『キングダムの日』(GM:珪素)




本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
掲載の一部画像はAI生成イラストを加工したものです。

採用プレイエイド

ステージ『オーヴァード・ノヴァ』ver.3.03(二学期)
キングダム連合学院『円卓議会』

Ⅰ『キングダムの休日』
Ⅱ『キングダムの凶日』
Ⅲ『キングダムの落日』
Ⅳ『キングダムの過日』
Ⅴ『キングダムの日』◀

メインログ1メインログ2雑談ログ1雑談ログ2雑談ログ3雑談ログ4雑談ログ5
PC1:七十橋(ななとばし)シスル( キャラシート )PL:アスハル

PC2:ウルスラ・ミック・ベニ( キャラシート )PL:粘土

PC3:天沼(あまぬま)チギリ( キャラシート )PL:猫口@

PC4:有崎(ありさき)五派(いつは)( キャラシート )PL:もやし炒め

EXPC1:ジェシカ・クロフォード( キャラシート )PL:中村

EXPC2:嘴子原(さいしばら)シェイル( キャラシート )PL:Raspis

EXPC3:キャロル・ホプキンス( キャラシート )PL:黒鉛筆

EXPC4:ルナンシア・ラダ・ランパート( キャラシート )PL:そごう

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.

目次

Preplay

GM:キングダム最終話、始まります!
GM:今回、キャラ紹介はメインタブと並行してこちらでまとめて済ませてしまいたいと思います。
GM:これなら登場キャラと関係なくPC順で紹介を入れられるってわけ。
GM:最終話のPC1はこの人……!円卓第七席、七十橋シスルさん。
七十橋シスル:では
七十橋シスルキャラシート
七十橋シスル:我こそは、キングダム連合学院の辺境伯にして円卓議会の中で最も凶暴と恐れられる王、拷問王ロードハートレス
GM:キャアアア
GM:あの凶悪な拷問王よ!
GM:拷問王に捕まったらどんな恐ろしい目にあうか……!
七十橋シスル:身の程知らずの敵はもちろん、邪魔な味方も容赦なく断罪し、苦痛の中で二度と逆らう気を起きなくさせる
七十橋シスル:童話系遺産の中では最も古いものの一つ《荊広げしターリア》による絶対防御と精密狙撃は他に並ぶものなし!
七十橋シスル:強いて欠点をあげるとするなら、もう守るべき領地もなければ倒すべき敵もほとんどいないってことくらいかナ?
GM:終わりだ(黒崎一護)
七十橋シスル:あと円卓きっての狂犬枠はもっぱら死蔵王だし、反逆者の枠は海賊王にとられたり
七十橋シスル:いいんです それでも言い切ることに意味がある
GM:確かにもう狂犬と言ったらそっちになっちゃったな
七十橋シスル:出身からして古い医療呪術師の家系の末裔であり、オーソドックスな呪術を得意とします。
七十橋シスル:また、どういう経緯か至上王にいたく気に入られており、過去には半身をへし潰されたこともあります。
GM:一体どんな過去があったのかしら……
GM:私も分かっていません
七十橋シスル:誰も分からないじゃん……
七十橋シスル:とにかく普段から全てにキレており、ただ戦いに弱いだけの生徒たちが犠牲になり顧みられない状況にキレ散らかして医療部を立ち上げるようなひねくれ女ですが
七十橋シスル:今回は至上王と旧ロードマスターの過去を知り、キングダム全体がなんかとんでもない状況になっているため
七十橋シスル:とにかく立ち上がります。
GM:領地どころか王国の危機なのだ
七十橋シスル:性能は、ミラーパレス巨人の影による自己防護と必中の弓による高精度攻撃 高経験点帯だと隠密も増える
七十橋シスル:そんな感じです おとぎの国なんかに負けたりしない!
GM:その意気だ!リアルの拳のほうが強いってわけ!
GM:ハンドアウトは今回共通ハンドアウトなので、最後に貼ろうと思います。でもやることは簡単。
GM:至上王がどこかに行こうとするので、話を聞くなりぶん殴るなりすればOK!あとキングダムも守れ!
七十橋シスル:うおおお全てやります!
GM:つぎはPC2!キングダムに反逆する勇者、ウルスラ・ミック・ベニさん。
ウルスラ・ミック・ベニ:はいはーい!
ウルスラ・ミック・ベニキャラシート
ウルスラ・ミック・ベニ:元々カンブリア考古学校生徒会、元キングダム連合学院の王の従者、今は学籍喪失逃亡犯にして教育実習生。
GM:とんでもない経歴
ウルスラ・ミック・ベニ:王権簒奪者にして故王の力を弄ぶ死人占い師ネクロマンサー、至上王に一騎打ちを挑んだ女のウルスラ・ミック・ベニで~す。
ウルスラ・ミック・ベニ:歴代継承者のミームを保存した寄生植物型遺産『勇者の徴』と家伝のEXレネゲイド、モルフェウスのどうぐ適性サイコメトリー
ウルスラ・ミック・ベニ:これらを咬み合わせて器用貧乏タイプの勇者です。一番の武器はあきらめない心。
ウルスラ・ミック・ベニ:一度は至上王に蹂躙された身だけど、強い心で舞い戻ったよ。
ウルスラ・ミック・ベニ:いつも通りの…まあ最初から使えたの1回だけど、シンプルなピュア咎人の剣や砂塵霊で戦闘をこなします。
GM:あれ?砂の騎士団くんは……?
ウルスラ・ミック・ベニ:パーティから追放しましたよあんなEランク能力
ウルスラ・ミック・ベニ:ピュアだから手数とか伸ばしづらいんだけど、出来る手法として贋作王の秘本を増刷
ウルスラ・ミック・ベニ:ブラックダイアモンドに加え、オート封殺砂時計と心臓一個をコピーしました。
GM:すごいなあ……
GM:300点卓だと本当に見たことないデータが使われて見たことないインチキされるから
GM:正直怖いんですよね みんな130点卓にならないかな
ウルスラ・ミック・ベニ:キャラシも経験点も多くて大変
ウルスラ・ミック・ベニ:巨匠の記憶もLV5、たとえ再び剣を失っても戦えます。バイクとか買えれば。
GM:ところで今回、その剣を奪った相手であるところの
GM:倫道アカネさんがご出演されるとの噂もありますが
ウルスラ・ミック・ベニ:ソワソワ…
ウルスラ・ミック・ベニ:先輩とどんな顔で会えばいいのかわかんないよ~
ウルスラ・ミック・ベニ:先輩から剣を奪った私から剣を奪った騎士王も出てきそうだし…
ウルスラ・ミック・ベニ:ともあれルキアちゃんが居なくなってしまうのはとても看過できません
ウルスラ・ミック・ベニ:かつての強敵拷問王シスルちゃんと仲良く肩組んでドラゴンクエストに挑みます。
GM:なぜかボケツッコミの掛け合いがばっちりな二人なのだ
GM:ということで頑張っていただきます!正統後継者としてキングダムにリトライだ
GM:次はPC3!天沼チギリ委員長のご紹介です。キングダムのメインシナリオにもついにPC参戦……!
天沼チギリキャラシート
天沼チギリ:はい!天沼チギリです!
天沼チギリ:遺産管理委員会の元老としてちょくちょく顔出ししていましたが、
天沼チギリ:ついにプレイアブルになりました。
GM:PCとしてはキングダム以外のシナリオに出てきたことの方が多いですよね
天沼チギリ:そうですね。NPC側に回った数の方が多い…
天沼チギリ:そしてその性能は!
天沼チギリ:最強のDロイス裁定者で憎悪を撒き、
天沼チギリ:ブレインハックでさらに憎悪を撒き、
天沼チギリ:怒涛の大蛇で憎悪攻撃を全体化する。
天沼チギリ:ド級の憎悪人間です。
天沼チギリ:侵蝕はメチャきついので
天沼チギリ:ささやかな抵抗としてメモリーも積んでいます。焼け石に水すぎる…。
天沼チギリ:今回は時の棺や崩壊のスフィアで支援したり
天沼チギリ:異世界の因子でエフェクトをパクったりもできるようになりました。
GM:時の棺に異世界の因子!最強エフェクトがいっぱいだ
天沼チギリ:性格は何を考えているか分からない黒幕系女子…というのは初期の話
天沼チギリ:今やバケの皮も剥がれなんかちいさくてつよがってるやつくらいになってます
天沼チギリ:今回は最後ということで頑張っていこうと思います。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!この大事件を乗り越えればチギリ委員長もかわいいワールドの住人だ
GM:続いてPC4の有崎五派先生!先生枠なのでPC4でもいちばん重要なキャラです
有崎五派キャラシート
有崎五派:は~い!
有崎五派:UGNともFHともいまいち縁の無かった一般オーヴァード教師です!
GM:人生も一般人 感性も一般人
有崎五派:前回のラストでちょろっと非日常に巻き込まれた過去を回想したりもしたけど……基本的には命のやり取りとか裏社会とは無縁の人生を送ってきました!
有崎五派:覚醒後もソラリスシンドロームで強化された"社会"と嗅覚を便利に使ったくらいで戦闘経験も殆どなし。
有崎五派:ただ元ヤンの過去と、教師への強すぎる憧れが経験不足を補ってこんなとんでもない状況に首を突っ込むことになっちゃったけど……
GM:その善意も非常識な善意とかいうわけでもなかったしな……
有崎五派:お飾りだろうと呼ばれたからには最後まで付き合わないと先生の名折れよね~!って心持ちでやっていきます。
GM:まっとうな大人だ
有崎五派:星室庁の先生たちのように学区そのものに向き合えるほどの実力はないけど……生徒と向き合うのはやめない!頼りになる仲間も居るし何とかなるよね
有崎五派:性能としてはソラリスピュアを存分に生かしてバフをタブレット+多重生成でまき散らしながら
有崎五派:帰還の呼び声で最後の一押しを担当する予定です。メジャーが空いてたりするのでカバーリングもちょっとはできるはず!
GM:一般人みたいな顔してるけど、タブレット+多重生成は高経験点だと本当にやばいんだ
GM:これでバランスが成立するのかどうか私自身まったく分かっていないくらいの強さ
有崎五派:何かやっちゃいました?みたいな顔をしておきます。ともかく!
有崎五派:まずはルキアちゃんに自己紹介をするところから始めたい、そんな意気込みです。よろしくお願いします
GM:ルキアにとっては相楽左之助みたいな存在ですもんね……
GM:これからお知り合いになっていきましょう。もう帰るけど……
GM:共通ハンドアウトはこちらです。

PC1: 七十橋シスル(PL:アスハルさん)
PC2: ウルスラ・ミック・ベニ(PL:粘土さん)
PC3: 天沼チギリ(PL:猫口さん)
PC4: 有崎五派(PL:もやし炒めさん)
シナリオロイス:ルキア・ティベリア

"至上王"は、キングダム連合学院を異界へと繋げる道を開通した。
『おとぎの国』。それは、竜が棲むどこか。ルキア・ティベリアが本来送られるべきだった場所。
彼女が求め続けた『石の魔剣』と『破戒免状』は、その世界へと帰るための鍵と門だ。
物語の最後に、嵐の日々は終わる。邪悪な魔王は去って、王国には長い平和が訪れる。
けれどそこに生きる登場人物達に、そんな大団円を拒絶する意思があるのならば。

GM:最終話なのにどうして皆のハンドアウトがこれだけシンプルなのかというと
GM:オープニングに相当することはキングダムの過日でもうやってもらったからです。
GM:共通以外のハンドアウトは今回、重要ゲスト参戦NPC……いわばNPCを越えたEXPCに配布しています。
GM:EXPC1!常にキングダムを支えてきた第二席、ジェシカ・クロフォードさんだ。
"不夜王"ジェシカ・クロフォード:はい!
"不夜王"ジェシカ・クロフォードキャラシート
ジェシカ・クロフォード:キングダムの歩く労働基準法違反者ことジェシカ・クロフォードです。
ジェシカ・クロフォード:キングダムシリーズでは常に至上王とパーフェクトコミュニケーションを取ってきましたが
ジェシカ・クロフォード:実は初対面で最悪のバッドコミュニケーションをかましておりその際に心もブチ折られていたことが前回判明してしまいました。
GM:最高の展開でしたねあれは
ジェシカ・クロフォード:しかし、一度心が折れても王たる矜持はまだ失っていません。
ジェシカ・クロフォード:最悪の危機からだって守ってみせます…キングダムを!!
ジェシカ・クロフォード:その為の頼れる仲間もいる!
ジェシカ・クロフォード:美食王!法王!ノエミ!綾云媛!
ジェシカ・クロフォード:そして、どのツラ下げてそこにいる!任アルル!!!
GM:任アルルは果たして出るのかな?出てこないのかな?
ジェシカ・クロフォード:お前、マジで……!許さんからな……!
ジェシカ・クロフォード:そんな感じでキングダム胃痛枠の一人として頑張っていきたいと思います。宜しくお願いします!
GM:よろしくおねがいします!ところで300点版の性能はどんな感じですか?
ジェシカ・クロフォード:そうだった!300点版ジェシカは
ジェシカ・クロフォード:万全なる使用人を取得し一人だけさらに有能なダイスを触れ
ジェシカ・クロフォード:さらにサポートモードで全員の達成値を+5をする従者も導入し
ジェシカ・クロフォード:あとはマリシャスブラッドとレネゲイドディゾルバーとオートアクション絶対殺すマンと化した従者も導入しました。
GM:こわ……
ジェシカ・クロフォード:それ以外はいつも通り従者がめっちゃ頑張って判定したり孤独の魔眼したりします。
ジェシカ・クロフォード:そんな感じで頑張ります!
GM:はーい!よろしくお願いします。ハンドアウトはこちら。

EXPC1: ジェシカ・クロフォード(PL:中村さん)
シナリオロイス:ナアマ・キクロス

キングダム本校舎を中心に発生した空間異常は、前例のない、異質かつ大規模なものだった。
彼方に揺らぐ巨竜の影。学区に襲来する不明勢力。キングダムは幾度もそうした脅威を退けてきた。
だが全てに備え続けてきたあなたは、今回こそが、キングダム最後の危機に違いないことを知っている。
魔法局局長、"魔術王"ナアマ・キクロスが、長い予知夢から覚醒したからだ。
彼女が求め続けた最後の予言は、一文に過ぎない情報である。――星の光と悪意が、王国を砕く。
それが学区の総力を以てしても止められない未来であることは分かっていた。
故にあなたは、学区内のみならず、今はキングダムを離れた王達をも呼び戻さなければならない。
番外第十席"喝采王"。番外第十二席"探索王"。元番外第十七席"血統王"。……そして。

ジェシカ・クロフォード:血統王……
GM:キングダムの危機となれば血統王も駆けつけてくれます
ジェシカ・クロフォード:ありがとう……
ジェシカ・クロフォード:ぜってーキングダムを護ろうな…!!
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ああ!ぼくたちの友情パワーで!
GM:EXPC2、嘴子原シェイルさんのご紹介です!そろそろこの名字登録しとかないとな……
嘴子原シェイル:はーい!
嘴子原シェイルキャラシート
嘴子原シェイル嘴子原さいしばらシェイル。芸術家にして魔術師で、名を"エクスムンド"。
嘴子原シェイル:ちなみにPLはいっつもくちばしばらって打ってます
GM:へえ~私もそうしようかな
嘴子原シェイル:おすすめです
嘴子原シェイル:革命前からムセイオンより逗留してキングダムのお世話になっていたんですが、事件に巻き込まれた結果追い出されてしまいました
GM:とてもかわいそう
嘴子原シェイル:『同窓会』へ逃げ込んではしばらく情勢を見つつ雌伏のときを……と思ってるうちにあれよあれよと情勢が悪化
嘴子原シェイル:キングダムがとんでもない事になっている状況に幾ばくかやきもきしていた事でしょう
GM:同窓会組がこのまま蚊帳の外ではあまりにもったいない……!
GM:レナちゃんとの無敵コンビで再び参戦していただきたいところです
嘴子原シェイル:自らの望みのため、相棒との誓いのため、王国がどうなるかを見届けようと思います。
嘴子原シェイル:構成も従来通りのキーンナイフ投げ棄て型。10回くらいしか攻撃できないらしい。
GM:普通はそれで十分なんだよなあ
GM:最近はクソデカセッションが多いので10回以上攻撃することも珍しくなくなって大変よね
嘴子原シェイル:大勢の敵と戦ってるところを見るとヒヤッとしちゃうとか何とか……
嘴子原シェイル:ピュアモル伸ばし辛いなかまその2ですが、FHの頼もしいアイテムと防御札を鞄に詰め込んできました。
嘴子原シェイル:以前の比じゃない状況のヤバさですが頑張ります!よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします……!頑張れシェイルちゃん

EXPC2: 嘴子原シェイル(PL:Raspisさん)
シナリオロイス:エリザベス・タイラー

"海賊王"粛清に端を発したキングダム連合学院の異変と混乱は、同窓会のあなた達の耳にも届いていた。
しかしあなた達は今や職員室のウルスラ・ミック・ベニと別々の陣営に属しており、
キングダムへの潜入手段を持たぬ以上、思うように彼女を手助けすることはできない状況にあった。
だが、予想だにしない助け舟が現れる。それはかつての敵にして元"海賊王"。エリザベス・タイラー。
キングダムを離反した海賊部は新たな学区を結成し、キングダムへの突入を準備しているのだという。
"至上王"の打倒か、キングダムの防衛か。どちらがあなたの望みかは分からない。
ただ、成すべき一つだけのことは確かだ――キングダム停滞の打破と新生を、その目で確かめること。
レナ・ルナールが探し求めた英雄として、あの日に誓った願いを、果たす日が来た。

GM:それではEXPC3!キャロル・ホプキンスさん!
キャロル・ホプキンス:はーい!
キャロル・ホプキンスキャラシート
キャロル・ホプキンス:番外第三一席“免罪王ロード・マーシー”改め、指名手配犯のキャロル・ホプキンスです。
GM:除名されたけど十字冠転送で逃げられちゃったせいで王鍵剥奪もできてないのだ
キャロル・ホプキンス:懲罰奉仕部というちょっと極悪非道で狂人が多いだけの楽しい仲間達と、大博物館を襲撃しました。
GM:悪さにも限度あり
キャロル・ホプキンス:遠きものとか、古代兵器とか、理事会兵器とか色々使ったけどぶち切れ死蔵王には勝てなかったよ……。
キャロル・ホプキンス:至上王陛下こそ唯一にして絶対の王だと信じ、自分を含めた全ての王を廃位する為に頑張っていましたが、
キャロル・ホプキンス:一度負けて、かつての副官に説得されて、とりあえず至上王陛下に一度会ってから改めて考えようと思い直しました。
GM:まだ諦めてないのかあ……
キャロル・ホプキンス:なので指名手配犯だけどキングダムに突入します!
GM:厄介!だがこの人のお話を完結させずにはキングダム卓は終われまい……!
キャロル・ホプキンス:データとしては、ピュアブラックドッグで増やしたHPを活かして雷鳴の申し子で殴ります。
キャロル・ホプキンス:元々は、白猿の額冠と変異暴走:自傷を活用して、自分で10d10ダメージ受けて雷鳴の申し子を最初から活用していく型でしたが
キャロル・ホプキンス:この規模の卓だともうちょっと生存能力に振った方がいいかなと思い、白猿の額冠でゲットしたエフェクトは獅子奮迅になっています。
GM:ちょっとマイルドになったんですね
キャロル・ホプキンス:カバーリングとか、蘇生エフェクトもあるので盾役もこなしつつ殴っていきたいと思います。
キャロル・ホプキンス:よろしくお願いします!
GM:はーい!キャロルさんのハンドアウトは以下の通り。

EXPC3: キャロル・ホプキンス(PL:黒鉛筆さん)
シナリオロイス:"慈悲なきもの"

あなたは敗北した。執念とともに培ってきた力も、部員も失い、ただ一つの望みも果たせはしなかった。
廃躯窟から転送された後、どこを彷徨い、どのように倒れたのか――
次に目覚めたのは見知らぬ理事会施設で、あなたを救ったのは、奇妙な鉄仮面の修道女だった。
修道女は遺産失格者"慈悲なきもの"と名乗り、あなたの素性を聞くと、一つの情報をあなたに与えた。
長く彼女の管理下にあった理事会時代の兵器が、数日前から原因不明の再稼働を始めている。
それは造換塔や八竜などと同等の、ノヴァリス計画を強制終了させるための抑止力だったのだという。
"至上王"は全てを拒絶している。キングダムは崩壊の危機を迎えている。
悪運とも呼ぶべき巡り合わせがこの世界にあるのだとすれば、まだ何も終わっていないのかもしれない。

キャロル・ホプキンス:ロード・マーシーは慈悲という意味なので、慈悲なきものさんとはいい感じにやりたいです
GM:意識してなかったけど偶然にも名前が対応してたなあ
GM:それでは最後、EXPC4のルナンシア・ラダ・ランパートさんのご紹介にまいりましょう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:はい。
ルナンシア・ラダ・ランパートキャラシート
ルナンシア・ラダ・ランパート:キングダムの精鋭部隊、救伐騎士団を率い、円卓第三席"騎士王"を名乗っています。
ルナンシア・ラダ・ランパート:誇り高くも苛烈にして容赦ない戦いぶりで敵を追い詰めるぞ。
GM:ついに騎士王がキングダムメイン卓にPC参戦……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:ありがたい限りです。
GM:厳密なPCではないとはいえ、これで円卓七人コンプリートかも
ルナンシア・ラダ・ランパート:隊のカラーである朝霧の蒼白を纏い高く澄んだ声と儚げな容貌を持つ金髪美少女ですが、背は威圧的に高いです。円卓にはもっと高い人もいるらしいです。
GM:ワンピースみたいな身長構成になっちゃった
ルナンシア・ラダ・ランパート:武装たる王鍵は黒曜石の大槍『氷累の石棺』。5mくらいのばかでかい槍を軽々と振り回す怪力の持ち主だ
ルナンシア・ラダ・ランパート:己を強者と定義しながらも、至上王には完膚なきまでに敗れ、
ルナンシア・ラダ・ランパート:以来他の円卓王のように恭順を示しながら、彼女を打ち倒す機会を伺い力を蓄える、ある意味凡庸とも言える態度を取っていました。
GM:かなり美味しい設定の持ち主だったけど
GM:反逆も海賊王に先を越されてしまったという悲しみを背負っている
ルナンシア・ラダ・ランパート:頑張って強くなって対等な強さを得られれば……というアプローチがやや見当外れというか、頭が固いのだと思います。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルキアとわかり合うには私が倒すしかない! という考えを内心に秘めたまま特に誰にも相談しなかった人。
ルナンシア・ラダ・ランパート:性能はサングインを使い倒す攻防型です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:激しいHP消費を回復でカバーしたり、前回登場時に見せた加速攻撃をデータに反映したりして結構ヤバめの侵蝕率になっています。
ルナンシア・ラダ・ランパート:こんなビルドで新旧エース対決を制することができるのか……強いは強いはず!
GM:ありがとうございます!ハンドアウトは……こちら!

EXPC4: ルナンシア・ラダ・ランパート(PL:そごうさん)
シナリオロイス:倫道アカネ

もしも"至上王"への謀反を実行に移すならば、今こそが最大の好機かもしれない。
叛意を心の内に抱きながら、それでもあなたは民を守ることを優先し、実直に責務を全うしている。
いつも選んできたことだ。いずれ"至上王"を討つべきと思いながら、あなたはこの日を迎えてしまった。
魔王に立ち向かうことがついにできぬまま、王国の日々は終わってしまうのだろうか?
"至上王"が現れる前、"騎士王"こそがキングダム連合学院最強の王であると称されていた。
けれどその更に前、あなたが代わりに座った席次で、最強と呼ばれていた者を知っている。
"風塵王"倫道アカネ。星徒として蘇った彼女は、多数の星徒を伴い、キングダムへと降下する。
どちらが最強だったのか。王国の守護という責務を果たすのならば、今、力を示さなければならない。

GM:新エースがいるなら旧エースもいる……それが倫道アカネ!
GM:そもそもこの人が死んだので入れ替わりで円卓入りしたのがルナンシアさんでした。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ロードウェザリー……再来!
ルナンシア・ラダ・ランパート:なんてことだ、こんな時に……
ルナンシア・ラダ・ランパート:以前ウルスラちゃんの彼女から継いだ遺産を奪ったり何かと縁があるのですね
GM:そういうことになりました
ルナンシア・ラダ・ランパート:全力で戦いましょう。成すべきことを成さなければ。また機会を失うことになったとしても。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それに……風塵王に勝てないようでは、至上王には通用しない。
GM:その通り!ぜひ頑張ってください
ルナンシア・ラダ・ランパート:うお~~やるぜやるぜ
GM:このメンバーで……やるぞ、キングダムの日!
ルナンシア・ラダ・ランパート:よろしくお願いします!

トレーラー
――いつか全ての人達に、天国が訪れればいい。
誰だって、幸福で温かな、王国の日を求めて生きてきたのだから。

さようなら。
はじめまして。




オーヴァード・ノヴァ『キングダムの日』





◆Opening◆キャロル・ホプキンス




GM戦いの果てに、キャロル・ホプキンスは敗北した。
GM:それでもまだ、心が折れたわけではなかった。彼女にはまだ仲間があり、新たな絆と志を得た。
GM:その先で罪人として捕らえられることが分かっていても、正法院ワカナとともにキャロルはキングダムへと向かい――
GM:そして、途上で墜落した。
GM:彼女らが乗っていたミネルヴァは物珍しい種でもある。ノヴァリスの生徒が悪質な悪戯でそれを撃ち落とす可能性も、ゼロではなかっただろう。
GM:だがキャロル達が遭遇したそれは、そうした不慮の事件や事故でもなかった。
GM:キングダムへと続く空は、巨大な、歪んだ光に阻まれた。
GM:大ノヴァリス博物館との対決に敗北し……彷徨い、再起し、旅立った、ちょうど同じ日
GM:キャロル達と同じように、怪物的な何かがキングダム連合学院を目指していたことだけが理解できた。
GM:キャロルとワカナも十分に強力なオーヴァードである。それでも接近の前触れは察知できず、移動の余波にすら耐えることはできなかった。
GM:――だが、キャロル・ホプキンスがその瞬間の事実を正しく認識するのは、まだ先のことだ。今はまどろみの中である。
キャロル・ホプキンス:ついこの間までは、夢を見ることはなかった。
キャロル・ホプキンス:数ヶ月前から数日前までの間、夢を見た記憶がない。
キャロル・ホプキンス:初めて大ノヴァリス博物館の地下に足を踏み入れた日と、敗北を喫したあの日の間。
キャロル・ホプキンス:恐らくは、父――ヘンリー・ホプキンスの意識を転写され、脳の領域の一部を占領されていた為なのだろう。
キャロル・ホプキンス:だから、今は夢を見ることができる。とはいえ、それもただの夢ではなく、過去の記憶ばかりだ。
キャロル・ホプキンス:ヘンリーがキャロルの体を使っていた間の出来事を始めとして、キャロルが経験したことのないヘンリー自身の記憶。
キャロル・ホプキンス:ワカナによってヘンリーの人格はキャロルの中から削除されたが、こうして記憶だけは断片的に残っており、夢という形で思い出していた・・・・・・・
キャロル・ホプキンス:今見ているのは、キャロル自身も別の視点で経験した記憶。

ヘンリー・ホプキンス:「――お前の罪だぞ、“免罪王”」
ヘンリー・ホプキンス:「お前の判断が、一人の生徒を殺したのだ」
キャロル・ホプキンス:思えば、父から娘として扱われた記憶はなかった。
キャロル・ホプキンス:愛されていた実感もない。それでも、父のことを一般的な娘と同じ程度には大切に思っていた。
キャロル・ホプキンス:“パックス・デイ”において、キャロルの情操教育を行っていたのはヘンリーとは別のエージェントだった。
キャロル・ホプキンス:そのエージェントから、ヘンリーは自分のことを本当は大切に思っていると聞かされていたからだ。
キャロル・ホプキンス:だが、それはヘンリーがそう言わせた言葉だった。
キャロル・ホプキンス:いずれ罰を与える時に、愛する親を殺させることができるからだ。
キャロル・ホプキンス:ヘンリーの記憶を覗き見る今のキャロルには、自分の記憶のように理解できる。
ヘンリー・ホプキンス:「“免罪王”」
ヘンリー・ホプキンス:「“免罪王”は王には相応しくなかった」
キャロル・ホプキンス:父は、ノヴァリスにおいて一度も自分の名を呼ぶことはなかった。
キャロル・ホプキンス:夢は、ヘンリーの記憶とキャロルの記憶が入り交じり、どちらの記憶かも判別ができなくなる。
キャロル・ホプキンス:胸を突き刺される痛み。
キャロル・ホプキンス:剣を突き立てる感触。
キャロル・ホプキンス:殺された側と、殺した側の記憶が同時に回想される。
キャロル・ホプキンス:(お父さん)
キャロル・ホプキンス:(あなたは、どうしてこんなことを正義だと言えたのですか)
キャロル・ホプキンス:それだけは、ヘンリーの記憶を得ても、分からなかった。
キャロル・ホプキンス:ただ、悍ましい罪であるとしか、思えなかった。



????


GM:目を開けても、暗闇の中にいた。
GM:学区辺境のどこかに墜落したような記憶はあるが、どうやら室内のようである。
キャロル・ホプキンス:頭に残る倦怠感を振り切るように首を振りながら体を起こす。
GM:ベッドではなく、布団に寝かされていた。僅かな木材とイグサの匂いがある。
キャロル・ホプキンス:「ワカナさん……?」
キャロル・ホプキンス:同行していた友が介抱してくれたのだと思い、名を呼ぶ。
???:「誰かの名か?」
???:背を向け、正座をしている女がいる。
???:修道女のような装いをしていたが、振り返ったその顔全体を覆うように、奇妙な鉄仮面がある。

キャロル・ホプキンス:「わあっ!」
???:「そう時間は経っていない。キャロル・ホプキンス」
キャロル・ホプキンス:「……私をご存知なのですか?」
???:「……私が知っていたのではない。そういう巡り合わせだった」
GM:奇妙な点がある。彼女の頭には十字冠がなかった。
キャロル・ホプキンス:「はあ……あっ、そうだ! ワカナさん……もう一人近くにいませんでしたか?」
キャロル・ホプキンス:十字冠がないことには気付いたが、それを尋ねるのも後回しにして、ワカナの安否を尋ねる。
???:「私が見たのは、お前だけだ」
???:「ひどい事故に遭ったようだが、その程度の軽傷で済んだのは巡り合わせが良かったのだろう」
???:「同行していた者がいたなら、転送されているかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「むう……私から目を離さないといっていたのに……仕方ありませんねえ、ワカナさんは!」
???:「ああ」
???:「フクロウはいる。そちらも無事だ。安心しろ」
ミネルヴァ:キャロルの肩に飛び乗る。
キャロル・ホプキンス:「ミネルヴァさん! ご無事でしたか!」
キャロル・ホプキンス:「ふむ……まあミネルヴァさんがいれば大丈夫でしょう! ワカナさんなら何とかしているはず!」
???:「……急ぎの用があるなら、悪いことをした」
???:点てていた茶をキャロルの目の前に置くが、勧めはしない。
キャロル・ホプキンス:「お茶……」
???:「待ち人がいるなら、発って構わない。私に会ったことは忘れろ」
キャロル・ホプキンス:「いえ、あなたのようなインパクトのある人はそう忘れられないと思います!」
キャロル・ホプキンス:「それに、助けてくれた人を忘れるような恩知らずでもありません!」
???:「恩義を感じる必要もない。どのみち死人だ」
???:「私が介抱せずとも、お前は目覚めていた。そのくらいは分かっている」
???:「ただ……」
???:「ふ」
???:「話し相手が欲しくてな」自嘲気味に笑う。
キャロル・ホプキンス:「なるほど」
キャロル・ホプキンス:「では、少しお話しましょうか! 急ぎの用と言えば急ぎの用ですが、急がないと言えば急ぎません!」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下にお会いするには今の混乱に乗ずるのがやりやすくはありますが、その後私がお話できる状態であるかはかなり疑問ですから!」
???:「やはり、そうか。キャロル・ホプキンス――キングダムに攻め込むつもりでいるのだな」
キャロル・ホプキンス:キャロルの認識では、現在のキングダムは混乱状態にあるが、終焉へ向かっている程の壊滅状態であることは知らない。
キャロル・ホプキンス:「む、その様子だと私が指名手配犯であることはご存知のようですね」
キャロル・ホプキンス:「いえ、まあ、攻め込むといいますか、結果的にそうなる可能性はかなり高いというか」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下にお会いしようとしたら、確実に円卓に邪魔されるだろうなとは思っていますが」
???:「ふむ」
???:「……ならば、どうしたい?それを達成するアテ、、があって目的地に向かっていたのならば」
???:「今すぐ成すべきことを成すほうがいい。全ての物事はそうだ」
???:「だが、お前が達成のための手段を欲していたのなら」
???:「死人の身とはいえ、これも無意味な出会いではなかったかもしれん」
キャロル・ホプキンス:「正直に言えば、アテと言える程のものはありません」
キャロル・ホプキンス:一応、考えていた作戦のようなものはある。
キャロル・ホプキンス:混乱に乗じて、牢獄や拘置所に潜入し、懲罰奉仕部の仲間や他の罪人を解放し、更なる混乱を巻き起こし、その隙に目的を達成するというものだ。
キャロル・ホプキンス:しかし、八割以上の確率で“鴉飼”や“不夜王”に察知されるだろうとも思っていた。
キャロル・ホプキンス:「あなたがどなたかは存じませんが、手段を紹介していただけるのならありがたい話です!」
キャロル・ホプキンス:「ですが……その、今更ですが、あなたは一体何者なんでしょうか……?」
???:「名はない」
???:「だが、呼び名が必要だというのなら」
???:「"慈悲なきものハングマン"と呼ばれていた」
"慈悲なきもの":「私はキングダム理事会の暗部エージェント――遺産失格者の一人だ」
キャロル・ホプキンス:「“慈悲なきものハングマン”さんですね! ……えっ、理事会!?」
キャロル・ホプキンス:「まだ……キングダム理事会の人間がノヴァリスに残っていたとは……」
キャロル・ホプキンス:遺産化していた父のような例外を除いては、キングダムから理事会は既に一掃されていたと思っていた。
"慈悲なきもの":「だろうな。私もつい最近まで、理事会が崩壊したことを知らずに暮らしていた」
キャロル・ホプキンス:「そうなのですか……」どう反応するべきか迷う。
"慈悲なきもの":「土の下で、もはや使われることのない兵器を守り続けてきたような、愚かな女だ」
キャロル・ホプキンス:理事会のエージェントだとすれば、キングダムへ攻め込もうとする自分を支援する理由は何なのか。
キャロル・ホプキンス:キングダムへの復讐か、父のような理解できない正義や信念の為か。
キャロル・ホプキンス:そこまで考えて、頭を振る。
キャロル・ホプキンス:「何故、私に力を貸してくれるのですか?」
キャロル・ホプキンス:彼女からは、そのような強い執着は感じられなかった。
"慈悲なきもの":「そうとは言っていない」
"慈悲なきもの":「私はただ、お前から話を聞こうとしていただけだ。そして、お前の考え次第では」
"慈悲なきもの":「目的の助けになる知識を、私が持っている。それだけの話に過ぎない」
"慈悲なきもの":「ただの世間話だ」
キャロル・ホプキンス:「なるほど……そういえば、お話がしたいということでしたね!」
キャロル・ホプキンス:理事会には父を始めとして、いい思い出など一つもない。
キャロル・ホプキンス:それでも、目の前の彼女に対して必要以上に警戒することはしなかった。
キャロル・ホプキンス:どうせ既に大体のものは失っていたし、全てを失う覚悟は既に決めていた。
キャロル・ホプキンス:自棄とはまた違う。思えば以前からそういうところがあった。生来の気質なのだろう。
"慈悲なきもの":「友人はいいのか?体に不調も残ってはいないだろう」
キャロル・ホプキンス:「大丈夫です! ワカナさんは勝手に私を追ってくると思いますし、ミネルヴァさんを通して私の無事も向こうに伝わるはずです!」
"慈悲なきもの":「なるほど。使い魔だということは分かっていたが、お前ではなくそちらの使い魔だったのだな」
"慈悲なきもの":ミネルヴァを優しく撫でる。
"慈悲なきもの":「……主が危機にあるなら、このような穏やかな反応はしまい」
"慈悲なきもの":「どうやら、人の生には」
"慈悲なきもの":「無駄な出会いというものはないらしい」
キャロル・ホプキンス:「そうですとも! 私もこれまで多くの縁に恵まれてきました!」
キャロル・ホプキンス:「死人にだってこれまでに二人会っています!」
"慈悲なきもの":「それはよくないな」笑う。「死人に会うのは面白くないだろう」
キャロル・ホプキンス:「面白くはありませんでしたが、必要な出会いだったと思っています」
キャロル・ホプキンス:「ですから、あなたに会ったのも、私に必要なことなのでしょう」
"慈悲なきもの":頷く。「……私の話をしよう」
"慈悲なきもの":「遺産失格者は、"ロードマスター"様に見出され、遺産を回収された、かつての遺産継承者の呼び名だ」
"慈悲なきもの":「顔と名を捨て、お前達ノヴァリスの生徒が目にすることのない仕事に従事していた」
キャロル・ホプキンス:王鍵の以前の契約者。確かにいて当然の存在だ。ノヴァリス内にいるとは考えていなかったが。
"慈悲なきもの":「私の仕事は、番人。私達が今いるここも、理事会施設の一つだ」
"慈悲なきもの":「とうに機能は失われ放棄された施設だが、このように、過ごしやすい管理人室はある」
キャロル・ホプキンス:父は『外』で遺産継承者を殺し、遺産だけを“ロードマスター”に献上していたはずだ。つまり、遺産失格者とは、“ロードマスター”手ずから奪った遺産の持ち主なのだろう。
キャロル・ホプキンス:「この六壬っぽいお部屋が……理事会施設の一部とは……」
"慈悲なきもの":「私の趣味だ。いいだろう?」
キャロル・ホプキンス:「冬は寒そうです!」
"慈悲なきもの":「寒さか。……”氷累の石棺”を手放した時から、感じなくなって久しいかもしれない」
"慈悲なきもの":「チャは、いい」新たな茶を点てている。
"慈悲なきもの":「火と、熱がある」
キャロル・ホプキンス:「チャ……」
キャロル・ホプキンス:自分の前に出された茶に目をやる。
キャロル・ホプキンス:「いただいてもよろしいですか!」
"慈悲なきもの":「勿論だ。のんでくれ」
キャロル・ホプキンス:「いただきます!」
キャロル・ホプキンス:ぐびぐびと飲む。和式の作法など知らないし、王である自分を嫌悪する免罪王は敢えて格式張った作法は無視する傾向にある。
キャロル・ホプキンス:「ふうむ……不思議な味です! 苦い……というより渋い……?」
"慈悲なきもの":「そうだな。キングダムの紅茶とはだいぶ違った味わいだろう」
"慈悲なきもの":「だが、理事会の私が点てたチャを、警戒もせずに飲んでくれるというのは」
"慈悲なきもの":「……ふふ。存外に嬉しいものだ」
キャロル・ホプキンス:「あはは! お話を聞くことに決めましたから! 疑う時には疑いますが、信じる時に半端に疑えば相手からの信頼を失います!」
"慈悲なきもの":「王の器だな」
キャロル・ホプキンス:「……いえ、私は王になど相応しくありませんよ」
"慈悲なきもの":「そう思うか」
"慈悲なきもの":「……キャロル・ホプキンス。お前があの『廃骸窟』を動かしたと聞いている」
"慈悲なきもの":「だが、お前がなぜそうしたのかは、私も知らない」
キャロル・ホプキンス:「この世にたった一人、王の器を持つ方に、偽りの王達を処断していただく為です」
"慈悲なきもの":「たった一人の王……」少し考え込む。
"慈悲なきもの":「……それが、噂に聞く"至上王"……とやらか?」その言葉は、やや歯切れが悪い。
キャロル・ホプキンス:「はい。……実は私もお会いしたことはないのですが」
キャロル・ホプキンス:「遍く全てを救う絶対にして唯一の王。ただ一人、本当の正義を体現し得るお方」
キャロル・ホプキンス:「……私、そう思っています」
キャロル・ホプキンス:あるいは、そうであってほしいと願っているのか。
"慈悲なきもの":「行動の内には常に、心を駆り立てる理由がある」
"慈悲なきもの":「お前は、より強く偉大な王への……ある種の『直訴』として、行動に出た」
"慈悲なきもの":「不思議なこともあるものだな。お前そうだったのか……」
"慈悲なきもの":鉄仮面が、天井の方を向いたように見える。
"慈悲なきもの":「……お前と、とても似たような者と会ったことがある」
キャロル・ホプキンス:「私に似た方、ですか」
"慈悲なきもの":「そうだ。自分には成し得ない正義を執行する、偉大な王の存在を信じていた」
"慈悲なきもの":「自らの命を擲ってでも、本当の正義が果たされることを望み……」
"慈悲なきもの":「理事会の兵器を、そのために用いた」
"慈悲なきもの":「……結局は、その生徒も負けた。確かな正義や王のない世界を生きていくことを決めたのかもしれない」
"慈悲なきもの":「まだ諦められないか?キャロル・ホプキンス」鉄仮面の奥の暗闇から、視線が見据える。
キャロル・ホプキンス:「……そうですね。私には、まだ諦められる程の強さはないようです」
キャロル・ホプキンス:「力で砕かれて、友に諭されても、それでも」
キャロル・ホプキンス:「確かなものが欲しいと、そう思わずにはいられない」
キャロル・ホプキンス:「せめて、それを確かめるまでは」
"慈悲なきもの":「私は死人だ。今を生きる者の人生や信仰の領域に立ち入るつもりはない」
"慈悲なきもの":「だから、キャロル・ホプキンス。お前の考えを正しいとも間違いだとも言いはしない」
"慈悲なきもの":「だが、同時に」
"慈悲なきもの":「正義を見失ってしまった者がどれほど苦しむのかを……憐れんでやることだけはできる」
"慈悲なきもの":「――既に言ったように、私はキングダムが管理する決戦兵器の番人だ。『造換塔』はその一つだった」
GM『造換塔』、という名は、諸王であればかつて耳にしたことはあるかもしれない。
GM:ARES首魁のザジ・バントラインが起動し、キングダムへと砲撃を行った理事会遺構がそのように呼称されている。
キャロル・ホプキンス:「ARESの……あれは惜しかった……こちらの準備が間に合っていればあの機に乗じることも……」
"慈悲なきもの":「強かだな……」やや引いているような雰囲気を感じる。
"慈悲なきもの":「話は変わるが。キャロル・ホプキンス」
"慈悲なきもの":「――"裂界天驚派"はなぜ、あれほど力を持っていたと思う?」
キャロル・ホプキンス:「“裂界天驚派”……確か、崑崙の派閥でしたか」
"慈悲なきもの":「"マスターペリル"は七賢人の一人だ。崑崙山にはイースターエッグなるノヴァリスの鍵が隠されていたとも聞いている」
"慈悲なきもの":「"マスターペリル"と崑崙山の力は、確かに凄まじい。直接戦闘能力において最強の学区だっただろう」
"慈悲なきもの":「だが"マスターペリル"は人間社会に根付く術を持たぬ、本物の妖異だ」
"慈悲なきもの":「ファルスハーツに組織基盤を持っているとは思えない」
"慈悲なきもの":「それとも彼女は妖異ならではの悪辣さを以て、ノヴァリスの政治を巧みに調整していたのか?」
"慈悲なきもの":「私の考えは違う」
キャロル・ホプキンス:「確かに……他の派閥については詳しくはありませんが、そんな知性があれば崑崙はあんな感じにはなっていない気がしますね……」
"慈悲なきもの":「……キングダムの者は見下しているが、崑崙山の生徒は愚かではないぞ」
"慈悲なきもの":「それどころか"マスターペリル"は、自分達がそうであることの価値を誰よりも理解していたとすら言える」
"慈悲なきもの":「"裂界天驚派"は、ノヴァリスの誰しもにとって、、、、、、、必要だったからこそ強かったのだ」
"慈悲なきもの":「それはキングダムも、メサイアも、ジェネシスも同じことだ」
"慈悲なきもの":「誰もが、、、いずれ彼女達を必要とすることを分かっていた」
"慈悲なきもの":「ノヴァリスの派閥は、それぞれが別の目的を以て学区を運営し、このノヴァリスという世界を導こうとしていた」
"慈悲なきもの":「生徒が成長し、この計画が完成に近づいていくとして」
"慈悲なきもの":「最後には……どうなる?」
キャロル・ホプキンス:「星徒として卒業する……」
"慈悲なきもの":「それは、お前達生徒の視点だ。理事会はそうは思わない」
"慈悲なきもの":「最後には、他の全ての学区と戦う必要がある」
"慈悲なきもの":「統一を果たせる思想は一つだけだ」
"慈悲なきもの":「だからこそ、巨大な学区であるほど――」
"慈悲なきもの":「ノヴァリス計画そのものを白紙化するための切り札を備えていた」
キャロル・ホプキンス:「『造換塔』のようなものが崑崙にもあり……その切り札の為に、武芸だけを磨く必要があった、ということですか?」
"慈悲なきもの":「八竜。造換塔。真理兵装」
"慈悲なきもの":「……崑崙山中等専門学校」
"慈悲なきもの":「そうした強大な力を味方につけるのは、自らの派閥が優位に立つための抑止力でもあり、他の派閥が勝利を収めた時の横紙破りのためでもある」
"慈悲なきもの":「……お前が動かした『廃骸窟』もその一つだ。正しくはアーキタイプと呼ぶべきかもしれないが」
キャロル・ホプキンス:『廃骸窟』の攻撃対象はキングダムだったが、あれは所在地に踏み入れた侵入者を攻撃する機構だ。
キャロル・ホプキンス:『廃骸窟』自体が自立稼働する以上、その攻撃対象を運用次第で自由に設定し直せるということになる。
キャロル・ホプキンス:……あの都市を造り出したマルヴォにその意志があったかは怪しいところだが。
"慈悲なきもの":「古代ノヴァリス文明、というものが存在すればだが」
"慈悲なきもの":「彼らは遠きものフェリゾンレヴェアを敬いながら、ひどく畏れたはずだ」
"慈悲なきもの":「魔術や遺産。あるいはレネゲイドと表現してもいいが――神秘を従える文明を有していながら」
"慈悲なきもの":「それを遥かに越える神性に脅かされる恐怖は、今を生きる我々の比ではなかっただろう」
キャロル・ホプキンス:「……ええ、遠きものフェリゾンレヴェアの強大さは私も目の当たりにしました」
"慈悲なきもの":「『廃骸窟』はそうした先史文明が遠きものフェリゾンレヴェアへの抵抗を試みた、ささやかな手段の一つだった……と私は解釈している」
キャロル・ホプキンス:「あれが当たり前に存在していた時代があったと考えると背筋が凍ります」
"慈悲なきもの":「そうだな。神も、人の兵器も、何もかもを壊すことのできるものが多すぎた」
"慈悲なきもの":「だから滅びたのだろう」
"慈悲なきもの":「『廃骸窟』のようなものを、理事会は他にいくつも発見していた」
"慈悲なきもの":「神性にして人為。石にして生命。解析不能の、機械仕掛けの巨像――」
"慈悲なきもの":「このノヴァリスという世界は、そうしたものでなければ建造できなかったはずだ」
GM:メサイア地下から発掘され、セイクリッドピラーを襲撃した、"ヘカトンケイレス"という建設機械群がある。
GM:その構造は紛れもなく機械のようでいて、生命の如く衝動に突き動かされ、環境に適応して自ら変異すらした。
GM:先史文明の巨大兵器こそが"ヘカトンケイレス"の基礎であったかどうか。キャロル・ホプキンスは知る由もないだろう。
GM:だが。
"慈悲なきもの":「お前は既によく見知っているはずだな。キャロル・ホプキンス」
キャロル・ホプキンス:「私が知っているもの……」
"慈悲なきもの":「キングダム理事会の中でも、限られた者しか知らないことだが」
"慈悲なきもの":「大ノヴァリス博物館には開発コードがある――『Clouder敵意を栄光に陰らせる者』」
キャロル・ホプキンス:「大ノヴァリス博物館が……!?」
"慈悲なきもの":「初期の"天国派"は、そうした虚ろな巨像を制御するために、様々な試みをした」
"慈悲なきもの":「もっとも優れた人工知能技師によって、擬似的な『心』を与える実験があった。成功した」
"慈悲なきもの":「『Devastator堕落を大地へ還す者』と呼ばれた巨大建設機械だ」
"慈悲なきもの":「しかしそれだけでは、神に対峙する兵器の真価としては不十分だと考えた者がいた」
"慈悲なきもの":「単独の、擬似的な心では間に合わないのであれば……数多くの、心のような何かであれば、と」
"慈悲なきもの":「故に王鍵としての用を成さぬような無数の遺産で、それを動かす試みをした。成功した」
"慈悲なきもの":「『廃骸窟』がアーキタイプというのは、そういうことだ」
キャロル・ホプキンス:「大ノヴァリス博物館に収蔵された遺産を利用して最終防衛機構を作り出したのではなく……」
キャロル・ホプキンス:「兵器として運用する為に、大ノヴァリス博物館に遺産を収蔵した」
"慈悲なきもの":「それだけのためではなかったのかもしれないが」
"慈悲なきもの":「意図の一つではあったのだろうな」
キャロル・ホプキンス:「死蔵王が知ったら怒り出しそうな話ですね……」
"慈悲なきもの":「ともあれ、二種類の試みが成功裏に終わり、それ以上の実験は行われなかった」
"慈悲なきもの":「間違いのない成功の手段を既に確認したわけだからな」
"慈悲なきもの":「つまり。制御機構を組み込まれることなく保管されている巨像がある」
キャロル・ホプキンス:「それが……私の助けになる知識、ですか」
"慈悲なきもの":「あるいは既にお前が動かしているのやも、と思ったのだ」
"慈悲なきもの":「まだキングダムへと攻め込むつもりでいるのならば、同じような二の矢を用意していたとしてもおかしくはない」
キャロル・ホプキンス:「いえ……ぶっちゃけ一か八かでした!」
"慈悲なきもの":「ならば、お前ではないのだな」首を振る。
"慈悲なきもの":「……私は、そうした理事会兵器の管理者だった。だから今も稼働状況は把握している」
"慈悲なきもの":「三機目、、、が活動を開始している」
キャロル・ホプキンス:「なるほど……」
キャロル・ホプキンス:「……大変なことではありませんか、それ?」
"慈悲なきもの":「……」
"慈悲なきもの":「だろうな」
キャロル・ホプキンス:「てっきり隠された場所や動かし方を教えてもらえるものと思っていたのですが……」
キャロル・ホプキンス:「もう動いちゃってるとは……」
"慈悲なきもの":「私はお前を助けると言ったわけではない」
"慈悲なきもの":「助けになるかもしれない情報を伝える、と言っただけだ」
キャロル・ホプキンス:「確かに……私の早合点でした!」
"慈悲なきもの":「それに、この事実がお前の目的に沿うかどうかという問題もある」
"慈悲なきもの":「キングダムを崩壊させたいというのなら、好都合だろう。だが、キングダムを守りたいのならば……」
"慈悲なきもの":「これは危険な予兆であるともいえる」
キャロル・ホプキンス:「どちらも、私の目的とは少し違いますね」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下がおられる限りキングダムは崩れません」
キャロル・ホプキンス:「ですが、そんな兵器がキングダムに迫っているのなら、陛下自ら打って出られるかもしれない」
キャロル・ホプキンス:「そう考えれば、好都合かもしれません!」
"慈悲なきもの":「好きにすればいい」落ち着き払って茶を飲んでいる。
GM:"慈悲なきもの"は"ロードマスター"の死を知らされて後、もはや命じる者のいなくなった理事会兵器の管理をほぼ放棄していた。
GM:それは責任を投げ捨てたためというより、理事会が敗北し、主権が生徒の手へと渡ったことを認めているためである。
キャロル・ホプキンス:「ありがとうございます!」勢いよくお辞儀をする。
"慈悲なきもの":「兵器の座標はお前に渡しておこう。だが……」
"慈悲なきもの":「……邪魔は入るかもしれないな」
"慈悲なきもの":顔を上げる。
キャロル・ホプキンス:「私の目的に邪魔が入らなかった試しなどありません!」
キャロル・ホプキンス:「ですが、こうしていつも助けてもらって、結構いい感じにやってきました! ……まあ、負けてしまいましたが」
"慈悲なきもの":「いいや。キャロル・ホプキンス。私が助けたわけではない」
"慈悲なきもの":「だから礼も私に言う必要はない。初めから」
GM:"慈悲なきもの"の言動には多少の矛盾点がある。
GM:世を捨て、今のノヴァリスの趨勢に興味すら抱いていない"慈悲なきもの"が
GM:なぜキングダムを見張っていたかのようにキャロル・ホプキンスの名と事件を知り、こうして接触してきたのか。
GM:――タン!
GM:薄明かりを灯していた障子戸が、唐突に開いた。

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ちょっと!!!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「起きてたならあたしをまず呼びなさいよ!!」
キャロル・ホプキンス:「えっ! あなたは……“四腕王”!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ああ、久しぶりね、七光りの"免罪王"……!」
キャロル・ホプキンス:「お久しぶりです!」
キャロル・ホプキンス:「あなたが追放されたと聞いて、お聞きしたいことがあったのです!」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下直々に沙汰を受けたというのは本当ですか!? 至上王陛下とお会いになったのですか!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ぐ、こいつ……!」片頬を引きつらせて後退りする。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「なんでよりによってこんなイカれ女を……いや、でもこの機会を逃したら……」
GM:元番外第三十席。"四腕王ロード・アリーヤ"アーイシャ・ナッジャール。
GM:キャロル・ホプキンスと同じく円卓への謀反の罪によって、キングダム連合学院を追放された……罪人である。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"免罪王"」
キャロル・ホプキンス:「はい!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キングダム崩しに……興味はないかしら?」

GM:シーンを終了します。ロイスのみ取得可能です。
キャロル・ホプキンス:“慈悲なきもの” ○誠意/不思議


◆Opening◆ジェシカ・クロフォード




キングダム連合学院 行政部


GM:キングダム初の、星室庁への公式派遣要請。
GM:可能な限り『無難』な人員を選定したとはいえ、前例のない事態である。円卓の王複数名が有崎五派と同行したことは、決して大げさな対応ではなかっただろう。
GM:『先生』の安全を保証する護衛、あるいは『先生』自身の予期せぬ行動への対応能力ならば、"鉄騎王""拷問王"以上に適格な人員はいない。
GM:彼女達二人で対処できない物事ならば、他の誰にも対処できないということだ――だが、ジェシカ・クロフォードが同行しなかった理由はそれだけではない。
GM:有崎五派の来訪に先立って、彼女が最優先で対処すべき事態が発生したためだった。
行政部生徒:「不夜王様」執務室に入室してきた生徒は、表面上は落ち着いていたが
行政部生徒:強いて動揺を押し殺していることはよく分かった。
行政部生徒:「魔法局から、緊急の報告です」
行政部生徒:「魔術王様が覚醒いたしました」
ジェシカ・クロフォード:紙の上を走っていたペンの動きが止まる
ジェシカ・クロフォード:「詳細を」
GM:――"魔術王ロード・クラビキュラ"という王が存在する。
GM:序列は番外第七十四席。特例降格処分を受けたフローレンス・アシュモールを除けば、現在確認されている諸王の中で、最下位の王ということになる。
GM:全日制の生徒達の中には、彼女が存在することすら知らぬ者もいるかもしれない――『八月革命』の勝利から現在まで、絶え間なく眠り続けていたからだ。
GM:だが、彼女はジェシカが知る限り、もっとも強力な魔術師である。故に理事会時代から、魔法局局長の座が変わったことはない。
ジェシカ・クロフォード:「いや、いい。それより彼女は意志疎通可能な状態を保持できているか」
行政部生徒:「……はい。衰弱こそしておりますが、すぐにお会いできる状態とのことです」
ジェシカ・クロフォード:「で、あるなら私が直接出向こう。彼女の言葉は」
行政部生徒:「承知しております」頭を下げる。
GM:この生徒にも、伝言は伝えられていないだろう。
GM:予言を、予言を知るべきでない者に伝えてしまうことは大きな危険を伴う。
ジェシカ・クロフォード:君たちには『毒』だ
ジェシカ・クロフォード:その言葉を飲み込み、ただ部下の言葉に頷く
ジェシカ・クロフォード:「魔術王の覚醒については、私が時期を見て周知する」
ジェシカ・クロフォード:「君は通常業務に戻っていろ。ご苦労だった」
行政部生徒:深く一礼して、退席する。
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:「よりによって、この時期に」
ジェシカ・クロフォード:常日頃から不機嫌そうな顔に、さらに深い皺が刻まれる。
ジェシカ・クロフォード:「いや、"今"だからこそか。」

キングダム連合学院 魔法局


GM:魔法局に到着したジェシカは、殆どまっすぐに、"魔術王"――ナアマ・キクロスの寝室へと通されることになる。
GM:『八月革命』の後、ジェシカ・クロフォードが彼女と交わした契約は一つ。
GM:『キングダムに最大の危機が訪れる時、それを予知すること』。
GM:"魔術王"はその一つの問いに最も正確に答える予知を行うことを承諾し、その時まで眠り続けることになった。
GM:"魔術王"の居室には、ブーゲンビリアの甘い芳香が漂っている。
GM:ナアマ・キクロスは覚醒し、ベッドに腰掛けていた。
GM:その表情は伺えない――というより、存在しない、という表現のほうが正しい。
GM:定時制の多くの生徒は、魔なる者との混血であるが
GM:彼女が唯一露出している顔は、どこか遠い夜空を映し出しているかのような空虚である。
GM:名付けることすらできぬ、外なる神性との"混血"なのだと自称している。
ジェシカ・クロフォード:「おはよう。"魔術王"」

"魔術王"ナアマ・キクロス:「ジェシカ・クロフォード」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「あなたは最も賢い選択をいたしましたわ」
ジェシカ・クロフォード:「いや、ご苦労だった。と言った方がよいか。」
"魔術王"ナアマ・キクロス:くすり、という笑い声だけがある。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「労われることなど」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「私はいわば、理事会に与した罪人の身なのです。懲役にしては短く済んだというものでしょう――」
ジェシカ・クロフォード:ふう、と小さくため息をつく。
ジェシカ・クロフォード:この女との腹の探り合いは苦手だ。
ジェシカ・クロフォード:それは彼女の予知が本物であり
ジェシカ・クロフォード:その知覚がどこまで及んでいるのか
ジェシカ・クロフォード:彼女の顔色を見てもそれを推測することすら出来ないからだ。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「……さて。こうして目覚めてしまった以上、詳しい予知の内容をお話することに、さして意味はありませんでしょう」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「確定していることは、とても単純な一言で済みます」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、単刀直入に教えてくれ」「卿は何を見た」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「星の光と悪意が、王国を砕く」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「それ以上は、あえて予知いたしませんでした。他ならぬあなたが、それをお望みのはずなので」
ジェシカ・クロフォード:「………」
"魔術王"ナアマ・キクロス:両手を合わせる。「詳細に、すべてを知りつくそうとすればするほど……」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「そうして予知された未来は、確定してしまう」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「……ふふ。眠りの中で、あなたがお命じになった意図について考えていたのですよ。ジェシカ・クロフォード」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「『キングダムの最大の危機』を予知し、その代償として、その時まで眠り続けること」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「私が目覚めないうちは、キングダムが滅びることはなく」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「そして予知が確定したならば、危機を乗り越えることで、長き存続を確実なものとできる」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「その時こそが『最大』の危機なのですから」
ジェシカ・クロフォード:「そして」
ジェシカ・クロフォード:「卿はそれを夢で鑑賞するより」
ジェシカ・クロフォード:「その五感を持って楽しむことを望んだわけか」
ジェシカ・クロフォード:「あの『革命』の時のように」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ええ。少なくともしばらくは、こうして起きていることにいたします」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「これまでキングダムで起きていた出来事は、知っていますが」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「――これから起こることは知りません。まだ、未来は変えられる余地が残っているということです」
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「一つだけ聞かせてくれ」
ジェシカ・クロフォード:「星の光と悪意が王国を砕かんとする時」
ジェシカ・クロフォード:「私の傍に誰がいたか。卿は見たか?」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「見ませんでした。あなたが一人でいることを『見た』という意味ではありませんよ」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「その時、あなたがどこにいて、誰といて、何をして、生きているのか、死んでいるのか」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「それを『見なかった』ということです」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ですが、一つだけ確かなことはありますよ。ジェシカ・クロフォード」
"魔術王"ナアマ・キクロス:手袋に包まれた人差し指を立てる。
ジェシカ・クロフォード:「何だ」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「申し上げた通り、これは王国の最大の危機だ、ということです。それが確かである以上……」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「キングダム連合学院の全ての力を以てしても、この未来から先へと進むことはできません」
ジェシカ・クロフォード:「ああ」
ジェシカ・クロフォード:「わかっている。」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌な顔のまま、くつくつと笑う。
ジェシカ・クロフォード:「魔術王。今度は私が教えてやろう。」
ジェシカ・クロフォード:「卿は、『見なかった』のではない」
ジェシカ・クロフォード:「『見えなかった』のだ」
ジェシカ・クロフォード:そう、嘯く。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ほう」
"魔術王"ナアマ・キクロス:表情は伺えない。
ジェシカ・クロフォード:魔術王の予知夢の精度は知っている。彼女が望み、知り得ない未来などは存在しない。
ジェシカ・クロフォード:だが、彼女が未来を『見なかった』という言葉で確信した。
ジェシカ・クロフォード:「私はこれから、君が見ていた私ではありえない道を行く」
ジェシカ・クロフォード:「私の知る私なら忌避する術を取る」
ジェシカ・クロフォード:「君の魔術を超えて、我が覇道を歩む」
ジェシカ・クロフォード:「君が私の先を『見れなかった』のは、そういうことだ」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「……。私の予知の正体は、超広域知覚を元にした高精度演算である、と」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「理事会の、レネゲイド学者に言われたことを覚えています」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「それも解釈の一つとして、正しい答えではあったのかもしれません。私が彼を見た限り、彼は何も分かっておりませんでしたが」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「……ただ、私が眠りながら知覚し続けていたあなたが、これまでのあなたとは全く違う答えを出すのならば」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「自らを全く変えてしまう勇気と、それを成し遂げるだけの信念があるのならば」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「未来が『見えなかった』のだとしても、道理でしょう」
ジェシカ・クロフォード:くつくつと笑う
ジェシカ・クロフォード:「ああ、楽しみにしていろ」
ジェシカ・クロフォード:「私も最近知ったのだがな」
ジェシカ・クロフォード:至上王に振り回された日々を思う。
ジェシカ・クロフォード:我が王国に攻め入った愚者どもを思う。
ジェシカ・クロフォード:気に入らない、かつての同盟者を思う。
ジェシカ・クロフォード:「『見えない』というのも」
ジェシカ・クロフォード:「案外、良いものだぞ」
ジェシカ・クロフォード:指先を眉間に当て
ジェシカ・クロフォード:「皺が増えるのだけはいただけないがな」と小さくこぼす
"魔術王"ナアマ・キクロス:「……ふふ。私の助けが必要でしょうか?今は理事会の枷もなくなりました」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「円卓夜哨、というものがあるでしょう――シャジャラだけでは苦労しそうだな、と心配していました」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、目覚めたからには、存分に働いてもらう」
ジェシカ・クロフォード:「霊樹王はよくやってくれているが」
ジェシカ・クロフォード:「彼女にも、支えは必要だろう。」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「『見えない』世界を生きることは、ずっと楽しいものですが」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「見えないが故に、俗な地位が必要ということだけが、困りものです」
"魔術王"ナアマ・キクロス:苦笑のような声を漏らす。
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ジェシカ・クロフォード。予知は確定した未来です。外れることはありません。……ですけど」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「このキングダムは、あなたの人生そのものです。未来を乗り越えることを願っていますよ」
ジェシカ・クロフォード:「ああ」
ジェシカ・クロフォード:「卿にそう言われると面映ゆいな」
"魔術王"ナアマ・キクロス:「ずっと見てきましたので」
ジェシカ・クロフォード:今のキングダムは、かつて私が夢に見た王国ではない。
ジェシカ・クロフォード:だが、夢から覚め現実と立ち向かいながら
ジェシカ・クロフォード:私は、常にキングダムと在り続けてきた。

キングダム本校舎『白宮ホワイトホール


GM:ジェシカ・クロフォードは、すぐさま円卓議会を招集した。
GM:もっとも、それは招集と呼ぶべき人数ではない。
GM:"鉄騎王""拷問王"は付きっきりで有崎五派に同行している。"死蔵王"がそこに興味を抱くことも――珍しいことだが――予想はついていた。
GM:現状のキングダムの治安情勢で、市街の問題に即応できない状況が生まれてはならない。"騎士王""法王"がそうした諸問題を担当している。
GM:無論、"至上王"が出席することはない。彼女に付き従う"竜王"も同様だ。
GM:つまり"不夜王"以外には、円卓第四席――"美食王"だけだ。
GM:同列の王が七名で円卓議会を構成しているのは、このような緊急事態を想定されての体制でもあったが
GM:実際に最低限度の人数で会議が行われるのは、キングダムの歴史でもさすがに前例のなかった出来事である。

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(円卓議会の招集…という話ではなかったのか!?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「第四席、美食王。招集に応じ参りました…」
ジェシカ・クロフォード:「ご苦労」
ジェシカ・クロフォード:ため息をつく
ジェシカ・クロフォード:「卿には円卓に入って早々情けない有様を晒してしまったな」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(時間を間違えて早く来てしまった…などと言う事ではない…のか)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いえ、そのような事はけして」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「キングダムの現状を鑑みれば致し方なき状況かと」
ジェシカ・クロフォード:「現状か。」
ジェシカ・クロフォード:「卿はそれを実際にどう見ている」
ジェシカ・クロフォード:「現在、キングダムは、否…ノヴァリスは乱世を迎えていると言ってもいい」
ジェシカ・クロフォード:「その中で、着実に上に上り詰めてきた卿だ」
ジェシカ・クロフォード:「卿には、何か我々に見えていないものが見えているのではないか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「権力構造の安定こそが我らの最大の強みでありましょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「内外両面に足して揺るがぬ強権による統括…時にそれは恐怖政治ととられかねませんが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「危急の時にこそ序列は有効です…ですが」
ジェシカ・クロフォード:美食王の言葉の続きを待っている
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その威勢が陰れば付け入る隙を…招きかねない…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…この状況を好機と見て無用の騒乱を企む者も…居るのでは」
ジェシカ・クロフォード:「歴史を鑑みれば」
ジェシカ・クロフォード:「そのような時に表舞台に立つのは、市井の英傑」
ジェシカ・クロフォード:「それか、政権の内で確かな力と野心を持つ者だ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それは…しかし…体制の転換を伴いますが…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いえ、そう炊きつけるのも良いでしょうね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私が外部の人間でしたら、そうします…低いコストで相手に負荷を与えられる状況」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「英傑や野心家などは歴史の転換期に無数に現れ消えていきます」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「本物以外は」
ジェシカ・クロフォード:「なら、私は偽物だな」
ジェシカ・クロフォード:「第二席の地位にありながら、王らを招集することも叶わぬ」
ジェシカ・クロフォード:「張り子の王だ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そ、そのような事は…」
ジェシカ・クロフォード:「それでもだ。」
ジェシカ・クロフォード:「例え、無名の英傑が昇り詰める世になろうとも」
ジェシカ・クロフォード:「例え、今の円卓が崩壊しようとも」
ジェシカ・クロフォード:「『キングダム』を護ることが、私の矜持だ。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こ、こいつがダメなら…大概の王は偽物になるじゃないか!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「矜持…ですか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それこそが貴女の…野心では…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いえ…差し出がましい事を申しました」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、実に分を弁えぬ言葉だ」
ジェシカ・クロフォード:「だが、許そう。今ここには私と卿しかいないのだから」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「元より、分不相応な席次でありますので」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ありがとうございます」
GM:"魔術王"の予知は、具体性を伴ったものではない。ジェシカが備えるべき脅威の正体は不明だ。
GM:故に、異なる視点を持つオーシャンズ・マウンテンヒルズの見解は有用だろう。
GM:今の時期に覚醒したことを素直に受け取るならば、最大の脅威は『石の魔剣』を手にした"至上王"と受け取る者が大半かもしれない。
GM:だが、『星の光と悪意』――という表現が、ルキア・ティベリアに当てはまるものかどうか。
GM:もう一つのイレギュラーである有崎五派、という可能性は残っている。『星』を星室庁と解釈することができるからだ。
GM:ただ、そちらは現状三名の円卓の王が見張っており、新たに対処を講ずるまでもなく、最大限の警戒体制ではある。
GM:何かが起こる。だがそれほど巨大な異変であれば、まだ予兆がないこと自体が、異変ともいえた。
ジェシカ・クロフォード:「『星の光と悪意が、王国を砕く』」
ジェシカ・クロフォード:「"魔術王"が私にそう告げた。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…な」
ジェシカ・クロフォード:「卿にはこれより、この予言に備えることを最優先にして動いてもらいたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(本物の予知夢でそういう不吉な事を!?)
ジェシカ・クロフォード:不機嫌そうな顔のまま
ジェシカ・クロフォード:さらに不吉な言葉を告げる
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(備えろと?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…なるほど、正に火急の事態…」
ジェシカ・クロフォード:「無論、私と共にだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(い、嫌だ…でもそうも言ってられないのも確かだ)
ジェシカ・クロフォード:「先ほど卿の非礼を私は赦した」
ジェシカ・クロフォード:「故に、卿も私のこの不躾な頼みという非礼を赦してくれるだろう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…不夜王の見識は王国で最も頼りになる物の一つ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その眼鏡に叶う事は誉と存じております」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「であれば、この状況。財貨を惜しむべきではありませんね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「持てる者全てを吐き出す覚悟で臨ませていただきます」
ジェシカ・クロフォード:くつくつと笑う
ジェシカ・クロフォード:「構わんぞ」
ジェシカ・クロフォード:「騒乱の後、さらに上に昇る余裕は残してくれても」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…ふ…ふふ…ご冗談を」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「この機に乗じる勢力の足止め、利用できるものの選定」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「不夜王であればすでに想定済みの相手ではありましょう、しかしながら私にも多少の伝手は御座いますので」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「許可いただければ、すぐにでも」
ジェシカ・クロフォード:「わかった。卿の裁可に任せよう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ハッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(後にはもう引けない…毒を喰らえば皿までとはこういう事か)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(私は乗る船を間違えてはいない…居ないはずだ)
GM:オーシャンズは、震えを感じた。
GM:精神的な動揺が表れたために震えたのかもしれなかい――と思ったが、そうではないことはすぐに分かった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(ん?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(武者震いでは…ない!?)
GM:空間の位相が震えるような何かが起こっている。ジェシカも遅れてそれを知覚した。
GM:たとえば大きな地震が、地面だけではなく大気や物質全てで同時に起こった時、こうした異様な震動になるだろうか?
GM:ともあれ、確実なことは予測できた。――破滅的な破壊が起こるということ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「こ、これは!」
ジェシカ・クロフォード:「……自分の身は守れるな」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私を殺せるものは…ノヴァリスでも数本の指で数えられるほどし…うわッ」
ジェシカ・クロフォード:(違う。これは予言ではない)
ジェシカ・クロフォード:(白宮が砕けても、キングダムは砕かれたわけではない)
GM:本校舎にいる生徒、すなわち"不夜王""美食王"に、それぞれ60点ダメージが与えられます。
GM:これによって戦闘不能になった場合、即座に侵蝕率は100まで上昇し、十字冠転送します。
ジェシカ・クロフォード:従者作ってなくてよかった~~~!!!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ほんとそう
GM:そうそう、従者がいたら破壊されてましたね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:カバーリングできますか?
GM:できます。不夜王を見捨てて生き延びたいなら別ですが……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:まだ第二席は早いんだよォ!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》を使用します
ジェシカ・クロフォード:ありがとう…!!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:装甲とか有効かな~
GM:振動属性はダブルクロス的には装甲無視感ありますけど、まあ意思のある攻撃ではないので有効です。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:装甲7 53点の二倍か~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:106点
GM:これは耐えられないでしょ
GM:普通のオーヴァードなら3人以上殺せる
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:HP227だから~
GM:え?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:半分近く減っちゃった
GM:なんでェ?
GM:では、この異変では
GM:誰も戦闘不能になりませんでした……。
"元第一席"の不夜王:こわすぎ



キングダム連合学院

GM:嵐のような衝撃だった。
GM:本校舎に位置していたものは多くが吹き飛ばされたが、特に、生徒に対して強力に衝撃が作用した。
GM:上下左右の感覚も分からぬまま、ジェシカ・クロフォードは墜落している。
GM:生身の彼女が受けていれば、確実に十字冠転送されていたであろう衝撃規模である。
GM:それでもジェシカは僅かな痛みと軽傷だけで、意識を保っていた。無論、ただの幸運ではない……
ジェシカ・クロフォード:「……」
ジェシカ・クロフォード:「助かった。美食王」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:不夜王の周囲にあるべき周辺の瓦礫が跡形もなく消え去っている
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:口元を拭いている
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いえ…丁度小腹が満たせましたので」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(今から行われる激務を一人でやるのは…無理)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(相対的に不夜王いた方が…仕事は増えるが少しは楽だし…それに)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「貴方はまだ負けるつもりがないのでしょう?」
ジェシカ・クロフォード:「しかし、埃すらつかなかったのはありがたいが」
ジェシカ・クロフォード:「少し、砂糖で肌がベタつく気がするのは気のせいか?」と冗談めかしていう
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その程度は我慢して頂きたい。イメージ的にブロックチョコレートでしたので」
ジェシカ・クロフォード:美食王の言葉にくつくつと笑う
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(勝つための可能性を手放すわけにはいかない)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「万全に働いてくださいませ、不夜王様」
ジェシカ・クロフォード:「不敬だぞ。美食王」
ジェシカ・クロフォード:「私以上に働いている者など、この学園に居るものか」
GM:二人の視界の先には、先程までいたはずの本校舎がある。
GM:遠い。たった一瞬で、これだけの距離を吹き飛ばされたことになる。
GM:そして、何よりも異様なのは――

GM:夕暮れの空が藍色に陰り、市街を、地平線を覆い尽くすような巨大な竜の影が
GM:本校舎の方角の空に投影されていることだった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(勝つ…可能性か…本当にあるのだろうか)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:その影を呆然と眺める
ジェシカ・クロフォード:「ツイてるな。美食王」
ジェシカ・クロフォード:「何もしないうちに敵の札が一つ見えたぞ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(見たくねーんだよ!こういうバカ札は)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ふ…ふふ…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「では、龍の調理法を考えねばなりませんね」
ジェシカ・クロフォード:「刺身がいいな。一仕事した後には脂の少ないものがいい」
ジェシカ・クロフォード:「だが、あれはいいのろしだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「畏まりました」
ジェシカ・クロフォード:「あれを見れば、様々な人間が心を揺らす」
ジェシカ・クロフォード:「それは恐怖でもあり、野心でもあり、義侠でもあるだろう。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「大山鳴動して、鼠一匹とはかないですね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「誰彼構わず表舞台に引き上げるおつもりですか?」
ジェシカ・クロフォード:「無論」
ジェシカ・クロフォード:「否だ」
ジェシカ・クロフォード:「我らが望む人材が踊る舞台を」
ジェシカ・クロフォード:「我らが造り上げるのだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それは…ふふ…実に面白そうです」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、存分に楽しむといい」
ジェシカ・クロフォード:「我らは王にして、学生だ。」
ジェシカ・クロフォード:「無謀も愚行も、謳歌する権利はあるさ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(学生と言う意識があったのか?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「はは…確かに」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「貴女が楽しめる祭りと言うのは」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「想像できませんが、だからこそ実現すれば」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それは素晴らしいものになりますね」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、してみせるさ」
ジェシカ・クロフォード:今度こそは、夢ではなく、この現の中で

GM:ロイス取得のみが可能です。
"元第一席"の不夜王:魔術王/信頼/脅威〇
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:不夜王/ジェシカ・クロフォード/有能が過ぎる〇/無茶ぶりが過ぎる/ロイス
"元第一席"の不夜王:とりあえずこうで!


◆Opening◆嘴子原シェイル




新星近郊N市


GM:――三月末の卒業阻止事件を契機に、ノヴァリスから卒業不能となった留年生達によって形成された新たなコミュニティ、同窓会。
GM:その本拠地であるN市には、どこか昔懐かしさを覚える様式の住宅街や商店街が意図的に再現され、町並みを形成している。
GM:トップである三重偉大議長アトラ・アーリーバードを始めとして、同窓会の存在は多くの学区からの反感を買っていたものの、
GM:幸いにして、このN市が直接的に襲撃を受けた例や、事件に巻き込まれたような例は少ない。
GM:N市には多くの先住市民が暮らしている。特に生徒に対して、『先住市民への害意ある干渉の禁止』の戒律が抑止力となっているのだ。
GM:だが、今――
GM:このN市で巨大モンスターが暴走!生徒達は悲鳴を上げながら逃げ惑っていた!
同窓会生徒:「キャア~~!怪獣よ~~!」
同窓会生徒:「どうしてー!?N市は安全じゃなかったの~!?」
同窓会生徒:「消防車が遅すぎるぞォォ――――!!!」
GM:阿鼻叫喚!そして地響きとともにビルが砕け、出現する影……!
ものすごく長い尻尾:ブゥン……!!
ものすごく長い尻尾:逃げ惑う住民たちの頭上を、ものすごく長い尻尾が横切る。
同窓会生徒:「長ェ!なんて長い尻尾だ!」
とんでもなくデカい足跡:ゴシャァッ……!!
とんでもなくデカい足跡:逃げ惑う住民たちの眼前に黒い塊が落ちる。それが過ぎ去った跡には、とんでもなくデカい足跡だけが残されている。
同窓会生徒:「消防車は一体何をしてるの!!!早く来て―――!!お願い―――!!!」
発光する背びれ:ヴヴ……ヴヴヴ……ヴヴヴ……ヴゥゥゥンン……
発光する背びれ:ものすごく長い尻尾の先端、その背にそびえ立つ凶悪な背びれが青白い光を放ち
同窓会生徒:「なんだぁあの光は!?」
同窓会生徒:「関係ねえ!動きを止めた今がチャンスだ!!」
同窓会生徒:「やっちまえ~~っ!!」
GM:ピョーンと飛びかかる血の気の多い同窓会生徒達!
発光する背びれ:チャージ音と友に、腰、背中、そして首へとその光が登っていき。
発光する背びれ:ついに、その巨大な生物の貌をスクリーンに映し出す!
GM:スクリーン……?
閃光:カッッッッ!!!!
閃光:口から放たれた閃光が、無謀にも飛びかかった生徒達を尽く薙ぎ払い。
同窓会生徒:「ウギャアアアアアアア―――ッッッ!!!!」
同窓会生徒:「アイエエエエエエエエエエエ!!」
怪猿竜マジラ:「ごがあああああああああああああぉぉぉぉんんんぁぁ!!!!!!」

怪猿竜マジラ:熊の如き剛体に巨大な翼、太古の恐竜を思わせる強靭な顎門。
怪猿竜マジラ:そして、憤怒のままに暴れまわる姿はマシラのごとく。
怪猿竜マジラ:特徴的な咆哮を響かせて、災厄の獣は市街を蹂躙していく。
同窓会生徒:破滅的光景を見つめながら、同窓会生徒が呆然と呟く。
同窓会生徒:「主が『お前の名は何か』とお尋ねになるとそれは答えた……」
同窓会生徒:「……『これマジ?』と……」
同窓会生徒:「マジラ……!」

エミー・ワイルドボア:「くぅ~~~~~っこれこれ!!やっぱこのシークエンスがないと始まらんよな!」
エミー・ワイルドボア:マジラの肩辺りに、小柄な少女がしがみついている。
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!!ギャヒヒャハハ!!」
エミー・ワイルドボア:「長き雌伏の時を経て、潤沢な予算を手に我々は蘇った!!」
エミー・ワイルドボア:「さあ進めマジラ!!今こそ怪獣たちの理想郷を!!」
エミー・ワイルドボア:「"モンスター・ヴァース"をこのノヴァリスの地に打ち立てるのだ!!」
GM:マジラが歩行するだけで、ミニチュアめいた車が吹き飛ばされ横転する!小さな先住市民用の車なのだ。
GM:さらにビルも倒壊!
同窓会生徒:「ワシのビルが~~!」
エミー・ワイルドボア:「保険は下りるから気にするな~!!どんどん行け~~っ!!ギャヒヒャハハッ!!」
解良イノリ:火が燃え広がり、倒れようとするビルの一帯が、真っ暗に--否。影に覆われる。
解良イノリ:「………------ちょっと大人しくしてたなあとか思ったらエミー!!!おまえぇなあぁ……!!」地獄の底からの怨嗟の声とはこう言うものか、という声が響く。
エミー・ワイルドボア:「ムムッ!!この舞台装置は!」

GM:そう。同窓会で唯一真面目な女、解良イノリである。
エミー・ワイルドボア:「ようやく出てきたな委員長!だが時すでに遅し!!」
解良イノリ:「マジでうちの街吹っ飛ばすなよ!!外の砂漠とかに広々とした土地は(砂漠のままともいう)、用意しただろうが……!」
解良イノリ:影が退くと、火災は静まり、ビルは横へゆっくりと降ろされる。
エミー・ワイルドボア:「あの土地は寝床には悪くなかったが……いかんせんマジラには狭すぎる」
解良イノリ:繊細にかつ広大に。影が人々を守りつつ避難のための道を付けている。「いやお前……申請しろよ!!そこは!そうすればさ~~…っ」
エミー・ワイルドボア:「マジラはモンスター・ヴァースの真の王となる宿命を背負う者」
エミー・ワイルドボア:「故に!力を蓄えなければいけないのだ!!」
エミー・ワイルドボア:「これからノヴァリス全土をめぐり、なんかすごいエネルギーを片っ端から取り込んでいく!」
解良イノリ:「下手に世界統一とかやるよりもっと物騒になりそうな文言来たな……」
エミー・ワイルドボア:「六壬の龍脈とかあのへんな!お前らが色々調べてくれたから助かったぞ!」
解良イノリ:「いやっ……いやお前!!龍脈は確かにパワーソースだけど!!おま、おまえなーっ!!珍しく真面目に読んでるな…って感心してた私の感動を返せ!!」
同窓会生徒:「ダメだ委員長! こうなったエミーに話は通じない! こうしている間にも……ああっ」
同窓会生徒:「ワシのビルが~~!」
怪猿竜マジラ:「ごがあああああああああああああぉぉぉんん!!!」
解良イノリ:「いや分かってるけど…分かってるけどさ……!でも…」影が覆い、マジラの足元まで及ぶ。道路の破損などを気にしたのだ。
解良イノリ:「言葉で止まってくれないとアイツ大変すぎるんだって!!!」
解良イノリ:主に被害規模が。
エミー・ワイルドボア:「ギャヒヒャハハハハッ!!そうかそうか!わかるぞ!吾輩もマジラを送り出すのは正直辛い!!」
エミー・ワイルドボア:「赤ん坊の頃から面倒を見てきたからな……卵を還すためにセントラルとN市の間を自転車で往復しまくったり……」
エミー・ワイルドボア:「しかぁし!!今!!今がその時なのだ!!」
解良イノリ:「身体鍛える為かと思ったら孵化だったのかよあれ……!」
エミー・ワイルドボア:「モンスター・ヴァースの王として、マジラは迎え撃たなければならない……」
エミー・ワイルドボア:「オマエラは感じないのか?吾輩にはわかる!呼んでいるのだ……!ヤツが!」
GM:市街地での迎撃はさすがに躊躇する解良イノリ……マジラを力で止められる者はもはや存在しないのだろうか?
GM:だが、読者諸君はお忘れではないだろうか?
GM:怪獣がノヴァリスを脅かす時……先住市民を守るために現れる、巨大な守護神のことを!
???:「ゴアアアアーー!!」
???:突如、巨大な影が飛来し、マジラの顔面を殴りつける!
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!?き、貴様はぁ~~~ッ!!」
???:ゴリラの体に蛾の羽根を生やしたその影の正体は……巨大蛾猿獣、ガリラであった!

解良イノリ:「えっ今度は何!?」
同窓会生徒:「ワシのビルが~~~!!」
解良イノリ:「いやマジで何というか誰!?!?」
巨大蛾猿獣ガリラ:同窓会の危機を察知し、恩人のひとり、アトラ・アーリーバードのために駆けつけたのだ!
巨大蛾猿獣ガリラ:その腕には、彼女をよく知る社会人によって造られた、巨大なガントレットが装備されている。
巨大蛾猿獣ガリラ:これはパンチ力を高めるだけでなく、怪我の治療なども行える優れものなのだ。
解良イノリ:「あっいや………見覚えある!ま、まさか……」
怪猿竜マジラ:「ぐぁうるるるるるるるっ……!!」
巨大蛾猿獣ガリラ:ドドン!ドドン!「ゴアアアア!!!」ドラミングから吼え、威嚇!
同窓会生徒:「マジラvsガリラ……!」
解良イノリ:「街の外でやってくれ!!!!!」
解良イノリ:何とか影を広げ、厚みを持たせ、街の被害を抑えるようにフィールドを作り出している。
怪猿竜マジラ:ずんッ!ずんッ!ずんッ!
怪猿竜マジラ:翼を大きく広げて威圧しながら、ガリラへと真っ直ぐに突進していく。
巨大蛾猿獣ガリラ:「……」申し訳なさそうな顔でイノリを一瞥し、拳を構える。
解良イノリ:「気にしてくれてる様子があるだけありがたい気がしてきた」
巨大蛾猿獣ガリラ:突進を受け止め、顔面を殴りつける。
怪猿竜マジラ:大きく仰け反るが、その反動を逆用して尻尾の一撃を側面に見舞う。
巨大蛾猿獣ガリラ:一撃を喰らい吹き飛ばされかけるがなんとか押しとどまり、尻尾を掴んで投げ飛ばそうとする。
怪猿竜マジラ:「ぐあぅるるるるるっ!!」両足で踏ん張って逆に引き倒そうとするが、次第にガリラの方へと引き寄せられ、胴体が浮きそうになる。
GM:勢いよく市街を並走しながら激闘を繰り広げる大怪獣二頭!
GM:一線を越える!常識が変わる……!
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!!ギャヒッ!!」大興奮
エミー・ワイルドボア:「い、いいのか!?夢じゃないよな……!?」
エミー・ワイルドボア:「っと、いかん!!もう少しこの幸運を噛み締めたいが……!」
エミー・ワイルドボア:「今回のタイトルマッチは貴様との勝負ではない!!ガリラ!!」
エミー・ワイルドボア:「ワガハイには、そしてマジラには聞こえているのだ!!」
エミー・ワイルドボア:「我が故郷、キングダムの地の奥底より響く……」
エミー・ワイルドボア:「モンスター・Xの鼓動がなあ!!」
巨大蛾猿獣ガリラ:「……?」
エミー・ワイルドボア:「今だ!決めろマジラ!!」
怪猿竜マジラ:マジラの顎門が大きく裂け、破壊の光が収束していく。
解良イノリ:「キングダムの……?、いやともかく。ド派手にやりすぎだろ!いくら怪獣を介しているからって支配の戒(先住市民攻撃禁止)に何で引っかからない…?!」
解良イノリ:影の感触でもそう言えば、先住市民たちの姿が感じられない。
アトラ・アーリーバード:「世界ノヴァリスにはガリラが必要だ。きたるものに終止符を打つため……」
アトラ・アーリーバード:破壊神と守護神の果てしなきバトルを眺めるイノリの背後から、雰囲気のある語りが聞こえてくる。
解良イノリ:「そ、その声は……!」

アトラ・アーリーバード:「ご存知我らがアトラ・アーリーバードだ! 喜べ愚民ども、消防車が来てやったぞ!」
アトラ・アーリーバード:なぜか消防車の上に仁王立ちした状態で現れる。
同窓会生徒:「消防車よ~~!!誰も呼んでないのに消防車が来たわ―――!!!」
解良イノリ:「こんな時にどこ行ってたんだこの……!あー!!」一応増援として着たっぽいのであまり文句も言えない。
アトラ・アーリーバード:「どこに行っていたはこちらの台詞だ。トチ狂った怪獣王め……イノリ! 貴様が外していたおかげで!」
アトラ・アーリーバード:「この私がわざわざ避難誘導を勝って出たのだ! この不始末、果たしてどう落とし前をつけるつもりなんだ! ハーッハハハハ!」
アトラ・アーリーバード:高所からイノリちゃんを見下ろし、道徳的アドバンテージを得たことが愉快で仕方ないとばかりに高笑いをかましています。
解良イノリ:「は?お前が避難誘導とか真面目なことやってたの!?明日は槍が降り……そ……」
解良イノリ:「……いやいやいやいやちょっと待って。避難?避難って言った??」
GM:そう、先程から逃げ惑っていたのは生徒だけだ。
GM:先住市民は市街地に一人もいない!
解良イノリ:「……先住市民の皆がいてくれてるお陰で支配の戒が効いて、攻撃抑止になってるんだけど……あの、おい。まさか」
アトラ・アーリーバード:「? そうだが。先住民どもに事の厄介さを理解させるのは骨が折れたぞ」
解良イノリ:「生徒優先しろよ!!!」
アトラ・アーリーバード:「マジラが来てから逃げ出すようでは遅いからな。見せてやりたかった。この私の華麗な話術で……」
エミー・ワイルドボア:「おおーっ!!先住市民の奴らを退かしてくれたのはオマエか!!三重偉大議長!!」
エミー・ワイルドボア:「ありがとなーっ!!オマエもマジラの花道を応援してくれるのか!!」
解良イノリ:「あーっもう!あーーーっッ!!!こ、この~~~っっ」
エミー・ワイルドボア:「それでこそワガハイ達のリーダーだ!モンスター・ヴァース建立の暁には」
エミー・ワイルドボア:「マジラ第一奉仕王朝の司祭を任せてやってもいいぞ~!!嬉しいだろーーっ!!」
アトラ・アーリーバード:「よくわからんが私の偉大さが身に沁みたようだな!」
解良イノリ:「おまえは何で街壊してる側に功績を上げてるんだよ~~!いや真面目に避難誘導したのはかなり評価したいんだけどさ~~っ……!」
アトラ・アーリーバード:「うん……うん? 奉仕王朝……?」首を傾げつつ。
怪猿竜マジラ:そうこうしている内に、マジラの熱線のチャージが臨界に達しようとしている。
怪猿竜マジラ:青白い光は、やがて真紅に、そして鮮やかな紫へと変わり、その度に凄まじい力が蓄えられていくぞ
巨大蛾猿獣ガリラ:チャージを妨害しようと攻撃してはいるが……止まらない!
解良イノリ:「はっ気付いたら色々まずい……ああもうここから完全停止掛けるには時間が足りないぞ……!」
GM:熱線照準の先にはドヤ顔のアトラ・アーリーバード……!
アトラ・アーリーバード:「……えっ」
GM:同窓会は……N市の首脳陣は、このまま総辞職してしまうというのか!?
嘴子原シェイル:どんとんと口腔内の光が眩しくなる中、まさに平身低頭の様で据えられた大首へ
嘴子原シェイル:ガ コ ン!と大きな音を立てて錠が嵌る。
怪猿竜マジラ:「ごぁうっ!!??」
嘴子原シェイル:その形は尋常ならざる巨大な建造物、鳥居のように見え……
嘴子原シェイル:「三才境門さんざいきょうもん」「『於上不葺御門うえふかずのみかど』」
嘴子原シェイル:「……いや、うん……議長に引っ張られてきてよかったなこれ……」
嘴子原シェイル:消防車の中からすごすごと現れた

エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!?な、なんだこれはっ!?」
解良イノリ:「建築物の照応召喚…、嘴子原さん!」
アトラ・アーリーバード:「おっ……おおっ、完全にいつものアバン死のパターンかと思った……」
アトラ・アーリーバード:「なんだか知らんが良くやったぞシェイル」
嘴子原シェイル:とはいえ、その熱光線まで止められる訳ではなく
嘴子原シェイル:「あーとりあえず……」
嘴子原シェイル:「……消火剤でもぶち込む?」
アトラ・アーリーバード:「そうそう間に合うとも思えんが、シチュエーション的に怪獣王が許してくれる可能性は高いな」
解良イノリ:「いってる場合か!、ってこれは…」
レナ・ルナール:「はーい」
レナ・ルナール:「じゃあ、頑張って」
レナ・ルナール:りん、と鈴を鳴らす

レナ・ルナール:シェイルちゃんがさらに行動できます。演出さらなる力
嘴子原シェイル:「それも私が!?」
レナ・ルナール:「だって荒事はシェイルの方が得意だもん」
怪猿竜マジラ:「おええええええっ」首を圧迫されたマジラの顎門から、不完全な熱線が今にも漏れ出そうとしている。
嘴子原シェイル:「くっ、うう……せめて議長も見てないで手伝ってよ!」
嘴子原シェイル:車体に似合わない馬鹿でかいホースの噴射による反動をなんとか耐えている。
アトラ・アーリーバード:「この状況で私に何ができるというのだ!」
アトラ・アーリーバード:腕を組んでふんぞり返っています。
嘴子原シェイル:「五体があれば足しにはなると思うんだけどなぁ!?」
解良イノリ:「”聞く耳のある者は聞くがよいWhoever has ears, then let them hear! ”」下に延び伸びた影のフィールドが伸び、マジラの首と顎を固定する。
解良イノリ:「固定はしたけど…、ああもう質量差とエネルギー量がおかしいなこの子…!」
解良イノリ:「そう長くは止められないしここから私が止めると固定が弾けて被害が広がる!どっちかやって!」
嘴子原シェイル:「偉大!今は議長しか頼れない偉大な仕事だから……!」
アトラ・アーリーバード:「くっ……私にこんな誰でもできる作業をさせるとは……!」
アトラ・アーリーバード:消防車の梯子を操作してホースを到達させるぞ。
レナ・ルナール:「たまには下の者の苦労を知るのも大事なことだよー」
レナ・ルナール:ちりんと鈴を鳴らしてアトラちゃんの達成値を上げている
アトラ・アーリーバード:「このボタンとこのレバーと……これとこれとこれな気がする!」レナさんの支援でとてつもなく冴えている。
アトラ・アーリーバード:「発射!」
嘴子原シェイル:「(あっこれマズイやつだ)」
GM:水や消火剤……それと素敵なものがいっぱい混ざった混合液が
GM:マジラの口内にドバドバと流し込まれていく……!
エミー・ワイルドボア:「ギャヒヒャハハーーーッ!!消化器ごときでマジラの熱戦が消せるか……」
アトラ・アーリーバード:「ネバルゴンがいかにして敗れたのか知らなかったのが貴様の敗因……」
エミー・ワイルドボア:「な、なんだとぉっ!?」
怪猿竜マジラ:「ごあぁああ……ぐぅるるるる……」
怪猿竜マジラ:臨界状態にあったマジラの体表温が急激に下がり、凍りついたように不活性化していく。
レナ・ルナール:「流石議長」
アトラ・アーリーバード:「ムツミ謹製の睡眠薬が効いてきたようだな」
解良イノリ:「ムツミ印の薬剤マジで強烈だな……あっちょっと寝がえり打ちそう」固定してるのは首から先なので危ない。
レナ・ルナール:「ほらほら、シェイルもいいとこ見せて」
レナ・ルナール:せかすようにりん、と鈴を鳴らす。
嘴子原シェイル:「……いつもひどいよねホント!」レナの無茶ぶりにそう返しながら
嘴子原シェイル:残していた触媒を追加で切り、拘束用の巨大なつくりを呼び出して手足を縫い付けた。
嘴子原シェイル:やがて地面ごと隆起したそれは……ぐるりと大きく取り囲み、まるで囚人を迎えるコロッセオのようになっていた。
巨大蛾猿獣ガリラ:一緒になって抑え込んでいたが、落ち着いたのを見てみんなに向かってサムズアップする。
エミー・ワイルドボア:「ま、まさか……大鳥居の拘束に細胞不活性薬剤の経口摂取……」
エミー・ワイルドボア:「東洋の邪竜退治の逸話を再現した神祠呪法か……!これはいわば……!」
GM:驚愕しているエミーの首根っこが、後ろから掴まれる。

ベルティン・シェーヴ:「エミーさん?」
ベルティン・シェーヴ:「こんなに散らかして、どうするつもりだったんですか~?」
エミー・ワイルドボア:「ヤシオぐぇっ」
エミー・ワイルドボア:「げぇっ!明王!」
レナ・ルナール:「コロッセオって、殺っせよ~って聞こえるよね~」
解良イノリ:「日本語分からないと分からないネタだね……そしてベルティンさんも、無事でよかった」
アトラ・アーリーバード:「シェイル、貴様の女、横暴な上に趣味が悪くないか?」
嘴子原シェイル:「魔女だから……仕方ないと思おうかなって……」
ベルティン・シェーヴ:「本当にすみません、うちのエミーが……」エミーを捕まえたまま、イノリに頭を下げる。
解良イノリ:「いいよ、普段見て貰ったりしてるんだから。私こそ初動に間に合わなかったからね…」
ベルティン・シェーヴ:「いつまでも王様気分じゃ困りますよ、エミーさん!同窓会に来た以上はお互い助け合って……」
ベルティン・シェーヴ:「思いやりの心で……」くどくど
エミー・ワイルドボア:「ベルティン!余計なマネをするんじゃない!王たるものが他人のために頭を下げるなど……」
エミー・ワイルドボア:「ワガハイは一生王様だも~~んっ!怪獣こいつらにはワガハイしかいないんだ!!」
エミー・ワイルドボア:「オマエは昔っからそうやって頼んでもないのに後始末がどうこう……」ぶつぶつ
アトラ・アーリーバード:「よくやったベルティン。そのまま首根を捕まえておけ」
レナ・ルナール:「仲良しだなあ」
嘴子原シェイル:「ほんと賑やかだよね」
巨大蛾猿獣ガリラ:危機は去ったと判断し、ゆっくりと飛び去っていく。
解良イノリ:「あ、ガリラが……ありがとうね~」草臥れた感じでいたが飛び去る姿に手を振る。
レナ・ルナール:「またね~」
レナ・ルナール:小さく手を振る
巨大蛾猿獣ガリラ:手を振り返しながら遠ざかる。
アトラ・アーリーバード:「日を追うごとに学区から身を引いた卒業生、流れ者が集まって……賑いを増してはいる」
アトラ・アーリーバード:「だがイースターエッグの発見そのものは……他の学区が秘匿しているのでなければ順調なペースとは言えんな」ふん、と鼻を鳴らす。
レナ・ルナール:「流れ物が増えてる分情報も増えてるけど」
レナ・ルナール:「なかなかあたりは引けないね」
解良イノリ:「一応私達が関わったので3つ…他の所で崑崙ラス・ヴィダスは見つかったみたいだけど」後片付けの算段を立て、連絡なども始めている。
嘴子原シェイル:「……まぁ、基本的には隠すインセンティブより名乗りを上げる影響の方が大きいから」
嘴子原シェイル:「推して知るべし、なんだろうね」まだ集まり切っていない事実に対して
ベルティン・シェーヴ:「でも、キングダムも七大派閥の一つだったのよね……」エミーを片手で吊りながら、もう片手を頬に当てる。
ベルティン・シェーヴ:「客船クルーズの時の話も結局嘘だったっていうし、本当にイースターエッグがあるのかしら?」
エミー・ワイルドボア:「だーかーらー、ワガハイが行けばそいつもついでに獲ってきてやるって言ってるんだ」吊り下げられながら
エミー・ワイルドボア:「絶対にモンスター・Xが持ってるから!」
レナ・ルナール:「そのXってなんなの?」
ベルティン・シェーヴ:「ごめんなさいね。エミーさんは昔からこうで……絶対ヘンな映画の影響だわ」
アトラ・アーリーバード:「いや、看過できん言葉だ」
レナ・ルナール:「ふ~ん?」
レナ・ルナール:楽し気にアトラ議長の顔を見上げる
アトラ・アーリーバード:「怪獣などという胡乱な生命体が、単に怪獣戦線などという汎学区サークルの力で生み出されたにしては」
アトラ・アーリーバード:「妙に跋扈というか……幅を効かせている。『怪獣』というのは」
エミー・ワイルドボア:「うむ」
エミー・ワイルドボア:「怪獣というのは、太古の昔に地球を支配していた真の霊長だ」
エミー・ワイルドボア:「やっぱわかってるな~偉大議長!」
アトラ・アーリーバード:「話をぐちゃぐちゃにするのをやめろ」
アトラ・アーリーバード:「だが……単にばかでかく強靭になってしまったR生命を結果として指しているものかというと……私のカンは違うと言っている」
アトラ・アーリーバード:その勘に従ってガリラを調査し……普通に外した。
嘴子原シェイル:「……単なるいち個人のインスピレーションや才能で生み出されたものではなく」
嘴子原シェイル:「なにか根底に共通するものがあって……ということかな?」
ベルティン・シェーヴ:「確かにキングダムの理事会は他の理事会とは違って幻獣兵器を使っていたけれど……」
ベルティン・シェーヴ:「シキガミや召喚悪魔の一種ってことじゃないのかしら?てっきりそういうものかと……」
エミー・ワイルドボア:「あんなもんと一緒にするな~!」吊られたままぎゃーぎゃー暴れている。
アトラ・アーリーバード:「別にそれでも辻褄は合うが」
アトラ・アーリーバード:「原型となる因子のようなものがあったとしても不思議はあるまい」
レナ・ルナール:「じゃあさ~誰かがキングダムに入った方がいいんじゃない?」
レナ・ルナール:「アトラはXが気になるんでしょ?」
レナ・ルナール:「例えば~、一回キングダムに侵入した経験もあって隠密行動も出来ていざとなれば破壊活動もこなせる子~」
レナ・ルナール:後ろから寄りかかるようにしてシェイルの肩を抱く
レナ・ルナール:「シェイルと僕とか」
アトラ・アーリーバード:「よし。行って来い」即決。
ベルティン・シェーヴ:「ええ……」
レナ・ルナール:「流石アトラ。即断即決」
GM:――ウルスラ・ミック・ベニが教育実習生となってからどうなったのかは二人はまだ知らない。彼女がまさに今、キングダムに『先生』として潜入している事実も、知る由もないことだ。
GM:キングダムへの再潜入が容易ではない、ということは間違いなかった。『キングダム市街総括図』による潜入ルートは"不夜王"に完全に把握されているだろう。
嘴子原シェイル:「ん-、でも一人じゃまた捕まっちゃいそうだから」
嘴子原シェイル:「誰かに連れて行って貰わないと困るかもなぁ」
アトラ・アーリーバード:「何だその泣き言は。地図を持っている貴様より優れた案内人などどこにいる。二度目なんだから一度目より上手くやってみせろ」
レナ・ルナール:「そうそう、大丈夫だよ。シェイル。」「例え『鍵』が無くても君が望めば『扉』は開く。」「君はそういう宿命を持っている」
エミー・ワイルドボア:「ちょっと待てぇ~い!!」
アトラ・アーリーバード:「どうしたエミー。発言してみろ」
エミー・ワイルドボア:「本当にそこの芸術家崩れで良いのか!もっと適任がいるんじゃないのか!」
エミー・ワイルドボア:「キングダムに土地勘があり!隠密行動も出来て!いざとなれば破壊活動もこなせる!」
エミー・ワイルドボア:「なんたら言う地図頼りのそいつより、よっぽどふさわしい人材が!」
アトラ・アーリーバード:「む。確かにそれっぽいものを見つけても、それが果たしてモンスターXなのか嗅ぎ分けられるのは貴様だけだな」
嘴子原シェイル:「いざとなれば隠密行動出来るかの方が心配なんだけど……」
ベルティン・シェーヴ:「私はやめた方がいいと思うわ……」
レナ・ルナール:「Xを見つけても」
レナ・ルナール:「ちゃんとここに帰ってこれる?」
エミー・ワイルドボア:「ベルティン!この裏切りものーっ!!」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!!もちろん帰ってくるとも!!」
エミー・ワイルドボア:「ノヴァリス全土に、モンスター・Xの亡骸と、マジラの雄姿を見せつける」
エミー・ワイルドボア:「王の凱旋を済ませた後でな!!」
レナ・ルナール:「やめた方がいいね」
アトラ・アーリーバード:「まとめるぞ」
アトラ・アーリーバード:「キングダムへの潜入、仮称『モンスターX』の捜索は確定事項だ。」
レナ・ルナール:「異議なーし」
エミー・ワイルドボア:「うんうん!!」
嘴子原シェイル:「さすが議長」乗り気
ベルティン・シェーヴ:「やめた方がいいと思うけれど……」押しに弱い
アトラ・アーリーバード:「レナ・シェイルは過去にキングダムへの侵入歴があるが、レナ以外はそれだけを頼みにするのは難しいと判断している。レナも条件が変わることを示唆しただけでそれ自体は否定していない」
アトラ・アーリーバード:「エミーは連れていきたいが、エミーに手綱がつけられないのは論外」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!」誇らしげ
ベルティン・シェーヴ:「そもそも不法侵入をやめたほうがいい気がするわ」
アトラ・アーリーバード:「なるほど? だが正面から交渉を行うには、レナやシェイルを亡命させているという事実が面倒になってくるな」
嘴子原シェイル:「不法退去だったってことにならないかなー」
エミー・ワイルドボア:「どっちみち同窓会なんて八割以上が犯罪者なんだから今更だぞ」
レナ・ルナール:「僕たちは被害者だよね」しれっと
ベルティン・シェーヴ:「そうかしら……」
GM:ガリラが去った後、解良イノリは迅速に市街の安全確認に向かっており、ブレーキ役はもはやベルティンしかいないのだった。
アトラ・アーリーバード:「そういった部分を気にする必要がなく、キングダムの表にある程度顔が利き、土地勘をエミーに頼って主導権を握らせる心配のない協力者が必要だ」
アトラ・アーリーバード:「心当たりのある者は挙手」
アトラ・アーリーバード:「10秒数えて居なかったらマギカを連れてくることにする」
アトラ・アーリーバード:「では10、9、8、7……」
エミー・ワイルドボア:「フン、怪獣王の首に縄をかけられるものなどこの世にいるものか……」なぜか誇らしげ
嘴子原シェイル:「(えっ魔女術使いってらしい新議長に?それはそれで一回見てみたいかも……)」特に手は上げず
同窓会生徒:「大変だぁーッ!大変だよシェイルちゃん!」
同窓会生徒:その時、血相を変えて駆けてくる同窓会生徒!
嘴子原シェイル:「……えっ、わ、わたし?」
嘴子原シェイル:この中にいる顔ぶれを見回して
アトラ・アーリーバード:「何の用だ、シェイルは今重要会議中だぞ」
同窓会生徒:「キ、キングダムの艦隊がN市に……!こんな時に限ってイノリ委員長は捕まらないし……あ、アトラもいる」
同窓会生徒:「とにかく大変なんだよう!」
アトラ・アーリーバード:「報告ご苦労! 様をつけろ!」腰から抜いたロングソードによる一閃!
同窓会生徒:「ギャアッ!」十字冠転送!
嘴子原シェイル:「艦隊って……今は前に比べてほとんど飛び交ってないらしいのに」
レナ・ルナール:「まだ何が大変かもわかってないのに」
アトラ・アーリーバード:「行けばわかる。対応するぞ!」
レナ・ルナール:「了解」
レナ・ルナール:「じゃあ、消防車出すね」
嘴子原シェイル:「むう、でもこういうときの行動力は本当に助かるよ」
アトラ・アーリーバード:「乗り込め会員ども! 運びによっては大手を振ってキングダムに攻め入れるのだからな!」



N市近郊


GM:艦隊が着陸したのは、奇しくもエミー・ワイルドボアに与えられた怪獣の養育地区の近辺だった。
GM:N市にほぼ隣接しているものの、書類上では領土として確定しているわけではない、ギリギリの境界地帯。
GM:他の学区では揃えることすらできぬ大艦隊のみならず――こうした挑発的な手口を常套手段とする組織は、キングダム海賊部しかいない。
GM:アトラ・アーリーバード、嘴子原シェイル、レナ・ルナール、そして成り行きで連れていかれたエミー・ワイルドボアとベルティン・シェーヴ……を乗せた消防車は
GM:荒野に並んだ大艦隊の前で停車する。
レナ・ルナール:「本当に大艦隊だ」
レナ・ルナール:指先で数を数えている。
GM:本来ならば、海賊部の到来などあり得ないことだった。キングダムでは既に"海賊王"は粛清され、海賊部は事実上の壊滅状態に陥っている。
レナ・ルナール:「ふふ、なんだか懐かしい光景だね。シェイル」
アトラ・アーリーバード:「いきなり撃ってくるということもあり得る……やはり先制攻撃……先制攻撃か?」
レナ・ルナール:「先に攻撃されたって事実を作るのも大事だよ、アトラ」
アトラ・アーリーバード:「一理あるな」
嘴子原シェイル:「咎められたら……なんて、考えていなさそうなくらいの堂々たる居姿って感じだ」釣られてくすりと笑う
レナ・ルナール:「さて、噂に聞く海賊部の状況を考えたら亡命でもおかしくないけれど」
"湯池船長"古久根ベイル:「レナ・ルナール。嘴子原シェイル」
"湯池船長"古久根ベイル:「――久しぶりね」

GM:黒いドレスに魔女帽の生徒。海賊部の"湯池船長"は、レナ・ルナールと二度遭遇している。一度は敵一度は味方だった。
レナ・ルナール:「やあ、ベイル。ちょうどあの日のことを懐かしんでいたところだよ」
嘴子原シェイル:「そうそう。それに、客船クルーズのときは大活躍だったって聞いてたからね」
レナ・ルナール:「今は、君があの艦隊を率いてるの?」
"湯池船長"古久根ベイル:「まさか」
"湯池船長"古久根ベイル:「因果なものよね。あの事件がなければ、私達もこんなことにはならなかったのに」
レナ・ルナール:「そうかな。何があっても何が無くてもいずれはそうなっていたんじゃない?」
レナ・ルナール:「それほどにエリザベス・タイラーは特別だった」
レナ・ルナール:「だから、君もその風下に立つことを是としたんだろう?」
"湯池船長"古久根ベイル:「やめなさい、レナ・ルナール」
"湯池船長"古久根ベイル:「お姉様を、もういないもののように扱うのは……」
"湯池船長"古久根ベイル:「不敬よ」
レナ・ルナール:わざとらしく口元を手で隠す
"湯池船長"古久根ベイル:古久根ベイルも、帽子を深く被り直して、無言で横に逸れる。
レナ・ルナール:「失礼。」
???:カツン、カツン、カツン
???:タラップを降りるヒールの音が響く。
アトラ・アーリーバード:「…………ほぉ」
レナ・ルナール:「ああ、これは本当に僕の口が軽かったみたいだ」
嘴子原シェイル:「……はは」
???:「赦しますわ。レナ・ルナール」
???:「多くの王にとって、王冠は敗北と共に脱ぎ捨てるべきもの」
???:「勝利も、威厳も、栄光も、権威すらも必要なく」
???:「ただ矜持に依って君臨するのは」

エリザベス・タイラー:「この"海賊王ロード・バッカニア"をおいて他にはおりませんもの」
GM:――キングダム円卓議会、第四席。"海賊王ロード・バッカニア"エリザベス・タイラー。
GM:"至上王"の手によって粛清された後、彼女ほどの人材がどこに身を寄せ、どのように動いていたかを、誰も知らなかった。
GM:嘴子原シェイルとレナ・ルナールにとっては、キングダム脱出の際に煮え湯を飲まされた、特に因縁ある相手でもある。
エリザベス・タイラー:「見知った顔が多いですわね。ごきげんよう、皆様」
レナ・ルナール:「寛大な御心に感謝します。海賊王」
レナ・ルナール:慇懃無礼なほどに丁寧にスカートのすそを軽く上げ一礼をする。
アトラ・アーリーバード:「海賊王は沈み、艦隊は散った……」
アトラ・アーリーバード:「そう聞いていたがな」畳まれ寝かせられた梯子の上で傲然と足を組み、鼻を鳴らす。「フェイクニュースだったという塩梅でもあるまい」
アトラ・アーリーバード:「そちらの用次第では話を聞いてやらんでもないぞ」
エリザベス・タイラー:金色の髪を揺らして柔らかく笑うと、その奥から右眼を覆う眼帯が覗いた。
ベルティン・シェーヴ:(か、海賊王様……)恐れ多いので、エミーの口を力強く塞いで余計なことを言わないようにしている。
ベルティン・シェーヴ:(生きていらしたのですね……よかった……)
エミー・ワイルドボア:「むがもごごご」(もう少しこっち側に着陸してればレッドペンドラゴンの餌場だったのにーっ)
嘴子原シェイル:「ああ──ほんとうに、変わりないようで驚いたよ」
嘴子原シェイル:「その目。あの日最後に見た、欲深くきらきらと輝いてて。それがそのままでさ」
レナ・ルナール:「ふーん。」ちょっと気を悪くしたようにシェイルの脇腹を肘でつつく
嘴子原シェイル:「いっごめんごめん、他意は無いんだって」
アトラ・アーリーバード:「イチャついとる場合か」
"故買船長"清澄クリアリング:「エリザベス様は流石だね。どこに居ても人を惹きつけちゃう」

"故買船長"清澄クリアリング:銀の髪の毛が身長と同じ長さの、シャンとした少女。
"故買船長"清澄クリアリング:"故買船長キャプテン・アダマス"清澄クリアリング。
"故買船長"清澄クリアリング:海賊部では"買付"を担当し、かつてメサイアにて起こった"偽アトラ"事件に巻き込まれた。
"故買船長"清澄クリアリング:死角の右側に立つように侍っている
"故買船長"清澄クリアリング:「それで、あれがホンモノのアトラ・アーリーバードか。議長名乗るだけあって、話も早いのかもね」
アトラ・アーリーバード:「早いぞ」

”ロブスター船長”ロズマリア:「うおおおおおおおお!山賊部、只今”海賊王”に合流いたしましたあああああ!!!」後方で騒いでいるのは山賊風の集団
エリザベス・タイラー:「あらロズマリア」
エリザベス・タイラー:「遅かったですわね。おかの暮らしは楽しめましたかしら」
”ロブスター船長”ロズマリア:”ロブスター船長”ロズマリア”ロッソ”カトラス。海賊王の失踪後至上王に戦いを挑み、一瞬で敗北。船を失い山賊となって荒れていた
”ロブスター船長”ロズマリア:海賊王の帰還の話を聞きつけ我慢できずに駆け付けた
”ロブスター船長”ロズマリア:「思い知りましたよ……自分は海の女だと」
”ロブスター船長”ロズマリア:「山賊部は今日を以て解散……!ロブスター船団として、再びお供いたします!」
"湯池船長"古久根ベイル:「ロズマリア……!」ハンカチで目元を拭っている。
"故買船長"清澄クリアリング:「ベイルは涙もろくなったよね……」
”ロブスター船長”ロズマリア:「んおおおおおおお!!!!」漢泣き
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「みんなお腹すいてそう……お菓子食べる?」
"故買船長"清澄クリアリング:「エリザベス様、皆がお言葉待ってるみたい」
アトラ・アーリーバード:「ん? ああ。もういいか?」
アトラ・アーリーバード:食べていたおにぎりを口に押し込む、
"故買船長"清澄クリアリング:「待っててくれてありがとう。色々あってさ。身内ノリだから気にしないでちょうだい」
レナ・ルナール:「待ってたよ」シェイルから離れる
ベルティン・シェーヴ:「いい話ね……ぐすっ」エミーの呼吸器をずっと塞いだままだった。
エミー・ワイルドボア:「………」少し前から白目をむいて大人しくなっている。
"故買船長"清澄クリアリング:「なんだかとてもくつろいでる。海賊部の前でこういうノリって珍しくて新鮮だな」珍しいな、の顔
嘴子原シェイル:「えーっと、ひとり十字冠離脱しそうだからそろそろ……」
”ロブスター船長”ロズマリア:「しかしこれだけの面子が全て海賊王の傘下とはなぁ……」勘違いで感心している
アトラ・アーリーバード:「貴様らこそ、わざわざこの私を呼びつけておいて(※)ずいぶんアットホームな有り様じゃないか……おい。そいつ、そこの不埒な乳の女。斬っていいか?」
アトラ・アーリーバード:※注1 呼びつけてない。
エリザベス・タイラー:「ふふ、そうですわね。カリーナ、ようやく船員クルーが揃いましたし、お茶の用意をしておいて頂戴な」
エリザベス・タイラー:「その間に、本題を済ませてしまいましょう」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「はーい!全員分はたいへんだ!やろーども、お湯わかせーっ!」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:ピューッ!という音を立てて補給艦にUターンしていく。
アトラ・アーリーバード:「さっさとしろ。うちは形式には拘らん。キングダムと違ってな」
"故買船長"清澄クリアリング:「メサイア流だね。話が早いや」
エリザベス・タイラー:「気が合いますわね」にこりと笑って、アトラへと近づく。
アトラ・アーリーバード:こちらも車を降ります。
エリザベス・タイラー:「同窓会三重偉大議長、アトラ・アーリーバード。本日は挨拶と、商談に伺いましたの」
アトラ・アーリーバード:「目的が明瞭なのは素晴らしいことだ。そちらの肩書はどう呼べばいい。エリザベス、タイラー」
エリザベス・タイラー:「私は変わらず、"海賊王ロード・バッカニア"ですわ」
エリザベス・タイラー:「この名は至上の王から授けられたものではなく、私のあり様をただ表したもの」
エリザベス・タイラー:「であれば円卓を離れたとて、変わる道理もございません」
アトラ・アーリーバード:「成程、変わらず怪獣王を名乗っている輩もいることだしな」
アトラ・アーリーバード:相槌を打ち、続く言葉を待つ。
エリザベス・タイラー:「けれど、その前に付く名は、新しいものとなりましたの」
エリザベス・タイラー:「この度私共海賊部は、キングダムの庇護を離れ、新たな学校を設立致しました」
エリザベス・タイラー:「『ローレライ商船学校』」
エリザベス・タイラー:「生徒会長は私、"海賊王ロード・バッカニア"。議長に置かれましては、これからどうぞよろしくお願いいたしますわ」
エリザベス・タイラー:優雅に手を差し出す。
アトラ・アーリーバード:「さしずめこの船団が領土であり、校舎といったところか?」
アトラ・アーリーバード:「まあ──勿体ぶることはしない。貴様等が既にキングダムと分かたれているというのなら──」
アトラ・アーリーバード:「渡りに船だ! 同窓会は『ローレライ商船学校』を歓迎しよう」
エリザベス・タイラー:「ご厚意に感謝致しますわ」
アトラ・アーリーバード:差し出された手を握る。
エリザベス・タイラー:「それでは早速、商談に移れますわね」朗らかに笑う。
エリザベス・タイラー:「私共は商船学校。皆様が今必要とするものを提供し、共に利益を享受する」
エリザベス・タイラー:「それって、海賊にとてもよく似ていますわよね」
レナ・ルナール:「じゃあ、いつか利益を奪いに来るってこと?」
エリザベス・タイラー:「いつかではありません」
エリザベス・タイラー:「これから、奪いに行くのですわ」金の髪を掻き上げて、朗々と宣言する。
エリザベス・タイラー:「お迎えに上がりましたわ!同窓会の皆様!」
エリザベス・タイラー:「共に、キングダムをぶっ壊しに参りましょう!」

GM:ロイス取得のみが可能です。
嘴子原シェイル:エリザベス・タイラー ○感嘆/脅威 で取ります!
"元第一席"の不夜王:嘴子原シェイル 期待〇/焦燥


◆Opening◆ルナンシア・ラダ・ランパート




キングダム連合学院


GM:空間を揺らす異質な震動とともに、キングダム連合学院の空に、竜の影が浮かんだ。
GM:頻発する学区内の騒乱への対処を担う"騎士王"――ルナンシア・ラダ・ランパートは、不吉の到来を予感している。
GM:それは、現時点で実世界に干渉している様子のない竜の影でもなく、救伐騎士団がたった今対処に当たっている暴徒の企みでもない。
GM:何か恐るべき嵐の予感、というべきものがある。
GM:しかし、そうした漠然とした予感に対処する余裕は、今はなかった。

キングダム一般生徒:「救伐騎士団ッッ!!邪魔を、するな!!」
GM:生徒が叫ぶ。数日前から救伐騎士団が追跡していたテロ集団の一人だ。
キングダム一般生徒:「あの竜の影……!あれもそうだッ!あれも、お前達円卓議会が……やっているんだろうッ!」
キングダム一般生徒:「全員滅びろ!この国には何一つ、信用に値するものなんてない!」
GM:叫びとともに、ひどく巨大な怪異の尾が、街路を轢き潰し、破壊する。
蛇群相:無数に絡み合った大蛇の胴のようだが、頭はなかった。
蛇群相:理事会時代の幻獣兵器、蛇群相セントヒルダという。
GM:このテロ組織は喪われた幻獣兵器の製造方法を解析し、体制転覆のための無差別的な破壊活動を選んだ。
GM:彼女らの多くは、『天国』から帰還した生徒である。"暗殺王"に植え付けられた疑心暗鬼は、もはや容易には晴らすことができなかった。
蛇群相:ここから見えるだけで、少なくとも五体。四辻に交差した大通りの三方に、蛇群相がいる。
蛇群相:攻城目的の破壊兵器である。理事会時代は、これほど密集して運用するような兵器ではなかった。
蛇群相:だが、彼女らの稚拙で無鉄砲な運用は、被害規模という一点で言えば、理事会時代以上に危険であるといえた。

トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あんなものまで……!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……多くを問うことはしまい。私の得手ではないし、その時間もない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:騎士団の先頭を征く長身の影が、前に出ようとした小柄な少女を軽く制する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:遮るように伸ばされた手の中に、身長の3倍はあろうかという、鋭利な黒曜石の大槍が出現した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:──何一つ、信用に値するものなんてない。そうかもしれないな、と内心でひとりごちる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:懸命な者は多くいるが、彼女たちがいかに努力しているかは、王と臣民という立場を選んだ時点でここで主張することではなかった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「初撃は任せてくれ。せめて我が王鍵の力を確かなものとして、奴らに刻むとしよう」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「はい!」邪魔にならぬよう、少し後退する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:体を落とし低く構える。直後、清涼なる一陣の風とともに蛇群相の一角が砕け、流血のひとつもなく散乱した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:億年の冷気と慮外の怪力による、おそるべき凍結破砕能力。
ルナンシア・ラダ・ランパート:槍の軌跡が黒い一条の帯のように知覚され騎士王の接近を伝えるとともに、次の攻撃が繰り出されている。石畳に霜が張り、地面が少しずつ白く変わってゆく。
蛇群相:致命的な凍結は、即座に蛇群相セントヒルダの生命を奪っていた。氷の破片が大通りに散り、車や街灯の上に雨のように降り注ぐ。
キングダム一般生徒:「ルナンシア・ラダ・ランパート……化物め……ッ!」
蛇群相:残る四体は、別の方角へと侵攻している。その先にあるのはキングダムの最重要施設というわけではないが――
蛇群相:それでも、市街の施設のすべては、そこに生活する生徒達にとって必要なものだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「救伐騎士団ザ・ナイツ・ソルヴァ
ルナンシア・ラダ・ランパート:「迎撃せよ!」

イリーナ・レシュリスカヤ:「トゥーナくん!」
イリーナ・レシュリスカヤ:「リンゼ隊長の援護をお願いする!」前"鉄騎王"、イリーナ・レシュリスカヤ。現在の身分は、救伐騎士団執行部である。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「承知しました!お任せください!」
イリーナ・レシュリスカヤ:自らは西側地区の防衛へと向かう。閃光じみた速度だ。

久世川リンゼ:「トゥーナ・ネヴァーリンクス」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「はっ!」
久世川リンゼ:「イリーナ様の言葉の通りだ。合わせてくれ」その言葉と共に、イリーナと反対方向へ踏み込み、加速する
トゥーナ・ネヴァーリンクス:走ってついていく。
蛇群相:ゴ ガガガガガガガガゴゴゴガ!!!!
蛇群相:絡み合った蛇の胴が回転しながら進む蛇群相セントヒルダは、巨体全てが装甲と履帯を兼ねる巨大戦車だ。
蛇群相:並のオーヴァードでは有効打を通すことすら困難である。蹂躙される非戦闘員の生徒達は尚更だろう。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「私が動きを止めます!」両腕から細いワイヤーを複数本射出。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:このワイヤーは独特の粘り強さを持った合金で作られており、高い柔軟性と耐久性を併せ持つ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:全身が履帯ともいえる蛇群相に効果はてきめんだ。巻き付き、巻き込まれることで、その行動を強く阻害することができる。
蛇群相:ギギギギギギッ
蛇群相蛇群相セントヒルダの絡み合った駆動部に糸が巻き込まれた。
蛇群相:大きな抵抗によって、進撃が鈍る。とはいえこうした手段は、糸の固定負荷が引きちぎられるまでの時間稼ぎではある――
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「リンゼ隊長!お願いします!」
久世川リンゼ:「────ああ、十分だ」
久世川リンゼ:コンクリートに、建造物に焦痕を残す速度で蹴り上げながら加速し、空中に飛び上がる
蛇群相:そうした攻撃行動への反応はない。そもそもが頭部を持たず、知性を切除された幻獣兵器である。
蛇群相:加えて、攻撃に対する防御反応をせずとも、その装甲は常時、全方位からの攻撃を阻止できるよう設計されているためだ。
蛇群相:もっとも、尋常の手段であれば。
久世川リンゼ:「理事会の幻獣兵器。如何にして製造法を突き止めたのかいずれは調べ上げねばなるまいが」
久世川リンゼ:「……まずはこちらだ。貴様らに、二度とこの場所を蹂躙させてたまるものか」
久世川リンゼ:空中で鞘より抜き放つ。装飾を排し、一筋の白き直剣と為すその武器は、紛れもなく王鍵レガリアに名を連ねる遺産の一つである
久世川リンゼ:「白暁の遺剣オルドビス!!」
久世川リンゼ:無尽蔵の光を束ねたベールが現れ、流れゆく。その一振りは如何なる装甲であろうとも、その莫大な熱量によって焼き切って押し通す
蛇群相:巨大な結び目めいた胴が、まとめて切断される。
蛇群相:巨大な肉塊が二つに分かれ、左右のビルに衝突してほどけた。
蛇群相:焼灼された断面から血液が溢れたのは、10秒ほど経ってからだ。
久世川リンゼ:「……ふぅ」
久世川リンゼ:屍の上に難無く降り立ち、直剣を鞘に納める
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「さすがです、リンゼ隊長」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:周囲を見回し、他の蛇群相の状況を確認する。
久世川リンゼ:「貴公のアシストもあってのことだ。感謝する」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「お役に立てて光栄です」
久世川リンゼ:「では、速やかに引き返すとしようか。今頃には王が掃討を終えているであろうがな」その言葉と共に踵を返す
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「はい!」
GM:二人は大通りを引き返す。確認されていた蛇群相セントヒルダは救伐騎士団達によって全て掃討されていたが、
GM:ルナンシア・ラダ・ランパートが仕留めたものははっきりと判別できる。
GM:凄まじい凍結能力だけではない。それによってもたらされる市街への被害余波が殆どないのだ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(騎士王様、前鉄騎王様、そしてリンゼ隊長の高い実力があってこその結果ですね)
イリーナ・レシュリスカヤ:「まったく、この一週間くらいは働き詰めでしょうに」
イリーナ・レシュリスカヤ:「――精度が一切鈍っていない。騎士王殿はただでさえお強いのに、まだ成長を続けていらっしゃるみたいだ」
イリーナ・レシュリスカヤ:イリーナも、西側の殲滅を追えて帰ってきたところだった。交戦結果は、リンゼ達と似たようなものだっただろう。
久世川リンゼ:「ええ、我々としては実に妬ましい限りです」
久世川リンゼ:冗談めいて口にする
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──これだけ強いのだから、厄介事にも避けてほしいものだ」軽口に軽口で応じる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:転移温度を割った体液の凍結膨張によってひび割れ動かなくなった蛇群相のほど近く、深部体温の操作によって自害による離脱を封じられた生徒たちを、騎士団員たちが拘束している。
GM:騎士王の周囲には、無力化された生徒達が多数倒れている。
GM:そして、もう一つ……
社会人の残骸:「バ、バカ、なッ……!」ノイズ混じりの音声で呻く。
社会人の残骸:「ど、どうやって……私の潜伏地点を見抜いた……!」
GM:ただの社会人ではない。外部から接続した、旧キングダム理事会エージェントである。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「そうか。だから蛇群相が……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ふむ。どうやって……どうやって、か」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「教えてやるべきだと思うか? 君の判断を聞こう、ブレス」
ルナンシア・ラダ・ランパート:その場に姿の見えない名に向かって、唐突に語りかける。
メイド姿の生徒:停止した蛇群相や周囲の破壊に対し、メイド姿の生徒たちが後始末を初めている。
メイド姿の生徒:「そうですねぇ……」救伐騎士団と共に活動していたお掃除部の生徒達。そのうちの一人が反応した。

ブレス・ブリギッド:「ルナンシアさんのお心のままに……といった感じですけれど。"手短に"お伝え出来るなら、お伝えしてよいのでは?」
ブレス・ブリギッド:ブレス・ブリギッド。番外十三席を預かる諸王にして、『お掃除部』の部長がまとめていた髪をほどいて礼をする。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「情王様!?」
久世川リンゼ:「……いらっしゃったのですか、情王ロード・エモート
ブレス・ブリギッド:「救伐騎士団の方々もごきげんよう」うふふ、と穏やかに微笑みを向ける。
ブレス・ブリギッド:その姿は作戦開始前に君たちのブリーフィングに同席したメイドと似たような姿。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「理解したか? 鴉たちだけがキングダムの目ではない」
社会人の残骸:「ざ、雑用の……!下働きの生徒では……なかったのか……!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(全く気づけなかった……)
ブレス・ブリギッド:「あ、普段は雑用もさせていただいてますよ?」
ブレス・ブリギッド:「その中で気になることがありましたので、ルナンシアさんのお耳にお入れしました。」
ブレス・ブリギッド:お久しぶりですね、とトゥーナさんに小さく手を振っている。
キングダム一般生徒:「ぐ……そうやって、全てをコントロールできる気でいられるのも……!」
キングダム一般生徒:「今のうちだぞ、円卓議会……!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」
キングダム一般生徒:「この学区は終わりだ!みんな"至上王"に殺される!」
キングダム一般生徒:「何もかも、欺瞞だらけだ!」
GM:一連の暴動は、旧理事会エージェントがキングダムからデータ回収をするべく、生徒を利用して起こしたものであった。
GM:"暗殺王"が作り出した無数の不穏分子は、ただ無軌道に暴走することだけを期待されて撒かれたものではない。
GM:何も信じることができず、拠り所のない者は、他の何者かに容易に利用される存在となり得る。
GM:例えば"暗殺王"自身が、"学級会"やその追放者の名簿をブラックマーケットに流していたとすればどうか。
GM:学区内の犯罪組織。社会人企業。外部のFHセル。破壊工作を意図する他学区。ノドスチルドレン。
GM:そうした手駒を欲する者はいくらでもいる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「恐慌に──身を任せるべきではない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「単純で魅力的な誘いに、徒に絶望を煽る言説に。飛びついてくれるな──難しくは、あるのだろうが」
キングダム一般生徒:「くそっ……!お前達にとっちゃ、その方が都合がいいんだろうさ……!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(最近はこうした手合いが増えて、物騒に……更にはあの竜の影)
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(キングダムに何が起きているのか、起ころうとしているのか……不安になる気持ちも、分からなくはありません)
バータラちゃん:「大して知らねーヤツから大して知らねーヤツにくっついてって」
バータラちゃん:「ウオジラミかオメーらは!自分の頭で考えろっちゅーのヨ」
バータラちゃん:お掃除部の1人が情王の隣から横歩きで話に入ってくる

ブレス・ブリギッド:「あら、バータラさん……一方的に言ってはいけませんよ?」横を通っていく。
バータラちゃん:「ちゅーか、騎士王ちゃんヨ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……何だ」
バータラちゃん:「かっこよく仕切ってくれんのはいいんだけどさ」
バータラちゃん:「オメーらの跡片付けしとるウチのボスにまず一言あってもええんと違うのかい、チョキチョキ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(チョキチョキ?)
ルナンシア・ラダ・ランパート:横柄な様子に少し眉を潜めるが。「……ああ、君がオアシスの……」
バータラちゃん:「野生の王者バータラちゃんだぜ~」
久世川リンゼ:(野生の王者……)濃い面子が出てきたことに対して微妙な表情を浮かべる
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうだな。騎士団への協力、感謝する。"情王"。並びにお掃除部の皆」
バータラちゃん:「そういうことヨ!それがスジってもんヨ!」
ブレス・ブリギッド:「気になさらないでください。それが私達のお仕事ですもの」こちらも苦笑気味に返す。
バータラちゃん:「ブレスっち~、アタシももっと前出て大暴れして~よ~」
バータラちゃん:「悪いヤツらをチョッキンキーン!」
バータラちゃん:威嚇的にダブルピースを振り上げている
ブレス・ブリギッド:「まだ駄目です。バータラさんはまだ道も覚えてないじゃないですか。危ないです」ピンと人差し指を立ててチョキに挟み込む
ルナンシア・ラダ・ランパート:「とはいえ、だ。至上王という絶対的な力が君臨し、円卓議会の組織力を以ってしてさえ、生徒たちの不安を煽る事件ばかりが起きている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「光明を見失い、終末を煽る輩に漬け込まれても責められはしまい。それなりの処分は受けてもらうがな」
キングダム一般生徒:「ううう……」
ブレス・ブリギッド:「貴方も……」拘束された一般生徒の目線にかがみ込む
ブレス・ブリギッド:「今度不安になったら、お掃除部を訪ねてみてください。不安なお気持ちもお聞きしますので」
ルナンシア・ラダ・ランパート:未だ立ち上がれない生徒と目線を合わせるように、膝をついて腰を落とす。
キングダム一般生徒:「………」目を合わせることができない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……信じてくれ。我々はこれまで傷を負いながらも一つずつ……一つずつ、多くの困難に打ち克ってきた」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「争いの芽は無限だが、水をやる者は有限だ。私のやり方はこれしかないが……」
キングダム一般生徒:「どうせ、全部……嘘だよ……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」
キングダム一般生徒:「あたし達のやってることは、所詮、王様ごっこだ」
キングダム一般生徒:「……。一歩外に出たら何の意味もないし、もっと強い力が来れば、簡単に吹き飛ぶんだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だから、我々の行いには何の価値もないと?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:それはどこか、眼前の少女に問うと同時に、己に問いかけているようだった。
キングダム一般生徒:「騎士王様や情王様は、あたし達よりずっと立派で、皆を救ってくれる視野を持ってる人だよ……そう思ってた……」
キングダム一般生徒:「でも、本当にそうなのか……?少なくとも"学級会"は、そんな考えじゃなかった……」
キングダム一般生徒:「だって……王様達がどれだけ立派に振る舞ったって、あたし達と変わらない……子供じゃないか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:かつても投げかけられた問いだ。そんな言葉が目の前の暴徒から出てきたことに意表を突かれる。
ブレス・ブリギッド:「……」生徒の言葉に、わずかに困ったように眉を下げる。
イリーナ・レシュリスカヤ:「騎士王殿。あまり後処理に時間をかけてはいられません」
イリーナ・レシュリスカヤ:「不夜王殿のご無事は確認されているとはいえ、本校舎の異変のこともあります」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ああ……だが。重要なことだ。イリーナ。重要なことなんだ」
イリーナ・レシュリスカヤ:「……」
久世川リンゼ:「騎士王……」
バータラちゃん:「負けエビは負けたこと認めたくなくてなんでも言うわナ」
バータラちゃん:「腰が折れちゃってだっせーのヨ」冷たい視線で敗残生徒を見ている。野生の理屈だ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あまりそう言った物言いをするべきでは……」
ブレス・ブリギッド:「バータラさん」口を塞ぐ。
バータラちゃん:ムググ、と抑えられている。腕力では勝てない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「一歩、ノヴァリスの外に出れば。私達は」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「王ではない。当然のことだ。だが、それが何もかも無効で、嘘だったことになるのは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:これがごっこ遊びだというのなら。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「理事会にお仕着せられたことが原因なのではない。卒業で立場がなくなるのがどうなどという話は、他の学区でさほど重要視されたりはしないだろう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「偏に、青春の日々が過ぎた後に残るはずの信頼がないからだ。少なくとも彼女と、生徒会円卓の間に」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そしてきっと、ずっと多くの生徒達にも。
ルナンシア・ラダ・ランパート:間違えたまま、それが正される機会がなかった。どれだけ精強であろうと、それがキングダムという学区だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それがわかっていて手を拱き続けた……我々には多くの落ち度がある」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あと一度だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:未だこちらを見ようともしない、捕縛された生徒に向かって。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「かつてブレスや私を信じていたというのなら、今回の負けに免じてもう一度だけ」
キングダム一般生徒:「……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私のすることを見ていてほしい」
キングダム一般生徒:「あたしは……どうしようもない奴だよ……。やけになって、大人に利用されて……自分でもわかってるんだ……」
キングダム一般生徒:「あたしみたいな奴に言わなくたって、とっくに、信じてくれる奴がたくさんいるじゃないか……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……そうだな」寂しげに笑う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「だが、君のような者を護るための救伐の盾と槍だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それを……見失っていたのかもしれない。強要はしない。ただ、願うだけだ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そう告げて、立ち上がる。
キングダム一般生徒:「ありがとう……」小さく呟くが、独り言のような声だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「すまない皆、時間を取った」
久世川リンゼ:首を横に振る
バータラちゃん:「なんか騎士王って、難しそうなヤツだね」
バータラちゃん:横のブレスちゃんとヒソヒソ
バータラちゃん:「つよそーなのに、たのしそーじゃない」
バータラちゃん:「変なノ」
ブレス・ブリギッド:「優しい人ですよ。それに、真面目な方です」ヒソヒソ。
ブレス・ブリギッド:「きっと……」
ブレス・ブリギッド:「強さ以上に、大事にしているものがあるからなのでしょうね」
久世川リンゼ:「……後ほど捜査部の人員に接触経路を洗い出させます」
久世川リンゼ:「理事会であれ、同じ生徒であれ、利用され、尊厳を踏みにじられて良い者など、ここには存在しない」
久世川リンゼ:「直ちに効果は出ないでしょうが、水を断ち続ければ何れ芽は出るでしょう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「苦労をかける、リンゼ」
久世川リンゼ:「それが私の職務です、王よ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「連行の手配も整えてあります」
イリーナ・レシュリスカヤ:「捜査部とは一旦ここでお別れだね。ご協力ありがとう」
久世川リンゼ:「イリーナ様。貴方と肩を並べられたこと、喜ばしく思います。後は我々にお任せを」一礼をする
ブレス・ブリギッド:「………」騎士王の、輝くような振る舞いを眩しげに見る。
ブレス・ブリギッド:潔白の白と青と金。その輝きにあるいは、かつて憧れた人の太陽のような温かみを感じながら。
ブレス・ブリギッド:(この方は……手の届く人々に目を合わせ、差し伸べようとするのですね)
ブレス・ブリギッド:振る舞いを通して、『円卓』に座ることの意義。そして重さを、以前より近しく感じた。
ブレス・ブリギッド:連行される生徒……『学級会』に翻弄されて、寄る辺を失った少女を見送る。
ブレス・ブリギッド:「…………ありがとうございます、ルナンシアさん」改めてメイドとして髪を結い、密かに言葉を伝える。
ブレス・ブリギッド:「本当は、私がうまくもっとやれてたら……あのような心配をさせる子も、少なくてすんだのかもしれません。」
ブレス・ブリギッド:「"王"として振る舞うのは、大変ですね」
ブレス・ブリギッド:困ったように笑いかける。
GM:救伐騎士団のこの作戦は、捜査部と執行部、そして外部のお掃除部をも加えた大規模な合同作戦であった。
GM:他の何よりも優先してこの事件に取り掛かっていたからこそ、市街の防衛や裏で手を引く者の特定を迅速に行い、被害を最小限に留められたといえる。
GM:だが、眼前の作戦に専念しながらも、彼女ら全員が、本校舎の異変を否応なく目にしていただろう。
GM:――あの竜は何か。本校舎で何が起こり、そこにいるであろう"至上王"が、何をしているのか。
GM:学区内の騒乱を収めるべき救伐騎士団としては、事件が解決次第すぐさま確認に向かうべきだった。騎士王に命じられなくとも、執行部の全員がそう思っていたはずだ。
GM:ルナンシアが魔術通信を感知したのはその時だ。副官コーギー・ラッセルテリアの思念回線である。緊急度が極めて高い案件であることが同調で分かる。

コーギー・ラッセルテリア:『ご多忙のところ失礼するっす……陛下!』
コーギー・ラッセルテリア:『校舎直上に空間位相の歪み!極めてレネゲイド濃度の高い反応が』
コーギー・ラッセルテリア:『出現の予兆を見せているっす、恐らくは……!』
イリーナ・レシュリスカヤ:「……ぼくの感知魔術では、まだ、反応を追跡できていません」上空を睨んでいる。
イリーナ・レシュリスカヤ:「可能性があるとしたら、隠蔽ではなく転移でしょう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……わかったコーギー。我々も本校舎へと向かおうとしていたところだ。特定を急ぎつつ対象へのナビゲートを」
ブレス・ブリギッド:「……道中の整理情報共有しました。お気をつけて」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ブレス」
ブレス・ブリギッド:端末操作の手を止めて、意識をルナンシアに向ける。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「君の労いと心遣いは有り難く受け取った。だが、今は前者に対し心からの感謝を返せないことを許してほしい」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私の心には、常に一つの曇りが──負い目がある」
ブレス・ブリギッド:「……負い目、ですか?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「それを雪いだ時、また会おう」
ブレス・ブリギッド:「……」その言葉を噛み締め、今の段階で追求するか一瞬だけ迷って。
ブレス・ブリギッド:「……えぇ、そうですね」
ブレス・ブリギッド:「笑い話にできるときに、ぜひ」
ブレス・ブリギッド:「落ち着いたらまた、お茶をご一緒いたしましょう」くすり、と口元に手を当てて笑う
ブレス・ブリギッド:「……もちろん、ルナンシアさんが気に入って頂けそうなお菓子も用意しておりますよ」
GM:そんな別れ際の会話と、ほぼ同時の出来事である。
GM:星のような光が、校舎直上に灯った。
GM:しかしその光には、星とは違う不均衡なスペクトルや歪みがあった。

GM:周囲の空間を捻じ曲げているかのような、異星の光である。
GM:幾何学的に不可解な構造を取る、流動するリングのような飛行体――
GM:それはこの地球の存在ではない。仮に、王鍵に付随する伝承で再現されたものに過ぎないとしても。
GM:かつて人類が外宇宙の何かと接触するために石版に刻みつけた、解読不能の交信記録。
GM:王鍵の名は『オズマメガリス』。その適合者の名も知られている。

"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム連合学院学区内の全ての生徒に告ぐ〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈私は連合司法裁判所長官。セベクネフェルⅧである〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム連合法、議会法第二条2〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム円卓議会は、理事会ならびに遺産管理委員会の選定に基づく王をもって、これを組織する。その人数は、七名以内とする〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈現円卓議会はこの条件を満たしておらず、21ヶ月以上に渡り、この学区を違法に運営している〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈よって、キングダムの現体制及び、当該者に運営された全てを解体する〉
GM:旧第三席。"戒功王ロード・ジャッジ"、セベクネフェルⅧという。
GM:第二次ノヴァリス紛争で彼女が死亡した後、連合司法裁判所は解体され、キングダム連合法も廃止されて久しい。
GM:それでも、星徒と化した彼女は戻ってきた。当時の法を、王も民も問わず、平等に遵守させるために。
イリーナ・レシュリスカヤ:「戒功王様……!」空の光を見上げ、普段は浮かべない脂汗を滲ませている。
コーギー・ラッセルテリア:『星徒……!こんッな時に……!』
コーギー・ラッセルテリア:机台に拳をぶつけ、疲弊に喘ぐような声が漏れる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「キングダム連合学院の解体か、言ってくれる」
ルナンシア・ラダ・ランパート:深く、深く息を吐く。その呼気が白く凍りつく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「意味がないんだ……それでは本当に、意味がなくなってしまう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:頭を振った。至上王との対決が、また遠のく。だが遠ざけるために選ぶのではない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうだな、コーギー」
コーギー・ラッセルテリア:『はい……っす!』
ルナンシア・ラダ・ランパート:「こんな時だからこそ、だ。働き詰めの君には、本当に悪いが──」
コーギー・ラッセルテリア:『本校舎付近の各員に告ぐ!騎士王陛下との合流を優先し支援の体制に!』
コーギー・ラッセルテリア:『座標はこちらで指定する!』主君の言葉に弱音を噛み殺し、迅速な指揮に移る。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「竜骸、蛇群相、ここのところ、どうにも古いものが押し寄せてきている」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「かれらを過去にする歳月、誰もただ待っていたわけではないだろう。言わば、これは──」
ルナンシア・ラダ・ランパート:わずか、鼓舞するような言葉をさがして。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「キングダムの総決算だ」
GM:"暗殺王"の謀略は、たとえ対処に成功したとしても、常に最悪の結果を強いるものだ。
GM:看破されてもなお二重三重に、破られたはずの策謀が布石となって次の脅威への対処を困難とする。
GM:先程のような事件は初めてではない。頻発している。立て続けに戦っている者もいる。
GM:今キングダムで戦えるのはどれだけ残っているのか。どれだけの情報が漏れているのか。
GM:一連の騒乱の結果として、救伐騎士団はともかく、キングダム全体が少しずつ、疲弊していた。
GM:物理的にも魔術的にも、防空の穴が生まれていたのだ。
GM:ルナンシア・ラダ・ランパートには、はじめから、不吉な予感があった――
GM:――光。
GM:彼方、高くから、十字の光が届いた。
GM:それは希望に満ち、生徒に立ち上がるための力を与えるものだ。
GM:だが。

【神聖二重冠(ダブルクロス)】

クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。

GM:以後キングダムの学区内の生徒全員に、神聖二重冠が発現します。
GM:通常の十字冠の効果は適用されません。

GM竜化器ハッチライザーによってキングダムを襲撃した"フォモーリアン"には、明確な作戦目的があった。
GM:それはキングダム連合学院を脅威に晒すことで、キングダムの生徒全てにジャーム化の条件となる『祝福』――神聖二重冠ダブルクロスを発動させること。
GM:セベクネフェルⅧが行ったのは、それと同じことだ。より正確に言うのならば……
GM:行動をともにすることで、サヴィト・カウル・シャーが、その作戦を学習させた、、、、、のだ。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム連合法、刑法第十一条4〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:飛行物体によって増幅され、キングダム全域に響き渡る声で告げる。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈理事会により任命された刑執行者の全員が不在または不適当であると認められる場合〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈連合司法裁判所は代理執行者を指名できる〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈代理執行者の人数は、五名以下とする〉
GM:――ガガカカカカカカカッ!!!
GM:空から、多量の槍が降り注いだ。一つ一つが家屋よりも巨大で、太く、容易に市街を轢き潰した。
GM:その後を追うように、白い柔毛に覆われた巨体が着地した。不気味なことに、着地音は一切なかった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈ララゴ・フォーモアナ〉

GM:水音がある。硬い石畳の通りをかき分けるようにして、恐ろしく速い何かが、接近している。
GM:砲門が開く。牙を備えた顎も。艦艇と生物が混じり合ったかのような、あり得ざる異形だった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈コンスタンツェ・レーヴ〉

GM:浄水場の方面から爆発音があった。目撃者はおびただしい触手だけを見て、そして水中の奥深くに引きずり込まれた。
GM:強く発光する二つの光が、水中で揺らめいている。クラゲかタコのようでもあるが、本質的に不定形の存在だった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈弓木ヒロ〉

GM:誰もそれが出現した瞬間を知覚できなかったが、『鴉の塔レイヴンタワー』の上に、一羽のカラスが降り立っていた。
GM:塔の他のカラスと異なる点が多くある。巨大で、虚ろで、捻じ曲がっていた。それはカラスではなく、不吉な怪異だった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈マーガレット・T・ファインズ〉

GM:キングダムの総決算――ルナンシアの表現はまさに、正鵠を射ている。
GM:キングダムはその体制を維持するために、あまりにも多くの犠牲を出した。
GM:王国を恨み、呪いながら死んでいった者は、キングダムの内にも外にも、いくらでもいた。
GM:そして。救伐騎士団の前にも、それは表れた。

"風塵王"倫道アカネ:「あ!」
"風塵王"倫道アカネ:まるで散歩途中のように、ふらりと路地を曲がって現れる。
"風塵王"倫道アカネ:気配はなかった。
"風塵王"倫道アカネ:「ラッキー!救伐騎士団?だよね?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:──はじめから、不吉な予感があった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「シオンの大十字の祝福は、生徒のジャーム化を促すものではない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:振り返るよりも先に、槍を突き出している。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえたちのような脅威に立ち向かうためのものだ。故にキングダムは必ず勝利する。と」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そう口に出来るのが最善だったのだろうな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「────"風塵王"」
"風塵王"倫道アカネ:「氷の中で生きられる生き物ってさあ」
"風塵王"倫道アカネ:「なんか、どこかのミミズくらいしかいないんだって」
"風塵王"倫道アカネ:「本当なのかな?――聞いてみたいと思ってたんだ」
"風塵王"倫道アカネ:「ねえ?ルナンシアちゃん?だっけ?」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈ならびに〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈倫道アカネ〉
ルナンシア・ラダ・ランパート:冷たく凍てついた視線を、少女へとぶつける。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「寡聞にして知らない。生命が保つような氷か、試してみればいい」

"風塵王"倫道アカネ:「いいねえ」
"風塵王"倫道アカネ:「どっちが強いんだろう。どっちが楽しいんだろう……」
"風塵王"倫道アカネ:「わくわくする。飽きさせないでね」
GM:――強大な流星体を纏う星徒四体。加えて、旧円卓の星徒二体。
GM:同時に六体、王国を滅ぼす脅威が襲来したとしても。
GM:キングダムは、勝利するだろう。彼女らは連合する王鍵適合者であり、常にそのような脅威を打ち払ってここまで存続してきた。
GM:これまでは。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「刑を執行する」

"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒ララゴ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒コンスタンツェ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒ヒロ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒マーガレット:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス

【星徒専用アイテム:侵星魔法冠(インヴィジブルクロス)】
セットアッププロセスの直前に宣言する。
あなたは[戦闘に参加しているPCの総数+1]ラウンドの間、以下の効果を得る。

・あなたの侵蝕率は∞となる。

この効果が適用されるラウンド数は、キャラクターが『神聖二重冠』の選択効果の使用を放棄することで1ラウンドずつ減少する。
また、GMはこの効果を解除する方法を必ず一つ以上設定しなければならない。解除方法は秘匿しても良いが、情報判定等の開示条件を別途設けること。
このアイテムは『十字冠を破壊する』と書かれたエフェクトやアイテム以外によっては破壊されず、GMが指定した方法以外では解除できない。
このアイテムを使用した場合、Eロイスによるバックトラックのダイスボーナスを+1個する。
このアイテムは『アグニヤ生徒会』に所属する星徒のエネミーにしか取得できない。
このアイテムはシナリオ中1回のみ使用できる。

"風塵王"倫道アカネ:「やろう、やろう!"騎士王"!」
"風塵王"倫道アカネ:嬉しそうに、小刻みに跳ねる。「あなたとやるのが、一番楽しくなるといい!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:驚異的なレネゲイド圧の膨張に対し、僅かに視線を険しくするのみに反応を抑える。
ルナンシア・ラダ・ランパート:──シオンの与えた大十字の祝福は、生徒のジャーム化を促すものではない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:おまえたちのような脅威に立ち向かうためのものだ。故にキングダムは必ず勝利する。と。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そう口に出来るのが最善だっただろう。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そんな事は言えない。きっとキングダム連合学院のほとんどがそうだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ロードマスターを討ったのはいずこから現れた至上王で。
ルナンシア・ラダ・ランパート:雨月夜シオンの英雄的行為も、彼女の人となりも後から知れることで、実感としてどこか身近ではない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:何よりさきほど、お前はただの子供だと言われた時。本当は、あんなふうに接するべきでなかったと知っている。
ルナンシア・ラダ・ランパート:彼女たちを、頼りない己が助けを求めるべき相手ではなくて、こちらが助けるべき対象だと決め込んでいる時点で。
ルナンシア・ラダ・ランパート:全てを俎上に上げられた今、キングダムの生徒たちを信じているなどと口にするのはずれているように感じられた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私には」
ルナンシア・ラダ・ランパート:槍をぐるりと旋回させ、後方に流すように構える。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「結局のところこれしかない。強いぞ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:言外に楽しいかは保証しない、と示して。
ルナンシア・ラダ・ランパート:そうして、戦端が開かれた。

GM:ロイス取得のみが可能です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:倫道アカネ/懐旧/脅威◯
ルナンシア・ラダ・ランパート:名もなき生徒/庇護/罪悪感◯
ルナンシア・ラダ・ランパート:以上です。
GM:名もなき生徒まで……!



GM:全てのオープニングが終了した後ですが、このセッションにおける侵蝕率上昇は特殊な処理を踏みます。
GM:基本的に、全てのキャラクターの登場侵蝕は管理しません。
GM:ただし、イベント戦闘以外で戦闘に突入した場合、即座に侵蝕率を+6D10していただくことになります。
GM:衝動判定がある場合、それに加えて衝動判定があります。
GM:また、このセッションにはデータをご用意していただいたキャラクターが沢山登場しますが
GM:最終的にクライマックス戦闘に乗り込むことができるのは、PC4人に加えて、EXPC4人から選ばれたキャラクターのみになります。
GM:それ以外のキャラクターのリソースはどれだけ温存していてもクライマックスには持ち込めませんし
GM:逆に言えば、PCやEXPCが先に削られてしまうと、取り戻す手段は相当少ないと思っていてください。
GM:もちろんPCやEXPCでも、死亡やジャーム化のリスクを避けるために、クライマックス前に脱落という判断を行うことができます。
GM:その場合は、当該キャラが欠けた状態でクライマックス戦闘を行うことになります。
GM:また、このセッションが終了するまでは、キングダム学区内のキャラクターは全て神聖二重冠が発動しているものとして扱われます。
GM:現時点でキングダム入りしていないキャラクターはまだ十字冠のままですが、突入すれば即座に神聖二重冠が発動します。


◆Middle01◆グッデーグッバイ




キングダム連合学院


GM:有崎五派。ウルスラ・ミック・ベニ。七十橋シスル。竜胆ジョウカ。オリヴィエ・クロムハーツ。天沼チギリ。
GM:"至上王"にまつわる調査の最中、キングダム本校舎を中心に発生した空間震動を認識し、『鴉の塔レイヴンタワー』の外に出た彼女達が見たのは、
GM:本校舎を覆うように天を衝く、山脈か天そのもののような、巨大な竜の影だった。
GM:竜を見た者はいない。
GM:竜のようなものや、竜を模した生物がいたとしても、それは人が竜を想像して作り出した、伝承や、生物に過ぎないのだと。
GM:この世界に、本当の竜が現れるのだとすれば――
GM:それは、このような形で訪れるのだろうか。
オリヴィエ・クロムハーツ:「これ、は……」
オリヴィエ・クロムハーツ:竜、と呼ぶことすら憚られた。その巨大さに、雄々しさに……恐ろしさに。
竜胆ジョウカ:「……めちゃくちゃですねえ」
有崎五派:「き、きき……キングダムって……あんなのも居るの……?」
天沼チギリ:「いえ。」
七十橋シスル:「……冗談じゃねえぞ。いつから書き割りの背景が出るようになったんだ、ここは?」
天沼チギリ:「でも、彼の世界にはいるのでしょう。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「本物の竜は居ない。居ない筈のものが存在している」
ウルスラ・ミック・ベニ:「気に食わないね、まるでこの世の終わりって言ってるみたいで」
七十橋シスル:「間違ってねえよ。ご丁寧に、最高生徒会長もそう言ってるらしい」
七十橋シスル:「十字冠見てみろ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だからヤなんじゃないか!…うん?」
天沼チギリ:「神聖、二重冠」
天沼チギリ:それぞれの十字冠を見る。
ウルスラ・ミック・ベニ:翼ある輝かしき紋章のようなそれに、赤い竜の顎が添えられている。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……空に顕れただけで、ここまで」
GM:互いが互いを見ることのできる状況においては、明らかだった。――神聖二重冠。
GM:この現象が確認されるようになってから長いが、その発現条件は未だ明らかになってはいない。
GM:宿命に立ち向かう生徒への祝福。決戦を乗り越えるための力。様々な説がある。
GM:だが――戦いに臨んでいない、敵すら認識していない今の時点で、その状況、、、、が既に訪れているということだ。
有崎五派:「……今、まさに戦うべき時が来てるってこと!?何と!?」
有崎五派:「ま、まさかアレじゃないよね……?」
有崎五派:見上げるだけで眩暈がする影を横目で見ながら顔を引き攣らせる。
七十橋シスル:「何もかも・・・・とだろ、ハッ!」ガシガシと頭を掻く。
竜胆ジョウカ:「まあ十中八九アレというか……アレ以外にも敵がいたら嫌すぎるというか」
有崎五派:「ど、どこから手を付けたら……ま、まずは他の子達の避難……!?」
天沼チギリ:「一応、先に説明した作戦のために」
天沼チギリ:「アメリアに遺伝橋の手配をしております。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「遺伝橋で劣剣をはぎ取るやつね。ちょっと腹案があるから後で話すよ」
天沼チギリ:「キングダム全体の避難あるいは迎撃の指揮は不夜王が執っているでしょう。」
竜胆ジョウカ:「……ですね。確かに避難よりかはそっちが先決かもしれません」
オリヴィエ・クロムハーツ:「この状況。救伐騎士団も鉄騎隊も、非常時には不夜王の統率まで独自の指揮系統で行動を始めるはずです」
竜胆ジョウカ:「博物館も対応マニュアルがあるので。……最近デカい事件とかあったのでどこかで戻る可能性はありますが、もう暫くはこっちに協力できます」
七十橋シスル:「確認するぞ。至上王は、イースターエッグと石の魔剣の力で、竜骸が元々いる世界への扉を開いてる。仮定だが」
七十橋シスル:「更に仮定を重ねる……その結果、向こうからこっちに来ようとしてるのがアレ」
七十橋シスル:「死蔵王。あれ博物館でぶっ倒せるか? この前やらかしてただろ」
竜胆ジョウカ:「『博物館ではやり合えるけど、起動がほぼ不可能』になります」
ウルスラ・ミック・ベニ:「というと?」
竜胆ジョウカ:「博物館の最終システム、基本的に『先住民を傷つける規模なので生徒には起動できない』んですよね。前のは無理を重ねて突破しましたが」
有崎五派:(博物館の起動……???)
ウルスラ・ミック・ベニ:「それに神聖十字冠が無差別起動している今、大規模破壊を伴う行為をすれば生徒であっても危険か…」
オリヴィエ・クロムハーツ:「戒に抵触してしまう、と。再びの無理は……出来ないといった以上、不可能に近いですか」
七十橋シスル:「チッ。進退極まれりだな」
竜胆ジョウカ:「このまえ動かしたばっかで整備も完璧ではありませんしね。博物館だけで討伐を狙うなら私が単騎で行く方が勝率高いかもしれません」
竜胆ジョウカ:「なら、原因を解決しに行く。そっちの方が早く、安全ではあるかと」
ウルスラ・ミック・ベニ:「巨竜の原因…やっぱ向こうから漏れ出てると思う?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「文字通り根っこがルキアちゃんの居た本校舎だもんな」
オリヴィエ・クロムハーツ:「扉を開いた以上、向こうからの干渉もあって然るべきかと。誰かが入るのなら、同時に何かが湧き出てくると見るべきです」
七十橋シスル:「他の連中じゃ、その仮定すら出来てないだろ。俺たちが行くのが一番合理的だ」
有崎五派:「……そうね。そもそも、私達の目的は最初からそうだったもの」
竜胆ジョウカ:「とにかく一旦あれの出元を探った方がいいでしょう。仮に至上王が原因でなくても倒さないとまあ滅茶苦茶になりますし」
ウルスラ・ミック・ベニ:「怪物たちの棲むところか。ワイバーンやあれがうじゃうじゃしてるのかな~」
七十橋シスル:「これに乗じてくる輩も絶対にいるだろうしな」
天沼チギリ:「後背は他のキングダム生徒を信じましょう。」
GM:対処すべき異変は数多い。だがこの場にいる者だけが、一刻も早く本校舎の異変に対処しなければならない、と結論づけることができる。
GM:遅れてしまえば、間に合わない可能性を知っているからだ。
GM:世界が繋がり、ルキア・ティベリアが彼方に旅立つ。または彼方の存在がこちらに来訪する。
GM:――いずれにしても、そうなってしまってからは手遅れだ。
オリヴィエ・クロムハーツ:「真っ先に原因へ乗り込み対処する……とても分かり易く難しい。ですが、やるしかない」
七十橋シスル:「別の原因の可能性も、頭の片隅には入れておくとして」
七十橋シスル:「今現在、キングダムの戦力密度なら俺たちが最大だろう」
天沼チギリ:「現状を各所に伝えて援助を求める暇は…なさそうですか?」
天沼チギリ:「というか、余力があるか……ですね。」
竜胆ジョウカ:「回線がほぼ確実にイカれる上に、至上王が開けたどこかへの経路を確保・維持できる奴も全然いませんしね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「外は外でやるべき事も盛りだくさんだね、この混乱ぶりじゃ」
GM:ただし。最優先とするべき問題を、本当に最優先で処理できる余裕があるかどうか。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム連合学院学区内の全ての生徒に告ぐ〉
GM:それは、別の話だ。
竜胆ジョウカ:「は?」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈私は連合司法裁判所長官。セベクネフェルⅧである〉
有崎五派:「なっ、なに!?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「この声……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……"戒功王"、様」
オリヴィエ・クロムハーツ:古い記憶を思い返し、険しい顔となる。
GM:本校舎の直上に、歪んだ光と、不可解な構造体がある。スピーカーを通しているわけではない。魔術的な拡声で、キングダム全域に声を届かせている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム連合法、議会法第二条2〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈キングダム円卓議会は、理事会ならびに遺産管理委員会の選定に基づく王をもって、これを組織する。その人数は、七名以内とする〉
竜胆ジョウカ:「……革命の時思い出しますね。いつぞやの理事会のプロパガンダ放送の二番煎じですか」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごはせん、この声の主は亡くなった生徒」
有崎五派:「………ッ」唇を噛む
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈現円卓議会はこの条件を満たしておらず、21ヶ月以上に渡り、この学区を違法に運営している〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈よって、キングダムの現体制及び、当該者に運営された全てを解体する〉
ウルスラ・ミック・ベニ:「…天から帰ってきた、星徒、だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:Eロイスを使用します。『悪意の伝染』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:現在キングダム学区にいる全ての生徒は学区から出ることはできず、また学区外の生徒が新たに入ることもできません。
七十橋シスル:ひええ
オリヴィエ・クロムハーツ:「あの法は、彼女の死亡と共に無くなったもの。ならば……この声の主は、やはり」
有崎五派:「戒功王……セベクネフェルⅧ」
七十橋シスル:「星徒……シャムロック戦での報告にあった」
七十橋シスル:「奴が法廷を開いている間、裁判所内の出入りはできねえ」
竜胆ジョウカ:「……うーん。一段階酷くなりましたね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「二重になるわけだよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:(星徒…か)
ウルスラ・ミック・ベニ:軽口を叩くのは余裕のない証左。というわけでもないけど、確信に満ちた嫌な汗を掻く。
オリヴィエ・クロムハーツ:「粛々と裁きが終わるのを待つか……先のとおり、彼女の撃退を以て裁判を、法そのものを取り消すか」
竜胆ジョウカ:「で」
竜胆ジョウカ:「一応確認ですけど、どうします? ドラゴンも星徒もいるのはこっち、守るべきものもたくさん。至上王の開けた先へ向かうとかせず、残った方がいいのかもしれない」
竜胆ジョウカ:「私はそれでも至上王の元へ行くなら全然手伝いますが。皆さんはどうします?」
天沼チギリ:「裁きの場といえど、」
天沼チギリ:「内側に空いた穴に入ることは可能でしょう。」
天沼チギリ:(信じて進む、といえば聞こえはいいが)
聖詠部生徒:「……鉄騎王様!」異常事態を認識し、集まってくる生徒達もいる。
聖詠部生徒:「現在緊急時マニュアルに従い、グレゴリオと合同で学区内の生徒の避難誘導を行っていますが――」
オリヴィエ・クロムハーツ:「周囲の状況はどうなっている?」咳払いし、声色を整えて。
聖詠部生徒:「学区境界から外に出ることができません!このまま攻撃が開始されれば、非戦闘員が巻き込まれる恐れが高いと思わます!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(やはり……締め出された。これでは脱出も、外部からの応援を頼むこともできない)
聖詠部生徒:「鉄騎王様!……死蔵王様!拷問王様!元老様!」
聖詠部生徒:「我々だけでは判断のできない事態です!ご指示を……!」
天沼チギリ:(彼女らに背を向けるのはあまりに…)
天沼チギリ:ちらりと他の王たちを見る。
七十橋シスル:「……何回戦争をやれば気が済むんだよ、俺たちは」
オリヴィエ・クロムハーツ:(この状況。どう動くのが"正しい"?)
オリヴィエ・クロムハーツ:(神聖二重冠が恐らく、学区全体で出ているであろう状況で、非戦闘員の退避も不可能、選択を間違えれば……)
オリヴィエ・クロムハーツ:(間違いなく……生徒が、人が、死んでしまう)焼けた指で、拳を握る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「どうするごはせん。助けを求める生徒はどこにでも居るようだけど」いちに、と屈伸運動を行う。
有崎五派:「…………」
有崎五派:助けを求めに来た聖詠部の生徒。そして、皆の顔をゆっくりと見回す。
有崎五派:みんな、同じ子供だ。そして私は子供の助けになる為にやってきた。それでも。
有崎五派:「私は……私が死ぬ覚悟も、誰かを死なせる覚悟もしてきてない。無理」
有崎五派:「まだ会ってない子達がどんな状況にあるのか予測するような力もない。きっと、私を信用できないって子もいるだろうから」
有崎五派:職員室の、あの人たちならあるいは──とも思うが、今ここに居るのは私だ。
有崎五派:「今、私が頼れるのは皆だけ」
有崎五派:連絡、状況の確認、人員の配置。それぞれにどれくらいの時間が掛かるのか、そしてそのロスがどれだけの致命的な結果をもたらすのか予測する術はない。
有崎五派:「だから、手分けしよう、、、、、、
有崎五派:「私は誰も死なせたくない。お願い、助けて!」
GM:現在この場には、七十橋シスル、ウルスラ・ミック・ベニ、天沼チギリ、有崎五派、竜胆ジョウカ、オリヴィエ・クロムハーツがいます。
GM:このPC達を、大きく3つのグループに分けることができます。

【救助】
この場から即座に退場し、キングダムの生徒、先住市民、および社会人の救助活動に従事する。
この役割に選出されない場合、死者負傷者を含む100名の犠牲者が発生する。
最大で2名まで選出でき、1名ごとに50名の犠牲者を阻止することができる。

七十橋シスル:犠牲者
七十橋シスル:義星を持つ者とかじゃなくて?

【解析】
この場から即座に退場し、本校舎の異変とその解決状況を分析する。
〈知識:魔術〉で難易度16の判定に成功することで情報を獲得することができる。
何人でも選出でき、1シーン経過ごとに難易度3、同時に判定を行う1人ごとに難易度6が低下する。

【迎撃】
これからキングダムに襲来するであろう脅威に備え、迎撃する。
ミドル戦闘が発生する場合、この役割に選出されたものが最初に戦闘を行う。
何人でも選出できる。増援の可能性がある。

ウルスラ・ミック・ベニ:知識魔術ならボクも得意だね(巨匠の記憶LV5)
七十橋シスル:これはミドル毎に毎回設定するという感じですよね
七十橋シスル:つまり救助(シーン退場・節約)、分析(シナリオ・情報収集)、迎撃(シナリオ・ミドル戦闘担当)
GM:そういうことです!
七十橋シスル:これを振り分ける感じか
GM:毎回この三つの役割になるとは限らないですけどね
天沼チギリ:むむむ
GM:リソースを上手く温存しながら戦ってください。
七十橋シスル:そこも可変なのね
オリヴィエ・クロムハーツ:GM!NPCにはなりますが、今のうちにPCの皆様に水晶の剣していくことは可能ですか?
GM:もちろんいいでしょう。やらない理由はありませんから
オリヴィエ・クロムハーツ:やったね
天沼チギリ:助かりMAX
オリヴィエ・クロムハーツ:では、相談の間に……シスルさんとチギリさん、自分の武器に水晶の剣を使用します、攻撃力+6!100越えたら8になります
オリヴィエ・クロムハーツ:侵蝕47
七十橋シスル:ありがたすぎ
オリヴィエ・クロムハーツ:シスルさんには触媒だけ渡して自由に付与してもらおう
有崎五派:では組み合わせはこちらで!
有崎五派:救助:有崎、オリヴィエ 解析:ウルスラ、チギリ 迎撃:シスル、ジョウカ
GM:見事な采配です先生!
ウルスラ・ミック・ベニ:スケジュールをこなしてキングダムを救いましょう!
有崎五派:イベント完走するぞ~
七十橋シスル:迎撃中……(00:59:47)

GM:生徒の救出。本校舎の状況把握。そしてキングダム防衛。
GM:果たすべき責任はあまりにも多い。王国が滅ぶことを眺めているしか術はないのかもしれない。王が一人ならば。
GM:今や形骸化している題目があった。円卓に座する、全ての王は同列である。
GM:このような時、各々が自ら判断し、動き、君臨するための円卓であったはずだ。
七十橋シスル:「避難所の候補が居る」
七十橋シスル:端的に口火を切った。「お前らの管轄で。どこがある?」
天沼チギリ:「鴉の塔。」
竜胆ジョウカ:「博物館も行けますね」
天沼チギリ:「ここを使う利点は、非常時に中の遺産を生徒たちに貸与できることですね。」
天沼チギリ:「八月革命を再現するようですが。」
天沼チギリ:(ただ、それは星徒たちも把握しているはず。)
天沼チギリ:(手をこまねいて見ているとも思えないのが恐ろしい。)
竜胆ジョウカ:「……うちはそれしませんからね」
七十橋シスル:6人が向かい合う中心に、影の荊が走り、大雑把なキングダムの地図を形作る。
七十橋シスル:「お前も見とけよ」、有崎先生に視線を向ける
有崎五派:「……うん!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……広さ、強固さを考えれば博物館は適していますね。機動しないとはいえ、その分の堅牢さは頼もしい」
七十橋シスル:大まかな位置図だ。中枢に近い位置に鴉の塔、少しだけ離れた方向に博物館。
七十橋シスル:「もう内部で下手な下剋上も起きないだろうしな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「別れる前に地図を作っておくよ。6人分の位置ぐらいは同期できる」
ウルスラ・ミック・ベニ:手中に生えた草花が瞬く間にパピルス紙状に姿を変え、見る間に絵図の変わる魔法の地図となる。
有崎五派:「わわっ……!」地図を慌てて両手で受け止める
オリヴィエ・クロムハーツ:「此方も、今のうちに可能な限りの術式付与を。現状武器を携帯しているのは……」七十橋シスルと天沼チギリを見遣って。
天沼チギリ:「頼みます、鉄騎王。」
七十橋シスル:「聖詠部の……ギラギラ光る方じゃないだろうな」
オリヴィエ・クロムハーツ:こくり、頷いて。天沼チギリの武器に洗礼詠唱───聖別を始める。
オリヴィエ・クロムハーツ:静かに響く声と祈り、武器に染み渡るような小さな光。
ウルスラ・ミック・ベニ:「仕事柄、シスルちゃんの拠点は既に稼働中だと見て良いだろうね」
七十橋シスル:「医療部は当然動いてる……が、十字冠離脱が起きないのが面倒だな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ああ、離脱先を確保していくような基本プランも潰れるんだ」
七十橋シスル:「だから、避難にせよ連れて行く役が居る」
有崎五派:「誘導役ね……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「シスルさんには……触媒を渡しておく方が上手く使ってくれる、でしょう?」
オリヴィエ・クロムハーツ:昔のように少しだけ朗らかに、手持ちの聖香油を手渡して。
七十橋シスル:「分かってんじゃねえか。ったく、いちいち革命と被る……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「むぅ」留守にしていたというか脱走中の思い出語り。ちょっと面白くない。
オリヴィエ・クロムハーツ:「救助には私が向かいます。これまで各地を自分の脚で歩んでいた分、最短の経路も頭に入っていますから」
竜胆ジョウカ:「ですね。鉄騎王サマならそっちの方がやりたいでしょうし」
七十橋シスル:「適任だな。……鴉の塔と博物館。それと、やや遠いが医療部本拠地」
ウルスラ・ミック・ベニ:「安心感や士気向上においても抜群だね」
聖詠部生徒:「鉄騎王様が現場にいらっしゃれば、生徒の皆さんも安心できると思います……!」
有崎五派:「なら……私はオリヴィエちゃんに着いていく。多少の怪我を誤魔化すくらいは出来るし!避難の手助けにもなる、はず!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……先生」少しだけ嬉しそうに微笑んだ後で。
オリヴィエ・クロムハーツ:「肉体面もそうですが、その場で動けなくなった生徒への一時的な精神ケアも重要です。お任せできますか?」
オリヴィエ・クロムハーツ:無論、信頼している。自分がされた側であるのだから。
有崎五派:「……任せて!励ますのは得意よ!」オリヴィエちゃんへ向けてぐっと両の拳を握る。
竜胆ジョウカ:「一応避難所にされてることは連絡するとして。……私はどうしますかね」
天沼チギリ:「迎撃、がよろしいかと。」
天沼チギリ:「円卓の王が前線にいれば生徒たちの士気も保たれるでしょう。私にはできません。」
竜胆ジョウカ:「まあそうなるかあ……んじゃ至上王の居場所とかのクラックは任せます」
七十橋シスル:「出来ればあの竜の対策もな」
天沼チギリ:「そうですね。それと本校舎で何が起きているかも探ってまいります。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ついでにボクも任されようか。これでも竜使いの端くれだからね」すちゃっと眼鏡を掛ける。
天沼チギリ:「頼もしい。」
天沼チギリ:「是非、お願いいたします。」
七十橋シスル:「なんだ、至上王に特攻かけなくていいのか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「根に持ってるなあ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクの第一目標はルキアちゃんだけど、その為にチギリちゃんと相談したい事もあるのさ」
七十橋シスル:「頼もしいこった。俺と死蔵王は迎撃か」
七十橋シスル:「目につくモノ全部消し飛ばす」
竜胆ジョウカ:「やったりますか」グーパー。
オリヴィエ・クロムハーツ:「ふふ、その点においては適任です。二人が戦線に出るのであれば、恐れるものは無しでしょう」
天沼チギリ:「では本校舎に行ってまいります。」
天沼チギリ:「何かあればすぐに戻りますので。それでいいですね?」
天沼チギリ:ウルスラに
ウルスラ・ミック・ベニ:「そうしよう。互いに吉報持ち寄ろうね~」
ウルスラ・ミック・ベニ:皆に地図を配ると、なんてことはないように手を振りながら別れる。
天沼チギリ:こちらもウルスラに続いてみなと分かれる。
七十橋シスル:「分かってんのかねアイツは……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……誰よりも分かっているし、葛藤も抱えているでしょう」
オリヴィエ・クロムハーツ:(旧円卓の星徒が来たという事は、きっと。そう言う事だ)
竜胆ジョウカ:「むしろあんくらいの方がいいでしょう」
有崎五派:「私達もいこっか」
オリヴィエ・クロムハーツ:こくり、頷く。「ええ、少しでも遅れて、救えぬ生徒があってはなりません」
オリヴィエ・クロムハーツ:表情を険しく、大きく呼吸して。
オリヴィエ・クロムハーツ:「聖詠部!これより生徒の救出、並びに避難誘導を開始する!目の前の何一つとして、決して取り零さぬよう心得よ!」
聖詠部生徒:「了解しました!」
七十橋シスル:「オリーヴ。有崎先生」
七十橋シスル:「頼むよ。アイツのせいで、死者を出すわけにはいかないんだ」
オリヴィエ・クロムハーツ:足を止め、振り返る。表情は昔のまま。
有崎五派:「誰も死なせない。そんなの、学校で起きる事じゃないもの」
オリヴィエ・クロムハーツ:「はい。もう、これ以上誰かが何かを喪い、傷つけ合うのは……嫌ですから」
オリヴィエ・クロムハーツ:王としてではなく、真の名で呼んだ彼女に。ただの少女としての言葉で返す。
竜胆ジョウカ:「いいですね、王様なんて権威握っといて単に嫌って理由で動くの」
竜胆ジョウカ:「当然お手伝いしますよ。何せこちとら嫌って理由で革命中に革命やってますからね、ノウハウならあります」
七十橋シスル:「お前は本当にブレねえよな……」
七十橋シスル:呆れたように口元をへし曲げて笑う。
有崎五派:「うーん、頼もしい……」塔で見た記録を思い返しながら腕を組む
オリヴィエ・クロムハーツ:「あはは……昔から無茶をやりますからね、彼女……」
聖詠部生徒:「有崎先生。移動の準備はよろしいでしょうか?」
有崎五派:「あっ、待たせちゃってごめんね!私の方はばっちり!」
聖詠部生徒:「起伏の多い地形や災害で破壊された箇所は、ご自身の足で救助に向かっていただく可能性があります!ご注意を!」
有崎五派:「多少は動けるわよ、私も!任せて!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「心配ありません。もしもの場合は私が抱え、斬り均して進みましょう」
聖詠部生徒:「承知しました!鉄騎王様、すぐにご出発を!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ああ───行くぞ!」聖剣を天に掲げ、進むべき道を指し示す。救うべき戦いを行うために。
GM:オリヴィエ・クロムハーツ、および有崎五派もその場を離れる。
GM:情報共有は迅速に完了したこともあり、彼女らが決断に要した時間はごく僅かである。
GM:だが、そのごく僅かの間に……
GM:……それとも、初めから手遅れだったのかもしれない。"戒功王"が現れた時点で、既に決まっていたことだった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈連合司法裁判所は代理執行者を指名できる〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈代理執行者の人数は、五名以下とする〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈ララゴ・フォーモアナ〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈コンスタンツェ・レーヴ〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈弓木ヒロ〉
"戒功王"セベクネフェルⅧ:〈マーガレット・T・ファインズ〉
GM:シスルとジョウカが立っていたのは、『鴉の塔レイヴンタワー』のすぐ前の広場だ。
GM:よって、そこに何かが接近したのであれば、気付かないはずがなかった。
GM:――何より、『鴉の塔レイヴンタワー』内には今、アメリア・シュミットがいる。
GM:遺伝橋を持ち出そうとしているはずだった。彼女の目が接近を捉えられないなど、本当にあり得るのだろうか?

星徒マーガレット:「――」
星徒マーガレット:どこも見ていない、虚ろな空洞の眼窩を持った、黒い巨鳥。
星徒マーガレット:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒マーガレット:それは長過ぎる翼を広げて、確かに人語を発した。
星徒マーガレット:忽然と『鴉の塔レイヴンタワー』に出現した、幽鬼の如く存在が朧な星徒だったが、確かなことはある。
星徒マーガレット:眼下に映る何もかもを殺戮せんとする、過剰なまでの、『無限』の害意。
竜胆ジョウカ:「……ッ、うわ出た!!」
七十橋シスル:「"鴉の塔"は、避難場所からは除外だな」
七十橋シスル:ごぉん、と鐘をつくような鈍い音とともに、背後に糸車が出現する。
竜胆ジョウカ:「ですねえ。流星体みたいな話ですかねアレ、だとすると本体が面倒ですけど」
竜胆ジョウカ:「んまあ一旦アレなんとかしますか」
竜胆ジョウカ:手袋を嵌め直すと共に、火の粉を纏った風が舞う。
七十橋シスル:「だな。見せしめに塔に突き刺してやる」
星徒マーガレット:過剰なまでの侵蝕率で膨れ上がった、強大なるジャーム体。
星徒マーガレット:特に強大な星徒は、『流星体メテオロイド』と呼ばれる肉体とともにノヴァリスへと降下してくることが知られていた。
星徒マーガレット:おぞましい、人からもジャームからもかけ離れた姿かたちは、
星徒マーガレット:ノヴァリスの生徒が切除し続けてきた、限界を遥かに越えた可能性そのものである。
星徒マーガレット:「おしまい!おしまい!」
星徒マーガレット:「お話はッ、おしまい!」
星徒マーガレット:「キッ、キュリリリリッ、キ、キキ、キキキキキキキキキキキキ」
星徒マーガレット:甲高く、絶叫のように笑う。
星徒マーガレット:それが兆しだった。
星徒マーガレット:生前の名はマーガレット・T・ファインズ。"凶兆王ロード・オーメン"。



キングダム連合学院 市街


GM:"鉄騎王"率いる聖詠部およびキングダムを受け持った『先生』有崎五派は、市街の状況を目の当たりにした。
GM:多数の星徒の現出は恐るべき事態であったが、まだ、決定的な破綻は訪れていない。
GM:"戒功王"による封鎖は、予知や遠隔視によって脅威を察知し、学区から避難しようとする動きを阻止するためのものだったと理解できた。
GM:グレゴリオや聖詠部もそうした危機に未然に動いていた点は同じだったが、学区外への誘導の失敗によって、生徒をこうして脅威に晒してしまっている。
GM:オリヴィエ・クロムハーツが"鉄騎王"となってから結成された特務部員である鉄騎隊は、ある程度の戦闘能力を備えているとはいえ
GM:当然、その練度は救伐騎士団ほどのものではない。避難誘導する部員に降りかかる脅威を振り払えるかどうかは、"鉄騎王"の双肩にかかっている。
キングダム一般生徒:「触んなッ!触んじゃねえッ!」
キングダム一般生徒:誘導を受ける生徒の中、ひときわ抵抗し、混乱を広げる者がいる。
キングダム一般生徒:オリヴィエには見覚えがあるかもしれない。
キングダム一般生徒:かつて校舎近くで暴動まがいのテロを起こし、キミたちに制圧された不良生徒のひとりだ。
キングダム一般生徒:「今更、お前らなんかが正義面して……!」
キングダム一般生徒:「みんな死ぬんだ!私たちもう全部終わりなんだよッ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……先生、先に私が向かいます」
有崎五派:「…………無茶はしちゃだめよ。貴方も同じ生徒なんだからね」
オリヴィエ・クロムハーツ:「私には、受け止めることが出来ても……静めることまでは。どうか、後詰めをお願いします」
有崎五派:「……分かった」
オリヴィエ・クロムハーツ:そう言って、足早に駆ける。瞬きの間には、暴れる生徒の眼前へ。
キングダム一般生徒:振り上げた鉤爪が
キングダム一般生徒:部員の1人へと振り下ろされる!
オリヴィエ・クロムハーツ:それは、自然な動きだった。
オリヴィエ・クロムハーツ:振り下ろされる鈎爪生え揃う腕の手首に掌を滑り込ませ、勢いだけを完全に逸らし。
オリヴィエ・クロムハーツ:傷痕は、地面にだけ大きく刻まれる。
キングダム一般生徒:「鉄騎王……オリヴィエ……クロムハーツ……!」
キングダム一般生徒:奥歯を噛みしめ、血走った瞳が睨む。
キングダム一般生徒:「そのご立派な剣と鎧で、何が守れた?」
キングダム一般生徒:「このザマを見てみろよ!ええ!?」
オリヴィエ・クロムハーツ:(そうか、貴女も……私が、取り零してしまった……)
キングダム一般生徒:「アタシたちみたいなのを虐めて、何が守れたんだ!?」
キングダム一般生徒:「それとも」
キングダム一般生徒:「誰かを助けたり、守ったりする気なんて、最初からなかったのか?」
キングダム一般生徒:「全部ただの遊びで、気まぐれで……至上王と一緒だ!全部!全部!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「…………」
キングダム一般生徒:「アタシたちのこと、玩具か何かとしか思ってない……!」
キングダム一般生徒:「お前ら円卓はみんなそうだッ!」
有崎五派:「こら!」
キングダム一般生徒:「!」
有崎五派:叫ぶ生徒の後頭部に、背後から軽くチョップを入れる。
キングダム一般生徒:びくりとそちらを向く
キングダム一般生徒:「お、大人……!?」
キングダム一般生徒:「大人が、なんでここに、なんでこんなの連れてきた!?」
キングダム一般生徒:「アタシたちをこれ以上、どうしようってんだよ……!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……本当に、不甲斐なく思う。王を名乗りながら、誰かを、皆を、目の前の貴女一人救うことが出来ずに」
キングダム一般生徒:「やめろッ!近づくな!汚らしいんだよ!大人がッ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「こんな状況が巻き起こるまで、ただ現状を維持する事しかできなかった」
キングダム一般生徒:取り押さえられたまま
キングダム一般生徒:キュマイラの膂力でめちゃくちゃにもがく。
キングダム一般生徒:鎧をまとったオリヴィエはともかく
キングダム一般生徒:武装していない有崎には危険な間合いだ。
キングダム一般生徒:ぶしっ!
キングダム一般生徒:頬に一筋の切り傷が刻まれる。
有崎五派:「……ッ~~~!」
オリヴィエ・クロムハーツ:先生を手で制して、ゆっくりと前に進む。
オリヴィエ・クロムハーツ:「これ以上は危ない。もう少しだけ……私に時間を」
有崎五派:「……むぅ」何か言いたげな様子で、オリヴィエを見守る
オリヴィエ・クロムハーツ:「私は、至上王の裁きが全てを終わらせないように、手を尽くしてきた」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……それが正しかったか、間違いだったか。この現状を見れば、火を見るより明らかなのかもしれないけれど」
オリヴィエ・クロムハーツ:また、一歩進む。手には武器を持たず。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……私は、そればかりを考えて。真に個々人を見ることを忘れていたのかもしれない」目の前の少女も、ルキア・ティベリアについても。同じことだ。
オリヴィエ・クロムハーツ:完全に鈎爪の間合い。そこまで歩んで───

オリーヴ・ウェールズ:───鎧を、解いた。
キングダム一般生徒:「!?」
キングダム一般生徒:肩口に深々と刃物のような爪が食い込む。血が滲むだろう。
オリーヴ・ウェールズ:血を流しながら、それでも前へ。
オリーヴ・ウェールズ:「……一人でばかり考えて、ずっと忘れていた事」
オリーヴ・ウェールズ:「ただ、誰かに助けを求めることを、忘れてしまっていた」
オリーヴ・ウェールズ:肌と肌が触れ合う距離で、そのまま少女を抱きしめる。
キングダム一般生徒:「う……うぁ」
キングダム一般生徒:何も出来ず呻きが漏れる
オリーヴ・ウェールズ:「ごめんなさい。もっと早くに、こうするべきだった」
オリーヴ・ウェールズ:「誰かに、外に助けを求めて。大変なんだよって」
オリーヴ・ウェールズ:「例え王であったとしても。たったそれだけの、"助けて"の一言が、言えなくなってしまっていた」
オリーヴ・ウェールズ:王になる前は、当然できていた事なのに。ずっと。
オリーヴ・ウェールズ:「こんなに気付くのが遅くなって、もう間に合わないのかもしれないけれど」
オリーヴ・ウェールズ:「……お願いします。信じてとは言いません。もう少しだけ、時間をください」
オリーヴ・ウェールズ:「私たちに。私たちが助けを求めた"大人"である彼女に」
キングダム一般生徒:「は、っ……」
キングダム一般生徒:嗚咽を漏らしながら顔を上げ
オリーヴ・ウェールズ:表情は痛みに耐えながらも、少女の為に、怖がらせないように笑っていた。
キングダム一般生徒:オリーヴの肩越しに有崎五派を見上げる。
有崎五派:「…………言いたい事は結構あるんだけど」
有崎五派:これ以上ないくらい不満を湛えた目線をオリーヴへ向けた後、生徒の視線を受け止める。
有崎五派:「ここは、貴方達の国でしょう?」
有崎五派:ゆっくりと歩み寄り、抱きしめられる彼女に目線を合わせるように少しだけ姿勢を落とす。
有崎五派:「みんなで、みーーーんなで守らなくちゃいけない。私だって勿論それを助ける為に居るけど」
キングダム一般生徒:「……そうだよ」
キングダム一般生徒:「私たちの、町だ」
キングダム一般生徒:涙で潤んだ瞳で、倒壊した街並みを見回す
キングダム一般生徒:「ろくでもないことばっかりだったけど」
キングダム一般生徒:「悪いことだけじゃ……なかった」
キングダム一般生徒:「これで、こんな風に、全部終わりなんて」
キングダム一般生徒:「嫌だよ……なんで……」
有崎五派:「そうね。私も、前に一度だけ遊びに来ただけだけど……キングダム、好きよ」
有崎五派:生徒の頬をそっと撫で、目線を上げさせる。
有崎五派:「まだ終わってない。みんなが居て、貴方が居る」
有崎五派:「貴方達自身と、貴方達が大事だと思うモノの為に出来る事はまだある」
有崎五派:「ここは沢山の王様が居る連合学院、でしょ?自分の"国"の為に戦えば、きっとそれがキングダムの全部を守る事に繋がるから」
有崎五派:誰かにとって大切な場所が集まって国になる。だから、一人一人がその小さな場所の為に戦えば。
キングダム一般生徒:「私……が?」
キングダム一般生徒:恐る恐るという表情で尋ね返す
有崎五派:「そうよ。貴方の場所なんだから、貴方が護るの」
有崎五派:「国は王様と……まあ、私も。守るから」
有崎五派:「貴方は貴方の大事なモノの為にだけ戦いなさい」
有崎五派:「もっと、自分を大切にしなくちゃだめよ。ほんと……」
有崎五派:オリーヴと生徒、両方に言い聞かせるようにため息を吐く。
キングダム一般生徒:「私の、大事なモノ」
キングダム一般生徒:振り返る、既に保護された仲間たちが
キングダム一般生徒:心配そうにこちらを見ていることに気付く。
キングダム一般生徒:「う、うう」
キングダム一般生徒:「ううううううっ」
キングダム一般生徒:鉤爪が消え、力が抜けていく。
キングダム一般生徒:これ以上の危険はなさそうだ。
オリーヴ・ウェールズ:ゆっくりと腕を離し、保護された仲間の下へ送る。
オリーヴ・ウェールズ:きっと、もう大丈夫だろう。きっと、仲間が彼女を守り、彼女が仲間を守ってくれる。
有崎五派:「……オリヴィエちゃん。ちょっとこっち。かもんかもん」
有崎五派:じと、と視線を向けて手招きする。
オリーヴ・ウェールズ:「あっ、ええと……はい……」
オリーヴ・ウェールズ:ちょっとしょぼしょぼとした表情で、瓦礫の影に大きな身を隠して。
有崎五派:「立派だった。とっても」
有崎五派:「私からすればみんな同じ子供だけど、王様って立場を軽くみちゃうのは良くないってのは分かるから、立派だったと思う」
有崎五派:「だーけーど」
有崎五派:鉤爪に切り裂かれ、血のにじむ箇所にそっと指をあて。鎮痛効果のある香りを塗布しながら眉を顰める。
有崎五派:「年頃の子が肌に傷つけるのにここまで躊躇ないのは感心しないな!これは普通に年上のおねーさんとして!」
オリーヴ・ウェールズ:「だ、だって……先生はお顔の方でしたし……あのままだと向かっていったと思ったし……」
オリーヴ・ウェールズ:「……あと、信頼していたので。こうやって治療してくれるって」
オリーヴ・ウェールズ:隠れているので王らしさの欠片も見せずに、頬を膨らませて呟く。
有崎五派:「…………なおりゃ良いってもんじゃないの。自分を大切に、ってそういう事よ」
有崎五派:「自分の痛みに慣れたまま大人になっちゃダメ。傷つくのが怖いくらいが一番なの」
有崎五派:ほんの少しだけ照れ臭そうにしながらも、口調は変えないままに続けた。
オリーヴ・ウェールズ:「……そう、ですね。自分の痛みに慣れていたというのは……本当に」
有崎五派:「痛いってどういうことか、怖いってどういうことか、自分で分からなくなったら……他人のモノを想像するのも難しくなっちゃうんだから」
有崎五派:よし、と呟いて治療を完了する。とは言っても、その場しのぎの痛み止めが限界だが。
オリーヴ・ウェールズ:「ありがとうございます。これで問題なく……皆を助けに行ける」
オリーヴ・ウェールズ:「ああ、でも……」
オリーヴ・ウェールズ:「……先の彼女の言葉と、今の先生の言葉。痛い程に伝わりました」
有崎五派:「………そっか。なら良し」
オリーヴ・ウェールズ:治療された傷痕を手で撫でながら、向き直って。
有崎五派:「ほんとは貴方達の全部を私が背負ってあげられたら良かった。けど、私にはそれは出来ないし。正しいとも思えないから」
有崎五派:「オリヴィエちゃんにはいっぱい助けてもらう。二人で、半分こしていこう」
オリヴィエ・クロムハーツ:指を掲げ、影の鎧を纏う。光を受けて白く染まって。
オリヴィエ・クロムハーツ:「無論です。しかし先生も、できるだけ無茶をしないよう」
オリヴィエ・クロムハーツ:「私が進まねば、貴女も間違いなく傷を負っていました。王、生徒、先生。その関係以前に」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……二人とも、ただの人なのですから。うまく、分かち合っていきましょう」
オリヴィエ・クロムハーツ:少女としてではなく、今度は凛々しい王の表情で手を伸ばす。
有崎五派:「………うん。私達ならやれる!頑張ろう!」
有崎五派:嬉しそうに微笑んで、その手をしっかりと掴んだ。



キングダム本校舎前


GM:天沼チギリとウルスラ・ミック・ベニは、本校舎前へと駆けつけた。
GM:彼女らよりも先に異変を察知して様子を見に来た生徒達が何人か集まっている。
GM:全員が不安げに、巨大な竜の影を見上げていた。
GM:本校舎の下層階は大きく破壊されている。"至上王"はそもそも無事なのだろうか?
ウルスラ・ミック・ベニ:「おーいそこの君たち!大丈夫かい~」
キングダム一般生徒:「? 誰?」
天沼チギリ:「失礼。」
キングダム一般生徒:「誰かの知り合い?というか、その顔……」
キングダム一般生徒:「え!?元老様!?!?」
天沼チギリ:「こちらはキングダムに急遽来られました”先生”。」
天沼チギリ:「遺産管理委員会の承認事項です。どうか落ち着いて。」
天沼チギリ:「状況を教えてください。」
キングダム一般生徒:「元老様に、職員室の……恐れ多いことでございます……!」頭を下げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「近頃の情勢不安を懸念したチギリちゃんに呼ばれてね、円卓の王様たちと連携してるとこさ」
キングダム一般生徒:「……あたし達……あ、私共は、偶然本校舎の異変を近くで確認いたしまして」
キングダム一般生徒:「その……"至上王"様の御身にもしものことがあってはならない、と」
キングダム一般生徒:「こうして、様子を確かめに参りましたが……」
キングダム一般生徒:「野次馬できたくせに」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふふっ」くすりと笑う。すっかり着慣れたスーツは少女を少し大きく見せる。
キングダム一般生徒:「でも聞いて下さい、元老様!ここから先……本校舎に入れなくなっているんです!」
天沼チギリ:「それは物理的にですか?」
天沼チギリ:「何かが立ちふさがっているとかではなく。」
キングダム一般生徒:「そうです。壁、というか……」恐る恐る、自分の立っている地点から本校舎へ手を差し伸べる。
キングダム一般生徒:――バヂッ!
キングダム一般生徒:「痛ッ」
キングダム一般生徒:凄まじい勢いで手が弾き飛ばされ、生徒が顔をしかめる。
天沼チギリ:「………実演しなくてもよいですよ。」手を取って腫れた個所を撫でる。
キングダム一般生徒:「私、見ました!あの地震みたいなものが起こった時」
キングダム一般生徒:「本校舎から吹き飛ばされた生徒が、何人かいたんです!」
ウルスラ・ミック・ベニ:鞄から薬草を取り出して手当する。鴉の塔でシスルたちが用いた魔術をコピーしたものだ。
天沼チギリ:「………分かりました。」
キングダム一般生徒:「いたた……」
天沼チギリ:「ここから先は聖詠部や救伐騎士団にお任せを。」
天沼チギリ:「遺産管理委員会や円卓の王たちが問題の対処に動いています。」
キングダム一般生徒:「げ、元老様……キングダムは……だ、大丈夫ですよね?」
天沼チギリ:「ええ。」
キングダム一般生徒:不安げに空を見上げる。あるいは、本校舎の最上層にいるであろう"至上王"を。
キングダム一般生徒:「さっき、空から何か……言ってましたけれど」
キングダム一般生徒:「ずっと、キングダムは勝ってきたんです。円卓の王様も……あれだけ強い人達が、七人もいて」
キングダム一般生徒:「あたし達は、大丈夫なんですよね!?生きて……明日からも暮らせるんですよね?」
天沼チギリ:「ええ。」
天沼チギリ:にこりと微笑む。いつものように底の見えぬ不敵な笑み。
天沼チギリ:「周囲の生徒を伴って”鴉の塔”に避難を。」
天沼チギリ:「アメリアが対処してくれる」
天沼チギリ:鴉の塔を見る。
天沼チギリ:「はず」
GM:予兆はなかった。何より、接近していたなら"死蔵王"や"拷問王"が撃ち漏らすことはあり得ない。
星徒マーガレット:だが、『鴉の塔レイヴンタワー』の上には、既に、一体の星徒が巣食っていた。
天沼チギリ:塔の頂上にそびえる巨鳥/凶兆を見る。
キングダム一般生徒:「……ひっ!!」
キングダム一般生徒:「なに!?なんなのあれ!?」
キングダム一般生徒:「……っ、ジャーム……!!」
天沼チギリ:笑みが、少女が必死に作った強がりが、消える。
天沼チギリ:「”博物館”に避難を!」
天沼チギリ:「早く!」
キングダム一般生徒:「は……はい!」
キングダム一般生徒:「……っ」泣き出しそうな顔で、一度チギリを見る。
GM:生徒達はすぐさま駆け出した。問答をしている時間はないのだと、すぐさま悟ってしまうような恐怖だった。
天沼チギリ:強がりは、そこまでだった。
天沼チギリ:生徒たちが去った後、頭を抱える。
天沼チギリ:「あ、ああ」
天沼チギリ:「アメリア……」
天沼チギリ:「わ、わた、私が」
天沼チギリ:「”遺伝橋”を取って来てなんて、言わなければ」
天沼チギリ:ふらふらと歩きだそうとする
ウルスラ・ミック・ベニ:失うことへの恐怖、愚行を侵した自分への怒り。
天沼チギリ:「ご、ごめんなさい、アメリア……」
ウルスラ・ミック・ベニ:身に覚えがあった。だから手を伸ばす。
天沼チギリ:「ごめ───」
ウルスラ・ミック・ベニ:震える小さな手を取って、その重責を負うにはあまりに華奢な肩を引き留める。
天沼チギリ:「───?」
天沼チギリ:「は、はなして」
天沼チギリ:「アメリアの元に、行かないと」
天沼チギリ:「わた、私、あの子がいないと」
ウルスラ・ミック・ベニ:「それは違うよ、チギリちゃん」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一番に信じる大切な人に、つまらない用事を任せる君じゃあない」
天沼チギリ:「で、でも!」はらはらと涙が零れ落ちる
天沼チギリ:「”あれ”に、アメリアが殺されちゃう」
天沼チギリ:「私の、せいで……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「君のせいなんかであるもんか」震えを制するために、静かに声を張る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「アメリアちゃんは、チギリちゃんに任された仕事を放りだすことはしないだろう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「芯の強い頑張り屋さんで、とても強い子だというのは君が一番よく知っていることだものな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だけどボクだから分かることもある。大好きな人の傍に仕える側だったからね」
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクも偉そうなことを言えるほど余裕なんてない。あの鴉のように、舞い降りたひとがいると聞いたのだから。
ウルスラ・ミック・ベニ:でも、あの時感じた恐ろしさを少しでも和らげさせてあげられるなら。かつてのボクに優しく出来ることがあるならば。
ウルスラ・ミック・ベニ:「自由の身になったアメリアちゃんは、チギリちゃんの命令で鴉の塔に居るんじゃあない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「チギリちゃんを支えたいと思うから、ずっと一緒に居るんだよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一人にされると思う前に、あの子の強さを信じてあげて…君はよく知ってる筈だ」
天沼チギリ:「…………」
天沼チギリ:袖で顔を覆う。
天沼チギリ:表情を覆い隠す打算の動作ではない。
天沼チギリ:少女が、目尻を拭うためだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:胸に手を当てて深呼吸。
天沼チギリ:「アメリアは、大丈夫。」
天沼チギリ:「私も、大丈夫。」
天沼チギリ:自らに言い聞かせるように呟き
天沼チギリ:顔を上げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「あの位置ならジョウカちゃんたちも気付くだろう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「うん、良い顔」覗き込むようにして、悪戯気に笑いかける。
天沼チギリ:泣き腫らしたような目元以外は、いつもどおりの天沼チギリになっている。
天沼チギリ:「………助けられるのは、二度目でしょうか。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「よしなよ、ボクとキミの仲じゃない」
天沼チギリ:「それでは、今のも内緒にしてくださいませ。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「まあ良いものは見せてもらったよね」
天沼チギリ:「………趣味が悪いです。」
天沼チギリ:少し頬を赤らめる。
天沼チギリ:「───私たちは、私たちの仕事をしましょう。」
天沼チギリ:「現状の把握。この障壁の解析。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そう卑下するもんじゃないよ、乙女の涙だぜ?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「うん、ボクらの望みのために必要不可欠だ」
天沼チギリ:「………アメリア。信じてます。」
天沼チギリ:そう呟いて、解析に入る。

GM:〈知識:魔術〉で難易度16です。今回は二人いるので、判定チャンスを二回行うか、
GM:あるいは一人が判定を放棄して協力し、難易度を10にしてチャレンジすることが可能です。
天沼チギリ:判定を放棄して協力します。
天沼チギリ:知識:魔術なんて持ってないからね!
ウルスラ・ミック・ベニ:使える手札は《コンセントレイト:モルフェウス》《巨匠の記憶》《砂の加護》…
ウルスラ・ミック・ベニ:前二つなら6dで7以上。全部乗せれば12dで7以上
天沼チギリ:ウーン
天沼チギリ:財産は使えないですよね
ウルスラ・ミック・ベニ:つまらん失敗をしても申し訳が立たない。ここは全力で行こう
天沼チギリ:お願いします!
ウルスラ・ミック・ベニ:【SS:故王の記憶】《コンセントレイト:モルフェウス》《巨匠の記憶》《砂の加護》
ウルスラ・ミック・ベニ:知識:魔術判定だ!
ウルスラ・ミック・ベニ:12dx7>=10
DoubleCross : (12DX7>=10) → 10[1,1,2,3,3,4,4,5,6,7,8,10]+10[1,3,10]+5[5] → 25 → 成功

ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を7増加(34 → 41)
天沼チギリ:ヤッター!
GM:大成功!では理解できます。
GM:本校舎への侵入の拒絶は、星徒の干渉によるものや何らかの攻撃ということではなく、
GM:十字冠の機能によってそうなるのではないか、という推測を立てることができます。
GM:先ほどの一般生徒が弾き飛ばされた際の十字冠の反応や、最初に本校舎から弾き飛ばされた生徒の目撃者からの証言で推測できるでしょう。
GM:すなわち、『ノヴァリスからの離脱禁止』。
GM:本校舎周辺が別世界だと判定されており、ノヴァリスに押し戻すかのような『離脱』に準ずる斥力が発生しているということになります。
GM:そして本校舎を中心とした別世界の召喚が実際に起こっているのだとすれば、
GM:ルキア・ティベリアが『石の魔剣』と『破戒免状』を用いて試行した結果ということは、ほぼ確実でしょう。
GM:もちろん、『石の魔剣』による世界法則の断絶と離脱の阻止自体は、"矜持なきもの"が『天国』の作成で行ったものと同様ですが
GM:今回の例が侵入すらもできなくなっていることは、隔てられた内側がより強く別世界の侵蝕を受けていることの証左でもあります。
GM:それでも、侵入を弾き飛ばす斥力という形で十字冠の戒律が働いている以上は
GM:まだ、完全な断絶には至っていないということです。何らかの突破方法を見つけるか、あるいは想像を絶するような力押しで突破すれば、
GM:間に合う可能性はゼロではありません。
GM:もう一つ、本校舎を中心に浮かび上がる竜の影は、本校舎を通過した光が、不可視の莫大なエネルギーに歪められて映し出されているものだと分かります。
GM:この世に生きる者には見えず、触れられない、神秘の力が竜の本体だとすれば
GM:今、本校舎とノヴァリスを隔てている莫大なエネルギーこそが、『真の竜』の一端と表現できるかもしれません。

ウルスラ・ミック・ベニ:「ふんふん…大筋は見えたかな」あれやこれやと辺りに広げた道具を回収。
天沼チギリ:「やはりこの向こうは別の世界と繋がっている。だからこそ、」
天沼チギリ:「十字冠が役割を果たし、”ノヴァリスからの離脱を認めない”」
ウルスラ・ミック・ベニ:「さっきの子は弾き飛ばされていた」少し口元が緩む。至上王を心配したという言葉は嬉しいものだった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクらが飛ばされる時と似た感じで、十字冠が反応していたものね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「故に戒律をすり抜けるには、ルキアちゃんが使った石の魔剣、破戒免状」
ウルスラ・ミック・ベニ:「各派閥が秘匿していたような神秘を用いる必要がある。でも閉鎖されたキングダムにはもう無いだろうね」
天沼チギリ:「では別の道を探るか、」
天沼チギリ:「力づくで押し通るか。」
天沼チギリ:「私としては力押しはお勧めしませんが…」
天沼チギリ:「本番に至る前に余力を使い切っては本末転倒ですからね。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「何せボクらが直面してるこれ、余波…外殻ですらないからね」
ウルスラ・ミック・ベニ:巨大な竜として見える影を見上げる。見えず触れられぬ力の徴。
ウルスラ・ミック・ベニ:「天国を齎すものにはとても見えないや。まだまだ大人の考えることはわかんないね」

GM:ロイス取得のみが可能です。
ウルスラ・ミック・ベニ:友達:天沼チギリ/P共感〇:N心配
天沼チギリ:ウルスラ・ミック・ベニ/〇感謝/羞恥/ロイス
天沼チギリ:これで以上です。
ウルスラ・ミック・ベニ:可愛かったよ~
有崎五派:オリヴィエ・クロムハーツ 信頼〇/不安


◆Middle02◆巣立ちの歌




キングダム連合学院 行政部


GM:本校舎で発生した衝撃の直撃を受けた"不夜王"ジェシカ・クロフォードは、"美食王"オーシャンズ・マウンテンヒルズの強固な守りによって、軽傷に留めた。
GM:そして不夜王が動ける状態である限りは、キングダムの危機に際して動かない理由はなかった。
GM:奇しくも空からは、"魔術王"の予知を裏付けるように、キングダムを滅ぼす危機が到来していた。星徒5体の同時襲撃である。
GM:襲来地点も5箇所。鴉の塔レイヴンタワー。グレートブリッジ。真珠広場。ヒンシェルウッド第1浄水場。黒檀通り。
GM:キングダム学区内で動かせる戦力を迅速に投入し、各個撃破を図らなければならない。撃破が遅れれば遅れるほど、犠牲を許容しなければならなくなる。
GM:為政者として決断を下す必要があった。

GM:特殊ルールについて説明します。
GM:今回襲来した星徒は、全員が出現と同時に侵星魔法冠インヴィジブルクロスを発動しています。
GM:この持続ラウンドは本来[戦闘に参加しているPCの総数+1]ラウンドですが、
GM:今回は襲撃に巻き込まれているPCがあまりにも多いため、基本的にはこの持続ラウンドが切れることはありません。
GM:ただし、「キャラクターが『神聖二重冠』の選択効果の使用を放棄することで持続ラウンドが1ラウンドずつ減少する」という処理を
GM:「戦闘に参加したキャラクターが『神聖二重冠』の選択効果の使用を放棄することで1ラウンドの間無効化する」という処理を行います。
GM:この処理が、今回のシナリオにおいては「GMはこの効果を解除する方法を必ず一つ以上設定しなければならない」扱いとなるわけですね。
GM:なので、侵星魔法冠インヴィジブルクロスを一時解除して攻撃を通すためには、PCやEXPC含む神聖二重冠未使用の誰かが
GM:神聖二重冠の権利を使用していく必要があります。つまり、キングダムにいるネームドキャラをリソースとして攻略していかなければいけません。
GM:不夜王は強力な内政処理能力によって、現在このシナリオに参戦しているネームドキャラであれば、各戦場に増援として送り込むことができます。
GM:ただし戦闘ごとに、参戦不能な状況にあるキャラも変化していきます。
GM:現在最優先で攻略をしなければならないのは明らかに、最重要拠点のひとつである『鴉の塔レイヴンタワー』です。
GM:最初のミドル戦闘なので、これはGMから指定させていただきます。
GM:今回参戦不能なキャラクターは、ルナンシア・ラダ・ランパート、ウルスラ・ミック・ベニ、天沼チギリ、オリヴィエ・クロムハーツ、有崎五派です。
GM:また、一つの戦場に大量に戦力を投入した場合、それらが他の戦場で参戦不能キャラクターとなる可能性が大きくなります。
GM:これらの情報を踏まえて、誰を何人送り込むかを決定していただきます。
GM:それと、いざという時の手段として、"不夜王"自身の神聖二重冠も使用権があります。
GM:これは不夜王が参戦できていない状況でも、どの戦場に対してもシナリオ一度だけ発動することが可能なワイルドカードです。
"元第一席"の不夜王:ワイルドチャレンジャー!!

キングダム王鍵管理施設 鴉の塔レイヴンタワー



七十橋シスル:「話にゃ聞いてたが、あれが噂の……無限の侵蝕率だったか?」
竜胆ジョウカ:「ですね。……普通に遺産荒らされると嫌なんでさっさと立ち退いてほしいんですが」
竜胆ジョウカ:「なんか認識関連の技能持ってそうで面倒そうですね」
七十橋シスル:「同感だ。妙な力場がある。神聖二重冠なら一時的な相殺は出来そうだが……」
七十橋シスル:「ケッ、スターがどうのと胡散臭っせえ話しか聞かねえ癖に面倒な。ウチの一般生徒に倒されたんだろ?」
竜胆ジョウカ:「何の話ですっけそれ」
竜胆ジョウカ:きょとん。流石に共有はされてると思うのだが……
七十橋シスル:「なんで聞いてねえんだよ。外からリエゾンロードがやってきて星徒の教師やってるとかいう眉唾」
竜胆ジョウカ:「……あー、ありましたねそんな話。思い出してきました」
竜胆ジョウカ:「まあ全然あり得る話ですよね。リエゾン連中なんて頭の螺子の飛び方違いますし」
七十橋シスル:「お前にだけは言われたくないだろうぜ。……仕方ねえ、俺が押さえ込む。その間に羽むしって丸焼きにしてやれ」
竜胆ジョウカ:「ええ。まあ本人が倒されたってんなら、気楽ですね。何せ増援やら指導による強化やらを気にしなくていい」
GM:出どころの定かではない噂話がある。"スターロード"なるリエゾンロードの『教師』が、無限の力を与えているのではないか。
GM:信じがたい話だ。証拠を目撃した者も限られている。"スターロード"本人が死亡した今となっては、尚更だろう。
星徒マーガレット:だが、『無限の力』を用いる星徒は現に存在する。……この星徒の頭上には、完全な形の十字冠があった。
星徒マーガレット:死亡し、砕け散ったはずの十字冠が、異常な再生を果たす現象――侵星魔法冠インヴィジブルクロス
ジェシカ・クロフォード:拷問王の端末が振動します。

ジェシカ・クロフォード:『拷問王聞こえるか』
七十橋シスル:「……ああ?」
七十橋シスル:「随分と久しぶりな気がするな、その辛気くさい声も」
竜胆ジョウカ:「あっ不夜王。直でご命令なんですね……」
ジェシカ・クロフォード:『卿の皮肉もな。死蔵王もそこにいるな』
ジェシカ・クロフォード:『そちらの状況は把握している。』
ジェシカ・クロフォード:普段と変わらない辛気臭く、冷徹な声色で言い放つ。
ジェシカ・クロフォード:このような混沌とした状況の中で全ての情報を把握出来る者などいない。
ジェシカ・クロフォード:しかし、あえて全てを把握していると言い放った。己の指針がここからぶれることはないと宣言するように。
ジェシカ・クロフォード:『二人で星徒の相手は手に余るだろう。』
ジェシカ・クロフォード:『増援を用意した。卿らに従うように命じてある。あとは手足の如く使え』
竜胆ジョウカ:「助かります。……一応こっちからも」
竜胆ジョウカ:「館の方の危機はこっちで拾えるようにしてますが、予兆があったら教えてください」
七十橋シスル:「流石だな。行き届いてる」
ジェシカ・クロフォード:『承知した。そちらは任せるといい』
竜胆ジョウカ:「あとマニュアルで何人かは暴走危険遺産継承者のサポートに回るよう指示してるんで、侵蝕爆発しそうな面々は多少カバーしてますとだけ。適当に使ってください」
ジェシカ・クロフォード:『その言葉、有難く活用させてもらう。』
七十橋シスル:「あァ、それと、不夜王」
ジェシカ・クロフォード:『何かな、拷問王』
七十橋シスル:「至上王の出生を聞いた」「知りたいか?」
ジェシカ・クロフォード:『興味深い話だ。』
ジェシカ・クロフォード:『だが、今は時間が惜しい。過去よりも未来の話をしたい。』
ジェシカ・クロフォード:『卿は、それを知ったうえで、今回のことを。至上王のことをどうするつもりだ』
ジェシカ・クロフォード:その声色から
ジェシカ・クロフォード:拷問王は、不夜王が至上王の出生についてある程度の類推が出来ていると察してくれていいです。
七十橋シスル:至上王を見出した不夜王が、自分達よりも多くの情報を持っていることは分かっていた。
ジェシカ・クロフォード:拷問王らとは違うルートで調べてはいた。確証できる証拠は無くても類推が可能な材料は揃えることが出来た。
七十橋シスル:その上で、真実にのめり込まないことを確認したかった。
七十橋シスル:「……さあな。お前じゃねえんだ、不確かな未来のことなんて分かるかよ」
七十橋シスル:「会ってから考えるさ」
ジェシカ・クロフォード:『そうか。それも卿らしいな。』
七十橋シスル:「まず今。このデカブツを墜とす」
ジェシカ・クロフォード:『なあ、拷問王』
七十橋シスル:「ンだよ」
ジェシカ・クロフォード:『"至上王"とは実に滑稽な名だと思わないか?』
七十橋シスル:「?」
ジェシカ・クロフォード:『"王"とはそのような大層な冠を頂かずとも』
ジェシカ・クロフォード:『"至上"であり、"至尊"であるはずだろう。』
ジェシカ・クロフォード:『だというのに、我らは、いや、私は…』
ジェシカ・クロフォード:『"至上"の重荷を、彼女に押し付け、逃げ続けてきた。』
ジェシカ・クロフォード:『だが、ここに至って私はやっとわかったよ。私の理想は、"至上"に至らなければ届かない。』
ジェシカ・クロフォード:『私はこの混乱を修めた後、ただの"王"となる。』
七十橋シスル:「――――」
ジェシカ・クロフォード:『死蔵王、拷問王。"君"たちはそれに力を貸してくれてもいい。反目に回っても構わない』
ジェシカ・クロフォード:『ただ、この決意を覚えていてくれ』
竜胆ジョウカ:「未来の話ができるの、元気でいいですね。少なくともこの場においては応援しておきましょうか」
七十橋シスル:「多少揺れたかと思えば、更に盤石になりやがって」
七十橋シスル:「頼もしくて仕方ねえな、ったく」 ……すう、と息を吸う。
ジェシカ・クロフォード:『これでも、希望を胸に秘めた青い学生なのでな』
ジェシカ・クロフォード:自虐するように笑う
七十橋シスル:「ハ、ハハ、ハハハ、ハァーーーーッハハハハッハハァ――――!」 遥か上空のジャームを嘲るように哄笑を上げる。
GM:――シスルとジョウカが、眼前の星徒に対して先制攻撃を仕掛けていなかったのは
GM:星徒が、『鴉の塔レイヴンタワー』を人質に取るような位置に陣取っていたためである。
GM:よって彼女が自分達に注意を向けるか、『鴉の塔レイヴンタワー』に攻撃を仕掛ける機を伺う必要があった。
星徒マーガレット:「――」虚ろな眼窩が、哄笑する七十橋シスルへと向く。
七十橋シスル:どんな怪物でも。星徒でも。キングダムが戦乱の中にあろうと、拷問王の脅威がここにある。
七十橋シスル:キングダムの一般生徒達にとっては、円卓の存在こそが何よりの要なのだから。
七十橋シスル:同時にそれは、戦線の位置を明確に告げるものでもある。
星徒マーガレット:膠着状態で先に痺れを切らしたのは、星徒だ。影の如き平面と化して『鴉の塔レイヴンタワー』へと潜り込もうとする。だが。
マルシル・M・コーディライト:ぼこん!!
星徒マーガレット:同時に、思い知ることになる。眼前の二人はただその機会を待っていたのではなく……
星徒マーガレット:待てば有利な状況が訪れることを、知っていたのだと。
マルシル・M・コーディライト:ぼこぼこぼこぼこ!!
マルシル・M・コーディライト:塔の表面が、無数の柔かで巨大な何かに包み込まれる。
マルシル・M・コーディライト:それは極彩色に染まった、茸の子実体だ。
マルシル・M・コーディライト:恐るべき密度で影を遮断し、侵入を阻む。
星徒マーガレット:星徒マーガレットの巨体が弾き出される。生体には潜り込むことができない。

マルシル・M・コーディライト:「よっこいしょ……と」
マルシル・M・コーディライト:のそのそのと、2人の足元のマンホールから
マルシル・M・コーディライト:分厚い前髪で視線を隠した陰気な気配の生徒が這い出す。
星徒マーガレット:「キ、リリリリッ、キイッ、イッ」
星徒マーガレット:空中をホバリングしながら、長い首を出鱈目に振って叫ぶ。
マルシル・M・コーディライト:「び~んごぉ~」
マルシル・M・コーディライト:「やっぱり近道だったでしょう?トゥーナさん」
マルシル・M・コーディライト:そしてもう一人を引っ張り上げる。

トゥーナ・ネヴァーリンクス:「いいんですか!?鴉の塔をこんな……」引っ張り上げられながらびっくりしている。
マルシル・M・コーディライト:「いいんですいいんです、なんでもいいんです」
マルシル・M・コーディライト:「不夜王様から急事を承っておりますからねえ」
マルシル・M・コーディライト:「もてる全力を尽くして当たらねば、むしろ後で怒られてしまいますよ?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「確かに、今はそんなこと言っている場合ではないですね。ありがとうございます、マルシルさん」
マルシル・M・コーディライト:「やや、や!」
マルシル・M・コーディライト:素早く面前の2人に向き直り
マルシル・M・コーディライト:「お初お目にかかります拷問王閣下、死蔵王閣下」
マルシル・M・コーディライト:「不夜王閣下の御命に従い馳せ参じました」
星徒マーガレット:――ザシャシャシャシャシャ!!
星徒マーガレット:影が立ち上がるような二次元の刃が、地面を暴れ回る。
星徒マーガレット:敵はもはや好機を待ちはしない。無限の殺意で、全員を殺戮するだけだ。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:攻撃に対し素早く盾を構え、3人を刃から守る。
マルシル・M・コーディライト:「魔法局はダイズス会、朽ち葉の沼のドルウィドの裔」
マルシル・M・コーディライト:「マルシル・コーディライトと申し上げます、お見知りおきを~」
マルシル・M・コーディライト:ぺたりと一礼
七十橋シスル:「随分とそれらしい魔法局だな。そっちのお前は……救伐騎士か?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「同じく、要請を受けました救伐騎士団調査部のトゥーナ・ネヴァーリンクスです」
竜胆ジョウカ:「……あ、ああそっか。どうも、救援ご苦労様です」
竜胆ジョウカ:「菌糸魔術の類と見ました。中身に生やさなければ建て替えでリカバーできるので、塔まではOK。いい感じにお願いします」
星徒マーガレット:「おしまい!」
星徒マーガレット:「おしまい!おしまい!おしまい!」
星徒マーガレット:飛行軌道は不連続的にしか見えない。攻撃はその飛行とは全く無関係に大地から生え続ける。
マルシル・M・コーディライト:「僭越ながら、ここは我々、粘ついたポリグルタミン酸の糸で結ばれた友情コンビが」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「ご覧の通り、この度は皆様の盾となるべく馳せ参じております。守備はお任せください」
マルシル・M・コーディライト:「お二方の助けとなりますよぉ~、ウェ~ッフェッフェッフェ!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「そんな糸で結ばれた覚えはありませんが……マルシルさんのことは頼りにしています」
七十橋シスル:「大義で結構。破壊は俺と死蔵王がやる」

GM:ミドル戦闘を開始します。戦闘参加者は即座に6d10侵蝕率を上昇させてください。
七十橋シスル:41+6d10
DoubleCross : (41+6D10) → 41+39[9,1,5,10,8,6] → 80

竜胆ジョウカ:40+6d10
DoubleCross : (40+6D10) → 40+42[3,6,9,8,7,9] → 82

トゥーナ・ネヴァーリンクス:34+6d10
DoubleCross : (34+6D10) → 34+43[7,10,9,6,3,8] → 77

森田:33+6d10
DoubleCross : (33+6D10) → 33+34[1,7,4,5,10,7] → 67

  星徒マーガレット[15]

     10m

"拷問王"[17/80] "死蔵王"[5/82]
トゥーナ[4/77] マルシル[10/67]

GM:星徒マーガレットは侵星魔法冠を発動しています。

■ラウンド1

GM:セットアップ行動を順に処理します。まずはシスルさんから。
GM:なければ星徒マーガレットのセットアップを処理します。
七十橋シスル:あります!
七十橋シスル:怨念の呪石。侵蝕+3 暴走します
七十橋シスル:《ミラーパレス》発動。シスルを相手にしたダイス-8
星徒マーガレット:『殺刃圏』『唯我独尊』。
星徒マーガレット:シーンに登場しているキャラクターはクリンナッププロセスごとに2D10点のダメージを受けます。
星徒マーガレット:また星徒マーガレットはEロイス『惨劇の輪廻』を取得しており、戦闘不能が確定した場合
星徒マーガレット:イニシアチブプロセスで行動し、とどめを刺します。
マルシル・M・コーディライト:真っ当にキツいやつ並べてくんなあ
マルシル・M・コーディライト:ヤバすぎ
七十橋シスル:うわ~っ屍肉を狙ってくる
竜胆ジョウカ:ジョウカなし!
星徒マーガレット:『唯我独尊』の効果でセットアップタイミングのエフェクトを使用します。《戦いの予感》。
星徒マーガレット:侵蝕率が∞なので、行動値を+∞します。
七十橋シスル:クソがよ!!
マルシル・M・コーディライト:まいどおなじみ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:素早い
竜胆ジョウカ:スバヤイトリ
GM:他にセットアップ行動等がなければ戦闘開始します。
マルシル・M・コーディライト:なし!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:セットアップないです

  星徒マーガレット[∞]

     10m

"拷問王"[17/80] "死蔵王"[5/82]
トゥーナ[4/77] マルシル[10/67]

GM:イニシアチブ。星徒マーガレットが行動します。
星徒マーガレット:マイナーで《光芒の疾走》《陽炎の衣》。
星徒マーガレット:隠密状態になりつつ、上空20kmに移動します。

  星徒マーガレット[∞]

     20km

"拷問王"[17/80] "死蔵王"[5/82]
トゥーナ[4/77] マルシル[10/67]

マルシル・M・コーディライト:?????
星徒マーガレット:メジャーアクション。
星徒マーガレット:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》《能力強奪》《空を断つ光》。
星徒マーガレット:対象はシーンに存在する全員です。
星徒マーガレット:攻撃が命中した場合
星徒マーガレット:《能力強奪》によりエフェクトを1つずつ強奪します。
マルシル・M・コーディライト:オイオイオイ
七十橋シスル:こいつめちゃくちゃ言うな……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:鴉だからもの盗んでくる
星徒マーガレット:強奪対象を先に宣言します。七十橋シスルからは《ミラーパレス》。竜胆ジョウカからは《サイレンの魔女》。マルシル・M・コーディライトからは《妖精の手》。トゥーナ・ネヴァーリンクスからは《デモンズウェブ》。
マルシル・M・コーディライト:この野郎~~!
星徒マーガレット:強奪後のレベルは当人の取得レベルに準拠します。
星徒マーガレット:攻撃判定。ダイス数が無限にあるので、達成値は無限です。
七十橋シスル:いや言うてミラーパレス奪われてもな……
星徒マーガレット:リアクションをしてください。
七十橋シスル:∞-8がなくなるだけだし……
竜胆ジョウカ:すいません!!自分の攻撃手段なくなるんで誰かカバーお願いします
七十橋シスル:暴走リア不!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:死蔵王をカバーリングします マグネットフォース
竜胆ジョウカ:たすかる~~~~!!!!!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:侵蝕2上がって79
森田:行動破棄カバー!拷問王を!
七十橋シスル:ありがとうございます………!
マルシル・M・コーディライト:行動破棄カバー!拷問王を!
星徒マーガレット:ダメージダイス。2人に無限ダメージが入りました。《妖精の手》と《デモンズウェブ》が使用不能になります!
マルシル・M・コーディライト:ウギャアアアア
マルシル・M・コーディライト:67+1d10
DoubleCross : (67+1D10) → 67+6[6] → 73

マルシル・M・コーディライト:リザレ!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:オアー! リザレクションします
トゥーナ・ネヴァーリンクス:79+1d10
DoubleCross : (79+1D10) → 79+8[8] → 87

GM:次の手番は行動値17!シスルさんの行動です。
七十橋シスル:すいませんお二人のどちらか、十字冠の作動をお願いします
七十橋シスル:HPの回復は他人のメインプロセスでも可能なはず
GM:そうですね。今回の侵星魔法冠打ち消しは処理が特殊ですが、PC手番が回った時点で神聖二重冠による打ち消しは可能とさせてもらいましょう。
マルシル・M・コーディライト:では遠慮なく
マルシル・M・コーディライト:やらしていただく!
マルシル・M・コーディライト:二重冠起動!魔法冠を中和!
星徒マーガレット:中和されました!無限のダイスエフェクトボーナスが1ラウンドの間解除されます。
星徒マーガレット:行動値は85に戻りました。

  星徒マーガレット[85]

     20km

"拷問王"[17/80] "死蔵王"[5/82]
トゥーナ[4/77] マルシル[10/67]

七十橋シスル:星徒のEロイスは健在なんだよな
竜胆ジョウカ:中和後も普通にクソバカ行動値なの面白い
トゥーナ・ネヴァーリンクス:元々85もある
GM:このラウンド中は戦いの予感が効いてるからですね
七十橋シスル:ではとにかく私のラウンド!
七十橋シスル:マイナーで《陽炎の衣》、メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《影縛りの魔弾》
七十橋シスル:隠密勝負だ! 星徒を攻撃
七十橋シスル:9dx7+14
DoubleCross : (9DX7+14) → 10[1,1,2,2,3,3,9,9,10]+10[3,6,10]+10[7]+2[2]+14 → 46

星徒マーガレット:回避します。ダイスボーナスが8個あるから……
星徒マーガレット:12dx+3>=46
DoubleCross : (12DX10+3>=46) → 10[2,2,3,3,5,6,8,8,9,9,9,10]+8[8]+3 → 21 → 失敗

星徒マーガレット:やられた~
マルシル・M・コーディライト:こわすぎ
七十橋シスル:ではダメージ
七十橋シスル:5d10+17+5d10
DoubleCross : (5D10+17+5D10) → 34[6,9,10,8,1]+17+39[3,7,10,10,9] → 90

星徒マーガレット:《デモンズウェブ》を自分に。先程強奪したエフェクトですが、侵蝕率ボーナスでレベルは9に上昇しています。
星徒マーガレット:90-10d10
DoubleCross : (90-10D10) → 90-45[1,8,4,1,2,7,5,6,3,8] → 45

星徒マーガレット:45点ダメージ!装甲やガード値はありません。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:それに対してデビルスレッドを使いたいんですがよろしいですか?
星徒マーガレット:なにっ
星徒マーガレット:そっちを奪っておけばよかったな……リミットだけ奪っても(確か)何もならないけど
星徒マーガレット:打ち消しはOKです。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:ではデビルストリング+デビルスレッドを使用します 侵蝕10上がって97
星徒マーガレット:軽減は打ち消されます。ただ、90点受けてもHPは普通に、めちゃくちゃあるので
星徒マーガレット:この程度では死にません。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:自分が持ってたエフェクトを自分で打ち消す羽目になるとは……
マルシル・M・コーディライト:頑丈クソバード
七十橋シスル:デモンズウェブはラウンド事なんだよな……
七十橋シスル:侵蝕は7上がって90。以上です
GM:次の行動は死蔵王です。
竜胆ジョウカ:やるぜ
竜胆ジョウカ:つっても殴るだけだな……マイナーなし
竜胆ジョウカ:メジャーで《サイレンの魔女》+《疾風迅雷》でマーガレットをぶん殴りに行きます
竜胆ジョウカ:《援護の風》も切っちゃお せっかくだし
竜胆ジョウカ:12dx+8 判定!ドッジ不可!
DoubleCross : (12DX10+8) → 10[1,1,1,2,4,4,6,6,6,10,10,10]+8[4,5,8]+8 → 26

竜胆ジョウカ:ダメージ出すぞ~
星徒マーガレット:ふやや~!?
竜胆ジョウカ:3d10+21+2d10 装甲無視!
DoubleCross : (3D10+21+2D10) → 12[4,1,7]+21+5[1,4] → 38

星徒マーガレット:12dx+3>=38
DoubleCross : (12DX10+3>=38) → 10[1,4,4,4,6,6,6,6,7,8,9,10]+8[8]+3 → 21 → 失敗

星徒マーガレット:違った
星徒マーガレット:リアクション不可でした。ダメージをどうぞ。
竜胆ジョウカ:うっかり先走って出しちゃった 38点です
竜胆ジョウカ:侵蝕は92。以上!
GM:クリンナップ。『殺刃圏』によって全員が2D10ダメージを受けます。
星徒マーガレット:2d10
DoubleCross : (2D10) → 6[5,1] → 6

星徒マーガレット:ひどい!なんだこのEロイスは!
竜胆ジョウカ:21になって耐え!
星徒マーガレット:衝動殺戮が看板倒れのやる気のなさ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:これって装甲の類は有効ですか?
星徒マーガレット:HPダメージなので、無効と判定させてください。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:わかりました HP6減って24です
七十橋シスル:19
トゥーナ・ネヴァーリンクス:いや違う
トゥーナ・ネヴァーリンクス:リザレクトしたんだった
マルシル・M・コーディライト:死!
GM:リザレクト後のHPから減らしてね
マルシル・M・コーディライト:73+1d10
DoubleCross : (73+1D10) → 73+1[1] → 74

マルシル・M・コーディライト:しゃあっ
マルシル・M・コーディライト:リザレクト名人
トゥーナ・ネヴァーリンクス:HP8だったのでここから6減って2です 失礼しました
GM:トゥーナちゃん耐えるなあ……

■ラウンド2

  星徒マーガレット[15]

     20km

"拷問王"[17/90] "死蔵王"[5/92]
トゥーナ[4/97] マルシル[10/74]

星徒マーガレット:こちらのセットアップはありません。
マルシル・M・コーディライト:ヨシ!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:宣言ありません
竜胆ジョウカ:なし!
七十橋シスル:なし
GM:では最初のイニシアチブ……
星徒マーガレット:に、こちらが動きます。《原初の虚:ブリッツクリーク》。
竜胆ジョウカ:ゲーッ
マルシル・M・コーディライト:こいつ~
七十橋シスル:無限のままやんけ!
星徒マーガレット:神聖二重冠による打ち消しの持続が切れている状態で動きます。
マルシル・M・コーディライト:減速しねえ!
星徒マーガレット:マイナーアクションで《光芒の疾走》《陽炎の衣》。隠密状態になり、
星徒マーガレット:オートアクションで《ミッドナイトシネマ》。

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    20km

             "拷問王"[17/90] "死蔵王"[5/92]
             トゥーナ[4/97] マルシル[10/74]

マルシル・M・コーディライト:www
GM:隠密状態のため、移動先は開示されません。
マルシル・M・コーディライト:アホでしょ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:えらいことになった
竜胆ジョウカ:ふざけんなよマジで
星徒マーガレット:《ミッドナイトシネマ》はエンジェルハィロゥのエネミーエフェクトで
星徒マーガレット:シーン内に好きなだけ幻影を投影することができます。
星徒マーガレット:攻撃する場合はこの中のどれかを選択して攻撃していただくことになります。
マルシル・M・コーディライト:好きなだけて
星徒マーガレット:メジャーアクション。《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》。対象は範囲にいるPC4人。
星徒マーガレット:達成値は無限です。
マルシル・M・コーディライト:強奪がない!
星徒マーガレット:シナリオ一回ですしね
七十橋シスル:とはいえこっちにやれることないですね
マルシル・M・コーディライト:しにま~す
星徒マーガレット:カバーリングなどございますか?
竜胆ジョウカ:ガード受けかな
トゥーナ・ネヴァーリンクス:行動放棄カバーします 対象は……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:誰にしましょう
マルシル・M・コーディライト:死蔵王かな
マルシル・M・コーディライト:こっから無茶をしてもらうし
七十橋シスル:ジョウカさんを守ってちょうだい
竜胆ジョウカ:たすかるぜ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:それでは死蔵王を行動放棄カバーします
星徒マーガレット:ではダメージ無限。ジョウカさん以外は戦闘不能になってもらいます。
七十橋シスル:リザレクト
七十橋シスル:90+1d10
DoubleCross : (90+1D10) → 90+5[5] → 95

トゥーナ・ネヴァーリンクス:リザレクトします
トゥーナ・ネヴァーリンクス:97+1d10
DoubleCross : (97+1D10) → 97+7[7] → 104

マルシル・M・コーディライト:1d10+74
DoubleCross : (1D10+74) → 6[6]+74 → 80

マルシル・M・コーディライト:おーけーおーけー
GM:改めて、通常イニシアチブ。このままなら拷問王の手番です。
マルシル・M・コーディライト:ではここでッ
マルシル・M・コーディライト:Dロイス:触媒を起動!
マルシル・M・コーディライト:行動させるのは……竜胆ジョウカちゃんだッ!
マルシル・M・コーディライト:更にその手番前に……!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:トゥーナの神聖二重冠の効果を破棄して魔法冠を中和します!
マルシル・M・コーディライト:ゆうじょうぱわーー!!
マルシル・M・コーディライト:いけーっ死蔵王!
星徒マーガレット:OKです。防御性能が無限ではなくなります……!
竜胆ジョウカ:行くぜ!
竜胆ジョウカ:メジャーで《サイレンの魔女》+《疾風迅雷》。対象は
竜胆ジョウカ:全員です
星徒マーガレット:バカな……!
竜胆ジョウカ:12dx+8 判定!やっぱりドッジ不可!
DoubleCross : (12DX10+8) → 10[2,2,3,4,4,6,9,9,10,10,10,10]+8[4,4,7,8]+8 → 26

星徒マーガレット:ダメージをどうぞ!
竜胆ジョウカ:援護の風乗ってた 使ったことにしといてください
星徒マーガレット:OKです
竜胆ジョウカ:3d10+21+2d10
DoubleCross : (3D10+21+2D10) → 21[4,10,7]+21+10[1,9] → 52

竜胆ジョウカ:いいね
星徒マーガレット:だいぶ食らった……!
GM:侵蝕上昇をどうぞ。
竜胆ジョウカ:102になります

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  ★星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    20km

             "拷問王"[17/95] "死蔵王"[5/102]
             トゥーナ[4/104] マルシル[10/80]

GM:今ダメージを与えたため、星徒マーガレットの位置が確定しました。
GM:次に隠密移動するまでは本体の位置は移動しません。
七十橋シスル:ああ~そういう取り扱いになるわけね
マルシル・M・コーディライト:おもしろ~
GM:通常のイニシアチブ処理に入ります。行動値17、拷問王。
七十橋シスル:OK! コンボは先程と同じ、陽炎の衣からのコンセ影縛り!
七十橋シスル:あとさっき侵蝕率補正足してなかった
七十橋シスル:11dx7+14
DoubleCross : (11DX7+14) → 10[1,3,3,4,4,4,5,5,7,8,9]+10[1,6,8]+10[9]+10[8]+10[7]+10[10]+2[2]+14 → 76

マルシル・M・コーディライト:やるき!!!
七十橋シスル:狙いはもちろん本体です
星徒マーガレット:回避できるかこんなの……!
星徒マーガレット:12dx+3
DoubleCross : (12DX10+3) → 10[1,5,5,6,6,8,9,9,9,10,10,10]+10[8,10,10]+10[2,10]+4[4]+3 → 37

星徒マーガレット:《妖精の手》。
星徒マーガレット:1dx+43
DoubleCross : (1DX10+43) → 5[5]+43 → 48

七十橋シスル:いや怖いんだよ!!!!
七十橋シスル:オラーッ ダメージ!
七十橋シスル:8d10+17+5d10
DoubleCross : (8D10+17+5D10) → 56[7,8,9,9,10,3,7,3]+17+33[2,4,9,10,8] → 106

マルシル・M・コーディライト:貫禄の3桁!!
七十橋シスル:あとさっき忘れてた《巨人の影》!
七十橋シスル:対象は《フラッシュゲイズ》。LVを+2します
七十橋シスル:侵蝕は合わせて10あがり105
星徒マーガレット:《デモンズウェブ》!
トゥーナ・ネヴァーリンクス:デビルストリング+デビルスレッドで打ち消し! 侵蝕10上がって114
星徒マーガレット:106点も受けるのか……!だが《原初の黒:鏡の盾》!
七十橋シスル:あと影縛りの魔弾の効果でガード値ラウンド間-6です 意味は無いが
マルシル・M・コーディライト:こいつ~~
星徒マーガレット:シスルにも同じダメージは受けてもらう……!
七十橋シスル:こ、こざかしい真似を~~~!
GM:侵蝕はメインプロセス処理が終わってから上昇だったと思うので
GM:リザレクト圏内ではあると思います。リザレクトするなら、上昇させた後に侵蝕を上げてください。
七十橋シスル:ありがてえ! ではリザレクトします!
GM:しなかったら喜んで『惨劇の輪廻』
七十橋シスル:鴉がよ~っ
七十橋シスル:95+1d10
DoubleCross : (95+1D10) → 95+9[9] → 104

七十橋シスル:侵蝕は合わせて114
GM:OK!
星徒マーガレット:では星徒マーガレットの通常行動です。
星徒マーガレット:マイナーで《光芒の疾走》《陽炎の衣》。
星徒マーガレット:隠密状態になり、20m以内のどこかに移動しました。

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    20km

             "拷問王"[17/114] "死蔵王"[5/102]
             トゥーナ[4/114] マルシル[10/80]

星徒マーガレット:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》。これは普通の攻撃です。
星徒マーガレット:拷問王を対象に含んでるので、ダイスは-8個される状態でしょうか
七十橋シスル:含まれます!
七十橋シスル:隠密は常時エフェクトを突破できない
星徒マーガレット:7dx7+10
DoubleCross : (7DX7+10) → 10[3,5,5,6,7,7,10]+10[5,7,9]+10[4,8]+6[6]+10 → 46

星徒マーガレット:これが星徒のダイスボーナスの力!死んで思い知りな!
マルシル・M・コーディライト:たけ~んだよ!
マルシル・M・コーディライト:トゥーナさん拷問王を!
七十橋シスル:リア不!
マルシル・M・コーディライト:いちおう回避
マルシル・M・コーディライト:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 7[1,2,7] → 7

マルシル・M・コーディライト:ムリに決まってらあな
トゥーナ・ネヴァーリンクス:マグネットフォースで拷問王をカバーリングします! 侵蝕2上がって116
星徒マーガレット:くっ……この救伐騎士団が厄介!
七十橋シスル:すまねえ……!
竜胆ジョウカ:こっちも顔面で受けます!
マルシル・M・コーディライト:キングダムの盾だぞオラオラ!
星徒マーガレット:5d10+58
DoubleCross : (5D10+58) → 26[7,6,2,4,7]+58 → 84

星徒マーガレット:ガード装甲有効です
七十橋シスル:何その固定値!?
マルシル・M・コーディライト:しにま~す
マルシル・M・コーディライト:80+1d10
DoubleCross : (80+1D10) → 80+7[7] → 87

星徒マーガレット:滅びの光とマスヴィジョンのレベルがそれぞれ7になっています
トゥーナ・ネヴァーリンクス:死 納豆のロイス切って復活します HPは14
マルシル・M・コーディライト:納豆―ッ!!
竜胆ジョウカ:死ぬぜ!固定の至上王のロイス切って復活
GM:次のイニシアチブ。手番は行動値10、マルシルさんです。
マルシル・M・コーディライト:いや

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    10m

星徒マーガレット[15]   10m  星徒マーガレット[15] 10m  星徒マーガレット[15]

                    20km

             "拷問王"[17/114] "死蔵王"[5/102]
             トゥーナ[4/114] マルシル[10/87]

マルシル・M・コーディライト:あ、こいつか!
マルシル・M・コーディライト:待機!一応マルチロックはあるが…あたるはずがない!
GM:あ、違った。ジョウカさんのほうが行動値早かったや
竜胆ジョウカ:そうだった
GM:行動値12、ジョウカさんの手番でした。
竜胆ジョウカ:さっきのは触媒だったね
竜胆ジョウカ:じゃあ……侵蝕100%になったからねえ……
竜胆ジョウカ:マイナーで《ライトスピード》を打つよお……二回攻撃するねえ……
星徒マーガレット:イヤッ イヤッ
竜胆ジョウカ:1回目メジャー 《サイレンの魔女》+《疾風迅雷》 当然対象はマーガレット全員
星徒マーガレット:ヤダーッ
竜胆ジョウカ:6dx11+8
DoubleCross : (6DX11+8) → 10[5,5,7,9,9,10]+8 → 18

星徒マーガレット:回避できない……!リアクションできるなら妖精の手で回避できるのに!
竜胆ジョウカ:ドッジ不可だねえ……
竜胆ジョウカ:2d10+24+2d10 ダメージ 装甲無視
DoubleCross : (2D10+24+2D10) → 10[2,8]+24+13[5,8] → 47

星徒マーガレット:オゴーッ!
星徒マーガレット:ぎ……ぎりぎり生きてる……
星徒マーガレット:助かった……のか?
竜胆ジョウカ:おっ 流石星徒ですね
七十橋シスル:お前は……十分にやったよ……マーガレット……
竜胆ジョウカ:じゃあもう一回行くか
星徒マーガレット:アイエエエエエエ
竜胆ジョウカ:《サイレンの魔女》+《疾風迅雷》
竜胆ジョウカ:6dx11+8 ドッジ不可だぜ
DoubleCross : (6DX11+8) → 10[3,6,7,7,8,10]+8 → 18

星徒マーガレット:アバーッ!喰らいます
竜胆ジョウカ:2d10+24+2d10 ナントカナレーーッ!!
DoubleCross : (2D10+24+2D10) → 13[9,4]+24+18[9,9] → 55

星徒マーガレット:現在HPは12……!
星徒マーガレット:撃破されました。復活エフェクトはありません。
星徒マーガレット:星徒マーガレットのHPは335でした。
マルシル・M・コーディライト:うおあああああ
マルシル・M・コーディライト:やたああああああ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:やった~!
竜胆ジョウカ:乙!!
GM:戦闘終了です。
七十橋シスル:殺殺殺(シャシャシャ)ーーーーーーーッ!

星徒マーガレット:ザ、ザザザザ
星徒マーガレット:ザザザザザザザザザ!!!
GM:さざなみのような音だが、実際に波が起こっているわけではない。
GM:乱雑に、無差別に、地面から影の刃が生え続け、その速度で空気が破裂する音だ。
マルシル・M・コーディライト:「ウェヘッ……!へへへへッ、ヘッ」
マルシル・M・コーディライト:幾度となく影の刃に貫かれ、血を噴き出しながら
マルシル・M・コーディライト:塔への侵入妨害を最優先として、子実体を形成し続けている。
マルシル・M・コーディライト:(それなりに、修羅場潜ってきたつもりでしたけど)
マルシル・M・コーディライト:「モノが違いますねぇ……ウェヘ」
マルシル・M・コーディライト:「参ったなぁ」
GM:影の刃が切り裂くのは生体だ。マルシル・M・コーデイライトの生み出し続ける菌類は、『鴉の塔レイヴンタワー』を十分に防衛し続けている。
GM:もっとも、彼女自身の意識が保てる内は、の話だ――。神聖二重冠が発現してしまっている以上、絶大な出力と引き換えに、無限に戦うことはできない。
マルシル・M・コーディライト:人生で対峙してきたあらゆる敵と苦難。
マルシル・M・コーディライト:その全てを天秤の片側においても、到底釣り合わない濃密な死の気配に
マルシル・M・コーディライト:ブラフの薄笑みが強張る。
マルシル・M・コーディライト:「鳥、鳥ですか……ねえ、ご存知です?」
マルシル・M・コーディライト:「北アメリカのエスキモーには面白い発酵食品文化がありましてですね」
マルシル・M・コーディライト:「羽を毟った鳥を内臓を取り出したアザラシに丸ごと詰めて醸造させるんですねえ、なんとも豪快な!」
マルシル・M・コーディライト:「あれをぶち込めるサイズのアザラシは、見つけるのに苦労しそうです!」
マルシル・M・コーディライト:「探すの手伝ってもらえますか?トゥーナさん」
マルシル・M・コーディライト:それでも、自分を保たねばならない。保てるはずだと信じる。
マルシル・M・コーディライト:友達が隣にいるのだから。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「え……そんな……アザラシに……ええっ!?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「こっちも必死なんですから、変な情報を流し込まないでください!」
マルシル・M・コーディライト:「ウェ~ッヘッヘッヘ!」
マルシル・M・コーディライト:「失礼しました!」
マルシル・M・コーディライト:まだ大丈夫だ、まだやれる。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「でも……これが終わったら、探しに行きましょうか」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あくまで、おおきなアザラシを見に行くという目的で、ですよ!」
マルシル・M・コーディライト:「はい!きっと楽しいですよ!」
マルシル・M・コーディライト:敵を見据え、杖を振るう
マルシル・M・コーディライト:「今度はこっちの……お返しです!」
星徒マーガレット:「おしまい!おしまい!おしまい……!」
マルシル・M・コーディライト:子実体の一つが大きく膨れ上がり、変形し
マルシル・M・コーディライト:ぼばーん!!
マルシル・M・コーディライト:攻城砲のように、胞子の塊を打ち出す!
マルシル・M・コーディライト:(牽制にでも、なれば……!)
星徒マーガレット:「キ、キキキキキ」
星徒マーガレット:ふ、とその姿が消えた。
マルシル・M・コーディライト:「ッ!?」
星徒マーガレット:前触れもない。どこを探しても、星徒マーガレットの姿はない。
星徒マーガレット:この『鴉の塔レイヴンタワー』に出現した時も、そうだった。前触れもなく、接近も感知できず、その姿が現れた。
星徒マーガレット:理解することができない。近くにいるのか。遠くにいるのか。どこにいるのか――
星徒マーガレット:ぞぶ、と
星徒マーガレット:影の刃を林立させる地面が膨れ上がった。
星徒マーガレット:そして、全員が理解する。星徒マーガレットが作り出していたのは刃の群れではなく。
:「ガァ」
:「ガァ、ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」
:「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」「ガァ」
星徒マーガレット:巣であった、ということを。
GM:ド  ウ !!!
GM:逆さになった滝壺に放り込まれたかのように
GM:その場の全てが食い荒らされる。円卓に列する死蔵王と拷問王すら
GM:巻き込まれれば、致命的な何かを食い荒らされていたかもしれなかった。
竜胆ジョウカ:「ッ、ヤッバ――」
七十橋シスル:「チィッ――」
マルシル・M・コーディライト:「はっ、はっ」
マルシル・M・コーディライト:抉り取られた傷が癒えない。
マルシル・M・コーディライト:それを癒やすレネゲイドそのものが、毟り剥がされたような感覚。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「なっ──」不意を打たれ、食い荒らされる。幸い、動けなくなるほどではないが……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:(何か、とても嫌な感覚……体は再生したのに、何かが戻ってない)
GM:破滅的な『孵化』の瞬間、増援の二人は、咄嗟に円卓の王をかばうことはできた。
GM:雛は臓腑を貫通し、食い荒らしている。それでもオーヴァードなら、即座に死亡することはない。
星徒マーガレット:「キ、キキ、キキキキキキキ」
星徒マーガレット:いつの間にか、『鴉の塔レイヴンタワー』の真上に

星徒マーガレット:不吉な鳥が再び現れている。
星徒マーガレット:嘴には、その巨大な体と不釣り合いに小さな……柔らかいものを咥えていた。
星徒マーガレット:奪い取った、人体の肝臓と胆嚢。
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさん」
マルシル・M・コーディライト:視界を覆い尽くす雛の群れを見つめ、自然と口が開いている。
マルシル・M・コーディライト:「逃げてくれませんか」
マルシル・M・コーディライト:「ボクら、ちょっと勘違いしていたみたいです」
マルシル・M・コーディライト:「……出る幕じゃない」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「マルシルさん……」
星徒マーガレット:「ギッ、ギッ、ギッ」
星徒マーガレット:ずるり、とそれを喉の奥へと呑み込む。
星徒マーガレット:「ぜ、ぜ、善人も。悪人も」
星徒マーガレット:「おうさまも。こじきも」
星徒マーガレット:「みんな、みんな、みんな、みんな、最後には」
星徒マーガレット:「みーんな、死にました!おしまい!キキキ、キィキキキキキキキ!!!キキキキキ!!!」
マルシル・M・コーディライト:「ボクは一応、まあ、こういう血筋の者なので」
マルシル・M・コーディライト:「やるだけやってくたばります、行くところもないし」
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさんには別の人生があります、きっと」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「……私が頭上に頂く聖ブリギッドは施しの英雄。王に施しなど、不敬にも程がありますが」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「我が身をもって皆を守る。それが私の施しであり、誇り」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「だから私は逃げません。救伐騎士団としてだけじゃない。私が私であるために、戦うべき時だからです」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「王も、マルシルさんも。私が守る。いえ、守らせてください」
マルシル・M・コーディライト:「ウェヘへ」
マルシル・M・コーディライト:「頑固な人だ」
マルシル・M・コーディライト:「やっぱり我々の間の糸っていうのは」
マルシル・M・コーディライト:「切ろうとしてもそう簡単じゃありませんね!」
マルシル・M・コーディライト:その答えに、二重の冠がひときわ大きな光を放ち
マルシル・M・コーディライト:子実体が再び活性化、無差別に胞子をまき散らす!
マルシル・M・コーディライト:「場を飽和させるのは、この子たちにもお得意なんです!」
マルシル・M・コーディライト:「粘り強く……ボクたちただじゃあ死んであげませんよ!」
GM:存在座標が確定しない敵に対して、飽和攻撃によって対処する。
GM:マルシル・M・コーディライトの攻撃は、こうした能力者に対して、正しくセオリーに則った対処であったといえるだろう。
GM:だが、空間を満たしたはずの胞子は、自分達以外の何者かを捉えた様子はない。胞子の中に浮かび上がる輪郭すらもないのだ。
GM:星徒マーガレットは、そこには『いない』。――だが。
GM:その事実さえ確定できたのなら、"死蔵王"と"拷問王"の二人にとっては、十分だったはずだ。
GM:はじめ、星徒マーガレットは平面と化して『鴉の塔レイヴンタワー』を攻撃しようとした。
GM:飛行しているのにもかかわらず、攻撃は必ず地面から発生する。
GM:どこからともなく、瞬時に出現し、そして消える。
GM:すなわち、この星徒は。遠い空から投影された『影』に他ならない。
GM:初めから、本体はここには『いない』。直上から投影される影であったから、瞬時に到達することができた。
七十橋シスル:「よく、やっ、たァ!」
七十橋シスル:「てめーらの命! この拷問王が懸けてやる!」
七十橋シスル:ぱきゃ、と歯で瓶の口を開ける。
七十橋シスル:鉄騎王から預かった聖香油を、掌の中で回転する荊の輪に振り翳す。
七十橋シスル:ご   ぉん
七十橋シスル:祝福された荊が輝き、半径数十メートルにも及ぶ、荊の濁流が迸る。
七十橋シスル:「王鍵レガリア起 動アクティベート逐い縋れオイスガレ、『茨広げしターリア』」
星徒マーガレット:敵がどこかに存在するとしても、あまりにも遠い。ノヴァリスの高度限界にも近い遥か彼方の、たった一点に過ぎない。
星徒マーガレット:人間の五感で、そのような距離を狙い撃つことは不可能だ。
七十橋シスル:シスルならばそれが出来る。これだけ足下にばいかいをばら撒いたのだ。卓越した呪術の腕ならば、それを遡って本体を傷つけることは容易に可能である――――
七十橋シスル:が。
七十橋シスル:「覇鍵解錠、編纂・・
七十橋シスル:「前からよォ。デカブツ相手のやり方を、試してぇと思ってたところだ」
七十橋シスル:シスルの覇鍵解錠の効力はシンプルだ。影を変換し、際限なく荊を生み出す。
七十橋シスル:かつて拷問王は、その力を以て個人にてシャムロック-キングダム境界に君臨していた。
七十橋シスル:今やファウセット新陸帯は消滅し、シャムロックに対しても、ただ単一の脅威ではなくなった。
七十橋シスル:シンプルな、質量保存の問題である。
七十橋シスル:国境を埋め尽くすほどの荊は――――今、どこにあるのか?
七十橋シスル:「"青の洞窟、硝子の山嶺、拭えぬ血糊を拭うもの"」
七十橋シスル:「”七年七日と三日を掛けて 牡牛の騎士との約を果たせ”」
七十橋シスル:荊が爆ぜる。それは彼方からすれば、突如として地面から吹き上がった、黒い閃光のように見えただろう。
七十橋シスル:「安息篇異譚Pentamerone Epicsノロウェイの黒い牡牛The black bull of Norroway
七十橋シスル:呪術による遡及によって読み取ったターゲットの位置。
七十橋シスル:上空20kmに滞空する巨鳥を、黒い牡牛を模した巨躯の怪物が、ただその膨大な質量のみで食いちぎる。
星徒マーガレット:「――キ」
星徒マーガレット:地上に投影された、捻じれた鳥の幻影が叫ぶ。
星徒マーガレット:「キィィィィィ――ヤァァァァァァァァァッッ!!!」
星徒マーガレット:「ッギャアアアアアアアアアアッ!!」
星徒マーガレット:長い首が折れそうなほどに、空中をジタバタと悶える。
星徒マーガレット:直撃した。
竜胆ジョウカ:「上出来」一言漏らす。
七十橋シスル:「ハアァァアアァ――! そうだ! 鳴け! 叫べ! 悲鳴を挙げろ!」
七十橋シスル:瞳孔すら開いた瞳で、悶える影を嘲笑う。「もうブリューナクだの何だのにやられることもねえ!」
七十橋シスル:「ノヴァリスに天井があって災難だったなァ!」
竜胆ジョウカ:「こちらも合わせます。出し惜しみは無しがいいでしょうね――」
竜胆ジョウカ:「――『星は死んだら禿鷹と為り』『我等の地へと降りてきて、我等の魂付け狙う』」
竜胆ジョウカ:紡がれるのは何時ぞやにも使った古代ノヴァリス語による誦句。奇遇にも構成要素が合致したのでそのまま基盤を流用。
竜胆ジョウカ:「『ムカト=ヒャンデル全てを奪う』『贄も獣も我狙う星も』」
竜胆ジョウカ:前に星徒と相対したときに用いた際は、近距離攻撃だったが――それをチューニングし直し。
竜胆ジョウカ:「『故に俺たちゃ天駆る星に』『食われることは永久に無し』」
竜胆ジョウカ:長大な距離を越える霊的な一撃として構成し直す。
竜胆ジョウカ:「覇鍵開錠、『火神に纏わる七つの異聞レゲト・レグツァ・ンタ・ムカト=ヒャンデル』」
竜胆ジョウカ:手袋が消える。
星徒マーガレット:無慈悲に地上を襲い続けていた星徒マーガレットの乱撃が、今は止まっている。
星徒マーガレット:苦痛のためだ。"拷問王"の茨は、それがたとえ死者であっても
星徒マーガレット:ひどく痛い、、
竜胆ジョウカ:エンジェルハイロゥですら殆ど見えない遥か彼方で、蒼い焔を纏ったレネゲイドが、茨に穿たれた怪物を。
竜胆ジョウカ:小さく撫ぜる。
竜胆ジョウカ:刹那。莫大なレネゲイドが中空で拡散したことを示す反応が、何か所かで示され、攻撃は終了した。
星徒マーガレット:「カ――」
星徒マーガレット:星徒の巨体が、ふ、と消える。
竜胆ジョウカ:「派手な攻撃はそっちがやってるんで、まあわざわざやらなくても十分でしょう」
星徒マーガレット:白昼の空に星のようなものが浮かんだことを、キングダムの誰かが観測したかもしれない。
星徒マーガレット:ノヴァリス上空のその地点で、恐るべき熱量が灯り続けていた、ということになる。
七十橋シスル:「サラッとやりやがる。あとどのぐらいで落ちる?」
竜胆ジョウカ:「まだ割と元気ですね。もう一撃ずつで足りるか……足りないと見積もった方がいいでしょう」
竜胆ジョウカ:「初撃で打ち取られない耐久性はちゃんと確保してるの、小癪ですねホント」
星徒マーガレット:竜胆ジョウカのその言葉を証明するように、七十橋シスルが観測している遡及座標が……
星徒マーガレット増えた、、、。あまりにも遠く、攻撃の届かない地点の敵が
星徒マーガレット:特定できないほど無数に、存在を分裂させた。あるいは先程生まれた雛のようなものを、自らの分体として定義できるのだろうか?
マルシル・M・コーディライト:「悪い冗談!」
マルシル・M・コーディライト:「多細胞生物がやっていい仕草じゃありませんよ!」
七十橋シスル:「小ガラスが。セコいことばかりしやがって」
竜胆ジョウカ:「……なるほど」眉を軽くひそめつつ
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「そんな芸当まで……!」
星徒マーガレット:敵は狙撃に対して対策した。ならば、次に仕掛けてくることは何か。
星徒マーガレット:救伐騎士団であるトゥーナ・ネヴァーリンクスは、予感したかもしれない。再び、耐えきれない威力の攻撃の『波』が来る。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:騎士の勘で攻撃が来るのを感じた。敵は影であり、地面から来ることは分かっている。ならば……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「すみません!手荒になります!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:両腕からワイヤーを展開。3人に巻き付かせ、強い力で上空に投げ飛ばす。
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさんっ!?」
星徒マーガレット:――ザシュ!!
星徒マーガレット:影の刃が、トゥーナの体に突き刺さる。
星徒マーガレット:一枚ではない。立て続けに。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「くっ……!」
七十橋シスル:「おい!」
マルシル・M・コーディライト:地表にぶつかる直前、巨大なキノコでトランポリンを作り
マルシル・M・コーディライト:舞い上がった三人を受け止める。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:痛み。しかしこの行動を決めた時から、その覚悟はできている。
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさんが……トゥーナさんが……!」
マルシル・M・コーディライト:「無茶しないでっ!!」
マルシル・M・コーディライト:涙声で叫ぶ。
GM:星徒マーガレットの攻撃は、まるで無数の剣士に囲まれて斬りかかられているようなものだ。
GM:だが救伐騎士団にとって、そうした攻撃は……
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「大丈夫……大丈夫です」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「攻撃を受けるのには、慣れてますから」
竜胆ジョウカ:「ですが上出来! 大丈夫、リザレクトに身を任せればなんとかなります!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:だが、これは一時しのぎにすぎない。2人の王の攻撃を成功させるために、もっとしのぐ必要がある。
マルシル・M・コーディライト:視線を彷徨わせ、ズタボロになった友人から
マルシル・M・コーディライト:「……死蔵王陛下!!」
マルシル・M・コーディライト:傍らに着地した少女の方へ
マルシル・M・コーディライト:「拷問王陛下と1発ずつで、ヤツを仕留められるかどうか」
マルシル・M・コーディライト:「先ほどそう仰いましたよね!」
マルシル・M・コーディライト:「”加えてさらにもう一発”、ならどうです!?確実ですか!?」
GM:敵は遠く、もはや位置も特定できない。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:神聖二重冠を見上げる。聖ブリギッド十字。その周囲に尾を引いて旋回する4つの光。彼女の誇り。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:それが強く輝き、彼女に力を与える。
GM:影は、死の兆しだ。照準を定めた敵を、一方的に、執念深く殺す。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「相手が……影なら!」二重冠の力をリソースとした、全力の放電。攻撃のためではなく、光で影を遠ざけるために。
GM:トゥーナ・ネヴァーリンクスの二重冠の光は、決して星徒マーガレット本体に攻撃を加えたわけではない。
GM:だが、彼女が地上へと干渉する唯一の手段である影を、光は食い止めている。
GM:反撃に打って出る時間を、トゥーナが作り出した。
竜胆ジョウカ:「上等! 『確実にしてみせます』、王なんて名乗ってるからには!」
マルシル・M・コーディライト:こくり、とその力強い言葉に頷き
マルシル・M・コーディライト:前髪の下で涙を拭う。
七十橋シスル:(騎士の神聖十字冠が影を押さえ込んだ)
七十橋シスル:正直なところ、ある程度の真相が明らかになった今でも、神聖十字冠に頼らざるを得ない状況には拒否感がある。
七十橋シスル:「お前らの覚悟」
七十橋シスル:「いい覚悟だ。俺はそれを使わせて貰う」神聖十字冠ではなく、だ。
七十橋シスル:「騎士王も魔法局も鼻高々だろうぜ。行くぞ、死蔵王」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「みなさん、お願いします!」
マルシル・M・コーディライト:『朽葉の主、骸の輩』
マルシル・M・コーディライト:『精髄へと宿り、血肉を糧とし、血肉の糧となれ』
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさんを、友達を絶対に死なせたりしません……!」
マルシル・M・コーディライト:「えーい!」
マルシル・M・コーディライト:杖でこつん、と死蔵王の額を叩くと
マルシル・M・コーディライト:ぼわん!!
マルシル・M・コーディライト:丸っこいピンク色のキノコがそこから生える。
竜胆ジョウカ:「えっおもしろ」
マルシル・M・コーディライト:「ボクに扱えるドルウィド秘伝最強の魔術奥義――」
マルシル・M・コーディライト:「宿主を元気にして二倍動けるようにする茸、それ即ち」
マルシル・M・コーディライト:「ニバイウゴケルダケ!!これで二倍動けます!!」
竜胆ジョウカ:「最高の効果! ありがたく使わせていただきましょう」
七十橋シスル:(変な地雷とか作ってるときの魔法局の手口じゃねーか!)
竜胆ジョウカ:「じゃあ元気なうちにこっちも使っときますか……! どうせ他の王もいるんです、さっさとあれを潰すに越したことはなし!」
竜胆ジョウカ:そう言いながら、空中で手を握る。
竜胆ジョウカ:それは掴むための動作だ。
竜胆ジョウカ:いつの間にかそこには、首を絞められもがく、影絵のような雛鳥が一匹。
竜胆ジョウカ:「そうですね。編纂もアリですが、こっちは出典が出典なので――覇鍵解錠、真典・・
竜胆ジョウカ:「"火神に纏わる一つの疵とエン・ルクタ・ンタ・ムカト=ヒャンデル:、其処に紐づく七つの儀典レゲト・レグツァ・ンタ・ノンヴァ"」
竜胆ジョウカ:途端。雛鳥は硬直し、形を失い始め。
竜胆ジョウカ:「"黒き雛鳥は不幸の徴"、"一度見たなら逃れられない、どこにいたって、何をしてても"!」
竜胆ジョウカ:一本の黒い羽根となり。
星徒マーガレット:「み、みみ、みんな、みんな死ぬ!みんな!」
竜胆ジョウカ:「ええ、みんな死にますよ! 特にあんたは今すぐに!」
竜胆ジョウカ:「――"散らせ"、"木春菊の黒羽根"」
竜胆ジョウカ:そこに込められたレネゲイドが励起すると同時。
竜胆ジョウカ:先の手と同じ反応が、全ての遡及座標に直撃する。
GM:――カッ
星徒マーガレット:「!!!!!!」
星徒マーガレット:全員の目に映っていた眼前の星徒が、バラバラに引き裂かれるように、空中に途切れて溶けた。
星徒マーガレット:ノイズのように、鳥の肉片めいた断片がチカチカと投影される。
星徒マーガレット:断末魔。羽。炎。
星徒マーガレット:「キ、キ、キ」
星徒マーガレット:「キングダム……!」
星徒マーガレット:「キングダムは……ほ、ほ、滅びろ……!!!」
星徒マーガレット:先程まで存在していた無数の分身は、今はない。一点だけだ。
GM:"凶兆王ロード・オーメン"マーガレット・T・ファインズは、第二次ノヴァリス紛争当時、魔法局に属していた王候補者である。
GM:当時の名を"前兆王ロード・プレセイジ"という。
GM:ワタリガラスの声を聞くことによる予知を、力なき生徒達の助言のために生かしていた少女だった。
GM:紛争を前にして彼女は、『十字冠を破壊する兵器』が用いられることと、その結果としての自らの死を予知してしまったのだという。
GM:心優しく聡明だった王は、それまでノヴァリスに存在しなかった『死』への恐怖で狂った。
GM:予知によって確定してしまった未来からは、逃れることはできない。自らの目を抉っても逃れることはできなかった。
GM:王国と、運命と、民を呪いながら死んだ。醜態と呼ぶに相応しい最期だった。
GM:紛争後のキングダム理事会は、『十字冠を破壊する兵器』がキングダムに対して用いられた責任を、その未来を確定させた生徒へと転嫁することを決定した。
GM:死後、マーガレット・T・ファインズには、"凶兆王ロード・オーメン"という名が与えられた。
竜胆ジョウカ:「あのクソ技から逆算して、対抗疑似遺産を組みました! あとはこっちのやりたい放題ですよ!」若干テンションが高い。キノコが効いてるんだろうか。
星徒マーガレット:「死ぬ!死ぬゥゥゥゥッ!!」
星徒マーガレット:「みんなが死ぬ!みんなが死ぬぞォォッ!!!」
七十橋シスル:「――出たな。本音が」
七十橋シスル:際限なく回転する糸車。湧き出す荊が、何かを探すように、計るように周囲をのたうつ。
七十橋シスル:七十橋シスルの呪詛は、他者の悪意のろいを捉える。治療というカテゴリを、彼女は"原因への攻撃術"として定義した。
七十橋シスル:荊が奔る。ジョウカが破壊した雛の残骸に、潜り込むように飛び込む。
七十橋シスル:あまりに膨大で、暴走していた無限大の悪意を遡ることは流石に不可能だ。だが、今なら。
七十橋シスル:雛を逐う。影を逐う。その嘴を逐う。爪を逐う。羽毛を逐う。彼方の距離を跳ねる。
七十橋シスル:「"ウィリー・ウィンキー 聞こえるかHey, Willie Winkie - hear,"」前の一撃で与えた傷口を負う。翼を、砕けた十字冠を、爪を、鱗の一枚一枚、羽のひとつひとつその穂先
七十橋シスル:「"鰻の様に皆の耳からのたくってWriggling from everyone's ear like an eel"、"猫の膝を引っ張って喉鳴りを乱してるTugging at the cat's knee, and confusing all her purrs"」
七十橋シスル:流星体の奥底に覆われた、瞳なき少女の亡骸を逐う。
七十橋シスル:「"なあ ウィリー・ウィンキー そら 奴が来るぞ!Hey, Willie Winkie - see, there he comes!"」
七十橋シスル:ギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!
七十橋シスル:鳥の巨躯のその一角から、無数の荊が咲き誇る。
星徒マーガレット:「死、ごぼっ」
星徒マーガレット:「ごっ、ごほっ」
星徒マーガレット:凶兆を告げる喉の内側から、茨が生えて満ちた。
星徒マーガレット:幻影が悶えながら、七十橋シスルの眼前に墜落し……
星徒マーガレット:……その時、茨から辿れる悪意が、まさにその眼前に現れていることを、シスルは理解する。
星徒マーガレット:「ギャ、アアアアアアアアアァァァァッ!!!」
星徒マーガレット:絶叫とともに、長い首まで裂けた嘴を開き、シスルの肉体を裂く。
七十橋シスル:「ガッ…………!」
星徒マーガレット:「グ、ウゥウゥ、うぶッ」
星徒マーガレット:地上に着地している。茨とともに、自らのものともシスルのものともつかない血を吐き出す。
星徒マーガレット:――幻影ではない。これが本体だ。
七十橋シスル:縦一文字に肩口から裂かれ、鮮血を吹きながら飛び下がる。「ゲホッ! 呪詛返しはァ、そっちもお家芸かよ……!」
星徒マーガレット:星徒マーガレットは、影という形で、この場の全員に『凶兆』を幻視させた。
星徒マーガレット:確かな兆しがあるなら、それは確実に到来する。どれほどの距離が離れていても。
星徒マーガレット:七十橋シスルの呪いのパスを辿り、星徒の過剰な出力に任せた転移を実行した――
マルシル・M・コーディライト:「拷問王陛下ッ!!」
マルシル・M・コーディライト:血を吐きながら、かすれた声で叫ぶ。
七十橋シスル:「つまんねえ声ェ、挙げてんじゃねえ!」
星徒マーガレット:「ア、アアアアア、アアアッ!!!」
七十橋シスル:「今だ! 今ここで墜とすッ!」
星徒マーガレット:ぐじゃり、と巨鳥の身体が裂け、分裂する。
星徒マーガレット:ある者は二つの頭部があり、ある者は翼だけの塊のようになり
星徒マーガレット:その全てが、実体と同様の殺意を以て、キングダムの地上に蔓延しつつあった。
マルシル・M・コーディライト:「でも、まだ、これだけの」
マルシル・M・コーディライト:この物量が雪崩れ込めば
マルシル・M・コーディライト:ここにいる誰も彼もが、一切の区別なく死ぬ。
マルシル・M・コーディライト:ただその質量で圧し潰すだけで、それで”おしまい”になる。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「これが、星徒……!」
マルシル・M・コーディライト:「――!」
マルシル・M・コーディライト:前髪の下で目を瞑る、後悔はない。
マルシル・M・コーディライト:信じられる友達と、最後まで戦ったのだから。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「諦めてはいけません!」
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナ、さん」
マルシル・M・コーディライト:その声に、古木の杖をギュッと握りしめる。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「己を、王を、キングダムを信じましょう。私は勝つまであなたを守ります!」
竜胆ジョウカ:「――ええ、ええ。その通り、あなた方が考えるべきはこれまでの悔悟ではなく」
竜胆ジョウカ:「この後次の戦場にぶち込まれたら残りの手札でどう生き延びるかの考察です」
竜胆ジョウカ:一歩、2人をかばうように前に出て。
竜胆ジョウカ:「ではこれにて、この戦場はお開き――偽鍵壊錠」
竜胆ジョウカ:それは、彼女の副官が必殺技として用いている、
竜胆ジョウカ:遺産や遺産モドキをぶち壊し、神秘を限界まで搾り取って放つ一撃。
竜胆ジョウカ:今作った疑似遺産であれば。躊躇なくその札を切れる。
竜胆ジョウカ:「――ったく、これも二度も三度も使うことになるとは思いませんでした。副官さんに使用料取られないかな」
竜胆ジョウカ:刹那。そこには焔で形作られた"巣"が現れ。
星徒マーガレット:星徒マーガレットは、もはや影による間接的な攻撃ではない。
星徒マーガレット:無数の群れによって食い破り、引き千切るべく殺到する。それは凶兆ではなく、凶そのものだ。
竜胆ジョウカ:「さようなら。美味しい丸焼きになれるといいですね」
竜胆ジョウカ:攻撃が届く寸前。逆さになった滝壺に放り込まれたかのように炎が濁流めいて襲い、彼女・・の全てが焼き尽くされる。
星徒マーガレット:地上に現れ、増殖し、凄まじい速度で殺到した星徒マーガレットは
星徒マーガレット:――実際には見かけほどの脅威ではない、ということを、"死蔵王"はとうに看破していた。
星徒マーガレット:円卓の王、それも二人がかりの攻撃を幾度も受けた星徒マーガレットは、無尽蔵に近いレネゲイド出力を以てしても
星徒マーガレット:正面から強度を上回る威力で破壊されるだけで、もはや肉体を維持できない。焼かれ、燃え尽きていく。
星徒マーガレット:「死ぬ……」
星徒マーガレット:「みんな……。私が……私が……死ぬ……」
GM鴉の塔レイヴンタワー前。星徒マーガレット撃破。
七十橋シスル:「…………」燃え尽きていく黒い翼を見送る。
七十橋シスル:(星徒。十字冠を破壊する兵器の、第二次紛争の犠牲者。)「ああ」「お前らみたいに死ぬヤツは、ここから先もういねえよ」
マルシル・M・コーディライト:「トゥーナさん!トゥーナさん!」
マルシル・M・コーディライト:よたよたと駆け寄り、その肩を掴む。
マルシル・M・コーディライト:「なっ、なっ、なにが」
マルシル・M・コーディライト:「勝つまで守ります、ですか」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「なんとかな……わあっ」掴まれた衝撃で少しぐらつくが、盾を支えに持ちこたえる。
マルシル・M・コーディライト:「ボクはあなたの方が死んじゃうんじゃないかって……!」
マルシル・M・コーディライト:「うわあああああん……!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「宣言通り、勝つまで守れてよかったです」
マルシル・M・コーディライト:怒り、泣いている
マルシル・M・コーディライト:普段のヘラヘラとした態度からは想像できないほどに
マルシル・M・コーディライト:血と泥に汚れて、子供のように感情をぶつけている。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「といっても、私ではとても力及ばず、王様方のおかげですが……」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「こんなマルシルさん初めて見ました」普段と様子が違いすぎてちょっとびっくりしている。
七十橋シスル:「よくやった」
七十橋シスル:すたすたと近づいてくる。「この冠が解除される様子はねえ。必要以上には戦うな」
竜胆ジョウカ:うなずく。それなりにリソースは吐いたが、まあ何とかなるかな……みたいな顔。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「拷問王様。死蔵王様……少しでも皆様のお力になれたなら、これほど嬉しいことはありません」
竜胆ジョウカ:「……まあ、それでいいなら。ありがとうございました」
七十橋シスル:「教育がしっかりしてんな。優等生の部下だ」
七十橋シスル:「だが……こんなモンがあと二体三体と出てきたらたまらねえぞ」
七十橋シスル:「鴉の塔の内部人員は無事か?」
竜胆ジョウカ:「なんか放送だと5体くらい居ましたよね……っとそうだ」
竜胆ジョウカ:「とはいえ内部の人、我々が話してる間は人払いしてたのでほとんど……あ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「内部に生徒がいるんですか!?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:反射的に塔へ向かおうとするが、掴まれているので留まる。
七十橋シスル:「そういやそうか……一人だけか?」
GM:アメリア・シュミット以外にも、遺産管理委員会の生徒は何人かいたかもしれない。
GM:とはいえ、シスル達が注意を引き付けていたこともあり、『鴉の塔レイヴンタワー』そのものは攻撃を一度も受けなかった。
竜胆ジョウカ:「となると、初撃で一番上掴んでたあたりでの被害が怖いというか……えー、"鴉飼"?さんが心配というか……」
???:その時であった
???:キミたちの頭上に、黒い鳥の影が差す
???:同時に、上空から、落ちるように一直線に、何かが近づいている
???:ひゅるるるる~~~
マルシル・M・コーディライト:「ぐすぐす……おおっ!?おあーっ」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「あれは!?」
マルシル・M・コーディライト:「なんか降ってきてますが!」
竜胆ジョウカ:「星徒その2……なんて感じじゃないですね」
マルシル・M・コーディライト:「クッション!クッション!」
マルシル・M・コーディライト:ポコポコポコ!
マルシル・M・コーディライト:落下地点に色とりどりのトランポリンキノコが生す。
七十橋シスル:「ありゃあまさか……」
アメリア・シュミット:「お~~ち~~……あっ、あの真ん中に落ちたらよさそう!」
アメリア・シュミット:ボイ~ン!気の抜ける着地音を立てるのは、遺産管理委員会副長、”鴉飼ドミヌス”アメリア・シュミットである
マルシル・M・コーディライト:ぼよんよよ~ん
マルシル・M・コーディライト:ファンシーなSEで受け止めるぞ
アメリア・シュミット:続けて冷蔵庫ほどの大きさの機械も、ばい~んと着地する
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「よかった……」ほっと胸を撫でおろし「しかし、どうして落下を?」
マルシル・M・コーディライト:「そりゃあアレでしょう」
マルシル・M・コーディライト:「キノコのお城からはお姫様が出てくるのが」
マルシル・M・コーディライト:「定番ですからねぇ。ウェ~ッヘッヘッヘ」
マルシル・M・コーディライト:いつの間にかいつもの調子に戻っている。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「そんな定番が……」
竜胆ジョウカ:「こっちの機械は落とさない方が良くなかったですか?」
七十橋シスル:「つか飛べよ」
七十橋シスル:「鴉はどうした 大勢の」
アメリア・シュミット:「いやぁ、助かりました、マルシルさん!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「この機械は?」トランポリンに跳ねたところを受け止めて地面に下ろしている。
アメリア・シュミット:「いえ、それが、私も”遺伝橋”も飛んで運んでもらっていたんですよ?ですが……」
アメリア・シュミット:「恐怖の元だった星徒……マーガレットさんが去ったことで……ちょっと安心しちゃったみたいで」
アメリア・シュミット:「ワイヤーを咥えていた嘴を開いて歌い始めてしまって……とほほ」
竜胆ジョウカ:「長閑~」
七十橋シスル:「相変わらずだなコイツ…………」
マルシル・M・コーディライト:「アメリアさんもお怪我がなくて何よりですねぇ~、魔法局の方ではいつもお世話になっております」
マルシル・M・コーディライト:「なんだかこちらも安らぎますねえ」
アメリア・シュミット:「でも、こうして円卓の王とも合流できたのだから、私は幸運です!正直とても心細くって……」
アメリア・シュミット:「ああ、チギリ会長にお会いしたい……」
七十橋シスル:「あいつは本校舎だな。ウルスラと何かの情報掴んでればいいと思うが」
マルシル・M・コーディライト:「元老様も同じように心細かろうと思います」
マルシル・M・コーディライト:「会わせてあげたいものですねえ」
七十橋シスル:「心細いってタマかよあいつ」
竜胆ジョウカ:「んじゃそっちの方行きますか。お二人、鴉飼さんの護衛頼めたりします?」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「状況が状況ですから確実な合流はお約束できませんが、護衛は致します」
竜胆ジョウカ:「助かります。……我々はもうちょっと迎撃任務ですかね」拷問王に。
七十橋シスル:「円卓二人かかってこの消耗だ。同格との連戦は避けた方がいい」
七十橋シスル:「最終目的とは関係ねえ障害物にかかずらってられねえ」
アメリア・シュミット:「トゥーナさんマルシルさん、お願いいたします。今の私はロクに偵察もこなせませんが……!」(今のキングダムでは鴉の身が危険なため飛ばしていない)
マルシル・M・コーディライト:「もっちろんですとも!」
マルシル・M・コーディライト:「不肖、このマルシル・コーディライト」
マルシル・M・コーディライト:「恐れ多くも三人の陛下に激励を承りました」
マルシル・M・コーディライト:「ここで逃げ帰っては女が廃ります、ウェーッヘッヘッヘ」
アメリア・シュミット:「すてきな笑顔です!」
トゥーナ・ネヴァーリンクス:「マルシルさんも頼もしい限りです」
GM:七十橋シスルと竜胆ジョウカは、当面の脅威を退けることに成功した。
GM:だが、仕事はまだ終わっていない――この脅威の只中にあって、アメリア・シュミットが持ち出したものこそが、最も重要なものだからだ。

【遺伝橋】
遺産管理委員会が保有する遺産。キングダム連合学院にはこの一基しか存在しない。
「Dロイス:遺産継承者」を持つキャラクターに使用することでいつでも、
「Dロイス:遺産継承者」を効果に同意した他のキャラクターへと移植することができる。
既に他のDロイスを取得しているキャラクターの場合、ロイス枠一つが「Dロイス:遺産継承者」となる。
アイテムを所有しているキャラクターが戦闘不能になった場合、このアイテムは破壊される。

七十橋シスル:えっこわ
アメリア・シュミット:えっ責任重大
GM:なので、アメリアちゃんが万一にも撃破されないよう、厳重に護衛しなければいけません。
トゥーナ・ネヴァーリンクス:がんばるぞ~
GM:一方で、キングダムにはまだ5体の星徒が残っています。大変ですね。
マルシル・M・コーディライト:ヤッテヤルデス!!
マルシル・M・コーディライト:だめかもしれない
七十橋シスル:アメリアちゃん……今からミラーパレス覚えないか?
GM:アイテムなので受け渡しもできますよ
アメリア・シュミット:光る私へ……
GM:アメリアちゃんが持ってるのが不安なら拷問王が持っててもいい
七十橋シスル:そのへんも次回までに考えます
七十橋シスル:ひとまず全員で本校舎に向かって合流を目指す感じかな
GM:そうですね。もしかしたら本校舎組が突破しているか、突破手段を見つけているかもしれないので
GM:その確認のためにも、まずは本校舎組との合流が目的への最短ルートではあるでしょう。


◆Middle03◆君とみた海




キングダム本校舎前


GM:時は、鴉の塔レイヴンタワー前での戦闘が始まるやや前に遡る。
GM:ウルスラ・ミック・ベニと天沼チギリは、本校舎前の異変について理解し、拷問王達との合流に向けて動こうとしていた。
GM:情報を共有し、突破手段について考えなければならない。……その矢先である。
GM:天沼チギリの端末が、行政部からの通信を報せた。
ウルスラ・ミック・ベニ:保有するEXレネゲイド原竜骸墓から出した怪翼蛇アノマロクルーシェに二人乗りし、移動中である。
天沼チギリ:「こちら”元老”。どうなさいましたか?」
ジェシカ・クロフォード:『"不夜王"だ」
ジェシカ・クロフォード:『端的に言おう。君らに我が生徒らの救出に出向いてもらいたい。』
天沼チギリ:「………」逡巡する。あの巨鳥の足元にはアメリアがいる。
天沼チギリ:しかし、同時に。
天沼チギリ:拷問王も、死蔵王もいるはずだ。
天沼チギリ:不夜王はそれを分かったうえで戦力を分配しているのだろう。
天沼チギリ:「場所を。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「直々に急ぎの指示、敵は刑執行者の一人かな」手綱を動かし、示された座標へと方向転換。
ジェシカ・クロフォード:『場所はヒンシェルウッド第1浄水場』
ジェシカ・クロフォード:『討伐対象はクラゲのような形をした星徒だ』
天沼チギリ:「──成程。」
天沼チギリ:「遺産の保管所である鴉の塔の次は、飲み水を供給する浄水場。」
天沼チギリ:「急所を分かっていらっしゃいますね。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「出入りが封じられた以上は、というわけだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「案外のんびりしたやり口とも思う」
ジェシカ・クロフォード:『その上、何人かの生徒か水場に引きずり込まれたと報告もある』
ジェシカ・クロフォード:『常ならばともかく、この状況ではオーヴァードと言えど溺死の危険もある。』
GM:――現在、恐らくはキングダム連合学院の生徒全員の頭上に、神聖二重冠が発現している。
GM:オーヴァードが酸素供給を絶たれ、『死に続ける』状態に置かれた場合、果たしてどこでリザレクト限界が来るのだろうか?
天沼チギリ:傍らに大太刀が出現する。
天沼チギリ:「お任せください。」
天沼チギリ:「”気を引く”のは得手でございます。」
天沼チギリ:「私たちが交戦している間に救出の手はずを。」
天沼チギリ:「尤も、不夜王には釈迦に説法でございましょうが…」
ジェシカ・クロフォード:『頼む……いや』
ジェシカ・クロフォード:『そうだな。君には星徒の気を引くだけでなく』
ジェシカ・クロフォード:『もう一つ、増援の手綱も握ってもらいたい。』
GM:ヒンシェルウッド第一浄水場は、キングダムの防衛上はさほど重要な拠点ではない。
GM:水道供給の要ではあるが、汚染された水を遮断するシステムは当然存在している。
GM:だが、第二次ノヴァリス紛争以来、初めての死者をキングダムから出すわけにはいかなかった。なんとしてでも。
GM:天沼チギリは知っている。"不夜王"はこうした時、切り札を惜しむことはない。
ジェシカ・クロフォード:『そもそもそちらに辿り着くかもわからぬ暴れ槍だが』
ジェシカ・クロフォード:『辿り着いたなら、何よりの力となるだろう。君が、御してさえくれれば』
天沼チギリ:「暴れ槍、ですか。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そんな無軌道な戦力、不夜王さまの口から出るのは妙なものだね」
ジェシカ・クロフォード:『元老はともかく、貴様を戦力に数えてる時点で今更だろう。ウルスラ先生?』
天沼チギリ:「都合よくキングダムにいたものですね。それとも──」
天沼チギリ:「予見していましたか?最悪の事態を。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「先生呼びするなら指揮役任せてくれてもいいのに…」むすっとしながらチギリの腰を抱き支え、速度を上げる。
ジェシカ・クロフォード:『あれの嗅覚だろうさ。』
ジェシカ・クロフォード:『狙い続けた極上の獲物に、矛先を突き付ける絶好の機会だ。』
ジェシカ・クロフォード:──その機を逃すようなら、とうにアレは堕ちているはずだよ。と吐き捨てるようにつぶやき。
ジェシカ・クロフォード:『では、ウルスラ先生。貴様が生徒を導くものと仮定して尋ねよう。』
ウルスラ・ミック・ベニ:「なんなりと!」無数の札上翼をはためかせて怪翼蛇アノマロクルーシェが飛び上がり、浄水場まで一区画。
天沼チギリ:ウルスラに身を寄せてしがみつく。
ジェシカ・クロフォード:『王国を砕く、"星の光"と"悪意"』
ジェシカ・クロフォード:『貴様はこの言葉に何を見る?』
ウルスラ・ミック・ベニ:「輝く星の在り方は、天の凶星に限らない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「いずれ来たりし神の国、天国もまた王国を指す」
ウルスラ・ミック・ベニ:「解釈の余地がある予言、介入のし甲斐がある未来。まだまだこれからさ」
ジェシカ・クロフォード:小さくため息をつく
ジェシカ・クロフォード:『そこまで察しが良いと興が冷めるな』
ジェシカ・クロフォード:冷たい言葉の中にわずかに信頼をにじませ
ジェシカ・クロフォード:『この予言は、貴様にもいずれ降りかかってくるかもしれん。』
ジェシカ・クロフォード:『常に頭の片隅に入れておけ。』
ウルスラ・ミック・ベニ:「ありがとう。必ず活かす」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キングダムの話を、もう他人事だなんて思ってないからね!前に攻め入ってから!」
ジェシカ・クロフォード:『少しは悪びれろ、アホめ』
ウルスラ・ミック・ベニ:ニカリと笑みを返し空を馳せ、視界に広がるは浄水場!

ヒンシェルウッド第1浄水場


GM:ごうごうという激しい水音が鳴り続けている。
GM:ヒンシェルウッド第1浄水場は、大オアシスを水源とする、キングダム全域への水道供給施設だ。
GM:だが今、見渡す限りの水面には、油か有機物の如き膜が張り、
GM:濁りきった水の底を見通すこともできない。
GM:しかし時折、巨大な眼球の如き二つの光が濁水を通して見える時がある。
GM:星徒ヒロ。キングダムを汚染すべく投入された、ひどく巨大なクラゲか頭足類のような、不定形の水棲生物の形態を取る。
GM:未知の毒物に汚染された水中では、たとえオーヴァードであっても長く生存することはできないだろう。
GM:常人の場合、溺水から25分を越えると生還の可能性は限りなく低くなる。
GM:生徒はオーヴァードであり、彼女らが引きずり込まれたのは致死的な水である。神聖二重冠がどの程度彼女らを保護していられるのかは予測がつかない。
GM:――よって、"不夜王"は、すぐさま確実に動かせる、最大の戦力を真っ先にこの場へと送り込んだ。すなわち。

星徒ヒロ:「妬ましい……」
星徒ヒロ:――バ ヂュッ!!!
星徒ヒロ:水中から、恐るべき速度で粘性の触手が伸び、叩きつけられる。

美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:ゴオン…!凄まじい衝撃が対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』を揺らす
美食倶楽部部員:「きゃあああ!オーシャンズ様ァ!こんなの聞いてないですよォ!」
星徒ヒロ:「妬ましい。妬ましい。妬ましいなああああ」
星徒ヒロ:地獄の底から響くような声。

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「モグ…ムシャ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「様子見のはずが…モグ…接敵してしまうとは…」 バケツプリンを飲み干し
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:50枚重ねパンケーキを一口で頬張る
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ついてない…本当にッ!」
星徒ヒロ:水面に星徒ヒロの巨体が浮かび上がり、頭頂部の大口を開く。
星徒ヒロ:おぞましい粘液に浸された生徒達の影が、その奥に見える。最低でも5人。
星徒ヒロ:「あぁああああ――あぁぁ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「見てしまったからには…捨て置けるわけないでしょう!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「退くわけには…行かないんです!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:失った体力を大量の食事で急速に回復させていく
星徒ヒロ:「許せないよぉ……ゆっ、ゆっ、許せないよおぉぉぉ」
星徒ヒロ:「もっと、もっとたくさん。溺れさせるんだあ」
星徒ヒロ:「このっ、このくらいの数じゃっ!こんな苦しみじゃあ」
星徒ヒロ:「全然っ、足り、足りないっ」
星徒ヒロ:「足りないよおおおおおおおおおお」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「クッソ…泣きたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「取り敢えず引き上げの準備をしなさい!必ず隙ができます!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「不夜王がこの状況を放っておくものか!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いや…なんかしばらく放って置かれるかもしれないけど…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その間は耐えろって事でしょう!耐えられなければ…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何のための第4席か!」
GM:オーシャンズ・マウンテンヒルズの奮戦は、事実、一定の効果を挙げていた。
GM:星徒ヒロの性質上、水面下に潜航したまま姿を隠されていれば、生徒達の犠牲はどうしても避けられなかっただろう。
GM:だが"美食王"は『偶然』の接敵から、この星徒が強い攻撃本能を持ち、地上の獲物に執着して追い続けることを理解した。
GM:自らを囮に、無力な生徒を延命している――それも、決して倒れることのない囮だ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「釣り餌でもなんでも…やってやる!モグ!ただし!そのあとで喰われる恐怖を教えてやる!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「だから早く、増援~ッ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「──よく耐えた、故に応えよう!」
ウルスラ・ミック・ベニ:ぶわりと奇怪な怪甲殻類に乗り、二人の少女が飛び込んでくる。
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:「ヒポッ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ハッチを開けて上半身を外へ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「助かっ…」
ウルスラ・ミック・ベニ:《ワーディング》【ブラックダイアモンド】エキストラと周囲の物体の時間を止め、破壊された物体を復元する。
ウルスラ・ミック・ベニ:黒き指輪が昏く輝くと、辺りに立ち込める野趣の香り。どろりと澱んだ湖面が固まる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「浄水場を固定、水面を足場として確保、オーヴァードの干渉により停滞は途切れるが」
ウルスラ・ミック・ベニ:「溺れた子の保護には十分、位置も分かる!君が守った誰一人、死なせない!」
星徒ヒロ:「あ、ああああああ」
星徒ヒロ:固定された水面の上へ、びたり、べしゃり、と広がるように
星徒ヒロ:巨大な水袋の如き体躯を這い上がらせていく。無数の触手が別個の生物のようにのたうちながら続く。
天沼チギリ:ウルスラとオーシャンズに迫る触手が斬撃に断たれる。
天沼チギリ:ウルスラの懐から飛び立ったチギリが、大太刀を振るったのである。
星徒ヒロ:「うあああああ、おおおおお」
天沼チギリ:剣の重量を感じさせぬ、舞踊の如き軽やかな体捌き。
天沼チギリ:剣の切っ先から足と着地し、落下の衝撃を殺す。
天沼チギリ:「なんと。」
天沼チギリ:「美食王までいらっしゃるとは。被害は?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「これはこれは」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「随分と豪勢な配送を」
ウルスラ・ミック・ベニ:「こっちは教育実習生のウルスラでーす、チギリちゃんとジェシカちゃんに呼ばれて来たよ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私が生きている間に被害など出るとでも…と言いたい所ですが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「数名が囚われている」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(不夜王は何を考えているんだ!遺産管理委員長はともかく…あいつは元反逆者では…)
天沼チギリ:「今日は特別です。」
天沼チギリ:「もう一人、来ているとか。」
ウルスラ・ミック・ベニ:視線に応じて手を振り返し、ふと視線をいずこかへ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「来るよ、凶星」
星徒ヒロ:奇妙なことに、星徒ヒロも、ウルスラと同じような反応をした――
星徒ヒロ:先程まで執着していた"美食王"から目を逸らし、まったく別の方角の、虚空を見た。
星徒ヒロ:星徒すら、、本能的に、尋常ならざる脅威の接近を予感した、ということになる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「はァ?」
任アルル:月光が射した。
任アルル:静止した湖面を丸く切り取って照らし出すその範囲の内に、囚われた触手がひたりと止まる。小さな花を踏みつけにしかけ、寸前でそう気付いたみたいに。
任アルル:だが、罰は止まらなかった。
任アルル:ヒュ   ド!!
星徒ヒロ:「がっ、ああああああああああああ!!!!」
任アルル:星が降る。触手を数本まとめて斬り飛ばして。円の中心に突き立ったそれは、白銀の槍のかたちをしている。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「こ、こいつはッ!」
任アルル:その上にふわりと降り立つ者がいる。この場に到底似つかわしくない素足の、陶器めいて白い指を曲げて、槍の柄を止まり木のように掴む。

任アルル:頼りなくひらめく薄衣。波打つ群青の髪。柘榴石の瞳を悪戯気に細める。
GM:同時並行で、星徒マーガレットに"拷問王"と"死蔵王"が当たっているのと同様――"不夜王"が送り込んだ最強は、一人だけではなかった。
任アルル:「好久不见了──ミズキのお友達。他の方には、初めまして」
任アルル:「崑崙山五星君、任アルル。義によって助太刀に参じました」
天沼チギリ:「特別、でしょう?」横目でオーシャンズを見る
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうだな…」
ウルスラ・ミック・ベニ:「前回はごめん。今回は頼りにさせてもらう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミの凄さはよく知ってるからね!」手中の花から剣を抜き、構える。
任アルル:「よく回る口ですね。ミズキあの子ひとりに抑えられたのを知っているでしょうに」一転拗ねたように頬を膨らませる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ミズキちゃんから聞いてるのは凄いところだけだもん」ふふんと笑う。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(特別、でしょう?じゃねー!何をッ!考えている!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(確かに戦力としては破格…)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(コントロールできるんだろうな!不夜王ッ!)
星徒ヒロ:「あああああ……妬ましい妬ましい妬ましい……」
星徒ヒロ:アルルの奇襲によって完膚なきまでに破壊されたと思われたが、
星徒ヒロ:体組織がズルズルとより集まり、再び半液状の肉体を形成する。
星徒ヒロ:並大抵の攻撃では再生速度を上回ることができない。中央の核を破壊しようとすれば、囚われた生徒達を巻き添えにする必要がある。
星徒ヒロ:星徒ヒロの星徒としての特性はごく単純なものだった。執拗なまでの殺傷性と、執拗なまでの不死性。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「優先順位は名誉でも勝利でもなく生徒の安全です…手綱は…握って頂きますよ、委員長殿」
天沼チギリ:「指揮を執るべきはこの中で唯一の円卓の王たる美食王でしょう?」
天沼チギリ:くす、と笑う。
ウルスラ・ミック・ベニ:「本人の前で手綱とか失礼だよ~」
任アルル:「そう警戒しないでください」苦笑。リフティングじみて後ろに蹴り上げた槍を背中側で掴む。
任アルル:「女の子を傷付けたりはしませんから、わたし」
天沼チギリ:「これは失礼を。」
天沼チギリ:「美食王も、ご安心ください。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(外部戦力の流入の忌避は君主論マキャベリズムの基本だぞ!警戒するに決まってんだろ!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(安心できるわけがない!)
任アルル:「……ジェシカに熱くお願いもされましたしね」ゆるりと構え、星徒に向き直る。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「緊急時ですので…致し方ありませんね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「不夜王の…不夜王の采配に間違いはない」
天沼チギリ:「私の剣は殺意を操れます。」
天沼チギリ:「いざとなればあの水妖との戦いに集中していただきますよ。」
天沼チギリ:「………私の剣が通用すればの話ですが。」

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:全員、即座に侵蝕率を上昇してください。+6D10です。
ウルスラ・ミック・ベニ:6d10
DoubleCross : (6D10) → 34[8,7,8,1,5,5] → 34

天沼チギリ:30+6d10
DoubleCross : (30+6D10) → 30+26[3,1,3,1,10,8] → 56

ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を34増加(41 → 75)
任アルル:34+6d10
DoubleCross : (34+6D10) → 34+40[1,8,2,9,10,10] → 74

任アルル:任アルルの侵蝕率を40増加(34 → 74)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を6D10(→ 37)増加(48 → 85)
GM:チギリ委員長、低いな~~
天沼チギリ:これから上がりますので…
GM:今回は水中にいる敵との戦闘ということで、星徒ヒロに接近して攻撃する場合、環境ダメージ2D10点を受けていただく……予定だったのですが
GM:戦闘前にウルスラさんがブラックダイヤモンドを使ってくれたお陰で、通常の地上戦と条件は同じということにします。お手柄です
ウルスラ・ミック・ベニ:V
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヤッター
任アルル:ありがとう……!
天沼チギリ:ありがたや!
GM:またもう一つ、星徒ヒロは《悪食の食卓》で生徒達を飲み込んでおり、3ラウンド目の終了時に全員死亡します。
任アルル:何~
GM:本来は生きているものを取り込むことはできないエフェクトなのですが……
GM:まあ、もうすぐ生き物じゃなくなるから、許してください
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヒドイ
ウルスラ・ミック・ベニ:ゆるさ~ん
GM:生物と味噌漬けの中間状態にされた島の住人みたいな状態です
天沼チギリ:ゆるせねー!
任アルル:その言い様でどう許しようがあるものか

    星徒ヒロ[8]

      5m

ウルスラ[9/75] チギリ[6/56]
"美食王"[1/85] アルル[7/74]

■ラウンド1

GM:セットアップ。こちらは何もありません。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ナイヨー
ウルスラ・ミック・ベニ:ナイナイ
任アルル:なし!
GM:神聖二重冠による侵星魔法冠の無効化は、先程の戦闘と同様、PCの手番タイミングで宣言すれば無効化できます。
天沼チギリ:なしです
GM:では最初のイニシアチブ。ウルスラさんの手番です。
ウルスラ・ミック・ベニ:こっちには孤独の魔眼持ちがいるからね、待機
GM:本当に待機だけでいいのかな?
ウルスラ・ミック・ベニ:ぬぅ…
ウルスラ・ミック・ベニ:先に侵星魔法冠を無効化しておけば、攻撃がゲキヤバにならなくて済むのかな
ウルスラ・ミック・ベニ:美食王…頼めるかい
GM:待機すること自体は大丈夫なのですが、このタイミングで誰かが無効化を行っておかないと次は星徒の手番ですね。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:じゃあやっちゃうか
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:無効化します
星徒ヒロ:ギャ~~
星徒ヒロ:無限の攻撃力がふつう攻撃力になりました
星徒ヒロ:それでは行動値8。星徒ヒロの手番です。
星徒ヒロ:マイナーで《骨の剣》。
星徒ヒロ:単体攻撃で、このラウンド選ばれていない一人を対象にします。
星徒ヒロ:choice[ウルスラ,チギリ,オーシャンズ,アルル]
DoubleCross : (choice[ウルスラ,チギリ,オーシャンズ,アルル]) → オーシャンズ

星徒ヒロ:くそっ はずれだ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:うるせー
星徒ヒロ:攻撃します!《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》《生命吸収》!
星徒ヒロ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,2,2,2,5,5,6,7,7,7,8,8,9]+10[1,3,6,6,8,8]+5[2,5]+6 → 31

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ドッジしてみるか?盾買う余裕なかったしな
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:5dx>=31
DoubleCross : (5DX10>=31) → 10[8,8,9,9,10]+4[4] → 14 → 失敗

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:頑張ったのでは
星徒ヒロ:ではダメージを出します。
星徒ヒロ:3d10+24
DoubleCross : (3D10+24) → 17[6,3,8]+24 → 41

星徒ヒロ:オーシャンズさんは、41点の装甲有効ダメージを受けた後
星徒ヒロ:27点のHPを失い、その後6d10点のHPを失います。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:もう装甲車乗ってる感じで良いんですか
星徒ヒロ:あ、すみません
星徒ヒロ:装甲は無視でした。渇きの主なので……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:装甲車にはエフェクトダメージ-10があるんですよ
星徒ヒロ:ふしぎな車だなあ
星徒ヒロ:装甲車には乗っている扱いで構いません。先に現着しているので十分その余裕はあったでしょう。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:31点ダメージを受け 27失い
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:6d10
DoubleCross : (6D10) → 37[9,10,2,8,7,1] → 37

星徒ヒロ:こちらも37点受けます。と言いたいのですが
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:むむッ
星徒ヒロ:《不死者の血》。HPを失う効果を無効化します。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ズルだな!
星徒ヒロ:さらに《朱色の大斧》を使用。
星徒ヒロ:シーン中、白兵攻撃力を+36します。
星徒ヒロ:《夜魔の領域》を使用。行動値0になり、未行動状態になります。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:95点受けます
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを95減少(227 → 132)

    星徒ヒロ[0]

      5m

ウルスラ[9/75] チギリ[6/56]
"美食王"[1/85] アルル[7/74]

GM:次の手番は行動値7のアルルさんです。
任アルル:こちらも待機かな……?どうだろう
任アルル:まだカウンターも撃てないし普通に殴ってもそれまでではあります
GM:では行動値6、チギリ委員長です。
星徒ヒロ:まだまだ無傷だよ~ん
天沼チギリ:エンゲージ離れたくないなあ…ここで殴ろう
天沼チギリ:マイナーなし
天沼チギリ:メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《死神の精度》《伸縮腕》《ブレインハック》
天沼チギリ:対象は星徒ヒロ!
天沼チギリ:なんか挟みます?
天沼チギリ:そのまま喰らってくれるとウレシイナ…
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:120超えてないと何もできない
星徒ヒロ:こちらからは何もありません。
天沼チギリ:ヨッシャ!
天沼チギリ:振ります!
天沼チギリ:10dx7+8
DoubleCross : (10DX7+8) → 10[1,2,3,3,4,5,6,7,8,10]+10[3,5,8]+2[2]+8 → 30

星徒ヒロ:ガード。
天沼チギリ:ダメージ、装甲無視、ダメージが通れば憎悪付与です
天沼チギリ:4d10+14+15
DoubleCross : (4D10+14+15) → 21[9,3,6,3]+14+15 → 50

星徒ヒロ:ガードで軽減し、44点受けました。
星徒ヒロ:『怨念の一打』。
星徒ヒロ:チギリさんに44点のダメージを与えます。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:あこいつ
天沼チギリ:うげ!?
任アルル:何ィ
星徒ヒロ:これは軽減不能ダメージ。もちろんカバーも効きません。
天沼チギリ:ムム、喰らって死にます。《リザレクト》
ウルスラ・ミック・ベニ:飢餓のみならず憎悪のEロイスも
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を21増加(56 → 77)
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(77 → 84)
GM:《悪食の食卓》はEロイスじゃないですよ
GM:エグザイルのエネミーエフェクトです
ウルスラ・ミック・ベニ:あ、そうだった
GM:《悪食の食卓》はただの人質エフェクトではなく
GM:これを使用中はエネミーのHPを+20させてくれます
GM:つまりますますTOUGHということです
天沼チギリ:だが自害してもらう!
天沼チギリ:憎悪付与、対象は星徒ヒロじゃい!
星徒ヒロ:憎悪はそのまま喰らいます!このまま行動が始まったら自害してしまう……!
GM:その前に行動値1、美食王の手番です。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:はーい
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:マイナーでパラダイスフルーツを使用
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:モグモグ食べて回復
GM:うまそう
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:5d10
DoubleCross : (5D10) → 23[9,1,3,6,4] → 23

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを23増加(132 → 155)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:放心と重圧を受けますが
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:冥府の棺で重圧を解除します
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(85 → 87)
GM:パラダイスのフルーツなのに放心と重圧受けるの?
GM:このフルーツ……何か変
天沼チギリ:うますぎて放心して重圧受けるんじゃない?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:放心しちゃうくらい美味しく重圧受けるくらいクソデカい
任アルル:毒キノコはおいしいみたいな話なんだろうか……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:メジャーで赤色の従者を使用し
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:HP55の従者をセット
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ターンエンドだ

    星徒ヒロ[0]

      5m

ウルスラ[9/75] チギリ[6/84]
"美食王"[1/92] アルル[7/74]
    "無限の食彩"[9/92]

星徒ヒロ:手番は行動値0、星徒ヒロ。
星徒ヒロ:攻撃対象は自分自身になります。
ウルスラ・ミック・ベニ:ヒロ、全力出してこ!
天沼チギリ:がんばれー♡
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:GOGO
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を5増加(87 → 92)
星徒ヒロ:《渇きの主》で自分自身を素殴りします。素手しか攻撃手段を持ってないから《朱色の大斧》は効いちゃうんだよな……
星徒ヒロ:《骨の剣》も効いちゃう。火力エフェクトがほとんど自分に直撃する
星徒ヒロ:13dx+6
DoubleCross : (13DX10+6) → 10[2,2,3,4,5,6,7,7,8,8,9,9,10]+9[9]+6 → 25

星徒ヒロ:3d10+60
DoubleCross : (3D10+60) → 9[2,3,4]+60 → 69

天沼チギリ:私よりつよーい♡
星徒ヒロ:ギャーッ!ガードで6軽減して66点
星徒ヒロ:だが自分自身から《渇きの主》で36点を回復……!
天沼チギリ:こ、こいつ…
任アルル:自分を食って回復してる!!
星徒ヒロ:こいつは放っておくと際限なくHPを吸収してくる!一気に倒さないとヤバいのだ
星徒ヒロ:さらに《歪んだ腕》!
星徒ヒロ:行動値を0にして、他が全員待機しているため再行動します!
星徒ヒロ:choice[ウルスラ,チギリ,アルル]
DoubleCross : (choice[ウルスラ,チギリ,アルル]) → ウルスラ

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:コノヤロー
星徒ヒロ:ウルスラ死ね!
ウルスラ・ミック・ベニ:死にたくない~!
星徒ヒロ:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》《生命吸収》!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:仕方ないな~
星徒ヒロ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[3,3,3,5,5,5,6,6,6,9,9,9,10]+10[3,5,6,7]+2[2]+6 → 28

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:要る?
ウルスラ・ミック・ベニ:ドッジがアホほど回らなかったら要る~
ウルスラ・ミック・ベニ:3dx>=28 ドッジ
DoubleCross : (3DX10>=28) → 7[4,5,7] → 7 → 失敗

ウルスラ・ミック・ベニ:救けて~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:従者で受けるか
無限の食彩(従者):《崩れずの群れ》
無限の食彩(従者):ウルスラちゃんをカバーします
星徒ヒロ:ダメージを与えます!
星徒ヒロ:3d10+60
DoubleCross : (3D10+60) → 17[2,9,6]+60 → 77

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:これで爆散するので
星徒ヒロ:そうなんですよね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:渇きはくらうけど
星徒ヒロ:《生命吸収》で回復できない
ウルスラ・ミック・ベニ:テクニカル
任アルル:え~っ賢い
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:生命吸収はされないぞ
星徒ヒロ:PCなら必ず復活しなきゃいけないから吸収できたんだけどな~
星徒ヒロ:HPは36点回復します。
天沼チギリ:自分で自分を殴った分回復してるー!!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(92 → 94)
星徒ヒロ:星徒ヒロの手番は以上、ですが。
星徒ヒロ:《アナザーセルフ》。《歪んだ腕》の回数を回復します。
星徒ヒロ:次のラウンドでも3回行動します。
任アルル:おバカ!!
天沼チギリ:こいつ…
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:酷い話だ
GM:待機PCの行動順は待機ルールに則ります。
GM:行動値が低いアルルさんから手番が回りますね。
任アルル:はーい
任アルル:普通に殴ります。マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:栄光と勝利の槍で星徒ヒロに射撃攻撃!
任アルル:11dx7+9
DoubleCross : (11DX7+9) → 10[2,3,3,4,4,4,5,5,7,8,9]+10[2,6,9]+3[3]+9 → 32

星徒ヒロ:ガードします。
任アルル:4d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (4D10+11+1D10+2D10) → 24[10,6,7,1]+11+10[10]+4[2,2] → 49

任アルル:キルリーダー込みの諸々有効!
任アルル:任アルルの侵蝕率を5増加(74 → 79)
星徒ヒロ:43点ダメージを受ける、が!
星徒ヒロ:『怨念の一打』!二枚目です!
星徒ヒロ:アルルさんに43点ダメージを返します。
任アルル:ウニャ~ッ
任アルル:リザレクト!
任アルル:任アルルの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(79 → 84)
任アルル:任アルルのHPを5に変更(25 → 5)
GM:最後の手番はウルスラさんです。星徒ヒロはめちゃくちゃ元気です
ウルスラ・ミック・ベニ:元気じゃなくなれ~っ
ウルスラ・ミック・ベニ:【NS:インフィニティ・バッグ】マイナーで《インフィニティウェポン》《スーパーランナー》攻撃力16の白兵武器を作成して移動距離+5mの戦闘移動。
ウルスラ・ミック・ベニ:ヒロちゃんのエンゲージに突入
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を4増加(75 → 79)

    星徒ヒロ[0]
   ウルスラ[9/79] 

      5m

    チギリ[6/84]
"美食王"[1/94] アルル[7/79]

ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+6D、攻撃力+20。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(79 → 85)
ウルスラ・ミック・ベニ:10dx7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[2,2,3,3,4,6,6,7,9,9]+10[2,4,9]+10[9]+2[2]+6 → 38

星徒ヒロ:ガード。
ウルスラ・ミック・ベニ:4d10+61 装甲ガード有効
DoubleCross : (4D10+61) → 24[10,2,9,3]+61 → 85

任アルル:つよい!
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(85 → 91)
ウルスラ・ミック・ベニ:重い~
星徒ヒロ:79点食らう!『怨念の一打』!これが最後です。
ウルスラ・ミック・ベニ:リザレクト!
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(91 → 96)

■ラウンド2

    星徒ヒロ[8]
   ウルスラ[9/96] 

      5m

    チギリ[6/84]
"美食王"[1/92] アルル[7/79]

GM:セットアップはありません。
GM:最初の手番は行動値9のウルスラさん。どうしますか?
ウルスラ・ミック・ベニ:待機してる間に3回攻撃されるからな…
ウルスラ・ミック・ベニ:攻撃がこっちに来たらロイスも飛ぶし、侵蝕率もきついが…メイン火力を張ります
ウルスラ・ミック・ベニ:でも侵星魔法冠は誰か削ってくれると嬉しいです!
任アルル:そうだった
天沼チギリ:アルルさん…頼めますか…
任アルル:こちら使います!
天沼チギリ:ありがたや!
星徒ヒロ:やられた~><
任アルル:このラウンド中の魔法冠効果を打ち消すぞ
星徒ヒロ:一回でも攻撃できれば無限のHPを回復できるのに
ウルスラ・ミック・ベニ:アルルちゃん~
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》《砂塵霊》を使って侵蝕率100オーバー。判定値+7D、攻撃力+24。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(96 → 102)
GM:侵蝕100オーバー!
ウルスラ・ミック・ベニ:12dx7+6
DoubleCross : (12DX7+6) → 10[1,1,1,1,2,3,6,7,7,8,8,9]+10[1,5,10,10,10]+10[2,8,8]+10[2,10]+10[7]+10[7]+3[3]+6 → 69

天沼チギリ:すげー回した!
星徒ヒロ:ガ、ガード!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:イイゾー
ウルスラ・ミック・ベニ:7d10+73 装甲ガード有効
DoubleCross : (7D10+73) → 51[10,2,8,8,8,6,9]+73 → 124

ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(102 → 108)
ウルスラ・ミック・ベニ:根性見せたぜ
星徒ヒロ:ヒ~ッ
任アルル:ひゅう!
天沼チギリ:すげー!
星徒ヒロ:118点!余裕だったHPが一気にものさびしい数字に……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヤッター
星徒ヒロ:うおお、こうなったらお前らを吸い殺して回復してやるぞ
星徒ヒロ:行動値8、星徒ヒロの手番!
星徒ヒロ:choice[チギリ,アルル]
DoubleCross : (choice[チギリ,アルル]) → チギリ

星徒ヒロ:賢いぞ!星徒ヒロ!
星徒ヒロ:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》《生命吸収》でチギリ委員長を攻撃します。
星徒ヒロ:《生命吸収》はこれで最後。
星徒ヒロ:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,3,3,4,4,4,5,6,6,6,8,9,10]+10[7,7,9]+10[1,1,7]+10[9]+10[10]+10[7]+10[10]+2[2]+6 → 78

天沼チギリ:ドッジ!
天沼チギリ:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 9[1,5,6,9,9]+1 → 10

天沼チギリ:で、出来ればカバーください…!
星徒ヒロ:3回殺す!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:カバーしまーす
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(94 → 96)
星徒ヒロ:どっちでもいい!死にやがれッ
星徒ヒロ:8d10+60
DoubleCross : (8D10+60) → 48[7,5,9,6,7,3,10,1]+60 → 108

天沼チギリ:ありがとう美食王…
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:10点軽減して98
星徒ヒロ:骨も残らぬわ
星徒ヒロ:ハハハ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:生命吸収27
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:6d10
DoubleCross : (6D10) → 36[4,4,9,7,3,9] → 36

星徒ヒロ:エ……?
星徒ヒロ:死んでないの?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:いやー
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:161か
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:クリナップ回復してたら耐えてたけど
星徒ヒロ:最初の98点で死んでないの?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:死んでないぜ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを161減少(155 → -6)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:リザレクトするか!
星徒ヒロ:ア……ア……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:デカい目を引いたなあ
星徒ヒロ:これだけ攻撃して……リザレクト一回……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を9増加(96 → 105)
星徒ヒロ:くじけていられるかッ!《夜魔の領域》で再行動じゃい
星徒ヒロ:行動値0で未行動になります

    星徒ヒロ[0]
   ウルスラ[9/108]

      5m

    チギリ[6/84]
"美食王"[1/105] アルル[7/79]

星徒ヒロ:HPも今の一撃で大量回収……!
星徒ヒロ:果たして残り二人で倒しきれるかな
GM:手番は行動値7のアルルさんです。
任アルル:今回は確信を持って待機!
GM:行動値6のチギリ委員長です!
天沼チギリ:なぐるぜー!火力はしょぼしょぼだけど!」
天沼チギリ:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《伸縮腕》
天沼チギリ:対象はヒロ!
天沼チギリ:振ります!
天沼チギリ:12dx7+8
DoubleCross : (12DX7+8) → 10[1,1,2,3,4,5,6,8,9,9,9,10]+10[4,4,6,8,9]+10[8,8]+10[5,9]+1[1]+8 → 49

星徒ヒロ:高い……!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:強いぜ
天沼チギリ:ガードしないでくれるとウレシイナ…
星徒ヒロ:そうだった、ガードします
任アルル:無情
天沼チギリ:かなしみ
天沼チギリ:5d10+14 ダメージ、装甲無視
DoubleCross : (5D10+14) → 28[7,4,4,8,5]+14 → 42

天沼チギリ:ショボショボ
星徒ヒロ:いや、だいぶ辛いダメージではある……!
星徒ヒロ:もちろんまだ生きてはいるが!
星徒ヒロ:行動値0!攻撃します。
星徒ヒロ:対象はアルルさん。
任アルル:あ、行動値1で美食王では
GM:そうでした。行動値1の美食王!何かございますか
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:え、じゃあ突っ込むか!
GM:美食王……やれるのか……!?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:マイナーで接敵して装甲車で突っ込むぞ
GM:轢殺w
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 8[1,5,8] → 8

星徒ヒロ:たしかにこいつはガードのロジックだから当たるんだが……!
星徒ヒロ:ガードしています
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヨシ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ダメージだ~ッ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:1d10+8
DoubleCross : (1D10+8) → 10[10]+8 → 18

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:マックス!
星徒ヒロ:ちょっと削れましたけど
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ちょっとだけでも、ね
星徒ヒロ:係数3エフェクトレベル6と考えればまあまあなダメージかも
星徒ヒロ:こんどこそヒロの攻撃です。
任アルル:じゃあその判定に《ジャミング》!
星徒ヒロ:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》。対象はアルルさん。
星徒ヒロ:なにっ
任アルル:まあ……ダイスを-3個するだけなんですけどね
任アルル:任アルルの侵蝕率を3増加(84 → 87)
星徒ヒロ:なにするものぞ……!では振りましょう
星徒ヒロ:10dx7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[2,2,2,3,4,5,5,7,7,8]+10[1,5,9]+10[9]+4[4]+6 → 40

星徒ヒロ:その程度の妨害はものの数ではないわ!
任アルル:さらに《支配の領域》《絶対支配》
星徒ヒロ:エ……
任アルル:最初の出目の5,7,7,8を1にします
星徒ヒロ:そんな……
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(87 → 97)
星徒ヒロ:私の出目は11ってコト?
任アルル:思ったより下がったねえ
任アルル:いっそ避けられそうだけど……でもやっぱりやっておく方がいいな
任アルル:《カウンター》します。《コンセントレイト:バロール》《瞬速の刃》。
任アルル:12dx7+9
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[1,2,3,3,6,7,7,8,8,8,9,10]+10[1,1,2,4,6,8,8]+10[6,9]+3[3]+9 → 42

星徒ヒロ:ひどい……!支配の領域しなくても勝ってるじゃん
任アルル:5d10+11+1d10+2d10
DoubleCross : (5D10+11+1D10+2D10) → 25[10,9,1,2,3]+11+2[2]+11[4,7] → 49

任アルル:任アルルの侵蝕率を9増加(97 → 106)
星徒ヒロ:49点受けます!これはガードできない……
任アルル:諸々有効!でもガードはできないぞ
星徒ヒロ:……が、まだHPは残っています!戦闘続行です
星徒ヒロ:予告通り《歪んだ腕》も使用します。手番復活。
星徒ヒロ:ターゲットが一巡したので再び選択します
星徒ヒロ:choice[ウルスラ,チギリ,オーシャンズ,アルル]
DoubleCross : (choice[ウルスラ,チギリ,オーシャンズ,アルル]) → ウルスラ

ウルスラ・ミック・ベニ:ギャース!
任アルル:《時の棺》!
星徒ヒロ:ウルスラさんを攻撃。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヤッター
星徒ヒロ:……できない!攻撃失敗です!
ウルスラ・ミック・ベニ:アルルちゃん……♡
任アルル:このための侵蝕上げ
天沼チギリ:侵蝕上げ忘れがありました、失礼
天沼チギリ:天沼チギリの侵蝕率を6増加(84 → 90)
任アルル:任アルルの侵蝕率を10増加(106 → 116)
星徒ヒロ:これでこっちは再行動エフェクトもない……!今の失敗は回復もできなかったのでなおさら痛い!
星徒ヒロ:だが次のラウンドの終了時には生徒どもが死ぬのを忘れるなよ!

■ラウンド3

    星徒ヒロ[8]
   ウルスラ[9/108] 
   "美食王"[1/105] 

      5m

    チギリ[6/90]
    アルル[7/116]

GM:セットアップはありません。
ウルスラ・ミック・ベニ:私の…手番!
ウルスラ・ミック・ベニ:【EX:盗人の剣】メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》《咎人の剣》、インフィニティウェポンによる白兵攻撃。
ウルスラ・ミック・ベニ:出し惜しみはなし。《砂の加護》《砂塵霊》を使って判定値+7D、攻撃力+24。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(108 → 114)
星徒ヒロ:来い……!
ウルスラ・ミック・ベニ:12dx7+6
DoubleCross : (12DX7+6) → 10[2,3,3,3,4,6,7,7,8,8,8,9]+10[1,3,3,5,6,10]+10[10]+2[2]+6 → 38

任アルル:《妖精の手》!
ウルスラ・ミック・ベニ:1dx7+46
DoubleCross : (1DX7+46) → 3[3]+46 → 49

任アルル:《妖精の輪》《妖精の手》
GM:アルルさん……!
ウルスラ・ミック・ベニ:1dx7+56
DoubleCross : (1DX7+56) → 10[8]+6[6]+56 → 72

星徒ヒロ:なんて達成値だ……!
ウルスラ・ミック・ベニ:勝算が…ある!
任アルル:任アルルの侵蝕率を12増加(116 → 128)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:いけー
星徒ヒロ:侵星魔法冠が解除されていませんが、これまで見てきた通り星徒ヒロはガードロジックのエネミーなので
星徒ヒロ:侵蝕率無限のままガードしています。星徒に理性はない……!
ウルスラ・ミック・ベニ:8d10+73 無限を打ち破るぞ!
DoubleCross : (8D10+73) → 46[10,5,9,4,2,2,9,5]+73 → 119

ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を6増加(114 → 120)
星徒ヒロ:119点……!!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:これは強い!
星徒ヒロ:ガードしても113点貫通か
星徒ヒロ:星徒ヒロの現在HPは
星徒ヒロ:87でした。撃破されます。復活エフェクトもありません!
天沼チギリ:ヤッター!
星徒ヒロ:初期HPは402でした。
任アルル:うおー!
ウルスラ・ミック・ベニ:とんでもないファッティ対戦だった
GM:VICTORY!戦闘演出は明日やりましょう
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:はーい
天沼チギリ:はーい


星徒ヒロ:「ああ、ああ」
星徒ヒロ:「ああああああああああああ」
星徒ヒロ:鯨の鳴き声のようでもあり、人の嘆き声のようでもある。
星徒ヒロ:星徒ヒロの再生は無秩序だ。触手から枝分かれして別の触手が生え、頭部の内臓のような器官からも生える。
星徒ヒロ:五星君の奇襲を以てしてなお、殺しきれない生命力であることは確かだ。
天沼チギリ:ふる、と手が悴む。
天沼チギリ:天沼チギリは王ではない。只人である。
天沼チギリ:死蔵王のように強大な遺産もなく、竜王のように忠誠に篤くもなく、
天沼チギリ:拷問王のように勇敢で、不遜で、不敵でもない。
天沼チギリ:天沼チギリは迷うことなく奥の手の一つを切った。
天沼チギリ:納刀。
天沼チギリ:僅かに剣を抜き、刀身で指の腹を切る。
天沼チギリ:”大介錯”は自害を強要する剣ではない。
天沼チギリ:殺意の方向を操る剣である。
天沼チギリ:即ち、自らを斬ることで恐怖や躊躇いを星徒への殺意で塗りつぶした。
星徒ヒロ:「妬ましい。妬ましい。みんな、みんな……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(クソッ…事情は知らないからなッ!知りたくもないッ!アレが誰の成れの果てだとしても知るもんか!)
星徒ヒロ:攻撃の予兆は明白に見えた。次の瞬間に怒涛のような攻撃が襲いくることを、その場の全員が予見できたはずだ。
星徒ヒロ:膨大な触手を、強大な本体の内側へと凝縮する。
天沼チギリ:たんっ、と跳躍する。
天沼チギリ:「守りは任せました、美食王。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(好きな事をいうッ!)
星徒ヒロ:――ぞ ぶ !!!
星徒ヒロ:その物量はまるで津波だ。半液状の触手を、まるで一つの腕の如く凝縮して放った。
星徒ヒロ:標的はオーシャンズ・マウンテンヒルズ。星徒ヒロの執念は変わらなかった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「は…はは!妬ましい!?妬ましいだと?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:触手の波がが美食王を飲み込もうとする。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「当然だ!羨むべき立場に私は居るぞ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王の頭上の《神聖二重冠ダブルクロス》がより強い輝きを放つ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:銀の皿に交差したナイフとフォークの意匠が広がり増える。
星徒ヒロ:衝突。それ自体が、ビル一棟分が雪崩込んできたかのような質量に加えて
星徒ヒロ:さらに液体として肌を食い破り、浸透し、内側から破裂させる。それが星徒ヒロの攻撃だった。
星徒ヒロ:……だが。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「控えるがいい!貴様は我が食卓に並ぶ膳にすぎぬ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その嫉妬、その毒気、その餓え!すべて喰らってやる!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「饗せよ!アバドンの食卓布!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:その輝きで敵を悪意を抑え込み。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:死の触手に腹を貫かれながらもそれを切り取って喰らい飲み込んでいく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私を喰えるものなら喰って見るがいい!私を殺せるものなど…!このノヴァリスに数名も居らん!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そして、それは貴様のような亡者では断じてないぞ!」
GM:――バ ヂ ン!
GM:およそ、人体の激突ではあり得ない大きさの衝突音が鳴った。
星徒ヒロ:地上に上がり、全出力を注ぎ込んだはずの星徒ヒロの一撃は
星徒ヒロ:弾かれるどころか、むしろ喰われ、飲みこまれるかのように星徒ヒロ自身を引きずり込んだ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「もがッ!要望にはッ!モグ!応えたぞッ!」
星徒ヒロ:巨体となるほど侵蝕率の肥大したジャームの多くはそうだが、星徒ヒロは特に人間時代の理性の喪失が激しい。
星徒ヒロ:バチリ、とガラス玉のような巨大な眼球がいくつも形成され、全てがオーシャンズ・マウンテンヒルズを睨む。
星徒ヒロ:獲物を執拗に殺し続ける。オーシャンズ・マウンテンヒルズ一人を狩ることに全ての意識を傾けている。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こ、こっちをみるなッ!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「天沼チギリッ!」
天沼チギリ:「では───介錯いたします。」
天沼チギリ:とん、と眼球の一つに黒い大剣が刺さる。
星徒ヒロ:「 」
天沼チギリ:「嫉妬は自らを蝕む毒。」
天沼チギリ:「どうやら、相性が良うございますね。」
星徒ヒロ:「ごぼっ」
天沼チギリ:”将軍、お気をつけ下さい。嫉妬というものに。”
天沼チギリ:”それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです。”
星徒ヒロ:「ご、ばああああああああ!!!」ビシャビシャビシャビシャビシャ!!
星徒ヒロ:星徒ヒロが『破裂』した。
天沼チギリ:無数の翠眼から赤い血が噴き出し、
星徒ヒロ:肉体の内側から咲いた触手が、自分自身を食い破っている。
星徒ヒロ:過剰再生だ。『自分自身を攻撃する』という矛盾を打ち込まれたことで、そうなっている。
天沼チギリ:たった一刺しが、
天沼チギリ:イアーゴのたった一言の讒言のように星徒の精神と肉体を蝕む。
天沼チギリ:嫉妬の自家中毒。殺意の無限螺旋。
天沼チギリ:星徒ヒロの衝動は、黒剣”大介錯”と相性が良すぎた。
星徒ヒロ:「なあんでええええええ」
星徒ヒロ:通常のジャームならば、3度は死滅しているはずの攻撃でも
星徒ヒロ:星徒ヒロは生きていた。どうすれば殺すことができるのか?
星徒ヒロ:「あ、あたっ、あたしだけ、溺れたくないよおおおお」
星徒ヒロ:「みんな、妬ましいいいい」
天沼チギリ:「………!」
天沼チギリ:(殺意がまだ外に向いている。”大介錯”の呪いを受けて尚…)
天沼チギリ:眼球から剣を抜き、その場を離れようとする。
ウルスラ・ミック・ベニ:「一部星徒は無限に等しき出力を孕む。交戦記録で読んではいたけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「まともなジャームとも桁違い、海の底に孔を空けたが如しだ!」
星徒ヒロ:飛び離れようとしたチギリの足首が止まった。
星徒ヒロ:たった今自爆のように溢れ出た触手は、天沼チギリを捉えてはいない……そのように見えていたが。
星徒ヒロ:「ううう、うううううう」
星徒ヒロ:本数も、太さも無秩序な異常増殖である。
天沼チギリ:「っ」
星徒ヒロ:髪の毛の如き微細な触手だった。それがチギリの足首に食い込み、足が破裂するような痛みを、即座にもたらす。
星徒ヒロ:「お前も、お前も、お前も、お前も」
星徒ヒロ:「溺れてくれないと」
星徒ヒロ:「足りないよおおお!」
天沼チギリ:「これが…星徒……!」
星徒ヒロ:――ベチャ!
星徒ヒロ:細い触手は、レネゲイド出力に耐えられずに即座に溶解する。
星徒ヒロ:だが。かすっただけのような、たかが一本で、これだけの攻撃性――
天沼チギリ:触手を剣で斬り、飛び離れるが
天沼チギリ:毒が身体を蝕む
天沼チギリ:「か、はっ……!」
天沼チギリ:「脊髄反射や防衛本能ではない…殺意を伴った”攻撃”…!」
天沼チギリ:”大介錯”の斬撃を受けた人間がここまで動けるのは見たことがない。
天沼チギリ:ありえないことだった。
天沼チギリ:それを可能にするのが、星徒。
星徒ヒロ:それも当然のことだ。……常人は、自分自身を殺せば、『死ぬ』のだから。
星徒ヒロ:自分自身を殺してもなお、器から溢れ続けている。それはレネゲイド出力かもしれないし、害意かもしれない。
星徒ヒロ:『無限』という妄想上の概念を現実世界で行使できてしまう。それが、ジャーム。
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:その頃…ヒポポタンク車内では!
美食倶楽部部員:「急げ!どんどん作れ!オーシャンズ様は空腹だぞ!」
美食倶楽部部員:「パラダイスフルーツのジェラート…キャラメリゼソース出来上がりました!」
美食倶楽部部員:「よし!お出ししろ!」
美食倶楽部部員:「たくさん食べるには同じような味ではダメだ!いいな!」
美食倶楽部部員:「はーい!!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「バクッ!ムシャ!ゴクッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:迫りくる触手を喰らい。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:飛び散る毒液を飲み干す。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:合間に差し出される美食倶楽部の料理をつまみ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:そしてまた触手を喰らう。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「足りないぞ!もっとだ!まだだ!まだ足りないッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王の欲望に応じて。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:その王鍵も無数の料理を生み出していく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:無数の料理が周囲を彩っていく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:無限の食彩と呼ばれる美食王の結界。
星徒ヒロ:「あああああ……」
星徒ヒロ:ため息のような声。だが、先程までの挙動とは様子が違っている。
星徒ヒロ:"美食王"一人を執拗に狙い続けるような行動を取らなくなった。ふらふらと視線を彷徨わせ、嘆きのような唸り声を挙げる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そんなに目移りして大丈夫ですか?」
星徒ヒロ:天沼チギリの『大介錯』は、生徒ヒロの思考中枢を破壊していた。それはこれまで以上に単純な、獣のような判断力に落ちるということを意味するが……
星徒ヒロ:「妬ましい、妬ましい、あああ、ああああああああああ!!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「どうせなら、共に食事を楽しみましょう…フフ」
星徒ヒロ:再び、津波のような触手の奔流。矛先は"美食王"ではない。
星徒ヒロ:ウルスラ・ミック・ベニだ。自分に相対していた二人とは全く別方向を、反射的に攻撃した。
ウルスラ・ミック・ベニ:「…ぁ!?いきなり来るのか!」
ウルスラ・ミック・ベニ:よそ見をしていたわけではない。だが浄水場全域を固定し、要救助者の索敵を行っていた。明確な隙だ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「せっかく用意した料理を食べないなんて」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ナイフでその攻撃の方を指示する。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「マナー違反ですよ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:食材の群れが壁になってその攻撃を押しとどめる。
星徒ヒロ:「ぎ、あああああああ!!」
星徒ヒロ:ビシャ!!ビシャビシャビシャビシャビシャ!!
星徒ヒロ:鮮やかな料理の数々はがおぞましい泡と化して膨れ上がって、固定された水面に散った。
ウルスラ・ミック・ベニ:「素敵な料理をごめん、でも信じて任せて正解だ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「お陰で一度、余分に死ねる!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(死ぬなよォ!人が食事してる前で!)
星徒ヒロ:「妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい」
星徒ヒロ:いつの間にか、肉体もほとんど再生しきっている。
星徒ヒロ:時間をかけるだけでも敗北する戦闘だった。故に"美食王"ほどの王が真っ先に、神聖二重冠という切り札を切ったのだ。
星徒ヒロ:だが、決定打が見えない。キングダムはこの生徒に負けはしないだろう――だが、勝てない、、、、かもしれない。
任アルル:軟泥じみた巨体を挟んだ反対側。
任アルル:迫る波濤を割るようにして、振るわれる触手を切り飛ばし、星徒本体へと歩みを進める。
任アルル:戦端が開かれた当初からそのようにして──思ったよりも時間を要したというのが、率直な感想ではあったが。
任アルル:「……だからと言って放っておかれるのは、わたしもわたしで妬けますね」
任アルル:大山の如き影を間合いに収める。ひとたび大きく槍を打ち振り、猛攻の嵐に空白を穿って。
星徒ヒロ:端からは緩やかにすら見えるその動作を
星徒ヒロ:全く認識できていない。そして、反応するだけの時間もなかった。
任アルル:ヒ、と微かな、笛のような音。
任アルル:投擲の姿勢を取る少女の手に、得物の姿は既になく。
任アルル:一拍置いて、星徒の目玉、体躯相応に巨大なそれが爆ぜる。
星徒ヒロ:「!!!!」
星徒ヒロ:絶叫も上がらない。
星徒ヒロ:全員が、『急に星徒の眼球が破裂した』かのように認識しただろう。
星徒ヒロ:「……!!」
星徒ヒロ:「ヒューッ、ヒューッ……!」
星徒ヒロ:今までのような恨み言の代わりに、細い呼吸音のような喘鳴が漏れる。
天沼チギリ:目を瞠る
ウルスラ・ミック・ベニ:「ふ、やっぱり凄いじゃないか。見てもてんで分からない!」
星徒ヒロ:攻撃を受けた星徒ヒロ自身すらも、それを『攻撃』と認識しなかったためだ。ただ『脅威』が通り過ぎた。
天沼チギリ:「殺意も、感情も、肉体の反応も、」
天沼チギリ:「全てを置き去りにする攻撃…!」
任アルル:掌中へ飛び戻った槍に血振りをくれる。不気味な体液に塗れていたそれに、ひと払いで清冽な輝きが戻る。
星徒ヒロ:先ほどまで露払いをしていた触手の破片が、任アルルの白い肌に未練がましく食いついているが
星徒ヒロ:反撃と呼べる反応も、それだけだ。
天沼チギリ:「極限まで速く、極限まで強ければ、」
天沼チギリ:「私のように小細工を弄す必要すらない…」
ウルスラ・ミック・ベニ:「『漆黒というのはどんな色より上等なんだぞ。の色に染まるのを潔しとしない色なんだ』」
ウルスラ・ミック・ベニ:「『白鳥の黒い脚はな、大海原の水すべてをもってしても決して白くはならないんだ』」
ウルスラ・ミック・ベニ:「チギりちゃんはチギリちゃんのやり方をすればいい、真似してできるもんじゃないよあの辺は!」
任アルル:「というかわたしも小細工する方ですしね」
任アルル:「ニヌリやアマネなら今ので終わってます。こう見えて非力なんです」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(嘘つけッ!小細工でそんなのになるか!)
任アルル:強いて笑った。打ち込まれた刺胞の毒など、到底堪えていないと見えるように。
ウルスラ・ミック・ベニ:「被弾箇所を最大限広げ、再生効率を下げる!水面下は任せて!」
ウルスラ・ミック・ベニ:見定めた最高の位置へ向け、滑るように駆ける。
星徒ヒロ:星徒ヒロはまったく反応できない。先程と異なるのは……
星徒ヒロ:今は、物理的に反応が不可能な状態にあるということだ。
星徒ヒロ:不可視、不定形の散在神経が、放たれた槍のたった一撃で、全て切断されている。
ウルスラ・ミック・ベニ:大胆にも懐近くへもぐりこみ、身体の正面、凍結水面に両手で直剣を突き立てる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ひらけ、勇者の徴プラント・クレスト」その剣は身体に根を張る寄生植物型王鍵。
ウルスラ・ミック・ベニ:突き立てられたきっさきが、黒曜石のような水中で根を張るように樹状分岐。
星徒ヒロ:「おおおお、おおおお」
ウルスラ・ミック・ベニ:星徒の肉体のうち、未だ水面下に埋もれた部位を無数に解れた斬撃が寸断してゆく。
星徒ヒロ:「お、ご――」
ウルスラ・ミック・ベニ:(再生を軽減できれば重畳。水中活動を誘引して救助対象を安全に出来れば良し)
ウルスラ・ミック・ベニ:双方上手く運ばずとも、最優先事項は果たされる。即ち…弓木ヒロへの接触。
星徒ヒロ:星徒ヒロの肉体は、水上に見えている体だけではない。
星徒ヒロ:戦闘開始当初、ウルスラ・ミック・ベニはこの敵の特性を観察することに時間を使うことに決めた。
星徒ヒロ:果たして、彼女の判断は正しかった。水面下にある莫大な質量の肉体――
星徒ヒロ:星徒ヒロはそこから肉体の構成要素をいくらでも引き出し、再生することができる。無尽蔵に見えた再生能力の根幹はこれだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:勇者の徴は寄生植物。戦士たちの勲氏をその内に留め、次代に継承し続ける書物であり。
ウルスラ・ミック・ベニ:戦死者の魂をくすね取り、血肉でその実を肥えさせる死人の花アルラウネ
ウルスラ・ミック・ベニ死霊魔術ネクロマンスの触媒には、最適のものである。
ウルスラ・ミック・ベニ:「教育実習生、ウルスラ・ミック・ベニ。死霊術師!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「遅れてすまない、弓木ヒロ。苦しみ、救いを与えられなかった同胞、生徒!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だからせめて、キミの死に触れさせてもらうよ」
星徒ヒロ:「ううううう!許せない!許せない!許せないッ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラが用いる死霊術のトリックはサイコメトリー。
ウルスラ・ミック・ベニ:こうして根を張り、絡みつけば。その魂を呼ぶこともできる。
星徒ヒロ:任アルルの攻撃で寸断され、活動能力を失った巨体。
星徒ヒロ:その、肉体の内側から
星徒ヒロ:白い手だけが伸びた。幼い少女の手。
星徒ヒロ:ザ シュッ!!
星徒ヒロ:獣のようにウルスラを引き裂く。流星体ではない。体内に格納した星徒自身を攻撃手段として用いた。
星徒ヒロ:「一緒に来てええええ」
天沼チギリ:「ウルスラさん!」
星徒ヒロ:「溺れて……溺れて、死んでえええ!」
天沼チギリ:(確かに、あなたは手を伸ばさざるを得ないでしょう。)
ウルスラ・ミック・ベニ:「ご、ぼぇっ」両手と剣は底面に突き刺し、無防備に貫かれる。
星徒ヒロ:「妬ましいよおお!みんな、妬ましい!」
天沼チギリ:(美食王も目を逸らし、五星君も敵として相対する中でそうするのはあなたの美点です。)
ウルスラ・ミック・ベニ:柘榴のように弾けた赤が白き乙女の手を濡らす。
天沼チギリ:(ですが、)
天沼チギリ:「手を離す勇気も持ってください、ウルスラさん」
星徒ヒロ:腕はクラゲのような流星体を突き破って生えた。顔も、それ以外の部位も見えない。
星徒ヒロ:あるいは弓木ヒロ自身の構成要素も、流星体の内でドロドロに溶解しているのかもしれない。
天沼チギリ:「その星徒は、もう………」
ウルスラ・ミック・ベニ:星徒の存在を知ってから、楽園の三百人スリーハンドレッド・ロストナンバーズの公開情報には一通り目を通した。
ウルスラ・ミック・ベニ:自らが(勝手に)担当するつもりのキングダムに関わる子は特に念入りに。
ウルスラ・ミック・ベニ:それでもなお、知りうることは僅かばかり。みんな、共に生きた子どもたちだったのに。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごぽ、ごめん…」血反吐に溺れながら言葉を紡ぐ。
GM:"ポイント・ネモ"弓木ヒロは、少なくとも理事会にとって、特筆することのない生徒だった。
GM:だが弓木ヒロにとって、自分自身は特別だった。八月革命のずっと前から、弓木ヒロはノヴァリスを自分にとっての青春に変えようとした。
GM:ノヴァリスには、本当に海はないのだろうか?自由を望んだ。それを探しに行きたい。生まれ故郷のような海を。
GM:キングダムでそのような考えの生徒は、脱落者と判定された。意義を唱えても、必死に抵抗をしても覆らなかった。大人の決定だった。
GM:脱落者とされた者は、誰もが地獄の如き生活に沈んだ。生活も人との繋がりも日ごとに喪われて、沈んでいった。
GM:這い上がろうとしても這い上がろうとしても、沈んでいった。自由を夢見られた時のように戻る方法はどこにもなかった。
GM:弓木ヒロが、不要生徒としてどこかの学区に売り飛ばされ、『十字冠を破壊する兵器』の実験体として死んだことを、誰も知らない。
GM:そんな処分を与えた大人自身も、弓木ヒロの存在を記憶してはいなかっただろう。
GM:そのわずか三年後に八月革命が成就する。全ての生徒が自由を謳歌する時代が訪れた――弓木ヒロ以外は。
星徒ヒロ:「みんな、みんな、みんな!!」
星徒ヒロ:「妬ましい……妬ましいの!一緒に来てええええええ」
星徒ヒロ:「あたしと、いっ、一緒に、来てよおおおおおお」
ウルスラ・ミック・ベニ:「いっしょに、いけない」血の赤が揺らぐ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「おぼれて、しねない」罪人の血が混じり、芽吹く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ても、はなせない」蔓草が茂り、二人を結ぶ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「つれていくのは、ボクの方だ!」紅い花が咲き乱れ、少女たちを彩る。
ウルスラ・ミック・ベニ:「みんな、少し待ってて!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「必ず彼女を終わらせる、ボクがだ!」
天沼チギリ:「ウルスラさん…………!」
任アルル:「……欲張りなこと」
星徒ヒロ:「あああああああああっ!!!」
星徒ヒロ:絶叫とともに、少女の腕がずるりと落ちる。
星徒ヒロ:再生の根源を喪失しても、星徒ヒロにはまだ取り込めるものがある。
星徒ヒロ:それは捕食した生徒達を辛うじて保護している神聖二重冠の光であり
星徒ヒロ:そして、流星体内部の自分自身。
星徒ヒロ:無尽蔵の触手が、再び溢れ出る。
星徒ヒロ:水面を打ち、蛇のようにうねり、殺到した。狙いも定めてはいなかったが、天沼チギリを轢き潰す軌道だった。
天沼チギリ:「くっ…」ウルスラの援護に行こうとして、たたらを踏む。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ふッ!ざけるなよッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:巨大なフォークがそのうねりを巻き取り美食王の元へと引き寄せる。
星徒ヒロ:触手は"美食王"へと軌道を変え、殺到した。大河の流れを一人の力で引き寄せるかのような荒業である。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「どこへ行くつもりだ!まだ、全部を味わっていないぞ!」
天沼チギリ:「助かりました、美食王。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:一気に飲み込む。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…ッ…」
星徒ヒロ:「ぐううううううううううう」
星徒ヒロ:再生。捕食。再生。捕食。
星徒ヒロ:無尽蔵に耐える"美食王"に対して、無尽蔵の攻撃を流し込み続ける。
星徒ヒロ:「妬ましい、妬ましい、妬ましい、妬ましい!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:全てのエネルギーをカロリーに変換していく。
星徒ヒロ:「溺れろ!お前も!溺れろ!お前も!溺れろ!お前も!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:流石の美食王も。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:その熱量で一瞬意識がとんだ。
天沼チギリ:「皆さま。」
天沼チギリ:ウルスラの背を見届けながら美食王とアルルに話しかける。
任アルル:「……なあに?」叫ぶ星徒を見つめている。
天沼チギリ:「ウルスラさんの攻撃に賭けます。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ん…」首をプルプル振って意識を取り戻す。
天沼チギリ:「一斉に攻撃して露払いを。」
天沼チギリ:「無論、美食王もですよ。あの巨体なら当てれるでしょう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何かの冗談ですか?」
天沼チギリ:「いいえ。本気です。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(クソ…本当に謀殺するつもりじゃないだろうなッ!)
天沼チギリ:「ご安心ください。謀殺するつもりならとっくにやってます。」心を見透かしたかのように
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「良いでしょう…この私を動かすなら」
天沼チギリ:「それこそ、星徒の攻撃をあなたに向けるようにするとか…。」
任アルル:「物騒ですねえ」くすくすと笑う。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「確実に仕留める算段があると信じましょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(冗談に聞こえないんだよ!この反逆者ども~ッ!)
天沼チギリ:ちら、とアルルを見る。
天沼チギリ:彼女が事前の情報通りなら、おそらく露払いという役に縛られたがらないだろう。
天沼チギリ:彼女がこの作戦を飲むかは…不夜王の交渉次第だ。
天沼チギリ:「如何です?」
任アルル:笑みを消し、チギリを見返す。
天沼チギリ:ぴり、と空気がひりつくのを感じる。
天沼チギリ:(こんな状況でも、気に入らなければ私を殺そうとする。)
天沼チギリ:(不夜王。信じますよ)

GM:時は遡る。"魔術王"の予知を告げられた"不夜王"ジェシカ・クロフォードは
GM:この危機に対し、打てるだけの手立てを打つ必要があった。
GM:キングダム連合学院では、この危機を乗り越えることはできない。
GM:それが"魔術王"の見た未来である以上、この事実は既に確定してしまっていることだ。
GM:ジェシカ・クロフォードは、キングダム全域の情報を、常に、可能な限り把握している。その中で、今すぐ自分が連絡を取れる生徒の名前も全て。
GM:本校舎から吹き飛ばされ、星徒がまだ到来していない段階で、最大級の災害を予測した手配を各部署に通達し――
GM:やがて、彼女に連絡を取った。"不夜王"の精神力を以てすら、覚悟と勇気を必要とする決断だった。
ジェシカ・クロフォード:「任アルル」
ジェシカ・クロフォード:「我が領土に来ているな」
任アルル:応答は、そうと予測していたかのように早かった。
任アルル:『はい。あなたのアルルが駆けつけていますよ』
ジェシカ・クロフォード:「それは都合がいい」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が私のモノだと言うなら、遠慮なく命令を下すことが出来る」
ジェシカ・クロフォード:「"美食王"と合流し、彼の王が相対している星徒を討て」
任アルル:『ご褒美は?』
ジェシカ・クロフォード:「貴様が最も望むものを」
ジェシカ・クロフォード:「この騒乱が続く間」
ジェシカ・クロフォード:「貴様は存分にその槍を振るうがいい」
ジェシカ・クロフォード:「ただし、その槍を向ける先は私が決める」
ジェシカ・クロフォード:「それを誓うのならば」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の矛先が、至上王の喉元へ届くことを約束しよう」
任アルル:『へえ……』隠し切れず弾んだ吐息が、通信越しにも耳を擽る。『良いですよ。ただし』
任アルル:『もう一人です』
任アルル:『もう一人、星徒を受け持ちましょう』
ジェシカ・クロフォード:「囀るな」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の槍を向ける相手は私が決めると言ったはず」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が星徒一人では至上王と釣り合わぬと感傷を感じようが関係ない」
ジェシカ・クロフォード:「そのような、心配をせずとも」
ジェシカ・クロフォード:「遠慮なく使い潰してやるさ」
任アルル:『…………』
任アルル:『あなた、元気になりましたねえ』
任アルル:『声だけでも伝わってきますよ。半分死にかけみたいな顔をしていたのが嘘のよう』
ジェシカ・クロフォード:「ことここに至り気付いただけだ」
ジェシカ・クロフォード:「私の望む、私の在り方に」
任アルル:『なるほど』
任アルル:『良いではないですか。惚れ直してしまいそう』
ジェシカ・クロフォード:「ふん」
ジェシカ・クロフォード:「なら、私の”矛”になるか?」
ジェシカ・クロフォード:「私は、この騒乱の果てに"王"となる。」
ジェシカ・クロフォード:「そして、”玉座"を守るためには"矛"も必要だ」
ジェシカ・クロフォード:「貴様がそれを担うのなら……いや、戯言だな」
任アルル:『ふふっ──』
任アルル:『面白いですね。やっぱり来てよかった』
任アルル:『お眼鏡に適うよう、励むとしましょう』
任アルル:『条件は承知しました。それから』
任アルル:『迷子を何人か保護しているのですけど。どこに案内してあげればいいの?』
ジェシカ・クロフォード:「緊急用避難所の座標を送る。そこまで保護してやってくれ」
ジェシカ・クロフォード:了承の返事を聞き取り、通信を切る。
ジェシカ・クロフォード:これでいい。
ジェシカ・クロフォード:今の至上王には、あのような女も必要だ。
ジェシカ・クロフォード:私のように『恐怖』と『打算』で持って接する者でもなく
ジェシカ・クロフォード:拷問王のように『慕情』や『怒り』で相対する者でもなく
ジェシカ・クロフォード:ウルスラの如く『愛』や『憐憫』から手を伸ばそうとする者でもなく
ジェシカ・クロフォード:彼女の人格や在り方に一切興味を持たず
ジェシカ・クロフォード:その『強さ』のみを求め、追い続ける者が

GM:掠れていた侵星魔法冠の光が、戻ろうとしている。
GM:ウルスラ達は、この星徒を消滅寸前まで追い詰めているが
GM:『無限』の再生能力が発動してしまえば、全ての試みが無に帰すことは疑うべくもなかった。
星徒ヒロ:「ね、ね、妬ましい……」動きを止め続けなければならない。なんとしてでも。
任アルル:(──感傷)
任アルル:声の元を一瞥する。
任アルル:らしくもない申し出をするだけの、落ち着かない感情があった。
任アルル:感傷。そうだったのだろう。
天沼チギリ:「美食王、合わせてください。」
天沼チギリ:「星徒の再生を遅らせます。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そういうのは、武術の心得のある者に言ってもらいたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「合わせるのはそちらだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「行くぞ!」
美食倶楽部部員:「エンジン全開!配達先オールグリーン!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「こんな事は金輪際やらないからな!」
星徒ヒロ:星徒ヒロは、身を削り合うような戦闘をウルスラと続けている。彼女に最後の一撃を放てるだけの体力は残っているだろうか?
星徒ヒロ:そして、侵星魔法冠が復帰するまでに間に合うだろうか?全ては、賭けだ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「進め!」
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:ヒポ―!
天沼チギリ:装甲給食車のボンネットに飛び乗る。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「上にッ!クソ!勝手にしろ!」
美食倶楽部部員:「進め進め!給食の配達だーッ!」
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:装甲車が星徒の体に激突する
星徒ヒロ:  ゴ  ッ
星徒ヒロ:「――」
星徒ヒロ:横合いから飛び込んだ装甲給食車が、半液状の肉体に沈む。
星徒ヒロ:「あああああ」反応は鈍いものの、衝撃は加わっているはずだ。
天沼チギリ:さらに、
天沼チギリ:装甲車に備えられた衝角のように、ボンネットのチギリが剣を振るう。
天沼チギリ:「再生しづらくなるように少しでも傷口を汚く抉ってください。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そんな武装があるとでも思ってるのかッ?」
星徒ヒロ:「なんで、自由、お前達、お前達だけ」
美食倶楽部部員:「香辛料発射ーッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:マスタードや唐辛子を傷口にぶち込んでいく。
星徒ヒロ:斬撃も調味料爆弾も、星徒ヒロを絶命に至らしめることはできていない。
星徒ヒロ:どれほど瀕死に追い詰めようとも、殺さなければ勝てないのだ。
星徒ヒロ:「なんで!なんで!なんで!!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「知るかッ!そんなのは運でしかないッ!」
天沼チギリ:「!」
星徒ヒロ:侵星魔法冠が光を取り戻す。触手が、ぞわり、と爆発的に増殖する。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「運をつかむ努力を…お前はッ…うわッ!?」
天沼チギリ:前方から触手が迫ると同時に、背後から清冽/凄烈な殺意を感じる。
天沼チギリ:「離脱!」
天沼チギリ:「ハンドルを切ってください。」
美食倶楽部部員:「撤退~ッ!!」
星徒ヒロ:無限の命。そして、無限の殺意が
星徒ヒロ:装甲車を、オーシャンズ・マウンテンヒルズを、天沼チギリを
星徒ヒロ:「逃がさない」
星徒ヒロ:まとめて飲み込もうとした。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「クソ!やってしまえ!容赦なくな!」
任アルル:破局が決定付けられようとする刹那。
任アルル:星徒ヒロの巨体が傾ぐ。小石に躓いたような、動作の不調和。
任アルル:渦が生じていた。怪物が這い出てきたその足元の、凍りついたかのような水面が、時間停止の強度を保ったままで、怪異を絡め取っている。
星徒ヒロ:「……」
任アルル:「……そんなにも強いのに、そうも儘ならない」
任アルル:一人ごちる少女の頭上にも、同じく渦の意匠がある。
星徒ヒロ:「お前、お前、お前……お前っ」
星徒ヒロ:捕食は、間一髪で間に合わなかった。底なしの憎悪を向ける。
任アルル:「崑崙山に籠ったままでは……あなたのような者とは出会えなかった」
任アルル:中心に星を抱く渦。内に秘めた飢餓を示すかのような神聖二重冠。口にした言葉も、単に新たな獲物を見つけた喜びを表すかのようだ。実際、そのような思考を慎む方ではない。ないが──
任アルル:「……とは言え、もう終わりです」
任アルル:水面に立ち、手を招く。「あなたは少々、わたしと相性が悪すぎる」
星徒ヒロ:装甲車を呑み込むはずだった膨大な触手は
星徒ヒロ:今、アルル一人に集中して殺到している。軌道は直線ではない。包囲だ。
星徒ヒロ:侵星魔法冠の無限の出力に任せた、無限の物量――
任アルル:とん、と石突が水面を突く。二重冠の発光が強まるのに伴い、波紋がその範囲を広げていく。
任アルル:停止した水上にあって拡大する円が、周囲を取り巻く触手に触れ、その体にすら伝っていく。凪いだ湖面に風が吹くように、星徒の身を震わせて、蛮力を萎えさせ、動きを封じる。
任アルル:「水上の戦舞台。半液体の身体」
任アルル:無限を齎す魔法冠の力。そこに拮抗するものがあるとすれば。
任アルル:「仮にも水の星を司るわたしが、それで挑まれて後れは取れませんから」
任アルル:ふわりと飛ぶ。星徒を飛び越すかのような軌道。
任アルル:その頂点、対手の直上で、白銀の槍を振りかぶる。
星徒ヒロ:それ自体が、あり得ない挙動だった。
星徒ヒロ:逃れられるような隙間もなく、反応できるような速度でもなく
星徒ヒロ:無限の触手で囲み、押しつぶそうとした華奢な少女が今、
星徒ヒロ:流水のように、まるで攻撃そのものが存在しなかったかのように、
星徒ヒロ:包囲をすり抜けて、直上にいる。
星徒ヒロ:そのような動きに、反応できるはずもない――『逃れられるはずがなかった』のだから。
任アルル:──裂界天驚派の到達目標は、直接打撃によるインフィニティコードの破壊であったという。
任アルル:いかにも馬鹿げた荒唐無稽で酔漢の寝言じみたその境地に、だが辿り着いてのけた少女がいた。それは自分ではなかった。
任アルル:先の戦いの、その時点においては。
任アルル:「絶招」
任アルル:レネゲイドを収奪する。その場にある力を奪い、制御下に置くことが己の得手である。
任アルル:大地の奥底から。攻防によって散ったエフェクトの残滓から。二重冠の力を得たこの場においては、切り飛ばし溶けかけた星徒の体組織ですら、ほの青い光輝へと還元され、白銀の槍の穂先に纏わせる。
任アルル:「滄溟開」
任アルル:それを、投じた。
任アルル:目を焼く光条が迸る。天と地を繋ぐその軌跡は、途上に敵の頭頂を捉えているようであって、
任アルル:だが真の狙いは、その少しばかり上。
任アルル:砕け、蝕まれた十字冠。
GM:――300名の死者を出した第二次ノヴァリス紛争において、崑崙山の生徒による生徒殺害の記録は一つもない。
GM:にも関わらず、七大派閥の一つである"裂界天驚派"は、『十字冠を破壊する兵器』を保有しているとされる、、、
GM:その兵器が使われなかったのは、ひとえに、形を持つものではないからだ。
GM:限られた者にしか、限られた条件でしか、使えないものであるからだ。
GM:理論上は存在する。
GM:崑崙山の、ごく限られた生徒を除いて、誰も見たことがない。
GM:"裂界天驚派"には『十字冠を破壊する兵器』が存在するのだろうか?
GM:――ヒ  ン
星徒ヒロ:「――――」
星徒ヒロ:無限の増殖再生をはじめていた、星徒ヒロの活動が
星徒ヒロ:一瞬にして、供給源を絶たれて停止する。
星徒ヒロ:「……ね、妬ましい……あああああ」
星徒ヒロ:バシャ!バシャ!!バシャ!!
星徒ヒロ:再生過程にあった恐ろしい量の組織液を、際限のない吐瀉物のように吐く。
星徒ヒロ:「あたしの、十字冠……」
星徒ヒロ:その頭上の侵星魔法冠が……
任アルル:「……“十字冠を破壊する招法わざ”」
任アルル:「再現度としては」
任アルル:「……見ての通りですね」着水し、肩を竦める。
GM:"裂界天驚派"には
GM:『十字冠を破壊する兵器』が、存在する。
天沼チギリ:「まさか……そんな事が……」
天沼チギリ:「本体ではなく、十字冠そのものを攻撃するなんて……」
天沼チギリ:殺意で上塗りしたはずの心に、本能的な恐怖が沸き上がる。
天沼チギリ:今は多くを問い詰めるまい。まだ戦いは終わっていない。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こんなヤツを招き入れるなんて不夜王は何を考えているんだ)
星徒ヒロ:「あ……あ、あ……」
星徒ヒロ:恐るべき、不死の憎悪と殺意であった星徒ヒロは
星徒ヒロ:もはや死に体の状態であった。星徒であろうとも、神秘の力を完全に喪った者が存在し続けられる道理はない。
任アルル:「倒せていません」
任アルル:「未熟です。無駄に苦しめただけのよう」
任アルル:「幕引きに相応しいのは──」
天沼チギリ:「ウルスラさん。」
天沼チギリ:「どうか、思うように。」
任アルル:眼差しを向ける。赤髪の少女へ。
ウルスラ・ミック・ベニ:四方から躍り来る無数の触手と単身剣舞を結び続け、少し酩酊状態トランスの入った緑の瞳。頭上で砕け行く冠を見上げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「終わらないよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:白き手に嵌められた指輪が黒く輝く。
ウルスラ・ミック・ベニ:浄水場を固定した秘術具、黒き指輪の原竜骸墓Dino Slave
ウルスラ・ミック・ベニ:ウェールズの深森と泥濘に沈む隠秘術結社、アーナンツ竜霊廟の墓守が受け継ぐ遺産の機能は三つ。圧縮、封入、解放。
ウルスラ・ミック・ベニ:はるか上古の時代、霊長として君臨した恐るべき竜たちの遺体を。現在から遡り数億年に及ぶ時差を閉じ込めた超時間の牢墓。
ウルスラ・ミック・ベニ:莫大な時間の歪みを発生させ、停滞と圧縮を巻き起こす左術の結実は水面の固定に留まらない。
ウルスラ・ミック・ベニ:先の斬撃は三つの目的を果たし、加えて次への布石であった。
ウルスラ・ミック・ベニ:寸断され、そして今崩壊してゆく流星体は。その肉体があった分の空洞とウルスラの斬撃痕へ流れ込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:地殻変動に運ばれた鉱物が、大地の傾斜や地中の裂け目に沿って流れ、その道筋が埋められたものを鉱脈と呼ぶ。
ウルスラ・ミック・ベニ:鉱石を求めて冥き地中に降り下ったヒトが目にするのは、あたかも巨大な蛇のようにうねりながら地を這う痕跡だった。
ウルスラ・ミック・ベニ:理事会降誕派の残した六壬学園地下施設へと潜った教育実習生、棗ハルカの報告によれば。
ウルスラ・ミック・ベニ:降誕派の管理する"星珊胚"は十字冠の原料であり、即ち流星体の構成要素であり。
ウルスラ・ミック・ベニ:ノヴァリス全土に流れた龍脈は、幻獣たちを産み出す生命の原形質である。
ウルスラ・ミック・ベニ:秘術によって固められた地層に、生命の原形質が流し込まれた今。術を解き、数億年に及ぶ圧縮時間が解放されたなら。
ウルスラ・ミック・ベニ:「無限に続く死の螺旋?いいや、命の誕生で続けてみせよう」
ウルスラ・ミック・ベニ:「直向け天地の理よ、肉の器と魂の座、永劫に等しき死を迎え、星の縛より解き放つ」
ウルスラ・ミック・ベニ:固定された水が元に戻り、流星体に多大な時間が与えられ、そこにウルスラの使役する化石竜が混ざり込む。
ウルスラ・ミック・ベニ:巨大なりしハボロテウティス・ポセイドン。崩れて溶けた流星体を、摩耗した魂魄と混ざりあう。
ウルスラ・ミック・ベニ:死肉が取り込まれ、掘り抜かれた触手の形に沿って受肉が進み、産声が上がる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「星魂新生ネクロノヴァ、ポイント・ネモ…海開きだ」

ウルスラ・ミック・ベニ:湖面に巨大なイカめいた怪竜が浮上し、無数の触手で戦士たちやカバ型車両、水中で化石化した生徒たちを持ち上げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「必ず連れて行くよ、キミの故郷がどこかは分からなかったけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「エリンの景色も悪くない。ノヴァリスの外じゃ、海は繋がっているしね」
ウルスラ・ミック・ベニ:へにゃりと力尽き、イカの上で仰向けに寝っ転がる。
任アルル:「……」笑う。
任アルル:諦観を含んだ笑みだ。青ざめた顔を汗に濡らし、杖のように槍に縋って。先の一撃は無理をしすぎた。
任アルル:「無茶苦茶では?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「どっちもどっちだよ」
天沼チギリ:「生徒たちの無事を確認…このまま美食倶楽部に任せてもよろしいですか?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そもそも、お前たちに任せるわけにいくか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「回収しなさい!治療を!」
美食倶楽部部員:「了解でーす」
GM:水中に沈んでいた生徒達は無論のこと
GM:星徒ヒロに取り込まれていた生徒達も、まだ辛うじて息がある。
GM:神聖二重冠が限界まで彼女らの生命を保護したのだ。十字冠転送の機能は働かなくとも、戦う力ではなく、生命維持のために神秘の力が行使されていた。
天沼チギリ:「ウルスラさん。やりたいことはやれましたか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あと5回…」
任アルル:「はい?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「刑執行者が5人、今の子引いて4、戒功王で合計5」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(馬鹿なのか?いや、反逆をする時点で馬鹿だとは思ってるが!)
天沼チギリ:装甲車を下り、ウルスラの元へ
天沼チギリ:ウルスラの傍に座り、頭を抱きかかえて膝の上へ導く。
ウルスラ・ミック・ベニ:「…いや、ごめんってチギリちゃん」
天沼チギリ:「一番やりたいことは違うでしょう。」
天沼チギリ:「至上王に会う。違いますか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「…うん、無理言った」
ウルスラ・ミック・ベニ:「生きてる子の方が…大事だから」
天沼チギリ:さら、とウルスラの前髪を梳く。
任アルル:「……本当に大した強欲ぶりです」さすがに呆れた眼差しを向ける。
天沼チギリ:「よろしい。」
天沼チギリ:「落ち着いたら戻りますよ。」
天沼チギリ:「それと、」
天沼チギリ:美食王に振り返って
天沼チギリ:「私も治療していただけますか?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「治療?」
天沼チギリ:「身を削って放つ技があります。」
天沼チギリ:「そのために血と体力が必要です。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なるほど、我々を何だと思っているのですか?」
天沼チギリ:「尊敬すべき円卓第四席、頼れる美食王と心得ていますよ。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「医療班ではありませんよ…つまり」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ふい…と手を振ると。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:チギリの目の前にバターとシロップがかかったパンケーキが出現する。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「医食同源というでしょう、食べて回復するのです」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:再生の血
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:3d10
DoubleCross : (3D10) → 16[9,6,1] → 16

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(105 → 107)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:自分に再生の血×10
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:30d10
DoubleCross : (30D10) → 163[9,2,7,9,10,4,5,10,2,1,2,8,7,9,2,10,4,8,6,5,8,3,2,5,2,3,6,6,6,2] → 163

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを163増加(9 → 172)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を20増加(107 → 127)
天沼チギリ:「…………」積み上がったパンケーキの山を見る。
天沼チギリ:「全部?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私の10分の1くらいしかないですが?」
天沼チギリ:「……………いただきます。」
天沼チギリ:意を決してもしゃもしゃと食べ始める。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:バクバクモグモグ…
天沼チギリ:「おいしいです…けど…量が……せめて渋いお茶を………」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ジョッキでロイヤルミルクティーを飲み干す
天沼チギリ:「…………」顔が青ざめる
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:再生の血×3
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:9d10
DoubleCross : (9D10) → 65[5,6,4,6,7,10,8,10,9] → 65

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを65増加(172 → 227)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を6増加(127 → 133)
天沼チギリ:「ごちそう、さま、でした…………」皿を横によける。ウルスラに食べかすが掛からないくらい上品に食べていた。
天沼チギリ:7→23
任アルル:二人の会話を横目にして、呼吸を整え、ウルスラに歩み寄る。
任アルル:「呆れましたが、お見事でした。勇者様」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ありがと。綺麗だったよ、アルルちゃんの業」
任アルル:「わたしの手では、討てたとて救えはしない」
任アルル:「崑崙山は、星徒とは縁が薄かったので」
任アルル:転生した……と言うべきか、ともかく新たに作り出された海竜らしき生物を見る。以前に相見え、ただ討つほかなかった星徒の姿がそこに重なる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「適材適所だよ。ボクは先生としては不純で頼りなくて考え無しだ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも死者を想い導くことなら、それなりかなってね」
任アルル:「……ちょっとだけ思うことがあります」
ウルスラ・ミック・ベニ:(真上からすごい甘ったるい匂いしてくる…)
任アルル:傍らに座り込む。「戦いを最大の得手とする崑崙山の生徒として、第二次紛争や革命の時には何をしていたのかと」
任アルル:「わたしたちがさっさと自らの学区の戦いを収めていれば、他のところの生徒たちを助けることもできたんじゃないか、と」
任アルル:"裂界天驚派"には、『十字冠を破壊する兵器』が存在する。だが。
任アルル:その犠牲となった崑崙山の生徒は少ない。それを使われるまでもなく制圧されるのが常だったということだ。
ウルスラ・ミック・ベニ:「耳が痛いな、当時のボクはこの普通に嫌いなキングダムから逃げ出してた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今より断然弱っちくて、ふらふらよそに忍び込んでは抜け出たりね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも、戦いから手を抜いたことはなかった。キミだってそうだろう?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そして今、ボクと一緒に彼女を救ってくれた」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミが来てくれて本当に良かったよ、アルルちゃん」
ウルスラ・ミック・ベニ:力の抜けきった素直な笑顔で見上げる。
任アルル:「……そう素直に褒められると困りますね」苦笑で返す。
任アルル:「思い上がりだって言われるかと思ったのですけど。まあ、でも」
任アルル:「先生への相談ってものを体験できたのはよかったです。それだけ」
任アルル:言って、反応を待たずに立ち上がる。
任アルル:尖った耳の先が、ほんの少し赤い。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こういう連中が、他人を巻き込んでいくわけか)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(これも不夜王の意図なのか)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(何にしても…状況は変わる)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(巻き返してみせるぞ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(利用できるものはすべて使う…そういう事だよな、不夜王)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:最後のパンケーキを頬張った。


◆Middle04◆きみに伝えたい




キングダム近郊 上空


GM:N市へと突如出現した、"海賊王"エリザベス・タイラーが率いるという新学区、『ローレライ商船学校』。
GM:彼女が同窓会へと提案した『商談』は、非常に込み入った紆余曲折――主にアトラ・アーリーバードが原因だが――を経て、
GM:成立した、と表現してよいだろう。"海賊王"の提供する利益を求める生徒はキングダムへと向けて飛び立った。
GM:『利益』とは、同窓会にとってはキングダム連合学院で今まさに起こっている異変の強行偵察であり
GM:嘴子原シェイルにとっては、より小さく個人的な目的を成すことかもしれない。
嘴子原シェイル:海賊王が率いてきた大艦隊。
嘴子原シェイル:元円卓第四席陥落の報は届いていたものの……それを全く感じさせない、以前にも増した威容だった。
嘴子原シェイル:「……いや、凄いね。あのまま終わるとは思ってなかったけど」煌びやかな館内を見回して
嘴子原シェイル:「それに、まさかこっちに乗り込んでくるなんて。度肝を抜かれっぱなしだ」
レナ・ルナール:「そういう割には」
レナ・ルナール:「結構落ち着いてるように見えるけど?」
嘴子原シェイル:「はは……似たようなこと、前にも言われたなぁ」一回り上の先生見習いを思い出して
嘴子原シェイル:「これでも驚いてるんだけどね……うん、ハッタリ張るときとかは便利なんだけどなぁ」
レナ・ルナール:ふふ、と楽し気に微笑む
嘴子原シェイル:「そういうレナこそ、もっと楽しそうにしてもいいものじゃない?」
レナ・ルナール:「してるよ」
嘴子原シェイル:「『共に、キングダムをぶっ壊しに参りましょう!』だってさ。どういう渡りの良さなんだか」
レナ・ルナール:「シェイルといれば、そういう場面に巡り合える」
レナ・ルナール:「だから、僕は君といる時はいつだって楽しいよ」
嘴子原シェイル:「あれ、もしかして」
嘴子原シェイル:「あのままだとそう遠くない内に覗きに行こうとしてたの、バレてた?」悪戯っぽい口調
レナ・ルナール:「んーん」
レナ・ルナール:小さな顔を小さく横に振る
レナ・ルナール:「でも、そうあってほしいと望んでた」
レナ・ルナール:りん、と目の前の少女を惑わす様に小さく鈴を鳴らす
レナ・ルナール:「そんなことよりさ、ほら」
レナ・ルナール:シェイルの手を少し強引に引っ張る
嘴子原シェイル:「わわっ」
レナ・ルナール:「探検しようよ。せっかく滅多に来られない場所に来てるんだから」
GM:海賊王旗艦は、まるで空中を飛行する豪華客船の如き広さと階層がある。
レナ・ルナール:ふわり、とスカートを揺らしながら軽やかに足を進める
レナ・ルナール:「シェイルの創作意欲を刺激するお宝に出会えるかもしれないよ?」
嘴子原シェイル:「……ふふ。見納めにならないうちに、とは流石に口に出せないけど」
嘴子原シェイル:「お宝さがし、大好きだもんねぇ。私たち」
レナ・ルナール:「シェイルも乗り気だね」
レナ・ルナール:「ついでに、旗艦の弱点も探して今度海賊王が敵に回った時にも備えちゃおー」
嘴子原シェイル:「あはは!あのときは大変だったもんね!」その言い草に笑みが噴き出してしまう
エリザベス・タイラー:「お二人共」不意に背後から声がかかる。
レナ・ルナール:「はーい」
レナ・ルナール:声の主に見当をつけながらも悪びれずに返事をする
嘴子原シェイル:「おっ……と」
嘴子原シェイル:「えー……改めて、ご機嫌麗しゅう、海賊王様……?」
エリザベス・タイラー:「ごきげんよう。空の旅の乗り心地は如何でしょう」
エリザベス・タイラー:「それなりに内装に気を使ってはおりますけれど、なにぶん急拵えでしたので。ご不便があれば遠慮なく仰ってくださいな」
レナ・ルナール:「すごく楽しいよ。でも、海賊王の集めた宝物を見せてもらえたらもっと楽しいかな」
嘴子原シェイル:「ん、んんっ……。うん、凄い快適だよ」慣れない言葉使いを諦め
嘴子原シェイル:「まさか、この艦隊に全部の持ち駒を乗せてるの?」
嘴子原シェイル:並び立つ艦隊の数と、その中に積み込まれていた資材などを思い返していた。
エリザベス・タイラー:「ええ、わたくしとしてもぜひご覧になって頂きたいところですけれど」
エリザベス・タイラー:「生憎、この艦も、ローレライ商船学校もまだまだ万全とは言えませんの」
エリザベス・タイラー:「海賊部の船員たちに限っても、未だ多くの生徒がキングダムの領内に留まっておりますわ」
レナ・ルナール:「海賊王は、その子たちをどう見てるの?」
レナ・ルナール:「海賊部の絆よりも至上王の力についた裏切者?それとも日和見した軟弱者?」
エリザベス・タイラー:「まさか。そもそも、キングダムを裏切った反逆者は私の方でしてよ」可笑しそうに笑って
エリザベス・タイラー:「海賊部は来る者拒まず去る者追わず。同じ船に乗る以上、目的地を違える方に舵を預ける訳には参りません」
レナ・ルナール:「ふーん」
レナ・ルナール:興味深そうに海賊王の顔を見つめている。
エリザベス・タイラー:「とはいえ、港に船がなければ海に出ることすら叶わないのもまた道理」
エリザベス・タイラー:「誰にだって事情がありますもの。動くに動けない生徒だって大勢いるでしょう?」
エリザベス・タイラー:「ですから、迎えに行くことにしましたの」
レナ・ルナール:「『奪う』んじゃなくて」
レナ・ルナール:「選択肢を『与え』にも行くんだ」
嘴子原シェイル:「橋は掛けておいたから、ってね」
嘴子原シェイル:「てっきり私は……ほら、海賊部って、気に入ったら生徒まで『頂戴しちゃう』なんて噂もあったから」
嘴子原シェイル:「今回もそうなのかと思ってたよ」
エリザベス・タイラー:「ふふふ」曖昧に笑って。
エリザベス・タイラー:「もちろん、ぜひ乗艦頂きたい方には直接声をかけさせて頂いておりますわ」
エリザベス・タイラー:「けれど、ええ。無理強いしたことはございません」
エリザベス・タイラー:「私の船員クルーは皆、自分の意志でこの艦に乗っておりますわ」
レナ・ルナール:「僕たちもそうだしね」
レナ・ルナール:シェイルの肩に体を寄せながらそうつぶやく
嘴子原シェイル:「……あの、海賊部の話だよね?」しなだれかかる少女を横目に
エリザベス・タイラー:「仲がよろしいこと」愉快そうに笑う。
レナ・ルナール:「そうだよ?僕は僕の意志で、シェイルはシェイルの意志でこの船に乗った」
レナ・ルナール:「それ以外にある?」
嘴子原シェイル:「うん……それに、少し納得した。これは確かに」
嘴子原シェイル:「みんな自分が好きで付いて行ってる、なんて声しか聞こえなかったわけだよ」
嘴子原シェイル:「他の王さま達も、きっと多くがそうなんだろうね」
エリザベス・タイラー:「"海賊王"は船員クルーを追うことは致しませんが、見捨てる事も致しません」
エリザベス・タイラー:「今回、キングダムに突入する第一の目的がそれですわ」
レナ・ルナール:「ふーん、じゃあさ」
レナ・ルナール:「"船員"じゃなくて、同じ卓に肩を並べた同胞も」
レナ・ルナール:「やっぱり見捨てないの?」
レナ・ルナール:場合によっては自分たちはそれを敵に回す。
レナ・ルナール:その時に海賊王はどう動くのかを暗に問うている。
エリザベス・タイラー:「そうですわねえ、円卓は愉快な場所でしたけど」
エリザベス・タイラー:「去った港に未練を残すのは、私の流儀ではありませんわね」
レナ・ルナール:「ふふ、清々しいなあ」
嘴子原シェイル:「あるいは……国を捨てざるを得ないほどの状況になっていたとしたら」
嘴子原シェイル:「そのときもまた手を伸ばすのかどうか」
嘴子原シェイル:「……実際、どうなんだい?今のキングダムは」
嘴子原シェイル:いくら汎学区組織とはいえ、同窓会で得られる情報にも流石に限りはある。そこの摺合せをしたいとも思っていた。
エリザベス・タイラー:「私が円卓を追われた後の情勢は、こちらでもそこまで詳しく掴めているわけではありません。せめてメアリと連絡が取れれば良かったのですけど……」
嘴子原シェイル:「(中に残ってる部下の名前かな……。ならやっぱり、合流すればある程度の情報は埋められそうか)」
エリザベス・タイラー:「とはいえ、円卓議会は新たな王を迎えて健在です。"美食王"は兵站と防衛に関しては私以上に卓越したお方ですわ」
レナ・ルナール:「攻め込む側としてはそれが一番いやだなー」
エリザベス・タイラー:「今の混乱に乗じて事を成そうとする輩は多いでしょうが、彼女達が毅然として対処するでしょう」
エリザベス・タイラー:「そして、私達も彼女達にとってはそのような不埒者の中の一勢力ということですわね」
レナ・ルナール:「その情報だけだと」
レナ・ルナール:「全く『今』がキングダムに攻め込むべき時であるようには思えないんだけど」
レナ・ルナール:「それでも、『今』、同窓会と合流してまでこの艦隊を動かしているのは」
レナ・ルナール:「海賊としての嗅覚なのかな?」
嘴子原シェイル:「……そういえばそうだ。仮に人が揃っていたとして」
嘴子原シェイル:「機が到来したとはとても……いや、なら……やっぱり、私達の知らないところで何か動きがあった……?」
嘴子原シェイル:あの海賊王が動き出したのならば、だ
エリザベス・タイラー:二人の疑問に、にっといたずらっぽく笑って。
エリザベス・タイラー:「それは、ええ」
エリザベス・タイラー:「海賊が船員を集めたら、その次にすることは決まっているのではなくて?」
レナ・ルナール:「うたげ!」
エリザベス・タイラー:「それも大切ですけれど」
嘴子原シェイル:「……はは」人が悪い、とぼやいて
嘴子原シェイル:「帆を張って、風も吹いている……というわけか」
エリザベス・タイラー:「ええ、シェイル・サイシバラ」
エリザベス・タイラー:「まだ誰も足を踏み入れたことのない、新天地。『今』でなければ間に合わないかもしれませんの。一番に乗り込んで宝探しに興ぜずして、海賊は名乗れませんわ」
レナ・ルナール:「新天地…?」
嘴子原シェイル:「未踏の地、海賊であればそりゃあ一番乗りは譲れないだろうけど……」
嘴子原シェイル:「……このノヴァリスのいったいどこに、まだそんな場所が……?」
エリザベス・タイラー:「お二人は」目を細めて
エリザベス・タイラー:「"おとぎの国"が、この世にあるとお思いかしら?」
レナ・ルナール:「難しい質問だね」
レナ・ルナール:「僕は"魔女"だから…あるって答えたいところだけど」
レナ・ルナール:「シェイルはどう思う?」
嘴子原シェイル:「私だって……"wonderland"は実在する、と言われても」急な戸惑いの声
嘴子原シェイル:「……"そう"とすることは出来る。でもそれは仮定や象徴シンボルの話であって、現実の話じゃない」
レナ・ルナール:「だね。僕も地獄なら知ってるけど、おとぎの国は見たことないや」
エリザベス・タイラー:「そうですわよね。信じるにしろ信じないにせよ、実感を持って答えられる方は少ないでしょう」
エリザベス・タイラー:「"ロードマスター"のような、狂妄の徒でもない限りは」
レナ・ルナール:「あはは」
レナ・ルナール:「なるほど、それは確かに狂言に乗ってみる価値はあるかもね」
嘴子原シェイル:「"それ"は国造りにおいて……まぁ、一種の命題というか、それこそおとぎ話みたいなものだ」
嘴子原シェイル:「でもそうだね……一番の王を生み出すっていうのは」ある意味で、別側面から国造りに関わり得るものとして
嘴子原シェイル:「結局、いずれそこに辿り着くという事でもあり……なるほど、ちょっとは筋が見えてきたかもしれない」
嘴子原シェイル:それほどの名であり、それほどの狂気の象徴であった。"ロードマスター"とは。
レナ・ルナール:ちらりと思考を進めているシェイルの横顔を見つめる。
レナ・ルナール:「イノリがアトラを引っ張っていってくれてよかったかもね」
レナ・ルナール:「アトラがいたら、そんな話に食いつかないはずがないもの」
エリザベス・タイラー:「あの方は狂っておりましたが、誰よりも嘘と虚飾、そして世の誤りを憎んでおりました」
エリザベス・タイラー:「"ロードマスター"が『ある』と断じた以上は、間違いなく『ある』」
エリザベス・タイラー:「それがどこにあるのかは、まったく見当がついていませんでしたが……」
エリザベス・タイラー:「あの時、『石の魔剣』の正体を知って、閃きましたの」
エリザベス・タイラー:「ずっと考えておりました。本来同格のはずの円卓の第四席が、なぜ他の王と比べて有り余る特権を認められているのか」
レナ・ルナール:「……」
エリザベス・タイラー:「『天国』で知ったことですけれど、キングダムの理事会は最終的に『方舟』を駆って外の世界へと親征する算段だったとか」
エリザベス・タイラー:「私であれば」
エリザベス・タイラー:「『外の世界』をひとつとは定めませんわ。我々がやってきた元の世界の他にも、至るべき場所があって然るべきです」
嘴子原シェイル:「……?」
エリザベス・タイラー:「そして、その鍵があるのなら、艦を駆る者に預けるでしょう」
レナ・ルナール:「君の持つ特権が、その鍵だと?」
エリザベス・タイラー:「ただの予想です。私が持っていた『破戒免状』は、"おとぎの国"の鍵ではないか」
エリザベス・タイラー:「少なくとも、『破戒免状』だけでは意味がありませんでした、しかし」
エリザベス・タイラー:「『石の魔剣』。物語を破壊するかの遺産であれば、どうか。ノヴァリスの法則を逸脱する二つの特権を、鍵として用いるのであれば……」
エリザベス・タイラー:「という具合で、試しにルキア様から奪って差し上げようとしたのですけれど」
エリザベス・タイラー:「逆に奪われてしまいましたの。ですが、それで却って確信しましたわ」
レナ・ルナール:「君は至上王が持っているものを欲し、至上王は君が持っているものを欲した」
嘴子原シェイル:「うん!?」急な暴露に血が逆回り
嘴子原シェイル:「ま、まさか海賊王の罪状って……?」
レナ・ルナール:「それはつまり、その二つが揃えば今までに存在しえなかった価値が生まれると」
レナ・ルナール:「そういうことだね。」
エリザベス・タイラー:「まさしく」にっこり笑う。
レナ・ルナール:呟きながら、自らの手の甲をシェイルのそれと重ねる。
嘴子原シェイル:「は、はは……2つの財宝じゃなくて、実際には1つしかない鍵を奪い合った結果だったんだ……」
エリザベス・タイラー:「ですのでお二人共」
エリザベス・タイラー:「この艦は、キングダムの中枢まで乗り込むことが確定しておりますの」
エリザベス・タイラー:「当然、それ相応の……キングダムの最大戦力による迎撃が予想されますわ」
エリザベス・タイラー:「お二人と、同窓会の皆さまをお乗せした理由もおわかりですわね?」
嘴子原シェイル:「……ああ。ま、そういう話でも今更尻込みする理由はないよ」
嘴子原シェイル:上に重ねられた手を軽く挙げて見せ
嘴子原シェイル:「行き先はもう最後まで決まってるからさ。停泊なしで大丈夫だ」
エリザベス・タイラー:「頼もしい限りですわ」愉快そうに笑う。
レナ・ルナール:「そういうこと。」
レナ・ルナール:「だから」
レナ・ルナール:くるりと手を返し、シェイルの手を握る
レナ・ルナール:「シェイルはおとぎの国は連れてかせないよ」
レナ・ルナール:「シェイルは、僕と一緒に地獄を作るんだから」
エリザベス・タイラー:「あらあら」
嘴子原シェイル:「見ての通り……とんでもない魔女に、死後までぜーんぶ預けちゃったんだよね」
レナ・ルナール:「ねっ」蒼白い瞳を輝かせ、傍らの少女に微笑みかける
エリザベス・タイラー:「ええ、ええ。もちろん、お二人の目的地に付けばその場で降ろして差し上げます」
エリザベス・タイラー:「ですがそれまでは、私共は運命共同体。艦の危機にはお力を尽くして頂きますわ」
エリザベス・タイラー:「それに、ご安心くださいな。皆様の他にも、強力な助っ人を沢山お乗せしておりますの」
レナ・ルナール:「たのしみー」
レナ・ルナール:「ホントに呉越同舟なんだねえ」
エリザベス・タイラー:「N市に向かう途中でも一人……あら」
エリザベス・タイラー:「ちょうどいい所にいらっしゃいましたわ」通路の向こうに手を振る。

正法院ワカナ:黒髪をポニーテールで纏めた長身の生徒が君たちへ礼儀正しく頭を下げる。
正法院ワカナ:「海賊王様、本日も変わらず麗しく。」
正法院ワカナ:「そちらのお二人は…ご存じですとも。私は"レクシコン・ロア"正法院ワカナ。以後お見知りおきを」
正法院ワカナ:正法院ワカナ、元懲罰奉仕部の副官。"免罪王"キャロル・ホプキンスと共にキングダムへ侵入を試みていたが撃墜。
正法院ワカナ:使い魔の梟まで失ったが今は海賊部に拾われ行動を共にしている生徒である。
正法院ワカナ:無論、彼女の王であるキャロル・ホプキンスを探す為。これも忠臣として当然である。
レナ・ルナール:「初めまして。よろしくね、ワカナ」
嘴子原シェイル:「うん、よろしく。……改めて自己紹介が必要無いのは助かったかな」
嘴子原シェイル:ややこしいからね……はは……と薄くぼやく
エリザベス・タイラー:「私が身を潜めている間に、キャロル様まで反逆者になっていたと聞いた時は驚きましたわ」
レナ・ルナール:「なんでそんなに反逆者が出てるのにキングダムはまだ盤石なのさ」
嘴子原シェイル:「不思議だよねぇ」
正法院ワカナ:「我が王は助力を得る事に秀でていますから。」
正法院ワカナ:「であればこそ、本来士気は望みづらい懲罰奉仕部のみで反逆を行えたのでしょう。」
正法院ワカナ:口調に対して自信ありげに話す
嘴子原シェイル:「一応看守と囚人の関係だったんだよね……?」
嘴子原シェイル:「……いやまぁ、脱獄部を擁するうちが言えた話でもないけど」
エリザベス・タイラー:「キャロル様もご一緒に保護できていれば良かったのですけど、生憎N市への道行きでも、今の航路上でも見当たりませんでしたわ」
エリザベス・タイラー:「もしかすると、既にお一人でキングダム入りしているかもしれませんわね」
レナ・ルナール:「一人で侵入できるようなものなの?」
レナ・ルナール:「僕たちみたいに軍勢で持って力押しするか」
レナ・ルナール:「内部にコネがなきゃ無理じゃないかなあ」
正法院ワカナ:レナの言葉に首肯する。
正法院ワカナ:「確かに現実的に考えればそれは事実かと思います、しかし」
正法院ワカナ:「私の王は、キャロル・ホプキンスは稀有な王」
正法院ワカナ:「俯仰不屈の精神となにより助力受ける器量に恵まれた方です。きっと、必ずこの先に居る筈と…私は考えています。」
正法院ワカナ:「前向きすぎて悪い虫───、どんな人が脇に入り込んでいるかわからないのが難点ですが」
レナ・ルナール:「ベタぼれしてるなあ」
エリザベス・タイラー:「羨ましい限りですわねえ」
嘴子原シェイル:「(か、かなり慕われてはいるみたいだ……)」
レナ・ルナール:「そんなに凄い人ならぜひ合流して力になってもらいたいね」
正法院ワカナ:我に返り、頬を染め、咳払いする
正法院ワカナ:「─────と、ともかく!撃墜される際に私の使い魔を彼女に託しました。」
正法院ワカナ:「もし近づくことがあれば、自然とどこにいるのかわかります。」
正法院ワカナ:「今の私の責務は、彼女を信じ、共にこの船を守る事」
正法院ワカナ:「助力が必要な際は何なりとお申し付けください。」
正法院ワカナ:「貴方にそう言っていただけるのならば恐悦至極。懲罰奉仕部がどこまで機能を維持しているのかは懸念ですが…」
エリザベス・タイラー:「ええ、大いに当てにさせて頂きますわ」
エリザベス・タイラー:「とはいえ、ワカナはあくまで客人。先程言った通り、降りるべき時が来れば降りて頂いて構いません」
エリザベス・タイラー:「対円卓の戦力は予めちゃんと……あら」
エリザベス・タイラー:とある船室の前で立ち止まる。
レナ・ルナール:「どうしたの?」
レナ・ルナール:「この部屋には入ってはいけませんよ、的な」
レナ・ルナール:「ミステリーの定番のやつかな?」
嘴子原シェイル:「開けるなキケン、とか?まさか……」
正法院ワカナ:「まさか、小説ではないでしょうに。…意外な客人がいらっしゃったのですか?」
エリザベス・タイラー:「いえ、そんな大した部屋ではありませんの」
エリザベス・タイラー:「三等客室なのですけど、機関室の隣で暑くなりやすいので、この時間は甲板に出ていると思っていたのですが」
レナ・ルナール:「普通にハズレ部屋だ。かわいそう」
エリザベス・タイラー:「在室しているようですわね。丁度良いですし、顔合わせしておきましょうか」
エリザベス・タイラー:扉をノックする。
エリザベス・タイラー:「リッコ。入りますわよ」
キングダム一般生徒:「…………」
キングダム一般生徒:「なにこれ!?!?」
キングダム一般生徒:船室に居たのはあまり特徴の無い生徒だった。栗色の長髪にキングダムの制服。ワッペンにまみれたコートを羽織っているのが申し訳程度の個性か。
キングダム一般生徒:蒸し暑い部屋だが汗一つかいていない。自分が何故ここにいるのかも分からないといった混乱の面持ちで、周囲に視線を彷徨わせている。

齋藤リッコ:齋藤リッコ。王鍵を持たず、諸王ですらなく、キングダムの情勢に関わったことなどない一般生徒だ。
齋藤リッコ:他学区ではTV出演などからそれなりに知名度はあるはずだが、キングダムにおいてはそれすら怪しい。
エリザベス・タイラー:「紹介致しますわ」
エリザベス・タイラー:「この作戦における対円卓の切り札にして、数多の重大事件を陰ながら解決してきた歴戦の傭兵」
エリザベス・タイラー:「齋藤リッコですわ」
齋藤リッコ:「誰それ!?!?」
齋藤リッコ:「いや……齋藤リッコです!齋藤リッコですけど……!」
齋藤リッコ:「えっ……本物?本物の海賊王……ですよね……?」
レナ・ルナール:「あー、CM見たことある」
嘴子原シェイル:「あっレナも?やっぱりそうだよね」
正法院ワカナ:「なんと、知らないのは私だけでしたか。どのようなCMなんですか?」
レナ・ルナール:「ふんふーん♪ふーんふーん♪」うろ覚えのCMソングを口遊む
エリザベス・タイラー:「ほらリッコ。皆さんがアレを見たいそうですわよ」
齋藤リッコ:「あっはい……『ウォーレンにお任せを!』」グッとポーズ
齋藤リッコ:「じゃなくて!!」
レナ・ルナール:「それそれー」
嘴子原シェイル:「おおー」ぱちぱち
正法院ワカナ:「流石特記戦力…サマになってるわ」
齋藤リッコ:「あの……!あたし綾ちゃん星室庁にとにかくここに乗り込めばいいって聞いてきたんですけど……!」
齋藤リッコ:「何なんですかこれ?これ何なんですか?どこに向かってるんですか?あたし何させられるんですか?サインって貰っていいんですか?」
エリザベス・タイラー:「ええ、メサイアの造船所で秘密裏にこの艦を造っていた時に噂を聞いた時点では、眉唾を疑ったものですけど」
エリザベス・タイラー:「探索王ロード・クエストのお墨付きと来れば、その実力は疑いようもありませんわ」
エリザベス・タイラー:「聞けば、先のセイクリッドピラーへの二度目の襲撃事件でも、ノドスの精鋭をちぎっては投げちぎっては投げ」
レナ・ルナール:「おー」
エリザベス・タイラー:「更には"フォモーリアン"の首領までをも一騎打ちで討ち取ったとか」
正法院ワカナ:「えええ!」
レナ・ルナール:「その勢いに乗じて海賊王と同盟を組んでキングダムに覇を唱えようと!」
嘴子原シェイル:「そう言われてみれば……確かに一騎当千の貫禄が……」
正法院ワカナ:「な、なんと…!とんだ無知を晒してしまいました。これ程の野心を持つ方に気づかなかったとは」
正法院ワカナ:「実績から星室庁に選ばれた方なのでは!?」
齋藤リッコ:「いや……盛られてます!かなり盛られてますよそれ!だいぶ盛られてますって!」
レナ・ルナール:「いいなー、そういう野心のある人、好きだよ」
嘴子原シェイル:「……む。きみは好きそうだもんね、そういう子」
レナ・ルナール:「うん。大好き。だからシェイルも負けないでね?」
齋藤リッコ:「いや……野心って何!?何も無いって!あたし何させられるの!?」
エリザベス・タイラー:「どちらもこの"海賊王ロード・バッカニア"が捕り逃がした難敵。私の手で雪辱を果たせなかったのは残念ですけど」
エリザベス・タイラー:「キングダムの中枢に攻め入り、円卓を相手取って打ち破るに当たって、十分期待できる戦力であると言えるでしょう」
齋藤リッコ:「あっなるほど……キングダムの中枢に攻め入って円卓を相手取って戦うんですね」
齋藤リッコ:「なんで!?!?!?」
レナ・ルナール:「それは反逆者の船に乗ったからだよ」
嘴子原シェイル:「その制服、一番メジャーなキングダムの制服でしょ?ついに下剋上っていう事にもなるねぇ」
齋藤リッコ:「反逆者……!?いや、待って。確か海賊王は……」ちらりと視線を動かして「この前円卓を除名されたって……」
エリザベス・タイラー:「些細な問題ですわ」
エリザベス・タイラー:「円卓に有ろうが無かろうが、この私が"海賊王ロード・バッカニア"であることに変わりはありませんもの」
齋藤リッコ:「さっ……」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:(……か……かっこいい…………!)
エリザベス・タイラー:「それからリッコ。サインが欲しいとおっしゃいましたわね」
エリザベス・タイラー:すっとリッコの顎に指を当てて。
エリザベス・タイラー:「私の寝室を訪ねて頂ければ、直接刻んで差し上げますわよ?」耳元に顔を近づける。
エリザベス・タイラー:「一生消えない、私のサインを」
齋藤リッコ:「ひゃっ……!」
齋藤リッコ:距離の近さに顔を赤らめるが
齋藤リッコ:「寝室ですか……!?ありがとうございます!絶対後で行きますね!!」
齋藤リッコ:何も気付かず普通に喜んでいる。
齋藤リッコ:昔からミーハーな円卓ファンであり、特に騎士王・海賊王・鉄騎王が推しなのだ。派手でかっこいいので。
エリザベス・タイラー:「あらあら」愉しげに笑う。
齋藤リッコ:「あの……でも、いいですか?」真面目な表情を作って
齋藤リッコ:「今……キングダムって色々大変な状況ですよね」
齋藤リッコ:「そんな状況で、攻め入って戦うって、その……」
齋藤リッコ:「……滅茶苦茶なことになりませんか?」
齋藤リッコ:「あたし、一応……母校なんですけど……」
エリザベス・タイラー:「なにか不都合がございまして?」
エリザベス・タイラー:「私の母校でもありますし、ここにいる皆様もそうですけれど」
齋藤リッコ:「…………」
齋藤リッコ:《熱感知知覚》が部屋の内部を探る。
齋藤リッコ:(……四人……伏兵は無し)
齋藤リッコ:空気が張り詰めて、心臓の鼓動が早まる。
齋藤リッコ:(海賊王の能力を実際に見たことはない……船の内部で戦った時、どういう手を取ってくる?)
齋藤リッコ:思案を巡らせて、それから口を開く。
齋藤リッコ:「……海賊王は……」
齋藤リッコ:「何の為にこんなことを?」
エリザベス・タイラー:「わたくしが、わたくしであるために」
エリザベス・タイラー:「誰かと戦う理由なんて、他にないのではなくて?」
エリザベス・タイラー:怪訝な顔で言った後、リッコの表情を見てから少し考えて
齋藤リッコ:「……すいません!あたし……円卓のそういう話し方、憧れてるけど半分くらいしか読み取れないんです!文脈とか……!」
エリザベス・タイラー:「迂遠な言い回しをした覚えはないのですけれど……」
レナ・ルナール:「負けっぱなしが気に食わないから、とかでいいんじゃない?」
レナ・ルナール:「僕はそう解釈してるけど」
齋藤リッコ:「……あたしが心配してるのは……」
齋藤リッコ:息を吸う。分水嶺だ。この答え次第で行動を決めなくてはならない。
齋藤リッコ:最悪、この船より先にキングダムに辿り着き、襲撃を知らせられるか?その為には、十字冠離脱を挟んでいては確実に間に合わない。
齋藤リッコ:「……あなたが今していることで、キングダムの一般生徒で怪我をする子や、苦しむ子が増えるんじゃないか、ってことです」
エリザベス・タイラー:「……ふぅん」薄く笑ったまま、碧い瞳がリッコを見下ろす。
齋藤リッコ:(うっ……滅茶苦茶顔が良い……!)
齋藤リッコ:心を乱されながら負けじと見上げ返す。
エリザベス・タイラー:「確かに、絶対に傷つかないとはいい切れませんわね」
エリザベス・タイラー:「もちろん、無辜の生徒たちを苦しませたり、圧することが目的ではありませんけれど」
エリザベス・タイラー:「その全てに気を配るつもりもございません」
エリザベス・タイラー:「戦いの巻き添えというだけではなく、キングダムが揺らぐことで窮地に立つ生徒は、大勢いるかも知れない」
エリザベス・タイラー:「リッコは、そのような犠牲を認めたくないのですわね」
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:「だとしたら……」
齋藤リッコ:意識が研ぎ澄まされ、極度に集中する。
齋藤リッコ:「……どうします?」
エリザベス・タイラー:「なら、貴方の好きにしなさいな」
齋藤リッコ:「へっ……」
エリザベス・タイラー:「貴方が降りようが降りまいが、この艦の行き先は変わらないのですから」
エリザベス・タイラー:「貴方がキングダムの生徒たちを守るためにできることは、この"海賊王"の側で、彼女達に被害が向かないように手を尽くすこと」
エリザベス・タイラー:「そうではなくて?」
エリザベス・タイラー:「もし、私が貴方の信念に照らして、許しがたい悪事を成そうとしたのなら」
エリザベス・タイラー:「その時は、後ろから私を討つことを赦します」
エリザベス・タイラー:「同じ船に乗るとは、そういうことですわ」
齋藤リッコ:「…………!!」
齋藤リッコ:「そんな……」
齋藤リッコ:(そんなかっこいいポジションを貰っていいの!?)
嘴子原シェイル:「……まぁ、海賊王はこう言ってるけど」
嘴子原シェイル:「人が悪いよね。さっき私にはこう言ったのに」
嘴子原シェイル:「来るもの拒まず、降りるも自由。そして、乗るも自由、、、、、だ」
嘴子原シェイル:「この子が勝手に何人連れて帰ってきたって、きみの新しい学区に支障はないだろう?」
エリザベス・タイラー:「あら、それはいい考えですわね。転入希望者はいつでも大歓迎ですわ」
嘴子原シェイル:「ちゃんと餌付けしないとすぐとんぼ返りされちゃうかもよ」苦笑して
エリザベス・タイラー:「お二人も、同窓会から鞍替えするのなら喜んでお迎えしますわよ」
エリザベス・タイラー:「本来なら卒業年次でもないのですし。見どころがあることは矛を交えて知っておりますもの」
嘴子原シェイル:「はは、次はそっちも面白そうかもね」
嘴子原シェイル:「……と、いうわけだ」
嘴子原シェイル:「せっかくこんな大きな船にタダ乗りできるんだし」
嘴子原シェイル:「一人で降りないで、むしろ依頼料ぶんきっちり使い倒しちゃえばいいんじゃないかな?」
齋藤リッコ:「……。 ……分かったわ」
齋藤リッコ:「依頼を受けた分はきっちり働くわ。あなた達がやることにも興味あるし、乗りかかった船だものね」
齋藤リッコ:「でも、海賊王」目を向けて
エリザベス・タイラー:「ええ」隻眼が見つめ返す。
齋藤リッコ:「あなたが……良くないことをしそうな感じだったら……」
齋藤リッコ:「その時は……絶対やっつけます」
正法院ワカナ:「意外と語彙が可愛いのね…」
齋藤リッコ:「…………くっ…………!」全然かっこいい言葉が見つからなかった
エリザベス・タイラー:「それでこそ、雇った甲斐がありますわ」ニコリと笑う。
レナ・ルナール:「よろしくね。リッコ」
レナ・ルナール:「ところで今更だけど」
レナ・ルナール:「行程的には今どのあたりなの?」
???:ビーッ ビーッ
???:海賊王の手元の無線機が音を鳴らす。
エリザベス・タイラー:「レニー、何事ですの?」

"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『リズ、いつまで油を売ってんだい』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『定例のミーティング、アンタ以外はとっくに揃ってるよ』
GM:艦隊はキングダム領土へと近づいている。順調に行けば、行政部との通信可能距離に入る頃だ。
エリザベス・タイラー:「あらいけない。もうそんな時間でしたのね」まったく悪びれない様子で
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『客をからかうのも程々にしときな……ったく』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『こんなやりとりも』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『随分と久々な気がするね』
エリザベス・タイラー:「んもぅ、それはレニーが肝心な時に別行動だったり負傷したりしてるからですわ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『ちっ、遠慮なく言いやがる』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『言われなくても雪辱は晴らしてやるさ』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『ノドスの連中にいいようにされちまって……アンタの窮地にも立ち会えず』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『"造換塔"の一件以来、ろくに目立てなかった憂さ晴らしだ』
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『アンタには特等席で拝んでもらわなきゃ困る、だからさっさと来な』
エリザベス・タイラー:「ええ、期待しておりますから、もう少しだけお待ちになって」
エリザベス・タイラー:四人の方を向いて
エリザベス・タイラー:「では、皆で参りましょうか」
レナ・ルナール:「わー、いいの?」
エリザベス・タイラー:「突入まで時間もそれ程ありませんし、手順の確認も済ませたい所でしたの」
レナ・ルナール:「カリーナの茶菓子は出る?」
嘴子原シェイル:「じゃあお招きされちゃおうかな」
正法院ワカナ:「海賊王様より声を掛けていただけるとは…光栄至極に存じます。」
正法院ワカナ:「無論、私もお供しますとも」
齋藤リッコ:「き、緊張してきた……マジでやるんだ……」
エリザベス・タイラー:「当然、最上級の紅茶とお菓子を用意させておりますわ」
レナ・ルナール:「やった。リッコ、緊張して何も喉に通らないなら茶菓子は僕が食べてあげるからね」
齋藤リッコ:「えっやだ!絶対食べる!!」
レナ・ルナール:「ちぇー」
嘴子原シェイル:くす。ふいに、何だか妹に友達が出来たような気分になった
正法院ワカナ:「お菓子もあるなら私も…」
齋藤リッコ:船窓から見慣れた街並みを見下ろし、思えば数奇な運命だ、と思う。
齋藤リッコ:ノヴァリスで初めて関わった事件は、円卓に献上するお茶菓子を巡ってのものだった。それが今、円卓に反逆する海賊王のお茶会に招かれているとは。
GM:そんな会話の矢先、再び通信電波が入る。到着を急かすレニーからの無線ではないことは、発信元で分かった。
GM:キングダム学区内からの通信である。
エリザベス・タイラー:「あら」
????:〈ザーッ……〉

"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……王様。王様、聞こえるか〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:"幽霊船長"メアリ・ダッチマン。"閃電船長"リネット・サザーランドとともに、縮小された海賊部の運営に就いているという。
エリザベス・タイラー:「ごきげんよう、メアリ。また会えましたわね」
エリザベス・タイラー:常通りの口調。特段慌てたり、喜ぶ素振りを見せずに応える。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈ありがとう。来てくれると思っていた。暗号で報せてくれた通りだね〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈だけど、残念だ〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈ほんの少しのタイミング違いで〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……間に合わなかったかもしれない。キングダムは今、封鎖されている〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈星徒の能力だ。何体もの敵に同時襲撃を受けている。"戒功王"がキングダムに戻ってきた……〉
エリザベス・タイラー:「封鎖、ですの?」
エリザベス・タイラー:「……セベク様が」目つきが険しくなる。
齋藤リッコ:「封鎖!?星徒って……何が起きてんの!?」
レナ・ルナール:「わあ」
レナ・ルナール:今までにないほど目を輝かせている
正法院ワカナ:「ま、まさか戒功王様が…?!だとしたら私達は─────!」
正法院ワカナ:仮にも法に携わる者にとって、彼女は王の中の王だ。星徒の身とはいえまさかこうして相対するとは。
嘴子原シェイル:「それに……何体も、だって?」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈最低でも六体の星徒が降りてきていると思う。誰も出られない〉
齋藤リッコ:「六……六……六体!?」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈キングダムの生徒全員に、神聖二重冠が発現しているからだ。それだけの規模の攻撃が……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈これから行われるか、あるいは、既に行われている〉
レナ・ルナール:「出られない」
レナ・ルナール:「ということは入ることは不可能と断じられたわけじゃないのかな」
レナ・ルナール:ウキウキしている
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈どうだろうね。"戒功王"が生きていた頃の能力なら、途中入廷は不可能だったと記憶しているけれど〉
エリザベス・タイラー:「……そうですわね。セベク様が法廷を開いたのなら、たとえ"王"であっても横入りはできませんわ」
嘴子原シェイル:「……少なくとも」
嘴子原シェイル:「逃げてきた子を保護するって作戦は、図らずも挫かれてしまったわけだ。こんな頭っからね」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……だけど、ぼくがこうして通信をしているのは、引き返してもらうためだ〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈王様。海賊部の部員は、ぼくやリネットが、死力を尽くして守ると誓う〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈幸いにしてぼく達のほとんどは、今、王様のところにいる……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈レニーも、ベイルも、カリーナも、クリアリングも、危険にさらさずに済む〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈引き返してほしい〉
エリザベス・タイラー:「お黙りなさい、メアリ」
エリザベス・タイラー:「レニーも、ベイルも、カリーナも、クリアリングもいて、それなのに」
エリザベス・タイラー:「貴方とリネットがいない艦に、私を乗せるつもりですか」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……〉
エリザベス・タイラー:「事前に知らせた通りの場所に迎えに行きます。そちらの状況で使えなくなるのなら、逐次報告なさい」
エリザベス・タイラー:「他の子たちも同様です。海賊王の船員であるのなら」
エリザベス・タイラー:「私以外に奪われることは赦しません」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈はは……そうだね。そうだ……〉呟く。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈宝は欲しいだけ奪う。欲望に妥協はしない……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈それが、王様の海賊部だったよな……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈王様の船をキングダムに入れる手段がいる〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈"不夜王"ならきっと、何か、いい方法を思いつくはずだ。……そんなことを許してくれるならの話だけど〉
エリザベス・タイラー:「ええ、わかりました」
エリザベス・タイラー:「安心なさいな。ジェシカ様は慈悲深いお方ですわ」
エリザベス・タイラー:「それに」愉快そうに唇を舐める。
エリザベス・タイラー:「ええ、確かに"戒功王"の法廷は厳正にして厳格ですけれど」
エリザベス・タイラー:「『法の穴』を点くのは、海賊の十八番ですもの」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈ありがとう。ぼくの王様。……通信でよかった〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈顔を見られずに済む。きっと、奪いに来てくれ〉
GM:通信は切れる。
GM:艦隊の進路は変わっていない。
GM:ローレライ商船学校――無法者を満載した『海賊』の集団。その目的地は、キングダム連合学院。

キングダム市街


GM:――キングダム連合学院に、かつての八月革命や、『天国』からの竜骸ワイバーン襲来時のような戦火はない。
GM:だが、何も起きていないかのような静けさは、却って対処のしようのない、得体の知れぬ不穏を表しているかのようでもあった。
GM:そんな静けさの中を、オリヴィエ・クロムハーツと有崎五派は奔走した。
GMまだ、、街は破壊されていない。火災に巻き込まれたり、瓦礫の下敷きになっている生徒はいない。
GM:二人の救助活動は、何をすべきか、どこに行くべきかが分かっていない生徒達を安心させ、適切な避難経路を教えて回るという、地道な作業である。
GM:そうした生徒達から、恐ろしい星徒が現れている『らしい』という噂だけは聞く。
GM:キングダムの生徒の大半は、そうした星徒とまだ、、遭遇してはいない。そうならないように、"不夜王"が迅速に手配を済ませているのだろうと分かる。
GM:だが、出会ってしまえば終わりだ。一人でも死人を出してしまえば、取り返しはつかない。キングダムの威信も、人命そのものも。
GM:避難地点として決定した大博物館への経路を教え、誘導して回るだけの、地道な作業だ――だが、誰かがそうしなければ、何十人という死者が出る作業である。
キングダム一般生徒:「ありがとうございます、鉄騎王様……!この子、足が悪くて……」
キングダム一般生徒:小等部の生徒を背負っている。
キングダム一般生徒:「行政部の避難バスに乗り遅れてしまったんです。歩きで何分くらいかかるでしょうか?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「現地までは……その子を抱えながらだと急いでも40分程度はかかるか。聖詠部の人員を付けるから、力を合わせて避難場所まで向かいなさい」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……そして、ありがとう。君の判断が間違いなくその子を救った」
キングダム一般生徒:「聖詠部の方まで……恐れ多いことです!私みたいななんでもない生徒に……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「なんでもないことなんてない。君は正しく、誰かの為に動ける勇敢な心を持っている」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……その子の事を、頼めるかい?君にしかできない仕事だ」
キングダム一般生徒:「もったいないお言葉です!ほら行こ」
キングダム小等部生徒:「?」オリヴィエの後ろにいる五派を気にしている。
キングダム小等部生徒:「大人のひと」
有崎五派:「は~い。大人の人ですよ」
有崎五派:にっこりと笑い、初等部の生徒の手にオレンジを用いたポマンダーを持たせる。
キングダム一般生徒:「ええ、大人なんて……あっ十字冠がない!」
キングダム小等部生徒:「なにこれ」
有崎五派:「これはね、先生特製のお守り。怖かったり、寂しいって思ったら嗅いでみて。と~ってもいい香りだから」
有崎五派:「ちょっとは落ち着くと思うわ。みんなで使ってね」
キングダム小等部生徒:こくり、と頷く。
キングダム一般生徒:「『先生』……って、まさか!」
キングダム一般生徒:「噂に聞く、『職員室』の……!初めて見ました!」珍獣を見たかのように騒ぐ。
有崎五派:「もう結構いるんだけどね……やっぱりキングダムじゃみないか」
有崎五派:「みんな、とっても頼りになる人だから。困ったことがあったら声かけてみて。私も含めて、ね!」
キングダム一般生徒:「分かりました!先生も……鉄騎王様も、お気をつけて!」
キングダム小等部生徒:「ばいばい」
キングダム小等部生徒:小さな手を振る。
有崎五派:「こけないようにね~」ひらひらと手を振り返す
オリヴィエ・クロムハーツ:その様子を、少し安心したような目で見つめて。
オリヴィエ・クロムハーツ:小さく手を振る。指先の感覚は既に八割型消失している。
有崎五派:「……今の、まだあるから。オリヴィエちゃんも欲しくなったら言うのよ」
有崎五派:職員室を出る時に持ち出した唯一の備えだ。今の状況ではあまりにも頼りないが。
オリヴィエ・クロムハーツ:星徒は間違いなくキングダム各地を襲撃し、遺産は、自らの魂は、犠牲者を出す前に打ち倒せと命ずる。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……ええ、少し落ち着いたら。まだまだ助けを待つ生徒は沢山いますから」
オリヴィエ・クロムハーツ:同時に、彼ら生徒を助けるのもまた正義なのだ。何方に優先順位を立てることもできない。
有崎五派:「……助けてって中々言えない子も居るから困ったもんよね」
有崎五派:ちら、とオリヴィエの掌に視線を向けるがそれ以上は言及しない。
オリヴィエ・クロムハーツ:「既に助けてもらっていますよ、少なくとも私は」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……ただ、まだまだ逃げ惑う子達は沢山居て。避難をなんとしても間に合わせなければならない」
オリヴィエ・クロムハーツ:「だから……その時は後でゆっくり、先生を独占させてもらうとしましょう」
有崎五派:「──」
有崎五派:「え~?ちょっと照れるなぁ」
有崎五派:少しだけ驚いたように目を見開き、微笑む。
有崎五派:「んじゃま、タッグで引き続き頑張りますか!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「はい。とはいえ、この周辺は既に導線が出来上がったように見えます」
オリヴィエ・クロムハーツ:「襲撃に注意を払いながら、別区画へ足を運びましょうか」
???:方針を示すように鉄騎王が視線を別区画の方角へ向けた時、一陣の風のように白く輝く何かが通り過ぎ──
???:「オリーヴ!!無事であったか!いや!君であれば当然、とも思ってはいたが!!」
???:大声量と共に引き返してくる。

五辻モモカ:「こちらの避難誘導は既に完了しているようだな!!いやすまぬ、我々だけではとても手が回り切らん!!」
五辻モモカ:短く切りそろえられた白髪を振り乱し、ぶんぶんと手を振りながら朗らかに笑う小柄な少女。
オリヴィエ・クロムハーツ:「…………」少しばかり呆気に取られてから、小さく笑って振り返り。
オリヴィエ・クロムハーツ:「法王様、声が大きいです。もう少しお静かに」
オリヴィエ・クロムハーツ:少しだけ昔に戻った口調で、小さく話す。
五辻モモカ:「む。あいわかった」トーンダウン
有崎五派:ぽかんとした顔でそのやり取りを見つめる。
オリヴィエ・クロムハーツ:「失礼しました、彼女は法王。元円卓議会にして、現在十一位の円卓顧問です」
有崎五派:「へぇ……元気な子ね」
有崎五派:「キングダムの王様ってほんと色んな子がいるのねぇ……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「声の大きさは昔からですが、間違いなく清廉にして正しき方。声が大きすぎるのと誰彼構わず妹認定するのが難点なくらいで……」
五辻モモカ:オリーヴから視線をずらし、有崎を見やる。
五辻モモカ:「……ふむ。"先生"か」
五辻モモカ:だが、その一言以上に彼女に言及する事はない。再び視線をオリーヴへ向けて首を傾ける。
五辻モモカ:「今の所目立った被害は受けていない。ジェシカの尽力が泡とならぬうちに誘導を済ませねばならんな」
????:「お姉さま~そこにいたのですね!…きゃっ」
五辻モモカ:「む?」

灰原モエカ:銀髪を丁寧にまとめた初等部から中等部頃の年ごろの少女が法王を追ってやってきたが
灰原モエカ:君達を見て驚く
灰原モエカ:「あ、あわっわわ」
灰原モエカ:「て、鉄騎王様…!」
灰原モエカ:灰原モエカ、グレゴリオの末妹。自身のグレゴリオの活動動画配信チャンネルの運営をする明るい少女。
灰原モエカ:イザヤ派に属し、勧誘にも積極的。この危機を前に先代安息王のスカウトに成功している。ノドスチルドレン、灰原アツシからの誘拐未遂が度々起きている。
灰原モエカ:「それと…オトナの人…?」
オリヴィエ・クロムハーツ:こくり、頷いて。「そこまで驚かなくていい。けど、現状がそれだけの緊急事態であることは理解して欲しい」
オリヴィエ・クロムハーツ:「現状でも、かなりの人数が避難誘導できたはず。とはいえ、誰一人見逃す訳にはいかない」
灰原モエカ:「ひゃ、ひゃいっ…!」こくりと頷く、やはりどうしても緊張してしまうらしい。
オリヴィエ・クロムハーツ:「現在進行形でグレゴリオが行動、並び展開予定している場所を教えて欲しい。キングダム全域、出来得る限り急がなければいけないから」
オリヴィエ・クロムハーツ:他の生徒の手前、口調を固めに問いかけ直す。
五辻モモカ:「妹らは星徒出現エリアから通常避難先としてあげられる場所までの動線に網を張っている」
五辻モモカ:「ジェシカの手が回っているとはいえ、状況を把握できていない生徒は通常の避難ルートに従う可能性が高い」
五辻モモカ:「大博物館が避難先、というのも連絡なしでは中々辿り着かん結論であるしな」
灰原モエカ:「混乱した時に総ての人が正しい選択をできるとは…限りませんから。」
灰原モエカ:「私たちが、グレゴリオがおたすけしないと!です」
五辻モモカ:「うむ。星徒に近いエリアは今の所私一人で回っている故、手が足りぬ」
五辻モモカ:「鉄騎王。手を借りても良いか」
オリヴィエ・クロムハーツ:「無論。法王の力を借りられるのは、此方としても心強い」
オリヴィエ・クロムハーツ:有崎先生の方に目線を遣りながら。「……よろしいですか、先生?」
有崎五派:「…………ん。そうね、危険はあるけど」
有崎五派:法王を見て少し考えこむような表情を浮かべていたが、顔を上げる。
有崎五派:「今はとにかく時間が惜しい。助けてもらえるってならバンバン頼っちゃうわよ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「その意気です。まだまだ確認すべき場所は多いですが、これで一気に速度は上がる筈」
オリヴィエ・クロムハーツ:(それに……)
オリヴィエ・クロムハーツ:感覚のない手を、握る。
オリヴィエ・クロムハーツ:(今の状態では私一人、まともに戦えるかも怪しい)
オリヴィエ・クロムハーツ:(その時が来るのであれば……決断を、しなければ)
五辻モモカ:「……モエカ。大聖堂も大方落ち着いた頃だろう。ニコルの補助に回ってやってくれ」
灰原モエカ:「はいっ!お姉さまの仰せのままに、です!」
灰原モエカ:「鉄騎王さま、先生、お二人にもどうかご武運を。」大きく頭を下げると、そのままとてとてと大聖堂へ走り出す。
GM:この緊急時に、人命救助のために奔走している王は鉄騎王だけではなかった。
GM:それどころか、法王のような力ある王も救助活動に取り組んでいる。不夜王が、それだけ一般生徒の人命にも重きを置いていることの証左だった。
GM:まだ被害は出ていない。順調に行けば、これ以上星徒と接触する一般生徒を出さずに、オリヴィエも星徒討伐へと向かうことができる。
GM:だが、その時、街路二つ分離れた区画で、火の手が上がった。
GM:不夜王からの通達があった星徒の襲来地点とは大きく離れている。生徒の悲鳴や叫びがある。
オリヴィエ・クロムハーツ:「っ───!」
オリヴィエ・クロムハーツ:返事を待たず、先生を抱えながら被害のあった区画の方へ跳ぶ。
オリヴィエ・クロムハーツ:「法王!」
有崎五派:「わッ──ちょ!?」
五辻モモカ:殆ど同時。
五辻モモカ:路面を踏み砕いて前方へ駆けだす。
五辻モモカ:「ああ」
五辻モモカ:「敵であればまずは私が当たる。締めは任せるぞ」
GM:三人は、すぐさま現場へと駆けつけた。そう遠い地点ではない。
GM:その一角だけ、天候が急変している。黒雲と、雷鳴があった。
魔法局生徒:「ははははははは!ははは!はははは!」
魔法局生徒:膨大なレネゲイドを行使している生徒がいる。災害を前にしてパニックを起こし、生徒に無差別攻撃をしている――
魔法局生徒:状況は、そのように見える。
魔法局生徒:「天啓なり!天啓なり!」
魔法局生徒:「分かるぞ!分かるぞ!全てが見えるのだ……!」
魔法局生徒:様子がおかしい。
GM:――ドン!
キングダム一般生徒:「ひっ……!?」生徒の一人が雷の直撃を受ける。神聖二重冠の保護で死ぬことこそないが、全身が麻痺して倒れた。
魔法局生徒:「お前か?」
魔法局生徒:生徒が羽織っているのは、ボロボロのローブだ。
魔法局生徒:この学区でまともに生活をしてきた格好のようには見えなかった。
魔法局生徒:「――お前に」倒れた生徒を覗き込む。
魔法局生徒:「『化けて』いるのか?」
GM:暴走生徒が続く行動を取る前に、三人は間に合った。
オリヴィエ・クロムハーツ:「先生!あの子を頼みます!」
有崎五派:「……ッ!無茶しないでね!私もすぐ行くから!」倒れ伏した生徒に対処すべく、治療の準備を──
オリヴィエ・クロムハーツ:先生を麻痺する生徒付近に降ろし、前方へ立ち塞がるように出る。
五辻モモカ:胸元のペンダントに掛けた手を降ろし、同じくオリヴィエの隣へと着地する。
魔法局生徒:「おお」
魔法局生徒:「鉄騎王殿に法王殿!」
魔法局生徒:「ちょうどよかった!この私も今、キングダムに仇なす反逆者を一掃しようとしていたところ!」
魔法局生徒:「ともに協力いたしましょう!」
五辻モモカ:「今お前がすべきことは誅罰ではないぞ!この場から遠ざかる事だ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「真意を問う。"化ける"とはどのような意味だ」
魔法局生徒:焦点の合わない目で二人を見る。
魔法局生徒:「…………どういう意味?」
魔法局生徒:「まさか、お気づきでないのですか?」
五辻モモカ:「──何に、だ。そこに倒れている妹がお前に危害を加えたというのか?」
五辻モモカ:「であれば私達に任せよ。今は時間が惜しいのだ」
魔法局生徒:「違う……違うぞ……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……明らかに様子がおかしい、何が……」
魔法局生徒:後ずさる。敵意を向けるように。あるいは怯えるように。
魔法局生徒:「つ、次は、何を企んでいる?お前達」
魔法局生徒:「そんなにも、キングダムが憎いのか?」
魔法局生徒:「鉄騎王様と法王様の『格好』をして」
魔法局生徒:「今度は何を私に吹き込むつもりだ!?」
魔法局生徒:頭上の黒雲が渦を巻く。
五辻モモカ:「……」
魔法局生徒:真昼のような、白い光が降った。神聖二重冠と過剰侵蝕によって高められた雷撃である。
有崎五派:「──ッ!」治療に当たっていた生徒の上に被さるようにして衝撃と光から庇う。
キングダム一般生徒:「……っ!」必死に五派にしがみつく。
オリヴィエ・クロムハーツ:手元に王鍵を現出させる。感覚のない指は錬金により固めて、すぐさま───
オリヴィエ・クロムハーツ:雷撃と刃が打ち合い、弾き消した。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……これでも、我々が偽物に見えるか?」
魔法局生徒:「うわああああああッ!やめろ!やめろッ!」
魔法局生徒:続けざまに雷撃を落とす。
オリヴィエ・クロムハーツ:輝く白き剣を眼前に掲げ、王の証を示す。感覚が無くとも、鍛えた技術があればこの程度は容易い。
魔法局生徒:「私はもうあそこには戻らないぞ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(あそこ……?)
魔法局生徒:「どこだ!?お前達だけではないのだろう!?どこに、どれだけ手勢を隠している!」
魔法局生徒:広場を見回す。彼女ら以外の全員が避難した、無人の広場を。
魔法局生徒:この生徒は完全に暴走状態にある――パニックに陥ったノヴァリスの生徒ならば、あり得ることだ。
魔法局生徒:だが、狂乱の理由は間違いなくそれだけではない。
オリヴィエ・クロムハーツ:「法王、意識だけを頼む!」
五辻モモカ:「"──嘆け。私が赦す"」
五辻モモカ:砕けたペンダントの破片一つ一つが聖剣の形をとり、雷撃を絡めとって地面へと突き立てる。
五辻モモカ:(妙だ。錯乱にしては──根が深すぎる)
オリヴィエ・クロムハーツ:今の自分では、それだけの精度を出せない。守りに重きを置きながら、前衛を法王に任せる。
魔法局生徒:「来るな!」
魔法局生徒:無数の雷撃を目くらましに逃走しようとする。
五辻モモカ:「許せよ」
五辻モモカ:無数の雷撃の中で進路を妨害するものだけを浮遊する聖剣で受け止め、暴れる生徒の首筋を手にした聖剣の峰で打ち据える。
魔法局生徒:「ぐっ、は……!?」昏倒。
魔法局生徒:五辻モモカの技量であれば、生徒に必要以上の傷を与えず昏倒させることは容易い。だが……
キングダム一般生徒:「――ああ、法王様!」
キングダム一般生徒:生徒が逃げた路地には、別の一団が身を寄せ合っていた。避難誘導に従っていなかったのだろうか?
キングダム一般生徒:「よかった……!私達、不安で……!」
五辻モモカ:「どうした!ジェシカの知らせを聞きそびれたか」抱き留めた生徒の身体をそっと寝かして振り返る
キングダム一般生徒:「法王様がいらっしゃったなら、安心です!」
五辻モモカ:「避難先は大博物館だ。徒歩ではそれなりに時間がかかる故、すぐに動かねばならんぞ」
キングダム一般生徒:「鉄騎王様もいらっしゃるのですか?」
キングダム一般生徒:鉄騎王の長身と鎧姿は、路地の向こう側からでも目立つ。
オリヴィエ・クロムハーツ:周囲の安全を一先ず確認し、法王の下へと駆け寄る。
オリヴィエ・クロムハーツ:「法王、そちらは……嗚呼。逃げ遅れた生徒たちか。良かった」
キングダム一般生徒:「いえ、鉄騎王様……!」
キングダム一般生徒:「ぜひ、私達も一緒に戦わせてください!」
キングダム一般生徒:「はい、私達だけで戦うのは不安でしたけれど――」
キングダム一般生徒:「知っています!星徒襲来というのは、円卓議会の情報統制で」
キングダム一般生徒:「本当はこれは、『攻撃』なんですよね?」
キングダム一般生徒:様子がおかしい。
キングダム一般生徒:「私達もキングダムを守るために戦います!キングダムは私達の学区なんです!」
五辻モモカ:「…………戦いたいか。であれば頼みたい事がある」
五辻モモカ:明らかな異常を感じ取りながらも、表情には出さずに静かに言い聞かせるように語る。
五辻モモカ:「戦えず、逃げ延びた妹らを守ってくれ。初等部、あるいは体の不自由なもの」
五辻モモカ:「恐怖に震えるものがまだいる。私達だけでは手が回らぬ。次の瞬間、何がおきるのか判断する事すらままならぬこの状況で」
五辻モモカ:「お前達が仲間を守る為に戦ってくれるというのであればこれ以上に心強い事はない」
オリヴィエ・クロムハーツ:「今は我々も避難誘導に動いているが、いつ何時避難場所が襲撃されるか分からない」
オリヴィエ・クロムハーツ:「その時に真っ先に頼りになるのは、戦意ある君たちだ」
キングダム一般生徒:「体の不自由な生徒まで」
キングダム一般生徒:「避難場所を狙ってくる……!」
キングダム一般生徒:「ゆ……許せない……。倒してくれるんですよね!?法王様が!鉄騎王様が!」
キングダム一般生徒:「シャムロックのクズ肉どもを!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(…………)
オリヴィエ・クロムハーツ:一瞬、目が険しくなる。
キングダム一般生徒:「私達の代わりに奴らを皆殺しにしてくれるなら」
キングダム一般生徒:「私達は、喜んで避難誘導をします!お願いします!」
有崎五派:「ちょ、ちょっと……?」二人の思惑を察して黙っていたがあまりの事に口を開いてしまう。
オリヴィエ・クロムハーツ:(……これが、私達がこれまでやってきた事に対するツケなのか?)
キングダム一般生徒:「円卓議会は、もうご存知なんですよね!?」
キングダム一般生徒:「これが戦争だって!敵はずっと前から、このキングダムに潜んでいたって!」
キングダム一般生徒:「――"安臥王ロード・ライ"は、棚エアリが化けていた、、、、、って!」

キングダム連合学院 市街


????:「アハハハハハハハ!」
????:「号外!号外!号外だあっ!」
GM:大量に刷った号外をばらまきながら、屋根から屋根へと飛び渡りながら移動する生徒がいる。

????:「すごいぞ!こ、こんな……こんな特ダネを」
????:「キングダムのみんなに知らせることができるなんて!」
????:「あたしが知ったことを、皆に伝えられる、、、、、日が来るなんて!」
GM:"至上王"の暴走に端を発した、不安と恐慌。
GM:"海賊王"は粛清され、"暗殺王"に駆り立てられた生徒達が治安を脅かし、動き出した大ノヴァリス博物館は市街を破壊した。
GM:そして今、生徒達全ての頭上に神聖二重冠が輝き、明白な終末の危機を知らせている。
GM:そのような時にこそ、恐るべき流言飛語が感染する。
????:「皆さん!!キングダムの皆さん!我々はシャムロック自由学園の攻撃を受けています!」
????:「私は、この目で見ました!そして先日まで監禁されていたんです!」
????:「――"安臥王ロード・ライ"は、シャムロック自由学園の生徒会長でした!!」
????:「彼女は、『姿を変える』能力を持っています!!お気をつけください!!」
????:「号外です!号外です!私は真実を申し上げています!」
カルティカ:「私の名前は、『新聞部』のカルティカ!」
カルティカ:「どうか、キングダムの皆様!」
GM:カルティカは暴走状態にある。先程までの魔法局生徒と同じように。
カルティカ:「真実に基づき、正しい判断をお願いします!!」

キングダム連合学院 路地

GM:市街のそこかしこから、火の手が上がり始めている。
GM:不夜王の采配は星徒を食い止めていたが、暴走した生徒達が、恐慌と疑心暗鬼で争い、都市への被害をもたらしている。
????:彼女は路地裏に座り込んでいた。そんな喧騒を遠くに聞きながら、親指を噛む。

????:「足りない」
????:「まだ、まだ、こんなものじゃない……!」
????:「献上だ」
????:「運命が、私にそうしろと言っている」
????:水たまりに映る自分の顔を見る。放射状の光のような十字冠は、神聖二重冠の鮮やかな光を放っている。
????:「この神聖二重冠は――」
????:「私達にとっての、祝福だ」
GM:キングダムの終末に乗じて活動を始めた悪意は、天から飛来した星徒のみではなかった。
GM:誰にも顧みられることのなかった、地の底から表れ出たものもある。
????:「足りないぞ」
????:よろよろと歩き出す。地道な戦いを続ける必要がある。まだ、もっと多くの生徒を暴走させていかなければ。
????:「棚エアリ。お前には祝福など与えてはやらない……」
????:「殺してやる。キングダムの生徒全員を、あのお方に『献上』して」
????:「お前が最も憎むキングダムの生徒達の手で、引き裂いてやる……!」
????:「憎い」
????:「憎い憎い憎い」親指を、もう一度噛む。
????:「腐りきった臓物を飾り立てるシャムロックも」
????:「欠陥品の王権を偉そうに振りかざすキングダムも」
GM:彼女の名はフアナ・メサという。
GM:今や彼女は、首魁を失った残党兵に過ぎない。
GM:彼女はジャームを操ることはできない。だが、人をジャームに近づけることはできる。例えば、レネゲイド暴走の誘発。
フアナ・メサ:「全部滅びて、死に絶えろ!」
GM:フアナ・メサ。"フォモーリアン"残党。

GM:シーンを終了します。
GM:シェイルさんは登場しているのでロイス取得が可能。
GM:ここで、当セッションにおけるPCおよびEXPC以外のロイス処理をご説明します。
GM:基本的には上記のPC格以外のキャラクターについては、判定無しで帰還が可能という処理にするつもりです。
GM:なぜならEロイスが大量に出現することが予想され、PC格以外の侵蝕率ならほぼ確実に帰還が可能と見込まれるためです。
GM:ただし、神聖二重冠で侵蝕率+300みたいなアホなことをした場合は、本当にその数字でバックトラックさせます。
GM:よって、登場侵蝕管理をしないことに加えて、PC格以外はロイス管理をしないものとします。
GM:ただしPC格以外がタイタス消費に使用できるのは、初期ロイス分だけです。
GM:侵蝕軽減エフェクトや復活エフェクト、メモリーなどの帰還に有利なデータを取っていただいているキャラもいると思いますが
GM:PC格以外のこれらの要素は今回のシナリオでは意味があまりないと思ってください。
GM:あくまでメインで戦うのはPC格であることに加えて、サブキャラクターのそうした要素まで全て補填していくと
GM:データ的負担が非常に大きくなるためです。
GM:PC格以外の扱いは確定してなかったので今回明言させてもらうことにしました!
GM:以上を踏まえて、シェイルさんのみにロイスチャンスがあります。海賊王の船なので購入もできてよいでしょう。
嘴子原シェイル:やった~ ロイスは「齋藤リッコ ○興味/相違」で取ります
GM:スペシャルゲストにロイスを!
GM:それでは本日の進行はここまでです。また次回よろしくお願いします。
嘴子原シェイル:よろしくお願いします!今回みんな補充機会薄そうだし治療キット取っておくか……
嘴子原シェイル:2dx+8>=9 高性能治療キット
DoubleCross : (2DX10+8>=9) → 10[3,10]+9[9]+8 → 27 → 成功

GM:すごい治療キットが手に入ったぞ!
嘴子原シェイル:これで駆け付ければ恩も売れるってわけ 所持しておきます


◆Middle05◆未来へのマイルストーン




ノヴァリス砂漠地帯


GM:ノヴァリスにおいて学区として十分な開発がなされていない土地は、往々にしてこうした砂漠や荒地だ。
GM:元"免罪王"キャロル・ホプキンス、元"四腕王"アーイシャ・ナッジャール、そして遺産失格者"慈悲なきもの"の三人は
GM:夜の砂漠地帯を移動していた。目的地は、不審な活動が確認されたという理事会巨大兵器の収容地点である。
GM:オーヴァードといえど、人間の足で向かうのは困難な地形である。キャロルが救助された理事会施設に保管されていたという、砂漠地帯用の自動運転クローラー車を用いていた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ねーえ、キャロル・ホプキンス。あなた運転免許持ってる?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:車両後部のエンジン部を気にしている。
キャロル・ホプキンス:「はい! 懲罰奉仕部の活動で学区外に行くことはしょっちゅうでしたから!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「この車、あたしのエフェクトでどうにか動かしてるけど」《機械の声》だ。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「構造も今の車と違うし、パーツも古くなってるしで」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「正直、いつ壊れてもおかしくないわよ。いざとなったら整備してもらうからね」
キャロル・ホプキンス:「移動手段の確保は必須でした! コノカさんやクレタさんには運転が荒いといつも愚痴を言われていましたが……」
キャロル・ホプキンス:「お任せください! ……と言いたいところですが、ここまでの骨董品ですと、ちょっと自信ありませんね! あはは!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「はあ~」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「こんなとこ、足で行くのなんて絶対イヤなんだけど」車両はほとんど崖のような地形を進んでいる。
"慈悲なきもの":「行きたいと主張しているのはお前だろう」
"慈悲なきもの":「貸し出してやった車に文句をつけるのも言語道断だ」
キャロル・ホプキンス:「ハングマンさん! 距離的にはどれ程なのですか?」
"慈悲なきもの":「ここまで随分走った。さほど時間はかからんだろう……30分ほどだな」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「まだ30分もかかるの~~!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ウッ……また車酔いが」
キャロル・ホプキンス:「それくらいならもし壊れても何とか徒歩で行ける距離ですね! 頑張りましょうアーイシャさん!」
キャロル・ホプキンス:先程“四腕王”と呼んだが、既に王ではなくなった彼女をそう呼ぶのは失礼だと思い名前に呼び直した。
キャロル・ホプキンス:そのことを謝ったら怒られた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……チッ、本当にあなた気持ち悪いわね……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「夜の砂漠を足で歩くくらいなんでもありませんって?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「たま~~に、キングダムでもそういう『キャラ』のやついるけど、どこまで本気なの?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「私はおバカだから、何もネガティブな感情なんて浮かびませんし、いつも元気で素直です!ってタイプの子」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「一番きらいね。反吐が出るわ」
キャロル・ホプキンス:「これに関しては単純に慣れの問題だと思いますよ!」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさんは体を動かすのに慣れていないだけです!」
キャロル・ホプキンス:「ネガティブな感情くらい私にもありますよ! これでアーイシャさんに嫌われずに済みますかね?」
キャロル・ホプキンス:前向きなのは生来の性格ではある。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……だから、キングダムを潰したがってるわけ?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ネガティブな感情とやらがあるから」
キャロル・ホプキンス:「誤解があるようですね。私はキングダムを潰そうとは思っていませんよ」
キャロル・ホプキンス:「大博物館の襲撃のことを言っているのなら、確かに動機はポジティブとは言えませんが」
キャロル・ホプキンス:「私は、キングダムを潰す為ではなく、王のみを潰そうとしたのです」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「同じじゃないの」鼻で笑う。
キャロル・ホプキンス:「いえ、潰す王とは、至上王陛下を除く王達のことです」
キャロル・ホプキンス:「至上王陛下と、陛下が統治する生徒があれば、そこはキングダムでしょう?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あなたのヘンテコな妄想はどうでもいいんだけど、そういうことじゃなくて」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「それが目的なら、なんで直接そうしなかった、、、、、、、のよ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「『人を殺すために殺しました!他の目的はありません!』って言う殺人犯が世の中に何人いると思う?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「何か立派な目的やら信念やらがあっても、あなたの妄想が正しかったとしても」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「その手段としてキングダムを潰すことを選んだなら、潰したかったんでしょう。キングダムを」
キャロル・ホプキンス:「……ふむ。まあそうですね。現状のキングダムは間違っていると思った訳ですから、確かにアーイシャさんの言う通りです」
キャロル・ホプキンス:「前向きな言葉で取り繕ってしまっていたようです。なるほど、アーイシャさんが嫌いだと言ったのはこういうことですか」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「フン。そういう露骨な私物分かりがいいですアピールも、しなくていいから」そっぽを向く。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……あたしは、キングダムを破壊したいわ」
キャロル・ホプキンス:(何だかクレタさんに似ていますね……)懲罰奉仕部の中でも最も弱く最も反骨精神に溢れた少女を思い出して微笑む。
キャロル・ホプキンス:本人に言うと絶対怒るので口には出さないが。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キングダムは、伊藤算砂が守っている学区だから」
キャロル・ホプキンス:「“竜王”ですか……あの人もよくよく恨みを買っていますね」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「何もかも破壊してやって、あいつに屈辱を与えてやる……あたし以上の」
キャロル・ホプキンス:「私は……」
キャロル・ホプキンス:王などというものは人間に背負えるものではないから。
キャロル・ホプキンス:分不相応な地位を得た罪を、全ての王から清算しようと決意したから。
キャロル・ホプキンス:これまではそう思っていたし、取り繕っていた訳でもない。
キャロル・ホプキンス:けれど、目の前の少女は嫌う言い回しだろうと考えて……そう思った、より深い部分の心を口にする。
キャロル・ホプキンス:「……王なんて、私には苦痛でしかなかった」
キャロル・ホプキンス:「私は王になんて相応しくない。私が王だったせいで死んだ人もいる」
キャロル・ホプキンス:「こんなものが王なら、壊れてしまえばいいし……」
キャロル・ホプキンス:「正しく王であれる“人”がいたのなら……あの子は死ななかった筈だから」
キャロル・ホプキンス:「全てを救うこともできないで王を名乗る連中が憎い」
キャロル・ホプキンス:「だから、私はキングダムを崩すのです」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ふ~~ん」ニヤニヤと、なぜか嬉しそうに笑う。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「いいわね。そういう悲しそう~な自分語り」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさんが聞いたから語ったんですよ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「別に責めてないわよ?むしろ気に入っちゃうかも」
キャロル・ホプキンス:「私、竜王に負けた人に気に入られやすいのでしょうか……」ちょっと意趣返し
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ムカッ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ちょっと何それ!どう戦ったのかも見てないくせして!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「負けてる!?伊藤算砂に!?具体的にどこがどの程度!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「は~~、そうやって適当なこと言って勝った気になるやつ、一番ムカつくのよね」
キャロル・ホプキンス:「負けたから追放されたのではないのですか?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「は!?追放されるところまで含めてあたしの計画だったらどうするつもり!?」
キャロル・ホプキンス:「そうだとしたら素直に感心しますが……そうなのですか?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「現にこうやってキングダムの監視がない状態で理事会兵器を鹵獲できる状態になってるわけだし……」
"慈悲なきもの":「偶然だ」
"慈悲なきもの":「そもそも私も件の兵器が活性状態にある事を予測できていなかったのだ」
"慈悲なきもの":「アーイシャに分かるわけがあるまい」
キャロル・ホプキンス:「ほら~」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「勝った気になるんじゃないわよ!!!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:その場に置いてあった携行糧食の袋みたいなのを投げる。
キャロル・ホプキンス:「別に競っていたつもりもありませんが……あ、分かるといえば」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさんは追放されていたのに何故私の動向が分かったのですか?」キャッチ
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「当然、キングダムの事件には常に目を光らせているわ。"学級会"時代の繋がりも」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「まだ密かにあっち側に残している……"不夜王"は根絶できたと思いこんでいるのかもしれないけど」
GM:実際は、そうした繋がりも含めて意図的に与える情報をコントロールされていることは、アーイシャの知る由もないことである。
キャロル・ホプキンス:「ははあ、なるほど。やりますねえ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「それにあなたが起こしたような事件、他の学区にいたって知らないはずないでしょう」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「首謀者が十字冠転送されたって聞いたから、メサイアの探偵どもに所在を探らせて……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「追跡してたってわけ。目の前であなたが撃墜されたのは偶然だけど」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……。一体何に落とされたの?」
キャロル・ホプキンス:「よく分かりません!」
キャロル・ホプキンス:「何か……大きい何かだったような気がしますが……確認する間もなく意識が飛んでいました!」
GM:キングダムに向かっていた、尋常ならぬ干渉能力の、歪んだ光。
GM:その正体は、間近にいたキャロルには理解できないものだったが……
"慈悲なきもの":「星徒だな」
"慈悲なきもの":「あの光は前に一度見たことがある。"オズマメガリス"だ」
キャロル・ホプキンス:「“オズマメガリス”というと……“戒功王”ですか……」
"慈悲なきもの":「そうだ。私もアーイシャに聞かされて初めて知ったのだが、確か死んでいるのだったな?」
キャロル・ホプキンス:「確かに彼女も“楽園の三百人”の一人……星徒となった場合、キングダムを狙う可能性も十分ある……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「アハッ」喜色を浮かべて笑う。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「じゃあ好都合ってことじゃない?ちょうど今、キングダムが星徒に襲われてるんでしょ?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「その混乱状態を突けば、今度こそキングダムを崩壊させられるわ……!」
キャロル・ホプキンス:「うーん……それは難しいと思います」
キャロル・ホプキンス:「私は戒功王と同じセルの出身なので、ある程度は手の内も知っていますが……」
キャロル・ホプキンス:「彼女の判決に外部から干渉するのは非常に難しいです」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ああ……"パックス・デイ"だっけ?正義マニアの」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「そういや七光りだったわね……」頭を掻く。
キャロル・ホプキンス:「ええ、七光りの私と違って、彼女は実力の上でも理念でも、“パックス・デイ”のチルドレンの頂点にいました」
キャロル・ホプキンス:父は、それでも満足できなかったようだけれど。
キャロル・ホプキンス:「同じセルでも、辛うじて肩を並べられたのは先代“鉄騎王”くらいで……継承した今代の“鉄騎王”も成長を踏まえればあるいは……ですが」
キャロル・ホプキンス:「星徒となっているのなら、その力は更に隔絶したものになっているはず」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……つまり?結論から言うと?」
キャロル・ホプキンス:「現状、キングダムに干渉するのは不可能だと思われます」
キャロル・ホプキンス:「可能性があるとすれば、理事会兵器の性能次第ですが……まあ、それは希望的観測が多分に含まれますね!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「でも、あなたの言ってることだって推測が多すぎるわよね?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「まず、"戒功王"の能力が生前と同様、かつその延長線上の強化をされていること」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"戒功王"がキングダムを襲撃するにあたって、その能力でキングダムを封鎖する戦術を選んでいること」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……この二つの推測が、前提になって話されているけど」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「でも、仮にそうだったとしたら――」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「むしろちょうどいい、、、、、、じゃない?」
キャロル・ホプキンス:「それは、どういう意味です?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしは別に、星徒と一緒にキングダムを攻撃するつもりなんてないもの」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キングダムが一丸となって星徒を討伐して、大勝利大喜び!ってところに」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「トドメの一撃を食らわせてやればいい」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"戒功王"が普通にキングダムを滅亡させるならそれでいいし、ダメだった場合は、消耗したキングダムをあたし達が食える」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"戒功王"が封鎖してくれる方が、むしろ都合がいいわ。そうでしょ?」
キャロル・ホプキンス:「うーん……」
キャロル・ホプキンス:「キングダムが勝つ場合はそれでいいでしょうけれど」
キャロル・ホプキンス:「キングダムが負けた場合は、“今の”私の目的は果たせませんね」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「アハッ、別にいいでしょ?至上王があなたの考えてるみたいな本物の王様なんだったら」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「星徒に襲われた程度で死ぬと思う?死んでたら本物じゃないんじゃな~い?」
キャロル・ホプキンス:「死ぬ筈がない。私も確かにそう思います」
キャロル・ホプキンス:「ですが、私は至上王陛下にお会いしたことはないのです」
キャロル・ホプキンス:「直接お会いして、確かめたいのです」
キャロル・ホプキンス:「死体を前にして、『ああ、本物の王ではなかったんだな』などと、納得できたとして」
キャロル・ホプキンス:「それは至上王陛下を、キングダムの人々を見殺しにする罪を重ねるだけではないですか」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ふ~~ん、別にいいけど」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「どっちにしろ、作戦は変わらないから」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"慈悲なきもの"が兵器の稼働状況を調査して、そのまま制御権限をあたしに渡す」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「動かすのはあたし。あなたはまあ、相乗りくらいはさせてあげたっていいけど」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「所詮はおまけ、、、。原住生物に襲われた時の露払い程度だからね」
キャロル・ホプキンス:「あははっ!」
キャロル・ホプキンス:突然笑い出す。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キモッ……」
キャロル・ホプキンス:「やはり楽しいものですね! 最終的には違う目標がありながら、同じ道を行く!」
キャロル・ホプキンス:「ああ、そう時間も経っていないのに、何だか懐かしいです!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……」
キャロル・ホプキンス:「やはり私は人に恵まれています! よろしくお願いしますね、アーイシャさん!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「フン。人。人ね」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……そんなの、あたしは恵まれたことなんてなかったよ」そっぽを向き、頬杖を突いている。
キャロル・ホプキンス:「えー、じゃあ友達になりましょうよー」そっぽを向いたアーイシャの頬を指で突く
"慈悲なきもの":「仲の良いことで結構だ」
"慈悲なきもの":「だが、そろそろ目標のポイントに到着する。停車の準備をしてくれ。アーイシャ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「うるさいわね!どの辺り?」
"慈悲なきもの":「いいや」
"慈悲なきもの":「もう見えている」
GM:"慈悲なきもの"が見据えていた方角には、既にそれがあった。
GM:夜の砂漠では山か遺棄建造物のようにしか見えなかったが――
GM:恐ろしく巨大な機械兵器が、遠くで佇んでいるのが見える。

"慈悲なきもの":「待て。様子がおかしい」
キャロル・ホプキンス:「おおーこれは壮観……っと、と言いますと?」
"慈悲なきもの":「活性状態どころじゃない。……戦闘状態に入っているのか?」
"慈悲なきもの":「主砲が展開されている!」
キャロル・ホプキンス:主砲……『あの』大博物館に匹敵する兵器の、メイン武装。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……。"あれ"にブリューナクみたいな自律活動機能は?」
"慈悲なきもの":「ない。誰かが搭載しない限りは」
キャロル・ホプキンス:「一体何を狙って……? あの方角にあるのは……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「……」真剣な表情で、手帳に鉛筆で大量の計算式を書き込む。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キングダム連合学院よ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キングダムを狙っている。既に、、
キャロル・ホプキンス:「私達とも、星徒とも別の、キングダムを狙う勢力……同時に?」
"慈悲なきもの":「……予想外の事態が起こっている」
"慈悲なきもの":「アーイシャ。すぐに車を引き返し……」
GM:―― グ  シャ ! ! !
GM:恐るべき質量が、風のようにクローラー車両を『通過』した。
GM:搭乗していた三人共が、夜の砂漠へと投げ出された。
"慈悲なきもの":「敵襲!!」
"慈悲なきもの":回転とともに着地して、叫ぶ。
キャロル・ホプキンス:アーイシャを抱き寄せ、自分をクッションにして着地する。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ちょっと!嘘でしょ!?あたし指揮官タイプだから!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「戦闘とか何もできないんだけど!!」
キャロル・ホプキンス:「そういう人と一緒に戦うのには慣れてます!」
????:「グッ、グルルルウゥルル」
????:「グル、ルゥ」
????:怪物的な唸りがあった。
????:巨大な白い狼――のように見える。夜の岩場の影から、よろよろと出現する。

????:「ア、ァアア、グルルルァァァァ……!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「う、嘘でしょ……こいつ……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「なんで『こいつ』がここにいる!?キャロル!あなた何か知らないの!?」
キャロル・ホプキンス:「何も知りません! 何ですかこれは!」
キャロル・ホプキンス:翡翠剣を引き抜きながら尋ねる。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしが知りたいわよそんなの!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「こいつは……!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「"月下王"だ!意味がわからない!何をしている!?」
キャロル・ホプキンス:「げ……“月下王”!?」
"月下王":「グルルルルルルルッ、ウゥゥッ、グァァァアア……!!!」
"慈悲なきもの":「アーイシャ。キャロル。今から全力で走って、どれくらい逃げられる?」
"慈悲なきもの":「ここまで案内したのは私の責任だ」
"慈悲なきもの":「逃げるしかない。そうしなければ……」
GM:いつの間にか三人の周囲に、青い雨のような光点が降り注いでいる。
GM:それは空から狙いを定める、無数の球体機械だ。
排撃系:凄まじい群れが押し寄せている。


"慈悲なきもの":「全員死ぬ」
キャロル・ホプキンス:「あれは……!」
キャロル・ホプキンス:“ロードマスター”討伐戦。討ち果たすことの敵わなかったあの戦いに、キャロルも生徒の一人として参戦していた。
キャロル・ホプキンス:「“ロード・マスター”の……!」
"慈悲なきもの":「時間を稼ぐ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしは……ごめんだ、こんなこと……!」
"月下王":「グゥゥゥアアアアアルルルルルルルルッルルルルルル!!!」

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:6d10の侵蝕率上昇を行ってください。
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を6D10(→ 31)増加(44 → 75)

 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
   "月下王"[8] 

      5m

 "免罪王"[9/75] "四腕王"[6]
  "慈悲なきもの"[6]

■ラウンド1

GM:セットアップです。
排撃系:排撃系は何もありません。
"月下王":《フルパワーアタック》《地を掴む獣》。
キャロル・ホプキンス:なし!
"月下王":攻撃力を+20し、行動値を0に。ダメージを常時-20します。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:セットアップはなし。
GM:エネミーの行動です。
排撃系:《コンセントレイト:ノイマン》《抜き打ち》《形なき剣》。フォールダウンで攻撃します。
排撃系:10体いるので、3体が3人それぞれに攻撃。残り1体はランダムで選びます。
排撃系:choice[免罪王,四腕王,慈悲]
DoubleCross : (choice[免罪王,四腕王,慈悲]) → 免罪王

排撃系:ではまず、免罪王に4回攻撃します。
キャロル・ホプキンス:ひいい……
排撃系:6dx7-1 ドッジ-13個、ガード不可
DoubleCross : (6DX7-1) → 6[1,2,4,5,5,6]-1 → 5

キャロル・ホプキンス:ドッジダイス0、ガード不可なので全部リアクションできません
排撃系:では残りも同様の処理をやっていきます。ダメージ。
排撃系:1d10+25
DoubleCross : (1D10+25) → 3[3]+25 → 28

排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[2,2,3,4,6,9]+10[8]+10[10]+10[7]+4[4]-1 → 43

排撃系:5d10+25
DoubleCross : (5D10+25) → 28[4,8,3,4,9]+25 → 53

排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[1,1,3,7,8,8]+10[1,1,9]+5[5]-1 → 24

排撃系:3d10+25
DoubleCross : (3D10+25) → 12[1,2,9]+25 → 37

排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[1,2,6,6,9,10]+5[4,5]-1 → 14

排撃系:2d10+25
DoubleCross : (2D10+25) → 9[3,6]+25 → 34

排撃系:28点、53点、37点、34点を順に受けてください。
キャロル・ホプキンス:装甲無視が5あるので合計から20引いて……
キャロル・ホプキンス:C(28+53+37+34-20)
DoubleCross : c(28+53+37+34-20) → 132

キャロル・ホプキンス:HPが105なので、最後の攻撃でリザレクトですね
GM:あ、本当だ しぶといな……!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 1)増加(75 → 76)
キャロル・ホプキンス:HP
キャロル・ホプキンス:1です
排撃系:アーイシャを攻撃します。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:アーイシャもリアクションは全然ダメ。攻撃をなすすべなく受けます
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[3,4,5,6,7,10]+4[3,4]-1 → 13

キャロル・ホプキンス:ちなみにこれでNPCが倒れると何かありますか?
GM:アーイシャが戦闘不能になった場合、一度で十字冠転送されます
GM:"慈悲なきもの"が戦闘不能になった場合、死亡します。
キャロル・ホプキンス:うおお……
排撃系:まず一度目のダメージ。アーイシャのHPは26です
排撃系:2d10+25
DoubleCross : (2D10+25) → 19[9,10]+25 → 44

"慈悲なきもの":《閃熱の防壁》。
"慈悲なきもの":ダメージを-8d10します。
"慈悲なきもの":44-8d10
DoubleCross : (44-8D10) → 44-41[8,1,9,9,8,4,1,1] → 3

キャロル・ホプキンス:ハングマンさん……!
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:3点ダメージを受けました。残りHP23。
排撃系:アーイシャ二回目の攻撃。
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[3,4,4,5,5,10]+1[1]-1 → 10

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:《領域の盾》一回目!キャロルさんをカバーさせようとします。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:この効果を拒否しても構いません。
キャロル・ホプキンス:受け入れます
排撃系:ではダメージ。
排撃系:2d10+25
DoubleCross : (2D10+25) → 8[7,1]+25 → 33

キャロル・ホプキンス:リザレクト!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を6D10(→ 38)増加(76 → 114)
キャロル・ホプキンス:間違えた
GM:増えすぎ!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 3)増加(76 → 79)
キャロル・ホプキンス:HP3!
排撃系:アーイシャ三回目の攻撃。
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[3,4,6,6,8,10]+4[4,4]-1 → 13

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:《領域の盾》二回目!自分が助かるために手段を選ばない!
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:キャロルさん、カバーしますか!?
キャロル・ホプキンス:受け入れます!
排撃系:2d10+25
DoubleCross : (2D10+25) → 10[7,3]+25 → 35

キャロル・ホプキンス:リザレクト!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(79 → 81)
排撃系:慈悲なきもの一回目。
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[3,3,6,9,10,10]+10[6,6,10]+10[9]+5[5]-1 → 34

キャロル・ホプキンス:ちなみに慈悲なきものさんのHPは……?
"慈悲なきもの":HPは34です。
キャロル・ホプキンス:【フォックスグローブ】《マグネットフォース》カバーリングを行う。 侵蝕2
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を2増加(81 → 83)
キャロル・ホプキンス:カバーします
排撃系:4d10+25
DoubleCross : (4D10+25) → 21[9,8,1,3]+25 → 46

"慈悲なきもの":《氷雪の守護》。
キャロル・ホプキンス:リザレクト!
"慈悲なきもの":46-7d10
DoubleCross : (46-7D10) → 46-43[3,8,7,6,5,6,8] → 3

キャロル・ホプキンス:慈悲なきものさん……!
キャロル・ホプキンス:でも足りなかった……
"慈悲なきもの":いや、ギリギリダメだったか……!
キャロル・ホプキンス:リザレクト!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(83 → 90)
排撃系:慈悲なきもの二回目
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[4,6,7,8,9,10]+5[1,3,3,5]-1 → 14

キャロル・ホプキンス:【フォックスグローブ】《マグネットフォース》カバーリングを行う。 侵蝕2
排撃系:2d10+25
DoubleCross : (2D10+25) → 9[2,7]+25 → 34

キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を2増加(90 → 92)
キャロル・ホプキンス:リザレクト
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 1)増加(92 → 93)
排撃系:慈悲なきもの三回目
排撃系:6dx7-1
DoubleCross : (6DX7-1) → 10[4,7,7,7,8,8]+10[2,2,6,8,9]+10[3,8]+3[3]-1 → 32

キャロル・ホプキンス:【フォックスグローブ】《マグネットフォース》カバーリングを行う。 侵蝕2
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を2増加(93 → 95)
排撃系:4d10+25
DoubleCross : (4D10+25) → 32[7,5,10,10]+25 → 57

キャロル・ホプキンス:リザレクト……!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 1)増加(95 → 96)
GM:手番は行動値9。キャロルさんの手番です。

 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
   "月下王"[8] 

      5m

 "免罪王"[9/96] "四腕王"[6]
  "慈悲なきもの"[6]

キャロル・ホプキンス:マイナーで5m前進

 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
 排撃系[12] 排撃系[12]
   "月下王"[8] 
  "免罪王"[9/96] 

      5m

   "四腕王"[6]
  "慈悲なきもの"[6]

キャロル・ホプキンス:メジャー:【ブラックドッグ】《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》《雷鳴の申し子》《獅子奮迅》 9(+db)dx7+6 攻撃力29+α 範囲(選択) メインプロセス終了自にHP0になる。 侵蝕17
キャロル・ホプキンス:攻撃対象は排撃系10体と“月下王”
キャロル・ホプキンス:11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,3,3,7,8,8,8,9,10,10,10]+10[2,2,3,3,5,5,6,7]+1[1]+6 → 27

排撃系:排撃系はイベイジョン10なので全員命中です。
"月下王":リアクションを放棄します。《復讐の刃》。
"月下王":《子羊の歌》。排撃系一体のダメージを引き受けます。
"月下王":10dx7+6
DoubleCross : (10DX7+6) → 10[1,2,2,4,4,4,4,6,7,8]+10[3,10]+6[6]+6 → 32

キャロル・ホプキンス:ではダメージを
キャロル・ホプキンス:3d10+133
DoubleCross : (3D10+133) → 19[3,7,9]+133 → 152

"月下王":4d10+20
DoubleCross : (4D10+20) → 6[1,1,3,1]+20 → 26

"月下王":戦闘不能。《魔獣の証》で復活します。
キャロル・ホプキンス:リザレクト!
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(96 → 98)
キャロル・ホプキンス:この場合、雷鳴の申し子のHP0とメジャー侵蝕上昇ってどっちが先でしょうか?
GM:メインプロセス終了時に戦闘不能か
GM:メジャーアクションとメインプロセスは微妙にタイミングが違うと認識していて
GM:メジャー侵蝕上昇を含むメジャーアクションの諸々が終わった後でメインプロセスが終わるという処理になるはずなので
GM:侵蝕上昇してからHP0になるでしょう
キャロル・ホプキンス:分かりました
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を17増加(98 → 115)
GM:侵蝕が100以上の状態で戦闘不能になったため
GM:キャロルさんは十字冠転送します。戦闘離脱です。
キャロル・ホプキンス:うわあああああああ
"月下王":行動値8。"月下王"の行動。

    排撃系[12]
   "月下王"[8] 

      5m

   "四腕王"[6]
  "慈悲なきもの"[6]

"月下王":マイナーで《破壊の爪》《完全獣化》。
"月下王":メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《一閃》《鬼の一撃》《大裁断》。対象はアーイシャ。
"月下王":16dx7+6 ガードした場合ダメージ+30されます。
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[2,2,2,3,4,5,6,6,6,6,7,7,7,8,10,10]+10[3,4,5,6,6,8]+2[2]+6 → 28

"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:《領域の盾》。"慈悲なきもの"にカバーリングさせます。
"慈悲なきもの":カバーリング……と同時に、《氷盾》《鋼の氷》!
"月下王":3d10+54+30
DoubleCross : (3D10+54+30) → 20[10,3,7]+54+30 → 104

"慈悲なきもの":合計ガード値40だが……戦闘不能に……!
"慈悲なきもの":「ジャガーノーツアンプル」を使用。HP20で復活します!
GM:手番は行動値6の二人。
"慈悲なきもの":メジャーアクションで離脱します。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:メジャーアクションで離脱します。

    排撃系[12]
   "月下王"[8] 

     11m

   "四腕王"[6]
  "慈悲なきもの"[6]

■ラウンド2

"月下王":《フルパワーアタック》。
排撃系:何もなし。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:《ファンアウト》。対象は"慈悲なきもの"。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:戦闘移動した"慈悲なきもの"に《間隙の魔術師》。3km先に移動させます。

     排撃系[12]
   "月下王"[8] 

     11m

   "四腕王"[6]

GM:戦闘終了です。

"慈悲なきもの":「攻撃が来る!備えろ……!」
GM:"慈悲なきもの"の叫びとほぼ同時だった。
排撃系:群れを成す機械が、電波か、力場のような攻撃を撃ち出している。
排撃系:それも、対処しようがないほどの物量で。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「備えろ、って、言ったって!!」"慈悲なきもの"の後ろに隠れることしかできない。
キャロル・ホプキンス:“慈悲なきもの”の声が耳に届くより早く、前に出た。
キャロル・ホプキンス:「逃げるというのなら……まずはあなたです!」
"慈悲なきもの":「――キャロル!」骨組みじみた槍を振るい、攻撃を予測して叩き落としているが
"慈悲なきもの":その達人的な技量を以てしても、単純な物量差で凌ぎきれない。
キャロル・ホプキンス:翡翠剣を掲げる。それはキャロルが扱う武器であり、妖精術の触媒だ。
キャロル・ホプキンス:そう、雷の妖精術の触媒。それは、概念的に避雷針のような役割に転換できる。
"慈悲なきもの":「危険だ!敵は私以外の理事会かもしれない!」
"慈悲なきもの":「捕獲されれば、十字冠転送では済まないぞ!」
キャロル・ホプキンス:圧倒的な物量――その全てをねじ曲げるとまでは行かずとも、その大半をその身に受ける。
キャロル・ホプキンス:「だと――しても!」
キャロル・ホプキンス:まともな防御ができたのは最初の数瞬のみだった。
排撃系:ジジジジジジッ
排撃系:物質としての組成を直接的に分解されるような、気味の悪い感触がある。
排撃系:この世界とは異なる技術系統によって造られた防衛システムだ。常識では理解することができない。
キャロル・ホプキンス:常識では理解できない存在には、慣れている。
キャロル・ホプキンス:そも、妖精術とは、人智と乖離した妖精の力を借りることで行使される。
キャロル・ホプキンス:だから、精神的な障害は無視できる。肉体的な損傷は、体内に飼っている妖精の加護によって増加した生命力で無理矢理に耐える。
キャロル・ホプキンス:それでも、幾度もリザレクトを繰り返した。十字冠離脱せずに済んだのは、それこそ強靱な生命力の成せる業だが、その限界も近い。
キャロル・ホプキンス:「もう……誰かが死ぬのをただ見ているなど……私にはできない」
キャロル・ホプキンス:「これ以上、罪を重ねたくない!」
"慈悲なきもの":「私は死人だ!」
"慈悲なきもの":纏わりつく排撃系を打ち払い、紙一重で攻撃を避けながら叫ぶ。
"慈悲なきもの":「死人に構うな!お前は、私に会わなかった!」
キャロル・ホプキンス:「言ったはずです! 私は人に恵まれている! そして恩知らずでもない!」
キャロル・ホプキンス:「あなたが死人だとしても、私は見捨てることはできない……! もう既に私は、一度死人を踏みにじった……!」
キャロル・ホプキンス:「最悪の気分だった! もうあんなのは嫌だ!」
"慈悲なきもの":「キャロル」
"慈悲なきもの":「……キャロル・ホプキンス。お前が戦う理由は……」
キャロル・ホプキンス:「私の前で……死なないで……!」背を向けて叫ぶ。
キャロル・ホプキンス:その足下の砂が、点々と濡れていた。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ちッくしょう!!なんなんだよ!なんなんだ、お前らッ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「こんなわけの分からない状況で……わけの分からない敵に囲まれて」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「感動ドラマで盛り上がってられる状況じゃないでしょ!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしは、こんな意味不明な終わり方なんて」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「まっぴらごめんだ!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:無様に逃げ回っているだけだ。卓越した頭脳があっても、自前の戦闘能力は一切ない。
キャロル・ホプキンス:「……大丈夫です」
キャロル・ホプキンス:「終わらせない……私が、倒します」
"月下王":「グゥルルルルルルルル!!!!」
"月下王":「ギャアアアァァ―――アアアアアアッ!!!」
キャロル・ホプキンス:“月下王”の戦闘能力は知っている。彼女も、あの戦いに参加していた。
"月下王":白青色の、閃光じみた突進が来る。外見も身体能力も、もはや獣の範疇にない。
キャロル・ホプキンス:一対一で戦ったとして、互いの生命力と攻撃能力を考えて、よくて互角。
キャロル・ホプキンス:そこに“ロード・マスター”が使役したあの謎の機械群も加われば、戦況は絶望的だ。
キャロル・ホプキンス:勝てる訳がない。
キャロル・ホプキンス:「――赦し給え。『楽園刑場メム』」
キャロル・ホプキンス:縄状の遺産が、キャロルの首に巻き付く。
"月下王":「ク、ク。『クライデ』……『フィレッ、セン』……!」
"月下王":血統政変を境に、"月下王"は行方不明になっている。その王鍵は回収されていない。
"月下王":このおぞましい獣化は、彼女の王鍵の効果とも異なる。一体どれだけ長い間、この状態だったのか?
キャロル・ホプキンス:『楽園刑場メム』は、臨死体験を代償に空間を妖精界と同様の環境に置換する『チェンジリング現象』を引き起こす。
キャロル・ホプキンス:懲罰奉仕部を率いる際は、周囲に展開し、味方に妖精の加護を与えていた。
キャロル・ホプキンス:だが、一人で戦うのなら。それを、ただ己と剣にのみ集約したのなら。
キャロル・ホプキンス:赤雷が弾ける。――常ならば、そうだ。
キャロル・ホプキンス:甲高い幼子の嬌声じみた雷鳴が無軌道に飛び交う。
キャロル・ホプキンス:それを引き連れていたのは、黒い雷光だった。
キャロル・ホプキンス:幻想の雷は、現世の空間自体を引き裂いて、黒いひずみとして顕現する。
"月下王":本能的な脅威を呼び起こす雷に対しても、足を止めることはない。
"月下王":正面から交錯するように駆け抜け、食い千切る。
キャロル・ホプキンス:首元に牙が食い込む。骨まで一秒で達する。頸骨が折れ砕ける。
キャロル・ホプキンス:だが――雷は既に放たれた。
"月下王":「グゥゥゥウギャアアアアアアアア!!!!」
キャロル・ホプキンス:黒い裂け目が機械群を飲み込み、牙に交差するように突き刺された剣を通して、“月下王”の体内で直接雷を暴れさせる。
"月下王":キャロルの血にまみれながら咆哮する。雷の直撃で、深部まで肉が焼け爛れている。
"月下王":着地の反動で、炭化した脚が一本折れて砕けた。
キャロル・ホプキンス:「ぁ……か……」既に声帯は機能を失っている。
"月下王":だが、そのような悪夢的な有様になっても戦い続けている。"月下王"は八月革命で、四度の十字冠転送を経ても戦い続けたという。
"慈悲なきもの":「キャロル……!無理をするな!」
"慈悲なきもの":「戦いをやめろ!十字冠転送しかない!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あ、あ、あたしのせいじゃないわよぉ!」泣き叫んでいる。
キャロル・ホプキンス:「ぁ……ぁ、ぁ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「こいつが……こいつが、勝手に盾になるから!」
キャロル・ホプキンス:まだ、戦えます。私は、王ですから。
キャロル・ホプキンス:そう言って微笑んだつもりだったが、笑顔を上手く作れただろうか。
キャロル・ホプキンス:そこまでだった。体が淡く光る。
キャロル・ホプキンス:「ぁ……、ぁ、ぁあ……!」
キャロル・ホプキンス:十字冠の転送光だ。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「キャロル!キャロル・ホプキンス!」
キャロル・ホプキンス:手を伸ばす。
キャロル・ホプキンス:ここで、自分だけまた逃げるのか?
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:手を掴もうとする。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたし達だけ残していくな!」
キャロル・ホプキンス:「ぁ……ぁ、ああ、あああ――……!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「お前達みたいなのは、本当にわけが……」
GM:キャロルが知覚できたのはそこまでだ。十字冠が彼女を離脱させる。
"慈悲なきもの":「……」
"慈悲なきもの":「……次はお前だ、アーイシャ・ナッジャール」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「何言ってんの!?逃げられるわけがない!」
"慈悲なきもの":「安心しろ。いざという時は、この私がお前を十字冠転送させてやる」
"慈悲なきもの":「……墓守のまま、秘密を守っていれば、こんなことには巻き込まなかった」
"慈悲なきもの":「すまなかったな」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「~~~~~ッ!!!」
"月下王":「グァァルルルルルルルルルルルルル!!!」
"月下王":地形を変えるかのような"免罪王"の雷は、死に等しいダメージを"月下王"に与え
"月下王":排撃系を一掃していた。だが、"月下王"は
"月下王":五星君と対峙してなお、幾度も再生した、不死の怪物である。
"慈悲なきもの":「……『氷累の石棺』があればな……」
"慈悲なきもの":「……」
"慈悲なきもの":「いいや……なくてよかった」
"慈悲なきもの":「さっさと行けアーイシャ!まだ私の手を煩わせる気か!?」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「どいつも……こいつも!!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:地面に手を突いている。将棋盤の如き、青い光のグリッドが地面に広がっている。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「嘘ばかりつきやがって!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「生きたいくせに!憎いくせに!全部分かっているくせに!」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あんた達のことは、みんな……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「大嫌いだ!!!」
"慈悲なきもの":「アーイシャ、何を……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ここから逃げるのは」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あんただよ!!!"慈悲なきものハングマン"ッ!!」
GM:青いグリッドがが出鱈目に明滅した。
GM:周囲のオブジェクトが大小問わず交錯し、その座標を入れ替える。
GM:だが、シャッフルが終わったその時には、"慈悲なきもの"はいない。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ハ、ハハ……これで、飛落ちだ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:一人残された状態で笑う。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:オルクス能力による空間転移が彼女の能力だった。だが、王鍵を失った今は、それほど大きな処理能力を転移に費やすことはできない。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「ああ……『グレイトフル・ギャンビット』があればな……」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:指し手自身が逃げることのできない切り札だった。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「くそ」
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:――やはり私は人に恵まれています。
"四腕王"アーイシャ・ナッジャール:「あたしはいつも、最悪だよ」

無人地帯


GM:荒野のどこかで、キャロル・ホプキンスは覚醒した。
GM:十字冠転送後に置かれる昏睡状態の程度は、生徒によって個人差はあるが……
GM:諸王級以上の強大なオーヴァードの場合、転送直後から意識を取り戻す例も少なくはない。
GM:半妖精じみた絶大な生命力を行使できるキャロル・ホプキンスならば、尚更だっただろう。
GM:彼女一人だけだ。先程まで行動をともにしていたアーイシャも、"慈悲なきもの"もいない。
キャロル・ホプキンス:確かとは言えない足取りで立ち上がる。
キャロル・ホプキンス:砂漠地帯に、左右に行き来する足跡が残される。
キャロル・ホプキンス:十字冠転送からの覚醒直後故に足下が覚束ないのか、今にも嘔吐しそうなこの気分がそうさせるのかは分からなかった。
キャロル・ホプキンス:「……」
キャロル・ホプキンス:表情は消えていた。生来の明るさも陰り、強がりもする相手がいない。
キャロル・ホプキンス:罪を重ねた。自分の力が足りないから。
キャロル・ホプキンス:王を名乗っておきながら、手の届く距離の人間すら救えない。
キャロル・ホプキンス:何も考えず歩いて、岩場を見付ける。最近降った雨が乾ききっていないのか、窪みに水が少しだけ張っていた。
キャロル・ホプキンス:反射した月明かりが、自分の顔とその上に輝く十字冠を映し出す。
キャロル・ホプキンス:「こんなものが……あるから……」
キャロル・ホプキンス:「あ、ああああ、ああああああああ――!」
キャロル・ホプキンス:赤雷が、水面に映った十字冠を撃つ。
キャロル・ホプキンス:無人の砂漠。雲一つない星空の下、何度も雷鳴が轟いた。
キャロル・ホプキンス:「――ま……まだ、だ」
キャロル・ホプキンス:「まだ……生きてるかも……しれない……」
キャロル・ホプキンス:自分でも信じられない言葉だった。
キャロル・ホプキンス:それでも、縋るように口にした。そうでなければ、正気を保てなかった。
キャロル・ホプキンス:「た、助けに……いかなくては……」
キャロル・ホプキンス:当てのない、迷うような足跡は、そこから先は真っ直ぐに進んでいた。

GM:シーン終了。ロイスのみ可能です。また、十字冠の侵蝕率減少も有効です。
キャロル・ホプキンス:“慈悲なきもの” ○誠意/不思議→執着/恐怖○に変更
キャロル・ホプキンス:アーイシャ・ナッジャール ○友情/罪悪感
キャロル・ホプキンス:十字冠の低減処理します
キャロル・ホプキンス:キャロル・ホプキンスの侵蝕率を1D10+10(→ 18)減少(115 → 97)


◆Middle06◆そのままの君で




キングダム連合学院 黒檀通り


GM:キングダムに同時降下した星徒は六体だったが、少なくともそのうち一体は、降下直後から被害を食い止め、足止めに成功していた。
GM:星徒の名は、かつて円卓最強の王として知られた"風塵王"――倫道アカネ。
GM:そして『足止めに成功している』というのも、もしかしたら、最大限に楽観的な見解でしかないのかもしれない。
GM:倫道アカネは、キングダムへの攻撃ではなく、初めから明確に、救伐騎士団を目標として襲撃を仕掛けていたからだ。
GM:ともあれ、救伐騎士団執行部は総力を以て倫道アカネを迎撃し――
GM:そして、未だ討伐に至っていない。"騎士王"と"風塵王"の戦闘に多くの団員が連携して支援を試みたが、彼女らの戦闘には全く追いつけないことが分かっただけだった。
GM:現円卓最強の"騎士王"ルナンシア・ラダ・ランパートは辛うじて彼女の技を凌いでいる。それでも、有効打が命中するイメージを持てていない。
GM:執行部の精鋭は、倫道アカネの余波のような攻撃で次々と倒れた。まともに動けるのは、ルナンシアだけだろう。
コーギー・ラッセルテリア:『しゅ、集合させた12人の精鋭騎士が』
コーギー・ラッセルテリア:『全滅、この……早さで……』
コーギー・ラッセルテリア:呆然とした声が通信機から漏れる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(────強い)
ルナンシア・ラダ・ランパート:楯による防御。毛細管現象で地上に吸い上げた水を凍らせた氷杭アイススパイクの跳躍。頬を裂く斬撃を一瞬で凍結癒着させる。カウンターの重い一突き。
ルナンシア・ラダ・ランパート:全てを同時に行う。倒れた騎士団員を後方へ蹴り飛ばし、倫道アカネの着地候補となる地点を凍結させて摩擦を奪い、剣を往なし、斬撃を見舞う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:防御・防御・攻撃。防御・防御・防御・攻撃。
"風塵王"倫道アカネ:「はははは!あはははははは!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:(認めるか。押されている)
"風塵王"倫道アカネ:飛び、跳ね、霞み、消える。背後。上。下。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネの武器は、変幻自在の赤いエネルギー光だ。それだけと言ってもいい。
"風塵王"倫道アカネ:枝分かれによる鋏撃。色相変位による不可視化。散らしたガラス片による乱反射。光の爆発による感覚攻撃。
"風塵王"倫道アカネ:蹴りがルナンシアの斬撃を防御する。脚からもエネルギー光を発している。その光の作用を帆のように用いて、空中を飛び、距離を離す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:片側の瞳を薄い氷で覆い屈折率のズレを炙り出した不可視の斬線から、半歩ズレた位置へ着地する。
"風塵王"倫道アカネ:「……いいね~、ルナンシアちゃん」最終的に着地したのは、庁舎の屋上だ。
"風塵王"倫道アカネ:「あ、同級生じゃなくて後輩だから、ルナンシアくん、、がいい?」
ミアナ・ラットワース:「も、申し訳ありません……騎士王様……!」執行部隊長、ミアナ・ラットワース。脅威範囲から蹴り飛ばされ、倒れている。
ミアナ・ラットワース:「今日の必殺剣……外敵パニッシャーさえまともに入っていれば……必ずやお役に立てたはず……!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……ミアナ。あまり喋るな、恢復に努めろ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:部下に告げて、敵へ向き直る。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「呼び方はどちらでもいい。おまえの満足する方を使うといい」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「おまえの強さと生前の功績に、私なりの敬意を込めて──こちらも好きに呼ばせてもらう。"風塵王"」
ルナンシア・ラダ・ランパート:斜め前方に踏み出し、穂先を後方に流す『防壁』の構え。
"風塵王"倫道アカネ:「ルナンシアくんって、もしかして一般クラス出身?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:本来は両手で行うものだが、左手が盾を持つ関係上、右手一本で巨大な大斧槍を支えている。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……」
"風塵王"倫道アカネ:「あまり話したことないよね?私、リンドの特進クラスだったから……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そうなるな。戦ってみたいと……思ったことがないではないが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:火の手の上がる街が、嫌でも目に入る。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「そちらが星徒でなく──こういう場面でなければ、私も楽しめただろう」
"風塵王"倫道アカネ:アカネは攻めかかってこない。爛々と光る目が、建物の上からじっとルナンシアを観察している。
"風塵王"倫道アカネ:動けば、互いに止まってはいられない。
"風塵王"倫道アカネ:「あれ良くなかったよね。一般とか特進とか……くす」笑う
"風塵王"倫道アカネ:「ああやって分けられてたせいで、ルナンシアくんみたいなのがいるのも知らずに死んじゃった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「全くだ」凍てつく双眸が、その一挙を見逃すまいと少女を睨む。会話の意図が読めない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:さりとて、無理な仕掛けが通る相手でもない。
"風塵王"倫道アカネ:「特進にもしょーもないのが一杯いたし」
"風塵王"倫道アカネ:「所詮、大人が勝手に作った分類だよね……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ああ。だが私達は理事会の作った枠から解放されつつある」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「大人の作った仕組みが気に入らないのなら、穏便に我々を卒業させてくれてもいいと思うが」
"風塵王"倫道アカネ:「……?」
"風塵王"倫道アカネ:「ああ、そうか……」たった今気付いたように、空を見て呟く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……何だ」
"風塵王"倫道アカネ:「そういや、セベクさんと一緒にキングダムを潰してるところだったな……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:暫し唖然として。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「忘れるなよ。おまえの剣が何を起こしたのか……目に入らないのか? この惨状が」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「これがジャームという……人がジャームになるということなのか。あるいは、かつてよりそうだったのか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:後者の比率が高そうな気はする。それは生前の雰囲気の朧気な記憶からでもあったし
ルナンシア・ラダ・ランパート:アグニヤ星徒会の共通目的を忘却していたことからの考えでもある。
"風塵王"倫道アカネ:「だって戦う時の技は、実際に動いてもらわないと、分からないでしょ。ルナンシアくんは違うの?」
"風塵王"倫道アカネ:「たとえば、そこに倒れてる子の……ええと、外敵パニッシャー」
"風塵王"倫道アカネ:「大振りの大剣みたいに見せかけて、寸前で質量を崩して避けにくくする技を入れてたよね……」
"風塵王"倫道アカネ:「イリーナって子は、多分感知能力かな?反応が一歩ずつ早かった。こっちの予測にもある程度対応してたっぽいから」
"風塵王"倫道アカネ:「呼吸か視線を見るタイプの能力者だったんだろうな……重心を見てたわけじゃない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──本当に鋭いな。多かれ少なかれ我々のようなタイプは」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「常人が数十回見て覚える対応を一度で手にするものだが」
"風塵王"倫道アカネ:「人間はいいよね」
"風塵王"倫道アカネ:「力任せの星徒と違って、技と工夫がある」
ルナンシア・ラダ・ランパート:彼女は一度ではない。零回だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:イリーナの単純な練度。あるいはミアナの一見ふざけた初見殺しにしても。
ルナンシア・ラダ・ランパート:単純な経験の流用で墜とせる代物ではない。モノが違う。
"風塵王"倫道アカネ:「戦いの技って、その人の人生を全部詰め込んで、一番頑張って、知恵を振り絞って作るものだよねえ」
"風塵王"倫道アカネ:「失敗したら、死んじゃうんだもん」
"風塵王"倫道アカネ:「だからルナンシアくんはいいな。飽きない。まだあるよね?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そして、自分がある程度対応できているのも、騎士団員の犠牲があったからこそだ。自分は彼女と比べれば──零回の見切りに向くタイプではない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ある。そして札を温存するつもりもない」
"風塵王"倫道アカネ:「たとえばその王鍵の温度操作って、マイナスだけじゃなくて――」
"風塵王"倫道アカネ:「……」不意に、アカネの動きが止まる。
"風塵王"倫道アカネ:口元に手を当てて、ぶつぶつと呟きはじめる。
"風塵王"倫道アカネ:「うん、そう。覇鍵解錠が火を使う応用……じゃん?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:温存する意味がない。一度見せているかどうかが、次に放つ時に影響するとも思えないし──。
ルナンシア・ラダ・ランパート:相反するようだが当然のこと。
ルナンシア・ラダ・ランパート:長く戦えば戦うほど不利だ。
"風塵王"倫道アカネ:「だから、そうなるよな……」
"風塵王"倫道アカネ:「体積を発散させて」
"風塵王"倫道アカネ:「質量を消す急加速」
"風塵王"倫道アカネ:「――ああ」
"風塵王"倫道アカネ:「飽きちゃった」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:驚くべきことだった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:円卓三席の序列を手にしてから絶えず訓練を続けてきた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:過冷却水の体積が無限大に発散する──水という物質の特異な振舞いを利用した王鍵起動の高速形態は、ザジ・バントラインとの戦いで使用した時の実践感覚とともに、既に掌中に納めつつある。
ルナンシア・ラダ・ランパート:倫堂アカネという強敵を前にして今この場で使えば、おそらくは正しく操ることができる──
ルナンシア・ラダ・ランパート:逆に言えば、ノヴァリス最強の氷雪使いを自負する己にとってすら、それだけの訓練と条件が揃わなければ、単なる自殺行為の技だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「"慈悲なき者"に対して」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「先代の槍の主にさえ。この王鍵の歴代の使い手の誰も目指さなかった場所へ辿り着くと言った時、そんな察しの良さは無かったぞ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ぴしりと、こめかみで水滴が凍る。タイムリミットが訪れたのかもしれない。恐怖が湧き上がる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:同時に、押さえつけていた槍の焦燥が伝播する。赤い剣を形成するエネルギーを、眼の前の敵の体温を奪えと、無数の零下の亡霊が逸る声が濁流のごとく押し寄せる。
GM:――ジャームはそれ以上成長することはない。多くの点において、それは正しい表現といえる。
GM:学び、理解し、対応する。ジャームのほとんどは、そのようなことをしない。
GM:仮に向上の素養を持ったジャームであったとしても、適切な訓練と成長の機会を与えられることはまずない。
GM:だが、その極稀な条件が重なった場合に、何が起こるか。
GM:戦闘と学習の天才であった倫道アカネの人格全てを転写された星徒が。
GM:自分と同等以上の能力を有する星徒相手に、無数の戦闘経験を積んでいたとすればどうか。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(────────それが)
"風塵王"倫道アカネ:「ルナンシアくんさぁ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:(そんな事が)
"風塵王"倫道アカネ:「もっと面白いこと、考えなきゃだめだよ……」
GM:有り余る星徒のポテンシャルを以て、恐ろしい速度で戦闘経験を積み重ねている。倫道アカネは、死してなお成長する星徒、、、、、、である。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ジャームの思考は、単純化され本能的なものになるとされる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:目的や執着……例えば力、例えば人物、例えば物品。過去、憎悪、名誉────
ルナンシア・ラダ・ランパート:「どれでもないんだな。おまえを────」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「今すぐ倒さねば、ならない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ごぅん。踏み込みの跡を残し突風とともに斬りかかる。破れかぶれの、力任せのような。
GM:倫道アカネは、他の星徒とは多くの点で異なる。交戦状態に入りながら、まだ見せていないものがある。
GM:一つは侵星魔法冠。もう一つは。

"風塵王"倫道アカネ:流星体。それを今、倫道アカネが纏った。
"風塵王"倫道アカネ:光。まるで無感情な昆虫のごとく、ルナンシアへと相対する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(────来た)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ずっと。それを警戒していた。同時に待っていた。その瞳はいまだ冷静さを欠いてなどいない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ばきん!
ルナンシア・ラダ・ランパート:砕けるような音と共に、槍が厚い氷を纏う。彼女の立つ場所からの光を全反射させ後方へ散らすプリズムの形状へ。
"風塵王"倫道アカネ:ジ、という羽音のような響きがあって、槍を覆う氷が砕けていた。星徒アカネが、後方にすれ違っていることを認識する。
ルナンシア・ラダ・ランパート斧槍ハルバードが、さらにばかでかい突撃槍ランスへと変じ、氷の分が伸長した勢いのままに倫道アカネを貫こうとした。
"風塵王"倫道アカネ:光を散らすプリズムでも、反射不可能な点がある――プリズムの頂点。角柱を構成する線に正確に入射して、解体した。
"風塵王"倫道アカネ:「ほら、やっぱり」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──────ハ」
"風塵王"倫道アカネ:「こういうことか……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:解体された瞬間。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それを形成していた氷の各ポイントに凄まじい剪断力がかかる。
ルナンシア・ラダ・ランパート敢えて・・・そうなるようにした・・・・・・・・・
ルナンシア・ラダ・ランパート:吹雪に焚かれたストロボのような発火炎が、光のエネルギーを散らす。
ルナンシア・ラダ・ランパート:極度の剪断力に晒されながら極低温で形成された氷は結晶構造を持たず、安定した形態に戻る際激しい熱を発する。
ルナンシア・ラダ・ランパート:──それが先触れだ。騎士の槍が収奪したすべての温度を解放するための。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「覇鍵解錠」
ルナンシア・ラダ・ランパート:静かに。だがそれは、キングダムで最も苛烈な裁きの予感を孕んで。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「『火煌の石冠ゼノリシア』!!!」


GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:侵蝕率を6d10上昇させてください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を6D10(→ 17)増加(35 → 52)

"風塵王"[32]

  20m

"騎士王"[6/52]

■ラウンド1

GM:セットアップ。
"風塵王"倫道アカネ:《幻影の騎士団》。攻撃力を+21。ダメージを受けると解除されます。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》《鮮血の奏者》《赫き鎧》サングイン適用
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP7消費 +攻撃力24/ガード12/装甲30
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を9増加(52 → 61)
GM:行動値32。アカネの手番です。
"風塵王"倫道アカネ:マイナーアクションで《シャイニングアーム》。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《かまいたち》《大裁断》。
"風塵王"倫道アカネ:装甲無視、ガード不可です。
"風塵王"倫道アカネ:23dx7+21
DoubleCross : (23DX7+21) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,4,5,6,6,7,7,8,9,9,9,9,10]+10[1,1,3,4,6,6,8,9]+2[1,2]+21 → 43

ルナンシア・ラダ・ランパート:ドッジするしかない……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:7dx+1>=43
DoubleCross : (7DX10+1>=43) → 10[1,5,6,6,7,10,10]+10[4,10]+6[6]+1 → 27 → 失敗

ルナンシア・ラダ・ランパート:くそっ 固定値がでかすぎる!
"風塵王"倫道アカネ:でかいのは固定値だけかな?
ルナンシア・ラダ・ランパート:怖いこと言わないで
"風塵王"倫道アカネ:5d10+97
DoubleCross : (5D10+97) → 22[2,4,3,9,4]+97 → 119

ルナンシア・ラダ・ランパート:HP37。一発で死!
ルナンシア・ラダ・ランパート:1d10 リザレクトします!
DoubleCross : (1D10) → 6

ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を6増加(61 → 67)
GM:手番は行動値6。ルナンシアさんです。
ルナンシア・ラダ・ランパート:はい
ルナンシア・ラダ・ランパート:ヤバっ……20mもある 20m!?
ルナンシア・ラダ・ランパート:紅の騎行を使っていれば……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや……危ない。 フレイムタンがあった 攻撃できる
GM:《フレイムタン》を使えばいいのに……(ロボカス)
ルナンシア・ラダ・ランパート:マイナーで11m前進して接近。《コンセントレイト》《炎の刃》《フレイムタン》で攻撃します。対象はアカネちゃん
ルナンシア・ラダ・ランパート:7dx7+3 命中!
DoubleCross : (7DX7+3) → 10[1,2,4,5,6,6,9]+10[10]+3[3]+3 → 26

"風塵王"倫道アカネ:《リフレックス:ハヌマーン》《切り払い》《居合い》。
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕6増えて73
ルナンシア・ラダ・ランパート:うわ~~ん
"風塵王"倫道アカネ:10dx7+21+18>=26
DoubleCross : (10DX7+39>=26) → 10[1,1,2,2,3,6,6,7,7,10]+10[3,5,9]+10[8]+10[8]+6[6]+39 → 85 → 成功

ルナンシア・ラダ・ランパート:強すぎる……!
GM:これで第1ラウンド終了……ではありません。
????:行動値5。
ルナンシア・ラダ・ランパート:何ぃ!
????:マイナーで《ハンティングスタイル》《赫き剣》。HPを4消費しつつ、ルナンシアにエンゲージします。
????:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《鮮血の一撃》でルナンシアを攻撃。
????:15dx7+3
DoubleCross : (15DX7+3) → 10[1,1,2,4,4,6,6,6,7,8,8,8,8,9,10]+10[1,1,2,3,4,7,10]+10[4,7]+10[8]+6[6]+3 → 49

ルナンシア・ラダ・ランパート:おもしれえ
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガード。《氷盾》。ジュラシックレコードで受けます
????:5d10+43
DoubleCross : (5D10+43) → 22[7,6,2,1,6]+43 → 65

ルナンシア・ラダ・ランパート:装甲40ガード31
ルナンシア・ラダ・ランパート:71点軽減して無傷。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を2増加(71 → 73)
????:全部防がれるとは……!

"風塵王"倫道アカネ:星徒アカネの姿は、また別の建物の屋上にある。
"風塵王"倫道アカネ:だが、それが欺瞞か錯覚であろうということも、ルナンシアは感じ取れているだろう。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネはただ技を理解しているのではない。技の使い手の、戦闘思考をこそ理解している――
ルナンシア・ラダ・ランパート:(理屈の上では信じ難い。氷累の石冠の解錠形態の放つプラズマに晒されて維持できる光学幻影など。だが──)
ルナンシア・ラダ・ランパート:星徒に常識は通用しない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:起点。跳躍。そしてこれまでに見せた空中制動能力。
ルナンシア・ラダ・ランパート:全て頭に入っている。そこから彼女のいるであろう場所を算出できる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:無論、それは流星体を纏った倫堂アカネの行動を読むのに適切な思考ではない。だがこういうときに逆を張って、絶対に居ない場所を狙うという思考こそが危険だ。
"風塵王"倫道アカネ:常人であれば――たった今視界に入ったアカネの幻影を、幻影であると確かめるための一手を費やしただろうか。
"風塵王"倫道アカネ:ルナンシアはそうしなかった。正しい判断である。
"風塵王"倫道アカネ:プラズマの豪熱でかき消えていなかった理由は、それが建物の窓ガラスを通して映写機のように照射された、投影だったからだ。
"風塵王"倫道アカネ:秩序的な計算と、直感的な予知の複合。次にアカネが出現する位置、攻撃の時。
"風塵王"倫道アカネ:それを理解することができる。まだ、辛うじて、一手が間に合う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(堅実に、そして大胆であることだ。戦士である限り両者は矛盾しない)
ルナンシア・ラダ・ランパート:カッと目を見開く。光が硝子を反射して自身の目に届くであろうルート。それは直線が折れ曲がった面の形を成す。
ルナンシア・ラダ・ランパート:幅広の斧の成す紅の軌跡が、その全てを一気に薙ぎ払う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「はああああああっ!!!!」
"風塵王"倫道アカネ:鮮明に、攻撃のイメージは描けていた――アカネの光線が届くよりもごく僅かに早く、彼女の身体が熱圏に飛び込んでいるだろうと。
"風塵王"倫道アカネ:光線のごとく素早い跳躍移動の最中、倫道アカネは、
"風塵王"倫道アカネ:攻撃のための突進を仕掛けていなかった。超高速の加速を行うのと同様に、超高速の減速で急停止した。
"風塵王"倫道アカネ:「その位置からなら、炎が届くって」
"風塵王"倫道アカネ:「思ってるでしょ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──がっ……!!」
"風塵王"倫道アカネ:言葉が届くよりも先に、ルナンシアの腹部に熱い痛みが走った。
"風塵王"倫道アカネ:「ルナンシアくんの攻撃は、すごくきっちりしてるね――」
"風塵王"倫道アカネ:「氷も熱も、必要十分な攻撃範囲だけに、1mmのズレもなく正確に制御している……」
"風塵王"倫道アカネ:突撃を仕掛けてこないのならば、アカネの光線の射程外であるはずだった。だからたった今、成すすべなく攻撃を受けたのだ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「よく言われた。つまらない女だと」
ルナンシア・ラダ・ランパート:悪態を返すが、背筋を冷たいものが這い上がってくる。
"風塵王"倫道アカネ:「だから」
"風塵王"倫道アカネ:「計算できるよ。屈折率も」
"風塵王"倫道アカネ:熱レンズ効果という物理現象がある。
"風塵王"倫道アカネ:物質内の熱勾配の差により、光線が屈折し、物質そのものがレンズのように振る舞うことを指す。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネがこの距離から放った光線は、その一つ一つは着弾時にはひどく弱まる。だが……
"風塵王"倫道アカネ:ルナンシアが熱した空気そのものを逆用した。収束することで、十分な破壊力になる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「信じがたい出鱈目さだ。星徒の能力がではない……流星体を纏って尚、大枠の戦い方に変化が見られない」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「倫道アカネ────おまえが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「遺産も流星体も必要とせず完成されている証左か」
ルナンシア・ラダ・ランパート:かつてのキングダム連合学院、最強の戦士。
"風塵王"倫道アカネ:呆れたように笑う。「なんでだろうね?」
"風塵王"倫道アカネ:「王鍵とか……神聖二重冠とか……侵星魔法冠とか」
"風塵王"倫道アカネ:「そういうずる、、をして戦いたがるのって、なんでなんだろ」
"風塵王"倫道アカネ:「みんな、普通に勝つ自信がないからなのかな?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……どうかな、私は違うが」
ルナンシア・ラダ・ランパート:溜め息を吐く。そこに血の味が混ざった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「普通に勝つ、か。確かに自信はない。だが槍を握る理由も、冠を使う理由も、そうじゃないだろ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:口調が苛立ちを孕んで、やはりすぐに消えた。
"風塵王"倫道アカネ:「へえ……」
"風塵王"倫道アカネ:アカネがわずかに興味深げな声色を浮かべた気がした。その時。
????:ダ ン !

????:横合いから、赤い全身甲冑に身を包んだ騎士が、ルナンシアに飛びかかっている。
????:星徒アカネと比較すれば、あまりにも稚拙で直線的だ。出力にも劣る。
????:その上、ルナンシアの知っている太刀筋だった。
????:「アアアアアァァァッ!!ルナンシ、ア……様!!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガン!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:穂先を風塵王の側へ向けたまま手首を軸に地へ下ろす。跳ねた石突きが、その剣先をかち上げ、裏拳の一発が人物ごと弾き飛ばす。
????:「グッ、グルル、ガフッ」
????:四つ足で、地面に這いつくばる。剣を取り落としたが、流血から再び片手剣を再構成する。
????:「ハーッ、ハーッ……も、申し訳ありません……ご報告、しなければ、ご報告……!」
GM:声も、エフェクトも、ルナンシアの知るものと全く同じだ。救伐騎士団捜査部、エラ・グレイフォートという。
GM:――長い間、行方不明になっていた団員だった。定時制への諜報活動に従事中、姿を消した。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「聞こう」
ルナンシア・ラダ・ランパート:早鐘を打つ鼓動を抑えながら、冷徹に返す。
エラ・グレイフォート:「わ、私はッ……精神が、平常ではありません……」
エラ・グレイフォート:「異常な、操作を……お、恐らく。恐らくは……シャムロックの、何者か……グ、アアアアアアアアッ!!」
エラ・グレイフォート:暴走状態にあることは明白だった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「平常ではない……そのようだ。だが、君の忠節は私に響いた」
"風塵王"倫道アカネ:「ねえ」温度のない声で呟く。
"風塵王"倫道アカネ:「なにそれ。どけてよ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:ぎろり、と睨みつける。槍の纏う火はいつしか消尽していたが、その視線は普段の冷たく朧げなものとは違う。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「黙れ、取込み中だ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「キングダム連合学院は考えうるだに卑劣な手段でシャムロックの攻撃を受けている。理解したぞエラ。報告に感謝する」
エラ・グレイフォート:「アアアアアアアッ!!!」再び片手剣を振り上げる。
エラ・グレイフォート:目に映る全てを――否。最も絆を強く抱く"騎士王"であるからこそ
エラ・グレイフォート:傷つけずにはいられない。暴走したオーヴァードは、振る舞いがジャームに近づいていく。
"風塵王"倫道アカネ:「どけるよ?」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「黙れと言っている!」

"風塵王"[32]

  20m

"騎士王"[6/73]
 エラ[5]

GM:この戦闘では、登場キャラクターの誰かが戦闘不能になることで戦闘が終了します。
GM:ただしエラは既にリザレクト限界を迎えており、倫道アカネに撃破された場合、そのまま死亡します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:なるほどね……!
GM:そしてルナンシアが戦闘不能になった場合、アカネかエラのどちらかにトドメを刺されると考えてください。

■ラウンド2

GM:セットアップ。
"風塵王"倫道アカネ:《幻影の騎士団》。
エラ・グレイフォート:ありません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《鮮血の奏者》のみ使用。侵蝕率77 HP3 ラウンド間攻撃力+24
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を4増加(73 → 77)
GM:行動値32。アカネの手番。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《かまいたち》《大裁断》。
"風塵王"倫道アカネ:対象はエラ・グレイフォート。
"風塵王"倫道アカネ:23dx7+21
DoubleCross : (23DX7+21) → 10[1,2,2,2,3,3,3,4,4,5,5,6,7,8,8,8,8,10,10,10,10,10,10]+10[1,1,1,1,2,3,6,6,6,7,9]+10[1,8]+10[9]+1[1]+21 → 62

ルナンシア・ラダ・ランパート:《炎陣》のみでカバー
エラ・グレイフォート:暴走中のためリアクションできません。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を2増加(77 → 79)
"風塵王"倫道アカネ:7d10+97
DoubleCross : (7D10+97) → 35[9,3,1,5,10,3,4]+97 → 132

ルナンシア・ラダ・ランパート:リザレクトします。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(79 → 86)
ルナンシア・ラダ・ランパート:HP7
GM:行動値6。ルナンシアさんの手番。
ルナンシア・ラダ・ランパート:マイナーなし。エラ・グレイフォートを攻撃。
ルナンシア・ラダ・ランパート:《コンセントレイト》《炎の刃》《鮮血の一撃》です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を6増加(86 → 92)
ルナンシア・ラダ・ランパート:10dx7+3
DoubleCross : (10DX7+3) → 10[1,2,2,3,4,5,5,5,5,10]+6[6]+3 → 19

ルナンシア・ラダ・ランパート:低い
エラ・グレイフォート:暴走のためリアクションできませんが
エラ・グレイフォート:《殺意の壁》。攻撃力を-12してください。
ルナンシア・ラダ・ランパート:2d10+46-12 ダメージです
DoubleCross : (2D10+46-12) → 18[8,10]+46-12 → 52

ルナンシア・ラダ・ランパート:ダメージダイス頑張った
エラ・グレイフォート:《赤河の支配者》。
エラ・グレイフォート:52--1D-12
DoubleCross : (52+1D10-12) → 52+7[7]-12 → 47

エラ・グレイフォート:違う
エラ・グレイフォート:―を重ねてしまった。33点ダメージが正しいです。
ルナンシア・ラダ・ランパート:怪しい……!
ルナンシア・ラダ・ランパート:防具がなくてもオーヴァード1人分ギリギリの打点だ
エラ・グレイフォート:辛うじて生きてます。エラの手番。
エラ・グレイフォート:巨人の生命も積んでるよ
エラ・グレイフォート:ダメージを軽減し、低燃費でパワーという模範的な救伐騎士団
ルナンシア・ラダ・ランパート:くそっ ブラッドコートを外したからガード値が低いぞ
エラ・グレイフォート:《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《獣王の力》《鮮血の一撃》
エラ・グレイフォート:15dx7+3
DoubleCross : (15DX7+3) → 10[1,3,4,5,5,5,7,7,7,7,8,9,10,10,10]+10[1,3,4,4,4,5,6,9,10]+10[6,8]+10[8]+6[6]+3 → 49

ルナンシア・ラダ・ランパート:うーん 期待値で死ぬが
エラ・グレイフォート:ちなみに自分の攻撃でもHPは2ずつ減っていっています。最初の《赫き剣》と合わせて8のHP消費
ルナンシア・ラダ・ランパート:ガードは……しません! ドッジ!
ルナンシア・ラダ・ランパート:8DX+1>=49
DoubleCross : (8DX10+1>=49) → 8[1,2,2,3,4,6,7,8]+1 → 9 → 失敗

ルナンシア・ラダ・ランパート:まあね
エラ・グレイフォート:騎士王~~~ッ
エラ・グレイフォート:すみませぬ――ッ!!
ルナンシア・ラダ・ランパート:いいよ(イケボ)
エラ・グレイフォート:5d10+43
DoubleCross : (5D10+43) → 24[1,7,2,9,5]+43 → 67

ルナンシア・ラダ・ランパート:リザレクト
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(92 → 96)
ルナンシア・ラダ・ランパート:ギリギリで奏者使ったらアカネ先輩の剣をリザ受けできなくなる数字が来てしまったな
GM:フフ……

■ラウンド3

"風塵王"[32]

  20m

"騎士王"[6/96]
 エラ[5]

"風塵王"倫道アカネ:《幻影の騎士団》。
ルナンシア・ラダ・ランパート:おそらく減るロイスが同じなら3ラウンドも4ラウンドも大差はないので
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》エラを確実に弾きに行きます 侵蝕98 ガード+12 HP2
ルナンシア・ラダ・ランパート:いや、嘘
ルナンシア・ラダ・ランパート:カバーリングに侵蝕を使うことを忘却していました。使います 《鮮血の奏者》も。
ルナンシア・ラダ・ランパート:侵蝕102 HP1 攻撃力+18
"風塵王"倫道アカネ:その意気やよし!
ルナンシア・ラダ・ランパート:初期ロイス、救伐騎士団をタイタス昇華。HP16で復活します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ではすいません、許されたので……改めてセットアップを宣言
ルナンシア・ラダ・ランパート:《ブラッドコート》HP1消費《鮮血の奏者》HP2消費、さらに《紅の騎行》 侵蝕104で
ルナンシア・ラダ・ランパート:行動値+30、攻撃力+21、ガード値+12です 紅の騎行以外は消費HPを参照するのでこのラウンドでは侵蝕率によるレベルアップが実質ありません。
GM:ああそうか、ブラムスの武器作成エフェクトってそうなんだ
GM:なんとも不便なものよのう
ルナンシア・ラダ・ランパート:サングイン使ってて不便なんて言ったらバチが当たっちゃうぜ
ルナンシア・ラダ・ランパート:これで行動値36! アカネ先輩を……越えた!
"風塵王"倫道アカネ:なにっ
GM:こんな非常識的行動値が越えられることあるとは……!?

"風塵王"[32]

  20m

"騎士王"[36/104]
 エラ[5]

ルナンシア・ラダ・ランパート:行動します。《コンセントレイト》《炎の刃》《鮮血の一撃》 侵蝕110まで
ルナンシア・ラダ・ランパート:対象はエラ・グレイフォート!
ルナンシア・ラダ・ランパート:12DX7+3
DoubleCross : (12DX7+3) → 10[1,2,2,3,4,6,6,6,8,9,9,10]+10[5,7,7,10]+10[1,3,7]+2[2]+3 → 35

エラ・グレイフォート:うわあ~ッ暴走中!
エラ・グレイフォート:《殺意の壁》でダメージ-12!
ルナンシア・ラダ・ランパート:4d10+43 装甲有効!
DoubleCross : (4D10+43) → 13[6,2,2,3]+43 → 56

エラ・グレイフォート:44ダメージになって……
エラ・グレイフォート:《赤河の支配者》で10が出ても22ダメージを受けてしまうから
エラ・グレイフォート:どのみち戦闘不能!残りHPは15でした。
GM:戦闘終了です。
ルナンシア・ラダ・ランパート:ハァッハァッ

エラ・グレイフォート:「グァアアアアアアアア――――ッ!!!」
エラ・グレイフォート:獣のような唸りとともに、エラがルナンシアへと襲いかかる。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネの対応は、まったく無造作だった。効率的な射線上に光点を配置し、建造物のガラスを反射させて収束させる。
"風塵王"倫道アカネ:ルナンシアとの戦闘で見せた技と比べれば、蚊をはたき落とすような、単純な攻撃だ。エラ・グレイフォートがそれで絶命することを理解している。
ルナンシア・ラダ・ランパート:だから難しくはない。無傷で凌ぐことは出来ずとも、その射線から彼女を護ることは。
ルナンシア・ラダ・ランパート:間に割り込むようにして楯を掲げる。それが粟立つように弾け、同時に背後。エラの斬撃ももろに受ける。
エラ・グレイフォート:「き、騎士王様ァァ……ッ!!!」
エラ・グレイフォート:誰よりも動揺していることが声色から分かる。それでも、自分の意志では止めることができないのだろう。
"風塵王"倫道アカネ:「何やってるの……」
"風塵王"倫道アカネ:こちらは、単に呆れたような声色で呟く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:爆発の瞬間に形成した氷で爆風の直撃を僅かに避け、発生した蒸気を零下に落とし込んで霧のスクリーンを作る。その場しのぎだ。すぐに対応される。
"風塵王"倫道アカネ:――ザク!!
"風塵王"倫道アカネ:第二波の斬撃は、床下から生えた。大気に細工をして減衰するのであれば、大気のない方向から攻める。
"風塵王"倫道アカネ:これも、エラを守り続けていなければ当然に対応できたはずの攻撃である。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「く、あっ……ッ!!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:苦悶を抑える余裕はない。実体のない刃故に靴が縫い付けられることがなかったのが幸いだ。
エラ・グレイフォート:シールドが迫っていた。顔面を殴りつけ、視界を封じ、
エラ・グレイフォート:さらに死角となる脇腹に、短く持った片手剣を突きこもうとしている。
エラ・グレイフォート:ルナンシアが教え込んだ救伐騎士団の戦術は、理性を失ってなお容赦なく、獣の狩りのように合理的だ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:"風塵王"との長きに渡る戦闘。そして負ってしまった決定的な傷。十字冠の保護はなく、死は目前。
ルナンシア・ラダ・ランパート:それを認めなければならない。倫道アカネを素早く圧倒出来なかった時点で、この戦場は既に敗北している。
ルナンシア・ラダ・ランパート:……思えば。
ルナンシア・ラダ・ランパート:もっと早く、怯懦のままに行方を晦ますことはできた。焦燥に駆られ、至上王に拙攻を仕掛けることもできた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:多くの後悔がある。取りこぼしてきた者もいる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:──そうした全てに支配されることなく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:己の規範に殉ずる者にしか、この槍は扱えない。
ルナンシア・ラダ・ランパート:氷累の石棺が──ひとりでに砕けた、ように見えた。シールドを押し付けられたバインド状態、一瞬の均衡が崩れる。中から出現したのは黒曜石の短槍。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──くじける勿れ」
ルナンシア・ラダ・ランパート:短剣を掴む手を絡め取り捻り上げる。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「あわれむ勿れ」
エラ・グレイフォート:「おお……ルナンシア、様……!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:その接点を通じて、エラの体が氷に覆われてゆく。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「ただ自らに君臨せよ。だ。忘れたことはない。一度も」
エラ・グレイフォート:極低温で、エラの活動が停止していく。しかし
エラ・グレイフォート:倫道アカネが評したように、極めて精密で、秩序的なレネゲイド制御だからこそ可能なことがある。
エラ・グレイフォート:暴走し、止まれなくなった彼女の細胞を破壊することなく、休眠状態に置くということだ。
エラ・グレイフォート:「ありがとう……ござい、ます……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「──眠れ、エラ」
エラ・グレイフォート:「……」
ルナンシア・ラダ・ランパート:倫堂アカネの剣撃が地下を通ったこと、黒曜石の塊の落剥、
ルナンシア・ラダ・ランパート:地下水を吸い上げた際に意図的に脆くしておいた地盤が崩れる。
"風塵王"倫道アカネ:遠くで、その崩落を眺めている。
"風塵王"倫道アカネ:追撃をしない。その意思を失っているようだった。
"風塵王"倫道アカネ:「……つまんない」小さく呟く。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「……素直に逃がしてくれるものだ。有難い、とは言えないな」
ルナンシア・ラダ・ランパート:私が駄目なら誰がお眼鏡に叶うのか。ジョウカか。ルキアか。シスルだろうか。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(恐ろしいのは、その誰もに興味が向かなかった場合かもしれない)
ルナンシア・ラダ・ランパート:あんな力が、ただ無敵の対応性と無慈悲な殺意を以て──。
GM:結果だけを言えば、救伐騎士団は倫道アカネを食い止められなかった、ということになる。
GM:それでも彼女らの働きは、キングダムが他の星徒達を相手に交戦している間、最強の星徒を一人押し留めた。
GM:そして、倫道アカネは弱者に興味を持たない星徒だった。彼女が隔絶した強者であったが故に、一般生徒は、彼女の殺戮の手から逃れることができた。
GM:倫道アカネが次に確認されるのは、少しばかり後のことになる――

ルナンシア・ラダ・ランパート:《不死者の恩寵》 侵蝕115
ルナンシア・ラダ・ランパート:ルナンシア・ラダ・ランパートのHPを4D10+6(→ 16)増加(1 → 17)
ルナンシア・ラダ・ランパート:以上。



キングダム連合学院 行政部


GM:真偽不明の情報が飛び交い、市街が混乱の渦中にある――という情報は、星徒襲来から大きく遅れて伝わった。
GM:単純に生徒間の真偽確認が錯綜していたことに加え、星徒襲来とキングダム封鎖は、その情報が霞むほど大きな脅威だったのだ。
GM:彼女らの間で囁かれている噂には、一定の指向性がある――
GM:曰く、一連の攻撃は、シャムロックによるファウセット査察に対する報復攻撃なのだと。
GM:ジャームを操る"フォモーリアン"が、これだけの星徒を操って、キングダムを陥落させようとしているのだと。
GM:"安臥王"の正体が棚エアリであったように、この大規模侵攻のための陰謀が巧妙に張り巡らされていたのだと。
GM:キングダムの生徒の誰かが、キングダムを陥落させようとするシャムロックの工作員である。
GM:不審な行動を取っている者がいる。彼女らが密かに連絡を取り合っている。
GM:これは陰謀論ではない。現に、不夜王が"学級会"なる秘密組織を摘発していたではないか。
GM:流言飛語の歯車を悪魔じみた精度で噛み合わせるかのような、強烈な害意。
GM:――シャムロック自由学園の棚エアリが卓越した陰謀家であることは、円卓議会の全員が熟知している。
GM:だが、一連の騒乱は本当に彼女の作戦行動なのだろうか?その真偽を判別する時間すらもない。
GM:"竜王"であれば、どのような状況にあろうと、この作戦を仕掛ける指し手の思考を正確に読んだだろう。
GM:だが"竜王"は、この危機にあってまったく動く気配がなく、連絡が取れたという報告もなかった。
GM:"竜王"さえいれば、諸王級の戦力を的確に配置することができた。未知の戦力に相対するリスクを重く取り、少数精鋭による星徒討伐を行う必要もなかったはずだ。
GM:他のどんな時よりも"竜王"の力が必要とされる状況において、一連の状況は異常とすらいえた。
ジェシカ・クロフォード:一人、地図を眺めている。
ジェシカ・クロフォード:不夜王のいくつかの個体は絶え間なく流れてくる業務の処理をし続けている。
ジェシカ・クロフォード:その中で、最も負荷のかかっているのは、手を動かすことも出来ず、地図を睨みつけている不夜王だった。
ジェシカ・クロフォード:現状、彼女には対面にいるはずの指し手の姿すら見えていない。
ジェシカ・クロフォード:ただ、刻一刻と変化していく状況の中、その都度最善と思われる手を必死に指し続けているだけだ。
ジェシカ・クロフォード:今は、それでよいかもしれない。最善手を打つことが出来れば、状況が悪化することはない。
ジェシカ・クロフォード:だが、敵が遥か先まで読み切った上で手を打ってきているのなら。
ジェシカ・クロフォード:やがて、最善手を見つけることが出来ても、それを打つことが叶わぬ状況に追い詰められるかもしれない。
ジェシカ・クロフォード:そして、敵が本来ならばこの危機に最も対応するべきにも関わらず未だ連絡を取ることもできない、
ジェシカ・クロフォード:"竜王"だとするのならば。
ジェシカ・クロフォード:その不安は杞憂ではなく確実に訪れる未来となるだろう。
ジェシカ・クロフォード:ああ、吐き気がする。全てを疑わなければこの状況を打開できない。だが全ての疑念を晴らすにはあまりにも時間が足りない。
ジェシカ・クロフォード:(今は、深い霧の中にいる敵の正体を見極めることが先決だ)
ジェシカ・クロフォード:(それが出来ねば、敵の急所を打つ手を探ることすら出来ん)
ジェシカ・クロフォード:(その為には、敵に手を打たせ…全てに耐えきらねばならん)
ジェシカ・クロフォード:(だが……)
GM:ジェシカ・クロフォードには、ある種の確信がある。
GM:この事態を仕掛けている『敵』が存在するのだとして。
GM:十分な時間があれば、ジェシカもそれに辿り着くことができるだろう。そして、同時に――
GM:戦争屋の本性を備えていないジェシカでは、キングダムが陥落するまでの時間ではきっと間に合わないだろう、と。
ジェシカ・クロフォード:(本当に…耐えきれるのか……!)
ジェシカ・クロフォード:唇を強く噛み締める。ああ、いつもそうだ。
ジェシカ・クロフォード:私は
ジェシカ・クロフォード:"私が王にならん"と決意したその瞬間にばかり
ジェシカ・クロフォード:私の無力を、思い知らされる
ジェシカ・クロフォード:(それでも)
ジェシカ・クロフォード:(止まるわけにはいかない。)
ジェシカ・クロフォード:(そうだろう。ジェシカ)
GM:ジェシカ・クロフォードが向かった先は
GM:およそ作戦指揮を執る者が向かうはずのない場所であった。
GM:その施設は、キングダム行政部からはほど近い。重要な防衛が必要な施設の一つだからだ。

GM:――そこは、氷棺陵墓ヘの収容を免れた特級犯罪者用の拘置所である。
GM:無論、ジェシカ本体は休む間もなく処理を続けている。この場に向かっているのは従者の一体だ。
GM:そうでなければ、彼女自身に危険が及びかねない。
GM:ジェシカの気質を表しているかのような硬い靴音が、牢の前で止まる。
ジェシカ・クロフォード:「敢えて」
ジェシカ・クロフォード:「敢えてだ」
ジェシカ・クロフォード:「貴様がこの施設にて管理されている番号ではなく」
ジェシカ・クロフォード:「”円卓の王"に直々にその名を口にされるという名誉を」
ジェシカ・クロフォード:「貴様に授けてやろう」
ジェシカ・クロフォード:「"思想狭窄"黒田コノカ」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の力を寄越せ」

黒田コノカ:ざり、と固い石畳を金属が擦れる音がする。
黒田コノカ:「花の、腐った匂いがするな」
黒田コノカ:暗闇の中、愉快そうに口端を吊り上げて不夜王を見やる。
黒田コノカ:「首も垂れ、今にも堕ちそうなその名にいったいどれほどの名誉があるというのでしょうな、不夜王様」
ジェシカ・クロフォード:「ふん」
ジェシカ・クロフォード:「未だそのような口を利けるところを見ると」
ジェシカ・クロフォード:「頭の方も鈍ってはいなさそうだな」
黒田コノカ:「お陰様で。取るに足らない思考実験を繰り返す暇は頂戴しておりますので、良いリハビリになりました」
ジェシカ・クロフォード:「私にも似たような覚えはある」
ジェシカ・クロフォード:「このような場所でこそ、思考は研ぎ澄まされるものだ」
ジェシカ・クロフォード:「その研ぎ澄まされた思考力を買いたい」牢に向けて一冊のノートを放り投げる
黒田コノカ:「……」
ジェシカ・クロフォード:「今、キングダムはかつてない脅威に迫られている」
ジェシカ・クロフォード:「前半は、現在までの状況を極力客観的にまとめている。」
ジェシカ・クロフォード:「後半は、私の主観を交えた上での予測を書き散らした」
ジェシカ・クロフォード:「黒田コノカ、貴様ならこの状況を如何に見る。如何に対応する」
黒田コノカ:「………………………」
黒田コノカ:ゆったりと、紙を捲る音が暗く静かな牢内に響く。
ジェシカ・クロフォード:「あまり時間はないのだがな」
黒田コノカ:「では稼ぐと良いでしょう。それが貴方の仕事では?」
黒田コノカ:ページを捲る手は止まらない。
ジェシカ・クロフォード:自分の目では、全てが脅威になり得る。
ジェシカ・クロフォード:長年、争い続けてきた…卓越した陰謀家の率いるシャムロックも
ジェシカ・クロフォード:その役目故、キングダムの軍備を誰よりも把握し、故にその破り方を熟知している"竜王"も
ジェシカ・クロフォード:星徒も、ジェネシスも、星室庁ですら、今は脅威に映ってならない。
黒田コノカ:「まず、最初に申し上げておきますが」
ジェシカ・クロフォード:時間さえあれば、労力を使い全ての疑念を解かすことは出来る。だが、今は時間はない。
ジェシカ・クロフォード:「聞こう」
ジェシカ・クロフォード:だから、今はこの女を『信じる』ことで、無理やりにでも他の疑念を砕くしかない。
黒田コノカ:「私はキングダムの行く末にもお前の王としての矜持にも興味が無い」
ジェシカ・クロフォード:「だろうな」
黒田コノカ:「故に、私はこれを思考実験として──どう転ぼうが眠れば忘れる児戯の一つとして考える」
ジェシカ・クロフォード:「それでかまわん」
ジェシカ・クロフォード:「遊びであるなら」
ジェシカ・クロフォード:「いや、遊びであるからこそ、貴様は手を抜くことはあるまい?」
黒田コノカ:「……遊びで敗北等と言う屈辱を受けるなど考えたくもありませんからな」
黒田コノカ:盤上の駒を右に左に動かして一喜一憂するゲーム。盤上の外のことなど考えない、狭窄的な視野でみるならば。
黒田コノカ:「ノートの後半、不夜王様の私見から述べさせてもらうなら」
黒田コノカ:「第一に、竜王が首謀者ではない」
黒田コノカ:「現状キングダムを襲っている脅威が有効な一手である事はもはや言うまでありませんが」
ジェシカ・クロフォード:「……」思考を巡らせながら黒田コノカの言葉に耳を傾ける
黒田コノカ:「タイミングが奇妙な事この上ない。博物館襲撃に限らず、キングダムを襲った混乱を考えれば有効なタイミングは幾らでもあった」
ジェシカ・クロフォード:「成程、数手であれば"竜王"と打ち合えるというのは私への過大評価であり」
ジェシカ・クロフォード:「挽回の出来る余地を残す手を打ってくるというのは、”竜王"への過小評価だったか」
黒田コノカ:「余地があるように見える程、詰みまでが長いのも奇妙ではあります」
黒田コノカ:「竜王は容赦のない打ち手でありますが、悪戯に盤面を乱して詰みが確定している対局を長引かせるような真似はなさらないでしょう」
ジェシカ・クロフォード:多少、誇りが傷付けられる推論ではあるが、反論する余地はない。キングダムの軍の要とは、そうでなくてはならない。
黒田コノカ:あくまで私見ですが、と付け加える。
ジェシカ・クロフォード:「然りだ。流石によく観ているな」
ジェシカ・クロフォード:「では、やはりシャムロックか」
黒田コノカ:「それも違うでしょうな。動機に関して言えば大いにあり得ますがこの場合それはあまり意味がない」
黒田コノカ:「仮にシャムロックが首謀者だとして、キングダムが滅んだ後一体どうやってこの戦場にケリを付けるのでしょう?」
黒田コノカ:「肉を切らせて骨を断つとは言いますが……これでは髄まで切れてしまう」
ジェシカ・クロフォード:「棚エアリはそのような愚行を犯すほど愚かではなく」
ジェシカ・クロフォード:「シャムロックには、この混乱を完璧に鎮圧せしめる程の"力"は有していない」
ジェシカ・クロフォード:「それでも、十分に納得が出来るなら。彼女らと、対峙を続けてきた者として」
黒田コノカ:「ただ……気になる事は幾つかあります。先ほど竜王の仕業ではないと申し上げましたが」
ジェシカ・クロフォード:「うむ」
黒田コノカ:「それはあくまで彼女の性質を私なりに解釈した上での意見です。彼女に比べて決定的に劣っているから、という訳では決してない、、、、、
黒田コノカ:「些か悪趣味ですが背筋が震えるほどに徹底的な打ち筋です。竜王と相対するつもりで臨む、というのもあながち間違いではない」
ジェシカ・クロフォード:「なら、どうだ」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が打ち合ってみないか?」
黒田コノカ:「…………ハァ?」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が竜王と並ぶほどの打ち手と評するほどの者なら」
ジェシカ・クロフォード:「この牢の中でも十分に楽しめるだろう」
ジェシカ・クロフォード:「貴様にここまでの推測をさせたのは確かに眠れば忘れる児戯だったかもしれぬが」
ジェシカ・クロフォード:「今度のは眠ることさえも忘れる勝負となるかもしれんぞ?」
ジェシカ・クロフォード:「それが楽しさゆえか口惜しさゆえになるかは貴様次第だが」
黒田コノカ:「………クッ」
黒田コノカ:「ハハハハハハ!!!」
黒田コノカ:「牢に繋がれた虫けら相手に腹芸か!難儀な性質だな!」
ジェシカ・クロフォード:「そう卑下するな。」
ジェシカ・クロフォード:「私は虫けら相手に時間を割けるほど暇ではないよ」「まして、この状況ではな」
黒田コノカ:「正気か?意見を拾う程度ならまだしも……反逆者に盤を譲るのか、貴様は」
黒田コノカ:攻撃的な笑みを引っ込めて、眉を顰める。
ジェシカ・クロフォード:「無論、決断するのは私だ。」
ジェシカ・クロフォード:「貴様は勝つ為に必要な手を言えばいい」
ジェシカ・クロフォード:「それが有用であると判断すれば、遠慮なく使うだけだ」
黒田コノカ:視線をノートに、不夜王に、そしてマス目状に広がる石畳へと向ける。
黒田コノカ:「……………………そうか」
黒田コノカ:「であれば、認めさせてやろう」
黒田コノカ:「私の手が有効であると」
黒田コノカ:「私の手が勝利につながると」
黒田コノカ:「そして、竜王に並ぶ打ち手を下し」
黒田コノカ:「お前自身の誇りも私の勝利で打ち砕いてやる」
黒田コノカ:じゃら、と音を立てて鎖に繋がった手を広げる。
ジェシカ・クロフォード:「他のはともかく、最後のは無理だ」
ジェシカ・クロフォード:「私の誇りなど、とうに打ち砕かれている」
ジェシカ・クロフォード:「だから、今は私は貴様の前にいる。そうじゃないか?」
ジェシカ・クロフォード:自嘲するような言葉の中に
ジェシカ・クロフォード:確かな覚悟が滲んでいる。
黒田コノカ:「……少し見ないうちに腹芸が下手になったか、ジェシカ・クロフォード」
黒田コノカ:「不愉快な眼差しだ」
ジェシカ・クロフォード:その言葉に静かな微笑みで返事をし
ジェシカ・クロフォード:RHOを公開します。

EXPC1:ジェシカ・クロフォード  
キングダム連合学院の危機に対して、あなたは全力を尽くす必要がある。 それは、これまでのあなたが決して選ぶことのなかった手段すらも選ぶことを意味している。

【第一の切り札】 
懲罰奉仕部の反逆者、"思想狭窄"黒田コノカ。
 多くの者は彼女を反乱に失敗した敗北者としてしか見ないだろうが、 あなたは彼女の能力を理解している。
"竜王"不在の今、最も軍師として戦略眼を期待できるのは、彼女だ。 
キングダム襲撃発生後、外部勢力の謀略、または作戦行動が疑われる際に使用することができる。
 キングダムを攻撃する外部勢力の目的を判定なしで看破し、また、"免罪王"の所在を把握することができる。

GM:“思想狭窄”黒田コノカを新規ユニットとして運用できるようになりました。
GM:彼女は一度だけ、牢屋内からの支援ユニットとして投入できる他
GM:牢屋から解き放てば通常ユニットとしても運用できます。この場合は神聖二重冠も使用可能。どちらの運用でも使えるのは共通で一回だけです。

黒田コノカ:キングダムを襲う脅威について目を通しながら、思考を巡らせる。
黒田コノカ:星徒は脅威だが、キングダムの保有する戦力であれば対処は不可能ではない。死者の多寡を計算に入れないならば、だが。
黒田コノカ:加えて現在キングダムの一般生徒を中心に広がる無軌道な陰謀論について。これも現状言える事は殆どなかった。
黒田コノカ:星徒の仕業と考えるには相互に起きる作用が少ない。上から見る分には、二つの事件が同じ場所で起きているだけのようにすら思える。
黒田コノカ:だが、それでも。現状──詰んではいない。充分に勝利の目がある。
黒田コノカ:ページを捲る手が止まる。
黒田コノカ:「不夜王様。一つお尋ねしても?」
黒田コノカ:「この、"魔術王"と呼ばれる生徒の予言はどの程度の正確さですか?」
黒田コノカ:「私、不勉強でして。こういった魔術の類が有する法則、正確性についての知見を持ち合わせておりません」
GM:"魔術王"の予言は、一連の記録のはじめに記されていたが、ほぼ二つの情報しかない。
GM:『キングダムでは対処のできない最大の危機』という予言の条件と、『星の光と悪意が、王国を砕く』という予言内容そのもの。
黒田コノカ:「"キングダムでは対処できない"というのはそれほどの脅威、という言い回しであるのか。あるいは──」
黒田コノカ:「文字通りの、前提条件となるのでしょうか」
ジェシカ・クロフォード:「"文字通り"と捉えてくれて構わないはずだ」
黒田コノカ:「……成程。面倒な代物ですな」
黒田コノカ:「では続けて。キングダム外の戦力の用意は?」
ジェシカ・クロフォード:「戦力として確定できるものはない。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、連絡を取ることが叶うのなら」
ジェシカ・クロフォード:「既に追放された王たち。」
ジェシカ・クロフォード:「血統王、喝采王らか…」
黒田コノカ:「では──そこにもう一人王を推薦したいのですが、よろしいですかな?」
黒田コノカ:耳元にかかった髪を指で撫でながら首を傾ける。
ジェシカ・クロフォード:「聞こう。戦力はいくらでもほしい状況だ」
黒田コノカ:「免罪王ロード・マーシー
ジェシカ・クロフォード:頭を抱える
黒田コノカ:「おやおや、そう悲観するものでもありませんよ?」
黒田コノカ:「彼女は狂人ではありますが、キングダムの崩壊は決して容認しない筈です」
黒田コノカ:「至上王の君臨する庭が無くなってしまえば絶対の王の肩書も無意味ですからな」
黒田コノカ:「きっと、我々の大きな助けになってくださいますとも」
ジェシカ・クロフォード:ため息をつき
ジェシカ・クロフォード:「しかし、私には彼女と連絡を取る術がない」
黒田コノカ:「仮に、仮にですが。その術があるならば。彼女の誘致を認めてくださいますかな?」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど」
ジェシカ・クロフォード:「"そういうこと"か」
黒田コノカ:不夜王の言葉に微笑み、口に含んでいた金属片を吐き出す。それ自体は金属製のカトラリーの一部のように見える。
ジェシカ・クロフォード:「認めよう。但し、それは免罪王に期待してはなく」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の周到さに敬意を表して、だ」
黒田コノカ:「光栄です。まあ、免罪王に関しては現地で勝手にその価値を示すでしょう」
黒田コノカ:吐き出した金属片で、髪で隠れた首筋の皮膚を切開し──無造作に指を突っ込んだかと思うと超小型の通信用チップを取り出した。
黒田コノカ:(彼女が私との縁を完全に切るつもりなら、このチップの受信先は無いが……恐らく)
黒田コノカ:不夜王に一瞬視線を向け、通信を起動する。
GM:キングダムでは珍しい、先端技術を用いた超小型通信チップ――知らぬ間にそれが仕込まれていたことに
GM:キャロル・ホプキンス自身も、恐らく気付いてはいなかっただろう。
GM:だがこの時、気付くことになる。

無人地帯


GM:キャロル・ホプキンスは、夜の砂漠をあてもなく歩き続けていた。
GM:地図もなく、方角すら不明だ。"慈悲なきもの"から教えられた兵器の座標だけは記憶しているが、どれだけの時間をかければあそこまで戻れるだろうか?
GM:追い詰められた精神がそうさせるのか、あるいは疲労故か――ノイズ混じりの幻聴が、幾度か聞こえた。
GM:だがそれが四度、五度と続くと、幻聴だとは断じられなくなる。物理的に、キャロルの衣服のどこかから声が聞こえているのだ。
黒田コノカ:「───ス」
黒田コノカ:「キャロル──ホプキンス」
黒田コノカ:「聞こえ──か」
キャロル・ホプキンス:十字冠離脱によって、転移するのは本人のみではない。衣服や王鍵などの所持品も同様に転移する。
キャロル・ホプキンス:その判定がどのように行われているのか、キャロルには与り知らぬことだが、本来の主であるワカナから譲渡されたと判定されたのか、ミネルヴァも共に転移しており、
キャロル・ホプキンス:ミネルヴァに上空から俯瞰して探索させつつも、未だ目指すべき方向すら定まらず、止まっているよりはマシだと、真っ直ぐに歩いている時だった。
キャロル・ホプキンス:「……」
キャロル・ホプキンス:ノイズに混じった、聞き慣れた声。
キャロル・ホプキンス:「……コノカさん……?」
黒田コノカ:「──ふん。繋がったか」
黒田コノカ:「せっかく私がチケットを用意してやったというのに、貴様は今どこで何をしている」
黒田コノカ:最後の会話の続きであるように、不愛想な口調で語り掛ける。
キャロル・ホプキンス:幾つかの可能性が頭に浮かぶ。精神的に追い詰められた故の幻聴。ヘンリーの記憶の中のコノカの声が再生され、このように聞こえたのか。
キャロル・ホプキンス:「……どちらかと言えば幻聴の方でしょうか。コノカさんはお父さんの前では猫を被っていたはずですし……」
キャロル・ホプキンス:「ここで聞こえるのがコノカさんの声とは……どうやらあの時の別れが思っていたより心残りになっていたようですね……」
黒田コノカ:「おい」
黒田コノカ:「こちらはあまり時間が無い。至上王絡みでもあるまいにいつまでもトンでいられては困るぞ」
黒田コノカ:「もう一度聞く。キャロル・ホプキンス」
黒田コノカ:「お前は今どこで何をしている」
キャロル・ホプキンス:「幻聴のコノカさんでも気を紛らわせるくらいにはなりますか……」
キャロル・ホプキンス:「どこにいるかは私にも分かりません」
キャロル・ホプキンス:「アーイシャさんと、ハングマンさんを助ける為に、理事会兵器のところまで戻りたいところなのですが」
キャロル・ホプキンス:「どちらに向かうべきか……」
キャロル・ホプキンス:「“月下王”も様子がおかしかったですし、彼女も何らかのエフェクトか兵器の影響にあるのかもしれません」
黒田コノカ:(アーイシャ……四腕王か)
GM:ハングマンという名は、黒田コノカには心当たりがなかった。
GM:ただし、隣で会話を聞くジェシカにとっては異なるだろう。――"慈悲なきものハングマン"。
GM:ルナンシア・ラダ・ランパートが『造換塔』内部で接触したという、理事会の暗部エージェント、遺産失格者。その後の行方は辿れず、本当に実在していたかどうかも不明だった。
GM:無論、キャロル・ホプキンスが円卓議会の限られた人間にしか共有されていないこの情報を知っていた可能性は、限りなく低い。
黒田コノカ:「……ハングマン?」
ジェシカ・クロフォード:「ふむ」
ジェシカ・クロフォード:「コノカ、貴様の人選は大当たりだな」
黒田コノカ:「何を……」
ジェシカ・クロフォード:「免罪王は随分と面白い状況に居るようだ」
キャロル・ホプキンス:「……? コノカさん以外にも声が……誰の声ですかねこれは……」
ジェシカ・クロフォード:「”不夜王"ジェシカ=クロフォードだ」
キャロル・ホプキンス:「ほう、不夜王」
キャロル・ホプキンス:「……何故私の幻聴に不夜王が?」
黒田コノカ:「阿呆が!!」
黒田コノカ:苛立ちをこらえきれずに声を上げる。
キャロル・ホプキンス:「えっ、これもしかして幻聴ではないのですか……?」
黒田コノカ:「さっさと戻ってこいキャロル・ホプキンス!」
キャロル・ホプキンス:「何でコノカさんが不夜王と一緒に私に通信しているんですか!?」
ジェシカ・クロフォード:「いろいろあったのだ」
キャロル・ホプキンス:「なるほど……いろいろ……」
黒田コノカ:「詳しい状況の説明は後だ。今は貴様の力が要る」
黒田コノカ:「至上王の庭キングダムが腐り落ちる前に戻ってこい」
黒田コノカ:「不夜王。これは懲罰奉仕部の秘匿回線だ」
黒田コノカ:「理事会の遺物を流用している。ジャミングには強いが──特異なモノゆえに正体さえ掴めていれば遡るのもそう難しくはない」
キャロル・ホプキンス:「部長にも秘匿されていたのですが……」
ジェシカ・クロフォード:「わかった。ならば手短に済ませよう」
ジェシカ・クロフォード:「"理事会兵器"とはなんだ。免罪王」
黒田コノカ:「ええい、今は黙って飲み込め!それで──ハングマン、それから月下王だったか?一体何が起きている?」
ジェシカ・クロフォード:同時に問い詰めることになったが言葉は引っ込めない
ジェシカ・クロフォード:それも聞くべきことだからだ
キャロル・ホプキンス:「……それを聞くということは、あれはまだキングダムへ攻撃していないのですね」
キャロル・ホプキンス:「キングダムに今、危機が迫っていることは承知しています。戒功王が来ているのでしょう」
キャロル・ホプキンス:「ですが、危機はそれだけではありません」
キャロル・ホプキンス:「ブリューナク、大ノヴァリス博物館に並ぶ巨大兵器が、キングダムへ照準を合わせて砲撃しようとしています」
ジェシカ・クロフォード:「………その巨大兵器を操っているのは何者だ」
キャロル・ホプキンス:「不明です。ですが、推測の材料はあります」
キャロル・ホプキンス:「私達がその兵器に近付いた時、暴走状態の“月下王”と」
ジェシカ・クロフォード:「聞かせてくれ。時間はかけてくれても構わない」
ジェシカ・クロフォード:それほどに重要であると判断した。
キャロル・ホプキンス:「革命の際に“ロード・マスター”が呼び出した正体不明の機械の群れに襲撃されました」
キャロル・ホプキンス:「ハングマン……“ロード・マスター”によって遺産を奪われた理事会エージェント――遺産失格者も同行していましたが」
キャロル・ホプキンス:「理事会兵器の管理権限を持ち、ある程度起動状態を把握できる彼女にも確たる心当たりはない様子でした」
ジェシカ・クロフォード:「ふむ」
キャロル・ホプキンス:「私は、“月下王”があの場にいた理由も、革命後の“ロード・マスター”の遺産の行方も全く知らないのですが」
キャロル・ホプキンス:「円卓の持つ情報と合わせれば何か分かりませんか?」
ジェシカ・クロフォード:僅かな時間、思考を巡らせ
ジェシカ・クロフォード:「すまないが、現状ではその問いへの答えは持ち合わせていない」
ジェシカ・クロフォード:「だが、今、キングダムの外に在る脅威の把握が出来たのは大きい」
ジェシカ・クロフォード:「免罪王、貴様は今キングダムに星徒どもが襲来しているのは知っているか?」
キャロル・ホプキンス:「……星徒、『ども』? 複数いるのですか」
キャロル・ホプキンス:「ハングマンさんから聞いて、戒功王がキングダムに向かったことは知っていましたが……」
ジェシカ・クロフォード:「現状、把握出来てる星徒は6体。今後さらに増える可能性は否定できない」
ジェシカ・クロフォード:「そしてその星徒の脅威から逃げられぬよう、戒功王はキングダムを封鎖した。」
キャロル・ホプキンス:「やはり……彼女の裁判所は健在ですか」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、今キングダムは出ることも入ることも適わぬ完全に孤立した状態だ」
ジェシカ・クロフォード:「だが、貴様もわかるだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「戒功王の裁判所は絶対だ。故に、キングダムの外に在るその破壊兵器の攻撃は」
ジェシカ・クロフォード:「キングダムの内部は届き得ない」
キャロル・ホプキンス:「そして、未だ砲撃がなされていないことを考えると、兵器の操縦者もそのことを理解している可能性が高い」
ジェシカ・クロフォード:「その可能性が高い」
ジェシカ・クロフォード:「砲撃をすれば、内部にいる我らも外部の脅威に気付いただろう」
キャロル・ホプキンス:「キングダムに気付かれぬようにことを進め」
キャロル・ホプキンス:「星徒の脅威を打ち払った瞬間に、とどめの一撃を打ち込もうとしている」
キャロル・ホプキンス:(アーイシャさんと同じようなことを考える人がいたという訳ですか)このことは口に出さない
キャロル・ホプキンス:(そして、あくまで秘密裏にことを運ぼうとしていたのなら)
ジェシカ・クロフォード:「ああ、私たちがそのことに気付かなければ」
ジェシカ・クロフォード:「確実に、キングダムを屠ることが出来る」
キャロル・ホプキンス:(目撃者を消す必要がある。その為の要因が“月下王”とあの機械群だった)
ジェシカ・クロフォード:「その確信があるからこそ」
ジェシカ・クロフォード:「今は沈黙を守っているのだろうよ」
キャロル・ホプキンス:「不夜王。先程のコノカさんの『戻ってこい』という言葉ですが」
キャロル・ホプキンス:「この情報を得た今、あなたも私に同じことを言うつもりではありませんよね?」
ジェシカ・クロフォード:「いや」
ジェシカ・クロフォード:「私たちの声を幻聴だと思っている夢見心地の状態からは戻ってきてほしいと思うが」
ジェシカ・クロフォード:冗談を言う。
キャロル・ホプキンス:「それに関してはお恥ずかしい限りです」
ジェシカ・クロフォード:表情も変わらず、声色も変わっていない。例え対面していてもそれが冗談だとはわからないだろう
ジェシカ・クロフォード:「ああ、貴様には兵器の破壊、或いは停止を任せたい」
ジェシカ・クロフォード:「敵が我らにその兵器のことを気付かせずいたかったというのなら」
ジェシカ・クロフォード:「気付きを得ることを出来た僥倖を活かすべきだ」
ジェシカ・クロフォード:「戒功王ある限り、奴らは兵器は撃てん。今は戒功王の檻を我らの盾として使う。」
ジェシカ・クロフォード:「貴様は、我らが戒功王の盾を破壊するまでに事を為せ」
キャロル・ホプキンス:「勘違いをしているようですね」
ジェシカ・クロフォード:「む」
キャロル・ホプキンス:「今の私はキングダムの人間ではありません」
キャロル・ホプキンス:「あなたが言うべきは、命令ではなく、協力の要請でしょう?」
キャロル・ホプキンス:「私は、キングダムにいた頃から、至上王陛下以外の王に忠誠を誓ったことはありません」
キャロル・ホプキンス:「今は、建前の従順も見せる必要もありません」
キャロル・ホプキンス:「対等な立場からの協力要請ならば、受け入れましょう」
ジェシカ・クロフォード:「そうか。なら」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の友人を通じて依頼をするとしようか」
ジェシカ・クロフォード:コノカさんに視線を投げる。
ジェシカ・クロフォード:「ついでだ。貴様の主観で構わん。免罪王の為すべき助言をしてやってくれ」
黒田コノカ:二人の会話を聞きながら石畳を見つめていたが、顔を上げる。
黒田コノカ:「キャロル。私はお前に何かを命令できる立場にない」
黒田コノカ:「故に、旧知として助言をしよう」
黒田コノカ:「今、その兵器を始末しなければお前の望むものは永久に手に入らない」
黒田コノカ:「キングダムという国でも、王でもなく。ただお前の望みの為に戦うと良いだろう」
黒田コノカ:「狂気と見紛うその望みの為に。成就しようとしなかろうと、そう悪い気分ではない」
黒田コノカ:そう告げ、キャロルの返答を待つ。
キャロル・ホプキンス:「はあー……まったく」
キャロル・ホプキンス:「コノカさん、私は怒っているんですよ」
キャロル・ホプキンス:「あんな風に私だけ逃がして、本当に裏切られた気分でした」
キャロル・ホプキンス:「……まあ、それだけ元気にしているのならよかったです」
キャロル・ホプキンス:「あーあ、不夜王に頭を下げさせたかったのですが、コノカさんの頼みなら仕方ありません!」
キャロル・ホプキンス:「まあ、言われずともそうするつもりでしたけどね」
黒田コノカ:「……阿呆め。後ろ盾もない癖に調子に乗っていると落着後に潰されるぞ」
ジェシカ・クロフォード:「私が頭を下げる様が見たいのなら」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が帰ってきたときに見せてやるさ」
ジェシカ・クロフォード:「その方が貴様も気分がいいだろう?」
キャロル・ホプキンス:「私の気分の問題ではありません。あなたの為に言っているのですよ」
キャロル・ホプキンス:「いつまでも王の座にはいられないのですから、他人に頭を下げることに慣れさせてあげようと思ったのです」
黒田コノカ:「…………」うんざりと言った様子で顔を顰める
ジェシカ・クロフォード:「それは、気を遣わせてしまったな」
ジェシカ・クロフォード:小さく苦笑し、コノカに言葉を譲る
黒田コノカ:「まずは、戦力の確保が急務だ」
黒田コノカ:「キングダムからの救援は先ほどの不夜王の説明通り容易ではない」
黒田コノカ:「だが、恐らくキングダム周辺には物見遊山……あるいは締め出しを喰らった連中もいる」
黒田コノカ:「ハングマン、四腕王の捜索と並行してそれらも考慮すると良いだろう、としか言えんな」
GM:キャロルが理事会兵器を目撃したという座標次第では、戦力を差し向けても間に合うかもしれない。
GM:ただ、キャロル自身の感覚としては、その可能性はひどく薄いと言って良さそうだった。
GM:現在地から最も近い主要学区はメサイア。さらにそのメサイアからも、到達には3時間、最速で2時間以上を要するだろう。
キャロル・ホプキンス:「その戦力派遣はそちらにお任せします。ですが、それでは遅い」
キャロル・ホプキンス:それまでの間に星徒の攻撃からキングダムを保たせることができるのか、という懸念もあるが、
キャロル・ホプキンス:「敵は、目撃者を放置はしない。ハングマンさんとアーイシャさんの身の危険は時間が経てば経つ程に増します」
キャロル・ホプキンス:「私の座標を教えてください。ひとまず単身で向かいます」
ジェシカ・クロフォード:「コノカ、わかるか?」
黒田コノカ:逆探知結果から座標を示す数値を手早く伝える。
黒田コノカ:「逸るのは結構だが、3名で返り討ちになった事は忘れるな」
キャロル・ホプキンス:「ありがとうございます。分かっていますとも」
キャロル・ホプキンス:「今度は不意打ちを受けるのではなく、こちらから攻めます」
キャロル・ホプキンス:「コノカさんもご存知でしょう? 私は守るより攻める方が得意なのです」
黒田コノカ:「その"得意"で無様に敗北した事も忘れたか。健忘症は死蔵王だけで沢山だぞ」
黒田コノカ:鼻を鳴らし、嫌味で応える。
キャロル・ホプキンス:「ちょっと格好付けたかったのです。いきなり攻め込んだりはしません。まずは二人の安否確認からです」
黒田コノカ:「それでいい。貴様は取るに足らない何かの為に足掻くのがお似合いだ」
黒田コノカ:それだけ言って、視線を石畳へと戻す。
キャロル・ホプキンス:「……コノカさん、ありがとうございます」
キャロル・ホプキンス:二人を守ることもできず、無様にも一人逃げ延びてしまった。
キャロル・ホプキンス:死んでしまいたい気分だった。本当に、幻聴が聞こえて、頭がどうにかなってもおかしくなかった。
キャロル・ホプキンス:けれど、こうして旧知の少女の声を聞いて、前に進みながら下を向いていた顔が、前を向いた。
キャロル・ホプキンス:「不夜王。一つ協力の為の条件を聞いてもらっていいですか?」
ジェシカ・クロフォード:「また・・か」
キャロル・ホプキンス:「無理なら無理でいいです。どちらにせよ、協力はします」
ジェシカ・クロフォード:「いや、すまん。貴様とのことじゃない。聞かせてくれ」
キャロル・ホプキンス:「黒田コノカ、白巻トバリ、マリガル・ノルトル、不発ナカズ、糖蔵院サイロ、月海クレタ」
キャロル・ホプキンス:「キングダムが危機を脱した後は、この六名を懲罰奉仕部に復帰させ、再び罪を償う機会を与えてください」
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:「それは私の力で出来る範囲ではないな」
ジェシカ・クロフォード:「彼女らにその機は与えよう」
ジェシカ・クロフォード:「だが、実際に彼女らがそうするかは」
ジェシカ・クロフォード:「彼女らの意志と、貴様次第だろう」
キャロル・ホプキンス:「もちろんです。罪を償うのは罪を犯した当人でなければならない」
キャロル・ホプキンス:「私にできるのは、その機会を用意することだけです」
キャロル・ホプキンス:「そして、それこそが、懲罰奉仕部の部長である私の務めです!」
ジェシカ・クロフォード:「わかった」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が任を果たせば、私はその務めを果たせるよう尽力することを約束する」
黒田コノカ:(…………愚か者め)
キャロル・ホプキンス:「ありがとうございます!」
ジェシカ・クロフォード:「行軍のさなかに必要なものが出来たら都度伝えろ」
ジェシカ・クロフォード:「どうにも、貴様らの"力を十全に発揮できるよう手配する"のが、私の務めらしい」

GM:従者を黒田コノカへの面会に向かわせながらも、ジェシカ・クロフォードは一時たりとも休んではいなかった。
GM:莫大な思考領域の一部で黒田コノカと取引を交わしながら、別の一部では刻一刻と変化するキングダムの情報を収集し、
GM:それらの思考を統合しつつ、常に、この事態を切り抜ける戦略を考え続けている。
GM:行政部には無数の通信が入り続けている。虚実が入り混じる、莫大な情報だ。多数の従者がいても、その一つ一つに応対することはできないが――
GM:意識に留めるべき嘆願があった。緊急度による判断ではない。この状況で入ってくる緊急通信の緊急度はほぼ全て『最大』である。
GM:海賊部の"幽霊船長"。メアリ・ダッチマンからの通信であった。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……不夜王様。海賊部のメアリ・ダッチマンだ〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:やや憔悴した声。ジェシカほどではなくとも、全ての部活で情報処理担当の負担は大きいはずだ。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈通信を受けてくれて感謝する。……端的に、申し上げたい〉
ジェシカ・クロフォード:「そうしてくれると助かる。」
ジェシカ・クロフォード:「こちらも今手が離せない状況が続いていてな」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈――ぼくは内通に手を染めている〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈エリザベス・タイラー追放後も海賊部を残していただいた……不夜王様の温情には、深く感謝している〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈けれど、ぼくがキングダムに今も残っているのは……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈キングダムから出ることがまだ叶わない部員を保護し、時が来ればエリザベス・タイラーに……王様に、譲り渡すためだった〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈そのために、以前から王様と示し合わせて動いていたことを、告白する〉
ジェシカ・クロフォード:「………」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……キングダム連合学院と、与えられた恩義を裏切る行いを、深く謝罪する。その上で、お願いしたいことがある〉
ジェシカ・クロフォード:「言ってみろ」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈王様を『今』キングダム入りさせる方法を考えていただきたい〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈政治的に、言語道断な願いだとは……理解している。理解している、が〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈星徒討伐の手が足りない。ぼくが観測できた範囲だけで、狙撃王も、苦痛王もやられている……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈王様は……エリザベス・タイラーは、今、キングダム領のすぐそばまで来ている〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈不夜王様。あなたが知る彼女は、たとえ追放されたとて、キングダムの生徒が犠牲になることを許さない、誇り高い人のはずだ〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈今、王様のキングダム入りを許してもらえるなら――キングダムの人々を救うためにその力を使わせると、ぼくが誓う〉
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:思考を巡らせる。その僅かな時間、メアリとの通信は沈黙が続いた。
ジェシカ・クロフォード:「メアリ・ダッチマン」
ジェシカ・クロフォード:「"海賊王”に伝えてくれ」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:メアリ・ダッチマンは生気の薄い少女だが、それでも珍しく、息遣いが通話越しに聞こえる。それほど追い詰められた精神状態なのだ。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈何を、お伝えすればいいだろうか〉
ジェシカ・クロフォード:「『新たなキングダムの分校,移動商校たるローレライ商船学校任務の完遂。ご苦労であった』」
ジェシカ・クロフォード:「『その功を認め、不夜王の名において再び卿に"略奪免状"を与える』」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……!〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈それは、不夜王様。まさか〉ジェシカの発言の真意には、すぐに思い至ったようだった。
ジェシカ・クロフォード:「これで、貴様らの艦隊は我が領土も同じ」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈植民姉妹校――そうか、そんな抜け道バグが!〉
ジェシカ・クロフォード:「貴様らは任を終えて帰ってくるだけだ」
ジェシカ・クロフォード:「正当な手続きを通しての帰還。戒功王も文句のつけようがあるまいよ」
GM:"戒功王"の能力は、キングダム領土の出入りを封鎖した。
GM:無論それは地続きの領土のみを区切るもので、法的なキングダムの『飛び地』である植民姉妹校までもが封鎖されているわけではない。
GM:だが、その『飛び地』が移動するものであり――物理的にキングダムの領土と『地続き』になる能力を持っていたとしたらどうか。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈王様の艦隊は……『キングダムから出ていない』ことになる……!〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈今、王様と通信を繋ぐ!もう少し……もう少し、貴重な時間をいただきたい!不夜王様!〉
GM:回線を切り替えるようなノイズが、断続的に響いた。
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……の事情は、今説明した通りだ、王様!〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈不夜王様と話して、条件を呑んでもらいたい……!ぼくの考えでは、今すぐ封鎖を突破する方法はこれしかない!〉
GM:エリザベス・タイラーがキングダム領のすぐ近くまで接近している、というメアリの報告は正しかった。
GM:新たに加わった通話者は、エリザベス・タイラー。
GM:行政部、海賊部、そしてローレライ商船学校の三者を結ぶ遠隔会議である。
エリザベス・タイラー:〈そちらの状況は理解いたしました。ご壮健な様子で何よりですわ、ジェシカ様〉
ジェシカ・クロフォード:「ああ。新たな四席が優秀だからな」
ジェシカ・クロフォード:「随分と助けられているよ」
エリザベス・タイラー:〈メアリもありがとう。ジェシカ様の知恵と慈悲に頼るべきという見立ては正しかったですわね〉
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……今は答える元気がないよ。本当の幽霊になった気分だ……〉
エリザベス・タイラー:くすりと微笑んで〈それでは、ジェシカ様〉
ジェシカ・クロフォード:「何かな。エリザベス・タイラー」
エリザベス・タイラー:〈植民姉妹校への指定と略奪免状の下賜。謹んでお受け致します〉
エリザベス・タイラー:〈けれど……〉
エリザベス・タイラー:〈今おっしゃられたように私は"円卓の第四席"の席を投げ売ってこの任を果たしたのですから〉
エリザベス・タイラー:〈免状の再発行だけでは、公平な恩賞とは言えないのではないかしら〉
ジェシカ・クロフォード:頭を抱える
ジェシカ・クロフォード:「相変わらず、貴様は根っからの海賊だな」
ジェシカ・クロフォード:疲れているとはいえ、少し迂闊な言葉を吐いてしまったか。
ジェシカ・クロフォード:「むしろ、”円卓の第四席”を追われるほどの罪を赦してやる寛大さに感謝してほしいぐらいだが」
ジェシカ・クロフォード:「まずは貴様の話を聞こうか」
エリザベス・タイラー:〈いやですわジェシカ様。そう構えられなくても大丈夫です〉
エリザベス・タイラー:〈私は海賊であり、王であり、何よりジェシカ様の学友なのですから〉
エリザベス・タイラー:〈なにも、無茶な要求をふっかけるつもりはございませんわ〉
エリザベス・タイラー:〈お互いに、より良い関係を築くための提案とお考え下さいな〉
ジェシカ・クロフォード:「いいだろう。聞かせてもらおう」
エリザベス・タイラー:す、と人指し指を立てて
エリザベス・タイラー:〈円卓の第四席をお返し下さい〉
エリザベス・タイラー:〈……とは、申しません〉舌を出して笑う。
ジェシカ・クロフォード:頭を抱える。
ジェシカ・クロフォード:私のその仕草も、この女の脳裏に浮かんでいるのだろうなと思いながら
エリザベス・タイラー:〈ジェシカ様は以前、定時制のために"円卓夜哨"の席を新たに設けられましたわよね〉
ジェシカ・クロフォード:「ああ、然りだ」
エリザベス・タイラー:〈定時制に円卓の王は存在しませんが、夜哨を置くことで建前上は"対等な発言権"を有している〉
エリザベス・タイラー:〈であれば、ローレライ商船学校にも同様の地位を望みます〉
エリザベス・タイラー:〈その成り立ちからして、他の植民姉妹校と同列に扱われるのは〉
エリザベス・タイラー:〈公平ではありませんものね?〉
ジェシカ・クロフォード:思考を奔らせた後、口を開く。
ジェシカ・クロフォード:「構わんだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「ただし、それは」
ジェシカ・クロフォード:「"ローレライ商船学校"がその"価値"を証明した後だ」
ジェシカ・クロフォード:「"略奪免状"を与えたのは、エリザベス・タイラー個人の功に対して」
ジェシカ・クロフォード:「だが、"ローレライ商船学校"は現時点でなんの功も為していない」
ジェシカ・クロフォード:「それで特別に優遇しては他の植民姉妹校に申し分が立たん」
ジェシカ・クロフォード:「貴様らは、この混乱の中でその"価値"を証明しろ」
"幽霊船長"メアリ・ダッチマン:〈……王様〉不安げに呟く。
ジェシカ・クロフォード:「”その為”に作られた学区だろう?」
エリザベス・タイラー:〈"価値"、ですか。ジェネシスの商売人のような事をおっしゃいますのね〉愉快そうに笑って
エリザベス・タイラー:〈ですが、ええ。ジェシカ様のおっしゃる通りですわ〉
エリザベス・タイラー:〈ローレライ商船学校には、この争乱を治めた後で〉
エリザベス・タイラー:〈その働きに相応しい報奨を頂くことに致しましょう〉
エリザベス・タイラー:〈ですので、今この場は……〉
エリザベス・タイラー:〈"私個人"に、投資をして下さいな〉
ジェシカ・クロフォード:「エリザベス・タイラーに?」
エリザベス・タイラー:〈私、"海賊王ロード・バッカニア"は、"不夜王ロード・ヘブン"に具申致します〉
エリザベス・タイラー:〈"キングダムにおける紛争状態が解決するまで"の期間に限り〉
エリザベス・タイラー:〈円卓顧問に準じる、"臨時総督"の地位、及び〉
エリザベス・タイラー:〈"覇権解錠"の使用権限の開放〉
エリザベス・タイラー:〈海賊部に功績を望むのですから、その力を十全に発揮できるよう手配するのは〉
エリザベス・タイラー:〈行政の長として当然のこと。ですわよね?〉
ジェシカ・クロフォード:苦笑する
ジェシカ・クロフォード:全く、どこまでも図々しい女だ
ジェシカ・クロフォード:「わかった。その申し出を受理しよう。」
ジェシカ・クロフォード:「但し、今の貴様は"略奪免状"を持つ"円卓"ではない」
ジェシカ・クロフォード:「"円卓"から"略奪免状"を与えられた"諸王"に過ぎない」
ジェシカ・クロフォード:「そのこと、ゆめ忘れぬように」
ジェシカ・クロフォード:今の”海賊王"は"不夜王"の麾下にあること
ジェシカ・クロフォード:キングダムの領土内での過度の略奪を見過ごせないこと
ジェシカ・クロフォード:その二つについて、言外にて釘を刺しておく。
ジェシカ・クロフォード:それ以外は
ジェシカ・クロフォード:この女なら、うまくやるだろう。
ジェシカ・クロフォード:長いこと、同じ席に肩を並べてきたのだ。それぐらいは理解している。
エリザベス・タイラー:〈"不夜王"のご厚情に感謝致しますわ〉芝居がかった仕草で、敬々しく一礼して
エリザベス・タイラー:〈それではこれより、"海賊王ロード・バッカニア"エリザベス・タイラー、及び、ローレライ商船学校は〉
エリザベス・タイラー:〈キングダム連合学院へと、『帰港』致します〉

キングダム近郊 上空

GM:ローレライ商船学校旗艦。"不夜王"ジェシカ・クロフォードとの条約締結を以て、今ここは『キングダム領土』となった。
GM:キングダムは現在、円卓を含む最精鋭戦力を以て星徒を押し留めている。
GM:だが最精鋭故に、その絶対数は足りていない。二体の星徒を食い止めることができず、防衛線は押し込まれているのだという。

星徒ララゴ:グレートブリッジ上。"マヌ・マ・アイ"ララゴ・フォーモアナ。
星徒ララゴ:強大な破壊力と反撃能力を有し、真正面から、愚直に中枢へと侵攻している。
星徒ララゴ:無数の槍を操り、極めて強力なカウンタースナイプによって狙撃王すら戦闘不能に陥っているという。

星徒コンスタンツェ:真珠広場付近(推定)。"枝針船長キャプテン・スティング"コンスタンツェ・レーヴ。
星徒コンスタンツェ:地面を水上の如く走行する高速挺。奇襲的に襲来し、重要区画を破壊し、すぐさま姿を眩ませる。
星徒コンスタンツェ:補給線や情報網が寸断され、それが何者かによってもたらされた騒乱と合わさる形で、キングダム全体を機能不全に陥らせている。
GM:そして、言うまでもなく、キングダムの生徒達の救助活動を支援しなければならない。
GM:キングダムは現在"鉄騎王""法王"といった主力すら割いて人命救助に奔走しているが、それでも全域をカバーできているとは言い難い状況にある。
GM:機動力と収容能力に優れた、ローレライ商船学校の艦艇が必要な状況にある。無論、戦闘も覚悟しなければならないだろう。
GM:ローレライ商船学校は精鋭揃いだが、それでも星徒と相対できる生徒の絶対数は限られている。手分けをしなければ、キングダムのどこかで破綻が訪れるはずだ。

【迎撃(1)】
星徒ララゴを迎撃する。即座に戦闘に突入する。

【迎撃(2)】
星徒コンスタンツェを迎撃する。即座に戦闘に突入する。

【救助】
この場から即座に退場し、キングダムの生徒、先住市民、および社会人の救助活動に従事する。
この役割に選出されない場合、死者負傷者を含む300名の犠牲者が発生する。
最大で4名まで選出でき、1名ごとに50名の犠牲者を阻止することができる。
エリザベスを含む船長ユニットの場合、1名ごとに75名の犠牲者を阻止することができる。


エリザベス・タイラー:「メアリから、現在のキングダム領内の戦闘推移と避難状況が届いております」
エリザベス・タイラー:「幽霊船団と行政部の情報を統合したものですわ。おそらく現時点で最も正確でしょう」
エリザベス・タイラー:「シェイル。貴方の地図に読み込んでくださる?」
嘴子原シェイル:船室の中央に備えられた巨大机、皆で頭を突合せながら、既に広げられたそれを睨んでいる。
嘴子原シェイル:市街図とは別の、もっと広範なキングダム全体図が描かれた魔術道具に、リアルタイムで動く赤い光が反映され灯った。
嘴子原シェイル:もちろんこの船にはいくつものマップを複合させる、三次元投影地図などの高度設備が備えられているだろう。
嘴子原シェイル:しかし平面に切り取ってこそ鮮明にわかる事もある。
嘴子原シェイル:周囲に広がる被害。その距離と、中枢までの直感的な位置関係だ。
GM:いくつかの建造物は破壊され、地形が変化していた。それほどの破壊活動がキングダムで行われているということになる。
齋藤リッコ:「すっごいわねコレ……」上から下から地図を眺めている
齋藤リッコ:(ていうか、相当無茶振りに思えたのにホントに入れてるし……やっぱり不夜王ってとんでもないのね……)
ベルティン・シェーヴ:「私が離れてる間に、キングダムがこんなことに……」
エリザベス・タイラー:「星徒の襲撃を受けているのは2箇所ですわね。グレートブリッジと真珠広場付近」
エリザベス・タイラー:「こちらへの遊撃戦力を確保した上で、要救助者の収容に割ける艦隊は……四隊と言ったところかしら」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「護衛と補給も合わせると、旗艦以外のほとんど全部要救助者に回さないとだめそう」背伸びして地図を覗き込んでいる。
嘴子原シェイル:「……船を割かなければ取り零す可能性が高くなる」
嘴子原シェイル:「しかし、救助に必要最低以上、、、、、、を割くのも、本末転倒になってしまう」
嘴子原シェイル:「……船と船員を単独で操れる海賊部を割り当てるべきだろうね。ここで悩むべきなのは」
嘴子原シェイル:「……それを、どう組み立てるかだ」
ベルティン・シェーヴ:「……私はもちろん、星徒から街を防衛するわ。どのみち船なんか操れないもの」
ベルティン・シェーヴ:「成り行きでついてきただけでも、キングダムがこんなことになって……見てるだけなんてできない」
レナ・ルナール:「僕もそっちかな」
レナ・ルナール:「誰かを助ける側に回るなんてガラじゃないしね」
齋藤リッコ:「あたしもそっちかな……救助に回っても、星徒が暴れてる限りは本当に安全な場所なんて無いわけだし」
ベルティン・シェーヴ:「エリザベス様。どうか、戦力としてお役立てください」
エリザベス・タイラー:「有り難く受け取りますわ。ベルティン様」
齋藤リッコ:「今出てる星徒は2体ってことだけど、何か情報はあるのかしら。能力とか、性質とか」
嘴子原シェイル:「……そうだね。海賊王、観測手スポッターからの敵情報と……そこから成る、部隊全体の編成を頼みたい」
嘴子原シェイル:「これだけの人間を取り纏めた経験があるのは……もとより、きみくらいのものだろう」
エリザベス・タイラー:「ええ、采配はこの"海賊王"の責任において執らせて頂きます。算砂様ほどとは参りませんが」
エリザベス・タイラー:「時間に限りがある中で、可能な限り取り零すことなく奪い、障害を突破する」
エリザベス・タイラー:「考え方は日頃の海賊活動と同じです。ことこれに関して引けは取りませんわ」
エリザベス・タイラー:「その上で、名乗り出る者があれば意向はできる限り汲みましょう」
エリザベス・タイラー:「特に今回は寄せ集めです。皆様隠している手札はひとつやふたつではないでしょう?」
エリザベス・タイラー:「星徒の戦力分析は今送った通り」皆の端末に情報が送信される。
エリザベス・タイラー:「グレートブリッジの星徒は正面突破力と精密な遠距離攻撃手段を併せ持った難敵ですわね。既に"狙撃王"も退けられていますわ」
レナ・ルナール:「え、それ嘘でしょ?」
レナ・ルナール:「狙撃王だよ?」
レナ・ルナール:「あの狙撃手の所在を把握するってだけでも一苦労なのに」
嘴子原シェイル:「あ、あの長距離射撃を……?それに、耐えきっただけならともかく」かつての苦い記憶を思い出している
嘴子原シェイル:「そこから更に撃ち返しきっただなんて……」
ベルティン・シェーヴ:「……正面から攻めてくる相手なら、狙撃王様が動いていない筈はないと思っていましたけれど」
ベルティン・シェーヴ:「そんなことが……」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「逆じゃない?力押しで押し通せるタイプの戦力だから、正面から来てるってことだよね~?」
齋藤リッコ:「……侵星魔法冠を使ってるんでしょ?それなら考えられなくもない」
齋藤リッコ:「こっちが1殴ったら1京でも1……京の上って何?……でもで殴り返してくるわよ」
エリザベス・タイラー:「あら、リッコは星徒との戦闘経験も豊富ですのね」
齋藤リッコ:「うん。一応メサイアの葬送係代行だし」
齋藤リッコ:「侵星魔法冠を作った奴とも、ちょっと色々あったから」
レナ・ルナール:「さらっと経歴が凄い。」
エリザベス・タイラー:「まぁ……!」一瞬瞳が見開かれた後、興奮したように表情が明るくなる。
嘴子原シェイル:「あれ作られたやつだったんだ……ま、まぁそれならアドバンテージ分の期待が更に持てるという事だ」
レナ・ルナール:「なら、戦術面ではリッコからも積極的に助言願いたいね」
レナ・ルナール:「僕はそういうのと当たったことないから結構不安なんだ」
エリザベス・タイラー:「ではまさか、貴方が噂のリエゾンキラーですのね!」
ベルティン・シェーヴ:「リエゾンキラー!?!?」
エリザベス・タイラー:「"探索王"もお人が悪いですわ!そうならそうと最初から教えて下されば、報酬も色を付けましたのに」
齋藤リッコ:「リエゾンキラー!?いや……大袈裟ですって!あたし一人で戦ったわけでもないし……!」
嘴子原シェイル:「え、じゃあマスター号自称者とかじゃなくて討伐自体は本当なんだ……?」
齋藤リッコ:「いや……まあ……あたしの話はいいから!戦術のことね!作戦の方は海賊王に任せるとして……」
齋藤リッコ:「星徒のことね。侵星魔法冠の出力は確かに無限だけど、無敵ってわけじゃないわ」
レナ・ルナール:「ふんふん」
齋藤リッコ:「あたし達の神聖二重冠で対抗できる。侵星魔法冠に隙があるって言うよりは……そもそも二重冠は本来それだけすごいってこと」
齋藤リッコ:「一人で勝つのは厳しくても、人数を掛けて神聖二重冠の力で抑え込めば……正面からでも十分に勝機はあると思う」
レナ・ルナール:「そこから先は力比べってことだね」
齋藤リッコ:「ただ……流星体持ちの星徒は特にメチャクチャな初見殺しを当然のように仕掛けてくる連中だから……そこだけ注意した方がいいかも」色々な経験を思い出して苦い顔をする
齋藤リッコ:「普段なら十字冠転送で誤魔化せる場面でも……今は後が無いでしょ」
ベルティン・シェーヴ:(勢いで引き受けないほうがよかったかも……)青い顔をしている。
嘴子原シェイル:「結局、どうあっても人数差に持ち込むのが安牌か。でも救助者の中から募るのはそれこそ敵前に無為に晒すだけだし……」
嘴子原シェイル:「……救助。海賊王、届いた状況報告の中で」はたと顔を上げ
嘴子原シェイル:「今救助してる側、、、、はどうなっている?船団のキャパシティで浮き駒に変えられないかい?」
エリザベス・タイラー:「良い提案ですわね。徒歩では駆けつけられない区画にいても、この船で拾えば戦力として徴収できますわ」
エリザベス・タイラー:「進路上であれば、救伐騎士団の別働隊や、博物館……」
エリザベス・タイラー:「いくつか心当たりはあります。メアリに連絡を取らせましょう」
エリザベス・タイラー:「それから、もう一方。真珠広場は───」
エリザベス・タイラー:「………」画面を見て暫し沈黙する。
齋藤リッコ:「あれ……どうかした?」画面を覗き込む
エリザベス・タイラー:「……いえ」
エリザベス・タイラー:「こちらは、私が対処するのが適任かもしれませんわね」
エリザベス・タイラー:「神出鬼没の機動力を持つ相手ですが、この艦であれば追いつくことも可能でしょう」
齋藤リッコ:「……?」怪訝な顔をする「やけに詳しい……っていうか、自信あるのね。前にも戦ったことが?」
エリザベス・タイラー:「ええ、ありますわよ」
エリザベス・タイラー:「その時は正面ではなく、隣におりましたけれど」
嘴子原シェイル:「……流星体だっけ?それが船の形をしていて、なおかつキングダムに現れた。多少の予感は揃っていたけど」
レナ・ルナール:「もしかして」
レナ・ルナール:「昔この船に乗ってた子?」
エリザベス・タイラー:「"枝針船長キャプテン・スティング"」
エリザベス・タイラー:「乗っていた、ではありませんわ。私はあの子から、船を降りると聞いてはおりませんもの」
レナ・ルナール:くすりと笑う
レナ・ルナール:「去る者は追わずなんて言ってるくせに」
レナ・ルナール:「さよならを聞かなきゃ降りたって認めないんだ」
エリザベス・タイラー:「当たり前ですわ。去る事と逃げることは違いますもの」
エリザベス・タイラー:「海賊部は決して船員クルーを見捨てません」
レナ・ルナール:「そっか。なら、エリザベスの行く場所は決まりだね」
レナ・ルナール:「リッコはどっちに行く?」
レナ・ルナール:「僕の考えでは多分、最大戦力であるエリザベスとリッコは分けた方がいいかなって思うんだけど」
齋藤リッコ:「……そうね」返しながらも、その目は海賊王に向いている。
齋藤リッコ:喪った旧知との望まぬ再会。こうした局面を目にしたことは、一度や二度ではない。
齋藤リッコ:広いノヴァリスにおいて、単なる確率としてはあり得ぬことだ。それは星徒がどこまでも、失われた絆の影を纏う存在であるからか。
齋藤リッコ:「……『かつての知人の星徒に対して、遺された者はどうするべきか』」
齋藤リッコ:「どこより星徒と多く接してきた葬送係ですら、その意見は割れている」
齋藤リッコ:「本人が決着を付けるべき、という人もいれば──」
齋藤リッコ:「絶対に手を下すべきではない、という人もいる」
齋藤リッコ:「あたしには、まだどちらか正しいかは分からない」
齋藤リッコ:「でも──エリザベス・タイラー」
齋藤リッコ:その瞳を見据えて。
齋藤リッコ:「『やる』のね?」
エリザベス・タイラー:「ええ」翠緑の瞳が見つめ返す。
エリザベス・タイラー:「その覚悟がなければ、わたくし海賊王わたくしではありませんわ」
齋藤リッコ:「……分かった」頷く「心が決まっているのなら、そうするべき」
齋藤リッコ:「それさえ聞ければ十分よ。誰が相手だろうと指示に従うわ」
エリザベス・タイラー:リッコの言葉に微笑みを返して
エリザベス・タイラー:「意見も出揃いましたわね、それでは……」
エミー・ワイルドボア:「……ワガハイは」
エミー・ワイルドボア:ずっと黙って地図を睨んでいたが、初めて口を開く。
エミー・ワイルドボア:「気が乗らん・・・・・な~~~」
齋藤リッコ:「……ちょっと!」コートがずり落ちる「今いい感じの空気だったでしょ!?」
ベルティン・シェーヴ:「ええ……エミーさんが来たいって言いはじめたのに」
ベルティン・シェーヴ:「ついてきた私は一体……」
嘴子原シェイル:「うーん、この期に及んでベルティン先輩を隣に付けて何とかするのもなぁ」
エリザベス・タイラー:「あら、エミー様ともあろうお方が……」
エミー・ワイルドボア:「いや、"怪獣王"を見くびるなよ」
嘴子原シェイル:「それで、何の気が乗らないんだい?」やや興味本意に身を乗り出す
エミー・ワイルドボア:「学院を離れて尚"王"の称号を名乗る以上、その座にある者が求められる責務は理解している」
エミー・ワイルドボア:「力を求められれば、我が王鍵の全力を尽くして戦うと約束しよう」
ベルティン・シェーヴ:(エミーさんが王の称号を名乗ってるのは)
ベルティン・シェーヴ:(キングダムが正式な王鍵剥奪処分をできなかったからだと思うけど……)
ベルティン・シェーヴ:あえて口には出さなかった。ベルティン・シェーヴ、空気を読める女である。
エミー・ワイルドボア:「……だが!」
レナ・ルナール:「だが?」
エミー・ワイルドボア:「我が王鍵、巨構血統ウルティマは燃費が悪いのだ。おそらくこの戦いで開放できるのは一度限り」
エミー・ワイルドボア:「ここで星徒相手に全力を出したら……」
エミー・ワイルドボア:「"モンスター・X"と戦えないではないか~~~!!」
齋藤リッコ:「何よコイツ~~~~!?」
齋藤リッコ:「ていうか"モンスター・X"って何!?」
エミー・ワイルドボア:「大怪獣だ」
レナ・ルナール:「キングダムに謎の大怪獣が眠ってるらしくて」
レナ・ルナール:「僕たちはそれを調べに来たんだ」
齋藤リッコ:「え!?初耳なんだけど!?」
ベルティン・シェーヴ:「ごめんなさいねリッコさん。エミーさんはいつもこうで……」
嘴子原シェイル:「そこで丁度良く海賊王の迎えが来たから有耶無耶になってたけど、本来はそういう目論見だったね……」
エリザベス・タイラー:「……なるほど」どこか納得したように
エリザベス・タイラー:「つまり、エミー様はこうおっしゃりたいのですね」
エリザベス・タイラー:「キングダムの危機は『今起こっているもので終わり』ではないと」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!」
レナ・ルナール:「要点をまとめるのうま~~」
齋藤リッコ:「物は言いようでは!?」
ベルティン・シェーヴ:「そうかしら……モンスター・Xって、そもそも星徒だってモンスターみたいなものでは……」
エミー・ワイルドボア:「ハァ~~!?わかってないな~~~ベルティン。全然わかってない」
エミー・ワイルドボア:「これだから素人は困るんだよな」
エミー・ワイルドボア:「アイツラは『怪獣』じゃなくて『怪人』だろ。ぜんぜん違うじゃん」
ベルティン・シェーヴ:「同じようなものじゃないの?怪獣も怪人も……」
ベルティン・シェーヴ:「どっちも同じ着ぐるみじゃないかしら」
エミー・ワイルドボア:「きぐ……え……?」
エミー・ワイルドボア:「すまんちょっと衝撃的すぎて聞こえなかった」
レナ・ルナール:「ベルティン、それ以上は」
ベルティン・シェーヴ:「私はよく知らないけど、入って……動かすんでしょう?」
レナ・ルナール:「エミーが壊れちゃうから」
レナ・ルナール:「貴重な戦力が壊れちゃうのはもったいないから」
嘴子原シェイル:「(あちゃー……箱入りのキングダム生らしく外に疎い部分が……)」
齋藤リッコ:(どっちも同じ着ぐるみじゃないの……?)同意見
エリザベス・タイラー:カツン、と一度、ヒールの音を立てて。
エリザベス・タイラー:「さて、今度こそ意見は出揃いましたわね」
エリザベス・タイラー:「2体の星徒の討伐、要救助者の収容、さらなる脅威への備え」
エリザベス・タイラー:「全体を考慮した上で、現時点での分担を言い渡します」
レナ・ルナール:「はーい」
エリザベス・タイラー:「グレートブリッジには、シェイル、レナ、リッコ」
エリザベス・タイラー:「リッコの対星徒における戦闘経験はもちろんのこと、シェイルの作品は海賊部の侵攻にも耐え抜いた一種の城塞」
エリザベス・タイラー:「星徒を押し留めつつ、至近戦闘に持ち込めば勝機は必ずありますわ」
嘴子原シェイル:「了解。その評価に恥じないよう奮闘するよ……となると、そっちは」
エリザベス・タイラー:「私とレニーの艦隊は真珠広場を受け持ちます」
エリザベス・タイラー:「ベルティン様もこちらへ。2隻がかりでも機動力はおそらくあちらが上です」
エリザベス・タイラー:「不意の奇襲には、守りに長けた方の助力が必要ですわ」
ベルティン・シェーヴ:「承知しました。力を尽くします……!」ぎゅっと両手を握る。
エリザベス・タイラー:「エミー様は……一旦保留致します」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!」
エリザベス・タイラー:「途上で拾えた追加戦力と照らし合わせて、必要であれば投入致しますわ」
齋藤リッコ:「諸々オッケー。がんばるわ」
齋藤リッコ:(…… ……もうちょっとカッコいい返事あったな……)
ベルティン・シェーヴ:「エリザベス様、あまりエミーさんを甘やかしすぎても図に乗るので……」
ベルティン・シェーヴ:「特別扱いしなくても結構ですよ」
エリザベス・タイラー:「ふふ、勿論、同じ船に乗る以上は皆様平等ですわ。使うべき時には使わせて頂きます」
エリザベス・タイラー:「先への備えも重要ですが、眼の前の危機を超えられなければ本末転倒ですものね」
レナ・ルナール:「増援はあるつもりで戦っても大丈夫かな?」
レナ・ルナール:「それがあると無しじゃあ、先の備えをどのくらい使うかが変わってくるんだよね」
ベルティン・シェーヴ:「キングダムは戦力の層が厚いとは思うけれど、それでも星徒に対抗できる戦力がその場にいて、戦える状態とは限らないものね」
ベルティン・シェーヴ:「だから……その時はエミーさんにも戦ってもらう。そういう意図も含めた保留、と判断して構いませんか?」
嘴子原シェイル:「確かに、後からでも増援を間に合わせられそうならこの上ない話だ」
エミー・ワイルドボア:「別に戦いたくないとは言ってないだろ~!気が乗らないってだけで~!」ベルティンの態度に不満そうにする
エリザベス・タイラー:「海賊部の輸送力を侮ってもらっては困りますわね」
エリザベス・タイラー:「増援は必ず届けます。エミー様も含めて、必要な戦力を、必要な戦場へ」
エリザベス・タイラー:「ですから皆様、思う存分に戦ってくださいませ」
嘴子原シェイル:「あの"海賊王"にそう言われたんだ、頼もしいほかないよ」
嘴子原シェイル:「ま。元より、決まった歩兵を一マスずつにじり寄い合わせようって戦いじゃないからね」
嘴子原シェイル:「あるだけ持ってきて、集中砲火くらいで丁度いい」
レナ・ルナール:シェイルのことを好ましそうに見つめて
レナ・ルナール:「うん。僕とシェイルがいれば大丈夫だよ」
レナ・ルナール:「それに、リエゾンキラーもついてるしね」とリッコに微笑みかける
嘴子原シェイル:「あはは。確かに、心強い助っ人も沢山だ」
齋藤リッコ:「ふっ……」腕組みをして壁に寄り掛かって
齋藤リッコ:「………………。…………………………!」
齋藤リッコ:「……………………………………がんばろう!」
レナ・ルナール:「おーっ」
レナ・ルナール:楽しそうに手を上げます
嘴子原シェイル:「……海賊王の方も、きみたちが艦隊勝負を仕掛けるのは理に適っていると思うよ」
嘴子原シェイル:「でも、それだけじゃないんだ」
嘴子原シェイル:「こんな局面で、こんな戦いだけど。だからこそ──どこまでも我儘に」
嘴子原シェイル:「生徒も、街も、国も」
嘴子原シェイル:「狙った宝を、頂きに行くとしよう」
エリザベス・タイラー:「あら、言われてしまいましたわね」
エリザベス・タイラー:艦橋へと歩みを進めて、迫るキングダムの街並みを望む。
エリザベス・タイラー:「ならば皆様、これよりは遠慮も容赦も無用です!」
エリザベス・タイラー:「旗を揚げよ!!楽しい海賊行為の時間ですわ!!」
GM:――そうして、キングダムへと"海賊王"が再来した。
GM:簒奪者ではなく、反攻の旗手として。
GM:戦いの兆しはすぐに、全員が理解する。……後戻りができないということも。

【神聖二重冠(ダブルクロス)】

クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。



◆Masterscene◆Stand Alone

無人地帯 秘匿座標L


GM:夜の砂漠。月の光は息を潜めるようで、凪いだ砂の地平線は、どこまでも静かだ。
GM:王が治める民に溢れ、栄華を誇る王国があるのだとすれば、それとは正反対の、ただ一人の荒野。
GM:その黒い巨像は、太古からそこに聳えていた石碑か何かのように、風景に同化している。
GM:謎めいた機関が赤熱する光が駆動部の隙間から漏れ出ているが、それも頭上に広がる月や星々と比べれば、ごく些細なものだ。
GM:そんな、誰も意識することのない、無人の彼方からは
GM:煮えたぎるほどの悪意が、ただ一点へと焦点を合わせている。
GM:月光を受け、暗銅色の金属装甲が静かに光を湛えていた。
GM:王鍵殺しの毒蛇を担うその機身は、"軒轅鏡"の名を関している。
GM:玉座の天に輝き、相応しからぬ王を誅殺する、裁定の龍珠の名。

"ブロンテス"百人長センチュリオ19th、"ブロンテス"。
"ブロンテス":(……震えていますか?)
"ブロンテス":(キングダム連合学院。膨れ上がった虚栄の王国。賢者の表情を作った白痴の王たちよ)
"ブロンテス":(貴女たちの生み出した全てに、裁定される時が来る)
"ブロンテス":(私も、その一つだ)
"ブロンテス":地平の向こう、キングダムの学土を覆う異常光を観測している。その内側で、星徒たちがいかに殺劇の限りを尽くしているかは分からない。あるいは彼女たちは、誇り高い顔を浮かべて誰をも死なせぬかもしれない。
"ブロンテス":(だが、あの光が晴れた時こそが……私が真にあなたたちを終わらせる時です)
"ブロンテス":(打てる手はすべて打った)
"ブロンテス":(あとは、決定的な幕が上がり)
"ブロンテス":(全ての王を討つ手を指す、その時を待つのみ)
"ブロンテス":(止められまい。これだけは、絶対に)
"ブロンテス":砂漠の夜空はよく晴れて、恐ろしいほどに冷え込んでいる。それを感じぬ鉄の心身は、ただその時を待つのみだ。
"ブロンテス":ただその時を待てばいい。そう確信している。
"ブロンテス":――今はまだ。
GM:第二次セイクリッドピラー襲撃が頓挫した後、"ブロンテス"は先住市民の命を盾に棚エアリとの交渉、、を行っている。
GM:要求内容は、シャムロック自由学園の特別牢獄に囚われていた生徒達の解放。
GM:棚エアリの決定的な秘密――いくつもの外見を有していることを知ったがために、表舞台から消された生徒達だ。
GM:彼女らは暴走している。同じく特別囚人であったフアナ・メサの能力に影響された者もいれば、"ブロンテス"が手ずから意識を操作した者もいる。
GM:シャムロックに敵意を抱く特別囚人達は、もはや、『真実』を振りまきながらキングダムを自壊させる爆弾と化した。
GM:その混乱の中で六体の星徒を撃破し、"戒功王"の封鎖を解除しない限り、キングダムの崩壊は決して止めることができない。
GM:その上で、キングダムの全ての生徒達が、大きく思い違いをしている点が一つある。
GM:外界と隔絶された空間に出現した星徒は、確かに、死の直面にも等しい脅威である。
GM:――しかし。その事実だけで、星徒と実際に直面していない、、、、、、、、、、全生徒の頭上にまで神聖二重冠が発現するだろうか?
GM:彼女らが真に直面している脅威とは、この理事会兵器の砲撃に他ならない。
GM:初めから、戦闘は開始されているのだ。キングダムの誰もが気付いていないだけで。
GMDevastator堕落を大地へ還す者と呼ばれた兵器は、もっとも優れた人工知能技師によって、擬似的な『心』を与えられた。
GMClouder敵意を栄光に陰らせる者と呼ばれた兵器は、無数の遺産の複合によって、『心』を再現する試みを行った。
GM:二つの実験が成功に終わり、実運用のその日まで休止状態に置かれていた、三機目が存在する。
GM:そしてノドスチルドレンであれば、理事会の実験成果とは全く異なる方法で、それを動かすことができた。
GM:社会人、トバルカイン、または機神といった機械素体へ『本物の心』を転写する。それが第三の手段である。

GM:それは、その場にいながらにして学区間攻撃すら可能とする超長距離砲撃機として設計された。
GM:その弾頭には、第二次ノヴァリス紛争において六壬学園高等専門学校から鹵獲した希少物質――星珊胚が用いられている。
GM:莫大なエネルギーと神秘によって生徒すら死に至らしめる、いずれ来る学区間の絶滅戦争のための、『十字冠を破壊する兵器』。
GM:彼らが去った今、誰にも知られぬ開発コードは――
GM:『Pulverizer虚飾の世界を砕く者』という。
GM:"戒功王"の封鎖が解除されない限り、キングダムの崩壊は決して止めることができない。
GM:だが、キングダム連合学園が全身全霊をもって"戒功王"の封鎖を解除したのならば、その時には
GM:困憊の極みに陥った王国へと、"ブロンテス"はその引き金を引くだろう。
"ブロンテス":「……生憎、我が仮初の主上はノヴァリスの輝きによって敗退しました」
"ブロンテス":「成程、それは如何にも尊いものでした。ある意味では、ノヴァリスの積み重ねた日々歴史を軽視した結果、因果の応報と言わざるを得ないでしょう」
"ブロンテス":「翻って、貴女たちは?」
"ブロンテス":「その王鍵は、私の一手を――」
"ブロンテス":「――この上ない悪意を凌ぐ、奇跡的な燿きを放つのか」
"ブロンテス":「我が身の名、"軒轅鏡"に懸けて」
"ブロンテス":「――裁きは下ります。終焉を受け入れていただきましょう、キングダム」
GM:星の光と悪意が、王国を砕く。


◆Middle07◆たいせつなたからもの




GM:キングダム内部へと突入したローレライ商船学校は、艦隊を大きく二つに分割した。
GM:一つは、混乱状態にあるキングダム生徒を保護収容するための一団。
GM:嘴子原シェイル、レナ・ルナール、斎藤リッコといった主戦力級の生徒もこちらに含まれる。
GM:大博物館をはじめとした主要避難地点を経由した後、主戦力はさらに艦隊から独立して動き、グレートブリッジの星徒ララゴ迎撃へと向かう手筈だった。
GM:そして"海賊王"の旗艦をも含むもう一つの一団は、その遥か手前――真珠広場近辺にて遊撃を行っている星徒コンスタンツェの捜索と駆逐に当たる。
GM:この組では、信頼の置ける攻撃戦力である"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥに加え
GM:かつてのキングダム諸王、"怪獣王"エミー・ワイルドボア、そして"明王"ベルティン・シェーヴが攻撃を担当する。

■"明王"ベルティン・シェーヴ

【肉体】5
【感覚】1
【精神】1
【社会】2

HP:31
行動値:3
復活回数:2回

〈白兵〉11
〈回避〉1
〈RC〉1
〈情報:FH〉1
〈情報:学級会〉2

《破壊の爪》Lv1
《一閃》LV1
《獅子奮迅》Lv3
《居合い》Lv5
《波紋の方陣》LV5
《切り払い》LV1


【マイナーアクション】
《破壊の爪》
そのシーンの間、あなたの素手のデータを以下のように変更する。
種別:白兵 技能:〈白兵〉
命中:0 攻撃力:12(100%時) ガード値:1 射程:至近

【メジャーアクション】
《一閃》《獅子奮迅》《居合い》
8dx+23(100%時)
攻撃力12、ラウンド1回

【リアクション】
《切り払い》《居合い》
8dx+23(100%時)
ラウンド1回

【オートアクション】
《波紋の方陣》
対象にHPダメージが適用される直前に使用する。対象が受ける(予定の)ダメージを-6D点する。
このエフェクトはあなたを対象にできない。ラウンド1回。

■貫徹船団砕氷艦

【肉体】5
【感覚】1
【精神】1
【社会】2

HP:31
行動値:3
復活回数:2回

《コンセントレイト:ハヌマーン》LV3
《一角鬼》LV3
《フルパワーアタック》LV3
《獣の王》LV1
《一閃》LV1
《吠え猛る爪》LV5
《マシラのごとく》LV3
《子羊の歌》LV1

【セットアップ】
《フルパワーアタック》
そのラウンド中に行なう白兵攻撃の攻撃力を+20する。
ただし、そのラウンドの間、【行動値】は0となる。

【マイナーアクション】
《一角鬼》
攻撃力15、ガード値2、命中0、射程5mの白兵武器を作成

【メジャーアクション】
《コンセントレイト:ハヌマーン》《獣の王》《一閃》《吠え猛る爪》《マシラのごとく》
3dx7(100%時)
全力移動後に攻撃。
攻撃力55(《フルパワーアタック》使用時75)、リアクション不可、シナリオ1回

【オートアクション】
《子羊の歌》
対象にHPダメージが適用される直前に使用する。
そのダメージを対象ではなくあなたに適用させる。
このダメージは軽減不可。(100%時、シナリオ2回)

キングダム連合学院 真珠広場


GM:夜の真珠広場は、ひどく静かだ。普段なら夜でも生徒の姿が見られる自然公園だが、避難誘導が既に行われているためか、無人である。
GM:――それどころか、星徒コンスタンツェの姿もない。この区画が襲撃されているなど、"不夜王"に伝えられていなければ、誰も確信できなかっただろう。
GM:だが、情報の更新がない以上、敵はどこかにいる。"不夜王"も全力を尽くして、この敵を区画から出さないように采配している。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「聖詠部や教会の連中は」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「上手くやってくれてるみたいだ、それはいいが」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:空中を旋回する船の操舵室から地上を見下ろしつつ、呟く
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「星徒ってのはそこらの物陰に隠れられるような図体してるのかい?」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……リズ、あんたまさか不夜王にハメられたんじゃないだろうね」
エリザベス・タイラー:「ジェシカ様はそのようなお方ではありませんわ」
エリザベス・タイラー:「騙し討ちなら、もっと上手くやりますもの」
エリザベス・タイラー:通信越しにレニーに応える。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「よくもまああっけらかんと」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「自分を追い出した相手をそうも信用できるのは」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「アンタの能天気も筋金入りだよ」
エリザベス・タイラー:「星徒のレネゲイド出力は生前とは比べ物になりません」
エリザベス・タイラー:「コンツェの船団は元々奇襲を得意としていました。その能力がどのように強化されていても不思議ではありませんわ」
ベルティン・シェーヴ:「けれどコンスタンツェ・レーヴは、隠密能力……ではないのですよね?」細い目をさらに細めて地上を索敵している。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……少なくとも、アタシたちの知っているレーヴが相手なら、そうだ」
ベルティン・シェーヴ:「瞬間移動のような奇襲。絶大な物量攻撃。そんなことが可能だとしたら……」
エミー・ワイルドボア:「うーん……」いつも被っているフードを下ろして、周囲に耳を澄ませている。
エミー・ワイルドボア:「姿を隠してるにしても、動力音すらしないのは妙だぞ」
GM:その時、視界の先で火柱が上がった。
GM:真珠広場から通りを二つ挟んだ防災用施設である。民間人は収容されていないはずだが……
GM:躊躇なく攻撃した。捜索の目がある中でも、星徒は害意を抑えることはできない。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「――ッ!」
エリザベス・タイラー:「レニー!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「おいでなすったのかい、どこからだ!?」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:取り舵を回して火柱を避けつつ、観測手たちへ叫ぶ。
エリザベス・タイラー:「艦隊展開!進路に回り込んで挟み撃ちにしますわよ!」
GM:ゴォー……
星徒コンスタンツェ:まるで水路のように眼下を走り続ける、奇怪な船がある。

星徒コンスタンツェ:「どこに」
星徒コンスタンツェ:「帰ればいい」
星徒コンスタンツェ:――カッ!
星徒コンスタンツェ:獣の顎の如き部位が開いて、幾条もの光と煙が吐き出される。着弾。爆発。
エリザベス・タイラー:「っ!」
星徒コンスタンツェ:周囲の建造物が無差別に破壊されていく。
星徒コンスタンツェ:"枝針船長キャプテン・スティング"の船は、ミサイル艦だ。高速で回り込み、莫大な物量を標的へと叩き込む。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「レーヴ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「なんてザマになっちまったんだい」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:破壊の嵐を一瞥し、小さく呟く。
エミー・ワイルドボア:「おほぉ~!良い火薬使ってるが……」
エミー・ワイルドボア:「今ひとつ美学に欠けるなぁ~、勿体ない」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……ハッ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「辛気臭いツラして戦うよりは」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「アンタみたいなバカを乗せてた方が、いくらか気は紛れるね」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「敵船、目視にて確認!照準合わせ—ッ!」
ベルティン・シェーヴ:「……海賊王様!正面からぶつかる進路です!」
エリザベス・タイラー:「構いません」
エリザベス・タイラー:「両翼は手筈通り展開!包囲陣形を取りなさい!」
エリザベス・タイラー:「本艦はこのまま直進!総員、対艦戦闘用意!!」

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:海賊王と怪獣王は6d10侵蝕上昇をしてください。ベルティンとレニーの侵蝕は100固定です。
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を6D10(→ 35)増加(40 → 75)
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を6D10(→ 30)増加(44 → 74)

   星徒コンスタンツェ[8]

       10m

 "海賊王"[5/75] "怪獣王"[9/74]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[3/100]

■ラウンド1

GM:セットアップです。
エミー・ワイルドボア:NS『フォトンブラッド』 《血色の花嫁》《紅のベーゼ》LV5 最大HPと現在HPを+50 増血剤でHPを失う効果を無効。
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアのHPを97に変更(47 → 97)
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を5増加(74 → 79)
エリザベス・タイラー:私はなしです。
星徒コンスタンツェ:《戦力増員》。
エリザベス・タイラー:ワーッ!?
星徒コンスタンツェ:トループ「枝針船団魚雷」を無限体召喚します。
エリザベス・タイラー:無限!?
星徒コンスタンツェ:はい。侵星魔法冠の効果があるので……
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:オイオイオイ
エリザベス・タイラー:あわわわわ…
星徒コンスタンツェ:《戦力増員》のレベルは∞になり、したがって召喚するトループの数は∞体になります。
エリザベス・タイラー:今ここで魔法冠解除すれば間に合いますか?
GM:いいえ これまでの星徒戦と同じく
GM:最初のPCの手番にならないと魔法冠解除のタイミングは来ません。つまり
エリザベス・タイラー:ひえーッ!?
GM:これからラウンドごとに∞体召喚されるミサイルと戦ってもらうことになります
エリザベス・タイラー:終わりだ……

   枝針船団魚雷[9]×∞
   星徒コンスタンツェ[8]

       10m

 "海賊王"[5/75] "怪獣王"[9/74]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:www
エリザベス・タイラー:あっすいません!レニーのセットアップで《フルパワーアタック》だけお願いします!
GM:分かりました。どうぞよろしくお願いします
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:《フルパワーアタック》 ラウンド中攻撃力+20 行動値0。
GM:最初の手番は行動値9。怪獣王の手番です。
エミー・ワイルドボア:えーと、私の手番で魔法冠を解除したいのですが
エミー・ワイルドボア:これは今の手番になってる私の二重冠を使用しないとダメでしょうか?
GM:いいえ。これも今までの戦闘と同じ処理ですが
GM:最初の解除タイミングがPCの手番というだけで
GM:誰の二重冠から使うかは自由です。もちろんベルティンやレニーも二重冠持ち判定です。
エミー・ワイルドボア:了解です!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:では、レニー=レニー・ブラックロゥの二重冠効果使用権を放棄して
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:このラウンドの侵星魔法冠を解除します!
星徒コンスタンツェ:∞ボーナスは解除!だけどもう召喚しちゃったものはそのまま残るぞ
エリザベス・タイラー:無限体居るよ~!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ふざけておる
星徒コンスタンツェ:キミの心変わりを誘発しよう!この無限発のミサイル達にキミは勝てるかな?
エミー・ワイルドボア:勝てるさ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:イエス!!
星徒コンスタンツェ:!(ノーとしか言わないハズ……!?)
エミー・ワイルドボア:私の手番を進めさせてもらいます
エミー・ワイルドボア:私は実は120%にならないとエンゲージ外に攻撃できません
星徒コンスタンツェ:割り込みはありません
エミー・ワイルドボア:よって
エミー・ワイルドボア神聖二重冠ダブルクロスを使用します。
エミー・ワイルドボア:効果は『あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす』
星徒コンスタンツェ:ウワーッ!
エミー・ワイルドボア:侵蝕率を+41し、120%へ。メインプロセスの攻撃力+82
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を41増加(79 → 120)
星徒コンスタンツェ:めちゃくちゃな威力……こんなの食らったら死んじゃうよッ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:大人しく死んでくれ!!
エリザベス・タイラー:あっすみませんそこまでは必要なかった
GM:マイナーで上がる分を差し引くんですね
エミー・ワイルドボア:はい。104%に訂正します。攻撃力は+50
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を-16増加(120 → 104)
星徒コンスタンツェ:それでも暑くて干からびそう~
エミー・ワイルドボア:マイナー PS『巨構血統ウルティマ』 《完全獣化》LV4《滅びのかぎ爪》LV6《原初の黒:ライトスピード》肉体ダイス+6、素手変更、メジャーアクションを2回行う。
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を16増加(104 → 120)
エミー・ワイルドボア:メジャー EX『トリニティ・スターレイ』《渇きの主》LV4《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》LV4《血の宴》LV3《原初の白:神獣撃》LV4《原初の虚:怪獣撃》LV4
GM:あ、データ的な確認ですが
GM:マイナーで使うのは《ライトスピード》なんでしょうか?
エミー・ワイルドボア:視界範囲攻撃。対称は星徒コンスタンツェとトループ全員
GM:キャラシでは原初の虚:巨獣の爪牙となっているので
GM:また怪獣撃が原初の黒で取られていたので
GM:整合性的には今言っていただいたコンボのほうが正しいのかな
エリザベス・タイラー:あっごめんなさい!報告してなかった!
エリザベス・タイラー:そうです!原初の整合性が取れていなかったため、差し替えさせていただきました
GM:分かりました!こちらからは判定割り込みとかはないので
GM:攻撃をお願いします
エミー・ワイルドボア:11dx7+5 一回目
DoubleCross : (11DX7+5) → 10[1,2,2,2,3,4,4,6,7,9,10]+6[3,5,6]+5 → 21

エミー・ワイルドボア:へなへな
枝針船団魚雷:ええーっ!?本当かい
エミー・ワイルドボア:なにっ
枝針船団魚雷:私《イベイジョン》で22なんですけど
枝針船団魚雷:このままだと皆回避しちゃうねえ……
エミー・ワイルドボア:ええー!?
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:まじかよ!!
星徒コンスタンツェ:まずコンスタンツェがリアクションします。
星徒コンスタンツェ:10dx>=21
DoubleCross : (10DX10>=21) → 9[1,1,1,4,5,5,7,7,8,9] → 9 → 失敗

星徒コンスタンツェ:コンスタンツェには命中するよ
エミー・ワイルドボア:でもミサイルが……
エミー・ワイルドボア:固定ロイスは使用できますか?
GM:構いませんが、メインキャラ以外は使えるロイスは初期ロイスの2つだけなので
GM:その分復活回数も減ると考えてください。神聖二重冠と同じく回数が限られたリソースです。
エミー・ワイルドボア:へっこちとらどのみち一発打ったら後は置物だぜ!
エミー・ワイルドボア:この一撃にすべてを賭けます!地力怪獣ネバルゴンのロイスをタイタス昇華し
エミー・ワイルドボア:達成値を1D振りたしマス!
エミー・ワイルドボア:21+1d10
DoubleCross : (21+1D10) → 21+2[2] → 23

エミー・ワイルドボア:ギリギリ!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ネバルゴンとの…絆!!
GM:では全員に命中です
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ブチ喰らいやがれーっ!
エミー・ワイルドボア:ダメージ出します
エミー・ワイルドボア:3d10+17+10d10+50 諸々有効
DoubleCross : (3D10+17+10D10+50) → 18[4,5,9]+17+53[6,6,2,7,3,2,10,10,6,1]+50 → 138

"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ころせーーー!!
枝針船団魚雷:魚雷は全員撃破!
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェも相当なダメージを受けます……が!
星徒コンスタンツェ:《タブレット》《多重生成》《奇跡の雫》。
星徒コンスタンツェ:対象は魚雷7体です。
エミー・ワイルドボア:ファッ!?
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ばかにしとる!
エミー・ワイルドボア:だ、だが俺のターンは終わってないぜ!
エミー・ワイルドボア:《ハイブリーディング》 《原初の虚:怪獣撃》の回数を1回復。
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を6増加(120 → 126)
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアのHPを8減少(97 → 89)
エミー・ワイルドボア:そしてさっきと同じコンボを使います。《渇きの主》LV4《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》LV4《血の宴》LV3《原初の白:神獣撃》LV4《原初の虚:怪獣撃》LV4

   枝針船団魚雷[9]×7
   星徒コンスタンツェ[8]

       10m

 "海賊王"[5/75] "怪獣王"[9/126]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

エミー・ワイルドボア:対称はコンスタンツェと復活したトループ7体!
星徒コンスタンツェ:もちろん妨害はなし!攻撃をどうぞ
エミー・ワイルドボア:11dx7+5
DoubleCross : (11DX7+5) → 10[2,2,3,3,4,5,5,5,7,7,9]+10[7,9,10]+10[5,8,8]+6[6,6]+5 → 41

エミー・ワイルドボア:今度はダイスもいい感じ!
枝針船団魚雷:もちろん全員命中!こいつらが《イベイジョン》を持っていなかったらキングダムの日は永遠に続くところでした
星徒コンスタンツェ:10dx ドッジします
DoubleCross : (10DX10) → 10[1,1,2,3,3,5,6,8,9,10]+8[8] → 18

エミー・ワイルドボア:危なかった…
エミー・ワイルドボア:ダメージ出します
エミー・ワイルドボア:5d10+17+10d10+50 諸々有効
DoubleCross : (5D10+17+10D10+50) → 26[3,1,9,10,3]+17+59[1,8,9,2,9,1,7,6,8,8]+50 → 152

星徒コンスタンツェ:ウワー!
星徒コンスタンツェ:こんな火力には耐えられない!星徒コンスタンツェ撃破!
エミー・ワイルドボア:エッ!
星徒コンスタンツェ:……と思ったかね?
エミー・ワイルドボア:や…ヤッタ~……てなにぃ!?
星徒コンスタンツェ:《タブレット》《多重生成》《アクアウィターエ》。
星徒コンスタンツェ:自分を含む7体を蘇生します。
エミー・ワイルドボア:あわ……あわわわ……
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ば、ばかやろう!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:心の強ぇ7体なのか…!?
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:作戦名は…”鋼鉄の七人”!
エミー・ワイルドボア:滅びのかぎ爪の効果でHPを4失い
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアのHPを4減少(89 → 85)
エミー・ワイルドボア:渇きの主の効果で全快します
GM:すご!
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアのHPを-12減少(85 → 97)
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を42増加(126 → 168)
エリザベス・タイラー:あとすみません!
星徒コンスタンツェ:なんだねキミ
エリザベス・タイラー:コンスタンツェに《デビルストリング》LV3を使用します。
エリザベス・タイラー:対称は《タブレット》!
星徒コンスタンツェ:なんだってェェ―――ッ!!
エリザベス・タイラー:これで同時使用条件の多重生成も消えるはず!
星徒コンスタンツェ:このシナリオでは《タブレット》が消されることで《多重生成》も消えるものとします
星徒コンスタンツェ:MTGプレイヤーだから……紅蓮波を撃った後に対象の色が青じゃなくなったら
星徒コンスタンツェ:立ち消えするみたいな裁定のほうが馴染みがあるんだ
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を6増加(75 → 81)
エリザベス・タイラー:これで復活できるのは一体だけ……!
星徒コンスタンツェ:《アクアウィターエ》は単体になるので、もちろん自分自身だけを復活します。
星徒コンスタンツェ:では次のイニシアチブ、行動値8のコンスタンツェの行動ですが
星徒コンスタンツェ:Eロイスを使用します。『さらなる絶望』。
エリザベス・タイラー:イヤッ!!
星徒コンスタンツェ:未行動状態のエネミーを一体召喚します。召喚するのは、星徒コンスタンツェです。
エリザベス・タイラー:????
エリザベス・タイラー:コンツェ……あなた双子だったの!?

   星徒コンスタンツェA[8]
   星徒コンスタンツェB[8]

       10m

 "海賊王"[5/81] "怪獣王"[9/168]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

エミー・ワイルドボア:どうやって戦えば良いんだ…!!
星徒コンスタンツェ:次の手番です。行動値8でコンスタンツェ2体の行動になりますが
星徒コンスタンツェ:イニシアチブにEロイスを使用します。『さらなる絶望』。
星徒コンスタンツェ:召喚するのは星徒コンスタンツェです。

   星徒コンスタンツェA[8]
   星徒コンスタンツェB[8]
   星徒コンスタンツェC[8]

       10m

 "海賊王"[5/81] "怪獣王"[9/126]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

エミー・ワイルドボア:もうやめて~!
星徒コンスタンツェ:行動値8。全員の行動前にまたイニシアチブが挟まります。
星徒コンスタンツェ:最後の『さらなる絶望』を使用します。召喚するのは枝針船団魚雷です。

   枝針船団魚雷[9]
   星徒コンスタンツェA[8]
   星徒コンスタンツェB[8]
   星徒コンスタンツェC[8]

       10m

 "海賊王"[5/81] "怪獣王"[9/126]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

エリザベス・タイラー:まだ来る!
エリザベス・タイラー:そんなに魚雷が撃ちたいのか
星徒コンスタンツェ:そうなのだ
枝針船団魚雷:ということで新たに生成された未行動の魚雷が行動値9で動くのだ
枝針船団魚雷:マイナーアクションで全員のエンゲージに戦闘移動します。
エミー・ワイルドボア:来ないで化け物!

   星徒コンスタンツェA[8]
   星徒コンスタンツェB[8]
   星徒コンスタンツェC[8]

       10m

   枝針船団魚雷[9]
 "海賊王"[5/86] "怪獣王"[9/126]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

枝針船団魚雷:《エクスプロージョン》《ツインバースト》。対象はPC全員。
枝針船団魚雷:11dx
DoubleCross : (11DX10) → 9[3,3,4,4,4,6,7,7,8,9,9] → 9

枝針船団魚雷:ドッジ不可です。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:うわーんめちゃくちゃです!
エリザベス・タイラー:ドッジ不可だと~!
エリザベス・タイラー:ガードするしかないですわ
エリザベス・タイラー:ベルティン様もガードをお願いします。
ベルティン・シェーヴ:うわーん
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ガード
枝針船団魚雷:ダメージを出します。
エミー・ワイルドボア:《龍鱗》 装甲+40
枝針船団魚雷:1d10+23
DoubleCross : (1D10+23) → 10[10]+23 → 33

"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:死!復活残り1!
ベルティン・シェーヴ:《波紋の方陣》が使えますよ!
ベルティン・シェーヴ:1回だけだけど……一人ぶんの致命傷を回避できます
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:マジで!?
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:私はHP31だから…
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:使えば確実に死なずに済む!
エリザベス・タイラー:私はまだリザレクトできるから
エリザベス・タイラー:レニーが使いなさいな
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:リズ~~♡
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:お言葉に甘えて使用!
ベルティン・シェーヴ:では波紋の方陣
ベルティン・シェーヴ:33-6d10
DoubleCross : (33-6D10) → 33-36[6,9,5,3,3,10] → -3

ベルティン・シェーヴ:おお、全部防いだ!
エリザベス・タイラー:こちらはHP0で《リザレクト》
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:最強すぎ
ベルティン・シェーヴ:ベルティン自身は33ダメージで一回分戦闘不能です
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:無傷!
エリザベス・タイラー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3

ベルティン・シェーヴ:残り復活回数は一回……!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーのHPを3に変更(25 → 3)
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を3増加(81 → 84)
星徒コンスタンツェ:行動値8。コンスタンツェAの手番です。
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を4増加(168 → 172)
エミー・ワイルドボア:あ、私は無傷です
星徒コンスタンツェ:なんだとォ……
星徒コンスタンツェ:マイナーアクションでPCの左3mに移動。
エミー・ワイルドボア:ぐえ~エンゲージ分けてきた
星徒コンスタンツェ:メジャーアクションは《怒涛の攻勢》。対象は枝針船団魚雷です。
エミー・ワイルドボア:!?
枝針船団魚雷:即座にメジャーアクションを行います。《エクスプロージョン》《ツインバースト》。
枝針船団魚雷:11dx ドッジ不可、PC全員に攻撃です。
DoubleCross : (11DX10) → 9[2,2,5,5,6,7,7,8,9,9,9] → 9

エリザベス・タイラー:なんなんだよこいつら
エリザベス・タイラー:ガード!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:無限魚雷編
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ガード!
ベルティン・シェーヴ:ガードします!
エミー・ワイルドボア:《原初の青:龍鱗》
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を4増加(172 → 176)
枝針船団魚雷:1d10+23
DoubleCross : (1D10+23) → 7[7]+23 → 30

エリザベス・タイラー:《リザレクト》
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:こっちはギリ生きるが…明王が…!
ベルティン・シェーヴ:私はもう復活回数がありません!
ベルティン・シェーヴ:でもレニーさんが生き残ってくれたならそれで……!
エリザベス・タイラー:ヒエ~!
エリザベス・タイラー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10

エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を10増加(84 → 94)
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーのHPを10に変更(3 → 10)
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェAは行動終了。イニシアチブ。
星徒コンスタンツェ:《分割思考》。未行動になります。行動値は-10。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:草やね
エリザベス・タイラー:最悪すぎる
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェBの行動です。マイナーで戦闘移動し、PCの右方3mに移動。
星徒コンスタンツェ:《怒涛の攻勢》。
枝針船団魚雷:《エクスプロージョン》《ツインバースト》。
枝針船団魚雷:11dx ドッジ不可
DoubleCross : (11DX10) → 10[1,2,2,4,5,7,7,8,9,9,10]+6[6] → 16

エリザベス・タイラー:ガード
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ガード!
エミー・ワイルドボア:《原初の青:龍鱗》
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を4増加(176 → 180)
ベルティン・シェーヴ:ガードします!
枝針船団魚雷:2d10+23
DoubleCross : (2D10+23) → 7[3,4]+23 → 30

ベルティン・シェーヴ:このままだと、死ぬ……!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:これどうすっかな~~
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:子羊切るかどうか
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:海賊王に任せるぜ!
エリザベス・タイラー:ここはこのラウンドで決めるつもりで、少しでも手数を稼ぎたい所
エリザベス・タイラー:レニー、《子羊の歌》をお願いしますわ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:『許可』が出た!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:借りは返すぜ!ダメージを引き受ける!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:残り復活回数1!子羊も残1!
ベルティン・シェーヴ:ありがとうレニー船長!
エリザベス・タイラー:こちらはリザレクト
エリザベス・タイラー:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8

エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を8増加(94 → 102)
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーのHPを8に変更(10 → 8)
星徒コンスタンツェ:行動終了したコンスタンツェBも《分割思考》を使用します。未行動状態で行動値は0に。
エミー・ワイルドボア:オイオイオイ
エミー・ワイルドボア:こっちは無傷
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェCの行動。《怒涛の攻勢》。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:怪獣王無敵すぎる
エミー・ワイルドボア:私だけ生きてても意味ないんだよ
枝針船団魚雷:連続ミサイルカーニバルのフィナーレだ!
枝針船団魚雷:《エクスプロージョン》《ツインバースト》。
枝針船団魚雷:11dx ドッジ不可
DoubleCross : (11DX10) → 10[1,3,3,4,4,5,5,5,6,10,10]+8[8,8] → 18

ベルティン・シェーヴ:ガードしかありません!
エリザベス・タイラー:ガード
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ふざけたカーニバル!ありえない話!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:海賊王…ラストいくかい!?
エリザベス・タイラー:ちょっと待ってね…
エミー・ワイルドボア:《原初の青:龍鱗》
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を4増加(180 → 184)
枝針船団魚雷:ダメージはとりあえず出しますよ!
枝針船団魚雷:2d10+23
DoubleCross : (2D10+23) → 6[4,2]+23 → 29

枝針船団魚雷:アッ出目が低い!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:いける!!
GM:【分かりにくい人のための解説コーナー】現在のリソース ベルティン:復活回数0 レニー:復活回数1
GM:レニーはダメージ肩代わりの切り札《子羊の歌》をあと1回使えるぞ
GM:海賊王はゲストNPCなので使えるロイスは初期ロイス2つだけ ここで死ぬとタイタス一つ昇華になっちゃう!
GM:怪獣王もさっきの出目でロイスを1つ使ってるから残り復活回数はあと1回だ ダメージは全部カットしてるけどね
エリザベス・タイラー:今増えてるコンスタンツェB、Cは、魔法冠の効果はAと共有していると考えて良いのでしょうか
GM:共有しています
GM:つまり、最初の手番で誰か一人が二重冠の権利を使いさえすれば
GM:全てのコンスタンツェの魔法冠がそのラウンド中無効になるということです
エリザベス・タイラー:なるほどね…
エリザベス・タイラー:あと、もしベルティンさんがこのメインプロセスで倒れた場合
エリザベス・タイラー:次のラウンドではまだ使ってないベルティンさんの二重冠は使用できないということでいいでしょうか
GM:そういうことになります ゲストNPCは使い捨てカバーでも全く問題ないのですが、二重冠を使わせるためには最低でも生き残らせないといけません
エリザベス・タイラー:決めましたわ
エリザベス・タイラー:レニー!ベルティン様に《子羊の唄》を!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:あいあいさー!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:くたばってもらっちゃ困るぜ!
ベルティン・シェーヴ:わぁありがとう
枝針船団魚雷:ということでベルティン以外全員に29ダメージ……!レニーには特別に58ダメージをお見舞いするぜ
エミー・ワイルドボア:私は無傷
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ウギャアアアア
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:固すぎるってお前だけ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:残り復活回数…明王と並んで0!
ベルティン・シェーヴ:エミーさんおかしいわ
エリザベス・タイラー:私は海賊部のロイスをタイタス昇華し復活!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーのHPを12に変更(8 → 12)
星徒コンスタンツェ:もちろんコンスタンツェCも《分割思考》で未行動状態になります。
エリザベス・タイラー:ハァ…ハァ…

                星徒コンスタンツェC[0]

                    10m

                  枝針船団魚雷[9]
星徒コンスタンツェA[0] 3m "海賊王"[5/102] "怪獣王"[9/184] 3m 星徒コンスタンツェB[0]
             "明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

GM:行動値は5!海賊王の手番です!
エリザベス・タイラー:フゥ~……やってくれましたわね
星徒コンスタンツェ:ば、バカな
星徒コンスタンツェ:あのミサイルの量で生きていられるはずが……
エリザベス・タイラー:反撃ですわ!オートで《異世界の因子》を使用!
エリザベス・タイラー:《原初の黒:ライトスピード》を取得します。
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を5増加(102 → 107)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:今度はこっちのカーニバルだぜ~~
星徒コンスタンツェ:アワワ……
エリザベス・タイラー:マイナー NS『征嵐旗章エル・ドラゴ』《骨の銃》LV4《死招きの爪》LV5《原初の黒:ライトスピード》 攻撃力38の射撃武器を作成し装備。
エリザベス・タイラー:そしてメジャー二回行動!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を14増加(107 → 121)
エリザベス・タイラー:EX『竜砲』《ディストーション》《コンセントレイト:オルクス》LV4《要の陣形》LV4 骨の銃で攻撃
エリザベス・タイラー:《オーバーロード》をあわせて武器攻撃力分のダメージを上乗せ
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を3増加(121 → 124)
エリザベス・タイラー:《未知なる陣形》によりロックオン数は5体に増えてるため
エリザベス・タイラー:エネミー全員を対称に攻撃!判定行くぜ
枝針船団魚雷:アイエッ
エリザベス・タイラー:16dx7+9
DoubleCross : (16DX7+9) → 10[3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,8,8,10,10,10,10]+10[1,3,7,7,9,10]+10[3,5,6,7]+5[5]+9 → 44

枝針船団魚雷:アイエエエエ!命中!
星徒コンスタンツェ:10dx>=44 A
DoubleCross : (10DX10>=44) → 10[1,1,2,2,5,6,7,8,10,10]+8[8,8] → 18 → 失敗

星徒コンスタンツェ:10dx>=44 B
DoubleCross : (10DX10>=44) → 9[1,2,3,3,3,4,5,5,7,9] → 9 → 失敗

星徒コンスタンツェ:10dx>=44 C
DoubleCross : (10DX10>=44) → 10[1,1,3,4,5,5,5,7,8,10]+5[5] → 15 → 失敗

星徒コンスタンツェ:全員命中!
エリザベス・タイラー:5d10+38+3d10+38
DoubleCross : (5D10+38+3D10+38) → 35[3,6,8,8,10]+38+14[7,5,2]+38 → 125

星徒コンスタンツェ:強すぎる……!
エリザベス・タイラー:doya
星徒コンスタンツェ:さっき復活したコンスタンツェAおよび魚雷がこれで撃墜されますが!
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェBが《タブレット》《多重生成》《奇跡の雫》だ!
枝針船団魚雷:ククク……HP1で復活……!
エリザベス・タイラー:めんどくせえ!
エリザベス・タイラー:《タブレット》を《デビルストリング》で消します!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:この1ラウンドに全部をかけなければ、死!!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を6増加(124 → 130)
エリザベス・タイラー:いえ……やっぱり取り消しますわ!
枝針船団魚雷:アイエッ
エリザベス・タイラー:なぜなら私のターンはまだ終わってないから!
枝針船団魚雷:た、助かった……
エリザベス・タイラー:HP1程度屁でもないですわ~!
枝針船団魚雷:ふざけやがって……とんだ発狂マニアック野郎だったぜ
枝針船団魚雷:ここまで逃げればもう安心……
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を-6増加(130 → 124)
エリザベス・タイラー:2回目攻撃!EX『竜砲』《ディストーション》《コンセントレイト:オルクス》LV4《要の陣形》LV4 骨の銃で攻撃
エリザベス・タイラー:武器がまだ壊れてないので《オーバーロード》も使えるドン!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を3増加(124 → 127)
エリザベス・タイラー:対称はエネミー全員!行きます!
エリザベス・タイラー:16dx7+9
DoubleCross : (16DX7+9) → 10[1,1,2,2,3,4,4,4,6,7,8,9,9,9,10,10]+10[4,5,6,6,6,9,10]+10[2,9]+10[9]+10[9]+4[4]+9 → 63

枝針船団魚雷:アバーッ!?
枝針船団魚雷:命中!
星徒コンスタンツェ:メインプロセスが終わるまで武器が壊れないなんて
星徒コンスタンツェ:インチキ……!インチキ……!
星徒コンスタンツェ:10dx>=63 A
DoubleCross : (10DX10>=63) → 10[1,2,3,4,4,6,7,7,9,10]+1[1] → 11 → 失敗

星徒コンスタンツェ:10dx>=63 B
DoubleCross : (10DX10>=63) → 10[2,5,5,5,6,6,7,8,9,10]+10[10]+2[2] → 22 → 失敗

星徒コンスタンツェ:10dx>=63 C
DoubleCross : (10DX10>=63) → 10[2,5,5,5,5,7,9,10,10,10]+10[1,5,10]+4[4] → 24 → 失敗

星徒コンスタンツェ:出目はすごくいいんだけどなあ
エリザベス・タイラー:ダメージ!
エリザベス・タイラー:7d10+38+3d10+38
DoubleCross : (7D10+38+3D10+38) → 57[5,6,10,9,10,10,7]+38+27[8,10,9]+38 → 160

"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:最強!!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:出目ヤバない?
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:平均これ8超えてる…?
星徒コンスタンツェ:ええ……
星徒コンスタンツェ:これは全員撃破されます。コンスタンツェBとCすら残りHPは103でした。
星徒コンスタンツェ:コンスタンツェBが《タブレット》《多重生成》《アクアウィターエ》で全員の復活を試みますが……!
エリザベス・タイラー:《デビルストリング》!《タブレット》を消しますわ!
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を6増加(127 → 133)
星徒コンスタンツェ:ヌゥーッ、ではBは自分だけ復活!コンスタンツェCが《タブレット》《多重生成》《アクアウィターエ》でB以外の復活を試みます!
エリザベス・タイラー:グェ~!そっちも《デビルストリング》!
星徒コンスタンツェ:Cも自分だけ復活……!これで全員が《奇跡の雫》《アクアウィターエ》を使い切った格好になります!
エリザベス・タイラー:ハァ…ハァ…二度と逆らうなよ
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を6増加(133 → 139)
エリザベス・タイラー:エリザベス・タイラーの侵蝕率を14増加(139 → 153)

  星徒コンスタンツェC[0]

       10m

"海賊王"[5/153] "怪獣王"[9/184] 3m 星徒コンスタンツェB[0]
"明王"[3/100] 貫徹船団砕氷艦[0/100]

GM:では行動値3!ベルティンの手番です。
エリザベス・タイラー:近場に居るコンスタンツェBを攻撃してもらいましょうか
星徒コンスタンツェ:ぼく無害な星徒だよ
星徒コンスタンツェ:メジャーアクションは《怒涛の攻勢》しか持っていないんだ
星徒コンスタンツェ:未行動だけど行動を回しても何も起こらないから見逃してほしいな……
ベルティン・シェーヴ:殺!マイナーで《破壊の爪》!!!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:何寝ぼけたこと言ってんだオメエ
エリザベス・タイラー:安らかに眠れ……
ベルティン・シェーヴ:《一閃》《居合い》で殴りに行きます!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ちまつりじゃーー!!
ベルティン・シェーヴ:8dx+23
DoubleCross : (8DX10+23) → 9[1,3,5,7,7,8,8,9]+23 → 32

星徒コンスタンツェ:ワーッ!
星徒コンスタンツェ:10dx>=32
DoubleCross : (10DX10>=32) → 10[2,2,3,5,7,8,9,9,9,10]+6[6] → 16 → 失敗

ベルティン・シェーヴ:4d10+12
DoubleCross : (4D10+12) → 21[5,8,5,3]+12 → 33

星徒コンスタンツェ:オゴーッ!
星徒コンスタンツェ:死にはしないが……メチャクチャに!
エリザベス・タイラー:生きてる…
星徒コンスタンツェ:《アクアウィターエ》のレベルは5しかないのだ……!

  星徒コンスタンツェC[0]

       10m

"海賊王"[5/153] "怪獣王"[9/184] 3m 星徒コンスタンツェB[0]
  貫徹船団砕氷艦[0/100]       "明王"[3/100]

GM:次は貫徹船団砕氷艦の出番!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:だがまだこちらのバトルフェイズは終了してないぜ!
星徒コンスタンツェ:何もしないよ 約束するよ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:あれは珪素生物だ
エリザベス・タイラー:レニー引導を渡して差し上げなさい
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ヒヒャーッ!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:マイナーで《一角鬼》 攻撃力15、ガード値2、命中0、射程5mの白兵武器を作成
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:メジャー 《コンセントレイト:ハヌマーン》《獣の王》《一閃》《吠え猛る爪》《マシラのごとく》
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:エンゲージが離れているCの方を攻撃します!
星徒コンスタンツェ:せめてBの方にして!
星徒コンスタンツェ:右のおれは殺してもいいからっ
星徒コンスタンツェ:左のおれは助けてくれえ~ッ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:健気なことだのう
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ますますCの味を知りたくなったわ!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:3dx7 リアクション不可
DoubleCross : (3DX7) → 10[2,7,9]+5[4,5] → 15

星徒コンスタンツェ:ギャーッリアクション不可!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:2d10+75
DoubleCross : (2D10+75) → 17[9,8]+75 → 92

星徒コンスタンツェ:一撃爆砕!コンスタンツェC撃破!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ハーッハーッ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:これであと一匹…!!

  貫徹船団砕氷艦[0/100]

       10m

"海賊王"[5/153] "怪獣王"[9/184] 3m 星徒コンスタンツェB[0]
                   "明王"[3/100]

星徒コンスタンツェ:コンスタンツェBは《怒涛の攻勢》……を使いましたが
星徒コンスタンツェ:びっくりするほど誰も集まってきませんでした
エミー・ワイルドボア:ワハハ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:かわうそ…
ベルティン・シェーヴ:オホホ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:そうか!君は自分に攻撃能力がないから他のエネミーがいないと反撃できないんだね!
GM:ラウンド終了!

■ラウンド2

星徒コンスタンツェ:ちょうしに乗っていられるのも今のうち!
星徒コンスタンツェ:セットアップになった瞬間《戦力増員》!
星徒コンスタンツェ:同じエンゲージに魚雷を無限体召喚します!
エリザベス・タイラー:ワーッ!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:またこれ!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ふざけた鎧虫やろう!
エミー・ワイルドボア:しぶとすぎるだろ…セットアップなし
エリザベス・タイラー:こちらもなし!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:《フルパワーアタック》行動値0に

  貫徹船団砕氷艦[0/100]

       10m
                   枝針船団魚雷[9]×∞
"海賊王"[5/153] "怪獣王"[9/184] 3m 星徒コンスタンツェB[0]
                   "明王"[3/100]

GM:行動値9。エミーさんの手番です。
エミー・ワイルドボア:フゥ~ッ……
エミー・ワイルドボア:まずはベルティンに神聖二重冠効果を放棄してもらい、魔法冠を打ち消します
ベルティン・シェーヴ:これ本当に侵星魔法冠かしら……(現実改変)
エミー・ワイルドボア:そして私の手番!マイナーで《完全獣化》LV4 肉体ダイス+7
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を6増加(184 → 190)
エミー・ワイルドボア:メジャーで《渇きの主》LV5《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》LV5《血の宴》LV4《原初の白:神獣撃》LV5
エミー・ワイルドボア:同エンゲージのエネミー全員に攻撃!
星徒コンスタンツェ:頼む~っ22以下であってくれ!!
星徒コンスタンツェ:いや、22以下でも私に当たれば死ぬ……!
星徒コンスタンツェ:避けられる達成値であってくれ~
エミー・ワイルドボア:14dx7+5
DoubleCross : (14DX7+5) → 10[1,1,4,4,4,4,5,5,5,6,6,7,8,9]+10[1,3,7]+1[1]+5 → 26

枝針船団魚雷:><オゴーッ
エミー・ワイルドボア:あぶね~!ボーナス増えてて助かった!
星徒コンスタンツェ:10dx>=26
DoubleCross : (10DX10>=26) → 10[1,2,2,2,2,5,6,6,9,10]+9[9] → 19 → 失敗

星徒コンスタンツェ:チクショーッ!
エミー・ワイルドボア:ダメージ!
エミー・ワイルドボア:19+7D10
DoubleCross : (19+7D10) → 19+31[8,3,2,1,4,5,8] → 50

星徒コンスタンツェ:アバーッ!
星徒コンスタンツェ:サ!ヨ!ナ!ラ!
星徒コンスタンツェ:星徒コンスタンツェ完全撃破!復活エフェクトはありません!
枝針船団魚雷:ミサイルも総辞職です!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:しゃらーーっ!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:怪獣王最強!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:お前こそがキングオブモンスター
エリザベス・タイラー:エミー・ワイルドボアの侵蝕率を13増加(190 → 203)

GM:ゴォー……
GM:海風か、波のような音だ、と感じるかもしれない。
GM:無人の街路を滑り、移動する星徒コンスタンツェは、まるで亡霊のように音を立てないが、
GM:水面ならぬ大地がかき分けられる音は、そう聞こえる。
星徒コンスタンツェ:「敵……敵を倒さないと」
星徒コンスタンツェ:「終わらせないと、私は帰れない」
星徒コンスタンツェ:ガカカカカカカカカカッ!!
星徒コンスタンツェ:夥しい閃光が、星徒コンスタンツェの口内から撃ち出された。
エリザベス・タイラー:「やはり……!」


枝針船団魚雷:それは生物と機械が絡み合ったような、異形のミサイルだ。質量保存則を無視して、無尽蔵に撃ち出されている。
エリザベス・タイラー:「枝針船団の武装そのものは変わっていないようですわね。数が桁違いであることを除けば……」
ベルティン・シェーヴ:「海賊王様!あんな数は……!」
ベルティン・シェーヴ:「いくらなんでも、多すぎます!守りきれません……!」
ベルティン・シェーヴ:ベルティンはそれでも、力が及ぶ限りはエリザベスの盾になろうとしている。
枝針船団魚雷:だが、その防御許容量を遥かに越える飽和攻撃であることは明らかだった。
エリザベス・タイラー:「レニー!対空砲火は───」
エリザベス・タイラー:「不要ですわ!このまま突っ切りなさい!!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「!」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「殺るか殺られるか、勝負は一瞬か……!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「アンタらしい、いい思い切りだ!だが突っ込むにもどこから……!」
エリザベス・タイラー:「真っ直ぐ!道は開けますわ!!」
エミー・ワイルドボア:「然り然り!!このためにワガハイが渋々ながらも乗り合わせてやったのだ!!」
エミー・ワイルドボア:艦首へと飛び出す。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:眼前を均一に塞ぎつつある敵の壁に戸惑う。数多の戦端を切り拓いてきた貫徹船団と言えど、こんな光景は経験に無い。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「――ッ!アンタは」
エミー・ワイルドボア:「どーんと任せとけ!!」片目を掌で隠し、迫りくるミサイル群を見据える。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「怪獣王……エミー・ワイルドボア!」
枝針船団魚雷:雲、ではない。そのように見えるミサイル群である。
枝針船団魚雷:あれだけの物量が果たして星徒コンスタンツェから放たれていたかどうか。
枝針船団魚雷:黒い煙に紛れ、生物のようにも見える様相は、目を離した隙に異常増殖していたとしても不思議ではない。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「まさか、この大一番でアンタに頼ることになるとはね」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「忘れちゃいないよ、何度も何度も、海賊部あたしらの船をオシャカにしてくれちゃって」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:舳先へ仁王立ちするその小さな背中を操舵室の窓越しに見つめ、ふ、と唇の端を上げる
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「総員!火器照準すべて前方へ!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「火力を集中し、”怪獣王”を援護せよ!」

エミー・ワイルドボア:「ギャヒ……ヒャハハハハハハッ!!!」指を開く。その隙間から覗く瞳は、獣のように引き絞られている。
エミー・ワイルドボア:「滾れ」
エミー・ワイルドボア:「"巨構血統ウルティマ"ァ!!!!」

エミー・ワイルドボア:真紅の閃光、後におびただしい蒸気が爆発したように周囲に充満し
エミー・ワイルドボア:その中から、白銀の身体を持つ巨獣が姿を現す。
枝針船団魚雷:――ガガガガガガガガガガッ!!!
枝針船団魚雷:無尽蔵に放たれたミサイルの、その第一波が巨体に着弾!
ベルティン・シェーヴ:「エミーさんッ!」
エミー・ワイルドボア:着弾の瞬間、白銀の表皮に一瞬、薄い膜のように電流が走る。
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!!」爆炎に包まれるが、傷一つない姿でその中から再び現れる
枝針船団魚雷:言うまでもなく、飛来する攻撃はこれで終わりではない。空に瞬く火が迫る。それが分かる!第二、第三、第四、第五――第六波!
エミー・ワイルドボア:両の眼球と、胸部に埋め込まれた水晶体が青白い光を放つ。
エミー・ワイルドボア:その三点がを結んだ逆三角形の中心へと、墓大なエネルギーが収束し
エミー・ワイルドボア:「喰らえぃ!!トリニティ・スターレイ!!!」
エミー・ワイルドボア:夜空を裂いて、極太の光線が視界の端から箸へと薙ぎ払われる。
エミー・ワイルドボア:一瞬の静寂の後、今度は空一面が眩い光に満たされる。視界を埋め尽くすほどのミサイルが、全て誘爆していた。
枝針船団魚雷:雲の如きミサイルが、次々と誘爆する!地平を横切る星雲の如き爆発光!
星徒コンスタンツェ:「敵はあれか」
星徒コンスタンツェ:「あれを倒せばいいのか」
星徒コンスタンツェ:「あれをやれば、ようやく終わるのですね」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒヒャハハハ!!いかにも!!世界の敵!!それもまた怪獣王の宿命なり!!!!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「聖剣と、アンリ・グラースは失ったが」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「怪獣の衝角つのってのも、悪くはないじゃないか」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「全速前進!船体ごと捩じり込んで包囲を抜ける!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:爆風と豪炎によって激しく船体を震わせながら
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:魚雷群の亀裂へと船は突き進む!
星徒コンスタンツェ:「……」無限に撃ち込んだ弾頭は、確かにたった今、誘爆した。
星徒コンスタンツェ:だが、星徒コンスタンツェの眼球は、依然空を睨め上げている……ミサイル群が焼失した空を。
枝針船団魚雷:――ギュルッ
枝針船団魚雷:星徒コンスタンツェへと突貫しつつあった貫徹船団の眼前で


枝針船団魚雷:無数のミサイルが再生した。時間を巻き戻すような、枯れた植物が一瞬のうちに咲き誇るような
枝針船団魚雷:常軌を逸した挙動である。ゼロ距離からの再生には、"怪獣王"の掃討は間に合わない。
エリザベス・タイラー:「……っ!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(一度展開された弾幕は)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(張り直すよりも、張り『治す』……その方が早いってことかい)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「ふざけやがる……!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「僅かにでもいい!前進!前進だ!」
エリザベス・タイラー:「"錨鎖"!!」旗艦から幾つもの銛槍を空中に放ち、ミサイル群を絡め取るように網を展開させる。しかし、圧倒的な物量の前では僅かな守りにしかならない。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ここで撃墜されたとしても
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:楔としての役目を果たす。一寸でも前へ。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:その意図を操舵室の船員たちと、一瞬の視線の交錯で共有し、檄を飛ばす。
枝針船団魚雷:銛槍が相当量を食い止めたものの、なお多量の爆炎が降り注ぎ、レニーの艦を破壊していく。
枝針船団魚雷:それだけではなかった。
星徒コンスタンツェ:「いたぞ」「いました」
星徒コンスタンツェ:「落とさなければ」
星徒コンスタンツェ:「敵はあとどれだけいる……」
星徒コンスタンツェ:「私が……私が一人だけでは、間に合わない」
GM:新たな声は、確かに視界に捕らえていた星徒コンスタンツェとは別の方向から聞こえた。
GM:――ガガガガガガガ!!!
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!?」
ベルティン・シェーヴ:「――っ!!」不意に大きく揺れた甲板から振り落とされないよう、手すりを強く掴む。
エミー・ワイルドボア:「何だ!?敵は一隻ではないのか!?」巨体でキョロキョロと周囲を見回す
星徒コンスタンツェ:『艦隊』であるはずのローレライ商船学校は
星徒コンスタンツェ:むしろ、包囲されていた。星徒コンスタンツェが迫っている……それも、三方向から。


ベルティン・シェーヴ:「どこから現れるか分からない。離れた区画を瞬間移動のように破壊していく……」不夜王から伝えられた情報を、口の中で繰り返す。
ベルティン・シェーヴ:「こんな、単純な答えだったなんて」
エリザベス・タイラー:「コンツェが分裂……?いえ……」
エリザベス・タイラー:「あの子の流星体がそのような性質を持っている……船団規模の流星体……?」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「おいおい」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:轟音に揺らぐ船内の中で、辛うじて踏みとどまりながら、呆然とした声を漏らす。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「昔馴染みだからって、遠慮がないにも程があるだろ」
エミー・ワイルドボア:「おいどうする!!挟み討つはずが誘い込まれたんじゃないのかコレ!!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「今更同じだ!引けやしない!」
星徒コンスタンツェ:「帰して。私を帰して」
星徒コンスタンツェ:「みんなが死ねば、戦いが終わる……」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「前へ!ただ前へだ!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:どれ程の苦境であろうとも、その先には
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「海賊王あいつの見出した勝ち筋が、必ずある!」
エリザベス・タイラー:「……進路に変更なし!」ミサイルの雨に晒される中で、海賊部の旗が変わらずはためく。
エリザベス・タイラー:「貫徹なさい!レニー!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「特等席で見てろと言ったからにはね」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「海の女に二言はねえんだよ!」
ベルティン・シェーヴ:「レニーさん!船へのダメージは――」
ベルティン・シェーヴ:旗艦の甲板の縁に掴まっている。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:気迫で応えるが、船体は限界だ。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ボロボロと空中に崩れていく船は、モルフェウス能力を持つ乗員たちの補修で辛うじて形状を保っている。
ベルティン・シェーヴ:「私が、引き受けます!前進を!」
ベルティン・シェーヴ:「フ―――ッ……!!」普段の穏やかな姿からは想像もできない、深い、低周波めいた唸りとともに、
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「”明王”!」
ベルティン・シェーヴ:旗艦から砕氷艦へと飛び移る。
ベルティン・シェーヴ:曲芸めいて纏わりつくミサイルを、長い象の鼻と牙が絡み合ったような異形の腕で薙ぎ払い、
ベルティン・シェーヴ:射程外にあった数発は、可聴域外の音波で停止させた。
ベルティン・シェーヴ:「……っく!」そのまま数発のミサイルの爆風に巻き込まれて、砕氷艦の甲板に落着する。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「もうじき沈むって船に」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「次々乗り込んでくるだなんて、あべこべな話じゃないか」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:くっくと笑みを浮かべる、絶望的な状況の中で
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:何故かおかしみが込み上げてくる
ベルティン・シェーヴ:「……ええ。それでも」大火傷を負っている。
ベルティン・シェーヴ:「やるんでしょう……海賊部は!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……ああ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:その言葉に、ぐっと舵を握りしめる。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(男子ノドスに負けて、面子を失い)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(遺産つるぎ旗艦ふねも失った)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(あたしに何が残ってる?)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「海賊王あいつが任せてくれた、この誇りだけだッ!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:船員たちと共に、進路の先を見据え
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:頭上の二重冠が一際に大きな輝きを放つ!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「貫けぇ―――ッ!!!!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:船は軋みをあげ、崩れ落ちながら
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:包囲を抜ける!
GM:レニー=レニー・ブラックロゥは、前進しかしていない。あらゆる攻撃と恐怖を目前にしながら、前進しかしていない。
GM:それが貫徹船団に求められる戦いだからだ。海賊王の部下である限りは、誰もが自らの誇りを全うする。
星徒コンスタンツェ:星徒コンスタンツェは、彼女が初めから追い続けた最初の一体は
星徒コンスタンツェ:今、船の寸前にあった。
星徒コンスタンツェ:高機動力を有するミサイル艦。だが、その速さと軽さ故に、こうして接触の距離になれば――
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「おおおおおッ!!」
星徒コンスタンツェ:「駄目。ここで死んだら、私は――」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:ごっしゃあああああ!!
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:巨大質量が、その全速前進の勢いのまま
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:星徒の巨体の上に乗り上げるように、叩きつけられた。
星徒コンスタンツェ:船体はより巨大な砕氷艦に踏み砕かれ、横転し、
星徒コンスタンツェ:ビルの壁面と挟まれて、捻じ曲げられるようにして崩れた。
星徒コンスタンツェ:体内のミサイルが立て続けに爆ぜる。破壊。破壊。終わらない破壊が続く。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「退屈させて悪かったね、レーヴ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「挨拶代わりを受け取りな!」
星徒コンスタンツェ:そうして、『座礁』したレニーの艦は、当然のように新たな標的と化す。
星徒コンスタンツェ:元より、星徒コンスタンツェは固定目標の破壊を最も得手とする星徒だ。その標的がレニーになった。
星徒コンスタンツェ:「ああ。あれが敵」
星徒コンスタンツェ:「あれを倒せば帰れる」「これで終わりにしましょう」
星徒コンスタンツェ:――それだけではない。侵星魔法冠が、写し身めいた流星体の一体の頭上に移動している。
星徒コンスタンツェ:どれかが本体ということではない、、のだ。全てを倒しきらなければ、どこまでも終わらない。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「ブツブツブツブツと」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「気色の悪い『独り言』ばっかり」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:艦橋から、こちらへ迫る新たな二体を認める。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「昔みたいに話しちゃくれねえのかい」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「友達だっただろ、あたし達は」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:瞑目する。既に十分役目は果たした。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(あとは)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:(うまくやってくれよ、リズ)
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……助けてやってくれ」
GM:"枝針船長キャプテン・スティング"コンスタンツェ・レーヴは、爆弾魔である。寄る辺のない無法者だった。
GM:王を頼ることも、理事会に表立った反逆を成すこともできず、誇りなき悪行に手を染めていた生徒である。
GM:彼女のような生徒は、あえて脱落者とすら扱われなかった。王の育成に必要な者であるからだ。
GM:王国に必然的に発生する無秩序を、王は治めなければならない。民が必要であるのと同じように、民を害する悪も必要だった。
GM:その役割を背負わされた当人達にとって、それは脱落し、捨てられていくよりも過酷な境遇であったのかもしれない。
GM:悪として生きながら、何一つ自由はない。誰にも勝利を期待されない。未来への希望を持つことができない。
GM:"海賊王ロード・バッカニア"は、そうした無法者にこそ手を差し伸べてきた王だった。
GM:最初は信じられなかった。孤独だった彼女に、寄る辺と仲間ができるなど。戦いに意味と誇りを抱くことができる日が来るなど。
GM:船長の座を与えられたコンスタンツェ・レーヴは、第二次ノヴァリス紛争で孤立した部隊の救援へと向かい
GM:そのまま戻ってくることはなかった。そこには孤立した部隊など存在せず、彼女は無尽蔵の敵と戦わされただけだった。
GM:"海賊王ロード・バッカニア"の擁立派閥と対立する理事会派閥が流した、偽情報だった。
エリザベス・タイラー:「───コンツェ」
エリザベス・タイラー:甲板に降り立つ。それは座礁した貫徹船団の船でも、自らの旗艦でもない。
エリザベス・タイラー:レニーの突撃によって貫かれ、動きを止めた、星徒コンスタンツェの一体。
エリザベス・タイラー:ミサイルの雨が降り注ぐ中を掻い潜り、レニーが吶喊した瞬間にはその直上に到達していた。
エリザベス・タイラー:幾度も爆炎に灼かれ、全身火傷と血に塗れ、金色の髪は煤に汚れている。
星徒コンスタンツェ:「ああ……敵、敵……敵しかいない……」
エリザベス・タイラー:「もう良いのです。コンツェ」膝をつき、甲板に触れる。
エリザベス・タイラー:「迎えに行けなくてごめんなさい。けれど」
エリザベス・タイラー:「帰ってきてくれてありがとう」
エリザベス・タイラー:「貴方の帰港を歓迎します」
星徒コンスタンツェ:「帰れる……敵を全部倒せば、勝って……帰れるのに……」
星徒コンスタンツェ:破壊された星徒コンスタンツェは、もはや停止していくだけの個体だ。
星徒コンスタンツェ:背後からさざ波のような音が近づいているのは、残る二体が彼女らに近づきつつあるためだ。
星徒コンスタンツェ:「私は勝てなかった。これまで一度も、勝てていなかったから」
星徒コンスタンツェ:「勝利を捧げさせてください」
星徒コンスタンツェ:「私の、王様に」
エリザベス・タイラー:「……ばか」
エリザベス・タイラー:静かに瞑目して立ち上がる。
エリザベス・タイラー:見据える先には、未だこちらへ狙いを定める二席の艦。
エリザベス・タイラー:はじめから、ここへ到達するのが目的だった。
エリザベス・タイラー:仮にレニーの突撃が、コンスタンツェを貫き通せなかったとしても
エリザベス・タイラー:彼女は必ず道を開き、海賊王がこの船に乗り込む間隙を作り出してくれる。
エリザベス・タイラー:そして、それさえ叶ったのならば。
エリザベス・タイラー:敵があと何隻いようと、怖くはない。
エリザベス・タイラー:「───躡れ」
エリザベス・タイラー:「"征嵐旗章エル・ドラゴ"」
エリザベス・タイラー:旗が掲げられる。交差した湾刀カットラスの上で嗤う"骸骨ジョリー・ロジャー"。
エリザベス・タイラー:"海賊王"の旗が、停止したコンスタンツェの船首に、揚々と躡りはためいている。
エリザベス・タイラー:"征嵐旗章エルドラゴ"は、その旗がはためくところを、全て契約者の領地とする王鍵。
エリザベス・タイラー:そこに治められた富と財と兵力の一切を支配し、差配する。収奪の王鍵。
エリザベス・タイラー:───そうではなかった。
エリザベス・タイラー:征嵐旗章の真価とは、『与えること』だ。自らの領土の全てに、その恵みを分け与え、一つとする。
エリザベス・タイラー:奪い続ける者には、より多くを与えることが許されている。
エリザベス・タイラー:「勝利なんてものは、捧げられるまでもありません」
エリザベス・タイラー:「私はもっと多くのものを、貴方から貰っていましたのに……」
エリザベス・タイラー:「ですから、もう一度。今度は、決して失わないように」
エリザベス・タイラー:「"海賊王"が、貴方に与えましょう」
エリザベス・タイラー:「戦う意味と、誇りを!」
エリザベス・タイラー:朽ち果てたコンスタンツェの船体が、再び浮かび上がる。
星徒コンスタンツェ:機能を停止した個体は、もはや抜け殻だ。星徒というだけではなく、意味と命を失っている。
星徒コンスタンツェ:けれど、その船体は他の何よりも素直に、エリザベス・タイラーの意思に従って動いた。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:それと入れ替わるように
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:砕氷船の――もはやその残骸と呼ぶべきそれが
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:地上へと墜落していく。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:乗員も船体も、既に限界を超えていた。
エリザベス・タイラー:コンスタンツェの顎門が開く。生体と機械が混ざりあった無数のミサイルが展開され、際限なくその数を増やしていく。
星徒コンスタンツェ:「私は、私は、いつまでだって戦えます」その対面。艦橋に当たる生物の顎が、ほとんど裏返るように開いている。
星徒コンスタンツェ:そして光が空を埋め尽くす。無限の物量として放たれるミサイルだ。
星徒コンスタンツェ:「諦めたくない」
星徒コンスタンツェ:「任されたのですもの。私に任せてくださったのですもの」
エリザベス・タイラー:海賊王の指が、標的を指し示す。
エリザベス・タイラー:「"枝針スティング"!!」
星徒コンスタンツェ:「だから、褒めて!」
星徒コンスタンツェ:「褒めて、褒めて、褒めてください!」
エリザベス・タイラー:「……本当に」目を閉じる。"枝針船団"の魚雷が放たれたのなら、標的に待つ末路は一つだ。
エリザベス・タイラー:「よくできましたね。コンスタンツェ・レーヴ」
エリザベス・タイラー:「私は、誇りに思います」
GM:無限の物量に対抗できるものが、ただ一つあった。
GM:それは、同じような無限の物量だ。――ならば無限の物量を上回る、、、ものは?
星徒コンスタンツェ:「あ、ああ――」
星徒コンスタンツェ:雨のような弾雨が降り注ぐ。際限のないミサイルで迎撃をしているはずだが、それでも船体が破壊されはじめていた。
星徒コンスタンツェ:まったく同じはずなのだ。並行処理を得意としたコンスタンツェ・レーヴの脳が、無限の敵を倒すために必要だと判断した、
星徒コンスタンツェ:同じ個体であり、同じ能力の艦。それが撃ち負けている。
GM:無限の物量を上回るものがあるとすれば
GM:誇りを抱く、無限の物量である。
GM:国を滅ぼすほどの――誇張なく、それほどの総火力といえた――飽和攻撃が止んだ。
GM:真珠広場に至るまでの一帯はほぼ完全に崩壊している。立っているのは、海賊王と、そのクルーだけだ。
GM:星徒コンスタンツェは消滅した。
エリザベス・タイラー:「……」廃墟に一人立って、うず高く積まれた瓦礫の上を見つめている。
エリザベス・タイラー:船を失った海賊旗は、尚も倒れることなく、その上に突き立っていた。
エリザベス・タイラー:「珍しく素直になったかと思えば、素っ気ないんですから……」苦笑して
エリザベス・タイラー:「レニー!いつまで寝ているつもりですの!」破壊された貫徹船団の船へと歩いていく。
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……重症人をどやしつけるなよ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:通信機にぼやきを入れ
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:割れた艦橋ガラスの向こうから手を振っている
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「全員無事さ、飛び込みのお客もね」
ベルティン・シェーヴ:「エミーさん、大丈夫ですか?」自分も血まみれだ。
エミー・ワイルドボア:「ギャヒ……ヒヒヒッ……」
エミー・ワイルドボア:変身が解けた状態で地面に投げ出され、指一つ動かせない様子で力なく笑っている。
エミー・ワイルドボア:「あ~楽しかった……ベルティンおぶってくれ」
ベルティン・シェーヴ:「よしよし。モンスター・Xはどうでしたか?」
ベルティン・シェーヴ:「まさか、キングダムを追放された私達がキングダムを守るなんてね……」
エミー・ワイルドボア:「だーかーらー、モンスター・Xはあんなもんじゃないっての」
エミー・ワイルドボア:「怪人も侮れんなぁ、本番に残すための絞りカスすら出し切った」
エミー・ワイルドボア:「だが、悪くはない。壊すついでに誰かを守るってのもな」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「アンタらにも立派な借りが出来ちまった」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……友達を助けるのを、手伝ってくれた」
エミー・ワイルドボア:「ギャヒッ!」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「豪勢な宴に招待するよ、海賊流でよければね」
ベルティン・シェーヴ:「……良いことだったんでしょうね」
ベルティン・シェーヴ:「辛いことだったかもしれませんけれど」
ベルティン・シェーヴ:「私だって、友達にはちゃんと別れを告げてあげたいですから」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「そうだな」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「あいつはちゃんと、帰りたかった場所に辿りつけんだ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「……あたしたちにとっての『それ』は、最初から一つっきゃないのさ」
エリザベス・タイラー:「まったく、浸ってる暇はなくてよ」
エリザベス・タイラー:「キングダムの危機はまだ去ってはいないのです。船団を再編成したらすぐに発ちますわよ」
エリザベス・タイラー:「グレートブリッジに向かった部隊の援護、それから各地の救助の手もまだ足りておりません」
エリザベス・タイラー:「それらの仕事を片付けたら、ようやく───」不敵な笑みを浮かべる。
エリザベス・タイラー:「"海賊部わたくしたち"の、お楽しみの時間ですわ」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「あいよ、王様」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「アンタの海よりも深い愛情よくが尽きるまで」
"貫徹船長"レニー=レニー・ブラックロゥ:「船団一同、地獄の果てまでお供させてもらうさ」
エリザベス・タイラー:金色の髪を優雅に掻き上げ、レニーへと微笑みかけて。
エリザベス・タイラー:旗艦の方向へと歩みを進める。
エリザベス・タイラー:「なら、振り落とされないようにしなさいな」
エリザベス・タイラー:「出航ですわ」


◆Middle08◆群青

キングダム連合学院 市街


GM:ウルスラ・ミック・ベニと天沼チギリ、そしてオーシャンズ・マウンテンヒルズがヒンシェルウッド第1浄水場から移動を始めたのは、
GM:他の区画で同時多発的に行われている星徒との戦闘と、そう時は離れていない。
GM鴉の塔レイヴンタワーにおける星徒マーガレットに関してはつい先程撃破報告が入ったところだが、
GM:例えば真珠広場では、ローレライ商船学校が突入し、戦闘を始めたところである。
GM:このまま他の戦場へと辿り着けば、星徒の各個撃破も現実的になる。――だが、その最大戦力たる任アルルの姿はない。
GM:元より組織に縛られることのない、天衣無縫の五星君である。それでもこの状況で姿を消したことには、何らかの意図があるようにも思えた。
GM:いずれにせよ、三名が急行するべき地点は二点に絞られている。真珠広場の星徒コンスタンツェ。あるいはグレートブリッジの星徒ララゴ。
GM:同時にそれは、キングダムの事情に寄り添った考えでもある。
GM:本来の目的である本校舎の突破はこの状況ではひどく困難で、取り掛かること自体が難題の一つだった。
GM:移動中、美食王は再び不夜王からの通信を受けた。この状況下では、仮に分身の一つであっても直接通信の機会は希少といえよう。

ジェシカ・クロフォード:「星徒の撃破を確認した。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヒポポタンク1号の鼻からレーザー照射された立体映像が浮かび上がる。
ジェシカ・クロフォード:「ご苦労だった。"元老"、"美食王"」
ジェシカ・クロフォード:あえてウルスラ・ミック・ベニの名は挙げない
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なんとか…と言った感じではありますが」
ウルスラ・ミック・ベニ:あたかも褒められたかのようにむふー、と胸を張っている。
天沼チギリ:「情報網はどれほど生きてますか?」
天沼チギリ:「他の星徒がどうなったか知りたいところですが…」
ジェシカ・クロフォード:「現状、撃破が確認されたのは2体。」
ウルスラ・ミック・ベニ:残り3人か…と指折り数える。
ジェシカ・クロフォード:「もう2体も時間の問題だろう。」
ジェシカ・クロフォード:「"海賊王"が来るからな」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「な、なんと?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(生きて…)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「しかし、それは確かに戦力として十分」
ウルスラ・ミック・ベニ:「チーム反逆者が増えるんだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(そのチームに私は入っていないからな!)
ジェシカ・クロフォード:「あれは秘密裏の任を受けた上で一時キングダムを抜けていただけだ」
ジェシカ・クロフォード:「貴様と一緒にするな」
ジェシカ・クロフォード:建前を崩さない。そこれこそが戒功王の術を破るに必要なことであるからだ
天沼チギリ:「なるほど。そう心得ておきます。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクも反逆者としては善性で友好的な方なんだけどねぇ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(いや、絶対にそんな事ないだろう…)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(反逆者に善性などあるか!善は勝者の称号にすぎない!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(解らずに、投入してきたのか?)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(目的を知らない連中を?)
ジェシカ・クロフォード:「美食王」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…な、何でしょうか」
ジェシカ・クロフォード:「貴様が注視すべきは私ではなく同行者だろう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「くッ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…そう命じられるならそうなりましょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「しかし、それを主目的とするわけではありますまい」
ジェシカ・クロフォード:「うむ。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(しかし、不夜王にも使いやすい人材をこちらに回す余裕がないという事か…)
天沼チギリ:「では、星徒を退けた後の話をしましょうか。」
ジェシカ・クロフォード:「そうしよう。貴様らが何を目的としているのかはこちらとしても把握しておきたいところだ」
天沼チギリ:「我々の目的は至上王をお救いに上がること。」
天沼チギリ:ぬけぬけと言う。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクたち職員室の人員はチギリちゃん、拷問王、鉄騎王、死蔵王と共同して至上王の出自について調査していたんだよね」
ジェシカ・クロフォード:そのメンバーに偽りがないことは把握している。
ウルスラ・ミック・ベニ:「故ロードマスターが鴉の塔に残したデータを、教師権限で閲覧して」
ジェシカ・クロフォード:「知ったわけか。」
ジェシカ・クロフォード:「あれがロードマスターの"理想"を実現するために造られたモノだと」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(聞きたくない話をいきなり始めるな!だが)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(此処に至っては聞いておくしかない…か)
ウルスラ・ミック・ベニ:「……竜化器ハッチライザーの異常動作により、生徒として命を得たホムンクルス」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なッ…」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ノヴァリス生まれ鴉の塔育ち、教育はロードマスターの純粋培養」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルーツはワイバーンたちがやってくる、彼方に……と言えるのかもしれないね」
ジェシカ・クロフォード:「………」
ジェシカ・クロフォード:「よく調べ上げたものだ。褒めてやる」
ジェシカ・クロフォード:「と、言いたいところだが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(本当なのかッ)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(本当じゃないのか?)
ジェシカ・クロフォード:「わかるだろう。それを知ったところでどうしようもないということを。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……」
ジェシカ・クロフォード:「我らがそれを知ったところで過去は変えられん」
天沼チギリ:「ではこのまま行かせますか?彼方に。」
天沼チギリ:「過去は変えられませんが、現在を動かすのは今を生きる我々の責務です。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「しかし、それは…」
ジェシカ・クロフォード:「それは至上王を彼方に向かわせるということでも適うだろう。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「良いのですか?それでッ!」
天沼チギリ:「それは動かさなければならない”現実”です。」
天沼チギリ:「いいですか?」
天沼チギリ:「至上王が人間性をギリギリ保っていたのは、ここがノヴァリスだったからです。」
天沼チギリ:「この冠が人間も、RBも、ホムンクルスも。みなを生徒たらしめている。」
天沼チギリ:「この軛から放たれれば至上王はすぐにでも”堕ちる”でしょう。」
天沼チギリ:「いえ、至天の座に上るのかもしれません。”星”となって。」
ジェシカ・クロフォード:「………」
天沼チギリ:「第二次紛争ののち、生徒たちが自治を勝ち取った理想郷たるノヴァリスから、」
天沼チギリ:「ジャームが生まれるのです。」
天沼チギリ:「このキングダムから。」
天沼チギリ:「消せぬ汚点となりますよ。」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど」
ジェシカ・クロフォード:「その言葉は道理だ」
ジェシカ・クロフォード:「だが、"元老"は少々理想主義に傾いておられるようだ。」
ジェシカ・クロフォード:「"汚点"を抱えぬ国など存在しないよ。」
天沼チギリ:「ですが、分かりやすい”汚点”を抱えた国は弱い。」
天沼チギリ:「そうは思いませんか?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「汚点というならば」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それは主たる問題ではない!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それでは、王とは何なのだ!ただ我々の上を通り過ぎ去る災害ではないか!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「一度は至上と仰いだ相手をやり過ごして、残った者が何を誇れるというのか」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「暴君を正すか倒さぬ限り、我々の権威などあったものではない。相手がジャームだろうとジャームで無かろうとだ」
天沼チギリ:立体映像を見やる。
ジェシカ・クロフォード:チギリは一瞬、立体映像として投影されている女が笑ったように見えた
ジェシカ・クロフォード:「美食王の言やよし!」
ジェシカ・クロフォード:「なるほど。至上王を糾すは我ら円卓の使命という覚悟。確かに受け取った。」
天沼チギリ:「…………」(待ってましたね、美食王が声を上げるのを。)
ウルスラ・ミック・ベニ:(キングダムに帰ってきたって感じ)
ジェシカ・クロフォード:「確かに、我らが理想を為すにはそれを避けるという道はない。」
ジェシカ・クロフォード:「私は今後、その目標に沿って戦略を練るとしよう。」
ジェシカ・クロフォード:「美食王、貴様は"偶然"にもその目標を為すための最前線にいる」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(あ…?ああ!くそ…嵌められたのかッ?)
ジェシカ・クロフォード:「必要とあれば、負荷を考慮し一旦後陣に下がってもらうことも考えたが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(下がるとは…言えない!)
ジェシカ・クロフォード:「先のような気勢を吐ける者をここで無理に下げるはかえって侮辱というもの」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(美食部員が何かいい顔している!)
ジェシカ・クロフォード:「このまま、貴様には元老らと協力し最前線での任を務めてもらう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「我々に補給が必要か?否、我々こそが補給の要」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「それが前線に赴く事に意味がありましょう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「できれば、余剰戦力があれば…なお宜しい所ですが…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(な、なさそうかな?)
ジェシカ・クロフォード:「現状で戦力を回す余裕はない」
ジェシカ・クロフォード:「だが、安心しろ。」
ジェシカ・クロフォード:「戦場を俯瞰し、あらゆる事象を一点に向けて収束させることも可能な軍師がこちらについた。」
ジェシカ・クロフォード:「そちらの戦力が大きく増えるということはないだろうが」
ジェシカ・クロフォード:「このキングダムという戦場全体を利用して貴様らを助力することは出来る」
ジェシカ・クロフォード:「実感は難しいかもだが、今後は随分と楽になるはずだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(参謀ではなく…軍師…いや情報参謀は不夜王が居れば事足りるか…)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(しかし…軍師…ッ!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「奇策縦横たる者をお召しになられた…と」
天沼チギリ:(”こちらについた”?竜王ではなさそうですが…)
ウルスラ・ミック・ベニ:(てか竜王がこちらについてないって言ってる?)
天沼チギリ:「軍師といえば」
天沼チギリ:「竜王は今どちらに?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「言いづらいことなら、こっちの返答でもいいんだけど」
ジェシカ・クロフォード:「ああ、言いづらいな」
ジェシカ・クロフォード:「反逆者に我らが"頭脳"について教えられるわけがないだろう。」
天沼チギリ:「これは」苦笑する
ジェシカ・クロフォード:「至上王を糾すために歩調は合わせる。だが、こちらの急所についてまで教えるつもりはない」
ウルスラ・ミック・ベニ:「だよねえ。で質問なんだけどさ。至上王が彼方の世界に行こうとしてる現状」
ウルスラ・ミック・ベニ:「不夜王から見て、竜王はどこにつきそうだと思ってる?」
ジェシカ・クロフォード:「断言は出来ん。あれの行動を読み切れるなら今頃私の肩には軍事の責任も乗せられている」
ジェシカ・クロフォード:「だが、与太話程度の推測ならできる」
ジェシカ・クロフォード:「至上王は、ロードマスターが理想を持ってこの世界に送り出した存在だ」
ジェシカ・クロフォード:「そして、竜王はその理想の理解者の一人でもある。」
ジェシカ・クロフォード:「なれば」
ジェシカ・クロフォード:「至上王の理想をなさぬまま、至上王が彼方に向かうことは」
ジェシカ・クロフォード:「竜王は認めぬのではないかと思う」
GM:竜王の所在は完全に不明だった。
GM:不夜王の視点でも確かなことは何一つないが、襲撃に先立って排除された、とも考えづらい状況にある。
GM:連絡がつかない相手は、竜王一人ではなかったからだ。建設王。焦螟王。彼女の実質的な配下の諸王も同時期に連絡を絶っていることが分かっている。
GM:さらには行政部に悟られぬように、巧妙に隠蔽されている。それらは示し合わせた行動のようでもあった。
GM:そこまでの準備を整えてまで『何もしない』というのは、あまりにも伊藤算砂らしくない一手だったが――
ウルスラ・ミック・ベニ:「そっか、ありがとう。人となりを詳しく知らないから身近な人に聞きたくてね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「直前に見た八月革命時の記録でも大活躍だった。この事態でもさぞ頼もしいだろうと思ったんだけどね」
ウルスラ・ミック・ベニ:本校舎を覆う巨大な竜、真の竜を見上げる。暫く距離を離れてなおその威容は凄まじいの一言。
GM:ここでは判定を行うことが可能です。

【統制】
情報撹乱によって混乱に陥っているキングダムを情報統制する。
今後、ミドル戦闘が発生するたびにトループ「キングダム一般生徒」が3体追加で出現するようになる。
「キングダム一般生徒」はHP20、行動値5のキャラクターとして扱い、戦闘不能になると死亡する。
〈交渉〉で難易度10の判定に1回成功するごとに、「キングダム一般生徒」の出現数が1体減少する。

【解析】
本校舎の異変の現実的な突破手段を分析する。
〈知識:魔術〉で難易度30の判定に2回成功することで、情報を獲得することができる。
何人でも選出でき、1シーン経過ごとに難易度3、同時に判定を行う1人ごとに難易度6が低下する。

【補給】
調達判定を行う。入手したアイテムは即座に使用、装備、搭乗できる。

GM:また、オーシャンズさんは回復エフェクトがあるなら今使用しても構いません。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:はーい
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクは引き続き解析に挑戦した方が良さそうね
ジェシカ・クロフォード:これ私も判定できますか?
GM:できます!
ウルスラ・ミック・ベニ:流れ変わったな
『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:やったー!じゃあ従者つくっちゃお。
GM:そうですね、美食王の回復タイミングと同じタイミングということで、従者作成もやって大丈夫です
ジェシカ・クロフォード:ありがとうございます。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:従者作る行動と回復はどちらかって感じですか?
GM:ムムッ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:手数を増やすか回復するか
GM:そうですね……同じメジャーアクションの組み合わせで行えることならやって大丈夫です
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:組み合わせ できない
GM:具体的な処理としては、判定開始前に1ラウンド分、セットアップ~クリンナップまで猶予を設けることとします
GM:組み合わせができないのなら、どちらか一方のみです
GM:いや、それだと不夜王の従者は一体しか作れないのか……
ジェシカ・クロフォード:むむむ!
GM:もっと出てきた時に一体ずつ増えてくれればよかったのに!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:www
GM:じゃあどっちもやって大丈夫です!
GM:どうせ戦闘はめちゃくちゃ難易度高いんだから
『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:w
『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:やったー!
GM:不夜王も今限界まで作ってください!!
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》+《血の絆》
ジェシカ・クロフォード:侵蝕+27
ジェシカ・クロフォード:シナリオ終了時まで存続する従者を3体呼び寄せます
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《赤色の従者》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を5増加(133 → 138)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:回復は前回の戦闘後に勢いでやっちゃったけど
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:これは今やったことにします
GM:エフェクトの侵蝕率はちゃんと上げてくださいね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:侵蝕は払っています
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:チギリさんと美食王を回復して今の数字
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:です
ジェシカ・クロフォード:あげました。100%を超えたらもう一体作ります。
GM:では大丈夫かな……!改めて判定の振り分けを相談してください
ジェシカ・クロフォード:【解析】いってもよろしいでしょうか。
ウルスラ・ミック・ベニ:難易度10の交渉x3、難易度30の知識魔術x2、調達、回復
ウルスラ・ミック・ベニ:解析お願いします~
従者A:《原初の赤:天性のひらめき》
従者A:10dx7>=30
DoubleCross : (10DX7>=30) → 10[1,3,4,4,5,5,8,8,10,10]+10[3,3,6,9]+4[4] → 24 → 失敗

従者B:2回目、なので難易度が6下がって24ですかね。
GM:あ、そうですね この表記だとそういうことになるのか
GM:もちろん二人が判定にチャレンジしていれば難易度はどちらも6下がるということになるでしょう
天沼チギリ:こちらも参加すればもう6下がる?
GM:三人が参加すれば全体で12ずつ下がります
GM:ただ、従者とジェシカさんは一人分という判定にしましょう
天沼チギリ:じゃあ頭数として参加します
天沼チギリ:知識:魔術で判定
ジェシカ・クロフォード:ありがとう!!
天沼チギリ:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 4[1,3,3,4] → 4

天沼チギリ:しゅん
天沼チギリ:ちんぷんかんぷんでした
従者B:では難易度18でチャレンジします。
ウルスラ・ミック・ベニ:かわいい
従者B:《原初の赤:天性のひらめき》
従者B:10dx7>=18
DoubleCross : (10DX7>=18) → 10[1,3,5,5,5,6,6,7,8,9]+10[8,8,10]+10[2,7,9]+10[4,9]+1[1] → 41 → 成功

従者B:草
天沼チギリ:すげえ!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:つよw
従者C:がもう一回解析
従者C:《原初の赤:天性のひらめき》
従者C:10dx7>=18
DoubleCross : (10DX7>=18) → 10[4,4,5,5,6,7,7,8,10,10]+6[1,3,4,6,6] → 16 → 失敗

従者C:ば、ばかな。
GM:雑魚♡
ジェシカ・クロフォード:仕方ない。
ジェシカ・クロフォード:声なき者ども(1シーンに作り出せる従者を+Lvする。侵蝕率基本値+7)がレベル3なので
ジェシカ・クロフォード:実はこのシーンで消えるだけの従者はもう1体作れる。
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:赤色の従者》
従者D:おや、もう私の出番ですか。
従者D:《原初の赤:天性のひらめき》
ウルスラ・ミック・ベニ:新幹部お披露目台詞だ
従者D:10dx7>=18
DoubleCross : (10DX7>=18) → 10[2,2,3,4,7,9,10,10,10,10]+10[3,4,4,6,8,8]+10[8,10]+10[5,9]+6[6] → 46 → 成功

ウルスラ・ミック・ベニ:強すぎる
天沼チギリ:こいつ…つよい!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:強すぎ
従者D:あとは任せましたよ…(キラシュワ)
ジェシカ・クロフォード:《原初の赤:天性のひらめき》×4,《原初の赤:赤色の従者》で侵蝕が10上がりました。
無限の食彩(従者):【統制】していこうかな
無限の食彩(従者):交渉だ
無限の食彩(従者):7dx>=10
DoubleCross : (7DX10>=10) → 10[1,2,8,8,8,10,10]+10[2,10]+9[9] → 29 → 成功

天沼チギリ:つよい
GM:美食王従者もやるなあ
ウルスラ・ミック・ベニ:ボクも【統制】
ウルスラ・ミック・ベニ:《砂の加護》を使って判定値+7D。
ウルスラ・ミック・ベニ:ウルスラ・ミック・ベニの侵蝕率を3増加(120 → 123)
ウルスラ・ミック・ベニ:12dx+1>=10
DoubleCross : (12DX10+1>=10) → 8[1,2,3,3,4,4,4,6,7,7,8,8]+1 → 9 → 失敗

天沼チギリ:ウワー!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ああー
ウルスラ・ミック・ベニ:社会判定だけど財産点使えます?
GM:使えていいでしょう。
ウルスラ・ミック・ベニ:財産1使って残り3!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:盾を買いたいけど 【統制】しちゃう
GM:従者のダイスマイナスも忘れないでね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:3dx+1>=10
DoubleCross : (3DX10+1>=10) → 6[4,5,6]+1 → 7 → 失敗

ジェシカ・クロフォード:びっちゃん!!!
天沼チギリ:金があればいける…?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:金の力
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:財産3点支払います
GM:ステータステーブルでは反映されてませんけど、財産は8ありましたね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:hai
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:なので8→5になります
ジェシカ・クロフォード:やったー!
GM:【統制】3回および【解析】2回成功しました。解析結果に関してですが、これは不夜王側でやってもらった形になるので、ロールではなく情報項目としての公開になります。
GM:後で改めて教えてもらってください。
GM:本校舎を封鎖している現象の原因が別世界の召喚にあることは、数々の証拠から確実だと思われます。
GM:類似の事例、それも十字冠の戒律に干渉するような強力な例は少ないため、解決方法と言えるものかも分からない仮説ですが
GM:行政部はこの突破方法の一つとして、別世界のさらなる上書きによる立ち入りが可能なのではないか、という推測を立てています。
GM:例えばメサイア地下深くに存在したレイジャの神域や、六壬の龍脈、ラス・ヴィダスのカーサ・ミクトランなどは
GM:間違いなく異界と呼ぶべき別世界でありながら、ノヴァリスの生徒は立ち入ることが可能でした。
GM:ルキア・ティベリアが接続している別世界に、『おとぎの国』という仮称を名付けるとすれば
GM:『おとぎの国』はノヴァリスにとっての外界に近いレベルで親和性が低く
GM:そして曖昧さの許容がない、確固とした現実性を有した『世界』であると言えるでしょう。
GM:現実性の低い世界を上書きできるのならば、立ち入ることが可能になるという仮説が成り立ちます。
GM:もう一つ、本校舎に立ち入る手段として考え得るのは、『石の魔剣』です。
GM:世界を接続した張本人であるルキア・ティベリアが本校舎から弾き出されていない理由があるとすれば、
GM:それは彼女が『石の魔剣』の保有者であることで、十字冠の保護や戒律が一時的に無意味化しているためでしょう。
GM:事実、『天国』におけるリュエ・ゾウイルは『石の魔剣』を手にしてしまったことで、十字冠の保護が働くことなく、
GM:"暗殺王"によってジャーム化されたことが確認されています。もちろんこれは円卓の中でも限られた人間のみが共有する機密ですが……
GM:もっとも現実的な手段として考えられるのは、力押しによる突破です。
GM:達成値300を上回る攻撃によって、一時的に本校舎の封鎖を解除できます。ただし、これも一時的な現象に過ぎません。
GM:別世界の召喚が完全に終わる時は、世界の重なり合いが終わる間際に、道の名残りが残るかもしれない、と主張する魔術師もいます。
GM:ただしその接続はすぐに消えてしまうため、この方法は単純に『おとぎの国』への一方通行となるでしょう。
GM:解析結果は以上です。

ジェシカ・クロフォード:「ウルスラ・ミック・ベニ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「おうとも!」
ジェシカ・クロフォード:「貴様らが至上王を救うというのなら」
ジェシカ・クロフォード:「今は真っすぐに本校舎を目指せ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「へぇ……あの閉ざされた異界に向けてかい?」嬉しそうに悪どく笑う。
ジェシカ・クロフォード:「ああ、詳細は伝えぬが断言はしてやる。」
ジェシカ・クロフォード:「あの異変を突破する方法は、ある。」
天沼チギリ:「力づく、以外でですか?」
ジェシカ・クロフォード:「いや、力押しだよ。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、その力を如何に効率よく伝えるかの工夫は出来る。」
ジェシカ・クロフォード:「貴様らが進む間に行政部でその手配は済ましてやる。」
ジェシカ・クロフォード:「貴様らは後のことは気にせずに真っすぐに進み続けろ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(そこまで言っておいて気にしないのは無理だ…)
ウルスラ・ミック・ベニ:「信じて進めって?大得意さ」
天沼チギリ:「不夜王にそう言っていただけるのなら、向かいましょう。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「致し方ない…承りました」
天沼チギリ:(力押し…簡単に言いますが、それこそ至難。)
天沼チギリ:(星徒の襲来や本校舎に辿り着いた後のことを考えると、)
天沼チギリ:(余力が残るか……。)
GM:だが、不夜王からそれ以上の指示はない。単純に、不夜王が処理しなければならない問題があまりにも膨大というのもある。
GM:チギリ達からの信頼の程を見極めて、ごく最低限の指示を下したのだ。通信はすでに終了しており、意図を問いただしてから動く時間はない。
GM:浄水場区画から市街を通って、本校舎へと進路を決める。そう遠い距離ではないはずだ――
天沼チギリ:「お言葉通りに向かいましょう。不夜王は無駄な指示はなされない方。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「信義に報いるのがボクたちの務め……この混乱への対処もだ」
GM:その時だった。進路の先に何かが投げ落とされた。ビルの上からだった。
GM:血まみれの、人のようでもある。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(な!)
天沼チギリ:「!」受け止めようと着地点へ駆ける
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何事だッ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:翼ある靴で飛び立つ。チギリちゃんの無事を確保するため、こちらは周囲を警戒。
???:完全に脱力した人の姿がそこに落ちる
???:まっさらの白の制服は血に染まり、金髪にも紅いものが混じっている。
GM:――ダン!!
GM:その細い体をさらに踏みつけにするようにして、別の少女の体が降った。
GM:爪先から生えた赤いエネルギー光が、落下した少女を串刺しにしている。
"風塵王"倫道アカネ:短い黒髪。爛々と輝く赤い瞳。キングダムの制服とは仕立ての違う、今は失われた学区の制服を纏っていた。

一般生徒?:白い肌には所々鱗をまとうが、殆どが度重なる衝撃でひしゃげている。
ウルスラ・ミック・ベニ:「──なっ」
一般生徒?:「あ───………っ」
一般生徒?:虚ろな緑の瞳があなた達をぼんやりとみる。
"風塵王"倫道アカネ:その金色の髪を掴んで、細い顎を上に向ける。一連の攻撃の効果のほどを、観察するためだ。
一般生徒?:「ぐっ……!」呻く。普段は自覚すらしない些細な痛みに顔をしかめる。
"風塵王"倫道アカネ:「局所的な厚い装甲で弾くって手は」
"風塵王"倫道アカネ:「あんまり面白い手じゃないな――」
一般生徒?:「あな──まだ……避難……」
一般生徒?:「   にげ……」
"風塵王"倫道アカネ:「避けて当てればいいだけだから……」
一般生徒?:「くっ………!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「こ、こいつはッ!」
天沼チギリ:「………ッ」ぎり、と奥歯を噛みしめる。
一般生徒?:過剰な侵食とともに、更に体の異形化を進めていく。
"風塵王"倫道アカネ:興味を失ったように、生徒を置いて歩き去る。
一般生徒?:鉄の鱗をまとい──
一般生徒?:「が、ふ」
一般生徒?:"背中"を見せた相手に追撃すら加えられない──だからこそ"敵”でなくなった存在から、興味を外したのだろう。
"情王"ブレス・ブリギッド:(威力じゃない、速さでもない、ただ)相手の強さが、力なら耐えられる。速さならば耐えられる。そのように自分を磨いてきた。
"情王"ブレス・ブリギッド:(なにも、つうじ、ない……!)

"風塵王"倫道アカネ:「16人目」
"情王"ブレス・ブリギッド:ぼう、と焚き火の如き炎だけが熾り続け、信じられないものを見るようにソレを見る。
"風塵王"倫道アカネ:「いや。17人目だったかな……微妙なのが2人くらいいたから、まあ合わせて17人にしよ……」
"情王"ブレス・ブリギッド:「"風──王"………」ただ、自分の成すべきことだけ成す。その精神力だけが、かすれる声をかろうじて届ける。
"情王"ブレス・ブリギッド:「"倫道アカネ"」
"情王"ブレス・ブリギッド:だから、
"情王"ブレス・ブリギッド:ただ逃げてくれ、とだけ思いを込めて。
"風塵王"倫道アカネ:「面白みは少なかったけど、しぶとかったのはよかったかな」
"風塵王"倫道アカネ:「今は諸王だっけ……王候補者は、個性があっていいね」
"風塵王"倫道アカネ:「立ち向かってくれたり、他の生徒を守りに来てくれるくらい、実力に自信があるのもいい」
ウルスラ・ミック・ベニ:よく知る名だった。よく知る顔だった。4年前に失った人だった。
ウルスラ・ミック・ベニ:彼女がここに居るとは知っていて、それでも凍り付く。変わり果てた姿だった。
ウルスラ・ミック・ベニ:「美食王、あの子の保護を……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「言われるまでもない」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「友人を助けるのに誰の指示を必要とするものか」
天沼チギリ:情王の元に辿り着き、剣を抜く。
天沼チギリ:情王をすぐさま後方に送り、治療部に引き渡したいところではあるが、
天沼チギリ:”風塵王”の前に生半な人間など呼べるはずもない。
"風塵王"倫道アカネ:「ああ、ウルスラじゃない?」
"風塵王"倫道アカネ:その時になって初めて気付いたように言う。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラー!ウルスラって王様?」片手をぶんぶんと振る。
"風塵王"倫道アカネ:「もしかして今の風塵王だったりする?」
ウルスラ・ミック・ベニ:乾いた舌が口内に貼りつく。彼女といて心が落ち着いたことは無かった。
"風塵王"倫道アカネ:「そこにいるので18人目、として」美食王を見る。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラで19……キリが悪いな。ウルスラなのに」
"風塵王"倫道アカネ:「いったん適当なところで1人やって、20人にするか……」
天沼チギリ:(数にも入らないのですか、私は)強烈な圧に屈しそうになる身を、黒剣の力で強いて奮い立たせる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「風塵王は先輩で最後だよ、勇者の徴はボクが盗んで持ってっちゃったから」
"風塵王"倫道アカネ:「ふふ。そんなの……言ってくれれば、あげたのに」目を細める。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクが欲しかったのは先輩のもので、これに興味があったわけじゃないからなー!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「元気に好き放題してるみたいで少し懐かしいな。諸王でも狙い撃ちしてるところ?」
"風塵王"倫道アカネ:「うん」
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラは?キングダムは楽しい?」
GM:無意味な会話ではないはずだ。美食王とチギリが、重傷のブレスを救出している。戦闘に突入してしまえば誰も止められない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「その制服を着てたころがいちばん楽しかったから、キングダムは今でも嫌いだな」
ウルスラ・ミック・ベニ:「でも好きになりたい。なれると信じてるし、その為に動く今は充実してる」
ウルスラ・ミック・ベニ:保護対象やチギリから注意の離れるよう視線を誘導する、みたいな小癪なことは考えない。
ウルスラ・ミック・ベニ:そんなの全部筒抜けだし、やるだけ無駄だし、何より夢のような再会だった。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラが楽しくやれてるなら、よかったな」
"風塵王"倫道アカネ:遠くで火の手が上がるのを見る。
"風塵王"倫道アカネ:「ね。一緒にやる?」
"風塵王"倫道アカネ:「王様を見つけて、動かなくしたら1点」
ウルスラ・ミック・ベニ:悪夢には違いないが、望外のもの。彼女以上に心動かす人を私は未だ知らない。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごめん、他にやる事できたから付き合えないや」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクの今は、至上王を助けたら満点」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……先輩たちを止めたら、ボーナス得点」
ウルスラ・ミック・ベニ:「一緒にやるかい、挑み甲斐のある難題クエスト
"風塵王"倫道アカネ:「いいなあ。セベクさんの遊びにはまだ、飽きてないけど」
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラの頼みだからな。一緒にやろうかな?」
"風塵王"倫道アカネ:「至上王を助けて、星徒を止める……だっけ?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「えっホント!?」声が裏返る。
"風塵王"倫道アカネ:地面に落ちているコインを拾う。
"風塵王"倫道アカネ:「表ならウルスラ」
"風塵王"倫道アカネ:「裏なら、セベクさん」
"風塵王"倫道アカネ:キン、という音を立てて、コインが弾かれる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「表!表!表!」
"風塵王"倫道アカネ:じっと目を見開いて、その軌道を眺めている。
"風塵王"倫道アカネ:「裏」
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネが踏み込む。コインはまだ落下していない。

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:今回は遭遇戦となるため、特殊ルールを採用します。
GM:他の戦闘開始処理のように、6d10の侵蝕率上昇をする必要はありません。
ウルスラ・ミック・ベニ:やさしさ……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:おお~
GM:ただしPC一行と同行している一般生徒を合わせた特殊ユニットがマップ上に配置されます。
GM:ヒポポタンク1号です。
ウルスラ・ミック・ベニ:ヒポポタンク1号!?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:な、なにー

   "風塵王"[32]

     20m

ウルスラ[9/123] チギリ[6/90]
   "美食王"[7/138]
   "無限の食彩"[9]
  ヒポポタンク1号[5]

     30m

  ★離脱ポイント

GM:この戦闘では離脱ポイントまで到達すれば"風塵王"を振り切ることができますが……
GM:誰かが殿にならなければいけません。一人を残して全員が離脱した時点で戦闘が終了するということです。
GM:基本的にはこれだけのシンプルな戦闘!開始していきます。

■ラウンド1

"風塵王"倫道アカネ:《幻影の騎士団》。攻撃力を+21。
天沼チギリ:先頭に入る前に質問です!
天沼チギリ:殿は従者でも機能しますか?
GM:機能しません。
天沼チギリ:うわーん
GM:ただし、殿になってもキャラロストはしません。
GM:その代わり、かなり長時間登場不能が続くことになります。
ウルスラ・ミック・ベニ:動けなくされちゃうよ~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:なるほど
GM:この質疑を踏まえて、改めてセットアップから行動を決定してください。
GM:ヒポポタンク1号のHPは40、装甲値は8あります。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヒポポタンク1号が別枠ということは
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王は搭乗していないという事で良いですか?
GM:そうですね。現時点ではそうなりますが
GM:同乗状態になることで同等の装甲値を獲得できるでしょう。行動値修正は今直します。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:了解です
"風塵王"倫道アカネ:行動値31。アカネの手番です。
"風塵王"倫道アカネ:マイナーで《シャイニングアーム》。
"風塵王"倫道アカネ:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光の舞踏》《死点撃ち》《吠え猛る爪》《浸透撃》《かまいたち》《大裁断》。ウルスラさんを狙います。
"風塵王"倫道アカネ:23dx7+21 ガード不可、装甲無視
DoubleCross : (23DX7+21) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,5,6,6,6,6,7,7,7,8,9,9,10,10,10,10]+10[1,2,5,6,7,7,7,9,9,10]+10[2,4,7,7,9,9]+10[3,4,5,9]+4[4]+21 → 65

ウルスラ・ミック・ベニ:ひ~ん
ウルスラ・ミック・ベニ:5dx>=65 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=65) → 8[2,4,6,7,8] → 8 → 失敗

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:カバー要りますか?
ウルスラ・ミック・ベニ:欲しいです!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ここは本体で受けてみるか
"風塵王"倫道アカネ:ダメージを出します。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:《崩れずの群れ》
"風塵王"倫道アカネ:7d10+97
DoubleCross : (7D10+97) → 40[6,8,3,2,4,10,7]+97 → 137

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ヒエ~
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:搭乗してないから軽減もできないな
"風塵王"倫道アカネ:ムムッ、なかなか硬いのがいるな……
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを137減少(227 → 90)
ウルスラ・ミック・ベニ:どっちもやばい。なかなかではない
GM:PCの手番です。
GM:まずは行動値9。ウルスラさんと従者さん。
ウルスラ・ミック・ベニ:マイナーで戦闘移動、メジャーで全力移動。離脱ポイントに向かいます
ウルスラ・ミック・ベニ:今はその時ではない……!
GM:よく決断した!

   "風塵王"[32]

     20m

   チギリ[6/90]
   "美食王"[7/140]
   "無限の食彩"[9]
  ヒポポタンク1号[5]

     30m

 ウルスラ[9/120] 
  ★離脱ポイント

GM:従者の行動もどうぞ
無限の食彩(従者):メジャーで《再生の血》
GM:そうやって本体を回復してくるわけか……!
無限の食彩(従者):美食王のHPを回復する
GM:本当にボスみたいな挙動してくるな美食王って
GM:次は行動値6、チギリ委員長の手番です。
無限の食彩(従者):4d10
DoubleCross : (4D10) → 26[1,8,8,9] → 26

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを26増加(90 → 116)
天沼チギリ:マイナーとメジャーで戦闘移動と全力移動
天沼チギリ:30m後方に向かいます。
天沼チギリ:後は任せる…!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(138 → 140)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(140 → 142)
GM:カバーと再生の分ですね
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:です

   "風塵王"[32]

     20m

   "美食王"[7/142]
   "無限の食彩"[9]
  ヒポポタンク1号[5]

     30m

  チギリ[6/90]
 ウルスラ[9/120] 
  ★離脱ポイント★

GM:ヒポポタンク1号の手番です。美食クラブ部員を殿にすることももちろん可能だぞ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:そんな事はさせないぞ
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:後美食王本人の手番も先にやっておきたい
GM:そうだった!行動値7の美食王!
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:行動値7なので
GM:まだ行動値1気分でした
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:マイナーでパラダイスフルーツ使用 放心と重圧を受けますが
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:冥府の棺で重圧を解除
"風塵王"倫道アカネ:これ本当にパラダイスフルーツなの?
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:5d10
DoubleCross : (5D10) → 29[6,4,4,6,9] → 29

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを29増加(116 → 145)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を2増加(142 → 144)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:メジャーで《再生の血》《再生の王錫》
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:自分を回復
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:7d10
DoubleCross : (7D10) → 42[8,6,3,10,6,8,1] → 42

"風塵王"倫道アカネ:わぁ~まだまだ楽しめそう
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズのHPを42増加(145 → 187)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:手番を終了し
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:オーシャンズ・マウンテンヒルズの侵蝕率を5増加(144 → 149)
美食倶楽部対オーヴァード装甲給食車『ヒポポタンク1号』:離脱しまーす

   "風塵王"[32]

     20m

   "美食王"[7/149]
   "無限の食彩"[9]

     30m

  ★離脱ポイント★

GM:それでは戦闘を終了します。GMの距離設定ミスでこうなってしまった……!
"風塵王"倫道アカネ:一人くらい私を攻撃してくれてもよかったのにな

GM:――ノヴァリスに生きる生徒達が、敢えて思い浮かべない仮定がある。
GM:例えば、キングダムにおいて最強の王である騎士王が、その最強の果てである星徒と化して
GM:さらにそれが、他の星徒の追随をも許さぬほどに学習し、成長するのだとすれば、どうなるのか。
GM:星徒アカネは、そんな悪夢のような仮定の具現化だ。生前と比較してもなお、次元の異なる強さへと進化を果たしていた。
GM:それが人間であるが故の、本当の強さ、、、、、を全て削ぎ落とされた末路であるとしても、星徒にそれは不要なものである。
GM:"天国派"の設計思想ではそのようになっている。本当の強さ、、、、、など、生ける王が持っていれば良いのだから。
GM:死せる兵にはただ、殺す力のみがある。王には不要な、持ち合わせるはずもない、強さの果ての力が。
"風塵王"倫道アカネ:赤い残光が路地に閃いたが、それすらも雷が通り過ぎた後の雷鳴のような、倫道アカネの攻撃余波に過ぎなかった。
"風塵王"倫道アカネ:自然現象によって散乱した光の一部が可視光として見えるだけだ。人体の水分へと最も効率よくエネルギーを伝達する、波長10,600nmの遠赤外線。
"風塵王"倫道アカネ:不可視のエネルギーを収束して、ウルスラ・ミック・ベニへと放っている。躊躇は一切なかった。
ウルスラ・ミック・ベニ:コインが落ちるまで悠長に待っていたわけではない。指輪が黒く輝き、周囲空間の時間停止が広がる。
ウルスラ・ミック・ベニ:逃走、否。避難経路を最低限保全するための施策で、それでも遅きに失している。
ウルスラ・ミック・ベニ:色が抜け褪せ薄黒く染まりゆく街並みに、落ちる前に静止したコインに、緑の瞳に赤い光が反射して。
ウルスラ・ミック・ベニ:(痛みが来ない……!?)動揺する理由はそこだ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:カチャリ…と手元のナイフを動かす。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:いつの間にか誂えられた食卓には肉汁の滴るTボーンステーキが置かれている。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それを一切れ切り取り。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:口へと運び。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:舌でぺろりと口の周りを嘗めとった。
"風塵王"倫道アカネ:「――攻撃エネルギーの変換」
"風塵王"倫道アカネ:「耐えてきそうな立ち回りだな、って思ってたけど……珍しいタイプのやつだ。たまに見かけるけど」
"風塵王"倫道アカネ:攻撃を放った右手首から先を軽く振る。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「熱量エネルギー…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「温度、運動、質量あらゆるものは」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ある側面で見れば熱量カロリーにすぎない」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうでしょう?」
"風塵王"倫道アカネ:「そして生物がエネルギーを取り込む時」
"風塵王"倫道アカネ:「その生物自身を破壊しない経路がただ一つある」
"風塵王"倫道アカネ:「食べることが制約」
"風塵王"倫道アカネ:「――だいたい分かった。君の名前は?王鍵の匂いがする……王様なんでしょう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「オーシャンズ・マウンテンヒルズ…円卓の4番目に席を持つ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「美食王と…名乗らせていただいている」
"風塵王"倫道アカネ:「美食王。美食王。ふふ。王候補者じゃなくて、円卓のほうだったか……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「身に余る席次ですが…」
"風塵王"倫道アカネ:とん、とん、とその場でステップを踏んでいる。
"風塵王"倫道アカネ:「ウルスラ。美食王くんはウルスラの友達?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「さっき会ったばかりだけど、ボクは昔と違って友達になるのが上手でね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「オーシャンズちゃんのことはすっかり大好きになってるよ。特に今ので!」
ウルスラ・ミック・ベニ:背中にだらりと汗をかき、興味を惹かせてしまったことを申し訳なく思う。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(こ、こいつ!誰が友達だ!誰が!)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(だが、今は…こいつらを先に行かせる必要がある)
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(美食部員と情王は…任せられるだろう…)
"風塵王"倫道アカネ:小さく跳ね続けながら、じっと、一連の動きを見ている。なぜ立て続けに攻撃を加えないのか?
"風塵王"倫道アカネ:美食王が、それだけ強固な耐久能力者であることを、理解した、、、、からだ。
"風塵王"倫道アカネ:一撃で仕留める方法の演算に時間をかけている。そこに実際の攻撃の試行は必要がない。
天沼チギリ:「殿は私が……」敵いそうにない、と内心思いながらも剣の切っ先を風塵王に向ける
天沼チギリ:(美食王は先ほどの戦闘の傷が回復しているとはいえ、侵蝕的な余裕がないはず。)
天沼チギリ:(であれば私が……)
天沼チギリ:(やるしかない。)
ウルスラ・ミック・ベニ:とん、と後ろに軽々飛びのいてチギリの傍に降りる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「殿?貴女が?…フフ…」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「向いていない事をするのはおやめなさい」
天沼チギリ:「先ほどの傷は癒えてるとはいえ、あなたの疲労と侵蝕は限界に──」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「貴方にはもっと向いているやるべき事があり」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ここは、私向きです…それに」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「確かに私は、すげ替えの代理」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「円卓でも最弱の王ですが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「限界?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「少し、不安にさせてしまいましたね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私の胃袋に限界があったとしても…それは今ではない」
"風塵王"倫道アカネ:「……として…………212キロカロリーだっけ……変換効率は……」
"風塵王"倫道アカネ:「……ならいけるけど、2発になっちゃうな……別の方法で……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「オーシャンズちゃん」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「なんでしょう?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクたちは必ず、ルキアちゃんを連れ戻るよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミたちのプライドを守るのは、他人にやってもらうことじゃないが」
ウルスラ・ミック・ベニ:「信じて送り出してくれる報いに応える、という心算を勝手に背負う」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクの先輩は最高に強いけど……任せていいんだろう?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「はぁ…貴女の目的など聞いても仕方ないんですよ、勝手にされるのも迷惑です」
ウルスラ・ミック・ベニ:「つれないなあ」震えるチギリの手を取り、不安を笑みで覆い隠す。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私の食事の邪魔をしないで頂きたい」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「滅多に味わえるモノではありませんので」
天沼チギリ:「………」手を握り返す
天沼チギリ:(……どのみち、私では囮になれない。)
天沼チギリ:(風塵王の眼中にいないのだから。)
天沼チギリ:「お任せします、美食王。」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「食事を終えれば追いかけますよ、部員と情王が心配ですからね」
天沼チギリ:「一時的に医療部などの後方支援の部活に編入して指揮を任せます。」
天沼チギリ:「情王と部員の身はお渡しするまでは必ず守ります。ご安心を。」
美食クラブ見習い:「そんなあ!美食王様!お一人で大丈夫なのですか!?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「いつも言っているでしょう…皆で囲む食事もとても良い物ですが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「真の美食には一人で向き合わなければならない」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「一人、それが味覚と空腹に向き合い…食欲を真に満たす最高の膳」
美食クラブ見習い:「美食王様……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「行きなさい…情王には最高品質の療養食を」
美食クラブ見習い:「はい……!精一杯、おもてなしいたします……ッ!!」ボロボロと涙を流しながら答える。
ウルスラ・ミック・ベニ:チギリを伴い美食クラブ車両の元へ飛ぶ。後ろは振り向かない。
ウルスラ・ミック・ベニ:再会して変わらない、変わり果てた彼女の姿を見て、まだ大好きなことを再確認したけど。
ウルスラ・ミック・ベニ:「行こう。ボクたちには……やりたい事があるんだものね?」
GM:ウルスラ・ミック・ベニ。天沼チギリ。そしてブレス・ブリギッドを搬送する美食クラブ。
GM:全員が撤退を選んだ。現場を指揮する美食王がそれが最適だと判断したのだから。
"風塵王"倫道アカネ:「――ああ、何?」ようやく顔を上げる。
"風塵王"倫道アカネ:「律儀に解き終わるまで待っていてくれなくてもよかったのに」
"風塵王"倫道アカネ:「空気分子を分解した毒物で先に消化器系不全を起こす。微小なレーザーで料理を大量生成させて物理的に窒息させる……」
"風塵王"倫道アカネ:「変換効率が間に合わない速度の連続近接攻撃……」
"風塵王"倫道アカネ:「どれもあんまり面白い小細工じゃないし、さすがに対策済みだよね?そういうのは、飽きちゃった」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうですか?毒もまた美味ですし早食いもいけますが」
"風塵王"倫道アカネ:「だから、その能力の許容量を上回る攻撃にしよう」
"風塵王"倫道アカネ:「一番出来なさそうなことだから――」
"風塵王"倫道アカネ:軽い羽のように、二歩踏み込む。二歩目で、目で追えないほどの高さにまで跳躍している。

"風塵王"倫道アカネ:夜空は高い。赤い流星体が月を背負っている。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネは、波長を操る能力者である。そして操ることが可能な光は、自分自身が生み出すものだけではなかった。
"風塵王"倫道アカネ:月が消灯、、する。
"風塵王"倫道アカネ:それは消えたのではなく
"風塵王"倫道アカネ:一点に、収束するように。
"風塵王"倫道アカネ:「"月光"」
"風塵王"倫道アカネ:星徒のポテンシャルすらも越えた
"風塵王"倫道アカネ:衛星の熱量が降り注ぐ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ奈落の王アバドン
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:それは飽くなき暴食であり奈落そのもの。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:サタンを千年閉じ込めた牢獄にして世界の滅びの一つである飢餓。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:悪魔であり天使であり、なにものでもない深淵。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:彼女の王鍵の名。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ハハッ!ワーハハハハハハハッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:歓喜に満ちた哄笑が響き渡る。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「月を喰らうッ!なんて素晴らしいッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その機会に感謝すらしましょう!全胃袋を持ってこれに応えねば失礼ッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:パン!と双掌を眼前で合わせる。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「覇鍵解錠ッ!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:ぞわり…と周囲の空気が冷える。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:真の闇が足元…いや、その更に下から湧き出てくる感覚。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:手には銀のナイフとフォーク。

オーシャンズ・マウンテンヒルズ:美食王が大きく口を開くと同時に。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:奈落の闇も大きく口を広げた。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「頂きます!」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:闇が月光を飲み込んでいく。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:収束した光が闇に飲まれ。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:最後に残ったキラキラ輝く丸い黄金の砂糖菓子を。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:大口を開けて一口で飲み込む。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ふぅー…」冷汗を流し。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:しかし満面の笑みでそれを食べきった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「私は…お前を倒せない…」
"風塵王"倫道アカネ:「ははははは!あははははは!」着地して笑う。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「だが、お前に残された選択肢は私の食事に延々と付き合うか…回れ右して別のルートを模索するかのどちらかだ」
"風塵王"倫道アカネ:「あまり楽しめなさそうだって思ってたけど」
"風塵王"倫道アカネ:「私が間違ってたかも。覇鍵解錠か……そういや私、使ったことなかったな……」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ふん」
"風塵王"倫道アカネ:「楽しい技だった。――名前は?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「ただの食事に名前など必要ない…が」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「あえて言うなら」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「最後のない晩餐エクリプスアバドン…かな」
"風塵王"倫道アカネ:「最後のない。……長く楽しめそうだね?美食王」
"風塵王"倫道アカネ:「それを破ってみたくなった」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:(あきらめろよ!クソ!)
"風塵王"倫道アカネ:両手に赤い光を纏わせながら、表情のない流星体が笑ったようだった。
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「そうですか?では楽しみを奪ってやろう」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「17だったか?」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「随分キリの悪い数字だが」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その数字はここでお終いだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「何か別のコレクションでも始めてみる事を勧めるよ」
"風塵王"倫道アカネ:「あはは。美食王くんを上手くやれたら、18を記念の数字にするよ」
"風塵王"倫道アカネ:「しばらくはね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「残念だが上手くなんて思う時点でダメだね」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「食事は美味く喰らうものだ」
オーシャンズ・マウンテンヒルズ:「その考えを喰い改めるがいい」
GM:光が走り、闇が飲む。
GM:キングダムの一角で戦端は再び開き、飢餓と殺戮の喇叭が鳴る。
GM:――ウルスラ・ミック・ベニの時間固定は解けた。
GM:世界の終わりのような戦闘の片隅では、一枚のコインが、裏側を上にして落ちた。


GM:ウルスラとチギリは戦場から離脱し、本校舎へと向かっている。
GM:補給要員として同行する美食クラブは、今後必要となるだろう。この混乱の最中、陸路を向かうしかない。
美食クラブ見習い:「情王様を避難地点にお運びしたいところですが」
美食クラブ見習い:「ヒポポタンク1号には豊富な補給物資があります!医療部との合流の目処が立つまでは、このまま休養と栄養を与えて回復させる方が良いかと……!」
美食クラブ見習い:「美食王様が療養食をご指示されたのは、そういう意味です!」
天沼チギリ:「分かりました。ですが無理だけは禁物です。」
美食クラブ見習い:「本校舎に星徒がいないのは確かなのでしょうか?それならばむしろ私達も安全だとは思いますけれど……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「キミたちが最高の環境ってわけだ。護衛役もそれなりだしね」自分とチギリちゃんを指す。
天沼チギリ:「本校舎の状況は…正直未知数です。」
天沼チギリ:「ですがご安心を。美食王に託された以上あなた方と情王の安全は確保します。」
ウルスラ・ミック・ベニ:「同時に星徒が攻め込んだから印象が薄れてるけど、本校舎がああなってるのも異常事態だからね」
GM:鴉の塔の星徒マーガレット。ヒンシェルウッド第1浄水場の星徒ヒロ。真珠広場の星徒コンスタンツェ。グレートブリッジの星徒ララゴ。
GM:――そして今しがた襲来した星徒アカネ。この五体の所在は確かになった。
GM:セベクネフェルⅧの所在だけは不明だが、最初に現れた本校舎上空から動かずにいるのなら、とうに不夜王が討伐隊を送り込んでいるはずである。
美食クラブ見習い:「別の異常が起こっている分、却って安全かもしれませんね……!今一番危ないのは星徒でしょうし……!」
天沼チギリ:「…………。」
天沼チギリ:「確かに、星徒は大きな危機です。ですが……」
天沼チギリ:口元を袖で覆う
天沼チギリ:「外は?」
天沼チギリ:「キングダムの異常に気付いた校区はどう動くでしょうか?」
美食クラブ見習い:「えっ、でも、元老様……どのみちそんなこと、この異変を解決した後じゃないと……」
天沼チギリ:「……失礼。詮無いことを口にしました。」
美食クラブ見習い:「ままままさか元老様が詮無いなんて!」
美食クラブ見習い:「ヒィーッ!ごめんなさい!私こそご無礼を!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「あはは、上に立つ者は遠くのことも見渡さないといけないからね、それも頼もしいことでしょ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「と考えれば、不夜王さまが外に目を向けていない筈もなし」
ウルスラ・ミック・ベニ:「海賊王が戻って来るということは、外との連絡も通じている」
ウルスラ・ミック・ベニ:「星徒への対処を目的とする超学区組織もあるからね、案外助っ人に来てるかもだ」
天沼チギリ:「いえ、あなたの言葉は尤もです。」
天沼チギリ:「今この状況をどうにかする方が先決。」
天沼チギリ:(この危機を乗り越えてキングダムが外界と繋がった瞬間。)
天沼チギリ:(それこそがキングダムが横腹を晒す瞬間でもある。)
天沼チギリ:(疲弊と破壊の極致。その時にもし──)
天沼チギリ:(”何か”が起これば……)
天沼チギリ:袖で顔の下半分を覆ってはいるが、
天沼チギリ:目元に焦りと不安の色が浮かんでいるのは隠せないだろう。
GM:その時、車両が急停車した。
天沼チギリ:「どうしました。」
美食クラブ見習い:「……道が塞がっています!」
GM:星徒の攻撃ではない。先程から街には火の手が上がりはじめていた。生徒の混乱と暴動による破壊が通り過ぎた結果なのかもしれない。
美食クラブ見習い:「ええ~~、ここからどう回れば本校舎に……!将棋部の子とかなら分かるのかなこれ……!」ガサガサと地図を広げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ある程度の瓦礫ならボクが撤去できるけど、穏やかじゃないね」
天沼チギリ:「………。」
????:「美食クラブの皆さん!」その時、横合いから声があった。
????:「避難中ですか!?博物館までなら私が誘導します!」
????:青髪の、険しい表情をした生徒だった。ウルスラにとっては、聞き覚えのある声でもある。
ウルスラ・ミック・ベニ:がらがら!窓を開いて首をひょっこり出す。

伊次リクス:「非戦闘員の方はすぐに――ってウルスラ先輩!?!?!?」
伊次リクス:「何やってるんですかこんなところで!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「へっへ~、何だと思う?」
伊次リクス:「また不法侵入ですか!美食王様に捕まって連行されてる途中ですかそれは!?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「残念でした、今回は合法!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「オーシャンズちゃんにも逃がしてもらったところだ、一緒に星徒と戦った仲だからね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「リクスちゃんは避難誘導かな?頑張る姿が先輩として誇らしいぜ」
伊次リクス:「避難誘導というか……私は、そのつもりだったんですけど」
伊次リクス:「本当は私も逃げなきゃいけなかったんです。なのに、キングダムの外敵から皆を守らなきゃって思ってしまって……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「偉い!勇者の鑑!」上半身をにゅるっと乗り出し、べたべたと抱き着く。
伊次リクス:「わああああ!離れてください!」反射的に突き飛ばす。
伊次リクス:「――とにかく、今キングダムには得体の知れない噂が流れています。シャムロックがどうとか、反逆者がどうとか」
伊次リクス:「ウルスラ先輩みたいな指名手配犯は特に危険だと思います……!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ぐえ……まあ、だから車内で大人しくしてるんだけどね」装甲版にべしゃりと顔面をぶつけて宙ぶらりん。
天沼チギリ:(噂…?)
天沼チギリ:(今のキングダムを混乱させるなら流言飛語は有効かもしれないですが…)
天沼チギリ:(”どこから”?外と連絡も取れないし、入っても来れないのに?)
天沼チギリ:(噂の出所は星徒ではないはず。そんな小細工はしない。キングダム内に元から潜んでいた”誰か”?)
伊次リクス:「私もそういう噂を信じて戦おうとしてしまったせいで、ええと、こうして……逃げ遅れてしまってるわけなんですけど」
ウルスラ・ミック・ベニ:「思い込むと熱くなるタイプ~」
伊次リクス:「逃げる途中でも……さすがに、美食クラブのそのデザインの車は見なかったことにできないので」
ウルスラ・ミック・ベニ:「やれやれ、チギリちゃんの不安が的中しちゃったね」
伊次リクス:「……元老様まで、美食クラブの車に」
伊次リクス:「何があったんですか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「結構色々あったからな……リクスちゃんも乗ってくかい?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「もれなくボクがべたべたくっついてくるけど」
伊次リクス:「最悪!緊急時ですが結構です!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ちぇー。まあ、キングダムの混乱を抑えるために色々仕事をね」
ウルスラ・ミック・ベニ:「不夜王の要請に従って星徒を鎮め、本校舎の調査に戻ろうとしてたところだけど」
伊次リクス:「星徒スターダスト?」首を傾げる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「亡くなった生徒がジャームになって帰って来ること」
伊次リクス:「え……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「今日は特別に6人来てね、さっきアカネ先輩に会ってきたところだよ」
伊次リクス:「……ッ、さっきの不気味な魔術放送……」
伊次リクス:「アカネ先輩の名前が出てきて、それだけでも不気味だなって思っていたのに」
伊次リクス:「……マーガレット・T・ファインズ……ララゴ・フォーモアナ……私でも、知っている名前はありました」
伊次リクス:「キングダムで……死んだ生徒です。……アカネ先輩も……」
ウルスラ・ミック・ベニ:「とても、悲しいことだよ。彼女たちと戦わないといけないのも、亡くなってしまったのも」
ウルスラ・ミック・ベニ:「もう取返しはつかないけど、決着をつけることは出来る」
ウルスラ・ミック・ベニ:「もう一度彼女たちと向き合う機会を得られたのは、幸せなことにもできるとボクは信じてる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……一度にこんなやってくるのは、ほんと酷いけどね!アカネ先輩一人でやってられないのに!」
伊次リクス:「そう……なんですか。また、バカみたいな冗談を……」
伊次リクス:「……最悪ですね、ウルスラ先輩」
伊次リクス:「………」俯いている。
伊次リクス:「……アカネ先輩が、もしも、帰ってきたとして」
伊次リクス:「――許してくれるでしょうか。私達のことを」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクは怒ってもらえなかったよ」ぶすっと頬をつき、拗ねた顔。
ウルスラ・ミック・ベニ:「人の顔見て嬉しそうにしてくれちゃって、相変わらず困った人だ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「伝言があるなら託してくれていいよ。ボクはまだ、諦めてないから」
ウルスラ・ミック・ベニ:俯く顔を真剣に見つめる。
伊次リクス:「馬鹿。……アカネ先輩が怒るわけないじゃないですか。ウルスラ先輩、聞いたことないんですか?」
伊次リクス:「怒ったり、憎んだりするのは、嫌だって言ってましたよ。いつも」
伊次リクス:「そういうことは理事会がたくさんやるから」
伊次リクス:「飽きちゃったって」
ウルスラ・ミック・ベニ:「知ってるよ、いつも楽しそうにしてたし、してる」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そういうとこ好きになったけど、思い通りに動いてくれないのは腹立たしいじゃん」
ウルスラ・ミック・ベニ:怒ってボクをつけ狙ってた時のリクスちゃんを思い浮かべる。
伊次リクス:「アカネ先輩がいつも笑ってたのは、私達が笑い足りなかったんでしょうね」
伊次リクス:「……もしも今までの話が冗談じゃないなら……ごめんなさい、と伝えてください」
ウルスラ・ミック・ベニ:「……うん」
ウルスラ・ミック・ベニ:思い浮かぶリクスちゃんの笑顔は、鴉の塔で王鍵を返してもらう時のものぐらい。
ウルスラ・ミック・ベニ:あとは人が変わったようにへらへら笑う自分を、真剣に怒ってくれたことだとか。
ウルスラ・ミック・ベニ:「受け取ったこと、変わったこと、きちんと先輩にぶつけてくるよ」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ボクは継承者だからね」勇者の徴に残された記憶は、幸せそうに、誇らしげに、大胆不敵に笑う姿ばかりだった。
伊次リクス:頷く。
伊次リクス:言葉は発していなかったが、倫道アカネが死んでからの、いくつもの思い出を噛み締めているようだった。
伊次リクス:「…………元老様」
伊次リクス:「これから本校舎の調査に向かう、と指名手配犯の先輩は言っていましたけれど、確かでしょうか?」
天沼チギリ:「はい。」
天沼チギリ:「ですが、この道はどうしたものか…」
伊次リクス:「避難地点の博物館とは反対方向ですけど、回り道はあります。爆弾で建物が倒れて、逆に通れるようになっているところがあるんです」
伊次リクス:「私は本校舎側から、取り残された人がいないかを見ながらここまで来ているので……」
天沼チギリ:「瓦礫もヒポポタマスくんの履帯ならば乗り越えられますね。ありがとうございます。」
伊次リクス:「こちらの方向から、プロンプトの建物を左に曲がると、そのまま本校舎に続く大通りに出れます」
天沼チギリ:「美食クラブの皆さん。聞きましたね?」
天沼チギリ:「情王の身体に障りがないよう注意して進路を変更してください。」
美食クラブ見習い:「はい!もちろん情王様のお体は……」
美食クラブ見習い:「紅茶一つこぼさないくらい絶対安静ですよ!お任せください!」
伊次リクス:「……デマに踊らされて、弱いくせに逃げ遅れて、本当にキングダム生として情けない限りですけど」
伊次リクス:「もしも、元老様と……………先輩のお役に立てたなら、良かったです」
天沼チギリ:「いいえ。あなたは強い。」
天沼チギリ:「ごめんなさいと自分の意志で言える人は、強い人です。」
伊次リクス:「余計なことばかりするせいで、いつも謝ることになってしまいます」苦笑する。
天沼チギリ:「………必ず、この事態を収めます。」
天沼チギリ:「どうかお気を付けて。」
天沼チギリ:「ウルスラさん、出発しますがよろしいですか?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「くっ……ボクとチギリちゃんで扱いが違い過ぎる!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「そこ以外には未練なし、出していいよ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「ごたごたを終わらせれば、また表立って会い放題だもんね」
天沼チギリ:「気心が知れた仲、いいじゃありませんか。」
天沼チギリ:くす、と笑う。
GM:車は走り出す。本校舎へ。対決の地へ。
伊次リクス:遠ざかる車を見ながら思う。
伊次リクス:情報に踊らされて混乱を招いてしまったキングダムの生徒達も、きっと
伊次リクス:彼女達なりに、真剣に立ち上がったのだろうと思う。自分達でもキングダムの危機を救うことができるのだと。
伊次リクス:キングダム連合学院という、輝かしい王の物語を知る者は、本当は、誰だってそうだ。
伊次リクス:八月革命で立ち上がることができた生徒達も、そうでなかった生徒達も。
伊次リクス:一番逃げ遅れていているのに、逃げ遅れた誰かを助けるなんてことをしていた自分自身も。
伊次リクス:(――本当は、誰だって)
伊次リクス:(勇者みたいに戦いたかった)

GM:PCの登場シーンですので、ロイス取得が可能です。
ウルスラ・ミック・ベニ:リクスちゃんは固定ロイスにあるもんね~
伊次リクス:馬鹿!すぐにけせ
ウルスラ・ミック・ベニ:ヤ!
天沼チギリ:うーん、美食王に取りましょう
天沼チギリ:〇感服/隔意
ウルスラ・ミック・ベニ:先輩:倫道アカネ/P憧憬〇:N恐怖
ウルスラ・ミック・ベニ:オーシャンズちゃんにも取りたいんだけど…枠が足りなすぎる


◆Middle09◆世界中のこどもたちが

キングダム連合学院 グレートブリッジ


GM:ローレライ商船学校はキングダム学区内へと突入し、海賊王率いる旗艦は星徒コンスタンツェとの交戦を開始した。
GM:一方で、残る船団はキングダム全域へと散開して救助活動に当たった。特に輸送船団の一隻は、大ノヴァリス博物館を経由して、学区境のグレートブリッジへと向かう。
GM:グレートブリッジに沿うように進撃を続ける星徒ララゴは、今回同時に降下した四体の大型星徒の中で、最も討伐が遅れた一体である。
GM:裏を返せば、最後まで残存するほどの強大さであった、と言えるだろう。
星徒ララゴ:白い異形の類人猿のような――あるいは鬼のような、翼を持つ巨体である。
星徒ララゴ:その歩みは遅いが、進むごとに捻くれた黒い槍が降り注ぎ、通り過ぎた跡地を壊滅させていく。
GM:他の星徒と同じく諸王級の戦力が複数投入されているが、いずれも返り討ちに遭っている。降下隊は、今からこの星徒を食い止めなければならない。
レナ・ルナール:「いやー」
レナ・ルナール:「いくらなんでもやばくない?あの子」
GM:空高くから見下ろすなら、グレートブリッジ上を移動する白い大きな点のようでもある。だが、その点の後ろに橋桁はない。
GM:おぞましい針の山じみた槍の林に埋め尽くされている。
嘴子原シェイル:「普通に首とか捻じ切られそう。……その前に辿り着けるかすら困難に見えるけど」
嘴子原シェイル:雨後の筍とは言うが、正しくその逆を目にする事があるとはね、なんて呟く。
齋藤リッコ:「流星体持ちの星徒が六体……何かの間違いじゃないかって思ってたけど……」
齋藤リッコ:「……あのレベルが六体ってこと?」
齋藤リッコ:「や……ヤバいなんてもんじゃないわよ~~!!」
レナ・ルナール:「よかった。リッコでもヤバイって思うレベルなんだ」
レナ・ルナール:「僕だけ怖がっているのかと…いや、リッコでもヤバいと思う時点でもっとヤバイ?」
齋藤リッコ:「ヤバくない星徒なんていないけど……流石に今回のはヤバいにヤバいを掛けて100ヤバいでしょ……!」
レナ・ルナール:「そっか~」
レナ・ルナール:「よかったね。シェイル」
嘴子原シェイル:「ヤバいのが分からないケースもヤバいけど……」
嘴子原シェイル:「……それを超えてヤバいと分からせてくるやつって、基本もっとヤバいよね」語彙の低下
レナ・ルナール:「リッコのお墨付きだ。これを倒せば英雄の道が開けるよ」
嘴子原シェイル:「……期待が重いなぁ……!!」
GM:その時ふと、夜の市街地上空には似つかわしくない香りが届いた。
GM:花の匂いのように思える。

"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈……海賊部の船……不夜王が言っていた救援は、本当に来たのですね〉
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈番外第十七席、"霊樹王"のシャジャラ・ムバラカです〉花粉を通じた魔術通信のようであった。
齋藤リッコ:(生霊樹王だ……!生ではない……)過激なビラでよく見ていた名前に静かに興奮している
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈他の者はほとんど倒れましたが〉
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈辛うじて、この星徒の侵攻速度を抑えている状況です。……私が隙を作ったタイミングで降下できますか?〉
嘴子原シェイル:「……ここまで来て逃げ出すわけにもいかないしね」
嘴子原シェイル:恐怖で冷え、熱を失いかけた身体に再び渇を入れる
嘴子原シェイル:「一番成功率が高い方法に縋るよ。こちらからもお願いしたい」
レナ・ルナール:「こっちはいけるよ」
レナ・ルナール:「っていうか、隙を作ってくれないと絶対降りられないかも」
齋藤リッコ:「うん。願ってもないわ」
齋藤リッコ:「早いとこ止めないと……キングダムが滅茶苦茶だもんね」
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈お願いします。一度しかできないことですので〉
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈……荒れてみだれよ……!〉
"霊樹王"シャジャラ・ムバラカ:〈テルペリオン!!〉
GM:ザバ、という小さな水音が、遥か眼下から響いた。
星徒ララゴ:星徒ララゴは、僅かに体勢を乱した――大橋を貫くような大樹が、水面下から突如として成長したからだ。
嘴子原シェイル:「──今だ。飛べるかい!?」
嘴子原シェイル:扉の外へ半身になって飛び出しかけながら、後ろへまっすぐ手を伸ばす
レナ・ルナール:「君が行くなら、いつでも」
レナ・ルナール:シェイルの手を握り、空に身を投げる
嘴子原シェイル:「……よし、掴まっていてね」
嘴子原シェイル:首に手を回されたまま、その背を抱いて翼を畳んだ鳥のように急降下する
嘴子原シェイル:「あっリッコは頑張ってね。たぶん何とかできるだろう?」
齋藤リッコ:「あ、う、うん……」
齋藤リッコ:(ず……ずっとイチャイチャしてるな~……!)
齋藤リッコ:ちょっとドキドキしている。《アップドラフト》で強烈な上昇気流を作り出し、着陸をサポートしつつ後に続く。
星徒ララゴ:大樹が破砕され、沈められていくのは、3人の急降下とほとんど同時だ。
星徒ララゴ:地上にいたはずのシャジャラ・ムバラカの姿はない。今しがたの破壊に巻き込まれたか、
星徒ララゴ:あるいは、後ろに続く黒い槍の林のどこかに沈んでいるか、どちらかだろう。
レナ・ルナール:「霊樹王の切り札すら一瞬で…!」
嘴子原シェイル:「王鍵の解放ですら、破壊規模に拮抗しきれないのか……!」
嘴子原シェイル:重力を逆向ける術式で墜落しないよう減速する最中、広がっている風景を見下ろすも
嘴子原シェイル:拘束どころかより破壊痕が増した惨状をありありと痛感させられる。
齋藤リッコ:「一人で挑んだらあたし達もすぐやられちゃうわ。タイミング合わせて、全員で一気に仕留めましょう」
齋藤リッコ:(とはいえそうするなら……正直もうちょっと人手が欲しいところだけどな……!)
レナ・ルナール:「了解。だけど」
レナ・ルナール:(間に合うか。地面に到達するまでの時間が、長い…!)
星徒ララゴ:星徒ララゴは、新たな障害を認識する。それは3人が着地するまでの一瞬に過ぎないが
星徒ララゴ:この規模の星徒に無防備を晒すには、あまりにも長い時間だ。
星徒ララゴ:霊樹王は既に、相当な消耗をしていたはずだ。足止めできた時間は、これが限界だったということになる。
星徒ララゴ:ララゴはいつの間にか、槍を掴んでいた。槍を取った動作がなかったのにも関わらず。
星徒ララゴ:3人の内、1人は着地前に落とされる――それは確かだった。
齋藤リッコ:「ヤバい!来る来る来る!!」
GM:――ジ ッ !!!
GM:空気が摩擦して発火する、電流のような音が通過する。
GM:槍が齋藤リッコを撃ち落とし……
フローレンス・アシュモール:その寸前に、眩い一条の輝きが、天より落下する。
フローレンス・アシュモール:ダイヤモンドカットを模した神聖二重冠の軌跡が槍の軌道上に割り込む。
星徒ララゴ:夜空に引かれた炎の線が、逸れた。遠くからはさらにはっきりと見えただろう。
フローレンス・アシュモール:海賊部の砲を用い、力技で自由落下に追い付いたその姿は。
フローレンス・アシュモール:「――さだめよ」
フローレンス・アシュモール:「『財禍賜わすリテパデウ』」

フローレンス・アシュモール:絢爛なる金剛石の鎧と盾を持ち、確定された破壊を食い止めた。
GM:氷か、金属が打ち合わさったような音は、遅れて響いた。
フローレンス・アシュモール:「大ノヴァリス博物館学芸員、フローレンス・アシュモール。及ばずながら助太刀致します」
齋藤リッコ:「ロー……金剛公デューク・アーマメント!?」
レナ・ルナール:「めちゃくちゃにはめちゃくちゃだね!助かった!」
嘴子原シェイル:「はは……」
嘴子原シェイル:「……やっぱりとんでもないな、王様っていうのは」
フローレンス・アシュモール:「皆様については海賊部の方から聞き及んでおります」
齋藤リッコ:「助かったし、助かるわ!ありがとう……!」
フローレンス・アシュモール:「こちらこそ、キングダムの窮地に駆け付けていただいて、ありがとうございます」微笑む
嘴子原シェイル:「……いや、こっちこそ。窮地を救う前に危うくゲームオーバーになるところだった」
レナ・ルナール:「ありがとう!略奪博物館の偉い人!」
嘴子原シェイル:「レナ、私の作品取られたことまだ怒ってる?」
フローレンス・アシュモール:「略奪……否定はできませんが。偉い人というのは誤りです」
フローレンス・アシュモール:「今の私は一学芸員にすぎませんので」
星徒ララゴ:金剛公だけではない。地上では既に、星徒ララゴへと追撃を仕掛けている者がいた。
星徒ララゴ:霊樹王が撃破されたとしても、これまで地上でララゴを食い止め続けていたキングダムの戦力は彼女だけではない。
久世川リンゼ:投槍直後のララゴの上腕を狙い撃つように、一筋の光閃が地上より放たれ貫通する

星徒ララゴ:その閃光で、ララゴの追撃の手は再び、一瞬だけ止まった。
星徒ララゴ:精密な斬撃だ。肉体を削るような攻撃ではない。そうした傷をララゴに与えてしまえば、むしろ致命的な反撃を受けることが分かっている。
星徒ララゴ:それは正確無比な、足止めのための攻撃である――
久世川リンゼ:降下部隊の一団が地上に降り立つよりも以前から、地上ではグレートブリッジを照らし出すように無尽蔵に閃光が駆け巡っていた
久世川リンゼ:星徒ララゴの討伐ではなく注意を引き付け侵攻を遅滞させることを目的とし、彼女は正面より相対し剣を振るい続けている
レナ・ルナール:「シェイル、リッコ。このままいける?」
レナ・ルナール:「ごめん。嘘ついた。このまま行こう。少しでも躊躇ったら、押し切られる」
齋藤リッコ:「勿論!」叫んで「クッション作るわ。シェイルちゃん、加速して!」
嘴子原シェイル:「ああ……まさかの諸王級戦力、その上限スレスレの二人を寄越してくれたんだ」
嘴子原シェイル:「……そんな戦力をつぎ込んででも同時に叩くべきだって、ある種の賭けを。それを逃すわけにはいかない」
齋藤リッコ:下方、着地点に魔眼を展開、急速に大量の雪が生成される。
嘴子原シェイル:有難く勢いを殺す分の駆動術式を切り、その分を戦況把握に努める。
レナ・ルナール:シェイルにしがみついたまま着地に備える。
GM:4人はグレートブリッジ上へと着地する。視界の一面が白い。それだけの巨体が見下ろしている。

レナ・ルナール:「でっかーい…」
星徒ララゴ:流星体が逸脱して肥大化した星徒の例に漏れず、星徒ララゴは、人間であった頃の理性を失っている。
星徒ララゴ:だが彼女は、死の間際の思考に錯乱しているわけではない。
星徒ララゴ:寡黙に、制止不能な力で、キングダムの解体を遂行している。
星徒ララゴ:「報いを」
星徒ララゴ:か細い声で呟く。
フローレンス・アシュモール:「……」報い。その言葉から生前の彼女に想いを馳せる。
フローレンス・アシュモール:「確かに、キングダムは報いを受けるべき罪を重ねてきたのかもしれません」
フローレンス・アシュモール:「ですが、それを贖う術は、このような破壊であるべきではない」
フローレンス・アシュモール:「キングダムは変わっています。今、この時も」
フローレンス・アシュモール:「変わって行くこの国が、変わるまでの時を守る。それが既に王でなき我が身に課した誇りです」
フローレンス・アシュモール:「――ここから先へ進むのは、ご遠慮願います」

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:全員、6d10の侵蝕率上昇をお願いします。
嘴子原シェイル:6d10
DoubleCross : (6D10) → 30[3,10,2,4,6,5] → 30

フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を6D10(→ 28)増加(42 → 70)
久世川リンゼ:34+6d10
DoubleCross : (34+6D10) → 34+14[1,2,4,4,1,2] → 48

嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を30増加(34 → 64)
齋藤リッコ:35+6D10
DoubleCross : (35+6D10) → 35+37[9,1,8,9,8,2] → 72

『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:6d10+31
DoubleCross : (6D10+31) → 34[2,8,6,8,8,2]+31 → 65

久世川リンゼ:ひ、ひくい
GM:リンゼさん……!?
レナ・ルナール:間違えた
齋藤リッコ:高いな~

   星徒ララゴ[4]

     10m

  シェイル[14/64]レナ[4/65]
  リッコ[6/72]リンゼ[18/48]
   "金剛公"[7/70]

■ラウンド1

GM:セットアップを開始しますが、Eロイスをここで使用します。
星徒ララゴ:『衝動侵蝕』。全員に衝動判定が発生します。難易度は9です。
齋藤リッコ:ウギャアアア
久世川リンゼ:なんだとぉ……
フローレンス・アシュモール:くっ……
レナ・ルナール:ぎゃん
嘴子原シェイル:カバー役が多い中で……
齋藤リッコ:5DX+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 5[1,3,3,4,5]+1 → 6 → 失敗

齋藤リッコ:ウソ!?
齋藤リッコ:72+2D10
DoubleCross : (72+2D10) → 72+16[7,9] → 88

齋藤リッコ:高い!!!!
嘴子原シェイル:(1+3+1)dx+1+2>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[2,2,5,5,10]+4[4]+3 → 17 → 成功

嘴子原シェイル:2d10
DoubleCross : (2D10) → 9[4,5] → 9

嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を9増加(64 → 73)
久世川リンゼ:2dx+3>=9
DoubleCross : (2DX10+3>=9) → 5[2,5]+3 → 8 → 失敗

久世川リンゼ:48+2d10
DoubleCross : (48+2D10) → 48+16[8,8] → 64

久世川リンゼ:暴走します!
『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 9[3,5,9]+1 → 10 → 成功

レナ・ルナール:間違えすぎ
レナ・ルナール:2d10+65
DoubleCross : (2D10+65) → 10[1,9]+65 → 75

レナ・ルナール:まあよし
フローレンス・アシュモール:4dx+5>=9
DoubleCross : (4DX10+5>=9) → 8[7,8,8,8]+5 → 13 → 成功

フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を2D10(→ 5)増加(70 → 75)
星徒ララゴ:セットアップはありません。
レナ・ルナール:≪夢の雫≫
レナ・ルナール:リッコちゃんの達成値を上げて暴走を防ぎます。
齋藤リッコ:ありがとうございます!暴走回避します
GM:OK!他にセットアップ行動がある方はやっちゃって
フローレンス・アシュモール:コーリングシステム。金剛乗騎(対オーヴァード装甲車)に搭乗。
フローレンス・アシュモール:行動値1になります。
嘴子原シェイル:私もコーリングシステム起動 敵一体だけど乗っておこう 飛行状態に
齋藤リッコ:セットアップはなし!侵蝕がギリギリ
レナ・ルナール:活性の霧いる人~
久世川リンゼ:欲しいでーす
フローレンス・アシュモール:欲しい~
嘴子原シェイル:あれば欲しいです~
齋藤リッコ:いります~
久世川リンゼ:ハウスオブデモンズを使用、シーン登場キャラクターの行動値を+5します。対象は味方PC全員
GM:つ、つええ~
レナ・ルナール:≪活性の霧≫≪アクセル≫→≪タブレット≫≪多重生成≫ 対象はリンゼ・フローレンス・シェイル・リッコ
齋藤リッコ:やべ~~
GM:ウワアアアア
フローレンス・アシュモール:すげー!
レナ・ルナール:攻撃力+9,行動値+10、ドッジダイス-2
嘴子原シェイル:やった~ 色んなバフが飛んでくる
久世川リンゼ:やった~
GM:GMをやっていて最も恐ろしいバフ効果、行動値操作
嘴子原シェイル:計15上昇
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルのイニシアチブを15増加(14 → 29)
GM:レナ以外は行動値15上がって、レナも行動値5上がってるの?
フローレンス・アシュモール:行動値16になります。遅くなって早くなった
GM:バケモノじゃないか……
久世川リンゼ:行動値33となります
レナ・ルナール:あがってるっぽい、やったー!
齋藤リッコ:6しかなかったのに21に……
嘴子原シェイル:ララゴくんは見た目に違わず足4なのに……
レナ・ルナール:侵蝕+9
GM:夢の雫と合わせて+12ですね

   星徒ララゴ[4]

     10m

  シェイル[29/73]レナ[9/87]
  リッコ[21/88]リンゼ[33/64]
   "金剛公"[16/75]

GM:では行動値33……33!?リンゼさんの手番です。
GM:現実感のなくなるPC行動値
久世川リンゼ:行動値33の久世川リンゼです
久世川リンゼ:マイナーアクションで《光芒の疾走》+《インフィニティウェポン》
久世川リンゼ:攻撃力+16の武器を作成し戦闘移動します。星徒ララゴのエンゲージに突入
久世川リンゼ:侵蝕率68
GM:攻撃前に、お忘れではありませんか?
GM:星徒は侵星魔法冠を発動しています
久世川リンゼ:あっ
GM:せっかく5人もキャラがいるので、二重冠のリソースは潤沢でしょうがね……
レナ・ルナール:では
レナ・ルナール:二重冠効果使用権を放棄して
レナ・ルナール:このラウンドの侵星魔法冠を解除します!
レナ・ルナール:このラウンドで決めろ!!!みんな!!!
齋藤リッコ:ありがたすぎ!
久世川リンゼ:ありがとう~~
嘴子原シェイル:ありがとうございます!
フローレンス・アシュモール:ありがとうございます……!
GM:なんということだ……リンゼさん、処理の続きをどうぞ!
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》、対象は星徒ララゴ
久世川リンゼ:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,2,4,5,5,6,7,8,9]+10[3,5,10]+3[3]+6 → 29

星徒ララゴ:《グラビティガード》《棘の獣身》。
久世川リンゼ:ぎゃー!
星徒ララゴ:ダメージをお願いします。
齋藤リッコ:ウワアアアア!!
久世川リンゼ:すみません、ダメージいくつでしょうか!!
レナ・ルナール:泣いちゃう!!
星徒ララゴ:棘の獣身のダメージは
星徒ララゴ:9d10です。星徒なのでレベルは7あります
久世川リンゼ:ひ~ん
嘴子原シェイル:ひええぇ~~
久世川リンゼ:あっこれは私が振って良い感じでしょうか?
星徒ララゴ:あ、これはガード宣言しただけなので
星徒ララゴ:ダメージを振っていただいてから
星徒ララゴ:こちらでエネミー側のエフェクトのダイスを振ります
久世川リンゼ:すみません、失礼致しました!! 改めてダメージロール
久世川リンゼ:3d10+16+15+2d10
DoubleCross : (3D10+16+15+2D10) → 17[6,9,2]+16+15+18[8,10] → 66

星徒ララゴ:66-7d10 ガード分減衰
DoubleCross : (66-7D10) → 66-46[3,10,2,7,9,9,6] → 20

星徒ララゴ:9d10 反撃ダメージ
DoubleCross : (9D10) → 46[3,6,1,6,4,8,5,5,8] → 46

久世川リンゼ:HP0! リザレクトします
久世川リンゼ:64+1d10
DoubleCross : (64+1D10) → 64+5[5] → 69

久世川リンゼ:攻撃分の侵蝕率と合わせて75、手番以上です

   星徒ララゴ[4]
   リンゼ[33/75]

     10m

  シェイル[29/73]レナ[9/87]
    リッコ[21/88]
    "金剛公"[16/75]

GM:次の手番は行動値29……嘘でしょ……シェイルちゃんです
久世川リンゼ:本当にすみません! 活性の霧分のダメージが加算されていませんでした、 66+9でダメージ75点でお願いします!
GM:9点追加でダメージを入れました!次のイニシアチブです!
嘴子原シェイル:待機します
GM:OK。それでは行動値21、齋藤リッコ。
GM:(フルネーム呼び)
齋藤リッコ:齋藤リッコです!
GM:林藤はるかです!みたい
齋藤リッコ:イニシアチブで《時間凍結》 行動手番を得ます!
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を5増加(88 → 93)
星徒ララゴ:グロロ~ッ!小癪な~ッ
齋藤リッコ:マイナーで戦闘移動、星徒ララゴにエンゲージ

   星徒ララゴ[4]
   リンゼ[33/75]
   リッコ[21/93]

     10m

  シェイル[29/73]レナ[9/87]
    "金剛公"[16/75]

齋藤リッコ:メジャーでコンボ【輝かざる星】
齋藤リッコ:《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《氷炎の乱舞》
齋藤リッコ:対象は星徒ララゴです
星徒ララゴ:COME ON……
星徒ララゴ:THIS WAY
齋藤リッコ:7DX7+10
DoubleCross : (7DX7+10) → 10[1,1,2,2,7,7,9]+10[2,4,8]+10[7]+3[3]+10 → 43

星徒ララゴ:《グラビティガード》《棘の獣身》。ガードします。
齋藤リッコ:ひえ~~ ダメージ!
齋藤リッコ:5D10+30
DoubleCross : (5D10+30) → 22[10,1,6,4,1]+30 → 52

齋藤リッコ:そうだ活性!
齋藤リッコ:61点です
星徒ララゴ:61-7d10 ガード軽減
DoubleCross : (61-7D10) → 61-30[3,2,1,10,1,5,8] → 31

星徒ララゴ:9d10 反撃
DoubleCross : (9D10) → 44[6,1,3,9,3,8,3,6,5] → 44

齋藤リッコ:ぎえ~~~
齋藤リッコ:HP0!リザレクトします
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(93 → 97)
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10増加(97 → 107)
齋藤リッコ:そして通常手番が来ますが、こちらは待機します。
GM:了解です。フローレンス金剛公の手番。
フローレンス・アシュモール:マイナーで戦闘移動、ララゴちゃんに接敵します

   星徒ララゴ[4]
   リンゼ[33/75]
   リッコ[21/107]
   "金剛公"[16/75]

     10m

  シェイル[29/73]レナ[9/87]

フローレンス・アシュモール:そして神聖二重冠効果も使用!
フローレンス・アシュモール:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
フローレンス・アシュモール:計算の結果、侵蝕を41上昇させ、攻撃力を82増やします
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を41増加(75 → 116)
フローレンス・アシュモール:メジャー:【賜わせ、我が敵に災禍を】《スキルフォーカス》《零距離射撃》 4(+db)dx+21 対象:単体 射程:至近 攻撃力+21 侵蝕4
フローレンス・アシュモール:7dx+21
DoubleCross : (7DX10+21) → 9[2,2,3,6,7,8,9]+21 → 30

星徒ララゴ:そういう切り札に対しては
星徒ララゴ:こっちもやることがあるんですよね。《時の棺》。
フローレンス・アシュモール:そんな~~~~~
レナ・ルナール:wwwww
齋藤リッコ:ウソだろ~~~!?
レナ・ルナール:この外道が~~~!!!
嘴子原シェイル:きっきさまーっ!
久世川リンゼ:お、おのれ
星徒ララゴ:星徒ララゴ容赦せん!
フローレンス・アシュモール:侵蝕だけ上げます……!
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を4増加(116 → 120)
GM:次はレナちゃんだ!どうする!
レナ・ルナール:ララゴのエンゲージまで移動して

   星徒ララゴ[4]
   リンゼ[33/75]
   リッコ[21/107]
   "金剛公"[16/120]
   レナ[9/87]

     10m

  シェイル[29/73]

レナ・ルナール:金剛公に≪止まらずの舌≫+≪さらなる力≫
レナ・ルナール:金剛王に意志で勝負を仕掛け、こっちが勝ったらなんらかの真実を告白させつつ
レナ・ルナール:あとなんか再行動させます。
GM:副作用がイヤ
レナ・ルナール:この判定はリアクション放棄してわざと負けてもらうことって出来ましたっけ?
GM:ルール的にはそういう処理なかったように思うんですけど
GM:いいんじゃないかな~と思います
レナ・ルナール:あざす!じゃあこのまま判定!
GM:よっぽどじゃないと成功すると思いますし、うっかり勝っちゃったみたいなことになるのも変だから
レナ・ルナール:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 8[1,4,6,8]+1 → 9

フローレンス・アシュモール:ではリアクション放棄します
フローレンス・アシュモール:全てをお話します……
レナ・ルナール:そんなことより大砲ぶっぱして!!
レナ・ルナール:侵蝕+8
星徒ララゴ:大砲より動画投稿して!
星徒ララゴ:黒背景に白文字だけのサムネの
フローレンス・アシュモール:大砲を撃ちます
フローレンス・アシュモール:ということで未行動になったので再び手番もらいます!
星徒ララゴ:そんな!?これまで見ていた暴露動画は!?
フローレンス・アシュモール:あの世でゆっくり見るんだな
フローレンス・アシュモール:マイナー:炸裂徹甲弾使用。メインプロセス中攻撃力+1d10
フローレンス・アシュモール:メジャー:【賜わせ、我が敵に災禍を】《スキルフォーカス》《零距離射撃》 4(+db)dx+21 対象:単体 射程:至近 攻撃力+21 侵蝕4
フローレンス・アシュモール:7dx+21
DoubleCross : (7DX10+21) → 10[2,7,9,10,10,10,10]+3[1,2,2,3]+21 → 34

星徒ララゴ:う~~ん、とある理由で本当に何もできない
フローレンス・アシュモール:あ、すみません
星徒ララゴ:ガードできないというだけではないのですが、ドッジします
フローレンス・アシュモール:この達成値、低い経験点のデータを参照していました
星徒ララゴ:なんやて
星徒ララゴ:差分はなんぼくらいや
フローレンス・アシュモール:固定値28なので、7増えて41になります!
星徒ララゴ:15dx+3>=41
DoubleCross : (15DX10+3>=41) → 10[1,1,1,1,4,5,5,5,6,6,7,8,9,10,10]+8[1,8]+3 → 21 → 失敗

星徒ララゴ:回ったがダメ!
レナ・ルナール:あぶね~~
嘴子原シェイル:回して来てるよ~~
久世川リンゼ:いけいけ!
フローレンス・アシュモール:ではダメージ!
フローレンス・アシュモール:5d10+21+1d10+1d10+9
DoubleCross : (5D10+21+1D10+1D10+9) → 30[3,3,10,4,10]+21+10[10]+1[1]+9 → 71

齋藤リッコ:ガード不可でこれは最高すぎる
フローレンス・アシュモール:1d10二つは炸裂徹甲弾とサイドリール分です
星徒ララゴ:グワーッ、ガード不可にこれは効く……!
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を4増加(120 → 124)
星徒ララゴ:71点をガッツリ受けました。
星徒ララゴ:だが、ここからは君たちが恐怖する番だ……
星徒ララゴ:行動値4、星徒ララゴの手番です。
レナ・ルナール:ララゴ、知ってるよ
齋藤リッコ:来ないで!
久世川リンゼ:お、大人しくしてて
レナ・ルナール:君が本当は優しい子だって
星徒ララゴ:マイナーアクションで《魔眼槍》《巨神獣化》《ハンティングスタイル》。
星徒ララゴ:攻撃力27、ダメージ時に硬直を付与する武器を作成しながら
星徒ララゴ:シーン中白兵攻撃を+45しながら
星徒ララゴ:HPを+50しながら
レナ・ルナール:あ、あん?
齋藤リッコ:???????
嘴子原シェイル:こっちきた??!
星徒ララゴ:後方に9m戦闘移動します。
嘴子原シェイル:えっ後ろ!?
フローレンス・アシュモール:下がった!?
久世川リンゼ:嘘だろ!!
齋藤リッコ:逃げるなァァァ
星徒ララゴ:いや、どっちでもよかった。
嘴子原シェイル:引き撃ちゴリラなのきみ!??
星徒ララゴ:前方に9m戦闘移動します。
フローレンス・アシュモール:進んだ!
レナ・ルナール:おいおいおいおい!!
齋藤リッコ:来るなァァァ

   リンゼ[33/75]
   リッコ[21/107]
   "金剛公"[16/124]
   レナ[9/95]

     9m

   星徒ララゴ[4]

     1m

  シェイル[29/73]

星徒ララゴ:いや!すいません!
星徒ララゴ:マイナーで重要なエフェクトを使うのを忘れていました。
星徒ララゴ:こいつは《リミテッドイモータル》を持っています。HPを18回復します。
星徒ララゴ:メジャーアクションに入ります。
レナ・ルナール:wwwww
星徒ララゴ:《コンセントレイト:キュマイラ》《吹き飛ばし》《重力の手枷》《因果歪曲》《パラドックス》《ワールドデストラクション》。
星徒ララゴ:《ワールドデストラクション》により射程は視界になり
星徒ララゴ:《因果歪曲》《パラドックス》で対象は5体になります。
齋藤リッコ:わ~あたし達ちょうど5人だわ
星徒ララゴ:ダメージ時14m移動し硬直しシーン中すべての判定ダイスが-2個する全体攻撃です。
齋藤リッコ:お待ちください!
星徒ララゴ:ナンデショウ
星徒ララゴ:これからわたくしは皆さんを蹂躙するのに忙しいのですが……
フローレンス・アシュモール:《砂塵の帳》 攻撃を失敗させる。 侵蝕7
星徒ララゴ:なんだあっ
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を7増加(124 → 131)
星徒ララゴ:おのれ金剛公
GM:許せぬ……!手番は待機ルールに従いリッコちゃんのものになります。
齋藤リッコ:齋藤リッコⅡです!
GM:完成していたのか……
齋藤リッコ:マイナーで戦闘移動 再度ララゴにエンゲージします

   リンゼ[33/75]
   "金剛公"[16/124]
   レナ[9/95]

     9m

   リッコ[21/107]
   星徒ララゴ[4]

     1m

  シェイル[29/73]

齋藤リッコ:メジャーで《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《氷炎の乱舞》+《プラズマカノン》
齋藤リッコ:星徒ララゴに攻撃します
齋藤リッコ:Dロイス守護天使も使おう!
齋藤リッコ:16DX7+10
DoubleCross : (16DX7+10) → 10[1,1,1,2,4,7,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,2,3,4,5,6,6,8,9,10]+10[4,10,10]+10[10,10]+5[3,5]+10 → 55

星徒ララゴ:《グラビティガード》《棘の獣身》。
星徒ララゴ:ガードしました。今後は《魔眼槍》のガード値も乗ります。
齋藤リッコ:ウギャ~~~ ダメージ!
齋藤リッコ:6D10+66+9
DoubleCross : (6D10+66+9) → 27[2,5,10,3,5,2]+66+9 → 102

星徒ララゴ:102-7d10-5
DoubleCross : (102-7D10-5) → 102-52[9,6,6,9,6,7,9]-5 → 45

星徒ララゴ:9d10 反撃
DoubleCross : (9D10) → 53[6,7,9,3,4,6,9,1,8] → 53

齋藤リッコ:固すぎる!!
齋藤リッコ:痛すぎる!!
齋藤リッコ:100を越えているので死ぬしかない ノヴァリスへの固定ロイスを昇華して復活します。
星徒ララゴ:あと一回しか復活できないねえ
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を15増加(107 → 122)
GM:最後の手番はシェイルさんです
嘴子原シェイル:ジェネシフトするしかないか……!マイナーで2d10ジェネシフトします たのむ……
嘴子原シェイル:2d10
DoubleCross : (2D10) → 5[4,1] → 5

嘴子原シェイル:うえ~~ん
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を5増加(73 → 78)
レナ・ルナール:シェイル~~~!!
嘴子原シェイル:日和った代価を甘んじて受けよう…… メジャー、《ギガンティックモード》+《コンセントレイト》
嘴子原シェイル:ララゴに射撃攻撃
レナ・ルナール:援護の風+ウィンドブレス
レナ・ルナール:達成値+9、ダイス+5
嘴子原シェイル:ありがとうレナ~~
嘴子原シェイル:(7+1+5)dx+14+9
DoubleCross : (13DX10+23) → 10[1,2,4,7,7,7,8,8,9,9,9,10,10]+7[7,7]+23 → 40

星徒ララゴ:ガードが可能な限りは《グラビティガード》《棘の獣身》だぜ
嘴子原シェイル:ではそのままダメージ 活性の+9込みで……
嘴子原シェイル:5d10+5+2d10+9
DoubleCross : (5D10+5+2D10+9) → 40[10,7,9,9,5]+5+7[4,3]+9 → 61

星徒ララゴ:61-7d10-5 ガード
DoubleCross : (61-7D10-5) → 61-22[5,2,7,1,1,3,3]-5 → 34

嘴子原シェイル:装甲-5扱い、武器が破壊されます
星徒ララゴ:34ダメージ。
星徒ララゴ:9d10 反撃
DoubleCross : (9D10) → 59[4,9,4,9,7,8,9,5,4] → 59

嘴子原シェイル:痛すぎ!HP0になって《リザレクト》!
嘴子原シェイル:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を4増加(78 → 82)
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルのHPを4に変更(25 → 4)
GM:ラウンド終了です。

   リンゼ[33/75]
   "金剛公"[16/124]
   レナ[9/99]

     9m

   リッコ[21/122]
   星徒ララゴ[4]

     1m

  シェイル[29/82]

■ラウンド2

星徒ララゴ:セットアップはありませんが、再び『衝動侵蝕』を使用します。
齋藤リッコ:ウソだろ~~!?!?
フローレンス・アシュモール:ひえ~~~
星徒ララゴ:難易度は9。衝動判定です。
嘴子原シェイル:ま、またぁ!?
レナ・ルナール:wwwwww
レナ・ルナール:ひでー
星徒ララゴ:ちなみに他の大型星徒と同じく星徒以外のEロイスは3つずつ持っているので
星徒ララゴ:次のラウンドにも衝動侵蝕は使うつもりです。
フローレンス・アシュモール:6dx+5>=9
DoubleCross : (6DX10+5>=9) → 9[2,4,5,6,7,9]+5 → 14 → 成功

フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールの侵蝕率を2D10(→ 10)増加(131 → 141)
齋藤リッコ:7DX+1>=9
DoubleCross : (7DX10+1>=9) → 10[3,4,5,5,5,9,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

齋藤リッコ:ピッカァ~~!!
齋藤リッコ:122+2D10
DoubleCross : (122+2D10) → 122+11[10,1] → 133

嘴子原シェイル:(1+2)dx+1+2>=9
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 6[2,5,6]+3 → 9 → 成功

嘴子原シェイル:2d10
DoubleCross : (2D10) → 17[10,7] → 17

嘴子原シェイル:嘴子原シェイルの侵蝕率を17増加(82 → 99)
レナ・ルナール:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 10[7,7,9,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

レナ・ルナール:2d10+99
DoubleCross : (2D10+99) → 2[1,1]+99 → 101

レナ・ルナール:うますぎ
久世川リンゼ:3dx+3>=9
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 8[6,8,8]+3 → 11 → 成功

久世川リンゼ:75+2d10
DoubleCross : (75+2D10) → 75+7[1,6] → 82

GM:セットアップで動く方は処理していくとよいでしょう。
フローレンス・アシュモール:セットアップありません
齋藤リッコ:セットアップなし!
嘴子原シェイル:ありません
『キングダムの"王"(予定)』たる不夜王:今金剛王の行動値いくつです?
フローレンス・アシュモール:今141です
レナ・ルナール:いや、行動値
フローレンス・アシュモール:あ、行動値か
フローレンス・アシュモール:1です
レナ・ルナール:じゃあアクセルかますか。
レナ・ルナール:≪活性の霧≫≪アクセル≫→≪タブレット≫≪多重生成≫ 対象はリンゼ・フローレンス・シェイル・リッコ
フローレンス・アシュモール:うおおお! 行動値11!
レナ・ルナール:攻撃力+12、行動値+12、ドッジダイス-2
フローレンス・アシュモール:あ、侵蝕増えてるから行動値13!
久世川リンゼ:ありがとうございます! 行動値+12で30!
齋藤リッコ:更に上がってる!行動値19です
レナ・ルナール:侵蝕+9
嘴子原シェイル:ありがとうございます!前ラウンドの+5バフ切れてるから26だ
嘴子原シェイル:嘴子原シェイルのイニシアチブを26に変更(14 → 26)
GM:それでもバケモノみたいな行動値なんですけど
久世川リンゼ:行動はなし
レナ・ルナール:a,
レナ・ルナール:なんでもないです!このままGO!!

   リンゼ[30/82]
   "金剛公"[13/124]
   レナ[4/99]

     9m

   リッコ[19/122]
   星徒ララゴ[4]

     1m

  シェイル[26/82]

GM:では行動値30のリンゼさんから……と言いたいのですが
レナ・ルナール:なんだとお…
星徒ララゴ:《時間凍結》。
レナ・ルナール:wwwwww
齋藤リッコ:ぐあああああ
久世川リンゼ:ぎゃあ
嘴子原シェイル:バロールだもんなぁ……!
レナ・ルナール:やめてーーー!!
フローレンス・アシュモール:なにぃ……!
星徒ララゴ:何もなければ行動します。
レナ・ルナール:な、なんもできないっす…
星徒ララゴ:ところで、先程マイナーアクションで重要なエフェクトをお教えしましたね
星徒ララゴ:《リミテッドイモータル》という、係数2で回復するだけのカスの一般エフェクトなんですが
星徒ララゴ:皆さんこのエフェクトのこと覚えてます?
星徒ララゴ:《ハンティングスタイル》《リミテッドイモータル》。
星徒ララゴ:前方に9m戦闘移動し
星徒ララゴ:HPを∞点回復します。
レナ・ルナール:???????????
齋藤リッコ:ウソだろ……?

   リンゼ[30/82]
   "金剛公"[13/124]
   レナ[4/99]

     9m

   リッコ[19/122]

     1m

  シェイル[26/82]

     8m

   星徒ララゴ[4]

星徒ララゴ:《巨神獣化》で50上昇しているHPの最大値に回復しました。
星徒ララゴ:《コンセントレイト:キュマイラ》《吹き飛ばし》《重力の手枷》《因果歪曲》《パラドックス》《ワールドデストラクション》。対象はPC全員。
星徒ララゴ:命中した場合、シーン中全ての判定ダイスが-2個(累積)され
星徒ララゴ:ダメージ時に
レナ・ルナール:泣いちゃうぞ!!
星徒ララゴ:∞m移動していただきます。硬直も加わります。
星徒ララゴ:攻撃判定も一応しますが、達成値は無限です。
星徒ララゴ:HPも10消費します。《ワールドデストラクション》は残り1回。
齋藤リッコ:お待ちになって!
星徒ララゴ:なんですか?
星徒ララゴ:これから私は皆さんを蹂躙するのに忙しいのですが……
齋藤リッコ:まだ巻き戻しが可能なら阻止を試みたいと思います
星徒ララゴ:え~~
星徒ララゴ:「何もなければ行動します」って確認取ったのにな
星徒ララゴ:いいよ♡
レナ・ルナール:優しい♡
齋藤リッコ:優し~♡

※上記の処理は幻覚だったことになりました

齋藤リッコ:神聖二重冠の効果を使用します。
齋藤リッコ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
齋藤リッコ:侵蝕率を6点上昇、HPを18点回復します
齋藤リッコ:HPは22に。
星徒ララゴ:何ィ~~ッ
星徒ララゴ:HPが22ぽっちに回復したからって
星徒ララゴ:こんなちっぽけなガキに何ができるっていうんだァ~?
齋藤リッコ:そして強制起動者を使用、《時間凍結》の回数を回復してそのまま使用します!
星徒ララゴ:なんだってェ――ッ!?
星徒ララゴ:だがイニシアチブエフェクト同士の処理順番は
星徒ララゴ:行動値順になるはず!
星徒ララゴ:私の行動値は4!
星徒ララゴ:そして斎藤リッコの行動値は……
星徒ララゴ:19!?
齋藤リッコ:私の行動値は……19まで上がっている!
齋藤リッコ:俺の時間凍結が上だッッ
星徒ララゴ:ギャアーッ!無限殺法の夢が!
齋藤リッコ:というわけで《時間凍結》!メインプロセスを得ます
齋藤リッコ:メインプロセスを得たので……
嘴子原シェイル:私の二重冠使用権を放棄して魔法冠を止めます!
齋藤リッコ:既に接敵しているのでそのまま攻撃します!
齋藤リッコ:メジャー《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》+《氷炎の乱舞》+《プラズマカノン》+《インフェルノ》
齋藤リッコ:対象は星徒ララゴ!ダメージが入ると行動済みになります
星徒ララゴ:貴様ァ~~~ッ!
星徒ララゴ:《グラビティガード》《棘の獣身》!せめて反撃ダメージで死ぬがいいわ!
齋藤リッコ:ここで外すわけにはいかん……!2回目のDロイス守護天使も起動します!
齋藤リッコ:17DX7+10
DoubleCross : (17DX7+10) → 10[1,1,1,3,3,6,6,8,8,9,10,10,10,10,10,10,10]+10[1,4,5,7,8,9,9,9,9,10]+10[1,3,3,3,4,5,9]+5[5]+10 → 45

レナ・ルナール:えら~
星徒ララゴ:ガード先に宣言しちゃいました。とにかくガードです。
齋藤リッコ:ダメージ!
齋藤リッコ:5D10+66+12
DoubleCross : (5D10+66+12) → 33[4,10,10,2,7]+66+12 → 111

星徒ララゴ:111-7d10-5 ガード
DoubleCross : (111-7D10-5) → 111-40[3,10,6,7,1,9,4]-5 → 66

星徒ララゴ:まずい、このラウンド全回復するから余裕だと思ったのに……!
星徒ララゴ:行動も終了してしまう!
齋藤リッコ:ダメージが通ったなら行動済みになります!
星徒ララゴ:9d10 反撃
DoubleCross : (9D10) → 43[9,6,1,10,1,1,6,5,4] → 43

齋藤リッコ:ぐあああああ HP2
星徒ララゴ:時の棺……金剛公に使うべきではなかった!
齋藤リッコ:小豆橋カノコへの固定ロイスを昇華して復活します。
星徒ララゴ:奴が私の計算を狂わせたのだ……!
フローレンス・アシュモール:ふふふ
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を19増加(133 → 152)

   リンゼ[30/82]
   "金剛公"[13/124]
   レナ[4/99]

     9m

   星徒ララゴ[4]
   リッコ[19/152]

     1m

  シェイル[26/82]

GM:手番は行動値30!リンゼさん!
久世川リンゼ:はい!
久世川リンゼ:マイナーアクションで戦闘移動、星徒ララゴのエンゲージに突入します

   レナ[4/99]

     9m

   リンゼ[30/82]
   星徒ララゴ[4]
   リッコ[19/152]

     1m

  シェイル[26/82]

久世川リンゼ:メジャーアクションに入る直前に神聖二重冠の効果の使用を宣言!
星徒ララゴ:おのれ神聖二重冠……!
久世川リンゼ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
GM:いつも神聖二重冠が我々ノドスの計画を乱す……!
久世川リンゼ:侵蝕率を+38、メインプロセス中の攻撃力を+76します
久世川リンゼ:侵蝕率120
GM:すいません!
GM:ここまで処理していただいて申し訳ないのですが
GM:さっきイニシアチブ処理を巻き戻したので、それに免じて
GM:時間凍結を使わせていただけないでしょうか?
GM:もちろんリンゼ様の侵蝕率は82にお戻ししますので……
久世川リンゼ:ええ~~?
久世川リンゼ:OKです♡
GM:優しい~♡

※上記の処理は幻覚だったことになりました

レナ・ルナール:やだ~~~~~!!!
久世川リンゼ:でも受けた義理は返さないと……
星徒ララゴ:というわけで上書きされて処理を忘れていた《時間凍結》の手番を実行します。
星徒ララゴ:ちゃんとHP20消費するから安心してね
嘴子原シェイル:誤差……!
齋藤リッコ:ヤッター(春麗)
星徒ララゴ:マイナーで《ハンティングスタイル》《リミテッドイモータル》。HPを18回復します。
久世川リンゼ:回復するじゃないか
星徒ララゴ:消費すると言っただけで
星徒ララゴ:回復しないとは言っていないが……?

   "金剛公"[13/124]
   レナ[4/99]
   リンゼ[30/82]

     9m

   リッコ[19/152]

     1m

  シェイル[26/82]

     8m

   星徒ララゴ[4]

久世川リンゼ:お、おのれ……
星徒ララゴ:9m前方に移動しました。
星徒ララゴ:メジャーアクションでも、先程予定していた通りの攻撃をします。
星徒ララゴ:すなわち《コンセントレイト:キュマイラ》《吹き飛ばし》《重力の手枷》《因果歪曲》《パラドックス》《ワールドデストラクション》。
星徒ララゴ:命中時全ての判定ダイス-2個(累積)、ダメージ時14m移動および硬直、HP10消費の
星徒ララゴ:5体対象攻撃です。
齋藤リッコ:待ちなさい……!
星徒ララゴ:なんですか?
星徒ララゴ:これから私は皆さんを蹂躙するのに忙しいのですが……
齋藤リッコ:ここは最早死に体の私が止めましょう 《時の棺》!
星徒ララゴ:ウギャアアアア―――ッッッッ!!
星徒ララゴ:齋藤リッコ……齋藤リッコ!
星徒ララゴ:こいつさえいなければ~~ッッッ
齋藤リッコ:逃がさん……お前だけは……
齋藤リッコ:齋藤リッコの侵蝕率を10増加(152 → 162)
嘴子原シェイル:ありがとう……!ありがとう……!
久世川リンゼ:ありがとう~~!
GM:お待たせしましたリンゼさんの手番!
GM:先程の行動をコピペしていただいて結構です!張り切ってどうぞ!
久世川リンゼ:はーい
久世川リンゼ:では改めて、マイナーアクションで戦闘移動、星徒ララゴのエンゲージに突入

   "金剛公"[13/124]
   レナ[4/99]

     9m

   リッコ[19/162]

     1m

  シェイル[26/82]

     8m

   リンゼ[30/82]
   星徒ララゴ[4]

久世川リンゼ:メジャーアクションに入る直前に神聖二重冠の効果の使用を宣言、侵蝕率を+38してメインプロセス中攻撃力を+76します。侵蝕率120
久世川リンゼ:メジャーアクションで《コンセントレイト》+《光の舞踏》+《咎人の剣》+《クリスタライズ》+《ストライクミラージュ》
久世川リンゼ:星徒ララゴに対してリアクション不可攻撃を敢行します!!
星徒ララゴ:ウグーッッッ
星徒ララゴ:実はですね……金剛公の時に仄めかしたのですが
星徒ララゴ:ララゴは《棘の獣身》だけじゃなくて
星徒ララゴ:《復讐の刃》も《迎撃する魔眼》も持ってるのよ……
齋藤リッコ:く……狂っている!!
久世川リンゼ:怖すぎ
星徒ララゴ:武器を作った今の状態からならたとえガード不可攻撃でも《復讐の刃》できるんですが
星徒ララゴ:リアクション自体を封じられると放棄するリアクションもないのだ!
星徒ララゴ:《ストライクミラージュ》だけは……弱点なのだ!!
レナ・ルナール:リア不、さいこ~~~!!
久世川リンゼ:やったぜ
久世川リンゼ:貴様はここで……倒す!!!!
久世川リンゼ:11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,3,5,6,6,6,6,8,8,9,9]+10[1,1,4,10]+5[5]+6 → 31

星徒ララゴ:リアクション……不可!!!
久世川リンゼ:それではダメージ!
久世川リンゼ:4d10+19+20+2d10+12+76+12
DoubleCross : (4D10+19+20+2D10+12+76+12) → 22[9,4,3,6]+19+20+19[10,9]+12+76+12 → 180

レナ・ルナール:やべ~
嘴子原シェイル:つよ……
久世川リンゼ:装甲無視も込み込み!くらえ!
齋藤リッコ:やった~~
星徒ララゴ:残りHPは85点でした。
星徒ララゴ:撃破されます!星徒ララゴ死亡!
レナ・ルナール:いよっしゃ~~~~!!!
齋藤リッコ:ハァ……ハァ……勝った……
フローレンス・アシュモール:やった~~~~~~!
久世川リンゼ:やった~~~~~!!!!
嘴子原シェイル:やった~~

GM:星徒ララゴの歩みは緩慢だが、止めることができない。橋が崩れ、水がかき分けられる轟音が響く。
GM:にも関わらず静かだ、と感じるのは、ララゴの後に続くように降り注ぐ、捻じれた黒色の槍の雨が
GM:一切の激突音を出さないためだ。一つ一つが家屋よりも巨大な槍が。
GM:ララゴが通り過ぎた後に巨大な墓標のように立ち並び、そこが『終わった』土地であることだけを示している。

星徒ララゴ:ララゴ自身は、立ちはだかる生徒を意識しているかどうかも不明だ。
星徒ララゴ:少なくとも今は、能動的な攻撃行動は取っていない。障害と認識するのをやめたからだ。
久世川リンゼ:縦横無尽に動き続けてきた彼女の両脚がブレーキを掛けるようにザッと止まる
久世川リンゼ:「……まさか貴公らが援軍として送り込まれてくるとは、海賊王も人が悪いな」
久世川リンゼ:「ウルスラと共にキングダムへと攻め込んだ反逆者二名。噂のリエゾンキラーに、フローレンス公まで寄こしてくるとは」
レナ・ルナール:「逆に海賊王の人が良かったことある?」
齋藤リッコ:「あなた……救伐騎士団の……!」
齋藤リッコ:(いや……そんな噂になってんの……!?)
フローレンス・アシュモール:「海賊王様は少々奔放なところもございますが、大局を見据えた判断のできるお方」
フローレンス・アシュモール:「私達が久世川様の助けになると彼女が判断された以上、ご期待に沿えるよう奮闘する所存です」
久世川リンゼ:「同感だ。海賊王が見定め、不夜王がそれを許容したのならば、そこに誤りなどそうそうあるまいよ」
嘴子原シェイル:「……ほんと、この顔ぶれだと、ちょっかいを出しにきた私達の方が助けられてる格好な気がしてきたよ」
久世川リンゼ:「ともあれだ。改めて名乗ろう。救伐騎士団捜査部隊長、"カンパニュラ"久世川リンゼ」
久世川リンゼ:「状況が状況だ、しがらみはこの際全て目を瞑ろう。背中は任せる、力を貸してくれ」
GM:リンゼの視線の先で、また一つ支柱が倒れた。
GM:倒壊に伴ってケーブルが引きちぎられる。橋桁と支柱の瓦礫が、川へと崩落していく音。
星徒ララゴ:星徒ララゴが眼前にいる――逃げることは簡単だ。
星徒ララゴ:しかしキングダムを防衛するのならば、誰か、、がこれを止める必要があった。
久世川リンゼ:呼吸を沈め、直剣を構える
久世川リンゼ:ここまでの久世川リンゼの立ち回りは、退けられた複数の諸王の奮戦とそれによって得られた解析を土台に成り立つものであった
久世川リンゼ:敵対者の攻撃行動に対し、半自動的に苛烈な反撃を繰り返す星徒ララゴ
久世川リンゼ:ここまで交戦を続けられたのは彼女が深入りを避け、防戦による時間稼ぎに徹していたからに他ならない
久世川リンゼ:星徒ララゴの反撃を超えて、倒し切れるだけの戦力が揃うことはここまで無かった。久世川リンゼは剣を振るいながらも、守るべき土地への後退を強いられ続けてきた
久世川リンゼ:────だが、既に戦力は揃った
久世川リンゼ:「貴様に退けられた同胞の無念は私が引き継ぐ。復讐戦といこうか、ララゴ・フォーモアナ」
星徒ララゴ:ララゴは、目のない顔面を前方に向けたままだ。
星徒ララゴ:だが、その手に黒い槍が召喚された。
星徒ララゴ:分厚い毛で覆われた表皮は、切りつけたとしてすぐに再生する。この深度を切りつけても、足を鈍らせる以上の意味はない。
星徒ララゴ:それよりも深くへの有効打を狙った使い手は、全員が倒れていった。
星徒ララゴ:久世川リンゼもまた、自らトリガーを引かなければならない。
久世川リンゼ:「……全員、目と耳を塞げ。焼かれたくなければな」
久世川リンゼ:戦力は揃っている。もはや、躊躇する理由など無い
久世川リンゼ:遠方より砲声が鳴る。遥か上空で放物線の軌跡を描くようにそれは飛来する
齋藤リッコ:「やばっ……!」すぐに前方に薄い氷壁を生成する。
久世川リンゼ:その直後、
久世川リンゼ:────────バンッッッッ!!!!
久世川リンゼ:放たれた照明弾の炸裂と共に、グレートブリッジは焼き付くかの如き閃光に包まれる
久世川リンゼ:「ここからの私は本気だ。侮るなよ、星徒ララゴ」
星徒ララゴ:「報いを」
星徒ララゴ:閃光の中で、星徒ララゴは既に動いている――リンゼはそれを知覚できる。
久世川リンゼ:(視界を塞げれば僥倖だったが、そこまで上手くはいかんか。まぁ良い)
久世川リンゼ:久世川リンゼもまた、同時にその足で駆け出している
久世川リンゼ:「侵星魔法冠の解除を!!」
レナ・ルナール:りん、と鈴の音を鳴らす。
レナ・ルナール:レナの二重冠が輝き、ララゴの動きを鈍らせる。
レナ・ルナール:「ついでに、皆にもちょっとだけ魔法をかけたよ」
GM:――無限の力を封じるために、別種の無限を拮抗させる。
GM:だが神聖二重冠を用いたその無限封じは永続するものではないことも、久世川リンゼはこれまでの戦闘で熟知している。
GM:自分が斬りつけるギリギリの一瞬まで発動を遅らせれば、後に続く者が戦える。
GM:まして、レナ・ルナールの魔法が作用した者達ならば。
レナ・ルナール:「ああ、でも。」
レナ・ルナール:「あんまり持ちそうにはないや」
レナ・ルナール:「だからみんな頑張ってね」
久世川リンゼ:「……ああ、随分と体が軽い。これが魔女の御業か」崩れ行く橋の残骸を蹴り上げ、空中へ飛び上がる
久世川リンゼ:「問題ない。瞬きの時があれば十分だ」
久世川リンゼ:「────"灯せ"」
星徒ララゴ:久世川リンゼの頭上を、薙ぎ払われた槍が通過する。
星徒ララゴ:レナ・ルナールによって高められた反応がなければ、間に合わなかったはずだ。
星徒ララゴ:この距離ならば届く、と分かる。
久世川リンゼ:救伐騎士団砲兵部隊によって投射された照明弾は、敵対者を晦ますことだけを目的とするものではない
久世川リンゼ:久世川リンゼの王鍵は周囲の光源を己の刃として支配下に置く力を持つ直剣である
久世川リンゼ:故に、一瞬で掻き消えるはずであった閃光は今、巨大な刃の奔流となって彼女の名の下に束ねられる
久世川リンゼ:「『白暁の遺剣オルドビス』!!」
久世川リンゼ:一筋の巨大な斬撃と化した閃光が、そして彼女自身が振るう純白の直剣の一振りが、同時に星徒ララゴの肉体に深い傷跡を刻み付ける!!
星徒ララゴ:さふ、という音があった。異常肥大した流星体からは想像もつかない音だ。
星徒ララゴ:だが、有効打であったことは分かる。星徒ララゴもその斬撃に対して槍を打ち返そうとしていたが……
星徒ララゴ:それも外れた。『白暁の遺剣』は一度の動作で攻撃と眩惑を両立する剣である。
フローレンス・アシュモール:(“光耀王”の輝きと剣技は健在――)金剛石の大盾をプリズムとして目を焼く閃光を拡散させながら観察する。
フローレンス・アシュモール:(否。魔術支援を差し引いても、現役時代よりもなお鋭さは増している)
星徒ララゴ:ただ、それで星徒ララゴの反撃を凌げたと表現するべきかどうか――
星徒ララゴ:「――」
星徒ララゴ:「報いを」
星徒ララゴ:  ゾッ
星徒ララゴ:――――バン!!!
レナ・ルナール:「…リンゼッッ!!」
久世川リンゼ:「ッ!!!!」
星徒ララゴ:リンゼの華奢な身体が、ララゴとの接触距離から弾き出された。
星徒ララゴ:ララゴ自身は腕の槍を振るってはいない。だが、槍が直撃した……
齋藤リッコ:「ッッそでしょ……何!?」
星徒ララゴ:……傷口から湧き出てきた、、、、、、のだ。正確に、傷を刻んだリンゼを狙って。
GM:星徒ララゴに狙撃は効かない。キングダムの防衛砲台もすべてが破壊された。
GM:これが理由だ。必ず、反撃を受ける。
レナ・ルナール:「自動反撃の術式…!?」
嘴子原シェイル:「金剛公が防げたから……実体があるからと、安心していた」
嘴子原シェイル:「まさかそんなところからまで……!」
フローレンス・アシュモール:「……なるほど、あの槍すらも」
フローレンス・アシュモール:「流星体の一部という訳ですか」
久世川リンゼ:「……知覚を超えて狙い撃ってくるか。避けようが無いな、これは」空中を蹴るように機動を変え、砕かれた支柱の上に着地する
星徒ララゴ:実体のない雨のように、ララゴが通過した跡に槍が降り注ぐ。
星徒ララゴ:下がりながら戦い続けるしかない。ララゴに前を行かれれば、あの中へと呑まれるのだ。
星徒ララゴ:もはや、久世川リンゼを『認識』した。
星徒ララゴ:両腕に召喚した槍を振るい、リンゼを叩き潰そうとする……
久世川リンゼ:「……やっとこちらを見たか。私はここにいるぞ、来い」
久世川リンゼ:大量の血を垂れ流し、リザレクトで再生しつつある肩部を意に介することなくララゴに剣を向け相対する
齋藤リッコ:それと同時、星徒へと走り出している。
齋藤リッコ:これまでの経験上、星徒、特に流星体を持つものの力は、たとえ侵星魔法冠が無くとも圧倒的だ。
齋藤リッコ:単純な出力のみならず、ジャーム化したその在り様は世界の形すら歪め、想像もつかない異常な法則で動いていることも珍しくない。
齋藤リッコ:多くの人手と時間を掛け、リザレクト、時には十字冠転送も視野に入れ、何度もトライアンドエラーを繰り返して能力と行動の法則性や弱点を探ったうえでの攻略が理想となる。
齋藤リッコ:そうして尚、星徒に挑むには多大な犠牲を払う死闘を覚悟しなくてはならない。
齋藤リッコ:だというのに──
齋藤リッコ:(最悪ね……)
齋藤リッコ:星徒ララゴの白い巨体を見遣る。
齋藤リッコ:今まさに市街地に侵攻されている以上、これ以上時間は掛けられない。
齋藤リッコ:神聖二重冠が起動している上、撒き散らされる衝動侵蝕を前に、リザレクトと十字冠転送もほぼ封殺。
齋藤リッコ:そして更に加えて、遠近を問わぬ強力な反撃。生半な攻撃すら許されない。
齋藤リッコ:(仮にあたしがキングダムの敵だとしても……こういう攻め手を考えるでしょうね)
齋藤リッコ:(生徒を倒すという目的に対して、すごく高度に完成されてる……兵器とか昆虫みたいに……)
齋藤リッコ:(一体、どれほどの憎悪があれば……こんな風になるっていうのよ……!?)
齋藤リッコ:星徒の生前に思いを馳せるのは一瞬。すぐに意識を切り替える。
齋藤リッコ:(今はとにかく……一つずつ試すしかない)
齋藤リッコ:(最小限の手数で正解に辿り着かないと、負ける──!)
齋藤リッコ:コートが翻り、周囲に星座の如く幾つもの魔眼が生まれ出でる。
齋藤リッコ:極低温の冷気が放たれ、橋上に放置された車両の窓ガラスが一斉に砕け散った。
齋藤リッコ:(超至近距離で)
齋藤リッコ:(死角から)
齋藤リッコ:(知覚外のタイミングで──!)
星徒ララゴ:星徒ララゴは久世川リンゼに照準を定め、襲いかかろうとしていた。ターゲットが別に存在する状況であればどうか。
星徒ララゴ:ララゴは、リンゼの方向を向いたまま
星徒ララゴ:巨腕が霞んだ。冷気と槍が衝突し、互いが互いを貫通した。
星徒ララゴ:ララゴの上腕が破壊的に凍結する。だが、それと同時に。
星徒ララゴ:音速に達する、家屋めいた全長の槍がリッコへと降る。
齋藤リッコ:「ッ……!!」
齋藤リッコ:一拍遅れて、路面が一直線に凍結する──その終点。
齋藤リッコ:ララゴの腹の下、上体を槍に穿たれたリッコの姿が、ゲームのバグめいて再出現する。
齋藤リッコ:「こいつッ……」
齋藤リッコ:時間停止による瞬間移動。反応出来ないはず、だった。
齋藤リッコ:「見えてる・・・・わね……!?」
星徒ララゴ:「……」視覚上、それまで存在していたリッコの姿に惑わされることもない。
星徒ララゴ:ガシャ、という音とともに、巨大な氷塊が落ちる。
星徒ララゴ:凍結して脱落した、星徒ララゴの肩の肉だった。
星徒ララゴ:もう片方の腕でその部位を引きちぎりながら、か細い声で呟く。
星徒ララゴ:「報いを」
GM:星徒ララゴに目は存在しない。久世川リンゼが指揮した閃光弾も――主目的は他にあったとはいえ――意味をなさなかった。
GM:彼女が知覚しているのは、可視光線や可聴音波などではない。根本的に敵意を感知して、正確に迎撃できるとしか思えない。
フローレンス・アシュモール:「――手傷を負っています」
フローレンス・アシュモール:(光の速度にも、知覚外からの攻撃にも反応する)
久世川リンゼ:「……可能性は高かったがとうとう実証されたな、実に厄介な相手だ」苦々しく呟く
フローレンス・アシュモール:「倒せない相手ではありません」
フローレンス・アシュモール:(ですが、手数を重ねればこちらの損耗が上回る)
フローレンス・アシュモール:「全く攻撃の通らない無敵の存在ではありません」
GM:星徒ララゴの特性はひどく単純だが、理解するだけで、生徒の心を折るに十分なものである。
GM:この巨大で、悪夢的な身体能力と再生能力を兼ね備える怪物を相手に
GM:生身の生徒が削り合い、、、、をしなければ倒せない、という事実。
フローレンス・アシュモール:(あまりに強大すぎる。以前にも星徒と戦ったことはありますが、出力に限ればその遙か上)
フローレンス・アシュモール:「――これは好機です」
フローレンス・アシュモール:「これから少し手間のかかる手を使います」
フローレンス・アシュモール:「レナールさん、妨害への備えをお願いできますか?」
フローレンス・アシュモール:手練手管にかけてはこの場で最も長けているであろう魔女に声をかける。
レナ・ルナール:「わかった」
レナ・ルナール:ここに至っては皮肉もユーモアも交える余裕はない。
レナ・ルナール:ただ短く金剛公の意思に応じる。
フローレンス・アシュモール:微笑みながら頷き、ララゴへと向き直る。
フローレンス・アシュモール:「――“我に試練を”」
フローレンス・アシュモール:『財禍賜わすリテパデウ』は、選ばれし勇士に試練と、それに見合った財を与える古代神リテパデウが化身した姿だ。
フローレンス・アシュモール:即ち、目の前の試練が強大であればある程に膨大な財を生み出す。
フローレンス・アシュモール:眼前の強大な星徒のみならず、キングダムに降りかかるこの危機を試練として定義すれば、無限の魔術触媒を生成することも可能だ。
フローレンス・アシュモール:そして、フローレンスはそれを用いた宝石魔術によって、万物創造にすら迫る。
フローレンス・アシュモール:故に、今ならばこんなもの・・・・・すら創り出せる。
フローレンス・アシュモール:「――『タコスメラ宇宙閘』」
フローレンス・アシュモール:ダイヤモンドで形作られた輪状の装身具が。
フローレンス・アシュモール:「『不射之射』『楽土終法ヤグルシ』『腐蝕剣』『ヨッドの痛みの玉座』『レーシュの咆吼』」
フローレンス・アシュモール:無数の遺産――王鍵が、ダイヤモンドで精密に再現されてゆく。
フローレンス・アシュモール:「『発電棒』『風神のタクト』『開拓者グレート・ジャーニー』『太宗躬災』『悪食の袋トウテツ』『モレルの狂気陸地』『天眼弥勒鏡』『盲愛比翼の羽根飾り』」
フローレンス・アシュモール:ダイヤモンドによる再現故に、『巨構血統ウルティマ』のような液状の王鍵の再現は叶わない。
フローレンス・アシュモール:『清灯火ベロニカ』のような不定形の王鍵の再現も不可能だ。
フローレンス・アシュモール:だが、それが固体として形を持つのであれば、『財禍賜わすリテパデウ』の権能と、フローレンス・アシュモールの遺産知識を以てすれば、形だけならば正確に再現可能だ。
フローレンス・アシュモール:「『楽園刑場メム』『グレイトフル・ギャンビット』『暗渠孔ワジ・ハルファ』『僥冀ユーシーの瓔珞』『奴隷意志論ザラキエル』『クライデ・フィレッセン』『クリテシャス年代記』『オズディリヲ大掻掘の手』『トリスメギストスの大法衣』『告命響典ジヴリール』『金翅鳥弓箭』『テルペリオンの雫』『名も無き王の組骨細工ファラオ・パズル』『神馬アンヴァル』『白暁の遺剣オルドビス』『ナルテークス軸心髄』『断頭忌椿ワゾイリス/詠嘆桜歌ユイマリア』」
フローレンス・アシュモール:「『白面の祈り』『宿月大震撼』」
フローレンス・アシュモール:「『勇者の徴』『オズマメガリス』」
フローレンス・アシュモール:「『茨広げしターリア』『星海正義の剣』『ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し』『征嵐旗章エル・ドラゴ』『暴食アバドンの食卓布』『氷累の石棺』『頭のない蛇』」
フローレンス・アシュモール:「『劣剣グウィバー』」
フローレンス・アシュモール:「贋造王鍵」
フローレンス・アシュモール:王鍵としての権能を持たぬ虚構の贋作であろうと、魔術的には同一の形を持つ物は同一の物として見做すことができる。
フローレンス・アシュモール:そのような魔術体系を、照応魔術という。
レナ・ルナール:「やっぱり略奪博物館じゃん!!!」
フローレンス・アシュモール:そして、同一と見做すことが可能であれば。
フローレンス・アシュモール:「偽鍵壊錠」
フローレンス・アシュモール:絢爛なる輝きを放つ、王の証達が一斉に砕けた。
星徒ララゴ:フローレンス・アシュモールの知る限りの王鍵を照応した、最大の偽鍵壊錠が
星徒ララゴ:発動する。その瞬間に起こった異変は、まるで見間違いのようだった。
星徒ララゴ:「……」
星徒ララゴ:星徒ララゴは、敵意に対する絶対の報復を行う。ならば、その敵意が巨大であればあるほど――
GM:空に、『天井』が生じている。
GM:月を隠すような黒い天井だった。
GM:そしてそれは実際には天井ではなく。ララゴが通過してきた軌跡に突き刺さってきた、総質量を計測できないほどの『無限の槍』が
GM:すべて、その切っ先を、フローレンス・アシュモールに向けているのだった。
齋藤リッコ:「え……は……?」金剛公の常軌を逸した技と、その異様な光景を立て続けに目の当たりにし、思わず呆けたような声を漏らす。
レナ・ルナール:「なに、空が塞がって…」「!?」
嘴子原シェイル:「ちがう、雲じゃない……」
GM:――ザ、という波音が鳴った。瞬時にして天地逆さに配置し直された『槍の大地』が存在した地点に、大河の水が流れ込む音だった。
嘴子原シェイル:「雨だ、これは……」
GM:地上の輝きに対して、キングダムの『天井』が降った。
久世川リンゼ:「怪物め……!!」
フローレンス・アシュモール:「ルナールさん」
フローレンス・アシュモール:「余波は任せます」
フローレンス・アシュモール:降り注ぐ槍の雨に、金剛の大盾を構える。
レナ・ルナール:「ふざけるな」
レナ・ルナール:りんと鈴を鳴らす。
レナ・ルナール:その鈴の音は金剛公の脳を直接に揺らす。
レナ・ルナール:「自分で撒いた種なんだ。自分で責任取ってよ」
レナ・ルナール:「出来るでしょ。元円卓の意地と誇りが残ってるなら・・・・・・・・・・・・・・・・・
フローレンス・アシュモール:「王としての誇りなど、とうに残ってはいませんが――」
フローレンス・アシュモール:「分かりました。こうしてお手伝いいただけたのなら、新たな誇りにかけて」
GM:地上からは緩やかな落下のように錯覚しても、穂先が近づけば、そうではないことが分かる。
GM:それらは加速していた。稲妻のような速度だった。フローレンス・アシュモール目掛けて、最初の一本が到達する。
フローレンス・アシュモール:盾を下ろした。
フローレンス・アシュモール:盾による防御では、自身は守れたとしても、余波が周囲を蹂躙する。
フローレンス・アシュモール:「偽鍵壊錠」
フローレンス・アシュモール:本来なら不可能なことだった。
フローレンス・アシュモール:だが、無数の贋造王鍵を破壊した魔術的なエネルギーと、レナ・ルナールの魔術による限界の踏破がそれの再現を可能とさせた。
フローレンス・アシュモール:それは、かつて円卓の王であった時にのみ許された、決戦奥義。
フローレンス・アシュモール:覇鍵解錠、その不完全な再現。
フローレンス・アシュモール:「『偽・不毀なる燦光ヴァゼ・シャミクーア・リテパデウ』」

フローレンス・アシュモール:槍の雨が、一斉に砕けた――否。
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールを襲う試練と判断されたそれらは、無数の極小の金剛石へと分解された。
GM:ギャ
GM:ガ ギッ    ――ガ
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!
GM:砕け、衝突し、散らばり、光る。
GM:星の津波が降るが如き豪雨。
星徒ララゴ:「……」槍が次々と分解されていく中でも、星徒ララゴは止めない。
星徒ララゴ:尋常ならぬその異能には必ず持続時間や許容量がある――などという打算すら伺えない。
星徒ララゴ:ただ、必要量を報復するまで、止まらない。
フローレンス・アシュモール:金剛石の雨が降る中、ララゴへと視線を向ける。
レナ・ルナール:「これでも足を止めようとすらしないのか!」
フローレンス・アシュモール:「それは、こちらも同じです」
フローレンス・アシュモール:『偽・不毀なる燦光ヴァゼ・シャミクーア・リテパデウ』は、妨害に対する妨害に過ぎない。
フローレンス・アシュモール:偽鍵壊錠は、遺産の破壊によってその力を取り出す技術だ。
フローレンス・アシュモール:だが、破壊されたという事実は別に存在する。
フローレンス・アシュモール:「借りるわ」
フローレンス・アシュモール:フローレンス・アシュモールから、無数の王鍵が失われた・・・・
フローレンス・アシュモール:「“失い”の伝播――“ヴァンダリズム・リバース”」
フローレンス・アシュモール:“失い”の伝播――自らの喪失を他者と共有する呪術。
フローレンス・アシュモール:大量の王鍵の喪失と同等の力が、星徒ララゴから失われる。
フローレンス・アシュモール:感知しようと回避不能。手傷も負わせず、体力そのものを奪う。
星徒ララゴ:これまでの戦闘では想像し得なかったような現象が起こった。
星徒ララゴ:「……」星徒ララゴが
星徒ララゴ:倒れた。崩れ落ちた上半身が橋桁を諸共に水中に引きずり込み
星徒ララゴ:水柱が、山のごとく吹き上がった。
レナ・ルナール:「やった!?」
齋藤リッコ:(こんなにヤバかったわけ!?金剛王って……!!)
久世川リンゼ:「……かつて円卓の座を飾ったのは伊達ではありませんね、フローレンス公」
久世川リンゼ:「やはり貴女は強い」
嘴子原シェイル:「あの術式……そっか、そりゃ一番贅沢に使えるのは」
嘴子原シェイル:「より備わってる人間に決まってるよね……」
フローレンス・アシュモール:「いえ……少々無理をしました」
フローレンス・アシュモール:使い慣れた宝石魔術だけならば、ほぼ無尽蔵のリソースを扱える。その継戦能力も強みだった。
フローレンス・アシュモール:だが、慣れない術式を用いれば、その分消耗も激しい。
フローレンス・アシュモール:「それに……まだ終わっていません」
久世川リンゼ:「……ええ」
レナ・ルナール:「……え~」
星徒ララゴ:水中から腕が伸びて、グレートブリッジの次の支柱を掴んだ。
嘴子原シェイル:「……うへぇ」
星徒ララゴ:支柱が崩れるとともに、星徒ララゴの上半身が再び姿を現す。
星徒ララゴ:「報いを」
星徒ララゴ:制止不能。金剛公の全盛期に匹敵する奥義が直撃しても、活動停止には至らない。
星徒ララゴ:一歩、緩慢な歩みを進めた。その後ろに、再び音もなく槍の雨が突き刺さっていく……
レナ・ルナール:「………クソ」奥の手を切るにはレネゲイドが体に馴染み切っていない。
レナ・ルナール:「リッコ、シェイル。ごめん」
レナ・ルナール:「助けて」
嘴子原シェイル:「ああ、私も準備をする……少しだけど、先を頼みたい」
齋藤リッコ:「当然!」
齋藤リッコ:「とにかくっ……今!!」
齋藤リッコ:ララゴに対し、ほんの数秒の足止めが必要だった。その数秒を稼ぐにも命懸けの筈だったが──金剛公により、それは叶った。
齋藤リッコ:(多分、殺意や敵意に反応してる……もう分かった。『こっち』の試行は不正解だろうけど)
齋藤リッコ:(必要なのは一発の重さ……無意味ってわけじゃない)
齋藤リッコ:(『能力者とは全く別方向からの攻撃』……)
齋藤リッコ:遥か上空で、何かが輝いた。
齋藤リッコ:それは以前目にした、グレートバビロン会計リャン・シェンシィによる、衛星からの質量落下攻撃の模倣。
齋藤リッコ:リッコが現着時から封鎖圏ギリギリの上空に生成していた、ビルの如き超巨大な氷柱。
齋藤リッコ:周囲に炎の魔眼達を伴ったその逆三角錐は、クリスマスツリーを連想させた。
齋藤リッコ:上空、魔眼から爆炎が噴射/加速/噴射/加速/噴射/加速──空から地上に放たれるスペースシャトルめいて一気に加速し──
齋藤リッコ:「ブチ抜け!!」
齋藤リッコ:一筋の閃光、氷炎の槍と化し、超高速の大質量がララゴの巨体を穿ち貫く。
星徒ララゴ:――ドッ!!
星徒ララゴ:貫通する。金剛公に力を奪われた影響もあるのだろう。確かに、等身大の人間のようにバランスを崩した。
星徒ララゴ:だが、星徒ララゴが傷ついたことが見えた時には、もう遅い。齋藤リッコはそれを一度、身を以て知っている。
齋藤リッコ:「が……ふ……」
星徒ララゴ:槍が突き刺さっている。細い体が辛うじて千切れていないのは、神聖二重冠の加護なのだろう。
齋藤リッコ:上半身と下半身がほぼ泣き別れの状態となり、飛び散る臓物と共にその場に崩れ落ちる。
星徒ララゴ:飛来を認識できたか、できなかったか――ということは、さしたる問題ではない。
星徒ララゴ:星徒ララゴもまた、齋藤リッコと同じように時間を支配しているからだ。彼女の反撃は、因果の追跡である。
星徒ララゴ:星徒ララゴは回避行動を取らない。こちらからの攻撃は、着弾する。
星徒ララゴ:同様に、星徒ララゴからこちらへの反撃も、着弾する。
齋藤リッコ:既にリザレクト限界を越えている。再生は鈍い。物言わぬ死体のように、頽れた身体から血溜まりが広がっていく。
久世川リンゼ:「齋藤リッコ……! 不味いな、これは……!」
嘴子原シェイル:「クソ、間に合うはずだ……間に合わせるさ!」
嘴子原シェイル:原則として、祭儀場と手順さえ整っていればあらゆる儀礼には事足りる。
嘴子原シェイル:いや、儀式魔術師ハイ・マギカの端くれとして、何が何でも通して見せなければならない。
嘴子原シェイル:なぜなら彼女の場合において──祭儀場は、作り出すことが出来るのだから。
嘴子原シェイル:「──レナ!笛の音色、、、、を鳴らせるかい!?」
レナ・ルナール:「任せて」
レナ・ルナール:りん、と鈴の音が鳴る。
レナ・ルナール:シェイルとレナの感覚が同期する。
嘴子原シェイル:響いた音を皮切りにして、足元に湛えていた術式を起動させる。
嘴子原シェイル:組み上げられるは玻璃の城。色彩豊かなステンドグラスのみ、、で構成された、有り得ざる幻想教会。
嘴子原シェイル:その途端、
嘴子原シェイル:まるで恐怖に駆られたような鼠の群れが、星徒ララゴの進行に逆らって走り抜け
嘴子原シェイル:下を横切る川が敵を飲み込まんとする勢いで、不自然に増水した。
嘴子原シェイル:「『子供たちは誘い出され、処刑の丘でいなくなる』」
嘴子原シェイル:「出でよ、『硝子の清城グラス・マルクト────」
嘴子原シェイル:媒介を用いた迂遠な攻性儀式。
嘴子原シェイル:天へ伸びる形だけの絢爛城は、まだ組みあがりきっていなかった、、、、、、、、、、、、、、、
星徒ララゴ:――ガ
星徒ララゴ:シャ!!!!
星徒ララゴ:その完成を待つことなく、槍は、シェイルを硝子の城ごと打ち砕いた。
嘴子原シェイル:耳鳴りがする。粉々に砕け散る音。身体はまだ……千切れてはいないか。
嘴子原シェイル:「がはっ……ぐ、う」
星徒ララゴ:どれほどの巧者でも、責めることはできないかもしれない。反応が薄く、迎撃を主とするララゴと相対する者は、
星徒ララゴ:例えば、シェイル達が降下してきたその時のように
星徒ララゴ:ララゴが低い頻度で能動的な攻撃もする、、、、、、、、、、ということを考慮の外に置いてしまう――
嘴子原シェイル:宙に飛び散る、数えることもおこがましい硝子片。儚く空の光を照らし返す。
レナ・ルナール:「残念。」
レナ・ルナール:「ちょっと時間が足りなかったね」
嘴子原シェイル:ああ、本当に。きみの期待だけじゃない。
嘴子原シェイル:ただの興味だけでここにいるには──場違いだと、自分だけが問いかけている。
嘴子原シェイル:「でも」「泣いてる音がした」「──それだけなら通り過ぎられた」「頑張れって口だけほざいて」
嘴子原シェイル:「でも」「もうどうにもならないって」「絶望の声がしたんだ」
嘴子原シェイル:「そんなわけがない、、、、、、、、って、その価値観を口にし続けなきゃいけないのは」
嘴子原シェイル:「私だけだ!そんな独り善がりのエゴだけで、私は戦い続けるんだ!」
嘴子原シェイル:光が照り返す中で──硝子片の上に、文字が、薄ら灯りのように刻まれている。
嘴子原シェイル:「涙は見ないふりが出来ても──絶望にだけは、背を向けられない」
嘴子原シェイル:「出でよ、『硝子の清城グラス・マルクト・──」
嘴子原シェイル:「その碑文ザ・エピタフ』」
嘴子原シェイル鼠の大群疫病川の氾濫溺死記念城誘拐記
嘴子原シェイル:それら全ての破壊をトリガーとして──真なる伝承を指し示す。
嘴子原シェイル:『我らの子供たちが去り十年が過ぎた』『新天地に向かう彼らに祝福のあらんことを、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
嘴子原シェイル:子供たちが、帝国を離れ、外へと離れて行くようにという──人払いの結界、防性術式、、、、
嘴子原シェイル:その手順、、、その儀式、、
嘴子原シェイル:見えない壁に阻まれた星徒ララゴ。その足行く向きを変えるべく一心に力を注ぎ続ける──!
星徒ララゴ:「……」
星徒ララゴ:星徒ララゴにも唯一、報いを与えることができない攻撃というものがある。
星徒ララゴ:それはその攻撃自体が報い、、である場合。
星徒ララゴ:自らがもたらした破壊がトリガーとなったシェイルの妨害には
星徒ララゴ:決して止めることのなかった緩慢な足を止めた。
星徒ララゴ:「……」
星徒ララゴ:進めない。進むこと自体が破壊だった星徒ララゴが、停止している。
星徒ララゴ:「……………」
星徒ララゴ:――だが、この日キングダムに襲来した多くの星徒がそうであったように。
星徒ララゴ:一つの、致命的な特性を突破すること自体が
星徒ララゴ:さらなる異常性を表すトリガーとなることがある。
レナ・ルナール:「足が止まった…」「のに」
レナ・ルナール:「全然嫌な予感が消えないのは気のせい?」
星徒ララゴ:「………………………………………………………………………………」
星徒ララゴ:ララゴは停止した。いつの間にか、キングダムの市街方面の音が消えていることに気付く。
嘴子原シェイル:「なん、で……」
嘴子原シェイル:「私が…………止めてしまった、から……?」
星徒ララゴ:防衛する生徒達にとっては、後ろ側、、、に生じた異変だ。ララゴの方向ではない。
星徒ララゴ:だが、この隙に乗じて追撃を仕掛けようとした久世川リンゼであれば、あるいはフローレンス・アシュモールであれば、気付いたかもしれない。
星徒ララゴ:市街の方向の音が鈍くなっているのではない。
星徒ララゴ:自分達の動作が、知覚が……時間が。
フローレンス・アシュモール:「ま」「ず――」
久世川リンゼ:「……ッ!!」
レナ・ルナール:「        」
星徒ララゴ:見えている。
星徒ララゴ:停止に近い時間鈍化の只中であろうと、星徒ララゴがこれから何をするのかは
星徒ララゴ:全員にはっきりと見えている。
星徒ララゴ:まず、白い毛皮のような肉が
星徒ララゴ:ずるり、と滑り落ちた。
星徒ララゴ:星徒ララゴの中身には何もなかった。
星徒ララゴ:ただ、敵意を凝縮したような黒い槍だけが
星徒ララゴ:ぎっしりと詰まっていた。
フローレンス・アシュモール:(――い。耐えられない)
フローレンス・アシュモール:自分が、ではない。
フローレンス・アシュモール:キングダムが、だ。
GM:"マヌ・マ・アイ"ララゴ・フォーモアナは、どこにでもいる、普通の生徒だった。
GM:故郷であるオセアニアの小さな島国にはFHの組織基盤がなく、誰かの上に立つことを期待されての入学でもなかった。
GM:周囲への反応が鈍く寡黙なララゴは、愚鈍な生徒だと周囲からは認識されていた――実際には、高い知能があったのだが。
GM:キングダムでは、彼女のような民でも、王に忠実に仕えていれば安寧の暮らしを送れるのだと教育された。
GM:理事会時代のキングダムには、奴隷のように王に従事する生徒がいくらでもいた。彼女もその一人になることを求められた。
GM:ララゴは忠実に、真面目に従った。寡黙な彼女は、異議を唱えることもしなかった。
GM:耐久能力に優れていたララゴは、しばしば前線に立って戦う役目を背負わされた。夢を見ることもなく、日々働いた。
GM:勤勉に。真面目に。この世界が正しく回っているのであれば、それこそが最大の美徳だったはずだった。
GM:第二次ノヴァリス紛争で、彼女は身を挺して『十字冠を破壊する兵器』を受けて、仕えていた王候補者を守った。
GM:そうするべきだったからだ。最後まで寡黙に。忠実に従った。
GM:薄れゆく意識で、ララゴは生徒達の喜びの声を聞いた。
GM:「ああ、よかった」「まるで奇跡みたいだ」「ララゴは残念だったけど」「王様が助かってよかった」
GM:ララゴは憎悪しなかった。それが正しいことだ。それでも、正しくあったのなら、何か、一つだけでも。
星徒ララゴ:「――報いを」
星徒ララゴ:誰一人、報復し得ない攻撃がある。
星徒ララゴ:因果が停止した狭間の時に放たれる破壊には、抵抗できない。誰一人……
嘴子原シェイル:……全てが停止した。ララゴは止まったまま前を向いており、
嘴子原シェイル:また背後に広がる市街へと意識を割いていれば、尚のこと分からなかったかもしれない。
嘴子原シェイル:それは頼りなくて、以前に比べれば弱々しいが
嘴子原シェイル:ララゴの後ろに、橋が掛かっている、、、、、、、、
嘴子原シェイル:その左手側に刑死者Mem戦車Cheth、右手側に運命の輪Kaph法王Waw
嘴子原シェイル:橋の欄干に刻まれたレリーフ像が横に結ばれ、光は大きなひとつの陣を作っている。
嘴子原シェイル:近代西洋魔術、その基礎にして秘奥を下敷きにした術式理路。
嘴子原シェイル:点と点を結ぶパスを一方向に進む──この行い自体が立派な魔術であり
嘴子原シェイル:王国へ下るのであれば、無限は置いて行かれる。
嘴子原シェイル:それは降霊祭術などにも用いられる、規格の縮小儀式。神聖二重冠の力を陣に巡らせ、純粋な存在巨大な悪霊を、人の位置までそぎ落とす。
星徒ララゴ:嘴子原シェイルの仕掛けは、果たして遅きに失しただろうか?
星徒ララゴ:星徒ララゴの攻撃は、誰にも干渉できない領域で始まってしまった。
星徒ララゴ:少なくとも、無限ではなくなった。だが、何が起こるかは明らかだ。
星徒ララゴ:ララゴの体内から現れ出た多量の槍が、今度はキングダムへと直接撃ち込まれる。
星徒ララゴ:これまで淡々と前進を続けてきただけの、絶対の反撃能力を持つ星徒であったからこそ
星徒ララゴ:それが途中でこのような攻撃に出ることは誰も想像をしないし、対処もできない。
星徒ララゴ:迎撃が可能な者はいないのだ――そうした生徒は絶対の反撃を前に倒れるか、撤退していったのだから。
星徒ララゴ:全員の目に、はっきりと見える。
星徒ララゴ:卵の殻が破裂するかのように
星徒ララゴ:ララゴを構成する無数の槍が
星徒ララゴ:立て続けに
星徒ララゴ:……
齋藤リッコ:……ぎょろり、と。
齋藤リッコ:静止した世界の中、最早死体のような様相の少女の瞳が、動いた。
齋藤リッコ:その翠玉の瞳は、星徒と輝く橋とを確かに見つめていた。
齋藤リッコ:……ずっと、円卓の王に憧れていた。
齋藤リッコ:彼女達は特別で、強くて、多くの生徒に慕われて、自分が欲しいこの世の何もかもを持っているように見えたから。
齋藤リッコ:きっと自分だけではない。キングダムの生徒ならば多かれ少なかれ、誰もがそういう気持ちを持っているはずだ。
齋藤リッコ:自分もああなりたい、いずれ円卓に取り立てられたらどんな称号を名乗ろう、どんな王鍵が与えられるだろう。そんな稚気じみた妄想をノートに書き留めたこともあった。
齋藤リッコ:かつて、リッコはそうして王への憧れを無邪気に思い描き──
齋藤リッコ:──やがて、現実を知った。
齋藤リッコ:母校を離れ、自ら戦いに身を投じ、傷付き成長する中で、少しずつ理解していった。
齋藤リッコ:キングダムは理想郷などではない。王達は全てを持っている者などではない。
齋藤リッコ:彼女達が強いのは、その努力によるものだ。慕われるのは、その人柄によるものだ。
齋藤リッコ:誰も特別などではない。そこに絶対的な正しさなど無い。
齋藤リッコ:誰もが傷付き、挫け、道に迷う。自分と地続きの、同年代の、それぞれ一人の少女でしかないのだと。
齋藤リッコ:だが。
齋藤リッコ:それでも。
齋藤リッコだからこそ・・・・・
齋藤リッコ:「神聖二重冠ダブルクロス────」
齋藤リッコ:静止した世界に静かな呟きが響くと共に、氷炎の二重冠が赫奕たる輝きを放つ。
齋藤リッコ:殆ど死に体に見えたリッコの身体が炎に包まれ、急速に再生していく。
齋藤リッコ:それと同時、生徒達がそうであったように。
齋藤リッコ:破裂寸前のララゴの身体が、まるで凍り付いたかのように停止していく。
星徒ララゴ:槍は、発射されていない。今にも、、、発射されるが、発射されていなかった。
星徒ララゴ:既に、その前の時点から、時間の支配権が上書きされていたからだ。
星徒ララゴ:嘴子原シェイルが無限の侵星魔法冠を打ち消した。
星徒ララゴ:ならば同じ能力がせめぎ合った時、勝つのは――
齋藤リッコ:バロールによる時間流操作能力、その極致。全てが静止した世界で、リッコとララゴだけが意識を保っている。
齋藤リッコ:一歩を踏み出したのは──リッコだった。
齋藤リッコ:小さな炎の魔眼が二つ、灯火のように熾る。
齋藤リッコ:「……あの・・海賊王が」
齋藤リッコ:魔眼は一気に膨れ上がり、熱波を放ちながら変形していく。
齋藤リッコ:「あたしなら出来るって、信じてくれたのよ」
齋藤リッコ:現れたのは、星徒のそれよりも更に巨大な、魔人の如き一対の炎腕だった。
齋藤リッコ:「そんなの、当然──」
齋藤リッコ:リッコが腕を振りかぶる。その手指に連動して、業火もまた一気に引き絞られ──
齋藤リッコ:「死んでも勝つに決まってるッ!!」
齋藤リッコ:燃え盛る巨腕がララゴを殴りつけ、爆炎と衝撃波が迸る。
齋藤リッコ:炎の双手が星徒の巨体と真正面から組み合い、極めて強引に動きを封じる。
星徒ララゴ:――ゴ シ ャ !!!
星徒ララゴ:槍の集合体の如き怪物が、熱量と速度の衝突でひしゃげた。
星徒ララゴ:止まった時間の中では音も聞こえない。だが齋藤リッコは異能を操る感覚のフィードバックで、その軋みを感じた。
星徒ララゴ:星徒ララゴは――あの金剛公の偽鍵壊錠で、決して無傷だったわけではない。
星徒ララゴ:力が大きく削がれていることが分かった。現にこの巨体が
星徒ララゴ:リッコの腕を、押し返すことができていない!
齋藤リッコ:「ぐっ……う、あぁあぁああああッ……!」
齋藤リッコ:反撃を避けることは不可能。ならばやるべきことは一つ。
齋藤リッコ:小細工抜きの削り合い。事ここに至って、結局のところ、それしかない──!
星徒ララゴ:「報い、を――」
星徒ララゴ:ザ、と運河が割れて、白い腕がリッコを引きずり倒した。
星徒ララゴ:ララゴが脱ぎ捨てた『皮』が彼女を殺そうとしている。
星徒ララゴ:波と飛沫は、掻き分けられたその形のままで停止している。時間の停止があと何呼吸持つか。殺しきれるか。
星徒ララゴ:星徒ララゴと相対する者は、例外なく覚悟しなければならないのだ。生身で、この星徒と削り合い、、、、をせざるを得ないことを。
齋藤リッコ:その覚悟なら、とっくに出来ていた。
齋藤リッコ:そして、これまでの攻防から見出した法則があった。
齋藤リッコ:星徒ララゴの、槍と皮、全ての周囲を、満点の星空の如く。
齋藤リッコ:夥しい数の魔眼が取り囲んでいる。
齋藤リッコ:「『能動攻撃受動反撃を同時に行うことは出来ない』……」
齋藤リッコ:「でしょ?」
齋藤リッコ:魔眼は見る間に変形し、幾百千の炎剣へと姿を変える。
齋藤リッコ:それは奇しくも、先のララゴの攻撃に似ていた。
齋藤リッコ:「そして……あんたには」
齋藤リッコ:「反撃しないという選択肢は無い!!」
齋藤リッコ:星徒に理性は無い。ただ衝動のままに動き続ける機械に近い。
齋藤リッコ:故に、彼らには慈悲も妥協も無い。手加減や諦めという概念が無い。
齋藤リッコ:それはジャームの恐るべき長所であり──最大の弱点でもある。
齋藤リッコ:「二人で殴り合って……根競べでもしてみる?」
齋藤リッコ:炎剣の切っ先は、全てがララゴに向けられて。
齋藤リッコ:「言っておくけど……あたし、そういうのは」
齋藤リッコ:「強いわよ」
齋藤リッコ:笑う。
齋藤リッコ:閃光。爆音。無数の炎剣が解き放たれる。
齋藤リッコ:豪雨の如く降り注ぐ剣は、ララゴに反撃以外の行動を許さない。
星徒ララゴ:『皮』ではあれ、この巨体を相手に、本体を捕らえられた。
星徒ララゴ:叩きつけられ、引きちぎられるはずだった。星徒ララゴがそれを選ぶのなら。
星徒ララゴ:だが、結果は。
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
GM:ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!
星徒ララゴ:まさしく、斎藤リッコが看破した通りだ。
星徒ララゴ:星徒ララゴは常に反撃を優先する。飽和的な攻撃で取り囲み、リッコからの攻撃を続けるならば――
星徒ララゴ:それに反撃し続ける以外の行動選択肢を持たない。
齋藤リッコ:刃と業火の嵐。魔眼は次から次に生まれ続け、更に加速していく。
齋藤リッコ:「────!!!!」
齋藤リッコ:凄まじい轟音の中、撃つ。撃ち続ける。叫ぶ。叫び続ける。
星徒ララゴ:大量の槍が魔眼を撃ち落とし、リッコへと向けて加速を始めるその刹那に時間を止める。
星徒ララゴ:何百本。何千本。停止が解ければ即死の物量が積み重なっていく。
星徒ララゴ:だが、止め続けている。削り続けている。リッコが力尽きるまで。ララゴが最後の一片になるまで。
星徒ララゴ:「――――」
GM:それは永遠に終わらない煉獄の如き消耗戦の果てだった。
GM:どれだけの時間、続いただろうか。1分に満たないのかもしれないが、斎藤リッコが体感した時間はその数十倍だ。
GM:やがて、その時が来る。神聖二重冠は永遠に持続するものではない――時間の掌握を維持できなくなる。
齋藤リッコ:「……」
齋藤リッコ:小さな呻きすら漏らせなかった。二重冠の輝きが減ずると同時、一気に時間流が動き出す。
齋藤リッコ:必死に息を吸い、たった二音。
齋藤リッコ:「い」
齋藤リッコ:「ま──」
フローレンス・アシュモール:「――ッ」瞬きもしない間に破滅的な風景が切り替わった。何かがあったのだ。そして、彼女の言葉の通り、今この瞬間のみが好機。
フローレンス・アシュモール:それを活かす速度を持つのは、ただ一人――
久世川リンゼ:「────決着を付けようか、ララゴ・フォーモアナ」
久世川リンゼ:彼女の神聖二重冠が炎の如く煌いて灯る
久世川リンゼ:「元諸王番外第十四席、光耀王ロード・レイの名において」
久世川リンゼ:「ここで因果を断ち切ろう」
久世川リンゼ:天に輝く大十字より与えられた力が紅色の光と化して直剣に宿る
久世川リンゼ:「────ウルスラ・ミック・ベニ」
久世川リンゼ:今この瞬間も間違いなく、キングダムのどこかで足を止めずにいるであろう少女の名を呼んで
久世川リンゼ:「借りるぞ、お前の剣を。勇者の記憶を」
久世川リンゼ白暁の遺剣オルドビスはかつて一度代償によって自壊しその機能を失い、そして再び修復された
久世川リンゼ監獄寮シェオルでの戦いにおいて、ウルスラ・ミック・ベニと勇者の徴プラント・クレストによって白暁の遺剣オルドビスは再契約を果たし、その在り様を取り戻した
久世川リンゼ:そのような経緯を辿ったが故に、その刀身には今でも微かに因子を、勇者の徴プラント・クレストの残滓を宿している
久世川リンゼ:過剰なまでに供給される神聖二重冠の力が眠る因子を強引に引き出し、白暁の遺剣オルドビスの在り様を作り変える
久世川リンゼ:────かつて王を名乗り、円卓の座を目指した。理想の王となることで正しきを為せると信じた
久世川リンゼ:しかし革命の果てに正義は無く、見出したはずの理想は遠く闇に消え、光耀王の名は挫折と共に影の中へ消えた
久世川リンゼ:……消えたはずの灯りに火は付けられた。彼女が、あの勇者が、あの無謀で、眩い理想に向けて、この瞬間も進み続けているというのならば
久世川リンゼ:「────私がここで折れる訳にはいくまい。負けるなよ、ウルスラ」
久世川リンゼ:ただの一度も円卓の座に届かなかったものに、その権限は与えられていない。王を捨てた己にそのような資格は存在しない
久世川リンゼ:故に、神聖二重冠によるブーストのみを拠り所とするこれに敢えて名を付けるのならば
久世川リンゼ:「────擬鍵、開錠ッッ!!」
久世川リンゼ:その手に取りしは刃渡り身の丈と同じくする、長大で無骨で美しい直剣
久世川リンゼ:初代勇者、名も無き子亡しの真の銀の長き刃ドラゴンスレイヤー
久世川リンゼ:巨いなる絶望に突き立てる、怪物殺しの大だんびら
久世川リンゼ:赫光の入り混じるその刀身は実体を得るレベルに凝縮された、絶大な熱量を抱く極限光の刃である
星徒ララゴ:リッコの制御を離れた時間流が流れ込み、実際に動き出すまで――
星徒ララゴ:停滞でせき止められていた運動エネルギーが流れ込むまでのタイムラグがあった。
星徒ララゴ:だが莫大な時間の流入が終わった時、動き出した槍の加速度は流量に比例して、
星徒ララゴ:音速や、雷速の域ではない、常軌を逸した豪速となって、齋藤リッコへと殺到した。
久世川リンゼ:蹴り上げる加速と共に、その一刀を空中で振りかぶる
久世川リンゼ:「『白天に暁す屠竜の剣オルドビス・オルドウィケス』!!」
久世川リンゼ:光刃の奔流が、絶大な熱量が、その一撃によって放たれ、叩きつけられる
星徒ララゴ:――その黒い波濤が
星徒ララゴ:真っ白にかき消されている。
星徒ララゴ:「報いを」
星徒ララゴ:星徒ララゴは、ただ黒い槍と化した自分自身を撃ち込み続ける。
星徒ララゴ:『白暁の遺剣オルドビス』の熱量が今は、その威力を上回っているとしても
星徒ララゴ:最後まで撃ち続けた。勤勉に。寡黙に。
齋藤リッコ:「……!」死を覚悟して目を瞑り
齋藤リッコ:「……?」だが、待ち受けていた衝撃は訪れなかった。
齋藤リッコ:傍らに突き刺さり、消えかけた黒い槍を軽く撫でる。皮膚が焼けるような感触。
齋藤リッコ:「……あんた……滅茶苦茶強かったわよ」
齋藤リッコ:「……お疲れ様」
GM:夜のグレートブリッジには、ただ破壊の痕跡と、五人と、吹きすさぶ風だけがある。
GM:星徒ララゴはいない。彼女は槍そのものだ。自分自身が尽きるまで、攻撃し続けた。
GM:そうして、キングダムに降下した四体の大型星徒は、その全てが討伐に至った。
GM:残る星徒は二体。旧円卓第三席、"戒功王"。旧円卓第五席、"風塵王"。
GM:いずれも想像を絶する星徒であることは間違いない。それでもキングダムは、絶望的な同時防衛を成し遂げた。
GM:キングダムは、勝利するだろう。彼女らは連合する王鍵適合者であり、常にそのような脅威を打ち払ってここまで存続してきた。
GM:だが。

GM:シーンを終了します。シェイルさんのみ、ロイス取得が可能です。
嘴子原シェイル:保留します


◆Middle10◆心の瞳

キングダム連合学院 市街


GM:大型星徒討伐完了から、時刻は遡る。精鋭部隊が各地で星徒の同時迎撃に当たっていた頃――
GM:同じく最精鋭の一角である鉄騎王、法王、加えて唯一の『先生』である有崎五派は、星徒とは全く異なる性質の脅威に直面していた。
GM:敵意を煽る噂が炎のように広まり、パニックと破壊で、生徒達の結束が自壊していく。
GM:宗教組織の長であり、多くの人望を集める法王であれば――または、日頃から一般生徒層と交流し、強い信頼を得ている鉄騎王であれば
GM:平時のキングダムならば、十分に収められる混乱のはずだった。
GM:だが、生徒達の暴走は止まらなかった。何か、異常な事態が起こっていることだけが分かった。
GM:グレゴリオや聖詠部からなる救出部隊は、敵と戦っているわけではない。だが救うべき生徒自身が暴走し、こちらへと刃を向ける。
GM:手を尽くし、対話し、一つの区画の暴動を止めた端から、また別の区画で暴動が発生する。
GM:――この事態は、決してオリヴィエ・クロムハーツや五辻モモカ、そして有崎五派に危険が及ぶものではない。
GM:鉄騎王と法王はたとえ相手を傷つけないという条件でも一般生徒に遅れを取る使い手ではなく、有崎五派の身柄は二人の王とその組織が十分に護衛している。
GM:それでも、戦闘能力で対処可能な脅威ではないのだ。優先順位を見失った生徒達が戦闘区画へとなだれこんでしまえば、必ず死者が出る。
GM:3人は、意思決定をする必要があった。この状況を収めるに当たって、強硬手段を取るべきかどうか。
GM:一般生徒を傷つけてでも、彼女らに及ぶ真の危害を未然に防ぐべきかどうか。今、決めなければいけない。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……」一先ずの暴動を治め、生徒たちの集団から一時距離を取って。
オリヴィエ・クロムハーツ:瞳には、精神的負担から来る疲労の色が出始めている。これまでの代償と合わせて、決して軽いものでは無い。
五辻モモカ:「キリがないな」
五辻モモカ:集団から離れた鉄騎王の傍へ歩み寄りながら小さくため息を吐く。
有崎五派:「三人じゃ全部を抑えきるのは無理ね……ただでさえあたしは一人じゃ戦いの役には立たないし……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……彼女たちに、悪意がある訳ではありません」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……ただ、噂を聞き、立ち上がれずにはいられなかった。正しさの為に動こうとした」
オリヴィエ・クロムハーツ:「なのに、こうなってしまうのは……きっと。私たちのこれまでの行いに対する、報いばつであるのでしょうね」
五辻モモカ:「オリーヴ。責任感が強いのは美徳だが、自罰的なのは感心しない」
五辻モモカ:「己の行いを悔いればそれはその道に続く者達をも悔恨に引き込むことになる」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……分かっています、だから……こんな顔、お二人にしか見せられない」困ったように笑って、大きく息を吐く。
五辻モモカ:「うむ。妹の弱音を受け止める器量くらいは私も持ち合わせている」
五辻モモカ:ただ、と呟いて周囲の状況を見回す。
五辻モモカ:「今は王として、選択をせねばならぬ。悔いる事の許されない、選択を」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……噂に惑わされる生徒を撃破、無力化し、彼女らを死から遠ざける」
有崎五派:「…………やっぱり、そうなっちゃうの?」
有崎五派:状況を理解できていないわけではない。それでも正面から話し合い、一度は説得に成功したという事実が足を鈍らせる。
五辻モモカ:「初めに方針を明らかにしておこうか」
五辻モモカ:「私は多少の強硬手段もやむなしと考えている。傷つける事を厭う心を甘さとは呼ばんが──」
五辻モモカ:「私達は、民を死から掬い上げる事だけは決して出来ない」
五辻モモカ:「私達は神ではなく、王である故に。私達の手の届く範疇で妹達を守ってやらねばならない」
五辻モモカ:そこで言葉を切り、鉄騎王を見やる。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……元々、私はそうやってキングダムを守ってきました」
オリヴィエ・クロムハーツ:「至上王の怒りに触れる者が出ないよう、可能な限りの芽を潰し続けた」
オリヴィエ・クロムハーツ:「だから、私はそれを迷いなく執行できる」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……できる、筈なのに。今は」
オリヴィエ・クロムハーツ:「本当にそれでいいのかと、迷う自分がいます」
五辻モモカ:「…………オリーヴ」
オリヴィエ・クロムハーツ:「脅威を脅威で律する。それは確かにキングダムと生徒たちを守れるでしょう」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……では、その後は?」
五辻モモカ:開きかけた口を閉じ、言葉の続きを聞く。
オリヴィエ・クロムハーツ:「一時的には凌げても、それでは決して後に続かない。不信と不安は残り続け、今度は土台から腐らせる」
オリヴィエ・クロムハーツ:……それは、これまでの自分の行いへの慙愧の言葉にも見えた。
オリヴィエ・クロムハーツ:しかしその瞳に映るものは、後悔だけでは無い。
オリヴィエ・クロムハーツ:「私たちは、変わらなければならない。終わりなき繰り返しを終えて、再び道を見つけなければならない」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……例え、それが一層険しいとしても。私は、出来る限りの可能性を模索したい」確かな決意の眼差し。それは革命の時には確かに在り、これまでに失われていたもの。
有崎五派:「私も……一緒に。探したい」
有崎五派:頷き、オリヴィエに並ぶ。
有崎五派:「傷つく子をちょっとでも減らせる道があるなら……オリヴィエちゃんと一緒に見つけたい」
五辻モモカ:僅かな沈黙の後、穏やかな微笑みを浮かべる。
五辻モモカ:「……それが、君の正義か。オリーヴ」
五辻モモカ:そして、コートを翻してペンダントに手を掛ける。
五辻モモカ:「では、こうしよう。オリヴィエ・クロムハーツ、そして有崎五派」
五辻モモカ:「私の方針に変更はない、、、、、、
五辻モモカ:「必要に迫られた場合の強硬手段は止む無しと考えた上で動く」
五辻モモカ:「君達は──キングダムの土台が不信と不安で腐り落ちる前に、対抗手段を見つけ出してくれ」
五辻モモカ:「誰かに何かを託す、という事になれておらん故な。多少不格好になるが許せ」
オリヴィエ・クロムハーツ:「はい……必ず、成し遂げてみせます」その言葉と共に、二人に柔らかな笑顔を見せて。
有崎五派:「……急ぐから」悔しそうに、頷く
GM:救助活動の合間に彼女らが話し合い、方針を決めたことは、ある意味で幸運だったのかもしれない。
GM:すぐに、その決断が必要な時が訪れたからだ。
キングダム一般生徒:「……!……!」ビルの上で、何かを叫んでいる生徒がいる。
キングダム一般生徒:「キングダムは私が守る!!!」
キングダム一般生徒:身体に何かを巻き付けている。まさか爆発物なのだろうか?
キングダム一般生徒:「見ていてください至上王様!キングダムを蝕むシャムロックの害虫共を……!」
キングダム一般生徒:「い、命と引き換えにでも……!皆殺しにしてみせます!」
GM:彼女の眼下にあるのは、避難民の車両だった。
GM:神聖二重冠の発動下である。単純な爆発では、生徒達が死に至る可能性は低い。
GM:だがその可能性も断じてゼロではなく、避難民に重傷者が増えれば避難誘導は大きく遅れる。
GM:決断の瞬間は一瞬だった。生徒をその手で傷つけるべきか――
????:ズドン!!!!
キングダム一般生徒:「!?ぎゃあーッ!?」
GM:横合いから撃ち込まれた、ショットガンめいた光弾だった。
GM:一般生徒を迷わず吹き飛ばし、爆発物をも破壊した。恐ろしく乱暴な解決方法だった。
????:「間に合ったみたいですね!!」
五辻モモカ:「あれは──」飛び上がろうと曲げた膝を伸ばし、目を凝らす。
オリヴィエ・クロムハーツ:割り込み、車両との間に庇いに入ろうとした身を留め、その姿を見上げる。
????:ビルの上に、別の少女が現れる。
????:「1に勧善」
????:「2に懲悪」
????:「3、4がなくて、5に勧善懲悪!!」

鈎尾野シルチ:「勧善懲悪委員会!!現着しました!!!」
有崎五派:「シルチちゃん!?」
GM:ぞろぞろと、大量のキングダム生徒がビルの上に姿を現す……全員が高いところから登場したがっている!
GM:その装いには全く統一感がない!所属を示す認定メダルが無差別に発行されているからだ!
オリヴィエ・クロムハーツ:「あ、あの子達はもう……!」
オリヴィエ・クロムハーツ:小さく頭を抱えて、溜息を吐く。偶に正義のためとはいえ大きなことをやらかすので、どうも叱り辛い。
鈎尾野シルチ:「お久しぶりです有崎先生!」
鈎尾野シルチ:「我ら勧善懲悪委員会!先生の危機と知り駆けつけました!こちらの方角の暴徒は全員勧善懲悪済みです!」
有崎五派:「久しぶり~~!ありがとう~~~!」ブンブンと手を振る
オリヴィエ・クロムハーツ:「……お知り合いがいたのですか、あの子達に」
有崎五派:「ん、まあチョコでちょっとね。ガスマスクの子は元気かなぁ」
"暗礁王"サルガッサム:「私を数に含めないでほしい……」一人だけ地上に現れる。

"暗礁王"サルガッサム:呼吸補助具をつけた、スーツ姿の生徒だ。地面の下に潜っていたかのような出現だった。
"暗礁王"サルガッサム:「一応……必死に止めようとはした……」
五辻モモカ:「ふっ……ふはは」愉快そうに肩を揺らす
オリヴィエ・クロムハーツ:「暗礁王!」少し安心した表情で「彼女たちの指揮を執ってくださっていたのですね」
有崎五派:「あっそうだ暗礁王だ!ちゃんと面倒見てて偉いわ……」
オリヴィエ・クロムハーツ:今にも暴れそうな生徒を無理矢理吹っ飛ばしたのだけは心に引っかかるが、彼女らの進んだ道に大規模な破壊の跡は見られないように思う。

リリン・B・F・F:「みなさ~ん、“悪”が身につけていた“危険物”は全て回収してくださいね」
リリン・B・F・F:「どんな危険が残っているか分かりませんから。我々で安全に換きn……管理しましょう!清める必要もありますからね!」
勧善懲悪委員会:「勧善懲悪!!(『了解』の意味)」
有崎五派:「あの子は誰だろ……まあでも手伝ってくれるならいっか!」
GM:リリン・バーナード・フィリクス・F。勧善懲悪委員会の委員長を名乗る、清貧なキングダム生である。信徒の装備は高額なものが多い。
オリヴィエ・クロムハーツ:「堂々と換金と言葉に発するのは、少しばかり挑発的にも思えますが……」
オリヴィエ・クロムハーツ:こほんと咳払いして、向き直る。
GM:あらゆる生徒達の正義が迷い、暴走する只中でも、迷わず行動に移れる者達がいた。
GM:それは、普段から暴走している正義だ。
リリン・B・F・F:「討つべき最大の“悪”は……すでに定まっています」
リリン・B・F・F:「悪鬼シャムロック!打倒フォモーリアン!もはやお題目を頑張る必要さえ有りません」
勧善懲悪委員会:「ウオオオ打倒シャムロック!!」
勧善懲悪委員会:「もっと高価値な危険物がほしい!」
有崎五派:「なっ、なんか他の子と言ってる事一緒じゃない!?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ああもう、やっぱりこうなった……!」
"暗礁王"サルガッサム:「違う、待ってくれ鉄騎王」
"暗礁王"サルガッサム:「確かにこいつらは危険だが、そういうことではないのだ」
有崎五派:「……というと?」
有崎五派:腕を組んで首を傾ける
オリヴィエ・クロムハーツ:再び大きく咳払いして、佇まいを直す。
オリヴィエ・クロムハーツ:「話を聞かせてもらいましょう」
"暗礁王"サルガッサム:「君達がこの事態の収拾にどれだけ努力していたのかは……察している」
"暗礁王"サルガッサム:「だが、申し訳ないことに勧善懲悪委員会は目についた暴徒を片端から暴力的手段で鎮圧し」
"暗礁王"サルガッサム:「さらなる略奪ターゲット……情報の出どころについて過激なインタビューをも行っている」
有崎五派:「……………………」半目でビルを見上げる
オリヴィエ・クロムハーツ:「言いたいことは多々ありますが……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「掴んだのですか、この騒乱の大本を」
"暗礁王"サルガッサム:「敵はフォモーリアンだ」
"暗礁王"サルガッサム:「正確にはその残党がキングダムに侵入していることが判明した」
五辻モモカ:「……あながち虚言でも無かったわけか」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ですが……残党であるのならば。最早上の意志というよりは個人のものに近いでしょう」
"暗礁王"サルガッサム:「そうだ。対象の名はフアナ・メサ。生徒を無差別に暴走させている。恐らくは単独犯だろう」
鈎尾野シルチ:「私達の委員会が誇る完全懲悪データベースに間違いはありません!」
鈎尾野シルチ:「古今東西の犯罪容疑者は、ろくに精査されず全部登録されています!全員犯罪者です!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(色んな意味で頭が痛い……)
有崎五派:「……相変わらずパンチ効いてるわね!」
五辻モモカ:「大まかでも良い。位置も分かっていると助かるが、どうだ?」
勧善懲悪委員会:「居場所なんて関係ない!」
勧善懲悪委員会:「全員ぶちのめせばどこかでヒットします!」
リリン・B・F・F:「残っている者は……避難勧告に従っていない悪ですからね」
鈎尾野シルチ:「裁判所にも問答無用できてもらいます!」
"暗礁王"サルガッサム:「…………」
オリヴィエ・クロムハーツ:「…………」
"暗礁王"サルガッサム:誰か一人でもまともな答えを返してくれるのを待っていたが
"暗礁王"サルガッサム:耐えきれなくなり、口を開く。
"暗礁王"サルガッサム:「……私が個人的に推定しているポイントはある」
"暗礁王"サルガッサム:「ただ、彼女らの面倒を見ている状態では……」
"暗礁王"サルガッサム:「むしろ近づけるわけにはいかなかった。分かってくれると信じるが……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……心中お察しします」
"暗礁王"サルガッサム:懐から地図を出して、地面に広げる。
"暗礁王"サルガッサム:「フアナ・メサは即座に暴動を発生させるわけではない。オーヴァードを暴走させて、その下地を作っているだけだ」
"暗礁王"サルガッサム:「テスラ・タイタニスほど強力なジャーム化能力者ではない」
有崎五派:ジャーム化能力者、という言葉に眉を顰める。
"暗礁王"サルガッサム:「元凶の位置が容易に推測できないのは、その特性のためだ。単純に暴動の流れを追跡しているだけではわからない……」
"暗礁王"サルガッサム:「その暴動の種がどこを通り、どの時点で仕込まれていたかを考える必要がある」
"暗礁王"サルガッサム:「そして、フアナ・メサ自身も星徒の脅威を理解していないはずがない」
"暗礁王"サルガッサム:「彼女も星徒に近づいていない、という仮定が可能だ。現に、星徒に近い区画ではこうした暴動の件数は有意に少ない」
"暗礁王"サルガッサム:「この仮定を元に、情報をすり合わせれば」赤い鉛筆で、いくつかの線を描く。
"暗礁王"サルガッサム:「現時点の潜伏位置は紅玉区画と推測できる」
有崎五派:「こーぎょく……こーぎょく……ここね。急がなきゃ!」
有崎五派:何度も頷きながら地図のポイントに人差し指を押し付ける。
五辻モモカ:(彼女らの手綱を握りながらここまで正確に……見事だな)
オリヴィエ・クロムハーツ:「現在の位置からなら……そこまで時間を掛けずに向かえる距離か」
オリヴィエ・クロムハーツ:「察して移動、隠れられる前に急ぎ突入する必要がありますね」
"暗礁王"サルガッサム:「そうするといい」
"暗礁王"サルガッサム:「……有崎五派。またキングダムに来たようだな」
"暗礁王"サルガッサム:五派に視線を向ける。
"暗礁王"サルガッサム:「避難誘導が必要か?前よりもずっと危険だぞ」
有崎五派:「……心配してくれるの?ありがと」
有崎五派:微笑み、視線を真っすぐに返す。
有崎五派:「危険なのは分かってるけど……何回でも、キングダムに来る為に。あたしも頑張らなくちゃだからね」
"暗礁王"サルガッサム:「馬鹿騒ぎに振り回されっぱなしだった『先生』が、よく言う」目を閉じる。
有崎五派:「しがみつくのは得意だからね!諦め悪いのよ、あたしは」
"暗礁王"サルガッサム:「多くは求めない。生き残ってほしい」
"暗礁王"サルガッサム:「死んでもなんとかなる物事は少ない」
有崎五派:「……うん。今度は落ち着いてお茶でもしようね」
有崎五派:力強く頷く。
鈎尾野シルチ:「サルガッサム先輩!次の悪を懲悪しに行きましょう!」
勧善懲悪委員会:「無人の家に犯罪者が潜んでいるかもしれない!片端から家宅捜索したい!」
勧善懲悪委員会:「フアナ・メサ……許せない……!悪と戦うためにもっと市民の皆様からのドネートを獲得しなければ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……その、なんとか程々に抑えてあげて欲しい」
オリヴィエ・クロムハーツ:「すべてが終わった後に、彼女らに決して悪意が向かないように」
有崎五派:「あー、まあ……その……負けないで!ファイトよ!」苦笑いしながら拳を握る
"暗礁王"サルガッサム:「うん……」げんなりした表情で答える。
リリン・B・F・F:「“法王”様も、ご機嫌麗しゅう……」深々と一礼し。
リリン・B・F・F:「我々の行いを、お止めにはならなかったと解釈いたします」
五辻モモカ:「線を踏み越えた時に私がどう動くか、聡明な君なら理解しているだろう」
五辻モモカ:少しだけ困ったような笑顔を浮かべて手を振る。
リリン・B・F・F:「はい、ですが動いてはいらっしゃらない。お互いの善を成しましょう」
五辻モモカ:「後半に異論はないが……うーむ……手ごわさが益々磨かれているようで大変結構……」
五辻モモカ:「まあ良い。君を信じる故、怪我のないよう」
鈎尾野シルチ:「法王様の信頼まで得ているなんて、さすがですリリン様!」
鈎尾野シルチ:「次の勧誘チラシには法王様の顔と推薦文を掲載しないと!デザイン班に頼もうと思います!」
五辻モモカ:(…………うむ、一手違えたな)
"暗礁王"サルガッサム:「ほら。次の悪を懲悪しに行くんだろう。とっとと皆行け」
鈎尾野シルチ:「有崎先生!また会いましょうね~~!」
勧善懲悪委員会:「勧善懲悪!(『ごきげんよう』の意味)」
勧善懲悪委員会:「勧善懲悪!(『ごきげんよう』の意味)」
有崎五派:「勧善懲悪!(『いってらっしゃい』の意味)」
オリヴィエ・クロムハーツ:「先生、流石に乗り過ぎ……というのも、貴女には今更ですね」
有崎五派:「なんか楽しくなっちゃった。色んな意味で助かったわね」
有崎五派:「じゃ、出発しますか!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ええ、これ以上の被害を出してしまう前に。急ぎましょう!」

GM:3人は、伝えられた紅玉地区までの道のりを急ぐ。距離こそそれなりのものだが、僅かに三つ離れた区画である。
GM:オリヴィエが判断した通り、広大なキングダムの中にあっては、十分に現実的な距離である。
GM:とはいえ、事態収拾を優先する以上は、これまで救出や誘導していた生徒達をある程度無視して進まざるを得ない……
GM:飛行艦のプロペラの音が3人の後ろから近づいてきたのは、その時だった。

"湯池船長"古久根ベイル:「ごきげんよう、オリヴィエ様!」頭上の飛空艦から声がかかる。
"湯池船長"古久根ベイル:「ジェシカ様にお伝えいただいた地点から、この短い間に随分離れましたのね?」
"湯池船長"古久根ベイル:「お久しぶりですわ!海賊部の古久根ベイルです!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……湯池船長!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「それに、ジェシカと……そうか、不夜王が手を回して……」状況を鑑みるに、不夜王が救助に回した増員だろう。彼女らとの間を取り持ってくれたのだ。感謝に耐えない。
GM:古久根ベイル。至上王に挑み、追放されたはずの海賊部員の一人である。
オリヴィエ・クロムハーツ:「一先ず……身体、精神的にも既に問題ないと見えます、良かった」
"湯池船長"古久根ベイル:「あら、こんな時に私の身を心配してくださっていたのですか?」悪戯っぽく笑う。
"湯池船長"古久根ベイル:「オリヴィエ様と、職員室の――そう、イツハ・アリサキ先生が生徒の皆さんを助けて回っていると聞きましたの」
"湯池船長"古久根ベイル:「モモカ司教もご一緒のようですね。改めましてごきげんよう」
有崎五派:「おっ、また初めましての子だ。有崎先生ですよ~」
オリヴィエ・クロムハーツ:「当たり前です。誰であれ、直近の状況下で私が心配しない者は居ません」
五辻モモカ:「……ふふ、そうか。帰港したか」
"湯池船長"古久根ベイル:「おかげさまで!せっかく古巣に帰ってきたのですし」
"湯池船長"古久根ベイル:「キングダムの生徒の方々を少しばかり攫っていこうかと思っておりますわ」
"湯池船長"古久根ベイル:「――いかがでしょう?オリヴィエ様とモモカ司教でしたら、現場視点での避難状況について」
"湯池船長"古久根ベイル:「人が多く滞っている施設や、避難困難な区画についてご存知ではないかしら?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「攫う、ですか。全く、この状況でも己を曲げず海賊らしい……」ふふと笑い、法王と視線を合わせる。
五辻モモカ:「うむ。では、波に攫われる前に頼むとしようか」
五辻モモカ:鉄騎王に視線を返して頷く。
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「心配しないで!三食昼寝付きだよ!」補給艦のスピーカーから幼い声が発せられる。

"湯池船長"古久根ベイル:「お礼と言ってはなんですけれど」
"湯池船長"古久根ベイル:「お近づきの印に……私達『ローレライ商船学校』からも、オリヴィエ様達のお手伝いをさせてください」
"湯池船長"古久根ベイル:「何しろ、今は緊急事態なのですから」くすりと笑う。
"湯池船長"古久根ベイル:「ザリガニの手も必要でしょう?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「借りられるもの、全て借りましょう!この周辺数区画、今だけは私たちは救助に入ることが出来ません!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「海賊王が信頼する船団達への……『ローレライ商船学校』の略奪行為を容認します!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……どうか、一人でも多く。溺れる前に引き上げてください」
”ロブスター船長”ロズマリア:「ザリガニじゃねえ!ロブスターだ!」鉄騎王、法王、五派先生の頭上に差す影

”ロブスター船長”ロズマリア:鳥か、飛行機か、否……ロブスターだ!
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「今回の冒頭でもコロッセオを殺っせよって聞き間違える人が出てきたけど」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「カリーナ達って何語で喋ってるのかな~」独り言でぼやく。
有崎五派:「……考えすぎると頭痛くなるわよ」
五辻モモカ:「ふむ……ロブスターとザリガニは別物なのか」
”ロブスター船長”ロズマリア:「まあその話は後にしようや」
”ロブスター船長”ロズマリア:「脱皮(新造)したてのこの船で暴れ……、いや、女子供を攫いたくて仕方ねえぜ!時間もそうねえんだろ!?」
"湯池船長"古久根ベイル:「ええ、ロズマリア!オリヴィエ様達の援護、任せてもよくって?」
”ロブスター船長”ロズマリア:「あたぼうよ!乗せてっていいか?」
"湯池船長"古久根ベイル:「ふふ。王様方と先生が」
"湯池船長"古久根ベイル:「海賊の船でもよろしいとおっしゃれば」
有崎五派:「え~楽しそう!私飛行船乗った事無いのよね……!」目を輝かせる
オリヴィエ・クロムハーツ:「無論です!荒波を突き進むのだから、これくらい勇猛な船が丁度いい!」
五辻モモカ:微笑んで頷く。
”ロブスター船長”ロズマリア:鎖に繋がれたハサミ型のアームが降下される。引き上げるので掴まって欲しい
有崎五派:「わっ……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「では、失礼……!」先生を片手で抱え、鋏の付け根まで飛び乗る。

■ロブスター船団駆逐艦

【肉体】5
【感覚】2
【精神】1
【社会】1

HP:31
行動値:4
復活回数:2回

《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV3
《バリアクラッカー》LV3
《アームズリンク》LV2
《伸縮腕》LV3
《異形の転身》LV2
《骨の剣》LV4

【イニシアチブ】
《異形の転身》
戦闘移動を行なう。(100%時、シナリオ3回)

【マイナーアクション】
《骨の剣》
攻撃力10、ガード値6、命中-1 の白兵武器を作成

【メジャーアクション】
《コンセントレイト:ブラックドッグ》《バリアクラッカー》《アームズリンク》《伸縮腕》
11dx7-1(100%時)
攻撃力32、装甲無視、ガード不可

"湯池船長"古久根ベイル:「丁重にお送りしなさい、ロズマリア」
"湯池船長"古久根ベイル:「私達は生徒の収容に向かいます。ごきげんよう、お三方!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……湯池船長!」
オリヴィエ・クロムハーツ:去り際に、声を掛ける。ただ一つ、確かめたかった事。
オリヴィエ・クロムハーツ:「海賊王は……エリザベス・タイラーは、無事ですか?」
"湯池船長"古久根ベイル:「ふふふ。いくらオリヴィエ様でも」
"湯池船長"古久根ベイル:「侮りが過ぎます。私達『ローレライ商船学校』がこのキングダムに訪れたのは――」
"湯池船長"古久根ベイル:「海賊王の健在を誰しもに知らしめるためです」
オリヴィエ・クロムハーツ:「そう……そう。うん、信じていました。彼女がそう簡単に落ちるものではないと、でも……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……本当に嬉しいんです、皆が、彼女が無事でいてくれて。確かに……あなた達の口から、それが聞けた事が」王として見せた事の無かった笑顔で、一筋だけ涙を垂らして。
"湯池船長"古久根ベイル:「……。なんだか、不思議な気分です」
"湯池船長"古久根ベイル:「オリヴィエ様、そんな気弱な口調の方ではなかったはずですけど」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……いいえ。これが本当の私で、もう隠すことは止めたのです」
オリヴィエ・クロムハーツ:「といっても、癖で固い口調は出てしまうけれど……それもまた私だから。少し勇猛さを出しているという事で、ね?」
"湯池船長"古久根ベイル:「むしろ親しみやすさが出て、生徒からは人気が出るかもしれませんわ」
"湯池船長"古久根ベイル:スピーカー越しの声が愉快そうに言う。
オリヴィエ・クロムハーツ:「ふふ、そうであるなら……良かった」少しだけ目を伏せてから、大きく深呼吸をし。
オリヴィエ・クロムハーツ:「では、一帯をお任せします!互いに全力を尽くしましょう!」
”ロブスター船長”ロズマリア:「”丁重なおもてなし”ね……分かってるよ……ヒヒヒ……」ふかふかのクッション等を用意し、丁重におもてなしするつもりでいる
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「――有崎センセ!」ぽん、という軽い砲撃音があった。
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:膏粱船団の砲弾は補給物資である。ロブスター船団の甲板に、小さなお菓子が一個だけ転がり込む。

生チョコレート[メイクアップ]
メジャーアクションで使用する。あなたのHPを2D10点回復し、侵蝕率を10減少する。使い捨て。

"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「がんばれよ!」
有崎五派:チョコレートを拾い上げ、微笑む。
有崎五派:「うん。絶対、ぜーったい何とかするから!」
有崎五派:「終わったら、派手にお茶会でもしようね!」
"膏粱船長"カリーナ・ピガフェッタ:「おうよっ!」
GM:船団は遠くへと飛び去っていく。
GM:ロズマリアはクッション等を用意しているようだが、潜伏予測地点は近い。……紅玉区画だ。
GM:事態の元凶を収拾すべく、王と『先生』は突入する。

キングダム連合学院 紅玉区画


GM:"ブレビング"フアナ・メサは、決して優秀な生徒ではなかった。
GM:他のノヴァリスの生徒のような強力なエフェクトは扱えない。
GM:ノヴァリスには自分より頭の良い少女がいくらでもいて、政治や研究で成り上がる期待も持てなかった。
GM:ただ、フアナの才能は他の少女達とは少しだけ質が違った。
GM:他のレネゲイドに干渉して、有害な形で活性化する。それは攻撃手段としては回りくどく、効率的な能力ではなかったが
GM:その『異質な才能』こそが必要なのだと、理事会の大人は言ってくれた。
GM:フアナは――信じがたいことだったが――極めて多額の引受金とともに、メサイア学園からシャムロック自由学園へと転校した。
GM:それと同時に、フアナ・メサは生徒会役員として任命される。シャムロックには、生徒会役員にだけ共有される秘密があった。
GM:他の生徒は誰も……自分達の上で横暴に振る舞うキングダムの生徒達でさえ知らないことだ。
GM:『天国派』の計画の中核。外の世界を平定するその時、いずれ到来する強大なジャームの兵団を操る、王国の将。
GM:そしてジャームを操るという異能において、テスラ・タイタニス以上の人間を、フアナは見たことがない。
GM:いずれ彼女が、この世界を覆すのだ。しかも、自分がその補佐として選ばれた。弱く愚かな自分が。光栄だ。
GM:シャムロックの理事会はキングダム理事会との対立を深め、『天国派』における立ち位置は日々悪くなっていったが、その考えは変わらなかった。
GM:――王鍵を手にしたとて、たかがオーヴァード、、、、、、が、まるで王様になった気でいる。呆れた連中だ。
GM:どれほどの権力を手にしていようと、いずれ降臨する星徒の武力に勝つことはできない。それは既存の世界権力を覆すための力なのだから。
GM:ノヴァリスのシステムにあって、シャムロック生徒会が最後に全てを握る事は確実なのだ。テスラ・タイタニスの優位は覆りようがない。
GM:そんなある日、気味の悪い噂を聞いた。
GM:シャムロックで起こっている、社会人や先住市民の散発的な暴動は、一連の作戦として繋がっているのではないか。
GM:何者かが生徒会へのクーデターを狙い、影から扇動しているのではないか。小さな、取るに足らない噂だ。
GM:テスラの手を煩わせるまでもない。フアナはその噂の出所を確かめに向かい……
GM:……
GM:……そうして、こうなっている。全てが終わってしまっていた。

フアナ・メサ:(――なぜだ?)
フアナ・メサ:最初の疑問ではない。キングダムの町並みを見るたび、何度でも思う。
フアナ・メサ:(なぜ、生徒会が負けている?)
フアナ・メサ:(なぜ、理事会がなくなっている?)
フアナ・メサ:(なぜ、キングダムがシャムロックの上にいる?)
フアナ・メサ:(なぜ、約束されていたことが起こらない?)
フアナ・メサ:(なぜ――)
フアナ・メサ:奥歯を噛む。献上しなければ。
フアナ・メサ:フアナの力は弱いが、今は神聖二重冠という祝福が全ての生徒に輝いている。
フアナ・メサ:精一杯努力すれば、今からでもできるはずだ。キングダムの生徒を全てジャームにする。
フアナ・メサ:キングダムを、テスラ・タイタニスに献上するのだ。そうすれば考えを変えてくれるはずだ。
フアナ・メサ:(なぜ、テスラ様は)
フアナ・メサ:(私と一緒に来てくれなかった!?)
フアナ・メサ:苛立ちとともに銃弾を放つ。その弾には実体はなく、物理的な痛みも伴わないが
フアナ・メサ:その弾丸がフアナ・メサの怒りと憎悪を伝播させる。
フアナ・メサ:「憎い、憎い」
フアナ・メサ:「――憎い憎い憎い憎い憎い憎い!」
GM:ロブスター型の飛行艦が彼女の直上に現れたのは、その時だ。
フアナ・メサ:「……来たな。キングダム」
フアナ・メサ:弾倉を再装填する。「自分を王だと思い込んだ精神病者どもめ」
フアナ・メサ:覚悟はできていた。どのみち、誰かがいずれフアナを発見する。
フアナ・メサ:「殺してやる」

オリヴィエ・クロムハーツ:(……見つけた、あの子が……)
オリヴィエ・クロムハーツ:確かに視認する。遠くとも伝わる、怒りと憎悪に満ち満ちたその表情も含めて。
”ロブスター船長”ロズマリア:「妙だな、撃った生徒は痛がりはしてないが、錯乱し始めてやがる……」
オリヴィエ・クロムハーツ:「きっと、あれが彼女の能力。自らの感情の伝播」
”ロブスター船長”ロズマリア:「気をつけねえと……ああいうのって、鎧で防げたりすんのか?」
五辻モモカ:「こちらを視認している。もたもたしていると逃げられるぞ」
五辻モモカ:船のへりへ足を掛け、地上を見下ろして呟く。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……降りましょう。彼女を止めなければ」
オリヴィエ・クロムハーツ:(このまま続けさせれば、侵蝕過剰で彼女の命だって……)
有崎五派:「オリヴィエちゃん……や、優しく着地してね……」下を覗き込んで青ざめている
オリヴィエ・クロムハーツ:「では、両の腕で抱えさせてもらいましょう。大丈夫、ひゅんとするのは一瞬です」
有崎五派:「う、うん……」ごくり、と喉を鳴らしてオリヴィエに身を任せる
オリヴィエ・クロムハーツ:いつもより優しく、確かに抱え込む。感覚を探り探りで、しっかりと。
”ロブスター船長”ロズマリア:「最大限援護はするが……気をつけな。王様や先生まで暴走しだしたら、もう終わりだ」
”ロブスター船長”ロズマリア:「頑張りなぁ!」
五辻モモカ:「……何、自制には自信がある。頼りにしているぞ、ロズマリア」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ロブスター船長……確かに背中は任せました!では、行きましょう!法王!先生!」
有崎五派:舌を噛まないように口を閉じて何度も頷く。
五辻モモカ:頷き、先行して軽やかに飛び降りる。
オリヴィエ・クロムハーツ:有崎五派を抱えたまま大きく跳びあがり、彼女の正面へと降下する。
オリヴィエ・クロムハーツ:壁を幾度か蹴り、勢いを減衰させて。着地は鎧姿に反するように驚くほど静かだった。
有崎五派:「あ、ありがと……」腕の中でほっと一息つき、銃を構えた生徒を真っすぐに見やる。
フアナ・メサ:「……」
フアナ・メサ:「どこぞ、、、の王鍵使いか。数だけはご立派に揃えやがって」
フアナ・メサ:八月革命以前から幽閉されていたフアナ・メサは、今の円卓の王すら知らない。
五辻モモカ:「そうつれない事を言うな。単独の敵に対しては──かなりの好待遇だぞ」
五辻モモカ:ペンダントに手を添えながら静かに微笑む。
オリヴィエ・クロムハーツ:(攻め入っておいて……こちらの事を知らないとは。自惚れている訳ではないけれど、これは……)
フアナ・メサ:「……ッ、その!」反射的に自分の髪を掻きむしる。
フアナ・メサ:「その!喋り方!」
フアナ・メサ:「なんだ?おい?私が『下』なのか?キングダムの奴らは皆そうだ……!」
フアナ・メサ:「私は、生徒会だ……!シャムロックの!生徒会役員なんだ!!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(シャムロック、生徒会……ならば猶更。彼女は、ほぼここ数年の……?)
オリヴィエ・クロムハーツ:小さく息を吐いて、彼女の憎悪へと向かい合う。
五辻モモカ:「このノヴァリス全土の生徒は我が庇護下にある"妹"だ。同じ下、でも意味が違う。見下しているわけではないのだがな」
オリヴィエ・クロムハーツ:「まずは名乗りましょう。円卓議会第六席、"鉄騎王"オリヴィエ・クロムハーツ。貴女の事を止めに来ました」
フアナ・メサ:「……ああ。円卓。円卓……?第六席の、オリヴィエ?」
フアナ・メサ:ふらふらと、路肩へと歩く。
フアナ・メサ:「あ」
フアナ・メサ:「ッ、あああああああああああああああッ!!!!」ゴシャア!!
フアナ・メサ:そして、ゴミ箱を思い切り蹴りつける。何度も。
有崎五派:「なっ……!?」
フアナ・メサ:「円卓が!!」
フアナ・メサ:「円卓が変わっている!!」
フアナ・メサ:「なんなんだよ、さっきの生徒も言ってやがった!拷問王って誰だ!?至上王だと!?」
フアナ・メサ:「ふざけるな馬鹿が!!!」
五辻モモカ:「ふむ……随分長い間外を知らずにいたようだな」
五辻モモカ:「十一席、五辻モモカだ。当然、知らぬ名だろうが覚えて帰ると良い」
オリヴィエ・クロムハーツ:「外を知らないどころではありません、恐らく……監禁や封印処理に近いもの」
フアナ・メサ:「知ったような口をきいてるんじゃねェェ―――っ!!」
フアナ・メサ:ゴミ箱の蓋を、オリヴィエへと蹴り飛ばす。
フアナ・メサ:「だったらなんだ!?王様ごっこの次はプロファイル捜査官ごっこでも始める気かよ!?」
オリヴィエ・クロムハーツ:それを一切避けずに、鎧で受け地に墜ちる。
フアナ・メサ:「――献上だ」顔を手で押さえる。一度爆発した憎悪を、それ以上の敵意で塗り潰したようだった。
フアナ・メサ:「お前達はここで殺すし」
フアナ・メサ:「キングダムの連中はみんなジャームに仕上げて、テスラ様に『献上』する」
フアナ・メサ:「今名乗ってみせたご立派な名前は、死亡者リストにも残らない」
フアナ・メサ:「キングダムが全滅するからな」
有崎五派:「……それだけは駄目。絶対させない」
有崎五派:ぐっ、と唇を噛んで一歩前に出てオリヴィエと並ぶ形になる。
フアナ・メサ:「何だ、あんたは?理事会の誰だ?」
有崎五派:「一緒にしないでもらえます~!?先生なんですけど!」
フアナ・メサ:「生徒同士の問題だ。理事会を巻き込むつもりはない。どいてろよ……」
有崎五派:「生徒同士の問題に首突っ込むのが先生ですけど!」拳を構えてファインティングポーズ
オリヴィエ・クロムハーツ:「……理事会そのものは、既に倒れました」
オリヴィエ・クロムハーツ:「残るのは僅かな残党と、負の遺産だけ。彼女は……その何方でもありません」
有崎五派:「……小耳に挟んだだけの知識でとやかく言うつもりはないけど」
有崎五派:「今目の前でやってる事に口出す権利はあたしにだってあるんだからね。絶対させない!」
フアナ・メサ:「そんなに死にたいなら、今すぐ――」
フアナ・メサ:フアナが何かをしようとした。その時。

カルティカ:「あああああああ!!キングダムの皆さん!!」
カルティカ:背後から、底抜けに明るい声があった。ビルの上に、帽子を被った記者のような出で立ちの少女がいる。
カルティカ:「これはすごい!特ダネです!あの鉄騎王様と法王様……それと有崎五派!職員室の先生がッ!!」
カルティカ:「密会をしていました!!!シャムロックの"フォモーリアン"と!!」
カルティカ:「あはははははは!!すごい!今日はなんていい日なんだろう!」
カルティカ:「素晴らしいスクープばかりが飛び込んでくる!」
五辻モモカ:「…………一人で撒いているにしては回るのが早すぎると思ってはいたが」
キングダム一般生徒:「シャムロック……」
キングダム一般生徒:「敵だ。キングダムの敵」
キングダム一般生徒:「嘘でしょ!?鉄騎王様が裏切り者だなんて!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(拙い、このまま拡散されるのは……)
キングダム一般生徒:「守らないと、キングダムを……」
キングダム一般生徒:「私達の手で!」
フアナ・メサ:「ハ、ハハ」乾いた笑いを作る。
フアナ・メサ:「ゴチャゴチャ集まってきやがって……妄想浸りの馬鹿共には!」
フアナ・メサ:「似合いの末路を与えてやるよッ!!」
GM:オリヴィエとモモカは気付く。街路のマンホールが動いた。何かが……
GM:地下にいる。
GM:――ズ ド ン ! !
五辻モモカ:「──ッ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「これは……っ!」
蛇群相:それはひどく長い、蛇の胴体だ。
蛇群相:頭部のない大蛇がどこまでも路地に這い出て、自ら絡まり合い
蛇群相:大通りを塞ぐ、巨大な破壊球として回転を始める。
カルティカ:「ああ!!蛇群相セントヒルダまで!なんということでしょう!!」
カルティカ:「キングダムの皆さん!!"フォモーリアン"は幻獣兵器すら使います!!お気をつけください!」
カルティカ:「私の名前は新聞部のカルティカ!"フィルムスコア"カルティカです!!」
カルティカ:「どうか、真実に基づき――」
カルティカ:「正しい判断をお願いします!!」
有崎五派:「なっなになに!?誰が敵で誰が味方なワケ!?」
オリヴィエ・クロムハーツ:「…………」
オリヴィエ・クロムハーツ:「先生」
オリヴィエ・クロムハーツ:「少なくとも……敵と言えるのは、あの巨大な蛇"だけ"です」
オリヴィエ・クロムハーツ:「目の前のシャムロックの子も、恐らくは監禁から解放され……そして誰かに踊らされている」
オリヴィエ・クロムハーツ:「……本当に、言った通りに険しい道。けれど」
オリヴィエ・クロムハーツ:「ここで───皆を、救い出します」そうしなければ、意味が無い。
有崎五派:「わか……った!じゃ、もうクールな大人モードは無しね!全員助けるつもりでやるわよ!」
有崎五派:ブンブンと腕を回して頷く。
五辻モモカ:「……火力は私が担当しよう。補助を頼む」
キングダム一般生徒:「守らなければ」
キングダム一般生徒:「キングダムを」
キングダム一般生徒:「私達が」
キングダム一般生徒:「私達だって」
キングダム一般生徒:「みんなの力で」
キングダム一般生徒:「戦わないと!!」

GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:侵蝕率上昇をお願いします。6D10です。
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を6D10(→ 24)増加(31 → 55)
オリヴィエ・クロムハーツ:47+6d10
DoubleCross : (47+6D10) → 47+37[3,8,10,6,5,5] → 84

オリヴィエ・クロムハーツ:うげ~~~~~
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を6D10(→ 38)増加(34 → 72)

   フアナ[5]

    10m

   蛇群相[5]

    10m

"鉄騎王"[8/84] 五派[4/55]
ロブスター船団駆逐艦[4/100]
  "法王"[12/72]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

GM:キングダム一般生徒のステータスについてですが
GM:これは先のシーンでの【統制】で説明された通りのステータスを持ちます。
GM:全員がHP20、行動値5のキャラクターで、戦闘不能になると死亡します。
オリヴィエ・クロムハーツ:?!
GM:また、フアナはPCを優先して攻撃するロジックですが
GM:蛇群相は無差別に範囲攻撃をします。
GM:とはいえ安心してください。一般生徒の撃破は戦闘終了条件ではありません。
GM:フアナとカルティカを倒せば戦闘は終了します。
有崎五派:よ、良かった……
GM:他は無視しても大丈夫なんですよ
有崎五派:みんな大人しくしててね……
GM:質問がなければ戦闘を開始します。

■ラウンド1

GM:セットアップ。
カルティカ:《常勝の天才》。
オリヴィエ・クロムハーツ:?!
カルティカ:対象はキングダム一般生徒5体。攻撃力を+32します。
有崎五派:《活性の霧+タブレット+多重生成》
有崎五派:攻撃力+15、ドッジダイス-2個。対象はオリヴィエちゃんとロブスター!
GM:ウワー強い
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を8増加(55 → 63)
五辻モモカ:なし
オリヴィエ・クロムハーツ:ありません
GM:では行動値12!法王の手番です。
GM:すいません、イニシアチブ行動がありました。
有崎五派:なんですって
オリヴィエ・クロムハーツ:へ?!
蛇群相:《異形の転身》。
蛇群相:PCのエンゲージに接敵します。
有崎五派:ウゲェッ!!

   フアナ[5]

    20m

   蛇群相[5]
"鉄騎王"[8/84] 五派[4/55]
ロブスター船団駆逐艦[4/100]
  "法王"[12/72]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

五辻モモカ:お陰様で侵蝕が1浮いたぞ!
五辻モモカ:《インフィニティウェポン》攻撃力+16の白兵武器を作成。侵蝕3
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を4増加(72 → 76)
五辻モモカ:そのままメジャーアクション。
五辻モモカ:《咎人の剣+コンセ》攻撃力+30の白兵攻撃、侵蝕5
五辻モモカ:判定前にオートアクションで
五辻モモカ:《砂の加護+砂塵霊》判定ダイス+6個、攻撃力+20、侵蝕6
蛇群相:そんな火力で大丈夫か?
蛇群相:確かにぼくは星徒と比べたら全然HP自慢じゃないけど…
蛇群相:これでもそこそこ大型なのがじまんなんだぜ
五辻モモカ:ギリギリ80に届かなかったのが痛い……!
五辻モモカ:取りあえず判定!
オリヴィエ・クロムハーツ:ちょ、ちょっとタンマ!
五辻モモカ:はい、法王タンマします
五辻モモカ:お待たせしました!
五辻モモカ:五辻、二重冠を使用しても良いでしょうか!
GM:法王タンマが解けた!
GM:いいよ♡
五辻モモカ:ありがとうございます!
五辻モモカ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
五辻モモカ:こちらの効果を使用して、32点侵蝕を上昇させます
蛇群相:そ、そんな
蛇群相:ぼく星徒じゃないよ
蛇群相:キングダムを滅ぼそうとも思っていないのに
五辻モモカ:蛇は害獣だ
五辻モモカ:判定!
蛇群相:ただちょっと通り道に《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》《ジャイアントグロウス》させていただきたいなって……
五辻モモカ:悪魔じゃねーか!
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を32増加(76 → 108)
五辻モモカ:12dx+8@7
DoubleCross : (12DX7+8) → 10[1,2,2,2,3,5,6,6,8,8,9,9]+10[2,3,5,9]+5[5]+8 → 33

五辻モモカ:ん~弱い!
蛇群相:この蛇群相……ガードしたいところですが
蛇群相:なんと暴走状態となっております!
GM:こいつだけじゃないぞ
フアナ・メサ:私も
カルティカ:私も
GM:この戦闘のエネミーはみんな暴走状態だ!
有崎五派:み、みんな……!どうしちまったんだよ!
蛇群相:ハハハ、大丈夫さ
蛇群相:HPで耐えるしかないが…
蛇群相:ぼくには星徒ほどじゃないがそこそこでかいHPがある
オリヴィエ・クロムハーツ:法王様!侵蝕上がった上での改めてのコンボの記載を……!
五辻モモカ:ありがとう、オリヴィエ!コンボ宣言し直し!
五辻モモカ:《咎人の剣+ストライクモード+クリスタライズ+コンセ》攻撃力+6d+96、装甲無視の白兵攻撃を行う。その後武器を破壊。侵蝕16
蛇群相:ヒエ~
蛇群相:でも大丈夫!星徒ほどじゃないけどそこそこHPは高いから
蛇群相:このHPと……普通の火力の範囲攻撃だけが強みだけど
蛇群相:これから強く生きていくぞッ
五辻モモカ:君の人生に幸あれ!ダメージ!
五辻モモカ:10d10+160
DoubleCross : (10D10+160) → 76[8,8,10,8,10,5,8,7,4,8]+160 → 236

オリヴィエ・クロムハーツ:???
蛇群相:ギャアアアアア―――ッッッ
蛇群相:HPは209でした!!一撃で爆散します!!
五辻モモカ:ほんとに結構タフ!!
GM:次は行動値9。カルティカの行動です。
カルティカ:待機。
GM:行動値8、鉄騎王の手番です。
オリヴィエ・クロムハーツ:待機します。
GM:行動値5。キングダム一般生徒から行動します。
キングダム一般生徒:choice[鉄騎王,法王,ザリガニ,先生]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,ザリガニ,先生]) → ザリガニ

キングダム一般生徒:そこのザリガニ!
キングダム一般生徒:メジャーアクション。《フィジカルエンハンス》。メイスで攻撃します。
キングダム一般生徒:4dx9-1
DoubleCross : (4DX9-1) → 10[1,8,9,10]+8[3,8]-1 → 17

ロブスター船団駆逐艦:ロブスター船団のリアクションは指定できます!どうしますか?
オリヴィエ・クロムハーツ:回避を!
有崎五派:避けろロブスターッ!
ロブスター船団駆逐艦:ウオオオオ、《活性の霧》のおかげで-2個だ
有崎五派:しくしく
ロブスター船団駆逐艦:6dx>=17
DoubleCross : (6DX10>=17) → 9[1,5,6,8,9,9] → 9 → 失敗

ロブスター船団駆逐艦:ニャーッ!
キングダム一般生徒:2d10+36
DoubleCross : (2D10+36) → 14[6,8]+36 → 50

有崎五派:固定値ヤバいよ~
オリヴィエ・クロムハーツ:ツエ
ロブスター船団駆逐艦:轟沈します!復活はロイス復活相当なのでHP15で復活!
フアナ・メサ:オートアクションで割り込みます。
有崎五派:!?
フアナ・メサ:《餓鬼魂の使い》。邪毒3を付与。
有崎五派:うわッ貴様!
オリヴィエ・クロムハーツ:うわっ
キングダム一般生徒:ハハ……やったぞ ロブスター船団もやれるんだ
キングダム一般生徒:次のやつも壊してやる……!
キングダム一般生徒:choice[鉄騎王,法王,ザリガニ,先生]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,ザリガニ,先生]) → ザリガニ

キングダム一般生徒:ザリガニ!!
有崎五派:ザリガニが何をしたって言うんですか!
オリヴィエ・クロムハーツ:ロブ~~~~?!
キングダム一般生徒:目立つ!
キングダム一般生徒:《フィジカルエンハンス》のみ。
キングダム一般生徒:4dx9-1
DoubleCross : (4DX9-1) → 10[1,6,7,9]+10[9]+6[6]-1 → 25

有崎五派:なんでそんな回るんですか???
ロブスター船団駆逐艦:ザリーッ><
ロブスター船団駆逐艦:回避するザリか?
有崎五派:と、取りあえず避けろナッパ!
オリヴィエ・クロムハーツ:避けロブスター!
ロブスター船団駆逐艦:6dx>=25
DoubleCross : (6DX10>=25) → 10[1,2,3,3,5,10]+7[7] → 17 → 失敗

ロブスター船団駆逐艦:ニャオーン
キングダム一般生徒:3d10+36
DoubleCross : (3D10+36) → 15[3,8,4]+36 → 51

ロブスター船団駆逐艦:ザリガニがなすすべなく蹂躙されてゆく……!
ロブスター船団駆逐艦:現在の復活回数は0です。
有崎五派:ロブスター!イニシアチブで《異形の転身》して逃げなさい!とにかくこのエンゲージから!
オリヴィエ・クロムハーツ:回避に二重冠使えるならもう一回タゲ何とか……!
ロブスター船団駆逐艦:ザリザリ!
ロブスター船団駆逐艦:9m移動できるけどどこに移動するザリか?
有崎五派:じゃあ前に9m!頼むわよ!

   フアナ[5]

    11m

ロブスター船団駆逐艦[4/100]

    9m

"鉄騎王"[8/84] 五派[4/55]
  "法王"[12/124]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

ロブスター船団駆逐艦:イェイイェイ
キングダム一般生徒:では一般生徒の三人目。ロブスターが射程内からいなくなったので……
キングダム一般生徒:choice[鉄騎王,法王,先生]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,先生]) → 先生

キングダム一般生徒:五派先生!お前に決めた!
有崎五派:しゃい!ばちこい!
キングダム一般生徒:《フィジカルエンハンス》!
キングダム一般生徒:4dx9-1
DoubleCross : (4DX9-1) → 10[1,3,4,9]+8[8]-1 → 17

有崎五派:大人の華麗な回避って奴をみせたる!
キングダム一般生徒:キャー!大人の華麗な回避ですって
有崎五派:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 2[1,2] → 2

有崎五派:ほらみろ
キングダム一般生徒:……
キングダム一般生徒:2d10+36
DoubleCross : (2D10+36) → 13[8,5]+36 → 49

有崎五派:無理過ぎ!リザ
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を1D10(→ 1)増加(63 → 64)
フアナ・メサ:《餓鬼魂の使い》。
フアナ・メサ:邪毒3を付与します。
オリヴィエ・クロムハーツ:上手すぎwave
有崎五派:ヤメテェ~~~
キングダム一般生徒:やめないわ!一般生徒4人目!
キングダム一般生徒:choice[鉄騎王,法王,先生]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,先生]) → 法王

キングダム一般生徒:法王に決めたァ――ッ!
キングダム一般生徒:《フィジカルエンハンス》!
キングダム一般生徒:4dx9-1
DoubleCross : (4DX9-1) → 10[4,8,9,10]+5[3,5]-1 → 14

五辻モモカ:まあ1回は来るか。仕方なし!
五辻モモカ:計算したけどガードしても絶対死ぬのでドッジ
五辻モモカ:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 6[1,2,5,6,6]+1 → 7

キングダム一般生徒:2d10+36
DoubleCross : (2D10+36) → 8[3,5]+36 → 44

五辻モモカ:耐えられぬ!許された復活回数を消費し、HP12で復活!
キングダム一般生徒:へへ……法王をやったぞ!一般生徒のあたしが!
キングダム一般生徒:この勢いで最後の一発!犠牲者は誰だ!
キングダム一般生徒:choice[鉄騎王,法王,先生]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,先生]) → 先生

キングダム一般生徒:お前だ~~ッ!!
キングダム一般生徒:《フィジカルエンハンス》!
有崎五派:ふっ……来なさい!
キングダム一般生徒:4dx9-1
DoubleCross : (4DX9-1) → 7[1,2,6,7]-1 → 6

キングダム一般生徒:え……
有崎五派:おやおやおや~?
有崎五派:可愛らしい達成値じゃあないの!
キングダム一般生徒:お、お慈悲~~
有崎五派:御免ッ
有崎五派:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 10[3,10]+1[1] → 11

有崎五派:フハハハハハ
オリヴィエ・クロムハーツ:ヤッタ~!
キングダム一般生徒:アババーッ!!
キングダム一般生徒:あたしは先生も倒せない出来損ないさ…
有崎五派:あんた、まだまだ強くなるわよ
GM:本日の進行は以上!明日21:00からの回は、フアナ・メサの行動から処理していきます
フアナ・メサ:フアナ・メサの行動です。
フアナ・メサ:最初に宣言した通り、PC+ロブスターの4人の中からターゲットを選びます。
フアナ・メサ:choice[鉄騎王,法王,先生,ロブスター]
DoubleCross : (choice[鉄騎王,法王,先生,ロブスター]) → ロブスター

フアナ・メサ:ロブスター「以外」を攻撃します。
フアナ・メサ:マイナーで《螺旋撃》。
フアナ・メサ:《コンセントレイト:オルクス》《形なき剣》《要の陣形》《ブレインハック》。
フアナ・メサ:鉄騎王と法王と五派先生に攻撃します。装備は悪魔の銃です。
五辻モモカ:えーっと待った!
フアナ・メサ:なんですか?
五辻モモカ:判定直前に
フアナ・メサ:しょうがねえなプライベートで判定してる時に……
五辻モモカ:《砂塵の帳》命中判定を失敗にする。シナリオ1回、侵蝕7
五辻モモカ:サインください
フアナ・メサ:フアナ・メサ屈辱
五辻モモカ:五辻モモカの侵蝕率を7増加(124 → 131)
フアナ・メサ:番外第十一席に失神KO!
GM:おのれ……こうなってしまったら仕方がない
GM:行動値4。ロブスターと有崎先生の手番です。

   フアナ[5]

    11m

ロブスター船団駆逐艦[4/100]

    9m

"鉄騎王"[8/84] 五派[4/55]
  "法王"[12/131]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

有崎五派:ロブちゃん!貴方の出番よ!
ロブスター船団駆逐艦:ロブ~ッ
有崎五派:キャラシ記載のマイナーコンボ、メジャーコンボ全部載せでフアナちゃんを攻撃してちょうだい!
ロブスター船団駆逐艦:マイナーで《骨の剣》
ロブスター船団駆逐艦:メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《バリアクラッカー》《アームズリンク》《伸縮腕》!
フアナ・メサ:カニごときが~~ッ!
ロブスター船団駆逐艦:11dx7-1
DoubleCross : (11DX7-1) → 10[3,3,4,5,5,6,7,7,9,9,10]+10[1,3,5,6,8]+10[9]+10[8]+1[1]-1 → 40

有崎五派:つ、つよっ
オリヴィエ・クロムハーツ:つよい
フアナ・メサ:回避できない……なぜなら、暴走をしているから!
ロブスター船団駆逐艦:ロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブ
ロブスター船団駆逐艦:ロブゥゥゥゥゥッ!!
ロブスター船団駆逐艦:5d10+32 装甲無視!
DoubleCross : (5D10+32) → 29[5,6,10,5,3]+32 → 61

フアナ・メサ:《隆起する大地》!を一応使うが……
フアナ・メサ:61-1d10+18
DoubleCross : (61-1D10+18) → 61-8[8]+18 → 71

フアナ・メサ:海賊部の艦に勝てるわけがない!一撃で戦闘不能!
フアナ・メサ:になります!が!
オリヴィエ・クロムハーツ:+になってる!
有崎五派:なにッ
フアナ・メサ:アイテムの使用を宣言します。堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジを使用。
有崎五派:ウゲッ
オリヴィエ・クロムハーツ:なっ
フアナ・メサ:使用するのは【蛮勇の首輪】!戦闘不能からHP1で回復します!
有崎五派:タフネス……
GM:残るは有崎先生と、待機している鉄騎王およびカルティカだけだ
GM:行動値4の有崎先生!どうしますか?
有崎五派:先生としてやるべき事は勿論……説得!
有崎五派:ほんとはフアナちゃんとも話したかったけど、届かないし手番も足りないのでカルティカちゃんを対象に!
GM:説得コマンドなんてみんな忘れてるものだと思っていたよ
有崎五派:少なくともキャラシ作ってる時は忘れてました。自動成功エフェクト握ってればよかった
有崎五派:<交渉>で判定します
有崎五派:7dx+2 交渉
DoubleCross : (7DX10+2) → 8[2,3,3,4,6,7,8]+2 → 10

カルティカ:はっはっは、先生御冗談を
カルティカ:そんな達成値の交渉に私が負けるはず……
カルティカ:あっ暴走中!!
カルティカ:リアクション不能で交渉をブチ食らいます!ウワ――ッ!
有崎五派:ケケケーッ!真の正義の為に戦うのだカルティカーッ!!!
カルティカ:はい……カルティカ真の正義のために戦います……
カルティカ:今後カルティカはPCに友好的な行動を取ります。戦闘はフアナ・メサを撃破すれば終了します。
有崎五派:やった~!
GM:これを踏まえて鉄騎王の待機手番!どうしますか?
オリヴィエ・クロムハーツ:暴徒生徒はエネミーのまま……ということでよろしいですか?
GM:エネミーのままです!そのまま殴りかかってきます
オリヴィエ・クロムハーツ:そうすると……実は攻撃も届かないし何もやれることが無い!
オリヴィエ・クロムハーツ:メジャーで離脱宣言、フアナちゃんの方向に10m移動します。

   フアナ[5]

    11m

  "鉄騎王"[8/84] 

    1m

ロブスター船団駆逐艦[4/100]

    9m

五派[4/64] "法王"[12/131]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

GM:では同じく待機していたカルティカの手番。
カルティカ:《アドヴァイス》《弱点看破》《神機妙算》。対象は五派先生と法王の2人です。
カルティカ:二人のダイスを+6個、C値を-1、ラウンド中の攻撃力を+18します。
カルティカ:とはいってもラウンドはすぐ終了するので弱点看破は意味ないですが……
有崎五派:えらいわ~♡
有崎五派:気持ちだけでも嬉しいってもんよ
GM:クリンナッププロセス。邪毒を受けているキャラは9点ダメージです。
GM:有崎先生は戦闘不能だ。
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を1D10(→ 4)増加(69 → 73)
ロブスター船団駆逐艦:邪毒ダメージでHPは6になりました。
GM:このまま2ラウンド目に行きましょう

■ラウンド2

フアナ・メサ:セットアップはありません。
オリヴィエ・クロムハーツ:なし!
有崎五派:今回は無しで良いかな
五辻モモカ:なし
カルティカ:カルティカは《常勝の天才》が切れた2ラウンド目からは対象単体の《戦局判断》を使用します。誰かの行動値を+9できます。
オリヴィエ・クロムハーツ:はい!貰います!
カルティカ:ではオリヴィエさんに《戦局判断》。
有崎五派:じゃあさっきなしって言っちゃいましたがオリヴィエちゃんだけを対象に《活性の霧》使って良いですか?
GM:いいですよ
有崎五派:ありがとうございます!じゃあ《活性の霧+タブレット》攻撃力+15
有崎五派:有崎五派の侵蝕率を5増加(64 → 69)
オリヴィエ・クロムハーツ:わーい貰います、といってもHP1、軽減は一応あるんだよな

   フアナ[5]

    11m

  "鉄騎王"[17/84] 

    1m

ロブスター船団駆逐艦[4/100]

    9m

五派[4/73] "法王"[12/131]
キングダム一般生徒[5]×5

    10m

  カルティカ[9]

GM:行動値17。一番速くなった鉄騎王の手番です。
オリヴィエ・クロムハーツ:マイナーでさらに10m移動、フアナちゃんとエンゲージします
オリヴィエ・クロムハーツ:メジャーでカスタマイズ、コンセ/モル。フアナちゃんに白兵攻撃
オリヴィエ・クロムハーツ:念のために砂の加護、砂塵霊。ダイスを4個、攻撃力を+12
オリヴィエ・クロムハーツ:判定!
オリヴィエ・クロムハーツ:16dx7+4
DoubleCross : (16DX7+4) → 10[1,1,3,4,5,7,7,8,8,8,9,9,9,9,10,10]+10[2,4,5,6,7,8,8,8,9,10,10]+10[1,3,4,6,9,10,10]+10[2,2,8]+5[5]+4 → 49

オリヴィエ・クロムハーツ:剣精の手
オリヴィエ・クロムハーツ:1dx7+54
DoubleCross : (1DX7+54) → 6[6]+54 → 60

オリヴィエ・クロムハーツ:妖精の手
オリヴィエ・クロムハーツ:1dx7+64
DoubleCross : (1DX7+64) → 6[6]+64 → 70

フアナ・メサ:暴走しているのでそんな達成値上げなくても当たるのに。リアクション不能です
オリヴィエ・クロムハーツ:8d10+21+12+15
DoubleCross : (8D10+21+12+15) → 43[6,2,3,10,8,9,3,2]+21+12+15 → 91

オリヴィエ・クロムハーツ:諸々有効です
フアナ・メサ:《隆起する大地》で最大値が出ても死にます!だってHP1だから
フアナ・メサ:復活エフェクトはありません。最大HPも25でした。
GM:戦闘終了です。
有崎五派:やった~~~!!!
オリヴィエ・クロムハーツ:侵蝕が17増えて101!
オリヴィエ・クロムハーツ:計算バッチリ、これで水晶の剣をかけたみんなの火力が追加+2です

カルティカ:"フィルムスコア"カルティカには――
カルティカ:民衆を特定の方向に扇動しようという企みや悪意があるわけではない。
カルティカ:むしろ新聞部の一員として、決して真実と異なる報道をしないという信念があった。
カルティカ:『真実でないもの』とは何か?全ての情報には嘘の可能性が含まれている。行政部の発表にも、同じ新聞部の誰かの報道にも。
カルティカ:唯一信じられる情報がこの世にあるとすれば、それは自分の目で確かめた情報だけだ。カルティカはそう信じていた。
カルティカ:故に彼女は、自分自身が体験し、直接目撃した情報の全てを真実として扱うことに決めている。
カルティカ:「キングダム市民の皆さん!蛇群相セントヒルダが市街を破壊しようとしています!!」
カルティカ:「そして、お気をつけください!破壊現場にはシャムロックの"フォモーリアン"と――」
カルティカ:「円卓第六席オリヴィエ・クロムハーツ!そして円卓司教顧問の五辻モモカがその現場に会合しています!」
カルティカ:「これは一体どういうことでしょうか!?シャムロックと円卓に何らかの関係が!?」
カルティカ:「市民の皆様!どうか!慎重に判断してください!」
蛇群相:バキリ
蛇群相:べギッ ギシッ、ガギギギギギギギギ
蛇群相:蛇群相自身が発している音ではない。絡まりあった胴体が蠢く音は、それほど大きな騒音ではない。
蛇群相:だが、巨体故に、常に体のどこかが市街に引っかかり、それを力付くでなぎ倒し、削り取っている。この騒音の源はそれだ。
有崎五派:「アレ、鴉の塔の記録に載ってたヤツ……!」
有崎五派:キングダムに影を落とす竜とはまた違った、現実的な恐怖に足が震える。
GM:この事件の寸前、救伐騎士団に暴動を鎮圧された生徒達が復活させた幻獣兵器、蛇群相セントヒルダ
GM:これは生き残りの一体だった。フアナ・メサはこの区画で発見した蛇群相セントヒルダに衝動を伝播させ、暴走させることに成功していた。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……革命でも使用された、幻獣兵器の一種です」
オリヴィエ・クロムハーツ:「その威自体は私達から見ればそれほどでもないかもしれない、ですが……!」
オリヴィエ・クロムハーツ:今、この状況では。暴走した、神聖二重冠が発生した生徒が入り乱れるこの場では───
キングダム一般生徒:「蛇群相セントヒルダがいる!」
キングダム一般生徒:「"フォモーリアン"は理事会の兵器を使うって……竜骸ワイバーンだって使っていたんでしょう!?」
キングダム一般生徒:「やっぱり"フォモーリアン"だ!シャムロックは最初からスパイを送り込んでいたんだッ!」
GM:その巨体と破壊規模によるわかりやすい、、、、、、脅威は、一般生徒達を萎縮させるどころか、むしろさらなる戦意に駆り立てている。
有崎五派:震える膝を拳で叩いて細く、息を吐く。
有崎五派:「貴方達は一度勝ってる。だから、今度もきっと大丈夫」
有崎五派:オリヴィエ、そして五辻へ視線を向ける。
有崎五派:「私は、先生としてやるべき事、、、、、、、をやる」
有崎五派:「王様の仕事は任せても良いわよね!」
オリヴィエ・クロムハーツ:力の入らぬ手を、それでも握る。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……信頼に応えます!必ず、全員を守り抜きましょう……!」
五辻モモカ:「うむ。当然だ」
有崎五派:言葉と共に、甘い香りが周囲へ漂う。
有崎五派:おまじない程度の小さな手助け。今の自分にはこれが限界だ。
有崎五派:貴方達の手を引くことも、大きな背を押してあげる事も出来ていないけれど──せめて、最後まで隣には立たなければ。
五辻モモカ:(蛇群相セントヒルダ
五辻モモカ:この場で最も行動の予測が付かない対象へと視線を向け、地面を踏み砕きながら突風のように群体へ迫る。
蛇群相蛇群相セントヒルダには思考能力がない。破壊対象の選択能力もない。
蛇群相:この進路なら――そして一般生徒が逃げ出すことがないのなら、多くの生徒達が轢き潰されて死ぬ。そういう兵器だ。
五辻モモカ:「"嘆け──私が赦す"」
五辻モモカ:小さな呟きと共に砕けたペンダントの破片、その一つ一つが輝きながら聖剣を象る。
五辻モモカ:無限にも思えるその胴を釘でも打つように地面、あるいは壁面へと縫い留める。
蛇群相:その一本一本が、人の身長以上の直径を持つ大蛇だ。尋常の手段では串刺しにするどころか、動かすことすら出来ぬような質量。
蛇群相:だが、五辻モモカが蛇群相セントヒルダを縫い止めていく様は、それが当然の成り行きとして決まっているかのように華麗だ。
五辻モモカ:"法王"は戦士ではない。剣士でもない。ただ、遠く響く剣戟の音に紛れて耳に残る言葉のみが、法王の技量を担保している。
五辻モモカ:多くの生徒の信仰を力として振るう剣に、こういった兵器は最も相応しい相手と言えた。
五辻モモカ:祈りを知らないものに掛ける言葉はない。ただ、目の前の敵を唯の一欠けらも残さぬよう、全力を持って振るう。
五辻モモカ:「──ッ!!」
フアナ・メサ:「何をしてる!蛇群相セントヒルダ!」
フアナ・メサ:「殺せ!殺せよ!相手は理事会の仇だぞ!」
フアナ・メサ:「お前の、、、怒りは所詮そんなものか!?」
五辻モモカ:「──ここにあるのはお前の怒りだけだ」
五辻モモカ:無数の聖剣に貫かれ、針山のようになった蛇群相の上に立って静かに呟く。
蛇群相:動かない。もはやその能力を失っている。
蛇群相:触れた物を削り取る鱗は、法王に触れてすらいなかった。
フアナ・メサ:「……ッ、役立たずめ……ッ!」
フアナ・メサ:忌々しげに呟く。拳銃をモモカへと向ける。
五辻モモカ:「シャムロックの子よ。他者を顧みぬものは誰からも顧みられることはない」
五辻モモカ:「お前が軽視したものによってお前の望みは腐り落ちる事になるぞ」
フアナ・メサ:「私の望みが」
フアナ・メサ:「お前らごときに分かるものかッ!キングダム!」
GM:――五辻モモカがフアナ・メサと対峙する一方。
GM:後方では、オリヴィエとロズマリアが暴徒達を食い止めていた。
GM:そうしなければ、蛇群相セントヒルダに戦いを挑み、何人かは轢き潰されていただろう……しかし、数があまりにも多かった。
キングダム一般生徒:「船を壊せッ!反逆者の海賊部の船だ!」
キングダム一般生徒:「見て!あの人十字冠がない!理事会の生き残りじゃないの!?」
カルティカ:「あははははははは!!すごい!なんてすごいんだろう!」
カルティカ:「人を熱狂させるものは、真実だ!」
オリヴィエ・クロムハーツ:(法王が蛇群相を落とした!これで一先ずの彼女たちの命の危機は去った、けど……!)
GM:――キングダム生徒の暴動は、決してフアナ・メサが引き起こした暴走状態のみが原因ではない。
GM:カルティカの能力は、それとは別種の、民衆を駆り立てる力である。
GM:彼女が報道した真実を目にした者に、カルティカ自身が覚えたものと同じような印象を伝達する。
GM:フアナ・メサもカルティカも、単独では大きな駒ではない。事実、事態がこの最悪の状況に至るまで、彼女らは見過ごされてきた。
GM:だが、その両者を組み合わせ、無数の火種とともに送り込んできた者には、明確な悪意がある。
GM:それがノドスチルドレン19th"ブロンテス"が描いた絵図であることを、今この場では、誰も知らない。
オリヴィエ・クロムハーツ:生徒の動きを留め続ける。それでも、彼女らに危害を決して加える事も出来ず、自らの動きすらも今は鈍い───周りへの被害を、抑えきれない。
キングダム一般生徒:エフェクトや鈍器、あるいは銃器。一つ一つの威力はささやかだが、反撃をしてこない相手を傷つけるには、どれも十分だ。
有崎五派:「い──ッた……」
キングダム一般生徒:「抵抗するな!この……!」
キングダム一般生徒:「キングダムは私達のものだッ!大人が入ってくるな!」
キングダム一般生徒:「みんな!船に火を放つわ!手伝って!」
”ロブスター船長”ロズマリア:「食用じゃねえんだ!いい加減にしろぉ~~~!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「く……っ、皆さん……!」
”ロブスター船長”ロズマリア:「なあ鉄騎王、先生。我慢に限度ってもんがある……!やっちまっちゃダメか!?」切羽詰まっている
オリヴィエ・クロムハーツ:「あと少しの機を待って……あの子の動きを……留めてもらえますか!その時は私たちが食い止めます!」
有崎五派:「駄目……!あと少し、あと少しだけ耐えて……!」
有崎五派:弾丸に貫かれた肩を抑え、出血を留めながら苦しそうにロズマリアへ向けて叫ぶ。
”ロブスター船長”ロズマリア:「…………少しだけだかんな!」
キングダム一般生徒:「出ていけ!シャムロックも、海賊部も、大人も……」
キングダム一般生徒:有崎五派を、モップで何度も叩きつけながら叫ぶ。
キングダム一般生徒:「私達はもう、うんざりなの!敵も!戦いも!」
有崎五派:「……ッ」
オリヴィエ・クロムハーツ:ぎり、と歯を食いしばる。
有崎五派:一度、二度。あるいは三度目か──そのどれか。振り上げられたモップをしっかりと掴む。
有崎五派:「そりゃ苦しいでしょうよ、うんざりでしょうよ!大人として私も思う所くらいはあるわよ!でも──!」
有崎五派:額から血が垂れ、メイクを塗りつぶす。
有崎五派:「貴方達が今まで必死に守ってきた場所なんじゃないの!?みんな、みんな大事なモノの為に戦ってるのに──!」
有崎五派:「こんなので、こんな終わりでアンタたちは良いの!?」
有崎五派:掴んだモップごとぐい、と生徒を押しやって"やるべき事"の為に重い足取りで前へ進んでいく。
キングダム一般生徒:「何よ、意味がわからない……!キングダムを壊そうとしている敵のくせに……」
キングダム一般生徒:「そんなやつの話なんか聞くな!」
キングダム一般生徒:「鉄騎王様も法王様も敵だったんだッ!」
フアナ・メサ:「これがお前達だ、キングダム」
フアナ・メサ:「ここにあるのは……私の怒りだけだと?」
フアナ・メサ:「そうなんだろうな。怒ってるのは私だけだ。お前達にはまともな怒り方さえできない」
フアナ・メサ:「お前らにあるのは、怒りじゃない!愚かさだけだ!」
五辻モモカ:「歪められた心があるべき形でないのは当然だ」
五辻モモカ:「他者から愚かさを見出す事に悦びを感じてはならぬ。それは常に己も持ちうるものなのだから」
五辻モモカ:壁や床に突き刺さっていた聖剣が砕け、手にした一本に収束する。
五辻モモカ:「疑念も、不信も、誰しもが持つものだ」
五辻モモカ:「それを踏み越えて手を伸ばせる事こそが我らが求めるべき美徳。蓋を開けて騒いでいるようでは幼稚と言わざるを得んぞ」
フアナ・メサ:「さぞ気分がいいんだろうな。口先だけで悟ったようなことを言うのは……」
フアナ・メサ:「お前は嘘をついている。自分はああならないと思ってるんだ」
フアナ・メサ:「私からも……教えてやる。他の誰かに、立派な説教を言えば言うほど」
フアナ・メサ:(あの剣で、私の銃撃を防ぐ。それだけの速度とパワーがある)
フアナ・メサ:(それは分かっている。けれど私が撃つのは、実体のある弾丸じゃない)
フアナ・メサ:("敵意"は防御不能だ)
フアナ・メサ:「――自殺したくなるほど後悔する」
フアナ・メサ:フアナ・メサの動きは全て見えていた。彼女は引き金を引いたわけではない。
フアナ・メサ:実弾を発射するための武器ではないからだ。弾丸には形もなく、視認もできない。
フアナ・メサ:それを認知できるのはフアナ自身だけだ。敵意を伝染させる、仮想の銃弾。
フアナ・メサ:それを三発撃った。五辻モモカと、オリヴィエ・クロムハーツと、有崎五派へと。
フアナ・メサ:(私は弱い)
フアナ・メサ:(自分の強さで、自壊しろ)
五辻モモカ:実体のない不可視の弾丸。防御、回避はおろか感知する事すら本来であれば不可能であっただろう。だが──
五辻モモカ:純白の中で、その黒はよく目立つ。
五辻モモカ:瞳を閉じたまま、小さく腕を持ち上げただけだった。
五辻モモカ:実体のない、敵意という意思の塊である弾丸を祈りという意思の塊である3本の聖剣が切り落とす。
フアナ・メサ:(――反応、いや)思考のようなものが過ぎる。
フアナ・メサ:(間に合っても、実体がない弾を、防御は)
フアナ・メサ:(できない)
フアナ・メサ:(はず――)
フアナ・メサ:一連の思考が終わった時には
フアナ・メサ:攻撃はかき消えている。
五辻モモカ:ギギ、と音を立てて十字冠が軋む。父より齎された光によって輝くそれは、虚空から伸びる無数の手のようなビジョンにがっしりと掴まれているように見えた。
フアナ・メサ:「それは」
フアナ・メサ:「……それは、なんだッ!」
五辻モモカ:感情を悟らせない、純白とも言える表情でフアナを見つめる。
五辻モモカ:「……お前の"敵意"と同じように、誰もが持ちうる"祈り"だ」
五辻モモカ:あまり、長い間保てる状態ではなかった。フアナの弾丸を完璧に捉えるには──
五辻モモカ:自分の中にあるほんの僅かな悪意、敵意ですら邪魔になる。
五辻モモカ:"ペンテコステ"と呼ばれたセルが求めた真なる救世主に至る為の道筋、その一つ。今の五辻モモカの精神性はおおよそ、人間とは呼べない。
五辻モモカ:ふっ、と小さく息を吐くと軋んでいた二重冠が元の姿を取り戻す。
フアナ・メサ:「お前は……」フアナ・メサは、まず逃走を考えた。
フアナ・メサ:それが現実的ではないという考えに至った時、彼女が思ったことは……
フアナ・メサ:自分の戦力で、どの程度、この敵に絶望を与えられるか。
フアナ・メサ:(私はこいつ、、、には勝てない。だけど、パニック状態の生徒どもがいる!)
フアナ・メサ:意識を暴徒へと向けた。すぐに違和感を覚えた。
フアナ・メサ:「……!」
フアナ・メサ:「ザリガニはどうした!?」
”ロブスター船長”ロズマリア:「舐めるなよ、ロブスターの後退速度……」
”ロブスター船長”ロズマリア:水中ではオールに、空中ではスラスターになる船体側面の無数の脚は
”ロブスター船長”ロズマリア:地上においては、そのまま”脚”として、静音での移動を可能にする。そして……
”ロブスター船長”ロズマリア:「暴徒どもはムカつくが、暴れる気持ちは理解できるし、先生に怒られたくもねえんでな!新兵器を喰らわせてやる!」
”ロブスター船長”ロズマリア:ロブスター船の船首(口の部分)が密かに開口する
”ロブスター船長”ロズマリア:ロズマリアのブラックドッグ能力により増幅・収束させた、一点突破のレーザー砲。その名も……
”ロブスター船長”ロズマリア:「蟹光線プロレタリアン・ビィーーーーーーーム!!!!!」
フアナ・メサ:「まずッ……」
”ロブスター船長”ロズマリア:生徒の並み居る戦場で、フアナ・メサだけを狙い撃った
フアナ・メサ:まともな防御能力はない。できることは攻撃に対する"敵意"で、ある程度の物理影響を抑えることくらいだ。
フアナ・メサ:「……うぐっ、げふっ……くそ……」
フアナ・メサ:腹を撃ち抜かれて血を吐く。立ち上がれない。
フアナ・メサ:この負傷が自分の判断ミスによるものだということは理解していた。
フアナ・メサ:五辻モモカ一人に意識を集中させすぎた――それは、そうしなければまともに相対できないほど、両者の実力差があった故だが。
フアナ・メサ:「こんな、ところで」
GM:乱戦の中にあって、ロズマリアの精密射撃は見事なものだった。
GM:十字冠転送が起こり得ない戦場で、命を奪うことなく、動きを止めるに必要十分な攻撃。
GM:だが、フアナ・メサは動いた。
フアナ・メサ:「こんなところで、私は……」
フアナ・メサ:「まだやれる。役に立てる……!シャムロックのためにだって、『天国派』のためにだって」
フアナ・メサ:「テスラ様のためにだって!」
フアナ・メサ:倒れたまま、フアナは小さな楔片を取り出した。自分自身の胸元にそれを打ち込む。
フアナ・メサ:「――堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジ!!」
有崎五派:「馬鹿……ッ!」

オリヴィエ・クロムハーツ:「……あれは!」彼女の一撃で、戦局は決したと思っていた、だが。
五辻モモカ:「……ッ」
フアナ・メサ:「堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジ……出来損ないの兵器め!」
フアナ・メサ:光線によって刻まれた傷は急速に再生した。壁に掴まるように、よろよろと立つ。
フアナ・メサ:「この程度の侵蝕、『祝福』には遠すぎる……」
オリヴィエ・クロムハーツ:(だからと言って、それを使ってこれ以上の無理をすれば、彼女は……!)
”ロブスター船長”ロズマリア:「バカ野郎……!」
フアナ・メサ:「本物のジャーム、、、、、、、にできる兵器なら、とっくにテスラ様は……」
フアナ・メサ:「ノヴァリスの王になっていた!本物の王に!」
オリヴィエ・クロムハーツ:それなのに、まだ手は動かない。鎧が酷く、重く感じる。
カルティカ:「危険です!皆さん、危険ですッ!」カルティカが、暴走した好奇心で叫ぶ。
カルティカ:「"フォモーリアン"が今、堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジを使いました!!」
カルティカ:「円卓!シャムロック!幻獣兵器!星徒!一連の事件の陰謀は、一体どこまで絡み合っているのでしょうか!?」
カルティカ:「もはやキュナリオン憲兵学校も無関係とは思えません!」
カルティカ:「はは」
カルティカ:「は、ははは」
カルティカ:「なんて素敵なんだろう!もうあんな生活に戻りたくない!」
カルティカ:「外の世界にはこんなにも鮮やかで、圧倒的な真実があるんだから!」
カルティカ:「きっと、これからすごいことが始まるぞ……!この事件だって始まりでしかないんだ!」
カルティカ:「ノヴァリス全てを覆すような、すごいことが起こる!」
有崎五派:「……カル、ティカ」
有崎五派:笑うカルティカの耳に、荒い息に混じった掠れた声が届く。
カルティカ:「……!あなたは!」
有崎五派:「有崎……五派。ふぅ……ごはせん、でもおっけーよ」
有崎五派:リザレクトによって傷は塞がっているが、26年間でこれほどの痛みを受けた記憶は殆ど──ない。
有崎五派:脳裏に焼き付いた痛みだけで息が上がっている自分の弱さに涙が出そうだが、それでもまっすぐカルティカを見上げる。
カルティカ:「存じています!キングダム初の公式招聘を受けた『先生』!有崎五派さん!」
カルティカ:「こうして直撃インタビューの機会までもらえるとは……!光栄です!」
カルティカ:「この事件に対する有崎先生の見解はいかがでしょうか!?」
カルティカ:「また、職員室と理事会の関係について一部で危惧する声もありますが、それに対するコメントなどもいただけると助かります!」
有崎五派:「……最悪ね」
有崎五派:肩で息をしながら、苦しそうに笑う。
有崎五派:「この街から消えてもまだ、生徒を傷つけてる連中が一番最初に貴方達にとっての"大人"の見本になっちゃってるのが一番最悪」
カルティカ:「しかし、それは間違いない真実なのです!有崎先生!」
カルティカ:「キングダム円卓議会が、なぜこれまで一人も、公式に『先生』を呼ぶことがなかったのか?」
カルティカ:「それは市民感情に配慮した判断……だと、行政部は発表しています!」
カルティカ:「この発表が真実かどうかは分かりませんが!それでも、理事会時代の大人の行いは、誰もがその目で見た真実です!」
有崎五派:首を振る。何度も、何度も。
有崎五派:「違う。それだけは、それだけは絶対に認められない」
有崎五派:「貴方達が色んなことを知って、体験して。その先に辿り着くものなんだから……」
有崎五派:「あんなのが大人だって私は絶対、ぜぇったい認めない!!」
有崎五派:「世界は広い、貴方達の知らない大人が沢山いる、とは言わない。私だって知らない事ばかりだもの」
有崎五派:それでも、それでも。職員室で席を並べる先生達。あるいは──小さな病室。
有崎五派:「とっても、とっても……遅くなっちゃったけど」
有崎五派:「貴方達の味方になってくれる大人が、今は居るの」
有崎五派:理事会の行いを、無関係だとは決して口にはできないし、してはならないとも思う。
有崎五派:ああいった"大人"を生んだ世界に私達だって居たのだから。
有崎五派:「私だって、その為に此処にいる。だから──お願い、あと一度だけ」
有崎五派:カルティカへ向けて一歩踏み出す。
キングダム一般生徒:「逃が、すか……!理事会の残党ッ!」怒り狂った生徒が、背後から角材で殴る。
有崎五派:強烈な衝撃に膝を付く。止まりかけていた出血が激しくなる。
有崎五派:その流血の上を走るようにして、涙が流れる。
有崎五派:「貴方達を絶対に守ってみせる……から」
カルティカ:「はははは」
カルティカ:「ははは」
カルティカ:「有崎先生」
カルティカ:「私は、自分の目で見たことしか信じられないのです」
カルティカ:「守るとか。実はそうじゃないとか。そういった言葉は全てが誤報である可能性を含んでいます」
カルティカ:「今見せてください。――今、どんな真実を与えてくれるんですか?」
GM:カルティカは、自分で見たままの印象を報道し、その印象を伝播させる能力者である。
GM:彼女は愉快そうに笑い、この騒動をも心から楽しんでいるように見える。
GM:だが、彼女の印象を受け取った生徒達は怒り、疑心暗鬼になり、何もかもを傷つけはじめた。
GM:それは、カルティカがこの世界の全てに対して感じ取っている『印象』を反映しているからだ。
GM:不信を。
有崎五派:彼女が一体どんな時間を過ごし、一体どれだけの裏切りを受けてきたのか。それを知るすべはない。
有崎五派:けれど、もう私は初めてキングダムの地を踏んだ頃とは違い、知ってしまっている。
有崎五派:彼女たちの戦いの、傷の記録を。たった一部であろうとも、枝葉のように広がる光景は心に刻まれている。
有崎五派:上手く、言えそうにもなかった。だから。
有崎五派:有崎自身の能力行使を助ける道具が詰まったポーチを落とす。ひとつ、また一つと最低限の身を護る手段が零れていく。
キングダム一般生徒:「このッ、止まれ……!」
キングダム一般生徒:「私達の、キングダムを、傷つけるな!」
有崎五派:そしてポケットから"先生"の力を秘めたスマートフォンもまた、地面へ転がって。
有崎五派:「私は────」
有崎五派:振り返り、角材を額で受け止める。そして、その体を強引に抱き留めた。
キングダム一般生徒:「……ッ、なに……!」
キングダム一般生徒:「何するのよ!」
有崎五派:「私は」
有崎五派:暴れる生徒髪を、震える手で撫でる。
有崎五派:「貴方達が大好きよ」
有崎五派:「怖いのに、もううんざりなのに」
有崎五派:「誰かの為に立ち上がって戦えて偉い。嫌いで怖い大人が相手なのに、立ち向かえて偉い」
有崎五派:声が震える。誰か、誰か一人でもこの子達の勇気を褒めてあげていただろうか。
キングダム一般生徒:「……ッ」
キングダム一般生徒:「私は……だって、私達は」
キングダム一般生徒:歯を食いしばり、涙を流す。
キングダム一般生徒:「このキングダムで育って……!今だって、八月革命の時だって!」
キングダム一般生徒:「何も出来ないなんて、悔しかったから!」
有崎五派:「……馬鹿。貴方達は立派に戦ったじゃない」
有崎五派:「信じてた王様が裏切り者かもしれなくて、きっと勝てないのに」
有崎五派:「ずっと、ずっと貴方は怖いって気持ちと戦って」
有崎五派:「今日、勝ったんでしょ?偉いわ」
キングダム一般生徒:「私は、王様になれなくて」
キングダム一般生徒:「誇れることなんかなくて」
キングダム一般生徒:「でも、好きだったから……キングダムが……」
キングダム一般生徒:「うあああああああ」
キングダム一般生徒:「わあああああ……」
有崎五派:「良い所だものね、キングダム。私も、貴方達には負けるかもしれないけど……大好き」
カルティカ:「キングダムの皆さん!ご覧ください!職員室の大人の――有崎五派が、キングダムの生徒を捕らえて」
カルティカ:「号泣させています!これは、身体接触による何らかの攻撃と考えられ……」
カルティカ:「…………」
カルティカ:「……いえ。私は何を言ってる……そうじゃありません。きっと……」
カルティカ:「こんなことが、陰謀であるはずがない」新聞紙の束を落とす。
有崎五派:「……私は、理事会と同じ"大人"だけど」
有崎五派:生徒の髪を優しく梳きながら、カルティカに向かって微笑む。
有崎五派:「それ以上に"先生"でありたい」
有崎五派:「えらかったら褒めて、悪い事したら叱って、困ったことがあったら一緒に頭を抱えて」
有崎五派:「貴方達が幸せになって立派な"大人"になる事を何より喜べる、先生でありたい」
有崎五派:「お願い。あと、一度だけ」
有崎五派:「先生わたしたちを信じて欲しい」
カルティカ:「……不思議ですね。有崎先生の仰っていることは、すごく簡単で、当たり前のことなのに」
カルティカ:「このキングダムでは、誰もやったことがなかったことのような気がします」
カルティカ:「……一番偉くて正しい王様が治める国では誰が、大人として王様の心に寄り添ってくれるのでしょうか?」
有崎五派:「一番偉くて正しい王様、か……」
有崎五派:少しだけ、考えて。
有崎五派:「やっぱり……"先生"って答えちゃうかな」
有崎五派:「大人って、時間が経てばなれるものじゃないと思うの」
有崎五派:「誰かにいっぱい、いーっぱい愛してもらって。それを誰かに分けてあげようかなって思えた時に、大人になると思うから」
有崎五派:「偉くなくても、正しくなくても……大人として王様を愛する……ってのは出来るんじゃないかな」
カルティカ:「私は自分の目で見たことしか信じません」
カルティカ:「有崎先生が今仰ったことは、全てが虚構であったり、誤報である可能性があります」
カルティカ:ヂッ
カルティカ:ライターを点火して、取り落とした新聞の束に火をつける。
カルティカ:「ですから、私は今後も同じことを続けるでしょう」
カルティカ:「私が、有崎先生とのインタビューで感じた通りの印象を報道します」
カルティカ:「止めますか?」
有崎五派:首を振る。
有崎五派:「貴方のやりたい事なんでしょ?」
有崎五派:そして、釘を刺すように悪戯な笑みを浮かべる。
有崎五派:「でも、危ない事だったら……また、叱りに来るからね」
カルティカ:笑う。先程までのタガの外れたような笑いではなく、年相応の少女らしい微笑みだった。
カルティカ:「名残惜しいですが、失礼します。今から記事を作り直す必要がありますから」
カルティカ:「それでは」
有崎五派:「また……ね」
有崎五派:微笑みを崩さぬまま、膝の脱力に合わせてへたり込む。
オリヴィエ・クロムハーツ:その様子に、涙を込めた笑みと、決意の眼差しを灯して。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……先生」
オリヴィエ・クロムハーツ:「見ていてくれますか。これから為すことを」
有崎五派:「だい、じょぶ……ちゃんと、見てる。ここで」
有崎五派:乱れた前髪が呼吸に合わせて揺れるが、力強く頷く。
オリヴィエ・クロムハーツ:……そうだ。私を信じてくれる人たちの為にも、示さなければいけない。
オリヴィエ・クロムハーツ:人は、変われるのだという事を。暗闇の中を、勇気を持って進めるのだという事を。
オリヴィエ・クロムハーツ:フアナ・メサへ向かい、一歩前に出る。
オリヴィエ・クロムハーツ:……私は、間違っていたのかもしれない。
オリヴィエ・クロムハーツ:決して誰も取りこぼさぬようにと、全てを警戒し、芽を摘んで。
オリヴィエ・クロムハーツ:身と心を鉄で纏い、全てを一人で救わねばならぬと、思いあがった。
オリヴィエ・クロムハーツ:でも……それでも、得たものは確かにあった。
オリヴィエ・クロムハーツ:決して無為では無かった。共に戦う円卓なかまがいた。
オリヴィエ・クロムハーツ:確かに誰かを救え、感謝の言葉を受け取った。
オリヴィエ・クロムハーツ:「そう。初めから分かっていたんです。ただ、見えなくなっていただけ」
オリヴィエ・クロムハーツ:"人を裁くこと無かれ、自分が裁かれないためである。" "汝の敵を愛せよ。悪意を抱いて迫害するものに対して、慈愛をもって接せよ。"
オリヴィエ・クロムハーツ:私に必要なのは、心に纏うてつでは無かった。
オリヴィエ・クロムハーツ:……天使の剣は、余人に振るえるものでは無い。
オリヴィエ・クロムハーツ:人が人を裁くことが、そもそもの矛盾であるのだ。この代償はきっと、所有者に必ず訪れるもの。
オリヴィエ・クロムハーツ:ならばこそ。再び示さねばならない。己が正義を、何がために在るのかを。
オリヴィエ・クロムハーツ:───鞘の無い剣は、他者を傷つける事しか出来ない。その正しさは、他者の痛みを以て成立する諸刃。
オリヴィエ・クロムハーツ:ならば───
オリヴィエ・クロムハーツ:「証明する。私の正義は───」
オリヴィエ・クロムハーツ:「───神の正義。赦しの為の光」
オリヴィエ・クロムハーツ:「互いの弱さを担い合い、共に成し遂げるもの!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「天上の愛agapeの如く、地平全てを包むもの!」
オリヴィエ・クロムハーツ:「───覇鍵解錠けいしょう、聖約」
オリヴィエ・クロムハーツ:───私が、あなたの鞘となる。
オリヴィエ・クロムハーツ:「ともちかえ!星界正義の剣アウリエル!」
オリヴィエ・クロムハーツ:渾身、全霊、光が少女を包み込む。その苛烈なる正義の刃を、自らの内へと納めていく。
オリヴィエ・クロムハーツ:王鍵・星界正義の剣。その遺産は数ある王鍵の中でも『継承』を行い次代を決定する、聖なるひかり
オリヴィエ・クロムハーツ:今、この瞬間。八月革命───ロードマスターとの戦いで起きた"それ"が、巻き起こる。

オリヴィエ・クロムハーツ:柔らかな白衣に、眩き鎧。翼はためかせ、王が再錬成リビルドする。
オリヴィエ・クロムハーツ:キングダムの革命に居合わせたのなら、何処かから仰ぎ見た。ロードマスターすら救わんと手を伸ばした、ひかり。
オリヴィエ・クロムハーツ:鉄騎の王は何時かの如く、光纏う熾天の翼を携えて。昏き王国に再臨した。
オリヴィエ・クロムハーツ:「……改めて真名を名乗ります。私は現円卓議会第六席"鉄騎王"にして───」
オリーヴ・ウェールズ:「───貴女方と変わらぬ一人の学徒。"オリーヴ・ウェールズ"!」
有崎五派:「……オリーヴ・ウェールズ?」
オリーヴ・ウェールズ:総身、輝き纏う聖刃。鎧う鉄こそ、誓いのあかし
オリーヴ・ウェールズ:静かに、彼女に笑みだけを返して。
オリーヴ・ウェールズ:「……遅くなって、ごめんなさい」
オリーヴ・ウェールズ:その言葉を。目の前の"すべての"生徒達。先生。そして───ルキア・ティベリアへ。何もかもへと向けて。
オリーヴ・ウェールズ:「皆と肩を並べる為に───貴女達と、共に在る為に!」
オリーヴ・ウェールズ:「───この小さな手を、伸ばしに来ました」
オリーヴ・ウェールズ:八月革命から、今。少女は一歩を踏み出した。
有崎五派:「……オリーヴちゃん、か」
有崎五派:何度か、その名を赤子を抱きかかえるような穏やかな口調で繰り返し、オリーヴに向けてにっこりと笑いかける。
有崎五派:「かわいいじゃん!」
”ロブスター船長”ロズマリア:「なんだァーーー!?眩しすぎるぞーーー!?」
オリーヴ・ウェールズ:背の翼を少しだけ機嫌よくはためかせ、歩んでいく。
オリーヴ・ウェールズ:いっそ無防備な程に曝け出して。フアナ・メサの眼前へ。
フアナ・メサ:「……」
フアナ・メサ:言葉もなく、その接近を見る。
フアナ・メサ堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジで強引な再生を果たしたとはいえ、
フアナ・メサ:果たして特殊兵装の一つ程度で、このオリーヴ・ウェールズに――
フアナ・メサ:否、自分を生徒達に近づけないよう遮っている五辻モモカ一人にさえ、敵うかどうか。
フアナ・メサ:「黙れ」
フアナ・メサ:「私に何かを言うつもりでいるなら、黙れ」
フアナ・メサ:「どうせ、ベラベラと語るんだろう」
フアナ・メサ:「自分達が、どれだけ……」
フアナ・メサ:「お優しく、お美しくて、お偉大、、、かみたいな能書きを」
フアナ・メサ:「うんざりだ」
フアナ・メサ:「とっくに試合の勝ちは決まって、しょぼくれている負け犬に説教する……楽しいんだろうな」
フアナ・メサ:フアナは、銃を持っている。そこから発射されるのは実弾ではないが
フアナ・メサ:弾が装填されていないわけではない。
フアナ・メサ:(分かっていたよ。もう理事会も、私達の生徒会もない)
フアナ・メサ:(テスラ様も、二度と私を見ない)
フアナ・メサ:銃口をを自分のこめかみへと向けた。
オリーヴ・ウェールズ:手を伸ばす。
フアナ・メサ:「みんな滅びろ」
フアナ・メサ:引き金の指が動く。
オリーヴ・ウェールズ:その銃口を、自らの胸元へと動かして。
オリーヴ・ウェールズ:引き金の指は、そのまま正しくオリーヴの身を穿つために動いた。
フアナ・メサ:「……ッ!」
フアナ・メサ:(分かっていた)
フアナ・メサ:(引き金を引くくらいの、小さな動きだろうと)
フアナ・メサ:(止められるほどに、反応速度の差がある……)
フアナ・メサ:だから、もはや抵抗は無駄だと理解したのだ。
フアナ・メサ:なのに。
フアナ・メサ:「くそっ……!う、ううう……っ」
フアナ・メサ:涙が溢れた。感銘ではなく、屈辱の涙だった。
フアナ・メサ:「そこまで、私を」
フアナ・メサ:「そこまで!踏みにじりたいのかよ!お前らはッ!!」地面に突っ伏す。
オリーヴ・ウェールズ:悪意の弾丸に撃たれて尚。敵意も、悪意も、絶望も何も無い。
フアナ・メサ:「死なせてくれ!!」
フアナ・メサ:「それくらいの優しさをくれ!私には――」
フアナ・メサ:「何もないんだ!もうお前達のいる世界は、うんざりだ!」
オリーヴ・ウェールズ:純白に、高らかに。天上の正義あいを謳う、淀み無き善性。
オリーヴ・ウェールズ:そのまま地に伏す彼女を包み込むように、跪いて背に手を遣る。
オリーヴ・ウェールズ:小さな光。それだけで堕剣の楔片が、塩となって崩れ落ちた。
GM:『星界正義の剣』の破壊規模は、ごく小さい、、、、、ものだ。邪悪を滅するために区切られた規模にのみ、その熱量を打ち込む。
GM:今のオリーヴ・ウェールズであれば、その破壊規模を堕剣の楔片ダモクレス・ウェッジという邪悪に限定することもできる。これまでは考えられなかったほどの掌握率である。
オリーヴ・ウェールズ:「……我儘と言われてもいい。あなたが死んでしまうのは、私は嫌です」
オリーヴ・ウェールズ:そのまま抱きしめる。小さな手を可能な限り伸ばして、彼女へ。
フアナ・メサ:「お前が、、、嫌なんだ」
フアナ・メサ:「私は、、死にたい」
フアナ・メサ:抱きしめられながら呻く。
オリーヴ・ウェールズ:「まだ互いに何も知らないままお別れになるなんて、嫌」
フアナ・メサ:「私は、、知りたくない」
オリーヴ・ウェールズ:「私は・・、あなたの事をもっと知りたい」
オリーヴ・ウェールズ:王としての威厳は無い。ただの年頃の少女の言葉。
フアナ・メサ:「好き勝手に……やればいいさ……。自殺を止めたみたいに、力ずくで……」
フアナ・メサ:「私の意志なんか、何を言おうと関係ない」
フアナ・メサ:「もう終わりだ」
オリーヴ・ウェールズ:「……まだ、何も終わってないよ」
オリーヴ・ウェールズ:「前も後ろも見えなくなっても、そこには道はあるから」
オリーヴ・ウェールズ:「……貴女も、自分自身を赦してあげて」
フアナ・メサ:「じゃあ、王様。――お前が、私のやりたいことを許してくれるのか?」
フアナ・メサ:「違うよな。暴動だけじゃない……死ぬことすら許さないで、こうしてオモチャにしている」
フアナ・メサ:「私と、お前は違う。片方の意見だけが通るなら、上下関係があるんだ」
フアナ・メサ:「どんな世界にだって、王様、、が君臨する」
フアナ・メサ:「今の私は、無力で無知な民で――一方あんたは」
フアナ・メサ:「真理を知っていて、力が強くて、それで他人を従わせる、王だ」
オリーヴ・ウェールズ:「……無力で無知なのは、私だって同じです」
オリーヴ・ウェールズ:「何も助けられず、愚かな選択をし続けて。今ですら、貴女にかける言葉を必死に探している」
オリーヴ・ウェールズ:「王や民である以前に、互いに同じ生徒で、同じただの人だというのに」
オリーヴ・ウェールズ:「……難しいですよね、何も分からないですよね。いつだって、前にあったのは暗闇だけで」
オリーヴ・ウェールズ:「……たぶん、弱くても強くても、全てが許される自由なんて、本当は無いのかもしれません」
オリーヴ・ウェールズ:(……でも、それでも。あの人は私に光を見せてくれたから)"先生"の顔を思い返す。私に対して必死に向かってくれた、あの人を。
オリーヴ・ウェールズ:「でも、この不自由な世界で、まだ必死に藻掻きたい」
オリーヴ・ウェールズ:「……一緒に探しましょう。これから、何が出来るのか」
フアナ・メサ:「一緒に来てほしい。自分も答えを探したい――」
フアナ・メサ:「『真理』だな」精一杯の皮肉が込められていることが分かる。
フアナ・メサ:「私もあんたと同じように、ニコニコ笑って、同じことを言えば気持ちよくなれるか?」
フアナ・メサ:「そうですね。鉄騎王」
フアナ・メサ:「私が間違っていました。私は何か、私を救ってくれる答えのために戦っていましたが……」
フアナ・メサ:「それを一緒に仲良く探そうと思います。共に歩いていきましょう!」
フアナ・メサ:「解決だ」
オリーヴ・ウェールズ:(違う───これでは、だめ)
オリーヴ・ウェールズ:それは、相手に向ける思いでもあり、同時に自分に向けてのもの。
オリーヴ・ウェールズ:一拍空いた後に、重い口を開いて。
オリーヴ・ウェールズ:「……分かりました」
オリーヴ・ウェールズ:「貴女がどうしても死にたいと言うのなら」
オリーヴ・ウェールズ:「───私が、貴女を殺します」
フアナ・メサ:「は」
フアナ・メサ:「お前が、私を殺すって?」ぼんやりとオリーヴを見る。
フアナ・メサ:恐怖のために視線を向けたというより、現実味を感じていない。そういう動作だった。
フアナ・メサ:「……」
フアナ・メサ:「……できるのか?お前に、そんな真似が」
フアナ・メサ:「わざわざ、死ぬのを止めておいて……」
オリーヴ・ウェールズ:「咄嗟の事でしたから。それにこの場で自ら命を断とうとすれば、私でなくとも、法王や先生が必ず止めに来る」
オリーヴ・ウェールズ:「だから、私が責任を持って貴女の命を絶つ。誰にも邪魔はさせません」
フアナ・メサ:(キングダムが王なら、シャムロックは兵だ)
フアナ・メサ:(世界を征伐する『天国派』の計画で、その役割が、学区を分けるほどに隔てられていた意味があるとすれば――)
フアナ・メサ:「できるわけがない。お前みたいに」
フアナ・メサ:「……恵まれたやつが」
フアナ・メサ:(王は、手を血で汚さないから)
オリーヴ・ウェールズ:「……元より、私はキングダムで生まれた反逆の芽を摘み取る断罪者」
オリーヴ・ウェールズ:自らの手を見る。握る。
オリーヴ・ウェールズ:「既に、何度も、この手で・・・・、裁いてきました」
オリーヴ・ウェールズ:(今の私は、彼女との会話が成立していない。平行線だった)
オリーヴ・ウェールズ:(……至上王と同じで。私はまだ、彼女の事を断片的にしか知らない。だから、抽象的な問いしか出来ていなかった)
オリーヴ・ウェールズ:(有崎先生から学んだのは向き合う気構えであって方法論ではない。模索しなければいけない。彼女との向き合い方を)
オリーヴ・ウェールズ:正面からの問いかけは否定された。やり方が私の今の立場を基にしたものだったからだ。
オリーヴ・ウェールズ:どうすれば対等で居られるか、貴女の事を知ることが出来るか。
オリーヴ・ウェールズ:「……その代わり。ひとつ。私に賭けをさせてください」
フアナ・メサ:「今更何を言ってるんだ」
フアナ・メサ:「……どんな賭けなんだ?私にはもう、命以上に賭けられるものなんてない」
オリーヴ・ウェールズ:その場に落ちていた、一枚のコインを拾い上げる。
オリーヴ・ウェールズ:「このコインを数度投げ、裏表を当てた方が相手への質問権を得る」
フアナ・メサ:コインを睨む。キングダムの威光を示すような装飾的な貨幣。暴徒の誰かが、転んだか殴られたかした拍子に落としたものなのだろう。
フアナ・メサ:「コインの結果なら――」
フアナ・メサ:「力ずくじゃない、『対等』だって言いたいのか?」
フアナ・メサ:「言葉遊びだ、そんなことは……」
フアナ・メサ:「……」頭を押さえ、座り込む。
フアナ・メサ:「……チッ、勝手にやれ……」
オリーヴ・ウェールズ:「……貴女が勝てば、キングダムの機密であっても、私の秘密であってもなんでも答えましょう」
オリーヴ・ウェールズ:「まずは、私が投げます。結果は……表であれば、貴女。裏であれば、私」
オリーヴ・ウェールズ:小さく、指先から弾かれる音。
オリーヴ・ウェールズ:中空で幾度となく回転し、からりと地に落ちる。
オリーヴ・ウェールズ:「……表、ですか」
フアナ・メサ:「…………」
オリーヴ・ウェールズ:「……問いたいことがあれば、答えましょう。何も無いのであれば、先ずは……キングダムの機密を」
フアナ・メサ:「……どうして」言葉を遮るように呟く。
フアナ・メサ:「テスラ様は私を見捨てたんだ?」俯いている。表情は見えない。
オリーヴ・ウェールズ:(……テスラ・タイタニス。フォモーリアンの長。先生から聞くところによれば、セイクリッドピラーで自ら捕縛され、今は拘束されていると聞く)
フアナ・メサ:「出られるチャンスがあったのに。やっと……お役に立てなかった分を、返せると思ったのに」
フアナ・メサ:「私にはあの人だけだ。お前らキングダムが、どんなに権威や、力や、正しさを見せたって――」
フアナ・メサ:目元を手で覆う。
フアナ・メサ:「私には、あの人だけが王だった」
オリーヴ・ウェールズ:暗中模索だった中で、光が見えた。彼女自身の感情の吐露。
オリーヴ・ウェールズ:「……分かりません。私は彼女ではなく、彼女もまた私ではないから」
オリーヴ・ウェールズ:「ですが、理解に向かう事はできる」
オリーヴ・ウェールズ:「まだ、彼女に直接聞きに行ける」
オリーヴ・ウェールズ:「私が貴女を手に掛ける、僅かに残された時間の中で」
フアナ・メサ:「分かりたくない」
フアナ・メサ:「私は、、分かりたくない」
フアナ・メサ:地面に両手を突いて、叫ぶ。「分かりたいわけがないだろ……!誰だって!」
フアナ・メサ:「自分がなんで捨てられたのかなんて!」
フアナ・メサ:「ぐっ、うううう……!うううっ……!」
オリーヴ・ウェールズ:「……そうなのであれば、何故」
オリーヴ・ウェールズ:「私に、そのことを聞いたのですか?」
フアナ・メサ:「は、はは……なんでだ?」
フアナ・メサ:「知らないよ……。どうせお前は、また知ったような口を叩くと思ったから……」
フアナ・メサ:「わからない。わからないって、はは……」
フアナ・メサ:「もう、いい。賭けなんかいいだろう。オリヴィエ・クロムハーツ……」
フアナ・メサ:「これが私だ。力も、仲間も、故郷もない。見苦しい姿を眺めて、十分満足しただろ?……」
フアナ・メサ:「殺してくれ」
フアナ・メサ:地に伏してうなだれた姿は、処刑人に首を差し出す姿勢のようでもある。
オリーヴ・ウェールズ:「まだ、賭けは終わっていません。貴女の手番です」
オリーヴ・ウェールズ:項垂れる掌に、コインを握らせて。
フアナ・メサ:「……」
フアナ・メサ:コインが落ちた。地面を転がって倒れる。
フアナ・メサ:投げたのではなく、落としただけだ。
フアナ・メサ:「……どっちだ……」顔を伏せたまま問う。
オリーヴ・ウェールズ:「……裏。私が、貴女に問いかける番です」
オリーヴ・ウェールズ:深く息を吸い、問いかける。
オリーヴ・ウェールズ:「……質問します」
オリーヴ・ウェールズ:そうだ、まだ。私は彼女の事を。
オリーヴ・ウェールズ:「貴女の名前と、好きな食べ物を……教えてください」
オリーヴ・ウェールズ:何も、知らないのだから。
フアナ・メサ:「は……」
フアナ・メサ:「馬鹿にしている……私を、バカにするための質問だ」
オリーヴ・ウェールズ:「……答えになっていません。コインの出目に上下は無く、取り決めは行われました」
フアナ・メサ:「フアナ・メサだ!フアナ・メサ!とっくに知ってるんじゃないのか!?」
オリーヴ・ウェールズ:「いいえ。私が貴女の口から・・・・・・・・それを聞いたのは、今が初めてです」
フアナ・メサ:(……こいつは、私のことを『貴女』って呼んでいた)
フアナ・メサ:(それがなんだ……今更、どっちだって同じことだ……)
オリーヴ・ウェールズ:「フアナさん。私達は、互いにここまで何も知らずに、平行線な会話を重ねてきた」
オリーヴ・ウェールズ:「……互いににすら、なれていなかった」
フアナ・メサ:「私の目的はキングダムの破壊だ」
フアナ・メサ:「それ以上のことは考えていない。キングダムの連中がみんな理性のないジャームになって」
フアナ・メサ:「そいつらで次はシャムロックを滅亡させてやろうと思っていた」
フアナ・メサ:「……お前みたいな、立派で正しいことだけやっていきたいです、みたいな態度のやつが」
フアナ・メサ:「私の味方になれるはずがない。敵なんだよ……分かってるだろう……」
オリーヴ・ウェールズ:「分かりません!」
オリーヴ・ウェールズ:「まだ、貴女はテスラ・タイタニスにすら会っていなくて、捨てられたのかすら本当か分からないのに!」
オリーヴ・ウェールズ:「なんですべてが終わりだと思い込もうとするのですか!」
フアナ・メサ:「……ッ……!」
フアナ・メサ:「……!」俯いたまま、視線をさまよわせる。反論の言葉を探そうとしているようだった。
フアナ・メサ:「なんで……オリヴィエ・クロムハーツ」
フアナ・メサ:「なんで、さっきから、お前は」
フアナ・メサ:「『わからない』ことを、そんなに……」
フアナ・メサ:「……正面から、受け止めていられるんだ!」
フアナ・メサ:何も分からないうちに、理事会は崩壊した。何も分からないうちに、ノヴァリスは変わってしまった。
フアナ・メサ:「『わからない』ことは」
フアナ・メサ:「絶望じゃないか」
オリーヴ・ウェールズ:……同じだった。第一席ルキア・ティベリアを、理解できぬ絶望と思い込んで。
オリーヴ・ウェールズ:「……私も、少し前まではフアナさんと同じでした」
オリーヴ・ウェールズ:「でも、それでは"本当に絶望なのか"も分からないままでしかないから」
オリーヴ・ウェールズ:「……それに、悔しいじゃないですか」
オリーヴ・ウェールズ:「私は負けず嫌いです。フアナさんと平行線のまま、ここまで話し合うくらいには」
オリーヴ・ウェールズ:「……何も分からないままで、全部が過ぎ去っていて。信じていた相手に捨てられたのかもしれない」
オリーヴ・ウェールズ:「それなら、私だったら直接問いただして、本当にそこに在るのが絶望だったなら───」
オリーヴ・ウェールズ:「───一発、殴らないと気が済みません」
フアナ・メサ:「………く」
フアナ・メサ:「くそォォッ…………!ちくしょう……!」絞り出すように呻く。
フアナ・メサ:「私だけが……私だけが、何も分からないままで……!」
フアナ・メサ:「こんなところで……」
フアナ・メサ:「死ねるか!ちくしょォォォッ!!!」
オリーヴ・ウェールズ:視線を降ろす。もうその必要はないと理解したから。私は、確かに彼女に愛の形を示せただろうか。
フアナ・メサ:「…………。ど、どのみち……知ったことか」ふらふらと歩き出す。
フアナ・メサ:「お前達キングダムなんて、知ったことじゃない」
フアナ・メサ:「……理事会を潰した犯人を探す。最初に言い出した一人……いや、そいつに付き従った連中の誰かに、全部吐き出させてやる」
フアナ・メサ:「シャムロックの牢獄にだって、自分から戻ってやる……今度は無理矢理にだって、テスラ様を連れて行く」
フアナ・メサ:「お前達のことは」
フアナ・メサ:「――もういい。オリヴィエ・クロムハーツ」
オリーヴ・ウェールズ:「……そうですか」訣別の言葉だというのに、何処か───
オリーヴ・ウェールズ:「さようなら、フアナ・メサ。次にキングダムを襲撃した時は、改めて敵として迎え入れます」
フアナ・メサ:「なあ、お前は……」
フアナ・メサ:肩越しに振り返る。
フアナ・メサ:「……いや」
フアナ・メサ:「さようなら。オリヴィエ・クロムハーツ」
フアナ・メサ:そのままどこかへと歩き去っていく。
フアナ・メサ:彼女が再び暴動を引き起こさない保証はどこにもない。
フアナ・メサ:だがオリーヴ・ウェールズは、彼女を力で押さえつけることはなかった。
GM:――事実、この時点を境にして、キングダム各地の暴動は収束へと向かった。
GM:生徒達の行動を沈静化させた要因の一つとして、新たに派遣された『先生』の存在を知らせる号外新聞の影響もあったというが
GM:真相は定かではない。

GM:シーンを終了します。有崎先生のみ、ロイスの取得が可能です。
有崎五派:キングダムの生徒達 誠意〇/悔悟 で取得します


◆Middle11◆最後のチャイム




キングダム連合学院 廃棄区画

GM:星徒の襲来、そして流言飛語による暴動を伴うキングダムの危機は、収束に向かいつつあった。
GM:だが、それらの主たる戦場から大きく遠く離れた、西側の廃棄区画。
GM:――最大戦力の一角たる任アルルは、今はこの地点を探索していた。
GM:この地点だけではない。その神出鬼没の機動力で多くの地点を巡回し、捜索している。
GM:この緊急事態にあって、アルルは何をしていたのか……
GM:通信が入る。不夜王の手も、僅かに空いたということだろう。

ジェシカ・クロフォード:『そちらの首尾はどうだ。”游随辰星"」
ジェシカ・クロフォード:『"戒功王"の始末できそうか』
GM:単体で星徒をも滅ぼすことが可能な最大戦力たる任アルルを、敢えて単独で動かす意味は一つしかない。
GM:それは、その一体を討伐すればこの状況の『全て』を解決できる星徒――
GM:任アルルと同様に神出鬼没である、"戒功王"の暗殺任務に他ならない。

任アルル:「……いません」
任アルル:通信機越しに答える。拗ねた口調だ。
任アルル:「なーんにも、いません」
任アルル:「あっちこっち賑やかなのに、わたしだけ寂しいじゃないですか」
GM:他の大型星徒が即座の対処を強いる脅威であったことも考慮すると、彼女を単独で動かす以外の選択肢はなかっただろう。
GM:たとえ円卓であろうと、任アルル以外の誰一人として、アルルの機動力には追いつけない。
ジェシカ・クロフォード:『至福の時を味わうには孤独に耐える時間も必要だよ』
ジェシカ・クロフォード:『それに、だからこそ貴様が自由に動くことが出来ているのだ』
ジェシカ・クロフォード:『でなければ、貴様のような大駒が放って置かれるものか』
任アルル:ゴーストタウンじみた廃墟の宙を滑る少女。薄衣が月の光を受け、それ自体あえかに光るかの如き様は、幽霊じみた印象を抱かせるかもしれない……こんな場所に、まだ生徒の目があればだが。
任アルル:「喜んでいいやら悲しんでいいやら」
任アルル:「……そも、探して見つかる相手なのですか? 件の星徒の王鍵とやらはどんな代物なんです」
GM:『オズマメガリス』は、空間を自在に転移する。認識阻害のような能力はないが――
GM:キングダム連合学院の領土程度ならば、ほぼ無制限に移動可能な遺産ではある。星徒と化していれば尚更だろう。
ジェシカ・クロフォード:『そうだな。』
ジェシカ・クロフォード:『現在のキングダムには様々な王がいるが』
ジェシカ・クロフォード:『その上澄みを以てしても、"竜王"の采配がなくばまともに戦うこともできない。』
任アルル:「……へえ」
ジェシカ・クロフォード:『そのレベルの敵だ』
ジェシカ・クロフォード:『無限、無制限の移動能力に加え、奴自身の戦術眼も決して他者に後れを取ることはない。』
ジェシカ・クロフォード:『見つけることが出来れば、十分に楽しめる敵であることは保証する』
任アルル:「興味は湧きましたが」
任アルル:「向こうがずうっと移動しっぱなしだったらと思うとげんなりしちゃいますね」
任アルル:嘆息の直後、視界が切り替わる。廃墟街の一角の探索を終え、また別の通りへ転移した。
任アルル:隙を見せている。好戦的な相手であれば、転移直後の無防備な瞬間を狙ってくることもあるかもしれないと期待している。
ジェシカ・クロフォード:『崑崙の五星君ともなれば』
ジェシカ・クロフォード:『"気"のようなもので強敵の気配を察することぐらい出来ると思っていたが』
ジェシカ・クロフォード:冗談とも本気とも判断のつかない口調。
任アルル:「相手によります」
ジェシカ・クロフォード:『出来ることは出来るのか』
GM:――任アルルは不夜王の指示に従い、転移を繰り返しながら戒功王を捜索している。
GM:優先順位は、『戒功王が現れた場合に致命的となり得る拠点』からだった。
GM:それらが終わった後は『戒功王が現れた場合に戦術的な有利を取られる区画』を全て。
GM:今は、『一連の戦闘で誰の目も届いていなかった区画』の番だった。
GM:こうした可能性になるともはや、不夜王の戦術眼では確かな根拠を出すことはできない。
GM:だがその中に、セベクネフェルⅧが向かう動機がある施設があるとすれば……
GM:任アルルは、気配を感じている。
GM:非人間的に安定して整然とした、まるで物質のような気配だった。
GM:任アルルには今、連合司法裁判所の跡地が見える。

任アルル:「……」
任アルル:素足を地に着け、すい、と指先を滑らせる。その一動作で、一帯の地脈を掴む。
任アルル:強者の気の察知。匂い立つようなそれに覆い隠されたものがないか、先んじて裏付けを取ろうと偏差把握を用いながら、そちらを見る。

"戒功王"セベクネフェルⅧ:少女の後ろ姿があった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:白く清潔な、厚い生地のヴェールとマントが風に揺れている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――キングダム連合法。裁判所法第六条」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「連合司法裁判所は、これをキングダム連合学院に置く」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「これは、違法だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:背を向けたまま、淡々と呟く。
GM:セベクネフェルⅧは、裁判官である。刑の執行に当たり、正しい居場所に、正しい手続きで居ようとした。
任アルル:「……こんばんは?」
任アルル:小首を傾げ、声を掛ける。その佇まいが興味を惹いたのもあるが──
任アルル:「あなたが"戒功王"ですか」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「セベクネフェルⅧ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「円卓第三席、"戒功王"。連合司法裁判所長官である」
任アルル:「ご丁寧に」
任アルル:「崑崙山中等専門学校、五星君……“游随辰星”。任アルルです」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」
任アルル:「あなたの殺害を任されています」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「他学区の生徒はキングダム連合学院の内政とは法的に無関係だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「よって、私の殺害を禁じる法的根拠はない」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ただし、忠告する」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「無意味だ」
任アルル:「何故?」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:振り返る。触れてもいない巨大な書物が浮遊して、パラパラと開く。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「我々は刑を執行する。執行者はすべて、キングダム連合学院の体制解体に十分な能力を有している」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「崑崙山中等専門学校の、一生徒が」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「我々に与え得る危害など、考慮には値しない」
任アルル:「頑固な子のようですね」
任アルル:「その拘りについては一つだけ聞いてみたかったのですけど」
任アルル:「キングダムの裁判長って役職は、死んでも失われないものなのですか?」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合法、憲法六十四条1」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「罷免の訴追を受けた裁判官については弾劾裁判所を設け、審査を行う」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「私は正式な解任を受けていない」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「正式な手続きによらぬ、通例的な取り扱いは――」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「法的には、無効と判断する」
任アルル:「原来如此なるほど
任アルル:「解釈と運用というやつですか。案外ジェシカとよく似ているみたい」
任アルル:話題に出した少女に思いを馳せるみたいに、不意に他所へと視線を向ける。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「立ち去るといい」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:不夜王の戒功王を評する言葉に嘘はなかったが、アルルを動かすための、ある種の誇張表現があった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧ自身は、ルールを制定する能力者である。有効な攻撃手段を持ち合わせる生徒ではなかった。
任アルル:顔は他方を向いたまま、細めた両目の眼差しだけが、セベクネフェルⅧを捉え直した。
任アルル:「そうしましょう」
任アルル:夜風が吹く。
任アルル:"戒功王"の視界において、接吻ができそうなほどの間近で瑠璃の髪が舞った。桃の花の香りが生じ、嗅覚においても接近を知らせる。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:その接近に何らかの反応を見せようとしたようだった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:凄まじい速さで書物のページが移行する。だが、三枚も捲れぬ内の出来事である――
任アルル:セベクネフェルⅧの心臓を破り、白衣の背中を貫いて、槍の穂先が生えている。最初からそう描かれた絵画のように。
任アルル:「用も済んだ。個人的には、もう少しお喋りするのも良かったですが」
任アルル:「生憎、ジェシカが首を長くしているので」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……!!」
任アルル:言い終わると同時、踏み込みの第一歩目で跳ねさせた石が、地に転がって音を立てる。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王が崩れ落ちる。褐色の膝が地に着き、長い髪が力なく広がる。
任アルル:「再見了」
GM:キングダムに襲来した星徒との戦闘は、そうして決着する。この学区の封鎖さえ解けたのならば
GM:後はどのようにでも、問題を解決できる――不夜王は少なくともそう告げていた。
GM:だが。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……キングダム連合学院、議会法第四十六条」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:心臓を抜き取られ、命を失ったはずのセベクネフェルⅧが呟く。
任アルル:「……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「有形力の行使による議会の中断は、これを認めない」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:『不滅の妄執』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧは戦闘不能になることがありません。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:解除条件は、『他の星徒全員の撃破』です。
GM:――ジッ、という、小さな音があった。
GM:空気が焦げる、熱量を操る能力者であれば誰もが立てるような音だった。
GM:それでも、任アルルは……そんなありふれた音から
GM:その使い手の凄まじさの程を理解できる。

"風塵王"倫道アカネ:「あれ!?セベクさん!」
"風塵王"倫道アカネ:「こんなところにいたの!」
"風塵王"倫道アカネ:「また辛気臭いところにいるな~。遺産の気配があったと思ったけど、セベクさんだったかあ」
"風塵王"倫道アカネ:仕立ての良い制服を着た、特徴のない黒髪の生徒だった。
"風塵王"倫道アカネ:ただ赤い瞳だけが、爛々と見開いているかのように目立つ。
任アルル:「…………」
"風塵王"倫道アカネ:「セベクさ~ん、私以外は全部やられちゃったみたい。誰だっけ、橋の方にいた子の名前……」
"風塵王"倫道アカネ:「二周目行ってもいい?一周目はタイムアタックだったけど――」
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネには、遺産継承者を感知する特異な才覚があった。
"風塵王"倫道アカネ:王鍵を持つ者――諸王に狙いを定め、手当たり次第に戦闘不能に追い込み、
"風塵王"倫道アカネ:その救助と指揮系統の再構築に労力を割かせていたことが、キングダムの混乱の大きな一因である。
"風塵王"倫道アカネ:「回復力の強い子はそろそろ復活してる頃かな?」
"風塵王"倫道アカネ:「二周目は殺す」
任アルル:銀光が走る。突如現れた少女の胸郭を穿つ軌道。
任アルル:龍脊。キングダムの王鍵ではないが、それと同質のもの。
"風塵王"倫道アカネ:赤い光が走ったが、それも一瞬のことだ。
"風塵王"倫道アカネ:アルルの武器と交わる瞬間だけ刃が点灯して、胸を狙う軌道を逸らしている。
"風塵王"倫道アカネ:「お」制服の端が切り裂かれている。
"風塵王"倫道アカネ:「おお~~……」
任アルル:胸の鼓動が早まるのが分かる。取り澄ました表情が崩れてしまうのが分かる。
"風塵王"倫道アカネ:「蛇」
任アルル:異質な少女と向かい合うその顔は、どうしようもなく──
"風塵王"倫道アカネ:「いや、違うな……わかりやすすぎ」
"風塵王"倫道アカネ:「百足」
"風塵王"倫道アカネ:至近距離で、じっと、アルルの瞳の奥を覗き込むように観察している。
任アルル:「いいですね」
任アルル:笑っている。
"風塵王"倫道アカネ:「困るなぁー、崑崙山、、、は」
"風塵王"倫道アカネ:「今、王様をやろうとしてたとこだったのに……」
"風塵王"倫道アカネ:「……最初に見つけた遺産の気配は」とん、という靴音を立てて、傍目からはまったく無造作に下がる。
"風塵王"倫道アカネ:「君か」
任アルル:「わたしもそうです。わたしも困っていた」
任アルル:「地味で退屈な仕事を投げられたと思っていて──でも」
任アルル:「良いんですよね、ジェシカ。これもあなたの計らいのうちですよね」
任アルル:「想定外だとか駄目だとか言いませんよね!」
ジェシカ・クロフォード:小さい溜息の音が聞こえる
ジェシカ・クロフォード:『この遭遇は想定外ではある、が』
ジェシカ・クロフォード:『貴様の槍を振るうことを許可する』
ジェシカ・クロフォード:『ただし、ここで戦線離脱だけはするなよ。貴様の仕事はまだこれからだ』
任アルル:「谢谢! 頂喜欢!」
"風塵王"倫道アカネ:「あはは。名前は?私は倫道アカネ」
"風塵王"倫道アカネ:「好きな数字は」
"風塵王"倫道アカネ:「『18』」
任アルル:剥き出しの片足を後ろに引く。ざり、と音を立てて石畳が削れる。
任アルル:「崑崙山中等専門学校、五星君」
任アルル:「“游随辰星”任珥露レンアルルゥ
任アルル:「好きな数字は」
任アルル:「1」
GM:誰にも顧みられることのない、廃棄区画を戦場として、
GM:今キングダムに同時に存在する、最強の存在二名が激突する。
GM:かと思われた。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――中断だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:凛とした声が告げた。セベクネフェルⅧは立ち上がっていて、その白い衣服に血も残っていない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「執行を中断しろ。倫道アカネ」
"風塵王"倫道アカネ:「えええ~~~~~~」
任アルル:「はぁ!?」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「四名の星徒が敗北した」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ならば、刑の現実的な執行は不可能と判断し」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「執行を中断。一時閉廷とする」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:巨大な書物を閉じる。
任アルル:「解釈と運用~……!」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:『悪意の伝染』を解除します。
"風塵王"倫道アカネ:「あーあ……」
"風塵王"倫道アカネ:「簡単にしたくなかったのに」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合法、議会法第二条2」
GM:それは
GM:セベクネフェルが到来した際に読み上げた条文と、全く同じものだ。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム円卓議会は、理事会ならびに遺産管理委員会の選定に基づく王をもって、これを組織する。その人数は、七名以内とする」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「現円卓議会はこの条件を満たしておらず、21ヶ月以上に渡り、この学区を違法に運営している」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「よって、キングダムの現体制及び、当該者に運営された全てを解体する」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「そして」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――キングダム連合法、刑法第十一条4」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「理事会により任命された刑執行者の全員が不在または不適当であると認められる場合」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「連合司法裁判所は代理執行者を指名できる」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「代理執行者の人数は、五名以下とする」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:Eロイスを使用します。『血の花嫁』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ララゴ・フォーモアナ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:Eロイスを使用します。『血の花嫁』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「コンスタンツェ・レーヴ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:Eロイスを使用します。『血の花嫁』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「弓木ヒロ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:Eロイスを使用します。『血の花嫁』。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「マーガレット・T・ファインズ」


星徒ララゴ:山の如き白い巨躯と、同じく山の如く林立する黒い大槍。
星徒コンスタンツェ:艦橋の代わりに獣の骨格じみた大顎と翼を備えた、有機艦艇。
星徒ヒロ:莫大な触手を生み出し続け、形を定めることのない海洋生命。
星徒マーガレット:幽鬼の如き虚ろな眼窩と長過ぎる首を持つ、異形の烏。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「倫道アカネ」
"風塵王"倫道アカネ:そして、単体にして最強の人型星徒。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「再度告げる。任アルル」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「我々は刑を執行する。執行者はすべて、キングダム連合学院の体制解体に十分な能力を有している」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「我々に与え得る危害は」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「考慮に値しない」
任アルル:嘆息する。
任アルル:「……確かに理解しました」
任アルル:「一度破られた手が通じる相手ではない……と」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「再審を開始する」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:『悪意の伝染』。再びキングダムを封鎖します。
任アルル:「あなたたちが理解していないことを」
任アルル:"戒功王"を見遣る。もはや構えを解いた。
任アルル:「星徒ジャームに言っても仕方ないのかもしれませんが、ちゃんと考えるべきだった」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧは、僅かに思考した。
任アルル:「あなたの生前の知り合いが」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:任アルルの言葉の意味を。彼女にどのような意図があって
"戒功王"セベクネフェルⅧ:なぜ勝算が生まれ得ないこの状況で、こちらが失策を取ったかのように告げているのか――
任アルル:「ただ漫然と、凡百の駒を盤から退けるように、あなたに対処しようとしたのかと」
任アルル:「友達のことは気にかけた方がいいですよ。その意味では」
任アルル:「ジェシカの方が優っていますね」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「一体」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:今、何かをするのではない。これからするのではない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「何をした、、



キングダム連合学院 行政部


GM:任アルルは、ジェシカ・クロフォードが求めた仕事を完璧に成した。
GM:星徒の一斉再生は、確かに、絶望的な戦力である。勝利できるかどうかは分かっていない。
GM:だが、戦時中に等しい無尽蔵の処理の中――
GM:不夜王は、連絡を取り続けていたのだ。この一瞬にのみ有効になる、最大の切り札と。

ジェシカ・クロフォード:「今だ」
ジェシカ・クロフォード:「"黄道王"」
ジェシカ・クロフォード:RHOを公開します。

EXPC1:ジェシカ・クロフォード
キングダム連合学院の危機に対して、あなたは全力を尽くす必要がある。 それは、これまでのあなたが決して選ぶことのなかった手段すらも選ぶことを意味している。

【第二の切り札】
喪われた円卓の王、"黄道王"ヒナテア・オルブライト。 
"至上王"に粛清され消息不明になった彼女を、あなたは時と労力をかけて見つけ出すことができた。
 彼女は王鍵を剥奪された今なお、一時的に絶大な空間転移能力を発揮する事が可能である。 
シナリオ一回、キングダムと遠隔地の間で、自由に戦力を再配置することができる。

GM:僅かな時間だ。
GM:砂漠地帯に位置する理事会兵器がキングダムに長距離砲撃を撃ち込む隙すらない、僅かな時間。
GM:僅かな時間でも、戒功王の封鎖が解除されればそれでよかった。
GM:任アルルは、ジェシカ・クロフォードの求めた通り、その僅かな時を作り出した。
GM:そして、彼女は来た。
ヒナテア・オルブライト:寂れた街角に。崩れ去った焼け跡に。生徒たちの籠城の場に。負傷者匿う避難所に。
ヒナテア・オルブライト:未だ戦意絶やさぬ戦士の元に。孔が開く。黒い、底の無い暗がりが。

ヒナテア・オルブライト:「承った」
ヒナテア・オルブライト:開かれた暗黒宇宙に、色とりどりの星光が瞬いては消える。移り変わる。
ヒナテア・オルブライト:光を背負い、伸びる人影がある。長い褐色の手足に黒衣がへばりつき、幽鬼の如き白髪と共に揺らめいている。
ジェシカ・クロフォード:「要求はわかっているな」
ジェシカ・クロフォード:「"全て"だ」
ジェシカ・クロフォード:「星徒との戦闘に耐え得る生徒全てをこの場に投入する」
ジェシカ・クロフォード:「"風塵王"、"戒功王"が揃い踏む機を」「全ての星徒を一息に殲滅する為の時を」
ジェシカ・クロフォード:「作為の匂いも感じさせず、偶然とすらも思わせず、あの女が作り上げた。」
ジェシカ・クロフォード:「崑崙の生徒が、創り出した機をキングダムが逃しては他学区に嘲られよう」
ジェシカ・クロフォード:「やつらは、ここで終わらせる。」
ジェシカ・クロフォード:「その為に、貴様の全能力をこの場で使ってでも。我らが勝利する戦場を創り出せ」
ヒナテア・オルブライト:「報酬は分かっているな」
ヒナテア・オルブライト:「”無用”だ」
ヒナテア・オルブライト:「至上王に挑んだあの日、後を全て貴様に任せて、私は逃げた」
ヒナテア・オルブライト:「キングダムに、ノヴァリスに未練は無い」
ヒナテア・オルブライト:行方を追っていたマカミもそこに居るしな、と穴の一つを覗き込む。
ジェシカ・クロフォード:「だが」
ジェシカ・クロフォード:「郷愁は残っているのだろう。」
ジェシカ・クロフォード:「それとも愛着か。いずれにせよ、だから貴様はここに来た」
ヒナテア・オルブライト:鴉の塔に、広大無辺の砂漠に、大博物館に、巨竜の麓に。全ての門は同時に開いている。
ヒナテア・オルブライト:かつ、かつと靴音を立てて入口出口に歩み出る。人影が揺らぎ、顔が露わになる。
ヒナテア・オルブライト:整った顔立ちを覆い隠して余りある異貌。左眼窩に捩じ込まれた、或いは内側から生えてきたかのように輝く宝石瞳。
ヒナテア・オルブライト:その赤に人は恩讐の嚇を想起するだろうか。何もかも焼き尽くす焔を重ねるだろうか。
ヒナテア・オルブライト:もしも、かつての決戦に身を投じた者ならば。或いは。
ヒナテア・オルブライト:ロードマスターが振るった、一振りの魔剣の赫を見出すだろう。
ヒナテア・オルブライト:「いずれにせよ、貴様から受け取るものは無い」
ヒナテア・オルブライト:「請けたのはそう……履歴書に書けるエピソードが欲しくてな」
ジェシカ・クロフォード:くすり、と小さく笑う
ヒナテア・オルブライト:「私はもうすぐ卒業だ。貴様もよくよく将来の事を考えておけ」
ジェシカ・クロフォード:「そうだな」
ジェシカ・クロフォード:「まずは世界ノヴァリスを救ってから考えるさ」
ヒナテア・オルブライト:彼女が発見されたのは進路指導室。外部から侵入したUGNエージェントにたびたび接触していたという。
ヒナテア・オルブライト:「ならば、手を貸そう」
ヒナテア・オルブライト:「そして、一つ訂正だ!」
ヒナテア・オルブライト:無数の門から身を乗り出し、同胞たちに手を差し伸べる。
ヒナテア・オルブライト:「王鍵なきこの身、黄道王に非ず」
ヒナテア・オルブライト:「ヒナテア・オルブライト……望みなきモノとでも名乗ってゆく!」

GM:次のシーンはクライマックスシーンです。クライマックス戦闘の特殊ルールを説明します。
GM:ヒナテア・オルブライトの能力により、現在戦闘可能な戦力を自由に配置することが可能です。
GM:それは遠隔地からキングダムを狙っている"ブロンテス"の地点でも例外ではありません。
GM:つまりクライマックス1はキングダム内で六体の星徒と戦い
GM:クライマックス2は秘匿座標Lで"ブロンテス"の理事会兵器と戦うということです。
GM:このどちらの戦闘に戦力を振り分けるかをご相談の上、決定していただきます。
GM:もちろんクライマックス2も同等レベルの脅威をご用意しておりますので
GM:性能が判明している星徒六体を撃破できる十分な戦力を確保しながら
GM:可能な限りクライマックス2に残り戦力を送ることが望ましいでしょう。
GM:参考までに、これまで登場している星徒のデータを掲載します。
GM:復活した星徒は『星徒』以外のEロイスを使用しません。侵星魔法冠は一体につき一つ保有しており
GM:戦闘時には個別に打ち消してもらう必要があります。

■星徒マーガレット
・HP335
・セットアップでは《戦いの予感》を使用する。
・イニシアチブでは《原初の虚:ブリッツクリーク》で即座に行動する。
・マイナーアクションでは《光芒の疾走》《陽炎の衣》で隠密する。戦闘移動する。
・戦闘移動する時、《ミッドナイトシネマ》でデコイを召喚する。
・メジャーアクションでは《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《破壊の光》《滅びの光》《マスヴィジョン》《能力強奪》で範囲攻撃をする。
・攻撃時、敵エンゲージが離れていた場合は《空を断つ光》で攻撃をシーン化する。
・ダメージを受けた時、《原初の黒:鏡の盾》で反撃する。

■星徒ヒロ
・HP402
・マイナーアクションでは《骨の剣》で武器を生成する。
・メジャーアクションでは《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《渇きの主》《伸縮腕》《ブラッドボム》《生命吸収》で単体攻撃をする。
・《ブラッドボム》使用時、《不死者の血》でHPを失う効果を無効化する。
・行動終了時、《夜魔の領域》で行動値0になり、未行動になる。
・行動終了時、《歪んだ腕》で行動値0になり、未行動になる。
・《歪んだ腕》使用時、《アナザーセルフ》で《歪んだ腕》の使用回数を回復する。

■星徒コンスタンツェ
・HP228
・セットアップでは《戦力増員》でトループを召喚する。
・メジャーアクションでは《怒涛の攻勢》で行動済みのトループを未行動にする。
・行動終了時、《分割思考》で行動値を-10し、未行動になる。
・自分以外の味方死亡時、《タブレット》《多重生成》《奇跡の雫》で同時に7体まで蘇生する。
・自分を含む味方死亡時、《タブレット》《多重生成》《アクアウィターエ》で同時に7体まで蘇生する。

■星徒ララゴ
・HP336
・イニシアチブでは《時間凍結》で即座に行動する。
・マイナーアクションでは《魔眼槍》《巨神獣化》《ハンティングスタイル》《リミテッドイモータル》で武器を生成する。攻撃力とHPを強化する。HPを回復する。戦闘移動する。
・メジャーアクションでは《コンセントレイト:キュマイラ》《吹き飛ばし》《重力の手枷》《因果歪曲》《パラドックス》《ワールドデストラクション》で同時に5体まで攻撃する。
・攻撃を受けた時、《グラビティガード》《棘の獣身》で反撃する。
・ガード不能かつ至近の攻撃を受けた時、《復讐の刃》で反撃する。
・ガード不能かつ至近ではない攻撃を受けた時、《迎撃する魔眼》で反撃する。
・攻撃を受けた時、《時の棺》を使用する。

GM:これに加えて、星徒アカネ、星徒セベクネフェルⅧも参戦します。
GM:ただしセベクネフェルⅧは攻撃を行いませんし、始めのうちは妨害もまったく行いません。
GM:倫道アカネは極めて強力な戦闘能力を持ちますが、他の星徒を支援することはまったく行わず、侵星魔法冠も使用しません。
GM:また、クライマックス2、つまりキングダムから遠く離れてしまったキャラクターは、基本的には本校舎突入ができません。
GM:突入の権利を持つのは、最初に言った通り、PC4人、およびEXPC4人のうち限られた人数です。
GM:そして重要なことですが、クライマックス戦闘に参加させない『温存』も可能です。
GM:それでは、振り分けられる戦力一覧を公開します。

七十橋シスル         侵蝕114/二重冠◯/昇華数0/《要の陣形》4/4、《時間凍結》1/1
ウルスラ・ミック・ベニ    侵蝕123/二重冠◯/昇華数0/予備心臓1/1
天沼チギリ          侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/《時間凍結》1/1、《時の棺》1/1、《崩壊のスフィア》1/1、《怒涛の大蛇》1/1、《異世界の因子》1/1、『裁定者』1/1
有崎五派           侵蝕100/二重冠×/昇華数0/《奇跡の雫》1/1、《帰還の声》1/1、《スタヴェイション》1/1、トゥルーイミテーション1/1
【1】ジェシカ・クロフォード  侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/《血の絆》1/4
嘴子原シェイル        侵蝕100/二重冠×/昇華数0/《不壊の城壁》1/1、《砂塵の帳》1/1、キーンナイフ7/8、マージナルヴィラン1/1、アイテム修繕サービス1/1、強制起動者1/1、グレイサクリファイス1/1
【2】キャロル・ホプキンス   侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/《獅子奮迅》2/3、《雷鳴の申し子》2/3、《自動式体内除細動器》1/1
ルナンシア・ラダ・ランパート 侵蝕115/二重冠◯/昇華数0/《血の宴》2/2

エリザベス・タイラー     侵蝕153/二重冠◯/昇華数1/《要の陣形》3/4、《デビルストリング》1/4、《デビルスレッド》2/2、《異世界の因子》0/1、《原初の黒:ライトスピード》0/1
竜胆ジョウカ         侵蝕123/二重冠◯/昇華数1/《疾風迅雷》2/6、《ライトスピード》0/1、《子羊の歌》2/2、《反撃の旋風》1/1
任アルル           侵蝕128/二重冠×/昇華数0/《孤独の魔眼》3/3、《支配の領域》3/4、《妖精の手》2/4、《妖精の輪》1/2、《時の棺》0/1
黒田コノカ          侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/フォールンピストル3/3、マスターズコネクション1/1
レナ・ルナール        侵蝕110/二重冠×/昇華数0/《止まらずの舌》3/4、《覚醒の秘薬》1/1、《アクアウィターエ》1/1
フローレンス・アシュモール  侵蝕141/二重冠×/昇華数0/《ラストアクション》1/1、《砂塵の帳》0/1、炸裂徹甲弾2/3
久世川リンゼ         侵蝕137/二重冠×/昇華数0/《クリスタライズ》2/3、《ミスディレクション》4/4、《鏡の盾》1/1、《ストライクミラージュ》1/2
アメリア・シュミット     侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/《アニマルアタック》3/3、《要の陣形》3/3、《妖精の手》6/6、《世界の敵》1/1、《隠された世界》1/1、《空中庭園》1/1、《絶望の領域》1/1、★遺伝橋
オリヴィエ・クロムハーツ   侵蝕101/二重冠◯/昇華数0/《水晶の剣》0/3、《天の業物》1/1、《剣精の手》3/4、《砂塵の帳》1/1、《妖精の手》3/4、聖剣の王者1/1、強制起動者1/1
五辻モモカ          侵蝕131/二重冠×/昇華数0/《砂塵の帳》1/1
トゥーナ・ネヴァーリンクス  侵蝕116/二重冠×/昇華数1/《デビルストリング》2/4、《デビルスレッド》2/4
ヒナテア・オルブライト    侵蝕100/二重冠◯/昇華数0/《終焉の残響》1/1、《ナーヴジャック》1/1、《ライトスピード》1/1、《原初の黒:時の棺》1/1、強制起動者1/1
【1】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0
【1】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0
【1】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0
【2】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0
【2】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0
【2】????         侵蝕100/二重冠◯/昇華数0


オーシャンズ・マウンテンヒルズ 出撃不可
マルシル・M・コーディライト   出撃不可
エミー・ワイルドボア      出撃不可
ベルティン・シェーヴ      出撃不可
齋藤リッコ           出撃不可
貫徹船団砕氷艦         出撃不可
湯池船団護衛艦         出撃不可
ロブスター船団駆逐艦      出撃不可
膏粱船団補給艦         出撃不可
故買船団輸送艦         出撃不可

GM:クライマックス突入にあたり、100以下の侵蝕率は一律100として扱います。復活リソースの管理が安定しますし、切り札を使いやすくなりますからね
GM:【1】【2】は編成固定です。これがついているキャラクターはその数字の戦場にしか出撃できません。

GM:単独でもキングダムを滅ぼし得る六体の星徒が、任アルルを取り囲んでいる。
GM:だが彼女の微笑みは、感情が壊れたもののそれではなく、自棄になった者のそれでもない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「任アルル――いや」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧは、都市の方向を見た。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:夜にあってなお、星空をかき消して輝く、不夜の城塞を。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「ジェシカ・クロフォード……!」
GM:彼女が見るべきは、任アルルではなかった。
GM:清流の如く掴みどころがなく、乙女の笑顔と修羅の精神を同居させる五星君の心の内など
GM:どれほど観察したとて、読めるものではないのだ。
GM:真に見るべきは、倫道アカネだった。
"風塵王"倫道アカネ:こらえきれないように笑う。
"風塵王"倫道アカネ:「来る」
"風塵王"倫道アカネ:「何人だろうね?」
任アルル:「人数が問題ですか?」
"風塵王"倫道アカネ:「うん」
"風塵王"倫道アカネ:「知ってる?キングダムには75まで……いるんだって。75人じゃないらしいけど……王様が、75席いる」
"風塵王"倫道アカネ:「まだまだ全然足りない。本当に大急ぎでやったのに……」
"風塵王"倫道アカネ:「ふふ」
"風塵王"倫道アカネ:「"美食王"くんさえいなきゃな……」
任アルル:「好きな数字の話をしていましたね」
任アルル:「スコアを積み上げる楽しさを、理解できなくもありませんが」
任アルル:「質の軽重の観点を欠くのは勿体ないと思いませんか」
"風塵王"倫道アカネ:「私がやった18人は、みんな考えて、工夫をして、鍛えていた」
"風塵王"倫道アカネ:「18人分、それぞれの人生があったんじゃないかな」
"風塵王"倫道アカネ:「その18人全部より」
"風塵王"倫道アカネ:「アルルくんのほうが『良い』?」
任アルル:「正是いかにも──」
任アルル:「と言ったところで信用できないでしょう」
任アルル:「試してみなさい。ぜひ試してほしい」
任アルル:「わたしを見て。待ったはもう掛からないんでしょう?」
任アルル:「18を、あなたの好きな数字ではなく」
任アルル:「そこまで・・・・しかやれなかった。挫折の象徴にしてあげる」
"風塵王"倫道アカネ:「任アルル」
"風塵王"倫道アカネ:元より、他の星徒やキングダムの援軍などは眼中にない。
"風塵王"倫道アカネ:倫道アカネは連携をしない。彼女の強さは、究極の個人技だ。
"風塵王"倫道アカネ:「ねえ、私を飽きさせたら」笑っている。
"風塵王"倫道アカネ:「怒るからね」
任アルル:「好吧ええ
任アルル:破顔して返す。夜の片隅、ひそやかに咲く花のように。
任アルル:「殺し合いましょう」

GM:シーンを終了します。


◆Climax01◆故郷




キングダム連合学院


GM:時刻は遡る。『鴉の塔レイヴンタワー』での戦闘を負え、アメリアと遺伝橋を回収した七十橋シスルと竜胆ジョウカは――
GM:未だに、本校舎調査に向かったウルスラ達との合流を果たせていない。
GM:時を同じくして燃え広がり始めた、キングダム生徒達の暴動に巻き込まれていた。
キングダム一般生徒:「ギギギギ……」
キングダム一般生徒:茨でぐるぐる巻きになり、地面に転がされている。
七十橋シスル:「あぁァ鬱陶しい」
竜胆ジョウカ:「拷問王いると制圧楽でいいですねえ」
キングダム一般生徒:「憎い……!本場の寿司を理解しないキングダムの連中が……!」倒れている。
七十橋シスル:奇しくも十八番であった。拷問王の荊は、半自動的に一定以下のオーヴァードを封殺する。
竜胆ジョウカ:遺伝橋を運ぶ"鴉飼"さんのそばで、被害が及ばないように警戒している。
竜胆ジョウカ:「……」
竜胆ジョウカ:ちらちら遺伝橋のことを気にしているのは、大目に見てくれますか?見てくれると嬉しいです。
七十橋シスル:「どう思う?」
七十橋シスル:自動生成めいて回転する糸車を背後に、おもむろに曖昧な言葉を告げる。
アメリア・シュミット:「お寿司……興味はあります。”わびさび”がツンとするのだとか……」
竜胆ジョウカ:「そうですねえ……ここまで改造されてるのは、うちの領域でもイマイチ……」遺伝橋のことしか考えてないので所見を述べている。
七十橋シスル:「ひょっとすると俺がまとめなきゃいけねえのか!?」
七十橋シスル:「このイカれた状況がよ。星徒が山ときて、全員に神聖十字冠がついて命の危機が出て、至上王が引き籠もった」
七十橋シスル:「俺はまだ迷ってる。どれを一番"優先すべき"か」
竜胆ジョウカ:「? 決まってないんですか?」
七十橋シスル:「星徒が思ったより遥かに重い。キングダムの全戦力がいるとはいえ」
七十橋シスル:「無視して進めるほどの相手じゃねえ。ああ鬱陶しい……!」 通りすがりの暴徒を荊の網がキャッチする。
七十橋シスル:そのまま巻き取って、遠くに見かけた救伐騎士団(救護活動中)に投げる。
キングダム一般生徒:「アーイイ!逆に気持ちいい!」
救伐騎士団:「拷問王様!お疲れ様ですッ!」
七十橋シスル:「雑魚が深入りしてんな! さっさと下がれ!」 声を張り上げる。
アメリア・シュミット:「拷問王、流石の優しさです♪」
七十橋シスル:「うっせえ! お前がカラス飛ばせりゃもっと楽なんだ」
アメリア・シュミット:「命を最優先なので……!」
七十橋シスル:かつて学区境界を満たした荊が暴動状態の学区内に跋扈し、不夜王のメッセージを伝えている。
七十橋シスル:『かの"風塵王"の星徒が、諸王を狙って、各個撃破を行なっている』
七十橋シスル:その危険さを理解できる賢明なものは、速やかに避難を行なうだろう。
七十橋シスル:それで逃げないのは、それすら理解できない愚王か、理解した上で自分より他者を逃がそうとする名君か。
七十橋シスル:そこまでは手が回らない。
七十橋シスル:星徒にやられた傷の手当てをしながら、本校舎へと渦を巻くような経路で学区内を移動している。
七十橋シスル:「お前ら、生まれた場所のことは覚えてるか?」
七十橋シスル:「変な比喩とかじゃない。親の腹の中から出てきた場所だ」
竜胆ジョウカ:「覚えてるもんなんですかね……?」
竜胆ジョウカ:「不夜王サマなら何かしらのデータベースを持ってそうですが、そういう話じゃないですもんね」
アメリア・シュミット:「私は実家です!産婆を呼んだと聞いています」
アメリア・シュミット:「……もちろん、自分で覚えているわけではないですが」
七十橋シスル:「なさそうだな、死蔵王は……。そう考えりゃ、人によって「故郷」なんてのも、あったりなかったりだな」
七十橋シスル:「憧れるかどうかも。人による、か」
竜胆ジョウカ:「でしょうねえ。歳を取ったら変わるかもですが……別に死ぬ前に一度訪れたい、とかそういうのもありませんし」
竜胆ジョウカ:「そう考えると至上王サマはあこがれが強いほうだった、ってことですかね」
七十橋シスル:「…………」肩を竦める。
七十橋シスル:「その"遺伝橋"な」
七十橋シスル:「もしもアイツが、そんな純粋な憧れで、自分の生まれた場所をただ見たい、ってだけなら」
七十橋シスル:「俺は、それを使うつもりはねえ」
アメリア・シュミット:「……送り出してしまう、と?」
竜胆ジョウカ:「……」
七十橋シスル:「だから迷ってる」
七十橋シスル:「俺も、キングダム本体がこんな状態のままで、円卓も医療部の奴らも残して」
七十橋シスル:「一緒に行くとは、言い辛ぇからな」
七十橋シスル:他愛もなく言う。空に滲み出る、御伽の竜を見上げる。
竜胆ジョウカ:「……いやその、見当違いかもしれませんが」眉を軽く潜めつつ。
竜胆ジョウカ:「行けばいいのでは……?」
竜胆ジョウカ:だって、と一息挟み。
竜胆ジョウカ:「"すべき"は一旦置いといて、拷問王サマが"優先しないと"と思ってるのは至上王のことだと思ってたんですけど」
竜胆ジョウカ:「だったら行くしかない……のでは?」
七十橋シスル:「サラッと言うな……仮に」
七十橋シスル:「至上王を行かせたら、あの竜が入れ替わりでこっち出てきて博物館更地にしますっつったらお前どうする?」
竜胆ジョウカ:「? 是が非でもぶっ飛ばしますけど」
七十橋シスル:「お前そういう……自分0と1しかねえのやめろや!」
七十橋シスル:「もう少し常識的な判断できる奴がいるときにする話だったな」
竜胆ジョウカ:「いやでも、でもですよ。拷問王サマはどっちかといえばそういうのが過ぎる側でしょう」
竜胆ジョウカ:「『性格は荒々しく凶暴、境界を侵す領土侵犯者はキングダム生徒ですら無差別に拷問にかける危険人物』」
竜胆ジョウカ:「『しかして誰も敢えて近づかぬよう保っているのは、精神傷病者を庇護するための振る舞いではないか』」
竜胆ジョウカ:「……巷ではそういう噂だそうですよ。何かの記事で読みました」
七十橋シスル:「その飛ばし記事どこの奴が書いた!」
竜胆ジョウカ:「まあまあ。でもそんな、冷徹で、凶暴で、それでいて民に優しい拷問王サマが」
竜胆ジョウカ:「この、控えめに見積もっても『今の王が引っ込んだ』が原因の状況で」
竜胆ジョウカ:「なおも彼女を完全に放置して、この学院だけを救う選択肢を取らず、あえて茨の道を行く。それって答えじゃないですか」
竜胆ジョウカ:「だから確認したんですよ、『決まってないんですか』と」
七十橋シスル:「……………………」
七十橋シスル:「てめぇに、他人の心を慮るって機能、あったのか……」
七十橋シスル:目を細めて意外そうに、忌々しそうに呟く。
竜胆ジョウカ:「行動の論理を考えるのは戦闘には必須ですので……」
アメリア・シュミット:「ちなみに私は、絶対に行って連れて帰って来てほしいですよ?」
アメリア・シュミット:「あの休日デートの続き、見たいですもの」
七十橋シスル:「………………っとに」
七十橋シスル:す、と糸車の回転が止まる。
七十橋シスル:今まで、目につくもの片っ端から……ある意味では雑に回転していた遺産を、研ぎ澄ませるように。
七十橋シスル:「てめーらに相談するんじゃなかったぜ」
七十橋シスル:……絆を持てない少女から、遺伝橋によって遺産を引き剥がし、強引に絆を結ばせる。
七十橋シスル:それは当然、考え得る限り有用な手段だ。だが、七十橋シスルは、残忍で凶暴で、慈悲深く
七十橋シスル:同時に、恨み深い。
七十橋シスル:「決めた。決めちまった。続きっつうなら、まず先に見せるべきものがあんだよ」
七十橋シスル:――拷問王の荊は、半自動的に一定以下のオーヴァードを封殺する。
七十橋シスル:「その為に研ぎ澄ませてきた。俺は至上王に殺せない一人になる」
竜胆ジョウカ:「……何やら決まったようでよかったです」
竜胆ジョウカ:結論部分はまあ、色々見てない情報のが多いのでよくわかってないのは内緒だ。
アメリア・シュミット:「むふふ」
竜胆ジョウカ:「じゃあ頑張ってくださいね。……あ、そうだ」
竜胆ジョウカ:「応援はしますが、こちらも"優先したいこと"譲る気はありませんので」
竜胆ジョウカ:「連れてくる過程で博物館ぶっ壊しそうになったら、第二回戦が始まる全員二重冠継続と思いますので、その覚悟はして……まあたぶん出来てるでしょうけどね」
七十橋シスル:「言ってろ。円卓っつったって、俺たちが一度でも仲良しこよしだった時期があるか?」
七十橋シスル:「せいぜいが」空を見上げる。「ああいう、身の程知らずに分からせる時ぐらいだ」
GM:雄叫びを上げながら進軍している生徒達の一団がある。

"変異王":「ウオーッ!星徒抹殺!倫道アカネ誅伐!」
"変異王":「番外第六十九席!バイオ研究部部長!"変異王ロード・ミュータント"、推して参る!」四本腕の巨体諸王だ!コワイ!
"変異王":「所詮は旧円卓!時代遅れの王よ!バイオ研究部の最先端生命工学の前には恐るるに足らず!」
アメリア・シュミット:「ちょうどいいところに来てくれましたねえ」
七十橋シスル:調達判定をします。狙いは高性能治療キット
七十橋シスル:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 7[2,3,4,7,7]+1 → 8

七十橋シスル:なけなしの財産ポイントを1消費して購入。使用します
GM:では目の前のバイオ研究部からバイオ治療キットを徴発できます。
竜胆ジョウカ:うーんこの
七十橋シスル:オラッ俺の慈悲深さを見たかァ?
七十橋シスル:そのまま使用しよ
七十橋シスル:9+3d10
DoubleCross : (9+3D10) → 9+19[8,3,8] → 28

七十橋シスル:HP25で全回復
七十橋シスル:~~~~少々お待ちください~~~~
七十橋シスル:~~~~  ガッシ  ボカ!  ~~~~~~
七十橋シスル:「案外良い質の治療薬作ってるじゃねえか」
"変異王":「バ、バカな……」
"変異王":「この私の無敵のバイオ・インフィニティ四刀流が……!?」
七十橋シスル:倒れ込んだ変異王を椅子にしながら(腕が四本あるため安定感も段違いだ)、治療薬を飲む
竜胆ジョウカ:「"DDD十七重鎖"……ですよね?……も、この連戦でうまく使えるもんでもないでしょうに……」
竜胆ジョウカ:「士気はいいので、避難誘導とか逃げ遅れの救出とか……そちらをお願いします」
竜胆ジョウカ:「あとはまあ、我々がなんとかしますので」
"変異王":「ハイ、分かりました……」四本の腕で六つん這いになっている。圧倒的実力差……!
七十橋シスル:「アメリア、遺伝橋は俺が持っておく。使うかはともかく、壊れたら死蔵王がうるせえ」
アメリア・シュミット:「ええ、託します」
アメリア・シュミット:「責任も重量もとっても重いですが……拷問王なら大丈夫!」
七十橋シスル:背後に浮かぶ糸車の、底部構造の間に収納する。
竜胆ジョウカ:(便利そうだな……)
七十橋シスル:「……お前に救われてる連中は、お前が考えるよりずっと多い」
七十橋シスル:受けとりながらアメリアにそっと伝える。「気ィつけろよ」
アメリア・シュミット:「……?」
七十橋シスル:「なんでもねえよ」
アメリア・シュミット:「えっと……アメリア、頑張ります!」意外な言葉に、戸惑い
GM:――そうして、拷問王と死蔵王は、被害の拡大を防ぐことに尽力した。
GM:星徒マーガレット、星徒ヒロ、星徒コンスタンツェ、星徒ララゴの同時襲来。
GM:さらには星徒アカネが司令塔を次々と狩り、フアナ・メサによって民の統制がかき乱される中で、
GM:キングダムの生徒に取り返しのつかない被害が出なかったことは
GM:円卓のみならず、動ける全ての生徒達が全力を尽くした結果だった。
GM:だが、キングダムの最も長い日はまだ終わっていない。
GM:清算の時が迫っていた。

ヒナテア・オルブライト:三人が足を進めるその先に、孔が開く。
ヒナテア・オルブライト:黒い、果ての無い暗がりが。
ヒナテア・オルブライト:伸びる人影がある。長い褐色の手足に黒衣がへばりつき、幽鬼の如き白髪と共に揺らめいている。

ヒナテア・オルブライト:「士気は上々、結構なことだ」
アメリア・シュミット:「あな、たは……もしかして?」
竜胆ジョウカ:「……所属は」戦闘になっても大丈夫なよう、既に構えている。
七十橋シスル:回転しようとした糸車が止まる。
七十橋シスル:「あァ……!?」
竜胆ジョウカ:「生前のお知り合い……いや星徒じゃないな。じゃあ今のか……」
七十橋シスル:「その声……」かつてとはかけ離れた、嗄れた声だ。だがひどく印象深い。
七十橋シスル:あの、最悪の反抗の末期の声がそうだった。
ヒナテア・オルブライト:「所属無し。面識有り。覚えていろとは……貴様には酷な話か」
ヒナテア・オルブライト:「タコスメラ宇宙閘」
竜胆ジョウカ:「! "黄道王"!」
七十橋シスル:「てめーはほんとどうかと思うぞそのブレねえの!」
アメリア・シュミット:「……流石の反応速度です」
竜胆ジョウカ:「ああ~道理で見覚えが、てっきり手配書か何かで見たのかと……」
ヒナテア・オルブライト:きょとんとした顔をする。顔面の五分の一を覆う宝石瞳だけが静かに輝く。
ヒナテア・オルブライト:「貴様にそこまで覚えられていたとは、かつての私も捨てたものではないな」
七十橋シスル:「イメチェンにしちゃ派手じゃあねえか。……何をしに来た?」
ヒナテア・オルブライト:「負債を払いに来た」
ヒナテア・オルブライト:「現在時刻よりもって数分。不夜王の策が成立するだろう」
アメリア・シュミット:「!」
ヒナテア・オルブライト:「輝かしき勇士らを集めて死地へ送り込む。黄道こそが我が役割」
ヒナテア・オルブライト:「行き先に待つは6人の死刑執行者。黄泉返りし星徒たち」
ヒナテア・オルブライト:「或いは星光が阻む影の中、キングダム殲滅を企てる策士の頸元」
ヒナテア・オルブライト:「……ロードマスターの遺産、古代の巨像、マカミ。前者に劣らぬ地獄への片道」
ヒナテア・オルブライト:「お前たちは、どちらに行きたい?」二つの孔を示し、その顔を見据える。
七十橋シスル:……警戒姿勢を続けていたが、やがて大きな息を一つ吐く。
七十橋シスル:「また一段と高ェところから話すようになりやがって」
竜胆ジョウカ:「似たような能力運用し続けてるの本当に天才ですね……っと」
ヒナテア・オルブライト:「キングダムに属さぬ私にとって、ローカルな役職王様など無に等しい」
七十橋シスル:「いい、いいさ。普段はどこの衛星軌道に居るのかしらねえがな」歩き出す。禍々しい星の光が漏れる穴。
竜胆ジョウカ:「うーん道理。じゃあ私はこっちですかね」前者の方へ。
アメリア・シュミット:「あわわ情報が……多いです……!」混乱しつつ、王たちの迷いのなさに感心している
竜胆ジョウカ:「ローカルな役職がやるべきなのは、いつも通りの殲滅ですから。ええ、星を撃ち落とすだけの簡単なお仕事ですよ」
七十橋シスル:「生きてたら、オリーヴとアフタヌーンでもしてやれよ。俺らよりよほど気にしてる」
ヒナテア・オルブライト:「もう泣かせた……」バツが悪そうに毛先を弄る。
竜胆ジョウカ:「あらまあ」
七十橋シスル:「"友人"はローカルな役職ではねえか」
七十橋シスル:揶揄うように苦笑しつつ。「つか、これ以上、本校舎から離れる訳にもいかねえ」
七十橋シスル:「あのレベルの敵を復活だと? ふざけやがって」
竜胆ジョウカ:「バカが考える最強の戦術って感じですねえ」
竜胆ジョウカ:「まあ逆に、見えてることしかしないとも言えるんですが」
七十橋シスル:「それに、5人以上は連れてこれなかったわけだ。あの仕切り屋」
アメリア・シュミット:「んーとんーと……」聞いたことを整理して
七十橋シスル:「お前はヒナテアに面倒見て貰え」
アメリア・シュミット:「マカミと仰ったのは……”月下王”のことで間違いないのですか」
アメリア・シュミット:血統政変以後、消息を絶ったことをずっと気がかりにしていた
ヒナテア・オルブライト:「然り。ようやく見つけることができた」
ヒナテア・オルブライト:「正気を奪われ、敵の走狗と成り果てていると聞く」
アメリア・シュミット:「……!」
アメリア・シュミット:(あなたの誇りは、戦いの中にあるとは分かっていますが)
アメリア・シュミット:(狗となっても構わない、そうは思わない筈)
アメリア・シュミット:「……お世話ついでに、学区の外の脅威への戦いに、連れていってください」
アメリア・シュミット:「狼さんを……取り戻しに……!」
ヒナテア・オルブライト:「!……フフ」車椅子の淑女へ手を差し伸べる。
ヒナテア・オルブライト:「是非ご一緒に。御友人たちも一羽欠かさずお連れしよう」
竜胆ジョウカ:「未知勢力と複数人で戦闘なら、鴉は戦術的にも有用ですからねえ。そっちも頑張ってくださいね」
アメリア・シュミット:「ふふ、砂漠なんて初めてです♪」
ヒナテア・オルブライト:闇が渦巻き大口を広げる。ぽつりぽつり、次第に数を増やす煌めきがある。
ヒナテア・オルブライト:色も形も違えども、褪せる事知らぬ力強さで──星冠クラウンを戴く者たちが其処に集う。

キングダム連合学院 連合司法裁判所


GM:倫道アカネ。任アルル。武の極地にある二名が、認知の領域外の死闘を繰り広げている。
GM:アルルが、そして不夜王が、何を仕掛けたのか――
GM:セベクネフェルⅧは、それを理解しているわけではない。"黄道王"は彼女の死後に活動していた王候補者だ。
GM:だが、仮に理解していたとしても、彼女は同じことをしただろう。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――刑を執行する」
GM:最強の一角である倫道アカネは、任アルルに食い止められている。
GM:裏を返せば、唯一の脅威である任アルルが、倫道アカネに食い止められているということだ。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:セベクネフェルⅧは、サヴィト・カウル・シャーのような、人の心理を操作した多重の謀略を得意とした王ではない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王は細工をすることもなく、負い目もない。常に冷徹で、合理的で、徹底的だった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:各地を同時襲撃した大型星徒の脅威に、キングダムは主要戦力を分散した。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:連合司法裁判所は、そのどの地点からも遠く離れている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:今この地点から行われる攻撃を防げる者も、感知できる者もいない。
星徒マーガレット:星徒マーガレットが、夥しい物量の影の雛を生み出しつつあった。
星徒ヒロ:星徒ヒロは、大地に触手を突き立てていた。数十kmの距離を隔てて、下水網から生徒を殺戮できる。
星徒コンスタンツェ:星徒コンスタンツェは、既に無限の星の如き弾頭を発射し始めていた。すぐに空が陰り、滅亡の影が差す。
星徒ララゴ:星徒ララゴは、勤勉に、同じことをした。つまりこの地点から、キングダム中枢への侵攻を開始した。
七十橋シスル:――――キ    ン
七十橋シスル:上空に空いた穴。そこから零れ落ちた荊の濁流が、展開しかけた星徒コンスタンツェの無限の弾幕を、ひととき切り拓いた。
七十橋シスル:「カ、クハ、ハハ、ハァーーーーーーッハハハッハハァーーーーーーーッ!」

"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」彫像めいた無表情で、その哄笑を見上げる。
七十橋シスル:荊の濁流を滑り降りながら、円卓第七席《拷問王ロード・ハートレス》は、いつものように嗤った。
七十橋シスル:凶笑。それは彼女の矛であり盾であり、旗であり鏑矢だった。
七十橋シスル:「マジで復活してやがる! フカシであってほしかったぜ、黄道王……!」
七十橋シスル:嗤うしかない状況だとしても、荊は自動的に悪意を探して爆ぜ散っていく。
星徒マーガレット:星徒マーガレット。嘴の奥の暗黒は、もはや本物の死者のように何も言葉を発さないが
星徒マーガレット:シスルが打ち倒したままの姿で、同質の殺意を発している。
星徒マーガレット:その殺意は、着地を見逃しはしない。シスルの足元の影が俄に沸き立ち――
オリーヴ・ウェールズ:陰る空に。闇に染まる天より───
オリーヴ・ウェールズ:───一筋の、陽光が差した。
オリーヴ・ウェールズ:振り注ぐ輝きは沸き立つ殺意かげを打ち祓い。鎧纏う天使、円卓第六席《鉄騎王ロード・プロテクター》が地へと光臨する。

オリーヴ・ウェールズ:「なんという数。一度すべて斃したとは聞いていましたが。皆はこれ程の戦いを既に……」
オリーヴ・ウェールズ:聖剣を体内うちに秘め、ひかり纏う徒手けんを構え。星徒達へと、"戒功王"へと向き直る。
オリーヴ・ウェールズ:「キングダムの内より生まれし脅威を留めるのが、私の役割」
オリーヴ・ウェールズ:「そして」
オリーヴ・ウェールズ:「ひとつの教えに携わる者として、貴女達に向ける言葉は変わりません」
オリーヴ・ウェールズ:「主よ、彼らに永遠の安息を与え、Requiem aeternam dona ets, Domine,
オリーヴ・ウェールズ:「永遠の光が、彼らを照らしますように。et lux perpetua luceat ets.
オリーヴ・ウェールズ:「今こそ、審判の時」清浄なることばが、天地に響く。
オリーヴ・ウェールズ:「……その魂に、安らぎを」
星徒ヒロ:パン、という破裂音がすぐ近くで響いた。
星徒ヒロ:地面が爆ぜ、全長も不明な触手群が湧き出した。剣を振った直後のオリーヴを見逃さなかった。
星徒ヒロ:星徒マーガレットと星徒コンスタンツェがその物量でキングダムを直接滅亡せしめる役割だとすれば
星徒ヒロ:星徒ヒロは、この地に降り立つ者を全て貪るための星徒である。
竜胆ジョウカ:「――"火神間基礎照応解体、オベイユをロキに再照応"」
竜胆ジョウカ:それは幾度となく彼女に唱えられてきた、
竜胆ジョウカ:「“ムカト=ヒャンデルをロギに照応。焔示すは幻想と圧倒”」
竜胆ジョウカ:この地に蔓延る外敵を、全て殲滅するための魔術である。

竜胆ジョウカ:「“火神すら抗えぬ野火そのもの”――《ムカト=ヒャンデル蓋し胴無し》」
竜胆ジョウカ:下水に繋がる鉄格子を、走り回って薄汚れたローファーで踏みつけ、ガンと音が鳴ると同時。
竜胆ジョウカ:付近の水道に繋がる箇所全てから、赤い光が漏れる。
竜胆ジョウカ:それは無尽蔵の炎であり、円卓第五席《死蔵王ロード・ホールド》にとってはある種の通常攻撃である。
竜胆ジョウカ:「つってもまあ、ちゃんと本腰入れないとダメそうですけどねやっぱり。リソース削れてるとはいえそう上手くはいかんか」
星徒ララゴ:星徒ヒロの触手を焼き尽くした竜胆ジョウカの頭上には、既に影が差している。
星徒ララゴ:明白な脅威を前に、星徒ララゴは踏み込んでいた。巨大な槍を手に、剛力で振るい、叩き潰す。
星徒ララゴ:全てを焼き尽くす爆炎すら意に介することはない。振り下ろされる槍は、制止不能の暴力だった。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「敵意に反応する、という話だったか」
ルナンシア・ラダ・ランパート:夜闇に紛れ忍び寄る冷気のように、出し抜けにその声は現れた。

ルナンシア・ラダ・ランパート:振りかざされた槍の前に、薔薇のごとく展開する氷の構造体が形成される。それは星徒の持つ無限の膂力、無限の速度を前にいとも容易く破壊され──
ルナンシア・ラダ・ランパート:再び凍りつく。構造体に設えられた無数の作用点に、発火氷の生成条件となる剪断力をもたらしながら。
ルナンシア・ラダ・ランパート:紅蓮。溶解した槍が空気抵抗に耐えられず崩壊しララゴへと纏わりつく。ジョウカへと届くことはない。第五席を抱えるように飛び退り、遅れて巨大な氷の壁が出現し星徒の進路を塞ぐ。
ルナンシア・ラダ・ランパート:円卓第三席《騎士王ロード・ガーター》の自在にして堅牢なる氷雪操作能力は、決してララゴ本体への干渉を加えないままにこれだけの現象を引き起こして見せる。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:円卓が同時に襲来し、大型星徒を食い止めている。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:星徒に人間と同じ認知があるかどうかは定かではないが――『分が悪くなった』とは、セベクネフェルⅧは考えなかった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:彼我の戦力を客観的に判断する限り、こうした抵抗は長続きするものではない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:あらゆるオーヴァードには侵蝕率という限界があるからだ。今ここに現れた者たちも例外ではない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「無意味だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:戒功王は平等な王である。彼女が行うことは、代理執行者を有利にするための妨害ではない。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:星徒を含む全員の動きに同時に強大な負荷をかけ、平等に消耗させる。『結末』を早めるための行動である。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「キングダム連合法、民法――」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:巨大な書物のページが、高速で捲られ始める。
ジェシカ・クロフォード:「キングダム連合法、憲法六十四条1」
ジェシカ・クロフォード:「罷免の訴追を受けた裁判官については弾劾裁判所を設け、審査を行う」
ジェシカ・クロフォード:「"戒功王"、貴様にはキングダムの学籍を持たぬ生徒と共謀し、キングダムに武力行使を仕掛けた疑いがある。」
ジェシカ・クロフォード:「外患誘致は重罪だ。その罪を問い、キングダムの行政を修める者として貴様の罷免を求める。」
ジェシカ・クロフォード:不機嫌な顔をした女の声が重なる。

"戒功王"セベクネフェルⅧ:「……」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「"不夜王"。あなたに裁判所長官の罷免を請求する権限があるかどうか」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:ぱたん、と音を立てて書物が閉じる。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――今は、現体制の正当性そのものを問い、刑罰が執行されている最中である。『疑わしい』」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:冷たい無表情のままだ。だが、セベクネフェルⅧは、『権限がない』とは断言しなかった。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:故に妨害の執行を停止せざるを得なかった――『解釈』を審議する時間を要する要求だったためだ。
ジェシカ・クロフォード:「貴様は法に従う。」
ジェシカ・クロフォード:「だが、その"法"を作るのは私だ」
ジェシカ・クロフォード:「その私の全能を持って」
ジェシカ・クロフォード:「貴様は、ここでただの"セベク”になれ。」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「王が成すべきことは、正義だ」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「法は全てに優越する。王も、民も、王国も」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「正義の下にそうなるべきなら、滅ばなければならない」
ジェシカ・クロフォード:「随分と先進的な考えだ。」
ジェシカ・クロフォード:「それを妄信するなら、貴様はジェネシスにでも行くべきだったな。」
ジェシカ・クロフォード:「ここは、民の治める国家ではなく王の治めるキングダムだ」
ジェシカ・クロフォード:「法の上に立ち、自らの上に君臨する覚悟を為せる者のみが"王"となる」
ジェシカ・クロフォード:「私の理想郷だ」
ジェシカ・クロフォード:円卓第二席《不夜王ロード・ヘブン》、キングダムの行政を一手に握る陰気な女が不敵に笑った。
GM:キングダムへの攻撃を、円卓の王が凌ぎ続ける中――
GM:彼女らが再び攻勢に出るための戦力も現れ出ている。数は三人。一人は生徒ではなかった。
有崎五派:「のわわわわッーー!?」
有崎五派:上空に空いた穴から絶叫しつつ落下する人影。

有崎五派:その頭上には冠はなく、あちこちに生傷を作った女だった。
有崎五派:「おち、おち──る……ってかもう落ちてる!!」

天沼チギリ:「ウルスラさん。先生を。」
天沼チギリ:こちらに向けられた敵意、殺意を感じ取り、柄に手をやる。
ウルスラ・ミック・ベニ:「心得た!目を覚ませWake up原竜骸墓Dino Slave」左手の指輪が黒く輝き。
ウルスラ・ミック・ベニ:「並列起動、裂き開けcut open原竜影墓Dino Varle」右手、三つの指輪もまた輝く。
ウルスラ・ミック・ベニ:時間が静止し、古き屍が肉を得て。光が歪曲し、巨大な竜の影が生成される。
ウルスラ・ミック・ベニ:かつてシェオル監獄学区に襲来した、同郷アーナンツの魔術師アンブロシウスより簒奪した魔法具、出し惜しみはない。
ウルスラ・ミック・ベニ:一角竜イグリコルネが壁となりて立ち塞がり、無貌の影竜が地面を塞ぎ、怪翼蛇アノマロクルーシェが空を駆る。
ウルスラ・ミック・ベニ:はるか上古の時代、霊長として君臨した恐るべき竜たちを、死霊どもを蘇らせる。

ウルスラ・ミック・ベニ:「もう、放っておけないおっちょこちょいさんめ」毛皮のマントをたなびかせ、ふわりと先生を抱き迎える。
有崎五派:「わ……っと……ウルスラちゃん?」
GM:雲霞のようなミサイルが、新たな熱源を感知して、殺到している。
GM:生半な戦力は、この場に立つことすら許されない――が。
天沼チギリ:ふ、と。昏い夜の帳に三日月のような軌跡が奔る。
天沼チギリ:二人の前方15mほど。飛来したミサイルが空中で独りでに炸裂した。
天沼チギリ:いつの間にか抜刀している。いつ抜いたのかさえ、誰も気づけぬほどの剣の起こり。
天沼チギリ:「ご無事で?」
天沼チギリ:この場にいる人間は、一拍遅れで気付くであろう。ミサイルを斬ったのだ、と。
有崎五派:「チギリちゃんも……ふふ。二人も無事でよかった、ありがとね」
有崎五派:「みんな頼りになるから何とかなるでしょ~って思っちゃうのよね」ウルスラにしっかりと掴まってほほ笑む。
ウルスラ・ミック・ベニ:「ならかっこいいとこ見せなくちゃだ、ねっと」地を這う竜の影が大蜻蛉に、蚯蚓に、蜥蜴に別れて索敵。
天沼チギリ:「嬉しいお言葉ですが、危機感は持って──」
天沼チギリ:「ウルスラさん!」
GM:その時。
GM:意識し得ないものが飛来した。赤いエネルギー光。
"風塵王"倫道アカネ:任アルルと戦闘している、倫道アカネの攻撃余波だった。
"風塵王"倫道アカネ:彼女の攻撃は、新たな増援を意識すらしていなかったが――
ウルスラ・ミック・ベニ:「応」二代継承者、無敵アルタザールの毛皮マント。莫大な膂力は体格で上回る先生を軽々片手て取り扱わせ
ウルスラ・ミック・ベニ:「とっ」四代継承者、足速きウィスグリタの翼あるブーツ。風さえ踏み蹴る俊敏性は警戒心にも先んじて
ウルスラ・ミック・ベニ:「っ、はっははは!」それでもなお、赤が散る。
星徒マーガレット:よろめいた先で、影が膨れ上がり始めている。
星徒ヒロ:あるいは、ウルスラを取り囲むように触手が張り巡らされている。
ウルスラ・ミック・ベニ:抜かれた肩が焼け爛れ、白衣を血染め、笑いは絶やさず、剣を握り。
有崎五派:「ウルスラちゃん──ッ!?」
ウルスラ・ミック・ベニ:「怪我なし、勇者続行中!」無事に守り切った。腕の中へと笑いかけ、友たる屍竜らを侍らせ備える。
ウルスラ・ミック・ベニ:(でもまだまだ足りてないぞウルスラ!こんな有様じゃ、もう一歩二歩、何ステップも先に行かなきゃ)
ウルスラ・ミック・ベニ:「ルキアちゃんまで至れない、だからこんなところで足踏みしないさ!」
GM:空からは無限のミサイル。地からは無限の影。隙間や陰に潜む無限の触手。
GM:彼女らが飛び込んだこの地は、死地だ。ほんの僅かな揺らぎが死に直結する世界である。
GM:よろめいた一瞬は致命的だったが、有崎五派を守るウルスラ・ミック・ベニには、自らの体を以て、死の一端を引き受ける覚悟があった。
GM:そうして、弾け飛んだ影と触手を――
装甲重二輪:――ガン!
装甲重二輪:横合いから飛び込んだものが、代わりに受けている。巨大な走行二輪車だった。
装甲重二輪:全面を覆う重装甲だとしても、耐えうる強度ではない。巨大な車体は一撃でひしゃげて崩れた。
ウルスラ・ミック・ベニ:呆然と見届けながら刃を揮い、樹状に別れた剣閃が地底の触手を根こそぎ飛ばす。
装甲重二輪:「間に合ったようだな!ウルスラ・ミック・ベニ――そして、ルナンシア・ラダ・ランパート!」
装甲重二輪:二輪車の断面から、ざあ、と砂が溢れた。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「その声────」
ウルスラ・ミック・ベニ:「その呼び方ッ!」

リンダ・L・ワインライダー:「……そうだ!おれの名はリンダ・L・ワインライダー!」
リンダ・L・ワインライダー:「おれの戦友たちを、今!助けに来たぞ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:「は」
ルナンシア・ラダ・ランパート:嘆息する。かつては敵であり、今は憎らしい友でもある。その上でなお、信じ難いことだが。
ルナンシア・ラダ・ランパート:「私に砂を被せて消えた分、きっちり働いてもらうぞッ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「万の援軍を得たが如し!キミの力をボクにくれ!」
リンダ・L・ワインライダー:「無論だ!とっくにキングダムの外辺には到達していた!一瞬でも封鎖が解けてくれたのは、まさに僥倖……!」
リンダ・L・ワインライダー:「クリスマス会の反対者を片端から殴り倒し、ジェネシスの妨害にも屈せず、連れてきた甲斐があったというものだ!」
ウルスラ・ミック・ベニ:「やりたい放題やってるし」
ウルスラ・ミック・ベニ:「他にもお友達いるの?知ってる顔かな……」
籟ミズキ:溢れた砂粒が、突如として渦を撒く。それは見る間に嵐と変じて、ミサイルの進路をめちゃくちゃに乱し、四方八方の誰も居ない場所に着弾させた。
籟ミズキ:「──はい! ミズキです」

籟ミズキ:東洋竜の角を生やした少女が、リンダの後ろからひょっこり顔を出す。状況にそぐわぬ満面の笑み。
ウルスラ・ミック・ベニ:「──わぁ!」
ルナンシア・ラダ・ランパート:そちらにはわずかに眉を潜めるが、何も言わない。
籟ミズキ:「ウルスラさんの危機とあっては、例え火の中水の中──それに」
籟ミズキ:「約束していましたからね。次に大暴れするときは一緒と!」ばちこん、とアルルの方へウインクを飛ばす。
ウルスラ・ミック・ベニ:「へへ、へ。うぇっへへへへ!ねえねえごはせん!」
有崎五派:「なっなになに!?」
ウルスラ・ミック・ベニ:思わず両手で抱き上げくるりと回る。この二人が傍にいるなら、塞がったところで何だというのか。
ウルスラ・ミック・ベニ:「こんなときに来てくれた……二人とも、ボクの自慢の友達です!」
ウルスラ・ミック・ベニ:花のこぼれるように軽やかに、ただの少女として笑みを零す。
有崎五派:目まぐるしく変わる状況に混乱しながら視線を右往左往させていたが、その表情を見て顔を綻ばせる。
有崎五派:「……みんな、来てくれたのね」
有崎五派:私は居合わせる事が出来なかった彼女達の戦いの記録。
有崎五派:この子達が必死に生きて。自分の望み、あるいは誰かの為に戦ったからこそ繋がった関係。
有崎五派:「友達、か」
有崎五派:何だか堪え切れなくなって涙が滲んでしまったけれど、それでも笑顔で二人に手を振る。
有崎五派:「私は……ウルスラちゃんの同僚で、先生で、友達の有崎五派!ごはせん、って呼んでくれると嬉しい!」
籟ミズキ:「五派先生ですね。崑崙山五星君、籟ミズキ。これより戦列に加わりましょう。よろしくお願いします!」
籟ミズキ:はきはきと返し、お辞儀をしながら地獄のような攻勢を往なし、弾き、殴り飛ばしている。
天沼チギリ:「頼もしい仲間が増えましたね、円卓の皆様。」くすりと笑う
天沼チギリ:「彼女らはウルスラ”先生”ならびにキングダムを助けるために来た生徒たち。」
天沼チギリ:「”外患”を退けるために招聘された志のある方々でございます。」
天沼チギリ:「そうですね、不夜王?」
ジェシカ・クロフォード:「そう、だな」
ジェシカ・クロフォード:短い返答から感じさせる言葉の苦々しさ
ジェシカ・クロフォード:そして眉間に刻まれた深い皺が
ジェシカ・クロフォード:今が戦場でなければ深いため息をつきながら、頭を抱えていただろうことを予想させる。
オリーヴ・ウェールズ:「ああ……ミズキさん、本当に貴女という人は」閃く十字の軌跡が迫る影を切り開きながら、大きく顔を上げて。
オリーヴ・ウェールズ:「……あの時のことばを、また果たしてくれるなんて!」感極まったという声で優しく笑う。
籟ミズキ:「たぁーッ!」ミサイルを投げ返しながらピースで返します。
ルナンシア・ラダ・ランパート:(取引をしていたのか、オリヴィエ。いや、言うまいが)不夜王がこの場にいる今、己の職分でもない。
七十橋シスル:「反逆者どもが続々と……」玩具めいて投げ返されるミサイルを見送りながらうんざりと呟く。
天沼チギリ:「裁判に不利な証言は慎んでくださいませ、拷問王。」口元を隠しつつ
竜胆ジョウカ:「そうですよ!どうせ全部不夜王が何とかするんですから」
七十橋シスル:「ああ、今更どうだっていい。俺がルキアと話す邪魔にさえならなきゃあな」
天沼チギリ:「それは…邪魔させません。誰にも。」
ジェシカ・クロフォード:「ああ。なんとでもしてやるさ」
ジェシカ・クロフォード:混沌としていく戦場を、理の路に納める術を探りながらそうつぶやく
GM:喧騒から離れた位置。夜の底から、コツ、コツという硬い靴音がある。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――キングダムの外敵が、友を助けるために集う」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君にとっては、さぞ頭の痛い問題だろうな。ジェシカ」

"血統王"バージニア・ダネシュティ:夜闇のように黒いドレスを纏った、長い黒髪の生徒だった。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:元番外第十七席、"血統王"バージニア・ダネシュティ。
ジェシカ・クロフォード:「全くだ」
ジェシカ・クロフォード:「それを理解しながら、わざわざ私の前に足を運ぶ貴様も」
ジェシカ・クロフォード:「相変わらずいい性格をしているな、バージニア。」
ジェシカ・クロフォード:苦々しい表情を変えぬまま言葉を返す。その響きだけに僅かに表情とは異なる感情を乗せながら
"血統王"バージニア・ダネシュティ: 「ふ。悪いが、己は嬉しいぞ」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:地面からの影を薙ぎ払いながら、血のように赤い槍を生成する。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「君と肩を並べて戦うのは初めてだろう?」
ジェシカ・クロフォード:「"王"たる者が城下で武を振るうなど恥以外の何物でもないからな」
ジェシカ・クロフォード:小さくほほ笑み
ジェシカ・クロフォード:「だから、貴様はその恥を雪ぐだけの功を為せ」
ジェシカ・クロフォード:「それが見れるのなら」
ジェシカ・クロフォード:「私が恥をかくのは、多少我慢してやる」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「――ジェシカ。知っているか?"王"をやめて、良いことが一つある」
"血統王"バージニア・ダネシュティ:ジェシカに迫る触手を切り払う。優雅で淀みない、ダンスのような動きだ。
"血統王"バージニア・ダネシュティ:「敬愛する"王"の下で戦えることだ」
ジェシカ・クロフォード:「はっ」
ジェシカ・クロフォード:この戦いに身を投じてから、頭を抱えることばかりだ。
ジェシカ・クロフォード:反逆者と手を組み、かつての敵対者と友誼を結んだ。
ジェシカ・クロフォード:どれも常の私ならあり得ぬことだ。
ジェシカ・クロフォード:あり得ぬことをせねば、この学区は守れないと腹を括った積りでなお
ジェシカ・クロフォード:その選択は、私を体験したことのない重圧で包み、不安がその身を圧し潰そうとしていた。
ジェシカ・クロフォード:だが、今の言葉で
ジェシカ・クロフォード:(私も、単純なものだ)
ジェシカ・クロフォード:報われた気がした。私の選択は、間違ってなかったと思えてしまった。
ジェシカ・クロフォード:(ふざけるな。私はまだ何も為していない。感慨に耽るのは)
ジェシカ・クロフォード:キングダムを救い
ジェシカ・クロフォード:("王"となってからだ)
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「主犯は揃ったものと判断する」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:激戦の最中に冷たく響く声で、告げた。書物を手に宣告する。
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「判決は覆らない。我々は刑を執行する」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「被告は、キングダム連合学院」
"戒功王"セベクネフェルⅧ:「――侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒ララゴ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒コンスタンツェ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒ヒロ:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
星徒マーガレット:「侵星魔法冠インヴィジブルクロス
天沼チギリ:目の前には6人の星徒。出し惜しみは出来ない。
天沼チギリ:大太刀の刀身を指でなぞると、蝶のように、舞う花弁のように、
天沼チギリ:鋼が無数の切片となって宙に浮きあがる。
天沼チギリ:「介錯いたします。ただし、被告は星徒の皆さまです。」
天沼チギリ:「………破剣階乗。」
天沼チギリ:「”大介錯・切情断禍”」
ジェシカ・クロフォード:「貴様の独りよがりの裁判に付き合うつもりはない」
ジェシカ・クロフォード:「円卓の王たちよ」
ジェシカ・クロフォード:「我らが正統覇鍵を示せ」
七十橋シスル:ごぉん。鈍い音と共に糸車が旋転し、黒い雷鳴の如く荊を吐き出す。
七十橋シスル:「覇鍵、解錠ォッ! 逐い縋れオイスガレ、『安息篇ペンタメローネ慟 哭 鼓 行クルエル・パレェェェエエド』!」
オリーヴ・ウェールズ:掌を天に掲げる。聖剣の本質たる燃え盛る正義あいの輝きが、指先より世界を照らす。
オリーヴ・ウェールズ:「──覇鍵解錠! さばけ、『熾天の火セレスティアル・カタストロフィ』!」
竜胆ジョウカ:彼女の熾した全てが一度掻き消える。それは終わりではなく、破壊の始まりである。
竜胆ジョウカ:「覇鍵解錠……! 『火神に纏わる一つの疵とエン・ルクタ・ンタ・ムカト=ヒャンデル其処に紐づく七つの儀典レゲト・レグツァ・ンタ・ノンヴァ』」
ルナンシア・ラダ・ランパート:その静寂に寒気が霜が流れ込み席巻し、さらに霜を円形に溶かすように内より熱気が膨張する。握り込んだ掌から血が滴る。燃え上がる。劫火が横溢する!
ルナンシア・ラダ・ランパート:「覇鍵解錠。『火煌の石冠ゼノリシア』」
ジェシカ・クロフォード:不夜王に付き従う従者らがその似姿を失い、黒い影へと変質していく。
ジェシカ・クロフォード:「……覇鍵解錠」「隷従せよ、『頭の無い蛇無名の奴隷たち』」

       "戒功王"[8]

         20m

       "風塵王"[32]

          5m

星徒ララゴ[4] 5m ★ 5m 星徒コンスタンツェ[8]

          5m

    ウルスラ[9/123] 五派[4/100]
    チギリ[6/100] "拷問王"[17/114]
   "不夜王"[9/106] "騎士王"[6/115]
   "死蔵王"[12/102] "鉄騎王"[8/101]
    アルル[7/128] ミズキ[12/100]
    リンダ[10/100] "血統王"[16/100]

          5m

 星徒ヒロ[8] 5m ★ 5m 星徒マーガレット[15]

GM:クライマックス戦闘を開始します。




TO BE CONTINUED



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