甲骨から腰元にかけて、釦で閉じられた隙間が空る。指先だけで探って開く。
七十橋シスル:ボタンが外れ、有翼種用の隙間ができる。擽られるような感覚があるかもしれない。
ルキア・ティベリア:「ふ、ふふっ」笑いのような吐息が漏れる。
ルキア・ティベリア:「待って」指を自分の腰の後ろに回す。
ルキア・ティベリア:一枚ずつ、竜の翼をその隙間から出していく。
ルキア・ティベリア:見た目よりも、柔肌のように柔軟な翼だった。
七十橋シスル:「……ん」
七十橋シスル:耳に残る笑い声に、不可思議な感覚を覚える。気のせいだと断じる。「これで……よし。あとは前締めろ」
七十橋シスル:「コルセットにしろや」
七十橋シスル:「なんで繋がってねーんだよこの帯ってやつは……」
ルキア・ティベリア:「ん……しょ、これでいい?」
ルキア・ティベリア:やや合わせ目は怪しいが、一応は浴衣姿のルキアが完成した。
七十橋シスル:「素人二人ならこんなもんだろ。」
七十橋シスル:「髪も結んだりするんだったか……でも竜王はやってねーな」
ルキア・ティベリア:「なんだか……変な感じ。あんまり服着てる感じがしない……」
ルキア・ティベリア:「ちょっと帯がほどけたら全部脱げそう。算砂はいつもこんなの着てるのかな……」
七十橋シスル:「島国はこういう変なモンばっかり抱えるな」
七十橋シスル:「日本送りにならなくて良かったぜ。……」ルキアの足先から、余った袖口、頭のてっぺんまで。
ルキア・ティベリア:「シスルは『カンジ組』だもんね。日本ってそんなにいい国なのかな?」
ルキア・ティベリア:「でも、この服は」全身鏡の前で回ってみせる。
ルキア・ティベリア:「ちょっと気に入ったかも。これ買ってもいい?」
七十橋シスル:「悪くないんじゃねえの」
七十橋シスル:目線を少し逸らす。
ルキア・ティベリア:店員を呼び止め、支払いに向かっていく。
七十橋シスル:「待、着たまま…………」
七十橋シスル:呼び止めようとするが、今更止められず、まあいいかと思い直す。
ルキア・ティベリア:「シスル!私でも服が買えたよ」戻ってくる。
ルキア・ティベリア:「珍しい服だから高いと思ったけど、すごく安いのね」
七十橋シスル:「一般生徒にゃ十分高いんだよ」
ルキア・ティベリア:「そういえば私、買い物ってしたことなかったかも」
ルキア・ティベリア:「昨日だってシスルが全部払ってくれてたし」
ルキア・ティベリア:「ふふふふ。いい経験しちゃった」
七十橋シスル:「経験ってな。お前そもそも……」
七十橋シスル:王になる前、何をしていたのか。
七十橋シスル:聞きかけた口を閉じる。それは恐らく、雑談で済む話ではなくなるだろう。
ルキア・ティベリア:「……ん?」
七十橋シスル:「いや。もっかい後ろ向け」
ルキア・ティベリア:「うん」素直に背中を見せる。
七十橋シスル:絹のような、長さに相応しい重量がまったく感じられない白髪を掻き上げる。
七十橋シスル:そのまま、くるりとまとめて、簪で留める。
ルキア・ティベリア:「あっ」
ルキア・ティベリア:少し嬉しそうな顔になる。
七十橋シスル:「こんなもんか。セット商品だってよ」
ルキア・ティベリア:「ふふふ。全然気付かなかった」
七十橋シスル:「冗談みてーに似合ってるよ。なんて、言われ慣れてるか?」
ルキア・ティベリア:「そうかも」
ルキア・ティベリア:「でも、シスルに言われるのが一番嬉しいな」
ルキア・ティベリア:「……ねえ、次はもっと、人通りの多い通りに行こう」
ルキア・ティベリア:「もっとたくさんの人に……見てもらいたいから」浴衣を広げて、笑う。
七十橋シスル:「バレたらどうすんだ……」懸念だけ示しつつ「――は。ご随意に、オヒメサマ」



プロンプト 第三支店

GM:休日の一日目、アメリア・シュミットはただ"拷問王"や"不夜王"と行動をともにして、彼女らをサポートしていたのみではない。
GM:キングダムのどこにでも、彼女の目はある。学区内にいる限り、必ず対象の所在を見つけ出すことができる。
GM:前日、交渉の席から逃れたプロンプト015Cがこの支店にいることは知覚していた。再び面会に赴き、こうして対面している。
プロンプト015C:「これは、アメリア・シュミット嬢」
プロンプト015C:「ご無事で何よりでした」
プロンプト015C:「しかし、まさかあんな事件が起こってすぐにご挨拶をいただけるとは」
プロンプト015C:「遺産管理委員会様からご贔屓いただいているようで、商売人冥利に尽きるものです」
アメリア:「いえいえ、そちらもご健在でなにより」
アメリア:「でも……少しだけ残念」
アメリア:「もう無いのでしょう?”オスマメガリス”……ここには」
プロンプト015C:「……フー」
プロンプト015C:「残念ながら、アメリア・シュミット嬢。私どもの立場では……」
プロンプト015C:「……『知らない』と答えることしかできません。これは取引先との契約にも関わることですから」
アメリア:「定時制との?」
プロンプト015C:「…………どうやら」
プロンプト015C:「我々社会人は、自らの性能を基準にして、世界を理解してしまう欠点を持っているようです」
プロンプト015C:「以前までのノヴァリスでは、世界を理解する以前に自我を初期化されていたのですから、理解が幼いのは当然ですが――」
プロンプト015C:「アメリア・シュミット嬢。驚異的です。尋常なハッキング能力やドローン監視網では到底その情報にたどり着けるはずはない」
アメリア:「えへん。すごいでしょう?私」
プロンプト015C:「もちろん、私は契約を遵守するよう作られています。その上で、ですが」
プロンプト015C:「同時に、商売人としてのアイデンティティを保有しています。この自我が設定段階の制約を超えられるかどうか、試してみたい気持ちもある……」
プロンプト015C:「この情報と引き換えに取引をいたしませんか?」
アメリア:「……いいでしょう。何がお望み?」
プロンプト015C:「我々プロンプト社を罪に問わず、変わらず全日制のお取引先としてご愛顧いただくことです」
プロンプト015C:「今回、我々は定時制へと販路を広げるべく、この取引を手掛けさせていただきましたが」
プロンプト015C:「それと引き換えに、今ある巨大な顧客を失ってしまっては合計では損失になるでしょう」
アメリア:「確かに。プロンプトさんが無くなってしまえば……困る生徒も多いことでしょう」
アメリア:「ええ、遺産管理委員会副長として、これからも贔屓にさせていただきます」
アメリア:にっこり笑顔で
プロンプト015C:「その遺産管理委員会副長として」
プロンプト015C:「"報告しない"という取引は可能ですか?」
GM:アメリア・シュミットは絶大な情報収集能力と同時に、見たままを誠実に報告する人間性あってこそ
GM:遺産管理委員会の副長として信頼を勝ち得ている。それを理解した上で言っている。
アメリア:「おっと、ちぎり会長に話してしまうのは……良くないですかね?」
アメリア:「そういうことでしたら、お口にチャックをしておきます」
プロンプト015C:「そんな簡単に……」
プロンプト015C:唖然としている。
アメリア:「ふふ、私とあなたの仲だから……ということですよ」
アメリア:「だからあなたも……私のお願い、聞いてくれますか?」
プロンプト015C:「…………。いいでしょう」
アメリア:身を乗りして、顔を近づける
プロンプト015C:「通常、このような安請け合いは疑ってかかるべきだと、私のアルゴリズムにもあるのですが」
プロンプト015C:「あなたを観察している限り、どうにもそのプロセスが無駄に思えてしまう」
プロンプト015C:「まず、こちらの電子契約書に一筆願います」タブレットを差し出す。指紋と虹彩で認証できるタイプの契約書だ。
アメリア:「ええ、それでお願いというのはね……」タブレットを受け取り
アメリア:「あなたなら、”オズマメガリス”が隠してある場所まで……私や、円卓の方々を、こっそり連れていくことができるんじゃないかなって思うのです」
プロンプト015C:「それはできませんね」
プロンプト015C:「申し訳ないのですが、既に商品の受け渡しは完了してしまいまして」
プロンプト015C:「"オズマメガリス"が収容されている定時制の地下宝物蔵には私も立ち入ることができません」
プロンプト015C:「商品の不具合やアフターケアといった口実を作るにしても、成功確率は低いでしょう」
アメリア:「う~む、我ながらいいアイデアだと思ったのですが……」
プロンプト015C:「宝物蔵の位置についてはお教えできます。ほぼ正確な座標です」
プロンプト015C:定時制学区の地図を、タブレットに表示する。
アメリア:指紋と虹彩を取り終え、うなずく
アメリア:「たしかに、座標を受け取りました」
アメリア:「……戦いは、避けられないかもしれませんね」
アメリア:「そう考えると、気が重いですねぇ……おいしい紅茶やお菓子があれば、少しは気が楽になるかもしれないなぁ……」
アメリア:自分の肩を叩いてみる
プロンプト015C:「新型のマッサージチェアが入荷しておりますよ」
プロンプト015C:「メサイア製ですが品質はテスト済みで……」



GM:今回の会談では、以下の成果を得られました。

・"オズマメガリス"の所在地点

任意のタイミングで突入すると、定時制・白兵×4、定時制・防御×4とのミドル戦闘が一回追加で発生し、"オズマメガリス"を奪うことができます。

アメリア:やはり戦いは避けられないのか……?



キングダム定時制 廃墟

GM:一日目の終わりの、深夜。
GM:ジェシカ・クロフォードとの密約を交わした任アルルは、再びこの定時制学区を訪れていた。
GM:崩れかけたビル群の一角から、歌声が聞こえている。
"羽檄王"長持サラス:「ん~♪ んん~~ん~♪」
GM:最初にここを訪れた時交戦した"羽檄王"――長持サラスだと分かった。
任アルル:月の下、音もなく宙を滑って声の元へと向かう。
"羽檄王"長持サラス:「ぴっ!?」
"羽檄王"長持サラス:ぱ、と両の翼を交差して警戒する。
任アルル:「あら」
任アルル:驚いた顔をして見せる。すぐ背後にまで迫っていた。
任アルル:「よく気付きましたね。感心です」
"羽檄王"長持サラス:「な、な、何の用があってきたの!?」
任アルル:「その後お元気ですか? ふふ」
任アルル:改めて空中に腰掛け直すようにする。
"羽檄王"長持サラス:「…………」
任アルル:朧気な霧が人の形を取ったかの如く、その様子には現実感が乏しい。海色の髪は風も無いのに揺らめいて、崩れた壁から射す月の光を受け、見上げる水面のように煌きを移ろわせる。
任アルル:「何の用かと言えば、もちろん。あなたと仲を深めたいと思って」
"羽檄王"長持サラス:「あたしは仲良くしたくないのっ。どこかに行って!」
任アルル:「そうですか……」少し悲しげに細い眉を下げて。
任アルル:「さっきみたいな素敵な歌声を聞かせてもらえたら、騙されて傷心のわたしも安らげるかと思ったのですけれど」
"羽檄王"長持サラス:「別にあなたの傷心なんて、どーでもいいし」
任アルル:「知ってました?」
任アルル:距離を僅かに詰める。「わたし、捨て駒というか囮というか、そういう役割だったのですって」
"羽檄王"長持サラス:「しっ知らない!」
"羽檄王"長持サラス:「そんなのあたし知らないよおっ」
任アルル:「ほんとーでしょうか」じっと顔を覗き込む。
"羽檄王"長持サラス:「うう……」
"羽檄王"長持サラス:「だ、だって、マカミやシャジャラは、あたしにそんなこと、教えてくれないし」
"羽檄王"長持サラス:「ひぐっ、あたし頭悪いから、そういう……計画とか、どうせ分かんないって」
任アルル:「む。それはちょっとひどいですね」
任アルル:「共に轡を並べんとする同志、でしょうに……まあ、あなたにまで謀られたわけじゃないのはすこし安心、ですけど」
"羽檄王"長持サラス:「知らないもん。全然知らないもん」ぴいぴいと泣く。
任アルル:「でも、それなら尚のこと、仲良くなりたいなって思います。サラス」
任アルル:「崑崙山に来ませんか?」
"羽檄王"長持サラス:「やだ……」
"羽檄王"長持サラス:「崑崙山、ぜったいにwifiとか通ってないし……服だって動物の皮とか使ってるんでしょ……」
任アルル:「外の人がイメージするほどひどいところじゃありません」
任アルル:「むしろ、あなたにはいーところだと思います」
任アルル:べそをかく少女の涙を人差し指で拭ってやる。
任アルル:「生徒とは、誰といつ手合わせをしても、襲い掛かってもかまわない……むしろ薦められるところですし」
任アルル:「強ければ尊敬されるし、好きなことができます。わたしが生徒会なくらいですもの」
"羽檄王"長持サラス:「……うん。あたし、定時制のケンリとかサベツとかは、別にどうでもよくって」
"羽檄王"長持サラス:「暴れられるならそれでいいの」
"羽檄王"長持サラス:「みんな、十字冠で死なないんだから……」下を向いたまま、ぽつぽつと話す。
"羽檄王"長持サラス:「もっと自由に、目玉をえぐってみたり」
"羽檄王"長持サラス:「心臓を食べたりしたい」
任アルル:「うんうん」
任アルル:「SNSやファッションに興味があるなら、“邯鄲星”あたりとは話も合うかもしれませんね」
"羽檄王"長持サラス:「崑崙山なら、弱い生徒を襲って遊んでもいい?」
"羽檄王"長持サラス:「wifiも使える?」
任アルル:「まったくかまいません」頷く。
任アルル:「wifiは、いま言った邯鄲星が頑張ってる途中で、まだ通ってないですけど……」
"羽檄王"長持サラス:「wifi使えないの?」
任アルル:「学区の行き来はゆるいですから、電波の通った近くの学区に拠点を作ったりすればいーと思います」
"羽檄王"長持サラス:「ううん………」
"羽檄王"長持サラス:「じゃあ反乱を起こして、それが失敗したら、崑崙山にいくね」
任アルル:「うん……?」
任アルル:「どーして?」
"羽檄王"長持サラス:「え……」
"羽檄王"長持サラス:「だって、崑崙山に来てもいいっていうから……」
"羽檄王"長持サラス:「反乱が起これば暴れられるし、もし失敗しても崑崙山に行けるなら、得するなあって……」
任アルル:「……サラス」
任アルル:いささか困ったように微笑みながら、その青い髪に白い指を通す。
"羽檄王"長持サラス:「ひっ」
任アルル:「わたしは、あなたが気に入っちゃったのです」
"羽檄王"長持サラス:「う、うん……?だから、崑崙山に行ってもいいんだよね?」
任アルル:「度胸があるし、見どころもある。かわいーし」
任アルル:「胸も大きいですし……」
"羽檄王"長持サラス:「胸……」
"羽檄王"長持サラス:「あたし、最近気づいたんだけど」
"羽檄王"長持サラス:「サムネに胸が映ってると、なぜか動画の再生数が高いの。なんでだろう?」
任アルル:「あなたのチャームポイントのひとつだからですよ」
任アルル:「ひとが美醜を評価する時の基準のひとつなんです。短絡的とか言う向きもありますけど、良いと思うものを称賛するのが悪いわけはないですよね」
任アルル:「わたしも素敵だなって思います」
"羽檄王"長持サラス:「そうなの?褒められちゃった!」
任アルル:「ええ。あなたは綺麗です」子供にするように頭を撫でてやる。
"羽檄王"長持サラス:「えへへ」
任アルル:「だからこそ、お近づきになりたいなって思うのですけど。でも、こー見えて無理矢理は主義じゃないのです」
任アルル:「その点、うちの生徒になってくれれば、あなたもわたしが守る対象ということになるから……」言葉を選ぶ間が空く。「安心でしょう?」
"羽檄王"長持サラス:「分かる。分かりやすい」
任アルル:「生徒会は、自校の生徒を庇護するもの……らしーですからね」
"羽檄王"長持サラス:「じゃあ反乱が終わったあとはよろしくね」
任アルル:「だから、それだと……もう」
"羽檄王"長持サラス:「?」
任アルル:「強引に手籠めにしたくなってしまうではないですか」
任アルル:童女のように頬を膨らませる。
"羽檄王"長持サラス:「ええっ!?なんで!?」
"羽檄王"長持サラス:「だ、だって、崑崙山に来てっていうから」
"羽檄王"長持サラス:「来てほしくないの??」
任アルル:「あなたを傷付けないためには、それが一番だと思う、ってゆー話です」
"羽檄王"長持サラス:「全然わからない。あたしに何をしてほしいの?」
任アルル:「今ここであなたが生徒になってくれれば、溢れ出てしまいそうなこの気持ちを何とか抑える理屈が立ちます」
"羽檄王"長持サラス:「今!?なんで!?」
任アルル:「仮にも生徒会役員として、自校の生徒を害することはしにくいですから……だから、安心」
"羽檄王"長持サラス:「もしかして反乱してほしくないの?」
任アルル:「でも今なってくれないなら、我慢する必要もないかなって思うし……反乱?」
任アルル:「それはまあ、そうですね。わたしはあちらに付くことにしたので」
"羽檄王"長持サラス:「でもあたし、戦いたいの。……そういう気分になった時、止める方法ってあるのかな」
"羽檄王"長持サラス:爪先で屋上の瓦礫をころころと転がす。
"羽檄王"長持サラス:「崑崙山に行くのはいいけど、その前に誰かと戦いたい」
任アルル:「ああ」
任アルル:「じゃあ定時制の方たちと戦いますか? いっしょに」
"羽檄王"長持サラス:「それは……やだ……」
"羽檄王"長持サラス:「仲間だから」
"羽檄王"長持サラス:「誰か、全日制の生徒を襲って遊んでいいんだったら」
"羽檄王"長持サラス:「反乱のほうは、我慢できると思う。たぶん」
GM:長持サラスの要求は、生贄だ。
GM:全日制の誰かと戦えば、手を引くと言っている。
任アルル:「ふむ」
任アルル:「わたしならいくらでも相手になるんですけど……」
任アルル:「ていうか今から色々と相手してもらおうかなって気になり始めてきたんですけど」
"羽檄王"長持サラス:「やっやだやだ!あなたとは絶対いや……!」
任アルル:「まあ、その辺りは持ち帰って検討しましょう」手を伸ばそうとする。
"羽檄王"長持サラス:「もっ」怯えたように飛び退る。
"羽檄王"長持サラス:「もう、話は終わりだから!さようなら!」
"羽檄王"長持サラス:"羽檄王"は半分泣きながら飛び去っていく。
"羽檄王"長持サラス:追うこともできるが、追わないこともできる。少なくとも今吐かせた話に嘘はないはずだ。
任アルル:「あらら」
任アルル:追わず見送る。個人的な惜しさはあるものの。



GM:この会談では、以下の成果を得られました。

・"羽檄王"とミドル戦闘を行う
・"羽檄王"に犠牲者を差し出す

以上の二つの条件のいずれかを達成できた場合、"羽檄王"がクライマックス戦闘から撤退します。

GM:また交渉の結果として、セッション終了時に"羽檄王"は崑崙山に亡命します。
任アルル:わあい


◆Middle06◆vs"安臥王""暗礁王"

GM:サブでシーンの残りを進行しつつ、こちらで次のシーンの項目について開示していきます。

・救伐騎士団を動かす〈調達〉難易度20
 クライマックスの任意のエンゲージに存在するトループを全滅させる。
 対象エンゲージは判定挑戦時に指定する必要がある。

◎定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25
 現状の定時制の待遇を改善し、生徒の不満を低減する改革案を立案できる。
 ただし"至上王"帰還後の情勢にも関わるため、"至上王"との交渉が必要。

◎暴動を扇動する〈交渉〉難易度15
 キングダムの任意の地点で暴動を引き起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

◎崑崙山中等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度20
 密かに、崑崙山中等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

・所属情報を改竄する〈知識:ウェブ〉難易度20
 任意の1つの事件に関わった組織の組織名を改竄できる。

◎戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
 特定の学校に対して戦争を起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

・海賊部を動かす〈調達〉難易度20
 所在が判明している任意の物品を強奪できる。
 任意のエキストラを誘拐することもできる。

・"鉄騎王"を動かす〈交渉〉難易度15
 任意の建造物を破壊できる。隠蔽には別の判定を使用すること。

・事件を隠蔽する〈情報:ノヴァリス〉難易度10
 任意の事件が起こった事実を隠蔽できる。
 ただし、学区外の事件については適用できない。

・キングダムの生徒を追放する〈知識:政治〉難易度25
 任意のキングダム生徒の集団に対し、円卓議会が正式に放校処分を下すことができる。
 ネームドキャラに対しても可能。ただし対象がその処分に従うとは限らない。

・決闘〈任意の技能〉自動成功
 1対1の決闘をセッティングすることができる。ただし、互いに同意している必要がある。

・生徒を庇護する〈交渉〉難易度10
 指定したエキストラ集団を、政治的非難から庇護することができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

GM:基本的には、もう政治判定のみ。あとは諸王との会談と、それを受けて何を判定するかによって決まっていきます。
GM:あと政治判定はやってみたい面白いことがあれば色々と提案していただいてもOK。
GM:ちなみに、すでに会談を済ませた王は以下の通り。

・"血統王"
◎"羽檄王"
・"月下王"
◎"霊樹王"
・"暗礁王"
・"安臥王"
◎"至上王"
◎"游随辰星"

GM:判定は保留にしてすぐに会談に向かってもOK。保留した分の判定はシーン終わりに購入判定に使えますからね。
ジェシカ・クロフォード:ロイス保留、購入なし。侵蝕が100を超えているので侵蝕を下げます
ジェシカ・クロフォード:105-10-1d10
DoubleCross : (105-10-1D10) → 105-10-8[8] → 87

ジェシカ・クロフォード:グッド
GM:おのれ~!
アメリア:では私は、遺産の確保に動きましょう
ジェシカ・クロフォード:改めて登場
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (87 → 91)
アメリア:74+1d10 私も登場!
DoubleCross : (74+1D10) → 74+9[9] → 83

任アルル:出!
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (66 → 69)
七十橋シスル:1d10+6
DoubleCross : (1D10+6) → 3[3]+6 → 9

アメリア:ではいざ判定
七十橋シスル:違うわ 66から69です
アメリア:6dx+1>=20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 10[1,2,3,5,10,10]+8[2,8]+1 → 19 → 失敗

GM:うおっ失敗しても達成値デッカ
任アルル:えっすご
アメリア:ギリギリ……ですが財産点使えますか……?
GM:もちろんOKです。海賊部といえばお金ですからね
アメリア:ククク……では財産点1つ使って成功させます!残り3→2
アメリア:海賊ども~~!わらわの意のままに動くのじゃ~~
GM:他に判定手番使いたい方はいらっしゃいますか?
七十橋シスル:知識:料理 でご機嫌を取ります
七十橋シスル:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 10[2,5,5,10]+5[5] → 15

七十橋シスル:ヒューッ問題なし 流行のお店に連れて行きますね
任アルル:こちらは判定は保留して
任アルル:みんながよければ安臥王ちゃんに会いに行きたいです
GM:了解です。ではこのシーンで会えるとしましょう。
GM:ちょっとだけ因縁もありますもんね
任アルル:知った顔の方が話しかけやすいからね
ジェシカ・クロフォード:GM!判定追加に関する質問です!
GM:はいはい
ジェシカ・クロフォード:六壬学園高等専門学校との戦争が始まったと偽装する
ジェシカ・クロフォード:という判定をしたい場合、難易度は如何程になりますか?
GM:二つの判定を組み合わせることになります。政治判定に追加しましょう。

・新聞部を動かす〈情報:メディア〉難易度25
 新聞部と接触し、任意のニュースを特定の集団に報道させることができる。

・六壬学園高等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度15
 密かに、六壬学園高等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

GM:六壬学園側には「これから開戦の報道が定時制に流れるけど気にしないでね」という協定を交わし、一方で新聞部には開戦のニュースを定時制に流してもらうことで実現可能です。
ジェシカ・クロフォード:うおー…!頼れるぜ新聞部…!!
GM:すみません。新聞部の技能は〈情報:メディア〉にします
”頭の無い蛇"A:・六壬学園高等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度15
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:10dx7>=15
DoubleCross : (10DX7>=15) → 10[2,6,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[2,2,4,4,5,6,9,10]+6[5,6] → 26 → 成功

”頭の無い蛇"A:グッド
”頭の無い蛇"B:・新聞部を動かす〈情報:メディア〉難易度25
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:10dx7>=25
DoubleCross : (10DX7>=25) → 10[1,1,3,3,3,4,5,6,9,10]+10[1,8]+3[3] → 23 → 失敗

”頭の無い蛇"B:く…!
GM:あ、あぶねー……!
ジェシカ・クロフォード:だが私の手札はまだ残っているぜ!
GM:新聞部は円卓相手にそう簡単に靡く組織じゃねーんだよー!
GM:なにっ
”頭の無い蛇"C:・新聞部を動かす〈情報:メディア〉難易度25
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"C:10dx7>=25
DoubleCross : (10DX7>=25) → 10[1,5,6,6,7,7,8,8,8,10]+10[4,4,5,7,8,10]+10[5,6,7]+1[1] → 31 → 成功

GM:つ、強すぎる~~
”頭の無い蛇"C:C、優秀…!
GM:変数が多すぎる~
ジェシカ・クロフォード:一旦以上で
GM:Dは温存ですね。
GM:じゃあ、シスルさんもデート判定にはクリアしているので……
GM:まずは"血統王"との会談からはじめてみるかな。二日目夜ですね。

キングダム定時制 中枢校舎

GM:ジェシカ・クロフォードがこれだけ短い間に、バージニア・ダネシュティが統べる中枢校舎に足を運んだ例は数少ない。
GM:それだけ事態は切迫していて、余裕がないということでもある。
GM:生徒に案内された先の応接室で、バージニアがジェシカを迎え入れた。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「どうにも慌ただしいな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:暖炉の前で、飲料を嗜んでいるところだった。
ジェシカ・クロフォード:「言葉の割には」
ジェシカ・クロフォード:「卿の佇まいは随分と優雅ではないか。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君が、慌ただしいと言ったのだ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「どうした?普段の会談なら効率的に、必要な用件は全て伝えてくれていたはずだろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「二度訪れるというのは、なかなか、ただならぬ事態だ」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど。たしかにそうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「いや、至上王が休みを取るということで羽を伸ばせるかと思っていたが」
ジェシカ・クロフォード:「現実はそう甘くなくてな。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:配下の生徒に指示をすると、壁の一面を覆っていた赤いカーテンが開く。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:巨大な窓からは、手入れされた庭園の花園と、夜空を一望できるようになっている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「それで?」愉快そうに笑う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己の城で休むことを思いついたわけか」
ジェシカ・クロフォード:「ああ。」
ジェシカ・クロフォード:「どうにも、私は一人でいては気を張り詰めてしまう性質らしい」
ジェシカ・クロフォード:「卿のような、気心の知れた者と共にいたほうがまだ身体を労ることが出来るのでな。」
ジェシカ・クロフォード:「それに、ここにくれば、行政部にはない上質な茶が飲める。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……ふふ。珍しいな?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君にしては珍しく、殊勝に弱音を吐く」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"新聞"を見たぞ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ここで言う"新聞"とは、文字通りの形態を持つものではない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:定時制には、定時制に合わせた形のものが。予言や自動書記などの魔術的な情報ソースに
"血統王"バージニア・ダネシュティ:新聞部の『報道』内容が紛れているということである。
ジェシカ・クロフォード:「それも、悩みの種だ。」
ジェシカ・クロフォード:「私の"霊樹王"の会談をどこぞの何者かが盗み聞きをしていたらしい。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「フフフ……六壬との戦争などと」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「程度の低い流言だ。君が制御してくれぬようでは困る」
ジェシカ・クロフォード:「無論、既に対応しているとも。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、卿も知っての通り”新聞部”は独立性の高い組織だ」
ジェシカ・クロフォード:「故に、記事の訂正にはそれなりの労を要する。今は、それの記事を軽挙妄動に走る輩を抑えているところだよ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「だが、今は休んでいるではないか」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「まったく、真面目だけが取り柄の女と思っていたが」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ついに怠けることを覚えてくれたか。ははは」
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「卿は」
ジェシカ・クロフォード:「私を、怠惰で卑怯な王だと思うか?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……冗談を言え。誰にそんなことを言われた?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:血入りの飲料を飲む手を止める。
ジェシカ・クロフォード:「誰にも」
ジェシカ・クロフォード:「ただ、自問はし続けている。私は正しい王で在ることが出来ているかを」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……何か」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「相談事があるのか?私でなければならないような」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:心配そうに、顔に目をやる。
ジェシカ・クロフォード:一瞬、その紅い瞳に呑まれそうになる。
ジェシカ・クロフォード:この世のものならぬ靭やかな肢体にその身を預けたくなるような衝動に駆られる
ジェシカ・クロフォード:そして、実際にそれができてしまえば、どれだけ楽なのだろうかという諦観に襲われる
ジェシカ・クロフォード:「いや、卿の言う通りらしくないことを言った。忘れてくれ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……」
ジェシカ・クロフォード:「卿に頼みたいことがあるのだ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「聞こう」
ジェシカ・クロフォード:「例の新聞部の報道。これは既に他学区にも流れている。それは当然六壬にもだ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「他学区にまでとは!」額を大仰に押さえる。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「いよいよもって嘆かわしいな。まさか君がそこまで疲れているとは」
ジェシカ・クロフォード:「全くだ。大いに自省しているよ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「学内での流布に留まるなら笑い話にしてもよいが、外交問題になりかねん」
ジェシカ・クロフォード:「ああ。その報道を受け取った連中がどう動くかは私にも読みかねる。」
ジェシカ・クロフォード:「故に、だ。」
ジェシカ・クロフォード:「卿には定時制の生徒の抑えとなって欲しい。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「既に努力している」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己とて、庭の手入れをするばかりの無能ではないのだ」
ジェシカ・クロフォード:「そうだったな。」
ジェシカ・クロフォード:「この報道を受け暴発した六壬が襲いかかってくる可能性は否定できない。その為に武装状態は保っていてほしいが」
ジェシカ・クロフォード:「こちらからは攻め込むことがないようにしてくれ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……そうだな。だが、ふふふ……君の不手際を責めてばかりでいたが」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ここ最近は己も、あまりよい仕事を成せているわけではいない」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「定時制の生徒の中で、反逆と闘争の機運が高まっている……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「可能な限り抑え込もうとしているものの、不満の圧力は高まるばかりだ」
ジェシカ・クロフォード:「或いは…」
ジェシカ・クロフォード:「今回の報道が、その圧力を緩める切っ掛けになるかもしれん。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「どういうことだ?」
ジェシカ・クロフォード:「大したことではない。よく言うだろう。祭りで一番楽しいのはその準備をしている時だと。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「暴発の矛先を六壬に向けるというのか……まったく、悪い冗談だ」
ジェシカ・クロフォード:「全くだ。だが、それができれば卿と私の仕事も楽になるだろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「たとえ吸血鬼の末裔とて、他の誰かの血を借りる手管は、誇りに反する」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「いずれ民草の怒りが暴発するとしても……その矛先は」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己か、君かであるべきだろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「それが王として、あるべき責任の取り方だ」
ジェシカ・クロフォード:「望んで叶うことならば。」
ジェシカ・クロフォード:「矛に貫かれるのは私であってほしいものだ。」
ジェシカ・クロフォード:「卿はその血を大地に注ぐより」
ジェシカ・クロフォード:「他者の血を矛先に滴らせるのが似合う。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「串刺しのごとく、か」
ジェシカ・クロフォード:「彼の吸血鬼の王もそうやって名を成したのだろう?」
ジェシカ・クロフォード:眉間に皺を寄せたまま、口元だけで笑う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……そうだな。吸血鬼は死なぬ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己も、柄にもなく弱音を吐いてしまった」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「定時制の民は必ず宥めてみせる。安心して休め、"不夜王"」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、信頼しているよ。"血統王"」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君が恐れているような結末にはしない。……きっと」



GM:今回の会談では、以下の成果を得られました。

・"血統王"を定時制と分断する

以上の条件を達成できた場合、"血統王"がクライマックス戦闘から撤退します。

ジェシカ・クロフォード:うおー!!
ジェシカ・クロフォード:分断…分断ときたか…!!



キングダム定時制 路地

GM:二日目。任アルルは未だ定時制で行動を続けている。アルルを陥れる奸計があったことは承知しているが――
GM:かといって、直接彼女に挑んで勝てるような者もいないだろう。
GM:人がそもそも少ないためでもあるが、定時制の学区は静かだ。乱の兆しにしては、不気味過ぎるほど平和である。
GM:……やがて、アルルは路地の片隅で平らになっている緑色の長衣の少女を認める。
GM:以前は彼女の方から接触してきた。探して見つけ出したのかもしれないし、偶然遭遇しただけかもしれない。
任アルル:雲のあわいから射す月光の如く、絹の衣をはためかせて薄暗い路地に舞い降りる。道端に寝転がる少女の傍らへ、つい一昨日の夜と同じように。
任アルル:「你好吗?」
任アルル:「この前も思いましたけれど。寒くないのですか、それ?」
"安臥王"王覇カト:「んん……」
任アルル:自身の格好を完全に棚に上げて声をかける。
"安臥王"王覇カト:もぞりと、地べたに寝そべっている金髪の少女が頭を上げた。シンボルである猫耳型のフードは、片耳が折れている。
"安臥王"王覇カト:「にゃ、おー?」
"安臥王"王覇カト:眠たげな目をこすり、寝癖を直すような手付きで、折れた片耳を直した。君の知る"安臥王"の姿。
"安臥王"王覇カト:「寒いですけど……それがどうか?」
任アルル:「寒いんだ……」
任アルル:「じゃあくっつきましょう」
任アルル:両腕を広げて抱きつきに行く。
"安臥王"王覇カト:「ニャム」
"安臥王"王覇カト:「……にゃー。何だかちょっと二心を感じますね」
"安臥王"王覇カト:寝そべったままふむふむと、前足、もとい手を君に押し付けるような動き。そこから、草花の甘い香りが漂ってくる。
任アルル:「下心はあります」微笑んで、押し出される手と戯れみたいにじゃれ合う。
任アルル:「……少なくともべつに、騙されて仕返ししよう、なんて思ってきたわけではないので、ご安心を」
"安臥王"王覇カト:「ふーにゃう……」
"安臥王"王覇カト:君の言葉を聞いているのやらいないのやら、人の手で猫のように君の手を繰るが、ふい、とほどなく興味を失う。
"安臥王"王覇カト:「ではどのような下心をお持ちですか?」
"安臥王"王覇カト:「このままでは……ふわ……温かくて……」
"安臥王"王覇カト:うつらうつらとし始める。
任アルル:「個人的には、どこかのお部屋でじっくりとっくり甘いひと時を、と言いたいところなんですけど──」んー、と唇に指先を当てて。
任アルル:「……そういうのが混ざるとどうも、話の腰が折れがちみたいなんですよね」
任アルル:その指で"安臥王"の頬をつんと突いて起こす。「だから単刀直入に行きましょう」
"安臥王"王覇カト:うっすらと、どこかうっとうしそうに目を開く。
任アルル:「あなたも崑崙山に来ませんか?」
"安臥王"王覇カト:「うにゃ……なんでですか?」
"安臥王"王覇カト:「崑崙山、wifiとかないでしょ? ……服も、猫の皮とかなんじゃないですか?」
"安臥王"王覇カト:何気ない口ぶりだが、それは言うまでもなく、つい先刻君と言葉を交わした"羽檄王"の言葉に沿ったものである。
任アルル:「あなたもそーゆーの気にするんですね……猫の皮ではないです」
任アルル:何も気にしていないみたいに言う。
"安臥王"王覇カト:「猫の皮は……楽器でしたか。今風なら、マイクですかね。ぼーんとうるさい……」
任アルル:「なんでかと言えば……ううん」
任アルル:「あなたと戦うのは楽しくなさそうだから、かな?」
任アルル:「少なくとも、敵味方より、ふつーにお友達になる方が良さそう」
"安臥王"王覇カト:「おや、おや……そうですか?」
"安臥王"王覇カト:「これでも、立つ立たぬを多くの人に注目され、立っても立たなくても一定の悲鳴と歓声が上がる身なのですが……」
"安臥王"王覇カト:君の腕の中で、両手両足をぷるぷると震わせ、うぅんと伸びをする。
"安臥王"王覇カト:「いざ立ち上がった末に放つトリックは、何びとにも避けられず、必ずや急所を撃ち抜く……とも」
任アルル:「そーなのですか。……」
任アルル:「もしかして怒りました?」
"安臥王"王覇カト:「怒りは、しませんが……そうなんだなあ、とは思っています」
"安臥王"王覇カト:「あなたにとっても、無心で円卓の皆さまと打ち合えるまたとないトリックを準備できた、自負がありましたので……」
任アルル:「ごめんなさいね」宥める風に背中を撫でる。
"安臥王"王覇カト:「にゃお……はう……」 目を閉じ、ふるふると顔を震わせる
任アルル:「正直に言えば、戦って楽しそうな相手、というのが、そもそもあんまりいないのです……だから、ええ」
任アルル:「あなたたちからのお仕事は、うれしかったですし……結果としてわたしが悪者になるとしても、そこは大した問題じゃありません」
"安臥王"王覇カト:「そう、でしたか……でしたら、私こそごめんなさい」
"安臥王"王覇カト:「『もっと上』を狙える機会にするべきでしたね。これはうっかり、うっかり……」
任アルル:「そーですね」
"安臥王"王覇カト:「崑崙山には……あまり行くつもりは、ありませんよ」
任アルル:「そうですか?」
"安臥王"王覇カト:「遊びにゆくのは良いかも知れませんが。アルルさんと同じ……」
"安臥王"王覇カト:「崑崙山の方を相手するのは、多分あまり……寝ていられそうにもありませんので」
任アルル:「ふうん?」
任アルル:本物にそうするみたいに、フードの耳を擽る。
任アルル:「寝ていられさえすればいい、って風でもないと思ったのですけど」
"安臥王"王覇カト:「にゃ、やーぁー……」 そのフードの中に実体があるかないかは、怪しい手触りだ。その反応を見ると、あるように思えてくる
"安臥王"王覇カト:「……シャルル・ペローの時代から」
"安臥王"王覇カト:「猫は王を騙すものですよ。敢えて理由らしい理由を言うなら、私はその性質に従ったまでです」
"安臥王"王覇カト:「騙してくれと頼まれて、騙せそうなので、騙してみた。王様の慧眼と、あなたの無欲で、失敗しちゃいましたが」
任アルル:「無欲……無欲」
任アルル:「価値観の違う相手のことは、そー見えるのかもしれないですね。なるほど」
任アルル:「わたしとしては、あなたの欲が分からなかったのですけれど」
任アルル:「トリック。詐術。そういうものに誰かを嵌めるのがあなたの欲するところだと?」
"安臥王"王覇カト:「そうです、そうです。こうやって私がのーんびりとしている間にも……」
"安臥王"王覇カト:「私の仕掛けでわたわたとする人がいたり……私が立つかどうかでドキドキとする人がいたり……」
"安臥王"王覇カト:「そういうのが愉しいんですよね。やっぱり」
任アルル:「ふふっ! じゃ、こーしてお話してるのも危ないのかもしれないですけど……」
任アルル:「でもやっぱり、わたしもわたしで欲があるので、誘わないわけにもいかないんですよね」
任アルル:「その騙す相手が、定時制のひとたちになってはダメなんですか?」
"安臥王"王覇カト:「ニャム……別にいいーですよ」 さっぱりとした回答だった
"安臥王"王覇カト:「騙している側に回っている人ほど、騙しやすい人はいない……とは、定石のなかの定石」
"安臥王"王覇カト:「そう言われると……"月下王"あたりのびっくり顔を見るのも良さそうに思えてきました」
任アルル:「わあ。話が早くって怖い」
"安臥王"王覇カト:「ただ……崑崙山には行きません。我々はこの地に意味を見ているので……」
"安臥王"王覇カト:「猫は家につくものです。主はあまり、問う気はありません」
任アルル:「まあ、無理にとは言いませんけれど」首を傾げる。「この土地に何か……ああ、成程」
任アルル:「じゃ、もし力を貸してくれるなら、追い出されるようなことはないよーに頼んでみます。尤も」
任アルル:「今はちょっぴり、あなたと戦うのも悪くないかも、と思え始めてきちゃいましたが」
"安臥王"王覇カト:「ニャーム……やめてくださいよぉ。戦いなんて。こうやって寝てたほうが、ほら、あったか~いし……」
"安臥王"王覇カト:やおら眠たげに、君の胸元に顔を一こすりした所で、急に目を見開き 「は」
"安臥王"王覇カト:するり、と……一瞬、君の認識すらも追えない経路で、王覇カトはその身を近くの塀の上へと移す。
任アルル:「おお」
"安臥王"王覇カト:「すみません……集会の時間があることを忘れていました」
"安臥王"王覇カト:「集会をおろそかにする猫は、王ではいられないのです。ご存知でしたか」
任アルル:「猫の集会! ほんとーにあるんですね」
"安臥王"王覇カト:「ピクニックのようなものです。皆で集まり……話し合い……遊び……サンドウィッチを楽しむ」
"安臥王"王覇カト:「パンを投げるべきか、投げざるべきか……集会の場につくまでに考えなければ」
任アルル:「部外者の参観は?」
"安臥王"王覇カト:「あいにく、同じ生徒同士に限られるのです……」
"安臥王"王覇カト:「あなたのことは、今話して少し好きになりましたが……蛇の道は蛇、鴉の道は鴉。猫の道は猫。そういった具合ですね」
"安臥王"王覇カト:「では、またいずれ。次は違う猫かもしれませんが……」
任アルル:「違うもの同士の交わりも、時として好ましい結果を生むのでしょうが」
任アルル:「ま、風紀は大事ですもんね。ええ」
任アルル:「お話できてよかったです、カト。縁があればまた」
"安臥王"王覇カト:塀の上で四つ足になったせいで、長衣の下から金の尾が垣間見える。
"安臥王"王覇カト:その尾が君に向けて一振りされると、意外にも塀の上を機敏に駆け、建造の隙間へと消えていった。
任アルル:小さく手を振り返して見送り、自身もどこへともなく立ち去る。



GM:今回の会談では、以下の成果を得られました。

"安臥王"がクライマックス戦闘から撤退します。

任アルル:あっもうしてくれるんだ
任アルル:ほんとかな……
GM:そう!これは当たりのキャラクターでした。会うだけで無条件に撤退してくれます
任アルル:よかった~~~
GM:攻撃とか仕掛けてたら別でしたが。ちゃんとデータもあるのでね
任アルル:そんな誰彼構わず喧嘩を売る蛮族みたいなやついないでしょ
GM:ドウデショウ



キングダム定時制 オード湖

GM:夜の星空を反射するように、静まり返った水面が輝いている。
GM:その中央に、一つの波紋が生じ……
GM:ド バ  ア  ア  ア
GM:巨大な海賊船が湖を割って現れ、飛翔機構を作動させて月夜へと飛び立っていく。
GM:――『海賊部』の略奪の光景であった。
GM:アメリア・シュミットが受け取った地下宝物蔵を示す座標は、湖。
GM:その湖底に位置する空間に、"オズマメガリス"は収容されていた。
GM:遺産管理委員会からの遺産奪還指令があれば、円卓の王すら動く。
GM:アメリアの目は、その様子を湖畔から見ていた。本体か、鴉か。そのどちらかだろう。
アメリア:「このノヴァリスにおいてなお」
アメリア:「あの船の動く様は……幻想的というほかありませんね」観劇用の双眼鏡越しに
"暗礁王"サルガッサム:「いくらなんでも」水辺の方向からだった。
"暗礁王"サルガッサム:「派手にやりすぎる。しかも自領内からの略奪とは……」
"暗礁王"サルガッサム:「……ここまで強引な手に出てくるとは、思っていなかった」
"暗礁王"サルガッサム:黒いスーツに身を包んだ、長身の女。革靴は水面に接しているが、沈んでいない。
"暗礁王"サルガッサム:魚の下半身を持っているようには見えないが、人魚ならではの何らかの異能を行使しているのかもしれなかった。
アメリア:「あら、ごきげんよう」
アメリア:「巻き込まれていなくて……安心しました」
"暗礁王"サルガッサム:「そうなっていたら損害賠償でもしてくれたのか?……まあいい」
"暗礁王"サルガッサム:「今回の件では……君の存在に、ずいぶんと事態をかき乱されてしまった」
アメリア:「ふふふん、誉め言葉と受け取っておきますよ」
アメリア:本当に誉め言葉として受け取っている
"暗礁王"サルガッサム:「これから、どれくらい"不夜王"と付き合うつもりでいる?」
アメリア:「……確かに」
アメリア:「王鍵”オズマメガリス”は……回収できてしまいました」
"暗礁王"サルガッサム:頷く。
アメリア:「ではもう手を引くべき……ってコト……ですか!?」
"暗礁王"サルガッサム:「いや」
"暗礁王"サルガッサム:「なぜ私に聞く?」
アメリア:「そうでした。質問に質問で返してしまいましたね」
アメリア:「でも……敢えて質問を重ねさせていただきます」
アメリア:「……あなたは、全日制と……戦いたいと、思っておいでですか?」
"暗礁王"サルガッサム:「……どうだろうね」
"暗礁王"サルガッサム:「革命をすれば何かが変わる。自分達の現状が良くなっていく……」
"暗礁王"サルガッサム:「個人的な意見を言えば、そんなことは……楽観的なものの見方だと言わざるをえないな……」
アメリア:「ええ。あなたは……最初にお会いした時もそうでした」
アメリア:「定時制の皆さんの反乱、暴動を……どこか引いた目で見ているみたいでした」
"暗礁王"サルガッサム:「……定時制の?」口元を覆う呼吸補助具で目元しか見えないが
"暗礁王"サルガッサム:冷笑的な笑みが浮かんだようにも見える。
"暗礁王"サルガッサム:「このノヴァリス自体が、そうだろう」
"暗礁王"サルガッサム:「『八月革命』で、誰もが変わると思っていた。何か良い未来が訪れると――」
アメリア:「……」
アメリア:「変えたいんですね、この現状を」
"暗礁王"サルガッサム:「自分でも驚いているが」
"暗礁王"サルガッサム:「"オズマメガリス"が奪われたというのに、大して失望もしていない」
"暗礁王"サルガッサム:「ああ、やっぱり」
"暗礁王"サルガッサム:「こうなるのだな、と」
"暗礁王"サルガッサム:「……そんな感想しかない。停滞という力は、本当に強い」
アメリア:「これから……円卓と戦って」
アメリア:「あなたの大事なものや……誇りが奪われていくときも、あなたはそうなのでしょうか」
"暗礁王"サルガッサム:「そうでありたいとは思わないけれど……そうなのかもしれない、と思う」
アメリア:「それは……悲しすぎます……!」
"暗礁王"サルガッサム:「――大したことじゃない。人の希望が潰えて、何かが踏みにじられる」
"暗礁王"サルガッサム:「ノヴァリスでは誰もが当たり前にやっていることだし、私もそういうことを看過してきた……」
"暗礁王"サルガッサム:「……」
"暗礁王"サルガッサム:「……どうして未だにそう思える?"鴉飼"。君は誰よりもそんなことをその目で見ているだろう」
アメリア:無音で車椅子を前進させ、詰め寄る
アメリア:「……見てきましたとも」
アメリア:「…………」目を閉じ、僅かに身を震わせる
アメリア:「嫌なことも……たくさん。でも」
アメリア:「希望とか……喜びとか」「輝かしい……王の姿」
アメリア:「いいものだって、たくさん、見せてもらえるんです」
"暗礁王"サルガッサム:「だったら、そっちで構わないだろう」
"暗礁王"サルガッサム:「現時点で、十分、悲劇と釣り合いの取れるものを見ることができている」
"暗礁王"サルガッサム:「……そうだというなら、そのバランスはこれからの未来でもそう大きく変わるわけじゃない」
アメリア:「それは……違います」
アメリア:「革命の後……理事会が居なくなって」
アメリア:「私も、鴉の塔の外に、出して貰えるようになりました」
アメリア:「この目で直にキングダムを見て……言葉だって交わして」
アメリア:「私の中で、バランスはもう壊れてしまったんです」
アメリア:「欲張りさんになったんですよ、私」
アメリア:「だから……あなたが傷ついてしまう様なことには、したくない」
"暗礁王"サルガッサム:「……具体的には?」
"暗礁王"サルガッサム:「聞いてみよう。私は私が幸せになる方法を、あまり想像できない」
アメリア:「……まず、あなたの配下、トレジャーハンター部には、定時制の反乱から……手を引いてもらおうかな、と」
"暗礁王"サルガッサム:「それは、全日制が幸せになる方法だな」
アメリア:「定時制への待遇が改善されるようにと、不夜王が動いています……!」
"暗礁王"サルガッサム:「ある種の不幸は、無謀でも、敗北が分かっていても……立ち向かうことでしか精算できない」
"暗礁王"サルガッサム:「私の部員にこれまで通りに耐え続ける苦痛を強いて、代わりに君達は何をしてくれる?」
アメリア:「これ以上、円卓に剣を向けるなら、それを待つ時間すら……」続けようとして、サルガッサムの言葉に引き留まる
アメリア:「うう……グスッ……」
"暗礁王"サルガッサム:「え!?」困惑する。
"暗礁王"サルガッサム:「なぜ突然泣くんだ……」
アメリア:「だっでえ……」
"暗礁王"サルガッサム:水面を歩いて少し近づく。
"暗礁王"サルガッサム:「子供なのか?ある種のエフェクトは年齢を操作できるらしいが……」
アメリア:「そんなに……思い詰めるくらい……辛かっただなんて……」
"暗礁王"サルガッサム:「いや……あんまり辛くないと言ったはずだが」
アメリア:「私……思いもしなかったもん……!」
"暗礁王"サルガッサム:「理解できなかったか?泣くな」
"暗礁王"サルガッサム:車椅子の傍に寄って、背中を軽く叩いている。
アメリア:「嘘ですよ!幸せになる方法を……想像できないとか!」
アメリア:「あなたの方こそ……理解できてないじゃないですかぁ……辛いんだ、って……!」
アメリア:「ぐすっ……ぐす」
"暗礁王"サルガッサム:「困ったな……」
アメリア:「おいしい紅茶が飲みたいとか……あの人と遊べたらな、とかぁ……浮かぶじゃないですか……」
"暗礁王"サルガッサム:「……一つ聞く」
アメリア:「うぅ……何ですかぁ……」
"暗礁王"サルガッサム:「"不夜王"が定時制の待遇改善に動いているという話」
"暗礁王"サルガッサム:濡れた湿地に片膝を突いて、目線を合わせている。
"暗礁王"サルガッサム:「それは確かなんだな」
"暗礁王"サルガッサム:「待ちさえすれば、私の部員の状況はよくなると」
アメリア:「……もう少しなんです」
アメリア:「あと数日だけ……時間が有れば……変わるかも、知れないんです」
アメリア:「これまでが辛くても」
アメリア:「これからの希望さえ……諦めるのを」
アメリア:「目の前で見たくは……無いんです……!」
アメリア:すすり泣きながら、サルガッサムの腕に抱き着いて、言葉を紡ぐ
"暗礁王"サルガッサム:「分かった。アメリア・シュミット」頭に手を置く。
"暗礁王"サルガッサム:「君の誠意に免じて、部員の行動は、私が押さえよう」
"暗礁王"サルガッサム:「これでいいか?」
アメリア:「え……?いいんですか……?」
アメリア:ぱぁ、と顔を上げる
"暗礁王"サルガッサム:「……。約束しよう。契約を交わすことまではできないが」
アメリア:「じゃあ……ゆびきりげんまんです」
"暗礁王"サルガッサム:「……調子が狂う」吐き捨てるように言う。
アメリア:「お友達の約束なら、これでいいでしょう?」
"暗礁王"サルガッサム:いくつかの国に共通して存在する風習ではある。小指を出した。
アメリア:「ゆびきーりげーんまん、うーそついたら……」
"暗礁王"サルガッサム:「……」うんざりしたように、その歌に付き合っていた。



GM:今回の会談では、以下の成果を得られました。

・定時制の待遇改善を申し出る

以上の条件を達成できた場合、定時制・防御×4がクライマックス戦闘から撤退します。

アメリア:申し出まくるしかねえ!
GM:もう申し出てるよ



キングダム市街 黒檀通り

GM:市街を眺めながら、最も大きい商店通りからずいぶんと歩いた。
GM:浴衣姿のルキアは誰よりも多くの人目を惹いていたが、隣に立っているシスルの眼光に竦んだのだろうか、ならず者に絡まれることもなく、平和だった。
七十橋シスル:「腹減ったな」
七十橋シスル:「マイロード。お着替えハイが落ち着いたなら、どっか入るか?」
ルキア・ティベリア:「それって、お店ってことよね?」
ルキア・ティベリア:ニコニコと笑っている。上機嫌そうだ。
ルキア・ティベリア:「キングダムって」夜景に輝く街並みを見る。
ルキア・ティベリア:「……すごく綺麗。街に降りて、こんな光を見たことなんてなかった」
七十橋シスル:「勿体ねーことだな、そりゃ」
七十橋シスル:「つか。お前はこの町そのものだろ」
ルキア・ティベリア:「そう?」
七十橋シスル:「望めばいつだって、いくらだって、町に降りりゃあ良かったじゃねーか」
ルキア・ティベリア:「私がこの街そのものだって?」
ルキア・ティベリア:「そんなこと、考えたこともなかった」
七十橋シスル:「……。」
七十橋シスル:「だったら。お前、一体、何のために君臨したんだ」
七十橋シスル:やってみたいことがある。知らなかったことがある。経験したかったことがある。
七十橋シスル:――キングダムで最も自由なはずの”暴君”が、自らの望みを縛っているなど。不可解だ。
ルキア・ティベリア:「……」不思議そうな顔をする。
ルキア・ティベリア:「そんなこと、決まっているのに」
ルキア・ティベリア:「シスルは、王様はどうして君臨すると思っているの?」
七十橋シスル:キングダムの王に、世襲や血統はない。遺産の引き継ぎはあるが……それだって、双方の合意が要る。
七十橋シスル:「やりたいことが……変えたいものがあるからだろ」 少なくとも自分はそうだ。
ルキア・ティベリア:「違うわ」
ルキア・ティベリア:「王国が、そこにあって」
ルキア・ティベリア:「王様として生まれた、、、、からよ」
ルキア・ティベリア:キングダムの王に、世襲や血統はない。そのはずだ。
七十橋シスル:「は?」
七十橋シスル:八月革命で、キングダムを支配していたマスターエージェントを倒す以前のルキア・ティベリアを、誰も知らない。
七十橋シスル:王鍵の能力すら誰も知らない。どんな強者でも経歴はある。それがない。そんなことがありえるか? ”生まれた”とはどういう意味だ?
七十橋シスル:俺は、もしかしたら、この学院で唯一の――
GM:その時。
GM:大通りに立ち並ぶ街灯が、次々と点灯していく。手前から本校舎へと向けて、道を作るように。
GM:冬らしく飾り付けられたイルミネーションが、きらびやかな地上の星空となる。
ルキア・ティベリア:「わあ……!」
七十橋シスル:「!」
ルキア・ティベリア:「すごい」
七十橋シスル:驚愕に見開いていた目が、そちらに気づき振り仰ぐ
ルキア・ティベリア:「こんなことをしてるんだ。皆……こんなに綺麗に……」
七十橋シスル:「……あァ」
七十橋シスル:栓を抜かれた風船のように、緊張しきっていた肺から、長い呼気を吐き出す。
七十橋シスル:イルミネーションの輝きをその目に映して、万華鏡のようにきらめく、少女の瞳を横から見る。
ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアの感情は分かりやすい。興味のないものがあればつまらなさそうに、心地よいものがあれば笑う。
ルキア・ティベリア:光の中で笑う表情は、無垢な少女のように見える。
七十橋シスル:「そうだよ。マイロードは知らなかったか?」
七十橋シスル:「今までの一生、損してたな」意地悪するように、唇の端を釣り上げる。
ルキア・ティベリア:「――やっぱり、休んでよかった」
ルキア・ティベリア:「こうやって、街を歩けてよかった」
ルキア・ティベリア:「シスルにいろいろなところに連れてってもらって……」
ルキア・ティベリア:「お話を出来てよかった」
七十橋シスル:「……コラ。急に、まとまったカンジにしてんなよ」
七十橋シスル:ぐ、と横合いから手を握る。銀河を描き分けるように、星の灯りの間を、無遠慮に引っ張っていく。
ルキア・ティベリア:「あ、ちょっと、まって」
七十橋シスル:「待たねえ。こんな程度で、良かった~、じゃねえっての」
ルキア・ティベリア:「でも」
七十橋シスル:何らかのエフェクトによるものだろうか。蛍のように宙に浮かぶ光源を、取って集めて
七十橋シスル:ルキアの頭の上から散らせる。
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「光ってる」
七十橋シスル:「そうだよ。お前もな」
ルキア・ティベリア:「ふふ、うふふふふ」
七十橋シスル:義務。法。摂理。"ねばならぬ"。"でしかない"。"しか許されぬ"。"それしかないから"。"当然に"。
七十橋シスル:それが、およそシスルの嫌いな物事のすべてだ。
七十橋シスル:「やりたいことがあれば、いくらでも言えよ」
七十橋シスル:「物理的に可能不可能はともかく――」
七十橋シスル:「――お前が、"自分がやることじゃない"と思ってることなら」
七十橋シスル:「俺はいくらでも提供してやる」
ルキア・ティベリア:「……私、いつもやらせたいことばかりだったわ」
七十橋シスル:「お前が何でどう生まれたかなんて」全てのキングダム生が、否ノヴァリス生徒が、知るべきだ、調べるべきだと判断する情報だ。
七十橋シスル:「俺には"どうでもいい"」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「……………」
七十橋シスル:「俺は円卓会議第七位の拷問王だ。それだって、別にお前に従うわけじゃない」
七十橋シスル:「俺は、俺の欲望と目的のために、必要なものを得て、名乗ってる」
ルキア・ティベリア:「ありがとう。シスル」
七十橋シスル:「だから聞いてんだよ。お前は何者だとか、次のご命令をとか、汝の為すがままにとかじゃない」
七十橋シスル:「腹減ったな、何か食うか? って」
ルキア・ティベリア:夜景の中で、花のような微笑みを浮かべる。
ルキア・ティベリア:心から笑っている――
ルキア・ティベリア:パ
ルキア・ティベリア:  ヂッ
GM:何かが通過した音があった。
GM:石畳に血が飛び散っている。夥しい量の……
ルキア・ティベリア:「……」
七十橋シスル:「…………?」
ルキア・ティベリア:不思議そうに、自分の手が握っている
ルキア・ティベリア:白い長剣を眺めている。
GM:七十橋シスルの右腕が
GM:その前腕が、半ばまで切断されていた。尺骨も、動脈も綺麗な断面で断たれていて
GM:斬撃軌道すら見ることはできなかった。
七十橋シスル:「……ッ」
七十橋シスル:「が、……!?」
七十橋シスル:噴き出す鮮血を見る。脳裏を貫く痛みと、それ以上の動揺。
ルキア・ティベリア:「シスルは」
ルキア・ティベリア:「嘘をついている」
ルキア・ティベリア:冷たい声だった。
ルキア・ティベリア:じっと、虚ろな瞳で、覗き込むように見る。
七十橋シスル:「…………ッ!」
ルキア・ティベリア:「やりたいことをしても許してくれる?」
ルキア・ティベリア:「――私の全部を許す世界なんて」
ルキア・ティベリア:「思うように振る舞っていい人間なんて」
七十橋シスル:脂汗が浮かぶ。痛みにではない。自身はオーヴァードだ。十字冠をおいても、苦痛に耐える訓練は積んでいる。
ルキア・ティベリア:「ない」
七十橋シスル:そんなものではない。豹変した――或いは地続きに進んだだけの――目の前の少女。
七十橋シスル:至上王の圧に。
ルキア・ティベリア:「…………」血に塗れた自分の手のひらを、ぼんやりと眺める。
ルキア・ティベリア:「帰ろう」
ルキア・ティベリア:血を流すシスルが、まるで見えていないかのように
ルキア・ティベリア白宮(ホワイトホール)の方向へと歩いていく。ルキア・ティベリアの本来の居城に。
七十橋シスル:「待ち、やがれ、…………ッ!」
七十橋シスル:その背を追おうとする。だが、動かない。黒き影の茨が、女の足に絡みつき止めている。
七十橋シスル:適合者の望みを妨げる、全ての害意を打ち落とす城塞王鍵、《茨広げしターリア》。
ルキア・ティベリア:「……高い」足を止めた。
ルキア・ティベリア:小さく呟く。
GM:ゴ    シ   ャア  ! !
GM:既に地面に伏していたはずの七十橋シスルの視点が
GM:さらに『下がった』。
七十橋シスル:「………………ッ!!!!」
GM:石畳を破壊し、その体が下の大地に沈み
GM:埋設配管をいくつか砕いた。街灯の基礎が一つ巻き込まれて沈み、伐採された木のように倒れた。
七十橋シスル:絶息。二流三流のオーヴァードなら、攻撃そのものを封殺しうる絶対防御が。
ルキア・ティベリア:「頭が」
ルキア・ティベリア:「高いよね?」
七十橋シスル:――大地より出づる茨が。
七十橋シスル:――至上の高みになど、届くはずもない。
GM:ルキアは姿を消していた。喧騒や悲鳴が、頭上の……遥か頭上の、路上から聞こえている。
GM:通報を受けた消防部が鳴らすサイレンの音も混じっていた。
七十橋シスル:「く、……そ………………」
七十橋シスル:「間抜け、が」その遠い音を耳にしながら。静かに意識を失った。
GM:黒檀通りの一角が破壊。"拷問王"七十橋シスルが重大な負傷。
GM:――軽微な被害、、、、、と言わざるを得なかった。



GM:ロイスのみ可能です。
七十橋シスル:二種のロイスを変更・
七十橋シスル:ルキア・ティベリア  困惑:○/危険視: →  疑念/危険視:○
七十橋シスル:自己/七十橋シスル/有為/間抜けめ:○/ロイス
七十橋シスル:以上
GM:では、本日の進行はここまでになります。参考までに、現時点でのクライマックス戦闘を見てみましょう。
GM:いや、やっぱり今後にとっておこう
GM:今日の進行は以上です!
ジェシカ・クロフォード:うおー!お疲れ様でした!
任アルル:お疲れ様でした!
アメリア:お疲れ様でした……!


◆Middle07◆vs"月下王"

×"至上王"の機嫌を取る〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 -/4
×"至上王"の機嫌を損ねる〈運転:〉〈芸術:〉〈知識:〉難易度7 -/4

◎プロンプトの動向〈情報:ビジネス〉難易度11
◎任アルル〈情報:ノヴァリス〉自動成功
◎"不夜王"暗殺依頼の真意〈情報:ノヴァリス〉難易度10


・救伐騎士団を動かす〈調達〉難易度20
 クライマックスの任意のエンゲージに存在するトループを全滅させる。
 対象エンゲージは判定挑戦時に指定する必要がある。

◎定時制の待遇改善を申し出る〈交渉〉難易度25
 現状の定時制の待遇を改善し、生徒の不満を低減する改革案を立案できる。
 ただし"至上王"帰還後の情勢にも関わるため、"至上王"との交渉が必要。

◎暴動を扇動する〈交渉〉難易度15
 キングダムの任意の地点で暴動を引き起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

◎崑崙山中等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度20
 密かに、崑崙山中等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

・所属情報を改竄する〈知識:ウェブ〉難易度20
 任意の1つの事件に関わった組織の組織名を改竄できる。

◎戦争を起こす〈任意の技能〉難易度30
 特定の学校に対して戦争を起こすことができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

◎海賊部を動かす〈調達〉難易度20
 所在が判明している任意の物品を強奪できる。
 任意のエキストラを誘拐することもできる。

・"鉄騎王"を動かす〈交渉〉難易度15
 任意の建造物を破壊できる。隠蔽には別の判定を使用すること。

・事件を隠蔽する〈情報:ノヴァリス〉難易度10
 任意の事件が起こった事実を隠蔽できる。
 ただし、学区外の事件については適用できない。

・キングダムの生徒を追放する〈知識:政治〉難易度25
 任意のキングダム生徒の集団に対し、円卓議会が正式に放校処分を下すことができる。
 ネームドキャラに対しても可能。ただし対象がその処分に従うとは限らない。

・決闘〈任意の技能〉自動成功
 1対1の決闘をセッティングすることができる。ただし、互いに同意している必要がある。

・生徒を庇護する〈交渉〉難易度10
 指定したエキストラ集団を、政治的非難から庇護することができる。
 判定に成功すれば、いつでも使用できる。

◎新聞部を動かす〈情報:ノヴァリス〉難易度25
 新聞部と接触し、任意のニュースを特定の集団に報道させることができる。

◎六壬学園高等専門学校とコンタクトを取る〈交渉〉難易度15
 密かに、六壬学園高等専門学校と任意の協定を交わすことができる。
 内容は使用する際に遡って決定してもよい。

GM:このシーンでは、至上王の機嫌を取る/機嫌を損ねる は判定不能。
GM:また、前回判定を温存していたアルルさんはここで購入判定に挑んでいただいてOK。
任アルル:ありがとうございます。何度目かの正直のシューターズジャケット狙い!
任アルル:4dx>=13
DoubleCross : (4DX10>=13) → 10[1,2,5,10]+4[4] → 14 → 成功

GM:やっと正直になったな
任アルル:ついに買えた!装備しておきます。
GM:言えたじゃねえか……
ジェシカ・クロフォード:言った!
ジェシカ・クロフォード:じゃあ僕もクリシーチャレンジしてみよ
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (95 → 101)
”頭の無い蛇"D:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"D:10dx7>=25
DoubleCross : (10DX7>=25) → 10[1,2,2,3,3,5,6,9,9,10]+10[1,1,10]+10[8]+10[10]+2[2] → 42 → 成功

”頭の無い蛇"D:ゲット
ジェシカ・クロフォード:アメリアさん持っておきます?
GM:装備調達能力も悪魔的だ
アメリア:わーい!もらいたい!
ジェシカ・クロフォード:じゃあ、どうぞ
アメリア:メタルアメリアになります
七十橋シスル:1d10+69
DoubleCross : (1D10+69) → 6[6]+69 → 75

任アルル:改めて登場します
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (69 → 72)
七十橋シスル:あとあれだ
七十橋シスル:どう考えてもリザレクトしてるので
七十橋シスル:リザレクトしておきます
七十橋シスル:75+1d10
DoubleCross : (75+1D10) → 75+7[7] → 82

GM:さすがセルフリザレクト大好きアスハルさんだよ
任アルル:律儀
アメリア:侵蝕上がってる デートが終わってしまったから……
七十橋シスル:演出リザレクトに関してこの俺の右に出る者は存在しねえ……!
アメリア:83+1d10 私も出ます
DoubleCross : (83+1D10) → 83+7[7] → 90

GM:皆出た!なかよし4人組だ
GM:購入は続けますか?別に政治判定にチャレンジするのでなければシーンの最後でもいいですが、忘れちゃうかもな
七十橋シスル:念の為とっておきます
ジェシカ・クロフォード:そうしましょう
アメリア:同じく
任アルル:何か状況の変化がある可能性もないでもないのか……忘れないようにしつつこちらも保留で
GM:はーい。ではこのシーン、ミドル7とかなんですが
GM:初めて4人全員合流シーンになります
任アルル:そんなことあるんだ
GM:あるんです

公益財団法人キングダム総合病院

GM:定時制の反逆行動を目前にして、起こるべきでなかった事態が起こった。
GM:"至上王"は暴君であるが故に、情を向けた者との関わりで制御することができる。
GM:――ジェシカのその見立てすら、希望的観測に過ぎなかったのだろうか?事情を聞く限り、七十橋シスルが何かを誤ったとは思えなかった。
GM:病室前の廊下。情報統制上入院患者の名前は記されていないが、この部屋に重傷を負った"拷問王"が搬送されている。
医療部部員:「はい……もちろん、"不夜王"様直々の要請であれば、面会許可は可能ですが」
医療部部員:「一体何があったら、"拷問王"様があんな傷を負うんですか?」
ジェシカ・クロフォード:「君たちが知る必要はない。」
医療部部員:「御本人に聞いても教えてくださいませんでしたし……」
ジェシカ・クロフォード:「ならば、余計にだ。」
医療部部員:「……信じられません。あれほど強い方なのに、まるで"ブリューナク"と戦った時より……」
GM:隠しきれない困惑を見せながらも、部員はジェシカを入室させた。
ジェシカ・クロフォード:目の下が隈がより深くなっている。それが不夜王の視線の鋭さをより一層に増していた
GM:既に面会に来ている者もいる――当然、ジェシカよりも先にこの情報を把握していただろう。
GM:アメリア・シュミットも病室の中にいる。
ジェシカ・クロフォード:「流石に、耳が早いな」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌さを隠そうともしない(ように見える)視線を鴉飼へと投げる
アメリア:「……未然に、防ぐことはできませんでした」
アメリア:俯きながら、林檎を剝いている
ジェシカ・クロフォード:「嘗めるな。」
ジェシカ・クロフォード:「卿に防げるものであれば」
ジェシカ・クロフォード:「拷問王単騎で十分に対処できている。」
アメリア:「……失言でした。お許しください。」
ジェシカ・クロフォード:「いや、済まない。」
アメリア:皿の上に、皮の下まで剥きすぎて少し小さくなった林檎を並べる
ジェシカ・クロフォード:「故に、卿が気を病む必要はないと言いたかったのだ」
七十橋シスル:「――だァれの、手に負えなかったってェ?」
ジェシカ・クロフォード:病床に目を向ける
七十橋シスル:病室の奥から、不機嫌そのものの……地獄のような声が響く
アメリア:「拷問王……!」
七十橋シスル:片腕はギプスと添え木で固定され、片足は包帯でぐるぐる巻きにされて吊られている。
ジェシカ・クロフォード:「流石だな。」
ジェシカ・クロフォード:「アレを相手取ってよくその程度で済んだものだ。」
ジェシカ・クロフォード:憎まれ口を叩きながら、僅かに眉間の皺が薄くなる。
七十橋シスル:ぐしゃ、と無事な方の手で、丸のままのリンゴを囓り取っている。
七十橋シスル:「誰だ医者の不養生だっつった奴は前に出ろぶち殺してやるオラァ!」
アメリア:「ひぃん、血圧が上がってしまいますよ拷問王!」
ジェシカ・クロフォード:「いや、幻聴が聞こえているな。休ませたほうがいい。」
任アルル:「えっ。言ったら戦ってくれるんですか」
任アルル:いつの間にかアメリアさんの隣の椅子に腰かけている。
アメリア:「……って、あら」
任アルル:「やーいやーい医者の不養生!」
ジェシカ・クロフォード:「やめてくれ。」
ジェシカ・クロフォード:「君は我々と協定を結んだ身だろう。」
七十橋シスル:「死ねオラ! テメェはなんでここにいんだよ!」 林檎のヘタをチョークのように投げる。
任アルル:指先で弾いてゴミ箱に入れる。
任アルル:「じょーだんです」
アメリア:「お見事」ぱちぱちぱち
任アルル:拍手をくれた少女に微笑んで会釈する。
七十橋シスル:「つーか過労王。そっちの案件はどうした、片付いたのか? オゥ?」
七十橋シスル:アメリアさんから、彼女らが取りかかっていた問題についてはおおよそ聞いている。
ジェシカ・クロフォード:「打てる手は打った、という段階だ。」
ジェシカ・クロフォード:「相手の道幅は狭め、通れる道はごく僅かとなっている。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、どの道を通るかの選択権はいまだ向こうにある。油断は出来んな」
アメリア:「……でも。私たちを信じて、話を聞いてくれた王もいます」
七十橋シスル:「ハ。どーだかな」
七十橋シスル:「聞いた振りして、背中で牙研いでるのかもしれねーぞ」
アメリア:「私は、信じていたい……です」
任アルル:「とゆーか、また一段と顔色が悪くなってませんか、ジェシカ」
任アルル:「一段とというか会うたびにというか……大丈夫? 林檎食べます?」ベッド脇の籠から勝手に取って尋ねる。
ジェシカ・クロフォード:「至上王の休日が始まって以来」
ジェシカ・クロフォード:「30分ほどしか睡眠時間を取れていないからな。」
ジェシカ・クロフォード:「この件が終わればすぐに戻る。」
ジェシカ・クロフォード:そう言って差し出されたリンゴをつまむ
任アルル:「不養生がたくさんいますねえ」
七十橋シスル:「で、あのクソマイロードはどうなってる」
ジェシカ・クロフォード:どうなってます?
GM:二日目の終わりに帰ってきてからというもの、塞ぎ込んでいるようで、誰とも会いたがりません。
GM:会えば殺される可能性すらあります。
アメリア:「……私の方でも、詳しい様子は探れませんでした」
ジェシカ・クロフォード:「それで正解だ。」
ジェシカ・クロフォード:「今の至上王は天岩戸に篭った天照だ。ヘタに刺激をすれば何が起こるかわからん。」
アメリア:「ウチのたちも……いつも以上に怯えているようで」
アメリア:「何が起こったのですか?拷問王」
七十橋シスル:「理解してたらこんな所で大人しく寝てねえよ」
七十橋シスル:「俺の挙動のなにがしかが、あいつのなにがしかのスイッチに触れた」
ジェシカ・クロフォード:「……」
七十橋シスル:「……馬鹿くせえ。一日半は問題なかったんだ!」
七十橋シスル:「俺だって多少は油断するわ! そこの常在戦場女でもなけりゃ……」
任アルル:自分でも林檎を手に取って齧っている。
ジェシカ・クロフォード:「すまない、拷問王。私の見立てが甘かった。」
ジェシカ・クロフォード:「あれに僅かでも人間性を期待した時点で、私は誤っていたのかもしれん。」
七十橋シスル:「…………別に」
七十橋シスル:「そこは問題なかっただろうさ。テメェの見立て」
ジェシカ・クロフォード:「では、何が問題だったと?」
七十橋シスル:アメリアさんが剥いた、小さくなった林檎を口に放り込む。
ジェシカ・クロフォード:少し意外そうな顔をする、もっと強く責められるものだと、覚悟をしていた
七十橋シスル:「おい、任アルル」
任アルル:「はい?」
七十橋シスル:「忘れたとは言わせねえぞ。テメェ、至上王を挑発しただろ」
任アルル:「そーですね」
任アルル:「あ、いちおー言っておくと、あなたのことが好きなのは嘘じゃないですよ」
七十橋シスル:「信じられるかコイツ……」 と親指で差す。
ジェシカ・クロフォード:「こんな時に爛れた人間関係を展開するのはやめてくれないか」
任アルル:「でなきゃお見舞いになんて来ませんしぃ」
七十橋シスル:「そこの補足はいらねえんだよ死ね」
七十橋シスル:「分かるか? 同行中の俺にコナかけるっつう……真っ当な、挑発に、乗ったんだ」
七十橋シスル:「その時は俺が抑え込んだけどな。至上王の行動は、突飛で極端だが、不規則性はない」
GM:そう。あの時"至上王"が反応したのは、真っ当な意味での『不機嫌』故だったはずだ。
GM:ではシスルを攻撃した時は?――アルルの時とは全く違う原因があったとしか思えない。
GM:シスルの言葉が最大の逆鱗に触れたのだとして、前触れもなく、腕を斬り市街を破壊するほどのことだっただろうか?
ジェシカ・クロフォード:「その件は把握している。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、実際に卿が襲われた時に"游随辰星"はその場にいなかった。」
任アルル:「惜しーことでした」頷く。
ジェシカ・クロフォード:「それに、卿が一般生徒のいる市街地で至上王を挑発するほど」
ジェシカ・クロフォード:「短慮な人間であると、私は判断していない。」
アメリア:「表面上は怖くても……その裏に隠された優しさ、というのは私にも分かるくらいですからね~」
七十橋シスル:「俺は何もやってねえ。だから俺は驚いたが」
七十橋シスル:「……ルキアも、驚いていた」
アメリア:「……至上王、自身も?」
任アルル:少し目を細める。
七十橋シスル:「一瞬だったがな。手を出した直後だ」
七十橋シスル:「俺の腕が蝶番にされた時だ。アイツは不思議そうに”剣を見てた”」
七十橋シスル:「それと鴉女。俺は別にンなもん隠してねえ。バファリンでも飲んどけ」
七十橋シスル:「それがどういうモンかはともかく……ま、地雷の位置が傍から見て分からねえなんざ」
七十橋シスル:「年頃の女なら、多かれ少なかれそうだろーが」
ジェシカ・クロフォード:「まるで他人事のように言うじゃないか。」
ジェシカ・クロフォード:「さて、拷問王」
ジェシカ・クロフォード:「至上王との逢瀬という最重要任務、ご苦労だった。」
ジェシカ・クロフォード:「卿はもう十分務めを果たした。今は休養を取りその傷を癒してくれ。」
ジェシカ・クロフォード:「…と、言ってやりたいところだが。」
ジェシカ・クロフォード:「卿はまだ戦えるな」
七十橋シスル:「当然だろ、舐めるな。第一、テメェに労をねぎらわれるのは、皮肉にしか感じねえよ」
ジェシカ・クロフォード:「それだけの口が訊ければ十分だな。」
ジェシカ・クロフォード:「卿も把握している通り、現在キングダムは定時制の内乱が勃発する危機にある。」
アメリア:「目下の問題は、それですね」
ジェシカ・クロフォード:「それは、ここにいる游随辰星、鴉飼と私でも十分に抑えられるものかもしれんが。」
ジェシカ・クロフォード:「だがな、内乱を治めるにあたり、円卓がその威を示さずにいるなど。あってはならんのだ。」
任アルル:林檎を食べ終わり、果汁のついた指先を舐っている。
ジェシカ・クロフォード:「卿が」
ジェシカ・クロフォード:「我らが威を示せ」
七十橋シスル:「………………上ォ等」
七十橋シスル:身を起こす。静かに蠢いた影の茨が、包帯を引き裂く
七十橋シスル:シスルの損傷した半身に巻き付き、その体表に溶け込んだ茨が、刺青のように治りきっていない身体を支えた。
任アルル:「配下の子が嘆きそーです」
アメリア:「……ここまでの傷を負うだなんて……!」
ジェシカ・クロフォード:「まさに医者の不養生だな。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、それでこそ”拷問王"だ」
七十橋シスル:「……人がキメてるところに水差すんじゃねえ」
七十橋シスル:「ああそうだ。痛めつけるのも、思い知らせるのも、俺の役目だからな」
七十橋シスル:「で。どいつから潰す?」
アメリア:「早まらないでください!」
アメリア:「……できるだけ、大きな争いにならないようにと、たくさん交渉……してるんです……!」
アメリア:「……詳しくは、不夜王から」
ジェシカ・クロフォード:「そういうことだ。反乱分子を極力減らした上で」
ジェシカ・クロフォード:「それを一箇所に纏めて叩く。悔しいが、現時点ではそれが最善の策と言える。」
ジェシカ・クロフォード:そして拷問王に一枚の資料を渡す。現時点での敵の兵力を簡易に纏めたものだ

         "血統王"
         親衛隊×4

          10m
"羽檄王"                "暗礁王"
      10m   ×   10m
                    定時制・白兵×3
          10m

        定時制・防御×2
         "月下王"

七十橋シスル:「血統王以外はさして聞かねえな」
ジェシカ・クロフォード:「それが故だよ。」
ジェシカ・クロフォード:「彼女らがこのような行動に出たのはな」
七十橋シスル:「ふうん……おいアメリア」
アメリア:「なんでも聞いて下さい」
七十橋シスル:「大事にしねえようにっつってんだろ。いま接触できてねえのは?」
アメリア:「ここに居る者が接触できていないのは……」
アメリア:「番外第二十五席。"月下王"」
七十橋シスル:「そいつとも1回は話すつもりか?」 ジェシカさんに。
ジェシカ・クロフォード:「血が流れるのは避けられないにしても。」
ジェシカ・クロフォード:「流れる血が最小限に収まるよう尽力するのが私の仕事だからな。」
七十橋シスル:「ご苦労なこって。……この状況で」
七十橋シスル:「任アルルがフリーの札になってるの、死ぬほど面倒くせえんだが……」
七十橋シスル:「お前いまどんな感じなんだよ」
任アルル:「ふふっ! 光栄なお言葉です」
任アルル:「でもわたしは、あなたが懸念するよーな意味での浮いた駒じゃないですよ」
任アルル:「友邦キングダムの一大事とあらば、この“游随辰星”、助太刀するに吝かではありませんもの」微笑む。
アメリア:「味方ということですのね!」
七十橋シスル:「いつから友好してんだ、いつから」 とはいえ、ある程度の信用は出来る。
任アルル:「アメリアは素直で良い子ですねえ」撫でる。
ジェシカ・クロフォード:「王をあまり気楽に撫でるものではない」
アメリア:「王じゃないから大丈夫ですよ~」
ジェシカ・クロフォード:「……そうだったな」
七十橋シスル:「で、奴らの虎の子の遺産は回収済み、と」情報を確認しつつ。「有能さとツラが釣り合わねえなお前……」
アメリア:「えへへん、海賊王のご助力あってですけどね!」
七十橋シスル:撫でられてニコニコしているアメリアさんを見て気が抜けたように肩を落とす。
任アルル:「そうやって素直に女の子を褒められないから至上王が臍を曲げたのでは?」アメリアさんを撫で続けながら。



GM:シーン終了、としてもよいのですが、"月下王"に会談に行くのであれば引き続き向かってもらうこともできます。
GM:どのメンバーで向かいますか?
任アルル:自分は行きたいな~
GM:依頼主ですしね。
七十橋シスル:私は立ち位置的にパスかな
GM:入院してましたしね。
アメリア:体を労われ……
ジェシカ・クロフォード:行きたさが在るけどアルルちゃんに任せた方が美しいかなあ。
GM:じゃあアルルちゃんメインで、アメリアちゃんはどうしますか?
アメリア:鴉で見守りながら、必要なら言葉を入れていく……みたいな感じかな?
GM:そうか、必要に応じて登場もできますねアメリアちゃんなら
GM:じゃあアルルさんメインで行きましょう。



キングダム定時制 天文台

GM:星空が深い。夜なき"不夜王"が支配する全日制に対して、キングダムの定時制は、いつでも夜なのだという。
GM:どのような魔術の作用なのかは分からないが――星と月が広がる、ノヴァリスにあってなお人ならぬ者達の世界だ。
GM:それほど遠くない丘の上に、朽ち果てかけた天文台が見えた。
GM:人の文明の手でなければ維持できなかった施設は、虚ろに夜空を見上げている。
GM:任アルルは、そこに降り立った。
"月下王"州来マカミ:「私に、用があるのは知ってるけど」天体望遠鏡を覗き込んでいる。
"月下王"州来マカミ:「今は後にしてもらってもいいかな。……星を見ている」
任アルル:「どーぞ」
GM:半ば廃墟のような施設で、記録するようなノートや電子機器もなく、かつてあった最新の観測設備も役に立たない。
"月下王"州来マカミ:「好きなんだ。星を見るのが」
"月下王"州来マカミ:「……任アルル。あなたは?」
任アルル:数歩離れたところに身を浮かせ、玲瓏たる星月の煌きに髪と服とを透かしながら、同じように天を見上げる。
任アルル:「好きだって思ったことはないですね」
任アルル:「手の届かない位置にある輝きなんて、むしろ憎くてたまらない──なんて時期もありました」
"月下王"州来マカミ:「あなたみたいな人間でも、そう思うことがあるんだ」
任アルル:「今は違いますよ」
任アルル:それ以上は言わず。「空には詳しくないのですけれど。ノヴァリスと外とでは星の位置が違う、ってほんとなんですか?」
"月下王"州来マカミ:「そうだよ」
"月下王"州来マカミ:「このノヴァリスは『どこでもない』」
"月下王"州来マカミ:「星の対応も、動き方も、一から観測して計算しなきゃいけなかった」
"月下王"州来マカミ:「もっと計算をして、ノヴァリスの位置を確かめようとしている子もいるけど……」
"月下王"州来マカミ:「私は、やっぱり違うな。星が好きだ」
任アルル:「どっちがいーですか? 外と、ノヴァリスの夜空は」
"月下王"州来マカミ:「どっちがいいとかじゃないな……いいものは、いい」
"月下王"州来マカミ:「あなたはどうなの?」
"月下王"州来マカミ:「これは私の感想だけど……好きなものに、順位をつけているタイプに見える」
任アルル:「さて……環境の話をするんなら」
任アルル:「いま外に戻ったとしてどう感じるかは分かりません。過ごす自分がかつてとは違うんですもの」
任アルル:「もっと広範な話だとしても同じ」
任アルル:「明日の自分が何をより好ましいかと思うかなんて、今日のわたしにはわからない。そーいうものじゃないですか」
任アルル:「何だって変わります。絶対だと信じていたものが無くなったりもする」
"月下王"州来マカミ:「もしかして」望遠鏡を覗いたままだ。
"月下王"州来マカミ:「いつも自分にそう言い聞かせてる?」
"月下王"州来マカミ:「自分が好きだと思ってることも自分で信じられない人?」
任アルル:「わたしのことが気になるんですか?」
"月下王"州来マカミ:「……私達は」
"月下王"州来マカミ:「あなたに十分過ぎるくらい、戦うチャンスを用意してあげたつもり」
"月下王"州来マカミ:「最良の相手。最良の時期。最良の理由――」
"月下王"州来マカミ:「あなたは結局、どこでも本気で戦わなかった」
"月下王"州来マカミ:「いつもそうなのかな?"五星君"の真相がそうだっていうなら、がっかりだけど」
任アルル:「──ふふ!」
任アルル:「いちおう……傭兵として、お金を積まれても裏切らない程度の義理は、通すつもりはあったんですよ」
任アルル:「でも、譲れないものっていうのはある。そうでしょう?」
任アルル:「そしてそちらも、わたしに隠していたことがあった」
任アルル:「だから、やめませんか。そういうのは」
"月下王"州来マカミ:「私は、あなたのことを知っておきたいだけ」
"月下王"州来マカミ:「同じだと思ってたから。戦いが好きなのかな、って」
"月下王"州来マカミ:「裏切られていたのが癪に触ったなら、私は、そっちでもよかった」
"月下王"州来マカミ:「"羽檄王"をバラバラに引き裂いてもよかったし、"安臥王"が何かを話し始める前に踏み潰したってよかった」
"月下王"州来マカミ:「任アルル。――本当は何を欲しがってる?」
任アルル:「教えてダメなことはないんですけど──」口元に指の先を当てる。
任アルル:「折角なら、わたしからも聞きたいですね」
任アルル:「わたしも、あなたは戦うのが好きそーだと思ってました。わたしと同じく」
任アルル:「一方で、策を弄しもした。いくら傷付こうと強引に食らいついた、狂犬みたいな戦ぶりとは随分イメージが違います」
"月下王"州来マカミ:「『八月革命』の話か。あの頃はよかった」
任アルル:「過去形ですね」
"月下王"州来マカミ:「過去だからだよ。でも、そうだね。それが答えかな」
"月下王"州来マカミ:「私は戦いが好きだ。けれど崑崙山の生徒みたいに、個人の技や力を競うことには、あんまり興味がないんだ」
"月下王"州来マカミ:「星空だって、星が一つや二つしかなかったら、とてもつまらない」
"月下王"州来マカミ:「狼は……群れで狩りをするものだから。私だけの戦いじゃなくて、もっと、はるかに大きな戦いを見たい」
"月下王"州来マカミ:「銀河系の濁流が、別の銀河系になだれ込むみたいな――」
"月下王"州来マカミ:「――戦争がいい」
任アルル:一瞥を向ける。
"月下王"州来マカミ:眼鏡をかけた目元は、変わらない無表情のままだ。凶暴に笑ってもいない。
"月下王"州来マカミ:むしろ、穏やかな表情に見える。
任アルル:「……己だけでは輝かず、己と同じものはなく、けれど孤独な光ではないもの」
任アルル:「疑問でした」
任アルル:「わたしを囮にするのはいい。でも……混血の地位がどうこうと言うなら、それは空き巣で手に入るようなものではない」
任アルル:「混乱がいずれ収まって、円卓の王たちが、あるいはわたしが、あるいはその両方が帰ってくるまでに。得られる確たる成果なんてあるんだろうか? って」
任アルル:「ひょっとして、どうでもいいんですか?」
"月下王"州来マカミ:「本当の戦争をしたいんだ。『八月革命』のあの時みたいに」
"月下王"州来マカミ:「相手は崑崙山でも、六壬でも、全日制でも、定時制でもいい」
"月下王"州来マカミ:「すべての心ある者を……」
"月下王"州来マカミ:「闘争へと、駆り立てる」
任アルル:「……成程」
任アルル:「確かめてみると、まるで違うもの、ですね。──ふふ」
任アルル:「実はちょっぴり、こう思っていたのです」
任アルル:「慮外者が不夜王を弑し……軽んじられていた混血がそれを追討。その功績をもってして、空いた席の後釜に座る」
任アルル:「まだまだ真面目ですね、わたし」
"月下王"州来マカミ:「あなたは私の質問に答える?」
"月下王"州来マカミ:「あなたが答える前に、『せっかくだから聞いた』質問に答えてあげたけど」
"月下王"州来マカミ:「あなたはそのままはぐらかしそうだね」
任アルル:「さっきより明確に答えられますよ。おかげで」
任アルル:「わたしが本当に求めているものは」
任アルル:「何よりも大事だと考えているものは。闘争の先にある、勝利です」
"月下王"州来マカミ:「……それだけだと矛盾してる。あなたは、明らかに勝てる相手とも戦わない」
任アルル:「そこに深い意味はありません。価値ある勝利の基準なんて、それこそ好き嫌いみたいに、人によるものでしょう?」肩を竦める。
"月下王"州来マカミ:「なら、一番の価値って何?」
"月下王"州来マカミ:「どうすればあなたは本気で戦う?何があなたの本当なの?」
任アルル:再び夜空に視線をやる。
任アルル:「星のような相手」
"月下王"州来マカミ:「……」
"月下王"州来マカミ:「信じられない、任アルル。まさか、あなた――」
"月下王"州来マカミ:望遠鏡から目を離していた。目を丸くして、アルルを見る。
"月下王"州来マカミ:「『最強』がほしいの?」
任アルル:「……」
任アルル:「だれも最強ではなかった」
任アルル:「我らが危難の大師はつまらない巡り合わせで討たれ、革命を勝利に導いた雨月夜シオンは、けれど生きて君臨することはなかった」
任アルル:「マカミ」
"月下王"州来マカミ:「……」息を呑む。
任アルル:「わたしは誰もがその力を認める、崑崙山五星君、その一角」
任アルル:「“それ以上”になるための相手が、もはやどこにもいない」
任アルル:「そう、思っていた・・・・・
GM:夜の霧のように薄く、捉えどころのない少女。
GM:そのような強者なのだ、と多くの者が認識する。
GM:一切に執着せず、敵意を薄布のように受け流して、自由を強さとするものだと。
"月下王"州来マカミ:「あなたは……"游随辰星"。あなたこそが」
"月下王"州来マカミ:「誰よりも、あり得ない夢に、執着している……!」
任アルル:星図に想い人の顔を描くみたいに、夢見る顔で空の彼方を見ている。
任アルル:「……満足ですか?」
"月下王"州来マカミ:「ふ」
"月下王"州来マカミ:息を短く吐いただけだが、それは笑いのようでもあった。
"月下王"州来マカミ:「……………………任アルル。あなたは凄まじい敵だ」
"月下王"州来マカミ:「あなたと戦いたい」
任アルル:「そうなったら、そうしましょう」
任アルル:「確約はしません。わたしにも譲れないものはありますから」
"月下王"州来マカミ:「分かってる。でも、その時が来たら」
"月下王"州来マカミ:「戦うに足る者だと、見てほしいと思ってる」
任アルル:「ええ
任アルル:「楽しみにしておきますね」
"月下王"州来マカミ:「ありがとう……礼としてはささやかだけど、今夜は、私がここから去る」
"月下王"州来マカミ:「あなたが星を見ていい」
"月下王"州来マカミ:ポケットに手を入れて、丘を降りていきます。
任アルル:彼女が去った後も。むしろ最初から一人でそうしていたみたいに。
任アルル:崩れかけた石の廃墟で、夜に満ちる光を浴びて。暫し遥か遠くの煌きを眺めていた。



GM:シーン終了です。ロイス関係や、購入手番が残っている場合はどうぞ。
GM:今回の会談では、成果を得られませんでした。交渉内容に関わらず、"月下王"はクライマックスから撤退しません。
七十橋シスル:戦争だもんなあ!
任アルル:撤退させられなくてよかった~
アメリア:ヤメテー
ジェシカ・クロフォード:しょうがない…ね!!
任アルル:たくさん戦おうね
七十橋シスル:購入します。ホローポイント弾。目標値10
任アルル:購入はえーっと
七十橋シスル:3dx+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 8[2,3,8]+4 → 12

任アルル:照準器かな。挑戦します
七十橋シスル:危なげなくゲット こいつはマイナーが空くからな
任アルル:4dx>=15
DoubleCross : (4DX10>=15) → 9[1,5,8,9] → 9 → 失敗

”頭の無い蛇"A:照準器
任アルル:ニャン 失敗して以上!
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,3,4,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,2,3,4,8,8,9,9]+6[2,5,6,6] → 26 → 成功

ジェシカ・クロフォード:シスにゃんも照準器いる?
アメリア:Aちゃん、汚名返上
GM:照準器しか持ってねえ
ジェシカ・クロフォード:ちくわじゃないんだから!
アメリア:私はブルーゲイルをば
七十橋シスル:ほしい!
”頭の無い蛇"B:照準器
七十橋シスル:照準器 ブルゲは要らない
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[2,2,3,5,5,5,5,7,7,9,10]+10[1,4,8,8]+10[9,10]+10[3,9]+5[5] → 45 → 成功

”頭の無い蛇"B:どうぞ
アメリア:6dx+1>=20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 9[4,6,6,6,7,9]+1 → 10 → 失敗

任アルル:すごい
ジェシカ・クロフォード:アルちゃんとシスにゃんに照準器をあげます
七十橋シスル:出目がすごいですよね……
七十橋シスル:11dx7の平均値って13とかでは……?
ジェシカ・クロフォード:アーちゃんはメイド服とブルゲどっちがほしい?
任アルル:ありがとうございます!不夜王万歳
アメリア:足りなかった……無理するものでもないので失敗
アメリア:アーちゃんはねーブルゲかな!
”頭の無い蛇"C:ブルーゲイル
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"C:11dx7>=20
DoubleCross : (11DX7>=20) → 10[1,1,2,3,4,5,5,6,7,8,8]+10[6,9,10]+10[7,10]+1[1,1] → 31 → 成功

”頭の無い蛇"C:どうぞ
アメリア:わーい スピードフォルムになれます
ジェシカ・クロフォード:アルルさんもブルゲ持っておきます?
任アルル:こちらはたぶん使わなそうかな……!カウンターが望めるうちは手番で待機を選びそうなので
”頭の無い蛇"D:じゃあ、手番のないおいらは……
”頭の無い蛇"D:"羽檄王"の生贄になるでヤンス……
GM:そんな……D!!
GM:D~~~~ッ!!
アメリア:達者でね……
任アルル:カラダニキヲツケテネ
”頭の無い蛇"D:おいらのこと忘れないでくれでヤンス~~~~
ジェシカ・クロフォード:以上です
GM:見学室で回答したことですが、・"羽檄王"に犠牲者を差し出す は従者1体を消費することでも可能と判定しています。
GM:全日制の生徒も犠牲にならず、無駄な戦闘も発生しない
GM:立派な生贄だったぞ、D!
任アルル:あ、というか今じゃなくても大丈夫だったりしません?
任アルル:いちおうまだ1シーンあるなら
GM:大丈夫ですが、クライマックスまでに捧げないと出てきちゃいますね
GM:次のシーンでやりたいことがあるなら遅らせましょう
任アルル:忘れないうちに捧げておいてもいいか
ジェシカ・クロフォード:手番使ってから生贄にしてもいいんですかね。
GM:いいですよ……!クライマックス前なら別にタイミング的に制約があるわけじゃないし
ジェシカ・クロフォード:あ、今は待機ということにします!助かったな!D!!
ジェシカ・クロフォード:というわけで、以上です!
ジェシカ・クロフォード:侵蝕下げだけ
ジェシカ・クロフォード:104-10-1d10
DoubleCross : (104-10-1D10) → 104-10-6[6] → 88



◆Middle08◆vs"血統王"

GM:それでは次のシーンに入ります。これは完全に自由なシーンで、登場する必要はありません。
GM:やりたいことがある方だけ登場をどうぞ
ジェシカ・クロフォード:やりたいことは…
ジェシカ・クロフォード:ある!
ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (88 → 90)
GM:まあジェシカさんはここで出てこないとトループも全滅できないし生贄も出せないし
GM:クライマックスが物凄いことになっちゃうからね
ジェシカ・クロフォード:そうだぜ。色々やるんだぜ
GM:何か提案などはございますか?
ジェシカ・クロフォード:そうですね。まずは
ジェシカ・クロフォード:救伐騎士団を動かす〈調達〉難易度20
ジェシカ・クロフォード:にチャレンジしトループを破壊したいと思います。

         "血統王"
         親衛隊×4

          10m
"羽檄王"                "暗礁王"
      10m   ×   10m
                    定時制・白兵×3
          10m

        定時制・防御×2
         "月下王"

GM:どのエンゲージを狙いますか?
GM:親衛隊:行動値12。ブラムス。そこそこ強いぞ。武装を作るのが得意。
GM:定時制・白兵:行動値3。キュマイラ。弱いぞ。接近して白兵攻撃をする。
GM:定時制・防御:行動値7。エグザイル。普通だぞ。トループだけどカバーもできる。
ジェシカ・クロフォード:く、そこそこ強い奴らを潰すしか無い
ジェシカ・クロフォード:親衛隊を狙います。
ジェシカ・クロフォード:いけー!従者たち!
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:10dx7>=20
DoubleCross : (10DX7>=20) → 10[2,4,4,6,6,6,8,8,9,9]+10[2,5,9,10]+10[7,10]+10[5,9]+4[4] → 44 → 成功

GM:やる気ありすぎ!
ジェシカ・クロフォード:マジで出目がいい
GM:いくら血統王配下のエリート部隊でも、キングダム最強の精鋭部隊、救伐騎士団には敵いません。
GM:親衛隊×4を全滅させました。
ジェシカ・クロフォード:私が指先を動かすだけで救伐騎士団が動き血統王の親衛隊が消えた……
GM:これが権力だぞジェシカちゃん
ジェシカ・クロフォード:な、なんて…なんて恐ろしい……!
ジェシカ・クロフォード:では続いて
ジェシカ・クロフォード:裏で相談していた情報改竄B
ジェシカ・クロフォード:クライマックス戦闘の咎を定時制の王一人に被ってもらうようにする判定を
ジェシカ・クロフォード:したいと……思います……!
ジェシカ・クロフォード:血統王に………被って、もらう!!

・反乱軍の勢力情報を任意に改竄する〈交渉〉難易度20
 クライマックス戦闘に勝利した時、登場したエネミー一人を首謀者とする代わり、残り全員を味方勢力だったことにする。
 ネームドキャラに対してのみ可能。ただし対象の同意が必要。

GM:このような判定の提案を受理しました。
ジェシカ・クロフォード:行きます!
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:10dx7>=20
DoubleCross : (10DX7>=20) → 10[2,3,3,4,5,6,7,7,8,10]+10[5,5,8,9]+10[3,9]+4[4] → 34 → 成功

”頭の無い蛇"B:やる気に溢れすぎている~~~~~!!!
GM:そんなに親友を陥れたかったのか
ジェシカ・クロフォード:ちが……違うんだ…!
GM:いや……親友じゃなかったのかもな最初から
ジェシカ・クロフォード:私はただ、学園の幸福のために……!
GM:そうでなければこんなこと考えつくはずがない……
ジェシカ・クロフォード:うう…許してくれ血統王…
ジェシカ・クロフォード:この無礼は従者Aを"羽檄王"の生贄に捧げることで注がせてくれ!
”頭の無い蛇"A:!?
GM:そんな……!あんなに働いた従者Aを
ジェシカ・クロフォード:いくら我が従者とは言え我が友を
GM:人の心とかないんか?(「炳」筆頭 禪院直哉)
ジェシカ・クロフォード:陥れた罪は重い。その身を持って思い汁がいい
GM:外道~~
ジェシカ・クロフォード:とりあえず、一旦判定は以上で!
GM:アワレな従者Aはズタズタに引きちぎられ、クライマックスから"羽檄王"が撤退します。

 "血統王"

  10m
          "暗礁王"
  ×   10m
          定時制・白兵×3
  10m

定時制・防御×2
 "月下王"

GM:それでは、ロールの方に入っていきましょう。

キングダム学区 本校舎『白宮(ホワイトホール)

GM:行動の時は近い。ジェシカ・クロフォードはそれを肌で感じている。
GM:"至上王"の休暇が終わるこの3日目。夜に、定時制の王達は反乱を起こすことだろう。
GM:既に打てるだけの手は打った。勝算を作り出すことができた。だとしても……
GM:確実に起こることが分かっている戦乱を、止めることだけはできない。
GM:言うまでもなく、定時制の領域に赴くことは危険を伴う。最後に可能なのは、通信越しに会話をすることくらいだ。
ジェシカ・クロフォード:「いい夜だな。"血統王"」
ジェシカ・クロフォード:彼女と談話をする時のように、自分で淹れた紅茶を口元に運んだ。
ジェシカ・クロフォード:その香りと味わいが、あの時よりも鈍く感じたのは、茶葉のせいでも、自分の腕のせいでもないのだろう
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈……"不夜王"か〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈そちらでは、まだ日は落ちていないだろう〉
ジェシカ・クロフォード:「卿と話す時は大抵が夜だったからな。」
ジェシカ・クロフォード:「つい癖になってしまった。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈確かに〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈今にして思えば……〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈……己のほうから、君に会いに行ったことはなかったな〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈来るのはいつも多忙なはずの君だ。本当は、とても貴重なことだった〉
ジェシカ・クロフォード:「貴重な時をもらっていたのは私の方だ。」
ジェシカ・クロフォード:「夜の闇に心を浸らせることの許されぬこの身に」
ジェシカ・クロフォード:「卿だけが夜の安らぎを与えてくれた。」
ジェシカ・クロフォード:「感謝している」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈フフフ……〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈不夜に対する不死。不夜に対する常夜〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈なぜ気が合ったのだろうな。君がいなければ、己も……〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈……『八月革命』の時に、起つことはなかったかもしれない〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈魔術と契約で縛られていても、それ以上に、友のために戦いたいと思ったのだ……〉
ジェシカ・クロフォード:「すまん。」
ジェシカ・クロフォード:「私は、その友情に応えられなかった。」
ジェシカ・クロフォード:全てはうまく行くはずだった。
ジェシカ・クロフォード:先代の王、"ロードマスター"を追い詰め
ジェシカ・クロフォード:『鴉の塔』の塔を包囲し、詰めの一手を打たんとしたあの時に
ジェシカ・クロフォード:あの白く美しく何よりも恐ろしい少女が現れなければ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈己こそ、己の不徳を恥じる。君以外の誰にも聞かせられぬことだが――〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈今のキングダムが成立した時、君は定時制を己に任せてくれた〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈夜の領域を作り、人ならぬ者が、人ならぬ者らしく生きられるように〉
ジェシカ・クロフォード:「卿にしか任せられなかった。」
ジェシカ・クロフォード:「それが、卿にとって重荷となるとわかっていてもだ。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈君は働きすぎだったからな〉苦笑が聞こえる。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈だから代わりに、己が統治すべきだと思った……けれど結果は、このようになってしまった〉
ジェシカ・クロフォード:「逃げたいとは、思わないのか。」
ジェシカ・クロフォード:君は知っている。
ジェシカ・クロフォード:端末越しにいる少女は、その言葉を肯定すれば
ジェシカ・クロフォード:次の瞬間にでも、その重荷を捨てて生きる道を用意できる能力と権力を有していることを
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈民が〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈己に起ってほしいと願っている〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈今日己が逃げたとして、彼女らはそれでも勝つかもしれない。起ったとて、負けるかもしれない〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈だが、そのどちらであっても、責任を引き受ける者がいなければいけないのだ〉
ジェシカ・クロフォード:「君は…」
ジェシカ・クロフォード:「私のために定時制の王になってくれたと言った。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、ことこの場に及んでもなおその座を守り続けることが」
ジェシカ・クロフォード:「私のためになると思っているのか」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈思わない。君には、もしかしたらいつまでも、迷惑をかけてしまうことになる――〉
ジェシカ・クロフォード:「……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈民の願いを受け、非難も称賛も、全てを引き受ける者が王だ〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈王になった、、、ならば、そうであるべきだろう〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈己も。君も。円卓のどの王でも、席次に入らぬどの諸王でも――〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈だが、これだけは忘れるな。ジェシカ・クロフォード〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈私が王になると決めた、あの日の選択だけは〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈君のためだ〉
ジェシカ・クロフォード:「この……」
ジェシカ・クロフォード:「……大馬鹿者め」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈フフ。賢しすぎるのとどちらがマシだろうな〉
ジェシカ・クロフォード:「もうよい。ならばもう卿のことなど知らぬ。」
ジェシカ・クロフォード:不夜王の声が強くなる
ジェシカ・クロフォード:「この私が、ここまで譲歩してもな卿がその不遜なる歩みを止めぬというのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「卿の望む通り、キングダム学院史上最悪の反逆者として」
ジェシカ・クロフォード:「"血統王"バージニア・ダネシュティの名を歴史に刻んでやる。」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈望むところだ〉
ジェシカ・クロフォード:「他の王達が、如何な悪逆を成そうがその名が霞むほどに」
ジェシカ・クロフォード:「後世に他の名が消え失せても、卿の悪名だけは尚響き続けるように」
ジェシカ・クロフォード:「"不夜王"ジェシカ・クロフォードが全霊を持って、この反乱を書き記してやる」
ジェシカ・クロフォード:"不夜王"の声が強くなるのは、その震えを隠すためだ。
ジェシカ・クロフォード:非常なる判断を迫られる時、学園全体の幸福を願いながらどうしても切り捨てねばならぬ者が現れる時
ジェシカ・クロフォード:彼女は決まって弱さを覆うように豪然さを纏おうとする。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈夜の王は死なぬ。己は、望まれるべくして勝つ〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈どれだけの王が徒党を組み、この"血統王"の行く手を阻んだとて〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈己は、ただ一人であっても〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈全ての敵の血を矛先に滴らせてみせるぞ〉
ジェシカ・クロフォード:「円卓を嘗めるな。」
ジェシカ・クロフォード:「我らこそがキングダムを統べる正統なる王」
ジェシカ・クロフォード:「夜の闇は、正しき光によって払われるものだ。」
ジェシカ・クロフォード:「そのことを思い知らせてやる」
ジェシカ・クロフォード:「さらばだ。我が友、誇り高き夜の王」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈ああ〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈さらばだ。ジェシカ〉
"血統王"バージニア・ダネシュティ:〈正しく賢き昼の王〉
GM:――そのわずか一時間後。"血統王"は自らの名で、キングダム全日制への宣戦布告を宣言した。
GM:『八月革命』以来最初の、キングダム定時制による内乱。
GM:『血統政変』が始まろうとしている。



GM:手番が余っていれば、購入判定及びロイスが可能です。
ジェシカ・クロフォード:・事件を隠蔽する〈情報:ノヴァリス〉難易度10
ジェシカ・クロフォード:で戦争偽報工作の隠蔽を完璧にします。
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
ジェシカ・クロフォード:10dx7>=10
DoubleCross : (10DX7>=10) → 10[1,1,1,2,2,2,3,6,6,7]+3[3] → 13 → 成功

ジェシカ・クロフォード:よし
GM:抜け目のないやつだな~
ジェシカ・クロフォード:あと最後にそうだな。
ジェシカ・クロフォード:花を、買ってもよろしいでしょうか。
GM:いいですよ……!難易度は5にしましょうか
ジェシカ・クロフォード:血統王が愛していた夜に潜めやかに咲く花を
”頭の無い蛇"D:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"D:11dx7>=5
DoubleCross : (11DX7>=5) → 10[1,1,2,4,6,8,9,10,10,10,10]+10[1,1,3,7,7,8]+10[3,3,8]+3[3] → 33 → 成功

ジェシカ・クロフォード:全力で買いました。
GM:D……
GM:前のシーンで死ぬはずだったのにお前……


◆Climax◆血統政変

GM:クライマックス戦闘です。募集時のトレーラーで既に言っていることなのですが
GM:実はこのシナリオ、4人セッションなのにも関わらず1人が戦闘シーンから外れてもらわなければいけません。
任アルル:なに~どういうことだ
アメリア:戦力大幅DOWNだ……!
GM:なので全員登場ですが、戦闘参加する3人と外れて別のシーンに登場する1人を選んでもらいます。
GM:誰が外れてくれるかな アルルちゃんとかが離脱してくれると嬉しいな
ジェシカ・クロフォード:なんてことだ・・・!
ジェシカ・クロフォード:私が外れると従者3人も消えて合計4人分の戦力がなくなってしまう!
ジェシカ・クロフォード:これは私は絶対に外れるわけには行かないのでは!?
任アルル:拷問王は反逆者どもに思い知らせなきゃいけない立場だしアメリアさんはメイン火力だし
任アルル:私が外れるしかない……?
GM:崑崙山に帰っていいんだよ
ジェシカ・クロフォード:だが、私は先程最高のシーンをもらったばっかりだしな
GM:帰って……wifiで動画配信とか見ようよ
ジェシカ・クロフォード:ここは私が外れましょう、後は任せた!
GM:馬鹿な!至上王に次ぐ円卓第二席がクライマックス戦闘から外れてしまうなんて
GM:いったいどうやって戦えばいいんだ!
任アルル:wifiは無い……
ジェシカ・クロフォード:私には戦いよりも重要なことが在る
ジェシカ・クロフォード:至上王と拷問王の次のデートプランを練るのだ!
アメリア:今!?
任アルル:参考用の恋愛映画を見る係は不夜王に任せます
GM:生まれながらのギャルゲ友人
GM:ということで、シスルさんに異論がなければ全員登場侵蝕上げていただきますが、大丈夫でしょうか
七十橋シスル:OKです
GM:では全員登場だッ
アメリア:90+1d10 しゃあっ
DoubleCross : (90+1D10) → 90+6[6] → 96

任アルル:出!
任アルル:任アルルの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (72 → 79)
七十橋シスル:1d10+82
DoubleCross : (1D10+82) → 3[3]+82 → 85

ジェシカ・クロフォード:ジェシカ・クロフォードの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (94 → 101)

キングダム学区 昼夜境域

GM:昼夜境域という地帯があった。
GM:時を常夜に保たれた定時制の領域と、それ以外の全日制の領域を隔てる境界線。
GM:日が出ている間、その線ははっきりと目に見える形で、両者の世界を分け隔てることになる。
GM:"拷問王"は配下を連れることなくそこに布陣していた。そして遺産管理委員会、アメリア・シュミット。
GM:彼女が円卓の王とともに前線に出ることは例外的な事態だ。"不夜王"の権限がそれを認めさせた。
GM:そして反乱に関わることはなくとも、約束を果たすために現れる者もいるかもしれない――"游随辰星"任アルルという。
GM:今も"不夜王"は、刻一刻と変化し続ける状況への対処を今も続けているだろう。この戦線を突破させてはならない。
GM:境界の夜側に、敵の姿が見える。
GM:"血統王"。
GM:"月下王"。
GM:"暗礁王"。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「些か寂しい出迎えだな?」
七十橋シスル:「………………」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:先陣に立っているのは、バージニア・ダネシュティだ。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"騎士王"。せめて"鉄騎王"くらいが出てくるものと考えていたが」
七十橋シスル:「どっちがだァ?」ポケットに手を突っ込み、睨め付ける。
七十橋シスル:「二桁順位の負け犬ども。キングダムを攻める――俺サマを相手にするには」
七十橋シスル:「頭数が三桁くらい足りてねえ」
七十橋シスル:「全員寝坊でもしたか?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「どうかな。これは決闘に近いと己は考えている」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「戦争の激流の、先触れとなる闘争。力持つ王と王が、正面から剣を交え――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「そして斃れた者が、この境界を決壊させる」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:白く優雅な指先を"拷問王"へと向ける。武器を持っていない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君が負けるということは、そういうことだ。覚悟はあるのか?円卓第七席……"拷問王"」
七十橋シスル:「カハ。流石、夜更かし上等の定時制頭領サマは、詩人なこった」
七十橋シスル:片目を大きく見開く。「何かを背負った覚えなんざ、一度もねえよ」
七十橋シスル:「俺が勝つ。お前は這いつくばる。"円卓"の意味を思い知って……苦痛に無様に泣き叫ぶ」
七十橋シスル:「お頭の可愛らしい冠に何回助けられても 二度と力に頼る気なんざなくなる」
七十橋シスル:「それが"拷問王"だ」
"暗礁王"サルガッサム:「……結局、答えを聞きそびれてしまったな」
"暗礁王"サルガッサム:ポケットに手を突っ込んだまま、陰鬱に呟く。
アメリア:「……暗礁王」
"暗礁王"サルガッサム:「とうに義務を終えたというのに、なぜまだそこにいる?"鴉飼"」
アメリア:「……遺産の回収は済みましたものね」
アメリア:「でも……ここから先に進めば」
アメリア:「それこそ、騎士王や鉄騎王……円卓の全ての戦力が向けられるでしょう」
アメリア:「それは……だめです。ここで抑えないといけない」
"暗礁王"サルガッサム:「そこまで手間はかけさせないさ。この戦いだけで済む用事もある――」
"暗礁王"サルガッサム:「例えばそこの"拷問王"を落としたなら、円卓の席が一つだけ空く」
"暗礁王"サルガッサム:「君が約束した通りに、"不夜王"が定時制の権利を引き上げてくれるのだというなら」
"暗礁王"サルガッサム:「私達に続く王が、その席を得られるかもしれない。勝算としては現実的なところだろう」
アメリア:「……そうなれば、その席をめぐって新たな争いが起こるでしょう」
アメリア:「あなたに……戦いは似合わない」
"暗礁王"サルガッサム:「君がそれを言うのか?」
"暗礁王"サルガッサム:「誰にだって、戦いは向かない。だが、私の意見を言うなら……戦いに向かないでもない者がいるとしたら」
"暗礁王"サルガッサム:靴の踵で、地面を水面のように叩く。「何も持たない者だ」
アメリア:「……じゃあやっぱり、あなたには向いていませんよ」
アメリア:「戦いが……避けられないなら」
アメリア:「せめて、この1回で終わらせます……終わらせなきゃ、いけません」
"暗礁王"サルガッサム:「……優しいな」呟く。
"月下王"州来マカミ:「……」他の二名の王とは違って、見ている相手は一人だけだ。
"月下王"州来マカミ:じっと、任アルルを見ている。
"月下王"州来マカミ:「来てくれたんだね」
任アルル:「ええ」
任アルル:一触即発の気配を意に介さず、淑やかに宙に座する姿勢でいる。
任アルル:入り混じる昼夜の光を浴び、群青の髪を不可思議な色彩に煌かせながら、その視線を受け止める。
"月下王"州来マカミ:「全日制が正義だと思ってるとか」
"月下王"州来マカミ:「そういうことじゃないんでしょ?」
任アルル:頷く。
"月下王"州来マカミ:小さく首を傾けて、上空のアルルを見ている。
任アルル:「わたしに言わせれば」
任アルル:「王はただ強く、ただ偉く、ただ自由であればいい」
任アルル:「力によってその座を掴み、畏敬によってその座を保ち、全てを恣にしてその座に焦がれさせる」
任アルル:「民や務めに縛られるよーではあべこべです。己のやりたいことをやらなければ」
"月下王"州来マカミ:「そうだね。獣の群れのアルファは……人間の世界の始まりの王だって、きっとそうだった」
"月下王"州来マカミ:「"至上王"もそういう王だ」
任アルル:「そして今」
任アルル:「そのようにある君主として、わたしは好ましい敵手を得た」
任アルル:その背に一本の光条が生じ、石畳を割って突き立った。
任アルル:むしろ串と形容する方が正確な、ただ長く細い、真珠色の槍。その石突を後ろ手に掴み、ポールダンスじみた動きで伝い降りて、素足を地面に触れさせる。音もなく引き抜き、体に沿わせて構える。
任アルル:「あなたとの出会いは──正直に言いますが」
任アルル:「此度の遠征で二番目の幸運です。マカミ」
"月下王"州来マカミ:「そう言ってもらえて嬉しい」ずっと……彫像のように冷たい表情だった州来マカミが、今
"月下王"州来マカミ:「すごく嬉しいよ」笑みを浮かべた。
"月下王"州来マカミ:それは穏やかな微笑みのようなものではなく。
"月下王"州来マカミ:マフラーの下に隠された牙を剥くような、獣じみて、凶暴な笑いだった。
任アルル:「崑崙山五星君」
任アルル:「“游随辰星”。──任珥露レンアルルウ
任アルル:「我が絶招。勿体なくもその目に収めなさい」
GM:戦意が。殺意が。あるいは決意が、互いに衝突する。
GM:戦闘のきっかけがそうであるかのように、内なるレネゲイドが励起する。
GM:衝動判定です。難易度は9。
七十橋シスル:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[3,4,6,7,10]+10[10]+6[6] → 26

七十橋シスル:2d10+85
DoubleCross : (2D10+85) → 9[5,4]+85 → 94

任アルル:4dx+5>=9
DoubleCross : (4DX10+5>=9) → 9[1,6,6,9]+5 → 14 → 成功

任アルル:79+2d10
DoubleCross : (79+2D10) → 79+15[7,8] → 94

任アルル:任アルルの侵蝕率を15(→ 15)増加 (79 → 94)
アメリア:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 10[3,4,9,10]+5[5] → 15 → 成功

アメリア:96+2d10
DoubleCross : (96+2D10) → 96+14[9,5] → 110

GM:昼と夜の境界を十字に分かつように――遠く、瞬いた輝きがある。
GM:セイクリッドピラーの光が、神聖二重冠ダブルクロスを呼び覚ます。

【神聖二重冠(ダブルクロス)】

クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。

   "血統王"[13]

     10m
                  "暗礁王"[10]
  シスル[13/94]       10m
アメリア[11/110] アルル[5/94]
                  定時制・白兵×3[3]
     10m

  定時制・防御×2[7]
   "月下王"[8]

GM:この戦闘における特殊ルールを説明します。
GM:直接戦闘に参加していないジェシカ・クロフォードですが、
GM:彼女は全力で侵攻を食い止めるべく、自分自身の能力を越えてキングダムの権限を活用することができます。

■PCカード:ジェシカ・クロフォード
いつでも使用できる。そのイニシアチブの時点で残っている行動回数を任意の回数消費し、判定にチャレンジする。
判定に成功した回数分効果のLVが上昇し、即座に使用することができる。

【解析】〈知識:〉難易度15
LV1:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーの装甲値を-10する。
LV2:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーの装甲値を-20する。
LV3:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーの装甲値を0として扱う。

【照準】〈知覚〉難易度15
LV1:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーのガード値を-10する。
LV2:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーのガード値を-20する。
LV3:エネミーを一人指定する。このラウンドの間、そのエネミーのガード値を0として扱う。

【封殺】〈交渉〉難易度15
LV1:「制限:120%」「制限:100%」を除くオートアクションのエフェクト名を指定する。このラウンドの間、エネミーはそのエフェクトを使用できない。
LV2:「制限:120%」を除くオートアクションのエフェクト名を指定する。このラウンドの間、エネミーはそのエフェクトを使用できない。
LV3:オートアクションのエフェクト名を指定する。このラウンドの間、エネミーはそのエフェクトを使用できない。

■ラウンド1

GM:まずはセットアップから。行動値13のPC、シスルさんからございますか?
七十橋シスル:《怨念の呪石》を使用。侵蝕+3、破壊の変異暴走します。94→97
七十橋シスル:範囲:選択は全て範囲攻撃にになり、また同時に《ミラーパレス》が作動。
七十橋シスル:シスルを狙う全ての攻撃のダイスが-8されます。
GM:演出は後でまとめてやりましょう。
七十橋シスル:ですね。どうぞ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:同じく行動値13、"血統王"。《ブラッドコート》を使用します。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:HPを-8し、ラウンド中のガード値を+16。
GM:次は行動値11のアメリアさん。
アメリア:ブルーゲイル、使用します!
GM:やりやがる!既に侵蝕110なのに……!
アメリア:このラウンドの行動値と侵蝕率が+5されます
"暗礁王"サルガッサム:行動値10。"暗礁王"。《加速装置》。行動値を+12します。
アメリア:上取られた!
任アルル:意外なもの持ってるな
"月下王"州来マカミ:行動値8。"月下王"。《フルパワーアタック》。《地を掴む獣》。
"月下王"州来マカミ:行動値は0に。
GM:生徒達の行動は何もありません。では、最初のイニシアチブ。
"暗礁王"サルガッサム:"暗礁王"がエフェクトを使用します。《鼓舞の雷》。対象は"月下王"。
"月下王"州来マカミ:マイナーで《破壊の爪》。《完全獣化》。そして《ライトスピード》!
"月下王"州来マカミ:このエンゲージから攻撃をします。つまり……
"月下王"州来マカミ:《コンセントレイト:キュマイラ》《一閃》《鬼の一撃》《大裁断》!対象は任アルル!
任アルル:きやがれ~!

   "血統王"[13]

     10m
                    "暗礁王"[22]
  シスル[13/97]       10m
アメリア[16/115] アルル[5/94]
   "月下王"[0]
                    定時制・白兵×3[3]
     10m

  定時制・防御×2[7]

"月下王"州来マカミ:16dx7+6 ガードした場合ダメージは+30されます。
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[1,2,3,3,4,4,5,5,5,5,6,7,7,9,9,10]+10[1,4,5,8,10]+6[4,6]+6 → 32

任アルル:悩ましいところだが……!
任アルル:いや……やるか
任アルル:神聖二重冠の効果を使用します。
GM:何~~ッ!
任アルル:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
任アルル:任アルルの侵蝕率を6(→ 6)増加 (94 → 100)
任アルル:このメインプロセスで自分が行う攻撃の攻撃力を+12。そして……
GM:「このメインプロセス」だからなあ
GM:アルルさんのメインプロセスではないとしてもこのメインプロセス中は有効なわけだ
任アルル:《支配の領域》《絶対支配》。
任アルル:100%を超えたので指定できるダイス数は5個。月下王の攻撃判定の最初の7,7,9,9,10を1にします。
GM:馬鹿な……!!
"月下王"州来マカミ:達成値は……6……!!!
任アルル:任アルルの侵蝕率を10(→ 10)増加 (100 → 110)
任アルル:固定値あるし12はあるんじゃないかな!
GM:そうでした。6+6で達成値は12。
GM:リアクションをお願いします。
ジェシカ・クロフォード:PCカード:ジェシカ・クロフォード
ジェシカ・クロフォード:を使用したいです!
GM:どうぞ。効果はどれを使用しますか?
ジェシカ・クロフォード:【封殺】にチャレンジ!
ジェシカ・クロフォード:その前に【原初の赤:赤色の従者】で従者を一体召喚します→侵蝕が107に
”頭の無い蛇"A:【封殺】〈交渉〉難易度15
”頭の無い蛇"A:【原初の赤:天性のひらめき】
”頭の無い蛇"A:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,1,2,2,4,5,6,6,6,8,9]+6[5,6] → 16 → 成功

”頭の無い蛇"A:省エネ!
GM:あぶね~!
GM:しかし成功は成功。使用を禁止するエフェクト名は?
ジェシカ・クロフォード:リミットエフェクトはレベル1でも指定できますか?
GM:もちろんです
ジェシカ・クロフォード:では血統王が《ストレイトブラッド》を持っていると予測し
ジェシカ・クロフォード:それを封殺します!
GM:フフ……果たして持っているかな?後悔するなよ
GM:ではこれを踏まえてアルルさん、リアクションをお願いします
任アルル:はい。リアクションは《カウンター》。
任アルル:栄光と勝利の槍で《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》による射撃攻撃をします。
"月下王"州来マカミ:うおおお
任アルル:判定!
任アルル:13dx7+9
DoubleCross : (13DX7+9) → 10[2,2,3,4,6,7,7,8,8,9,9,9,10]+10[1,1,2,4,6,6,7,9]+10[3,10]+10[10]+5[5]+9 → 54

GM:そんなの……《ストレイトブラッド》を持ってたとして敵うわけない!
"月下王"州来マカミ:初撃は完全にカウンターされます。ダメージをどうぞ。
任アルル:6d10+11+1d10+12
DoubleCross : (6D10+11+1D10+12) → 26[6,10,4,2,3,1]+11+3[3]+12 → 52

"月下王"州来マカミ:強い!《地を掴む獣》のおかげで生存できてはいるが……!
"月下王"州来マカミ:完全獣化してしまってるので装備の装甲値とかもないんだ
任アルル:そういえばそうか……
任アルル:任アルルの侵蝕率を8(→ 8)増加 (110 → 118)
任アルル:しかしまだ二回行動の一回目だ
"月下王"州来マカミ:こちらも神聖二重冠の効果を発動します。
"月下王"州来マカミ:侵蝕値を5上昇させ、達成値を+15。
"月下王"州来マカミ:対象は同じく任アルル!決着をつける!
"月下王"州来マカミ:16dx7+6+15
DoubleCross : (16DX7+21) → 10[1,1,1,1,2,4,5,5,5,6,6,7,7,7,8,8]+10[4,5,6,7,7]+10[3,7]+5[5]+21 → 56

"月下王"州来マカミ:エフェクト構成は先程と同じでした。ガードした場合ダメージ+30です。
任アルル:カウンター行動権消費するんだよなあ!
任アルル:相当無理しても避けられはしないだろう……でもドッジします。
任アルル:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 10[6,6,7,10]+5[5]+1 → 16

任アルル:無理!
"月下王"州来マカミ:6d10+54
DoubleCross : (6D10+54) → 27[6,4,1,6,2,8]+54 → 81

"月下王"州来マカミ:技比べでは惨敗したが、パワーなら断然でかい!
"月下王"州来マカミ:装甲ガード有効です。
任アルル:いいな~パワーあるの
GM:これが混血種の強みというわけ
任アルル:耐えられないので月下王のロイスをタイタス昇華して復活します。
任アルル:任アルルのHPを11(→ 11)に変更 (25 → 11)
GM:結構行動が入ったので一度演出を入れましょう。



GM:先陣を切って、真っ先に動いた影があった。
"月下王"州来マカミ:"月下王"。音もなく、大地を滑るような加速で、任アルルの真下の位置にまで到達している。
"月下王"州来マカミ:足元の大地が『流れ』を作っていた……固形物の液状化。"暗礁王"の異能だっただろうか。
"月下王"州来マカミ:「任アルル。私も、約束を果たす」
"月下王"州来マカミ:自分自身の右腕を、深く、骨まで噛み千切る。"月下王"にとっては、それが王鍵の起動ルーチンである――
"月下王"州来マカミ:「かじれ」
"月下王"州来マカミ:「クライデ・フィレッセン」
"月下王"州来マカミ:ジ、という空気摩擦の音だけがあった。頭上の任アルルへと、一直線に跳躍する。切断する。
"月下王"州来マカミ:骨まで見えていたはずの右腕が、そのときには、禍々しい狼の巨腕に変じている。
任アルル:「ええ。でも」
任アルル:「その初動は悪手です。逸りましたね」
任アルル:向き直る一連の運足の中で、素肌の指先が石畳を掻く。
任アルル:どくん、と大気が鼓動を打つ。まるで不可視の、しかし最初からそこにいた巨大な怪物が、不意に身動ぎをしてその存在を知らせたかのような。
任アルル:「世界という生命の息吹たる大河。地の下を循環する神秘の伏流」
任アルル:「是を大地の血管に擬えて地脈と呼び、或いはその力と形から龍脈と表す──」
任アルル:凝った時間の中、ぽつりと零す。
任アルル:五星君は、それぞれが自らの宿星に即した絶招を持つ。
任アルル:随风潜入夜,润物细无声──その号は門派の理想であり、“游随辰星”は体現者の称だ。
任アルル:龍に随いて遊び泳ぐ星。即ち龍脈の気との深い合一。在り様が自ずと然う成れば、春の夜の静かな雨の如く、穏やかにして何物も阻むこと能わぬ技が現れる──。
任アルル:湖の精が、人の形を忘れた。理外の機動が、須臾の間、そのように見せた。
任アルル:清き波。あるいは流体の炎。仄青い燐光を娘の体が帯び、月下王の攻撃軌道を、透過するかの如くに掻い潜ったから。
任アルル:その内に煌く切っ先を抱いて、一塊の高波が月下王を呑む。狼の口に槍の穂先が飛び込み、総身で撫で包むようにするりと背中へ抜けて──
任アルル:打ち水の如く血振りをし、再び人の姿を結ぶ。
任アルル:“游随辰星”の背負う五星は『水』。
任アルル:それは五行において、水の宿る星──転じて嫋やかな体躯に刃を透す玄武の波濤。
任アルル:「“流れ”ならむしろわたしの領分」
"月下王"州来マカミ:「ヴ」野生に任せた、跳躍からの攻撃とはいえ、それは藍色の閃光に等しい速度だった。
"月下王"州来マカミ:にも関わらず、優美に詠唱し、動き、そして斬り終わったアルルの方が速い。
任アルル:「挑むならあなた自身の力を活かす方がいい」
"月下王"州来マカミ:何もかもを先読みして、"月下王"よりもなお早く、動き出していたということ。
"月下王"州来マカミ:刃を突き刺された口から、滝のような血をどくどくと流す。狼のように裂けていた。
"月下王"州来マカミ:「分がって……いた。正面から……勝づ、とは…………」
"月下王"州来マカミ:その右腕が千切れている。任アルルが刻んだ切断傷ではない。
"月下王"州来マカミ:自切された右腕の爪は、アルルの脇腹に食い込んでいた。
"月下王"州来マカミ:「フー……!フゥーッ……!」両目を見開き、長いマフラーで血を拭う。
"月下王"州来マカミ:「私が。最初に」
"月下王"州来マカミ:「――触っだ。任アルル……!」
任アルル:「ふ──ふっ」唇の隙間から血を吹く。
任アルル:「うふふふふふふっ……!!」笑う。
任アルル:取り繕う円の十字冠がぶれ、抑えきれぬ新たな形を取る。歪にして貪婪なる大渦。その内に輝くひとつの星。
任アルル:「ああ……いーですね」
任アルル:「楽しくなってきた」
"月下王"州来マカミ:「かはっ、ハッ……ハッ、ハッ」口から体内を貫かれている。四足を大地に突き、獣めいて呼吸をする。
"月下王"州来マカミ:ひどく細い、新月めいた二重冠が弱々しく明滅する。それでも戦うつもりでいるのだ。



GM:最初の手番は終了。何もなければ行動値22、"暗礁王"の手番になります。
七十橋シスル:では私が動きまーす
GM:なんだとぉ……
七十橋シスル:まず、神聖二重冠の効果を発動。
七十橋シスル:選ぶのは『・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。』
七十橋シスル:侵蝕値を5増やし、HPを15回復。HPは7→22へ。侵蝕は97→102。
七十橋シスル:そしてイニシアチブ。《原初の白:時間凍結》。HPを20消費して行動権を得ます。侵蝕は102→109。
GM:ヒーッ
七十橋シスル:マイナーでホローポイント弾を使用。攻撃力+3。メジャーアクション。《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:スパークウェッジ》《混色の氾濫》。
GM:時間凍結怖いんだよな これでめちゃくちゃされてボコられたセッション一つ前にやったから
七十橋シスル:そんな変なことはしないよ
七十橋シスル:対象は範囲。暗礁王のエンゲージに射撃攻撃を行ないます。
七十橋シスル:8dx7+14
DoubleCross : (8DX7+14) → 10[2,2,3,5,5,6,9,10]+2[2,2]+14 → 26

定時制・白兵:《イベイジョン》の達成値は9。全員命中です。
"暗礁王"サルガッサム:ひとまず防御だけしてみるか。《磁力結界》。
七十橋シスル:妖精を……クダサイ……!
アメリア:妖精の要請確認!《妖精の手》を使います!
GM:おもしろギャグだ
アメリア:振り足して! 侵蝕+4 119
七十橋シスル:ありがたい! これだよこれ……
七十橋シスル:1dx7+34
DoubleCross : (1DX7+34) → 10[9]+10[8]+6[6]+34 → 60

GM:回り過ぎじゃない?
任アルル:すごい上がった!
七十橋シスル:うわっびっくりした
GM:ダメージをお願いします!
七十橋シスル:あと照準器の分わすれてた 61ですね
七十橋シスル:7d10+11+2d10
DoubleCross : (7D10+11+2D10) → 38[4,8,4,7,1,9,5]+11+4[2,2] → 53

定時制・白兵:白兵は全員戦闘不能。
"暗礁王"サルガッサム:3d10 ガード値を出します。
DoubleCross : (3D10) → 23[10,8,5] → 23

七十橋シスル:ダメージが入った場合、スパークウェッジの効果が発動。次にシスル以外を攻撃の対象に取った場合、18点のダメージを受けてください。
"暗礁王"サルガッサム:装甲は有効ですか?
七十橋シスル:こっちの攻撃は装甲有効!
"暗礁王"サルガッサム:それでは僅かにHPは残ります。生存。
七十橋シスル:むむむ。ではオートアクションで《巨人の影》。
七十橋シスル:対象のエフェクトはミラーパレス。
七十橋シスル:シスルを狙う攻撃のダイスは全て-12されます。
GM:強すぎる……!
任アルル:暗黒コンボ
七十橋シスル:侵蝕は7+3上がり119。

   "血統王"[13]

     10m
                    "暗礁王"[22]
  シスル[13/119]        10m
アメリア[16/115] アルル[5/118]
   "月下王"[0]

     10m

  定時制・防御×2[7]

GM:では、次の"暗礁王"の手番までまとめてやっていくか。
"暗礁王"サルガッサム:マイナーで戦闘移動。"血統王"のエンゲージに移動します。
七十橋シスル:どうぞどうぞ

   "血統王"[13]
   "暗礁王"[22]

     10m
                   
  シスル[13/119]
アメリア[16/115] アルル[5/118]
   "月下王"[0]

     10m

  定時制・防御×2[7]

"暗礁王"サルガッサム:そして攻撃をしたい!のですが
"暗礁王"サルガッサム:このままだとダイスがマジでまともに触れないので
"暗礁王"サルガッサム:神聖二重冠を使用します。・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
"暗礁王"サルガッサム:ダイスは+12個。ちょうどペナルティと相殺する形!
"暗礁王"サルガッサム:《雨粒の矢》《茨の輪》。対象はPC3人全て!
"暗礁王"サルガッサム:6dx+12
DoubleCross : (6DX10+12) → 10[1,2,4,8,9,10]+1[1]+12 → 23

任アルル:ちょっと待ってね
GM:すいません、間違えました。ダイスは+9個なので
GM:上の判定は3dxが正しいです
"暗礁王"サルガッサム:3dx+12
DoubleCross : (3DX10+12) → 4[3,3,4]+12 → 16

"暗礁王"サルガッサム:悲惨だけどまだマシ
"暗礁王"サルガッサム:《茨の輪》が入っているので、命中した場合ラウンド間の判定ダイスが-3個されます。
任アルル:ドッジ。
任アルル:4dx>=16
DoubleCross : (4DX10>=16) → 10[1,1,2,10]+5[5] → 15 → 失敗

任アルル:おっ
七十橋シスル:ドッジします。
七十橋シスル:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 8[4,6,8,8] → 8

七十橋シスル:だめ
アメリア:華麗なドライビングテクニックを見なさい!ドッジ!
アメリア:4dx+1>=16
DoubleCross : (4DX10+1>=16) → 6[1,1,3,6]+1 → 7 → 失敗

任アルル:自身に《妖精の手》。
GM:ゲーッ
任アルル:1dx7+20
DoubleCross : (1DX7+20) → 1[1]+20 → 0 (ファンブル)

任アルル:ファンブルじゃないよ
GM:ではアルルさんは回避。他には命中。
任アルル:任アルルの侵蝕率を4(→ 4)増加 (118 → 122)
"暗礁王"サルガッサム:2d10+4 装甲有効
DoubleCross : (2D10+4) → 9[8,1]+4 → 13

七十橋シスル:まあ、HPが2なので死ぬは死ぬんですよねこれが
アメリア:……HP11で耐えます!
七十橋シスル:アメリアさんのロイスを昇華して復活。
"暗礁王"サルガッサム:そしてシスルを狙ったということはスパークウェッジで18点ダメージを受ける!
任アルル:当たってても装甲で死ななかったな……
"暗礁王"サルガッサム:さっきのでも結構ギリギリだったので、これで戦闘不能。そこで……
七十橋シスル:スパークウェッジはシスル以外を狙ったことによる発動ね!
GM:そうでした。
GM:特に宣言はありませんね?
七十橋シスル:です!
"暗礁王"サルガッサム:《リザレクト》を使用。
"暗礁王"サルガッサム:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3

七十橋シスル:うっわこいつ!!
任アルル:そういうこと~~~!?
七十橋シスル:夢か!!!
アメリア:深海都市……!
"暗礁王"サルガッサム:"暗礁王"は王鍵保有者でした。遺産種別は「深海都市の夢」。
GM:演出をしていきます。



GM:任アルルと"月下王"が人智を絶する攻防を繰り広げる中、"拷問王"は、残る敵全てに注意を向けていなければならなかった。
GM:最大の圧力を放っているのは正面に立つ"血統王"。だが、それだけではない……
GM:……この場の全員を相手取るならば、間違いなく、王鍵を発動する必要がある。
七十橋シスル:視線は、血統でも月下でもない。月下の挙動を、恐らく手助けした。
七十橋シスル:「まずは、テメェだな?」斜めに振り仰ぐように、暗礁王を見た。
"暗礁王"サルガッサム:「さあ。私はただ、君の注意を惹き付けるだけの駒かもしれない」
"暗礁王"サルガッサム:距離を保ったまま、シスルを中心にして歩いている。一歩ごとに、靴底から波紋が広がる。
七十橋シスル:「注意、注意ね。俺を誰だと思ってやがる。――あのクソシャムロックどものファウセット新陸帯と比べて」
七十橋シスル:「狭すぎンだよォ! この程度ォア!」
七十橋シスル:「王鍵レガリア起 動アクティベート! 逐い縋れオイスガレ、【茨広げしターリア】!!」
"暗礁王"サルガッサム:「――来るか。王鍵」
七十橋シスル:ごぉん、と糸繰り車が現れる。高速で回転し、黒き雷鳴の如き茨が、吐き出される。
七十橋シスル:「ヒャハハハハハハハハァ!」 高々と哄笑しながら、自らの状況を観察している。
七十橋シスル:傷が塞がっている。至上王につけられた傷が。
七十橋シスル:肉体の維持に回していた荊が、全て外部への展開に使用できる。
"暗礁王"サルガッサム:「こいつ」「"拷問王"……まさか」
"暗礁王"サルガッサム:百貨店の時と同様に、地面の下に潜って逃れようとした。
七十橋シスル:神聖二重冠が輝いている。雷鳴に裂かれた木のように無数に砕け枝分かれしたカタチは、二重になってもけして目立たない。それはシスル自身が、これを認めていないことを、反映しているかのように。
"暗礁王"サルガッサム:(使ったのか)(神聖二重冠の力を使うことができない……心理的な枷。それがあったからこそ……)
"暗礁王"サルガッサム:(この状況下では、もっとも与し易い王だった。はず)
七十橋シスル:――気味が悪い、とそう思っている。
七十橋シスル:彼女は古き民間呪術師の血を引く。この世に万能の魔術などない。あるように見えるのなら、それは"目に見えない何かを背負わされている"のではないか。
七十橋シスル:今し方、およそ人知を超えた領域で交錯した二者。今まさに、至上王の傷を癒された己。
七十橋シスル:(――十字冠コイツは。俺たちに、何をさせたがってる?)
七十橋シスル:だがしかし、今はそれを追求すべき刻ではない。
七十橋シスル:夜と昼。
七十橋シスル:境目に存在する、この見るも美麗な領域は……ここで彼女が待ち受けた理由を、放棄させるだろう。
"暗礁王"サルガッサム:今回は、十分に余裕を持って潜っていた。この地中までは、到底茨の射撃は追跡できない筈――
七十橋シスル:「馬ァ鹿」
七十橋シスル:「そっちは、全部『影』だ、ボケ!」
七十橋シスル:ザラザラザラザラザラザラザラザラザラザラザらざらざら
七十橋シスル:間欠泉の如くに。
七十橋シスル:サルガッサムの沈むべき、足下の『暗礁』から。
七十橋シスル:間欠泉のように、影の茨が噴き出した!
"暗礁王"サルガッサム:「―――――っ」
"暗礁王"サルガッサム:「――く―――ふっ、がはッ!」
七十橋シスル:茨は際限なく溢れ続ける。キングダム辺境伯。ただ一人で国境を担う王。
七十橋シスル:「ここが『国境』だ」 影の茨が、最初からそうであったかのように、城塞となる。
七十橋シスル:尋常なオーヴァードでは、彼女を狙うことすらおぼつかない。
"暗礁王"サルガッサム:「なんて……王鍵……けほっ、こほっ!」
"暗礁王"サルガッサム:ズタズタに引き裂かれ、なお絡みつく茨に食いつかれながらも、
"暗礁王"サルガッサム:「…………!」反撃の隙間を見出そうとする。自由になっている片足を軽く上げる。
"暗礁王"サルガッサム:踵が、『水面』を叩く。それで十分だ。
"暗礁王"サルガッサム:シスルとアメリア。そして戦闘の最中のアルル。
"暗礁王"サルガッサム:予想だにしない波動が、地表を伝わって全員を攻撃する。
"暗礁王"サルガッサム:「神聖……二重冠。その力なら」
"暗礁王"サルガッサム:十字冠から、雨だれのような雫の線が滴り落ちていた。「私も、使える……!」
七十橋シスル:「グッ……!」
七十橋シスル:遺産展開直後の隙を穿たれる。茨の奥でたたらを踏む。「チィ、どいつもこいつも……!」
アメリア:「きゃああ!」揺られながらも、回転することで運よく衝撃をを逃がせた
任アルル:狼の王と対峙を続けながら、神楽めいた緩やかな運足を続けている。爪先で地を擽るような動きが、鉄砲水を思わせる破壊に娘の直前で裂ける流れを作る。
"暗礁王"サルガッサム:「!」
"暗礁王"サルガッサム:(視線すら向けずに)まるで必然であるかのような任アルルの回避に一目、目を奪われる。
七十橋シスル:「馬鹿が」
七十橋シスル:「度胸は認めてやる。だが、逸らしたな――意識を俺から」
七十橋シスル:片手を上向きに掲げる。「十二の魔女の祝福は届かず 我ら 運命の刻まで全城門を封絶す」
七十橋シスル:「――生まれ落ちよ 翳りの子」
七十橋シスル:それは、分類するならば、常時発動型である。
七十橋シスル:『狙った対象に必ず当たる』という権能は、攻撃に使うべきものではない。
七十橋シスル:シスルはそう考える。世界中で、何億の銃弾が数多の人間を殺傷していても、銃弾を撃ち落とせる銃弾は、一つとして存在しない。
七十橋シスル:シスルの遺産ならば、それが出来る。一切の例外なく。その敵意の発動を察知できる。
七十橋シスル:「汝らは不眠にして不朽 光輝の姫を守る無尽の軍勢」
七十橋シスル:「いま 世界のすべては嗜眠に沈む」
七十橋シスル:切り刻まれた、サルガッサムの全身の傷口。
"暗礁王"サルガッサム:「荊姫…………!呪詛か!」
七十橋シスル:気付く暇こそあれ。その内側に溶け込んだ影の荊が。再び萌え出ずる。
七十橋シスル:「十二の魔女と一つの国家が、十数年。全力で逃れ続けても」
七十橋シスル:「この針からは、逃れられねえ」
"暗礁王"サルガッサム:防御しようとしたのは、それが外からの攻撃だと予想したのかもしれない。
"暗礁王"サルガッサム:だが。
七十橋シスル:サルガッサムの体内を貫いて。
七十橋シスル:果て無き苦痛とともに、無数の荊が、咲き誇る。
"暗礁王"サルガッサム:「ぐっ……!!!!!っ!!!!」
七十橋シスル:「覇鍵解錠。『安息篇ペンタメローネ慟哭鼓行クルエル・パレード』」
七十橋シスル:「泣き叫べ、俺が許す」
"暗礁王"サルガッサム:「…………」
"暗礁王"サルガッサム:体内から全身を破壊され、戦闘不能となった。それどころか、もはや立つこともできずにいる。
GM:疑いなく、決着の光景だ。七十橋シスルが戦えば敵はこのようになる。
GM:……王ならぬ生徒が相手ならば。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ぱち ぱち ぱち
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……見事だった。"暗礁王"」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:武器を持たぬ両手で、静かに拍手を送る。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「一度の滅殺でなお屈さず。"拷問王"の覇鍵解錠。それを引き出してくれたな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……だが。君にはまだ役目がある。立て」
"暗礁王"サルガッサム:「………………」
"暗礁王"サルガッサム:「はい」
"暗礁王"サルガッサム:ずるり
"暗礁王"サルガッサム:刻まれた肉片のようだった体が、溶け、溶け崩れ、溶け合わさるようにして
"暗礁王"サルガッサム:「――ふくれ上がれ」
"暗礁王"サルガッサム:「モレルの狂気陸地」
"暗礁王"サルガッサム:再び人型を取り戻す。それが、詳細不明であった"暗礁王"の王鍵。
"暗礁王"サルガッサム:「"拷問王"……君の指摘は実に正しい」
七十橋シスル:「……へえ?」 片眉を上げる。
"暗礁王"サルガッサム:「死んでもなんとかなる、、、、、、、、、、
"暗礁王"サルガッサム:「それが、この私の王鍵だ」
七十橋シスル:「オーヴァードで、十字冠で、生存の王鍵」
七十橋シスル:「ヒャハハハッ。そりゃあ面白ェ……認めてやるよ、暗礁王」
七十橋シスル:「少しばかり、お仕置きが足りてなかったってなぁ!」 荊の量は減らない。シスルの王鍵はその展開可能時間こそが最大の特徴である。



GM:続いて、行動値16、アメリアさんの手番になります。
アメリア:行動値16になったのにこんなに手番が遠くなるなんてね……!
GM:ほんとだよね
アメリア:ズドンとかましましょう
GM:遠慮なくやっちゃいなさいな
アメリア:いざ!
アメリア:メジャーアクション
アメリア:《コンセントレイト:オルクス》+《アニマルアタック》+《アニマルテイマー》+《要の陣形》
アメリア:<交渉>による射撃攻撃、対象は要の陣形で3体……血統王、月下王、暗礁王!
アメリア:判定参ります 荊でマイナスされてるから……
GM:3個減らしてくださいね
アメリア:10dx7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[2,3,4,4,4,6,6,7,9,10]+10[5,8,9]+10[4,8]+1[1]+6 → 37

GM:え~っそれでも多い!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ここに《ストレイトブラッド》!とやりたかったが……!
アメリア:不夜王の策略!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:卑劣な"不夜王"によってエフェクトが封じられてるのだ。おのれ……!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:なので仕方なく《ブラッドコート》のガード値でガード。
"暗礁王"サルガッサム:《磁力結界》でガード。さらに《マグネットフォース》。"血統王"をカバー。
"月下王"州来マカミ:同じエンゲージにいるならこれが使える。リアクションを放棄し、《復讐の刃》。
アメリア:やめましょうよ復讐なんて!
"月下王"州来マカミ:やめないも~ん
"月下王"州来マカミ:16dx7+6
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[2,2,3,3,4,4,5,5,6,8,8,9,9,10,10,10]+10[1,4,6,7,7,9,10]+10[2,5,10,10]+10[2,9]+6[6]+6 → 52

"暗礁王"サルガッサム:3d10 ガード値
DoubleCross : (3D10) → 22[2,10,10] → 22

"暗礁王"サルガッサム:メチャクチャ高い!なんだこれは
アメリア:ええいレーザーを喰らえ!ダメージ出しますね!
アメリア:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 20[8,1,5,6]+24 → 44

ジェシカ・クロフォード:その直後に!
"暗礁王"サルガッサム:あっこれだけ減らしても……装甲込みでも……死ぬ!HPは3しかないから
"暗礁王"サルガッサム:だが逆に言えば侵蝕率は3しか上がってない!あの最強エフェクトで
ジェシカ・クロフォード:PCカード:ジェシカ・クロフォード
ジェシカ・クロフォード:【封殺】〈交渉〉難易度15 "暗礁王"のリザレクト!
"暗礁王"サルガッサム:なんだってェェ――ッ!!
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"B:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[2,3,4,6,6,8,9,9,9,9,10]+10[1,4,8,8,10,10]+10[3,5,6,8]+2[2] → 32 → 成功

”頭の無い蛇"B:グッド
"暗礁王"サルガッサム:だめだ……リザレクトができない!
"暗礁王"サルガッサム:そのまま倒れます。
"月下王"州来マカミ:復讐のダメージも出します。
"月下王"州来マカミ:6d10+42
DoubleCross : (6D10+42) → 36[3,10,2,8,8,5]+42 → 78

アメリア:痛すぎ!
アメリア:無論木っ端みじんになります
アメリア:プロンプト015Cへのロイスをタイタス化して昇華!
"月下王"州来マカミ:マカミはまだギリギリ生存。
アメリア:HP11で復活



GM:七十橋シスルと任アルルが真っ先に動いた戦場にあって、アメリア・シュミットはある意味で取り残された状態であったと言えるかもしれない。
GM:誰もあえて彼女に危害を加えようとはしていないし、他の二人と比べて脅威だとも見なされていない。今は。
アメリア:(いいのです、それで)
アメリア:(闇に紛れて……どこにだっている。大して気に留めない)
アメリア:(それが、鴉というものだから)
アメリア:鴉の羽が4つ集まった十字冠に、もう一つが重なっている
アメリア:割れた卵から、雛の眼が覗いている。その割れ目が、十字となって。
アメリア:アメリアの神聖二重冠の力。それは、鴉との感覚の繋がりを、更に深く重ねるものだ。
アメリア:空気の流れ、戦いの流れ、そういった目に見えないものすら、今なら見通せる
アメリア:「───ここなら!」
アメリア:3人の王、その隙を突くように、潜伏していた攻撃用ドローンから、熱線が照射される
GM:目まぐるしく戦闘を続ける、異なる3人の人物の隙を同時に伺い
GM:適切な一瞬で攻撃を撃ち込むことなどできるだろうか?
"月下王"州来マカミ:それも、一方は"五星君"の一角、任アルルと
"暗礁王"サルガッサム:一方は"円卓議会"の第七席、七十橋シスルと
GM:第三者が割り込む余地のない戦闘を、継続していた。
GM:だがそれでも、光の一筋のような僅かな刹那だけ、その一瞬があった。
"月下王"州来マカミ:バッ!!!
"月下王"州来マカミ:攻撃機動に入っていた"月下王"は、すぐさまアメリアへと反転した。それでも肩を光線が貫いていた。
"暗礁王"サルガッサム:「……!」"暗礁王"は、茨の海に引きちぎられながら、"血統王"を守った。
"暗礁王"サルガッサム:「"鴉飼"……!」
アメリア:(流石は王……誰もが、何らかの対応を講じてきた)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:だが、"血統王"だけは赤い瞳で、冷静にアメリアを見ていた。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:"暗礁王"がカバーに入ることすら見透かしていたように、血の一撃をアメリアへと向け――
ジェシカ・クロフォード:その瞬間、漆黒の羽が夜の空に舞った。
ジェシカ・クロフォード:一羽の鴉がアメリアと"血統王"の間に入っていた。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……射線が」
ジェシカ・クロフォード:その鴉は血を散らすこともなく、螺子を漏らすこともなく
”頭の無い蛇"A:ただ、頭の無い蛇へと姿を変え
”頭の無い蛇"A:再び夜の闇に溶けていった
"血統王"バージニア・ダネシュティ:アメリアが見出した、ごく僅かな一瞬だったのだ。反撃の機があるとしても、その時しかなかった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「全て……見通していたか。フフ……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「さすがだ」
アメリア:「感謝します、不夜王……」月下王に抉られた傷を抑えながら
アメリア:「2つ同時に受ければ……きっと耐え切れなかった……」
"月下王"州来マカミ:獣の反射神経だろう。振り返ったその時には、アメリアの腹を切断していた。
"月下王"州来マカミ:既に任アルルとの戦闘に戻っている。だが……
"暗礁王"サルガッサム:「いいや」
"暗礁王"サルガッサム:「やはり君は、ここでとどめを刺す」
アメリア:「…………」動こうとはしない
"暗礁王"サルガッサム:レーザーで穿たれた穴が、やはり波打った水面のように修復されつつある。
"暗礁王"サルガッサム:「……乱戦の中で、戦況を俯瞰し把握できる者」
"暗礁王"サルガッサム:「君がわざわざ前線に出てきた意味がわかった……」
"暗礁王"サルガッサム:「……"不夜王"が」
"暗礁王"サルガッサム:「見ているんだな?」
"暗礁王"サルガッサム:わずかに片足を上げ……それが攻撃の予備動作だ。今度はアメリア一人に波形を集中しようとしている。
七十橋シスル:「――そうだとして」
七十橋シスル:「円卓の王二人。並列で相手取れるつもりでいんじゃねえぞォ!」
七十橋シスル:ガァン! シスルが苛立たしげに踏み込んだ踵音。
七十橋シスル:導火線めいて、幾何学的な軌道を描いた荊が奔り
七十橋シスル:アメリアの姿を覆い隠し、サルガッサムの肩、膝、腹を縫い止める。
"暗礁王"サルガッサム:「ごっ……ふぐっ……!!まだ……!!」
"暗礁王"サルガッサム:茨を握りしめると、手のひらに血がじわじわと滲む。
"暗礁王"サルガッサム:それでも、再生しながら強引に戦おうとしている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……」"暗礁王"に守られる後ろで、微動だにせずその様を見ている。
"暗礁王"サルガッサム:「何もないなら、どんな苦痛も……どんな拷問も」
"暗礁王"サルガッサム:「……何も感じはしない。そうだろう……!」
アメリア:「……信じません、そんなの……!」
アメリア:「痛いのは痛くて……辛いのは辛い、そうでしょう……?誰だって!」
アメリア:「だからもう……そんな思いを、させません」
"暗礁王"サルガッサム:「安いものだ。私の苦痛なんて……」
"暗礁王"サルガッサム:再び、機能を再生させようとする。
"暗礁王"サルガッサム:『モレルの狂気陸地』は限界を超えた再生能力を与える遺産だが、苦痛までを軽減するわけではない。
"暗礁王"サルガッサム:不死身の兵士となるためには、私を滅する精神力こそが必要な遺産だった。
アメリア:「痛いんですよ!……私の……心も……」
アメリア:痛みを感じないはずがないのに、そうでないと言う
アメリア:それこそが、私にとって、一番の痛みだった
"暗礁王"サルガッサム:「泣く、くらいなら」初めて、苛立ったように言う。
"暗礁王"サルガッサム:「君が退け!"鴉飼"………」
"暗礁王"サルガッサム:ふらつき、膝をつく。
"暗礁王"サルガッサム:「……?」
"暗礁王"サルガッサム:茨で引きちぎられた靭帯が再生していないために、そうなっていた。



ジェシカ・クロフォード:王権神授説という思想がある。
ジェシカ・クロフォード:それによれば王権とは神から授与された神聖不可侵なるものであるという。
ジェシカ・クロフォード:それを象徴するようにかつてのヨーロッパでは神の代理人たるローマ法王のみが新たな王に王冠を授けていた。
ジェシカ・クロフォード:そして神に与えられたモノであるが故にその権利は地上の如何なる者にも奪うことは出来ない。
ジェシカ・クロフォード:王権とはそのようなものであると信じられていた。
ジェシカ・クロフォード:それはキングダム連合学院においても似たようなものだ。
ジェシカ・クロフォード:王鍵が何者に適合するか、それは正しく『神のみぞ知る』ものであるからだ。
ジェシカ・クロフォード:だが、かつての絶対王政の時代とキングダム連合学院には一つ、決定的な違いがあった。
ジェシカ・クロフォード:それはこの学院には"神に近しいモノ”が存在するということだ。
ジェシカ・クロフォード:"神に近しいモノ”はまるでその力を象徴するように
ジェシカ・クロフォード:自らを王の上に立つ存在であることを強く示すように
ジェシカ・クロフォード:神から与えられた絶対不可侵なる権利を
ジェシカ・クロフォード:一切の慈悲なく奪う機構を保持していた。



"暗礁王"サルガッサム:「……………なぜ?」
"暗礁王"サルガッサム:『モレルの狂気陸地』は、衆目には殆ど能力を晒したことのない王鍵だ。死ななければ発動しないのだから。
"暗礁王"サルガッサム:このような有事、事前に対策を取られることを想定しての備えでもあった。
"暗礁王"サルガッサム:だが、今。リザレクトが発動していない。
ジェシカ・クロフォード:”不夜王"は代理人の証として”至上王”より渡されたそれを持て余していた
ジェシカ・クロフォード:それは彼女のような規格外の存在にならともかく、凡庸なる王たる己には扱い切れぬものであったからだ。
ジェシカ・クロフォード:だが、オーヴァードが自らの肉体を再生する”リザレクト"。それが必要とされるのは僅か一瞬。
ジェシカ・クロフォード:その一瞬のみの王鍵停止。そしてその一瞬を見極めることであれば。
ジェシカ・クロフォード:凡庸なる王である己にも出来うることだと、不夜王は知っていた
???:《ARM-273のシステム連動を一時切断しました》
???:《――11秒間、権限行使が不能となります。ご注意ください》
GM:全ての王鍵のトリガーであり、円卓議会を担う者のみが動かせる、最大の王鍵であり
GM:そして、キングダム連合学院という組織の中枢となるもの。
"円卓":《ARM-273、再起動まで残り11秒――》
GM:それは"円卓"そのものに他ならない。
"暗礁王"サルガッサム:「……っ、か、はッ……!!」
"暗礁王"サルガッサム:僅か11秒。だが、この"拷問王"の殺滅の嵐の中。
"暗礁王"サルガッサム:"血統王"を守り、絶大な苦痛に耐え続け、
"暗礁王"サルガッサム:11秒。立ち続けられる者がこの世界にいるだろうか?
七十橋シスル:「アァ……?」 声が聞こえた訳ではない。
七十橋シスル:何故暗礁王が動きが鈍ったのか。何が起きたのか、把握できない。
七十橋シスル:荊は問題なく稼働する。だが……
"暗礁王"サルガッサム:それは"暗礁王"自身もそうだった。なぜ自分が再生できないのか。それがわからないまま
"暗礁王"サルガッサム:物理的に立てなくなった膝を突き、やがて倒れ伏し、刻まれていく。
七十橋シスル:「余計なことしやがって。過労王」
七十橋シスル:「勝負はお預けか。――せいぜい、今は寝てろ」
"暗礁王"サルガッサム:11秒の間に、"拷問王"は"暗礁王"を拷ちきった。
"暗礁王"サルガッサム:立ち上がることはできない。戦闘不能。
アメリア:「……目が覚める頃には」
アメリア:「現状は、変わっています───きっと、いい方向へ」

   "血統王"[13]

     10m
                   
  シスル[13/119]
アメリア[16/119] アルル[5/122]
   "月下王"[0]

     10m

  定時制・防御×2[7]

GM:行動値は13。シスルさんの行動が可能です。
ジェシカ・クロフォード:その前に
ジェシカ・クロフォード:PCカード使用!【封殺】〈交渉〉難易度15!
”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"C:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,1,1,2,5,5,5,6,6,7,9]+10[2,10]+6[6] → 26 → 成功

”頭の無い蛇"C:Lv1で月下王の復讐の刃を封殺します
GM:なんだって~~ッ
GM:ちなみに封殺の指定はエフェクト単位なので
GM:どのキャラのと指定しなくとも、復讐の刃と言えば全員復讐の刃は使えなくなります
アメリア:復讐は何も生まないぜ~~~~ッ
GM:ワンポイントテクニックだぞ
七十橋シスル:そして……ヒャヒャヒャヒャ~~~これで悠々と攻撃できるってわけだァ!
七十橋シスル:マイナーアクションでジェネシフト。
七十橋シスル:119+1d10
DoubleCross : (119+1D10) → 119+3[3] → 122

七十橋シスル:ジェネシフターシスル
GM:ヒエ~~ッ
七十橋シスル:メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:スパークウェッジ》《原初の灰:亡者の爪牙》! 茨の輪のダイス-3デバフは必中の弓で帳消しされます
七十橋シスル:月下王に攻撃ィ!
七十橋シスル:8dx7+14
DoubleCross : (8DX7+14) → 10[1,2,3,3,4,6,7,7]+10[10,10]+10[3,7]+10[10]+10[7]+5[5]+14 → 69

任アルル:すごい
七十橋シスル:気合い入ってるな……
"月下王"州来マカミ:反撃が……できない!!破壊の爪でガードだけします。
七十橋シスル:OK。ではダメージ
七十橋シスル:7d10+19+2d10
DoubleCross : (7D10+19+2D10) → 44[1,6,6,7,8,6,10]+19+15[6,9] → 78

七十橋シスル:装甲無視です ヒャハハハ
"月下王"州来マカミ:そのダメージはさすがに受けきれるわけがない……!《地を掴む獣》で軽減してもなお……!
"月下王"州来マカミ:倒れます、が!
"月下王"州来マカミ:ジェシカさんの従者はもう行動可能なやつが残ってないんじゃないか?
"月下王"州来マカミ:少なくともこれを打ち消すことはできないだろう!《魔獣の証》!
"月下王"州来マカミ:復活します!
七十橋シスル:クソーっやめろーっ 無力なまま死んでいけーっ
任アルル:地を掴むだけでは飽き足りないってのか
ジェシカ・クロフォード:できねえ~~~!!
"月下王"州来マカミ:200点エネミーなんだからこれくらいできなきゃ困る!
七十橋シスル:侵蝕122→133 とはいえ、スパークウェッジの効果は入るぞ
"月下王"州来マカミ:確かに
七十橋シスル:シスル以外を狙ったら18点ダメージだ 流石に魔獣の証相手は厳しいが……



GM:"暗礁王"は茨の海に倒れた。残る定時制の王は二人。
GM:その中でも規格外の力と速さを発揮し続けているのが、"月下王"だ。今は任アルルが圧倒的な技をもって抑え込んでいるものの……
"月下王"州来マカミ:「ガ、アッ!!」
"月下王"州来マカミ:アルルにいなされた爪が大地を破壊する。戦闘領域が近づきつつあるのだ。アメリアが巻き込まれる恐れもある。
七十橋シスル:「ハ」 取捨選択を即座に決定する。
七十橋シスル:「見てんだろ、ジェェシカァ~ッ!」
七十橋シスル:「何でもいい! 気を散らせ!」
"月下王"州来マカミ:「……」
"月下王"州来マカミ:バ チチッ
"月下王"州来マカミ:"月下王"の片腕が霞んだように見えた。
"月下王"州来マカミ:「――なんでもいいっていうのは」
"月下王"州来マカミ:巨大な爪を開く。握り潰された、カラス。ドローン。あるいは血の塊。
"月下王"州来マカミ:「どれのこと?」
七十橋シスル:「手癖の悪ィ……!」
"月下王"州来マカミ:「邪魔はさせない」わずかに姿勢を沈めた。それが見えたのならば、回避不能な速度で斬撃を繰り出すだろう。
アメリア:(手の出しようがない……!)
"月下王"州来マカミ:岩の欠片が飛んだ。最初の踏み込みで砕かれた地表だ。
"月下王"州来マカミ:再び藍色の閃光と化し――
任アルル:「わたしを前に」
任アルル:「目移りをしてばかり」
任アルル:“月下王”の視界がぐにゃりと歪む。
"月下王"州来マカミ:「え」
任アルル:槍が地を突いて刻んだ罅が、州来マカミの足元まで伸び、溢れ出た青光が蛇めいて絡んでいる。
任アルル:「誘ったのはそちらでしょう? あまり無粋をされてはイヤですよ」
任アルル:超常の、しかし本来ならば戦法に含めることもしない、子供騙しじみた初歩の惑わしトリックだ。……それが有効になる瞬間がある、と言われた。
"月下王"州来マカミ:一歩を踏み出しただけだ。重戦車の如き剛力も、動き出しは僅かな力である。それを消された。
"月下王"州来マカミ:「こんな、単純な――」
任アルル:(戦いが始まる前から、ここまで予想していた? 戦の呼吸など知らないでしょうに、ただ思考だけで)
任アルル:どれだけ偏執的に最善を求めれば、そこまでの予測が叶うのか。
任アルル:「背負い込むものですね。不夜王」
GM:"不夜王"の無数の仕込みのうちの一つが導いた、瞬きほどの一瞬の遅れだった。
"月下王"州来マカミ:「……ッ!」それでも、足元に絡みつく光を力尽くで踏み砕き、
"月下王"州来マカミ:シスルとアメリアを、まとめて切断すべく、踏み込む。
七十橋シスル:踏み込んだ、その刻。
七十橋シスル:マカミの足が、空を切った、、、、、
"月下王"州来マカミ:「――」
"月下王"州来マカミ:「なに?」
七十橋シスル:ありえざる現象だ。
七十橋シスル:ほんの一瞬、気を逸らした。その一瞬で。月下王の足下の地面、正方形のカタチに。
七十橋シスル:膂力のままに踏み砕かんとした地面の全てが、今まさに身を引いた影の荊に置換されていた。
七十橋シスル:「(絶妙すぎて気持ち悪ィ)」
七十橋シスル:理外の獣。戦争狂。直接決闘ならば五星君に伍しかねない、番外王。だが、アルルとマカミは決定的に違う点が一つある。
七十橋シスル:――地を踏まなければ走れない。
"月下王"州来マカミ:「"拷問王"……!」まるでトラバサミに喰われる狼のごとく、落下する。
七十橋シスル:「慟哭鼓行クルエル・パレード――狼穽リリウム。まるでお誂え向きだなァ」
七十橋シスル:落ちる大穴。壁、底、地表。その全てを満たす、荊の杭。
七十橋シスル:「ヒャアァーーーーッハハハハハハァ!」
七十橋シスル:断裂音が地の底よりこだました。
"月下王"州来マカミ:「ギャアアアアァァッ!!ガアアッアッ!!グルルルルゥゥッアアァッ!!」
"月下王"州来マカミ:「ガッ、ガギュッ、ルルルルルル!!グブッ!!!ブガッ!!」
GM:暴れ狂う衝撃音と獣の叫び。『王』の一角でさえそうせざるを得ないほどの
GM:激痛と苦痛。それが"拷問王"の拷問。
任アルル:「わあ」縁から覗き込む。「えげつない」
"月下王"州来マカミ:ダン!!!ダン!!!ダン!!!
"月下王"州来マカミ:声も上げられず、閉塞された地の底を力任せに叩きつける音。
七十橋シスル:「せいぜい、井底から月でも見てるんだなァ……!」勝ち誇ろうとして。「…………?」
"月下王"州来マカミ:バン!!!バヂュッ!!!
"月下王"州来マカミ:……
GM:数秒の静寂があった。
"月下王"州来マカミ:ドバッ!!
"月下王"州来マカミ:茨の陥穽から僅かに離れた地表が吹き飛ばされ、その中から現れた獣がいる。
"月下王"州来マカミ:獣だ――脚は五本。三つの耳。完全に人の姿からかけ離れ、獣化している。
"月下王"州来マカミ:元は白かったであろう体毛は、自らの血に塗れて赤く染まっている。
"月下王"州来マカミ:「フーッ、フゥーッ……!!ガハッ、グルッ、ルルルル……!!」
任アルル:血と砂と千切れた影が混ざった風に群青の髪を舞わせ、そちらを見る。
七十橋シスル:その姿に、絶えず浮かべていた哄笑を、不快に歪めた。「……どいつもこいつも……」
"月下王"州来マカミ:"暗礁王"とは違い、痛みに耐えたわけではない。耐えられなかったからこそ、野生の死力で脱出した。
"月下王"州来マカミ:"月下王"。『八月革命』の頃、幾度送還されても戦場に戻ってきたのは、その耐久力故だ。
七十橋シスル:「テメェらみてえのが居るから」
七十橋シスル:ぼそりと。「"オーヴァードは死ねて当たり前”みたいに言われて、泣く奴らが出てくるんだ」



GM:手番は"血統王"。誰を狙おうか……シスルを狙うのだけは絶対ありえないから
"血統王"バージニア・ダネシュティ:うーん選べないから、アメリアさんとアルルさんを一度に狙うか。
任アルル:欲張らないで
"血統王"バージニア・ダネシュティ:マイナーで《マルチアクション》《赫き剣》《破壊の血》。HPを18消費しました。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:PCのエンゲージに接近します。

   "血統王"[13]      
  シスル[13/133]
アメリア[16/119] アルル[5/122]
   "月下王"[0]

     10m

  定時制・防御×2[7]

"血統王"バージニア・ダネシュティ:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《鮮血の一撃》《封印の呪》《血の宴》、そして《ソウルスティール》!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:13dx7+4
DoubleCross : (13DX7+4) → 10[1,2,2,2,4,6,6,6,7,7,8,9,10]+10[3,4,5,5,9]+10[9]+10[7]+10[8]+10[7]+3[3]+4 → 67

"血統王"バージニア・ダネシュティ:命中すれば次の判定のC値+1、さらにダメージを受けた場合バージニアの最大HPが+60されます。
七十橋シスル:なんて?
アメリア:範囲攻撃をどうにかする手段なんて……!
任アルル:ヌウーッ
ジェシカ・クロフォード:えぐすぎ!!
任アルル:オートエフェクトを使います。
任アルル:《支配の領域》《絶対支配》。最初のダイスロールの7,7,8,9,10を出目1に変え、達成値を10に。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:冗談みたいなダイス操作された
任アルル:任アルルの侵蝕率を10(→ 10)増加 (122 → 132)
任アルル:自分からはひとまずそれだけでリアクションの構え
アメリア:ここは使いどころと見ました
アメリア:《隠された世界》!単体でない攻撃の対象を単体に変更してもらいます
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ウワ~ッ!単体攻撃になっちゃった
アメリア:誰を対象にするかは……そちらが選んで!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:えっ?達成値67の範囲攻撃が達成値10の単体攻撃になったの?
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ではアメリアさんを狙います……。
アメリア:ひぃ~~~~
"血統王"バージニア・ダネシュティ:《茨の輪》の効果が持続しているのに注意して!
アメリア:侵蝕増やします 1d10です
アメリア:129+1d10
DoubleCross : (129+1D10) → 129+8[8] → 137

アメリア:で……私への攻撃はドッジします!
アメリア:2dx+1>=10
DoubleCross : (2DX10+1>=10) → 8[6,8]+1 → 9 → 失敗

GM:やった!命中させたぞ
任アルル:惜しいな~
任アルル:どっちの妖精を入れようね
アメリア:侵蝕的に……そちらのを!
任アルル:OK~
任アルル:《妖精の手》。
任アルル:任アルルの侵蝕率を4(→ 4)増加 (132 → 136)
GM:ヒィ~ッ
GM:どうなってるんだこのメンバーは 助けてくれ
アメリア:1dx+11>=10 振り足し
DoubleCross : (1DX10+11>=10) → 7[7]+11 → 18 → 成功

アメリア:避けました!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:では……《ソウルスティール》入の攻撃は完全に回避される!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:こんなはずではなかったのに……演出は次とまとめてやります。
定時制・防御:行動値7。定時制防御の行動。
定時制・防御:実はこいつら《骨の剣》でガード値上げられるんですが
定時制・防御:別にマイナー移動エフェクト取ってるわけでもないから普通に移動するしかないんだよな……
定時制・防御:二人とも戦闘移動してPCのエンゲージへ。みんないっしょだね

   "血統王"[13]
  シスル[13/133]
アメリア[16/137] アルル[5/136]
   "月下王"[0]
  定時制・防御×2[7]

任アルル:人数は減ってるのに賑やかさは増した気がする
GM:まこと狭うなり申した
アメリア:おしくらまんじゅう
"月下王"州来マカミ:最後は月下王!魔獣の証で復活したHPだと、スパークウェッジのダメージを食らうと多分相当ヤバいので……
"月下王"州来マカミ:拷問王を狙ってやる!完全獣化パワーでまだダイス残るし!
"月下王"州来マカミ:それにちょっとでも掠れば致命傷という算段よ!死ねーッ!
"月下王"州来マカミ:マイナーなし、《コンセントレイト:キュマイラ》《鬼の一撃》《大裁断》!
七十橋シスル:kuruna-t!
七十橋シスル:くるなー!
"月下王"州来マカミ:4dx7+6 ガードした場合ダメージ+30!
DoubleCross : (4DX7+6) → 10[5,5,6,7]+10[8]+2[2]+6 → 28

七十橋シスル:くそっこざかしく回しやがって!!
七十橋シスル:うおーっドッジ!!
七十橋シスル:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[4,6,6,6,10]+3[3] → 13

七十橋シスル:対戦ありがとうございました
任アルル:さすがにここで妖精やら支配やらは入れられない!死んでくれ拷問王
"月下王"州来マカミ:3d10+54
DoubleCross : (3D10+54) → 8[3,1,4]+54 → 62

"月下王"州来マカミ:こいつの打撃は当たれば致命傷よ!
七十橋シスル:流石に補助はいりません! 一番攻撃侵蝕エコだし
七十橋シスル:死亡!
七十橋シスル:ジェシカさんのロイスを昇華して復活!
GM:では演出に入っていきます。



GM:昼と夜の境界線上で、未だ動かず夜の側に立ったままの王がいる。"血統王"だ。
GM:王鍵適合者ではない。だが、仮に開放裁定の折に適合する王鍵を見出していたならば――
GM:あの"騎士王"に匹敵しただろうとすら言われる存在である。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"拷問王"。"游随辰星"。"鴉飼"」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「流血を好むか」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ならば、よいだろう。この"血統王"が――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:細い10本の指先に沿うように、澄んだ血の線が地面へと滴っている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:それが静止した。血の帯のように、空中に散る細かな雫までも。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「貴種の血を賜ってやろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:それは10本の杭だ。放射状をなすように宙に展開し、"血統王"の武装と化す。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:――ヒン
"血統王"バージニア・ダネシュティ:音もなく射出された。高速射出された杭は木々を貫通し、遠くの石造りの建物を円形に通り抜ける。
七十橋シスル:「来るぞっ!」
七十橋シスル:茨が渦を巻く。「勝手に逃げろ、テメェら――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「安心するがいい"拷問王"。貴様には当てん」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「茨の阻害は敵意への呪いだ。"暗礁王"が身を挺して暴いた王鍵の情報……十全に活かさなければな」
七十橋シスル:「!」
アメリア:血統王の杭が、アメリアを、任アルルを襲う
アメリア:人の身で到底受け止められる威力ではない。肉体に無数の穴が空き───
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ふたつ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「みっつ」――ヒ
"血統王"バージニア・ダネシュティ:――ッン「よっつ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:銃弾。あるいは光線。空中を走る赤い帯のようにしか見えない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:無慈悲に、続けざまに、杭を二人へと撃ち込み続ける。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「いつつ」「むっつ」「ななつ」「やっつ」
アメリア:そう、防ぐことは叶わず───しかし
アメリア:一滴の血も流さない、アメリア・シュミットが、そこにいる
アメリア:『私にあなたの攻撃は……通用しない!』
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:射撃の手を止めた。観察するように、アメリアをじっと見つめる。
アメリア:物陰に潜み、スピーカー越しに大言壮厳を吐く
アメリア:ドローンにより映し出した自分の映像との同期もばっちりだ
アメリア:『さあ、この私を、何度でも狙うがいい!』
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「…………」ため息をつく。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己が立体プロジェクターの存在も知らんと見られているのだとすれば、全く呆れる他ないが」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……確かに、そちらの細工も多少の効果はあったのかもしれん」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:もう一人、任アルルの方向へと向き直る。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"游随辰星"……貴様の悪事か?」
任アルル:ただ月下王との戦闘に集中するみたいに、まるで注意を払わずこちらに向けられた杭を受けていた……が、貫かれた傷は残っていない。
任アルル:緩やかな歩法を続けている。左足を一歩。右足を二歩分出してその前へ。左足をさらに一歩進めて左右を揃える。
任アルル:「さて。確かめてみては?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「そのようにしよう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:左手と右手に携えていた残りの2本の杭を
"血統王"バージニア・ダネシュティ:交差するような軌道で、物陰のアメリアに向け撃ち放っている。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:障害物の有無も関係はない。回避の時間も与えず貫通する攻撃であるはずだった。
アメリア:「見つかっ───」
任アルル:過たず、遮蔽物ごと、鮮血の杭が乙女を刳り貫いた。そのように見えただろう。
任アルル:受けた本人にとってさえそうだ。そして直後、現実が描き変えられたように、誰も傷付いていない結果が現れる。杭はアメリアの真横を行き過ぎ、ただ地面を斜めに掘り進んで止まっている。
アメリア:「あ、れ……?」
任アルル:「位置を錯誤したのは、ちょっとした機械仕掛けに騙されたから──」
任アルル:「そう思ってくれていた分、最後まで凌ぎ切れました。ありがとう、アメリア」
アメリア:「か、完璧な策でしたね!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「魔術の真似事までをするか、拳士め」
アメリア:「……出し惜しんでいたことからも、そう連発はできないはず」
アメリア:「動かれる前に、決着を着けましょう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「動かれる前に?」くすりと笑う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「違う。とうに動いているだろう」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"游随辰星"は分かっていることだろうがな?己の攻撃から貴様を守った分――」
"月下王"州来マカミ:"月下王"が、任アルルの射程圏から消えていた。
"月下王"州来マカミ:これまでひたすらにアルルを狙い続けてきた"月下王"は、理性なき完全な獣と化したにも関わらず――
"月下王"州来マカミ:あるいは、それ故だろうか?
"月下王"州来マカミ:自らを最大に傷つけた敵対者たる、七十橋シスルへと斬りかかっていた。
七十橋シスル:「来るかよ、獣ォ……!」
七十橋シスル:「いいぜェ! 今度こそ串刺しにしてやるァ!」
七十橋シスル:荊がざわめく。血統王の見切り通り――シスルの従える、嗜眠の荊は、敵対者の「意志」をこそ挫く。
"月下王"州来マカミ:「グルッ……ルッ……みは」異形の獣の顔で呟く。
七十橋シスル:より狙い澄ました、遊びのない達人であればあるほど、荊を越えることは叶わなくなる。
"月下王"州来マカミ:「おおかみは……ガラガラごえで くろいあしを しているから――」
"月下王"州来マカミ:グジャ ア
"月下王"州来マカミ:茨の障壁に、空洞が開いていた。
七十橋シスル:「―――― 、ガ」
"月下王"州来マカミ:"月下王"の突進は力任せにシスルを囲う茨を突破し、足を引き裂いて、反対側へと貫通した。
"月下王"州来マカミ:敵意すらない、澄み渡った野生の意志。
"月下王"州来マカミ:まともな神経があるならそのような判断はできない。突破した"月下王"のダメージのほうが遥かに多大だった。
"月下王"州来マカミ:「そんなもの、、、、、が おかあさんのふりをして……やってきても」
"月下王"州来マカミ:「けっして 家にいれては いけませんよ」
七十橋シスル:「ゴミッ、ぶっ」 ぐらつきながら血を吐く。巻き起こった衝撃波が、内臓を傷つけている。
七十橋シスル:「頭の足りねえ、ゴミカスがァ……!」
"月下王"州来マカミ:「グルルッ、グッ、グググッ、楽しい……」笑う。
"月下王"州来マカミ:「せんそうは、楽しい」
任アルル:「あなたも、わたしと力を合わせてみますか? シスル」くすりと笑う。
任アルル:「お友達となら、いーですよ」
七十橋シスル:「るせェ。悪魔の囁きは足りてんだよ……!」
七十橋シスル:「さっさと、全員ブチのめす!」 口の端を拭い、集まってきた戦線を睨み付けた。
GM:定時制の決起に集った、数十名の兵士達。
GM:あまりにも次元の異なる王達の戦線に、彼女たちも合流しつつあった――乱戦が始まりつつある。



■ラウンド2

GM:アメリアさんの行動値がもとに戻り、11になります。
アメリア:シュウウン
GM:PC側はセットアップに使うエフェクトなどはありませんかね?
七十橋シスル:ないでーす
任アルル:無しです!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:《ブラッドコート》……といいたいところなんですが
"血統王"バージニア・ダネシュティ:さっき《ソウルスティール》が失敗したからもう二回目を使うHP残ってないんだよな。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:セットアップは何もなし。
"月下王"州来マカミ:こちらは先ほどと同じく《フルパワーアタック》。《地を掴む獣》はシーン持続です。

   "血統王"[13]
  シスル[13/133]
アメリア[11/137] アルル[5/136]
   "月下王"[0]
  定時制・防御×2[7]

GM:では最初の行動としてシスルに動いてもらいましょう。こちらはもうイニシアチブ行動とかは残ってない!
ジェシカ・クロフォード:PCカード:ジェシカ・クロフォード!
ジェシカ・クロフォード:【封殺】を挟ませて頂きます!
GM:誰も動いてない段階から使うというのか!
ジェシカ・クロフォード:ハイパーギャンブルタイムだ!!
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》
”頭の無い蛇"A:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,2,2,4,5,6,7,8,8,9,10]+10[1,3,4,10,10]+4[2,4] → 24 → 成功

”頭の無い蛇"A:成功
”頭の無い蛇"A:まずはLv1の効果で《崩れずの群れ》を指定します。
定時制・防御:ギクッ
”頭の無い蛇"A:定時制:防御の連中がこれを持っていることに賭ける!
定時制・防御:な、なんの話かな~ピーピピー
ジェシカ・クロフォード:続いて
”頭の無い蛇"B:《原初の赤:天性のひらめき》
ジェシカ・クロフォード:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,2,3,4,5,5,8,9,9,9,10]+10[1,4,4,7,9]+10[8,8]+6[1,6] → 36 → 成功

”頭の無い蛇"C:《原初の赤:天性のひらめき》
ジェシカ・クロフォード:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,2,4,5,5,5,6,6,7,8,10]+10[1,8,10]+5[3,5] → 25 → 成功

”頭の無い蛇"E:《原初の赤:天性のひらめき》
ジェシカ・クロフォード:11dx7>=15
DoubleCross : (11DX7>=15) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,2,7,10]+10[3,8]+10[9]+4[4] → 34 → 成功

ジェシカ・クロフォード:よし!レベル3!
任アルル:偉すぎる
GM:レベル3だと!?
ジェシカ・クロフォード:これにより《不死不滅》を封殺指定します。
GM:《不死不滅》……!
ジェシカ・クロフォード:なんか…!ありえる気がする…!!ありえる気がするんだ…!!
GM:こ……ここまでですか!?
ジェシカ・クロフォード:最後にジェシカ・クロフォードの行動です。
GM:自分自身が!?しかしろくにダイスなんて振れないはず……!
GM:それが従者型の弱点よ!
ジェシカ・クロフォード:アメリアさんのロイスをタイタスにして即昇華。ダイス+10
GM:ウワ~ッ!
ジェシカ・クロフォード:神聖二重冠使用
ジェシカ・クロフォード:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
GM:バ、バカな……!!
ジェシカ・クロフォード:達成値を115から120まで上げて達成値は+15、これでファンブルしない限り成功だ~~!!
GM:や、やめろー!
GM:全部1が出てくれー!たのむー!
ジェシカ・クロフォード:11dx+15>=15
DoubleCross : (11DX10+15>=15) → 9[2,3,5,5,6,6,7,8,8,9,9]+15 → 24 → 成功

ジェシカ・クロフォード:グッド
ジェシカ・クロフォード:復讐の刃を封殺指定!
GM:そんな……!こいつで一人ずつ皆殺しにする計画だったのに!
ジェシカ・クロフォード:これでこのラウンドの処理総てが終了です!
GM:なんてやつだ不夜王……!それでは改めてイニシアチブ処理。
GM:行動値13のシスルの行動からです!
七十橋シスル:ではマイナーで…………暴走を解除!
七十橋シスル:怨念の呪石による効力とミラーパレスの防御能がなくなる!
GM:なにっ
GM:なぜわざわざ……自分が不利になるようなバステ解除を
七十橋シスル:メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:スパークウェッジ》そして《混色の氾濫》!
七十橋シスル:暴走は本来バステなんだよなあ……破壊の変異衝動を解除したことによって
七十橋シスル:範囲攻撃が選択できるようになる!
GM:うおおおおお
七十橋シスル:血統王、月下王、定時制*2に攻撃だ!
GM:内なるアヤキが恐怖しているッ
七十橋シスル:9dx7+14
DoubleCross : (9DX7+14) → 10[2,2,2,2,3,3,4,7,7]+10[5,7]+6[6]+14 → 40

GM:大した達成値……!
七十橋シスル:固定値って良いものだな……
定時制・防御:だが忘れていないかな!我らは《献身の盾》を持つトループ!
定時制・防御:この《崩れずの群れ》で!
定時制・防御:……ハッ!?
七十橋シスル:ひゃーーっはっはっは!
定時制・防御:(回想シーン)”頭の無い蛇"A:まずはLv1の効果で《崩れずの群れ》を指定します。
定時制・防御:ま……まさかあの時……!
ジェシカ・クロフォード:次にお前は「《崩れずの群れ》!」と言う…
七十橋シスル:そうだァ! 弱い奴は死に方も選べねえんだよォ!
定時制・防御:お、おのれーッ!イベイジョン6でブチ喰らいます!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:無敵の"血統王"ですら《ブラッドコート》が剥がされてしまえば……回避でもしてみるか
"血統王"バージニア・ダネシュティ:7dx+2>=40
DoubleCross : (7DX10+2>=40) → 8[1,1,2,5,6,7,8]+2 → 10 → 失敗

"血統王"バージニア・ダネシュティ:当然できるわけなし!
"月下王"州来マカミ:だが"月下王"が《復讐の刃》を貴様にブチこんでやろうと考えているぜ!
"月下王"州来マカミ:《復讐の刃》したいな~あーあ
"月下王"州来マカミ:使えたらやるんだけどな~《復讐の刃》
"月下王"州来マカミ:ゴロゴロするかぁ……
"月下王"州来マカミ:ガードします。
任アルル:不夜王様~!
七十橋シスル:何も生まねえ復讐はただの復讐だ!
七十橋シスル:ダメージ
七十橋シスル:5d10+11
DoubleCross : (5D10+11) → 30[4,5,5,10,6]+11 → 41

七十橋シスル:そこ……そこ!
定時制・防御:うっ、装甲値込みで結構なHPがあったが……
定時制・防御:それは一撃で消し飛ぶ!HPは32でした。
"月下王"州来マカミ:"月下王”は流石に耐える!《地を掴む獣》って最高!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:"血統王"は……これで戦闘不能!HPは6でした。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:だが!!ここで!!最後の切り札を発動する!!
七十橋シスル:何ィ…………!!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:必殺のオートアクション……
"血統王"バージニア・ダネシュティ:……《不死不滅》!!
任アルル:ふ……《不死不滅》!?
七十橋シスル:あの伝説の!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ハハハピュアブリードの不死不滅だ!こいつで完全復活し
"血統王"バージニア・ダネシュティ:貴様らを範囲攻撃でなぶり殺してくれるわ
ジェシカ・クロフォード:だが、そのカードは既に!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:!?
ジェシカ・クロフォード:私のトラップカードにより破壊されているぜ!!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ば、バカなぁ~~~ッ!!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(ぐにゃあ~~)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:もう……これ以外に復活エフェクトは……ない!再起不能!



定時制・防御:「我が王を守れ!」「全日制の悪鬼!阻ませるものかッ!」
定時制・防御:「茨が……!」「怯むな!進めッ!」
定時制・防御:定時制の生徒達が戦場へとなだれ込み始めた。
定時制・防御:その半数近くは"拷問王"の茨に足を絡め取られ、倒れていくが、
定時制・防御:それでも信念の為せる技か、単純な物量によるものか、20名ほどが"血統王"の周囲へと集結する。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……出過ぎた真似をするな」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「貴様らの力では、あれの棘一つも折れはせん」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「己に任せよ。――王たる己に」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:先程までとは異なり、一本の巨大な槍めいた杭を手に、
"血統王"バージニア・ダネシュティ:"拷問王"への間合いを詰める。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「"月下王"の狼藉には己も手を焼かされたが、彼女も十分な仕事はした――」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「彼女の動きがこうして戦場を詰めた、、、。貴様なら意味は分かるな。"拷問王"」
七十橋シスル:「チッ……戦場の王には二種類いる」
七十橋シスル:「最後方から檄と祈りと飛ばす奴と……最前線で、命の投げ出し方を教える奴」
七十橋シスル:ザララララララララ……と空気を引き裂き、荊を操る。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「影を埋め尽くす不可避の茨」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「この距離の"鴉飼"や……いや"游随辰星"にさえ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「もはや当てぬほうが難しいだろう」
七十橋シスル:「ああ、そうだな」
七十橋シスル:「だが、俺がンなことに気を遣うような女に見えるか?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「見える」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「仮にも夜の王なのだ。人を見抜く程度の目はある」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「貴様ほど慈悲深い王はいない。……あのおぞましい"至上王"にさえ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「貴様は、情けをかけた。何故だ?」
七十橋シスル:杭の刺突を、血を散らせながらかわす。
七十橋シスル:シスルは呪術師だ。白兵は得意ではない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:恐らく、それは"血統王"も同じだ。反射神経を凌駕する先の射出とは異なり、
"血統王"バージニア・ダネシュティ:今見せている戦闘は、あくまで、本人の槍術によるものだ。それでもキングダムで有数の使い手には違いないだろう。
七十橋シスル:「おぞましい、ね」
七十橋シスル:荊の動きが鈍い。派手に動かせば、王たちはともかく、雑魚どもは十把一絡げに薙ぎ払えるだろう。
七十橋シスル:それでは意味がない。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:茨の隙間を、的確に通すように。それでいて自分を絡め取ろうとするものは油断なく牽制し、
"血統王"バージニア・ダネシュティ:少しずつ、防御能力をこじ開けるように、喉元まで迫ろうとしている。
七十橋シスル:「俺のいたトコは、弱肉強食の理が絶対。レネゲイドの世界では、いずれ力と殺意こそが全てを支配するって教えでね」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「聞こう。貴様の言葉が呪術の一環だとしても」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「貴様の話を聞いてみたい」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:斬撃と刺突。茨の森の中を進みながらも、余裕の微笑みで話しながらも、一切の乱れがない。
七十橋シスル:「簡単さ。俺はそいつが死ぬほど気に食わなかった。そいつらは、俺がやるまでもなく、あの生徒会長が綺麗さっぱり滅ぼしちまったんだが」
七十橋シスル:「けど、それだって結局は力で上回っただけだ。……俺はな、俺の全ての力を費やして」
七十橋シスル:「力が全てだってツラしてる馬鹿どもに、吠え面かかしてやりたいのさ」
七十橋シスル:「テメェみてえな馬鹿も」このキングダムにいる、ノヴァリスにいる全ての学区上位陣のように。
七十橋シスル:「力だの、それに伴う責任だの、……おぞましいだの、怪物だの言われてる奴にこそ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……」
七十橋シスル:「そんなものは、お前にとって何の意味も無い、無意味なものだって、教えてやる」
七十橋シスル:「―――から、さァ! ハァーーーーッハハハッハハハア!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:"拷問王"の心臓を目掛けて、赤い刃が突きこまれたのと同時だった。
七十橋シスル:再び、背後に展開した糸車が回る。周囲の荊が高速で移動する。ただし、広がる方にではない。
七十橋シスル:巻き取るほうだ。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(――糸)(車)
七十橋シスル:「勝敗は灰に還り 夢は霧と消える」
七十橋シスル:「我は十三人目の魔女の末裔 一時の安穏を誇りしもの」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:予想外の逆転をした茨の流れに、致死的な一撃が弾かれていた。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:構え直す。今度は背後からの茨に注意を払う必要がある……
七十橋シスル:「ここに覇鍵は施錠せり――賢者の箴言カニング・クラフト眠りの影スリーピングシェイド
七十橋シスル:キュ ルルルルルッ!
七十橋シスル:遺産の全解放とは、比べものにならないほど小規模な術だった。
七十橋シスル:巻き取られる荊の物量に紛れて、腕輪程度の大きさの荊の冠が、血統王たちの。
七十橋シスル:手足や腰、背中を捉えて、突き刺している。同時に襲うのは、凄まじいまでの眠気だ。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……ッ!」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:瞬時に、自らの足の甲を槍で刺し貫いて耐える。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:苦痛ならば耐える準備があった。"拷問王"の攻撃に備える遍く敵対者はその心構えをするだろう。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:故に、苦痛の対極の攻撃に対しては……
七十橋シスル:周囲の雑魚どもは、余すところなく眠りにつく。そして……
七十橋シスル:一瞬の隙。血統王もまた、純粋な戦士ではない。「テメェは」シュ   カッ!「そうだろうな!」
七十橋シスル:投げつけた溝入りの投げナイフの刃が、バージニアの肩を浅く抉る。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:(茨ではない)(この武器……遺産ですら)
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「これを当てる、ために……そのためだけに……か……!」
七十橋シスル:刃に塗られた薬物が、バージニアの体内に侵襲していく。
七十橋シスル:「あァ。テメェの為だけに、古ぼけた知識活かして使った、とっておきだ」
GM:姫を守る茨の園は、それ自体が罠であった、という説がある。
GM:誰も永遠に手の届かぬ姫と王国を抱いて、そこに辿り着こうとする者を絡め取り、犠牲を生み続ける罠。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「言葉ではなく……最初から……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「フフ……魔女に、騙されていたということか……」
七十橋シスル:「当然。……なあ、その毒」呪薬だ。「一体、何を――誰を元にして作ったと思う?」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……」
七十橋シスル:喋る暇こそあったかもしれない。
七十橋シスル:次の瞬間に襲ってくるのは…………もはや物理的な大重力に匹敵するかのような。
七十橋シスル:疲労。
七十橋シスル:消耗。
七十橋シスル:過労。
七十橋シスル:耽溺。
七十橋シスル:この国一つを丸ごと背負っているかのような、途方もない重荷が、バージニアの膝をつかせる。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「は、」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:力が抜けたように笑う。既に両膝も折れて、地面に座り込んでいる。それしかできなかった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「わかる……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「…………」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「わかるさ……」
七十橋シスル:「ブラムスに効く毒を作るにはな」
七十橋シスル:「別のブラムスの血を使う。これが一番、致命的で、手っ取り早い」
七十橋シスル:血統王は吸血鬼の貴種だ。必ず、強大な再生能力を持つだろう。
七十橋シスル:不夜王に提供された、それに対する秘蔵の一手がこれだった。
七十橋シスル:「…………うんざりだろ? 正気じゃねえ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「………ずっと……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「ずっと、こうだったのか……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:まるで森の中に倒れる美女のように、仰向けで、死んだように目を閉じている。うわ言に近い。
七十橋シスル:こちらもその場に座り込む。完全解放状態の遺産の鎮静は、ヘタすれば解放よりも激しい消耗を伴う。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:夜の世界を真に統治できていれば
"血統王"バージニア・ダネシュティ:自分が王鍵に適合する身体ですらあったなら
"血統王"バージニア・ダネシュティ:それとも、最初から友ですらなかったのなら
"血統王"バージニア・ダネシュティ:そんな思いをさせることはなかった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「……………」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「すまない……」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:夜の王は死ぬことはない。だが、夜はそもそも、眠りこそが支配する時だった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:"血統王"は"拷問王"の前に敗北した。
七十橋シスル:「見た、かよ……クソ……」



GM:覇鍵施錠が発動し、"拷問王"と"血統王"が最後の対峙をしたその時まで遡る。
GM:茨に囲われて介入不可能となった戦闘領域に突入しようとしている生徒達がいた。
定時制・防御:「やるしかないよ、行こう!」「そうだ!"血統王"様が戦ってるんだ、私達だって……!」
定時制・防御:「守ってみせる、絶対……!」
定時制・防御:「ああ、今しかない!血統王と月下王をお守りしろ!!」
定時制・防御:茨に囲まれた定時制の生徒が気勢を上げた。
定時制・防御:それはまさしく"絶妙"としか言えない機であった。
定時制・防御:彼女らの行動が1秒でも早ければ或いは1秒でも遅れていれば
定時制・防御:二人の王の戦いの結果は逆になっていただろう。
定時制・防御:そう"血統王の勝利"という形に
定時制・防御:「行こう!」「うん!」
定時制・防御:「やああーっ!!」
定時制・防御:生徒たちは一心不乱に戦場を駆け抜ける
定時制・防御:だが、定時制の王を守るためのはずの彼女らの行動は総て裏目に出ていた。
定時制・防御:月下王がその爪牙にて茨を断ち切らんとすれば、彼女らの肉と骨がそれを阻んだ。
"月下王"州来マカミ:「グゥルルッ、ルルルルッ!!」
定時制・防御:「きゃあっ!?」「ぐふっ、な、なんで私達を……!?」
定時制・防御:血統王が茨を避けんとすれば血統王を庇おうとする彼女らがその細い肢体を弾き飛ばし逆に茨へと押し込んだ。
定時制・防御:「しまった、助け……!」「腕が!巻き込まれ……」
定時制・防御:生徒達は気づくだろう。今、己たちに周囲に渦巻いているのは拷問王の茨のみではない。
定時制・防御:その渦中には、不夜王の知略という"毒"が混ざっている。
定時制・防御:「はぁ、はぁ、どうして……!?」
定時制・防御:比較的頭の回る生徒が、息も絶え絶えで周囲を見渡す。
定時制・防御:「だ、誰も……誰も私達に!指一本触れてもいないのに!」
ジェシカ・クロフォード:その策謀が始まっていたのはいつからだったのか。
ジェシカ・クロフォード:もし、ここに残っていたのが定時制の一般生徒ではなかったら。
ジェシカ・クロフォード:血統王と共に数多の戦場を駆けてきた彼女直属の親衛隊であったのなら。
ジェシカ・クロフォード:血統王は即座にその内部に異物があることに気がついただろう。
ジェシカ・クロフォード:血統王とその親衛隊は血よりも濃い絆で結ばれている。
ジェシカ・クロフォード:それに紛れ込むのは如何な隠密の達人であれ不可能であろう。
ジェシカ・クロフォード:だが、それが関わりの薄い定時制の一般生徒であればどうだろうか。
ジェシカ・クロフォード:血統王は定時制の王としての責務を果たし続けてきた王だ。
ジェシカ・クロフォード:それが平時であったのなら、その異物に気づくことは出来ただろう。
ジェシカ・クロフォード:だが、円卓の王に五星君、そして遺産管理委員会の要である鴉飼を相手取ったこの極限の戦場においては
ジェシカ・クロフォード:平時においては見抜けたはずの罠も、見抜くことが出来なくなる。
定時制・防御:(まさか)
定時制・防御:(私達の動き出しは遅かった。"月下王"様や"血統王"様の支援にすぐさま動けなかった……)
定時制・防御:(絶大な王鍵の力を恐れていたから?)(……そう思ってた。けれど)
定時制・防御:(けれど。"血統王"様の親衛隊は、なぜか救伐騎士団に)
定時制・防御:(最初から?もしかして……)
定時制・防御:(何もかも、こうして決起することすら……動かされていた、、、、、、、?)
定時制・防御:少女の傍らに立ち、導くように気勢を吐いていた少女も既にいない
定時制・防御:拷問王の茨に斃れてしまったのだろうか、それとも
定時制・防御:一人残された生徒は、堂々巡りの思考を続ける。その答えが出たところで、もはや意味のない状況になってしまっていた。
定時制・防御:「……ッ!!」歯を噛み締め、立ち上がる。
定時制・防御:「違う!」
定時制・防御:「違う!違う!」
定時制・防御:「私達は、誇りある"血統王"様の兵だ!」
定時制・防御:疑念を振り切ろうとして叫んでいる。
定時制・防御:「まだ戦える!戦い抜くんだ!私だって、最後の一人になったって……!」
定時制・防御:そうして、茨の海の只中へと突き進んでいった。

  シスル[13/141]
アメリア[11/137] アルル[5/136]
   "月下王"[0]

GM:次の手番は、行動値11。アメリアさんです。
アメリア:残るは1人!
アメリア:ここはもう攻撃するほかありませんね!メジャーアクション!
アメリア:《コンセントレイト:オルクス》+《アニマルアタック》+《アニマルテイマー》
アメリア:対象は月下王!
GM:もちろん何も対応なし。達成値をどうぞ!
アメリア:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,2,2,3,3,4,6,7,7,7,8,8,9,9,10]+10[1,2,3,3,4,6,8,9]+10[7,9]+10[1,7]+2[2]+6 → 48

GM:うっわ!高い!
アメリア:イイ感じ!
"月下王"州来マカミ:《復讐の刃》が封じられている以上、ガードの一択!ダメージをどうぞ!
アメリア:5d10+24 遺産管理砲ーーーーッ
DoubleCross : (5D10+24) → 22[10,3,4,2,3]+24 → 46

アメリア:装甲やガード、軽減等は有効……!
"月下王"州来マカミ:つっっよ!
"月下王"州来マカミ:さすがにアメリアちゃんの攻撃でそこまで減るとは……思っていなかったが!
"月下王"州来マカミ:強烈な達成値で一発瀕死になりました。もう死にそう……!
アメリア:コンビネーターの力によりこのラウンドに受けるダメージが2D増えますわよ!
GM:演出は次のアルルさんと一緒にやってしまいましょう。行動値5のアルルさん!
アメリア:侵蝕+7 144
任アルル:(余裕こいて待機していいですよとか言わなくて良かった……)
任アルル:はい!
任アルル:ここはもう搦め手の余地もない。マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:月下王に射撃攻撃です。
GM:来いこのヤローッ!
任アルル:14dx7+9
DoubleCross : (14DX7+9) → 10[1,2,4,6,7,8,8,8,8,9,9,10,10,10]+10[2,2,3,4,7,7,7,8,8,9]+10[1,1,5,8,8,8]+6[1,6,6]+9 → 45

任アルル:オリャ!
"月下王"州来マカミ:強すぎ!
"月下王"州来マカミ:やっぱりガードします!ガード値は1点しかないんだよな
任アルル:ダメージ!
任アルル:5d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (5D10+11+1D10+2D10) → 21[5,2,3,7,4]+11+2[2]+14[4,10] → 48

"月下王"州来マカミ:やられた……!HPは残り13点。《地を掴む獣》のレベルは4。
"月下王"州来マカミ:攻撃受けるたびに20点ずつ軽減していました。復活エフェクトもなし。戦闘不能です。
任アルル:ありがとうアメリアさん ありがとうコンビネーター
任アルル:任アルルの侵蝕率を5(→ 5)増加 (136 → 141)
GM:演出に入りましょう。



GM:――反逆軍は壊滅した。この地に集った、定時制の生徒達の全てが、
GM:そしてそれを率いた"暗礁王"が、"血統王"ですら、
GM:"拷問王"の茨の大海と、姿なき"不夜王"の謀略の前に沈んだ。
GM:"至上王"の手により重傷を負っていてもなお……単騎が一軍に匹敵する。それが円卓の王。
GM:だが、そのような戦局にあってなお、戦うことをやめていない者がいる。
"月下王"州来マカミ:「……ルル、ゥッ……」昼夜の境界を照らす月光の下で、獣めいて唸る。
"月下王"州来マカミ:人間の手首を吐き捨てる。乱戦の中で食いちぎった、定時制の生徒の手だった。
"月下王"州来マカミ:「まだ」捻じ曲がった狼の如き姿だが、頭上には神聖二重冠が輝いている。
"月下王"州来マカミ:「もっと、ほしい。……あの頃みたいに。もっとたくさんの、戦いが……!」
アメリア:「恐ろしいまでの……獰猛さ」
アメリア:月は、狂気の象徴とされることもある
アメリア:「”月下王”の二つ名に相応しい……ですが」
アメリア:「……もうこのキングダムは、ノヴァリスは」
アメリア:「あなたの求める、戦いの舞台ではなくなってしまったのです」
"月下王"州来マカミ:「わかるよ」
"月下王"州来マカミ:「シャジャラやバージニアが言っていたことも……正しかったって思う。だけど、本当は……グルッ、グ」
アメリア:「ならどうして!」
"月下王"州来マカミ:「混血種なんて、排斥されて当然だ」
"月下王"州来マカミ:「……もともと、ジャームや……得体の知れない神格との、混ざりものなんだ」
"月下王"州来マカミ:「いつか、誰かを傷つけたくて仕方がなくなる」
"月下王"州来マカミ:「昔ばなしの狼が、どうして、人間を食べると思う?――"鴉飼"」
"月下王"州来マカミ:攻撃の姿勢を取っている。対話に応じながらも、肉体の反応は既にそうしていない。
アメリア:「お腹が減ったから───では、ないのでしょうね」戦場に潜めていた戦闘用ドローン、その全ての嘴を、月下王に向けている
"月下王"州来マカミ:「それは、私達が」
"月下王"州来マカミ:ドローンの射線の焦点が集中しているのにも関わらず
"月下王"州来マカミ:「悪い狼だからさ!」
"月下王"州来マカミ:避けない。愚直に、正面から突破しようとする。
アメリア:「…………ッ!」その気迫に、顔を背けそうになりながら
アメリア:唇を噛み、ドローンに指示を下す
アメリア:「……照射フルファイア
"月下王"州来マカミ:あまりにも単純な正面突撃。迎撃は容易すぎた。
"月下王"州来マカミ:「ギッ」雨のような集中砲火を浴びて、地面へと叩き落される。
"月下王"州来マカミ:「……ッ、ルル、グァァァアッ!!」
アメリア:「……これ以上は、私には……」
"月下王"州来マカミ:「それ、じゃあ、グルッ、甘い……………」
"月下王"州来マカミ:さらに六本目、七本目の脚を生やし、地を掴みながら、再び戦おうとしている。
"月下王"州来マカミ:「甘いんだよ……さ、最後まで」
"月下王"州来マカミ:「やらなきゃいけないんだ。私は、そういう戦争が……」
任アルル:「まるきり分からない、とは言いません」
任アルル:くるり、くるりと槍を回す。形意五行槍においては鑽槍と呼ばれる動き。地を擦った穂先が、水飴を掬い取るように、清冽なる龍脈の気を纏った。
任アルル:「でも、これ以上アメリアを困らせるのはいただけないですね」
任アルル:燐光は生物めいて純白の槍の先端に絡み、形を変え、笹型の切っ先と一対の湾曲した刃を成した。青く輝く方天戟。背に星の営みを負う地龍の体色。もはや月なき蒼天の色。
"月下王"州来マカミ:「……任アルル」
任アルル:するりと当然のように二者の間に割り込む。「来てください、マカミ」
"月下王"州来マカミ:「うん。最後の……自分でも想像できなかったくらい、最後の力が出せると思う」
"月下王"州来マカミ:「つまらない終わりにはしたくない」
任アルル:「あなたは証明しなければならない。最後まで戦えると、自分がそうだと言うのなら」
"月下王"州来マカミ:全身を強張らせる。その攻撃軌道は素人でも先読みできるだろう。
"月下王"州来マカミ:直線。あらゆる回避も防御も突破する、直線でしかない。
"月下王"州来マカミ:だが、弓のように張り詰めたこの姿勢が解き放たれた時、
"月下王"州来マカミ:知っていたとしてもなお、対処可能であるのか――
任アルル:「……かつてそれを果たせなかった、わたしくらいは超えられるのでしょう?」
任アルル:微笑む。
"月下王"州来マカミ:こちらも笑った。獣の顔が、強く目を細めた。
"月下王"州来マカミ:―――――ジ ッ
"月下王"州来マカミ:空気に電光が走った。実際に、断熱圧縮でその現象が起きた。
"月下王"州来マカミ:一直線に突破する。
任アルル:ここまで。
任アルル:打つ策は搦め手に依っていた。“月下王”を、“血統王”を惑わし、隙を作り、あるいは技を乱した。
任アルル:“游随辰星”は拳士であり、道士である。地脈と繋がりその力を喚び出す技法は、修練者に巫としての素養を求め、純粋な鍛錬とは別の道に時を割かせる。
任アルル:ならば。しかし。そもそも何故、そのような門派が開かれたのか。
任アルル:それをこそ至強と、信じた者たちがいたからだ。
任アルル:──血と熱に染まった雷光が、舞い散る青と白の花弁に触れた。
任アルル:その箇所を起点として、雷が裂けた。
任アルル:花弁が強ければ、そのようになる。
"月下王"州来マカミ:「……ッ、カッ、……!……」
"月下王"州来マカミ:叫び声すら出ない。自らの突進の勢いで、体の半分が地面を削り、血と肉片を散らせた。
"月下王"州来マカミ:だが、たった今、それ以上に深く刻まれた負傷は――
任アルル:交錯を終えた。得物を降ろす。春の風に吹かれたように、髪と服の裾がふわりと揺れた。
"月下王"州来マカミ:「何を、ふふ、したのか」
"月下王"州来マカミ:立ち上がろうとするが、すぐに姿勢が崩れる。
"月下王"州来マカミ:腹からほとんど真っ二つに裂かれていた。
"月下王"州来マカミ:「……全然、わからなかった」
任アルル:「正面から叩き切っただけです」
任アルル:「立てますか? まだ」
"月下王"州来マカミ:「ああ、そう……」
"月下王"州来マカミ:人の姿を捨てて、狂気に落ち、遺産の最大発動まで使い切って。
"月下王"州来マカミ:なお……
"月下王"州来マカミ:「…………星みたいに」
"月下王"州来マカミ:「届かない……」崩れ落ちる。
任アルル:「…………いくら心を燃やしても。それだけじゃ得られない勝利はある」
任アルル:「死にたくなるほど悔しい思いをする前に、覚えておくといいでしょう」
任アルル:「かつてわたしも学んだことですから」
GM:エネミーが全滅しました。戦闘終了です。



GM:バックトラック!!
GM:Eロイスはゼロ!ジャームとか出てきてないし
ジェシカ・クロフォード:そ、そんな…!戻ってこれるのか…!?
アメリア:PCのうち3人が140越えてるよ~!
ジェシカ・クロフォード:最終侵蝕120 残りロイス5
ジェシカ・クロフォード:倍振り!
ジェシカ・クロフォード:120-10d10
DoubleCross : (120-10D10) → 120-41[5,2,4,10,10,3,2,1,3,1] → 79

ジェシカ・クロフォード:ただいま…
任アルル:残ロイスは5。二倍振りで
任アルル:141-10d10
DoubleCross : (141-10D10) → 141-44[2,7,9,6,9,3,1,1,4,2] → 97

ジェシカ・クロフォード:ギリ!!
任アルル:よ、よかった…………
GM:いやー怖いですね
アメリア:残りロイスは……5個!気合の倍振り
アメリア:144-10d10
DoubleCross : (144-10D10) → 144-62[9,8,4,3,3,9,7,3,6,10] → 82

アメリア:やったー!神聖二重冠の効果を使っていなかったので
GM:おお
アメリア:・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。を使用します……!
GM:ちゃっかりしてる!アメリアちゃんかわいいね
GM:沢山お食べ
アメリア:あむあむ!
七十橋シスル:141点で、残りロイスが4個!
七十橋シスル:二倍ふりします
七十橋シスル:141-8d10
DoubleCross : (141-8D10) → 141-42[7,5,9,6,2,5,7,1] → 99

GM:あっぶな!!
七十橋シスル:完全に追加振りするつもりだった
任アルル:あっそうか残ロイス4だったんだ拷問王
七十橋シスル:暗礁と月下に殺されてますからね
任アルル:恐怖……!帰ってこれて何よりです
GM:本当に良かった。次からはこんなクライマックス戦闘しないよ
GM:Dロイスは4つあります。

【Dロイス】
"月下王":遺産継承者
"暗礁王":遺産継承者
"霊樹王":遺産継承者
"羽檄王":遺産継承者

GM:これで+4点。シナリオ点+10点と、いつもの+5点で、基本点は19点。
七十橋シスル:22点だぜ~
ジェシカ・クロフォード:22点!
アメリア:22点が……3倍で66点!マジですか?
GM:ちがうよ!最終侵蝕値の経験点だから
GM:3点を3倍するの!
任アルル:こちらも22点~
アメリア:そうでした 多すぎた……
アメリア:正しくは……28点!

【経験点】
アスハルさん:22点
中村さん:22点
有限無限さん:28点
敗者Tさん:22点
GM(珪素):31点

七十橋シスル:66点w
GM:以上!ではエンディングに入っていきますね~


◆Ending◆任アルル

キングダム行政部 執務室

GM:激動の休日の幕は閉じた。"游随辰星"との協定による戦いは全日制の勝利に終わり、定時制の反乱軍も無事に鎮圧された。
GM:それでもまだ、"不夜王"には無数の仕事が残っている。
GM:神聖二重冠を発動し、個人ではあり得ない規模の戦略を動かしてなお、この日も深夜まで仕事をしている。
GM:この行政部の光は、決して絶えることはないのだ。
ジェシカ・クロフォード:人気のない執務室に硬質な鉛筆の音が間断なく響いている。
ジェシカ・クロフォード:至上王のささやかな休日は予想を大きく超える混沌をキングダムへと齎した。
ジェシカ・クロフォード:今回の反乱の戦後処理を始めとする様々な雑務。
ジェシカ・クロフォード:それとは関係なく訪れ続ける日常業務。
ジェシカ・クロフォード:或いは一つの国家にすら匹敵するかもしれないそれらの雑務を
ジェシカ・クロフォード:全てを自らの手で裁量出来るのが、不夜王が円卓の二席に座している理由である。
任アルル:コンコン。
任アルル:整然たる筆記の音を、戸の向こうから転がり込んだノックが乱す。
ジェシカ・クロフォード:「入りたまえ」
ジェシカ・クロフォード:視線は落としたまま返事をする
任アルル:「失礼しまぁす」
任アルル:秘書めいてきびきびとした入室。それに相反する甘ったるい声。遊女の如き薄衣姿。
任アルル:片手にはなぜか、湯気を立てる茶器を載せた盆を持っている。
任アルル:「お疲れ様です、不夜王」
任アルル:「でも、そろそろ休憩した方がいーですよ」
ジェシカ・クロフォード:「これは、驚いたな。」
ジェシカ・クロフォード:「君が訪れるのは夜が明けてからになると予想していた」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌そうな目が君を見つめる
任アルル:「あなたが寝ていれば、そーしたかも」
任アルル:勝手に小卓と椅子を引き出してきて、対面して一服できる場を整える。
ジェシカ・クロフォード:「出来ることならそうしたいものだがね。」
ジェシカ・クロフォード:執務を続けたまま君に言葉を返す
ジェシカ・クロフォード:任アルルの奔放な振る舞いを咎めることはない。
任アルル:持参した椀にそれぞれ茶を注ぐ。キングダムのものとは異なる緑色のそれが、薬草のような癖のある香りを室内に漂わせる。
任アルル:「どーせ起きてるんなら、わたしとの約束を果たすのも仕事のうちでしょう?」
任アルル:「そのついでに休憩したって構わないはずです……」
任アルル:「それともまさか、わたしの相手なんて片手間で充分だなんて、冷たいことを言うのでしょうか」
任アルル:わざとらしく悲しげな顔を作って見つめる。
ジェシカ・クロフォード:「そうだな。」
ジェシカ・クロフォード:「君は我々に対して出来得る限りの誠意を示してくれた。」
ジェシカ・クロフォード:「ならば、私も相応の礼を持って応じなければ礼を失するというもの」
ジェシカ・クロフォード:硬質な鉛筆の音が止まる
任アルル:「ええ。その場の勢いで約定を反故にするいい加減な崑崙生だって、不本意ながら少なくはありません」
任アルル:「わたし自身、自分がそちら側じゃないとは思いませんでした。それくらい、代価が魅力的だった」
ジェシカ・クロフォード:「あれを魅力的と感じるのは」
ジェシカ・クロフォード:「君たちぐらいなものだよ。”崑崙五星君"」
ジェシカ・クロフォード:出された茶に手を伸ばす。
ジェシカ・クロフォード:或いは、これが紅茶でなかったことも
ジェシカ・クロフォード:友を偲ばせまいとする彼女なりの気遣いなのだろうか、という益体も無い思考が脳裏をよぎる
任アルル:飲めば、えぐみのある薬草の香りがつんと鼻に抜ける。
ジェシカ・クロフォード:「奇妙な味だ。」
ジェシカ・クロフォード:「崑崙ではこのような茶が好まれているのか?」
ジェシカ・クロフォード:やや苦み走った顔でそう言う。ただし、もともとの鋭い目つきと不機嫌さを演出する眉間の皺のせいであまり変化はわからない。
任アルル:「いえ、全然」
任アルル:「ですけど、ろくな医者も薬もありませんからね。そーいう物の作り方は、誰もが心得ているのです」
任アルル:「疲労によく効く、崑崙山の粗野な茶のお味はいかが?」
ジェシカ・クロフォード:「また親切なことだ。」
ジェシカ・クロフォード:もう一度杯に口をつけて、それを盆に戻した。一息に飲むには舌が慣れていない。
ジェシカ・クロフォード:「君の目から見て
ジェシカ・クロフォード:「我が学院の王たちの力はどう映った?」
任アルル:「それはもう、魅力的の一言です」
任アルル:「シスルの強さは知ってましたけど……マカミはとっても頑張っていましたし、他の子たちだって自分の得手をよく分かっていた」
ジェシカ・クロフォード:「それはなによりだ。」
任アルル:「いっそサラスだけじゃなく、みんな崑崙山に来てくれないでしょうか」
ジェシカ・クロフォード:眼の前の女に魅力を感じられることの危険さを重々承知しながらそう返した
ジェシカ・クロフォード:「無茶を言わないでくれ」
任アルル:「わかってますー」子供のように頬を膨らませて。
任アルル:自分でも茶を一口飲む。
任アルル:「美味しくない……」
ジェシカ・クロフォード:「私は言わなかったぞ。」
ジェシカ・クロフォード:コホン…と咳を切る
任アルル:「やっぱり語らいの場には向かないですね。ウタタの言うこともちょっと分かるかも」
任アルル:くたりと上体を卓に凭せかける。天板に垂れ落ちた髪が幾筋かの川を描き出す。
任アルル:「お口直しにキングダムのお茶が欲しーなぁ」上目遣い。
ジェシカ・クロフォード:「そういうだろうと思っていた。」
”頭の無い蛇"A:《原初の赤:天性のひらめき》 芸術:紅茶
”頭の無い蛇"A:8dx7
DoubleCross : (8DX7) → 10[1,3,4,7,8,9,10,10]+10[2,3,6,6,7]+5[5] → 25

”頭の無い蛇"A:これと言った特徴のない生徒が君の前に紅茶を差し出す
ジェシカ・クロフォード:「本来であれば、茶菓子もつけるべきなのだろうが。」
ジェシカ・クロフォード:「時間も時間だ。糖分を取りすぎるのもよくないだろう。」
任アルル:「好喝~」
任アルル:紅茶を飲んで相好を崩す。
ジェシカ・クロフォード:「味はどうだ?」
任アルル:「文句ありません。流石ジェシカです」
任アルル:「あなたはぜったい糖分とかを気にする段階じゃないって思いますけど」
ジェシカ・クロフォード:「君の身体を気遣っているのだよ。」
ジェシカ・クロフォード:と言って自分は緑の茶に手を付ける。
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「私が、こうして君に褒めてもらえる紅茶を淹れられるのも。」
ジェシカ・クロフォード:「君が諸王らに魅力を感じることも。」
ジェシカ・クロフォード:「一つの共通する理由がある。それが何かわかるか?」
任アルル:「なんでしょう」カップを持ったまま首を傾げる。「力があるから?」
ジェシカ・クロフォード:「正解だ。そしてその力の拠り所が」
ジェシカ・クロフォード:左手で、上着のボタンを3つほど外し。
ジェシカ・クロフォード:その下にある白い肌を曝け出す。
任アルル:「わ」明らかに隙間だらけの両手で目を覆う。
ジェシカ・クロフォード:「”これ"だ」
ジェシカ・クロフォード:透き通るような肌に影を彫り込んだかのように黒い刺青がある。
ジェシカ・クロフォード:”頭の無い蛇"、不夜王を不夜王足らしめている王鍵。
任アルル:「触ってみてもいーですか?」
ジェシカ・クロフォード:「断る。」
任アルル:「残念……」
ジェシカ・クロフォード:「最も、私がイエスと言っても、こいつが嫌がるだろうが。」
ジェシカ・クロフォード:そしてその刺青がまるで意思を持つかのように、任アルルの視線から逃げ、不夜王の服の奥に隠れていった。
任アルル:「奥手な子なのですね」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌な顔をしたまま、開けたボタンを戻す。
ジェシカ・クロフォード:「私に似たのだろうな。」
ジェシカ・クロフォード:冗談か本気なのかわからない口調。
ジェシカ・クロフォード:「私達の力の根源の多くは"遺産"だ。
任アルル:「……」
ジェシカ・クロフォード:「君たちのように自らの力を鍛え上げ、天の頂きを目指すのではなく。」
ジェシカ・クロフォード:「天より与えられた力で地を圧するのが我々の在り方だ。」
ジェシカ・クロフォード:「そして、ノヴァリスの何よりも天に愛されている故に」
ジェシカ・クロフォード:「我々は強い」
任アルル:「理解できます。好きな考え方ではないですけど」
ジェシカ・クロフォード:「そして、だ。」
ジェシカ・クロフォード:「天より与えられた力を、我ら地に住まう者が振るうだけで」
ジェシカ・クロフォード:「これほどの権能が得られるのだ。」
ジェシカ・クロフォード:「もし」
ジェシカ・クロフォード:「天に棲喰うものが地に降りてその力を振るったとしたら。」
ジェシカ・クロフォード:「どうなると思う?」
ジェシカ・クロフォード:任アルルなら気付くだろう。ジェシカ・クロフォードの言う"天"。
ジェシカ・クロフォード:それが指し示すものが、無数の王鍵候補遺産を収蔵する重要施設『鴉の塔(レイヴンタワー)』であると。
ジェシカ・クロフォード:『鴉の塔(レイヴンタワー)』は平時は固く閉ざされ、内部の観覧すら不可能である重要管理施設だ。
ジェシカ・クロフォード:それが開放されたのは、キングダムの歴史においてただ一度
ジェシカ・クロフォード:『八月革命』の時をおいて他にない。
任アルル:「…………」
任アルル:「喩え話のはずでしたね」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、そうだ。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、私はこの話が君の報酬となる価値があると確信している。」
任アルル:「王権を至上の存在が与えるなどという話は、畢竟、権威の理由付けのためのものに過ぎない」
任アルル:「王の力は確かに有るとしても、それを授ける天の意志などはただ空想の中だけのもの」
ジェシカ・クロフォード:「そうだな。王権は神が人民に与えるものであるという考えは、市民革命と共に否定された」
任アルル:喩え話から、喩えでしかない部分を削ぎ落すならば。
任アルル:「もしも」
任アルル:「恥ずかしがり屋のあなたの刺青が、わたしたちみたいに生きていたら」
ジェシカ・クロフォード:茶で唇を湿らせ、君の言葉を待っている
任アルル:「果たしてどうなるとあなたは思うんですか?」
ジェシカ・クロフォード:「質問をしたのは私のはずだがな。」
ジェシカ・クロフォード:眉間に深いシワを寄せた、鋭い目つきを保ったまま
ジェシカ・クロフォード:口元だけで苦笑して。
ジェシカ・クロフォード:数瞬の間を置いて、こう応えた
ジェシカ・クロフォード:「苦しむのだと思う。」
ジェシカ・クロフォード:「人としての意思と、己の魂に刻まれた権能の狭間で。」
ジェシカ・クロフォード:「そしてその懊悩は、凡百の人間であればその個人の胸に仕舞えるものであろうが。」
ジェシカ・クロフォード:「それが人の理の外にある者によるものであるのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「天災となり、周囲に降り注ぐのだろう。」
ジェシカ・クロフォード:まるで予測ではなく、"知っている"ことであるかのような口振り。任アルルはそう思ってもいい。
任アルル:「成程」
任アルル:「わたしの解答はこうです」
任アルル:「やっぱり天の住人そんなものなんて存在しない。なぜなら」
任アルル:「わたしがそれを否定するから」
ジェシカ・クロフォード:「…………」
ジェシカ・クロフォード:「ふふ」
ジェシカ・クロフォード:「くははははは」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど、素敵な答えだ。」
ジェシカ・クロフォード:「或いは、君にならそれも能うかもしれんな。」
任アルル:「採点はお任せします」
任アルル:「だからその時まで、斃れたりしないでくださいね」
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:「以前から不思議に思っていたんだが。」
ジェシカ・クロフォード:「私は、そんなに今にも斃れそうに見えるのか?」
任アルル:「……」
任アルル:「わたしが手出しを躊躇うくらいには」
ジェシカ・クロフォード:「よっぽどだな」
任アルル:頷いて紅茶を啜る。
ジェシカ・クロフォード:そう言って、コトリ、と空になった杯を盆に戻した。
ジェシカ・クロフォード:不夜王の視線は机へ落ち、執務室に再び硬質な鉛筆の音が響き始める。
任アルル:そうして干したカップを、こちらも同じく卓に戻して。
任アルル:「美味しいお茶をありがとうございました」
ジェシカ・クロフォード:「こちらこそ」
ジェシカ・クロフォード:「あとで銘柄を教えてくれ。崑崙に発注するよう伝達しておく。」
任アルル:「本気で言ってます?」
ジェシカ・クロフォード:「商談について冗談は言わん」
任アルル:「……。ほんとーに、倒れないでくださいね」
任アルル:じとりとした目で不夜王を睨んで。
任アルル:「まあ、いーでしょう。折角条約も結んだんですし」
任アルル:「今後ともよろしく、ということで」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、また会おう。」
任アルル:最後に小さく微笑んで、持ってきた茶器と共に窓をすり抜けて消える。
任アルル:癖のある茶の香りは消えて、いつかと同じように桃の芳香が残った。

崑崙山中等専門学校 僻地

GM:山。川。雲。そして空。
GM:一時の休日を終えて、任アルルはこの学校へと戻ってきた。
GM:風の如く気ままに、夜のように謎めく"五星君"は、再び日常を送ることだろう。
任アルル:星がよく見える。
任アルル:彼女の威光の及ばぬ土地だからだろうか、などと、彼の学区を去る前に会った相手のことを思った。
任アルル:密やかな夜。目の前には、白糸を束ねたように流れて落ちる小さな滝壺。
任アルル:背後には──
任アルル:下から虎、崑崙生、熊、崑崙生、狼、狼、狼、崑崙生の順で積み上げた名状しがたいタワー型の何か。
任アルル:ぱんぱん、と手に付いた埃を払う。
任アルル:「……ううん」
任アルル:綺麗になった指先を唇に添えて。
任アルル:「さすがにあの戦いの後だとちょっと物足りない……」
長持サラス:「ま……またそんなことしてる……」木の陰から凄惨な光景を見て、縮み上がっている。
長持サラス:「やめなよ……」
長持サラス:長持サラス。かつてはキングダム定時制で"羽檄王"を名乗っていたが
長持サラス:任アルルの推薦により、この崑崙山へと籍を移した。そして今やそれを後悔している。
任アルル:そちらを振り向く。
任アルル:にこっと笑う。
長持サラス:「ぴっ」
任アルル:「ちょーどいいところに」
任アルル:「どうですか? 崑崙山は」
任アルル:「心臓食べてます?」
任アルル:言いながら何気ない歩みで距離を詰めている。
長持サラス:「うう……」
長持サラス:「ここの生徒、弱そーなのを食べようとしても」
長持サラス:「なんか分からないけど、みんな強くて」
長持サラス:「心臓とか目玉を食べるどころじゃないよっ!近づいてこないで!」
任アルル:不意にその姿がぶれて消える。
任アルル:「えいっ」
長持サラス:「ワ……!」
任アルル:転瞬、滑らかで温かなものに包み込まれる感触が羽檄王を襲う。抵抗を許す間もなく抱きついている。
任アルル:「それは残念でしたねぇ」
長持サラス:「や、やだあっ」じたばたともがくが、そうなることも薄々分かっていたのだろう。
長持サラス:「知ってるもん!こういうのって外の世界だとセクハラっていうんでしょ!」
任アルル:「それが何か?」
長持サラス:「な、何かって」
長持サラス:「ううー」
長持サラス:「よくないのっ」
任アルル:「良い悪いも許すも許されぬも、ここでは強い者が決めるのです。そーいう学区ですから」頬擦りをする。
任アルル:「だからあなたももっともっと鍛えないと」
任アルル:「頑張って何でも食べられるようになりましょう」
長持サラス:「えっ、えっ」
長持サラス:「いやだ~!獣なんて王様は食べないもん。人間がいいの」
任アルル:「あらあら。でもこのままだと、王様どころかペットにされてしまいそーです」
任アルル:「弱い者は種族も選べない。あなたがかわいーのもいけないんですけど」
長持サラス:「ふわ、はわぁ……」
任アルル:横暴極まることを言いながら頭を撫でている。
任アルル:「いーですよ。食べたければ食べても」囁く。
任アルル:「でもその前に」
任アルル:「まずは自分がヒトにならないと……なれるでしょうか」
長持サラス:「?」
長持サラス:「アルルは人じゃないの?」不思議そうに上目で見る。
任アルル:「わたしは王様です」
任アルル:「でもあなたがわたしを蹴落とせば、ただの人間ですね」
任アルル:「入れ替わりで王様になったあなたが、わたしを食べることもできる、かも」
長持サラス:「……王様だって人だよ」ぽつりと呟く。
長持サラス:「混血種だって、人なの。シャジャラが言ってた」
長持サラス:「だから、本当は」
長持サラス:「全日制が定時制を下に見たり、王様がそれ以外の人を見下ろすのって……」
長持サラス:「……おかしなことなんだって」
任アルル:「……」
任アルル:意外そうに腕の中の少女を見る。
任アルル:「なのに、人間を食べたいのですか?」
長持サラス:「うん」
長持サラス:「強い人が弱い人を食べるのなら、なにもおかしくないでしょ?」
任アルル:「…………」
任アルル:「王様は、確かに他の人を下に見るかもしれませんけれど」
任アルル:「──。いや」
任アルル:「ちょっと真面目な話をしようと思ったのですが、やめます」
長持サラス:「えっ、ええっ」
長持サラス:困惑する。
任アルル:「やっぱり少し調子が狂うんですよね……他所の学区に行くと。毒されるというか」
任アルル:ぎゅっと少女を抱きしめ直す。
長持サラス:「や、やだやだ!」
任アルル:「なんで?」
任アルル:「強いわたしが弱いあなたを好き放題にしてしまっても、何もおかしくはないですよね」
長持サラス:「ヒ~ッ」
任アルル:「せっかくこんなにかわいー子をお迎えできたんですから、たっぷり可愛がってあげないと」
任アルル:「心臓でも目玉でも食べられるくらい強くなるまでは、逃がしたりしてあげません」
長持サラス:「そんな~~……!」弱々しい後悔の叫びも、広大な崑崙山の自然には虚しく響くだけだ。
任アルル:くすくすと笑う。
任アルル:……ふたつ、確かめた事実がある。
任アルル:未だ消えていない星があったこと。それは希望だった。そして。
任アルル:そも──今のような振る舞いは、きっとかつての自分が見たら、到底受け入れ難く思うのだろうけれど。
任アルル:憎まずに星を見上げることができるのは、塞翁が馬と言うべきか、こうしてみて視野が広がったゆえのことでもあるし……
任アルル:あとは単純に、楽しい。
任アルル:「夜は、まだまだ長いですから」
任アルル:「星だってまだまだ空にいる」
任アルル:「たっぷり遊びながら、強くなりましょーね」
長持サラス:「いやだぁ~~」
任アルル:柔和な微笑を浮かべ、しかし有無を言わさず、有翼の少女の肌に手を這わせた。


◆Ending◆アメリア・シュミット

キングダム定時制 中枢校舎

GM:あの血統政変から、数日の時が経った。
GM:定時制を統べる"血統王"による反逆事件。それ自体はキングダムの生徒達にとって、大きなニュースであったが
GM:事件の規模はごく小さなもので、生徒達への生活への影響はほとんどないように思える。
GM:円卓の席を狙った"血統王"が、王鍵候補遺産を強奪。配下の生徒を扇動し反逆を起こそうとしたものの――
GM:全日制・定時制の王達からなる連合軍に、未然に鎮圧、、、、、された。そのように報道されている。
GM:近く、定時制の貢献者数名には恩賞が与えられる。これまで以上に密接な、全日制と定時制の交流施策が図られるのだという。
GM:何も知らない生徒達にとっては、素晴らしいことだった。
GM:そして今。いくつかの事件の事後処理を終えて、アメリア・シュミットは定時制の校舎を訪れていた。
定時制生徒:「"鴉飼"様。お待ちしておりました。応接室へどうぞ」
アメリア:「ふふ、ありがとうございます」
アメリア:案内されるままに、応接室へ向かう
アメリア:戦闘で傷ついてしまった車椅子の修復も終わり、滑らかな走りだ
GM:応接室の長机は、客側の椅子を一つ取り払っている。車椅子のアメリアを迎えるためだった。
GM:向かいの椅子には、黒いスーツの女が座っている。口元を覆う呼吸補助具は、陸上で活動するためのものだ。
"暗礁王"サルガッサム:「……御機嫌よう。"鴉飼"」
"暗礁王"サルガッサム:いつものように、陰鬱に呟く。
アメリア:「暗礁王、ご機嫌麗しゅう」対照的に、明るい笑顔で
"暗礁王"サルガッサム:「正直に言って……どうしてこうなったのか、私にはわからない」
"暗礁王"サルガッサム:「あれだけの事件を起こした以上、少なくとも私はキングダムを追放されているはずだった」
"暗礁王"サルガッサム:「君は何か知っているのか?」
アメリア:「……言っちゃダメと言われているのですが、どうしましょう」
"暗礁王"サルガッサム:「無理に言う必要はない」
アメリア:「では、お口にチャックで……でも」
アメリア:「定時制の王に、あなたに」
アメリア:「まだ、キングダムに居て欲しいという思いによるものだというのは……」
アメリア:「私も、その思いを持っているというのは、伝えさせてほしい……です」
"暗礁王"サルガッサム:「……私を救ったところで、得をする人間はいないさ」
"暗礁王"サルガッサム:「無償の善意には期待しないようにしている。だが……そうだな」
"暗礁王"サルガッサム:「単に、そういう幸運が……私にも起こったのだと」
"暗礁王"サルガッサム:「……そう信じてみても、いいのかもしれない」
アメリア:「……もう」少しだけ、呆れたように
アメリア:「…………私は」
アメリア:「キングダム中の様々な出来事を、見て、聞くことができます」
アメリア:「でも、言葉にされず、胸に秘めた思いまでは……知ることが叶いません」
アメリア:「だから、あなたたちにこんな反乱を……起こさせてしまった」
アメリア:「もっと前から、勇気を出して、定時制ここに、私自身が来ていれば」
アメリア:「もっと早く、その思いに気付けたんじゃないか……って」
アメリア:「だから……ごめんなさい」深く頭を下げる
"暗礁王"サルガッサム:「見えていてなお、どうにもできないことの辛さは分かっている」
"暗礁王"サルガッサム:「君を責めるつもりはないし……それに、これからも広い世界を見続ける限り」
"暗礁王"サルガッサム:「一度ならず何度でも、君は同じようなものを見ることになるだろう」
"暗礁王"サルガッサム:「目を閉ざしてしまいたいとは思わないのか?」
アメリア:「辛いことより、楽しいことの方が多いです」
アメリア:「このキングダムは、そうだって思ってますから……そう、信じたいから」
アメリア:「私は目を逸らしたく、ないです」
"暗礁王"サルガッサム:「……多分、それが本当の世界なんだろうな」
"暗礁王"サルガッサム:「私が、私一人の頭の中で思い描いているような世界よりも……」
"暗礁王"サルガッサム:「……君は実際に、全てを見ているのだから」
"暗礁王"サルガッサム:「希望だって、どこかにあるような気がする。幸せなものを見られるよう祈るよ」
アメリア:「……はいっ」僅かに浮かんだ涙を拭いながら
アメリア:「……ということで早速、幸せな姿を見させていただきます」
"暗礁王"サルガッサム:「……く」少し、呼吸補助具の奥で笑ったように思える。
アメリア:てきぱきと用意を始め、あっと言う間にティータイムのセットが机の上に
アメリア:「しましょう!お茶会!まずは2人っきりで!」
"暗礁王"サルガッサム:小さく頷く。「……トレジャーハンター部の活動方針を転換したんだ」
アメリア:「ほう?」
"暗礁王"サルガッサム:「従来の活動に加えて……川を伝って定時制と全日制を行き来する、メッセンジャーの活動を増やしはじめている」
"暗礁王"サルガッサム:「私達が憎み合うのは、互いを知らないからだ。君を見れば、それがよく分かる」
アメリア:「来て下さるんですか?全日制の方にも!?」
"暗礁王"サルガッサム:「……ああ」
アメリア:きゃっ、きゃっ、と口にしていないのに聞こえてきそうな表情をしている
アメリア:「嬉しいな~、嬉しいです、嬉しい!」
"暗礁王"サルガッサム:「……ふふ」目を閉じる。
"暗礁王"サルガッサム:「ところでストローは持参していないか?呼吸補助具に差し込んで飲まなければ――」
アメリア:「もちろん!紅茶用のものをプロンプトさんに用意してもらいましたので───」
アメリア:暗礁王のマスクの下は分からないが
アメリア:こうして目の前で見ていれば、きっと笑っているのだろうと、分かる
アメリア:ただそれだけで、アメリアの胸の中に、また温かな気持ちが生まれたのだった


◆Ending◆ジェシカ・クロフォード

キングダム行政部 執務室

GM:血統政変とそれに伴う膨大な事後処理を経て、ジェシカ・クロフォードにもある程度の日常が戻りつつある。
GM:もっともその日常とは、一国に相当する政策決定や事務処理の大半をこなし続けるという、到底安息とは程遠いものではあったが。
GM:故に通常、彼女自身が直接通話を受け取るようなことはない――あるとすれば、諸王からの直訴である。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈……突然のご連絡を失礼します。"不夜王"〉
ジェシカ・クロフォード:「"霊樹王"か」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:定時制で最も過激な思想を持つニンフの王。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:その態度は常に丁寧で落ち着き払ったものだったが……今は、声色の裏に隠しきれない感情の色が見える。
ジェシカ・クロフォード:「先の政変においての卿の功績は多大なものだった。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈…………〉
ジェシカ・クロフォード:「円卓を代表し謝辞を申し上げる。」
ジェシカ・クロフォード:「そして、今はその功績に報いるための恩賞を用意しているところだ。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈白々しいことを……!〉
ジェシカ・クロフォード:「明後日には正式に公表を…」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈六壬との戦争すら……実際には、起きていなかった。あなたはキングダムの行政能力を私物化し、虚偽によって民を惑わした〉
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈決起の日に私達の周辺で起こった暴動も、あなたが仕組んだことなのですか?〉
ジェシカ・クロフォード:「"霊樹王"、卿は定時制の筆頭たる王となるものだ。」
ジェシカ・クロフォード:「憶測で物事を語るのはやめたほうがいい。」「それとも、卿は己の言説が正しいと証明する何か確たる証でも持っているのか?」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈私は……権力を欲してこんなことをしたわけではない!〉
ジェシカ・クロフォード:「そうかもしれないな。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、人が常に自分の欲したもののみを手に入れられるとは限らない。」
ジェシカ・クロフォード:「そのぐらいのことは、卿も重々承知しているだろう。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈……ッ〉歯噛みする音が聞こえてくるかのようだった。
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:事実、今の"霊樹王”にはもはや何もできない。決起の機会を逸し、定時制の筆頭として栄転を与えられ
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:キングダムの目を逃れて反逆の準備をすることもできなくなった。
ジェシカ・クロフォード:「これから、定時制と全日制の交流が増えていくだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「それにより、両者の誤解と格差が埋まっていくよう私も尽力するつもりだ。」
ジェシカ・クロフォード:「卿もそれに協力してくれると助かる。」
ジェシカ・クロフォード:「定時制の視点をもつ円卓われわれのブレーンとしてな。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ええ……ええ。認めましょう。私は敗北した。あなたの言う通りにする他ないのかもしれません」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「ならば、あなたにも、お認めいただきましょう――」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「私だけではない。このキングダムのどこにでも……"不夜王"」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「あなたを恨む者は、どこにでもいる」
ジェシカ・クロフォード:「当然だ。」
ジェシカ・クロフォード:「"為政者"が恨みを買わぬ世界など、健全とは言えないからな。」
ジェシカ・クロフォード:「憎いのなら恨めばいい。それで足りぬのなら行動を起こせばいい。」
ジェシカ・クロフォード:「それがテロル以外の手段を持ってのことであれば、私も正々堂々立ち向かおう。」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「……。夜毎に……内に刃が詰まった枕を、頭に敷くかの如く」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:「あなたが悪夢に魘されることを願いますよ」
ジェシカ・クロフォード:「それは、楽しみだな。」
ジェシカ・クロフォード:「次に目を瞑る時を心待ちにしているよ。」

キングダム学区 本校舎『白宮ホワイトホール

GM:"霊樹王"は、空席となった番外第十七席への昇進となる。
GM:"血統王"が蜂起と同時刻に起こした暴動を、救伐騎士団とともに制圧。その功は非常に大であると認められた。
GM:定時制の代表として、全日制への栄転、、が待っているだろう。
GM:"暗礁王"は、"拷問王"らとともに"血統王"の鎮圧に活躍した。その功に応え、トレジャーハンター部の活動範囲の加増が認められている。
GM:"羽檄王"は崑崙山中等専門学校への転籍となった。血統政変による功を認められるも、本人が恩賞を辞したのだという。
GM:"安臥王"はこの反乱において、最初から無関係な人間であったことになった。これまで通りの生活を続けていくのだろう。
GM:"月下王"もまた、"血統王"鎮圧において"暗礁王"と同等の功を認められるも――現在消息不明である。円卓議会は、その行方を捜索中。
GM:"血統王"に扇動された生徒は、"不夜王"の働きにより政治的非難から庇護されることだろう。
GM:この血統政変は、あくまで野心に逸った"血統王"個人の暴走であり、その行動に従わざるを得なかった配下に責任を問うことはできない。
GM:一歩間違えればキングダムを二分する紛争に発展しかねなかった血統政変は、そのように収めることができるだろう。
GM:"暗礁王"がそうであったように、少しずつ、定時制の状況も良くなっていくのかもしれない。
GM:それを"至上王"に認めさせることさえできれば。
ルキア・ティベリア:「ジェシカ」
ジェシカ・クロフォード:「は」
ルキア・ティベリア:白い階段の上から、なお白い影が、ジェシカを見下ろしている。
ルキア・ティベリア:"至上王"はこの日、"拷問王"との休日の最中に暴走してから、初めて人前に姿を表した。
ルキア・ティベリア:「――あなたの目は節穴なの?」
ジェシカ・クロフォード:「と、申しますと。」
ジェシカ・クロフォード:白い大理石の敷かれた床に膝を付けたまま返事をする
ルキア・ティベリア:「とぼけないで?」
ジェシカ・クロフォード:視線は床へと落としているにも関わらず、その重圧が首へと深くのしかかる。
ルキア・ティベリア:「"血統王"は全日制に反旗を翻した。"月下王"も、"暗礁王"も……」
ルキア・ティベリア:「"霊樹王"とも"羽檄王"とも共謀して。みんな、私達の敵だった」
ルキア・ティベリア:「崑崙山の"游随辰星"とも手を組んで」
ルキア・ティベリア:「キングダムを攻め落とそうとした」
ジェシカ・クロフォード:「お言葉ですが」
ジェシカ・クロフォード:「件の変事に対する細やかな調査に対してものはともかく。」
ジェシカ・クロフォード:「血統王との決戦の場における報告書は」
ジェシカ・クロフォード:「崑崙山中等専門学校、そして遺産管理委員会より提出されたものも含まれております。」
ジェシカ・クロフォード:「他のものならともかく、それらを偽造する権限も能力も私は持ち合わせておりません。」
ジェシカ・クロフォード:「そして私の調査はそれらの報告書を基盤として作成したものです。」
ジェシカ・クロフォード:「至上王に拝見いただいた内容につきましては、一切の矛盾はない、、、、、、、、と私は断言致します。」
ルキア・ティベリア:「どうして崑崙山の"游随辰星"が偶然あの場にいたの?」
ルキア・ティベリア:「どうして"月下王"と"羽檄王"はキングダムから逃げているの?」
ルキア・ティベリア:「どうして"血統王"の討伐に"拷問王"なんかを向かわせたの?」
ルキア・ティベリア:ジェシカは気付くかもしれない。
ルキア・ティベリア:頭が、先程からずっと
ルキア・ティベリア下がり続けている、、、、、、、、
ルキア・ティベリア:もう、意識して力を込めなければ座り続けていられないようになっている。
ルキア・ティベリア:「それは」
ジェシカ・クロフォード:舌の根が乾く。喉が震える。
ルキア・ティベリア:「あなたが」
ルキア・ティベリア:「嘘をついているから」
ジェシカ・クロフォード:それ以上に、恐怖に身体が縛られている
ルキア・ティベリア:「"鴉飼"と"游随辰星"。それに」
ルキア・ティベリア:「"拷問王"とも共謀して、私を騙そうとしている」
ジェシカ・クロフォード:わかる。眼の前の少女は全て見抜いている。
ジェシカ・クロフォード:見抜いた上で、私を試している。
ルキア・ティベリア:「ジェシカ。ジェシカ・クロフォード」
ルキア・ティベリア:「あなたに、何もやましいことが」
ルキア・ティベリア:重圧がさらに強まる。土下座を強いるが如き『重さ』だった。
ルキア・ティベリア:「ないというなら」
ジェシカ・クロフォード:「……!」
ルキア・ティベリア:「血統政変に居合わせた、全員の首をはねて」
ルキア・ティベリア:「全員、永久追放しなさい」
ジェシカ・クロフォード:思わず
ジェシカ・クロフォード:頭を下げて、その言葉に従いたくなった。
ジェシカ・クロフォード:信念も、誓約も、己の根幹さえもあっさり吹き飛んでしまいそうな圧倒的な圧力。
ジェシカ・クロフォード:その暴風に身を任せてしまえば、どれほど楽になれるのか。そのことを思考するまでも理解できた。
ジェシカ・クロフォード:だが、
ジェシカ・クロフォード:「それは、出来かねます。」
ジェシカ・クロフォード:必死に言葉を作り出す。敬意を示すために膝を折ることがあっても
ジェシカ・クロフォード:王としての矜持を捨て、額を床につけることは自分には許されないのだから。
GM:必死で、額を付けぬように耐える。その間にも
GM:腰が、肘が、あるいは肩が、凄まじい重圧で押し付けられるように
GM:加速度的に、重さを増していく。
ルキア・ティベリア:「――処刑!」
ジェシカ・クロフォード:「至上王!」
ルキア・ティベリア:「全員!!」
ルキア・ティベリア:「処刑!!」
ルキア・ティベリア:「するのっ!!」
ジェシカ・クロフォード:「卿は何に対して怒りを向けている!」
ジェシカ・クロフォード:「あえて反乱を起こさせ、当事者を厳罰に処し、反乱に参加しなかった者には慈悲を与えると決めたのは貴方だ。」
ジェシカ・クロフォード:「そしてその策を実行までの指針は私に一存させると託したのも貴方だ」
ジェシカ・クロフォード:「結果、反乱は勃発し、"血統王"は罪を被りこれより罰が与えられる。」
ジェシカ・クロフォード:「そうまで思い通りになった上で、何に対し不満があるのか。」
ジェシカ・クロフォード:「その怒りの根源が、もし今回の件と別の場所にあるというのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「それは、王としての振る舞いではない。」
ジェシカ・クロフォード:「”円卓の第二席"は、王でないモノに従う者ではない。」
ルキア・ティベリア:「シスルは嘘をついている」
ルキア・ティベリア:「ジェシカは私を騙している」
ルキア・ティベリア:カツ カツ
ルキア・ティベリア:今や、ジェシカが周囲を把握する術は、音だけだ。
ルキア・ティベリア:ルキアの細い靴が、階段を一段ずつ降りていく音だけがある。ジェシカの伏す床へと。
ルキア・ティベリア:「――みんな、私のことが嫌い」
ルキア・ティベリア:「だから。私も」
ルキア・ティベリア:「みんなのことが嫌い」
ジェシカ・クロフォード:「ならば、本心を申し上げる。」
ジェシカ・クロフォード:首筋に、冷ややかな刃が突きつけられたような恐怖がある。
ジェシカ・クロフォード:「キングダムに、これ以上の流血は不要です。」
ジェシカ・クロフォード:「どうか、至上王の慈悲を持って彼女らを助けていただきたい。」
ジェシカ・クロフォード:「それを、赦してくれたのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「私は、貴方のことを少しだけ好きになれる。」
ルキア・ティベリア:カツ。
ルキア・ティベリア:ジェシカのすぐ隣で、靴音が止まる。
ジェシカ・クロフォード:床に、雫が落ちる音がした。
ルキア・ティベリア:首筋に刃が当てられたような感覚がある――否。
ルキア・ティベリア:それは錯覚ではない。恐るべき重圧のために、五感も狂わされつつあるが。
ジェシカ・クロフォード:自分を冷や汗を書いていることに、その時初めて気づいた
ルキア・ティベリア:現実に、ジェシカの首筋に、長剣の刃が当たっている。
ルキア・ティベリア:「ジェシカ。何も知らないのね」
ルキア・ティベリア:「私は」
ジェシカ・クロフォード:「……」
ルキア・ティベリア:「好きになってもらいたくなんかない」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:カツ  カツ
ルキア・ティベリア:そのまま、足音は通り過ぎていった。
ルキア・ティベリア:悪夢めいた重力も、まるで悪夢であったかのように消えていた。
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:重力が消えても尚、全身が強張っているのがわかる。
ジェシカ・クロフォード:「好きになってもらいたくなんかない…か」
ジェシカ・クロフォード:それも王の姿としては正しいのだろう。
ジェシカ・クロフォード:王とは孤独なものだ。如何なるものも、その隣に立つことは許されない。
ジェシカ・クロフォード:なれば、誰も愛することなく誰にも愛されなく君臨するのも間違ってはいない。
ジェシカ・クロフォード:だが、それならば何故。
ジェシカ・クロフォード:「貴方は、敵意を繋がりとして求めるのだ。」
ジェシカ・クロフォード:孤独であることを貫くのなら、それすら不要のものではないか。
ジェシカ・クロフォード:「私は──」
ジェシカ・クロフォード:主の居なくなった至尊の席に
ジェシカ・クロフォード:一人、何かを呟いて
ジェシカ・クロフォード:”不夜王"は、謁見の場から立ち去った
GM:――その後、定時制の王達の処分は全て、"不夜王"が提出した案の通りに執り行われた。
GM:真意は不明ながら……この一幕を除いて、"至上王"は事件の処理には介入せず、
GM:血統政変は、誰も血を流すことなく終わりを迎えた。
GM:汚名を被った、ただ一人を除いて。

キングダム行政部 執務室

GM:その後、小さな事件があった。
GM:全日制や定時制の政情とはもはや関わりのない、ささやかな出来事にすぎなかったが。
GM:"不夜王"の執務室に、遺産管理委員会副長アメリア・シュミットが、半ば強引に押し入ったのである。
GM:取り次ぎの生徒は『それほど緊急の報告だと思った』と証言している。アメリアにとっては事実、そうだったかもしれない。
アメリア:「キキ―ッ」無音の急ブレーキ
アメリア:「”不夜王”!”不夜王”!」
アメリア:「政変以来、あなたの動きを視ていましたが……」
ジェシカ・クロフォード:「どうした。」
アメリア:「なんで!会いに!いかないんですか!」
ジェシカ・クロフォード:その一言で彼女が何をしに来たのかを察する
ジェシカ・クロフォード:「勝者が敗者に語る言葉などあるわけがないだろう。」
アメリア:「……あるでしょう!友達が、友達に送る言葉なら!」
アメリア:通信に特化したタイプの鴉型ドローンを置く
ジェシカ・クロフォード:数瞬の間、呆然とする。
アメリア:「繋がってます……言いたいことは、言えるうちに言わないと」
アメリア:「絶対悲しいことになります」
ジェシカ・クロフォード:その勢いに押され、ドローンを受け取ってしまう。
アメリア:「私も、聞き耳は立てません」
ジェシカ・クロフォード:或いは、意識の下で、自身もそれを望んでいたのだろうか。
アメリア:「だから……遠慮なしで……ね?」
ジェシカ・クロフォード:「全く」
ジェシカ・クロフォード:「どこまでもお節介なやつだな。」
アメリア:「たくさんの仕事をこなす、あなたには敵いませんよ」
ジェシカ・クロフォード:「知らんぞ。互いに気まずくなるだけに終わっても」
アメリア:「話した結果がそうなら、それも良しです」
アメリア:「では!」
アメリア:バック走行で退室する
バージニア・ダネシュティ:〈……〉
バージニア・ダネシュティ:〈……ジェシカ。遺産管理委員会はどういう教育を受けているんだ?〉呆れたような声。
バージニア・ダネシュティ:だが、何よりも聞き慣れた声だった。
ジェシカ・クロフォード:「あれは私の管轄外だ。むしろ私が問い質したい。」
バージニア・ダネシュティ:〈あまりに強引で……断れなかった。力付くで追い返すわけにもいかんしな……〉
ジェシカ・クロフォード:「今や卿も一生徒に過ぎないのだからな。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、そうだな。」
ジェシカ・クロフォード:「私は彼女を追い払うことも出来たはずなのに。」
ジェシカ・クロフォード:「何故か、そうしようとは思えなかったよ。」
バージニア・ダネシュティ:〈……〉
バージニア・ダネシュティ:〈ジェシカ。皆……壮健でいるか?〉
ジェシカ・クロフォード:「ああ、私の知る限りではな。」
ジェシカ・クロフォード:「"霊樹王"に至っては、その力を削いでも未だに心は折れていない。」
ジェシカ・クロフォード:「厄介なものだよ。」
バージニア・ダネシュティ:〈フフ……そうか。あの女らしい……〉
ジェシカ・クロフォード:「全く、私達の苦労も知らないで」
バージニア・ダネシュティ:〈世話をかけた〉
バージニア・ダネシュティ:〈最後まで……終わってからも、君にはひどく重い荷物を背負わせてしまった〉
ジェシカ・クロフォード:「馬鹿者」
ジェシカ・クロフォード:「その台詞は一字一句全て私のものだ。」
ジェシカ・クロフォード:「他にももっと良い方法はきっとあったはずなのだ。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、私には…私の力では」
ジェシカ・クロフォード:「卿に責を負わせることでしか」
ジェシカ・クロフォード:「卿の守ろうとしたものも守れなかった。」
バージニア・ダネシュティ:〈フフ。己のことなど……己は、むしろ君に荷物を背負わせて、軽くなってしまったくらいだ〉
バージニア・ダネシュティ:〈どこかの小さな学区の一般生徒の暮らしなど、あえて君が知る必要はないかもしれないが〉
バージニア・ダネシュティ:〈窓際のプランターに、小さな苗を植えている〉
バージニア・ダネシュティ:〈あの大庭園のような花々ではなくとも――〉
ジェシカ・クロフォード:「……」
バージニア・ダネシュティ:〈花を育てている。煉瓦造りのアパートの、二階で〉
バージニア・ダネシュティ:〈昼間は、日の光がよく当たってくれる〉
ジェシカ・クロフォード:「鴉飼もあれで気が効かない女だ。」
ジェシカ・クロフォード:「映像を見られるドローンを渡してくれれば、卿の新たな庭を見られたものを」
ジェシカ・クロフォード:自分でもわからない何かが、己の胸を震わせている。
ジェシカ・クロフォード:その震えを隠すように、思っていない悪態を口に出した
ジェシカ・クロフォード:「かつての夜の王が」
ジェシカ・クロフォード:「陽光の優しく降り注ぐアパートで暮らすなど」
ジェシカ・クロフォード:「それ以上笑える絵面もあるまいに。」
バージニア・ダネシュティ:〈……ああ〉
バージニア・ダネシュティ:〈そうだな。己もそう思う〉
バージニア・ダネシュティ:〈だが、昔も今も……花を育てながら、己は〉
バージニア・ダネシュティ:〈日の光のことを思うのだ〉
バージニア・ダネシュティ:〈太陽の光が、この美しい生命を育て〉
バージニア・ダネシュティ:〈その昼の生命あってこそ、夜の眷属も生きていけるのだと〉
ジェシカ・クロフォード:「バージニア。」
ジェシカ・クロフォード:「一つ、約束をしてくれないか?」
バージニア・ダネシュティ:〈聞こう〉
ジェシカ・クロフォード:「いつか、私は必ず君に会いに行く」
ジェシカ・クロフォード:「その時に」
ジェシカ・クロフォード:「また、君が育てた美しい花たちを見せてくれ」
ジェシカ・クロフォード:「君がそれを誓ってくれるのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「私も約束するよ。」
ジェシカ・クロフォード:「今、君がいる。夜の王が陽にまどろむ穏やかな世界を。」
ジェシカ・クロフォード:「この学院にも作って見せる。」
ジェシカ・クロフォード:「君が、私に会いに来てくれる、その時までに」
バージニア・ダネシュティ:〈私を信じた王達を。君を信じた王達を〉
バージニア・ダネシュティ:〈人間を。混血を……キングダムの全ての生徒達を〉
バージニア・ダネシュティ:〈君に託す〉
バージニア・ダネシュティ:〈私は、キングダムが好きだ〉
バージニア・ダネシュティ:〈君という陽光が、全ての民を遍く照らすことを願う〉
バージニア・ダネシュティ:〈いつか……君に再び会う時まで、この花を育てていこう〉
バージニア・ダネシュティ:〈……ありがとう〉
ジェシカ・クロフォード:「……だから」
ジェシカ・クロフォード:「それは、私の言葉だ。」
ジェシカ・クロフォード:「ありがとう。友よ。」
ジェシカ・クロフォード:「私に光というものがあるのなら。」
ジェシカ・クロフォード:「それが今は遠い君にまで届くことを願う。」
GM:通信は終わる。空の彼方のどこに、バージニア・ダネシュティがいるのか。今はわからない。
GM:キングダムの総てを知る"不夜王"の手も、キングダムの外には届かない。
ジェシカ・クロフォード:「終わったぞ」
ジェシカ・クロフォード:胸の内にある余韻を断ち切るように無機質な声を出す。
アメリア:ひょこっ
アメリア:扉の隙間から顔を覗かせる
アメリア:「……どうでしたか」
ジェシカ・クロフォード:「どうやら」
ジェシカ・クロフォード:「卿に借りを作ってしまったようだな。」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌そうな目で君を睨みながらそう言う。
ジェシカ・クロフォード:だが、その言葉には先程までにはなかった穏やかさがあるのをアメリアさんは感じるだろう
アメリア:「ふふっ、いつか返してもらいましょうっと」
ジェシカ・クロフォード:「自分が既に私に借りがあるとは考えないのだな」
アメリア:「はっ……もしかしてあります?」
ジェシカ・クロフォード:「さて、どうだったか。」
ジェシカ・クロフォード:「私は先の決闘には関わっていないしな。」
ジェシカ・クロフォード:くつくつと笑って。
ジェシカ・クロフォード:「卿がいてくれてよかったよ。アメリア・シュミット」
アメリア:「……借りとか、貸しとかではありませんが」
アメリア:「定時制の皆さんのために……大変な思いをしてくれたのでしょう?」
アメリア:「そのお礼のつもりでした」
アメリア:「次は……ちゃんと、顔と顔を合わせて話してくださいね!」
ジェシカ・クロフォード:「機会があればな」
アメリア:「作ってくださいね、きっと!」
ジェシカ・クロフォード:その言葉を皮切りに再び硬質な鉛筆の音が執務室を支配する。
アメリア:「私の我慢が限界になったら、また来ます」
アメリア:「では……」バックで去ろうとする
ジェシカ・クロフォード:「ああ、ご苦労だった。鴉飼」
ジェシカ・クロフォード:キングダムの行政部に夜はない。
ジェシカ・クロフォード:そこに所属するものは常に膨大な案件に追われ、その処理を続けている。
ジェシカ・クロフォード:だが、それでも。
ジェシカ・クロフォード:(全く、最後までお節介な女だ。)
ジェシカ・クロフォード:鴉飼がわざとらしく残していった鴉に視線を移す。
ジェシカ・クロフォード:それに彼女が愛していた花を渡した。
ジェシカ・クロフォード:「お前も行け。」
ジェシカ・クロフォード:鴉が窓から飛び立っていく。青い空に黒い流線が敷かれていく。
ジェシカ・クロフォード:(私に、安寧な夜を迎える資格はない)
ジェシカ・クロフォード:(王となった時にそれを覚悟し、彼女を至上王に頂いた時、それが現実となった。)
ジェシカ・クロフォード:(だが、それでも。この身を委ねることは叶わずとも)
ジェシカ・クロフォード:(せめて、"夜"に思いを馳せることは)
ジェシカ・クロフォード:(卿なら、赦してくれるだろう?)
ジェシカ・クロフォード:(バージニア・ダネシュティ。誇り高き夜の王よ)


◆Ending◆七十橋シスル

キングダム学区 本校舎『白宮(ホワイトホール)

GM:キングダムの本校舎は、遠目にもそれと分かる巨大さの、城と宮殿が融け合ったような純白の建造物だ。
GM:校舎と名付けられてはいるが、一般生徒がこの建物を訪れる機会は滅多にない。
GM:議会場には円卓が据えられ、平時は円卓の王を含む限られた人員のみ出入りを許されている。
GM:そして最上階には、建物と同じく白い、至上王が暮らす一室がある――
七十橋シスル:その、ごく限られた人員。
七十橋シスル:予定にない訪問を止めようとした入口の門番生徒は、一睨みして黙らせている。
七十橋シスル:白い高い建物の最上階に、常に一人。
七十橋シスル:孤高の王そのものである静謐な空間を、全く構わずに踏みならし
七十橋シスル:部屋の扉を叩いた。「ご機嫌麗しゅう。マイ・ロォォォーーード」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「入っていいなんて――」
ルキア・ティベリア:「言っていないわ」
ルキア・ティベリア:ベッドに横たわり、剣を抱いて、一枚のシーツだけを身に纏っている。
七十橋シスル:「…………」 静かに、いくつかの返答を反芻する。恐らくは全く意味のない、想定問答。
ルキア・ティベリア:人ならぬ美しさを持つその裸体は、時によれば優美さや淫靡さを感じさせるものかもしれないが、
ルキア・ティベリア:この時の"至上王"は違う。まるで洞窟で眠る竜の如き、危機の気配だけがあった。
七十橋シスル:(あの不夜王 眠れる獅子をしこたま叩き起こしてから放置するボケがどこにいる……)
七十橋シスル:「じゃァ改めて」
七十橋シスル:「どうか偉大なる至上王にあらせられましては、ご入室のほど、願い奉りたく候」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「よく」
ルキア・ティベリア:「ない」
GM:この直前、"至上王"への上申に赴いた"不夜王"は、全身の骨が砕ける寸前まで苛まれた。
GM:今、シスルがそうならない保証はない。むしろその可能性は極めて高い。
七十橋シスル:(口先や、理論武装で何とかなるなら)
七十橋シスル:(不夜王がとっくに何とかしてるか)
七十橋シスル:「それなら、この位置から申し上げる」
七十橋シスル:扉は開けたまま、廊下との境目にもたれかかる。
七十橋シスル:「回答を貰ってないと思ってな」
ルキア・ティベリア:「…………なんの?」
七十橋シスル:「決まってんだろ」
七十橋シスル:あの、閃光の如き斬撃と。
七十橋シスル:星を墜とすような圧潰の、その直前。
七十橋シスル:>――「だから聞いてんだよ。お前は何者だとか、次のご命令をとか、汝の為すがままにとかじゃない」
七十橋シスル:「『腹減ったな、何か食いに行かねえか?』」
七十橋シスル:「今ならオススメのものが一つある。っつーか、マイロードへの上奏用へって押し付けられて困ってる」
ルキア・ティベリア:「…………」
ルキア・ティベリア:「そんなの、忘れたわ」
七十橋シスル:「忘れた」
七十橋シスル:「……それなら仕方ない。多忙な至上王にあらせられたらな」
七十橋シスル:一瞬出そうとした何かのチケットのようなものを、ポケットに仕舞いなおす。
七十橋シスル:「勝手に一人で行くことにする」 ――今日のところはな、と心中だけで呟いて。
七十橋シスル:踵を返す。
GM:長い階段を降り、扉を押して
GM:門番生徒に怪訝な目を向けられながら、帰っていこうとする。
GM:何もされなかっただけ、運が良かったと思うべきかもしれない。……だが。
七十橋シスル:がしがしと髪を掻きあげる。
七十橋シスル:「さって、どうすっかな……」
七十橋シスル:何度か試しても良いが、学境に残してきた医療部員たちの悲しみの表情を考えると
七十橋シスル:数日同じ事を重ねたら、一人二人心労で死にかねない。余計なお世話だが。
GM:益体もない考えを巡らせていると、後ろで叫び声があった。
門番生徒:「えっ……しっ"至上王"様!」
門番生徒:「ご外出なのですか!?"不夜王"様への申請は……」
ルキア・ティベリア:「うるさい」
ルキア・ティベリア:「…………」
ルキア・ティベリア:ルキア・ティベリアがいる。あの日のようなパーカーを着て
七十橋シスル:「……っ」
ルキア・ティベリア:門の外に出てくるところだった。
七十橋シスル:驚愕と共に振り返るが、ギリギリで普段通りの表情になる。
七十橋シスル:「マイロード」
ルキア・ティベリア:「……何も言わないで」
ルキア・ティベリア:「余計なことは言わないで」
ルキア・ティベリア:「余計なこともしないで」
ルキア・ティベリア:「食事に連れて行って」
七十橋シスル:「…………了解」
七十橋シスル:それだけ言って。夕暮れのキングダムを、数歩先を歩いていく。
ルキア・ティベリア:何も言わず、ただ、シスルの後ろをとぼとぼと歩いている。
ルキア・ティベリア:あの日目を輝かせていた街灯の光や、商店の輝きから、意図的に目を落としているようでもあった。
ルキア・ティベリア:シスルに話しかけることもしない。
七十橋シスル:街灯の光。木々の瞬き。流石に、あの日と同じ道を通ったりはしないが。
七十橋シスル:それでも、目的地はあの日に通りがかった、黒壇通りの先だ。
七十橋シスル:いささか遠回りしながら、賑やかな場所に辿り着く。すり鉢状の、屋外のステージ。
ルキア・ティベリア:「……こんなところで」ぽつりと呟く。
ルキア・ティベリア:「食事なんてできるの?」
七十橋シスル:受付に。「ほい、券、二人分。食事セットはAで、……あとココア二つ」
GM:受け付けの生徒は、それが円卓議会の第七席と第一席であることに気づきすらしない。
GM:彼女らのような立場が、こうして市井に降りて、普通の生徒と同じように振る舞うなど
GM:普通ならば、あり得ないことだった。
七十橋シスル:出てきたものは、屋外用のサンドイッチに、付け合わせがいくらか。
七十橋シスル:二人分の盆とコップを器用に持って――いくらかは影に紛れた荊が支えている――、観客席の端へ。
ルキア・ティベリア:何も言わず、しかし文句を言うこともなく、後をついて隣に座る。
七十橋シスル:「言っとくけど、こんなでも一応は、一番いい席なんだ」広めの空間が確保されてはいる。
七十橋シスル:「今日が千秋楽だ。アンジェリカ出資の、移動劇団」
ルキア・ティベリア:「ふーん……」
ルキア・ティベリア:不機嫌というよりは、興味のなさそうな表情である。
七十橋シスル:「少しは気にしろよ。お前が出てくるんだ」
七十橋シスル:冷め始めたポテトを頬張りながら、小さく呟く。
七十橋シスル:冗談を言うような笑みを浮かべている。
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「私が出てくるの?」
ルキア・ティベリア:「……」サンドイッチをもくもくと食べる。
ルキア・ティベリア:「……おいしくない」
七十橋シスル:「同感だ」
七十橋シスル:「題材は――今のノヴァリスなら、まあこれは外さねえってことだよ」
七十橋シスル:呟く。「『八月革命』」
ルキア・ティベリア:「……」
劇団:―――よくよく通る声と共に、輝くような。しかしどこかチープな光が弾けた。
劇団:―――かつて、数多のFHセルの大人達の手で、社会実験として管理されていた子供たち。
劇団:―――一見は子供達だけの未来ある都市に見えても、それは見せかけだけに過ぎず。
劇団:―――誰もが支配され、搾取されていた暗黒時代。
劇団:―――だが、そこに立ち上がった者が居た。
七十橋シスル:「ここからだ。ここから笑える」
劇団:まず歌い上げられる名。最高生徒会長、雨月夜シオン。
劇団:彼女が蜂起して革命を導き、そして
劇団:各学区を支配していたマスターが、一人ずつ倒されていく。
劇団:「マスターデュエル!」「マスターカラーズ!」ある程度、名前が知れている存在は、そのシルエットが背後のスクリーンに大写しになる。
劇団:「マスター……○○○!」無論、名前が知られている者ばかりではない。存在が曖昧なもの、そもそも総数を知らない脚本……
劇団:なんかムキムキだったり、ふわふわだったり、ちょっとどうなの? なシルエットが次々と現れる。
ルキア・ティベリア:「……」まばたきをする。
ルキア・ティベリア:「変なの」
七十橋シスル:「あれとかどう見ても騎狼犬が交じってンだよな……」
劇団:「ロード……ファング!」とか叫んでいる。
劇団:この前にふれあいパークで見たシルエットだ。
ルキア・ティベリア:舞台からは目を離して、時折苦笑のように笑うシスルの表情を、じっと見つめている。
劇団:「……そして、天に認められしキングダムを開放せし、ロード・アンド・マスター!」
劇団:それまで色々なものが写っていたスクリーンが、ただ純白に染まる。
劇団:演出としてはそれだけだ。恐らくジェシカが肖像権を降ろさなかったのだろう。
七十橋シスル:「そりゃそうだ」
劇団:劇は終わりに向かう。「かくして八月革命は成り……ノヴァリスは自由を勝ち取った……」
劇団:生徒達の盛り上がりはそこそこだ。見慣れている者もいるだろうし……単に、本気で感動させようとする演目ではない。
ルキア・ティベリア:「……んー」それは至上王の反応も同じだ。
ルキア・ティベリア:先程までの地獄のような不機嫌ではないものの、
七十橋シスル:「……もう空か」
七十橋シスル:ポテトの入っていたパックを逆さまに振る。
ルキア・ティベリア:感嘆したり、喜んでいるようではない。
ルキア・ティベリア:「シスルは、面白かった?」
七十橋シスル:「面白かったか?」
ルキア・ティベリア:同時に質問が重なってしまう。
ルキア・ティベリア:「……あ」
七十橋シスル:「…………まあ、だろうな」 小さく含み笑う。
七十橋シスル:「お世辞でも、良い劇じゃあねえ。……けど、コレを見ると、安心するって奴らが、結構いるんだ」
ルキア・ティベリア:「…………そうなのかもしれないね」
ルキア・ティベリア:「本当のことって、きっと」
ルキア・ティベリア:「……つらいことだから」
七十橋シスル:「いや、そうじゃなくてだな」
七十橋シスル:「……そうして勝ち取った奴が、今も『ここ』にいる」
七十橋シスル:「チープで、改変されてて、アホみたいでも」
七十橋シスル:「そのことだけは確かめられるから、って」
七十橋シスル:「――ルキア・ティベリア。偉大なりし至上王。マイロード」
七十橋シスル:「この学校で、お前にビビってない奴はいねえ」
七十橋シスル:「お前の"本当"を知ってる奴も、まあ一人もいねえんだろな」
七十橋シスル:「お前は、俺を嘘つきだっつったが」
七十橋シスル:「可能性としては、そうだ。他の円卓の奴らと手ェ組んで。テメェに刃向かう時があるかもしれねえ」
七十橋シスル:……そもそもシスルが戴冠する遠因となった、戦闘不適合生徒の、新陸帯への追いやりなどは、至上王の存在が一因となっている。
七十橋シスル:「だから、そうなる前に言っといた方が良いと思った」
七十橋シスル:湯気の立つココアを啜る。
ルキア・ティベリア:「そうなるのかな」弱々しく呟く。
七十橋シスル:「けど、お前はキングダムを、ノヴァリスを解放した」「それだけは、間違いない」
ルキア・ティベリア:「シスル。本当のことは――」
ルキア・ティベリア:立ち上がろうとした。
ルキア・ティベリア:「……」
七十橋シスル:「そこへの感謝は、生徒全員、誰にだって否定できやしねえ」
七十橋シスル:立ち上がろうとした少女を、横目で見る。
ルキア・ティベリア:「シスルは、何も言わないで」顔を隠すように、手で押さえている。
ルキア・ティベリア:「感謝してるとか。大事だとか」
ルキア・ティベリア:「……何かを、許してくれるとか」
ルキア・ティベリア:「今だけ、約束して」
ルキア・ティベリア:表情は見えない。「……お願い」
七十橋シスル:「……いいよ」
七十橋シスル:「だから先に言ったんだ。――お安いご用だ、マイロード」
七十橋シスル:隠す表情を少しでも見ないように、目を逸らした。
ルキア・ティベリア:「私は、シスルのことが、きらい」
ルキア・ティベリア:「皆は、私のことが、きらい」
ルキア・ティベリア:一語一語、自分に言い聞かせるように呟いている。
ルキア・ティベリア:「シスル。ねえ……私、帰るわ……」
GM:夕暮れの光が低い。太陽が落ちて、夜の帳が二人を覆いつつあった。
七十橋シスル:「そうかよ」
ルキア・ティベリア:「休日なんて、なにも楽しくなかった」
七十橋シスル:「そうかよ」
七十橋シスル:今、これを止めようとすれば、先と同じ結末が待っているのだろう。
ルキア・ティベリア:「キングダムのことが、きらい」
七十橋シスル:「そうかよ」
ルキア・ティベリア:「全部……全部……」
ルキア・ティベリア:「……………シスル」
ルキア・ティベリア:立ち去ろうとした足が、それでも止まった。
七十橋シスル:「ん」
ルキア・ティベリア:「あ」
ルキア・ティベリア:「……」
ルキア・ティベリア:「ううん」
ルキア・ティベリア:「なんでもないの」
七十橋シスル:「ふん」
ルキア・ティベリア:シスルに伸ばそうとした手を、自分で止めたようだった。
ルキア・ティベリア:「……じゃあね」
七十橋シスル:「ああ、足下にお気をつけて」
七十橋シスル:全く。全く。実に。
七十橋シスル:「憎たらしい、マイロード」
七十橋シスル:夕暮れに隠れて、その表情は窺えなかった。
ルキア・ティベリア:舞台の光に背を向けるようにして、一人、群衆から離れていく。
GM:終演のアナウンスが響いている。シスルの周りの生徒達も、少しずつ、まばらに座席を立っていく。
GM:休日が終わる。少女達も皆、キングダムでの日常へと帰っていくのだろう。あるべき世界へと。
GM:円卓の王達もまた、そのようになる。
GM:変化が訪れるその時は、まだ、夜の太陽よりも遠い。


































キングダム定時制 路地

GM:深夜。キングダム定時制の廃墟めいた一角で動く影があった。
GM:猫の耳のように尖ったフードを被った、緑色の長衣。長靴。
GM:影を追跡する者もあった。廃墟の瓦礫を反射するように飛び、塀の上に降り立って、小柄な少女が口を開いた。
州来マカミ:「――そこにいたんだね。"安臥王"」
"安臥王"王覇カト:「ニャアム……」
州来マカミ:「キングダムに」
州来マカミ:「まだ残ってたとは思ってなかった。私と同じで、とっくにどこかに行ったかと思ってたから」
"安臥王"王覇カト:いつものように、"安臥王"は鳴き声らしきものを漏らして振り返った。
"安臥王"王覇カト:「別に……私はここにいますよ、あんなことがあろうとも」
州来マカミ:月光を背にした影は、少女そのものの姿だ。
州来マカミ:だが州来マカミを知る者には、恐るべき捕食者の影に見えるかもしれない。
"安臥王"王覇カト:「『私』はそういう……ものですから」
州来マカミ:「……。取って食べようとしているわけじゃない」
州来マカミ:「ただ、私は知りたいだけ」
州来マカミ:「あなたも戦争が好きなの?」
"安臥王"王覇カト:「……いーえー」
州来マカミ:「定時制が行動を起こしたのは、あなたが情報を持ってきたから」
州来マカミ:「だから、同じだと思ってた……あなたも、戦争が見たいのかなって」
州来マカミ:「違っていたのかな」
"安臥王"王覇カト:「それはそう」 頷き、四足でくるりと身を向ける
"安臥王"王覇カト:「でも、好きではありません……必要な時に、手段としてそれを用いるだけです」
"安臥王"王覇カト:「テーラーが、布を裁つハサミを愛するとは……限りませんよね」
"安臥王"王覇カト:「むしろそれは、偏愛……というものです」
州来マカミ:「……私は、戦争が好きだ。だけど」
州来マカミ:ざり、と靴底が塀の上を掻く。
州来マカミ:「戦争を道具のように使って、何か別のことをしていたあなたのことは、不純だとも思ってる」
州来マカミ:「あなたをキングダムに置いていくわけにはいかない。……選択肢を二つあげる」
州来マカミ:「私達、、は戦争をしようと思っている。もっと、今以上の、本物の戦争を」
州来マカミ:「――今では名前だってあるんだ」
州来マカミ:「ARES、って呼ばれてる。あなたを、そこに連れて行く」
"安臥王"王覇カト:「それは……」 目を細める
"安臥王"王覇カト:「十字冠を破壊する兵器を、復活させようとしている……人たちですね」
"安臥王"王覇カト:「十字冠という枷を……解こうとしている。がむしゃらな生徒たち」
"安臥王"王覇カト:「あなたも、その……一人というわけですか」
州来マカミ:「うん」
州来マカミ:「戦争を使うことが好きなら、そこで好きなだけ試したっていい。だけど、もう一つ――」
州来マカミ:「それですらないというなら」
州来マカミ:獣めいた、四足の構えとなる。「別の方法で、出ていってもらう」
"安臥王"王覇カト:……不意に。
"安臥王"王覇カト:ばさりと、州来マカミの背後で音が立った。落下音。その音と重量感で、正体に察しが付くだろう。
州来マカミ:「――」
"安臥王"王覇カト:それは昏倒した鴉だ。"安臥王"の眠たげな眼は、言外に語っている。
"安臥王"王覇カト:『今しばらくの間は、この場を視る者はなし。鴉の塔の主ですら』
"安臥王"王覇カト:「……私からも、二つ」
"安臥王"王覇カト:「申し上げましょう……第一に、あなたは絶対に私達、、には勝てない」
"安臥王"王覇カト:「そして、もしあなたが『本物の戦争』を望むのであれば……」
"安臥王"王覇カト:「……もっと良い場所を用意できる。そうですね。時間は、必要ですが……」
州来マカミ:バ キン!!!
州来マカミ:石塀が砕けた音だった。州来マカミは既に、"安臥王"の反対側へと突き抜けていた。
州来マカミ:銃弾よりも早い。通過した全ての物体が、3つに裂けて倒れた。
州来マカミ:……だが。
"安臥王"王覇カト:風が走り、緑の長衣もまた美しく裂けているだろう。
"安臥王"王覇カト:しかし血肉の一粒も、そこには散っていない。
"安臥王"王覇カト:影が一つ――立っている。
"安臥王"王覇カト:いくらかの花びらと丸い葉が散り、甘やかな香りが流れて後、そこに立っているのは金髪の猫人ではなく……
州来マカミ:「最初に……聞かなきゃ、いけなかった」
州来マカミ:唸りのような声色だった。
州来マカミ:「あなたは」
州来マカミ:「誰なの?」
春思わす少女:「長靴の猫、王を騙したのは……本当の主のため」
春思わす少女:「――そして、自らが王となるため」

春思わす少女:淡桃の髪と黒いドレスの少女である。整った、愛嬌のある容貌の上に浮かぶのは、四つの円輪により形成す十字冠。
春思わす少女:……その精緻自在なる変身能力は、一握の者にしか知られていない。
春思わす少女:他方、その十字冠はシャムロック自由学園の生徒会長のシンボルとして知られている。
棚エアリ:その名を、棚エアリと言った。
棚エアリ:「あーあ」
棚エアリ:「私のことを知ってしまった以上、あなたの選択肢は、余計に狭まってしまった」
州来マカミ:「……………妖魔もどきめ」
棚エアリ:「あら。王もどきの呼称に悦入っていた方的には、それ、侮蔑なのかしら?」
棚エアリ:……"安臥王ロード・ライ"とは、最初からそう嘘偽の王であった。姿を見せることすら気まぐれな、情報網を自在に歩く猫人の王という存在は……
棚エアリ:先住市民たちを始めとする秘かな協力者たちの噂話・伝聞・記録で説得力を作り出し、姿を変えた自らがその内側に収まることで偽証された、物語にすぎない。
棚エアリ:彼女は他にもいくらか、そういったものをキングダム内に配している。諸王国キングダムへ火を放つための導火線として。
棚エアリ:「……この姿を変える能力だけはね。あまり人に知られてはいけないのです」
州来マカミ:「別に、いいよ。そんな努力だって必要なくなる」
州来マカミ:「私は反逆者で、壊れてる戦争狂かもしれない」
州来マカミ:「だけど」
州来マカミ:何故、キングダムで戦争を起こそうとしたのだろうか、とふと思った。
州来マカミ:狼には群れが必要だ。ともに戦争をする者がいるとすれば、
州来マカミ:同じ国の同志でありたかったからなのだろうか。
州来マカミ:「グルッ」笑う。
州来マカミ:戦火をもたらそうとしていた国が好きだったなど――矛盾している。
州来マカミ:もう一度、藍色の斬光と化して斬りかかっていた。夜そのものを切り裂く三日月のようでもあった。
棚エアリ:「あーあ」「親切で言ってあげたのにな」
棚エアリ:「あなたは反逆者で、壊れた戦争狂である以前に……」
棚エアリ:かすかに目を細める 「哀れな絶対弱者」
棚エアリ:「私達、、には絶対に、」
棚エアリ:「勝てない」



棚エアリ:しばし後。
棚エアリ:果たして州来マカミは、雁字搦めに拘束されていた。手足のみならず、鋭い牙の口腔にまで、銀の鎖が噛まされている。
州来マカミ:「……ッ、グ……ク」
州来マカミ:拘束。十字冠転送が存在する以上、最も確実――かつ困難な無力化手段。
棚エアリ:「……残念ね。あなたが本当の戦争狂だったら……私はそれなりのポストであなたを遇するつもりでいたのに」
棚エアリ:「ARESなんて看過できるわけないもの。あれはダメよ」
棚エアリ:言い聞かせながら、ピンクの愛らしいハンカチを取り出す。麻酔の染み込んだものである。
棚エアリ:「狂った犬は駆除されるのが世の常なのに、このノヴァリスでは死がないから」
棚エアリ:「生かさず殺さず、永遠に幽閉しなきゃいけない。どっちのほうが残酷なのかしら」
棚エアリ:その鼻口を、ハンカチで塞ぐ。もはやこの後、かつて月下の王と称された彼女が、夜天を見上げることはないだろう。
棚エアリ:そして、しばらくしてから"安臥王"が報告する。"月下王"はキングダムを出奔。行き先は不明だが、ARESとの関与の疑いあり。
棚エアリ:(……これでまた少し、こちらに向く矛先が少なくなるでしょう)
棚エアリ:(それにしても……)
棚エアリ:("安臥王"は最上の出来栄えでしたから、起きた火が早々に鎮められてしまったのは本当に残念)
棚エアリ:(『救伐騎士団』や『鉄騎隊』が正面から来てくれれば、まだかき乱す余地があった。"死蔵王"が相手なら、別の手を動かせた)
棚エアリ:(しかし、"拷問王"……休暇の最中にあった彼女が、単身で不夜王と連携できる状態にあるなんて。本当に崑崙山へ湯治に行くとは思っていなかったとはいえ……)
棚エアリ:「――が彼女をあの場に置いていたんでしょうね?」
棚エアリ:返事はない。州来マカミはもはや深い眠りの中だ。
棚エアリ:だからエアリも特に何も言わず、眠る獣を伴い、僅かな花の香りだけを残し、その場から消えた。
棚エアリ:直後、土の上で目を覚ました鴉は、何も知らない。




『キングダムの休日』 完



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