夜に雫の色彩を追う

夜に雫の色彩を追う

関連セッション:『孤剣トツカ』

■Masterscene/01

灰下遥:「――ああ、夕焼け」
灰下遥:いつの日からだっただろう。
灰下遥:仕事場に向かう川沿いの道から見える、夕焼けの美しさを知った。
灰下遥:「夕焼けがきれいだ」
灰下遥:誰も……きっと照も知らない、私の心の光景。

-:「ねえ、灰下さん。遅くまでバイト掛け持ちしてるんだって?」
-:「大丈夫なの?その……」
灰下遥:「ううん」
灰下遥:少し笑った。
灰下遥:「だめかも」
灰下遥:――高校の友達と離れ離れになるのは寂しかったけれど、近いうちに退学することになるだろうと思っていた。
灰下遥:高校に入っても、微積分のひとつもできない。授業を頭に入れる余裕もなくて、使える時間は少なかった。
灰下遥:照に、新しいカバンだって買ってやれない。
-:「……ねえ。困ったら、言ってよ?」
-:「遅くに出歩くと、危ないんだから」

灰下遥:夜、街灯の光だけを頼りに、私は自転車を押して家に帰る。
灰下遥:今日、照は寂しくなかっただろうか。
灰下遥:先生の言いつけを守って、ちゃんとお稽古ができただろうか。
灰下遥:照は心の強い子だ。私のせいで、不自由なことのないようにしてあげたい。
灰下遥:誰にも恥じることのないような、いい子に育ってほしい。
灰下遥:「……」
灰下遥:公園の時計が、11時を回っているのを見た。
灰下遥:「……私の分」
灰下遥:「夕ごはん、買わないと」

灰下遥:――お父さん、お母さん。今の私なら、あなた達の苦労が分かります。
灰下遥:一人の子供の人生を預かるという責任は、どれほど重く、辛いことだったのか。
灰下遥:でも……私は、あなた達と違って、決して子供を叩いたりしません。
灰下遥:照は強い子です。私があの子を連れて家を出た時だって、
灰下遥:一度だって、泣いたりしませんでした。
灰下遥:きっと、毎日寂しいと思います。私は、自分勝手な感情で照の人生を振り回している、悪い姉なのだと思います。
灰下遥:でも、いつの日か……照ならきっと、私よりも、あなた達よりも、ずっと立派になります。
灰下遥:「……ああ」
灰下遥:いつか、私の弟で良かったと、胸を張って言えるように。
灰下遥:――私が一人で、照を育てていきます。
灰下遥:「夕焼けがきれいだ」

■Opening/01

灰下 照:1d10+34
DoubleCross : (1D10+34) → 2[2]+34 → 36

某市 エイトマート前

GM:虫の声がどこかの庭から響いてくる。
GM:けれど、他の人通りはない。静かな夜だった。
GM:住宅街の片隅のコンビニ……の、裏手。
GM:彼のような目的を持つ者の他、誰もが目を留めない箇所だ。
灰下 照:「(エイトマートは……たしか、7時)」
灰下 照:時計を確認する
コンビニ店員:「らっしゃいやせーッ!」
GM:窓の中から、かすかにコンビニ店員の声が聞こえる。
GM:一人入店してきた。今のシフトは一人だけである可能性が高い。
灰下 照:「(一日に三回。夜7時と、昼3時と……あと、いつだっけ)」
灰下 照:扉から普通に入り、漫画のコミックスを見ているフリをする。
コンビニ店員:「らっしゃせーッ!」
GM:やはり、若い男の店員一人だ。
灰下 照:やり方は、昔、姉から聞いて知っている。まず、店員が、廃棄品を棚から籠に集める。
コンビニ店員:カタ カタン
GM:その通りに、弁当の棚へと向かった。入れ替えている。
灰下 照:廃棄品はレジに一旦通して、記録される。その後なら、どれだけそれが無くなったって、誰も困らない。
コンビニ店員:「……」ピ、ピッ
コンビニ店員:「アっと。3点っすね~。おにぎり温めますか?」
GM:先に入った客の応対に、20秒ほどかかる。
コンビニ店員:「ありゃっしたーッ」
GM:そして、また作業が始まる。
コンビニ店員:「……」残った小学生――灰下を、ちらりと見るのが分かる。
灰下 照:「…………」くうと、少しお腹が鳴る。片手に下げた、使い古された買い物袋。
コンビニ店員:コミックの立ち読み客と判断したことだろう。しばらく、レジには来ないと考えたはずだ。
コンビニ店員:「……」ピッ
GM:再び、手につけていた作業を開始する。廃棄品を記録し、
GM:そしてこの後、店の奥に置かれる。
灰下 照:店員の視線が、籠から逸れる。
コンビニ店員:コンビニ店員がするべき作業は多い。一人のシフトならば尚更だ。釣り銭の確認に入る。
灰下 照:片腕に下げた買い物袋に片手を突っ込む。……遠く離れた、籠の中の廃棄品が、ふっと消える。
コンビニ店員:「?」
GM:数秒して、店員が籠に目を向けるものの、
GM:多く積まれた弁当の下段の数個がなくなっていたところで……すぐには、気づかない。
GM:気付かないまま、この後、予定通りに廃棄されるだろう。
GM:近辺を根城にする浮浪者達の競争に晒されるのは、通常はその後だ。
GM:灰下照は、その前の段階で、手に入れている。
灰下 照:おにぎり。小さな弁当。からあげ。サラダ。消費期限の短いフレッシュジュース。
灰下 照:何も入っていなかった買い物袋が、ふっと膨らむ。
灰下 照:……籠の中のサラダを見る。トマトが入っている。少し表情をゆがめる。
灰下 照:「…………」栄養バランスは大切に。好き嫌いせず。そう言われて育った。
灰下 照:袋の中身が満たされ、雑誌を置く。
灰下 照:普通に扉から出ていく。塾帰りの小学生か、夜遅くにおつかいでも頼まれたのか。
コンビニ店員:「ありゃっしたーッ!」
灰下 照:多少――不自然ではあるものの、傍目からは、そういう風に見えるかもしれない。
灰下 照:「…………」
灰下 照:「はあ………あぁ」
灰下 照:近くにあったバス亭の前のベンチに座って、袋を開ける。
GM:小学生……本来ならば、小学生である灰下照の空腹を満たす分は、十分にある。
GM:今日の夜と、明日の朝。
灰下 照:ねえさんが、コンビニでアルバイトをしていた頃は、ときどきこうして廃棄品を持ってきてくれていた。
灰下 照:水分の飛んでしまったからあげを、もそもそと齧る。
灰下 照:今はコンビニも厳しくて、店員でもあまり廃棄品は取って来れないのだと。
灰下 照:「(……もっと早く『これ』が出来たら)」
灰下 照:「(自分の食べる分くらい、自分で取ってこれてたら)」
灰下 照:「(ねえさんに苦労させたりしなかった)」
GM:今はもう、灰下照に食事を作ってくれる人はいない。
灰下 照:「……今日はどこで寝ようかな」
灰下 照:廃棄品と言えど、窃盗は窃盗だ。それに、食料以外は、廃棄品にはならない。奪う必要がある。
灰下 照:だけれど、もう食事を作ってくれる人はいない。テラスの窃盗を咎める人もいない。
灰下 照:「ねえさ、ん」声が僅かに震える。「……探さなきゃ」
灰下 照:声変わり前の高い音量。彼の成長は同年代と比べてもやや遅かった。
灰下 照:「探さなきゃ。アイツを。絶対に……ねえさんの仇は、おれが取るんだ」

3ヶ月前 某町 河道沿い

GM:――その日、灰下遥の帰宅は遅かった。
GM:夜更かしをして彼女の帰りを待っていると、いつも困ったように咎められていた。
GM:そんな姉が、1時を回っても帰ってこない日は、初めてだった。
灰下 照:「ねむ……」
GM:中古の子供用自転車が、暗い夜道を行く。
灰下 照:重くなった瞼を擦りながら。姉の帰り道は、分かっている。
灰下 照:「ねえさん、おっそいんだからさあ……」
GM:何もかもが昼間の風景とは違って、せせらぐ川の音すら、闇の中では本当に川の音なのか分からない。
灰下 照:普段なら、このくらい遅いと、睡魔に負けて、寝てしまうこともある
灰下 照:だけど、それで朝起きて、それより後に帰ってきたねえさんが、それでも朝食を作って待っていてくれるのは
灰下 照:子ども心に、なんだか、とても嫌だった
灰下 照:だから今日はこうして、無理をして出てきた。
灰下 照:「ねーえーさーんー。はるかーねえさんー」
灰下 照:それに最近は“ぶっそう”だ。師匠も言っていた。女子一人で、夜道を歩くのは良くないと
灰下 照:ぶっそうという漢字を、どう書くのかはしらないけど。
GM:当の姉は、いつものことだから仕方がないと、笑っていた。
灰下 照:迎えに行って、なんなら後ろに載せて帰ってきたっていい。
灰下 照:「おれだって、来年は、もう中学生なんだからさ……」独り言は、眠気覚ましも兼ねている
GM:知覚で判定を行ってください。
GM:覚醒前なので、能力値は1として扱います。技能はそのままで構いません。
灰下 照:1dx+1
DoubleCross : (1R10+1[10]) → 3[3]+1 → 4

灰下 照:小学生力だ
ガーネット:6dx
DoubleCross : (6R10[10]) → 9[2,2,3,6,6,9] → 9

GM:道沿いに並ぶ電灯の一つが、パチパチと明滅しているのが見えた。
GM:……そして、その明滅する電灯の手前。
GM:自転車が横倒しになって、一人の女性が倒れている。
灰下 照:「…………」
灰下 照:たし、と自転車から横に降りる。「……?」眼を凝らす。
GM:倒れている。まるでそこに転がっていることが当然の物体であるかのように。
GM:動く様子もない。
灰下 照:「…………さん」
灰下 照:「ねえさん!」
灰下 照:慌てて駆け寄る。抱き起こす。
GM:白い。
GM:嘘のように白い顔色だった。
灰下 照:「どうかしたの! ねえ、何さ、返事しろよ、おねえちゃん!」
灰下 照:「おねえちゃん!」 子供心に、それが致命的なものだと感じる。
GM:上半身しか持ち上がらなかった。まるで重い水袋のように。
GM:夜風に長く晒されて、冷たくなった……灰下遥だった。
灰下 照:「う、うう、あ、……きゅ、きゅうきゅう、しゃ」
灰下 照:だが電話がない。彼も姉も、携帯電話を持っていない。
灰下 照:契約できなかったからだ。
GM:誰も通りがからなかった。誰も姉を助けてくれなかった。
GM:何もかも手遅れだった。
GM:この遅い時間に、一人で――
灰下 照:「どこか、、だ、だれか! だれかいま――」周囲に助けを求めようとする。
ガーネット:では、周囲に目を向けようとしたその時。
ガーネット:後ろから、どん。と。何かがぶつかるような衝撃を感じる。
灰下 照:「――――?」
灰下 照:「え、ぐ?」  ひどく冷たい感触があった。冷たい? いや、熱いような――
ガーネット:視線を下げると、自分の腹部から、赤い――骨、槍のようなものが突き出ているのが見えるだろう。
ガーネット:そこから流れた血が、姉の白い肌に、赤いしみを作るのも。
灰下 照:「っ、あ、ぐっ」
灰下 照:熱いものが喉からせり上がってくる。「――ごぶっ! げふっ!」
灰下 照:仰向けに倒れながら、背後を振り向く。
灰下 照:姉の身体に折り重なるように。身体から突きだす骨。自分のものではない。
灰下 照:何が起きているのかまるで分からない。
ガーネット:白い肌と、それと対照的に、片眼が赤黒く染まった
ガーネット:美しい女性が、君を見ている。
灰下 照:「――――」
灰下 照:あるいは、灰下がもう少しクラスの女子と仲良くしていたら
灰下 照:彼が街灯のテレビでニュースを見ていたら、分かったかもしれない。
灰下 照:女性を、白い彫像のようにして殺す、赤い瞳の、彼女の噂を、聞いたことがあったかもしれない。
灰下 照:「あ、う、ぐ」
灰下 照:手を伸ばす。何が起きたのか分からない。「ま、って」
ガーネット:「……申し訳、ありません――」片眼から涙を流しながら、彼女が呟く。それと同時に骨が引き抜かれる。
灰下 照:「っ、っ!」 大きく血を吐く。どくどくと、身体から熱が流れ落ちていく。
灰下 照:血に染まった骨。骨の剣。赤い――ただ赫い。
灰下 照:何が起きているか分からない。
灰下 照:何が起こったのか分からない。
灰下 照:ただ、彼女が。今、照を殺し、恐らくは姉を殺したこの女性が――
ガーネット:「……違うと、わかっているのに……う……。また……耐えれなく……。う……。」
ガーネット:呟きながら、もう用は済んだとばかりに、照に背を向けて歩き出す。
灰下 照:赫い骨の、涙を流すこの女性が。
灰下 照:あまりにも、途方もなく、■しくて――――――――
ガーネット:「それに子供を……あんな小さな……。う……!せめて……せめてもう少し……遅く来てくれれば……。うう……!」
GM:声は遠い。
ガーネット:ぶつぶつと呟きながら、歩みに迷いはない。
GM:もう届かない。死の淵に落ちた灰下には、
灰下 照:あまりにも遠い。照の呻きも、声も、伸ばした手も、もう彼女には届くことは
GM:手を伸ばす距離も、機会も……命も。二度と与えられることはなかっただろう。
灰下 照:「――――待、て……よ!」
ガーネット:ここからどう歩けば、見咎められること無く、この場から去れるのかを、既に知っている動きだ。
灰下 照:がしりと。
GM:二度と与えられることはなかっただろう。
灰下 照:女性が手に持つ剣が、何かに掴まれる。
ガーネット:「う……う……」言葉に気づかず、そのまま歩み去ろうとする。「……。」その歩みが止まる。
GM:……これまで灰下照が生きてきた、日常の世界の理ならば。
灰下 照:強引に身を起こし、うつ伏せに倒れる。伸ばした手は力なく地面に沈んでいる。
灰下 照:文字通り、地面に、街灯で生まれた影の中に沈み――女性の足元の影から浮上して
灰下 照:照の細い手が、骨の剣先を掴み取っている。
灰下 照:「なんで、ぜ、ェーッ……」声に力が戻っている。
ガーネット:「オーヴァード」剣を引き、その手を振り払おうとする
灰下 照:血泡を零し、無力に沈みながら、「なんで、あんた、なんで……げ、ふっ!」
灰下 照:周囲の影が蠢く。彼自身、自分が何をしているのか分かっていない。
灰下 照:だが掴んだ手は放さない。力は、死にかけた少年のそれではない。
灰下 照:……影が、立ち上がる。のっぺらぼうめいた影の人型が、周囲の民家の土塀に映りだす。
GM:『オーヴァード』。不吉な響きだった。
GM:彼の短い半生の中で……一度たりとも、耳にしたことのない単語。
ガーネット:「――」もう一度振り払おうとする。引き剥がれない。立ち上がる影。離れた場所から自分を掴む、この力。
灰下 照:「なんで……あんた」  視界は虚ろだ。意識も朦朧としている。
灰下 照:夢心地で、ただ思ったことだけを呟く。
灰下 照:「泣いて、るんだよ……」
ガーネット:「――ごめん、なさい。」パキッ。という乾いた音とともに、剣の先が切り離される。
GM:街灯が点滅している。白い光と、虚ろに立つ影法師の群れ。白い骨格。
GM:千切れた赤い脊髄の色だけが、朧気な視界に残る。
灰下 照:掴んだ手が落ちる。剣先ごと、影に沈んで、持ち主の下へ。
灰下 照:「…………」その言葉を最後に、がくりと気を失う。
灰下 照:だが、レネゲイドの励起は収まっていない。これ以上ここに留まれば、もっと厄介な組織が、彼女たちのことを嗅ぎつける可能性もあるだろう。
ガーネット:「お嬢様……」最後にそれだけ呟いて、彼女の気配は消える。
GM:――灰下遥は死んだ。体の血を全て抜かれていたのだという。
GM:死化粧を施された姉は、夜に見たそれが嘘のように血色を取り戻していて、まだ生きているようにさえ見えた。
GM:灰下照もこの夜に死んだ。
GM:けれど……まるで、彼女の命の犠牲を喰らって、得た命のように。
GM:異能に呪われた生が、再びはじまった。

GM:オープニングを終了します。ロイスをどうぞ。
灰下 照:初期ロイスで取っています。仇/赫骨のジャーム/憎悪:○/純愛/ロイス
灰下 照:姉のロイスはなくなりました
GM:そうか……!

■Opening/02

GM:フェイスダウンのオープニングです。侵蝕率上昇をどうぞ。
“フェイスダウン”:1d10+31
DoubleCross : (1D10+31) → 1[1]+31 → 32

???

GM:雑然とした電子音が、微睡んだ意識に染みこんでくる。
“フェイスダウン”:「……?」
“フェイスダウン”:「ここ……は…」
GM:テーブルの上に横たわったまま、眠ってしまったのか。
GM:何故か、レストランのテーブルのようだと思えた。
GM:仕事の時のヘルメットを被ったままだったが、不自然に感じない。
GM:バイザー越しに、極彩色の光がチカチカと明滅する。
GM:……ここはゲームセンターだ。
“フェイスダウン”:息苦しい、ヘルメットを脱ごうとして、気付く
“フェイスダウン”:「……あれ?」
“フェイスダウン”:ヘルメットが、外せない。
“フェイスダウン”:「………」
GM:カサリ
“フェイスダウン”:「!」
“フェイスダウン”:「誰!?」
GM:身を起こした手の下……テーブルに置かれていた写真が手に触れる。
“フェイスダウン”:「……写真…」
GM:4枚、それぞれにぼやけた人間の姿が写っている。誰なのか思い出すことはできない。
GM:……けれど、恐らくこれはレストランのテーブルなのだろう。
“フェイスダウン”:手に取り、写真を眺めている
GM:……カタ、カタ
GM:背後で、ボタンを押し続けるような音が聞こえる。
“フェイスダウン”:「……」
“フェイスダウン”:テーブルから降りて振り返る
少年:「……今度は」小柄な少年の後ろ姿だ。
少年:「取ってくれないの?」
GM:カタ カタ
GM:UFOキャッチャーのボタンを、取り憑かれたように押し続けている。
GM:中のアームは出鱈目な動きで揺れ続けるだけだ。
“フェイスダウン”:「……!」
少年:「――ねえ」背を向けたままだ。
“フェイスダウン”:「…っ…違う…そんな…」
“フェイスダウン”:「そんなん…そんなわけ…ない……」
“フェイスダウン”:バイザーが曇っている、少年の姿が見えづらい
“フェイスダウン”:ヘルメットを外そうとする、外れない
GM:かつて……“フェイスダウン”が、今の暗闇に堕ちる、その発端があった。
GM:その時その場に、見捨てる他なかった少年がいたのかもしれない。
“フェイスダウン”:カチッ カチッ カチッ
“フェイスダウン”:「なんで…なんなん…!」
少年:「……お姉ちゃん。誰の、命なら」
少年:「取ってくれるの?」
“フェイスダウン”:「……!」
GM:UFOキャッチャーのアームが、何かを引きずりあげる。
“フェイスダウン”:「あ…」
GM:ビニール袋にぎっしりと詰められた、白い粉だった。
少女:「払うわ……」ガタ、ガタ
GM:頭上の換気扇の蓋を、何かが揺らしている。
GM:隙間から視線が見下ろしている。
少女:「お金なら、すぐに、払うから……」
少女:「……やめられるって、言ったのに」
少女:「あと一回だけ、薬があれば、もうやらないって……私は、言ったのに……」ガタン、ガチャン
“フェイスダウン”:「ああ…あ……」
“フェイスダウン”:一歩づつ、後ずさりし
“フェイスダウン”:換気扇の下から離れ、二人から遠ざかっていく
“フェイスダウン”:そのまま逆方向に走り出す
少年:「どうして、僕のことを助けてくれなかったの……」
少女:「私を見てよ……私を……元に戻して……!」
少女:ガタン!ガチャン!ガチャン!
“フェイスダウン”:声がヘルメットの中で響く、外そうとして、外れない
GM:電子音の中、けたたましい音が響く。ヘルメットの中に反響する。
GM:ヘルメットのはずだ。けれど、息苦しいばかりで、外れない。
“フェイスダウン”:「――うぁああああああああッ!」
GM:いつの間にか、極彩色のゲームセンターの光景は、炎上する港の光景に溶ける。
“フェイスダウン”:「……誰か…誰か…」
:「死ね」
:「裏切り者め」
:「『死んで償え』」
GM:布地のような影が、大剣を引きずる影が……
GM:あるいは人ならぬ異形の影が、暗い海の彼方からフェイスダウンを呼ぶ。
“フェイスダウン”:「……誰…か…」
“フェイスダウン”:港のコンクリートの上を
“フェイスダウン”:足を引きずるように、暗い海を傍らにして歩いていく
“フェイスダウン”:息が苦しい、心臓が焼けるように熱い
GM:光景はグラデーションのように変わって、今立つ場所も分からない。
GM:薬物の取引の場だったのか。電車の来ることのない駅だったのか。
GM:あるいは……
GM:誰かの胸板に、唐突にぶつかる。
:「おい、どうした……“曽根崎”」
:「そんなものを被って」
“フェイスダウン”:息を切らしながら、その顔を見上げる
GM:知っている顔のはずだ。だが、暗く、あるいは穴に落ち込んだように見えない。
GM:それに、彼らは――
GM:ヘルメットの反響で、今もフェイスダウンを呼ぶ彼らは、皆が。
:「“曽根崎”。なあ」
:「俺は、弟子を一人も死なせたことがないのが自慢なんだ」
:「それなのに、どうしたんだ?」
GM:――誰も、もう、この世にいないはずの声だった。
少年:「助けて……命を、僕の命を」
少女:「私を捨てないで!私を見てよ!」
“フェイスダウン”:「……う…ううぅ!」
:「どうしたんだ?」
GM:大きな両手が、フェイスダウンの“ヘルメット”を掴む。
“フェイスダウン”:「ウチ…ウチは…」
GM:ミシミシと、その両指が、ヘルメットに食い込んで、亀裂を入れる。
:「そんなものを被って」
GM:ヘルメットの中を隙間なく満たしていた、どす黒い血が、ドクドクと……流れていく。
“フェイスダウン”:「……本当は……助けたかった…皆…助けたかったよ…」
“フェイスダウン”:「弱かったから……弱くて…誰も助けられなかったから……」
少女:「――それも、嘘でしょう?」
GM:背後からの声に振り向くことすらできない。
“フェイスダウン”:「違う!」
少女:「そんな仮面を被って……逃げたんですよね?」
少女:「ヒロちゃん」
“フェイスダウン”:「……!!」
:「どうしてくれるんだ?なあ」
GM:ミシッ ビギリ
:「なあ……」
:「皆お前のせいで死んだぞ」
“フェイスダウン”:「う……」
:「罪は、絶対に」
:「待ってくれない」
“フェイスダウン”:「うあ…あ…」
GM:バキッ バキッ
GM:ヘルメットが軋みをあげる。逃げることはできない。
GM:掴まれたまま、目を逸らすことすらできない。
GM:……そして、
GM:バギギギギギ、ギヂリッ
GM:このヘルメットは、もう“ヘルメット”ですらない。
GM:“フェイスダウン”の顔と一体化して、もう後戻りはできない――
GM:バ  ギ   ャ   !  !
曽根崎ヒロヱ:「うあああッ!」

京須市内 ビジネスホテル

GM:暗い、整然とした壁が見える。
GM:埋込み式のデジタル時計の表示だけが浮かぶ。5時22分。
曽根崎ヒロヱ:「ハァッ…ハァッ…」
曽根崎ヒロヱ:女、というには少し幼い黒髪の少女だ
曽根崎ヒロヱ:闊達なかつての面影は疲労で薄れ、目付きは鈍く、鋭い。
GM:空調の音だけだ。
GM:死者の声が聞こえるはずもない。
曽根崎ヒロヱ:「…………」
曽根崎ヒロヱ:再び、ベッドに背中を預けて仰向けになる
曽根崎ヒロヱ:「…これ…何回目かな」
曽根崎ヒロヱ:呟いてからフラフラと立ち上がり
曽根崎ヒロヱ:備え付けの冷蔵庫から水を取り出し、喉の渇きを癒します
曽根崎ヒロヱ:「……食べるもん…もう無かったっけ」
曽根崎ヒロヱ:食料の備蓄を確認し
曽根崎ヒロヱ:シャワーを浴びてからジャンパーとジーンズに着替えて
曽根崎ヒロヱ:部屋の出口に近くに置いてあるヘルメットに伸ばした手を一瞬止めて
曽根崎ヒロヱ:結局、それをカバンに入れて出かけていきます
GM:――目的不明、素性不明のオーヴァード傭兵“フェイスダウン”。
GM:その来歴すら、知る者はいない。
GM:しかし、彼女の辿ってきた道は……骨と、血に塗れ。
GM:その道を遠くから辿って――
GM:いずれ、罪が追いつこうとしている。

GM:ロイス取得が可能です。
“フェイスダウン”:ロイス取得!
“フェイスダウン”:自分自身/“フェイスダウン”/覚悟○/恐怖心/ロイス
“フェイスダウン”:以上で!

■Opening/03

GM:次のオープニング。朝永さんは侵蝕率上昇をお願いします。
朝永花月:34+1d10
DoubleCross : (34+1D10) → 34+10[10] → 44

朝永花月:ゆるふわ~
GM:ゆるふわな侵蝕率

京須市 JR京須駅

GM:各駅停車だけが停まる、それほど大きくはない駅だ。
GM:町並みこそ、朝永花月の記憶から様変わりしているが――
GM:駅は少し古びた程度で、まだ彼女が幼い頃の名残がある。
GM:久しぶりに会う旧友が、駅前で待っているはずだった。
朝永花月:「おおー。自動改札……!」
GM:IC定期券も使える。新しい!
朝永花月:「しばらく見ないうちに、立派になっちゃって……」
才木有希:「! 花月ちゃん?」改札を通ると、パタパタと駆けてくる少女がいる。
朝永花月:「お、わ、ゆきりん!?」
才木有希:「うっわー、よかったー!合ってたー!」
才木有希:「すっごい綺麗になってたから、自信なかった!」
朝永花月:「合ってるよ!みんなの花月さまだよ!ほら!おいで!」腕を広げて待ち構える。
才木有希:「わーっ!お久しぶりでーす!」ひしと抱きつく。
朝永花月:「しばらく見ないうちに、お世辞まで言うようになっちゃって……この~!」強く抱きつき返す。
才木有希:「きゃー!あっははははは!」
才木有希:「ごめんなさいね、急に電話しちゃったりして。なんだか……急に」
才木有希:「思い出しちゃったんですよ。なんでかなー?」
朝永花月:「あはは!いいよ別に!私もヒマだしねい」
朝永花月:「来るのも久し振りだったから、丁度いいなって。あ、改札!」
才木有希:「あー!あー!」
朝永花月:「自動になってた!びっくり!」
才木有希:「ですよね!私もあれ来た時」
才木有希:「本当ビックリ!え?これ切符入れるとこなくない?みたいな!」
朝永花月:「わかるわかる!あと、ほんとにタッチできたかも不安になるし……」
才木有希:「……ってより、京須駅がずっと古すぎ!隣町じゃもう、ずっと前からIC式だったんですって」
才木有希:「お金なさすぎじゃないの?って。あっはは!」
朝永花月:「駅、ボロいまんまだもんねー」振り返り駅舎を見上げる。
GM:屋根こそ真新しく葺き替えられているが、壁面のコンクリートには亀裂が入り、老朽化したままだ。
朝永花月:「あ、え、嘘!あそこもそのままなの!?」割れた窓を指差す。
才木有希:「ねー。二組の伊東がやったって噂になりましたっけ」
朝永花月:「野球してて割っちゃったやつ!うわー、なっつかしー……!」
才木有希:「あれですよ、もう使ってない半地下のやつだから……あっ、そろそろ行きます?」
朝永花月:「お、そうだね。行きまっしょー」
才木有希:「いつも行ってるケーキ屋があって!花月ちゃん気に入ると思いますし!」
朝永花月:「ケーキ!いいねえ!ゆきりんチョイス、期待してるよん」
才木有希:「懐かしいなあ、もー。ふっふふふ」寄りかかるように頭を近づける。
才木有希:「おわ、いい匂い!……フレグランス?シャンプー?です?」
朝永花月:「めっちゃ遊びまくってたもんねえ」
朝永花月:髪を指で撫でるように浚う。
才木有希:「いいなあ、いいなあ」
朝永花月:「あ、これ?いいでしょ?CMのやつ」
才木有希:「雪本月子のですか?別のやつ?」
朝永花月:「そそ。それそれ。ちょっとお値段張るんだけど、最近はお気に入り」
才木有希:「へぇーへぇー」
才木有希:「本当……綺麗だなぁー、花月ちゃん」心底感心したように言う。
朝永花月:「褒めても何もでませんよう。さて、ゆきりん、何か欲しいものない?」
朝永花月:「オジサンおごっちゃうよ?」
才木有希:「んー……」
才木有希:「……」ちらりと、近くの電柱に目をやる。
GM:さがしています 港蓮介 くん 8歳
GM:電話番号……
GM:行方不明の子供の広告だった。
朝永花月:「?どしたの?」
才木有希:「や?別に?」
才木有希:「それよりそれより、なんか他の人にも会いに行きましょうよ」
朝永花月:「お!いいねえ~。みんな元気?」
才木有希:「陣さんとか覚えてます?先輩、本当に警察官になっちゃって。びっくりですよね」
朝永花月:「え、陣さんって……あの陣さん?」
才木有希:「あのぼんやりで、ははは!よく試験に受かったよねって、皆……」
朝永花月:「うわーっ、陣さんとか超懐かしい!」
才木有希:「あはははははっ、あーっ……良かったな」
才木有希:「花月ちゃんとまた話せて!」
才木有希:「……」大きく伸びをする。
才木有希:「……なんで思い出したんだろ」
朝永花月:「警察官?えー、制服似合わなさそう……ふふっ」
朝永花月:「なんでだろうね。でもなんかさ、あんま久し振りって感じしない」
朝永花月:「懐かしいんだけど、すっごいいつも通りってかんじ」
才木有希:「あの時が、一番……なんか」
才木有希:「私って気がして」目を細めるように笑う。
朝永花月:「そういうもん?私はいつでも私だけど」
才木有希:「ふふ。そうですね。それなら良かったなあ。……良かった」
GM:町並みは変わったが、確かに、かつて過ごした街だった。
GM:けれどかつてのような、血腥さと無縁の日常でもなかった。
GM:夜、少女の血が白く抜かれて死んでいく怪異。
GM:誰もが口には出さないが、“白い少女”の魔が――通った街と化していた。
GM:……そして。

GM:シーンを終了します。ロイスのみ取得可能。
朝永花月:-旧友/才木有希/懐旧:○/不安/ロイス
朝永花月:これで!

■Opening/04

GM:次は日行さんのオープニング。登場侵蝕率をどうぞ。
日行丹:1d10+30
DoubleCross : (1D10+30) → 1[1]+30 → 31

某区 ファミリーレストラン

GM:午後5時前。座席が客で混み合い始める直前……けれど、決して人が少なすぎるわけでもない。
GM:食事のためではなく、会話に興じている有閑層が多い。
GM:よって、その片隅で不穏な“商談”を行ったとしても、仕掛ける側の技術次第では然程目立つこともない。
主婦:「あああ、ああああ……」声を抑え、涙に暮れている女性がいる。
主婦:まだ若い。三十代程だろうか。手に強く数珠を握りしめている。
主婦:「ありがとうございます、ありがとうございます……先生、うぐっ、ありがとうございます……!」
日行丹:「いいえ、私にできることをしたまでです」
主婦:「息子、息子が、これで治るんですよね……」
主婦:「ほら、この、紙が」震える手で、四つ折りの紙片を見せる。
主婦:「赤色に。先生の、仰ったとおりに」
日行丹:「ええ、勿論」 淡々と喋る
日行丹:「その紙は陰陽道で言うところの人型、厄除け、厄払いを担うモノ」
日行丹:「決して、捨てぬように。私の言うとおり一日三回、息子さんの患部に当てなさい」
日行丹:「それで息子さんは楽になるでしょう」
主婦:「まだ、小さい子ですけども……昨日、お母さんの、うああああっ……ご、ごはんを、もう一度食べたいって……」
主婦:「バイパスじゃなくて、もう一度……そんなこと、一度も言ったことのない子でしたから、ねえ」
日行丹:無論――嘘だ。
日行丹:その紙には全く効果はない。
日行丹:肌に当てて色が変わるのは俺がそういう薬品を調合し、染み込ませたからだ。
日行丹:この女の息子は不治の病だった。どこの医者に見せても治療は無理だろう。
主婦:「良かった。希望を捨てないで良かった……うっ、ううう」
主婦:「先生に、お願いして良かった」
日行丹:「ええ、好きなモノを食べさせて上げて下さい。それが息子さんのためになります」 全く感情のこもっていない声だ。
主婦:「ええ……ええ……!」
主婦:「……こ、こちら」
日行丹:この女の夫は既にこの世から去っている。
日行丹:支えてくれる夫はおらず、難病を抱えた息子にただただ尽くす母――それがこの女だ。
主婦:人目を気にするようにして、厚い紙袋を取り出す。
主婦:「先生、もう必要ないと仰ってくれましたけども」
主婦:「それでも、本当に……本当に、感謝の心として」
主婦:「受け取ってください。どうか」
日行丹:「ああ、ありがとうございます……過ぎた財は貴女に不幸をもたらす。……しばらく預かっておきましょう」
日行丹:「それまでは手をつけません。貴女達が幸福になった時――その時は改めて、受け取りましょう」
主婦:「ありがとうございます。……ありがとうございます……」
日行丹:ありえない。
日行丹:この女は既に限界だ。
日行丹:生きることに、生き続けることに。
日行丹:二度と会うことはないだろう。
日行丹:全てがなくなった時、理解するのだろう。
日行丹:騙されたことに。
日行丹:この女は恨むだろう、この俺を。
日行丹:この女自身の人生ではなく、この俺を。
日行丹:「お顔を上げて下さい、そんな顔をしていたら息子さんが悲しみます」
主婦:「はい……ありがとうございます……ええ、ええ……」
日行丹:「さあ、息子さんに好きなものを食べさせてあげなさい。これから貴女は」
日行丹:「――幸せになるのだから」
日行丹:淡々と宣言するように言う。
主婦:「信じて、生きていけます……先生が、先生だけが救ってくれました」
主婦:「先生だけが、本当のことを」
主婦:「……う、うううううう」
GM:全て終わったことだ。
GM:彼女がどのような手段でこの財を工面したか、それは知る由もないが……
GM:長年の“仕事”の経験で、分かる。もう彼女から絞り出すことのできる財産はない。
GM:次の仕事にとりかかる必要がある。
日行丹:「私はこれで失礼させて頂きます」
日行丹:「――次の仕事がありますので」 テーブルの上の金を回収する。
日行丹:いつもとおなじ重さ、金額通りの重さだ。
主婦:「はい。はい……また、お礼を言いに、伺いますので……」
主婦:「その時には、また……ありがとうございます……」
日行丹:「ええ、その時はゆっくりと話しましょう」 女の顔を見てから
日行丹:そして席を立つ、もう女を見ることはない。二度と。
GM:彼女の持ち得る連絡手段では、もはや日行丹と接触することはできない。
GM:日行丹。この名も偽名だ。
GM:むしろ、彼を構成するあらゆる事物で――偽でないものは、何一つない。
GM:時に、退く先もなくなるほどに追い詰められた者は、心や、霊の領域に縋ることがある。
GM:そういった者を喰らうのは、悪霊でも、魔物でもない。確かに実体を持ち、生きている誰かだ。
GM:日行丹は、詐欺師だ。
日行丹:エンブレム《グリーディ》を使用、この女から巻き上げた金を算出します
日行丹:2d10
DoubleCross : (2D10) → 12[2,10] → 12

日行丹:袋に入った金額は多い――だが、それだけだ。

GM:シーンを終了します。ロイスがあればどうぞ。
日行丹:ロイスはとりません、既に終わったことなので。

■トレーラー

街で交わされるいくつもの囁きが、白い少女の怪を恐れていた。
独り夜を歩く少女が、静かなままに、“白い少女”と化して死ぬ現象。
そして少年のたった一人の姉は、現象に呑まれた犠牲者だった――
あの日に見た朧な影を求めて、静寂に眠る住宅地を歩く。
誰も知ることのない“組織”の人間がいる。影に潜み、人の死を啜る異形の怪物がいる。
昼の世界のどこかが狂ったように……現象の跡を追って、彼の夜は歪んでいく。
現象の名を、柘榴石(ガーネット)と呼ぶものがいた。
その正体を知る者はいない。

ダブルクロス3rd『夜に雫の色彩を追う』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。

■ハンドアウト

・PC1(灰下照)用ハンドアウト
ロイス:橋の少女 推奨感情P:親近感/N:恐怖
あなたは、“赫骨のジャーム”を孤独に追い続ける復讐者である。
目の前で姉を殺害した、白い少女の怪の正体は、あなただけが目撃している。
そして放浪と追跡のひとつの果てに、あなたはこの京須市へと辿り着いた。
……もっとも最近に確認された“白い少女”の事件現場。
深夜の探索の中、あなたは橋の上に佇む一人の少女に出会う。
“赫骨のジャーム”はこの住宅地のどこかに潜んでいるのか。それとも――

・PC2(フェイスダウン)用ハンドアウト
ロイス:“ガーネット” 推奨感情P:義務/N:悔悟
あなたは、裏社会を渡り歩き、危険と脅威を生業とするオーヴァード傭兵である。
かつての仕事で犯した巨大な裏切りのために、今は追われる身となったあなただが、
そんな渦中においてなお、無視のできない依頼があなたの元に舞い込んでくる。
調査対象は“赫骨のジャーム”。人骨の凶器を振るい、少女の血液のみを吸い尽くす怪物。
彼女の名を知っていた。それは、あなたが闇の道に堕ちるきっかけとなった存在でもある。
“ガーネット”。ジャームと化して消え去った、かつての仲間。

・PC3(朝永花月)用ハンドアウト
ロイス:山古陣矢 推奨感情P:連帯感/N:不安
あなたは、ごく普通の高校に通い、平和な日常を謳歌する高校生イリーガルである。
幼少時に住んでいた京須市の友人から、久しぶりの連絡があった。
懐かしさから市を訪れたあなたは、もう一人の知り合いと偶然に再会する。
かつて世話になった刑事、山古陣矢。しかし喜びも束の間、彼はひとつの懸念を告げた。
市内で人知れず多発しているという、連続幼児失踪事件。
その実行犯は、あなたや山古と同じ、オーヴァードである可能性がある――

・PC4(日行丹)用ハンドアウト
ロイス:アリア 推奨感情P:有益/N:脅威
あなたは、主に心霊商法を騙り、口先三寸で金銭を巻き上げる、裏社会の詐欺師である。
あなたの新たな依頼主は、“アリア”と名乗る京須市の少女。
外見年齢に似つかわしくない異様な言動を取る、注意を要するターゲットである。
……それだけならば、心霊商法を専業とするあなたにとって珍しい状況ではない。
しかし彼女の依頼は、その内容もまた極めて奇怪なものとなっていた。
「攫われた私を探してほしい」。それが、アリアの望みなのだという。

■Preplay

GM:それでは、PC1から自己紹介をしていただくことになります。
GM:まずは小学生復讐者、灰下くんからどうぞ。
灰下 照キャラシート(PC1:アスハル)
灰下 照:はいさい! 最年少のムードメーカー、みんなに愛されるPC1です!
灰下 照:灰下照です。
GM:小学6年生!レア!
灰下 照:甘草さん絶対殺すマンとして追い掛けてるフリーランスです
灰下 照:Dロイスは何故か想い人だけど些細なことだよね
GM:前代未聞、復讐者相当の想い人……!
灰下 照:能力は隠密白兵。総合してあらゆる妨害を無視して攻撃します
灰下 照:あとは猫の道とか伸縮腕妖の招きなどのイージーエフェクトでそこそこやります
灰下 照:あと小学生なので社会力は一切ないぞ!
GM:仕方ないね
灰下 照:積極的に社会に適合した皆さんを頼りつつ、
灰下 照:絶対的なロイス感情:憎悪で邪悪ジャーム・ガーネットを倒します!
灰下 照:よろしくねー。以上です
GM:了解です!なぜかポジティブ側の憎悪……!
GM:そして次は、裏社会傭兵、フェイスダウンチャン。
“フェイスダウン”キャラシート(PC2:モヤイ)
“フェイスダウン”:へい!
“フェイスダウン”:いよいよもってメンタルが危険(ヤバ)い!流離のヘルメットガール曽根崎ちゃんakaフェイスダウンです。
GM:大丈夫大丈夫、所詮夢オチだし
GM:気にすることなんてないよ。ドンマイ!
“フェイスダウン”:今回はかつて友達を救うために戦った仲間の討伐という事で、もう始まる前から語るに落ちてる節さえあるぞ!
“フェイスダウン”:でも人生とはそういうものだから
GM:こんな人生送るヤツそうはいないと思うゾ
“フェイスダウン”:性能は相変わらずノイマン白兵!ただしマルポンに対しては絶対にノウ!
“フェイスダウン”:アンプリフィケイション便りに敵をなぐり殺すピュアゴリラです
GM:頭がよさそうだ
“フェイスダウン”:基本的に戦闘特化だが、コネを沢山とお金を少し持ってるのでちょっとした情報項目程度なら潜り抜けられるかもだ!
“フェイスダウン”:今回は灰下くんとのおねショタを目指しつつ頑張りたいと思います
“フェイスダウン”:以上!
GM:それでは次は、女子高生オブ女子高生、朝永さん。
朝永花月キャラシート(PC3:DT)
朝永花月:はい!
朝永花月:女子高生オブ女子高生の朝永花月(あさなが・かづき)です!
朝永花月:性格的にも女子高生女子高生する所存でまいります。
GM:かわいいぜ!
朝永花月:能力としては、そのへんのガジェットにサクラ・エンハンスして撃ちこむタイプ。
朝永花月:性能的には、最優の《水晶の剣》使いであり、
朝永花月:超血統した水晶の剣武器を自分で2本、他人に1本使わせます。
GM:くそー、私の水晶キャラがほぼ下位互換だぜ
朝永花月:成長によっては自分で3本とも無駄にしないで住むのですが、今回は安定性重視の技能振りなのだ。
朝永花月:ピュアウロ無形パワーも有しているため、万能に立ちまわる感じのスーパー女子高生です。
GM:君、本当にそこらの女子高生なの?
GM:もっといい職場があるのでは……本部エージェントとか……
朝永花月:今回は唯一の光属性として、皆を導いたりゆるふわしたりしたいと思います。
朝永花月:よろしくお願いします!
GM:それでは次のキャラ。裏社会詐欺師、日行さんお願いします。
日行丹キャラシート(PC4:オツカレー)
日行丹:どうも迷える子羊に救いの手を、日行丹です。
日行丹:OPでも見た通り苦しんでいる主婦を救ったばかり、また会う時が楽しみです。
GM:いい人そう
日行丹:シンドロームは光の戦士エンジェルハィロゥと大正義ソラリスの絶対光の戦士。
GM:ソラリス!?
GM:やはり正義だった
日行丹:性能はとにかく自分ではなにもしない、ひたすらドッジをして生き残るだけ。
日行丹:ただ侵蝕が80%超えると《力の霊水》使ったり120%超えると《痛みの極光》をぶちかまします。
日行丹:今回は迷える子羊が二人くらいいそうな気がするので華麗に救ってみたりしたいです。
日行丹:よろしくお願いします!

■Opening/05

GM:オープニング二周目を開始します。まずは、日行さんのオープニング2から。
日行丹:1d10+31
DoubleCross : (1D10+31) → 8[8]+31 → 39

京須市内 ドーナツチェーン店

GM:駅近くに、ちらほらと建つファーストフード店のひとつ。
GM:都会だが特に見るべきものもない京須市においては、市民の他の利用者は少ないだろう。
GM:その、二階席の隅。
GM:黒スーツを身に纏う不吉な男が、亡霊のように存在している。対面の客は、まだ来ない。
日行丹:テーブルにはコーヒーとドーナツがいくつか皿の上にある。
日行丹:無表情でドーナツを食べ、コーヒーを啜る。
日行丹:そして、思い出す。今回の依頼について。
GM:依頼主の名は、『アリア』。ネット上の窓口を経由しての依頼であり、顔は知らない。
GM:当然、こういった怪しげな稼業を行う以上は、相手方も時間に正確とは限らず、そもそも空振りも多い。
GM:外れる事が問題ではなく、一度食いついてきた獲物を外さない事が重要になる。
日行丹:時は金なり――日行丹にも時間に関するルールがある。
日行丹:規定の時間に訪れない、時間に対しどの程度重きを置くのかを測る。
日行丹:時間に正確な奴は型にはまればやりやすい。
日行丹:時間より早く来る奴は自分に自信がない事が多い、やりやすいタイプ。
日行丹:では今回の相手は――予定の時間と、現在時刻を重ねあわせて差異を確認する。
日行丹:無論、こちらを待たせすぎる奴は論外だ……時は金なり。金と時間は等価だ。
GM:6分、遅れている。そして。
アリア:「あーっ!」
アリア:「あーっ!あーっ!黒い服の人!」
日行丹:声の方を見る。
アリア:トタトタと駆け寄ってくる。黒い、きっちりとしたスカート丈の制服。長い三つ編みの少女。
アリア:年は、見た限りでは16か17ほどだろうか?
日行丹:少女を観察する、なるべく自然に。見過ぎる事のないように。
アリア:「ねえ、カイキさん?」
アリア:ニコニコと笑っている。警戒心の欠片もない表情だ。
日行丹:人は見た目では分からないというが、ある程度の指針は立つ。
アリア:というよりも、幼い。大人びた見た目とは不釣り合いだ。
日行丹:それは人格であったり、経済力であったり、隠そうとしてもそれはにじみ出る。
日行丹:「ええ、私はカイキ――日行丹です。そういうキミはアリアでしょうか」 淡々と言う
アリア:「うん!」
アリア:「ドーナツ、あげるよ!ねっ」
アリア:両手で、ドーナツを差し出す。下で買ってきたばかりなのだろう。
日行丹:所作は育ちの良さ、人生経験が出る。この少女はどうか。
日行丹:無論、一流であればそれを隠すことも出来るだろうが――わざわざ小悪党たる俺にそこまでの労力を割くのは全くの無駄だ。
日行丹:「ええ、どうも。ありがたく受け取っておきます」
日行丹:「では私も飲み物の一つくらい奢らせてもらってもいいでしょうか」
GM:演技ではない。だが、どこか……
GM:仕草ではないどこかに、不自然さがある。どこにあるのかはまだ分からない。
GM:観察する時間が必要だ。あるいはこれから、商談を進めていく中で。
アリア:「うんーっ!」
アリア:「オレンジのやつ!」
日行丹:信頼を築くのは言葉で言うほど容易くはない、会話と同じだ。相手がなにかをするのなら同じく返す。
日行丹:それに相手がどう判断するか、返す程度ならば不審に思うものはそうはいない。もしそんな奴だったら――やりやすい。
日行丹:「ええ、では少し待っていて下さい。取ってきます」 とカウンターに行きオレンジジュースを注文する。
GM:それでは、オレンジジュースを持って戻ってくると、
GM:アリアちゃんが、椅子に座ってそわそわしている。
アリア:「お行儀よく、お行儀よく……」
日行丹:「おや、どうかしましたか? アリアさん」 声をかけてみる
アリア:「ん!」
アリア:「ちゃんと待ってた!の!」
アリア:ピンと背筋をのばす。
日行丹:とにかく情報だ、些細な事でも何でもいい、仕事をするには情報が必要だ。相手の反応をとにかく取り、分析する。
日行丹:「なるほど、こちらの飲み物で良かったですか? アリアさん」
アリア:「オレンジの!うん」
日行丹:オレンジジュースを差し出す。
アリア:両手で取り、ストローでおいしそうに飲み始める。
日行丹:オレンジジュース、先程の言動。16、17歳の少女にしてはあまりにも子供らしい。
日行丹:天然か、それともそのように振舞っているのか。
アリア:「えへ」
アリア:「おいしいね」
アリア:「ドーナツ、おいしい?」
日行丹:「ええ、とても美味しいです」 淡々と言う、全くの無表情だ。
アリア:「……」眉根がさがる。
アリア:「おいしそうじゃない?」
日行丹:「おや、申し訳ない。私は生まれつき、顔に出にくいもので」
日行丹:「甘いモノは好きですよ、中でもドーナツは好物です」 そのまま食べ続ける。
日行丹:甘いモノは嫌いじゃない、これは本当だ。感情が表情に出にくいのも本当だ。
アリア:「カイキさん、お腹痛いの?」
アリア:「ね。こうやって……」心配そうに顔を近づける。
アリア:髪が一房、耳の横から流れる。
日行丹:「いいえ、そんなことは。至って私は健康です、お気になさらず」
アリア:「むにゅって」
アリア:日行の頬の両側に、指を当てて
アリア:笑顔のような形を作る。
日行丹:「笑顔……どうにも特に私はその表情が苦手でして」
アリア:「えっへへ……」自分で嬉しくなったのか、一人で笑う。
日行丹:「今度からアリアさんの前ではそのようにしましょう」 作られた笑顔のままで言う。
アリア:「やったあ!」
アリア:「おいしいドーナツ、沢山食べたら」
アリア:「カイキさん、笑いが止まらなくなっちゃうかも」
日行丹:「確かに、そうかも知れないですね」
日行丹:子供らしさを超えている。精神的ななにかがあるかもしれない。その筋を探ってみるのも悪くはないだろう。
アリア:「えっへへ……じゃあ」
アリア:「んーん……」
アリア:「……?」キルト製の巾着袋をゴソゴソと探る。
アリア:これも、女子高生が持ち歩くものにしては小さい。何かの薬袋のようにすら見える。
日行丹:「それは……?」 尋ねてみる、ここで尋ねるのは自然だ
アリア:テーブルの上にひっくり返し、中身がバサバサと落ちる。
GM:手帳やノート。大した中身ではない。そして……
日行丹:中身を確認する、極めて自然に。
GM:……紙包み。
アリア:「あった!」
アリア:「カイキさん、これ!」
アリア:「これ、あげるよ!これで……カイキさん」
アリア:「たっくさん、ドーナツ買えるよねー!」
GM:――札束だ。
GM:日行にとって、見慣れているものだ。見間違えをするはずがない。
日行丹:「そうですね、とてもたくさん……買えますね」
アリア:「ん!」ニコニコと笑っている。
日行丹:嫌な予感がする。
日行丹:はじめてこの少女を見た時からその可能性は見えていた。
日行丹:これは――極めて面倒なパターンだ。
日行丹:出来ることなら、関わりたくのない。
日行丹:しかし、金が目の前にあるのなら。その大金を目の前に出すのなら。
アリア:「――探してくれるんだよね?」
日行丹:俺のやることは一つだ。
アリア:「私を」
日行丹:その金を手に入れる。
日行丹:「話を――詳しくお聞かせ願えますか?」 聞く構え、依頼を受けようとしている。
アリア:「ん!アリアがね、いなくなったの」
日行丹:「何故、居なくなったんですか?」
アリア:「すごく……んん、すごく怖いのに、攫われちゃってね」
アリア:「もういないの」
日行丹:「そうですか……アリアさんが居なくなったら何が困りましたか?」
日行丹:「それはどのように困ることですか?」
アリア:「……寂しい」
アリア:「もう、おうちには、私一人しかいないから……」
アリア:「アリアがいなくなったら、私しか……」
日行丹:「それは寂しいですね……攫われたのはどの辺りでしょう。教えてくれると助かります」
日行丹:とにかく情報を引き出せ、この手の話を解決する術を俺は持ち合わせていない。
アリア:「えっとね、お父さんとお母さんがいなくなったら、お母さんが連れてって、あのね?」身振り手振りを交えて
アリア:一生懸命に説明しているように見える。騙そうとしている気配はない。
アリア:「私のせいで、お母さんがいなくなっちゃったら、お母さんがやってきて」
アリア:「私を、連れてったの」
アリア:「すごく、怖くて……うっ、あうぅ」
アリア:「怖いの…………」
日行丹:「落ち着いて……今は怖いですか?」
アリア:「お母さんの子供も――もう死んじゃったから」
アリア:「私も、死んじゃうかも」
アリア:目を見開いたまま、ポロポロと涙を落とす。高校生の泣き方ではない。
日行丹:「安心して下さい、アリアさん。私がいます」 アリアの手を握ってみる
アリア:「! カイキさん!」表情がすぐに変わる。
アリア:嬉しそうに、椅子に座ったままお尻を跳ねさせる。
アリア:「助けてくれるよね?ねっ?」
日行丹:「はい、私はアリアさんを助けてみせます」
アリア:「ん!」
日行丹:「私はアリアさんの味方です」
アリア:「味方!」
日行丹:嘘ではない、依頼を受けたからには助けるという方針は取る。
日行丹:その結果を得られるように努力しよう。しかし、それはどのようなカタチなのか俺は少しだけ想像する。
日行丹:どうせろくでもない――と考え、そこで思考を止める。
日行丹:ロイスを取得します。
日行丹:-依頼人/アリア/尽力/無関心:○/ロイス
日行丹:俺は金さえ手に入れば良いのだから。
アリア:「ちっちゃな子がね!」
アリア:「いなくなってるの!たくさん!」
アリア:「アリアもいるから!ねえ、カイキさん!」
アリア:対面から身を乗り出して、両手を取る。
アリア:「……助けてくれるよね?」
日行丹:「それも依頼ならば、助けます」
日行丹:「言ったでしょう、私はアリアさんの味方だと」 と表情を作ってみる、笑顔を。やられたように
アリア:「お願いね。絶対ね」
アリア:「えへ。笑ってるカイキさん、好き!」
日行丹:作った笑顔の裏で思う。
日行丹:面倒な事になった。
アリア:「あのね、私、これから――」
アリア:「カヅキちゃんと遊ばなきゃいけないから!」
アリア:「だから、また会おうねーっ!」
日行丹:「ええ、また会いましょう。アリアさん」
アリア:アリアは、パタパタと足音を立てて駆け去っていく。
日行丹:アリアが店を出るのを確認すると、テーブルの上を速やかに片付ける。
日行丹:やることは多い。
日行丹:まずアリアという少女の事を調べる、本名から素性、家族構成、通院歴から何から何まで
日行丹:次にアリアが言っていた「子供が居なくなっている」そのことも深く調べる必要がある。
日行丹:まずはどこから調べようか、街のことかアリアのことか……アリアが最後に言っていた『カヅキ』に接触してみるのも悪くはないだろう。
日行丹:こうして考えてみると――ああ、それにしても
日行丹:「――面倒なことになった」
日行丹:偽らざる本心を漏らす。

GM:シーンを終了します。ロイスのみ可。
日行丹:ロイスはシーン中で取得したアリアのみで以上です!
日行丹:あ、ロイス感情はネガを表にします!そちらの方で!
GM:無関心はロイスの意味をなさないだろ!
GM:なんだこの感情表は!
日行丹:アクマってくださるとありがたい……!
日行丹:私に言わないでくれ!そういうロイス表があるのが悪い!

■Opening/06

GM:では、次は朝永さんのオープニング2。ハンドアウトのシーンです。
朝永花月:1d10+44
DoubleCross : (1D10+44) → 2[2]+44 → 46

京須市内 駅前広場

才木有希:「おいしかったー」猫のように、ベンチに寝転がっている。
才木有希:「おいしかったおいしかったー」
才木有希:「でもお腹いっぱいでーす!花月ちゃーん」
朝永花月:「やー、美味しかったね」
朝永花月:「内装もおっしゃれだったし……」
才木有希:「ガトー頼んだの正解でしたよ花月ちゃん。センス良いなぁーっ」
才木有希:「あ、ガトーショコラのガトーって、『チョコレート』って意味じゃないんだって!知ってました?」
朝永花月:「でしょ?花月さまのスーパー嗅覚……ショコラがチョコレートじゃない?」
朝永花月:「ガトーはなんだろ。あ、ケーキとか?」
才木有希:「私が言おうと思ったのに!」
朝永花月:「ごめんごめん、当てちゃった!あはは!」
才木有希:「もー!私がおバカみたいじゃん!ひどいや!」
朝永花月:「勘がいいんだか悪いんだか……ごめんってばー!」
才木有希:「知りませんしー!もう花月ちゃんなんか絶交ですしー!あははは!」
才木有希:ベンチの上でごろごろと体をよじらせる。
朝永花月:「わー!ごめんっていってるじゃん!ゆきりんー!ご勘弁!」ゆさゆさと揺らす。
山古陣矢:「……何やってんの」
山古陣矢:「有希ちゃん」
山古陣矢:自転車を引いていた警察官が、2人の横で立ち止まる。
朝永花月:「ほえ?」首だけ仰け反らせてそちらを見る。
山古陣矢:長身に、おかっぱめいて目の当たりまでかかる髪。朝永花月が知っている時の髪型と変わっていない。
山古陣矢:「んー……?有希ちゃんのお友達?」気怠そうに首を傾ける。
朝永花月:「あー!」仰け反ったまま指を差す。
朝永花月:「陣さん!?陣さんでしょ!」
才木有希:「陣さんだぜー。へへへーっ」気の抜けた笑い。
山古陣矢:「…………。あー……あーあーあー……」しばらく、視線を上に向けて思案する。
山古陣矢:「……あー……朝永。二丁目の」
朝永花月:「ひさしぶり陣さん!うわーっ。ホントに警察官みたいだ」起き上がり、制服をぺたぺたと触る。
山古陣矢:「警察官ですよ。はいはい」
山古陣矢:「何?朝永、すげぇオシャレになってんじゃん。すげー」のんびりとした平坦な口調だ。
朝永花月:「へー。へー」背伸びしたりしゃがんだりして全身をじろじろと見る。
才木有希:「美人でしょ!ね?ね?」
才木有希:「美人ですよねーっ」
朝永花月:「ふふん。でっしょー?陣さんも意外とサマになってんじゃん」くるりとその場で半回転する。
山古陣矢:「あーあー……うん」曖昧に頷く。
山古陣矢:「成長してる」
朝永花月:「どう?惚れ直したー?」
山古陣矢:「え……?別に」
山古陣矢:「朝永は昔からかわいいやつだし……」
山古陣矢:頭の上に、ずしりと掌を置く。
山古陣矢:「元気でよかったなぁー……」
朝永花月:「……ふふ」
朝永花月:「そっちも元気そう。感心、感心」
才木有希:「お腹いっぱいだから引っ張ってってくださいよーっ、陣さーん」
朝永花月:「ゆきりーん?大丈夫ー?」
才木有希:「んー。ちょっと寝る!」
才木有希:「後は若いお二人に任せまして……えっへへへへ!」
朝永花月:「同い年でしょ、ほら、風邪引くぞー?聞いてる?」
山古陣矢:「……うん。なんでも、いいけど」支給の防寒コートを有希の上にかける。
山古陣矢:「朝永。ちょっと」
朝永花月:「ん?何?」
山古陣矢:「あー……お前、さ」
山古陣矢:「どっかから、頼まれて来た?」
朝永花月:「ん?何を?」
山古陣矢:「や……街、結構大変なんだよね。今」
朝永花月:「ありゃりゃ。そうなの?」
山古陣矢:「もしそれで朝永が来てたら、まあ……なんだろ。なんかな、って思って」頭を掻く。
朝永花月:「……あー」今更得心する。
山古陣矢:「行方不明のチラシ、結構あるじゃん」自転車のスタンドを下ろす。
山古陣矢:「あれ、攫われてんだよね……」
朝永花月:「……そーなんだ」
山古陣矢:「……ま、いいよ。全然、大したことじゃないし……頼まれて来てないなら、よかったわ」溜息をつく。
山古陣矢:「ごめんな。楽しい気分の時に……また、遊びに来てな」
朝永花月:「なんかあったら、言ってよ?手伝ったげるから」
朝永花月:「どうせ暇だし!ゆきりんと遊んでたくらいで……」
山古陣矢:「……んなこと言うな朝永。な?俺、警察官だし……」
山古陣矢:「お前がオーヴァードでも、もう前みたいに首突っ込まなくても、いいようにしてっからさ……」
朝永花月:「言うようになったねえ。陣さん。カッコいいじゃん」
山古陣矢:「……あー……」ぼんやりと反応する。
山古陣矢:だが、照れているのかもしれない。
山古陣矢:「…………ありがとな」僅かに首を傾ける。
GM:カチャン カラカラカラ
GM:見回りの自転車を押して、山古陣矢はのっそりと立ち去る。
朝永花月:「お勤めごくろーさんです!」適当に敬礼して見送る。
才木有希:「んー……あれ陣さん行っちゃった!?」
才木有希:「あっれー。どうしよこのコート」
朝永花月:「別に、後で返せばいいじゃん」
才木有希:「でもなんか悪いような、ようなー」
朝永花月:「とりあえず寒いし、着といたほうがいいよ」
才木有希:「まいっか!陣さんと何か話した?」
才木有希:「キスしちゃったりしました?ねーねー」肩をぶつける。
朝永花月:「してないっ!どーいう関係だと思ってるの!?」
才木有希:「あっははは!ざんねーん!」
朝永花月:「話したのはゆきりんの最近の恋愛事情とかですー!」悪戯っぽく笑う。
才木有希:「あーあー!そういうこと言う!」
才木有希:「そういう花月ちゃんは彼氏いるんですか、こらっ!」笑いながら突き飛ばす。
朝永花月:「いたら休みの日にゆきりんのとこ来ませんー!」突き飛ばし返す。
才木有希:「あははははっ、ああ……」息をつく。
才木有希:電信柱の一つを見る。
才木有希:「楽しいなぁー……」
朝永花月:「楽しいねえ」
GM:さがしています 三春桐子 ちゃん 12歳
GM:電話番号……

GM:シーンを終了します。ロイスのみ可。
朝永花月:これ、PCに取れなくなるな……w
朝永花月:でも取る!
GM:どうぞw
朝永花月:-陣さん/山古陣矢/懐旧:○/不安/ロイス
朝永花月:以上で!

■Opening/07

GM:次は灰下くんのオープニング2。
灰下 照:1d10+36
DoubleCross : (1D10+36) → 4[4]+36 → 40

京須市内 民家

GM:濡れた紅葉の層が、灰下照の靴に潰れる。
GM:電線の向こうに見える夜空は、暗い闇だ。都会の雲に隠れて、星も数えるほどしか見えない。
灰下 照:「……ここか」
GM:もはや誰も立ち入ることのない、民家の庭だった。虚ろな闇が、四角く閉じた窓の向こうにある。
灰下 照:土塀の隅の影から、沸き立つように踏み出してくる。
GM:“白い少女”の事件は、各地を転々と移動しながら、長い周期で起こっている――
GM:その最後の事件が、この家で起こった。
灰下 照:玄関には、未だに黄色い帯が張り巡らされていた。そこまで古い情報では、ないはずだ。
GM:被害者の名前は、上原那由。
GM:そして、本来であれば小学生の灰下照が調べ得た情報は――
GM:判定をお願いします。〈情報:噂話〉で難易度6。
灰下 照:コネ:噂好きの友人を使って振ります
灰下 照:3dx+2
DoubleCross : (3R10+2[10]) → 5[1,2,5]+2 → 7

灰下 照:携帯がない。友人もいない。
灰下 照:その照の、唯一と言って良いアドバンテージは、小学生であることだ。
灰下 照:小学校に侵入できる。授業中でさえなければ、おおよそ怪しまれることはない。
灰下 照:コンピュータ室から、あるいは同年代の小学生から、携帯や情報を盗みとって、簡単なことなら調べられる。
灰下 照:もちろん、子供相応の上方ではあるが・・・表沙汰にならない地域の事件の噂などは、むしろ手に入りやすい。
灰下 照:「…………」調べたメモを見る。
GM:その執念と、異能。
GM:故に、本来であれば小学生の灰下照が調べ得た情報は――
GM:通常の小学生の領分を越える域にまで、手が届いていた。
GM:上原那由。顔写真まで入手している。美少女と言ってもいいほど、整った顔立ちの少女だ。
GM:恐らく、可愛がられて育ったのだろう。家も上原家の持ち家のようだった。
GM:娘が変死したショックからか、母は失踪し、父は市内の病院に入院した。
灰下 照:「……ふん」
GM:だが……“白い少女”の事件につきまとう“失踪”について、
GM:灰下照は別の回答も持っているだろう。
GM:“赫骨のジャーム”は目撃者を始末する。母が戻ってくることもないはずだ。
灰下 照:同年代の女子に興味は無いし、恵まれた家は嫌いだ。
灰下 照:だけれど……皆殺しにされろとまでは思っていない。
灰下 照:血痕を探します。赫骨が白くするのは、本命の少女だけ。
灰下 照:目撃者は、ただ無残に、力任せに殺す。――あのとき自分がそうされたように。
GM:窓も扉も、閉ざされている。
GM:通常の小学生に、侵入は不可能だ。
灰下 照:通常の小学生なら。ただ家族が殺され、天涯孤独になったからと
灰下 照:だれの助けも借りずに、殺害犯を追い続けることなど出来はしない。
灰下 照:月は出ている。照の全身が、土塀の影に沈み、家の中の、机の影から出てくる。
GM:人間に対する施錠など用を成さない。
GM:“赫骨のジャーム”は、灰下照のことを“オーヴァード”と呼んだ。
GM:意味するところが理解できなくとも、恐らくそうなのだろう。
GM:灰下照も今や、彼女と同じ……人の領域を超えてしまう、怪異なのだから。
GM:電気はついていないが、それでも、月明かりに薄く見える。
GM:チョークで囲まれた血痕が……一つ。
GM:二つ。三つ。目を凝らすほどに。
GM:いくつも、上原那由の自室に飛び散っている。天井にまで、いくつも。
灰下 照:「……赤骨(あかほね)の、やり方だ」
灰下 照:「ん……」
GM:もしかすると、絵が趣味だったのだろう。
GM:鉛筆で描かれた、写実的な魚の絵が、壁に飾られている。
GM:森の中を泳ぐ魚だ。
灰下 照:「魚……だけど、森の中? へんなの……」
GM:血飛沫が、額縁の右下を酷く汚している。
灰下 照:血痕を見ていく。何が出来るかは分からない。
灰下 照:たとえば、赤骨が遺したものがあるかもしれない。骨の牙の欠片が、またあるかもしれない。
灰下 照:「……」
灰下 照:被害に遭った少女と、血痕が同じ位置。
灰下 照:唇を噛む。母親は、少女を見つけて、その場で殺されたのだろうか。
GM:全ては終わったことで、灰下照には知る由もないことだ。
GM:それでも、長い周期で犯行を行う赤骨は――
GM:一度殺人を犯した街に、もしかしたら今も留まっているのではないだろうか。
GM:そんな、推測とも言えない願望だけがある。彼の取りうる手段で、最後の事件の街から先に進むことはできないのだから。
灰下 照:少なくとも、一つだけ確かなことはあるのだ。
灰下 照:赤骨の犯行は、途切れない。
GM:遠くを、救急車の音が通り過ぎていった。
灰下 照:まるで、それが食事か何かであるかのように。
灰下 照:「……。」
灰下 照:ここで調べられることはもうないだろう。踵を返す。
GM:凄惨な死の痕跡を後にする。
GM:灰下照の歩く夜は、いつも静かだ。
GM:そして、一人だけで歩く彼の前に、“赤骨”が再び現れたこともなかった。
GM:車も通らない無人の夜道で、信号機が虚しく切り替わっている。
灰下 照:「――届く」
灰下 照:「どれだけ経っても。届かせるんだ。……おれは」
灰下 照:「……おなか、すいたな」
GM:川の音が、サラサラと流れていた。小さな橋だ。
GM:その下を流れる川の存在も、川音がなければ気付かないような。
???:「キャハハ……」
灰下 照:「……!?」
GM:小さな橋だ。その、川を挟んだ向こうに。
GM:少女が立っている。
灰下 照:「………な」
???:「……」じっとこちらを見ている。
???:腕の中には、何かを抱えている。
赤ん坊:「キャーゥ、アハハ」
灰下 照:この時間帯に、自分以外の人間なんて、警官か、酔っ払ったサラリーマンくらいしか見ていない。
灰下 照:「あ……赤ちゃん?」
赤ん坊:「アィー、ンー」
???:「……帰るところがないの?」とても静かな、落ち着いた口調。
灰下 照:「!」 言い当てられ、びくりと後ずさる。
灰下 照:「な……んだ」
灰下 照:「何だよ、オマエ。こんな時間に……外いたら、捕まる、ぞ」
???:「ごはんがあるよ」年齢は、殆ど……照と同程度だろう。
???:「……みんな、つれて行ってくれる」
???:「おかーさんのところに行こう」
灰下 照:「? ……?」
赤ん坊:「ヒャゥー」
???:「……行きたくないなら、いいよ」
灰下 照:「お母さんなんて、おれ、知らない」
???:「行こう。ね?」抱えている赤ん坊をあやすように話しかける。
???:「……。おかーさんは、ずっと待ってるよ」
灰下 照:「ふざけんな! あのクソババアは……」
灰下 照:思わず声を荒げる。こいつが何を言っているのか分からない。
灰下 照:母の下へ帰ろうなど、照には、嫌味にしかならない。
???:遠くへと歩いて行く。
灰下 照:「待てよ。お前、……」
GM:強い風が吹き、遠くでざわざわと木々が揺れた。
GM:        カタン  ロロロロ……
GM:新聞配達のバイクの音。朝が近い。
灰下 照:「……なんっだよ、今の……」
GM:すぐに追いかければ、あるいは捕まえられたのかもしれない。
GM:だが、すぐさまそう判断するには、あまりにも……
GM:……得体の知れない存在と、言葉だった。
GM:再び、交差点の信号が無為に変わる。赤。
灰下 照:「……どっかで、寝よう」
灰下 照:歩きだす。どこかのお店か、喫茶店か……
GM:……今よりも、更に幼い頃の朧気な記憶だが、母の事を覚えている。
GM:照の記憶でも、姉が逃げ出したのが当然の家庭だったように思う。
GM:灰下照にとっての母親は、むしろ――
灰下 照:「……ねえさん」
灰下 照:守ってくれたのも。守ろうと思ったのも。たったひとりだけだった。
GM:配達員のバイクが、灰下照の影を追い越していく。
GM:また今日も、彼の夜が醒める。

GM:シーンを終了します。
GM:ロイス取得のみが可能。
灰下 照:変な奴/謎の少女/興味:/不快:○/ロイス
GM:本日の進行はここまでです。次回の日程は後日調整します。

■Opening/08

GM:次はフェイスダウンのオープニング2。
GM:あわせて灰下くんにも登場していただきます。侵蝕率をどうぞ。
灰下 照:1d10+40
DoubleCross : (1D10+40) → 7[7]+40 → 47

“フェイスダウン”:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 5[5]+32 → 37

京須市 エイトマート前

灰下 照:「…………」
灰下 照:交差点にある、他より大きめのコンビニ。
GM:……仮に、灰下照の年齢がもう少し高く、“赤骨”という明白な目的がなかったとしたら。
GM:レネゲイド能力を私利私欲に用いた犯罪も、もう少し大掛かりなものになっていたのかもしれない。
GM:そうなれば……その痕跡はすぐさま、FHやUGNといったレネゲイド組織に感知され、
GM:今頃はチルドレンとして“保護”されていたのかもしれない。
GM:しかし、彼が行うのは、どの街でも同じ、ささやかな手口だ。食を繋ぐためだけの窃盗でしかない。
灰下 照:子供であるがゆえに、何度か失敗したこともある。
灰下 照:盗む手口で注意するのは、「持っていることを見つからないこと」だ。
灰下 照:盗む場面を見られて、とがめられることはまずありえない。
灰下 照:いつものように、レジから見える位置で、立ち読みしているフリをして。
灰下 照:レジ奥の廃棄品を。それから……
コンビニ店員:「レシートこちらになりますねー」店員は中年女性だ。もう一人のシフトはトイレ掃除で見えない。
灰下 照:「…………」 少し離れた位置にある、無印良品のタオル。
灰下 照:棚の奥のものから、それらがするりと抜き取られる。
GM:コンビニ店員だけでなく、客の誰にも見咎められていない――
灰下 照:手提げ鞄が、少しだけ膨らむ。だけど、分かるはずもない。
曽根崎ヒロヱ:レジに買い物かごを乗せる
曽根崎ヒロヱ:内容は大量の水と、缶詰などだ。
GM:客の誰にも。少なくとも、灰下照の認識では。
コンビニ店員:「こちら!お箸おつけになりますか?」
曽根崎ヒロヱ:「…ん。あ。大丈夫です」
灰下 照:影から影へ。遠くの物を持って来ることが出来る力。
コンビニ店員:「えーと、ひー、ふーみー……」一つ一つをレジに通していく。
曽根崎ヒロヱ:少年の方へ意識を向けている様子はなく
曽根崎ヒロヱ:カード払いで勘定を済ませていく
GM:灰下照にとっては好都合な状況だ。店員は品物の多い客に釘付けになっている。
灰下 照:バレることはない。簡単な話だ。雑誌類はいつだって、コンビニの入り口近くに置いてある。
灰下 照:雑誌の立ち読みを終えて、きちんと棚に戻し、悠々と店を出ていく。
曽根崎ヒロヱ:「………」
曽根崎ヒロヱ:その時初めて、出口に目を向け少年の背中を見ます。
曽根崎ヒロヱ:レジに支払を済ませたばかりの袋を置く
コンビニ店員:「あ、どうしましたー?」
曽根崎ヒロヱ:「すんませんおばちゃん、これやっぱええです」
曽根崎ヒロヱ:と、そのまま店を出ていってしまう
コンビニ店員:「えええ、じゃあ返品ですか。ちょっと待って下さいね」
曽根崎ヒロヱ:店員が顔を上げた時にはもういないのだ。
コンビニ店員:「……」
コンビニ店員:「……?」

GM:人通りの多い交差点から、すぐにコンビニが視界に入らない路地へ。
GM:黄色よりも藍に近い光が、電信柱の影を長く伸ばしている。
GM:とても遠くで、中学生達が何かを笑いながら下校している。
GM:……灰下照は今日も、夜を越さなければならない。
灰下 照:「…………」学校。あと一年も居れば、なっていたもの。
灰下 照:もう自分には関係ない。……のだろうか。分からない。
灰下 照:長期的視野なんて、持っていない。今日の夜は、どこで明かそう。
灰下 照:前の映画館は駄目だ。警備員に見つかってしまう……
“フェイスダウン”:ではそんなことを思う灰下くんの前に
“フェイスダウン”:音もなく、何者かがいつの間にか立っています
灰下 照:「…………?」
“フェイスダウン”:黒いヘルメットに、メタルグレーのライダースーツ。
“フェイスダウン”:ヘルメットの側面には、白いファイアー・パターンの塗装がある。
“フェイスダウン”:足元に長い影が伸びている。
GM:空の下側だけが赤い。その只中で、シルエットが黒く浮かび上がっている。
灰下 照:明らかに怪しげな格好だ。あまり縁が無かった。
灰下 照:少し大きく道を譲って、横を通り抜けようとする。
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:腕を上げてその動きを制する
灰下 照:「! ……?」
“フェイスダウン”:『……盗んだ品を出せ』
灰下 照:「!」
灰下 照:どくんと、心音が跳ね上がる。
“フェイスダウン”:くぐもった、男とも女とも判別付かない声だ。
灰下 照:「は、……」
“フェイスダウン”:『出すんだ』
灰下 照:口ごもる。見つかった? 初めてではない。だが、店を出てから、こんな場所で?
灰下 照:「……なんのこと、言ってるか」
灰下 照:「分かんない、ですけど」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:路地に狭いワーディングを張ります
灰下 照:だが、どちらにせよ、対処法は決まっている。
灰下 照:どよんと、空気が澱むのを感じる。だが、それが何を意味するか分からない。
灰下 照:背を向けて、走り出す。電信柱の裏に。
“フェイスダウン”:『……』
GM:夕方の住宅街。道のそこかしこに、長い影が林立している。
灰下 照:電信柱の裏に入りこみ……出てこない。
“フェイスダウン”:ではその足元に
“フェイスダウン”:スプレー缶のような物が転がって来たかと思うと
“フェイスダウン”:バ シ ャッ !
“フェイスダウン”:強烈な閃光が影を打ち消す!
灰下 照:「! うわっ……!」
灰下 照:あと一歩で、影に沈みこもうとしたところで。
灰下 照:影が消され、弾き出される。ごろごろと目を押さえて。転がる。
“フェイスダウン”:と同時に
“フェイスダウン”:腕を取って灰下くんに密着!
灰下 照:「!? ……あ、!  ぐう!?」
GM:スタングレネード。何ということもない、人間の兵器だ。
“フェイスダウン”:『その「能力」を…』
“フェイスダウン”:『気安く使うんじゃない』
“フェイスダウン”:くぐもった声からは感情は読み取れない
GM:だが、それが灰下照の異能にとって、決定的な弱点であることを“知って”いた。
灰下 照:(なんで? なんで……! 影が……!)
灰下 照:「なんだよ、お前……!」
“フェイスダウン”:『…君と似たような物だ』
“フェイスダウン”:『品物を出せ、それに能力の扱いを教える場所に連れて行く』
“フェイスダウン”:『それが終わったら…家族の所に戻れ』
灰下 照:「……くっ!」 袋を放り投げる。
灰下 照:だが……。
灰下 照:家族の所に戻れ。
灰下 照:「――“エブドメロス”!!」
“フェイスダウン”:『…!』
灰下 照:うつぶせに倒された背中から、影が沸き立ち、無数の影法師になって立ち上がる。
“フェイスダウン”:三連バック転しつつ影と灰下くんから距離を取る!
灰下 照:のっぺらぼうのヒトガタの群れ。本屋で見かけた、誰かの画集によく似た景色。
灰下 照:「家族なんて、いない!」
灰下 照:「なんだ、お前! どうせお前も、変なところに連れてこうとするんだろ!」
灰下 照:影の一つから、赤い骨の穂先が飛び出す。
“フェイスダウン”:『……!』
灰下 照:伸ばした影を柄にして、それを握る。道場で学んだだけあって、型はしっかりしている。
“フェイスダウン”:その武器の形状に、身じろぎする
“フェイスダウン”:確かに見覚えがある。しかし、何故『それ』をこの子供が持っているのか。
灰下 照:「フーッ、フーッ……」
“フェイスダウン”:見るからに何らかの保護を逃れてきたオーヴァードの子供……『家族』は『いない』。
“フェイスダウン”:ノイマンの情報整理能力がいくつかの推論を頭に浮かべる。
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「お前も……姉さんを殺した、あいつの仲間か」
“フェイスダウン”:『…それは違う…だが』
灰下 照:初めて見る、同類。赤骨と、自分たち以外で。
“フェイスダウン”:『君に話を聞かなければならない』
灰下 照:こいつも何かがあるのか。このどんよりした空気は何だ。
“フェイスダウン”:『その穂先の持ち主が…君の「家族」を?』
灰下 照:図星をつかれて動揺する。「……っやっぱり知ってるのか! 赤い目の! 赤い骨の、女だ!」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『知っている…私はあの子を』
“フェイスダウン”:『……君は保護を受けろ』
灰下 照:「嫌だ」
灰下 照:「俺は姉さんを殺したあいつを、――あの人に会う、まで」
“フェイスダウン”:『私がそれを必ず止める…それは君のやるべき事ではない』
灰下 照:「絶対に、諦めない」
“フェイスダウン”:『馬鹿な事言うな!』
“フェイスダウン”:『生き延びたのに…死ぬつもりか!』
灰下 照:「生き延びたからって、なんだよ!」
灰下 照:「会わないまま生きても、やることなんてない! 死んでるのと、何も、変わらない」
灰下 照:「なんだよお前! 初対面のくせに。好き勝手いうな!」
灰下 照:「だっさいヘルメットくらい外せよ!」
“フェイスダウン”:『……だっ…何を~ッ』
“フェイスダウン”:一瞬ファイティングポーズを取るが
“フェイスダウン”:改めて、少年の態度を観察する
“フェイスダウン”:…この子を今UGNに引き渡しても、意味はないと感じる
灰下 照:疲労と焦燥。だが当人の瞳と、周囲のレネゲイド励起は止まる様子は無い。
灰下 照:影を通り抜ける異能。意志に反して捕えるのは、相当に難しいだろう。
“フェイスダウン”:きっとまた、必ず脱走し姉の仇を追う事になるだろう
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『それなら』
“フェイスダウン”:『私は君を監視する』
灰下 照:「……?」
“フェイスダウン”:『……まずは品物を返しに行くぞ』
灰下 照:「…………そうしたら」
灰下 照:「あいつのこと教えるのか」
“フェイスダウン”:『…私の心当たりのある事なら、聞かせよう』
“フェイスダウン”:『だが、今後は私から逃げようとするな』
灰下 照:「…………」
灰下 照:思案する。だがもとより、窃盗に罪悪感が無かったわけではないのだ
灰下 照:「……分かったよ」
“フェイスダウン”:『…よし』
“フェイスダウン”:灰下くんに一歩近づき
“フェイスダウン”:頭を撫でます
“フェイスダウン”:そして歩き出す
灰下 照:「……」
灰下 照:「!?」  
灰下 照:一拍遅れて、撫でられたことに気付く。
灰下 照:ぶんぶんと頭を振って、髪を掻きまわし
灰下 照:「待てよ、くそっ、本当なんだよな……!」小走りについていく。
“フェイスダウン”:『私は“伏せ札(フェイスダウン)”だ』
“フェイスダウン”:『君の名前は?』
灰下 照:「……ガイジン?」
灰下 照:「……テラス。灰下、照」  名前を隠すと言う発想はない。
灰下 照:もとより探られるほどの素性がない。
“フェイスダウン”:『…いい名前だ』
灰下 照:「……うっさい。あんたは、変な名前だ」
“フェイスダウン”:『ふふふ…』
GM:陽は沈んで、夜が帳を張る。
GM:2度目の夜で、灰下照はフェイスダウンと出会う。

京須セントラルパレス 711号室

GM:幸いにして、灰下照の窃盗については、コンビニ側も大きな事件として取り沙汰するつもりはないようだった。
GM:犯人が小学生で、自ら名乗り出たということもある。だが、これに関しては運が良かったというべきだろうか。
GM:……そして灰下照は、駅にほど近いビジネスホテルの一室にいる。
GM:もしかしたら二度と出会うことのなかった、夜風を凌ぐしっかりした部屋と、寝床……そして何より、誰にも邪魔をされないという安心。
“フェイスダウン”:カップ麺、缶詰、サプリメント、野菜ジュース、水、カレーメシなどを詰めた袋をベッドの上に置く。
“フェイスダウン”:『ある物なら好きに食べていい。ちゃんとした物がいいならルームサービスを使う』
灰下 照:それをじっと見ている。食料の内容は、おおよそ自分が取ってきたものと大して変わらない。
灰下 照:目の前のヘルメット男(……?)も、自分と似た立場なのだろうか。
灰下 照:「……」ジュースをサプリメントを貰う。
灰下 照:「いいよ。それより、話が先だ」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『いや、やっぱりちゃんとした物にしよう。子供はちゃんと食べなくてはいけない』
“フェイスダウン”:ルームサービスを呼んで果物とかちょっとした料理もテーブルに並べます
灰下 照:「…………」
“フェイスダウン”:『育ち盛りなのだから、ちゃんと食べなければ』
“フェイスダウン”:『食べるんだ』
灰下 照:「太らせて食べようとしても、無駄だからな」 と言いつつ、果物を取ります
灰下 照:始めればあっという間で、一心不乱に食べる。
“フェイスダウン”:それをただ見ている、料理に手を着ける様子はない
灰下 照:がつがつ。がつがつ。必死ではあるが、そこまでマナーは悪くない。姉の薫陶によるもの。
灰下 照:食べ終わり、手を合わせる。「……ごちそうさまでした」
“フェイスダウン”:『ふふ…お粗末様』
灰下 照:「……あんたはいいのか」
“フェイスダウン”:『後で食べる。気にしなくていい』
灰下 照:「そう。別に、知らないけど」 やや声色から棘が抜けて
灰下 照:「……あんたは、一体なんなんだよ。おれと同じって言ったり」
灰下 照:「あいつのこと知ってるって言ったり……」
“フェイスダウン”:『一つ目、君と同じだというのは』
“フェイスダウン”:『私にも寄り辺が無い。どこにも所属しない人間だという事だ』
“フェイスダウン”:『「これ」も素性を隠す意味があって付けている』
“フェイスダウン”:コンコンとメットを叩く
灰下 照:「犯罪者?」
“フェイスダウン”:『……ルールを守っていないという点では、そう変わりない』
灰下 照:「しめーてはいとか、されてるのか」
“フェイスダウン”:『ある種の人々にとっては、そうだ』
“フェイスダウン”:『だが警察から追われているわけではない』
灰下 照:「……よくわかんないけど」
“フェイスダウン”:『そうだ…私の事は分からなくていい』
灰下 照:「……」
灰下 照:「じゃあなんで、おれのこと分かったんだよ」
“フェイスダウン”:『…それが私の能力だ』
灰下 照:「能力」
“フェイスダウン”:『ノイマンシンドローム、思考力と洞察力の鋭敏化』
“フェイスダウン”:『君に備わっているのは、おそらくウロボロスシンドローム』
灰下 照:「……?」
灰下 照:「???」
GM:「ノイマン」。「ウロボロス」。「シンドローム」。……ある種の者にとって、当然とも言える用語群だったが、
GM:灰下照にとっては、初めて耳にする言葉の数々だ。
GM:だが――
“フェイスダウン”:『これらのいくつかのカテゴライズされた能力を持つ者は、オーヴァードと呼ばれる』
GM:「オーヴァード」。

ガーネット:「オーヴァード」剣を引き、その手を振り払おうとする

灰下 照:「オーヴァードは……あいつも、そう言ってた」
“フェイスダウン”:『…そうか』
“フェイスダウン”:ではそこから
“フェイスダウン”:オーヴァードやレネゲイドの基本的な知識とUGNなどの存在について
“フェイスダウン”:照くんに説明します
灰下 照:とりあえず、随所に質問を返しながら、なんとか把握する。
灰下 照:ノイマンではないが、頭は悪い方ではなかった。
灰下 照:「……要するに」
灰下 照:「おれの“エブドメロス”みたいな力を持ってる奴は、めちゃくちゃいっぱいいて」
灰下 照:言葉を発した瞬間に、影法師が立ち上がり、すぐに引っ込む。
灰下 照:自己流のレネゲイドコントロールなので、分かりやすく言語をキーにしていたのだ。
灰下 照:「おれはたまたま見つかってなかったけど、そいつらを管理する奴らとか、自由にしてる奴らとか、いっぱいいると」
灰下 照:「そういうことだな」
“フェイスダウン”:『……ああ』
“フェイスダウン”:『そして何よりも、ジャーム化について忘れてはいけない』
“フェイスダウン”:『ジャームとなった者に戻る方法はない』
灰下 照:「じゃーむ……」
“フェイスダウン”:『…私たちが追う相手も、恐らく』
“フェイスダウン”:『いや、間違いなく……ジャームだ』
灰下 照:「能力を遣いすぎてイカれること。……“赤骨”も?」
“フェイスダウン”:僅かに俯く
“フェイスダウン”:首肯とも取れる
灰下 照:「あんたは、あいつと会ったことあるのか」
“フェイスダウン”:『…私の知っているあの子は甘草凡夏という名前の女の子だった』
“フェイスダウン”:『私たちには共通の……友達…が居た』
灰下 照:「甘草……凡夏」
灰下 照:ぼそぼそと小さく呟く。「あのひとの、名前……」
灰下 照:まず名前があるということ自体がちょっとしたショックだ
“フェイスダウン”:『…友達があるオーヴァードによって命の危機に晒された時…私たちは共にそのオーヴァードと戦った』
“フェイスダウン”:『私たちは友達を助ける事が出来た。だが、それ以来…あの子は姿を消した、私の前からも…友達の前からも』
灰下 照:「…………」
灰下 照:「……?」若干、理解が追い付かない。
“フェイスダウン”:『こんな形で…あの子の行方が知れるとは思わなかった』
灰下 照:「じゃあ、なに」
灰下 照:「あんた、あの人と、友達だったの?」
灰下 照:「友達っていうか……友達の友達……?」
“フェイスダウン”:『……そうだ』
“フェイスダウン”:『友達だった。あの子は…確かに』
灰下 照:「…………お」
灰下 照:(思ったより、めっちゃくちゃ近っかい……!)
“フェイスダウン”:『私は責任を取らなければならない。あの子に対して』
灰下 照:少し頭を抱えていたが、すぐに持ち直す。「……行方って言っても」
灰下 照:「おれは知らない。あいつの起こした事件を追ってただけだ」
灰下 照:「最後がこの町だったってだけで……」
“フェイスダウン”:『それで十分だ』
GM:――“白い少女”の事件。犯人も、目的も……どころか、殺人事件かどうかすらも不明の、怪死事件。
GM:例え“フェイスダウン”がこの事件を追おうと考えたとしても……
GM:その犯人が“吸血する骨”を凶器としていたことにすら、辿り着くことはできなかっただろう。
GM:灰下照と出会わなかったとしたら。彼が恐らく、唯一その犯行を目撃して、探し求める……生存者だ。
“フェイスダウン”:『「白い少女」と「甘草凡夏」が繋がった事で、追跡の進展は必ず早まる』
灰下 照:「あんたなら分かるのか? あいつの居場所が……その、ノイマンってやつで」
“フェイスダウン”:『私だけでは無理だ』
“フェイスダウン”:『照、君の証言も必要になる』
灰下 照:「……当り前だ」
灰下 照:「だったら、じゃあ、手伝ってくれるんだよな」
“フェイスダウン”:『……ああ』
“フェイスダウン”:『決して、単独では行動するな、ジャームを追跡するのはとても危険な行為だ』
“フェイスダウン”:『監視だと言っただろう』
灰下 照:「だったら、しっかり監視してろよ」
灰下 照:「おれは、あいつに会って……」
灰下 照:「会うんだ。会わなきゃいけない」
灰下 照:何故か言葉が濁る。誰かに話したことはなかった。
“フェイスダウン”:『……私もそうだ』
灰下 照:「まず、どうするのさ」
“フェイスダウン”:『情報を集めて整理する。まずはそこからだ』
灰下 照:「ん」
灰下 照:「じゃあ、今から……」  と言いかけて、大きく欠伸をする。
“フェイスダウン”:『……明日からやな』
GM:灰下照の……いつもの暮らしならば、この時間に眠気を催すこともなかった。
GM:夜にこそ、気を張り詰めている必要があったからだ。
“フェイスダウン”:灰下くんを抱えてベッドに転がし、布団をかける
灰下 照:「う……子供扱い、する……な」
灰下 照:文句を言いたげに睨みつけるが、布団にくるまって、壁際に丸くなる。
“フェイスダウン”:『はいはい。おやすみ』
灰下 照:「……おやすみ、なさい……」
“フェイスダウン”:灰下くんが寝静まったのを確認し
灰下 照:あっと言う間に寝息を立て始める。泥のように深い眠り。
“フェイスダウン”:ヘルメットを外して、シャワーを浴びながら考える
曽根崎ヒロヱ:――甘草凡夏を倒さなければならない。
曽根崎ヒロヱ:かつての友達として責任を取るために、そして
曽根崎ヒロヱ:もう一人の友人、彩生百合子と彼女を出会わせないために。
曽根崎ヒロヱ:「……ウチが…やらなあかん」
曽根崎ヒロヱ:鏡の前で呟いて、拳を握ります
GM:仮に……灰下照の言う通りに、“白い少女”の怪が、甘草凡夏の犯行だとしたなら。
GM:“フェイスダウン”が今この京須市にいる理由の一つ……
GM:連続児童失踪事件は、彼女とは無関係なのだろうか。
GM:夜の闇に紛れるように、子供達が消えていく。それも、オーヴァードと思しき手際で。
GM:甘草凡夏。“ガーネット”。“赤骨”。
GM:――彼女はまだこの街にいるのかもしれない。

灰下 照:-手掛かり?/フェイスダウン/有為:○/不審/ロイス  で取っておきます

■Middle/01

GM:ミドルシーン。シーンプレイヤーは朝永さんと日行さんです。
日行丹:1d10+39
DoubleCross : (1D10+39) → 1[1]+39 → 40

朝永花月:1d10+44
DoubleCross : (1D10+44) → 5[5]+44 → 49

京須市 JR京須駅

GM:朝永花月にとって、懐かしく、楽しい一日が終わった。
GM:才木有希とは彼女の自宅前で別れ、一人、駅への帰路を辿る。
GM:夕焼けの光が遠くで光る。空気が乾燥して、空が赤く染まる季節だった。
朝永花月:「んー……」大きく伸びをする。
朝永花月:縁石に乗って歩く。「やっぱ。好きだな、ここ」空を見上げる。
GM:何年経っても、才木有希も、駅舎も、思い出の頃のままだ。
-:[5時30分になりました]
-:[外で遊んでいる子どもたちは、気をつけて……]
GM:夕方のチャイムが鳴り始める。
朝永花月:「Blue Moon you saw me……お」鼻歌をやめて耳を傾ける。
朝永花月:「これもなっつかしいなあ」
GM:黒い影のように聳える駅舎も、子供の頃より小さく見える。
GM:……その、階段の下に。
日行丹:影の中から幽鬼じみた男が歩いてくる。
日行丹:男は背が高く、まるで枯れ木を思わせる不気味さがある。
朝永花月:ちらりと一瞥して、ポケットのパスケースを探す。行きは切符を買ったけど、帰りはICカードが――
日行丹:「そこのお前」 目の前の少女、朝永花月に話しかけてくる。
日行丹:「……少し話があるんだが時間を貰えるか?」 《竹馬の友》
朝永花月:「え?」
日行丹:長期的な仕事の場合、能力による信用を得るのは下策以外の何物でもない。
日行丹:しかし、短い間の――例えば、少しばかり話を聞き出すくらいならば有効的である。
日行丹:この街にかつて朝永花月という少女が居たことは軽くだが調べてある。
日行丹:目の前の少女にはその時の彼女の面影がある――仕事の経験上このような類推をするパターンは多い。
GM:この日の朝の、ドーナツチェーンでの遭遇から、“アリア”という名の少女の足取りは、奇妙にも掴めていない。
GM:だが“カヅキ”は存在した。この街の多くの店に訪れ、その名を覚えている者もいた。
GM:この日、街を訪れていたのならば……必ず、駅に戻ってくる。
日行丹:的中率は八割程度……外れていたら謝ればいいだけの話だ。
朝永花月:「私?何?ナンパ……?」一歩下がる。
日行丹:「ナンパ……そうだな、そういってもいいだろう」 淡々と喋りつつも考える。
-:[……子どもたちは、気をつけて、おうちに帰りましょう]
朝永花月:防犯ベルはあったっけ。と思いながら、鳴らしても人が来なさそうと薄々感じる。
日行丹:極稀にこういう自分の力がいることを思い出す。
日行丹:「話があるんだが……どうだろうか」 もう一度試す《竹馬の友》
朝永花月:「この街でも、いるんだねえ。びっくりびっくり」時刻表を見る。
GM:この駅には各駅停車の電車しか停まることはない。次の電車まであと10分はある。
GM:早めに出なければ、この相手に遭遇することはなかっただろうか。
日行丹:この時点でリスクが発生している。
日行丹:このリスクに見合うのかどうか……この少女がアリアという少女の言う『カヅキ』本人かどうかは分からない。考える。
日行丹:だが、可能性は潰さなければいつまでも残り続ける。
日行丹:俺の仕事は情報がなにより重要だ。
日行丹:二度とこの機会があるかどうかは分からない、僅かな可能性であってもそれは確かめなければならない。
日行丹:「…………」 考える
日行丹:「お前、オーヴァードだな」 そして切り出す。
朝永花月:「……ホントに」
日行丹:何も知らなければ適当に誤魔化せばいいだけの話だ。
朝永花月:「ナンパ?」ポシェットに手を突っ込む。
日行丹:「似たようなものだ……俺はお前に話がある」
GM:急行列車が、駅を通り過ぎる振動が響く。
日行丹:「……いや、お前の方が俺に話があるのかもしれないな」
朝永花月:「え?私が?何?」
日行丹:「お前、この街でなにが起こっているのか知ってるか?」
朝永花月:「……5時42分の上り乗るから」
朝永花月:「それまで。起こってるって、行方不明事件、のこと?」
日行丹:「そう、それだ」 行方不明事件の事をここで初めて知るが……顔には出さない。
日行丹:あのアリアとの少女との邂逅後、時間は余りに少ない。『カヅキ』について調べるのがやっとだった。
日行丹:「お前の友達……それに巻き込まれてるかもな」
日行丹:本当に目の前の少女が『カヅキ』かどうかは分からない。
朝永花月:「え、なんでそんな……ってか!」
日行丹:彼女とアリアになにも関係がない可能性もある……だからそれを探る。
朝永花月:「どこの誰で、なんで私の事知ってる風なの?」
日行丹:「ああ、そうだったな。俺はお前のことを知っていて」
日行丹:「お前が俺の事を知らないのはアンフェアだ」
日行丹:「俺は日行丹。職業は……何でも屋といったところだろうか」
朝永花月:「何でも屋?」
日行丹:「専門は心霊、オカルト……超常関係だ」 名刺を差し出す、連絡先の一つが書いてある。
日行丹:「ああ、依頼があればそれに応じて何でもやる。特定の事業のみをやっているわけではない」
朝永花月:「要はレネゲイドってこと?」名刺を受け取る。
日行丹:「概ね、そのとおりと思ってくれてい」
GM:――心霊、超常といった言葉を真に受けるものは少ない。信じる者がいるとすれば、それに縋らざるを得ないほど追い詰められた者か……
GM:まさに超常が“実在する”ことを知っている者だけだ。
日行丹:「そろそろ時間だが……どうする?」 時計を見る、もうじき電車がやってくる時刻だ。
日行丹:急げば間に合うだろう、悩むのなら――次の電車を待つことになる。
朝永花月:「うえっ、えー……!」時計に眼を走らせた後、時刻表をもう一度見る。次の電車の時間。
日行丹:既に名刺は渡した、種は撒いた。後日、連絡をよこせばそれでよし。連絡がなければ……それまでの関係だった、特に問題にはならないだろう。
日行丹:「もし、ここでお前が帰れば――お前の友達は失踪するかもしれないな」
朝永花月:「……」むっとする。
日行丹:「まぁ、お前がどういう人間なのかは俺は知らないが……警察じゃあ解決するのは難しいだろう」
朝永花月:「いいよ、次乗ればいいんでしょ!?勿体つけないでよ!」
朝永花月:詰め寄る。「話。してみなさいよ」
日行丹:「UGNはどうだろうな……この事件に対し動いているのかもしれないがもうしばらく時間はかかるだろう」
日行丹:「いいだろう。だが……そうだな、もうすぐ夕食時だ」
日行丹:「ここで話すのもなんだ、飯でも食いながら話そうか」
日行丹:「奢ってやってもいいぞ」
朝永花月:「……ホントのホントにナンパじゃないの?」
日行丹:「否定はしていないだろう」
日行丹:「俺は嘘が嫌いだからな」
朝永花月:《シャドウダイバー》を使いたいです。
GM:〈RC〉で判定してください。日行さんは抵抗する場合〈意志〉で判定してください。
日行丹:こっちは抵抗しませんね!
朝永花月:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 10[2,4,5,5,6,7,9,10]+8[8]+1 → 19

朝永花月:侵蝕49→51
GM:では、日行さんは包み隠さず感情を公開してください。
日行丹:ビジネス的な簡素で空虚な感情が伝わります。
日行丹:そこに何かを大事に思ったり、情熱的な感情はない。
日行丹:「言っておくが、俺は弱いぞ」
朝永花月:「……ナンパって、強いアピールするもんじゃないの?」
日行丹:「別にお前と寝たい訳じゃあないからな、ガキには興味ない」
朝永花月:「な……!わ……!セクハラおやじ!」
日行丹:「それにさっきも言っただろう、嘘が嫌いだと」 淡々と言う
日行丹:そこに感情はない。
朝永花月:「……いいよ。分かった。ここ、寒いし、お腹も減ってるのは事実だし」
朝永花月:「奢りなんだよね?どこいく?花月、なるべくお高いとこがいいなあ」
日行丹:「フランス料理フルコースでも回らない寿司でも高級焼肉でも」
日行丹:「お前が食いたいなら奢ってやる」
日行丹:「こんな怪しい男についていくんだ、それぐらいはないと釣り合わないだろう」
朝永花月:「わっ、カイタン太っ腹。さてはいっぱい稼いでるな?」
日行丹:「人並み以上は稼いでいるんじゃないか……まぁ、他人がどの程度稼いでいるのかは知らんがな」
朝永花月:「お、お金持ちの発言だ。どうしよっか……お店自体少ないんだよね」
日行丹:「お前が食うものだ、お前が決めろ。……余程悩むのなら俺が決めてもいいがな」
朝永花月:「あ、そうだ」手を打つ。「あのさ、向こうの通りに出来たインド料理屋さん知ってる?」
朝永花月:「ちょっと行きたかったんだよねあそこ。昔なかったし……」
日行丹:「そうか、なら行くぞ」 歩き出します
朝永花月:「成立成立。ゴチでーす」その後をついていく。

京須市内 インド料理 サラスヴァティ

GM:朝永花月は、日行丹……素性不明の男と食事を共にすることになった。
GM:家への帰りはさらに遅くなるかもしれない。また、相手の真意もまだ分からない。
GM:朝永に声をかけた動機は述べたものの、曖昧な仄めかしが多すぎるためだ。感情すらもない。
GM:2種のカレーとナンのセットが、それぞれ置かれている。
日行丹:値段を見ずに自分の趣味にあった料理を頼んでいた。
朝永花月:キョロキョロと興味深げに、内装を見回している。
日行丹:「さて――料理も来た。話をするぞ」 いかにも慣れているという風に振る舞う。ナンを千切る。
日行丹:「俺は今……一つの仕事を抱えている。とある少女の保護だ」 カレーに付けて食べる
朝永花月:「保護?」横髪を後ろに流す。
朝永花月:「いただきまーす」ぴっちりと両手を合わせる。
日行丹:「ああ、そうだ。名前は“アリア”と依頼人から聞いた……」 朝永さんを見る。反応があるかないかどうかだ。
日行丹:「歳は16,7といった所だ……長い髪をしている。写真だと三つ編みだったな」
日行丹:「この名前が本名かそうでないかはこれから調べることだが……」
朝永花月:「ふんふん。それで?」ナンを綺麗にちぎり、カレーを浚う。
日行丹:「心当たりはあるか?」
朝永花月:「え?その“アリア”って子?」
GM:聞き覚えはまったくありません。もちろん、以前この街に住んでいた頃の知り合いでもないでしょう。
日行丹:「そうだ、歳に似合わずかなり子供らしい性格だそうだ」
朝永花月:「……全然?」
日行丹:「なにか心当たりがあればすぐにわかろうものだが……ふむ」
日行丹:……とするとハズレを引いたか? 他の『カヅキ』について考える。
GM:――とはいえ、日行の側も、朝永花月の他に
GM:『カヅキ』という名の存在に当たりをつけられていない。
GM:「花月」「香月」「和希」「一樹」――他の候補もゼロではないのかもしれない。
日行丹:「ではお前以外の『カヅキ』という存在に心当たりは?」
朝永花月:「ええ?花月以外に?うーん」
日行丹:「『カヅキ』自体はありふれた名前だからな、思い当たる範囲でいい」
GM:だが、「カヅキちゃん」と述べた以上は、女性である可能性は大きい。外見年齢と離れた友人でないのならば、
GM:やはり、もっとも妥当なのは――“花月”だ。
日行丹:「そう、ちょうどお前くらいの年頃の奴だ」
朝永花月:「カズキ君なら、何人かはいるけど……女の子で?」
GM:それについても、心当たりは全く無いと言っていいでしょう。
日行丹:「ああ、女だと考えている。男の可能性もあるがな」
朝永花月:「いや?花月会ったことないよ」
日行丹:情報には優先度がある。得られる機会の希少性、可能性の大小だ。
日行丹:朝永花月を探したのはこの少女が偶然、この街に立ち寄った。この街と接点のある人間だからだ。
日行丹:ここで逃せば会う機会は仕事の間にはないだろう、『カヅキ』可能性も高く悪くはなかったかはずだ。
日行丹:「そうか」 淡々と返す
日行丹:「“アリア”という少女は『カヅキ』ちゃんと遊ぶと言って居なくなったそうだ」
朝永花月:「え、ってことは私と?んー?」腕組みする。
朝永花月:「んー……?」首を傾げる。
日行丹:さも、聞いたようなような口調で話す。これ自体は嘘ではないが……見方をあえて誤認させるような話し方だ。
日行丹:「家庭に問題を抱えていたらしい」
日行丹:「そうだな……お前に心当たりがないならこういう事情を知っていそうな奴は居ないか?」
朝永花月:「うーん。ねむねむ?や、UGNのほうがいいのかな?めいりん?さよよ?」
日行丹:「UGNはどうだろうな。先程も言ったが……今、この街で起こっている事件を奴らは知っていると思うか?」
朝永花月:「そう言われても、私、オーヴァードの知り合いそんな居ないよ?」
日行丹:「誰がオーヴァードの知り合いを紹介しろと言った」
朝永花月:「へ?」
日行丹:「お前が思い浮かぶ“アリア”またはこの街の失踪事件についてなにか知っている人物を紹介しろと言っている」
朝永花月:「あ、そっか」
朝永花月:「居るじゃん」
GM:オーヴァードで、かつ、失踪事件について知る人物。
GM:……そして、UGNではない。条件に当て嵌まる者がいる。
朝永花月:「陣さんだ」
日行丹:「陣……そいつは何者だ」
朝永花月:「昔お世話になったんだよね。オーヴァードで、京須署で警察官してる」
日行丹:「…………」 考える、面倒な奴が引っかかったなと思う。
日行丹:警察でオーヴァード、俺みたいな男にとっては関わりたくない存在の一つだ。
日行丹:オーヴァードでなければ話を聞き出すこと自体は容易だったのだが……
GM:山古陣矢については、先の遭遇で連絡先ももらっていたことにしていいでしょう。いつでも接触できます。
日行丹:「お前、俺の仕事を手伝ってみる気はあるか?」
朝永花月:「仕事?そのアリアって子の保護?」
日行丹:「ああ、アリアを捜し出して保護する」
日行丹:「助手の様なものと思ってくれていい、俺がお前に指示を出す。お前はそれで動く」
日行丹:「金なら出す。……UGNの報酬くらいはバイト代として出そう」
朝永花月:「それって……」
日行丹:頭の中で計算する、今回の依頼額と照らしあわせて……未だに利益が発生する。
日行丹:まだ、この事件に関わる必要性が存在する。利益がある。
朝永花月:「探偵助手ってやつ?わ、一度やってみたかったんだよね」
日行丹:「無理にとは言わない、やりたくなければやらなくていいぞ」
朝永花月:「不審者探偵カイタンと、美少女女子高生助手の朝永花月……」
朝永花月:「響きはまあまあ……いや、ううん。やるよ」
日行丹:実際、これは賭けだ。自分以外の人間が仕事につくとなるとノイズが発生する。
日行丹:そのノイズは致命的なものになりかねない……だが、ここでリスクを恐れていては先には進めないだろう。
朝永花月:「実際、京須でなんか起きてんのもちょっとヤだし、陣さんも解決したらちょっとは楽になるんだろうしさ」
日行丹:「そうか」
日行丹:「じゃあ、今回の仕事の間だけになるだろうが……頼むぞ、朝永」
朝永花月:「ふっふーん。花月にお任せ」最後のナンでカレーを綺麗に拭き切る。
日行丹:「では最初の仕事を言うぞ」
日行丹:「朝永、お前は陣という人物から“アリア”と失踪事件について聞き出してこい」
朝永花月:「ん、カイタンは来ないの?」
日行丹:「情報はできるだけ多いほうがいい、頼むぞ」 いつの間にか食べ終わったのかラッシーを飲む。
日行丹:「俺は俺でやることがある、事件がこれ以上起きるのは厄介だからな」
日行丹:「ある程度、手は分けておく必要がある」
朝永花月:「ほうほう。それっぽいそれっぽい」
日行丹:これは嘘ではない、嘘ではないが。この男の本業を警察がマークしている場合、
日行丹:警察へ足を向けるのは間抜けのすることだ。リスクはできるだけ避けなければならない。
日行丹:「それに……俺は怪しいからな、警察に職質喰らって時間を取られたくはない」 ジョークなのかそうでないのか分からない。
朝永花月:「確かに……」
GM:勿論、日行丹にとっては……夕食を終え、夜が始まるここからが調査の時間だが、
GM:女子高生で、この街の住人ではない朝永花月にとってはその限りではないだろう。少なくとも明日、学校から帰った後。
GM:同じように、夕暮れ以降の時間帯で動くことになるはずだ。
GM:……夕暮れと夜。
GM:人の営みの、闇深くで、何かが侵食をはじめている。
GM:朝永花月が探らなければならない、何かが。

GM:シーン終了です。ロイスのみ可。
朝永花月:ロイス枠が枯渇気味なのでちょっと保留で!
日行丹:-助手(仮)/朝永花月/有為/無関心:○/ロイス

■Middle/02

GM:全員合流のシーンとなります。4人共侵蝕率上昇をどうぞ。
日行丹:1d10+40
DoubleCross : (1D10+40) → 2[2]+40 → 42

朝永花月:1d10+51
DoubleCross : (1D10+51) → 5[5]+51 → 56

“フェイスダウン”:1d10+37
DoubleCross : (1D10+37) → 5[5]+37 → 42

灰下 照:1d10+47
DoubleCross : (1D10+47) → 6[6]+47 → 53

京須市 駅前通り

GM:ふたたび、夜の帳が下り始めた時間帯だった。
GM:通りの両側には、色とりどりの光が並ぶ。しかし、その只中を歩く2人組は際立って奇異だ。
GM:ライダースーツに身を包み、フルフェイスで顔を隠した怪人。
GM:そして、まだ小学生と思しき少年。
“フェイスダウン”:『繰り返し言っておく』
灰下 照:「…………」
“フェイスダウン”:『これから会う人間…特に日行丹には気を付けるんだ』
灰下 照:「何が」
“フェイスダウン”:『裏の世界で生きている人間を甘く見るな』
“フェイスダウン”:『奴は札付きの悪党だ。隙を見せれば、簡単に利用される』
灰下 照:「……あんただって」
灰下 照:「そうじゃないのか? 別にさ」
灰下 照:……まだこのヘルメット男のことを信用したわけではない。
灰下 照:よく考えれば……あの赤骨と友人だったという話だって、証拠は何もないのだ。
“フェイスダウン”:『……そういう気持ちでいれば十分だ』
灰下 照:ただ、手掛かりは彼女しかいないのも確かだった。憮然とした表情。
“フェイスダウン”:『奴がこの事件について何かを知っているという可能性は大きい』
“フェイスダウン”:『それを聞き出す』
灰下 照:「……分かったよ」
GM:日行丹という男は……ここ数日、この市内で活動を目撃されている。
GM:“フェイスダウン”の知るところでは、『仕事』の事前調査を徹底する男だという話だった。
GM:何らかの情報を、“フェイスダウン”よりも深く掴んでいるとしたら。……そして、それ以上に。
GM:日行自身が、児童失踪事件に……ひいては赤骨に関わりを持っていることすら、十分に考えられる。
灰下 照:「そいつが知ってそうなのってのは、どっちの方?」 失踪事件の方か、赤骨の方か。
灰下 照:この男の当初の目的という……失踪事件自体には、あまり興味はない。
灰下 照:見知らぬ他人の為に動くほど、テラスは幸せな人生を送ってきてはいない。
“フェイスダウン”:『失踪事件についてだ…“ガーネット”について行き当たっているとまでは思っていないが』
“フェイスダウン”:『……どこまで探っているか』
灰下 照:「……いいさ。期待はしないどく」
GM:……じきに、“フェイスダウン”の標的が見える。
GM:車が行き交う交差点の、横断歩道の向こう。
GM:黒く不吉な印象の男が、幽鬼じみて立つ。信号機は赤だ。
“フェイスダウン”:『…奴だ』
GM:そして、日行丹の横に、この場にそぐわない……華やかな印象の少女が立っていることもわかる。
GM:年齢は、灰下遥と同じくらいだろうか。
灰下 照:「…………!」
灰下 照:僅かに、反応してしまう。
“フェイスダウン”:『どうした』
灰下 照:「いや……」
灰下 照:「何でもない」  制服が少しだけ似ていた。それだけだ。
灰下 照:「二人組みたいだけど、あれ?」
“フェイスダウン”:『恐らく、失踪事件の手掛かりとして日行に利用されている子だ』
“フェイスダウン”:『彼女には状況を説明し、日行と手を切ってもらう』
“フェイスダウン”:『……奴自身はともかく、一般人を巻き込むつもりはない』
灰下 照:「……ふうん。ま、どうでもいいけど」
GM:――信号が青に変わる。
GM:日行達は、“フェイスダウン”を認識しているのか、否か。
GM:人々に紛れるように、2人もこちらに渡ってくる。
“フェイスダウン”:ではすれちがい際に
“フェイスダウン”:声をかけて呼び止めます
“フェイスダウン”:『……待て』
日行丹:無視しようとするが……自分に狙いを付けてきているのならある程度相手をしなければならない。
日行丹:「もしかして……俺のことか?」
日行丹:自分の仕事に介入してくる可能性もある、後顧の憂いはなくした方がいい。
朝永花月:つられて横を向く。
“フェイスダウン”:『……』
GM:互いに背を向けて止まったまま、裏社会の2人が邂逅する。
GM:……そして、灰下照と、朝永花月も。
“フェイスダウン”:『詐欺師のお前が、何故失踪事件を探る』
“フェイスダウン”:『何のつもりだ』
日行丹:「仕事だからだ」
朝永花月:「……カイタンの知り合い?……詐欺師?」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:案の定、自分がどういう存在なのか知っている相手だ。非常に面倒だ。
“フェイスダウン”:黒いヘルメットがゆっくり振り返る
“フェイスダウン”:『…誰から受けた』
日行丹:「お前にそれを言う理由があるのか?」
灰下 照:二人の会話に参加する気はなく、なんとなく朝永さんを見る。
朝永花月:「ね、詐欺師って……」視線を落とすと目が合う。小学生?
日行丹:「俺の知り合いの一人かもしれないな、顔を隠している以上知りようがない」 朝永に返す
“フェイスダウン”:『私の事はどうでもいいし知る必要もない』
“フェイスダウン”:『…知っている事を話して手を引け』
日行丹:「お前は俺じゃあない」
“フェイスダウン”:『口先三寸の騙しの世界とは、この話は領分が違う』
日行丹:おそらくこいつの言っていることは間違いじゃないだろう。
日行丹:そういう可能性が大きくなっていくことを感じている。
日行丹:しかし……
日行丹:「それを決めるのは俺だ」
日行丹:「どこぞの誰だかわからん奴に言われる筋合いはないな」
日行丹:「お前の方こそ知っていることを話して貰おうか」 《竹馬の友》を使う
日行丹:「何を知っている? お前は誰だ?」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:何かされている事を察して、一歩下がる
日行丹:「…………」 一歩下がる、その様子をみる
日行丹:警戒心を解く能力だ、警戒するのならば……一つの答えが導かれる。
灰下 照:「…………」
灰下 照:「じゃあ、調べてはいるんだな」
灰下 照:頭二つ分は高い日行を、まっすぐに見上げる。
“フェイスダウン”:『照…!こら!』
日行丹:小さな子どもの方を向く、
日行丹:「ああ、調べているぞ」
日行丹:「知りたければお前の知っていることを話せ」 照と呼ばれた子供に対して《竹馬の友》を使う
灰下 照:「こっちも調べてる。交換しようよ」
灰下 照:言動は友好的だが、竹馬の友の効果は無い。ただ、怖いもの知らずだからだ。
日行丹:子供の様子を見る……ヘルメットが連れている子供だ。効いているのか怪しいが、欲しい言葉だった。
灰下 照:フェイスダウンのことは無視する。話が進みそうになかった。
日行丹:「俺は構わないが……そいつはどうする。来るのか?」 ヘルメットに対して
灰下 照:「とりあえず。……信号、変わるんだけど」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:「ああ、全く交通の邪魔だったな。朝永、この子供から話を聞くぞ」
朝永花月:「わっホントだ。急ご急ご」前へ歩み出て、灰下君の手を掴む。
朝永花月:無理やり歩道まで連れて行く。
“フェイスダウン”:数秒考えて
“フェイスダウン”:がきっと灰下くんの襟を掴んで止める
灰下 照:「――げほっ」
灰下 照:前後から引かれ、思わず咳き込む
“フェイスダウン”:『…ちょっとこっち来い』
灰下 照:「なっ……んだよ!」
“フェイスダウン”:そのままずるずる灰下くんを引っ張って2人と離れます
朝永花月:「あっ、ちょっと……!」
“フェイスダウン”:『アホ!』
“フェイスダウン”:『相手は詐欺師やって言ってるのに、もっと慎重になれ!』
灰下 照:「アホ……ってなんだよ! あんたが話進めないからだろ!」小声で返す。
日行丹:朝永とヘルメット……そしてあの子供の様子を伺う。横断歩道はそのままわたって、歩道で立ち止まる。
朝永花月:「カイタン、あれさー」
日行丹:「なんだ?」
朝永花月:「あれが誘拐犯じゃないの?」ヘルメットの人物を指差す。
日行丹:「ああ、見るからに怪しいからな。そう思うだろう」
日行丹:「正体不明の人物が事件に関わるなと警告する」
日行丹:「怪しすぎるだろう」 無表情で自分の事は棚に上げる。
“フェイスダウン”:『会話の細部からお互いの要求を探り合って、取り引きに進めるとしてもそれは最終段階!』
“フェイスダウン”:『話は進んでたの!』
灰下 照:「めんどくさ……なんだそれ、大人かよ」
“フェイスダウン”:『せやけど』
“フェイスダウン”:『……情報交換になるなら、それでもいい』
灰下 照:「……だったら良いじゃん」
朝永花月:「あの子。助けないと」
日行丹:「俺の仕事じゃあないが……朝永、お前がやりたければやってもいいぞ」
日行丹:「俺に期待はするな。弱いぞ、俺は」
朝永花月:「カイタン、何でも屋でしょ?そんなんで大丈夫なの?」
朝永花月:「あ、いや違うよ!そうだよ!」その場で手を打つ。
朝永花月:「詐欺師って!詐欺師って言われてたじゃん」
朝永花月:「そうなの?」
日行丹:「詐欺師か、そうかもな」
日行丹:「俺は俺なりに努力をして仕事を完了するが……その結果が気に食わなければ」
日行丹:「そう言われるのかもしれないな」
朝永花月:「ふうん。そういうもんかなあ」
日行丹:否定はしない。俺は俺自身を詐欺師だと認識しているし、詐欺師と呼ばれるのも間違いじゃあない。
“フェイスダウン”:『想像と少し違った。奴は少なくとも今の時点では、誰かからの依頼で動いている』
灰下 照:「詐欺師なら金をだまし取るんだろ」
“フェイスダウン”:『……そうだと踏んでいたが、どうも違うように感じる』
灰下 照:「?」
“フェイスダウン”:『この件に限っては…だが』
“フェイスダウン”:『協力に持ち込めるならそれでいい』
灰下 照:「それに、おれは、だまし取られるようなもの、持ってないし」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『命がある』
“フェイスダウン”:『くれぐれも、気を付けろ』
灰下 照:「それは……」
灰下 照:「……分かってる、さ」自分を捕まえられる奴はいないと、そう思っていた。
灰下 照:だがそれは、眼前のヘルメットによって既に破られている。
朝永花月:「とにかく、さ。どうにかしないと……あの子、別に逃げたがってた感じはなかったよね」
日行丹:「騙されているか……何か事情があるかもしれないな」
日行丹:「どちらにしろ話をしなければ、知りようがない」
朝永花月:「事情かあ。それもそーだね。話しないと……って」
“フェイスダウン”:という感じで
“フェイスダウン”:今度はこっちから
“フェイスダウン”:横断歩道の向こう側に行こう
灰下 照:大人しくそれについていく。
朝永花月:「ありゃ。向こうから来てない?」
日行丹:「そうだな、忙しいやつだ」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『情報交換だ』
“フェイスダウン”:『私たちは時間が惜しい。お互いの立場をはっきりさせておきたい』
日行丹:「いいだろう、それは俺としても願ったり叶ったりだ」
日行丹:「お前らを突っぱねて俺の仕事の邪魔をされたら適わんからな」
日行丹:「朝永もそれでいいか?」 子供から話を聞くチャンスだと暗に言う
朝永花月:頷く。「色々聞きたいもんね」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『君は帰れ』
朝永花月:「私?」
“フェイスダウン”:日行さんの方を見る
“フェイスダウン”:『素人を巻き込む必要は無い』
日行丹:「それを決めるのはお前じゃない」
日行丹:「そして俺でもない」
日行丹:「朝永だ」
日行丹:無表情のままそう言い放つ、朝永の様子を見る。
朝永花月:「素人って……そりゃそうかもしれないけどさ。この子は」灰下くんを指差す。
朝永花月:「この子のほうが巻き込んじゃダメじゃないの。君、小学生だよね?」
灰下 照:「……一応」
灰下 照:「だけど、おれは巻き込まれてなんかない」
“フェイスダウン”:『……その子は理由と自分の意思があってここにいる』
“フェイスダウン”:『この「失踪事件」は危険すぎる』
“フェイスダウン”:『…かかわらない方がいい』
灰下 照:「おれがこいつに、イライしてるんだ。だからおれは帰るわけない」ヘルメットを指差す。
朝永花月:「依頼って……」
“フェイスダウン”:『……私たちの事はいい』
“フェイスダウン”:『忘れるんだ』
朝永花月:「誰なのかは秘密です、どう危険で、どう関わらないほうがいいのかも教えないけど」
朝永花月:「とにかく見なかったことにしてくださいって?」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:この子が自分だったら、引き下がるだろうか
“フェイスダウン”:考えるまでも無く、答えはノーだ。
日行丹:「……仕事の経験上、騙されてる奴は自分を騙されてると自覚していない奴が多い」
日行丹:「お前、怪しすぎるぞ」 と無表情に言う
“フェイスダウン”:『……………』
日行丹:「せめて、そういうことを言う時は信頼関係を築いてからやれ」
“フェイスダウン”:『分かった。状況は説明する』
朝永花月:「うん。めっちゃ怪しい。誘拐犯かと思ったもん」
朝永花月:「多分、今の聞いた感じ違うんだろうけど……」
“フェイスダウン”:『それで判断…いや』
“フェイスダウン”:『手を引いてもらう』
灰下 照:「おれは誘拐なんて」……捕まえられはしたが。「……されてない」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:四面楚歌の状況だったので
“フェイスダウン”:ちょっと灰下くんの頭を撫でる
灰下 照:「…………」
灰下 照:フェイスダウンを、ややジト目で見上げる。
灰下 照:(……もしかして、こいつ)
灰下 照:(見かけほど、こういうの慣れてないのか……?)
日行丹:「いい加減場所を移すぞ、目立ちすぎる」
“フェイスダウン”:『……ああ』
日行丹:「そろそろ夕食にはちょうどいい、適当な店に入るぞ」
日行丹:「朝永、お前が選べ。俺が決めると面倒だ」
日行丹:「場は俺が持つ。まとめて奢ってやる。食いたいものを選べ」
朝永花月:「あ、花月あそこの洋食店がいい!オムライス超おいしいの!」
朝永花月:「あ、好き嫌いない?卵食べれる?」
灰下 照:「嫌いなものはない」
日行丹:ちょうど夕食時、切り出し方としては悪くはない。
日行丹:朝永という……ヘルメットからみて善良な第三者に店を選ばせることで警戒心はいくばくかとけるかも知れない。
日行丹:それに食事の席でヘルメットを外すかどうか……その中身を確かめられればよし。場を乱してまで被り続けるのなら……それでも構わない。
日行丹:それに相応しい理由がある。それならば、そういう切り口でこいつを“調査”出来るからだ。
灰下 照:フェイスダウンの手を振り払い、掴む。
“フェイスダウン”:『……?』
灰下 照:「あんたは何が食いたいんだよ」
灰下 照:「こいつ、人にもの食わせてばっかなんだ」
灰下 照:「たぶん、おれを太らせて食べるつもりなんだと思う」
“フェイスダウン”:『なんでやねん』
朝永花月:「うわありそう」灰下君を庇うように抱き寄せよう。
灰下 照:「うわっ」朝永さんに抱き寄せられ、反射的に離れる。
“フェイスダウン”:『……私は後で食べる』
“フェイスダウン”:『今は君が好きなだけ食べろ』
“フェイスダウン”:『折角だし高い物を頼んでおけ』
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「子供扱いするな。……食べるけどさ」
朝永花月:「そそ。奢ってもらえるなら遠慮無しで高いのいっちゃおう」
朝永花月:「それが礼儀だよ。安いの頼んだら逆に失礼……たぶん」
日行丹:「遠慮するかどうかは任せる、好きなものを食え」
日行丹:「子供は子供らしくしていろ」
灰下 照:「大人が大人らしくしてくれたら、そうする」
灰下 照:生意気な発言だ。
“フェイスダウン”:『……フッ』
日行丹:「全くその通りだ、せいぜい見本となるような振る舞いをしよう」 無表情で言い放つ
朝永花月:「ま、交渉成立ってことで。あれタダで食べられるなんてラッキー」
灰下 照:「ん。じゃあ行こう」

京須市内 洋食屋“雪舟”

GM:4人席のテーブルがひとつ、運良く空いていた。
GM:応対したウェイトレスは“フェイスダウン”の外見に驚いたようだったが、今のところ、店からのクレームはない。
GM:アンティークめいた小物が多く置かれた窓からは、明かりが瞬く街の営みが見える。
“フェイスダウン”:泰然自若とした態度で灰下くんの隣の椅子に座っている
日行丹:「さて、何を頼もうか」 メニューを取り、開き流し見る。
日行丹:そして同時にヘルメットと子供を観察する、極めて自然にだ。
日行丹:不自然にならずに見る、そして選ぶメニューも決める。
“フェイスダウン”:日行から目を離していない
“フェイスダウン”:メニューを取る様子もなく、じっと観察している
日行丹:「朝永、いるか?」 メニューを渡そうとする。
日行丹:どうやらこの段になってもヘルメットを外すつもりはないらしい。
朝永花月:「どーも。やっぱオムライスかなあ」
日行丹:顔自体に事情があるか、誰かに顔を知られるのを恐れているのか。はたまた別の問題か。
日行丹:どちらにしろ面倒な人物のようだ。
朝永花月:「ビーフシチューも美味しいんだけど……」
灰下 照:「…………」メニューを開きつつ、同じく、一瞬、フェイスダウンをちらりと見る。指名手配というのは、本当なのだろうか。
日行丹:「おい、そこのお前。食いきれないようには頼むなよ」 照と呼ばれた子供に大して言う。
日行丹:「いくら自分の懐が痛くないからといって、作ったものを残すのは失礼だからな」 無表情は変わらない。
朝永花月:「大丈夫だよ、そんなに量多くないからここ」
“フェイスダウン”:『第一、食べきれなければ、タッパーに詰めればいい』
朝永花月:「えっそれは……」
日行丹:「タッパー持ってるのか?」
日行丹:「俺はそんなみっともないことはしないので持ちあわせてはいないが……」
“フェイスダウン”:スッと取り出す
“フェイスダウン”:『必須装備だ』
朝永花月:「ていうか、多分ダメだよ……衛生管理とか、そういうので」
日行丹:「出来るかどうか確認してからやるんだな」
“フェイスダウン”:『…………』
“フェイスダウン”:若干ショックを受けてるようにも見える
灰下 照:「オム……」言い掛けて、少し黙る「……あんかけスパゲティ。スープセット」
灰下 照:(姉さんは、レストランバイトで、余ったのをタッパーに入れて持って帰ってくることあったな……)
日行丹:では注文が決まったら店員を呼んで、それぞれの分を注文しよう。
ウェイトレス:「かしこまりました。ご注文は以上ですね」
ウェイトレス:「そちらの……」“フェイスダウン”を見る。
ウェイトレス:「お客様は?」
日行丹:ヘルメットの方を見る。
“フェイスダウン”:『……コーヒー』
ウェイトレス:「かしこまりました」怪訝そうに一礼して、去っていく。
日行丹:「では改めて自己紹介をしよう。俺のことはどうやらそこの二人は知っているようだがな、気持ちの問題だ」
日行丹:「日行丹だ。職業は……何でも屋といったところか、依頼されればその都度、業務が変わるのでな」
日行丹:「特に固定されてはいないということだ。専門は心霊やオカルトといった超常関係だ」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:特に言葉を差し挟む事はしない。この男の言葉を土台信用していない。
日行丹:まず、自己紹介をする。知っているかそうでないかは関係がない。
日行丹:自分の身分を自ら明かすという行動が重要だからだ、そうしなければ最初に築くべき信頼すらも築くことは出来ない。
日行丹:少なくともこの時点で、自らの身分を預けるという信頼関係が生まれる。
朝永花月:「朝永花月。今はカイタンの女子高生探偵助手。バイトみたいな?」
灰下 照:「テラス。」
灰下 照:「……人を探してる。」
“フェイスダウン”:『私は“フェイスダウン”』
“フェイスダウン”:『目的はこの子と共通だ』
“フェイスダウン”:『ある人物の捜索……その人物は』
“フェイスダウン”:『この町の児童失踪と深い関わりがある』
日行丹:「ほう……」 無表情で呟く
朝永花月:「……関わり?」
“フェイスダウン”:『いや…目下、犯人と考えて探している』
“フェイスダウン”:『危険な相手だ』
日行丹:「何者だ、その危険な相手というのは」
“フェイスダウン”:『“ガーネット”』
“フェイスダウン”:『彼女のかつての名前なら…「甘草凡夏」』
“フェイスダウン”:『……恐らくジャームだ』
朝永花月:「ジャームが、人を拐ってる?」
日行丹:「それが事実なら危険以外の何物でもないな、どこまでそいつのことを知っている」
日行丹:「それと……テラスと言ったか。どういう理由でそいつを探している」
灰下 照:「…………」
“フェイスダウン”:『まずはここまでだ』
“フェイスダウン”:『そちらの動機と事情を話してもらう』
日行丹:「ああ、その前にだ。一つ」
“フェイスダウン”:『……どうした』
日行丹:「テラス。お前、自分の名前は書けるか?難しいか?」 テーブルに備え付けのペーパーを取る。
日行丹:「そいつを教えろ」 ボールペンを出してテーブルに置く。
日行丹:これに対して出方を伺う。
“フェイスダウン”:『やめろ』
“フェイスダウン”:パシっとボールペンを取る
“フェイスダウン”:『この子について必要以上の事を探る事は許さない』
灰下 照:「……あのさ」
灰下 照:先の忠告もあり、今回はフェイスダウンのやることは邪魔しない。「ジャームで通じるの?」
灰下 照:ちょっと怪訝にしている。
日行丹:「俺はな、朝永はどうだ?」
朝永花月:「え、そりゃそんくらいは……あれ?」
“フェイスダウン”:『……』
朝永花月:「てっきり、みんなオーヴァードだと思ってたけど……違うの?」
灰下 照:恨みがましい目でフェイスダウンを見上げる。「……聞いてない」
“フェイスダウン”:『…確証はなかった』
灰下 照:「……まあ、いいけどさ。だから何ってわけじゃ、ないし」
“フェイスダウン”:『だが、予想の範疇ではある。この2人がオーヴァードなのは』
日行丹:「おい、テラス。そいつは怪しい奴だぞ」 無表情で言う
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:キッとヘルメットの下で日行を睨む
灰下 照:「どうだっていい。おれは、そのジャームに会えれば良い」
“フェイスダウン”:『次はそっちだ』
“フェイスダウン”:『そっちの動機を話してもらう』
日行丹:「まぁ、いいだろう」 先程の邪魔されたことにはなにも感じない風だ。
日行丹:「俺は依頼されている。この少女失踪事件に関わったと思われる対象の保護だ」
日行丹:「関わっていないのならそれでいいんだがな」
“フェイスダウン”:『…君は?』
“フェイスダウン”:朝永さんに
朝永花月:「私はまあ、なんだろう……成り行き?」
朝永花月:「そりゃ、京須で変なこと起きてるのはヤだし、知り合いが大変そうだから楽にしたげたいってのはあるけど」
“フェイスダウン”:『…ジャームという言葉の意味が分かるなら』
“フェイスダウン”:『私の言う事も分かったはずだ』
“フェイスダウン”:『人が死んでいる』
朝永花月:「死んでる?誘拐事件じゃなくて?」
“フェイスダウン”:『そうだ。すでに被害者は出た。』
灰下 照:「……」
日行丹:「誰だ、そいつは」
“フェイスダウン”:『……それよりも先に』
“フェイスダウン”:『朝永、君は帰るんだ』
“フェイスダウン”:『“ガーネット”と関わる理由はない』
日行丹:「おい、朝永。今までのこいつの説明で納得出来たか?」
朝永花月:「誰だか分かんない人と、小さい子に任せればオッケーってこと?」
日行丹:「そういうことになるな」
“フェイスダウン”:『違う。危険なジャームに関わるなというだけの話だ』
朝永花月:「私、倒したことあるよジャーム」
日行丹:「よくわからない奴と小さな子供にこの街に住むお前の友人を任せろという話だな」
“フェイスダウン”:『……そういう言い方で人を誘導するな』
灰下 照:「小さい小さいって言うな……」 ぼそりと。
日行丹:「間違ってはいないだろう」
灰下 照:「……」押し黙る。「
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:日行は何故この子を連れていきたがる?
“フェイスダウン”:まずそこを考えなければならないのかもしれない。このままだといつまでも平行線だ。
日行丹:「それでどうするんだ。俺は無理について来いとは言ってはないぞ」
日行丹:「いると助かるのは事実だ、俺の仕事上早期解決が望ましい」
“フェイスダウン”:『……なるほど』
“フェイスダウン”:オーヴァードの手が多ければ解決は早い、当然の道理だ。
灰下 照:「あんたらは」
灰下 照:「もう、なんか、調べてるのか?」
日行丹:「あたりはつけてあるが、この調子だと言えないな」
日行丹:「とにかくそこのフェイスダウンとやらが俺の仕事の邪魔をするんでな」
朝永花月:「これからだよ。陣さんに話聞こうと思ってさ……あれ?言っちゃダメなの?」
灰下 照:「…………」
日行丹:「言っても構わないぞ、そう隠すことでもないがな」
“フェイスダウン”:『こっちは情報を既に渡してる』
日行丹:「肝心なことは言ってないがな」
灰下 照:目を眇めて、フェイスダウンを一度見る。
日行丹:「俺達は身分を明かして、情報を包み隠さず言おうと言う態度をとっている」
日行丹:「だがな、そちらはどうだ?身分を明かさずに、肝心なことは隠す」
日行丹:「それでいて関わるな、とまで言ってくる」
日行丹:「言わせてもらうがな、俺から見てお前たちの方が犯人らしいぞ」
灰下 照:次に、順々に、日行、朝永と見ていく。
朝永花月:「とゆーか、今更聞いていいのか分かんないけどさ」
朝永花月:「なんでヘルメット取らないの?」
朝永花月:「テラスくんは見たことあるの?」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:「そうだな、顔すら明かさないのが問題だ」 このタイミングだ。
日行丹:「お前、一体何者だ?」 朝永の言葉からならば、続けることが出来る。
“フェイスダウン”:少し、照の方を見て
“フェイスダウン”:バチッ
“フェイスダウン”:留め具を外して、ヘルメットを取る
灰下 照:「……いいのかよ?」
“フェイスダウン”:『…時間が無い』
“フェイスダウン”:『話を進めるためになら、私の事をどうこう言ってる場合でもない』
曽根崎ヒロヱ:ガタン
曽根崎ヒロヱ:ヘルメットをテーブルに置く、長い黒髪の少女だ。
灰下 照:「…………」
朝永花月:「え」
灰下 照:「!?」
朝永花月:「女子じゃん!ってか、私とそんな歳変わんない……!?」
曽根崎ヒロヱ:そのままの勢いでグイーッとコーヒーを飲み干す
曽根崎ヒロヱ:タンッ
日行丹:「それがお前の顔か」 テラスの様子を観察しつつ、その顔を見る。
曽根崎ヒロヱ:「これは…」
曽根崎ヒロヱ:コンコンとテーブルに置かれたヘルメットを叩く
曽根崎ヒロヱ:「オーヴァード、裏の人間と関わる時に付けてる」
日行丹:「そうか」
灰下 照:「おま、……」朝永さんが先に反応したことで、どうにか狼狽を隠す余裕が生まれた。
灰下 照:「…………んだ、それ」大きく息をつく。
朝永花月:「え、ええー……ウッソ……」
曽根崎ヒロヱ:「ウチの立場は余計なトラブルを産む」
曽根崎ヒロヱ:「どうしても聞きたいんやったら、あとでアンタが個人的に聞いたらええ」
曽根崎ヒロヱ:「…はい、終わり!」
日行丹:「名乗り直すことはしないのか? フェイスダウンじゃあ味気ないだろう」 一応、訪ねてみる。無表情だ
曽根崎ヒロヱ:「それも後で聞きたかったら聞き」
曽根崎ヒロヱ:朝永さんの方を見る
曽根崎ヒロヱ:「……これでええ?」
朝永花月:「あ……うん。どーも?」
日行丹:「どうだ、朝永。気持ちが変わったり、固まったりしたか?」
“フェイスダウン”:カチャ ガチン
“フェイスダウン”:『私の話はもうするな』
“フェイスダウン”:『君の問題だ』
日行丹:「お前と同じくらいの年頃の同性が、危険な事件に首を突っ込むという要素が増えたな。これで」
朝永花月:「いや、やっぱ納得出来ないって!危ないから帰れってだってそれ、」
朝永花月:「フェイスダウ……フェイちゃんも危ないのは一緒じゃん!」
“フェイスダウン”:『フェイちゃんて…』
“フェイスダウン”:『私は納得してこの状況にいる』
“フェイスダウン”:『…このジャームを倒さなければならない理由もある』
“フェイスダウン”:『ここにいる三人には全員それがある』
“フェイスダウン”:『成り行きで踏み込めば、危険なだけじゃない』
“フェイスダウン”:『きっと傷付く、嫌な思いをする』
朝永花月:「……」どことなく、説得力のある言葉。
“フェイスダウン”:『……これは君の、やらなければならない事か?』
日行丹:朝永の様子を見る。
朝永花月:「それは……」
灰下 照:「フェイスダウン」
“フェイスダウン”:『なんだ』
灰下 照:「あんたさ。この事件、ぜーーーーんぶ一人でやっちゃえればいいとか」
灰下 照:「思ってるのか? もしかして」
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「じゃーむ……ガーネット……おれは『赤骨』って呼んでたけど」
灰下 照:周りに説明するよ
灰下 照:「だいたい、あんたらくらいの」朝永さんとフェイスダウン「……女子だけ狙う、サツジンキだ」
“フェイスダウン”:灰下くんの言葉を遮りはしない
朝永花月:「あたしくらい……え、誘拐事件って、テラス君くらいの歳の……」
朝永花月:「あれ?」
灰下 照:「それは……えっと」
灰下 照:「どっちも、今、この町で起きてる」
灰下 照:「だからカンケーしてる……かもって。思った。こいつが」
灰下 照:たどたどしい! 長い説明が慣れていない。
“フェイスダウン”:『……二つの事件は混線している』
日行丹:「かもしれない、だろう。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
“フェイスダウン”:『そうだ』
朝永花月:「あ、ごめん邪魔して。続けて?」
“フェイスダウン”:『だが、確実に”ガーネット”はどちらかに、あるいはどちらにも関係している』
“フェイスダウン”:『関係者』『犯人』、”ガーネット”を指す言葉が話の途中で一度切り替わったのもそういう理由だ。
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「あんたら二人は、だから、すごく危ない」
灰下 照:「ん。だけど、見た奴も殺すから、まあ、だいたい危ないのかな」
日行丹:「お前、よく知っているな。目撃者は殺すんだろう」
日行丹:「お前は誰を見たんだ?」
灰下 照:「なあ、日行。あんた、色々とこいつに」フェイスダウンを指差す。「言ってたけど」
灰下 照:「おれが明かせばさ。その分だけ、協力してくれる?」
灰下 照:「おれはずっと『ガーネット』を追ってる。半年くらい」
灰下 照:「この町に来て、変なものも見た」
朝永花月:「変なものって?」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:「なるほどな、お前が出す情報の分だけ協力する気はある」
日行丹:「フェイスダウンが邪魔さえしなければな」
日行丹:「俺はタダでは動きはしないが、その材料なら協力する」
“フェイスダウン”:『いや、私はもういい』
“フェイスダウン”:『この子の言葉でお前たちに話したい、話す必要があるなら』
“フェイスダウン”:『私がどうこう口を挟むことは…しない』
日行丹:「そうか、そいつはよかった」 無表情のままだ
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「そうじゃない。あんたらみんなが、要るんだ。おれには」
日行丹:情報交換だけで終わりという選択肢は既に消えている。
“フェイスダウン”:『…そっか』
日行丹:関わっているのがオーヴァード、それにジャームが複数の可能性があるのならば、
日行丹:ここでこの二人に協力する以外の道はリスクが高すぎる。
灰下 照:「フェイスダウン……めんどいな。フェイ。おれは逆だよ」
灰下 照:「おれは今の状況をどうにかしたいんだ」
“フェイスダウン”:『!』
灰下 照:「ぜったいに……ちょっとでも、はやく」
灰下 照:日行さんが先ほど差し出したペンとペーパーを取る。
灰下 照:「灰下照。火が燃えた後の灰。上下の下。お日さまの照。……おれの姉さんを殺したアイツを、追いかけてる」
朝永花月:「……お姉さんを」
灰下 照:「協力してください」
灰下 照:頭を下げる。
日行丹:「そういう理由か」
朝永花月:「わっわっ待って待って!頭上げて上げて!」
灰下 照:フェイには悪いが、警戒している暇なんかなかったのだ。
灰下 照:失うかもしれないものが、命だけなら……自分の身は自分で守ればいい。
朝永花月:「花月協力するからさ!ね?テラ君?」
日行丹:「いいだろう。……先程も言ったが、お前がそれだけの働きをするなら俺も応じる」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『ウチ…しょーもないなぁ』
“フェイスダウン”:呟いてその姿を見ている
日行丹:「灰下、協力してやる」 あえて明かした苗字の方で言う
灰下 照:「……その」
灰下 照:「ありがとう、ございます」
“フェイスダウン”:『私からも礼を言わせてもらう』
“フェイスダウン”:『ありがとう、日行』
日行丹:「お前に礼を貰う理由は思いつかんが……まぁ、貰っておいてやる」 フェイスダウンに
“フェイスダウン”:『……今は仲間だからだ。理由はそれでいい』
日行丹:「話を戻そう。まず先程、気になった言葉がある。灰下は何を見た?」
日行丹:「ガーネットとやらじゃあなく、この街で見たものだ」
灰下 照:「ん……」
灰下 照:「子供……だったと思う」
灰下 照:「赤ちゃんを連れた、おれと同じくらいの子供……」
灰下 照:時間帯やら状況やら、言われたことも含めて、OPで見たものを話すよ。
灰下 照:細部はうろ覚えだが、人のいない深夜~早朝に、お母さんの下へ帰ろうと言ってくる、赤ん坊連れの少女を見た。
灰下 照:「……おれはこいつに教えられるまで、オーヴァードを知らなかったから」
灰下 照:「分からなかったけど……普通の奴じゃなかったと思う」
日行丹:「そうか……しかし、そいつが“アリア”か?」 呟く
日行丹:あの、ドーナツ屋であった“アリア”から聞いた話を思い出す。
日行丹:連れて行かれたと言うアリア、母親、赤ん坊。繋がっているのか分からない、しかし断片的にだが当てはまりはする。
日行丹:この事態だ、妄言の類として切り離す事も難しくなってきた。
“フェイスダウン”:『アンタ、心当たりが?』
日行丹:「ああ、俺の依頼の一つ。もう一人の私を探して欲しいというモノだ」
日行丹:「依頼人は“アリア”と名乗る少女……歳は16、7ほどだ。長い三つ編みをしている」
朝永花月:「アリアちゃんって子?」
日行丹:「ああ、朝永に話したのは依頼人の方をお前に探してもらいたかったからだ」
日行丹:「こちらに関してはあまりにも支離滅裂だったからな、話しようがなかった」
日行丹:「依頼人の“アリア”に関しては俺でも接触を試みたがどうにも難しくてな」
日行丹:「この辺りが俺の事情になるという訳だ」
灰下 照:「それ、イライなのかよ? いっつも、そんなの受けてるのか?」
日行丹:「たまにだが、そういう事もある」
日行丹:俺のような人物を頼る人間がまともなわけがない。
日行丹:頼ってくるのは他に頼る者がいない奴、それと――狂ってる奴だけくらいなものだからだ。
日行丹:「俺が朝永を連れている理由は……朝永、お前から話すか?」
朝永花月:「うん」
朝永花月:「私、京須出身なんだよね。今は住んでないけど」
朝永花月:「だから、こっちの場所も人も分かる」
朝永花月:「例えば、職務質問されそうな人とか。怪しいヘルメットを外せない人とか。小学生の男の子とかじゃ」
朝永花月:「話を聞けないような人。それでいて、色々知ってる人、からも話、聞けると思うよ」
“フェイスダウン”:『…君、割といい性格しているな』
灰下 照:「あんたは、オーヴァードなのに」
灰下 照:「普通に、高校生で暮らしてるのか?」
朝永花月:「え?うん。そうだよ」
灰下 照:「そういうの、できるのか」ちょっと驚いた顔をする。
朝永花月:「出来るよ。オーヴァードっていったって、能力以外は別に変わんないわけだから」
日行丹:「そういう奴もいる、お前にだって出来る」 望めばという言葉を抜く
“フェイスダウン”:(ウチ、説明下手なんかな……)
灰下 照:「……ふぅん」何度か頷く。
灰下 照:「すごいんだな」
灰下 照:家出生活が長いせいであまりイメージ出来ていない。
朝永花月:「すごいのは、テラ君でしょ」
灰下 照:「? 何が」
朝永花月:「半年でしょ。半年、独りだったんでしょ」
朝永花月:「すごいよ。えらい。がんばったよ」
灰下 照:「……。…………」
日行丹:「よくジャームにならずに済んだな」
灰下 照:「………別に」そっぽを向く
灰下 照:「それしか、やることなかったんだ」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:そして考える、この灰下照という少年の人間性を。
日行丹:子供というものは無条件で周囲から自分は好かれていると思うものだ。
日行丹:そんな存在が、オーヴァードになり、独りで半年を生きる。
日行丹:大幅にレネゲイドの侵蝕を高めることさえしなければ可能かもしれない。だが……
日行丹:精神の未熟な子供にそれが可能か?レネゲイドについての知識がない子供に。
日行丹:可能性としてはいくつかある、この子供が無意識にそういう適正が高いこと。
日行丹:他には……もともと、そういう環境下で生きてきた、などだ。
灰下 照:「お、おれのことはいいだろ!」
灰下 照:「それで、朝永は、どーしてその助手になってんのさ」
朝永花月:「そのアリアちゃんが、私の名前呼んだんだって」
朝永花月:「私は全然知らないんだけど」
日行丹:「依頼人の方がな、『カヅキちゃんと遊ばなきゃいけないから』と言って居なくなった」
日行丹:「それで朝永にあたりをつけたという話だ」
“フェイスダウン”:『全部はその「依頼主」か…』
日行丹:「事件の犯人かもしれないし、被害者かもしれない。とにかく依頼人とはもう一度会わなければいけない」
朝永花月:「私にも出来ることはあるからねい。警察の知り合いとかいないでしょ?」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:←いる
日行丹:「そういうことだ、通常の警察ならば問題はないが……オーヴァードらしいからな、万全を期す必要があった」
日行丹:「この事件に関して俺達は協力者だ、もう話すべきことはないな?」 確認する
灰下 照:「ん。おれはそう」
“フェイスダウン”:じゃあ最後に
“フェイスダウン”:“ガーネット”(甘草凡夏)の容姿の特徴、オーヴァードだったころの能力とかを
“フェイスダウン”:灰下くんにしたようにざっと説明しておきましょう
“フェイスダウン”:『シンドロームは恐らく、ブラムストーカーとエグザイル』
“フェイスダウン”:『照の見た限りなら、そこまで能力自体に変化はないはず』
灰下 照:「……骨の剣は」足元の影から取り出し、机の上に置く。「こういうやつ」
灰下 照:すぐに仕舞う
灰下 照:「……気をつけろよ」
“フェイスダウン”:『間合いを取っても、剣は伸びてくる』
“フェイスダウン”:『居所を掴んでも正面から無策で戦うのは避けた方がいい』
日行丹:「ああ、そうだな」
日行丹:「俺の連絡先だ。何かあったらここにかけろ」 名刺を出す、連絡先の一つが書いてある。
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:名刺を受取る
灰下 照:「おれは携帯とか、ない」
朝永花月:「あっ、花月2個持ってるよ!貸したげる」ゴッテゴテにデコレートした携帯を取り出す。
朝永花月:一緒にスマートホンを取り出す。「どっちがいい?」
灰下 照:「え、…………」なんだこれ、という顔をする。「なんだこれ」
“フェイスダウン”:『受け取っておけばいい』
“フェイスダウン”:『連絡は大切だ』
灰下 照:「……」普通のスマートホンの方を貰う。「これ、どこ押せばいいの?」
灰下 照:あ、デコ携帯ってガラパゴスですか?
朝永花月:ガラケーですね!
朝永花月:「あ、えっとね、画面触ってこうシュッとスライドして……」
灰下 照:「おお……」
灰下 照:「なんだこれ……」
灰下 照:色々聞くけど、なんか分からなかったので、最終的にガラケーの方を借りたいです
日行丹:「使いやすそうな方がいいぞ、緊急時は特にな」
灰下 照:「……じゃあ、こっちで」
灰下 照:デコケーの方を貰う。ボタンがついてるから。
朝永花月:「オッケー。いいでしょ、それ」デコレートを気に入ったと思っている。
日行丹:「目立つしな、そうそうなくさないだろう」
灰下 照:「……借り、ます」
灰下 照:「……なんだこれ……」
日行丹:「そろそろ料理が来る、こういう話は飯を食う前に終わらせてよかったな」
日行丹:「こんな話しながらじゃあ、美味いとは思えなかっただろう」
ウェイトレス:「お待たせしました。オムライスとあんかけスパゲティ……」

京須セントラルパレス 711号室

GM:日行達との邂逅を終え、灰下照たちは拠点の一室へと戻る。
“フェイスダウン”:ではとりあえず
“フェイスダウン”:部屋に入ったらヘルメットを外しましょう
“フェイスダウン”:バチッ バチッ
曽根崎ヒロヱ:「は~~~……」
曽根崎ヒロヱ:ばたっとベッドにうつ伏せに倒れる
灰下 照:「……!」
灰下 照:無意識に距離を取る。当然だが、姉以外の女性への免疫は年齢相応だ。
曽根崎ヒロヱ:「しんど……」
灰下 照:「…………おまえ」
灰下 照:「そっちが素か?」
曽根崎ヒロヱ:「……?ああ」
曽根崎ヒロヱ:「そやで、結局、照には見られてもうたし」
灰下 照:(ときどき、関西弁言ってる時はあったけど)
灰下 照:(なんでやねんとか言ってたな……)
曽根崎ヒロヱ:「なんかな…さっきのでちょっと…考え直した方がええかなって」
灰下 照:「……考え直すって?」
曽根崎ヒロヱ:「ん?」
曽根崎ヒロヱ:「なんかちょっとウチな、色々よう分からんくなってたかもしれへん」
曽根崎ヒロヱ:「照のお陰!」
灰下 照:「…………なにがさ?」
曽根崎ヒロヱ:「めんどくさい事言うてたらアカンってこと」
灰下 照:はあーーーーー、と、大きなため息をつく。
灰下 照:緊張していたのが馬鹿らしい。「……一応、こっちも、謝っとこうと思ったんだ」
曽根崎ヒロヱ:「何?」
灰下 照:「ご飯と、寝る所と、あといろいろ、教えてもらったりしたけど」
灰下 照:「おれは返せないし、あんたの望んでたようなことも、やれなかっただろ」
曽根崎ヒロヱ:「そんなんええよ」
曽根崎ヒロヱ:「別になんかが欲しくて、こういう事してるわけじゃない」
灰下 照:「……よくないだろ。」
灰下 照:「悪いことしたら、罰とかくるのと同じように」
灰下 照:「良いことしてた人間には、良いことが帰ってこないと、いけないだろ」
灰下 照:姉さんは、あれだけ必死に働いて、身を削って、やりたいことみんな捨てて。
灰下 照:それで、あんな終わりだなんて、許されるはずがない。
灰下 照:信念と言うよりは、それは願いに近い。
曽根崎ヒロヱ:「……もう帰って来てるよ」
曽根崎ヒロヱ:「照が優しいから、そう思ってくれる子やから」
曽根崎ヒロヱ:「ウチはそれで十分」
灰下 照:「……馬鹿だな、あんた」
灰下 照:「言っておくけど、おれはきっと、悪い奴だからな」
灰下 照:「あいつに会うためなら、あんたも、朝永も、日行も、どうなったっていいんだ」
曽根崎ヒロヱ:「大丈夫」
曽根崎ヒロヱ:「……本当に悪い奴は、そんな事、そんな顔で言うたりせえへんから」
曽根崎ヒロヱ:「もしそれでも悪い事、したいんやったら」
曽根崎ヒロヱ:「ウチのパンチで目ぇ覚まさせる!」
灰下 照:「…………は」
灰下 照:「なんだ、それ……っ」思わず、笑みを浮かべる
灰下 照:「性格、変わり、すぎ……だろ」
曽根崎ヒロヱ:「ふふ…」
灰下 照:泣き笑いのような表情を浮かべる。
曽根崎ヒロヱ:「やっぱり、素直に言うてみるのが」
曽根崎ヒロヱ:「一番、気分ええわ……」
曽根崎ヒロヱ:穏やかな表情で笑っている
灰下 照:彼女の言っていることの、三分の一も理解できていない。
灰下 照:これまでの彼女に何があったのかを、テラスは全く、何も知らないからだ。
灰下 照:「……あんたやっぱり」
灰下 照:ただ一つだけ分かることは。
灰下 照:「そっちが、素だな……」
曽根崎ヒロヱ:「……うん」
曽根崎ヒロヱ:「そうやと思うわ」
曽根崎ヒロヱ:ベッドの上に座って、膝の上にヘルメットを抱いている
灰下 照:それをぼんやりと見上げながら、ソファーに座ってタオルケットを引っ被る。

京須市 JR京須駅

日行丹:駅の改札を通り抜ける前に声をかける。
日行丹:「おい、朝永」
朝永花月:「ん?なあに?」くるりと振り向く。
日行丹:この女にはまったく必要ではないであろう、駅まで送り届ける行為に及んだのには理由がある。
日行丹:「おまえフェイスダウンの問に詰まっただろう」
朝永花月:「え……」
日行丹:「『……これは君の、やらなければならない事か?』だ」
朝永花月:「……」
日行丹:そう、これだ。ここに詰まったように見えた。
日行丹:あの時は灰下が話をはじめて有耶無耶になったが、これに返してはいない。
日行丹:「考える時間はあったが……まだ悩んでいるのか」
朝永花月:「鋭いね。さっすが詐欺師……じゃないや。何でも屋」
日行丹:こうした悩みは些細なことと思えるだろう。だが、この事件はフェイスダウンが言っていたように命がかかっている。
日行丹:僅かな悩みが動きを鈍らせ、死ぬこともあるだろう。俺はそういうことには関わりはそこまで多くはないが、そういう話は聞いたことがある。
朝永花月:「私にしかやれないことだとは思うよ」
朝永花月:「カイタンにもフェイちゃんにもテルくんにもできない」
日行丹:「そうだな……」 少し考える素振りを見せる
日行丹:「でもな、実のところ。アイツの話は全く気にしなくてもいいぞ」
朝永花月:「……どういうこと?」
日行丹:「納得して理由があるから、危険な事に踏み込む。まぁ、間違ってはないだろう」
日行丹:「だけどな、『自分のやるべきこと』なんてのはこの世界のどこにもない」
日行丹:「この事件も俺は別にやめてもいいし、お前もここでやめてもいい」
日行丹:「あいつらだって別にそこまでムキになってガーネットとやらを追わなくてもいいだろう」
日行丹:「この世界にはUGNという組織がある、別に俺達がそこまでムキになって解決しなくてもいい」
日行丹:「まぁ、この場合犠牲者が増えるかもしれない……という見方もあるが」
日行丹:「それは俺達が犠牲者になるかもしれないってことでもある」
朝永花月:「……じゃあ!」
朝永花月:「じゃあ、カイタンはなんでやってんの?」
朝永花月:「どうして今ここに居るの?」
日行丹:「それはな……」
日行丹:「俺はこの事件を解決して金が欲しい」
日行丹:「俺が『そうしたい』からだ」
朝永花月:「『そうしたい』から……」
日行丹:「誰にも俺にそうしろと言っているわけじゃあない、俺が『そうしたい』から勝手にやってることだ」
日行丹:「あいつらも何か抱えてるのだろうが、結局のところ『そうしたい』から以上のものじゃあない」
日行丹:「誰が何をやっても、『するべき』なんてものはない。そんなので動こうとすればするほど後悔するぞ」
日行丹:「『するべき』で行動して失敗してみろ。面倒くさいぞ、想像もしたくはない」
朝永花月:「確かに、言われてみるとそんな感じしてきた……ってか」
朝永花月:「……ホント、ちょー口上手いんだ。やっぱ、詐欺師なんじゃないの?」首を覗きこむように横向ける。
日行丹:「そういう奴はいるだろうな、間違いなく」 無表情でそのまま見つめ返す
日行丹:「フェイスダウンの言っていることは所詮、一視点でしかない」
日行丹:「アイツの言葉、俺の言葉。そしてお前がどう考えるか、それで納得する結論が一番重要だ」
日行丹:言うべきことは言った気がする。この時点で俺が朝永にかけられる言葉はこれが限界だろう。
日行丹:ここから先、こいつがどう動くか。その結果、どうなるのかはこいつ次第だ。
朝永花月:「……そうだね。納得しよう」
朝永花月:「ちゃーんと、なんか見つけないとね」
朝永花月:「ありがとね、カイタン。ちょっとモヤモヤ消えた」
日行丹:「それは幸いだ、お前には頑張ってもらうからな」
日行丹:そのまま、駅から去ろうとする。 情報収集のついでに駅まで朝永と同行しただけだ、その際に言うべきことも言えば要はない。
朝永花月:「そりゃ責任大だ。オムライスも美味しかったしね。じゃ――って」
朝永花月:「うわっ、電車来てる!?すみませーん!乗ります!それ、私、乗るー!」そのまま慌てて改札を抜けてホームへと駆け出す。

GM:シーン終了。ロイス関係の変更が可能です。
灰下 照:-手掛かり?/フェイスダウン/有為:○/不審/ロイス  これを -同行者/フェイ/謝意:○/隔意/ロイス  に変えます
日行丹:灰下くんにとっておこう。-協力者/灰下照/庇護/無関心:○/ロイス
朝永花月:もうちょっと貯める!
朝永花月:枠が足りねえ!
日行丹:以上です!

■Middle/03

GM:それでは、ここから情報収集ミドルを進めて行きたいと思います。
GM:登場希望者は誰でも登場が可能。先のシーンのさらに翌日となります。
日行丹:1d10+42
DoubleCross : (1D10+42) → 8[8]+42 → 50

朝永花月:1d10+56
DoubleCross : (1D10+56) → 1[1]+56 → 57

“フェイスダウン”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 6

灰下 照:1d10+47
DoubleCross : (1D10+47) → 4[4]+47 → 51

GM:全員登場か!
GM:じゃあ、どうしようかな。花月ちゃんをシーンプレイヤーにして
GM:先のシーンの帰宅後から始めましょう。
朝永花月:はーい

某市 朝永家

GM:朝永花月の実家はそこそこ裕福である。
GM:父は国会議員に選出されたこともある有力者だ。
GM:だが、家の作りや、朝永花月の自室がどこにあるかなどは
GM:自由に決めてよい。
朝永花月:東南に面した、二階の角部屋。
朝永花月:「ふー。今日もお疲れだよ」ベッドの上で、着替えもせずに寝転がる。
GM:ここ数日、日行の調査に駆りだされ続けている。
GM:かつて住んでいた街の事件だ。解決する力を持っている以上、放ってはおけない――
朝永花月:電灯をぼんやりと見つめる。手を伸ばし、かざす。
朝永花月:「私がどう考えるか、か……」
朝永花月:「んー……」
朝永花月:「んー」
朝永悠:「カヅちゃーん!」階下から、母親の呼ぶ声がする。
朝永花月:「はーい!なにー、ママー!」
朝永悠:「ねー、ちょっと!」階段を上がる足音。
GM:バタン!
GM:ノックもせずに扉が開く。
朝永花月:「わ、ちょっとノックノック!花月、お年頃なんですけど!」
朝永悠:「カヅちゃんなに?ここ最近京須のほうに行ってたの!?」
朝永花月:「え?うん。ゆきりんとか会ったよ。覚えてる?ゆきりん」
朝永悠:「それどころじゃないって!聞かなかったの!?」
朝永花月:「ほえ?何?」
朝永悠:「京須行ってたのよね?」
朝永花月:「だから、そうだって言ったじゃん」
朝永悠:「陣矢くん、入院したのよ」
朝永花月:「え、陣さん、え?」
朝永花月:「ウソ……入院って、普通に元気そうだったし……え?」
朝永悠:「事故で!もー、噂で私にまで届くくらいなんだから」
朝永悠:勝手に部屋の本などを片付けながら言う。
朝永悠:「相当すごい怪我なんじゃないの?お見舞い行ってあげなさいよ!」
朝永花月:「……う、うん……事故……」
GM:朝永花月だけが知っていることがある。
GM:山古陣矢はオーヴァードだ。
朝永悠:「もうなんか、意識がないんじゃないかとか、骨が折れてるだとか」
朝永悠:「皆言ってることぐっちゃぐちゃで、実際どうなのか分かんないくらいなんだから!」
朝永花月:「うん、私お見舞いする……」
朝永花月:「……あ、それ今読んでるやつ!しまわないでよー!」
朝永悠:「いいから、もう!お母さんまだ仕事立てこんでる時期だから、行けないからね」
朝永花月:(入院、入院か……)
朝永花月:「分かってまーす。花月、なんかそっち手伝うことある?」
朝永悠:「いいって……!いつも言ってるでしょう」
朝永悠:「真剣にやりなさいね。カヅちゃん」
朝永悠:「大変な時ほど、気を散らしちゃいけないの」
朝永悠:話しながら、次々と部屋を整頓していく。
朝永花月:「……分かってるよ」頬杖をつく。
朝永悠:そのまま慌ただしく階段を降りていく。
朝永花月:「……そんなに、真剣に見えないのかなあ。いっつも全部に、真剣なつもりなのに」
朝永花月:自分の化粧ポーチをおもむろに漁り、カラーペンのセットを取り出す。
朝永花月:《水晶の剣》を使用したいです。
GM:OKです。
朝永花月:所持するマニキュアセット(ショットガン(スラッグ))に使用。攻撃力を+14。
朝永花月:侵蝕57→62
朝永花月:色とりどりのペンで書き込む。「大変なときほど、気をそらしちゃダメ」。
GM:それでは、何もなければ翌日の調査フェーズに移行します。

京須市 路地裏

GM:路地の中途にひとつだけ聳える街灯が、辺りを頼りなく照らす。
GM:大通りを行き交う自動車の走行音が、室外機のかすかな音と混じって響く。
GM:フェイスダウンは既にそこにいた。彼女ら闇の住人が巣食う、日常の裏側。
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:いつも通りのフルフェイスのヘルメットを着けて、路地の行き止まりに立っている
灰下 照:少し距離を開けて、近くの段差に座っています。
灰下 照:正体を明かしたとはいえ、それで口数が増えるわけでもないらしい。
灰下 照:「……けっきょく被ったままなんだな、それ」ヘルメットについて。
“フェイスダウン”:『…ん?』
“フェイスダウン”:『ああ。必要だからな』
“フェイスダウン”:『あれは2人でいる時だけだ』
灰下 照:「追われてるってやつ? めんどくさいなあ」
日行丹:「なんだお前。こいつみたいなのが趣味なのか」
日行丹:無感情な声をかけながら裏路地に入ってくる。
日行丹:「ま、別に咎めはしないがな」
“フェイスダウン”:『…来たか』
日行丹:スーツ姿にコートを羽織っている。身だしなみは社会人らしく気を使っているように見える。
灰下 照:「? ……ば」
灰下 照:「変なことゆってんな、馬鹿!」
日行丹:「お前の方にいったつもりは無いんだがな、なんだマセガキなのか?」
灰下 照:日行の言ったニュアンスを理解し、耳を赤くして叫ぶ。「ガキ扱いするな!」
日行丹:「そいつはすまなかったなぁ、悪い悪い」 まったく感情のこもっていない声色だ
“フェイスダウン”:『落ち着け照。けど、そういう軽口は控えろ日行。私も好きな方ではない。』
“フェイスダウン”:『……朝永は?』
日行丹:「もうそろそろ来るだろう、迷ってなければな」
朝永花月:「はー。寒い寒い」
朝永花月:少女が歩き来る。コートに耳当てとネックウォーマーと手袋の重装備。
朝永花月:ただし足元は短いスカート。
朝永花月:「あ、花月最後だった?待たせちゃった?」白い息を吐く。
日行丹:「そうでもないぞ、俺もいま来たところだ」
“フェイスダウン”:『いや、大丈夫だ』
灰下 照:「おっそいんだよ。迷ってたのかっ」半ば八つ当たり気味に、文句を言う。
“フェイスダウン”:『どうどう…それより私たちに話というのは何だ、朝永』
朝永花月:「ごめん、ごめん。ちょっと電車遅れたみたいで……寒かった?」
朝永花月:「あ、そうだよ、それ。」耳当てを外し、首にかける。
朝永花月:「今日、病院行きたいんだよね」
“フェイスダウン”:『病院?』
“フェイスダウン”:『病気なのか?』
朝永花月:「あ、私じゃないよ」手を顔の前で振る。
日行丹:「この件に関わることか?」
朝永花月:「うん。事故にあったって。陣さん」
朝永花月:「えっと、カイタンには話したっけ。陣さん」
日行丹:「ああ、オーヴァードの警察官だったな」
朝永花月:「うん。たぶん、失踪事件に一番詳しいと思う。担当してるみたいだから」
日行丹:「……そうだな、見舞いに行くのは悪く無いだろう」
灰下 照:「お見舞い?」
朝永花月:「そう。陣さん、事故に遭って、入院したって」
朝永花月:「入院、花月、したことないんだよね」
“フェイスダウン”:『事故か…』
日行丹:「知人が事故にあったのだろう、せいぜい気を使ってやれ」 言いながら考える
日行丹:オーヴァードが入院せざるを得ない事故、そんな事故はよほどの規模でなければありえない。
日行丹:《リザレクト》が働く限り、オーヴァードに入院は無用のモノだ。
日行丹:普通に考えれば……今回の事件、またはそれに近い何かに接触したに違いない。
日行丹:情報を集めなければならない。何が起こっているのか、関わりがあるのかないのか。
“フェイスダウン”:『入院している間は、とりあえず知っている人間の顔を見るだけでも、元気が出るものだ』
“フェイスダウン”:『ついでに聞きたい事もある。同行させてもらおう』
朝永花月:「うん」
朝永花月:「……あ、ヘルメット、取ってよ?」
“フェイスダウン”:『…それは出来ない』
日行丹:「俺は遠慮させてもらう、友達同士の雑談を盗み聞くのは趣味じゃあない」
日行丹:「それに……俺のような奴が一緒にいたら陣という奴もお前のことが心配でたまらないだろう」
日行丹:「俺ほど怪しい奴も中々居ないだろうからな」
GM:もちろん、山古陣矢に起こった出来事を調べる以外にも、
GM:このシーンから調べられることは色々とあります。
GM:調べたい項目があれば提案してみてください。
灰下 照:「そいつが担当してるのは、失踪事件だけか?」
朝永花月:「んー。分かんない。こないだ、久しぶりにあっただけだから」
灰下 照:この町で起きたガーネット事件の被害者に関しても確認したいかな。
朝永花月:「でも、多分、京須署にオーヴァードいっぱい!とかじゃないと思うよ」
朝永花月:「だから、他のオーヴァード事件も。担当してるかも」
灰下 照:「……だったら、おれも行く。病院は……好きじゃないけど」
朝永花月:「うん。一緒に行こっか」
日行丹:「“フェイスダウン”と灰下は行儀よくしろよ、なにしろ病院だからな」
GM:実際に行ってみて収穫があるかどうかは、判定次第で決まります。
“フェイスダウン”:『お前は私たちの父親のつもりなのか?』
日行丹:「そのつもりは無いな」
日行丹:「ああ、それと朝永。仕事は忘れるなよ」 釘を刺しておく
朝永花月:「分かってまーす」
“フェイスダウン”:『……そういう口ぶりしていると、老け込むぞ』
朝永花月:「歳はパパくらいだと思うけどねい」
日行丹:「面倒くさい真似はしてくれるなという話だ、俺の仕事に関わるからな」
“フェイスダウン”:『…ぶっ』
“フェイスダウン”:『君は…やっぱりいい性格してるな』
朝永花月:「え、私?」
朝永花月:「そう?褒められると調子に乗るよー?」
“フェイスダウン”:ぽんぽん朝永さんの肩を叩いてから路地を出ましょう
▼山古陣矢の負傷について 〈交渉〉〈知識:医療〉〈知識:レネゲイド〉 難易度10
灰下 照:ふーむ
灰下 照:ガーネット事件の被害者に関してか、それか
灰下 照:「赤ちゃんを抱えた不審な少女」に関する話があるかどうか確認したい
▼“橋の少女”について 〈情報:噂話〉 難易度9
▼上原那由について 〈情報:噂話〉〈知識:レネゲイド〉 難易度8
日行丹:“アリア”に関しては探れますか?
▼アリアの足取りについて 〈情報:金融〉 難易度14
“フェイスダウン”:どれにしようかな
灰下 照:金融
朝永花月:はじめてみた
“フェイスダウン”:それなりに精神があるので
“フェイスダウン”:朝永さんのフォローに回ろうかな
朝永花月:精神8あります!
朝永花月:社会はない!
“フェイスダウン”:朝永さんが負傷通ったら上原で
朝永花月:そうですね。負傷を試してみたいです。
朝永花月:あ、でも
朝永花月:噂話も固定値5はあるんですよね私
朝永花月:照くんの結果を待ってからでもいいかも。
“フェイスダウン”:そうすね
日行丹:シナリオ開始から方針なので▼アリアの足取りについて 〈情報:金融〉 難易度14を調べさせていただこう。
日行丹:情報収集チーム一回目で+2、強化ビジネススーツで+2 固定値は4
日行丹:4dx+4>=14
DoubleCross : (4R10+4[10]>=14) → 9[1,1,5,9]+4 → 13 → 失敗

日行丹:財産を1点使って成功させます、財産P16→15
灰下 照:どっちがいいかなー
灰下 照:本人の優先度的に、上原にしておくか
灰下 照:コネ:噂好きの友人を使って振る。
灰下 照:3dx+2
DoubleCross : (3R10+2[10]) → 6[1,5,6]+2 → 8

灰下 照:ギリギリ!
“フェイスダウン”:うひょー!ジャスト!
“フェイスダウン”:じゃあ負傷試してみます
朝永花月:はーい
“フェイスダウン”:場合によっては全抜きで追加に行ける!
“フェイスダウン”:知識で
“フェイスダウン”:6dx
DoubleCross : (6R10[10]) → 10[3,5,6,7,8,10]+6[6] → 16

“フェイスダウン”:オーケー
灰下 照:お見事だぜ
朝永花月:では橋の上の少女についてを仕留めてしまいましょう。
朝永花月:2dx+5>=9 噂話
DoubleCross : (2R10+5[10]>=9) → 6[5,6]+5 → 11 → 成功

朝永花月:OK!
“フェイスダウン”:ひゃっはー!
“フェイスダウン”:これがチームワークよ
GM:もちろん、判定抜いた方がお見舞いに向かっても構いませんが
GM:誰がどこに向かうか程度はシャッフルしてOKです。

京須市内 京須大橋坂病院

GM:市内のはずれに存在する大病院。
GM:学校の授業を終えてすぐに市内に向かったとはいえ、面会時間は既にギリギリだ。
GM:山古陣矢の病室名も聞いてはいない。集中治療室など、隔離状態にある場合は
GM:見舞うことすらできないのかもしれない。
看護師:「山古さん」ボールペンを小さく手の中で回す。
看護師:「の、お見舞いということでよろしいですか」
朝永花月:「うん、山古陣矢さん。何号室ですか?」不安そうな顔を作る。
朝永花月:「私、心配で、心配で……」
灰下 照:一歩後ろで、花月さんの背後から顔を出している。
灰下 照:病院自体に慣れておらず、やや挙動不審だ。
看護師:「はい」
看護師:「510号室です。案内をお待ち下さい」
看護師:特に咎められることもなく、淡々と処理される。
朝永花月:「……ふう」軽く息をつく。
朝永花月:後ろにちらりと目をやる。「そんなに、珍しい?」
灰下 照:「……あんまり来ないんだ」
灰下 照:「だって、要るだろ。ホケンショー、とか」
朝永花月:「無いの?」
灰下 照:「なかった。言えば、師範が貸してくれたけど」
朝永花月:「師範?」
灰下 照:「近くのお寺に、道場があって。そこに通ってた」
灰下 照:「でも、借りると姉さんが申し訳なさそうな顔するから」
灰下 照:「風邪とかは、だいたい自分でなんとかしてた」
朝永花月:「大変だったんだ。その……」
灰下 照:「……ていうか別に、おれのことはどうでもいいだろ」
朝永花月:「……どうでもよくないよ。私達、仲間でしょ?っていうことは友達でしょ」
朝永花月:「友達のことは色々知りたいじゃん。違う?」
灰下 照:「友達……」
灰下 照:「べ、別に、そんなんじゃないだろ。あんたとは」
朝永花月:「冷たいなー。じゃ、フェイちゃんとは?」
灰下 照:「フェイは……あいつ、そんなこと思ってないだろ」
灰下 照:「それになんか、口うるさいし、よくわかんないし」
灰下 照:「……悪い奴じゃ、ないんだろうけどさ」
朝永花月:「……そっか。そうだね。えらい」
朝永花月:しゃがみ、頭を撫でる。「みんながみんな、悪いやつなんかじゃないからさ」
灰下 照:「う」
朝永花月:「頑張ってこうよ。今と、できればその後も」
灰下 照:花月さんと目線が合う。退けようとするが、緊張していることもあり、上手く出来ない。
灰下 照:「……なんで、おまえ……同じオーヴァードなのに」
朝永花月:「あ、おまえは傷つくぞー?」
朝永花月:「花月お姉ちゃん、でいいんだよ?ほら、ほら」
灰下 照:「……花月だって、危ないんだぞ!」
灰下 照:「おれのこと気にしてるひまあったら、自分とか、気をつけろよ!」
朝永花月:「……うん」目を合わせる。
灰下 照:手をどけて、エレベーターの方に歩いていこうとする。
朝永花月:「……ん。そうだね。気をつけるよ」

山古陣矢:「……朝永か」個室のベッドだ。
朝永花月:「陣さん!へーき!?」脇までさっと駆け寄る。
山古陣矢:「心配かけて悪い……マジで」
朝永花月:「いいよそんなこと謝んなくて。何があったの?」
山古陣矢:「……手足、千切れなくてよかったよ。生えてきたら誤魔化利かないもんなぁ……」
山古陣矢:「…………」答える前に、目を細めて後ろの灰下照を見る。
山古陣矢:「……。そっちは?」
朝永花月:「あ、大丈夫大丈夫!仲間だよ」
朝永花月:オーヴァードだと言っている。
灰下 照:「……こんばん、は」
山古陣矢:「……」いつものような、眠たそうな半目だが
山古陣矢:やや険しい眼差しで、灰下を一瞥する。
灰下 照:人見知りはするタイプだ。それに、警察からは基本的に逃げてきている「灰下。照です」
山古陣矢:「……そ」
山古陣矢:「……っち、なんでかな……」
朝永花月:「?」首を傾げる。
灰下 照:「花月。そっちの話は、良いのか」
山古陣矢:頭を掻こうとして、できない。
山古陣矢:「……悪い朝永……話あるなら、早めに済ませてもらっていいか」
朝永花月:「ごめん、そうだよね……じゃ、はっきり言うよ」
朝永花月:「失踪事件。今、結局さ。自分で調べてるんだよね。UGNとかじゃ、ないんだけど」
山古陣矢:「……そっか……」
朝永花月:「それ、知ってること、聞きたいし。あと、だからさ……」
朝永花月:「陣さんが、それ関連で巻き込まれたんじゃないかって思って。何があったのか、教えてほしい」
山古陣矢:「……あー……多分、こっちは隠しても無駄だし、言っとくか……」
山古陣矢:「俺をやったのは……オーヴァードだ」
山古陣矢:「……でも」
山古陣矢:「………………そいつについては言えない。そいつは、失踪事件とは関係ない」
朝永花月:「……」
朝永花月:「……どうして、そう言え……」
朝永花月:「……や、いいや」
山古陣矢:「追うな。絶対に」
山古陣矢:「そいつを調べていることを気付かれてもいけない」
朝永花月:「それ、どういう……」
山古陣矢:「……失踪事件について、誰かに聞かれても……朝永」
山古陣矢:「……いいか。『知らない』って……言えよ」
灰下 照:「失踪事件とはカンケーないけど、ヤバい奴がいるってこと?」
灰下 照:「……ですか」
山古陣矢:「…………」
山古陣矢:「……なあ、朝永。子供を……巻き込むなよ」
山古陣矢:「子供だろ……」
朝永花月:「……私、巻き込んでないよ」
灰下 照:「……っ巻き込まれてなんかない」
山古陣矢:「……なんなんだよ」
灰下 照:「おれは、おれの頭で、考えて、ここにいるんだ」
山古陣矢:「考える頭が、なくなるぞ」
山古陣矢:「……俺が言ったのは、マジのやつだからさ……マジ、失踪事件のこと、探るのはやめろ」
灰下 照:「その脅しは」
山古陣矢:「俺がどうにかする……俺が。大丈夫だ」
朝永花月:「そんなになってて、何が大丈夫なの!」
灰下 照:「前も言われた。……なんだよ、お前。」
灰下 照:「これから、死にに行くみたいな顔してる」
朝永花月:「言っとくよ。陣さん、花月のこと知ってると思ったけど、もっかい言うよ」
朝永花月:「私、全然納得してないからね。そんな目にあって、私に見て見ぬふりしろったって」
朝永花月:「ヤだよ」
山古陣矢:「……」顔を上げる。
山古陣矢:「……テラス?だっけ」
灰下 照:「花月……」
山古陣矢:「外してもらっていいか……」
灰下 照:「…………」
灰下 照:花月さんを見上げる。
朝永花月:頷く。「ちょっと、待っててね」
灰下 照:「……分かった」しぶしぶと言った様子で引き下がる。
山古陣矢:「……」その後姿を見送る。
灰下 照:ただ、扉から出ていく寸前、「……一応、いっこだけ」
灰下 照:「おれは、この町だと、上原那由って子の周りを回ってた。……何か知ってたら、後で教えて」
山古陣矢:「……」顔をしかめる。
灰下 照:特に返事を待たず、扉を閉める。
灰下 照:た、た、た、と離れていく気配。休憩室のジュースでもあてにして去っていこう。
山古陣矢:「……朝永」
山古陣矢:「俺をやったやつを……知りたいなら……」
朝永花月:「……ん」
山古陣矢:「そいつは、別に……放っておいて、問題ない……。何かするわけでもない。それに……手を、出しちゃあいけない」
山古陣矢:「……俺がやったのは……なんつーか、バカだけどさ……」
山古陣矢:「俺の意地の問題で……だから、仕返しとか、考えるなよ」
山古陣矢:「約束できるか」
朝永花月:「……意地って」
山古陣矢:「……意地だよ」手の甲で目を隠す。
山古陣矢:「あー……俺みたいなのに、そんなのがあったって……思わなかったか」
朝永花月:「そうじゃないよ。そうじゃないけど」
朝永花月:「私にも、張るんだって。思っただけ」
山古陣矢:「あー……まあ」
山古陣矢:「そりゃ、そうだよ……朝永とかはさ、やっぱ……後輩だし」
山古陣矢:「……それに警察官だから、ダメだろ……意地、張らなきゃさ……」
朝永花月:「……やっぱ、私にはさ。そういうの、分かんないよ。ピンと来ないっていうか……」
朝永花月:「でもさ」
朝永花月:「本気かどうかは、花月だって分かるよ。だから、約束してくれるなら、約束してあげる」
山古陣矢:「……いいよ。何を約束すりゃいい」
朝永花月:「死んじゃやだよ」
山古陣矢:「……死なない。死にはしない……殺してくるやつじゃ……ない、し」苦しげに上半身を起こす。
朝永花月:支えるように手をかざす。
山古陣矢:「記憶を消してくる奴がいる」
朝永花月:「……記憶?」
山古陣矢:「……失踪事件、そろそろニュースになるよな。子供ばっかり……わけわかんねーうちに、消えてって」
山古陣矢:「誰も解決できないし、手がかりもない……」
朝永花月:「うん」
山古陣矢:「……気づく奴がいるだろ」
山古陣矢:「レネゲイドが絡んでるってさ……」
朝永花月:「……」先を促す。
山古陣矢:「だから、知ってるやつを消そうとしてる……『レネゲイド事件じゃなかった』ことにしようとしている」
山古陣矢:「UGNのやつが、京須に入っている」
朝永花月:「UGN?」
山古陣矢:「朝永はUGNだけどさ……本職の部隊で、記憶処理する連中のこと、聞いたことないか……」
山古陣矢:「多分それ」
朝永花月:「そんなのが……」
山古陣矢:「……手は……出すなよ」歯を食いしばっている。
朝永花月:「う……うん、でもなんでまた……」
山古陣矢:「……なんでって、何がだよ……」
朝永花月:「いや、だって、どうしてUGNがさ、そんな……」
山古陣矢:「どうして、って、朝永……なあ。お前、連中がレネゲイドのこと隠してるのは知ってるだろ……」
山古陣矢:「……お前だって、イリーガルでさ、事件の担当についたことあるだろ」
朝永花月:「うん」
山古陣矢:「でも、どう思う?……朝永。その事件で、人が死んでたりさ、消えてたりする時っつーのは」
山古陣矢:「……朝永が入るより“前”に、動いてた警察とか、家族とか、いるんだぜ」
山古陣矢:「そいつらはどうなるよ。……京須は今、そのタイミングなんだよ」
朝永花月:「解決できる状況が整うまで。全部そうするってこと……」
山古陣矢:「事件があったことすら忘れる……俺も、そうなる」
山古陣矢:「……代わりに、どっかのエージェントだか、イリーガルだかが解決するんだろ」
朝永花月:「意地ってのはさ」
朝永花月:「自分の手で、解決したいってこと?」
山古陣矢:「……子供だぞ」
山古陣矢:「……なあ。朝永……自分の子供がいたことも分かんなくなるって、どうだと思うよ」
朝永花月:「あ、そっか……元から、子供なんて居なかったって思っちゃうんだ」
朝永花月:「それは……イヤだよね。パパにも、ママにも忘れられちゃうのは」
山古陣矢:「……。朝永……ワイドショーとか、見るタイプか」
朝永花月:首を振る。「あんまり」
山古陣矢:「じゃあ分かんねーか。なんかさ……変な事件が起こるたび、言うんだよな……頭の悪そうなコメンテーターがさ」
山古陣矢:「……『昔はこんな事件なかった』とか、『今の子供はおかしい』みたいにさぁ……好き勝手」
山古陣矢:「俺もそういうの見てさ、バカだなーこいつらって思うし……ネットとかでも……犯罪率のグラフとか出して、全然違うじゃねーかって、言われてるわけよ、そういう奴ら」
朝永花月:「うん。それが?」
山古陣矢:「違うんだよ」
山古陣矢:「……本当は、増えてんだよ……朝永とか、もっと下みたいな年の奴が、起こしてるさ、すっげーおかしな事件」
山古陣矢:「朝永とか俺はいいよ?レネゲイドに感染しても、どうにか制御できてさ……ここまで来れてるわけじゃん」
朝永花月:「うん。うん」
山古陣矢:「でもさ……意志が出来上がってない子供は、どーなるんだよ。そういう子供は、ウィルスに抵抗力もないんだ」
山古陣矢:「……ヤバイんだよマジで」腕で目元を押さえたまま、苦しげに言う。
山古陣矢:「自分の子供が……いつの間にか化物になって、どっかに消えて」
山古陣矢:「その後、なんか……UGNみたいな連中に、頭の中まで消されて」
山古陣矢:「どーすんだよ……朝永……!なあ!」
朝永花月:「……」
山古陣矢:「ワイドショーのバカの言うことの方が正しいんだ」
山古陣矢:「……本当にヤバイのは、子供なんだよ……」
朝永花月:「……それ」
朝永花月:「照くんのことも?」
山古陣矢:「……あいつに、どんな事情があるか知らねーけど」
山古陣矢:「やめさせてやれよ、朝永……頼む……」
朝永花月:「……陣さんはさ」
朝永花月:「失踪事件だけ、担当してる?」
山古陣矢:「今はな……」
朝永花月:「いや、というのもさ。もう一個。事件あるみたいで」
朝永花月:「殺されてるんだって。私くらいの年齢の子」
山古陣矢:「……なに?」
朝永花月:「で、あ、これ言っちゃっていいのかな……大丈夫だよね……?」
朝永花月:「あの子。テルくんのお姉さんも」
朝永花月:「だから……私には、止められないよ」
朝永花月:「あれも、さ。意地なんだと思う」
山古陣矢:「朝永は……どうする気だよ」
朝永花月:「え?私?」
山古陣矢:「だからって、あの子についてっていいのか」
朝永花月:「ついてくわけじゃないよ」
朝永花月:「私がしたいから、一緒にいくだけ」
山古陣矢:「っはは、そりゃ……朝永。美人になってもお前、やっぱ昔っから変わんないわ……」
山古陣矢:「……周りに合わせるタイプ」
朝永花月:「……っ」
山古陣矢:「誰かを上から叱ったり、できねーんだよな……朝永」
山古陣矢:「でも、自分で考えてるって思いたいから……『私がついていきたい』って言ってるだろ、それ」
朝永花月:「違……私」
朝永花月:「ちゃんと、自分で考えて……私だって、みんなみたいに真剣に……」
山古陣矢:「……いいよ」恐らく折れているであろう腕で、頭に手を置く。
山古陣矢:「俺、オーヴァードだからさ……絶対、どうにかする」
山古陣矢:「お前とか、テラスくんとか、守らせてくれよ……な?」
朝永花月:「……うん」
山古陣矢:「……な。面会時間も、もうギリだろ……朝永。今日は帰れ」
山古陣矢:背中を優しく何度か叩く。
山古陣矢:「無理しちゃ、ダメだぞ」
朝永花月:「うん。そうする。今日は、帰る」
山古陣矢:笑って頷く。
朝永花月:「だから、無理しちゃ駄目だし、また、来るから」
山古陣矢:「ありがとな……」
朝永花月:少しうつむいて、病室を後にする。

“フェイスダウン”:朝永さんが病室を出ると、ドアの傍の壁にもたれて立っている
朝永花月:「駄目だ、駄目だよこの顔……よっし」自分の顔を叩いた後、
朝永花月:それに気づく。「う、え見た!?やっば、恥ずかし……」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『話は聞いていた』
“フェイスダウン”:朝永さんに向き直る
朝永花月:「盗み聞き、あんま褒めらんないよ?」苦笑するように。
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『私がやる事は、変わらない』
朝永花月:「うん。そうだよね」
“フェイスダウン”:『この事件を解決する、相手が何者かは…初めから関係が無い』
“フェイスダウン”:『立ち塞がるのなら、UGNだとしても叩きのめす』
“フェイスダウン”:『それが私のやるべき事だ…ずっと』
“フェイスダウン”:『…君の答えは出たか』
朝永花月:首を横に振る。「正直」
朝永花月:「だけど、私は」
朝永花月:「まだ、遅くないと思ってる。今、出さなくてもいいでしょ?」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:頷く
朝永花月:「花月さまの必殺、いいとこまでとっておく作戦だよ」
“フェイスダウン”:『今、答えが出なくても』
“フェイスダウン”:『逃げ出したくない気持ち…分かるよ』
“フェイスダウン”:『……一緒に戦おう』
朝永花月:「……うん」
朝永花月:「女子高生パワー、見せてあげよう。一緒に」
“フェイスダウン”:『…私は不登校だがな』
“フェイスダウン”:冗談っぽく肩をすくめる
“フェイスダウン”:そして病室の方に向き直る
“フェイスダウン”:『今彼に私が接触しても警戒と混乱を助長させるだけだ、朝永が聞けた話だけでも十分だろう』
朝永花月:「ん。そうだね」
“フェイスダウン”:『ここに来る途中にいくつか関係がありそうな情報を手に入れてきた』
“フェイスダウン”:『今、山古から聞いた話も含めて共有しよう』
灰下 照:「……花月ー。話終わったのかよ」
灰下 照:廊下の暗がりから、てくてくと歩いてくる。「……増えてる」
“フェイスダウン”:『外で落ち合おう』
“フェイスダウン”:それだけ言い残して窓から飛び出していく
灰下 照:「うわ」
朝永花月:「あ、ちょっと!ここ、病院――」

京須市内 京須大橋坂病院 駐車場

GM:“フェイスダウン”は、一つの調査を終えてきた。
GM:灰下照も立ち入って探ったという、上原家の事件についてだ。
GM:“ガーネット”の手口を知悉する“フェイスダウン”の視点からなら、新たな発見があるかもしれない。
GM:その調査を踏まえて――ひとつ、断言できることがあった。
GM:室内に飛び散った血痕は、上原那由のものではない。
GM:灰下照はこれを『赤骨の手口』と称したが、それは彼が……ただ一人、彼女に直接『血を見せられた』者であるからだ。
GM:“ガーネット”は少女の血を吸う。その人物の血が飛び散ることはない。血痕は誰か別の人物のものだ。
灰下 照:なんだってー
灰下 照:では、その話を聞いて、心当たりを話そう。「……じゃあ、上原那由の時にも」
灰下 照:「おれみたいに、見た奴か、巻き込まれたやつがいたってことか」
“フェイスダウン”:『そうかもしれない』
GM:上原那由が“ガーネット”の犠牲者であることは、ほぼ間違いないでしょう。
GM:全く同じ手口のジャームが存在しない限り。
“フェイスダウン”:『あるいは…”ガーネット”が何らかの形で反撃を受けたか』
“フェイスダウン”:『そんな可能性もある』
灰下 照:「反撃って……オーヴァードじゃないと無理だろ」
朝永花月:「オーヴァードじゃないって証拠は、無いんじゃないの?」
“フェイスダウン”:『……そういう事だ。万が一の話だが』
灰下 照:「確かに、ありえなくはないか……」
灰下 照:「思ったより、なんか、たくさんいるし」
灰下 照:「あそこの家なら。……確か、母親が、いなくなってたはず」
灰下 照:「そいつを探してみようかな……」
灰下 照:「そういえば、花月」
灰下 照:「失踪事件のことは、何か聞けたの?」
朝永花月:「ん?んー……」
灰下 照:「おれが、橋で見た怪しいガキのこととか」
灰下 照:「おれの言うことは聞いてくれる感じじゃなかったし。ああいうの、ケーサツは知ってるのかな?」
GM:失踪事件そのものについては話してくれませんでした。
GM:山古陣矢の立場からは、捜査上の機密でもあります。
GM:ただ、『関わってはいけない』根拠である敵の情報を明かしてくれた、という状況です。
朝永花月:「分かんない。あんまり、詳しいこと聞けてなくて」
灰下 照:「そうか。……だったら、こっちで調べるしかないんだな」
GM:灰下照は、橋で見た子供について気づいています。
GM:彼女の顔は、照だけが直接見ている。……そして。
GM:その素性について知る機会がありました。

GM:さがしています 三春桐子 ちゃん 12歳
GM:電話番号……

GM:名前は三春桐子。町の片隅の電信柱に顔写真入りの捜索願いが貼られています。
GM:彼女は、児童連続失踪事件で『失踪した』少女です。
灰下 照:何……だと……
灰下 照:それはもう、この辺りにも張ってある感じですかね
灰下 照:じゃあ、ケータイから入ったネットニュースから、いなくなった子たちの一覧を見て
灰下 照:「……ん」と、デコられたガラケーの画面を傾けて注視します。
GM:暗闇の街灯の下に見ただけの顔ですが、
GM:はっきりと分かります。あの日に見た少女。
灰下 照:「!」
灰下 照:「フェイ。花月」
灰下 照:「こいつ、見たことある?」画面を見せます
朝永花月:「……いや?」
“フェイスダウン”:『…三春桐子』
“フェイスダウン”:『失踪事件の被害者の一人だ』
灰下 照:「……こいつ、おれ、見たぞ」
“フェイスダウン”:『!!』
朝永花月:「え、見たって……だって」
灰下 照:「例の、橋の上で話しかけてきた奴の顔。こんなんだった」
朝永花月:「失踪してるんじゃ……あれ?」
GM:――夜。市街を歩く灰下照の前に現れた“橋の少女”。
GM:得体のしれない母親について語り、そして……赤ん坊を抱えている。
“フェイスダウン”:『別の子供を連れていたという、例の子か…!』
“フェイスダウン”:『もっと詳しい事は思い出せないか、照』
“フェイスダウン”:『どんなことでもいい…!』
灰下 照:「こいつに、たとえば、赤ちゃんの妹か弟がいたかどうかって、調べれば分かるかな」
灰下 照:「……おかしいよな」
灰下 照:「探して下さい、って出てるんなら、つまりそれを出した親とかはいるんだろ」
灰下 照:「でもアイツ、『おかあさんのところに帰ろう』みたいなこと言ってきたんだ」
GM:……これについて、調べることができます。
▼三春桐子の捜索願いについて 〈情報:ウェブ〉〈情報:警察〉 難易度6
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『調べる必要があるな』
灰下 照:「うん」

京須市 バス停

GM:夜。淡い小雨が降りだしたところだ。
GM:横断歩道を渡ってきた男は、不安げに空を見上げて、屋根付きのバス停のベンチに腰を下ろす。
銀行員:「フー……」手で覆うようにして、煙草に火をつける。
日行丹:それを見て、こちらも動き出す。近くの店から出てきてバス停のベンチへと向かう。
日行丹:男は以前から接触を持つ予定だった、今まではそれに値するかを調査していたのだ。
銀行員:当然、そちらを見ることもない。ただバスを待っている。
日行丹:「こんばんわ」 ふと何気なく話しかける風を装う。
日行丹:「こんな夜に雨だ。今日は冷えますね」 《竹馬の友》で話しかける。
日行丹:まずは警戒心を削ぐ。世間話、当り障りのない会話で切り出す。
銀行員:「あ……うん、ああ?」
銀行員:「どこかで会ったっけ?」
日行丹:俺の能力は大したものではないが――僅かばかり、人と話をするには十分なものだ。
日行丹:「以前、融資させて貰いました。日々木です、その節は助かりました」
日行丹:これも調査済みだ、比較的俺に近い容姿の人物を騙ることにする。
銀行員:「ああどうも、すいません、取引先の方でしたか」決まりが悪そうに眉を掻く。
日行丹:無論、この男と会った当時の日々木を意識しての変装はしている。
日行丹:「いえいえ、何分昔の事でしたから。あれから我々の会社も建てなおすのに必死でして」
日行丹:「そちらも忙しかったですし、覚えていないのは無理もありません。」
銀行員:「それは大変でしたでしょう。またご縁がありましたら、どうぞお頼りください」
日行丹:「ええ、またなにかありましたらそちらの方を頼らせて頂きます」
銀行員:「しかし意外ですね。日々木さんもこちらのバスですか」
日行丹:「ええ、私もこの先に用がありまして」
日行丹:「この後、取引先と会う予定なんですよ」
日行丹:こちらから、自分の事情を話す。少々突っ込んだ形で。
日行丹:「そちらはご帰宅なされるのですか? いやぁ、羨ましいですね」
銀行員:「いやあ、勘弁して下さい」苦笑しながら手を振る。
銀行員:「最近は残業続きで、今日ようやくこの時間に帰れたところで」
日行丹:「それはつい口が過ぎたことを言ってしまったようですね、申し訳ありません」
銀行員:「いやいやいや!そんな、かしこまられなくても!」
日行丹:「しかし……残業となると銀行勤めは営業ノルマが厳しいと聞きますが」
日行丹:「その辺り、我々も似たようなものでつい親近感が湧いてしまいますね」
銀行員:「いやあ、まあ……」ハンカチで汗を拭く。
日行丹:「おや……どうかされたのですか?」
銀行員:「いいえ、日々木さんこそ……何か、ご不満なことでも……?」
銀行員:「何か、こう、責められてる感じを……気のせいですかね、ハハハ」
日行丹:揺らいでいるな。
日行丹:警戒している、おおよそ触れられたくない部分に触れたのだろう。
日行丹:「いえいえ……そう思われたのならこちらとしてはそのようなつもりはありません」
日行丹:「ですが、私の方から見て随分お疲れの様子です。なにか無理をなさっているのでは?」
日行丹:「よろしければ話を聞きます……何か話しづらいことであれば他言はしません」
銀行員:「それはお互い様でしょう……どうしたんですか、そんなに質問ばかりして」
銀行員:「何か聞きたいことでもあるんですか?」
日行丹:「私は貴方に助けて頂きましたから、今度は私が助けになりたいです」
日行丹:「それだけの話だったのですが……申し訳ありません、出すぎた真似だったようですね」
銀行員:「謝る……謝ることも、ないでしょう」震える手で二本目の煙草をつける。
銀行員:「どうしたんですか、質問したり謝ったりの繰り返しで……」
銀行員:「ちょっと、怖いですよ」
日行丹:「怖い、ですか」
日行丹:「失礼な事を言えば謝るのは不思議ではないと思いますよ」
日行丹:「それに質問もしているつもりもありませんし、ただの世間話じゃないですか」
日行丹:「最近の調子はどうですか? 私はこれこれどうで、と何も不思議じゃあないでしょう」
銀行員:「そうですね……すみません」
日行丹:「いえいえ、随分疲れていらっしゃるのでしょう。私は気にしておりません」
日行丹:「ですが……そうですね、無理は良くないですよ」 《竹馬の友》を使う。
日行丹:「体を壊しては元も子もありませんから」
銀行員:「はぁー……。俺だけですかね。もう最近、妻が嫌で嫌で……」
銀行員:「恨んでるとか苛つくとかじゃなくて、単純に傍にいるだけで苦しいって気持ち、分かります?」
日行丹:「それはそれは……」
日行丹:「しかし、苦しいですか。それは大変ですね」
日行丹:「恨むのも、苛つくのも理由があってこそですし。理由が分からずそういう気持ちになるのは辛いでしょう」
銀行員:「わかってくれますか」
日行丹:「ですが……そうですね。それは見方の問題かもしれませんよ」
銀行員:「見方の問題」
日行丹:「本当に不満が思い当たらないのであれば、それは何も問題がないのでしょう」
日行丹:「ですが、満たされない。なにも問題がないのにそれが問題となってしまう」
日行丹:「よくよく考えて見れば、幸せなのかもしれませんよ。今の状態というのは」
日行丹:「見方の問題と言うというのは自覚しているかどうかです、今をどう認識しているか」
銀行員:「そうですか……自分でもまあ、分かってはいるんです。周りに問題はないし、俺が少し気に病んでるだけだって」
日行丹:「少しばかり休んだり、新しい趣味を探してみるのもいいかもしれないですよ」
銀行員:「ハハハ……日々木さん、カウンセリングとか始めました?」
銀行員:「アドバイスが先生そっくりなもんで」
日行丹:「ああ、いえ。受け売りなんですよ、お恥ずかしいことに」
日行丹:すっと名刺を差し出す、とある男の連絡先だ。
日行丹:「こちらの方に随分お世話になりまして……なにかあれば頼ってみてはどうでしょう?」
銀行員:「ええ。わかりました」
銀行員:「そろそろバスの時間ですかね」
GM:町中で接触している以上、情報聴取に使える時間は無限ではない。
日行丹:「そうですね」
日行丹:「ああ、そうだ」
日行丹:「最近、お仕事の方で変なことってありましたか?」
日行丹:ふと、なにかを思い出したように訊ねる。
日行丹:問い詰めるのではなく、なにか世間話の延長のように。
銀行員:「ああ、はあ、まあ。こんな仕事をしていれば……妙な客はよくいるんですが」
銀行員:気が抜けたように自分の肩を叩く。
銀行員:「親の通帳から100万下ろそうとした子がいまして」
銀行員:「印も通帳も持ってましたけど、どう見ても危ないので……ああいう子供いるんですねえまったく」
日行丹:「ああ、それは確かに」
銀行員:「しかもですね」声を潜める
銀行員:「その後、貯金降ろされてたんですよその口座。多分ATM経由で」
GM:――アリアという少女の足取りは全く追えない。
GM:長い三つ編みが特徴といっても、髪型は変えてしまうことができる。
GM:彼女と同年代の少女はいくらでもいる。日行が一人ひとり検めることもできない。
GM:……だが。あの日の出来事でただひとつ、確かなものがある。金だ。
GM:金の動きだけは誤魔化すことができない。
GM:少女がどこかから調達した『札束』が、必ずある。
銀行員:「まったく、どこもかしこも妙なことだらけで……ああ、バスが来ましたね」
日行丹:「ええ、最近はそういうのが多いですからね」
日行丹:「お互いになるべく平穏に日々を過ごしたいものですね」
銀行員:「フフ。まったくです」
GM:銀行員はバスに乗り込んでいく。
日行丹:続いて乗り込む、適当なところでバスから降りるだろう。
GM:アリアは、確実に生きた人間として存在している。
GM:少なくとも、銀行から貯金を引き出せる程度には『実在』する人物だ。
GM:……そして、彼女が利用する銀行の支店も、これで把握した。

GM:シーン終了。登場していたキャラは全員、ロイス及び調達判定が可能。
朝永花月:陣さんのロイス感情をNの不安に反転します。
灰下 照:花月さんにロイスを取ろう 庇護:○/隔意 で
朝永花月:庇護!
朝永花月:おませさんめ!
灰下 照:お前の方が危ないんだぞ!
灰下 照:というニュアンスだ
“フェイスダウン”:ロイス!
“フェイスダウン”
同行者/灰下照/誠意○/庇護/ロイス
同行者/朝永花月/連帯感○/隔意/ロイス

日行丹:うーん、心優しいみんなのおじさんはアームドスーツでも買ってあげようかね
日行丹:4dx+6+2>=15
DoubleCross : (4R10+6+2[10]>=15) → 4[1,3,4,4]+8 → 12 → 失敗

日行丹:なれないことはするもんでもないな!財産は使わない、おしまい!
朝永花月:購入は両手剣でも狙ってみるかな。
朝永花月:2dx+5>=13
DoubleCross : (2R10+5[10]>=13) → 6[6,6]+5 → 11 → 失敗

朝永花月:ここは買わずにおきます。以上で。
灰下 照:調達はなあ……
灰下 照:水と食料かな……
GM:世知辛い!
“フェイスダウン”:あ!調達は大槌!
“フェイスダウン”:2dx+5
DoubleCross : (2R10+5[10]) → 8[4,8]+5 → 13

日行丹:1d10+50
DoubleCross : (1D10+50) → 4[4]+50 → 54

“フェイスダウン”:1点消費で購入
灰下 照:調達で応急手当!
灰下 照:1dx
DoubleCross : (1R10[10]) → 5[5] → 5

灰下 照:muri
灰下 照:deha

■Middle/04

GM:それでは、次のシーンをはじめます。登場希望キャラはどうぞ。
“フェイスダウン”:で、出るぞい
“フェイスダウン”:1d10+48
DoubleCross : (1D10+48) → 7[7]+48 → 55

朝永花月:休んでおこう。
灰下 照:1d10+51
DoubleCross : (1D10+51) → 8[8]+51 → 59

灰下 照:uwa
GM:照くんも登場ということでいいですね
灰下 照:はい!

京須市 住宅街

GM:明かりの灯る家も少なくなってきた。深夜0時付近。
GM:朝永は帰宅し、代わりに日行が合流している。
GM:蝙蝠の軽い羽音が都市の空気を打つ。
GM:失踪事件は未だに、不可解の闇に包まれたままだ。それでも、探るべき糸口が見えてきた。
“フェイスダウン”:とりあえず調べた事を日行さんと交換します
“フェイスダウン”:灰下くんが見たのが失踪事件の被害児童三春桐子らしい事
“フェイスダウン”:上原家の事件で残った血痕は上原奈由の物ではないこと
“フェイスダウン”:あと、山古さんから聞いたUGNの介入の件
“フェイスダウン”:こっちはそんなとこだ!
日行丹:こちらもアリアが社会的身分の存在する実在の人物であったことを伝えよう。
“フェイスダウン”:こんがらがっているぜ
灰下 照:よくわからないぜ……
“フェイスダウン”:この情報ちゃんと全部繋がるんだろォ~なァ~GM~ッ
GM:なります!トラストミー!
日行丹:「街全体が何らかの能力で覆われているというわけでない限り……アリアに関しては実在している人物となるだろう」
日行丹:「しかし……UGNか」 何かを考える
“フェイスダウン”:『…お前はどうする』
“フェイスダウン”:『私はUGNが相手でも、この事件を追うつもりだ』
灰下 照:「ゆーじーえぬってのは、人を護るところじゃなかったのかよ」
“フェイスダウン”:『…UGNにも考えはあるはずだ』
“フェイスダウン”:『だが、それが最短の解決になるとは限らない』
日行丹:正直、関わるべきではないだろうと思う。
日行丹:俺は仕事に関して能力をむやみに使用しない、つまりUGNから危険なオーヴァードであると認識されていないがゆえにこうしてお目こぼしをされている点がある。
日行丹:だからこそUGNといった組織と対立する気はない、それどころか関わりたくもないと<思っている。
日行丹:しかし、この件に関しては手を引くかどうか。それを決めるにはあいつと話し合う必要がある。
日行丹:「俺は身の振り方を考えている最中だ。何分、予想していた中でも悪い部類だからな」
灰下 照:「……アンタらがどうだか知らないけど」
灰下 照:「おれはUGNとかいうのよりずっと前から、赤骨を追ってるんだ」
灰下 照:「よこはいりされる理由なんてない」
“フェイスダウン”:『そうだな…』
“フェイスダウン”:『…だがUGNの本意は探る必要があるかもしれない』
GM:調査は引き続き可能です。
▼三春桐子の捜索願いについて 〈情報:ウェブ〉〈情報:警察〉 難易度6
GM:さらに、この情報を開いた後なら
▼失踪事件の共通項について 〈情報:警察〉 難易度12
GM:が調査可能です。
“フェイスダウン”:ヘイ!
“フェイスダウン”:警察はコネがあるぜ~
“フェイスダウン”:共通項やってみていいですか
灰下 照:まあここは一番望みが無い私が捜索願を振ってみよう
GM:ノーフューチャー
灰下 照:1dx
DoubleCross : (1R10[10]) → 3[3] → 3

灰下 照:なんで出てきたんだ、お前
日行丹:きみが出したからさ……
灰下 照:哲学的な問題だ
“フェイスダウン”:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 6[3,4,4,6] → 6

“フェイスダウン”:ダメでした~
“フェイスダウン”:おとなしく捜索願いにしとけばよかった
GM:くぉら!
GM:共通項よりも先に捜索願い開いてからじゃないとダメって言ってるでしょ!
日行丹:共通項は捜索願開けてからでしょう……
“フェイスダウン”:あれ!?
“フェイスダウン”:すいやせんでゲス~ッ!
日行丹:仕方ない奴らだ……究極ソラリス戦士たる私がひとつずつ開けていこう
“フェイスダウン”:改めて振りなおしてもいいですか
GM:モーッ!
GM:いいですよ!
“フェイスダウン”:優しいGMさんっ・・・
“フェイスダウン”:再度!捜索願い!コネ警察使用!
“フェイスダウン”:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 9[4,7,8,9] → 9

“フェイスダウン”:無難にクリアー
日行丹:では共通項を開けます、私は清く正しいPLだ
日行丹:4dx+2+2 情報収集チーム二回目
DoubleCross : (4R10+2+2[10]) → 6[1,2,5,6]+4 → 10

日行丹:ここで財産を2点使用して抜きます、財産P:15→13
“フェイスダウン”:ソラリス戦士!
灰下 照:ソラリス仮面様~っ
GM:それでは、まずはフェイスダウンが分かったことから。
GM:三春桐子に、赤ん坊のような年齢の兄弟はいません。
“フェイスダウン”:ホラー
GM:そして、調べた限りは父親もいない。母と2人暮らしの家庭だったようです。
GM:……さらに、捜索願いはその母親が出したものでもない――
GM:あれらのビラは、警察が張り出したものです。
GM:三春桐子の母親はほぼ家に帰っておらず、彼女の捜索願いを出すこともなかった。
“フェイスダウン”:フーム
GM:分かったことは以上。三春桐子はネグレクト状態にあった子供ということになります。
“フェイスダウン”:社会の闇だぜ
灰下 照:ん、じゃあ桐子が殺される前から、失踪気味ではあったということか
GM:殺されているかどうかはまだわかりませんけどね。
灰下 照:でしたね
“フェイスダウン”:灰下くん以外の三春チャンの目撃情報はありましたか?
GM:今のところは、存在しないようです。
灰下 照:ふむふむ
“フェイスダウン”:なるほど
GM:灰下照が遭遇した状況すら、早朝近い深夜の住宅街。
GM:コンビニなどがあるわけでもありません。それこそ、新聞配達員くらいしか外に出ない時間帯なので
GM:誰も目撃していなかったとしてもおかしくはない……はずです。
灰下 照:ふむふむ
“フェイスダウン”:『……警察が出した捜索届…実の母親は関与せず…』
“フェイスダウン”:『…現在の所は目撃情報は無し……か』
“フェイスダウン”:『連れていた赤ん坊は誰だ…三春桐子は今どこに…?』
灰下 照:「……親なんて、どこもおんなじだな」
“フェイスダウン”:『そういう人間もいるだけだ』
灰下 照:「おれが、前にそいつを見つけたトコとか、行ってみるか?」
灰下 照:「また居るかなんて、わかんないけどさ」
日行丹:「そいつは悪くない考えだ」
日行丹:「また居るかどうか分からない、本当にそうか?」
日行丹:「ずっとそこに居るのかもしれないぞ」
灰下 照:「ずっと……って、なんだよそれ。なぞなぞ?」
“フェイスダウン”:『……幽霊とでも言いたいのか、日行』
日行丹:「幽霊と似たようなものだろう、レネゲイドというのは」
日行丹:「何故、目撃情報が灰下しかないのか」
日行丹:「案外、ここらへんが鍵かもしれないな」
日行丹:「もしかしたら、もっと目撃されているんじゃあないのか?」
日行丹:「ただ、目撃者がそのまま失踪するだけでな。目撃したとしても失踪すれば同じことだ」
日行丹:「こういう目撃者がいないパターンというのは二通りある」
日行丹:「一つは巧妙に隠れているパターンだ」
日行丹:「もう一つはさっき言ったように、目撃者が消されているパターン」
“フェイスダウン”:『三春桐子の姿をした囮…』
日行丹:「この場合は……目標を決めているのかもな。特定の条件に当てはまった奴に声をかけている」
灰下 照:「だったら、おれだっていなくなってなきゃ……」言い掛けて気付く。
灰下 照:「……オーヴァードだったから、助かったとか?」
日行丹:「かも知れないな、他にも要素はあるかもしれないから断定は出来ないが……」
“フェイスダウン”:『いや、確かに筋は通る』
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『仮定に過ぎないが…胸糞が悪い』
日行丹:「行くとしたら灰下と何人かで向かったほうがいいぞ」
“フェイスダウン”:拳を握っている
“フェイスダウン”:『ああ…分かっている』
GM:では、日行さんはこれを踏まえて
GM:他の失踪者の共通項も分かるはずです。元々失踪事件を探っていましたしね。
GM:失踪した児童はその誰もが……
GM:親のいない、あるいは親に虐待を受けていた子供であるということ。
GM:『注意を払う者がいない』子供。
GM:故に、発覚が遅れ、誘拐の瞬間を捉えられないまま、子供だけが消えている。
日行丹:「特定の条件、つまり共通項は……“フェイスダウン”、お前の察しの通り」
“フェイスダウン”:『ネグレクトか…』
日行丹:「親なし、あるいは親から虐待を受けていたという訳だ」
灰下 照:「…………」
灰下 照:表情をあからさまに歪める。
日行丹:「子供というのはコミュニティが酷く狭い、大人に比べてな」
日行丹:「だからこそ最初のコミュニティである……家族が子供にとっては一番大切だ」
日行丹:「家族から関心の持たれない子供なんて、消えてもそれが何時なのか探るのは難しいことだろう」
灰下 照:拳を強く握り、奥歯を噛み締める。
“フェイスダウン”:『日行…そんな言い方はやめろ』
日行丹:「客観的な事実と感想だ」
“フェイスダウン”:『事実だとしてもだ』
灰下 照:「おれたちは」
“フェイスダウン”:『…誰がこんな事をするんだ…一体…!』
灰下 照:「……おれは、違う。おれは、そんなに弱くない……」
日行丹:「…………」 何かを考える
日行丹:「この後の事は朝永を交えて話し合ったほうがいいだろう」
日行丹:「結局のところ、今のところ方針は変わらん。事件を調べる、それだけだ」
“フェイスダウン”:『……分かってる』
“フェイスダウン”:ヘルメットで表情は伺えないが、声は微かに怒りで震えている。

京須セントラルパレス 地下1階駐車場

GM:……灰下照は、例の一室に帰した。
GM:いくら強力な動機を持つ者といっても、裏社会の者と子供では、活動時間には自ずと差が出る。
GM:深夜。何かの虫の鳴き声が絶え間なく響いている。
“フェイスダウン”:では夜風に当たっていよう
“フェイスダウン”:眠れない気分だ
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:止めてある大型トラックの上でジッとしている
日行丹:革靴の音を鳴らして影から現れる、幽鬼のような男だ。
日行丹:「よお、夜分遅くに悪いな」 悪びれずに話しかける。
“フェイスダウン”:『……何の要件だ』
“フェイスダウン”:顔も動かさずに言う
日行丹:「要件か、そうだな……大した用事じゃあないことだが」
日行丹:「確かめたい事がある」
“フェイスダウン”:『素性か?』
日行丹:「素性か、確かにそれは確かめたいことだが……今は置いておこう」
日行丹:「お前、なんでそんなに怒っていたんだ」 無表情に言う
“フェイスダウン”:『…気に食わない事には怒る事もある』
日行丹:「何が気に食わないんだ?」
“フェイスダウン”:『何故そんな事を気にする』
“フェイスダウン”:『私の感情の問題だ。お前の仕事の得にはならない』
日行丹:「子供を攫う奴か? それとも攫われる子供のことか? それともそいつらの親のことか?」
日行丹:「確かに得にはならないだろうな、だがな」
日行丹:「お前がヘマをして俺が損を被ることになるのだけは勘弁だ」
日行丹:「だからわざわざ、こうしてお前と話をしにきてやっている」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『感情的になって、事を仕損じる人間だと思われている…』
“フェイスダウン”:『……正直に言えば』
“フェイスダウン”:『それはきっと、当たっているな』
日行丹:「ほう、そうなのか」
“フェイスダウン”:『ああ…』
“フェイスダウン”:『だが』
“フェイスダウン”:『私は立ち向かうべきだと決めたものを、取り逃がした事は無い』
“フェイスダウン”:『…何を引き換えにしても』
“フェイスダウン”:『この事件の真相に辿り着くことがお前の目的なら』
“フェイスダウン”:『それは果たされるはずだ』
日行丹:「そいつは頼もしいな」 無感情に言う
日行丹:「しかし……そうだな。本来、切り出そうとしていた話とは違うがこちらの方で行くか」
日行丹:「お前、何を引き換えにしてもと言ったな」
日行丹:「それの意味を分かっているなら、灰下もその内のひとつなんだな?」
“フェイスダウン”:『……』
日行丹:「お前はお前の目的を果たすために、灰下照という子供を扱っているわけだな?」
“フェイスダウン”:トラックの上から降りて、日行さんに向き合う
“フェイスダウン”:『あの子は…』
“フェイスダウン”:『あの子は違う』
“フェイスダウン”:『私が引き換えに出来る存在じゃない』
日行丹:「じゃあお前が引き換えに出来る存在ってなんだ?」
“フェイスダウン”:『……!』
日行丹:「お前は結局、何がしたいんだ?」 ヘルメットを両手で掴む。
日行丹:ヘルメットを外そうというつもりはない、ただ押さえつけるようにする。
“フェイスダウン”:一瞬固まるが、
“フェイスダウン”:すぐに日行さんの腕を払いのける
日行丹:そのまま払われ、それどころかよろめく。酷く非力だ。
“フェイスダウン”:『……ッ』
“フェイスダウン”:『あの子は…照は自分の脚で立ってる』
“フェイスダウン”:『私が代償にしてきたのは…違う』
日行丹:「何が違う」
“フェイスダウン”:『望んでああなったんじゃない…』
“フェイスダウン”:『私は…それをなんとか出来たはずだった…』
“フェイスダウン”:『出来なくちゃ…いけなかった』
日行丹:「お前、随分と思い上がっているようだな。神のつもりか?」
日行丹:「お前の事情など俺は全く知らんが」
日行丹:「なんとか出来た、出来なくちゃいけなかった?」
日行丹:「お前はその時、手を抜いてたのか?」
“フェイスダウン”:『お前に何が分かる…ッ!』
“フェイスダウン”:絞り出すような声で言う
日行丹:「分からないな、俺はお前じゃあないし」
日行丹:「お前は別にそれを俺に話さないしな」
“フェイスダウン”:『……なら…何も言うな』
“フェイスダウン”:『私の事は…誰も、知らなくていい』
日行丹:「それはお前の決めることじゃあない」
日行丹:「俺は俺の事情のためにお前という人間を知る必要がある」
“フェイスダウン”:『…詐欺師の事情か』
日行丹:「詐欺師か、否定はしないがな」
日行丹:「今回の仕事において、お前の事は知らなければならない」
日行丹:「今はそうだな……お前がどのラインまで引き換えにするかだ」
日行丹:「朝永はどうだ? あいつも必要ならそうするのか?」
“フェイスダウン”:『……なら、答えよう』
“フェイスダウン”:『あの子も、照も引き換えになんてならない』
“フェイスダウン”:『……私がそうさせない』
日行丹:「結局、お前はなにを引き換えに出来るんだ?」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:『この体と、命だけだ』
“フェイスダウン”:『……ああ、ずっとそうだった』
“フェイスダウン”:自分に言い聞かせるように呟く
日行丹:「そうか、つまり――お前が自由に出来るのはお前の体と命ということになるな」
“フェイスダウン”:『そうだ』
日行丹:「なら、お前が責任を持てるのはお前の体と命だけだな」
“フェイスダウン”:『…そうだ』
日行丹:「じゃあ、他の事に責任を持つ必要はないぞ」
日行丹:「それはお前のものじゃあないからな」
“フェイスダウン”:『ああ、お前の言う事が正しい』
“フェイスダウン”:『だが後悔は消えない…これからもずっと』
“フェイスダウン”:『それが私の感情だ』
日行丹:「それはそうだ、後悔のない人間なんていないだろう」
“フェイスダウン”:『……ああ』
日行丹:「だがな、一つ言えることは後悔に縛られることなんて意味が無い」
日行丹:「もう、終わったことだからな」
“フェイスダウン”:『つまり結局のところ』
“フェイスダウン”:『私は、普通の人間だ』
日行丹:最初に思い描いていた絵図とは違うが、これがこの時点において俺に出来ることだ。
日行丹:この先、俺が関わるであろう“フェイスダウン”というリスクを潰すのが今回の目的だ。
日行丹:そうでもなければこんな面倒くさいことはするつもりはない、俺はただでこんな事をするようなお人好しじゃあない
“フェイスダウン”:『…それでお前の求めている答えにもなるだろう』
日行丹:「そうだな、十分過ぎる答えだ」 何もなければ立ち去ります。
“フェイスダウン”:『……ふ』
“フェイスダウン”:ヘルメットの下で少し笑って
“フェイスダウン”:『やっぱり、オヤジっぽいわ…』
“フェイスダウン”:と日行さんを見送ってからホテルに戻っていきましょう

京須セントラルパレス 711号室

GM:ドアを開けると、暗闇が出迎える。
GM:すでに眠りについて、照明を消したのかもしれない。
“フェイスダウン”:バチン
曽根崎ヒロヱ:「……ふぅ」
灰下 照:ベッドの上の掛け布団は、小さく盛り上がっている。
灰下 照:だが、入ってきたフェイスダウンにも、気付いたような動きは無い。
曽根崎ヒロヱ:「ん……?」
曽根崎ヒロヱ:その様子に違和感を覚える
曽根崎ヒロヱ:「照、もう寝たん?」
灰下 照:返事は無い。
灰下 照:どころか、寝返りや身じろぎ、呼吸による上下すらもない。
曽根崎ヒロヱ:「……寝てたら返事せえへんやろっ…と」
曽根崎ヒロヱ:「…照!」
曽根崎ヒロヱ:大声を出す
灰下 照:照は警戒心が強い。だが……その大声にも、ベッドの盛り上がりは全く反応する気配はない。
曽根崎ヒロヱ:「……」
曽根崎ヒロヱ:近づき、シーツをめくる
灰下 照:丸められたタオルケットと、嵩増し用だろう、空のペットボトルが置いてある。
曽根崎ヒロヱ:「……ッ!」
灰下 照:ペットボトルには、マッキーペンで、子供の拙い字が。
灰下 照:『先にねてていい』
曽根崎ヒロヱ:「あ…の…アホ~~~ッ!!」
曽根崎ヒロヱ:ガン!!
曽根崎ヒロヱ:床にヘルメットを叩きつけて
曽根崎ヒロヱ:そのまま駆け出し、急停止
曽根崎ヒロヱ:ヘルメットを拾って、改めて装着!
“フェイスダウン”:で、部屋から出ていきます

京須市内 中寺橋

GM:囁くような虫の鳴き声は、ここでも響いていた。
GM:闇とアスファルトに溶けて見えないが、靴の裏を浅い水たまりが叩く。
GM:日が落ちてすぐ、弱い雨が降って、すぐに上がった。
GM:星空は夜の暗雲に隠れて、月の光すら見えない。
GM:……そして、再び小さな橋へ。
灰下 照:ジャンパーの首元を締める。
灰下 照:寒さが、いつもより少しだけ身に沁みる。
灰下 照:冷え込んでいるのか。それとも、ここ数日の暮らしのせいか。
灰下 照:「……こっちが本当なんだ」
灰下 照:言い聞かせるように呟き、周囲を見回す。
GM:“フェイスダウン”は非日常の怪人だ。いつまでも、親のように面倒を見てくれるはずもない。
GM:仮初の平穏を失った時、灰下照は戻ることができるだろうか。
GM:夜の、孤独の闇に。
三春桐子:「……」
GM:橋の向こう側で、身じろぎもせず、少女がこちらを見つめている。
灰下 照:「!」
GM:遠くで信号が変わった。車の一台すら通らない、深夜の街。
灰下 照:「……また、会ったな」
灰下 照:声を掛ける。前に会った時とは違う。相手の正体は確かなものだ。
三春桐子:「きみは、迷ってないの?」
灰下 照:「!  ……」返ってきた。「迷うって、何にさ」
三春桐子:「……行くところがないってこと」
灰下 照:「……おれは、やらなきゃいけないことがある」
灰下 照:「迷ったりなんて、したことない」
灰下 照:「お前は、なにしてるんだよ。こんなところで」
三春桐子:「そう。きみもそうだと思ったの。……帰るところがあるなら」
三春桐子:「こんな怖い夜に、歩いたりしないから」
GM:風もないのに、電線が軋む音が聞こえた気がする。
灰下 照:「最初は……」最初は怖かった。そう言おうとして、黙りこむ。
灰下 照:同じくらいの年齢。似たような境遇。
灰下 照:「お前は、しっそーしてるって、言われてる」
灰下 照:「いなくなって、探されてるんなら。ないのか? 帰る所」
三春桐子:「あるよ」虚ろに笑う。
三春桐子:「おかーさんのところ」
灰下 照:「お母さん」
三春桐子:「ごはんがあって、あたたかくて、しあわせな」
灰下 照:「お前のほかにも」
灰下 照:「お前みたいなやつが、そこにはいるのか?」
灰下 照:お母さんの所で、幸せに暮らしてるなら、失踪扱いされたりしない。
三春桐子:曖昧に頷く。少し微笑んでいるようにすら見える。
灰下 照:「帰るとこがない、子供が」
三春桐子:「……おかーさんに会いたい?」
三春桐子:「ずっと待ってるよ」
灰下 照:だが……
灰下 照:母親。それは、照にとっては忌まわしいものだ。
灰下 照:ごはんがあって、あたたかくて、しあわせな……場所。
灰下 照:本当に、数えるくらいの記憶がある。
灰下 照:今となっては、もう、本の中の作り話よりも、遠い記憶。
灰下 照:「……おれが会いたいのは」
灰下 照:「おれが会いたいのは……」
灰下 照:「お母さんじゃない」
灰下 照:「ごはんがあって、あったかくて、しあわせにしてくれる人なんて」
灰下 照:「いらないんだ。おれは」
灰下 照:影を沸き立たせる。
三春桐子:「……そう」
GM:距離は5m。照がその気になれば、捕獲は――可能だ。
灰下 照:「その、“おかあさん”はどこにいるんだ?」
三春桐子:「……」ゆっくりと、人差し指を持ち上げる。
三春桐子:「そこ」
灰下 照:「…………?」
灰下 照:指差す方を振り返る。
???:「あ"あ"」
GM:枯れ木のような、異常な長身の影が、背を丸めるようにして、
GM:灰下照を覗き込んでいる。真上から。
灰下 照:「…………!」
灰下 照:「あ」「ぅ……」「ひ」
GM:あまりに近すぎた。その顔すら、咄嗟には認識できなかった程に。
???:「あ"ーー」理性のない、低く唸るような声。
三春桐子:「ふ、あは!」
三春桐子:「あははははは!はははははは!」
三春桐子:「きゃははっ、あはははは!はは!」
GM:――バササササササササ!!!
GM:無数の、カラスか何かの羽音が、続けざまに響いた。
灰下 照:足元に座り込む。恐怖に眼を見開く。
灰下 照:「あ、ぁあ、あ、うぅ、は……」
GM:影だ。ただ、細い影としか認識できない。
GM:遠くの通りを、自動車のヘッドライトらしき光が通り過ぎる。
GM:どこかの家で、カーテンが動いた。
GM:その誰も、この怪異が当然のように街に存在することを、知らない。
灰下 照:顔は見えますか。
GM:顔を見ようとするのであれば、逃走の機会を捨てる必要があります。
灰下 照:無理!
灰下 照:三春の笑い声で、自動車の走行音で、かろうじて負けん気を取り戻す。「あ――あ、あ!」
灰下 照:「え、えぅ、えうろ、めろ……す!」
灰下 照:叫ぶ。《影絵芝居》で周辺に影法師を林立。
灰下 照:《イージーフェィカー:猫の道》《擬態の仮面》で自らもそれと同化し、遠くに生み出した影へと渡る。
GM:――ザシュ!!
GM:灰下照が、真上を見上げるよりも逃走を優先できたのは――
GM:ここまで培ってきた、危機に対する直感故だ。
GM:一瞬でその体は、十数mも離れた影へと転移する。そして。
灰下 照:対岸へと逃げる。影から影へ、大通りへと、一目散に逃げ去る――寸前
灰下 照:三春に振り返れますか?
GM:十分に距離を取っているため、可能です。
灰下 照:《妖の招き》《伸縮腕》で、素手にて視界内引き寄せ攻撃を行います。
灰下 照:『女の子には、優しくしなくちゃいけないよ』と姉は言っていた。
灰下 照:まだかろうじて、灰下の恐怖は、怪物にだけ向いていた。
GM:ギュル!
GM:    ガギッ!!
灰下 照:3dx+4
DoubleCross : (3R10+4[10]) → 4[1,4,4]+4 → 8

GM:電信柱の表面が削れた。
GM:……既に存在しない。先程まで確かに橋の上にいた、三春桐子も。
GM:あの得体のしれない異形すらも、今の一瞬でかき消えていた。
GM:侵蝕率上昇は必要ありません。
灰下 照:了解です。
灰下 照:影から手を伸ばし、三春を連れていこうとし――存在しない影は。渡れない。
GM:鳥の羽音の残響だけが、かすかに響き、
GM:……そして、再び静寂が戻ってくる。
GM:細い川の、消え入りそうなせせらぎ。そして虫の声だけが。
灰下 照:足が震えて動かない。影から影へ渡り、逃げても逃げても。
灰下 照:背後を振り向いたら、それが居る気がしてしまう。
灰下 照:生まれて初めてだった。逃げたことはあっても、怒ったことがあっても、恐れたことはない。
GM:夜の街に、影のように現れる。悪夢のように消えて、ただ不安と噂だけが、後には残る。
GM:事件の存在を誰もが認識しているが、捕えることはできない。
灰下 照:「う、ああ。……ぁぁぁああぅぅあぅ……!」消え入るような、ぎこちない悲鳴を上げて。
GM:――そして、その得体のしれない何かは。
GM:子供を攫っていく。
灰下 照:大通りの、広いビルの壁面に、背中を必死に、擦りつけるように預けて
灰下 照:子供は、蹲ったまま動けなくなった。

GM:シーンを終了します。
灰下 照:ロイスを取ります
灰下 照:怪物/“おかあさん”/妄想:/恐慌:○/ロイス
日行丹:ロイスはフェイスダウンにとっておきます
日行丹:-邪魔者/“フェスダウン”/同情/無関心:○/ロイス
日行丹:調達はアームドスーツ狙います
日行丹:4dx+6>=15
DoubleCross : (4R10+6[10]>=15) → 10[5,6,9,10]+9[9]+6 → 25 → 成功

日行丹:1つゲット
“フェイスダウン”:購入!
“フェイスダウン”:ボデマかな
“フェイスダウン”:2dx+5
DoubleCross : (2R10+5[10]) → 10[6,10]+3[3]+5 → 18

“フェイスダウン”:装備!以上!

■Masterscene/02

京須市 某保育園

少女:「んー♪ んんー、んー、んむー♪」
GM:広い窓からの日差しに、鼻歌が混じる。
GM:カリカリと小さな音を立てて、白い画用紙が塗りつぶされていく。
保母:「あきちゃーん?お絵かき、できあがったかな~?」
少女:「ん。できた」仏頂面で頷く。
保母:「どんなのどんなの?見ーせてー?」
保母:「…………」
保母:「……あきちゃん」
GM:カタン!
GM:一度、強い風が吹いた。窓ガラスがたわむ音に、保母が身をすくませる。
保母:「これ、何」
少女:「……?」
少女:「おかあさん」
保母:「いやー……それ……」
保母:「この前描いた時のお母さん……そんなんじゃ……」
保母:「……。うん!なんかこういうのも面白いね!あ……あはは!」
保母:「あきちゃんのお母さん、背でかくなった?」
少女:「ん。べつに」
少女:「チコちゃん……」
保母:「……っ」
少女:「んー。まだかえってこないのかな―」
保母:「う、うん……多分、すぐ元気になるよ……すぐ、帰ってくる……」
保母:胸を押さえ、ふらふらと廊下へと出る。
保母:「……なんなの」
保母:「変な事ばかり、最近起こって……もう、なんなのぉ……」
???:「矢沢里知子ちゃんのことを伺いたいのですが」
???:「お時間宜しいでしょうか」
GM:窓からの日差しが届かない影に、男が立っていた。
GM:極めて無機質な、機械じみた直立姿勢。
保母:「……何」
???:「――恐れと悔いに。形を持たない傷にこそ、忘却の救いがあらんことを」
???:「労働厚生省の者です」

■Middle/05

GM:続けて情報収集シーンを作っていきます。登場希望者はどうぞ。
日行丹:1d10+54
DoubleCross : (1D10+54) → 6[6]+54 → 60

朝永花月:1d10+62
DoubleCross : (1D10+62) → 8[8]+62 → 70

京須市内 喫茶室“マネ”

GM:駅から離れた立地の喫茶室。
GM:コーヒーの値段は高いが、そこそこ客の入りはある。
GM:もちろん、夕方に差し掛かったばかりのこの時間帯なら、まだ十分空いている頃合いだ。
日行丹:店の奥の席に座り、人を待っている。
日行丹:コーヒーを飲みながら考える、これからの事。
日行丹:介入を始めているUGN、判明した失踪した子どもたちの共通点。
日行丹:……“フェイスダウン”と灰下照の事、様々な事柄が脳裏を過ぎる。
日行丹:どう動くか、どういう手が取れるか。
朝永花月:「ちわっすー」片手を上げて振る。
朝永花月:「お、いい席じゃーん」
日行丹:「…………」 カップをソーサーの上に戻す。
日行丹:「来たな、朝永」 その姿を見ると声をかける。
日行丹:「好きなものを頼んでいいぞ、今回は俺が呼び出したからな」
朝永花月:「ごちっす!えっと、カプチーノと、あとエッグサンド。玉子焼きめっちゃ美味しいのここ」
日行丹:「そうか、覚えておこう」 いつもの無感情な声だ
日行丹:「……朝永、お前はこれからどうするつもりだ?」 店員が注文を受けて、去った頃を見計らって切り出す
日行丹:「UGNの事は知っているんだろう」
朝永花月:「ん、どうって?」
日行丹:「このまま事件に関わるかどうか、という話だ」
日行丹:「今のこの状況は一つの分岐点だ、ここで手を引くのも悪くない」
朝永花月:「どうって……別にやるよ。UGNから、バイトの話来てるわけじゃないしー」
朝永花月:「今はカイタンの助手だしねい」頬杖をつく。
日行丹:「朝永、お前を呼んだのはそのあたりのことを話し合う必要があると思ったからだ」
朝永花月:「話し合い?」
日行丹:「ああ」
日行丹:「お前が今『やる』と言ったが、今の状況はお前を誘った時」
日行丹:「お前がいくつか想定した不安要素解消されつつある」
朝永花月:「?」小首を傾げる。
日行丹:「まず、最初に俺が朝永、お前を誘った時に言った『友人が巻き込まれているかも知れない』という話だ」
日行丹:「失踪した子供の共通点が判明した」
日行丹:「これでお前の友人が巻き込まれているかどうかについてだが、ある程度の対策は取れるだろう」
日行丹:「あくまで共通した要素の一つ、くらいなものだがこの辺りは深入りせずとも突き止められることだ」
朝永花月:「でもそれ」
朝永花月:「照くんみたいな年の子の話じゃないの?」
日行丹:「そうだ」
日行丹:「だが、今はここで一旦置け。最後にこの辺りの事情を話す」
日行丹:「それで朝永、お前がどうするかはお前が決めろ」
朝永花月:「分かってるって。一回で覚えるってば」
日行丹:「まずはひとつずつ、順を追って整理しよう」
朝永花月:「あ、花月のことバカだと思ってるでしょ?私、結構お勉強できるよ?」
日行丹:「そうだな、勉強は出来そうだ。その身なりと振る舞いから言って経済的には恵まれているように見える」
日行丹:「次に……“フェイスダウン”と灰下照の関係性だ」
朝永花月:「え?何々プロファイリング?もっと聞かせ…‥あ、うん。関係性ね」
朝永花月:「関係性?」
日行丹:「あの二人と接触する機会があっただろう、お前はどう考えている」
日行丹:「二人の関係性をこのまま続けさせるかどうかということだ」
朝永花月:「歳の差は関係ないと思うけど……そういうのじゃなくだよね」
朝永花月:「べっつに。それこそ、私達の決める話じゃなくない?」
日行丹:「そうか、それなら別にいい」
日行丹:「俺はお前がこのままあの二人と関わって、何かあった時」
日行丹:「あの時、私がなにかすればなどという話をしださないことを確認したかっただけだからな」
日行丹:「関係ないという、一線を作るのならそれはそれでいい」
朝永花月:「関係ないって言うと、なんか違うんだよなー」
朝永花月:「そうじゃなくてさ……こう……えっと」
朝永花月:「こう、上手いこと解決すればさ、そもそもとして」
日行丹:「…………」 目の前の朝永を注視する
朝永花月:「今の関係のままじゃなくなるわけだし。それから考えればいーと思うんだよね」
朝永花月:「花月だって、なんか出来ることあるなら手伝うし」
日行丹:「上手いこと、解決すると思っているのか?」
朝永花月:「させるよ」
日行丹:「お前はあの二人にそこまで踏み込むつもりがあるのか?」
朝永花月:「え?だって仲間でしょ?」
朝永花月:「そりゃ、困ってれば助けるよ。そーゆーの大好きだし」
日行丹:「そうか……」 なにかを考える
日行丹:「一つ喩え話をしよう」
日行丹:「昔、ある男の友人が困っていた。友人の人生に関わる話だ」
日行丹:「男が助けなければ友人の破滅は必至だっただろう」
日行丹:「男は友人を助けようとした、だが悩んだ。その時、男の両親もまた苦境にあった」
日行丹:「どちらも解決しなければ、どちらかが破滅する。しかし、どちらも選ぶ事はできない」
日行丹:「物理的に考えて無理だったという話だ。勿論、男の持つ人脈を使っても自分と同じことは出来なかった」
日行丹:「この喩え話は順番の話だ。どちらかしか選べない時、どちらを選ぶか」
日行丹:「もちろん、両方とも助けるという選択を出してもいいぞ。そういう努力はするべきだ」
日行丹:「ただ、後悔しないためにはある程度、順番は決めておいたほうがいいぞ」
朝永花月:「ふうん」
日行丹:「踏み込むかどうか、というのは分かりやすい順番付けだ」
朝永花月:「確かに大変だ。そうやって失敗しちゃったら、何でもかんでも踏み込まなくなっちゃうんでしょ?」
朝永花月:「それはなんか寂しいもん。そうならないように努力します」
日行丹:「そうか」 淡々と返す
日行丹:「灰下に関しては一般的な考えから言うとUGNに保護してもらった方がいいぞ」
日行丹:「俺にはどうでもいいことだが、そういう方法は別に悪いことじゃあない」
日行丹:「姉がどうとか言っているが記憶処理が上手くいくなら忘れた方がいい」
朝永花月:「それは……!」
日行丹:「何か間違ってるか?」
朝永花月:「だ、だって。家族だよ?忘れるなんてさ……」
日行丹:「別に忘れたっていいだろう。そもそも、子供が姉を殺した相手を捜す事が異常だしな」
朝永花月:「……」
日行丹:「なに、良心が痛むのならこう思えばいい」
日行丹:「『お姉さんは照くんが健やかに生きてくれる方が嬉しいはずだ』」
日行丹:「『お姉さんはキミに復讐なんて望んでない』」
日行丹:「そういう善意で引き渡すなら問題無いだろう、そちらの方が灰下のためになるんじゃないか?」
日行丹:「いつ死ぬかどうか分からない今の状況よりもな」
朝永花月:「……」
朝永花月:「……でも、やっぱり、私」
朝永花月:「テル君の意志が大事だと思う」
日行丹:「朝永が考えて“それ”なら良い」
日行丹:「ただ意志を尊重した結果、灰下が死んだとしても“間違ってた”なんて思うんじゃないぞ」
日行丹:「それ以外にもジャーム化してお前の家族が死んだりしてもな」
朝永花月:「私の家族って……」
朝永花月:「……う、あー。」
日行丹:「アイツはオーヴァード、それに子供だ」
日行丹:「そういう可能性だって十分にある」
朝永花月:「そっか……」
日行丹:「結局、中途半端に関わればその分自分に返ってくる」
日行丹:「だから自分が考えて納得して行動した結果は自分で受け止められるようにしろ」
朝永花月:「うーん。じゃあ、がっつり関わろう」
朝永花月:「半端、好きじゃないし。カイタンはどうすんの?半端に私なんかにお説教しちゃってさ」
日行丹:「俺か? 俺は今こうして決めている」
日行丹:「次に……『自分達以外の人間による問題解決能力』だが。関わるつもりならこれについては触れる必要はないな」
日行丹:「UGNに任せても問題はない、なんて今更言ったところで関わるようだからな」
日行丹:「最後は……この事件の“その後”だ」
日行丹:「この失踪事件の被害者である児童はある共通点を持っていた」
日行丹:「それは児童が親から虐待を受けている。あるいは親なしということだ」
朝永花月:「うん。明確に法則性があるってことだよね。それが?」
日行丹:「それ自体は別にただの条件だ。だがこの事件を別に解決したところで“子供は別に救われた事にはならない”ぞ」
朝永花月:「……そっか。そうだよね。元の不幸に戻るだけで……」
日行丹:「だから子供を救うために、とかで活動すると面倒くさいことになるだけだ」
日行丹:「その辺り、どう関わるかはお前次第だ。灰下の面倒を見るというのが目的ならそれだけにしておいたほうが良い」
日行丹:この辺りの話を“フェイスダウン”にするつもりだったが、アイツは話に乗るつもりはなかった。
日行丹:しかし、この話をしたところで最終的にはああいう事を言っただろう。
日行丹:「これを含めても“順番”だ、しっかり考えておけ」
朝永花月:「順番、ね」
日行丹:「勿論、つけなくてもいい。つけるつけないかは自由だ」
日行丹:「朝永、お前が自分で納得出来るかどうかが一番だ」
朝永花月:「ふふ。結局全部自由なんじゃん、何それ」
日行丹:「ああ、それはそうだ。何しろお前自身の問題だ」
日行丹:「俺が決めるのはおかしいだろう?」
日行丹:「他人の俺は問題を明確化してやるのがせいぜいだからな」
朝永花月:「はいはい、そうですね。ちゃーんと考えとくって」
日行丹:随分、長く話をした気がする。だが、これはしておかなければ行けない話だ。
朝永花月:「それもぜーんぶ、ひっくるめて。探偵助手のつとめってやつ」
日行丹:朝永が関わらないのなら、それでいい。関わるのならば出来るだけ先に考えられるようにする。
日行丹:いざという時に動けなくなったら死ぬのは俺だ、それは御免こうむる。
日行丹:「そういうことだ、せっかくの助手だからな。相談はしておこうと思っただけだ」
日行丹:朝永が関わると決めたのなら、俺もまだこの事件について踏み込めるということだ。
朝永花月:「そゆこと。ま、その分、貰えるものも貰ったしねえ」
日行丹:“フェイスダウン”と灰下照は偶然、この失踪事件に関わっただけだ。“ガーネット”と二択になればそちらを取る可能性は大きい。
日行丹:だからこそ朝永はこの事件を追う俺にとって重要な存在だ、こいつが関わるのをやめたのなら俺もそのつもりだった。
日行丹:「よし、俺も方針は決まった」
日行丹:UGNに情報を渡して小銭を稼ぐ、それでも最小限の稼ぎにはなっただろう……だが、
朝永花月:「カイタンも?」
日行丹:「ああ、この事件を追う。助手がそのつもりなら俺もやらないわけにはいかないだろう」
朝永花月:「分かってる!さっすが私が助手につくだけはある!」
日行丹:「そうだ、捜している“アリア”は実在する人物だ。存在する口座から金を引き出せる程度の社会的立場を持っている」
日行丹:「こいつもお前がいない間に手に入れた情報だ」
朝永花月:「カイタンの妄想上の存在とかじゃないんだ。よかったよかった」
日行丹:「本当にな」 変わらず無表情だ
朝永花月:「じゃ、ま、一歩前進もしましたし……腹ごしらえといきたいねえ」
朝永花月:「そろそろ来るかな?」カウンターの方に首を伸ばしてキョロキョロする。
GM:……だが。
GM:来るはずの客は来ない。予定の時間は20分ほど過ぎてしまっている。
GM:もちろん、灰下照と“フェイスダウン”は、互いに邪魔をしないというだけの関係だ。彼らには彼らの思惑がある。
GM:だが……不穏だ。この事件は『人が消える』事件でもある。
朝永花月:「あれ?」
朝永花月:「おっそいなあ」
日行丹:「そうだな」
日行丹:「協力関係とは言っても俺と“ファイスダウン”は互いに深く関わりあうつもりもない、あちらに用事があればこんなこともあるだろう」
GM:朝永さん達だけで情報を探りに出る事もできます。向こうの2人からして、独自に動いている可能性もある。
朝永花月:「うーん、心配だけど……」
日行丹:「しかし……灰下が接触しに行ったのなら面倒なことになるかもな」 懸念はしていた、可能性の一つだ
日行丹:「これも、可能性だ。もっとくだらないことで来ないのかも知れん。俺達は俺達にやれることをやるしかない」
朝永花月:「うん。そうだね」
日行丹:「事件が大きくなればなるほど灰下の危険性も高まる。ジャームは放置すればするほど面倒だ」
日行丹:「あいつを危険にさせるのは朝永、お前にとって良くないことになったからな」
朝永花月:「それは最初っからそうだよ」つながらないことを確認して、電話を切る。
日行丹:「そうだったな」 無表情だ
日行丹:UGNの動き、アリアの使用した口座について調べることはできますか?
▼UGNの動き 〈情報:UGN〉 難易度17
▼アリアとの接触 〈知覚〉〈情報:噂話〉 難易度13
GM:ただし、UGNの動きについて探る場合は注意してください。
GM:山古陣矢が「探っていることを気付かれてもいけない」と言った通り、
GM:情報掌握力で上回るUGNは、確実にこの情報収集の動きを掴んでくるためです。
GM:簡単に言えば、戦闘になる可能性大です。
日行丹:そりゃあ、そうなるでしょうね……UGN、恐ろしい奴らだ……
日行丹:後は……虐待通報歴のある家庭を調べられるかどうかはどうです? 分かりやすく言うと次の犠牲者になる相手を絞りたい。
GM:うーん、それはどうしようかな……実はそこを調べてもあんまり意味はないといえばないんですが
GM:面白そうなので項目は作ってみましょう。
▼灰下照の経歴について 〈情報:噂話〉 難易度9
日行丹:それと上原家の事件の血痕について、山古陣矢の動きかな……可能性としてはこんな所だろう……
GM:山古陣矢のこれまでと今後の動きは朝永花月が得た情報のとおりです。
▼上原家の血痕について 〈情報:警察〉 難易度11
朝永花月:アリアちゃんに接触を狙ってみましょう。噂話で判定。
朝永花月:2dx+5>=13
DoubleCross : (2R10+5[10]>=13) → 7[5,7]+5 → 12 → 失敗

朝永花月:財産1点!
日行丹:では次に血痕について調べます。
日行丹:こっちは素振り、強化ビジネススーツの効果で達成値は+2だ
日行丹:5dx+2>=11
DoubleCross : (5R10+2[10]>=11) → 7[4,4,5,6,7]+2 → 9 → 失敗

日行丹:うーん、財産2点使います。財産P13→11
日行丹:で成功です。
GM:では、日行さんは警察の捜査情報を一部入手しました。
GM:上原那由の部屋にあった血痕は、彼女の母親である上原弥生のもので間違いありません。
GM:……そして、世間では失踪扱いとされ、事実警察でも行方不明の彼女を捜索していますが
GM:出血量からして、生存している確率は極めて低いとされています。
GM:ただ、その血痕が検出された範囲が、かなり広い。
GM:出血してから、通常考えられない距離を移動しているはず、との結果も出ています。
GM:――よって、死亡したとも確定されていない。失踪中扱いです。
日行丹:出入りしている業者に金を握らせて資料を手に入れたことにしよう、綱渡りの方法だ。
日行丹:こういう風に裏社会の人間相手に情報の内通を行う業者は街に一定数存在する。

京須市 裏路地

日行丹:「誰かが運んだと考えてもいいが……」
日行丹:「隠蔽目的ならばずさんだな」 考える
日行丹:しかし……“ガーネット”が反撃をうけたのかもしれないという“フェイスダウン”の予想。
日行丹:失踪した子供が口にした“お母さん”。
日行丹:“ガーネット”とやらが姿を隠して、発生した失踪事件。
日行丹:…………その可能性は低いが、偶然としては十分にある。
日行丹:上原弥生も灰下照同様に――オーヴァードに覚醒した可能性が。
GM:……ズシャッ
GM:引きずるような足音。
日行丹:音の方を見る、極めて落ち着いた風を装う。
GM:警察官だ。業者とのやり取りを行える地点が、警察署付近の路地である以上、珍しくもない――が。
山古陣矢:「……動くな」
日行丹:相手の身なりをみて面倒だな、と思う。言われたとおりに動かない。
山古陣矢:「てめー……何を……する、つもりだ」
日行丹:「何をするつもり、とはどういうことだ?」
山古陣矢:「質問に質問で答えるのがお前のやり方か」
山古陣矢:「……」
日行丹:「まず、お前がいう何をというのがなんなのか教えてくれないか」
山古陣矢:「………朝永の前から消えろ、クソ野郎」
山古陣矢:「永遠にな」
日行丹:「…………」
山古陣矢:拳銃を取り出す。本気だ。
日行丹:少し考えてから
日行丹:「人違いじゃあないのか?」 《竹馬の友》 確認する
山古陣矢:「カイキタンっていうのは偽名だろ……」効いていない。
日行丹:朝永と関わりのある警察官、これが通じなければオーヴァードだろう。
日行丹:とすると……こいつが山古陣矢か。
山古陣矢:「……お前みたいな奴の情報はな……警察のほうが、持ってるんだよ」
日行丹:「……そうだろうな」 溜息をつく、本当に面倒なことになった
山古陣矢:「他人を騙して、ドン底にして、そんなに楽しいのか……」
山古陣矢:「……てめーを、逮捕する」
日行丹:「楽しいかどうか、か」
日行丹:「別に楽しい訳じゃない、仕事だからやっているだけだ」
山古陣矢:「はぁ……はぁ……!」喉元を押さえ、壁により掛かる。話に聞いた通り、かなりの重傷を負っている。
山古陣矢:「てめーが……自分でやってる仕事だろうが!!クソッタレ!!」
日行丹:「俺を逮捕、か。それもいいだろう、だが朝永はどうする?」
日行丹:「アイツは関わるつもりだぞ、この事件に。自分の意志で」
日行丹:「ああ、そうだ。自分でやっている、自分で選んだ仕事だ」
日行丹:「だが、それが楽しいというわけではないだろう?」
日行丹:「お前、警察官だろう。望んでなったのか?」
日行丹:「だったら今は楽しいか? 俺を捕まえて、UGNとやりあったりして」
日行丹:「それで朝永がお前の心配するのも楽しいのか?」
日行丹:「素直に病院に戻ったほうが良いぞ。そちらの方が朝永も喜ぶだろう」
山古陣矢:「ああ。その得意の屁理屈で、この場を切り抜けてみろ……」
山古陣矢:「病院送りになるのはお前だ。俺は……」
日行丹:相手の様子を見る、ここで俺が素直に逃走出来るかどうかだ。
山古陣矢:「オーヴァードで、警察官だ……見逃してもらえると思うな」
GM:逃走は……
GM:……できない。
日行丹:俺は弱い、もし灰下が戦えるのならアイツは俺より強いだろう。その程度だ。
GM:それが不可能な地形だ。日行丹が、警察から情報を得ようとした時点で、嵌められていた。
日行丹:――ここが最初の負債分だ。
日行丹:朝永花月という少女をこの事件に巻き込んだ。俺の負債。

GM:日行さんの次の登場シーンはミドル戦闘となります。
日行丹:押忍!

京須市内 銀行

GM:――アリア、という名の人物は、同年代の少女の中にはいない。
GM:少なくともこの京須市内では。偽名である可能性もある。
GM:日行が掴んだ手がかりの一つが、銀行。
GM:……しかし、朝永花月の場合、活動時間から張り込むとしても、ATMが閉じる時間まであまり長くは見張れない。
GM:明日以降は、“フェイスダウン”にでも昼からの協力を仰げれば良いのだが。
朝永花月:「ふー……」しゃがみ込み、息を吐く。
朝永花月:「張り込み、なんか刑事ドラマっぽい」コンビニ袋から肉まんを取り出す。
朝永花月:「陣さんもこういうの、やってんのかなあ」肉まんを頬張る。
GM:ただ張り込むだけならば、朝永への身の危険も少ない。人通りの多い大通りに面した支店だ。
GM:長い三つ編みの……そうでなくとも同年代の少女ならば、遠目に見分けるのも容易い。
GM:20分ほど経過した時。
GM:思いがけないほど早く、その姿が現れる。
GM:路地から曲がって、子供のように跳ねる駆け足で、自動ドアを通りぬける姿が見えた。
朝永花月:「今の……!」勢い良く立ち上がって、後を追う。
GM:今ならば、コーナーの中には“アリア”一人だけのはず。十分追いつける。
朝永花月:「完璧じゃん。一日で済むなんて、ビギナーズラックってやつ?」
GM:後を追い、ATMコーナーへと入る。
GM:中に立つのは一人。三つ編みの少女だけだ。
才木有希:「え」
朝永花月:「え?」
才木有希:「……花月ちゃん……?」
朝永花月:「ゆきりん……!?」
才木有希:「あれ?なんで……なんで、こんなこと……」
才木有希:怯えたように後ずさりして、封筒を落とす。
GM:厚い封筒だ。バサリ、と乾いた音が鳴る。
朝永花月:「……あれ?え?」
才木有希:「ちょっと、待って。なんで……私、こんなこと」
朝永花月:「……ゆきりん?」
才木有希:「おかしい……。ここ、銀行だ……ああ……」
朝永花月:「え、ねえ、ちょっと、どうしたの?」両肩を掴む。
才木有希:「……っ!」恐怖のままに振り切って走り去ろうとする。
朝永花月:「わっ、待ってよ……!」手を引こうとする。
才木有希:「やめて!離して……ああ、お金が、うああ!」
才木有希:しゃがみこんで、弾かれたように封筒を抱える。
朝永花月:「ねえ、どうしたの!?ねえ!」
才木有希:「……見ないで!あっち行って!花月ちゃん!」
才木有希:「アリアが……」
才木有希:「アリアが、死んじゃう!」

GM:シーンを終了します。調達、ロイス取得が可能。
日行丹:花月チャンは欲しい物あります?
朝永花月:何か武器がほしいですねー。欲をかくと対空ミサイルですが
朝永花月:両手剣や大鎚のレベルでも十分ではあります。
日行丹:対空ミサイルはクリティカル必要なら大槌狙っておきます。
日行丹:5dx+8>=14
DoubleCross : (5R10+8[10]>=14) → 8[4,5,5,8,8]+8 → 16 → 成功

日行丹:渡すタイミングってここでやってもいいんでしょうか?
朝永花月:やったー!パパ大好き!
朝永花月:自前の調達は、シューターズジャケットを狙います。
朝永花月:2dx+5>=13
DoubleCross : (2R10+5[10]>=13) → 6[3,6]+5 → 11 → 失敗

朝永花月:うーん。まだ我慢だな……!
日行丹:このタイミングで渡してもOKなら花月ちゃんに大槌を渡しておきます、忘れそうだ

■Middle/06

GM:では、次の登場希望キャラは侵蝕率をどうぞ。
灰下 照:1d10+59
DoubleCross : (1D10+59) → 10[10]+59 → 69

“フェイスダウン”:1d10+55
DoubleCross : (1D10+55) → 8[8]+55 → 63

京須市 住宅街

GM:空から、雲の影がまばらに落ちる。
GM:わずかな熱を帯びた風が吹き込む。空が赤く落ちていく。
GM:夕焼け。
GM:……それでも、灰下照の心に巣食った恐怖は……まだ晴れていない。
GM:日が昇り、沈みゆく時でも、まだ夜の闇が残っている。電信柱の影。ブロック塀の背後。
GM:川から遠く離れたこの路地でも、側溝を流れる水音は聞こえている。
灰下 照:「……! っ……!」
灰下 照:路地裏を駆ける。隠れる。倒れながら走る。
“フェイスダウン”:『――照!』
“フェイスダウン”:その背後から
“フェイスダウン”:声をかけます
灰下 照:蹲っていた背中が震える。「!」跳び上がり、身を翻し、逃げ出す。
“フェイスダウン”:「…!?」
“フェイスダウン”:走って逃げているだけなら
灰下 照:そうですね。影を渡ることは出来ていない。
“フェイスダウン”:回り込むのは簡単だ。地形を把握し、照の前を遮る。
“フェイスダウン”:そして抱えるように止める
“フェイスダウン”:『…大丈夫だ。私だ。』
灰下 照:「あ!うぅ……あ……!」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:灰下くんの震えが止まるまでそうしてます
灰下 照:「うう…………う……」最初は抵抗していたが、それが止まる。
灰下 照:「フェ、イ……」
“フェイスダウン”:『…怪我はないな』
灰下 照:腕を回し、ぎゅ、と縋りつく。
灰下 照:啜り上げる声。震える手は小さく、弱弱しい。
“フェイスダウン”:『何があった、照』
灰下 照:「……して」
灰下 照:「外してく……ださい。……ヘルメット」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:ヘルメットを外して、照に目線を合わせたまま地面に置く
曽根崎ヒロヱ:「ほら、しっかりし」
灰下 照:「…………」
灰下 照:相手の、『顔がある』。そのことにひどく安堵する。ふっと力が抜け、背後に座り込む。
灰下 照:顔は涙と泥でぐしゃぐしゃだ。初めてフェイスダウンと会った時も、ここまで酷くはなかった。
灰下 照:「…………」
曽根崎ヒロヱ:「折角の男前台無しやで、じっとして」
曽根崎ヒロヱ:片手を握ったまま、ハンカチで灰下くんの顔を拭ってます
灰下 照:片手は離さない。されるがまま。意地を張る余裕もない、年相応の態度。
灰下 照:「……ゆうれいが」ぽつりと。呟く。「いた」
曽根崎ヒロヱ:「幽霊?」
灰下 照:少しずつ、順を追って話す。「橋の上に、居たんだ。ゆくえふめいの、女子」
灰下 照:「あいつは『おかあさん』のところに居るって。他の、同じような子供と、一緒に」
灰下 照:「あったかくて、ごはんがあって、しあわせな場所……」
灰下 照:「そんなとこ、あるわけない。どうせ、誰かに騙されてるんだと思って」
灰下 照:「どこにいるんだって聞いた。そういったら、そいつは、…………っ」
灰下 照:黙りこむ。
曽根崎ヒロヱ:「……つまり」
曽根崎ヒロヱ:「橋の女の子…三春ちゃんと話したん?それで攫われた子らは『おかあさん』のところにって…あの子がそう言うたん?」
灰下 照:「そう……うん。そうだ」
灰下 照:「でも、あいつは。あいつが『おかあさん』って呼んだ、そいつは……」
灰下 照:《影絵芝居》。脳裏に強く刻み込まれてしまった姿が、照の背後の壁に、文字通り投影される。
曽根崎ヒロヱ:「!」
灰下 照:枯れ木のような、異常長身のバケモノ。
灰下 照:「う、うあ、ああっ!」 転がるように逃げる。
曽根崎ヒロヱ:手を引いて、抱き留める
灰下 照:「う! うう……」すぐに影絵は消える。それが、己の意志によるものだと、頭では理解している。
灰下 照:「ちくしょう……ずっと、消えない……ちくしょう……!」
曽根崎ヒロヱ:「……照…」
曽根崎ヒロヱ:「怖かってんな」
曽根崎ヒロヱ:「無事でよかった」
灰下 照:「怖くなんか、な、……」怖い。恐ろしい。情けない。恥ずかしい。
曽根崎ヒロヱ:「…ほんまに、無事でよかった」
灰下 照:フェイスダウンの服に顔を埋め、しばらくの間、泣き続ける。

GM:情報収集を行うことができます。
“フェイスダウン”:いえあ!
GM:情報収集の手番を放棄すれば、そのキャラはシーンを切り替えることなく日行さんに加勢可能。
GM:また、照くんが直接怪異の現象を目撃しているため
GM:能力の一端について推理することもできます。ただし照くんを始めとして、直接現象を目撃してしまった者は
GM:判定にペナルティがかかります。
灰下 照:SAN値が
“フェイスダウン”:ヤバい
▼UGNの動き 〈情報:UGN〉 難易度17
▼灰下照の経歴について 〈情報:噂話〉 難易度9
▼失踪事件の怪異 〈知識:レネゲイド〉 難易度11
GM:失踪事件については、照くんが調査する場合、〈意志〉難易度9を先にクリアする必要があります。
“フェイスダウン”:見せてやるぜザ・精神力
GM:その他、調べたい事柄があれば項目を作成しましょう。
GM:でも、そろそろこれ以上は調べられない、あるいは他を調べた方が効率がいい項目も出てきています
灰下 照:自分のこと調べるのはなあ!w
“フェイスダウン”:怪異について!
“フェイスダウン”:7dx
DoubleCross : (7R10[10]) → 5[1,2,2,4,4,5,5] → 5

“フェイスダウン”:ひっどいww
灰下 照:これはひどい
灰下 照:日行さんに繋がる情報……というよりも
GM:グググ……哀れなりヒロちゃん……
“フェイスダウン”:お姉さんしてよ!!こんな時くらい!
灰下 照:やはり情報力は詐欺師しかいない・・…
GM:その詐欺師がピンチらしいですよ
灰下 照:じゃあ、何か知ってそうだった山古さんのことについて調べようか
GM:山古陣矢についてはさほど調べられることは多くありません、が
GM:もしかしたら灰下くんの行動スタンスに大きく影響を与えるかもしれません。
▼山古陣矢の捜査について 〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉 難易度10
GM:この項目の判定に成功した場合、
GM:いや、別にいいかな。
灰下 照:コネ:情報屋(ケータイ裏サイト相当)を使って振ります
灰下 照:4dx+2
DoubleCross : (4R10+2[10]) → 9[1,3,5,9]+2 → 11

灰下 照:usyaaaa
GM:こいつら本当に判定成功しやがるな……!
GM:では、灰下照は、山古陣矢のここ数日の行動について把握しました。
GM:重傷者のはずの警官が、何らかの執念で捜査活動を行っている。
灰下 照:すげえ
GM:……朝永花月の動きと、その周辺についての捜査。
GM:幼馴染の彼は、朝永の言動から、彼女がいつもと何かが違うことに気づいたはずです。
GM:山古が聞きこみを行っていたのは、日行丹を名乗る男の動向について。
GM:悪質な霊感商法によって……例えば、病気の子を持つ母親を破産にまで追い込み、
GM:多くの人間に取り入り、大金を絞りとってきた詐欺師であると、聞きこみと同時に警告をしていたことが分かりました。
GM:幼馴染が、危険な詐欺師と行動を共にしていると分かった時、どうするのか。
GM:重傷を押してまで捜査を行っていた彼がどのような行動に出るのか、小学生の照にも、想像に難くありません。
灰下 照:じゃあ、朝永さんから借りたケータイのLINEに届いていた、朝永さんの友人のメッセを見てそれを知ります。
灰下 照:「………………………………………」
灰下 照:なんとか落ち着いた。フェイスダウンさんの袖を掴みながら、大きくそっぽを向いている。
“フェイスダウン”:『どうした?』
“フェイスダウン”:照の手を引いてホテルに戻る途上だ
“フェイスダウン”:『前を向いていないと転ぶぞ』
灰下 照:「……………………………別に良い」
灰下 照:「花月と、日行は?」
“フェイスダウン”:『……あ』
“フェイスダウン”:『しまった…待ち合わせをしていたけど』
灰下 照:なんとか話を逸らせたかったのだが。「……ごめん」
“フェイスダウン”:『完全に忘れていた…合流しなければ』
“フェイスダウン”:『……照』
“フェイスダウン”:肩に手を置いて
“フェイスダウン”:正面から向き合う
灰下 照:「……これじゃ、ほんとにガキだ」 小さく呟き、「……な、何?」
“フェイスダウン”:『照が無事なのはよかった』
灰下 照:「……?」
“フェイスダウン”:『…あの場所に向かおうとした気持ちも、私は理解する』
“フェイスダウン”:『だが…』
“フェイスダウン”:頬をギュッとつねります
灰下 照:「ぎっ? …………!」
“フェイスダウン”:『こんな事はもうするな』
“フェイスダウン”:『…お前も私も、1人では戦わないと、そう決めただろう』
灰下 照:「わ! わはってるよ……わはってる!」
“フェイスダウン”:『…本当に分かったか?』
灰下 照:「たのまれたって、ぜったいいやだよ……あんなの」
“フェイスダウン”:『そうか…』
“フェイスダウン”:手を離します
灰下 照:「う」 つねられた頬を押さえる。
灰下 照:何か、いつもなら生意気な憎まれ口をたたく所だが、
灰下 照:あんな姿を見せてしまった手前、それも出来ない。
灰下 照:「……あんただってそうなんだからな」
灰下 照:「ひとりで、なんだってやろうとすんなよ」
“フェイスダウン”:『ふふ…言い返せるようになったならいい』
“フェイスダウン”:『日行と朝永を探すぞ』
灰下 照:「うっさい……。探さなくても、電話してみる……あれ」
灰下 照:メールが何件か入っていることに気付く。
灰下 照:教えられた操作に従ってそれを開く。送り主は、朝永や日行ではない。見知らぬ名前だ。
灰下 照:眼も眩むような絵文字の濁流の中、どうやらそれは、朝永を心配するメールのようだった。
灰下 照:その中に、聞き捨てならない文言がある。
灰下 照:「なあ。これ」 画面をフェイさんに見せる。「なんか、危なくないか」
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:画面を確認する
“フェイスダウン”:『ああ、まずい』
灰下 照:“朝永が怪しげな詐欺師に関わっている”と、警官に伝えられた友人が、朝永を心配しているメール。
“フェイスダウン”:『日行…いや、山古陣矢を探そう』
灰下 照:「待ち合わせの場所はどこだったっけ」
灰下 照:……周辺に、影を何枚か立ち上げる。
“フェイスダウン”:『!例の能力か…』
“フェイスダウン”:『○○の喫茶店だ。急ぐぞ』
灰下 照:何日にもおよぶ歩きまわりと、今日の奔走で、大体の感覚は掴めた。
“フェイスダウン”:『日行と山古がぶつかる前に間に合わなければ…かなり不味い状況になる』
灰下 照:あまり遠距離には移動できないが、街内の自由な移動には十分だろう。
灰下 照:「あの警官、口うるさかったし」
灰下 照:「ん。行こう。」

GM:シーン終了。調達判定とロイス取得が可能です。
灰下 照:フェイのN感情を羞恥に変える。
“フェイスダウン”:購入!
“フェイスダウン”:ブルーゲイルかな
“フェイスダウン”:3dx+5
DoubleCross : (3R10+5[10]) → 6[2,3,6]+5 → 11

“フェイスダウン”:無理!以上
灰下 照:購入。なんかUGN服っぽいやつ。
灰下 照:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 3[2,3] → 3

灰下 照:何を買えと。
GM:それでは、本日はここまで。ありがとうございました。
灰下 照:お疲れさまでしたー!

■Middle/07

GM:登場希望PCは侵蝕率を上昇させてください。
“フェイスダウン”:1d10+63
DoubleCross : (1D10+63) → 9[9]+63 → 72

灰下 照:1d10+69
DoubleCross : (1D10+69) → 9[9]+69 → 78

日行丹:1d10+60
DoubleCross : (1D10+60) → 4[4]+60 → 64

京須市 裏路地

GM:湿った、ビルとビルの合間。
GM:人の目が届かない、情報の受け渡しに都合の良い地形だった。
GM:街に、暗がりが落ちつつある……
GM:銃を突き付けられた日行丹を見咎める者もいないだろう。
日行丹:どうしたものか……《ワーディング》を張れば朝永か誰かが駆けつけてくるかもしれないが
日行丹:それをやればUGNも駆けつけてくるだろう。
日行丹:今の情報量からすれば奴らと接触する機会は先延ばしにしたいところだ。
山古陣矢:ザシッ
山古陣矢:よろめくように歩いて、
山古陣矢:銃口を、左肩を支えるブロック塀へと向ける。
日行丹:陣さんとやらもUGNと行動していないところを見ると協調路線をとっているわけではなさそうだが……
日行丹:確認してみるか。
山古陣矢:……カチン。
山古陣矢:カチン。カチン。カチン。
山古陣矢:4回、引き金を引いた。
日行丹:「おい、俺を捕まえたかったら。仲間でも呼んだらどうだ?」
日行丹:「UGNがこの街に来ているんだろう」
山古陣矢:「……はは、随分強いんだな」
山古陣矢:「喋ってる余裕があるなんて」
GM:――ガン!!
GM:背後から、何かが日行の首筋をかすめた!
日行丹:「さあな、俺が強いかどうかは言わんが……余裕ならあるぞ」
日行丹:何かがかすめた首筋を抑える。
GM:ガン!
GM:さらに横合いから飛来。腰骨を削る。
日行丹:「俺は何時もお前みたいな奴が襲ってくるか、考えているからな」
日行丹:思わずよろめく、痛覚が走る。
日行丹:「最近の警察は陰湿だな」
日行丹:「こうやって、悪人をいたぶる訳か。なるほど」
日行丹:「これじゃあ朝永の奴もお前の言うことは聞かないな」
山古陣矢:「なんかな……俺、よくない警官だからさ」
山古陣矢:「同じ人間だと思えねーんだよ。お前、痛くも怖くもないってわけだな……」
日行丹:「おいおい、そいつは違うな」
山古陣矢:「威嚇射撃はしたからさ。おとなしく……捕まってくんねーかな……」
日行丹:「俺は人間だ、痛いし、もちろん恐怖だって感じている」
日行丹:「これ以上傷めつけるつもりがないのなら」 しゃがんで両手を上げる
日行丹:「この通りだ。素直に掴まってやる」
山古陣矢:「……。妙な真似をするつもりなら」
山古陣矢:「まだ2発残ってる」
山古陣矢:カシャッ!
山古陣矢:手錠を取り出す。
日行丹:「お前が俺を痛めつけなれば、そんな真似をするつもりはない」
山古陣矢:「日行丹。詐欺罪及び未成年者略取の容疑で、逮捕する」
日行丹:この辺りが限界だろう。
日行丹:俺が話をして引き伸ばせる時間、俺に出来る限界。
日行丹:後は俺自身がその負債を支払うことになるか、あるいは――
灰下 照:「――なぁ、警官さん」
灰下 照:山古の、背後から声。
山古陣矢:肩越しに振り返る。
灰下 照:「情報を、教えてくれないだけならともかく」 路地の壁から伸びた、山古の影。
灰下 照:そこから、細い手が伸びて、山古の制服の裾を掴んでいる。
灰下 照:「おれらの邪魔までするのかよ」
日行丹:俺以外の奴から払ってもらうしかない。
“フェイスダウン”:『……』
“フェイスダウン”:いつの間にか、日行の前に立っている
灰下 照:「点数稼ぎって言うの? そういうの」
山古陣矢:「……テラス」
山古陣矢:「で良かったよな。……やめろよ。子供だろ……」
灰下 照:「みんな、そう言うんだけどさ」
灰下 照:「『子供』ってなにさ。ピコピコのさ、NPCみたいなもん?」
灰下 照:「馬鹿にするなよ。考えて、決めて、生きてるのは、おれだ」
灰下 照:「――もういっかいゆう。邪魔、すんなよ」
山古陣矢:「……お前だって、今、警官の邪魔をしている」
灰下 照:「……?」
山古陣矢:「お前が子供でいたくないっていうなら。そういう社会の取り決めを敵に回すってことだ……分かってるか。テラス」
山古陣矢:「こっちの」拳銃で日行を指す。
山古陣矢:「どうしようもないオッサンみたいになりたいか」
灰下 照:「そりゃ、嫌だけど」
灰下 照:「おれ、警官にもなりたくないから」
山古陣矢:「分かってんだよ……!俺だってお前と同じだ。テラス」
山古陣矢:「俺だって、自分の我がままでやってる。悪いやつをブチのめしたいってさ……」
山古陣矢:日行やフェイスダウンが攻撃しようと思えばできるだろう。攻撃の手を休めて、灰下照に話しかけている。
山古陣矢:「……他のやつと違う力とかが、あってさ……どうせそうなら、弱い……子供とかを、守りたいなって思ったよ」
山古陣矢:「だから警官になったんだ」
山古陣矢:「……テラス。お前は何になるんだ?」
日行丹:膝をつき、両手を上げたまま灰下の様子をみる。
灰下 照:「………………」
灰下 照:「『今の俺』以外の、なにか」
灰下 照:即答した。一瞬の迷いもなく。
山古陣矢:「……俺と」
山古陣矢:「戦う気か」
灰下 照:「日行のオッサンはおれの話を聞いてくれた。花月はおれを友達だって言ってくれたし、フェイはおれを心配してくれた」
灰下 照:「あんたは、そのどれでもない。」
灰下 照:「”エブド”」――「”メロス”」
灰下 照:明瞭な発音。路地裏いっぱいに、影法師が上がる。
山古陣矢:「………………」目を閉じる。
灰下 照:「ずっと、ずっと、頭を埋め尽くしてる相手が居るんだ」
灰下 照:「おもいがあるんだ。そいつをどうにかしなきゃ、おれは何にもなれない。何も始められないって」
山古陣矢:「なら、さ……子供扱いはしないぜ」
山古陣矢:「公務執行妨害で、逮捕する」
山古陣矢:目を開く。静かに銃口が上がる。

■第1ラウンド

 灰下

 3m

 山古

 5m

日行 フェイス
【イニシアチブ】
8/8:山古陣矢
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
6/6:灰下照
GM:まずはセットアップから。PC優先で、まずは日行およびフェイスダウンから。
“フェイスダウン”:なし!
日行丹:なしで!
山古陣矢:《加速装置》。行動値+8。
“フェイスダウン”:はやい!
灰下 照:このやろう!
灰下 照:セットアップなしで。
【イニシアチブ】
16/8:山古陣矢
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
6/6:灰下照
GM:山古陣矢の行動から。
山古陣矢:「……2発」
山古陣矢:「……3、4……」撃った弾を数えているわけではない。
山古陣矢:リボルバーに弾を込めている。
山古陣矢:既に攻撃が完了しているためだ!
山古陣矢:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アタックプログラム》《空間歪曲射撃》《要の陣形》。
山古陣矢:“フェイスダウン”と日行を狙います。
山古陣矢:6dx7+13
DoubleCross : (6R10+13[7]) → 10[2,2,4,5,6,7]+10[10]+10[8]+1[1]+13 → 44

山古陣矢:ガード値は-5。
日行丹:ここは素で避けておこう。
日行丹:2dx>=44
DoubleCross : (2R10[10]>=44) → 5[2,5] → 5 → 失敗

“フェイスダウン”:回避!
“フェイスダウン”:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 10[1,10]+10[10]+4[4] → 24

“フェイスダウン”:無駄クリッ!
日行丹:“フェイスダウン”をカバーする。
日行丹:行動放棄だ。
山古陣矢:5d10+17
DoubleCross : (5D10+17) → 33[9,1,9,8,6]+17 → 50

“フェイスダウン”:『日行、下がっていろ。私たちがここは片を付ける』
日行丹:ドン、とフェイスダウンを突き飛ばす。
日行丹:「邪魔だ、どけ」
“フェイスダウン”:『……!?』
GM:――バチッ!
GM:前日の小雨で濡れた路地のどこかで、火花が光る。
GM:ガン!
GM:    バチッ!!
GM:銃声すら響かない。二つの方向から跳んだ銃弾が、同時に日行の内蔵を貫いた。
日行丹:弾かれたように吹き飛び、路地を転がる。
日行丹:1d10+64
DoubleCross : (1D10+64) → 4[4]+64 → 68

“フェイスダウン”:『馬鹿!何を…!』
日行丹:「ゴホッ、ガハッ!!」 吐血する
日行丹:「……勘違いするな、お前に言っただろう」
日行丹:「俺は弱い」
日行丹:「だから出来ることをしたまでだ」
山古陣矢:「日行丹。お前の真似をしてやろうか?」
山古陣矢:「……てめーが今すぐ捕まれば、この2人も巻き添え食わずに済むんだよ」
日行丹:「ハァー……」 溜息をつく
日行丹:「そんなこと、俺の知ったことじゃあない」
日行丹:「こいつらが俺を助けてくれるらしいから、その好意を有りがたく受け取ってるだけだ」
“フェイスダウン”:『…そうだ。この男を、今警察に渡す事は出来ない』
日行丹:「巻き添えを食うことぐらいはこいつらも分かっているだろう」
山古陣矢:「……お前の素性は分からなかった。黒ヘル……けれど」
山古陣矢:「朝永花月からは、少なくとも……手を引いてもらう。このクズ野郎とは違って、お前を見逃すくらいはできる」
“フェイスダウン”:『…この町の児童失踪事件について、こいつは調査の手掛かりになる』
“フェイスダウン”:『そしてこいつも朝永花月も、自分の意思で私たちと同行している』
“フェイスダウン”:『山古陣矢、状況を正確に判断しろ。ここで潰し合うのは無意味だ』
山古陣矢:「畜生……なんなんだよ…………」
山古陣矢:「俺が馬鹿って言いたいのか……?……お前らの中じゃそれが当然なのかよ……」
山古陣矢:「ガキの行方不明を探すのはなんでだよ。子供が心配だからじゃねーのかよ!」
山古陣矢:「なんで子供を危険に晒すんだよ!」
山古陣矢:「犯人が許せねーから探すんだろうが!そのために、同じくらいのクソ野郎を見逃すのか!」
山古陣矢:「俺が馬鹿だからか!?全ッ然、筋が通らねーんだよ!」銃を構える!
山古陣矢:「俺は……俺は、よくない警官だからさ……絶対、納得しねぇ……いくら、朝永の意志でも……そこまで納得してやらねえ」
“フェイスダウン”:『……』
灰下 照:「一緒にすんなよ」
日行丹:「“陣さん”……山古陣矢でいいんだよな」
日行丹:「そういうのが嫌だったら、お前一人で解決くらい強くなればいいだけだ」
日行丹:「お前が馬鹿だ、とかそういうのは関係がないな」
灰下 照:「こいつ、なんでこんなに怒ってんのさ」
日行丹:「さあな、余程俺と“フェイスダウン”が気に入らないんだろうな」
“フェイスダウン”:『…ああ、許せないんだろう』
灰下 照:「……うっざいな、こいつ」
灰下 照:顔を歪める。今しがた、これだけ話したのに。
GM:手番はフェイスダウン。
日行丹:実際、こいつの言っていることは間違ってはいない。
日行丹:正しい倫理観と正義感で行動しているのは間違いない。だが、それだけだ。
“フェイスダウン”:『聞く耳を持たないなら…腕づくで止めさせてもらう』
“フェイスダウン”:マイナーで戦闘移動!山古さんに接敵!
 灰下

 3m

 山古
フェイス

 5m

 日行
“フェイスダウン”:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》+《コンバットシステム》+《急所狙い》!
“フェイスダウン”:12dx7
DoubleCross : (12R10[7]) → 10[2,2,2,3,4,5,5,7,7,8,8,8]+10[2,3,4,5,7]+10[7]+1[1] → 31

“フェイスダウン”:いい感じ
山古陣矢:ガード。《電磁障壁》。
“フェイスダウン”:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 21[9,10,1,1]+24 → 45

山古陣矢:45-4d10
DoubleCross : (45-4D10) → 45-27[6,4,10,7] → 18

山古陣矢:……受けるか。装甲値を引いてダメージ。
“フェイスダウン”:『はぁッ!』
山古陣矢:「一人だ。最初から……」肩をだらりと下げたまま、フェイスダウンの攻撃の初動を見る。
“フェイスダウン”:距離を詰めスーツの袖口から飛び出した二振りの釵で突き刺す!
“フェイスダウン”:ガキン!!
山古陣矢:再び火花が光った。硬質な手応え。
山古陣矢:「……一人で守れるくらいじゃねーと……」
“フェイスダウン”:『…ッ!』
山古陣矢:地面から、ポリカーボネート製の盾が『生えて』いる。それが、片方の釵を弾いた。
山古陣矢:もう片方の釵は、山古陣矢の左肩を貫いている。その状態で、“フェイスダウン”の手を掴む。
山古陣矢:「……警官、やってる、意味が、ねぇだろ……!」
“フェイスダウン”:『!』
“フェイスダウン”:軽業めいて体を捻り、山古の腕を振りほどいて飛び退く!
山古陣矢:「……チッ!」UGNエージェントと戦闘した負傷も深いのだろう。掴む力は全く強くはない。
“フェイスダウン”:『この…分からずや…!』
“フェイスダウン”:この男は、今の自分に似ている。鏡と戦っているような感覚が、動きを鈍らせる。
灰下 照:マイナーで《原初の青:陽炎の衣》。侵蝕は82に。GM:次は行動値6、照くんの手番。
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灰下 照:ずるり。影から、赫骨の穂先を備えた柄が、伸びていく。
灰下 照:一見、身の丈に合わない長さのを、両手で巻きつけるように持つ。
灰下 照:メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《伸縮腕》《原初の赤:見えざる死神》
灰下 照:9dx8+2
DoubleCross : (9R10+2[8]) → 10[2,3,3,3,4,7,8,8,10]+7[1,5,7]+2 → 19

灰下 照:おお、回った……
山古陣矢:ガード。《スタンシールド》。
灰下 照:周囲の影法師が同じシルエットを取り出し、同じ挙動をとる。周囲の影と、全く同じ姿になる。
灰下 照:2d10+21
DoubleCross : (2D10+21) → 7[3,4]+21 → 28

山古陣矢:《隆起する大地》。
山古陣矢:28-1d10-18
DoubleCross : (28-1D10-18) → 28-1[1]-18 → 9

山古陣矢:健在!むしろ照くんに12点のHPダメージと、放心をお返しします。
灰下 照:ko,
灰下 照:この野郎・・・・・・!
山古陣矢:「……テラス!」背を向けたまま叫ぶ。
灰下 照:振り回される槍。狙いは――足元。山古の脛だ。
山古陣矢:「よせ、馬鹿!!」
灰下 照:手加減でもない。足止め狙いでもない。ただ、それが慣れ切った形だった。
GM:ズシャッ!!
GM:山古陣矢の脛を、深く裂いた。骨まで達する手応え。
山古陣矢:「うっ……グ」
GM:だが、同時に。
GM:バチ!!
灰下 照:「いっつ……ッ!」
GM:白い電光が体内から破裂し、灰下の手元へと逆流する。
灰下 照:影法師の一つが破れ、中から灰下の姿が現れる。
山古陣矢:「くっそ……子供にしてやられるのかよ……」座り込み、大きく裂けた傷口を見る。
灰下 照:灰下が最初にいた地点とは、全く別の影だ。
山古陣矢:「世話ねえな……」
灰下 照:「……痛った。いい加減さ。オマエ、こっち向けよ」焦げた掌を払う。
灰下 照:再び半身の姿勢。山古なら見覚えはあるかもしれない……薙刀の型だ。
山古陣矢:「……死んだ……姉ちゃんのために、復讐したいとか、そういう話か……」
灰下 照:「…………」
灰下 照:「誰から聞いたんだよ、それ」
灰下 照:「……さあ。どうだろ。やってることだけ見れば、そうなるのかな」
灰下 照:「子供の力になりたいんならさ。教えてくれよ。赤骨のこと」
山古陣矢:「……悪いけどな、テラス」立ち上がろうとする。
山古陣矢:「俺が、知ってるのは、失踪の話……だけだ……」
灰下 照:「――っだったら!」
灰下 照:「こんなとこで日行なんかに喧嘩してないで! あの化け物、ぶっ殺せよ!」
灰下 照:声を荒げる。影が大きく揺らぐ。
山古陣矢:「そいつはできないって……分かってるだろ……!」
山古陣矢:「俺が、どうして日行から逃げるんだよ……日行が怖いからか?日行が良い奴だからか?」
山古陣矢:「捕まえようとすると、お前が邪魔するからか?……テラス」
灰下 照:「なあ、フェイ。」
灰下 照:「こいつ、さっきからぜんっぜんハナシつーじないんだけど」
灰下 照:「これがジャームってやつなの?」
“フェイスダウン”:『違う…ただの人間だ』
“フェイスダウン”:『やるべき事と許せない事、それだけが分かっていて』
“フェイスダウン”:『何をすればいいのかを見失ってる。それだけの人間だ』
山古陣矢:「……じゃあ、お前が教えてくれよ……!黒ヘル」
山古陣矢:「俺がどうすればいいのか、お前の方がわかってるんだろ」
“フェイスダウン”:『今のお前よりは、分かっているはずだ』
山古陣矢:「犯罪者が2人いて、どっちも、人を傷つけていて」
山古陣矢:「1人の方は、皆が庇っているから後でってのは……通らねーだろ」
“フェイスダウン”:『…だったら…ここで喚き散らして何か解決になるのか』
山古陣矢:「それとも、俺が見逃せばそいつが勝手に誘拐犯を捕まえてくれるのか?詐欺師の、そいつが!」
“フェイスダウン”:『そうだ、私はそう判断した』
灰下 照:「ケーサツが捕まえられてないんだから」
灰下 照:「サギシが捕まえても、なにもおかしくないだろ」
灰下 照:「ほんとさ、人の話きけよ」
“フェイスダウン”:『日行は悪党だ。だが…少なくとも今のお前よりは、この事件の助けになる』
山古陣矢:「……朝永も、そう思ってんのかな……」
日行丹:「……直接聞けばいいだろう」 蹲っていたところをようやく立ち上がる
山古陣矢:泣きそうな声で呟く。だが。

■第2ラウンド

 灰下

 3m

 山古
フェイス

 5m

 日行
【イニシアチブ】
8/8:山古陣矢
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
6/6:灰下照
GM:またセットアップから。行動がある方はどうぞ。
灰下 照:なし。
日行丹:なし!
“フェイスダウン”:ない
山古陣矢:《加速装置》。再び行動値+8。
【イニシアチブ】
16/8:山古陣矢
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
6/6:灰下照
“フェイスダウン”:きやがれー!
山古陣矢:「……3対1か」
山古陣矢:「……負けたら、カッコ悪いよな」
山古陣矢:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アタックプログラム》《空間歪曲射撃》《要の陣形》。
山古陣矢:対象は日行とフェイスダウン。
山古陣矢:6dx7+13
DoubleCross : (6R10+13[7]) → 10[1,6,8,8,8,8]+5[1,2,3,5]+13 → 28

“フェイスダウン”:回避!
“フェイスダウン”:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 8[1,8] → 8

日行丹:試してみるか。
日行丹:《リフレックス:ソラリス》《命の盾》
日行丹:5dx8+9
DoubleCross : (5R10+9[8]) → 10[4,5,8,10,10]+5[3,5,5]+9 → 24

日行丹:うーん、だめでした~!!
日行丹:68→71
山古陣矢:カチン カチン
山古陣矢:引き金を引いた。自分の流した血溜まりに銃口を当てて。
山古陣矢:――パチ
山古陣矢:         チッ!
山古陣矢:そして、出現する。
山古陣矢:3d10+17
DoubleCross : (3D10+17) → 20[10,4,6]+17 → 37

山古陣矢:“フェイスダウン”は同エンゲージなのでさらに2点追加されて、39点ダメージです。
“フェイスダウン”:ぐえー!リザ!
“フェイスダウン”:81+1d10
DoubleCross : (81+1D10) → 81+2[2] → 83

灰下 照:ショットガンだwww
日行丹:1d10+71
DoubleCross : (1D10+71) → 8[8]+71 → 79

“フェイスダウン”:最強の力…
GM:パン!
GM:   パギャ!!
日行丹:何かを言おうとするが血が喉に詰まる。
日行丹:「ゴホッ!……ダメだな」
“フェイスダウン”:『ぐッ…!』
GM:電光と共に銃弾が飛び出す!
GM:血。濡れた路地。『通電』の経路を通って、空間を跳躍している。そういうシンドロームだ。
灰下 照:「こいつ……っ」
日行丹:もう一度、弾かれたように吹き飛ぶ。
日行丹:ごろごろと路地を転がり、起き上がろうとする。
日行丹:「……仕方ない、もう少し後で使うつもりだったんだがな」
山古陣矢:「ハァ、ハァ……!痛く、ねーのかよ……!」
日行丹:「痛いに決まってるだろう……」
日行丹:「……少なくとも俺は、そうだ」 表情は変わらない、幽鬼じみた不気味さのままだ
山古陣矢:「……人間に、見えねえ」もう一度言う。
山古陣矢:「俺は……俺は……お前みたいなやつを信用する人間がいるって……信じられねーよ……」
日行丹:「灰下から見たら、お前が俺をそう見るように……同じように見えるかもしれないぞ」
日行丹:「信じられないか……お前、面白いこと言うな」
日行丹:「お前、俺のこと知ってるんじゃあないのか?」
山古陣矢:「……詐欺師だ」
日行丹:「そうだと思ってるなら……こんなことくらいあり得る話だろう」
GM:手番は行動値8。フェイスダウンか日行さん。
日行丹:先に動きます
“フェイスダウン”:どうぞー
日行丹:次に灰下くんが動いたらキツすぎるので私も賭けに出よう。
日行丹:マイナーでジェネシフトします。
灰下 照:すまぬ・……
日行丹:1d10+79
DoubleCross : (1D10+79) → 3[3]+79 → 82

日行丹:山古陣矢に向かって、分かるように携帯をいじる。
日行丹:そしてフェイスダウンのところまでよろよろと移動する。
日行丹:メジャーでフェイスダウンのところへ全力移動します。
 灰下

 3m

 山古
フェイス
 日行
日行丹:「そう、こんなことは有り得る話だ」
日行丹:「俺は……信用されることに関しては少しだけ、自信があるからな」
日行丹:携帯を懐へ戻す。
GM:次はフェイスダウンの手番。
“フェイスダウン”:マイナーなし
“フェイスダウン”:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》+《コンバットシステム》+《急所狙い》+《アンプリフィケイション》!
“フェイスダウン”:ここで殺す!
“フェイスダウン”:13dx7
DoubleCross : (13R10[7]) → 10[1,1,2,2,4,6,6,6,7,8,8,9,10]+10[1,4,5,7,7]+10[6,8]+10[8]+10[8]+1[1] → 51

“フェイスダウン”:回った
山古陣矢:これは《スタンシールド》!装甲とガードで耐えてやる!
日行丹:“フェイスダウン”と山古陣矢の攻防の最中、明後日の方を見る。
日行丹:路地の向こう側、その先へ。
日行丹:《力の霊水》ダメージ+3d10
日行丹:そして呟く。
山古陣矢:「……!」拳銃の撃鉄を引き
日行丹:「遅かったな、朝永」
山古陣矢:路地の遠くに、弾丸を転移させる準備を……
山古陣矢:止める。
“フェイスダウン”:『でやぁあああああああッ』
“フェイスダウン”:その瞬間、再び懐に飛び込み、蹴りと釵の連打を浴びせる!
日行丹:侵蝕:82→86
“フェイスダウン”:9d10+39
DoubleCross : (9D10+39) → 44[6,9,6,2,7,3,1,1,9]+39 → 83

山古陣矢:《隆起する大地》!
山古陣矢:83-1d10-18
DoubleCross : (83-1D10-18) → 83-1[1]-18 → 64

山古陣矢:無理!初手からこのダメージだったら一撃即死だったな……
日行丹:陣さんの出目がさっきから低いw
山古陣矢:装甲で引いても倒れます。残りHPは15。
山古陣矢:《スタンシールド》の12点分だけを返します。
“フェイスダウン”:ゲーッ!それがあったか
“フェイスダウン”:ぶっ倒れよう
山古陣矢:日行の一言が作った隙は、あまりに致命的だった。
“フェイスダウン”:ガッガッ ゴ ガッ!
“フェイスダウン”:激しい連打で山古の体勢を崩し、そのまま馬乗り状態のマウントを取る!
山古陣矢:「ハァ……ハァ……!」敗北を悟るが、まだ右手の銃を離していない。
“フェイスダウン”:『……ハァッ…ハッ』
山古陣矢:「……俺は……間違ってると思うか……」
山古陣矢:「俺の……負けだ。でもな。日行丹がやったことを、俺は知ってる」
“フェイスダウン”:山古を地面に押さえつけたまま、釵を振り上げ
山古陣矢:「……いつか、何もかも――」
“フェイスダウン”:――ガキン!
灰下 照:「フェイ!」
“フェイスダウン”:山古の耳を掠めて、地面に突き立てる
“フェイスダウン”:『あんたは…正しい…』
“フェイスダウン”:『ウチなんかよりずっと……でも』
“フェイスダウン”:『何を守るべきなのか、見失ったまま戦ったら…』
“フェイスダウン”:『絶対に…後悔する…』
山古陣矢:「……っ……」
灰下 照:(……びっくりした)
“フェイスダウン”:『私は日行はお前の敵でいい。けれど…照や花月の言葉は聞いてやって欲しい』
“フェイスダウン”:『……それがきっと、お前のすべき事だ』
“フェイスダウン”:『ぐ…っ……』
“フェイスダウン”:そのまま山古に被さるように倒れ込む
山古陣矢:「……おい!」拳銃を取り落とし、傾いた体を下から支える。
灰下 照:「フェイっ、……馬鹿」
灰下 照:後ろから引き上げて、支えよう。フェイのが長身だからかなりきつい。
“フェイスダウン”:『………』
“フェイスダウン”:ぐったりとのびている
山古陣矢:「……。照……お前、俺に……」起き上がれないまま、息も絶え絶えに言う。
山古陣矢:「……邪魔するな、って言ったよな。俺も……お前に、邪魔するなって言った」
山古陣矢:「……それで話は終わりだと思ってたよ……どっちも、譲れないなら……戦うしかないだろ……」
灰下 照:山古に威嚇めいた表情を向ける。
灰下 照:「……おれだってそうさ。あんたの言うことなんて、聞く気もない」
灰下 照:「だけどさ、オマエ。おれ、狙わなかったろ」
山古陣矢:「……」
灰下 照:「……だから、逆だ。おれは、お前のこと、嫌いだよ」
灰下 照:「何が『話は終わり』だよ。オマエ、ずっと、おれを見てなかったじゃないか」
山古陣矢:「……悪かった」
山古陣矢:「お前を、撃つべきだったのかな……本当に、子供扱いしなかったなら……」
山古陣矢:「……でも……ガハッ、それ、でも……!」
山古陣矢:「それだけはできない……!俺が……俺じゃなくなる」
灰下 照:「……だったら、話せよ」
灰下 照:「フェイや日行は、おれよりは話しやすいよ。きっと」
灰下 照:「おれの話とか、そいつらの話とか聞いてさ」
灰下 照:「そんでもって」
灰下 照:「ちゃんと話しあって……」
灰下 照:「で、おれに道を譲れ」
山古陣矢:「……UGNのやつが、街にいる……」
山古陣矢:「……そいつが、事件の記憶を、消して回ってる……」
山古陣矢:「俺を道からどかしても……まだ、いるぞ。テラス。気をつけろ」
山古陣矢:「ケホッ!グッホ!」
灰下 照:「だったら全部どかしてやるさ。……日行」
日行丹:「……なんだ?」
灰下 照:壁に、《イージーフェイカー:猫の道》で病院への近道を作り出す。
灰下 照:「とりあえず、こいつら運ぶの手伝って」
日行丹:「…………」 少し考える
山古陣矢:既に殆ど意識を失っている。とどめを刺すのも容易いだろう。
日行丹:「先に“フェイスダウン”を運べ、俺は少しこいつと話をする必要がある」
灰下 照:「それとも、花月を先に呼ぶ?」
灰下 照:「ん。話って、こいつもうこんな状態だけど」
日行丹:「呼ばなくていい、一人だけならお前でも大丈夫だろう」
日行丹:「今後の話だ、こいつと俺は話をつける必要がある」
灰下 照:「……分かった。じゃあフェイは隠れ家に連れてくから。あとで全員で待ち合わせる」
日行丹:「ああ、そうしておけ」
灰下 照:「じゃ。やられないように気をつけろよ、日行」
日行丹:「ああ、気をつける。言われなくてもな」
日行丹:灰下を見送る。
灰下 照:「信用してる。じゃあな」 フェイを伴って去る。
日行丹:「……山古陣矢」 気を失いつつある山古陣矢に話しかける。
山古陣矢:「……日行。何を……言ってもいい……どんだけ、罵っても……」
山古陣矢:「……俺は、何もできねーからさ…………」
日行丹:「お前、俺のことを信用ならないと言ったな。それは正しい事だ」
日行丹:「灰下の事もアレでいい、アイツは『考えて、決めて、生きている』と言ったが――」
日行丹:「それをする経験が圧倒的に足りないからな。誰かの庇護下で生きるのが一番だろう」
日行丹:「……お前は正しいことをするには覚悟が足りなかったようだな」
日行丹:「アイツはUGNに話して預けてもらう、記憶操作されればそれで良かった」
山古陣矢:「……」
日行丹:「子供を助けると言ってたが……お前、失踪した子供が虐待受けてたことは知っていたのか?」
山古陣矢:「……何が言いたい……」
日行丹:「本当に、子供を助ける気があったのか?」
日行丹:「それが知りたくてな」
山古陣矢:「そう言ってみろよ……好きに言えって、言ったろ……」
山古陣矢:「……この事件を調べて……許せなかったよ……」
山古陣矢:「なんで、誰も……子供がいなくなって、気付かねーんだって……」
山古陣矢:「……子供が戻った後のこと……考えてないって、言えるなら……言ってみろよ……日行」
山古陣矢:「……それで、誰も……消えたガキに、興味も持たないのが……お前の『正しさ』か」
日行丹:「俺の『正しさ』なんてどうでもいいことだ」
日行丹:「消えた子供がどうなろうと、俺の知ったことじゃあない」
日行丹:「ただ、一人くらい……他人の事に一生懸命になれる馬鹿が居て」
日行丹:「ソイツが全部が終わった後、気分よく終わるのかが気になっただけだ」
山古陣矢:「……頼む……日行……」
山古陣矢:「……朝永だけは……やめてくれ。あいつを不幸にはしないでくれ……」
山古陣矢:「…………たとえあいつの意志でも……そういうキャラじゃないんだよ、あいつ……」
日行丹:「なら、お前から見てどういう奴だ。言ってみろ」
山古陣矢:「……お願いだ」意識が朦朧としている。
山古陣矢:「……」
日行丹:「………」 山古陣矢を見る。
GM:日行達との戦闘前に、既にUGNエージェントに手酷くやられていた。
GM:出血量が多い。放置しておけば、そのまま死ぬだけだろう。
日行丹:考える、こいつをUGNに回収させることが出来るのか。
日行丹:抵抗はもう出来ないだろう、回収されて記憶操作されればこの件にはもう関わるまい。
日行丹:しかし、問題は僅かでも通報という手段を取る限りこちらの情報が漏れることだけだ……
日行丹:山古陣矢の懐を弄り、財布を確認したい。
GM:問題なく発見できます。
日行丹:中身はどれほど入ってますか?
GM:現金は1万円ほど入っています。
GM:最低限困らないくらいの金額。
日行丹:「…………」 溜息をつく
日行丹:俺はタダで働くほど、お人好しではない。
日行丹:だから、ただ頼まれたところで関係なく、朝永には最低限のことしか言うつもりはなかった。
日行丹:一万円を抜き取って、自分の財布に入れる。
日行丹:仕方がない、一万円分の仕事くらいは朝永にしてやろう。
日行丹:山古を適当に目につく場所まで運び、救急車を呼ぶ。
GM:いずれ救助が来ることでしょう。
GM:そして、少なくともこれで、この事件への警察の介入はなくなった。
GM:R事案を解決し得る存在は、オーヴァードしかいない。
日行丹:その場から離れて隠れ家へ移動するついでに情報も集められるだけ集めるとしよう。
日行丹:まだ事件は続いている。終わった後の事も考えると憂鬱になる。

■Middle/08

GM:次のシーン。登場侵蝕をどうぞ。
朝永花月:1d10+70
DoubleCross : (1D10+70) → 10[10]+70 → 80

朝永花月:マジか……

京須市内 銀行

GM:閉店時間間際の銀行。シャッターで区切られたATMコーナー内にいるのは、朝永花月と才木有希だけだ。
GM:大通りに面していながら、街の営みから隔絶された空間。
GM:――長い三つ編みの少女。外見だけならば、才木有希がそう装うことも可能だっただろう。
才木有希:「離して……!やめて!花月ちゃん!」
朝永花月:「……やだ」
才木有希:「……!」逃れようともがく。
朝永花月:「ねえ、ゆきりん。話してよ」
朝永花月:「“アリア”って子のこと」
才木有希:「いやだ!嫌ーっ!!」
朝永花月:「何がそんなに嫌なの、ねえ、ゆきりん?」
朝永花月:「どうしたのさ?ちょっと、おかしいよ」
朝永花月:「……大丈夫?」
才木有希:「お、おかしくなんかない……私……私」
才木有希:「でも、どうしてこんなところに……!こんな格好で……」
才木有希:「でも、お金を……持って行かなきゃ……」
朝永花月:「落ち着こ。ゆきりん?」
???:「どうしましたか」
GM:自動ドアが閉まる音がする。
朝永花月:「ゆっくりでいいから。私に話してみ?ん?」
GM:いつの間にか、2人を見下ろすように男が佇んでいる。
GM:眼鏡の奥の瞳が見えない。機械的な立ち姿だ。
???:「そちらの方」有希を見る。
???:「具合が悪いようですが」
朝永花月:「や、ごめんなさい、ちょっと友達調子変みたいで‥…」
朝永花月:「とりあえず、どっか座れるとこ行こ?ね?」背中を撫でる。
才木有希:「話せて……話せていたら、よかったのに……」
才木有希:「もう、遅いの…………」
???:「……」眼鏡を直す。
朝永花月:「……ゆきりん?」
???:「手伝いましょう。反対側の肩、持っていただけますか」
朝永花月:「あ、はーい。んしょ」
???:「病院がお嫌でしたら、近くの市民公園の方に」
才木有希:「……」
才木有希:抵抗も女子高生相応の力でしかない。

京須市 市民公園

GM:町の片隅の、小さな市民公園。
GM:砂場と滑り台、そしていくつかのベンチだけが設定された、ごく狭い公園だ。
GM:すぐ傍の市営団地が、夜の空を隠すように聳えている。
GM:中央に一つだけ据えられた街灯の周りを、蛾が飛び交い始めている。
才木有希:「…………やだ……いやだ……」
才木有希:ベンチに寝かされたまま、両手で顔を覆って呟き続けている。
朝永花月:「……」膝に彼女の頭を載せて撫でている。
???:少しスペースを空けて立っている。
???:「菅正巳です」一礼する。
朝永花月:「あ、どうもご丁寧に。すみません、手伝ってもらっちゃって」
菅正巳:「はい」
菅正巳:「本人が事情を話してくださらないことには、何も分かりませんね」
朝永花月:「うん……」
朝永花月:「でも、ま」
菅正巳:「……」白い手袋をつける。
朝永花月:「落ち着いたら、話してくれると思うから。それまでこうしてる」
菅正巳:「今、読むことも可能です」
朝永花月:「読む?」
菅正巳:才木有希の傍らに歩み寄って、手袋を嵌めた手で額に触れる。
菅正巳:《超越者の眼力》。一時、意識を失わせる。
菅正巳:「“もぢりもみぢ”の朝永さん。労働厚生省の者です」
朝永花月:「労働厚生省って……えっと……あ、」
朝永花月:「……UGN?」
菅正巳:「コードネームは“アナスタシア”。本案件の処理を執行しております」
朝永花月:「本案件って……ゆきりんが?」
菅正巳:「連続児童失踪事件について、“アリア”という名の少女を探している者がいる、と」
菅正巳:「探る者は探られる。これは必然的な成り行きです。自ら情報を発さずに、情報を知ることはできません」
菅正巳:「先ごろあなたに遭遇したのは偶然でした。しかし、あなたも“アリア”の名を追って彼女に行き当たったのではありませんか」
朝永花月:「……それは」言いよどむ。
菅正巳:「私の任務について、公開可能な範囲でお伝えします」
菅正巳:「私は人間の記憶を読み、そして消去することができます」
GM:Dロイス“記憶探索者”。
GM:この男が、UGNの記憶処理エージェントだ。
朝永花月:「……っ。消、去……」
菅正巳:「彼女が何を隠匿しようとしているのかを、暴くことが可能でしょう」
朝永花月:彼女を撫でる反対側。膝に置いた拳をきゅっと握る。
菅正巳:「……」
菅正巳:「“アリア”を探していた者は、あなたのお知り合いですか」
菅正巳:「それとも、それぞれ無関係にこの事件の捜索を?」
朝永花月:「……今、バイトしてて。探偵の、助手」
菅正巳:「なるほど」
菅正巳:「そちらの方が、失踪事件について探っていると。得心が行きました」
菅正巳:「協力者の情報を提供していただけますか。“もぢりもみぢ”」
朝永花月:「それ、知ってどうするの?危害を加えるとか、私やってほしくないけど……」
菅正巳:「必要とあらば記憶処理を行います」
朝永花月:「どうだったら必要なの」
菅正巳:「被害、及び情報の拡散防止に有効である場合となります」
菅正巳:「オーヴァードであればイリーガル登録に同意していただき、そうでない場合はこの案件については最初から無関係者であったようにいたします」
朝永花月:「ん。おっけー。でも、そんなにあの人のこと知らないよ?」
菅正巳:「問題ありません。現時点でR事案を認識している者は、その方お一人ですね?」
朝永花月:「うん」
菅正巳:「氏名と所在を」
朝永花月:貰った名刺を差し出す。
菅正巳:「日行丹」手持ちの端末で検索する。
菅正巳:「イリーガル登録なし。ありがとうございます」
朝永花月:(どうせ住所、でたらめなんだろうなー。詐欺師だし)
菅正巳:そして、才木有希の額に再び触れる。
菅正巳:「……」無表情な顔を、僅かにしかめる。
菅正巳:「――形を持たない、恐れと悔いにこそ」
菅正巳:踵を返す。
菅正巳:「ご協力ありがとうございました」
朝永花月:「あ、ねえ!結局ゆきりんは――!」
朝永花月:「ゆきりん、大事な友だちなの!巻き込まれてないよね?」
菅正巳:「本人が包み隠す物事であるなら」
朝永花月:「……ね?」
菅正巳:「『知られたくない』というのが、本人のご希望ではありませんか」
菅正巳:「“もぢりもみぢ”。特に、あなたのような」
菅正巳:「大切なご友人には」
朝永花月:「……」
菅正巳:「限定ワーディングは解除いたします。失礼致します」
朝永花月:「あ、……」座ったまま手を伸ばすが、すぐに降ろす。
才木有希:「……花月ちゃん」服の裾に手が触れる。
朝永花月:「……ゆきりん」所在なさ気な手で、再びゆきりんの頭を撫でる。
才木有希:「?」
才木有希:「どうしたんですか?花月ちゃん?」
才木有希:「ありゃ……」起き上がって、皺になった服を見る。
朝永花月:「……ほえ?」間抜けな声が出る。
才木有希:「あれ?なんか眠っちゃってました?っていうか……花月ちゃん、なんで京須に……?」
朝永花月:「覚えてないの?何も?」
才木有希:「あはは、変だなー」恥ずかしげに頭を振る。
才木有希:「覚えてないって」
才木有希:「何を?なんか私、恥ずかしいことでも……?」
朝永花月:「……うーん。あー」
朝永花月:「ゆきりんの名誉のために、秘密にしといてあげよう……」
才木有希:「ええー!?」
才木有希:「じゃあやっぱり何かあったんですね!?酔っ払ったとか!なんなのー!?」
GM:――記憶を探り、消すことができる。
GM:才木有希の記憶を、やられた。
朝永花月:「……」
朝永花月:「ひーみつっ。悔しかったら自分で思い出すか、花月様に貢物をするかを選びたまえ」
朝永花月:冗談めかして笑顔を作る。
才木有希:「やだー、もー!大体なんでまた来てるのよー!」
朝永花月:「ママが陣さんのお見舞い行けって」
才木有希:「えっ、陣さんが!?病気!?」
朝永花月:「え、事故って……え、なんでゆきりん聞いてないの!?」
朝永花月:「ママでも知ってたのに……!?」
朝永花月:「え、嘘、もしかしてそこまで消‥…」言葉を切る。
才木有希:「え、いや、だって……お母さん……」
才木有希:「……?」
GM:才木有希の知っていた情報を持つ者は、もはや菅正巳だけになった。
GM:“アリア”を装っていた彼女が……何を知っていて、何を忘れたのか。
日行丹:1d10+86
DoubleCross : (1D10+86) → 6[6]+86 → 92

京須市 河川敷

GM:日行丹と連絡を取り、指定された待ち合わせ場所は、いつものような外食店ではなかった。
GM:何か、彼の側にも普通ではない出来事が起こっていることは確かだ。
GM:それは無論、朝永の方も同じだ。この夜のうちに“アリア”の正体を知り、UGNの人間に接触した。
GM:堤防下の河川敷は足元を見通せないほどに暗く、当然、人の視線も届かない。
日行丹:適当な場所に座っている。
日行丹:最低限、不自然に見えない程度に身なりを整えたが急ごしらえにすぎない。
朝永花月:「うわっ真っ暗……足元、大丈夫かなあ」独りごちながら河川敷を降りる。
朝永花月:「これもう来たかどうか、分かんないんじゃないの……?」
朝永花月:「もしもーし?」虚空に問いかけてみる。
日行丹:「来たか、朝永」
朝永花月:「わっ近っ!居たの!?」
日行丹:「ここは待っている側が有利な場所だ、こっち側だと誰が来たのかは分かるからな」
朝永花月:「なるほど……今度迎撃戦する時があったら覚えとこう」
日行丹:「そろそろ無茶は出来なくなってくる頃合いだ、用心が必要だ」
朝永花月:「用心?無茶?……あ、そうだ!」
朝永花月:「ごめんっ!」その場で両手を合わせるようにする。見えているかは分からないが。
朝永花月:「カイタンの名刺渡しちゃったんだよね。UGNに」
日行丹:「そうか」 声は相変わらず無感情だ
朝永花月:「あと、それにさ……アリアちゃん?」
朝永花月:「情報、独り占めされちゃった」
日行丹:「話の切り出し方から相手はUGNか?」
朝永花月:無言で頷いてから、遅れて「うん」と答える。
日行丹:「…………」
日行丹:「朝永、“アリア”の素性について何か分かったか?」
朝永花月:「……ゆきりんが。私の友達がさ」
朝永花月:「アリアちゃんの、フリしてたんだよね。三つ編みして、銀行に行って……」
朝永花月:「でも……」
朝永花月:「”独り占め”、されちゃったから。あんまり分かんないや」
日行丹:「そうか」
日行丹:「その処置をしたUGNエージェントについて分かったことはあるか?」
日行丹:「その様子だと直接接触した……あるいは、近いところで見たんだろう」
朝永花月:「うん。名前と、力くらいは……」
日行丹:「じゃあ、そいつを教えろ」
▼UGNの動き 〈情報:UGN〉 難易度17
GM:先のシーンでも解説した通り、これを探る場合、菅正巳との戦闘になります。
GM:しかし、相手は記憶処理エージェントなので、他の手段で追いつくことはほぼ不可能です。
GM:ただ、勿論、菅に接触せず、自ら才木有希を探ることも可能です。
▼才木有希について 〈交渉〉〈知識:犯罪〉 難易度20
GM:この場合、得られる情報は限定的です。菅を追うルートと二者択一となります。
朝永花月:「菅正巳。“アナスタシア”。記憶を覗いたり、消したりする」
日行丹:「面倒そうな奴だ」
日行丹:「それで朝永。お前はどうする」
日行丹:「UGNとやりあうつもりはあるのか」
朝永花月:「……それは」
日行丹:「はっきり言うが俺がお前に対して求めていた仕事は十分にやったと思っている」
朝永花月:「あの人が、別に、悪いことをしてるんだって思わない」
朝永花月:「だから、戦う、とかは無し。おんなじ気持ちの人たちで、」
朝永花月:「戦うなんておかしいもん」
日行丹:「そうか」 無感情な声だ
日行丹:「戦わないという事を目指すのはいいことだ、俺もそれはしたくはない」
日行丹:「ただ、どうしても戦わなければいけない状況だってあるということは覚えておけ」
日行丹:「しかし、それでもどうしても戦いたくないならそれでもいい。先程も言ったがお前の助手としての仕事は殆ど終わっている」
日行丹:「そうだな……ここでよくやったご苦労。ということで助手をやめてもいい」
日行丹:「……そうそう、こちらの報告はまだだったな」
朝永花月:「……やめたくなったら、勝手にやめるってば」
日行丹:「山古陣矢がやられたぞ」
朝永花月:「でも、それは今じゃないから……あ、報告?何?」
朝永花月:「……えっ?」
日行丹:「お前、俺が言った喩え話。覚えているか」
朝永花月:「うん。でも陣さんがそれと……」
日行丹:「あの時、お前は自分が努力すればなんとかなると思っていたが……必ずしもお前が努力範囲内で起こるとは限らない」
日行丹:「今回の山古陣矢に関してがそれだ。お前はお前自身でやれることはやったが」
日行丹:「それでも不可能なことがある。お前の友人に関してもそうだ、情報を“独り占め”された」
朝永花月:「っ……」
日行丹:「アレは踏み込むかどうか、そのラインを引くことだけじゃない」
日行丹:「何が自分にとって一番大事なのか、それを認識することが一番大事だ」
日行丹:「あれもこれもと手を伸ばせば、必ず道を見失う。世界は広いからな」
朝永花月:「……」
日行丹:――さて、ここで仕事をするか。
日行丹:この後、チャンスが来るとは限らないからな。
日行丹:「一つ、お前に答えを出してもらう」
朝永花月:「……答え?」
日行丹:ここで朝永花月のロイス感情をポジティブ、有為に変更します。
日行丹:「今から、お前にメールを送る」
日行丹:「山古陣矢の搬送された病院だ」
日行丹:「その場所を教える」
日行丹:「山古陣矢が気になるのなら開いて、その状態を確かめろ」
日行丹:開いて、そこへ行って直接確かめろ
日行丹:「だが、もう二度とこの件には関わるな」
日行丹:「お前が、お前の日常を大切にするというのなら。関わるな」
日行丹:今までの無感情な声色だけではない、朝永に対する感情がそこにある。
日行丹:無関心の言葉では相手にその言葉が届くことはない。
日行丹:本当に言葉を届けるには意味を、感情を込める必要がある。
日行丹:メールを送る、文面は今言ったように。山古陣矢の搬送先について書いてある。
日行丹:「いいか、よく考えろ」
日行丹:「お前が今回……いや、人生で学んだことを思い出して」
日行丹:「答えを出せ」
朝永花月:「……うん」
朝永花月:「必殺技が効かない相手は、久しぶりだ……」
朝永花月:「や、いいところまでとっておく作戦が効かないってことは、今がその時なんだろうけど……」
朝永花月:「……一番大事なの、私の日常だよ」
朝永花月:「当たり前じゃん」
日行丹:「…………」 黙って聞いている
朝永花月:「だから、さ。陣さんのとこ、行く。大事な人だもん」
日行丹:「そうか」 返す、無感情だけではない僅かだが感情がある
朝永花月:「……だけどさー。分かってないんだよねえ、カイタンは」
朝永花月:チッチッと指を振る。
朝永花月:「それはそれ。別腹なの」
朝永花月:「花月、やめないからね。日常が一番大事だけど、こっちだってとっても大事だから」
日行丹:「そうか、俺の言うことが聞けないのなら」
日行丹:「お前は助手失格だ」 朝永花月のロイスをタイタスにします
日行丹:こうなるだろうな、とは思った。
朝永花月:「あ、そういう言い方するー!違うからね、カイタンが助手扱い失格なんだよ?」
朝永花月:「っていうか、女子の扱い?オジサンになりすぎたんじゃないの?」
日行丹:今回に関してはあれほど好きにしろ、くだらないことに囚われるなと言っていただけに随分と雑な仕事だった。
日行丹:相手を追い詰め、選択肢を奪う。詐欺の基本中の基本だ。
日行丹:所詮こんなものだ。たかだか一万円程度の仕事、女子高生すら騙せないのも仕方がない。
日行丹:「そうか、説教っぽくしたのは受けが悪かったようだ。今後は気をつけるとしよう」
日行丹:「山古に関しては心配するな、アイツは生きているし命に別状はない」
朝永花月:「……!」
朝永花月:「あ、だ、騙した……!?」
日行丹:「俺は“やられた”としか言ってないぞ」
朝永花月:「こ、このっ、詐欺師ー!!」適当にその辺の棒を拾ってポカポカ殴る。
日行丹:「ッ……朝永、やめろ」 思わずうずくまる
朝永花月:「何だとー!詐欺師に人権は……え、あれっ?」
朝永花月:「怪我してるの……?」
日行丹:「ああ、少々いざこざがあってな」
日行丹:「面倒な用事だった、それも今さっき片付いたがな」
朝永花月:「わわっ、ごめん!ごめん気づかなくて!」棒をどっかへ投げ捨てる。
日行丹:「分かればいい……後ひとつ話す情報がある」
日行丹:「後は……犯人の目星だ、まだ推測の段階だがな」
朝永花月:「傷開いていない……っていうかなにやったの……へ?情報?」
朝永花月:「……犯人……!?」
朝永花月:「え、嘘、探偵じゃん!」
朝永花月:「あっ、ていうかずるっ、花月が助手やめてから解決編やるのずるい!」
日行丹:「ああ、俺はズルいぞ。悪人だからな」
朝永花月:「……うー……」恨めしそうに唸る。
日行丹:「今の状況で推測できる犯人は……“ガーネット”に殺害された上原那由の母親だ」
朝永花月:「へ?一緒に、殺されたんじゃないの?」
日行丹:「オーヴァードの覚醒条件にはいくつかある、知っているだろう」
朝永花月:「あ、つまり」
朝永花月:「殺されちゃって、オーヴァードになった?」
日行丹:「そういうことだ、覚醒するまでは……灰下照と同じ」
日行丹:「違ったのはその後、ジャームになったかそうでないかだ」
日行丹:「この時点ではただの推測でしかないがな。この通りだったら……」 と言葉を続けようとして、
日行丹:止める、これ以上は俺の仕事には関係のないことだ。
朝永花月:「何?気になるじゃんもー」
日行丹:「そうだな……朝永、灰下には、なにか言うことがあったら言え」
日行丹:「それだけだ」
朝永花月:「……はーい。今は我慢します。それよりもだ」
朝永花月:「やっぱ、独り占めはもっとズルだよねい」両手を組んで前方に伸びをする。
日行丹:「そうだな」
日行丹:立ち上がる
日行丹:「俺はあの二人と落ち合うまで情報を集めてくる」

GM:現在、朝永さん(と日行さん)が取れる行動選択肢は3つあります。
GM:▼UGNの動き の調査。これはまず間違いなく戦闘が発生しますが、アリア関係の全貌を把握できます。知らない方がいい情報があるかもしれません。
GM:▼才木有希について の調査。才木家に向かいます。上と比べれば知ることのできる内容は限られますが、戦闘を回避できます。
GM:上記とは別に、病院に向かうことができます。これは、日行さんが山古さんの所在を教えてくれたので可能になりました。
GM:上の情報項目を抜いてからでも行くことはできます。
GM:また、▼才木有希について を調べた後で改めて ▼UGNの動き を調べることもできます。
GM:こう書いている以上、順番次第で色々と変わることがあります……!

日行丹:「それと朝永……受け取れ」 封筒を渡す
朝永花月:「ふえ?何?」
日行丹:「今回の報酬だ、もう助手じゃないからな」
日行丹:「後は……今から言うことは覚えておけ、損はない」
朝永花月:「うわっ分厚……これどれだけ入ってるんだろ……ん?何?」
日行丹:一万円の仕事は失敗した、ならば最低限それに見合う仕事で埋め合わせる。
日行丹:「何か失敗……守れなかったとしてもそれを数えるのはやめておけ」
日行丹:「数えるのは何かを助けた、守った数だけにしろ」
日行丹:「心がけだ、道に迷わないためのな」
朝永花月:「お、格好いいね。オッケーオッケー」
朝永花月:「カイタンなんだかんだでやっさしい。ホントはイイ人なんじゃないの?」
朝永花月:「それともこれも、そーゆー作戦?詐欺師、こっわーい」ケラケラと笑う。
日行丹:「さあな」 これで本当に話すことはなくなった、調査に行くきだ。
朝永花月:▼才木有希について、交渉で判定します。
朝永花月:《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。
朝永花月:10dx@7+1>=20
DoubleCross : (10R10+1[7]>=20) → 10[2,3,4,5,6,6,6,8,8,10]+10[1,7,8]+10[6,10]+10[10]+10[10]+10[10]+10[8]+10[8]+6[6]+1 → 87 → 成功

朝永花月:あの
日行丹:なんだこりゃあ……
GM:めちゃくちゃ!
日行丹:やはり女子高生との友情が全て……
朝永花月:侵蝕80→86
GM:それでは、UGNとの遭遇を回避して情報だけ得るために、才木家へと向かうことになります。

京須市 才木家

GM:才木有希の自宅は、それなりに良い立地の一軒家だ。一緒に遊んだ日も、この家に訪れることはなかった。
GM:住所が変わっていなかったのは幸いだったのだろう。
GM:だが、時刻は既に夜9時を回っている。家に明かりもついていない。
朝永花月:門の前で息を吐く。あまり時間猶予があるわけではない。
朝永花月:終電という物理制約を、今の彼女が逃れ得ることは難しい。
GM:また、菅に記憶を消去される前の才木有希は、朝永の目からも尋常ではない様子だった。
GM:何か、追い詰められている物事がある。
朝永花月:恐る恐る、チャイムを鳴らしてみる。
GM:ゆっくりと扉が開く。
才木有希:「……か」
才木有希:「花月……ちゃん……」
才木有希:恐怖と焦燥に彩られた顔。
才木有希:「……ど、どうしよう……。どうしよう……」
才木有希:「お父さんと……お母さんが」
才木有希:「……いない」
朝永花月:「……えっ?」
才木有希:「なんで……?」ドアにもたれるように座り込む。
朝永花月:「落ち着いて、ゆきりん……えっと、最後に会ったのはいつ?」体を持ち上げ、
朝永花月:自分のマフラーをほどいてお尻の方に滑りこませる。
GM:そして、それだけではない。
GM:ドアの奥から異臭がする。有希はこれに気づいていないのか?
朝永花月:「……待っててね」中に入っていこう。
GM:家の中は荒れ果てている。昨日や今日の異変でそうなる様相ではない。
GM:暗く、街灯の光も通らない。
才木有希:「ねえ、……ねえ、花月ちゃん」後ろから、怯えるように袖を掴む。
朝永花月:「どしたの?大丈夫だって」
才木有希:「……もっと、変なことも、あって」
才木有希:「この家、もう一人、子供がいたのかな……」
朝永花月:「……どういうこと?」
才木有希:左腕に抱えるように、服のようなものを握りしめているのが分かる。
才木有希:「有亜って」
才木有希:「だ、誰なのか……わからない……」
才木有希:赤ん坊の服だ。
朝永花月:「……アリ、ア?」
才木有希:「わからないのに……」涙をぱらぱらと落とす。
才木有希:何故泣いているのか、その理由すら分からない。
朝永花月:「……何が」どうなってんの、という言葉を飲み込む。
才木有希:「わ、私……妹がいたのかな……!?私……」
朝永花月:「落ち着いて」背中を撫でながら、更に家の中を進んでいく。
才木有希:「そ、そっち」
才木有希:「行かないほうが……いい……気が、する」
朝永花月:「行かないと、ずっと分かんないままだよ」
才木有希:「ううう」
才木有希:「なんで、なんで、知らないはずなのに……怖いよ……」
朝永花月:「嫌ならゆきりん、ここで待っててもいいからさ」
才木有希:頭を抱えて座り込む。朝永を引き止める力はない。
朝永花月:「一人で見てくるよ」
朝永花月:そのまま、ライトを点灯したスマホを掲げながら進む。
GM:異臭の元に辿り着きます。浴室。
GM:暗く荒れ果てた室内に、そこだけ何も置かれていない。
GM:まるでずっと、誰も近寄っていないかのように。
朝永花月:「……」訝しげにさらに寄っていく。
GM:浴槽の中には、水が張られていない。代わりに、白い石灰が敷き詰められている。
GM:そして、人間の腕が見える。
GM:動き続けている換気扇がカタカタと鳴っている。
GM:この広く暗い一軒家の中にいるのは、朝永花月と才木有希だけだ。
GM:……生きている人間は。
朝永花月:「何なの、これ‥…」
GM:死体がある。しかも、恐らく、死後相当に時間が経過している。
GM:才木有希が、この事実を知らなかった筈はない……
朝永花月:口元を押さえる。
朝永花月:「え……?え?」
朝永花月:「……」
朝永花月:「いや、いやいやいや違う。他の可能性、考えろー朝永花月……」
朝永花月:「……」
GM:ひとつ、間違いなく断言できることがある。
GM:石灰に埋める計画的な死体処理。才木有希の両親は殺されている。
GM:そして才木有希は、ずっと――朝永花月がこの街に帰ってきた日も、この家で暮らしていた。
GM:才木家の両親は殺され、“アリア”という誰かが消えていた。
朝永花月:「だって、あの時だって、普通に……」
朝永花月:「普通におしゃべりして、遊んで、笑って……」
朝永花月:「それが」
朝永花月:「それが最初から、普通じゃなくなってたの……?」
朝永花月:「なんで、私を呼んだの……?ねえ」
朝永花月:「ゆきりん、教えてくれないと。花月、分かんないよ……」その場にずるずるとへたり込む。
才木有希:「花月ちゃん……花月ちゃん……」浴室の外から、怯えるような声が聴こえる。
才木有希:「アリアが死んじゃう……」
才木有希:記憶は消去されている。無意識のうちに口に上らせていて、本人すら分かっていないはずだ。
朝永花月:四つん這いになって、ゆきりんの元まで引きずるように戻る。
朝永花月:彼女の頬に触れる。「大丈夫。大丈夫だから」
才木有希:「絶対、絶対に、しなきゃならないことがあったのに」
才木有希:「どうしよう。どうしよう……」
朝永花月:「花月が、なんとか出来るはずなんだから。絶対。きっと。たぶん……もしかしたら」
GM:両親名義の口座から大金を引き出していたのは、才木有希だった。
GM:日行丹に、消えた“有亜”の捜索を依頼したのも彼女だ。
GM:……ならば、日行が見たという“アリア”は、素性を隠すためのただの演技だったのか?
GM:それも、違うと分かる。銀行で出会った時、彼女は自分自身の状況に困惑し、恐慌状態にあった。
GM:最初から、才木有希は通常の精神状態ではなかった。
GM:決して誰にも知られたくない物事があり、同時に、強く助けを求めている時――

朝永花月:「なんでだろうね。でもなんかさ、あんま久し振りって感じしない」
才木有希:「……なんで思い出したんだろ」
才木有希:「あの時が、一番……なんか」
才木有希:「私って気がして」目を細めるように笑う。

灰下 照:「……けっきょく被ったままなんだな、それ」ヘルメットについて。
“フェイスダウン”:『…ん?』
“フェイスダウン”:『ああ。必要だからな』

GM:情報を得ようとする者は、自らの情報を知られることになる。
GM:仮面を必要とする人間が存在する。
GM:無意識のままに、かつての自分を模した、「助けを求めるアリア」の振る舞いで……日行丹に接触していたのだ。
才木有希:「……」涙をポロポロと落とす。まるで、幼子のような泣き方だった。

日行丹 -> GM:(非公開質問)
日行丹 -> GM:これらのことを踏まえた上で推測の裏を取る形で――
日行丹:『才木家について』を調べる事は可能ですか?
GM:可能です。裏を取るという意味であれば、
GM:才木家のシーンに登場するだけで、判定は必要なく事実を把握できます。
日行丹:ではこのまま才木家に入っていこうと思います。

GM:朝永花月が振り返ると、
GM:廊下の向こう、開け放たれた玄関の前に、黒い影が佇んでいる。
GM:チラチラと、切れかけた街灯の明滅が差し込んでいる。
日行丹:靴を脱いで家に上がり込む。
朝永花月:茫洋としたまま、ゆっくりと振り向く。
日行丹:そして家の中を検分する。
GM:日行丹にとっては、あるいはよく知る臭いだったかもしれない。
GM:死の臭い。それも、何者かに殺された死。
日行丹:家の中を調べるその顔は無感情だ。
朝永花月:「……」才木有希を抱きとめる手を、ぎゅっと強める。
日行丹:幽鬼、あるいは死神のようにも見える。
日行丹:朝永の方は気にも止めていない、淡々と作業を続けている。
朝永花月:「カイタン……」
才木有希:「……」
日行丹:調べるのは才木家の状況、例えば家具の傷。
日行丹:写真、才木家の家族構成がどうであったか。
日行丹:奥の死体、その数。
日行丹:才木家を調べる、この家で何があったのか。
GM:日行丹は、事件の真相について想像することができました。
情報公開:(反転)
GM -> 日行丹:『才木有亜』は現実に存在します。誘拐犯のジャームに攫われた赤ん坊です。
GM -> 日行丹:才木有希は、両親を殺害しています。すなわち……
GM -> 日行丹:『有亜』は、『両親のいない子供』になった。
GM -> 日行丹:『有亜』は生きています。望みは薄いですものの、もしも生きているとしたら……
GM -> 日行丹:日行達は、赤ん坊の話を、聞いているはずです。
GM -> 日行丹:才木有希の犯行の動機までは、確信が持てないままでしょう。
GM -> 日行丹:それでも、何らかの形で、『有亜』がきっかけとなったことは分かります。
GM -> 日行丹:これに関してはUGNから有希の記憶を奪い取らないかぎり、答えはありません。
GM -> 日行丹:この凄惨な事件を経て、心の平衡に異常を来した有希が振舞っていたペルソナが、『アリア』。
GM -> 日行丹:それが才木家の事件の真相です。
日行丹:事件の真相を理解する、全てではないが十分である。
日行丹:既に依頼人としての“アリア”は居なくなった、今回の事件で得られる金はもうないと思っていいだろう。
日行丹:ならばこの家で起こったことに関わる意味はない。
日行丹:「朝永」
朝永花月:「……何」顔を向けるが、俯いたまま。目は合わせない。
日行丹:「そいつを病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか」 才木有希を指差す。
朝永花月:「……病院?」
日行丹:「酷い顔をしている、薬でも貰ってこい」
朝永花月:「ああ……うん。そーだね。……立てる?」
才木有希:「……」小さく頷く。
朝永花月:肩を支えがら身体を起こさせよう。
才木有希:よろよろと歩く。覚えていないという、恐怖と困惑。
朝永花月:「大丈夫だから。大丈夫」背中を撫でる。もはや、自分でも何が大丈夫なのかは分からなくなりかけている。
才木有希:「花月ちゃん……あり、ありがと……」
才木有希:「昔から……ずっと、こういう時……な、慰めてくれて……」
朝永花月:「うん。……うん」
才木有希:「だからね……昔のこと、思い出す時って……」
才木有希:「花月ちゃんが……いてくれたらなって……」
GM:……幼少時に住んでいた京須市の友人から、久しぶりの連絡があった。
GM:本当に、久しぶりの。
GM:だがその時には、全てが終わっていた。
朝永花月:「……居るよ。ここに居るから。来たから、もう、大丈夫」手を握る。
才木有希:「ん……うん……助けてくれるよね……」
才木有希:「助けて……きっと助けてくれるよね……」
才木有希:強く、手を握り返す。
日行丹:考える、俺がここで出来ることを。
朝永花月:「……花月は。友達のために動く時が、一番強いから」
朝永花月:「大丈夫、大丈夫」
日行丹:GM、日記とかって手に入れられます? とりあえずで聞いてみただけなんですけど。
GM:ありません。
GM:もちろん、日記なしでも先ほどの情報は全て手に入れていて結構です。
日行丹:押忍、じゃあ裏の業者でこの家を掃除してもらうことって出来ますか?隠蔽したい。
日行丹:ここで私の手番を消費してもいいです!
GM:いいでしょう。〈情報:裏社会〉で11を出せば、見た目だけはそれなりに取り繕えます。
日行丹:6dx+3>=11
DoubleCross : (6R10+3[10]>=11) → 9[1,4,4,5,7,9]+3 → 12 → 成功

日行丹:かつての依頼人“アリア”が俺と接触をもった以上、現場をそのままにしておくことはリスクが高い。
日行丹:冤罪は御免だからな
日行丹:業者に連絡して、家の中を掃除してもらう。勿論、こういった事の専門家だ。
GM:死体は、やはり才木有希の両親で間違いありませんでした。
GM:そして、有希自身はそれを覚えていないでしょう。両親の記憶すら『事件に関する物事』とされたためです。
日行丹:ということは有希ちゃんにとってはだれだか分からない死体が家にあったという感じですか?
GM:そうですね。というより、死体があることを意識して見ないようにしていたという方が正しいでしょう。
GM:有希が浴槽の死体を検めた形跡はありません。彼女にとっては、本当に身元不明の死体のまま処理するということになります。
日行丹:了解です、そちらの方が好都合だ。このまま失踪扱いになってもらいたいところだ。
日行丹:では有希ちゃんが診察受けている間に病院の外とかで花月チャンとお話したい感じです。
GM:それでは、場所を病院に移します。

京須市内 京須大橋坂病院

GM:有希は、極度の衰弱状態にあったと診断された。
GM:銀行に現れ、UGNに記憶を抹消されたその時には、既に心身共に限界の状態にあったのだ。
GM:2人は正面玄関から出て、帰路につく。夜の済んだ空気が満ちている。
朝永花月:「……」足を止めて、病院を振り返る。
日行丹:朝永のその様子を見る。
日行丹:「気になるか、アイツのことが」
朝永花月:髪を弄ぶ指を止める。「……そりゃあ。友達だもん」
日行丹:「友達は大事か」
朝永花月:「当たり前じゃん」
日行丹:「…………」
日行丹:「UGNの菅だったか。そいつはあのガキの記憶を消す時」
日行丹:「お前になにか言ったか?」
朝永花月:「何か……?」顎に手を当てる。

菅正巳:「本人が包み隠す物事であるなら」
菅正巳:「『知られたくない』というのが、本人のご希望ではありませんか」
菅正巳:「大切なご友人には」

日行丹:朝永を観察している。
日行丹:何かを言われたのか、そうでないのか。日行にとってはどうでもいいことだが
朝永花月:「……本人が隠すなら、知られたくないことなんじゃないのって」
朝永花月:「……じゃあ、さ。ゆきりんはさ。話してくれなかったんだよね」
日行丹:「そういうことになるな」 感情のない声だ。
朝永花月:「……私って、そんなに信用ないかなあ」
朝永花月:「あ、でもそりゃそっか。テラ君のお姉さんのことも喋っちゃったし、カイタンのことも教えちゃったし……」
朝永花月:「信用ないよねえ。あは、ははは」抑揚なく笑う。
日行丹:「そうだな。朝永、お前は今回いくつか失敗はした」
日行丹:「もうお前は俺の助手じゃないが、そのことが原因でお前に辞めてもらったわけじゃない」
朝永花月:「……」
日行丹:「よく信頼関係は築くのは大変だが、壊れるのは一瞬だ。と言われているが」
日行丹:「案外そうでもない。一度信頼したからこそ、信じ続けてみたいものだ」
日行丹:「アイツがお前に事情を話さなかったのは朝永、お前が信用されていなかったからじゃあない」
日行丹:「まずその事を念頭に置いておけ」 歩き出す
朝永花月:「……うん」ゆるゆると後に続く。
GM:病院の灯りが後ろに遠のく。寂しい公園の林だけが、道の両側に広がっている。
日行丹:「俺は今……朝永が欲しいかも知れないモノを一つ持っている」
日行丹:「完全ではないが、それでも十分なモノだ」
朝永花月:「……何、それ?」要領を得ない。
日行丹:「それは朝永、お前に知られたくないモノであり」
日行丹:「才木有希が隠そうとしたモノ――つまり」
朝永花月:「……っ」
日行丹:「あの家で起こった事だ」
日行丹:「それを俺は――ほぼ理解している」 足を止める
日行丹:依頼人“アリア”はもう居ない。――この事件を俺が解決する必要はもうない。
日行丹:あの依頼はUGNの手により消えてしまった。つまり、これ以上金は手に入らない。
朝永花月:「……いいよ」
朝永花月:「勿体とか、遠慮とか。ナシでいいよ」
日行丹:「お前はどうやら……何か勘違いしているようだな」
日行丹:「俺は“理解している”としかまだ、言っていない」
朝永花月:「……?」
日行丹:「お前に“話す”とは言っていない」
日行丹:「朝永……よく考えて選べ」
日行丹:「俺はこの“真相”をお前に売る」
日行丹:「才木有希がお前に知られたくないと思い、隠した事」
日行丹:「その値段をお前がつけろ」
朝永花月:「……」
朝永花月:カバンから封筒を取り出し、叩きつけるように突き出す。
朝永花月:「……このっ、詐欺師」恨めしげに呟く。
日行丹:「騙してはいない、ただの取引だ」 封筒を受け取る
日行丹:「簡潔に言うぞ、あの家で起こったことは単純だ」
日行丹:「才木有希が両親を殺した」
朝永花月:「……」拳を握る。
日行丹:「両親を殺した結果、有亜という赤ん坊がこの街で起こっている失踪事件に巻き込まれた」
日行丹:「才木有希は親殺しを負い目に感じた、だが自分だけではどうしようもないから俺を頼った」
朝永花月:「……親のいない子供が、攫われるから……」
日行丹:「そういうことだ」
日行丹:「お前に言えないのも仕方ないだろう、有亜がさらわれた事はともかくとして親を殺したとは言えないからな」
日行丹:「言ったらお前は関わる。となると朝永、お前に知られる可能性も高くなる」
日行丹:「動機は分からないがな……『有亜』がきっかけと見ていいだろう」
日行丹:何の価値のないモノを売りつける、詐欺の基本だ。
日行丹:こんな情報に価値はない、既に終わったことでありどうすることもできないからだ。
朝永花月:「……」
日行丹:「動機を知りたければUGNから奪え」
朝永花月:「……」
日行丹:「しかし……そうだな、これはついでだ」
日行丹:「灰下の話を覚えているか、赤ん坊の話だ」
朝永花月:「……うん。それが?」
日行丹:「まだ『有亜』は生きているかも知れない」
日行丹:「ジャームから助け出すことが出来るかもしれない」
朝永花月:「……ゆきりん、アリアが死んじゃうって言ってた」
日行丹:「俺は死んだとは聞いてない」
朝永花月:「死んじゃうって。死んじゃうってことは、まだ死んでないかもってことだ」
日行丹:「そういうことだ。いいか、朝永」
日行丹:「ジャームを倒して全てが解決するわけじゃない、それで救われるわけじゃない」
日行丹:「だが一つの命は助けられる」
朝永花月:「……そうだね。そうだよ」
朝永花月:「助けなきゃ」
日行丹:「何度か言ったと思うが……過ぎたことに囚われるな」
日行丹:「そうしているよりも前を向いてやりたいことをやったほうが建設的だ」
朝永花月:「前を向いて、やりたいこと」
日行丹:「しかし……どうするかはお前次第だ。見失うな」
朝永花月:「ふっふっふ。じゃ、一個だけ。今、やりたいこと、やっていい?」
日行丹:「……好きにしろ」
朝永花月:頬をひっぱたく。
朝永花月:「私、友達のことダシにしてお金取ったの、怒ってるからね」
日行丹:「生憎、性分なんでな」
朝永花月:「ま、でも」
朝永花月:「花月様は心が広いの。女子高生のビンタ一発でチャラ。感謝してよねー?」
朝永花月:「じゃっ!」そのままとてとてと走り去ろう。
日行丹:見送って、自分も拠点に戻る。

朝永花月:あ、ロイス取ります!
GM:はい!
朝永花月:-詐欺師/日行丹/信頼/憤懣:○/ロイス
朝永花月:あと、今のうちにやっておかないと忘れそうなので
朝永花月:《原初の赤:水晶の剣》を使っておきたいです。
GM:きたきた……!勿論どうぞ。
朝永花月:自分の大鎚にかけておくぞ。攻撃力を+14だ。
朝永花月:侵蝕率86→91

■Middle/09

GM:次のシーン。登場希望者は登場してください。
灰下 照:1d10+89
DoubleCross : (1D10+89) → 1[1]+89 → 90

京須セントラルパレス 711号室

GM:女性とはいえ、人一人を抱えてホテルまで戻るのは、灰下照にとっても重労働だった。
GM:レネゲイドの力がなければ、子供には不可能な物事だったとすらいえるかもしれない。
GM:……どちらにせよ、日行丹はひとまず、警察に囚えられることはない。
GM:しかし残された時間もそう多くはない。UGNの手が迫りつつあり、日行の側も、街に留まれる時間が少ないことを理解しただろう。
灰下 照:フェイスダウンが目覚めるまで、まだ時間が掛かる。
灰下 照:その前に……やるべきことを済ませなければならない。
灰下 照:「……不安だろ」ホテルの影を抜けてひとりごちる。
灰下 照:これでも、自分が意地を張っていることくらいは分かる。
灰下 照:あの警官が、まともだった時なら、素直に頼れる相手だったろうことも。
灰下 照:「……今のおれは、もう違う」
灰下 照:「なんとかしなきゃ」
灰下 照:照は口数の多いたちでなく、語彙も多くはない。
灰下 照:過去の清算。今の照が求めているものはそれだ。
灰下 照:というわけで、情報収集したいです。
▼失踪事件の怪異 〈知識:レネゲイド〉 難易度11
GM:灰下照がこの情報を探る場合、一度〈意志〉で難易度9の判定に成功する必要があります。
灰下 照:☆恐怖との戦い……!
灰下 照:意志で振ります。
灰下 照:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 8[4,7,7,8]+1 → 9

GM:やった!恐怖心を乗り越えました。
灰下 照:やった!
灰下 照:知識:レネゲイドで振ります
灰下 照:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[3,5,5,10]+4[4] → 14

GM:おおお……!一人で成功しやがった!
灰下 照:っしゃらぁあああ! お前はやればできる子だと信じてたよ!
日行丹:1d10+92
DoubleCross : (1D10+92) → 3[3]+92 → 95

日行丹:では部屋のドアをノックします
灰下 照:「!」
灰下 照:「誰だよ」
日行丹:「俺だ、日行丹だ」
灰下 照:「……」きぃと開ける。「遅いぞ」
日行丹:「野暮用があったからな」
灰下 照:「……花月は一緒じゃないのか」
日行丹:「それと、これをお前にやる」 アームドスーツを渡します
灰下 照:「なにこれ」
日行丹:「お前の格好が貧相だからな、見繕ってきてやった」
日行丹:「いらないなら返してくれてもいいぞ」
灰下 照:「……あ、そ」
灰下 照:「くれるならもらうさ」
灰下 照:特に警戒せずに袖を通す。
日行丹:「では本題に入るか」
灰下 照:「何か分かったのか? 事件のこと」
日行丹:「この事件の犯人を特定した、最も可能性の高い人物だ」
灰下 照:「……」部屋の隅にある椅子に座る。「ようぎしゃか。本当かよ?」
日行丹:「別に信じたくなければ、信じなければいい」
灰下 照:「そうするつもりだよ。誰? っても、俺が知ってる人?」
日行丹:「さあな、聞いたことくらいはあるんじゃないか」
日行丹:「そいつは上原弥生、お前が追っている『赫骨』とやらの犠牲者だ」
灰下 照:「上原……」子供の方ではない。「……親の方か」
日行丹:「上原那由の事件に巻き込まれただけの」
日行丹:「お前と同じ存在だ」
日行丹:「お前はオーヴァードとして覚醒し、ジャーム化しなかった」
日行丹:「上原弥生はジャーム化したというわけだ」
灰下 照:「…………ジャームって」
灰下 照:「元は人間だろ?」
灰下 照:「普通の親が、あんなんになるのかよ」
日行丹:「ジャームになるという事はああなることだ」
日行丹:「俺はどんな風か知らないがな」
日行丹:「人間を辞めていると見えるのなら、そうだ」
灰下 照:「おれは、……み、」少し声が裏返る。だが恐怖を抑え込む。「見たぞ。……例の、赤ん坊を連れた女子と」
灰下 照:「一緒に居た。ばけもの」
灰下 照:影絵芝居。そのおぞましいシルエットを、壁に映す。
日行丹:それを無感情で見る。
灰下 照:「本当に、おれと同じ人間が『こんなの』に?」
日行丹:「そうなるだろうな」
灰下 照:オーヴァードにとっての常識を、灰下は知らない。
日行丹:「お前の追っている『赫骨』とやらも“フェイスダウン”が言うにはジャームの可能性が高いだろうな」
灰下 照:その『赫骨』を含め、これまで見たオーヴァードは人型ばかりだ。
灰下 照:「ふうん。……それで、もし、それがホントだとして」
灰下 照:「じゃあ、そいつが親のいない子供を攫うのは……」
日行丹:「簡単な話だろう」
日行丹:「探しているんじゃないか」
日行丹:「居なくなった」
日行丹:「自分の子を」
灰下 照:「…………」
日行丹:「推測に推測を重ねただけの話だ、確証はない」
日行丹:「ただ、そうだとしたらこういう話が一番手っ取り早い」
灰下 照:「そりゃそうか」
灰下 照:「リクツは通ってる」
日行丹:「先程、お前が言ったように元々は人間だ」
日行丹:「人間の時に持った感情……妄執に縛られるのもおかしくはない」
日行丹:「そういう奴は大抵厄介な奴なんだがな」
灰下 照:「赫骨の殺した死体は、すごく目立つ」
灰下 照:「今はどこにある?」
日行丹:「そんなものがあるのか?」
日行丹:「俺は『赫骨』とやらの事は全く知らないからな、そういった証拠を残すのか知らない」
灰下 照:「上原那由を探してるんなら、それが一番早いじゃないか。」
日行丹:「何を言っている、わざわざ上原那由にこだわる必要もないだろう」
灰下 照:「……だったらどうすればいいのさ?」
日行丹:「お前、こういう言葉は知っているか」
日行丹:「虎穴に入らずんば虎児を得ず」
灰下 照:「……馬鹿にするなよ。ことわざくらい、小学校の国語にだって出てくる」
灰下 照:「……『おかあさんのいるところ』に、直接行くのかよ」
日行丹:「そういうことだ。お前が攫われて俺達が助ける、今のところこれが一番手っ取り早い」
灰下 照:「…………」
日行丹:「それが可能かどうかは俺は知らないがな、何か思い当たることはあるか?」
日行丹:「会ったんだろう、上原弥生に」
GM:日行丹が語ったことは、無論、状況からの推測に過ぎません。
GM:ただの“容疑”に過ぎない。
GM:――その推測の上に推測を立てる行いですが、灰下照も、一つの仮説を立てることができるでしょう。
GM:灰下照は、『赤骨』の伸びる骨と同じく、異形化の力の片鱗を備えて復活しました。
GM:日行の言葉が正しいのならば、失踪事件の怪異にも共通するところがあったのではないか。

GM:無数の、カラスか何かの羽音が、続けざまに響いた。

GM:橋の上で少女と遭遇した時の“鳥”は、どこから飛び立ったのか。
GM:そもそも“おかあさん”はどこから現れたのか。
GM:UGNが既に動いているとしたら……何故、怪異は未だに捕捉されていないのか?
灰下 照:「……あいつも、どこか」
GM:たとえば、同じく無知なオーヴァードだった灰下照が、これまで捕まることのなかったように。
灰下 照:「――影の中に。隠れてる」
灰下 照:「おれも姉さんも、親から逃げた。……きっと」
灰下 照:「そうか。おれも、狙われてるんだ。……あの場所に行けば、また出てくる。簡単に?」
日行丹:「二度目に釣られるかは分からないがな……お前が駄目でも手はまだあるが」
灰下 照:「それで……捕まって、あんたらを呼べばいいってことか」
灰下 照:「おれのエブドメロスを通せって?」
日行丹:「そういうことになるだろう。灰下、お前にその気があるならな」
GM:灰下照は、あの橋の上で、二度、三春桐子に会った――
GM:この街から消えたはずの少女が現れるとしたら、そこが『入口』であったはず。
GM:効果としては、エネミーエフェクト《広域融合》となります。あの橋付近の『影』に広く同化しているということです。
GM:そして、子供たちを"餓えの淵"によって自身の内に取り込み続けています。
GM:また、今回収集した情報には抵触しなかったものの、子供たちの認識に作用し、“おかあさん”へのロイスを抱かせているのは
GM:Eロイス"孤独の叫び"の効果でもあります。元々の両親への絆を抱けなかった子供であるほど、
GM:得体の知れない失踪事件の怪異に対して、幸福感/恐慌 のロイスを抱くことになるというわけです。
灰下 照:「…………」じっと考え込み、やがて日行を見上げる。
灰下 照:「違う」
灰下 照:「その気があるかっていうならさ……あんたこそ、なんでそこまでするんだ?」
日行丹:「仕事だからな」
日行丹:「この件にはそこそこつぎ込んでいる、それを回収して報酬を貰わなければならん」
灰下 照:「あんたが、フェイの言う通りに詐欺師かどうかなんて知らないし、どうでもいいことだけどさ」
灰下 照:「あんたが正直に物を言わない奴だってことは分かるよ」
灰下 照:「……ただ、まあ」
日行丹:「なんだ」
灰下 照:「あんた、最初に会った時から、言ってることは変わらないんだよな」
日行丹:「そうだな、変えたつもりはないからな」
灰下 照:「うん。しっかり仕事しろよ」
日行丹:「俺は自分の仕事は十分にやっているつもりだ」
日行丹:「ただ……そうだな、一つ俺の本音という奴をお前に教えておいてやる」
灰下 照:「へえ。なんだよ」
日行丹:「俺は金が好きだ。金はいくらあっても困らないし、金があれば欲しいものはある程度手に入る」
日行丹:「金があれば助かる命もある、金がなければ助からないことだってある」
日行丹:「この世界で最も信用されている価値が金だ。だから俺は好きだ」
灰下 照:「…………」
灰下 照:「オーヴァードになったからって、そこは変わらないんだな」
日行丹:「……オーヴァードになったから、だ」
灰下 照:「?」
日行丹:「これ以上は考えれば分かることだ、せいぜい頑張って答えを出せ」
灰下 照:「……ん。うちの学校のカウンセラーより、ためになる話だった」
日行丹:「“フェイスダウン”にもこれからの事は伝えておけ」 そう言って部屋を出る
灰下 照:「分かったよ。準備が出来たら、また呼ぶよ」
日行丹:オーヴァードというのは基本的に普通の人間から見ればバケモノだ。
日行丹:だからこそ、一つ互いに信頼の出来る普遍の価値観が必要だ。
日行丹:個人としては難しいが、そこにはある一定の信頼が生まれる。だからこそそれにブレてはいけない。
日行丹:それに灰下には金があればある程度のモノが手に入ると言ったが、だからこそ――
日行丹:ということで一つ手番があるので何か行動したいです
GM:どうぞ。何か提案はございますか
日行丹:今回の事件の被害者である子どもたちをR事件被害者としてUGNに円滑に引き取ってもらう工作を行いたいです
GM:Dロイス工作員相当として、【精神】で難易度30としましょう。財産は使用可能です。
日行丹:4dx>=30
DoubleCross : (4R10[10]>=30) → 8[2,5,5,8] → 8 → 失敗

日行丹:うーん、駄目ですね

GM:では、各々ロイス取得と調達判定が可能です。
灰下 照:ロイスはなし。
日行丹:シューターズジャケットを買っておきます
日行丹:6dx+8
DoubleCross : (6R10+8[10]) → 9[2,4,8,8,9,9]+8 → 17

灰下 照:応急手当買います。
灰下 照:3dx
DoubleCross : (3R10[10]) → 4[2,3,4] → 4

灰下 照:子供は医薬品を買えない
日行丹:購入成功、あとで花月ちゃんに渡そう
GM:では、続きは照くんと花月ちゃんのシーンで、8時から。よろしくお願いします。
灰下 照:はいさい!

■Middle/10

GM:シーンを切り替えます。登場PCは侵蝕率上昇をお願いします。
灰下 照:1d10+90
DoubleCross : (1D10+90) → 2[2]+90 → 92

朝永花月:1d10+86
DoubleCross : (1D10+86) → 7[7]+86 → 93

朝永花月:毎度たっかいなー

京須市 市民公園

GM:市営団地に灯る明かりは、更に減った。
GM:夜が更けつつある。終電が近い。
GM:日行と別れた今、朝永はいつもの日常に戻ることもできる……
GM:……菅正巳は、才木有希の記憶を知っている。
GM:何をせずとも、明日の朝には、すべてが終わっていることだろう。
朝永花月:ブランコに乗って、遠くを見つめている。
朝永花月:ぎしぎしと、錆びた鎖の軋む音がなる。
灰下 照:静かな、深い夜。花月さんの携帯に、メールが届く。
朝永花月:チカチカと光る携帯電話を取り出して、手慣れた手つきで通知欄を見る。
灰下 照:『はなしたいこたあります。いまどこにいますkっか』
灰下 照:表示されている送信相手は花月の名前。見るからに打ち慣れていない、借り物の携帯電話から。
朝永花月:くすりと笑って。ブランコから飛び降りる。
朝永花月:公園の入口まで走ろうとして、片足立ちでぴょんぴょん飛んで、
朝永花月:飛ばした靴を拾って履いてからまた走る。
朝永花月:公園の入口、市民公園とだけ書かれた簡素な看板の前に立って、
朝永花月:自分ごとそれをカメラの枠内に。そのまま添付して返信。
灰下 照:では、送信してから数分も経たないうちに。
灰下 照:唐突に、するすると、看板の横の影が糸状に寄り集まって立ち昇り、
灰下 照:背の低い少年の姿になる。「……写真も送れるの? それ」
朝永花月:「わっ。すっご……」カメラを構える。
朝永花月:しばらく向けてから音がする。「動画も送れるよ、ほら……あー」
朝永花月:「そっちのだと送っても見れないか」
灰下 照:「最新のやつ、すごいな……」眼を丸くして驚く。
灰下 照:「こんばわ、花月。急に呼んでごめん」
朝永花月:「もっと新しいのだと、自分で編集とか出来るんだよね。ちょっと気になっててさー。うん。大丈夫だよ?どした?」
灰下 照:「ん。そうだ。えっと……事件の、どうにかするアテがついた」
朝永花月:「……そっか」
灰下 照:「だから、協力して欲しいんだけど」
灰下 照:「……何かあった?」
朝永花月:「……なーんにも。なんて言っても」
朝永花月:「そうやって言ってくるんだし。誤魔化せないっぽいよね」
灰下 照:下から覗き込むように見上げ、少し眉根をしかめる。
灰下 照:「良い人が無理してるときの顔は皆同じなんだ」
朝永花月:「……まあ、今、無理してるわけじゃないよ。そのへんは安心して」
朝永花月:「ショックだったけど、終わっちゃたことだし。協力も大丈夫。いつでもオッケー」両手を前に組んで伸びをする。
灰下 照:「…………」
灰下 照:「警官のことだろ」
朝永花月:「うん、そう。友達のことで……」
朝永花月:「……え?」
灰下 照:「こっちが信用ならないのはアタリマエなんだから……」
灰下 照:「ん?」
朝永花月:「…‥あ、うん、そうだね。陣さんも心配だ。さっき、一緒にお見舞いしてこればよかったな……」
灰下 照:「……?」反応がおかしい。
灰下 照:「あのさ……もしかして、聞いてない?」
朝永花月:「聞いたよ。陣さんがやられたって」
朝永花月:「あ、そうだ。あの時いっぱいいっぱいだったけど、誰にやられたの、陣さん」
灰下 照:「…………」ちょっとだけ考える。だが、真相を隠したまま利用するという発想があるわけもない。
灰下 照:「おれと、フェイと、日行」
朝永花月:「……えっ?」
灰下 照:「おれと、フェイと、日行」
灰下 照:繰り返す。
灰下 照:「……長くなるから。ちょっと、そこのベンチ座って」
朝永花月:戸惑いの顔が、徐々に崩れる。
朝永花月:照の両肩を押さえつけるように掴む。
灰下 照:「うわっ」
朝永花月:「……っ」すぐに手を放す。
朝永花月:「……ごめん。聞く。聞くから」
朝永花月:「聞くから、教えて」絞りだすような低い声。
灰下 照:「…………」
灰下 照:自分はまっすぐ立ちながら、花月さんに話し始める。
灰下 照:病身を推して出てきた陣が、日行を逮捕しようとしたこと。
灰下 照:それを自分とフェイが止めたこと。三人で戦いになったこと。
灰下 照:最終的に、フェイがやや相討ちになる形で彼を倒し、日行が(おそらく)病院に送り返したこと。
灰下 照:「……アイツは、ずっと、あんたを巻き込むなって言ってた」
灰下 照:「でも、困るだろ。日行はあんなだけど、頭が良いし、落ち着いてる」
朝永花月:「……私が」
灰下 照:「フェイは、ずっと部屋で寝てる。あいつは、おれには攻撃しなかったけど……おれはあいつを攻撃した」
朝永花月:「……うん。うん。陣さんだもん。私が、ちゃんと、話さなきゃ駄目だったのかも」
灰下 照:「……それで止まる感じじゃなかったけど」
灰下 照:「どうだろう。おれらのなかで、まともな人間、あんただけだもんな」
朝永花月:「そんなことないよ」
朝永花月:「……たぶん」
灰下 照:「……よく考えたら、あいつが攻撃してきた時点で、おれが影であんたを呼んでくれば良かったんだ」
朝永花月:「でも、私がやんなきゃだったんだよ」
朝永花月:「陣さんにね、言われてたんだ」
朝永花月:「周りに合わせてばっかで、誰かを上から叱ったり、できないって」
朝永花月:「だから、陣さんにそうじゃないって、見せればよかったんだよ」
灰下 照:「……それは、そうかも」
灰下 照:「だって、おれ、いま、殴られてないし」
朝永花月:「殴らないよ。叱るって、そういうのじゃないよ」
灰下 照:「あんたの友達病院送りにしたんだって年下のガキにいきなり言われたら、おれならまず蹴っ飛ばすよ」
朝永花月:「……そうかも」
灰下 照:「じゃあ何さ……別に、上から言わなきゃいけないってわけじゃ、ないだろ」
朝永花月:「上からっていうかさ……」
朝永花月:「私が上から言って、ようやく対等なんだと思う。たぶん」
灰下 照:「……わっかんないな……」
灰下 照:頭を掻く。適切な言葉が思い浮かばない。
朝永花月:「私、子供だと思われてるから。まあ、実際大人なんだか子供なんだか分かんない微妙なお年ごろなんだけど……」
灰下 照:「そう! それがあいつ、嫌いなんだよ!」
灰下 照:「大人だから正しいとか、子供だから違ってるとか、そういうのじゃないだろ!もう!」
朝永花月:「あはは。やっぱ思うよね」
灰下 照:「なんか日行あたりにも似たようなこと思われてる気がするんだよ……」
灰下 照:「確かにおれは、歳も少ないし、見てるものも考えてることも少ないけどさ……それでも赤信号は渡っちゃいけないって子供でも分かるだろ……そういう……」
朝永花月:「……っあ、あー!」
朝永花月:「……カイタンこないだ怪我してたのそれか……!」
灰下 照:「あ、うん。めっちゃ狙われてた。あんたを悪い道に引き込もうとしてるって」
朝永花月:「大人でも赤信号、渡る人はいるよ」
朝永花月:「だから、そういう時だよ」
朝永花月:「上から叱ってやるんだ」
灰下 照:「あとおれも巻き込もうとしてるように見えたらしい……むかつく……」
灰下 照:「……よーするに、あんたはもっと自信を持てってことかな」
灰下 照:「えーっと」
灰下 照:「なんだっけ……ケツゼン……スデ……じゃなくて」
灰下 照:「キゼンとしろ! ってやつ?」
朝永花月:「……無理して使わなくていいよ!」
朝永花月:「おっけーおっけー。分かってるって」
灰下 照:「別に無理してない! ネプリーグの漢字クイズだっておれは良いとこまで分かったんだ」
灰下 照:「姉さんとか師範とかに褒められたことだってある」
朝永花月:「え、花月あれあんま分かんないのに……!すご、じゃない、ともかく!」
朝永花月:「例えば、人の友達怪我させといて、さもお友達は誰かに怪我させられましたーみたいな顔して」
朝永花月:「詐欺のカードに使ってくる悪い大人は、今度は全力100%のグーでいく」
朝永花月:「これが毅然だよね?にひひ」
灰下 照:「ん……なんか良く分からないけど、たぶんそれだ」親指を立てる。
灰下 照:「だから……何の話だったっけ」
灰下 照:「そう、だから、協力」
朝永花月:「そうだ、協力協力。……フェイちゃんは大丈夫なの?」
灰下 照:「怪我自体はそこまでだった。ただ、あんまり無理はさせたくない」
灰下 照:「日行もなんか仕事はするって言った。だから、あんたも力になってほしい」
灰下 照:手を差し出す。
朝永花月:「そっか。じゃ、花月たちが頑張んないとねい」
灰下 照:「おれはあんたの友達の警官をぶっ飛ばしたけど、それでもいいなら、……頼みます」
朝永花月:手を握り返す。
朝永花月:「反省してるなら、あとで陣さん本人にぶっ飛ばし返されてもらいなさいっ」
灰下 照:「えー……ううん……マエムキにゼンショする」
朝永花月:「ふふふ。ビビってるのかー?大丈夫だって」
朝永花月:「どうせ陣さん、できないと思うから!」
灰下 照:「あ、そうか……なんかあいつ、そこらへんも嫌いだ」
灰下 照:何が何でも自分のやりたいことを曲げない人間。気付いていないが、同族嫌悪に近い。
朝永花月:握手を解こうとして、感触に気づく。
朝永花月:「ちょっと、手、出して」両手を引っ張って、手の平を向けさせる。
灰下 照:「ん? な、なに」ちょっと緊張した声で。
灰下 照:柔らかい指の感触に、少しどぎまぎしている。……かもしれない。
朝永花月:「ちょっと待ってよー」ポシェットをあさり、可愛らしいピンクの包帯を取り出す。
朝永花月:そのまま慣れた手作で、くるくると手を巻いていく。
朝永花月:《原初の赤:水晶の剣》を、赫骨の穂先に対して使用します。
朝永花月:侵蝕率93→98
朝永花月:「これでよしっ。握り手、ボロボロだよ?」
灰下 照:「え? あ、おお…………」
灰下 照:ピンク色の包帯に包まれた手を、にぎにぎと曲げる。
朝永花月:「動かすには支障ないでしょ?巻き方のコツがあるんだよねー」
灰下 照:感触が違う。「すごいな。花月、テーピングも出来るんだ」
朝永花月:「いいでしょー」
灰下 照:「でもなんでピンク?」
朝永花月:「ピンク可愛いじゃん」
朝永花月:「あ、他の色混ぜたい?いっぱい持ってるよ!」
灰下 照:「お、おう」
灰下 照:じゃあ、言われるがままにカラフルにされます
灰下 照:はんのうに こまっている
朝永花月:「よーし。久々に力作だ……!ふー暑っつ」コートを脱いで畳む。
灰下 照:「あ、ありがとう……?」なんだこれ、という感じになった片手を振っている。
朝永花月:「あ、そのままそのまま」
朝永花月:隣に滑り込んで、頬をくっつけて写真を撮る。
灰下 照:「。」
灰下 照:「……!? う、うわっ!」写真を取られた後、思わず押し退ける。
朝永花月:「あ、後で送るねーって、私の携帯か……わわっ!」
朝永花月:「え?何?どした?」
灰下 照:「なんだ! いきなり! なに!」
朝永花月:「え、何って、写真‥…」
朝永花月:「……え、もしかしてダメだった?」不安そうに首を傾げる。
灰下 照:「そ、そうじゃな、う、うう……」暗がりで分かり辛いが、頬が赤くなっている。
朝永花月:「?……ケータイないし、あとで、コンビニでプリントアウトしよっか」
灰下 照:「しょーぞーけんのシンガリ!だ」
朝永花月:「……肖像権の侵害。だから無理して使わなくていいって」
灰下 照:「無理してないもん!」
朝永花月:「……全部終わったら。コンビニ寄ろ。終わったらね」
朝永花月:「終わらせよー」
灰下 照:「…………うん。任せて」
灰下 照:「終わらせてやる。おれと、みんなでさ」
朝永花月:「ん。そーだね」

GM:シーンを終了します。ロイス取得および調達判定をどうぞ。
朝永花月:ロイス取ります。
朝永花月:-テラ君/灰下照/慈愛:○/不安/ロイス
朝永花月:調達は照準器でも狙ってみよう。
朝永花月:3dx+5>=15
DoubleCross : (3R10+5[10]>=15) → 9[5,6,9]+5 → 14 → 失敗

朝永花月:財産を1点使用して購入。自分のスラッグガンに使用。
灰下 照:応急手当!
灰下 照:3dx
DoubleCross : (3R10[10]) → 10[5,6,10]+2[2] → 12

灰下 照:やっと買えた・・・使って良いですか?
GM:即座に使って構いません。
灰下 照:18+2d10
DoubleCross : (18+2D10) → 18+12[5,7] → 30

灰下 照:ジャスト全快
GM:それでは、他にシーン希望を出す方がいなければ、クライマックスです。

■Climax/01

GM:クライマックス!登場をどうぞ。
灰下 照:1d10+92
DoubleCross : (1D10+92) → 9[9]+92 → 101

灰下 照:ハッハッハ
朝永花月:1d10+98
DoubleCross : (1D10+98) → 3[3]+98 → 101

“フェイスダウン”:1d10+97
DoubleCross : (1D10+97) → 2[2]+97 → 99

“フェイスダウン”:ヒューッ
日行丹:1d10+95
DoubleCross : (1D10+95) → 7[7]+95 → 102

京須市内 中寺橋

GM:静かな水音が、どこかから響いてくる。
GM:雲は晴れて、夜の暗黒には、いくつもの星がまたたいていた。
GM:橋の向こう――どこか遠くで終電が走っている。その振動も、夜の空気を通して伝わる。
GM:意識して初めて、街灯や家々の光の死角になっていることに気づく。
灰下 照:橋を見下ろせる、近くの建物の屋上に降り立つ
灰下 照:表情は堅く、袖の端で冷や汗を拭っている。
GM:黒い影が、べったりと小さな橋に貼り付いているような錯覚すら覚える。
GM:ここからあの異形が、子供たちの家に侵入して、一人ずつ攫っていったのだろうか?
GM:――おそらく違う。
GM:三春桐子と同じだ。ごはんがあって、あたたかくて、しあわせな場所。
GM:無意識の内ではあっても、子供たちは自分から……この橋にやってきたのだ。
灰下 照:(……最初に来た時から)
灰下 照:(知らないうちに、誘われてたのかな。おれは……)
灰下 照:影を抜けて、下の路地に再出現する。
灰下 照:「……たぶん、まだ居る」
灰下 照:ここまで連れてきた二人に、小声で報告する
日行丹:「そうか」
日行丹:「“フェイスダウン”は?」
朝永花月:「怪我してるんだから。私達でがんばんないと」
灰下 照:「…………」首を振る。最後に行った時、まだ目覚めていなかった。
日行丹:「なら、仕方がないな。朝永」
日行丹:「お前にやる、着ておけ」 シューターズジャケットを渡します
朝永花月:「あ、うん、ありがと……」
GM:ギシリ
GM:重い音が響いた。電線が軋む音だ。
灰下 照:「!」
三春桐子:橋の向こうに、背を向けて佇んでいる。
朝永花月:「……あれが。普通の、子供みたいなのに」
灰下 照:「……作戦通りだ。」小声で言って、歩きだす。
三春桐子:「――こっちに、来たいの?」
灰下 照:更に、誰にも聞こえない声で「おれが、一発で終わらせれば良い……」
灰下 照:一見、無防備に橋へと歩いていく。
日行丹:様子を伺っている。
三春桐子:「きみも、そうなんでしょう」
灰下 照:「そこには、美味しいごはんがあるんだろ。温かさも、幸せも」
三春桐子:「あたたかいお家が、ほしいんだよね……」ゆっくりと振り返る。
灰下 照:「あったらいいなって、ずっと思ってた」
灰下 照:「夜遅くまで働かなくてもいい。コンビニの廃棄品じゃないごはん。優しくて、世話してくれる人」
三春桐子:「こっちがわには、なかったでしょ?」くすくすと笑う。
灰下 照:「そこには……それが、あるのか?」
三春桐子:「おかーさんは、やさしいから……」
灰下 照:「ああそうだよ。欲しかったよ。ずっと、ずっとおれは……そうなりたかった」
GM:ギチッ、ギヂリ
GM:三春桐子の背後に伸びる影から、
GM:枯れ木のような、子供が戯れに書いたグシャグシャの棒人間のような……
GM:細く、大きな影が、折りたたんでいた体を持ち上げる。
三春桐子:「だから、こっちの方のおとーさんやおかーさんなんて……」
三春桐子:「いらない」
灰下 照:「違う」
灰下 照:「お金も。ごはんも。ぬくもりも。おれには必要ない」
灰下 照:「嫌いなんだよ……三春桐子。ただ求めてるから、そんなのに捕まるんだ」
灰下 照:心臓が早鐘を打つ。恐怖が。根源的な嫌悪感が。
三春桐子:「そんなのじゃない……」
三春桐子:「わたしの……」
“おかあさん”:「あ"あ"」
“おかあさん”:Eロイス"餓えの淵""餓鬼の晩餐"。
GM:ゴギュッ!ビヂッ
“おかあさん”:「あ"」
三春桐子:「あはっ……ははは……」
三春桐子:「あはは……うふ、ふふふ……」
GM:バヂッ!
“おかあさん”:「う"」
“おかあさん”:見下ろす、捻くれた長い影だけが残った。
“おかあさん”:しかし、見下ろす顔面は存在しない。
“おかあさん”:鋭利な骨に削がれたかのように、その肉が抉られているからだ。
灰下 照:「…………っ、あ」
灰下 照:胸を抑えて、膝をつく。
灰下 照:どれほど芯があろうと……灰下の感性には、その光景は凄惨すぎる。
灰下 照:眼を逸らせない。涙を溜める。
“おかあさん”:バチッ
“おかあさん”:長い手を地面に降ろす。
“おかあさん”:手で体を引きずるように、ゆっくりと灰下照に近づいてゆく。
“おかあさん”:「あ"っ、が、あ"」
“おかあさん”:「あ"あ"ーーー」
灰下 照:「……なりたかった……なりたかったんだ。もう、何もかも遅くて」
灰下 照:迫るそれを見つめている。「おれは。姉さんに幸せをあげられる人間になりたかったのに」
灰下 照:地面に手をつく。
灰下 照:その手が沈みこむ。
灰下 照:「――っあああああああああああああ!!!」
灰下 照:影の下、地中からの奇襲。最下段からの、長柄武器の斬り上げ。
“おかあさん”:ビチャ!!!
灰下 照:迫るバケモノの顎から脳天を斬り払おうとする!
“おかあさん”:「……う"、」頭部の縦半分が切り飛ばされた。
“おかあさん”:「う"ぶ、え"っ、え"っ、え"」
“おかあさん”:「え"」
“おかあさん”:バチッ
“おかあさん”:よろめいて、もう片手を橋の上についた。触れることができた。灰下照の力で。
灰下 照:「よし……やった!」
灰下 照:触れた。斬れた。倒せた。ホラー映画の化け物じゃない。
灰下 照:形のある、生きものだ。
GM:怪異の背後で、赤い光が切り替わった。深夜の街に光る、唯一のもの。
“おかあさん”:「あ"」
“おかあさん”:そして、音が聞こえた。灰下照の真上。
灰下 照:「日行、花月、もう――」
“おかあさん”:枯れ木のような胴体は、両の手を地面に突いたままだ。
灰下 照:「な」
“おかあさん”:その首だけが、異常なほどに伸びて、灰下を見下ろしていた。
“おかあさん”:空洞が開いている――もはや人間の口としての意味すらなさない、ものを取り込むだけの空洞が。
灰下 照:灰下にジャーム戦の経験は無い。
灰下 照:『超能力を持った人間』と『逸脱した怪物』の差を理解していない。ただ、日行に聞いただけで。
“フェイスダウン”: ガ ゴッ !!
灰下 照:呆然と怪物を見上げ――「え」
“フェイスダウン”:横合いから怪物の頬に、跳び蹴りを浴びせ
“フェイスダウン”:そのまま、反動で照の傍らに着地する
“おかあさん”:まるで、長いロープがしなるように、影に倒れる。
“フェイスダウン”: ザ ス !
灰下 照:その始終を、眼を丸くして見ていた。
“フェイスダウン”:『……すまない』
灰下 照:「フェ……おま、な……」
“フェイスダウン”:『遅くなった』
GM:黒いヘルメットが、夜闇に溶けるように佇む。
灰下 照:「……っ」顔を一瞬、くしゃりと歪める。「ほん……っとだよ!」
GM:“フェイスダウン”。彼女は、灰下と出会った最初から、この時刻の住人だった。
“フェイスダウン”:『照』
“フェイスダウン”:『最後まで、一緒に行こう』
灰下 照:「……最初から居ろよ、馬鹿! 今のじゃ、まるで……」
灰下 照:「テレビの、ヒーローかよ……アンタさぁ!」
“フェイスダウン”:『……ッ』
“フェイスダウン”:ほんの少し、言葉に詰まって
“フェイスダウン”:『おおきに』
“フェイスダウン”:ヘルメットの下で呟いて
“フェイスダウン”:少年と並び立つぞ!
“おかあさん”:「ぐ、ぐえ"」
“おかあさん”:ズチャリ。
“おかあさん”:切り飛ばされた顔面が、クレヨンで塗りつぶされるように再生する。
灰下 照:「本当にバケモノかよ・・・・」
“おかあさん”:怪異が影から現れて、かなりの時間が立っている。周囲へのレネゲイド侵蝕が高まりつつある。
“おかあさん”:衝動判定。難易度は11です。
灰下 照:(あの警官をジャームっぽくしたの悪かったな・・・)
灰下 照:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[2,6,8,9,10]+8[8]+1 → 19

“フェイスダウン”:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 9[2,2,2,3,3,4,7,9]+1 → 10

“フェイスダウン”:ぐえー暴走!
日行丹:5dx+5>=11
DoubleCross : (5R10+5[10]>=11) → 9[3,4,7,9,9]+5 → 14 → 成功

朝永花月:11dx>=11
DoubleCross : (11R10[10]>=11) → 10[1,2,3,5,7,8,9,9,9,9,10]+10[10]+6[6] → 26 → 成功

灰下 照:101+2d10
DoubleCross : (101+2D10) → 101+11[1,10] → 112

日行丹:102+2d10
DoubleCross : (102+2D10) → 102+5[3,2] → 107

日行丹:うーん、微妙にうまくない。
朝永花月:101+2d10
DoubleCross : (101+2D10) → 101+16[7,9] → 117

“フェイスダウン”:2d10+99
DoubleCross : (2D10+99) → 7[5,2]+99 → 106

日行丹:ここからが正念場だ。

■第1ラウンド

“おかあさん”

  3m

灰下 フェイス
朝永 日行
【イニシアチブ】
11/11:朝永花月
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
4/6:灰下照
4/4:“おかあさん”
GM:セットアップです。まずは朝永さんから。
朝永花月:ないです!
GM:順にどうぞ!
日行丹:ここを超える必要がある、今回の俺の――
日行丹:仕事を終わらせるためには。
日行丹:アリアのロイスをポジティブにします。尽力が表だ
日行丹:《フルディフェンス》 行動済みに
日行丹:侵蝕:107→111
日行丹:終わりです
“フェイスダウン”:あ、無いです!
灰下 照:《ヒュドラの怒り》
灰下 照:ラウンド間ダイス+3、攻撃力+9、暴走状態に。
灰下 照:「怖がるなよ……同じだ。同じ目にあってるだけだ」怪物の傷跡を思いだす。
灰下 照:「お前に出来る事は」影が増える。「おれにだって」増える。増える。「出来る」増える増える増える??
灰下 照:灰下と同じ姿をした何十の影法師が。周囲を埋め尽くす。
“おかあさん”:……パタッ、パタタッ
“おかあさん”:俯いた顔面から、粘性の高い血液のようなものが垂れ落ち続けている。
“おかあさん”:橋のすべてを覆う、巨大な影に。
“おかあさん”:《カームダウン》。
“おかあさん”:ラウンド中、全判定のダイスを-10個します。
“フェイスダウン”:ゲーッ
灰下 照:こ、この野郎ーっ!
GM:それでは、イニシアチブ開始。
“おかあさん”:行動します。《加速する刻》。
“おかあさん”:……ズル リ
“おかあさん”
灰下 フェイス
朝永 日行
GM:――灰下が想起を忌避したものと、同じ感覚。
GM:恐怖に似た身のすくみが、相対した4人を囚え……そして、全員を頭上から見下ろしている。
“おかあさん”:「あ"」
“おかあさん”:「ぐ」
“おかあさん”:《蝕む赤》《封印の呪》《鮮血の鎖》《鮮血の網》《ブラッドウェブ》《原初の赤:世界樹の葉》《混沌なる主》《混色の氾濫》《抱擁》。
“おかあさん”:4人すべてを対象とします。
“おかあさん”:《呪われし者の印》。ダイス減少を解除。
“おかあさん”:8dx+10
DoubleCross : (8R10+10[10]) → 10[2,3,3,3,6,9,9,10]+8[8]+10 → 28

GM:命中した場合、
GM:邪毒ランク8付与、硬直付与、侵蝕率+5、次の判定のC値+2、HPを3D10+侵蝕率/10回復、ラウンド間、移動やドッジのたび12点ダメージ を受けます。
灰下 照:暴走! 回避不可!
“フェイスダウン”:リア不
朝永花月:ガード。
日行丹:《リフレックス:ソラリス》《命の盾》 ※《フルディフェンス》使用時
日行丹:7dx7+9>=28
DoubleCross : (7R10+9[7]>=28) → 10[5,6,7,8,8,9,10]+10[2,4,7,7,10]+10[1,4,8]+10[8]+6[6]+9 → 55 → 成功

日行丹:侵蝕:111→115
日行丹:侵蝕:111→114
“おかあさん”:「う"、ぐ、う"」
日行丹:――試してみるか、言葉が通じるかを。
日行丹:撫でられる直前、小物を放り投げる。女の子向けのアクセサリー。
日行丹:「お前の娘はまだ生きている」
“おかあさん”:黒く鋭い指が、4人を撫でる。
“おかあさん”:ビチャ
“おかあさん”:言葉が通じたようには思えない。顔面は削ぎ取られている。
日行丹:僅かに動きが止まったところを灰下の影に紛れてやり過ごす。
“おかあさん”:3d10
DoubleCross : (3D10) → 23[9,10,4] → 23

“おかあさん”:侵蝕率/10+23点のHPを回復してください。
“おかあさん”:侵蝕率を5上昇させてください。
灰下 照:既に全回復だよ! なんだこいつ気持ち悪!
“フェイスダウン”:HP全快、浸蝕111
朝永花月:侵蝕率117→122
“フェイスダウン”:『何や…これ…!』
灰下 照:「気持ち、悪っる……!」
日行丹:灰下の影に紛れてやり過ごす。効果の程は分からなかった。
日行丹:放り投げたアクセサリーは俺の商売道具の一つ。決して上原那由のものじゃあない。
日行丹:だが言葉が通じるのなら。意識が存在するのならそう見える。
日行丹:それが俺の能力だからだ。
“おかあさん”:ギィギィと、電信柱がたわむ音が響く。
“おかあさん”:深い空洞が4人を見下ろしている。
日行丹:ほんの少し、そうかもしれない。そう思ってしまう一押し。それだけが俺の能力。
GM:次のイニシアチブは11。朝永さんの行動です。
朝永花月:「う`……このっ!」
“おかあさん”:「ぁーーーー」
朝永花月:待機します。
GM:イニシアチブは8。“フェイスダウン“の行動です。
“フェイスダウン”:よーし
"フェイスダウン":とりあえず”おかあさん”にロイス取って即昇華!
"フェイスダウン":憐憫/敵愾心○で
"フェイスダウン":マイナーで接敵、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》《コンバットシステム》《急所狙い》《アンプリフィケイション》!
GM:既に同エンゲージです。ロイス効果はバステ解除で良いですか?
"フェイスダウン":ですです
GM:ではどうぞ!
"フェイスダウン":15dx7
DoubleCross : (15R10[7]) → 10[2,2,4,5,6,7,7,8,8,9,9,9,9,10,10]+10[3,4,6,6,6,6,7,7,10,10]+10[4,10,10,10]+3[1,1,3] → 33

"フェイスダウン":オーケー
“おかあさん”:《カームダウン》の修正込みですが、回避はできます。
“おかあさん”:7dx
DoubleCross : (7R10[10]) → 10[1,3,3,4,6,9,10]+3[3] → 13

日行丹:《力の霊水》 DR+4d10
GM:あ、いや待った!すいません
"フェイスダウン":センキュー!
GM:やはりガードになります。
"フェイスダウン":むっ
"フェイスダウン":いきます!
“おかあさん”:《自動触手》。
"フェイスダウン":ぐえー
日行丹:侵蝕:114→118
"フェイスダウン":8D10+46
DoubleCross : (8D10+46) → 53[7,8,7,8,8,3,8,4]+46 → 99

"フェイスダウン":いい感じ
“おかあさん”:《雲散霧消》。ダメージを30点軽減。
"フェイスダウン":敵を注視したまま距離を測っている
日行丹:「おい、“フェイスダウン”」 攻撃を仕掛ける前に声をかける
日行丹:「今なら攫われた子供の命は助けられるぞ」
"フェイスダウン":『…分かった。説明はそれで十分だ』
“おかあさん”:“フェイスダウン”の構えに対して、反応する様子もない。
日行丹:フェイスダウンのロイス感情をポジティブに変更、同情を表に
"フェイスダウン":『はぁっ!!』
日行丹:「やるなら上手くやれ」
“おかあさん”:おぞましい呻きを発さなければ、夜の遠目からは樹木か電柱のように見えるのではないか。
日行丹:確証のある言葉ではない、だがこの一言には意味がある。
日行丹:かすかな希望であろうとそれを頼りにする人間もいるだろう、“フェイスダウン”にそれが当てはまる可能性はある。だからこういった。
"フェイスダウン":橋の欄干を蹴り、角度を付けた突貫!交錯の瞬間に釵で切り裂く!
"フェイスダウン":ザシュッ!
“おかあさん”:バヂッ!ヂッ
“おかあさん”:腱か膿腫が弾けるような、不愉快な破裂音が響く。上半身が引き裂かれ、片側が垂れ下がっている。
“おかあさん”:「あ"」
"フェイスダウン":『…ダメージは通ったか…?』
GM:……黒い繊維のような肉が、”フェイスダウン”の右手に絡まっている。
GM:まだ生命を持っている。皮下に食い込んでいくが、痛みがない。
“おかあさん”:《自動触手》で16点ダメージを返します。生存。
“おかあさん”:同時に、
"フェイスダウン":着地し、バク中で距離を取るが…
“おかあさん”:「あ"ーーーーー」
"フェイスダウン":『…ッ!』
“おかあさん”:「あ"ーー」
“おかあさん”:分かれた上半身が、魚のようにバタバタと震える。
"フェイスダウン":(直接攻撃は不利になるタイプ…けど、銃火器なんか持って来てへんし…)
"フェイスダウン":『無茶するしかない…か』
“おかあさん”:《背徳の理》。ダイスを増加します。
灰下 照:それだけ?
GM:いいえ、違います。
GM:いつの間にか、空の星が見えなくなっている。
GM:電柱やブロック塀。橋の向こう側の景色が、少しずつ、赤黒く軟質な輪郭へと変貌していく。
“おかあさん”:Eロイス"暴食の胃袋"。以降、攻撃ダイスを-2個、ラウンド終了時に1D10点のダメージを受けます。
"フェイスダウン":ひえー
灰下 照:デバフ……ではないのか
灰下 照:殺刃圏とかと同じ感じか
GM:あ、デバフも入りますね。ジャームを対象とした攻撃が-2個のペナルティを受けます。
GM:一度戦闘不能になれば解除されます。
灰下 照:なるほど
GM:次のイニシアチブは、灰下くんの手番です。
灰下 照:うーん……
灰下 照:迷うけど待機します。
灰下 照:>影法師は不気味にうごめいている・・・
日行丹:まるでこいつの体内のようだ……子供を集め、攫う。娘を探し求めるその習性、衝動は“飢餓”といったところか
“おかあさん”:こちらの本来の手番となります。
“おかあさん”:「あ"ぁぁ……」
“おかあさん”:4人の頭上から手を伸ばす。
“おかあさん”:《背教者の王》《ブレインハック》《異形の祭典》。
“おかあさん”:《カームダウン》のダイスペナルティを《呪われし者の印》で解除します。
“おかあさん”:《流刑者の刻印》。HP50点を回復。
“おかあさん”:17dx 対象は全員です。
DoubleCross : (17R10[10]) → 10[2,2,2,4,4,4,4,5,6,6,7,7,8,10,10,10,10]+6[2,3,4,6] → 16

灰下 照:暴走!リア不!
"フェイスダウン":避けてぇ!
日行丹:《リフレックス:ソラリス》《命の盾》 ※《フルディフェンス》使用時
日行丹:7dx7+9>=16
DoubleCross : (7R10+9[7]>=16) → 10[1,5,6,8,9,9,10]+6[4,5,5,6]+9 → 25 → 成功

"フェイスダウン":3DX
DoubleCross : (3R10[10]) → 10[1,7,10]+10[10]+4[4] → 24

"フェイスダウン":ハハハ
灰下 照:すごい!
日行丹:侵蝕:118→121
朝永花月:素手攻撃ですよねこれ?
GM:そうです。
朝永花月:うーん
朝永花月:ドッジ。
朝永花月:0dx@12
DoubleCross : (0R10[12]) → 0[] → 0 → ファンブル

“おかあさん”:2d10+6
DoubleCross : (2D10+6) → 10[5,5]+6 → 16

“おかあさん”:命中したキャラクター全員に、自分自身への憎悪を付与。
“おかあさん”:鈍重な両手だが、地面の様子がおかしくなっている。
“おかあさん”:まるで肉や粘液のように滑り、踏ん張りが効かない。
"フェイスダウン":『!』
"フェイスダウン":いち早く地面を蹴り、脱出する
"フェイスダウン":『照!花月!』
日行丹:「やめておけ、俺を殺せば娘の場所は分からないぞ」
日行丹:「大人しくしろ、それが最善だ」
日行丹:言いながら、僅かに相手の効果範囲ギリギリまで退く。
朝永花月:「‥…何なの、これ……!」
灰下 照:>影たちは動きを乱し、互いにぶつかりあっている・・・
GM:虚言が功を奏したのか、あるいは避けた後でそう宣言することで、有効な虚言だったように見せているのか。
GM:戦闘者として研ぎ澄まされた勘で回避したフェイスダウンと共に、日行もその掌を避けた。
“おかあさん”:ひたり
“おかあさん”:灰下照と朝永花月の顔を撫でた。
“おかあさん”:「う"っ、うっ」
“おかあさん”:「え"」
朝永花月:「……っ!」
灰下 照:「――ッ! の……」影法師が剥がれる。嫌悪に顔を歪める。
GM:恐怖。忌避。愛情。執着。ジャームの精神が流れ込んでくる。
"フェイスダウン":『くッ…』
"フェイスダウン":『しっかりしろ!ジャームに呑まれるな!』
GM:子供たちの心を侵食し、橋に呼んでいたもの。灰下照も味わった、恐怖だ。
灰下 照:「ハァーッ、ハァーッ……!」
朝永花月:「う”っ……」口元を押さえる。
灰下 照:影法師が一様に膝をつく。
“おかあさん”:ズルッ、ビチャリ
“おかあさん”:地面の影の中から、粘性の液体のようなものを掬い取る。
“おかあさん”:「あ"あ"あ"」
“おかあさん”:2人の口元に流し込もうとする。
灰下 照:「や……」
灰下 照:「……め、っ……!」
“おかあさん”:「あ"ー」
GM:手番は待機中の灰下くん。
灰下 照:泥を流し込まれ、やがて、覆いかぶさられるように、一緒に、どろどろに崩れさる。
灰下 照:……犠牲となった、影法師が。
灰下 照:マイナーで《原初の青:陽炎の衣》
灰下 照:メジャーで《コンセントレイト:エグザイル》《原初の赤:見えざる死神》《伸縮腕》
灰下 照:あ、の前に
灰下 照:謎の少女のロイスをタイタス昇華。不利なバステを全て解除する。
“おかあさん”:溶けた影法師を、両手で掴み上げようとしているかのような動き。
“おかあさん”:その動きを何度も繰り返している。
灰下 照:「――アンタは顔で」
灰下 照:「おれは内臓(なかみ)だ」
灰下 照:14dx7+2
DoubleCross : (14R10+2[7]) → 10[1,2,3,4,5,5,6,6,8,9,9,9,10,10]+10[1,4,6,7,8,9]+10[3,4,10]+10[7]+10[7]+1[1]+2 → 53

“おかあさん”:ドッジ。
“おかあさん”:7dx
DoubleCross : (7R10[10]) → 9[2,4,5,5,6,8,9] → 9

灰下 照:6d10+52
DoubleCross : (6D10+52) → 36[5,8,6,5,8,4]+52 → 88

GM:それは……予想以上に強い。倒れます。
灰下 照:手にした骨の薙刀を、中心部に向けて薙ぎ払う。
灰下 照:360度、周囲の影法師が一斉に立ち上がり、
灰下 照:直後、一体を除いて影法師は崩れ落ち。
灰下 照:ジャームの正面に居る個体のみが、カラフルな手と赫骨の槍を振り抜いた姿勢で残心している。
灰下 照:「色々と、失わせてくれるよな」
灰下 照:「あのひとはさ……」
灰下 照:不気味に静まりかえった声。どこか浮ついた、●しい誰かを語る言葉。
“おかあさん”:――ベシャ!
“おかあさん”:腰部を吹き飛ばされ、細い上半身が折れて地面に崩れる。
“おかあさん”:「が、」
“おかあさん”:ガリッ
“おかあさん”:   ガリ、ガリガリガリ
“おかあさん”:長過ぎる指が柔らかい地面に突き立ち、皮膚を引っ掻くような音を立てる。
“おかあさん”:「あ"」バタン!
“おかあさん”:バタン! バタン! バタン!
“おかあさん”:断末魔にのたうつように、折れた上半身が暴れている。
“おかあさん”:《不死不滅》。尋常ならば死んでいる状態で行動します。
GM:手番は朝永さんです。
朝永花月:山古陣矢のロイスをタイタス昇華。不利な効果を全て解除。
朝永花月:マイナー《ポルターガイスト》。大鎚を破壊して攻撃力を+28。
朝永花月:侵蝕122→128
朝永花月:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。
朝永花月:12dx@7+7
DoubleCross : (12R10+7[7]) → 10[5,5,5,6,7,7,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,2,3,5,6,8,9]+10[3,10]+6[6]+7 → 43

“おかあさん”:ドッジ。
“おかあさん”:7dx
DoubleCross : (7R10[10]) → 6[2,2,3,4,5,5,6] → 6

日行丹:流刑者の刻印で回復は無しか……だったらこれでいけるかな。支援は無しで
灰下 照:あ、あれラウンド一回か
朝永花月:5d10+49 装甲有効
DoubleCross : (5D10+49) → 25[10,6,4,3,2]+49 → 74

“おかあさん”:《虚無への回帰》。
朝永花月:手持ちのポシェットをぶちまける。多数のペンやネイルアートツールがこぼれ落ち、
朝永花月:光輝を纏いながら滞空し、旋回し、
朝永花月:「行って!」殺到する。
“おかあさん”:ザァ!
“おかあさん”:ガギッ ギヂギッ
朝永花月:青。淡青。黄。淡朽葉。紅。紅。
朝永花月:何筋もの色彩線を引く。
“おかあさん”:切り裂かれたジャームの皮膚の内は、白く粘ついた組織が、蜘蛛の巣めいて糸を引いているだけのように見える。
“おかあさん”:その中に、朝永花月の美しい輝きが捕らえられている。立ち上がる姿が、滑稽ですらある。
“おかあさん”:「え」
“おかあさん”:「え"、え"、え"、え"、え"、え"、え"……」
朝永花月:侵蝕率128→134
GM:ラウンド終了。クリンナップダメージはありませんね。
GM:"暴食の胃袋"も解除されています。

■第2ラウンド

GM:続けて第2ラウンド。
“おかあさん”
灰下 フェイス
朝永 日行
【イニシアチブ】
11/11:朝永花月
8/8:日行丹
8/8:“フェイスダウン”
4/6:灰下照
4/4:“おかあさん”
GM:再びイニシアチブ順です。まずは朝永さんから。
灰下 照:セットアップなし
朝永花月:セットアップなし。
日行丹:《フルディフェンス》 侵蝕:121→125
“おかあさん”:《カームダウン》。全員の判定ダイスを-10個。
GM:最初のイニシアチブ。行動します。
“おかあさん”:《加速する刻》。
"フェイスダウン":ひー
灰下 照:やめてほしい
“おかあさん”:「あ"あ"」
“おかあさん”:「あ"あ"あ"あ"、あ"あ"」
“おかあさん”:《蝕む赤》《封印の呪》《鮮血の鎖》《鮮血の網》《ブラッドウェブ》《原初の赤:世界樹の葉》《混沌なる主》《混色の氾濫》《抱擁》。
“おかあさん”:判定は自分を含めた全員です。
“おかあさん”:16dx+10
DoubleCross : (16R10+10[10]) → 10[1,2,2,3,3,4,5,5,6,7,7,8,9,10,10,10]+6[1,4,6]+10 → 26

日行丹:《リフレックス:ソラリス》《命の盾》 ※《フルディフェンス》使用時
日行丹:7dx7+9>=26
DoubleCross : (7R10+9[7]>=26) → 10[2,2,4,4,8,8,10]+10[9,9,10]+10[5,6,9]+10[10]+10[10]+10[9]+4[4]+9 → 73 → 成功

日行丹:侵蝕:125→128
灰下 照:ガード
“おかあさん”:ガード。
"フェイスダウン":すいませんカームダウンで回避不能!
"フェイスダウン":一応ガードで
朝永花月:同じく。ガードを選択します。
GM:全員に、邪毒ランク8付与、硬直付与、侵蝕率+5、次の判定のC値+2、HPを3D10+侵蝕率/10回復、ラウンド間、移動やドッジのたび12点ダメージを与えます。
“おかあさん”:3d10
DoubleCross : (3D10) → 20[10,2,8] → 20

"フェイスダウン":ウオァワーオ
“おかあさん”:20+侵蝕率/10点を回復してください。
"フェイスダウン":全快
灰下 照:するわな、全快
朝永花月:するよ!
GM:あ、全員侵蝕率を+5してください。
朝永花月:侵蝕率134→139
"フェイスダウン":浸蝕130
“おかあさん”:ズルッ……ズズッ
“おかあさん”:湧きでた粘液を啜るような動きをしている。
“おかあさん”:そして、得体の知れない粘液は、全員の足元から湧き出しつつある。
“おかあさん”:実体のない、子供の手のような感覚が足元に何度も触れる。
日行丹:「いい加減やめろ、いくらそうしても無駄だ」
日行丹:「お前の子供は一人だけ……上原那由だけだ」
日行丹:ただ語りかける、俺にはこれしかないからだ。
灰下 照:「顔が無いから、何も見えてない……」
日行丹:足元の粘液に触れないように移動を試み、それは上手くいく。
灰下 照:(……日行、なんであんな避けられるんだ?)
GM:手番は朝永さんです。
朝永花月:マイナーなし
朝永花月:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。
朝永花月:才木有希のロイスを昇華して、不利な効果を解除。
朝永花月:12dx@7+7
DoubleCross : (12R10+7[7]) → 10[1,2,2,4,4,5,5,6,6,7,8,10]+10[3,8,9]+5[4,5]+7 → 32

“おかあさん”:ガード。《自動触手》。
日行丹:《痛みの極光》 DR+8d10
日行丹:ここはバフマシで行きます
日行丹:侵蝕:128→132
朝永花月:12d10+49 諸々有効
DoubleCross : (12D10+49) → 60[6,3,2,10,4,1,1,5,4,9,10,5]+49 → 109

"フェイスダウン":いったぁ!
灰下 照:ヒャフー!
“おかあさん”:そのダメージならドッジにしておけばよかったな……!倒れます。
日行丹:「上原弥生……もうやめろ」 声をかける
朝永花月:「……真剣に。今は、大事な時だから」ペンの一本を握り、正眼に構える。
日行丹:「お前のその姿は、お前の娘にとっては辛すぎる」 明後日の方向を向く。
朝永花月:「気。そらさないよ」
日行丹:極自然に、そこに意識を誘導させるかのように。
“おかあさん”:日行の言葉には反応していない。
“おかあさん”:それは何故なのか?……
“おかあさん”:だが、その一瞬。
朝永花月:青。淡青。淡朽葉。黄。紅。幾筋もの光刃が、得物の先に構成されてゆく。
朝永花月:「全力!だっー!」思い切り横薙いだ。
“おかあさん”:――ヂッ!!
“おかあさん”:上半身だけになったジャームを、更に薄く寸断した。
朝永花月:139→145
“おかあさん”:「……ぁ……」一本だけつながっている腕で、力なく這う。
“おかあさん”:「ぇ"……」
灰下 照:「…………」
“おかあさん”:灰下照に指を伸ばし、触れようとする。
“おかあさん”:「…………」
“おかあさん”:「……」
灰下 照:ちゃき、と赤骨の穂先を構え。
日行丹:タイミング、使う言葉、声のトーン、全てが揃わなければ完成しない詐欺。特別な言葉は要らない、必要な分を適切に使えばいいだけだ。
“おかあさん”:停止する。全身があの粘液のように化して、溶けていく。
灰下 照:手を伸ばす。
灰下 照:溶け切る直前、ほんの少しだけ、その指先に触れた。
灰下 照:「おれとアンタは同じだけど」
灰下 照:「ごめん。おれは、その想いには、応えられない」
GM:虫の鳴き声が戻ってくる。
GM:淀み、湿った、赤黒い夜ではない……
GM:木々の影と街の光だけが揺れる、静寂と安らぎの夜。
朝永花月:ガジェットがカラカラと音を立てて落ちた。「……終わったの?」
日行丹:効果があったのかどうかは分からないが凄まじく集中力を消耗した。酷く疲労している。
日行丹:だが、倒れる訳にはいかない。
日行丹:朝永花月のタイタスを昇華して復活します。
灰下 照:「たぶん」
日行丹:「……そのようだな」
"フェイスダウン":『…子供たちは、どこだ』
日行丹:辺りを見回す。
赤ん坊:「エッ、エエゥ」
赤ん坊:「ア"ーーー!」泣き声だ。橋の下から聞こえる。
朝永花月:「……今の……!」
灰下 照:「下から」
"フェイスダウン":『!』
"フェイスダウン":橋の下に飛び降ります
日行丹:向かった“フェイスダウン”とは対照的にここから離れる。
日行丹:一つの山場が終わった……だが、俺の仕事はここからだ。

■Backtrack

GM:バックトラックに入ります。
GM:今回のEロイスは5つ。
【“おかあさん“】
"餓えの淵"
"餓鬼の晩餐"
"暴食の胃袋"
"孤独の叫び"
"超越活性"
"フェイスダウン":振る!
"フェイスダウン":130-5d10
DoubleCross : (130-5D10) → 130-28[10,1,2,9,6] → 102

灰下 照:振るよー
灰下 照:133-5d10
DoubleCross : (133-5D10) → 133-39[9,7,8,9,6] → 94

日行丹:振ります
日行丹:132-5d10
DoubleCross : (132-5D10) → 132-28[10,7,1,1,9] → 104

朝永花月:振ります。
朝永花月:145-5d10
DoubleCross : (145-5D10) → 145-24[4,9,2,5,4] → 121

日行丹:104-5d10 一倍
DoubleCross : (104-5D10) → 104-28[9,4,5,2,8] → 76

"フェイスダウン":1倍
"フェイスダウン":102-4d10
DoubleCross : (102-4D10) → 102-14[2,2,6,4] → 88

"フェイスダウン":完璧
灰下 照:1倍
灰下 照:94-5d10
DoubleCross : (94-5D10) → 94-32[10,9,8,4,1] → 62

朝永花月:2倍振りします。
朝永花月:121-8d10
DoubleCross : (121-8D10) → 121-43[1,9,10,5,2,10,4,2] → 78

日行丹:経験点5点!
"フェイスダウン":5!
灰下 照:下がりすぎた。4点
朝永花月:3点。
GM:いつもの4点にシナリオ点5点、Eロイス5点とします。今回の戦闘分ではDロイスはなし。
日行丹:19点!
【経験点】
アスハルさん:18
モヤイさん:19
DTさん:17
オツカレーさん:19
珪素:24
GM:本日のセッションは以上。エンディングはまた後日執り行います。
灰下 照:ありがとうございました!
"フェイスダウン":ありがとさーしたー!
日行丹:ありがとうございました!
朝永花月:おつかれさまでした!
GM:おつかれさまでした!

■Ending/01

京須市 大通り

GM:車のヘッドライトの列が、ゆっくりと街を流れてゆく。
GM:――児童連続失踪事件は、終わった。今回の日行丹の仕事も。
GM:時代に取り残され、街から見捨てられた、ガラスの曇った電話ボックス。
日行丹:電話ボックスに入り、電話をかける。かける先は山古陣屋の搬送された病院だ。
日行丹:あれほどの傷だ、入院くらいはしているだろう。
日行丹:病院の受付に山古陣屋に取り次いでもらえるように伝える。
GM:看護師が受け、少しの間、保留メロディが響く。電話を受けられるほどには、回復しているようだった。
日行丹:今回の仕事をどう終わらせるか、そもそもこの仕事はもはや存在しなかったものと同じだ。
山古陣矢:[……あー、ども。どなたですかね]山古陣矢の声だ。
日行丹:「木村というものですが……貴方が倒れていたところを見つけた……木村です」
日行丹:とりあえず日行ではなく、木村と名乗った。反応を見る。
山古陣矢:[……! そうですか。それは、どうも……]
日行丹:山古陣屋、UGNと“交戦”した経緯を持つオーヴァード。
山古陣矢:[申し訳ないです。なんか、情けないことになってたみたいで]
日行丹:「いえいえ……どうやら大事がなかったようで、安心しました」
日行丹:「こうやってお話が出来るまで回復なさっていられて良かったです」
日行丹:もしUGNが今後邪魔となりうる存在を簡単に排除する……この場合、処置することが出来る状況があったらどうするだろうか。
日行丹:「それで、山古さんとお話するのはこれは少し耳に入れておいたほうがいいかなと」
日行丹:「もしかして、少し記憶のほうが混乱なさってたりとか」
山古陣矢:[……まぁこの怪我も、犯人とやった傷なんだけど、覚えてなくて]
山古陣矢:[あー……正直、困ってます。自慢もできないですしね、こんなの……]
日行丹:「ああ……酷い怪我でしたからね。そうなのかなと」
日行丹:勿論、山古陣屋が処置を施されているわけでもなく、ただ単に演技をしている可能性もあるだろう。
日行丹:しかし、それは関係がない。これからいうことに関しては。
日行丹:「私、街を歩いていましたらその……街の手配書か何かで見たような顔を見まして」
日行丹:「確か、詐欺事件かなにかの犯人。……その男だったと思います」
山古陣矢:[あー……まさか、詐欺事件の犯人にしてやられたなんて、思いたくないですけど。はは]
山古陣矢:[確かに、俺がやられた時の関係者の可能性、高いと思います。ありがとうございます]
日行丹:「いえいえ、詐欺師が街をうろついていたとしたら市民の私達も不安ですから」
日行丹:「もしかしたら関係があったのかなと、そう思っただけです」
山古陣矢:[相手の名前、覚えてますか……っ、と、こんな状態だとメモ取るのも結構しんどくて]
日行丹:「ああ、すみません。確かカイキと呼ばれていたような気がします」
日行丹:「それとそうだ、その男。女の子を連れていました、なにか受け取っていた気がします」
日行丹:「その子はたしか……サイキとかその男に呼ばれていました」
山古陣矢:[日行丹か……チッ、分かりました。ちょっとこっちからも署に手配申請しときますんで]
日行丹:女の子からなにか受け取っていた
日行丹:「ええ、それではよろしくお願いします……病み上がりなのに仕事を押し付けてしまって申し訳ありません」
山古陣矢:[いやいや。あー……こっちこそ市民の協力に感謝します。いてて……]
日行丹:では山古陣屋からなにもなければ通話を切ろうと思います。
GM:通話は終わる。料金は10円で済んだ。
日行丹:これでこの仕事は決着がついた。少なくとも俺の中では。
日行丹:存在しなかった仕事はやらなくてもなにも困らないが、それは別にやらない理由にはならない。
日行丹:結局、今回の仕事は殆ど俺は何もしなかったのも同じだ。
日行丹:才木有希の依頼である“アリア”を見つける事は間に合わなかった。
日行丹:才木有希が親しい者に隠したかった事を朝永花月に伝えた。
日行丹:俺は才木有希が守りたいと思ったものを守ることが出来なかったのだろう。
日行丹:だが、それでも最後に残ったものくらいは守ってやろうと思う――才木有希から金を受け取ったのだから。
日行丹:警察はその内、才木有希の両親が殺されたことに気付くだろう。
日行丹:才木有希がどういう気持ちでそれを行ったのかは分からない、才木有希自身もそれを忘れている。
日行丹:この事件はR事件とは無関係に起こった事件だ、UGNがそれを隠蔽するかどうかは分からない。
日行丹:だから、その真相を隠す
日行丹:ちょうどいい悪役によってその矛先を向けさせる。
日行丹:俺は一目につく形で、才木有希と朝永花月に会っていた。
日行丹:証言は十分にあり、才木有希が金を引き出し、俺に渡すところも証言できる人間はいるだろう。
日行丹:だとしたら、親殺しなどという真相よりも――詐欺師に騙されて両親が死を選んだ。
日行丹:そちらの嘘の方を選ぶ人間は少なくないはずだ。
日行丹:この先、才木有希が記憶を取り戻すのか、有亜という赤ん坊と再開するのかは分からない。
日行丹:だがどちらにしても俺にはもう関係がない、俺に出来ることは全て終わった。
日行丹:後のことは後に関わる奴に任せておけばいい、朝永花月が俺の想像通りに動くかどうかは知らないが。
日行丹:最後まで生き残った――それがあの戦いに居た理由だ。
日行丹:UGNに処置されずに証言出来る人間が少なくとも一人は必要だった、この嘘を成立させるには。
日行丹:朝永花月が俺を弁護するにしても、怒りをぶつけるにせよ。その場に居て俺が関わったという事実が重要だ。
日行丹:電話ボックスから出る。
日行丹:「なにか俺に用か?」
日行丹:「――“フェイスダウン”」
"フェイスダウン":『……』
"フェイスダウン":いつもの通り、影法師のように
"フェイスダウン":いつの間にかそこに立っている
"フェイスダウン":『この町を離れる』
"フェイスダウン":『そして一つ、お前に言いに来た』
日行丹:「何だ?」
"フェイスダウン":『お前は結局…』
"フェイスダウン":『人と話したいだけなんじゃないのか?』
"フェイスダウン":『人と関わりたい自分に、金を稼ぐという題目を付けているように、私には見える』
"フェイスダウン":『それがどこかでこじれて、そうなった』
日行丹:「ほう、何でそう思うんだ?」
"フェイスダウン":『根拠は…女のカンだ』
"フェイスダウン":コンコン、と、ヘルメットを叩く。
日行丹:「女の勘か、馬鹿らしいとは思っていたが。存外、バカにできないな」
日行丹:「だいぶ近いところまで当たってるかもな」
"フェイスダウン":『……』
"フェイスダウン":『もしそうなら』
"フェイスダウン":『悪い事なんてやめろ』
"フェイスダウン":『…それだけ、言いに来ただけだ』
日行丹:「………」 ――考えておくと、言おうと思ったが。止める。
日行丹:「そうだな、じゃあ俺からお前に一つ餞別代わりだ」
"フェイスダウン":『……何?』
日行丹:「俺は別に悪事を好き好んでやっているわけじゃあない」
日行丹:「必要だからやっているだけだ」
"フェイスダウン":『誰にとって?』
日行丹:「俺を頼る奴ら以外にいるか?」
"フェイスダウン":『……それは、しなきゃならないから?』
日行丹:「いいや、したいからやっている。矛盾しているようだが」
"フェイスダウン":『やったら、一緒』
"フェイスダウン":『どこにでもいる筈だ。悪党を放っておけない、という人間は』
"フェイスダウン":『そうしたいからそうしてる人間だ』
"フェイスダウン":『お前が人を泣かせる以上、いつかやってくる』
"フェイスダウン":『…絶対に』
日行丹:「それはいい」 笑みを浮かべる。
日行丹:「早く、そういう奴がくるといいな」
"フェイスダウン":『……』
日行丹:「それで、お前は何を待っているんだ?」
"フェイスダウン":『いや、これで全部だ』
"フェイスダウン":踵を返して、去っていく
日行丹:見送る。勘違いしたのか、問にあえて答えなかったのか。
日行丹:別に構わない。“フェイスダウン”には“フェイスダウン”の物語があり――それは俺とは関係のない話だ。
日行丹:駅の方へ向かう。
日行丹:なんにせよ、これで今回の仕事は終わりだ。
日行丹:依頼人アリアのロイスをタイタス化します。
日行丹:この街で起こったことも、関わったことももう全て過去だ。
日行丹:過去のものになったものには気にする必要もない。
日行丹:――さて、次の仕事にとりかかるか。

■Ending/02

京須市 エイトマート前

GM:灰下照があのホテルに戻ることは、もうないだろう。
GM:事件が解決したのなら、“フェイスダウン”も、この市に留まってはいない。いずれ来る日が来ただけのことだった。
GM:最後の夜に、朝永花月に手を引かれてたどり着いたのは、またあのコンビニだった。
灰下 照:本来なら、誰にも何も言わずに立ち去るところだった。
灰下 照:事件を解決はしたが、赫骨の手掛かりはなかった。今までの捜索行と同じ……無駄骨。
灰下 照:前回はフェイスダウンに。そして今回は、朝永に。
朝永花月:「ハチマがね、一番プリントアウトの画質いいんだよね」コピー機をわちゃわちゃ弄っている。
朝永花月:「色調細かくいじれるし。他のコンビニもこれにしてくれればいいのに」
灰下 照:前回色々あった場所なので、店員さんの方をちらちら見ている。
朝永花月:「?どしたの?」
灰下 照:盗みを謝った時とは別の店員らしい。興味が、プリントアウトの方に移る。
灰下 照:「……ううん。なんでもない」
朝永花月:「これでよしっ」印刷されるのを眺めている。
朝永花月:「はいっ!」テラ君に手渡す。
灰下 照:「う、おお……」
灰下 照:貰った写真を眺める。なんとなく気恥かしい。
灰下 照:なんとなくというか、普通に恥ずかしい。「……これ、おれが持ってなきゃだめ?」
朝永花月:「えー!意味無いじゃん!」
灰下 照:「そ、そりゃそうだけどさ……」
朝永花月:「そんなに嫌だった?ショックだなあ」わざとらしくため息をつく。
灰下 照:「だ、だから……なんか、ガキみたいじゃん。写真とか」
灰下 照:「それに、また、すぐにボロボロになるかもだし……」
朝永花月:「大人でも、写真、撮るって。それにさ」
朝永花月:「もしボロボロになっちゃったらさ。また撮ればいーじゃん」
灰下 照:「…………」
灰下 照:「できるかな」
朝永花月:「できるよ」
灰下 照:花月さんを見上げる。
灰下 照:「あんたはさ……今回の事件、これで良かったの?」
朝永花月:「……っ」
朝永花月:「……どうだろうね」
灰下 照:「あ、ううん……そういうんじゃない。」
灰下 照:首を振る。「だから、えっと、……」
灰下 照:「あんたはこれで、日常に戻れる……んだよな?」
朝永花月:「……」
朝永花月:「テラ君は、やっぱ、まだ」
朝永花月:「……そうだよね」
灰下 照:「そうだ。おれは、まだ帰れない」
朝永花月:「――じゃあさ、花月、帰りを待ったげる」
朝永花月:「終わって、日常に帰ったらさ、どっかで遊んだり、ご飯とか食べようよ」
灰下 照:「…………」
灰下 照:にぃと、不器用に笑みを浮かべた。
灰下 照:「ん。わかった。そのときは、遊びに行ってやるよ」
朝永花月:「あーっ!笑った!カワイイー!」
朝永花月:「ね、ね、今のもう一回!写メるから!」
灰下 照:「な、はぁ! ちょ、やめろよ!」
灰下 照:手をばたばたさせて、すぐにまた元のむっつり顔に。
朝永花月:「あー」
朝永花月:「しょーがない。次回の楽しみにとっとこう」
灰下 照:「あんたも、元気出せよ」
朝永花月:「ふふ。そーだね」
灰下 照:背伸びして、花月さんの指で額を突く。
灰下 照:違う。
灰下 照:花月さんの額を指でつく。
朝永花月:「へにゃっ」間抜けな声を上げる。
灰下 照:「目印なんだからさ。ちゃんと日常に居られるって、しょーめーしてくれてないと、困る」
朝永花月:「はい、はい。分かってる。分かってるから」
灰下 照:写真を四つ折りにして、リュックのポケットに、大事にしまう。
灰下 照:「じゃ」
朝永花月:「うん。またね」手を振る。
灰下 照:手を振る。カラフルなテーピングは、擦り切れてボロボロだが、まだ残っている。
灰下 照:「ありがと」
朝永花月:その言葉を聞いて、にっと笑顔に。
灰下 照:自動ドアが開く。コンビニを出ていく。
灰下 照:駐車場の車の影に入りこみ、最初からいなかったかのように、去っていく。
朝永花月:「……事件はさ、そりゃ、良くないけど。そうしたいことをしただけだし」独り呟く。
朝永花月:「それに、ゆきりんにも、陣さんにも」
朝永花月:「カイタンにも。フェイちゃんにも。テラ君にも。みんなに会ったこと、良くなかったなんて。絶対思わないよ」
朝永花月:「大事な思い出だもん」京須市で撮った写真を眺める。
朝永花月:灰下照とのものだけではない。何枚か、指でスライドしていく。
朝永花月:しばらく眺めた後。おもむろにスマホの画面を消して。
朝永花月:「よっし。せっかくだから立ち読みしてこ」日常に回帰していく。

京須市境 硯橋

GM:市のはずれに到達すると、民家の明かりも遠い。
GM:いつかの土手のように、川が流れる水音が夜の底を流れていた。
灰下 照:歩きながら、リュックからペンと地図帳を取りだす。
灰下 照:小学校の教科書を、そのまま使ったもの。
灰下 照:今まで『赫骨』が事件を起こした場所が記されている。
灰下 照:新しく、この街に印を書き込んで、またしまう。
"フェイスダウン":その背後から
"フェイスダウン":照を追い抜いて、一台の黒いバイクが止まる。
"フェイスダウン":『……』
灰下 照:「ん」
灰下 照:「あんたも、来るの?」
"フェイスダウン":首を振る
"フェイスダウン":『それは照に聞きに来た』
"フェイスダウン":『私は引き続いてガーネットを追う』
灰下 照:「でも、あんたは他にも、いっぱいあるんだろ」
"フェイスダウン":『目の前の事を、やっているだけだ』
灰下 照:フェイスダウンが、どういう理由で動いているのか、流石に分からないわけもない。
灰下 照:こいつは、目の前で起きているよくないことを、見過ごさない。
灰下 照:「悪いけど。おれは、あのひとしか見えてない」
灰下 照:「今回だって、色々教えてもらったことは良かったけど」
灰下 照:「てがかりは何もなかった」
灰下 照:おれとは違う。正体を隠して戦う……正義のヒーロー。
灰下 照:「カッコいいよな。あんたは」
"フェイスダウン":『……急に何を言う』
灰下 照:「なんとなく。」
"フェイスダウン":『照れるわ…』
"フェイスダウン":『それで、一人で行くのか?』
"フェイスダウン":『…足並みを揃える者が、考え方も一緒である必要はない』
"フェイスダウン":『それは照にも、よく分かっただろう』
灰下 照:「あー……」
灰下 照:「でもさ……良いの?」
灰下 照:「あんたは。”日常”ってやつに、帰らなくて」
"フェイスダウン":『…いつか帰る』
"フェイスダウン":『それがいつになるかは、分からない』
"フェイスダウン":『そんな所』
灰下 照:「ふうん。…………」
灰下 照:「じゃあさ。約束しろよ」
"フェイスダウン":『約束?』
灰下 照:「オマエも、赫骨探しにつれてってやるから」
"フェイスダウン":『……』
灰下 照:「おれがそれを終わらせたら、あんたも一緒に、元の場所に帰るんだ」
"フェイスダウン":『あー…』
灰下 照:「キブン悪いだろ。おれは赫骨を倒したら元の場所に帰る気まんまんなのに」
"フェイスダウン":『それは…』
灰下 照:「あんただけ、こっち側に残ってたら。置いてったみたいじゃん」
"フェイスダウン":『……痛い所を突かれるな』
灰下 照:「むつかしいかな」
灰下 照:首の後ろを押さえる。
"フェイスダウン":『ああ…難しい』
"フェイスダウン":『その条件なら…私は一緒にはいけない』
灰下 照:「そうか。なら、いいよ」
"フェイスダウン":『…けれど』
"フェイスダウン":『照、お前の事はいつでも見守っている』
"フェイスダウン":『無茶をしようとしたら、飛び出ていく』
"フェイスダウン":『…悪い事をしようとしても、だ』
灰下 照:「うわ、でた。」あからさまに表情を歪める。「保護者きどり」
"フェイスダウン":『きどりじゃない、保護者のつもりだ』
灰下 照:「同じだろ」
"フェイスダウン":『違うさ』
"フェイスダウン":『気持ちの問題だ』
灰下 照:「……めんどいな」《妖の招き》
灰下 照:4dx+4
DoubleCross : (4R10+4[10]) → 10[3,3,6,10]+7[7]+4 → 21

"フェイスダウン":ゲーッ!
"フェイスダウン":1dx
DoubleCross : (1R10[10]) → 4[4] → 4

灰下 照:3d10-5
DoubleCross : (3D10-5) → 20[1,10,9]-5 → 15

灰下 照:はっはっは。
灰下 照:影から捕まえて、バイクごと、すぐ近くにまで引き寄せる。
"フェイスダウン":『な…!』
灰下 照:「一緒に行こうぜ、フェイ」
灰下 照:「約束は別に、しなくてもいい」
灰下 照:「おれは自分勝手なガキなんだ。ついてこなくなったら」
灰下 照:「こうやって、引っ張り出してやる」
"フェイスダウン":『……』
灰下 照:「とりあえず考えてよ。ノイマンだっけ。頭、良いんだろ」
灰下 照:また地図帳を取り出す。
"フェイスダウン":『分かった』
"フェイスダウン":『…それで行こ、照』
灰下 照:「カンネンしたな。うん。よろしく」
灰下 照:バイクの荷台に腰掛ける。
"フェイスダウン":『旅は道連れ、それもいい』
"フェイスダウン":『…一人じゃ見えない事もある』
"フェイスダウン":と
"フェイスダウン":エンジンをかけて、
灰下 照:「これからの赫骨の行き先とかさ。記録はあるんだ……」
"フェイスダウン":峠の道を走っていきます
"フェイスダウン":『オッケー、任せとき』

GM:失踪した子供たちは、三春桐子を含めて、3人の行方がわかっていない。
GM:1人は、体の半分が溶解した状態で発見された。
GM:それでも、残りの子供たちは皆、栄養状態に支障もなく戻ったという。
GM:警察の働きかけで、そのほとんどが児童養護施設に預けられることになり、
GM:レネゲイドに感染していた子供は、UGNへと引き取られていくだろう。
GM:超常にまつわる全ての記憶痕跡は消し去られ、この夜の真実も、日常に溶けていく。
GM:数日後、上原弥生が発見された。死体は、自宅からほど近い茂みの中にあった。
GM:上原那由の事件とほぼ同時刻に死亡していたと思われる。
GM:薄い影に覆われた橋は、まだその街に架かっている。

『夜に雫の色彩を追う』 終