G市五人目『vsハロウィーン(裏面)』

vsハロウィーン(裏面)

表面――五人目『vsハロウィーン』

■Opening/04(Backside)

石蕗条一:入室しておきました
GM:ありがとうございます。
GM:では、侵蝕を上げずにそのままはじめましょう。
GM:コマとかも作らなくていいです。

新市街――商店街

GM:……校門をくぐった石蕗は、市街方面へと向かっていた。
GM:図書館での自習よりも優先すべきタスクが増えたからだ。
GM:西澄燦から着信があった。棕櫚小路達の騒動に紛れ、気づけなかった可能性はある。
石蕗条一:「……」
GM:そうして、買い物帰りの人々の波を突っ切って行く中――
GM:シャッターの前に、見覚えのある男が寄りかかっていたように見えた。
石蕗条一:「げ……」 呻く
梶原:「よっ、石蕗の坊っちゃん」
梶原:「4年ぶり?」
GM:【FHシュアファイア “マスターキー”梶原(かじわら)】
石蕗条一:「かもな。……命日なら、まだだぜ」
石蕗条一:「何しに来やがった」
梶原:「……座りなよ」缶コーヒーを投げ渡す。
梶原:そして自分は、商店街のベンチに座る。
石蕗条一:「……あんたには貸し借りがある」 コーヒーには百円玉を突き返す
石蕗条一:「等価でとどめておくのが”クレバー”な錬金術師だ」 コーヒーをあけて座ります
梶原:「当然、4年前の続きさ。俺にとって、人生で16回目の失敗だった」
石蕗条一:「失敗だらけかよ。で、いまさら――この街か」
梶原:「そうさね。負債を返す。今度こそ完全に滅ぼす。……おたくもそうするつもりだっただろう」
石蕗条一:「負債は錬金術師にとっての汚点だ」
石蕗条一:「返さなければ……等価のゼロに戻さなきゃ、先へは進めない」
石蕗条一:「……こんなこと、4年前にも言ったな。もう一度、お互い利用できるって言いたいのかよ?」
梶原:「……そ。おたくがアーティファクトを壊してさ」
梶原:「それ以外の……アーティファクトを阻む全部は、俺が壊す」
石蕗条一:「本当の意味で、あんたを信用するのは難しい。というか無理だ――が、アーティファクトを探して持ち主をぶっ壊すのは歓迎だ。基本的にはな」
梶原:「フー……俺が悪人だって、知られちまってるからなぁ。どーもね……」
梶原:煙草を吹かす。
石蕗条一:「勝手にしてくれってところだ。俺も勝手にやる。それだけじゃないのか?」
梶原:「正直なとこ、おたくだけしか手がないってわけじゃない。他にも“手段”の候補はある……が」
梶原:「おたくのほうがやりやすい。4年前のことを知ってる奴の数は、少ないからさ」
石蕗条一:「……俺も、あんたの力はよく知ってる」
石蕗条一:「ひとまず一件だけなら、手を組んでもいい。それで互いにどれだけ使えるか、『信用できないか』がわかる」
梶原:「……おたくらしいね。ちょっと、待ってくれ」
梶原:携帯電話を取る。マナーモードの気配すらなかった。完全に無音設定だ。
梶原:「ああ、そーいうこと……どっちを選ぶかは」
梶原:「“スキャバーズ”次第にするさ」
石蕗条一:(何の話だ――?)
梶原:「……石蕗の坊っちゃん。俺達はひとつ、おたくに“貸し”を作ることができるかもしれん」
梶原:「これから誰に会いに行こうとしてた?」
石蕗条一:「”アンサー”の必要は――どっちの意味でも、なさそうだな。あいつに何が起きてる?」
梶原:「西澄燦は、俺達ファルスハーツの流出機密だ」
梶原:「雷鋼戦騎計画3号機。“ライトニングシリーズ”。FHである以上、その破壊も任務のひとつってわけ」
石蕗条一:「……”ブラックボックス”の多いやつだとは思っていたが」 面倒くさそうな顔
石蕗条一:「いま、まさに任務遂行中ってわけか」
梶原:「……そういうこと。俺の部下があいつを殺す」
梶原:「“二件だけ”――ってのは、どうだい?」
梶原:「お試し期間を二件にする代わりに、その間は、俺達は西澄燦への手出しを待つ」
石蕗条一:「……脅迫に近いな。それも、俺の”ドグマ”に関する致命的なところだ……!」
石蕗条一:「……あの探偵には貸し借りがある」
石蕗条一:「こいつでゼロだからな……! ”マスター・キー”!」
梶原:「知ってるともさ」邪悪に笑う。
梶原:「……お互いの目的が一致した。俺のほうも失敗を増やさず済んだな」
石蕗条一:「たしかに……俺は、その条件で手を貸さざるを得ない。ただし、お前が俺の”ドグマ”を傷つけない限りの話だ」
梶原:「優先するのは」
梶原:電話の向こうに指示する。
梶原:「白い槍の敵。そいつから仕留めちゃって」
石蕗条一:「そこのところ、わかってん――って、おい! 白い槍……かよ!」
梶原:「……なんだ、因縁の相手だったかい?」
石蕗条一:「前に逃がした」
石蕗条一:「仕留められるか? あんたらに?」
梶原:「やってみるさ」
梶原:「……だが、“アーティファクト殺し”が逃したってんなら」
梶原:「油断はできないねえー。絶対不利の状況を、自分の腕で凌ぎ切った相手ってわけだ」
石蕗条一:「……かもな。”一件目”は、そいつか?」
梶原:「まさか。もっと大物の時まで、手札は残すさ」笑う。
梶原:「今はお互い、好きにやりゃあいい。……タイミング的にちょうどよかったんでね」
石蕗条一:「そうかい。勝手にしてくれ。……要件ができたら連絡でも何でも。俺は行くぞ」
梶原:「悪いね、おじさんの長話に付きあわせちゃってさ」
梶原:「おたく、いい錬金術師になったよ。……また会おう」
石蕗条一:「……うるせえよ」 缶コーヒーを《急速分解》で分解し、去ります

GM:では、同時進行シーンは終了。
GM:後ほど、協力関係が明らかになった段階で公開される裏シーンとなります。
石蕗条一:はい!
GM:ということで、表の部屋に戻ってくださいませ!