『カナートス突入』(GM:珪素)

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
掲載の一部画像はAI生成イラストを加工したものです。
採用プレイエイド
ステージ『オーヴァード・ノヴァ』ver.3.03(二学期)
カナートス臨床医学研究院
関連ログ
『疫病きたる』
『イルカ島のゆめ』
『グッドナイト・ラス・ヴィダス』
メインログ|雑談ログ
PC1:七星ミルキ(
キャラシート
)PL:缶詰

PC2:エニュオ・デュカキス(
キャラシート
)PL:EXst

PC3:三部つゆり(
キャラシート
)PL:嗣子

PC4:サマンサ・シュヴァイゲル(
キャラシート
)PL:森田

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
目次
Preplay
GM:カナートスラストミッション始まります!
GM:戦いに挑む元気なプレイヤーキャラクターの皆さんをご紹介しましょう。まずはPC1の七星ミルキさんから!
七星ミルキ:はーい!
七星ミルキ:キャラシート
七星ミルキ:メサイア学園所属の七星ミルキ。七星と書いてななほし、いつもニコニコ明るい少女。
七星ミルキ:合コン委員会に所属し、常日頃から男子の喜ぶものを探しています。
七星ミルキ:合コン委員会とは文字通り合同カタコンベを管理する委員会で、普段は清掃やカタコンベ内の環境を整えています。
GM:えらいぜ
七星ミルキ:普段は白くてフリフリの儀礼服でしたが、元委員長のミチカさんと一緒の黒シャツ仕様もございます
七星ミルキ:メサイアの議長とかが中心になったいろんな事件の元、ミチカさんから委員長を引き継ぎました
七星ミルキ:特技はお掃除とお料理作り。委員会の活動で不定期に行われるお料理会も主催します。
七星ミルキ:最近は医療にも興味を持ち始めました。
七星ミルキ:趣味は漫画本を読むこと。お嫁さんに憧れ、理想の女の子になれるように振る舞いを心がけてます。
七星ミルキ:性能としては巨大な武器を固定値で振り回すアタッカー。範囲攻撃や防御無視などを行い確実にお掃除します
七星ミルキ:データ的にはエピックしたレッドテンペストをポルターして振り回すシンプルな女の子。
GM:純正アタッカー!
七星ミルキ:今回はIAを導入したことでエピックが+4から+2にエラッタされており、ちょっとだけ控えめになりました!
GM:エピックポルターを調整できるんだね 血も涙もないヤツだと思っていた
GM:だったらなんでその調整をもう少し……ほんの少しでいいから強制起動者に
GM:なんで分けてやれなかったんだ!!
七星ミルキ:猛威を振るっていると聞きますね。別の学区で。
七星ミルキ:その代わり、160点バージョンは《勝利の女神》を取得し、達成値を他人に分け与えることが出来ます。
七星ミルキ:あの最強エンブレム《バディムーヴ》に匹敵する性能を備えています!
GM:この経験点帯では一番便利なエフェクトとも言われています
七星ミルキ:最近の悩みは、副委員長が関係した事件でノドスに知己が生き残ってると知ったことです。
七星ミルキ:ポパピプパニックだよ~!
七星ミルキ:更に今回の事件では縁の深いカナートスに……突入するとか!
GM:そうなんですよ~
七星ミルキ:いろんなことが動きそう~
GM:随分時間が経ってしまいましたが
GM:ミルキちゃんはカナートスの座標とパスを託された唯一の学外生徒!
GM:今回ある事柄をきっかけにカナートスに踏み込むことになります!
七星ミルキ:専守防衛合コン委員会には珍しい機会!
七星ミルキ:前に私に死の病を与えた子もきっとそこにいるのでしょう。
七星ミルキ:ミルキ、頑張ります!
七星ミルキ:よろしくお願いします!
GM:その事件とはこれ!
PC1:七星ミルキ(PL:缶詰さん)
シナリオロイス:シノエ・リュコス
カリス・リュシドールに託されたカナートス臨床医学研究院の座標とパス。
それはあなただけが知る情報だったが、カナートスに向かうことを躊躇う材料もあった。
合同カタコンベに出現した星徒、シノエ・リュコスがカナートスに待ち受けているのならば、
カナートスへの接触に伴う危険は、生徒達の敵意や特異症例のみに留まらないだろう。
そんな中、あなたは合コン委員会の業務としてある事件の事後処理に立ち会うことになる。
革命記念公園セレモニー襲撃事件。堕天病感染者の受け入れを行っていた病院の一つには
カナートス生が医師として勤務しており、未だ所在を確認できていないのだという。
彼女が隔離環境であるカナートスに堕天病を持ち帰ってしまっているのなら、一刻を争う。
GM:色んな学区の病院に入り込んでいたカナートス生徒。なんとラスヴィダスにもいました。
七星ミルキ:近頃、別の病気でパニック・パンデミックだったと噂の、あのラスヴィダス!
GM:カナートスを差し置いてパンデミックだと?
GM:甘ったれるな!平成ライダーなど認めん!
七星ミルキ:パンデミックドライバーで君も変身!
GM:ぼくと握手!(感染拡大)
七星ミルキ:すべてを壊しすべてを繋ぎます。
七星ミルキ:よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!
GM:続いてPC2は、こちらもカナートスと縁深い製品開発特許庁長官のエニュオ・デュカキスさんです。
エニュオ・デュカキス:はい
エニュオ・デュカキス:キャラシート
エニュオ・デュカキス:ご紹介に与りました、ジェネシス生徒会『オフィサー』。製品開発特許庁の長官を務めています。
エニュオ・デュカキス:専用の実験開発プラントと製品テストも担う実働部隊を抱え、その部隊に属していた叩き上げ。
エニュオ・デュカキス:八月革命時少々派手に怪我をしてしまい、四肢を義体に換装。同時に動けなくなった先代から長官の席を譲り受けて今に至ります。
エニュオ・デュカキス:素っ気ない喋り等々はそういった点で作った外面ですが、技術を信じて未来を明るくできると思っているので夢は見る方。
GM:先代……!?
GM:エニュオさんに先代がいたんですか!?
エニュオ・デュカキス:どうしてるんでしょうね(何も知らない)
エニュオ・デュカキス:他人への評価軸が少々プラスマイナスで見がちなところは欠点でしょうか。
GM:オフィサー幹部なのでそれはむしろ必要な資質とすらいえるでしょう
GM:全部をお気持ちで判断できる立場ではないということ……!だからこそ今回も必要になってきます
エニュオ・デュカキス:それがすべき仕事であれば
エニュオ・デュカキス:シンドロームはハヌマーン/オルクス/エグザイルのトライブリード。スタイルは自分を含めた領域内操作・プラント製造品の転送を絡めた義体式格闘術。
エニュオ・デュカキス:AIDAの補助を受けて《骨の剣》《死招きの爪》から《ディストーション》での打撃戦。《援護の風》《妖精の手》でサポートも少しはできます。
エニュオ・デュカキス:機械で能力が上がる。便利な世の中です。
GM:シンドロームも効率と支援の手広さを兼ね備えていい選択だなあ
GM:社会白兵の表現もかっこいいのだ
エニュオ・デュカキス:ありがとうございます。カナートスとは始まりから、ここまで関われるとは思っていませんでしたが
エニュオ・デュカキス:一体如何なる案件なのでしょうね
GM:正直エニュオさんのような責任ある立場の幹部が関わってくれて安心しています……!
GM:お陰でそれなりに大きなお話にできる!今回の導入はこちらです。
PC2:エニュオ・デュカキス(PL:EXstさん)
シナリオロイス:"死神"
あなたが幾度か接触してきた謎めく霧の家庭教師会――"死神"が、再び出現した。
彼は今回、宣戦布告でも交渉でもなく、警告のために現れたのだと語る。
「このままでは、カナートスは戦うことなく勝ってしまう」。
単なる脅しや妄言に過ぎないのかもしれない。他に優先すべき業務はいくらでもある。
だが"死神"は常に、カナートスと他の何者かとの、必死の対決を望んでいた。
折しも、製品開発特許庁が携わる堕天病治療薬生産事業には
カナートスへの接触方法を知る唯一の生徒、七星ミルキが携わっている。
これから何が起ころうとしているのか。あなたが自ら動く時が訪れたのかもしれない。
エニュオ・デュカキス:ミスターも相変わらず神出鬼没なようです
GM:ですが今回はちょっと様子が違っており
GM:攻撃を仕掛けてくるというより、むしろ介入を頼んでくるみたいですね
エニュオ・デュカキス:必死になれと言うのなら私なりのやり方で行きましょう
エニュオ・デュカキス:七星さんにもお中元の用意をしながら話をつけなければ
エニュオ・デュカキス:ともあれ重役出勤ですが、よろしくお願いします
GM:頼もしいぜ……!よろしくお願いします
GM:続いては初登場のPC3、ラスヴィダスの三部つゆりさんだ
三部つゆり:キャラシート
三部つゆり:”ヴィユーハ”。三部つゆり(みつべ・-)、16歳。ラスヴィタス学区の高等部1年生です!
三部つゆり:カナートスシリーズ初参入!という事で宜しくお願いします、というのはいちどおいて。
三部つゆり:昔はフリーの情報屋をしていましたが、革命記念公園セレモニー襲撃事件(グッドナイト・ラス・ヴィダス)を受けて
三部つゆり:成立したラス・ヴィダス学区生徒会の書記を現在やっています。すきゃっとさんからも許可頂けたので公式ですよ~
GM:ああ!やっぱりラスヴィダス生徒会役員になってたんだ
GM:その辺の立ち位置確信持ててなかったのでハンドアウトでもちょっと曖昧な書き方にしていました
三部つゆり:募集前に悩んでたんですがやっぱりなりたい!と思いお願いしたら許可頂けました!ありがとう…すきゃっとさん!
三部つゆり:そこら辺曖昧ですみません…!
GM:それならますます好都合です この案件に関わる理由は十分といえましょう
三部つゆり:よかった~~…!
三部つゆり:そして初めての公的な役割という事で結構わたわたしながらがんばっています。応援してくれよな…
三部つゆり:性格的には基本的に真面目な方ですが、色々あると弾けるタイプ。
三部つゆり:特筆事項としては、こいつもノドスに幼馴染がいることでしょうか。ソウマ会長と四海群生くんがそうで、どっちも凄いことになってるのを知ったりしたので
三部つゆり:ミルキちゃんとはそういう縁で色々上手く仲良くしたりしたいな~と思います。
GM:つゆりちゃんのこの辺りのキャラクター性はグッドナイト・ラス・ヴィダスを参照してください
GM:皆さんがこの文章を読んで想像するのの8倍くらいは凄まじい子です
三部つゆり:私もびっくりした
三部つゆり:後の特筆事項は輪廻の獣の封印体だったりするくらいでしょうか。寿命はノヴァリスにいる限り問題ないので安心です
三部つゆり:能力はウロボロス/ノイマンの、ダムドリングとかみたいな内部にあるものの使役で、
三部つゆり:データ的にも輪廻の獣っぽく 攻撃封殺札を複数抱えつつ ミドルは無形と妖精で何とかするタイプです。サポーターですね。
三部つゆり:今回はカナートスシリーズ初参入なので、色々と頑張りたいと思います!どうかよろしくお願いします~!
GM:つゆりちゃんもぜひまた見たいと思っていたので、ご参加いただき感謝しています……!ハンドアウトはこちら!
PC3:三部つゆり(PL:嗣子さん)
シナリオロイス:ウノ・ワイルゴッド
革命記念公園セレモニー襲撃事件の傷跡は未だ深い。
ラス・ヴィダス内の混乱と被害は多岐に渡り、完全な終息には時間を要するだろう。
中でも急務となっているのが、堕天病感染者全てに行き渡る治療薬の生産であった。
あなたも学内外を繋ぐ情報屋として、そしてこの事件の原因に深く関わる者として、
最大の生産力を持つジェネシスの製薬プラントとの交渉窓口として尽力している。
さらにジェネシスは合コン委員会と共同でのノドス捜索事業を立ち上げており、
データ収集の一環としてあなたが持つ"イモータル・コイル"の情報を求めてもいた。
堕天病感染者の特定作業の中、あなたは消息不明になった生徒がいることに気付く。
ウノ・ワイルゴッド――カナートス臨床研究院で最も優秀な医師なのだという。
GM:実は、合コン委員会およびジェネシスとノドス捜索事業にはつい最近大きな関わりができています。
三部つゆり:ティタノマキアのやつですね!
GM:読んでいただいていて嬉しい~
三部つゆり:素敵なログでありました
GM:ラスヴィダス内の問題とはいえ、十律者の関わる大きな事件ともなれば捜査も必須でしょう
GM:ぜひご協力いただきたいところ!よろしくお願いします
三部つゆり:協力していきたいと思います…!よろしくお願いします~!
GM:最後は……先生!PC4といえば先生のナンバーだ 次鋒サマンサ・シュヴァイゲル出ろ!
サマンサ・シュヴァイゲル:うおおおおおおお!(風雲拳)
サマンサ・シュヴァイゲル:キャラシート
GM:うるさいデモシーン
サマンサ・シュヴァイゲル:ご紹介に預かりましたサマンサちゃんです!
サマンサ・シュヴァイゲル:格闘の火は消さんぞ!
サマンサ・シュヴァイゲル:カナートスシリーズには第一話ぶりの登場!
サマンサ・シュヴァイゲル:前回はミルキちゃんやエニュオちゃんに任せきりになってしまいました
サマンサ・シュヴァイゲル:我々のメンツをつぶしてくれたようだな…
GM:しっかりと脳に"ロマサガ2"を植え付けられとるやん
サマンサ・シュヴァイゲル:というわけで今回は頑張って生徒と協力し、キックやソバットで七英雄をやっつけようと思います
GM:"ロマサガ2"を抜かなこいつは一生ポンコツやで
サマンサ・シュヴァイゲル:性能としてはピュアエグザイルで、シンプルなカバーリングとダメージグローブを使ったクソザコパンチが特徴。
サマンサ・シュヴァイゲル:今回はついにあの最強エフェクト、デビルストリングも習得しました!
サマンサ・シュヴァイゲル:ノヴァリスでの経験で得た力だぜ
サマンサ・シュヴァイゲル:かき消してえ…あらゆるオートをかき消してえよ…!
サマンサ・シュヴァイゲル:以上!よろしくおねがいします!
GM:ううっ、デビルストリング……!
GM:助けてくれ……もうデビルストリングなんかカウントしたくない
GM:ハァッ ハッ
GM:夢か…………
サマンサ・シュヴァイゲル:GMのトラウマを刺激することで精神的優位に立てる
サマンサ・シュヴァイゲル:これが最新のダブルクロス・ライフハック
GM:サマンサ先生のハンドアウトはこちらです。
PC4:サマンサ・シュヴァイゲル(PL:森田さん)
シナリオロイス:ヘル・クロタリアス
療養期間を終えたソ・ジウォンは、カナートス臨床医学研究院への帰還を決めた。
再び、担当患者であるペテラ・アズテックの看病に向かうつもりだという。
あなたの同行の申し出は大人が立ち入る危険性を理由に拒否されてしまうが、
もしも、いつかカナートスに訪れることがあれば、とソ・ジウォンは言う。
その時には、101号患者ヘル・クロタリアスを頼ってほしいと。
果たしてソ・ジウォンが去って数日後、星室庁に一件の不在連絡が入る。
発信者の名はヘル・クロタリアス。発信元はカナートス臨床医学研究院。
要件は不明。……それは、あなたが動くには十分な理由といえた。
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンちゃん!!
サマンサ・シュヴァイゲル:勝手にいなくなってんじゃねーよ!!
サマンサ・シュヴァイゲル:今度はソ・ジウォンがいなくなってしまった。
GM:ちょっと!
GM:こっちで説明文章打ってる間に
GM:勝手にダイナミックコードはじめてるんじゃねーよ!!
サマンサ・シュヴァイゲル:メンバーの苦悩、村祭り、そして輝き続ける一握りのバンド。
GM:まだ続けてるし
サマンサ・シュヴァイゲル:ざまあないね
サマンサ・シュヴァイゲル:しかし内容は理解しました
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンちゃんの友達と協力してジウォンちゃんを迎えに行けばいいってわけだなぁ~~!!
GM:いや……そうなのかな……
サマンサ・シュヴァイゲル:ジーク・ジウォン!!
GM:ジウォンちゃんを連れ出したら問題が悪化するだけのような……
GM:でも本人はすでにやる気だし……
サマンサ・シュヴァイゲル:アースノイドのやつらぶっつぶしてやる
GM:止められないのかな……
サマンサ・シュヴァイゲル:コロニー!コロニーもってきて!!
サマンサ・シュヴァイゲル:やってやりますよ
サマンサ・シュヴァイゲル:任せてください
GM:人類の半数を?
サマンサ・シュヴァイゲル:その行ないに恐怖させたる
GM:ではセッションを開始しますッッッ
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃあっ
サマンサ・シュヴァイゲル:よろしくおねがいしまーす!!
トレーラー
病に苛まれる苦痛から逃れるために、卒業と治療、そして死を求めた少女達がいた。
彼女らが引き起こした異変の数々は、他のノヴァリスの脅威と、比べごく小さなものだった。
だが、カナートスへと踏み込んだ者達は、目の当たりにするだろう。
それはごく小さいが、最も避け得ず、救い難い脅威でもあったのだと――
第二次ノヴァリス紛争以来隔離され続けてきた、カナートス臨床医学研究院。
そこには何が隠されていたのか。なぜ誰もが救われないままだったのか。
その深層には、悪意を以て苦痛を蝕む者が存在する。
探求は結実し、病が生命を迎撃する。
オーヴァード・ノヴァ『カナートス突入』
◆Opening◆三部つゆり&七星ミルキ
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を1D10(→ 10)増加(43 → 53)
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 10)増加(41 → 51)
七星ミルキ:なかよし…
三部つゆり:おつらい
ラス・ヴィダス商業学校連盟 第24仮設診療所

GM:学区生徒の8割が感染者と化したとも言われる、"イモータル・コイル"の一連のテロ事件がこのラス・ヴィダスに与えた影響は、言うまでもなく甚大だった。
GM:堕天病治療薬の製造法が確立されたとはいえ、一朝一夕に全ての生徒を治療できるような感染者数ではない。
GM:製薬の初期段階である現在は重症患者に優先して治療薬を配給し、症状の初期段階にある生徒は、このようにして各地で隔離措置に留めているのが現状である。
GM:治療薬の生産には幸いにして、ノヴァリス屈指の大規模プラントを擁するジェネシスの"オフィサー"が名乗りを上げていた。
GM:もっとも彼女らにとっては、確実な利益回収の見込めるこの事業を、他学区や"民間"のジェネシス部活に渡すわけにはいかなかったのだろうが。
GM:そして三部つゆりは、そのような製薬事業者との交渉や、隔離患者の把握と管理に奔走している。
GM:ラス・ヴィダスはこれまでの学区運営体制を一新し、ついに"生徒会"を発足した。三部つゆりは、その初代書記ということになる。
GM:とはいえ今の慌ただしい状況では、どの役職であろうと割り振られる仕事に大きな違いが出るはずもない――
GM:ただ、目の前の業務と混乱を、手当たり次第に片付けていくことが求められた。
ラス・ヴィダス生徒:「ぐえ~~、痛い~~!痛いよ~~!はやく治療薬持ってこなきゃ死んじまうよ~~」
ラス・ヴィダス生徒:「おかあちゃ~ん」
三部つゆり:「ええ…はい、前回お話した通りでお願いします。38ロット目の搬入は10番台の診療所から――」
三部つゆり:肩で抑えながら携帯で業者と話し、予定や進行についてを手帳にもう片手でメモを取っている。
三部つゆり:「はい。はい、ええ、そのようにお願いします。本当にお手数をお掛けしますが、どうかよろしくお願いしますね……ふぅ」
ラス・ヴィダス生徒:「へへ……白髪の姉ちゃん、いいケツしてんじゃねえか!揉ませろ!」
ラス・ヴィダス生徒:凶暴なセクハラ患者!
三部つゆり:電話を切り、今度は目の前の件に注力しなければならない――「元気、が、有り余って、いいですね!」赤黒い影がいつのまにか体に浸透している。
三部つゆり:ごん!と音が響いた。思い切り頭をぶん殴った音。
ラス・ヴィダス生徒:「アギャアーッ!」
ラス・ヴィダス生徒:「ひ……ひでえ……哀れな堕天病患者のアタシを殴りやがったァ~ッ」
ラス・ヴィダス生徒:「へっ、新入りのバカがやらかしてるぜ」
ラス・ヴィダス生徒:「おかあちゃ~ん」
三部つゆり:「そう言うなら寝てなさいよ!そんな風に元気だから薬もすぐ回せないの!もう…」
三部つゆり:「全く…ええと、此処のチェックリストは…」
三部つゆり:ごそごとと分厚い鞄からボードごとチェックリストを取り出し、各患者や病室について確認を始めていく。
GM:その時、扉を開けて三つ編みの生徒が入室する。ラス・ヴィダスとは大きく雰囲気の違う、小綺麗な白衣だ。

後藤スダチ:「こんにちは!オフィサー営業本部主任の後藤スダチです!つゆりさんいる?」
三部つゆり:「あっはーい!三部つゆりここです~……あ、スダチさん!」
三部つゆり:ずっと困り顔だった表情が明るくなる。
後藤スダチ:「先行量産ロットの納入予定が立ったから、早い内に振り分け先を決めてもらおうかって思って」
三部つゆり:「あっ、出来ました?本当に助かります…そうですね、他の運送業者さんとも話してたんですが…あ、あはは」
後藤スダチ:「あはは、ずっと大変そうだね。うちの営業本部より忙しいんじゃじゃない?」
三部つゆり:「そうなんですかね…?そりゃ8割も感染してたらそうかもしれませんけど…」不夜城みたいだっていうオフィサー営業本部よりそうなのだろうか…
後藤スダチ:「ええとね、このコードを読み込めば、チェックボックスが出てくるから」
後藤スダチ:「優先したいところに入れてもらえば、自動で流通の方に伝わるシステムになってて」
後藤スダチ:「ジェネシスからの搬出48時間前までは変更が効くからね」タブレットを見せながら説明する。
三部つゆり:「は~……便利ですねえ…」スマホを取り出して読込させて作業を説明通り進めてゆく。こういうBtoB系列はあまり触れた事がないので新鮮だ。
三部つゆり:「あ、ここは…そうなってて…ふむ…」手帳を捲って書き連ねた搬入の手順を上手く落とし込んでゆく。
後藤スダチ:「今忙しいなら長い話は後にできるけど、大丈夫?事務関係の応援はちゃんと来るとは思うけど」
GM:膨大な患者の詳細な把握作業には、オフィサーも積極的に関わっていた。顧客情報の収集は彼女らにとっても意味が大きい。
三部つゆり:「まあ忙しいっていえばいつでもそうなので…話があるなら先に聞かせて貰っていいです?後はここの診療所のチェックリスト埋めと聞き取りくらいですし」
後藤スダチ:「え、じゃあお言葉に甘えちゃっていいかな。あのさ……」
後藤スダチ:少し声をひそめる。
後藤スダチ:「ノドスのことなんだけど」
三部つゆり:それを把握していても、感謝と共に受け入れざるを得ないのが現状だった。人手が足りず、施設もほぼ全損している。
三部つゆり:「……!」
三部つゆり:「あ、少し待ってね」ざっとパーティションの裏で話していたが、盗み聞き防止のためのホワイトノイズ発生器のスイッチを入れる。
後藤スダチ:「ありがとう。実はオフィサーで、ノドス捜索事業もはじめていて」
後藤スダチ:「関係者と情報を共有できれば、って思ってる」
後藤スダチ:丸い椅子を引いて、座る。
後藤スダチ:「もしもつゆりさんが気分を悪くしないならだけど……」
三部つゆり:「オフィサ―で…?またお金にならなさそうなのに…」少し目を丸くしている。民間でずっとほぼ一人で行っていたのは、たいていは撤退していたからでもある。
三部つゆり:「勿論、私は構わないよ。正直、一人じゃ手が絶対に足りないから」
三部つゆり:頷いたのは、勿論業務を共にする中で、後藤スダチという少女が信用に値すると知っていたからもあり、
三部つゆり:又同時に、どうしようもなく手も手掛かりも足りていないのだと理解していたからだ。
後藤スダチ:「……ありがとね」
後藤スダチ:「それでね。実は、合コン委員会が同行してるの」
後藤スダチ:「ノドスを捜索するなら、信用できる子達だと思う……って、つゆりさんもさすがに知ってるか」
三部つゆり:「…合コン委員会が?」珍しくまだ”撤退”はしていなかった団体として記憶に有った。「オフィサーが始めたっていうのと言い…何か掴んだのかな」
後藤スダチ:真面目な顔で頷く。
後藤スダチ:「重要な情報だから、ここで私の口からは言えない」
後藤スダチ:「だから、直接話してもらう。……いい?」
三部つゆり:「…なるほど。こっちのやつも、あまり人越しにはしたくないから。其れなら、その時に一緒に話し合いますか」

GM:一時間ほどが経った。三部つゆりが圧殺されていた大量の事務処理は、オフィサーの応援に引き継がれ(他学区に多くを任せるのはある意味で不安ではあったが)――
GM:診療所横に位置していた空きオフィスを利用して、三部つゆりは、合コン委員会の面々と顔を合わせている。
GM:委員長、七星ミルキ。副委員長、四之宮サオリ。元委員長、三城郷ミチカ。錚々たる面々だ。
後藤スダチ:「それでは、ノドス接触者への聞き取り調査……という名目ではあるんですけど」
後藤スダチ:「まあ、そんなに気を張らなくて大丈夫だからね。みんな優しい人達だし」
三部つゆり:「……何というか、豪華な面々ですね…新旧トップに…あ、そういえば三城郷元委員長はあの時に応援も来て頂いて本当にありがとうございました」皆に一礼。
三部つゆり:「あ、ありがとうございます」新米書記――更に言うならほぼほぼ生徒会の仕事というか事務の人みたいなことばかりしているので中々に圧があるなあと思っている。

三城郷ミチカ:「いえいえこちらこそ。あの後あんまり手伝えなくてゴメンね」笑みを返す。
三部つゆり:「いえいえ、あの後もか…ごほん、爆弾の捜索とか後処理も手伝って貰ったみたいで…」
七星ミルキ:「初めまして。合同カタコンベ保全委員会の委員長、七星ミルキです!」立ち上がって礼。つゆりさんに比べてもなお小柄な少女。
七星ミルキ:「こちらは副委員長の四之宮サヨリさんに、元委員長兼OBの三城郷ミチカさんです」

四之宮サヨリ:「ご紹介に挙がりました、副委員長の四之宮サヨリです。貴女が三部つゆりさん……ですね、よろしくお願いします」事前写真との髪色の違いに少し見比べ、一礼。
三部つゆり:「初めまして、七星委員長に四之宮副委員長。どうかよろしくお願いします」一礼。
後藤スダチ:「改めまして、オフィサー営業本部主任の後藤スダチです」
後藤スダチ:「ええと……まずですね、ノドスについて今、はっきり分かっていることがいくつかあります」
後藤スダチ:「彼らの間には、少なくとも実力や権限で区分けされた『階級』が存在するということ」
七星ミルキ:スダチさんに目線を送りながら、細かく頷く。
後藤スダチ:「何例かの自称から、"十律者"、"百人隊"の二つの枠組みが今のところ確認されています」
三城郷ミチカ:「"十律者"を名乗る子には私も会ったことあるかな。確か席次で言うと四番目って言ってた」
後藤スダチ:「そう。接触した子達の証言――私も含めてなんだけれど、その体感でいえば」
後藤スダチ:「文化祭以降に確認されるようになった大半の生徒は"百人隊"。それ以前から活動していた特別な生徒が"十律者"と考えておおよそ間違いないと思う」
三部つゆり:「…となると、最初に確認された第一次セイクリッドピラー襲撃事件などは十律者によるもの、ということですね」
後藤スダチ:「うん」
後藤スダチ:「"十律者"が主導したと分かっているノヴァリスへの攻撃作戦は特に大きいものが多い」
後藤スダチ:「"カルヴァリア"。"セレブロ"。第一次セイクリッドピラー襲撃」
後藤スダチ:「"オムファロス"。国連軍ノヴァリス介入」
後藤スダチ:「"クリカラ"。卒業阻止事件」
後藤スダチ:「"マスターゼウス"。第二次セイクリッドピラー襲撃。そして――」
後藤スダチ:「……"イモータル・コイル"」
後藤スダチ:「ラス・ヴィダス堕天病テロ事件群」
三部つゆり:目を閉じてそれを聴く。そうしていると、人形さながらの髪も合わさり、まるで等身大の人形のようにさえ見えた。
七星ミルキ:「目立った事件を起こした"十律者"は皆、学区に影響を及ぼすレベルの事件に関わっていますね」
七星ミルキ:「そういう事ができる戦力、あるいはポジションに居るからこそ、でしょうか」
後藤スダチ:「私もそう推測してる。"十律者"は少なくとも、私達の学区でいう生徒会に相当するような……」
後藤スダチ:「戦略的な行動を主導している可能性が高い、と思う」
三部つゆり:「…数字の十を冠しながら、今の所明らかになっているのは6名、か」
七星ミルキ:"イモータル・コイル"について目を閉じたつゆりさんを少しだけ横目で伺う。事件に関係した人だと聞いている。
四之宮サヨリ:「十律者と百人隊。機体性能としてもそうですが、立場的含め、彼らにある程度の開きがあるのは確かでしょうね」
三部つゆり:「確かに、…”イモータル・コイル”が行った事件は、本当に大規模かつ能力的にも非常に高度なものが使用されてました」
七星ミルキ:「いきなり前言を翻す形ですが、直接的な行動をしたものとは別に、裏で動いている可能性もありますからね」
後藤スダチ:「"ピシェゴーシュ"のことだね」
七星ミルキ:「そもそも"十律者"を名乗って頂けないと、こっちから判断もできませんもの……あ、前例ありましたか」
後藤スダチ:「少し奇妙な点だけど、彼は"十律者"でありながら、むしろノヴァリスに友好的な行動を取っている」
後藤スダチ:「六壬のイースターエッグ……えっと、神性のやつでいいんだっけ?……その取得には少なからず助力があったみたい」
後藤スダチ:「そのせいで一層、組織としての動きが読みにくくなってると思う。"マスターゼウス"と"クリカラ"が同じ学区で暮らせてるなんて信じられないし……」
三部つゆり:「……あまり詳しくは追えなかったけど、そんなことが…とはいえ、彼らにとって必要な行動を取る上で偶々協力出来た、協力しうる状況だった…というのはありそうですけど」
四之宮サヨリ:「大局的に見るのであれば、回収しないと双方に不利益が巻き起こる形になりそうだったのかもしれませんが……」
三城郷ミチカ:「ノヴァリスを解体するにしても、理事会の計画が成就する形でそれが達成されるのは、ノドスも望んではないってことなのかな」
七星ミルキ:「あ~……そういう話もありましたっけ。」合コン委員会の特性上、"ノドス"に関する事情は大なり小なり入ってくる。
七星ミルキ:「私達の知ってるとこで言うなら、キングダムの生徒会みたいですよね。あちらも、ナンバーと得意なことがばらついてるって話ですし」
三城郷ミチカ:「あの子たちの中にも、本当はノヴァリスと共存したいと思ってる子がいるのかも……っていうのは、少し良いように取り過ぎかな」自嘲するように笑う。
三部つゆり:「……」少し沈黙する。
七星ミルキ:「案外見えないところでそういう派閥もあるかもですよ?」ふふ、と眉尻を下げる。
後藤スダチ:「だから、つゆりさん。推測の助けになる材料が欲しいんだ」
後藤スダチ:「"十律者"に直接知り合いがいて、しかも話せたことのある子は、本当に貴重だったから」
三部つゆり:「…分かった。私のは、精神世界内で聞いたことだから、嘘が混じっている可能性はある。その上でいいなら、聴いてほしい」
七星ミルキ:「……!」緩んだ表情を引き締める。本題だ。
七星ミルキ:「お願いします」
四之宮サヨリ:こくりと頷き、音声とペン双方でメモを取り始める。
三部つゆり:「まず。ノドスが”放浪”し始めてから…彼らは、星徒とずっと殺し合いを続けることとなった」
後藤スダチ:「……!!」
四之宮サヨリ:「……」
七星ミルキ:「星徒…!」
三部つゆり:「その戦闘映像を、私は見ている――十字冠保護が効いていないのか、多くの人が死んでいた」
三部つゆり:「勿論、印象に残っているものが映し出されているのだろうから、正確性は欠けているだろうけど…十字冠保護が彼らにない、というのは事実だと思う」
七星ミルキ:「……」ラス・ヴィダス堕天病テロ事件群。事件の報告書に三部つゆりの名前があったことは合コン委員会にも伝わっている。
七星ミルキ:曰く、関係のあるノドス生徒と接触し、『より深い』情報を持ち帰った、と。
後藤スダチ:「私達が知っている話とも……一致してる。そうだよね、サヨリさん」
四之宮サヨリ:「……はい。私達がセイクリッドピラーで見、感じた彼らの体験と一致します」
四之宮サヨリ:少し胸を抑えながら、それでも筆記を止めない。
三城郷ミチカ:「……」僅かに俯いてスカートの裾を握り込む。
後藤スダチ:「出どころが私達の体験だけなら、単にそういう攻撃的な記憶を流し込まれただけかもしれないけれど」
後藤スダチ:「複数の同じ証言が出てくるのなら、確証は大きいと思う。こうやって裏取りされることも含めての作戦とかならお手上げだけど――」
三部つゆり:「…あなたたちも?いや、まずは私の話だね」
三部つゆり:「彼らがもし、本来同席したり協力し合えるはずがないのだとしても、協力できるのは…後に話す理由もあるけど、その戦闘の経験を共有していることがあるのだ、と私は思う」
七星ミルキ:「星徒の襲撃を退け続けた、経験ですか」
後藤スダチ:「主義や信条が違ったり、正反対だったりしても、か」
三部つゆり:「そう。“外敵”を共に迎撃し、血を流して。共に戦う事は…」
三部つゆり:「非常に強い紐帯を作り上げる。…”外”の戦争の歴史にもある通りだね」
四之宮サヨリ:「命を賭け、誰もが生存の為に力を尽くした。其処に残るのは、生半可な繋がりではありません」唇を噛み、深く呼吸をして。
後藤スダチ:「それに、自分達以外はいないんだもんね」
七星ミルキ:「えぇ。『同じ経験』を経たことで、その他の蟠りより優先されるというのは、分かります」
七星ミルキ:「私達、合コン委員会の成立も同じような経緯ですから……」
七星ミルキ:「といっても、流したのは血ではなく、涙ですが」
三部つゆり:「血も涙も、ほとんど同じ成分だよ」少し笑って。
三部つゆり:「赤色がついているか、目以外からも流れるかくらいしか変わりはない。…うん、少し段を外した」
七星ミルキ:くすり、とつゆりさんの言に小さく微笑む。
七星ミルキ:「こちらこそ、横道に逸れちゃいましたね」
三城郷ミチカ:「……でも、きっとそれって」
三城郷ミチカ:「そこまで特別なことでもないとも思うんだよね、私は……」
七星ミルキ:「せんぱい……」
三城郷ミチカ:「やりたいことが違ったり、性格が全然違ったり、嫌いなところがあったりしても」
三城郷ミチカ:「隣にいて、一緒に何かをすることはできる」
三城郷ミチカ:「友達って、そういうものでしょ」
七星ミルキ:「今、ここに集まってる私達もそうですしね!」
後藤スダチ:「かっこいい……」
三部つゆり:「……」ふ、と少し淡く笑った。
四之宮サヨリ:「……ええ、本当に」
七星ミルキ:スダチさんの呟きにそうでしょう、そうでしょうと頷いている。
三部つゆり:「…そして、友情で保つ事が出来るつながりが、貴重なものなのも、確かだ」
三部つゆり:「ノドスの彼らがどうして纏まっているかの、もう一つの原因は…ノヴァリスの解体をすること以外で、彼らが脱出する方法を得られていない、という点にある」
七星ミルキ:「ノドスからの脱出方法、ですか」
四之宮サヨリ:「現状確認できる事実として、彼らは機体としての形でしか此方に干渉できない。つまり……身体を伴っての、異空間からの脱出」
後藤スダチ:「そう、実はその仮説で私達も動いていて……」
後藤スダチ:「ノドスがノヴァリスの解体に固執しているのは、それがノドスが解放される唯一の条件だから、だと思っているのね」
七星ミルキ:「なるほど」
後藤スダチ:「最終的にその結果に到達できるなら、アプローチは違っても協力できるのかも」
七星ミルキ:「『そうする必要があるから』目的がぶれない、という一面もあるんですね」
後藤スダチ:「でも、理事会の計画を達成する形は望ましくない……っていうのはミチカさんが言ってた通りだね」
七星ミルキ:「いわば一つしかない特効薬を求めている、と。」
三部つゆり:「そして」一度、皆の言葉を断ち切るように一言。
七星ミルキ:つゆりさんに目を向ける。
三部つゆり:「彼らには、その手段となり得るものが既にあり……それこそが、ノドスの漂流の原因だ、という事」
七星ミルキ:「脱出するための手段と、……そもそもの原因が一緒、ですか?」
後藤スダチ:「……!」核心に近い、そして重要な点だ。
三部つゆり:「”生命”のイースターエッグ」
後藤スダチ:ガタン!
後藤スダチ:思わず席を立つ。
四之宮サヨリ:「……"生命"?」
三城郷ミチカ:「"生命"の……?」
後藤スダチ:「……イースターエッグ……!」
七星ミルキ:「そんなものが、ノドスに存在すると?」
三城郷ミチカ:「ラグナちゃんが言ってた中にはなかったような……8番目のイースターエッグがあったってこと?」口元に手を当てて記憶を探る。
三部つゆり:「うん。どう言う問いがあるのかとかは、分からない。でも、確かに有る」
後藤スダチ:「本当に、ノドスに……!」推論に推論を重ねてしか仮定できていなかったことだ。
後藤スダチ:けれど、ついに、直接十律者と接触した関係者からの証言が得られた。
四之宮サヨリ:「今、大きくノヴァリスで開かれているイースターエッグ捜索。その上でこちら側に存在しないイースターエッグがひとつ存在する、と……」
三部つゆり:「それは、初代最高生徒会長の身体にあって。彼を殺そうとした何者かが、故意かミスかはさておきそれを暴走させた」
三部つゆり:「それが、」
三部つゆり:「ノドスの漂流の始まり……だ、そうだよ」
三部つゆり:「私は」
三部つゆり:「その、”殺人事件の犯人”を捜してる」
後藤スダチ:大きくため息をつく。
後藤スダチ:「……つゆりさん。ありがとう。本当に貴重な情報だった」
三部つゆり:「ううん。役に立ったなら良かった。…その分、協力もしてほしいからね」
後藤スダチ:「合コン委員会の皆さんにも、ごめんなさい。営業本部は……というか私は、本当はノドスにイースターエッグがあるんじゃないか、という見込みで事業を立ち上げてる」
後藤スダチ:「イースターエッグを使って利益を回収できる事業、という形にしなきゃいけなかったから」
七星ミルキ:「初代最高生徒会長──都築ソウマ氏を殺害した、犯人……」つゆりさんの瞳に宿った意志と情報の重さ。やや衝撃に揺れている。
七星ミルキ:「……え、あぁ。この人数を動かすための目的、というわけですか」ハ、と意識を取り戻す。
三部つゆり:「しょうがないね。利益がなければ継続することは難しいもの」
三城郷ミチカ:「建前って大事だもんね。メサイアですら予算持ってくるのに色々体裁整えるもん」苦笑しながら
七星ミルキ:「そっか。だからさっき、ノドスにあると知れて反応したんですね」
四之宮サヨリ:「どのような形であれ、私達はスダチさんが進めてくれたことに感謝しています」
七星ミルキ:「予算の申請も大変ですからねぇ……」苦笑。
四之宮サヨリ:「あはは……そこはもう、本当に……」少しばかり苦笑し、再び背筋を整える。
後藤スダチ:「うん、よかった……いや、よくないか……」ふにゃふにゃと椅子に座る。
七星ミルキ:「お水どうぞ」サーブ。
後藤スダチ:「ありがとう」口をつける。
後藤スダチ:「つゆりさん。今は製薬周りで流通の私達は手が離せないけど」
後藤スダチ:「もし何かがあったら協力させて。話しにくいことを話してもらった分」
三部つゆり:「ありがとう。……さっきも言ったけど、その殺人事件の犯人と…これは、あなた方も探してると思うけど、ノドスの解放かな。後者は、まあ第二位として…協力してほしい、と思ってる」
三部つゆり:「私は正直、本当にそれしか手段がないなら…ノヴァリスの解体もありだ、と思ってる方だから」
七星ミルキ:「あっ。もちろん、合コン委員会としてもつゆりちゃんに協力いたしますよ」
七星ミルキ:「事情を聞いては黙っていられませんもの」
三部つゆり:「ありがとう」
四之宮サヨリ:「団体としても……個人としても、つゆりさんの目的に少しばかりは肩入れする理由はありますから」殺人事件がノドスの一件の全ての発端なのであれば、猶更だ。弟の命を間接的に奪った原因でもある。
七星ミルキ:「ノヴァリスの解体に関しては……うーん。そこも各々目的ありますからね……!」苦笑しつつ。
三部つゆり:「最終手段だよ。私だって早死にしたくはないし……」苦笑気味に。「ごめん、変なコトを急に言いました」
七星ミルキ:「うちのサヨリ副委員長もこう言ってますので。うん、個人で大きな行動する前に、色々話すとお得かもです」冗談めかして。
七星ミルキ:合コン委員会はその性質上、思い詰めた子たちを受け入れることもよくある。自然と身についた会話だ
後藤スダチ:「ミチカさんは、今は半分職員室のお仕事なんですよね」
三城郷ミチカ:「あっうん。合コンはミルキちゃんが立派にやってくれてるから。私は教育実習生の立場からサポートできたらなって」
七星ミルキ:「"卒業阻止事件"の一件があったとは言え、元々は引き継ぎ予定でしたからね~」
後藤スダチ:「職員室の方でノドス対策に積極的な先生や、動く機会の多い先生に」
後藤スダチ:「この話を伝えてもらうことって、できるんでしょうか?」
後藤スダチ:「オフィサーの事業としては独占ができなくなるんですけど……」
後藤スダチ:「やっぱりノドスの帰還に関わる話である以上、たくさんの生徒が、自主的に動いてくれる方がいいと思ってます」
三城郷ミチカ:「もちろん!どんな先生でも喜んで協力してくれると思うよ。みんな忙しいから、物理的に動けない先生はいるかもだけど……」
三城郷ミチカ:「私の方で、行けそうな先生に声をかけてみるよ」
後藤スダチ:「ありがとうございます!」
七星ミルキ:「あはは……差し入れを持っていってもいらっしゃらない時、多いですもんね……」
四之宮サヨリ:「どのタイミングでも常に外出していたり、大量の書類に囲まれていたり……」
三部つゆり:「合コン委員会が職員室に出入りしてるのって本当なんだ……」緑蘭先生もどうなってるんだろう、と思いながら聞いている。
七星ミルキ:「色々御縁がありましてね……」つゆりさんとヒソヒソ
三部つゆり:「なるほど………」積極的だなあ…となっている。
四之宮サヨリ:(そういえば五派先生、キングダムに出向予定と聞いたけど大丈夫かしら……)
後藤スダチ:「忙しいってことは、それだけ色んな学区に出向しているってことだし、これまで以上に皆が積極的に動けるようになると思うよ」
七星ミルキ:「えっと、それで……ノドスの情報も交換して、先生の伝手をつなげて……後、なにかありましたっけ」
三部つゆり:「…そういえば、合コン委員会側もなにか掴んだと思っていたんだけれど、その話は後でも聞いていいのかな?」
七星ミルキ:「あ、そうだね。サヨリ副委員長、良いかな?」
四之宮サヨリ:「此方としては構いません。ここまでの会話でつゆりさんが信頼できる人物である確証は得ていますし」
四之宮サヨリ:「重要な情報を公開してもらった以上、求めるのであれば共有するのは筋であると思います」
三城郷ミチカ:「うん……混乱を避けるために希望者にしか見せてないけど」
三城郷ミチカ:「本当は、ノヴァリスの誰にだって知る権利があると思う」
七星ミルキ:「うん。そうですね。さっきの話で、『幻覚かも』って不安も考えなくて良くなったわけですから」
四之宮サヨリ:「……では」皆にアイコンタクトで確認を取ってから、三部つゆりの傍に寄り。
四之宮サヨリ:「スタンドアロン端末です。どうかご内密に」
三部つゆり:「はい。了解しました」
四之宮サヨリ:タブレットを手渡す。表示されているのは、ひとつの名簿。
三部つゆり:「これは……」
四之宮サヨリ:「……ノドスの皆さん、その現在の"生存者名簿"です」
七星ミルキ:「サヨリ副委員長が先程お伝えした、ノドスの情報。」
七星ミルキ:「その過程で手に入れたものです。正確性は確かかと」
三部つゆり:「………ああ」僅か、見えている紫の左眼が遠くを見ている。
三部つゆり:二人の名前を検索に掛ける。
三部つゆり:四海群生。生存。
三部つゆり:そして、
三部つゆり:「…………うん」目を伏せる。
三部つゆり:分かっていた結果だった。しっかりと泣いて受け止めもした。
三部つゆり:でも、もしかしたら。そう動く指は止められなかった。それだけのことだった。
四之宮サヨリ:「…………」その表情に、家族を喪った自身の思いを重ね見て。
三部つゆり:「ありがとうございました。理由は、もう固まっていたけれど」そう言って、そっとタブレットを返す。
三部つゆり:「忙しさから、目を覚ますくらいにはなりました」
四之宮サヨリ:少しばかり去来した感情に目元を拭ってから、受け取る。
七星ミルキ:「………」用意していたハンカチをポケットに戻す。
三城郷ミチカ:「……」謝罪の言葉を口走りそうになるのを喉元で留める。このリストを見せる時は、いつもかける言葉を持てずにいた。
七星ミルキ:「………ふぅー」わざとらしく深呼吸をする。
三部つゆり:涙も流していない。平然としてさえいるように見えた。
三部つゆり:何度もそこに傷があることを、確かめたような表情だった。
四之宮サヨリ:「これが、私達合コン委員会が掴んだ情報です。改めて公開、共有に関しては此方側に一任していただけると。混乱を避ける目的がありますから」
四之宮サヨリ:「無論、つゆりさんに関して心配はしていませんが……あくまで形式的にということで」
三部つゆり:「いえ。分かります。誰だって……」あの事件の時、向き合った狙撃手の少女を思い出す。
三部つゆり:「希望を持ちたいものだから」
後藤スダチ:「……」目を伏せて、所在なげにしている。悲しみを共有できない立場というのは、どうしても居心地が悪い。
三部つゆり:「…ごめんなさい、スダチさん。ちょっと空気悪くしちゃって…」苦笑しながら。
後藤スダチ:「いや、いや、全然!」手を振る。
後藤スダチ:「もー、他の人に気使う必要ないからね、つゆりさん!」
三部つゆり:「ふふ。でも、同じ事業に携わる人なんだから、居心地良くしてほしいものでしょう」
後藤スダチ:「でもつゆりさん、私と違ってお菓子もまだ手つけてないじゃん!合コン委員会の差し入れ美味しいんだから」
三部つゆり:「話に夢中でそうだったかも。マリアさんに自慢しなきゃな…」そう言って笑ってから手を伸ばす。
後藤スダチ:「あ、メールチェックだけさせてもらってもいい?」
七星ミルキ:「良かったら、戻る時にお土産としてお持ち頂きましょうか。余分に用意してますし……」
七星ミルキ:「あ、どうぞどうぞ」
後藤スダチ:「皆さんごゆっくり~」
三部つゆり:「どうぞどうぞ」はむ、と小さくひとくち。
四之宮サヨリ:「はい。必要でしたら、バスケットに入れてお渡ししますね」と、既に準備済みだ。部屋の隅にお土産用に置いてある。
三部つゆり:「あ、悪いですね…なんか催促しちゃったみたいで…」
後藤スダチ:そのまま画面に目を落としていたが
後藤スダチ:ふと、表情が止まる。
七星ミルキ:「いえいえ。こういうものは作りすぎるのが礼儀らしくて……?」
三城郷ミチカ:「スダチちゃん?」
三部つゆり:「…スダチさん?」
後藤スダチ:「……。つゆりさん」やや思案しているような顔。
四之宮サヨリ:「……何か、ありましたか?」
三部つゆり:「なんでしょう」仕事モードに切り替わっている。指を拭う。
後藤スダチ:「ウノ・ワイルゴッドって子、知ってる?」
後藤スダチ:「第10仮設診療所勤務。身分は派遣医療者」
三部つゆり:「ええと、少し待ってくださいね…」仮設診療所の管理システムにアクセスする。
三部つゆり:「……ふむ、言われた通り第10で勤めて貰ってる方で…他学区から派遣して頂いた方ですね。会った事はないですが…」
後藤スダチ:「今、確認作業をしてもらっていた子からの報告があったんだけど」
後藤スダチ:つゆりの代行として患者の確認作業を行っていたオフィサー職員のことだ。情報は即座に営業本部に共有される。
後藤スダチ:「許可申請なしにラス・ヴィダスを離れて、消息不明になってる。所属学区は……」
後藤スダチ:「カナートス臨床医学研究院。間違いない?」
三部つゆり:「……ええと、所属学区……」詳細を開く。あまりに急ごしらえだったが故に、簡単なタグ分けしかぱっと見はついていない。詳細は確認する必要があった。
三部つゆり:「ええ。カナートス臨床医学研究院。そうですね」
三部つゆり:「感染確認は医療者扱いだと…ううん、抜けてる…?」
七星ミルキ:「カナートス?」学区名に反応する声
七星ミルキ:「の、子が居なくなっちゃったんですか?」
三部つゆり:「え?、ええ。システム上そうなってるけど…建物も多く崩壊してるから、ちょっと離れて確認できてないとかだって良く…」
後藤スダチ:「ミルキちゃん、心当たりがあるの?」
七星ミルキ:「その学校の生徒と、何度か面識があります」
七星ミルキ:「医療学校ですので、医療に精通はしている子たちです。が……その」
七星ミルキ:「各々、抱えてる病や事情があると聞いています。……居なくなったと言うのは、少し心配かと」
七星ミルキ:眉間をわずかに引き締めている。
三部つゆり:「七星委員長がそこまで言うとなると、色々事情がある学区なんですね…ふむ」
後藤スダチ:「ごめん、私は初めて見た学区だから、もしかしたら学区偽装とかそういう可能性があるかもって思っちゃった」
三部つゆり:「いえ、スダチさんが言ってくれたお陰でこうして分かったわけですから」
後藤スダチ:「カナートス。カナートス……ジェネシスだと引っかかるのは……6番プラント事故。あの時の事件か……」
後藤スダチ:手元の端末を検索している。
三城郷ミチカ:「元々、理事会の頃からの秘匿学区だったからね。合コンの名簿にも詳細が載ってないくらいの。それに……」ミルキへと視線を向ける。
七星ミルキ:ミチカさんの視線を受けて頷く。
後藤スダチ:「カクタスヒルズみたいな要注意学区でもないし、すぐに危ないって決めつけるのは良くないかもだけど」
後藤スダチ:「とにかく、学区の方には問い合わせてみたほうがよさそう。連絡先持ってる人がいるか探してみる」
四之宮サヨリ:「……もし罹患状態でしたら心配ですね。無事に、そして早期に発見できれば良いのですが」
三部つゆり:「ええ、お願いします。此方でも企業勤めの方とかで知ってる方がいれば…、七星委員長?」
七星ミルキ:「お願いします。この場合は、当人たちの危険性というより……」
七星ミルキ:「彼女達は、おしなべて"病弱"です。」
七星ミルキ:「もしかしたら、健常な人なら耐えられる病への抵抗性も薄い」
七星ミルキ:「"堕天病"の治療だなんて。とんでもないことです」
七星ミルキ:「ましてやカナートスに戻ってしまっていたら──早急に手を打つべきかと。」
後藤スダチ:真剣な顔で頷き、何人かにメールを一斉送信する。
後藤スダチ:「とにかく、つゆりさん達は手一杯だし、オフィサーの方で話を繋げられるか、なんとか私から頼んで……」
後藤スダチ:「……」だが、画面を見る顔は依然険しいままだ。
後藤スダチ:「……オフィサーの秘書室が」
後藤スダチ:「『アクセス手段がない』って言ってきている」
後藤スダチ:「どういうこと?実在してる……学区なんだよね?」
七星ミルキ:「え?」
三部つゆり:「……そこまで?うちも調べてみたけど…取引履歴にも、名前がないね」
後藤スダチ:「いくら理事会時代の秘匿学区って言ったって、そこまで徹底して遮断されてるって……」
七星ミルキ:「そんなハズ……あぁ、いや、そうか。私のばか…!」
七星ミルキ:「すみません、伝えてませんでしたね。カナートス学区は特性上、学校自体が隔離されていたようです」
後藤スダチ:「え!?いや、そうか!それって」
後藤スダチ:「……病気か。例えば堕天病患者がこうやって隔離されてるみたいに」
七星ミルキ:「えぇ。それこそ、他との交流を最初から行わない前提ってぐらい……」
三部つゆり:「……それにしたって…そんな隔離、病院というより、まるで生物兵器の研究所じゃないんだから」
七星ミルキ:「………」つゆりさんの言に少し目を伏せる。
七星ミルキ:カナートスがどうして『隔離』されたのか。直接聞いた記憶も想起する。
七星ミルキ:「そう、ですね。生物兵器なんかじゃありません。そうである筈ありません」
七星ミルキ:「ただ、感染りやすいというだけで……」
七星ミルキ:少し切り替えるように頭を振る。
七星ミルキ:「……スダチちゃん。私、カナートスへの行き方、知ってます」
後藤スダチ:「ミルキちゃんが?」
七星ミルキ:「えぇ。以前、仲良くなったカナートスの子に教えて貰いました。」
七星ミルキ:「まさか独占情報とは思わなくて……報告遅れちゃいましたね」
七星ミルキ:カリス・リュシドール。今はトランペッターに保護されたカナートス生徒から貰った情報を確認する。
七星ミルキ:「だから、私ならいけると思います!」
後藤スダチ:「いや、でも……堕天病の案件だと、関係者の関係者って感じだし……合コン委員会さんにそこまでさせるのは……」
後藤スダチ:やや焦りながらも、思案している。
三部つゆり:「私が行きましょうか?新米のぽっと出ですけど、一応これでもラス・ヴィダス学区の書記ですから」
七星ミルキ:「つゆりちゃん……!」
後藤スダチ:「……つゆりさん。お願いしてもいいかな?」
後藤スダチ:「つゆりさんが抜けた分は、オフィサーに任せてもらえば……どうにか上手く回すことはできる、と思う」
後藤スダチ:「ミルキちゃん。アクセス認証は個人に紐づけがあるタイプのやつなの?」
GM:七星ミルキが受け取ったパスは、少なくともそうなっている。
GM:彼女個人の端末でしか動作せず、ミルキと同行者しか通行することはできない。
七星ミルキ:「……うん。そうみたい。病院だから、関係者の面会、って形になるのかも……」
三部つゆり:「となると、私が七星委員長に同行するのが一番いい形ですかね」
後藤スダチ:「つゆりさんはともかく、ミルキちゃんを巻き込んじゃうか~……」
後藤スダチ:「……でも、つゆりさんがOKなら」
後藤スダチ:「私からは言えることないもんな。ラス・ヴィダスの問題なんだから」
後藤スダチ:「それに……人命に関わる」
三部つゆり:「色々と心労を掛けてしまい申し訳ないけれど…言う通り、放って置けないからね」
三城郷ミチカ:「……ミルキちゃん。本当に大丈夫?」
三城郷ミチカ:「私はクウリちゃんから聞いただけで見てはいないけど、カナートスには多分」
三城郷ミチカ:「"あの子"がいるかも知れないんだよね……?本当なら、葬送係が動くべき案件だよ」
七星ミルキ:「………」カナートスの名前を聞くたびに、思い出す姿。
七星ミルキ:かつて、合コン委員会の前に現れた真っ白な少女。
七星ミルキ:真っ白な髪。真っ白な衣服。鮮やかな青い瞳──砕けた十字冠。
七星ミルキ:前触れ無く訪れた、シノエ・リュコス。
七星ミルキ:彼女の前で『死んだ』記憶が刻まれている。
七星ミルキ:カナートスへの訪問を先延ばしにし続けた理由だ。
七星ミルキ:「………大丈夫、とは、言えないかもしれないですけど」
七星ミルキ:体は震わせず、表情も意図して変えない。
七星ミルキ:「でも、カナートスに誘われたのは私ですから」
七星ミルキ:「ありがとうございます、ミチカせんぱい……"先生"。」
七星ミルキ:「巻き込まれたわけじゃなくて、当事者として」
七星ミルキ:「頑張ってみようと思います」
三城郷ミチカ:「そっか……」カナートスへの訪問を先延ばしにしていたのは葬送係側の事情もあった。ミルキの同行が必須の手段は可能な限り取りたくなかったが。
三城郷ミチカ:「……うん、仕方ないね。友達が待ってるんだもん」
三城郷ミチカ:「そりゃあ、いかなきゃか……よっし!」
三城郷ミチカ:「こっちでもできる限りバックアップするよ。医療施設の方も、サヨリがなんとかしてくれるだろうし!」
四之宮サヨリ:「はい」その言葉に、一つ頷いて。
四之宮サヨリ:「こちらも必要であれば、オフィサーの方々と協力して残った患者さんの対応などは行えますので、出来る限りのお力添えを」
三部つゆり:「…ありがとうございます。頼らせて貰いますね」
四之宮サヨリ:「つゆりさん……ミルキ委員長を、よろしくお願いします」
七星ミルキ:「お願いします。ミチカ先生、サヨリ副委員長」
七星ミルキ:「もし、帰ってきてダメそうだったら、ちゃんと慰めてくださいね?」努めて冗談ぽくいう。"先生"に甘える口調。
七星ミルキ:「私、ミチカ先生の手料理とか食べたいです」
三城郷ミチカ:「え、え~?急にそんなこと言われると照れちゃうなあ~」恥ずかしそうに頬を押さえて
三城郷ミチカ:「まあそういうことなら、腕によりをかけて準備しておくから!みんなの分もね!」
三城郷ミチカ:「だからちゃんと帰ってくること」
七星ミルキ:「はいっ」ふにゃり、と表情を崩す。
七星ミルキ:「約束します。絶対帰って来るって」
七星ミルキ:恥ずかしげに前髪を整えて、こほんとつゆりに向き合う。
七星ミルキ:「というわけで、お恥ずかしながら。」
七星ミルキ:「つゆりちゃんのほうが巻き込む形になっちゃうんですけど……」
七星ミルキ:「手伝って、頂けますか?」
七星ミルキ:おずおずと手を差し出す。
三部つゆり:目を閉じてわずかに思案する。
三部つゆり:本来なら巻き込むのは此方の方なのだ。だが、何か恐るべき脅威があり、それでも向かうと決めた表情と会話があった。
三部つゆり:(決めたのなら、後はやるだけ、か)そう吠えた自分の声を思い出した。
三部つゆり:「ええ。此方の不始末のこともありますから、そこはお相子ということで。どうかよろしくお願いしますね」手を此方も差し出して。
三部つゆり:「ミルキさん」
七星ミルキ:「えぇ。」迷いなく手を取る。
七星ミルキ:「……"同じ目的のために、手を取り合って、同じ経験をする"」先程の会話を思い出し。
七星ミルキ:「私達、もっと仲良くなれちゃいますね」
七星ミルキ:いつも通りに笑った。
GM:ロイス取得が可能です。
三部つゆり:シナリオロイスはまだ会ってないけど今とった方がいいかしら
七星ミルキ:ミチカさんには尊敬で取得済みなので、つゆりちゃんに取っておこう
三部つゆり:まずは ミルキさんに取るぜ 七星ミルキ 〇好感/劣等感 で。
七星ミルキ:「三部つゆり ◯P親愛/N心配」これで。
七星ミルキ:見るからに見た目が大変そうだけど……という気持ちと良い子だ~の親近感
GM:シナリオロイスは会ってからでも大丈夫
GM:特にウノ・ワイルゴッドはまだ何もかも謎ですからね
七星ミルキ:謎ですわね~
七星ミルキ:こちら処理以上!
三部つゆり:なるほど!ではこちらも以上~!
◆Opening◆エニュオ・デュカキス
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(35 → 39)
ジェネシスインダストリアルカンパニー トレーニングジム

GM:訓練を積まずとも超人的な身体能力を発揮できるオーヴァードの中で、なお地道な研鑽を絶やさない者はそう多くはない。
GM:製品開発特許庁のエニュオ・デュカキスは、全体の割合として数少ない一人だと言っていいだろう。
GM:ジェネシスの"オフィサー"であれば、学内の指定された訓練場やトレーニングジムのいくらかはフリーパス扱いで使用できる。
GM:このジムもそうした"オフィサー"の所有施設の一つだ。無人運営され、メンテナンスもAIレベルの低い社会人に自動管理されている。
エニュオ・デュカキス:──深呼吸。貸し切り状態となったフロアで、足を天井に向けながら。自身を支える手の指をそれぞれ二本減らす
エニュオ・デュカキス:微動だにせず、両手三点での倒立状態を維持。──そも四肢を義体化した状態でトレーニングに実質的な意味は薄いとも言える
エニュオ・デュカキス:必要なのは“制御”。AIDAを通して下された命令は誤差なく、体躯を操る。脳裏のメッセージが予定通りの結果を報せ
エニュオ・デュカキス:「ふ」吐息と共に深く腕を曲げ、顔が床に敷かれたマットに触れるまで数センチ。伸ばす──反動のまま宙へ
エニュオ・デュカキス:転回。足から音も立てず着地。
エニュオ・デュカキス:肩から臀部、首のトレーニングもノルマを終えた。浮かぶ汗をぬぐい、傍のソファに置いたボトルを取って口をつけて
エニュオ・デュカキス:「……貸し切りも少し味気ないですね」とはいえ。自分が近づくと相手に気を遣わせるのも理解している
エニュオ・デュカキス:格闘能力を機械で補った今、残った生身の強化と四肢の制御は日課だ。エグザイル能力の生体融合はブラックドッグの全身義体に対して、誤差が起きやすい
エニュオ・デュカキス:オフィサーという立場での特注品ではあるが。負荷をかけて容易に破損するようでは意味がない
GM:そうしてトレーニングのセットを一つ負え、体を休ませている時
GM:フロアの片隅で、一台の清掃ボットが停止していることに気付くだろう。
GM:清掃が終わっているのならば退室するはずだ。単なる故障や誤作動の可能性はある。
エニュオ・デュカキス:AIDAを介して受付に連絡を入れようと考え、ひとつ辿り着く。前もこうだったか──

"死神":〈久しいねえ。エニュオ・デュカキス〉
"死神":〈だいぶ長い間ご無沙汰になっちまった。こっちでも色々と大変なことが起こっちまってな〉
エニュオ・デュカキス:「頭の通りに地面で眠ってしまったのかと思いましたが」
エニュオ・デュカキス:ボトルを置く。溜息
エニュオ・デュカキス:「貴方の言う“大変”とやらは。今回どの方向でしょう?」
エニュオ・デュカキス:「先日の“家庭教師”によるイエローヘルメッツの案件は、まだ事後処理が完全に終わってもいないのですが」
"死神":〈ああ。"火兵統制"の旦那は、惜しいところだった〉
"死神":〈白鳥のやつもそれなりにいい線までは行っていたが――やはり"必死"にゃ敵わねえ〉
"死神":〈全員が独立した命題で動いてるとはいえ、俺も"謎めく霧の家庭教師会"の一員なんでね〉
"死神":〈他の連中がでかい動きをすると、色々と面倒事があるのさ。まァ、協力関係ってわけでもないんだが……〉
エニュオ・デュカキス:「貴方が目をかけるカナートスからの宣戦布告というのであれば、“オフィサー”として承りますよ」
"死神":〈……。宣戦布告か。そうだな、エニュオ・デュカキス……〉エニュオの言葉に、やや声色を変えた。
"死神":〈……そうした方が、互いにとっていいことかもしれねェ〉
エニュオ・デュカキス:“必死”に拘るこの男の顔──墓のそれが変わるわけではないが。声の変化は人間の変わり様と大差はない
エニュオ・デュカキス:「……貴方は都合、我々と争う形になっています」
エニュオ・デュカキス:「ですが、無駄なことはしない。こうしてセキュリティの甘いところにイタズラ半分で入ってくるようなものではない」
エニュオ・デュカキス:「カナートスの傍らに立つ貴方が、そう言い淀むのであれば」
エニュオ・デュカキス:「事態はより深刻というわけですね」
"死神":〈深刻っちゃ深刻な話だ〉
"死神":〈俺がお前さんがたにちょっかいをかけなかったのは〉
"死神":〈他の家庭教師連中との干渉を避けたがっただけでもねえのさ〉
"死神":〈――どう思う?"先生"が何も手助けをしない時ってェのは……〉
"死神":〈……何も教えなくたって、"生徒"が問題を解いちまってる時だと思わないかい?〉
"死神":〈このままならカナートスが勝つ〉
エニュオ・デュカキス:出来の悪い生徒を見捨てる時もあるだろうが、こと目の前のこれがそのようなことをするわけはない。
エニュオ・デュカキス:「言い切りますか」
"死神":〈言い切るね。俺がこうして忠告に来なかったとすりゃ……〉
"死神":〈まァ、打つ手は十中八九なかっただろう〉
"死神":〈だが、どうしたものか……迷うところだな〉
"死神":〈これをもって"必死"が打ち勝ったというにゃ〉
"死神":〈こっちの勝ちも、天の運に助けられてるようなもんだ〉
エニュオ・デュカキス:「相手の陣へ質量爆弾を落とせば戦いは終わる。ですが」
エニュオ・デュカキス:「それでは願いは果たせない。互いの全てを振り絞り、相対し」
エニュオ・デュカキス:「必死の末に得たものが何かと識らねば意味がない。だから我々に動けと」
"死神":〈――そうだ。エニュオ・デュカキス〉
"死神":〈どれだけ計算しても、俺の命題を満足させるには、そういう勝ち方しかあり得ない〉
"死神":〈お前さんだってそう思っているんじゃねェのか?〉
"死神":〈カナートスに対してじゃねェ〉
"死神":〈お前さんの道を阻む全部に、爆弾を落とせば終わりなんてことを望んじゃいねぇから……〉
"死神":〈不自由な体をそうやって鍛えて、お前さん自身が戦いに出るんだろう〉
エニュオ・デュカキス:「“オフィサー”が出るような仕事はないに越したことはありません」そう返したのは理解されていることへの苛立ちも込められてか
エニュオ・デュカキス:特許庁という知識と技術の集積地。やろうと思えば、言われる通りの破壊を作ることも不可能ではない
エニュオ・デュカキス:浮かぶのはペテラ・アズテック──SMIT疾患の攻性症例を宿した彼女と
エニュオ・デュカキス:それに躊躇うことなく寄り添う姿二つの光景
エニュオ・デュカキス:「全く」眉根が寄り、眼が細まる。不機嫌を隠そうとしないのも珍しい光景だろうか
エニュオ・デュカキス:「見透すことは苦手なりにありますが、見透かされるのは慣れません」
"死神":〈勝負するかい?間に合わないかもしれねえし、やれるかも分からねえ〉
"死神":〈それに――カナートスの勝ちが、お前さん達の負けとも限らねえ〉
"死神":〈それでもやるなら、場所はカナートスだ〉
"死神":〈カナートス臨床医学研究院で待つ〉
エニュオ・デュカキス:「……承知しました」
エニュオ・デュカキス:「アポイントメントは今取ります。予定より待たせる可能性については、ご了承を」
エニュオ・デュカキス:「視察の日程を空けるには少し詰まっていますから」
"死神":〈俺は構わねえよ。……ただ〉
"死神":〈必死にやることだな〉
"死神":〈その日が急に来たとしても〉
"死神":〈枕元の方に死神が立てば、もうまじないも効かねえ〉
エニュオ・デュカキス:「回転機構は要りませんね。……枕に頭を置く余裕はないでしょうから」
GM:静かなモーター音とともに、清掃ボットが再び起動した。
GM:エニュオの横を通り抜けて、何事もなかったかのように室内の清掃を始める。
エニュオ・デュカキス:上着を掴み、更衣室へと歩みを進める。
エニュオ・デュカキス:(カナートスへのアクセスは現時点で我々にも確保はできていない。……外部から介入するにしても、リソースが合わない)
エニュオ・デュカキス:(ですが、わざわざ忠告してきたなら。“突破口”は存在する)
エニュオ・デュカキス:(必死にやることと不可能なことを繰り返すは別です。答えがなければ意味はない)
エニュオ・デュカキス:(であれば関係者に手が在る。……現時点で最も縁が深いとなれば)
エニュオ・デュカキス:一人思い当たる。AIDAを介しての端末制御、連絡のメールを作成
エニュオ・デュカキス:──戦いを終えたいなら爆弾だろうと大砲だろうと撃ち込めばいい。子供がボタンひとつでも押せば全ては決着する
エニュオ・デュカキス:だがそれは“道具”を使っているわけではないだろう。特許庁という技術と知識を集積する場所に在り、それを統括するのなら
エニュオ・デュカキス:知らなくてはならない。どう使うために、いかにして生まれたのか、何を込められたのかを理解しなくては
エニュオ・デュカキス:人間は道具に使われるための部品となる
エニュオ・デュカキス:「──知る時が来たのなら、納めないと」
エニュオ・デュカキス:「カナートス。貴方方の在り方と行く末も」
GM:シーンを終了します。
◆Opening◆サマンサ・シュヴァイゲル
GM:登場侵蝕をお願いします。
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 2[2]+32 → 34
ジェネシス学区 アカデミー附属病院

GM:攻性症例216:獣化細胞分化不全。
GM:細胞の分化機能が暴走し、既存の生命体の条理を外れた形態に獣化するソ・ジウォンの異能は、その出力の絶大さに比例して
GM:その寛解にも大きな時間を必要とするものだった。侵蝕率の安定まで、彼女はジェネシスインダストリアルアカデミーで長期入院を余儀なくされていた。
GM:6番プラント襲撃事件では、一度の発動でそれだけの消耗があることを理解した上で、全身の獣化を実行したということだ。
GM:だが、彼女の長い入院生活もようやく終わろうとしている。退院の許可が出た。

ソ・ジウォン:「はやく……!」
ソ・ジウォン:大急ぎで自分の荷物をまとめようとしている。
ソ・ジウォン:「はやく退院しないと……!」
ソ・ジウォン:「退院祝いにあの人が来ちゃう前に……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:どすどす…
サマンサ・シュヴァイゲル:どすどすどすどす…
ソ・ジウォン:「こ、この足音は!」
サマンサ・シュヴァイゲル:言う間もなく、廊下の方から地鳴りのような足音が聞こえ始め

サマンサ・シュヴァイゲル:どがーーーん!!
ソ・ジウォン:「きゃあああああ!扉が!」
サマンサ・シュヴァイゲル:開いた勢いで扉がひしゃまがる!
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃーん!!!!」
ソ・ジウォン:「サマンサ先生!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「退院おめでとおおぉおおおおおおおお!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぱりーん!!
サマンサ・シュヴァイゲル:大声で頭上の電球がクラッシュ!
ソ・ジウォン:「うるさすぎる!気付かれる前に退院したかった……!」両耳を押さえている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああっ、病室がっ!先生散らかしちゃった!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんごめんなさい!えーっと、えーっと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「これ持っててくれるかしら!?」
ソ・ジウォン:「え?うん……」
サマンサ・シュヴァイゲル:おたおたうろつき回って、両手に抱えていた花束をジウォンの方へ押し付ける
サマンサ・シュヴァイゲル:ムードもへったくれもない。
ソ・ジウォン:「わあ花束……ありがとう、先生」
サマンサ・シュヴァイゲル:そして忙しなくちゃっちゃかとちりとりで散らばったガラスをかき集めている
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう!そうなの!素敵なお花なの!アップルシードの子たちが見繕ってくれて……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああッ!扉も外れてる!ま、また病院の子に怒られる~!」
サマンサ・シュヴァイゲル:頭を抱えている。
ソ・ジウォン:「お見舞いに来てくれるのはいつも嬉しいけど、毎回こうじゃ先生の体がもたないよ」
ソ・ジウォン:「前なんて病院が雇った腕っこきのスナイパーに麻酔弾を撃たれまくってたでしょ。大丈夫だった?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「問題ないわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「鯨とか動けなくする薬でも、動脈に入らなければ先生大丈夫なの!」
ソ・ジウォン:「どんな体してるの……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えへへへ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:何故か照れ笑い
サマンサ・シュヴァイゲル:「そ、そんなことより!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生のことなんてなんだっていいの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃん……」
サマンサ・シュヴァイゲル:目の前の姿をじっと眺め
サマンサ・シュヴァイゲル:「元気になってよかったぁ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:へにゃへにゃとした泣き笑いのような顔を浮かべる
ソ・ジウォン:「お、大げさだってば」顔を赤くする。
ソ・ジウォン:「だいたいあたしの症例なんて……カナートスの他の子に比べたら、軽いものだし」
ソ・ジウォン:「ちょっと入院するくらい織り込み済みだよ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それでも、ジウォンちゃんはジウォンちゃんだけだもの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「他の子と比べてとかそういうことじゃないわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「退院おめでとう!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぎゅっと大きな掌でジウォンの手を握る
ソ・ジウォン:「……うん」
ソ・ジウォン:手の温かさを感じるように、目を閉じる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ところで」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どこかお出かけするの?ジウォンちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:後ろに控えている、急ごしらえでぎゅうぎゅう詰めにされたリュックを覗き込み
ソ・ジウォン:「え?それはもちろんカナートスに帰るつもりだけど……」
ソ・ジウォン:と、ごく自然に答えてしまってから
ソ・ジウォン:「あ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生荷物持ちするわ!荷物持つの得意なの!任せて!」
ソ・ジウォン:「駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「カナートスに……!」
ソ・ジウォン:「先生が来ていい場所じゃないから!」
ソ・ジウォン:体で覆いかぶさるように自分の荷物を守っている。
ソ・ジウォン:「先生だって知ってるでしょ!?どんな感染症にかかるか分からないし……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そっ、そんな」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どうして、1人じゃ大変よジウォンちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生身体は丈夫なの!うがい手洗いもちゃんとするし……お医者さんの話もちゃんと聞くわ!」
ソ・ジウォン:「お医者さんの話をちゃんと聞いてるならこんな破壊は起こってないんだよなあ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あううううう」
サマンサ・シュヴァイゲル:ばたーん!後ろで壊れた扉が倒れる。ぐうの音も出ない。
ソ・ジウォン:「……それに、先生の安全が心配なだけじゃないの」
ソ・ジウォン:「カナートスの生徒は、特異症例の治療を名目に集められてきた子供達で」
ソ・ジウォン:「……そんな話が、全部自分達を騙すための嘘だったってことも知っている」
ソ・ジウォン:「あたし達の症状は、生物兵器として使われてしまった」
ソ・ジウォン:「理事会の大人達に騙されてきたんだ。きっとすごく警戒される――大人ってだけで」
ソ・ジウォン:「ひどい攻撃も受けるかもしれない。連れていけないよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それは、そうかもしれないけれど」
サマンサ・シュヴァイゲル:目を伏せる、視線を彷徨わせ
サマンサ・シュヴァイゲル:やがてジウォンと目を合わせる
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「裏切られて、すごく傷ついて、何も信じたくなくなる気持ち」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生にもちょっとは分かるの」
サマンサ・シュヴァイゲル:頬に深々と刻まれた刀傷を、指先でなぞっている。
ソ・ジウォン:「……先生」
ソ・ジウォン:ちらりとその傷を見る。
サマンサ・シュヴァイゲル:「……だけど、そういう時は」
サマンサ・シュヴァイゲル:「心のどこかで、信じられるものをすごく欲しがってるから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「危ないところも、あると思う」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あの、お墓頭の”死神”先生がカナートスにいて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「自分の目的のために、ペテラちゃんやジウォンちゃんにしたようなことをしているのなら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それが間違っていることなら、誰かが間違ってるって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「言わなきゃいけないわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「嫌われても、信じてもらえなくても」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それは必要だって思うの……その」
サマンサ・シュヴァイゲル:「うまく説明できなくてごめんなさい!ええと、だから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私は大人だけど、いちゃいけないと思われるかもしれないけど、だけどいなきゃいけないってことも、あるんじゃないかしら……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ダメ!余計わかんないわね!先生本当に口が回らないの!」
ソ・ジウォン:「サマンサ先生は、すごく立派だと思うよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えッ!?」
ソ・ジウォン:「先生は、あたし達みたいな医師とは全然違うけれど……医療者に絶対に必要な考えを持ってると思う」
ソ・ジウォン:「見捨てないで、手を差し伸べること。……でもね」
ソ・ジウォン:「やっぱりあたしはサマンサ先生は連れていけないから……ね……」
ソ・ジウォン:サマンサの高い肩に両手を置き、捨て犬に言い聞かせるように言う。
ソ・ジウォン:「何かあったら……高……」
ソ・ジウォン:「101号室のヘル・クロタリアスを……頼って……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「くぅううう……」
サマンサ・シュヴァイゲル:本当に捨てられた犬のような顔をしている。
ソ・ジウォン:「あたしは"死神"先生の作戦を失敗しちゃったけれど、ヘル先輩なら、とりなしてくれると思ってる」
ソ・ジウォン:「だから、ね。大人しくしててね……」
ソ・ジウォン:そろりそろりと、まとめた荷物に手をかけている。
ソ・ジウォン:「ステイ……ステイ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:がッ!
ソ・ジウォン:「ぎゃっ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:その荷物を取ろうとした腕を握る
サマンサ・シュヴァイゲル:「いやッ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「やだやだやだやだ!先生いやよ!イヤイヤイヤッ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「せっかくジウォンちゃん元気になったのに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「これでまた、会えなくなったりしたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そんなの先生絶対イヤよ!うあーーーーん!!」
ソ・ジウォン:「い!い!か!ら!」
ソ・ジウォン:ものすごい力で腕を掴まれながら、荷物を歯で持ち上げ、病室の外に出ようとしている。
ソ・ジウォン:「ついて!こないで!よォ――ッ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:病室の外に引っ張られても
ソ・ジウォン:「もお~~~ッ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いーやー!おいてかないでぇえええええ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「うわーーーーーん!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:廊下で大泣きする!衆目を集めまくる!
サマンサ・シュヴァイゲル:このままではジウォンちゃん諸共セントラルの取り調べをうけ
サマンサ・シュヴァイゲル:帰校どころではなくなるだろう!
ジェネシス医療傭兵:「こちらデルタ1から各部隊へ!サマンサ・シュヴァイゲル発見!サマンサ・シュヴァイゲル発見!」
ジェネシス医療傭兵:「てめえには学長から馬鹿馬鹿しいほどのインセンティブがついてるぜ!鎮圧スタンガン発射ァ――ッ!!」
GM:バスバスバスバス!!
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃん危ない!ウギャア―ッ!?」
ソ・ジウォン:「わあああ―――ん!!!だからこうなるって言ったのに~~~~ッ!」ジウォンも泣いている。
サマンサ・シュヴァイゲル:ビビビビビビッ
サマンサ・シュヴァイゲル:横で感電しながらなお縋りついている。
ソ・ジウォン:「アギャギャギャギャ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああッ!通電!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうだわ……密着していると、電気が通る!!」
ソ・ジウォン:「賢くなったわね先生!アギャギャギャギャ!」
GM:その日――入院個室から玄関口までの壊滅的な損害とともに、ソ・ジウォンは退院した。
GM:現場検証にあたった警備部は、ソ・ジウォンの移動痕跡として、猛獣が引きずられたような足跡を発見している。
GM:サマンサ・シュヴァイゲルの所在は目下捜索中である……。
GM:ロイス取得が可能です。
サマンサ・シュヴァイゲル:はい!
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンちゃんにもちろん取得!
サマンサ・シュヴァイゲル:おめでとう!/おいてかないで!〇
サマンサ・シュヴァイゲル:以上です
GM:犬のロイス感情と言われても信じるだろう
サマンサ・シュヴァイゲル:ばうわう!!
◆Middle01◆感染小康期(レベル1)
GM:全員登場です。侵蝕上昇をお願いします。
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(39 → 41)
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を1D10(→ 7)増加(53 → 60)
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(51 → 55)
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+34
DoubleCross : (1D10+34) → 10[10]+34 → 44
学区辺境 秘匿座標9E0Y

GM:ノヴァリス生徒達が口にする『学区辺境』という領域は、実際のところこのノヴァリスの領土の大半を占めている。
GM:学区の開発や管理が及ばない点在地。断界で広がり続ける砂漠地帯。
GM:未だ多くの未知がこのノヴァリスには隠されており、そうしたものを発見しようと試みるプロジェクトや部活は数多い。
GM:七星ミルキと三部つゆりも、それなりの労力を払って、カリス・リュシドールに伝えられた座標へと訪れていた。
GM:――森である。霧深く、集中力が途切れれば迷ってしまいそうな森だ。人工物はなく、ミルキが持っているパスを入力するデバイスも当然見当たらない。
GM:ただ、何の手がかりもなく途方に暮れるしかないのかといえば、それも違った。
GM:ここまで、彼女達の移動手段を手配してくれた協力者がいる。しかも彼女は、強力な権限を持つ"オフィサー"幹部だ。
三部つゆり:周囲の森を見渡す。あまり森に親しんだ事はない――基本的に活動してきたのは都市部だから、そう分かることも多くない。
七星ミルキ:「分け入っても分け入っても森、ですね」
七星ミルキ:方眼紙に方位磁石で即席の地図をつけながらあたりを見回している。
七星ミルキ:地下とは勝手が違いつつも、迷宮の探索技能は身につけている。
三部つゆり:「そうだね…ううん、この中の一本が機械製品だった、とかだとしてもそんなすぐ分かり易くはないか…」
GM:電子的な計器は、極めて異常な動作をした。
GM:電波が乱れたり、作動しなくなるということではない――
GM:全く見当違いの道筋やポイントを、確信的にナビゲートしている。それぞれの機器が別々のデータを示すのだ。
エニュオ・デュカキス:森林地帯に似つかわしくないスーツ姿。端末を片手に周囲を確認するが、頼りの計器は生憎の結果
エニュオ・デュカキス:横目に自動運転機能を備えた4WDを入れる。車両のナビといま手元に表示されているデータは明らかな違いがあるにもかかわらず
エニュオ・デュカキス:「自己診断を走らせても、どれもエラーを吐いているわけではないと」
七星ミルキ:「私達がぐるぐると迷っている、というわけでも無さそうですね……」
七星ミルキ:右足を踏み出す位置を左足と直線で結ぶ。即席の方向感覚維持。
三部つゆり:「うーん…となると、一つ一つセンサが受け取ってる情報が違うのかな?そういうミーム迷彩?」
七星ミルキ:「物理的なものじゃなく、オルクス能力者さんとかが得意ですよねそういうの……」
三部つゆり:「エンジェルハイロゥ系…って言うには多分大規模だし…一回能力で介入チャレンジ、ってすると多分一発警報だもんなあ」
エニュオ・デュカキス:「この状態で自動運転を再起動するわけにもいきませんからね──」
GM:一行が不思議そうに会話を交わしている中……
GM:森の奥から、ガサガサという音が鳴り始めた。近づいてくる。
ソ・ジウォン:「ぜーっ、ぜーっ!」ガサ!ガサ!ズル……ズル……
ソ・ジウォン:「もう、ついて、こないでって」ズル!ズル!
ソ・ジウォン:「言ってる、ハァ、でしょ……!」
七星ミルキ:「おや?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「じ、ジウォンちゃん、根性があるわね……!」
ソ・ジウォン:「伊達に、医療従事者、やってない、から!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大したものだわ……!でもまだまだここからよ……!根性では先生だって……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ズルズルズル
ソ・ジウォン:「強すぎる……電流で筋肉が麻痺してるはずなのに……!」
エニュオ・デュカキス:視線を七星さんに。そこから続けて現れたサマンサ先生へ
七星ミルキ:「ジウォンちゃんに……サマンサ先生!?」
三部つゆり:「??……もしかして、ミルキさんとエニュオさんはご存知なかた?」なにあれ?という顔になる。
エニュオ・デュカキス:「馴染と言えば馴染の相手です」
七星ミルキ:「一体どうして……というか」
七星ミルキ:「何してるんですか?」
七星ミルキ:人の字みたいになった二人を見ている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あれ!?あら!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃん、それにエニュオちゃん!」
ソ・ジウォン:「あ、ミルキちゃん……」
ソ・ジウォン:「エニュオさんまで」サマンサと全く同じ反応をする。
サマンサ・シュヴァイゲル:「わーっ!久しぶりだわ!こんにちわ!元気だった!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンちゃんに掴まって全身泥と木の葉まみれのままにこやかにアイサツ。
七星ミルキ:「あ、はい。おかげさまで。サマンサ先生も小刻みに震えてお元気そうで」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あ、これね!ちょっと電流くらっちゃったの!」
七星ミルキ:「なぜ!?」
エニュオ・デュカキス:「お久しぶりです。退院されたと先程お聞きしましたが」主に破損状況の報告で
ソ・ジウォン:「ハッ、そうかエニュオさん……もしかして私を逮捕に」
ソ・ジウォン:「え、ええっと、あの、先生は関係ないの!あたしがやったことで……!」
三部つゆり:「小刻みに震えてたり全身汚れてるけど元気……いや元気だね…十字冠もないのに…ってコトは職員室か生徒指導室の……電流?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生10万ボルトまでなら大丈夫だから!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「HとDで耐えきるの!確定で耐えるわ!」
七星ミルキ:「あ、と、つゆりちゃんを置き去りにしてしまった」
七星ミルキ:「えっと、こちらサマンサ先生とジウォンちゃん。こっちはつゆりちゃんです」両手で紹介仕草
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああっ!ご丁寧にどうも!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ささっと立ち上がりぺこりと一礼
ソ・ジウォン:「つゆりさん。それはどうも――」頭を下げてから
ソ・ジウォン:「――」
三部つゆり:「あ、はい。すごい……。コホン」一回気を取り直して。「ラス・ヴィダス学区生徒会書記の、三部つゆりです」
ソ・ジウォン:「……まさか、入院志望の子?」
三部つゆり:「よろしくお願いしますね、…あ、いや。どっちかというと、ウチの固有病を持ち込んじゃってないか大丈夫かの確認です」
ソ・ジウォン:「でも、相当つらいでしょう、その体だと」
三部つゆり:そう言う彼女の髪は、どうにも植毛されたような工業製品だし、片目は眼帯と髪で覆われている。
ソ・ジウォン:つゆりに(サマンサを引きずりながら)近づいて、髪や目を見る。
三部つゆり:「ああいや……あまり感覚自体ないから、動くことには問題なくて」
サマンサ・シュヴァイゲル:流石に邪魔になっている気配を感じ取り
サマンサ・シュヴァイゲル:サッと手を放して下がっている
ソ・ジウォン:「……でしょうね」
ソ・ジウォン:「髪がナイロン系の未知の材質に置換されている。肌にも影響がある……」
ソ・ジウォン:「……三部つゆりさん。危ない遺産か何かと契約している?」
三部つゆり:「……見ただけでそこまで分かります?困ったな……」ここまでしっかり”診察”されたことはほとんどなかった。…影がどこか、赤黒いいろを覗かせる。
三部つゆり:「ええと、遺産じゃないんだけど。”輪廻の獣”…っていえばわかるかな」
ソ・ジウォン:「カナートスで見たことはないわ。でも入院生徒の類似の症例として、論文だけは読んだことがある」
七星ミルキ:「オーヴァードに取り付いては破壊を行うレネゲイドの形質、でしたっけ……?私も名前だけなら」出身柄、特異性には少し詳しい。
三部つゆり:「あはは…、まあ、ラス・ヴィダスだとよくある、失敗実験体の投入みたいな感じで。一応十字冠のお陰で侵蝕は大分抑えられてるんですけどね」
ソ・ジウォン:「……そうか。十字冠のお陰で無事で済んでいるんだね……」
ソ・ジウォン:「いきなり踏み込んだことを聞いちゃってごめんね」
ソ・ジウォン:「本人が治療を希望していないなら、無理は言わない」
三部つゆり:「ああいえ、寧ろきちんと診てもらったのなんて久し振りなので。此方こそタダでやって貰って…」
七星ミルキ:「お話が落ち着いた所で~」つゆりの後ろからジウォンと目を合わせる。
七星ミルキ:「事情説明してもいいかな?」
ソ・ジウォン:「あ、うん」
ソ・ジウォン:「どうしてミルキちゃんがこんなところに……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生も聞きたいわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ずいずい
ソ・ジウォン:「でかっ……邪魔……」
エニュオ・デュカキス:「先生、順番です」
サマンサ・シュヴァイゲル:「順番は大事ね!横入りしちゃったわ!ごめんなさい!」
サマンサ・シュヴァイゲル:びしっとジウォンちゃんの後ろに並んで聞く姿勢。
三部つゆり:「あはは…すごい人だなあ…」
七星ミルキ:「つゆりちゃんも言ってたけど、ラス・ヴィダスには"堕天病"って病気が有ったんですが、治療法も見つかりまして。」
七星ミルキ:「医療現場の責任者がつゆりちゃん。それで、その現場からカナートス所属らしき生徒さんが居なくなっちゃったんですよ」
七星ミルキ:「もしかしたら、カナートスまで病気を持ち帰ってしまうかもしれない……と言うわけで調査に来ているのです」
ソ・ジウォン:「……。そう」少し考え込む。
サマンサ・シュヴァイゲル:「堕天病……資料で見たわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「伝染病で大変なことになってる学区があるって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「何か出来ることがないかって、そこに行こうとしたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「シュエメイちゃんに烈火のように怒られてしまって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「意地を張ってたら意識を刈り取られてしまったの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「不覚だったわ……」しょんぼり
ソ・ジウォン:「堕天病の患者ならカナートスにもそれなりにいるよ」
七星ミルキ:「うぇ? そうなんですか?」
ソ・ジウォン:「昔から、ノヴァリスの不治の病といえば堕天病だったからね。珍しくもないから……」
ソ・ジウォン:「ただ、ミルキちゃんが言ってるのは、無断で生徒がいなくなったってことだよね?」
ソ・ジウォン:「それはちょっとおかしいな。カナートスの医療従事者ならそういう検疫のミスはしない……」
七星ミルキ:「あ、そうですそうです。メインはそっちなんです」
七星ミルキ:「連絡も取れなくて……居るなら自分の学区かな、と思ったんですけどね」
七星ミルキ:「感染症の医療現場から移動するだけでも気を使いますしね……」
三部つゆり:「……ふむ。そういう所もしっかりしてるはずなら、余計に…あ、そうだ」
三部つゆり:「その子の名前、ウノ・ワイルゴッドっていうのだけど…知ってます?」
ソ・ジウォン:「……!」
ソ・ジウォン:「知ってるよ。もちろん。カナートスで一番の医師だ」
三部つゆり:「…………一番の。なるほど、なるほど……」表情が真剣になっている。
ソ・ジウォン:「堕天病の治療法が確立されたってニュースは知ってる」
ソ・ジウォン:「もしカナートスの医師が出てくる理由があるとすれば……」
ソ・ジウォン:「その治療法を持ち帰って、カナートスにいる堕天病の子を治すためなんじゃないかと思うけれど」
七星ミルキ:「治療法。……あっ、なるほど」
ソ・ジウォン:「……少なくともそれで、何人かの子は健康体に戻れる。手の施しようのない末期状態の子もいた……いいニュースだよ」
七星ミルキ:「カナートスに患者がいるというなら、そっちの可能性が高いんですね」
七星ミルキ:両手の指を合わせる。
三部つゆり:「…あれの治療薬は、ある特殊な遺産による行程が必須なんだ。だから、治療法を持ち帰る、っていうのがそう簡単に出来るものじゃない」
三部つゆり:「契約者は今もうちとジェネシスでほぼ籠り切りで動いてる。勿論、重度の子がいるって連絡があればその子達を優先するように動くはずだけど…」
ソ・ジウォン:「なるほど。治療法の方にもそういう事情がある病気なんだ」
ソ・ジウォン:「じゃあ、カナートスに帰った理由にも、何か特殊な事情がある……確かに、調査に動く理由はあるんでしょうね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええと、つまり」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そのウノちゃんを探して、聞けばいいのね!」
七星ミルキ:「そのとおりですサマンサ先生」
三部つゆり:「そう…ですね。そうできれば、と思ってお伺いした所です。私とミルキさんは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、直接質問してみるのが一番だわ!」
七星ミルキ:「ですが、残念なことに問題が一つ」
七星ミルキ:「まだ、入口が見つかってないんです……」しょんぼり
エニュオ・デュカキス:「七星さんのおかげでここまでは来れたのですが」
エニュオ・デュカキス:「見ての通り、ナビは完全に使い物にならなくなってしまいまして」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それなら大丈夫だわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんがいるんだもの!元気になって里帰り!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「退院おめでとう!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぱちぱちぱち
三部つゆり:「あ、どこか悪くなさってて…おめでとうございます」丁寧にぱちぱち。
七星ミルキ:「おめでとう~」拍手拍手。
ソ・ジウォン:「その元気がすでにだいぶ奪われたけどね……」
エニュオ・デュカキス:「お察しします」
ソ・ジウォン:「カナートスに入る方法なら簡単だよ。えっとね……」
ソ・ジウォン:と話し始めようとした時。
GM:ガサガサガサ!
GM:別の方向で草をかき分けるような音が響いた。
ソ・ジウォン:「もう一人いる?」
七星ミルキ:「……いえ、フルメンバーです」
サマンサ・シュヴァイゲル:「く、熊かしら、虎かしら!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「地下コロシアムでバイトしてた時どっちとも組み合った経験あるから大丈夫よ!みんな下がってて!」
エニュオ・デュカキス:「我が友、と呼びかけて出てくる相手ならいいですが。……と」
三部つゆり:「……そこの人、出てこれますか?」腰のホルスターに手を近くしながら。
後藤スダチ:「え!?つゆりさんの声!?」
三部つゆり:「スダチさん?!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごろぁああああああああッ!!!!!」
後藤スダチ:「うわあああああサマンサ先生だああああああ」
サマンサ・シュヴァイゲル:両腕を振り上げ迫真の威嚇!
後藤スダチ:腰を抜かして転倒!
七星ミルキ:「あれっ!?スダチちゃんです!ストップ!サマンサ先生ストップ!」
三部つゆり:「ちょ、ちょっと待って!知り合い!知ってる人なので!」サマンサ先生を止めようと腰に抱き着く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごろろろろ……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あれーッ!?スダチちゃん!?」
後藤スダチ:「お、お久しぶりですサマンサ先生!」
後藤スダチ:「どうしてこんなところに!?ミルキちゃんとつゆりさんも――カナートスに行ったはずじゃ?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさいおどかしちゃって!めちゃくちゃ威嚇しちゃったわ!」
三部つゆり:「よ、よかった。静まった」
サマンサ・シュヴァイゲル:「野生動物相手には初見でかましておくのが一番だから……先生はやとちり!ごめんなさい!!」
七星ミルキ:「えっと、ここが入口らしいんです……立てますか?」手を差し伸べる
後藤スダチ:「え、そうなの……あの、エニュオ長官」
後藤スダチ:「決済書類をお願いします……営業本部が決済期日過ぎても回せなかったみたいで……」
後藤スダチ:「すみません、長官のほうのお仕事は全部済ませてからこちらに来たと思うんですけど……」
エニュオ・デュカキス:「……本当、仕事のできる方です。貴方も」
エニュオ・デュカキス:営業部で知ってる顔が飛んできたのを思い出す
三部つゆり:(えっっこんなところにまで書類決済して貰いに来たりしたりしないといけないんだジェネシスって……)大変だな……と二人を見ています。
七星ミルキ:どうぞ、と方眼紙のマップに使っていたバインダーを下敷きに差し出す。
後藤スダチ:紙と電子ペーパーを重ねて差し出す。
後藤スダチ:「でも、すごい偶然ですね。エニュオ長官の出張先もカナートスだった……ってことですか?」
七星ミルキ:(メサイアだと事後承認になりやすい所だ)たまに遠目に見る生徒会の様子を思い出す。
エニュオ・デュカキス:書面を確認。不備等々ないことを確認してサインと印鑑を手際よく
エニュオ・デュカキス:「出張というよりは、私個人の事情ですね。……この件なら事後報告では間に合いませんか」承認
ソ・ジウォン:「ここがカナートスの入口なの。あなたは?」
後藤スダチ:「あ、はじめまして!オフィサー営業本部主任の後藤スダチです!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「スダチちゃん、とっても気がつく素敵な子なの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんとも仲良くなれるわ!」
七星ミルキ:「ほとんど知り合いなんて、さすが顔が広いんですね、スダチちゃん」感心しています。
後藤スダチ:「あはは、それほどでも……」照れている。
後藤スダチ:「もしもお邪魔じゃなかったら、私も手伝おうか?せっかくここまで来たんだから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「い、いいのかしら、その」
サマンサ・シュヴァイゲル:「病気が伝染っちゃうこととか……ウノちゃんを探すのも、先生引き受けようかと思ってたのだけど」
後藤スダチ:「そんなのなおさら先生だけだと危ないよ!」
後藤スダチ:「どこでも構わず突っ込んじゃうんだから!薬液槽に飛び込んだり!」
七星ミルキ:(あはは……)苦笑い。過去の事件でサマンサ先生とともに感染症に罹患した。
三部つゆり:「そんなことしてたの」びっくりしている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「うううう……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それを言われたら言い返せない!言い返せないことが多すぎて困るわ!」
エニュオ・デュカキス:「まぁ決めたら曲がらない方ですが……」
七星ミルキ:「ま、まあまあ先生……!」
七星ミルキ:「私は助かりますよ!スダチちゃん、お仕事出来る人ですし!」
七星ミルキ:ぶんぶん、とスダチの両手を握る
後藤スダチ:「わ……!柔……細……」
後藤スダチ:「びっくりした。でも、皆で分担すれば一日かからずに終わるだろうし」
後藤スダチ:「カナートスの人達の負担も少なくなると思うんだけど……ジウォンさん、どうでしょう?」
ソ・ジウォン:「……はあ」額を押さえてため息をつく。
ソ・ジウォン:「もう仕方ないから、いいわ。これだけ集まっちゃったら4人も5人も同じことだし……」
ソ・ジウォン:「それに、事情が事情だと思うしね」
ソ・ジウォン:「だけど約束して。カナートスでは医療従事者の命令は絶対よ」
ソ・ジウォン:「たとえキングダムの王様だって従ってもらうからね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ありがとう!ジウォンちゃん!」
三部つゆり:「助かります、本当に…ありがとうございます」深く頭を下げる。
エニュオ・デュカキス:「感謝します。偉大なアスクレピオスの教えと聞き入れましょう」
サマンサ・シュヴァイゲル:(そうね、そうよね)
サマンサ・シュヴァイゲル:かつて施設廃墟で、初めてスダチらと共に関わった事件のことを思いだす
サマンサ・シュヴァイゲル:(ただ危険から遠ざけるよりも、みんながやりたいことを出来るように)
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生がんばるわ!」
後藤スダチ:「あはは。出た、サマンサ先生の頑張りが」笑う。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええと、これは、むやみやたらにワーってなるんじゃなくて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「カナートスのみんなの話を聞いて、ちゃんと出来るように、します!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「よろしくおねがいします!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:気合を込めたおじぎ。
ソ・ジウォン:「……うん」
ソ・ジウォン:「じゃあミルキちゃん、パスを見せてもらえる?」
ソ・ジウォン:「誰からもらったの、これ?」
七星ミルキ:「あっ、はいはい」端末を操作。
七星ミルキ:「ジウォンちゃんなら把握してるかな?カリス・リュシドールちゃん、黒髪がこれぐらいの~……」
ソ・ジウォン:「ああ、カリスか……」
ソ・ジウォン:「あの子世間知らずなところない?」
ソ・ジウォン:「ノヴァリスの端末規格が第二次紛争当時からだいぶ変わってるのも知らなかったり」
七星ミルキ:「うん。あったあった、メサイアの危険域路地に迷い込みそうになったり」
サマンサ・シュヴァイゲル:「カリスちゃん……確かメサイアの、足の事件の」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんたちがなんとかしてくれたって聞いたけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「友達になれたのね……素敵なことだわ」
ソ・ジウォン:「えっ、そうだったの!?」
七星ミルキ:「はい。カナートスに関わったということで御縁がありました」
GM:職員室には各学区の要注意事件の情報が集まってくる一方で
GM:ソ・ジウォンは曲がりなりにもジェネシスへのテロ犯罪を企図した要監視入院患者である。得られる情報には大きな格差があった。
ソ・ジウォン:「カリスも来てたんだ……」考え込む。
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんが入院している間に」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんはまたカナートスの子と新しい友達になっていたの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すごいでしょう!すごいわ!友達作りの大名人!」
ソ・ジウォン:「それなら、あたしからもお礼を言わないとね」
ソ・ジウォン:「ありがとう、ミルキちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぱちぱちぱち~~、ニコニコ拍手。
七星ミルキ:「いえ、いえ!」両手を慌てて振る
七星ミルキ:「と、当然のことをしたまでですし……」
七星ミルキ:「メサイア案内したり、プール一緒に行ったり」
七星ミルキ:「それで楽しんでくれて、カナートスに誘っていただいたんです」
ソ・ジウォン:「またあの子は無警戒というか天然というか……」
七星ミルキ:「行くのは一緒に……と言う訳にも行きませんが、戻ってきたらカリスちゃんにも感想を伝えるつもりです」
七星ミルキ:「あはは……そのお陰で助かってるので。怒らないであげてくださいね?」
ソ・ジウォン:「カナートスに入る手段は、確かにこのパスと座標で問題ないわ。すごく難しい謎解きが必要なわけでもない」
ソ・ジウォン:「でも、カリス――あの子は説明が足りなかったわね」
七星ミルキ:「え?」
ソ・ジウォン:「第二次紛争当事の、第9世代型の通信端末には」
ソ・ジウォン:「近距離の、特定の受信機器に直接信号を発信する機能があった――エニュオさんなら知ってるんじゃない?」
ソ・ジウォン:「今ではほとんどの端末で廃止されているけど」
ソ・ジウォン:「このパスはその発信番号だってこと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「???」
サマンサ・シュヴァイゲル:話の内容がちんぷんかんぷん、という顔。
エニュオ・デュカキス:「確かに現行のノヴァリスでは必要がないものとして採用は見送っていますね」こういった機器を使うのは恐らくジェネシスのカスタマーセンターくらいだろうか。加えて使い捨てにする類だ
ソ・ジウォン:「で、第9世代型の通信端末はあたしが持ってるわ」
ソ・ジウォン:「広域電波を感じ取ったりできちゃう患者もカナートスにはいるから」
ソ・ジウォン:「こういう古い機能があるほうが便利なのよね」
七星ミルキ:「あぁー……電子系に過敏になっちゃうとか、ブラックドッグの子はたまに聞きますね」
エニュオ・デュカキス:「突けば問題点もありますが、ことカナートスではこれ以上ないセキュリティですね」
三部つゆり:「エンジェルハイロゥとかでも聞くなあ…見え過ぎるからって」
七星ミルキ:「つまり、その端末とパスと、2つ合わせたら玄関の鍵になる、ってことですね」
後藤スダチ:「なるほど……昔の独自機能には考えが行かなかったなあ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「見え過ぎても……大変なのね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:※ピュアエグなのでとくに何もみえない
七星ミルキ:「なるほど……」
七星ミルキ:(意気揚々と来てやっぱりダメでした!じゃ気まずいどころじゃなかったですね……つゆりちゃんも巻き込んだし)内心ホッとしている。
ソ・ジウォン:「そう。つまり、座標の地点に行って、この番号に発信すれば――」
GM:ソ・ジウォンの端末が、通信接続の無機質な音声を鳴らす。
GM:そしてその瞬間、全員が理解する。森の向こうに病棟があった。直進すれば5分もかからないだろう距離である。
カナートス臨床医学研究院

GM:鏡張りのような無機質な実験棟と、その奥の、白く死の気配を纏う病棟。
ソ・ジウォン:「ようこそ、カナートス臨床医学研究院へ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「――た、建物が」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どでかい学校が突然現れたわ!?どういうからくりで!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:びっくり仰天している
七星ミルキ:「ここが……!」瞳をどんぐりに驚いている。
後藤スダチ:「ただの光学迷彩とか地形偽装じゃない……認識操作で隔離していたんだ」
三部つゆり:「………」見上げる。どこかで見た事がある気配だった――己が産まれ、否。”生産”され、姉妹たちが死んでいった場所と、よく似ている。
エニュオ・デュカキス:「……こうして訪れることができると。奇妙な感慨が湧きます」
七星ミルキ:建物を見上げる。位置が変わったわけじゃない。
七星ミルキ:清潔に整った、汚れを感じさせない白。
七星ミルキ:森の中にいたはずの感覚に、視覚から消毒のような無菌の香りを錯覚する。
サマンサ・シュヴァイゲル:「認識操作、それって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「コーヒーを入れようとして探してたマグカップをもう手に持ってたとか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どこかに落としたと思ってたイヤホンが最初から耳に入ってたとか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そういう……コト!?」
三部つゆり:「それはど忘れですね」
七星ミルキ:「わ、シンプルなツッコミ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「がーん、違ったわ……!」
七星ミルキ:あはは、と苦笑い。こわばった肩を自然とほぐす。
七星ミルキ:(ここが)
七星ミルキ:(カリスちゃんの。ジウォンちゃんの)
七星ミルキ:(ペテラちゃんの──)
七星ミルキ:(──シノエ・リュコス。あの真っ白な彼女の、母校)
七星ミルキ:「……"カナートス臨床医学研究院”」
GM:ロイスと購入判定が可能です。
サマンサ・シュヴァイゲル:え~ッもうみんなに取りたいけど
サマンサ・シュヴァイゲル:枠が、ない!
サマンサ・シュヴァイゲル:ということでまだ保留しとこう
七星ミルキ:なんてこった!
サマンサ・シュヴァイゲル:購入は応急手当~
七星ミルキ:とりあえず旧知のサマンサ先生に取っておこう
三部つゆり:なんてこと そして購入どうしようかなあ ボルアクとスぺミが欲しいよ~~
サマンサ・シュヴァイゲル:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 9[6,9]+1 → 10
サマンサ・シュヴァイゲル:げっつ!
七星ミルキ:「サマンサ・シュヴァイゲル ◯P安心/N心配」人柄(ポジティブ)と人柄(ネガティブ)に対して 心が2つある~
サマンサ・シュヴァイゲル:心配してくれて嬉しいわ…!
三部つゆり:サマンサ先生 〇感心/驚き
サマンサ・シュヴァイゲル:驚かせてごめんなさい!威嚇は余計だったわ!
エニュオ・デュカキス:強化ビジネススーツ購入狙って。《援護の風》を自身に使用して調達
三部つゆり:これで取得し 購入は……まずスぺミを…買います!
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(41 → 43)
七星ミルキ:ボルアク15、スペミ15か
三部つゆり:2d+6>=15
DoubleCross : (2D10+6>=15) → 6[3,3]+6 → 12 → 失敗
三部つゆり:ぐあああ 財産3点使います……
七星ミルキ:くっ、私がバディムーヴなら…!
エニュオ・デュカキス:10dx+4>=19
DoubleCross : (10DX10+4>=19) → 8[2,3,3,5,5,6,6,6,7,8]+4 → 12 → 失敗
三部つゆり:財産5→2.そして自分で飲みます…!一点下がるぜ これで
七星ミルキ:じゃあつゆりちゃんにボルアクワンチャン狙ってみよ
七星ミルキ:1dx>=15
DoubleCross : (1DX10>=15) → 7[7] → 7 → 失敗
七星ミルキ:ノー・チャンス。社会性がないのです
エニュオ・デュカキス:うーんちょっと厳しいか。今回は見送ります
七星ミルキ:以上です
エニュオ・デュカキス:ロイスはまだ保留して以上で!
三部つゆり:あっ 買おうとしてくれてありがとうございます…! 私も以上で!
GM:それではお昼の部はこれで終了です~
サマンサ・シュヴァイゲル:うっしゃー!
サマンサ・シュヴァイゲル:お疲れ様でしたー!
七星ミルキ:お疲れ様でした!
エニュオ・デュカキス:昼の部お疲れ様でした!
三部つゆり:お疲れ様でした!
◆Middle02◆感染拡大初期(レベル2)
GM:全員登場のシーンとなります。登場侵蝕をどうぞ。
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を1D10-1(→ 4)増加(60 → 64)
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+44
DoubleCross : (1D10+44) → 3[3]+44 → 47
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 8)増加(43 → 51)
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(55 → 57)
カナートス臨床医学研究院

GM:カナートスのどこか寒々しい光景を、ソ・ジウォンは病棟へと向かって進む。
GM:鏡面じみた反射を見せる実験棟の中には、今は何も存在していないようだった。
ソ・ジウォン:「……」ジウォンは、途中で立ち止まった。中庭のほうを見ている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃん?」
サマンサ・シュヴァイゲル:視線の先を追う
GM:傾くように埋まった墓碑が、不自然な位置に一つだけある。
サマンサ・シュヴァイゲル:「お墓……」
GM:明らかに、最初から設えられていたものではない。無造作に中央に置かれた位置といい、誰かが後から配置したかのように見える。
サマンサ・シュヴァイゲル:一瞬、かつて姿を見せた”死神”について想起する。
ソ・ジウォン:「あれは――」
ソ・ジウォン:「……。シノエのお墓だ」
七星ミルキ:「……………」
七星ミルキ:予想していたようにその言葉を聞く。
三部つゆり:「……二次紛争時の?」
ソ・ジウォン:「うん。どうしてこんなところにあるのかな……」
GM:ソ・ジウォンは第6プラント襲撃事件の主犯だったが、その時の出来事の全てをコントロールできていたわけではない。
GM:その計画の中核であった"感染源"、ペテラ・アズテックは、カナートスを出た後にソ・ジウォンと逸れ――
GM:七星ミルキらの合同カタコンベを襲撃している。その際、第二次紛争時の犠牲者の墓標が一部損壊していたという。
サマンサ・シュヴァイゲル:「シノエ、シノエ・リュコスちゃんね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんたちに会いに来た、いまは、星徒の」
七星ミルキ:「………カタコンベからなくなった、墓標」
七星ミルキ:「こんな所にあったんですね」
ソ・ジウォン:「シノエ・リュコスは還ってきたんだ」
ソ・ジウォン:「第二次紛争で苦しんで死んでしまったけど」
ソ・ジウォン:「死から蘇って、健康な体を取り戻した……」
七星ミルキ:中庭に降り、埋められた墓碑に近づく。
七星ミルキ:シノエ・リュコスの名が刻まれた墓標に触れて、ハンカチで汚れを拭った。
七星ミルキ:「健康な体……」指先で刻まれた名前をなぞる。
七星ミルキ:『理解できない』と感じた少女の名前は、他の墓標と同じ手応えを返してきた。
ソ・ジウォン:「……非科学的な信仰だと思う?」
ソ・ジウォン:「死んだ後に、もしかしたらもう一度、別の人生があるかもしれない……」
ソ・ジウォン:「その人生は、もしかしたら今よりも、幸せかもしれない」
七星ミルキ:「どれだけ非科学的で、デタラメでも」
七星ミルキ:「私はそれを笑えません。だって、」
七星ミルキ:「『安らかで居てほしい』というのは、委員会の皆、全員が思っていることですから」
エニュオ・デュカキス:「現実があることと、信じるものは切り離せません。いつか人類が全てを解明したとして」
エニュオ・デュカキス:「きっと消えることはありませんよ。人間という形である限りは」
ソ・ジウォン:「優しいことを言うんだね、エニュオさんも」
ソ・ジウォン:ミルキの隣で墓の前に屈んで、墓石を撫でるようにする。
エニュオ・デュカキス:「技術を生むのは理屈と夢というものです。理想を掲げられないものは進めませんから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「誰でも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そういうことは思うんじゃないかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「自分でいたくない、他の何かになって、やり直したいって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……思ったことない人なんて、いないはずだわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:墓標を見つめている。
ソ・ジウォン:「その実験棟――」
ソ・ジウォン:「そこで、色々な『治療』をさせられたわ。今にして思えば生物兵器の戦闘訓練でしかなかったけど」
ソ・ジウォン:鏡張りの設備を振り返る。
ソ・ジウォン:「無防備でジャームの攻撃に晒されたり、一番ひどい症状を発現させられたり」
ソ・ジウォン:「シノエ・リュコスはいつも泣き叫んでた。『怖い』『痛い』『もうやりたくない』って……」
ソ・ジウォン:「……助けてあげられなかった。あたし達は、みんなシノエのことが大好きだったのに」
三部つゆり:「…私は仏教徒だから、信じてる方だけど…逆に、何処まで行っても苦しみが終わらない原因だとも言われたりする」
三部つゆり:「そうした後悔や、悪い事をしたことで、悪い事が帰ってくるように。でも」
三部つゆり:「できなかった後悔も、痛みも、苦しみも、悪行をしたとしても…それでも救われたいのは、誰だってそうだ」
七星ミルキ:「輪廻転生と解脱の概念でしたっけ。本で読んだ程度ですが……」
七星ミルキ:「……"生前"のシノエ・リュコスは、そういう生徒だったんですね」
後藤スダチ:「死んだ人達が死後に救われていてほしいっていうのは」
後藤スダチ:「生きてる人にとってもそうだもんね」
三部つゆり:「そういう時は、阿弥陀様の名前でも唱えておけばいいんだよ」
ソ・ジウォン:「名前だけは聞いたことはあるかな……アミダって。どういう意味なの?」
三部つゆり:「千年以上前の偉い人から今迄、それで救われるって経典を何巻も書かれてきたんだ」
三部つゆり:「無量寿仏、アミターバ…つまり、測り切れない光を湛えた仏様、って意味だね」
七星ミルキ:「キラッキラしてるんですねぇ」両目の前に輪っかを作る。
三部つゆり:「死後のこと…むしろ、こうして生きてる時でさえ人生はヒトの手に余る。だから、そうした本当に大きなものが、慈悲を以て救ってくださる、と思うの」
後藤スダチ:「へえーっ物知り……」素直に感心している。
三部つゆり:「一応術式からして仏教だからね、私」苦笑して。
七星ミルキ:「宗教や歴史に紐づけて制御訓練する人多いですもんね」
七星ミルキ:「合コンの場合は、宗派の違いはどうしようもないからな……意図的にフンワリさせてるところある」
七星ミルキ:「や、カタコンベって言ってるんだけどね」苦笑。
サマンサ・シュヴァイゲル:「……」
サマンサ・シュヴァイゲル:空の実験棟を見つめている。
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンが語った、見知らぬ少女の悲鳴が聞こえてくるような錯覚を感じて
サマンサ・シュヴァイゲル:知らず知らず、拳を握っている。
ソ・ジウォン:「あはは。無駄に感傷的になっちゃったかな……」
ソ・ジウォン:「今は実験なんてない。大丈夫だよ。シノエ・リュコスも還ってきた」
ソ・ジウォン:「病棟のほうに行こう」
サマンサ・シュヴァイゲル:ふっと我に返り
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、そうね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……聞けてよかった、ジウォンちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ここまで来ておいて、知らないけど大変そうだった、なんて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ぜったい、言いたくないもの」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぎゅっと唇を結んで、建物の方を向き
サマンサ・シュヴァイゲル:「シノエちゃんは、今もここにいるのかしら」
ソ・ジウォン:「うん。運が良ければ会えるかもしれないね」
七星ミルキ:「運が良ければ、かぁ」傾いた墓標を直している。
ソ・ジウォン:「あの子はカナートスで唯一の健常者だから、どこの病棟でも構わず動き回ってると思う」
ソ・ジウォン:「騒がしいのが好きな子なんだ。元々そんな子だったって、戻ってきて初めて分かった」
サマンサ・シュヴァイゲル:「会いたいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「その子に、会わないといけない気がする」
ソ・ジウォン:「ふふ。じゃあ先生も気に入られるかもね」
ソ・ジウォン:「いつもうるさいから。病棟では大人しくしないと駄目だよ」
ソ・ジウォン:「うちは自動修繕システムだってジェネシスよりずっと古いんだから……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ええ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「騒いだりしないわ、ちゃんと考えたことを話さなきゃ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……がんばるわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:こくりと頷き、ジウォンについていく
GM:程なくして、一行は正門前に辿り着いた。ごく一般的な、IDカードと生体認証のセキュリティシステムのように見えるが――
GM:カナートスのシステムに限っては、そうした常識は通用しないことを、一行の多くは知っている。
ソ・ジウォン:「ソ・ジウォンよ。今帰ったわ」
ソ・ジウォン:「"死神"先生」
"死神":〈『音楽にファッション……あるいは好きなタレントだとか』〉
"死神":〈『世の中昔ッから流行り廃りというものはございます……』〉
"死神":〈……なんてのは、もう今更か?この顔ぶれじゃあ〉
サマンサ・シュヴァイゲル:「ッ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お墓頭さん!」
後藤スダチ:「――ッ!」反射的に銃に手をかけた。
後藤スダチ:「これって!謎めく霧の家庭教師会!どうしてここに!?」
エニュオ・デュカキス:「毎度、同じ口上を用意するのを様式美と言うべきかは悩むものですが。そこで茶化しが入ってはダメですね」
七星ミルキ:「カナートスというなら、当然貴方も居るというわけですね」
三部つゆり:「あなたが……」道中色々と気を付けるべき存在について話を聞いてはいた。
エニュオ・デュカキス:「後藤主任。彼は手を出したりはしません、今は」
"死神":〈そうさ。初めてのお客にはご挨拶をしねえとな〉
"死神":〈俺は"死神"と呼ばれている。必死に取り組む生徒の先生ってやつさ〉
ソ・ジウォン:「あたしは、あたしが立てた目標を達成できなかった。……あなたに力を借りても」
ソ・ジウォン:「だけど、カナートスにはペテラ達がいるんでしょう?」
ソ・ジウォン:「だから、それでも戻ってきた。……あなたはどうするの?"死神"先生」
"死神":〈何も〉両手を広げる。
"死神":〈必死に取り組んで、失敗した。確かに、ちょいとくらいはお前さんに失望もしたかもしれねえ〉
"死神":〈ただ、生きてさえいりゃあ、いくらでも次のチャンスは来るだろう〉
"死神":〈次はもっと必死になることだ。お前さんの願いが本物なら、そうできるだろう〉
サマンサ・シュヴァイゲル:「私は、あなたのこと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ペテラちゃんやカナートスのみんなといてくれたあなたを、本当に悪い人だって思いたくないわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だけど、それは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「叶わなかった願いは本物じゃなかった、なんて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ひどいことを言うのはやめて」
七星ミルキ:「サマンサ先生……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「最初の目的通りにいかなくっても、それだけが正解じゃないわ」
"死神":〈そうかい?だが世間じゃあこうも言うぜ。夢は必ず叶う〉
"死神":〈なら、叶わなかったものは、初めッから夢じゃなかったって理屈になるわけだろう〉
サマンサ・シュヴァイゲル:ジウォンの隣で、死神を映し出すモニターを睨んでいる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「理屈……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私は、理屈は得意じゃないけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう思いたい……から」
サマンサ・シュヴァイゲル:たどたどしい小さな声で、しかし目は逸らさず反駁する。
"死神":〈いいさ。お前さん達を口喧嘩で負かしたいわけじゃねえ――それより〉
"死神":〈エニュオ・デュカキス。想像以上の手際だったな。かなり正答率の低いテストを出したつもりでいたんだが〉
"死神":〈当然のように辿り着きやがって。優秀で困るぜ〉
エニュオ・デュカキス:「そうでなければ長官職はやっていません。と、普段なら返せる話ですが」
エニュオ・デュカキス:「縁のおかげと言うべきですね。私はその点で、他人より劣っていますので」視線を七星さんへと向けて
七星ミルキ:目線を横目で受ける。
七星ミルキ:「"死神"さん。相変わらず"必死"にこだわる人だし、エニュオさんにまで接触するなんて顔が広い人ですね」
"死神":〈どうかな。お前さんが知らないだけで、何回か会っていたかもしれないぜ?〉
"死神":〈だが七星ミルキ――お前さんが『正答』だ。カリス・リュシドールからカナートスの位置情報を渡されたな〉
"死神":〈お前さん、そいつは紙に書き写してたか?〉
七星ミルキ:「? いえ、カリスちゃんから受け取ったデータだけです」
七星ミルキ:「流出させても申し訳ないですし」
"死神":〈そいつはちょっとばかし不用心だったな。俺が電子情報を書き換えて改竄していたりしたらどうする?〉
"死神":〈裏を返せば、そういうことをされていたら、どっちみちこの侵入は俺には防げなかったってことだ……クックック〉
七星ミルキ:「む……私のこと、馬鹿だと思ってます?」
七星ミルキ:「カリスちゃんが渡す前から改ざんされてたらそりゃお手上げですけど……」
七星ミルキ:「覚えてるのと違ってたら、流石に私だって気づきますよ」
七星ミルキ:「カタコンベの道順だってきちんと暗記してるんですから」
"死神":〈それならそれで、俺の力じゃ阻止できなかったってことだ〉
"死神":〈医療システムに記録回路。そのどちらでもあるはずなのに、不思議なことに人間の脳はいじくることができねえからな〉
サマンサ・シュヴァイゲル:「つまり、あなたは」
七星ミルキ:「もしかして、なにか楽しんでますか?」怪訝。
サマンサ・シュヴァイゲル:「私たちにここまで来て欲しくはなかったけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「カリスちゃんたち生徒が誰かを呼んだなら、それは受け入れるつもりでいた……っていうこと、なのかしら」
"死神":〈おっと、俺にしちゃ回りくどい枕だったな。お前さんの言うとおりだ〉
"死神":〈お前さん達がここに来たのは、カナートスの生徒が選択した結果だろう〉
"死神":〈招かれざる客だが、歓迎するぜ〉
GM:小さな電子音が鳴って、ロックが解錠される。
後藤スダチ:「ちょ……長官」小声でエニュオに囁く。
七星ミルキ:「そういう所は、ホント先生らしい人ですね……」
後藤スダチ:「何なんですかあれは?敵なんですか……!?」
エニュオ・デュカキス:「……」眼鏡のフレームに触れて間を挟む
エニュオ・デュカキス:「敵対者であるなら肯定ですが」
エニュオ・デュカキス:「──それが“敵”であるかは異なる、というのが厄介です」
エニュオ・デュカキス:「気を抜いていいものではありませんが、少なくとも無為にこちらを害する手合いでもありません」
後藤スダチ:「まだよく分かりませんけど、長官がそう言うなら……」
三部つゆり:眼を瞬かせ。「一つ分かったのは……」ぼそりと呟く。
三部つゆり:「ノヴァリスで先生を名乗る人達は、大体変な人なんだな……」
七星ミルキ:「補足すると、誰かが"必死"に行動を起こしてる姿を見るのが好きな人です」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えッ!?」
七星ミルキ:「だから、頑張ってる子を無差別に応援するみたいですが……」つゆりちゃんに頷いて。
七星ミルキ:「まぁ変な人です」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そ、そんなことないわ、先生は確かにちょっと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すっぽ抜けてるって言われるけど」
七星ミルキ:(……カナートスの子から、話を聞いてるから)
七星ミルキ:(どうにも、敵~!ってならないんですよね)
七星ミルキ:(……厄介な人ですけど)
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室にいるのは素敵な人たちなの!信じて!」
七星ミルキ:「サマンサ先生、サマンサ先生」
七星ミルキ:「つゆりちゃんもまだ顔合わせたばかりですから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「こんなにどんくさいオタンコナスは私だけ!心配いらないわ!」
七星ミルキ:「……相互理解はこれからです、これから!」グッ、と拳を握る
三部つゆり:「あっはい、その、すみません。つい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「が、がんばらなくちゃ……!責任重大だわ……!」
ソ・ジウォン:「自分で言わないの……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「名誉!みんなの名誉を守るのよ、サマンサ・シュヴァイゲル……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「プレッシャァ~ッ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぶつぶつぶつ
ソ・ジウォン:「……でも、悪いことにはならなくてよかったよ」
七星ミルキ:「えぇ。ともあれ──お招き頂いたなら、入りましょうか」
七星ミルキ:ふぅ、とこっそり深呼吸。
エニュオ・デュカキス:「──私達が見るべきものは墓標ではなく」
エニュオ・デュカキス:「ここに在ること全てです」
エニュオ・デュカキス:「行きましょう」
カナートス臨床医学研究院 待合室

GM:カナートスの内観は、学校というよりもまさしく病院や研究所といった形容が相応しい。
GM:平面で構成された、冷たい印象の床や壁。
GM:棟にはたくさんの個室が並んでいる。――扉の強固さからして、収容室、と呼ぶべきかもしれないが。
GM:エントランスに当たる部屋の内装も、薄緑色のソファが並んでおり、病棟の待合室じみていた。
ソ・ジウォン:「外部の生徒が来た時は、まずここで待機してもらうことになっているの」
ソ・ジウォン:「……ここが隔離されてからは滅多になかったことだけどね」
ソ・ジウォン:「気を悪くしないでほしいけど、もしかしたらあなた達だって、誰かが外からの危険な病気を持ち込んでるかもしれない」
ソ・ジウォン:「これはあたしも含めて。だから患者に会う前に検査は絶対しないといけないからね」
七星ミルキ:「なるほど。必要な措置ですね」
三部つゆり:「当然ですね。レネゲイド自体だってある意味病気みたいなもので、何時変異株が発生するか分かりませんし…」
エニュオ・デュカキス:「製造プラントで慣れていますから、気になさらず」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、先生前にも、えっと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「キャリアー?になっちゃったんだから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「伝染す心配もしなくちゃいけないわ……!」
ソ・ジウォン:「分かってもらえて嬉しいよ」
ソ・ジウォン:「検査結果はすぐ出ると思うけど、その後もやることがいくつか残ってる。これだけ長い間学校を離れてたわけだし……」
七星ミルキ:「普段使ってないなら、準備に時間掛かりそうですねぇ」
ソ・ジウォン:「案内できるのはだいぶ先になっちゃうかも。待っててもらえる?」
七星ミルキ:「大丈夫です。時間つぶして待ってますよ」
三部つゆり:「はい、分かりました。その間にも色々話す事は尽きなさそうですしね」
後藤スダチ:「お気になさらず!こっちでは私達がこっちのルールに従わなきゃ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もちろん待つわ!大人しさ全開ね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ビシーッとブロンズ像のごとく直立敬礼姿勢
ソ・ジウォン:「あはは。もっと力抜いていいよ」
ソ・ジウォン:「生徒がやってきたら仲良くしてあげてね。検査結果に問題なければ、会いに来る子もいるだろうから」
七星ミルキ:「先生、ソファがありますよ、先生っ」
七星ミルキ:「あっ、はい。了解しました」
サマンサ・シュヴァイゲル:「分かったわ……!仲良くなれるかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ハーッ、ハーッ、怖がられないように、怖がられないように」
サマンサ・シュヴァイゲル:「とりあえず振り上げ威嚇はダメ、絶対にダメね……!」
エニュオ・デュカキス:「何と会う気ですか」
サマンサ・シュヴァイゲル:緊張した面持ちで促されるまま座る
サマンサ・シュヴァイゲル:「あんまりポンコツしてたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室のみんなが誤解されちゃうわ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんな本当に優しくていい人たちなのに……そうなったら顔向けできない……!」
後藤スダチ:「そうかなあ……」微妙な顔
エニュオ・デュカキス:「まぁ……大丈夫ですよ。先生の人柄は嘘ではありませんから」
エニュオ・デュカキス:「確かに初見ではハードルが数段高いと思いますけれど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう、そうね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「エニュオちゃんはしっかりものだもの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大丈夫だって言ってくれるなら、そう思いたいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ありがとう」
サマンサ・シュヴァイゲル:言いつつも、まだどこか強張った笑顔を返す
エニュオ・デュカキス:荒っぽい性質なりに誠実に勤めようとしていることはよくわかっている。だからこうして、自分も言葉を尽くそうと感じてしまうのだろう
エニュオ・デュカキス:「カナートスと最初に接触した時もそうでしたから。七星さんだけでなく、先生がいてくれたことであの結果に辿り着いた」
エニュオ・デュカキス:「流石に防護服を脱ぎだして感染を躊躇わなかった時は驚きましたけれど……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ううっ!あの時は、いっぱいいっぱいで」
後藤スダチ:「そんなめちゃくちゃなことしたんですか!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「後先考えられなかったの、ごめんなさい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ペテラちゃんを1人にしちゃいけない、頭の中そればっかりで」
サマンサ・シュヴァイゲル:「気付いたら、ああいう風に……」
エニュオ・デュカキス:「……私はどうしても理性を利かせてしまうので、そこを躊躇わない先生のあり様は眩しくもあります」
エニュオ・デュカキス:「ジウォンさんもそうだから、ここまで連れてきてくれたのだと思いますよ」9割は無理矢理なせいだろうという答えはあえて言わない
エニュオ・デュカキス:「あそこまで遠慮しない様子も、早々見せる人ではないでしょうから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう、なのかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……考えてるのは、”死神”さんのことなの」
後藤スダチ:「謎めく霧の家庭教師会。うちの会長からも要注意存在として通達されてますよね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、そう」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私は、あの人が間違ってるなら間違ってるって言わないといけない」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それを判断しないといけないと思って、ジウォンちゃんに無理を言ってここまで来たけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すごく賢くて、私が何百人、何千人いても及ばないような答えの出せるコンピューターが間違ってることなんて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……本当はないのかも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ただ気持ちで、それを受け入れたくないだけで」
サマンサ・シュヴァイゲル:「心の底から命を燃やし尽くして、死んでしまいたいと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ここにいる子たちや、シノエ・リュコスちゃんが願ってるなら」
サマンサ・シュヴァイゲル:窓の外、実験棟の方向を見ている
サマンサ・シュヴァイゲル:「生きてほしいなんて私が言えるのは、本当に苦しんでないからだって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう言われたら、どうしようって……頭の中がぐるぐるしてるの」
後藤スダチ:「先生……」
エニュオ・デュカキス:「答えの出せない矛盾や問題に直面した時、どうするべきか。多くの技術者でも頭を悩ますものです」
エニュオ・デュカキス:「ただ。そうですね……」
エニュオ・デュカキス:「先生が誰かに生きていて欲しいと願うことが本当に苦しんでないからだ、というのも。誰が決めることでもないかと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:ふと、何かに気付いた表情で顔をあげる
エニュオ・デュカキス:「先生が相手の気持ちがわからないと悩むのなら、先生の気持ちが嘘であると相手もわからないのですから」
エニュオ・デュカキス:「それに相手が本当に死んでしまいたいと思っていて。先生はそれを眼の前にして、黙っていられる方ですか?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、そうかもしれない」
サマンサ・シュヴァイゲル:「頭の中でいくら考えても」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いまどんな答えを持っているかは、そうよね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いまのその子次第なんだもの……それに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「黙っていられるわけ、ないわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:気が抜けたように、おかしそうに笑う
サマンサ・シュヴァイゲル:「ありがとう、エニュオちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:今度は自然な声色で返す
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生、自分がどんなのか、忘れそうになってたかも」
エニュオ・デュカキス:「緊張されてたんですね」
エニュオ・デュカキス:「無理もありませんが」
後藤スダチ:「やっぱり長官はすごいなあ……」半開きの口で感心していた。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ!してたの!すっごく!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「死神先生、その」
サマンサ・シュヴァイゲル:「口が上手いんだもの……!」
エニュオ・デュカキス:「意見が合いました」口元が緩む
エニュオ・デュカキス:「何度か顔を合わせてますが、その度に思います」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私はこれで二回目だけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「エニュオちゃんが他に会った時の話も聞きたいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「きっとスダチちゃんも気になるわ!」
後藤スダチ:「え?そうかも……!?」首をひねる。
後藤スダチ:「カナートスが関わった事例は6番プラント事故だけじゃなかったんですよね?」
後藤スダチ:「ミルキさん達から話を聞いて、私も少し調べてはみたんですけど……」
エニュオ・デュカキス:「SMITの件以降にも活動は見られますが、関わりとしては私事が大半です」
エニュオ・デュカキス:「……ある種の因縁とも言えますが、私自身も執着しているのかもしれません」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だったら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「びしっと、決着つけなくちゃ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あの人が、いい人でも、わるい人でも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「これ以上ふわふわ煙にまかれないように」
サマンサ・シュヴァイゲル:「びしっと言ってあげるの!びしっと!」
サマンサ・シュヴァイゲル:びしっ
サマンサ・シュヴァイゲル:「……何を、というのは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「未定なんだけど……」
サマンサ・シュヴァイゲル:語尾がへなへなする
後藤スダチ:「……あのー、サマンサ先生……」小さく片手を挙げる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ハイッスダチちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どうぞ!」
後藤スダチ:「実は今回ミルキさん達がここに来たのって、そういう用事じゃなくて」
後藤スダチ:「さっき、ジウォンさんが言ってましたよね?外から私達が感染症を持ち込んでるかも、って……」
後藤スダチ:「そういうことがカナートスで起こってるかもしれないから、調査のために来たんです」
後藤スダチ:「もう一人いた、お人形さんみたいな子いましたよね?三部つゆりさんっていう」
後藤スダチ:「その子はラス・ヴィダスの生徒会役員の一人で、堕天病の対策事業をやってたんですよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「アッ、そうよね!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさいスダチちゃん!その話、実はじゃないの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「さっき聞いたの!ウノ・ワイルゴッドちゃん!」
後藤スダチ:「あ、ちゃんとお話は聞いてたんですね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生が余計な話題出すばっかりに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「話が堂々巡り!」
後藤スダチ:「よかった……また一人で暴走してこんなところに来ちゃったのかと……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「2人だったわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんにしがみついてきたから!」
後藤スダチ:「ジウォンさんは暴走してないでしょ」
後藤スダチ:「じゃあついでに、あの二人にもちょっと関連する話なんですけど」
後藤スダチ:「――ノドスに出会ったことはありますか?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ノドス」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それって、ああ、そうだわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「今朝緊急の書類があるからって、職員室に回ってきたの」
サマンサ・シュヴァイゲル:端末には、まさにスダチちゃんが仲立ちして共有を決めた
サマンサ・シュヴァイゲル:OPでの会合の内容が映し出されている
サマンサ・シュヴァイゲル:「これもジェネシスからだったけど……」
後藤スダチ:「そう、それだ。生命のイースターエッグ!」
後藤スダチ:「ノヴァリスがこの『8番目』のイースターエッグを手に入れるためにも」
後藤スダチ:「向こうからこちらに接触してきているノドスの目的や経路を総合して、少なくとも出没を予測できれば……ってプロジェクトなんです」
後藤スダチ:「先生はどこかで会ったことあります?実際出没例は稀ですから、直接関わったことは少ないかもですけど……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさい、先生はまだ一度も、直接には」
サマンサ・シュヴァイゲル:「他の先生が担当した記録は見てるけど、そんなに詳しく覚えられてもいないから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「多分、フニャフニャしたことしか言えないわ……!」
後藤スダチ:「分かりました。じゃあ、つゆりさん達の仕事を邪魔しない範囲で頑張ってくださいね」
後藤スダチ:「意気込みは応援しますから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「応援、ありがとう!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「がんばるわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:びしっとサムズアップ
サマンサ・シュヴァイゲル:「ノドスの子たち……突然行方不明になって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「何年も何年も、恐ろしい目にあってきて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どうやって、何を話せばいいのか分からないけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……これも頭の中でばっかり考えるのはやめにしておくわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生、丈夫だから、きっと相手の話を聞く時間くらいは作れるはず」
後藤スダチ:「会おうと思って会える相手じゃないから問題なんですけど」苦笑する。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あッ!それもそうね!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「でも、だけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「2人のお陰でなんだかやる気が湧いてきたわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「う~~~ッ!やるぞ!」びしびし!自分の頬に張り手。
エニュオ・デュカキス:「だいぶ戻ってきましたね」
エニュオ・デュカキス:「……それと後藤主任。止める必要が出てきた時は助力をお願いします」良かれと思ってやったことではあるが
後藤スダチ:「ええ~~っ」
後藤スダチ:「やりま……す……けど……!」
後藤スダチ:「いや、頼まれなくても……先生が暴走した時は止めるつもりではいたんです、本当に……」
後藤スダチ:「でも、想像するだけで……」
後藤スダチ:「疲れるなあ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「疲れが溜まっているの!?スダチちゃん!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生、マッサージも出来るわ!指の圧力強いの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すーっはーっ!」ごきごきごき!指をめちゃくちゃ鳴らしている「どんとこいよ!!」
後藤スダチ:「ヤダーッ!」
エニュオ・デュカキス:「終わったらで」
七星ミルキ:先生達とは別の、空いてるソファを確保する。
七星ミルキ:「流石というべきか、長く使われて無くても埃とか全然ないですね」
三部つゆり:「清潔に保ってあるんだろうね。外に出るにも、此処も使うからかな?」
七星ミルキ:「待合室、って言ってたもんね。他の入口があっても、ここがメインなのかも」
三部つゆり:「そういう意味だと、少し緊張するな……しない?」最後だけくすりと笑うように。
七星ミルキ:「うん?うん……」少しだけ迷った後
七星ミルキ:「するかも」砕けた口調になる。
七星ミルキ:「人と会う待ち時間?みたいなのって、ソワソワするよね」
三部つゆり:「待ち時間か待ち場所を間違えたんじゃないか、ってあるからわかるな」
七星ミルキ:「そうそう。10分前行動してて、まだ時間じゃないのにね」
三部つゆり:少し淡く笑う。
七星ミルキ:目を細める。目線はずっとつゆりさんをじーっと見ている。
三部つゆり:「…?何かおかしいところでもある?いや、おかしいところは色々あるんだけれど」
七星ミルキ:「指摘しづらい所ならいくつか」苦笑。
七星ミルキ:「痛い、とかではないんだよね?」
七星ミルキ:髪、そして目を見る。
三部つゆり:「まあ、あんなに色々言われてるの見たらそう思いますか」苦笑して。「うん。そこの感覚自体がないから…そうだね、本当にボタンとかがついてるみたいな感じだ」
七星ミルキ:「眼の前で診察結果聞いたらね……!」
七星ミルキ:「ボタンかぁ」自分のシャツのボタンを指で弾く。
三部つゆり:「そう。まあ私自身は本当に知覚拡張系じゃないから、というのもあるんだと思う。そういう意味だと鈍感に作られてるから」
七星ミルキ:「あぁ。ブラックドッグさんの義手とかはモノによって感覚も本物さながら、とかって聞くね」
七星ミルキ:「……合コン委員会もねー」
七星ミルキ:「身内が居なくなるって時はね、本人も色々巻き込まれることが多いからさ」
三部つゆり:「どこかの欠損だとか後遺症だとかは、ままありますか」
七星ミルキ:「うん。巻き込まれたりする人は、どうしてもね」
七星ミルキ:「でもそういうの、『本人がつらそうじゃないなら、気にしない』ってのが、色々あった末の結論になってるから」
七星ミルキ:「…………」
七星ミルキ:「心配してなかったわけじゃ、ないんだよ?」
七星ミルキ:わざとらしく言い訳じみた声。
三部つゆり:「いや、分かりますよ」苦笑。
三部つゆり:「私だって、色々言って貰って流石にヤバいんだなと気づきましたし…そういう人達みたいに、色々と気にしてる視線とか、分かりますから」
三部つゆり:「だから、うん」
三部つゆり:「目の前の状況に上手く手を、全て打てないのだとしても…そう気にしないでいいと思います」
七星ミルキ:(き、気にしないとかじゃなくて、言われて気づいたんだ……)
七星ミルキ:(意外と天然さんかな?)
七星ミルキ:「………」
七星ミルキ:「もしかして」
七星ミルキ:「私のほうが心配されてました?」
三部つゆり:「いやいや。心配する人は、その分心に気に掛ける錘を掛けてるんだから、当然の反作用があるよね、ってだけです」ふ、と笑っている。
七星ミルキ:「むぅ。得意げ……」
三部つゆり:「そう見えます?そう言うつもりじゃなかったんですけど、まあ、そうなのかも…」
七星ミルキ:「見えました~。色々気にかけてるタイプ特有の……」
三部つゆり:「そうかな…ううん、色々気に掛けてたタスクが急に変わったからかな…」
三部つゆり:そこで、少し息を吸う。
七星ミルキ:動きにつられて口元を見る。
三部つゆり:「ミルキさんが、合コン委員会にいるのは……どっちのやつが理由か、聴いても?」楽園の三百人か、ノドスの男子たちのことかを聞いている。
七星ミルキ:「委員会では古参の方です」ノドス。
三部つゆり:「そですか。なら、同類なのかな…ああ、いや。二パターンあるんでした。私だとまた複雑だし…」
七星ミルキ:「ですね。そういう意味では同類で、ちょっと違います」
七星ミルキ:「つゆりちゃんにはもう見せてましたね、リスト」
三部つゆり:「ええ。…私はまた別のやつで知る機会があったので、あまりこう…リアクションがあれでしたが…」”イモータル・コイル”から聞いたのだろうというのも分かる。
七星ミルキ:「本人が乗り込んできたパターンも、きっと少ないながらあるでしょうしね」苦笑。
七星ミルキ:「子供の頃、ノドスにいたお兄さん──(あ、血の繋がりとかじゃないんですけど)──は居なくなっちゃって」
七星ミルキ:「…………」
七星ミルキ:「今も、生きてるらしいです」
三部つゆり:「よかったです」小さく、微笑んで言う。
七星ミルキ:「ありがとうございます」困ったように笑う。
三部つゆり:小さな花が綻ぶような、本当に喜んでいるのがわかる微笑みだった。そう誂えた人形作品のような。
七星ミルキ:(いい人だな)と思う。
七星ミルキ:どれだけ造形が人形じみていても、そこに宿る意志こそが体を動かしているような印象だ。
七星ミルキ:「“ラ・ルメール”。クロード・カレル」
七星ミルキ:「……聞き覚え、あります?」
七星ミルキ:「案外つゆりちゃんがぶっ飛ばした"イモータル・コイル"が実はそれ、という展開も覚悟してますけど」
三部つゆり:「……私はない…ですね。”イモータル・コイル”の名前は」
三部つゆり:「四海群生。いや…今の人格名で言うなら、ソル・ジファンというべきなのかな」
三部つゆり:「私の兄代わりみたいな人でした。もう一人は、もう亡くなってますし」
七星ミルキ:「四海群生。ソル・ジファン。」名前を口の中でつぶやく。記憶にあるリストの表記は──「……そうでしたか」
三部つゆり:「百人隊たちの名前も色々集めてはいるけれど、”ラ・ルメール”の名前は聞いたことがないです」
七星ミルキ:「兄代わり。そこもこっちと似たような感じだったんですね」
七星ミルキ:「ですよね。私も報告で聞いたこと無いから……」
三部つゆり:「まあ、好きな方の人はもう、だったんですし、兄代わりの方も人格が変わって大分精神面変異も進んでるみたいでどうしたもんか、って感じですが」
七星ミルキ:「サラッと出される事情が重いなー」その手の会話に慣れている速度。
三部つゆり:苦笑しながらそう言っている。別段、その事の悲しみはもう終えたのだろう、という表情だった。
七星ミルキ:「精神変異ですか。伝え聞くノドスの状況を聞けばさもありなん、って感じだけど……」
七星ミルキ:眩しくその表情を見る。
七星ミルキ:口調だけにはすこし、同情的なものを交えつつ。
七星ミルキ:「精神汚染かぁ。星徒とか関わると、そういうのもあるよね、そりゃ」
三部つゆり:「まあでも、戻す可能性自体はゼロじゃないので、何とかしなきゃな~ってそっちも頑張ってるとこです」
七星ミルキ:(だからこそ。"葬送係"を掲げるミチカ先生──先輩方に対する心配も、あるんですけど)
七星ミルキ:「おぉ。」ぱちくり
七星ミルキ:「良いですね。そういう、希望のお話。大好きなやつだ」
三部つゆり:その言葉に、ちょっとおかしそうに笑う。
三部つゆり:「大分悲惨なこと言っててすみません。でも、そうですね…絶対、そっちの方がいい」
七星ミルキ:「あはは。良いの良いの。合コンだと茶飲み話だよ」ちょっと誇張。
七星ミルキ:「なにせ同じ境遇の子が集まってるからね」
七星ミルキ:「つゆりちゃんも、色々落ち着いて時間出来たら合コン訪ねてみてね。歓迎しますよ」
三部つゆり:なるほど、と口の中で呟く。「ええ――そうですね。その時は、ぜひ」
七星ミルキ:「うん、うん。……つゆりちゃんはさ」
七星ミルキ:「もし何もかもうまく行って、治療法とかも見つかって」
七星ミルキ:「その『戻す可能性』とかも掴めたらさ」
七星ミルキ:「なにが……どんなことが、してみたい?」
三部つゆり:「墓参りに」
三部つゆり:「ソウマさんの……ソウマさんに、そうなったら……」
三部つゆり:「漸く、報告出来る気がするから」
七星ミルキ:「"都築ソウマ"さん。そっか、最高生徒会長かぁ……」呼び方に実感は無く、墓碑銘に見覚えがあるという距離感。
七星ミルキ:「良いね、それ」
三部つゆり:「ええ。……誰も覚えてなくても」
三部つゆり:「私が、そうすれば……証明できる気がするの」
七星ミルキ:「証明?」
三部つゆり:「あのひとが、殺されていなかったら。ちゃんとそこに居たなら」
三部つゆり:「どれだけだったのか、って、ね」腕で目元を覆いながら、そんなことを言った。論理的でない、情念が酷くにじんだ言葉だった。
三部つゆり:「……っと、失礼、つい。…ミルキさんから、何か、ある?ノドスの人についてとか、ある程度話せるところは在るつもりだけど…」
七星ミルキ:「……………」つゆりさんを見ている。目線に交じる感情は同情というわけではなく。
七星ミルキ:「『お兄さんなら、出来ていた』、かぁ」言い慣れたように自然な言葉が無意識にこぼれ落ちる。
七星ミルキ:「ん、んー。私も……こう言っちゃなんだけど、現実感はなくって」
七星ミルキ:「死んだとは思って無くて、生きててほしいな、ってずっと思ってたし」
七星ミルキ:「ただ………ただ、大人数が居なくなって、それでもまだお兄さんが………」遠い所を見るような目。
七星ミルキ:「……ううん。そうじゃないな」
七星ミルキ:首をふる。
七星ミルキ:「私が今、一番思ってることなんだけどね」
三部つゆり:静かにあなたの言葉を聞き、続く言葉を待っている。
七星ミルキ:「生きてるなら」
七星ミルキ:「……一言ぐらい、連絡してくれたって良いのにな」
七星ミルキ:それは恐らく、同じ境遇である相手にしか──あるいは。
七星ミルキ:『吹っ切れた』相手にしか漏らせない呟きだった。
三部つゆり:「私がきちんと会えたのは、”イモータル・コイル”だけだから、違うかも知れないけれど」
三部つゆり:「何か事情があったのかもしれない。何か計画を進めていて、その為にいとまもないのかもしれない」
三部つゆり:「その上で言うよ」
三部つゆり:「言いに行こう」
三部つゆり:「あなたの言葉を。あなたの気持ちを。あなたの、待った年月を」
七星ミルキ:「つゆりちゃん……」
三部つゆり:「殺し合いで、本当に疲れ切っているのかもしれない。どこか病気でおかしくなってるのかもしれない」
三部つゆり:「それでも、あなたに会いに来てない」
三部つゆり:「それだけが真実で、だから。あなたが言いに行くしかないんだ、って。私は思う」
七星ミルキ:「………」袖で目元を擦る。
七星ミルキ:「そっか。私からか……」
三部つゆり:残酷な言葉だった。待っていても、なにも変わらないのだと突きつける言葉だった――もしも悲嘆に暮れている相手に対して言うのなら。
三部つゆり:「そうだよ。だって、あなたのお兄さんは…生きているんだから」
三部つゆり:「生きているなら、会いに行ける。そうでしょ?」
七星ミルキ:きっと、委員会の皆に言わせるには酷な言葉。お互いの事情を知っていて、今までの心配もすべて知っていて。
七星ミルキ:今まで無事を願っていた人が悪いというのは、きっと勇気がいることだから。
七星ミルキ:「………ん。」
七星ミルキ:「そうだよね。そもそも、待ってたのに、何暴れにきてるんだって話だもんね」
七星ミルキ:「疲れてるとか、病気とか、関係ないよ」
七星ミルキ:「『お兄さんなら、それでも出来る』はずだもん」
七星ミルキ:幼い少女の駄々のように、無根拠に言い放つ。
三部つゆり:「そゆこと。しかも学区を吹っ飛ばすような計画を実行できる人達なんだから、調べたら待ってるの知ってるはずで、それでも来てないんだからね」
七星ミルキ:「うん。」
七星ミルキ:「やらないのは、あっちが悪い」
三部つゆり:「そう。これは、意志の問題だよ」
七星ミルキ:「うん、うん」
三部つゆり:「やろうとしてないなら、ぶん殴る必要があるし。やろうと思えもしないなら、そこは休んで治さないといけない」
三部つゆり:「得意でしょ?どっちも」何処か悪戯っぽく笑った。
七星ミルキ:「えへへ」恥ずかしそうに笑う。
七星ミルキ:「うん。病気を治すために医学書も読みふけったし、カナートスの子にも教えてもらったし」
七星ミルキ:ぽん、と傍らの巨大なハンマーを撫でる。
七星ミルキ:「いざとなったら、成長した所見せちゃおう」
七星ミルキ:ふにゃり、と柔らかく笑った後。咳払い。
七星ミルキ:真面目な顔になる。
七星ミルキ:「つゆりちゃんも、いざとなったら」
七星ミルキ:「手伝うね、殴るの」
三部つゆり:「あはは。まあ一回思い切りやったから、今度はどうなるか…」
三部つゆり:「ま。頼りになる助っ人を得たということで、宜しくね!」
七星ミルキ:「まかせて!」ぶんぶん、とつゆりの両手を掴んで振る。
七星ミルキ:「合コン委員会は、話を聞かない人にはきびしーんだからっ」
GM:しばらくして、ソ・ジウォンが戻ってきた。他の誰かが待合室を出入りすることもなかった。
ソ・ジウォン:「検査と手続きは終わったよ」
ソ・ジウォン:「みんな問題ない。ただ、ウノに今会わせるわけにはいかなくなった……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えッ!?ど、どうして?」
エニュオ・デュカキス:「確かに突然の訪問ではありますが」
七星ミルキ:「……ウノさんの方でなにか問題でも?」
ソ・ジウォン:「手術中だから。臓器系の疾患がまずい子がいて、定期的に培養臓器と取り替えなきゃいけない」
三部つゆり:「む…容態の急変とかじゃないんだ。よくはないけど、よかったのかな…」
サマンサ・シュヴァイゲル:「手術、そ、それは大変ね」
後藤スダチ:「カナートスって臓器も作れるんだ……」
七星ミルキ:「すごいですね……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それはしょうがないわね、先生なんていても横でガッツポーズするくらいしか出来ないし……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「部屋の外で上手くいくのを祈ってるわ!」
三部つゆり:「確かに…素人が横からでしゃばることじゃないものな…」
七星ミルキ:「集中を乱してもだめですしね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああっ、でもミルキちゃんやスダチちゃんのお話があるから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どれくらいかかりそうなのかしら……?」
ソ・ジウォン:「ウノにとっては慣れてる術式だけど、それでも2時間くらいはかかるかな」
後藤スダチ:「2時間か~……夜になっちゃうね」
三部つゆり:「それでも臓器の入れ替えで二時間はすごいな……」普通に摘出だけでももっと時間が掛かりそうなものだ。
エニュオ・デュカキス:「移植で二時間?」
エニュオ・デュカキス:「部分によって差はあれど、概ね摘出手術でも三時間から五時間は見ます」
ソ・ジウォン:「うん。外の基準だと移植まで含めて12時間かかる手術もあるらしいね」
七星ミルキ:「ほえ~……!」
七星ミルキ:「お医者さんがまず自分の健康に気をつけなきゃいけないのも宜なるかなですねぇ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すごいわ!超スピード!」
ソ・ジウォン:「ウノはすごいよ。あたし達と同じ特異症例患者なのに、絶対間違えないし、体力だってある」
ソ・ジウォン:「……で、2時間くらいならこのままここで待っていてもらってもいいけど」
ソ・ジウォン:「ウノに会いたいだけじゃないんでしょう?特にサマンサ先生は」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ええ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「シノエ・リュコスちゃんにも、会えるのかしら」
ソ・ジウォン:「会いたい?今は3号棟のあたりだろうから、連れてってあげてもいいけど……」
ソ・ジウォン:「退院の時に話したでしょ?うちにはヘル・クロタリアスって生徒がいて……」
ソ・ジウォン:「彼女が101号患者。カナートスをまとめてくれた――他の学区でいう、生徒会長ってことになるのかな」
ソ・ジウォン:「ずっと昏睡状態だったけど、今は面会できるみたいなんだ。ヘル先輩の紹介があれば、外の人達へのみんなの警戒も解けると思う」
サマンサ・シュヴァイゲル:「生徒会長さん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、その子にもご挨拶しておかなくちゃ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんなもそれでいいかしら、ウノちゃんが手術でがんばってる間」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんのところへご挨拶しにいくの」
三部つゆり:「私は勿論。ウノさんの方も忙しいみたいだし、快く話してもらえるならこっちから願いたいくらいです」
七星ミルキ:「私も大丈夫です。ご挨拶できるなら、ぜひ」
エニュオ・デュカキス:「異論ありません」
後藤スダチ:「もちろん私も!」
後藤スダチ:「生徒会長さんに話が通れば、今後の学区間交流もできるようになりますかね?長官」
エニュオ・デュカキス:「……かもしれませんね」
エニュオ・デュカキス:「前向きに考えたいものです」──カナートスが勝利者となる、その言葉を確かめて。どうであるかは別にしても
カナートス臨床医学研究院 101号室

GM:――薄青い病室だった。
GM:計器の電子音が響き、白いシーツからは消毒液の香りがある。
GM:そしてエンジン音と爆発音、フラッシュが病室を照らしている。
ヘル・クロタリアス:「あははははは!もー、だから急カーブすると駄目なんだって!」
ヘル・クロタリアス:「力士が!慣性で力士が落ちちゃうから!あははは」
カナートス一般生徒:「む、難しいんですってば~!操作が!慣性で!」
ヘル・クロタリアス:「代わって代わって!次わたしがやるから!」
ヘル・クロタリアス:コントローラーを手に取った姿勢のまま、入口の方を見た。


ヘル・クロタリアス:「あ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ご、ごめんなさいね!お邪魔しちゃったかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ひと段落するまで待ってようかと思ったんだけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生薄らでかいから、気配消せなくて……!」
ヘル・クロタリアス:「ふ……」目を閉じて微笑む。
ヘル・クロタリアス:「お客さん――ですか?けほっ、けほっ」
ヘル・クロタリアス:「ありがとう……こんなところにまでお見舞いにきてくれて……」
ヘル・クロタリアス:腰掛けていたベッドにいそいそと横たわり、何事もなかったかのようにシーツをかけ直す。
七星ミルキ:「…………」
三部つゆり:「大分急カーブを掛けてこられましたね…別段そんなに無理せずとも…」ぺこっとその後ろで頭を下げている。貰った不織布マスクも身に着けて顏の殆どが白で覆われて。
七星ミルキ:「入る所からやり直します?」
エニュオ・デュカキス:「再度やっても気まずくなるだけですよ」
ヘル・クロタリアス:「誰かとお話できるのは、すごく久しぶりだから――」
カナートス一般生徒:「……」気まずそうにゲームをプレイしている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「えっ、えっ、でも今さっきその子と」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんとも……あれッ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:普通に混乱している。
七星ミルキ:「サマンサ先生、プライベート詮索は仲良くなってからにしましょう…!」ヒソヒソ
サマンサ・シュヴァイゲル:「そ、そういうことなのかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「思春期って難しいわ……!」
ソ・ジウォン:「いいよ、こんな茶番に付き合わなくて」
ソ・ジウォン:「ヘル先輩!ゲームもやめなさいって言われてるでしょ!意識が戻ったばかりなんだから」
ヘル・クロタリアス:「わ、わたしじゃなくて……」シーツを口元にまで引き上げて隠れる。
ヘル・クロタリアス:「その子がやってたの見てただけだもん……」
七星ミルキ:「あっ、普通に怒られている……」
エニュオ・デュカキス:「こうしてみると普通のお医者さんと患者ですね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっやっぱり普通に遊んでただけだわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「冗談だったわ!深読みしちゃって恥ずかしい!」
カナートス一般生徒:「あッ力士が全部爆発した」
ヘル・クロタリアス:「ああ~~」
三部つゆり:「結構ちゃっかり楽しんでいらっしゃる」
ソ・ジウォン:「あなたもさっさと個室に戻りなさいッ!お昼の薬ちゃんと飲んでるの!?」
カナートス一般生徒:「ひぃーっ、ごめんなさい、つい……」
カナートス一般生徒:「またね……ヘル先輩……」
ヘル・クロタリアス:「また遊ぼうね」細い手をシーツから出して振る。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃん、キリキリしてるわ……!さすがのジウォンちゃん!」
七星ミルキ:「えーと。改めまして、初めまして。メサイア学園、合同カタコンベ委員会の七星ミルキです」とりあえず自己紹介。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ、ごめんなさい、楽しく遊んでたのに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室のサマンサです!ご挨拶にうかがいました!よろしくどうぞ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぺこりと一礼
ヘル・クロタリアス:「けほっ、けほっ、何のご用でしょう……?わたしみたいな病人に……」
エニュオ・デュカキス:「押し通すんですね」
三部つゆり:「まあキャラ立ちは大事ですし……、っと。ラス・ヴィダス商業学校連盟高等部一年、三部つゆりです。本日は急な訪問で失礼を致しました」
後藤スダチ:「やっぱりカナートスにもゲーム需要あるんだなあ」
七星ミルキ:「室内の娯楽は有って困りませんからね」
エニュオ・デュカキス:「ジェネシスでも一角を担う部分です」
後藤スダチ:「あっ!後藤スダチです!オフィサー営業本部主任!まさか私が挨拶で出遅れるなんて……!」慌ただしく礼。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ご用というと、そうね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私はジウォンちゃんのお友達にご挨拶がしたかったのと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「カナートスのことを、もっと知りたくて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんが嫌でなければ、お話させてもらえると嬉しいわ」
ヘル・クロタリアス:「――職員室」
ヘル・クロタリアス:「十字冠がない。大人なんですね」
ヘル・クロタリアス:「だけど理事会エージェントじゃない……理事会は八月革命で全滅した。それはさっきの子から聞いたから……」
ヘル・クロタリアス:「……なら、そうか。管理者って形じゃなくても、教育のモデルケースとしての大人が必要だと……多分、私なら思うから」
ヘル・クロタリアス:「…………雨月夜シオンさんのお知り合い?違ったらごめんなさいね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あッ!そう!シオンちゃん……というか最高生徒会の子たちが作ってくれたの、職員室は!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「言ってないのにどうして分かったの……!?すごいわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:目を丸くしている
七星ミルキ:「今の、全部推測したってことですか?」呆気にとられている。
ヘル・クロタリアス:「あはは。全然当てずっぽうだよ……ですよ」
ヘル・クロタリアス:「そのサマンサさんが」
ヘル・クロタリアス:「君達を先導しているんじゃなくて、君達に付き添ってるように見えたから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「流石の切れ者だわ、ヘルちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんが言ってたの、ヘルちゃんはこのカナートスのリーダーみたいなもので」
サマンサ・シュヴァイゲル:「とーっても頼りになるんだって、何かあった時はヘルちゃんと話をしてって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「これはお墨付きにも納得ね!」
七星ミルキ:「すごいですね。リーダーというのも納得です」
ヘル・クロタリアス:「あはは……そんなに言われるほど大したことしてないけどなあ~」フニャフニャと笑う。
サマンサ・シュヴァイゲル:「えらいわ!さすがだわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ワイワイと囃し立てる
ヘル・クロタリアス:「ねえジウォン。みんなとお話してもいい?」
ソ・ジウォン:「私もそのつもりで面会に連れてきたんです。でも、容態が悪くなったら無理は絶対しないでくださいね」
ヘル・クロタリアス:「大丈夫!わかってるって!」
七星ミルキ:「こちらも気をつけますね」
ソ・ジウォン:「では、あたしは他の子達の様子を見に行きますから。ずっと休学してた分、取り返さないと」
ソ・ジウォン:「サマンサ先生達も、何か気付いたことがあったらすぐナースコールしてください」
ソ・ジウォン:「ヘル先輩の大丈夫は当てにならないので!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いってらっしゃいジウォンちゃん!がんばって!」手をぶんぶん振る
エニュオ・デュカキス:「案内、ありがとうございます。ジウォンさん」
三部つゆり:「ありがとうございました。あはは…気を付けますので、そちらも頑張ってください」
GM:ジウォンは101号室を退室する。
ヘル・クロタリアス:「6人プレイしよう!6人プレイ!」すぐに身を乗り出して、ひそひそと言う。
エニュオ・デュカキス:「小学生ですか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「6人プレイ!?そんなのがあるの!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生ピコピコのこと詳しくないから、2人でやるタイプがあるのは知ってるけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すごいわ……!時代の進化ね……!」
後藤スダチ:「コントローラーがたくさんある」部屋の隅の箱を見てびっくりしている。
三部つゆり:「集まってよく遊ばれてるのがわかる」
七星ミルキ:「い、良いんでしょうか?さっき止められてたのに」苦笑い
ヘル・クロタリアス:「あ、待って。赤いのはトゥエ専用のだから、来客のやつで……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だ、大丈夫かしら、先生前にこういうのを握りつぶして人からめちゃくちゃ怒られたことがあって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「気をつけなきゃ、そーっと、そーっと……」
ヘル・クロタリアス:「カナートスのことを知りたいんだっけ?」ベッドの上をペタペタと這って、ゲーム機本体を操作している。
ヘル・クロタリアス:「あ、知りたいんですか……?けほっ、けほっ」
エニュオ・デュカキス:「はい。この場所が如何なるところかは、私達も存じていますが」
エニュオ・デュカキス:「結局のところ、外からわずかに伝え聞くことしか知りません」
三部つゆり:「ゲームは全然遊んだことが無いから迷惑にならなきゃいいんだけど…ええ、そうですね。結局、字面とか又聞きですから」
七星ミルキ:「ジウォンちゃんとかカリスちゃんとかから聞いては居たけど、うん」
七星ミルキ:「色々教えてくれると嬉しいです」
ヘル・クロタリアス:「そうはいっても、どういうところを知りたいかによるかなぁー……」
ヘル・クロタリアス:「わたしの知ってる話じゃ、全然役に立たないかも。ふふ」
ヘル・クロタリアス:先程よりは幾分穏やかなパーティーゲームを起動する。コントローラーは無線接続だ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「分かる範囲でいいの、色んな子にひとりひとり話を聞くのが大事だと思うから……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああッ、はじまった!こ、これどう動かすの!?どれが私なの!?ワーッ!?」
ヘル・クロタリアス:「すごい、0.3秒で穴に落ちてる」
サマンサ・シュヴァイゲル:「死んだの!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「自分が死んだことにさえ気づけないなんて……ふがいないわ!」
七星ミルキ:「死んじゃいましたね……こっちがジャンプか。」
三部つゆり:「ええとこのスティックでキャラ移動でこっちでジャンプ……」ぼそぼそ言いながら確かめつつおそるおそるなプレイをしている。
七星ミルキ:「確かにいきなり学校のこと教えて!だと困りますか……えいっやっ」
エニュオ・デュカキス:「遊ぶ方は苦手なのですが。どうすれば」ビシビシビシビシ。凄い速度でボタンを連打する
三部つゆり:「あっ落ちる……えっとこっちで、あっ」
後藤スダチ:「これやったことある……!」割と最初から操作に慣れている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええと、私は」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私が聞きたいことからでいいかしら、その」
七星ミルキ:「あ、そうですね。質問していきましょう。話題話題」
ヘル・クロタリアス:「うんうん」笑顔で聞いている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「……いま、カナートスの子たちは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「他の学区と情報とかを交換していなくて、色んなところから技術を集めていて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それが、それはみんなの、病気を伝染しちゃいけないという気持ちがあるからだって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんたちからは聞いてるの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「けれど……それが逆にとても危ないことなんじゃないかって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ここにいるミルキちゃんたちは心配しているの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私も……そう思う、話をしないと避けられない危ないことだってあるわ」
七星ミルキ:「………」サマンサ先生に合わせてヘルに会釈する。手は一定のリズムで動かしている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「この、カナートスの子たちがやっていることは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんなで決めたことなのかしら……」
サマンサ・シュヴァイゲル:コントローラーを動かす手はぎこちない。
ヘル・クロタリアス:「……難しいね。そうだとも、そうじゃないとも、わたしははっきり知らないと思う」
ヘル・クロタリアス:「カナートスは他の学区みたいに生徒会があるわけじゃないし――」
ヘル・クロタリアス:「わたしが起きてたころだって、わたしが全部を決めれたわけじゃなかったから」
ヘル・クロタリアス:「一人の生徒が勝手にみんなを引っ張ってるわけじゃなくて、だけど、一人ひとりが自由に動いてるわけでもないの」
ヘル・クロタリアス:「一人ひとりが、他の誰かを助けようとすると、そうなってしまう、って結果なんじゃないかな……」
ヘル・クロタリアス:「ここにいる患者の子は、伝染病や体の問題だけで外の人達との接触を拒んでるわけじゃないから」
ヘル・クロタリアス:「理事会の時代に、大人や他の学区の子にひどい目に遭わされて、外の誰かと会うこと自体を怖がってる子もいる」
ヘル・クロタリアス:「……そういう弱い子に基準を合わせてあげたいって思ったんだよ。多分ね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「本当に、すごいことをしたのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「立派だわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんは、この学区のカリスちゃんから招待されてここに来たの」
ヘル・クロタリアス:「カリスちゃんに?」
七星ミルキ:「は、はい」突然褒められてむず痒そうに応える。
七星ミルキ:「外でお会いして、仲良くなったんです」
七星ミルキ:「そしたら、カナートスにいつか来てみてほしい……って誘ってもらえて」
七星ミルキ:「なので、先に来ちゃいました。」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんとカリスちゃんは、その怖がる気持ちを乗り越えて、手を繋ぐことが出来たのよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうやって一人一人が信用できる相手を見つけて、変わっていくことは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「これから出来るかしら……私は出来たらいいなと思う」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんは、どう思う……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:すっかりコントローラーを動かす手は止まっている
ヘル・クロタリアス:「すごく嬉しい」ゲームのキャラは、ヘルとは対照的に機敏に跳ね回って、宝石を集めていく。
ヘル・クロタリアス:「学区間の交渉とかじゃなくて、こうやって、一人ひとりに会って話しに来てくれた人がいるって知ったら」
ヘル・クロタリアス:「みんな喜ぶと思うよ。……わたしも、みんなのことをよく知りたいな」
サマンサ・シュヴァイゲル:「!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、ええ!そう思ってくれるなら!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私も!すーーっごく!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:メキバキャーッ!!
サマンサ・シュヴァイゲル:コントローラー破砕!!
サマンサ・シュヴァイゲル:「ウワーッ!!?」
後藤スダチ:「ああ!コントローラーが……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ご、ごめんなさいごめんなさい!」
三部つゆり:「嬉しすぎたせいで…!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「浮かれ上がっちゃった!浮かれポンチね!あんぽんたん!」
エニュオ・デュカキス:「我慢は利いた方だったのですが…」
七星ミルキ:「先生、破片が!怪我しちゃいますよ!」
ヘル・クロタリアス:「あはは、いいよいいよ。貸し出してるのはわたしの私物だし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生弁償するから!ヘルちゃんごめんなさい!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大丈夫なのよ!細かい切り傷は筋肉の収縮で塞げるから!ちりとり!ちりとりあるかしら!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ばたばたばた
七星ミルキ:「ブラックマーケットの良いお店紹介しますね!」
七星ミルキ:「……それ結局怪我してますよ!」
七星ミルキ:ロッカーを探す。
ヘル・クロタリアス:「力の調節ができない子も、カナートスにはたくさんいるんだ。全然気にしなくていいからね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「うう……ヘルちゃんやさしい……」
サマンサ・シュヴァイゲル:しくしくしながら残骸を片付けている
七星ミルキ:「力の調整……確かに、筋肉の量分ならそういう症例もあるんですね」
七星ミルキ:以前出会ったカリスのことを思い出している。腕の使い方という点では彼女も制御に関する病気だった。
ヘル・クロタリアス:「ジウォンなんて昔はひどかったんだよ?今はきちんとした看護婦です、みたいな顔してるけどさあ……」
七星ミルキ:「あはは……頑張ったんですねぇ」
ヘル・クロタリアス:「うん……攻性症例の話はもう聞いてる?」
ヘル・クロタリアス:「あれの訓練も、はじめはそういう暴走を制御するためのリハビリだったんだ」
七星ミルキ:「はい。存じてます。……そういう形だったんですね」
七星ミルキ:「意のままに操るという点で見れば、制御の領分でしたか」
ヘル・クロタリアス:「わたしもついさっき、理事会のことをひどい大人達みたいに言ったばかりだけど」
ヘル・クロタリアス:「本当に手の施しようのない症例を持ってて、攻性症例の訓練でどうにか生活できるようになった子も知ってる」
ヘル・クロタリアス:「カナートスの理事会は、最初はどう思ってたのかな……はじめからわたし達を利用するつもりでいた、って思ったほうが楽だと思うけど」
ヘル・クロタリアス:「もしかしたら、心のどこかでは……治したいと思ってたんじゃないかって、わたしは思ってる」
七星ミルキ:「………」
七星ミルキ:「トップの人がどう思っていても、それに従う人が1から10まで同じ気持ち、っていうのも」
七星ミルキ:「なかなかないこと。ですもんね」メサイア生徒として実感の籠もった声。
ヘル・クロタリアス:「カナートスは、これでもレネゲイドの先端研究をやろうとしていた学校なの」
ヘル・クロタリアス:「FHでもUGNでも組織をかけて研究してるような、レネゲイドそのものを。それってすごいことだよね」
ヘル・クロタリアス:「そういう研究とか……医療とかを続けていくのって」
ヘル・クロタリアス:「よっ」画面の中のキャラがジャンプする。
ヘル・クロタリアス:「お金がかかるんだよなあ」
七星ミルキ:「あ、ジウォンちゃんも言ってました。変異種とか寄生型のBRとか、そういう治療も視野だったって…」
七星ミルキ:「あっ」ジャンプのタイミングが被って踏み台になる。
三部つゆり:「基礎研究に新薬製造を始めとした治療法の確立はお金が掛かるものとはいえ、そうですね…あ」その横で普通にもう一度落ちている。普通に下手。
七星ミルキ:「やりたいことと、やらなきゃいけないことは別だって話は、どこ、でも、一緒、ですね」言葉の合間に操作。
七星ミルキ:「でも……」
七星ミルキ:「実際に接した、カナートスの皆さんがそう思うなら。現場で触れ合う大人たちの中には、そういう人も居たんだって」
七星ミルキ:「そうだと良いなと、私も思います」
ヘル・クロタリアス:「あはは!中にも優しい人がいたなんて全然思ってないんだけどね?」
七星ミルキ:「あら。」
ヘル・クロタリアス:「優しかったらこんなひどい事しないだろうし」
七星ミルキ:「根本的な話で反論が難しいところだ……!」
ヘル・クロタリアス:「でも、わたし達を兵器にして派閥に売り込む――みたいな、本末転倒なことまでして」
ヘル・クロタリアス:「この学区を存続させて、研究を続けようとしたのって」
ヘル・クロタリアス:「最初の理想とか、わたし達のこととかが本当にどうでも良かったなら、やらないことだっただろうな~って」
七星ミルキ:「…………なるほどなぁ」
七星ミルキ:〇〇だから、と言い切らないんだなぁと思っている。
七星ミルキ:行動の原理も、理由も、それが変わる理由も一つじゃなく、複数のことは同時に起こるし、いろんな思惑は並列する。
七星ミルキ:(頭のいい人だ)リーダー、として扱われている姿を密かに参考にしようと考える。
七星ミルキ:「これ、学校の話から、個人の雑談になっちゃうんですけど」
ヘル・クロタリアス:「うん」
七星ミルキ:「ヘルさんから見て、シノエ・リュコスさんってどんな生徒でした?」
七星ミルキ:「……外で一度お会いしまして。ゆっくり話す時間も取れなかったもので」
ヘル・クロタリアス:「甘えっ子かな。昔も今もそう」
七星ミルキ:「……甘えっ子?」
ヘル・クロタリアス:「――でも、本当に生き返りなんてあるんだね。わたしも、目覚めてから会って、びっくりしちゃった」
七星ミルキ:「びっくりですよねぇ……」
ヘル・クロタリアス:「昔は、いつも理事会の実験を嫌がって、怖がって……でも、周りのみんなにそう言える子だったから」
ヘル・クロタリアス:「かわいがられてたんだよ。この部屋にもよく来てくれてた」
ヘル・クロタリアス:「今はずっと明るくなって、よく笑って、元気になったけど」
七星ミルキ:「………」自分の出会った姿を重ねながら聞く。
ヘル・クロタリアス:「やっぱり、色んな子達にぺたぺたくっついて、色んなところに連れて行こうとしてる」
ヘル・クロタリアス:「甘え上手だからだよ。そこは変わってないんだ」
七星ミルキ:「…………私も」
七星ミルキ:「ちょっと見せてもらいました。シノエ・リュコスさんが行った場所」
七星ミルキ:「あれ、甘えてるんでしたか」
ヘル・クロタリアス:「……」少し目を細める。
ヘル・クロタリアス:「どうかな」
ヘル・クロタリアス:「シノエのことは、シノエと仲良くなるのが一番だよ。きっと」
七星ミルキ:「………………」横目でヘルの顔を見る。
七星ミルキ:画面の色をそのまま映すような、白い肌。
七星ミルキ:「………私も」
七星ミルキ:「普段ならこういう、探りをいれるとか、あまりしないんですけどねぇ……」
七星ミルキ:「直接会うのが一番ですか、やっぱり」
七星ミルキ:ふう、と諦めたようにため息。
ヘル・クロタリアス:「シノエのこと、怖がってる」画面を見たまま呟く。
七星ミルキ:「む。」
ヘル・クロタリアス:「死んだ人が蘇るのはあり得ないことだから……いや、違うかな……」
ヘル・クロタリアス:「もっと直接的に怖い思いをしたのかな……」
七星ミルキ:「むむむ…」
ヘル・クロタリアス:「蘇りが許せないなら、もうちょっと怒った雰囲気があるよね。ため息を付いて、ためらってるのは……」
ヘル・クロタリアス:「何か辛い目に合わされたか、辛い目に合わせちゃったか」
七星ミルキ:唸りつつもコントローラーをもつ手は正確。
七星ミルキ:珍しく返答に迷っている気配がある。
七星ミルキ:「辛い目、ってわけでもない……ってわけでもなく……」
七星ミルキ:初対面の人に話すことでは、という真っ当なためらいを数度見せつつ。
七星ミルキ:「まぁ、そうですね」
七星ミルキ:例えば、明るくよく笑うようになった、白い少女のように。
七星ミルキ:例えば、憧れていた人が著しく心に異常をきたした、という話だったり。
七星ミルキ:『それ』を経験することで、それまでの自分が変わってしまうほどの体験というのは。
七星ミルキ:「……体験としては怖さ半分、ためらい半分ってところですね」
七星ミルキ:「なので、ちょっとずるい手段で距離の詰め方を考えてました。申し訳ない」
七星ミルキ:「本人と仲良くなるのが一番──うん、その通りです」コントローラーを離してペチペチと頬を叩く。
ヘル・クロタリアス:「わたしからもみんなに言っとくよ。ミルキさんがシノエに会いたがってるって」
七星ミルキ:「う」ぇっ、と発音しそうになった声を強引に戻す。「ん。ありがとう、ヘルちゃん。」
ヘル・クロタリアス:「ふふふふ、それとも会わないようにしたほうがいい?」
七星ミルキ:「ゆ、誘惑するのはやめて~。簡単な道に屈しちゃうから……!」ひぃ、と汗を飛ばす。
ヘル・クロタリアス:「喧嘩しちゃったなら、早いうちに仲直りしたほうがいいよ、絶対」
ヘル・クロタリアス:「やった~~、1位~~」
ヘル・クロタリアス:2位と6倍近くのスコア差で圧勝している。初心者の来客相手だが、全く手を抜いていなかった。
七星ミルキ:「ようやくわかってきたのに終わっちゃった……」スダチちゃんと競り合っていた
三部つゆり:「……だ、大分負けた……」ほぼ最下位を這うようなスコアだった。
エニュオ・デュカキス:「対戦ありがとうございました」中間地点だ
後藤スダチ:「くそ~っ、ゲームとはいえあの長官に勝てたのに……!」
三部つゆり:「と…ともあれ。私からいいですか?」何とか立て直す。
ヘル・クロタリアス:「うん!いいよ。ゲームじゃなくて映画にしようか……」モニタを切り替える。
GM:かなり過激な恋愛映画の途中から再生が始まる。
ヘル・クロタリアス:「……おっと」
三部つゆり:「だ、大分すごい奴見てるんですね……」
ヘル・クロタリアス:入力を切り替える。
三部つゆり:「こほん。私のやつは質問したい、というよりある種のお願いなのですが…」
三部つゆり:「まず、ジウォンさんからカナートスにも堕天病患者の方がいると聞きました」
ヘル・クロタリアス:「そうだね。堕天病が確認された初期は、カナートスが対策機関の一つだったから」
三部つゆり:「そんな歴史が。…ともあれ、現在のラス・ヴィダス学区では堕天病の治療方法が発見されています。そして、それに特殊な物品や工程が必要なので」
三部つゆり:「そうした条件なども含めて、堕天病治療の為協力をお願いできますか、という事なんですけれど…」
ヘル・クロタリアス:「治療法が!?」今までで一番感情を動かした。
ヘル・クロタリアス:「本当に!?治るんだね!?」
三部つゆり:「ええ」
ヘル・クロタリアス:ベッドに手を突いて身を乗り出す。
ヘル・クロタリアス:「そっか……!そうなんだ……!」
ヘル・クロタリアス:「よかったあ…………」
三部つゆり:「といっても、本当に特異な遺産を用いたり、患者の思考を最も大きく占めている相手の血液が必要だったり、工程が傍から見るとヘンテコだったりはするんですけど…」
三部つゆり:「……うん、治療の目途が立ったんです。だから、治すために、ご協力願えればと」
ヘル・クロタリアス:「そんなの、こっちからお願いしたいくらいだよ!ありがとう!」つゆりの手を握る。
三部つゆり:淡く笑っている。そうして喜ぶ人を見るのは、自分がその治療法を広める役に立ったという事も合わせて、嬉しいことだった。
三部つゆり:「あ、いえ。寧ろ、お知らせするのが遅れてしまって…」少し恐縮している。
三部つゆり:「関係者用の資料もあるので、お渡しします」分厚い鞄からホチキス止めのインクジェット紙数枚を取り出し、渡す。
ヘル・クロタリアス:「預かっておこうかな。まあわたしはただの患者なんだけど……」
ヘル・クロタリアス:「医師のみんなには行き届くようにしておくから、任せておいて」
三部つゆり:「お願いします」深く頭を下げる。
七星ミルキ:「ヘルちゃん、皆がリーダーっていうのもわかるかも」
七星ミルキ:「流れで私も相談しちゃったし、安心するよね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ぱりぱりっとしてるわよね!」
ヘル・クロタリアス:「ええ~、もう、持ち上げたって何も出ないよう」頬を押さえる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジウォンちゃんともまた違っていて……メリハリだわ!かっこいい!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ようやく残骸を片付けてちょこんと椅子に座っている。
エニュオ・デュカキス:「……では私からも、ひとつよろしいでしょうか」
ヘル・クロタリアス:「どうぞ。わたしは101号のヘル・クロタリアスです」お辞儀をする。
ヘル・クロタリアス:「……って、ベッドの名札見れば言われなくてもわかるよね!あっはっは」
エニュオ・デュカキス:「そういえば言いそびれてしまいました、失礼を。ジェネシスにて特許庁を預かっているエニュオと申します」
ヘル・クロタリアス:「ふんふん、ジェネシスの……」
エニュオ・デュカキス:喋り方が砕けている。これも先生と皆のお陰か──
エニュオ・デュカキス:「生徒に関する見識は皆さんの質問で多少なりとも理解が進みました。そこで私としては、ひとつ生徒ではないことについて」
エニュオ・デュカキス:「貴方が目を覚ましてそれほど時間は経っていませんが。……死神先生について、どう考えているかを」
ヘル・クロタリアス:「死神?」まばたきをする。
ヘル・クロタリアス:本気で何も知らない反応のように見える。まだ接触してもいないのだろう。
エニュオ・デュカキス:(ふむ)どうやら本当に目を覚まして間もないと
エニュオ・デュカキス:「いえ。貴方が寝ている間に、ここの生徒の“手助け”をしていたものがあり」
エニュオ・デュカキス:「もし存じていればと聞いてみたのです」
ヘル・クロタリアス:「ふーん……その人を追ってきた?」
エニュオ・デュカキス:「……そうとも言えますか」
エニュオ・デュカキス:「私がここに来た理由は、確かに彼ではあります」
ヘル・クロタリアス:「ごめん。それは知らなかったな……どういう人?」
エニュオ・デュカキス:「口が上手い、見た目が奇抜で一度見たら忘れられない姿なのがわかりやすいですが」
エニュオ・デュカキス:あの相手をどう捉えている、自分の中での整理も兼ねるような思考
エニュオ・デュカキス:「悪く言えば上から見下ろして来る上位者のようで。少し見方を変えるなら」
エニュオ・デュカキス:「足掻く者に付き添う支援者でもある」
ヘル・クロタリアス:「……『彼』って表現しているってことは、理事会エージェントの生き残りなのかな」指を唇に当てる。
ヘル・クロタリアス:「それで、目立つ見た目をしていて、力で押さえつけるんじゃなくて、生徒を話術でコントロールするタイプ」
ヘル・クロタリアス:「ごめんね、わたしが聞いてなかった分野の話だったから」
ヘル・クロタリアス:「理事会を追い出したっていっても、まだまだ大変だよねえ」
エニュオ・デュカキス:「いいえ。こちらこそ不安になるようなことを、こんな時に問うのはどうかと思いますが」
エニュオ・デュカキス:「生憎、皆さんとは多少異なる理由で同行をさせて頂いているので。申し訳ありません」
後藤スダチ:「あの、長官……」ひそひそと囁く。
後藤スダチ:「もしかしてヘルさん、"死神"を実体のあるエージェントだと思ってませんか」
後藤スダチ:「八月革命以降のことを推測でしか知らないっぽいですし……」
エニュオ・デュカキス:「……なるほど。ありがとうございます」小声で返す。ジェネシスにいると物理的に他人と会うこと自体がほぼなくなる時期もあるせいか、感覚がズレる
エニュオ・デュカキス:「クロタリアスさんに訂正するなら理事会の人間というより……物理的な存在ですらないので、もしお会いになる際はお気をつけて」
後藤スダチ:「電子領域に出没する人格プログラムなんです」
後藤スダチ:「見た目が奇抜っていうのも、その、アバターデータとして墓石頭を投影してるだけで……」
ヘル・クロタリアス:「ええ……面白い。会ってみたくなっちゃった……」
エニュオ・デュカキス:「一席設けてくれるかもしれませんね」
エニュオ・デュカキス:「同じ噺だけなのは如何なものかと思いますが」
ヘル・クロタリアス:「具体的にはどういう点に注意した方がいいの?」
エニュオ・デュカキス:「いきなり現れることは多いですね。伝えた通りプログラムですので」
エニュオ・デュカキス:「それも含めて……彼は支援者とも言いましたが」
エニュオ・デュカキス:「正しくAIである以上、己の定めた目的を違えない」
エニュオ・デュカキス:「結果を観測するために彼は在る。そこはやはり、人間とは異なります」
エニュオ・デュカキス:……これもどこかで聞いているのだろうとは思うが。今更だ
ヘル・クロタリアス:「つまり」
ヘル・クロタリアス:「はじめから自分の目的を達成するために、支援という形で生徒を協力させている」目を閉じて、本を読むように呟く。
ヘル・クロタリアス:「そうせざるを得ないのは、自分自身が電子領域の存在で、現実世界に干渉する手足を持っていないから」
ヘル・クロタリアス:「エニュオさんが"死神"の脅威度や敵対度について濁すような表現しかできないのは」
ヘル・クロタリアス:「人間に近い人格を備えたAIが導き出した結論は、正義とも悪とも断言できないから」
ヘル・クロタリアス:「『お気をつけて』というのは、だから、私やカナートスの皆が、自分の判断能力を"死神"に簡単に預けることのないように」
ヘル・クロタリアス:「一方でその協力関係が、本当にカナートス生徒自身の望みなら……という迷いもある……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「す、すごすぎる」
サマンサ・シュヴァイゲル:「こっちが言いたいコト、全部先に言われちゃうわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だからゲームも強いのかしら……!ほえぇ~」
サマンサ・シュヴァイゲル:口をあんぐり開けて感心している
七星ミルキ:「一を聞いて十を知るって感じですね」小さく拍手。
三部つゆり:(なんというか、言語化が上手い人だな……)感心している。
エニュオ・デュカキス:吐息
エニュオ・デュカキス:「助かります。断言を避けてしまうような説明は、良し悪しが分かれますが」
エニュオ・デュカキス:「“立場の違い”が明確な対立となっている以外に、口を差し込むべきかは悩む相手です」
ヘル・クロタリアス:「的外れじゃないみたいでよかった~」ぱっと笑顔を浮かべる。
ヘル・クロタリアス:「こういうのが趣味なんだけど、思いっきり外してることもたくさんあるから」声を潜める。
ヘル・クロタリアス:「漫画でも小説でも、昔から探偵ものが好きで……」
ヘル・クロタリアス:「……」
ヘル・クロタリアス:ふと、部屋の隅の固定端末を見る。
サマンサ・シュヴァイゲル:「得意なことが、好きなことでもあるのね!素敵だわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「?」
サマンサ・シュヴァイゲル:そちらに視線を送る
ヘル・クロタリアス:「エニュオさん。"死神"先生は、もうカナートスのネットワークに入り込んでるってことでいいんだよね?」
エニュオ・デュカキス:「はい。既にこちら側でも先程」
ヘル・クロタリアス:「……」
ヘル・クロタリアス:「……わたしの秘密を教えてもいい?」
七星ミルキ:「ヘルちゃんの秘密?」
三部つゆり:「…秘密を?私は構いませんけれど…」他の皆や、周りの様子を見る。
七星ミルキ:「教えてくれるなら私は聞きます」
エニュオ・デュカキス:「……説明を踏まえた状態で伝えられるものであれば」
ヘル・クロタリアス:「さっき会ったばかりだけど、もうわたし達は結構仲良しだと思わない?ゲームも一緒にしたし」
七星ミルキ:「うん。悩み相談もして貰ったし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ど、どんな秘密かしら、なんだかこっちがドキドキしちゃう」
ヘル・クロタリアス:「それに、カナートスのことだって心から考えてくれてる――サマンサ先生は、特にそう思う」
ヘル・クロタリアス:胸に手を当てる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃん……」
ヘル・クロタリアス:「だから、これは誰にも言わないつもりだったけど」
ヘル・クロタリアス:「理事会時代から蓄積されていた、カナートス生の治療法研究と生体記録の履歴が」
ヘル・クロタリアス:「誰かに消去されている」
三部つゆり:眼を見開く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それ、って」
ヘル・クロタリアス:「わたしは"死神"を見たことがないけど、目的のためにはそういうこともやる相手なのかな?……どう思う?」
ヘル・クロタリアス:「みんなには教えられない。そもそもみんな、こういうデータがカナートスに残されてたことだって知らないと思うから」
ヘル・クロタリアス:「理事会がみんないなくなったとしたら、アクセス手段はわたししか知らなくて」
ヘル・クロタリアス:「……わたしは、ずっと昏睡していた。理事会がここを去る時に、機密保持のために削除していっただけかもしれないけど――」
ヘル・クロタリアス:端末をじっと見つめる。
ヘル・クロタリアス:「そんなことをしたら、わたし達が苦しんだ月日は本当に無駄になってしまう」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お墓頭さん、死神先生は」
サマンサ・シュヴァイゲル:「”必死になれ”っていつも言っていたわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だから……みんなが後戻りするための道を無くすために」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そういうことをする、かもしれない」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だけど確かめる方法はハッキリしてる」
サマンサ・シュヴァイゲル:「聞いてみるべきだわ、お墓頭さんに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「嘘は……つかない気がする」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさい!大事な話なのに最後の所あやふやで!」
ヘル・クロタリアス:「ごめんね。本当はわたしがやるべきことのはずなんだけど……」
ヘル・クロタリアス:管が繋がれた片手を上げる。「こうだから」
ヘル・クロタリアス:「カナートスのみんなには、絶対に知られないで」
ヘル・クロタリアス:「あれだけ苦しんで、希望まで奪われるなんて、辛すぎるものね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「1人だけでそんなに大事なことを抱えておくなんて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんだって、とてもつらかったはずだわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……話してくれてありがとう」
サマンサ・シュヴァイゲル:「人によって、その時出来ることと出来ないことがあるなんて当然よ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんの役に立てるタイミングで出会えてよかった」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……みんなのデータを元通りにする方法、がんばって探すから!」
ヘル・クロタリアス:「ありがとう。人に頼るのだけは得意なんだ、わたし」
ヘル・クロタリアス:「みんなも、それぞれの用事があると思いますけど」
ヘル・クロタリアス:「お互いを助けて、頑張ってください」
ヘル・クロタリアス:「ここは外の人が来て楽しいことは、あんまりない学校かもしれないけど……」
ヘル・クロタリアス:「来てくれてありがとう」頭を下げる。
エニュオ・デュカキス:「こちらこそ、お会いできて良かった」
エニュオ・デュカキス:「知るためにここへ来て、貴方とこうして話せたことは幸運です」
七星ミルキ:「こちらこそ、です。ヘルちゃん」
七星ミルキ:「なに、どーんと任せてください」むん、と胸を張る。
七星ミルキ:「人に頼るのは私も得意ですから」
七星ミルキ:「たまには、頼られる側として頑張りますとも」
三部つゆり:「私は本当、そう縁があったわけでもないけれど…あなたたちと遊んで話すのは、楽しかったから」
三部つゆり:「…きっと、もっといっぱいの人が来るようになります。その時が来るよう、頑張るつもりです」最後だけ、小さく笑う。
GM:ヘル・クロタリアスの口利きで、カナートス臨床医学研究院内を自由に行動できるようになりました。
GM:今回はカナートス内の探索と、入院生徒との交流によってクライマックス戦闘で受けるペナルティが増減します。
130号室 〈知識〉難易度12 エネミー増援阻止
203号室 〈回避〉難易度7 エネミー増援阻止
225号室 〈知識〉難易度10 戦闘ペナルティ阻止
304号室 【肉体】難易度7 エネミー増援阻止
320号室 【肉体】難易度9 エフェクト支援阻止
409号室 〈交渉〉難易度6 エネミー増援阻止
417号室 無人(判定なし) 購入判定獲得
GM:立ち入ることができる部屋は以上の通り。使用できる手番はこのシーンと次のシーンのそれぞれ一巡ずつです。
GM:そして、カナートス内を行動する限り、決してノーリスクではありません。
GM:部屋を移動する際には1d10を振っていただき、1が出た場合はシノエ・リュコスと遭遇します。
GM:シノエにはまだ戦意があるわけではないので、戦闘になることはありませんが……
GM:即座に2d10点のダメージと、2d10点の侵蝕上昇を受けることになります。
七星ミルキ:ヒィッ
サマンサ・シュヴァイゲル:こわすぎ
サマンサ・シュヴァイゲル:FOEなんだ…!
エニュオ・デュカキス:即座に
三部つゆり:ヤバすぎる メモも作りました
GM:遭遇初回は遭遇ロールもやってもらいます。二回目以降は様子を見つつ希望者がいれば描写しましょう。
エニュオ・デュカキス:メモありがとうございます
七星ミルキ:メモありがと~
七星ミルキ:遭遇理解です!
GM:では皆さんそれぞれ訪問する病室を選んでね
GM:今回もロールは二人組でやっていきましょう。
GM:つまり一緒にいたい相手を選んで、それぞれが成功した病室を一緒に回る感じですね
サマンサ・シュヴァイゲル:はえーなるほど
七星ミルキ:なるほどね!
サマンサ・シュヴァイゲル:うおおおお!まずは203号室へ突撃!
サマンサ・シュヴァイゲル:回避ふりまーす
サマンサ・シュヴァイゲル:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[1,2,2,6,10]+1[1]+1 → 12
サマンサ・シュヴァイゲル:よっしゃよっしゃ
七星ミルキ:パワー!
三部つゆり:つよい。
GM:やるじゃん
エニュオ・デュカキス:先生が張り切っている
七星ミルキ:続いて304号室 【肉体】難易度7 エネミー増援阻止 これを!
サマンサ・シュヴァイゲル:んでもってこっからは部屋移動があるから
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10だよね
GM:部屋移動はそうですね
サマンサ・シュヴァイゲル:怖いな~
GM:判定後にまとめて振ってもらいましょう
七星ミルキ:ヒィー
七星ミルキ:了解です
サマンサ・シュヴァイゲル:なほなほ
サマンサ・シュヴァイゲル:じゃあどんどんいけ!
七星ミルキ:ウッス!
エニュオ・デュカキス:次鋒七星さん
七星ミルキ:ところでジェネシフトって出来ますか?
GM:ちなみに判定失敗しても遭遇判定はしてもらいますからね
GM:いいですよ!
七星ミルキ:ダイスボーナスがほしい!では1D10でジェネシフト!
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(57 → 59)
七星ミルキ:ほしいつってんだろ!!
七星ミルキ:すみません 健康な肉体で判定します
七星ミルキ:2d10>=7
DoubleCross : (2D10>=7) → 14[7,7] → 14 → 成功
七星ミルキ:ん!?
七星ミルキ:間違えた
GM:でも成功してますね
七星ミルキ:出目は7です!
エニュオ・デュカキス:一応出目は通った
七星ミルキ:ラッキーセブン!
三部つゆり:すごい
七星ミルキ:七星ですからね
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃあ!
エニュオ・デュカキス:では三番手で409を
エニュオ・デュカキス:念を入れて《援護の風》で+3D。AIDAで+3Dの
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(51 → 53)
エニュオ・デュカキス:10dx+1>=6
DoubleCross : (10DX10+1>=6) → 10[1,1,2,3,3,4,7,7,7,10]+6[6]+1 → 17 → 成功
サマンサ・シュヴァイゲル:つよい!
サマンサ・シュヴァイゲル:かしこい!
エニュオ・デュカキス:全体的に低かった…怖いが通りました
三部つゆり:続きまして!・130号室 〈知識〉難易度12 エネミー増援阻止にチャレンジします~
三部つゆり:まず、ラッキーメダルブラックを起動して、精神達成値を+1してから、
三部つゆり:コンボ:鳥破《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》にて!
三部つゆり:7dx7+1>=12
DoubleCross : (7DX7+1>=12) → 10[1,1,2,2,2,6,8]+2[2]+1 → 13 → 成功
三部つゆり:あ、あぶねーっ
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を6増加(64 → 70)
エニュオ・デュカキス:ナイス
サマンサ・シュヴァイゲル:perfect
七星ミルキ:オッケオッケ
GM:もう侵蝕が怖め
GM:あら、じゃあみんな成功したってことね
七星ミルキ:的確な動き。さすが暫定合コン委員会です
七星ミルキ:そのようです
GM:では順に遭遇判定も振ってもらいますか 1d10だよ
三部つゆり:いきます
七星ミルキ:1d10 遭遇
DoubleCross : (1D10) → 6
エニュオ・デュカキス:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6
サマンサ・シュヴァイゲル:ホーッ
サマンサ・シュヴァイゲル:部屋を移動するごとにっていうのは
サマンサ・シュヴァイゲル:最初の入室も含みます?
GM:そうです 今は101から各部屋に移動してるというわけなので
サマンサ・シュヴァイゲル:なるほどね
サマンサ・シュヴァイゲル:そういえばそうだ
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10
DoubleCross : (1D10) → 5
サマンサ・シュヴァイゲル:フーっ
三部つゆり:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3
GM:運がいいやつらめ
サマンサ・シュヴァイゲル:全弾回避!
七星ミルキ:カウントダウンみたいになってるが
三部つゆり:よ、よかった
エニュオ・デュカキス:恐怖
サマンサ・シュヴァイゲル:ストーンエッジのはずし率と同じと考えると
サマンサ・シュヴァイゲル:奇跡のようなもんだぜ
GM:じゃあ続いてこのシーンで誰と組みたいか決めてもらおうかな
サマンサ・シュヴァイゲル:天運我らに在り!
GM:自分は判定成功しなかったけど他の人が成功したこの部屋の患者と仲良くしたいみたいなのがあれば積極的に希望するんじゃよ
サマンサ・シュヴァイゲル:じゃあミルキちゃんと130号室に突入!
サマンサ・シュヴァイゲル:違う203号室か
GM:部屋入りの順番はこっちで決めさせてもらうとしよう
七星ミルキ:先生!2階ですよー!
七星ミルキ:はーい
GM:ミルキ組は304号→203号、エニュオ組は409号→130号だ
GM:で、メインをミルキ組、サブをエニュオ組で進めていくよ
カナートス臨床医学研究院 304号室

GM:ヘル・クロタリアスに送り出され、一行はカナートス生徒との交流に赴くことになった。
GM:無論、不穏な要素はいくつもある。院内を移動しているであろうシノエ・リュコスや、電子領域からこちらを見ているであろう"死神"――
GM:だが、カナートスの生徒に直接接触できるのは彼女らだけだ。サマンサ・シュヴァイゲルが語った、生徒達の相互理解を進められる機会は今をおいてない。
GM:最初に辿り着いた304号室は、異様な部屋だった。
GM:暑すぎる。暖房があまりにも強く効きすぎていているのだ。40度近くの気温があるのではないだろうか?
サマンサ・シュヴァイゲル:「ほかほかのお部屋だわ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「寒がりさんなのかしら」
七星ミルキ:「……暑いですね。体を冷やすと良くないとは聞きますけど」
七星ミルキ:上着を脱いで抱えている。じっとりと浮かぶ汗をハンカチで拭った。
GM:部屋の中央のベッドには、シーツの膨らみがあった。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ、いた」
サマンサ・シュヴァイゲル:「おねむさんなのかしら……だとすると、邪魔するのも悪いけど」

レセル・イル・イオフィエル:「ん……サマンサ・シュヴァイゲル先生……?」
レセル・イル・イオフィエル:「ヘルさんから……お話を聞いた、よ……」
レセル・イル・イオフィエル:シーツの中で、生徒が身じろぎをする。衣服を纏っていない。裸だ。
七星ミルキ:「あっ、起きてらっしゃいますね? 私は七星ミルキです」
七星ミルキ:「わ」目を丸くする。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ嬉しいわ!お名前を覚えてくれたのね!」
レセル・イル・イオフィエル:「ごめんなさい……来るって分かっていたのに……」
レセル・イル・イオフィエル:「わたしは、レセル・イル・イオフィエル……」
レセル・イル・イオフィエル:長い銀髪の、儚げな印象の生徒である。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、職員室のサマンサよ!よろしくね、レセルちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:こちらもヘルから名前は聞いている。
レセル・イル・イオフィエル:「やっぱり服……着たほうがいいよね…………」
七星ミルキ:「レセルさんですね。ええと、無理せず、楽な姿勢で大丈夫ですよ?」
レセル・イル・イオフィエル:「個室の中だと、ね……。いつも、すごく暑いから……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……暑いのが、苦手なのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:それは、だとしてもこうせざるを得ない体質であるということで。
七星ミルキ:「じゃあ、この気温は暖房ではなく……」
七星ミルキ:「レセルさん由来の温度でしょうか」サラマンダー能力?と推察する。
レセル・イル・イオフィエル:「ううん」
レセル・イル・イオフィエル:「暖房をかけていなきゃいけないのは、そうしないと……ね。わたしの体がもたないから……」
七星ミルキ:「体が…?」
レセル・イル・イオフィエル:「わたしは、とても冷たいの……。さわると、びっくりさせちゃうかも……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……」
サマンサ・シュヴァイゲル:その手を握ってみる
七星ミルキ:(あ、早い)行場のない手
七星ミルキ:「どうでしょう?」
レセル・イル・イオフィエル:氷嚢を握ったように冷たい。この気温にもかかわらずだ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ひんやりしているわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「びっくりするより、むしろ気持ちいい……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっごめんなさい!いきなりべたべたして!」
レセル・イル・イオフィエル:「そう……?ふふ……よかった……」
レセル・イル・イオフィエル:「先生の手は、すごく大きくて……温かいね……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう?えへへ……そうかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「じゃあ、えっと」照れくさそうに視線を彷徨わせ
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんのも試してみましょうか!」
七星ミルキ:ウンウン、と頷いている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「どうぞ!」
七星ミルキ:「がってんしました!」
サマンサ・シュヴァイゲル:すっと下がる
七星ミルキ:反対の手を握って、両手で包み込む。
レセル・イル・イオフィエル:「ん……」心地よさそうに目を細める。
七星ミルキ:「本当にひんやりしていますね」握った手を頬に当てる。
レセル・イル・イオフィエル:「すべすべの手だね……」
七星ミルキ:「ふふ。ありがとうございます」
七星ミルキ:「色々お手入れもしてるんです」
七星ミルキ:「レセルさんの肌も綺麗ですよ」
レセル・イル・イオフィエル:「……そう……?ありがとう……」
七星ミルキ:「……体を暖房で暖めているんですね」触れた手にわずかに移った体温は、冷たい液体が巡るように溶けていく。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あったかいのが苦手だと、とっても大変だわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「でも、よくなろうと思ってがんばっているのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「レセルちゃんも、周りのみんなも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「立派なことだわ……」
レセル・イル・イオフィエル:「……わたしの症状は……下垂体性気化冷凍症っていうの」
レセル・イル・イオフィエル:「普通の室温だと、体がどんどん冷えて、壊れちゃうんだって…………」
七星ミルキ:「気化というと確か、水分が蒸発する時に温度が奪われるという現象でしたか」
七星ミルキ:「だからガンガンに温めてるんですね。この部屋の中だと平気ですか?」
レセル・イル・イオフィエル:「……ううん」首を振る。
レセル・イル・イオフィエル:「人間って、体深くの温度を、自分の体温だって錯覚しちゃうの」
七星ミルキ:「ほう?」
レセル・イル・イオフィエル:「だからわたしは……本当はすごく寒いはずなのに、普通にしていても暑く感じちゃって、服を脱いじゃう……」
レセル・イル・イオフィエル:「この部屋だって、みんなより暑く思ってるよ……」
レセル・イル・イオフィエル:「でも……必要なの…………わたしのために」
七星ミルキ:「雪山とかで同じ状態になるって聞きますね……」
レセル・イル・イオフィエル:こくりと頷く。それがレセルにとっての日常なのだろう。
七星ミルキ:矛盾脱衣とか呼ばれていた。薄っすらと本で得た知識。
サマンサ・シュヴァイゲル:「……」
サマンサ・シュヴァイゲル:ジッと何かを考えこんでいたが
サマンサ・シュヴァイゲル:ふと顔をあげ
サマンサ・シュヴァイゲル:「レセルちゃん、お魚好きかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「食べる方じゃなくて……あ、先生は食べる方も好きなんだけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そっちじゃなくて……あとお花ね!お花はどうかしら!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:話があっちこっちしている。要領をえない。
レセル・イル・イオフィエル:「……?」こくり、と小動物めいて首を傾げた。
サマンサ・シュヴァイゲル:「このお部屋」
サマンサ・シュヴァイゲル:「熱帯魚が飼えるわ!」神妙な顔。
レセル・イル・イオフィエル:「……!」口元を手で押さえる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「前にアップルシードの子におすすめされて、キラキラのお魚さん!いっぱい、色んな種類がいるの!」
七星ミルキ:「ペットショップの水槽でキラキラしている子たちですね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう!あと、色んな暖かいところで咲く花のことも聞いたわ」
レセル・イル・イオフィエル:「ふふ……素敵……。きらきらしたお魚さん、見てみたいな………」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そういう子たちの面倒を見て、観察してくれる人のこと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「探しているんだって言ってたわ……先生ガサツだから自信なくて保留しちゃったけど」
七星ミルキ:「ふふ。じゃあ、環境もぴったりですね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうなの!レセルちゃんはそれにぴったり!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お魚さんとお花で、キラキラしたお部屋、きっと素敵だわ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どうかしら、それってどうかしら!」
レセル・イル・イオフィエル:「普通のお花も……わたしの部屋だと枯れちゃって、悲しいなって思ってたけれど……」
レセル・イル・イオフィエル:「この部屋で育てられるお花があったら、とても嬉しいわ…………」笑う。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、ええ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生、アップルシードの子たちに話してみるわね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「きっと喜ぶわ……ふふ!」自分のことのように嬉しそう。
七星ミルキ:「私も委員の子に聞いてみますね。温かい所出身の子もいるかもしれませんし」
レセル・イル・イオフィエル:「先生……!」サマンサの体に抱きつく。ひんやりとした素肌が全身に密着する。
サマンサ・シュヴァイゲル:「わっ、どうしたの、レセルちゃん!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「気分が悪い!?な、ナースコール!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:わたわたしている
七星ミルキ:「だ、大丈夫です。倒れたわけではないかと……多分!」
レセル・イル・イオフィエル:「ふふふふふ……ごめんなさい、うれしくて………」
レセル・イル・イオフィエル:「あ……」
レセル・イル・イオフィエル:「いやな思いをさせちゃった……?わたし、すごく冷たいから……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そんなことないわ!むしろ先生体温高いから!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「イヤな夢とか見たときすっごく汗かくし、寝るときレセルちゃんが隣にいてほしいくらい!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あ、それはイヤよね!ごめんなさい!汗っかきでほかほかの女が横にいたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「レセルちゃんが寝られないわよね!申し訳ないわ!」
レセル・イル・イオフィエル:「ううん……わたし、暑がりだけど、人が温かいのは好きなの………」
レセル・イル・イオフィエル:「今度から……先生のお布団に入ろうかな………?」裸で密着したまま囁く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「わーっ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「体温高くてよかったわ!いつでもどんとこいよ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:何やらズレた会話を明後日の方向に進めている。
七星ミルキ:「………」(お互いの体温をカバーですか)
七星ミルキ:「なるほどー。そういう解決方法があるんですねえ」感心している。
サマンサ・シュヴァイゲル:「なんだかレセルちゃんと話してると、楽しくなってきちゃったわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ありがとう、レセルちゃん!」
七星ミルキ:「私もちょっと緊張してたんですけど」
七星ミルキ:「レセルさんとお話できて良かったです!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、もっとこう」
サマンサ・シュヴァイゲル:「怒られて、追い出されるかと思っちゃった……やっぱり、頭の中で考えてるだけじゃダメね」
レセル・イル・イオフィエル:「わたしも……」
レセル・イル・イオフィエル:「……優しい人がきてくれて、よかった……」
レセル・イル・イオフィエル:「次にお外に出る時は……お魚とお花を、持って帰ってくるわ………」
レセル・イル・イオフィエル:「これから先も……他のお客さんが来たときも、寂しくないお部屋を見せたいから………」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、レセルちゃんの新しいお友達のこと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生たちに紹介してね、きっと楽しいわ!」
七星ミルキ:「良いですね、お部屋を飾ると楽しくなりますものね」
七星ミルキ:「あっ、もしメサイアに来たら、合コン委員会を訪ねてみてくださいね」
七星ミルキ:「お店とかも案内しちゃいますよっ」
レセル・イル・イオフィエル:「うん……よろしく……ね……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あッ」
七星ミルキ:「はいっ、よろしくお願いします」抱き合う二人に混ざるように後ろから抱きついて挟み込む。
七星ミルキ:「? 先生?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんと段取りしてもらってた次の時間が」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もう、過ぎてる!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「リラックスしすぎたわ!!」
七星ミルキ:「…………」
七星ミルキ:「はっ……!」
レセル・イル・イオフィエル:「あ……ごめんなさい……話しすぎちゃったね……」
レセル・イル・イオフィエル:「ふふ……」
七星ミルキ:「しまった、アラームをポケットに入れっぱなしだった!気づかなくてすみません!」脱いだ上着がバイブレーションしている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「行きましょうミルキちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「また来るわ!レセルちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ドタドタと部屋を出ていこうとして
七星ミルキ:はいっ!とサマンサに続いて小柄なシルエットが一体化する。
サマンサ・シュヴァイゲル:ふと、扉の前で振り返り
サマンサ・シュヴァイゲル:「最初、手を握った時」
サマンサ・シュヴァイゲル:「怖がらないでくれてありがとう」
レセル・イル・イオフィエル:にっこりと微笑む。
サマンサ・シュヴァイゲル:それに肩越しで頷き返して、
サマンサ・シュヴァイゲル:部屋を出ていく。
七星ミルキ:「では、失礼しますレセルさん」ペコリ、と頭を下げる。
七星ミルキ:「………」扉を出ようとした時にもう一度振り返って。
七星ミルキ:「また来ますねっ」
七星ミルキ:「……先生、待ってください~!」フェードアウト。
カナートス臨床医学研究院 409号室

GM:ウノ・ワイルゴッドへの接触と聞き込み。三部つゆりの目的は、そのまま待つだけで達成できることだ。
GM:そしてエニュオ・デュカキスとしても、"死神"の前で隙を晒すことは極力避けたかったに違いない。
GM:それでも二人は、こうしてカナートス生徒との交流へと向かった。サマンサ・シュヴァイゲルの熱に当てられたからだろうか。
GM:ともあれ、カナートスの患者の大半は敵意や悪意を抱いているわけではないのだ。互いを知ることは、悪い結果にはならないだろう。
エニュオ・デュカキス:「先生がまた備品を壊さなければよいですが……」
三部つゆり:「色々ある方なのは見ましたけど、そこまでなんですか…」
エニュオ・デュカキス:「ラス・ヴィダスを無手で歩き回って平気な方くらいは思います」
三部つゆり:「緑蘭先生とほぼ同じ……!?」
エニュオ・デュカキス:「ただ、誰かに寄り添えるという意味では。あの人ほど“先生”に向いている方もいらっしゃらないかもしれません」
エニュオ・デュカキス:「だから私達も、こうしている。そんなところがあります」
三部つゆり:「……それはまあ、確かにそうかもしれません」苦笑気味に。

ヘイズ・ブラックモア:「やあ。君達がカナートスの来客?」
ヘイズ・ブラックモア:ごく普通に、個室内の椅子に座っていた。雑談しながら通りかかった二人を呼び止める。
三部つゆり:「あ、話込んでいてすみません。お邪魔させて頂いてます、三部つゆりと申します」一礼。
ヘイズ・ブラックモア:「ヘルから聞いたよ。三部さんのほうはラス・ヴィダスの生徒なんだってね……」
ヘイズ・ブラックモア:「ウチはヘイズ・ブラックモア。カナートスの医者だ」
ヘイズ・ブラックモア:片側の前髪が長い。やや長身の生徒である。
エニュオ・デュカキス:「エニュオ・デュカキスです。はじめまして」
ヘイズ・ブラックモア:「どうもどうも。遠慮なく座って」
ヘイズ・ブラックモア:椅子を差し出す。
ヘイズ・ブラックモア:「今はちょうどコーヒー休憩だったんだ」
三部つゆり:「ありがとうございます」ささっと座る。「またこう、お忙しい合間にすみません」
ヘイズ・ブラックモア:テーブルの上には、言葉通り、淹れたてのコーヒーが入ったマグカップがある。
エニュオ・デュカキス:素直に座る
ヘイズ・ブラックモア:「待ってね。今……ズズーッ」
ヘイズ・ブラックモア:そのマグカップを、なぜか介護オートマタに持たせて飲んでいる。
ヘイズ・ブラックモア:「新しいのを入れさせるから。インスタントコーヒーでいいかな?」
三部つゆり:「あ、はい。色々としてもらっちゃって……」
エニュオ・デュカキス:「お気遣い感謝します」
ヘイズ・ブラックモア:「もしよければ、根掘り葉掘り聞いちゃっていいかな?二人はどんな用でこんな学校に来たの?」
介護オートマタ:会話の途中でも構わず介護ドローンがマグカップを二人の口元に押し付けようとする。
ヘイズ・ブラックモア:「あ、ごめん。飲まないと止まんないんだよねそれ」
三部つゆり:「わわ、自分で飲めるので…」なんとかオートマタからカップを取ろうとして上手くいかないので飲む。
エニュオ・デュカキス:「発想はいいのですが惜しいですね」ずずー。素直に飲む
ヘイズ・ブラックモア:「えーと、用件の話をしたかったんだったな」
三部つゆり:「こふっ、ええと…私は、ラス・ヴィダスの方からこちらのウノさんという方が帰られて、けふっ……それと、此方に堕天病の患者がいらっしゃるなら、治療法が出来た事をお伝えしたくて」
三部つゆり:何とか飲みつつ合間に応える。
ヘイズ・ブラックモア:「ああ、堕天病の治療法のことなら一足早く聞いてる。ヘルからもさっき回ってきたよ」
ヘイズ・ブラックモア:「カナートスにとっては久しぶりのいいニュースだ……」
三部つゆり:「さっき資料渡したばっかりなのに…お早い…!ちょっとうちの学区の8割が感染してるせいですぐに、とはいかないんですけど、治療できるなら…こほっ」肺に入った。
三部つゆり:かふけほっ、と咳込みつつ何とか全部飲んだ。
ヘイズ・ブラックモア:「いや、実は資料が回ってくる前に、ウチら医師の間では共有されてたんだ」
ヘイズ・ブラックモア:「ラス・ヴィダスから帰ってきた生徒がいてね」
ヘイズ・ブラックモア:「治療法の話は真っ先に教えてくれた」
ヘイズ・ブラックモア:「退院できる子も多いんじゃないかな。他の特異症例と合併症になってる子も、堕天病のぶんの苦しみがなくなるなら本当に嬉しいって言ってるよ」
三部つゆり:「そ、そうだったんですか。すみません…本当なら、もっと早くこっちから連絡するべきだったんですけど、お役に立てるなら…良かったです」
三部つゆり:「色々と特殊…というか、遺産が必要だったり、思考の多くを占めてる相手の血液が5ミリほど必要だったりって面倒なので、お手数を掛けるんですが、宜しくお願いします」
三部つゆり:「あ、エニュオさんお待たせしてしまってすみません…!話込んじゃって」
エニュオ・デュカキス:「いいえ。堕天病については我々も関わることですから」
エニュオ・デュカキス:「どうにもオフィスへ届く報告で済ませてしまうので、こうして話を聞けるのは有意義です」
介護オートマタ:介護オートマタが二口目のコーヒーを口に押し付けようとする。
ヘイズ・ブラックモア:「ごめん、完全にウチ用のチューンなんだよねこれ」
ヘイズ・ブラックモア:「来客なんて全然想定してなかったからさあ」
三部つゆり:「いえいえこっちこそお世話に…うぎゃーっ、ごぼごぼっ」
エニュオ・デュカキス:「カフェインの取りすぎでは」ぐびー
エニュオ・デュカキス:「ともあれ。私の理由はごく個人的ではあります」
エニュオ・デュカキス:「カナートスという場を知る意義は抱えていましたが──その切っ掛けは彼の呼びかけでもありましたから」
エニュオ・デュカキス:「死神先生。彼とは相応に因縁もありまして」
ヘイズ・ブラックモア:「"死神"先生のことを……」
ヘイズ・ブラックモア:「……知ってるのかい」ヘイズは椅子に座ったままだが
ヘイズ・ブラックモア:わずかに重心の位置が変化したことを感じるだろう。ただの医師ではない。戦闘慣れしている。
エニュオ・デュカキス:「はい。……立場としては対立している形ですが」
エニュオ・デュカキス:「彼はその在り方から無駄なことはせず、誘導はしても嘘は吐かない」
エニュオ・デュカキス:「その上で私に忠告を与えた。その意味を確かめるためにこうして三部さんや七星さんに同行させて頂いています」
ヘイズ・ブラックモア:「あまり要領を得ないな。ウチらに何か要求がある……ってことじゃあないの?」
エニュオ・デュカキス:「……カナートスの生徒は過去に幾度かジェネシス、メサイア各地への介入を行い。混乱はあれど我々はそれを鎮圧してきました」
エニュオ・デュカキス:「それを踏まえて彼は、『次はカナートスが必ず勝つ』。そう伝えてきた」
ヘイズ・ブラックモア:「……。へえ」
ヘイズ・ブラックモア:「つまりエニュオさんは、ウチらが何らかの悪事を密かに計画してると疑ってて――」
ヘイズ・ブラックモア:「それが成就しないか見張りに来てるってわけだ」
エニュオ・デュカキス:「それが悪事なのかどうか、という点もまだ私には判断をつけられません」
エニュオ・デュカキス:「私はカナートスに関わってきましたが、結局のところ貴方方のことを知っていると言うことはできない」
ヘイズ・ブラックモア:「いや、いい目の付け所だと思うよ……特にウチに話を聞きに来たのは」
ヘイズ・ブラックモア:「キングダムで大量殺人――いや傷害をやらかしてるからね、ウチは」
ヘイズ・ブラックモア:「だから容疑を被る謂れはある。ただ……これも正直な話だけど」
ヘイズ・ブラックモア:「ウチらが『ここから勝つ』ってのは、よくわからないな」
三部つゆり:「…よく分からない…、というと…カナートス全体としての勝利、というのがはっきりとあるわけじゃない…ってコトです?」ずっと咳込んで静かにじたばたしていた。
ヘイズ・ブラックモア:「そう。だってウチらに、病気が治る以上の勝利なんてないだろ?」
ヘイズ・ブラックモア:「その上、みんな千差万別の症状で入院してるんだ」
ヘイズ・ブラックモア:「ただ、そうか――三部さんの話で気付いたが、今回の件で『勝った』子はいただろうな」
ヘイズ・ブラックモア:「堕天病で入院していた子達だ。それくらいは素直に喜んでいいだろ?エニュオさん」
エニュオ・デュカキス:「はい」
エニュオ・デュカキス:「私も、別に敵対するために。見張るためにここへ来たつもりもありません」
エニュオ・デュカキス:「知らねばならない。聞いて、感じたことを考え、答えを出すためにいます」
ヘイズ・ブラックモア:「分かってくれたようでうれしいよ」重心を戻す。
三部つゆり:その様子に、下げていた眉尻を戻す。
ヘイズ・ブラックモア:「それで、むぐぐ……」オートマタにコーヒーを差し出される。自分の両手は全く使っていない。
ヘイズ・ブラックモア:「ジェネシスとラス・ヴィダスは、これからどうするつもり?」
三部つゆり:「どうする…といいますと。うちは先ずなにより堕天病患者の治療の目途を付けるのと、復興しないとどうしようもない…って感じですが」
ヘイズ・ブラックモア:「それなら、ウチの医師を派遣できるかもしれない。堕天病の介護経験が豊富な医師だし、今回で病床が空いたら余裕もできる」
ヘイズ・ブラックモア:「患者が減っても仕事が楽にならないわけだから、ウチの立場としては正直辛いんだが……」
ヘイズ・ブラックモア:「堕天病で苦しんでる生徒がいるなら、他人事じゃない。他の医師もそう言うと思うよ」
三部つゆり:「えっ…良いんですか!本当人手が足りてないので歓迎されると思います!酷使もされちゃいそうでそこは申し訳ないんですが…!」真っ当な医療従事者は本当に喉から手が出るほどほしい。
エニュオ・デュカキス:「良い話ですね。こちらのドローンの改善案も出せると思います」
ヘイズ・ブラックモア:「あくまで一案だけどね。最終的には個人の希望で決まることだし――」
ヘイズ・ブラックモア:「もし誰かがラス・ヴィダスに行く時は、面倒見てやってよ」
三部つゆり:「はい!学区生徒会の皆も歓迎しますよ!」静かな表情が多い中で、本当に嬉しそうな表情と笑みだった。
エニュオ・デュカキス:「その折には私も噛ませて頂きたいですね」
エニュオ・デュカキス:「医療機具に関する蓄積はこと武装の類より研究者も多少限られますので、意見も欲しいところです」
ヘイズ・ブラックモア:「嬉しいね。ジェネシスとは、よければプラント設備やオートマタの更新の相談もしたいな……」
ヘイズ・ブラックモア:「小学区の例に漏れず、ウチは自動で自給自足できるようにはなってるけど」
ヘイズ・ブラックモア:「悪化していく症状に対応した薬を製造するには古い設備じゃ限界があるし」
ヘイズ・ブラックモア:「いつか食料プラントが壊れたら学区ごとおしまいだ……そろそろ耐用年数が厳しいって言われてるよ」
三部つゆり:「そ、それはまた大変な……うちも結構な被害が色んなとこで出たんで、お返しとか支援もそうすぐできないんですが」出来たらよかったのにという表情。
エニュオ・デュカキス:「よければ……いえ、やめておきましょうか」
エニュオ・デュカキス:「うちの金融担当は少々、クセが強いので」
三部つゆり:「そんなに」
エニュオ・デュカキス:「有能な人材なのは確かなので、それでもと背中と腹部を変えなければいけない時にはどうぞ」
ヘイズ・ブラックモア:「ま、色々と考えてくれるだけでもカナートスにとっちゃいい進歩さ……。また会おう」
三部つゆり:「物凄い追い詰めを感じる……!あ、そうですね!ヘイズさんも、ありがとうございました!」
三部つゆり:「ラス・ヴィダスにもし来られたら…そうですね、廃墟巡りスポットが大量にできましたし、案内もしますので!」
エニュオ・デュカキス:「私も失礼を。……それと」
エニュオ・デュカキス:部屋を出ようと立ち上がり。最後に
エニュオ・デュカキス:「カリス・リュシドールの件。様々な言い方はあるかもしれませんが」
エニュオ・デュカキス:「大上さんを通して、貴方のお陰で助かりました。ありがとうございます」
ヘイズ・ブラックモア:「…………」
ヘイズ・ブラックモア:「助かったわけじゃないさ」
ヘイズ・ブラックモア:小さく呟く。
ヘイズ・ブラックモア:「でも、助からなかったわけじゃない。そう信じてみるかな……」
ヘイズ・ブラックモア:コーヒーを飲んだ。
カナートス臨床医学研究院 130号室

GM:二人が次に向かったのは、130号室だ。ここには常に患者が在室しているという。
GM:130号室は他の病室と比べても――相当な重症患者らしいヘルの101号室と比べても、物々しい機器に専有されていた。
GM:生命維持装置、ではないのだろう。十字冠を持つ生徒は、それ自体が何よりも強力な生命維持装置だ。
GM:よってそれらの機器は、生命以外の何らかの要素を繋ぎ止め、安定させ続けるためのものに違いなかった。
GM:その患者には両脚も片目もない。全身には管が繋がれている。
GM:そしてさらに異様なのは、病室の片隅にはケージがあり、一羽の大きな鷹が止まり木に止まっていた。

普賢ハリ:「こんばんは。三部つゆりに、エニュオ・デュカキス」
三部つゆり:「失礼します~…」そーっとあまり音を立てないように入る。影も呼吸を深くし、鎮静させる。エフェクトなどに反応しないように。
三部つゆり:「あれっ?回覧か何か回ってましたか…?あ、こほん。こんばんは」
エニュオ・デュカキス:「……久しいですね、普賢ハリ」
エニュオ・デュカキス:「先程ブラックモア女医にも顔を合わせてきましたが。数少ないカナートスの関係者と再会するとは」
普賢ハリ:「うん。カリス・リュシドールの件では迷惑をかけたかな――」
普賢ハリ:「いや、お互い様か。私も君のせいで、同じくらいは迷惑をかけられた」
普賢ハリ:「恨みがましく言うべきではないけど、L7のことなんて放っておいてくれれば」
普賢ハリ:「……誰も損をせずに済んだ」
エニュオ・デュカキス:「ジェネシスの人間としては個人の判断を優先しすぎたとは思っていますが」
エニュオ・デュカキス:「“損をしないだけ”で、得られるものを失うこととてあります。……あの時に揃った我々はそれを見過ごせなかった」
エニュオ・デュカキス:「……ああすみません、三部さん。話し込んでしまいました」
普賢ハリ:「そうだった、三部つゆり」
普賢ハリ:管に繋がれた両手を合わせる。
普賢ハリ:「以前の事件で、ちょっとした知り合いになってね」
普賢ハリ:「君を置いてけぼりにしてしまったかな……。大事な用があったなら、申し訳ない」
三部つゆり:「な、なるほど…」大分物騒な方で知り合ったようだった。「ああ、いえ…重要な用事、といえばそうなんですが。もうヘルさんや医師をして頂いてる方々にはお伝えしてますので」
三部つゆり:「堕天病の患者…ではない、ですよね?」見た所黒く変じたところなどは見受けられない…ように見える。
普賢ハリ:「堕天病だったらよかったのに」
普賢ハリ:「――なんて思う日が来るとは思っていなかったよ。ふふふふふ……」自分で笑っている。
普賢ハリ:「遺産との契約でね……。どんなエフェクトでも、これ以上軽くできない」
普賢ハリ:「君はどう?三部つゆり。見たところ、君もすごく大変そうだ」
三部つゆり:眉尻を下げている。「遺産の悪性代償…そうですね、私も」髪を摘まむ。
三部つゆり:「良くなる目途は立ってないです。契約代償、という意味だと似てますね」それはポリエステル系の人工毛髪や、人形の髪材に類似した物質だ。
三部つゆり:質感や色感を弄ることはできず、素材色の白がそのままとなっている。
普賢ハリ:「私の攻性症例は、悪性完全照星呪覚という」
普賢ハリ:「名前がついているということは、一応は類例が見つかっているということだ」
普賢ハリ:「悪魔は、私から両脚と片目を奪った。動かなくても全てが見える目を、代わりに与えたから」
三部つゆり:「それが…私の名前も知っていた理由、なんですね」
三部つゆり:「私の場合は、指定された部位を捧げることで一回、権能を借りる事が出来ます」
三部つゆり:「レネゲイドの、古い王様の権限。万象停止の権能ですね。使うと捧げた所が人形にされますけど…」
普賢ハリ:「なるほどね……遺産よりも古い時代の力か。遺産みたいな代償なのに、それらしい道具がないな、って思ったんだ」
三部つゆり:「とにかく終わらないのが特色ですからね、輪廻っていうのは」
普賢ハリ:「元の体に戻りたいと思う?」
普賢ハリ:「私はこの有様だけど……遺産の代償の場合、うまい方法を見つければ、ある程度寛解したり、契約解除ができた例もある」
三部つゆり:「ああ……」遺産の力で、何とかギリギリ落ちずに生き延び続けさせられていた人を知っている。
三部つゆり:「あなたは、優しい人ですね。でも、私は大丈夫です。治すより、優先したい事があって」
普賢ハリ:「優しい?珍しい評価だな……自分でも、あまりそう思ったことはないし」
普賢ハリ:「でも、そういう事を言ってしまえるなら」
普賢ハリ:「幸せな人生なのかもね。喪失と引き換えにできる何かがこの先にあるって、希望を持っている」
三部つゆり:「そうですね、私は幸せな方です。何せ生きていて、自分の意思で動ける」
三部つゆり:「捧げるものすら、時期を図ることができているんですもん」
普賢ハリ:「人生はずっと続く。報われなかったときは辛いよ」
普賢ハリ:「いや……報われた後でもかな?」
三部つゆり:「そうですね……報いそのものにこそ、私はなりたいけれど」
三部つゆり:「その後は……ううん」少し考えこむような仕草だった。
三部つゆり:全然考えていなかった…というより、意図して考えないようにしていた、が正しかった。「全部飲まれて誰かに乗り移る…なんていうのは、ごめんですしねえ」
普賢ハリ:「君は今、何をしたいの?」
三部つゆり:「復讐です」
普賢ハリ:なぜか嬉しそうに笑う。「――いいね」
普賢ハリ:「一番、生きる力が沸いてきそうだ。相手は誰?聞きすぎるのは野次馬が過ぎるかな」
三部つゆり:「好きな人を殺したやつですね。名前も分かってないのが痛いところで」
三部つゆり:「知ってます?初代最高生徒会長都築ソウマを殺した、”誰か”」
普賢ハリ:「初代最高生徒会長?」
普賢ハリ:「そうか……確かに、名前を見たことがあるかも……記録の上ではだけど」
普賢ハリ:「ノドスと共に行方不明、じゃなくて、他殺だと言い切るんだね」
三部つゆり:「ええ。ことソウマさんの件では信用出来る人から教えて貰いまして」
普賢ハリ:「探偵をやっているわけだ。その犯人が――」
普賢ハリ:「まだノヴァリスの中にいると思う?生徒以外のみんなが出ていった、ノヴァリスに」
三部つゆり:「あり得る、と思っています。理事会は排除されても、卒業の為の…ノヴァリスそのものを象る神秘は残っている」
三部つゆり:「ノドスを放逐するほどの事件を起こした”何者か”なら…そうしたものを深く知悉して、それに執着がある可能性はある、と」
普賢ハリ:「ノドス放逐の犯人も同じだって……ふふ、少なくとも君は考えてるわけだ」
普賢ハリ:「そうだとしたら……私達にとっては、すごく優しい話かもね」
三部つゆり:「優しい…、ああ」
三部つゆり:一瞬激しかけて、すぐに鎮静する。
三部つゆり:「”悪者”がいるわけですから…なるほど」
普賢ハリ:「災害や災厄に『犯人』がいてくれることなんて、普通は望んだって得られない」
普賢ハリ:「私のこれや、君のこれだって、誰か悪者のせいでそうなっているわけじゃない。……そうでしょう?」
三部つゆり:「全くもって、言われた通りです」苦笑して。
三部つゆり:「敢えて言うなら、契約先がそうなのかもしれませんが……」そうだとは思っていない口調だった。
普賢ハリ:「じゃあ、せっかくの来客だ。私も何か普段できない相談をさせてもらおうかな――」
普賢ハリ:「メサイアで、何か悪いことをしたいと思ってる」
三部つゆり:「なるほど?」手を組んで、口元を隠す。どこか楽しそうな。
普賢ハリ:「私は全部を見通せる目と、そうして知覚した座標を入れ替える干渉ができる」
普賢ハリ:「何か、いい犯罪のアイデアがないかなって、ずっと思ってる」
普賢ハリ:「トランペッターが追える程度に明るみに出て、簡単には解決できない」
普賢ハリ:「取り返しのつかない被害ではない、楽しませるような事件」
三部つゆり:「うーん…そうですねえ…メサイアだと普通の犯罪は幾らでも起きてるので、下手に証拠が残らないと原状回復で一旦忘れられそうになるので…」
普賢ハリ:「そうなんだよね……」困ったように笑う。
普賢ハリ:「私の能力は、大体どんな犯罪でもできる力だと思っていたけど」
普賢ハリ:「犯罪にも独創性が必要みたいだ。メサイアにも快盗部みたいな部活がある理由が、やっとよく分かった」
三部つゆり:「すごいですよね。ああやって自己顕示しないと、碌に犯罪も埋没しちゃうの。うちも大概治安悪いですけど、あそことはちょっと質違うんだよな…」
三部つゆり:「制限は基本無いんですよね?となると、やっぱり注目度が高くて、場所がそう動かない美術品とかが狙い目ですけど…」
普賢ハリ:「――どう思う?エニュオ・デュカキス」
普賢ハリ:「君も一枚噛んでくれるなら、かなり大掛かりなことができそうだと思うけど」
エニュオ・デュカキス:「トランぺッターに顔見知りがいる私に振りますか」
三部つゆり:「はっ……、いや、情報屋時代にも犯罪被害対策のためにホワイトハッカーをしたことがあるだけですからね」嘘だとわかる。結構な相談役をやったことがありそうだ。
普賢ハリ:「たまの息抜きにはいいと思うな。君もオフィサーなら、トランペッターに追われる仕事を一つもしたことがないわけじゃないでしょう」
エニュオ・デュカキス:「企業体が事件を起こして解決するマッチポンプもよく言われますけれど」
エニュオ・デュカキス:「割に合いませんよ。それに」
エニュオ・デュカキス:「追われるようなことになった時点で事は済ませておくのが私の仕事です」
エニュオ・デュカキス:「面白みがないですか?」
三部つゆり:「うーん、企業人のたしなみを感じる……」
普賢ハリ:「確かに。面白みのある犯罪とは対極の人か……」
エニュオ・デュカキス:「そういうのは金融の担当ですので……」
普賢ハリ:「でもエニュオ・デュカキス。君は力を振るうことをもっと楽しむくらいがちょうどよく見えるよ」
普賢ハリ:「オフィサーの会長はもっと遊んでるだろ?」
エニュオ・デュカキス:「……遊ぶのにも才能はいりますから」
普賢ハリ:「そうだね。そこは似た者同士か」
エニュオ・デュカキス:「私なりに自分の楽しみは見つけています。そこでご容赦を」
エニュオ・デュカキス:「これでも、新しく未知のものは好物ですので」
エニュオ・デュカキス:「貴方のよく見える眼が教えてくれるのなら飛びつくかもしれませんよ」
普賢ハリ:「私は、あまりそういうことには期待を持たない方だけど」
普賢ハリ:「いい犯罪が思いついたら、一報を入れるくらいはしようか」
普賢ハリ:「悪かったね。三部つゆり。エニュオ・デュカキス。……話が長くて、自分でも困ってる」
三部つゆり:「いえ。私はとても楽しかったですよ。ハリさんも、そうなら嬉しいです」
普賢ハリ:「これが数少ない娯楽なんだ」
普賢ハリ:口元だけで笑ってみせた。
普賢ハリ:「エニュオ・デュカキスも……嵐城真紅と大上オリエに会ったら、よろしく」
エニュオ・デュカキス:「はい。元気だったと」
エニュオ・デュカキス:「それと、気を付けるようお伝えしておきます」
普賢ハリ:「100点の伝言だ。……ありがとう」目を閉じる。
三部つゆり:「また話したくなったら、いつでもどうぞ」それだけ言って、静かに去る。
カナートス臨床医学研究院 203号室

GM:ミルキとサマンサが次に向かったのは、別の棟の203号室だ。
GM:面会計画はヘル・クロタリアスが立てているらしい。該当の時間には個室に不在の患者や、接触自体が危険な患者もいるのだろう。

GM:先程の病室と比べれば、ごく普通の個室だ。入院している少女も、一見して異常はない。
チェルシー・ミラー:「あー」舌っ足らずな声を発する。
チェルシー・ミラー:「外の先生たちだ。すごーい。初めて見たぁ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室のサマンサです!チェルシー・ミラーちゃんね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「よろしく……どぶぁー!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:びだーん!
七星ミルキ:「メサイアのミルキです。こんにちは」
七星ミルキ:「先生っ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:入室早々足をつんのめらせて盛大にすっころぶ!
サマンサ・シュヴァイゲル:「ご、ごめんなさい」
七星ミルキ:サマンサの巨体が転んだことでミルキの姿が現れる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生気合を入れるといっつもこうなの……!」
チェルシー・ミラー:「あははははは」
七星ミルキ:「さっきの部屋では室温に気を取られてたから平気だったんですね!?」側にかがんで心配する。
サマンサ・シュヴァイゲル:ミルキちゃんに助け起こされて立ち上がる
サマンサ・シュヴァイゲル:鼻の頭が真っ赤だ
サマンサ・シュヴァイゲル:「はッ!ごめんなさい!いきなりどったんばったん騒がしくしちゃって!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「怪しいものではございません!」
サマンサ・シュヴァイゲル:両腕を広げて凶器の類のないことをアピールしている。
七星ミルキ:「そ、そうです。ヘルちゃんから連絡は行ってます、よね?」
七星ミルキ:幅が広がった隣に並ぶと余計に小柄に見える。
チェルシー・ミラー:「えへへへ……面白い人たち……」
七星ミルキ:「あっ好感触……?」
チェルシー・ミラー:間違いなく高学年の生徒だろうが、振る舞いにはやや幼さがある。
チェルシー・ミラー:「メサイアの、ミルキちゃん?」サマンサの傍で屈んだミルキの隣に、並んで屈む。
七星ミルキ:「あ、はい。七星ミルキです。ミルキちゃんって呼んでください」目線を合わせてもらう。
七星ミルキ:「チェルシーさんは起き上がっても大丈夫ですか?」
チェルシー・ミラー:「……」指を加えて、ミルキをじっと見ている。
七星ミルキ:「?」首を徐々にかしげる。
チェルシー・ミラー:正確には、ミルキの顔を見ているのではない。……脚を見ている。
チェルシー・ミラー:「ミルキちゃん」
チェルシー・ミラー:「脚を食べてもいい?」
七星ミルキ:目線が追って下がる。「えっ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「たべっ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「た、食べちゃダメよ!ミルキちゃんの脚は食べちゃダメ!」
七星ミルキ:「た、食べられると困っちゃいます」
チェルシー・ミラー:――ザ ヒュッ!!
チェルシー・ミラー:恐ろしい速度で通り抜ける。切断されるような熱さを脛に感じるだろう。
七星ミルキ:「──~~~ッッ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:GM!
サマンサ・シュヴァイゲル:エフェクトを使ったカバーリングは出来ますか!
チェルシー・ミラー:その熱さも一瞬のことだ。血を失った体温はむしろ冷えていく。……不自然なほどに。
GM:可能とします!
サマンサ・シュヴァイゲル:ヨシ!
サマンサ・シュヴァイゲル:こういう時のためにわざわざカバーを取っとるのじゃ
サマンサ・シュヴァイゲル:崩れずの群れでこっちによこせッ!その”攻撃”ッ!
サマンサ・シュヴァイゲル:浸蝕は49へ
チェルシー・ミラー:では、ミルキが感じた傷は実際にはほんのかすり傷です。ただ、冷気は軽度とはいえ感じるでしょう。
七星ミルキ:行動の意図を察するより早く、瞳が動きを知覚した。
七星ミルキ:予想される衝撃に備えるように、予め脛が熱を持つ感覚が──
サマンサ・シュヴァイゲル:「~~~ッ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:それが届く直前、本能的に身体を割り込ませていた。
七星ミルキ:錯覚だと気付いたのは、行動の終わった数秒後だ。
七星ミルキ:「痛──く、ない!?っ、サマンサ先生!?」
チェルシー・ミラー:そして、サマンサはより深い切傷を受ける。ほぼ踝に近い、地面を這うような位置だ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ギャ――ッ!!痛い!!」
チェルシー・ミラー:「……くっ、ごくっ」
チェルシー・ミラー:何かを嚥下した音が確かに聞こえた。
チェルシー・ミラー:チェルシーは、口元からだらだらと血を流している。……噛み千切ったのだ。
チェルシー・ミラー:「おいしい~」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ううう……!ジンジンするわ……!」
チェルシー・ミラー:「サマンサちゃん、肉がすごく詰まっていて……おいしいよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お、オーヴァードには、他の人の血を飲みたくなる人たちがいるらしいけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あなたがそうなのね、チェルシーちゃん……」
七星ミルキ:「だ、大丈夫ですか」持ち歩いている消毒薬と包帯で簡易的な処置を行う。
サマンサ・シュヴァイゲル:「その、ええと」
サマンサ・シュヴァイゲル:「急にはダメよ!ビックリしちゃうわ!」
七星ミルキ:「そうなん、ですか?」チェルシーの口元を見る。空気に触れた血の玉は黒みを帯びていく。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ありがとうミルキちゃん……しみるぅ」
GM:サマンサは、食いちぎられた踝が熱を失い始めている――少なくともそのように錯覚していることに気付く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「傷口が、冷たい……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いろいろケガした経験あるけど、こんなの初めてだわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ふしぎ……」
七星ミルキ:「……ホントです。私のも」脛のかすり傷が、ひんやりと風を感じる
GM:ミルキの症状はごく軽微だが、サマンサはそれに加えて
GM:痩せこけて、毛皮の生えた何かが、傷口の中で蠢いている感覚すらも覚え始めるだろう。
サマンサ・シュヴァイゲル:「も」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もじゃもじゃしてる」
チェルシー・ミラー:「あのね……あのね。サマンサちゃん」
チェルシー・ミラー:「私じゃないのよ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もそもそしてるわ!?これは一体!?」
七星ミルキ:「えっ、傷口になにか異物でも!?」
チェルシー・ミラー:「私の中にいるものが」
チェルシー・ミラー:「人の肉を食べさせてって言うの」
七星ミルキ:「中にいる、もの?」
七星ミルキ:「チェルシーさんの中……えっと、共生型のRB、とかですか?」
チェルシー・ミラー:「ウェンディゴ」
チェルシー・ミラー:「姿の見えない囁く声が」
チェルシー・ミラー:「人の肉を欲しがらせる。自分で殺した人の肉を――」
チェルシー・ミラー:その姿勢は、まるで四つ足の獣のようだった。
チェルシー・ミラー:「攻性症例203:寄生性異食症」
チェルシー・ミラー:「私の中に、ずっといる」
七星ミルキ:こちらに合わせて目線を下げた──のではなく。
七星ミルキ:屈んだ四足こそ、彼女の姿勢だと証明している。
チェルシー・ミラー:――ジッ!!
チェルシー・ミラー:再び、恐るべき勢いで跳躍する。
七星ミルキ:「!(先生、は足を怪我してる!)」
七星ミルキ:動きに反応して、今度は自分がサマンサの前に出る。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ッ!?ミルキちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:感じたことのない傷口からの異様な感触に、しゃがみこんだまま反応が遅れる
七星ミルキ:「大丈夫です!」背負った巨大なハンマーを、体捌きのみでするりと持ち変える。
七星ミルキ:「近づいて、くるのなら!」回転の動きがそのままハンマーの勢いに。
七星ミルキ:「"根張り"!」
七星ミルキ:ドン!と空中を叩いた衝撃。植物の根のように伸びる不可視の力がチェルシーを狙う
七星ミルキ:病室内を壊さず、人間を揺さぶる程度に制御された威力。
チェルシー・ミラー:チェルシーはその力場に飛び込んでくる、かのように見えたが。
チェルシー・ミラー:獣が爪を立てるような手が、その寸前で何かを掴んだように見えた。
チェルシー・ミラー:サマンサの片足を中心に旋回し、側面から回り込むようにミルキの死角を取る。
チェルシー・ミラー:何か――不可視の手を繋いだのだ。
サマンサ・シュヴァイゲル:咄嗟に捕まえようとしたが
サマンサ・シュヴァイゲル:腕が空を切る
チェルシー・ミラー:サマンサの脚に刻まれた傷から、チェルシーにしか認知できない何者かの腕が伸びているかのような。
サマンサ・シュヴァイゲル:「は、やっ」
七星ミルキ:(空中を、蹴った!?いえ、もっと、なにか……!)
チェルシー・ミラー:「ミルキちゃんの、指……」
チェルシー・ミラー:「小指がいい」
七星ミルキ:「!」目線で追った時には既に死角に入りこまれた。
チェルシー・ミラー:七星ミルキに弱点があるとすれば
チェルシー・ミラー:大型武器であるが故の閉所での取り回しの悪さだと、野生動物めいた直感で悟ったに違いなかった。
チェルシー・ミラー:そのまま、片手首から先を食い千切ろうとする。
七星ミルキ:その見立ては正しい。
七星ミルキ:初撃で、全員を、完全に沈黙させる。
七星ミルキ:巨大なハンマーの使い道とはそれを突き詰めることであり
七星ミルキ:その死角は触れ合うほどの距離での無防備にほかならない。
七星ミルキ:故に、チェルシーに誤算があるとすれば
七星ミルキ:タン、と床を蹴り縦に半回転。桃色の髪が追従して円を描く。
七星ミルキ:半回転。天地を逆さまに、それだけの「振りかぶり」を得る。
チェルシー・ミラー:「うぁ」
七星ミルキ:閉所、至近、奇襲。
七星ミルキ:それは七星ミルキの弱点に違いなく
七星ミルキ:────合コン委員会にとってのホームグラウンドである。
七星ミルキ:「ちょっと痛いですよ」
七星ミルキ:ハンマーの柄に片腕を添えてテコにする
七星ミルキ:体の半回転。テコを用いて半回転。
七星ミルキ:都合一回転の勢いを乗せて、ハンマーがチェルシーの顎をカチ上げる
チェルシー・ミラー:バ チ ン!!
チェルシー・ミラー:「ぐ、ぅん!」
チェルシー・ミラー:チェルシーの体がまっすぐに飛んで、ベッドに激突した。
チェルシー・ミラー:十字冠転送には至らないが、一撃で意識を奪ったことは確かだ。
チェルシー・ミラー:だが、一方で、ミルキの傷口の冷たさと、サマンサの内側からの異物感は止まっていない。
七星ミルキ:一回転。着地。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ふーっ……」
七星ミルキ:「ふぅ、ふぅ………」
七星ミルキ:「………」
七星ミルキ:「病人に暴力を振るってしまった……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あッ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ほ、本当だわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさい!チェルシーちゃん!」
七星ミルキ:「す、すみません~!」
七星ミルキ:「でもカリスちゃんともジウォンちゃんとも一回はいざこざがあったので……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「し、しっかりして!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ガタガタと肩をゆすっている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ダメだわ、完全に気絶してる……」
七星ミルキ:「どうしましょう。半日は目を覚まさないかもしれません。」
七星ミルキ:「合コン委員会の経験上の見立てですが……」
七星ミルキ:ベッドの上のチェルシーに布団をかけている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、せめて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ゆっくり眠れるように……おやすみなさい」
七星ミルキ:「食欲に関する症例……そういう形もあるんですね」
GM:その時、扉を開けて乱入してきた人物がいる。

カナートス医師:「患者はどこですかっ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あッ!!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ご、ごめんなさい、患者はこちらです!」
カナートス医師:「やっぱり!チェルシーが暴れた時の通知があったから……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「やっつけて……しまって……!」
七星ミルキ:「あっ、お医者様!すみません、こちらです!」
七星ミルキ:脛と踵から血を流しているコンビ。
カナートス医師:「仕方ないわよ!無理矢理にでも押さえつけなきゃいけなかった!」
カナートス医師:「それよりもあなた達でしょ!傷口出して!」
カナートス医師:ポリタンクに入った何らかの液体を取り出す。
サマンサ・シュヴァイゲル:「えっ、は、はい!」
七星ミルキ:「あっそうです。サマンサ先生もきちんと治療を!」
サマンサ・シュヴァイゲル:すっかり怪我していることを忘れていた
サマンサ・シュヴァイゲル:床が血でびしゃびしゃ!
七星ミルキ:「あっ!」先程まで自分たちが立っていた場所を見ている。
七星ミルキ:「掃除、掃除もしませんと……」
七星ミルキ:歩こうとして床に血痕が増える。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ミルキちゃんもよ!血が出てるわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あーっ!床が汚れてる!すいません!ご迷惑おかけします!」
サマンサ・シュヴァイゲル:わたわたバタバタ
カナートス医師:「チェルシー・ミラーの"隣人"が何なのかは私達でも診断できないけど」栓を開ける。
カナートス医師:「チェルシーの信じている通りの振る舞いをするなら、ある程度は伝承通りの療法が効くってこと……」
七星ミルキ:「伝承・魔術型の治療方法ですね……!そういう部類は疎くて……助かります!」
カナートス医師:ポリタンクの中は、50℃ほどに熱されて溶かされた獣の脂だ。
カナートス医師:それを二人の傷口に流し込む。それなりの熱さは覚えるだろう。
七星ミルキ:「なんだかすごい獣臭」
サマンサ・シュヴァイゲル:「おおお……あったかい」
七星ミルキ:「滋養が染み込んできますね……これは?」
七星ミルキ:丸めた靴下を脱いでいる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「なんだか足湯みたいね、かなり熱いけど……」
カナートス医師:「熊の脂。滅多に使わないけど、こういう時にはすぐ治療しないといけないから」
カナートス医師:「外から来たんでしょ?あなた達」
七星ミルキ:「くま。」興味深げ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あ、そう!ごめんなさい自己紹介遅くなってしまって!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室のサマンサです!よろしくお願いします!」
七星ミルキ:「メサイア学園、合同カタコンベ委員会のミルキです。」
七星ミルキ:お辞儀。足を動かさないように器用に体を折り曲げて
七星ミルキ:「すみません、病室で暴れちゃって……」
カナートス医師:「私はインナ・アキモフ。病室での戦闘は緊急避難ってことで見逃してあげるから」
カナートス医師:「安全のために出てったほうがいいよ。それともチェルシーと話したいことでもあった?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「話せてないことしかないわ……でも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いいわ、お手紙書きましょう」
七星ミルキ:「あっ、いいアイデアですね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「次にお話しできた時、ちょっとでも手間が省けるように」
サマンサ・シュヴァイゲル:「”私は、サマンサ・シュヴァイゲル、です”」
サマンサ・シュヴァイゲル:「”チェルシーちゃん、は”……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「”好きなお花は、なんですか”」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ヨシ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:メモ紙を畳んで、枕元に置く
サマンサ・シュヴァイゲル:「これで次に会えた時、答えてもらえたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大きな一歩だわ!」
七星ミルキ:「私は………」模様付きの手帳からページを切り取る。
七星ミルキ:花、魚。先程のサマンサ先生の振る舞いを思い出すように。
七星ミルキ:「……好きな果物を聞いておこうかな」
七星ミルキ:「差し入れとか食べながらだと、話せる時間も増えるかもですし」
七星ミルキ:一緒に枕元に置く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「そうね、差し入れ、それに」
サマンサ・シュヴァイゲル:パチッと、指を弾いてミルキちゃんと視線を交わし
サマンサ・シュヴァイゲル:「"熊の脂"ね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「覚えたわ!」
カナートス医師:「喜ぶと思うわ」
カナートス医師:「チェルシーだって、あなた達のことが嫌いで襲いかかってきたわけじゃないの」
カナートス医師:「分かってくれると嬉しい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大丈夫、全然平気よ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「インナちゃんたちもありがとう、手当までしてくれて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんなに会えたのもよかったわ!」
七星ミルキ:「私も大丈夫ですよ。敵意があったら、もっと、こう……」
七星ミルキ:「こっちも手加減する余裕とか無かったはずですから!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そこで分かるのね……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「タツジンだわ、ミルキちゃん……かっこいい!」
七星ミルキ:「あ、あはは。自分が得しようとする生徒さんって、がっつき方が違いますから……」
七星ミルキ:てれてれ。頬を掻く。
カナートス医師:医師は既にチェルシーの看護に入っているようだった。手際も力もかなりのものだ。
七星ミルキ:「治療もありがとうございます。熊の脂ですね。今度はちゃんと持参します」
七星ミルキ:「確か、アップルシードの方で目撃情報がありましたっけ? 怪獣戦線の人なら詳しいかな……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いざとなれば先生が森で捕まえてくるわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「乗ってたヘリの貨物からジャングルに振り落とされちゃったときに経験あるの!」
七星ミルキ:「それは平気なんですか!?」
GM:会話しつつ、別の病室に向かおうとした二人は
GM:廊下をフラフラと歩いてきた生徒を見つける。

ルー・シュエフィ:「あれ……どこだろう。どこだろう」
ルー・シュエフィ:「こっちが来た道だったかな。全然わからなくなっちゃった……」
ルー・シュエフィ:「あれえ……」
後藤スダチ:「だからルーちゃんこっち!こっちだって!」
後藤スダチ:「廊下はまっすぐでしょ?曲がったりしなければ着くんだから……」
七星ミルキ:「あれ、スダチちゃん?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あら、スダチちゃん!」
サマンサ・シュヴァイゲル:どすどすと嬉しそうに駆け寄る。
後藤スダチ:「あ、サマンサ先生!ミルキちゃん!」
後藤スダチ:「迷子の子を案内してて……」
後藤スダチ:「こんなシンプルな施設で迷うはずないんですけど、おかしいなあ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「さっそくスダチちゃんもカナートスの子とお友達になれたのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すごいわ!えらいわ!」
ルー・シュエフィ:「は……はわ……」
ルー・シュエフィ:突然接近してきた巨体を見上げ、怯える。
七星ミルキ:「サマンサ先生!ストップです!遠近感!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あーっ!またこのパターン!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ずいずいとスダチの方に乗り出していた身を引っ込める
サマンサ・シュヴァイゲル:「怖がらないで!大丈夫!怪しくないわ!」
七星ミルキ:「こ、こんにちは。メサイアから来たミルキです。こちらはサマンサ先生……怖くないですよ?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「怖くないの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ミルキの背後でぶんぶん首を縦に振っている
後藤スダチ:「大丈夫だよー。怖くないよー」
ルー・シュエフィ:「わ、わわわわ私……ルー・シュエフィですぅぅ」
ルー・シュエフィ:「食べないで……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ルーちゃんね!食べないわ!大丈夫!食べないOK!」
サマンサ・シュヴァイゲル:口を塞いでぶんぶん。
ルー・シュエフィ:「はぁ、はえええ……何を食べたらそんなに大きくなるんですかぁ」
七星ミルキ:(「大丈夫です、こっちが今食べられてたところで…」 バカ!)脳内に浮かんだ選択肢を最速却下。
七星ミルキ:「それは私も気になってました」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えっ、先生は好き嫌いとか無い方だけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「さくらんぼがすき!!」
ルー・シュエフィ:「さくらんぼでそんなに大きく……?」
後藤スダチ:「さくらんぼでそんなに大きく……?」
七星ミルキ:「さ・く・ら・ん・ぼ」メモをとる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「さくらんぼは素敵よ!!先生はタルトが好き!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ、違うわ、そんなコトより」
七星ミルキ:(タルト、今度作ってみよう)丸で囲む。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ルーちゃんは迷子なら、どこか行きたい所があるのよね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生たちにも教えてほしいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そこに行くのを手伝うわ!」
ルー・シュエフィ:「はい……318号室に……」
ルー・シュエフィ:「私の病室に戻ろうとしてるだけなんですけど……」
後藤スダチ:「すぐ着くと思ったんだけどなあ」
後藤スダチ:「ちょっとこの子の相手は時間かかりそうなんで」
後藤スダチ:「私に任せてもらってもいいですか?先生達のほうが、いろんな生徒と話しておいたほうがいいと思いますし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「スダチちゃん……気を遣ってもらっちゃって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ありがとう!そうね、しっかり者のスダチちゃんがいれば大丈夫」
ルー・シュエフィ:「はいぃ……大変お世話になってます……」泣きべそ
七星ミルキ:「ん。わかったよ。スダチちゃんにお願いするね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんが用意してくれた次の面会も近づいてるし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お言葉に甘えるわ!」
七星ミルキ:「あっ、泣かないで~」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ルーちゃんも、また後でお話しましょうね!」
七星ミルキ:ハンカチ。「また後で伺いますね」
サマンサ・シュヴァイゲル:手をブンブン振って次の病室へ向かう
GM:ロイス取得のみが可能です。
七星ミルキ:出会った人皆に取りたいな~~
三部つゆり:もう枠が二個しかないよ~~
エニュオ・デュカキス:こんな形で取る相手に悩むとは…
七星ミルキ:レセルちゃんとかにも取りたいし。うーむ
七星ミルキ:ここは涙の保留!
三部つゆり:エニュオさんに取っちゃいます! エニュオ・デュカキス 〇感服/堅そう で。
エニュオ・デュカキス:こちらも三部さんに取っておこう
エニュオ・デュカキス:〇有為/危険視
エニュオ・デュカキス:こちらは以上で
三部つゆり:ありがとうございます~ 危険視されて当然な危ない事ばっか言ってるもんな…w 以上で!
GM:PC同士の相互ロイス美味しいわ
GM:では本日の進行は以上です。ありがとうございました。
七星ミルキ:ありがとうございました~!
エニュオ・デュカキス:お疲れさまでした!
三部つゆり:お疲れ様でした~~!
サマンサ・シュヴァイゲル:お疲れ様でしたー!
◆Middle03◆医療負荷増大期(レベル3)
GM:自由登場です。登場侵蝕をどうぞ。
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を1D10-1(→ 5)増加(70 → 75)
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(59 → 64)
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 5[5]+49 → 54
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(53 → 58)
七星ミルキ:5ゾロ
サマンサ・シュヴァイゲル:拡がる宇宙の中きゃんにゅふぃー
エニュオ・デュカキス:Standing By
☆130号室 〈知識〉難易度12 エネミー増援阻止
☆203号室 〈回避〉難易度7 エネミー増援阻止
225号室 〈知識〉難易度10 戦闘ペナルティ阻止
☆304号室 【肉体】難易度7 エネミー増援阻止
320号室 【肉体】難易度9 エフェクト支援阻止
☆409号室 〈交渉〉難易度6 エネミー増援阻止
417号室 無人(判定なし) 購入判定獲得
GM:現在残ってる判定は以上の通り。
サマンサ・シュヴァイゲル:320号室の判定にトライ!肉体!
サマンサ・シュヴァイゲル:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 7[1,6,6,7,7] → 7
サマンサ・シュヴァイゲル:アババババッ
サマンサ・シュヴァイゲル:誰かたすけて~
七星ミルキ:サマンサ殿ーッ
三部つゆり:さっサマンサせんせーっ!妖精…はどうしようか
七星ミルキ:つゆりちゃんが先に判定して
七星ミルキ:エニュオさんの風で再挑戦かな
エニュオ・デュカキス:侵食ボーナス加味すれば合わせて7発撃てますね
サマンサ・シュヴァイゲル:かな
七星ミルキ:手番的にも妖精は流石にもったいない!
サマンサ・シュヴァイゲル:妖精は流石にもったいなさそう
エニュオ・デュカキス:押忍!
三部つゆり:それもそうわね じゃあ私が225号室行きます!ラッキーメダルブラックを起動!
三部つゆり:7dx+1>=10
DoubleCross : (7DX10+1>=10) → 9[1,2,3,6,6,7,9]+1 → 10 → 成功
三部つゆり:ありがとうラッキーメダル…!
七星ミルキ:さすがだ
七星ミルキ:じゃあ私が援護の風貰って320行こうかな?
七星ミルキ:購入はエニュオさんが向いてそう
エニュオ・デュカキス:よし。ではどうぞ《援護の風》で+3D
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(58 → 60)
七星ミルキ:ガッチャ。では320を肉体判定
七星ミルキ:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 10[3,4,5,8,9,10]+9[9] → 19 → 成功
七星ミルキ:パワー
エニュオ・デュカキス:yattaze
三部つゆり:つよい
サマンサ・シュヴァイゲル:さすがッ
エニュオ・デュカキス:じゃあ私は無人の417で購入に挑みますが。何か欲しいものある方
七星ミルキ:つゆりちゃんのボルアクかな
七星ミルキ:難易度15
三部つゆり:一応ボルアクがあると、攻撃時侵蝕が1減って6で遠距離殴りと固定値多めで殴れるくらいです
エニュオ・デュカキス:結構おいしいな
サマンサ・シュヴァイゲル:余りそうならこっちに妖精使ってもいいかもね
サマンサ・シュヴァイゲル:購入チャンス少なくなりそうだし
七星ミルキ:ですわね
三部つゆり:他の皆が欲しいのあれば勿論そっち優先してもらって!
エニュオ・デュカキス:シーンごとに出来る感じじゃないですからね
七星ミルキ:こっちは照準器で+1するぐらいなのでボルアクでよさげ
エニュオ・デュカキス:こっちも強化ビジネススーツくらいなので武器を狙っておきましょう
サマンサ・シュヴァイゲル:こっちは特には大丈夫!
三部つゆり:ありがとうございます……
サマンサ・シュヴァイゲル:着ぐるみあれば嬉しいかな~くらい
エニュオ・デュカキス:AIDAで社会+3D、ラッキーメダルホワイトで+1。侵食ボーナス+1D
エニュオ・デュカキス:ボルトアクションライフル!
エニュオ・デュカキス:8dx+4>=15
DoubleCross : (8DX10+4>=15) → 10[1,5,6,6,6,7,8,10]+8[8]+4 → 22 → 成功
エニュオ・デュカキス:よし買えた
三部つゆり:つ、つよい!
七星ミルキ:やったね
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃあっ
エニュオ・デュカキス:財産も使わずに済んだ。三部さんにプレゼント
三部つゆり:わたして貰えるなら今装備しちゃいます 合流してからかな?
GM:それでは遭遇判定を皆さん振ってもらいましょう。
GM:装備は合流してからですけど、同じことなので今でもOKですよ
三部つゆり:ありがとうございますGM!装備しちゃいます そして遭遇判定!
エニュオ・デュカキス:遭遇
エニュオ・デュカキス:1d10
DoubleCross : (1D10) → 5
三部つゆり:1d10
DoubleCross : (1D10) → 5
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃあああ
七星ミルキ:うおおっ 突然ですがこれは気合の雄叫びです
七星ミルキ:1d10 遭遇
DoubleCross : (1D10) → 6
七星ミルキ:なかよし出目
エニュオ・デュカキス:なかよし
サマンサ・シュヴァイゲル:ストーンエッジ8連続命中!
サマンサ・シュヴァイゲル:もうPPないぜ!!
GM:みんな幸運なヤローだ
GM:その上で今回も班分けをしてもらうわけですけど
GM:これに関してはそこそこ決まってるのかな
サマンサ・シュヴァイゲル:うす!
七星ミルキ:つゆサマ、ミルエニのコンビがまだ組んでない流れのようですね
サマンサ・シュヴァイゲル:まだ組んでない組み合わせでいいよね
エニュオ・デュカキス:押忍
七星ミルキ:ラジャ
三部つゆり:そちらで!
GM:ミルエニをメイン、つゆサマをサブでやりましょう
三部つゆり:了解ですっ!
サマンサ・シュヴァイゲル:えいえい
GM:
ミルエニ:417号→320号
つゆサマ:225号
カナートス臨床医学研究院 417号室

GM:カリス・リュシドールの病室については教えられていた。
GM:もちろん、ここにカリスは帰ってきていない。彼女の身柄はメサイアで監視下にある。
GM:だがミルキはカリスから、個人的な頼みを受けている。
GM:カナートスに訪問する時は、もし余裕があればいくつかの私物を持ち帰ってほしいと。
GM:他の病室とは違う、ごく普通の、女の子らしい部屋だ。医療器具もこの部屋にはない。
GM:相違点は、転倒防止用の手すりが多いことくらいだろう。
GM:カリスが頼んでいたのは、『人間用』の書物や端末類である。L7を手に入れるために、もはや必要ないものを、このカナートスに置いてきたのだ。
七星ミルキ:「おじゃましまーす」
七星ミルキ:カナートスに招いてくれたカリス・リュシドール。
七星ミルキ:彼女の症例は「余剰幻肢増殖肥大症」──意識が「本来存在しない手足」を認識していた。
七星ミルキ:体に異常はないまま、義手義足のリハビリを行うような形跡が病室に残っている。
七星ミルキ:「ええと、本、本。本棚のロックは──」
七星ミルキ:持参していた小さなカバンに、栞の挟まれた本や端末を詰め込んでいく
七星ミルキ:「……」
七星ミルキ:部屋の主が居ない間も清掃は怠っていないのか、埃一つ落ちていない。
GM:カリスが出ていった後も、これらの『人間用』のものは処分されていなかった。
GM:カナートスの他の生徒達にも、複雑な思いがあったのかもしれない。
GM:それでも、健康体の体を切除し改造することが、彼女にとっての『治療』だということは、誰もが理解していたのだろう。
GM:病とはその外見だけで推し量れるものではない。そうした苦しみを、この学区の誰もが味わっている。
七星ミルキ:("五体満足"……五体が揃っていても、中身が満たされていなければ満足とは呼べない、ですか)
七星ミルキ:(うーん。この辺突き詰めると整形外科の分野になりそうですよねえ)
七星ミルキ:「動かせない腕の代わりに義手を付ける、って話もありますし……うーん」
七星ミルキ:本棚には中段にのみ中身が入っている。
七星ミルキ:しゃがむことが必要な下段は使用されていなかったようだ。
七星ミルキ:「っとすみませんエニュオさん、お待たせしてますね」
エニュオ・デュカキス:「いいえ。……彼女からの頼まれごとなのですから」
エニュオ・デュカキス:部屋の扉近くで待っていたところ、短く返す
エニュオ・デュカキス:「先程は三部さんと共に普賢ハリにも会いました。変わらない様子でしたよ」
七星ミルキ:「あぁ、鷹の子。そっか。カナートスなら直接お話できるんですね」
エニュオ・デュカキス:「私物と共に伝えられると、少しは気も紛れるかもしれません」
エニュオ・デュカキス:部屋を見回す。補助機具と手摺の増やされた様は、かつての自身にとっても懐かしさを覚える
七星ミルキ:追随して視線を追う。
七星ミルキ:「エニュオさんも……」「義手なんでしたっけ」
七星ミルキ:「あ、"も"はおかしいか。カリスちゃんは義手ってわけじゃなかったから……」
エニュオ・デュカキス:「彼女に比べたら私は楽な方です。失ったものを取り戻すことと」
エニュオ・デュカキス:「持っていたものを持たずに在り続けた、そう感じていた彼女とは大きく違う」
エニュオ・デュカキス:「L7という異形の容器でなければ彼女を受け止められるものは存在しなかったことも」
エニュオ・デュカキス:「技術を集積するためにいる特許庁でも、足りえなかったのは情けない話です」
七星ミルキ:「失ったものと、生まれつきの違いですか……」
七星ミルキ:小さなカバンの容積に収まらない量の荷物が不思議と格納されていく。
七星ミルキ:「……でも、L7はカリスちゃんの感覚にはフィットしてたんですよね」
七星ミルキ:「じゃあ、例えばですけど」
七星ミルキ:カリスの端末を最後に詰める。
七星ミルキ:「電話って、昔はとんでもなく巨大で、とても持ち運ぶものじゃなかったらしいですが」
七星ミルキ:「今はこんなに薄いですよね」
七星ミルキ:「それなら……いつか、L7の機能を持ったまま、日常生活送れるぐらいダウンサイズして、安全に身体を補うとか」
七星ミルキ:「出来ると思います?エニュオさん。」
エニュオ・デュカキス:「その問いかけに“出来ない”と答えるのは、敗北宣言ですね」
エニュオ・デュカキス:「積み重ねは必要です。無数の失敗も。不可能を極限に潰して続けて」
エニュオ・デュカキス:「成し遂げるまで繰り返すでしょう。私達はそういう形で動いてきた」
エニュオ・デュカキス:少しだけ口元が緩む。
エニュオ・デュカキス:「それにああいったものを作るための研究は、色々と応用が効きますから。」
エニュオ・デュカキス:「利益としても少なくはないですよ。価値があるから動くことも出来る」
エニュオ・デュカキス:「……そう在れるように、ここと外が繋がれればよいのですが」
七星ミルキ:「ですねぇ」笑う。
七星ミルキ:「とは言いましても、いきなり学校と学校が~とか大きな話にしちゃうのも大変そうですし」
七星ミルキ:ヘルちゃんの仕事も増えちゃいますしね、と付け足す。
七星ミルキ:「まずは私達が、みんなと仲良くなるところから、ですか──うん、最初に戻ってきちゃいましたね」
七星ミルキ:荷物を詰め終える。
エニュオ・デュカキス:「貴方がカナートスと関わったことは、間違いなく幸運のひとつかと」
七星ミルキ:「褒めすぎですよぉ」
七星ミルキ:「よし、こっちはオッケーです」
エニュオ・デュカキス:「では。空き部屋の間に、少しだけ利用させてもらいましょうか」
エニュオ・デュカキス:扉を閉めて、空いたベッドの横。丸椅子に腰かけてしばし手指を弄ぶように動かす
七星ミルキ:「?」漁った本棚とかを戻している。
エニュオ・デュカキス:深呼吸。認識擬装がかけられていた時ならば不可能だったが、今ならばプラントへのアクセスは可能
エニュオ・デュカキス:とはいえ最小限だ。どこから見られているかわからない上に、この場所に持ち込むべき道具ではない
エニュオ・デュカキス:「R5167、拡張1から4。個別転送」
エニュオ・デュカキス:オルクス因子の結びつけによる物質転送。プラントに紐づけされた製品がベッドの上に突然出現する
七星ミルキ:「わわ?」
エニュオ・デュカキス:無数の小ケースだ。10以上のそれらの蓋を開き、納められていた鉛色の物品をパズルの如く開き、畳み、全てを組み上げて
エニュオ・デュカキス:一丁の凶器が完成する
七星ミルキ:「アウトロー・コミックの一節みたいですね」
七星ミルキ:小さく拍手
エニュオ・デュカキス:「ここまで分解する必要もないのですが、機能試験のためにどこまでの分割が可能かは試さないといけないもので」
七星ミルキ:「なるほど。あれ?エニュオさん、銃とか使う人ですっけ?」
エニュオ・デュカキス:「私ではなく三部さんです。……これをその通りに使う方かは不明ですが」
エニュオ・デュカキス:「移動中、武器は携行している様子でも。彼女の能力は常に負荷がかかっているものだと聞いています」
エニュオ・デュカキス:「使う時が来なければいい。……ですがクロタリアスさんの言っていたデータの消去や」
エニュオ・デュカキス:「ここは彼女達の思惑と異なるものが動いている。なら、その対応をするのは私です」
エニュオ・デュカキス:「七星さんや先生は、こんなことをせずにいることが必要ですから」
七星ミルキ:「ははぁ……」
七星ミルキ:「つゆりちゃん、自分のことを二の次にしちゃうタイプみたいですからね」
七星ミルキ:「そうでなければ、代償とは言えあそこまではならないでしょうし……」
七星ミルキ:「エニュオさんも心配してたんですねえ」
エニュオ・デュカキス:そう言われて指が顎に触れる。多少の間を置き
エニュオ・デュカキス:「そういうことになるのですね。確かに」
七星ミルキ:「そうでしょうとも」
七星ミルキ:「つゆりちゃんも喜んでくれますよ、きっと」
七星ミルキ:「さて、お渡しするためにはこっちの担当も回んなきゃですね」
エニュオ・デュカキス:「包みが粗雑すぎるのが難点です」苦笑して再び分解、ケースを束ねてスーツのポケットに。多少不格好ではあるが意外と収まっている
カナートス臨床医学研究院 225号室

GM:この病室は、他の病室とは入口からして異なっていた。
GM:本来の入口に被せるように、二重のエアロックがかかっている。
GM:サマンサとつゆりがロックを解除して入ると、すぐに息苦しさを感じた。
GM:気圧を変化させているわけではない。それでもすぐに意識が朦朧としはじめる。
GM:純粋に、酸素濃度を低下させるための部屋――そのような個室が必要な症状などあるのだろうか?

カート・トゥエ:「……こんにちは」
カート・トゥエ:「あたしの名前はトゥエ。カート・トゥエ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「こ、こんにちは、トゥエちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「職員室の、サマンサですっ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:めまいのせいで壁に向かって元気よく挨拶している
三部つゆり:「すぅ、はぁ…すー…」意識して息を深く吸う。「はい、トゥエさん。こんにちは。はぁっ…ラス・ヴィダスの、三部つゆりです…」
三部つゆり:「先生、こっち、こっちです」手を引く。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああっ!ごめんなさい!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ちょっと正面がどっちか分かんなくて……!」
カート・トゥエ:「無理してあたしと話さなくてもいい……苦しいだろうし」
カート・トゥエ:カート・トゥエは呼吸補助具のようなものをつけているが
カート・トゥエ:これも、見た目通りの酸素吸入器などではないらしい。
サマンサ・シュヴァイゲル:ふらふらとつゆりちゃんに引っ張られる
三部つゆり:密教の修験者などが高い山で用いる呼吸法――本来は瞑想用のものを用いている。「私の息の吸い方を真似してください…そうすればちょっと楽に…すー…なります…」
サマンサ・シュヴァイゲル:「なるほど……すーっ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃん、色んなことを知っていてかしこいわ!」
三部つゆり:「いえ…、たまたま役に立ってるだけ、ですから…、トゥエさん、お待たせしちゃいました」
カート・トゥエ:「あたしのせいで、ごめん。いつもより酸素濃度は高くなってると思うけど……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「気を遣って、お出迎えしてくれたのね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「その気持ちが嬉しいわ!ありがとう!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ややふらつきながらも笑いかけ
三部つゆり:「こちらも、ありがとうございます。お気遣いいただいて…」一礼。
サマンサ・シュヴァイゲル:ぎゅっとトゥエの手を握る
サマンサ・シュヴァイゲル:「よろしくね、トゥエちゃん!」
カート・トゥエ:「う、うん」やや気圧されながらも、おずおずと握り返す。
カート・トゥエ:「二人はどうしてこんなところに来たの……あたしに用があるわけでもないんでしょ」
カート・トゥエ:「サマンサ先生は怪我してるし」
カート・トゥエ:「健康な人がわざわざカナートスの患者に会うなんて、面倒で、苦しいだけだよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「会いたかったから会いに来たわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「会えないよりは、いいと思って……ええと、説明になってないわねこれ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「とりあえず、トゥエちゃんの言ってることと違うのは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ここまでで面倒で苦しいことなんてひとつもなかったわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ヘルちゃんにも、レセルちゃんにも、チェルシーちゃんにも、インナちゃんにも、ルーちゃんにも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「会えてとっても楽しかった!お話しできて嬉しかったわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「むしろこっちがやかましくして迷惑になってないかだけが」
サマンサ・シュヴァイゲル:「心配だけど……!」
カート・トゥエ:「別にあたし、何も嬉しいことなんかしてないけど……」
カート・トゥエ:「挨拶しただけだし……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「挨拶の前に、お迎えしてくれたし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「心配もしてくれたわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「初めて会う人は怖いはずなのに……それも、私はノヴァリスの人じゃない大人で」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それでも待っていてくれていたんだもの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「その気持ちがとっても嬉しいわ!」
カート・トゥエ:「よく分からない。そんな褒められるの……」照れくさそうに顔を背ける。
カート・トゥエ:「サマンサ先生は……」
カート・トゥエ:「……どんな人なの?なんでノヴァリスに来たの?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えっ、うううん」
サマンサ・シュヴァイゲル:腕を組み、首を捻って
サマンサ・シュヴァイゲル:「あんまりカッコよくない話で、その、恥ずかしいのだけれど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃんが気になるなら話すわ!お迎えしてもらったお礼!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……先生、子供の頃から貧乏で」
サマンサ・シュヴァイゲル:「病気のお母さんがいたのだけれど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ビックリするほどどんくさくて、普通のバイトは長続きしなくて……お皿もグラスも全部割っちゃうし」
サマンサ・シュヴァイゲル:「体が大きいからスカウトしてもらってサーカスやったり、プロレスやったり」
サマンサ・シュヴァイゲル:「最後はヤクザさんの用心棒さんもやってたわ!それも危なっかしいからってクビ!」
カート・トゥエ:「いろんなことしたんだね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……信用されなかったのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:しょんぼり、肩を落としている
サマンサ・シュヴァイゲル:「それでお母さんも亡くなって、どうしようか分かんなくてボーっとしていたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ここへ呼ばれたの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だから、そう……なんでノヴァリスに来たのかって言われたら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「なんでなのかしら……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさい!よくわからなかったわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「いかがでしたか!?」
カート・トゥエ:「んー」
三部つゆり:先生の言葉を待ちながら、真剣に聞いていた。
カート・トゥエ:「あたしは、考えること苦手だけど……」
カート・トゥエ:「サマンサ先生は、お母さんのこと大事だったんだね」
カート・トゥエ:「そんなに苦手なことたくさんして、頑張ってたのに」
カート・トゥエ:「お母さんが死んじゃったら、どうしようかわからなくなるくらい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……うん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「そう、そうなの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「優しいお母さんだったの、大好きだったわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:目尻から涙がこぼれる
三部つゆり:「サマンサ先生……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「や、やだ!ごめんね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「生徒さんが呼んでくれたのに、自分のことばっかり話して、急に泣き出して!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「なんなのかしら、この人は!トゥエちゃんもごめんなさい!」
カート・トゥエ:「ん……」
サマンサ・シュヴァイゲル:ハンカチで目元をぐしぐししながらペコペコする
カート・トゥエ:「あのね。ここの入院患者は、他の人の助けがないと暮らせなくて、なのにその分お返しもできなくて……」
カート・トゥエ:「……みんな辛いと思う、って、ウノに言ったことがあるんだ」
カート・トゥエ:「だけど、ウノは……」
カート・トゥエ:「他の誰かを大事にすることが嬉しいんだって。だからお医者さんって仕事は昔からあるんだって言ってた」
カート・トゥエ:「サマンサ先生もそうなんだ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ウノちゃんが、そう言ってたのね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「うん、少しだけ、分かる気がするわ」
カート・トゥエ:「だから……お母さんにしてあげたみたいに、他の誰かも大事にしたいと思ったんじゃないかな……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生、バイトしてるときはずっと大変だったけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お母さんがいなかったら、もっと早くダメになってしまっていたわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「助けるとか、助けられるとか、やっぱり」
サマンサ・シュヴァイゲル:「本当はどっちがどっちとかじゃないんだと思う……ずっと思ってるの」
サマンサ・シュヴァイゲル:真剣な表情でトゥエの言葉をかみしめるように頷いている
三部つゆり:「そうやって気遣って、想い合える事が……」
三部つゆり:「なんていうのかな。すごく心の大事なところにある…んでしょうか。話を聞いてて、そう思いました」ズレてるかもですけど、と零す。
カート・トゥエ:「羨ましいな。あたしはお母さんとあまり仲良くなかったから……」
カート・トゥエ:「子供の頃は、いつも洗面器に顔をつけて暮らしてたの」
カート・トゥエ:「肺胞液体過換気っていって……すごく低い酸素濃度じゃないと、すぐに酸素を取り込みすぎて、倒れちゃったから」
カート・トゥエ:「でもお母さんはそんなこと知らなかったから……ふざけて、バカにしてるって思われて、よく叩かれた」
三部つゆり:「……私は、親はいないんですけど…すごく嫌で、つらい気持ちになるのは、分かる気がします」
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃん……つゆりちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:2人の肩を両腕で抱えて
サマンサ・シュヴァイゲル:ぎゅっと抱き寄せる
三部つゆり:「わ、わわ」抱き寄せると、髪の違和感が際立つ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃん……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃん……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:そのまま、またぐすぐす泣きだしている
カート・トゥエ:「泣いちゃだめだよ……酸素が足りなくなっちゃう」心配そうに言う。
三部つゆり:「トゥエさんのことはともかく、私のことは泣かないでください。私なんて本当、大丈夫なんですからっ」ちょっと焦った様子。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ううう、ごめんなさい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさいね……」
サマンサ・シュヴァイゲル:へなへなと離れ
サマンサ・シュヴァイゲル:「ふざけてるなんて思わない、バカにしてるなんて思わないから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃんのお話を、もっと聞かせて欲しいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生はトゥエちゃんにたくさん聞いてもらって、気持ちが楽になったもの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だから先生もそうしたいわ!」
カート・トゥエ:「あたしの話なんて……あんまり、楽しくないよ」
カート・トゥエ:「赤ちゃんの頃から何度も呼吸困難で気絶して、町医者に連れてかれて……」
カート・トゥエ:「あたしの家も貧乏で、医者に見せるのも大変だった」
カート・トゥエ:「本当は呼吸が止まると死ぬんだけど、あたしは死ななかった……オーヴァードだから」
カート・トゥエ:「お母さんも、あたしが赤ちゃんの頃はすごく心配して医者に連れていったけど」
カート・トゥエ:「そのうち、面倒になっちゃったんだと思う。ただ迷惑をかけるだけで、苦しそうに見えても絶対に死なないから」
カート・トゥエ:「……6歳の頃だったかな……洗面器を落としちゃって、道で乾いていくミミズみたいに転がってたところを」
カート・トゥエ:「いつもと違う医者に連れて行ってくれた人がいた。その医者はFHの研究者で、あたしはオーヴァードの特異症例の一つだってことがわかった……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……オーヴァードは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「心に大切なものがなくて、ただ苦しい思いをさせられると」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すぐに自分が止められなくなって、怪物に」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ジャームになるんだって、ここに来て勉強したわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「私にはずっとお母さんがいた、だから大丈夫だったんだと思う」
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃんは……何が大切だった?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あなたを支えてきた、好きなものが聞きたいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:静かに、視線を合わせて掌を握る
カート・トゥエ:「あたしは……」
カート・トゥエ:「……お母さんが好きだったよ。お母さんがあたしを放っていても、嫌ってるかもしれなくても」
カート・トゥエ:「小さなころにお母さんが大事にしてくれたことは、忘れたくないから……」
カート・トゥエ:「……それに今は、カナートスのみんながいる」
サマンサ・シュヴァイゲル:「立派だわ、トゥエちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「人の心は、変わってしまうかもしれないけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「してもらったことは、絶対になくならないもの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それを負けない気持ちにしてこれた、トゥエちゃんは立派よ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……先生もトゥエちゃんみたいに強い人でいたいわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぎゅっと、力を込めて握手する
カート・トゥエ:「……」
カート・トゥエ:「ぐすっ」
カート・トゥエ:目元を拭う。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ!ああっ!」
カート・トゥエ:「サマンサ先生……つゆりさんも、もう、帰っていいから」
サマンサ・シュヴァイゲル:「力こめすぎたかしら!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「握りすぎ!?あわわわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大丈夫大丈夫!怖くないわ!怖くなーい!」
サマンサ・シュヴァイゲル:手を放してぶんぶんしている
カート・トゥエ:「……うるさいよ……酸素が足りなくなるよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「はぅあ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もごもごもご……」
サマンサ・シュヴァイゲル:口を抑えている
三部つゆり:「先生、先生、多分そっちじゃなくて…こふっ」
サマンサ・シュヴァイゲル:もごもごしながら席を立つ
サマンサ・シュヴァイゲル:「もがもごご!(また来るわ!)」
カート・トゥエ:こくりと頷く。
三部つゆり:「……トゥエさん、お話してくださってありがとうございました。…また、お話出来たら嬉しいです」
三部つゆり:丁寧に一礼して、幾つか乱れた椅子や室内を直して席を立つ。
三部つゆり:「……私は、育ててくれた人達を、見切ることしか出来なかったから。あなたの強さを、尊敬します」
カート・トゥエ:「ありがとう」
カート・トゥエ:「また話そうね」小さな手を控えめに上げる。
GM:二人はエアロックの外に出た。廊下に立つと、遥かに呼吸が楽になったことに気付く。意識も明瞭になってきた。
サマンサ・シュヴァイゲル:「……なんか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「意識がはっきりしてきて思うのは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生しゃべりすぎね!だいぶ恥ずかしいことまで洗いざらい話しちゃった気がする!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃんもいるのに!恥ずかしいわ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:頬に手をあてて顔を真っ赤にしている
三部つゆり:深く深く息を吐き、ゆっくりと吸って、また長い時間をかけて吐いて。
三部つゆり:「私は嬉しかったし、尊敬しましたよ」
三部つゆり:「私はやっぱり打算とかを考えてしまうし、どこかで不幸比べみたいなことを考えてしまうから。あんなに真っ直ぐに寄り添えるのは、本当に凄い事です」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ううう~っ、でもでもでも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「トゥエちゃんと次会う時にはアレが必要ね」
サマンサ・シュヴァイゲル:「酸素ボンベ!ダイビングみたいで楽しそうだわ!」
三部つゆり:「ああ」苦笑する。「確かにそうですね…その方が、私達もそうですけど、彼女の方もきっと楽です」あの部屋の濃度でも、上げていたといっていた。
サマンサ・シュヴァイゲル:「クマノミさんの写真とか持ってこようかしら……先生実は昔から憧れがあって」
サマンサ・シュヴァイゲル:「泳げないんだけど……雰囲気だけでも……」
三部つゆり:「クマノミが好きなんですか?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大好きよ!お魚さんの映画で好きになったの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あの映画、なんでも忘れちゃう青いお魚さんがいて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「他人とは思えなくて……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃんは知ってるかしら、カッコいい海亀さんが出てくる映画よ」
三部つゆり:「ええと…幾つかセルで情操教育用に見せられた中に合ったかな……」ノヴァリスに来てからは見ていない。
三部つゆり:「子供と親がはぐれてしまって、探しに行くアニメ映画でしたっけ…?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ええ、そうなの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃんはお魚さん好き?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃんの好きなものも聞いてみたいわ」
三部つゆり:「あまり見た事はないんですけど…ああ、昔お兄さんたちと一緒に食べたお寿司とかは好きですし…」
三部つゆり:「幾つか写真で見たイルカは…何と言うか、格好良くて好きでした」
三部つゆり:「セルの人達は…殴ったりも、痛めつけたりもしなかったし。色んな映画とか、漫画とかも見せてくれました」
三部つゆり:「ただ…」
三部つゆり:「外には、絶対に出してくれなかったし。”私達”が、別のものになろうとすることを、言葉にはしなかったけれど、絶対に認めませんでした」
三部つゆり:「なので…なんというか、あまり、すぐに出てこなくて、すみません」
サマンサ・シュヴァイゲル:「イルカさんね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すべすべしてるのがいいわよね……わかるわ」
三部つゆり:「すべすべしてるんですか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「してそうに見えるけど……どうなのかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生も写真でしか見たことないから、そう言われたら言い切れない気がしてきたわ……」
三部つゆり:「どうなんでしょう…ノヴァリスにも居るんでしょうか、イルカ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「海はないのよね、けどいそうな気がするわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「アップルシードの子たちに、おっっっきな生け簀を見せてもらったの」
三部つゆり:「おお………」目が少し大きく丸くなる。
サマンサ・シュヴァイゲル:「湖の近くに最近作ったらしいの、すっごく色々な種類のお魚さんたちがいて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「イルカさんもいるかもしれない……こんど確かめに行きましょう!つゆりちゃんも一緒に!」
三部つゆり:「私も…」
三部つゆり:「……はい。一緒に行きたいです」淡く、でもどこか楽し気に笑う。
三部つゆり:「イルカがいなくても…一杯いるんですよね。どんなものなんだろう」
サマンサ・シュヴァイゲル:「楽しみね、ふふふ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「指切りげんまんよ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ニコニコと指切りを交わす
三部つゆり:「わ、わわ。あはは。はいっ」大分振り回されつつ此方も。
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生ノヴァリスに来て、よかったわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「サーカスとかヤクザさんのところにいる時は」
サマンサ・シュヴァイゲル:「明日はどんな痛いことをされるんだろうって、夜が明けるのがとってもイヤで」
サマンサ・シュヴァイゲル:「イヤだイヤだって思ってたら、痕が残るようになっちゃった」
サマンサ・シュヴァイゲル:苦笑して、頬の傷を触る
三部つゆり:「それが……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「けど今は違う」
サマンサ・シュヴァイゲル:「明日も明後日も、みんなと会える約束があるわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……やることがあるのって、それにやりがいを感じられるなら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「とっても幸せなことなのね、それも知らなかった」
三部つゆり:「サマンサ先生…、うん。そうですよ」
三部つゆり:「やれることと、やりたい事が一致することは、本当にすごい事で…」
三部つゆり:「そうなれる一助に、ノヴァリスがなったのなら。その生徒のひとりとして、本当に嬉しいです」
三部つゆり:ノヴァリスの生徒であること自体に、価値を感じた事はなかった。今まで。
三部つゆり:だから、これはそうした意味で、初めての言葉だったように思う。生徒として、先生を歓迎することば。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あ”ッ」
サマンサ・シュヴァイゲル:不意に、何かに気付いたように立ち止まる
三部つゆり:「?どうかしましたか」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……死神先生の話」
サマンサ・シュヴァイゲル:「するの忘れていたわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「どーしよう!データの手がかりが必要なのに!」
三部つゆり:「あっ………ま、まあでも……初回の接触としては十分以上だったと思いますから…」
サマンサ・シュヴァイゲル:「エニュオちゃんに、エニュオちゃんに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「怒……られるわけじゃないんだけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「エニュオちゃんは人のこと怒ったりしないんだけど!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ああ、いいですよ、別に……ってスンってされるの」
三部つゆり:「それはそれで怖い奴ですね…」
サマンサ・シュヴァイゲル:「あれはあれでグサッとくる部分があるわ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ど~しよう~~~!」
三部つゆり:その様子を見て少しくすっと笑うと。
三部つゆり:「…私も一緒にいて忘れてたんですから、私も一緒に謝りますよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「うう、つゆりちゃん優しい」
サマンサ・シュヴァイゲル:「面会予定の子以外にも」
サマンサ・シュヴァイゲル:「廊下にいる子には、聞き込みしながら戻りましょうか……」
三部つゆり:「ですね。やっていきましょう…ほら、あまり凹まないでください!」
三部つゆり:「元気に親しくいくのが一番ですよ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「つゆりちゃん……!そうね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「先生がんばるわ!あっ!ちょうどいいところに!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「すいませ~~ん!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:どすどすどすどす!歩いていた生徒に駆け寄って怯えられている
三部つゆり:「あっ速度が速い!すみません…!」なんとか腕に縋りついて減速させたりしようとしている。
三部つゆり:「と、止まらない…!ああ~~っ!?」
カナートス臨床医学研究院 320号室

GM:320号室は、ある意味で、ミルキ達の今回の訪問の主目的と言っても過言ではない。
GM:その一方で、面会時間はひどく限られている。病状が極めて深刻な患者だからだ。
GM:病室は分厚いガラスで仕切られていて、そのガラス越しに、ベッドに寝かされた患者の姿が見える。

ペテラ・アズテック:「げほげほ!げほーっ!」
GM:――ペテラ・アズテックという。かつてジェネシスを襲った強力な感染症、"SMIT"の感染源だ。
ソ・ジウォン:「来てくれたんだ。ミルキちゃん。エニュオさんも」
七星ミルキ:「ん。来ました。こんにちは」
ソ・ジウォン:ジウォンも、ガラスのこちら側で作業をしている。ペテラに直接接触する際は、それなりの装備と準備が必要なのだ。
エニュオ・デュカキス:会釈。かつての事件、カナートスという名を知らしめた彼女とこうしてまた会うとは
七星ミルキ:「ホントはサマンサ先生もいるんですけど……」
七星ミルキ:「私と先生で会いに行くと、止める人が居なくなるからって……あはは」
エニュオ・デュカキス:「先生ならこれを破りかねないというは……否定しきれないです」
エニュオ・デュカキス:ガラス越し。咳き込むペテラさんを見やる
七星ミルキ:「頑丈だからね、サマンサ先生……」
ソ・ジウォン:「それはよかったよ。一応は簡単に破られないような防弾ガラスなんだけど」
ソ・ジウォン:「サマンサ先生なら本当に壊しかねないからね」
七星ミルキ:「ペテラちゃんも」ガラスに向き合う。
七星ミルキ:「久しぶり。って、聞こえてるのかな、これ」
ペテラ・アズテック:「き、き、聞こえてます……ぜーっ、ぜーっ」
ペテラ・アズテック:「ミルキさん……ひぃっ、あ、ありがとうございます……!」
ペテラ・アズテック:「わたし、ゲホッ、みなさんをあんな目に遭わせて、逃げたのに……」
ペテラ・アズテック:「エニュオさんも、大変申し訳、申し……げほーっ!」
七星ミルキ:「こんにちは。会いに来たよ」
七星ミルキ:「って、そう、それ」
七星ミルキ:「あの後大変だったんだからね?"死神"さんは勝手にやいのやいの言ってくるし」
ペテラ・アズテック:「すみません……すみません……」
七星ミルキ:「うん。言うだけ言って終わりとか二度としないこと」「……でも」
七星ミルキ:ガラスに触れる。
七星ミルキ:「居なくなったわけじゃなくて、よかった」
七星ミルキ:「また会えたね」
ペテラ・アズテック:「はい……」
七星ミルキ:「ん。反省したなら許してあげる」
七星ミルキ:「こうして話せたからね。水に流しましょう」
七星ミルキ:「……咳、前より大変そう?」
ペテラ・アズテック:「お、おかげさまで……ひゅーっ、ひゅーっ」
ソ・ジウォン:「前まではもっと酷かった」
ソ・ジウォン:椅子に座って、ペテラの様子を眺めている。
ソ・ジウォン:「ジェネシスの薬のおかげで、これでも随分良くなったよ」
七星ミルキ:そうなんですか?と目で問う。
ソ・ジウォン:「エニュオさんのおかげかな……あたしが言えたことじゃないか」
エニュオ・デュカキス:「我々も得るものはありましたから」結果論とは言え医療プラントは相応の拡大と成果を出せている
エニュオ・デュカキス:「SMITも現状は少々強い風邪程度に抑え込めています。……とはいえ、やはりアズテックさん当人には万全とはいきませんか」
ソ・ジウォン:「ペテラの病状はずっと悪化しちゃうからね」
七星ミルキ:「あぁ。あの時の6番プラントで作ってたお薬」
七星ミルキ:「今の症状を抑えこんでもまた次、ってなっちゃうんですね……」
ソ・ジウォン:「いずれ本当にオーヴァードを殺すような致死性の病気になっちゃうかもしれない……それを期待されてたんだ。理事会は本当にひどいことをしたよ」
七星ミルキ:「むぅ……」
七星ミルキ:「でも、"堕天病"は治ったんですよね」
七星ミルキ:「本当にオーヴァードを殺してしまう病気──そんな前例があるなら」
七星ミルキ:「ペテラちゃんの病気も、きっと、治る」
七星ミルキ:「……と、思いたいです。私は。」
七星ミルキ:根拠は無いまま笑う。
ペテラ・アズテック:「えへ、えへへ……そうだといいなあ……」
ペテラ・アズテック:「げほ、げほーっ!」
七星ミルキ:「そう思います!治る病気は有って──形はどうあれ、先天性の違いを埋める装備を見つける人も居たんです」
七星ミルキ:「だから、ペテラちゃんだけが、どうにも出来ないなんて」
七星ミルキ:「そんな論理は破綻していますもの」
七星ミルキ:「だから、だから」
七星ミルキ:「………死にたいなんて、もう言わないでね」
七星ミルキ:以前、ペテラ・アズテックと出会った時。
七星ミルキ:最後に言いそびれた言葉を伝える。
ペテラ・アズテック:「えへ……じゃあ、ミルキさん……」
ペテラ・アズテック:「わたしは…………」
ペテラ・アズテック:「いつ治るんでしょうか?」
ペテラ・アズテック:「いつかって……いつなんでしょう?」
七星ミルキ:「それは……」
七星ミルキ:「……ごめん。答えられない。」
七星ミルキ:「明日かもしれないし、来年かもしれないし。もしかしたら、卒業した後かもしれない」
七星ミルキ:「けど、今、ジウォンちゃんは薬で症状を抑えてるって言ったわ。」
七星ミルキ:「その薬はジェネシスで作られている。大量に作ってノウハウを仕入れて、成分も研究している」
七星ミルキ:「──それは、ペテラちゃんが死ぬ前に行動した結果だと、私は思ってる」
七星ミルキ:「いつ完治するかは、わからないけど」
七星ミルキ:「それでも……それでも、少しでも、良くすることは出来るんだもの」
ペテラ・アズテック:「げほ、げほ……そう、なのかなあ……」
七星ミルキ:「……無責任なのはわかってるんだけどね」ふう、と息を吐く。
七星ミルキ:「頑張るのはペテラちゃんなわけだし、応援ならなんとも言えちゃうから」
七星ミルキ:「だからね」
七星ミルキ:「また、全部嫌になったら、私の所においでよ」
七星ミルキ:「一緒に苦しむぐらいは出来るからさ」
ペテラ・アズテック:「うううう……優しいなあ……ミルキさん……」
ペテラ・アズテック:「ねえ、ミルキさんは……死なないで……くださいね……」
ペテラ・アズテック:「いなくなったら嫌だよ…………」
七星ミルキ:「…………ん」
七星ミルキ:「そうね。死ぬのは怖いからね……気をつける」
七星ミルキ:「あんなこと言って、先に居なくなったらズルだもんね」
七星ミルキ:「死なないよ。……約束、する」
ペテラ・アズテック:「うん……」
エニュオ・デュカキス:「私にとっても、あの件は転機となりました」
エニュオ・デュカキス:「だからこの先も続けてゆきます。いつかもう一度、貴方が触れられるように」
エニュオ・デュカキス:「簡単に出来るとは、流石にお答えできませんけれど」
エニュオ・デュカキス:「技術は夢を現実に下ろすものだと信じています」
ソ・ジウォン:「……あなた達にも危ない面会だったと思うけど」
ソ・ジウォン:「来てくれてありがとう」
ソ・ジウォン:「やっぱりペテラには……ずっと消えない引け目があると思うんだ」
ソ・ジウォン:「自分が『迷惑をかける側』だって思ってる。どれだけそんなことないって言ってあげても……」
ソ・ジウォン:「ミルキちゃん達が善意で、心から言ってることが分かってるから、そう思っちゃうんだろうね」
七星ミルキ:「そっか……」
七星ミルキ:「体調崩してシフト変わってもらう時、ありがたいけど申し訳ないってなるのは、うん、そうだよね……」
七星ミルキ:「メサイア流だとこういう時、相手に迷惑をかけてお互い様にするんだけど」
七星ミルキ:「私得意じゃないんだよね。エニュオさんはどう?」
エニュオ・デュカキス:「庁内カウンセリングでも一定数現れる案件ですが……」
エニュオ・デュカキス:「自身の心身が不安定であるなら環境の改善や外部の変更で対応。ですが彼女には使えないですね」
エニュオ・デュカキス:「……ですがこうして、もう一度会って話すことはできた。ここから始めることはまだ出来る」
エニュオ・デュカキス:「関わり、積み上げて続けていく。単純ですが……変わっていく、というのはそういうことだと思います」
ソ・ジウォン:「簡単には解決できないことなんだよ。ずっと解決しないかもしれない」
ソ・ジウォン:「戦うこととか、トラブルに巻き込まれたりとかは、その原因をなんとかすれば終わることだけど……」
ソ・ジウォン:「……病気ばっかりは、『これだけしてあげたんだから、結果が出るだろう』なんてことはないの」
ソ・ジウォン:「甲斐がない話だと思う?」
エニュオ・デュカキス:「それなら、同じです」
エニュオ・デュカキス:「理論上は完璧なはずの機構が動かない。どこを直しても改善しない。これだけの熱意をかけても進めない」
エニュオ・デュカキス:「そういうものを延々と繰り返して確立されたものもあれば、未だに答えが出ないものもある」
エニュオ・デュカキス:「付き合います。そういう根気は持ち合わせています」
七星ミルキ:「合コン委員会も同じです」
七星ミルキ:「どれだけやっても成果の出る保証は無いことをずっと続けてますけれど」
七星ミルキ:「……紙一枚分の厚みでも、積み重ねれば何かには届くって」
七星ミルキ:「そう思っています」
ペテラ・アズテック:「ミルキさん……エニュオさん……げほっ、げほっ」
ペテラ・アズテック:「来てくれて、う、うれしいです……」
ペテラ・アズテック:「わたし、ろくにお話も、できないですけど……」
ペテラ・アズテック:「本当です……それは、本当………」
七星ミルキ:「……また来るよ」
七星ミルキ:「今度来た時は……そうね、好きなものを教えて」
七星ミルキ:「花でも、本でも、お魚でも……」
ペテラ・アズテック:「あ、あっ……ぶどうのゼリーが好きです」
七星ミルキ:「病気以外のことも、知りたいって思うから。」
ペテラ・アズテック:「お魚は、ネ、ネオンテトラが……」
ペテラ・アズテック:「お花は、げほげほっ、見たことがげほっ」
ペテラ・アズテック:「げほっ……げほっ……」
七星ミルキ:「オッケー。」
ソ・ジウォン:「そんなに焦って教えなくたっていいのに」
七星ミルキ:「お花が特に難題ね。そこは私のセンスでなんとかしましょう」
七星ミルキ:「あとは、また今度教えてね」
七星ミルキ:「次に会った時にさ」
七星ミルキ:「またね、ペテラちゃん」
七星ミルキ:「……私、諦めないから!」
GM:――そうして、2時間が経過した。
GM:各々がカナートスの病棟を回り、患者達へと接触した。カナートスをよく知るという目標に少しは近づけたように思うかもしれない。
GM:5人は手術室前に集合した。やや術式が長引いているのか、手術中を示すランプはまだ灯っている。
後藤スダチ:「はぁ、はぁ……本当に疲れた……」ソファでぐったりとしている。
三部つゆり:「スダチさんも、本当にお疲れ様でした」ぺこっと。
後藤スダチ:「迷子の子を案内するのが、こんなに大変だったなんて……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「患者さんは大丈夫なのかしら」
サマンサ・シュヴァイゲル:「何かあったのかしら……き、気になるわ」
サマンサ・シュヴァイゲル:ソワソワと手術室の前で歩き回っている
七星ミルキ:「あはは、お疲れ様。大変ですよねぇ、迷子の案内」
後藤スダチ:「扉は絶対蹴破らないでくださいね先生……!」
後藤スダチ:「たぶん15kmは歩いたよ」
三部つゆり:「15キロも」
七星ミルキ:「マラソンじゃないですか」
後藤スダチ:「時速7.5km……ってコト!?」
七星ミルキ:「徒歩の2倍!?」
後藤スダチ:「ごめん、誇張表現したかも……でも体感的にはそれくらいだった、絶対……」
エニュオ・デュカキス:「そこまで館内を……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「えらいわ……ヘトヘトになるまでルーちゃんのために」
サマンサ・シュヴァイゲル:「スダチちゃん、立派よ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ぱちぱちぱち
後藤スダチ:「へへ……ありがとうございます……」
GM:その時、手術室のランプが切り替わった。
GM:とはいえ、すぐに誰かが出てくることはなかったが……
サマンサ・シュヴァイゲル:「ハッ!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:勢いよく振り向き、ぐぐぐっと脚を踏みしめ
サマンサ・シュヴァイゲル:ギリギリで飛び込もうとするのをストップする
GM:ウノ・ワイルゴッド。ノヴァリスにおいて数少ない医療看護学校――それもレネゲイドの特異症例を集約した研究施設において
GM:なお最高峰の医師として知られている生徒。
GM:機械そのものの精密手術を行えるカトル・マルカにすら不可能だと言われていたL7の接続術式を、彼女は学区の外で、助手もつけずにやってのけた。
GM:扉が開き、その姿が現れる。

ウノ・ワイルゴッド:「んー疲れた……あ」
ウノ・ワイルゴッド:拍子抜けするほど、ごく普通の少女――という印象だった。
ウノ・ワイルゴッド:肩ほどの高さに切りそろえられた茶髪。特徴的な装飾もなく、どちらかといえば集団に埋没しそうな見た目である。
ウノ・ワイルゴッド:「ああ、はいはいはい」
ウノ・ワイルゴッド:「ヘルからの話にあったお客さんですね。学区の外からの」
サマンサ・シュヴァイゲル:「はいっ!職員室のサマンサですッ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ビシッと直立
七星ミルキ:「はいっ、メサイア学園のミルキです」
三部つゆり:「はい。手術後でお疲れの所申し訳ありませんが…、ああ。私はラス・ヴィダスの三部つゆりです」
サマンサ・シュヴァイゲル:「しゅじゅちゅおつかれさむッ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「しゅちゅず……しゅ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お疲れ様でしたッ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ペコーっと一礼
ウノ・ワイルゴッド:「どうもー。カナートスのウノ・ワイルゴッドです」目を糸のように細めて、ふにゃりと片手を挙げる。
後藤スダチ:「この人がカナートスの実力トップ……」
エニュオ・デュカキス:「ジェネシスのエニュオと申します。はじめまして」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ごめんなさい、とっても疲れてるだろうところに」
サマンサ・シュヴァイゲル:「大勢で押しかけちゃって……手術って体力使うって聞いたわ!」
ウノ・ワイルゴッド:「ほんとですよー。ひと仕事した後くらいはのんびりしたいのに」
ウノ・ワイルゴッド:「で、ご用はなんですか?」
ウノ・ワイルゴッド:ソファに腰掛ける。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ、はい!みんなどうぞ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ささっと後ろにどく
三部つゆり:「大したことではないのですが…ラス・ヴィダスの第10仮設診療所からワイルゴッドさんが消息不明になったと連絡がありまして」
三部つゆり:「システム上の不備で、感染確認も取れてなかったものですから、堕天病感染の恐れもあるかと思い…」
ウノ・ワイルゴッド:「あー、はいはいはい」
ウノ・ワイルゴッド:「それはご迷惑を……あれだけバタバタしてたのに気付けるなんてすごいですね」
ウノ・ワイルゴッド:「横着して検査を受けなかったのは、すみません。こっちですぐ手術が必要だって連絡が入って……」
ウノ・ワイルゴッド:「ラス・ヴィダスの仕組みだと何日の足止めになるか分からなかったから」
ウノ・ワイルゴッド:「そのまま来ちゃいました。堕天病の検疫ならカナートスも万全にやってはいるので、院内感染の心配はありません」
三部つゆり:「ああ、いえ。此方もわざわざ助けて頂いてる身ですから、本当にお手数をお掛けしました」
三部つゆり:感染の心配はない、という言葉に胸をなでおろす。「よかったです」
三部つゆり:「後は…堕天病患者の治療協力を此方もさせて頂ければ…ってことくらいでしょうか」
ウノ・ワイルゴッド:「……そうですね」
ウノ・ワイルゴッド:「治療薬の製造法が特殊すぎることは分かってます……ラス・ヴィダスとジェネシスの人たちにご協力していただかないと」
ウノ・ワイルゴッド:「カナートスにいるから病気が治らない、なんて話は本末転倒ですからね」
三部つゆり:「はい、本当に手間をお掛けしますが。どうしても患者の方々と、その親しい方々のご協力が必要なので…」
ウノ・ワイルゴッド:「よかったよかった。皆さん喜ぶと思いますよ」
ウノ・ワイルゴッド:「それでは私はこれで」
GM:〈交渉〉で難易度12の判定に挑戦できます。
三部つゆり:なっなに~~っ
三部つゆり:これは挑戦出来るキャラクターに制限があったりはしますか?
GM:誰でも挑戦できます。でもロール的に自分がやりたいという方がいれば
GM:成功した場合は優先いたしましょう
七星ミルキ:いけーっ交渉の本場!
エニュオ・デュカキス:では一番手。《援護の風》はさっき購入判定で切りましたが使えますか
GM:別ラウンド扱いとして構いません。
エニュオ・デュカキス:では《援護の風》使って交渉!
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(60 → 62)
エニュオ・デュカキス:ラッキーメダルホワイトで+1
エニュオ・デュカキス:11dx+2>=12
DoubleCross : (11DX10+2>=12) → 9[1,2,3,5,6,7,8,9,9,9,9]+2 → 11 → 失敗
エニュオ・デュカキス:ギャー
GM:では失敗かな……残念残念
三部つゆり:妖精使います?実は妖精の方がコストが安いのだ
七星ミルキ:つゆりちゃんがチャンレンジした後でもよさそう
三部つゆり:理解の民 では…ラッキーメダルブラックを起動して。
三部つゆり:コンボ:鳥破《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》にて判定します…!
三部つゆり:7dx7+1>=12
DoubleCross : (7DX7+1>=12) → 10[2,2,3,4,6,8,10]+6[5,6]+1 → 17 → 成功
エニュオ・デュカキス:すまない
三部つゆり:いいんですよ!
七星ミルキ:ギュインギュイン
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を6増加(75 → 81)
サマンサ・シュヴァイゲル:よっしゃあ~
エニュオ・デュカキス:クリティカルの差が走るぜ
GM:ではつゆりさんは気付くでしょう。
GM:ウノ・ワイルゴッドには隠していることがある。
GM:ラス・ヴィダスから学区外に出る際の検査は、本人の検疫だけではありません。
GM:堕天病をはじめとした生物サンプルの持ち出し検査――それをウノは通過していない。
サマンサ・シュヴァイゲル:「話がまとまったのね!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「とってもスムーズ、さすがだわ!」
ウノ・ワイルゴッド:ウノはそのまま廊下を歩いていく。休憩室へと向かうのだろう。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あっ!ウノちゃんお疲れ様!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お部屋でゆっくりしてね!ありがとう!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ササッと道を開ける
三部つゆり:「……」それに気づいたのは、偶然――いや、カナートスの生徒たちと話していたお陰だった。
ウノ・ワイルゴッド:「あ、どうもどうも」
ウノ・ワイルゴッド:「ありがとうございます~」
七星ミルキ:「お疲れ様です。また時間あればお話できれば嬉しいです」
七星ミルキ:「……つゆりちゃん?」その背中をつゆりが見ていることに気づく。
三部つゆり:ウノ・ワイルゴッドから既に、治療法が共有されている。…カナートスには検疫がある――そして、それはラス・ヴィダスにもあるのだ。
三部つゆり:「……ワイルゴッドさん。検疫は通過したとおっしゃっていましたが……」
三部つゆり:「堕天病の治療法について。あなたはカナートスの医師の方々に伝えていた」
三部つゆり:「……その際に、どう説明したんですか?例えば……”感染したサンプル”などを用いて?」
三部つゆり:「不躾ですみませんが…これだけは確認させて頂きたい」此方も立ち上がっている。
ウノ・ワイルゴッド:「まさか。そんなことはしていませんよ」
ウノ・ワイルゴッド:「ラス・ヴィダスでの治療記録はいくらでもありますよね?文書でも、映像でも」
ウノ・ワイルゴッド:「説明のためだけにそんな危ない橋を渡る意味はないと思いませんか?」
三部つゆり:「ええ…だから、本当に不躾で申し訳ないですが。私達ラス・ヴィダスから、これ以上堕天病の被害を出すわけには行かない」
三部つゆり:「区外に出る際には、本来。検疫として堕天病サンプルの持ち出しの検査があります」
ウノ・ワイルゴッド:背を向けたまま、軽く頭を掻く。
三部つゆり:「…あなたほどの医師が、時間を惜しむのは当然です。当然ですが」
三部つゆり:「手続きの重要性も、当然ご存知のはずです」
ウノ・ワイルゴッド:「参ったなあ~」
ウノ・ワイルゴッド:「三部さんみたいに抜け目のない人って、結構そこら中にいるんですよね」
ウノ・ワイルゴッド:「でも、そういう違和感に気づいたとして」
ウノ・ワイルゴッド:「隔離されたカナートスの中にまで、わざわざ確かめに来るなんて……」
七星ミルキ:「……?」そのやり取りに少し首をかしげながら。
サマンサ・シュヴァイゲル:「エッ?エッ?」
サマンサ・シュヴァイゲル:剣呑な空気の理由がいまいち分かっておらず、オタオタと2人の顔を見比べている。
七星ミルキ:「あっ、そっか!診療所から出る時の持ち物検査!」
七星ミルキ:自分たちもされた記憶をたどって思い至る。
エニュオ・デュカキス:妙な違和感はあった。それを確かめるまでには至らず、しかし彼女がそれを詰めて
三部つゆり:「勿論、幸運もありました。ありましたが…ラス・ヴィダス生徒会一同、全員が堕天病を、”流出”させるわけには行かないという点で一致しますよ」
ウノ・ワイルゴッド:「私は流出させるつもりはないですよ。医者ですからね」
ウノ・ワイルゴッド:「だけど皆さんにサンプルを触らせるわけにはいきません」
ウノ・ワイルゴッド:「どうしてだか分かります?」
ウノ・ワイルゴッド:「大変危険なものだからです。皆さんにとっては」
三部つゆり:「………何に、使うつもりで……」堕天病は”未知”の神秘を用いたシステム破綻兵器だ。悪用方法は、悪辣なほど広い。
ウノ・ワイルゴッド:「順を追ってご説明しましょう」
ウノ・ワイルゴッド:「過去に、桟クノアという生徒がいました」
ウノ・ワイルゴッド:「元々はキングダムの生徒で、どこかの時点でラス・ヴィダスに売却されたらしいですね」
ウノ・ワイルゴッド:「私は直接彼女を見たわけではありませんが、とても献身的で、前向きな生徒さんだったんでしょう」
ウノ・ワイルゴッド:「堕天病に侵された生徒を看病して、ずっと治療方法を探そうとしていたのですから」
三部つゆり:「……っ」過去形なのは、おそらく。
七星ミルキ:「していた、ということは……」
ウノ・ワイルゴッド:「もちろん、ラス・ヴィダスの生徒さんも、誰もがこの病の治療法を探されていたと思います。長い間ずっと」
ウノ・ワイルゴッド:「けれど、桟クノアに限っては」
ウノ・ワイルゴッド:「堕天病患者の介護の末に『病死』しています」
ウノ・ワイルゴッド:「これがとても大きな差であることはお分かりですかね?」
三部つゆり:「それは……」分かる、と口軽々しく言える事ではなかったが。
ウノ・ワイルゴッド:「三部さんのお察しのとおりです」
ウノ・ワイルゴッド:「違うんですよ。桟クノアが治療しようとしていた堕天病と、現在まで伝わっている堕天病は」
ウノ・ワイルゴッド:「それは、少なくとも表面上は、第二次紛争当時にしか確認のできない『種類』だった」
ウノ・ワイルゴッド:「何故なら、その感染者はすぐに死んでしまうから」
ウノ・ワイルゴッド:「桟クノアが、命をかけて同定したのは――」
ウノ・ワイルゴッド:「劇症型の堕天病株です」
三部つゆり:「…、劇症型に感染したジナさんに対して、現在流通している堕天病治療法が有効なことは確認されてる……」なんとかそれだけ口に出した。
ウノ・ワイルゴッド:「そうですね。当たり前ですが、これを使ったバイオテロなどは考えていません」
ウノ・ワイルゴッド:「私はこれを、あくまで本人の同意に基づいて投与するつもりです」
ウノ・ワイルゴッド:「皆さんはご存知ですよね?」
ウノ・ワイルゴッド:「死ぬほどの苦痛に苛まれて、それでも、いつまでも病から逃げられない患者がいる――」
ウノ・ワイルゴッド:「私達は、イースターエッグを探そうとしました。外の世界へと逃げる卒業の手段を」
ウノ・ワイルゴッド:「あるいは、別の方向へと逃げる方法を」
ウノ・ワイルゴッド:「自覚症状もなく、いくらでも増やせて、すぐさま苦痛なく終わらせてくれる」
ウノ・ワイルゴッド:「――『十字冠を破壊する兵器』を」
三部つゆり:「、っ、グリーフケアの……安楽死に使おうって言うの…!?」
七星ミルキ:「べ、別の方向って……」
七星ミルキ:「死、死んじゃうんですよ!?そんな、そんなことしたら……」
エニュオ・デュカキス:「苦痛を取り除くことが医者の役目であるなら、と」
エニュオ・デュカキス:「だからといって──」
サマンサ・シュヴァイゲル:「だ、ダメよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それはダメ」
サマンサ・シュヴァイゲル:震える声で、それだけ絞り出す
サマンサ・シュヴァイゲル:「死んでしまったら、おしまいなのよ……!」
ウノ・ワイルゴッド:「そのおしまいこそを求めている患者さんがいます」
ウノ・ワイルゴッド:「生きる意思のある患者さんにこれを使おうとは、全く思っていません」
ウノ・ワイルゴッド:「サンプルには決して近づかないようお願いします。いいですか?」
ウノ・ワイルゴッド:「私は医者です」
ウノ・ワイルゴッド:「メサイアや、ラス・ヴィダスのならず者とは違って、本当の意味でしか口にしません」
ウノ・ワイルゴッド:「近づいたら、あなた達は死にます」
サマンサ・シュヴァイゲル:「……ッ」
サマンサ・シュヴァイゲル:巨体が気圧される。その言葉には重みがあった。
サマンサ・シュヴァイゲル:目の前の少女が覚悟と思想を持って、それを口にしているのが
サマンサ・シュヴァイゲル:淡々とした声の奥にハッキリと感じられた。
サマンサ・シュヴァイゲル:「で、でも、だけど」
サマンサ・シュヴァイゲル:「もう少し、お話できないかしら……ウノちゃん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それをあなただけで決めるのは」
サマンサ・シュヴァイゲル:「ダメよ、やっぱりダメ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「放っておけないわ……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:回り込み、立ち塞がろうとする
ウノ・ワイルゴッド:「……勘弁してくださいよ」
七星ミルキ:きっとウノの言葉にあるのは悪意ではない。敵意でもない。
七星ミルキ:ただの──医者としての"責務"だ。
七星ミルキ:「あの」
七星ミルキ:「生きる意志があれば、使わないんです、よね?」
七星ミルキ:「じゃあ、私、何度でも話します。その患者さんたちと。」
七星ミルキ:「死にたいって思うほどの病気も苦痛も」
七星ミルキ:「ちょっとでも和らげられるように……明日に希望を持てるようなお話を、したいです」
七星ミルキ:「死ぬために努力するなんて、悲しすぎますから……!」
七星ミルキ:「そしたら、……そしたら!」
七星ミルキ:「ウノさんも……」
七星ミルキ:「患者さんに"堕天病"なんて……投与しなくても、済むんですよね?」
ウノ・ワイルゴッド:「ふー……」
ウノ・ワイルゴッド:白衣のポケットに手を入れたまま、天井を見てため息を付く。
ウノ・ワイルゴッド:「自惚れるな。」
七星ミルキ:「……!」
ウノ・ワイルゴッド:「具体的な治療の展望を語ってあげる」
ウノ・ワイルゴッド:「未来の希望に寄り添ってあげる」
ウノ・ワイルゴッド:「苦痛を紛らわす趣味や、空想に付き合ってあげる」
ウノ・ワイルゴッド:「ただ、大切に思っていることを伝えてあげる。いなくなって悲しむ人がいると理解させてあげる」
ウノ・ワイルゴッド:「――その、どれか一つでも」
ウノ・ワイルゴッド:「私達がやっていないと思ったのか?」
七星ミルキ:「それ、は」
ウノ・ワイルゴッド:「確かに、安楽死を利用したくだらないビジネスは、外の世界にいくらでもあるんでしょう」
ウノ・ワイルゴッド:「社会が楽をするために、弱者の切り捨てのために、そうした制度が使われるかもしれない」
ウノ・ワイルゴッド:「ですがね。七星さん。私はカナートスの患者のことをあなた達よりもよく知っていますよ」
ウノ・ワイルゴッド:「人が、自分自身の死を願うようになる――ということは」
ウノ・ワイルゴッド:「そんなに軽いものですかね?」
七星ミルキ:「………」カナートスの生徒達を見た。
七星ミルキ:症状はまちまちで、一度話しただけでも危機が迫って、触れ合うことすら隔離された。
七星ミルキ:『今日』だけでそれだ。昨日から、一昨日から、その前から。
七星ミルキ:『変わらない日常』として、カナートスにはそれがあった。
七星ミルキ:「軽いはずが、ないよ」
七星ミルキ:「死ぬのが、人の命が失われるのが、軽いはずなんて、ない……!」
七星ミルキ:「貴方より知ってるなんて自惚れられない。貴方はずっと見てきたんだもの」
七星ミルキ:「……けど」
七星ミルキ:「だけどさぁ……!」
七星ミルキ:「一番付き合ってる人が、一番疲れちゃうに決まってるんだから」
七星ミルキ:「新しく知り合った私が、私達が」
七星ミルキ:「その重荷を先に諦めるなんて、出来ないよ」
七星ミルキ:「……貴方達は諦めなかった。いえ、死ぬしか無いって思っても、まだ実行してない」
七星ミルキ:「……そのお陰で、私達は知り合ったんだから」
七星ミルキ:「もう終わりなんて、したくない」
七星ミルキ:「重い荷物だって持つ。貴方達が既にやったことだって、もう一回、ううん、何度でもやりたい」
七星ミルキ:「『これだけやったから充分』なんて、私は思えない、から」
三部つゆり:七星ミルキの言葉を聴いていた。理想論に聞こえて、でも自分たちが率先して行おうとする勇気があった。
三部つゆり:拳を、握り締める。握り締める。握り締める。
三部つゆり:一瞬、自分の頭を過った考えがあった。
三部つゆり:(このまま通してよいのではないか。そう望んでいるのだから。ましてや、こんなところで死ぬわけには行かない)
三部つゆり:――なんて愚劣で、愚かな考えだろうか。吐き気がする。
三部つゆり:ソル・ジファンに言った言葉を思い出せ。
三部つゆり:「”誰も巻き込まずに、ハッピーエンドにしてやる”。…”笑い話にしてやる”」ひとりつぶやく。
三部つゆり:「そうだ」
三部つゆり:「私はそう言ったんだから、そうしなくちゃいけない」
三部つゆり:「……ワイルゴッドさん、あなたは正しい」
三部つゆり:「ある意味において、本当に正しい。それを認める」
三部つゆり:「だけど」
三部つゆり:「ヘイズさんは言ったよ。堕天病の治療方法が見つかって、堕天病の子達は、そのカナートスの子達は勝ったんだって」
三部つゆり:「私は、これ以上生徒の負けを認められない。私個人のエゴイズムで!」
三部つゆり:「堕天病がそう用いられる事を、絶対に認めない…!”マスターポルート”が、あのクズが地獄で嘲笑っていそうなことを、生徒にさせるわけには行かない!」
エニュオ・デュカキス:「考え、探し続けた果てに手段を見つけ、手に入れた。患者のために動く貴方は確かに“医者”です。ですが」
エニュオ・デュカキス:「本当にそれを“正しく”使うことが出来ると思っているのですか」
エニュオ・デュカキス:「感情のことではない。理屈の話です」
エニュオ・デュカキス:「──人は必ず間違えるのです。如何にシステムを組み立てても、どれほど完璧な人間であろうとも」
エニュオ・デュカキス:「千に一つ万に一つの可能性が生まれた時点で間違える」
エニュオ・デュカキス:「だから前提に補うためのシステムも作り上げる。このカナートスという場所の中で、それを為せると貴方は言うでしょう」
エニュオ・デュカキス:「それでも。堕天病は手に余る」
サマンサ・シュヴァイゲル:「――」
サマンサ・シュヴァイゲル:足元がぐらぐらと揺れる感覚。
サマンサ・シュヴァイゲル:ただ茫然と目の前のやりとりを見ていた。
サマンサ・シュヴァイゲル:心から、未来を望まない子供たちがいるのなら。
サマンサ・シュヴァイゲル:『死んでしまいたい』が心からの望みなら。どうすればいいのか。
サマンサ・シュヴァイゲル:その答えが、まだ自分の中に無い。言葉が出てこない。
ウノ・ワイルゴッド:「私はね……本当に普通の家の、普通の子供だったんですよ」
ウノ・ワイルゴッド:「勉強ができるわけでもなかったし、手先が器用なわけでもなかった」
ウノ・ワイルゴッド:「だけど不思議なことに、転んで怪我した子に絆創膏を貼ってあげたり、熱を出した子の看病をしてあげたり」
ウノ・ワイルゴッド:「誰かの体を治すことがすごく好きだったんです」
ウノ・ワイルゴッド:「子供では手のつけられない、もっとひどい怪我だって、この世界には治す手段があることを知って」
ウノ・ワイルゴッド:「人の体は何か魔法のような仕組みで動いているのではなくて、体の理屈に従ってその場所を直したり取り替えたりすれば」
ウノ・ワイルゴッド:「ちゃんと健康になるものなんだって、勉強するたびに驚きました」
ウノ・ワイルゴッド:「だけどオーヴァードの、ノヴァリスの生徒の病気は違うんです」
ウノ・ワイルゴッド:「どれだけ取り替えても、病んだ状態に治ってしまう」
ウノ・ワイルゴッド:「このノヴァリスには、不治の病が多すぎる」
ウノ・ワイルゴッド:「治療しなければならないんです。それが彼女らの望んだことで」
ウノ・ワイルゴッド:「私にとって、ただ一つの欲望です」
シノエ・リュコス:「そうだよ?みんな」
GM:――その時だった。
GM:廊下を挟んで反対側に佇んでいた、白い少女がいた。
GM:両手を後ろに組んで、ニコニコと笑っている。

七星ミルキ:「!」その髪、その目。その声音。間違えようもない。病院の中を進むたびその気配を感じていた。
七星ミルキ:「シノエ・リュコスさん……!」
エニュオ・デュカキス:「彼女が……」
シノエ・リュコス:「みんなが願ってることを邪魔しちゃだめ」
三部つゆり:「じゃあ生きててほしいって思ってるこっちの願いは邪魔されていいんですか」
シノエ・リュコス:「うん」即答する。
シノエ・リュコス:「だってそうでしょう?」
シノエ・リュコス:「どれだけ生きていたいって願ったって――」
シノエ・リュコス:「そんなお願いは最後には、かなわなくなるんだもの」
シノエ・リュコス:「じゃあ、叶う方のお願いが叶ったほうがいいよね?」
三部つゆり:「見解の相違ですね。私は私じゃなくなりますが、死んでも生き続けさせられますよ」輪廻の獣だからだ。
三部つゆり:「だったら、生き続けて貰ったっていいでしょう」

巡回ドローン:〈ようやくここまで辿り着いたようだが、エニュオ・デュカキス〉
介護オートマタ:〈ちょいとばかし時間切れだったな〉
巡回ドローン:〈カナートスの勝ちだ〉
エニュオ・デュカキス:足元が風切り音を立てる。遠慮もなく飛んだハイキックが忌々しげにドローンのひとつを蹴り飛ばす
エニュオ・デュカキス:こんなことをしても無駄だ。しかし
エニュオ・デュカキス:「だとしても」
エニュオ・デュカキス:「足を止めるわけにはいきません」
介護オートマタ:〈いいねえ。お前さんも〉
介護オートマタ:〈ようやく『必死』にならなきゃあならねえ時が来た〉
ウノ・ワイルゴッド:「面会の時間は終わりですよ」
ウノ・ワイルゴッド:「全員、お帰りいただこう」
GM:ガシャリ、ガシャリ、という音が響いている。外の、実験棟の方角からだった。

"キッチンボイラー":獣の骨格から、際限なく血の滝が流れ落ちているような
"キッチンボイラー":悍ましい、異形の怪物。

"リトルドレッサー":無秩序に膨れ上がった細胞塊の姿もあった。
"リトルドレッサー":顔面と思しき部位と、手足と思しき部位が多数、名状しがたい形で融合している。
GM:手術室前の窓越しにも、そうした怪物達が接近しているのが分かった。
巡回ドローン:〈ノコノコとカナートスの中まで入ってきちまったのは〉
巡回ドローン:〈お前さんがたの失敗だったな〉
巡回ドローン:〈理事会の連中が、どうやってあれを作ったか分かるかい?〉
巡回ドローン:〈戦闘用の特異症例をいくつも感染させたのさ。処分予定の、大人のエージェントにな〉
巡回ドローン:〈カナートスの業は、お前さんがたにゃ救えねえ〉
七星ミルキ:「………!」ジウォン。ペテラ。カリス──今まで出会ったカナートスの少女たちの症状を思い出す。
七星ミルキ:それらに共通する症状。あるいは未知の症状。悍ましい見た目に『症状』を見出される。
サマンサ・シュヴァイゲル:それでも、体は動く。
サマンサ・シュヴァイゲル:答えは出なくとも、確かな、そうするべきことは。
サマンサ・シュヴァイゲル:「まだよ」
サマンサ・シュヴァイゲル:「時間は延長!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「生徒にはまだ、お話が必要だわ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:生徒たちの前に出て、怪物を見据え待ち構える。
ウノ・ワイルゴッド:「でしたら、これ以降のお話は――」
ウノ・ワイルゴッド:「B103号"キッチンボイラー"」
ウノ・ワイルゴッド:「B105号"リトルドレッサー"」
ウノ・ワイルゴッド:「"霊安室"の兵器がお相手しましょう」
GM:シーンを終了します。ロイスのみ可能です。
三部つゆり:ウノさんに取得します。ウノ・ワイルゴッド 〇感服/憤懣。これで全部!以上です。
七星ミルキ:「ウノ・ワイルゴッド ◯P感服/N反骨」言うことは厳しいけどこの病院で今日みたいなことをやり続けた人なんだな、ということで。Nはそれでも別の意見を持ちたい。
サマンサ・シュヴァイゲル:まず前回取れなかったミルキちゃんに!
サマンサ・シュヴァイゲル:たすかったわ!〇/ふがいないわ…
サマンサ・シュヴァイゲル:エニュオちゃんとつゆりちゃんにも!
サマンサ・シュヴァイゲル:おせわになったわ!〇/みそこなわないで!
サマンサ・シュヴァイゲル:イルカさんたのしみだわ!〇/すべすべなのかしら…
GM:思考がぜんぶ平仮名
サマンサ・シュヴァイゲル:以上です
エニュオ・デュカキス:七星さんに「〇敬意/隔意」。そして死神に対して
エニュオ・デュカキス:「乗ってやりましょう/〇必死」で
エニュオ・デュカキス:以上で
◆Climax◆医療機能不全期(レベル4)
GM:クライマックス戦闘です。全員登場をお願いします。
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を1D10-1(→ 6)増加(81 → 87)
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 9)増加(64 → 73)
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 2)増加(62 → 64)
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+54
DoubleCross : (1D10+54) → 7[7]+54 → 61
★離脱ポイント
30m
巡回ドローン[7]
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
巡回ドローン[7]
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
15m
ミルキ[8/73] エニュオ[6/64]
つゆり[8/87] サマンサ[5/61]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:今回の戦闘のルールを説明します。
GM:このマップを見ても分かる通り、今回のバトルフィールドは『敵地』であり、PCにとって圧倒的不利です。
七星ミルキ:アウェイ…
GM:加えて、PCから見て上方のエネミー達は攻撃ではなく、主にPCから距離を取り、あるいは阻害するように動きます。
GM:特にウノ・ワイルゴッドは、45m先の離脱ポイントを目指して動きます。
サマンサ・シュヴァイゲル:この野郎~~
七星ミルキ:地道な退場罪
サマンサ・シュヴァイゲル:時間をかけて離脱すれば瞬間退場罪にはならないということかよ
サマンサ・シュヴァイゲル:巧妙なアリバイ作り!
GM:そうだよ
七星ミルキ:炭治郎もニッコリ
GM:でもPCが頑張ればこの退場を阻止することができます。つまり……
GM:カナートスの患者への劇症型堕天病の投与を阻止することができるというわけです
七星ミルキ:うおおお! やらねば
サマンサ・シュヴァイゲル:やるしかねえずら!!
GM:よって、この戦闘の勝利条件は「ウノ・ワイルゴッドの撃破」のみということになります。が
GM:次に、PCの下方のほうのエネミーを見てください。
七星ミルキ:見ました。
GM:シノエ・リュコスは動きませんが、"霊安室"の生物兵器はPCを追いかけてきます。
サマンサ・シュヴァイゲル:ダクソみたいになってる
GM:こいつらの戦闘移動距離は10mです
サマンサ・シュヴァイゲル:追うな!!
七星ミルキ:安置されろ!
GM:追いつかれた場合は、どうにか逃れない限りこちらの身の安全が危険です。
GM:つまり、"霊安室"の生物兵器にエンゲージされた場合は
GM:「ウノ・ワイルゴッドの撃破」に加えて「エンゲージしている生物兵器の撃破」が勝利条件に加わることになります。
七星ミルキ:なんてこった
サマンサ・シュヴァイゲル:ぐえ~ッ
七星ミルキ:ウノちゃんを倒し、その後エンゲージしている生物兵器も倒した男
七星ミルキ:化け物を近づけず目的達成せよってことね
GM:今回は特別に、これらのエネミーが持っているEロイスも戦闘前にご紹介しましょう
七星ミルキ:怖いよ~
■"キッチンボイラー"
「苦痛のこだま」戦闘不能時、シーンに〈意志〉対決。敗北したキャラクターは1D10点のHPダメージを受け、自分は(敗北人数×10)点で戦闘不能から回復。
「苦痛のこだま」戦闘不能時、シーンに〈意志〉対決。敗北したキャラクターは1D10点のHPダメージを受け、自分は(敗北人数×10)点で戦闘不能から回復。
■"リトルドレッサー"
「絶対拒絶」エンゲージしたキャラクターは侵蝕率が1D10上昇する。
「絶対拒絶」エンゲージしたキャラクターは侵蝕率が1D10上昇する。
七星ミルキ:コイツラ~!
サマンサ・シュヴァイゲル:うっげ!!
三部つゆり:い、いやすぎ
七星ミルキ:復活してきよる!!
サマンサ・シュヴァイゲル:クソしぶといやつと、近づいただけでこっちにデメリットがあるやつ!
エニュオ・デュカキス:ぬかしよる
七星ミルキ:最悪生物兵器だ
エニュオ・デュカキス:フロム出身のいやらしさか
三部つゆり:動く毒沼にチャレンジしてみましたってことかよ
七星ミルキ:TCGで暴れまくって制限食らうタイプ。
GM:その他質問はございますか?
七星ミルキ:私は大丈夫!
サマンサ・シュヴァイゲル:とりあえずはおけ~
エニュオ・デュカキス:現状OKです
三部つゆり:私も大丈夫です~!
GM:では戦闘を開始していきましょう……衝動判定です。
GM:難易度は9。
三部つゆり:8dx+1>=9
DoubleCross : (8DX10+1>=9) → 7[1,2,3,3,4,6,7,7]+1 → 8 → 失敗
三部つゆり:マジ??
七星ミルキ:つゆりちゃん…!
サマンサ・シュヴァイゲル:ウォオオオオ
サマンサ・シュヴァイゲル:思い出の一品加えつつ…おりゃっ!
サマンサ・シュヴァイゲル:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 3[3,3]+1 → 4
サマンサ・シュヴァイゲル:薄弱精神!暴走します!
エニュオ・デュカキス:AIDAで+3D!
エニュオ・デュカキス:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 9[3,3,3,5,8,9] → 9 → 成功
エニュオ・デュカキス:ウワー出目悪いけどギリ
三部つゆり:此方も暴走だよ~
七星ミルキ:5dx+2>=9 思い出の一品
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 10[4,8,8,10,10]+9[8,9]+2 → 21 → 成功
七星ミルキ:パワーメンタル
エニュオ・デュカキス:意思が強い
サマンサ・シュヴァイゲル:2d10+61
DoubleCross : (2D10+61) → 3[2,1]+61 → 64
サマンサ・シュヴァイゲル:よしよし
サマンサ・シュヴァイゲル:浸蝕はいい
七星ミルキ:七星ミルキのHPを2D10(→ 10)増加(28 → 38)
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を2D10(→ 8)増加(87 → 95)
三部つゆり:衝動の侵蝕だけはやさしかった
エニュオ・デュカキス:2d10
DoubleCross : (2D10) → 8[2,6] → 8
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を8増加(64 → 72)
七星ミルキ:HPになってる。なおしなおし
七星ミルキ:73から83です!
GM:すいません、一番上の距離だけ変えさせてもらいましょう
七星ミルキ:13kmぐらいかな
GM:30mじゃなくて50mにします。ウノから離脱ポイントまで45mだと戦闘移動→全力移動で離脱できちゃうや
七星ミルキ:はーい
サマンサ・シュヴァイゲル:よ、よかった
エニュオ・デュカキス:押忍
サマンサ・シュヴァイゲル:温情!
★離脱ポイント
50m
巡回ドローン[7]
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
巡回ドローン[7]
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
15m
ミルキ[8/83] エニュオ[6/72]
つゆり[8/95] サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
七星ミルキ:ウノちゃんがとんでもねー健脚になるところだった
三部つゆり:た、たすかった
【神聖二重冠】
クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。
GM:クライマックス戦闘を開始します。
■ラウンド1
GM:セットアップです。
ウノ・ワイルゴッド:ウノは何もなし。
七星ミルキ:なし!
三部つゆり:此方も何もなし…!
エニュオ・デュカキス:ありません
サマンサ・シュヴァイゲル:なし!
"リトルドレッサー":《ヴァイタルアップ》。
"リトルドレッサー":HPを+60します。侵蝕率も+60されるため、エフェクトレベルが1上昇します。
サマンサ・シュヴァイゲル:ごめんなさいちょいお待ちを!
サマンサ・シュヴァイゲル:すいません…どなたか衝動判定に
サマンサ・シュヴァイゲル:妖精をいただけますと…へへへ…
サマンサ・シュヴァイゲル:変なタイミングになっちゃってGMもごめんね
七星ミルキ:見せてやんな
GM:いいのよ~♡
エニュオ・デュカキス:菓子折りの中身が金色だったり
エニュオ・デュカキス:とにかく《妖精の手》を先生に!
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を4増加(72 → 76)
サマンサ・シュヴァイゲル:エニュオチャーン
サマンサ・シュヴァイゲル:助かったぜ1dx+11
サマンサ・シュヴァイゲル:1dx+11
DoubleCross : (1DX10+11) → 9[9]+11 → 20
サマンサ・シュヴァイゲル:ナントカ突破!
GM:チィッなんだって妖精の手なんて持ってやがるんだよ
サマンサ・シュヴァイゲル:禁断の妖精2人持ち!
GM:ではセットアップ処理の続きに入っていきます。
サマンサ・シュヴァイゲル:うす!
"キッチンボイラー":《苛烈なる熱気》。
"キッチンボイラー":このシーンに登場している限り、達成値21以下の判定は全て失敗になります。
七星ミルキ:インチキ!
サマンサ・シュヴァイゲル:ひっでえ!
エニュオ・デュカキス:なんてことを
三部つゆり:きついよ~~
GM:さらに今回、セットアップ手番を厳密に行動値順に処理していく必要がありました。なぜなら……
シノエ・リュコス:これがあるからです。《レネゲイドキラー》。
シノエ・リュコス:エフェクトレベルは5。つまり皆さんはこれ以降
七星ミルキ:イヤーッ!
シノエ・リュコス:使用したエフェクト一種類ごとに5点のHPを失っていきます。
三部つゆり:レベル5??マジか……!
サマンサ・シュヴァイゲル:オイオイオイ
GM:それでは戦闘を開始します。
ウノ・ワイルゴッド:最初の手番はウノ。《レネゲイドキラー》《苛烈なる熱気》があるため
ウノ・ワイルゴッド:積極的な攻撃行動は取りません。15m移動して、別の巡回ドローン達のエンゲージに移動。
★離脱ポイント
50m
巡回ドローン[7]
巡回ドローン[7]
ウノ[10]
15m
巡回ドローン[7]
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
15m
ミルキ[8/83] エニュオ[6/72]
つゆり[8/95] サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:行動値は8。ミルキさんおよびつゆりさんの手番となります。
GM:そうでした!マップの扱いについて言っていませんでしたが
GM:これは廊下を逃げながらの戦闘となるので、基本的には敵エンゲージを回り込むことはできないと考えてください。
GM:もちろんエンゲージを突破できるような移動エフェクトがあれば突破できます。
七星ミルキ:理解!
七星ミルキ:ではお先にブルルン。
GM:★オゾンの脅威!!
七星ミルキ:マイナーで戦闘移動、13m上方向に。
七星ミルキ:メジャーで【EX:日々の成果を見せます!】《スキルフォーカス》《神機妙算》
七星ミルキ:10点HPを失いつつ、ウノちゃんのエンゲージに範囲攻撃します。
七星ミルキ:えーと 使用する事にだから今かな。
七星ミルキ:七星ミルキのHPを10減少(28 → 18)
GM:そうですね
七星ミルキ:4dx10+17
DoubleCross : (4DX10+17) → 10[1,2,10,10]+10[3,10]+3[3]+17 → 40
七星ミルキ:!?
七星ミルキ:頑張りミルキ。リアクションどうぞ
三部つゆり:すごい
エニュオ・デュカキス:開幕からいい調子!
巡回ドローン:当然巡回ドローンのうち一機はウノをカバーします。《マグネットフォース》を使いますが……
巡回ドローン:別に使わなくても行動放棄カバーします
七星ミルキ:うわードローンビット!
サマンサ・シュヴァイゲル:めんどくせ~!
エニュオ・デュカキス:GNとか頭に付きそうな見た目しおって
巡回ドローン:ドローン自身は《イベイジョン》6で自動命中
巡回ドローン:いや、違うな。
巡回ドローン:カバーしてない方のドローンはガードしましょう。
七星ミルキ:臨機応変!
ウノ・ワイルゴッド:ウノは自分は回避するけど
ウノ・ワイルゴッド:7dx>=40
DoubleCross : (7DX10>=40) → 8[1,1,5,6,7,7,8] → 8 → 失敗
ウノ・ワイルゴッド:そもそも苛烈なる熱気も越えられません。これは同じ建物にいる限り無差別ですからね
七星ミルキ:生物兵器こわいですわぁ
ウノ・ワイルゴッド:それで、ガードしたほうのドローンに
七星ミルキ:むむ
ウノ・ワイルゴッド:《ディフェンスサポート》。ガード値を+12します。HPは-5。
七星ミルキ:キィーッ!
七星ミルキ:ダメージ!
サマンサ・シュヴァイゲル:そういうタイプか~~
エニュオ・デュカキス:かっとばせー
三部つゆり:がんばって~
七星ミルキ:5d10+24 諸々有効
DoubleCross : (5D10+24) → 35[9,9,7,1,9]+24 → 59
七星ミルキ:よいよい
エニュオ・デュカキス:でかい
三部つゆり:出目がいい
七星ミルキ:59点!
ウノ・ワイルゴッド:待ってくださいね。計算しましょう……
ウノ・ワイルゴッド:出ました。《ひらめきの盾》を2回使用。
ウノ・ワイルゴッド:ガードドローンのダメージを20点軽減します。
七星ミルキ:コラ~~~ッ
巡回ドローン:カバードローンは爆発四散。
七星ミルキ:27点ぐらいしか通らなくなっちゃう
三部つゆり:マグネットフォース使ってるからその分のダメージ5点とそれくらいかあ
七星ミルキ:メジャー分の上昇とレッテンの反動を受けます。
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を5増加(83 → 88)
GM:いや、マグネットフォースを使ったのは今カバーしたドローンの方なので
七星ミルキ:七星ミルキのHPを1D10(→ 7)減少(18 → 11)
七星ミルキ:ぐわあ
GM:こっちはどっちみち死んでいます
三部つゆり:あっそうだった 失礼しました…!
GM:ふふ……反動ダメージも辛かろう
七星ミルキ:HP減るのは《ディフェンスサポート》だね!
七星ミルキ:くっ……HPを削るのは病気だけじゃないって教えてあげる…
ウノ・ワイルゴッド:ディフェンスサポートを使ったのはウノなので
ウノ・ワイルゴッド:ウノもHP5減ってます
ウノ・ワイルゴッド:さらに《ひらめきの盾》を2回使った分で-10かな
★離脱ポイント
50m
巡回ドローン[7]
ウノ[10]
15m
巡回ドローン[7]
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
2m
ミルキ[8/88]
13m
エニュオ[6/72]
つゆり[8/95] サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:それでは次はつゆりちゃんの手番。行動値8です。
三部つゆり:はい。まずマイナーで10m前進します!
三部つゆり:そしてメジャー。装備したボルトアクションライフルで、コンボ:鳥破《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》にてウノさんへ攻撃。
三部つゆり:レネゲイドキラー分ダメージ10点受けて。
三部つゆり:三部つゆりのHPを10減少(28 → 18)
三部つゆり:8dx7+6+3
DoubleCross : (8DX7+9) → 10[1,2,4,4,5,6,8,10]+10[4,10]+4[4]+9 → 33
三部つゆり:ま、まわんないなあ
ウノ・ワイルゴッド:回避だけします
ウノ・ワイルゴッド:しかし苛烈なる熱気でも失敗しないなあ
ウノ・ワイルゴッド:7dx>=33
DoubleCross : (7DX10>=33) → 10[2,4,4,5,8,8,10]+4[4] → 14 → 失敗
三部つゆり:回す!
エニュオ・デュカキス:地味にひとつ回す
ウノ・ワイルゴッド:いや、使ってしまうか。
ウノ・ワイルゴッド:《勝利の女神》。達成値を+18、HPを-5。
ウノ・ワイルゴッド:これで達成値は32になるわけですが……
三部つゆり:ぎゃ~~っ
シノエ・リュコス:「学園天使」。達成値を+5。
ウノ・ワイルゴッド:達成値37で回避を試みます。
七星ミルキ:コラ~~!
サマンサ・シュヴァイゲル:こいつら~~
三部つゆり:にゅあ~~ これはキツいな…!ロイス割っていくしかないか
サマンサ・シュヴァイゲル:つゆりちゃん…!
サマンサ・シュヴァイゲル:覚悟ガンギマリだ
七星ミルキ:ギマりちゃん!
GM:大丈夫ですか?4以下が出たら無駄骨ですよ
GM:それに当たったとしてカバーリングされるだけかもしれないというのに……
三部つゆり:実際戦闘条件的にこのラウンドで決めないと厳しくて カバーが残っちゃってるので…!
三部つゆり:行きます!4:七星ミルキ 〇好感/劣等感 このロイスをタイタス昇華し…達成値を上昇させます!
三部つゆり:33+1d10
DoubleCross : (33+1D10) → 33+5[5] → 38
七星ミルキ:友情パワー!
七星ミルキ:偉い!
三部つゆり:足りた!!
エニュオ・デュカキス:あっぶない!
七星ミルキ:主人公や!
サマンサ・シュヴァイゲル:うおっしゃあ!
エニュオ・デュカキス:流石
ウノ・ワイルゴッド:なんてやつだ……!
七星ミルキ:ちょうど学園天使分を補填したってことはつゆりちゃんも学園天使と言える
ウノ・ワイルゴッド:では命中。こっちも切り札切ってるのよ
巡回ドローン:ヘロヘロの巡回ドローンに行動放棄カバーさせるしかない。ダメージをください……。
三部つゆり:ぜえはあ あぶなかった ダメージ…!
三部つゆり:4d10+1d10+8 装甲等有効
DoubleCross : (4D10+1D10+8) → 23[8,4,8,3]+5[5]+8 → 36
七星ミルキ:良い感じ
巡回ドローン:もちろん爆発四散します
三部つゆり:よかった…!
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を6増加(95 → 101)
七星ミルキ:オーライオーライ
★離脱ポイント
50m
ウノ[10]
15m
巡回ドローン[7]
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
10m
エニュオ[6/72]
サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:次の手番は巡回ドローンになります。
GM:味方のエンゲージって貫通して移動できるんでしたっけ?
GM:ちょっとお待ちくださいね
GM:いや、どっちみち大丈夫か
七星ミルキ:「敵(エネミーや進路を妨害するもの)が存在していた場合、そこで移動終了」らしいですね 基本1-P238
GM:味方は含めないわけですね
七星ミルキ:そのようです
巡回ドローン:では戦闘移動+全力移動で、上方に合計30m移動しようと思います。
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
介護オートマタ[6]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
10m
エニュオ[6/72]
サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:手番はエニュオさん。
GM:というか味方エンゲージを通過できなかったらここでエニュオさんが大変だからな……
エニュオ・デュカキス:何もできなくなってしまう
サマンサ・シュヴァイゲル:ウノちゃんを跳び越えた…!?
サマンサ・シュヴァイゲル:コイツ何が狙いだ
エニュオ・デュカキス:移動の先読み?
七星ミルキ:騙して悪いが…
エニュオ・デュカキス:とにかくこちらも動きましょう
三部つゆり:おねがいします!
エニュオ・デュカキス:マイナーで“特義兵装転送”。《骨の剣》《死招きの爪》
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を6増加(76 → 82)
エニュオ・デュカキス:素手攻撃力変更して10点食らいます
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスのHPを10減少(24 → 14)
エニュオ・デュカキス:メジャー“特殊攻動Lv1”《Cオルクス》《ディストーション》《一閃》で全力移動、22mですが介護オートマタとエンゲージして停止
エニュオ・デュカキス:そして1点足りない……15点食らってリザレクト!
介護オートマタ:キャッ
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 9)増加(82 → 91)
エニュオ・デュカキス:Hp9
エニュオ・デュカキス:ここで躊躇ったら負ける! 介護オートマタの片割れに白兵攻撃で、命中前に《援護の風》を自分に
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(91 → 93)
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスのHPを5減少(9 → 4)
エニュオ・デュカキス:判定行きます
エニュオ・デュカキス:12dx7+6
DoubleCross : (12DX7+6) → 10[1,1,3,3,3,4,6,7,7,8,8,9]+10[2,6,7,8,10]+6[1,4,6]+6 → 32
七星ミルキ:いい感じですわ
介護オートマタ:4dx>=32
DoubleCross : (4DX10>=32) → 10[2,3,9,10]+6[6] → 16 → 失敗
エニュオ・デュカキス:回すな!
介護オートマタ:駄目!学園天使でも無理だ
七星ミルキ:天使のもとに送って差し上げよう
エニュオ・デュカキス:ダメージに移ります、装甲諸々有効で
エニュオ・デュカキス:4d10+19
DoubleCross : (4D10+19) → 27[9,8,1,9]+19 → 46
エニュオ・デュカキス:高め。46
介護オートマタ:もちろん一撃で撃破されます。HPは20しかないのだ
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃあっ
七星ミルキ:やった~
三部つゆり:やったぜ
GM:侵蝕上昇はもうしてるんですね。じゃあマップを編集して
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/93]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
10m
サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
介護オートマタ:介護オートマタの手番ですが、せっかくなので近づいてきたエニュオさんを素殴りしましょう
介護オートマタ:離脱してもウノには追いつけないし
介護オートマタ:6dx+3
DoubleCross : (6DX10+3) → 10[2,3,6,7,9,10]+6[6]+3 → 19
介護オートマタ:おや!これは
サマンサ・シュヴァイゲル:なんだぁっ
シノエ・リュコス:「学園天使」2回目。達成値を+5。
七星ミルキ:コイツッ!
三部つゆり:つ、つらい
介護オートマタ:これで苛烈なる熱気を突破できる!
エニュオ・デュカキス:くそー
サマンサ・シュヴァイゲル:まあ使わせたと思おう!
介護オートマタ:達成値24でぶんぶんブン殴り
七星ミルキ:マイボマイボ
サマンサ・シュヴァイゲル:ヤダ―ッ
七星ミルキ:ザーッ ザーッ
介護オートマタ:リアクションしなさ~い
エニュオ・デュカキス:そして申し訳ありません、メジャー分の侵蝕が上がってませんでした
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を6増加(93 → 99)
エニュオ・デュカキス:リアクション、せめて回避!
エニュオ・デュカキス:3dx>=24
DoubleCross : (3DX10>=24) → 9[3,4,9] → 9 → 失敗
エニュオ・デュカキス:素直に食らうしかない
介護オートマタ:3d10-5
DoubleCross : (3D10-5) → 22[7,5,10]-5 → 17
介護オートマタ:全部有効
エニュオ・デュカキス:残り4なのでリザレクト!
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を1D10(→ 8)増加(99 → 107)
エニュオ・デュカキス:HP8
GM:よしよし、これはでかい……学園天使を切る価値があったというもの
七星ミルキ:イタズラな天使ちゃんがよ…
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
10m
サマンサ[5/64]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:次は行動値5のサマンサ先生。何をしますか?
"キッチンボイラー":こっちに来ても
"リトルドレッサー":いいんだよ
サマンサ・シュヴァイゲル:よくねーよ!
サマンサ・シュヴァイゲル:どうせ移動距離的に最前線には追い付けないので
サマンサ・シュヴァイゲル:いや、うーんどっちだ
サマンサ・シュヴァイゲル:全力移動すればエニュオちゃんのとこまではいけるのか
GM:そういうことになりますね
サマンサ・シュヴァイゲル:次の行動順的にも
サマンサ・シュヴァイゲル:先にみんなが来るのを待ってた方がいいか
GM:賢い
サマンサ・シュヴァイゲル:うし!ほんでは全力移動でエニュオちゃんと同じエンゲージに!
サマンサ・シュヴァイゲル:カバーも出来るぜ
サマンサ・シュヴァイゲル:以上!
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/64]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
20m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
シノエ[4]
GM:では次は行動値5のジャーム兵器達の手番……のイニシアチブ。
シノエ・リュコス:《解放の雫》。
シノエ・リュコス:自分のエンゲージの3体の、このラウンドのメジャーアクションの達成値を
シノエ・リュコス:+27します。
三部つゆり:+27!?!?
サマンサ・シュヴァイゲル:ゲェ~ッ
サマンサ・シュヴァイゲル:そう対策してくるんだ…!
七星ミルキ:やぁ~ん!
サマンサ・シュヴァイゲル:マッチポンプ野郎!!
エニュオ・デュカキス:魔法の数字…
七星ミルキ:介護性能まである
"リトルドレッサー":"リトルドレッサー"がまず動きます。
七星ミルキ:転んで~~
"リトルドレッサー":戦闘移動で10m前進。
"リトルドレッサー":メジャーアクションで《治らずの病》。対象はPC全員。
"リトルドレッサー":全員に堕天病を罹患させます。
七星ミルキ:ギャーッ!!
サマンサ・シュヴァイゲル:ウソでしょ
エニュオ・デュカキス:オイオイオイオイオイ
三部つゆり:ひいいい
七星ミルキ:マスターポルートでも素体にしたの?
"リトルドレッサー":これは技能- 難易度自動成功のエネミーエフェクトですね。なので判定も振らないです
三部つゆり:せ、せめて判定があれば~~~っ
七星ミルキ:解放の雫で弄んでやがる
サマンサ・シュヴァイゲル:カバーとかも出来ないですよね
GM:いえ
GM:カバーはしてもいいのではと思います
サマンサ・シュヴァイゲル:じゃあ…そうだな
サマンサ・シュヴァイゲル:不利になったらごめん…!
サマンサ・シュヴァイゲル:守護者を切りたい!!
GM:サマンサ先生……!
七星ミルキ:先生…!
サマンサ・シュヴァイゲル:ターゲットはオレ一人だ!!!
エニュオ・デュカキス:先生~!!
三部つゆり:せ、先生……!
GM:いいでしょう!堕天病を受けるのはサマンサ先生だけになります!
サマンサ・シュヴァイゲル:オラ―ッ!!なめんじゃねえーっ!!
"リトルドレッサー":コレガ心カ……
サマンサ・シュヴァイゲル:何百ドレッサーでも来いってんだよ!!!!!
七星ミルキ:先生…!
GM:その心意気やよし!では同じ行動値5のジャーム兵器だ
"キッチンボイラー":キッチンボイラー!
"キッチンボイラー":マイナーで《滅びのかぎ爪》《シールドクリエイト》《マルチアクション》!
七星ミルキ:普通に攻撃してくる!
"キッチンボイラー":HPを合計17失いながら、10m前進します!
サマンサ・シュヴァイゲル:あっ、そういえば
サマンサ・シュヴァイゲル:Dロのデメリットがあった、ふりまーす
サマンサ・シュヴァイゲル:1d10+61
DoubleCross : (1D10+61) → 1[1]+61 → 62
GM:き、奇跡じゃ……
七星ミルキ:健康
サマンサ・シュヴァイゲル:よしよし
エニュオ・デュカキス:タフ
GM:生徒を思う気持ちが奇跡を引き起こしたのじゃ
三部つゆり:タフという言葉はこの人の為にある
サマンサ・シュヴァイゲル:ガー・ディアン!!
GM:あれ?マップだとサマンサ先生64になってなかったっけ
GM:どっちが正しいか今確認してみます
GM:やっぱり64じゃねーか
サマンサ・シュヴァイゲル:ごめん!
GM:衝動侵蝕の時の3点が上がってなかったぞ
サマンサ・シュヴァイゲル:65で~す
GM:了解!
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/65]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/101]
10m
"キッチンボイラー"[5]
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
"キッチンボイラー":メジャーアクションでもたくさんやるぞ
"キッチンボイラー":《コンセントレイト:サラマンダー》《炎神の怒り》《フレイムタン》《憎悪の炎》《カスタマイズ》《スプリットアタック》。
"キッチンボイラー":対象はPC全員です。ダメージを受けた場合はキッチンボイラーに憎悪を向けてもらいます。
七星ミルキ:うげっ
エニュオ・デュカキス:ぐわああ
サマンサ・シュヴァイゲル:めんどくせ~ことしよる!
三部つゆり:待ちな!
"キッチンボイラー":なにっ
七星ミルキ:こ、このままワシら、死んで…!
三部つゆり:コンボ:胡蝶《原初の黒:時の棺》。判定は失敗してもらう!
七星ミルキ:つゆり殿~~~~♡
"キッチンボイラー":ギャア~!
三部つゆり:三部つゆりのHPを5減少(18 → 13)
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を12増加(101 → 113)
"キッチンボイラー":無駄にHP33減っただけになってしまった
"キッチンボイラー":では行動終了と同時に
"キッチンボイラー":《夜魔の領域》。行動値0になり、未行動になりました。
七星ミルキ:コラッ
サマンサ・シュヴァイゲル:ふざけちょる
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/65]
2m
ミルキ[8/88]
3m
つゆり[8/113]
10m
"キッチンボイラー"[0]
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
シノエ・リュコス:最後はわたしの手番だよ!
サマンサ・シュヴァイゲル:問題はこいつだよな~
サマンサ・シュヴァイゲル:その辺で遊んでろ!!
シノエ・リュコス:ちぇー
シノエ・リュコス:じゃあそのへんで遊んでよ……《ライトスピード》とかして……
サマンサ・シュヴァイゲル:おこづかいあげるから…
サマンサ・シュヴァイゲル:ウギャアアアアアア
サマンサ・シュヴァイゲル:ふざけてんじゃねー!!
シノエ・リュコス:《アシッドボール》《サイレンの魔女》《アースシェイカー》。
七星ミルキ:ウワッ!!
サマンサ・シュヴァイゲル:最悪の遊び方してるな
七星ミルキ:キングダムをぐちゃぐちゃにしてきな 喜ばれるよ
サマンサ・シュヴァイゲル:ろくな大人にならねーぞ
シノエ・リュコス:対象はPC全員です。
エニュオ・デュカキス:命は玩具じゃないんだぞ
シノエ・リュコス:10dx11+33 命中した場合、対象がそのシーン中行うあらゆる判定ダイスを-7個
DoubleCross : (10DX11+33) → 10[1,1,2,2,2,7,8,9,9,10]+33 → 43
サマンサ・シュヴァイゲル:ウケる~~
エニュオ・デュカキス:とにかく回避は振ります!
七星ミルキ:ワンチャン回避~
三部つゆり:リアクション…!ドッジ!
三部つゆり:4dx>=43
DoubleCross : (4DX10>=43) → 9[3,4,4,9] → 9 → 失敗
七星ミルキ:4dx>=43
DoubleCross : (4DX10>=43) → 5[2,3,4,5] → 5 → 失敗
エニュオ・デュカキス:4dx>=43
DoubleCross : (4DX10>=43) → 9[1,2,5,9] → 9 → 失敗
サマンサ・シュヴァイゲル:命のカーテン+崩れずの群れでつゆりちゃんをカバー!
三部つゆり:ありがとうございます…!
サマンサ・シュヴァイゲル:HPが21、浸蝕71に!
GM:レネゲイドキラーもちゃんと受けているぜ
シノエ・リュコス:5d10+36 装甲無視
DoubleCross : (5D10+36) → 42[9,9,9,10,5]+36 → 78
三部つゆり:出目良すぎ!
サマンサ・シュヴァイゲル:おふざけダメージちゃん!
七星ミルキ:消し飛びリザレクト!
サマンサ・シュヴァイゲル:りざれ~~
サマンサ・シュヴァイゲル:71+1d10
DoubleCross : (71+1D10) → 71+7[7] → 78
シノエ・リュコス:わたしってラッキー☆
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 4)増加(88 → 92)
サマンサ・シュヴァイゲル:クソガキが~~!
七星ミルキ:七星ミルキのHPを4に変更(11 → 4)
エニュオ・デュカキス:タイタス昇華! プラント実験部隊を使用して復活、HP11
GM:では、ダメージを受けた3人には
"リトルドレッサー":《餓鬼魂の使い》。
七星ミルキ:コイツ!
"リトルドレッサー":《ポイズンマスター》で邪毒ランクは+10されているので
サマンサ・シュヴァイゲル:www
"リトルドレッサー":つゆりさん以外は邪毒13を受けていただきます。
三部つゆり:邪毒13て。
サマンサ・シュヴァイゲル:餓鬼玉好きすぎじゃない?
エニュオ・デュカキス:ペテラさんの4倍
七星ミルキ:馬鹿ですわ
サマンサ・シュヴァイゲル:ソラリスソラリス言って本性はEXILEだったようだな
七星ミルキ:オートならデビスト……と思ったけどクリンナップ前にタイタス昇華で不利効果打消もありか
サマンサ・シュヴァイゲル:あ、そっか
"リトルドレッサー":そうですね どうしますか?
七星ミルキ:どの道ダイスデバフはもらっている
サマンサ・シュヴァイゲル:うーん、でもどうせこのあともっかい来るんじゃない?
三部つゆり:デビストレベル1だから 誰かひとりのタイタス昇華を一回減らせる感じですね
七星ミルキ:そっか、これ単体だ。3回使ったのか
七星ミルキ:どうせもっかい来るし。受けてタイタスがよさげ
サマンサ・シュヴァイゲル:せやね
サマンサ・シュヴァイゲル:おのれ~!
七星ミルキ:この餓鬼…!
サマンサ・シュヴァイゲル:絶対わからす
七星ミルキ:邪毒を受けます!
"リトルドレッサー":ホホホ
"リトルドレッサー":お前たちはクリンナップに39点を食らうのだ
"リトルドレッサー":こんなダメージを受けたらどんなPCでも一発昇天間違いなしよ
七星ミルキ:クッ火の鳥みてーな笑い方しやがって
エニュオ・デュカキス:鉄の矢持ってくるべきだった
シノエ・リュコス:では二回目のメジャーアクションに入ります。
シノエ・リュコス:《アシッドボール》《サイレンの魔女》《アースシェイカー》。
シノエ・リュコス:妨害の宣言はないかしら
七星ミルキ:まちな!
三部つゆり:コンボ:ウバカルダ≪強制起動者≫にて原初の黒;時の棺の回数を回復し…使用します!判定失敗してもらうぞ!
三部つゆり:三部つゆりのHPを5減少(13 → 8)
シノエ・リュコス:やだー><
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を12増加(113 → 125)
シノエ・リュコス:お姉ちゃんがい↑じ↓める
エニュオ・デュカキス:きらら漫画みたいな顔してもダメ
サマンサ・シュヴァイゲル:お前もう生きては帰れねえからなぁ(豹変)
GM:だがそんな妨害がどこまでも続くと思うなよ
"キッチンボイラー":最後は行動値0!キッチンボイラーがもう一度動くぜ
"キッチンボイラー":戦闘移動で5m前進。
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/78]
2m
ミルキ[8/92]
3m
つゆり[8/125]
5m
"キッチンボイラー"[0]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
"キッチンボイラー":今回は単体攻撃です。誰を狙うとしようか(イースターエッグ)
"キッチンボイラー":choice[ミルキ,エニュオ,つゆり,サマンサ]
DoubleCross : (choice[ミルキ,エニュオ,つゆり,サマンサ]) → ミルキ
七星ミルキ:ミーッ
"キッチンボイラー":死ねミルキ!
サマンサ・シュヴァイゲル:みるるー!
"キッチンボイラー":《コンセントレイト:サラマンダー》《炎神の怒り》《フレイムタン》《憎悪の炎》《カスタマイズ》!
七星ミルキ:やめろーやめろーっ
"キッチンボイラー":HPは28減少。
"キッチンボイラー":17dx7+6+27
DoubleCross : (17DX7+33) → 10[2,3,3,5,5,7,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,3,5,5,5,6,7,7,8,10,10,10]+10[3,4,5,5,7,10]+6[4,6]+33 → 69
七星ミルキ:ワァッ……
七星ミルキ:ダイスデバフで回避も出来ません。ガードです。
七星ミルキ:誰かー!
サマンサ・シュヴァイゲル:うおおおお
サマンサ・シュヴァイゲル:あっダメだ!命のカーテンが足りねえ!
GM:こら!
サマンサ・シュヴァイゲル:2mが…遠い!
サマンサ・シュヴァイゲル:しょぼしょぼ…
GM:なめてんじゃねえぞ!こら!
サマンサ・シュヴァイゲル:う あ あ あ あ あ あ あ
サマンサ・シュヴァイゲル:なにもありません…
GM:もー、ミルキさんそのまま殴られますけど
GM:よろしいですねッ
七星ミルキ:あれ 10mじゃなかったっけ
サマンサ・シュヴァイゲル:いや
GM:レベルアップしてないの
GM:命のカーテンのレベルが
サマンサ・シュヴァイゲル:そもそもL1だから100超えないとうてないのだ…
七星ミルキ:そっかシナリオLV回!
七星ミルキ:しょうがねぇ、きな!
"キッチンボイラー":7d10+17+4d10 キッチンボイラーへの憎悪を付与
DoubleCross : (7D10+17+4D10) → 39[2,9,8,2,4,5,9]+17+14[1,7,1,5] → 70
七星ミルキ:クソッ、こんなので本当に美味しい料理が作れるのか!?
"キッチンボイラー":対抗種でさらに3点のHPを失っています
七星ミルキ:リザレクト!
"キッチンボイラー":自爆の時が近づいてきている……。
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を1D10(→ 5)増加(92 → 97)
七星ミルキ:七星ミルキのHPを5に変更(4 → 5)
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
15m
ウノ[10]
15m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/78]
2m
ミルキ[8/97]
3m
つゆり[8/125]
5m
"キッチンボイラー"[0]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:セットアップ。
GM:PCは皆さんないでしょう
三部つゆり:あ、クリンナップは!
GM:すいません、忘れてました
七星ミルキ:盲点♡
GM:クリンナップ。つゆりさん以外は39点ダメージを受けてもらいましょう
七星ミルキ:「シノエ・リュコス P対抗心/◯N恐怖」を取得して昇華。邪毒憎悪含めた不利な効果を打ち消します。
サマンサ・シュヴァイゲル:りざれ~
サマンサ・シュヴァイゲル:78+1d10
DoubleCross : (78+1D10) → 78+4[4] → 82
エニュオ・デュカキス:サマンサ先生にロイスを「〇尊敬/恐怖」で結び昇華、ダイス減少と邪毒等バッドステータス全て回復します
GM:そうか、サマンサ先生は判定ダイス減っていても関係ないんだ
七星ミルキ:大人の余裕だ
三部つゆり:すごいぜ
サマンサ・シュヴァイゲル:実はね
七星ミルキ:ロイスよりリザの方がオトクなんだ
サマンサ・シュヴァイゲル:元々殴っても殴らなくても大した違いはないぜ!
七星ミルキ:かしこ・判断
GM:クソザコという""強さ""
七星ミルキ:玉狛のメガネくん
GM:嗣子さんクリンナップ忘れ指摘ありがとう……通りすがりのメスガキも
GM:これでやっと第二ラウンドを始められます
■ラウンド2
GM:PCはセットアップないはず ありませんよね?
三部つゆり:ないです!
七星ミルキ:ナッシー
サマンサ・シュヴァイゲル:アローラナッシー
"キッチンボイラー":キッチンボイラーも《苛烈なる熱気》はフィールド持続なので、もうありません。今回のところはね……
エニュオ・デュカキス:なしです
シノエ・リュコス:なのでセットアップはシノエ・リュコスだけ。
シノエ・リュコス:《レネゲイドキラー》。敵も味方も容赦なく殺します
七星ミルキ:ぎょええ
ウノ・ワイルゴッド:では行動値10。ウノ・ワイルゴッドの手番。
ウノ・ワイルゴッド:15m戦闘移動して、最後の巡回ドローンにエンゲージします。
ウノ・ワイルゴッド:既にオートアクションを結構使っておりHPも心もとないですが……
ウノ・ワイルゴッド:《カンビュセスの籤》。自分を手術して治します。
ウノ・ワイルゴッド:5D+4
DoubleCross : (5D10+4) → 39[6,6,10,9,8]+4 → 43
七星ミルキ:ぐぇ~
ウノ・ワイルゴッド:本当の名医のダイス目だ
サマンサ・シュヴァイゲル:?????
三部つゆり:5以下がない
ウノ・ワイルゴッド:HPは5点減りますが、それを差し引いても全回復です。
七星ミルキ:ドクター・ウー。失敗はいたしません
サマンサ・シュヴァイゲル:スーパードクターやめてください
七星ミルキ:ヒィ~
ウノ・ワイルゴッド:これでひらめきの盾も勝利の女神も打ち放題
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
ウノ[10]
30m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/82]
2m
ミルキ[8/97]
3m
つゆり[8/125]
5m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:そして行動値8。つゆり&ミルキの手番になりますが……
ウノ・ワイルゴッド:Dロイスを使用します。「裁定者」。
七星ミルキ:ウワーッ
三部つゆり:ま、マジ???
ウノ・ワイルゴッド:対象は七星ミルキ。三部つゆりへの憎悪を付与します。
サマンサ・シュヴァイゲル:まじかこいつ
七星ミルキ:ギャァーッ!
七星ミルキ:にくい… にくい…
三部つゆり:そして今更だけど私暴走してるからドッジ出来ませんでした…!すみません…!
GM:では、あらためてつゆり&ミルキの手番!どうしますか!
GM:まあまあ、気にしないで結構です
GM:どのみち苛烈なる熱気で生半可なドッジは成功しないのでね……
七星ミルキ:ワハハ
三部つゆり:実際どっちも全部失敗していた…
サマンサ・シュヴァイゲル:ふざけているのか~!
七星ミルキ:ならば私のターン!
七星ミルキ:マイナーで移動、サマンサ先生のエンゲージに合流します
★離脱ポイント
35m
巡回ドローン[7]
ウノ[10]
30m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/107]
サマンサ[5/82]
ミルキ[8/97]
5m
つゆり[8/125]
5m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:ようやく気味の悪い距離がなくなって安心
七星ミルキ:メジャー……の宣言の前に神聖二重冠を発動します!
GM:ヒィ~
七星ミルキ:・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
シノエ・リュコス:マーマ!わたしもあれ欲↑しい!
七星ミルキ:だーめっ。
七星ミルキ:えーと。キリよく13点上昇。39点の達成値を付与します。
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を13増加(97 → 110)
シノエ・リュコス:インチキ・・!インチキ・・!
七星ミルキ:100点を超えたのでエフェクトレベルアップ。
七星ミルキ:【EX:日々の成果を見せます!】《スキルフォーカス》《神機妙算》
七星ミルキ:対象は憎悪を受けたつゆりちゃん……ですが…
七星ミルキ:つゆりちゃんのロイスを昇華。不利な効果を打ち消します。
ウノ・ワイルゴッド:なにっ
七星ミルキ:対象はウノ!ドローン!そのエンゲージにロケットパンチ!
七星ミルキ:そしてエフェクト宣言で10点のHpを失う!HPは5点!私は戦闘不能だ!
七星ミルキ:ギャアアアアーーッ!
GM:おのれ~、だがそんなものはドローンにカバーさせればいいだけのこと
七星ミルキ:サマンサ先生のロイスを昇華!12点で復活します
七星ミルキ:七星ミルキのHPを7増加(5 → 12)
七星ミルキ:更に!
七星ミルキ:Dロイス《想い人》!この対象にウノ・ワイルゴッドを指定!効果を使用します!
ウノ・ワイルゴッド:わ、私を……!?///
ウノ・ワイルゴッド:いけませんよ患者さん
七星ミルキ:届けこの想い
七星ミルキ:装甲・ガード無視。カバーリング不可!
七星ミルキ:ハァッハァッ
七星ミルキ:バトルフェイズに入ります
七星ミルキ:5dx10+19+39
DoubleCross : (5DX10+58) → 10[1,2,8,9,10]+8[8]+58 → 76
三部つゆり:回してる!
ウノ・ワイルゴッド:でかすぎる!
エニュオ・デュカキス:いっときますか。ダメ押し
七星ミルキ:いい感じ
七星ミルキ:行っときますか
エニュオ・デュカキス:なるようになれ! 《妖精の手》!
サマンサ・シュヴァイゲル:確実に…仕留める!!
七星ミルキ:78から回転!
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を4増加(107 → 111)
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスのHPを5減少(11 → 6)
七星ミルキ:1dx+78
DoubleCross : (1DX10+78) → 3[3]+78 → 81
七星ミルキ:オッケイ
エニュオ・デュカキス:キリがいい
七星ミルキ:リアクションをどうぞ!
ウノ・ワイルゴッド:仕方ない。ガードをします。《ディフェンスサポート》は自分対象にできないんだよな
巡回ドローン:巡回ドローンにも自動命中です。
七星ミルキ:ピガーッ 破壊します
七星ミルキ:9d10+24 装甲ガード無視
DoubleCross : (9D10+24) → 49[6,10,7,7,3,2,7,1,6]+24 → 73
七星ミルキ:まぁいい感じ
サマンサ・シュヴァイゲル:いけるっ
三部つゆり:いいダメージ!
"リトルドレッサー":《ディヴィジョン》。
"リトルドレッサー":ダメージの値を半分(端数切り捨て)にして、代わりにそのダメージを受けます。
七星ミルキ:コラ~~!!
サマンサ・シュヴァイゲル:は???
"リトルドレッサー":これで37点のダメージを引き受け、ウノ先生へのダメージは36点。
ウノ・ワイルゴッド:《ひらめきの盾》を一回……だともう使うHP残らなくなっちゃうから
ウノ・ワイルゴッド:2回使うしかないか。ダメージを20点軽減しました。
ウノ・ワイルゴッド:これで生存。《ひらめきの盾》は全て使いきりました。
七星ミルキ:えーんえんえん
ウノ・ワイルゴッド:HPの減少は《レネゲイドキラー》を含めて26点。
七星ミルキ:メジャー分上昇と反動!
七星ミルキ:七星ミルキの侵蝕率を5増加(110 → 115)
七星ミルキ:七星ミルキのHPを1D10(→ 2)減少(12 → 10)
七星ミルキ:だがドローンは消し飛んだぜ…
★離脱ポイント
35m
ウノ[10]
30m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/111]
サマンサ[5/82]
ミルキ[8/115]
5m
つゆり[8/125]
5m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:そうなのだ……!そして手番はつゆりちゃん!どうする!
三部つゆり:マイナーで5m前進、サマンサ先生たちのエンゲージへ。
★離脱ポイント
35m
ウノ[10]
30m
介護オートマタ[6]
エニュオ[6/111]
サマンサ[5/82]
ミルキ[8/115]
つゆり[8/125]
10m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:みんなの距離が詰まってきた!
三部つゆり:オートでウェポンケースよりエフェクトシューターを装備。メジャー。コンボ:鳥破《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》にて同エンゲージの介護オートマタへ攻撃します。
介護オートマタ:そ、そんな
介護オートマタ:ボク、何も悪い事してない
七星ミルキ:ここで終われば悪いことをせずに全うできますよ
三部つゆり:そしてこの時点でレネゲイドキラーのダメージを受けて死ぬので
三部つゆり:6:エニュオ・デュカキス 〇感服/堅そうを昇華し、hp11で復活。
三部つゆり:判定行きます!
三部つゆり:9dx7+5+3
DoubleCross : (9DX7+8) → 10[2,5,7,7,8,8,9,9,10]+10[3,4,4,5,5,8,9]+10[4,9]+10[10]+10[8]+10[7]+10[8]+10[10]+2[2]+8 → 90
三部つゆり:マジ?
七星ミルキ:すご
七星ミルキ:堕天病絶対許さないウーマン
介護オートマタ:ヒエ……
介護オートマタ:6dx+3>=90
DoubleCross : (6DX10+3>=90) → 8[3,3,4,5,6,8]+3 → 11 → 失敗
介護オートマタ:しおしお
三部つゆり:ダメージ行くぜ…!
三部つゆり:10d10+9+1d10
DoubleCross : (10D10+9+1D10) → 63[4,9,5,6,8,7,1,8,9,6]+9+2[2] → 74
七星ミルキ:いい感じだ
三部つゆり:三部つゆりの侵蝕率を7増加(125 → 132)
介護オートマタ:ウワァー!
介護オートマタ:爆発四散!ただの介護ロボなのに……!
★離脱ポイント
35m
ウノ[10]
30m
エニュオ[6/111]
サマンサ[5/82]
ミルキ[8/115]
つゆり[8/125]
10m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
GM:これでカナートスメカは全滅だ!よって次の手番は行動値6!エニュオ長官!
サマンサ・シュヴァイゲル:いけーっ
ウノ・ワイルゴッド:そして私にはまだこのラウンド残している切り札がある……!勝負の時!
七星ミルキ:やめろー!そんなことしちゃいけない!
エニュオ・デュカキス:マイナーで戦闘移動して11m前進、メジャー“特殊攻動Lv1”《Cオルクス》《ディストーション》《一閃》。全力移動で19m前進!
ウノ・ワイルゴッド:こいつ……!
エニュオ・デュカキス:HPが6なので15点ダメージを受けて0、死神先生のロイスをタイタス化して蘇生
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を6増加(111 → 117)
★離脱ポイント
35m
ウノ[10]
エニュオ[6/117]
30m
サマンサ[5/82]
ミルキ[8/115]
つゆり[8/125]
10m
"キッチンボイラー"[5]
5m
"リトルドレッサー"[5]
10m
シノエ[4]
エニュオ・デュカキス:命中前に神聖二重冠の効果で達成値上昇!
エニュオ・デュカキス:10点切って+30。判定前に《援護の風》を自分に
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を2増加(117 → 119)
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスのHPを5減少(11 → 6)
エニュオ・デュカキス:エニュオ・デュカキスの侵蝕率を10増加(119 → 129)
エニュオ・デュカキス:ウノ・ワイルゴッドに白兵攻撃!
エニュオ・デュカキス:14dx7+36
DoubleCross : (14DX7+36) → 10[2,2,2,3,3,3,5,5,5,8,9,9,10,10]+10[2,2,4,5,9]+6[6]+36 → 62
七星ミルキ:やりおる
サマンサ・シュヴァイゲル:いってくれ~!
ウノ・ワイルゴッド:私を見くびるなよ……!ドッジを選択。
ウノ・ワイルゴッド:神聖二重冠を使用します。
ウノ・ワイルゴッド:・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
七星ミルキ:コイツーッ!
ウノ・ワイルゴッド:16dx>=62
DoubleCross : (16DX10>=62) → 10[1,2,2,3,4,4,4,5,6,7,7,7,7,9,9,10]+3[3] → 13 → 失敗
ウノ・ワイルゴッド:《勝利の女神》……!
ウノ・ワイルゴッド:13+18
七星ミルキ:めがむな!
ウノ・ワイルゴッド:21に、学園天使の5を足しても
ウノ・ワイルゴッド:到底足りない……!ダメージをどうぞ!
サマンサ・シュヴァイゲル:しゃらああああ
七星ミルキ:ダイス目分はきっちり上回ってるの怖いなぁ。
七星ミルキ:やっちゃいな!
エニュオ・デュカキス:7d10+36
DoubleCross : (7D10+36) → 21[3,2,2,1,5,6,2]+36 → 57
エニュオ・デュカキス:腐ってる!
"リトルドレッサー":《ディヴィジョン》。29点を引き受け、ダメージを28点に。
サマンサ・シュヴァイゲル:だがダメージ軽減はもう…!
エニュオ・デュカキス:装甲等有効です
サマンサ・シュヴァイゲル:んも~~~!
ウノ・ワイルゴッド:ただ、今《勝利の女神》を使った時点で
サマンサ・シュヴァイゲル:ていうかこいつ自体のHPが高すぎ!
ウノ・ワイルゴッド:《レネゲイドキラー》でHPは5減って1になっているため
ウノ・ワイルゴッド:戦闘不能になります。
七星ミルキ:そういえばさっき言ってた!
サマンサ・シュヴァイゲル:ハーッ、ハーッ
エニュオ・デュカキス:それでも怖いわ
三部つゆり:な……何とかなった…!
サマンサ・シュヴァイゲル:やった…
サマンサ・シュヴァイゲル:やったぁああああああ
ウノ・ワイルゴッド:復活エフェクトはなし!
七星ミルキ:私達の勝ちだーー!
GM:戦闘終了です!
七星ミルキ:やったー!
サマンサ・シュヴァイゲル:オラたちのパワーが勝ったああああああ!!
三部つゆり:やった~~~~
エニュオ・デュカキス:ハァハァ
七星ミルキ:祭りじゃーー!
カナートス臨床医学研究院 手術室前廊下

GM:霧深い空の彼方から、大十字冠の光が届く。生徒に決戦のための力を与える神聖二重冠――
GM:それが発動するに相応しい窮地だといえた。

シノエ・リュコス:「ふふふふふ。いけないんだ、ミルキお姉ちゃん達……」
シノエ・リュコス:「お医者さんの診断にわがままを言っちゃ」
GM:ウノ・ワイルゴッドを追いかけなければいけない。
GM:だが、まるで空気が粘りつくように暑い。
GM:呼吸するたびに、気管が焼けるような痛みだった。

"キッチンボイラー":「キュゥルルルルルルルルルルル……」
"キッチンボイラー":「ルルルルルルルルルルルルル」
"キッチンボイラー":獣の骨格標本のようなジャームの体からは、血液が際限なく溢れる。
"キッチンボイラー":溢れた血はすぐさま沸騰して、バクテリアのごとく、触れたものを侵蝕し続けている……
七星ミルキ:「これ、は……!」急激な環境の変化。吐息に湿り気が混ざる。
七星ミルキ:(レセルさんの部屋のような、対処するための環境とは違う。もっと、他人を冒すような……)
ウノ・ワイルゴッド:「異所性置換骨化。出血毒性白血病。遷延性体温過熱症――」
ウノ・ワイルゴッド:「それが"キッチンボイラー"。まともな呼吸ができないでしょう」
七星ミルキ:「攻性、症例……!」
三部つゆり:「ぐ、ぎ……、あの星徒達の、時みたい……!」”イモータル・コイル”が使役した星徒達を思い出す。
エニュオ・デュカキス:「はぁ──、ふ──ぅッ」突然の発熱と呼吸困難。生身のコントロールを取り戻すため、呼吸の形式を切り替える

ウノ・ワイルゴッド:「"死神"先生。患者の確保はお願いしますよ」
ウノ・ワイルゴッド:「治療は後ほど行います。こういう事があるなら、堕天病投与も早めないとならなくなっちゃいましたので」
巡回ドローン:〈了解だ。しっかし懲りないねえお前さんがたも――〉
巡回ドローン:〈カナートスで戦うなら、いつも通りの健康体でやれるはずがないってことくらい、分かってただろう?〉
GM:"キッチンボイラー"の血液は沸騰する。体温が極めて高く保たれているためだ。
GM:そしてその血液は、それ自体が殺人的なものだった。暴走した白血球が、他者の細胞までも喰らい尽くす。
GM:置換された骨格は、肉体全てを血液に変えるかのような造血能力と、過熱した体温に耐える。そのように設計された兵器だ。
三部つゆり:「わ、たしは…、はじめて、ですよ…!」赤黒く穢れた影が、全身を浸す。影の操作で体を操作する要領。まともな方法では碌に動かない体を動かす。
七星ミルキ:(こんな環境、私じゃなきゃまともに動けない──けどっ)
サマンサ・シュヴァイゲル:「お墓頭、さん……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんなの治療記録を消したのは、あなたなの……!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「みんなを”必死”にするために……!」
巡回ドローン:〈……〉
サマンサ・シュヴァイゲル:青ざめた表情をドローンに向け、辛うじて絞り出す
サマンサ・シュヴァイゲル:「答えて!みんなの、とっても大事なモノなの!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「返してあげて……!」
サマンサ・シュヴァイゲル:燃えるような熱を体内に感じながら
サマンサ・シュヴァイゲル:懇願の視線でドローンを見つめている
巡回ドローン:〈知ったことじゃねぇなァ。今する話なのかい?そいつは〉
巡回ドローン:〈『逃げようたって無駄な話だ。足で歩いて逃げるなんてよ』〉
巡回ドローン:〈『俺は風に乗って思うところにフワッと飛ぶんだから、どうやったって逃げられっこねェんだ』〉
巡回ドローン:〈お前さんがたが必死になるべきは〉
巡回ドローン:〈ここから逃げることだろう〉
サマンサ・シュヴァイゲル:「――ッ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:息がつまる、間近に迫る死の感覚を突きつけられ
サマンサ・シュヴァイゲル:応答の余地を無理矢理に奪い去られる。
ウノ・ワイルゴッド:ウノはその場を去ろうとしている。サマンサ達を十分に無力化したと判断した。
七星ミルキ:「ッ!!」死神の言い切りに合わせた踏み込みの音。
七星ミルキ:体温は高く、意識は霞み、体は蝕まれる。
七星ミルキ:しかし動きに精彩を欠くことはない。
七星ミルキ:脳からの信号は神経を伝い、指を動かし、足を進める。
七星ミルキ:一連の流れを、体の細胞を、百回行えば百回同じ動きをなぞることが出来る。
七星ミルキ:七星ミルキのスタイルはその一点に特化している。
七星ミルキ:「待ち、」
七星ミルキ:「───なさい!」
七星ミルキ:ガシャン!カートリッジ排莢。大ぶりのハンマーが宙を叩く。
七星ミルキ:逃げようとするウノに対して、無色透明の衝撃が花の形で襲いかかる!
巡回ドローン:――グシャン!!
七星ミルキ:(ジャームも、シノエさんも、後!)
七星ミルキ:(サンプルさえ抑えれば──)「えっ!?」
巡回ドローン:その軌道上に割り込んだドローンが、衝撃に巻き込まれて捻じれ、バラバラになった。
七星ミルキ:「今の反応……」「わかってたんですか!?」
巡回ドローン:七星ミルキの精密な攻撃機動を、同じく機械じみた精密予測で読んで割り込んだのだ。
巡回ドローン:〈おいおいおい。寝ぼけたことを言っちゃあいけねえよ。七星ミルキ――〉
巡回ドローン:〈俺は6番プラントの時、お前さんとやり合って煮え湯を飲まされてる〉
巡回ドローン:〈その、衝撃カートリッジにだ。カウンターアルゴリズムくらいは用意しておかねえとな?〉
七星ミルキ:「くぅ……!」額から汗が溢れる。背後からは灼血の熱。蠢く音。
巡回ドローン:〈このドローンはな。七星ミルキ〉
巡回ドローン:〈"L7"の義肢技術を解析して作ったものなんだと〉
巡回ドローン:〈古くさい介護オートマタよりは自由に動けるぜ。どうだい?〉
七星ミルキ:「"L7"の小型化は、私も願ってましたけど」
七星ミルキ:「どおりで機敏ですね。技術の進歩に涙が出ます」
七星ミルキ:ハンマーを構え直す。背後からは押されるような圧がある。
七星ミルキ:迫る"死"とは、目をそらしてもなお、怖い。
七星ミルキ:(さて……どう突破しましょうか!)
エニュオ・デュカキス:先手を取り桃色の髪が跳ねる後ろで。床に散らばるケースが音を立てる
エニュオ・デュカキス:跳ねた衝撃で開いた蓋からパーツが零れる。それらを掴み、朦朧とする意識を介して腕の制御を進めた。
エニュオ・デュカキス:──取説通りに組めば形になる。ありがたいものだと余計なことを考えたのは体内の異常を紛らわせるためか
エニュオ・デュカキス:「三部さん!」組みあがったそれを投げる。丁寧に渡す時間などない
三部つゆり:「、普段の得物だと…、」ニードルガンを抜こうとするが、ふらつく指と腕では届かないだろうと迷っていた時。
三部つゆり:「、こほっ……、エニュオさん、これは…!」
エニュオ・デュカキス:「ぐぇ、──ふ。装填済みです!」
エニュオ・デュカキス:「撃て!」
三部つゆり:にやりと笑った。
三部つゆり:「…ごほっ、ノウマク・サマンダ・ボダナン…かふっ、」薬室へ赤黒い影が収束する。震える指で、引き金を弾く。
三部つゆり:「ニルリテイ・ソワカ!」羅刹天真言。地獄の獄卒たち、その統括者たる女神への祈り。
三部つゆり:この熱と血と痛みに満ちた空間を、地獄と定義し--そこを自由に行動できるように。
三部つゆり:真言による自由を与えられ、影纏う弾丸が複雑軌道を描きながら、ドローンへ迫ってゆく。
巡回ドローン:〈おっ〉
巡回ドローン:ドローンが空中で軌道を変えようとした。
巡回ドローン:初見の攻撃に対しても、ある程度の複雑系予測で反応しようとしたのだろう。だが――
巡回ドローン:ヂッ!!
巡回ドローン:全く追いつかない。三部つゆりの銃弾はカメラアイを貫き、ドローンそのものも墜とす。
GM:それと同時。エニュオ・デュカキスは――
エニュオ・デュカキス:目測距離約15m。白兵距離と言うにはあまりに遠い。そして“己の射程内”だ
ウノ・ワイルゴッド:「先生。オートマタは5cm右です」背を向けて歩きながら呟く。
エニュオ・デュカキス:飛び込んだ。段差なく造られた床材を破砕する轟音を伴い、機甲の四肢の力により一瞬で距離を埋める
エニュオ・デュカキス:視界内の介護オートマタ。割り込んできた白い表層素材を、右拳が捉える
介護オートマタ:グ バシャ ! ! !!
介護オートマタ:電車、あるいは装甲車に『轢き潰された』という表現が適切だっただろう。
介護オートマタ:人間よりもやや大きい介護オートマタは、エニュオ・デュカキスの通過に巻き込まれてバラバラに破砕した。
エニュオ・デュカキス:着地。革靴の底が煙を立て、その場に留まる
介護オートマタ:それは一方で、それだけの運動エネルギーがオートマタに受け止められているということでもある。
ウノ・ワイルゴッド:「……」
ウノ・ワイルゴッド:「届きませんね。エニュオ・デュカキスさん」
ウノ・ワイルゴッド:ほんのごく僅かだが、一度の加速で到達しきれない間合いにいる。
エニュオ・デュカキス:ごほ、咳き込みと共に口腔内に広がる不快感を手の甲で拭い誤魔化す
エニュオ・デュカキス:「ですが、声は届いてます」
エニュオ・デュカキス:「近づきました」
GM:その遥か後方。
GM:大きく出遅れたサマンサ・シュヴァイゲルは、おぞましい細胞塊の如き怪物に対峙していた。

"リトルドレッサー":「ゆ、許してー。ひ、ひ、ひひひぃ」
"リトルドレッサー":「痛いよー。ひひ、ひひひっ、あはははは」
"リトルドレッサー":顔のような形状の器官が発しているのは、虚ろな人語の模倣だ。
サマンサ・シュヴァイゲル:「い、痛いの!?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「痛いのならそんなに動いちゃダメよ!?大丈夫!?」
巡回ドローン:〈相変わらずとぼけてんなァお前さんは……〉サマンサの進路を妨害しながらも、呆れたように呟く。
サマンサ・シュヴァイゲル:あたふたと立ち塞がり両腕を広げている
巡回ドローン:〈おっと、そいつに触れたらおしまいだぜ〉
巡回ドローン:〈人面様巨細胞腫。末期D型堕天病。急性粟粒熱〉
巡回ドローン:〈どれを取っても、十字冠のないお前さんにゃ致命的だ〉
サマンサ・シュヴァイゲル:「致命、的」
サマンサ・シュヴァイゲル:本能が警告を発している。その言葉を真実だと、何よりも重い説得力で告げている。
"リトルドレッサー":「助けてー。ひ、ひぃひひひひひひ」
巡回ドローン:〈――いや〉
巡回ドローン:〈もう遅かったか〉
"リトルドレッサー":"リトルドレッサー"の全身が、ぶくぶくと膨れ上がっていく。
"リトルドレッサー":細胞が分裂し、新たな顔面を次々と生む。真っ黒な目と口が一斉に開き――
"リトルドレッサー":際限なく増殖する細胞の中で、未知の致死病である粟粒熱、および十字冠を不全とする堕天病を培養する。
"リトルドレッサー":そして、爆裂する。"リトルドレッサー"は、そうした無差別汚染兵器だ。
サマンサ・シュヴァイゲル:怖い。
サマンサ・シュヴァイゲル:恐怖で脳裡が真っ暗になる。
サマンサ・シュヴァイゲル:今すぐここから逃げ出したい。背を丸めて許しを乞いたい。
サマンサ・シュヴァイゲル:けれど、そんな”ことば”よりも速いスピードで
サマンサ・シュヴァイゲル: が つん !!
サマンサ・シュヴァイゲル:身体は動いていた。
サマンサ・シュヴァイゲル:エグザイル能力によって拡張された体躯。廊下を埋め尽くして身動きが取れなくなるギリギリのサイズで
"リトルドレッサー":「ひぃひひ、はは、あぁはははは」
サマンサ・シュヴァイゲル:身体ごとぶつかり、肘をかちあげていた。
サマンサ・シュヴァイゲル:そして、追いついてくる感情は。
サマンサ・シュヴァイゲル:(この先のことなんて、分からないけれど)
サマンサ・シュヴァイゲル:(……やっぱり、逃げなくてよかった)
サマンサ・シュヴァイゲル:目前に迫った禍々しく悍ましい気に対して
サマンサ・シュヴァイゲル:不釣り合いな解放感と、安堵だった。
サマンサ・シュヴァイゲル:「これで、いいんだわ!!私はこれでいい!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:そのままヘッドロックの姿勢で、怪物と正面から取っ組み合う!
"リトルドレッサー":ぶちぶちぶちぶちっ
"リトルドレッサー":奇妙に柔らかい体組織は容易に崩れ、生暖かい液体が溢れ出してくる。そもそも人間の骨格が残っているかすら定かではない。
"リトルドレッサー":だが、それでも、サマンサ・シュヴァイゲルは抑え込んでいる。怪物に匹敵する巨体となって。
七星ミルキ:「な──!」高らかな叫びを聞き、気付く。
サマンサ・シュヴァイゲル:溢れ出す液体を、その病毒諸共に
サマンサ・シュヴァイゲル:せき止め、抑え込んでいる。
七星ミルキ:ぐわりと広がった致死の予感。"死"の冷たい感覚が遠ざかったことに。
七星ミルキ:「なにを!」
"リトルドレッサー":バチン!
"リトルドレッサー":バチン!バチン!バチン!バチン!!
"リトルドレッサー":顔面状の細胞腫が次々と破裂している。
サマンサ・シュヴァイゲル:「行って!!」
七星ミルキ:「なにしてるんですか、サマンサ先生!?」
"リトルドレッサー":それは、ミルキ達全員を巻き込むに足る致命的な病毒であり――
"リトルドレッサー":全て受け止めているのだ。サマンサが。
七星ミルキ:信じられないものを見ている。
サマンサ・シュヴァイゲル:「あなたたちのやりたいことをするの!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:「お話して、ウノちゃんや、みんなのことを分かってあげて」
サマンサ・シュヴァイゲル:「それがみんなにはできるから!!絶対にできるわ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:ただれた肉塊に触れた部分が黒ずみ、激痛と共に溶けだしていく。それでもとめどなく、理屈のない叫びを、祈りを声に出し続ける。
七星ミルキ:「~~~~っ!」
七星ミルキ:ギュ、とハンマーを握り込む。言いたいことも言うべきこともたくさんあって。
七星ミルキ:「──はい!」一言に込めて、行動で返そうとする。
七星ミルキ:「ミルキ、やります……!」
シノエ・リュコス:「いいよー?ふふふ。そんなに死にたいなら」サマンサの壮絶な様相を見てもなお、天使のように微笑むだけだ。
シノエ・リュコス:「死んじゃえ。――"キッチンボイラー"」
"キッチンボイラー":ゴ ギャ ! !
"キッチンボイラー":節足じみた骨格が、異常伸長して廊下を埋め尽くした。
"キッチンボイラー":毒血と熱血を骨髄に秘めたそれは
"キッチンボイラー":もはや動くこともままならないサマンサに止めを刺すための一刺しだった。
三部つゆり:「極楽を見る為にはまず、一心に西方を想え」じゃり、と制服内ポケットから数珠を引きずり出す。
三部つゆり:「そのためにまず、目の見えるものは皆日没の光景を見ると良い」
三部つゆり:じゃらん、とその擦れ合う音に影が反応し、一斉に広がり--
三部つゆり:「まず姿勢を正し西へ向かい座し」影が赤い夕陽を象る。西の浄土、そこへつながる道。
三部つゆり:「はっきりと夕日を思い描け!」その聖なる日光が、病を遠ざけんとする。
三部つゆり:「これ以上、させるか…!」
"キッチンボイラー":――ジ ア ッ!
"キッチンボイラー":"キッチンボイラー"の骨格が、焼けた。
"キッチンボイラー":死者の骨までを焼き尽くす火葬じみている。事実、三部つゆりの術式はそう遠いものではなかっただろう。
シノエ・リュコス:「あれ?」
シノエ・リュコス:「えー、いいところだったのに」
巡回ドローン:〈なんだそりゃあ……道理に合わねえ〉
GM:太陽は西。夕暮れを前にした今の時刻では、そういうことになる。
巡回ドローン:〈まじない師の手合いかい……〉
シノエ・リュコス:シノエ・リュコスはそれから数秒、大きな瞳をきょろきょろと動かしていた。
シノエ・リュコス:星徒となった彼女の思考にあるのは、『死』だけだ。
シノエ・リュコス:"霊安室"のジャームに攻撃された一行も、ウノ・ワイルゴッドは必ず治療するだろう――だが、シノエはそれをさせない。
シノエ・リュコス:ここで全員が倒れることを見届けて、一人ひとり、絶命する様を観察するように殺す。
シノエ・リュコス:そのために、こうして出てきた。
シノエ・リュコス:そして、こう考えた。サマンサ・シュヴァイゲルが"リトルドレッサー"の疫病を受け止めてしまったのだから
シノエ・リュコス:このまま見ているだけでは、みんなが死にきらない、と。
シノエ・リュコス:「んー」天井を上目遣いに見るように体を揺らしていたが
シノエ・リュコス:その青い瞳が下りて、全員を捉えた。
シノエ・リュコス:「死んじゃえ」
シノエ・リュコス:ふっ、と
シノエ・リュコス:照明が消えたような感覚がある――
GM:形のないそれは、廊下を撫でるように走って
GM:つゆり達をも巻き込むはずのものだった。
三部つゆり:ぞ、と背筋を極寒の何かがなぞる感覚。それさえ前兆に過ぎない--
三部つゆり:精神を強く保つことだけを、セルから訓練を続けさせられ、宗教防壁によって守られる精神さえ、思わず直視することを”避けさせられた”。
サマンサ・シュヴァイゲル:「ううああああああああああッ!!」
サマンサ・シュヴァイゲル:その伝染する気配の射線上
サマンサ・シュヴァイゲル:半身を焼けただらせ、骨格と筋肉繊維を露出させながら
サマンサ・シュヴァイゲル:駆けこんでいる。
サマンサ・シュヴァイゲル:それだけだ。本来形ない拡散する攻撃を防げるような能力はない。
サマンサ・シュヴァイゲル:しかし、それは偶然に過ぎない要因だったが
サマンサ・シュヴァイゲル:病毒によって徹底的に破壊され、崩れた肉体の細胞は
サマンサ・シュヴァイゲル:本体の意志によって機能するエグザイルの因子を纏ったまま、2人の間の空気中に霧散していた。
サマンサ・シュヴァイゲル:それが奇跡的に、星徒の形なき攻撃を緩衝する結果となった。
サマンサ・シュヴァイゲル:(体が)
サマンサ・シュヴァイゲル:(大きくてよかった)
サマンサ・シュヴァイゲル:(動けなくなるまで、まだ動ける)
サマンサ・シュヴァイゲル:「お母さん」
サマンサ・シュヴァイゲル:「――ありがとう!!」
GM:サマンサ・シュヴァイゲルは倒れた。
GM:外から観測できる結果は、それだけだ。穏やかですらある。
GM:それがどれほど恐ろしい攻撃なのだとしても。
シノエ・リュコス:「また……」
シノエ・リュコス:「邪魔が入っちゃった」つまらなさそうに呟く。
三部つゆり:「せ」絶句している。「先生……、」
三部つゆり:歯を噛み締める--後悔も、痛みも、思考も、何もかも放り捨ててしまいたくなって。
三部つゆり:それを堪えるために、唇から血が零れた。まだ生きている赤色。
シノエ・リュコス:「お姉ちゃんも死ぬんだよ」
シノエ・リュコス:「みーんな」
シノエ・リュコス:「死んでしまえばいい――」
シノエ・リュコス:シノエ・リュコスの攻撃は、その何もかもが不可解なものだったが
シノエ・リュコス:予兆が一切なかったわけではなかった。
シノエ・リュコス:シノエ・リュコス自身の感覚を、周囲に感応させるような何かが――
三部つゆり:「--ぅぁああぁ……、っ!」叫びながら、右目の眼帯に手を掛けた。
三部つゆり:その攻撃は”見る事”ができないもので。でも、目の前のサマンサ先生が受けている様子を見た。如何に彼女が倒れたかを。
七星ミルキ:「……!?」(つゆりちゃん……!?)
三部つゆり:だからこそ、今眼帯を取り払った。
三部つゆり:それは、既に奪われ、死んだ、黒いボタンの目だった。故に--今度は直視することができる。
三部つゆり:術を、完全のものとする事が出来るピースが、今度は揃う。
三部つゆり:「水の澄み渡った様子をはっきりと心に描き」次いでのものは、先の太陽の観に続く観想である。
三部つゆり:「心を乱さぬように為せ」影が清水となって広がり--
三部つゆり:「描き終われば、水が氷となる様子を想え」一瞬で凍結する。
三部つゆり:「氷の透き通る様子よりそれを瑠璃であるという想いを起こせ」凍結が、ひろがってゆく。さかのぼるように。
三部つゆり:「この想いを成し終えたなら、、極楽の瑠璃の大地が」
三部つゆり:「うちにも外にも透き通り映り合う様子が見えるだろう!」それは、攻撃を伝達する媒質のなにかだけを凍り付かせ、動きを封殺している。
シノエ・リュコス:「――」
三部つゆり:「ごほっ、げほっ、がはッ…、はあッ、ぐぶ…、」
シノエ・リュコス:その詠唱の最中、シノエ・リュコスは、ただ不思議に思った。
シノエ・リュコス:なぜ、彼女が与える『死』が伝播しないのか?
GM:シノエ・リュコスは理解しない。彼女は歴戦の戦士として死んだわけでもなく、多くの理解を深めた末に死んだわけでもない。
GM:生物兵器として投下され、使い捨てられた、ただの子供であるから。
GM:一度目は、過度の損傷によって拡散したサマンサ・シュヴァイゲルの細胞が、そこから先に通過するより前に反応していたため。
GM:そして二度目は、三部つゆりが概念として現出させた浄瑠璃世界が――
GM:その清浄さ故に、生も、死も存在し得ない、凍結の世界であったため。
巡回ドローン:〈三部つゆり……こいつが〉
巡回ドローン:〈こいつだけが、俺たちの予測を超えたところから来た〉
巡回ドローン:〈……ようやくか?お前さんがたが、俺たちを"必死"にさせてくれるのか?〉
ウノ・ワイルゴッド:「……」この期に及んでも、背後を振り返ることはない。
ウノ・ワイルゴッド:全速力で退避するでもなく、その場に留まるでもなく
ウノ・ワイルゴッド:ドローンとオートマタが確実にカバーできる配置を計算して移動している。
ウノ・ワイルゴッド:「どうか」
ウノ・ワイルゴッド:「無理をなさらないでくださいよ」
ウノ・ワイルゴッド:「治す私の手間が増えてしまいますからね」
GM:もっとも先行しているエニュオも、精密な射撃でウノを狙い打てるはずのミルキも、到達を阻害され続けている。
GM:サマンサが身を挺して防いだ"リトルドレッサー"の致死的な病だけではなく、"キッチンボイラー"の慢性的な病がこの空間には充満している。
GM:そして彼女らの攻撃パターンを想定し尽くしたかのように"死神"がオートマタの軍勢を配置し、
GM:エニュオ・デュカキスに先程のような突撃の助走時間を与えない。
GM:未だ"死神"に解析されていない、突破口となるべき三部つゆりも、ほぼ余力を使い果たすほどの一手をシノエ・リュコスの方へと割かざるを得なかった。
七星ミルキ:(……手が、)
七星ミルキ:(手が、足りない……!)
七星ミルキ:ハンマーを振るう。眼前のドローンを破壊し、最短距離を確保し──予め配置されたドローンが既にカバーに入っている。
介護オートマタ:〈体が小さいってえのは不便だな、エニュオ・デュカキス!〉
介護オートマタ:〈手足がない分、毒の回りも早えのさ。オフィサーの幹部だろうが、そいつばかりはどうにもならねえ〉
GM:群がり続けるオートマタとの戦闘は、エニュオが圧勝している。一方的と言ってもいい。
GM:だが、ボディが一撃で爆砕し、投薬マニピュレーターが何十本とへし折れていても
GM:――時間を稼がれている限り劣勢なのだ。ミルキにはそれも分かる。
七星ミルキ:("条件"が違うんだ!私達がいくら、"死神"の手数を減らしても)
七星ミルキ:破壊したドローンの合間からウノの姿が見える。
七星ミルキ:焦らず、悠々とした歩み。
七星ミルキ:"最速"で逃げた場合、自分の周りの守りがなくなることを自覚している。
七星ミルキ:(彼女を守りきれば、勝ちだってわかってる……!)
ウノ・ワイルゴッド:「私は油断しませんよ。七星ミルキさん」
七星ミルキ:「ウノさん……!」
ウノ・ワイルゴッド:「私が一つでもミスをすれば、私だけでなく患者も助からない」
ウノ・ワイルゴッド:「失敗をしたことは一度もありません」
七星ミルキ:「堕天病に罹って終わらせることが、本当に助けるってことなんですか……!」
七星ミルキ:「死ぬことだけが救いなんて、そんなの……そんなの!」
七星ミルキ:ハンマーを振りかぶる。最適な動作。最速に、最短で。
GM:その動作が
GM:前触れもなく、ねじ曲がった。
GM:ミルキの意志に反して、ハンマーを握る腕が動いたのだ。別の生物のようだった。
七星ミルキ:「なっ──?」
ウノ・ワイルゴッド:「――なぜ」
ウノ・ワイルゴッド:「医者である私がなぜ、皆さんを病気にさせても平気でいられるのかを、教えてあげましょう」
ウノ・ワイルゴッド:「私はこのカナートスで一番の医師ですが」
ウノ・ワイルゴッド:「外の世界で医師をしていてはいけない人間です」
七星ミルキ:ありえないことだ。身体の制御はずっと訓練してきた。
七星ミルキ:オートで動かされる身体のため、手持ち無沙汰になった意識が声を聞く。
七星ミルキ:「医師をしては、いけない……?」
ウノ・ワイルゴッド:「そう。あなたはずっと訓練していた。不随意の動きが神経に伝わることすらないように」
ウノ・ワイルゴッド:「狙いに反した意志で指先一つ動かすことのないように」
ウノ・ワイルゴッド:「それは『病気』ですよ。七星さん。自分自身ではなく、神経が独立して体を動かしているんです――」
ウノ・ワイルゴッド:「前頭部や脳梁部の疾患によって起こると言われています」
ウノ・ワイルゴッド:「本人の意志に反して手足が動いてしまう」
ウノ・ワイルゴッド:「エイリアンハンド症候群」
GM:もちろん、そうではない。反復訓練による七星ミルキの精密な動きは
GM:意識と動きを切り離すという過程こそ同じであっても、不随意の痙攣じみた症状として発現するものではなかった。
七星ミルキ:「……!」
ウノ・ワイルゴッド:「私には全ての人間が『病気』に見える」
ウノ・ワイルゴッド:「そしてそれを発症させることすらできてしまう」
七星ミルキ:「びょ、病気を治すんじゃ、なくて」
七星ミルキ:「発症させるだなんて……?」
ウノ・ワイルゴッド:「皮肉なことですが、病識だってあるんですよ――」
ウノ・ワイルゴッド:「攻性症例106:医学生作為症」
ウノ・ワイルゴッド:「健康な人間が、私に近づいてはいけません」
七星ミルキ:「────!」
七星ミルキ:言葉に呪いをかけられるように、身体の制御が奪われていく。
七星ミルキ:ミリ単位の正確性は失われ、ただ腕を振るだけに。
七星ミルキ:正確な歩数は失われ、ただの徒歩に。
七星ミルキ:計算によって振るわれるハンマーはただの重荷に変わっていく。
七星ミルキ:(………だめ)
七星ミルキ:(このまままじゃ、)
七星ミルキ:(届かない)
七星ミルキ:振り回したハンマーに身体が引っ張られる。
七星ミルキ:余計なよろめき。貴重な一歩は失われる。
七星ミルキ:破壊するはずだったドローンが迫る。
七星ミルキ:射撃の予兆。回避動作。その間にウノは2歩を稼ぐ。
七星ミルキ:(届かない)
七星ミルキ:(届かない、届かない、届かない)
ウノ・ワイルゴッド:「もう、あなたには追いつけません」
七星ミルキ:「─────いいよ」
七星ミルキ:「健康な人間が、近づくなっていうのなら」
七星ミルキ:「私は、健康じゃなくたっていい」
七星ミルキ:カツン。
七星ミルキ:ハンマーを取り落とす。
七星ミルキ:精密な手の動作は失われ、不随意な筋肉運動が握力をなくした。
AI音声:『────心拍数増大。』ハンマーから機械音声が響く。
AI音声:『体温上昇。瞳孔拡縮。精神状態、錯乱』
七星ミルキ:ミルキのハンマーはオーヴァード用にチューニングされた兵器である。
七星ミルキ:カートリッジに装填した衝撃を随意に発動させる巨大槌──その特性は。
七星ミルキ:ある種のオーヴァードが持つ特異性の再現を主眼に置かれている。
七星ミルキ:どのような状況でも感情を荒立てず、冷静さを失わず、自らを律する。
七星ミルキ:────そのような人間すら突き動かす、原初の情動。
AI音声:『特異模倣』
AI音声:『────想い人』
AI音声:カートリッジの六連排莢。後先を考えないオール・イン
AI音声:取り落とされたハンマーは制御を失い、所有者であるミルキを打った。
ウノ・ワイルゴッド:(無意味なことを)
ウノ・ワイルゴッド:(完全に足を止めて狙い撃つつもりだとしても……)
七星ミルキ:「────!!!!」
七星ミルキ:ゴ ガァッ!!
七星ミルキ:小柄な体が弾け跳ぶ。
七星ミルキ:精密な動作など欠片もない衝撃は人一人を簡単に吹き飛ばした。
ウノ・ワイルゴッド:「……っ!?」
七星ミルキ:「病気、なん、だって、さ」
七星ミルキ:「誰か一人を想うこと。ずっと、誰かを、考えること」
七星ミルキ:かすれるような声。一歩の間に吹き飛んで距離を稼ぐ。
七星ミルキ:「知ってる?」
巡回ドローン:〈必死だな。七星ミルキ〉
巡回ドローン:〈嫌いじゃないぜ……!〉着地地点では、巡回ドローンが既にミルキを包囲している。
七星ミルキ:十字冠が変化する。
七星ミルキ:星図を構成する三つのリングの十字冠。夜空を映す青の双眸。
七星ミルキ:ウノを見る瞳に星が宿る。
ウノ・ワイルゴッド:(あり得ない。ただ加速するためだけに)
ウノ・ワイルゴッド:(自分自身を破壊した?)
七星ミルキ:「────あは」
七星ミルキ:伸ばせば手が触れ合う距離。
七星ミルキ:ウノの表情を見て、イタズラが成功したように笑う。
七星ミルキ:「やっと、私を振り向いた。」
七星ミルキ:手を伸ばす。
ウノ・ワイルゴッド:「七星さん」
巡回ドローン:ドローンが殺到し、至近距離から刺し貫こうとする。
七星ミルキ:「うん。私は、七星ミルキ」
七星ミルキ:「無視されるのは」
七星ミルキ:「何よりきらい」
七星ミルキ:ハンマーによって殴られた体には──"衝撃"が宿っている。
七星ミルキ:「"咲いて"」
七星ミルキ:「──────"ひなぎく"」
七星ミルキ:ゴッ─────ガァァァン!
七星ミルキ:圧縮から開放された衝撃波が、放射状に花弁となって開く
七星ミルキ:至近のウノ諸共、ドローンたちを巻き込んで吹き飛ばした
巡回ドローン:ドローンは互いに噛み合うようにしてウノへの衝撃を相殺した――が。
巡回ドローン:至近距離からの全弾発射の炸裂は、その程度で防げるものではない。
ウノ・ワイルゴッド:「……げほっ!!」
ウノ・ワイルゴッド:「かはっ、く……!」
ウノ・ワイルゴッド:多量に吐血する。表皮への損傷はないが、衝撃波は臓器にまで浸透した。
七星ミルキ:「うぐっ!あっ!きゃあ~……!」こちらも無事では済まない。
七星ミルキ:衝撃波に吹き飛ばされて転がる。『偶然にも』、同じく吹き飛んだハンマーの側。
七星ミルキ:「ど、……どうだ……!」
七星ミルキ:「健康じゃないから、近づいてやったもの……!」
ウノ・ワイルゴッド:「なるほど……まだ、私にも……特権意識があったんですかね……」
ウノ・ワイルゴッド:「命を懸けた想いに、貴賤はないか……」
七星ミルキ:「ありがと……互角と思ってくれるわけだ……」
ウノ・ワイルゴッド:「……七星さんの想いを見縊っていたことは、すみません」
ウノ・ワイルゴッド:「ですが」
ウノ・ワイルゴッド:――ズブ!
ウノ・ワイルゴッド:メスを自分自身の腹部へとねじ込む。
ウノ・ワイルゴッド:「覚悟で負けるわけにはいかないんですよ」
七星ミルキ:「うあ……!?」
七星ミルキ:「そ、そこまでやる……」
ウノ・ワイルゴッド:「左肺動脈閉鎖。十二指腸縫合……!」
ウノ・ワイルゴッド:自分自身の体内を手術している。
七星ミルキ:「ぐぅ……!い、いたいいたい……!」普段意識して体を動かしているからこそ、その説明がリアルタイムに想像できる。
ウノ・ワイルゴッド:そもそも、"キッチンボイラー"の無差別な血液蒸気には、ウノ自身も晒されているのだ。
ウノ・ワイルゴッド:それでも彼女が平然と動けていたのは、あらゆる負傷に対する治療の術を有しているからに他ならない。
七星ミルキ:「言うだけは、あるじゃない……!」「けどね……!」
七星ミルキ:「あなたの覚悟が、どれだけでも」
七星ミルキ:「こっちだって、一人分じゃ、ないのよ」
GM:――その後方だった。エニュオ・デュカキスは次々と出現する介護オートマタを破壊している。
GM:破壊している。破壊している。破壊し続けている。
GM:廊下に隣接するあらゆる部屋からそれは現れた。"死神"はノヴァリスの医療システムを掌握している。
介護オートマタ:〈そろそろ立っていられないぜ……。呼吸器は"キッチンボイラー"に食い荒らされてボロボロだ〉
介護オートマタ:〈その手足を動かす生体電流だって、タダじゃあねえだろう〉
介護オートマタ:〈よくもまあ〉――グシャリ!
介護オートマタ:また一機のオートマタが吹き飛ばされ、壁にへばりついたような残骸と化す。
介護オートマタ:〈――続けられるもんだ。七星ミルキみてえな執念もねえってのに〉
エニュオ・デュカキス:ぜひゅ、吸い込んだ酸素が喉を焼き。吐く息に紛れて鉄の味が満ちる
エニュオ・デュカキス:最小限の呼吸に切り替えようと先程言われた通り。四肢を欠損した己の身体限界は、同期のオフィサーと比べても劣っている
エニュオ・デュカキス:過去は最短の決着によって乗り切っていた限界が目に見えて、しかし染みついた型が新たに一機を粉砕する
エニュオ・デュカキス:だが震脚──踏み込みすらも弱まり。ひとつを一打で破砕した勢いは既にない
エニュオ・デュカキス:「執念、だけが人を動かすのではありませんよ」
エニュオ・デュカキス:膝をつく。リムレスの眼鏡を通した視界は薄く、暗闇が迫っている
介護オートマタ:〈執念がねえんなら、ここらが限界だ。お前さんの心拍数も脈拍もそう言ってる……〉
エニュオ・デュカキス:「──」続けて喋ろうとした。炎症を起こした喉は声にならず、かすれた音だけを漏らす
介護オートマタ:〈大人しく床につくことだな。次に目覚めるかどうかは――〉
介護オートマタ:廊下の両端には、ウノ・ワイルゴッドと、シノエ・リュコスがいる。〈この俺が〉
介護オートマタ:〈どっち向きに立ってるか次第だ〉
エニュオ・デュカキス:顔は持ち上がらず床を見ている。両の膝と手をつき、平時の冷静な“オフィサー”の様子はそこに見えない
三部つゆり:「――汝自らを灯とし、汝自らをよりどころとせよ。法を灯とし、法をよりどころとせよ…!」言葉が響く。
三部つゆり:それは、涅槃経における釈迦の最期の説教だ。これからは自分自身をよすがとし、説いた教えを拠所とせよ、と説いた。
三部つゆり:自灯明・法灯明の教え。かつての境地を思い出す――神仏さえも頼らずに、己のみを以て、事をなす。アレが必要だった。だから、僅かだろうと引きずり出す。
三部つゆり:倒れ込むようにして、シノエたちからエニュオ達の方向へ身体を向けている。
三部つゆり:ライフルが連続で音を立てた。本来なら術式行使など間に合わない、ほぼフルオートの連射。
三部つゆり:その弾丸全てが、赤黒い影を纏い。エニュオの進路を塞ぐオートマタへ着弾せんと飛翔している――
介護オートマタ:ガシャ!!!
介護オートマタ:エニュオに薬剤を注射する寸前、オートマタのマニピュレーターがへし折れた。
三部つゆり:「今だよ、げぼっ…!無理だろうと、行って!!」血を吐きながら、ただ叫ぶ。
"死神":(三部つゆり。あそこまで消耗して、まだ余力を残してやがったか)
"死神":(だが遅かったな)
"死神":(エニュオ・デュカキスは十分に削りきった)
"死神":(先に進む余力なんて残っちゃいない。ぶっ倒れた七星ミルキも合わせて――)
"死神":七星ミルキ。エニュオ・デュカキス。三部つゆり。サマンサ・シュヴァイゲル。
"死神":敵に囲まれたこの状況で、全員が行動不能。
"死神":(これで終わりだ)
"死神":(……)
"死神":だが、手足として運用できる機体のない"死神"に
"死神":一瞬、その仮定が浮かんだ。
"死神":(余力がない?)
"死神":(――本当にそうか?)
エニュオ・デュカキス:銃声が聞こえた。声は遠くなった耳で捉えきれず──だが、彼女が機会を作ったことはわかる
エニュオ・デュカキス:──ならいける。視界にある床材を確かめた。“揃った”
エニュオ・デュカキス:カナートスならば健康体で戦えるはずがない。そう彼は言った、事実だろう。
エニュオ・デュカキス:だから自分の感覚に頼らずとも把握するために必要だった。部屋を回り、患者達と交流を行いながら
エニュオ・デュカキス:扉を見た。窓を見た。天井を見た。実験棟と言った独自施設を除けば、概ね設計は“規格通り”。
エニュオ・デュカキス:施設というものの設計は建築家の発想で作られるものではなく。固められた設定によって“どのような患者でも困らない”数値に設定される
エニュオ・デュカキス:ウノ・ワイルゴッドの距離は見えていない。しかし捉えられると判断する。
エニュオ・デュカキス:「臨界」
エニュオ・デュカキス:頭上に浮かぶ十字冠。球体に突き立てられた無数の制御棒が抜かれて炉心が駆動する
エニュオ・デュカキス:体は動かないが、義足へ信号を起動。駆動テストのために用意された単純動作を以て、その体躯が飛んだ
"死神":(エニュオ・デュカキス。こいつは)
エニュオ・デュカキス:まるで理科実験で電気を流され、跳ねるカエルのような不格好な跳躍だ。それでも前へ進む
"死神":(『位置』を計算して倒れたんだ。体力を必要としない、義足の単純駆動プログラムだけで)
"死神":(――ウノ・ワイルゴッドに到達可能な位置に!)
エニュオ・デュカキス:曲線を描いて先へと進む。現状の軌道では到底届かない。だが、
エニュオ・デュカキス:「……真面目で助かります!」
エニュオ・デュカキス:“指定された効果範囲”の通りに設置された空調機がある
エニュオ・デュカキス:天井材は石膏ボード。素手で破壊することが可能で強度は到底足りない
エニュオ・デュカキス:だが空調機を取り付けた場所には必ず下地材、または準ずる固定部材がなくてはいけない
エニュオ・デュカキス:踏み込むには十分
エニュオ・デュカキス:破砕。天井の空調機を足場にさらに前方へ! 目測──20m弱!
エニュオ・デュカキス:「──届いた」
ウノ・ワイルゴッド:「……!」反応することができない。
ウノ・ワイルゴッド:自分自身を手術している最中だった。そもそも――
ウノ・ワイルゴッド:到達するはずがなかった。"死神"の計算でも。ウノ自身の計算でも。
エニュオ・デュカキス:手を伸ばす。まだ動く。目前にいる医者の首を掴み。
エニュオ・デュカキス:勢いのまま床へと引きずり倒す
ウノ・ワイルゴッド:――ダ ン !!
ウノ・ワイルゴッド:「く……そ……」
ウノ・ワイルゴッド:ミルキに与えられた臓器への衝撃と、その治療を待たずして、頭部に与えられた衝撃。
ウノ・ワイルゴッド:「患者が……」
ウノ・ワイルゴッド:「ま……待っているのに……」
ウノ・ワイルゴッド:いかに強靭な医師でも、意識を保つことは不可能だ。
介護オートマタ:〈信じられねえ……!〉
介護オートマタ:〈そもそも、こんなことをしてどうなる……!?少しの間、患者どもを生き永らえらせるだけの、ために〉
介護オートマタ:〈ウノ・ワイルゴッドが倒れちまったら〉
介護オートマタ:廊下の反対側を見る。
GM:霊安室のジャームが。星徒シノエ・リュコスが、その向こう側から迫ってくるのだ。
GM:そして、追われる彼女達の中に
GM:動ける者は、誰もいない。
介護オートマタ:〈お前さんがたを生かす人間は誰もいないんだぞ!〉
七星ミルキ:「けほっ!!」「……それは……困りますね……」
七星ミルキ:そうだ。だからこそ、『ウノの追いつく手段』は無かった。
七星ミルキ:万全の準備を整えて、迎え撃って、それでどうにか。
七星ミルキ:そんな脅威が迫ってきているのに、『逃げる女子生徒』を追うためにどうして全力を尽くせるのか。
七星ミルキ:(……まぁ、尽くしちゃったんですけど)
七星ミルキ:「でも、あと、一撃、ぐらい、なら……」
七星ミルキ:いまだ言うことを聞かない身体で、なんとか立ち上がろうとする。
エニュオ・デュカキス:首を使う腕は静止して。モーターは一切の駆動をしない
エニュオ・デュカキス:「──」
エニュオ・デュカキス:意識はある。それだけだ。止め続けていても先に進むことはできない
GM:その時だった。
GM:ジャーム達とは反対側から、パタパタと駆けてくる小さな足音があった。

ルー・シュエフィ:「み……みんな……っ!」
ルー・シュエフィ:「どうしたんですか!?なんで、みんな怪我してるんですか!?」
介護オートマタ:〈ルー・シュエフィ……!こんな時に、一番厄介なやつが……!〉
七星ミルキ:「えと、スダチちゃんがお見舞いしていた……?」
サマンサ・シュヴァイゲル:「来ちゃ……ダメ……」
サマンサ・シュヴァイゲル:「来ちゃ……」
ルー・シュエフィ:「……」後ろから迫ってくるジャーム達を見た。
三部つゆり:自分で吐いた血だまりに倒れている。白い髪が赤い血を吸っていながら、なお白く。
サマンサ・シュヴァイゲル:視界はない。もはや全身の感覚が激痛にだけ支配されて前後も分からない。
サマンサ・シュヴァイゲル:腐肉に沈んで、床の上で譫言のように繰り返している。
ルー・シュエフィ:最も重症の、サマンサの傍らに屈む。
ルー・シュエフィ:「追われているんですね」
七星ミルキ:「そう、そうだよ、危ないから……逃げてね……」どくん、どくん。ぜえ、はぁ。自分の呼吸音が一番大きく聞こえている。
介護オートマタ:〈お前さんの出る幕じゃない〉
介護オートマタ:〈大人しくしていてくれ〉
ルー・シュエフィ:「嫌です……!」
ルー・シュエフィ:「攻性症例318!」
ルー・シュエフィ:「行動伝染型道順障害!」
ルー・シュエフィ:《ラビリンス》を使用します。
GM:バックトラックです。
サマンサ・シュヴァイゲル:ええええ~~!
サマンサ・シュヴァイゲル:めちゃくちゃいいとこでヒキやがってよ~~!
GM:今回使用されたEロイスは5個。
【Eロイス】
シノエ・リュコス「星徒」
"キッチンボイラー"「苦痛のこだま」「苦痛のこだま」
"リトルドレッサー"「絶対拒絶」「絶対拒絶」
GM:振りたい人は振ってくださいね~
三部つゆり:振るぜ!
三部つゆり:132-5d10
DoubleCross : (132-5D10) → 132-21[1,1,6,5,8] → 111
エニュオ・デュカキス:5個振ります!
エニュオ・デュカキス:129-5d10
DoubleCross : (129-5D10) → 129-24[2,3,10,4,5] → 105
七星ミルキ:ふりま~す
七星ミルキ:115-5d10
DoubleCross : (115-5D10) → 115-19[7,4,4,3,1] → 96
七星ミルキ:こわ
サマンサ・シュヴァイゲル:振るが!!
サマンサ・シュヴァイゲル:いや私は振らなくていいんだ
サマンサ・シュヴァイゲル:まだ100じゃなかった
サマンサ・シュヴァイゲル:等倍でーす
サマンサ・シュヴァイゲル:82-6d10
DoubleCross : (82-6D10) → 82-43[5,9,10,7,10,2] → 39
サマンサ・シュヴァイゲル:下がりすぎ!
サマンサ・シュヴァイゲル:2点!かな?
GM:サマンサ先生低すぎる
七星ミルキ:残り3枚で素振り
七星ミルキ:96-3d10
DoubleCross : (96-3D10) → 96-18[8,5,5] → 78
七星ミルキ:5点!
エニュオ・デュカキス:105で残ロイス3、等倍!
エニュオ・デュカキス:105-3d10
DoubleCross : (105-3D10) → 105-13[2,9,2] → 92
エニュオ・デュカキス:微妙に危ないのやめて
エニュオ・デュカキス:5点で帰還しました
三部つゆり:二倍で行きます
三部つゆり:111-8d10
DoubleCross : (111-8D10) → 111-39[3,3,2,1,6,4,10,10] → 72
三部つゆり:あ、あぶねー
三部つゆり:ちょこちょこ低いの怖いって!3点で帰還です
サマンサ・シュヴァイゲル:この状況で普通の人間に戻りたくない
サマンサ・シュヴァイゲル:戻ったらぐずぐずに溶けて死ぬ!!
GM:確かにそうだな……
エニュオ・デュカキス:黄金体験をお持ちのスタンド使いはいらっしゃいませんか
七星ミルキ:ちょっとギャングになって子供助けてくるか…
GM:Dロイスは多めで、8個あります。
【Dロイス】
ウノ・ワイルゴッド「裁定者」
シノエ・リュコス「学園天使」
"キッチンボイラー"「対抗種」「吸血鬼」「強化兵」
"リトルドレッサー"「特異点」「復讐者」「優しい奇跡」
三部つゆり:そんなに君らDロイス積んでたの???
エニュオ・デュカキス:ぜんぜん優しくないやつが優しい奇跡持ってる
サマンサ・シュヴァイゲル:めっちゃ変な構成しとる
七星ミルキ:特異点マンおるな
GM:そうですよ 覚えておいてくださいね
GM:こいつらが何をしてくるのか……
七星ミルキ:エエッ
GM:攻性症例3種のミキシングだからDロイスも3つ持っていたってわけです
GM:経験点は、いつもの5点、シナリオ10点にこれらを加えて
GM:28点になるはず。ここに侵蝕経験点を足してください
サマンサ・シュヴァイゲル:エッ(ちいかわ)
サマンサ・シュヴァイゲル:30ですわ~
七星ミルキ:33!
三部つゆり:あ、神聖二重冠を使わなかったので ・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。になるのかな
エニュオ・デュカキス:33点!
三部つゆり:28+9で37点かしら
【経験点】
缶詰さん:33点
EXstさん:33点
嗣子さん:37点
森田さん:30点
GM(珪素):44点
◆Ending◆エニュオ・デュカキス
カナートス臨床医学研究院 森林

GM:――何故、この場所にいるのだろうか?
GM:辛うじて意識を保っていたエニュオ・デュカキスの記憶は断片的だ。
GM:ルー・シュエフィという生徒が戦場へと割り込んで、攻性症例を発動した。
GM:その状態からエニュオが大きく動いたとは思えない――まして建物の外に出られたはずもない。
GM:だが、そうした理屈に合わない道順障害を引き起こすような症例だったのだろう。
エニュオ・デュカキス:腹部の痙攣で無理矢理意識が明確になる。うつぶせの状態で溜まっていた血液を吐き出し、体を仰向けに
エニュオ・デュカキス:四肢が重い。体力以上に駆動限界を終え、モーターの焼き付いた匂いが鼻を突いた
GM:神聖二重冠は解除されているようだった。絶体絶命の危機は脱したのかもしれない。――辛うじてだが。
エニュオ・デュカキス:呼吸を整え、切除。喪失感をわずかに挟み、転送。慣れた重量が戻ってくる
エニュオ・デュカキス:「……三部さん、七星さんは」それに──最も危険を犯した先生は
GM:そこに、湿った足音が駆け寄ってくる。
後藤スダチ:「……エニュオ長官!」
後藤スダチ:「大丈夫ですか!?オフィサーへの応援要請は済ませました!」
後藤スダチ:「まさかあんなジャーム兵器の巣窟だったなんて……!」
エニュオ・デュカキス:「後藤主任──」ごほ、と湿った咳が漏れる。危険域は抜け出したが
エニュオ・デュカキス:「あまり近づいてはダメです。感染が広がる可能性は十分にある」
後藤スダチ:「でも、酷い負傷です。すぐに応急手当をしたほうが」
後藤スダチ:――ダン!!!
GM:銃声が鳴った。エニュオの腹部に、熱と激痛が走る。
後藤スダチ:「……?」
後藤スダチ:後藤スダチが銃を抜いている。不思議そうな顔をしていた。
後藤スダチ:ダン!!!ダン!!ダン!!ダン!!ダン!!ダン!!
GM:続けざまに、何発も。
GM:動けないエニュオの体に銃弾を叩き込む。
後藤スダチ:「――ああ。そうか。そうだった」
後藤スダチ:「私じゃないんだった」なにかに気付いたように呟き
後藤スダチ:ダン!!!
後藤スダチ:自分自身のこめかみを撃ち抜く。

後藤スダチ:「はー…………」
後藤スダチ:「よしよし……やっとすっきりしたぁ……」
エニュオ・デュカキス:いくら四肢が戻ろうと攻性症例に犯された体躯は反応しきれない。開けられた穴から漏れ出す鮮血が、上等な仕立てのスーツをただの襤褸切れに変える
エニュオ・デュカキス:「主任」──なのだろうか。普段ならば耐えるはずの痛みも、新兵の頃のようで。激痛にまとまらない
後藤スダチ:「『後藤スダチじゃないはずがない』」
後藤スダチ:「そう思ってるよな?」
後藤スダチ:「だよなァ……オレは後藤スダチしか知らないはずの情報を、全部知ってたんだもんな?」
後藤スダチ:「どこでも構わず突っ込んじゃうんだから!薬液槽に飛び込んだり!」
後藤スダチ:「その子はラス・ヴィダスの生徒会役員の一人で、堕天病の対策事業をやってたんですよ」
後藤スダチ:「ノヴァリスがこの『8番目』のイースターエッグを手に入れるためにも」
後藤スダチ:「だけど安心しろよ」頭から血を流し、ゆらゆらと両腕を揺らしながら近づく。
後藤スダチ:「あんたが気付かなかったのは、あんたが無能だからじゃない」
後藤スダチ:「オレだって、ついさっきまで、オレがオレだって気付けなかったのさ」
????:《究極擬態》《完全演技》を解除します。

????:「オレもやめたいんだよ。人の記憶を……自分の記憶みたいに思っちまうのは……」
イクス4:「オレの名前はイクス4」
イクス4:「――攻性症例111:自我同一性障害」
エニュオ・デュカキス:ひゅう。ひゅう。漏れた息を補うことはなく。声を聴き飲み込むこともなく
エニュオ・デュカキス:足元を見た。切り離した四肢がある。それを掴み振りかぶる──
イクス4:「オフィサーの応援?」
イクス4:「そんなもん呼んでるわけねーだろ」
イクス4:「消えろ。エニュオ・デュカキス」
GM:――ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!
◆Ending◆七星ミルキ&三部つゆり
カナートス臨床医学研究院 病棟前

GM:七星ミルキと三部つゆりは、どこかの病棟脇に倒れていた。
GM:この状態でなお離れ離れになっていなかったのは、奇跡的とすら言えるかもしれない。
GM:あるいは、不運だったとも言えるか。

介護オートマタ:〈……残念だったなァ。七星ミルキ。三部つゆり〉
介護オートマタ:〈ルー・シュエフィの攻性症例は、完全に無秩序な作用だ〉
介護オートマタ:〈全員を逃すつもりでいても、こういう不運な遭遇は、どうしても起こっちまう……〉
介護オートマタ:〈俺からしてみりゃあと一歩ってところだったが、4人中2人を拘束できるなら悪い結果でもねえ〉
介護オートマタ:〈残りの1人はもうじき死ぬしな〉
三部つゆり:その言葉に反応したのか。血まみれでありながら白い髪の少女の指が、地を掴み、じり、と。音を立てる。
三部つゆり:進むのは一ミリもないが、身体を進めようとしている。口は碌に動かないのか、ただ瞳だけがねめつけていた。
七星ミルキ:「"死、神"、さん…………!」
七星ミルキ:自分の衝撃と病状に悩まされながら、首だけを動かす。
七星ミルキ:(転移──幻覚じゃ、無い。場所も変わってる。全員来てるわけじゃ、ない……)
七星ミルキ:一拍遅れて「不運」の意味を悟る。ランダムな転移で同じ場所に来るのすら珍しく、それが敵対する相手などと。
三部つゆり:(体は…碌に動かない。口もダメだ…影も無理。くそ、ミルキさんだけでも、って思ったけど…)
介護オートマタ:〈これからα-Rブロッカーを投与させてもらう〉注射器を備えたマニピュレーターが展開する。
介護オートマタ:〈転送で逃げることもできねえな。あとは実験棟の拘禁施設に放り込んで――〉
介護オートマタ:〈ウノ・ワイルゴッドの回復を待つだけだ〉
七星ミルキ:(カートリッジを暴走させて……だめだ。私もつゆりちゃんも耐えきれない)"自爆"は手段とは呼ばない。
七星ミルキ:「うぅ……」
介護オートマタ:〈喋れるのか?〉
介護オートマタ:〈じゃあついでに聞いてもいいかい。七星ミルキ〉
七星ミルキ:「うぅぅぅぅぅぅ………!らん、あん……なん。です、か」言葉をもつれさせながら、感情を喉の奥から絞り出している。
介護オートマタ:〈サマンサ・シュヴァイゲルの言っていた治療記録ってのは――〉
介護オートマタ:〈なんのことだ?〉
介護オートマタ:〈あいつはもう死ぬだろうから、生きてる方から訊かなきゃならねえ〉
介護オートマタ:〈もしそんなものがあるなら、消しておかなきゃいけねえからな〉
七星ミルキ:「…………」
七星ミルキ:「……おんとに……ほんとに、いあないん、ですね」
七星ミルキ:情報を隠すとか、そういったことに頭は働かない。
七星ミルキ:「ヘルちゃんが、言っていました、よ」
七星ミルキ:「いじかい、理事会からの、治療記録」
七星ミルキ:「消した人がいる。……それが、あなただとは」
七星ミルキ:「せんせぇも、おもって、なかった……みたいですけどね」
介護オートマタ:〈……そいつはおかしいな〉
介護オートマタ:〈カナートスの電子記録は、俺が全部の権限を持ってる〉
七星ミルキ:「………?」
介護オートマタ:〈治療記録なんてものはなかった〉
七星ミルキ:「え……?」
三部つゆり:僅かに眼が開く。
介護オートマタ:〈俺の目を欺いてデータを消去できたとしても〉
介護オートマタ:〈カナートスの生徒に、そんな電子戦能力があると思うか?〉
七星ミルキ:「それ、は………」
介護オートマタ:〈まあいい。ヘル・クロタリアスの嘘に踊らされたってとこか〉
介護オートマタ:〈眠るといいさ。ごゆっくりな〉
七星ミルキ:「あなた、が」"把握してなかっただけ"──本当に?
七星ミルキ:他校。ジェネシスという大学区の中にすらハッキングを仕掛けて手駒を紛れさせる"死神"
七星ミルキ:(そんな人が、拠点にしている学校の電子情報を把握していない?)
七星ミルキ:何かがおかしい。つながっていない。破綻している。
GM:オートマタがミルキの腕を取り、薬剤を注射する――その時、ミルキは見た。
巡回ドローン:死神に随伴していた巡回ドローンが、まるで
巡回ドローン:別の意志を持つように。
七星ミルキ:とりとめのない思考のまま、目だけが今見ている光景を処理し続けている。

巡回ドローン:――ザン!!!
介護オートマタ:〈……!?〉反応する間もない。貫通されていた。
介護オートマタ:〈な……ん、だ……!?〉
七星ミルキ:「………あ?」
巡回ドローン:電磁ブレードが形成されていた。L7を基に設計されたというそのドローンには――
巡回ドローン:"死神"すら知らない機能があった。
巡回ドローン:〈はは……〉
巡回ドローン:〈喋りすぎだ。"死神"〉
巡回ドローン:〈余計なやつさえ巻き込まなきゃ……放っておいてもよかったんだぜ……本当に……〉
七星ミルキ:(あれ、は……)
GM:七星ミルキは知っている。聞き間違えようもない。
七星ミルキ:ドローンの元になったL7は蜘蛛型多脚戦車だった。巨大な質量で移動するだけで脅威の兵器──そう、兵器。
七星ミルキ:兵器であれば攻撃性能が存在する。あれは、その一つだろうか
七星ミルキ:「その、声……」
七星ミルキ:眼の前のことに集中できていない。散漫な思考の中、声を聞く。
巡回ドローン:〈元気そうでよかったよ。ミルキ〉
巡回ドローン:〈悪いことは言わないからさぁ……〉
巡回ドローン:〈帰りな?〉
七星ミルキ:「─────」
七星ミルキ:ガバ、と顔を上げる。反射行動。身体がきしむ。
七星ミルキ:体の痛みが耳の中で反響する。
七星ミルキ:ずきん、ずきん。どくん。どくん。
七星ミルキ:「あ、え───」
七星ミルキ:「おにい、さん?」
"ストロッツァ":〈そうだよ〉
"ストロッツァ":〈クロード・カレルだ。はは……今会うつもりじゃなかったんだけどな……〉
七星ミルキ:「な、」「ん」
七星ミルキ:“ラ・ルメール”。クロード・カレル。
七星ミルキ:文字では何度も見た。毎日のように墓碑銘を確認し、ノドスのリストを何度も確認した。
七星ミルキ:本人の声が、本人の名前で、名乗っている。
七星ミルキ:「で」
七星ミルキ:「なんで」
七星ミルキ:「なにが、なんで、どうして、いま」
七星ミルキ:「帰れ、って」ギ、と歯を食いしばる
七星ミルキ:「帰るのは」
七星ミルキ:「帰ってくるのは!!」
七星ミルキ:「あなた、だ」
七星ミルキ:「あなたが、あなたが帰って、くるのを、私は」
七星ミルキ:「私は…………!」
七星ミルキ:「~~~~~~~……!!!」
七星ミルキ:「どうして」
七星ミルキ:「もっと、早く」
七星ミルキ:「来てくれなかったんだよぉ……!」
"ストロッツァ":〈病気だからだよ〉
"ストロッツァ":〈俺は病気なんだ。頭が……ひどい状態になっちまった……〉
"ストロッツァ":〈はは、ははははは……〉
"ストロッツァ":〈ミルキだって、ぶっ壊れた俺なんかに……会いたくなかっただろ?〉
七星ミルキ:「………!………ッ!!」
"ストロッツァ":〈だからちゃんと会うのはまた今度だ。……分かるよな?ミルキ〉
七星ミルキ:わかっている。私の知ってる「おにいさん」が放っておくはずがない。
七星ミルキ:ノヴァリスにやってきて連絡を怠ることも──ノドス生徒の暴虐も。
七星ミルキ:だからこそ、彼は死んだと思っていたのだから。
七星ミルキ:「……わかんない」
七星ミルキ:「わかんない、わかんないよ……」
七星ミルキ:「また、どこかにいっちゃうの……?」
"ストロッツァ":〈治さなきゃいけない。治さなきゃ……〉
"ストロッツァ":〈はは……こんなんじゃ、駄目だ。俺じゃない〉
"ストロッツァ":〈優しくなりてえよ〉
七星ミルキ:──意識に帳が降りていく。白く甘い闇が身体を包み込む。
七星ミルキ:口を動かさなければ、意識を失いそうになる。
七星ミルキ:「おにいさんは……やさしいよ……」
七星ミルキ:「病気なら……」病気だから近づくな、と皆が言う。
七星ミルキ:ペテラ・アズテックも。カリス・リュシドールも。ソ・ジウォンも。
七星ミルキ:───クロード・カレルも。
七星ミルキ:「一緒にいたいよ」
七星ミルキ:「一緒に治そうよぉ………」
"ストロッツァ":〈……そこで寝ていな。ミルキ〉
"ストロッツァ":〈心配する必要だってない〉
"ストロッツァ":〈ケリは俺がつけてきてやる〉
"ストロッツァ":ドローンは彼方へと飛び去っていく。
七星ミルキ:「そっ……………」
七星ミルキ:「か。」
七星ミルキ:意識はもう持たない。
七星ミルキ:寝ていろと言われた。
七星ミルキ:心配はないと言われた。
七星ミルキ:(なら……いいのかな?)
七星ミルキ:私しかいないわけじゃないのなら。
七星ミルキ:誰かに頼っても良いのなら。
七星ミルキ:いつだって助けてもらっているのだから。
七星ミルキ:(任せても……良いのかも知れない)
七星ミルキ:寝よう、と思った。
七星ミルキ:首も支えていられず。身体は痛くて。とてもつかれた。
七星ミルキ:だから、眠ろうと思って。
七星ミルキ:────まっしろな、髪が見えた。
三部つゆり:貴方と彼が話していた間も。
三部つゆり:ずっとずっと、指を地面に突き立て。引きずっていた。そうやって、壁に凭れるようにして。
三部つゆり:「…………、」朝焼けの紫色の瞳が、燃え上がるようにあなたを写している。
三部つゆり:「いいん、ですか」
三部つゆり:「それで……、今、寝て……ごほっ……、本当に……」
三部つゆり:右目が酷くきしむ様な頭痛がする。血管が切れたような音が身体からした。だけど、それより重要なことがあった。
三部つゆり:「今……いるんですよ、ここに……」うわごとのように、ひどく擦れた言葉。
三部つゆり:「あなたが、ずっと……あいたかった、ひとが……」
七星ミルキ:「……………」
七星ミルキ:きれいな子だ。
七星ミルキ:暗闇の視界の中で髪はきらめいていて。
七星ミルキ:作り物みたいで。整っていて。
七星ミルキ:瞳が輝いていた。
三部つゆり:血が滴りながら、なおその白は全く血に穢されていなかった。呪いのように形を変える事を拒んでいる。その持ち主の様に。
七星ミルキ:「………つゆ……ちゃん」かすれた声が出る。
七星ミルキ:こしらえたように完璧な外見の中に、意志が宿っている。
七星ミルキ:人形のようで──まったく人形らしくない意志こそが、彼女を動かしている。
七星ミルキ:"わたし"は、かつて。
七星ミルキ:感情を露わに出来て、そのためにすべてを捧げるような
七星ミルキ:(こんな子になりたいと、思っていた)
七星ミルキ:「……だめ」
七星ミルキ:「だめ、だめだよ」
七星ミルキ:「だめに、きまってる」
三部つゆり:「なにが…ですか」
七星ミルキ:体を動かす。衝撃の後遺症で悲鳴を上げたいほど痛い。
七星ミルキ:理想的な眠りを吹き飛ばすとても不快な、生きた証。
七星ミルキ:「8年」
七星ミルキ:「ノドスの人たちが、おにいさんが居なくなって、もう」
七星ミルキ:「8年、待った」
三部つゆり:「げほっ………、なら…どう、するん、ですか。また……待ちますか」
七星ミルキ:待ってろ?心配する必要はない?……また、今度?
七星ミルキ:「ふざけないで」
七星ミルキ:「またない。もう、待つのは」
七星ミルキ:「……飽きた」
七星ミルキ:身を起こす。体の中で痛くないところはない。診断されなくても内蔵はボロボロだし骨もいくつか折れてる。
七星ミルキ:呼吸するだけで激痛が走って、眼の前に雷が落ちる。
七星ミルキ:でも、生きてる。
七星ミルキ:「もう、待たない。追い、かける」身体の動きを一つずつ確かめる。
七星ミルキ:「追いかけて、追いつく」
三部つゆり:その言葉と動きに、白の少女は大きく笑った。それこそが正解なのだと、そう告げるように。
七星ミルキ:「追いついて──」
七星ミルキ:視界が混濁する。カナートスの景色。幼い頃の景色。つい先程の、少女を追いかけた記憶。
七星ミルキ:「なんとかする」
七星ミルキ:「わかった気になってる、貴方達の不幸を」
七星ミルキ:「予想外に、計算外に、想定外に」
七星ミルキ:「ぐっちゃぐちゃに、狂わせてやる」
七星ミルキ:一人では無理だ。
七星ミルキ:自分の歩幅はわかる。自分の体は自分が一番良く知っている。
七星ミルキ:既に引き離されて追いつけない距離。
七星ミルキ:だから。
七星ミルキ:「────つゆりちゃん」
七星ミルキ:「すごく、ひどいことをいうよ」
三部つゆり:「…、いい、ですよ…ここまで来た、仲です…」
七星ミルキ:「…………へへ」ふにゃりと笑う。
七星ミルキ:「立って。辛いけど、起き上がって。痛いけど、歩いて」
七星ミルキ:「私と、一緒に」
七星ミルキ:「追いかけて、くれる?」
三部つゆり:その言葉を聞いて、ゆっくりと窓の辺縁に指を掛ける。
三部つゆり:身体を引き上げる。普段なんてことの無い動作の一つ一つが、身体を燃やす様に苛んでいる。
三部つゆり:「分かり、ました……、ですけど」
三部つゆり:「私は……高い、ですからね……」
三部つゆり:ゆっくりとミルキさんの手を取る。
三部つゆり:「…ちゃんと……あのひとを、捕まえて、来てください……良い、ですね?」
七星ミルキ:「…………へへ」
七星ミルキ:「大丈夫。良いことを、教えてあげる」
七星ミルキ:手を取る。お互いの神経がつながったように痛みを感じる。
七星ミルキ:「こういうときはね」
七星ミルキ:「────男の子が、奢ってくれるものなんだよ」
七星ミルキ:1人分では届かない。だけど、1人じゃない。
七星ミルキ:側に誰かが居てくれる。
七星ミルキ:(それを)
七星ミルキ:教えてやる。
七星ミルキ:─────昔、私がそうしてもらったように。
七星ミルキ:真っ白な感覚は既に無い。
七星ミルキ:痛みと疲れと熱さと辛さと、その他色々な感覚を抱えながら。
七星ミルキ:確かに決意した。
◆Ending◆サマンサ・シュヴァイゲル
カナートス臨床医学研究院

GM:重く、湿ったものを引きずるような音が響く。
GM:カナートスの廊下だ。助けを呼べばすぐに誰かが駆けつけてくる。病室に入りさえすれば。端末を使えさえすれば。
ルー・シュエフィ:「はーっ、はーっ……!」
ルー・シュエフィ:ルー・シュエフィは、ほとんど死骸じみた肉塊を引きずっていた。
GM:オーヴァードの膂力をもってしても、この重量を動かすことはひどく苦労したが、そうしないわけにはいかなかった。
GM:なぜなら。
ルー・シュエフィ:「し、死ん……じゃう……!」
GM:彼女には、生徒のような十字冠がなかったから。
ルー・シュエフィ:「本当に……死んじゃうよう……!」
GM:周囲を見渡す。何度も行き来したカナートスの中の風景だ。
GM:すぐにでも助けを呼びに行ける。誰かと出会うはずだ。それなのに。
ルー・シュエフィ:「ど、どこ……」
ルー・シュエフィ:「ここはどこ!?私、私、どこにいるの……!?」
ルー・シュエフィ:「あ、ああああ……!」
ルー・シュエフィ:「どうして」
ルー・シュエフィ:「こんなに近いのに!分かるはずなのに!」
ルー・シュエフィ:「誰か!!誰か来てえっ!」
サマンサ・シュヴァイゲル:(――)
サマンサ・シュヴァイゲル:誰かが、泣いている。
サマンサ・シュヴァイゲル:子供の声が聞こえる。
サマンサ・シュヴァイゲル:なかないで。
サマンサ・シュヴァイゲル:だいじょうぶよ。だから、なかないで。
サマンサ・シュヴァイゲル:崩れた肉の塊は僅かに震えて、空気の抜けるような音を出した。
サマンサ・シュヴァイゲル:しかし、それだけだった。
GM:――行動伝染型道順障害。
GM:ルー・シュエフィが目指したところへと辿り着くことは
GM:決してない。
ルー・シュエフィ:「お医者さん……お医者さん!」
ルー・シュエフィ:「お医者さん来てえっ!」
ルー・シュエフィ:「誰か!誰か、助けに来て!!」
◆Masterscene◆潜伏期
漂流学区ノドス

GM:朽ち果てた教室だった。
GM:これが、教室と判別できる限界の様相かもしれない。崩れ果てた床には浸水して、藻や植物が壁面に繁茂している。
GM:天井はなかった。抜けるような青空が広がっている。
GM:もはや用途もないようなそうした部屋を、"カルヴァリア"祠堂アキトは、時折巡ることがある。
GM:他にもそうした生徒は少なくないのか、そうした巡回の際に誰かと出会うことは、ひどく珍しい事態ではない。
GM:だがその日は、研究室から出てくるはずのない顔があった。朽ち果てた椅子に座って、ぼんやりと空を眺めている生徒がいる。

"ストロッツァ"クロード・カレル:「お」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「アキトかよ」

"カルヴァリア" 祠堂アキト:「起きていて大丈夫なのか」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:常通りの神経質そうな瞳をクロードへと向ける。
"ストロッツァ"クロード・カレル:クロード・カレルのぼさぼさの茶髪は、いつの日からか伸びっぱなしだった。
"ストロッツァ"クロード・カレル:目は爛々と見開いている。狂気じみた表情に見える――と、自分自身でも冗談めかして言っているほどだ。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「……まあな」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「変な話だよな……ははははは……ようやく一段落ついたってのに」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「眠っていい状況になるほど、眠れないもんだ……」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……そうか」険のある表情のまま、朽ち果てた机に腰掛ける。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「今更お前の素行を咎めるつもりはない。好きにすれば良い」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「プロジェクトは……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:やはり横になろうとしたのか、朽ちた椅子を並べて横になる。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「完了だ」
GM:"ストロッツァ"クロード・カレル。彼は十律者の会議においても、自らの進める作戦内容を具体的に提示したことはない。
GM:表に出る出ないに関わらず、興味本位のように他のノドスチルドレンの作戦を支援し、データを収集し続けていた。
GM:それは、研究者であるクロード・カレル自身のプロジェクトは最初から定まっており――
GM:他のノドスチルドレンの作戦中も、そのプロジェクトを進行している、という前提が存在したからだった。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「間に合わない場合の計画も用意していたが」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「存外に早かったな」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「そうか?はははは……それなら良かったな」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「間に合うってのはいい」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「――"タウミエル"でも15.9%」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「"オギエル"でも19.2%」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「"サマエル"は2.6%。リィの奴、よくやってるよ……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「"リリス"。16.6%」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「"ガシェクラー"でさえ22.3%……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「"ガマリエル"が17.8%」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「最大の"オレブザラク"でも、26.0%だ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「機神はどれも本来のスペックを発揮できていない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「輝神は」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「僕達にとっての流星体。外付けの搭乗兵器ではなく、肉体の延長として纏う力だ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「だから、僕達自身と同じように、戒則に縛られる」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「そのままでは、ノヴァリスとの境界を踏み越える事はできない。例え、仮初の器を用意したとしても、受け渡せる力はごく僅かだ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「そこを上手くごまかさなきゃいけない」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「俺達と、ノヴァリスの生徒達の構成要素は、何が違うのか?」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「生体データ。レネゲイド波長。魔術構成式。量子変数……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「だからガダルを手伝ってやったのは、良いバイト代になったよ……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「全ノヴァリス養護教諭長が集めていた――ノヴァリスの生徒全般の基準データは随分参考になった」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「あとは外れ値の生徒達の詳細な個別診断記録と比較すれば、俺達個人の振れ幅にカスタマイズできる」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「カナートス臨床医学研究院の治療記録は」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「そいつに使った」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「――機神改善計画。機神のスペックを100%に近づける、新型の生命連動マニューバ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「実証実験もすぐにやるつもりだ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「結果が出たら、使ってくれ。アキト」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……」睨むような目つきでクロードを一瞥して
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「最大でも本来の権能の2割弱。それが機神の限界だった」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「そのせいで、ノヴァリスの生徒程度に、何度となく遅れを取った」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「5000体の星徒を滅ぼし尽くして……生き延びた……」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「"勝者"となったはずの、僕達がだ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……それでも」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「あちらへの自由な工作活動を可能にしたという時点で、機神計画は成功したと僕は評価している」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「クロード、お前がやっている事は……蛇足だ。途方もなく有用だが、必要ではない」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「ははは……だろうな」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「だけど、終わらせなきゃいけなかった……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「機神計画も――このノドスの、脱出理論も」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「……俺が」椅子の上に寝転がったまま、空を見上げている。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「俺が言い出したことだからだ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「そうだな……お前はそういう奴だ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「なら、僕はこう言うしかない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:小さく嘆息する。ほんの一瞬、眉間に刻まれた険しさが薄れたように見えた。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「余計なことをしてくれたな」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「だが」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「よくやった」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「……ああ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:クロードの表情に現れる情動は、常人とはまるで真逆だ。
"ストロッツァ"クロード・カレル:ごく稀に、安堵した時だけ、笑いが止まる。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「しばらく休む。報告に行く手間が省けてよかったよ……アキト」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「ああ、他の連中には僕から伝えておく」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「奴らも喜ぶだろう」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「僕達の計画にとって、個々人の勝敗など、些細な問題でしかない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「だが、皆こう思っている」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「どうせなら、最後は勝って終わりたい」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「勝てるさ」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「……俺達が勝つ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……」立ち上がり、空を見上げ続けるクロードに背を向けて、静かにその場を去る。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「おやすみ、クロード」
"ストロッツァ"クロード・カレル:(……悪いなアキト)
"ストロッツァ"クロード・カレル:白衣の袖で目を覆って、空を視界から隠す。
"ストロッツァ"クロード・カレル:(俺は嘘をついた)
GM:理事会はノヴァリスの生徒達を徹底的に管理しようとした。
GM:全ノヴァリス養護教諭長が記録していたデータは確かに膨大だったが、他にも参照先として適切な記録はいくらでも理事会にあっただろう。
GM:クロード・カレルがその中から、あえてカナートス臨床医学研究院の治療記録を選んだ理由があった。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「治せるかもしれない……」
GM:8年間。数限りない酷使によって、クロード・カレルの脳は壊れた。
GM:かつてのような天才性は二度と取り戻すことはできないのかもしれない。
GM:それでも。
GM:その中には例えば、再生不能になった神経細胞の治療例もあるかもしれない。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「昔の……昔の俺みたいに……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「治せるかもしれないんだ……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「なあ、ミルキ……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「はは、ははははははは…………」
"ストロッツァ"クロード・カレル:クロードの表情に現れる情動は、常人とはまるで真逆だ。
"ストロッツァ"クロード・カレル:ごく稀に、安堵した時だけ、笑いが止まる。
"ストロッツァ"クロード・カレル:「はははははははははははは……」
"ストロッツァ"クロード・カレル:「ははははははははははははははははははは……………………」