音楽をありがとう

音楽をありがとう

■トレーラー

某区湯津町。オフィスビルの合間に、かつての森の面影を残す都市。
異変とは無縁であるはずの町。しかしそこに暮らす学生たちの心には、
少女の猟奇殺人――『早贄事件』の恐怖が、薄く影を落としていた。
地を支配する一族。彷徨う透明の妖怪。過去に現れる“ジュリエット”。
何が隠されているのか。UGNを襲う“敵”の正体とは何か。
墓標のような灰色のビル群の中、死者たちの遺した絆が四人を導く。
いつか世界に存在した大きな力が、蘇ろうとしている。

ダブルクロス3rd『音楽をありがとう』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。

■ハンドアウト

・PC1(御剣)用ハンドアウト
ロイス:“麗しきジュリエット” 推奨感情P:好奇心/N:不安
長く離れていた実家に戻ったあなたは、祖父・幻耶の遺品を整理するうち、
祖父が“ジュリエット”なる正体不明の女性と長く文通を重ねていたことを知る。
それは、祖父の死の直前に届いた一通を最後に途絶えたやり取りだった。
祖父がその死まで抱き通した秘密とは、果たして何だったのか。
宛先の住所に記された湯津町で、あなたは“ジュリエット”に出会う。

・PC2(神津島)用ハンドアウト
ロイス:折木真夜子 推奨感情P:傾倒/N:屈辱
“島”を逃れたあなたが辿り着いたのは、安住の地ではなかった。
同年代の少女たちと同じ高校に通う、望んでいたはずの日々。
しかし後見人となった折木家の少女――折木真夜子が、あなたを常に束縛している。
孤独だけが付きまとう灰色の暮らしの中で、あの『早贄事件』が起こった。
あなたは嫌な感覚を覚えている。かつて暮らしていた、あの島と同じような。

・PC3(遠藤)用ハンドアウト
ロイス:透明の男 推奨感情P:親近感/N:猜疑心
一人の少女の死を見届けたあなたは、彼女が夢見た学園生活の続きを生きることにした。
存在の空白に成り代わって友と日常を送るあなたは、その日、思わぬ同類と出会う。
タキシードとシルクハット、そしてステッキだけが空に浮かぶ、顔のない男。
透明な男は何故この街にいて、何をしようとしているのか。
例えばあなたが読み解かない限り、それは透明な男自身にもわからないのだった。

・PC4(弓近)用ハンドアウト
ロイス:折木秋果 推奨感情P:庇護/N:厭気
“ジ・エレイソン”が死んだ。理由はどうあれ、あなたは殺し屋を続けることができなかった。
しかし――情報屋の手始めとしての依頼は、やはりあなたに仕事の続きを強いた。
“ジ・エレイソン”は殺されるその直前に、ひとつの依頼を受けていたのだという。
折木秋果と名乗る少年は、果たされなかった仕事をあなたに願う。
それは自分自身の家――折木家を殺すという依頼だった。

■Preplay

GM:まずは自己紹介です。
GM:PC1の、御剣凌駕さんお願い致します。
御剣凌駕キャラシート(PC1:すかいはい)
御剣凌駕:「世界中あちこち行ったが、道理でオレの音楽は誰にも伝わらなかったわけだ。みんなとっくに滅びてしまっていたのだものな!」
御剣凌駕:御剣凌駕(みつるぎ・りょうが)。高校生の男です。
御剣凌駕:父が世界的に有名な音楽家なのですが、自分はどんな楽器でどれだけ練習しても全く音楽を奏でることができず、旅に出ました。
御剣凌駕:そんな中、ある事件がきっかけでオーヴァードに覚醒。
御剣凌駕:自分の音楽が世界中のあらゆる動物の中でも恐竜たちにだけは伝わることを知ります。
御剣凌駕:それ以来、オーヴァードの力で一時的に幻として蘇る恐竜たちの力を借りて世界の敵と戦っています。
御剣凌駕:外見としては学生服姿の長身の男で、腰に刀のようにフルートを差しています。
御剣凌駕:性格は自信家で生真面目だが熱い性格。
御剣凌駕:シンドロームはオルクスソラリスで、戦闘では主に《絶対の恐怖》《アニマルアタック》を使って恐竜で殴ります。
御剣凌駕:以上!
GM:ありがとうございます!
GM:次!PC2の神津島ナギサちゃん
神津島ナギサキャラシート(PC2:クオンタム)
神津島ナギサ:「…………ンだよ、あっち行けよ」「行けったら!近寄んな!」
神津島ナギサ:こうづしま・ナギサ。14歳のピュアサラガールです。
神津島ナギサ:なんかオカルト映画に出てくるようなド田舎の島で育ったのですが、
神津島ナギサ:時代錯誤な民間信仰が根強く残っている島だった為、生まれ持った発火能力のせいで「魔を宿した巫女」として疎まれてきました。
神津島ナギサ:親兄弟からも隔離されて呪いの巫女として育ってきたせいで人格はすっかり歪み、
神津島ナギサ:人づきあいが大変下手な女の子に育っております。
神津島ナギサ:まあ、今は島から抜け出してUGNイリーガルとして平和に暮らしてるんですけどね!
神津島ナギサ:二度とあんな島にはもどらねーぞ!全員燃えて死ね!
神津島ナギサ:そういうことで、シンドロームはピュアサラマンダー。
神津島ナギサ:《エターナルブレイズ》《プラズマカノン》で攻撃固定値が60くらいあるので、当たれば何もかもを灰にできるはずです。
神津島ナギサ:当たれば・・・・・・
神津島ナギサ:以上!宜しくお願いします!
神津島ナギサ:あと、胸はあまり大きくないです。よろしくお願いします。
GM:ほう……。
GM:では、PC3!
GM:遠藤篤美ちゃんのご紹介です。
遠藤篤美キャラシート (PC3:さささ)
遠藤篤美:「こんにちは。今は読書中なんだ。静かにしていてくれるなら、そこにいてもいいよ」
遠藤篤美:読書好きな少女の影にレネゲイドウイルスが感染した存在。
遠藤篤美:影の元の少女は既に死去しており、今はその姿と名前を借りて独立して生きている。
遠藤篤美:カヴァーは高校生。一人称は僕。
遠藤篤美:見た目はセーラー服に三つ編み眼鏡の女の子ですが、本人的には無性なのだそうです。
遠藤篤美:ウロボロスピュア。RC攻撃メインですが、《無形の影》があるのでミドルでもいろいろできるはずです。
遠藤篤美:初めてのウロボロスでとても緊張してますが、そんな感じでよろしくお願いします。
遠藤篤美:以上!
GM:了解です。それでは次!
GM:PC4の弓近いおりさんです。
弓近いおり:はいさい!
弓近いおりキャラシート(PC4:アスハル)
弓近いおり:「わあ。なんだか私、素敵な事態に巻き込まれているみたいですねぇ」
弓近いおり:弓近いおり! ゆるふわ愛され体質な今時ガール!
弓近いおり:強いて変わったことを上げるなら、殺し屋に育てられたってことぐらいカナー?
弓近いおり:何らかの仕事の都合で攫われた後、なにかと面倒見の良かった先代の押し掛け弟子をしていた模様です。
弓近いおり:先代の死の後、勝手にのれんを情報屋に変更!
弓近いおり:駆け出しの情報屋「弓近庵」を設立しました。
弓近いおり:能力はブラックドッグ/ブラムストーカー。
弓近いおり:鉄化する血液を纏わせた強化ナイフを電磁投擲して攻撃します。
弓近いおり:《アクティベイト》とHP回復エフェクトでミドルも安心だ。 
弓近いおり:よく考えたなんかあんまり強い構成じゃない気もするが、精一杯頑張ります!
弓近いおり:以上!

■Opening/01

GM:では、最初は……神津島ちゃんのオープニングにしましょう。
GM:ところで、神津島ちゃんは最初から名前はつけられていましたか?
GM:島でどう呼ばれていたかなどこちらでキメて構いませんか
神津島ナギサ:OKです。名前で親しく呼んでくれる人もいなかったでしょうし。
神津島ナギサ:姉くらいかな・・・
GM:姉がいるとは!
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:33->38)

6ヶ月前 灯島

GM:地鳴りのような豪雨が、景色を震わせ続けている。
GM:時折瞬く稲光が、危険な岩場の輪郭を照らしだす。
GM:――この天候の中、島を出ようと試みる者がいたなど、誰も思いもしなかっただろう。
白川真尋:「“ホノヒメ”!」前方の岩場の影から、押し殺した声が呼ぶ。
白川真尋:「……早く!そこは上からの目につきやすいわ」
白川真尋:「懐中電灯も、できれば絞って!」
GM:事実、高台の木々の合間には、赤い光がちらほらと浮かび上がりはじめていた。
GM:……気付いたのだ。“火の姫”の脱走に。
神津島ナギサ:「……」 懐中電灯を消し、岩場に向けて青白い炎をいくつも作りだす。
神津島ナギサ:炎の足場を蹴り、白川の横へ飛ぶ。
神津島ナギサ:「……ナギサだ。あたしは」
白川真尋:「……ナギサ?」
白川真尋:「誰がつけたの、そんな名前」
神津島ナギサ:「さあ。親じゃないのか。あの……1年に1回会いにくるかどうかの、クソみたいな連中」
神津島ナギサ:「でも、“ホノヒメ”よりはだいぶマシだ」
GM:彼女の名は白川真尋。UGNなる組織のエージェントらしいということを聞いている。
GM:……それ以上のことは知る由もない。仮にどんな素性だったとしても
GM:今は島の人間の誰よりも信頼しなければならない存在だ。
神津島ナギサ:「神津島ナギサ。それがあたしの本当の名前だ、白川」
白川真尋:「神津島。ふふっ」
神津島ナギサ:「んだよ……!名前があっちゃおかしいか!」
白川真尋:「東京の方の島ね、それ……灯島(あかりじま)とルーツがつながってるとは思えないけど」
白川真尋:「それにあやかって名付けたんでしょうね。神津島も、神が作り出した島だと言われているから……」
神津島ナギサ:「……そうなの?」
白川真尋:「この島の他に島があることだって知らなかったんでしょう?」
白川真尋:「何度も逃げようとして……」
神津島ナギサ:「そうだよ。……そうさ」
白川真尋:白川は、ゴムボートを繋留するロープを解き始めている。
神津島ナギサ:「あたしにとっての世界はこの島だ。ここが世界だったんだ」 今日までな、と付け足す。
白川真尋:「……私が来る前は、世界の外に逃げようとしていたの?」
GM:彼方からは、呪文のような単調な声の合唱が響いてくる。
GM:“神”を呼ぶ時は、島の住人はそうなるのだ。
神津島ナギサ:「6回くらいな。丁度そういう……おい?」
神津島ナギサ:「大丈夫かよ?そんなちっぽけなボートで」
神津島ナギサ:荒れ狂う海を見る。
GM:もしかしたら、軍艦だろうとこの嵐の中では転覆してしまうかもしれない。
GM:そう思わせるほど激しい海だ。だが、この日だからこそナギサは祠の外に逃れることができた。
神津島ナギサ:「あっちには漁船やら何やらがある。じきに追い付かれて、捕まって、終わりだ!」
神津島ナギサ:「いや、そもそも……こんな波じゃあ……」
白川真尋:「……“ホノヒメ”。いえ。ナギサ」
白川真尋:「いくら、この世界が嫌だからって」
白川真尋:「……死んだりしないで。決して」
神津島ナギサ:「…………」
神津島ナギサ:「なんで?」
白川真尋:少し笑う。
白川真尋:「あなたが、今まで生きていてくれたから――」
白川真尋:「今日、こうして逃げることができたでしょう?」
白川真尋:指先に、青白い光が収束する。そして。
GM:ビシン!!
GM:海に指が触れた。同時に、一直線の『道』が会場に凍りついた。
神津島ナギサ:「!」
神津島ナギサ:「……な……!」
白川真尋:「危険な賭けよ。けれど、ついてくる勇気はあるかしら?……」
白川真尋:「誰も、海を渡って逃げるなんて言わないわ。……滑るわよ。この嵐の真ん中を!」
神津島ナギサ:白川の目を見てその言が正真正銘の本気である事を悟り、ぽつりと呟く。
神津島ナギサ:「――外の世界に」
神津島ナギサ:「あるのかな。あたしの居場所」
白川真尋:「……どうかしらね」
白川真尋:「結局、自分の居場所を作るのは自分でしかないから」
白川真尋:白川は先に一人、ボートへと乗り込む。
白川真尋:「ナギサ」
神津島ナギサ:「……」 そちらを見る。
白川真尋:手を伸ばす。
GM:同時に、追う声も近づいてきている。
GM:“火の姫”を呼んでいる。ナギサではなく。
神津島ナギサ:後ろからはいつも通りの、島の連中の合唱。
神津島ナギサ:前には荒れ狂う海と、一直線に作り出された道。そして。
神津島ナギサ:「ナギサ、か」
神津島ナギサ:白川の手を掴む。
神津島ナギサ:「……連れて行って!白川!」
白川真尋:ただ頷き、それ以上は言葉を返さない。
白川真尋:青い光が、氷の道に触れると同時、
白川真尋:もしかすると、温度差で推進力を発生しているのだろうか。
白川真尋:ゆっくりと、しかし止まることなく、ボートは加速していく。
GM:忌まわしい火が灯る、暗い怪物のような島が、遠く……小さくなっていく。
神津島ナギサ:雨と波しぶきを受けながら、島の方を振り返る。
神津島ナギサ:何故自分が涙を流しているのかわからないし、その涙もすぐに雨や波といっしょくたになって消える。
神津島ナギサ:「……さようなら」
神津島ナギサ:白川に聞こえるか聞こえないかという小声で、それだけ呟いた。
GM:そうして、神津島ナギサは、新たな『世界』へと逃れた。
GM:暗く陰鬱な“島”とは異なる人生で。異なる命を。
GM:……しかし。

GM:オープニングを終了します。ロイスのみ取得可能。
GM:といってもシナリオロイスはまだ出てきてないんですけどね。
神津島ナギサ:そうですね。そして白川さんには
神津島ナギサ:-恩人/白川真尋/信頼:○/不安/ロイス
こちらの初期ロイスで取っているので、無しで!

■Opening/02

GM:では、次は弓近さんのオープニングです。侵蝕率をどうぞ。
弓近いおり:1d10+30
DoubleCross : (1D10+30) → 2[2]+30 → 32

弓近いおり:yosiyosi

喫茶「ミカ」

GM:住宅街の一角。ごく普通のマンションの真下でひっそりと営業を続けている喫茶店。
GM:その存在を知る者なら内装のセンスを褒めることもあるだろうが、
GM:料金が軒並み高く、味もごく普通だ。客もじきに他の店へと流れていくだろう。
GM:だが、マスターの本業は喫茶店ではない。
弓近いおり:では、その雰囲気のある扉を、派手に開ける音がする。
マスター:「……」50代ほどの中年の女性が、わずかに眉を顰める。
弓近いおり:扉についたベルが、からかちんがらぎーん、と音を立てる。
マスター:「いらっしゃいませ。注文するならだけど」
弓近いおり:「マスター!」
マスター:「……」嫌そうな顔。
マスター:だが、いつものように注文を強要したりはしない。ある程度、弓近いおりの事情を汲んでいた。
弓近いおり:涙の後ででぐしゃぐしゃになった顔、もともと癖があるのに、さらに乱れ切った髪の毛。
弓近いおり:汚い床を何度も転がったかのように、ボーイッシュな格好は埃まみれだ。
マスター:「何か、話したいことでもあるの?」
弓近いおり:「決めたの! 私、殺し屋やる!」
弓近いおり:どたどたとカウンターに押し寄せ、マスターに顔を近づける。
マスター:「……はい、ルートB」
マスター:マスターはこのように、相手の反応を先読みしていたかのように後から言うことがあった。
マスター:「殺し屋になってどうするの。殺す?あなたが?」
弓近いおり:「大丈夫よ! 無敵の殺し屋、ジ・エレイソンの唯一の弟子! それが私、ポップレクイエムなのよ!」
マスター:「“ジ・エレイソン”が向いてるって言った?」
弓近いおり:「…………た、確かに、彼が生きてた時は、一回も仕事させて貰えなかったけど」
弓近いおり:「でも、ターゲットの調査なら自信があるわ!」
マスター:「殺し屋なんてのはね、“ポップ”」
マスター:「無敵じゃなくても、調査が下手でもやれるわよ。最底辺よ」
マスター:「どっかのクソみたいな女のクソみたいな浮気相手を道端で刺す仕事とかね」
マスター:「“ジ・エレイソン”みたいなのは、格好つけてただけ。普通、殺し屋はクソよ」
弓近いおり:「う、うう……」
マスター:「私が情報屋をやってるのは……」コーヒーを2杯入れている。
マスター:「殺し屋よりマシだからよ」
弓近いおり:「でも、ジ・エレイソンは格好よかったわ。いつだって素敵で、ハンサムで……」
マスター:「……格好ばかりつけてたわ」
マスター:「ダサいところを見せずに死ねて良かったって」
マスター:「そう強がるんじゃないかしら。バカよね。フ」
弓近いおり:「う、うう~……」
弓近いおり:「だったら、私は、どうすれば良いの……?」
マスター:「他の子供のようにしなさいよ」コーヒーを差し出す。
マスター:「喫茶店でバイトしたりね。私は雇わないけど」
弓近いおり:「それこそナンセンスだわ。お揃いのつまらない服を着て、ハイスクールにでも通うの?」
弓近いおり:「でも、生活費は必要だわ。アルバイト……喫茶店……」
弓近いおり:じっと、マスターの顔を見る。
マスター:「面白い人生を送るには、つまらない仕事をしなければね」
マスター:「……情報屋はつまらないわよ」
弓近いおり:「!」 きらきら、と目を輝かせる。
弓近いおり:「決めたわマスター! 私、殺し屋をやめて、情報屋になるわ!」
マスター:「話聞いてたの?」
マスター:「つまらないハイスクールに通うよりつまらないのに」
マスター:「その上、殺し屋よりマシって程度よ」
弓近いおり:「だって、エレイソンの跡を継ぐなら、エレイソンより素敵にならなきゃいけないわ!」
弓近いおり:「彼が死んだ理由だってはっきりしてないでしょう、丁度良いわ!」
マスター:「跡を継ぐ?」
マスター:「……あの人で終わりにさせないわけね、“ポップ”」
マスター:仏頂面で自分のコーヒーを飲む。
弓近いおり:「そうよ! あ……いや、そういうこと、ですよ。 これでいいかしら?」
弓近いおり:コーヒーを今更ながらに受け取って、ひとくち飲む。
弓近いおり:「……にがいわ。にがいですね?」先代の口調を手始めに真似ている。
弓近いおり:「そうと決まったら、上も改装しないと! もう三カ月も掃除してない……ですし」
マスター:「……くふ!」咳き込むような仕草を見せる。
マスター:滅多に見ない、マスターの笑いのようなものだ。
マスター:「何も教えてやれないからね」
マスター:「本当よ」店の片隅に飾った花を、少し眺める。
弓近いおり:「大丈夫! これでも私、情報収集なら褒められたことがあるんですよ!」
弓近いおり:「あ、でも、依頼人が来たときの符牒は、ちゃんと変えておいて下さいね」
弓近いおり:「ちゃんと引き継ぎましたって言っておかないと困ります」
マスター:「……まあ」
マスター:「わかったわよ」溜息をつく。
弓近いおり:こう、この喫茶店からエレイソンに依頼を行う符牒があったのだ
弓近いおり:「ありがとう。マスターってそういうところ、なんだかんだでお人好しだわ……ですね?」
マスター:「ち」
マスター:「……店、閉めるわ。さっさと帰って」
マスター:外に出て、扉の札を裏返している。
弓近いおり:「あは! 分かりました、すぐに退散します~」
弓近いおり:外に飛び出して、マスターに敬礼。「情報屋、弓近イオリ、はじめます!」

GM:シーン終了。ロイス取得のみが可能です。
弓近いおり:今はまだやめておきます。先代のことでまだ頭がいっぱいなのだ。

■Opening/03

GM:では、次は御剣さんのオープニングに入りましょうか。
御剣凌駕:了解です。
御剣凌駕:34+1d10
DoubleCross : (34+1D10) → 34+7[7] → 41

5年前 御剣家

GM:古式ゆかしい日本住宅である御剣家は、その部屋の一つが開けた板張りになっている。
GM:数年前までは、父である御剣音也の自室だった。
GM:元は祖父――御剣幻耶が、簡易的な武道場として改装したものだったという。
御剣凌駕:父上は家を出て久しい。それ以来、オレの部屋となったのであろう。
御剣幻耶:「……よろしいですか。凌駕さん」
御剣凌駕:それでは、そうですね。その板張りの部屋でフルートを吹いていましょう。
GM:あ!なんてことだ
GM:ではちょっとすいません、プランを変更しますw
御剣凌駕:その言葉でフルートを吹き止める。
御剣凌駕:禍々しくも名状しがたい旋律が止む。
御剣凌駕:居住まいを正して祖父に向き直る。
御剣凌駕:「何でしょうか、祖父上」
御剣幻耶:「……木銃は」丸眼鏡の奥の視線が、フルートを見咎める。
御剣幻耶:「近頃、持ってはいないようですね」銃剣道のことだ。
御剣凌駕:「稽古も手を抜いているつもりはありません。ただ、以前ほど熱心でないのは事実――」
御剣凌駕:「オレはやはり音楽がやりたい」
御剣幻耶:「……凌駕さん」縁側に座る。
御剣幻耶:模範的な、丁寧な言葉遣いだ。
御剣幻耶:小さな頃の凌駕が、自分の口調を真似ていると聞いた時から
御剣幻耶:ずっとそうしているのだという。
御剣凌駕:「……はい」
御剣幻耶:「あなたが武術を学びたいと言い始めた時、どのように答えたか覚えていますか?」
御剣幻耶:「……幼い頃なので、覚えてはいないかもしれませんね」
御剣凌駕:「随分、幼い頃だったように思います」
御剣幻耶:反射する眼鏡のレンズが、フルートを見据える。
御剣幻耶:「面白い人間に『なる』ためには……その、数十倍もの、つまらない人生を忍耐せねばならないと」
御剣幻耶:「凌駕さん。私は面白い人間が大好きですが」
御剣幻耶:「あなたは、面白い人間にはなれませんね」
御剣凌駕:「祖父上。オレは面白がって音楽に手を出しているわけではありません」
御剣凌駕:「オレはただ少しでも父に近付きたい、その一心で――」
御剣幻耶:「それが面白がっているということです」穏やかな口調だ。
御剣凌駕:「どこがです!オレは真剣です!」
御剣幻耶:「あなたは音也の『結果』しか見ていない」
御剣凌駕:「『結果』……?」
御剣幻耶:「確かに、武を学び、音芸にも秀でた者はオモシロイ人間でしょう」ゆらりと立ち上がる。
御剣幻耶:「だが、二つの道を……」
御剣幻耶:「何十年で修めるつもりでいますか?ん?」
御剣幻耶:「『半端者』であることに、何十年耐えられますか?」
御剣凌駕:「……この凌駕、精進が足りていなかったようです」
御剣幻耶:「……今日こそは、言っておきましょうか」
御剣幻耶:「その、ひ」
御剣幻耶:「――『音楽』を、辞めろ」
御剣幻耶:夏の日差しを背にして、祖父のシルエットだけが凶悪な闘気を纏って見える。
御剣凌駕:「分かりました、祖父上。オレは、武の道を選びます」
御剣幻耶:「……本気か」
御剣幻耶:カツン!
GM:縁側に、木銃が置かれる。凌駕のものだ。
御剣凌駕:「無論です」
御剣幻耶:「本気でそう宣うなら」
御剣幻耶:「今ここで、その楽器、へし折ってみせるが良い」
御剣凌駕:「お言葉ですが、祖父上」
御剣凌駕:「このフルートは父より譲り受けしもの」
御剣幻耶:――バギャ!!
GM:その言葉を発した瞬間、踏み砕かれる。
御剣幻耶:「……」床に置かれた木銃の方が。
御剣凌駕:「ええ、ですから――」
御剣幻耶:「凌駕。貴様の心中程度」
御剣幻耶:「この俺が見抜けぬと思ったか」
御剣凌駕:「そうではないのです」
御剣凌駕:「このフルートは折れぬのです」
御剣凌駕:素早く立ち上がると、宙に跳ね上げたフルートに軍隊式の格闘術を叩き込む。
御剣凌駕:フルートは傷一つ付かず、地面に落ちる。
御剣凌駕:「これ、この通り」
御剣幻耶:「……たわけめ!!!」
御剣幻耶:「楽器が如何に不変不壊の物だとして!!」
御剣幻耶:「それを砕けぬ己の技を恥じずしてなんとするか!!貴様、それで平然としているか!!」
御剣凌駕:「……祖父上」
御剣幻耶:「……そして、芸の道を征くと決めたとすれば――」
御剣幻耶:「それを折ろうとした行いそのものが言語道断!!」
御剣幻耶:「今後その『音』を家中で鳴らすことは罷りならん!良いか!この家では!」
御剣凌駕:「はい、祖父上。オレはやはり、半端者のようです」
御剣幻耶:「……武の道も許さん。考えよ」
御剣幻耶:「貴様の歩むべき道。そして」
御剣幻耶:「……それがどれほど、忌まわしい『音』か!」
御剣凌駕:「オレの、歩むべき道……」
GM:……生前の御剣幻耶は、病的なまでに凌駕の音楽を嫌悪していた。
GM:この時の出来事も、ただ感情的に、その嫌悪をぶつけただけの事だったかもしれない。
GM:だが少なくとも……御剣凌駕はこの日から、音楽を試みる場所を失った。
御剣凌駕:「(父は……人は生きている限りみな音楽を奏でているのだ言っていた。故に音楽の道を選んだのだろう)」
御剣凌駕:「(だが、オレの進むべき道は……)」
御剣凌駕:「分かりました。祖父上。考えさせて、いただきます」
御剣幻耶:庭の向こうで幻耶の後ろ姿だけが、夏の陽炎の向こうに消えていくところだった。
御剣凌駕:遠くに祖父の姿を見ながら、オレは家を出奔することにした。
GM:武道は道。音楽は楽。
GM:御剣凌駕の生き方に、何かを楽しませる道があるのか――祖父の言っていた、『面白い』人間になることができるのか。
御剣凌駕:荷物を詰め、父から譲り受けたフルートを持つ。
御剣凌駕:「世界中の色々なものを見て、考えて参ります。祖父上」
GM:僅か11歳の頃。凌駕の精神は老成していた。自分の未熟を悟り、修行の旅を決意する程には。

GM:シーンを終了します。ロイスのみ可能です。
御剣凌駕:祖父上には初期ロイスで取得しているので、なしです。

■Opening/04

GM:では、次のオープニング!
GM:遠藤さんです。侵蝕率をどうぞ。
遠藤篤美:34+1d10
DoubleCross : (34+1D10) → 34+6[6] → 40

湯津第三高等学校

GM:落ち始めた太陽が、図書室を暗く翳らせはじめている頃。
GM:チャイムの音からややあって、カラカラと扉の鍵が開く。
長戸ひかり:「うわ!」図書委員の少女が、驚いたように息を呑む。
長戸ひかり:「……いたの?暗くない?」
遠藤篤美:「……ああ」片隅の席に座っていた三つ編みに眼鏡の女子生徒が、すっと目を細めます。
遠藤篤美:「もうこんな時間なんだ。夢中で気がつかなかった」
長戸ひかり:「くふっ、前から思ってたけど」
長戸ひかり:「授業、サボってない?今日は私も来るの遅かったけど」
遠藤篤美:「失敬だなあ。授業はきちんと出てるよ……できるだけ」
遠藤篤美:「授業よりもここで得られる叡智の方が倍も優れてる、ってのは確かだけど」机の上の本を指でとんとん、と叩きます。
長戸ひかり:電気のスイッチをパチパチと入れていく。
長戸ひかり:「何読んでたの?」
遠藤篤美:「博物学の本」表紙を示します。
長戸ひかり:「ふふ、全然ダメだな、そういうの」長戸ひかりは図書委員だが、特別に本に興味があるというわけではなかった。
遠藤篤美:「勿体ないなあ。こんな知識の結晶に囲まれているのに。僕は毎日早く続きが読みたくてうずうずしてるんだ」
長戸ひかり:「篤美ちゃんって」トン、と隣の椅子に座る。
長戸ひかり:「音楽はどう?ディーの音楽とか聞いたりしない?」
長戸ひかり:「密かに持ってきてたりして。ふふ。どうせ生徒来ないし」
GM:ポータブルDVDプレイヤーだ。
遠藤篤美:「音楽、か。学術書は読んだけど……あんまり触れてこなかったな」
長戸ひかり:「でしょ?ディー好きな子、あんましいないから寂しくて」
遠藤篤美:「興味はあるよ。それは僕の読書を邪魔するだけの価値があるのかどうか」悪戯っぽく笑います。
長戸ひかり:「音也のパフォーマンスがすごいんだ」
遠藤篤美:「ふうん。いいよ。聞かせてよ」
長戸ひかり:では、イヤホンを貸してあげますね。
遠藤篤美:イヤホンを受け取って耳に嵌めます。
長戸ひかり:「いいでしょ!ストリングスだけど、ガンガン動くんだよ、音也!」
長戸ひかり:「やっぱりディーの場合動きもあってこそだから、CDよりライブ映像が……あ、そろそろ黙るね。えへ」
遠藤篤美:「へえ……これは」エモーショナルな弦の音に耳を澄ませながら。
長戸ひかり:遠藤の視聴を邪魔しないよう、とてとてと窓の方へと向かう。
長戸ひかり:「………………………」
遠藤篤美:「…………」本を読む時と同じように、熱心に画面に見入っています。
長戸ひかり:「……篤美ちゃん」
長戸ひかり:ひかりの視線は、映像を見つめる遠藤の方ではない。
長戸ひかり:窓の外だ。
遠藤篤美:「……面白い、面白いね。これは。『遠藤篤美』の知らなかった世界だ」
長戸ひかり:「……………あれ。何」
長戸ひかり:「あれ、何」
遠藤篤美:「……え?」そこでようやく気付いてイヤホンを外します。
GM:窓の外には、通学路の道路が見えている。ごく普通の光景。
GM:ただ、電信柱の形がどこか……普通ではない。
遠藤篤美:「何かあったのかい、長戸さん」
長戸ひかり:「嘘。いや、違うでしょ……そんなわけ……」
長戸ひかり:じりじりと窓から後ずさる。
遠藤篤美:「……あれは? 電信柱?」目を細めて、こちらは窓に近づきましょう。
GM:影になった電信柱の根元側で何かが揺れている。
GM:長い釘のようなもので打ち付けられた、人間のように見える……
遠藤篤美:「おや」ふと机の方を振り返り、博物学の本を見やります。
GM:モズの早贄のように、喉を釘で、打ち付けられている。
遠藤篤美:「あんなものは、あの本には載っていなかったな」
遠藤篤美:がらがら、と窓を開け、身を乗り出してその電信柱の様子を見ます。
GM:夕暮れの暗闇に不明瞭ながら
GM:その少女の苦痛と恐怖の表情だけははっきりと見える。
GM:動機不明、犯人不明、目的不明。
GM:それが早贄事件の発見状況だった。

GM:ロイスのみ可能です。
遠藤篤美:うーん、保留にしておきます。
GM:了解です!

■Opening/05

GM:では引き続き、ハンドアウトOPだ……!
GM:遠藤さんの登場となります。先ほどのオープニングの数週間後になるでしょう。
遠藤篤美:40+1d10
DoubleCross : (40+1D10) → 40+4[4] → 44

湯津第三高等学校

GM:チャイムと同時に、生徒達がちらほらと鞄を持ち、帰り支度を始める。
GM:遠藤篤美の隣の席でも、一人の女生徒が目覚めた。
時実奈津美:「んー……」伸びをする。
時実奈津美:「終わった。よね?5時間目終わったチャイムだよね今」遠藤に話しかける。
遠藤篤美:「おはよう、時実さん。終わったよ」荷物をまとめながら答えます。
時実奈津美:「一緒に帰る?ひかりも当番じゃないぜ、今日」
遠藤篤美:「図書室に寄りたいんだ。まだ途中の本があって」すげなく答えます。
遠藤篤美:「時実さんも来る? 図書室」
時実奈津美:「あっそ。そんなヒョロ作で図書室通ってて、大丈夫?フッ」
時実奈津美:「真夜子さんにいじめられたりしない?」
GM:折木真夜子という生徒がいる。
GM:彼女たちとはまったく違うレイヤーで生きている、上位の存在。近づきがたい女王。
遠藤篤美:「別段、気にならないよ。僕は僕の行きたい場所に行くだけだもの」長い睫毛を伏せて。
時実奈津美:「真夜子さんは図書室も好きだって聞くから、あたし怖くてさ」
遠藤篤美:「図書室、好きなんだ。それは、僕と気が合うならいいな」
遠藤篤美:彼女の中では、生徒たちはみな一律に可愛らしい学生たちで、とりたてて特別視することはない。
時実奈津美:「ほんと、篤美さんはマイペースだな」笑う。
遠藤篤美:「ふふ、そうかもね。僕は、ひとりきりだから」
時実奈津美:「おいおい」
時実奈津美:「あたしやひかりはどうなる」
遠藤篤美:「うん、それはもちろん。友達だと思ってるよ。大事な大事な時実さん」囁くように
時実奈津美:「わっ」
時実奈津美:「……わ。わ」よろめくように後ずさった。
時実奈津美:「い、いきなり。びっくりするじゃん。びっくりするなー」ドキドキしているのか、胸を抑えている。
遠藤篤美:「驚いた? ふふっ」口元だけで笑います。
時実奈津美:「……」無言で叩く。
時実奈津美:「もう、知らねーーよ!ばか!じゃあね!」
時実奈津美:小走りで去る。
遠藤篤美:「はいはい。じゃあまた、明日」ひらひらと白い手を振ります。
GM:ならば遠藤さんは、図書館に行くこともできますし
GM:やはり、時実さんや長戸さんと一緒に帰宅することもできます。
遠藤篤美:図書室に行きましょうか

湯津第三高等学校 図書室

GM:チャイムからかなり時間が経っていることもあり
GM:多くの生徒が図書室を利用している。受付は長戸ひかりとは別の図書委員だ。
GM:だが、まるで冷気のように彼女らを近寄らせない一角がある。
GM:耳の横の一房を、水めいて長く垂らした黒髪。
GM:特別な本を読んでいるわけではない。ただ姿勢よく座って、テスト勉強をしている。
折木真夜子:「……」新たな来客に、僅かに瞳を向けた。それだけだ。
遠藤篤美:こちらも彼女の様子を一瞥してから、空いている席に座りに行きます。
GM:彼女とは何度かこうして同じ図書室に居合わせたことはあるでしょう。
GM:しかし会話を交わしたことは一度もなく、誰かと話しているところも見たことがない。
遠藤篤美:彼女の名前はこちらはわかりますか?
GM:勿論知っています。学校で知らない生徒はいないでしょう。
遠藤篤美:了解です。
遠藤篤美:(噂をすれば、というやつなのかな……。ずいぶん時実さんは怖がっていたけど)とちらりとそちらに目をやります。
遠藤篤美:それから借りていた「猟奇殺人史」に目を落とします。
折木真夜子:時実は恐れていたが、華奢な体だ。だが近寄りがたい雰囲気、というのは分かるかもしれない。
遠藤篤美:(長戸さんはあれをずいぶん怖がっていたし、恐怖ってよくわからないな……)などと考えながら。
GM:あの日の『早贄事件』は随分な騒ぎになった。
GM:今も遠藤たちは集団登下校が推奨されている。時実が誘ったのも、遠藤を心配してのことだっただろうか。
GM:テレビにも雑誌にも、未だに猟奇犯罪の真相について、虚実入り乱れた報道が飛び交っている。
折木真夜子:「――その窓から」
折木真夜子:「見えたの?遠藤篤美さん」
遠藤篤美:「?」顔を上げます。
折木真夜子:遠藤の方を見てはいない。問い直しもしない。
折木真夜子:まるで、自分が聞いたならば答えるのが当然であるという態度。そうでなければ、黙殺だ。
遠藤篤美:「見えたって、例のアレのこと?」
GM:周囲の生徒の間に、さざなみのようにざわめきが広がる。
GM:全員が折木真夜子と遠藤篤美の方を見ている。
遠藤篤美:「うん、見えたよ。見た」答えます。
折木真夜子:「“例のアレ”?」ペンを置く。
折木真夜子:「はっきりと、何を見たのか言ってくれないと、わからないわ」
折木真夜子:「遠藤篤美さん?」
遠藤篤美:「失礼、ショッキングな言い方をしたら良くないかなって思って」
折木真夜子:「ありがとう」微笑む。
折木真夜子:「構わないわ?」
遠藤篤美:「僕はそこの窓から、死体を見たよ」
折木真夜子:「雑誌に書いてある事は本当なのかしらね。十字架に手首を打ち付けていた、とか」
折木真夜子:「電柱の先端に串刺しになっていた、とか」
GM:生徒達は、少しずつ図書室を退室していく。
遠藤篤美:「そんなことが書いてあったの? 僕が見たのは、電信柱の根元に喉を刺されてあった死体だよ」
折木真夜子:「くす」小さく笑う。
折木真夜子:どこか嬉しそうにも見える。
折木真夜子:「……やっぱり」
遠藤篤美:「それで、質問はそれだけ? 他にも何かあるなら答えるけど」
折木真夜子:ノートを閉じて、ゆっくりと鞄にしまう。
折木真夜子:その動作の間、まったく気にする素振りすらなく、遠藤を待たせている。
遠藤篤美:早く本に戻りたいんだけどな、などと思いながら待っています。
折木真夜子:両手で鞄を下げて、遠藤の目の前へと近づく。
折木真夜子:「答えてもらって、嬉しかったわ」
折木真夜子:「遠藤篤美さん。親切なのね?」
遠藤篤美:「それはどうも。僕は普通だよ」
折木真夜子:「普通の子は、折木家にそんな言葉は使わないわね」
折木真夜子:「また会いましょう?」
折木真夜子:微笑みを向けて、遠藤とすれ違う。
遠藤篤美:「……うん」少しだけ、気圧されながら。
GM:折木真夜子が図書室を去り、何人かの生徒が戻ってきた。
GM:だが、それだけだ。彼女の存在で図書室を去った大部分は、戻ってこない。
遠藤篤美:「…………」辺りをぼんやりと見回しながら、再び席に着く。
???:「恐ろしい子だったね」
GM:低い声だ。そして遠藤の意識の不意を突いた声だった。
遠藤篤美:「!」がばっと顔を上げる。
GM:恐らく、その場の全員の死角になっているのだろう。遠藤の背の後ろ、本棚の影から。
???:「……」腰で本棚に寄りかかったまま、文庫本を閉じる。
遠藤篤美:「……誰?」後ろを振り向き、声をかけます。
???:「同類だろう。きみは」
???:まるで高校の風景にそぐわない正装。タキシードにステッキ。
???:そして帽子だけが宙に浮いている。人間ではない。
遠藤篤美:「……同類」すっと目を細めます。
???:「ああ、その、いや」
???:「見た目だけなら、確かに多少の差異があるといえなくもないかもしれない」
???:「だが些細なことではないかな?こう……」
???:「本質的な部分だよ。分かってもらえると思うが……聡明そうな君なら」
遠藤篤美:「……見た目はただの皮に過ぎない。皮を剥いだ中身に意味がある、そういうこと」
???:「その通り。見た目はただの皮にすぎない。フフ」
???:「――皮を剥いだ中身に意味がある。そういうことだ」ゴウランガ!全く同じ台詞!
遠藤篤美:「……引用が得意だね」
???:「お……驚かないのかい」
???:「いや、驚いてほしいわけではない。むしろ話をしたいわけだからそのリアクションのほうがいいわけだが……」
遠藤篤美:「驚くっていうか……その……。そう、そもそも、君は誰?」
???:「うむ」頷く。
???:「誰だ?」
遠藤篤美:「わからないの?」
???:「…………………」
???:「…………」顔が無いため分からないが、何か困っていそうなことが仕草でわかる。
???:「……わ、私が」
???:「ふざけているわけではないという事をわかってほしい……!」
遠藤篤美:「ふざけてるとは思ってないけど。じゃあ、次の質問だ。僕に何か用なの?」
???:「……君は」ステッキで控えめに遠藤を指す。
???:本棚の影から出ない程度の控えめさだ。
???:「『空白』を抱えているだろう。君自身が空白というべきかな」
???:「――そういう存在だ。私と似た出自かもしれない。どれくらい彷徨ったか……わからないが」
???:「そういう存在を初めて見つけて、話しかけようと思った」
遠藤篤美:「同類、ということ。うん、なんとなくわかるよ。僕は生まれてそう経たないけど……」
???:「……なぜ、自分が生まれたと思う?」
遠藤篤美:「わからない」首を振ります。
遠藤篤美:「気がついたら僕は影で、そのうち影は本体に成り代わった。そこに意味があるのかどうか、僕は何も知らない」
???:「誰かの影だったのか」
遠藤篤美:「もういない子のね」
???:「そうか……そうか。そういう出自も、あるのか」袖の動きからみて、恐らく顎に手を当てている。
???:「私も案外そんな感じなのかもしれない」
???:「見た目は……違うがね。まあ誤差の範疇だ。多分」
遠藤篤美:「君は、自分の出自を探してるの?」
???:「うむ。不安だからね」
???:「君が本を読むのも、案外そんなところじゃないのか……知識によって、自分の立ち位置を探るとかどうとか……」
???:「そういう、案外深いトラウマ理由……」
遠藤篤美:「そうだね、僕は知りたい。世界と僕のこと全てを」肩をすくめて笑います。
遠藤篤美:「君は面白い人みたいだ」
???:「フフ。それなら話せてよかった」
???:「というか、嫌われなくて良かった。さらに」ピクリと反応する。
GM:生徒の一人が、男の隠れる本棚に近づいてきていた。
???:「残念だけれど、ここまでだ」
???:一瞬、身を屈め
GM:――パ!!
GM:影が弾けるように消える。
GM:最初からまったくの透明だったかのように、今はどこにもいない。
遠藤篤美:「……おやおや。忙しない」
長戸ひかり:「なに?篤美、今日も遅くまで読んでたんだ」
長戸ひかり:先ほどまで男の寄りかかっていた本棚に、大判の本を返却しつつ。
遠藤篤美:「ああ、長戸さんもまだいたんだ。お疲れ様」
長戸ひかり:「奈津美、雑誌読んで待ってるからさ。私もちょっと宿題とかやってて」
長戸ひかり:「一緒に帰る?」
GM:普段と同じような笑顔だが、
GM:死体の見えた『あの窓』を意識して見ていないことが、遠藤には分かる。
遠藤篤美:「……そうだね。帰ろうか」
長戸ひかり:「ごめんね」苦笑する。
GM:誰もが、恐怖している。
GM:『早贄』にされた少女は……柱に串刺しにされたその時、
GM:まだ生きていたという噂があった。
GM:生きたまま、釘で打ち付けられたのだ……。

GM:シーンを終了します。ロイスが取得可能。
遠藤篤美:シナリオロイスの透明の男さんに○親近感/猜疑心で!
遠藤篤美:以上です

■Opening/06

GM:次のオープニングは、神津島さんになります。
神津島ナギサ:はいはい!
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:38->47)

湯津第三高付属中学校

GM:遠く、高等部の4時限目のチャイムとは違うメロディで、授業終了のチャイムが響く。
GM:生徒達は一斉に席を立つ。『早贄事件』から、中等部では班ごとの集団下校が義務付けられている。
谷原里香:「……神津島さん?」小柄な生徒が、おずおずと近づく。
谷原里香:「ノート。その、ありがと」お辞儀。
神津島ナギサ:「なんだよ」
神津島ナギサ:つい睨みつけてしまう。人を遠ざける癖。
谷原里香:「う」
谷原里香:「いや、なんでも……」
神津島ナギサ:「あ、う」
神津島ナギサ:手をわたわたさせる。 「ご、ごめん。そうじゃなくて」
神津島ナギサ:「あ……あたしなんかのノートで良ければいつでも見せてやるよ」
谷原里香:「……」無言でノートを返す。
神津島ナギサ:「……」 それを受け取る。
谷原里香:「ごめんなさい。神津島さんのこと……そういうことじゃないですから」
谷原里香:「ご、ごめんなさい……」
神津島ナギサ:「う……ちが、違うって。谷原は悪くないだろ……悪くないよ」
神津島ナギサ:島を出てはじめて分かったのだが、あたしはかなり人付き合いが下手な方らしい。
神津島ナギサ:14年間“ホノヒメ”として……島の一部として隔離されて生きてきた。同年代の人間との距離の取り方なんか分かるわけがない。
神津島ナギサ:でも、自分の居場所は自分で作るのだ。
神津島ナギサ:変わらないと。
神津島ナギサ:「ごめん。まだあたし、普通に授業受けるのとか慣れてなくってさ」
谷原里香:「て、テンコーの前とは、違う授業だからですよね」
谷原里香:「でも、いっしょうけんめい、ついていこうとして」
谷原里香:「そういう頑張ってるのが、かっこよくて」
神津島ナギサ:「そ、そうそう!それそれ」
神津島ナギサ:「かっこよ……っへ?」
神津島ナギサ:思わぬ言葉に耳が熱くなるのが分かる。
谷原里香:「……」表情は暗い。
神津島ナギサ:「あ、あはは……照れるなー。谷原みたいな可愛い子にそんな事言われるとさ」
谷原里香:「ごめんって言ったのって、その……」
谷原里香:「……や……」
谷原里香:「なんでもないので……なんでもないです」
谷原里香:「か、家庭科の実習の時手伝ってくれて、ありがと……」
谷原里香:「体育でも、神津島さん、すごく……私が遅れた時、リレーで」
神津島ナギサ:「そりゃ、まあ……あたし身体を動かすのは得意だから」
谷原里香:「だから私……ゼッタイに……悪口とか言わないから」皆のように、とは言わない。
神津島ナギサ:「……」 実際、こんな性格だ。あたしは周囲の人間からは距離を置かれている。
神津島ナギサ:あるいはあの“後見人”のせいもあるのかもしれないが、そこのところは良く分からない。
神津島ナギサ:分かっているのは谷原だけがこうして接してくれるという事だけだ。
神津島ナギサ:「うん。ありがとう、谷原」
神津島ナギサ:「……帰ろっか?一緒に」
谷原里香:固く目を閉じる。少し涙が滲んでいる。
谷原里香:「別の班だから。さよなら」
谷原里香:走り去っていってしまう。
神津島ナギサ:「あ――」
神津島ナギサ:「……はぁ」
神津島ナギサ:(島の外っていうのも……毎日ものすごく楽しいってわけじゃねえんだな) 帰り支度をする。
GM:島のように、過剰な畏れや崇拝の意識が向けられることはなくなった。
GM:だが、だからといってそれらが心地良い感情に代わったわけでもなかった。
GM:『ごく普通』の敵意や悪意。そして無関心が。それは神津島ナギサの14年間の中で、初めての環境だった。
GM:ただ、普通の嫌われ者であるという苦痛。
GM:……そして。

折木本家

GM:折木本家は、集団下校のルートからも大きく外れている。
GM:この土地の人間は――特に大人は、折木家を恐れているのだとわかっていた。かつて神津島ナギサがそうだったように。
GM:駐車場やビルのところどころに、『折木』の名が刻まれていた。大戦直後からの大地主、折木家。
神津島ナギサ:(なんだかな。結局、どこに行ってもこういう存在はあるもんなのか)
GM:――そして神津島ナギサが拾われたUGN支部の有力出資者でもあった。
GM:彼女の身元引受人は彼らしかいない。神津島ナギサの潜る門は、体躯に不釣り合いなほど巨大だ。
神津島ナギサ:(怖がられて、対等な奴はいなくて、腫れ者扱い。まいったぜ) 門をゆっくりとくぐる。
神津島ナギサ:折木の人間はどいつもこいつも“島”のやつと同じ匂いがして、好きではない。
神津島ナギサ:しかし、そのなかでも一番苦手なのは――
折木真夜子:「――ナギサ」折木家の庭。夏の常緑樹の根本に、姿勢よく立っている。
神津島ナギサ:――こいつだ。
折木真夜子:「帰りが遅かったわね」微笑む。
神津島ナギサ:「ごきげんよう、お嬢様」
神津島ナギサ:「集団下校ってやつでね。無駄に回り道させられるから、あたしも困ってる」
神津島ナギサ:肩をすくめる。
折木真夜子:「……」微笑んだまま、沈黙で返す。
折木真夜子:『お嬢様』ではなく『真夜子さん』と呼ぶまで、答えないつもりだ。
神津島ナギサ:「…………」 片方の眉をひそめる。
神津島ナギサ:「ごきげんよう。“真夜子さん”」
折木真夜子:「それは、大変だったわね」頭を撫でる。
折木真夜子:「今度から下校ルートは変えてもらいましょうね」
神津島ナギサ:「ん……」 頭を撫でられるのはいつもの事だ。
神津島ナギサ:ペット扱いなのか。それとも何らかの思惑があるのか。今のあたしには良く分からない。
神津島ナギサ:「うん。そうしてくれると助かる」
折木真夜子:「……あんな事件が起こっているのだから、あなたが遅くなっては駄目よ」
GM:ナギサだけを贔屓するルートに変える。それは冗談なのかもしれないが、
GM:その気になればそうもできるのだろう。
神津島ナギサ:「――早贄事件。ね。」
神津島ナギサ:あ、真夜子さんはUGNの事を知っていますか?
GM:当然知っています。
神津島ナギサ:「大丈夫だよ。あたしはオーヴァードなんだから」
折木真夜子:「……くすっ」
神津島ナギサ:「刃物を持ったサイコ野郎とか、その手のやつなら……まあ、どうとでもなるし。むしろ真夜子さんが心配なくらいでさ」
折木真夜子:「なら、ねえ」
神津島ナギサ:「……?」
折木真夜子:「私がやってみても大丈夫ね?」ナギサの喉を撫でる。
神津島ナギサ:「え?」
折木真夜子:「私に嘘はつかないわよね。ナギサ」耳元で囁く。
折木真夜子:「あなたは、私の、大事な友達だから。そうでしょう」
神津島ナギサ:「……あたしは真夜子さんの友達になりたいと思ってるけど」
神津島ナギサ:「やってみる……?」
神津島ナギサ:「やってみても、って何する気なのさ。危ない事はやめなよ」
折木真夜子:「ナギサを、早贄にしてみるの。ふふ」冗談かどうかを判別できない。
折木真夜子:「オーヴァードならそういう遊びもできるわよね」
神津島ナギサ:「……!」
神津島ナギサ:温かい吐息を耳に感じ、思わず飛びのく。
神津島ナギサ:「趣味が悪いぜ、お嬢様」 ひきつった笑み。
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:「友達に対する、冗談にしちゃあさ……」
折木真夜子:姿勢良く立ち姿に戻って、ナギサの次の言葉を待っている。
神津島ナギサ:「……真夜子さん」
折木真夜子:「よくできたわね」少し首を傾げる。
折木真夜子:「でも、冗談を言ったのはナギサの方よね?」
神津島ナギサ:「え」
折木真夜子:「……早贄事件みたいなことがあっても、大丈夫だって言ったのよ?」
神津島ナギサ:「ば……バッカ野郎!そりゃ、もし襲われたら犯人をボーボー燃やして解決してやるよって事だ!」 思わず大声をあげる。
折木真夜子:「ふ、ふふ」
折木真夜子:「ふふふふふふふふふふふ。ふふふふふ」
神津島ナギサ:「……っ……」
折木真夜子:「……偉いわ。ナギサは、火の神様だものね?」また頭を撫でる。
折木真夜子:「そして、今は――」
折木真夜子:「私のお友達」
神津島ナギサ:「……(友達に)」
神津島ナギサ:(なりたいんだけどな、本当……)
神津島ナギサ:「……ああ」
折木真夜子:「そうよね。他のお友達なんかよりも、ずっと私が好きでしょう……」
折木真夜子:「――昨日の晩、谷原さんのお宅にも、ようく言っておいてあげたから」
折木真夜子:「きっと、分かってもらえたと思うわ」
神津島ナギサ:「――!」
折木真夜子:ゆっくりと優雅に、家へと踵を返す。
神津島ナギサ:「言っておいたって、ちょっ、」
神津島ナギサ:その背中に手を伸ばすが、続く言葉が見つからない。
GM:谷原里香が謝ろうとしていたのは、このことだった。
GM:きっと明日からナギサに話しかけることはないだろう。
GM:それが折木家の力だった。
神津島ナギサ:「……」 指先に小さな蒼火球を生み出し、消す。
神津島ナギサ:生み出しては、消す。不安になった時のクセ。
神津島ナギサ:……折木の人間は。どいつもこいつも“島”のやつと同じ匂いがして、好きではない。
神津島ナギサ:そのなかでも――
神津島ナギサ:――折木真夜子は何を考えているかさっぱりわからない。
神津島ナギサ:一番、苦手だ。

GM:シーンを終了します。ロイスのみ取得可能。
神津島ナギサ:お嬢……真夜子さんにロイスをとります。
GM:(にっこり)
神津島ナギサ:後見人/折木真夜子/好奇心/○屈辱/ロイス
神津島ナギサ:これで!

■Opening/07

GM:では、次は弓近さんのオープニングに入りましょう。
弓近いおり:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 3[3]+32 → 35

弓近いおり:順調だ・・・・

弓近庵

GM:事務所の改装はほぼ終わった頃だった。
GM:かつてあったヴィンテージ趣味の――ジ・エレイソンの――骨董品も、残すか片付けるかを決めたところだろう。
GM:後は看板を掲げ、マスターの手配が済めば、情報屋として開業していける。
GM:それがどれほど困難な道かはまだ分からない頃だった。
弓近いおり:「ううん。我ながら、良い出来ですね~」 《情報屋 弓近庵》 と書かれた額縁を、事務所の上に掛ける。
GM:無理矢理に作った口調も板についてきた。
GM:“ジ・エレイソン”のように。困難の前でこそ飄々と。
弓近いおり:「これならすぐにでも大繁盛間違いなし! です!」
GM:そこで電話が鳴る。“ジ・エレイソン”は今時の飛ばし携帯ではなく、依頼用の専用固定回線を好んだ。
GM:だが、かつての番号に掛かって来ているということは、これは……
弓近いおり:「……おや?」
弓近いおり:鳴る電話。ある種、神聖なものとして、部屋の片側に残してまとめた、エレイソンの遺品の机。
弓近いおり:慎重にそれに近づき……ガチャ、と取る。
GM:月末にもこの回線は止まるところだった。ギリギリのタイミングで入った電話。
???:「殺し屋……殺し屋……」
???:荒い息が聞こえる。
弓近いおり:「……はい! 元殺し屋、現情報屋、弓近いおりです!」
???:「……!殺し屋!……さん、ですか?」
弓近いおり:「うーんと……ちょっと前までは、そうでした!」
???:「だから来なかったのか……です、か」
弓近いおり:「どちらさまでしょう? ジ・エレイソンへの依頼ですか?」
???:「ふざけ……くそ、お前のせいで……!」
???:「受付か何かですか」
???:「殺し屋を出してください」
弓近いおり:「――ジ・エレイソンは亡くなりました」一瞬だけ声が平坦になる「今は私が後継です!」
???:「死んだ、だって……」
???:「殺し屋のくせに……ああ!」何かを叩く音が聞こえる。
???:「か、代わりに……アフターサポートって、できないんですか。それ」
弓近いおり:「殺し屋だって死にます。お気持ちは分かりますが、冷静に」
???:「エレイソンだかなんだか、知らないですけど。僕は……いや、僕じゃない、けど……」
???:「依頼してたんです。そいつに」
弓近いおり:「依頼? ――彼に?」
???:「はい。……でも、来なかったんでしょう!」
???:「死んだから!」
弓近いおり:「行ってないのなら……きっとそうですね」
弓近いおり:「じゃあ彼は、受けた依頼を達成しないままに死んだの?」
???:「そうですよ。無責任だ。どうして……」
???:「……っ、じゃあ誰も殺し屋はやってくれないんですね」
弓近いおり:「……いえ」
弓近いおり:「ふふ。少し、詳しいお話を聞かせて下さいますか?」
???:「話すわけないじゃないですか。代わりがいるのか……いるんですか」
???:「そうじゃなきゃ、素性なんて言えない。お金だってないし」
弓近いおり:「そこで、私がいるのです。ジ・エレイソンの唯一の弟子」
弓近いおり:「私は《ポップレクイエム》。師ら依頼をし損ねたのが本当なら、私が処理するのが筋ではないですかね?」
???:「……本当ですか」
???:「騙してないですね?大人なら、責任を持ちますよね」
弓近いおり:「ええ、もちろんです」
弓近いおり:「正規の手続きを踏む限り、依頼人の殺意だけは裏切らない」
弓近いおり:「ジ・エレイソンに依頼したのなら……その言葉もまだ、有効となります」
???:「僕は……折木秋果という」
折木秋果:「秋の果実、でシュウカ」
弓近いおり:「木を折る秋の果実、ね」
弓近いおり:「ジ・エレイソンが、まず最初に聞くことは決まっていました」
弓近いおり:「あなたは、誰を殺すことを求めますか?」
折木秋果:「住所は湯津町8の6の2。その辺で折木本家、って聞けば分かる」
折木秋果:「……ターゲットは、それだ……です」
弓近いおり:「折木本家……」
折木秋果:「僕の『家』を――」
折木秋果:「――家に取り憑いている、怪物を」
折木秋果:「あなたにブッ殺してほしい」
弓近いおり:「怪物」 まあ
弓近いおり:まあ、と言いそうなった口を手で押さえる。
弓近いおり:「怪物……それは一体、どういったものですか?」
弓近いおり:「いえ……そうですね」
折木秋果:「……僕にだって、よくわからない。そもそも……」
折木秋果:「……」そこから先は口をつぐむ。
弓近いおり:「前に依頼した時も、電話? それとも、直に事務所に来たのかしら?」
折木秋果:「……!それは」
折木秋果:「で、電話……?……」やや曖昧な答えだ。
弓近いおり:「ふぅん……」
弓近いおり:「お金の用意は出来ているかしら」
折木秋果:「払っ……」
折木秋果:「……た、はず。確認……できてないですか」
折木秋果:歯切れが悪い。
弓近いおり:「…………」
弓近いおり:ジ・エレイソンが……依頼人に無意味に本名を名乗らせたり、電話だけで依頼に応じたり、仕事を終える前に全額を貰ったりしていただろうか。
GM:そんなことはなかったでしょう。
GM:連絡先を教えるとしても、最初に直接会って依頼を受けてからであったはず。
弓近いおり:かといって、依頼の記録自体を探すのも難しい。殺し屋がそんなものを残すとは思えないし、残しているとしても、自分が一朝一夕で見つけられるものではないだろう。
弓近いおり:「…………なら」
弓近いおり:「一度会いましょう、折木さん」
折木秋果:「……当、然」
折木秋果:「その覚悟はあります。来ていただけるんですね?」
折木秋果:「――“仕事”の現場に」
弓近いおり:「現場に行かない殺し屋は二流」
弓近いおり:「現場にノコノコ出向く殺し屋は三流」
弓近いおり:「真の殺し屋は、現場は自ら創るもの」
折木秋果:「フ。さ、すが」声色からも、相手が極度に緊張していることはわかる。
折木秋果:「……会いましょう。本家の前だと絶対まずい」
折木秋果:「すぐ手前の大通りに消防署があります。明日5時、来られますか」
弓近いおり:「では、そのお時間に。――目印を決めて下さいますか?」
弓近いおり:「こちらは……そうですね。首元に赤いスカーフを」
折木秋果:「灰色の帽子を」
折木秋果:「呼びかける時は『秋果さんですね』と……それ以外では話しかけないでください」
折木秋果:「待ち伏せがいると判断したら動かないでください。5時30分になったら僕は去ります」
弓近いおり:「待ち伏せなんて。始まる前から物騒な話」
折木秋果:「……早贄事件を知ってますか?」
弓近いおり:「ええ、もちろん。最初に手をつけようと思っていた案件です」
折木秋果:「“ポップ・レクイエム”。……僕は。僕は、知ってる」苦しそうだ。
折木秋果:「あれは猟奇殺人事件なんかじゃない」
折木秋果:「……ッ」
弓近いおり:「?」
折木秋果:「――連続猟奇殺人事件だ」
折木秋果:「本当は……」
折木秋果:「……人が来ました。また」
弓近いおり:「もしもあなたが現場から離れざるをえなかったら」
弓近いおり:「”血痕”を残しておいてくれると、とても助かります」
弓近いおり:「では。明日五時。”憐憫を引き継ぐ鎮魂”が、そちらに向かいます」
GM:皮肉にも、弓近いおりの最初の事件は、情報屋としての仕事ではなかった。
GM:だがそれは、“ジ・エレイソン”の最後の事件でもあった。
GM:彼を継ぐのならば、そうする義務があった。
GM:現場は、某区湯津町。
GM:何かが起こりつつあるのだろう。“ジ・エレイソン”はそういう依頼を好んだ。
弓近いおり:電話が切れた後に、受話器をじっと見つめる。ツー、ツーと規則的に鳴る音。
弓近いおり:「ジ・エレイソン」
弓近いおり:「あなたは最後に、何を殺そうとしていたの?」
弓近いおり:手元では、指先から流れた赤い血が奇怪な動きで閃き、待ち合わせ時間のメモを描いた。

GM:ロイス取得が可能です。
弓近いおり:依頼人/折木秋果/誠意/疑念:○/ロイス
弓近いおり:以上で。
GM:では本日は以上。次回は火曜21:30からになります。
GM:GMが間に合えばね!
GM:お疲れ様でした。
神津島ナギサ:了解デース!また火曜日に!
弓近いおり:お疲れさまでした~!
遠藤篤美:おつかれさまです!
御剣凌駕:お疲れ様でした!

■Opening/08

GM:次は御剣さんの登場シーン。オープニングから5年経過します。
GM:登場侵蝕率をどうぞ。
御剣凌駕:41+1d10
DoubleCross : (41+1D10) → 41+6[6] → 47

GM:長い、終わりの見えない旅路だった。
-:「……旅?その年でかよ」
-:「このたびは残念でした。次の募集は結果まで6日待ちとなりますが……」
-:「ミツルギ!すげえ滝だと思わないかい!アタシらなんてちっぽけだ!」
-:「うわっ、動きやがった!死体じゃねえ!」
-:「一名確保。連行中です。ええ。不法滞在者ですね」
-:「アノ……リョガ、アリ、ガト」
-:「感染だ!ハハハ!そいつが呪いのウィルスだ!」「あと二週間の命だぞ、お前!」
-:「たった一人で来て、この私をどうにかできるって?」
-:「帰る家はなかったの?……私は、そうなれないの?」
-:「旅ってのは最悪だよな。兄弟」「けれど素晴らしい」
GM:安らぎと引き換えに、ただ、道の糧とした。
GM:それでも、その『音』が道を見出す事は……

-:「ひでぇ音だ」
-:「ああ!そりゃただの公害だね!」
-:「あっはっはっは!ミュージシャンの他に、道はいくらでもあるさ!」
-:「最悪だ!最悪だ!最悪だ!」
-:「はい。苦情が、それはもう……」
-:「モウ……ソレ、聞キタクナイ……」
-:「アアアアアア!?てめぇその音を、畜生!!」
-:「……まるで動物の悲鳴だ」
-:「才能なんてないのよ」
-:「ここでお別れだ。……アンタの演奏に付き合いたくないんでね」

-:「見えるだろう。レペは……『丘』だ」
-:「レペ・ツィエ・ケルム。土地の古い言葉で、白い大神の丘という」
御剣凌駕:「白い大神……?大層な名だ」
-:「かつての神だ。エドワード・コープの発掘隊も、彼らの全ては暴けなかった」
御剣凌駕:「その先に何がある?」
-:「何も」
-:「彼らは死んでいるのだからね」
御剣凌駕:「何も?では、なぜ」
御剣凌駕:「なぜあの丘の話をオレに?」
GM:広大な丘。白く乾燥した、死の大地が広がっている。
GM:その下に眠る者に、生きて出会うことはないだろう。
GM:この世に生きる生命なら、誰も。
-:「それは鎮魂の曲なのだろう」
-:「――彼らに捧げるといい」
御剣凌駕:「……泣いている。彼らは、悲しんでいる」
御剣凌駕:雨の降りしきる乾いた大地で座り込む。
御剣凌駕:傍らに置かれたフルートが地響きで揺れる。
御剣凌駕:少年の目の前で、巨大な竜が眠りから覚めたように雄叫びをあげる。
御剣凌駕:「あっはっはっはっはっはっは!そうか!そういうことか!」
御剣凌駕:愉快そうに笑いながら涙を流している。
御剣凌駕:「お前たちがオレの友か!オレの音楽の理解者!道理で!」
御剣凌駕:「道理で、世界中どこに行ったって誰にもオレの音楽は通じないはずだ」
御剣凌駕:「何年もかかって、世界を巡って、その結果がこれか!笑えるな!」
御剣凌駕:「だったら……」
御剣凌駕:「だったら、オレの進むべき道は決まったな」
御剣凌駕:笑い止む。
御剣凌駕:「さて、帰るか」
御剣凌駕:「ニッポンに」

現在 御剣家

GM:街並みは記憶のそれとは遠く変わっていたが、御剣家の邸宅は、5年前の姿のままで残っていた。
御剣凌駕:「……驚くくらいに変わっていないな」
御剣なつめ:「凌ちゃん」
御剣なつめ:祖母の声が、庭の方から聞こえた。
御剣なつめ:「……凌ちゃん!帰ってきたの」
御剣凌駕:「祖母上。ただ今帰りました」
御剣なつめ:「おお、良かった……良かった。よく、無事だったねえ」
御剣凌駕:「心配を、おかけしました」
御剣なつめ:「凌ちゃん。こんなに大きくなって。たくましくなって」凌駕を抱きしめ、短い腕で背中を叩く。
御剣凌駕:「祖母上は……随分小さくなられた」
御剣なつめ:「本当に良かった。元気でやってたの?色んなお国を回っていたって聞いて……」
御剣なつめ:「心配で心配で、ふう、おばあちゃん、気がちっちゃいもんだから」弱々しく笑う。
御剣凌駕:「ああ、大丈夫です。行きはちと苦労しましたが、帰りは彼らが守ってくれましたので」
御剣凌駕:「なあ、お前たち?」後ろを振り向くが、当然そこには誰も居ない。
御剣なつめ:「はぁ」
御剣なつめ:丸い目をパチパチと瞬かせる。
御剣凌駕:「本当に、ご心配をおかけしました。これからはずっと傍におります」
御剣なつめ:「……ええ、ええ。ありがとね。無事でありがとう」
御剣なつめ:「おじいちゃんも、きっと喜ぶから。……さ、入って。ゆっくりしてね」
御剣なつめ:「凌ちゃんのおうちなんだから。ねぇ」
御剣凌駕:「ええ。祖父上にも、ご挨拶を」
GM:祖母はニコニコと先に立って、邸宅の中へと入っていく。
GM:そして仏壇の前へ。
御剣凌駕:「……祖父上」手に持った荷物を取り落とす。
御剣なつめ:「……ほら。おじいちゃん。凌ちゃんが帰りましたよ」
御剣なつめ:鈴(りん)を鳴らし、手を合わせる。
御剣凌駕:「……」黙って仏壇の前に行こう。
御剣なつめ:「凌ちゃんは……おじいちゃんみたいに、強い目の子になりました」
御剣なつめ:マッチを擦り、線香に火をつける。
御剣凌駕:座りこんで、手を合わせる。
御剣凌駕:「祖父上、凌駕です。今、帰りました」
御剣凌駕:「世界中回って、やっとオレの進むべき道が見つかりました。オレは祖父上とも父上とも違う道を行きます」
御剣凌駕:「それを道と言っていいのかはわかりませんが……」
御剣凌駕:「道と呼ぶのならば、竜の道。今はそれをただ真っ直ぐに進みます」
御剣凌駕:「ですので……祖父上も安心してください」
御剣凌駕:顔を手で覆う。
御剣凌駕:「ばあちゃん……しばらく一人にしてもらっていいかな」
御剣なつめ:「……ごめんなさいね」
御剣なつめ:「おじいちゃん、最後まで……」
御剣なつめ:「こんな程度のことで、凌ちゃんを呼び戻すことないって。絶対、絶対に強く頑張ってるからって」
御剣凌駕:「……祖父上らしい」
御剣なつめ:「……」
御剣なつめ:無言で、もう一度正面から抱きしめ、背中を撫でる。
御剣なつめ:「お茶を入れてきましょうね、凌ちゃん。……おじいちゃんの分も」
御剣凌駕:「頼みます。オレも、喉が渇いた」薄く笑う。
GM:祖母はその場を離れる。
GM:広い家だ。父も祖父もいない。今は祖母一人だけなのだろう。
御剣凌駕:足を崩し、あぐらをかく。
御剣凌駕:「……祖父上!アンタが死んじゃダメだろう!」

GM:板張りの部屋は長く使っていないということで、今は一時的に、かつての幻耶の部屋が与えられている。
GM:彼もそのほうが喜ぶだろう、と祖母は言っていた。
GM:飾り気のない質素な部屋。あるものといえば、手付かずの書斎机くらいのものだ。
御剣凌駕:「……祖父上の部屋に入るのも何年ぶりか」
御剣凌駕:「祖父上の荷物は置き放しか。……手を触れるのは少し気が引けるが、滞在するのならずっとこのままというわけにもいくまいな」
御剣凌駕:カバンを置いて少し休んでから、書斎机に触れる。
GM:カタッ
GM:年月に劣化していたのだろうか。
GM:二番目の引き出しの表板が落ちた。
GM:恐らく鍵がかかっていたのだろうが、遅かれ早かれこうなる状態だったのだろう。
御剣凌駕:「おっと、しまった。遺品を壊すわけにはいかんな」
御剣凌駕:直そうと引き出しに手を触れる。
GM:何かが折れたわけではない。はめ込めば直る程度のものだろう。だが……
GM:数通の封筒が落ちた。祖父の筆跡だ。
御剣凌駕:「祖父上の書簡か」
GM:『麗しきジユリエツトへ』
御剣凌駕:拾い上げてちらりと見る。
御剣凌駕:「……ジュリエット?」
GM:そう古い年月の手紙ではない。せいぜい二年ほど前の日付だった。
御剣凌駕:「いい年をした祖父上に想い人が?まさかな」
GM:宛先は某区湯津町。そこに知り合いを持っていることすら、今初めて知ったことだろう。
GM:また、見慣れない筆跡の封筒はさらに多い。
御剣凌駕:「ふむ。祖父上はそのジュリエット嬢とやらに随分と熱を上げていたようだ」
GM:『幻耶様ゑ』『御剣幻耶様』『素敵な幻耶様ゑ』
GM:……これも同一の筆跡だ。
御剣凌駕:「祖母上はこのことを……知るまいな。祖父上は話すような御仁ではない」
御剣凌駕:好奇心のままに、手紙を見ていこう。
“麗しきジュリエット”:『拝啓 幻耶様
“麗しきジュリエット”:銀杏の木々が色づいて、秋が風に薫る季節になりました。
“麗しきジュリエット”:この時節になると、いつかの素敵な冒険の日が、瞼の内に今もはつきりと蘇つてきます。
“麗しきジュリエット”:御孫さまのこと、きつとご心配でしょう。けれどもしかすると、あの日の幻耶様のようなご活躍をされてゐるかもしれませんよ。
“麗しきジュリエット”:近頃は料理などをまた初めてみようと思い、久に調理場に立つてみました。
“麗しきジュリエット”:月曜には鯖のお味噌煮と、ほうれんそうのおひたしを。それから火曜には……』
GM:後は、他愛もない日常の暮らしの報告が続いている。
御剣凌駕:「ジュリエット嬢とやら、祖父上と親密な仲だったようだ」
御剣なつめ:「凌ちゃあん」台所の方から、祖母の声が聞こえる。
御剣凌駕:「どうしました、祖母上」叫び返す。
御剣なつめ:「あまり、お片づけに根を詰めないでね。おばあちゃんが放っときぱはしだったのも良くなかったからねえ」
御剣凌駕:「お気になさらず。案外、いい気分転換になります」
御剣なつめ:「久しぶりの故郷なんだから。ゆっくり町を見て回っても大丈夫だからね」
御剣凌駕:「……若い頃の祖父上か。湯津町といえばここからでもそう遠くはないな。行ってみるか」書簡を見ながら呟く。
御剣凌駕:立ち上がると、学生服の腰に刀じみてフルートを差す。
GM:都心近くなので、交通の便も良いはず。電車を使えば、十分日帰りできる距離でしょう。
御剣凌駕:「それもそうですね。では、失敬して少し街を散策してくることにしましょう」
御剣凌駕:「夕餉までには帰ります」
御剣なつめ:「ええ、ええ。行ってらっしゃいね、凌ちゃん」
御剣凌駕:「若き祖父上を知る想い人、麗しのジュリエット嬢、か。日本に戻ってきて早々、なかなかのエボリューションじゃないか」
御剣凌駕:そう言って家を出て、書簡の宛先にあった湯津町へと向かいましょう。

GM:それではシーン終了!ロイスのみ可能です!
御剣凌駕:“麗しきジュリエット”にポジティブが好奇心、ネガティブが不安で取りましょう。
御剣凌駕:以上なのです。

■Middle/01

GM:それでは、弓近さんと神津島さんの合流シーンとなります。
GM:お2人の侵蝕率をどうぞ。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:47->52)
神津島ナギサ:良い出目。
弓近いおり:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 10[10]+35 → 45

弓近いおり:oh……
神津島ナギサ:はわわわ

湯津町東消防署

GM:大通りに面した建物の前に、一人の少年が所在なさげに立っている様子が見える。
GM:灰色の帽子。符丁通りに、折木秋果が来た。
GM:不審な点も多い依頼人である。遠目で確認したものの、まだ依頼を受けずに帰る選択肢はある。
弓近いおり:嘘をつく依頼人に応えるほど、殺し屋稼業は暢気な商売ではない。
弓近いおり:ただし、正体を隠す分には、それはあちらの自由だ。……エレイソンはそういうスタンスだった。
弓近いおり:彼が『嘘』をつく依頼人かどうか。それを見極める必要がある。
折木秋果:腕時計を見ている。時刻は17時6分。
弓近いおり:不安げに周りを見渡す少年に、通行人にまぎれてこっそりと近づく。
弓近いおり:「秋果さんですね?」
弓近いおり:上はチェックのベストにシャツ。下はショートパンツにタイツ。ボーイッシュな軽装。首元に赤いスカーフ。
折木秋果:「……!!」
折木秋果:「はい……秋の果実で、シュウカです」余計なことを言わないよう神経を削っていることがわかる。
折木秋果:「……移動を」
弓近いおり:「はいはい。どうぞよろしくお願いしますね」
GM:先に立って、商店街の方へと入っていく。
GM:例えば姉弟や、デート中のカップルが紛れてもおかしくない人通りだ。
折木秋果:「……あなた。あなたが」斜め後方を歩く弓近を、横目で見る。
折木秋果:「本当なのか。年だってそんなに違わないぞ……」
弓近いおり:「歳の差なんて、些細な問題だと思いますけど?」
弓近いおり:「あなただって、殺し屋に依頼する年齢になんて見えないですしね」
折木秋果:「大きな問題だよ……僕と同じ年齢だったら、どんなに長くても16年しかキャリアが積めないじゃないか」
折木秋果:「幼いってことは、プロじゃないってことだよ」
弓近いおり:「16年あれば、どんな些細な競技だってプロになれるじゃないですか」
弓近いおり:「フィギュアスケート。知ってます? 私は好きですよ。プレイヤーの全盛期があまりに若くて」
折木秋果:「チッ……なんなんだよ、僕に理屈なんて……」不愉快そうにする。
折木秋果:「別に……別に、疑ってるわけ、じゃないけど」
折木秋果:「でも、先代の……死んだ人の代わりになる仕事って、できるの」
弓近いおり:「もちろんですよ。でなきゃ名乗りません」
折木秋果:「でも……」何かを言いたそうだが、
弓近いおり:「どこかに入りましょうか。カラオケか、喫茶店か、ネットカフェさんか。どれが良いですか?」
折木秋果:「…………」すぐに黙りこむ。対人の距離に慣れていないだろうことが分かる。
折木秋果:「歩きながらがいいよ。尾行とか、分かるでしょ」
折木秋果:「一箇所に止まると、近くの席で聞かれる。店員が聞くかも」
弓近いおり:「そういう……」そういう危険が無い場所を、ここに来るまでにいくつか見繕ってはいるのだが。
弓近いおり:如何せん初仕事だ。依頼人を優先しよう「では、このままで」
弓近いおり:「尾行される心当たりなんて、あるんですか?」
弓近いおり:こころなし並ぶ距離を近づける。
折木秋果:「う」
折木秋果:「……お、折木家を狙うんだから、それくらい当然の警戒じゃないか」
折木秋果:「……じゃないですか」
弓近いおり:――折木家。近辺を支配する大地主。近隣のUGNとの繋がりアリ。
GM:もちろん、事前調査でそこまでわかっていてよいでしょう。
GM:特にUGNとの繋がりは重大な懸念事項です。「オーヴァードである」というアドバンテージが通用しない可能性がある。
弓近いおり:「ふむ。そうですね」
弓近いおり:「――ということは。怪物、と言いましたけど」
弓近いおり:「それは比喩ですか?」
折木秋果:「……わからない」
折木秋果:「わからないから、その……怪物」
折木秋果:「でも、おかしくなってきてるんだ。僕の家が少しずつ」
弓近いおり:「おかしな雰囲気を殺すなんてことは、殺し屋の仕事じゃありません」
弓近いおり:「カウンセラーを紹介してほしいわけじゃないんでしょう」
折木秋果:「確かに……それはそうだけど。くそ、僕に理屈を……」頭をガシガシと掻く。
折木秋果:「…………『早贄事件』の犯人が、僕の家のすぐ近くにいるかもしれない」
弓近いおり:「少し分かりやすくなりました」
折木秋果:「調査とかって、僕がやるほうがいいん……いいんですよね」
折木秋果:「殺し屋に頼む以前にそうするつもりだったかもしれないけど」
折木秋果:「そうなると、僕が殺されるかもしれなくて……でも!なんとかしたくて!」
弓近いおり:「とんでもない!」
弓近いおり:「依頼人に必要なのは、依頼することです」
弓近いおり:「調査も侵入も殺害も、まとめて行う総合業者。それが殺し屋です」
折木秋果:「でも、疑ってるんじゃないんですか……ポップ・レクイエムさん」
折木秋果:「僕が本物の依頼人じゃないって」
弓近いおり:「そうですね」あっけらかんと「あなたが、ジ・エレイソンに依頼したのか」
弓近いおり:「いつ、誰を、どのように。その点を確定しないと、殺し屋としての仕事は出来ません」
折木秋果:片手で制する。
折木秋果:「そろそろ、はっきりさせましょう」
折木秋果:「敬語がいいですか。依頼人なら、もっと偉そうな方がいいですか」
折木秋果:「折木家で育ったから、全然分からないんですよ。普通、どうやって接するのか」
弓近いおり:「……?」
弓近いおり:「人との接し方なんて、思う通りにするのが一番に決まってるじゃない」
折木秋果:「ポップ・レクイエムさんはどっちがいいんですか」
弓近いおり:「何が良いかなんて他人に確認するくらいなら」
弓近いおり:「最初から好きにすればいいのに……うーん、そうですね。依頼ですからね。もっと断定口調で話してほしいです」
折木秋果:「……そうするよ。でも、悪いけど僕は依頼人じゃなくて」
折木秋果:「“ジ・エレイソン”に頼んだのは……父様なんだ。本当なら」
弓近いおり:「……?」
弓近いおり:「どういうことです?」
折木秋果:「だから、先代の……“ジ・エレイソン”とやりとりしたのも、金を払ったのも父様なんだ」
折木秋果:「でも殺し屋は来なかった」
折木秋果:「……」
弓近いおり:「そのお父様は?」
折木秋果:「……一ヶ月前から、父様は家に帰ってない。失踪してる」
弓近いおり:「失踪……」
折木秋果:「家を探ろうとしたからだ。殺そうとしたから」
弓近いおり:「もしかして、何かと依頼の詳細が曖昧なのは」
折木秋果:「だから……もし、父様も、今の状況をおかしいと思っていて」
折木秋果:「それで、解決しようと思っていたなら」僅かに手を握る。
弓近いおり:「そのお父様が、どのような依頼をしたか。誰を殺そうとしたか」
弓近いおり:「秋果さんも知らないからですか?
折木秋果:「僕が続きをやらなきゃいけないんだ」
折木秋果:「何をするのか分からなくても、そうするしかない、じゃないか……」
弓近いおり:「…………」しばし考え込む。「…………」もう少し考え込み、
弓近いおり:秋果さんの正面に周り、手を取る。
折木秋果:「うわっ、何!?あえっ」
折木秋果:「何、こいつ!」
弓近いおり:「素晴らしい志です! ならば、ご安心を!」
折木秋果:ドキドキしている。
弓近いおり:「ふふ! 恥ずかしがらなくても結構――あなたの依頼、こう承りました」
弓近いおり:「お父様の失踪の真相、および、それに絡んだ、折木家の現状の把握!」
折木秋果:無言で頷く。
弓近いおり:「それが判明した後、ジ・エレイソンの依頼を継続するか否かは、あなたが決めればいい」
弓近いおり:「ならば《ジ・エレイソン》への依頼ではなく、私への依頼ですね」
折木秋果:「嬉しそうですね……殺し屋ってみんなこうなんですか」
弓近いおり:「さあ? だって私、殺し屋が本業じゃないですし」ぴ、とその手に名刺を握らせる。
弓近いおり:《殺し屋》に二重線が引かれ、その右側に《情報屋:弓近庵》と書かれている。
弓近いおり:ポップ体だ。
折木秋果:「バ」
折木秋果:「バッカみたい……」
折木秋果:「……ふざけてるんですか?」真顔だ。
弓近いおり:「ふざけているかどうかは、仕事を終えてから決めてもらいましょう」
折木秋果:「こんな名刺、仕事来るわけないじゃないですか」
弓近いおり:「フフフ、重要なのは内実ですよ」
折木秋果:「見た目でアウトなら、内実なんてわかるわけない。……それに」目を細めて、向こうの路地を見る。
折木秋果:「尾行……来てるんじゃないです……や、来てるんじゃないか」
弓近いおり:「?」
GM:折木秋果の視線の先では、幼い少女が奥から路地に現れたところだ。
GM:通常警戒する必要もない容姿だが、彼の注目がそちらに向いていることが、弓近は経験でわかる。
折木秋果:「神津島ナギサ」
弓近いおり:「お知り合いで?」
GM:まだ距離は遠い。通りを挟んでいる。
折木秋果:「姉様のペットだ。命令されて見張りにきたのかな。会話は聞こえてないはずだ……」
弓近いおり:「それはなんとも、刺激的な響きですね」
折木秋果:「何が?」
GM:……だが、様子がおかしい。
GM:神津島ナギサという少女は、ただ路地の向こうから走ってきたわけではない。
GM:鋭い破壊音のようなものが響いてくる。そして、それに遅れて――
GM:弓近と秋果がワーディングの展開半径に入る。
弓近いおり:「!」
弓近いおり:ぴん、と耳を立てる。秋果さんは倒れますか?

湯津町 路地裏

GM:ガガン!
GM:ガン! ギン!ギン!バギン!ギン!!
GM:槍めいた鋭いスパイクが、逃げるナギサを追って無数に路上へと突き立つ。
神津島ナギサ:「おいおい、おい……!」
GM:突然の襲撃だった。敵の顔も分からない。
神津島ナギサ:サラマンダー能力で運動能力をフルにブーストして走る。
GM:スパイクを使って頭上のビルに張り付き、跳び、撃ち下ろしてくる。
神津島ナギサ:得体のしれない怪物と戦うのはこれが初めてじゃない。
神津島ナギサ:そういうのは、あの“島”の恒例行事だった。だからこそ自分のような化け物が畏れ崇められてきたのだ。巫女として。
神津島ナギサ:「でもこれは……これ、違うだろ」
神津島ナギサ:「相手は人間じゃねえのか、これは。クソッ!」
???:「ハァーッ……」掠れた声が、頭上から響く。
???:「折木家のヤツだな。オマエ」
神津島ナギサ:走るのは止めない。あのスパイクで足でもやられたら厄介だ。走りながら答える。
神津島ナギサ:「神津島ナギサ。無関係だよ」
???:バギ ガン!!
???:再び跳んだ。予測の付かない場所に移動したはずだ。
神津島ナギサ:「折木に恨みがあるとかそういうのなら、残念だな。あたしを殺してもあいつらの腹はぜんぜん痛まねえ……」
???:「そういう問題じゃねェー」
???:「あの家に寄生して、オーヴァードで、オマエ」
???:「無関係ですってかァー?アァ?どういう命乞いだ?」
神津島ナギサ:「……チッ」 話の通じる相手ではなさそうだ。
神津島ナギサ:よしんば話が通じたとしても、事実だ。説明を聞くとは思えないし、説明して納得してくれるとも思えない!
神津島ナギサ:「よく調べてるよな……探偵か何かかよ、オマエ!」
GM:ガン! ガン!
GM:退路を断つようにスパイクが撃ち込まれる!……そして!
GM:その様子は、通りを挟んだ弓近にも見えている。先ほどのワーディングで折木秋果が倒れた。
神津島ナギサ:側転を打ちながらそれを横目で確認する。
神津島ナギサ:(……秋果お坊ちゃんか。隣の奴は知らない)
神津島ナギサ:(いや、待て)
弓近いおり:「おっと」と、秋果さんを支える。
神津島ナギサ:(隣の奴――倒れないのか。この中で)
折木秋果:「……」力なく膝をついて、動かない。
折木秋果:意識がないわけではないだろうが、記憶に残ることもないだろう。それがワーディングだ。
神津島ナギサ:(……オーヴァードか。あいつも) 考えを打ち切って回避行動に戻る。
???:「オマエを殺すつもりはない」
???:「捕える」
GM:さらにスパイクが降る!声が聞こえたのとは別方向からだ!
神津島ナギサ:「捕えて?籠の鳥にでもするって?」 両手を広げる。十指すべてに蒼い火が灯る。
神津島ナギサ:「お断りだッ!」
神津島ナギサ:両手を広げ、舞う。炎がスパイクをはじき飛ばし、周囲を焼き払う!
弓近いおり:「(あら。オーヴァードですか)」
神津島ナギサ:(めんどくせえ。この……うざってえ槍ごと燃やしてやる!)
???:「シャアーッ……!!」ダ ダダダダン!!
???:跳躍音だけがビルを駆け上っていく。熱気の範囲から逃れたのだ!
弓近いおり:「(白昼堂々、元気だわ。戦っているのは何かしら。折木家はUGNの関係者……)」
神津島ナギサ:「ちょこまか動きやがって!」
弓近いおり:袖から、小さな投擲用ナイフを取り出す。見るからに護身用と言った様子の、頼りない小刀だ。
GM:ダンッ!   ……ダン!
GM:ガン! ガン!
GM:ワーディングの作用で静寂化した町に、反響音が響く。左。前方。右後方。
GM:    ガンッ
GM:僅かな着地音。後方。
GM:――弓近いおりの!
???:音もなくスパイクが降る。標的は折木秋果だ!
神津島ナギサ:「――あぶない!避けろ!」
弓近いおり:では、スパイクの落下地点に回り込む。
弓近いおり:赤色の電荷を残し、既に正面から、スパイクを捉える立ち位置に要る。
弓近いおり:「荒事は、あまり向いてないって」ナイフを構える。ぎゅるん、と掌から血が渦巻き、長大な
弓近いおり:「彼からは、言われてるんですけど」
弓近いおり:全身をらせん状に捻り、投擲! 下から迸った電光が、スパイクを正面から貫く。
GM:――バ  チ  ン!!
???:「……」ダン!
???:「やる」姿を見せぬまま、声だけが降る。
???:「シューッ……俺は“バーデンバーデン”」
???:「どこのエージェントだ?オマエ……そいつに雇われたか?」
弓近いおり:「そう、たった今、正式に雇われたところです」
弓近いおり:「姿を見せない人に褒められても、あんまり嬉しくありませんねー」
神津島ナギサ:弓近達の近くに駆けより、警戒しながらその声を聞く。
折木秋果:倒れているのは折木秋果だ。話したことはあまりないが、知っている顔だ。
弓近いおり:両手を下に。袖からざらざらざらと、血の線で繋がれたナイフがぶら下がる。
弓近いおり:「こんにちわ~」ナギサに手を振る。
神津島ナギサ:「え?……ぁ、こ、こんに」
神津島ナギサ:「……」 意識は“バーデンバーデン”に。視線は時折弓近と秋果に。
“バーデンバーデン”:「ギルドか、野良の素人野郎か……」ガン!
GM:ダダダダダダダダダン!!!
GM:さらに一度の跳躍音の直後、これまでとは比較にならない量のスパイクの雨が降る!
神津島ナギサ:「……ちげえ!上!」
神津島ナギサ:上を見る。降り注ぐスパイク全てを焼きつくす為に力を溜める。
弓近いおり:「あ、これはちょっときついかもしれません」
弓近いおり:無数のスパイクを上に。余裕ある笑みを見せる。最低限、秋果さんは身を呈して助けるつもりだ。
遠藤篤美:登場したいと思います
GM:どうぞ!侵蝕率を上げてください。
遠藤篤美:44+1d10
DoubleCross : (44+1D10) → 44+8[8] → 52

弓近いおり:「ただ、バーデン×2さん。素人とは言いますけど、あなたも相当なものじゃないですかね」
弓近いおり:「オーヴァードが、わざわざワーディングを張るなんて。彼なら即座に、アマチュアと断じるところですよ」
GM:ガギャガガガガガガガガガガガガン!!
GM:そこらを盲滅法に破壊しながら、スパイクの雨が今まさに降り注いでいる。
GM:まるで針の林だ。
遠藤篤美:ではそこに、ふらりとセーラー服姿の少女が姿を現します。
遠藤篤美:「……うるさいよ。往来で何やってるんだい」
神津島ナギサ:「――!?」
神津島ナギサ:「おい、来るな!あっち行け!」
神津島ナギサ:「死ぬぞ!」
GM:バヂッ!
GM:ナギサの脛も、スパイクの余波に縫い付けられる!
神津島ナギサ:「ッぐ……」
遠藤篤美:「……ふん」倒れている秋果を見て瞬時に判断。影を伸ばし、スパイクに攻撃を与える!
弓近いおり:投げナイフで撃ち落としながら、スパイクがあちこちに刺さっている。
遠藤篤美:少女の姿をした影が、踊るような仕草でスパイクを爪で引っ掻く。
GM:3人のオーヴァードのレネゲイド出力で、致命傷になる攻撃を全て叩き落とした。
GM:突如現れた三つ編みの少女のインタラプトがなければ、紙一重のところでやられていたかもしれない。
遠藤篤美:「最近、音楽は好きになったけど、騒音は嫌いなんだ」
遠藤篤美:「僕の通り道の他所でやってね」
“バーデンバーデン”:「……新手か……」
弓近いおり:「ほら、コホッ。……迂闊なワーディングは、こうして」「――オーヴァードの第三者を、呼び寄せてしまう」
“バーデンバーデン”:「オマエらの側についたのは、運が良かっただけだ」
“バーデンバーデン”:「……」ガン!
GM:また一度反響音が響き、消える。
GM:先ほどのスパイクの嵐を目眩ましに、そもそも撤退する心づもりだったのだろう。
弓近いおり:スパイクを抜く。赤い電光と共にそれを血液で覆い、構築しなおす。秋果を護る籠に。
神津島ナギサ:「……」 しばらく警戒態勢を解かない。両手に青白い炎を生み出したまま身構える。
神津島ナギサ:「……行ったか。はぁ」
弓近いおり:「はあ。……怖かったですね。ぷんぷん」
遠藤篤美:「大丈夫かい。ついお邪魔しちゃったけど。何せあんまりうるさいものでね」二人に声をかけます。
弓近いおり:「いえいえ、とんでもありません。助かりました~」
神津島ナギサ:「あー……そう。うん。助かった」
弓近いおり:「腕っ節には自信が無いもので。まったく幸運でした」
神津島ナギサ:「自信がないって?あたしからすると、とてもそうは見えなかったけどな」
神津島ナギサ:倒れたままの秋果に目をやる。
弓近いおり:よいしょと秋果さんを背負う。「いやいや。いっつも大道芸レベルだと言われてました」
遠藤篤美:「ただでさえ物騒なとこ、変な奴がいたもんだ。……君たちを狙ってたみたいだけど」ナギサと秋果を交互に見ます。
遠藤篤美:「おや」ナギサを見て。
遠藤篤美:「君、確かイリーガルの人、だよね? なんだ、やっぱりこっちに味方して良かったんだ」
神津島ナギサ:「……なんだ、そっちも覚えてたのか」 こちらも一度UGNの仕事で顔を合わせて覚えている。
神津島ナギサ:仕事はそこまで頻繁に受けているわけではない。自ずと顔見知りの能力者は限られる……
神津島ナギサ:「狙われてたのはあたしだった。最初はね」
遠藤篤美:「最初は、か」するすると伸ばしていた影を足元に引き戻します。
GM:“バーデンバーデン”は、全くタイムラグなく、秋果をターゲットに切り替えました。
神津島ナギサ:「そう、最初は」
弓近いおり:「ナギサさんでしたね。折木家の……居候の」
弓近いおり:ちょっとp……って言い掛けた。
弓近いおり:「あのスパイクさんは、折木家の方を狙っていたようでした」
神津島ナギサ:幸い、その飛びだしかけた破裂音に気付く事はない。
神津島ナギサ:「そういうあんたは?その……坊ちゃんと一緒だったみたいだけど」
神津島ナギサ:「お友達って感じじゃ、ないよね」
弓近いおり:「いやはや、びっくりしました。助力するか自衛に徹するか迷っていましたら、いきなりこちらに矛先が向くものですから」
弓近いおり:「私ですか? 私はですね……」
弓近いおり:「あなた方と、似たような感じです。UGNに親身にさせて頂いている、フリーのオーヴァードです」
神津島ナギサ:「ふうん」 弓近を見る。
弓近いおり:「この近辺でしばらく活動するので、折木家の方とお近づきになろうとしたのですけど」
弓近いおり:ぺろ、と舌を出す。「折木家の皆さんがオーヴァードというわけではないのでした」
弓近いおり:「いやはや、うっかりです」
弓近いおり:「ですが結果的に、無辜の市民を守れたのですから、よしとしましょう」
神津島ナギサ:考えてみると、この言葉が本当かどうか確かめる術などあたしにはない。
神津島ナギサ:あの狭い島から出てそこまで日が経っているわけじゃないのだ。しぶしぶ頷く。
遠藤篤美:「折木家か……そういえば、真夜子さんとちょっと喋ったっけ」
神津島ナギサ:「お嬢さんと?」
神津島ナギサ:「なんだ。そうなると……大なり小なり、折木家の関係者だらけってことだな」
遠藤篤美:「うん、ほんのちょっとね。変わった人だね、あれは」興味を示していた早贄事件のことなど考えながら。
神津島ナギサ:「大いにね」 先程、自分がモルモットにされかけた事を思い出す。
弓近いおり:「とりあえず、場所を移しませんか? またさっきのスパイクさんが、戻ってこないとも限りません」
神津島ナギサ:「賛成。起きねーしな、秋果坊ちゃん」
遠藤篤美:「そうだね、往来で立ち話もなんだ」
神津島ナギサ:「こういう時はUGNに連絡しろって言われてるけど……もう。どうしたもんかなあ」
神津島ナギサ:この街のUGNに連絡すればじき真夜子お嬢様の耳にも情報が届く。
神津島ナギサ:“あたしは大丈夫、誰かが襲ってきたらボーボー燃やしてやる”と言った手前、ちょっと連絡しづらい。
弓近いおり:「秋果さんが起きるまで、どこかで休憩しましょうか」
遠藤篤美:「事情ありって感じだね。僕はどちらでも構わないよ。どっちみち、そう真面目なイリーガルでもないんだ」
GM:実際、ナギサも遠藤も、事件のたびに任務をあてがわれるような、多忙なイリーガルではありません。
GM:逆に言えば任務をこなした数は少ない。イリーガルが駆り出されるような大規模事件が起こってこなかったということでもあります。
神津島ナギサ:「うん。場所は任せるよ。あたし、喫茶店くらいしか思い浮かばないし」
神津島ナギサ:弓近の方を見て、「……えーと」
神津島ナギサ:「名前」
弓近いおり:「ああ。弓近です。弓近いおり。こう見えても、情報屋とかやっちゃってます」
神津島ナギサ:「ふうん、情報屋。外にはそんな仕事もあるのか」
神津島ナギサ:「やっぱり情報を売るの?」
弓近いおり:「調べますし、売りますし、買いますし、ころ……コホン」
弓近いおり:「総合窓口というわけです」
神津島ナギサ:「ころ……?」 分かったような分からないような顔でふんふん頷く。
遠藤篤美:ナギサさんのその様子を見てくすっと笑います。
遠藤篤美:「僕も自己紹介しておこうか。遠藤篤美。清く正しい高校生だよ。一応ね」
神津島ナギサ:「な、なんだよ!何かおかしいのか」
遠藤篤美:「いやいや、なんていうか……かわいらしいなって」
神津島ナギサ:「……むう」 頬を赤くしてそっぽを向く。
弓近いおり:「よろしくおねがいしますね。篤美さん、ナギサさん」
神津島ナギサ:「よろしく」
遠藤篤美:「よろしく。皆さん」

GM:シーン終了。ロイス取得と購入判定が可能になります。
神津島ナギサ:-ご近所さん/遠藤篤美/○好奇心/不安/ロイス
神津島ナギサ:いおりちゃんとはもうちょっと話してから取りたいな。なのでボディアーマー!
神津島ナギサ:2dx=>12
DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 10[5,10]+7[7] → 17 → 成功

神津島ナギサ:アルティメイド服いけたんじゃ・・・
神津島ナギサ:とにかく買えてしまいました。装備します。
遠藤篤美:ロイスはまだ保留、アルティメイド服を《無形の影》使用して購入判定します。
遠藤篤美:6dx+1=>20
DoubleCross : (6R10+1[10]>=20) → 10[1,1,1,7,9,10]+8[8]+1 → 19 → 失敗

神津島ナギサ:惜しい!
遠藤篤美:あああ財産点ない
遠藤篤美:残念。侵蝕率だけ3上昇します。
弓近いおり:折木家居候/神津島ナギサ/有為:○/ペット?/ロイス
弓近いおり:《アクティベイト》を使って、グレネードランチャー買います。
神津島ナギサ:へい!おつかれさまでしたー!
弓近いおり:1dx+12>13
DoubleCross : (1R10+12[10]>13) → 4[4]+12 → 16 → 成功

弓近いおり:HP9消費。侵蝕4上昇。
GM:では本日はここまで!
GM:お疲れ様でした。

■Middle/02

GM:次のミドルシーンです。シーンプレイヤーは御剣さん。
御剣凌駕:47+1d10
DoubleCross : (47+1D10) → 47+3[3] → 50

湯津町 ビル街

GM:――カカッ カン カキン ……キカカッ!
GM:カキ… カチ… カチン
“バーデンバーデン”:「シューッ……」
GM:空きビルのひとつの屋上に、異形のシルエットが落着する。
GM:日常意識される視界より遙か上方、それがこの“バーデンバーデン”の領域だ。
“バーデンバーデン”:(……さっきのヤツは、折木秋果)
“バーデンバーデン”:(ナイフ使いのヤツの動きは、明らかに他の連中と違う……プロだ……)
“バーデンバーデン”:(察知して、一手早くオーヴァードを雇ってたわけか)
御剣凌駕:では、そこに、ブーメランじみて回転するフルートがバーデンバーデン目掛けて突如として飛来する。
“バーデンバーデン”:「!」ガギン!
“バーデンバーデン”:咄嗟に、腕の先のスパイクで弾いた!
“バーデンバーデン”:「……!!」ガリガリガリガリ!
“バーデンバーデン”:勢いの反動で後方に飛ぶ。四足獣めいて、手足の先端のスパイクがガリガリと屋上の床を削る。
御剣凌駕:弾かれて舞い戻ったフルートをキャッチしながら、その場に姿をあらわす。同時に《ワーディング》を展開する。
“バーデンバーデン”:こちらも、ほぼ同じタイミングでワーディングを展開している。
“バーデンバーデン”:「何だ」「オマエ」
GM:まだ青みの残る夜空の下、“バーデンバーデン”の姿が露になる。
GM:異様に長い四肢の先には、蜘蛛めいてスパイクが生え、その異形をさらに延長している。
GM:前髪の隙間から、白黒反転した片目が新手の存在を見る……
御剣凌駕:「折角一息ついているところ悪いが、こういう高い場所はプテラが大の得意でな。すぐオレに教えてくれた」
御剣凌駕:「貴公の相手はオレがしよう」
“バーデンバーデン”:「やる気か。オマエに得があるとでも言うのか?ググ、グククク……」
御剣凌駕:フルートを学生服の腰に挿し、腕組みをしながら異形を見据える。
御剣凌駕:「いや、オレには分が悪そうだ。フルートの一撃を受けても無傷とは」スパイクを忌々しそうに見る。
“バーデンバーデン”:「……硬度に自信でもあるのか」ジャコッ!
“バーデンバーデン”:躊躇なく先ほどフルートを受けたスパイクを捨て、新たなスパイクを生やす。
御剣凌駕:「ああ、南アフリカで会った学者が言っていたが、これは隕鉄で出来ているらしい。それで傷一つ付かんということは、貴公はそれ以上の力を持っているということだ」
御剣凌駕:「だからオレはこういう時、友の力を借りることにしている」
“バーデンバーデン”:「シューッ……ならば」身を低く構える。
“バーデンバーデン”:「どう、する」――突撃姿勢だ!
御剣凌駕:「こうするのさ」
御剣凌駕:フルートを口元に運び、視線を落として吹き始める。禍々しく名状しがたい旋律が周囲を満たす。
“バーデンバーデン”:ダンッ!
“バーデンバーデン”:敵の体が跳ねた!……が!
“バーデンバーデン”:「ゴオッ!?ウッ、オッ!?」ガリガリガリガリ!
GM:突撃のベクトルは御剣から逸れた!人間に本能的忌避感を感じさせる音!
御剣凌駕:「ああ、そっちはマズイ」
御剣凌駕:「聞こえないのか?近づいて来ている足音が」
御剣凌駕:何もない場所からバーデンバーデンに接近してくるのは巨大な動物の足音のような地響きだ!
“バーデンバーデン”:「……シャアッ!!」不明な現象だが、攻撃行動と認識!
“バーデンバーデン”:数本のスパイクが、御剣に向けて射出された!
御剣凌駕:次の瞬間、バーデンバーデンのスパイクが、まるでティラノサウルスに噛み砕かれたのように粉々になる!
GM:ズ   ド   !   !
“バーデンバーデン”:「シィー……ッ!!」
“バーデンバーデン”:「……何者だ」もう一度呟く。
御剣凌駕:同時に、バーデンバーデン本体はまるでトリケラトプスに跳ね上げられたかのように吹き飛ぶ!
“バーデンバーデン”:「ゴゲ!ブ!!」不可視の存在に対する警戒は不可能!
GM:―――ゴシャアアッ!!
GM:横合いからのベクトル衝撃に急加速され、隣の屋上を削りながら吹き飛ぶ!
御剣凌駕:「オレか?オレは御剣凌駕。竜の道を行く者だ」
“バーデンバーデン”:「ガハッ!ウッ、ゲバ!」吐血!
“バーデンバーデン”:「この……パワー!」
“バーデンバーデン”:「どこの所属だ……キサマ……!」
御剣凌駕:「所属か……。世界中あちこち旅していたが、どこかに帰属するということはなかったな。あ、今は日本に戻って少し離れたところにある高校に属しているな」
御剣凌駕:「そうそう、たまにUGNと協力することもある」
“バーデンバーデン”:「……ふざけているのか」
御剣凌駕:「ふざけるも何も事実なのだからしょうがない。まあ、今は貴公の敵と思ってもらって構わん」
御剣凌駕:「さっきは助かったぞ、ティラノ。トリケラ」何もない空間に微笑みかける。
“バーデンバーデン”:「ジャッ!!」
“バーデンバーデン”:バッタのように垂直に跳び、同時に数本のスパイクを下方に射出!!
弓近いおり:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 1[1]+49 → 50

弓近いおり:そして、バーデン・バーデンは、先ほど言われたばかりの言葉を思い出す。
弓近いおり:『ワーディングを張るオーヴァードがアマチュアである』……その言葉の理由!
弓近いおり:バーデン・バーデンの下方、ビルの谷間から
弓近いおり:赤い電光をまとったナイフが射出される!
GM:バヂュ!
御剣凌駕:「これは……!」スパイクから身を防ごうとしていたところを電光ナイフに救われる。
“バーデンバーデン”:「……あの距離を」
“バーデンバーデン”:「ワーディングの中心を察知できるのか!」高速で肩を貫通された!
弓近いおり:「結局のところ、確率論の話なのだと彼は言っていましたよ」
弓近いおり:「1度のウカツで大丈夫でも。仕事で100度続ければ、いつかは酷い不運に見舞われる」
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:52->56)
遠藤篤美:55+1d10
DoubleCross : (55+1D10) → 55+6[6] → 61

神津島ナギサ:「そういうこと」
神津島ナギサ:「こんな感じにな!」
神津島ナギサ:青白い炎の渦が“バーデンバーデン”を囲み、収束する。
“バーデンバーデン”:「貴様ァ――ッ!!」
弓近いおり:ビルの間を飛び登って、屋上に!「――さてさて、あなたは何回目のお仕事ですか? 随分と不運なようですが」
神津島ナギサ:「さっきは、よくも、クソ……燃えつきやがれッ!」
GM:ゴ バ ォ  ! !
GM:――バギャ!
GM:ベキ!   バヂャン!
GM:青い炎の爆発に巻かれ、細い体は紙屑のようにビルの隙間へ!
GM:……そして、その下に!
遠藤篤美:「……どうもこんにちは。また会ったね」下から手刀を振り上げます。
“バーデンバーデン”:「……!!」焼け焦げたスパイクで応戦するが……
遠藤篤美:「そして、さよなら?」ぶん、と手を振った瞬間、影の手が長く伸び、バーデンバーデンの首元を捕える!
“バーデンバーデン”:「ぐふ!……まさか」
“バーデンバーデン”:「ぎゃ、逆に捕えられるか……!俺が……」
弓近いおり:「こんにちわ、通りすがりの方」
御剣凌駕:「エボリューションだ。オレにはとてもあんなに正確にはフルートを投げられん」
弓近いおり:「ご助力、感謝いたします。――派手な音がしたもので」
御剣凌駕:「御機嫌よう、ナイフ使いのお嬢さん。……っと、こっちはサラマンダーというやつか!面白いな!」
神津島ナギサ:「あっちの方がおもしろいよ。まあ、すぐに終わりそうだけど」 勝利を確信。遠藤の戦いを眺める。
御剣凌駕:「あっはっはっはっは!いいコンビネーションだ!これはオレたちの出番はないかもな、ティラノ?」腕を広げて愉快そうに笑う。
神津島ナギサ:御剣の方を見る。笑う御剣が一人立つだけだ。 「ティラ……?」
“バーデンバーデン”:「――」
“バーデンバーデン”:「……“炸裂杭”!!」ジャココココココココン!!
“バーデンバーデン”:“バーデンバーデン”の肉体を突き破り、ハリネズミのようにスパイクが全方位に生える!
遠藤篤美:「!」影を引き戻し、飛びすさる!
御剣凌駕:「おっと、そう来るか!だったら……ステゴ!みなを頼む!」
神津島ナギサ:「!」
弓近いおり:「おや。これは少々……」
GM:バゴガガガガガガガガガガガガガン!!!
GM:昼間のような閃光が、路地裏を絶え間なく照らす!!
GM:……そして消滅している。肉体の殆どをスパイク化していた。敵にとっても何度も使えぬ奥の手だっただろう。
御剣凌駕:まるでステゴサウルスのような堅牢な装甲に阻まれたかのようにスパイク群が弾かれているが、その向こうに敵の姿はない。
神津島ナギサ:「……ぬむー!」
遠藤篤美:「奥の手、ってわけか。面倒だな」
神津島ナギサ:「また逃げやがった!あいつ!」
御剣凌駕:「逃してしまったか」
弓近いおり:「自爆……というわけでは、なさそうですね」
弓近いおり:「引き際は心得ていると。彼の分類によれば、傭兵タイプになるのかしら」
遠藤篤美:「すまない、逃がしてしまったよ。……さよならにはちょっと早すぎたみたいだ」屋上に向けて。
弓近いおり:「そんなことないわ。あの状態から再び捕捉出来ただけでも、御の字というところです」遠藤さんに
遠藤篤美:影を使って壁を蹴って跳び、屋上の方に上がりましょう。
御剣凌駕:「傭兵か、もしくは暗殺者かもしれんな」
神津島ナギサ:「どっちにしてもロクなやつじゃないよ。いきなりあたしを襲ってきたんだし」
神津島ナギサ:パンパンとズボンをはたいて御剣さんの方を見る。
御剣凌駕:「ベルリンで会ったナチスの暗殺者も確かああした技を……」
神津島ナギサ:「なちす?」
御剣凌駕:「っと、ちょうどよかった」にこやかな笑顔で3人の方に近づく。
遠藤篤美:「……あれ。君は初顔だね?」凌駕さんをちらりと見て。
弓近いおり:「暗殺者と一緒にされては困るわ。本当にそうだったとしても、三流よ!」
弓近いおり:ちょっと素が出る。
御剣凌駕:「……そなたはナチスの暗殺者に何か深い思い入れでもあるのか?」弓近に言う。
弓近いおり:「え? あ、ううん、何でもありませんよ?」いそいそと距離を取る。
神津島ナギサ:「なちす……? まあ、いいか」
御剣凌駕:「そなたたちはこの町の住人か?オレは尋ね人を探して余所から来たのだが、すっかり道に迷ってしまってな。よければ案内してくれないか」
遠藤篤美:「なるほど、来訪者ってわけか。僕もそんなに街には詳しくないけど、まあ多少ならね」行動半径が狭いのです。
神津島ナギサ:「案内ならしてやってもいいよ。あいつのせいで取りこんでるから、それを片付けながらになるかもだけどさ」
弓近いおり:「出身はこの町じゃないけど、人探しなら力になれるかもしれないわ」
弓近いおり:「どこかで落ち付きませんか? さすがに今日はもう、襲われることもなさそうですし」
御剣凌駕:「先ほどのあやつか。ならばオレも手を貸そう。婦女子相手にあの蛮行、見過ごしてはおけん」
遠藤篤美:「紳士だね、君。僕もどこかでゆっくりしたいとこだ」
御剣凌駕:「それではよろしく頼む」
弓近いおり:「ふむふむ。実は私、町を調べていて、いくつか行ってみたいお店があったんです」
弓近いおり:「出身のお二人の意見も参考にしながら、向かいましょう。ヒミツのお話も出来る場所が良いですね」
神津島ナギサ:「え」 思い当たるフシがまるでない。
神津島ナギサ:つい最近この街にやってきたばかりの上、帰りが遅くなれば折木の人間もうるさい。外遊もあまりできないのだ。
御剣凌駕:「行ってみたい店か。いいな。エボリューションだ。オレはまだこの町に来たばかりだから何があるのか、楽しみだよ」
遠藤篤美:「僕がよく行く店は、静かなところだからなあ。あんまり話し合いには向かないかもしれない」
神津島ナギサ:「あ……う……あの、じゃああたし、あそこがいいと思う」
神津島ナギサ:「思う……んだけど……どうかな」 ビルの下の方を指さす。
御剣凌駕:「何かこの町でいい場所を知っているのか!案内してくれ!」嬉しそうに言う。
御剣凌駕:「下……?」視線を落とす。
神津島ナギサ:指の先、どこにでもあるありふれたファミレスが見える。
遠藤篤美:「……」ファミレスの看板を見。
弓近いおり:「むむ。初めて見る店ですが、こんなところに手ごろなものがあるとは」
神津島ナギサ:「入った事ないし……入ってみたいんだけど。ドリンクバーっていうのがあるらしいんだけど」
遠藤篤美:「行きたいの?」ナギサさんをじっと見て聞きます。
神津島ナギサ:こくこく頷く。
GM:クラスメイト達がたまに話題に出していたことだが、当然ナギサは行ったことがなかった。そのような友人はなかったのだ。
神津島ナギサ:「だ、駄目なら別にいいよ。他の……なんかで。別に。」
御剣凌駕:「ならば行くとしよう」
遠藤篤美:「じゃあ、神津島さんの意見を汲んでみようか。僕も一票」にこっと笑います。
弓近いおり:「近場なのは良いことです。行きましょうか」すたすたぴょんとビルを降りる。
神津島ナギサ:「!」
神津島ナギサ:「やった……!ドリンクバー!」
神津島ナギサ:満面の笑みで弓近さんの後を追います。
遠藤篤美:続いてビルを降りていきます。
遠藤篤美:(人と一緒にファミレスかあ……。そういえば、一度もやったことなかったな)
遠藤篤美:(実績解除)ちょっとガッツポーズ。
御剣凌駕:「……実にエボリューションだ」嬉しそうに笑って、学生服の腰にフルートを挿し直し後を追う。

ガスト 湯津町店

GM:同じ町に集った4人のオーヴァード。通常ならば起こり得ない偶然だ。
GM:……そしてオーヴァードはもう1人いた。折木家関係者を襲撃した“バーデンバーデン”。
御剣凌駕:「挨拶が遅れてしまったな。オレの名は御剣凌駕。竜の道を行く者だ」席に着くなり、言う。
御剣凌駕:「で、あれがドリンクバーだ」席向こうのカウンターを指す。
弓近いおり:「それは知っております」びし、と軽く突っ込み。
神津島ナギサ:聞くがはやいか、席を立って様々なジュースを持ちかえってくる。
神津島ナギサ:メロンソーダにコーラ、カルピスにオレンジジュース。普段滅多に飲めない色つきの飲み物に舌鼓を打つ。
神津島ナギサ:「神津島ナギサ。折木の家に……住みながら、UGNのイリーガルをやってる」
遠藤篤美:「なるほどねえ、百花繚乱だ」自分はカフェオレを持ってきます
弓近いおり:「……竜? それに、なんだかすごく楽しそうにしてる方が」
御剣凌駕:「期待に沿うことができたろうか、神津島嬢」ナギサの様子を見ながら言う。
神津島ナギサ:「うん!来れてよかった!」 凌駕にカルピスを差し出しつつ頷く。
弓近いおり:「弓近いおりです。お察しの通りオーヴァード。駆け出しの情報屋なんてやっております」
御剣凌駕:「情報屋?それはまた因果な商売を。こちらこそよろしく頼む、弓近女史」
遠藤篤美:「僕は遠藤篤美。高校生で、UGNイリーガル」レネゲイドビーイングなのは面倒なので話さないことにしてます。
御剣凌駕:「高校生ならばオレと同じだな。先ほどの影は大したエボリューションだった、遠藤女史」
遠藤篤美:「どうも。君の活躍は下からはよく見られなかったのが残念だよ」
御剣凌駕:「……おそらく、上からでも同様だったろうがな」篤美ちゃんに言う。
遠藤篤美:「へえ? 君の武器は透明なのかな」先の透明の男のことなど思い出しながら。
御剣凌駕:「武器というか、友だな。またお目にかけることもあろう。……まあ、オレ以外には見えんのだが」
御剣凌駕:「うむ。美味い。航海中はこういう飲み物もまるで飲めなかったからな」ナギサの差し出したカルピスを飲む。
神津島ナギサ:(後悔か。こいつも色々大変だったのかな) メロンソーダを啜る。
神津島ナギサ:「結局、あいつはなんだったんだろう。“バーデン……”」
弓近いおり:「バーデンバーデン。そうですね、長いので、バデバデさんとでもお呼びしましょうか」
神津島ナギサ:「バデバデを上手いこと追い払ったのも、その友達?」 御剣を見る。
御剣凌駕:「そういうわけだ。しかし、そなたたちも凄い力だった。ティラノも賞賛していたよ」
御剣凌駕:「それで、そなたたちは先ほどのバデバデ氏を追っていると?」
神津島ナギサ:「追って……いや、どうなんだろう。これ」 オレンジジュースを啜る。
弓近いおり:「追っているというか、追われているんですよね」
神津島ナギサ:「うん。それ。」
弓近いおり:「ナギサさん。心当たりとかありませんか?」
神津島ナギサ:「……」
御剣凌駕:「……追われている?」
弓近いおり:「正直私は、起きてあなたを見たとたんに、逃げるように去って行ってしまった秋果さんのことも、気になっているんですけど」
GM:秋果がナギサを避けている事は、普段から感じていたことでしょう。
GM:……というよりも、恐れているであろう、ということを直感している。
GM:ナギサではなく、その背後の真夜子の方をだ。
神津島ナギサ:「坊――秋果はだいたいあんな感じだよ、いつも」 ためいきをつく。
神津島ナギサ:最初は仲良くしようと思ったのに、何かと避けられている。これでも傷ついているのだ。
神津島ナギサ:「それよりバデバデだよ。あいつ、いきなり襲ってきてこう言ったんだ」
神津島ナギサ:「“折木家のヤツだな”って。」
神津島ナギサ:「……たぶん、分かってて襲ってきたんだ。あたしの事も、秋果の事も」
御剣凌駕:「神津島嬢の、その“家”の人間を狙っているわけか」
弓近いおり:「なんともはや、物騒な話ですねえ。折木家は、この辺りでは名家でしょう?」
遠藤篤美:「だからこそ、なのかも。大きな家だからこそ、何か恨みを抱えられている、そういうものなんじゃないのかい?」
弓近いおり:「ふーむ。確かにそうとも言えますね」
遠藤篤美:「推理小説では大体そういう風に話が進むよ」
神津島ナギサ:「推理小説?」
弓近いおり:(実際、秋果さんは明確に異常を感じとっていたようですし)
遠藤篤美:「横溝正史とか、面白いよ。学校の図書室で探してみるといいよ」
御剣凌駕:「では、あのバデバデ氏の正体は家に恨みを持った人物ということになるな、遠藤女史」
遠藤篤美:「うーん、そうなんじゃないかと、僕は思う。あんなオーヴァードに恨まれるだけの何かって、想像もつかないけど」
遠藤篤美:「もしくは、その手先?」
弓近いおり:「UGNには連絡を取った方が良いでしょうね。もう伝わっているかもしれませんが」
御剣凌駕:「恨みを持った人物に遣わされているという可能性か。バデバデ氏=暗殺者説だな」
神津島ナギサ:「そういえば、お前は殺さないで捕まえるって言ってたんだ。あたしの事」
神津島ナギサ:「捕まえて親玉のところに連れていくつもりだったのかなあ」 コーラを啜る。
御剣凌駕:「神津島嬢を捕まえる?」
神津島ナギサ:「うん」
御剣凌駕:「身代金でも要求するつもりだろうか。……居候ならばあまり高額にはできぬだろうが」
GM:ナギサに対しては、手足の末端、動きを封じる箇所を狙って攻撃していたことを知っています。
GM:また、弓近が見た秋果への一撃の軌道もそうだったことが思い出せるでしょう。
遠藤篤美:「お前はってことは、他の人は殺すってことだよね? 何が違うのかな」
弓近いおり:「生贄にでも」
弓近いおり:「捧げるつもりだったのかもしれませんね」
弓近いおり:「なんちゃって。……でも、ちょっと思い出しますよね、あの攻撃方法は」
神津島ナギサ:「いけっ……!?」
御剣凌駕:「生贄?それでは今度は怪奇小説だな」
遠藤篤美:「ふんふん、邪神崇拝とかそっちの方かな。面白くなっ……いや、失礼」
神津島ナギサ:「……むう」 パンケーキを頬張って考え込む。
弓近いおり:「ううん!」唐突に頭を振って机をたたく。
弓近いおり:「あのね。私から三人に、提案があるんですけど」
御剣凌駕:「どんな提案だ、弓近女史」
神津島ナギサ:「むぐ?」
弓近いおり:「私ね。情報屋としての初仕事が、この町なの」口調を変え、にっこりと無邪気に笑う。
弓近いおり:「折木家と、この町と、この町で起きている事件について。依頼人は言えないけど、私、すごくはりきってるわ」
御剣凌駕:「初仕事か。それは重要だ。音楽も最初と最後が肝心だからな」
神津島ナギサ:うんうん頷く。 「わかるぜ。はじめての時は気合入ったもん、あたしも」
遠藤篤美:「なるほど、初仕事かあ」カフェオレをスプーンで混ぜながら。
弓近いおり:「だから、三人に協力してもらえたらって思うのよ」
弓近いおり:「ナギサちゃんはバデバデさんのこと知りたいでしょう? 御剣くんは、協力してくれたら探し人のことも一緒に調べてあげる」
御剣凌駕:「そういうことならばこの御剣凌駕、親友たちとともに喜んで手を貸そう」
神津島ナギサ:「ふうん。協力したらみんなにトクがあるってことか」
弓近いおり:「遠藤さんは、えーっと・・・」
弓近いおり:困る。ツメが甘いのだ。情報屋にあるまじきあけすけっぷり!
遠藤篤美:「僕も自分で首を突っ込んだんだから、協力してもいいよ。本を開いたからには、先が知りたいしね」
遠藤篤美:「この本、推理小説なのか、怪奇小説なのか、それとも何か他のジャンルなのか。まだわけがわからなくてわくわくするよ」
遠藤篤美:「ね」困っている弓近さんににこりと笑いかけます。
弓近いおり:「やった! ありがとう! 知りたくなったことがあったら、言ってね!」
御剣凌駕:「それではまずはその折木家とやらの調査か?」
神津島ナギサ:「探し人の名前も教えてくれよ。もしかしたら知ってる人かもしれないし」
神津島ナギサ:「でもその口ぶりだと、折木の人間を探してるって感じじゃないよな」 御剣さんに
御剣凌駕:「ふむ。ならば、遠慮なく……と言いたいところなのだが」
弓近いおり:(上手く行きそうだわ・・・! やっぱり私、情報屋の才能あるのかも!)
弓近いおり:あからさまにほくそえむ。
御剣凌駕:「オレが探している人物の名を“ジュリエット”と言ってな。……おそらくはアダ名か何かだろう」
GM:本名ではないので、手がかりは住所だけです。しかし地元の人間の協力があればすぐ見つかるでしょう。
御剣凌駕:「情報屋として何か思い当たることはあるだろうか、弓近女史」
弓近いおり:「ううん、わからないわ」
御剣凌駕:「手がかりはそれだけ。あとは……そうだな。住所と番地くらいしか目ぼしい情報はない」
御剣凌駕:そう言って住所が書いてある封筒を取り出そう。
神津島ナギサ:「なんだ。じゃあ、そこに行けば解決じゃんか」
御剣凌駕:「ム、その手があったか。さすがは現地民だ」
遠藤篤美:「なるほど、この辺りだね」
GM:遠藤さんが地図を調べてみたなら、思い当たることがあります。
GM:友人の家が確かそこにあったはず。長戸ひかりの住所です。
御剣凌駕:「では、一通り事態が収拾したら道案内を頼むとしよう。……何かあったか、遠藤女史?」
遠藤篤美:「……あれ、ここ。知ってる」はたと思いつきます。
遠藤篤美:「クラスメイトの家だ。関係者なのかな?」
GM:もちろんクラスメイトの家の正確な番地までを記憶しているわけではないはずなので、絶対の確証ではないものの
GM:少なくとも、非常に近いということは確実でしょう。
御剣凌駕:「なんというエボリューションだ。奇妙な巡り合わせもあるものだな」
遠藤篤美:「多分……少なくとも近所だ。もしかしたら、何か知ってるかな、長戸さん」
御剣凌駕:「遠藤女史のクラスメイトか。オレが探しているジュリエット嬢は祖父上の知り合いなのだ。まさかその人ズバリということはなかろうが……」
御剣凌駕:「話を聞いてみる価値はありそうだな」
神津島ナギサ:「じゃあ早速……うー」 名残惜しげにドリンクバーを見やってから、首をぶんぶん振る。
神津島ナギサ:「……早速!いこうぜ。早い方がいいだろ、こういうの」
御剣凌駕:「ああ、オレも神津島嬢と同意見だ。兵は拙速を尊ぶ」
遠藤篤美:「そうだね、じゃあ早速行こうか」立ち上がります。
御剣凌駕:「調査がてら近くに寄ったらそのクラスメイトとやらに会ってみてもいいかもしれないな。なあ、ヴェロキラプトル?」ファミレスの通路を見て言う。
神津島ナギサ:「ヴェ?」
神津島ナギサ:そっちを見る。
弓近いおり:「そこに誰かいるの?」 あけすけだ。
遠藤篤美:「ヴェロキラプトル」じっと何もない通路を見て呟きます。
神津島ナギサ:御剣君の視線の先に手を伸ばしてみます。
遠藤篤美:「君の見えない友達は、恐竜ってわけか。なるほど……」首を傾げながら。
御剣凌駕:ナギサの手の先に大きな爬虫類じみた感触がある。
神津島ナギサ:「ふお!?」
神津島ナギサ:「……!?」
神津島ナギサ:「な、なんか居る!」
御剣凌駕:「……驚いた。世界中巡ったが、彼らに触れようとしたのは、そなたが初めてだ」
弓近いおり:「ほんと?」びっくりして近づく。「……!?」 触った途端ぱっと飛び下がる。
御剣凌駕:「で、そなたで二人目だ」
神津島ナギサ:「すごいな……島の外には恐竜もいたんだ」
遠藤篤美:「……へえ。これはすごいや。絶滅したはずの恐竜かあ」ぺたぺたと触ります。
弓近いおり:「普通はいないわ! 」
神津島ナギサ:そういうことで、透明のヴェロキラプトル(らしきなにか)をつんつんつつきながら
御剣凌駕:「……なんともむず痒い気分だ」苦笑しながらその様子を見ている。
神津島ナギサ:ファミレスを出て行きましょうw
神津島ナギサ:会計はしてね!
御剣凌駕:「ああ、そうだ、神津島嬢。彼らは既に絶滅しているし、普通はいない」
神津島ナギサ:「!」
御剣凌駕:「それとファミレスならば、また来ればいい」
御剣凌駕:「さあ、調査に向かうとしよう」
御剣凌駕:ナギサに並んでファミレスを出よう。
遠藤篤美:続いて出ていきましょう。
弓近いおり:スムージーを飲み干し、ひょいひょいと軽い動きで。
神津島ナギサ:(絶滅してるってことは、ヴェロなんとかは世界で一匹だけなのか。かわいそうだな……)
神津島ナギサ:先程よりも優しくヴェロキラプトルを撫でながら歩いて行く。
弓近いおり:(彼は、正体がつかめない相手には迂闊に近づくなって言ってたけど)
弓近いおり:(今回は味方なんだし、良いわよね)

GM:シーン終了です。ロイス取得と調達が可能となります。
神津島ナギサ:-いい奴/御剣凌駕/○誠意/変/ロイス
御剣凌駕:神津島嬢にロイスを。ポジティブは庇護で、ネガティブは不安。ポジティブが表です
遠藤篤美:ロイス、御剣さんに○信頼/不安、神津島さんに○慈愛/不安、弓近さんに○好奇心/不安de
遠藤篤美:で取得します
弓近いおり:同行者/御剣凌駕/面白い:○/危なそう/ロイス
神津島ナギサ:危なそうw
弓近いおり:誰か、何か積極的に必要なアイテムとかあります?
神津島ナギサ:ダイスが貧弱なのでアルティメイド服が積極的に欲しいですが、いかんせん高いので
神津島ナギサ:こちらは余裕があればでOK!
遠藤篤美:アルティメイド服があると嬉しいですがこちらもできたらで!
御剣凌駕:アルティメイド服か。ブラキオサウルスに頼んでみよう
神津島ナギサ:そういうことでアルティメイド服を狙ってみようかな。
神津島ナギサ:2dx=>20
DoubleCross : (2R10[10]>=20) → 6[1,6] → 6 → 失敗

神津島ナギサ:そりゃそうだわい!失敗です。
御剣凌駕:6dx+1>=20
DoubleCross : (6R10+1[10]>=20) → 9[4,5,7,7,9,9]+1 → 10 → 失敗

御剣凌駕:ブラキオサウルス、メイド服持ってないって。
神津島ナギサ:ウーム
遠藤篤美:そっかー
神津島ナギサ:ありがとうブラキオサウルス・・・その気持ちがうれしいよ(撫でる
御剣凌駕:やはり所詮ソラピュアでない私ではこの程度……
遠藤篤美:では、アルティメイド服を《無形の影》使用で購入試します。
遠藤篤美:7dx+1=>20
DoubleCross : (7R10+1[10]>=20) → 5[1,1,2,2,3,5,5]+1 → 6 → 失敗

遠藤篤美:ぜんぜんだめ
遠藤篤美:侵蝕率3上昇
弓近いおり:購入弱者どもめ~~~っ!
弓近いおり:ウオオーッ! コネ:手配師と《アクティベイト》を使用してやる! ここまで来たら、メイド服を手に入れらずんば!
神津島ナギサ:や、やめろ弓近!お前の侵蝕率が!
弓近いおり:出目良かったんだよね・・・
弓近いおり:4dx+12
DoubleCross : (4R10+12[10]) → 6[2,4,6,6]+12 → 18

弓近いおり:財産2消費! ゲット!
GM:遠藤さん、無形の影は侵蝕率4ですね
GM:あ、でもEA適用前は違ったんだっけ。当然のようにEA環境だとしてやっちゃってるからな最近……
遠藤篤美:あ、Rバランサー取得してるので-1させていただいてます
神津島ナギサ:そんなもんが!
遠藤篤美:先に言えば良かった
GM:なるほど!理解しました!
GM:Rバランサー、なかなか珍しいエンブレムを……
遠藤篤美:侵蝕率が怖かったんだもの
弓近いおり:というわけで、ナギサちゃんにあげます、アルティメイド服
神津島ナギサ:ありがとうございます。ピュアサラの宿命として精神が2しかないので大変助かります。
神津島ナギサ:誰かボディアーマー居る人!
神津島ナギサ:いなければ行動値が遅くて殴られやすそうな凌駕さんへ贈呈します。
御剣凌駕:ありがたくもらいましょう。
神津島ナギサ:譲渡!
御剣凌駕:装着!

■Middle/03

GM:それでは合流を果たしましたので、それぞれ自由行動が可能なシーンです。
GM:自由と言っても、ここまでの状況である程度の行動フックは出してきたつもりなので
GM:キャラクターの行動方針の参考にしてみてください。
GM:御剣さんは、ジュリエットとの邂逅と、その謎を探ること。
GM:神津島さんはUGNや真夜子への事件報告など。
GM:遠藤さんは透明な男のことを思い出してもいいし、お友達と遊んでもいい。
GM:弓近さんも、依頼人である秋果くんの不審点を全て解き明かしたわけではありません。
GM:その他、やりたいことがあれば情報収集が可能。
GM:そして先ほど合流が終わったため、他の人の調査などに同行するのも問題なし!
御剣凌駕:やったぜ
GM:登場希望者は侵蝕率を上げるのだぞ
GM:相談もありだ!
神津島ナギサ:出ます。弓近さんと一緒に折木の本家へ。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:56->66)
神津島ナギサ:はわわわ
御剣凌駕:登場します。
御剣凌駕:50+1d10
DoubleCross : (50+1D10) → 50+3[3] → 53

遠藤篤美:64+1d10
DoubleCross : (64+1D10) → 64+10[10] → 74

遠藤篤美:ぎゃー!?
弓近いおり:54+1d10
DoubleCross : (54+1D10) → 54+3[3] → 57

折木本家

GM:弓近いおりへの依頼者。襲撃者“バーデンバーデン”の標的。
GM:そして神津島ナギサの後見人でもあり……彼女にとって、UGNとの仲介でもある。
GM:一連の事件のキーになっているのは、この旧家、折木家であることは間違いない。
GM:入る者を威圧するような巨大な門が聳える。いつもは、ナギサが一人で潜る門だ。
弓近いおり:「立派なお家ですねー……」小声でこそこそと。
御剣凌駕:「大した邸宅だ。よほどの名家なのだろうな」感嘆の溜息を漏らす。
GM:作りは御剣家に少し似ているかもしれません。しかし、都心にこれだけの土地。
GM:尋常な資産ではないのでしょう。
神津島ナギサ:「デカけりゃいいってもんじゃないよ。恨まれたり怖がられたりしそうだし」
遠藤篤美:「外から見たことはあるけど、中に入るのは初めてだな」
神津島ナギサ:「……お嬢さんにも説明しないとなぁ」 小さく呟いて肩を落とす。
御剣凌駕:「……気が進まないのか」ナギサを見る。
神津島ナギサ:「ん……うん」
御剣凌駕:「ふむ……」なんとなく、その様子から察する。
遠藤篤美:「……わからないではないね」真夜子の様子を思い出しながら。
遠藤篤美:自分が気圧されるのは、なかなかないことだ。あのプレッシャーを日常的に受けているのだとしたら。
弓近いおり:「…………」一瞬、不機嫌そうに目を細める。
GM:4人が連れ立って入るならば、玄関に続く石畳と広大な庭園が迎える。
御剣凌駕:「神津島嬢。今言うことでもないが……」
御剣凌駕:「ヴェロキラプトルは、そなたのことを気に入ったそうだ」微笑んで、言う。
神津島ナギサ:「ほんと!?」
御剣凌駕:「ああ、本当だとも」
神津島ナギサ:「そっかあ。えへへへ……そっかぁ」
神津島ナギサ:ヴェロキラプトルが居そうなあたりを撫でると、ざらざらした心地よい感触が返ってきて頬が緩む。
御剣凌駕:「いつでも撫でてやってくれるといい。彼らは……この世界で一人ぼっちなのだ」
神津島ナギサ:「寂しいのかな、やっぱり」
神津島ナギサ:「それとも御剣がいるから寂しくないのかな」
御剣凌駕:「さあ、それは考えたこともなかった」
御剣凌駕:「だが、初めて会った時、こいつらは悲しんで泣いていたのだ」
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:ヴェロキラプトルを撫でる。
神津島ナギサ:「もう大丈夫だぞ。御剣もいるし、あたしもいるからな」
御剣凌駕:「だからやはり、そなたがいてくれて、喜んでいるのは確かだと思う」
御剣凌駕:「少しは気が楽になったか、神津島嬢?」
神津島ナギサ:「……あ」
神津島ナギサ:「うん……すごく楽になった」
御剣凌駕:「それは何よりだ」
神津島ナギサ:お礼を言いなれていないので、ぼそぼそと何かしら呟いて本家に向かう。
GM:敷地内は常に静寂に包まれている。
GM:今の時代ではそういうものを雇うことはないのか、ナギサも使用人の類は見たことがなかった。
GM:……そして玄関と門を結ぶ中ほどには、不気味なほどに鮮やかなクスノキが生えている。
折木真夜子:「――おかえりなさい」背を向けている。
折木真夜子:「ナギサ」
神津島ナギサ:「!」 びくっとする。
御剣凌駕:ナギサの少し後ろに立っていよう。
神津島ナギサ:「ただいま。お嬢――」
GM:夜の闇に溶けるように、黒髪がサラサラと揺れている。
GM:ナギサがこんなに遅い時間に帰宅したのは、はじめてのことだった。
神津島ナギサ:「……真夜子さん」
折木真夜子:「……無事だったのね。嬉しいわ」
折木真夜子:他の3人に声をかけることもなく、ナギサに近づき、
折木真夜子:額を撫でる。
神津島ナギサ:「え?」 怒られるか嫌味を言われるかだと思っていたので、ぽかんとする。
神津島ナギサ:「ん……」
折木真夜子:「あなた達が連れてきてくれたのね?」そこで初めて3人を見る。
折木真夜子:完璧な微笑みだ。その裏の感情を悟らせることのない。
神津島ナギサ:「ほんとに色々あってさ。何から説明すればいいか……」 3人と真夜子さんを交互に見る。
御剣凌駕:「ええ。どうやらご心配をおかけしたようで。その点に関しては詫びさせていただきましょう」
遠藤篤美:「こんばんは。折木真夜子さん」軽く頭を下げます。
弓近いおり:「はじめまして、折木さん。今回はナギサさんに助けて頂いたんです」
折木真夜子:「……」遠藤とは顔見知りのはずだが、特別に声をかけることもない。
遠藤篤美:「……どちらかというと、僕たちが神津島さんに連れてきてもらった形、かな」
遠藤篤美:こちらもあまり気にはしていない。
折木真夜子:「そう」誰の言葉に答えたというわけでもない。気のない返事だ。
折木真夜子:「今日はありがとう。少ないですけれど、お礼をさせていただきます」
折木真夜子:3人に、一通づつ薄い封筒を渡す。
御剣凌駕:「結構だ。オレはそれのためには動きません」
御剣凌駕:手を出さず、腕を組んで立ったままだ。
折木真夜子:「ナギサ。お話、聞かせてもらえるわよね?」手を引くことすらせず、瞳で後をついていくよう強要する。
折木真夜子:他の3人にはもはや意識を払っていない。
神津島ナギサ:「う。お、おう。そりゃもちろん」
神津島ナギサ:不安げにヴェロキラプトルを撫でてついていく。
神津島ナギサ:事件の説明とあれば、UGN関係者がいてもおかしくないだろう。三人にもめくばせする。
折木真夜子:折木真夜子は邸宅へと戻る。
遠藤篤美:「悪いけど、特にいらない……っと」断ろうとしたところ、さっさと行かれてしまう。
御剣凌駕:当然のようにナギサについていこう。
神津島ナギサ:もとい、いっしょに説明してくれる人がいたほうが心強いのだ。
遠藤篤美:「ねえ、折木さん。僕、別にこれいらないんだけど」小走りで追いかけていきます。
弓近いおり:封筒を手に取って透かす。(おかしな家だわ)

折木本家 邸内

GM:4人は日本家屋の邸内に立っている。結果的に、ナギサが招き入れた形になっている。
GM:折木真夜子は少なくとも歓迎していない。存在すら無視されるかもしれない。
弓近いおり:封筒は玄関の端に置いておこう。素性も知らぬ金を貰うほど暢気な教えを受けてはいない
遠藤篤美:封筒に『申し訳ないけどお返しします』と書いて、その辺に置いておきます。
神津島ナギサ:真夜子さんは自分に対して説明を求めた。自分でも飲み込めていない状況を一から順番に説明していく。
神津島ナギサ:曖昧なところや言葉に詰まったら他の3人に補足してもらったりだが、真夜子さんがそれを聞いているかは分からない。
弓近いおり:ときどき補助を入れつつ、家の中や真夜子の様子を観察している。
神津島ナギサ:「そいつ……バデバ、いや、“バーデンバーデン”は折木の人間を狙ってるみたいだった」
遠藤篤美:ナギサの言葉に聞き入りながら、時折助け舟を入れたりしています。
神津島ナギサ:「しかも手当たりしだいなんだ。あたしの次は偶然居合わせた秋果を」
神津島ナギサ:「……真夜子さんも危ないかもしれない」
折木真夜子:「そう。大変だったのね」ナギサを抱きしめ、毛づくろいのように首筋を撫でる。
神津島ナギサ:「ひゃ」 びくん!と肩をふるわせる。
折木真夜子:「UGNの人たちには、私の方からもしっかり言っておくわ」
折木真夜子:「……ナギサ。あなたが怪我をしたら、本当に悲しいもの」
折木真夜子:「私のお友達だもの。そうでしょう?」
神津島ナギサ:「……あんな冗談を言われたから、てっきり真夜子さんには嫌われてると思ってた」
折木真夜子:「嫌われてる?どうして?ふふふふふふふ」
神津島ナギサ:「あ、ありがとう。心配させてごめん」
折木真夜子:「いつも、ナギサの事は大好きよ。わからないのね?」
弓近いおり:「ごめんなさい、ナギサさん」 真夜子さんの言葉を断ち切るようなタイミングで。
折木真夜子:「……」死人のような目で、弓近を見る。
神津島ナギサ:なんと返そうか口をパクパクさせていたところで、その言葉に助けられる。
弓近いおり:「実は、少し緊張してしまって。お手洗いって、どこか分かりますか?」
神津島ナギサ:「……あ、あー。えっと、出て真っすぐ行って左に三回くらい曲がったところ」
弓近いおり:死人の目に似ている、と、折木さんに視線を返して思う。
弓近いおり:こちらを認識している。異物として。
弓近いおり:「えっと・・・案内してもらえますか?」
神津島ナギサ:「あ、ああ。広いもんな。わかりにく……」
折木真夜子:「ナギサ」耳元で囁く。
折木真夜子:「ここにいるわよね?」
神津島ナギサ:「う」
折木真夜子:他の3人には聞かせないような小声で。
弓近いおり:「一人だと、どこに行ったら良いのか、迷ってしまうかも」
神津島ナギサ:「……えっと、ほら。真夜子さんを守る人が必要だから」
折木真夜子:天使のように微笑んで、膝の上に座らせたナギサの髪を撫でる。
神津島ナギサ:「ちょっと行けないかな……大丈夫。迷わねえって!」
弓近いおり:「分かったわ、頑張って行ってみます」
遠藤篤美:「……気をつけてね」小声で。
御剣凌駕:学生服の腰に挿したフルートに体を預けるようにして悠然と立っている。
弓近いおり:部屋を出る。遠藤さんと御剣さんに簡単にアイコンタクト。
御剣凌駕:「こちらは大丈夫だ。行ってくるといい、弓近女史」
弓近いおり:「よろしくお願いします、二人とも」
御剣凌駕:無言で頷く。
GM:では、3人は客間に残ることになる。通報を受けたUGNもじきに駆けつけるだろう。
GM:そして、弓近いおりは一人で折木本家内を探る。

弓近いおり:(考えが読めない相手には二択を取らせればいいって、彼は言っていたわ)
弓近いおり:(「私を一人で邸内を歩かせること」と「ナギサちゃんを連れていくこと」)
弓近いおり:(あの子は、私を一人で歩かせることを許した)
弓近いおり:家の中に、他に人はいますか?
弓近いおり:普通に歩いているだけでは、見つからない?
GM:他に人はいません。さすがに資産家なだけあって、長い廊下も旅館めいて光が灯り、見通しは良い。
GM:けれどいくつかある部屋のほとんどに人の気配はありません。
GM:もしかすると、この広い邸宅内に折木真夜子一人しか住んでいないのではないかと錯覚を起こすほどの静寂。
弓近いおり:(ナギサちゃんに、普段はどうやって暮らしてるのか、聞いておけばよかった)
弓近いおり:(誰もいないみたい。……『怪物』はどこ?)
折木秋果:「ポップ・レクイエムさん」背後から、囁くような声。
弓近いおり:「!」 瞬時に袖からナイフが出現。低い姿勢で旋転し、距離を取って振り返る。すべて無音。
折木秋果:「……!」こちらも反射的に、両手を小さく挙げている。
折木秋果:「声」
折木秋果:「こ、声でわかってください。僕です。……その、ごめんなさい」
弓近いおり:「秋果さん。あ、ごめんなさい」 ナイフを仕舞う。
弓近いおり:「びっくり。人がいたわ」
折木秋果:「さっきは逃げてしまって……やっぱり、僕に偉そうな態度なんて、無理だ。ダメだ」
弓近いおり:「別に良いわ。私も、必要がなければ余計なことはしないようにしたし」
折木秋果:「それに僕のせいで、ナギサにあなたのことがバレた」
折木秋果:「暗殺なんて……これじゃ、おしまいだ」片手で顔を覆う。
弓近いおり:「そんなことないわ。ナギサさんとは仲良くなったし……真夜子さんとも。あの人、あれが普段なの?」
弓近いおり:「……どういうこと?」
折木秋果:「……正体が割れてても、殺したり探ったりできるんですか?」
折木秋果:「それにあの感覚……ワーディングだ。僕が狙われてるってことは」
折木秋果:「最初から、計画がバレてるってことじゃ……」
弓近いおり:「……もしかしてと思ったけれど」
弓近いおり:「暗殺対象って、あの二人のどちらかだったりするの?」
折木秋果:「わからないって言ったじゃないですか!どうして家がおかしいのか、僕だって!」叫ぶ。
折木秋果:「……っ、違う……本当は……僕だって薄々、姉様を……でも、そんなこと……」
弓近いおり:「ならいいわ。お友達になった人を殺すのは、出来るけどやりたくないし」
弓近いおり:「……姉様?」
折木秋果:「姉様がそんなことするわけない……」小さく呟く。
弓近いおり:「真夜子さん? 他の人のことなんて、どうでもいいみたいだったわね」
折木秋果:「……そういう人です。反抗的な態度を取ったんでしょう、あなたなら」
弓近いおり:「人のことをなんだと思っているのよ。ぷんぷん」と言いつつ「先に挑発してきたのはあっちだわ」
折木秋果:「そういう人間は『いない』んです」
折木秋果:「折木に対して、何かを命じたり、馴れ馴れしく近づくような人間は」
弓近いおり:「『いない』」繰り返す。「そうね。そういう対応だったわ」
折木秋果:「……僕だって。僕だってそういう態度を取らないっていえば嘘になりますよ」
折木秋果:「でも姉様は僕なんかよりもずっと出来がいい。優れた人間なんです」
折木秋果:「折木の家に……的の『真ん中』があるとして、僕は『端』です」
弓近いおり:「なら、普段通りってわけね」
折木秋果:「失礼な態度は、やめたほうがいいですよ」
折木秋果:「情報屋でも……商売とか、やるつもりなんでしょう。僕らみたいなのが依頼人だったらどうするんですか」
弓近いおり:「撃ち抜く方に関係はないわ」
折木秋果:「殺し屋なら、そうですね」引きつった笑い。
折木秋果:「……逃げずにやるつもりですか」
弓近いおり:「不思議だから逃げるのは、殺し屋じゃないわ。まして情報屋なら尚更」
弓近いおり:「調べた結果、手に負えないと、危険だと分かったら、逃げるのも選択肢だけれど」
弓近いおり:「それで。端っこの秋果さんは、この家の現状のどこに『異常』を感じてるの?」
弓近いおり:(正直なところ、今でも十分異常に見えるけれど)
折木秋果:「……最初の依頼で言いましたよね」
折木秋果:怯えたように周囲を見回す。監視の目がないかどうか確かめている。
折木秋果:「『早贄事件』は連続殺人事件だって」
弓近いおり:誰もいないのに・・・
弓近いおり:「……被害者がいるの?」 出来るなら、周りに何らかの盗聴などがないか知りたい。
折木秋果:「信じてもらえないかもしれないですけど……父様が消えてから少し経って」
折木秋果:「今は使っていない……折木の別宅に、出入りがあったことに気付いて」自分の手を見る。震えている。
折木秋果:「…………どうして見ようと……思ったのか……物置の中で……」
弓近いおり:何も感じない。折木さんの反応から反響するように、彼が警戒する何かを感じようとしている。
折木秋果:「……」
弓近いおり:「落ち付いて」
折木秋果:「…………逃げた後、確認しようと戻った時には」
折木秋果:「もう早贄はありませんでした。だから、証拠もまったくない……」
折木秋果:「けれど、僕の家の近くにそいつがいて、たぶん、まだ殺している」
折木秋果:「『早贄事件』の犯人は捕まっていないですから」
弓近いおり:「『早贄事件』……」
弓近いおり:「確かにそれなら、犯人か誰かの仕業ってことになるわね」
折木秋果:「ふふふ!あ、呆れたでしょう……!」
折木秋果:「信じてもらえる確証もないし、対象も漠然としているし、そもそも僕はエレイソンの依頼人じゃない!」
折木秋果:「全部が全部フニャフニャしていて、偽物だ。でも……」
折木秋果:柱によりかかるように、額を預ける。
折木秋果:「…………こんな……僕だけが、おかしな事を知っていて」
折木秋果:「頼れる人間なんて、他に思いつかなかったんだ……」
弓近いおり:「…………」
折木秋果:「……………。依頼は……取り下げます。もう、危険な事をする必要はないです」
弓近いおり:「ジ・エレイソンは依頼人を選ぶ殺し屋だったわ」
弓近いおり:「もちろん、彼にはそれだけの力があったし、逆に・・・・・・依頼を選ぶからこそ、そこまで力を持てたのだ、っとも言っていたわ」
弓近いおり:「彼はタフで、ハードボイルドで、リアリストで、あとなんかもうとにかくすごい完璧だった」
弓近いおり:※弟子の欲目が入っています
弓近いおり:「嘘をつかないこと」
弓近いおり:「それが、彼が依頼人に求める最低限の条件」
折木秋果:「……失格ですね」
弓近いおり:「そうね。依頼を取り下げるっていうなら、私はこの仕事から退かざるをえないわ」
折木秋果:「僕は嘘をついて、あなたに協力させようとした」
弓近いおり:「そうだわ」
弓近いおり:「その依頼は今、この時をもって、破棄する。――それで、どうするの?」
弓近いおり:「あなたは焦ってて、怖がっていて、肝心なことは何も分からなくて、そのくせ変なところは知っていて、しかも命を狙われているっぽいわ」
折木秋果:「…………」
弓近いおり:「ところでこれは雑談なのだけれど、目の前に、世界最高の殺し屋の唯一の弟子にして、これからバンバン名声を高めていく(予定の)素敵な情報屋がいるわ? それも、今ちょうど仕事がなくなってフリーになったみたい」
折木秋果:「僕は……」
折木秋果:「僕は正当な手段で解決したい……」
折木秋果:「騙したままなら、さっきみたいに、ポップ・レクイエムさんが代わりに傷ついた時――」
折木秋果:「罪悪感とプライドに押しつぶされそうになるんだ」
弓近いおり:「そこは別に、気にするところではないのだけれど」
折木秋果:「……自分がそういう人間だって、はじめて分かった。だから、やっぱり駄目だ。依頼はできない」
弓近いおり:「…………そう」
折木秋果:「依頼は破棄……だ」
折木秋果:「無理を言って悪かったよ。……ごめんなさい」
折木秋果:「……じゃあね、ポップ・レクイエム」
弓近いおり:大きな溜め息をつく。「…………そ」
GM:折木秋果は、そのまま廊下の奥へと歩いていく。
弓近いおり:「殺し屋に依頼をするには、少し、いいひとすぎたわ」
弓近いおり:特に追いません。殺し屋は、依頼を受けなければ動かない。
GM:では、弓近さんのパートはここで終了。視点を3人に戻します。
弓近いおり:はいな! 長々と失礼

GM:弓近の単独行動中。3人は居間でUGN到着を待つ。
GM:他には折木真夜子のみだ。茶を差しいれる使用人すらいない。
神津島ナギサ:正座してそわそわしている。こんな時に小粋なトークで場を和ませるテクなど持ちあわせていない!
御剣凌駕:学生服の腰に挿したフルートに体を預けるようにして黙って立ったままだ。
折木真夜子:穏やかに目を閉じ、背中から抱きかかえるようにナギサの髪を撫でている。
遠藤篤美:じっと座ったまま、周囲を観察しています。
神津島ナギサ:御剣と遠藤がよく見ると、ナギサの手がかすかに震えているのが分かるかもしれない。
神津島ナギサ:狭い島で育った元・巫女。色々な事があった。もちろん、他者に体を触れられる事にはあまり慣れていない。
神津島ナギサ:「う、う~……」
御剣凌駕:そんなナギサの様子を見て、一歩前に進み出よう。
御剣凌駕:「――差し出がましい口を利くようだが」
御剣凌駕:「どうやら神津島嬢は困っている様子だ。そこまでにしておくとよかろう」
遠藤篤美:おや、と目を見開いて凌駕さんを見上げます。
折木真夜子:「……」
折木真夜子:沈黙したままだ。無視をしている。
御剣凌駕:「沈黙は肯定と受け取ってよろしいのかな」
御剣凌駕:もう一歩前に出る。
折木真夜子:「困らないわよね?ナギサ?」後ろから囁く。
神津島ナギサ:助けを求める視線を御剣と遠藤に送る。自分からは強く言えないのだ。
神津島ナギサ:「あ、う……えっと……」
遠藤篤美:「そうか、困ってたんだ。どういう感情なのかなと思ってた」頭を掻きながら。
御剣凌駕:「困っている、というのも随分穏当な表現をしたつもりではあるがな」遠藤女史に言う。
遠藤篤美:「ずいぶん複雑な感情、という感じではあるよね」頷き返します。
御剣凌駕:「――神津島嬢」ナギサのそばに手を差し出す。
遠藤篤美:あっ、ナギサさんの影に《シャドウダイバー》使用します。感情を読み取りたい。
神津島ナギサ:そうですね。表層には真夜子さんに対する恐れや嫌気があって、嫌っているように見えます。
神津島ナギサ:でも底の方には親愛の情。仲良くしたいという気持ちが眠っている。
遠藤篤美:侵蝕率2上昇します。
遠藤篤美:そっと移動して影が重なるような位置に来て、目を細めます。
遠藤篤美:「神津島さん、僕が口出しするようなことかはわからないけど。君の気持ち、とても興味深い」
遠藤篤美:「いつか、自分で気付けて、自分で言えるといいね」
神津島ナギサ:「え?え?」
折木真夜子:「……」
御剣凌駕:ナギサに手を差し伸べたまま篤美の言葉を聞く。
神津島ナギサ:遠藤の言っている事も真夜子さんの言っている事もわからず、心細げに御剣の手を握る。
折木真夜子:「……。その人の方が好きなのね?ナギサ」
御剣凌駕:ナギサの手を取って優しく真夜子の体から引き離そう。
神津島ナギサ:「あっ」
神津島ナギサ:複雑な表情を真夜子さんに見せながら、それでも御剣の手にひかれるままに離れる。
御剣凌駕:「折木女史。オレは神津島嬢の友人です」
折木真夜子:「……っ」僅かに手を伸ばすが
折木真夜子:追うことはない。表情を崩さず、座り込んだままだ。
御剣凌駕:手を離し、一度頷いて見せてからナギサを一人で立たせよう。
神津島ナギサ:「……」
遠藤篤美:「真夜子さん。君は死体にずいぶんご執心だったけど、彼女は生きている人間だよ」
遠藤篤美:「だから君も彼女が好きなんじゃないの? 僕が言いたいのは、それだけ」
御剣凌駕:「そなたも、彼女の友人ならば、もう少しだけでも彼女の気持ちを考えてやるのがよいのではないかな」
折木真夜子:「……そうなのでしょうね」
折木真夜子:「そうやって、私の大事なお友達を奪っていくといいわ?」
折木真夜子:「ナギサがほしいのなら――ご自由に、どうぞ」
神津島ナギサ:「ま、待って」
神津島ナギサ:「あたし、そうじゃなくてさ、その……真夜子さんとはちゃんと……」
???:「――何?」
???:「敵の襲撃って聞いたけど。随分のんびりしてるねえ」
GM:少女の声。部屋の隅……3人の後方の暗がりからだ。
神津島ナギサ:「!?」
小島聖:「遅くなってごめんね」遠藤とナギサは知る顔だ。
小島聖:パーカーにヘッドホンを身に付け、気怠げに佇んでいる。“インターローパー”の小島聖。
御剣凌駕:「新しい客人かな」
小島聖:「あたしは“インターローパー”。君は?」御剣に視線を向ける。
御剣凌駕:「御剣凌駕。竜の道を行く者だ」
遠藤篤美:「やあ、どうも」軽く会釈をして挨拶します。
神津島ナギサ:「いろいろあって協力してもらってるんだ。その、ヴェロキラプトルもいる」
小島聖:「ヴェロキラプトル」ガムを口に放り込む。
御剣凌駕:「ヴェロキラプトルの話は……しなくてもいいと思うが……」
小島聖:「ふーん」
神津島ナギサ:「う……ご、ごめん」
御剣凌駕:「あ、いや。謝ることではない」
白川真尋:「……オーヴァードには色々な能力形態があるから」
白川真尋:「気にしなくていいわ。ナギサちゃん。彼もそうなのよね?」
神津島ナギサ:「白川!」 ぱあっと笑顔になる。
白川真尋:「遅くなりましたね、折木真夜子さん。“ヒスタッチ”到着しました」
折木真夜子:「……お構いなく」
折木真夜子:「ナギサのことは、守ってあげられなかったのね?」
神津島ナギサ:「え?」
神津島ナギサ:真夜子さんとエージェント達を交互に見る。
折木真夜子:「――なぜ、UGNのあなた達が、ナギサを護衛していないの?」
白川真尋:「……」眉をひそめる。
白川真尋:「……今後は、このような事のないようにします」
神津島ナギサ:「だ、大丈夫だよあたしは。一人でもなんとかなったし、ぐうぜん弓近達とも協力できたし」
御剣凌駕:「……こちらはこちらで、なかなか複雑な関係のようだ」白川と真夜子を見て肩をすくめる。
小島聖:「弓近って、今いない奴のことだよね」重い場の空気に無頓着だ。
小島聖:「誰?」御剣にひそひそと尋ねる。
御剣凌駕:「弓近いおり女史。情報屋をしているそうだ。目下のところ我々と協力関係にある」聖に答える。
御剣凌駕:「彼女も、そろそろ戻ってくる頃合いなのではないかな」
小島聖:「傭兵かあ。じゃあそいつが敵に回っててもおかしくなかったなー」
神津島ナギサ:「む、むむぅ……」
御剣凌駕:「いや、それが彼女も存外邪悪な性質というわけではなさそうだ。職業柄、依頼が最優先ではあるのだろうが」
白川真尋:「支部長には私達からも詳しく報告しておいたから」ナギサの頭を優しく撫でる。
神津島ナギサ:心地よさそうに撫でられます。白川は信頼している。
白川真尋:「ナギサちゃん、篤美ちゃん」
神津島ナギサ:「ん」
白川真尋:「あなた達はこの敵には、手を出さないほうがいいわ」
遠藤篤美:「手を出さない方がいい? なんでかな」
神津島ナギサ:「……なんで?」
神津島ナギサ:「例の事件の犯人かもしれない。それに、折木を狙ってるって事は真夜子さんが危ないかもしれないんだろ」
白川真尋:「折木さんにも注意を受けたでしょう?経験の乏しいあなた達では、特に危険よ」
神津島ナギサ:「むう……」
白川真尋:「大丈夫。この件は正規エージェントが当たるわ」
白川真尋:「うちの支部、人材は足りてるから」
弓近いおり:「あら。人が増えてますね」 ひょこっと襖の影から顔を出す。
小島聖:「おっ」そちらを見る。
御剣凌駕:「噂をすれば。彼女が、くだんの弓近女史だ」聖に言う。
弓近いおり:「はじめまして。……ああ、UGNのひとですね?」
白川真尋:「……こんばんは。湯津町支部の“ヒスタッチ”です」
小島聖:「“インターローパー”」
御剣凌駕:「御剣凌駕。竜の道を行く者だ。……いや、オレが挨拶する必要はないか」
神津島ナギサ:「挨拶は何度してもいいんじゃないか。その竜の道ってかっこいいし……」
御剣凌駕:「ム、そうか……」ナギサに言われて少し戸惑う。
弓近いおり:「情報屋をはじめさせていただきました。《ポップレクイエム》弓近いおりです」
小島聖:「情報屋?ふふ!」
小島聖:「まさか、タダでこんなとこにいるわけじゃないよね?誰に雇われてるわけ?」
弓近いおり:「それは仕事上の機密です……と、言いたいところなのですが」
弓近いおり:「御三方にはごめんなさいなのですが、つい今しがた、依頼人から依頼取り下げの連絡が入ってしまって」
遠藤篤美:「おや」
御剣凌駕:「ふむ、それは」考え込むようにする。
弓近いおり:「そうなんです。いくら私が新米とはいえ、勝手な依頼人もいると思いませんか?」
弓近いおり:ぷりぷり怒っている。
小島聖:「ふーん」
神津島ナギサ:「初仕事で、気合入れてたんだよな。弓近」
神津島ナギサ:「かわいそう……」
弓近いおり:「もっと同情してください。えっと、およよよー」泣き崩れる真似。
小島聖:「や、いいよ。この中の誰かの雇われじゃないってことさえわかればさ」
小島聖:「こっから機密に触れる話もするから、同席はどうかなーって。思っただけ」
白川真尋:「ちょっと小島さん、言い方……!」
御剣凌駕:「では、弓近女史の仕事はここで終わりということになるのかな?」
弓近いおり:「はい。今回は、最低限の協力と証言だけさせて帰ろうかなと」
遠藤篤美:「しかしそうなると、全員手を引くことになっちゃうね。せっかくファミレス行ったのに」
神津島ナギサ:「!」
御剣凌駕:「いや、オレは調査を続けよう」
神津島ナギサ:「あ、あたしも!御剣のこと、手伝うよ。“ジュリエット”」
神津島ナギサ:「だろ?せっかく……ドリンクバーも行ったんだし。手伝わせてくれよ」
折木真夜子:「!!」
白川真尋:「!」
小島聖:「……」
神津島ナギサ:「……?」
御剣凌駕:「気持ちは嬉しいが怖いお姉さんがたがなんと言うか」
神津島ナギサ:「あ、あれ……?」 周囲を見る。
御剣凌駕:そちらを見る。
小島聖:「……いや」
小島聖:「いいんじゃない?……敵とドンパチやるわけじゃなきゃ」
小島聖:「自由にしてやるのがナギサちゃんのため、だろ?“ヒスタッチ”」
白川真尋:「……」複雑な表情をしている。
御剣凌駕:「ドンパチは……まあ、極力控えよう」
神津島ナギサ:てっきりドリンクバーに行った事を叱責されると思ったので、御剣の横で心細げにする。
弓近いおり:「(何か、空気が変わったかしら?)」
遠藤篤美:「そっか、ジュリエットの件があったっけ。せっかくだしそっちは手伝うよ」
御剣凌駕:「ああ、そうだな。申し訳ないが、遠藤女史には例の住所までの案内だけでもお願いしたい」
GM:暗く得体の知れない先ほどまでの緊張とは別種の、鋭い緊張が場を満たしている。
GM:白川真尋が口を開く。
白川真尋:「……分かったわ。まずは、御剣さんと弓近さんを見送りに出ましょう」
白川真尋:後ろの真夜子を見る。「……私達で」
折木真夜子:目を閉じたまま、正座を続けている。膝の上にナギサはいない。
御剣凌駕:「部外者はここで退場というわけか。仕方あるまいな」
神津島ナギサ:真夜子さんに申し訳なさそうな視線を送る。
神津島ナギサ:「明日はあたしも手伝うからな、御剣!絶対だから!」
御剣凌駕:「ああ、期待している。また明日だ」
弓近いおり:「何かありましたら、こちらに連絡を。弓近庵をご贔屓に」名刺を、三人とUGNに渡していく。
御剣凌駕:「これは助かる。日本には情報屋のツテがなくてな」
弓近いおり:ナギサさんに名刺を渡す時に、こっそりと耳打ちしたい。
神津島ナギサ:「?」
弓近いおり:「もし、秋果さんに何かあったら、連絡貰えると嬉しいわ」
神津島ナギサ:こくんと頷く。
神津島ナギサ:「うん。まかせろ」
弓近いおり:「良い子。また会うときがあったら遊びましょ」
神津島ナギサ:「……またファミレス行こうなー」
弓近いおり:「ええ。それでは皆さん、また縁があったら」
御剣凌駕:「では、行こうか。弓近女史」
御剣凌駕:立ち去る間際、ナギサに言おう。
御剣凌駕:「神津島嬢。例え見えなくても、ずっとそばにいる。だから何も心配することはない」
神津島ナギサ:「ずっとそばに?」
御剣凌駕:「ああ。離れ離れでも、そなたが一緒にいたいと思うならずっとだ」
神津島ナギサ:「……うん、一緒にいたい。恐竜もいっぱい撫でたい」
神津島ナギサ:「御剣の話をもっと聞いてみたいんだ」
御剣凌駕:「オレも話したいことなら山ほどある。なんせ世界中回ったからな」
神津島ナギサ:「ほんとか!じゃあ明日、またいっぱい聞かせてくれよ!」
御剣凌駕:「ああ、明日だろうと明後日だろうと。いくらでも聞かせてやる」
神津島ナギサ:「ふふー。そっか。ありがとう、御剣」
御剣凌駕:「まだ何も、礼を言われるようなことはしていないさ」
御剣凌駕:それだけ言って立ち去ろう。

GM:では、ナギサと遠藤のみが簡潔なブリーフィングのために邸内に戻る……
GM:……その途上。
白川真尋:「……ナギサちゃん。篤美ちゃん」
白川真尋:「落ち着いて聞いてほしいの」
神津島ナギサ:「ん。なんだ?白川」
遠藤篤美:「……何かな」
GM:折木家の庭は広く、戻るまでには怪しまれない程度の時間はある。
白川真尋:「あなた達に……“敵”に接触してほしくないのは、身の安全だけが理由じゃないわ」
神津島ナギサ:「……?」
白川真尋:「折木家は、私達の支部の設立にも関わった、最大のスポンサーだという話は知ってるわね」
遠藤篤美:「そうらしいね」
神津島ナギサ:「ああ。それくらいは」
白川真尋:「――だから、仮に折木家が、UGNの目に隠れて何かの……動きを見せたとしても」
白川真尋:「私達正規エージェントが公然と捜査することは、困難なの」
神津島ナギサ:「……え、え」
遠藤篤美:「そういう様子があるの?」片眉を上げます。
白川真尋:「ナギサちゃん。本当に、ごめんね……あなたの命だけは、いつも、一番に考えているから」
神津島ナギサ:「折木の連中が何か悪さをしてる……って事か……!?」
白川真尋:両手で握るように、ナギサの手を取る。
神津島ナギサ:「……あたしも」
神津島ナギサ:「あたしも皆の役に立ちたいんだけどな……」
白川真尋:「……本当なら、もっと普通の家に預けられたら良かったのだけどね……」目の端を拭う。
白川真尋:「折木の家に、怪しい動きがあったとしたら」
白川真尋:「……ナギサちゃん、篤美ちゃん。それを見つけ出してほしいの」
神津島ナギサ:きゅっ、と白川の手を握る。
神津島ナギサ:「まかせろ!あたしだってオーヴァードで、UGNイリーガルなんだからな」
遠藤篤美:「……なるほどね。どうもすっきりしないなあと思ってたけど、そういうことか」
遠藤篤美:「構わないよ。もう足を突っ込んじゃったことだし。神津島さんとはファミレスも行ったし」
白川真尋:「ありがとう。篤美ちゃんのためにも、説明するわ」
神津島ナギサ:「そう、そうなんだ。ファミレスに行ってドリンクバーも!」
白川真尋:「今、折木の家にいるのは4人」四本の指を立てる。
神津島ナギサ:「友達なんだ!へへへ……」 もじもじしながら説明を聞く。
遠藤篤美:「……楽しかったよね」にこりと笑います。
神津島ナギサ:「……? 四人……?」
白川真尋:「……敦弘さんを抜かした数だから」困ったようにナギサに微笑む。
白川真尋:「当主の暦。次女の眞魚。……長女の娘の真夜子と、その弟の秋果」
白川真尋:「真夜子と秋果の父親は、失踪しているわ」
神津島ナギサ:「そっか……なるほど」
遠藤篤美:「なるほど、こんな広い家に四人きりか」
白川真尋:「どういうわけかね。真夜子さんの母親も、とっくにいないわ」
神津島ナギサ:(……寂しいのかな)
神津島ナギサ:感情の読みにくい、お嬢さんの顔を思い出す。
遠藤篤美:「なるほど、真夜子さんは両親とも……ふうん」
遠藤篤美:死に別れた、自分の本体のことを少し思い出したりなどします。
遠藤篤美:「残されるってのは、なかなか辛いものだよね」
神津島ナギサ:「遠藤も、あるの?残されたこと」
遠藤篤美:「ん、まあね。一番近しい人が急にいなくなっちゃった」
遠藤篤美:「あの時、やっと僕は、寂しいってこういう気持ちかってわかったんだ」
神津島ナギサ:「……」 島にいる姉の事を思い出して肩を落とす。
神津島ナギサ:同意するようにきゅっと遠藤さんの制服の裾をつかむ。
白川真尋:「……残された者は、寂しいわね」
白川真尋:「誰でも、きっと」
遠藤篤美:とんとん、とナギサさんの肩を叩いてやります。
神津島ナギサ:「お嬢さんや、坊ちゃんも……かな」
遠藤篤美:「おそらくは、ね。でも……そうだなあ。深入りしすぎちゃいけないよ、神津島さん」
遠藤篤美:「彼らの寂しさは彼らのもので、自分と重ね過ぎると、毒になるからね」
神津島ナギサ:「う、うん」
神津島ナギサ:「わかった。気をつける」
GM:――そして彼女らは、折木邸へと戻る。
GM:人の絶えた、空洞の家へ。

GM:調達判定およびロイス取得が可能です。
弓近いおり:秋果さんへのマイナス感情を 憤懣に。
GM:なっ殺し屋を怒らせるとは!
神津島ナギサ:殺される!
弓近いおり:嫌ですね~情報屋ですよ~
GM:欺瞞・・・
御剣凌駕:ロイスはまだ保留かな。
遠藤篤美:調達、ロイスともになしで
弓近いおり:渡した名刺にも ×殺し屋 ってきちんと書いてあるじゃないですか~
神津島ナギサ:物騒すぎるw
御剣凌駕:購入はすごい服を狙いましょう
御剣凌駕:6dx+1>=10
DoubleCross : (6R10+1[10]>=10) → 9[1,5,7,9,9,9]+1 → 10 → 成功

神津島ナギサ:買えてる
御剣凌駕:お、買えた。
弓近いおり:シューターズジャケット買っとこう
弓近いおり:《アクティベイト》使用
弓近いおり:1dx+12
DoubleCross : (1R10+13[10]) → 2[2]+12 → 14

御剣凌駕:何その固定値!?
GM:《アクティベイト》のちからだ
神津島ナギサ:がんばっている遠藤さんのために、折木の家でアルティメイド服を探そうと思います。
神津島ナギサ:3dx=>20
DoubleCross : (3R10[10]>=20) → 10[1,4,10]+9[9] → 19 → 失敗

GM:日本家屋にメイド服なんてあるかなあ~
神津島ナギサ:財産1使って購入します。
神津島ナギサ:あったよ!メイド服が!
遠藤篤美:ありがとう!神津島さん!
GM:はいありました!ナギサちゃんか真夜子さんが着る用のやつ!
神津島ナギサ:遠藤さんに譲渡!
御剣凌駕:サラマンダーらしく炎で作り出そう
遠藤篤美:うれしいなあ(いそいそと着替える)
神津島ナギサ:あとで真夜子さんに殺されないといいな・・・
弓近いおり:あ、うーん、ウェポンケースに入れとこう。行動値下がるし。
神津島ナギサ:ロイスは保留で、以上です。
弓近いおり:《アクティベイト》でHP9消費、侵蝕4上昇
弓近いおり:何もしてないのに瀕死だ
神津島ナギサ:あ、遠藤さんのP感情を変更しておこう。
神津島ナギサ:-ご近所さん/遠藤篤美/○好奇心/不安/ロイス → -ご近所さん/遠藤篤美/○友情/不安/ロイス
弓近いおり:あ~~~HPが足りないな~~~~~~
神津島ナギサ:血が…足りない…
弓近いおり:おやーーーー? こんなところにーーーーー丁度いいエフェクトがあるな~~~~~
弓近いおり:《不死者の恩寵》を使用します。
神津島ナギサ:茶番www
GM:また侵蝕上げよる!
GM:これから情報収集しなければならないんですぞ!
弓近いおり:今回ダイスやたら良いんだよね
御剣凌駕:そうやって調子に乗っていると……?
弓近いおり:これから情報収集しなきゃいけないからね
弓近いおり:3d10+3
DoubleCross : (3D10+3) → 13[8,4,1]+3 → 16

弓近いおり:16点治った
GM:アスハルさんにしてはいい出目じゃあないか
神津島ナギサ:-情報屋/弓近いおり/○連帯感/疎外感/ロイス
神津島ナギサ:弓近さんにも取っておこう。これで7枠!
弓近いおり:ダメージダイスは悪くないんだ俺は
弓近いおり:達成値が死ぬ
GM:7枠埋まるのがはやいぜ
弓近いおり:とにかく以上で!
神津島ナギサ:こ、今回は大丈夫ですって
GM:では次のシーンに入ってよろしいですかな?
御剣凌駕:どうぞ!
神津島ナギサ:へい!

■Middle/04

GM:行動したい方がシーンプレイヤーとなってよいでしょう。
遠藤篤美:はーい
GM:例えば、知りたい情報のある人!
GM:項目を言ってもらえば探せるように難易度設定します。クワージフィッション方式です。
神津島ナギサ:そうですね。ジュリエットの事は当然お手伝いしたいのですが
神津島ナギサ:次に調べたい事といえば、さっき説明してもらった「折木の家の怪しい動きがあるかどうか」かな。
御剣凌駕:夜の邸内でナギサちゃんがこっそり調べるところとか見たいですね
御剣凌駕:でも、それだと他の人が登場しにくいか
遠藤篤美:お手伝いの他には、音沙汰の無い「透明の男について」とかも調べたい!
GM:ナギサちゃんが情報収集に成功した時の演出とかにすればいけるはずです、夜の探索!
神津島ナギサ:あ、なるほど。こういう経緯があってこう言う情報を得たんだよって説明すれば・・・
御剣凌駕:夜の屋敷で探っているところを真夜子さんに見つかりそうになるとことか超見たいです
弓近いおり:真なる夜の子
神津島ナギサ:まずはジュリエットをお手伝いしたいなー
弓近いおり:依頼してくれれば誰かに同行するけど、
御剣凌駕:オレはジュリエットの所在地まで遠藤女史に案内してもらうくらいですかね
弓近いおり:そうじゃなければ早贄事件についてかな。秋果くんの言葉が気になっている
GM:まずは登場したい方の侵蝕率を上げてもらいましょうか。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:66->72)
神津島ナギサ:てい!
GM:ジュリエットについて調べるなら、場所のシチュエーションは自動的に決まります。
御剣凌駕:一応出ておきますか
御剣凌駕:53+1d10
DoubleCross : (53+1D10) → 53+9[9] → 62

遠藤篤美:しかし侵蝕率がやばいのでどうしよう
弓近いおり:皆さんが終わった後に。様子見~
遠藤篤美:方針決まってから出るか決めてもいいでしょうか!
GM:そうですね。ではそうしてもらいましょう。
GM:御剣さんとナギサちゃんが一緒に出てきてくれるのは、先の会話もあるので流れとしては非常に良い
遠藤篤美:やはり登場します。
遠藤篤美:76+1d10
DoubleCross : (76+1D10) → 76+10[10] → 86

神津島ナギサ:あわわ
遠藤篤美:ぎゃー

長戸家前

GM:封筒の宛名が間違っていないのならば、“ジュリエット”の居場所はここだ。
GM:遠藤篤美の友人、長戸ひかり。古い小さな家だった。
御剣凌駕:「封筒の宛所はここでいいのだな、遠藤女史?」
遠藤篤美:「うん、ここのはず」頷きます。
神津島ナギサ:「……ジュリエットって、外国の名前だろ」
神津島ナギサ:「そういう人が住んでる感じの家じゃ、ないよな」
GM:そうですね。洋風な雰囲気というわけではない。
遠藤篤美:「秘密の筆名なのかもね」
御剣凌駕:「英語圏の名前だな。まあ、おそらくはアダナか何かだろう」
遠藤篤美:では、インターホンがあればそれを押しましょうか。
長戸ひかり:「はーい」
長戸ひかり:トタトタと足音が響き、長戸ひかりが顔を出す。
長戸ひかり:「あれ!?篤美ちゃん!」
遠藤篤美:「こんにちは、長戸さん」
御剣凌駕:「これは……思っていたよりも随分と歳若い」
長戸ひかり:「うちに来るなんて、初めてだね。どうしたの」
遠藤篤美:「今日はちょっと尋ねごとがあって来たんだ。お客さんもいるんだけど、いいかな」二人を指します。
GM:ごく普通の、若い女子高生に見える……が、
GM:緑色を帯びた瞳だけが、わずかに日本人離れしていると気づくことができるでしょう。
神津島ナギサ:ぎこちなくお辞儀する。
長戸ひかり:「うーん、お客さん?彼氏?」御剣をじろじろと見る。
遠藤篤美:「はは、まさか。ちょっとした知り合いだよ。尋ね人がこの辺りにいるかもってさ」
御剣凌駕:「残念ながら、遠藤女史とはつい先日会ったばかりの友人です」
長戸ひかり:「あ、ひかりです」ペコリ
長戸ひかり:「妹?」ナギサをも見る。
神津島ナギサ:「ち、違う。あたしは、その……遠藤のトモダチ」
遠藤篤美:「そうそう、お友達」
御剣凌駕:「御剣――と、申します」
長戸ひかり:「……御剣」首を傾げる。
御剣凌駕:「御剣幻耶の孫……と言ってお分かりになりますでしょうか」
長戸ひかり:「……。『ゲンヤ』。そうだ、聞いたことある」
御剣凌駕:「本当ですか」
長戸ひかり:「“素敵な幻耶様”」思い出したように、両手を合わせる。
長戸ひかり:「そうでしょう!?」
御剣凌駕:「その言葉……」
御剣凌駕:「では、やはりあなたがジュリエット嬢……?」
長戸ひかり:「ジュリエット、っていうのは?」
神津島ナギサ:「へ?」
御剣凌駕:「ご存じない……?」
神津島ナギサ:「だから、それがあんたじゃ……?」
御剣凌駕:「その“幻耶様”が書簡を交わしていた相手です」
長戸ひかり:「………………そう」
長戸ひかり:じっと御剣を見つめる。
御剣凌駕:学生服の腰に挿したフルートに手をやったまま、見つめ返す
長戸ひかり:「それ」
長戸ひかり:「たぶん、私のおばあちゃんだ」
御剣凌駕:「祖母上殿……!?」
御剣凌駕:「そうか。それならば確かに辻褄が合う」
長戸ひかり:「樹里って名前だったから。そういうお洒落な仇名をつけて、呼び合ってたのかも」
御剣凌駕:「ああ、なるほど。それは洒落ている」
御剣凌駕:「して、その祖母上殿は今どちらに?」
長戸ひかり:「そっか……幻耶様のお孫さんか。ふふ」
長戸ひかり:「かっこいいな」少し、あこがれを含んだ視線を向ける。
神津島ナギサ:「ふうん。好き合ってたのかな……」
御剣凌駕:「何か……誤解があるような気もするが」
長戸ひかり:「おばあちゃんは死んじゃったよ。半年くらい前かな。……上がってって」
御剣凌駕:「お亡くなりに……。そうですか」
御剣凌駕:「オレは、少し話を聞かせていただこうかと思うが、2人はどうする?」
神津島ナギサ:「あたしは御剣のこと手伝うって決めたんだ。いっしょに聞く!」
遠藤篤美:「どうせだし、僕もご相伴に預かろうかな。秘密にしときたい話がなければ、だけど」
神津島ナギサ:「……手伝う必要、あんまりなさそうだけど」 肩を落とす。
御剣凌駕:「秘密などではないさ。それに、2人が一緒にいてくれるだけでも心強い」
御剣凌駕:「それでは、お言葉に甘えて失礼するとしようか」
長戸ひかり:「いいよ、全然秘密とかないし、篤美ちゃんだし。あと……篤美ちゃんの、友達?」
長戸ひかり:靴を脱いで廊下に上がっていきます。
神津島ナギサ:堂々と友達だと答えていいのか迷っているうちに行ってしまうので、慌てて後を追う。
遠藤篤美:「お邪魔します、と」靴を脱いで揃えます。
御剣凌駕:脱いだ靴を揃えてから後を追う
神津島ナギサ:「え。あ」 自分も真似して靴を揃える。 「おじゃっ、お邪魔します!」
長戸ひかり:「あのね、御剣さん?」
長戸ひかり:短い廊下を歩きながら、振り返らず言う。
長戸ひかり:「たぶん、恋人とかじゃないから。安心していいと思うんだ」
御剣凌駕:「それは、こちらも分かっている。なんせ祖父上は祖母上と結婚していた」
御剣凌駕:「でなければオレが生まれてこない。……まあ、不倫という可能性もなくはないが」
長戸ひかり:「……うん。だから不倫とかだったりすると、孫の立場だと、ちょっと怖いでしょ?」
長戸ひかり:ちゃぶ台のある居間につく。
長戸ひかり:「お母さんお父さんは今日、遅めだから……まあばれない程度にね」苦笑する。
御剣凌駕:「まあ、オレもそうしたことを心配していたわけではない。ただ、少しでも昔の話が聞ければと思ってな」
御剣凌駕:「バレるとマズイのか」
神津島ナギサ:他人の家にあげてもらう事などそうそうないので、居間できょろきょろしている。
長戸ひかり:「だって勝手に入れちゃったし……篤美ちゃんだけならまだいいんだけども」
長戸ひかり:「そうだ、お茶!」トタトタと台所に駆けていく。
御剣凌駕:「ああ、確かに。オレのような得体の知れない男を勝手に招いては、というわけだな」
御剣凌駕:「では、御両親には露見しないようにせねば。……ああ、オレたちのことならお構いなく」
遠藤篤美:「まあ、二人はおかしな人ではないよ。僕が保証しようか」
神津島ナギサ:「御剣、遠藤。あたしやっぱり邪魔かな、大丈夫かな」
遠藤篤美:「大丈夫、大丈夫。君は僕のお友達だろ?」
御剣凌駕:「得体の知れないのはオレだけだ。神津島嬢は安心しているといい」
神津島ナギサ:「う、うん……わかった」
遠藤篤美:「僕の友達が、僕の友達の家に一緒に来てるんだ。なんの邪魔なこともないよ」
神津島ナギサ:「でも御剣もいいやつだよ。得体のしれないとかそういうのじゃない、と思う」
御剣凌駕:「気持ちはありがたいが……余所者なのは確かだからな。この街では身の証も立てようがない」笑って言う。
長戸ひかり:長戸ひかりが戻ってくる。「はいお茶。ティーバッグはこっちのお皿に出して」
長戸ひかり:「どら焼きは一個しかないけど、チョコは沢山あったから」
遠藤篤美:「どうも。ここはいいお家だね。和むというか」
御剣凌駕:「礼を言う、長戸女史」
長戸ひかり:「女史って。ふふ」
御剣凌駕:「む、おかしいか」
長戸ひかり:「そういう呼び方されるの、はじめて。むずがゆいっていうか……ええと」
長戸ひかり:「御剣……」
御剣凌駕:「古臭い物言いは祖父譲りだ。容赦してほしい」
御剣凌駕:「凌駕。御剣凌駕だ」
長戸ひかり:「ごめん、最初に聞いてたっけ?忘れちゃった」
神津島ナギサ:「ティーバッグ」
神津島ナギサ:お茶の中に入っている見慣れない袋をちゃぷちゃぷしている。
GM:ナギサにとって、ティーバッグは初めて触れる存在だった。
GM:折木家では葉から立てたお茶しか飲まない。
遠藤篤美:「しばらくしたらお茶が出るからね、そしたらこっちのお皿にのけるんだ」ナギサさんにそっと。
神津島ナギサ:「島の外には、いろんなお茶があるんだな…」
遠藤篤美:「便利だよね。僕もよく使うよ」
長戸ひかり:「……それで」
長戸ひかり:「何用かな?」おどけたように言う。
御剣凌駕:「無理をして喋らなくてもいいさ」微笑みながらひかりに言う。
御剣凌駕:「祖父上と書簡をやり取りしていたジュリエット嬢なる女性が昔の祖父上について知っているのなら話を聞こうと思ってここまで来たのだが」
長戸ひかり:「そっか。じゃあ、ちょっと悪かったなあ」
御剣凌駕:「……少しだけアテが外れたというか」
長戸ひかり:「おばあちゃんから聞いた話しかしてあげられないや」
御剣凌駕:「それでも構わぬ。そなたが知っていることがあるのなら、なんなりと聞かせてもらえれば」
長戸ひかり:「んーと、これって、小さい頃……多分脚色とか入って話してもらった昔話だから、あんまり正確じゃないんだけど――」
長戸ひかり:「……幻耶さんとおばあちゃんが『冒険』をしたってお話は知ってる?」
御剣凌駕:「……その言葉だけなら。仔細については何も」
長戸ひかり:「『冒険』って言ったけど、その、一緒に旅をしたとかじゃなくてね」
長戸ひかり:「逃げ出すのを、手伝ってくれたんだって。……幻耶様が」
御剣凌駕:「逃げ出した、のですか。長戸女史の祖母上殿が」
神津島ナギサ:「逃げ出す?どうして」
長戸ひかり:「……そ。面白い話でしょ?」
御剣凌駕:「面白いというか……それはそれで浪漫はある」
長戸ひかり:「つまり、悪い奴らに捕まってたっていうんだよね、おばあちゃん」
長戸ひかり:「おとぎ話のお姫様みたいに」
遠藤篤美:「へえ、数奇な人生だったんだね」
御剣凌駕:「悪いやつらとは……。本当にお伽話のようだ」
長戸ひかり:「そこに幻耶様が来て、逃してくれたって……どうしておばあちゃんのところに来たのか、なんで助けてくれたのか」
長戸ひかり:「――おばあちゃんは、知らなかったっていうけど。でも、そんな幻耶様がすごく嬉しくて、眩しかったって」
長戸ひかり:「だから、おとぎ話のヒーローみたいに思ってたんじゃないかな。……幻耶様の話をする時って、いつもそうだったなあ」
長戸ひかり:遠い目をする。
御剣凌駕:「なぜ幻耶が祖母上殿を助けたのか、理由だけならばなんとなく分かる気がします」
長戸ひかり:「どうしてなの?」
神津島ナギサ:「? そうなのか?御剣」
神津島ナギサ:すっかり二人の話に引き込まれていて、お伽噺を聞く子供のような顔を御剣に向ける。
御剣凌駕:「それは……おそらく、祖母上殿が困っていたからです。だから、助けた」
長戸ひかり:「あははは。そりゃ凄い。かっこいいな……本物のヒーローじゃん」
御剣凌駕:「理由にもなっていないような理由ですが。それだけかと」
御剣凌駕:「オレがそう思っただけですから。祖父上の真意はオレにはとんと」
遠藤篤美:「お姫様と、騎士様ってわけだね。ふふ」
長戸ひかり:「――『あなたは、ジュリではない』」
長戸ひかり:「そうだ。“ジュリエット”って、ここで聞いてたんだった」
御剣凌駕:「……それは?」
長戸ひかり:「『俺にとっては、麗しのジュリエット嬢なのです』」
長戸ひかり:「『もし、この手を取ってくれるのならば』」
長戸ひかり:「『連れて行きます。外の世界へ』」
長戸ひかり:「……」目を閉じて、湯呑みを置く。
神津島ナギサ:「……外の世界かあ」
神津島ナギサ:あの嵐の夜。白川の手を取った夜の事を思い出す。
長戸ひかり:「『冒険』のはじまりに、そう言ってくれたって。その言葉だけは、今でも忘れずに覚えているって」
御剣凌駕:「そうか、祖父上……」
御剣凌駕:「……エボリューションだ。この道の先はまだまだ遠いというわけだな」
長戸ひかり:「えへへ、なんだか、良かったな。こういう話ができて」
長戸ひかり:「たぶんお父さんやお母さんにも……おじいちゃんにも、秘密にしてた話だと思うから」
御剣凌駕:「そうだな。なんというか、オレだけの秘密を誰かと分かち合えたような、そんな気持ちだ」
長戸ひかり:「どこに捕まってたとか、なんで幻耶様が助けに来てくれたのかとか、そういうのは、全然謎のまんまだし」
長戸ひかり:「本当かどうか分かんないけどね。ふふ」
御剣凌駕:「ああ。だが、祖母上殿にとっては真実の思い出だった。それでいいのだと思う」
長戸ひかり:「……うん」
長戸ひかり:「ね、凌駕さん。ホットケーキとか焼こうか?おもてなしがこれだけだと、悪いから」
長戸ひかり:「せっかくの……おばあちゃんのヒーローなんだもん」
御剣凌駕:「何も気を遣うことはない。オレはそのただの孫なのです」
長戸ひかり:「そんなこと言ったら」「私だってただの孫娘じゃない」
御剣凌駕:「それは……そうだが……」
長戸ひかり:「せっかく来たんだし、好きにしてくれていいから。おばあちゃんの持ってた手紙とかあるかもしれないしさ」
御剣凌駕:「祖母上殿の手紙か。それは確かに、少し興味はある」
長戸ひかり:そのまま台所に向かおうとして、少し引き返す。「……それに」
長戸ひかり:「凌駕さん、ちょっとかっこいいし!」
長戸ひかり:「きゃー」パタパタと台所に向かう。
神津島ナギサ:「……」
遠藤篤美:「隅に置けないねえ、君も」
神津島ナギサ:その言葉によくわからないモヤモヤを抱えたまま、ヴェロキラプトルを撫でる。
御剣凌駕:「……随分と直裁的な評価だ」
GM:ここで情報収集ができます。
御剣凌駕:ナギサの方を見て言い訳しようと口を開きかけたりしている。
GM:まず可能なのは、
▼ジュリエットの過去(1) 〈情報:噂話〉〈情報:軍事〉〈知識:郷土史〉 難易度12
神津島ナギサ:軍事!
GM:そして、他にも調べたいことがあるなら
GM:ここで難易度を先に提示します。その後の事も踏まえて調べた方がいいですからね。
御剣凌駕:オレはそこを調べた方がいいかな。
御剣凌駕:2人はどうします?
GM:他にも協力者がいるので、手を借りるのが吉!得意分野で頑張ればいいのです。
GM:御剣さんが成功した時のためにも他の項目を調べたほうがいいのでは……?侵蝕足りなくなる!
神津島ナギサ:ここは一先ず、御剣君のお手伝いをしたいなあ
遠藤篤美:ジュリエットには全然関係ないのですが、「透明の男について」って調べられますか?
GM:調べられます!
▼透明の男について(1) 〈知識:レネゲイド〉〈交渉〉 難易度8
神津島ナギサ:じゃあ私は折木の不穏な動きについて調べたい!
神津島ナギサ:なにせ初期ロイスに頼まれたのです。
▼折木家の動向 〈知覚〉〈情報:噂話〉 難易度10
神津島ナギサ:超苦手分野!
遠藤篤美:交渉持ってるからそのまま振っても大丈夫かな……
神津島ナギサ:苦手だけど、やってみようかな・・・折木家の動向を噂話で。友達がいないので、コネもなし。
御剣凌駕:友達のいなさ・・・
GM:友達がいないせいで!
神津島ナギサ:しょぼん
神津島ナギサ:感覚の高い情報屋さんがいればな~っ
御剣凌駕:では、オレはジュリエットの過去について。〈情報:噂話〉で情報収集チームを使用して調べましょう
御剣凌駕:では、判定します
御剣凌駕:7dx+3>=12
DoubleCross : (7R10+3[10]>=12) → 8[1,1,1,2,5,5,8]+3 → 11 → 失敗

御剣凌駕:財産点を1点払って成功にしよう。
遠藤篤美:透明の男について交渉で判定します。
遠藤篤美:3dx+1=>8
DoubleCross : (3R10+1[10]>=8) → 9[5,6,9]+1 → 10 → 成功

遠藤篤美:やった
神津島ナギサ:3dx+1=>10
DoubleCross : (3R10+1[10]>=10) → 10[7,9,10]+10[10]+3[3]+1 → 24 → 成功

神津島ナギサ:!?
神津島ナギサ:せ、成功!
遠藤篤美:ナギサちゃんすごい!
弓近いおり:メタルギアナギサ
GM:すごいことだぜ
GM:ではナギサちゃんはシーンの終わりに単独捜査のロールを設けましょう。今は長戸家。
GM:もちろんヴェロキラプトルもついてきていい!
神津島ナギサ:やったー!
御剣凌駕:やったぜ

GM:それでは、長戸ひかりが席を外した後。
???:「うっうっ」
GM:部屋の片隅から何者かの声が聞こえる……
神津島ナギサ:「……?」
神津島ナギサ:「何か言ったか?」
遠藤篤美:「……声?」
御剣凌駕:「いや、何も」
御剣凌駕:「念の為言っておくが、恐竜たちでもない」
???:「ロマンだ。かっこいい」いつの間にか、座布団の上にちょこんと座っている。
???:タキシード姿の男!顔がないので不審!
神津島ナギサ:「ふあっ!?」
遠藤篤美:「……君は、あの時の」
御剣凌駕:「いかにも怪しいやつ」
???:「素敵な昔話だ……ブラボーだ」
神津島ナギサ:飛びのいて御剣の後ろに隠れる!
???:「はっ!?ま、待ちたまえ」
???:「私は怪しいやつではない」不審!
御剣凌駕:「ブラボーではない。貴公はどこから入った。そして何者だ」
遠藤篤美:「ええと、彼は僕の……ううん、一度話したことのある知り合いで……」少し困りながら
御剣凌駕:「遠藤女史の知人……?この見るからに怪しい男(?)が」
遠藤篤美:「怪しくないと言えば嘘になるよね」
???:「うむ。私が何者なのか?」
???:「説明してくれたまえ、遠藤篤美くん」
御剣凌駕:「説明してくれるのか、遠藤女史」
神津島ナギサ:「そうだ、すごく怪しいぞ。あの……バデバデと同じくらい怪しい」
遠藤篤美:「説明って、君も大した説明をしてくれなかったじゃないか。名前だって知らないんだよ」
遠藤篤美:「……まあでも、敵意はないみたいだけど」
御剣凌駕:「……それでどう信用しろと」ナギサを庇いながら困ったように考える。
???:「な、名前なんて私だって知らない……!」
???:「むしろ名前をつけてほしいくらいだ!そのー……」
???:「さっきの話のジュリエットのようにだ!」手を大きく広げる!
遠藤篤美:「スケさん」
???:「スケさん!?」
御剣凌駕:「透けているからか」
遠藤篤美:「透けてるからスケさん」
???:「す、好きで透けているわけではないのだ」
???:「しかし何故私は透けているのだろう……謎……」
神津島ナギサ:「自分でも分からないのか?透けてる理由……」
御剣凌駕:「あっはっはっはっは!オレはなかなか似合いの名前だと思うぞ」
スケさん:「いやだ!もっとかっこいいのがいい……!」
スケさん:「あっ名前欄が既に!やめてくれ!」
遠藤篤美:「なかなかよく特徴を表した名前だと思うんだ」若干得意げに。
御剣凌駕:「ああ。スケさんが嫌ならば、もはやカクさんか八兵衛くらいしか選択肢はないが……」
遠藤篤美:「名付けは神聖なものだよ、受け入れたまえ」
神津島ナギサ:「うん。あたしはかわいいと思うぞ。スケさん」
スケさん:「……名前の話はともかく。私の正体は、やはり何らかの『空白』に割り込んだレネゲイドビーイングなのだと思うのだ」
スケさん:指を立てる、ように見える(袖までしか見えない)
御剣凌駕:「……『空白』?何か概念的な話か?」
遠藤篤美:「ふむ、空白ねえ」顎に手をやります。
スケさん:「私は似たようなオリジンを持つ遠藤篤美くんの行動を追って、それを探っている……」
遠藤篤美:「なるほどね。ずっと僕は気付かず追われてたっていうわけか」
スケさん:「そのとおりだ。凄いだろう」えへん
スケさん:「私はすごく強いぞ……!多分……」
神津島ナギサ:「本当に……?」 じとっとスケさんを見る。
スケさん:「た」
スケさん:「多分……」
御剣凌駕:「ストーカーを自慢するやつがあるか」
遠藤篤美:「まったく、一言言ってくれよ……」やれやれ、と肩を竦めます。
御剣凌駕:「やはりこやつは一度司法の場に引っ立てたほうがいいのでは……?」
スケさん:「ま、待ちたまえ!そういう……そういう短絡的発想は、よくない!」
スケさん:「そもそも私はレネゲイドビーイングであり、つまり人間の司法は適用されないのでは!」
神津島ナギサ:「燃やすならあたしがやるよ、御剣」
スケさん:「ひーっ!」
遠藤篤美:「じゃあUGNに通報だね」
御剣凌駕:「その後は火刑だそうだ」
スケさん:「……?」ふと、動きが停止する。
神津島ナギサ:「スケさん?」
スケさん:「UGN……そうか。何か、思い出しそうだ」
スケさん:「『空白』。役割や義務と言ってもいい。やるべき物事があるのに、果たすべき人物がいない」
スケさん:「私には、絶対に何かやるべき物事があったのだ」
神津島ナギサ:「思いだせないの?誰かを追ってたとか、何かを倒すとか」
御剣凌駕:「やるべきこと。それはつまり、オレが竜の道を進まねばならないのと同じような……?」
スケさん:「うむ。竜の道というのはよくわからないが」
遠藤篤美:「君は何か、UGNに関係したやるべき物事を持っている、そういうことかな」
スケさん:「UGN、という単語で何かを思い出しかけた……なんだったか……」
スケさん:「UGNというのは組織なのか?」
遠藤篤美:「ああ、僕たちも末端に連なっている、大きな組織だよ」
スケさん:「この街にもある?」
神津島ナギサ:こくこく頷く。
スケさん:「『ユ』から始まる組織である?」
遠藤篤美:「そう言ってるじゃないか」
御剣凌駕:「貴公、分かっていて言っているな?」
神津島ナギサ:「やっぱり燃やす?」
スケさん:「違う!違う違う違う!本当に知らない!ヤメテ!」
スケさん:壁にタキシード背中をひっつけて怯える!
御剣凌駕:「神津島嬢はいつでも燃やす準備はできているそうだ」
遠藤篤美:「まあまあ、落ち着いて」一応間に立ちましょう。
スケさん:「……そ、それで」
スケさん:「遠藤篤美くんはUGN関係者。他の2人についてはどうなのだ?」
神津島ナギサ:「あたしは遠藤と同じだよ。な」
御剣凌駕:「UGNか。オレもたまに協力することはある」
遠藤篤美:「そうそう、末端のイリーガル」
スケさん:「そうか……みんなUGNとは」
スケさん:「なら、もしかして私の正体がわかる日も近いのかも」
御剣凌駕:「そうなのか」
スケさん:「……なので今日のところはおさらばと行こう。逃げるわけじゃないからな……!」
スケさん:「怖くないし!」
スケさん:ナギサに怯えるように下がっていく。
御剣凌駕:「……燃やされるのがよほど怖いらしいな」
神津島ナギサ:「……しまった。こういう事するから友達できないのか、あたし……」
神津島ナギサ:「ごめんな。スケさんー……」 遠ざかるスケさんに手を振る
スケさん:「また会おう!とう!」
スケさん:ぼふっ
GM:影めいた煙とともに消滅。
御剣凌駕:「気落ちするな。今回に関してはあの透明男が一方的に悪い」
遠藤篤美:「……また会おう、か」
御剣凌駕:「また出てくるつもりのようだ」
遠藤篤美:「……なんなんだろうね、お仲間とはいえ、不思議な奴だよ」首を傾げます。
神津島ナギサ:「次はなかよく……次はなかよく……」
GM:突然のスケさんの来訪に中断されたものの
長戸ひかり:「うげー!焦がした!作りなおしだ~~!」
GM:長戸ひかりはまだホットケーキを作っている。長戸樹里の資料を探す時間くらいはありそうだ。
神津島ナギサ:「どうする?」
神津島ナギサ:少しぬるくなったお茶をすすりながら二人に尋ねる。
御剣凌駕:「……少し見てこようか。探しものの方は頼んだぞ、親友」
御剣凌駕:小さな恐竜じみた存在に資料を探させている間に台所に向かおう。
長戸ひかり:「あっ凌駕さん……えへへ、ごめん」
御剣凌駕:「ホットケーキを焼くのは簡単なように見えて、案外コツが要るよな」
長戸ひかり:「もうちょっと手際よくできないかなー。成功した時は凄くおいしくできるんだよ、私」
御剣凌駕:「成功した時の感覚を覚えておくといいんだ。音楽やスポーツと同じで」
長戸ひかり:「……料理とかって、するの?凌駕さん」
御剣凌駕:「ずっと一人で旅をしていたから、料理もそれなりにな」
長戸ひかり:「一人で……くふっ、そっか」
長戸ひかり:「凌駕さんも冒険してたんだ」
御剣凌駕:「そう。音楽を探していた」
長戸ひかり:「……その話」卵を混ぜながら、緑の目で凌駕を見る。
長戸ひかり:「聞きたいな。どういう冒険をしたのか」
御剣凌駕:「いいとも。ああ、そういえば旅の話は神津島嬢も聞きたがっていたな」
御剣凌駕:「どうせなら後で一緒に――」
長戸ひかり:「いいじゃん」肩を当てる。
長戸ひかり:「手伝ってくれる間くらいでいいから」
御剣凌駕:「まあ、それくらいなら。お安いご用だ」
長戸ひかり:「……無理になんて、言わないけど」
御剣凌駕:「では、そうだな。ブルックリンで車の運転を習った時の話でもしようか」
長戸ひかり:「ブルックリン?……が、外国なんだ」
長戸ひかり:「すげー……」手が止まっている。
御剣凌駕:「男は元世界一のレーサーだというから師事して運転を教えてもらうことにしたのだ」
御剣凌駕:「しかし、そうしているうちにいつの間にかオレは警察に追われていた」
長戸ひかり:「な、なぜ!?」
御剣凌駕:「元世界一のレーサーだという男は今は運び屋だったのだ。違法なものばかりを運ぶ、な」
長戸ひかり:「つ、つまりそれで騙されて……!」
御剣凌駕:「なので、オレは習った運転技術を使って」
御剣凌駕:「そいつを車ごと警察署に突っ込んだ」
長戸ひかり:「なにそれ!くふっ、くふふふふふふふっ、ふふ!」
長戸ひかり:「すごすぎるよ……いや笑い事じゃないよね、でも、あはははは!」
御剣凌駕:「その男にも警察にも随分と罵られたが、まあ追い回された分、お相子というものだろう」
御剣凌駕:「ああ、ほら。そろそろひっくり返してもいい頃合いじゃないか?」
長戸ひかり:「あっと」たどたどしい手つきで返す。だがタイミングは完璧だ。
長戸ひかり:「すごいや。さすが幻耶様の孫だ……」
御剣凌駕:「どうだ?上手く焼けたか?」
長戸ひかり:「うん」
御剣凌駕:「一度上手くできたなら、次はその感覚を思い出してやってみるといい」
御剣凌駕:「車の運転と同じだ」笑いながら言う。
長戸ひかり:「ふふっ、すごいや。……私と同じくらいの年なのに」
長戸ひかり:「あのね。幻耶様とおばあちゃんが最初に会ったのも、15とか16くらいの時だったんだって」
御剣凌駕:「そうか。オレたちと同じだな」
長戸ひかり:「……違うよ」苦笑する。
長戸ひかり:「凌駕さんは、幻耶様みたいにカッコよくて、冒険も沢山してるけど」
長戸ひかり:「私はお姫様じゃないもの」
長戸ひかり:「――おばあちゃんに憧れて、私もいつか、そういう凄い物語の主人公になれたらなって、思ってたけど」
長戸ひかり:「全っ然、ふつう」
御剣凌駕:「オレはそれが羨ましいよ」
御剣凌駕:「世界中巡ったが、オレの探していたものは結局見つからなかった」
御剣凌駕:「オレはどこに行っても一人ぼっちだった」
御剣凌駕:「だから、当たり前なことがすごく羨ましい」
長戸ひかり:「ふ、だめだなあ、凌駕さん」
長戸ひかり:「そういう過去って、ますますカッコいいじゃん。全然フォローにならないな」
御剣凌駕:「自慢になってしまったか」
長戸ひかり:「……それに、今は友達だっているじゃん。女の子が2人も」
長戸ひかり:「モテモテだねっ!」肘で軽く突く。
御剣凌駕:「……そうだな。あまり贅沢を言うとバチが当たるか」
長戸ひかり:「……面白い人ほど、『普通がうらやましい』っていうけど」
長戸ひかり:「『普通』は普通に手に入るんだよ。だって、普通だから。私の……思ってることだけど」
長戸ひかり:「でも普通の人が面白くなるのは、人生の途中からじゃ、できない」
御剣凌駕:「そんなことがあるものか」
御剣凌駕:「旅の結果としてオレの探しものが見つからなかったと言ったが、冒険は実に面白かった」
御剣凌駕:「あちこちの国で出会った人たちから教わったこともある」
御剣凌駕:「そんな面白さでよければ、いつでも外に連れ出していってやるとも」
長戸ひかり:「だから、もー!そういう言い方!」笑う。
長戸ひかり:「私、高校生だもん。親に心配かけたり、友達を残していったり」
長戸ひかり:「普通に生き始めちゃうと、できないんだよ。だから、そういうこと」
長戸ひかり:「ほら、ホットケーキ冷めちゃうから。戻ろっか」恥ずかしそうに話題を打ち切る。
御剣凌駕:「……少し前に進んでみればいい」
御剣凌駕:「エボリューションだよ。進化するんだ。自分から、ほんの少しだけでも。そうすれば、世界は見違えるほどに面白くなる」
御剣凌駕:「さあ、戻ろう。きっと育ち盛りのお嬢さんがお腹を空かせている」
長戸ひかり:「……うん」

GM:全員のフォークが置かれ、長戸家での食事が終わった。
GM:焼き方は拙いものの、なかなか美味しいホットケーキであった。
神津島ナギサ:「おいしかった!」
長戸ひかり:「よかった」
長戸ひかり:ナギサの様子を微笑ましく眺めている。
神津島ナギサ:「長戸のホットケーキ、ファミレスのより美味しかった……料理、上手いんだな……!」
遠藤篤美:「ね。こんな特技があったとはびっくりだよ」
長戸ひかり:「いやー、いやー、それほどでも……へへへ」
GM:そして同時に、不可視の恐竜が探索を終えたことが、凌駕にはわかる。
御剣凌駕:「手応えがあったみたいだな。親友」
長戸ひかり:「親友って?」
御剣凌駕:「ああ、こっちの話だ」
長戸ひかり:「電話?違うよね」
▼ジュリエットの過去(1)
GM:“ジュリエット”――長戸樹里の自室に残された資料を探り、隠された情報を見つけました。
GM:家族にも隠していたのか……あるいは、本人すら当時は知らなかったのか。
GM:記述を繋ぎあわせて読むと、長戸樹里は確かに『囚われていた』時期があります。
御剣凌駕:ほほう。
GM:関東軍防疫給水部。旧帝国陸軍の生物兵器関連施設です。
御剣凌駕:生物兵器?随分と物騒なものが。
GM:かつての湯津町とほど近い、国内の秘匿拠点内で、長戸樹里は『育てられた』存在であると推測されます。
GM:生まれは不明。目的も不明。
御剣凌駕:育てられたというのは妙な記述だ。
GM:――しかもその生物兵器は、毒素や動物兵器といった通常の用途を見込まれたものではなく、
GM:この世のものではない何かとリンクを結ぶための『巫女』であったのではないか、と推察されます。
御剣凌駕:巫女?どこかで聞いた言葉だな。
神津島ナギサ:お、おともだちだ!
GM:敗戦から十数年、秘匿のまま育てられていた長戸樹里は
GM:どのようにしてかその秘密を暴き出し救出に現れた、御剣幻耶の手によって脱出したようです。
御剣凌駕:なるほど。
GM:なつめと結婚してからも、長い間秘密のやりとりを続けていたことから分かるように、
GM:御剣幻耶が長戸樹里に特別な執着を抱いていたのは間違いないことでしょう。
御剣凌駕:ふむ。
GM:どのような心情であったかは、やはり不明のままです。以上。
御剣凌駕:了解です。

GM:夕方。3人は長戸家を後にする。
GM:今からであれば、折木家の門限にも間に合うだろう。
長戸ひかり:「じゃあね、凌駕さん」手を振る。
長戸ひかり:「篤美ちゃんも、また学校でね!」
遠藤篤美:「今日はありがとう。また学校でね」
神津島ナギサ:「えっと……えっと」
神津島ナギサ:「ホ、ホットケーキおいしかった。ありがとう」
長戸ひかり:「ナギサちゃんも、またね」膝を屈めて、笑いかける。
神津島ナギサ:「……!うん、また!」
御剣凌駕:「話を聞けてよかった。また近くに寄った時は会いに来てもいいだろうか?」
長戸ひかり:「い、いいけど……でもつまんないよ?」
御剣凌駕:「そんなことはない。長戸女史の話し方は好きだ」
御剣凌駕:「今日はオレの話ばかりしてしまったから、今度はそなたの話を聞かせてもらえると嬉しい」
GM:3人は長戸家を後にする。長戸ひかりの姿も後方に小さくなる。
神津島ナギサ:何度も振り向いて手を振りながら去る。
GM:一見して普通の過程。だが、凌駕は……長戸樹里に関する秘密を知った。
GM:ただの『お姫様』ではない。ならば、何だったのか。
御剣凌駕:「……普通の女の子、か」
御剣凌駕:「そうであってくれるといいのだが」

折木本家

GM:――夜。誰もが寝静まった時間ならば、神津島ナギサは自由に動ける。
GM:誰かに見とがめられない限りはだが。
神津島ナギサ:きしっ、きしっ
神津島ナギサ:「――折木の家に、怪しい動きがあったとしたら」
神津島ナギサ:「それを見つけ出してほしい……か」
神津島ナギサ:だだっぴろい屋敷を、極力音を殺して歩いています。
御剣凌駕:心細い思いでいるナギサのすぐそばでヴェロキラプトルじみた小さい鳴き声がする。
御剣凌駕:ナギサの手にまるでヴェロキラプトルの舌が舐めたかのような感触が伝わる。
神津島ナギサ:「ひゃ」
神津島ナギサ:びっくりするが、すぐにその正体に思い至る。 「そっか」
神津島ナギサ:「お前も来てくれたんだね。ありがとう」
御剣凌駕:《ハンドリング》の分の侵蝕率を上げておこう。
神津島ナギサ:「……でもどうすればいいんだろな。ヴェロ」
神津島ナギサ:「あたし、弓近みたいな情報屋じゃないし。探り方とか全然わかんないし……」
御剣凌駕:姿の見えないヴェロキラプトルはナギサのすぐそばに寄り添ってよく分からなさそうにしている。
神津島ナギサ:1人と1匹で首をかしげる。
GM:当主の暦は、滅多に姿を現さない。以前ナギサが見た時には、既に痴呆が進行しているようにも見えた。
GM:眞魚は絶対安静の病気らしく、常に自室に篭っている。薬を差し入れさせられることもあった。
GM:秋果はよそよそしい少年だ。真夜子のような不気味さはないが、ナギサのことを警戒している。
神津島ナギサ:(当主と、もう一人のお嬢さんは怪しい動きなんて出来る感じじゃないし)
神津島ナギサ:「……真夜子さんか秋果のどっちかか」
神津島ナギサ:じゃあ、真夜子さんの部屋の方へ行ってみようと思います。
神津島ナギサ:部屋に居れば様子を伺うし、もし……この深夜に……部屋にいなければ、それはそれで手掛かりになるかもしれない。
御剣凌駕:まるでヴェロキラプトルがナギサの考えを支持するかのような気配がすると、その気配がナギサの後をついていく。
GM:真夜子の部屋に明かりはついていません。
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:「もう寝ちゃってるのかな。どうかな」 ヴェロキラプトルに尋ねる。
GM:ヴェロキラプトルが偵察してくれるなら
GM:彼女は布団にもいないことがわかりますね。
神津島ナギサ:そうだ、こいつは透明だった!
御剣凌駕:では、まるでヴェロキラプトルが部屋の中には誰もいないと伝えているかのような気配をナギサは察知する。
GM:すごい気配力だこれ
神津島ナギサ:「……いない?」
神津島ナギサ:「この時間に?」
GM:つまり、どこかの……違う部屋にいることになる。
神津島ナギサ:思いきってお嬢さんの部屋を覗いてみます。
GM:綺麗に整頓された、いい香りのする部屋です。
GM:何度か出入りしたことはありますが、怪しい物が増えていたりはしないようです。
神津島ナギサ:「……」
GM:布団はたたまれてはいないものの、綺麗に揃えた状態で戻されている。
GM:つまり突発的な事態ではなく、自分から起きていったということになる……
神津島ナギサ:何か探せばあるいは手掛かりが見つかるかもしれないけど、そこまでする勇気はない。
神津島ナギサ:「――さがそう。やっぱり何かあるのかもしれない」 ヴェロキラプトルを撫でる。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルは励ますように小さく鳴く。
神津島ナギサ:「ごめんね。お前も眠いだろうに」
神津島ナギサ:秋果の部屋の方へ向かいます。弓近にも頼まれたし、姉弟で協力して何かしているかもしれない。
神津島ナギサ:もちろん、通り道にある無数の小部屋にも注意を払う。
GM:……では、秋果の部屋にも何もありません。
神津島ナギサ:秋果もいない……?
GM:秋果の姿も。彼もどこかで行動している。
神津島ナギサ:「…………」
ヴェロキラプトル:「…………」
神津島ナギサ:小部屋の一つに入り、懐から携帯電話を取り出す。
神津島ナギサ:「ヴェロ、ちょっと見張っておいて。呼びたい人がいるから……」
神津島ナギサ:窓を背にしてスマートフォンを弄る。
御剣凌駕:まるでヴェロキラプトルが近付くものがいないか周囲を見張っているかのような気配がする。
弓近いおり:1d10+63
DoubleCross : (1D10+63) → 3[3]+63 → 66

神津島ナギサ:「……弓近庵。番号は……」
神津島ナギサ:静かな部屋に小さなコール音だけが響く。
弓近いおり:では、番号をプッシュし終えた瞬間。コール音が二重に鳴る。
神津島ナギサ:「――え?」
神津島ナギサ:「お前のじゃないよね?」 ヴェロキラプトルに声をかける。
弓近いおり:『「はいこちら弓近庵です。お呼び立て、ありがとうございます」』
御剣凌駕:まるでヴェロキラプトルが驚いてナギサを庇おうと回り込むかのような気配がする。
弓近いおり:電話音声と肉声。窓の桟に腰を掛けて座っている。
神津島ナギサ:「あっ、弓近か?今すぐ折木の家に来れ……」
神津島ナギサ:「……!!!」
弓近いおり:「こんばんわ、ナギサ。思ったより早い再会ね」
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが窓の方を警戒して唸っているような音がする。
弓近いおり:「わ。どうどう……落ち着いて」見えない方向に手を差し出す。
神津島ナギサ:「だ、大丈夫。弓近だよ。弓近……こわい人じゃない」
神津島ナギサ:ヴェロキラプトルを撫でる。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが大人しくなり、ナギサの後ろに下がっていくような感覚がある。
弓近いおり:気配すげえ
神津島ナギサ:「うん、いい子」
弓近いおり:「それ、凌駕の竜よね? 随分と慣れてるのね。私、まだちょっと怖いのに」
神津島ナギサ:「素直で、大人しくて、いい子だよ。お風呂も一緒に入ってくれたし」
神津島ナギサ:「恐竜の友達が出来るなんて思わなかった。ふふふ」
弓近いおり:「へえ、面白いわね」
弓近いおり:(たぶんとはいえ恐竜相手に、それだけ警戒心をなくせるのも、すごいと思うけれど)
神津島ナギサ:「……呼んだのにはちゃんとわけがあるんだ」
弓近いおり:「何があったの?」
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:ちょっと躊躇った後、白川から探りを入れてほしいと言われた事を説明します。
神津島ナギサ:そして、この深夜に真夜子と秋果、二人の姿が無い事も。
弓近いおり:「へえ……UGNも気付いていたのね」
神津島ナギサ:「も?」
弓近いおり:「ああ、ううん。何でもないわ」
弓近いおり:首を振る。「……どこに行ったかとか、心当たりはある?」
神津島ナギサ:ふるふる首を振る。 「ごめん、無い。だからこの子と一緒に探そうと思って」
神津島ナギサ:「それで、その、秋果に何かあったら知らせてねって弓近が言ってたから……弓近、こう言うの得意そうだから……」
神津島ナギサ:身振り手振りで説明する。
弓近いおり:「ううん、よく呼んでくれたわ。素敵な判断よ」
弓近いおり:桟に乗ったまま頭を撫でる。
GM:弓近さんのスキルであれば、この屋敷のどこで異変が起こっていそうか、すぐに分かるはずです。
弓近いおり:別宅?
GM:もちろん、別宅を探しても構いません。が
GM:ナギサちゃんの判定で分かった内容は本宅のものです。
神津島ナギサ:「もしかしたらこの屋敷には居ないのかも」
神津島ナギサ:「いや、でも屋敷の中も全部探したわけじゃないし……ううん……」
GM:弓近さんは気配を察知できます。痕跡を追跡できたとしてもいいでしょう。
弓近いおり:「まずは屋敷の中を探してみましょうか」
GM:当主の暦の自室に明かりがついている。
神津島ナギサ:発火能力もまるで役に立たない。心細げにヴェロキラプトルの前足を握る。
弓近いおり:「いえ、待って……」
神津島ナギサ:「?」
弓近いおり:「あそこ。あの場所って、いつも明りがついてるの?」
神津島ナギサ:「え」
神津島ナギサ:そちらを見る。
GM:声が、かすかに漏れ聞こえてくる。
折木真夜子:「…………ね………。……。……ん……」
折木暦:「……、……」ボソボソ
神津島ナギサ:「……当主の部屋だ」
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが聞き耳を立てているかのような気配がする。
GM:障子に影が映っている。
GM:座禅のような姿勢で座り込む、痩せ衰えた影。当主の暦。
弓近いおり:耳を済ませる。全身に流れる特異な血液で、電波の揺らぎを感じとる。
弓近いおり:「もう少し近づいてみましょうか。ナギサは、……そうね、その子の傍から離れないで」
神津島ナギサ:自分は超聴覚も視覚も持っていないので、不可視のヴェロキラプトルに偵察をお願いします。
神津島ナギサ:「う、うん」
GM:その横に屈み、耳打ちしているのが折木真夜子だ。
折木真夜子:「――ね。お祖父様」
折木真夜子:「……を、長い釘で……のですって」耳にかかる髪を指で払う。
御剣凌駕:まるでヴェロキラプトルが当主と真夜子が何か話していることをナギサに伝えるような気配が近くでする。
弓近いおり:より部屋に近い位置で聞き耳を立てる。古い日本家屋でも、足音を完璧に消している。
折木真夜子:「……………リエット”のこと。昔、そうだったのでしょう?……」
折木暦:「ア……アァ、ああ」
折木暦:「……真夜子……ウゥ」
弓近いおり:(……長い釘。昔。リエット……リエット?)
折木真夜子:「……同じよね?……ね?お祖父様のときと」
折木真夜子:「……おぼえているのよね?」暦の首筋を指で撫でる。
折木真夜子:「本当は――」
神津島ナギサ:ドキドキしながら障子越しにその様子を見守る。
折木暦:「かは、かは――、あああ……」落ち窪んだ眼窩からは何の感情も読み取れない。
折木暦:「……」あるいは、何らかの真意を隠しているのかもしれない。
GM:真夜子の表情がそうであるように、折木家にはそういう『技術』がある。
神津島ナギサ:(……ジュリエット?)
折木真夜子:「……また、教えてもらうわ。お祖父様?」
折木真夜子:美しい微笑みを祖父に向けて、
折木真夜子:「……」一瞬、ナギサ達の隠れる障子の方向を見る。
神津島ナギサ:その気配を感じ取り、反射的に身をかがめる。
GM:気付いていたのかどうかは分からない。真夜子は当主の部屋を出た。
GM:……だが、分かったことはある。
GM:“長い釘”。近い時期に起こった猟奇事件に、それを連想させるものがある。
GM:特に、弓近いおりは……折木の家にまつわる、早贄のことを聞いたばかりだ。
GM:“ジュリエット”。最初にナギサがその名を出した時も、折木真夜子は反応していた。
GM:“長い釘”と同じ文脈で、会話に現れていた。
弓近いおり:(あらあら。秋果さんの懸念は、案外、本物だったのかしら)
神津島ナギサ:「……弓近。どう思う?」
神津島ナギサ:「UGNからは、怪しい動きがあったら教えてくれって言われてる、けど……」
弓近いおり:「ジュリエット。長い釘。聞こえたのはそれくらいね。だけど、この言葉が本当なら……」
弓近いおり:「早贄事件。折木家の不審な動き。それに凌駕のお爺さんの話……」
弓近いおり:「それが繋がっている、ってことになるわ」
神津島ナギサ:「……」
GM:“ジュリエット”を監禁していたのは旧帝国陸軍。
GM:“長い釘”と“ジュリエット”の関連を知るのは折木家。
GM:そして、“長い釘”で殺される、早贄事件が――今、起こっている。
弓近いおり:「……部屋に戻りましょうか。ナギサ、自室はどこ?」
神津島ナギサ:「……UGNの人にさ。この件から手を引けって言われたけど」
神津島ナギサ:「やっぱりあたし、この件、追ってみようと思う。勝手に」
神津島ナギサ:「何が起きてるのか気になるし……あと、それに……」
神津島ナギサ:「えっと……」
弓近いおり:「その中で誰かが傷ついていたら」
弓近いおり:「どうにかしたいって、思う?」
神津島ナギサ:「……うん」
神津島ナギサ:「もしそれが真夜子さんなら、よけいに助けたい。ほんとの友達になりたいから」
弓近いおり:「真夜子って……あの? 怖がってたんじゃないの?」
弓近いおり:すぐに席を外したが、それくらいは分かる。
神津島ナギサ:「……うん、怖い。苦手なとこのほうが多いかも」
弓近いおり:「なのに、友達になりたいって思うの?」
弓近いおり:「よく分からないけど、ナギサはそうなのね」
神津島ナギサ:なんで友達になりたいのか、自分の中でも整理がついていない。
神津島ナギサ:父親がいなくて寂しそう、という勝手な思い込みから来る庇護欲か。
神津島ナギサ:どこか家の事情に縛られているように見えるのを、島に囚われていた自分と重ねているのか。
神津島ナギサ:「……うん。あたしはそうなんだと思う」
神津島ナギサ:「ごめん、今話しても意味なかったよな……部屋戻ろう」
弓近いおり:「――私も、この件は調べるわ。このままだと収まりがつかないし」
神津島ナギサ:「依頼、なくなっちゃったのに?」
弓近いおり:「そうなんだけど……よく考えたら情報屋って、必ずしも依頼を受けて動く必要ないと思わない?」
神津島ナギサ:「あ、そっか」
神津島ナギサ:「色々やる、総合窓口。だもんな」
弓近いおり:「そうそう。前の仕事を引きずりすぎてたのよ、わたし」
神津島ナギサ:「……ふふっ、よかった。この子と二人だけで屋敷の事探るの、寂しかったから」
弓近いおり:「……あ。ナギサ。この件を解決したいなら、もう一人、協力できそうな子はいるわよ」
神津島ナギサ:「もう一人?」 ヴェロキラプトルの喉下をくすぐりながら首をかしげる。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが嬉しそうに唸るような気配がする。
弓近いおり:「秋果。あなたは避けられてるみたいだから、無理に近づく必要はないかもだけど」
神津島ナギサ:「……大丈夫か?ほら。さっき部屋にいなかったって話、しただろ」
弓近いおり:「だって最初の依頼人だし」
神津島ナギサ:「!?」
弓近いおり:「……あ。これ、言っちゃいけないやつかしら」
神津島ナギサ:「依頼の内容は……?」
弓近いおり:「それは前言った通りよ。近辺で起きてる怪しげな物事の調査。だいぶ錯乱してたし、そこに行くまでの詳細は省くけど」
神津島ナギサ:ちなみに、周囲に秋果君の気配はありますか?
GM:ありません。真夜子とは違って、彼の行く先は完全に謎です。
神津島ナギサ:「ふうん。あいつはあいつで、真夜子さんとは別の何かを探ってるのか……」
弓近いおり:「彼の気配は分からないし。今日の所は、これでお開きにしましょうか」
神津島ナギサ:「うん。真夜子さんに気付かれないうちに、あたしも部屋に戻るよ」
神津島ナギサ:「そのさ……別にあたしの為に来てくれたわけじゃないのはわかってるんだけど」
神津島ナギサ:「頼もしかった。ありがとな、弓近」 珍しく、ぎこちなさの無い笑顔を見せる。
弓近いおり:「……あら」目を丸くする。やがて、ふふ、と笑みを返す。
弓近いおり:「こちらこそ。ナギサって、可愛い子よね」
神津島ナギサ:「……!?」
神津島ナギサ:真っ赤になって俯く。
神津島ナギサ:「じゃ……じゃあな。気をつけて帰れよ!」
神津島ナギサ:「行くよ、ヴェロ」
弓近いおり:「はいはい。この案件がおわるまで、よろしくね」
神津島ナギサ:耳を真っ赤にさせながらヴェロキラプトルと一緒にてこてこ歩き去ります。
御剣凌駕:まるでヴェロキラプトルが大人しくナギサのそばについていくかのような気配がする。
弓近いおり:何も無ければ、窓の桟からダイビングするように背中から落ち、赤い電光を残して消える。
GM:仄明るい廊下をわたって、ナギサは再び自分の寝室へと戻っていく。
GM:自分も、真夜子や秋果と同じように抜けだしてきたのだ。怪しまれないとも限らなかった。
神津島ナギサ:弓近とも少し仲良くなれた気がする。遠藤や御剣ともそうだ。
神津島ナギサ:何が起こっているのかは分からないし、不安だけど、それでも彼らと一緒ならなんとかなりそう。
神津島ナギサ:そんな明るい気持ちで自室へ戻る。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが何かを警戒するようにナギサの方を見ているかのような気配がする。
GM:ナギサの部屋の電気は消えたままです。眠りにつくだけだ。
神津島ナギサ:「お前も御苦労さま。ゆっくりお休み」 部屋に入る。
神津島ナギサ:電気が消えたままでも、月明かりのお陰で布団の位置くらいは分かる。
GM:ナギサが床についたその時、
折木真夜子:その後ろから腕が回される。
神津島ナギサ:「ひゃわ……!?」
折木真夜子:「――ナギサ」囁き声。柔らかな感触が押し付けられる。
神津島ナギサ:「……え、え」
折木真夜子:「悪い子ね」
折木真夜子:「……おとなしく、眠っていなかったの?」優しい声色だ。
神津島ナギサ:「う……違うよ。ちょっと、お手洗いに……」
GM:暗闇の布団の中に、既にいた。……折木真夜子が。
折木真夜子:「そう。信じていいのね……?」
御剣凌駕:ヴェロキラプトルが真夜子を睨み、微かに唸るような気配がする。
御剣凌駕:姿の見えないヴェロキラプトルはナギサの命令があればすぐにでも真夜子に飛びかかるだろう。
神津島ナギサ:「……」
折木真夜子:後ろから、細い指が喉を撫でる。早贄事件の……首筋。
神津島ナギサ:「………真夜子、さん。あのさ」
折木真夜子:「ふふ」ナギサの髪を、愛でるように撫でている。
神津島ナギサ:くるりと腕の中で向きを変え、真夜子さんの方を向く。
神津島ナギサ:「あたし、その……世間知らずで、あんま役に立たないかもしれないけど」
神津島ナギサ:「真夜子さんがもし困ってるなら、助けたいって思うんだ」
折木真夜子:闇の中で、月光に反射する瞳がじっとナギサを見つめる。
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:綺麗な瞳に気押されそうになりながら、それだけなんとか絞り出す。
折木真夜子:「…………こまってる?」
折木真夜子:「私が、そうなの?」
神津島ナギサ:「わ、わかんない、けど……もし困ってる事があれば、言ってほしくて」
神津島ナギサ:「……ともだち」
神津島ナギサ:「真夜子さんと、本当の友達になれたらいいなって。思うから」
折木真夜子:「……困ってるなんて。私が困っていないと、本物のお友達になってくれない?」目を細めて笑う。
折木真夜子:「私は、折木真夜子よ」
折木真夜子:「――困ったことなんて、一度もないわ」
神津島ナギサ:「……」
折木真夜子:もう一度ナギサの喉を撫でる。
折木真夜子:「……だから、ナギサが私の友達でいたくないとしても」
折木真夜子:「ちっとも、困らないわ……」
神津島ナギサ:「!」
折木真夜子:笑顔を浮かべたまま、ナギサを抱きしめる。
折木真夜子:「あなたが、私と友達でいたいと思ってるから、友達になっているの」
折木真夜子:「そうでしょう?……ねえ、ナギサ」
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:寂しそうに目を伏せる。
神津島ナギサ:「う、ん……」
折木真夜子:「いい子ね」自分の胸にナギサを抱くようにして、微笑む。
折木真夜子:――だが、実際の表情がどうなのか、ナギサからは見えない。
折木真夜子:「ナギサ……ナギサ」
折木真夜子:「お友達よ。ずっと……」
神津島ナギサ:(ほんとの友達に、なりたいのにな……) 抱きしめられながら微かな溜息をつく。

GM:それではシーンは継続し、残された弓近さんの手番となります。
弓近いおり:はいさい
GM:調査したい項目は、透明な男関連以外は自由に調査可能です。
弓近いおり:何を調べようかな~
GM:あと調べられなさそうなのあったかな
弓近いおり:個人的には、やはり早贄事件か
弓近いおり:失踪した父親のことも調べたいけど、そっちはナギサちゃん向けな気もする
▼早贄事件の新たな犠牲者 〈情報:裏社会〉〈情報:噂話〉 難易度11
弓近いおり:裏社会! 固定値3もあれば十分かな~~~~~~
弓近いおり:《アクティベイト》 HP6消費
GM:リソースがw
弓近いおり:2dx+9
DoubleCross : (2R10+9[10]) → 8[5,8]+9 → 17

GM:やったないおり
神津島ナギサ:つよっ
GM:またぼくたちのコンビネーションで情報を抜いたな!
弓近いおり:やっぱりお前は最高の相棒だぜ
GM:弓近さんがよろしければ、秋果くんの口にした僅かな手がかりを頼りに
GM:いくつかある折木別宅の中から怪しい場所に目星をつけて、足で探すことになるでしょう。
弓近いおり:折木別宅、倉庫、さらに、秋果くんが気まぐれで訪れることの出来る場所。
弓近いおり:つまり、本宅からそこまで離れてはいないだろう。その辺りの倉庫を探します。
弓近いおり:セキュリティなどショウジ戸同然
GM:最初の二棟ほどは不発に終わる。
GM:だが、変異種のレネゲイドにより
GM:恐るべき技術をオールマイティに発揮できる!生半可なセキュリティは障子戸同然なのだ。
GM:……そして、三軒目。
GM:もちろん弓近さんの方が先に捕捉できます。既にその別宅を探ろうとしている影がある。
弓近いおり:なんと
折木秋果:「……」懐中電灯を持っているが、点灯していない。
弓近いおり:(おや、あれは……)
GM:もちろん、探りを入れている秋果に気付かれずにこの別宅内に先に潜入し、
GM:そして気づかれないままその場を離れる事も可能でしょう。弓近いおりの技量ならば。
弓近いおり:(秋果。なら、ここが前に言っていた場所かしら)
弓近いおり:そうですね。調査はもう決めたことなのですが、依頼を却下した手前、
弓近いおり:秋果さんにこちらから協力してますよ~という姿勢を示すのはバツが悪い。というか、舐められる気がする。
弓近いおり:秋果さんは、どのような探りをしていますか?
弓近いおり:たとえば、その辺りのドアを開けようとしたりなど、していますか?
GM:まだ別宅の周辺を回っているだけのようです。
GM:例えば、潜入のアマチュアはこういった行動を取りがちになる。
GM:プロならば無人であると確信できることが、すぐには分からない。よって長く現場周辺に居座り、発見されるリスクを犯してしまう。
弓近いおり:(ああ、もう。見てられないって感じだわ)
弓近いおり:では、ですね。たまたま秋果さんがその辺りの壁に手をついた瞬間。
弓近いおり:その場所に一瞬前まで無かったはずの謎のささくれが現れ、手をちょっとだけ傷つけてしまうなどは如何でしょう
GM:構いませんが、どのような技術でそれをやりますか?
弓近いおり:感覚かRCかどちらかで。
GM:何かを飛ばすということですか?
弓近いおり:はい。遠隔ナイフコーティングみたいなものです。
弓近いおり:こっそりと血を飛ばして、壁の任意の場所に刃を作り出し、それを彼が去った後で回収するつもりです。
GM:では難易度はRCで9とします。
弓近いおり:フゥーム……
弓近いおり:素振りしましょうか。たまには
弓近いおり:3dx
DoubleCross : (3R10[10]) → 6[1,3,6] → 6

GM:その達成値なら、壁についたタイミングから少し外してしまいました。
GM:暗闇の中で、壁を突く寸前の意識のタイミングを測り、同時同箇所に着弾させるのは見た目以上の精密作業だ。(難易度9)
弓近いおり:(うーん、おしい)
弓近いおり:まあいいや。先んじて建物に入ります
GM:それでは、痕跡を残さず先に侵入できました。
GM:情報収集判定は成功しているため、このあたりに来れば完全にわかります。
GM:血の匂いがします。
弓近いおり:「!」
弓近いおり:(もしかして) 普段以上に警戒して慎重に進みます
GM:古い作りの蔵。重い閂がかかっている。もちろん錠前も。
GM:もちろん、本気のオーヴァードを阻むに足るセキュリティではない。
弓近いおり:錠前に触れると、半ば自動で血液が抽出精製。構造に合った即席鍵に。
GM:ガチン
GM:小さな解錠音とともに閂が動く。
弓近いおり:一旦、扉の端に飛び退いてから、数秒待機。
GM:当然、中に動くものの気配はありません。機械的セキュリティが動作した形跡もない。
GM:もちろん、機械セキュリティをかけているような蔵であれば
GM:人目をはばかるものを隠せるはずもない。
弓近いおり:侵入します
GM:ギ
GM:  ゴギギ
弓近いおり:(失礼するわね、誰とも知らない倉庫さん)
GM:扉が開くと共に、街灯の光が僅かに戸の隙間から差し込む。
GM:……そして、中には柱が立っている。
GM:風に僅かに揺れる。柱に少女が打ち付けられている。
GM:柱は6本ある。
弓近いおり:「……………!」
GM:遠くの大通りで車の走る音が聞こえている。夜風が木々をざわめかせる。
GM:普通の住宅街の夜と同じ。
GM:だが、全員が死んでいる。恐怖と苦痛の表情のまま。
弓近いおり:6個の柱に、6人?
GM:一人ずつ、全員が喉を打ち付けられて死んでいることがわかります。
GM:他に外傷はないことも。明らかに、『喉を打たれて』死んでいる。
弓近いおり:「…………これ、は」
弓近いおり:「あからさまね。猟奇的、って言葉の……お手本みたい」
弓近いおり:パリパリと、身体の端々を赤雷が走る。
GM:――そして、6本の柱の他にも
GM:濃い血と腐敗の匂いが、倉庫の片隅から感じ取れるでしょう。
GM:小さなバケツが置いてある。
弓近いおり:軽口を叩くのも。雷撃を放つのも、彼女に教え込まれた動きとは異なる。
弓近いおり:そちらを、覗きこみます。
GM:こちらは、もう原型すら留めていないズタズタの寸断死体が
GM:雑然と放り込まれ、腐乱しています。
GM:通常なら身元不明です。
弓近いおり:通常ならな!
弓近いおり:六人を含め、当たりに血は?
GM:雑然と飛び散っています。どのみち証拠品が押し込まれている倉庫の中なので、隠滅も考えなかったのでしょう。
弓近いおり:それと、首を打たれている凶器は何でしょう。
GM:長い釘です。
弓近いおり:「…………」では、全身からパリパリと電光を響かせながら、ポケットから試験管めいたものを取り出し
弓近いおり:凶器周辺の、六人それぞれの血を慎重に回収。
弓近いおり:最後に、バケツの中の死体の血を、おそるおそる、少しだけ舐めます。《ブラッドリーディング》。
GM:通常の血よりもさらにおぞましい味ですが、弓近は理解できます。
GM:バケツの中に詰め込まれているのは一人の死体です。
GM:おおよそ、40代から50代の男性でしょう。……そして、
GM:ちょうど、このような腐敗状態を示しそうな時期に失踪した、プロフィールの一致する、
GM:……そしてまだ見つかっていない、この湯津町の住人のことを知っているはずです。
弓近いおり:「…………これは」
弓近いおり:父親?
GM:状況的にそれが最も妥当な推測でしょう。
GM:折木真夜子と折木秋果の父親、折木敦弘と思われます。
弓近いおり:「折木、家……」
弓近いおり:もちろん、事前に折木家のプロフィールは調べている。
弓近いおり:流石に顔までは連想できないが、それが確信できるという程度のことは分かる。
GM:    ガタン
GM:扉が開いた音が聞こえます。近い。
弓近いおり:「!」
弓近いおり:既に必要なものは回収した。この場から逃げるべきだとは分かっているが、
GM:足音を殺しているものの、消しきれてはいない。アマチュアだ。
GM:最初に探すのは倉庫になるだろう。今脱出すれば、見咎められることはありません。
弓近いおり:その中途半端な警戒度から、誰であるかを理解する。
弓近いおり:脱出、しません。
GM:その場で待っていると、扉が開く。
折木秋果:「……!」
弓近いおり:代わりに、相手が扉を開けた瞬間に、背後からその口元を押さえる。
折木秋果:叫び声すら上げられない。だが突然の襲撃に恐慌し、もがく。
弓近いおり:「静かにして」
弓近いおり:「なるたけ目を細めて。焦点を合わせないように」
折木秋果:「……う」「うう」
弓近いおり:「ここであなたが迂闊に悲鳴をあげたら、とても面倒なことになるわ」
折木秋果:まだ背後にいるのが誰かを理解していない。
弓近いおり:「もう忘れちゃいました? 薄情な依頼主さんですね」
折木秋果:「……!」暴れるのを止める。
弓近いおり:「いや、元かしら」
弓近いおり:動きが止まったことを確認してから、そっと解放する。
折木秋果:「おぐっ、げぶっ、ごっ……うぐっ!」地面に倒れこみ、嘔吐する。
折木秋果:「……っは、ポ、ポップ……エムさん、これ、これは」
折木秋果:「……あ」
弓近いおり:「気をしっかり持って。……難しいかもしれないけど」
折木秋果:「むり、無理だ……こんなの」
折木秋果:「死体。ひどい臭いだ。どうして……こんなこと」
弓近いおり:「ここ、あなたが前に、死体を見つけたはずの場所?」
折木秋果:「どうして……」
弓近いおり:「……分からないわよ、そんなこと」
弓近いおり:バチ、バチ、と赤雷が身体を走る。
折木秋果:「じゃあ、なんで!ここにいるんですか!」
折木秋果:「げほっ、げほげほ!ごほっ!」
弓近いおり:秋果さんを倉庫の外に出す。
弓近いおり:強引に壁にもたれさせて、仰向けにする
折木秋果:臭いから解放されたためか、多少落ち着く。
折木秋果:「ふーっ……ふーっ……」
折木秋果:「現実だ、現実だ、現実だ……」
折木秋果:「……なんでここにいたんですか」弱々しい口調で再び聞く。
弓近いおり:少々考えて。「……あなたを尾けてたの」
弓近いおり:「あんな中途半端な所で断られて、大人しく引き下がるのも嫌だったしね」
折木秋果:「そう……だったのか」
折木秋果:「僕は知らなかった。こんなことになってるなんて。ここも、折木の家だ」
弓近いおり:「何もなければそれはそれ。何か分かれば、UGNとかに売りつけようと思ったんだけれど」
折木秋果:「僕の家の中で、こんなことが起こってるんだ。ああ!……」両手で顔を覆う。
弓近いおり:「……度を超えてるわ。あんなの」
折木秋果:「僕は間に合わなかったのかな……」
折木秋果:「結局、決断できなかったから、こういうことになったんだ」
弓近いおり:一瞬だけ目を見開く。口を押さえる。「……ん」
弓近いおり:手を外す。「……だから。そんな、問題じゃないわ」
折木秋果:「……」
弓近いおり:倉庫の周りには、たとえば、何かを引きずった跡とか
弓近いおり:そういうものはあるんですか?
GM:僅かな痕跡はあります。
弓近いおり:(……いちばん怖いシンドローム……バロールや、オルクスじゃない)
弓近いおり:(直に、手で運んでる。空間操作のシリアルキラーが、たまたまここを保存場所にしたって線は無い)
弓近いおり:(……たぶん)
GM:そうですね。そういった空間跳躍手段の痕跡はありません。
GM:つまり、何者かは確信を持って、ここを安全な保管場所として選んだということになります。
弓近いおり:「…………」秋果さんを横目で見る。あのバケツ……
GM:すぐに目に入るのがあの柱である以上、バケツには意識が向かなかったはず。
GM:折木秋果が苦しんでいるのは、あくまで新たに発見された6人の『早贄事件』の犠牲者だ……
弓近いおり:「……UGNと、警察」
弓近いおり:「秋果。折木家にとっては、どっちが都合が良い?」
折木秋果:「それは……UGNに決まってる」
弓近いおり:「そ。スポンサーだから、もみ消したりするかと、ちょっと思ったのだけれど」
弓近いおり:そこで、ナギサの話を思い出す。
弓近いおり:少なくとも、疑いを持って折木家にあたるエージェントが最低一人は居る
弓近いおり:ナギサちゃんを介して、その方に連絡を取ることは出来ますか?
GM:この時刻は不可能ですね。
GM:ナギサは恐らく就寝しているはずだからです。
弓近いおり:じゃあ、秋果さんに頼んで、直接UGNのその人に連絡して貰うか・・・
弓近いおり:くそっ! 名刺は渡したのに名刺交換はしてない! 
弓近いおり:プロ意識が足りなかった……
GM:特に状況を動かさないならイベントが起きます。
弓近いおり:UGNに連絡を取ろうとはしますが
弓近いおり:手間取るとは思います。どんなイベントでしょうか

折木秋果:「……冷静ですね、本当に」
折木秋果:「殺し屋だからですか」
折木秋果:力なく笑いながら言う。
弓近いおり:「そういう風に、教え込まれたわ」
折木秋果:「不自然ですよ、ポップレクイエムさん」
折木秋果:「そういうところだけカッコつけて。けほっ……」
弓近いおり:バチ、バチ、と身体に赤い雷が走る。
折木秋果:「結局ヘラヘラして、迂闊な子供みたいな態度で、全然釣り合ってない」
折木秋果:「そこは教えられてないんですか?何ならできるんですか?」
弓近いおり:「今この場で、即座にナイフを投げて」
弓近いおり:「この町のどこかに居る猟奇殺人犯をざっくり捕まえられれば」
弓近いおり:「そんなことが出来ればいいなって思うわ」
折木秋果:「ヘラヘラしているあなたと……今、ここでそうやってプロみたいな事言ってるあなたの」
折木秋果:「どっちが本当なんですか……どっちが!」
折木秋果:「もしあなたが本当に頼れる人なら、ここで助けてもらいたいのに……!すぐにでも!今にでも!」
弓近いおり:「むつかしいことを言うわね」
弓近いおり:「つまり、私は疑われてるのね」
弓近いおり:「あなたが依頼するに、信頼に値する力があるかどうか」
折木秋果:「『びっくり』とか『ぷんぷん』とか、言いますか!殺し屋が!」
折木秋果:「殺し屋ですよ!?くはっ、はは……違う、そんなもう、僕も変だ」
折木秋果:「……こんな状況で、そういう問題じゃないのに……ははは……」
弓近いおり:「煙草をふかして、机の上に足を載せて、昔の人の格言と一緒に命の軽さでも説けって言うの?」
折木秋果:「そうです……そうですよ」
折木秋果:「だって、僕は……」
折木秋果:「少なくとも僕は、本当に。真剣に。殺してもらいたかったんだ」
弓近いおり:「……誰を?」
折木秋果:「こんなおかしなことを起こしてる何かを。僕の殺意は……真剣だった」
折木秋果:「殺し屋なんて、本当は誰でも頼めると思うんです」
折木秋果:「そこらのホームレスに、何十万かを掴ませれば、多分、後ろから平気で人を刺してくれる人が見つかる」
弓近いおり:「…………」
折木秋果:「でも……父様が、僕の父様が、わざわざ、頼んだってことは」膝の間に頭を埋めるようにする。
折木秋果:「そんな、不真面目な殺意だったわけがないじゃないか……」
弓近いおり:「…………」
弓近いおり:「ごめんなさい」
折木秋果:「……」
弓近いおり:「あなたの期待を裏切ったわ。あなたの殺意を侮った」
弓近いおり:「……だから彼は、私に、殺しをさせなかったのかしら」
弓近いおり:殺す相手に対する力ではなく。
弓近いおり:殺してくれと頼んでくる相手に向き合う力が、足りなかった。
弓近いおり:膝を抱える。
折木秋果:「……僕も言い過ぎました」
折木秋果:「もう依頼主でもないのに。甘えてますよね」
弓近いおり:「そうよ。ひどいわ」
弓近いおり:「そもそも、依頼の内容も周りの事情もぜんぜん分かってないのに、なんかいるから殺せ、なんて」
弓近いおり:「モンスター依頼主だわ」
折木秋果:「……ですね」溜息混じりに笑う。
折木秋果:「気持ちだけで足りるなんて、お話の中だけだ」
折木秋果:「それに――実際、会ってみて」
折木秋果:「……あなたが本当の殺し屋じゃないほうがいいんじゃないかとすら思ってた」
弓近いおり:「なに、それ」
折木秋果:「見た目通りの、ヘラヘラした……少し強いだけのオーヴァードのお姉さんで」
折木秋果:「それなら、依頼を破棄したことにすれば……実際どうだったかなんて、曖昧に終われるだろうって」
弓近いおり:「曖昧に終わらせちゃ、駄目じゃない」
折木秋果:「……だって、フフ……!僕と、こんなに」弓近の目を見て、すぐに逸らす。
折木秋果:「年が近くて。こんな人だと思ってなかったから」
折木秋果:「もしも、僕に近い……そんな人が」
折木秋果:「真剣な殺意で人を殺せる、本物の殺し屋だったら、そのほうが怖いと思ってしまった」
折木秋果:「だから、だからあなたがどっちでもない事が……許せなかったのかも」
弓近いおり:「…………んー。それは新たな知見だわ」
弓近いおり:「悪かったわね、中途半端で」
折木秋果:「……どっちなんですか」
弓近いおり:「私はジ・エレイソンの唯一の弟子」
弓近いおり:「そこは本当。――殺し屋かどうか?」
折木秋果:無言で頷く。
弓近いおり:「依頼を受けて人を殺したことは無いわ。でも、下準備を手伝ったことはある」
弓近いおり:「情報収集。それは向いていると褒められたから」
弓近いおり:「名刺の通り、情報屋になろうとしたわ」
弓近いおり:「だけど、ジ・エレイソンの仕事が残ってるなんて言われたら」
弓近いおり:「やらざるをえないじゃない。――あなたの前に現れたのは、そういうわけ」
弓近いおり:大きく息をつく。なんだか、改めて説明すると、本当に中途半端だ。
折木秋果:「ポップ・レクイエムさん。あなたが言ったみたいに、もしも僕が、本当に依頼をしたのなら――」
折木秋果:口を開いた矢先に倒れる。
弓近いおり:「――秋果?」
GM:〈知覚〉難易度9で判定してください。
弓近いおり:…………
弓近いおり:《アクティベイト》!
弓近いおり:HP7消費!
弓近いおり:4dx+8
DoubleCross : (4R10+8[10]) → 10[6,7,9,10]+1[1]+8 → 19

GM:ワーディングの気配の――直前。
GM:弓近の頭のすぐ横の軌道を通って、飛来物が秋果に着弾する。
GM:その直感を弓近は得た。
弓近いおり:体内と体表面に電光が走る。0から100の急加速で、秋果を引き寄せて飛び退く!
GM:カバーリング扱いになり、弓近に着弾します。よろしいですか?
弓近いおり:カモン!
“バーデンバーデン”:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《妖の招き》。
“バーデンバーデン”:11dx7+6
DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,3,3,5,5,6,7,8,9,10,10]+10[1,1,2,4,7]+5[5]+6 → 31

“バーデンバーデン”:「蟲毒の壷」を使用。邪毒3を付与。
弓近いおり:こんの・・・・・・!
GM:――z__パ ン ! !
GM:背後から飛来したスパイクが、骨髄めいた網状組織とともに展開し、
GM:弓近を捕える!
“バーデンバーデン”:「……“捕獲”」
“バーデンバーデン”:「“杭”」
“バーデンバーデン”:「見たぞ。オマエら」
弓近いおり:「バデバデ……!」
弓近いおり:「過激な、お誘いだわ!」
GM:ミドル戦闘に突入します。
弓近いおり:なん・・・・・・だと・・・・・・

■第1ラウンド

バーデンバーデン
   弓近
GM:距離0m、邪毒3の状態から戦闘突入です。まずはセットアップ。
“バーデンバーデン”:なし。
弓近いおり:なし。
“バーデンバーデン”:「シューッ……!」
“バーデンバーデン”:包帯が乱雑に巻かれた顔の隙間から呼気が漏れる。
“バーデンバーデン”:前回遭遇時のようなハリネズミめいたスパイクは展開できていない。辛うじて右腕から生えた、一本の杭だけだ。
“バーデンバーデン”:《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《インスタントボム》。
“バーデンバーデン”:11dx7+4
DoubleCross : (11R10+4[7]) → 10[3,3,3,3,4,5,5,6,6,8,10]+10[5,7]+4[4]+4 → 28

弓近いおり:ドッジ!
弓近いおり:3dx+1
DoubleCross : (3R10+1[10]) → 5[1,3,5]+1 → 6

GM:あ、ちょっと待った!
“バーデンバーデン”:すいません、マイナー行動を忘れていました。
弓近いおり:待つ!
“バーデンバーデン”:《骨の剣》《骨の銃》。
“バーデンバーデン”:「金属骨格」によりHPが-3されます。
“バーデンバーデン”:「オマエは……やってはならない事をした……!」
“バーデンバーデン”:「死」「ね!!!!」
“バーデンバーデン”:網状組織で弓近の右半身を絡めとったまま――
“バーデンバーデン”:3d10+18 装甲無視
DoubleCross : (3D10+18) → 15[3,5,7]+18 → 33

GM:ド  ウ   ! ! !
GM:ゼロ距離で起爆する!
弓近いおり:「! あ――?」
“バーデンバーデン”:「“炸裂杭”ッッ!!」
弓近いおり:全身から煙を吹き出しながら地面を転がる。
GM:“バーデンバーデン”はやはりワーディングを展開している。
GM:故に、いずれ増援が来る。……だが、この状況、決着はそれより早くなる!
弓近いおり:だが、血液が瞬時に硬化。服をぼろぼろにしながらも、致命傷をかわす
弓近いおり:リザレクト。
弓近いおり:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1

“バーデンバーデン”:「やはり皆殺しにするべきだった。最初から!クソどもが……!」
弓近いおり:「やってはならないとか、言われたくないわ」
弓近いおり:「酷い攻撃。センスの欠片もない」
弓近いおり:全身から電磁が迸る。
“バーデンバーデン”:「シィィィ……ッ!」こちらも、明らかに万全のコンディションではない!
“バーデンバーデン”:最初の遭遇でやられたダメージが回復しきっていないのだ。
弓近いおり:「は。あ……」
弓近いおり:GM。問いますが
弓近いおり:バーデンバーデンの攻撃対象はこちらのみですか?
弓近いおり:秋果くんとか狙います?
GM:いえ、まだ狙いません。
弓近いおり:OK。
弓近いおり:マイナーアクション。《イオノクラフト》。エンゲージ離脱。
GM:何m移動しますか?
弓近いおり:飛行状態で+2m。17m。
弓近いおり:上方へ。更にメジャーアクション。
弓近いおり:全力移動。
バーデンバーデン

   17m

   弓近
弓近いおり:上方へ。30m。
バーデンバーデン

   47m

   弓近
弓近いおり:行動終了。全身に電磁を迸らせ、倉庫の壁を跳躍。周辺の木々を渡り、更に上へ。
弓近いおり:月を背負い、十二分の距離を取る。
“バーデンバーデン”:「射程……」スパイクを向ける。だがそれだけだ。
弓近いおり:「一度目の戦闘で、あなたの攻撃範囲はだいたい見切れたわ」
GM:圧倒的な攻撃範囲と威力を誇るかのように見える“バーデンバーデン”の能力。
GM:だが、そこには一つ穴があった。弓近いおりはそれを見切っていた。
弓近いおり:「その長大な杭も。網も。――遠くへ飛ばすのは向かないんじゃないかしら?」
“バーデンバーデン”:「……ソイツは“捕獲杭”」細長い左手で指す。
“バーデンバーデン”:「非殺傷だ。当然、オーヴァードを捕えるためのもんじゃねェー」
“バーデンバーデン”:「……でもなア、シューッ……」
“バーデンバーデン”:「捕えるための機能なら……動かさない毒なら、既に食い込んでる」
“バーデンバーデン”:「非殺傷のやつがな。」
弓近いおり:「…………ッ!」
GM:クリンナップ。「蟲毒の壷」の邪毒で弓近に9ダメージ!
弓近いおり:《不死者の恩寵》ーっ!
GM:使うがいい!
弓近いおり:3d10+3+1-9
DoubleCross : (3D10+3+1-9) → 19[1,8,10]+3+1-9 → 14

GM:ナントカ回復だった!
弓近いおり:めっちゃ治った
弓近いおり:「ア、グッ、ケホッ!」
弓近いおり:身体がマヒし始め、呼吸困難に陥る。だが――
“バーデンバーデン”:「……」低く、倉庫の上に四足で這ったまま睨みつけている。
弓近いおり:全身が赤き電光に包まれる。落ちそうになった動きが、止まる。
弓近いおり:身体が纏う電光。それは、内在する電荷が漏れている……のではない。
弓近いおり:『外部神経』。理性に基づき、強制的に、精神および肉体の状態をベストに保つ。
弓近いおり:「……続けるわね」
“バーデンバーデン”:「逃さねェ」
“バーデンバーデン”:「どこまで“持つ”かだ」

■第2ラウンド

GM:セットアップはスキップします。
“バーデンバーデン”:戦闘移動から全力移動。17+34m移動。51mの距離を詰めてエンゲージします。
バーデンバーデン
   弓近
弓近いおり:まあ、ですよねェーッ!
“バーデンバーデン”:――ガ
“バーデンバーデン”:ギュン!!
“バーデンバーデン”:弓近を捕える“捕獲杭”から伸びる、細い筋繊維が
“バーデンバーデン”:一瞬で巻き取られ、“バーデンバーデン”を空中に押し上げる。
“バーデンバーデン”:「続き」「……だ!!」
弓近いおり:「しつこいんだから!」杭が刺さっている以上、逃れられないと判断する。
弓近いおり:マイナー。《イオノクラフト》+《アクティベイト》。
弓近いおり:HP9消費しつつ、17m移動。斜め下方向、倉庫の屋根へ着地。
バーデンバーデン

   17m

   弓近
弓近いおり:メジャー。《アタックプログラム》。レールガンで狙撃!
GM:先ほどまでとは逆に、弓近が下方から“バーデンバーデン”を狙う!
弓近いおり:空中で旋転。引き抜いた護身用投げナイフを握りこむと、それは一瞬で赤い血液に包まれ
弓近いおり:電光を纏って――射出される。
弓近いおり:達成値は19+3-4。
弓近いおり:あ、オートアクションでシューターズジャケット装備。
弓近いおり:7dx+18
DoubleCross : (7R10+18[10]) → 9[1,1,1,2,3,8,9]+18 → 27

“バーデンバーデン”:8dx+2
DoubleCross : (8R10+2[10]) → 10[2,3,5,5,6,8,10,10]+3[2,3]+2 → 15

弓近いおり:あっちょっと怖っ!ガード不可。
弓近いおり:3d10+20
DoubleCross : (3D10+20) → 21[5,10,6]+20 → 41

弓近いおり:「“神無宴”」
GM:――バ ヂ!!
GM:赤い光の線が中空の一点を刺し貫き、
“バーデンバーデン”:「……!」
“バーデンバーデン”:「オマエ……!」認識したその瞬間には、左腕が根本から引きちぎれている。
“バーデンバーデン”:HPは32。一撃で0になりますが、
“バーデンバーデン”:「予備心臓」で復活します。HP1。
“バーデンバーデン”:「……!」ドチャ!
GM:地面に叩きつけられる音。
弓近いおり:捕獲網の根元を奪いつつ、正確に急所を射抜いた。
弓近いおり:屋根の上から相手を見下ろす。相手が人間なら、人を殺した感慨にふける可能性もあったが……
“バーデンバーデン”:「……」ビキ、バキバキ、ギチッ
“バーデンバーデン”:相手は人間ではない。オーヴァードだ。
GM:クリンナッププロセス。邪毒ダメージ9を受けます。
弓近いおり:さっきと同じく、《不死者の恩寵》。
弓近いおり:3d10+3+1-9
DoubleCross : (3D10+3+1-9) → 19[4,8,7]+3+1-9 → 14

GM:またいい出目!
弓近いおり:赤電が麻痺毒を中和する。
“バーデンバーデン”:こちらは、失った左腕をスパイクで置換しつつ、
“バーデンバーデン”:壊れかけた歩行機械のようにバランスの立て直しを試みている。
“バーデンバーデン”:「シューッ……」

■第3ラウンド

GM:セットアップをスキップします。
“バーデンバーデン”:「……シャアッ!!」
GM:ダン!!
GM:全身のバネで地を蹴り、敷地外に移動。
GM:戦闘移動17m+全力移動34m。51m離脱。
バーデンバーデン

   68m

   弓近
GM:追撃しなければここで戦闘終了です。
弓近いおり:ボルアク買ってりゃよかった・・・
弓近いおり:追撃しません。
弓近いおり:秋果のこともある。逃げるなら追いはしない
GM:では互いに決定打を与えられず、ここは退けました。
弓近いおり:「なんだ……逃げるなら最初から攻撃してこないでほしいわ」
弓近いおり:――助かった。
弓近いおり:彼女の戦闘スタイルは殺し屋。一撃必殺&離脱が本質だ。
弓近いおり:ああいうガチの相手に正面からぶつかれば、持久力で押し切られる。
折木秋果:「……今の」
折木秋果:「ワーディングだったのか……また」頭痛のように頭を押さえる。
弓近いおり:バチ、バチ、と。
弓近いおり:身体を纏う電光が、だんだんとおぼつかなくなっている。
折木秋果:「へ、平気!?」弓近に反射的に手をのばそうとして、
弓近いおり:「もう。本当に、いきなり襲ってくるんだから」
折木秋果:肌に触れる直前で止まる。
折木秋果:「……です、か」
弓近いおり:「秋果。UGNに、連絡は、した?」
折木秋果:「……多分。通話には……なってた」
弓近いおり:「そ。あり、がと……」
弓近いおり:倉庫の壁に、ずるずるともたれ込む。
折木秋果:「……ポップレクイエムさん!ポップさん!!」
折木秋果:秋果の呼ぶ声が、遠く霞んでいく。
弓近いおり:「あ、」毒が回っている。
弓近いおり:あの猟奇殺人痕を見た時点から、既に強引に制御していた。
弓近いおり:電光が切れ、そのままぐったりと意識を失います。

GM:シーンを終了します。
GM:今いる人だけで、ロイスと調達判定が可能。残りは後回しです。
弓近いおり:秋果さんへのロイスをポジティブに。誠意。
弓近いおり:あと、バーデンさんに執着:/忌避感:○で取ります。全て埋まる。
弓近いおり:ロイスは以上。調達は次回で。
神津島ナギサ:うーむ。ロイス感情どうしようかな・・・
神津島ナギサ:-後見人/折木真夜子/好奇心/○屈辱/ロイス → -後見人/折木真夜子/○好奇心/屈辱/ロイス
神津島ナギサ:真夜子への感情をP表にします。
神津島ナギサ:調達は同じく次回!

■Middle/05

神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:72->73)
神津島ナギサ:いい出目。
御剣凌駕:63+1d10
DoubleCross : (63+1D10) → 63+1[1] → 64

GM:では、ナギサちゃんと凌駕さん2人のシーン。収集したい情報としては何がありますか?
神津島ナギサ:そうですねー
神津島ナギサ
1. スケさんは何者なのか?
2. 長戸樹里は何者だったのか?
3. 真夜子さんは何を企んでいるのか?(詳細が分かったらUGNに伝えたい)
 のどれかとして、3番を凌駕君に手伝って貰うためにも

神津島ナギサ:私としては2番に協力して恩を売りたいところではあります。
神津島ナギサ:凌駕君はどうでしょう!
御剣凌駕:こちらもそれで構いませんよ
神津島ナギサ:じゃあそれ!
御剣凌駕:長戸ひかりについても、樹里について調べていけば分かってきそうですしね
▼ジュリエットの過去(2) 〈情報:軍事〉〈知識:郷土史〉 難易度12
神津島ナギサ:いけるかな・・・駄目もとで振ってみるかな。
神津島ナギサ:凌駕君いきます?
御剣凌駕:頑張ればいけそうな気もしますが
御剣凌駕:ちなみに真夜子について調べる時の難易度はどんなもんでしょう?
神津島ナギサ:あっ、それも気になる
GM:そうですね、真夜子さんのどういう行動について調べたいかによって変わってくるかもしれません。
GM:色々怪しい素振りは見せているので、特にどこを知りたいというのがあれば!
神津島ナギサ:弓近さんが速攻で気絶してしまって、おそらく弓近さんと秋果君が見た死体の事はこっちに伝わってませんよね
GM:あー、そうですね。UGNと接触すればその辺りも伝えてもらえますが
GM:この時点で接触するかどうかはナギサちゃんの自由で構いません。
御剣凌駕:やはり気になるのは真夜子が祖父と接触して何をしていたのかですね
GM:了解です。これに関しても調べられます。
神津島ナギサ:そうですね。凌駕君とも繋がるラインとして、「…リエット”」という単語が出ていたし。
▼折木家の歴史 〈知識:郷土史〉〈知識:呪術〉〈情報:噂話〉 難易度9
神津島ナギサ:あ、低い!
神津島ナギサ:低くないけど!
御剣凌駕:こちらの方が神津島嬢はまだ成功しやすいかな
神津島ナギサ:うん。こっちを調べてみようかな。
神津島ナギサ:そういうことで、『▼折木家の歴史』を情報:噂話で振ってみます。コネは無し。
神津島ナギサ:3dx+1=>9
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[2,3,10]+5[5]+1 → 16 → 成功

神津島ナギサ:頑張ったぞ!
GM:あ、これ、〈交渉〉の技能を増やして良かったですね。
御剣凌駕:すごい成功してる
GM:なぜならこれは暦お祖父様に聞くことでも分かることだからです。
神津島ナギサ:!
GM:もちろん、またもメタルギアして情報を探し当ててもまったくOK!
神津島ナギサ:交渉・・・あたしが一番苦手な・・・
GM:16も出せば好きな様にできるので、選ぶが良い!
御剣凌駕:交渉はオレの得意分野だなw
神津島ナギサ:いっしょにメタルギアしてくれた弓近さんとの連絡がつかなくなってしまったので
神津島ナギサ:凌駕君に同行してもらいたいですねw
御剣凌駕:お安いご用だ。
神津島ナギサ:事情を話してかわりに交渉してもらいたい!
GM:凌駕さんは情報収集にチャレンジしておきますか?
御剣凌駕:では、オレは先ほどのジュリエットの過去(2)について。
GM:了解です。
御剣凌駕:二度目の情報収集チームを使用。
御剣凌駕:7dx+2>=12
DoubleCross : (7R10+2[10]>=12) → 10[1,1,2,4,8,9,10]+3[3]+2 → 15 → 成功

御剣凌駕:なんとか成功。
GM:SUGOI
GM:では、実はこの2つの情報項目はかなり密接に繋がっていますので
御剣凌駕:ほほう。
GM:御剣さんは実は既にこのジュリエットの過去については調べた上で
GM:ナギサちゃんと同行しているとしてもらいましょうか。適切なタイミングが来たら情報開示します。
御剣凌駕:了解です。
神津島ナギサ:わーい
GM:ナギサたやんは
GM:捜査を行う時刻に希望はありますか?
御剣凌駕:時間によって何か変わるのだろうか
GM:もちろん真夜子さんからの印象は最悪なので
神津島ナギサ:あわわわわ
GM:場合によっては不法侵入可能性がありますね!ばれないようにやらないとまずい!
GM:昼間でも問題ないのですが、その場合は学校のない休日、彼女の留守を狙うことになるでしょう。
神津島ナギサ:そうですね。だったらやはりお祖父様がいて真夜子さんがいない昼間が良いかなあ。
御剣凌駕:では、そうしましょうか?

折木家

GM:――土曜。御剣凌駕は、ここ数日間、自宅とこの湯津町を往復している。
GM:祖母は、目的を失わず精力的に出歩く凌駕の様子に、むしろ安心しているようだった。
GM:とはいえ、“ジュリエット”のことは祖母に知られてはならないことかもしれない。真相に繋がる何かを掴めるといいのだが。
GM:だが、人知れず凌駕と協力関係にある関係者もいる。
GM:……神津島ナギサ。彼女の側には、凌駕のヴェロキラプトルが常についていた。
神津島ナギサ:「……そういうことなんだ。あの夜」
御剣凌駕:「なるほど。折木女史の祖父か」
神津島ナギサ:「あたしと、弓近と、この子が確かに聞いた。“…リエット”って。」
神津島ナギサ:片手でヴェロキラプトルをぽふぽふする。
御剣凌駕:「……それがジュリエットのことかもしれないというわけだな」
神津島ナギサ:「うん」
神津島ナギサ:「今なら真夜子さんもいないし。当主に聞けば、何かわかるかも」
御剣凌駕:「ああ。やはりその暦殿に直接話を聞いてみるのが手っ取り早いだろうな」
神津島ナギサ:「しれないん、だ、けど……」
御剣凌駕:「どうした、神津島嬢?」
神津島ナギサ:「んん……」 肩を落とす。
御剣凌駕:「何やら不安そうな顔をしているが」
御剣凌駕:「何かあったのなら、相談相手になるぞ」
神津島ナギサ:「……夜中、真夜子さんは誰にも内緒で当主と会ってたんだ」
御剣凌駕:「秘密の会合、というわけか」
神津島ナギサ:「うん」
神津島ナギサ:「……もしこんな事してるのバレたら、真夜子さんに嫌われるだろうなって」
御剣凌駕:「……それはまあ、自分の秘密を探られるのは誰しも愉快ではないかもしれないな」
神津島ナギサ:「真夜子さんと友達になりたいなら、やめたほうがいいのかな」
御剣凌駕:「神津島嬢は何のためにこの事件を調べようとしている?単なる興味本位か?」
御剣凌駕:「好奇心で秘密を探ろうとしているのであれば、それはそなたが言う通り止めた方がいいのかもしれない」
神津島ナギサ:少し考えてからたどたどしく話しだす。
御剣凌駕:その言葉に耳を傾けるようにしてじっと話を聞いている。
神津島ナギサ:「わかんない事だらけで困ってるんだ。折木の人間が狙われてて、UGNは折木の人間を怪しんでて、ジュリエットの名前も出てきて」
神津島ナギサ:「もし真夜子さんがあたしと同じように困ってるなら、助けたい、し」
神津島ナギサ:「もし……その……」
神津島ナギサ:「真夜子さんが悪い事をしてるとしたら……」
神津島ナギサ:「止め、たい」
御剣凌駕:「そこだな」
御剣凌駕:「折木女史を助けたい。それが神津島嬢がこの事件について探る動機なのだろう?」
神津島ナギサ:「う、うん」
御剣凌駕:「ならば、その過程で例え彼女に嫌われたとしても、行動に移すべきだとオレは思う」
御剣凌駕:「信頼はまた少しずつ取り戻していけばいいが、人命はそうはいかない。なんせこの事件は殺人事件のようだからな」
神津島ナギサ:「そっか。そうだよな」
神津島ナギサ:「真夜子さんが悪い事してなくて、それでもし死んじゃったら……嫌われるも何もなくなっちゃうもんな」
御剣凌駕:「ああ、そうだ」
御剣凌駕:「友達になるのはゆっくりでもできる」
神津島ナギサ:「……あたしでもできる?」
御剣凌駕:「できるとも。なんせ神津島嬢は言葉の通じない恐竜と友達になったのだからな」
御剣凌駕:「それを思えば、何も難しいことはないだろう?」
神津島ナギサ:「!」
神津島ナギサ:「……へへへ、そっか」 ヴェロキラプトルを撫でる。
御剣凌駕:「……言葉と言えば。神津島嬢は折木女史に友達になりたいと直接話して伝えたことはあるのか?」
神津島ナギサ:「う」
神津島ナギサ:「い、言ってみたけど……」
神津島ナギサ:「……なんか、あんまりいい返事じゃなかった。あたしが友達じゃなくてもいいみたいな」
御剣凌駕:「そうか。ならば、もしかすると折木女史にはその言葉の真意が上手く伝わらなかったのかもしれないな」
神津島ナギサ:「真意が?」
御剣凌駕:「そう。言葉というのは案外難しいもので、思い付いた通りに口に出しても自分の気持ちが相手に伝わらないことがある」
御剣凌駕:「だから、そうだな。次はもっと折木女史が分かってくれるような言い方をしてみたらどうだろう。例えば――」
御剣凌駕:「神津島嬢は折木女史と友達になって、何がしたい?一緒に行きたい場所はあるか?」
神津島ナギサ:「ド、ドリンクバー!に、行きたい!」
神津島ナギサ:「こないだ皆と話したみたいな……ああいうの。」
御剣凌駕:「いいな、それは。オレもすごくいいと思う」
御剣凌駕:「だから、次はそういう話をしてみたらどうだろうか。友達になりたいと言うよりも、一歩前に進んだ気がしないか?」
神津島ナギサ:「…………本当だ。する」
神津島ナギサ:「凌駕はすごいな。あたしが知らない事をなんでも知ってて」
神津島ナギサ:「なんか、胸のつっかえが取れた気がする」
御剣凌駕:「いいや、欠点だらけさ。フルートもバイオリンもギターも何一つまともに演奏できないんだぞ」
御剣凌駕:「そうか。それはよかった。神津島嬢の力になれたのなら、何よりだ」
神津島ナギサ:「ごめんな、だいぶ時間取らせちゃってさ」
神津島ナギサ:「聞きにいこう。ジュリエットのこと」
御剣凌駕:「ああ。ちゃんとした話が聞けるといいのだが」
御剣凌駕:では、暦殿の居室に向かいましょう。
GM:障子戸を開くと、折木暦の姿が見える。
折木暦:「……」座椅子に深く身を沈めたまま、虚ろに天井を見つめている。
折木暦:ナギサは勿論、招かれざる客の凌駕にすら注意を払えていないように見える。
神津島ナギサ:「……」 なんと声をかけていいか分からない。
御剣凌駕:「こんにちは、暦殿」
神津島ナギサ:普通の人間に接するのすらギクシャクするのだから、こういう人間が相手ならなおさらだ。
御剣凌駕:「今日は暦殿にお話を聞かせていただきたくて参りました」
神津島ナギサ:「あ、こ、こんにちは。当主殿」
神津島ナギサ:御剣の後ろで同意するようにこくこくと頷く。
御剣凌駕:「昔のお話です」
折木暦:「……加恵」ぼそりと呟く。
折木暦:ナギサや真夜子のことを、かつての妻の名で呼ぶことがある。
折木暦:「……あ、ああ」
神津島ナギサ:「……奥さんの名前だよ。最初に会った時もこうだった」
神津島ナギサ:御剣にこっそり耳打ちする。
御剣凌駕:「そうか」頷く。
折木暦:「また……聞きに来たのか」
折木暦:「おそろしい……」
御剣凌駕:「ええ。加恵さんがあなたのお話を聞きたいそうです」
御剣凌駕:「長い釘。それに、ジュリエット。何か思い当たることはありませんでしょうか」
折木暦:「“ヌイクギ”」
折木暦:「……」ブツブツ
御剣凌駕:「……“ヌイクギ”?」
御剣凌駕:「知った言葉か?」ナギサに聞く。
折木暦:「また聞きに来たのか」
折木暦:「また……」
神津島ナギサ:「ヌイクギ……?」
神津島ナギサ:こちらも首をかしげる。聞いたことのない名前だ。
御剣凌駕:「ヌイクギとは何です?」
折木暦:「あんな、あんな恐ろしいもので得た富など」
折木暦:「……“呼ぶ”ために、命を使わなければ。ハーッ、カハーッ」
折木暦:「げほっ、ゴボッ」
神津島ナギサ:「お、おい、当主さん。大丈夫かよ」
御剣凌駕:「なるほど。ヌイクギとは一種のマジナイのようなものか」
GM:御剣凌駕には、心当たりがあります。
▼ジュリエットの過去(2)
▼折木家の歴史
GM:関東軍防疫給水部の下部組織が、なぜ長戸樹里を『育てて』いたのか。
GM:御剣凌駕は、単独の捜査の中である程度確実な真相を掴んでいます。
GM:長戸樹里は、恐らく『育てられた』ものではない。『作られた』ものです。
御剣凌駕:だいたい想像は付いていたが、やはり人為的に作り出されたのか。
折木暦:「……声が……命絶える、悲鳴だけが」
折木暦:「“かみ”を呼ぶ声。決して使ってはならぬものと――」
折木暦:「うう、ううう」
神津島ナギサ:「……?」
GM:――”現戦局ヲ打開シ、国民士気ヲ高マラシムルモノ”
GM:――“日本守護ノ霊ヲ、此世ヘ出ズル術法”
GM:旧帝国陸軍がこの計画で望んだものは、真に超常の存在としての神……とされています。
GM:それは現御神の有する神性への疑義ともいえる行為であったため、表の計画としては知られていませんが、
GM:当時、山師めいた生活を送っていたある一族をこの計画に引き込み、“神を呼ぶ”呪法を科学的に研究していた、とされています。
GM:一族の名は、御剣凌駕の調査の時点では不明のままでしたが、今、それらの事実を繋げることができます。
GM:名は折木家。神呼びの儀式は“ヌイクギ”。
GM:軍部への協力の見返りとして、戦後莫大な財を手に入れ、この土地を支配した一族でした。
折木暦:「……また見るのか」
折木暦:「杭に、打たれ……呪われている、誰も……」
折木暦:「うふ、うふふふふ」
神津島ナギサ:「おい、当主さん!ヌイクギって何だよ」
神津島ナギサ:「ジュリエットは?何か知らないのか?」
御剣凌駕:「……神を呼ぶための儀式、なのだな。ヌイクギというのは」
折木暦:「……少女を巫女と見立て」
折木暦:「“悲鳴”をこの世ならざる、う、歌と見立て」
神津島ナギサ:「……悲鳴?」
折木暦:「集めるのだ。……一人に、集めるのだ。その力を!呼ぶ者、呼びかける、巫女……」
御剣凌駕:「儀式に必要なのは多くの生け贄と巫女。その巫女の名こそがジュリエット」
折木暦:「ジュリ。……あの計画を、知っているのだろう」
折木暦:「呪吏のことを」
御剣凌駕:「呪吏?」
GM:寄生型レネゲイドビーイングのようなものと、辛うじて推測はできるでしょう。
GM:少なくとも、長戸樹里はかつてそういった力があったはずです。
GM:長戸ひかりの瞳が緑色であることも、そういった人外の血の名残であったかもしれません。
折木暦:「…………」
折木暦:「また聞くのか」
御剣凌駕:「そうか。彼女の本来の名は樹里ではなかった」
折木暦:「……加恵……私の罪を……」
折木暦:折木暦はうなだれ、動かなくなる。
GM:情報は以上。
神津島ナギサ:「お、おい?」
神津島ナギサ:暦を軽くゆさぶる。
神津島ナギサ:「……だめか」
御剣凌駕:「祖父上は……彼女の呪われた名に、良い意味を与えようとしたのだな」
御剣凌駕:「お話を聞かせていただき、ありがとうございました。暦殿」
神津島ナギサ:「え?わ、わかったの?」
御剣凌駕:「儀式は今から70年ほど前に行われた。多くの人間を犠牲にし、神を呼ぶための儀式だ」
御剣凌駕:「そして、それを今もう一度繰り返そうとしているものがいる」
御剣凌駕:「……止めねばなるまい」
神津島ナギサ:「……ヌイクギ。釘を使った儀式」
神津島ナギサ:「“早贄事件”か……」
御剣凌駕:「ああ。単なる殺人事件ではなかったということだ」
GM:今のところ、彼らが知る範囲では一件しか発生してはいません。
GM:弓近が知った情報はまだ彼らには回っていないためです。
GM:ただし、この手口は……明らかに特殊、かつ異常です。他の目的など考えられません。
神津島ナギサ:「誰なんだろう。犯人は」
御剣凌駕:「ああ、問題はそれだな」
神津島ナギサ:「バーデンバーデンも釘を使ってた。でも、あいつはあたしや秋果を狙っていたし」
神津島ナギサ:「釘で儀式殺人をするなら……一般人を狙えばいい、よな?」
神津島ナギサ:「……多分……」 自信なさそうに言う。
御剣凌駕:「生け贄が折木家の人間でなければならないということはないだろうからな」
神津島ナギサ:「なんだろうな。お前、わかるかい」 ヴェロキラプトルの顔らしき場所があるところを覗きこむ。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルは首を傾げている。
神津島ナギサ:「……だよな」
御剣凌駕:「いずれにせよ、調べてみるしかあるまい。バデバデ氏も何かしら事件と関わりがあるのは間違いないだろうからな」
神津島ナギサ:「うん。ぼやぼやしてたら、あたし達が知らない間に次の儀式殺人が起きるかもしれない」
御剣凌駕:「ああ。事件の犯人について、手がかりを探してみよう。そうすれば次の殺人は食い止められるかもしれない」

GM:シーン終了。ロイス取得と調達判定が可能。
御剣凌駕:ロイスは……ああ、しまった。前のシーンで長戸ひかりに取っておくのだった。次会ったら取りましょう。
神津島ナギサ:なんとなく情報屋さんが死にそうになってる気配がするので、応急手当キットを調達しておこうかな。
御剣凌駕:このシーンでは特になしですかね。
神津島ナギサ:3dx=>8
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 5[3,5,5] → 5 → 失敗

神津島ナギサ:この家、包帯とか置いてない!
御剣凌駕:では、代わりに。
御剣凌駕:7dx+1=>8
DoubleCross : (7R10+1[10]>=8) → 7[1,2,2,4,5,5,7]+1 → 8 → 成功

御剣凌駕:あったよ!包帯が!
神津島ナギサ:でかした!
神津島ナギサ
-いい奴/御剣凌駕/○誠意/変/ロイス
→ -いい奴/御剣凌駕/○憧憬/劣等感/ロイス

神津島ナギサ:凌駕君への感情を変更しておきます。あこがれ・・・
GM:かわいい

■Middle/06

GM:それでは、次のシーン。登場希望者はどうぞ。
GM:それと……ちょっと悩むけどどうしようかな……
神津島ナギサ:ムムム
御剣凌駕:なんだろう
GM:本当はどちらにしろ展開決まってたところなのですが
御剣凌駕:ほうほう
GM:ここから数えて2シーンで分岐可能性あることにしましょう……!
弓近いおり:なんらかの救済措置が?
遠藤篤美:なんと
GM:どういうことで分岐するかというのは、とにかく情報収集!そういうことです!
神津島ナギサ:どっちにしてもリサーチ必須!
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:73->83)
神津島ナギサ:はわわわ
弓近いおり:とりあえず出ましょう 皆さんに色々と話したい
弓近いおり:1d10+93
DoubleCross : (1D10+93) → 10[10]+93 → 103

神津島ナギサ:はわわわわ
弓近いおり:ここに来て
御剣凌駕:64+1d10
DoubleCross : (64+1D10) → 64+5[5] → 69

GM:またも収集情報内容でシーンのシチュエーションを決定します。
GM:まずは提示!
遠藤篤美:登場します!
遠藤篤美:86+1d10
DoubleCross : (86+1D10) → 86+2[2] → 88

遠藤篤美:ほっ
神津島ナギサ:それでもあたしの方が低いんだな・・・w

湯津町 ビジネスホテル612号室

折木秋果:「……」
折木秋果:「目覚めてくださいよ、頼むよ……」
折木秋果:濡れたタオルを取り替える。ベッドには弓近いおりが横たわっている。
弓近いおり:「…………」
弓近いおり:時折バチ、と頼りない火花を纏いながら眠っている。流した血は刃の欠片になりばら撒かれている。
弓近いおり:あの戦いの後。UGNとの接触をすることなく、
弓近いおり:密かに取っていたこの活動拠点までなんとか辿りつき、そのまま眠っている。
折木秋果:「……こんな体になっても、気絶したりするのか」
折木秋果:「人間には、どうしようもないのか……」
御剣凌駕:では、その辺でドアが開いて我々が入ってきましょう。
神津島ナギサ:「内緒で来いって、いったい」
神津島ナギサ:「……!!」
折木秋果:「ナギ……ナギ、サ」ぎこちなく呼びかける。
御剣凌駕:「……まさかこんな事態になっているとは」
折木秋果:「……仕方ないだろ。お前しか思いつかないよ、くそ」
遠藤篤美:「弓近さん……」
御剣凌駕:顔をしかめて弓近女史を見る。
神津島ナギサ:「わ、悪かったな。あたしなんかで」
折木秋果:「僕のことを恨むのか?こういう使い走りみたいなことをさせて!」よそよそしい態度だ。
神津島ナギサ:「別に恨まないよ!今は大変な事態なんだから、お互い様だろ!」
折木秋果:「…………ナギサのくせに。くそ……」一度、口元を拭う。
御剣凌駕:「医者にはまだ見せていないのだな、少年?」
折木秋果:「この人は――UGNには見せられない立場の人なん、です」凌駕に対しても口調は固い。
折木秋果:「でも、誰か呼ばないと話にならないから……だからナギサならもしかしてって」
折木秋果:「そうでもなきゃ……ああもう!」
折木秋果:「頼むよ!ナギサ!どうすればいい!」
弓近いおり:「…………ん。……うる、さい……」
御剣凌駕:「分かった。ならばオレが治療しよう」
神津島ナギサ:「どうって言われても……え?」
神津島ナギサ:横たわる弓近の方を見る。
弓近いおり:やや不機嫌そうな呻き。
弓近いおり:「たまには静かに寝かせて、エレイソン……」
折木秋果:「ポップレクイエム……!」手を強く握る。
遠藤篤美:「おや、お目覚めかな?」
神津島ナギサ:「……?」
弓近いおり:「んー…………」
折木秋果:「大丈夫ですから。酔ったあなたを運び込んだみたいに、多分ホテルにも誤魔化せたから」
折木秋果:「でも、UGNは……その、僕一人じゃ、どうにもならないから」
折木秋果:「ナギサと篤美を呼んできた!この判断で良かったですか!」
弓近いおり:やや乱暴に布団を払い除ける。ふらふらと、部屋の端に歩いて行く。
弓近いおり:冷蔵庫を開ける。周りの反応を無視し、ビン牛乳を開けて飲む。
弓近いおり:「…………まず」 顔をしかめる。鉄分多めの、なんか老人が朝に配達員から貰ってそうな奴だ。
御剣凌駕:「……日本のビジネスホテルは牛乳も置いてあるのか」感心したように言う。
弓近いおり:「起きた。……起きたわ」
神津島ナギサ:「それ、冷蔵庫だったんだ……」 見慣れた冷蔵庫とは違う、ホテル用の省スペースタイプをしげしげと見る。
神津島ナギサ:「何かあったのか?連絡がつかなくなったと思ったらホテルで倒れてるし」
御剣凌駕:「存外元気そうだ、弓近女史」
弓近いおり:ベッドに戻ってくる。ふらふらと腰掛ける。「……みんないるのね。秋果、呼んでくれたの?」
折木秋果:「バカ!」頬を叩きます!
弓近いおり:「わ」 はたかれた勢いのまま倒れます。「……何す! るのよ」
御剣凌駕:「少年はそなたのことを酷く心配していた」
遠藤篤美:「なかなか手荒だね」秋果を見て
折木秋果:「しっかりしてくださいって言ったばかりじゃないですか!寝てる間に誰か襲ってきたら、2人とも死んでますよ!」
折木秋果:「僕が呼んだに決まってるじゃないですか!ほ、本当は……ナギサになんて、絶対知られたくなかった!」
弓近いおり:言葉がおぼつかない。身体の傷は、治癒していない。表面が鉄になって塞がっているだけだ。
折木秋果:「変な人までいるし!」御剣を指す!
神津島ナギサ:「おい!御剣は変な奴じゃないぞ!」
神津島ナギサ:「いいやつなんだ。あたしの相談にも乗ってくれたし!」
御剣凌駕:立ったまま学生服の腰に挿したフルートに体を預けるようにする。
折木秋果:「……でも、この際、どうにもならないじゃないですか!仲間が必要でしょう!僕にも、あなたにも!」
弓近いおり:「しゅーうーかー」がし、と頭を掴む。
折木秋果:「うぐぐ……!」
弓近いおり:「落ち付いて。すぐヤケな感じになるの、あなたの酷い癖だわ」
御剣凌駕:「そういえば少年とは初対面だったな。御剣凌駕。竜の道を行く者だ」
弓近いおり:「私は今、あなたを責めた?」
折木秋果:「……」首を振る。
弓近いおり:「ここまで連れてきて、この子たちを呼んだんでしょ」
弓近いおり:「すごく助かったわ。あのままだったら、たぶん死んでた」
弓近いおり:「ありがとう」
折木秋果:「……」目元を袖で拭う。
折木秋果:「本当に、酷いですよ。プロ失格だ」
折木秋果:「こんな心配させて」もう一度拭う。
御剣凌駕:「……一見落着、のようだな」
弓近いおり:「みんなも、来てくれて嬉しいわ」
弓近いおり:「少し大変な話になるけど、聞いてくれる? 冷蔵庫の中のジュースは飲んでいいわ」
遠藤篤美:「非常事態みたいだったからね。なんにしても、元気そうで何よりだよ」
神津島ナギサ:「うん。弓近が無事でよかった」
神津島ナギサ:「……ジュース」
御剣凌駕:「飲んでいいそうだ」
折木秋果:こちらは完全に憔悴し、弓近と入れ替わりにベッドに座る。説明は弓近がしたほうが良いだろう。
神津島ナギサ:冷蔵庫の中をもぞもぞ漁り、紙パックのオレンジジュースをすすりだす。
神津島ナギサ:「それで、話って?その」
弓近いおり:「トマトジュースは、やめた方が良いでしょうね」 そんな前置きをしてから、何があったか話したいです
神津島ナギサ:「……弓近がボロボロになってるのと関係があるんだよな。やっぱり」
遠藤篤美:ピーチネクターを引っ張り出して口にします。

GM:弓近は、昨夜の状況を3人に説明した。『早贄事件』の新たな犠牲者のこと。
GM:そして、直後に襲撃してきた“バーデンバーデン”との交戦のことを。
神津島ナギサ:「またバデバデ」
神津島ナギサ:「今度は折木の人間じゃなくて、あきらかに弓近を……」
神津島ナギサ:「……殺そうとした。そういうこと?」
GM:そうですね。今回は、秋果を優先して捕獲しようとした……わけではなく、
GM:途中から明らかに弓近に攻撃の的を絞っていました。
弓近いおり:「そうね。皆殺しにすれば、って」
弓近いおり:「……まじめにいうと、私、今、ぼろぼろ」
弓近いおり:「情報屋にはきつい相手よ」
御剣凌駕:「弓近女史の腕前があってもこうも酷くやられるものか」
弓近いおり:「あの男が、あの猟奇殺人と、どう関係があるのかはわからないけど……」
御剣凌駕:「やはり並みの相手ではないのだな、あやつは」
遠藤篤美:「一人で相手したんじゃあね……」
弓近いおり:「現場には今頃、UGNが来てる頃かしら」
弓近いおり:「ちょっと分からないけど。……折木の家が、何か関係しているのでしょうね」
御剣凌駕:「新たに六人もの犠牲者か。そうなると……」
御剣凌駕:ちらりと秋果少年の方を見る。
遠藤篤美:「それにしても、連続猟奇殺人事件か。なるほどね」ほんの少しわくわくした様子を隠すように、ピーチネクターをすすります。
弓近いおり:ちょっと秋果を気にするそぶりを見せる。
折木秋果:「……」唇を噛み締め、感情をこらえている。
遠藤篤美:「……と」二人を真似して秋果の方を見て、口をつぐみます。
神津島ナギサ:「?」 秋果の様子には気付いていない。
御剣凌駕:「……弓近女史。傷の具合はどうだ?」
御剣凌駕:「応急処置程度でよければ、オレにもできるが」
弓近いおり:「ん? 最悪よ。まだ中に杭とか残ってるんじゃないかってくらいだわ」
弓近いおり:「できるの? だったら、とても助かるわ」
折木秋果:「っえ、待って」
御剣凌駕:「……ああ。あくまでも応急処置で完全に治すのであればその手の医者にかかるしかないが。しないよりはよかろう」
折木秋果:「それ、ここで治療するんですか、まさか」
神津島ナギサ:「御剣、すごいな。やっぱり何でもできる!」
弓近いおり:ベストを脱ぐ
折木秋果:「あ……あ、ちょ、ちょっと」
弓近いおり:ぼろくずのようになったそれをベッドに放る
御剣凌駕:「他に場所がない。まさかホテルのロビーでするわけにもいくまい」
折木秋果:「僕はその、下の階の確認に」
折木秋果:「UGNの誰かが来てたらまずいし……」支離滅裂な説明!
御剣凌駕:「ふむ。では、そうしてくれると助かる」
折木秋果:「で、ですよね!?よかった!」
折木秋果:「……!」横目でちらりと弓近の肌を見て
弓近いおり:露出した肌のあちこちは鉄で塞がれている
折木秋果:小走り気味に部屋を出て行く。
遠藤篤美:「?」秋果の様子に不思議そうな顔をしています。
御剣凌駕:「頼んだぞ、相棒」その後ろ姿を見ながら言う。
遠藤篤美:「どうしたのかな、彼。ずいぶん顔が紅潮してたけど」その辺の機微はよくわかっていません。
神津島ナギサ:こちらも首をかしげる。
弓近いおり:痛々しい様子だが、本来の肌は白くきめ細かい。育ちが良かったのだろう。
弓近いおり:「ん。助かったわ、凌駕」
御剣凌駕:《ハンドリング》を使用して秋果少年のもとに恐竜を向かわせておきます。
御剣凌駕:「気を使わせたな、弓近女史」
御剣凌駕:「ああ言った手前、一応治療はしておくぞ」
遠藤篤美:「人間は不思議だね、いろいろとさ」ナギサさんにぽつりと呟きます。
御剣凌駕:「話しておきたいことがあってな。折木の家とこの事件に関わることだ」
御剣凌駕:弓近さんに応急処置を施しながら話を始める。
弓近いおり:「……凌駕が? なんだ、ジュリエットについて調べていたのではないの?」
神津島ナギサ:「えっと、ジュリエットと関わりがあったっていうか、なんていうか」
御剣凌駕:そんな演出でさっき調達した応急手当キットを弓近さんに渡します。
弓近いおり:ヤッター!
弓近いおり:使います。
弓近いおり:2d10+14
DoubleCross : (2D10+14) → 15[5,10]+14 → 29

神津島ナギサ:出目がいい!
弓近いおり:腕が良い……
御剣凌駕:アフガニスタンで知人の軍医に習ったのだ。
弓近いおり:「……手際いいのね。びっくり」

弓近いおり:話をひととおり聞きます。
御剣凌駕:「……と、この一連の事件はその儀式を再現するためのものだったということになる」
神津島ナギサ:うんうんと頷く。
弓近いおり:「……………………」
神津島ナギサ:「次の犠牲者が出る前に、って思ってたんだけどな……」
御剣凌駕:「弓近女史が見つけた新たな犠牲者もおそらくはその儀式のための生け贄として殺されたのだろう」
弓近いおり:「突飛過ぎて、一瞬置いて行かれそうになったわ……」
遠藤篤美:「……すごいな。伝奇だ」
弓近いおり:「伝奇。そうね、昔、マスターに渡されて半分くらいでやめたなぞときの小説が」
弓近いおり:「そんなのだったかも」
御剣凌駕:「……それは話のオチまで分かっていないのではないか?」
遠藤篤美:「本格推理小説じゃなくて、怪奇ものでもなくて、伝奇だったんだ。わあ」思いきり興味深げな様子です。
神津島ナギサ:「本格?カイキ?」
神津島ナギサ:「な、なんだよ!わかんないぞ!」
御剣凌駕:「小説のジャンルというやつだな。あとから遠藤女史に本を借りるといい」
弓近いおり:「殺人が起きた所は面白かったわ」
遠藤篤美:「ええとね、本格推理小説っていうのは……なんて言えばいいのかな。館、殺人、探偵!みたいなやつさ」
神津島ナギサ:「殺される話なのか。確かに、今も人は死んでるけど」
遠藤篤美:「謎めいた殺人が起きて、その経緯を解き明かすの。でも今回はちょっと違ったね」
神津島ナギサ:「……そのカイキとかデンキって、10人も20人も死んだりするのか?」
神津島ナギサ:最初の犠牲者で1人。
神津島ナギサ:弓近が見つけたものが、6人と“1体”。
神津島ナギサ:最低でも8人。ここからまだまだ増えるのかと思うと、流石のあたしでも嫌な気分になる。
御剣凌駕:「……その儀式にどれだけの犠牲者が必要なのかによるかもしれないな」
遠藤篤美:「ものによってはそれくらい事件が起こるけど、ね。まあ、現実と比べるのもなんだね」
弓近いおり:「…………」一体のことを思い出し、暗い顔になる
弓近いおり:「もう、引き下がれないわ。この話は、真ん中で読み捨てられない」
御剣凌駕:「調査に協力してくれるということか、弓近女史」
弓近いおり:「協力というか、こっちも主体よ」
御剣凌駕:「ああ、そうだったな」
弓近いおり:「あなたたちこそ、深入りしてくれてるみたいだけど、いいの?」
弓近いおり:「割と危険だけど」
神津島ナギサ:頷く。 「うん。あたしは……気になる人がいるし」
御剣凌駕:「オレは竜の道をただ真っ直ぐに進むだけだ。こんなところで止まるつもりはない」
遠藤篤美:「いいよ、だって面白くなってきたもん」もはや好奇心を抑えていません。
遠藤篤美:「その儀式、僕の遠い"お仲間"が関わってたみたいだしね。興味あるよ」
弓近いおり:「あなたたち、面白い子たちね」
神津島ナギサ:「あ、あと、それに……みんなの事、とっ、友達だと思ってるし」
神津島ナギサ:「友達が頑張るなら、あたしも頑張りたい」
弓近いおり:「……」
弓近いおり:ベッドの上から手を伸ばして、ナギサちゃんの頬を引っ張る。
弓近いおり:「それに、ういやつだわー」
神津島ナギサ:「むいにゅにゅ」
神津島ナギサ:「なんらよ!」
弓近いおり:「ありがとね、ういやつういやつー」にこにこ笑ってる。
御剣凌駕:「あっはっはっはっは!いい友達のようだな、神津島嬢」愉快そうに笑う。
遠藤篤美:「……楽しいね」軽く口元をほころばせます。
遠藤篤美:「こういうのって、結構楽しかったんだね」
神津島ナギサ:「へへへ。これが友達ってやつなんだな……」
神津島ナギサ:「……?」 ふと首をかしげる。
神津島ナギサ:「なあ、遠藤」
遠藤篤美:「なに?」
神津島ナギサ:「これから犯人とかについて調べるのはいいんだけど。あいつ、結局なんなんだろう?」
神津島ナギサ:「スケさん」
遠藤篤美:「ああー」ぽん、と手を打ちます。
弓近いおり:「?」
御剣凌駕:「ああ、スケさんか」
遠藤篤美:「なんだろうね。僕のお仲間だってことしかよくわからないよ」
神津島ナギサ:「人を殺せるような性格じゃなかったよな……」
弓近いおり:「だれ、それ?」
神津島ナギサ:「えっと、透けてる人」
GM:透明の男――スケさんに関しては、まったくの謎だ。
GM:この『早贄事件』に関係するようにも思えるし、
GM:全く別の事件のようにも思える。
遠藤篤美:「神出鬼没のレネゲイドビーイングでね。謎に包まれているんだ」
御剣凌駕:「まあ、簡単に言うと不審者だ」
遠藤篤美:「そうとも言う……結構面白い人物だよ」
弓近いおり:「透けて、不審で、レネビ」
弓近いおり:「……なんか、あんまり会いたくないわね」
神津島ナギサ:「でも面白い人だったよ」
神津島ナギサ:「……人じゃないかもしれないけど」
御剣凌駕:「愉快な人物であったことはオレも認める」
遠藤篤美:「だろ?」レネゲイドビーイング同士の親近感でちょっと持ち上げています。
遠藤篤美:「何か秘密があるようだったけど……しかもUGNに関係するんだかしないんだかっていう」
遠藤篤美:「正直、興味はあるなあ」
弓近いおり:「気は付けておいた方がいいかも」
御剣凌駕:「記憶はないが何かUGNと関係するような使命があったはずだというような話をしていたな」
神津島ナギサ:「してた、してた」 御剣の言葉にこくこく頷く。
神津島ナギサ:「折木の人間がジュリエットの事を知ってたりさ。あいつも何か知ってたりするのかな」
弓近いおり:「仮に全く関係なくても、巻き込まれちゃうことはありそうだし……」
御剣凌駕:「ああ、確かに。ならば調べてみる価値はあるのかもしれないな」
弓近いおり:「手分けして、調べていきましょ」
神津島ナギサ:「うん!」
遠藤篤美:「そうだね」
御剣凌駕:「頼りにしているぞ、情報屋」
弓近いおり:「任せて。ありがと、凌駕。助かったわ」 包帯の上からベストを羽織り直す。
御剣凌駕:「お安いご用だ。偶然か意図的したものか知らぬが、傷がことごとく重要な臓器や神経を避けていた。おかげでだいぶ治療がしやすかった」
弓近いおり:「どうも、普段はそういう力に甘えちゃうのよねー」

神津島ナギサ:そういうわけで、情報収集!
神津島ナギサ:マヨちゃん・・・真夜子さんについて。あるいは真夜子さんは犯人なのか否か。
御剣凌駕:オレはヌイクギの儀式について調べようと思います
神津島ナギサ:現状一番読めない人物なので、ここを当たりたいと思います。
遠藤篤美:スケさんについて調べたいです。
弓近いおり:バーデンバーデンの目的について知りたいです。ミドルの様子から考えても、ただの雇われ傭兵とは考えにくい。
▼折木真夜子と早贄事件について 〈知覚〉〈交渉〉 難易度9
▼“ヌイクギ”について 〈情報:軍事〉〈知識:呪術〉 難易度11
▼透明の男について(2) 〈知識:UGN〉〈知識:レネゲイド〉〈交渉〉 難易度8
▼“バーデンバーデン”の目的について 〈知覚〉〈交渉〉 難易度9
御剣凌駕:さすがに少し難易度が高いが、こちらはまあ大丈夫だろう。
御剣凌駕:情報収集の苦手な神津島嬢が心配だ
神津島ナギサ:知覚よりは交渉の方がまし、かな・・・
神津島ナギサ:あ、でも知覚は固定値があるや
弓近いおり:GM~。知覚と言うことは現場捜査とかそういうのですか?
GM:そうです!つまり……?
弓近いおり:《ブラッドリーディング》使えます?
GM:達成値に+2しましょう。
神津島ナギサ:便利なイージー!
弓近いおり:ヤッター! では素振りします。
弓近いおり:7dx+3
DoubleCross : (7R10+3[10]) → 10[4,4,6,7,9,10,10]+6[6,6]+3 → 19

弓近いおり:めっちゃ分かった
弓近いおり:ダイス増えてるなあ・・・ハハハ・・・
御剣凌駕:オレは普通に判定をしよう。技能はないので、三度目の情報収集チームのみ使用する。
御剣凌駕:7dx+2>=11
DoubleCross : (7R10+2[10]>=11) → 10[1,3,5,8,8,10,10]+9[4,9]+2 → 21 → 成功

御剣凌駕:成功だな。
神津島ナギサ:あたしもマヨちゃんについて。知覚で振ろうかな。
神津島ナギサ:3dx+1=>9
DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[4,9,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

神津島ナギサ:ほっ・・・
御剣凌駕:おお、素晴らしい。
神津島ナギサ:二人がえらく高いから、反動が来ると思って身構えてた
遠藤篤美:GM、〈交渉〉があるってことは《シャドウダイバー》使えたりしますか?
GM:使えていいでしょう!達成値に+3!
遠藤篤美:やったー!
遠藤篤美:では透明の男について、〈交渉〉で
遠藤篤美:3dx+4
DoubleCross : (3R10+4[10]) → 4[1,3,4]+4 → 8

遠藤篤美:うわぎりぎり
神津島ナギサ:あぶない!
遠藤篤美:侵蝕値2上昇します
御剣凌駕:ギリギリか
弓近いおり:シャドウダイバーさまさまだぜ

湯津第三高等学校

GM:土曜日。昼に不在だった折木真夜子はこの日、学校行事の準備のために高校に向かったはずだ。
GM:彼女は優秀だ。教師達からの期待も大きいのだろう。
GM:高等部の正門はナギサの通う中等部からほど近いが、利用した経験は少ない。
神津島ナギサ:ドキドキしながら正門の横に立ってます。
神津島ナギサ:(えっと……犯人かどうかを聞く?いや、違う)
神津島ナギサ:(そう。ただでさえバデバデみたいなやつがいるから、ボディガードに……ううん、これも違う)
神津島ナギサ:御剣から言われた言葉を思い出す。
神津島ナギサ:(……友達になりたいなら、真夜子さんが分かってくれるような言い方で)
神津島ナギサ:(どこに行きたいかとか……何がしたい、とか……)
神津島ナギサ:人付き合いに慣れてない頭の中で、彼女と何を話すか整理する。
GM:そのうち、正面玄関から、細く黒い影が現れる。
折木真夜子:「……ナギサ」
折木真夜子:少し驚いたように、足を止める。
神津島ナギサ:「!!!」
神津島ナギサ:こちらも考えごとに夢中だったので、背筋をピーンと伸ばして硬直してます。
折木真夜子:しかし、その驚きも一瞬のことで、すぐにいつもの、余裕ある柔らかな微笑みに戻る。
折木真夜子:「……どうしたの?私を待っていてくれたのね?」近づく。
神津島ナギサ:「う、うん」
折木真夜子:「いいわ」「一緒に帰りましょう」
折木真夜子:頭を撫でる。
神津島ナギサ:頭を撫でる手をそっと取って
神津島ナギサ:真夜子さんの手を握ります。
神津島ナギサ:「うん。一緒に帰ろう」
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:「いろいろ……その、話したい事があったから」
折木真夜子:「ナギサ」
折木真夜子:「私に、隠し事はしていないわよね?」
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:すーっ、はーっと深呼吸する。
神津島ナギサ:「真夜子さんは?」
神津島ナギサ:「あたしに隠し事、してる?」
折木真夜子:「……」
折木真夜子:表情を動かさない。黙殺しようとしている。
神津島ナギサ:もう一度深呼吸します。
神津島ナギサ:「……あたしは」「あたしは、してる!隠し事!」
神津島ナギサ:「だから、今から話したいんだ。真夜子さんに」
神津島ナギサ:「とっ、も」
神津島ナギサ:「友達、に……隠し事……したくないから!」
折木真夜子:「ナギサ。……私は」
折木真夜子:握る手の力が少しだけ強くなる。
折木真夜子:「そうね。友達よね」
折木真夜子:「私達は、お友達だもの。私達は……」
神津島ナギサ:島を抜けだした時と同じくらい、胸がドキドキする。真夜子さんに聞かれてないだろうか?
神津島ナギサ:「すーっ……はー……」 深呼吸をして、たどたどしくとぎれとぎれで話し出します。
神津島ナギサ:バーデンバーデンに襲われた事。
神津島ナギサ:そこから調査を進めて、あの晩。当主と真夜子さんのやりとりを偶然聞いた事。
神津島ナギサ:友達が探しているジュリエットをいっしょに探している事。そのあと、当主から“ヌイクギ”の事を聞いた事。
神津島ナギサ:……弓近から聞いた、もっと多くの犠牲者の事。
折木真夜子:「……っ、う……く」
折木真夜子:呻き声を漏らす。ナギサが初めて聞いた声だ。
折木真夜子:表情は前髪に隠れて見えない。
折木真夜子:「ナギサ」
神津島ナギサ:「真夜子さん……」
神津島ナギサ:真夜子さんの手をきゅっと握って、相手の言葉を待つ。
折木真夜子:バヂッ!!
折木真夜子:ナギサの頬を平手ではたく。
神津島ナギサ:「っつ……!?」
折木真夜子:「どうして!?」
折木真夜子:「どうして、そんな事を、一人でしたの!?」
折木真夜子:「どうして……!私の家のことまで、知って……」
折木真夜子:「どうして!?……やめて」
折木真夜子:よろよろと、ナギサの隣から離れる。顔を向けず、手で抑えている。
折木真夜子:「嫌だ……嫌だ……」
折木真夜子:「せっかく、お友達が……で、できたのに」
神津島ナギサ:「待って!」
神津島ナギサ:それを追いかけて、もう一度手を握る。
折木真夜子:「やめて!」振り払う。
折木真夜子:「こんなこと。そうよ……私の家は、そうなの。人を殺して、神様を呼んだ家なのよ」
神津島ナギサ:「だから」
神津島ナギサ:「だからなんなんだよ!家がなんだって言うんだ!」
神津島ナギサ:もう一度手を取る。
神津島ナギサ:「あたしは生まれた時から“ホノヒメ”だったけど、違うんだ。神津島ナギサなんだ」
折木真夜子:「違うわ。……違う!」
神津島ナギサ:「折木の家の歴史が何だって……真夜子さんには関係ないよ!」
折木真夜子:「皆くだらないわ。私は生まれた時から特別だったもの。誰とも仲良くなんてしたくない」
折木真夜子:「本当の……本当の神様しか」後ろを向いたままだが、頬に涙が流れ落ちるのが見える。
折木真夜子:「私のお友達になれないのよ」
神津島ナギサ:「……ッ」
神津島ナギサ:「それでも、心配なんだよ……」
神津島ナギサ:「こんな事件が起きて……犯人もまだ分からなくて」 ぽろぽろ泣きだす。
神津島ナギサ:「真夜子さんが……真夜子さんまで、いつか犠牲者に……なるんじゃないかって」
神津島ナギサ:「あたし、真夜子さんとちゃんと仲良くなって、友達になって……それで、いっしょに……」
神津島ナギサ:「ドリンクバー、行きたいのに……うっ、ううう」
神津島ナギサ:自分でも何を言っているのかよく分からず、大粒の涙をぼろぼろこぼして俯く。
神津島ナギサ:「真夜子さん、死んじゃ嫌だよ……」
折木真夜子:「……嘘よ……」
折木真夜子:「折木の家がどんなことをしたか、知っているのに」
折木真夜子:「私が……こんなひどい人間だって知っているのに」
折木真夜子:「私のことを好きになったり、友達になってくれるわけがないじゃない……!」
神津島ナギサ:「うそ、じゃ……ない……っ!」
GM:折木真夜子は最初、遠藤との会話で、早贄事件が“ヌイクギ”かどうかを確かめていた。
GM:そして、当主から当時の儀式の詳細について聞いていたことも、ナギサは知っている。
GM:それらは、ナギサに自分たちの過去の所業を知られぬよう、彼女が一人で動いた結果だったかもしれない。
GM:そして事件の間、ナギサを束縛しようとしていた。
神津島ナギサ:「真夜子さんだって、止めようとしてるんだろ」
神津島ナギサ:「儀式の事を聞いて……家の事を隠して。事件を解決するために、自分だけで」
折木真夜子:「ふふ、ふふふ……。何を言ってるの?バカな子ね」
折木真夜子:「私は……折木真夜子よ」胸に手を当てて、振り返る。
折木真夜子:「ナギサのために、そんな事をするわけがないじゃない」
神津島ナギサ:「……あたし、ずっと思ってたんだ」
神津島ナギサ:「あたしと真夜子さんはどこか似てるなって」
神津島ナギサ:「ほんとの事がなかなか言えなくて、友達が欲しいのに友達ができなくて」
神津島ナギサ:「……真夜子さんの今の言葉は、きっと嘘だ。そう信じる」
神津島ナギサ:「あたしも逆の立場だったら、同じ事言いそうだから」 小さく笑う。
折木真夜子:「……っ」唇を噛む。
折木真夜子:「違う……。だって、あなたは……神様じゃなくなったんでしょう」
折木真夜子:「そんな……そんな子が、友達じゃなくなっても」
折木真夜子:「全然困らないわ……」ナギサから逃げるように歩き出す。
神津島ナギサ:「……神様じゃなくなったから行けるところとか、あるんだよ!」
神津島ナギサ:その背中に声をかける。
神津島ナギサ:「ファミレスは美味しかったし、ドリンクバーはいろんな飲み物があってキラキラしてたし!」
神津島ナギサ:「ビジネスホテルのちっちゃい冷蔵庫もはじめて見た!」
神津島ナギサ:「神様じゃなくなって見えた景色を、真夜子さんといっしょに見たいんだよ!あたし!」
神津島ナギサ:「神様じゃなくても……真夜子さんと、いっしょにいたいから!」
折木真夜子:「……」ただ黙って、到着したバスに乗り、その場を去る。
御剣凌駕:バスに乗る直前の真夜子に声をかけたい。
御剣凌駕:「折木女史!オレの言葉に答えなくてもいい。耳だけ貸せ」
御剣凌駕:「神津島嬢はオレに漏らしたことがあった。そなたと本当の友達になりたいが、何かをしてそなたに嫌われることが恐ろしいのだと」
御剣凌駕:「だが神津島嬢は今、そなたに嫌われることを恐れながらも、勇気を出して自分の本当の思いを告げたのだ」
御剣凌駕:「あとは全て、そなた次第だ」
御剣凌駕:「差し出がましい口を聞いた。失礼する」
御剣凌駕:それだけ言って折木女史のもとから去る。
神津島ナギサ:バスが出て行ったところで、とことこと道の向こうから歩いてきます。
御剣凌駕:バスが走り出すのを見送り、ナギサの方に向かおう。
神津島ナギサ:「……あ」
神津島ナギサ:「御剣?なんで?」
御剣凌駕:「あまりに心配になって見にきたのだ。もし、神津島嬢が1人で話せないようならば助けに入ろうと」
御剣凌駕:「だが、その必要はなかったようだ」
神津島ナギサ:「え」
神津島ナギサ:「き、聞いてた……のか?さっきの」
神津島ナギサ:かーっと真っ赤になって俯く。
御剣凌駕:「む、すまない。立ち聞き、してしまった」
神津島ナギサ:「だ、誰も居ないと思ってたから……あ、う」
御剣凌駕:「よくやった。よく頑張った」
神津島ナギサ:「しまった……こっち見ないで、御剣。今すごく恥ずかしい……」
御剣凌駕:「いや、その、オレも悪いとは思ったのだが、その……申し訳ないことをした」
神津島ナギサ:しばらくの間、両手を突き出して顔をそむける。
神津島ナギサ:「でも……でもさ、御剣」
神津島ナギサ:「ちゃんと言えたよ。あたし。」
御剣凌駕:「ああ。ナギサは本当に強い娘だ」
神津島ナギサ:「……御剣が色々教えてくれたからだよ」
神津島ナギサ:「ほんとにありがとう。御剣」
御剣凌駕:「礼には及ばんさ。神津島嬢が勇気を出したおかげだ」
御剣凌駕:「……あとは折木女史がどうするか、だな」
神津島ナギサ:ふーと息を吐く。
神津島ナギサ:「うん。真夜子さんは犯人、じゃないと思う。たぶんだけど……」
御剣凌駕:「ああ。オレもそう思う」
御剣凌駕:「彼女のことを助けよう」
神津島ナギサ:「……ひとりで危ない事させないようにしないと」
神津島ナギサ:「うん!いつか一緒にドリンクバーとかビジネスホテルとか行けるように」
神津島ナギサ:「今は真夜子さんの事を助ける!」
御剣凌駕:「そうだな。オレも全力で手を貸そう」
御剣凌駕:「……女性2人で気軽にビジネスホテルに行くこともないような気がするがな」
神津島ナギサ:「そうなのか……」 肩を落とす。
御剣凌駕:「いや、いい!行ってもいいのだ!むしろどんどん行くべきだ!ビジネスホテルだろうが温泉旅館だろうがな!」
神津島ナギサ:「ふふふ、そっかあ」
神津島ナギサ:「友達となら行ってもいいんだな。遠藤とか、弓近とか、御剣とか」
神津島ナギサ:「御剣もいつかあたしといっしょに行こう。な!」
御剣凌駕:「あ、ああ。もちろんだとも」
御剣凌駕:「エボリューションだ……」
神津島ナギサ:ロイス感情を変更します。
神津島ナギサ:-後見人/折木真夜子/○好奇心/屈辱/ロイス
→ -後見人/折木真夜子/○親近感/食傷/ロイス

長戸家

GM:高校前をバスが出る……その数刻前。
GM:御剣凌駕は、変わらず“ジュリエット”――そしてそれを生み出した“ヌイクギ”についての調査を進めていた。
GM:鍵となるのは、折木、そして長戸の両家であることは間違いない。
GM:折木家当主の暦からは、調査の裏を取る証言は得た。ならば長門家はどうか?
GM:再び御剣凌駕は長戸家の玄関前に立っている。
遠藤篤美:その後ろにくっついてきていましょう
遠藤篤美:なんだかんだで友人が巻き込まれるかもしれないかと思うと気になるのです。
GM:では扉がカラカラと開きます。
長戸ひかり:「あれっ」
長戸ひかり:「篤美ちゃんと……」
遠藤篤美:「やあ、どうも。また来ちゃった」
御剣凌駕:「久方ぶりだな、長戸女史」
長戸ひかり:「りょ、凌駕さん」少し恥ずかしそうにする。
長戸ひかり:「ちょっと今、お父さんお母さんもいるけど……な、なんか用?」
長戸ひかり:ススス、と体の半分ほどを扉に隠す。
御剣凌駕:「先日約束した通り、そなたの話を聞きたくて来たのだが……タイミングが悪かったようだな」
長戸ひかり:「いや、いいよ……私もちょっと、あれからおばあちゃんの事、知りたくなって」
長戸ひかり:「色々探したり、してて……それでさ」
長戸ひかり:「……ちょっと、待ってて」
御剣凌駕:「ああ」
長戸ひかり:ややあって、長戸ひかりはパタパタとスリッパを鳴らして戻ってくる。
長戸ひかり:「……この、手紙」
長戸ひかり:「ほら。宛名がおばあちゃんじゃないんだ」封筒を指す。まだ開封されていない。
御剣凌駕:「祖母上殿宛てではない?」
-:『凌駕へ』
長戸ひかり:「……。おばあちゃんのところに、預けてたってことなのかな」
長戸ひかり:「なんでだろうね」
御剣凌駕:「オレの名、か。これは少々驚きだ」
遠藤篤美:「……御剣くん宛?」
御剣凌駕:「……開けてみてもいいのだろうか?」
長戸ひかり:「……わか」
長戸ひかり:「わかんない。どうしたらいいのかな」
遠藤篤美:「僕なら開けるけどね。二人に任せるよ」
長戸ひかり:「うん」頷き、目で凌駕をじっと見る。
御剣凌駕:「そうか。では、この手紙はオレが預かっておいてもいいだろうか」
長戸ひかり:「そりゃ、もう、もちろんだよ」「……凌駕さんへの手紙なんだから」
御剣凌駕:「先ほども言った通り、今日こうして来たのは祖母上殿の話ではなく、そなた自身の話が聞きたかったからなのだ」
御剣凌駕:「そなたの好きな音楽も好きな本も、オレは何も知らないからな」
長戸ひかり:「よ、喜んで。いいの?そんな話して」
長戸ひかり:「だって凌駕さん、そんなの目じゃないくらいすごい冒険をしてきたじゃない」
遠藤篤美:おやおや、という顔で半歩引いて様子を見ています。
御剣凌駕:「そうではないのだ。オレは確かに世界中あちこち巡ったが、結局のところこの胸に残っているのはそこで出会った人たちのことばかりでな」
御剣凌駕:「だから、オレは長戸女史のことも知りたいし、その思いを感じてみたい」
御剣凌駕:「もちろん長戸女史に時間があればでいいのだが」
長戸ひかり:「じゃあ、その」遠藤をちらりと見る。
長戸ひかり:「なんか雰囲気いいお店とか……し、知ってるよね、篤美ちゃんなら」
遠藤篤美:「ああ、よく行く喫茶店ならあるけど」
長戸ひかり:「じゃあ、つ、連れてってよ」
遠藤篤美:そっと長戸さんの耳に口を寄せて「……僕が一緒でもいいの? 平気?」悪戯っぽく
長戸ひかり:「ひ、一人だと不安だし」小声
御剣凌駕:不思議そうにその様子を見ている。
遠藤篤美:「ん。まあ、僕のことは心配するようなことは何もないよ」軽く肩に触れ、
遠藤篤美:「じゃあ、場所を移そうか」凌駕くんに
御剣凌駕:「ああ。世話をかけるな、遠藤女史」

喫茶「ルーブル」

GM:仄暗い、しかし読書に十分な照明。
GM:一人席も多く、長居しても迷惑をかけないほどの客入りの店だ。
GM:遠藤篤美がよく利用する喫茶店だった。
御剣凌駕:ひかりちゃんが話しやすいように場を和ませたりしながら、話を聞いたりしよう。
遠藤篤美:アイスカフェオレを頼んでちゅるちゅる飲んでいます。
遠藤篤美:「いいところでしょ。コーヒーも美味しいんだよ」
御剣凌駕:「ああ。落ち着いた良い雰囲気の店だ」
遠藤篤美:「……友達を連れてきたのは、初めてだな」
長戸ひかり:「やっぱり篤美ちゃんは違うなー」アイスコーヒーを飲んでいる。
遠藤篤美:「そう? まあいいや、話とかすればいいと思うよ」
長戸ひかり:「そんな」少しだけ笑う。
長戸ひかり:「退院してから、篤美ちゃんもちょっと変わったよね」
GM:つまり、今の存在と入れ替わってからのことだ。
遠藤篤美:「……そうかな」からん、とストローで氷をかき回します。
御剣凌駕:「雰囲気が変わったのか、遠藤女史も」ブラックコーヒーを飲みながら言う。
遠藤篤美:「環境が変わったし、ね。そう見えるのかもしれないね」からん、からん。
長戸ひかり:「どうかな。記憶が曖昧かも。入院前の篤美ちゃんはあまり覚えてないからな―」
長戸ひかり:「そんなに話したこともなかったし」
遠藤篤美:「そうだね。長戸さんは、今の僕は嫌い?」目を細めます。
長戸ひかり:「そんなまさか!友達でしょ」
遠藤篤美:「ありがとう。なら、それでいいよ」
遠藤篤美:「……友達、か。ふふ」
長戸ひかり:「凌駕さん、遠藤さんから本の話とかしてもらった?」
長戸ひかり:「すごく読書家なんだから。かっこいいよね」
御剣凌駕:「ああ。随分と詳しいようだな、遠藤女史は」
長戸ひかり:「かっこいいよ!」読書をファッションとみなすタイプの人間だ。
御剣凌駕:「いくつか推理小説や怪奇小説の話は聞いたが」事件のことを思い出しながら。
遠藤篤美:「好きなんだ、本。長戸さんも図書委員でしょ」
御剣凌駕:「オレも小説はロンドンでやたらと本を読まされたきりだからな。遠藤女史に何か薦めてもらうのも悪くないかもしれない」
遠藤篤美:「御剣くんなら旅行記とか……いや、本人の体験の方がドラマチックかな?」
長戸ひかり:「まあ私は、その、絵本とかだから……あと、漫画とか」
長戸ひかり:目が泳ぐ。
遠藤篤美:「漫画かあ。詳しくないんだよね。今度何か面白いのがあったら教えてよ」
長戸ひかり:「……じゃあ諸星大二郎とか……」人に勧めて恥ずかしくなさそうなやつから出すタイプの人間だ。
遠藤篤美:「この間教えてもらった音楽はなかなか興味深かったしね」
長戸ひかり:「音楽!そうだ、ディーは聞いたりする?凌駕さん」
御剣凌駕:「ディー?ああ、よく聞く。というか……」
御剣凌駕:「(親父だ……)」
GM:有名なミュージシャンなのだ。
遠藤篤美:「そうそう、ディー。良かったね、あれは」
長戸ひかり:「通学の時はいつもディーなんだよね、私」
御剣凌駕:「ああ。彼の音楽は素晴らしい」
御剣凌駕:「そうか。やはり長戸女史でも知っているのだな」
長戸ひかり:「そりゃもう!世界だよ!」
長戸ひかり:「またやってくれないかなー、国内ライブ!」
御剣凌駕:「彼も世界中を回っていて、忙しいそうだからな」
長戸ひかり:「中学の頃、行ったんだよ!貯金はたいて!」
長戸ひかり:「フジロックの時!知ってる?」
遠藤篤美:「へえ、生で見たんだ。それはすごいね」
御剣凌駕:「ああ、知っている。あのライブの熱狂といったらなかった」
長戸ひかり:「うっそ!凌駕さんもいたの!」
長戸ひかり:「あ、DVD出てるか……!世界旅行してた頃だもんね」
御剣凌駕:「そうだな。なかなか自分で彼の音楽を聞くことはできなくてな」
御剣凌駕:「オレも少しでもあの男に近付けるようにと思って努力していたのだが、いや、これが難しかった」
長戸ひかり:「そっか。凌駕さんの目標なんだ。偶然だけど、すごいな」
長戸ひかり:「音楽やってるの?」
御剣凌駕:「ああ。何せオレが世界中を旅していたのは音楽のためなのだ。……結局ちっとも上手くはならなかったがな」
御剣凌駕:そう言って学生服の腰に挿したフルートを示す。
長戸ひかり:「そうなんだ。意外」
長戸ひかり:「……凌駕さんにも、できないことがあるなんて」
御剣凌駕:「できなかったな。音楽だけは。好きで好きで仕方がなかったんだが」
長戸ひかり:「……難しいね」困ったように笑う。
御剣凌駕:「先ほどの口ぶりでは、長戸女史も何か楽器をやっているのだろうか」
長戸ひかり:「ううん。でも」
長戸ひかり:少し遠くを見る。「……歌」
長戸ひかり:「歌うのは得意なのかな。練習、したわけじゃないけど」
御剣凌駕:「歌か。それはいいな!」
御剣凌駕:「ああ、いや、オレは歌もてんでダメなのだが」
遠藤篤美:「そういえば、音楽は成績良かったっけ」
長戸ひかり:「まあね」少し舌を出す。
長戸ひかり:「その辺だけはおばあちゃん譲りなんだ」
御剣凌駕:「実に羨ましいな」
御剣凌駕:「長戸女史の祖母上殿も歌を?」
長戸ひかり:「うん」
長戸ひかり:「……冗談だったのか、わかんないけど。本当なら偉い人に聞かせる歌だったって」
御剣凌駕:「歌が好き、だったのだろうか」
長戸ひかり:「……どうかな」
御剣凌駕:「では、長戸女史はどうだ?」
御剣凌駕:「歌が好きか?」
長戸ひかり:「好き……かも」首をひねる。多少曖昧な返答だ。
御剣凌駕:「……よければ少し歌ってみてくれないだろうか」
長戸ひかり:「ま、またいつかね」
長戸ひかり:「お店の中だし」
御剣凌駕:「む、そうか。それではまたいつか」
長戸ひかり:「……凌駕さんは、やっぱり、“ジュリエット”のことが気になるの?」
御剣凌駕:「いや、今はあまり気にしてはいないな。もう謎は解けてしまったしな」
御剣凌駕:「それよりも今オレが心配なのはそなたのことだ」
長戸ひかり:「くふっ。心配って、どうして?」少し身を乗り出す。
遠藤篤美:アイスカフェオレがなくなったので、水を飲んでいます。
御剣凌駕:「なんとなくなのだが、そなたが悪党に囚われてしまうのではないかという気がしてな」
長戸ひかり:「そんな。悪党って……誰に」
長戸ひかり:「凌駕さんとか?ふふふ」
遠藤篤美:「……最近物騒だしね」
御剣凌駕:「囚えてしまっていいのなら、それも悪くはないがな。そうすれば長戸女史とずっと話がしていられる」
長戸ひかり:「……」早贄事件のことを思い出しているのだろう。
長戸ひかり:「私も……別に、凌駕さんならいいよ」
長戸ひかり:「……なーんて」
御剣凌駕:「そう、例の事件。誰が被害に遭うか分からないからな」
長戸ひかり:「犯人、捕まんないのかな……」
御剣凌駕:「きっとすぐに捕まるさ」
遠藤篤美:「そうあってほしいね」

GM:一時間後。穏やかな時間はすぐに過ぎ去り、御剣凌駕は調査を再開している。
GM:遠藤さんも望むならさらに同行していて構いません。
御剣凌駕:カモン!
遠藤篤美:いきますー
GM:――重大な手がかりは既に手にしている。御剣幻耶からの手紙。
▼“ヌイクギ”について
GM:手紙の詳しい内容は、後ほど時期が来た時に開示します。内容の要点のみ公開。
GM:“ジュリエット”の一件。調査を始める発端となった謎は、
GM:なぜ、御剣幻耶は、なつめを始めとした家族に隠したまま、文通を続けていたのか?ということでした。
GM:長戸樹里が彼とのやりとりを続けていた理由は、既に知っています。
GM:恋愛感情というよりも、ヒーローへの純然たる憧れ。御剣幻耶は尊敬すべき人生の師のようなものだったでしょう。
GM:……ならば、幻耶にとってはどうだったのか。
GM:手紙には、凌駕に伝えるように、幻耶自身の生い立ちが書かれていました。
GM:例えば……幼少の凌駕に教えたような軍隊格闘術。
GM:それは、かつての戦争で軍部に所属していた父――御剣三郎から学んだものであったと。
GM:そして、彼が16の頃……尊敬していた父の、戦時中の所業を知ったこと。
GM:生体兵器“呪吏”。折木家からの技術提供によって生み出された、恐るべき異界の子。
GM:その存在を知った時、生存していた最後の被験体……長戸樹里を決死の覚悟で救うことで、家系の過去を精算したかったのだと。
GM:……御剣幻耶が、ずっと手紙のやり取りを続け、長戸樹里の身を案じていた理由は、『罪悪感』です。
GM:“ヌイクギ”によって造られた巫女は、神を呼び招く歌を発する事ができます。
GM:それは常人にとって心地よい声でもありますが、神に呼びかける時は、悲鳴のような苦痛を伴う周波数となる――と書かれています。
GM:死に瀕した生物が、最後に発する音。そうでなければ、彼岸の存在を呼び寄せる事ができないからです。
GM:喫茶店の会話で、長戸樹里の『歌の才能』を受け継いでいる者がいる事を知りました。
GM:以上です。
御剣凌駕:その情報については遠藤女史についても話そう。
御剣凌駕:遠藤女史にも。
御剣凌駕:あ、そうだ。〈芸術:歌〉で判定します。
御剣凌駕:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 5[3,5] → 5

御剣凌駕:遠藤女史の隣で小さく歌を口ずさむ。音程が外れリズムも合っていないような滅茶苦茶な歌だ。
御剣凌駕:怖気づくように歌い止める。
御剣凌駕:「……やはり、ダメだな」
遠藤篤美:「それは何? 最近の流行りなの?」いぶかしげに聞きます。
御剣凌駕:「いや、流行ってはいないと思う」
御剣凌駕:「……億年前の流行歌かもな」
遠藤篤美:「なるほどね」
御剣凌駕:「先ほどの情報。事件の犯人も知っているとしたら長戸女史の身が危ないな」
遠藤篤美:「歌か。長戸さんの歌。お祖母さん譲りの……。彼女は本当に渦中にいるんだね」
御剣凌駕:「ああ、そういうことになる。そばで見張っておいた方がいいかもしれないな」
遠藤篤美:「そうしよう。……自分が危なくなるのはともかく、周りまでどうにかなるとは思ってなかった」
遠藤篤美:「御剣くん、僕はね。どこかで、この日常がずっと平和に続くものだと思ってたみたいだよ」
遠藤篤美:「とんだ甘さだった」悔しげに笑います。
御剣凌駕:「レネゲイドビーイングでもそう感じるのだな」少し驚く。
御剣凌駕:「なに、心配することはないさ。そなたの日常はオレが守ってみせよう」
遠藤篤美:「だからこそ、かな。異常なのは僕だけ、あとは皆『普通』で『平和』そう思ってたんだ」
遠藤篤美:「本当に? ……ありがとう」
遠藤篤美:「でも、僕の趣味としては、『一緒に守る』方がいいな」
御剣凌駕:「そうか。では、オレも遠藤女史の流儀に合わせるとしよう」笑って言う。
遠藤篤美:「改めて、よろしく。御剣くん」すっと右手を差し出します。
御剣凌駕:「ああ。よろしく頼む、遠藤女史」その手を握る。
御剣凌駕:「……ちなみに、さっきの歌だが」
御剣凌駕:「実はかなり恥ずかしかったので、他の者には内緒にしておいてもらえると助かる」
遠藤篤美:「ははは! いいよいいよ、黙っててあげる。ふふふ」
遠藤篤美:「秘密ができちゃったねえ、僕たち」
御剣凌駕:「うむ。分かっていたのだが、なぜかつい歌ってもいいような気になってしまった」
遠藤篤美:「長戸さんには特に内緒だ。ふふふ」嬉しそうにしています。
御剣凌駕:「不覚だ。一生の不覚だ」
御剣凌駕:恥ずかしそうに俯いている。

湯津町 路地裏

GM:御剣凌駕は、神津島ナギサの様子を見るために、一度その場を後にした。
GM:あるいは、歌を聞かれた事がそれほど恥ずかしかったのかもしれない。じきに戻ってくるだろう。
GM:遠藤篤美は一人行動している。そして彼女が単独で動く時――
スケさん:「……」見慣れた衣服だけの存在が、やや腰を屈めて路地裏に佇んでいる。
遠藤篤美:「やあ、スケさん」軽く声をかけます。
スケさん:「……遠藤篤美くん」くい、と帽子を深く被り直す。
スケさん:「私についての情報は、少しは分かっただろうか」
遠藤篤美:「なかなか、ね。他の事件に関係あるのやらないのやら……」
遠藤篤美:「正直、僕にとっては君が一番の謎だよ」
遠藤篤美:傍に近寄って話しかけます。
スケさん:「……近づかない方がいい。遠藤篤美くん」片手を挙げて制する、ような動きをする。
遠藤篤美:「なぜ? ……何かあったのかな」立ち止まります。
スケさん:「残念ながら、君が私のことを調べるよりも、私が私自身について理解する方が、少しだけ早かったらしい」
スケさん:「そして私は油断していた」ステッキに手を置く。
遠藤篤美:「油断」
スケさん:「思い出したことは3つある」
スケさん:「1つ。私は強い」
スケさん:「2つ。君はUGNだと言ったね。……私達のような『空白』の存在には、必ず目的がある」
スケさん:「あるべき目的を果たすために、レネゲイドが時にその役割を埋める」
遠藤篤美:「目的、か……」
スケさん:「UGN。思い出したよ」
スケさん:「……私の目的は、UGNを討つことだ」
遠藤篤美:「!」
スケさん:ステッキに手を置いているのではない。……それが構えだ。
スケさん:「――そして最後に、3つ。遠藤篤美くん」
スケさん:「私は油断していた」
スケさん:「本当ならば私は、こんな口調では、『ありませんでした』」
GM:――z___ギ ン ! !
GM:一瞬閃いた斬撃が、路地裏を舐める!
遠藤篤美:「……!!」飛びすさり、斬撃を避けようとします。
GM:カラン
GM:間一髪で逃れる。遅れて、抜き放たれたステッキが路地裏に落ちる音。
スケさん:「……」……仕込み杖!
スケさん:「誰もが、為すべき行いを為すために生きている」
遠藤篤美:「……僕は」汚れた膝を払いながら。
遠藤篤美:「僕は、君と話がしたかった」
スケさん:「私もです」
GM:ミドル戦闘を開始します。

■第1ラウンド

GM:参戦したい方はここで登場してよいです!
GM:まだセットアップ前ですのでね
御剣凌駕:《ハンドリング》を使用してその場に現れよう。
神津島ナギサ:駆けつけるぞ!
 スケさん

  5m

 遠藤 御剣
  神津島
GM:ワーディングの気配は感じられないものの、御剣凌駕の索敵能力がそれを上回った!
GM:常に、あらゆる地点を警戒可能な『目』があること。それが彼の能力の強みである。
御剣凌駕:透明な男の放った斬撃から遠藤を庇うようにして現れた透明な恐竜がその場に転がる。
スケさん:「……」
スケさん:「……3人」
神津島ナギサ:「だ、大丈夫か御剣」
スケさん:ひゅう、と風切り音を立てて、剣の切っ先が正中線に戻る。
神津島ナギサ:「あの子、倒れちゃったぞ!死んでないよな!?」
神津島ナギサ:騒ぎながらその場に現れます。
御剣凌駕:「心配は要らない。太古の昔に既に死んでいる」
遠藤篤美:「御剣くん、神津島さん」
御剣凌駕:「無事か、遠藤女史。約束通りともに戦いに来た」
神津島ナギサ:「友達、だからな!」
スケさん:「丁度良かった」
神津島ナギサ:「……」 スケさんを見る。
遠藤篤美:「……彼は……」首を振る。
遠藤篤美:「彼は、どうやら敵らしいよ。UGNの」
スケさん:「貴方がたもUGN。そうでしたね?」
御剣凌駕:「いや、オレはたまに協力することもあると言っただけで、UGNでは……。ダメそうだな、この言い訳では」
神津島ナギサ:「やっぱ、あんとき燃やしといた方が良かったか……!」
御剣凌駕:「まあ、もとより遠藤女史を残して逃げるつもりもない。相手になろう、透明人間殿」
GM:セットアップ!
スケさん:《ミラーイメージ》《ミラーコート》。
スケさん:回避のダイス数が+5個、C値が-1されます。
御剣凌駕:回避型だと!?
神津島ナギサ:《エターナルブレイズ》《先陣の火》。
神津島ナギサ:攻撃力をアップ。行動値は差し引きで+6です。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+6した(侵蝕率:83->89)
遠藤篤美:こちらは特になし
御剣凌駕:こちらもなし。
スケさん:キシッ……
スケさん:ゆらりと動き始める。だが、光の屈折のせいか体術のせいか、その初動が見えない。
GM:最初の手番は、行動値14。スケさんから。
スケさん:《陽炎の衣》《原初の黒:ライトスピード》。
スケさん:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光速の剣》《見えざる死神》《原初の赤:一閃》《混色の氾濫》。
神津島ナギサ:強い!
スケさん:9dx7+10 ガード不可
DoubleCross : (9R10+10[7]) → 10[1,1,3,4,4,5,6,8,10]+10[3,9]+1[1]+10 → 31

 スケさん
 遠藤 御剣
  神津島
御剣凌駕:範囲攻撃か
GM:そうですね。対象は全員!
神津島ナギサ:駆けつけてよかった・・・とりあえずドッジします。
神津島ナギサ:6dx=>31
DoubleCross : (6R10[10]>=31) → 9[3,4,5,6,7,9] → 9 → 失敗

遠藤篤美:ドッジします
遠藤篤美:5dx+2=>31
DoubleCross : (5R10+2[10]>=31) → 7[3,4,6,6,7]+2 → 9 → 失敗

遠藤篤美:だめだー
御剣凌駕:こちらもドッジを
御剣凌駕:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 10[4,10]+2[2] → 12

御剣凌駕:失敗ですね
スケさん:――ふっ
スケさん:影のように、3人の背後にあらわれる。
スケさん:4d10+12
DoubleCross : (4D10+12) → 26[8,1,8,9]+12 → 38

スケさん:そしてその時には、過程の認識できない斬撃で刻まれている。
御剣凌駕:戦闘不能だな。《リザレクト》します。
御剣凌駕:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

神津島ナギサ:HPが30の装甲が10。2点残って生存!
遠藤篤美:HP32、装甲10で4点残りました。
御剣凌駕:固いな、神津島嬢!
御剣凌駕:フルートでその斬撃を防ごうとするが、不可視の刃に対応することができない。
スケさん:「……一撃では仕留められない。剣が軽い」
スケさん:振り向こうとする初動だけが見える。
スケさん:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《光速の剣》《見えざる死神》《原初の赤:一閃》《混色の氾濫》。
スケさん:9dx7+10 ガード不可
DoubleCross : (9R10+10[7]) → 10[1,2,4,5,5,7,10,10,10]+5[1,2,3,5]+10 → 25

スケさん:再び範囲攻撃。《ライトスピード》の2段目です。
スケさん:「――そういった剣士には、二撃目に繋げる業が必要になる」
神津島ナギサ:再度ドッジ!
神津島ナギサ:6dx=>25
DoubleCross : (6R10[10]>=25) → 8[1,1,2,3,7,8] → 8 → 失敗

御剣凌駕:ドッジだ。
御剣凌駕:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 10[7,10]+4[4] → 14

御剣凌駕:失敗。
遠藤篤美:ドッジします
遠藤篤美:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 9[1,4,7,8,9]+2 → 11

遠藤篤美:失敗!
スケさん:3d10+12
DoubleCross : (3D10+12) → 24[8,10,6]+12 → 36

スケさん:出目がやたらといい!
神津島ナギサ:高いw
神津島ナギサ:死にます。《リザレクト》!
神津島ナギサ:1d10+89
DoubleCross : (1D10+89) → 4[4]+89 → 93

神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+4した(侵蝕率:89->93)
御剣凌駕:再度戦闘不能。《リザレクト》です。
御剣凌駕:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1

遠藤篤美:リザレクトします。
遠藤篤美:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3

スケさん:ひゅん
スケさん:さらに3人の下をくぐり抜けるような動きで、膝を狙って斬っている。
御剣凌駕:再びフルートで斬撃を防ごうとするが、それをかいくぐって斬り裂かれる。
神津島ナギサ:「くそっ」 膝をつく。
神津島ナギサ:「見え……ねえ!」
スケさん:ザザザザ! ――チン!
スケさん:その動きのまま地を滑り、寝かされていたステッキの鞘に刃を戻す。
遠藤篤美:斬られた瞬間、影が血のように吹き出し、また体内へと戻る。
御剣凌駕:「大した腕前だ。並みの剣士ではないな!」
神津島ナギサ:「褒めてる場合か!」
スケさん:「ありがたく受け取っておきましょう。私は本来、何者だったのか?」
スケさん:「それに繋がる答えかもしれません」
遠藤篤美:「……まだ、そこまでは思い出してないんだ」
スケさん:「……遠藤篤美さん。あなたもそうするのではないですか」
スケさん:「自分を知るために、何よりも役割に向き合わなければならない」
スケさん:「例えば、本を読むとか」立ち上がりながら、ステッキで遠藤を指す。
遠藤篤美:「……僕は」
遠藤篤美:少し弱々しく、何かを言いよどみます。
御剣凌駕:「貴公と一緒にされては困るな」
スケさん:「それは彼女への侮辱ではないですか、御剣凌駕さん」
御剣凌駕:「貴公は本について語るときの遠藤女史を見たことがあるか?」
御剣凌駕:「それはもう輝いた顔をしている。好きで好きで堪らないといったような、な」
御剣凌駕:「それは貴公の言う役割だのに押し付けられたものではない」
スケさん:「ならば逆に問いましょう」
スケさん:「好きとはどういうことだと思いますか」
スケさん:「それは……『自分である』ということ。自分の意志がそれを望むということ」
スケさん:深く身を沈めるように、再び構える。
スケさん:「誰もが自分でありたいと願う。ならば自分の手がかりがない者はどうすればいいのか?……」
スケさん:「探したいと思うのではありませんか。どれほどの手段を取っても……どれほどの旅を経ても」
遠藤篤美:「それが君ってわけかい」
スケさん:「……あなたが自分自身を見つけられているのなら、私は羨ましく思いますよ。だからこの剣は害意によるものではない」
GM:手番は行動値7。遠藤さんと、ナギサちゃんです。
神津島ナギサ:ではあたしから先に動きます。
神津島ナギサ:スケさんは既に同エンなので、マイナーは無し。
神津島ナギサ:メジャーでコンボ『現ツ神ノ焔』。《コンセントレイト:サラマンダー》《結合粉砕》《災厄の炎》をスケさんに。
神津島ナギサ:9dx7+7
DoubleCross : (9R10+7[7]) → 10[2,2,2,4,7,8,9,10,10]+10[4,4,4,5,10]+4[4]+7 → 31

神津島ナギサ:まずまず!
御剣凌駕:おお、いい出目。
スケさん:出目がいいなあ。ならばガード。
スケさん:《原初の紫:魔人の盾》。
神津島ナギサ:げー!
神津島ナギサ:ダメージを出します。装甲は無視。
神津島ナギサ:4d10+26
DoubleCross : (4D10+26) → 28[9,7,3,9]+26 → 54

神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+10した(侵蝕率:93->103)
スケさん:40点減らして受けます!14点ダメージ!
神津島ナギサ:つ、つよい!
神津島ナギサ:斬撃を受けて転がった、透明のヴェロキラプトルを見る。
神津島ナギサ:傷を負った御剣と遠藤を見る。
神津島ナギサ:「……友達を」
神津島ナギサ:「あたしの友達を、よくも!」
神津島ナギサ:「何者だか知らねえけど、全部燃やしてやる。あの世で後悔しやがれ!」
スケさん:「……風や炎。雷すら、無秩序に見えて秩序のうちにある……」何事かを口元で囁きながら、居合のようにステッキを腰後ろに回している。
神津島ナギサ:青白い炎の渦でスケさんを取り囲む。そのまま収束し、炎の柱に!
神津島ナギサ:「燃え、つき、ろッ!」
スケさん:「その通り道がある――」ひゅ
スケさん:ぱ ぱ ぱしゅ !!
スケさん:一瞬で、嵐のような斬撃を展開する!それらが炎の燃え広がる、酸素の経路を切り裂き――
スケさん:「――ぬうっ!?」
スケさん:切り裂ききれない!
神津島ナギサ:「……させ、ねえッ!」
神津島ナギサ:「燃えろ!」
スケさん:服の端々を焦がしながら、爆炎に押され、踏みとどまる。
GM:背後では、路地裏の雑多な物品が多数炎上し、破壊を生み出している!
GM:透明の男は耐えたが、炎の神の生み出す出力!
スケさん:「……!」抜き放った仕込杖が、僅かに震えている。
GM:ただの技巧の極地で防ぎきれるものではなかった。
神津島ナギサ:(――強い。こいつ)
GM:14点ダメージだが、割合的には結構ピンチ!次は遠藤さんの手番です。
遠藤篤美:マイナーなし。
メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《餓えし影》《シャドースクラッチ》《無形の影》を使用してRC攻撃します。

遠藤篤美:対象はスケさん。侵蝕率7上昇。
スケさん:《フラッシュゲイズ》。ダイスを-8個させます。
遠藤篤美:なっ
神津島ナギサ:ひゃわー
遠藤篤美:ということは固定値の7だけになるのでは
御剣凌駕:いや、振れるダイスが0個になったのならその時点で判定は自動失敗ですね
遠藤篤美:ああそうか!
GM:ダイスボーナス含めても8個以下しか振れませんか?
遠藤篤美:ですね、8dx8+7のはずなので
GM:そうとは……それは残念……失敗です
神津島ナギサ:ここでタイタスは…流石に切れないかな
御剣凌駕:あれ
御剣凌駕:ああ、いいのか
スケさん:遠藤が動こうとした、その機に合わせるかのように、
スケさん:「――近づかない方がいい」ステッキの鞘を向ける。
スケさん:「そう警告しました」
遠藤篤美:「……っ」伸ばそうとした影が止まる。
遠藤篤美:「スケさん。……いや、本当の名前があるのかな」
スケさん:「……ふふ」
遠藤篤美:「本当に、戦わないと、駄目なのかい?」
スケさん:「他に手がかりがあるのなら。……たとえば御剣凌駕さん。貴方は先ほど、自分はUGNの協力者だ」
スケさん:「……だから本来関係はないと、そう言いましたね」
御剣凌駕:「その通り」
スケさん:「遠藤篤美さん、神津島ナギサさん。貴方がたも本来はイリーガルのはずだ――」
遠藤篤美:「まあね」
スケさん:「ならば代わりに、『本来の』UGNエージェントをここに差し出す事ができますか?貴方たちの命を助ける代わりに?」
スケさん:「……それは、無理な相談でしょう。この状況で、迷いなくそう答えられる悪党は多くありません」
神津島ナギサ:「かわりに白川達の命を奪うってのか」
神津島ナギサ:「冗談じゃねえ!」
遠藤篤美:「そういう意味じゃない。そういう意味じゃないんだ」
遠藤篤美:「僕らは、友達になれるかと思って、たんだ……ああ、でも」
遠藤篤美:「君の目的を捨てたら、君は君でなくなってしまう、そういうことだよね」
御剣凌駕:「……なるほど。それが『役割』か」
スケさん:「……その通り。それに貴方だってわかっていることでしょう」
スケさん:「私達は人間ではないと」
遠藤篤美:「もう、無理なんだね」
スケさん:「所詮は人間社会の異物であると。彼らとまったく同じ思考と感情を装うことは、叶わないものだと」
遠藤篤美:「でも、それでも、僕は人間の影真似をしていたいんだ」
神津島ナギサ:「……」
スケさん:「……こうしているうちにも、少しずつ思い出せる」
スケさん:「本当なら、私はこうした戦い方ができていたはずだと。本当なら、このような戦いの中の日常に生きていたはずだと」
スケさん:「本当なら……貴方がたのように、絆を結んだ相手にも……刃を向けることのできる、そんな人格であったはずだと」
神津島ナギサ:「……本当なら?」
スケさん:「……」
GM:手番は行動値4の御剣さん。
神津島ナギサ:「――遠藤」
神津島ナギサ:「真似なんかじゃない。遠藤は人間だよ」
神津島ナギサ:それだけ短く言います。
遠藤篤美:「僕が?」余裕の剥がれた顔で返します。
遠藤篤美:「……ありがとう」
スケさん:「……。いいご友人です」
御剣凌駕:「透明人間殿。一つ問いたい」
御剣凌駕:「貴公は、本心からこの戦いを望んでいるのか?」
スケさん:「何が本心か、というのは難しい質問です」
スケさん:「しかし、貴方がたがまったく無関係の、見知らぬ人であれば、もっと心は楽だったでしょうね」
御剣凌駕:「それでも貴公は我々と敵するつもりがある、ということなのだな」
スケさん:相手は透明だ。どのような表情を浮かべているかは誰にも見えない。
スケさん:「――UGNを討つ」
スケさん:「なぜ、どこから、このような役割が現れたのか」
スケさん:「……それを思い出したい。戦う内に、少しずつ鮮明になっていく……もうすぐで」
御剣凌駕:「相、分かった。それが貴公の望む道ならば、全力でお相手つかまつろう」
スケさん:「そう願います」ひゅる、と剣を鞘に戻す。
御剣凌駕:マイナーはなし。
御剣凌駕:メジャーで《コンセントレイト:ソラリス》+《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《アニマルテイマー》+《アニマルアタック》
御剣凌駕:コンボ「魔奏デッドリーウェイブ」を使用。
御剣凌駕:命中判定いきます
御剣凌駕:9dx8+6
DoubleCross : (9R10+6[8]) → 10[1,1,2,2,5,6,7,7,10]+3[3]+6 → 19

スケさん:13dx9+6 ドッジ!
DoubleCross : (13R10+6[9]) → 8[1,1,1,2,3,4,4,4,4,5,5,6,8]+6 → 14

スケさん:このダイス数でも無理か……!
御剣凌駕:こ、こええええ!
スケさん:というか一個もクリティカルしてない!なんだこれ!
御剣凌駕:では、ダメージ。
御剣凌駕:42+2d10
DoubleCross : (42+2D10) → 42+11[3,8] → 53

御剣凌駕:53点の装甲無視です。
スケさん:一撃で倒れます!……《蘇生復活》!
御剣凌駕:顔を伏せ、フルートを奏でる。禍々しく名状しがたい旋律が周囲を満たす。
スケさん:「……!」聴覚に訴える予想外の攻撃によろめくが、
御剣凌駕:「力を借りるぞ、親友」
スケさん:ひゅう
スケさん:その崩れた体重のまま踏み込み、居合いで凌駕を薙ぎにかかる!
御剣凌駕:大地を揺らす地響きだけが透明の男に近付いていく!
GM:―― バ ヂュ!!
スケさん:「!!!」
御剣凌駕:その剣は見えない巨大な何かによって阻まれる。
御剣凌駕:「礼を言う、ブラキオ」
御剣凌駕:「そして――トリケラ!プテラ!ティラノッ!」
御剣凌駕:地鳴りが透明の男のそばまで接近した次の瞬間、その体がまるでトリケラトプスに跳ね上げられられたかのように吹き飛ぶ!
御剣凌駕:宙を舞ったその体がプテラノドンの翼に触れたかのように斬り裂かれる!
スケさん:軽い剣は、透明の巨体に突き刺さったままだ。故に反応は不可能!
スケさん:「うぐっ」
GM:ベシャ!
御剣凌駕:最後に、落下してきた透明な男はティラノサウルスに噛み付かれたかのように砕ける!
スケさん:実体の見えない透明な血液が、バシャバシャと路地裏を濡らす。
スケさん:その中身がどうなっているか、誰にも観測はできないが。
スケさん:見えるボロボロの着衣が、力なく地面に投げ捨てられる。
スケさん:「……」そして、その衣服の中身が、震えながら地面を掻く。
御剣凌駕:「……まだ続けるか?」
スケさん:「……油断している。私はまだ……。本当の私を思い出せていない」
スケさん:「弱くなっている……自分を失っている……」
スケさん:「ごほっ!」
御剣凌駕:「続けようにも、その体では難しいようだな」
スケさん:「……誰かに教えられたことはありませんか?」
御剣凌駕:「何?」
御剣凌駕:フルートを学生服の腰に挿し、歩み寄ろとしていたがその言葉に立ち止まる。
スケさん:「一度討った相手を前に、慢心を見せるのは」
スケさん:「未熟の証と」
スケさん:クリンナップ。《不死者の恩寵》。HPを回復します。
スケさん:4d10+5
DoubleCross : (4D10+5) → 14[1,6,2,5]+5 → 19

スケさん:――ギュル!
スケさん:細い影が糸のように透明な全身を包み、外側から再起動させる!
神津島ナギサ:「……!」
スケさん:「……一つ、思い出した。」自分の手を見つめるような動作を見せる。
スケさん:「貴方がたは、最後まで続けますか?それとも……」
御剣凌駕:「聞こう」
スケさん:ステッキを、本物の杖のように突き、立つ。
スケさん:「……それとも、ここで止めるか。私は目的を果たしました」
御剣凌駕:「貴公次第だな。向かってくるのならば斬り捨てる」
GM:スケさんを一度戦闘不能にしたため、
GM:最後まで倒すかここで戦闘停止とするかは自由に決定できます。
御剣凌駕:「だが、ここで刃を納めるのならばオレも後は追わん」
神津島ナギサ:(……果たした……?)
遠藤篤美:「……何を思い出したの」
スケさん:「……もしかしたら」
スケさん:「会わねばならない存在がいたということを」
神津島ナギサ:御剣の横でこくりと頷く。事件も追わなければならない以上、ここで正体不明のスケさんと殺し合いをする義務はない。
遠藤篤美:同じく。篤美としては、できれば直接やり合いたくはない。
スケさん:「……」御剣と、ナギサを見る。
神津島ナギサ:「あんたは……結局なんなんだ」
神津島ナギサ:「敵なのか?味方なのか?あたしたちの……」
スケさん:「“早贄事件”」
神津島ナギサ:「!」
遠藤篤美:「……」
スケさん:「それを追うものです。いずれ会うでしょう」
御剣凌駕:「貴公の記憶が戻ることを祈っておこう」
スケさん:「……私の本当の使命。きっと、知っている……あれなら、きっと」
スケさん:再び、影に溶けるように散る。
御剣凌駕:「……行った、か」
遠藤篤美:「……さよなら。"スケさん"」ぽつりと呟きます。
御剣凌駕:構えていたフルートを下ろし、学生服の腰に挿す。
神津島ナギサ:「御剣、遠藤。ケガ大丈夫か?」
神津島ナギサ:「ごめん。あたし、包帯とかばんそうこうとか、何も持ってなくて」
御剣凌駕:「オレならば平気だ」
遠藤篤美:「なんとかね」
御剣凌駕:「……遠藤女史。こう言っても難しいかもしれないが、あまり気に病まないことだ」
遠藤篤美:「……うん」
遠藤篤美:「さっきは、ちょっと恥ずかしいところを見せたね」いつもの飄々とした顔に戻っています。
神津島ナギサ:「大丈夫。あたしもさっき、御剣に恥ずかしいところ見られたから」
遠藤篤美:「でも、ありがとう。二人とも。これは本当だよ」
御剣凌駕:「いや、いいさ。お互い様だ。オレも遠藤女史には恥ずかしいところを見られ……」
遠藤篤美:しーっ、と凌駕くんに指を立ててウィンクしましょう。
神津島ナギサ:くすくす笑う。
御剣凌駕:「……まあ、恥ずかしい同士というわけだ」
神津島ナギサ:「御剣の恥ずかしいところ?ねえ遠藤、どんなのだったんだ?」
神津島ナギサ:「全然想像がつかないや」
遠藤篤美:「内緒にしてくれって言われちゃったからなあー」にまにまとしています。
御剣凌駕:「言うな。遠藤女史。絶対に言うんじゃないぞ!」
遠藤篤美:「ふふふ、友情の板挟みだ」
神津島ナギサ:笑いながら、ちらりとスケさんが居た場所を振り返る。
神津島ナギサ:(……恐ろしく強かった。なんなんだ、あいつ)

湯津町 路地裏

GM:――同じく、路地裏。
GM:弓近いおりもまた、単独で敵の捜査を続けていた。
GM:あの夜の交戦は危機だったが、敵に刻んだ傷口も深い。
GM:一晩経っても、血の痕跡ならば容易に追跡できる。
弓近いおり:「また襲ってくるなら、……どうしましょう」
弓近いおり:幸い、御剣の応急処置とオーヴァード回復力によって、コンディションは保てている。
弓近いおり:「逃げるしかないかしら」 秋果は置いてきたのだ。
GM:オーヴァードの再生能力は千差万別。もしかしたら、手当てを受けた弓近いおり以上の回復力を持っている可能性もある。
GM:電磁ナイフ直撃のショックで停止した心臓の“予備”を仕込めるほどのエグザイル能力者ならば、なおさらだ。
GM:……だが、幸いにもその数時間、“バーデンバーデン”が襲撃してくることはなかった。
GM:そして長い追跡と情報収集の結果として、この数日間の彼の足取りを、ほぼ掴むことができました。
弓近いおり:ヤッター!
▼“バーデンバーデン”について
GM:――弓近いおりが見込んだ通り、彼はただのならず者ではありません。
GM:明確に、組織で訓練を積んだ戦闘エージェントです。
GM:……ならば、何故訓練を経たエージェントが、これまでの襲撃で常に
GM:“単独”で動いていたのか?
GM:情報を拾い続けた結果……その結論として、“バーデンバーデン”は恐らく前衛型のオーヴァード。
GM:本来ならば、情報収集とサポートを専門とする後衛、“インコグニート”と呼ばれる者がいたことを知ることができます。
GM:しかし、そのエージェントは何らかの原因で消えており、今は“バーデンバーデン”一人。
GM:よって、単独で行動せざるを得ない状態でした。
GM:折木家関係者に仕掛けた攻撃は、“捕獲”を目的としたもの。ならば、何故捕獲を試みたのか?
GM:純粋戦闘エージェントに可能な手段で、足りない情報を補うため。“バーデンバーデン”の目的は、情報です。
GM:……何故これほどの劣勢にあって町に留まっているかは分かりません。さらなる調査が必要となるでしょう。
弓近いおり:どこのエージェントかまでは分かりませんか?
GM:そうですね。それにも関わることですが、“バーデンバーデン”の所属に関しては、厳重な監視網らしきものが敷かれています。
GM:具体的には、【精神】で難易度30くらいの判定に成功しなければ分かりません。
御剣凌駕:それはかなり厳しいな。
弓近いおり:フルでバフ掛けても+12
弓近いおり:無理な数字だ……
弓近いおり:妖精の手めいたエフェクトが必要
GM:また、弓近の追跡していた血痕も途中で途切れています。
弓近いおり:まあ、いつまでもは追えないでしょうが……
GM:この行方も、同じ判定をクリアすれば同時にわかるとします。
弓近いおり:なんてこったぜ
弓近いおり:それは別シーンですか?
弓近いおり:それとも情報収集とは別に可能?
GM:別シーンです!情報収集です。
弓近いおり:了解です。
GM:いや厳密には情報収集ではないのですが
GM:手番を使わなければチャレンジできません。
弓近いおり:では、最後に残っていた血痕の位置に立って周りを調べたりする。
弓近いおり:(……流石にいつまでもは追えないわよね。だけれど……)ブラッドリーディングで血の主の情報を読み取る。
弓近いおり:(訓練は受けてる。だけど、あんな異形タイプのエージェントが、市街地での任務を一人でやるわけがない)
弓近いおり:殺し屋時代のデータベース等を漁っても、この辺りで活動するフリーランスの傭兵に彼の名前は無い。
弓近いおり:「複数人のチームだったら、わざわざあんなのが何度も同じ相手の始末に出るわけないし……」
弓近いおり:「ああんもう、分からないことだらけだわ」
弓近いおり:「情報屋はどこなのよ、もう」
弓近いおり:「…………私だったわ!」
弓近いおり:あくまバデバデ本人の力による逃走経路を確認し、恐らく協力者がいないことを推測。もとのビジネスホテルに帰ります
弓近いおり:そういえば
弓近いおり:倉庫の方に戻ることって出来ます?
GM:ほほー、いい思いつきですね。
弓近いおり:実質逃げてきちゃったし、確認はしておかないと
GM:またも敵遭遇が怖くないなら見に行くがよいでしょう。面白いことがわかるかも。
弓近いおり:まあ真面目な話、バデバデさんはガン逃げすれば攻撃が届かないので
弓近いおり:そこまで怖くねえ! 戻ります。

折木別邸 倉庫

GM:調査の中で、弓近いおりはあの日の別邸へと戻る。
GM:あの日の交戦を裏付けるように、ここも確かに“バーデンバーデン”の移動経路上にあった。
GM:そして今は人通りの多い昼間。襲撃には向かないタイミングかもしれない。
GM:……どのみちワーディングを張られてしまえば、関係のない事柄だが。
弓近いおり:(普通に考えれば大騒ぎか、UGNが来てるか……)
弓近いおり:(彼が『早贄事件の犯人』なら話は早いのだけど)
GM:では敷地内に一歩踏み入れた途端、違和感に気づけます。
GM:血の臭いがしない。
弓近いおり:(『やってはならないことをした』。……バデバデが儀式殺人目当てのサイコパスじゃない限り……)
弓近いおり:「………?」
GM:もちろん完全に消えているわけではなく、残り香はあります。
GM:……が、痕跡が消去されたように拭い去られている。
弓近いおり:警備などはないんですね?
GM:ありません。最初の侵入時と同じです。
弓近いおり:倉庫まで入ってそれを確かめます。「……どういうこと?」
GM:死体はありません。
弓近いおり:UGNが見つけて隠滅した? それなら警備の一つもないとおかしい。
弓近いおり:ノコノコ自分が戻れるはずがない。
弓近いおり:「串刺しの六人も。……あのバラバラ死体も」
GM:とにかく、あの夜の出来事はなかったかのように消去されている。
GM:血液反応を察知できる弓近いおりでなければ、僅かに残る痕跡にすら気づかなかっただろう。
弓近いおり:ルミノールウーマンと呼んでくれ
弓近いおり:「(偏執的な消し方だわ。そういえば、秋果も最初の死体を見つけた時……)」
GM:実際、秋果の証言と同じ状況です。
GM:あの時も、一日程度の間はあったかもしれません。
弓近いおり:最初に死体を見つけた時、被害者の血液はひととおり回収していますが、それは残っていますか?
GM:手元にある分ならばちゃんと残っていますね。
GM:彼女らの存在が幻覚などではないことは、その証拠が示してくれています。
弓近いおり:(バーデンバーデンは孤立兵。少なくとも、昨日の戦闘時点なら、それは確か)
弓近いおり:(私の幻覚でもない。行方不明者と照らし合わせれば、被害者の身元は分かるかもしれないけど)
弓近いおり:「……捧げられた?」
弓近いおり:各地で殺して、一か所に運び集め、それをまた痕跡ごと隠蔽する?
弓近いおり:不合理だ。だったら最初から隠せば良い
弓近いおり:「まさか、ねぇ…………」

GM:シーン終了。ロイス取得、調達判定が可能です。
GM:4人全員可能だぞ!
弓近いおり:ロイスはもう取り終わっている。
御剣凌駕:長戸ひかりにロイスを取ろう。ポジティブは好意、ネガティブは不安で。
遠藤篤美:透明の男への感情を親近感/○隔意に変更します。
神津島ナギサ:御剣君のP感情を憧憬から慕情に変更しておきます。
GM:何――ッ!
GM:私は許さないわ!
神津島ナギサ:あっ真昼子さん!
御剣凌駕:オレも驚いているところなのだ。落ち着いてくれ、折木女史。
弓近いおり:手配師を使って振ろう。目標はブルーゲイル
弓近いおり:7dx+3
DoubleCross : (7R10+3[10]) → 9[1,1,3,4,4,6,9]+3 → 12

弓近いおり:駄目だった
遠藤篤美:そして応急手当キットを購入します。
遠藤篤美:4dx+1=>8
DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 10[5,5,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

遠藤篤美:成功!
神津島ナギサ:購入、どうしようかな・・・こちらも応急手当キットをねらいます。
神津島ナギサ:5dx=>8
DoubleCross : (5R10[10]>=8) → 10[2,5,5,8,10]+7[7] → 17 → 成功

神津島ナギサ:無駄に!
御剣凌駕:ああ、そういえばオレもHPは減っていたな。
御剣凌駕:応急手当てきっとを買いましょう。
御剣凌駕:8dx+1>=8
DoubleCross : (8R10+1[10]>=8) → 9[6,6,6,7,8,8,9,9]+1 → 10 → 成功

神津島ナギサ:即使用!
神津島ナギサ:4+2d10
DoubleCross : (4+2D10) → 4+15[8,7] → 19

遠藤篤美:使用します。
御剣凌駕:成功。
遠藤篤美:3+2d10
DoubleCross : (3+2D10) → 3+10[6,4] → 13

御剣凌駕:使用する。
御剣凌駕:1+2d10
DoubleCross : (1+2D10) → 1+12[4,8] → 13

GM:では本日はここまで!お疲れ様でした。
神津島ナギサ:はーい!お疲れさまでした!
御剣凌駕:お疲れ様でした!
弓近いおり:お疲れさまでした~
遠藤篤美:おつかれさまです!

■Middle/07

神津島ナギサ:折木の次女について調べたいです!
▼折木眞魚について 〈情報:噂話〉 難易度7
神津島ナギサ:ひくっ
神津島ナギサ:登場します。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:103->106)
神津島ナギサ:そして眞魚さんについて調べます。情報:噂話。
神津島ナギサ:5dx+1=>7
DoubleCross : (5R10+1[10]>=7) → 7[1,4,6,6,7]+1 → 8 → 成功

神津島ナギサ:ほっ。
御剣凌駕:さすが
GM:では、時系列的としては、真夜子に会った後
GM:本家の邸宅内で眞魚について探っていたとしましょう。

折木家

GM:折木暦の次女――即ち、真夜子の叔母ということになる。
GM:常に床に臥せっていたが、稀に食事を差し入れるナギサに対しても、穏やかに接していた女性だった。
GM:……もちろん、寝室の外で、日中その姿を見ることはない。
神津島ナギサ:(事件の犯人……どころか、事件が起きてる事すら知らないかもしれないけど)
神津島ナギサ:(万が一ってことも、あるよな。とりあえず話だけは聞いておかないと)
神津島ナギサ:折木邸の廊下を歩く。
GM:障子戸の向こうが、眞魚の寝室だ。存在感はほとんど感じられない。
神津島ナギサ:障子戸の前に正座し、中に呼び掛ける。
神津島ナギサ:「あ、あのっ。眞魚さん……ナギサ、神津島です」
GM:…………
神津島ナギサ:「少しだけ話いいかな……いいですか」
GM:返答はない。
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:「……?」
神津島ナギサ:「眞魚さん?」 障子戸越しに何か異変は察知できますか?
GM:さすがにこの時間帯には起きていたはずだ。真夜子と違い、誰かを無視するタイプの人間にも思えない。
GM:……異変はない。動くものがほとんどない、という意味だが。
神津島ナギサ:逡巡した後、ごめんなさい、と一声かけて戸を開けます。
GM:折木眞魚の姿はありません。
神津島ナギサ:失礼にはならないように。ゆっくりと開け、
神津島ナギサ:「……え?」
GM:忽然と消失したかのように、最初からいなかった。
神津島ナギサ:きょろきょろと室内のあちこちを見る。
GM:床には薬の袋が落ちている。一週間ほど前の日付。
GM:袋の中……今日まで飲むはずだった分の粉薬は、封すら切られていない。
GM:布団すらも綺麗に片付けられている。無人のように整頓されている――
神津島ナギサ:「なんで、だ」
神津島ナギサ:(攫われたならもっと散らかっていてもいいはず)
GM:折木眞魚はかなりの重病者だったはず。
GM:薬を飲まず、床にも就かず、無事でいるはずがない。
神津島ナギサ:(自分から出て行った――?眞魚さんが?そんなわけない!)
GM:――それも、もしかすると、一週間前から。
GM:……いくら、彼女が滅多に会うことのない存在だったとしても
GM:ナギサも含めて……『家族』が消えたことに誰も気づかなかったのか?
神津島ナギサ:「ごはんの差し入れだってあるんだ」
神津島ナギサ:「一週間。なんで誰も……秋果も、真夜子さんも?」
GM:片付けられた部屋に一つだけ落ちた薬袋が唯一の痕跡のようにも思える。
神津島ナギサ:薬袋を取ります。
神津島ナギサ:綺麗さっぱり片付いているのに、何故これだけが?
GM:その袋の内側……
-:『知っている』
-:『ヌイクギ』
-:『灯島』
GM:震える鉛筆の文字で書き残されている。
神津島ナギサ:「…………!」 背筋が凍りつく。
神津島ナギサ:「灯島」
神津島ナギサ:半年間目にしていなかった、故郷の名前。
神津島ナギサ:「……関係あるのか?」
GM:この事件は異常だ。
GM:しかし、そうだとしても、これまでナギサが知り得た範囲で――
GM:この島の名前が現れる余地など、なかったはずだった。
神津島ナギサ:居るはずの人間がおらず、関係ないはずの故郷の名前が出てくる。
神津島ナギサ:心細くなって、つい透明のヴェロキラプトルを探す。
神津島ナギサ:一人だという事を認識したあと、立ちあがります。
GM:……折木眞魚は自力で立ち上がる体力すらなかったはずだった。
GM:予感がする。
神津島ナギサ:「……探さなきゃ。眞魚さんを」
GM:彼女がどこかに拉致されたとしたら、恐らく、彼女はもう……この世にいない。
神津島ナギサ:薬袋の日付。もう手遅れ。そんな言葉をぎりぎりで飲み込む。
神津島ナギサ:「眞魚さんを……見つけてあげないと……!」
神津島ナギサ:部屋を走り去ろうとして、
神津島ナギサ:障子戸越しに扉の中に一礼する。
神津島ナギサ:居候のあたしにも優しい言葉をかけてくれた眞魚さんの笑顔を思い出しながら。
神津島ナギサ:戸を閉めて、走り去る。

遠藤篤美:では、バーデンバーデンの所属について判定を試みたいです
▼“バーデンバーデン”の所属 【精神】 難易度30
GM:この判定には財産も使えます。
遠藤篤美:財産点ゼロだ!
遠藤篤美:9dx
DoubleCross : (9R10[10]) → 8[1,2,2,3,4,5,5,5,8] → 8

遠藤篤美:はー!!
GM:登場ダイス振ってないですぞ!
遠藤篤美:すみません!!!
御剣凌駕:あ、無形の影使わないんですか?
遠藤篤美:100+1d10
DoubleCross : (100+1D10) → 100+6[6] → 106

遠藤篤美:あああ
遠藤篤美:すいません、ちょっと慌ててました.
弓近いおり:遠藤さんでも素振りで30は無理ですよ!
GM:いえ、登場前だったのでさっきの判定はなしでいいですよ
遠藤篤美:《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》使用しても構いませんか?
遠藤篤美:大変申し訳ない!
GM:構いません。
遠藤篤美:ではやり直し
遠藤篤美:9dx7
DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,5,6,6,7,8,8,8,10]+10[4,5,7,8,10]+10[1,3,8]+10[9]+2[2] → 42

遠藤篤美:やった!
GM:く、くそ……!突破された……
弓近いおり:うおおー!
御剣凌駕:おお、さすがだ。
遠藤篤美:侵蝕率が5上昇します
弓近いおり:ならば私も出ましょう
弓近いおり:103+1d10
DoubleCross : (103+1D10) → 103+8[8] → 111

弓近いおり:wakatteta

湯津町 路地裏

GM:――弓近いおりは、さらに追跡行を続けている。
弓近いおり:「…………」不機嫌そうな表情。先程から、同じ場所をぐるぐると回っている。
弓近いおり:「むー」ぷくーと頬を膨らませる。血を追う能力には優れているものの、それだけでは足りない。
GM:“バーデンバーデン”。この敵が今回の事件の……残る僅かな穴を塞ぐピースになる気がする。
GM:ブラム=ストーカーによって探知できる血液は、あくまで本体の生体反応の痕跡。
GM:例えば散布されたレネゲイド痕跡を探索できるエフェクトと組み合わされば、もっと精度を高めることができる。
GM:もちろん弓近いおりがその知識を知っているだけでは、不可能なことだ。
弓近いおり:彼女の感覚はあくまで通常の物質向け。レネゲイド痕跡を探知する能力は欠けるのだ。
遠藤篤美:「……いた。弓近さん」路地裏の入り口、逆光に照らされた影が立っている。
弓近いおり:「……あら」
弓近いおり:肩越しに振り返る。「遠藤ちゃん。どうしたの?」
遠藤篤美:「探してたんだ。そろそろ、情報を共有した方がいいかなって」
遠藤篤美:「ずっと一人にしておくのも、ちょっと心配だしね」
弓近いおり:「そっちにも何か変化があったのね。……だけど、ちょっと待って」
弓近いおり:「んー。あとちょっとで、見つけられそうな気が……ちょっとで! 気がするのよ。気がするわ」
遠藤篤美:「何か手がかりがあったんだ?」近寄ります。
弓近いおり:「バデバデの痕跡よ。血で追ってたんだけど、この辺りで消えてるのよ」
遠藤篤美:「ふうん……」辺りを見渡し
弓近いおり:「何かの痕跡を、完全に消すことなんて出来ないわ」
弓近いおり:「血を流せば薬品が。薬品が蒸発すれば残留物が。それを拭き取れば布が残る」
弓近いおり:「……たぶんレネゲイドでやったんだと思うんだけれど。私、正直、苦手だわ」
遠藤篤美:「布を燃やせば完全犯罪だね。でも、それはなさそうだ」
遠藤篤美:「レネゲイドか。……僕に任せてもらってもいいかな?」
弓近いおり:「出来るの?」
遠藤篤美:「やってみる。何せ僕はレネゲイドビーイング、元はといえばレネゲイドそのものだし」
GM:遠藤さんのレネゲイド特性ならば、僅かなレネゲイドの痕跡……『影を辿る』ことができます。
GM:無論それだけでは完璧な精度にはなりませんが、弓近がここまで集めた情報と合わせることで
GM:より正確に、現在弓近が追っている対象の位置がわかるでしょう。
遠藤篤美:では、目を閉じ、影を痕跡に沿って添わせます。
弓近いおり:「影が……水みたいに」
GM:逃走方向を変えている。何者かの追跡を撒こうとしている。
GM:壁を伝って隣のビルの屋上。さらに2つ飛んだ建物。
遠藤篤美:「……もっと遠く、もっと、もっと先……」
弓近いおり:痕跡をたどる遠藤さんの影を追っていく。
GM:そして再び路地――人目につかぬよう、町の隙間に潜む蜘蛛のように。
弓近いおり:「逃げてるわ。誰から……?」
遠藤篤美:「物陰がお好きかな」ふっと笑います。
GM:レネゲイドと血液の道が途切れた。スパイクを打ち込んだ僅かな痕跡を見つけ、再び辿る。
GM:さらに陰。さらに裏……。

湯津町 廃レストラン

GM:……そして辿り着く。ガラス窓には『テナント募集』の張り紙が張られている。
GM:商店街の片隅、日常を送る人々は誰も気に留めないだろう。
弓近いおり:やや息を切らして。「ここ……で終わってる」
弓近いおり:窓の隙間から慎重になかを覗きます
GM:施錠されている様子もありません。そして、確実に“バーデンバーデン”はいるでしょう。
弓近いおり:いるのか!
GM:います。勿論発見しますよ!
“バーデンバーデン”:「フーッ……!チィッ!」
“バーデンバーデン”:カチャ
弓近いおり:「!」
“バーデンバーデン”:暗い店の奥に響く呼気と、細いスパイクを義肢のように床に突き立てる音が聞こえる。
弓近いおり:手をかざして遠藤さんを制止する
遠藤篤美:影が動きを止め、静かに弓近さんの後ろに下がる。
弓近いおり:「(ここがアジト? いえ、一時的な隠れ家……?)」
“バーデンバーデン”:「……あの日のヤツか」
弓近いおり:姿を隠すも、バレていることに気付き、窓から両手だけ出す。
“バーデンバーデン”:「そう簡単に……殺されると思うか」
弓近いおり:狐の形に「さあ、どうかしら。通りすがりの狐さんかも。こんこん」
弓近いおり:影絵めいたトボけ方だ
“バーデンバーデン”:「死ね」ジャコン!
GM:一触即発的状況!
弓近いおり:「冗談の通じない男の人ね。分かってたけど」
弓近いおり:身体に紅の電荷を纏う。だが二度目の遭遇戦は望むところではない
遠藤篤美:「……っと。ここか」ぱたぱたと影を追って走ってきた篤美本体が追いつきます。
GM:どちらも負傷が深いことは、お互い分かっている。
GM:……だが、戦闘するために追撃してきたのならば、今は弓近が有利だ。遠藤篤美がいる。
弓近いおり:「ねえ、バーデンバーデン」
弓近いおり:「ここで戦うのは私の本意じゃないわ。――結構ギリギリなんじゃない? あなた」
“バーデンバーデン”:「……6人」
“バーデンバーデン”:「ガキが6人殺されている。オマエは無関係なのか?ヘラヘラしている場合か?」
弓近いおり:「関係しているけど、当事者じゃないわ」
弓近いおり:「あなたと同じように」
遠藤篤美:「……」影の手をゆらゆらと不定形にさせ、様子を窺っている。
“バーデンバーデン”:「……」白黒反転した瞳が、暗闇の奥から弓近達を見据えている。
“バーデンバーデン”:敵意に満ちた目だ。だが、まだ構えたスパイクを打つ気配はない。
弓近いおり:「そして、事件の解決を望むものよ。あるいは真相を」
“バーデンバーデン”:「ヤツらは生贄。折木の術だ。あのガキと一緒に動いていて、何も知らないままでいたのか」
“バーデンバーデン”:「連中は……やってはならない事をした。分かってるだろう」
弓近いおり:「へえ、そうだったの。神様でも呼び出す気かしら」
弓近いおり:暗に知っていたことを仄めかす
“バーデンバーデン”:「真面目に」ガシャン!
“バーデンバーデン”:「――答えろ!」蜘蛛めいたシルエットが、数歩分近づく。
“バーデンバーデン”:「オマエも、ヤツらの仲間か?所属はどこだ?」
弓近いおり:「…………」
弓近いおり:「私はフリーよ。《ジ・エレイソン》――世界最高の殺し屋の弟子」
“バーデンバーデン”:「……」ギロリと、後ろの遠藤を睨む。
“バーデンバーデン”:「最初の攻撃を覚えているぞ。オマエは奴らの一味だろう」
遠藤篤美:「所属は、UGNイリーガル」注意深く口を開きます。
“バーデンバーデン”:「……」
弓近いおり:「そうね。今は」遠藤さんを引き寄せる「この子たちと一緒に動いているわ」
“バーデンバーデン”:「………………」
“バーデンバーデン”:「……ふざけているのか」ぼそりと呟く
“バーデンバーデン”:「UGN?UGNだと……?」
遠藤篤美:「まさか。ここで嘘をついて誤魔化す気はないよ」首を振ります。
弓近いおり:眉をしかめる。
“バーデンバーデン”:「……いいか……。俺は最初に名乗った。コードネームは“バーデンバーデン”。聞いた覚えもないのか?」
弓近いおり:「うすうす、思っていたのだけれど……」
弓近いおり:「あなた、もしかして、UGNエージェント? 」

御剣凌駕:「所属か……。世界中あちこち旅していたが、どこかに帰属するということはなかったな。あ、今は日本に戻って少し離れたところにある高校に属しているな」
御剣凌駕:「そうそう、たまにUGNと協力することもある」
“バーデンバーデン”:「……ふざけているのか」

GM:――この時、“バーデンバーデン”は、何に対して『ふざけているのか』と応えたのか。
GM:それは、自分と敵対する存在が、よりによって『UGN』の名を出したことだった。
GM:幾度も戦闘へのインタラプトを受け続けながらも、何故“バーデンバーデン”は……
GM:交戦開始時には常にワーディングを展開していたのか。
GM:戦闘訓練を積んだプロであるとするなら、弓近曰く『プロではない』動きをする理由はひとつしかない。
GM:民間人を巻き込まないため。そういった目的で動いている者である、ということ。
GM:非殺傷の“捕獲杭”。前衛特化型のオーヴァードだとしたなら、その類の攻撃を必要とする者はそもそも少ない。
弓近いおり:「まさか、支部つきじゃないわよね。遊撃兵?」
“バーデンバーデン”:「……それは、俺の方が聞きたいことだ」
“バーデンバーデン”:「オマエら、遊撃兵か……。どこから『UGN』の名が出てきた」
弓近いおり:「『やってはならないことをした』。……倉庫の時、そう言ったわよね」
弓近いおり:「『見てはいけないものを見た』なら分かるのよ。あなたが犯人側としてね」
弓近いおり:「やる? 何を? 血をこっそり取ったこと? そこまで細かいことにこだわる意味は?」
弓近いおり:「…………まあ、その時点なら、あくまで推測にすぎなかったけど」
遠藤篤美:「なるほどねえ……いやはや、すっかり誤読してた」眼鏡を押し上げながら。
遠藤篤美:「弓近さん、名探偵になれるよ」
弓近いおり:肩を竦める。「ん、そういう事だからもう安心して良いわよ、篤美」
“バーデンバーデン”:「まだだ」カチャン
弓近いおり:「……まだ何?」
“バーデンバーデン”:「……“インコグニート”が殺られた。俺と組んでいた、情報担当のオーヴァードが」
“バーデンバーデン”:「分断して殺ったヤツがこの街にいる。いいか、もう一度聞くぞ。……オマエにだ」遠藤にスパイクを向ける。
“バーデンバーデン”:「オマエはこの街のUGNイリーガルなのか」
遠藤篤美:「そうだよ。この街に住んで、高校に通ってる」
“バーデンバーデン”:「……クッ、カハハハハハ!!」
“バーデンバーデン”:「ふざけているな……こ、こんなふざけた話があるのか」
遠藤篤美:「僕は真面目だよ。学生証を見せたっていい……!」一歩引きます。
“バーデンバーデン”:「いいか」遠藤の眼前に、異形の顔面を近づける。
“バーデンバーデン”:「この街にUGNの支部はない」
弓近いおり:「!」
遠藤篤美:「……何?」
“バーデンバーデン”:「……イリーガルだと?」
“バーデンバーデン”:「確かにオマエらはオーヴァードで、そういう連中を集めた組織があるのかもしれない」
“バーデンバーデン”:「そいつらがUGNを名乗ったとして……誰がそれを証明する?」
“バーデンバーデン”:「『イリーガル扱い』の、オマエらに」
遠藤篤美:「…………」目を見開いて黙り込みます。
弓近いおり:『じゃあ、あなたが『孤立』している理由って……」
弓近いおり:UGNエージェントでありながらイリーガルの顔も知らず、支部と連携が取れてない理由。
弓近いおり:その、前提こそが間違いだった。
“バーデンバーデン”:「……分断を受けている。連中は俺を逃すつもりはないんだろう」
“バーデンバーデン”:「情報封鎖を破る奴は殺られた」
“バーデンバーデン”:「何もかも、敵の支配下だ」
GM:Dロイス「工作員」。UGNエージェントですら、互いに連絡を取れず、弓近達が正体を掴めないほどに。
GM:例えば殺人の痕跡を払拭し、“バーデンバーデン”を追わせないようにしたように。
GM:誰からも怪しまれずに、家の中に食い込んでいたように……
GM:……既に、潜んでいる。
遠藤篤美:「僕の……はは、僕は……最初から?」軽くふらつきます。
遠藤篤美:「参ったな。完全にやられてた、ってわけか」

GM:実際、ナギサも遠藤も、事件のたびに任務をあてがわれるような、多忙なイリーガルではありません。
GM:逆に言えば任務をこなした数は少ない。イリーガルが駆り出されるような大規模事件が起こってこなかったということでもあります。

GM:――大規模事件は起こっていなかった。事件扱いされる必要がなかった。
GM:そして、イリーガルを動かすこともなかった。動かなければ真相に触れることもない。
弓近いおり:「……とりあえず杭を降ろしてくれるかしら」
弓近いおり:「仮にUGNが偽者だとしても、篤美は被害者だわ」
“バーデンバーデン”:「……」杭を下ろす。
弓近いおり:「酷い話だわ。」篤美さんの頭をぽんぽんと叩く。「……結構大変よねこれ」
遠藤篤美:「本当、参るよ。世間知らずのレネゲイドビーイングをすっかり騙して……ねえ」弱々しく笑います。
弓近いおり:「ステージが変わったわ」
弓近いおり:バデバデさんを背に、よわよわしい様子の遠藤さんの頬を両手で撫でる。
弓近いおり:「それだけの話よ。大丈夫、篤美は何も変わってないわ」
遠藤篤美:「……そう、かな。うん、そうだね。ただ、僕は……」
遠藤篤美:「今、とても怒ってる」ぎゅっと顔を強張らせる。
弓近いおり:「うん。良い反応だわ」手を放して笑う。
“バーデンバーデン”:「……UGNを名乗るクソどもがのさばっているのなら、ソイツらを潰す」
“バーデンバーデン”:「どこだ」
弓近いおり:「つまりここは、ジャームにまるごと支配された街とか、そういうものと捉えればいいってことよね? バデバデ」
弓近いおり:「ジ・エレイソンから、そういうパターンはたまに聞いてたわ」
“バーデンバーデン”:「……そいつらを潰す!」もう一度吠える。
“バーデンバーデン”:「いいか。もう待っていられる段階じゃない。俺も……」ギシッ
“バーデンバーデン”:ツギハギめいた細い肉体を、軋むように動かす。
“バーデンバーデン”:「……回復次第、打って出るつもりでいた。ジャームに支配された街。その通りだ」
弓近いおり:「馬鹿。落ち付きなさいよバデバデ」
“バーデンバーデン”:「……。落ち着いていられる理由がオマエにあるのか?」
遠藤篤美:「僕にはない」真っ直ぐにバーデンバーデンを見つめます。
“バーデンバーデン”:「連中には強力な情報隠蔽手段がある……だが今、オマエらと俺が接触した。隠された『生贄』は二度発見された」
“バーデンバーデン”:「隠蔽が綻び始めている。……そうなれば連中は行動に出る。否応なく。すぐにだ!」
遠藤篤美:「潰す。そうだね。僕を、それに神津島さんを欺いた奴らに、鉄槌を食らわせてやらないと気が済まないよ」
弓近いおり:「篤美の言う通りよ。動く前にもう二人、味方につけておく子がいるわ」
弓近いおり:「他に、この町のUGNに気付いている人って、いないかしら?」
遠藤篤美:「そうだ。バデバデ君。僕たちは一人のレネゲイドビーイングと接触した」
“バーデンバーデン”:「……」
遠藤篤美:「彼は、『UGNを討つ』ことが目的だと言っていたよ。心当たりはある?」
“バーデンバーデン”:「知らん。インコグニートが生きていたら、そういうことを言うだろうな」
遠藤篤美:「生きていたら……か」
“バーデンバーデン”:「俺は行く。……今更誰も信用できねェ」
遠藤篤美:「わかった。でも、注意しておいた方がいい。彼は、強い」
“バーデンバーデン”:「……」答えないが、僅かに止まることで、忠告を受けたという意思表示をしたのだろう。
“バーデンバーデン”:バ ギ ン ! !
“バーデンバーデン”:レストランの床板を割り、“バーデンバーデン”の姿が射出されて消える。
弓近いおり:「……とんでったわ。……せっかち……」
遠藤篤美:「……ふう」大きく息をつきます。
遠藤篤美:「神津島さんたちに早く伝えないと。……ちょっと気が滅入るね」
弓近いおり:「あんまり気にしたら駄目よ。いざとなったら、みんなまとめて弓近庵に雇ってあげる」
遠藤篤美:「ほんと? それはいいな。情報屋ってのも、興味あるんだ」
弓近いおり:「……本当?」軽口にのられてちょっとびっくり。「人を雇ったことはないけど頑張るわ。あなたは才能ありそうだし」
遠藤篤美:「……今まで、本に籠ってばかりだったからね。もうちょっと外に出なきゃっていうのが、今回の教訓かなって」
弓近いおり:「そうね。――じゃあ手始めに、この町の檻から出てみましょうか」
遠藤篤美:「うん」軽く頷き、一歩を踏み出す。
GM:――『家に取り憑いている怪物を殺してほしい』。
GM:正体が分からない、怪物。
GM:折木秋果の予感は正しかった。それこそが、弓近の殺すべき敵。

GM:シーン終了。ロイス取得と調達判定が可能です。
神津島ナギサ:遠藤さん達が辿り着いた情報は私は認識できてないので、ロイスは無し。
神津島ナギサ:応急手当きっとを調達します。
神津島ナギサ:きっと・・・
神津島ナギサ:5dx=>8
DoubleCross : (5R10[10]>=8) → 10[2,3,4,8,10]+6[6] → 16 → 成功

神津島ナギサ:そして即使用。
神津島ナギサ:19+2d10
DoubleCross : (19+2D10) → 19+9[4,5] → 28

神津島ナギサ:ほぼ全快!
遠藤篤美:ロイスはなし。応急手当キットを購入します
遠藤篤美:4dx+1=>8
DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 7[2,3,4,7]+1 → 8 → 成功

遠藤篤美:今使用します。
遠藤篤美:13+2d10
DoubleCross : (13+2D10) → 13+5[1,4] → 18

遠藤篤美:うーむ
弓近いおり:バーデンバーデンのロイス内容を敵から馬鹿に
神津島ナギサ:馬鹿w
弓近いおり:殺し屋の弟子ですが、正義の秘密結社に二回も勘違いで殺されかけた件
神津島ナギサ:このラノベは売れるぞ~
GM:殺し屋の弟子ならなおさら正義の秘密結社に殺されるべきだと思うのですが……?
弓近いおり:ウオオーッ ブルーゲイル!
弓近いおり:4dx+3
DoubleCross : (4R10+3[10]) → 9[2,4,5,9]+3 → 12

弓近いおり:クソア!
弓近いおり:以上!

■Climax/01

GM:最後の大情報が揃った!クライマックスシーンです!
GM:全員登場なのだ。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:106->116)
神津島ナギサ:う、うわあ
御剣凌駕:89+1d10
DoubleCross : (89+1D10) → 89+10[10] → 99

遠藤篤美:111+1d10
DoubleCross : (111+1D10) → 111+1[1] → 112

遠藤篤美:ほっ
弓近いおり:1d10+111
DoubleCross : (1D10+111) → 2[2]+111 → 113

弓近いおり:おお、てっきり10出すかと思ったが
神津島ナギサ:運を吸われた

折木家

GM:――折木眞魚は、この家にはいなかった。
GM:いつから?どのように隠蔽されていたのか?
GM:例えば、オルクスやソラリスによる微弱な認識障害かもしれない。しかし、どこから?
GM:そんな大掛かりな芸当を……一体誰が、この折木家に対して可能だったのか。
神津島ナギサ:「ただでさえUGNの目が光ってるんだ」
神津島ナギサ:「いったい、どこの誰が……」
GM:では、大きな音を立てて廊下を歩く音が近づいてくるのが分かる。
GM:焦っているような動きだ。
神津島ナギサ:(……そうだ、UGN。流石にこの事は連絡しないと!)
神津島ナギサ:ポケットから携帯を取り出しながらそちらを見ます。
神津島ナギサ:支部の番号をコールする。
白川真尋:[ナギサちゃん?]
白川真尋:[何があったの?]
白川真尋:電話の向こうから声。
神津島ナギサ:「白川!」
神津島ナギサ:「よかった。大変なんだ」
神津島ナギサ:「折木の、叔母さま……眞魚さんが」
白川真尋:[……眞魚さんが?]
神津島ナギサ:「眞魚さんがいないんだ。どこにも!布団とかも、全部片付けられてて!」
白川真尋:[ナギサちゃん、あなた自身は、なんともないの?]
白川真尋:[『杭の男』に襲われたりしたわけじゃ、ないのね!]
神津島ナギサ:「うん。バデバデとは会ってないよ」
神津島ナギサ:「かわりにスケさん……いや、これはいいか。とにかくあたしは大丈夫!」
白川真尋:[…………それなら、良かった]
神津島ナギサ:電話に向かってこくこく頷きます。
白川真尋:[落ち着いて、安心して待っていてね。すぐに向かうわ]
神津島ナギサ:「うん、わかった。白川も気をつけろよ」
白川真尋:[ごめんね。ずっと見てあげられればいいのに]
白川真尋:[『杭の男』や……『早贄事件』の処理とか、急な案件が同時に来て]
白川真尋:[ナギサちゃんに何かあったら、って、本当に――]
神津島ナギサ:「ううん、いいんだ。その気持ちだけで」
神津島ナギサ:「と、友達も……えへへ。いっぱいできたからさ」
白川真尋:[そう、よかったわね]
神津島ナギサ:「実は、ずっといっしょに調査してくれてたんだ。だから大丈夫」
白川真尋:[……]
白川真尋:[その報告も聞きたいわ。じゃあ、今向かうわね]
GM:通話は切れる。同時に、後ろの廊下をうろついていた足音も止まる。
神津島ナギサ:「……?」 廊下を振り向く。
神津島ナギサ:「真夜子さん?」
神津島ナギサ:「……秋果?」
折木秋果:「ナギサ、か!?」
神津島ナギサ:「!」
折木秋果:「……姉様は、姉様はどうした」
神津島ナギサ:そっちに駆けよります。
神津島ナギサ:「え、真夜子さんなら学校の前で会って……もうすぐ帰って……」
折木秋果:「そうか……帰りが遅いんじゃないかな」
折木秋果:「でも、学校に行ってたのか。それなら良かった」
神津島ナギサ:「うん。……いや、良くない。良くないんだよ!」
神津島ナギサ:「眞魚さんがいないんだ!」
折木秋果:「……?」
折木秋果:「いや、そんな……何言ってるんだ?ナギサ、ご飯は運んでなかったのかよ!」
神津島ナギサ:一週間前の日付の薬袋をずいと見せます。
神津島ナギサ:実際、ご飯はどうしていたんでしょう?いつもあたしが運んでいた……?
GM:いいえ。そんなわけはありません。
GM:家の全員が、「他の誰かが運んでいたはず」「他の誰かが会話していたはず」と
GM:思い込んでいただけです。
折木秋果:「な、んだ……これは」
折木秋果:「これ……どういうことだ」
神津島ナギサ:「わかんないよ、あたしだって……」
神津島ナギサ:「でも、UGNを呼んだんだ。すぐに白川が来るって」
折木秋果:「あ、ああ、そうか。UGNがいた……」思考を切り替えようとするように、頭を掻く。
折木秋果:「そうだ。こういう事件の専門家なんだ。彼らなら解決できる。きっと」
神津島ナギサ:「うん。それに、あたしだってイリーガルだ」
神津島ナギサ:「秋果もあたしの傍から離れるなよ。何かあったら、あたしが守ってやるから」
折木秋果:頷く。
折木秋果:「……姉様も」
折木秋果:「もしかしたら、UGNに相談に行ったのかもしれないな。」
折木秋果:「ここ最近、色々な事があったから」
神津島ナギサ:「……そっか。だから帰りが遅いのかも」
GM:そこで、先ほどとは違う軽い足音が鳴る。
GM:ナギサは分かる。白川真尋のものだ。
白川真尋:「ナギサちゃん!」
神津島ナギサ:「! 白川!」
白川真尋:「大丈夫だった?」秋果には目もくれず駆け寄る。
神津島ナギサ:こちらも駆け寄ります。
神津島ナギサ:「うん、あたしは大丈夫!」
折木秋果:「……!僕は、そうだ」
折木秋果:「ポップレクイエムに伝えてみる。協力してくれるか、分からないけど……」
神津島ナギサ:「あ、そうか」
神津島ナギサ:御剣と遠藤。二人にも連絡しておいた方が良いかもしれない。
神津島ナギサ:明らかに犯人がどこかにいて、そいつは折木の人間を何時の間にか連れ去る事が出来るくらい、侵食している……
白川真尋:「……ナギサちゃんは、待って」引き止める。
神津島ナギサ:「ん」
白川真尋:「イリーガルのお仕事として。まずは、報告。でしょう?」
神津島ナギサ:「あ、う……そうだな。ごめん」
神津島ナギサ:「……ごめん。ほんとは全部ないしょにしようと思ったんだ。“関わるな”って言われそうで」
神津島ナギサ:「でも非常事態だし、全部話すよ。ちょっと長くなるけど……いい?」
白川真尋:「ナギサちゃんのこと、心配して言ったのに……いいのよ。知ってることを、おねがい」
神津島ナギサ:これまでの事を全部話します。御剣達と一緒に捜査した事。釘の男、バーデンバーデン。
神津島ナギサ:6人と1体の犠牲者。ジュリエット。真夜子さんと当主の会話。ヌイクギ。
神津島ナギサ:UGNを討つという謎の男スケさんに襲われた事。それらもすべて。
白川真尋:「……」何も言わず、ナギサをそっと抱き寄せる。
神津島ナギサ:「わ」
白川真尋:「……そう。良かった。本当に良かった」
白川真尋:「ナギサちゃんが生きていてくれて」
白川真尋:「……全部、わかったわ。折木家にお邪魔するのは今日までにしましょう」
神津島ナギサ:「……駄目、なのか?ここにいちゃ」
神津島ナギサ:白川を見上げる。
神津島ナギサ:「あたし、真夜子さんと友達になりたくて……なれそうで。だからもうちょっとくらい……」
白川真尋:「……折木真夜子」
白川真尋:「汚らわしいわ。あんな……卑しい山師の娘ごときが。信じ……られない」
神津島ナギサ:「白川?」
白川真尋:「……本当なら、本当なら、もっとしっかりした家に預けるべきだったわ……」肩が震えている。
白川真尋:「あの女から何を言われたの?死んで当然よ。そう思うわよね」
神津島ナギサ:「え、え?」
神津島ナギサ:「そ、そりゃあまあ、ちょっと苦手だったけど……でもそんな、死んで当然なんて、思った事ないよ」
神津島ナギサ:「どうしたんだ?急にそんな……」
白川真尋:「……出ましょう。この家はもう私達に必要ないわ」
白川真尋:「ねえ――あなたは、もっと大事にされなければならない子なのよ」
神津島ナギサ:「……?」
白川真尋:「準備は整っているわ。大丈夫……次こそ、きっと大丈夫よ」
白川真尋:手を掴み、強引に引こうとする。
神津島ナギサ:「ちょ、ちょっと待って」
神津島ナギサ:「その……本当に、お世話になったんだ」
神津島ナギサ:「最後に挨拶くらい、だめかな」
白川真尋:「駄目よ」
神津島ナギサ:「そうだよ。秋果にだって」 後ろを振り向こうとする。
GM:     ……ドザッ
GM:秋果の去った廊下の向こうで、何かが倒れる音がする。
神津島ナギサ:「?」
神津島ナギサ:「秋果?」
白川真尋:「あなたのための居場所は、ここではないもの」
白川真尋:「ホノヒメ」
神津島ナギサ:「白……川……?」
御剣凌駕:屋敷の扉が開き、学生服の腰にフルートを挿した長身の少年が入ってくる。
御剣凌駕:「ここにいたか、神津島嬢」
神津島ナギサ:「!」
神津島ナギサ:御剣の方を見る。
御剣凌駕:「白川女史も一緒か。ちょうどいい。そなたに聞きたいことがあったのだ」
GM:……御剣凌駕の背後。秋果を昏倒させた者が倒されている。
GM:ナギサの知る『UGNエージェント』の一人だ。
白川真尋:「……あなたは」
白川真尋:「何?」硝子めいた瞳に御剣を映す。
御剣凌駕:「自己紹介は前にしたと思ったがな。御剣凌駕。竜の道を行く者だ」白川に言う。
御剣凌駕:昏倒させたエージェントのそばから立ち、フルートを腰に挿し直す。
神津島ナギサ:「御剣!おまえ、そ、その人……UGNの人だぞ!」
神津島ナギサ:「バカ!どうしてこんなこと……!」
御剣凌駕:「ああ、すまない。それはあとで説明しよう。それよりも今は、彼女への質問が先だ」
御剣凌駕:「……少しだけ、昔話をしようか。神津島嬢も聞きたがっていたろう?」
御剣凌駕:ナギサの方を見て言う。
神津島ナギサ:「う、うん。御剣の昔話……聞きたいけど」
神津島ナギサ:不安そうに御剣と白川を交互に見る。
御剣凌駕:「あれはエジプトにいた時のことだった」
御剣凌駕:「そこで発明家兼宗教家だという老人に会い、機械のいじり方を習っていた」
御剣凌駕:「ある日、老人は最終試験だと言ってオレをピラミッドの中に閉じ込めた」
御剣凌駕:「ピラミッドの中には床一面に機械が散らばっていて、壁の火時計が時間を刻んでいた。時間までに脱出できなければ酸素がなくなって窒息死する仕組みだ」
神津島ナギサ:ごくりと唾を飲み込む。
御剣凌駕:「オレはどうにかしようと必死になって床のガラクタを繋ぎ合わせようとしていた。だが、答えは違った」
御剣凌駕:「残り時間もなくなりかけたところでオレは壁にあった火時計の出力を上げて爆発させ、ようやく壁を吹き飛ばした。右腕には酷い大火傷を負ったが、窒息死は免れた」
御剣凌駕:「つまるところ老人はオレにルールの内側にばかり囚われるなと言いたかったのだろう。これみよがしにルールが用意されていれば人はそれ自体には目を向けないものなのかもしれないな」
神津島ナギサ:「なんだそりゃ。ひっどい爺さんだな……」
御剣凌駕:「まあ、おかげで機械いじりは少し上手くなった」
神津島ナギサ:「……いや、でもそれと今の状況、何の関係があるんだよ!」
白川真尋:「――大嘘よ。この男の右手に、そんな後遺症があるように見えた?」
神津島ナギサ:「……」 右手を見る。
白川真尋:「ただの口先だけの詐欺師だわ。ナギサちゃん。世の中にはね」
白川真尋:「こういう、悪い人間がいっぱいいるわ」
白川真尋:「正しい神様から生まれてこなかった人間」
神津島ナギサ:「で、でも……御剣は……」
神津島ナギサ:「い、いいやつで……」 ごにょごにょと語尾が小さくなる。
御剣凌駕:「オレからの質問がまだだぞ、白川女史」
白川真尋:「……」
御剣凌駕:「神津島嬢から彼女のいた島の話を聞いて、どうにも不自然なことがあった」
御剣凌駕:「灯島、だったか。なぜそなたは神津島女史を元いた島から連れ出した?そして、なぜ彼女をわざわざ折木の家に預けた?」
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:袋の内側に書かれていた事を思い出す。
白川真尋:「UGNエージェントとして当然でしょう?」
白川真尋:「レネゲイドウィルス感染者の保護よ」
御剣凌駕:「まさか。それならばこんな家でなく、もっといい環境を与えたろう?UGNならばいくらでもそれが可能だ」
御剣凌駕:「……監視対象を、一箇所に集めておきたかったか?」
御剣凌駕:「教えてくれ、白川女史」
御剣凌駕:「そなたたちにとって神津島ナギサにいったいどんな価値がある?」
白川真尋:「……言ったところでわからないでしょうね」
白川真尋:ナギサの両肩に、そっと手を乗せる。
白川真尋:「この世の何よりも大切なものよ」
御剣凌駕:「では、UGNを名乗るそなたたちはいったい何だ?」
神津島ナギサ:「ちょっ……ちょっと待ってくれよ」
神津島ナギサ:「ふたりとも、何の話してるの?」
神津島ナギサ:「だって、白川は白川で、UGNで……御剣は、友達で……」
白川真尋:「……ナギサちゃん。この男は、嘘しか言わないわ」
白川真尋:「折木真夜子と同じようなねじ曲がった心を、レネゲイドで無理矢理通しているだけなのよ」
白川真尋:「恐竜の幽霊?」
白川真尋:「幻覚よ。ソラリスシンドロームなら、嘘を信じ込ませることができるのよ」
神津島ナギサ:「な、なんでそんな事言うのさ!」
神津島ナギサ:「御剣はいいやつなんだよ。真夜子さんだって、そんな人じゃなくて……悪い人じゃないんだよ!」
神津島ナギサ:「御剣も、どうしちゃったんだよ。どうして急にこんな……」
御剣凌駕:「そうか。ナギサのためにも、そなたも素直に認めてくれればと思っていたのだがそうもいかないようだ」
白川真尋:「今分かったわ。この男が――“バーデンバーデン”でもなく折木真夜子でもなく、この男が」
白川真尋:「この男のような人間が、私達の世界の異物だったのよ」
御剣凌駕:「決定的な証拠があればいいか、白川女史?」
白川真尋:「……」黙して答えない。だが、目が語っている。
白川真尋:『あるはずがない』。
御剣凌駕:「そなたたちが作ったルールは実によく出来ていた。だが、それも既にほころび始めているようだ」
御剣凌駕:「もうじき、そのルールごと砕け散る時間だ」
御剣凌駕:「紹介しよう。『本物の』UGNエージェントだ」
GM:――バ  キ  ン  !!
GM:硬質な衝突音が、白川の背後で響く!
神津島ナギサ:「――え」
白川真尋:「…………………」髪を揺らめかせ、背後を――
白川真尋:――庭の方向を見る。
“バーデンバーデン”:「シィィィーッ…………」
GM:氷の盾とスパイクが衝突して、共に砕けている。
神津島ナギサ:「バーデン、バーデン……!」
白川真尋:「2人だけ?」
神津島ナギサ:咄嗟にバデバデから距離を取る。白川の横から、白川と御剣の間に。
御剣凌駕:「1人で来たのか?それでは少し説得力に欠けてしまうな」
白川真尋:「バカな人達ね。その数で勝てるの?」
神津島ナギサ:「ま、待て……待てよ!なんだよこれ!」
白川真尋:「いいのよ」微笑む。
神津島ナギサ:「なにを……なにを話してるんだよ……!」
白川真尋:「こんな邪魔者は、すぐに死んで、溶けて、消えるわ」
白川真尋:「折木真夜子と同じように、苦しんで死ぬ」
神津島ナギサ:「…………………!!」
神津島ナギサ:「真夜子さんを」
神津島ナギサ:「どうしたッ!」
神津島ナギサ:無数の蒼火球を浮かべ、攻撃準備を行う。
白川真尋:「どうしたの?怒ることはなにもないでしょう」頭を撫でる。
白川真尋:「あんな女、消えたほうがいいって思っていたでしょう?」
白川真尋:「当然の末路よ……私達のホノヒメを……」
白川真尋:「……友達だなんて」
神津島ナギサ:「……白川。おしえて」
遠藤篤美:「神津島さんは怒って然るべきだと思うね」すっ、と物陰から現れます。
遠藤篤美:「僕と同じように。いや、もっとかな」視線をナギサさんに向けます。
弓近いおり:「彼から」
弓近いおり:いつの間にか、白川の背後から声がする。
弓近いおり:バーデンバーデンの派手な襲撃に隠れるように、いつの間にか現れている。
神津島ナギサ:「――弓、近!」
弓近いおり:「聞いていたのよ。一番、簡単な見分け方を」
弓近いおり:胸元からスマホを取り出し、ぴっと録音を鳴らす。
弓近いおり:【ガキが6人殺されている。オマエは無関係なのか?ヘラヘラしている場合か?】
弓近いおり:「見知らぬ相手の死に憤ってたら、そいつは大体、UGNエージェントだって」
弓近いおり:「――で、あなたは誰なのかしら?」
白川真尋:「……」
神津島ナギサ:「……白川。おしえて」
神津島ナギサ:「真夜子さんは?」
GM:ガシン!!
GM:虚空から現れた存在が、弓近に斬りかかる。
弓近いおり:「――――ッ!」 こめかみから赤い線を引いて吹っ飛ぶ。
小島聖:「やー、すごいよ」
小島聖:「さすがだな。ご名答。コングラチュレーション。大正解」
弓近いおり:くるくる回りながら、受け身を取って着地。
弓近いおり:赤い線は血ではない、雷光。既に纏っている。
小島聖:「インコグニートに手一杯だったせいで――学校の磔死体が見つかって」遠藤を横目で見る。
小島聖:「長く持たないなとは思ってたけど、ここまで早いか」
小島聖:ヘッドホンをつけた、パーカー姿の少女。UGNの、実働エージェントの一員……と、思われていた。
弓近いおり:「もっと前だと思うわよ」
弓近いおり:倒れている秋果の前に立とう。
弓近いおり:「私を呼ばれちゃったのが、最大のミスだわ」
折木秋果:「ポ…プ、レクイ……」
弓近いおり:「秋果。――へへ、助けてあげるわ」
弓近いおり:「暗殺者らしくないとか、プロっぽくないとか、さんざん馬鹿にしたの後悔させてあげるんだから」
小島聖:薄く笑って、壁に寄りかかる。
小島聖:「まあこうして全部バレたわけだけど、準備は大体終わってるんだよね実際」
小島聖:「クギヌイの贄を夜晒しにして、呪吏を生む。『巫女』の呼ぶ霊は『依代』に憑いて実体をもつ」
小島聖:「折木眞魚さんは全部喋ってくれたよ。協力的だったなあ。最後はまあ、アレしちゃったけど――」
遠藤篤美:「僕は怒ってるよ。珍しく……いや、生まれて初めてかもしれない」白川と小島をゆっくり交互に見ます。
遠藤篤美:「怒りを、ありがとう。僕の人生の根幹を揺るがしてくれて……」
小島聖:「……お」咥えていたロリポップを取り出す。
小島聖:「怒ってんの?遠藤ちゃん。へえーっ、初めて見た」
弓近いおり:「ほーら。篤美まで怒らせたわ。静かな子を怒らせたら怖いのよ」
遠藤篤美:「ふざけるな、ってとこかな。準備が終わってようがどうだろうが、構わないのさ。僕が君たちを、貪る」
遠藤篤美:影はざわざわとざわめき、刺々しいシルエットとなっている。
白川真尋:「……。手を、出さないで。“リーダー”」小島を手で制する。
白川真尋:「4人だけ?知ってるでしょう。篤美ちゃん」
白川真尋:「私達の支部は、人出が……十分、足りているのよ」
GM:庭からの“バーデンバーデン”の射撃支援がない。
弓近いおり:「……バデバデ?」
GM:それどころか、何かがぶつかり合う音が、断続的に庭の方から響き始めている。
GM:小島聖がいつの間にか浸透していた。認識を欺瞞する――FH工作員。
GM:この時点で、既に折木家は無人ではない。
GM:庭からの無数の敵意。……包囲されている!
御剣凌駕:「これは……少々厄介なことになったかもしれんな。援護を期待していたのだが」
白川真尋:「あなた達の始末は彼らがやってくれる。……さあ、行きましょう。ナギサちゃん」
弓近いおり:「あなたたちの目的は何なの?」
弓近いおり:「神様を呼んで。楽しく一緒にお弁当でも食べたいのかしら」
弓近いおり:包囲に警戒を割り振りながら軽口を叩く。
白川真尋:「正しい神様の世を作りなおすこと」
白川真尋:「――昔、火の神様が生んだ、正しい一族があったわ」
神津島ナギサ:「…………」
白川真尋:「天孫族と呼ばれた氏族よ。彼らは火と、灯りを奉じた……。いつか自分たちの神様は蘇って、今の神様と代わってくれると」
白川真尋:「……神様がこの世に蘇らない限り、皆は貧しく、世界から見捨てられたままだわ」
白川真尋:「ホノヒメ。そうでしょう?私達を哀れんでくれるのよね……?」
白川真尋:「だからあなただけは、いくら、この世界が嫌だからって」
白川真尋:「……死んでしまってはいけないの」
GM:神津島ナギサの6度の脱走のあと、ナギサの前に、白川真尋が現れた。
GM:そのままでは、もしかしたら『世界の外』に逃げてしまうかもしれないと考えた、島の人間は……
GM:神津島ナギサを、新たな『世界』へと逃した。
GM:暗く陰鬱な“島”とは異なる人生で。異なる命を。
GM:……しかし。
GM:何からも逃れられてはいなかった。
神津島ナギサ:「…………」
神津島ナギサ:「…………白川、おねがい。教えて……」 白川から距離を取り、まっすぐ目を見る。
神津島ナギサ:「……真夜子さんは?」
白川真尋:「まだわからないの?」ナギサの目線に合わせるように、腰をかがめる。
白川真尋:優しく微笑む。
白川真尋:「苦しんで死んだわ。ここに来る前……ヌイクギにするようにね、私が指示してきたの」
白川真尋:「嬉しいでしょう?」
神津島ナギサ:「……」 涙が一筋頬を伝う。
神津島ナギサ:“ホノヒメ”ではなく、“ナギサ”と呼んでくれた。
神津島ナギサ:自分を島から連れ出してくれた。
神津島ナギサ:住む場所を用意してくれた。学校の制服の手配をしてくれた。
神津島ナギサ:はじめて見る携帯電話の使い方を教えてくれた。
白川真尋:「いつもあなたの事を、大切に思っていたわ。ホノヒメ」
神津島ナギサ:白川さんのロイスをタイタスにします。
神津島ナギサ:-恩人/白川真尋/信頼:○/不安/ロイス → -/白川真尋/憧憬/嫌悪○/タイタス
小島聖:「フ!狂信者って面白いよね。……でもこういう面白い奴らが、案外働くんだ」
小島聖:「アタシのセル、人手が必要だからなあ。それに」
小島聖:「……たかが7人か8人くらいが死ぬだけで、神の力が呼べるなんて」
小島聖:「すごい面白いよね」
神津島ナギサ:「全部……」
神津島ナギサ:「――うううあああああああッッッッ!」 
神津島ナギサ:他の三人を巻き込む事などお構いなしに火炎の渦を巻き起こす。庭が炎に包まれる。
神津島ナギサ:「ふーッ……ふーッ。ふーッ!」 涙が蒸発して消える。
神津島ナギサ:「あたしが……あたしが!全部ッ!灰に……してやる!」
神津島ナギサ:「あの世で後悔しやがれ!」
GM:ド  ゴ  バ !  ! !
弓近いおり:「わっ!? ――ちょっと、ナギサちゃん!」
御剣凌駕:「構わん。いくらでもやれ。いくらでも怒れ!」学生服の端を焼き焦がされながら言う。
GM:全てを燃やし尽くさんばかりの豪熱で燃える炎!だが――
GM:――z__バシ!
GM:ギシ!  バチャ!
GM:          ガギン!!
GM:槍が、銃弾が、茨が、爪が、全周囲から殺到し、その威力を抑える!
小島聖:「分からないわけ?脳筋神様」
神津島ナギサ:「ふーッ!ふーッ!!」
弓近いおり:あちち、と指先を振りながら飛び離れる。「って、この数……!」
小島聖:「君らは包囲されてるんだよ。いい?FHエージェントってのはさ」
小島聖:「ちゃんとした訓練してるんだ」
小島聖:「一人ひとりが、君たちより上で」
小島聖:「で、それが十何人かな?チェックメイト。そーいうこと」
神津島ナギサ:「うるさい!うるさい!うるさい!」
神津島ナギサ:「全部、全部だ!全部!」
小島聖:「ふ、はは!ジャームまですぐかな!そしたら君の願いもいけるじゃないか、“ヒスタッチ”!」
白川真尋:「……そうね」優しい眼差しで、怒り狂うナギサを見つめる。
御剣凌駕:ナギサと背中合わせに立つ。
御剣凌駕:「白川女史。先ほど一つだけ尋ね忘れていたな」
御剣凌駕:「友を欺き人に害を成す貴様らに、オレが怒っていないとでも思ったか?」
御剣凌駕:「オレも、オレの友も、死ぬほど怒り狂っているんだ!」
御剣凌駕:荒々しくフルートを構える。
白川真尋:「どうでもいいわ。あなた達の怒りなんて」気温が低下していく。
白川真尋:「私達の一族の、火灯りさえない悲しみに比べたら――」
御剣凌駕:「オレは、人の命を奪おうとする輩を決して許さん。滅びの運命などもう二度と御免だ」
GM:今度は、全員の照準が凌駕へと向けられる。
御剣凌駕:視線を伏せ、口元にフルートを運ぶ。
小島聖:「あ、そーだ。君は似た能力者だったかなあ」
小島聖:「実はアタシ達、『呼ぶ』儀式だけなら一回テストしてるんだよ」
小島聖:「でも透明だったら、何が来たのかも分かんないよね。……自分の呼んでるものがなんなのかわかってる?」
小島聖:「なんだったんだろうね?」キャンディを咥えたまま、こちらも御剣を切断すべく構え……
スケさん:「――私だ」
スケさん:ひゅう
GM:小島聖の横を抜けて、タキシード姿の『透明な』存在が現れ、エージェント達の攻撃を切り伏せた。
御剣凌駕:「分かっているとも。それは滅びだ」
御剣凌駕:「貴公たちのな」
スケさん:「その通り。そして」トン
スケさん:「彼女の滅びではない」
スケさん:剣を持たぬ方の腕で抱えていた少女の体を、優しく下ろす。
折木真夜子:折木真夜子。……生存している。
神津島ナギサ:「…………!」
折木秋果:「姉、様」
神津島ナギサ:駆け寄ります。
神津島ナギサ:「真夜子、さん!」 抱きつく。
弓近いおり:「?」
弓近いおり:「ん、……だれ?」
御剣凌駕:「前に話したことがあったろう。くだんの、透明人間殿だ」弓近に言う。
弓近いおり:「あー。さっきもちらっと篤美が言ってた……本当に味方だったの」
遠藤篤美:「……スケさん。いや……」首を振る。
スケさん:「……さて」ヒュンヒュンと剣を返す。
スケさん:「私の使命は確か、『UGNを討つ』事でしたね」
スケさん:「幸いにも、ここに十何人でしたか?沢山の仕事がある」
小島聖:「……っ、なんだ……それ」
“バーデンバーデン”:「シャア!!」――バギン!!
“バーデンバーデン”:射出音の反動とともに、“バーデンバーデン”も地に降り立つ。
“バーデンバーデン”:「……何をやってる!オマエら!」
“バーデンバーデン”:「戦え!殺すべき奴を、殺せ!」
弓近いおり:「バデバデ。あなた、本当にUGN?」呆れ顔
遠藤篤美:「ああ、彼らが『UGN』だよ」両手を広げます。
白川真尋:「……」白川真尋もたじろぐ。あまりにも予想外の援軍。
スケさん:「……いくらか引き受けましょう。私の仕事を、部外者に取られるわけにはいかないので」
スケさん:「――そして」顔を向けず、ステッキで弓近を指す。
弓近いおり:「?」
スケさん:「何故、戦場でそんなにもぼんやりしていられるのですか?」
弓近いおり:首をかしげる「私?」
スケさん:「あなたとは初対面ですが、本当にひどい。あなたは信じられないくらい」
スケさん:「殺し屋に向いていない」
弓近いおり:「またそれ? なんだか、今回は本当にいろんなひとに同じこと、……………………」
スケさん:「やめたほうがいいでしょう。……今すぐにでも」
弓近いおり:「………………」
スケさん:「では」透明な男は、それだけを言って戦闘の渦に飛び込んでいく。
弓近いおり:「あ!」
弓近いおり:思わずその背に手を伸ばす
御剣凌駕:「話した通り、変わった人物だろう?」
弓近いおり:「…………なんで?」
弓近いおり:凌駕くんを向かずに応える。
弓近いおり:両目の端から涙が零れ落ちる。三カ月泣き腫らしても枯れなかった。
御剣凌駕:「……弓近女史?」
弓近いおり:「なんで。なんで、ここにいるの?」
御剣凌駕:「……もしや知り合いか?」
折木秋果:「……来た」
折木秋果:「来て、いたんだ」
折木秋果:「父様が……頼んだんだ……」
弓近いおり:「あはは。ねえ! 秋果! 秋果!」
弓近いおり:バチ。バチバチ。――――ガガガガガガ!
弓近いおり:全身から紅の雷が放出される。踊るように、焼き払われた地面を撫でる。
弓近いおり:「ねえ、信じられないわ! いえ、信じるわ! 秋果の、秋果のお父さんのこと!」
遠藤篤美:「もしかして、知ってるのかな。弓近さんは」独り言めいて呟きます。
遠藤篤美:「彼の、本当の名前」
御剣凌駕:「さあ。役割があると言っていた。大事な使命を果たさねばならないのだと」
折木秋果:「現場は作るものだって」
折木秋果:「文字通りのことだなんて、思わない、じゃないか……」
御剣凌駕:「……彼の名前、か。彼自身、記憶はないがどうしてもやらねばならないことがある気がするのだとそう言っていたのだ」
御剣凌駕:「知っているものが、ここにいたのだな」
弓近いおり:「この世にとうに神はなく! ここに憐みを!」
弓近いおり:泣きながら笑い、踊る。「――知ってるわ。知ってるに決まってる。彼は私の恩人よ。大好きな人」
弓近いおり:「私たちは勝てるわ。何一つ問題なくこの状況を、打ち破れる」
小島聖:「……フッ、まったく、白けちゃうじゃん」
小島聖:庭で続く“バーデンバーデン”と透明な男の猛攻から逃れ、4人の前に現れる。
小島聖:「……やれるよねー、“ヒスタッチ”」
白川真尋:「……やれる?」
白川真尋:「やらなければならないのよ」
白川真尋:こちらは最初から、“バーデンバーデン”達を意に介してすらいない。焦点は、ナギサ一人だけだ。
弓近いおり:「やれる? 違うわ。殺られるの」
弓近いおり:「――世界最高の殺し屋と、その唯一の弟子を敵に回して」
弓近いおり:「たとえ神でも、殺されずに済ませる事なんて出来ないわ」
小島聖:「なら試してみよっか?来るよ。神が!」
GM:何かが近づいてくる。悲鳴のような振動が。
GM:――否。悲鳴そのものが。
神津島ナギサ:真夜子さんを背に庇い、一歩前に出る。
神津島ナギサ:「真夜子さん、もう大丈夫。何があってもあたしが守るよ」
神津島ナギサ:「あたしは……火の神」
神津島ナギサ:「ホノヒメだ」
“麗しきジュリエット”:「「「アアアアアアアアキィィィアアアアアアアア」「ヒィィィィキ」ガアアァ」コキ「ィィィィク」キィィィィィィ」」」
“麗しきジュリエット”:無数の口が接合されたような異形。
“麗しきジュリエット”:無数の断末魔を記録し奏でるためだけに作り出された、旧日本軍の生体兵器。
“麗しきジュリエット”:「「「キャアアアアア」「アアアァァアアアアア」「ヒイイィギイイイァアアアア」ェェェェェェ」」」
GM:御剣凌駕。神津島ナギサ。遠藤篤美。弓近いおり。全ての運命が集まり、戦いが……始まる。

“麗しきジュリエット”:――ズギュルッ ズルッ
“麗しきジュリエット”:人間らしきシルエットに纏わりつく、泡立つ細胞群。やはりこの時代においても作り出されていた――“呪吏”。
神津島ナギサ:「こんなもの……こんなものを作る為に」
神津島ナギサ:「いったい、どれだけ……!」
白川真尋:「この子が、神様を下ろしてくれるのよ。ホノヒメ」
白川真尋:「失われたものを蘇らせてくれる。……救ってくれる」
弓近いおり:「頭のおかしなカルトさん。思い込んだら、手に負えないわね」
弓近いおり:血刀を指先に精製し口づける。ばちりと電荷が映える。
小島聖:「予定は変更かな。この場で呪吏を起動させる」
小島聖:「……で、神津島ナギサ以外は始末して、おしまい」後ろの戦闘を少し振り返って言う。
神津島ナギサ:「悪いけど、ホノヒメは今日限りでやめるよ」
神津島ナギサ:「真夜子さんを守って。あんたらを焼きつくして。そんでやめる」
神津島ナギサ:「あたしは、ただの神津島ナギサになる」
神津島ナギサ:「……今だけはホノヒメだ」
神津島ナギサ:「悪しきを焼き払い、清める。ホノヒメだ!」
白川真尋:「ずっと……ずっと、その名前で呼びたかった!ホノヒメ!」
白川真尋:「さあ見せて!その炎を!」
神津島ナギサ:庭園に無数の火柱が立ち上り、風景が揺らめく。
神津島ナギサ:「いいぜ。好きなだけ、見ろ!」

■第1ラウンド

白川 小島 ジュリエット

     10m


御剣 神津島 遠藤 弓近
GM:衝動判定はまだです。
GM:まずはセットアップ。行動値10のジュリエットから処理していきます。
弓近いおり:うわーっ
“麗しきジュリエット”:なし。
白川真尋:なし。
弓近いおり:なし。
遠藤篤美:なし
御剣凌駕:セットアップはなし。
小島聖:《甘い芳香》《タブレット》《イベントホライゾン》《加速世界》。
弓近いおり:ゲェーッ
神津島ナギサ:うわあああソラリスだー
小島聖:対象はPC4人のエンゲージです。このラウンド中、行動値-8、リアクションダイス-8個、戦闘移動・全力移動ごとにHP-2D10。
弓近いおり:殺す
遠藤篤美:ひええ
小島聖:「大した力じゃないよね」両ポケットに手を突っ込んだまま歩く小島の姿が
小島聖:意識から外れ、不規則な明滅のように現れる。
小島聖:「君たちのさー……神の火とか、恐竜の力に比べたら」
小島聖:「でもそこがいいんだ。レネゲイドってのは――」
小島聖:「――小さな力で、そういう大きな力を欺けるのが、一番いい」
神津島ナギサ:自分に《エターナルブレイズ》。行動値が-4ですが、どのみち小島の能力で既に0になっている。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+4した(侵蝕率:116->120)
神津島ナギサ:(なんだ)
神津島ナギサ:(重い――身体が)
GM:ではイニシアチブ。ジュリエットの行動になりますが……
GM:どなたかアクションはありますか
弓近いおり:はーい
GM:弓近院
弓近いおり:バデバデのロイスを切って不利な効果を全解除します。あと、イニチアシブでシューターズジャケット脱ぐ
小島聖:……ならば《時間凍結》!
神津島ナギサ:オワワワ
弓近いおり:この野郎!
小島聖:「……無理だなぁ。暗殺者さん」
小島聖:マイナーで《魔眼槍》。
小島聖:choice[御剣,神津島,遠藤,弓近]
DoubleCross : (CHOICE[御剣,神津島,遠藤,弓近]) → 弓近

弓近いおり:小島さんが何らかのアクションを行った時には、もうそこにはいない。
弓近いおり:バデバデさんの杭で出来たかかしが代わりに立っている――
小島聖:《コンセントレイト:ソラリス》《アドレナリン》《瞬速の刃》《タブレット》。対象は弓近。
小島聖:14dx7+3
DoubleCross : (14R10+3[7]) → 10[1,1,1,2,3,5,5,6,7,7,7,9,9,9]+10[2,3,6,6,8,9]+10[4,7]+6[6]+3 → 39

弓近いおり:ドッジ!
弓近いおり:7dx+1
DoubleCross : (7R10+1[10]) → 9[1,3,5,7,8,8,9]+1 → 10

小島聖:「……アタシの空間での動き方は」カカシから素早く視線を移す。
弓近いおり:「――っ!」 だが、避けた先に!
小島聖:レネゲイド戦闘における移動セオリー。それを先読みする。
小島聖:「アタシが一番良く知ってるからさ」
小島聖:4d10+11
DoubleCross : (4D10+11) → 25[7,3,6,9]+11 → 36

小島聖:《魔眼槍》!ダメージで硬直付与です!
小島聖:――ヒン!
小島聖:手に隠し持った、黒色のナイフめいた武器が閃き
小島聖:一瞬で長く伸び、貫く。
弓近いおり:「ぎっ……!」 空中で刺し貫かれる! 完全に予想外の対応だ!
神津島ナギサ:「弓近っ!」
小島聖:「まだまだ、こんなものじゃない……。小さな力がさ、連鎖して強くなるんだ」
小島聖:「日本軍の研究で、折木家の技術を使って。……そして灯島の神様とやらを呼べる」
小島聖:「本当……面白いよね。生きてるって感じだ」
弓近いおり:家族のロイスを昇華。復活します
GM:次の手番。弓近さんです!
GM:行動値は10だ
弓近いおり:マイナーで《ポルターガイスト》《アクティベイト》
弓近いおり:レールガンを破壊して、このシーンの攻撃力+20
弓近いおり:「――工夫と小細工が好きみたい、ですね」
弓近いおり:HP12消費。
弓近いおり:メジャー《アタックプログラム》《バリアクラッカー》
弓近いおり:「だけど、工夫が好きなら、パズルゲームでもやってれば良いんじゃない?」
弓近いおり:対象は小島さん! 死ね!
弓近いおり:あ、グレネードで攻撃します
弓近いおり:7dx+25
DoubleCross : (7R10+25[10]) → 10[4,5,7,8,9,9,10]+1[1]+25 → 36

小島聖:《リフレックス:ソラリス》《アドレナリン》。
小島聖:9dx8+4
DoubleCross : (9R10+4[8]) → 10[2,2,5,6,6,6,7,8,10]+2[2,2]+4 → 16

小島聖:チッ……!
弓近いおり:固定値! よって無敵!
弓近いおり:4d10+29
DoubleCross : (4D10+29) → 34[10,9,7,8]+29 → 63

弓近いおり:装甲値ガード無視!
小島聖:そのダメージはひとたまりもない!戦闘不能!
弓近いおり:なんだこの出目!
御剣凌駕:強い!さすが!
小島聖:再びその姿が曖昧になる。他者の短期記憶を、リアルタイムで薄れさせている。
弓近いおり:紅の電荷が閃く……無数に。
GM:――ドカカカカカッ!!
小島聖:「……!!」
小島聖:通常の攻撃ならば『外させる』ことができただろう……だがその手段は、無差別の物量攻撃には無意味だ!
弓近いおり:「まったくもって、愚か者の宴だわ」
小島聖:「ふ、ふふ」ポケットに手を突っ込んだまま、仰向けに倒れる。
小島聖:「マジか……」
弓近いおり:ビーム砲じみた一撃は、その全てが人体急所を捉えている。
弓近いおり:激しい電荷が奏でる音楽が、レクイエムめいて静まっていく。
小島聖:「ケホッ、仕方ないな。アタシは直接戦闘はダメなんだ……」
小島聖:「……やっぱ……ジュリエットと“ヒスタッチ”に――」
“麗しきジュリエット”:Eロイスを使用します。"惨劇の輪廻"。
“麗しきジュリエット”:メインプロセス。
“麗しきジュリエット”:「「「キィィィィイィィ「ェアアアアアアアア」「ヒィィィィィ」イイィイィッィィィィィィイイイイイイ」」」
“麗しきジュリエット”:《サイレンの魔女》。対象は小島聖のみ。
“麗しきジュリエット”:とどめを刺します。
小島聖:「え」
神津島ナギサ:うわああ
GM:――バシャ!!
小島聖:「え……けふっ」倒れたまま、さらに夥しく血が流れる。
小島聖:異界の音波に侵蝕された、異常な色の血液だ。
小島聖:「ふ、はは……。なんだよ。ジュリエット……」
小島聖:「恨んでるのか?アタシ達を」
小島聖:「………………兵器のくせに」
白川 ジュリエット

     10m

御剣 神津島 遠藤 弓近
GM:小島聖死亡。キャラクターを一人死亡させたため、
GM:2つ分の"屍の玉座"の効果が発動されます。“麗しきジュリエット”の攻撃力が+2D10されます。
“麗しきジュリエット”:「「アアアアアアアア」」
“麗しきジュリエット”:行動値10。“麗しきジュリエット”の手番。
弓近いおり:「…………」耳をふさぎ、眉をしかめる。
弓近いおり:「苦痛の、純粋集積体……」
“麗しきジュリエット”:「「「アアァァァギィィィィィァアア「りょ……」アアアアアアアアア」」」
弓近いおり:「求めてるの?仲間を……」
“麗しきジュリエット”:《オリジン:ヒューマン》。
“麗しきジュリエット”:《サイレンの魔女》。対象はPC4人。
“麗しきジュリエット”:9dx+14
DoubleCross : (9R10+14[10]) → 10[1,1,1,3,4,5,8,8,10]+7[7]+14 → 31

神津島ナギサ:サイレンーッッッ!
弓近いおり:ドッジ
弓近いおり:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 10[1,4,6,9,10,10]+8[6,8]+1 → 19

御剣凌駕:ドッジをしようと思ったが、リアクションのダイスは振れないのだった。
御剣凌駕:ギターでガードします。
GM:そうです!弓近さん以外はリアクション-8個。ラウンド中は継続です。
遠藤篤美:ドッジしたいけどリアクションダイスゼロ
神津島ナギサ:・・・そうだった
GM:しかし、《加速世界》については解除されています。
GM:これは死亡解除と明記されているエフェクトだからです。
御剣凌駕:《加速世界》は移動する度にダメージが入るやつか
GM:そうですね。もう解除されたのでこれは関係ありません。
“麗しきジュリエット”:ではダメージを出します。
“麗しきジュリエット”:4d10+15 装甲無視
DoubleCross : (4D10+15) → 22[2,3,9,8]+15 → 37

“麗しきジュリエット”:あっ待った、追加ダメージを忘れてました。
“麗しきジュリエット”:37+2d10 装甲無視
DoubleCross : (37+2D10) → 37+12[6,6] → 49

“麗しきジュリエット”:"屍の玉座"2つ分です。
弓近いおり:ナギサちゃんのロイスを昇華。復活!
神津島ナギサ:-/白川真尋/憧憬/嫌悪○/タイタス 既にタイタス化されたこれを昇華して復活。
御剣凌駕:戦闘不能になるので、《リザレクト》します。
御剣凌駕:1d10+99
DoubleCross : (1D10+99) → 9[9]+99 → 108

遠藤篤美:HP0。人類の叡智へのロイスをタイタス化、昇華して復活します。
“麗しきジュリエット”:――キュイン!!
“麗しきジュリエット”:精神を刻むような、恐るべき悲鳴の集束が4人を襲う。
神津島ナギサ:「……ぅ……!」
神津島ナギサ:たまらず耳を塞ぐが、当然その程度で防ぎきれるものではない。
白川真尋:「……そうよ。呪吏。あなたの力は、折木のような人間の私欲のためでも、この腐った国のためでもない……」
白川真尋:「私達に使われるためにあったものなのよ。今、ここで!」
弓近いおり:「あくっ!」電荷が途絶え、地面に倒れ込む。「ひどい、音……!」
遠藤篤美:「あ……あ……。うるさいな。もっと静かに……」目をぎゅっとつぶる。
御剣凌駕:傷だらけになって膝をつくが、フルートを杖代わりにして立ち上がる。
白川真尋:「ふ、ふふ」
白川真尋:「分からないの?」
白川真尋:「素晴らしい音楽でしょう……!」
白川真尋:「もう何も必要ないわ。FHも、折木の家も、全て捨てて……」ジュリエットに寄り添う。
白川真尋:「私達と故郷に戻るのよ。ホノヒメ」
御剣凌駕:「……」白川の言葉には答えない。
御剣凌駕:何かを滅ぼすことしかできない己の歌もこれと変わりないことを知っているからだ。
白川真尋:行動値8。白川の手番。
神津島ナギサ:「嫌だ。絶対に、嫌!」
神津島ナギサ:「あたしは、行くんだ。真夜子さんと……もっと色んなところ!」
神津島ナギサ:「御剣と遠藤と弓近とも、もう一度ドリンクバーに行くんだ!」
白川真尋:「……ホノヒメ。あなたを、外の世界に出したのは」
白川真尋:「この世界がどれだけ汚らわしいか、見せたかったのよ!間違った神!間違った血族!」
白川真尋:「本当なら、私達……天孫の血が……!」足元が白く凍り付き始める。
白川真尋:行動値7。白川の手番。
白川真尋:マイナー《赤き鎧》。装甲値を強化。
神津島ナギサ:「……!」 荒れ狂う海を易々と凍結させるレネゲイド出力。その脅威は間近で見て、よく知っている!
白川真尋:《コンセントレイト:サラマンダー》《氷の戒め》《氷の塔》《蝕む赤》。4人を同時に狙う!
白川真尋:5dx7+2
DoubleCross : (5R10+2[7]) → 10[1,2,2,6,10]+5[5]+2 → 17

白川真尋:命中した場合、邪毒ランク2、およびラウンド中ダイス-3を受けます。
御剣凌駕:あ、キツイ
御剣凌駕:が、どの道ダイスは振れないのでギターでガードするしかない。
神津島ナギサ:くそーっ邪毒!
神津島ナギサ:ガードしか、できない!
弓近いおり:避けろーっ!!
弓近いおり:ドッジ!
弓近いおり:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 9[3,5,6,7,8,9]+1 → 10

弓近いおり:クソア!
遠藤篤美:くそー、ドッジ不可!
白川真尋:2d10+6
DoubleCross : (2D10+6) → 16[7,9]+6 → 22

白川真尋:……ギチッ!
白川真尋:全員の足元から、成長する氷が覆い始める。
白川真尋:威力は低い。だが白川真尋のレネゲイド能力の恐ろしさはそこではないのだ。
弓近いおり:凌駕君のロイス昇華!
御剣凌駕:戦闘不能。
御剣凌駕:麗しきジュリエットへのロイスをタイタスにして昇華します
神津島ナギサ:すみません、装甲有効なら死にません。2残る!
遠藤篤美:装甲値10なのでダメージ12。1残った!
GM:フフ運の良い奴ら・・・
GM:死んだと思ったのに生きたとは・・・
遠藤篤美:しかし邪毒
白川真尋:一度体表に付着した氷は、体温を食らいながらゆっくりと成長していく。
白川真尋:体力と動きをじわじわと奪う。そういう能力者だ。
GM:手番は、行動値0の3人です。
神津島ナギサ:よし。誰から行きましょうか。
御剣凌駕:どうしましょうね
遠藤篤美:うーむ
神津島ナギサ:特に無ければあたしから!
遠藤篤美:どうぞ!
御剣凌駕:よろしくお願いします
神津島ナギサ:いおりちゃんのロイスを昇華して不利な効果を全て解除します。
神津島ナギサ:この程度でくじけてはいられない。先陣を切った弓近に続かなければ。
神津島ナギサ:マイナーで5m戦闘移動。白川とジュリエットの方へ近づきます。
白川 ジュリエット

   5m

  神津島

   5m

御剣 遠藤 弓近
神津島ナギサ:メジャーでコンボ『魂葬ノ忌火』。《コンセントレイト:サラマンダー》《結合粉砕》《プラズマカノン》。
神津島ナギサ:単体攻撃です。対象は白川さん!
神津島ナギサ:11dx7+7
DoubleCross : (11R10+7[7]) → 10[1,4,4,4,4,7,8,8,8,9,10]+10[1,2,4,8,8,9]+2[1,1,2]+7 → 29

神津島ナギサ:1足りない・・・くそっ!
白川真尋:ガード。《蒼き悪魔》。
白川真尋:12点ダメージを返す!ダメージロールをどうぞ!
神津島ナギサ:きさまーっ!
神津島ナギサ:3d10+51 装甲無視
DoubleCross : (3D10+51) → 18[10,6,2]+51 → 69

白川真尋:《氷雪の守護》。
“麗しきジュリエット”:《波紋の方陣》。
白川真尋:69-5d10-5d10
DoubleCross : (69-5D10-5D10) → 69-21[1,10,6,3,1]-26[5,8,1,7,5] → 22

白川真尋:22点ダメージ!生存。
白川真尋:あ、22点から装甲値引いたダメージですね。どちらにせよ生存……!
弓近いおり:装甲は無視では?
神津島ナギサ:イエス!結合粉砕!
白川真尋:すいません《結合粉砕》がありましたね。じゃあやっぱり22点ダメージです。
神津島ナギサ:サラマンダー能力による体温操作。……など、白川の凍結能力の前ではさして意味がない。
神津島ナギサ:「これで……」
神津島ナギサ:燃え盛る火柱、その只中に飛び込んで全身に喰らいついた霜を消し飛ばす。
神津島ナギサ:「……動ける。燃やせる」
白川真尋:「……そんなことを」
白川真尋:冷や汗が一筋流れる。
神津島ナギサ:恩人を見る。ぼろぼろと涙をこぼす。片っ端から蒸発する。
神津島ナギサ:「白川……あんたの事……あんたの事」
神津島ナギサ:「あんたの事!!」 特大の火球を生み出す。軽トラック大の、トレーラー大の!
白川真尋:「……そうよ。もっと、もっと燃やして」
白川真尋:「人間なんかじゃない。あなたは……私達の神様になるのよ。ホノヒメ!」
神津島ナギサ:「しんじてたのに!!」
神津島ナギサ:叩きつける!
白川真尋:「!」紡錘状の氷の盾を生み出す!その先端がナギサを傷つけるが……
神津島ナギサ:立ち昇るのは特大の火柱。全てを無に帰す“魂葬の焔”!
白川真尋:「ぐ、は!!」
白川真尋:防ぎきれない!気流に吹き上げられ、そして叩きつけられる!
神津島ナギサ:「はっ……はあっ……ぐす」
神津島ナギサ:こちらも倒れる。
神津島ナギサ:遠藤さんのロイスを昇華して復活します。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+10した(侵蝕率:120->130)
GM:次の手番です。御剣さんかまたは遠藤さんどうぞ!
遠藤篤美:御剣君先にどうぞ
御剣凌駕:先に行きますか
御剣凌駕:マイナーで移動しようかとも思ったけど、次ラウンドでメジャー放棄してカバーリングする可能性を考えてこのままでいましょう。
御剣凌駕:マイナーなし。
御剣凌駕:メジャーで《コンセントレイト:ソラリス》+《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《アニマルテイマー》+《アニマルアタック》+《オーバードーズ》
御剣凌駕:コンボ「魔楽章・デストラクションフィニッシュ」を使用
御剣凌駕:麗しきジュリエットを攻撃します
御剣凌駕:命中判定いきます
御剣凌駕:11dx7+6
DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,2,4,4,5,5,6,6,7,8,9]+10[3,6,9]+5[5]+6 → 31

御剣凌駕:達成値は31です
“麗しきジュリエット”:6dx+2 回避!
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 10[1,3,3,4,4,10]+7[7]+2 → 19

御剣凌駕:意外と高い
御剣凌駕:では、ダメージを
御剣凌駕:4d10+72
DoubleCross : (4D10+72) → 23[7,5,7,4]+72 → 95

御剣凌駕:95点。装甲無視です。
“麗しきジュリエット”:な、なんだそのダメージは・・・《デモンズウェブ》。
“麗しきジュリエット”:95-3d10
DoubleCross : (95-3D10) → 95-25[7,8,10] → 70

“麗しきジュリエット”:すごい出目!ギリギリ残ったが……!
御剣凌駕:大きく跳躍すると空中に膝をついて座り、フルートを奏でる。
御剣凌駕:「今より60秒。作り物の神に原初の地獄をお聞かせしよう」
御剣凌駕:禍々しく名状しがたい旋律が周囲を満たすと、突然上空から地上を目掛けて降ってくるものがある。炎を纏った巨大な塊だ。
御剣凌駕:大地がえぐれる。火の山が猛る。恐竜たちが狂乱し、逃げ惑い、荒れ狂う。
御剣凌駕:相手を一瞬にして恐竜たちの絶滅の瞬間に叩き込む!
“麗しきジュリエット”:「「「アアアァァァア「キャアアアアア」「アアアグアアアア」「ヒィキィィィィィィ」ギィィィィィィ」」」
御剣凌駕:「これが滅びの歌だ」
御剣凌駕:暴走する恐竜たちが“麗しきジュリエット”に殺到!大爆発が起きる!
“麗しきジュリエット”:バシャ!ビジャッ!!
御剣凌駕:爆発を見届けると着地して学生服の腰にフルートを挿し直す。
御剣凌駕:「拍手喝采、痛み入る」
白川真尋:「呪吏!」
“麗しきジュリエット”:細胞片が飛び散り、中から白い手が垂れ下がる。
“麗しきジュリエット”:「「ギャアアアアア「……」アァァアアアア」ギィィィィ」」
御剣凌駕:「……もう少しの辛抱だ。耐えてくれ」ちらりとそちらを見る。
弓近いおり:「うひゃあ……派手ね。戦いたくないわ」恐竜の痕跡を見やりつつ。「……あれは……?」
“麗しきジュリエット”:「「「ピィィィィギイイイイイグ「……様」リアァァアアアア」「キャアアアア」アアァァァァ」」」
遠藤篤美:「……まさか」眉を顰めます。
白川真尋:「……損傷がひどい」
白川真尋:「神をこの場で下ろすしかないわ……今この場で……」
白川真尋:4人が見えていないかのように、ブツブツと呟く。
神津島ナギサ:ぞくぞくと背筋に冷たいものが走る。巫女としての勘。
神津島ナギサ:「遠藤……遠藤!やるんだ。やってくれ」
神津島ナギサ:「手遅れになる前に!」
遠藤篤美:「オーケー、やるだけやってみようか」
遠藤篤美:「神様、か。僕にはちょっと遠すぎて、よくわからないや」ふと目を細め、憐れむように白川とジュリエットを見る。
遠藤篤美:「僕は、僕自身と、周りのことで手一杯なんだ。今はね」
遠藤篤美:では手番。マイナーで《オリジン:ヒューマン》使用。侵蝕率2上昇。
遠藤篤美:メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《餓えし影》《シャドースクラッチ》《無形の影》使用。侵蝕率8上昇。対象は白川。
遠藤篤美:命中判定いきます
遠藤篤美:9dx7+8
DoubleCross : (9R10+8[7]) → 10[1,3,5,6,8,9,9,9,9]+6[1,1,3,3,6]+8 → 24

遠藤篤美:むー
白川真尋:6dx+2 回避
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 9[5,5,6,6,8,9]+2 → 11

遠藤篤美:あっ、すみませんダイスペナがあった
GM:そうですね。ラウンド継続ペナが3個あるので
GM:それは受けてもらいましょう……!
遠藤篤美:そ、その前に御剣君のロイスをタイタス化して昇華。ペナルティを消します。
GM:了解です。ならば達成値はそのままでOK!
遠藤篤美:失礼しましたっ
遠藤篤美:ではダメージ
遠藤篤美:3d10+19
DoubleCross : (3D10+19) → 12[5,3,4]+19 → 31

白川真尋:装甲で引いてもそれは倒れる!
白川真尋:……ですが、《燃える魂》を使用!
遠藤篤美:「それじゃ、ようこそ。僕の、ひとりぼっちの影絵芝居に」
遠藤篤美:スカートを軽くつまむと、その姿が影となり、とぷんと地面に溶ける。
遠藤篤美:同時に、少女の形の影は5つに分かれ、お辞儀をする。
遠藤篤美:5つの影は手を鳥の影絵の形に作ると、その鳥は羽をばたつかせ、飛び立つ。
遠藤篤美:はたはたと舞う鳥は、一変、鋭い嘴と爪を露わにすると、白川の影へと躍りかかる!
白川真尋:「……あなたの攻撃は」
白川真尋:「知っているのよ。篤美ちゃん――」
白川真尋:攻撃をかわそうと試みる!
遠藤篤美:「知っていることと、実感することって、違うよね?」影から声がする。
遠藤篤美:彼女の影絵芝居には音はない。血も出ない。ただ、裂かれた空白だけがそこにある。
遠藤篤美:しかし、影を裂かれることは、本体を……その身を裂かれることを意味する!
白川真尋:「ッ!」
白川真尋:「こんな精度が……」無様に倒れる!
白川真尋:(普段の彼女とは違う。何が?……どこが?)
遠藤篤美:鳥はばたばたと地面を飛び回ると、影へと戻っていく。
遠藤篤美:「言ったろ。僕は怒ってるって」
白川真尋:「ふ、ふふ。……そんな。嘘よ」
白川真尋:「レネゲイドビーイングが、怒るわけがない」
遠藤篤美:「人は怒ると、力をセーブできなくなるらしい」影の口が、白く裂けたように笑う。
遠藤篤美:「うん、画期的新発見だね。論文でも書いたら?」
白川真尋:「……」パキ、パキパキ
白川真尋:氷で新たな肉体を形成し始めている。
白川真尋:「……呪吏」
白川真尋:「呼ぶのよ」
“麗しきジュリエット”:「「ギャアアアアアアア「アアアアアアア」ヒャアア」キィィィィアアアア「キャアアアア」」」
GM:最後のイニシアチブ。
“麗しきジュリエット”:Eロイスを使用します。"さらなる絶望"。
神津島ナギサ:!
白川真尋:「――アマテラスとは異なる、太陽の神」
白川真尋:「かつてこの世界を支配するはずだった……本物の、火の天神」
GM:ゴウ!!
GM:――その場には何も現れていない。
GM:透明な男がそうであったように……あるいは、御剣凌駕の“恐竜”がそうであるように。
GM:それは肉体を持っていない。だが膨大な熱だけが……
GM:すさまじい存在となって、そこにある。
天火明命:『――』
白川真尋:「偽物の一族の世界が終わるのよ」
天火明命:衝動判定が発生します。難易度は9。
神津島ナギサ:「う、うッ……!」
神津島ナギサ:6dx+2=>9
DoubleCross : (6R10+2[10]>=9) → 9[2,4,8,8,8,9]+2 → 11 → 成功

弓近いおり:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 8[1,1,4,7,8] → 8

遠藤篤美:9dx+4=>9
DoubleCross : (9R10+4[10]>=9) → 10[1,1,2,2,4,5,7,8,10]+1[1]+4 → 15 → 成功

御剣凌駕:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 10[3,4,9,10,10]+10[3,10]+10[10]+5[5]+2 → 37

神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+8(2d10->1,7)した(侵蝕率:130->138)
弓近いおり:127+2d10
DoubleCross : (127+2D10) → 127+8[5,3] → 135

遠藤篤美:122+2d10
DoubleCross : (122+2D10) → 122+8[3,5] → 130

御剣凌駕:126+2d10
DoubleCross : (126+2D10) → 126+14[7,7] → 140

御剣凌駕:む、一気に超えてしまった
天火明命:Eロイス"破壊神顕現"を所持しています。クライマックスで倒せなかった場合、この神格が実体を持って顕現します。
天火明命:最初のメジャーアクション。《天候操作》。
天火明命:カ  ッ  !  !
天火明命:身を焦がすような熱天が頭上から迫る。……それを生み出す実体の姿は見えない!
弓近いおり:「あ、か、ぅあ……!?」
神津島ナギサ:「…………!」
白川真尋:「……依代の、ホノヒメが……」熱に衰弱しながら、膝をつく。
遠藤篤美:「……」影がじりじりと揺れる
弓近いおり:凍結と熱波に耐えかね、激しい渇きに襲われる。
白川真尋:「これを取り込めばいい。これで、これで終わる……」
GM:恐らくこの“神”も、顕現前の脆い幽体に過ぎない。
GM:その強度は生きた存在と比べて格段に脆弱であるはず。
GM:……だが、この劣勢!
御剣凌駕:邪毒で6点のダメージを受けます。残りHP5。
白川真尋:まずは、白川の攻撃を受けて、タイタス解除していない人は邪毒ランク2。6ダメージです。
神津島ナギサ:こちらは邪毒をまるごとクリアしたので、ダメージは特になし。
弓近いおり:素直に受けましょう。残り7
遠藤篤美:邪毒は回復しています。なし。

■第2ラウンド

白川 ジュリエット 天火明命

   5m

  神津島

   5m

御剣 遠藤 弓近
GM:セットアップ。
神津島ナギサ:《先陣の火》《エターナルブレイズ》。
神津島ナギサ:攻撃力と行動値をアップします。行動値は差し引きで11アップし、1→11に。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+6した(侵蝕率:138->144)
弓近いおり:なし。
御剣凌駕:ないです。
天火明命:《エターナルブレイズ》。【行動値】が-5されます。
“麗しきジュリエット”:"楔の呪い"。PC4人を対象にします。
“麗しきジュリエット”:このラウンド中は、戦闘不能からの復活以外にタイタスを使用できません。
神津島ナギサ:ギャワー
“麗しきジュリエット”:「「キィ……ギィィィィ――――!!!」」
“麗しきジュリエット”:全員の喉に、何かを差し込まれたような苦痛が共有される。
神津島ナギサ:「ッ、は」
遠藤篤美:「……っ、かはっ!」影が大きく揺れる。
神津島ナギサ:「かはっ……けほ……!」
弓近いおり:「えぐっ……うぅっ」
白川真尋:「どうして受け入れないの。ホノヒメ。こ、こんなに……」
白川真尋:ジュリエットの音波と、天火明命の熱気で、息も絶え絶えになりながら言う。
白川真尋:「こんなに、素晴らしいのに」
白川真尋:「千年よりも、ずっと昔から、望んでいた願いなの。……私達の。灯島の皆が――」
白川真尋:「きっと皆喜んでくれる。あなただって、役割を果たして、幸せになれる……」
神津島ナギサ:「これを――こんなものを――!?」
神津島ナギサ:「白川。あんたも……灯島の……」
神津島ナギサ:変わり果てた恩人の変わらぬ笑顔を見る。
GM:UGNの身分は、最初から詐称されたものだった。あの島には、彼女やナギサのような“能力”を持つ者が大勢いた。
GM:あるいはかつて、本土から追われた一族達が。
GM:小島聖率いるFHセルすら、その悲願を叶えるために利用していた。
神津島ナギサ:「…………」
白川真尋:「ホノヒメ……ナギサ。幸せに……」
神津島ナギサ:「……囚われてるんだな。あの島に」
神津島ナギサ:「……あたしと同じくらい、辛かったんだな。ずっと……」
GM:手番はナギサです。行動値11!一番早い
神津島ナギサ:よし!
神津島ナギサ:マイナーで5m戦闘移動。白川達のエンゲージへ入ります。
白川 ジュリエット 天火明命
   神津島

   10m

御剣 遠藤 弓近
神津島ナギサ:メジャーは《コンセントレイト:サラマンダー》《結合粉砕》《災厄の炎》《プラズマカノン》。
神津島ナギサ:災厄の炎は範囲(選択)から変更不可能。しかし組みあわせ時、エフェクトの範囲は狭い方が有効……ということで
神津島ナギサ:GM裁定を伺いたいです!この場合、範囲攻撃でしょうか?単体攻撃でしょうか?
GM:もちろん範囲攻撃です!《災厄の炎》はそういうエフェクトとして扱っています!
神津島ナギサ:つよっ!なんだこのエフェクト!
神津島ナギサ:そういうことで、同エンゲージの3体に対して範囲攻撃を行います。
神津島ナギサ:12dx7+7
DoubleCross : (12R10+7[7]) → 10[1,2,4,4,5,5,6,8,9,9,10,10]+10[1,1,5,6,8]+2[2]+7 → 29

神津島ナギサ:また1足りないぞ!
白川真尋:《炎陣》!天火明命をカバー!
天火明命:9dx 回避
DoubleCross : (9R10[10]) → 9[1,3,3,6,6,7,7,8,9] → 9

“麗しきジュリエット”:6dx+2 回避
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 9[1,3,3,7,7,9]+2 → 11

白川真尋:《蒼き悪魔》。反撃します。
神津島ナギサ:くっ
GM:ダメージをお願いします!
神津島ナギサ:3d10+63 装甲無視
DoubleCross : (3D10+63) → 25[10,6,9]+63 → 88

御剣凌駕:いいダメージだ。
白川真尋:12点ダメージを返す!そして……
白川真尋:《氷雪の守護》《吹雪の守護》。
神津島ナギサ:よ、よし!12点ならギリギリ死なない!
“麗しきジュリエット”:《波紋の方陣》を白川に。
GM:88-5d10
DoubleCross : (88-5D10) → 88-36[10,7,9,6,4] → 52

GM:52-5d10
DoubleCross : (52-5D10) → 52-31[8,4,8,7,4] → 21

GM:……全然駄目!白川真尋、死亡です!
神津島ナギサ:よし・・・!
弓近いおり:ジュリエットは!?
“麗しきジュリエット”:ジュリエットは軽減の威力もあって、カバーもしてないので
“麗しきジュリエット”:まだ生存しています。
天火明命:天火明命は当然のように生存。
神津島ナギサ:ひゅー
弓近いおり:むむむー!
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+14した(侵蝕率:144->158)
神津島ナギサ:「いいよ、白川」
神津島ナギサ:歩み寄る。白川さんをそっと抱く。
神津島ナギサ:かつて自分がそうしてもらったように、頭を撫でる。
神津島ナギサ:「つきあってあげる」
白川真尋:「……私の命が」
白川真尋:「そう使えるなら――!」ギキキギキキキン!!
白川真尋:氷で再構成された白川の体表が、さらなる低温を帯びる!
白川真尋:ナギサを一度殺し、依代としてその理性を奪う。それが目的だ。
神津島ナギサ:「……」
神津島ナギサ:極低温であちこちに凍傷を負い、真っ赤な肉を見せながら、
神津島ナギサ:それでも頭を撫でる。
神津島ナギサ:「――同じ灯島の人間として。巫女“ホノヒメ”として」
神津島ナギサ:「我が。そなたを解放しよう」
神津島ナギサ:次の瞬間、白川を自分ごと燃やす。
神津島ナギサ:周囲の一切合財を巻き込む巨大な火柱。
白川真尋:「あ……ぁ゛、……火が……」
白川真尋:「わ、私達の……」
白川真尋:「光…………かッ、……、っ……」
白川真尋:氷結の攻撃も、その全てが溶解されていく。
白川真尋:肉体はボロボロと炭化し、細い塵のような体が崩れる。
神津島ナギサ:「…………」 零れた涙が蒸発する。
神津島ナギサ:「さよなら……白川」
白川真尋:「……」黒く塗りつぶされた顔面の中の眼球が、倒れゆく中でナギサを追った。
白川真尋:その瞬間。
“麗しきジュリエット”:"惨劇の輪廻"。
“麗しきジュリエット”:《サイレンの魔女》で白川真尋のとどめを刺す。
神津島ナギサ:畜生!
“麗しきジュリエット”:攻撃力はさらに+2D10。
“麗しきジュリエット”:「「「キャアアアアアアアア「アアアアアア」「ィィアエエエエエエ」「……けて」アアアアキャアアアアア」」」
GM:バ グ !
GM:白川真尋は粉々に砕ける。
ジュリエット 天火明命
   神津島

   10m

御剣 遠藤 弓近
神津島ナギサ:それを目で追うのみ。
神津島ナギサ:巫女としてのトランス状態。力を使いきった反動。最早まともに立つ事すら困難だ。
“麗しきジュリエット”:残る"惨劇の輪廻"はありません!これで完全体!
GM:次は行動値10。弓近さんの手番です。
弓近いおり:「……優しいコなんだから」ナギサちゃんを見ながら肩を竦める。
弓近いおり:マイナーで《アクティベイト》。メジャーで《アタックプログラム》……だけでいいかな
弓近いおり:ジュリエットにグレネードで攻撃。
弓近いおり:HPは6消費。アタックプログラム12、グレネードー2、技能3
弓近いおり:8dx+19
DoubleCross : (8R10+19[10]) → 9[1,4,6,7,7,8,8,9]+19 → 28

弓近いおり:クソア! 回れよ!
“麗しきジュリエット”:ガード。
弓近いおり:ガード値あんの? まあいいや
弓近いおり:3d10+29
DoubleCross : (3D10+29) → 16[7,4,5]+29 → 45

“麗しきジュリエット”:《デモンズウェブ》。
“麗しきジュリエット”:45-3d10
DoubleCross : (45-3D10) → 45-14[6,6,2] → 31

“麗しきジュリエット”:しかしあまり減らせないな……!生き残ります。
弓近いおり:グヌーッ!
弓近いおり:飛び上がろうとするも、先程受けた小島の槍が重く動けない。
弓近いおり:「て――あっ!」
弓近いおり:ジュリエットの巨体にナイフを撃ち込む。
弓近いおり:「かったい……!」
“麗しきジュリエット”:ビシャ!!
“麗しきジュリエット”:細胞片は切り裂かれ、片目に当たる部分が露出する。
“麗しきジュリエット”:「……」
“麗しきジュリエット”:悲鳴が一瞬だけ止まり、御剣を見る。
“麗しきジュリエット”:……行動値10。ジュリエットの手番です。
“麗しきジュリエット”:《サイレンの魔女》。対象はPC4人全員。
“麗しきジュリエット”:9dx+14
DoubleCross : (9R10+14[10]) → 10[1,2,3,4,5,6,7,9,10]+10[10]+3[3]+14 → 37

弓近いおり:景気よく回しよって  暴走しています リア不!
神津島ナギサ:ダイペナは解除されているし、暴走もしなかった!ドーッジ!
神津島ナギサ:8dx=>37
DoubleCross : (8R10[10]>=37) → 10[1,4,5,6,7,8,9,10]+3[3] → 13 → 失敗

御剣凌駕:高いな。一応ドッジを。
御剣凌駕:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 10[1,2,7,9,10]+9[9] → 19

御剣凌駕:ダメ!回避失敗!
遠藤篤美:ドッジします
遠藤篤美:7dx+2
DoubleCross : (7R10+2[10]) → 9[2,2,4,6,6,7,9]+2 → 11

遠藤篤美:失敗
“麗しきジュリエット”:8d10+15 装甲無視
DoubleCross : (8D10+15) → 54[10,7,2,6,8,10,6,5]+15 → 69

御剣凌駕:とりあえず戦闘不能。ロイスは……祖父のロイスをタイタスにして戦闘不能から復活します。
遠藤篤美:戦闘不能っ。ナギサちゃんへのロイスをタイタス化、昇華して復活します。
神津島ナギサ:こちらは戦闘不能。倒れます。
弓近いおり:同じく戦闘不能。起き上がれません
“麗しきジュリエット”:「「「キィィィイィィ」ヒイイイィィアアアアアアア」「アアアアキャアアアアア」「アアアアアア」」」
“麗しきジュリエット”:すさまじい音波の波が4人の意識を刈る。
弓近いおり:「あの眼?――んぐぅっ!!」 気を取られた瞬間に、悲鳴が直撃する。
遠藤篤美:「ああっ!」影が一瞬四散し、すぐにアメーバめいて寄り集まる。
“麗しきジュリエット”:……既に暴走している。呪わしき存在を作り出した小島も、白川も、この“ジュリエット”に喰われた。
“麗しきジュリエット”:4人を戦闘不能にしたため、回復します。"屍の玉座"の効果。
“麗しきジュリエット”:いや、4人じゃないや。2人か。屍の玉座は2つなので、×2で4D10。
“麗しきジュリエット”:4d10
DoubleCross : (4D10) → 21[7,4,8,2] → 21

神津島ナギサ:「………………」
神津島ナギサ:「――真夜、」
神津島ナギサ:虚ろな目のまま何かしらを呟き、その場に倒れる。それきり動かない。
弓近いおり:ずどっ、だんっと地面を跳ねる。「ぐ――」電荷が走り、一瞬だけ受け身を取ろうとするも
弓近いおり:「あ!」壁に叩きつけられる。電荷が途切れ、ずるずると壁にもたれかかるように気を失う。
“麗しきジュリエット”:「「……」」
御剣凌駕:「弓近女史!ナギサ!」
“麗しきジュリエット”:大部分を削られた細胞片は、人型の実体の周囲を包み込むように蠢いている。
“麗しきジュリエット”:ズチャッ
“麗しきジュリエット”:震える足のような器官が、方向も定かでない歩みを進める。
“麗しきジュリエット”:「「……ィィ、キャアアアアアアアア」アアアアアアァァァァ」」御剣凌駕を見る。
御剣凌駕:「…………」正面から見返す。
“麗しきジュリエット”:痙攣する細胞質に包まれ、その中身は見えない。
“麗しきジュリエット”:「「「キャアアアアアア「アアァァアギャアアアア「キュイイィィィィ」「りょう、」ヒアアアアア」アアァァァァ」」」
御剣凌駕:「待っていろ。今、助けに行くぞ」
“麗しきジュリエット”:震える手が、助けを求めるように差し伸べられる。
GM:手番は行動値7。遠藤さんです。
遠藤篤美:はい。マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:ウロボロス》《餓えし影》《シャドースクラッチ》《無形の影》使用。侵蝕率8上昇。
遠藤篤美:対象は天火明命。
遠藤篤美:命中判定します
遠藤篤美:10dx7+9
DoubleCross : (10R10+9[7]) → 10[2,4,4,7,7,7,8,8,8,10]+10[1,3,5,6,6,7,9]+10[5,10]+5[5]+9 → 44

天火明命:ううっ、すごい達成値……!これは明確に危ない!
天火明命:9dx
DoubleCross : (9R10[10]) → 8[3,3,5,5,6,7,7,8,8] → 8

遠藤篤美:ダメージ出します。
遠藤篤美:5d10+19
DoubleCross : (5D10+19) → 20[2,4,5,8,1]+19 → 39

天火明命:うおお
天火明命:遠藤さんの固定値でやられるとは……戦闘不能です
遠藤篤美:やったー!
弓近いおり:やったー!
神津島ナギサ:遠藤!えらい!
天火明命:脆い存在なので、復活エフェクトはなし。侵蝕は160あり攻撃固定値は63くらいあったのですが……
遠藤篤美:こええ
遠藤篤美:「太陽の神様、だっけ」影が再び少女たちの姿を取る。
天火明命:『――』叫び続けるジュリエットと異なり、その神が答えることはない。
遠藤篤美:「日食は、太陽を大きな狼が食べて起きるんだって、昔の人はそう考えたらしいよ」5つに伸びた少女の影は影絵の犬を作る。
天火明命:そこに存在するかどうかすらも定かではない。だが、蘇ろうとしている。
天火明命:かつて世界に存在した大きな力が。
遠藤篤美:「僕もやってみようか」犬は寄り集まり、より大きな猛獣、狼の姿へと変わる。
遠藤篤美:声なき吼え声を上げる狼は駆け、何もない、しかし何者かが存在する空間を噛み砕く!
天火明命:バヂッ!
天火明命:『――』苦痛の声もない。損傷を与えたかどうか、手応えすらない。
天火明命:反撃すらも……ない。無抵抗だ。
天火明命:『――』
天火明命:バヂッ!  バヂッ!
天火明命:        バヂッ!
遠藤篤美:「……」狼は駆け戻り、影の中へと消える。
遠藤篤美:「……どうも、ね。手応えがないなあ。神様ってこんなもの?」影が首を傾げる。
遠藤篤美:「つまんないね」
GM:まるで姿の見えない呪いを相手に、祓でもするかのような攻撃だった。
GM:だが、異界の炎天はその熱を静かに減じている。
GM:……そして、消える。
GM:元よりこの世の存在ではなかった。あの世に在ることが相応しいのだ。
  ジュリエット
   神津島

   10m

御剣 遠藤 弓近
GM:最後の手番は、行動値4。凌駕くんです。
御剣凌駕:マイナーはなし。
御剣凌駕:メジャーで《コンセントレイト:ソラリス》+《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《アニマルテイマー》+《アニマルアタック》+《オーバードーズ》の先ほどと同じコンボ「魔楽章・デストラクションフィニッシュ」を使用。
御剣凌駕:命中判定いきます
御剣凌駕:15dx7+6
DoubleCross : (15R10+6[7]) → 10[2,2,2,3,4,5,5,6,6,8,8,9,9,9,10]+10[1,3,8,8,9,10]+10[6,6,9,10]+10[6,10]+10[9]+5[5]+6 → 61

御剣凌駕:達成値は61。
“麗しきジュリエット”:6dx+2 回避
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 6[1,3,5,6,6,6]+2 → 8

御剣凌駕:ダメージいきます。
御剣凌駕:72+7d10
DoubleCross : (72+7D10) → 72+34[4,5,3,2,8,10,2] → 106

御剣凌駕:106点。装甲無視です。
“麗しきジュリエット”:なんてダメージだ……!
“麗しきジュリエット”:残りHPは35!倒れます!
“麗しきジュリエット”:復活エフェクトはなし!
御剣凌駕:フルートを奏でながら一歩ずつジュリエットに近付いていく。禍々しく名状しがたい旋律が響く。
“麗しきジュリエット”:「「キャアアアアアアア「アアアアア」ィィアアアア」ガアアアアアア」」」
御剣凌駕:地上に倒れ伏し、死に絶えてゆく恐竜たち。この世界の全てを氷河が覆い尽くしていく。
御剣凌駕:弱々しい鳴き声も途切れ、やがてあらゆる種が絶滅する。
御剣凌駕:〈芸術:歌〉で判定します。
御剣凌駕:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 7[1,2,2,4,7] → 7

御剣凌駕:調子外れで音程も飛びまくった酷い歌だ。
御剣凌駕:だが、物怖じすることなく、声を張り上げて歌う。
御剣凌駕:長戸ひかりと話をした、ディーというバンドの歌だ。
御剣凌駕:「長戸ひかり。オレはまだ約束を果たしていないぞ!」
御剣凌駕:「そなたの歌を聞いていない!」
“麗しきジュリエット”:「「「キャアアアアアァァァギャアアアアアアアアア――」」」
御剣凌駕:その悲鳴に負けぬよう、喉が張り裂けんばかりに歌を歌う。
御剣凌駕:「好きなのだろう?音楽が。それが、お前だ。長戸ひかりという人間だ!」
御剣凌駕:「長戸ひかり!こんなものがお前の望んだ物語か!?そんな姿がお前のの望んだものか!?違うだろう!」
“麗しきジュリエット”:「「「アアアアアギャアアアアアア「……敵な……」キャアアアアアアア「耶、様が……」キャアアアアアア」」」
御剣凌駕:「そなたと関係のない、そなたの過去になど囚われるな!前に進め!長戸ひかり!変わるんだ。お前の意志で!」
御剣凌駕:「オレは御剣凌駕。竜の道を行く者だ」
-:――『凌駕。自分は、卑劣な人間だ。父の所業を知り、それを償うほどの大事を成せず、なつめと一緒になり、人並みの人生を送った』
-:――『自分の孫の奏でる音がその悲鳴であったことを、これが運命の応報かと恐れた』
“麗しきジュリエット”:「「アアアアアアァァァァァァ「りょう」アアアアア「りょう、が」キャアアアアアアアア」」」
-:――『お前が音の道を捨てていることを願う。しかし、もしもそうでなかったとしても』
御剣凌駕:「お前が勇気を出してその檻の外へ歩みゆくのなら、オレはその手を取ろう」
-:――『俺は信じている。その音を恐れ、忌まわしいものとしか思えぬ私とは違う道を』
御剣凌駕:「歌え!長戸ひかり!」
-:――『凌駕が望む自身の道を、きっと見つけ出したのだろうと』
“麗しきジュリエット”:「「アアアアアア「ああ……!」「凌駕、さん!」キャアアアアアアア!!」」
“麗しきジュリエット”:細胞質の中から、少女の手が――伸びる!
御剣凌駕:「お前には、オレとお前を繋いでくれた歌がある!」
御剣凌駕:その手をつかむ!
-:――『その願いを託す』
-:――『いつかの冒険の日に。“麗しきジュリエット”に』
御剣凌駕:ボロボロになった学生服を脱ぎ捨て、少女の体を抱きとめる。
御剣凌駕:右腕には古く大きな火傷の痕がある。
長戸ひかり:「やっぱり、助けに――」
長戸ひかり:「素敵な、」涙が流れる
長戸ひかり:「凌駕様」
御剣凌駕:「ひかりが困っていたようだったからな」
御剣凌駕:「助けに来た」
GM:――バ シ ャ ア ! !
“麗しきジュリエット”:2人の背後で、細胞質の群れが、爆散する。
御剣凌駕:ひかりを抱きかかえたまま、背後を振り向く。
御剣凌駕:「滅びをもたらす神など、今の時代には不要だ。永久に眠れ、“麗しきジュリエット”」
GM:全ての残骸は、天火明命が一時もたらした熱気に灼かれ、蒸発していく。
GM:神は現れず、何もかもは、夏の幻のように消えた。
GM:……そして。

■Backtrack

GM:バックトラックを行います。
GM:まずはEロイス。
GM:ここでセッション中では説明できなかったEロイスが1つあります。
GM:“麗しきジュリエット”の"衝動侵蝕"。
神津島ナギサ:なにー
御剣凌駕:ほほう
GM:3ラウンド目までにジュリエットを倒せていなかった場合
GM:これを発動し、内部の長戸ひかりがオーヴァード覚醒、完全に同化するというギミックがありました。
神津島ナギサ:う、うわあ・・・
遠藤篤美:あぶなかった!
御剣凌駕:そうとは
弓近いおり:こわっ!!!
GM:“麗しきジュリエット”は、非オーヴァードの長戸ひかりに《融合》しているジャームだったということです。
神津島ナギサ:あああ、融合!
【麗しきジュリエット】
"さらなる絶望"
"楔の呪い"
"衝動侵蝕"
"惨劇の輪廻"
"惨劇の輪廻"
"屍の玉座"
"屍の玉座"

【天火明命】
"破壊神顕現"
GM:Eロイスは計8個。"楔の呪い"があるのでさらに追加で振れます。
弓近いおり:振ります 計9d10?
GM:そうなります!
弓近いおり:141-9d10
DoubleCross : (141-9D10) → 141-64[6,9,4,9,7,6,8,9,6] → 77

弓近いおり:……!?
御剣凌駕:とりあえず振ります
御剣凌駕:158-9d10
DoubleCross : (158-9D10) → 158-56[3,6,5,5,10,10,10,6,1] → 102

神津島ナギサ:勿論振ります。
神津島ナギサ:158-9d10
DoubleCross : (158-9D10) → 158-44[5,5,1,6,4,3,1,9,10] → 114

遠藤篤美:振ります。
遠藤篤美:138-9d10
DoubleCross : (138-9D10) → 138-51[5,8,2,5,9,5,9,5,3] → 87

遠藤篤美:わお
御剣凌駕:お、なんとかなりそう。あとは1倍振りでいきます
御剣凌駕:102-3d10
DoubleCross : (102-3D10) → 102-13[4,4,5] → 89

神津島ナギサ:3個で14か・・・なんか出目が怖いので、2倍!
神津島ナギサ:114-6d10
DoubleCross : (114-6D10) → 114-33[7,6,9,1,5,5] → 81

遠藤篤美:3個で1倍振りします
遠藤篤美:87-3d10
DoubleCross : (87-3D10) → 87-17[5,6,6] → 70

弓近いおり:77-2d10
DoubleCross : (77-2D10) → 77-11[6,5] → 66

神津島ナギサ:無事帰還です。3点。
遠藤篤美:帰還。4点!
御剣凌駕:5点ですね
弓近いおり:チクショー4点
GM:生き残りやがって~!天火明命くんをもっと硬くしとくべきだったぜ!
GM:63点プラズマカノンも披露できてないのに!
神津島ナギサ:あたしと同じ固定値!
弓近いおり:PCの方が最後まで火力高かったですね
GM:そうですね。今回の敵はそんなに火力で攻めるタイプではありませんでした。
御剣凌駕:こんなに戦闘が厳しいのなら要の陣形を捨てるのではなかった
GM:次はDロイス。
【???】
「転生体」

【天火明命】
「永遠の炎」
GM:この2つだけ。
GM:いつもの4点+シナリオ10点+Eロイス9点+Dロイス2点で
GM:基本点は25点になります。侵蝕経験点を足してください。
御剣凌駕:30点!
弓近いおり:29点!
遠藤篤美:29点!
神津島ナギサ:28点です。
【経験点】
すかいはいさん:30点
クオンタムさん:28点
ささささん:29点
アスハルさん:29点
珪素:39点
GM:バックトラック終了!エンディングはまた後日行います。
神津島ナギサ:39点!スゴイぜ!

■Ending/01

折木家

GM:戦闘の全てが終わった折木家の廊下を、軋ませながら歩く靴がある。
GM:その中身は見えない。……この世の誰にも。
スケさん:「すぐに調子に乗る」
スケさん:「彼我の戦力差を測れない」
スケさん:「依頼人に馴れ馴れしく話しかける」
弓近いおり:「…………」完全に脱力している。歩くたびに、垂らされた腕が揺られる。
スケさん:「そもそも……何度も殺し合って生き残れるほど」
スケさん:「あなたは強くない」
スケさん:両腕に抱えていた体を、涼しい一室に横たえる。
GM:戦闘後――弓近いおりや神津島ナギサ、折木家の人間を回収できるほどの余裕はまだなかったのだろう。
GM:本物のUGNの処理部隊が到着するのは、まだずっと先のはずだ。
弓近いおり:「…………ぅ」 ぴくり、と指先が動く。ばちりと赤電。
スケさん:「……」細長い立ち姿は、それよりも先に立ち去ろうとした。
スケさん:弓近いおりが目覚めるよりも先に。
弓近いおり:「……エ……」
弓近いおり:「エレイソン!」ばっと、押し倒す程の勢いでその背に飛び付く。
スケさん:「――」タキシードの中身は透明だ。触れる感触だけがある。
弓近いおり:赤色の電荷が畳を漕がす。
弓近いおり:「あ、痛っ! 痛い!」無理やりに身体を動かした反動。その痛みで目を覚ます。
弓近いおり:「……エレイソン。」
弓近いおり:「生きてたのね。どうして何も言ってくれなかったの? もう事務所の改装だって済ませちゃったのに」
スケさん:「――初対面です」
スケさん:「……知らない名前です。まったく、完全に」
弓近いおり:「どうしてそんなこと言うの?」
弓近いおり:「だって、あなたはエレイソンだわ。見えなくたって分かる――どうして見えないの?」
弓近いおり:生前の彼は、確かに殺害対象に姿を見せないほどの手錬だったが
弓近いおり:そんな能力は持っていなかった。ように思う
スケさん:「……それは、私がただの役割だからですよ」
スケさん:いおりの両掌に、ぬるりとした感触が伝わる。血液までもが透明。
スケさん:……言葉通りに彼は、十人近くのFHエージェントを倒した。その手で。
弓近いおり:「役割?」
スケさん:「オーヴァードが抱いた――生前の強い未練を、時にレネゲイドが再現することもある」
スケさん:「その空白を埋めるために、私が呼ばれた」
弓近いおり:「空白。…………秋果の、依頼?」
スケさん:「折木敦弘からの依頼を、私は果たすことができなかった」
スケさん:「そして依頼人を死なせた」
スケさん:「あまりにも重い心残りでした――例え、その時に死んでいたとしても」
スケさん:「重い。重い。……錨のように、この世にその思いが繋がれてしまうほど、重い」
弓近いおり:「……エレイソンは、死んだ」
弓近いおり:「彼が死んで。だから、『あなた』が生まれた?」
スケさん:「……」
スケさん:沈黙で答える。
弓近いおり:「……嫌だわ。だって、あなたは私のことを知っていて」
弓近いおり:「彼の力を持っていて。彼の依頼を果たしに来て。私はあなたに彼を見たのに」
弓近いおり:「それでも、あなたは彼じゃないのね」
弓近いおり:ひどく平坦な言葉。
スケさん:「命あるものは全て絶えて消える」
スケさん:「それは、神が生の苦しみを憐れんでいるから」
スケさん:「……その人間が死んだということを、貴方は受け入れなければなりません」
弓近いおり:「……Kyrie」
スケさん:「――Eleison。そういうことです」
弓近いおり:そっと、血に濡れた手を離す。ぺたりと畳の上に座りこむ。
弓近いおり:親指の付け根についた掌を、口づけするように舐めとる。
弓近いおり:ブラッドリーディング。彼はエレイソンですか?
GM:理解できます。彼はジ・エレイソンではありません。
スケさん:シルクハットを少し下げて、歩き始める。
弓近いおり:「……分かっていたわ。分かっているわ」
弓近いおり:「そうね……死者は、生き返らない。」
弓近いおり:「じゃなきゃ、殺し屋が居る意味が無いもの」
弓近いおり:「あなたは。これからどうするの?」
スケさん:「……」足を止める。
スケさん:「礼を申し上げておきましょう」
スケさん:「私は全てを忘れていた。油断をしていた。自分の成すべきことを知らなかった」
スケさん:「――けれど、かつての私の空白を、貴方が成そうと……この街で、戦っていたことを知った」
スケさん:「貴方がここに来たお陰で、役目を終えることができた」
スケさん:肩越しに顔を向ける。透明で、表情はわからない。
弓近いおり:「……ずるいわ」へら
弓近いおり:へら、と笑う。
スケさん:「……表情に緊張感がない。ふ」
弓近いおり:「あなたは彼じゃないのに。そんなこと言って」
スケさん:「やはりあなたは、殺し屋失格です」
スケさん:「やめた方がいいでしょう」
弓近いおり:「……そんなところまで、彼そっくり」
スケさん:そのまま庭に繋がる障子戸を開けて、夜風に溶けるように去る。
弓近いおり:いじけたようにそっぽを向く。「いいわ。どうせ今回は、ジ・エレイソンの後継としての、例外営業だもの」
弓近いおり:「……殺し屋になれなくても。あなたが教えてくれた力で、私に出来る事はたくさんあるわ」
弓近いおり:「弓近庵。うんと、有名になってやるんだから」
弓近いおり:そのまま、夢見心地のまま、ぱたりと倒れる。
弓近いおり:目尻から零れた涙を、爆ぜた赤雷が吹き飛ばして、夜の空気に散っていった。

4日後 折木家

GM:――木曜日。『早贄事件』とそれに纏わる戦闘の事後処理を兼ね、湯津町には臨時のUGN支部が設けられた。
GM:当主に代わってこの動きを働きかけたのは、折木秋果だと聞いている。
GM:彼もまた名家の子として、それだけの才覚と勇気があった。……身に付けた、というべきかもしれない。
GM:参考人としての事情聴取を終え、弓近いおりは座敷を後にする。
弓近いおり:「これは依頼料のうちに入っているのかしら」ぷりぷりと不機嫌そうだ
“バーデンバーデン”:「……いい気なもんだな」カチャン
“バーデンバーデン”:背後から、“バーデンバーデン”の声。
“バーデンバーデン”:右腕と右脚が千切れた無残な姿だが、彼もあの夜の戦いに勝ち、生き残っていた。そして戦線に復帰している。
弓近いおり:「あら、バデバデ。傷はもう良いの?」
“バーデンバーデン”:「当然だ。今すぐオマエを仕留められる」
“バーデンバーデン”:義肢代わりのスパイクがカチャリと鳴る。
弓近いおり:「あらら。怖いわ。UGNとは思えないわ。まさか“また”偽物かも?」
“バーデンバーデン”:「……俺は“偽物”みたいにぬるくはねェ」
“バーデンバーデン”:「レネゲイド能力を、クソみたいな無法稼業に悪用するクソ野郎ども」
“バーデンバーデン”:「――本来、オマエらみたいな連中は真っ先に粛清対象だって事を忘れるな」
弓近いおり:「善意の協力者を二回も殺し掛けておいて、よく言うわ」
“バーデンバーデン”:「お互い様だ。クックククク」
弓近いおり:「UGNが正当だって思ってるの。おかしな人だわ。いや杭だわ」
弓近いおり:「私を救ってくれたのは『彼』よ。UGNじゃない」
弓近いおり:「この街だって、UGNが救ったわけじゃないわ」
“バーデンバーデン”:「……そうだろうな」
弓近いおり:「頑張ったのはナギサで、凌駕で、篤美で。……それに秋果よ」
“バーデンバーデン”:「正義は」
“バーデンバーデン”:「正義は、“恨み”だ。取りこぼされた連中の恨みを負いながら続けていかなければならないことだ」
“バーデンバーデン”:「そうでない限り、“たまにはいい事をした”で満足するクソになる」
“バーデンバーデン”:「――俺は街を救えなかった。相棒すら」
“バーデンバーデン”:「だからここから先は守る。オマエみたいなロクでなしからもな」
弓近いおり:「あら。…………へえ」
弓近いおり:ちょっと目を丸くして、感心したような表情。
弓近いおり:「筋は通してるのね。いや、杭かしら」
“バーデンバーデン”:「……また妙な真似をしないうちは、見逃しておいてやる」スパイクを威圧的に向ける。
“バーデンバーデン”:「その前に、とっととどこかでくたばれ」
“バーデンバーデン”:「クソみたいなジョークもやめろ」
弓近いおり:「ふふ。ふふ。じゃあ有り難く見逃されて、おいてあげ――」
弓近いおり:「――るっ!」
弓近いおり:その場で軽く旋転。ちょうどバーデンさんの杭で受けられる位置に謎の電光が跳ぶ。
“バーデンバーデン”:「シューッ!!」ギン!
“バーデンバーデン”:電光を受ける。「クソガキが……」
弓近いおり:電光が晴れる。内部はいつものナイフ ではない
弓近いおり:【殺し屋やめました  情報屋 弓近庵】
弓近いおり:ポップな字体で描かれた、いかにも信用ならない名刺!
“バーデンバーデン”:「……。クソガキが」
弓近いおり:「大手のお得意様になれるよう、頑張るわ。あなたたちも頑張ってね」
弓近いおり:旋転ついでに、バーデンさんの杭が届かない位置まで退避している。

GM:玄関前。折木秋果は、ここまで迎えに出ていた。
GM:折木敦弘と秋果の依頼は果たされた。顔を合わせるのはきっと最後になるだろう。
弓近いおり:「秋果。見送りに来てくれたの?」
折木秋果:「……ポップ・レクイエムさん。いえ……」
折木秋果:「弓近さん。ありがとうございました」
折木秋果:「まだ、ちゃんとお礼を言えてなかったはずだから」
弓近いおり:「律義なんだから。でも、どういたしまして」
折木秋果:「僕が律儀なんじゃなくて、弓近さんがいい加減なんですよ」
弓近いおり:「といっても、初仕事としては、あんまり冴えない感じだったわ」
折木秋果:「……そんな」
折木秋果:「そんなことなかった」
折木秋果:「叔母様も……父様も、死んでしまったけど。父様のしたことは、無駄じゃなかった」
弓近いおり:「そうね。無駄じゃなかったわ」スケさんのことを思い浮かべる。
弓近いおり:「……彼が何事もなく依頼に応えられてたら。きっともっと簡単に済んだはずだもの」
折木秋果:「そんなに凄かったんですか」
折木秋果:「ジ・エレイソンは――」
どどんとふ:「弓近いおり」がログインしました。
弓近いおり:「もちろ…………んーん」
弓近いおり:言い掛けて、首を振る。
折木秋果:「……?」
弓近いおり:「私はこれから、彼よりすごくなるのよ」
弓近いおり:「いつまでも彼の素敵さを語るだけじゃダメなんだわ」
折木秋果:「……フ、フフ」
折木秋果:「これから、良くなるでしょうか。僕も、弓近さんも――」
折木秋果:「色んな人が、たくさん死んだのに。良くなっていけるでしょうか」
弓近いおり:「ん……そうね。今回は、いろんな人がたくさん失敗して、消えない傷を負った人も多いけど」
弓近いおり:「でも、暗く沈むだけじゃ駄目なのよ」
折木秋果:「……確かに」
弓近いおり:「そのための私。場違いでもいいから明るくしてれば」
弓近いおり:「なんだか世界は、そのうち良いものに見えてきたりするんじゃないかしら」
折木秋果:「そこは、才能ありますよ。弓近さんって」
弓近いおり:「やだ。早くも私の才能が輝き始めてるのかしら」
折木秋果:「……」呆れたように笑う。
折木秋果:「……ちょっとは分かりますよ」
折木秋果:「どうして弓近さんが……殺し屋に向かないって言われてたのか」
弓近いおり:「あなたも、さんざん言ってくれたわよねー。」
弓近いおり:「どうして?」 無邪気に首をかしげる。
折木秋果:「まだわからないんですか?」
折木秋果:「……もしも、ジ・エレイソンが……弟子のあなたを、大事に思ってくれていたなら」
折木秋果:「人殺しなんて、させたいわけがないじゃないですか」
弓近いおり:「そんなものかしら」
弓近いおり:「でも……そうね。私、親しい人間は、あまり殺す気にはなれないかも」
弓近いおり:「ナギサ、凌駕、篤美……みんな可愛い子だったわ」
折木秋果:「弓近さんもですよ」
折木秋果:「……って、ああ、あ……いや」
弓近いおり:「?」
折木秋果:「は、はは」笑う。
弓近いおり:少し考えて。「…………わ。びっくり」
折木秋果:「だから……その。人殺し、しないでくださいね。弓近さん」
折木秋果:「向いてないんですから」
弓近いおり:ちょっと不機嫌そうに眉を細める。「言うようになったわね、あなたも」
弓近いおり:「そうね。努力はするわ」
弓近いおり:くるりと身を翻す。
折木秋果:少し顔を赤らめて、その背から視線を逸らす。
弓近いおり:「雲ひとつないような 抜けるほど晴天の今日は  悲しいくらいにお別れ日和で……♪」
弓近いおり:鼻歌を歌いながら。「あ、じゃあ、せっかくだし、最後に」
弓近いおり:またくるりと振り向いて、「あなたも元気でね、秋果」と、額に軽くキスする。
折木秋果:「…………っっ」硬直する。
折木秋果:「そ、そういう風に、ふざけるのが」
折木秋果:「よ、よくないんですよ。ポップレクイエム」
折木秋果:「ふ、ふざけるから……ゴニョゴニョ」
弓近いおり:「だって、やったことなかったし」軽薄に笑う。「どう? ちょっとは殺されたかしら?」
折木秋果:「知らないですよ!もう……!それに……」
折木秋果:「あなたみたいな半人前には絶対、殺されてやらないですから!!」家の中に引っ込む!
弓近いおり:「……あははは! それじゃ、また。何かあったら連絡してね」
弓近いおり:軽薄に、跳ねるように笑い、姿を消す。
折木秋果:締めた扉に背をもたげて、呟く。
折木秋果:「……ありがとう」
折木秋果:「ポップレクイエム」

■Ending/02

折木家

GM:日の落ちはじめた屋敷。戦闘の余波で、名家の風格は見る影もない。
GM:布団には一人の少女が横たえられている。神津島ナギサ。
神津島ナギサ:「………………」
神津島ナギサ:倒れた後、ここに運び込まれてからも微動だにしていない。死んだように眠っている。
GM:枕元の影が、西陽を遮っている。
GM:指が不安げにナギサの頬を撫でる。
折木真夜子:「ナギサ」
神津島ナギサ:「……」
折木真夜子:「……ナギサ」声が震える。
折木真夜子:「……………あなたが死んでしまったら」か細い声だ。
折木真夜子:「私はまた一人ぼっちなの?」
折木真夜子:「……」
折木真夜子:「…………ぁ、う、ううっ」
折木真夜子:「どうして私、こんな時にまで……自分の、ことばっかり」
折木真夜子:「……ナギサ……私のことを、思ってくれてたのに……私なんかと、友達になりたいって……」
折木真夜子:「……ナギサ……ごめんなさい」悔悟するように、手を両手で握る。
折木真夜子:「もっとあなたのことを、助けてあげられたらよかった……」
折木真夜子:「あなたも、私を友達だと思っているって……」
折木真夜子:「……信じてあげられたらよかった」
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:「……、」
神津島ナギサ:「――けふっ、けほ」
神津島ナギサ:小さく咳き込み、ゆっくりと目を開ける。
神津島ナギサ:「……あ……れ?」
神津島ナギサ:「……真夜子さん?」
折木真夜子:髪の一房がナギサに触れている。
折木真夜子:「……。ナギサ」
折木真夜子:「ばかね」
折木真夜子:涙が落ちる。
神津島ナギサ:落ちた涙が乾ききった唇に染み込む。
折木真夜子:「私の知らないところで」
折木真夜子:「勝手なことばかりするんだから――」
神津島ナギサ:「……ごめん。泣かないで」 よろよろと起きあがる。
神津島ナギサ:「もう大丈夫。この家にいた怪物は、いなくなったよ」
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:「やっつけたんだ。御剣と、遠藤と、弓近と、あたしで」
折木真夜子:「…………」息を吸って、吐く。少しだけ、引きつったように笑う。
折木真夜子:慣れない言葉を言おうとするように。
折木真夜子:「…………。ええ、わかってるわ」
折木真夜子:「……ありがとう。ナギサ」
神津島ナギサ:西陽が差し込む部屋の中。その言葉を聞いて微笑を浮かべる。
神津島ナギサ:これまでの真夜子さんとは違う……やっと本当の真夜子さんに会えた。そんな気がする。
神津島ナギサ:「あの、さ……」
神津島ナギサ:「UGN」
神津島ナギサ:「……これまであたしが信じてたUGNは、UGNじゃなかったんだ」
折木真夜子:「……」目を伏せる。これも、遠藤達から既に聞かされているのだろう。
神津島ナギサ:「あたしさ。できるかわからないけど、もう一度、本当のUGNに入ってみようと思う」
神津島ナギサ:「あたしなんかの、燃やすしかできない力で……」
神津島ナギサ:「こうやって、大事な友達を守れるって。とてもいい事だと思ったから」
折木真夜子:「と」
折木真夜子:「友、達」
神津島ナギサ:「う、ん……」
神津島ナギサ:「……いや、かな……」
折木真夜子:「……私、私、ナギサに、たくさんひどい事をしたわ」
折木真夜子:「……っ、あの夜!」
折木真夜子:「友達じゃなくても困らないなんて、言ったのは、嘘……嘘なの……」
折木真夜子:「ナギサは私よりもずっと、皆と……仲間を作って、仲良く出来て」
折木真夜子:「こんな私なんか、好きじゃないって……友達と思ってくれていないって……ずっと……」
折木真夜子:苦しげに胸を抑えながら絞りだす。今は涙を取り繕えていない。
折木真夜子:「……私なのよ」
神津島ナギサ:「……」
折木真夜子:「友達がいなくなるのを怖がってたのは……きっと、私の方なの……」
神津島ナギサ:布団に寝た状態で、上体だけを起こしたまま
神津島ナギサ:これまでそうされていたように、真夜子さんを静かに抱きしめる。
神津島ナギサ:綺麗な黒髪を撫でる。
折木真夜子:「……ごめんね」
折木真夜子:「ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね」
神津島ナギサ:「ううん。あたしも悪いんだ。これまで勇気を出せなかったから……」
神津島ナギサ:「今度は、ちゃんと言うね」
神津島ナギサ:真夜子さんの両肩に手を置いて、じっと見つめる。
神津島ナギサ:「……ま、真夜子、さん!」
神津島ナギサ:「あたし!島の外の事、まだ全然知らないし、背もちっちゃいし。料理もしたことないし」
神津島ナギサ:「もう……神様でも巫女でも、なんでもないけど」
神津島ナギサ:「あたしと、……とっ、」
神津島ナギサ:「友達になってください」
神津島ナギサ:目をぎゅっと瞑る。
折木真夜子:「わた、私も……家の外のことなんて知らない」
折木真夜子:「意地悪だし、お話だって、まともにできない」
折木真夜子:「……あなたの気持ちより、自分の……家の事にばかり驕って」
折木真夜子:「……あ、ああ……」両掌に、涙がぽたぽたと落ちる。
折木真夜子:「こんな私なのに……こんな私なのに」
折木真夜子:「友達と、思ってくれる人が……まだ……」
折木真夜子:ナギサを抱きしめる。
折木真夜子:「ナギサ。私の、お友達になって」
折木真夜子:「いつかあなたが、また外の世界に飛び立って、私のことを忘れても――」
折木真夜子:「――あなたの事を、友達だと思わせて」
神津島ナギサ:ぎゅっと抱き返しながら、ぽろぽろ涙を流す。
神津島ナギサ:「――うん!」
神津島ナギサ:「あたしがどこにいても。どんな時でも」
神津島ナギサ:「ぜったい、ぜったい、友達だよ。真夜子さん……!」
GM:神津島ナギサは、神ではない。その資格を既に捨て去った。
GM:けれど、人の心を救った。それができることを知った。

■Ending/03

折木家 中庭

GM:遠藤篤美達は……白川真尋達との、そして“神”との、過酷な戦いを生き延びた。
GM:中庭の戦いも、その時には終わっていた。
“バーデンバーデン”:「……」
“バーデンバーデン”:重傷を負った“バーデンバーデン”が、石塀に寄りかかっている。
GM:――家を包囲していた敵のエージェント達は、その全てが倒され、あるいは逃げ去った後だった。
遠藤篤美:影から実体に戻り、大きく息をついている。
遠藤篤美:「やれやれだ。なかなかきついね……」外傷は見えないが、明らかに消耗している。
スケさん:「……君達も、大変な戦いだったようだね」
スケさん:屋敷の中から現れる。倒れた弓近を運び込んでいた。
遠藤篤美:「……スケさん。っと、いや、なんて呼べばいいのかな。本当は……」そちらを向きます。
GM:中庭の戦いを終えて、最後まで立っていたのは……透明の男一人だ。鬼神のごとき強さ。
スケさん:「さて、どうだろう」肩をすくめる。
スケさん:ステッキは中途で折れている。
スケさん:「名付けは神聖なものだから、そう簡単に変えていいものではないかもしれない」
遠藤篤美:「まあいいや。お疲れ様。おかげで僕たちも助かった」周りを見回します。
遠藤篤美:「そうなの? 僕が『遠藤篤美』なのと同じようなものか」
スケさん:「フフフ。私は引用が得意なのだ」
スケさん:「君が言ったことだぞ。遠藤篤美くん」
遠藤篤美:「ああ」目を閉じて
遠藤篤美:「そうだ、言った。言ったね。忘れてたよ。いろんなことがありすぎてさ」
スケさん:「そうだ……色んなことがあった」足がもつれ、柱にもたれかかる。
スケさん:「こんなにも色んなことを、“ジ・エレイソン”は残していたのか……」
遠藤篤美:「君の"使命"か」つかつかとスケさんの方に向かう。
スケさん:「……そうだ……最初に、言った通り……」声が弱々しくなっている。
スケさん:「……私達は誰もが、使命を果たすために……」
遠藤篤美:「……僕は、少し君が羨ましかった」向いながら、独り言めいて呟く。
遠藤篤美:「僕の"使命"は、『遠藤篤美』の果たせなかった生を果たすこと。あまりに茫漠としていて、何の標にもならない」
遠藤篤美:「だから、君の苛烈で一本気な使命が、少しだけ羨ましかったんだ」
スケさん:「ふ、ふふ……確かに、憐れかもしれない」
スケさん:「本当なら……そんなことはない、と励ますべきなのかもしれないが……」
スケさん:「……君の役割は、生を全うするまで、終わることはないんだね」
遠藤篤美:「そういうこと。……君はどうなのかな?」
スケさん:「すべては終わった」透明な顔で、家の中に残してきた一人を振り向くような素振りをする。
スケさん:「……もう私に残された仕事はない。これ以上ない、満足な終わりだ」
遠藤篤美:「終わってしまうの?」スケさんの目の前に立ち、じっと様子を見つめます。
遠藤篤美:「……まだ残ってるよ。僕は、君と友達になりたかったんだ。今からでも、なれる?」右手を差し出します。
スケさん:「……ふ、ふふ。どうだろうな」
スケさん:「私は殺し屋だったからな。友達になっても、いいことなんてないかもしれないぞ」
遠藤篤美:「だから興味深いんじゃないか。今まで殺し屋の友達なんて一人もいない」
スケさん:「私は……私は、自分で驚いたよ」握手のように、右手を握る。
スケさん:透明な血の感触が、ぬるりと伝わる。
スケさん:無数のFHエージェントとの戦闘を、無傷で切り抜けたはずはなかった。
遠藤篤美:手の感触に、感慨を覚えたように目を細める。
スケさん:「殺し屋の私が……常にプロであるべく、心がけてきた私が」
スケさん:「記憶を失ったとはいえ――こんなに」
スケさん:「こんなに、油断をしてしまえるものなのかと」
遠藤篤美:「僕は……」殺し屋が右手を人に預けることの意味にようやく思い当り、口ごもります。
スケさん:「まるで不肖の弟子に、私が憧れていたようじゃないか。……ふ、ふふふ」
スケさん:「はははははは!はは……は、はははは!」遠藤の様子も意に介さず、笑う。
遠藤篤美:「……スケさん」
スケさん:「君の……君の使命の全うを、願っていよう」
スケさん:半身を壁に預けるように、ズルズルと歩き出す。
遠藤篤美:「……ありがとう」
スケさん:「私こそ」歩き去りながら、背中で答える。
スケさん:「生まれて初めて油断をしてみたが……悪くない、気分だったよ」
遠藤篤美:「それならよかった。僕も今度、やってみようかな」
遠藤篤美:「……どこに行くの」
スケさん:「……」
遠藤篤美:「君がどこに行くのであろうと」
遠藤篤美:「その行く先に幸いがありますよう」人間のように、祈った。
スケさん:「……その生に憐憫を。その死に祝福を――」
スケさん:「そうだ。私はそうであるよう、いつも祈っていた」
スケさん:「人の死で死ねず、苦に満ちる生に堕ちゆく、オーヴァードにとって」
スケさん:「……人のように死ねる終わりは、どれほどの幸いであることか!」両腕を広げる。
スケさん:「……う」そのままよろけて、壁にぶつかるように座り込む。
スケさん:「…………ふ、ふふふ……もっと格好を付けたかった」
遠藤篤美:「…………」じっとその透明の顔を見ている。
スケさん:「スケさん……」
スケさん:「……スケさんか」
GM:纏っていた衣装が、くたりと地面に広がる。
GM:何もなくなった空間から、シルクハットが落ちる。
遠藤篤美:「……ごめんね。僕は祈りは一つきりしか知らないんだ」しゃがみこみ、呟く。
遠藤篤美:「だから、もう一度。君がどこに行くのであろうと、その行く先に幸いがありますよう」
遠藤篤美:立ち上がり、シルクハットを拾い上げる。
遠藤篤美:「さよなら」

湯津第三高等学校

GM:火曜日。長戸ひかりは、午後から学校に来た。
GM:折木敦弘や折木眞魚を含めた、『早贄事件』の犠牲となった行方不明者達は、いずれその死が知らされるのだろう。
GM:学生たちはまだ、集団の登下校を続けている。事件の傷が癒えるのはまだ先の未来の話だ。
GM:今は誰もが、ささやかな範囲の日常から、取り戻していくしかない。
GM:遠藤篤美にとっての、この図書室のように。
遠藤篤美:「…………」いつものように、隅の席で、宗教学についての本をぱらぱらとめくっている。
時実奈津美:「篤美さん!よっす!」背中をとんと叩く。
遠藤篤美:「わあ」それほど驚いた風でもなく、声を上げる。
遠藤篤美:「時実さん。お疲れ様」
時実奈津美:「また本読んでたの?薄情なやつだなー」笑いながら、また背中を叩く。
時実奈津美:「ま、ひかりの病気も大したことないのかな?とにかくよかった」
遠藤篤美:「いてて。うん、ちょっと読みたいやつがあったから……」
時実奈津美:「篤美さん、いつも読みたいやつあるじゃん」
時実奈津美:「しかもジャンル絞ってるようじゃないし。なんでそんなに本読むの?」
遠藤篤美:「ううん、経験を埋めるため、かなあ」
遠藤篤美:「ほら、僕はしばらく入院してたから、みんなに比べて知ってることがずっと少ないんだよ」ということにしている。
時実奈津美:向かいの席に、顎をつけるようにべったりと座る。
時実奈津美:「んー……それって、賢くなりたいってこと?」
遠藤篤美:「賢くはならなくていいのさ。みんなに並びたい、一緒に学びたい、って思ってたら自然に本を読むようになってた」
時実奈津美:「キザなやつめ」ニヤリと笑う。
遠藤篤美:「少なくとも、『篤美』はそう思うんだろうな」窓ガラスを見る。そこには、三つ編みの少女の姿が映っている。
遠藤篤美:「でもね、少しだけ、宗旨替えをしようかなと思うことがあって」ぱたん、と分厚い本を閉じる。
時実奈津美:「宗旨替え?」
遠藤篤美:「時実さん、今日、一緒に帰ろう。それで、そのうちどこか寄り道とかもしたいんだけど」じっと相手の顔を見ます。
時実奈津美:「ええ、えええ、いや、いいけど……いいけど、篤美さん、そーいう事するタイプだったっけ……」
時実奈津美:「寄り道とか」
遠藤篤美:「書を捨てよ、街に出よう、ってね。いろいろあって、そう思ったの」
時実奈津美:「あはははは、そりゃ随分普通の結論だなあ」
遠藤篤美:「僕には元々友達がいて、もっと大事にしなきゃって思ったのと……あとはそう、油断かな」
時実奈津美:「油断?」
遠藤篤美:「たまには油断するのも悪くないって、教えてくれた人がいたんだ」
時実奈津美:「そりゃあたしなんて普段から油断しまくりだけどさ、油断なんて、しないほうがいいに決まってるじゃ……」
遠藤篤美:「ふふふ、時実さんにはわからないかもねえ」くすくすと笑います。
長戸ひかり:「お待たせ!」2人の背中から声をかける。
時実奈津美:「うわああああ!!」
遠藤篤美:「おや」振り向く。
長戸ひかり:「一緒に帰ろう……って」
長戸ひかり:「そんなびっくりすることないじゃん」
時実奈津美:「……。油断してた」こめかみを掻く。
遠藤篤美:「なるほど、これが油断の弊害か」
遠藤篤美:「ああ、一緒に帰ろう」立ち上がると、本を棚に返す。
遠藤篤美:「帰り、いろいろ話を聞かせて。今日はそれが楽しみで学校に来たんだ」柔らかく、人間のように笑みを浮かべる。
長戸ひかり:「……うん」
長戸ひかり:「そうだ。篤美ちゃん、カラオケって行く?」
遠藤篤美:「カラオケ。行ったことないな」首を傾げる。
遠藤篤美:「流行歌を歌ってストレス解消する施設だよね?」
時実奈津美:「おじいちゃんみたいな言い方するなあ」
長戸ひかり:「私の快気祝いっていうかさ……みんな来るから」
長戸ひかり:「篤美ちゃんや奈津美も、どうかなって思って」
遠藤篤美:「ああ、いいね。行ってみたい」目を軽く輝かせる。
遠藤篤美:「僕は歌はさっぱりだから、タンバリンでも鳴らしておくよ」
時実奈津美:「そうと決まれば、あたしも聞きにいかなきゃいけないなぁ!」
長戸ひかり:「……歌わないのかよ!」2人にツッコミを入れる。
長戸ひかり:「あはははは」
遠藤篤美:「ふふふ」
時実奈津美:「はははは」
遠藤篤美:「それじゃ、行こうか」窓ガラスに映った顔をちらりと見、それから、一歩を踏み出す。

■Ending/04

湯津町 大通り

GM:車のヘッドライトが、ガードレールの向こうを行き交っている。
GM:事件を終えて数日経った、火曜の夜。空は夕焼けを終えた紺色だった。
御剣凌駕:学生服の腰にフルートを挿した長身の少年が夕焼けを背にして立っている。
神津島ナギサ:その隣にはポニーテールの小さなシルエット。満足そうな笑みを浮かべている。
長戸ひかり:「ドリンクバー、よかったね」その小さな姿を見下ろし、微笑みを向ける。
神津島ナギサ:「うん。いろんなティーバッグがあったし!」
御剣凌駕:「2人が喜んでくれたのならば何よりだが……」
御剣凌駕:「しかし、カラオケの主たるものはドリンクバーではないと思うぞ」
御剣凌駕:「それにしてもナギサもひかりも歌が上手いのだな」
御剣凌駕:「実にエボリューションだった」
長戸ひかり:「そう言ってくれると、う、嬉しい……かな」
神津島ナギサ:「ぅ……あたしは長戸の真似しただけ……だし」 知ってる曲など無いので、ひかりと一緒にディーの曲を歌ったのだ。
神津島ナギサ:マイクを握ること自体はじめてだったけど、楽しかった。
御剣凌駕:「オレは……なかなか恥ずかしかったが。皆の前で歌を歌うなど一度きりだと思っていた」
神津島ナギサ:「えへへへ」
御剣凌駕:「何だ、その笑い方は」
神津島ナギサ:「ううん。なんでも知っててなんでも出来ると思ってたから」
神津島ナギサ:「御剣にも苦手な事、あったんだなーって」 ころころ笑う。
長戸ひかり:「本当に、なんでもできそうなのにな」
御剣凌駕:「音楽だけはどれだけ練習してもダメなのだ。それに関しては2人の方がずっと上手い」
長戸ひかり:「……じゃあ、凌駕さん」
長戸ひかり:「どうして音楽が好きなの?」
神津島ナギサ:こちらもそれが気になって、御剣の顔を覗きこむ。
御剣凌駕:「……父とオレを繋いでくれる唯一のものだからだ。甲斐のない父でな。ライブだのツアーだのといって年中家を空けていた」
長戸ひかり:「……」
御剣凌駕:「そんな父をほんの少しでも知り、近付くためのものがオレにとっては音楽だった」
神津島ナギサ:「ライブ……?ツアー?」
神津島ナギサ:「それって、すごいのか?お父さん」
長戸ひかり:「……いや、いいよ。ナギサちゃん」
長戸ひかり:「きっと、すごい人だと思うな」
長戸ひかり:「凌駕さんのお父さん」
御剣凌駕:「さあ。どうだろうな。子供のオレからすればダメな親父さ」
神津島ナギサ:「?」 きょとんと首をかしげる。
御剣凌駕:「だが、その音楽がこうして2人と巡り合わせてくれたのだから感謝せねばなるまい」
長戸ひかり:「……うん」遠い目をする。
神津島ナギサ:「ふふ。そうだな」
神津島ナギサ:こっそりと半透明のヴェロキラプトルを撫でる。
御剣凌駕:ヴェロキラプトルはナギサに体をすり寄せて鳴く。
御剣凌駕:「……またそのうち2人の歌を聞かせてくれ。歌うのは苦手だが、聞くのは好きだ」人懐っこく笑う。
長戸ひかり:「……凌駕……さんは」
長戸ひかり:「凌駕さん自身は、音楽のことは、どうだったの……?」
長戸ひかり:「お父さんに近づきたいから――それだけでずっと、苦しい旅を続けたの?」
御剣凌駕:困ったように笑う。
御剣凌駕:「オレの音楽は世界中のどこにもなかった。だが、それでいいんだ」
御剣凌駕:「おかげでこうしてナギサやひかりの奏でる歌を守ることができている」
神津島ナギサ:「……」
御剣凌駕:拳を掲げると、それに合わせティラノサウルスの雄叫びのような声が響く。
御剣凌駕:「さあ、2人とも家まで送っていこう。事件は終わったとはいえ、婦女子が遅い時間まで出歩くのは危険だからな」
長戸ひかり:「……凌駕さん」
御剣凌駕:「どうした、ひかり?」
長戸ひかり:「薄く……本当に薄くだけど、覚えてる」
長戸ひかり:「あの時に聞いた、凌駕さんの歌を。伸ばしてくれた手を」
長戸ひかり:「……どうして、孫娘になっても、また助けられてばっかりなのかな」困ったように笑う。
御剣凌駕:「それは少し違うな」
御剣凌駕:「ひかりから預かった手紙を読んだ」
御剣凌駕:「オレは、祖父上がひかりの祖母上殿を助けた理由を、困っていたからだと言ったな。だが、それだけではなかったようなのだ」
長戸ひかり:「……どうして、だったの?」凌駕の顔を見ないようにする。
御剣凌駕:「……祖父上はひかりの祖母上殿を助けることで、自分自身も救われていたらしい」
御剣凌駕:「それはオレも同じだ」
GM:個人が背負うにはあまりに大きすぎる罪。しかし、その手で、確かに救えたこと。
GM:御剣幻耶が長戸樹里との繋がりを、生涯保っていたその理由は……罪悪感だけではなかったかもしれない。
GM:――その願いを託す。いつかの冒険の日に。
GM:“麗しきジュリエット”を助けだした冒険は、御剣幻耶にとっても……心を救った、誇りだったのだ。
長戸ひかり:「……私も、何かを返せる?」
御剣凌駕:「お前は最後まで生きるのを諦めずに、手を伸ばしてくれた。ありがとう、ひかり」
御剣凌駕:「そうだな。ならば――」
御剣凌駕:「歌を。オレに聞かせるためでなくてもいい。自分のためでも、誰かのためでもいい。時々思い出した時には、歌を歌ってほしい」
御剣凌駕:「それだけでオレには励みになる」
長戸ひかり:真剣な顔で、夜空に顔を向ける。
長戸ひかり:「……歌手になるよ」
長戸ひかり:「いつか、いつか……ただの歌手じゃない。凌駕さんみたいに世界を回って、知らない沢山の誰かに音楽を届けられるような」
長戸ひかり:「――今まで、そんなことができるとか、やろうとか、思ったことなんてなかったから」
御剣凌駕:「それはいいな。大きな進化だ」
長戸ひかり:「だから凌駕さんの前でくらいなら、言ってもいいよね。……今思いついたんだ。本当、自分でも信じられないくらい、嘘みたいな」
御剣凌駕:「ああ。素敵な夢だ」
長戸ひかり:「……自分から、少しずつでも」歩き出す。
長戸ひかり:「進化するんだ」
長戸ひかり:「凌駕さんみたいな。幻耶様みたいな、すごい人に……追いつきたいから」
御剣凌駕:数歩前に出てひかりを追い越す。
御剣凌駕:「追いつく、か。それではオレもうかうかしてはいられないな」
御剣凌駕:「オレも竜の道を進んでいる途中だ」
御剣凌駕:「そして、いつか。お互いの道の先でまた会おう」
長戸ひかり:「……うん」交差点で止まる。ここから先の道は別だ。
長戸ひかり:「音楽をありがとう」
長戸ひかり:「やっぱり、かっこよかったよ。さっすが、幻耶様の孫だ」
御剣凌駕:「こちらこそ。ありがとう」
御剣凌駕:「今度は外見だけでなく、ちゃんと中味も評価してもらえたようだな」少し意地悪そうに笑う。
長戸ひかり:「……っふふ」頬をかく。
長戸ひかり:「またね」
長戸ひかり:「また、いつか」
御剣凌駕:「ああ。また必ず会おう」
GM:信号が代わり、長戸ひかりは歩き出す。
御剣凌駕:その背を見送る。
神津島ナギサ:ぱたぱたと手を振る。
御剣凌駕:ひかりの姿が見えなくなったところで、こちらも歩き出す。
御剣凌駕:「オレたちも行くか、ナギサ」
神津島ナギサ:「う、ん」
神津島ナギサ:さきほどの長戸を思い出す。夢を語っていた事を。
御剣凌駕:「……何やら歯切れが悪いな」
御剣凌駕:ちらりとナギサの方を見る。
神津島ナギサ:「うー……そうじゃないけど」
神津島ナギサ:「危ないところ、助けてもらっただろ。あたし」
神津島ナギサ:「ほかにも、ドリンクバーに連れて行って貰ったし……今日だってカラオケにも連れて行ってもらって」
神津島ナギサ:「御剣が色々教えてくれたおかげで、真夜子さんとも友達になれたんだ」
御剣凌駕:「オレが好きでやっていることだ。気にするな」
神津島ナギサ:「うー」
神津島ナギサ:「あ、あたしも!守られっぱなしじゃないからな!」
神津島ナギサ:「もっと大きくなって……もっといろんな事知って……」
神津島ナギサ:「いろいろ教えてもらったお礼、いっぱいするからな!」
御剣凌駕:「ナギサはいいな。見ているとオレまで元気になってくる」快活に笑う。
御剣凌駕:「ナギサからの礼、楽しみにしている」
神津島ナギサ:その笑顔を見てるとなんだか恥ずかしくなって、ついそっぽを向いてしまう。
神津島ナギサ:「……うん!楽しみにしてろ」
御剣凌駕:「ああ。ナギサがこれからどんな世界を目にするのか、オレもワクワクして仕方がない」
御剣凌駕:「今度会った時にはナギサの見たことや感じたこと、話したいことを何でも聞かせてくれ」
神津島ナギサ:こくこく頷く。
神津島ナギサ:「うん。いっぱい話すよ。御剣がワクワクするような事」
神津島ナギサ:「……じゃあ、あたしこっちだけど……その」
神津島ナギサ:「住んでる町ちがうし、あんまり会えないかもしれないけど」
神津島ナギサ:「……ま、また!な!」
神津島ナギサ:たたーっと走り去って、一度振り向く。
神津島ナギサ:「またなー!」
神津島ナギサ:今度こそ走り去ります。
御剣凌駕:「ああ。また会おう、ナギサ!」
御剣凌駕:しゃがんだまま小さくなっていく背中を見送り、やがて立ち上がる。
御剣凌駕:振り向くと道の先へと歩き出す。
御剣凌駕:「面白い旅だったな。さあ、行くか。親友!」
御剣凌駕:恐竜の咆哮が響く。
御剣凌駕:フルートを学生服の腰に挿した少年は1人で歩いていく。

『音楽をありがとう』 終