『Infinite Monkey Theorem』 (GM:ヤヒロギンジ) 本編 / 雑談1 / 雑談2


本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.
掲載の一部画像はAI生成イラストを加工したものです。

第一話『White Paper of Star Chamber』
第二話『Infinite Monkey Theorem』◀
第三話『Twinkle, Twinkle, Meteor Shower』

登場PC

PC1:足原エイコ(PL:有限無限) キャラクターシート
PC1
PC2:後藤スダチ(PL:珪素) キャラクターシート
PC2
PC3:佐陀コトノ(PL:メガ大仏) キャラクターシート
PC3
PC4:甘崎リンコ(PL:しろい) キャラクターシート
PC4
PC5:ユージン・マディス(PL:アスハル) キャラクターシート
PC5

INDEX


MS:1/『What You Will』
OP:1/『一点の曇りもない真実だからだ』
OP:2/『締切を破るなんてあり得ないですもんね』
OP:3/『キラキラ人間御用達のSNS……!!』
OP:4/『お笑い芸人は親しみやすくあるべき』
OP:5/『ムセイオン→芸術→奉納→儀式剣→刀剣?』

MD:1/『アトリエ攻略戦、開始です!!』
MD:2/『偽造工廠プトラピカ』
MD:3/『鋼鉄■■アスカ』
MD:4/『■■修復工房リプリス』
MD:5/『化生舞台■■■・■■』
MS:2/『余談』
MD:6/『■■■■■■■』
MS:3/『Twelfth Night』

CMX:『■■回廊■■■■』

ED:1/『私達だけの価値なんです』
ED:2/『それはもう、最っ高に!』
ED:3/『美しいものを作り続けて』
ED:4/『その日がくるかもしれないって思ったら』
ED:5/『遠く遠く手を伸ばして』
ED:6/『生徒の選択What You Will
 

 MS:1/『What You Will』

GM:日中から降り続けた雪は、深夜0時を回る頃には止んでいた。
GM:天窓から差し込む月明かりが、一枚の絵画を照らしている。
GM:そこに描かれているのは岩と灰、曇天に覆われた荒涼の風景。
GM:美しくはない。
GM:嘗ての栄華を偲ばせる侘しさも、文明を拒む荘厳さもない。
GM:ただ当たり前に滅びた、無惨なだけの景色を前にして
GM:それでも彼女は、感嘆とも安堵ともつかない吐息を漏らした。
???:「……間に合った」
GM:吸い寄せられるように手を伸ばす。
GM:そして、彼女は世界に触れた。
 

プリプレイ

◆トレーラー

新たな年を迎えたノヴァリス。
万年空騒ぎに興じている生徒たちも、この時ばかりは若干の落ち着きを見せる。
しかし此処に、平穏を尻目に慌ただしく学園都市を駆けずり回る者たちがいた。

“汎学区合同文化祭”。

長年に渡り開催されていなかった伝説の行事がこの度、
職員室の全面協力を得て、ついに復活する運びとなったのだ。

“文化祭実行委員”の指揮の下、各学区の熱意ある生徒たちが開催準備に奔走する中、
本来であれば運営の中核を成す筈の芸術学区、ムセイオンアートスクールは、
不気味な(ある意味いつも通りの)沈黙を保っていた。

黒塗りの画布。移ろいゆく望郷のモザイク。
それは、閉ざされたアトリエの奥に眠っている。

Double Cross The 3rd edition
ステージ『オーヴァード・ノヴァ』
Episode.02 『Infinite Monkey Theorem』

ダブルクロス───それは裏切りを意味する言葉。
 
GM:それでは、セッションを開始します!
GM:このセッションは、特別ステージ『オーヴァード・ノヴァ』を使用します。
GM:詳しくは
プレイエイドを見てね。
GM:というわけで、過酷なセッションに集まってくれたPCの皆さんを紹介していきましょう!
GM:キャラシを貼るので、元気よく自己紹介して下さい。
GM:最初はPC1の足原さん!
キャラクターシート
足原エイコ:は、は~~~い!
足原エイコ:「溢れ出る魂(アイデア)が抑えきれないッッッ!」
足原エイコ:足原エイコ。赤いベレー帽、金淵のメガネ。リボンのたくさんついた黒いワンピース、ブラウンのリュック。
GM:"漫画"じゃんっ!
足原エイコ:オタクっぽいファッションの一般生徒……?否、その正体は!
足原エイコ:ムセイオンアートスクール『神漫画研究会』の会長!
足原エイコ:週刊部誌「飛翔」の看板漫画、「Vanquish!」を連載中。バトルと冒険と少女漫画的ラブコメを織り合わせた漫画です。
GM:あの伝説の!
足原エイコ:読者アンケートの結果で全てが決まる神漫画研究会で、会長の座を守り続けてきた凄腕。
足原エイコ:ムセイオン生らしく、基本はアトリエにこもり切り。
足原エイコ:最後にアトリエを出たのは、1年以上前……八月革命の前後とされています。
足原エイコ:愛用のVR器具で取材を行ってますが、リアルすぎる故に死にかけることもしばしば。
GM:まさに命がけ
GM:ファンです先生!ジャンケンしませんか!
足原エイコ:私が立ち絵でしているのは
足原エイコ:グーチョキパー全てを合わせた最強の手。キミじゃ勝てんのよ!
GM:ハッ……!?
GM:ほ、本当だ……バカなッ……!?
GM:オレは"最初から"負けていた……?
足原エイコ:最高の気分だね
足原エイコ:オーヴァードとしては、漫画のアイデアが思い浮かぶとレネゲイドが暴走する体質の持ち主。
足原エイコ:その場で漫画を描いて発散すれば安全ですが、アイデアを貯めこみすぎると体が爆発します。
GM:迷惑すぎる
足原エイコ:戦闘においては、爆発する巨大なGペン型の投擲槍(特注)をぶっ飛ばして戦います。特殊なレネゲイドの働きで、自分の爆発を槍に移せる……らしい……?(原理は良く知らない)
足原エイコ:データ上はエンジェルハィロゥ/ハヌマーンの範囲射撃暴走アタッカー
GM:まだサンプルの少ないクリムゾンブリーチ使い、楽しみですね
足原エイコ:騒々しき創造のGペンという名を付けた(かっこいい)クリムゾンブリーチをブチかまします
足原エイコ:怨念の呪石で暴走して、ロックンロールビートで達成値を上げていく感じ
GM:ネーミングセンスもハンター✕ハンターみたいでカッコいい(直喩)
足原エイコ:Dロイスは学園天使!他の人に達成値+5をプレゼントできます
足原エイコ:学園一の漫画家なのでね……学園天使ぐらい、名乗ってもいいでしょう
GM:売れっ子漫画家はファンサも完璧ってわけかよ
GM:では、そんな足原先生のハンドアウトを発表しますね
足原エイコ:はーい!
PC1:"アシハラ・エイコ(P.N)" 足原エイコ
シナリオロイス:”マスターカラーズ” イリス・ウィトルウィウス
君は神漫画研究会の部長だ。
徹夜での執筆中に寝落ちして爆発事故を起こした君は、愛用の取材用VR機器を吹き飛ばしてしまう。
仕方なく生身で取材することにした君は、アトリエの外で生徒会長のイリスと鉢合わせる。
彼女曰く、文化祭実行委員会から発注された案件を制作していた生徒たちが作家性の違いから大喧嘩し、
締切を過ぎても自分のアトリエに引きこもったまま出てこないのだという。
イリスに捕まった君は、彼女たちを叩き起こすため過酷なアトリエ攻略戦に付き合わされるのだった。
足原エイコ:イリスた~~~ん!
GM:オラッ爆発!
GM:今夜もイリスと地獄に付き合ってもらいます。
足原エイコ:イリスたんは娘のようなもの
足原エイコ:そのお願いとあっちゃ聞かないわけにはいかないね!
GM:その意気やヨシ!
GM:頼りにしています!よろしくお願いします!
足原エイコ:よろしくお願いします~!
GM:はい!では続いてPC2!
GM:後藤さんお願いします!
キャラクターシート
後藤スダチ:オフィサー営業本部主任の後藤スダチです!
後藤スダチ:オーヴァードっ、ノヴァ!(タイトルコール)
GM:テーテッテテー(イントロ)
後藤スダチ:ジェネシスの生徒会、オフィサーに所属するエリートエージェント。
後藤スダチ:その割にノヴァリスの中では新参なほうで、八月革命のほとんど直前辺りになってノヴァリスに入学した
後藤スダチ:理事会世代最後のほうの受け入れ生徒でした。
GM:ほ~ん新入りがずいぶんデカい顔してんじゃあねえの…"狩る"か♠
後藤スダチ:なので暴力と混沌で荒れ狂うノヴァリスに対してはツッコミを入れる側になりがちのはず……実際以前の事件ではそうなりました。
GM:ノヴァリスでは貴重なツッコミ要員だ
後藤スダチ理事会地下施設の探索でイリスちゃんと一緒に作戦をしたことがあります。ムセイオンのイベント担当になったのもその時の縁があったからかも。
GM:その節はお世話になりました
後藤スダチ:性能面は、ピュアソラでありながら行動値が13もあるふしぎなピュアソラ……装着者の恩恵で社会判定も9個振れてしまうぞ
後藤スダチ:また装着者の恩恵で強力な銃火器も使い分ける!
GM:万能の天才
後藤スダチ:離れたエンゲージにはサブマシンガンのオリエント、近中距離に対しては拳銃のトランブルーだ。
後藤スダチ:低侵蝕で装備が強く、じゃまにならない程度の火力があって、そこそこ速くて、範囲攻撃もできる……!
後藤スダチ:ピュアソラでありながら苦手分野があんまりない器用さが売り
後藤スダチ:マイナーアクションも空いてる
GM:何やらせても上手い
GM:そんなところが上司の目に留まったのかも
後藤スダチ:実際、八月革命直前にノヴァリスに来たのも理事会の護衛としての働きを期待されてのものという説があります
後藤スダチ:ツッコミを入れながらも女子高生なのでたまに悪ノリもしたがる!そういう生徒です。よろしくお願いします……!
GM:はい!そんな苦労人スダチちゃんのハンドアウトはこちら!
PC2:"バリスティックジェリー" 後藤スダチ
シナリオロイス:”ハイパーノヴァ☆フェスティバル”
君は文化祭実行委員だ。
オフィサーから派遣された臨時委員である君は、上役の委員からムセイオンへの出張を命じられる。
依頼した案件が締切を過ぎても納品されず、このままでは文化祭の開催も危ぶまれる事態なのだ。
特に”前夜祭ライブ特設ステージ”と”ネオ文化祭記念コイン”は、明日までに次の工程へ進める必要がある。
上役の計らいで文化祭実行監理官に格上げされた君は、決死の覚悟でムセイオンへ向かうのだった。
“汎学区合同文化祭”改め、”極☆超新星祭ハイパーノヴァ☆フェスティバル”の成功は今、君の双肩に託された。
GM:出張、出張、また出張
後藤スダチ:営業本部はそういうお仕事ですからね
後藤スダチ:締切もしっかり守らせてやりますよ……!
後藤スダチ:これ、なぜかPCで締め切り激詰めロールすると
後藤スダチ:ダメージの100%がPLに返ってくる不思議な仕様なんですよね
GM:なんでかなあ
後藤スダチ:ロケットさんがPC2だったらそんなことなかったはず
GM:普段の経験を生かして是非容赦なく詰めてやって下さい
GM:それでは続いてPC3!
GM:佐陀さんお願いします!
キャラクターシート
佐陀コトノ:は、はい!
佐陀コトノ:佐陀コトノ、六壬学園高等専門学校共通過程1年です
佐陀コトノ:学園の小規模部活動の一つ、現代神楽部の部長も務めています
GM:へ~オシャレそうな部活。入ってみようかな
佐陀コトノ:現代神楽部は活動実績も部員数も全然足りず、長らく非公認の同好会として活動していましたが
佐陀コトノとある事件がキッカケで総督府に認められ、晴れて公認の部活動に昇格しました!
GM:やったわね佐陀さん!
佐陀コトノ:人全然いないので絶賛部員募集中です! 見学来てくれたらお茶とか出せるよ
佐陀コトノ:性格は内気で控えめ。けれどいざという時には高い行動力を発揮するタイプ
佐陀コトノ:趣味と特技はエレキギターで、高い演奏技術を持っています。ただしバンド経験はない
GM:ずっと一人で頑張ってきたのね
佐陀コトノ:うう……
佐陀コトノ:オーヴァードとしては独自の術式、現代神楽の使い手
佐陀コトノ:アメノウズメが天岩戸の前で舞った逸話を元にした神前音楽もといそれをベースとした呪術体系が神楽であり、元々実戦に向かないそれを改良し、「現代神楽」として再編纂したものになります
佐陀コトノ:具体的にはエレキギターをガンガン掻き鳴らして戦います
GM:ロックと神楽を融合させた全く新しい術式…!
佐陀コトノ:それ故に呪術と音楽、両面に精通する必要があるためまっったく広まる気配がない!! 部員が全然いない原因でもあります
GM:真剣にメジャーデビューを目指すメンバーを募集中なのね
佐陀コトノ:性能的にはピュアハヌマーンのサイレンの魔女をスピードフォースで先手取って叩きつけます。大分身も蓋も無いです
佐陀コトノ:一応コンビネーターっていうFHエンブレムを取得していて、最速シーン全体攻撃をばら撒くことで味方の火力支援も同時に出来たりします
GM:こんなん絶対強いですやん
佐陀コトノ:サイレンの魔女で全てを破壊します
佐陀コトノ:こんな感じで! 以上、どうぞよろしくお願いします!
GM:虎になれ…コトノ……
GM:そんなコトノさんのハンドアウトはこれ!
PC3:"風伯" 佐陀コトノ
シナリオロイス:”飛簾” 由利クルミ
君は“汎学区合同文化祭”のステージを目指す現代神楽部の部長だ。
文化祭は3日間に渡り執り行われるが、君にとっての本番は何と言っても”前夜祭記念ロックフェス”だろう。
ノヴァリス中の実力派バンドが一堂に会する晴れ舞台だが、君には出場を阻む問題が一つあった。
”前夜祭記念ロックフェス”は『ソロミュージシャンぼっちお断り』なのである。
厳密に言うと、スリーピース以上のバンド編成かつヴォーカル曲持ちであることが出場条件だ。
登録期限が間近に迫る中、君は新入部員の由利クルミと共に、最後のメンバー探しに奔走するのだった。
GM:なんと新入部員が入りました!
佐陀コトノ:や、やったー!!
佐陀コトノ:初めての仲間……!
GM:けどステージに立つにはまだ人数が足りません。やっぱバンドはスリーピースからじゃないとな
GM:できれば四人欲しい。掲載誌的に
佐陀コトノ:音楽業界はぼっちに厳しい
GM:ぜひ凄腕のドラムまたはベースを見つけて下さい
佐陀コトノ:が、頑張ります……!
佐陀コトノ:絶対、ロックフェスの舞台に立つんだ……!
GM:☆次回、現代神楽部にさらなる試練が───?
GM:というわけでPC4!
GM:甘崎さん!お願いします!
キャラクターシート
甘崎リンコ:ふふっ、はい。
甘崎リンコ:甘崎リンコ(あまさき・りんこ)。芸名は"エッペルカーカ"です。
甘崎リンコ:ムセイオンアートスクール所属。ムセイオン生らしく、高尚な芸術であるお笑いの研究をしている、自称・完璧なお笑い芸人です。
甘崎リンコ:日々ストイックに笑いの研究をしていますが、肝心のネタは一切面白くありません。
GM:一行でオチた
甘崎リンコ:しかし、適合した遺産のイフリートの腕で悲しみの感情を失っているので、いくら滑っても辛くない鋼の精神を持っています。
甘崎リンコ:これが合理性というわけですね。
GM:お笑い芸人に一番必要なのは鋼のメンタルですからね
甘崎リンコ:盗聴・盗撮・ハッキング等手段を選ばず日々お笑いの研究をしており、突発的にアトリエの外に出て通りすがりの人にネタを披露しています。
甘崎リンコ:しかし本当に面白くないので、不審者というよりは怪談扱いされている可能性が高いです。
GM:怪奇・笑えない女!
甘崎リンコ:データ的には、イフリートの腕で攻撃力+6でツッコミが出来るという小技があるほかは、
甘崎リンコ:≪氷の茨≫を中心とした、バクスタからの神木の丸太を手にエンゲージから出すどつき漫才が基本です。
GM:本場のナニワ漫才だ
甘崎リンコ:しかしかなり……初期侵蝕が高いのに加えてフルコンボを入れると侵蝕が重いので、適宜様子を見ながらエフェクトを抜いていくことになるかと思います。
甘崎リンコ:開始直前にちょっといじってメモリーを積んだりしてきたのでなんとかなってほしいものですが……
甘崎リンコ:美味しいものはカロリーが高い。お笑いと同じですね。
甘崎リンコ:そういう感じです。よろしくお願いします!
GM:はい!そんな甘崎さんの営業先はこちら!
PC4:"エッペルカーカ" 甘崎リンコ
シナリオロイス:”化粧師”
君は“汎学区合同文化祭”のステージを目指す孤高のお笑い芸人だ。
文化祭は3日間に渡り執り行われるが、君にとっての本番は何と言っても”前夜祭記念漫才ライブ”だろう。
ノヴァリス中の実力派コメディアンが一堂に会する晴れ舞台だが、君には出場を阻む問題が一つあった。
”前夜祭記念漫才ライブ”は『ピン芸人ぼっちお断り』なのである。
ムセイオンの学友たちでは、君の高度な笑いのセンスに付いてくることは期待できない。
登録期限が間近に迫る中、君は運命の相方を探して道行く人にネタを披露するのだった。
甘崎リンコ:ピン芸人……お断りですって!?
GM:コンビ組め、甘崎
甘崎リンコ:そんな……私のレベルについてこられる人間がいるのかしら……
GM:ムセイオンの子たちは最早君のネタに眉一つ動かさなくなってしまったので
GM:頑張って外で探して下さい
甘崎リンコ:どんなに面白いものでも慣れというのは恐ろしいものね……
甘崎リンコ:わかりました。極上の面白人間を捕えてみせましょう。
GM:狩猟解禁♠
GM:そして、そんな問題児たちをまとめ上げる今回の先生!
GM:PC5、ユージン先生!お願いします!
キャラクターシート
ユージン・マディス:「待て! オレはただ密室の中二人きりでお前(の持ってる剣)についてじっくり聞きたいだけの善良なオーヴァードだ!」
GM:変質者来ちゃった
ユージン・マディス:はい、ユージン・マディス。元FH傭兵の運び屋です。
ユージン・マディス:来歴もそのまま、八月革命の際は理事会側の傭兵として参戦していた邪悪傭兵です。理事会敗北とともに捕縛され、最近まで拘束されていましたが、先生として奉仕活動をすることを条件に釈放されました。
GM:異色の経歴だ(毎回言ってる)
ユージン・マディス:見かけはひねたイケメンですが言動はご覧の有様。通電デバイスを兼ねたスマートウォッチもつけています。
ユージン・マディス:性能は生成特化! マシンモーフィングとAIDA、フローズンリリーを持ち、とにかく調達したりさせたりします!
GM:やっぱり先生ってお金持ちなんだ
ユージン・マディス:あとは悪用専用エフェクトことダンシングシミターで装甲を無視しながら範囲に武器火力を飛ばしたり、あと今回生徒たちがマジで前のめりなので、申し訳程度に防御エフェクトを取ってます。
GM:5人いるのに全員殴ることしか考えていない パワーイズパワー
GM:大人としてしっかりサポートしてあげてね
ユージン・マディス:はい。ビジュアルとしては、そのへんの壁の隙間やトマソンから、小部屋状の鍛刀領域に入り、そこで剣を中心に色々な道具を作れます。
ユージン・マディス:釈放も、とにかくその道具生成能力が便利だったからという説があります。ちょっとした展示や屋台ならサクサク直せる。
ユージン・マディス:良いモノを作るにはまず観察からということで、古今東西のありとあらゆる武器兵器の観察と分析を至上命題としており、
ユージン・マディス:そもそもノヴァリスに来たのも『実働してる遺産とかめっちゃあるらしいよ』と聞いたから!
GM:美味い話に飛びついた結果というわけ!
ユージン・マディス:まあそういうわけで生徒的には偏執……好意的ではあると思います。
ユージン・マディス:あとマスタークラスの師匠がいます。いました。鍛刀領域も元は師匠のものらしいです。そんな感じ!
GM:マスタークラスの弟子のセカンドライフは果たして……ハンドアウトです!
PC5:"月の椅子セレノスツール" ユージン・マディス
シナリオロイス:”ラハブ”
君は“汎学区合同文化祭”の運営顧問に抜擢された先生だ。
忙しい文化祭準備の傍ら、職員室へ届いた年賀状を仕分けていた君は、その中の一通に目を留める。
差出人は”ラハブ”。先のセイクリッドピラー襲撃事件に於いて、襲撃者に加担したとされる社会人だ。
ノヴァリス中から追われる身であるはずの彼から送られた怪しげな年賀状。
その宛名には、”アリト・ザファル・モリアーティ”の名が刻まれていた。
GM:新年の挨拶は大事
ユージン・マディス:年賀状!
ユージン・マディス:まさかアリト……奴と同級生なのか!?
GM:アリト先生は地元の友達を大切にするお人
ユージン・マディス:仕方ないが内通を疑っていくか……
GM:アリト先生に限ってそんな事は……
ユージン・マディス:さては年賀状くじ目当てで……。
ユージン・マディス:ともあれ、先生は初めてやりますが、よろしくお願いします!
GM:はーい!以上の5名でセッションをやっていきます!
GM:改めてよろしくお願いします!
甘崎リンコ:よろしくお願いします!
ユージン・マディス:お願いしまーす!
佐陀コトノ:よろしくお願いしますー!
足原エイコ:よろしくお願いしまーす!
後藤スダチ:よろしくお願いします!
GM:ではOPに入っていくよ!
 

 OP:1/『一点の曇りもない真実だからだ』

GM:足原さんは登場侵蝕を振って下さい
足原エイコ:35+1d10
DoubleCross : (35+1D10) → 35+9[9] → 44

GM:足原さんのOPでは、寝落ちして爆発事件を起こし、外に出てくるところまでをやってもらいます
足原エイコ:遂行します
GM:始まりはその寝落ちした夢の中……つまり
GM:回想シーンです。
足原エイコ:そう、あの頃……
GM:ホワンホワンホワ~ン

■数年前 足原エイコのアトリエ

GM:まだ君が幼かった頃の話だ。
気弱そうな少女:「あの、一緒に描きませんか……漫画……」
GM:そう声をかけて来た友人と共に、君は初めての連載を持った。
GM:当時は『飛翔』のようなノヴァリス全土で刊行される雑誌は存在しておらず
GM:ムセイオンの中でのみ流通している学内誌ではあったが、それでも相当な数の読者が付いて人気作になった。
GM:君たちの連載スタイルは、原作と作画を分担する分業制ではない・・・・
GM:1話毎に交代で、相手の描いた話の続きを描き上げるリレー方式だった。
GM:特異なやり方ではあったが、才能に溢れた君たちにとってはそう難しい制約ではない。
GM:片方がネームを落とすなんてあり得ないし、交換日記みたいで楽しかった。
GM:絵柄の癖は本人たちですら見分けがつかないレベルで統一したので、読者にはどちらが描いている回かわからない。
GM:君たちはそうして、どちらの担当回の方がアンケート成績が良いかで競ったりもした。
GM:結果は五分五分。君達二人の成績は伯仲していた。
GM:これは、そんな君達の連載が大詰めを迎えていた、ある日の記憶。

気弱そうな少女:「ちょっとエイコちゃん~!この展開一体なんなんですか~!!」
気弱そうな少女:君から渡された前話の原稿を見て、意味不明さに頭を抱える。
コニー・ヴァイスマン
気弱そうな少女:少女の名はコニー。君の相棒だ。
足原エイコ:「んえ~~?どこがさコニー?」
足原エイコ
コニー:「なんで主人公また死んでるんですか!毎回生き返らせるの大変なんですよ!!」
足原エイコ:「……わたしもねえ、どうしてこんなことに……って思ったんだけど」
足原エイコ:「ここで死ぬのが……一番自然な感じがして……」
足原エイコ:ハンカチで目元をふきふき
コニー:「不自然の塊!」ズサーッ、と机に突っ伏す。
コニー:「先々週にパワーアップ回やったばっかりじゃないですか!10週かけた修行は一体……?」
足原エイコ:「それを言うならコニーの出した敵が強すぎるせいもあるでしょうよ!」
コニー:「敵の能力は作者も倒し方がわからないくらいが丁度いいんですよ」
コニー:「作者がハラハラしてる時は読者もハラハラしてるんです」
足原エイコ:「……それで分からなくなった作者がわたしなんですけど!?」
コニー:「だからって主人公が死んだらおしまいじゃないですか!」
足原エイコ:「ん~~~だけどさ~~~!」
コニー:「もっと他に……手頃なのがいたでしょう。ほら、この師匠とか」
コニー:「もう用済みだし、実は身代わりだったことにして……」
足原エイコ:「えっ師匠はダメでしょ!」
足原エイコ:「私が好きなんだから!」
コニー:「またですか~?依怙贔屓でキャラの扱い変えるの良くないですよ!」
コニー:「キャラが勝手に動き出すとか、そういうのじゃないじゃないですかエイコちゃんのは」
コニー:「おっぱいが大きいキャラが好きなだけでしょどうせ」
足原エイコ:「…………」
足原エイコ:そんなことは……と言いかけて、やめた
足原エイコ:一点の曇りもない真実だからだ
足原エイコ:「……わたしはね、コニーのこれまでの手腕を信じてるんだよ」
足原エイコ:「だから今回も……良い感じに、蘇らせて……ほしいな」
コニー:「簡単に言いますけどねえ……ええと、崑崙玉はこの前使ったから……次は円卓?アレなら聖杯がまだ……」
コニー:設定資料を引っ張り出し、カリカリグチグチ言いながら凄まじい速さでネームを切っている。
足原エイコ:「ジェネシス培養液とか久しぶりに出してみる?」
コニー:「ゾンビ化はちょっと……」
GM:原稿用紙には『ナイツ・オブ・トゥエルブ』というロゴのアタリが書き込まれている。
GM:君たち二人の連載作品の名称だった。
GM:最初は一話完結の冒険漫画だったが、なんやかんやあって最近は長編バトル展開を軸に据えている。
イリス・ウィトルウィウス:「また喧嘩ですか、二人共よく飽きませんね」
イリス・ウィトルウィウス:ミルクティーの入ったカップを2つ持って、小柄な…と言っても君たちよりは少し背が高い少女が近づいてくる。
イリス・ウィトルウィウス
足原エイコ:「あっイリスたそ~!」
GM:イリス・ウィトルウィウス。
GM:君達ムセイオンの生徒の作品と技法を記録する仮想ライブラリ”ミュージアム”の管理AI。
GM:彼女は本来生徒ではなく”社会人”に該当する存在だが、その用途から例外的に君達と同年代の少女の外見を与えられていた。
GM:どちらかというと、この頃の君たちにとっては少し年上の姉……そのような親しみを持たれるようにデザインされたものだ(デザインも公募された)
GM:生徒間の人間関係が甚だ希薄な君達にとっては、共通のアシスタントであり、共通の友人のようなものだった。
足原エイコ:「ねえ聞いてよ~!コニーがさ……」
コニー:「えっ私のせい!?ね~イリスも何か案出してくださいよ~」
イリス・ウィトルウィウス:「ええと、助言を差し上げたいのは山々なのですが……」困ったように眉を寄せる。
イリス・ウィトルウィウス:この頃の彼女は、自我の形成の初期段階だったこともあって感情表現が淡白だった。
イリス・ウィトルウィウス:ぎこちなく笑いながら、言葉を続ける。
イリス・ウィトルウィウス:「私は”ミュージアム”の権限を預かるにあたって、二つの誓約を自らに課しています」
イリス・ウィトルウィウス:「一つは、ムセイオンの生徒の利益と安全を守るための行為……簡単に言うと、戦闘とそれに準ずる作戦行動に於いてのみ、この力を運用すること」
イリス・ウィトルウィウス:「もう一つは、生徒の作品には一切手を加えないこと」
イリス・ウィトルウィウス:「私には、皆さんの作品を壊すことも、直すこともできません」
足原エイコ:「え~~~!ケチなんだから……」
イリス・ウィトルウィウス:「ごめんなさい……」シュンとする
足原エイコ:「あっごめん!」
足原エイコ:「ダメって言われたなら、仕方ないよね……イリスたんは悪くないの……」
イリス・ウィトルウィウス:「その代わり、身の回りのお世話はいくらでもできますので」
イリス・ウィトルウィウス:「応援も……します。いっぱい」
イリス・ウィトルウィウス:「耳元で、こう……がんばれ、がんばれ、って」体を上下にゆすりながら。
足原エイコ:「あっ……あっ!あっ!」
コニー:「エイコちゃんまた変なこと教えたでしょ」
足原エイコ:「音声作品も立派な芸術なんだよ?」
足原エイコ:「コニーも一度聞いてみなよ?はまっちゃうかも……」
コニー:「それ検閲通ってないやつですよね?あの金髪の……海賊?なんとかって子が売り捌いてる」
コニー:「またお婆ちゃん先生に怒られますよ~」
足原エイコ:「権力に従うだけじゃ面白いものは……」
GM:そうして、君たちが騒がしく話していると
白髪の老婆:「やはりここにいましたか」
足原エイコ:「げっ地獄耳!」
コニー:「あっ、お婆ちゃん先生!」
白髪の老婆:「時間ですよ、コニー」
GM:凛としたよく通る声が、コニーの名を呼んだ。
“マスターカラーズ”
GM:声の主は白髪の老婆だ。歳は還暦を過ぎた辺りだろうか。
GM:顔には深い皺が刻まれているが、背筋がすっと伸びた立ち姿は気品と威厳を感じさせる。
GM:濃紺の長衣とヴェールは修道女を彷彿とさせるが、全身に散りばめられた色とりどりの装飾と相まって、異教の司祭のようにも見える。
GM:二人を見つめる瞳ははっきりと開かれているが、瞳孔は白く濁っている。それは、彼女が最早視力を殆ど失っている事を意味していた。
GM:ムセイオンのアトリエは、持ち主が望まない限りその扉を開くことはない。
GM:その法則を意に介さず、自由に出入りできる例外は、ノヴァリスに一人しか存在しない。
GM:“マスターカラーズ”。ノヴァリスの成立に関与した七人のマスターエージェント、”七賢人”の一角。
GM:このムセイオンアートスクールの支配者だ。
足原エイコ:「マスカラ婆さん……」ボソリと
"マスターカラーズ":「足原エイコ」厳格な声音が上から浴びせられる。
足原エイコ:「びゃい!」
"マスターカラーズ":散らばった原稿を手にとって一瞥し「漫画は絵だけではなく、幅広い素養を必要とする総合芸術です」
"マスターカラーズ":「部屋にこもって没頭するのも結構ですが」トントンと端を整えて君に原稿を返す。
"マスターカラーズ":「幼い内は、外に出て見聞を広げる事をお勧めします」
足原エイコ:「ど、どうも……」
足原エイコ:(描くのに忙しくてそれどころじゃないっての!)
GM:"マスターカラーズ"は、少なくとも芸術の師としては非の打ち所のない人物だった。
GM:公平であり、決して強制せず、しかし求められれば献身的に応えた。
GM:他の学区を支配するマスターのように、私欲に走る様なことも、生徒たちを実験動物扱いすることもない。
GM:「マジで私ら崑崙山行かなくて良かったね~」が、マスターの話題になった君たちの定番の文句だった。
"マスターカラーズ":「頑張りなさい。では、行きますよコニー」
コニー:「はーい」仕方なさそうに立ち上がって
足原エイコ:「……じゃあねコニー。良い感じの復活展開、待ってるから」
コニー:「はいはい、任せてくださいよエイコちゃん」去り際に君を見て不敵に笑う。
コニー:「アンケート一位間違いなしの大逆転を見せてあげます」
足原エイコ:「うん!」にへっと、不敵な笑みを返す
"マスターカラーズ":コニーと連れ立ってアトリエを後にする。遠巻きに聞こえる話し声は、他の生徒に向けるものより少しだけ柔らかい気がした。
"マスターカラーズ":「貴方には、他にも覚えてもらうことが沢山あります」
"マスターカラーズ":「私の知る、すべてを……」
GM:コニーと君の成績は五分五分だ。
GM:しかし、君が一週間を費やす連載を、彼女はたった一日で描き上げる。
GM:残りの時間は、漫画以外の様々な芸術のレッスンと制作に充てられ、その全てに於いて彼女は君たちの誰よりも優れていた。
GM:コニー・ヴァイスマン。
GM:彼女は、幼くして“マスターカラーズ”の後継者を確実視された、天才中の天才だった。

■現在 神漫画研究会複合アトリエ 『トキワヒルズ』

GM:新年の気の緩みが抜けていないのか、それとも徹夜で原稿を仕上げた反動か。
GM:久しぶりに昔の夢を見た君は、未だ微睡みの中にいた。
GM:その後、コニーとのコンビはそう長くは続かなかった。
GM:普段から喧嘩の多かった君たちだが、ある日、些細な方向性の相違から決定的な大喧嘩に発展し
GM:そして、君たちの連載『ナイツ・オブ・トゥエルブ』は打ち切りとなった。
GM:……と、思い出に浸っていられるのもここまでだ。
GM:君は、未完に終わった出世作の事を思い出すと決まってある考えが浮かんできてしまう。
GM:あの時こうしていれば、あそこから続いていればこういう展開があったのに、やっぱりアイツ殺さなきゃ良かった。
GM:ほんのちょっとの後悔と、続きを描きたいという耐え難い渇望。
GM:"創作意欲"が、モリモリ湧いてくる。
GM:しかし、君の疲れ切った体は、金縛りにあったかのように言うことを聞かない。
足原エイコ:「あ~~……ダメだこれ……きちゃうな……」
足原エイコ:溢れ出る創作意欲、それは紙面というはけ口を失い
足原エイコ:膨れ上がって……もはや抱えきれない!
足原エイコ:ボカァン!!!
GM:凄まじい轟音。吹き荒れる原稿用紙。火花を散らすPCやペンタブ。
GM:君が被ったままのVR機器も無事で済むはずがなく……
足原エイコ:「……や、やっちまった……」
足原エイコ:アイマスクかのようにVR器具を額に上げて
足原エイコ:「ゲッこれまでやっちまった!」
GM:ダダダダダダダダ……何人かの足音が迫ってくる。
足原エイコ:「マ~ジで高かったのにな~……ん?」
ムセイオンモブ
漫研会員:「コラ~~~ッ!!またですか会長!!」「何回爆発すれば気が済むんだよ!!!!」「集中できないんですよ!うるさくて!!」
漫研会員:「さっきので電源落ちたんだけど!?保存してないんだけど!?」
足原エイコ:「う……うるひゃいやい!」
漫研会員:「ていうかマジで……原稿終わったんなら出てってくださいよ!!」「こっちは年末から休み無しで修羅場なんだよ!!」
漫研会員:「出・て・け!!」「出・て・け!!」「出・て・け!!」「出・て・け!!」
足原エイコ:「ゲホ……慣れてるとはいえ、心配の一言もないってのは何なんでぇ!」
GM:堪忍袋の尾が切れた生徒たちが、会長を会長とも思わない出てけコールを浴びせる。
足原エイコ:「そもそもとっとと原稿終わらせとけばいい話だろ……あっかんべ~!」
足原エイコ:愛用の鞄(奇跡的に無事だった)に、荷物や武器を纏め
足原エイコ:「……しばらく休載すっから!」
足原エイコ:「連載議会に伝えといてね!」
足原エイコ:すたこらさっさと駆け出し、アトリエを出ようとする!
GM:怒号と罵声が背後で飛び交う中、君はスタコラサッサとアトリエを飛び出す。
GM:そうして、飛び出した先にいたのは
足原エイコ:「ヒィウィゴ~!」なんとかアトリエの出口から飛び出すと……
イリス・ウィトルウィウス:「うわっ!?」
イリス・ウィトルウィウス:ぽん、と君と真正面からぶつかる。
イリス・ウィトルウィウス:そのまま倒れるほどではない。君の顔面が胸元に埋まった程度だ。
足原エイコ:「もふ!ふご、ふご……」
足原エイコ:「この……手に収まりきらない雄大さ……」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ?珍しいですね。アトリエから出てくるなんて」
イリス・ウィトルウィウス:「それになんか焦げ臭い……」煤けた君の髪を嗅いで
足原エイコ:「やっぱり……イリスたん!」
足原エイコ:顔を上げず、埋めたままで
足原エイコ:「しかし……なんでこんなところにいるんだい」
イリス・ウィトルウィウス:「とりあえず顔上げましょうか」
足原エイコ:「むぐ……」ちょっと残念そうに、抱き着いたまま顔を上げる
イリス・ウィトルウィウス:「ハッ、そうでした!」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ!とても良いところに出てきてくれました!」君の方を掴む。
イリス・ウィトルウィウス:「助けてください!!」
足原エイコ:「イリスたんのお願いなら、なんだって!」
足原エイコ:「ちょうど原稿を終えて……しばらくぶりの、取材旅行にでも出ようとしてたとこなんだ」
足原エイコ:「フ……」焦げくさい髪を、サラ……となびかせる
イリス・ウィトルウィウス:「おお、取材旅行!なら、尚更好都合ですね」
イリス・ウィトルウィウス:君の手を引き、広場へと歩き出す。
イリス・ウィトルウィウス:「時間がありません。向かいながら説明します」
イリス・ウィトルウィウス:「大丈夫、きっとエイコも満足できますよ」
イリス・ウィトルウィウス:「ムセイオン生のアトリエほど、スリリングな取材先はありませんからね!」
足原エイコ:アトリエ探索……確かにそれなら、VRでは体験しきれないようなものが取材できそうだ
足原エイコ:イリスたんと話していると……やっぱり、コニーのことを思い出す
足原エイコ:……喧嘩別れする原因は、外から見れば些細なことだった
足原エイコ:でもやっぱ、丸が4つのデザインはないと思うけどね……3つじゃあなきゃ
足原エイコ:あれやこれやがあって、それ以来、コニーとは会えてない
足原エイコ:でもきっと、どこかで漫画を描いてるんだろう
足原エイコ:……そう、信じてる

GM:シーン終了です!ロイスを取得できます
足原エイコ:シナリオロイスはイリスたんなのですが……すでに固定ロイス!
足原エイコ:P:溺愛/N:心配でとっていますので、ここでの取得は無しで!
GM:OK!
GM:では次のOPだ!

 

 OP:2/『締切を破るなんてあり得ないですもんね』

後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (33 → 42)
GM:完璧なエントリーだ
GM:後藤さんはジェネシスの偉い人から辞令を受け取ってムセイオンに向かうぞ!って言うのをやってもらいます。
GM:後藤さんは営業部以外の人とは結構仲がいい感じですか?
後藤スダチ:結構誰とでも仲良くできるタイプだと思います。現に秘書室にも友達がいるので
GM:なるほどね!ならみんな気さくに話しかけてくると思います。
 
■ジェネシスインダストリアルアカデミー 本校舎  
GM:君が通うジェネシス学区の生徒会"オフィサー"の中枢部署の多くが本部を構える本校舎。
GM:君は上役に呼び出され、ある部署を訪れていた。
GM:営業部としてではない。文化祭実行委員としての上役だ。
広報課員A:「あれ~後藤っちじゃん。おひさ~」
広報課員A
広報課員B:「スダっちゃんこの後打ち上げなんだけど一緒に行く~?」
広報課員B
後藤スダチ:「ごめん!今日は仕事で来たんだよね。これから仕事なの」
後藤スダチ
広報課員C:「うぇ~いまじかよ~」
広報課員C
広報課員C:「ま、今夜は朝までやってっからさ~。落ち着いたら来な~」
後藤スダチ:「あはは、あんまり夜遅くまでになると寝ちゃうかもな~。行けたら行くから!」
広報課員A:「出た~!行けたら行く!営業部ノリ悪すぎ~」
広報課員A:「でもそこが好き♡」
後藤スダチ:「わ、私のは本当に行けたら行くんだい」
後藤スダチ:「そんなこと言うんだったら広報課も手伝ってよね~もー」
広報課員B:「ウチらの仕事はもう済ませたもんね~」
後藤スダチ:「え~~すっごい……」
広報課員B:「前夜祭のプログラム、マジ完璧だし」
後藤スダチ:(私も頑張らないとな)
後藤スダチ:「じゃあみんな張り切って打ち上げやっててよ!私が行けなくても、営業本部で暇してるのがいたら遊びに来させるしさ」
広報課員C:「やっぱバンドだよな青春っつったら」
広報課員A:「いやお笑いでしょ。ボケとツッコミの試行錯誤が生み出すハーモニーがさぁ」
後藤スダチ:「バンドとかお笑いもやるの?ライブ重視なんだ」
広報課員C:「いややっぱりバンド四人の個性が混ざり合う瞬間が……」
広報課員B:「そうそう。後夜祭はアニムスとかのでっかいとこで埋まっちゃってるから」
広報課員B:「前夜祭はあんまり名前の売れてない新しいとこに出てほしくてさ、ノヴァリス中に案内出してんの」
後藤スダチ:「ステージ設備はアニムスを出すやつがあるから大きいのを用意できるもんね」
広報課員B:「スダッちも友達と一緒に出なよ~楽しいよ~」
後藤スダチ:「ど、どうしよっかな~」
GM:オフィサーの情報部門、広報メディア戦略課は、ジェネシス屈指のパリピ集団として知られている。
GM:その性質から、多くの課員が文化祭実行委員として参加しており、イベント関係の運営に携わっているが
GM:彼女達には一つ、重大な見落としがあった
GM:友達がいない人間という存在を認識できないのである。
GM:文化祭のプログラムは、不自然なほどにペア応募、チーム応募の出し物が大半を締めていた。
広報課員A:「ま、締切までもうちょっとだけ時間あるから、考えといて~」
広報課員C:「んじゃ、おつかれ~」
GM:楽しそうにガヤガヤと騒ぎながら、オフィスを後にする。
後藤スダチ:「はーい、楽しんでってね」まさかソロの出し物が一切組まれていないとは夢にも思っていない。
GM:そうして彼女達を見送った君は、目当ての人物の席へとたどり着いた。
GM:大きな机の上には、『課長』と書かれた黒い三角のアレが置いてある。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「わざわざお呼び立てしてすみません。"バリスティックジェリー"」
アルバ・G・S・ジアフォーネ
後藤スダチ:「いえいえ。広報課の皆とも久しぶりに会いたかったところですし、ちょうどよかったです」
GM:“フーコー・ペンデュラム” アルバ・グレタ・サギリ・ジアフォーネ。
GM:オフィサーの情報部門”広報メディア戦略課”の課長であり、ジェネシスの文化祭実行委員を取りまとめている責任者でもある。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「馴れ馴れしくしていなければ良いのですが。彼女達は少々、加減を知りませんので」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:他の課員たちとは異なり、落ち着いた、どこか陰気な雰囲気すら漂わせる、褐色長身の女だ。
後藤スダチ:「それで、課長からの用件ってなんでしょう?」
後藤スダチ:「あ、まさか打ち上げパーティーへのお誘いだったりして?えへへ」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「仕事が早く済めば、もちろん参加して頂いて構いませんよ」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「私は一次会で帰りますが」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:君と会話をしながら、手元の企画書に判を押していく。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:淀みない動き。本当に目を通しているのか不安になる速さだ。
後藤スダチ:「課長、もっとみんなとお話してあげればいいのに。人気あるんだから」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「いえ、私はああいった雰囲気はどうにも苦手でして」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「それに、私に人気があるとしたら、性格のおかげではありませんよ。口うるさいことを言わないからです」
GM:アルバは、部下の企画をほぼ100%通すことで有名な人物だ。
後藤スダチ:「っふふ、参考にします。じゃあ本題に入りましょう」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「そうですね。流石営業部は話が早いです。では、こちらを」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:君に向けて一枚の書類を差し出す。辞令書だ。
後藤スダチ:「ふむ」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「後藤スダチさん。オフィサーコード"バリスティックジェリー"。本日付で貴方を」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「"文化祭実行監理官"に任命いたします」
後藤スダチ:「文化祭実行監理官!?……って」辞令書を顔の前に持ち上げて、まばたきをする。
後藤スダチ:「今やってる文化祭実行委員とは違うんでしょうか?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「この役職は、ジェネシスの実行委員の代表としての権限を委任するものです。学外での活動の際には必要になります」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「私はこの通り、お祭り事とは縁遠い性格ですし」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「後藤さんは外の世界の文化祭に参加したこともあるのでしょう?適任かと思います」
後藤スダチ:「えっ、えっ、じゃあ」
後藤スダチ:「わ、私が責任者になるってことですか!?課長じゃなくて!?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「その通りです」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「全権を委ねます」
後藤スダチ:「……」何も答えないが
後藤スダチ:さっと血の気が引く。
GM:「承認します」「全権を委ねます」「自由にやって下さい」……すべてアルバの口癖である。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「そう構えないで下さい。なにも責任を押し付けようというつもりではありません」
後藤スダチ:「や、やります~……けどぉ……」
後藤スダチ:「これ失敗したらどうなるんでしょうか……?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「私が責任を取ります」
GM:これもアルバの口癖である。
後藤スダチ:「ううっ、それはそれでプレッシャーが……!」
後藤スダチ:心臓のあたりを押さえる。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「それでは、早速監理官に解決していただきたい仕事があります」
後藤スダチ:「ひゃい」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:意に介さない様子で君の端末へデータを送る。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「御存知の通り、汎学区合同文化祭は、ノヴァリス各地の会場を使って大々的に行われる祭典です」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「ここ数年は、情勢の不安定さもあって開催できずにいましたが……」
後藤スダチ:「私が来てから全然やってなかったです」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「ええ、ですが今回、職員室の先生方のご協力もあって、少し時期は遅いですが開催する運びとなりました」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「少し前に
六壬のお祭りも他学区に開放していたでしょう?あの成功も功を奏したようですね」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「あの六壬でやれるならなんとかなるか……と」
後藤スダチ:「六壬のイベント企画はフットワーク軽いですからね。ワンマンだから……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「今回の開催にあたって、各学校にはそれぞれの得意分野で協力を頂きました」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「我々ジェネシスは全体の企画運営、メサイアは放送網の構築……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「崑崙は…………会場の提供」少し考え込んでようやくといった様子で
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「それからムセイオンには、ステージやグッズの美術監修を」
後藤スダチ:「み、みんな大事な役割ですよね!」冷や汗を流しながらフォロー。
GM:資料には、各会場のパビリオンに置かれた巨大なオブジェが映し出されている。
GM:べらぼうに芸術的な造型だ。
後藤スダチ:「すごーい……!こんなにたくさんの制作物があれば」
後藤スダチ:「顧客誘引効果間違いなし!成功率は相当高まりますよ!」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「私もそう思って安心していたのですが……」
後藤スダチ:「納品してもらった制作物を配置すればいいんですよね?簡単じゃないですか」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「ムセイオンに依頼していた制作物の幾つかが、締切を過ぎても仕上がってこないのです」
後藤スダチ:「そんな……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「それも、とびきり重要な、目玉とも言えるものばかりでして」
後藤スダチ:「ど……どうしてそんな事が起こるんですか!?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「特にこれですね。前夜祭の特設ステージと、新文化祭記念十字コイン」
後藤スダチ:「だって締切って……締切って意味ですよ!?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「驚かないで聞いてほしいのですが」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「企業人にとって、締切は締切ですが、芸術家にとっては締切は開始の合図なのです」
後藤スダチ:「そんな……それじゃあまるで」
後藤スダチ:「芸術家はまともな理屈を理解できない異常者みたいじゃないですか!」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「至言ですね。まともな感性をしていては人々が驚くものを作り上げることはできないのでしょう」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「そういうものとして割り切るほかありません」
後藤スダチ:「わ、私はどうすればいいんでしょう」
後藤スダチ:理解を超えた物事に対して対応を咄嗟に考えつけていない。
後藤スダチ:何しろ企業においては、締切を超過しているというのはその時点で『終わり』であり
後藤スダチ:そこから先をどう進めるかなど営業本部では考えたことすらなかったのだ
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「今すぐ、ムセイオンへ飛んで下さい」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「もちろん、我々はそのあたりも加味して余裕のある納期を設定しています」
後藤スダチ:「なるほど……!か、賢い……!」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「先方には早めの納期を伝え、リスケジュールを前提として後工程を組んでいるのです。しかし……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「それも限界があります。先程言ったステージとコイン。これは明日にでも次の工程へ進めなければ」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「文化祭の開催そのものが頓挫しかねません」
後藤スダチ:「分かりました。じゃあ私は『本当の締切』までに――」
後藤スダチ:「これらの制作物を全部!提出させないといけないということですね」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「理解が早くて助かります」頷いて
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「ですがもちろん、現地に向かうからにはただ待つだけでは意味がありません」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「ここまで遅れるということは、先方にも何かしらの問題が発生しているのでしょう」
後藤スダチ:「確かに……!急病とか物理的なマシントラブルとか……何かしらの重大な問題でも起こらない限り」
後藤スダチ:「締切を破るなんてあり得ないですもんね」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「貴方が出来うる全能力を以て、制作を阻害する諸要素を排除し、先方に気持ち良く仕事を完遂していただく」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「そのために充分な権力を担保するための、監理官の役職とお考え下さい」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「聞けば、貴方は先方の生徒会長……"マスターカラーズ"とも協働したことがあるとか」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「警戒心の強いムセイオンの生徒たちも、多少は気を許してくれるでしょう」
後藤スダチ:「はい。なにしろ何もかも初めてのことで、経験を頼りにできる仕事ではないですけど……」
後藤スダチ:「それでも、イリスちゃんの助けを借りて全力を尽くしたいと思います」
後藤スダチ:「汎学区合同文化祭!ぜったいに成功させましょう」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「よくぞ言ってくれました」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「私も楽しみにしていますよ。卒業する私達にとっては、これが最後の文化祭ですからね」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:「行ってらっしゃい。お気をつけて」
後藤スダチ:(そうだ……課長や先輩達にとっては、卒業直前にやっと復活した、最後の文化祭なんだ)
後藤スダチ:(私の心が折れてちゃいけない!)
後藤スダチ:(負けないぞ!締切なんかに……負けないぞ!!!!)
後藤スダチ:小さく拳を握って気合をいれます。
GM:並々ならぬ決意を胸に、君は現場へと飛んだ。
後藤スダチ:「それでは"バリスティックジェリー"……後藤スダチ!」
後藤スダチ:「業務を開始します!」

GM:シーン終了!ロイスが取れます。
後藤スダチ:そういえば汎学区合同文化祭がパリピ感溢れるネーミングにされていることは
後藤スダチ:スダチちゃんは知ってていいんでしょうか
GM:あっそうですね!
GM:知ってて大丈夫です
GM:課長はノリが悪いから言わなかっただけ
後藤スダチ:じゃあそっちに取ろう。アルバさんにも取りたい気持ちはやまやまだけど……
後藤スダチ:5人セッションだし絶対枠足りなくなるから……
後藤スダチ:企画/”ハイパーノヴァ☆フェスティバル”/責任:○/自分以外の何かを由来とする得体の知れない恐怖/ロイス
後藤スダチ:こうだ!
GM:打ち克て……恐怖に……!

 

 OP:3/『キラキラ人間御用達のSNS……!!』

GM:そういえば最初に言い忘れていたのですが、今回のセッションの舞台となるムセイオンでは
GM:結構な量の初出し情報があり、PCの皆さんには必要最低限の情報しか事前にお知らせしていません
GM:ムセイオン生じゃない三人にはそもそも何も教えていない
GM:これはなるべく新鮮な気持ちでプレイして欲しいな~というだけのやつなので
GM:基本ムセイオンのお二人は知らない情報が出てきてもあーアレね知ってる知ってるって顔してくれて大丈夫です。
足原エイコ:アレだなアレ……昔よく遊んだな……
甘崎リンコ:毎日食べてるわ
GM:それではその辺を踏まえつつ次のOPにいきます!
GM:佐陀さんは登場侵食をお願いします。
佐陀コトノ:39+1d10
DoubleCross : (39+1D10) → 39+4[4] → 43

GM:佐陀さんには、部室で新入部員と一緒にメンバーどうしよ~とオロオロしてもらいつつ
GM:ムセイオンになんか……いるらしいよ!という情報をキャッチし、現地に飛んで頂こうと思います。
佐陀コトノ:なんか……いるらしい!
佐陀コトノ:分かりました!

■六壬学園高等専門学校 ライブハウスMETEORミーティア
GM:六壬学区に数多く点在する繁華街。
GM:複雑に積み重なった雑居ビルの一角に、現代神楽部の本拠地は存在する。
GM:ライブハウスMETEOR。現代神楽部が晴れて部活動として認められた際に、割り当てられた部室だ。
GM:ノヴァリスでは、学校の支配力は街全体に及ぶ。申請すれば校外の事務所や店舗でも部室として認められるのが一般的だ。
LUNA-C010:「そんで、コトノちゃん」
LUNA-C010:「結局新しいメンバーは見つかったわけ?」
GM:機械のボディの上からスカジャンを羽織った社会人が、ウーロン茶を差し出しながら君に話しかけてくる。
LUNAーC010
GM:このライブハウスの店長、”LUNAーC010”。
GM:店員や常連からは、”ルナシーさん”の通称で呼ばれている。
佐陀コトノ:「あ、あの、それが……ええとぉ……」
佐陀コトノ:六壬の制服姿にオーバーサイズのパーカーを羽織り、ギターケースを背負った少女
佐陀コトノ
佐陀コトノ:ウーロン茶を両手で丁寧に受け取りながらも視線は困ったように右往左往している
LUNA-C010:「ま、その様子見てればわかるけどね」
佐陀コトノ:「はい…………」がっくりと肩を落とす
LUNA-C010:「もういいじゃん別に?今年出れなくても来年だってあるんだしさ」
LUNA-C010:「焦って半端な奴入れちゃったら後で揉めたりするんだよ」
LUNA-C010:「コトノちゃんにはなんつーか、そういう安易な路線に行ってほしくないっつーか」
LUNA-C010:「孤高でよくない?みたいな」
LUNA-C010:LUNA-C010はちょっと面倒くさいタイプのロック好きだった。
佐陀コトノ:「で、でも! あの、どうしても出たいんです、今……!!」
由利クルミ:「佐陀さんの言う通りです!!」バン!と店の扉を勢いよく開けて入ってくる。
佐陀コトノ:「ひゃっ!!」驚いたようにビクッと
由利クルミ
由利クルミ:赤い髪を両脇で結った、活発な印象の少女だ。背中には真新しいギターケースを背負っている。
由利クルミ:「私達には今!今しかないんです!!」
由利クルミ:「今湧き上がるこの気持ちを、音にしてぶつけるのが……ロック!!」
由利クルミ:「そうだよね!佐陀さん!」
GM:“飛簾” 由利クルミ。現代神楽部待望の新入部員だ。
GM:六壬大祭での演奏の後、少なくない数の生徒が現代神楽部の門を叩いた。
GM:しかし、その習得の難しさや、部長である君の人見知りなどが災いし、部員として定着したのは由利クルミただ一人だった。
佐陀コトノ:「び、びっくりした……」驚いた拍子に零れる麦茶
佐陀コトノ:「……で、でも由利さんの言う通りで、その」
佐陀コトノ:「わ、私達には、っていうより『音楽』には、今この瞬間しか無くて」
由利クルミ:「うんうん」君の絞り出す言葉を笑顔で聞いている。
佐陀コトノ:「か、仮に来年にチャンスがあったとしても、それはまた別の『音楽』で、今私達が出来る『音楽』はもう二度とやれないかもしれなくて……!!」
佐陀コトノ:「だ、だから、あの、絶対にチャンスを逃したくないんです……!!」
佐陀コトノ:「……あっ大きい声だしてごめんなさい……」急に声が萎みだして縮こまる
由利クルミ:「佐陀さん……わかる!!」縮こまった手を握る。
佐陀コトノ:「ひゃっ、ゆ、由利さん!?」握られたまま硬直する。人に触られることに慣れていない
由利クルミ:「一年後の私達は、違う私達だもんね!今できる精一杯をやらなくちゃ!」
佐陀コトノ:「ふぁ、ふぁい……」明らかに呂律が回っていないか細い声
LUNA-C010:「確かに早めにメンバー増やさないと精神衛生上悪そうだな……コトノちゃんの」
由利クルミ:「もう、店長さんは黙ってて下さい!それでね、佐陀さん!」
由利クルミ:バッグの中からスマホを取り出し、アプリを立ち上げる。
佐陀コトノ:「アッはい、な、なんですか……?」
由利クルミ:「私、ミンストでバンドに興味がありそうな人を色々探してみたんだけど」
GM:ミンスト。正式名称minstrailミンストレイル
GM:吟遊詩人を意味するminstrelと、足跡を意味するtrailを組み合わせた造語で、ノヴァリスではTwinkleトゥインクルと勢力を二分する新興のSNSだ。
GM:投稿の手軽さに特化したトゥインクルに対して、ミンストは画像とストーリー機能による活発なユーザー間交流に重きを置いている。
GM:君達生徒の間では、陰キャのトゥインクル、陽キャのミンスト。という棲み分けが自然に形成されていった。
由利クルミ:「やっぱり、バンド活動が活発なのはメサイアやラス・ヴィダスだよね」スッスッと慣れた手付きで操作しつつ
由利クルミ:「この人達なんてどうかな?」
由利クルミ:何人かのアカウントが順に表示される。
佐陀コトノ:(み、ミンスト……!! あの噂で聞くキラキラ人間御用達のSNS……!!)
GM:君の危惧するように、圧倒的陽の気をまとったウェイウェイした見た目の生徒たちが映し出される。
GM:それだけならまだしも、気合の入ったタトゥーやピアスを入れた不健康そうな生徒や、目の焦点が定まっていない者も多数見受けられる。
佐陀コトノ:「え、えええ……?」かなり困惑した声
由利クルミ:「確かに、見た目はちょっととっつきにくいかもしれないけど……」
由利クルミ:「人を見かけで判断しちゃいけないと思うの!!」
佐陀コトノ:「い、いや、あの、それはそう! なんですけど!!」(これは絶対ダメなやつだー!!)
由利クルミ:「ほら、演奏上げてる人とかもいて……」
由利クルミ:動画を再生する。下手ではないが、正直君の実力からすると物足りない印象を受けるものばかりだ
佐陀コトノ:「う、うーん……」店長の言葉ではないが、演奏を任せるには非常に不安が残る
佐陀コトノ:「あ、あの、由利さん、探してくれたのは嬉しいんですけど……いやでも……」
佐陀コトノ:人数も時間も足りていないことは事実だ。今からサポートでもメンバーを探さなければ確実に間に合わない
佐陀コトノ:妥協はしたくない、けれどどうしようもない現実的な問題が立ちはだかっているのも確かで、ただ困ったように固まってしまう
由利クルミ:「あ……ご、ごめんね佐陀さん。私、また空回りしちゃって……」君の様子を見て勢いを弱める。
由利クルミ:「わかってるの……大事なバンドのメンバーだもん、そんな簡単に決められないよね」
由利クルミ:「それに私なんて、人のことより先ず自分が演奏の練習しなきゃだし……」
佐陀コトノ:「えっあの、そ、そんな空回りなんて……!!」
佐陀コトノ:彼女のために言うべき言葉を何とか必死に考える、けれど全然出てこない
由利クルミ:「けど、私どうしても佐陀さんと一緒にステージに立ちたくて」
由利クルミ:「佐陀さんの演奏で歌った時、私、初めて歌うのが楽しいって思ったの」
由利クルミ:「それまでは、歌で何かを伝えられるなんて思ったこともなかったから」
GM:彼女はアイヌの巫女トゥスクルの末裔で、表の世界では記録に残っていない、秘された神謡カムイユカラの伝承者だ。
GM:彼女の一族にとって唄とは神霊との対話であり、余人に聞かせる事は本来禁忌にあたる。
GM:唄に呪力を乗せる彼女の能力は、思いの外君の演奏との相性が良かった。
GM:(その分ギターの腕は素人同然だが、持ち前のひたむきさと要領の良さで急成長中だ)
GM:全く異なる宗教観から生まれた呪術体系を取り込んで尚術式が作動していることは、君の現代神楽が稀有な拡張性を持つことの証左と言えるだろう。
GM:それは同時に、彼女の唄は現代神楽のフィルターを通すことでのみ、人間が聞くことのできる音になることを意味していた。
佐陀コトノ:「…………由利さん」
佐陀コトノ:自分だってそうだ。今までひとりぼっちで演奏を続けて、続けて、とうとう初めて出来た仲間
佐陀コトノ:彼女の言葉が嬉しくて、だからこそ謝らせてしまった自分が、コミュニケーションが下手くそな自分が大きらいで、情けない
佐陀コトノ:彼女と一緒に舞台に立ちたい。一緒に最高の音楽を届けたい。だけどその方法だけが分からない。
由利クルミ:「はぁ……けど、もう諦めるしかないのかな……応募締め切りまであと3日しかないんだもん」
由利クルミ:「こんな調子じゃ、とても新しいメンバーなんて……」
LUNA-C010:「……あー」
LUNA-C010:二人のやり取りを気だるげに眺めていたが、見かねて口を挟む。
LUNA-C010:「……あるよ、アテが一つだけ」
佐陀コトノ:「て、店長……?」
LUNA-C010:「ほれ」動画が再生されたままの端末を放り投げる。
佐陀コトノ:「あっ」ポスッとその端末が両手で受け止められる
GM:激しい曲調の演奏が流れてくる。メタルバンドだ。
GM:君から見ても相当に上手い。特に、全体を支えるドラムの力強くも正確無比なリズムは白眉だ。
GM:重低音が響く度に、心臓が掴まれたかのように熱くなる。
GM:それは決して、気の所為と言うだけではない。彼女達の演奏は、微かに呪力を帯びていた。
佐陀コトノ:「……!!」
LUNA-C010:「何年か前までは良く名前を聞いたバンドでさ、ムセイオンの子たちなんだけど」
LUNA-C010:「バンド名は確か、『原罪星飢シンせいき』」
GM:よく見ると、メンバーは歌舞伎の隈取のような過剰なメイクをしている。
佐陀コトノ:「む、ムセイオンってあのムセイオンですか……!?」
LUNA-C010:「そうそう、あのムセイオン」
LUNA-C010:「基本配信でしか活動してなかったんだけど、一回だけやった生のライブがメチャクチャ凄くてねぇ」
LUNA-C010:「ふざけた格好だけど、実力は文句のつけようがないっつーか、特にそのドラムの子」
LUNA-C010:「その子がリーダーで、あだ名は"化粧師"」
佐陀コトノ:「"化粧師"……」
LUNA-C010:「けど、最近はとんと名前を聞かなくなってね」
LUNA-C010:「もしかしたら、紛争で死んじゃったのかも」
LUNA-C010:「とまあ。その程度の、あんまり期待はできない話ではあるんだけど」
佐陀コトノ:「…………」
佐陀コトノ:コップを置いて、ガタッと立ち上がる
由利クルミ:「佐陀さん?」
佐陀コトノ:「……由利さん」
佐陀コトノ:彼女の両手を今度はこちらからぎゅっと握る
佐陀コトノ:「わ、私探してみます。その"化粧師"って人」
佐陀コトノ:「あの人の演奏なら絶対にドラムを任せられる、最高の演奏が出来る。だから」
佐陀コトノ:「絶対出よう、前夜祭ロックフェスに!!」
由利クルミ:「佐陀さん……!うん!絶対出ようね!」手を握り返す。
由利クルミ:「あ!それじゃ、私も一緒に……」歩き出そうとして、ガッ、と肩を掴まれる
LUNA-C010:「お前は練習しろ」
LUNA-C010:「今の腕じゃ出ても恥かくだけだぞ。コトノちゃんがでかけてる間にみっちり鍛えてやる」
由利クルミ:「そ、そんな~……!」
佐陀コトノ:「が、頑張ってね由利さん……」
由利クルミ:「佐陀さん……!私、待ってるから……!」
由利クルミ:「一日三回連絡するからね……!」
佐陀コトノ:「さ、三回はちょっと多いかな……」
佐陀コトノ:「でも、うん、待ってて」
佐陀コトノ:先ほどまでの不安な様子はどこかに吹っ飛んだように、その声は弾んでいて
佐陀コトノ:ギターケースを大事に背負い直し、ライブハウスを後にする
佐陀コトノ:足取りはただひたすらに、ムセイオンアートスクールを目指して

GM:シーン終了。ロイスが取れます。
佐陀コトノ:由利クルミ 友情〇/陽キャのオーラが眩しい で取得します
GM:OK!

 

 OP:4/『お笑い芸人は親しみやすくあるべき』

GM:続いて甘崎さんのOPです。登場侵食をお願いします。
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (40 → 50)
GM:最初からフルスロットル
甘崎リンコ:お笑いに必要なものはやる気だからね
GM:このシーンでは、甘崎さんには通行人に通り魔的にネタを刺していってもらいます。
甘崎リンコ:そんなことあるんだ わかりました 抱腹絶倒ギャグをお見せします
GM:その途中で挙動不審な少女を見かけ……
GM:というわけで、ムセイオンにやってきた佐陀さんにも引き続き登場してもらいます。
GM:特別に登場侵食1でいいよ。
佐陀コトノ:圧倒的感謝……!!
佐陀コトノ:43+1d1
DoubleCross : (43+1D1) → 43+1[1] → 44


■ムセイオンアートスクール 市街地
ムセイオン市街
GM:ムセイオンの市街地は高層ビルも少なく、乾燥した気候に欧風の建物が並ぶ風光明媚な景色が続く。
GM:人通りもそれなりに多いが、生徒の姿は見えない。
GM:ムセイオンの生徒は日々の大半を自身のアトリエで過ごす。必然的に、学区の運営は先住市民や社会人が担っている。
GM:通りを家族連れの先住市民が歩いてくる。
GM:最近この学区に越してきた様子で、他所と違い生徒間の抗争もない平和な生活にとても満足していた。
GM:絵に書いたような幸せな一家に迫る、怪しい影……
甘崎リンコ:腕組みをし、値踏みするように人々を眺める一人の女。
甘崎リンコ:すらりとした長身に長い黒髪。冷たい印象を与える顔立ちに表情は伺えず、近づきがたい雰囲気を増している。
甘崎リンコ
甘崎リンコ:しかし、そんなことはお構いなしに眼鏡を指で押し上げるとすたすたと家族連れに近づいてくる。
甘崎リンコ:「あなたたち」凛とした声で話しかける。
甘崎リンコ:「うぐいす肉」
先住市民(母):「……え?」
甘崎リンコ:「………………」
甘崎リンコ:「………………」
甘崎リンコ:「……もしかして、まだこの『高み』には至っていないのかしら?」
先住市民(娘):「お、お母さん……」怯えた様子で母親に抱きつく
甘崎リンコ:「今のネタに、説明が必要かと聞いているの」
甘崎リンコ:「……大丈夫、嘆くことはないわ」子供の様子を見て、くいと眼鏡を押し上げる。
甘崎リンコ:「仕方がないわ。あなたたちはまだ真の笑いを知る前……いわばビフォア・甘崎リンコなのだから」
先住市民(母):「は、はぁ……」理解が追いついていない様子で
先住市民(母):「ええと、あの、それでは……」
甘崎リンコ:「待って。あなたたち、真の笑いを理解せずに人生を過ごそうとしているの?」
甘崎リンコ:立ち去りそうな様子を見て目を光らせる。
先住市民(娘):「お母さん……このお姉ちゃん怖い……」
甘崎リンコ:「良い?これの元となっているのは、言うまでもなく『鶏肉が取りにくい』というダジャレよ」
甘崎リンコ:勝手に説明を始める。
先住市民(母):「ひっ!?す、すみません」
甘崎リンコ:「しかし……取りにくい鶏肉とは何なのか?取りにくいといっても様々な意味があるわ。鳥自体が希少なのか、捕らえる難易度が高いのか」
甘崎リンコ:「しかしそうやってイメージのしにくいものだと、どんな味がするんだろう・おいしそう・食べてみたい……そう言った感想が出てきてしまい、『取りにくい鶏肉』から外れてしまう」
甘崎リンコ:「そうやって意識が逸れてしまうことは、笑いへのノイズとなるわ」
甘崎リンコ:「ならば、真の『取りにくい鶏肉』とは、想像しやすい身近な鳥、かつ、取れる部位が少なく、食用として一般的ではない……」
甘崎リンコ:「うぐいすの肉。すなわち、うぐいす肉よ」
甘崎リンコ:「これが真のお笑い……データと理論に基づいた、究極のギャグ」
甘崎リンコ:「どう?抱腹絶倒でしょう?」
甘崎リンコ:「大笑いよね?」
甘崎リンコ:有無を言わさず圧力を持って、長身の無表情な眼鏡の奥から冷たい瞳が射抜く。
先住市民(母):(笑わなきゃ殺される……!)
先住市民(娘):「意味わかんない」
先住市民(母):「こらっ!!」
甘崎リンコ:ぎろりと子供を睨む。
先住市民(母):「ゆ、許してください!子供の言うことですから!」娘を庇うように抱き寄せる
先住市民(母):「私はどうなってもいいですから……娘だけは!」
甘崎リンコ:「……いえ、仕方がありません。笑いにもターゲットというものがありますからね」小さく頭を振る。
甘崎リンコ:「真の面白さを理解するには教養が必要……小さな子供では理解できないのも仕方がないことよ」
甘崎リンコ:「少し想定年齢が高かったようね。勉強になったわ。ありがとう」
甘崎リンコ:子供を撫でようと手を伸ばすが、血走った目に震える手はめいっぱい開かれている。怖い。
先住市民(娘):「フーッ!フーッ!」
先住市民(母):「あの、とても勉強になりました……わたしたちはこれで……」
先住市民(母):娘を抱きかかえて、着た道を反対方向に逃げていく。
甘崎リンコ:それを追うような真似はしない。一度『適正』がないと判断したものに必要以上に執着はしない。
甘崎リンコ:「今の子は感情が欠落していたのかしら……」
甘崎リンコ:「しかし……この反応では今のネタは究極のギャグとは言えないのかもしれないわね……」
甘崎リンコ:「困ったわ……私にはこれ以上伸びしろがあるというの……?」
甘崎リンコ:そう呟きながら次なるターゲットを探す。
道行く社会人:一連のやり取りを見ていた他の通行人は、誰もが君と目を合わせないよう、俯きながら足早に通り過ぎていく。
甘崎リンコ:「ちょっと!真の笑いを理解したくはないの?」
甘崎リンコ:目を合わせないように通り過ぎていく人々に声をかける。
道行く社会人:「……」サッと海を割るように君を避けて道の端へと寄る。
GM:そんな中、一人フラフラと道の真ん中を行ったり来たりする小柄な人影が目に留まった。
GM:君の先程のやり取りにも気づかなかった様子で、不安げにウロウロキョロキョロと辺りを見回しては、溜息をついてしゃがみ込んだりしている。
甘崎リンコ:「あの子は……」
甘崎リンコ:「私の『真の面白』を体験したことで感動をしているのね?」
甘崎リンコ:「ふふっ、見る目がある子だわ……」そう呟いて近寄る。
甘崎リンコ:「あなた、大丈夫?新世界を知った気分はどうかしら?」
佐陀コトノ:「えっあっ」
佐陀コトノ:突然声を掛けられたことに驚きながら振り向く
佐陀コトノ:意気揚々とムセイオンアートスクールに向かったは良いが、案の定道が分からなくなり右往左往していた
佐陀コトノ:ムセイオンの学区なのだから通りすがりの人に話しかければ良いのだが、それも上手くいかない。知らない人に話しかけること自体陰キャにはハードルが高すぎるからだ
甘崎リンコ:「困っているようね……」
甘崎リンコ:「困っているということはつまり……笑顔が必要よね?」
佐陀コトノ:「えっあの、はい……?」
佐陀コトノ:言ってることはよく分からないが、とりあえず頷く
甘崎リンコ:「いいわ。私は孤高のお笑い芸人、甘崎リンコ」
甘崎リンコ:「笑顔が必要な人にこれほど最適な人間はいないと言えるわね。あなた、運がいいわ」
甘崎リンコ:「どうしてか……ピン芸人というのは評価が低いようだけれど」
甘崎リンコ:「気持ちは分からないでもないわ。一人でやれることは複数人と比べると限度がある」
佐陀コトノ:「あっはい……」
甘崎リンコ:「ただ……ピンでも遜色なくやれるもの。いえ、一人だからこそ出来る事」
甘崎リンコ:「『あなた』と対面している人物を演じる。一人の人間の『あるある』を見せる事……」
甘崎リンコ:「これは、一人であることの強みを最大限生かした形態のギャグだと言えるわ。今からそれを見せてあげる」
甘崎リンコ:「いらっしゃいませ」
甘崎リンコ:「…………………………」
甘崎リンコ:「…………………………」
甘崎リンコ:「番号でお願いします」
甘崎リンコ:「…………………………」
甘崎リンコ:「ありがとうございました」
甘崎リンコ:「どう?」
甘崎リンコ:「面白かったわよね?」
佐陀コトノ:「…………………………」
佐陀コトノ:「…………………………」
佐陀コトノ:「????????」
甘崎リンコ:「今のはどこからどう見ても、コンビニ店員だったと思うけれど?」
佐陀コトノ:「あっはい……そう、だと思います……?」
甘崎リンコ:「コンビニ店員と言っても千差万別……ならば最も人々が理解を示す姿は、理想のコンビニ店員」
甘崎リンコ:「礼儀正しく、余計な会話はしない。真面目で勤勉、さらにタバコの銘柄のみを告げた客に毅然と番号を求める度胸もある」
甘崎リンコ:「それで逆上した客に殴られても微動だにせず黙って耐え、退店する姿を見送る……」
甘崎リンコ:「失われし詫び寂びを感じさせる、心の柔らかいところに訴えかけるギャグだったでしょう?」
甘崎リンコ:「あなたも元気が出たわよね?」
甘崎リンコ:すさまじい圧。
佐陀コトノ:(?????????????)
甘崎リンコ:「ふふっ……感銘で声も出ないのかしら?」
佐陀コトノ:今のってギャグだったんですか?
佐陀コトノ:絶対に言えない。言ったら多分殺される
甘崎リンコ:「あなた……楽器をする人なのかしら」じろじろとコトノちゃんを見ている。
佐陀コトノ:「はっはい!! い、一応ギターやってて……」
甘崎リンコ:「ふふ、なるほど……」
甘崎リンコ:「なら私の事が好きよね?」
甘崎リンコ:「バンドマンはお笑いが好き。この世の真理よ」
佐陀コトノ:「は、はぁ……」
佐陀コトノ:(……もしかして、これって今のギャグで笑えってこと……?)
佐陀コトノ:「ええと、あの、その……!!」
甘崎リンコ:「ふふっ、芸人は自分のファンを大事にするものよ」
甘崎リンコ:「何でも言ってごらんなさい」
佐陀コトノ:(い、いつの間にかファンにされている……!!)
佐陀コトノ:「あっじゃあ、道を聞きたいんですけど……」
甘崎リンコ:「道を?構わないわ」
甘崎リンコ:「私は他のムセイオン生と違って、地域の方々との交流にも重きを置いているもの」
甘崎リンコ:「このあたりの事なら大体わかるわ」
佐陀コトノ:「他のムセイオン生……?」
佐陀コトノ:「も、もしかしてムセイオンアートスクールの生徒さんですか!!」
甘崎リンコ:「ええ、勿論」
甘崎リンコ:「こんなに高尚なお笑いの研究は、なかなか他所ではやれないもの」
甘崎リンコ:「あなた、ムセイオンにご用事?」
佐陀コトノ:「は、はい!! そうなんですけど道が分からなくて……」
甘崎リンコ:「ふふっ、なるほどね。やはりあなたは運がいいわ」
佐陀コトノ:「良いのかなこれ…………」
甘崎リンコ:「ムセイオン生はいつもアトリエに籠っているけれど。その分セキュリティには気を付けているのよ」
甘崎リンコ:「……………………」
甘崎リンコ:「そこは『へー、かっこいい』でしょう?」
佐陀コトノ:「ひっ! す、すみません!!」
甘崎リンコ:「どう考えても今の言葉の中には『隣の家に囲いができたんだって、かっこいい』『塀が出来たんだって、へー』という従来のギャグの発展形だったでしょう」
甘崎リンコ:「まあいいわ……急にこの『高み』に登れというのは無理があるもの」
甘崎リンコ:「どうしてムセイオンなんかに来ようと思ったの?」
佐陀コトノ:(誰か助けて……)
佐陀コトノ:「あの、文化祭の前夜祭ロックフェスに出るためのメンバーを探してて……」
佐陀コトノ:「む、ムセイオンに"化粧師"っていう凄腕のドラマーの方がいると聞いたので探しに来てるんです……」
甘崎リンコ:「なるほど、文化祭に……え?」
甘崎リンコ:「"化粧師"……?」
甘崎リンコ:「あなた……"化粧師"と関係があるの?」
甘崎リンコ:ガッとコトノちゃんの肩を掴む。
佐陀コトノ:「ひっ!!」
佐陀コトノ:「ぜ、全然知らないです!! ど、動画で演奏を聞いただけで!!」
佐陀コトノ:必死に首を左右にぶんぶん
佐陀コトノ:「あ、あの、"化粧師"さんのことをご存じなんですか……?」
甘崎リンコ:「なるほど、そういうこと……」コトノちゃんの様子を見て彼女を解放する。
甘崎リンコ:「そうね……ええ、私なら……あなたの力になれるかもしれないわ」
甘崎リンコ:「あなた、名前は?」
佐陀コトノ:「さ、佐陀コトノです…………」
甘崎リンコ:「佐陀ね。佐陀、ついてきなさい」
甘崎リンコ:「『お笑い芸人は親しみやすくあるべき』……かの有名な甘崎リンコの言葉よ」
甘崎リンコ:「困ってる人間を放っておいたりしないわ」
佐陀コトノ:「は、はい……」
佐陀コトノ:(今多分一番困ってます……)
甘崎リンコ:「そうね……私もできることなら、佐陀と"化粧師"を引き合わせてあげたい」
甘崎リンコ:「そして、佐陀を一流の芸人にしてあげたい」
甘崎リンコ:「そのために尽力しましょう。行くわよ」
佐陀コトノ:「あっ分かりました……」
佐陀コトノ:「…………芸人??」
甘崎リンコ:「足りないのよね、人数が……」颯爽と踵を返し歩き出す。
甘崎リンコ:「ピン芸人の良さを理解しないなんて……いえ」
甘崎リンコ:「私が出るとあまりにも面白すぎることを危惧しているのかしら……?」
甘崎リンコ:そう呟きながらすたすたと、ムセイオンに向かって歩き出す。
佐陀コトノ:(ごめん由利さん、私は怖い人に捕まってしまいました……)
佐陀コトノ:そう思いながらとぼとぼと彼女の後をついてゆくのであった

GM:シーン終了!ロイスが取れるよ!
甘崎リンコ:"化粧師"/●P:執着/N:偏愛
佐陀コトノ/●P:仲間/N:不安 でロイス取得!

佐陀コトノ:甘崎リンコ 親切……?/怖い〇 で取得します
甘崎リンコ:怖いの?新世界が
佐陀コトノ:滅茶苦茶怖いです…………

 

 OP:5/『ムセイオン→芸術→奉納→儀式剣→刀剣?』

GM:ユージン先生のOP!登場侵食をお願いします
ユージン・マディス:34+1d10
DoubleCross : (34+1D10) → 34+5[5] → 39

GM:ユージン先生は、文化祭の準備とかで新年早々職員室に詰めています
GM:そこでアリト先生への怪しげな年賀状を見つけるのですが
GM:そのアリト先生も目の前にいます
ユージン・マディス:たいへんだ
GM:じっくり激詰めしてあげて下さい

■中央市街地 職員室オフィス

GM:年が明けて数日経ち、君はひと足早く職員室に戻ってきた。
GM:合同文化祭の顧問になどなったせいで、生徒からの申請や相談の諸々に対応しなければならないのだ。
GM:合コン委員会から差し入れられたおせちの残りをつつきつつ、仕事を進める。
雨月夜カナン:「じゃあ、出張カフェの申請、確かに渡しましたので」
雨月夜カナン
雨月夜カナン:「よろしくおねがいします」
雨月夜カナン:「マディス……さん」
ユージン・マディス:「どーもご苦労」
ユージン・マディス
GM:君のことを"先生"と呼ぶ生徒は、まだまだ少ない。
GM:八月革命で理事会側に立っていた経歴は、彼女達を警戒させるには充分なものだった。中には実際に矛を交えた生徒もいる。
アリト:「はい、お疲れさまでした……」 カチカチとマウスを動かし、何かを作図している。
アリト・ザファル・モリアーティ
ユージン・マディス:黒豆をスプーンですくい取って口に流し込む。
ユージン・マディス:「年末年始くらい大人しくしてほしいもんだ」
ユージン・マディス:もともとFHの末端である。忙殺や激務は慣れているものの、針のむしろであることは変わりない。「ステージの設営担当は?」
アリト:「大人しく? それは彼女たちには大変難しいでしょうね……まだ、その準備段階ですし……」
アリト:「ステージ設営はムセイオンの皆さんが精力的にスケジュールを詰め込んでいましたよ」
雨月夜カナン:(精力的にと言うか……)
雨月夜カナン:「そっか、まだ職員室には泣きついてきてないんですね」
ユージン・マディス:「オレは一度も見たことないんだが。本当に問題ないんだろうな、アリト教師長」
ユージン・マディス:佃煮をスプーンで放り込み、お茶で流し込む。
ユージン・マディス:おせちをどかし、机の上に溜まった書類を確認する。
アリト:「奇遇ですね」
アリト:「実は私も一度も見たことがありません。楽しみですね」
雨月夜カナン:「心配なら見に行ってあげれば良いんじゃないんですか?」
雨月夜カナン:「別に、生徒からの要請がないと動けないってわけじゃないですよ。職員室も星室庁も」
雨月夜カナン:「アリト先生なんて、いっつもどっかに首突っ込んでるし」
アリト:「おお。名案では?」
ユージン・マディス:「職員室がそうだろうが」
ユージン・マディス:「同じことを、オレに許可していいのか。雨月夜」
アリト:「ユージン先生は美術にご興味がおありでは? 造形力学に明るいと伺った記憶があります」
ユージン・マディス:「構造物全般だな。音楽やダンス以外なら」
ユージン・マディス:「くそっ、自分で言ったら刀剣分が不足してきた……」
雨月夜カナン:「そういう言い方してるから生徒から距離置かれるんですよ……あ、はいこれ」
雨月夜カナン:机の上に手紙の束を置く。
アリト:「おっと。お手紙ですか」 カチカチとマウスを動かしている。
雨月夜カナン:「年賀状ですよ。メールだけじゃなくてポストもちゃんと一日一回は見て下さい」
ユージン・マディス:「くそっ。誰か、レターカッターとかペーパーナイフとか持ってないか……」
ユージン・マディス:机に突っ伏しながら年賀状を見る。
アリト:「ユージン先生の発作が……。いや、手紙とか年賀状とか、苦手なんですよね……」
アリト:「紙一枚分でも十分に有効なテロ手段は無数にありますし……物理媒体にはいい思い出がなく……」
ユージン・マディス:「インターネット世代め。3Dプリンターじゃ聖剣は作れねえんだよ」
ユージン・マディス:代わりに年賀状をパラパラと整理する。
GM:君が宛名毎に年賀状を仕分けていくと、後ろの方に一枚だけ、アリト先生宛のものが見つかる。
アリト:「開封、お願いできませんか? 構造把握なら専門なのでは?」
ユージン・マディス:「面倒ごとを押し付けるな。……って」
ユージン・マディス:個人名あてのもの自体が珍しい。それを見る。
アリト:「最近では色々とあるんですよ。キャビテーション爆弾は泡一つ分だけで音速を超える衝撃波を発生させるし、フリンジ爆弾なんかも繊維一本だけで……」
GM:そこに書かれた、送り主の名前を指すアルファベットに、君の指が振れると
GM:ザラ、と、細かい砂を噛んだような感触がして、何か小さな粒子がこぼれ落ちる。
ユージン・マディス:「なに?」
GM:ブツンッ
GM:アリト先生が操作していたPCの画面が突如暗転する。
アリト:「わ」
GM:しばらくしてひとりでに画面が立ち上がり、映像が再生される。
アリト:「え」
GM:キーボードにはいつの間にか、淡い黄色の光を放つ菌糸がびっしりと表面に張り付いている。
アリト:「……ああ~……」
アリト:「物理と電子のハイブリッド。い、いま……進路相談用のプリントを作っていたのに!」
ユージン・マディス:「噂をすれば何とやらか」
"ラハブ":……ザザッ……
"ラハブ":『あけましておめでとうございます。先生』
アリト:「……おめでとうございます……」
"ラハブ":『ご無沙汰しております。"ラハブ"です。少し見た目は変わりましたが』
"ラハブ":『ご健勝な様子で何より』
ラハブ
GM:画面の向こうから、スーツ姿に異形の頭を生やした社会人が話しかけてくる。
ユージン・マディス:「おい。なんだこいつ」
雨月夜カナン:「"ラハブ"……って……」
GM:先の
セイクリッドピラー襲撃事件において、襲撃者を幇助したとみられる社会人。
アリト:「ノヴァリスに敵対的な存在、ということしかわかっていませんね。”大人”であることは間違いないと思うんですが……」
GM:ノヴァリス中で指名手配されているが、一向に行方がつかめなかった。
アリト:「年賀状まで送って来るとは思いませんでした」
ユージン・マディス:「あの機動兵器の元締めか?」
ユージン・マディス:少し目が光を取り戻す。
ユージン・マディス:「なんでそいつが年賀状を送ってくる」
"ラハブ":『"大人"ですから。こういった挨拶事は欠かさずやるべきかと』
"ラハブ":『確かに、私はノヴァリスの敵対者……はい、"ノヴァリスの解体"を目指す以上、そうではあるのでしょうが』
アリト:「う~ん納得いかない」
"ラハブ":『同時に、私は先生方と志を同じくする者だと思っていますよ』
"ラハブ":『生徒の将来を第一に考えている。という点に於いてはね』
ユージン・マディス:「直接顔も見せないでそんなことを言われてもな」
アリト:「こういう人、苦手なんですよね……ミンストで写真付きで投稿して欲しいですよね」
ユージン・マディス:「儀礼事を気にするなら直に来るのが一番丁寧だろう」
アリト:「で、何が目的でこんな年賀状を? 単なる新年のあいさつなら、いますぐノバイバイですが』
"ラハブ":『礼を欠いていることは重々承知しています。私も中々体が空かなくて困っているのです』
"ラハブ":『もちろん、有益なお話をご用意してきたつもりです』
"ラハブ":『ちょっとした豆知識ですが、お時間を頂いてもよろしいでしょうか』
ユージン・マディス:(おい、下がってたほうがいい) 通信に入らない程度に、カナンさんに指示する。
アリト:「……」 ユージン先生を見る 「聞きます?」
雨月夜カナン:「……」少しムッとしつつ、画面から距離を取る。
ユージン・マディス:(むっとするな。メッセージ終わったら自爆するパターンだろこれ)
ユージン・マディス:「お前がご指名だろ教師長。オレの判断でいいなら……」
ユージン・マディス:「聞かずに切るのは勿体ない。好き勝手に話させりゃいいだろ」
アリト:「満場一致です」 両手をあげる。
アリト:「悪いことをするときは、これが鉄則。……お願いします、知的好奇心が湧きますね」
"ラハブ":『ありがとうございます。それでは手短に……』
"ラハブ":『先生方は、ご自身がこのノヴァリスに初めて足を踏み入れた時のことを覚えていらっしゃいますか?』
アリト:「少しは」
ユージン・マディス:「なんで少しだ。当然覚えてる」
"ラハブ":『御存知の通り、ノヴァリスと外の世界は幾つかのゲートポータルで繋がっています』
"ラハブ":『マディス先生は革命以前にこちらにお越しですから、正規のゲートを通ったのでしょうね』
ユージン・マディス:(……今更だが、当然オレのことも把握済か。一方的に知られてるってのは気に食わないな)
ユージン・マディス:無言の肯定。
"ラハブ":『では、アリト先生は如何でしょう?革命以降、殆どのゲートは封鎖されました』
"ラハブ":『大半の位置をFHが把握しているのだから当たり前ですね。残ったのは僅かな"裏口"と』
"ラハブ":『どこからともなくひとりでに開く、即席の通路』
アリト:「仮にそれを私が覚えていたとして――」
アリト:「なにか面白い答えが返ってくると思われているのなら、緊張しますね……何と答えるのがいいのかな……」
アリト:「…………比内地鶏」
ユージン・マディス:「年始のバラエティ番組か?」
アリト:「あっ! ちょ、ちょっと待ってください……もう少しいいのがありました……」
アリト:「最近、ムセイオンの方の違法アップロードされている動画をみたせいで、若干偏りが出ています」
"ラハブ":『………成る程』
"ラハブ":『比内地鶏、決して悪くない例えです』
ユージン・マディス:「そこを深掘りするのか?」
ユージン・マディス:「このまま教師長が密かにもってるチャンネルで配信でもやりに来たのかお前ら?」
アリト:「しっ! ユージン先生、ラハブはかなりの理解力の持ち主。ここから要約が始まりますよ」
アリト:「わざわざここまでして接触してきたからには、何かあるはずです」
アリト:「なかったら、それこそ恐怖ですね。勝ち目がない」
ユージン・マディス:「アンタの勝ち負けの定義が分からん」
アリト:「いや、理解不能で怖いでしょう…なんの意味もなく年賀状ですよ…」
ユージン・マディス:「年賀状に大した意味ないだろ……」
"ラハブ":『それでは、先生を失望させないようにしないといけませんね』
"ラハブ":『話を戻しましょう。おそらくアリト先生は、外の世界に突然開いたゲートを通って、最高生徒会が持つ固定ゲートに飛ばされたはずです』
"ラハブ":『新しく来られた大半の先生はこのルートでしょう』
"ラハブ":『正規のゲートを通らずにやってくる方法もないことはないのですが……』
"ラハブ":『その場合は、短時間で弾き出されます。せいぜい数分といった所でしょうか』
ユージン・マディス:「行き来の問題はまあ、重要だな」
ユージン・マディス:「オレも何度か放り出されそうになったことはある」
アリト:「……出入口の話のようですね……それは、我々にとっても重要なポイントです」
"ラハブ":『正規のルートを通った無形の証明書のようなものがあるのです。限定的な偽造は不可能ではありませんが、それも精々一度に一人が限度』
"ラハブ":『これまでノヴァリスに関与した組織が皆、社会人へのハッキングといった間接的な方法を選択し』
"ラハブ":『仮に生身で訪れたとしても、単身によるものであったのはそのせいです』
"ラハブ":『FHの大攻勢を阻む要因でもありますね。外敵に対する生命線と言っていいでしょう』
ユージン・マディス:「勿体つけた言い方をしてくる」
"ラハブ":『失礼。では、本来固定されたゲートを使用せず、先生方の元へ自由にノヴァリス側からゲートを繋ぐ事が可能な仕組み』
"ラハブ":『その要が、ムセイオンに隠されていることはご存知でしたか?』
雨月夜カナン:「………」
アリト:「え」
ユージン・マディス:二人の顔色を確認する。
アリト:「……ユージン先生、ご存じでした?」
ユージン・マディス:「知ってたら捕まってないだろ」
アリト:「はっはっはっ」
"ラハブ":『ご存知ないようですね』
"ラハブ":『それも無理はないでしょう。最高生徒会は……ええ』
"ラハブ":『生徒たちは、先生方をまだ無条件で信用してはいない』
ユージン・マディス:「その要を使えば、外への自由な行き来が可能になるって?」
"ラハブ":『使い方によっては』
"ラハブ":『いえ、遣い手によっては、でしょうか。まあ大差はないかと』
アリト:「うん……それは重要な話だ……それに、利害も一致する、かも……」
ユージン・マディス:「ノヴァリス内での移動がかなり自由になる」
"ラハブ":『一度、確かめてみられる事をお勧めします』
"ラハブ":『私は先生方に、このノヴァリスの全てを知って頂きたい』
アリト:「まさしく。その点においてだけは、利害が一致しますね」
ユージン・マディス:「はん……」
"ラハブ":『知った上で、改めて聞かせて頂きたいのです』
"ラハブ":『彼女達を、この都市を、大人としてどう導くのかを』
アリト:「尋ねられていますよ、ユージン先生」 笑う
ユージン・マディス:「オレも、このノヴァリスに来たくて来たから、情報はありがたく貰うが……」
ユージン・マディス:「こっちも大人だ。お前のお仕着せの教科書は要らない」
アリト:「……ということです。どの先生に尋ねても、似た答えか……それともぜんぜん予想外の答えが返ってくると思います」
アリト:「情報提供、ありがたく」
ユージン・マディス:「どうにも視点が遠いやつばかりで気持ち悪いな」
ユージン・マディス:「もっと卑近なほうがオレは好きだが。その頭の材質いい金属使ってるな?」
"ラハブ":『新調したばかりです。前の顔は知られていますから』
"ラハブ":『もっとも、今回お二人とお話したので、またすぐ交換ですね』
ユージン・マディス:「前の顔をここで使ってからまとめて交換しろよ」
"ラハブ":『欲しければ差し上げますよ』
ユージン・マディス:蒲鉾をフォークで刺して塊で放り込む。「粘菌ついてそうだから断る」
ユージン・マディス:「話はそれだけか?」
"ラハブ":『はい。お時間を取らせました。関心を持って頂けたのならなにより』
"ラハブ":『それでは、失礼します、先生。また一年、よろしくお願いしますね』
GM:PCに貼り付いていた粘菌が蒸発し、画面がもとに戻る。
アリト:「うーん……」
アリト:「ムセイオンのこと、どう思いますか? ユージン先生……」
アリト:「私はアートに詳しくないのですが、とても興味深いと思いませんか?」
ユージン・マディス:「いまいち要領を得なかったな。手に入れて、具体的に何が出来るか分からない」
アリト:「さすが」
ユージン・マディス:「だがゲートか……」  ゲート→空間を開く機能→空間を斬る機能→刀剣の可能性
ユージン・マディス:「気にはなる」
雨月夜カナン:「……行ってもいいと思いますよ。私は」壁際から口を挟む
雨月夜カナン:「言っておきますけど、私も詳しくは知らないんで。シュエメイさんは知ってると思うけど」
アリト:「面白い意見です。ユージン先生、カナンくんがこう言っています」
雨月夜カナン:「聞かれても絶対答えないから、後で教えもらえると嬉しいかも」
ユージン・マディス:「信頼されてない、か」
ユージン・マディス:「それ自体はどうでもいいが……オレも、牢から出されるだけの仕事はしなきゃあな」
ユージン・マディス:「ラハブだけが知っててオレたちが知らないのは問題だろ」
アリト:「……そうですね」
雨月夜カナン:どうでもいいと言われてムッと眉を寄せる。
ユージン・マディス:にぼしを小皿まるごと流し込んで噛み砕く。
アリト:「お願いできますか? ムセイオン・アートスクール……」
アリト:「文化祭の主役の一つです。楽しくなりそうですよね?」
ユージン・マディス:「文化祭の主役。そうか。出し物……」
ユージン・マディス:ムセイオン→芸術→奉納→儀式剣→刀剣?
ユージン・マディス:「楽しみだな……!」
ユージン・マディス:すいません。ここで《マシンモーフィング》を使いたいです。
GM:OKです!何を買うのかな
ユージン・マディス:侵蝕39→42  狙いは、まずは普通に両手剣(達成値13)。
ユージン・マディス:AIDAによりダイス7。
ユージン・マディス:7dx+5
DoubleCross : (7DX10+5) → 9[4,5,6,7,9,9,9]+5 → 14

ユージン・マディス:買えた! 持っておきます。サンドシャード一回分。
GM:堅実
ユージン・マディス:《猫の道》。立ち上がり、近くの壁紙の境目に手を差し込む。
ユージン・マディス:壁に月光めいた波紋が広がり、手が奥まで沈む。そして引き抜いたときには、ありふれた直剣が握られている。
雨月夜カナン:ふーん…という顔で見ている。
ユージン・マディス:「スーーーーーーーッ」
ユージン・マディス:アイマスクのように鎬を顔に当てる。
ユージン・マディス:「よし。補充完了。……行くとするか、ムセイオン!」
雨月夜カナン:「うわ……」
アリト:(これさえなければ……)

GM:シーン終了!ロイスが取れます。
ユージン・マディス:干渉者/ラハブ/興味:/隔意:○/ロイス
ユージン・マディス:以上!
GM:OK!全員のOPが終了!
GM:次回はついに合流だ!

 

 MD:1/『アトリエ攻略戦、開始です!!』

GM:合流シーンです!全員登場!
ユージン・マディス:1d10+42
DoubleCross : (1D10+42) → 3[3]+42 → 45

ユージン・マディス:よし! 浅い
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (50 → 57)
佐陀コトノ:43+1d10
DoubleCross : (43+1D10) → 43+7[7] → 50

足原エイコ:44+1d10
DoubleCross : (44+1D10) → 44+4[4] → 48

後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (42 → 43)

■数日前 ムセイオンアートスクール 本校舎中央広場
ムセイオン校舎中央広場
GM:ムセイオンの本校舎は、それ自体が一つの美術館になっている。
GM:教室と呼べる部屋は殆どなく、九割以上のスペースが展示室として利用されている。
GM:中央広場は、この学校では数少ない生徒たちの共用スペースだった。
GM:今はそこに、かつてない数の生徒たちが集い、顔を突き合わせている。
GM:『流石にこれ以上締切伸ばすのは無理です』というイリスの再三の呼びかけに、ようやく重い腰を上げて、
GM:文化祭の制作物納入を遅延している2つのチームのメンバーがそれぞれ集まったのだった。
コイン担当の生徒A:「てか、今どきコインの裏面に実在人物の肖像ってどうなの?」
コイン担当の生徒A:「別にシオン会長が嫌ってわけじゃないけど、ねぇ……」
コイン担当の生徒B:「ノリがメサイアとかクリムゾンのやつなんだよな」
コイン担当の生徒B:「後なんか全体的に太くない?この……布面積も少ないし」
コイン担当の生徒C:「は?じゃあどうしろってのよ」
コイン担当の生徒C:「会長はこのくらいあったわよ。見たことあるもん」
コイン担当の生徒D:「やっぱりモロフレンズにしましょうよ。かわいいし」
コイン担当の生徒D:「私はテロロ様がいいと思います」
コイン担当の生徒A:「そもそもこういうグッズって本当にみんなもらって嬉しいのかな?」
コイン担当の生徒A:「昔のコインだって大量に余ってブラックマーケットに出回ってるしさ」
コイン担当の生徒D:「私はテロロ様がいいと思います」
コイン担当の生徒B:「まー普通のお金としても使えるし?」
コイン担当の生徒C:「コレクターが高値で集めてるから、昔は終わった後のコイン狩りが酷かったらしいよ」
コイン担当の生徒C:「999個集めると良いことあるんだって」
コイン担当の生徒D:「私はテロ……」
ライサ・アルヴェストロ:バンッ!!
ライサ・アルヴェストロ:「……貴方たち」
ライサ・アルヴェストロ
ライサ・アルヴェストロ:「いい加減にしなさい!!」
コイン担当の生徒A/B/C/D:「「「「!!!???」」」」
GM:一方隣の机でも……
ステージ担当の生徒A:「ねーこれ入れようよ、ジェネシスの最新ARエフェクター」
ステージ担当の生徒A:「USJ2に実装する筈だったのに計画ポシャって在庫になっちゃったんだって」
ステージ担当の生徒B:「それもいいけど、何でもかんでもCGに頼るのはよくないと思う」
ステージ担当の生徒B:「実物が用意できる所は実物でやりたいな。ほら、ここのステージから一斉に猛獣が飛び出す演出」
ステージ担当の生徒B:「地下に立体飼育ケージを作って順に射出するようにすれば、一瞬で会場をサバンナにできるよ」
ステージ担当の生徒C:「えー地下はダメだって。そのスペースはピラニア用のプール設置すんだから」
ステージ担当の生徒C:「ウケなかった芸人は床が抜けて下のプールに落ちんの。良くない?」
ステージ担当の生徒D:「いや、水だの生き物だの入れんのは良いけどさ」
ステージ担当の生徒D:「強度とか大丈夫?最後に変形しなくちゃいけないんだけど」
ステージ担当の生徒A:「まさかこんなことのために芸術巨人を派遣することになるなんてね」
ステージ担当の生徒B:「あーなんかこの前彫刻チームが納品してたモニュメントも巨人化するらしいよ」
ステージ担当の生徒B:「なんかあった時の鎮圧用に各会場に置いとくんだって」
ステージ担当の生徒C:「へー、それってイリスが手を加えるってこと?めずらし」
ステージ担当の生徒D:「あ、じゃあさ~やっぱりこっちも実弾を……」
ククル・K・C・ビショカルマ:バンッ!!
ククル・K・C・ビショカルマ:「……お前たち」
ククル・K・C・ビショカルマ
ククル・K・C・ビショカルマ:「いい加減にしてくれ!!」
ステージ担当の生徒A/B/C/D:「「「!!!???」」」
ライサ・アルヴェストロ:「貴方たちは何もわかっていません」
ククル・K・C・ビショカルマ:「一番大事なことを見落としている。全くもって嘆かわしい」
ライサ・アルヴェストロ:「今回ばかりはほとほと愛想が尽きました」
ククル・K・C・ビショカルマ:「こんな連中と一緒に物が作れるか!」
ライサ/ククル:「「私達は、一人でやらせてもらう!!!!」」
GM:………
GM:……
GM:…

■現在 同中央広場
イリス・ウィトルウィウス:「……ということがあったんですよ」
イリス・ウィトルウィウス:「ライサとククルはどちらもチームのリーダーですから、そこでぱったり作業も止まってしまって」
イリス・ウィトルウィウス:「二人共もうそれっきり何日も出てきませんし……」
足原エイコ:「自分のやり方を貫くのはすげーいいことだよね」
足原エイコ:「でもそれで作業止めちゃうのは……マズいっしょ!」
足原エイコ:「締め切りは絶対だからねぇ」
足原エイコ:自分のことは棚に上げ
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ……!連載持ってる漫画家はやっぱり違いますね」
イリス・ウィトルウィウス:「みんなも少しは見習ってくれるといいんですけど……」
足原エイコ:「で、そいつらにどうにか仕事させるってのが、イリスちゃんのミッションな訳ね」
イリス・ウィトルウィウス:「そうなんです。これ以上は私が関係各所に頭を下げるだけじゃ収まらなくなっちゃうので」
イリス・ウィトルウィウス:「流石に、叩き起こしてでも引っ張り出さないとだめかなって……わたしもたまには厳しいところを見せないと!」
イリス・ウィトルウィウス:「ただ、私一人だと問題があるんですよね」
足原エイコ:「へえどんな?」
イリス・ウィトルウィウス:「知っての通り、私は生徒たちの作品を傷つけることができません」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエは生徒の作品、作家性の具現そのもの」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエの中にこもられると、私では手出しができないんです」
足原エイコ:「そっか、確かにアトリエじゃ太刀打ちできないね……」
イリス・ウィトルウィウス:「向こうもそれをわかってるので、これみよがしにアトリエの入り口に鍵もかけてないですし」
足原エイコ:「……そこでこの、ノヴァリス1の漫画家が殴り込みってことだ!」
イリス・ウィトルウィウス:「はい!まさに!」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコのサポートという名目なら、私も少しは力を使うことができます」
足原エイコ:「イリスちゃんにはたくさんお絵かきするって大事な使命があるのに……その上、迷惑をかけるなんて」
足原エイコ:自分の爆発で漫研に与えた被害はおいといて
足原エイコ:「許せないねえ!」
イリス・ウィトルウィウス:「え?あっいえ、そこは別に……面倒を見るのも私の使命の内ですから……」わたわた
イリス・ウィトルウィウス:「けど、はい!私が許しても、社会は許してくれないこともありますからね!」
イリス・ウィトルウィウス:「ここは心を鬼にして……いざ!アトリエ攻略!!」
足原エイコ:「もお~」イリスたんの頭を撫でる
イリス・ウィトルウィウス:「あうう~、やめてくださいい」
足原エイコ:「……頼ってくれて、嬉しい」
足原エイコ:「褒められることはあっても、頼られることは全然ないからね!応えるよ、全力で」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ……ありがとうございます!がんばりましょう!」
イリス・ウィトルウィウス:「……とは言ったものの、二人だけだと心許ないのも事実ではありますね……」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエの中では、持ち主が絶対的に有利ですから」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコの力を信用しないわけではないですが、もう少し人数がいれば……」
後藤スダチ:扉の方から視線を感じるかもしれない。
イリス・ウィトルウィウス:「やや!」
後藤スダチ:体を半分扉の影に隠して、二人を見守っていた。
後藤スダチ:ニコッ…
足原エイコ:「む~ん……どこかに、協力的な人物が……」
後藤スダチ:「いますよ」ひそひそ
足原エイコ:「でも流石に都合よすぎか!」
後藤スダチ:「協力的な人物、いますよ」ひそひそ
足原エイコ:「漫画じゃないんだし……へ?」
イリス・ウィトルウィウス:「え、……あれ?」目を丸くして
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさん!?どうしてここに!?」
足原エイコ:「しかも知り合い!?流れがよすぎるよ!」
後藤スダチ:「じゃーん!文化祭実行委員の後藤スダチでーす!」両手を広げ、パッ、と物陰から現れる。
後藤スダチ:「イリスちゃん久しぶり~~!かわいいねー!」
後藤スダチ:抱きついて頭を撫でます。
イリス・ウィトルウィウス:「わ~い!お久しぶりです!スダチさ……ん?文化祭実行委員会……?」
後藤スダチ:「えへへへ、どしたのー?かわいいねー?」
イリス・ウィトルウィウス:「あわ……あわわあわわわあわ……」
足原エイコ:「わーっいきなり肉体接触なんてよ!いけないよ!」
イリス・ウィトルウィウス:ガバッ
イリス・ウィトルウィウス:抱きつかれた所から体を地面に伏せて、土下座に近い姿勢を取る。
イリス・ウィトルウィウス:「申し訳ございません!!!!!」
後藤スダチ:「えっ、本当にどうした!?」
後藤スダチ:『どしたのー?』とかわいがった相手が本当にどうした状態であることは少ない。
イリス・ウィトルウィウス:「明日には必ず!!耳を揃えて納品しますので!!!!」
イリス・ウィトルウィウス:「やればできる子たちなんです!!今はちょっとエンジンかかってないだけで!」
後藤スダチ:「ま、まあまあ……困ったことになってるのは私も充分わかってるから……!」
イリス・ウィトルウィウス:「え、あれ……?」恐る恐る顔を上げて
イリス・ウィトルウィウス:「取り立てに来たんじゃないんですか?」
後藤スダチ:「大丈夫。聞かせてもらった限りだと、そっちの子も助けてくれるんでしょ?」
後藤スダチ:「はじめまして、オフィサーの後藤スダチです。制作物の完成進捗を見させてもらいにきました~」
足原エイコ:「にこやかな笑顔で……ノータイムで引き金引くタイプの人じゃないのか……?!」
後藤スダチ:「文化祭実行委員に殺人鬼がいる想定とかしてる?」
イリス・ウィトルウィウス:「ウゥッ、進捗……」身が縮こまる
足原エイコ:「進捗はまあ……このイリスたんの様子で、分かってもらえるかな」
イリス・ウィトルウィウス:「えと、それじゃあスダチさんも……」
イリス・ウィトルウィウス:「協力してくださる、ってことですか?差し押さえに来たわけではなく」
後藤スダチ:「もちろん!イリスちゃんが困ってるなら助けるに決まってるよ!」
イリス・ウィトルウィウス:「うぅ…!スダチさぁん……!」
足原エイコ:「イリスたん……いいお友達を持ったねぇ……!」
イリス・ウィトルウィウス:涙目でスダチさんの手を取る。
後藤スダチ:「それに締切ギリギリまで作業してるってことはさ!どうせ制作物だって残り1ページとか2ページとかくらいまで進捗してて」
後藤スダチ:「頑張って作業したら一晩で終わる感じのやつとかなんでしょ?」
足原エイコ:「…………………」
イリス・ウィトルウィウス:「………………」
後藤スダチ:「全然心配することないってば!」イリスちゃんの背中をげんきよく叩く。
イリス・ウィトルウィウス:「ウッゲホッゴホッ……」
イリス・ウィトルウィウス:「ハイソウデスネ……」
後藤スダチ:「あっ、だっ、大丈夫!?そんな強く叩いたつもりなかったんだけどな」
足原エイコ:「強かったのは……言葉だね……」ほろり
イリス・ウィトルウィウス:「い、いえ……お気になさらず」
イリス・ウィトルウィウス:「それに、はい。決して間違ってはいません」
イリス・ウィトルウィウス:「(進捗はともかくとして)彼女たちが本気になれば、(ゼロからでも)一晩で完璧に仕上げてみせますとも!」
後藤スダチ:「うん、ムセイオンの皆ならやれると思う!……あ、そうだ」
後藤スダチ:「文化祭実行委員の人じゃない……よね?もし顔合わせたことあったらごめん!」エイコを見る。
後藤スダチ:「めーっちゃ人いるからな~ 地下鉄で移動してる生徒だっているし……!」
足原エイコ:「ああ、その通りだね」
足原エイコ:「神漫画研究会で会長をやっております、アシハラ・エイコです」
後藤スダチ:「え」
足原エイコ:「うちのイリスたんがお世話になってるようで……」右手を差し出す
後藤スダチ:「アシハラ・エイコ!?!?」
後藤スダチ:「ええ~~~っ本当!?『Vanquish!』すごい読んでます~!ひええ」
イリス・ウィトルウィウス:「はい!エイコは、"飛翔"の不動の看板漫画家、アシハラ・エイコなのです!」我が事のように胸を張る。
後藤スダチ:「えっ、えっ、私、『Vanquish!』めちゃめちゃ好きで……あの、ワニを召喚する能力の敵……いたじゃないですか!」
足原エイコ:「あっ、読んでくれてんの!マジか~」
後藤スダチ:「私あのキャラが好きで!」名前は全然出てこない
足原エイコ:「サーイケ・クロコダイルね」
後藤スダチ:「サーイケ・クロコダイル!そう!ワニだからクロコダイルなんだった」
後藤スダチ:「う、嬉しい~……あ、サインもらっていいすか……」
足原エイコ:「結構マイナーだと思うんだけど……でも、知ってもらえてると、でへ、嬉しいね」
後藤スダチ:「タブレットの裏……とかに……」
足原エイコ:「いや~偶然サインペン持ってたからな~!せっかくだし描いてあげちゃおっか!」
イリス・ウィトルウィウス:「仕方ないですね~普段はこういうのお断りしてるんですけどね」マネージャー面
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさんはお友達ですから、特別ですよ?SNSに上げたりしないでくださいね?」
後藤スダチ:「も、もちろん!そんな恐れ多いこと……!」
足原エイコ:シャッシャッシャ…… 流れるような手つきで描いていく
後藤スダチ:「筆速ッ!そんな一瞬で描けるんですね!?」素で驚く
足原エイコ:「週刊連載は、速さが命だからね……」
足原エイコ:タブレットの裏に、『アシハラ・エイコ』のサインの横で、サーイケ・クロコダイルがウインクをしている
後藤スダチ:「わ~得しちゃったな。うれしいな。今日はいい日になりそうな気がするな……」タブレットを両手で持って上げ下げしながら、小躍りみたいに回る。
足原エイコ:「ヘヘ……なんだか、わたしもそんな気がしてるよ……いいことってのは、連鎖していくからね……」
イリス・ウィトルウィウス:うんうんと頷いて「ともあれ、スダチさんが加わってくれるなら心強いことこの上ないです」
イリス・ウィトルウィウス:「なんだか行けそうな気がしてきましたね……アトリエ攻略!」
甘崎リンコ:その言葉を裏付けるように、あるいは否定するかのように。凛とした声が響いてくる。
甘崎リンコ:「いい?ダジャレを最も好まない年代は40代、最も好む年代は20代という統計がでているの」
甘崎リンコ:「つまり笑いを受け入れられないのは老化の始まりと言えるわ。若い感性は柔軟に斬新な笑いを取り入れ好むのよ」
甘崎リンコ:そんなことを一方的に隣の少女に語り掛けながら、長い脚でつかつかと歩いてくる。
佐陀コトノ:「あっはい…………」
佐陀コトノ:もういかにも泣きそうな顔をした少女が力なく相槌を打ちながら隣を歩いている
イリス・ウィトルウィウス:「おや、あのシルエットは……」
後藤スダチ:「あれ?観覧希望のお客さんかしら」パタパタと踊っていたのを止めた(恥ずかしいので)
イリス・ウィトルウィウス:「リンコじゃないですか。また外に出ていたんですか?」
甘崎リンコ:「あら……?イリスと……」
足原エイコ:「お、ウチの生徒?」
甘崎リンコ:「『お客さん』……?」じろじろと集う人々をみている。
後藤スダチ:「あ、どうも。文化祭実行委員の後藤スダチです」
佐陀コトノ:「り、リンコさん……!!」ブンブンとリンコに何かを主張するように首を横に振る少女
甘崎リンコ:「ふふ、ええ、分かっているわ……佐陀」
甘崎リンコ:「ネタを披露しろ……そう言っているのよね……!」
佐陀コトノ:「リンコさん……!!!!」
甘崎リンコ:「文化祭実行委員……ということは、私のネタを見に来たのよね?」
後藤スダチ:「えっ?私は普通に制作物の進捗管理で来てて……」
甘崎リンコ:「恥ずかしがらなくても大丈夫よ」
甘崎リンコ:「ピンだから文化祭の舞台にあの至高のお笑い芸人甘崎リンコが出られない……」
甘崎リンコ:「そういったことがあってはならないと自ら出向いてくれたのよね?」
後藤スダチ:「????」
佐陀コトノ:「ああ、ごめんなさい…………」
佐陀コトノ:非情に申し訳なさそうな、同時に悲壮感に溢れている声
足原エイコ:(そういやネタ探し中にムセイオンの都市伝説ってのを聞いたことがあったな)
足原エイコ:(髪の長い背の高い女が……不可思議な言葉を呟いて去っていくってヤツ!)
イリス・ウィトルウィウス:「あ!成る程!そういうことですか!!」合点がいった様子で
イリス・ウィトルウィウス:「つまり、貴方がリンコの相方になってくれるんですね!?」
甘崎リンコ:「まあ、そうだったの?」眼鏡を押し上げる。
佐陀コトノ:「!?!?!?!?!?!?」
イリス・ウィトルウィウス:佐陀さんの手を取り「凄いです!まさかこんな日が来るなんて!!」
佐陀コトノ:「あっ、えっ、あっ」
甘崎リンコ:「ふふ、確かに佐陀……佐陀コトノには才能があると思っていたわ」
甘崎リンコ:「今はギターをたしなむバンドマンだけれど、絶対に一流の芸人になれるって……」
佐陀コトノ:顔が青ざめて、力なく首を横にふるふる振っている
甘崎リンコ:「なるほど……私の相方まで上り詰める覚悟があると。そういうことだったのね?」
足原エイコ:(隣の子は多分巻き込まれたんだろうが……面白い、ここは成り行きに任せてみよう!)
イリス・ウィトルウィウス:「はい。私、前々からリンコはちゃんとしたツッコミがいてくれれば面白くなるのにと思っていました」
甘崎リンコ:「……?」
甘崎リンコ:「まるで今は面白くないみたいな言い方ね?」
佐陀コトノ:「……!!!!」
イリス・ウィトルウィウス:「面白さと言うのは人それぞれですからねぇ~」
甘崎リンコ:「まあ、仕方がないわよね。お笑いというのは一番AIには理解しづらい領域だもの」
イリス・ウィトルウィウス:「リンコはちょっと、そのままだと高みにありすぎるのです」理解はできずとも応援はできるのだ。
後藤スダチ:「隣の子めちゃくちゃ顔青くなってるけど大丈夫?」
甘崎リンコ:「大丈夫よ。佐陀はそう……ブルベ顔というやつなのよ。きっと」
足原エイコ:「せっかくならさあ、ネタ見てみたいな~」
佐陀コトノ:「あの、たすけてください……」
後藤スダチ:「助けを求めてる」
甘崎リンコ:「分かるわ、不安よね……」
甘崎リンコ:「いきなりこのレベルまで到達し、ネタを見せろといわれても不安で震えてしまうわよね」
甘崎リンコ:「いいわ。もうピンでできる機会もそうそうないかもしれないし……私が芸のお手本をみせてあげましょう」
佐陀コトノ:「ああ…………皆さん本当にごめんなさい……」
甘崎リンコ:「やはりピン芸人で強いのは、リズムネタよね」
甘崎リンコ:「意味など分からなくともなんだか耳に残る、楽しくなる……そういった軽快なリズムと共にある一発ギャグは爆発的にウケるわ」
甘崎リンコ:「好まれるリズムネタというのは、濁音や半濁音が使われている確率が高いの。爆発を思わせる力強い響きが心を湧きたてるのね」
甘崎リンコ:「そして耳に残りやすい、好ましいとされるリズムは、七音や五音……俳句等に代表されるこれらの音の響きを面白く感じるように出来ているの」
後藤スダチ:「え~っ、もしかしてお笑い芸人!?すごい!そんな美人さんなのに!?」
足原エイコ:「おお、都市伝説級のギャグ……!」
後藤スダチ:「私ムセイオンのお笑いってまだ見たことないかも!外では結構好きだったんだけどなあ」
イリス・ウィトルウィウス:「皆さん、気を確かに持ってくださいね」
佐陀コトノ:全てを諦めた顔をしている
甘崎リンコ:「ふふっ、そうよ……私は史上最高のお笑い芸人、甘崎リンコよ。今からその究極の音ネタを見せてあげる」
甘崎リンコ:「つまり……」
甘崎リンコ:「古池」
甘崎リンコ:「……………………」
甘崎リンコ:「……………………」
甘崎リンコ:「どう?」
足原エイコ:「……………………」
甘崎リンコ:「笑いすぎて心臓が止まってしまったかしら?」
後藤スダチ:「えっ」
後藤スダチ:「ネタのほうは……いつ始まるんですか?」敬語。
イリス・ウィトルウィウス:ガガッ……ウィーン……フリーズしていた意識が再起動する。
甘崎リンコ:「ふふ、仕方ないわ……説明をしてあげる。あなたたちはまだビフォア・甘崎リンコなのだから」
甘崎リンコ:「勿論これは、『古池や蛙飛びこむ水の音』という名句にちなんだギャグだけれど」
甘崎リンコ:「この一言を聞いただけで、『ポチャン』あるいは『ボチャ』、各々の思い描く蛙が水に飛び込む音が五七五の音と共に脳内に再生されるわ」
甘崎リンコ:「そして蛙が水に飛び込む音は濁音、あるいは半濁音が使われている……」
甘崎リンコ:「どう?二度と忘れられない抱腹絶倒ギャグよね?」
甘崎リンコ:有無を言わさない圧力でその場の全員を睨んでいる。
後藤スダチ:「…………」
佐陀コトノ:「ううう……」
佐陀コトノ:泣いている
後藤スダチ:「アシハラ先生、分かりますか」ひそひそと囁く。
足原エイコ:「……ハッハハハハ!」
足原エイコ:「分かんねえけど……なんか、磨けば光りそう!」
甘崎リンコ:「ふふっ……やはりムセイオン生。見る目があるようね」
甘崎リンコ:「あなた……『爆発オチの』足原エイコよね?やはり、あなたは『分かっている側』の漫画家のようね」
後藤スダチ:「隣にいる子は泣いてるし、アシハラ先生は笑ってるし……イリスちゃんはいつの間にか再起動プロセスに入ってるし……」
後藤スダチ:「怖い…………!!」ゾ~~~ッ
イリス・ウィトルウィウス:「困りましたね……これは説明されても理解できない二段ロジック……ロジックエラーで回路がピリピリしてきました」
佐陀コトノ:「六壬に帰りたい……」シクシクしている
足原エイコ:「へえ、六壬からお笑いを極めに……」
甘崎リンコ:「不安にならなくても大丈夫よ、佐陀。誰でも最初は初心者なのだから」
後藤スダチ:「佐陀……ちゃんでいいの?大丈夫?」
後藤スダチ:「直接聞くべきことじゃないかもしれないけど、六壬から拉致されてきた?」
イリス・ウィトルウィウス:「えっ!?そうなんですか!?」完全にお赤飯を炊く気分でいた。
甘崎リンコ:「まあ……拉致されてきたの?誰に?」まさか自分が疑われているとは思っていない。
足原エイコ:(自覚無しで攫うタイプの怪異か!)
佐陀コトノ:「ちちちちち違います!!!! そそそそそそんなことは!!」
佐陀コトノ:「い、一応自分の意志でムセイオンに来たんですけど、ど、道中で、捕まって……」
甘崎リンコ:「ふふっ……ちゃんと、『心を掴まれて』といいなさいな」満足そうに頷いている。
後藤スダチ:「拉致されてるのは事実ではあるんだね。でもどういう用件で……?」
イリス・ウィトルウィウス:「終わったら総督府に菓子折り持っていかないとかあ……」天を仰ぐ
佐陀コトノ:「……あ、あのバンドのメンバーを」
後藤スダチ:「うん」
佐陀コトノ:「凄腕のドラマーがい、いるって聞いてきたんです……。ぶ、文化祭の前夜祭ロックフェスに出たくて……」
イリス・ウィトルウィウス:「へ~、佐陀さんはバンドをやってるんですね」
甘崎リンコ:「よく言えたわね。偉いわ」コトノちゃんの頭を撫でる。
佐陀コトノ:頭を撫でられてゾワゾワゾワッと完全に恐怖で硬直している
甘崎リンコ:「絶対に一流の芸人になりたい……その志、大切にするのよ」
後藤スダチ:「そう、文化祭の……あっそういえば!」
後藤スダチ:広報課からもらった文化祭のプログラムを見る!
後藤スダチ:「プログラムにお笑いライブとロックフェスがあったはず……!」
後藤スダチ:「ふたりとも出演希望者!?じゃあそろそろエントリーしないと期限危ないよ!?」
甘崎リンコ:「そうなのよね……一人で出られないから困っていたの」
後藤スダチ:「じゃあリンコさんはこっちの佐陀さんを相方にしようとしてて」
後藤スダチ:「佐陀さんのほうは……えっと、リンコさんと一緒にロックフェスを……?」
足原エイコ:「二足のわらじってことか!」
佐陀コトノ:ブンブンブンブンと必死に首を横に振って否定している
後藤スダチ:「全然違うよね!ごめん……!」
後藤スダチ:「うすうす分かってたんだ」
足原エイコ:スダチちゃんの文化祭プログラムを覗き見ている
足原エイコ:「バンドって3人以上必要みたいだね」
甘崎リンコ:「彼女は”化粧師”を……探しに来たのよ」
甘崎リンコ:「”化粧師”の演奏を聞けば……佐陀も安心して私とお笑いが出来るでしょう」
後藤スダチ:「む。"化粧師"って?」
佐陀コトノ:「私お笑い芸人じゃないです……!!」
イリス・ウィトルウィウス:「えっ……"化粧師"?」驚いた様子で
イリス・ウィトルウィウス:「……リンコ、本気ですか?」
甘崎リンコ:「………………ええ」
イリス・ウィトルウィウス:「……」暫くの間、彼女の目を見つめて
イリス・ウィトルウィウス:「……まぁ、分かりました。リンコが良いのなら」
佐陀コトノ:「あ、あの、"化粧師"をご存じなんですか!?」
イリス・ウィトルウィウス:「それはもう、私はムセイオンに暮らす生徒のことなら何でも知ってますから!」
佐陀コトノ:「わ、私その人を探しに来たんです!! バンドメンバーに入って貰いたくて……!!」
後藤スダチ:「そういうことならイリスちゃん案内してあげようよ。申込み締切も近いし、かわいそうだよ」
佐陀コトノ:「あ、ありがとうございます……!!」
イリス・ウィトルウィウス:「うーん、そうですねえ。学区の渉外役は"マスターカラーズ"の大事なお仕事ですし」
イリス・ウィトルウィウス:「そうしてあげたいのは山々ですが……」
足原エイコ:「でも……イリスたんには、締め切りを守ってないお宅に突入するって大事な仕事があるよ?」
足原エイコ:「実行委員会のスダチちゃん的にも、そっちが優先じゃない?」
後藤スダチ:「まあそうなんだけど……そのせいで文化祭に参加できない生徒が出てきちゃったら本末転倒だし」
後藤スダチ:「それに締切を破るなんて本当にイレギュラーなことなんだから」
後藤スダチ:「イリスちゃんの本来の仕事は、どっちかっていうとムセイオンの案内だと思うんだ」
イリス・ウィトルウィウス:「さ、さすが"オフィサー"のバリキャリ生徒のスダチさんです…!素晴らしい納期意識と職業倫理……」
イリス・ウィトルウィウス:「本気でうちの生徒に見習わせたいです……」
甘崎リンコ:「………………”化粧師”は」
甘崎リンコ:「真に面白いものにしか顔を見せないわ」
甘崎リンコ:「あなたたち、真のお笑いを理解する覚悟はある?」
佐陀コトノ:「あ、あの……!!」
佐陀コトノ:「ええと、それならなんですけど」
佐陀コトノ:「良かったら、その仕事、わ、私にも手伝わせて頂けませんか……?」
後藤スダチ:「え!?」
甘崎リンコ:「へえ……?」
イリス・ウィトルウィウス:「い、良いんですか……!?」
後藤スダチ:驚く。「いや悪いよ~佐陀さんはそもそもムセイオンの生徒ですらないわけだし……」
甘崎リンコ:「『お笑い芸人は親しみやすくあるべき』……もうその精神が根付いてきたというの……?」
イリス・ウィトルウィウス:「それにその、凄く危ないですよ……?」
佐陀コトノ:「で、でも文化祭に関わることなんですよね!」
後藤スダチ:「私の仕事手伝うより、”化粧師"……に会うために真のお笑いを理解して真に面白くなんなきゃいけないのかな……?」
後藤スダチ:「ついてきてもらった方がいい気がしてきた」
甘崎リンコ:「そうね。真のお笑い芸人になるためには人に親切にすることが不可欠だもの」
甘崎リンコ:「一見遠回りに見えてもそういった地道な活動がかえって近道になるのよ」
佐陀コトノ:「わ、私は前夜祭のロックフェスの方ではあるんですけど、そこを目指してる以上皆さんと同じように大事なもので」
佐陀コトノ:「それに、もし文化祭が上手くいかなくなってしまったら私も、私だけじゃなくてみんなも悲しいですし」
佐陀コトノ:「だから、私だけ無関係って訳ではない! ……と、思い、ます」
佐陀コトノ:最後は恥ずかしくなったかのように尻すぼみに声が小さくなる
足原エイコ:「!」
イリス・ウィトルウィウス:「佐陀さん……」
後藤スダチ:(立派な子だ……ノヴァリスの生徒なのに)
後藤スダチ:(でも何かから逃れようという必死さを感じるのは何故だろうか)
足原エイコ:「そういう健気な思いを伝えられるとね……愛と勇気を信ずる漫画家として」
足原エイコ:「追い払うなんてできないなあ!」
イリス・ウィトルウィウス:「はい……そこまでの覚悟を見せられては、ムセイオンの一員として無碍にはできませんね」
佐陀コトノ:ぱっと顔が明るくなる
甘崎リンコ:腕を組んで満足気に頷いている。
足原エイコ:(それにこの子が行くってならきっと……)
後藤スダチ:「あはは、私はもちろん断ったりしないけど……私は得しかしないわけだし」
イリス・ウィトルウィウス:「それに、スダチさんはご存知ないかもしれませんが」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエを攻めるのに、人数は少なすぎることはあっても多すぎるということはありません」
後藤スダチ:「さっきも言ってたけど、そんなに危険なの?」
後藤スダチ:「芸術制作のアトリエなんだよね?」
イリス・ウィトルウィウス:「芸術制作のアトリエだからこそ、です」
足原エイコ:「アトリエもまた……そこの芸術家の作品だからな……」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエの中において、作家は神にも等しい存在と心得て下さい」
イリス・ウィトルウィウス:「このメンバーでも、決して油断できるものではありません」
イリス・ウィトルウィウス:「だからこそ、ここは全員で事に当たって、爆速で問題を解決し」
イリス・ウィトルウィウス:「その報酬として、佐陀さんの抱えている問題にも全力で協力させて頂く。というプランを提案します」
後藤スダチ:「いくらなんでもそんなことなくないか……?アシハラ先生、この話本当なんですか?」
後藤スダチ:首をひねっている。
足原エイコ:「だね!ちまちましてたら永遠に出られなくなるかもだし」
甘崎リンコ:「ムセイオンのアトリエは侮らない方がいいわ」
後藤スダチ:「リンコさんまで」
甘崎リンコ:「持ち主にアトリエ内で勝とうだなんて、普通は考えないもの」
佐陀コトノ:「じゅ、術師の結界のようなもの、ってことですよね……?」
後藤スダチ:「えっえっ、なんで佐陀さんまで理解を示してるの」
足原エイコ:「それ近いかも!自分の世界って感じで……」
後藤スダチ:「私が変なの??」
佐陀コトノ:「わ、分かりました……! び、微力ですが、私も頑張ります……!」
佐陀コトノ:両手をグーで握ってふんすとやる気を示す
足原エイコ:(かわいい笑顔もできるんだな、コトノたん)
甘崎リンコ:「大丈夫。後藤スダチ……後藤は今、『真実』の入口に立っているのだから」
甘崎リンコ:「すぐに気持ち良くなるわ」
後藤スダチ:「人類史上ロクな物事を言い表した試しのない表現だ」
甘崎リンコ:「しかし危険なのは本当なのよね……」
甘崎リンコ:「優秀な指揮官でもいない限り、この人数でも難しいかもしれないわ……」
足原エイコ:「言った傍から出てきてくれたら。苦労はしな……」
足原エイコ:「でも今日は……そういう日かも……」
佐陀コトノ:(…………これもしかしてリンコさんも付いてくる流れなのかな)
後藤スダチ:(優秀な指揮官の候補から……)
後藤スダチ:(外されている……文化祭実行監理官なのに…………!!)
後藤スダチ:この事実は後藤スダチにとってショックだった
イリス・ウィトルウィウス:「高望みはできませんが……ええ」
イリス・ウィトルウィウス:かつて、スダチと共に任務にあたった時の指揮官……"先生"を思い出す。
イリス・ウィトルウィウス:人柄はともかく、指揮官として優秀だったかはちょっと自信がないが……
ユージン・マディス:「おい」 す、と曲がり角の向こうから歩いてきた灰髪の男が、イリスさんの背負ったボトルを叩く。
イリス・ウィトルウィウス:「はうわ!?」
後藤スダチ:「わあ、なんだこいつ」
佐陀コトノ:「お、男の人!?」
足原エイコ:「こ……こいつ、男!」
甘崎リンコ:「成人男性……?」
甘崎リンコ:「ということは……お笑い好き?」
ユージン・マディス:「ここの生徒か? ――ステージ設営担当の生徒を探してる。名前は確か」
ユージン・マディス:メモ用紙を見る。「……ライサ・アルヴェストロと……ククル……長いなこいつ。KCなんとか」
足原エイコ:「ひっさしぶりにみたな……男……」
ユージン・マディス:「何を珍獣みたいな。人類の半分は男だぞ」
佐陀コトノ:突然現れた男性から距離を取るようにスダチの後ろに隠れて首を覗かせる
イリス・ウィトルウィウス:「う、うちの生徒に手を出すつもりですか……!?許しませんよ……!!」ブンブンと手を振り上げて威嚇する。
足原エイコ:「そうでい!ちゃんと清いラブロマンスの後にね!」
甘崎リンコ:「……みんな、警戒しすぎよ」そう言いながらも鋭い視線で見つめている。
ユージン・マディス:「耳がキーンとする……」
後藤スダチ:「えっと、文化祭関係のお仕事ですか?星室庁の先生とか?……というか」指を自分の額に当てる。
後藤スダチ:「……その顔。"セレノスツール”さんですよね?なんでまだいるんですか?」
後藤スダチ:八月革命前後に投入されたFH戦力は、ある意味ノヴァリスの生徒以上に同期といえる。後藤スダチもその一人だからだ。
佐陀コトノ:「ご、ご知り合いですか……?」
足原エイコ:「まさか……親しい仲!?」
後藤スダチ:「え、まあ、あっちが覚えてるかどうかは知らないけど……一応先輩というか、あれがあれというか」
後藤スダチ:「ううーん」理事会が絡む話なのであんまり口に出しにくい。
足原エイコ:「センパイとコウハイ……ふ~ん……」
ユージン・マディス:「面倒な……」手首を上げる。「星室庁のユージン・マディス」スマートウォッチに教師職を示すマーク。
イリス・ウィトルウィウス:「むむ……本物です……」スキャナーらしき光を当てる。
後藤スダチ:「ほ、ほんとに星室庁になってる~~!嘘でしょ~~」
ユージン・マディス:「合同文化祭の関連でムセイオンに来てる」一応、まず第一はそちらになっている。
足原エイコ:「先生……初めて見た……ちょっと触っていい?」
佐陀コトノ:「わ、私も初めて……」
イリス・ウィトルウィウス:「ひぃっ!?まさか今度こそ差し押さえに!?」
ユージン・マディス:「誰だか知らんが……別にいち生徒にどうこうするわけじゃない」
ユージン・マディス:「む」 エイコさんの持っている筆を見る。
ユージン・マディス:「……ペンか。紛らわしい」
足原エイコ:「むっペンかとは何だい!」
甘崎リンコ:「……ナイフだとでも思ったのかしら?随分警戒心が高いのね」
足原エイコ:「漫画家にとっては何より大事な物なんだよ?」
足原エイコ:「侍にとっての刀、騎士にとっての剣で……」
ユージン・マディス:「だが剣より強いと言われてるだろ」
ユージン・マディス:「聖ペン魔ペンがあるならともかく……」
足原エイコ:(かわいいな)
佐陀コトノ:(響きがかわいい……)
甘崎リンコ:「な……!半濁音をそんなふんだんに……!?」
甘崎リンコ:「何者……!?」
ユージン・マディス:「だから教師だって言ってる。本業は鍛刀だが」
ユージン・マディス:「合同文化祭の顧問でな。上手く成功させられなきゃオレは牢に逆戻り」
ユージン・マディス:「だから確認しに来てる。ムセイオン自体にも、まあ興味はあったが……」
イリス・ウィトルウィウス:(牢に……やはり何らかの猥褻な犯罪を……?)身構える。
佐陀コトノ:「ろ、牢屋……!?」
後藤スダチ:「えっ、じゃあ今セレノスツールさんが私の先生……?」
ユージン・マディス:「だってのに宝刀聖剣の一つも展示されてない……!」 近くの木々と石像が入り交じったオブジェを、こつりと叩く。
足原エイコ:「へぇ~絶体絶命なんだ」
足原エイコ:先生の背中をペタペタ触っている
イリス・ウィトルウィウス:「あっいけません迂闊に触ると……」
GM:石像の瞳が赤く輝き、木の中から光り輝く剣を抜刀する。
ユージン・マディス:「!」
後藤スダチ:「!? なんか動いたよ!?」
佐陀コトノ:「えっあっ」
足原エイコ:「えっ男も触ると爆発すんだっけ?」
甘崎リンコ:「そうよ」適当に相槌をうってエイコちゃんの手を引いて下がらせる。
後藤スダチ:「危なくないの?剣抜いてるみたいに見えるけど!?」
GM:『ヌゥン…!!』という野太い声と共にそれが先生を掠めて地面へと振り下ろされ
GM:触れた場所が爆発する。
ユージン・マディス:「なんだ、あるじゃあないか! 剣グワーッ!」
イリス・ウィトルウィウス:「爆発します」
後藤スダチ:「ヒィ~~ッ」
足原エイコ:「ワギャ~~~!」なんとか回避!
ユージン・マディス:放物線を描いて爆風に吹っ飛ばされ~~~~
ユージン・マディス:~~~着地キャンセルを決めて床を這いながら戻ってくる。「モチーフはバスタードソードか?」
イリス・ウィトルウィウス:「なんかゲームみたいな動きで戻ってきました……」
後藤スダチ:「この流れからの第一声じゃないよね!?」
佐陀コトノ:「い、一体なにが……」
甘崎リンコ:「すごい……!この気持ち悪い動き、これは面白いわ……!」
足原エイコ:「爆発するし剣のことしか考えてない……!」
足原エイコ:「生身の男、面白い……!」
ユージン・マディス:「ルネサンス期に刀剣のカタチはおおよそ揃いきったがこの時期のものは……」
ユージン・マディス:「ふう……ありがとう」元あったカタチに返す。「いいものを見た」
イリス・ウィトルウィウス:「怪我をさせたのに感謝されました……怖い……」
後藤スダチ:「イ、イリスちゃん。あれ」先程勝手に動いた石像を指差す。
後藤スダチ:「私達を……爆破しようとしたみたいに、見えたけど」
後藤スダチ:「そう見えただけだよね?実は安全装置があるとか」
イリス・ウィトルウィウス:「あ、そうですね」
イリス・ウィトルウィウス:「安全は表現の自由を阻害しない範囲で配慮しています」
ユージン・マディス:「剣を取り出すのにあえて木を選んだ意図はなんだ?」爆発剣を紙一重で振るわれながら質問をしている。
佐陀コトノ:「あ、あの、それって……」
後藤スダチ:「事実上……制約ゼロってことなのでは!?」
足原エイコ:「こんな言葉もあるからなあ」
足原エイコ:「『芸術は爆発だ!』」
イリス・ウィトルウィウス:「確か、アーサー王伝説や北欧の神話になぞらえることで、後天的に聖剣の属性を付与するとか」
イリス・ウィトルウィウス:「結果的に刀身が耐えられなくて爆発……あっまたしてる」
ユージン・マディス:「なんだ、お前達まだいたのか?」
ユージン・マディス:何度か爆発させられ、ぷすぷすと煙を上げながら戻ってくる。
ユージン・マディス:「それで、ライサとククルのアトリエを知ってるか?」
佐陀コトノ:「り、リトライしてる……!?」
後藤スダチ:「え!?目を離してる間に何回か食らってる」
後藤スダチ:「怖い」
甘崎リンコ:「後から来て突然刀に欲情し始めたと思ったらまだいたのかとは……」
甘崎リンコ:「面白いわね……!」
佐陀コトノ:「お、面白くないです……!! 明らかに怖いです……!!」
ユージン・マディス:「何を言う、剣は怖くない、女子」
ユージン・マディス:「剣は常に人を守ってきた。剣を振るう人間が怖いことはあるが」
佐陀コトノ:「自分から剣を振るわれに行く人は怖い人です……」
甘崎リンコ:「良いツッコミね……!」
足原エイコ:(この先生が居れば、コトノたんがさらに面白くなりそう……)
ユージン・マディス:「仲良しグループは結構だが」片目を閉じる。「出し物するなら申請を忘れるなよ」
甘崎リンコ:「奇行のあとに……説教!」
甘崎リンコ:「面白い……!」
足原エイコ:(それはお前もやってることじゃないか……!?)
佐陀コトノ:「うう……変な人がまた増えた……」
後藤スダチ:「セレノスツールさんは一旦放置しよう。昔から奇行で有名だったんだ」
後藤スダチ:「手順としてはまずアトリエに向かう……でいいんだよね?」
後藤スダチ:「アトリエ……」石像を見る。
甘崎リンコ:「面白くて有名……!?ライバルかもしれないわね……」
イリス・ウィトルウィウス:「で、ですが、私達の学校の中で放置するのはそれはそれで不安です……!」
イリス・ウィトルウィウス:「目の届くところに居てくれたほうが……いくらか安心できます!」
足原エイコ:「たしかに、片っ端から起動させて周りそうだもんね……」
ユージン・マディス:「……なんだ、やはり信頼がないという話か」
後藤スダチ:「……」嫌な顔
甘崎リンコ:「この……ユージン先生もたしか、文化祭の顧問なのよね」
甘崎リンコ:「そのためにアトリエを目指している……もしかして、私たちと目的地は同じなのではなくて?」
後藤スダチ:「わああ余計なこと言わないで!」
佐陀コトノ:「リンコさん!!!!!」
後藤スダチ:「なんでもない!何もいないから!」自分より身長の高いリンコさんを背中の後ろに隠そうとしている。
イリス・ウィトルウィウス:「リンコはウケを狙わない時はとても冷静な意見を言ってくれますね」
甘崎リンコ:「あっ、今ボケていいところだったの?刀に関するネタもあるのだけれど……」スダチちゃんに隠されながら顎に手を当てる。
ユージン・マディス:「相談するのは勝手だが」
ユージン・マディス:「声量を落とす努力くらいしろ」
足原エイコ:「ライサとククル、って言ってたよな」
足原エイコ:「イリスたん、その名前ってもしかするとさあ」
イリス・ウィトルウィウス:「皆まで言わずとも大丈夫です……エイコ」
イリス・ウィトルウィウス:一歩進み出て「先生。私は"マスターカラーズ"。このムセイオンを預かる者です」
ユージン・マディス:「…………『マスターカラーズ』?」
ユージン・マディス:「お前が?」表情が変わる。元から硬い表情だったが、さらに怪訝そうに……興味深そうに。
イリス・ウィトルウィウス:「もしかして、先代とお知り合いでしたか?」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女は亡くなりました」
イリス・ウィトルウィウス:「……私が、殺しました」
ユージン・マディス:「ああ、……そうか。そういう話だったな」
ユージン・マディス:「気にするな。面識がある程度だ。そっちの緑色は知ってるみたいだが……」
後藤スダチ:「緑色て」
ユージン・マディス:「オレは”八月革命”の時、理事会側に雇われたマーセナリだ」
ユージン・マディス:周囲の全員に伝えるように。
佐陀コトノ:「!!」驚いたように息を呑む
甘崎リンコ:「……………」無言で眼鏡を押し上げる。
イリス・ウィトルウィウス:「理事会の人間は、みんな死んだか追い出されたと思っていましたが……」
足原エイコ:「こっち側に、寝返ったわけだ」
後藤スダチ:「ちょっとアシハラ先生……!」服の裾を引っ張る。
足原エイコ:「事実だし……今は先生なんだろ?」
ユージン・マディス:「そうなる。オレは諦めが悪く、逃げ足も速い」端的に答える。「もっとも、それで"先生"になるのは、悪い冗談だとは思うが」
後藤スダチ:「っていうか……セレノスツールさんも!言っちゃっていいんですか?いきなりそんなこと」
後藤スダチ:「みんな警戒しますよ」
ユージン・マディス:「隠していて後でバレる方が問題だ。少なくとも、教師職はオレの欲望とは一致している」
ユージン・マディス:「そして君たちの監督をしろ、あるいは監視を受けろというのなら、それを断ることは出来んし、せん」
イリス・ウィトルウィウス:「……」少し間があって
イリス・ウィトルウィウス:「………分かりました。マディス先生」
イリス・ウィトルウィウス:「皆さん、提案させて下さい」みんなの方を振り向いて
イリス・ウィトルウィウス:「戦力は多いに越したことはありません。そして、指揮官の不在は作戦の成功確率を大きく落とします」
イリス・ウィトルウィウス:「私は、マディス先生の監督を受けるべきだと思います」
イリス・ウィトルウィウス:「その代わり、彼のことは私が責任を持って監視します」
後藤スダチ:「あの~……」すごく小さく、片手を挙げる。
イリス・ウィトルウィウス:「相手がうちの生徒じゃないのなら、何かあってもちょちょいのちょい……はい?何でしょうスダチさん」
後藤スダチ:「文化祭実行監理官の緑色こと後藤スダチです。文化祭運営について監視するのが……その、セレノスツールさんのお仕事なら」
後藤スダチ:「一応、私が責任者なので……」
甘崎リンコ:「なるほど、芸名は『緑色』なのね……」ちいさく呟いている。
甘崎リンコ:「緑色は責任者として彼を連れて行くことは反対なのかしら?」
後藤スダチ:「私はともかくとして」
後藤スダチ:「みんなの感情的にどうなのかなー……っていうのが心配かなあ」
足原エイコ:「わたしはイリスたんに賛成!」
足原エイコ:「……先生が居た方が、おもしろくなりそうだし!」
後藤スダチ:「あっアシハラ先生!先に言っとくけど、理事会絡みの話がイヤって人は」
後藤スダチ:「遠慮せず言ってね!こういうところで皆に合わせる必要ないから!」
後藤スダチ:冷や汗を流しながら言う。
足原エイコ:「ムセイオンで直接理事会とやり合ったのはイリスたんだけだからねぇ……」
後藤スダチ:「そりゃそうか!じゃあ佐陀さんは……?」
佐陀コトノ:「わ、私は」
佐陀コトノ:「せ、先生のことは怖いしまだよく分からないんですけど、イリスさんがそうやって言うなら、わ、私は信頼したいです」
イリス・ウィトルウィウス:「もちろん、信頼には答えます!」
イリス・ウィトルウィウス:「これでもムセイオンの顔ですので」フン、と鼻を鳴らす
ユージン・マディス:「……本当に、FHから離れた子どもらだな」 小さく呟く
後藤スダチ:「イリスちゃんも、我慢して言ってるとかじゃないんだよね?ほんとに一緒に行動することになるからね」
後藤スダチ:「……じゃあ、えー……私は大丈夫なので。この場にいる人間が全員一致したので、同行してもらいたいと思います」
甘崎リンコ:「そうね、言うまでもなく私……史上最高のお笑い芸人甘崎リンコもイリスに賛成だもの」
甘崎リンコ:「戦力は多いに越したことはない、指揮官もいたほうがいい。ならば彼と共にいくのが合理的だわ」
甘崎リンコ:「感情面で言っても、足原の言う通り、私たちムセイオン生は理事会とやりあっていないからね」
イリス・ウィトルウィウス:「全会一致、ですね」
後藤スダチ:小さく挙げていた手をおろして、ユージンの反応をじっと伺うように見る。
ユージン・マディス:「有情な判断、……まあ、やや危機感がないと思うが、感謝する」
ユージン・マディス:「その勇気を称賛し、ならばこれを預けよう」 ポケットから、手の平サイズのスイッチのようなものを複数取り出す。
甘崎リンコ:「……?それは……?」
イリス・ウィトルウィウス:「……?なんでしょうこれ?」
ユージン・マディス:「星室庁特製、オレの腕時計に電流を流せるスイッチ」
足原エイコ:「……爆破スイッチ?」
後藤スダチ:「うわー……」
ユージン・マディス:「今ならオマケで三本付いてくる」
後藤スダチ:げんなりした顔で受け取る。
佐陀コトノ:「ば、バラエティで見るやつ……?」
イリス・ウィトルウィウス:「高周波の……」
甘崎リンコ:「そっ、そんな面白いアイテムが……!?」
甘崎リンコ:「押し放題……!?」
後藤スダチ:「やめやめろ!押し放題だと人体ヤバいから!」
足原エイコ:「そうなの!?」ポチッ
後藤スダチ:「あ!!!」
足原エイコ:我慢できない!押したッ!
ユージン・マディス:「グワーーーーーーーッ」 ビリビリビリビリ
ユージン・マディス:26-1d5
DoubleCross : (28-1D5) → 26-4[4] → 22

イリス・ウィトルウィウス:「先生ーッ!?」
佐陀コトノ:「せせせ、先生……!!」
甘崎リンコ:「ほ、本当に……!本当に人体に電流が流れている……!」
甘崎リンコ:「すごい……!!」感動している。
足原エイコ:「うぉっほっほ……マジか……」
後藤スダチ:「アシハラ先生!!こら!!」
後藤スダチ:「冗談じゃないんだからこういう装置は……!オーヴァードに効く級のやつなんだから……!」
足原エイコ:「ごめんなさ~い!」
甘崎リンコ:「アフロに!?アフロになるのかしら……!?」
佐陀コトノ:「だだだだ、大丈夫ですか先生……!?」あわあわしている
ユージン・マディス:「も、問題ない。いぜん雷切を吸った時に比べればな」
イリス・ウィトルウィウス:「コラっ!ダメでしょ二人共!人体で遊ばないの!」
イリス・ウィトルウィウス:「作品にする時以外はダメ!」
後藤スダチ:「イリスちゃん……?」
甘崎リンコ:「作品にすればいいのね!?」
佐陀コトノ:「へっ……??」
ユージン・マディス:灰髪の端がちりちりになっている。「それで。三度目だが」
ユージン・マディス:「アトリエはどこだ。二代目」
甘崎リンコ:「焦げてる!もっと出力を上げれば骨が見えてアフロに……!」
後藤スダチ:「そうだった。アトリエの話をしてたんだった」
イリス・ウィトルウィウス:「うっ……リンコの場合は……相方に対してなら可とします。他人に迷惑はかけないこと」
イリス・ウィトルウィウス:「ハッ、そうですよ!こうしてはいられません!」
イリス・ウィトルウィウス:「皆さん、もう話すことはありませんね?準備はできてますね?おやつも持ちましたね?」
足原エイコ:「はーい!ちゃんとウェポンケースとか、コネ(ムセイオンで有名なお菓子)も持ちました!」
イリス・ウィトルウィウス:「よろしい!それではみなさんお待ちかね……」
イリス・ウィトルウィウス:「ムセイオンのアトリエにご案内します!!」

■ムセイオンアートスクール 第11展示室
ムセイオン校舎中央広場
イリス・ウィトルウィウス:「さーて、どちらから攻略しましょうか」
GM:君たちの目の前には、二枚の大きな絵画が壁に飾られている。
後藤スダチ:「どちらからって」
後藤スダチ:「絵しか見えないけど……」
GM:一方は黄金色の小麦畑が広がる、黄昏の平原。
GM:もう一方は、夜空に照らし出された巨大な建造物。
GM:どちらも君たちの背丈の二倍近い高さがあり、触れればそのまま吸い込まれそうだ。
イリス・ウィトルウィウス:「はい、ですから」
イリス・ウィトルウィウス:絵画に手を触れると、波紋を立てながら指先がその中に埋まっていく。
イリス・ウィトルウィウス:「ここが入り口です」
後藤スダチ:「なにこれぇ~~」
佐陀コトノ:「か、絵画の中ってことなんですか……!?」
ユージン・マディス:「ああ、オレと同じタイプか」
ユージン・マディス:「いや待て。全員共通なのか?」
ユージン・マディス:リンコさんとエイコさんを見る。
足原エイコ:「イエスだね」高速の屈伸で体を温めながら
GM:ムセイオンアートスクールには教室と呼べる部屋は殆どない
GM:スペースの大半は展示室であり、壁一面に何枚もの巨大な絵画が飾られている。
GM:その一枚一枚が、生徒が鍛え、育んできた作家性を描き出した一つの世界。
GM:ムセイオンのアトリエの中に於いて、その主は神に等しい。
甘崎リンコ:「ムセイオン生は……こういったアトリエを一人一人持っているわ」
足原エイコ:「そして絵の中は……作家の芸術性が炸裂する世界!」
後藤スダチ:「え、えええ~~」未だに現実を受け入れられていない。
ユージン・マディス:「贅沢な……」
佐陀コトノ:「す、すごいなぁ」
後藤スダチ:「すごいねえ」
ユージン・マディス:「玄関からここまで個室一つ見つからなかったのはそういうわけか」
甘崎リンコ:「アトリエの中では持ち主の力が何十倍にも増幅され、ある程度思いのままに世界も操れる」
甘崎リンコ:「だからアトリエの中で持ち主と戦おうとは普通は思わないの」
イリス・ウィトルウィウス:「まあ、その代わりアトリエから出ちゃうとそんなに派手なことできないんですけどね」
足原エイコ:「その分、お外じゃイリスたんはつよつよだけどね」
後藤スダチ:「そりゃみんなアトリエから出てこないわけだ……」
イリス・ウィトルウィウス:「XMsの生徒なんかは、カードゲームという場を作ることで自分に絶対有利な空間を作り出しますが、それの超極端なパターンでしょうか」
ユージン・マディス:「それは両極端だろ」
イリス・ウィトルウィウス:「外では展開できない分、決闘という合意すら必要としない理不尽さなのです」
ユージン・マディス:「いち学校でこれか。つくづく外のオーヴァードの常識を超えるな」絵と壁の境目を撫でている。
GM:【アトリエ】のTIPSを獲得しました。
【アトリエ】
ムセイオンの生徒一人ひとりに割り当てられた専用の異空間。
ムセイオンの本校舎は壁一面に巨大な絵画が並んで飾られており、その一枚一枚がアトリエへの入り口になっている。
アトリエの広さは庭付きの一軒家程度から一つの都市に匹敵するものまで、生徒の力量と特性に応じて多岐にわたる。
アトリエの内部では持ち主の能力が何十倍にも誇張され、あらゆる事象を自身の作家性の影響下に置くことができる。
足原エイコ:「というわけで、多分危険だけど」
足原エイコ:「きっと……すんごく面白い世界が待ってると思うよ!」
ユージン・マディス:「これだけ好き勝手できるなら……さぞかし刀剣も乱舞していることだろう」
後藤スダチ:「面白いといいなあ」
後藤スダチ:エイコを見る。
後藤スダチ:リンコの方を見る。
後藤スダチ:「……面白いといいなあ」
甘崎リンコ:「どんな面白ネタが出てくるか……見ものね」眼鏡を押し上げる。
佐陀コトノ:「もう既に怖いなぁ」
イリス・ウィトルウィウス:「安心して下さい!面白さはこの私が保証します!」
イリス・ウィトルウィウス:「それではいざ!アトリエ攻略戦、開始です!!」
□ミッションリザルト
★進行中【文化祭の準備を完遂させよう!】達成率(0/2)
★進行中【文化祭に出てくれるパートナーを見つけよう!】達成率(0/2)
【アトリエ訪問:ライサのアトリエ】達成率(0/1)
【アトリエ訪問:ククルのアトリエ】達成率(0/1)
【アトリエ訪問:???のアトリエ】達成率(0/1)  ※現在選択不可

GM:シーン終了!ロイスと購入ができます!
甘崎リンコ:ユージン・マディス/●P:面白い/N:不信 でロイス取得。
後藤スダチ:アシハラ先生に……取るか!
後藤スダチ:先生/アシハラ・エイコ/尊敬:○/ちょっとやばいのでは/ロイス
足原エイコ:私はコトノたんに
足原エイコ:佐陀コトノ 〇興味/ちょっとかわいそう
佐陀コトノ:ユージン・マティス 変な人/怖い〇 で取得します
佐陀コトノ:あっありがとうございますー!
ユージン・マディス:ロイスはまだ保留にしておきます。購入はとりあえず弾を確保ということで大槌。
ユージン・マディス:6dx+5
DoubleCross : (6DX10+5) → 8[1,3,3,7,8,8]+5 → 13

ユージン・マディス:財産17→16 購入
甘崎リンコ:購入は……王道を行くボディマですかね
甘崎リンコ:1dx+1>=12
DoubleCross : (1DX10+1>=12) → 6[6]+1 → 7 → 失敗

甘崎リンコ:まあだめ……以上!
ユージン・マディス:ユージンは「フローズンリリー」があるので
ユージン・マディス:どうしても欲しい場合は財産点を奢れます
足原エイコ:せんせ~ 今月お小遣い厳しんだよね~
後藤スダチ:いきなりだけどブルーゲイルを狙ってみるか
後藤スダチ:9dx+9>=20
DoubleCross : (9DX10+9>=20) → 10[3,3,4,4,6,7,8,9,10]+9[9]+9 → 28 → 成功

甘崎リンコ:す、すごいかえてる!!
後藤スダチ:ヨシ!これをコトノちゃんにあげよう
ユージン・マディス:ヒエーッ
佐陀コトノ:つよい
後藤スダチ:私はセットアップ埋まってるからね
佐陀コトノ:ごめんなさいこっちもセットアップ埋まってるんです……!
後藤スダチ:あ!コトノちゃんも埋まってるじゃん!
後藤スダチ:誰かブルーゲイル使える人~~
足原エイコ:わたしも埋まってるよ~
甘崎リンコ:私も氷の茨が……
後藤スダチ:先生まで……!
ユージン・マディス:wwwwww
後藤スダチ:リンコさん……!!
後藤スダチ:お、終わった
ユージン・マディス:オレだけじゃん!
後藤スダチ:ユージン……先生、いかがですか……。
ユージン・マディス:すごいな マジで全員埋まってるんだ
足原エイコ:男はセットアップを空ける生き物……
ユージン・マディス:生徒からお恵みを受けてしまった
ユージン・マディス:もらいます
足原エイコ:アトリエの中じゃ危険も多いだろうし、応急キットで
足原エイコ:1dx+5>=8
DoubleCross : (1DX10+5>=8) → 6[6]+5 → 11 → 成功

佐陀コトノ:どうしようボディアーマーでいいかな
佐陀コトノ:2dx+3>=12
DoubleCross : (2DX10+3>=12) → 10[9,10]+10[10]+4[4]+3 → 27 → 成功

甘崎リンコ:す、すごいかえてる
ユージン・マディス:?
佐陀コトノ:???
足原エイコ:超高級ボデマだ……
足原エイコ:バンドマンは衣装にも気を使うんだな……
佐陀コトノ:か、かっちゃった……
GM:今までは緊張して実力を出せなかったんだ
佐陀コトノ:こ、こちらは以上で
ユージン・マディス:その制服の下にどんなロックな衣装を
佐陀コトノ:服装でロックを体現しなきゃ……

 

 MD:2/『偽造工廠プトラピカ』

GM:シーンプレイヤーはスダチさん。全員登場可能です。
甘崎リンコ:でます!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (57 → 66)
佐陀コトノ:登場!
佐陀コトノ:50+1d10
DoubleCross : (50+1D10) → 50+1[1] → 51

甘崎リンコ:ずっと興奮している……
ユージン・マディス:45+1d10
DoubleCross : (45+1D10) → 45+4[4] → 49

足原エイコ:レッツゴー!
足原エイコ:48+1d10
DoubleCross : (48+1D10) → 48+2[2] → 50

後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (43 → 44)
後藤スダチ:珪素イカサマダイスが炸裂するぜ!
GM:後藤さんはこんなに落ち着いてるのに
後藤スダチ:常識人だからね

GM:このシーンからは、実際に攻略するアトリエを選んで突入していただきます。
GM:その前に、このセッションにおけるミッションと報酬について説明しておきましょう。
甘崎リンコ:報酬!
足原エイコ:稼ぎまくるぜ!
GM:前回のシーンの最後にも貼ってある通り、このセッションには達成目標となるミッションが存在します。
GM:現在の状態はこちら。
□ミッションリザルト
★進行中【文化祭の準備を完遂させよう!】達成率(0/2)
★進行中【文化祭に出てくれるパートナーを見つけよう!】達成率(0/2)
【アトリエ訪問:ライサのアトリエ】達成率(0/1)
【アトリエ訪問:ククルのアトリエ】達成率(0/1)
【アトリエ訪問:???のアトリエ】達成率(0/1)  ※現在選択不可
GM:各ミッションでは、達成することで報酬アイテムを獲得できます。
GM:それが【NEO文化祭十字コイン】です。
甘崎リンコ:NEO文化祭十字コイン!?
佐陀コトノ:NEO文化祭十字コイン
足原エイコ:NEO!?
GM:【NEO文化祭十字コイン】は、シーン終了時に専用の景品アイテムと交換できます。
GM:ちなみにアトリエ訪問では、戦闘や判定の内容によって獲得できるコインの数が変化しますので
GM:その辺りは、実際にアトリエに突入した後で説明いたします。
足原エイコ:周回はできないだろうから質が大事だぜ
GM:それでは、どんな景品があるか見てみましょう。
★コイン交換特典
NEO文化祭十字コイン×5:「銀の鍵」取得 ※新規ミッション解放
NEO文化祭十字コイン×4:NPCカード「イリス・ウィトルウィウス(強化用)」取得 ※二回まで購入可
NEO文化祭十字コイン×3:「魔導粘土ルーン・クレイ」を入手
NEO文化祭十字コイン×2:「スペリオルミックスROYAL」を入手
NEO文化祭十字コイン×1:「TOPVALU水彩絵の具12色入り」を入手 ※複数購入可
GM:このようになっています。
GM:NPCカードのイリスは、今回のシーンから初期状態で配布され
GM:コインで強化カードを購入することで、効果が強化される形になります。
GM:現在の効果はこちら。
◆NPCカード:イリス・ウィトルウィウス(★☆☆)】
【アシスタント】 対象の判定ダイスを+3する。ラウンド1回。
【虹色】 ★★☆以上で開放。
【芸術の巨人】 ★★★以上で開放。
【”ミュージアム”】 アトリエのステージギミックを全て開示する(毎シーン自動発動)
後藤スダチ:とっても強い!
甘崎リンコ:ここからさらに伸びしろがあるというの……!
ユージン・マディス:ひえええ~~
佐陀コトノ:頼りになる~~
足原エイコ:まだ強化を2回も残している……!
ユージン・マディス:虹だ! 虹を出してくれイリス!
イリス・ウィトルウィウス:すくすく育ちます
後藤スダチ:かわいいねえ えらいねえ
イリス・ウィトルウィウス:えへへ
足原エイコ:大きくなったねえ
GM:景品の詳細については、実際購入する時に改めて説明します。
GM:ここまでで質問はありますか?
ユージン・マディス:できたら聞きます
佐陀コトノ:大丈夫です~
後藤スダチ:確かにコイン獲得してない段階から開示してもらっても意味ないか
後藤スダチ:稼げるだけ稼げばいいということ!
甘崎リンコ:ガッポガッポ稼ぐぜ!
GM:稼げば稼いだ分だけお得!
ユージン・マディス:まずは判定の内容とコインの獲得枚数が分からなければな
GM:特にないようなら、早速攻略するアトリエを選択していきましょう。
GM:現在選択可能なアトリエはこちらになります。
【ライサのアトリエ】……コイン担当。黄金色の小麦畑が広がる黄昏の平原。
【ククルのアトリエ】……ステージ担当。夜空に照らし出された巨大な建造物。
GM:どちらを選んでもコインの最大獲得枚数は一緒ですので、好きな方から挑戦してみましょう。
後藤スダチ:コインを稼ぐならコイン担当者に決まってるぜ!
ユージン・マディス:やっぱり最新作から行くべきかな?
後藤スダチ:ジャンプでたくさん踏みつけてコイン出させよう
甘崎リンコ:延期したという噂を聞きましたからね 締め切りに間に合うように言ってきましょうか
佐陀コトノ:コイン集めの時間だ
GM:足原さんもそれでいいかな?
足原エイコ:それでいいぜ!
GM:では満場一致でライサのアトリエに……ヒァーウィゴー!!

GM:君たちは、意を決して巨大な絵画の中へとその身を投げ出した。
GM:視界が暗転し、しばらくすると……
偽造工廠プトラピカ
GM:そこは、一面の小麦畑が広がっていた。
GM:傾いた太陽の光が鈍く降り注ぎ、優しい風が小麦を揺らし、黄金色の海原の如く平原を波打たせる。
GM:長閑な雰囲気だが、小麦の穂に触れた時、ふと君たちは違和感に気づく
GM:黄金色の小麦畑……これは、比喩ではない。
GM:穂先から金色の粒子がこぼれ落ちる。この麦は正真正銘、黄金を実らせている。
足原エイコ:「ン~~~ヤッ!」着地
後藤スダチ:「アシハラ先生が時折発する奇声は一体……?」首をひねりながら着地する。
ユージン・マディス:「これが生徒ライサのアトリエか」
足原エイコ:「いや……人のアトリエ入ることなんて中々ないから……テンション上がってさ……」
甘崎リンコ:「他人のアトリエに入るのは緊張するもの。気合を入れるのも分かるわ」静かに着地。
佐陀コトノ:「こ、これがアトリエの世界……!」
足原エイコ:言われるとなんだか恥ずかしくなってきたぞ
ユージン・マディス:「これは絵……か?」
後藤スダチ:「小麦が金属でできてる!黄鉄鉱なのかな……それとも真鍮とか」
GM:周囲の風景は、微かに油絵のタッチを感じられる。絵画がそのまま動いているような印象だ。
後藤スダチ:「転んだら痛そ~」全部金だとは夢にも思っていない。
イリス・ウィトルウィウス:「皆さん、緊張するのはまだ早いですよ」
イリス・ウィトルウィウス:「ここはまだほんの入口です」
イリス・ウィトルウィウス:警戒を絶やさない表情であたりを見回す。
ユージン・マディス:「どれだけ広いんだ。これが生徒一人に一つずつあるってのか」
ユージン・マディス:穂から落ちた金属を拾って観察している。
足原エイコ:「このアトリエの主の姿は見えないねえ」
ライサ・アルヴェストロ:「───やはり来ましたか。イリス」
足原エイコ:「……噂をすれば人が来る日だなあ!」
ライサ・アルヴェストロ:まさにその時、小麦畑をかき分けて、小柄な少女が姿を表す。
ライサ・アルヴェストロ
佐陀コトノ:「……! もしかしてあの人が」
ライサ・アルヴェストロ:海色の巻き毛に羊の角、大きな帽子をかぶり、すまし顔で君たちを見ている。
後藤スダチ:「新文化祭記念十字コイン担当者のライサ・アルヴェストロ!」
イリス・ウィトルウィウス:「はい、このアトリエの主です」
ライサ・アルヴェストロ:「どんな連中を連れてきたかと思えば……」
ライサ・アルヴェストロ:「売れない芸人に迷惑漫画家。残りは学外の素人とは」
ライサ・アルヴェストロ:「侮られたものですね」
後藤スダチ:「むかっ、素人だって!」
佐陀コトノ:「が、学外の素人……」
足原エイコ:「漫画家は善良なのしか居ないけどねぇ!」
後藤スダチ:「そういう君はどうなの!?もう記念コイン提出の締切過ぎてるんだよ!?」
後藤スダチ:指差して言う。
甘崎リンコ:「…………真の面白さを持ちながらもその天才性から世間の評価をいまだ得られていない真のお笑い芸人として有名になっていたなんて……」
イリス・ウィトルウィウス:(凄い早口で言ってる……)
後藤スダチ:「さっさと進捗状況を見せな!私は文化祭実行監理官の後藤スダチ!責任者なんだから!」
ライサ・アルヴェストロ:「進捗が遅れていることについては、申し訳なく思っています」澄ました顔のままこともなげに言う。
ライサ・アルヴェストロ:「しかし、こちらにも譲れないクオリティというものがあります」
ライサ・アルヴェストロ:「貴方に管理者としての責任があるように、私にも製作者としての責任があるのです」
足原エイコ:「……でもそれを言い出したら」
イリス・ウィトルウィウス:「ライサはこれ言い出すと長いんですよねえ……」
ユージン・マディス:「ならば今あるものを出したらどうだ」
足原エイコ:「キリがない……クオリティを突き詰めるなんて、果てがないんだから」
ユージン・マディス:「それとも、ここに無造作に成っている黄金が"それ"なのか?」
ユージン・マディス:「というかマスターカラーズ。随分と敵視されてるようだが、全員こうなのか?」
ライサ・アルヴェストロ:「それはただの材料です。まぁ。もちろん……」
ライサ・アルヴェストロ:「"今あるもの"であれば、無尽蔵にお見せすることは出来ますが」
ライサ・アルヴェストロ:サッ、と右手を振り上げる。
GM:ゴゴゴゴゴゴゴゴ………
GM:突如地面が鳴動し、ライサの背後の小麦畑が"割れる"。
GM:そして地中から、強大な熱を発する何かがせり上がってくる。
佐陀コトノ:「!?」
後藤スダチ:「なになになに!?」
足原エイコ:「コインの演出にしては派手すぎるよ!」
偽造工廠プトラピカ地下
GM:それは、『溶鉱炉』だ。
後藤スダチ:「なにこれ~~~!?」
佐陀コトノ:「き、綺麗な小麦畑が……」
GM:溶けた黄金が、幾筋も川のように金型へと流れ込んで行く。
ユージン・マディス:「ああ」
ユージン・マディス:「地上で材料を生成し、そのまま流し込めるわけか……」
甘崎リンコ:「コインを製作する環境は整っているというわけね」眼鏡を押し上げる。
ユージン・マディス:「合理的な構造だ」
イリス・ウィトルウィウス:「いやぁ~……コインというか、ライサは元々……」
ライサ・アルヴェストロ:「チームの子たちは何もわかっていません。NEO文化祭十字コインには、デザイン以前に解決すべき重要な問題があるのです。何かわかりますか?」
佐陀コトノ:「で、デザイン以前に……?」
ライサ・アルヴェストロ:失望したように小さくため息を付いて
ライサ・アルヴェストロ:「それは、偽造防止策です」
甘崎リンコ:「なるほど、道理ね」
ライサ・アルヴェストロ:「記念硬貨というものは特に偽造犯罪の標的にされやすいのです。外の世界の例を見ても、過去に億単位の損害を出した事件は山ほどあります」
甘崎リンコ:「簡単に模造できてしまったら記念品としてもコインとしても価値がないもの」
ライサ・アルヴェストロ:「それがノヴァリスであれば言わずもがなです。ブラックマーケットに出回っている過去のコインのうち、一体どれだけのものが真作であるのやら……」
後藤スダチ:「実行委員としてはそういうのとりあえず全部後でいいから作っててほしいんだけどな~」
足原エイコ:「芸術家ってより、役人みてえなこだわりだね……」
ライサ・アルヴェストロ:「いいえ、そこは断固拘ります」
ライサ・アルヴェストロ:「私は、”ノヴァリス造幣保安協会”の一員として、そのような事態を看過するわけには参りません」
甘崎リンコ:「偽造防止の方法を考えるのに手間取っていて製作が進んでいない。そういうことかしら?」
佐陀コトノ:「そ、それでここまで拘っているんですね……」
イリス・ウィトルウィウス:「……あの、みなさん。ライサの説明だと誤解があるので、私から補足します」
足原エイコ:「よろしく!」
イリス・ウィトルウィウス:「”ノヴァリス造幣保安協会”は、最高生徒会から認可された正当な通貨発行権を持つ組織」
イリス・ウィトルウィウス:「……ではありません・・・・・。」
佐陀コトノ:「…………えっ!?」
足原エイコ:「!?!?!?」
イリス・ウィトルウィウス:「むしろその逆……このノヴァリスの現金信用を失墜させた現況」
イリス・ウィトルウィウス:「ライサ・アルヴェストロは、贋金と偽札造りの達人です」

1st ATTACK
ライサのアトリエ ~偽造工廠プトラピカ~

GM:【”グレイブグリーバー” ライサ・アルヴェストロ】【ノヴァリス造幣保安協会】のTIPSを獲得しました。
【”グレイブグリーバー” ライサ・アルヴェストロ】
工芸専攻。ノヴァリス造幣保安協会所属。
偽札、贋金造りの達人。
超技巧派の版画家にして彫金作家。
その指先による造形精度は最新式の精密工作機械を遥かに凌ぐ。
保有するアトリエは”偽造工廠プトラピカ”。

【ノヴァリス造幣保安協会】
ノヴァリス造幣保安協会は、最高生徒会から認可された正当な通貨発行権を持つ組織ではない・・・・
学園都市に流通する通貨の安全性を検証し、問題点を一般に公開することで経済を健全に保つことを目的として
崇高なる使命感のもとに通貨偽造を断行する非営利団体である。
過去に学園都市で発行されたすべての現金通貨は、彼女たちによって完全な偽造方法を確立されており
結果的にノヴァリスでは現金の信用が失墜。電子決済による取引が大勢を占めるようになった。
ライサ・アルヴェストロ:「貨幣の歴史は、その始まりから偽造との戦いの歴史でした」
ライサ・アルヴェストロ:「価値の尺度、交換の手段、価値の貯蔵」
ライサ・アルヴェストロ:「貨幣が持つ3つの機能は、それを発行する国家の信用があって初めて成り立つもの」
ライサ・アルヴェストロ:「人間の共感能力が生み出した集団幻想という点に於いて、神と貨幣は同根です」
ライサ・アルヴェストロ:「しかし、信仰が成果カタチを捨て去ることで研ぎ澄まされるのに対し、信用は常に結果カタチを求めます」
ライサ・アルヴェストロ:「目に見えぬ故に人は信仰し、目に見える故に人は信用する」
ライサ・アルヴェストロ:「そして、人の目ほど容易く偽られ、信用できない物差しもありません」
ライサ・アルヴェストロ:「貨幣制度はその根本から欠陥を抱えているのです。しかし、人類はそのようなシステムの上に繁栄を築いてしまった」
ライサ・アルヴェストロ:「ならば誰かが守らなければなりません。ヒトが価値を預けたモノが、ヒトが造る故に不完全なままで良いはずがない」
ライサ・アルヴェストロ:熱っぽい瞳で朗々とまくし立てる。
ライサ・アルヴェストロ:「故に我々は世の貨幣を正すのです。脆弱性を克服し、より強固なものへと進歩させるために」
ライサ・アルヴェストロ:「悪貨が良貨を駆逐するのなら、我々はその前に」
ライサ・アルヴェストロ:「自らの手で、まとめて両方を駆逐する」
ライサ・アルヴェストロ:ぐっ……と、力強く拳を握る。
ライサ・アルヴェストロ:「詳しくは、保安協会のHPを御覧ください」
後藤スダチ:「なんでこの人に記念コイン制作頼んじゃったの?」誰にともなく感想を言う。
ユージン・マディス:「他の奴に頼んだらこいつらが偽造するからじゃないか?」
佐陀コトノ:「え、ええ…………」
足原エイコ:目の前を流れて行ったURLを目で追う
ユージン・マディス:「ところで……オレは、ノヴァリスにジャームはいないと聞いてたんだが」
ユージン・マディス:「もう一回、誰か言ってくれないか」
足原エイコ:「……センセイも人のこと言えんと思うけどね」
甘崎リンコ:「こんなに素晴らしい熱意を持つ人がジャームな訳がないじゃない」スマホを開いて素直にHPを見ている。
イリス・ウィトルウィウス:「そうですよぅ……!ちょっと真面目すぎるだけなんです……!」
佐陀コトノ:「あの、そういうことです……」
佐陀コトノ:リンコの方を見ながらそう言ってる
ユージン・マディス:「そうかーー……」
足原エイコ:「なんか……今の時点で思いついてる防止策とかはあるわけ?」
ライサ・アルヴェストロ:「そんなものは無限に思いつきます」
ライサ・アルヴェストロ:「しかし、その偽造方法もまた、無限に思いついてしまうのです」
後藤スダチ:「もう一回言うけど明日までに形ができてないとヤバいんだよ!?」
イリス・ウィトルウィウス:「自分で作ったコインの偽造方法を自分で思いついてしまい、それを克服するために更にコストをかけ……」
足原エイコ:「ほんとに果てがないじゃん!」
イリス・ウィトルウィウス:「無限ループに陥ってしまったのです……」
ユージン・マディス:「芸術家にはままあることだな」
ユージン・マディス:「だが……期間ある仕事として受けたのなら」
ユージン・マディス:「"期間"までに作れたものが、君の"今の実力"だ」
後藤スダチ:「あ、あのー……ほんとにお願いします……文化祭実行の段取りがもうヤバくなりつつあるので……!」
後藤スダチ:「どうか、どうか形だけでも出来上がったものを……」
後藤スダチ:「偽造の摘発とか監視は、もうオフィサーの方で……なんとか頼み込んでみますので……」
足原エイコ:「私もさあ、ほとんど下書きの原稿を毟り取られたことだってあるし~!」
ユージン・マディス:「もう一回言うぞ。己の実力を嘆いて、今ある物を出せ」
ライサ・アルヴェストロ:「ずいぶんな物良いですね」露骨に眉をひそめて
ライサ・アルヴェストロ:「師匠にでもなったつもりですか?」
ユージン・マディス:「教師に任ぜられている」端末を開き、教師証明を見せる。「ついでに言えば、本業は刀鍛冶でもある」
ユージン・マディス:「偽金作りは知らんが、拘る奴の傾向くらいは分かるとも」
ライサ・アルヴェストロ:「刀鍛冶」鼻で笑う。
ライサ・アルヴェストロ:「時代に取り残された職人のお手本のようなお仕事ですね」
ライサ・アルヴェストロ:「貴方の指摘は正論ではありますが……」
ライサ・アルヴェストロ:「見かけが正しいだけでは意味がない。お金と同じです」
ユージン・マディス:「ほう?」
ライサ・アルヴェストロ:「私を諭したいのなら、信用を見せなさい」
ユージン・マディス:明らかに苛ついている。「いい度胸だな。その偽造不可能金貨をどれだけ積めば刀剣を防げるかやってみるか?」
足原エイコ:(話が前に進んだ気がする!)
甘崎リンコ:「あなたの言う信用とはどういうものなのかしら」
甘崎リンコ:「拘りがあるのでしょう?」
足原エイコ:「わたしは有名な漫画家なので社会的信用あるんじゃないかなって思うんだけど―!」
ライサ・アルヴェストロ:「私のアトリエまで乗り込んで来ておいて、今更どういうものもないでしょう」
ライサ・アルヴェストロ:「ここは私の理が支配する、私の世界」
ライサ・アルヴェストロ:「私を否定したいのなら、この世界に打ち克つ以外に道はありません」
足原エイコ:「ふ~ん、じっくり偽造防止策について語り合うとかよか、それがいい」
足原エイコ:「やっぱバトルよバトル!」
後藤スダチ:「えっバトルするって意味だったの今の発言!?」
甘崎リンコ:「ふふ、分かりやすくていいわ。芸術家といえばこうでないと」うやうやしく鞄から丸太を取り出す。
後藤スダチ:「少なくとも芸術家のやることではないよ!?」
後藤スダチ:「丸太はどこから!?」
ユージン・マディス:「む、いい木材だな。神性を感じる」
後藤スダチ:「材質気にする場面!?」
イリス・ウィトルウィウス:「どっちも悔いのないように力を出し尽くしましょうね」
佐陀コトノ:「や、やっぱりそうなっちゃうんですね……!!」
後藤スダチ:「もう既に後悔しそうです……」
ユージン・マディス:「FHらしいやり方だ」
ユージン・マディス:溶鉱炉と黄金畑を見比べ、唇を釣り上げる。「さぞかし良い剣を見せてくれるんだろうな……!」
ライサ・アルヴェストロ:「良いでしょう。しかし、そちらも見合うものを出してくださると期待します」
ライサ・アルヴェストロ:ジャラジャラジャラジャラ……波のように生産されたコインが少女の足元から積み上がり、高みへと押し上げる。
ライサ・アルヴェストロ:「万象は流転し、万物の姿は移ろい行く」
ライサ・アルヴェストロ:「水は高きより低きへと流れ、澱めば腐り、朱に交われば赤くなる」
ライサ・アルヴェストロ:「我が作家性は”不変”。濁流の中で尚輝きを放つ黄金の色」
ライサ・アルヴェストロ:「この世界アトリエに挑むのならば、唯一無二の”価値”を示してみせよ!」
GM:ミドル戦闘を開始します。

GM:この戦闘では、以下の特殊ルールが適用されます。
イリス・ウィトルウィウス:イリスの効果により、特殊ルールは最初から開示されます。
【通貨偽造】戦闘に参加するキャラクターは、メジャーアクションで<芸術:〇〇>または<調達>による偽造判定を行い、達成値と同量の財産点を獲得できる。この財産点はPCの共有財産となり、このシーンが終了すると失われる。
【財政出動】この戦闘では、【通貨偽造】を除くあらゆる判定の達成値に財産点を加算することができる。
【固定相場】ライサ・アルヴェストロが行うあらゆる判定の達成値は50に固定される。
【価値暴落】PLが保有する共有財産点の合計が100点を超えた場合、共有財産点が1/100(最小1)に減少する。
GM:みんなで贋金を作ってバフをかけよう!
GM:何かわからない点はありますか?
ユージン・マディス:共有財産点以外の手持ちの財産点も追加できます?
GM:できます!価値暴落が起こった場合も、個人の財産点は影響を受けません。
ユージン・マディス:了解です!
後藤スダチ:メジャーアクションで【通貨偽造】ができる以外は、PCのメジャーアクションの選択肢は普通の戦闘と同じでいいんですよね?
GM:そうなります!
後藤スダチ:通貨偽造を行うのと並行して、敵に攻撃をして、HPを削らなければいけないわけですね
GM:そうですね、誰が偽造し、誰がアタッカーになるかよく考えるといいでしょう。
後藤スダチ:相談しましょうかね?
GM:どんどんしな!
GM:GMは目を瞑っているからね
後藤スダチ:性質上多分敵より速く動いて攻撃を当てるのは難しいと思うから……偽造役と攻撃役はある程度自由に決められる
甘崎リンコ:私は偽造関連のスキルはゴミカスなのでアタッカーを希望します!が、侵蝕に不安を覚えています
後藤スダチ:単体攻撃ででかい一発を当てられる人がいいなあ
甘崎リンコ:まあ……なんとかなるか!侵蝕は!
足原エイコ:芸術判定が一番強いのは私のはず 感覚が5で芸術:漫画が6ある
ユージン・マディス:あ、あと
ユージン・マディス:エンゲージどうなってるかお願いします
GM:そうね!
ライサ[13]
  |
  5m
  |
  PC
GM:こうなっております
ユージン・マディス:良かった 近接してない
後藤スダチ:あ、もう一つ!財産点による達成値加算は、ダイスを回した後に加算していいですか?
GM:大丈夫です!
後藤スダチ:また共有財産点で足りない場合
後藤スダチ:PCの誰かが手持ちの財産点を消費して達成値をプラスすることは可能でしょうか?
GM:それも可能とします。
後藤スダチ:ありがとうございます……!
GM:それでは初めていきます。

◆第一ラウンド

GM:セットアップから。宣言をどうぞ。
甘崎リンコ:セットアップありません!
ユージン・マディス:なし
ライサ・アルヴェストロ:こちらもなし
後藤スダチ:《活性の霧》をコトノちゃんに。攻撃力+21。回避ダイス-2個。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を3(→ 3)増加 (44 → 47)
佐陀コトノ:<狂騒の旋律>ラウンド間攻撃力+18、暴走付与。対象はエンゲージ全員。拒否可能
佐陀コトノ:活性の霧受け取ります!
足原エイコ:このラウンドは暴走の必要なし、何もなしで
後藤スダチ:私は受けません。
甘崎リンコ:旋律うけとります!
佐陀コトノ:侵蝕率を+6して57
足原エイコ:旋律は受け取らず!
ユージン・マディス:旋律やめときます
GM:イニシアチブ
GM:行動値13でスダチさんだ!
後藤スダチ:ではマイナーアクションで5mだけ下がっておいて……
ライサ[13]
  |
  5m
  |
  PC
  |
  5m
  |
 スダチ[13]
後藤スダチ:メジャーアクションで【通貨偽造】!私は人間製紙工場だ!
後藤スダチ:9dx+9
DoubleCross : (9DX10+9) → 8[1,3,3,4,4,5,5,8,8]+9 → 17

後藤スダチ:ダメダメダメ!!偽札できちゃうよぉぉぉ!!
GM:ウオオオオンン
後藤スダチ:クリティカルしなかったから言うほどできなかった。でも17もあればそれなりに役に立つでしょ!
GM:共有財産の財産を17(→ 17)増加 (0 → 17)
GM:では続いてライサのターン!その貧弱な財産で避けられるかな?
後藤スダチ:そういえばこいつ!攻撃も固定で達成値50なのか!
ライサ・アルヴェストロ:マイナーはありません。
ライサ・アルヴェストロ:メジャー《雨粒の矢》LV2《砂の刃》LV2《クリスタライズ》LV4《完全なる世界》LV4
ライサ・アルヴェストロ:モルフェウスのエフェクトは欲望の姫君で取りました
ライサ・アルヴェストロ:達成値は50で固定。ガード-5、装甲無視。対象はPC全員。
ライサ・アルヴェストロ:6d10+33  ダメージ!
DoubleCross : (6D10+33) → 33[1,3,8,9,7,5]+33 → 66

GM:あ、ごめんなさい
GM:リアクションしてもらうんだった。ダメージ出たけどお願いします。
後藤スダチ:アヤヤ~ッ
甘崎リンコ:相方からの支援で暴走中、リア不!
佐陀コトノ:相方ではありません!暴走リア不!
ユージン・マディス:回避
ユージン・マディス:1dx
DoubleCross : (1DX10) → 2[2] → 2

足原エイコ:回避で!
足原エイコ:1dx
DoubleCross : (1DX10) → 1[1] → 0 (ファンブル)

足原エイコ:派手に転んだ!
後藤スダチ:回避もほぼ不可能で装甲も無視されるしエンゲージ離しても意味なかった……トホホ
後藤スダチ:1dx+1>=50
DoubleCross : (1DX10+1>=50) → 8[8]+1 → 9 → 失敗

GM:みんな運動苦手なのかな
ユージン・マディス:《領域の盾》。侵蝕49→53
ユージン・マディス:こいつら……。ユージンでリンコさんを庇います。
甘崎リンコ:はわ!?あ、ありがとうございます!
ライサ・アルヴェストロ:ダメージはさっき出た66!
佐陀コトノ:HPは0、リザレクトします
ユージン・マディス:リザレクト
後藤スダチ:やられたーっ!《リザレクト》!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (47 → 48)
後藤スダチ:なんかさっきから1しか出ないけど大丈夫かなあ
足原エイコ:文化系にはキツイダメージ!リザレクト!
佐陀コトノ:57+1d10
DoubleCross : (57+1D10) → 57+8[8] → 65

足原エイコ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 5

足原エイコ:HP5,侵蝕55
佐陀コトノ:ぎゃっ
ユージン・マディス:1d10+53
DoubleCross : (1D10+53) → 9[9]+53 → 62

ユージン・マディス:ウワッ
甘崎リンコ:せ、せんせい
GM:では続いてのイニシアチブ
GM:行動値12、足原さんか佐陀さんです。
佐陀コトノ:足原さんお先にお願いします!
足原エイコ:私から!たくさん稼ぐぞ~
足原エイコ:マイナーは動かず
足原エイコ:メジャーアクション!【通貨偽造】!
後藤スダチ:頑張れアシハラ先生!
足原エイコ:「偽金」を作ります
後藤スダチ:だから気に入った
足原エイコ:5dx+6 芸術:漫画で判定
DoubleCross : (5DX10+6) → 10[1,2,7,9,10]+7[7]+6 → 23

後藤スダチ:すごすぎる~~!
後藤スダチ:私達大金持ちですよッ!先生!
甘崎リンコ:ナイス偽金!
佐陀コトノ:先生流石~!
足原エイコ:勝ちまくり!モテまくり!
GM:すごーい!
足原エイコ:23点追加だから……40かな?
GM:共有財産の財産を23(→ 23)増加 (17 → 40)
足原エイコ:この金で未来を切り開け!コトノたん!
佐陀コトノ:が、頑張ります!
GM:では足原先生が稼いだお金を抱えて……佐陀さんお願いします!
佐陀コトノ:は、はい!
佐陀コトノ:マイナーアクションはなし
佐陀コトノ:メジャーアクション:<サイレンの魔女>
GM:ヒィ~~
佐陀コトノ:4dx+20
DoubleCross : (4DX10+20) → 10[4,7,10,10]+4[3,4]+20 → 34

佐陀コトノ:しゃーい!
ライサ・アルヴェストロ:フッ……こっちの回避は50。その程度では……
甘崎リンコ:ふふ……私の相方は、偽金を使える!
佐陀コトノ:ここに……共通財産点を17点加算します!
佐陀コトノ:達成値は51!
ライサ・アルヴェストロ:ウ、ウワアア~~~……!
足原エイコ:これが正義の偽金パワー!
ライサ・アルヴェストロ:が、ガードします……!
佐陀コトノ:ダメージ!
佐陀コトノ:6d10+21+18+1d+21
DoubleCross : (6D10+21+18+1D10+21) → 36[10,4,7,6,7,2]+21+18+10[10]+21 → 106

甘崎リンコ:つ、つっよ
後藤スダチ:ヤッターかっこいい
ライサ・アルヴェストロ:ハ……?
佐陀コトノ:装甲無視の一撃! どうだ!
ライサ・アルヴェストロ:吹っ飛びます。こんな奴のHPが早々高いはずがない。
後藤スダチ:確かにこの見た目でHP120あったら
ユージン・マディス:これでHP120あったら笑う
後藤スダチ:猫口さんに描きなおしてもらったほうがいいもんな
佐陀コトノ:www
ユージン・マディス:最悪w
ライサ・アルヴェストロ:HP0からの……《蘇生復活》
甘崎リンコ:蘇生だと!
後藤スダチ:HP1でも厄介……!
足原エイコ:その太腿にHPを隠し持ってやがった!
ライサ・アルヴェストロ:根性で踏みとどまります。
後藤スダチ:画面に映ってないからって太もものこと好き勝手言われてる
ライサ・アルヴェストロ:太腿が太かったらもっとHPあるだろ
佐陀コトノ:私はここまで! あとはリンコさん、先生、よろしくお願いします!
後藤スダチ:財産もまだ十分ある……!トドメオサセー!
GM:次のイニシアチブ!先生の手番です。
GM:共有財産の財産を-17(→ -17)増加 (40 → 23)
ユージン・マディス:悪いが万全を期させて貰う! 待機!
GM:何ぃ
GM:では先生の代わりに甘崎さん!行動しな!
甘崎リンコ:はい!
甘崎リンコ:マイナーで一応暴走解除。メインで【通貨偽造】!
甘崎リンコ:購入判定!
甘崎リンコ:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 4[4,4]+1 → 5

甘崎リンコ:先生……!5円稼ぎました!!
後藤スダチ:リンコさん……!!
佐陀コトノ:り、リンコさん……!
足原エイコ:自販機の下を……
ユージン・マディス:せちがらい
ライサ・アルヴェストロ:《妖精の手》最後のダイスを10に。振り足して下さい。
甘崎リンコ:ほえっ!?
甘崎リンコ:1dx+11
DoubleCross : (1DX10+11) → 6[6]+11 → 17

ライサ・アルヴェストロ:《妖精の輪》《妖精の手》最後のダイスを10に。振り足して下さい。
足原エイコ:!?
後藤スダチ:あっもしかしてこいつ……!
甘崎リンコ:ど、どうしよう!貨幣が暴落しちゃう!
後藤スダチ:ハイパーインフレーションを狙っているのか!!
甘崎リンコ:1dx+21
DoubleCross : (1DX10+21) → 2[2]+21 → 23

後藤スダチ:すっげ~攻撃!
佐陀コトノ:おっそろしいことを
ライサ・アルヴェストロ:《勝利の女神》達成値を+18
足原エイコ:無理な財政介入反対!
甘崎リンコ:あわわわわわわ
後藤スダチ:や、やめてええ
ライサ・アルヴェストロ:本来はこれを先生の《マシンモーフィング》に当ててハイパーインフレーションを起こす作戦でしたが……
ライサ・アルヴェストロ:元が自販機のコインではこれが限界ですか……残念です。
ユージン・マディス:あ、マシンモーフィングでの生成やっぱり出来たんだ
GM:共有財産の財産を41(→ 41)増加 (23 → 64)
甘崎リンコ:じ、自販機のコインが札束になっちゃった
GM:潤沢な資産を懐に入れて先生の手番!
ユージン・マディス:危な…………。リンコさんの侵蝕がヤバくなかったら死ぬところだった
ユージン・マディス:しかし怪我の功名。有難く使わせて頂こう。生徒が稼いだ金をな!
ユージン・マディス:マイナーなし。メジャーで《ダンシングシミター》。
ユージン・マディス:ダンシングシミターでの選択は両手剣・キーンナイフ・キーンナイフ。「使用している」扱いにする。
ユージン・マディス:10dx+6
DoubleCross : (10DX10+6) → 10[1,1,2,3,4,4,6,7,7,10]+1[1]+6 → 17

ライサ・アルヴェストロ:あらあら…
ユージン・マディス:共有財産点33点をつぎ込む。
ライサ・アルヴェストロ:ゲーッ!生徒に稼がせたお金を!
ライサ・アルヴェストロ:ガード……!
ユージン・マディス:生徒が大金を持っても使えないだろうから先生が貯めておいてあげるわね
GM:共有財産の財産を-33(→ -33)増加 (64 → 31)
甘崎リンコ:私のお年玉……?
GM:ちゃんと大人になったら返してくれるんだろうな
ユージン・マディス:あ、違うわ
ユージン・マディス:使うのは34点です。51にしなきゃいけないもんね
ユージン・マディス:9+6d10
DoubleCross : (9+6D10) → 9+30[1,3,8,10,5,3] → 39

足原エイコ:生徒の金で達成値無双!
ユージン・マディス:ダメージ39点、キーンナイフの効果で装甲-10。
ライサ・アルヴェストロ:HP1だって言ってるだろ!
ライサ・アルヴェストロ:当然戦闘不能。復活もなし。
ユージン・マディス:侵蝕62→65 金よりも刀の方が強いということが明らかになってしまったな
GM:皆さんの勝利です。
甘崎リンコ:やった~~!
足原エイコ:これが真の偽金だ!
後藤スダチ:締め切り締め切り!締め切り警察出動だ
GM:世界経済が崩壊しちゃうよ~

ライサ・アルヴェストロ:「貨幣は万人に公平です」
ライサ・アルヴェストロ:「この世界もそれは同じ。貴方たちが価値を示せば、相応しい加護を授けるでしょう」
ライサ・アルヴェストロ:「もっとも……」掌から金貨が無数に零れ落ちる。
ライサ・アルヴェストロ:「所詮は端金でしょうが」
後藤スダチ:「正直……趣旨がまだ全部わかってるわけじゃないけど」
後藤スダチ:「贋金作りが君のアトリエのルールで……それと戦うってことは、こっちもお金を作らなきゃいけないってことなんだよね!?」
ライサ・アルヴェストロ:「素人にしては理解がお早い」
足原エイコ:「材料もたんまりあるもんねぇ!」
イリス・ウィトルウィウス:「そういうことです!この世界では、お金があれば大抵のことは出来ます!」
イリス・ウィトルウィウス:「そして、お金であれば……真贋は二の次!」
後藤スダチ:「本当にそんなこと言っちゃっていいの?高速錬成できるモルフェウス能力者ならそんなのすぐクリアできちゃうよ?」
ライサ・アルヴェストロ:「貨幣の機能は3つある、と言ったはずですが……」
ライサ・アルヴェストロ:「まあ、好きにやってみればよろしいでしょう。いずれわかります」
ユージン・マディス:「……?」
後藤スダチ:「もうやってる」落ちていたコインを一枚拾い上げる、と
後藤スダチ:「って言ったら?」重なっていたのをずらすように、もう一枚を見せる。
ライサ・アルヴェストロ:「……」苛ついたように眉を顰める。
後藤スダチ:地面を滑り這うようにして、薄緑色の液体が流れている。後藤スダチの操るスライム状サポートユニットだ。
後藤スダチ:「代表的な高分子の融点はポリテトラフルオロエチレンでおよそ320℃」
後藤スダチ:「型を作っても、金の融点、1064℃には耐えられない……」
後藤スダチ:「だけど自由に整形できる高分子は、『原版』を作るのには大いに役立つ」
後藤スダチ:「つまり」――ザ
後藤スダチ:足場に広がる熱砂……に溶けた金が広がっている。
ライサ・アルヴェストロ:「砂型ですか……」
後藤スダチ:「こうやって、なんでもない足元でもコインを偽造できるってこと……出来の良し悪しを問わないっていうなら」
後藤スダチ:「これで私もかなりの『お金持ち』だッ」
ライサ・アルヴェストロ:「……古典的ですが、良い発想です」
ライサ・アルヴェストロ:「しかし、その造形は余りに醜い。いくら真贋を問わないとは言っても」
ライサ・アルヴェストロ:「それは贋作が真に迫っているからこそ」
後藤スダチ:「で、でも咄嗟に贋金を作れって言われてすぐ精巧にできたら完全に犯罪者じゃん!」
ライサ・アルヴェストロ:「いいえ、犯罪ではありません」
後藤スダチ:「犯罪だと思うけどなあ」
ライサ・アルヴェストロ:「本物と見分けがつかない。その域に至ったのならばそれは」
ライサ・アルヴェストロ:「芸術です」
後藤スダチ:「犯罪だと思うけどなあ」
ライサ・アルヴェストロ:両手を掲げると同時に、彼女の背後から黄金の大波が立ち上がる。
ライサ・アルヴェストロ:「悪貨は良貨を駆逐する。されど、出来の良い悪貨は不出来な悪貨を駆逐する」
ライサ・アルヴェストロ:「不合格です。地金からやり直しなさい」
後藤スダチ:「わ、わ、わわわわ」
後藤スダチ:「攻撃だあ――っ!」みんなに呼びかけます。
足原エイコ:「うっひゃー!ゴールド・ラッシュだね!」
ライサ・アルヴェストロ:黄金の波濤が空を覆い、君たち全員を洗い流さんと押し寄せる。
甘崎リンコ:「すごい……!これほどの熱意、理論!それがこうして力となり実を結んでいる……!」感心したように見つめている!
佐陀コトノ:「そ、そんなこと言ってる場合じゃないですよ!!」
ユージン・マディス:「貨幣の津波か……剣士の風上にも置けん!」 ※剣士ではありません
足原エイコ:「ふががががが」口の中にまで大量の金貨が!
足原エイコ:(金に溺れる……)
佐陀コトノ:「わー!!」金の波に流される
後藤スダチ:「痛い~~重い~~!!」押しつぶされ、泣き声をあげる。
イリス・ウィトルウィウス:「あわわわわ」カラースプレーを吹きかけて体に伸し掛かる黄金の塊を溶かしている。
ユージン・マディス:リンコさんの眼前に、小刀のようなものが投げられる。
ユージン・マディス:守り刀を起点として、リンコさんの眼前で金砂が別たれ、代わりにすぐ傍に居たユージンに流れていく。
甘崎リンコ:「…………!?」
甘崎リンコ:熱心に見つめていたが、その様子に流石に驚いて振り向く。
甘崎リンコ:「せ……先生……!?」
ユージン・マディス:「ぼさっとしているな!」
ユージン・マディス:金砂に埋もれながら這い出す。「たく、純金は武器には使えない……!」
甘崎リンコ:「す、すみません」
甘崎リンコ:「……ありがとうございます」少しだけ顔を赤くして呟く。
ユージン・マディス:「その小刀は全員使える! 庇えるときはお前らが使え」
イリス・ウィトルウィウス:(リンコがあんな表情を……!?)ガーン
佐陀コトノ:唖然とした顔
漫画01
後藤スダチ:金貨の下敷きになってしくしく泣いている。
ユージン・マディス:(というにも、全員、攻撃対応の余裕がないやつばっかか……!)
足原エイコ:「あ~、えらい目に遭った……」金貨の山から這い出て
足原エイコ:「硬いし痛いし……浸かるならやっぱ……」
足原エイコ:その手にはペンと用紙が
足原エイコ:「紙幣でしょ!」
ライサ・アルヴェストロ:「見くびられたものですね、漫画家」
ライサ・アルヴェストロ:「紙幣の印刷に何色の色が使われているかご存知で?」
足原エイコ:溢れるアイデアを、爆発させるのではなく紙面に映し出していく
ライサ・アルヴェストロ:「インクとペン一本で表現できる物には限りが……」
足原エイコ:「お金ってさあ、要は」
足原エイコ:「それにどれだけの価値を感じるかってことでしょ?信用も含めて」
足原エイコ:迷いのない筆運びで、装飾をつけていく
足原エイコ:「あの『Vanquish!』の作者、アシハラ・エイコ直筆の記念紙幣、限定10枚」
イリス・ウィトルウィウス:「おお!エイコの瞳が燃えています!こうなった時のエイコはやりますよ!!」
足原エイコ:「……もしあったら、すごい価値だと思うよね?」
後藤スダチ:「すごい!ほしい!」
ライサ・アルヴェストロ:「貴方……!」
足原エイコ:用紙にトーンを重ね
足原エイコ:「あ……デザインナイフが……これ使うねセンセイ!」
ユージン・マディス:「あ、おいこら!」
ライサ・アルヴェストロ:貨幣の機能は、価値の尺度、交換の手段、価値の貯蔵。
ライサ・アルヴェストロ:逆に言えば、その機能を満たすのなら、媒体は"貨幣でなくてもよい"
足原エイコ:マディス先生から受け取った小刀で、トーンを削り、仕上げていく
ユージン・マディス:「守り刀を……トーン削りに……!」
後藤スダチ:「既存の貨幣を偽造するんじゃなく……」
後藤スダチ:「まったく新しい貨幣を作り出した……!これが……超漫画家アシハラ・エイコ!!」
甘崎リンコ:「ふふ……まさに唯一無二ね」
足原エイコ:「すんごい切れ味!刀鍛冶ってすごいねセンセイ!」出来上がった記念紙幣には、1000という数字が記されている
足原エイコ:だがその価値は、何倍のものにもなるだろう
佐陀コトノ:「す、すごい……!」
ライサ・アルヴェストロ:「私のアトリエで恥ずかしげもなく……紙幣の創作……?」
ライサ・アルヴェストロ:「許せません……足原エイコ……!」
足原エイコ:「ふー描いた描いた!」すっきりとした表情
足原エイコ:「じゃあ後は……どう使うか、だよね」
足原エイコ:「お金は使ってナンボじゃ!」
後藤スダチ:「アシハラ先生!このお金……!」
後藤スダチ:「『使って』もいいですか!」
足原エイコ:「もっちろん!はいどーぞ」
足原エイコ:スダチちゃんに手渡す
足原エイコ:「お渡し会でさらに価値アップだ」
後藤スダチ:「ありがとうございます!」あのアシハラ・エイコ作の限定10枚の超高価値紙幣!もちろん自分も欲しくなるが……
後藤スダチ:この空間で戦えるのはそういう価値観ではない!
後藤スダチ:紙幣に加えて、先程から大量生産していた金貨の偽造品の中から、使えそうなものをありったけ……
後藤スダチ:ドン!!!
後藤スダチ:佐陀コトノの開いたギターケースの中へと突っ込みます。
後藤スダチ:「佐陀ちゃん!」
佐陀コトノ:「ひゃっ!」
後藤スダチ:「これで『演奏』をして!!」
佐陀コトノ:「……もしかして、「演奏料」ってことですか!」
後藤スダチ:「ただ攻撃するんじゃ……多分、駄目なんじゃないかな!攻撃自体に『価値』がある攻撃じゃなきゃ……!」
後藤スダチ:「だからもし、佐陀ちゃんの音楽でライサちゃんと戦えるなら……」
後藤スダチ:「……一番佐陀ちゃんが適任だと私は思う!」
イリス・ウィトルウィウス:(少し戦っただけでこの分析力……流石"オフィサー"のバリキャリエリート営業マンです!)
佐陀コトノ:「……分かりました。そのお金、受け取ります」
佐陀コトノ:ギターケースが開く。舞い落ちる貨幣、相棒たるギターが引き出される
ライサ・アルヴェストロ:「箔付けですか。悪くはない手ですが……」
ライサ・アルヴェストロ:「理解しているのでしょうね?信用は常に変動するもの」
ライサ・アルヴェストロ:「肝心の演奏が払った金額に見合わなければ、そのツケは貴方が払うことになりますよ?"オフィサー"の方」
後藤スダチ:「ねえ!文化祭実行委員として言わせてもらうけど」アンプなどの準備を手伝いながら言う。
後藤スダチ:「もしかして、そんなだから作品が完成しないんじゃない?」
ライサ・アルヴェストロ:「……どういう意味ですか」
後藤スダチ:「どんなアイデアが……他の人や、自分の中から浮かんできても、ダメそうな理由の方を思いついちゃうんでしょ」
後藤スダチ:「私もね、ライサちゃんと条件は同じだよ!佐陀ちゃんとは今日初めて会ったんだもん」
後藤スダチ:「でも、こうは思わなかった?」
後藤スダチ:「もしかしたら、すごい演奏をするかもしれない」
ライサ・アルヴェストロ:「……商業主義に塗れたジェネシスらしい、楽観的な発想ですね」
ライサ・アルヴェストロ:「それはエンタメの方法論です。真の芸術は、常に批判と自己否定の殻を破って生まれてくる」
ライサ・アルヴェストロ:「戯言に耳を貸すつもりはありません。私に価値を認めさせたければ」
ライサ・アルヴェストロ:「正面から証を立てなさい」
後藤スダチ:「よーし、言ったな?」
後藤スダチ:「佐陀ちゃん!演奏で黙らせれば完全勝利だ!」
佐陀コトノ:コクリと頷く
佐陀コトノ:肩からストラップで下げられた相棒のギター、そのネックを掴む
佐陀コトノ:「……ら、ライサさん」
佐陀コトノ:「わ、私は正直、拘りたくなる気持ち、分からないって言ったら……嘘になります」
佐陀コトノ:「まだ終わりじゃない、まだやれるはず、こんなモノで満足するわけにはいかない――」
佐陀コトノ:「……だけど、終わりは必ず迫ってくる。受け手はいつまでも待っていてはくれない」
佐陀コトノ:「限られた時間で私達は「正解」を探すしかなくて、そうして見つけた「正解」こそが私たちの作品になり財産になる。そんなことは誰もが理解してる!」
佐陀コトノ:足先が等間隔でリズムを刻む。点火された呪力が内臓コイルを巡り、即席の音響装置を作り出す
佐陀コトノ:「貴方のやってることは往生際が悪いだけです! 見苦しい、いい加減諦めてください!」
ライサ・アルヴェストロ:「無理です」黄金の壁が目の前にそそり立つ。
佐陀コトノ:「そんな言い訳通りません!!」
佐陀コトノ:指先が鋼鉄の弦を弾いてイントロを掻き鳴らす、指先の奏で上げる旋律が絵画世界を振動させる
佐陀コトノ:この場に立つ者全てを観客として届かせる音楽。佐陀コトノに支払われた「価値」が効力を増幅させ、アトリエを彼女のステージに変える
ライサ・アルヴェストロ:「……ッ!」
GM:見渡す限りの小麦畑と大溶解炉。それは一見果てのないように見えるが、決して無限の空間ではない。
GM:佐陀コトノの音楽が空間を満たし、反響し、震え上がらせる。
GM:喝采にも似た軋みが、彼女の歌の価値を証明しつつあった。
足原エイコ:「全身で音の振動感じる……っ!すご!」
後藤スダチ:「わわわわわ」空間ごと震わされるような音で変な声が出る。
甘崎リンコ:「素晴らしい演奏……!さすがこの甘崎リンコの相方ね……!」
ユージン・マディス:「この、出力……!」耳を抑える。「それに、破魔か? とんでもないな……」
佐陀コトノ:「まだこれからっ!!」
佐陀コトノ:演奏と共に全方位に拡散する重厚な衝撃。だが、それが現代神楽そのものではない。
佐陀コトノ:現代神楽の調べ。古より残存し、そして再編された99の神楽歌。佐陀コトノが奏で上げる最も新しき呪術の一つ
佐陀コトノ:その本質は荒ぶる神に捧げ奉る「鎮魂術」、非実体たる「魂」を直接捉えて干渉する術式
佐陀コトノ:如何なる世界法則を持つとしても、「感動し、魂を揺さぶられる」体験こそがあらゆる芸術の原初であるならば
佐陀コトノ:演奏によって構築された術式がライサ・アルヴェストロの魂を捉え、揺さぶり穿つ
佐陀コトノ:この一撃が、彼女に届かぬ道理はない!
ライサ・アルヴェストロ:幾重にも積み重ねられた黄金の防壁が、まとめて突き破られる。
ライサ・アルヴェストロ:「か───はっ」
ライサ・アルヴェストロ:壁を砕いて届いたのではない。届いたが故に砕かれた。
ライサ・アルヴェストロ:魂そのものを掴まれ、その価値を理解した以上
ライサ・アルヴェストロ:心を閉ざすいかなる壁も、自壊する他はない。
ライサ・アルヴェストロ:そのまま音の圧力に弾き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
後藤スダチ:「……やった!私が期待した通り……いや、それ以上だった!佐陀ちゃんの演奏は……」
後藤スダチ:「どうでしたか!コメントをどうぞ、リンコさん!」
甘崎リンコ:「ふふ……ええ、百点満点中の百二十点といっていいでしょうね」
甘崎リンコ:「合格よ……相方として、認めてあげてもいいわ……!」
イリス・ウィトルウィウス:(リンコがウケ狙いじゃないコメントを……これは本物です……!)
足原エイコ:「やったか!?」
佐陀コトノ:「あの、認められたくないです……」
甘崎リンコ:「これほどの演奏を聞いたのだもの。いくらアトリエの主といったってもう……」
ライサ・アルヴェストロ:「ふっ……ぐ、まだ、です……」
足原エイコ:「なにっ」
佐陀コトノ:「て、手ごたえはあったのに……!」
後藤スダチ:「ゾンビみたいな執念!締切を過ぎてもなお引き延ばそうとする芸術家なだけある……!」
ライサ・アルヴェストロ:絶対的な空間の支配権を持つとは言え、肉体そのものは決して強くない。
ライサ・アルヴェストロ:満身創痍、いつ十字冠が作動してもおかしくはないダメージだが
ライサ・アルヴェストロ:頭上の十字冠が微かに明滅している。それは二重になるには至らずとも、僅かにその兆候を見せつつある。
ユージン・マディス:「あれは……?」 報告書で見た覚えがあるようなないような。
ライサ・アルヴェストロ:「医療も……お金で買えます」
ライサ・アルヴェストロ:折れた体を添え木やギブスで無理やり立たせる。
甘崎リンコ:「ふふ……往生際が悪いのは嫌いではないわ」満身創痍でなお立ち上がるその姿を満足気に眺める。
ライサ・アルヴェストロ:「もうひと押し……とでも思っているのなら、浅はかとしか言いようがありません」
ライサ・アルヴェストロ:「今の演奏であなた方の財産は粗方吐き出したはず」
ライサ・アルヴェストロ:「一方、私はいつでも」両手をかざす
ライサ・アルヴェストロ:「必要な金額を、必要なタイミングで用意できます」
ライサ・アルヴェストロ:「二度同じ手は通じません。今度こそ出ていってもらいますよ」
甘崎リンコ:「この期に及んで素晴らしいわ。芸術家に必要なものは諦めの悪さだもの。少しの躓きで筆を折っているようでは、私もあなたもここにはいない」
足原エイコ:「金がないなら……作ればいいんだよねぇ?」もっとも、エイコ自身は腕がオーバーヒート状態だ
後藤スダチ:「き……聞きたいんだけど、そこまでして締切って守りたくないもんなの!?」
後藤スダチ:「ここまで来たら大人しく制作作業に移ってもらったほうが楽だと思うし……私も嬉しいんだけど……!」
ライサ・アルヴェストロ:「愚問です……”オフィサー" 」
ライサ・アルヴェストロ:「たとえ充分な報酬を払ったとしても、それで芸術家の心まで買えると思い上がらないことです!!」
佐陀コトノ:「ほ、本当に往生際悪いですよ……!!」
後藤スダチ:「芸術家ってサイテー!」
佐陀コトノ:「ぜ、全員がこうじゃないです!! あれはタチが悪い方の芸術家です……!!」
甘崎リンコ:満身創痍の彼女を前に思案する。
甘崎リンコ:彼女自身がそう言ったように、『アトリエ』内で持ち主と戦うのには万全の準備を整えた方がいい――今佐陀コトノが見せたように。
甘崎リンコ:だが、そういう合理的な理屈の他にも――
甘崎リンコ:価値を示せば加護を得られる、とライサ・アルヴェストロは言った。
甘崎リンコ:恐らく――彼女の言葉と攻撃の仕方、そして足原エイコの紙幣の偽造方法、そして『価値を示された』佐陀コトノの攻撃から見て、
甘崎リンコ:この世界の『ルール』は『いかに精巧な贋金を作るか』でなく『いかに価値のあるものを示すか』に重きをおいているのだろう。
甘崎リンコ:なら、興味があった。
甘崎リンコ:自分のネタには、この世界はどれくらいの価値を見出すのだろう?
甘崎リンコ:ユージン・マディスの刀鍛冶という職業自体には笑っていたものの、同じムセイオン生である我々の実力自体は認めているような口ぶりだった。
甘崎リンコ:すなわち、自分の明るくない分野の芸術だからといって、無価値だとは思っていないということ。
甘崎リンコ:この世界は彼女の思うがまま。彼女が認めれば、『価値』が造られるだろう。
甘崎リンコ:「……うぐいす肉」
甘崎リンコ:小さく呟く。小声なのは戦闘中に味方を抱腹絶倒させてしまっては困るからだ。
甘崎リンコ:手のひらを差し出してみる。
ライサ・アルヴェストロ:「かかりましたね!」ずっと、この瞬間を狙っていた。
ライサ・アルヴェストロ:この世界では、価値の創造こそが力となる。あえて、その一側面のみを強調し続けた。
ライサ・アルヴェストロ:貨幣には3つの機能がある。価値の尺度、交換の手段、価値の貯蔵。
ライサ・アルヴェストロ:それらは密接に絡み合いながらも、単一の機能だ。そのバランスは常に保たれていなくてはならない。
ライサ・アルヴェストロ:如何に価値を担保されたものであろうとも、それが流通手段として過剰であれば
ライサ・アルヴェストロ:川の流れは堰き止められ、腐る。
ライサ・アルヴェストロ:"数が多すぎれば信用は失墜する"
ライサ・アルヴェストロ:「そのギャグに……私の全額をベットします!!」
ライサ・アルヴェストロ:先程、後藤スダチがやったことと同じことをすれば良い
ライサ・アルヴェストロ:価値が価値を証明し、金が金を生み出し、やがて限界を迎え、破裂する。
ライサ・アルヴェストロ:そうすれば奴らの持ち金は紙くずとなる。一方、自分はどのタイミングでも必要な額の贋金を……
ライサ・アルヴェストロ:「…………………」
ライサ・アルヴェストロ:「…………………」
ライサ・アルヴェストロ:「………………そんな、あり得ない………」
ライサ・アルヴェストロ:そこでようやく、リンコの声が届いた。
ライサ・アルヴェストロ:「………つまらなすぎる!!!!」
甘崎リンコ:「す……すごい!お金が!お金がたくさんあります、先生!」
甘崎リンコ:例えほんの微かであっても認められた価値――声が出ているとか言葉を喋っているとか、そういった価値といえなくもない要素が、
甘崎リンコ:ライサ・アルヴェストロの能力で増幅される。
ユージン・マディス:「あ、ああ。たくさん出てきたな……」
甘崎リンコ:手のひらにあふれんばかりの金、金、金!
足原エイコ:「なんか知らんがすげー額だ!」
甘崎リンコ:「やはり私のネタは真の芸術家にはその価値を認められるものなのね……!」
ライサ・アルヴェストロ:「なんて哀れな……この程度の金額では、この世界を飽和させるにはまるで足りません……」
佐陀コトノ:「…………あの、ご愁傷様です……」
佐陀コトノ:同情の目でライサを見ている
ユージン・マディス:「…………………分かるよ。初めて鍛った刀が。使って貰えたら嬉しいものな」
ユージン・マディス:「悲しいな……」 それはライサだけに向けられたものか、
後藤スダチ:「ライサさん……今、もしかして」
後藤スダチ:溢れる金を見る。「リンコさんの『うぐいす肉』に、こんなにお金払った?」
ライサ・アルヴェストロ:「言うなああああ!!!!」
ユージン・マディス:「後藤……残酷だなお前……」
佐陀コトノ:「な、なんでそんなものにお金を使っちゃったんですか……?」
ユージン・マディス:「なんか……あったんだろ、狙いが……」
後藤スダチ:「いや、今のやり取りだとどんなバトルしてたか分かんなくて……」
後藤スダチ:「見たままのことを言うしか……」
足原エイコ:「ははは!最高に面白いよリンコ!」
足原エイコ:「『この状況』には……それだけの価値あるよ……ハハハ!」
ライサ・アルヴェストロ:「こんな……許せません……この私に、貨幣を"無駄に"使わせるなんて……!!」
ライサ・アルヴェストロ:「何か、価値ある物を買わなければ……何か……」
ライサ・アルヴェストロ:そこで、哀れみの目を向けるユージンと目が合う。
ライサ・アルヴェストロ:「ああ、そういえば……」
ライサ・アルヴェストロ:「見たいと言っていましたね。最高の刀剣を」
ライサ・アルヴェストロ:背後に山のように金貨が積み上がる。
ユージン・マディス:「……それは言ったが」
ユージン・マディス:「オレだって死人に鞭打って剣作らせる趣味はないぞ……?」
ライサ・アルヴェストロ:「ご心配には及びません。私がこの手で造るのは贋金と偽札だけ」
ライサ・アルヴェストロ:「他のものは、買うのです」
ライサ・アルヴェストロ:金貨が崩れ、中から一振りの太刀が引き抜かれる。
ユージン・マディス:「!」
ライサ・アルヴェストロ:「外の世界で最高の値が付いた日本刀がなにか、ご存知ですか?」
ユージン・マディス:「……お前がそれを知っているのか?」
ライサ・アルヴェストロ:「備前福岡一文字"山鳥毛"」
ライサ・アルヴェストロ:「日本円にして5億円。これ自体は優れた刀剣ではありますが、遺産の類というわけではないでしょう。おそらく」
ライサ・アルヴェストロ:「しかし、この世界では貯蔵された価値はそのまま力となる」
ライサ・アルヴェストロ:「値が付いた武器はそれだけで強いのです」
ユージン・マディス:「……金で買われたものなら、この世界なら何でも生み出せる」
ユージン・マディス:「それがこのアトリエの、真の法則というわけか」
ライサ・アルヴェストロ:集まった金貨が宙に浮かぶ大きな手甲となり、太刀を引き抜いて構える。
ユージン・マディス:「いい! 購入された刀剣だけでも、その数は考えもつかない」
ユージン・マディス:「しばらく入り浸っても良い、が…………」
ユージン・マディス:巨大な手甲に向かって、無造作に歩いて行く。
ライサ・アルヴェストロ:「おかしいですね。今から追い出すと言う話をしているのですが……」
ユージン・マディス:「それは学祭が終わってからだな。――さあ使ってみろ!」
ユージン・マディス:「もっと近くに!」
ライサ・アルヴェストロ:「言われなくても───」太刀を振り上げ、
ライサ・アルヴェストロ:「食らわせてあげます!!」真一文字に振り下ろす。その刀身が何十倍にもなったと見間違う程の、圧倒的な剣気と共に。
ユージン・マディス:嬉々とした表情が、一瞬で飲み込まれ―――――
ユージン・マディス:ガ ァン!!
ユージン・マディス:吹き飛ばす寸前で、手甲が、刀剣が止まる。
ライサ・アルヴェストロ:「!?」
ユージン・マディス:ザ ラ
ユージン・マディス:ザラララララララララ―――――
ユージン・マディス:無数の「貨幣」が、その斬撃の、手甲の隙間に入り込み。
ライサ・アルヴェストロ:「な、なんですかこれは……!?動かな……」
ユージン・マディス:ユージンを守っている。
ユージン・マディス:この領域において、絶対の支配者であるはずのライサに逆らっている。
ライサ・アルヴェストロ:「そんな……何故……!」
ライサ・アルヴェストロ:「私のお金なのに……!!」
ユージン・マディス:「甘崎の稼いだ金をな。少しばかり、そうだな――"両替"した」
ユージン・マディス:背後の空間から、月光めいた翳りの光が差す。それは金貨を照らすと、その形状を変換していく。
ライサ・アルヴェストロ:「月の光……?いえ、それよりも後ろのそれは……」
ユージン・マディス:「精製期。BC221.Erea,sei.en.etsu」
ユージン・マディス:「形状指定。尖首刀、斉刀、明刀、方首刀、円首刀」
ライサ・アルヴェストロ:「あなたも持っているのですか……!自分のアトリエを……!!」
ユージン・マディス:「"刀銭"だ。聞いたことくらいはあるだろう、偽金の専門家」
ライサ・アルヴェストロ:「……!」
ユージン・マディス:「お前達ほど図抜けたものじゃない。オレにとってはこれしかないが」背後の金貨の山が崩れ、その向こうに、月光差す小さな庵が見えたかもしれない。
ユージン・マディス:「とはいえ、刀ならオレに味方する。――アルヴェストロ。それこそ説教じゃないがな」
ユージン・マディス:無数の刀銭に固められた手甲の下を悠々と潜り抜け、ライサの前に立つ。
ライサ・アルヴェストロ:「……くっ……!」動けないまま、眼前に立たれるのを許してしまう。
ユージン・マディス:「駄目だしばかりでなく」背後の空間から、刀銭よりも遥かに鋭い三日月型の刃が出現する。「作ったものを褒めてやれよ」
ライサ・アルヴェストロ:「──────ッ」斬られる。そう感じた瞬間、咄嗟に目を閉じてしまう。
ユージン・マディス:虚空より射出された刀剣の「柄」が。
ユージン・マディス:少女の額をかっつーんと撃ち抜いた。
ライサ・アルヴェストロ:「あいたっ……」つい声を漏らし
ライサ・アルヴェストロ:「……………?」
ライサ・アルヴェストロ:頭の上を手で確かめながら、前に立つ男を見上げる。
ユージン・マディス:「……何をしにきたと思ってるんだ」 不機嫌そうに眉をしかめる。
ユージン・マディス:「生徒を傷つける教師がどこにいる」
ユージン・マディス:「三度目だぞ。…………今、出来てる分を、挙げろ」
ライサ・アルヴェストロ:「教、師………」
ライサ・アルヴェストロ:「…………」
ライサ・アルヴェストロ:視線を落とし、足元に落ちていた刀銭を拾う。
ライサ・アルヴェストロ:「………………」それをまじまじと見て、少しだけ機嫌を悪くして。
ライサ・アルヴェストロ:「……はい、分かりました。…………先生」
ライサ・アルヴェストロ:不本意そうに目を反らしながら言う。
ライサ・アルヴェストロ:「ただし、追加報酬を希望します」
ユージン・マディス:「うん? なんだ?」
ライサ・アルヴェストロ:「私が上げた分と同額の、これと交換で」刀銭を渡して。
ユージン・マディス:「……必要か? こう言っちゃなんだが即興作りだぞ」
ライサ・アルヴェストロ:「速さは問題ではありません」
ライサ・アルヴェストロ:「もし先生が、納得行かないのなら……」
ライサ・アルヴェストロ:「そうですね。今度ここに、補習授業に来て頂きましょうか」
ユージン・マディス:「金銭鋳造の心得はないが……まあインスピレーションにはなるか……」
ライサ・アルヴェストロ:「はい。先生の知識を得て、私のアトリエをより高みへ到達させる……」
ライサ・アルヴェストロ:「そういう条件であれば、一時の妥協も受け入れましょう……」
ライサ・アルヴェストロ:「非常に、不服ではありますけど」
ユージン・マディス:「よく分からんが、それならそれでいい」そう言って背を向ける。「おい後藤。話はついたぞ」
ユージン・マディス:仕事は終えた。金銭の山を降りていく。
ユージン・マディス:ただし片手には備前福岡一文字"山鳥毛"を持っている。
イリス・ウィトルウィウス:(………あれ!?)いい話だな~とホロリと来ていた所でそれに気付いて困惑する。
後藤スダチ:「セレノスツールさん……私、誠心誠意頼んだんですけど……」
後藤スダチ:「全然お話聞いてもらえなかったんですけど……」
後藤スダチ:「私は何がいけなかったんですかね……」事態が解決してしまったことに肩を落としている。
佐陀コトノ:「よしよし……」
後藤スダチ:「うう、佐陀ちゃーん……」
足原エイコ:「へっ、バトルを通して、心が通い合う……」
足原エイコ:「そういうことよ!気にすんなって!」
足原エイコ:スダチちゃんに後ろから抱き着く
後藤スダチ:「アシハラ先生~……」
足原エイコ:(おお……かなりのサイズ感……)
甘崎リンコ:「……締め切りも守れないうえに要求が大きいのではなくて?」ライサちゃんをちらりと見て。
甘崎リンコ:「まあいいけれど……」
佐陀コトノ:(…………ま、まさか嫉妬してるんですかリンコさん……)
佐陀コトノ:嘘だろ……って顔をしている
ユージン・マディス:「そのための教師職だろ……カタチだけだが意味はあるってことだ」
佐陀コトノ:「と、とりあえずは何とかなって良かったですね……!」
後藤スダチ:「うえーん」
甘崎リンコ:「ほら、後藤緑色も泣かないで」
甘崎リンコ:「それとも笑顔にしてあげましょうか?」
佐陀コトノ:「やめてあげてください」
後藤スダチ:「助けて!」
ユージン・マディス:「佐陀の術が効いてたな」
ユージン・マディス:「領域全体が生徒の支配下ってことは、内部でライブするの今後も効果的なんじゃないか」
ユージン・マディス:「ガンガン歌ってくれ」
佐陀コトノ:「は、はい! が、頑張ります……!」両手をぐっと
イリス・ウィトルウィウス:「な、何はともあれ……」
イリス・ウィトルウィウス:周囲の景色が崩れていく。浮遊感とともに、急速にこの世界から遠ざかる感覚。
イリス・ウィトルウィウス:「第一のアトリエ、攻略完了です!」

GM:ミッション達成!報酬が支払われます。
GM:すみません、これは本来戦闘開始前に開示しておくべき情報だったのですがすっかり忘れていました。
GM:今回はパーフェクト達成してるから良いけど、次のアトリエではちゃんと戦闘前に言うからね
GM:リザルトはこちら!
【ライサのアトリエ ~偽造工廠プトラピカ~】
達成!★ライサ・アルヴェストロを戦闘不能にする 獲得コイン×1
達成!★2ラウンド以内に戦闘に勝利する 獲得コイン×1
達成!★共有財産点を10点以上残して勝利する 獲得コイン×1
達成!★上記3つのミッションをすべて達成する 獲得コイン×3
GM:全条件達成で、合計6枚のコインを獲得しました。
足原エイコ:一攫千金!
GM:そしてこのコインは、景品と交換することが出来ます!
ユージン・マディス:麻婆豆腐が二つ?
GM:今度はそれぞれの効果も含めて詳しく見ていきましょう
『銀の鍵』 必要コイン×5
簡素な装飾が施された銀製のスケルトンキー。
訪問可能なアトリエを追加する。

『NPCカード「イリス・ウィトルウィウス(強化用)」』 必要コイン×4
NPCカードの効果を強化する。
二回まで購入可。

『魔導粘土(ルーン・クレイ)』 必要コイン×3
キングダム魔法局と共同開発した新素材。
購入判定の直前に使用する。
その購入では、<調達>の代わりに<芸術:〇〇>で判定を行える。
シナリオ中3回まで使用可能で、購入したアイテムを破棄することで使用回数を1回分回復できる。
ただし、同じシーン内での振り直しはできないものとする。

『スペリオルミックスNOVA』 必要コイン×2
少し高めの栄養ドリンク。ローヤルゼリー配合。
先生のみ使用可能。
シナリオの間、毎シーンの登場侵蝕を-2(最小1)する。

『TOPVALU水彩絵の具12色入り』必要コイン×1
流通結社イオンのオリジナルブランド。
使い捨てアイテム。
<芸術:〇〇>の判定を行った直後に使用する。
その判定の達成値に+3する。
GM:これらのアイテムは○○専用と書いているもの以外は誰でも使えるものとします
GM:早速このシーンで交換できるぞ!どれがほしいか相談してみよう!
甘崎リンコ:あっコインってここで使い切らないと消滅するとかないですよね?
GM:とっといてもいいよ~
甘崎リンコ:大丈夫ならイリスちゃん(4枚)と交換して残りをぎゅっしたいです。
後藤スダチ:ぎゅっとは一体
足原エイコ:ぎゅっ……
甘崎リンコ:手の中にコインを……ぎゅっと
後藤スダチ:どっちかといえばイリスちゃんのほうをぎゅっとしたいんやけどなグヘヘ
ユージン・マディス:コインは……2枚残しだっ……それが最善……っ
イリス・ウィトルウィウス:はわわ
佐陀コトノ:中の人が漏れてる
GM:ではイリスのNPCカードの★が上がります。
◆NPCカード:イリス・ウィトルウィウス(★★☆)】
【アシスタント】 対象の判定ダイスを+3する。ラウンド1回。
【虹色】 対象が受けている不利な効果を一つ打ち消す。ラウンド1回。
【芸術の巨人】 ★★★以上で開放。
【”ミュージアム”】 アトリエのステージギミックを全て開示する(毎シーン自動発動)
足原エイコ:イリスたんがギューッと強くなった
佐陀コトノ:つよつよだ!
ユージン・マディス:強い~!
後藤スダチ:でもさっきアシスタントの効果使ってなかったね誰も
甘崎リンコ:ですね……!忘れてた
イリス・ウィトルウィウス:寂しかったです…
足原エイコ:いろいろ……あったから……
佐陀コトノ:次はちゃんと使うからね……
ユージン・マディス:そんなこと言わせてごめんな……
GM:次から活用してあげて下さい
GM:では次のアトリエへGO!
□ミッションリザルト
★進行中【文化祭の準備を完遂させよう!】達成率(1/2)
★進行中【文化祭に出てくれるパートナーを見つけよう!】達成率(0/2)
★攻略済【アトリエ訪問:ライサのアトリエ】達成率(1/1)
【アトリエ訪問:ククルのアトリエ】達成率(0/1)
【アトリエ訪問:???のアトリエ】達成率(0/1)  ※現在選択不可

GM:シーン終了!ロイスと購入ができるよ!
甘崎リンコ:ロイス保留!購入はボディマでも狙おうかな。
甘崎リンコ:2dx+1>=12
DoubleCross : (2DX10+1>=12) → 5[3,5]+1 → 6 → 失敗

甘崎リンコ:だめで以上!
ユージン・マディス:まず時前で大槌~
ユージン・マディス:7dx+5
DoubleCross : (7DX10+5) → 9[2,3,4,4,4,5,9]+5 → 14

ユージン・マディス:完璧。
佐陀コトノ:ロイス保留! 思い出したのでスペリオルミックス狙います!
佐陀コトノ:3dx+3>=15
DoubleCross : (3DX10+3>=15) → 10[2,5,10]+9[9]+3 → 22 → 成功

佐陀コトノ:わお……
甘崎リンコ:すっごくかえてる!
GM:実はお金持ってるんじゃないの 配信とかで
佐陀コトノ:なんとかヒーローって名前で動画上げてるかも……
足原エイコ:KAGURAヒーロー……
佐陀コトノ:買えたのでゴクゴク飲みます。次からシーン登場侵蝕-1
ユージン・マディス:なんかすごい武器ほしい人いる?
ユージン・マディス:それか防護服系統
後藤スダチ:この状態からあえて持ち替えるとなるとアンチマテリアルライフルくらいになっちゃうかな
甘崎リンコ:私も丸太があるからすごくほしい!のはないかな?
ユージン・マディス:じゃあ装備でも買っとくか
佐陀コトノ:こっちも使い道あんまりないので大丈夫ですー
後藤スダチ:戦闘用着ぐるみとかアルティメイド服は買ってもいいかもしれないですね 私は着ないですけど
足原エイコ:質問!この購入の時にイリスたんの支援受けられますか!
GM:いいよ!
イリス・ウィトルウィウス:仕方のない子ですね~
足原エイコ:アンチレネゲイドジェルとか買ってみようかな
後藤スダチ:先生のためにアルティメイド服買います
ユージン・マディス:クリスタルシールドもてるのはオレと佐陀さんくらいか
後藤スダチ:9dx+9>=20
DoubleCross : (9DX10+9>=20) → 10[2,2,3,3,8,9,9,9,10]+6[6]+9 → 25 → 成功

甘崎リンコ:メイド服かえてる!!
後藤スダチ:やったね。メイド服着てくださいよー先生ーw
足原エイコ:なれ……メイドに
佐陀コトノ:先生がメイドに……!
ユージン・マディス:先生がなんで着るんだよ! コラ! 写真撮るな!
ユージン・マディス:じゃあ有難く貰います 自分用にクリスタルシールド買おう
佐陀コトノ:ヤダ~センセーかわい~
足原エイコ:作画資料!パシャパシャ
甘崎リンコ:待ち受けにしましょう
ユージン・マディス:マシンモーフィング 65→68
ユージン・マディス:8dx+7
DoubleCross : (8DX10+7) → 10[1,1,3,4,6,8,9,10]+9[9]+7 → 26

ユージン・マディス:買えてる
GM:すご~い
足原エイコ:みんな出目スゴ!
ユージン・マディス:財産点を使う暇が無いぜ
甘崎リンコ:買い物が強い!
ユージン・マディス:というわけでメイド服とシールドを装備。
ユージン・マディス:そこそこカバーが出来るようになったな
後藤スダチ:防御面でも万全だ
佐陀コトノ:アトリエから偽札とか持ち出してない?
甘崎リンコ:その手が……!
足原エイコ:私も波に乗ってアンチレネゲイドジェルを狙います イリスたんのダイス+3個お願いします!
イリス・ウィトルウィウス:がんばれ♡がんばれ♡
後藤スダチ:あ、でも今気づいたけど回復手段は買っておいたほうがいいですねこれから
甘崎リンコ:あったしかに!
佐陀コトノ:あっですね! 完全に忘れてた
後藤スダチ:さっきシーン攻撃でみんなHP削れてるから、この状態で防御だけ上げても意味ない
足原エイコ:そっかじゃあここは高性能医療キットにしようかな
後藤スダチ:インチキ回復アイテム!
足原エイコ:判定いきます!
ユージン・マディス:そうだ! 忘れてた!
佐陀コトノ:鬼つよキットだ
足原エイコ:4dx+5>=9
DoubleCross : (4DX10+5>=9) → 9[2,5,5,9]+5 → 14 → 成功

足原エイコ:イリスたんのがんばれ♡を聞かせた医療キットです
イリス・ウィトルウィウス:血行が良くなります
後藤スダチ:アシハラ先生も何気に調達強者なのだよなあ
ユージン・マディス:ASMRだ
足原エイコ:使用するとHPが3d10回復し……いかも使い捨てじゃない
佐陀コトノ:モーツァルト聞かせた野菜みたい
足原エイコ:先生にあげるから回復してね!
GM:今していいよ~
ユージン・マディス:いただきます!
ユージン・マディス:9+3d10
DoubleCross : (9+3D10) → 9+17[3,5,9] → 26

ユージン・マディス:全回復した
足原エイコ:凄い効能 私も手持ちの応急キットで回復します
足原エイコ:5+2d10
DoubleCross : (5+2D10) → 5+14[9,5] → 19

足原エイコ:以上です!
GM:OK!

 

 MD:3/『鋼鉄■■アスカ』

GM:シーンプレイヤーは足原さん。全員登場可能。
甘崎リンコ:でます……!!
佐陀コトノ:出ます!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (48 → 50)
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (66 → 75)
甘崎リンコ:どうして……?
佐陀コトノ:70+1d10-1
DoubleCross : (70+1D10-1) → 70+3[3]-1 → 72

ユージン・マディス:68+1d10
DoubleCross : (68+1D10) → 68+3[3] → 71

足原エイコ:アトリエがわたしを呼んでいる!
足原エイコ:55+1d10
DoubleCross : (55+1D10) → 55+7[7] → 62

GM:格差社会を形成しつつある。
GM:次のアトリエですが、皆さんはまだアトリエ開放アイテムを手に入れてないので
【ククルのアトリエ】……ステージ担当。夜空に照らし出された巨大な建造物。
GM:行き先はこちらで確定となります。
GM:早速入っていきましょう!ヒャーウィゴー!

GM:ライサのアトリエから帰還した君たちは、僅かな休憩を挟んで直ぐに次のアトリエへと踏み込んだ。
GM:気がつくと、辺りは一面の暗闇。頬を撫でる風の冷たさから、山奥の開けた土地のように感じる。
佐陀コトノ:「こ、今度はどんなアトリエなのかな……?」
後藤スダチ:「今度は落ち着いたアトリエだといいなあ」怖がり、イリスにぴったりくっつくようにしている。
イリス・ウィトルウィウス:「落ち着い……ているかはわかりませんが、まあ……」スダチさんの背中をぽんぽんと擦りながら
足原エイコ:「打って変わって暗い場所だねぇー!」
ユージン・マディス:「くそっ……オレの備前福岡一文字…………」
ユージン・マディス:ライサのアトリエを出たときには消滅していた刀への未練が断ち切れていない
佐陀コトノ:「せ、先生まだあの刀のこと言ってますね……」
甘崎リンコ:「こんな寒いところに住んでるなんて相当な変わりものね……」息を吐いて手をあたためている。
佐陀コトノ:リンコさんにぎょっとした顔を向けている
甘崎リンコ:「?寒いの、佐陀?」温めた手をコトノちゃんのほっぺにあてる。
佐陀コトノ:「ひえっ、あ、あたたかいけどさむけが……」
ユージン・マディス:「……ククル某は具体的に、何を担当してた?」
イリス・ウィトルウィウス:「ククルは建築専攻の生徒なので、全体の設計を統括していました」
後藤スダチ:「特設ステージの担当者でもあったはずです」
足原エイコ:「へぇ……文化祭のステージ担当なんてさ」
ユージン・マディス:「それでコレか……分からんな」
イリス・ウィトルウィウス:「ただ、その一番大事なコンセプト部分で他の子と対立しちゃって……」
足原エイコ:「もっと賑やかなお祭り好きってイメージだけど……」
GM:君たちが話しながら辺りを歩き回っていると
GM:突如、幾筋もの光の筋が空中に投射される。
GM:スポットライトだ。
GM:それが、一つの巨大な建造物を一斉に照らし出す。
後藤スダチ:「にゃー!?」無駄に驚きイリスにしがみつく。
イリス・ウィトルウィウス:「お~よしよし、怖くないですよ~」
後藤スダチ:「こ、ここ怖がってはないが??」
足原エイコ:「まぶしーーーーっ!」まけじとイリスたんにしがみつく
イリス・ウィトルウィウス:「く、くるしい~~~……」
佐陀コトノ:「い、イリスさんが困ってますよ……!」
後藤スダチ:「わ、わざとやるなよぉ……アシハラ先生~……」弱々しいツッコミ
ユージン・マディス:「何をコントをしてるんだ」
ユージン・マディス:手をひさしにして建物を見上げる
甘崎リンコ:「まあ」突然スポットライトがでてきたので驚いている。
甘崎リンコ:驚いたのでコトノちゃんのほっぺをむにっと潰す。
佐陀コトノ:「うにゃああ」頬を挟み込まれてる
後藤スダチ:「別に……暗い中で……突然ライトついたら誰だってびっくりするし」ブツブツ
後藤スダチ:「コントとかじゃないし……自然な反応っていうかさ……」ブツブツ
GM:キィーーーーン……ブツッ、ブツッ
GM:甲高い音。マイクのハウリングが響いた後に……
鋼鉄魔城ASUKA
FULLTOUCH-016:『さあ今年もやって参りました。新年恒例、笑う鬼も逃げ出す地獄の祭典』
FULLTOUCH-016:『記念すべき第十回大会を迎え、のべ1000人を超える勇者の生き血を啜ってきた鋼鉄の魔城が、今宵再び姿を表します』
足原エイコ:「まあわたしはいりすたんにスキンシップしたかっただけなんだけど……おっ」
FULLTOUCH-016:『ここに集うは学園都市中から名乗りを上げた知られざるアスリート達』
後藤スダチ:「え?え??」
FULLTOUCH-016:『前人未到の完全制覇という夢に魅せられ、屍の山を踏み越え行く、栄光なき筋肉の十字軍クルセイダーズ
FULLTOUCH-016:『果たして勝利の女神は今度こそ彼女達へ微笑むのか、それともさらなる試練を与え、過酷な巡礼の道へと再び突き落とすのか』
FULLTOUCH-016:『挑むのは限界という無間地獄。究極のサバイバルアタック』
FULLTOUCH-016:『SHINOBI STRIDER──────”ASUKA”!!』
FULLTOUCH-016:『解説は私、FULLTOUCH-016がお送りします』

2nd ATTACK
ククルのアトリエ ~鋼鉄魔城ASUKA~
ククル・K・C・ビショカルマ:「よく来たな!挑戦者の諸君!!」
ククル・K・C・ビショカルマ
ククル・K・C・ビショカルマ:ブシュウウ……と炊かれたスモークの向こうから颯爽と登場する。
足原エイコ:「うおお、スピード展開は週刊連載で大事だけども……」
佐陀コトノ:「じょ、状況が全くのみこめないんですけど……」
甘崎リンコ:「挑戦者……?もしかして……お笑いの祭典……!?」
足原エイコ:「さすがに説明回を挟んでほしいなあ!」
後藤スダチ:「ま、待って……待って。私まずツッコんでいいですか?」
後藤スダチ:「あるよね……?こういう番組……?」
後藤スダチ:「具体的に何かとは言わないけど……」
ユージン・マディス:「……気のせいじゃないか?」
ユージン・マディス:「オレは年末のこととか何も知らないし……」
ユージン・マディス:「これが心象風景である女に関わりたくない」
甘崎リンコ:「年末ってことはやっぱり……グランプリ……!?」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAに説明など不要」
ククル・K・C・ビショカルマ:「まず挑め。そして這い上がれ」
イリス・ウィトルウィウス:「はい……私が説明します……」小さく手を挙げる。
後藤スダチ:「イリスちゃん……」
甘崎リンコ:「イリスってこんな変な人達をいつも相手にしているの?大変ね……」
佐陀コトノ:「あっはい、そうですね…………」
足原エイコ:「しかし作りこみすごいな~……」
イリス・ウィトルウィウス:「ククルは元々、人体美術研究会……人間の肉体そのものを表現手段とした芸術」
イリス・ウィトルウィウス:「バレェや新体操等のアーティスティックスポーツに通じた、ムセイオンきってのアスリートでした」
ククル・K・C・ビショカルマ:「今でもトレーニングは欠かしていない。身体能力だけならレインのトップアスリートにも負けない自身がある」力こぶをつくる。
イリス・ウィトルウィウス:「しかし、彼女は出会ってしまったのです」
イリス・ウィトルウィウス:「メサイアYMGの人気番組、毎年恒例のスーパーアスレチックエンターテイメント」
イリス・ウィトルウィウス:「"ASUKA"に……」
後藤スダチ:「あそこ外の人気番組臆面もなくパクるからな」
後藤スダチ:「ノヴァリスに来て私も驚いたよ」
足原エイコ:「えっあれ外のパクリだったんか……」
佐陀コトノ:「えっそうだったんですか……?」
イリス・ウィトルウィウス:「以来彼女は、ASUKAの魅力に取り憑かれ、日々のトレーニングメニューもASUKA専用に組み直し、」
イリス・ウィトルウィウス:「ついには私財を投じて、自分のアトリエに原寸大のASUKAを建設してしまったのです」
後藤スダチ:「狂人……」
佐陀コトノ:「そうなんですね……」ちょっとしょぼんとしてる
ユージン・マディス:「言っとくがオーヴァード前提の番組ではないからな」
甘崎リンコ:「……大丈夫よ、私の面白さはいつでも本物ですからね」コトノちゃんの頭を撫でる。
佐陀コトノ:「ひぃぃぃ」撫でられてゾワゾワゾワッと硬直してる
ククル・K・C・ビショカルマ:「もちろん、外の世界にもASUKAの前身となった番組があることは心得ている」
足原エイコ:「あんなのに挑戦する非オーヴァードが居るんだな……感心しちゃうなあ」
ククル・K・C・ビショカルマ:「しかし、それとASUKAは全くの別物」
ククル・K・C・ビショカルマ:「むしろ正当進化と言ってもいい」
ククル・K・C・ビショカルマ:「彼らが命をかけたように、我々ASUKAオールスターも命をかけて挑むのみ」
ユージン・マディス:「………………オールスター?」
後藤スダチ:(我々とは……?)
FULLTOUCH-016:「おおーーーっとォ!ここで乱入者だぁーーーっ!?」
孟ライカ:「おっと、先客かい?」
孟ライカ:獰猛な雰囲気をまとった女が、森の奥から数人の子分を引き連れて歩いてくる
孟ライカ
足原エイコ:「……絶対プログラム通りの登場だろ!」
孟ライカ:「けど悪いな。予約してたのはこっちが先だ」
孟ライカ:「行くぞお前ら」
チーム"黒龍":「「「「押忍!!!!」」」」
甘崎リンコ:「……人気があるのね?」
FULLTOUCH-016:「な、何ということでしょうかっ!」
FULLTOUCH-016:「孟ライカです!!ASUKAオールスターズの最古参、孟ライカがまさかの乱入!そして後ろに率いるのは……」
FULLTOUCH-016:「チーム”黒龍”です!孟ライカが手塩にかけて育てたASUKA攻略チーム、崑崙山の最終兵器が揃い踏み!」
後藤スダチ:「私達ってこの人達の後に予約入れさせられてるの?」
ユージン・マディス:「チッ、良い身体を持ってるくせに……剣を使え……」
イリス・ウィトルウィウス:「ククルのアトリエのASUKAは本物と全く遜色のない、完全再現」
イリス・ウィトルウィウス:「いつもASUKAオールスターズの皆さんが練習に訪れるのです」
イリス・ウィトルウィウス:「FULLTOUCH-016さんも実況の練習で来てます」
甘崎リンコ:「なるほど……!実況の練習……。本番でいきなり実況をするのは難しいものね……」
足原エイコ:「それは結構だけどさ……」
足原エイコ:「スダチちゃん的には、どうなのこれ?」
後藤スダチ:「こんなことしてるから締切超過したんじゃないですか??」
佐陀コトノ:「まぁ……」
イリス・ウィトルウィウス:「いいえ、それは違くて……」
ククル・K・C・ビショカルマ:「私がチームのみんなと揉めたのは」
ククル・K・C・ビショカルマ:「文化祭のステージをASUKAにする案を通そうとしたためだ」
ククル・K・C・ビショカルマ:「全員から反対されてしまった」
佐陀コトノ:「??????」
後藤スダチ:「いかれてんのか」
甘崎リンコ:「近年まれに見る腑に落ちる理由ね。反対されるでしょうね」
ユージン・マディス:「マスターカラーズ。お前コレ、後藤たちが来るまで報告しなかったのどうかと思うが」
イリス・ウィトルウィウス:「お、おっしゃる通りなのですが……」
甘崎リンコ:「あなたがその……ASUKA?を好きなのはよくわかるけれど、自分の価値観を他人に押し付けるのはよくないわ」
佐陀コトノ:「リンコさんがそれ言っちゃうんですか??」
ククル・K・C・ビショカルマ:「いや、私は別に、漫才や音楽をやるなとは言っていない」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAをやりながら、漫才も音楽もやる」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAならそれができる」
佐陀コトノ:「??????????」
後藤スダチ:「漫才や音楽がメインなんだよ!!!」
後藤スダチ:「ASUKAやりはじめたら全部が全部ASUKA味になっちゃうだろ!!」
後藤スダチ:「集中できるわけないんだよな!いくら特設ステージ発注したからってこれ!」
イリス・ウィトルウィウス:「いつになく切れ味鋭いツッコミ……!」
後藤スダチ:「――ASUKA1stステージから作りましたって馬鹿!!そりゃ却下されるんだわ!」
ユージン・マディス:「佐陀。あのステージで演奏できそうか?」
ユージン・マディス:「指先3センチだけで身体を支えるんだが」
佐陀コトノ:「む、無理だし絶対やりたくないです……!!」
甘崎リンコ:「ほら、佐陀だってあのステージでお笑いをやるのは難しそうだと言っているわ」
足原エイコ:「要素盛りすぎて纏まらない……持ち込み作品でもよく見るやつだよぉ」
イリス・ウィトルウィウス:「すみません皆さん……ククルはあれでも、人美研の中では話が通じる方なので……」
イリス・ウィトルウィウス:「辛抱強く説得すればわかってくれると……私の責任です……」
後藤スダチ:「じゃあ聞くけど、どうすれば話を聞いてもらえると思う?」
後藤スダチ:「私もたぶんね、答え分かると思う」
イリス・ウィトルウィウス:「そ、それは……」
ククル・K・C・ビショカルマ:「無論、ASUKAだ」
後藤スダチ:「ほーら!!!」
ユージン・マディス:「すまん、急な腹痛が」
ユージン・マディス:「帰っていいか?」
甘崎リンコ:「……先生、逃げないでください。気持ちはわかりますが……」
足原エイコ:「ヤッヤッヤッ」高速の屈伸でアップを始めている
ユージン・マディス:「駄目だ……金属の棒があれだけあるのに剣が一つも無い」
ユージン・マディス:「オレは堪えられない。あと筋力も無い」
後藤スダチ:「私も……体育の授業とか、昔からほんとイヤで……!」
イリス・ウィトルウィウス:「ですよね……他のムセイオンの子もそんな感じで……もちろん私も……」
イリス・ウィトルウィウス:「ククルのアトリエは、ASUKAに特化したことで明らかに弱体化しています」
イリス・ウィトルウィウス:「しかし、ククルがASUKAを極めることでその不利を帳消しにしているのです」
ユージン・マディス:「アトリエに強弱の概念があるのか?」
佐陀コトノ:「じゃ、弱体化……」
甘崎リンコ:「そこまでする執念は……尊敬に値するわね……」
後藤スダチ:「ASUKA自体は自分自身の制作物じゃないからってこと?」
足原エイコ:「じゃあ……それを越えちゃえば……?」
イリス・ウィトルウィウス:「XMsの決闘士が日々カードゲームの腕を磨くように、ククルは日々自身の肉体を鍛え続けています」
後藤スダチ:「ステージ制作をしてほしかったな」
イリス・ウィトルウィウス:「ええ、ASUKAは明らかに彼女の創作にとっては異物……」
イリス・ウィトルウィウス:「けれど、彼女が望むのなら、私は認めるしかないのです……」
甘崎リンコ:「イリス……苦労しているのね……」
イリス・ウィトルウィウス:「うう……!私はどうしたら……!」
ユージン・マディス:「物理的にアレ、クリアできる奴いるのか?」
ユージン・マディス:「全員、肉体1か2しかいませんみたいな顔してるぞ」
甘崎リンコ:「そうね……私たちみんなインドアのアーティストですものね……」
佐陀コトノ:「あの、あそこにさっきからアップしてる漫画家の人が……」
GM:そうして、君たちが話し込んでいると……時間にして15分ほどだろうか
後藤スダチ:「アシハラ先生……!やれるんですか!?」
足原エイコ:「……芸術家はね、体が資本」
足原エイコ:「週刊連載はやわな体じゃ……おっと、終わったようだね!」
GM:ASUKAのステージの先で、店に向かって4本の光が登る。
チーム"黒龍":バシュン!バシュン!バシュン!バシュン!
チーム"黒龍":十字冠の転送の光だ。アトリエの中においても、十字冠の戒律は綻びては居ない。
チーム"黒龍":ASUKAの中で倒れれば、それほどのダメージを負うということだ。
FULLTOUCH-016:「おおーーーっと!チーム"黒竜"、ファイナルステージを前にして全員脱落!!」
孟ライカ:「クソッ……ククルてめえ……」
孟ライカ:傷だらけになりながら、こちらへ戻ってくる
孟ライカ:「何が本物と同等だ……コイツは」
孟ライカ:「本物以上じゃねーか……!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「当然だ。本物より難しくなければ練習にならない」
孟ライカ:「ハッ……全く、お前ってヤツは……筋金入りのASUKA馬鹿だぜ」
孟ライカ:苦笑いを浮かべながら、満足気に倒れ込む
孟ライカ:「また明日来るわ」
ユージン・マディス:「待て挑戦者! 飛ぶ前にこれだけは聞かせてくれ!」
ユージン・マディス:「トラップの中に刃物類あった?」
佐陀コトノ:「き、聞くところそこですか!?」
孟ライカ:ユージンの言葉に視線だけを向けて
孟ライカ:グッ。サムズアップしたあと、光の粒になって転送される。
後藤スダチ:「……ダメだろ」
後藤スダチ:「本物を攻略する用なのに本物再現できてないの……!」
足原エイコ:「しかもノヴァリス1のASUKA集団があの結果だよねえ」
ユージン・マディス:「成程…………な」
ユージン・マディス:感じ入るように頷く。
甘崎リンコ:「……なんで刃物ありそうだからちょっとやる気出たなみたいな感じになってるんですか?」
ユージン・マディス:「刃物ありそうだからちょっとやる気出ただけだが……?」
甘崎リンコ:「私はない方がいいです……刃物がある方が危険な確率が高いので……」
ククル・K・C・ビショカルマ:「さて、先約はこれで全員帰ったな」
ククル・K・C・ビショカルマ:「───次は君たちの番だ」
GM:【”アクアドットピノルタ”  ククル・K・C・ビショカルマ】【人体美術研究会】のTIPSを獲得しました。
【”アクアドットピノルタ”  ククル・K・C・ビショカルマ】
建築学専攻。人体美術研究会所属。
メサイアYMGの人気番組、スーパーアスレチックエンターテイメント”ASUKA”の名物選手。
バレェや新体操等のアーティスティックスポーツに通じたムセイオンきってのアスリートだったが、
ASUKAの魅力に取り憑かれてからは日々のトレーニングメニューをASUKA専用に組み直し、
ついには私財を投じて自分のアトリエに原寸大のASUKAを建設してしまった。
保有するアトリエは”鋼鉄魔城ASUKA”。

【人体美術研究会】
人体美術研究会は、その名の通り人間自身の肉体による芸術表現を追求する部活。
他の会員には、手足の腱や声帯を加工してこの世ならざる音色を作り出す楽器職人や
人革を贅沢に使った温かみのある装丁で話題の絵本作家などが名を連ねており、
メンバーの半数が監獄学寮シェオルに収監されている。
ユージン・マディス:あんまり見たくない情報が流れていった気がする
甘崎リンコ:「すごく…………嫌」
イリス・ウィトルウィウス:「皆さん……こうなっては覚悟を決めるしかありません」
ククル・K・C・ビショカルマ:「イリスの言う通りだ。どのみち挑戦せずにはここから出ることは出来ない」
ユージン・マディス:「出られもしないのか……」
後藤スダチ:「水落ちたりするとどうなるんだろ……」
佐陀コトノ:「あの、さっき十字冠の転送光が見えたので……多分そういうことかなって……」
足原エイコ:「クリアするか……転送されるか……DEAD OR ALIVE!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「安心しろ。私も素人相手にハンデもなしで戦うほど、勝利に飢えてはいない」
ククル・K・C・ビショカルマ:「1stステージからファイナル・ステージまで、私は全て1人で踏破するが」
ククル・K・C・ビショカルマ:「君たちは、ステージごとに代表者1人を立てれば良い。エフェクトも自由に使え」
ククル・K・C・ビショカルマ:「その上で私に勝てたのなら、大人しく言うことを聞いてやろう」
ユージン・マディス:「勝ち負けの基準はなんだ。タイムか?」
ククル・K・C・ビショカルマ:「その通りだ」
ククル・K・C・ビショカルマ:「私達はあくまでスポーツをやっている。お互いを傷つけるためじゃない」
ククル・K・C・ビショカルマ:「傷つけ合うのは、ASUKAか、自分か。それだけでいい」
甘崎リンコ:「自分を傷つけたくないのだけれど……」
後藤スダチ:「私はただ制作物を提出してほしいだけなんだ」
ユージン・マディス:「さっきのアルヴェストロはまだ話が通じる方だったな……」
ユージン・マディス:「これ永久に更新され続けるんじゃなかろうな」
佐陀コトノ:「か、かえりたい……」
甘崎リンコ:「そうね……先生は初めて会ったムセイオン生が私たちで、常識的だったから驚くかもしれないけれど……」
甘崎リンコ:「変人ばかりなのよね……。一度言い出したら聞かないし……やるしかないでしょうね」
ユージン・マディス:「隣の佐陀が非常に絶句してるが」
佐陀コトノ:涙目で諦めた顔をしている
ククル・K・C・ビショカルマ:「泣くほど感動したか」
ククル・K・C・ビショカルマ:「私も最初はそうだった。素質があるな」
佐陀コトノ:「ううう…………」更に泣いてる
足原エイコ:「1ステージと言わず全部出たいくらい!」
甘崎リンコ:「ほら、泣かないで……笑顔にしてあげるから」
佐陀コトノ:「ううう逃げ道塞がれてる……」
足原エイコ:「あ~~~~めっちゃ楽しみ!」
ユージン・マディス:「じゃあ足原は1ステージ目担当だな」
ユージン・マディス:「そのまま行けるところまでクリアしてくれ」
ユージン・マディス:「刃物が出たら代わってくれ」
後藤スダチ:「スポーツで刃物が出たら終わりだろ」
ユージン・マディス:「これを見て終わってないと思うのか?」
足原エイコ:「先生が言うとね~刃物目当てにしか聞こえんし」
足原エイコ:「実際そうだよねぇ?」
ユージン・マディス:「そうだな。ステージギミックになるなら、ギロチンか剣山か……」
甘崎リンコ:「はあ……。なんにせよ、分析と情報収集が……重要だと思うのだけれど」
甘崎リンコ:「どんなものなの?この……ASUKAっていうのは?」
佐陀コトノ:「ぐすっ、ぐすっ」
FULLTOUCH-016:「さぁ───トップバッターがゲートに登ります」
ククル・K・C・ビショカルマ:静寂の中で、自らの心臓の鼓動に耳を澄ます。いつのもルーチン。
ククル・K・C・ビショカルマ:「樹上の猿は、天敵から逃げ延びるために地に降り立ち、二本の足で走った」
ククル・K・C・ビショカルマ:「やがて猿は人となり、その足は逃げることから進むことへ、その手は求めるものを掴むために伸ばされるようになった」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ヒトは、ヒトのカタチであるが故に美しい。走り、掴み、登り、こじ開ける」
ククル・K・C・ビショカルマ:「生命の黄金比を前に、あらゆる虚飾は無価値となる」
ククル・K・C・ビショカルマ:「我が作家性は”踏破”。昇り詰めた頂に広がる蒼穹の色」
ククル・K・C・ビショカルマ:「この世界アトリエに挑むのならば、誰よりも疾く”勝者”となれ!」
GM:ミドル戦闘を始めます。

GM:まずエンゲージはこちら
ASUKA 1stステージ[0]
    |
    5m
    |
PC ククル[11]
イリス・ウィトルウィウス:そしてイリスの効果により、ステージギミックが開示されます
【スポーツマンシップ】この戦闘は”ASUKA”以外のエネミーを攻撃の対象にできない
【タイムアタック】この戦闘では、キャラクターの行動値が攻撃力に加算される。
【完全制覇】この戦闘はエネミーとPCの2チームに分かれて行い、4ラウンドの間に”ASUKA”へ与えた合計ダメージが高い方を勝者とする。
【オールスターズ】この戦闘では、1ラウンド毎に『アタッカー』と『セコンド』を1人ずつ選出する。選出されていないキャラクターはセットアッププロセス、メインプロセスを行えず、一度『アタッカー』になったキャラクターは以降戦闘に参加できない。
『アタッカー』……”ASUKA”に攻撃を行うことができる。
『セコンド』……任意の《情報:》で判定を行う。アタッカーがそのラウンドで行う判定のC値を、[達成値÷10(小数点切り上げ)-1]点減少させる。(最大減少値-2)
GM:何か質問はあるかな~?
甘崎リンコ:コインの条件は事前にわかりますか?
GM:そうでした!忘れるところだった
ユージン・マディス:判定後に戦闘から脱落するのはアタッカーだけ? セコンドは複数回やったり、セコンド→アタッカーは可能?
GM:アタッカーだけです!セコンドは複数回やセコンド→アタッカーはOK
GM:アタッカー→セコンドは無理です
GM:そして今回のコイン獲得条件
【ククルのアトリエ ~鋼鉄魔城ASUKA~】
★ASUKAの全ステージをクリアする 獲得コイン×1
★全ステージのダメージ合計が100点以上 獲得コイン×1
★ファイナルステージでククル・K・C・ビショカルマに勝利する。 獲得コイン×1
★上記3つのミッションをすべて達成する 獲得コイン×3
甘崎リンコ:なるほど……!ありがとうございます!
足原エイコ:2つ目のを意識していきたいところ……
佐陀コトノ:結構難しそう……?
GM:ファイナルステージの勝利というのは、ファイナルステージ単体でククルより高いダメージを出すということですね
後藤スダチ:なるほど
後藤スダチ:ファイナルにメインアタッカーを回したいところだなあ
佐陀コトノ:あっすみません、全ステージのダメージ合計って4ステージ合わせてってことで良いですか
GM:そうなります!
佐陀コトノ:ありがとうございます! 了解です!
甘崎リンコ:ASUKA以外のエネミーを攻撃の対象にできないとのことですが、カバーリングは自由に行えますか?
GM:あっそうですね……ASUKAが攻撃するかどうかは定かではありませんが
GM:あ、いえ。でも基本的には考えなくていいと思います
GM:ASUKAはあくまで走者とASUKAの戦いなので
甘崎リンコ:な、なるほど。ありがとうございます!
GM:それでは……いざ!ASUKA完全制覇!!

◆第一ラウンド 1st STAGE

GM:今回の戦闘では、ラウンド毎に選出されたアタッカー、セコンド、ASUKAのみが行動できます。
ククル・K・C・ビショカルマ:私は1人しか居ないので例外的に毎回出場し、セコンドは付けません。
GM:さあ、1st STAGEに挑戦する走者を宣言せよ!
足原エイコ:すみません”足原”行きます
足原エイコ:応援よろしくお願いします
後藤スダチ:そしてセコンドはこの私!A.B.C-Zの後藤スダチ
足原エイコ:頼むぜスダちゃん!
GM:よろしい!アタッカー足原、セコンド後藤!
後藤スダチ:アシハラ先生!練習どおり!練習どおりだから!
GM:もっと他に言うことはないのか
GM:それでは通常通りセットアップ処理から行きましょう。
GM:セットアップ。宣言のある方はどうぞ
後藤スダチ:《活性の霧》をアシハラ先生に。攻撃力+21、ドッジダイス-2個。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を3(→ 3)増加 (50 → 53)
ククル・K・C・ビショカルマ:ありません
ASUKA 1st STAGE:こちらもありません
足原エイコ:本気で行こう、怨念の呪石使用
足原エイコ:暴走状態になり。侵蝕+3 攻撃のダメージ+2d10!
GM:それではイニシアチブ
GM:12の足原さんが先行だ。お手波拝見。
足原エイコ:いざ!マイナーで入念なアップを行い
足原エイコ:メジャー!《風鳴りの爪》を使い、クリムゾンブリーチによる射撃攻撃!
後藤スダチ:アタッカーのC値低下はここで使えますか?
GM:あっそうじゃん!
GM:先にセコンドの判定をしないと意味がなかった
後藤スダチ:ワハハ
後藤スダチ:じゃあ先にセコンドやっていいすかね?
GM:逆順になっていました。スダチさんお願いします
後藤スダチ:9dx+1 情報:FHで判定だ
DoubleCross : (9DX10+1) → 10[1,1,3,3,5,6,6,7,10]+9[9]+1 → 20

甘崎リンコ:すご!!
後藤スダチ:おっ、これはいい感じなのでは!
GM:おお!
後藤スダチ:やっぱり有能オフィサーエージェントなんだよな~
後藤スダチ:超絶役に立つアドヴァイスでアシハラ先生を強化したぞ!さあチャレンジだ
足原エイコ:ASUKAにも精通している……!
GM:ダメージダイスと同じで小数点は切り上げ処理なので
GM:C値低下は最大の……-2!
GM:素晴らしいアドバイスです。
GM:では改めて足原先生お願いします。
足原エイコ:C8で行きます!判定!
足原エイコ:6dx8+21
DoubleCross : (6DX8+21) → 10[5,7,9,10,10,10]+10[1,3,6,8]+1[1]+21 → 42

後藤スダチ:ヤッフ~!
ASUKA 1st STAGE:やりますね……
ASUKA 1st STAGE:ASUKAの回避は《イベイジョン》で固定されています。現在は8。
足原エイコ:(ステージが意志を持ってる……)
ASUKA 1st STAGE:なのでガードします。
ASUKA 1st STAGE:《スプリングシールド》《自動触手》ガード値を10。 攻撃キャラクターに21点のダメージ。
後藤スダチ:こういうことをしてくるのか……!
足原エイコ:ASUKAが牙を剥いた!
後藤スダチ:鋼鉄の魔城がただのサンドバッグなわけがない!
足原エイコ:こっちのダメージ出してからダメージを受けますね
ASUKA 1st STAGE:飲み込まれよ!鋼鉄の魔城に!
GM:ダメージをどうぞ!
GM:は~い
足原エイコ:5d10+18+2d10+21
DoubleCross : (5D10+18+2D10+21) → 32[2,9,8,8,5]+18+15[10,5]+21 → 86

後藤スダチ:イヤッフー!
甘崎リンコ:つ、つっよ
足原エイコ:わたしという劇物を飲み込んだこと……後悔しな!
ASUKA 1st STAGE:グワ~~~
ASUKA 1st STAGE:ガード値で減少させて……
足原エイコ:あっちょっと待って
足原エイコ:風鳴りの爪があります!
ASUKA 1st STAGE:ゲゲッ
足原エイコ:と言っても2以外が5以上なので……2のダイス1個だけ振り直し
後藤スダチ:すげ~
足原エイコ:84+1d10
DoubleCross : (84+1D10) → 84+10[10] → 94

ASUKA 1st STAGE:オイオイオイオイ
足原エイコ:最良のパフォーマンスを発揮する……ASUKAでも、漫画でも
GM:ASUKA踏破率:PCのHPを84(→ 84)増加 (0 → 84)
足原エイコ:そして自動触手でHPを失い、HP19なので耐えられない!リザレクト
足原エイコ:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2

後藤スダチ:リザレクトもいい感じ!
GM:やりますね
足原エイコ:HP2、侵蝕がいろいろ合わせて74に
足原エイコ:どうだククル!
ククル・K・C・ビショカルマ:なかなかやるじゃないか
GM:では続いてミスASUKAにお手本を見せていただきます。
ククル・K・C・ビショカルマ:まずはマイナー
ククル・K・C・ビショカルマ:《光芒の疾走》《シャイニングアーム》《命の黄金律》《形態変化:速》《形態変化:剛》《形態変化:柔》 シーン中、素手データを変更し、肉体判定ダイス+5、攻撃力+12、行動値+12、ガード値+12。ASUKAにエンゲージ。
ククル・K・C・ビショカルマ:この戦闘では行動値も攻撃力に加算される。上げ得なのだ、
ククル・K・C・ビショカルマ:メジャーで《貪欲なる拳》《貫きの腕》《コンセントレイト:エグザイル》
ククル・K・C・ビショカルマ:ASUKAにガード不可攻撃。
ASUKA 1st STAGE:つ、貫きの腕ェ~~~!?
後藤スダチ:獣の槍みたいに言うな
ククル・K・C・ビショカルマ:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,3,4,5,5,5,5,5,6,7,7,8,8,8,10]+10[1,1,3,4,6,9]+5[5]+6 → 31

ASUKA 1st STAGE:イベイジョン8で命中……
ククル・K・C・ビショカルマ:4d10+40
DoubleCross : (4D10+40) → 20[2,8,1,9]+40 → 60

ククル・K・C・ビショカルマ:こんなものか……まあ1st STAGEはウォーミングアップだ
GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを60(→ 60)増加 (0 → 60)

FULLTOUCH-016:『さぁ、職業・漫画家、足原エイコ。まずは快調な滑り出し』
足原エイコ:「ふっ、ほっ」
FULLTOUCH-016:『《ヴァリアブルステップス》《ローリングアイアンヒル》《シルクスパイダー》、いずれも余録を残して突破しております』
FULLTOUCH-016:『しかしここで、1stSTAGE最大の難関が立ちはだかる!!』
FULLTOUCH-016:『《フィッシュボーンソード&ガンズ》!!』
足原エイコ:「これ……改造されてるね?」
後藤スダチ:(この1stステージの構造はおおよそ把握した)
後藤スダチ:(アシハラ先生は難なくクリアしているが……それでも私のアドヴァイスが必要な時はかならず来る!)
後藤スダチ:(オフィサーとして培った分析力と……的確な助言!私ならできる!)
後藤スダチ:ステージを駆けるエイコに、ステージ下で並走しながら叫ぶ!
後藤スダチ:「よく見て!よく見て!!」
FULLTOUCH-016:『宙吊りの丸太から飛び出す剣や銃弾を回避しながら、向こう岸に渡らなければなりません』
ユージン・マディス:「ハッ! 剣!」
ユージン・マディス:「一本こっち飛んでこい!!」
佐陀コトノ:「あ、危ないからやめて下さい!!」
甘崎リンコ:「観客に剣が飛んでくるステージ、安全性が致命的すぎませんか?」
後藤スダチ:「こら!セレノスさんは飛び出さない!」
後藤スダチ:「リンコさんリード持っててください!私は助言で忙しいので」
甘崎リンコ:「わかったわ。先生、ハウス!」
ユージン・マディス:「剣があればそこがオレの"家(ハウス)"だ……グワーッ!」 電流!
後藤スダチ:「呼吸!呼吸!」
足原エイコ:スダチの言葉に冷静さを取り戻し、一呼吸
足原エイコ:そう、呼吸
足原エイコ:限られた制限時間、過酷なステージ
FULLTOUCH-016:『足原エイコ職業漫画家。ここでじっと心を落ち着けます』
佐陀コトノ:「せ、先生ーー!!」
後藤スダチ:「呼吸!よく見て!」
足原エイコ:それに挑む中で、肉体と精神を正常さを保つために、不可欠なものだ
足原エイコ:脳と筋肉に、常に酸素を行き渡らせろ!
足原エイコ:そして、足を進める
ASUKA 1st STAGE:ジャキン!ジャキン!パンパンパンパンッ!回転する丸太からランダムに剣の切っ先と銃弾が乱れ飛ぶ。
後藤スダチ:「よく見て~~~!」優秀な頭脳が導き出した……精一杯の助言!
足原エイコ:「ああ……!」
甘崎リンコ:「足原の邪魔にならないようにしながらも応援の意を伝えながらすべきことを的確に伝えている……!」
甘崎リンコ:「これが最適なセコンド……!」
ユージン・マディス:「会場のモニタに後藤のアップが映し出されている」
佐陀コトノ:「て、テレビで何回も見たやつだ……!」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ~!」旗を振ってぴょんぴょんしている
足原エイコ:無数の刃に銃弾、それらの流れをよく”見て”
足原エイコ:一本の道を、見つけた!
FULLTOUCH-016:『足原はスタート前のインタビューでもこう語っていました』
FULLTOUCH-016:『紙に線を引くのではない。線は既にそこにある。後はなぞるだけなのだ、と』
FULLTOUCH-016:『この漫画家には、既に勝利グッドエンドへの筋道が見えているのか!』
ユージン・マディス:「いつインタビューしてたんだ?」
足原エイコ:(上!右!)
足原エイコ:銃弾が頬を掠めるも、気に留めない
足原エイコ:「はあああっ!!!」
後藤スダチ:「いい感じ!いい感じ!」
佐陀コトノ:「あ、足原先生頑張ってくださ~い!」
後藤スダチ:「時間意識!」タイムキープ能力も完璧だ
足原エイコ:「ふっ、ふっ」そう、達成感に浸るには早すぎる
足原エイコ:次に待ち構えるのは……
甘崎リンコ:「足原が頑張っている姿を見ると胸が熱くなるわね……これが漫画の力……!」
FULLTOUCH-016:『当たらない!当たらない!次々と飛び出す千の刃を軽々と乗り越えていく!さながら弁慶に立ち向かう牛若丸の如しであります!』
FULLTOUCH-016:『ここはノヴァリスの五条大橋か!』
後藤スダチ:『そうですね。頑張ってるところ、皆見てきてるんで……完全制覇、アシハラ先生に目指してもらいたいっすね』
後藤スダチ:モニターにセコンドのスダチが語るインタビュー映像が映し出されている。
FULLTOUCH-016:『さぁ《ドラゴンスケイルグライダー》すら乗り越えて、ついに1stSTAGE最後の関門』
FULLTOUCH-016:『《反り立つ巨壁》の門前へとやってまいりました!』
ユージン・マディス:「あの壁はいけるか……?」
後藤スダチ:「いけるいける!丁寧に!ゆっくりでいいから!……時間意識!」
後藤スダチ:相互に矛盾するアドヴァイスを与えることすら恐れない!これが知性だ
甘崎リンコ:「臨機応変な判断力!瞬発性……!その場に適した最適な助言とそれに応える足原……完璧ね……!」
足原エイコ:(スダちゃんの順逆アドバイスには助けられたな……そして最終関門)
ASUKA 1st STAGE:大きなカーブを描いて、直角に反り立った高い壁が立ちはだかる。
佐陀コトノ:「が、頑張れ! 良い感じです、いけます!」
足原エイコ:「ここはもう、テクニックや読みの要素はない」
足原エイコ:「……進むだけ!」
FULLTOUCH-016:『過去幾人もの挑戦者を弾き返してきた反り立つ巨壁、足原エイコ職業漫画家、怯まず進みます!』
足原エイコ:助走をつけて、巨壁に向かう
足原エイコ:『職業柄、年末もいろいろ忙しいんですけど』
足原エイコ:『ASUKAは必ず見てましたね』
足原エイコ:『やっぱ一つのことにあれだけ真剣に挑めるってのは、自分にとっての漫画と同じ感じで……』
足原エイコ:『だから元気、もらってました』
ククル・K・C・ビショカルマ:(少々浅慮がすぎるぞ足原。……ASUKAはステージそのものが巨大なEXレネゲイド)腕組みしながらその様子を見下ろす。
ククル・K・C・ビショカルマ:(その速度では……圧し潰される)
ASUKA 1st STAGE:壁に向かうに従って、そそり立つそれが大きく見える。
足原エイコ:「!」
ASUKA 1st STAGE:否、本当に巨大化しているのだ。
ASUKA 1st STAGE:視界を埋め尽くす程になった壁が、ゆっくりと足原へ向かって倒れ込んでくる。
後藤スダチ:「ASUKAは魔物……!年末の魔物!!」
後藤スダチ:「アシハラ先生油断するなァッッッッ」
FULLTOUCH-016:『これです!これが幾人ものシーン攻撃を弾き返してきた《反り立つ巨壁》!!』
FULLTOUCH-016:『足場が自壊し倒れ込むほどの超重量、潰されれば無事ではすみません!どうする足原エイコ職業漫画家!!』
足原エイコ:『漫画家として、いろんな壁とぶつかることもあったんですけど』
足原エイコ:『ASUKAのおかげで乗り越えられたってとこもあるんで……恩返しの気持ちで』
足原エイコ:『乗り越えていきたいですね』
足原エイコ:───以上、インタビュー映像
足原エイコ:「おおおッッッ!!!」
足原エイコ:ボカァン!!!
足原エイコ:巨大化する壁……どう乗り越える?
イリス・ウィトルウィウス:「エ、エイコーーーッ!?」
ユージン・マディス:「足原……いけ……!」
甘崎リンコ:「頑張って……!足原……!!」
佐陀コトノ:「あ、足原先生っ……!!」
後藤スダチ:「油断するな……油断しないでくれ……!」祈りのポーズ
足原エイコ:困難をどう乗り越えるか……それは即ち、”創作意欲”とも言えるだろう
足原エイコ:しかし紙とペンを手に持たない今、それらの思いは爆発させる他ない!
足原エイコ:ボカァン!ボカァン!
足原エイコ:そしてその爆風が……徐々に、反り立つ壁を押し始める
足原エイコ:「お お お お ! ! ! !」
FULLTOUCH-016:『と、止まったァ~~~!?なんという創作意欲の発露!ノヴァリス漫画界の風雲児ここにありと言ったところでありましょうか!』
足原エイコ:ボコォン!!!ドォォン!!!
ASUKA 1st STAGE:巨壁が爆風に押し返される。いや、それだけではない。
ASUKA 1st STAGE:壁そのものが爆発によって少しずつ崩れ、ゴールへの道を作っていく。
足原エイコ:「見えた……」
足原エイコ:ゴールへの道のりを、よく見る
足原エイコ:呼吸を整え……慎重に、油断せず
足原エイコ:爆風で体を押し上げながら、よじ登る!
FULLTOUCH-016:『ここでゴーーール!!足原エイコ漫画家18歳!初挑戦で1stSTAGE突破の快挙を成し遂げました!!』
足原エイコ:「はぁ……はぁ……」
後藤スダチ:「アシハラ先生……!!」
足原エイコ:「最高……」
後藤スダチ:ステージから降りたエイコに駆け寄り、背中を支える。「ナイスファイト」
足原エイコ:溢れる達成感からか、爆発
後藤スダチ:「グワーッ!?」
足原エイコ:「ああっスダちゃん!」
足原エイコ:「大丈夫?心臓動いてる?呼吸してる?」
足原エイコ:慌てて胸元に顔を埋め、心音を確認している
後藤スダチ:「あっ何してる先生!やめるんだ!」
足原エイコ:「肺も心臓も動いてる……よかった……」顔は埋めたまま
ククル・K・C・ビショカルマ:「ふふ、良い走りだったぞ、足原」満足気に微笑みながら踵を返す。既に2ndSTAGEのスタート位置に立っている。
後藤スダチ:「なにっいつのまに1stSTAGEを……!?」
足原エイコ:「へへ……余裕しゃくしゃくってことね……」
ククル・K・C・ビショカルマ:「だがまだまだ無駄が多い。次からは、私の走りを見てよく研究すると良い」
足原エイコ:「でも私の仲間たちも……すごいんだからね……」
後藤スダチ:(アシハラ先生と違いステージの破壊も最小限……ASUKAを知り尽くした者ならではの無駄のない攻略……!)
足原エイコ:「どんなベテランでも……落ちれば終わり、それだけは平等」
足原エイコ:「それがASUKAなんだからさ……」
FULLTOUCH-016:『さあ、勝負は運命の2ndSTAGEへ!!』

◆第二ラウンド 2ndSTAGE

GM:ステージ移行により、ASUKAのデータが刷新されます。
甘崎リンコ:そうなの!?
GM:また同時に、PC、ククルとASUKAのエンゲージもリセットされます。
ASUKA 2ndSTAGE[16]
  |
  5m
  |
PC、ククル[23]
GM:それでは2ndSTAGEの走者を決めていただこうか!
甘崎リンコ:めちゃくちゃ不安になってきた……けどいきます。甘崎リンコ走ります
後藤スダチ:セコンドはこの私、Snow Manの後藤スダチです
GM:よろしい!
GM:それではセットアップから!宣言をどうぞ
甘崎リンコ:セットアップなし!
後藤スダチ:リンコさんに《活性の霧》《アクセル》!攻撃力+21、行動値+4、ドッジダイス-2個だ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (53 → 57)
甘崎リンコ:ありがとうございます!
ASUKA 2nd STAGE:《ミラーコート》《オーバーアクセル》ASUKAのドッジダイスを+7する。更に暴走で《ミラーパレス》が発動しASUKAに対する攻撃の命中ダイスを-10する。
甘崎リンコ:ゲエ~~~ッ!?
ククル・K・C・ビショカルマ:こちらはなし
後藤スダチ:ドッジ型の……SASUKEだと!?
ASUKA 2nd STAGE:ドッジ判定は行いません。回避値はあくまで《イベイジョン》で固定です。
後藤スダチ:でも《ミラーパレス》が入ってたら攻撃なんて当てられないよ~
ASUKA 2nd STAGE:しかしこれだけダイスがあれば……ククク、簡単には当たらないでしょう
GM:というわけで先行は行動値23のククル
後藤スダチ:形状変化でスピードが上がっているんだ
ククル・K・C・ビショカルマ:これが形状変化の力だ
ククル・K・C・ビショカルマ:マイナーで戦闘移動。ASUKAにエンゲージ。
ククル・K・C・ビショカルマ:メインプロセスの際に……《呪われし者の印》
ククル・K・C・ビショカルマ:自分にかかっているダイス減少効果を無効。
ククル・K・C・ビショカルマ:少し本気を出すか……
後藤スダチ:なにっ
ククル・K・C・ビショカルマ:メジャー《貪欲なる拳》《死神の手》《コンセントレイト:エグザイル》
ククル・K・C・ビショカルマ:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,5,6,8,8,8,9,10,10,10,10]+10[1,1,3,4,6,8,9,10]+10[1,2,9]+2[2]+6 → 38

ASUKA 2nd STAGE:イベイジョンは22。命中します。
ククル・K・C・ビショカルマ:4d10+52
DoubleCross : (4D10+52) → 20[4,3,8,5]+52 → 72

GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを72(→ 72)増加 (60 → 132)
ククル・K・C・ビショカルマ:これがお手本だ。やってみろ。
後藤スダチ:なんてやつだ……!
甘崎リンコ:ふふふ……素で不安になっているわ
後藤スダチ:私達も負けていられません!セコンド判定にチャレンジします
GM:お願いします!
後藤スダチ:9dx+1 情報:FH
DoubleCross : (9DX10+1) → 9[3,3,3,4,6,6,7,8,9]+1 → 10

後藤スダチ:どりゃ!クリティカルしなかったがそれでも-1はできそうだ
甘崎リンコ:やった~~!
GM:まずまずの結果だぜ
GM:では後藤さんのセコンドを受けてリンコさん!
GM:ASUKAは行動値にかかわらず自分の手番は待機します。
甘崎リンコ:な、なるほど……!
甘崎リンコ:ではいきます!
甘崎リンコ:マイナーでテクテクASUKAに接近!
甘崎リンコ:メインで≪コントロールソート≫≪コンセントレイト:ノイマン≫。神木の丸太で殴ります!
GM:怖すぎ
甘崎リンコ:7dx6-4
DoubleCross : (7DX6-4) → 10[1,2,3,7,7,10,10]+10[4,5,6,6]+10[7,10]+10[8,10]+10[6,10]+10[1,7]+10[7]+10[6]+1[1]-4 → 77

GM:ゲェ~~ッ!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を4(→ 4)増加 (75 → 79)
後藤スダチ:あっ、ダイス数に関して
甘崎リンコ:スダチちゃんのおかげで回った!たくさん!
甘崎リンコ:あっ!!!!!
後藤スダチ:NPCカードを使ったということにしていいでしょうか!
甘崎リンコ:そうじゃん!
GM:あっそうじゃん
甘崎リンコ:すみません テンパっていました
イリス・ウィトルウィウス:私が助けました
甘崎リンコ:え~~~んありがとうございます
甘崎リンコ:NPCカードのイリスちゃんを使用!!
甘崎リンコ:さきほどあげたレベルで解禁された……
甘崎リンコ:マイナス効果をなくすやつを使いたいです!
甘崎リンコ:(後出し)
イリス・ウィトルウィウス:はーい!【虹色】 対象が受けている不利な効果を一つ打ち消す。 ラウンド1回。
イリス・ウィトルウィウス:これを使います!
甘崎リンコ:ありがとうございます……ありがとうございます……
GM:では、そういうことにして先程の達成値を適用します
甘崎リンコ:ありがとうございます……!!
ASUKA 2nd STAGE:イベイジョンは22、命中!
ASUKA 2nd STAGE:ダメージをどうぞ
甘崎リンコ:はい!先ほどいただいたバフと行動値をたして……
甘崎リンコ:8d10+20+21+12
DoubleCross : (8D10+20+21+12) → 46[8,3,9,7,4,6,6,3]+20+21+12 → 99

ASUKA 2nd STAGE:デッカ……
後藤スダチ:待った!
後藤スダチ:行動値も今は4上がってるはず!《アクセル》もかけたから
甘崎リンコ:あっそのぶんたしました!
ASUKA 2nd STAGE:ヒィ~
甘崎リンコ:8に4たしました
後藤スダチ:あ、もともと8だったか
甘崎リンコ:本当にありがとうございます……!
GM:ASUKA踏破率:PCのHPを99(→ 99)増加 (84 → 183)
後藤スダチ:これはすごい!
GM:ムムムム……2ndSTAGE突破!
甘崎リンコ:や、やった~~~!
ユージン・マディス:流石だぜ
ASUKA 2nd STAGE:ASUKAには勝者を次のステージに導くという大事な役目があるので、そのために自分の手番は待機しています。
甘崎リンコ:そうだったんだ……!
ASUKA 2nd STAGE:3rdSTAGEも頑張ってね(シュワ~)

ククル・K・C・ビショカルマ:「2ndSTAGEは、鏡像と幻惑の領域。体力以上に精神力を消耗する」
ククル・K・C・ビショカルマ:説明しながら、軽々と関門をクリアしていく。
後藤スダチ:(なんて身軽さと余裕……!私達に呼びかけながら、ステージギミックに意識を向けるまでもなく……)
後藤スダチ:(けれど事前にククルさんが見せたこの攻略法……!このデータがあれば2ndSTAGEも分析できる!)
ククル・K・C・ビショカルマ:「自分の心と体を切り離す、ある種の無我の領域。私は心身の鍛錬でそれを会得したが」
ククル・K・C・ビショカルマ:「君たちはどうかな?」
後藤スダチ:(分析さえできれば、最適な助言とセコンドも可能……!私がリンコさんを導くんだ!)
ククル・K・C・ビショカルマ:ゴールのボタンを押す。バシュゥゥゥッというスモークを浴びて、期待の眼差しで次の走者を見下ろす。
甘崎リンコ:「さすが……もうゴールをしているのね。ASUKAに魅了されただけのことはあるわ……」
ユージン・マディス:「流石にオーヴァード向けだと危険度が段違いだな」 飛んできた剣を領域に収納しつつ
ユージン・マディス:「気を付けろよ甘崎。さっきの壁のようなギミックがどこにあるか分からん」
甘崎リンコ:「……はい。気を付けます」
甘崎リンコ:甘崎リンコはASUKAを見たことがない。お笑いとは無関係だと思っていたからだ。
甘崎リンコ:事前に仲間たちに聞いた知識、そして1st stageを見て研究をしたものの、圧倒的な知識不足は否めない。
甘崎リンコ:甘崎リンコはアトリエに篭もりきりである他の多数のムセイオン生よりは体を動かすのが不得意ではない――
甘崎リンコ:…………………が、それはノイマンシンドロームにおける効率的な肉体の動かし方や論理の組み立てよる産物であり、
甘崎リンコ:つまりそうやってなんとか補強しなければならないほど、体を動かすのが本当に嫌いだ。
甘崎リンコ:しかし……!
甘崎リンコ:「私には……仲間がいる」
甘崎リンコ:「後藤緑色!次に気を付けることは何かしら」
後藤スダチ:「!」
後藤スダチ:2ndSTAGEで把握した様々なギミック。甘崎リンコの想定される身体能力。
後藤スダチ:気象条件。精神状態。様々な要因を複合し、かつ的確であり簡潔な助言――
後藤スダチ:「……呼吸」
甘崎リンコ:「呼吸……!」
甘崎リンコ:彼女の言葉が、耳に入ってくる。と同時、世界が静かに感じる。
甘崎リンコ:呼吸をする――頭が冴える。鏡に囲まれたステージにおいて、
甘崎リンコ:わずかな表面の歪み、光の反射……そういったものから真の道を集中力によって見つけ出す。
甘崎リンコ:「……こっち!」
FULLTOUCH-016:『なんと甘崎リンコお笑い芸人只今相方募集中!《サーモンエンジェルラダー》を迷いなく登り降りしていく!』
後藤スダチ:「力入れて力!」
後藤スダチ:「順逆じゅんさか順逆じゅんさか忘れずに!」
甘崎リンコ:「力……!力ね!」
甘崎リンコ:丹田に力を入れて呼吸を繰り返す。お笑いにおいて、よく通る声を出すことは必須。
甘崎リンコ:体幹を支え、体力の消耗を最小限にしながら難関を突破していく!
FULLTOUCH-016:『登るとと思ったら下がる、下ると思ったら昇っている。人間の上下感覚を狂わす悪魔の滝登り』
FULLTOUCH-016:『順逆、逆順、いかなる攻略法も受け付けなかった2ndSTAGEの最難関が、軽々と突破されてしまいました!』
足原エイコ:「速いな~、ほんとに初めて?」
FULLTOUCH-016:『素晴らしい体幹です!日々の丸太を使ったツッコミの素振りで鍛えた強靭なインナーマッスル!まさに現代の近藤勇!』
後藤スダチ:「まだあるから!まだあるから!」当然、まだあるのである
FULLTOUCH-016:『果たして2ndSTAGEはこのまま御用改めされてしまうのか!!』
FULLTOUCH-016:『しかし、まだこの関門が残っています!数多くの挑戦者を押し流した恐怖の激流!』
FULLTOUCH-016:『《バックスタブストリーム》!!』
後藤スダチ:「一気に行っちゃったほうがいい!リンコさん!一気に行っちゃったほうがいい!」
甘崎リンコ:1st stageでの足原エイコの活躍、後藤スダチの的確なアドバイス、仲間たちの声援、そして己の胸の高鳴り――
甘崎リンコ:本当に嫌だと思っていたASUKAに、甘崎リンコもまた心を惹かれつつあった。
甘崎リンコ:「一気に……!」
佐陀コトノ:「リンコさん……!」
ユージン・マディス:「なんて激流だ」
甘崎リンコ:アドバイス通り、激流に逆らうかのように漂う丸太を一気に駆け抜ける。瞬時に距離を詰める事、また丸太を使うことはお手の物だ。
FULLTOUCH-016:『甘崎リンコ、上着を脱いですぐさま激流に飛び込んでいく!速い速い!』
甘崎リンコ:「いつでも熱湯風呂に入れるように……水着の準備をしておいてよかったわ!」
甘崎リンコ(水着)
足原エイコ:「おほぉ~……良い体してるねリンコちゃん……」
FULLTOUCH-016:『しかしここは《バックスタブストリーム》!敵は前方の激流だけではありません!』
FULLTOUCH-016:『押し流されんと果敢に泳ぐ甘崎の背後から迫る影……サメです!!』
佐陀コトノ:「さ、サメ!!!???」
佐陀コトノ:「こ、殺しに来てるじゃないですか!!!」
ユージン・マディス:「十字冠の発動はこれが理由か……!」
FULLTOUCH-016:『前門の激流、後門のサメ!進むも地獄引くも地獄!』
後藤スダチ:「リンコさん!歯!」
後藤スダチ:「歯に気をつけて!!」
甘崎リンコ:「歯に……!?」
FULLTOUCH-016:『ゴールに近づくほど激しくなる水流に一度でも後退すれば、すぐさま獰猛な人食いザメの餌食となります!』
佐陀コトノ:「えーん、もういやだ~~」
ユージン・マディス:「それにしても何故サメも一緒に激流に逆らうんだ」
足原エイコ:「前だよ前!進んで!」
甘崎リンコ:「なるほど、サメの武器は歯……ならばそれに気をつければ」
甘崎リンコ:「逆に利用することができる!因幡の白兎というわけね……!」
甘崎リンコ:わざと速度を落とし、サメに接近。そして噛まれるより早くサメの足を踏みつけその勢いで水流を登っていく!
ククル・K・C・ビショカルマ:「ほう……」予想外の攻略法に感嘆の吐息を漏らす。
ユージン・マディス:「考えたな……サメを踏み台に!」
佐陀コトノ:「も、もう見てて怖いんですけど……!」
FULLTOUCH-016:『なんということでしょう!いまだかつてこの様な方法でバックスタブストリームを超えたアスリートが居たでしょうか!』
ユージン・マディス:「自分ならどう攻略するかを考えながら見るんだ、佐陀」
足原エイコ:「行ける!行けるよ!」
甘崎リンコ:(アドバイス通りに進めば攻略できる……!私は体を動かすことに集中できる……!)
甘崎リンコ:(これが……チームプレイ……!)
後藤スダチ:「いいペース!すごいっすよね本当」カメラマンに向かって呟く。
FULLTOUCH-016:『残る関門をチームの声援を背に乗り越え、今……ゴォーーール!!』
甘崎リンコ:「や……やった!!」
ASUKA 2nd STAGE:ブシュワァァァァァ……大量のスモークが甘崎の顔に吹きかけられる。
イリス・ウィトルウィウス:「やった~!リンコ、やりましたよ~~!!」タオルを持って駆けつける。
甘崎リンコ:「ありがとう……!みんなの応援があったからここまでこられたわ……勿論イリスもね」
甘崎リンコ:タオルを受け取りイリスちゃんの頭を撫でる。
イリス・ウィトルウィウス:「えへへ……みんなががんばったからですよぅ……」
足原エイコ:「すごいすごい!」熱い抱擁で出迎える
足原エイコ:顔が胸に埋まってしまうが、身長差ゆえ仕方ない
ユージン・マディス:「甘崎は常に学外を歩き、通り魔的に漫才を行なっていた……その脚力が活きたというわけか」
佐陀コトノ:「よ、よかったぁ~」無事に生きてゴールしてほっとするように
後藤スダチ:「いや~~、敵わないなあ、って思いますね」
甘崎リンコ:「ふふ、足原もお疲れ様」抱きしめている。
甘崎リンコ:「後藤緑色の的確なアドバイスのおかげよ……本当にありがとう」
甘崎リンコ:「あなたがいなければ、私はゴールすることが出来なかったわ」
甘崎リンコ:「その頭脳……お笑いに生かすつもりはない?」眼鏡を押し上げる。
後藤スダチ:「アッ遠慮しておきます」テンションが一発で素に戻る
ククル・K・C・ビショカルマ:「ふふふ……期待以上だ」
ユージン・マディス:「いい記録だった、甘崎。ビショカルマもますますやる気を出したようだな」
ククル・K・C・ビショカルマ:「早く上がってこい。この頂まで……!」
甘崎リンコ:「ありがとうございます。本当にみんなのおかげです」
甘崎リンコ:「でも次はもっと厳しい戦いになると思います……気を付けて……!」
甘崎リンコ:ククルをじっと見つめている。頂に立つ彼女を……
FULLTOUCH-016:『一同、悠々と3rdSTAGEへ向かいます』
FULLTOUCH-016:『しかし、3rdSTAGEはあの"黒龍"も踏破が叶わなかった地獄の耐久ステージ』
FULLTOUCH-016:『次元違いの難易度にどう立ち向かうのか!目が離せません!』

◆第三ラウンド 3rdSTAGE

GM:再びASUKAのデータが変更、エンゲージがリセットされます。
ASUKA 3ndSTAGE[9]
  |
  5m
  |
PC ククル[23]
GM:さあ、今回の挑戦者を選びな!
ユージン・マディス:私が出ます!
GM:先生!
後藤スダチ:セコンドはこの私!ゴールデンボンバーの後藤スダチです
GM:鬼龍院…!
GM:ではこのメンバーでやっていくぞ
ユージン・マディス:後藤~~~外すなよ~~
GM:まずはセットアップ!各々宣言せよ!
ユージン・マディス:なし!
ASUKA 3rd STAGE:《虚無の城壁》《ダークマター》ガード値を+15 バロールエフェクトの判定ダイスを+5
後藤スダチ:勿論《活性の霧》《アクセル》でユージン先生を強化。攻撃力+21、行動値+4、ドッジダイス-2個
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (57 → 61)
後藤スダチ:これで侵蝕ボーナスも出た
ユージン・マディス:ウオーッ行動値11!
後藤スダチ:ガード型のASUKA……!しかし判定ダイスをふやしてるのが不穏だ
ユージン・マディス:それでもやっと61なのか
ククル・K・C・ビショカルマ:こちらはなし
GM:それではイニシアチブ
ASUKA 3rd STAGE:《時間凍結》イニシアチブで行動
後藤スダチ:ASUKAが動いた!?
ASUKA 3rd STAGE:戦闘移動でPCとククルのエンゲージに接敵。
ユージン・マディス:立つなASUKA!
ASUKA 3rd STAGE:メジャー《停滞空間》《魔王の心臓》《因果歪曲》《黒星の門》《コンセントレイト:バロール》命中した場合、対象の行動値を0、判定ダイスを-15。対象はPCとククル。
ユージン・マディス:めちゃくちゃやるやんけ!
ASUKA 3rd STAGE:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[3,3,3,6,7,8,8,8,9,9,9,9]+4[1,1,1,1,1,2,3,4]+4 → 18

ASUKA 3rd STAGE:ゲッ
ASUKA 3rd STAGE:リアクションして下さい
ユージン・マディス:命中の時点でか……!
後藤スダチ:これってセコンド以外はカバーリングってできるんですか?
後藤スダチ:それとも放棄するメジャーアクションがそもそもないから
GM:できません
後藤スダチ:エフェクト使わないと行動放棄カバーはできない?
GM:そうですね!
ユージン・マディス:セコンドにカバーを任せたいところ。
後藤スダチ:そうですね。これは私がカバーするしかないが……!
ユージン・マディス:とりあえずワンチャンドッジをお願いしよう
ユージン・マディス:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 6[2,6] → 6

後藤スダチ:どちらにしろ食らってしまえば支援判定も出来ないので行動放棄カバーがいいか
ユージン・マディス:領域の盾を使おうかと思ったが
ユージン・マディス:そうですね、食らったら支援も出来ない!
ククル・K・C・ビショカルマ:こちらもドッジ
ククル・K・C・ビショカルマ:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[3,9,10]+9[9] → 19

後藤スダチ:2dx+1>=18
DoubleCross : (2DX10+1>=18) → 3[2,3]+1 → 4 → 失敗

ユージン・マディス:かわしとる!
ククル・K・C・ビショカルマ:あっラッキ~
後藤スダチ:ダメ!行動放棄カバーにいきます。
後藤スダチ:ウワーッ><
ASUKA 3rd STAGE:ちなみにこの効果は
ASUKA 3rd STAGE:どちらもマイナーアクションの使用で解除できます
ユージン・マディス:あっなるほど7
後藤スダチ:そうか、じゃあ領域カバーでも判定はできないでもないのか
GM:変えてもいいよ
後藤スダチ:ただ領域は侵蝕も回数も重いとは思うので
後藤スダチ:どうします?支援入れなくてもいいですか?
ユージン・マディス:支援ほしいな~
ユージン・マディス:とはいえ、無理に勝つ必要も無いか
ユージン・マディス:スダチちゃんは休んでて。FINALに託すロールにしましょう。
後藤スダチ:はーい
GM:ではこのままですね
GM:行動値はそのまま、ククルの手番からです
ASUKA 3rd STAGE:あ、私は《自在なる斥力》でエンゲージ離脱して元の場所に戻ってます。
ユージン・マディス:戻るなASUKA
ククル・K・C・ビショカルマ:というわけでマイナーで接敵。
ククル・K・C・ビショカルマ:《貪欲なる拳》《貫きの腕》《死神の手》《コンセントレイト:エグザイル》
ククル・K・C・ビショカルマ:本当は異形の転身で接敵してマイナーを空けてデバフ解除する作戦だったけど、普通に避けれたので普通に攻撃するぞ
ククル・K・C・ビショカルマ:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[1,1,1,1,2,2,4,5,5,6,7,7,8,9,10]+10[2,3,6,9,10]+6[2,6]+6 → 32

ASUKA 3rd STAGE:ガードできずイベイジョンも足りない!命中!
ククル・K・C・ビショカルマ:4d10+52
DoubleCross : (4D10+52) → 26[5,10,4,7]+52 → 78

GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを78(→ 78)増加 (132 → 210)
ユージン・マディス:どんどん固定値上がってない?
ユージン・マディス:気のせいだったわ
ククル・K・C・ビショカルマ:2ndから死神の手入れてるからね
ユージン・マディス:ああ~侵蝕率上がってるのか
後藤スダチ:FINAL用の切り札もありそうだなあ
GM:続いてPCの番!
ユージン・マディス:OK。マイナーなし
ユージン・マディス:メジャー。《コンセントレイト:モルフェウス》《サンドシャード》《ダンシングシミター》
ユージン・マディス:サンドシャードの選択は大槌。武器攻撃力を加算。その後に破壊。ダンシングシミターの選択は大槌・キーンナイフ・キーンナイフ。「使用している」扱いにする。
ユージン・マディス:あとイリスちゃんの第一の能力は使えますかっ
イリス・ウィトルウィウス:使えます~!
ユージン・マディス:ありがたいぜ! 判定ダイス+3!
ユージン・マディス:14dx8+9
DoubleCross : (14DX8+9) → 10[1,1,1,2,3,3,4,6,7,7,9,9,9,10]+10[2,7,9,9]+6[1,6]+9 → 35

ユージン・マディス:悪くない……!
ASUKA 3rd STAGE:うおッ……これはガード!
ASUKA 3rd STAGE:ダメージをどうぞ!
ユージン・マディス:4d10+21+11+21
DoubleCross : (4D10+21+11+21) → 28[7,6,9,6]+21+11+21 → 81

ASUKA 3rd STAGE:なんやて!?
ユージン・マディス:固定値はほぼ互角……!
ASUKA 3rd STAGE:しかしガード値分は引かせてもらうぞ…!
ユージン・マディス:あっそうだった
ユージン・マディス:装甲は-10でし
後藤スダチ:貫き分はククルが有利か
ユージン・マディス:しかし装甲はないか
GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを66(→ 66)増加 (210 → 276)
GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを-66(→ -66)増加 (276 → 210)
GM:間違いました
GM:ASUKA踏破率:PCのHPを66(→ 66)増加 (183 → 249)
GM:まだPC有利……しかし勝負は最後までわからない!
GM:運命のFinalSTAGEを待て!

FULLTOUCH-016:『あぁーーーっと!!何という光景でしょうか!!』
FULLTOUCH-016:『過去幾人もの指先を切り落としてきた狂気の山脈』
FULLTOUCH-016:『幅3cmの刃に指をかけて超えなければならない《カッティングエッジ》に、この男、ユージン・マディス職業教師26歳!』
FULLTOUCH-016:『懸垂をしながら渡っている!いや、あれは……』
FULLTOUCH-016:『舐めている!!味を確かめているのか!?そんな事が可能なのでしょうか!?』
後藤スダチ:「バランス大事だよ!バランス!」やはり並走しながら応援している。3rdステージまで続けばセコンドも過酷だ……!
ユージン・マディス:「成程な……これは……合金か……!」
ユージン・マディス:「組成はどうなっている? やはりアトリエ内だが金属疲労……軋みに歪みの問題がある……」
佐陀コトノ:「…………………」
佐陀コトノ:口を開けて唖然としている
ユージン・マディス:「興味深い……興味深い……!」
甘崎リンコ:「なんて集中力なのかしら……!」
後藤スダチ:「落ち着いていこう!集中集中!」
足原エイコ:「すごいなあ、体への負荷を感じる余裕がないほどに、熱中してる……」
ユージン・マディス:「ふう……これで一部か……」
ユージン・マディス:「更に鋭いものが残っているな……!」 ギラン!
FULLTOUCH-016:『いくら制限時間の存在しない3rdSTAGEとは言っても、この男、舐め回すようにカッティングエッジを堪能しました!』
ユージン・マディス:《猫の道》。ステージの隙間に手を突っ込むと、固有領域からエナドリ(徹夜鍛刀用)が取り出される。
ユージン・マディス:ごくごくごく。「……ふう。制限時間なしステージまで我慢して正解だったな……!」
後藤スダチ:「水分補給大事だよー!」
FULLTOUCH-016:『全く疲れている様子がない!むしろスタート時より生き生きしております!とんでもない変態がやってきてしまった!!』
後藤スダチ:「いや……なんかもう、ハラハラしちゃいますね。自分が挑んでるみたいな気持ちっていうか」
ユージン・マディス:「ビショカルマ……お前の作り上げたこのステージ。モノは確かに模倣品だが……!」
ユージン・マディス:「高く評価しよう。アレンジもまたセンス! オーヴァード向けのセットによく仕上げてある!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「お褒め頂き光栄……と言いたい所だが」
ククル・K・C・ビショカルマ:「評価は最後まで踏破してから下すが良い」
ユージン・マディス:「スゥー…………ッ」 続くバーティカラードレルムラダーの素材を吸ってから。
ククル・K・C・ビショカルマ:「できるものなら、だがな」
ユージン・マディス:「いいな…………」
ユージン・マディス:「あ、うん。そうさせてもらおう」
FULLTOUCH-016:『なんとユージン・マディス26歳、ここまで無傷でやってきてしまった!』
FULLTOUCH-016:『最後の難関!《クリフハンガー・ディメンジョンゲート》!!』
ユージン・マディス:「これは……!」
後藤スダチ:「よく見て!よく見て!」
FULLTOUCH-016:『クリフからクリフへ映る度に、次元の壁を超えなければいけません。飛び出す位置は完全にランダム!』
FULLTOUCH-016:『投げ出された先で咄嗟にクリフを掴まなければ、直下の重力プールに落下してしまいます!』
後藤スダチ:「よく見て!」
佐陀コトノ:「う、運じゃないですか……!!!」
佐陀コトノ:「競技性どこに投げ捨てたんですか!?」
ユージン・マディス:「フン……ここまで37の主選ぶ系聖剣の選考に挑戦してきたオレに、運試しとはな……」
甘崎リンコ:「……運試しなら、先生には……むしろ有利なのかもしれない……!」
足原エイコ:「これは……見てどうにかなる……?」
佐陀コトノ:「もうわけわかんないです……」
後藤スダチ:「よく見て!」
甘崎リンコ:「先生なら……自分の道を、見て選ぶことができる!」
ユージン・マディス:「このステージに刻んでやろう。史上最強の刀匠の名を」
佐陀コトノ:「ううう、先生までテンションおかしくなっちゃった……」
ユージン・マディス:「それはそれとして……だ」 足場ギリギリまで下がり、助走距離確保! 「せいっ!」飛び出す
ユージン・マディス:一つ目のクリフに捕まる!「……鋭さが足りん!」
ASUKA 3rd STAGE:ヴォン……自走するディメンジョン・ゲートが、クリフにぶら下がるユージンへと迫る。
ユージン・マディス:「それにしても空間使い、領域使いのバーゲンセールだな」
ユージン・マディス:自走するディメンジョンゲートに飲み込まれる!
佐陀コトノ:「せ、先生ーーーー!!」
後藤スダチ:「出て!出て!」
甘崎リンコ:「どこに出る……!?」
後藤スダチ:「ディメンジョンゲートから出て!」
ユージン・マディス:『ええ――――早く遊びたいな、という感じですね』 話した覚えのないインタビュー映像がモニタに流れる。
ユージン・マディス:『自分の力を確かめたい……っていうか。ここまで積んできたものあるんで(笑)』
ユージン・マディス:「――よし」 《猫の道》。天井のステージの隙間から顔を出す。
ユージン・マディス:「問題ないな」次のクリフへ。
ユージン・マディス:自走ディメンジョンゲートの転送位置が完全ランダムとはいえ……水中だとか場外だとか……即時脱落にすることはできない。
FULLTOUCH-016:『なんということでしょう!この男、ディメンジョンゲートの中から更に次元を切り裂いて安全確認をしている!』
FULLTOUCH-016:『狡い!これが大人のテクニックだというのか!』
ユージン・マディス:ディメンジョンゲート内で、さらに固有空間に避難! 安全を確認した位置で外に出る!
後藤スダチ:「よく見てる!よく見てるよ!」
甘崎リンコ:「これが……大人の力……!?」
ユージン・マディス:『緊張? してませんね。むしろボルテージが足りないくらいっす』 異様ににこやかなモニタユージンの映像の隣で
ユージン・マディス:転送を繰り返されながら、クリフハンガーを渡っていく!
FULLTOUCH-016:『今、最後のクリフを……越えたァーーーーーッ!!』
ユージン・マディス:「己の身体のみを頼りにするASUKA……だがオレと刀剣と月の椅子は完全に一体!」
ユージン・マディス:「利用に一切の躊躇はない!」
佐陀コトノ:「そっかぁ……」
ユージン・マディス:これが大人の詭弁力だ! ステージ踏破!
甘崎リンコ:「大人って……すごい……!!」
足原エイコ:「ハハハハハ!」
FULLTOUCH-016:『ユージン・マディス職業教師26歳独身!堂々の3rdSTAGEクリアです!とんでもない番狂わせ!!』
FULLTOUCH-016:『小娘共にはまだまだ負けないとばかりに、大人の底力を見せつけました!』
ユージン・マディス:「とはいえ……少し時間を使いすぎたか」
ユージン・マディス:既にクリアしているククルへと視線を向ける。
後藤スダチ:「すみません、涙が出ちゃって……本人が一番、大変だったと思うんですけど……」
甘崎リンコ:「すごかったです、先生……!お怪我はありませんか?」
足原エイコ:「ちょっとズルいけどおもろいよ……センセイ!」
佐陀コトノ:何かどうでも良くなってきちゃったな……って顔をしている
ユージン・マディス:「問題ない。しかし甘崎も足原もよくクリアしたな」
甘崎リンコ:「後藤緑色の的確なアドバイスのおかげね……今も感極まって泣いているし……」
後藤スダチ:「やっぱり……練習……ですね。先生が練習してきたことは裏切らないんだなぁ、って……」
甘崎リンコ:「あるいは……動のミスASUKAがククルなら、静のミスASUKAは……後藤スダチといえるのかもしれないわね……」
ユージン・マディス:「後藤はもう駄目だな……甘崎は何故まだ水着なんだ。冷えるぞ」
甘崎リンコ:「あ、すっかり忘れていました……言われるとなんだか……恥ずかしいですね」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ふ、まさかここまで上がってくるとはな……」ファイナルステージの部隊から君たちを見下ろし、ひとりごちる。
ユージン・マディス:「最後のステージを見逃すわけにもいかないか」
ククル・K・C・ビショカルマ:「しかし時間をかけ過ぎだ。お陰で充分に筋肉を休ませてもらった」
ククル・K・C・ビショカルマ:「万全の状態で相手をしてやろう」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAを……舐めるなよ!」
佐陀コトノ:「あっはい…………」
ユージン・マディス:「それは済まなかったな……つい」
ユージン・マディス:ステージを舐めていたことを謝罪している。
後藤スダチ:「……いよいよ完全制覇をかけた戦い……!!」
足原エイコ:「ふっ……ハンデなんて要らないんだよねぇ」
甘崎リンコ:「ふふ……ファイナルステージに挑むのは……私の最強の相方よ」
足原エイコ:「ウチの最強のエース……コトノちゃんが!」
甘崎リンコ:「クリアできないわけがないわ……!」コトノちゃんの肩をバシッと叩く。
後藤スダチ:「佐陀ちゃん……頼めるか」
佐陀コトノ:「……………………えっ!?」
佐陀コトノ:顔がさーーーーっと蒼褪めてゆく
足原エイコ:「大丈夫だよ、ほら、胸に手を当ててみて?」コトノの胸に手を当てる
甘崎リンコ:「他人が当ててどうするのよ」
ユージン・マディス:「佐陀、1も2も3も希望しなかっただろう」
ユージン・マディス:「後藤はセコンドがある。同意してたのではなかったのか?」
佐陀コトノ:心拍数が明らかに不規則かつ早くなっている
佐陀コトノ:「えっえっえっえっえっ」
足原エイコ:「心音が……ロックなビートを奏でてるね」
足原エイコ:「体の中までロックだ!」
佐陀コトノ:「あっ、あっ、あっ、スダチさん……」必死に救いを求める視線
後藤スダチ:「佐陀ちゃん……」肩に手を置く。
後藤スダチ:「油断……しないでね!」
佐陀コトノ:「………………………………」
佐陀コトノ:「終わった…………」

◆第四ラウンド FINAL STAGE

GM:再びエンゲージリセット。データが切り替わります。
ASUKA FINAL STAGE[6]
  |
  5m
  |
PC ククル[23]
GM:最後の挑戦者……名乗りをあげよ!
佐陀コトノ:…………はい…………やります…………
GM:よく言った!!!!!
後藤スダチ:セコンドのクライミングシューズメーカー取締役、後藤スダチです
GM:もう立派なASUKA戦士だ
GM:それではセットアップ!宣言をどうぞ
佐陀コトノ:<狂騒の旋律>対象の攻撃力+18。暴走付与。今回は対象を自分だけに取ります
佐陀コトノ:侵蝕率+6で78
後藤スダチ:《活性の霧》《アクセル》をコトノちゃんに。攻撃力+21、行動値+4、ドッジダイス-2個。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (61 → 65)
ASUKA FINAL STAGE:《絶望の領域》《支配の因子》対象が行う判定ダイスを-10 対象の攻撃力を-25。
ASUKA FINAL STAGE:対象はPCとククル
佐陀コトノ:ええっ!!?
ククル・K・C・ビショカルマ:《戦いの予感》行動値を+30
後藤スダチ:あっこいつ……!!
後藤スダチ:行動値を攻撃力に加算できるということは《スピードスター》とまったく同じことができるということ……!!
佐陀コトノ:うわっそういえば使ってなかったか……!!
佐陀コトノ:活性の霧とアクセル受けます!
佐陀コトノ:更にここで伏せておいたNPCカードを発動!
GM:なに!
佐陀コトノ:イリスさんお願い! 不利効果の打ち消し、そしてダイス数+3の効果を適用します!
イリス・ウィトルウィウス:うおお~!どっちも持っていけ!
佐陀コトノ:お姉ちゃんありがとう!
GM:それではイニシアチブ
GM:最速は行動値53。ククル・K・C・ビショカルマ
ククル・K・C・ビショカルマ:はい。マイナーで接敵します。
ククル・K・C・ビショカルマ:メジャーアクション時に《呪われし者の印》。ダイスデバフを無効。
ククル・K・C・ビショカルマ:《貪欲なる拳》《死神の手》《コンセントレイト:エグザイル》
ククル・K・C・ビショカルマ:ASUKAを攻撃。行くぞ!
ククル・K・C・ビショカルマ:15dx7+6
DoubleCross : (15DX7+6) → 10[2,2,3,3,3,4,5,5,6,8,8,8,9,10,10]+10[1,2,3,8,9,10]+10[2,4,9]+4[4]+6 → 40

ASUKA FINAL STAGE:《支配の領域》《絶対支配》
ASUKA FINAL STAGE:支配可能なダイスは3個。一回目クリティカルの8、9、10を1に変更。
ASUKA FINAL STAGE:達成値を19まで下げます。
後藤スダチ:メチャクチャやばい!だからセコンドが重要だったのか
佐陀コトノ:ひえーっ
後藤スダチ:これは油断できないぞ……!
足原エイコ:ASUKAには魔物が居る……
ASUKA FINAL STAGE:攻撃はイベイジョンで命中。ダメージをどうぞ
ククル・K・C・ビショカルマ:ぐぬぬぬ……だが固定値はある!行くぞ!
ククル・K・C・ビショカルマ:2d10+82-25
DoubleCross : (2D10+82-25) → 9[4,5]+82-25 → 66

ククル・K・C・ビショカルマ:ダメージデバフが響いたか……
GM:ASUKA踏破率:ククルのHPを66(→ 66)増加 (210 → 276)
後藤スダチ:FINAL STAGEの《イベイジョン》はいくつですか?
ASUKA FINAL STAGE:6です。まず当たる。
後藤スダチ:それはいいニュース
GM:ASUKAを極めた者でも、FINALSTAGEを完全に掌握することはできない……
GM:さあ、この魔城にどう挑む!
GM:まずはセコンドからお願いします。
後藤スダチ:私もダイスマイナスされてるんだよな今
後藤スダチ:ロイスを切ってダイスデバフを切ることはできる……が!
後藤スダチ:ここで問題になってくるのが絶対支配だ
後藤スダチ:私の支援でC値を下げられるのは運良くて2までだが
後藤スダチ:仮にそこまで成功したとして、サイレン型のコトノちゃんは次のダイスで4つ以上クリティカルを出さないと駄目なのだ
後藤スダチ:イリスちゃんの支援込みだとダイス何個振れそうですかコトノちゃん
佐陀コトノ:7個です……!
後藤スダチ:7個……!そうなると当たるかどうかも
後藤スダチ:いや、当たりはするか。固定値があるんだから
後藤スダチ:ううーん、7個中4個以上8は出ないはず
後藤スダチ:逆に、7個中4個1が出ることもないからファンブルにされる恐れはないけど
後藤スダチ:ここで何もしないのは心苦しいがやはりダイスデバフ解除しないのが正解な気がするな。どう思いますか
佐陀コトノ:そうですね、多分わざわざ解除してまで得られるメリットが少ないと思うので
佐陀コトノ:解除なしで大丈夫だと思います。後は任せて下さい
後藤スダチ:すまねえ……!
ユージン・マディス:よく言ったなコトノ……!
GM:戦うというのか……たった一人で!
後藤スダチ:これがほんとのぼっち・ざ・SASUKEだ!
佐陀コトノ:決着を……つけましょう!!
GM:虎になれ……黒い虎に!
GM:佐陀さんの手番!
佐陀コトノ:マイナーアクションは無し
佐陀コトノ:メジャーアクション:<サイレンの魔女>
佐陀コトノ:7dx+20
DoubleCross : (7DX10+20) → 10[3,5,6,7,9,10,10]+9[2,9]+20 → 39

佐陀コトノ:1回回った……!
ASUKA FINAL STAGE:ゲゲーッ!
ASUKA FINAL STAGE:《支配の領域》《絶対支配》
後藤スダチ:おのれ~~!コトノちゃんが自力で回したダイスを
ASUKA FINAL STAGE:現実は非常……一回目の9,10,10を1に変えるぜ
佐陀コトノ:ヌーッ
佐陀コトノ:だが固定値は20、達成値は27!
ASUKA FINAL STAGE:達成値は……27!
ASUKA FINAL STAGE:もちろん当たります。
佐陀コトノ:ダメージ!
佐陀コトノ:3d10+21+18+1d+21+16
DoubleCross : (3D10+21+18+1D10+21+16) → 20[9,3,8]+21+18+6[6]+21+16 → 102

ASUKA FINAL STAGE:なに そん
佐陀コトノ:これがロックンロールだ!!
ASUKA FINAL STAGE:ステージも爆発!
GM:ASUKA踏破率:PCのHPを102(→ 102)増加 (249 → 351)
GM:踏破率はPCが351、ククルが278。
GM:文句無しで……PCの勝利だ!
甘崎リンコ:や、やった~~~~!!
ユージン・マディス:絆の…………勝利だ!
佐陀コトノ:グッ
後藤スダチ:ASUKAは……最高です……!
足原エイコ:ほんとに元気を貰えました……(涙)
GM:ASUKA……完全制覇達成!!

FULLTOUCH-016:『泣いても笑ってもこれが最後の決戦です!運命のファイナルステージ、勝利の栄光はどちらの手に輝くのか!』
GM:ファイナルステージの舞台、《セイクリッド綱登りピラー》。
GM:高さ100mに及ぶ巨大な塔。そこから垂らされた2本の綱。
FULLTOUCH-016:『FINALSTAGEは特別に、2選手の同時スタートとなります!』
FULLTOUCH-016:『勝負は単純!眼の前の綱を登りきり、100mの高さにある鐘を先に鳴らした方の勝利!』
FULLTOUCH-016:『ことここに及んで小細工は無用!力と力、意地と意地の真剣勝負!!』
FULLTOUCH-016:『ASUKAファイナルステージ!第一の挑戦者はご存知ミスASUKA!ククル・K・C・ビショカルマ!!』
ククル・K・C・ビショカルマ:スモークと共に登場し、手を振って歓声に応える。
FULLTOUCH-016:『対するは六壬学園高等専門学校、現代神楽部部長!夜を裂く孤高のロックスター!!』
FULLTOUCH-016:『佐陀コトノ選手15歳!!堂々の登場です!!』
佐陀コトノ:「うう……うう……」
佐陀コトノ:スモークと共に登場し、半泣きになりながら拳を上げてる
後藤スダチ:「ファイト!ファイトだよ佐陀ちゃん!」セコンドとして一緒に入場する。
甘崎リンコ:「佐陀!大丈夫、普段通りにやればできるわ!がんばって!」水着から着替えて応援している。
佐陀コトノ:「普段通りって何なんですか~!!」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさーん!深呼吸!深呼吸ですよー!」
足原エイコ:「やれる!やれるよ!」
佐陀コトノ:「ぐずっ、ぐずっ」呼吸が浅くなってる
ユージン・マディス:「佐陀。おい」
佐陀コトノ:「せ、先生……?」
ユージン・マディス:《猫の道》。すぐ傍のステージの隙間から出てくる。
ユージン・マディス:「よく分からんが落ち着け」隙間から上半身だけ出ている。
ユージン・マディス:「お前も、何か目的があってここにいるのだろう」
佐陀コトノ:「……は、はい……!」
ユージン・マディス:「なら、その為にやれることを頑張れ。前の領域でも言ったが」
ユージン・マディス:「全方位に響かせるお前の術式は、恐らく"アトリエ"と相性が良い」
佐陀コトノ:「……!」
ユージン・マディス:「お前の術式について一番詳しいのはお前だ。やりようはあるはずだ」
ユージン・マディス:「以上」ペットボトルのミネラルウォーター(作業用)を置いてそのまま隙間に戻っていく。
佐陀コトノ:置かれたミネラルウォーターを手に取る
佐陀コトノ:「先生……」
佐陀コトノ:いつの間にか涙は収まって、呼吸は落ち着いていた
ククル・K・C・ビショカルマ:「良い師を持ったようだな。佐陀コトノ」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAオールスターに加わる覚悟は決まったか?」
佐陀コトノ:「…………はい、怖いし怪しいしおかしいところもある人ですけど、良い先生だと、思います」
佐陀コトノ:「私は、私のやれることをここでやります」
ククル・K・C・ビショカルマ:「よく言った。そうでなければ私も」
ククル・K・C・ビショカルマ:「本気を出す甲斐がない」
ククル・K・C・ビショカルマ:ククルから放たれるレネゲイドの圧力が膨れ上がる。
足原エイコ:「あいつ……ここまで”温存”してたのかい!?」
後藤スダチ:「油断するな……油断しないでくれ佐陀ちゃん……!」
イリス・ウィトルウィウス:「本来、過酷な耐久ステージであるASUKAはオーヴァードが挑むには向きません」
イリス・ウィトルウィウス:「単身で挑むASUKAファイターは皆、FINALにベストコンディションを持ってくる術を心得ています」
ユージン・マディス:ステージの基底部から這い出してくる。「最終ステージに合わせて調子を整えていたワケか」
ユージン・マディス:「四六時中ここで訓練していたのは伊達じゃない」
甘崎リンコ:「うわっ!どこから出てくるんですか!」
FULLTOUCH-016:『さあ両者、スタート位置に付きました……』
FULLTOUCH-016:『ASUKAファイナルステージ完全制覇の夢に向けて……今!スタートです!!』
GM:スタートのブザーが鳴ると同時に、二人が目の前の綱を掴む。
後藤スダチ:「ええ。もう私からアドバイスすることは何もないなって感じで……だから何も言いませんでしたね、アドバイスみたいなことは」
後藤スダチ:「でも、やりますよ……今日の佐陀ちゃんは」
GM:セコンドのインタビューが流れる横で、二人が着実に綱を登っていく。
FULLTOUCH-016:『両者懸命に登っていく!これは速いペースだ!!』
FULLTOUCH-016:『佐陀コトノ頑張っている!佐陀コトノ頑張っている!』
佐陀コトノ:「……っ!!」懸命に指先が綱を握り、肉体を上に引き上げる
FULLTOUCH-016:『しかしやはり経験の違い、体力の違いは大きいか!佐陀選手とククル選手、既に30m近い差がついています!』
足原エイコ:「弦を弾くための指先……これには、向いていると言えないかもね」
後藤スダチ:「上へ上へだよ、佐陀ちゃん!」
後藤スダチ:「上へ上へ!」
佐陀コトノ:(やっぱりダメだ! 地力が全然違う……!)
FULLTOUCH-016:『などと言っている間にククル選手は既に!50mの折り返し地点に到達しようとしている!』
甘崎リンコ:「たとえ向いていなかったとしても……佐陀はやるわ」
甘崎リンコ:「初めてやるお笑いだって、懸命に挑んでいるんだもの……!」
甘崎リンコ:「ASUKAだってやれるわ……!」
足原エイコ:「……だね!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「期待外れか……いや」一瞬眼下を見て呟く
ククル・K・C・ビショカルマ:「《セイクリッド綱登りピラー》の真の姿はここからだ……さあ、佐陀コトノ」
佐陀コトノ:体格、筋肉、経験、全てが足りない。必死に登り、息が切れるまでの間に、差がどんどん広がってゆく
ククル・K・C・ビショカルマ:「お前はこの壁をどう超える!」
足原エイコ:「言われた言葉……思い出してこ!」
佐陀コトノ:しかしその眼だけはハッキリと上を見据えて
GM:ククルが折返し地点に到達した瞬間
GM:二人が掴んでいた綱が"解ける"。
佐陀コトノ:「!!?」
GM:綱を構成する一本一本の繊維が、ピラーの壁面に蜘蛛の巣のように張り巡らされ
ククル・K・C・ビショカルマ:「ふ……んんんっ!!」
ククル・K・C・ビショカルマ:ブシュウウウッ!張り巡らされた高分子ワイヤーに指先を引っ掛け、先へと昇っていく。
ククル・K・C・ビショカルマ:体重をかける度に、指先の肉が裂け、地が滴り落ちる。
佐陀コトノ:「いっ……たい……!!」
佐陀コトノ:指先に高分子ワイヤーが食い込んで激痛が走り、顔を歪める。腕を流れる血が伝う
FULLTOUCH-016:『ついにセイクリッド綱渡りピラーが真の姿を表した!!』
FULLTOUCH-016:『塔の中に張り巡らされたワイヤーは、さながら挑戦者の鎮魂歌を奏でる死の弦楽器!!』
FULLTOUCH-016:『挑戦者が指をかけ、足で踏み越えるたび、その血飛沫と供に歪な音を響かせます!』
ユージン・マディス:「開発者の中に糸使いの暗殺者がいたのか?」
FULLTOUCH-016:『その音色は塔の中で反響し、挑戦者の悲鳴と供に荘厳な葬送曲を奏でるのです!!』
ユージン・マディス:「悲鳴を録音するのが趣味のタイプの殺人鬼か?」
イリス・ウィトルウィウス:『収監される前の人美研の部長が監修したらしいです。ククルが出場したのも元々はその縁で……』
佐陀コトノ:(1mも……登れない)
足原エイコ:「コトノたん……ROCKだ!」
足原エイコ:「君のROCKを呼び覚ませ!」
後藤スダチ:「普段どおりだよ佐陀ちゃん!」
後藤スダチ:「練習!練習思い出して!」
甘崎リンコ:「佐陀…………!大丈夫……よ」自分に言い聞かせるように。
佐陀コトノ:(…………先生の、言葉)
ユージン・マディス:静かに見上げている。
佐陀コトノ:(全方位に響かせるお前の術式は、恐らく"アトリエ"と相性が良い)
佐陀コトノ:上を見上げる。ククルはもはやあと僅かで頂点に到達するだろう。ここまま競っていては追いつけない
佐陀コトノ:(…………私は、私のやることをやるだけだ!)
佐陀コトノ:高分子ワイヤーを掴んでいない片方の手で、背負ったギターケースから無理やりギターを引きずり出す。
佐陀コトノ:そして、そのまま、
佐陀コトノ:手を放し落下する
甘崎リンコ:「佐陀……!?」
後藤スダチ:「あーっ!?」
FULLTOUCH-016:『おおーっとこれはどうしたことか!佐陀コトノ自ら手を離してしまった!!』
ユージン・マディス:「……!」
足原エイコ:「コトノたん……っ!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「諦めるか……それもいいだろう」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ASUKAに挑むものはみな孤独。並び立つことはない……わかっていたことだ」
佐陀コトノ:空中で無理やり姿勢を維持し、ギターを構え、空気抵抗に抗いながら指先を伸ばす
甘崎リンコ:「…………!いいえ、諦めてなんかない……!」
佐陀コトノ:その瞳は、決して諦めてなどいない
佐陀コトノ:地面到達まで十数秒
佐陀コトノ:佐陀コトノは鋼鉄の弦に指先を掛けて、そして掻き鳴らす
佐陀コトノ:佐陀コトノの術式、現代神楽。点火された呪力が内臓コイルを巡り
佐陀コトノ:ステージを、絵画世界を、その演奏が振動させる
佐陀コトノ:文字通りの音の速度で広がってゆく重厚な衝撃が、鐘に到達し、
佐陀コトノ:――その音色を響かせる
FULLTOUCH-016:『鐘が鳴ったーーー!!なんということでしょう!コトノ選手登らずして鐘を鳴らしてしまった!!』
佐陀コトノ:「とどい、た……!!」
ククル・K・C・ビショカルマ:「なるほどその手が……だが……」
ククル・K・C・ビショカルマ:「甘いぞ佐陀コトノ。勝利の条件は、"昇って"、"鳴らす"どちらか一方が欠けていては……」
ユージン・マディス:「後藤! クッション!」 落ちていくコトノを指差す。
後藤スダチ:「はい!」クッションを手に駆ける!
ユージン・マディス:「じゃなくてスライム使えスライム!」
後藤スダチ:「えっ!?じゃあこのクッションは!?」無から湧いたクッションを見る。
後藤スダチ:「使わなくていい!?」
ユージン・マディス:「それはそれで使え!」
後藤スダチ:「じゃあ――」
ククル・K・C・ビショカルマ:「何……!?」
GM:眼下を見たククルは気付いた。
後藤スダチ:支援用スライムを最大展開。コトノにかかる衝撃負荷を抑えるべく
後藤スダチ:申し訳程度のクッションを頂上に保持し――
後藤スダチ:「佐陀ちゃん!痛いかもしれないけど……」
後藤スダチ:「最大の弾性をかける!どうにか食らいついて!」
GM:そうして展開されたスライム。そして、張り巡らされたワイヤーが
GM:佐陀コトノの演奏に導かれるように、一枚の大きな膜を形作る。
後藤スダチ:コトノを受け止める上部は衝撃を吸収するよう、そして基部には筋肉のごとく力をため
FULLTOUCH-016:『こ、これはァーーーーっ!!』
佐陀コトノ:「後は『昇る』だけ……!」
後藤スダチ:コトノがクッションに落下した瞬間……それを解き放つ!!
足原エイコ:「トランポリンなら……大ジャンプ!」
FULLTOUCH-016:『トランポリンだァーーーーっ!!』
甘崎リンコ:「…………飛んで!佐陀!!」
後藤スダチ:「ASUKA……」
後藤スダチ:「完全!制覇―――ッ!!!」
後藤スダチ:選手として参加こそしなかったが、1stSTAGEから……セコンドでずっと夢を見守ってきた!
後藤スダチ:そんな後藤スダチの情熱は、ASUKAオールスターにも決して引けをとらないのだ
佐陀コトノ:「スダチさん、ありがとう、ございます……!!」
佐陀コトノ:力の解放に合わせて跳躍する
佐陀コトノ:肉体が恐るべき速度で宙を飛び、やがて、
佐陀コトノ:その指先が頂点を、掴む
佐陀コトノ:「到、達……!!」
FULLTOUCH-016:『ゴォーーーーール!!!!』
FULLTOUCH-016:『佐陀コトノ……ASUKA!!完全制覇達成です!!!!』
GM:おびただしい数の花火が上がる。
足原エイコ:「イヤッフッフーーー!」歓声を上げる
足原エイコ:「新たなASUKAちゃんの……誕生だね!」
甘崎リンコ:「佐陀……!よく頑張ったわね……!」
後藤スダチ:「なんていうか……」
後藤スダチ:「…………『感動』。その一言ですね……」
ユージン・マディス:「ひやひやさせる。とはいえ、上手くいったな」
ククル・K・C・ビショカルマ:「ふ……ASUKAに挑む者は、みな孤独。そう思っていたんだがな……」
ククル・K・C・ビショカルマ:地上に降りる。頂の景色は勝者だけが味わうに相応しい。
ククル・K・C・ビショカルマ:「全員で掴んだ勝利、か」
ククル・K・C・ビショカルマ:「……私の負けだ」
ユージン・マディス:「エフェクトの使用は自由。攻略はセコンドと組んで行う。オレ達は全員で挑戦できる」
ユージン・マディス:「提示された条件に則った勝利だ。問題ないだろ」
後藤スダチ:「これで……認めてもらえるんだよね?」
後藤スダチ:「私達をASUKAオールスターとして」
甘崎リンコ:「……えっ?」
甘崎リンコ:「後藤緑色!戻って来なさい」
後藤スダチ:「離せリンコさん!私には……私にはASUKAしかないんですよッ!」
甘崎リンコ:「文化祭実行委員でしょう!ASUKA以外にもたくさんあるでしょう」
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさん……もう……そこまで……」
足原エイコ:「一度足を踏み入れたら……もう戻っては来れない……」
足原エイコ:「4ステージ全てに関わったんだ、もうスダチちゃんは……」
ユージン・マディス:「後藤は……犠牲になった」
ユージン・マディス:「このASUKAェ……の犠牲にな」
佐陀コトノ:「……………………誰かーー」
甘崎リンコ:「通じるけど通じない妙な発音をしないでください!」
佐陀コトノ:「…………誰かここから降ろして下さい……!!」
足原エイコ:「リンコ……ツッコミ向いてるんじゃない?」
佐陀コトノ:100m上空で我に返った少女の悲鳴が響き渡った
FULLTOUCH-016:『ASUKA第十回大会(リハーサル)、これにて閉幕です!皆さん!また来年お会いしましょう!』

GM:アトリエ攻略に成功しました。
GM:ミッションリザルト!
【ククルのアトリエ ~鋼鉄魔城ASUKA~】
達成!★ASUKAの全ステージをクリアする 獲得コイン×1
達成!★全ステージの達成値合計が100点以上 獲得コイン×1
達成!★ファイナルステージでククル・K・C・ビショカルマに勝利する。 獲得コイン×1
達成!★上記3つのミッションをすべて達成する 獲得コイン×3
GM:全て達成!コイン6枚を差し上げます!
佐陀コトノ:わーい!
甘崎リンコ:やった~~~!
後藤スダチ:やったね
足原エイコ:ASUKA記念コイン……
GM:先ほど残しておいた2枚と合わせて、8枚のコインがその手に!
GM:更に、文化祭準備担当の二人を説得したことで
GM:【文化祭の準備を完遂させよう!】こちらも達成!
GM:追加で3枚をお渡しします。合計11枚!
後藤スダチ:わーいわーい
足原エイコ:大富豪!
GM:それでは、景品購入に移って行きましょう
甘崎リンコ:やった~~!
★コイン交換特典
NEO文化祭十字コイン×5:「銀の鍵」取得 ※新規ミッション解放
NEO文化祭十字コイン×4:NPCカード「イリス・ウィトルウィウス(強化用)」取得 ※二回まで購入可
NEO文化祭十字コイン×3:「魔導粘土(ルーン・クレイ)」を入手
NEO文化祭十字コイン×2:「スペリオルミックスROYAL」を入手
NEO文化祭十字コイン×1:「TOPVALU水彩絵の具12色入り」を入手 ※複数購入可
GM:好きなものを選んで下さい
甘崎リンコ:では銀の鍵(5)、イリスちゃん(4)、スペリオルミックスROYAL(2)を交換したいです。
足原エイコ:だぜ!
GM:OK!ではまず、イリスの★3効果から
◆NPCカード:イリス・ウィトルウィウス(★★★)】
【アシスタント】 対象の判定ダイスを+3する。ラウンド1回。
【虹色】 対象が受けている不利な効果を一つ打ち消す。 ラウンド1回。
【芸術の巨人】 任意のエンゲージに芸術巨人を召喚する。その際、エンゲージ内にいるPCは芸術巨人に同乗しても良い。
【”ミュージアム”】 アトリエのステージギミックを全て開示する(毎シーン自動発動)
GM:芸術巨人の能力については、実際の戦闘の際にご案内します。
後藤スダチ:ヤッタ~マシンモーフィングだ
甘崎リンコ:芸術巨人……!?
ユージン・マディス:バスターバロンだ!!
足原エイコ:やったー!
佐陀コトノ:でーたーらーめをやってごらん
GM:そして、銀の鍵によって選択可能になるもう一つのアトリエはこちら!
・イトリのアトリエ ……何の変哲もない画家の工房。黒く塗りつぶされたキャンバスが並べられている。
ユージン・マディス:一体誰なんだ
甘崎リンコ:誰!?
後藤スダチ:イトリとは一体何者……?
佐陀コトノ:だ、誰……?
足原エイコ:誰なのぉ!?
GM:それは次のシーンのお楽しみ!
GM:というわけで君たちは鋼鉄魔城ASUKAから帰還したのでした!めでたしめでたし……

後藤スダチ:「ハァ、ハァ……」
後藤スダチ:展示室の床に座って、荒い息を吐いている。
後藤スダチ:「わ、私は今まで一体何を……?」
後藤スダチ:「ククルさんとの交渉のために夜空の絵の中に入り……その後は……??」
後藤スダチ:全身が汗でぐっしょりと濡れ、過酷な運動の後の如き消耗がある。
後藤スダチ:だが、それほどまでに何をしていたのか……?
後藤スダチ:それからというもの……後藤スダチは「明日から」とか「アスカロン」とか「フレアスカート」などの言葉を耳にするたび
後藤スダチ:これまででは覚えることのなかった恐怖を感じることになったのだという――

GM:シーン終了!ロイスと購入が可能!
後藤スダチ:コトノちゃんに取ろうかな……!大活躍したしな
後藤スダチ:同行者/佐陀コトノ/尊敬:○/憐憫/ロイス
GM:記憶を失ったのにロイスは残ってる……怖……
ユージン・マディス:生徒/甘崎リンコ/親近感:○/剣を持ってない/ロイス    生徒/佐陀コトノ/期待:○/剣を持ってない/ロイス
甘崎リンコ:剣を持ってない
佐陀コトノ:剣を持ってない
佐陀コトノ:ユージン先生へのロイスを 信頼〇/変な人 に変更します
甘崎リンコ:ロイス保留!購入はロイヤルでないスペリオルミックス狙います。コトノちゃんが飲んでて美味しそうだったので
甘崎リンコ:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 3[2,3]+1 → 4 → 失敗

甘崎リンコ:まあ……それはそう おわり
後藤スダチ:はっはっはリンコちゃんはコトノちゃんが大好きだなあ
ユージン・マディス:財産11使う?
甘崎リンコ:11!?
佐陀コトノ:ひー
ユージン・マディス:リンコさんは時前の奴があるから7か
ユージン・マディス:渡せる なぜならフローズンリリーなので
足原エイコ:センセイ、お金持ち……
ユージン・マディス:私はスペリオルミックスNOVAを飲んでおきます
甘崎リンコ:し、しかし正直ほしい……!財産が3だから……8……かな……?
甘崎リンコ:8……いただいても……いいですか……?
ユージン・マディス:OK! では8点どうぞ
ユージン・マディス:財産16→8
甘崎リンコ:あ、ありがとうございます!!
足原エイコ:スダチちゃんに取りましょう ナイスセコンド!
足原エイコ:ロイス取得 後藤スダチ 〇順逆じゅんさか/憐憫
佐陀コトノ:www
後藤スダチ:順逆で他人のロイスに残ってしまう
後藤スダチ:嫌だ……!
ユージン・マディス:それはどういう感情なんだよ!
甘崎リンコ:ロイスが順逆???
後藤スダチ:P感情らしいですね
足原エイコ:分からない……でも……感情ってそういうものでしょう?
佐陀コトノ:言いくるめてきた
佐陀コトノ:調達は高性能治療キットで
佐陀コトノ:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 7[3,6,7,7]+3 → 10 → 成功

佐陀コトノ:キット無事購入したのでそのまま自分に使用します
佐陀コトノ:6+3d10
DoubleCross : (6+3D10) → 6+9[2,5,2] → 15

佐陀コトノ:で、出目が
足原エイコ:購入はボディアーマーにしましょうか
足原エイコ:2dx+5>=12
DoubleCross : (2DX10+5>=12) → 10[2,10]+9[9]+5 → 24 → 成功

甘崎リンコ:すごいかえてる!
後藤スダチ:高性能治療キット今2個あるんでしょうかね?
佐陀コトノ:ですね! 現在合計2個です
後藤スダチ:アシハラ先生が買ったのと、今コトノちゃんが買ったの
ユージン・マディス:二個あればいいかな?
後藤スダチ:私も使いたいですが、アシハラ先生も結構HP減ってるので使用判断は任せます
後藤スダチ:私はリザレクトで受けられるしね
足原エイコ:侵蝕的に、もう一回コトノたんに使うのもあり?
後藤スダチ:確かに
ユージン・マディス:次のシーンは会話だから
ユージン・マディス:あと2回できるしね
後藤スダチ:たしかに確かに、次戦闘ってことはないか
佐陀コトノ:あっそれなら有難く頂ければ
佐陀コトノ:15+3d10
DoubleCross : (15+3D10) → 15+11[4,5,2] → 26

佐陀コトノ:ほぼ回復! ありがとうございます!
ユージン・マディス:私はどうしようかな
ユージン・マディス:リアクティブアーマー挑戦してみるか
ユージン・マディス:7dx+5>24
ユージン・マディス:7dx+5
DoubleCross : (7DX10+5) → 10[1,4,4,5,5,6,10]+6[6]+5 → 21

ユージン・マディス:うわっ 財産3点使って購入し装備
ユージン・マディス:財産8→5
後藤スダチ:私もリアクティブアーマーで装備充実を助けます
後藤スダチ:9dx+9>=24
DoubleCross : (9DX10+9>=24) → 10[3,3,7,7,7,9,9,10,10]+10[4,10]+1[1]+9 → 30 → 成功

後藤スダチ:ふふーん
ユージン・マディス:ゲゲーッ
ユージン・マディス:馬鹿な……この私を上回る購入だとーっ!
後藤スダチ:足遅めの人に着てもらうのがいいかもな リンコさんどうですか
甘崎リンコ:あっいいんですか!?ありがとうございます……!!
 
 

 MD:4/『■■修復工房リプリス』

GM:みんなで少しお話してからイトリの工房へ向かいます。
GM:シーンプレイヤーはリンコさん。全員登場可能。
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10-1(→ 3)増加 (79 → 82)
ユージン・マディス:1d10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 4[4]+80 → 84

甘崎リンコ:あっジュースのんでます!スペリオルミックス!
ユージン・マディス:-2して82! ありがてえ~
足原エイコ:出るぞ出るぞ
足原エイコ:74+1d10
DoubleCross : (74+1D10) → 74+9[9] → 83

佐陀コトノ:出ます!
佐陀コトノ:83+1d10-1
DoubleCross : (83+1D10-1) → 83+1[1]-1 → 83

佐陀コトノ:侵蝕率84
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (65 → 67)

ライサ・アルヴェストロ:「夜が明け明ける頃にもう一度ここへ来て下さい」
ククル・K・C・ビショカルマ:「至高の芸術的制作物を見せてやろう」
GM:そう言って、二人は仕事に取り掛かった。
GM:二人を待つ間、君たちはムセイオンの校内でしばし心と身体を休めるのだった。

■ムセイオンアートスクール 展示室
GM:無数に存在する展示室の一角。休憩用に置かれたベンチの前で、君たちは話し込んでいた。
GM:大きな窓から月明かりが差し込む。夜はすっかり更けてしまっていた。
ユージン・マディス:端末を操作し終え、星室庁に連絡を入れる。「君らは自分のアトリエに帰らなくていいのか」
足原エイコ:「わたしは追い出され……ゲフンゲフン」
足原エイコ:「……たまには、こういうところで過ごすのも、悪くないと思ってね」
甘崎リンコ:「帰らなくても怒る人がいるでもないですし。一人だけ休んでいられないわ」ベンチに座ってジュースを飲んでいる。
甘崎リンコ:「……先生は帰られるんですか?」
ユージン・マディス:「戻るのも手間だからな。空いてる仮眠室でも使うつもりだ」
ユージン・マディス:「ここから目を離すのも勿体ないしな……」
ユージン・マディス:どこに刀剣展示があるか分からないので散策するつもりだ。
足原エイコ:「むふっ、少しはゆっくりしてもいいのに……」
足原エイコ:「リンコも、そう思うよね?」
甘崎リンコ:「えっ?ええ、そうね」
足原エイコ:「一緒に居たいよね?センセイとさ」
甘崎リンコ:「その……私のアトリエでよければ、泊まっていっても大丈夫ですけど……」
甘崎リンコ:「あっ、全員よ!?休みたかったら使ってもらって構わないというだけで……!」
ユージン・マディス:「まともなアトリエがある気がしない」
ユージン・マディス:「あの二人が極端な例だと言い切れるか? 君ら」
甘崎リンコ:「……………………」
足原エイコ:「……」目を逸らす
甘崎リンコ:「わ、私のところはまともです……多分」
ユージン・マディス:「だとしても、なおさら自分の領域に他のオーヴァードを受け入れるのは大ゴトだと思うが」
足原エイコ:「それだけセンセイとして認めてるんじゃあないかな?」
足原エイコ:「どうどう?好きなの?」
甘崎リンコ:「えっ!?」
甘崎リンコ:「そっ……そん……それはその……!」
甘崎リンコ:「まっ…………まともな……大人だとは……思うけれど……」
足原エイコ:「わたしはセンセイのこと好きになったな~」
ユージン・マディス:「からかってるつもりか? 学生らしいけどな」 目を細めて呆れている。
甘崎リンコ:「好ぅ…………っ!?」
足原エイコ:「もちろん、リンコも同じくらい気に入ったけどね」
甘崎リンコ:「………………そ、そう……ありがとう……」顔を赤くしてぼそぼそ呟く。
ユージン・マディス:「足原は、マスターカラーズの手助けで来てたんだったか。自分の出展はいいのか」
甘崎リンコ:「そ、そうよ。連載をもっているすごい漫画家なのでしょう?」
甘崎リンコ:「それほど漫画に詳しくない私でも知っているわ」
足原エイコ:「照れますなぁ……連載の方は……」
足原エイコ:「編集議会との入念な打ち合わせの下で……ちょっと休載期間にさせてもらったし」
足原エイコ:「同人誌も、ちゃんと仕上げてるもんね!」
足原エイコ:そしてそれを頑張りすぎたせいで冒頭の事態に繋がるのだが……
ユージン・マディス:「趣味と仕事ってところか。……ここの生徒は、オレと感覚的に近しいのは助かるな」
ユージン・マディス:「注ぎ込むことが明確に決まってる。佐陀もそうか」
足原エイコ:「センセイは……剣が大好きなんだよね?」
甘崎リンコ:「刀鍛冶……でしたっけ」
ユージン・マディス:「そうだ。刀剣を見る。分析する。作る。鍛える」
ユージン・マディス:「このノヴァリスにも、遺産やEXレネゲイドが山ほどあるって噂を聞いて来た」
ユージン・マディス:「その時、もっとも手っ取り早い手段が"理事会の傭兵"だった。だから、信用はしてもいいが」
ユージン・マディス:「信頼はすべきじゃないかもな。オレは常に、オレの目的が第一にある」
足原エイコ:「ハハハ!正直でよろしい」
足原エイコ:「コソコソされるより、オープンな方がいいよね」
甘崎リンコ:「そうね……先生も言っていたけれど、ムセイオン生は先生と似たようなものよ」
甘崎リンコ:「自分のしたいことが第一。だからといって、別に裏切られたとも感じないし」
甘崎リンコ:「理事会にどうこうという気持ちもないわ。……先代のマスターカラーズに個人的に思う所はあるけれどね」
足原エイコ:「……そうだね」
ユージン・マディス:「先代か。当代が倒した相手か」
ユージン・マディス:「どんな奴だったんだ。イヤなら話さなくて良いが」
甘崎リンコ:「芸術の師としては申し分ない人だったわね」
甘崎リンコ:「でも……だからこそ」
甘崎リンコ:「『教師が今日死んだ』って言う絶好のチャンスだったのよ……!?知らないうちに死んでいるなんて許せないわ……!」
足原エイコ:「……………ぷっ」
足原エイコ:「ハハハハハ!」
甘崎リンコ:「だから……ユージン先生。あなたは私の知らないところで勝手に死なないでくださいね」
ユージン・マディス:「…………。」
ユージン・マディス:「理解した。いや、理解はできてないが理解しがたい衝動があることは分かった」
足原エイコ:「ハハ……そうだねぇ。大事な人が自分の知らないところで、ってのはね」
ユージン・マディス:口の端を崩すように緩める。「努力出来る範囲で気を付けるさ。他の教師にも伝えておく」
甘崎リンコ:「いえ、その……教師ならだれでもいいわけではなく……」
甘崎リンコ:「……教職経験者なんて毎日絶対に死者がでているでしょう!そういうのでは……意味がないということよ」
ユージン・マディス:「む。それもそうか」
ユージン・マディス:「気を付けるとしよう。甘崎に恨まれるのは中々まずそうだしな」
甘崎リンコ:「そ、……そうしてください」
甘崎リンコ:「……足原も!爆発は日常茶飯事みたいだけれど……体に気を付けた方がいいわよ」
足原エイコ:「……」にまにまとリンコの顔を見守っていた
足原エイコ:「え~、あれってわたし自身はそう痛くもないんだけどな~」
甘崎リンコ:「……そうなの?」
足原エイコ:「そう心配されたのって、なかなかないかも」
足原エイコ:「やっぱ好きだな~、リンコのこと」
足原エイコ:抱き着いてじゃれつく
甘崎リンコ:「わ、もう……調子がいいんだから」拒みはせず抱き返している。
ユージン・マディス:「甘崎は人をよく気遣う。佐陀のことといいな」
甘崎リンコ:「そっ、……そ、そうでしょうか?」
ユージン・マディス:「細かいやり方はともかく、佐陀もその点では感謝していることだろう」
ユージン・マディス:「君の長所だ」
甘崎リンコ:「ぅっ、ぁ、ありがとう……ございます…………」顔を赤くして、照れてエイコちゃんを抱きしめる力が強くなる!
足原エイコ:「ハハハ……ァ……ガ……待って待って……!」
足原エイコ:「柔らかな私の体でも……ヤバいって……ギ……!」
甘崎リンコ:「えっ?あ、ごめんなさい」苦しそうな声に気づいて手を離す。
足原エイコ:「は、はあ……全く、リンコにはドキドキさせられっぱなしだよぉ」
甘崎リンコ:「ううん……爆笑しっぱなしになってくれたほうが嬉しいのだけれど……」
甘崎リンコ:「……でも、嬉しいわ。ありがとう」表情の薄い顔に、微かに微笑みが浮かんだ。

■ムセイオンアートスクール 中央広場
GM:大きな机が置かれた中央広場。使う生徒は殆どいない。
GM:それでも、机の上にはランプの灯りがあり、申し訳程度に摘める菓子類なども置かれていた。
後藤スダチ:「ふー、大変だったけど、これで一仕事は終えたって感じかな……」
後藤スダチ:施設を借りてシャワーを浴びていた。濡れた髪を拭きながら現れる。
イリス・ウィトルウィウス:「はい。皆さんのお陰でなんとか二人もやる気になってくれました」
佐陀コトノ:「ほ、本当に大変でしたね……」
イリス・ウィトルウィウス:「本当にありがとうございます。改めてお礼を言わせて下さい」
イリス・ウィトルウィウス:ペコリと頭を下げる。
佐陀コトノ:「あ、あのそんな頭を下げられるようなことなんて」
後藤スダチ:「あはは。正直二つ目の方では私も何やってたか覚えてないんだけど……無我夢中で」
佐陀コトノ:「あっやっぱり覚えてなかったんですね……」
イリス・ウィトルウィウス:「え……?あんなに大活躍だったのに……?」
イリス・ウィトルウィウス:(まぁ……本人が覚えてないならいいか……)
後藤スダチ:「私は仕事だからいいけど……佐陀ちゃん、大丈夫?こんな夜遅くなっちゃったけど」
後藤スダチ:「なんか、ごめんね?もともとバンドメンバーを探すだけのはずだったのに」
佐陀コトノ:「い、いえ! も、元は私から申し出たことなので! 一応…………」
イリス・ウィトルウィウス:「そうでした……コトノさんの問題は全く解決してないんでした……あとリンコも」
佐陀コトノ:「り、リンコさんも早く相方さん見つかると良いんですけどね…………」
後藤スダチ:「そう、リンコさんも私達にずっと付き合ってくれてるけれど」
後藤スダチ:「一見怖いけど本当はいい人なんだろうね」
後藤スダチ:「佐陀ちゃんのことだってずっと気にかけてるし」
イリス・ウィトルウィウス:「誤解されやすいですけど、友達思いな子なんですよ。あれで結構」
佐陀コトノ:「き、気に掛けて貰ってるのは本当なんですよね! こ、ここに連れてきて下さったのもリンコさんですし、いつかお礼言わなきゃなーって」
佐陀コトノ:「こ、怖いところは勿論あるしお笑い芸人になる気もないんですけど……」
後藤スダチ:「完全に相方扱いされてるよね……」
佐陀コトノ:「そ、それよりスダチさん!」
後藤スダチ:「ん?どしたの?」
佐陀コトノ:「ユージン先生とはお知り合いなんですよね……! ど、どのくらい関係深いんですか!」
後藤スダチ:「関係っていっても」苦笑する。
後藤スダチ:「見ての通り、向こうは私のことは全然覚えてないよ。そりゃそうだよね。たくさんいた学生の一人なんだし」
イリス・ウィトルウィウス:「そういえばスダチさんは、かなり遅くノヴァリスに来たんでしたね」
イリス・ウィトルウィウス:「その頃にお世話になった感じでしょうか?」
後藤スダチ:「うっ、イリスちゃん直で来るなー……自分からあんまり触れないようにしてるんだけど」
イリス・ウィトルウィウス:「えっ、ご、ごめんなさい……!触れちゃいけないところでしたか……?」
佐陀コトノ:「あっ……」申し訳なさそうな顔で口を覆って
後藤スダチ:「いや、セレノスツールさんとの関係の話だったら隠してばっかじゃいられないよ」
後藤スダチ:「私もセレノスツールさんと同じで、八月革命直前にここに来たの」
後藤スダチ:「理事会側の戦力増強の兵力だったってこと」
佐陀コトノ:「…………」
後藤スダチ:「当時のことで嫌な記憶がある人もいるだろうし、自分からは言わないってだけ。まあ私の場合……」
後藤スダチ:「自分でも何が何だか分からないうちに革命は終わっちゃったし、上司も逃げちゃってここにいるんだけど」
イリス・ウィトルウィウス:「末期の理事会は、生徒に反乱の芽があることは感じ取っていましたからね。あれほど大規模だったのは予想外だったでしょうけど……」
イリス・ウィトルウィウス:「その頃入学した生徒には、スダチさんのような思惑で送り込まれた子も多くいます」
後藤スダチ:「当然生徒身分で潜入してたからさ……十字冠が……よくないよね~~」困ったように笑う。
後藤スダチ:「大人の人はゲートで撤退できたのに、私はできないんだもん」
佐陀コトノ:「…………もしかして、後悔とかしてますか?」
佐陀コトノ:「あの、ノヴァリスに来てしまったこと……」
佐陀コトノ:顔を俯かせながらそう言う
後藤スダチ:「してる……かも?」
後藤スダチ:「でも、してないかもしれないな。少なくとも私は今、五体満足でそんなにひどい思いもしてないから」
イリス・ウィトルウィウス:「哀しいことですけど、昔からこのノヴァリスにいる子には、酷い目に会い続けてきた子もたくさんいます……」
後藤スダチ:「そうなんだよね……そう。だから私はラッキーなんだよなー……」
佐陀コトノ:「……あの、はい、確かにイリスさんの言う通りで、楽しいだけの場所では、ないと思います」
後藤スダチ:「コトノちゃん散々な目にあってるよね。今日だけでも……」
佐陀コトノ:「そ、それは本当に…………」
佐陀コトノ:「でも、あの、こんなこと言うのはどうかと思うんですけど!」
佐陀コトノ:「す、スダチさんにはノヴァリスのこと、好きになってくれると、うれしいなぁって……」
後藤スダチ:「えー、そんなこと心配してるの?」笑う。
佐陀コトノ:「し、心配します!」
佐陀コトノ:「こ、ここは私達が苦しさも楽しさも積み上げてきた「故郷」なので」
佐陀コトノ:「も、もしここを「卒業」する時が来て、その時、この場所を、き、嫌いなまま行ってしまったら」
佐陀コトノ:「す、凄く寂しい気持ちになる、と、思うんです……」
イリス・ウィトルウィウス:「そっか……コトノさんはそう思ってくれるんですね……」
後藤スダチ:「大丈夫!後悔してるかも……って言ったけど、私はノヴァリスのことだってちゃんと好きだよ」
後藤スダチ:「自由でめちゃくちゃで、外の世界には絶対にないエネルギーにあふれてる」
後藤スダチ:「ひどい目にはたくさん遭ったりするけど……というか、八月革命からの方がそういう事件に巻き込まれること多い気がするけど」
後藤スダチ:「今のノヴァリスのほうが、私はこう……暗さ?みたいなのがなくて好きだな」
佐陀コトノ:彼女の言葉に、俯いていた顔が上がる
佐陀コトノ:「……私も、今のノヴァリスが大好きです」
佐陀コトノ:そう言って、笑う
後藤スダチ:「でもね」テーブルに片肘を突いて、外の景色をふと見る。
後藤スダチ:「ほとんどの子は知らないけど……外もいい世界なんだ」
後藤スダチ:「私はノヴァリスにいて、色んな子と仲良くなって、色んな経験をしてきたけれど」
後藤スダチ:「もしかして外にいたら、また別の子達と仲良くなって、外の日常や……日常じゃない経験をたくさんできたかもしれない」
後藤スダチ:「それって、どっちがいいことなのかな?ふふふ」
佐陀コトノ:「…………」
後藤スダチ:「後悔してる『かも』って言ったのは、そういうこと」
佐陀コトノ:「……ごめんなさい。わ、私には分からないです。外の世界を知らなくて、今もあるんだってことが上手く実感できなくて」
佐陀コトノ:「だから、せめてこのノヴァリスで楽しい日常を、沢山の非日常を経験できたならば」
佐陀コトノ:「……外の世界との優劣は分からないけど、それは間違いなくスダチさんの『財産』になると思います。だ、だから、この場所で頑張って生きることは決して無駄じゃないと思います」
後藤スダチ:「私が考えてるのも、佐陀ちゃんと同じことかも。いつか皆にも、外の世界を見てもらいたい」
後藤スダチ:「そうすれば、このノヴァリスで作った価値をもっと広い世界に見せられるから」
後藤スダチ:「誰だって、いつかステージに立つ」
後藤スダチ:「そんな機会が来てほしいよね」
佐陀コトノ:「……私も、そんな日が来ること、凄く楽しみにしてます」微かに微笑んで
後藤スダチ:「私は文化祭の責任者だけど」
後藤スダチ:「佐陀ちゃんは、私より責任感が大きいよね?」
後藤スダチ:「ノヴァリスの責任のことまで考えてる」
佐陀コトノ:「……そ、そんなことないです。私なんて自分のことで精いっぱいで」
佐陀コトノ:「ただ、私はスダチさんに、自分と同じものを好きでいて欲しい」
佐陀コトノ:「……それだけの話なんです」
後藤スダチ:「……そうかな?佐陀ちゃんが勇気を出して……こんな苦労してまでライブに出ようとしてるのって」
後藤スダチ:「なにかに責任を持ってるからじゃないかなーって思うんだけどな」
佐陀コトノ:「ええと、ライブのことは勿論責任感とか無いこともないんですけど」
佐陀コトノ:「それ以上に私が音楽が好きで、由利さ……私の友達の歌う歌が好きで、演奏することが好きで」
佐陀コトノ:「だからどれだけ苦労したり嫌な思いをしたって一生懸命やっちゃてるんです。ふ、不思議ですよね……」
佐陀コトノ:「でも、多分ムセイオンの人たちもみんなそうなんじゃないかな」
後藤スダチ:「あはは、これ、もしかしたら私だけがそんな定義してるだけなのな……」
後藤スダチ:「……それが『責任を持ってる』ことだって感じるんだ」
後藤スダチ:「才能とか、好きさとか、何かこだわりたい物事とか……自分の内側のものに」
後藤スダチ:「責任を取ろうとしてる」
後藤スダチ:「だから普通に暮らしてたらやらないような努力とか、ステージに立つような勇気とか……そんなことだってできるんだなって思う」
佐陀コトノ:「……そ、そうなのかもしれないですね」
佐陀コトノ:「でも、それならスダチさんだって同じくらい責任感があると思います。今日の頑張りを見てたらそう思いました」
後藤スダチ:「でしょー?私ってすごいよな~」
後藤スダチ:笑う。
佐陀コトノ:「……はい!」
佐陀コトノ:彼女に笑い返す
イリス・ウィトルウィウス:「……では、私も」開いていた端末を閉じて、二人に話しかける。
イリス・ウィトルウィウス:「責任を果たさないといけませんよね。コトノさんに約束してしまいましたから」
後藤スダチ:「あ!もしかしてバンドメンバー候補探しててくれた?」
後藤スダチ:「偉い~!いい子だね~イリスちゃん!」
佐陀コトノ:「ほ、本当ですか……!」
イリス・ウィトルウィウス:「えへへ……はい。準備ができました」
イリス・ウィトルウィウス:「"化粧師"のところへお連れします。……ただ」
佐陀コトノ:「……ただ?」
イリス・ウィトルウィウス:窓の外を見て「ごめんなさい。ご期待に添えるかは、ちょっとわかりません」
イリス・ウィトルウィウス:「それでも、コトノさんの演奏を聞いて、今日の皆さんを見て、ちょっと思ったんです」
イリス・ウィトルウィウス:「もしかしたら、奇跡が起きるかもって」
イリス・ウィトルウィウス:「だから、行きましょう」
佐陀コトノ:「…………」頷く
佐陀コトノ:「よろしく、お願いします」

■ムセイオンアートスクール 資材室
GM:本校舎の最も奥まった場所にある資材置き場。生徒の作品も、アトリエの入り口も置かれていない。
GM:壁に立てかけられた何も描かれていない額縁に向かって、イリスが進み出る。
後藤スダチ:「何も描かれてない絵の中って、アトリエを作れるもんなの?」
足原エイコ:「いや、イリスたんなら……」
イリス・ウィトルウィウス:「いえ、これは鍵がかかっているだけです。こうすると……」
イリス・ウィトルウィウス:取り出した銀色の鍵を、そこにかざすと
GM:白紙のキャンバスに、一枚の風景画が浮かび上がる。
複合修復工房リプリス
GM:君たちがいる部屋と大差ない、工房の風景。その奥には、数枚の黒いキャンバスが並んでいる。
甘崎リンコ:「……………………」じっと黒いキャンバスたちを見つめている。
佐陀コトノ:「こ、これが風景画ですか……?」
ユージン・マディス:「合わせ鏡だな、まるで」
後藤スダチ:「不気味な絵だなあ」
イリス・ウィトルウィウス:「安心して下さい。今までの子たちみたいなことにはなりません」
イリス・ウィトルウィウス:「この先は、複合アトリエです。」
後藤スダチ:「複合アトリエ?」
イリス・ウィトルウィウス:「部活をやっている子たちなんかは、それぞれのアトリエを繋げて大きなアトリエを作るんです」
足原エイコ:「神漫画研究会もそーだよー」
イリス・ウィトルウィウス:「一人ひとりの支配権は弱まりますが、その分より多くのリソースを共有できます」
ユージン・マディス:「成程。集団作業が必要な制作物もあるだろうしな」
ユージン・マディス:「……いやASUKAステージは集団でやることのような気がするが……」
後藤スダチ:「これまでよりは常識的な空間ってことでいいのかな」
後藤スダチ:「一人の意思で空間を好き勝手はできないってことだよね?」
佐陀コトノ:「こ、こういう形もありなんですね……」
イリス・ウィトルウィウス:「あはは……そうですね。少なくとも誰か1人が勝手なことはできないかなって思います」
足原エイコ:「連帯したらすんごい出力になるかもだけどね~」
イリス・ウィトルウィウス:「とにかく、入ってみましょう。ついてきてください」
足原エイコ:「いざ、イヤッフー!」軽やかなステップで
イリス・ウィトルウィウス:躊躇いなく絵の中へと足を踏み入れる。
後藤スダチ:「がんばるぞ!」気合を入れて入る。
甘崎リンコ:小さく息を吐いて絵の中へ入っていく。
ユージン・マディス:迷いなく踏み込む
佐陀コトノ:「こ、今度は一体どんな……!」怯えつつも踏み入れる
GM:視界が暗転し、再び君たちの意識はアトリエの中へと沈んでいく……

イリス・ウィトルウィウス:カツカツカツ……静かな工房に、数人の足音が響く。
GM:工房の中には、幾つもの絵画や美術品が並べられていた。
GM:他の展示室と違うのは、それらが全て、何かしらの破損や汚損を被っており
GM:今まさに、修復の最中である。ということだった。
イリス・ウィトルウィウス:「ここは、ムセイオンで唯一、個人の創作を行わない芸術家」
イリス・ウィトルウィウス:「修復士の工房です」
ユージン・マディス:「修繕か……」

イトリのアトリエ ~複合修復工房リプリス~
GM:君たちの視線の先に、1人の黒髪の少女の姿が見える。
春日イトリ
イリス・ウィトルウィウス:「ご紹介します。春日イトリ」
イリス・ウィトルウィウス:「文化財保護管理委員会の部長です」
春日イトリ:「こちらの方々がイリスさんのおっしゃっていた方々ですね」
後藤スダチ:「あ!もしかして」
後藤スダチ:「春日一族のかた?」
春日イトリ:「はい、春日のイトリ...このムセイオンで皆様の創作の補修・保全をさせていただいております」
春日イトリ:「何卒宜しくお願いします」
春日イトリ:柔和な笑みと共に歓迎する
後藤スダチ:「へえ~ノヴァリスでも春日の人には初めて会ったかも。よろしくね」
足原エイコ:「噂には聞いてたな~」
足原エイコ:「まあ漫画描いてちゃお世話にはならないけど……客は画狂連とかだもんね」
ユージン・マディス:「…………今までと随分毛色が違うな?」
後藤スダチ:「確かに……常識的っていうか……ね」
春日イトリ:「.....いままで?」
イリス・ウィトルウィウス:「い、今までみたいな子ばっかりじゃないですよぅ……!大人しい子もいるんです!」
春日イトリ:「い...イリスさん、外部の人をどんなアトリエに招待したのですか...?」
イリス・ウィトルウィウス:「ライサと……ククルの……」
春日イトリ:「あっ――」
イリス・ウィトルウィウス:「え、ええと……!イトリ、早速で申し訳ないんですけど!」慌てて
イリス・ウィトルウィウス:「礼のものは準備できていますね?」
イリス・ウィトルウィウス:「"化粧師"のアトリエへ、案内して下さい」
甘崎リンコ:「……………………っ」少し体をこわばらせる。
春日イトリ:「はい、承知いたしました」
春日イトリ:足早に先導し無数の美術群を進む
佐陀コトノ:「……!!」
後藤スダチ:「え~?アトリエの中にアトリエがあるってこと?」
後藤スダチ:「それともここから一旦出て移動する感じなのかな?」
イリス・ウィトルウィウス:「いえ……この中にあります」
イリス・ウィトルウィウス:「"化粧師"のアトリエは、今まさに修復中ですから」
後藤スダチ:「……!」
ユージン・マディス:「"アトリエ"が修復中……?」
春日イトリ:「えぇ....ムセイオンの大いなる命題の一つでもありますので」
足原エイコ:「……」
春日イトリ:「これが..."アトリエ"です」
GM:そうして君たちは、真っ黒なキャンバスが並べられた一角へと案内される。
GM:その数は十二枚。その中で、僅かに黒い絵の具が剥がされ、下の絵が覗いた一枚の前に、君たちは立っている。
ユージン・マディス:「黒い絵かと思ったが……違うのか」
後藤スダチ:「これが……アトリエなの?」
ユージン・マディス:「塗り潰されている。……封じられている?」
春日イトリ:「このキャンパスの中身を知るのはただ一人...そう、かの人物に占有されているのです」
イリス・ウィトルウィウス:「塗りつぶされたんです。彼女達は、自らの世界と、作家性を」
佐陀コトノ:「…………え?」
イリス・ウィトルウィウス:「先代の、"マスターカラーズ"に」
佐陀コトノ:「――っ!!」
足原エイコ:「……っ」
春日イトリ:沈痛な面持ちで顔を伏せる
甘崎リンコ:「……………………」じっとキャンバスを見つめている。表情の乏しい顔にはいつにもまして表情が消えている。
後藤スダチ:「"マスターカラーズ"。ノヴァリスを統治していた……理事会、七賢人の一人」
イリス・ウィトルウィウス:「"マスターカラーズ"には、彼女が才能を認めた十二人の直弟子がいました」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女達は、優れた師の下で伸び伸びと研鑽を続け、その才能を鮮やかに開花させた」
イリス・ウィトルウィウス:「そしてその瞬間に、彼女達の師は、それを黒く塗りつぶした」
後藤スダチ:「な、なんのために……」
佐陀コトノ:「なんで、そんなことを……」
足原エイコ:「育てて、実らせて、収穫する」
イリス・ウィトルウィウス:「そうすることで、"マスターカラーズ"は彼女達の作家性を自分の物とすることができたのです。そのアトリエ諸共に」
春日イトリ:「彼女は...他者の才能を搾取するが最も得意な能力者でした」
ユージン・マディス:「――それが、師のやることか!?」
ユージン・マディス:叫ぶ。ほとんど反射的な言葉だった。
甘崎リンコ:「…………先生……」
後藤スダチ:「セレノスツールさん?」
春日イトリ:「怒って下さるのですね...」
ユージン・マディス:「…………いや。」
ユージン・マディス:「すまん。個人的な感情だ。続けてくれ」
足原エイコ:「センセイには、いい先生が居たんだね」
後藤スダチ:「……」ちらりと横目でユージンを見て、イトリ達に視線を戻す。
イリス・ウィトルウィウス:「だから、私達は戦いました」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女達の名は"パレット"。"マスターカラーズ"は、自分が最も優れていると選んだこの12の色を使って、ムセイオンを支配しました」
イリス・ウィトルウィウス:「それに対して、私は残るすべての生徒……彼女が有象無象と見捨てた生徒たちの力を借りて対峙した」
ユージン・マディス:「……、……」
イリス・ウィトルウィウス:「私は、彼女と1人で戦ったわけではありません」
イリス・ウィトルウィウス:「私の力は生徒たちの作品の力。アトリエに籠もって作品を作り続けることが、ムセイオンの皆にできる最大限の戦いでした」
イリス・ウィトルウィウス:「そうして、勝利の後に残されたのが、閉ざされたままの、この12枚のアトリエ」
春日イトリ:「私は...マスターカラーズの死後、封印された生徒救出のため文化財保護管理委員会を結成しアトリエの力の多くを注げば解決できると踏んでいました...」
春日イトリ:「しかし、今日まで彼女の呪いは生徒たちを閉じ込めたままです」
佐陀コトノ:「そんな…………」
春日イトリ:「本当に....不甲斐ないですっ」
甘崎リンコ:「…………あなたのせいではないでしょう」
イリス・ウィトルウィウス:「アトリエの主が認めない限り、その扉は開くことはない」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女達は今、"マスターカラーズ"による強力な自閉催眠状態にあります。意識があるままでは、十字冠の転送が作動してしまうかもしれませんから」
春日イトリ:「皆さまはムセイオンの生徒二名のアトリエを攻略なされたのですよね?」
足原エイコ:「……うん」
春日イトリ:「世界アトリエはその作家に神に近しい力を与える世界...これを超えるのは非常に稀有なケースと言えます」
ユージン・マディス:「神に近しい力……」 先の二部屋を思い出す。詳細をぼやかした。
ユージン・マディス:「そうとも言えるか」
イリス・ウィトルウィウス:「すみません……皆さんを、特に、コトノさんを騙すようなことになってしまって」
甘崎リンコ:「…………何も言っていなかったというのなら、私も同罪よ」
イリス・ウィトルウィウス:「けれど、可能性を感じたのは本当なんです」
後藤スダチ:「そ、そうだよ!"化粧師"がアトリエに封印されたままってことは」
後藤スダチ:「佐陀ちゃんがバンドを組めなくなっちゃう!受付締切だってすぐなのに!」
イリス・ウィトルウィウス:「なんでも良いんです。皆さんの知恵を……」
佐陀コトノ:「…………」
イリス・ウィトルウィウス:「この【大修復】に、貸してもらえないでしょうか」
GM:【大修復】のTIPSを入手しました。
【大修復】
徹底した個人主義のムセイオンにおいて、全生徒が無条件の協力を承諾している2つのプロジェクトの1つ。
先代の"マスターカラーズ"は、優れた芸術の師であると同時に、生徒の才能を奪うことに最も長けたエージェントだった。
彼女は生徒の『アトリエ』の絵画を上から黒く塗りつぶすことで、その中へ生徒を封印し、能力を奪うことができた。
生前、彼女は十二人の優秀な生徒を直弟子とし、天塩にかけて育て上げ、才能が開花した所で、そのすべてを自分の物としたのだ。
『大修復』は、未だ黒く塗り潰されたままの彼女達のアトリエを修復し、救出するためのプロジェクトだ。
文化財保護監理委員会が中心となって修復を進めているが、封印された彼女達は自閉催眠状態にあり、外からの呼びかけには応じない。
主が認めない限りアトリエの扉が開くことはないため、計画は足踏み状態にある。
春日イトリ:「わ、私からもお願いします!」
春日イトリ:「彼女たちにもう一度外の景色を見せてあげたいんです!」
後藤スダチ:「そんなこと言われても……うっ……」
後藤スダチ:「私は……!文化祭の準備が進められるなら、協力したいって思う!役に立てればなって思うし……」
後藤スダチ:「でも、佐陀ちゃんは今日誰かを見つけられなきゃ……」
春日イトリ:「ここで引きこもって解決しない以上、大人とか外部からの生徒とかなんらかの変数に期待するしか...」
佐陀コトノ:「……やりましょう」
甘崎リンコ:「…………佐陀…………」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさん……?」
春日イトリ:「ギターの方...」
佐陀コトノ:「……わ、私は、ただ動画で彼女の演奏を聞いただけの薄い繋がりしかありません」
佐陀コトノ:「だ、だけど、私はそれでも"化粧師"と演奏したい。彼女じゃなければ嫌です」
佐陀コトノ:「あんな演奏が出来る人の『作家性』が奪われ続けるなんて、そんなこと、許せない」拳に力が入る
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさん……ありがとうございます」
イリス・ウィトルウィウス:「けど、やっぱり謝らなきゃですね……コトノさんがどれだけ協力してくれても、文化祭までには……」
春日イトリ:「コトノさん....」
後藤スダチ:「わ、私は……」
ユージン・マディス:「……元々、オレたちの目的は複数あった」
ユージン・マディス:「たまたま同行してただけだ。その目的を一つ増やして、今日一日程度を費やしても問題はないだろう」
佐陀コトノ:「せ、先生……」
ユージン・マディス:「"生徒だけではどうしようもない問題"を解決するために、星室庁はある」
甘崎リンコ:「…………!」
足原エイコ:「やって、くれるのかいセンセイ」
ユージン・マディス:「オレ個人と……」何か言いかけて。「……いや。オレも今は教師だからな。目を瞑れない、それだけだ」
春日イトリ:「(これが外部からやってきた"大人”!なんと頼りがいのある御方なのでしょう....っ)」
甘崎リンコ:「…………わ、私からも……」
甘崎リンコ:「………………お願いします。助けて……あげてほしいんです」
ユージン・マディス:額を抑えている。いくつか思考を巡らせている。
甘崎リンコ:「私は…………もう一度、会いたいんです」
甘崎リンコ:「大切な、友達に……………」
佐陀コトノ:「リンコさん……」
春日イトリ:「ご友人でしたのね...」
甘崎リンコ:RHOを公開したいです。
GM:わかりました。
GM:実はこのセッションにはRHOが存在します。
GM:甘崎さんのRHOはこちらです。
◆RHO
PC4:甘崎リンコ
君にはかつて、一人だけ君のギャグにバカウケしてくれた友人がいた。
"化粧師" 写楽斎シキミ。
彼女は先代の"マスターカラーズ"にアトリエを奪われ廃人化した生徒、”パレット”の一人だ。
彼女を解放するための『大修復』は9割方完了しているが、最後の自閉プロテクトを破ることができずにいる。
君は彼女と再会する日に備えて、渾身のネタを用意している。

このRHOを公開すると、あなたはシナリオ中以下の効果を使用できる。
あなたが行う攻撃には、任意の一発ギャグを組み合わせる事ができる。
組み合わせた攻撃が命中した場合、対象は冷静になり暴走が解除される。

また、君はムセイオンの生徒として【アトリエ】及び【大修復】についての情報を予め知っている。
GM:皆さんは、写楽斎シキミのアトリエを開放する判定を行うことができます。
GM:難易度は以下の通り。
【写楽斎シキミのアトリエを開放する】 <RC> 難易度120
ユージン・マディス:ヒエエ
GM:通常の手段では、これを突破する必要があります。
佐陀コトノ:ひゃ、ひゃくにじゅう
後藤スダチ:不可能すぎ!
春日イトリ:ア...ワァ...
足原エイコ:だ……誰か―ッ!
春日イトリ:ずっと...判定してたんです...
ユージン・マディス:な、なんて辛いことを
春日イトリ:でも私には無理です...っ
甘崎リンコ:賽の河原から解放してあげるからね……
ユージン・マディス:つかぬことを伺いますが精神値とRC固定値は……?
足原エイコ:通常の手段じゃ……出来そうにない!どうすれば!
春日イトリ:能力1の技能値1...
甘崎リンコ:過酷すぎる
ユージン・マディス:タイトル回収をするんじゃないよ!
GM:上記の判定について、もう少し詳しく説明します。
GM:写楽斎シキミを救出するには、彼女のアトリエに乗り込んで直接目を覚まさせる必要があります。
GM:しかし、現在彼女のアトリエは先代の”マスターカラーズ”によって封印されており、入ることも出ることもできません。
GM:これは、データ上ではエンゲージが封鎖されている状態として定義されます。
足原エイコ:そんな……!
シキミのアトリエ(封鎖)
   |
   1m
   |
   PC
GM:図にするとこのようになります。
GM:この封鎖状態を解除するための判定が、先程の難易度120の<RC>判定と考えてください。
GM:さて、封鎖を突破する方法には、判定で解除する以外にも封鎖を無視できるエフェクトで侵入する方法もありますね。
足原エイコ:そんな便利な移動エフェクトなんて……!
GM:このチームの中でそれを持っているのは、《縮地》持ちのリンコさんだけになります。
甘崎リンコ:いっ いくしかない……ようね……!
ユージン・マディス:なんてこった
春日イトリ:リンコさん...
足原エイコ:でかした!
GM:ただし、その場合入れるのはリンコさんだけです。
後藤スダチ:入った後何が起こるかはわからないわけか
GM:そうですね。戦闘になったとしてもリンコさん1人で切り抜けてもらうことになります。
甘崎リンコ:ホゲーッ
ユージン・マディス:凛子さん
足原エイコ:信じてるぜ……
ユージン・マディス:に全てを賭けるしかないのか……
GM:さあどうしますか。ダメ元で封鎖解除判定に挑戦するのは自由です。
佐陀コトノ:リンコさん
ユージン・マディス:アトリエの中から戻ってくることは出来るの?
GM:シキミを目覚めさせることができれば戻れます。
春日イトリ:もしできなかったら遭難者が二人になってしまいますね
足原エイコ:重たい判断だ
佐陀コトノ:皆さん
佐陀コトノ:私に任せて貰えますか
甘崎リンコ:ほえ!?
足原エイコ:!?
後藤スダチ:なんですって
ユージン・マディス:なんだと……
春日イトリ:えっ
佐陀コトノ:RHOの公開を宣言します
GM:わかりました
後藤スダチ:おいおい、RHOのバーゲンセールかよこのセッションは!
◆RHO
PC3:佐陀コトノ
六壬大祭での戦いを経て、君の現代神楽はさらなる深化を遂げた。
神楽の起源は、天の岩戸の前でアメノウズメが披露した舞歌とされており
先日君が書き上げた新譜は、その起源に近い”岩戸開き”の権能を一部再現することに成功している。
つまり、君がひとたびギターをかき鳴らせば、どんな引き篭もりも内側から扉を開いてしまうのだ。

このRHOを公開すると、あなたはシナリオ中、以下の効果を使用できる。
あなたが<RC>技能による判定を行う時に宣言する。
その判定の達成値が15以上の場合、射程視界内の任意のエンゲージの封鎖を解除する。
佐陀コトノ:そしてこのままアトリエ開放の判定に挑戦します
GM:良いでしょう!
GM:通常なら難易度は120だが……
GM:コトノさんのRHO効果を使用すれば、難易度はたったの15!
GM:使いますか?
佐陀コトノ:勿論!!
GM:では判定をどうぞ!
佐陀コトノ:<狂騒の旋律><サイレンの魔女>
佐陀コトノ:侵蝕率+11で94
佐陀コトノ:5dx+20>=15
DoubleCross : (5DX10+20>=15) → 9[1,2,5,8,9]+20 → 29 → 成功

甘崎リンコ:成功!!!!
足原エイコ:ロックンロールビート最高~!
春日イトリ:完璧です!
ユージン・マディス:アメノウズメ!
GM:見事成功!シキミのアトリエに侵入できるようになりました。
甘崎リンコ:え~~~~んコトノちゃんありがとお~~~~~
後藤スダチ:かっこいい~~
春日イトリ:流石ウルトラロックギタリスト!最高です!
佐陀コトノ:えへへへ……
佐陀コトノ:これで障害はありません
佐陀コトノ:リンコさんの友達を、助けに行きましょう
甘崎リンコ:佐陀……!

■数年前
写楽斎シキミ:「なっははははははは!!自分めっちゃおもろいやん!」
写楽斎シキミ:幼き日の甘崎リンコの眼の前で、同年代の少女が笑い転げている。
写楽斎シキミ
甘崎リンコ:「……………………!」
甘崎リンコ:「え、ええ、そうでしょう!私のネタは……面白いのよ。ふふふ」
写楽斎シキミ:「な、もっかいやってや。他のネタもみせてーな」
甘崎リンコ:「ええ……!」
甘崎リンコ:「これはどうかしら……とっておきよ」
甘崎リンコ:「孫の成長と共に深まる溝」
写楽斎シキミ:「ぶははははははははは!!」
甘崎リンコ:「………………!」
甘崎リンコ:「説明するまでもないと思うのだけれど、これは『生卵を食べて訛った孫』というダジャレの発展形よ」ウケている姿を見て得意げに解説を始める。
甘崎リンコ:「生卵を食べられるのは大体三歳ほど。そのくらいの年齢ならば達者に喋っていてもおかしくはないわ」
甘崎リンコ:「つまり……以前から嫁を良く思っていなかった姑……孫目線で言えば祖母ね。彼女は息子の奥さんの訛りも苦々しく思っていた」
甘崎リンコ:「『嫁が生卵なんて食べさせたから可愛い孫が訛り混じりで喋るようになってしまった』……そんな理不尽な難癖を一言で表したギャグよ」
写楽斎シキミ:「最高やな……!あんな短いセンテンスん中にそんな複雑な物語を内包するやなんて……自分すごいで!」
写楽斎シキミ:「芭蕉もびっくりや!」
甘崎リンコ:「…………!そう、そうでしょう!」
甘崎リンコ:「やはりそういう教養に基づいた笑いっていうのは、今まで知っていたものが知らない形でお出し出されたという……」
甘崎リンコ:「懐かしさと新しさが感じられて素晴らしいと思うのよね。だから、俳句なんかも取り入れていきたいと思っているわ」
甘崎リンコ:「私が目指すのは『真の笑い』なの」
甘崎リンコ:「今まで意識していなかったものでも、少し視点を変えたらそこには幸せが詰まっている……」
甘崎リンコ:「私の芸名"エッペルカーカ"もそうやってつけたの」
写楽斎シキミ:「せやなあ。お笑いってのは"気付き"やからな」
甘崎リンコ:「スウェーデンの伝統的なお菓子なのだけれど、……これ、アップルケーキって意味なのよ」
甘崎リンコ:「すごくない?とてもオシャレなお菓子なんだと思ってたら、そのまんまアップルケーキなんだ!って」
甘崎リンコ:「そう、気づきなのよね……。そうだったんだ!っていう、笑い……。まさしく私が目指すものだわ」
甘崎リンコ:初めて理解者が現れたので興奮して喋っている。
写楽斎シキミ:「わかるで。ビシッとしたスーツでこっちに歩いて来とったおっちゃんが、後ろ向いたらパンツ一丁やったらめっちゃおもろいもんな」
甘崎リンコ:「布面積が半分ということ……!?」
甘崎リンコ:「なるほど……!それは確かに面白いわね……」メモをとっている。
写楽斎シキミ:「せやせや。人の目に見えとるもんは何でも全体の半分なんや」
写楽斎シキミ:「辛いことや哀しいことでも、見方を変えたらめっちゃおもろいことの前触れかもしれへん」
写楽斎シキミ:「誰もが気づいてなかった幸せに気づかせてくれるんが、お笑いの力なんや」
甘崎リンコ:「ええ……、ええ!その通りだわ……!」
甘崎リンコ:「笑ったら……、みんな幸せになれるの」
甘崎リンコ:「そう……、幸せになれるんだって……、気づかせてくれるものなのよね……」
甘崎リンコ:「……ふふっ、あなたは本当に分かってる人だわ……!」
写楽斎シキミ:「自分こそ大したもんやで。まさかノヴァリスくんだりまで来て浪速の笑いを理解しとる奴に会えるとは思っとらんかったわ」
甘崎リンコ:「ふふふ……!たくさん研究しているもの……!」
甘崎リンコ:「上方漫才とか色々言うけれど、笑いに場所はそれほど関係ないと思っていたけれど……、やっぱり浪速の人がそういうのなら、到達してしまうのよね……。真の面白さは、浪速に……」
甘崎リンコ:満足気に頷いている。
写楽斎シキミ:「おう!自信持ってええで。本場で生まれ育ったウチが言うんやから間違いない!」
写楽斎シキミ:「よく関西もんが皆おもろいわけないやろって迷惑がっとる元関西人とかいるけどなあ」
写楽斎シキミ:「おもろいに決まっとるやろ!関西人やぞ!」
甘崎リンコ:「ふふっ……、ふふふ、そうよね!」嬉しそうに笑っている。
甘崎リンコ:「だってあなたはこんなに面白いもの!」
写楽斎シキミ:「へへ、ここで暮らす楽しみが増えたわ」
写楽斎シキミ:「ウチはシキミ。写楽斎シキミや」
甘崎リンコ:「シキミ……!よろしくね」
甘崎リンコ:「私はリンコ。甘崎リンコよ。私も……これから、楽しくなりそうだわ」手を差し出す。
写楽斎シキミ:「よっしゃリンコ!いつかノヴァリス中を笑いの渦に溺れさせたろうやないか!」手を握り返す。
写楽斎シキミ:「どうせみんな死ぬほど笑っても死なへんしなぁ!なーっはっはっはっは!!」
甘崎リンコ:「ふふ、……ふふふっ!そうよ、その通りだわ!」
甘崎リンコ:「もうやめてくれって言われても笑わせたって大丈夫なのね……!」
写楽斎シキミ:「当たり前やろ!そういうのはなぁ、"もっとやれ"っていうフリに決まっとるんやからな!」
写楽斎シキミ:「これからウチが本場のお笑いを教えたるから、楽しみにしとき!」
GM:遠い追憶。
GM:やがて、その約束が叶わなくなっても、君は自分の"笑い"を磨き続けた。
甘崎リンコ:あなたが面白いと言ってくれたから、自信を持てと言ってくれたから。
甘崎リンコ:誰も笑わなくとも、私は面白いんだから大丈夫だって、少しも疑わずに生きてこられた。
甘崎リンコ:あなたがいなくなって、……悲しくはなかった。ただ、胸に何か、大きな喪失感があって。
甘崎リンコ:先代マスターカラーズがいつ討たれたのかも分からず、一心不乱にアトリエで、ネタを造り続けていた。
甘崎リンコ:それでも……、写楽斎シキミは今もまだ、帰ってこない。

■現在 イトリのアトリエ
甘崎リンコ:「…………無理矢理心をこじあけたらどうなるのかわからないけれど」
甘崎リンコ:「これだけの人が、シキミが目覚めるのを待っていてくれている」
甘崎リンコ:「……なら、私は行くわ」たとえ戻ってこられなくとも、と胸の内に呟く。
後藤スダチ:「待った待った!そもそもアトリエに入る方法なんてあるの!?」
後藤スダチ:「これだけ時間かけてもそれができないから困ってるんだよね!?」
ユージン・マディス:「マスターカラーズの防壁も、表面だけではないだろう」
春日イトリ:「だ、ダメです!」
春日イトリ:「この奥はマスターカラーズの直弟子...先ほどとは比較にならない魔境なんですよ?!」
春日イトリ:「遭難者が増えるなんて看過できません~」
イリス・ウィトルウィウス:「そうです。リンコの気持ちはわかりますが……」
イリス・ウィトルウィウス:「断言します。1人で行っても何もできません」
イリス・ウィトルウィウス:「生徒が無闇に傷つくのを、見過ごすわけには行かないのです」
後藤スダチ:「二人がそういうってことは」
後藤スダチ:「逆に……入る方法は『ある』ってことなんだよね?……リンコさんには」
足原エイコ:「教えて欲しいね、リンコ」
甘崎リンコ:「…………閉じられたアトリエに特化したもの、というわけではないのだけれど」
甘崎リンコ:「空間から空間に渡る……さっきのASUKAでやっていたような感じね」
甘崎リンコ:「あれほどきちんとしたものではないけれど、短いものなら……」
後藤スダチ:「うっASUKA」
後藤スダチ:蹲る。
甘崎リンコ:「……後藤?しっかりして」
春日イトリ:「だ...大丈夫ですか?」
甘崎リンコ:「とにかく……無理矢理なら方法はあるわ。だって……」ちらりとコトノちゃんを見る。
甘崎リンコ:「あの子が起きないと……困る人が、いるもの」
後藤スダチ:「……だ、大丈夫。でも、イリスちゃんもイトリさんも、それが分かってても」
後藤スダチ:「リンコさんを『大修復』のために使ったりしなかった」
甘崎リンコ:「…………………」
後藤スダチ:「多分……他にもリンコさんみたいな能力者はいると思う。けれどそういう突破方法だと、本当に危険だってことが分かってたから……」
ユージン・マディス:「この……僅かな隙間は、修復の結果か?」
ユージン・マディス:イトリさんを見る。
春日イトリ:「はい、この工房の性質は”復元”ですから」
後藤スダチ:「八月革命からずっと作業を進めてても、ようやくこのくらいか……」
春日イトリ:「幾重にも構築されたマスターカラーズの能力でも領域に置き続けることで異物は排除されるのが道理です」
春日イトリ:「本当に微々たるものですが...はい...」
足原エイコ:「時間をかければうまく行くかもしれない、だけど……わたし達には、”卒業”ってタイムリミットがある」
足原エイコ:「どうしろってんだ……!」
春日イトリ:「でも見た目以上に修復は進んでて本当にあと一押しなんですよ」
ユージン・マディス:「0と1は違う。僅かな隙間があるから、甘崎たちが入れる可能性が生まれたんだろう」
後藤スダチ:「セレノスツールさん。なんかアイデアはある?」
ユージン・マディス:「オレは領域術は専門外だ」
後藤スダチ:「そっか……というか」
後藤スダチ:「考えてみたら私、まだ修復作業に同意してないんですけど!なし崩しで全員協力するみたいな流れになってるんですけど!?」
後藤スダチ:怒る。
甘崎リンコ:「……そうよね。後藤は文化祭実行委員だもの」
春日イトリ:「え? そうなんですか?」
甘崎リンコ:「ただでさえ大変なのに、ムセイオンのことにまで首を突っ込こむ必要はないわ。……迷惑をかけたわね」
後藤スダチ:「いややるよ!やるけど……!でも、『どうですか?』って聞かれてからやるのと、何も聞かれないのって違くないか」
イリス・ウィトルウィウス:「うっ、そうでした……ごめんなさい。強引に進めてしまって……」
後藤スダチ:「用事があって断るにしてもこう、『打ち上げ来る?』って言われてから断りたいっていうか……!」
春日イトリ:「てっきりイリスさんが派遣してくれた外部の有識者の方かと...」
後藤スダチ:「文化祭実行委員の後藤スダチです!!」
甘崎リンコ:「……無理はしなくてもいいのよ。ただ、あなたはとても頭が良いし、みんなを元気にしてくれるから……」
甘崎リンコ:「あなたがいてくれたら、何か……事態が好転するかもしれないと、期待してしまっていたわ。ごめんなさい……あなたの都合も考えないで」
後藤スダチ:「うっ、そういうことを言うのは……卑怯!」
ユージン・マディス:「結局どっちなんだ。やるのか。やらないのか」
後藤スダチ:「これでも必死で考えてるけれど……ごめん、ムセイオンの技術は本当に私の専門外で、何から手を付ければいいのか手がかりがない」
後藤スダチ:「だけど、たとえばキングダムの遺産系の能力者に協力を仰ぐとか……文化祭実行委員の立場なら、呼びかけることもできるかも」
後藤スダチ:「だから他の学校の助けを借りるってイトリさん達の発想は悪くないと思うんだ」
ユージン・マディス:「結界の破壊だの、解錠だのに特化した遺産持ちか?」
ユージン・マディス:「そう都合良く見つかるものかな」
後藤スダチ:「ルールをどうこうするって話なら、それこそXMsアカデミアとか……」
春日イトリ:「うぅ...忙しい時期にごめんなさい...うちの生徒のせいでタスクも積み上がってるのに...」
足原エイコ:「そっか、ムセイオン外の力を……でもそれじゃ」
足原エイコ:「……いたとしても文化祭には、間に合わない」
足原エイコ:「今この場に……都合よく居るなんて……」
甘崎リンコ:「……そんな都合よくいくわけないわ。大丈夫よ、私が……なんとか、してみせるから」
後藤スダチ:「あとは、結界術……」
後藤スダチ:「……六壬。あっ!」
佐陀コトノ:「……六壬でも生徒によって専門は多岐に渡っていて、私は結界術のことは殆どよく知りません。ごめんなさい」
佐陀コトノ:「でも」
佐陀コトノ:「私には、私に出来る戦い方があります」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさん……?」
甘崎リンコ:「…………?佐陀……?」
春日イトリ:「そ..それはどういう...?」
佐陀コトノ:「リンコさん、リンコさんの大切な友達」
佐陀コトノ:「絶対助けましょうね」そう言って彼女に笑いかけて
ユージン・マディス:「佐陀?」
佐陀コトノ:一歩、二歩、絵画の目の前に進む。既にその肩にはギターが下げられている
佐陀コトノ:まるでライブハウスのステージに立っているかのように、緊張した面持ち、しかしどこか自然な様子でペグを掴み、チューニングを繰り返す
佐陀コトノ:ネックを掴む、弦に指を掛ける。短く息を吸って、指先に力を行き渡らせて、
佐陀コトノ:そして、鳴らす。
佐陀コトノ:演奏が始まった。一音一音を引き立てるようなアルペジオ。目に見えぬ何かを積み上げるかのような旋律が重なって響く
佐陀コトノ:六壬大祭の中で掴んだ感覚があった。呑み込まれ、眠りゆく九天玄女に向けてただ必死に届かせたあの時の音楽。それは彼女に焼き付いて消えないものである
佐陀コトノ:アメノウズメ。芸能と舞踊の神。現代神楽より系譜を遥か遡って古、神に捧げられし原初の音楽、神楽歌の始祖
佐陀コトノ:その舞を以てアメノウズメは天照大神の心を溶かし、天岩戸を開いてみせた
佐陀コトノ:あらゆる概念的な防壁を越えて、ただその『音楽』を内側に届かせる力
佐陀コトノ:それはアメノウズメの「権能」であり、受け継がれた残滓こそが神楽である
後藤スダチ:「佐陀ちゃん……!?なんで急に演奏始めたのかはさっぱり分からないけど」
足原エイコ:「この『音楽』は……?」
春日イトリ:「ロック...いえ、それだけではありません...これは...」
後藤スダチ:(――けれど、素人の私にだって分かる。佐陀ちゃんの演奏にはいつも、確信を持った『力』と……『誇り』がある!)
後藤スダチ:(やっぱり……文化祭でこの子が自分の望むバンドを組めないままなんて……あっちゃいけない!)
ユージン・マディス:「覚えがあるぞこの感覚。以前、草薙の剣の由来を探して色々な神社にちょっかいをかけていたときに……」
春日イトリ:(六壬にこれだけの芸能の才を持つ生徒がいたのにも驚きですが、それ以上にこの曲は..."浸透”している。あの黒色の奥に)
イリス・ウィトルウィウス:「そういえば……ライサとの戦いでも、佐陀さんは黄金の防壁を飛び越えて、直接あの子の魂に演奏を届かせていました……」
イリス・ウィトルウィウス:「それと同じことが……?"マスターカラーズ"の呪いにすら通用するなんて……!」
甘崎リンコ:じっと佐陀コトノを、その演奏を見つめている。
甘崎リンコ:彼女にどうにか出来るのか、納得できる理屈は思いつかなかったけれど――
甘崎リンコ:どうしてか、彼女なら、どうにか出来るような気がしていた。
佐陀コトノ:("化粧師"さん、私は言葉を紡ぐことは苦手だけど)
足原エイコ:「いけるのか……これなら!」
ユージン・マディス:小柄な少女の背に、眩く大きな、天女のシルエットが混ざって見える。
佐陀コトノ:(あなたもロッカーなら分かるはず、言葉よりも音楽(こっち)の方が通じ合える……!!)
佐陀コトノ:鋼鉄の弦を掻き鳴らす。電気的に轟く旋律を響かせる
佐陀コトノ:アメノウズメの『権能』に呪詛を打ち破る力などない。ただあるとすれば、
佐陀コトノ:その『音楽』を以て、貴女の魂を揺らし、そして後押しをするだけ
佐陀コトノ:演奏が加速的にテンポを上げてゆく。短く印象的に繰り返されるギターリフ。積み重なって、広がって、だがまだ足りない。
佐陀コトノ:これは前夜祭ロックフェスのための新曲。佐陀コトノが初めて誰かと共に演奏するために書き上げたもの
佐陀コトノ:ギターソロ(ひとりぼっち)専用じゃない、誰かと紡ぎあげるためのバンドスコアなのだから
GM:絵画の表面に分厚く塗りたくられた漆黒の絵の具に、僅かな亀裂が走る。
GM:佐陀コトノがかき鳴らすギターと比べればほんの微かな、意識を向けなければ気付かない程度の振動。
GM:そのビートは、確かに絵画の内側から響いてくる。
佐陀コトノ:頷く、そのビートは確かにこちらへ届いている。汗を飛ばしながら、その表情はただ夢中になった子供のように
佐陀コトノ:――さぁ、ここからはセッションの時間だ
佐陀コトノ:歌い上げるようなビブラート。時に地を這うように低く、時に雷鳴のように甲高く。ドラムのビートに導かれるようにその音楽は迸る
GM:1小節ごとに膨れ上がる音圧。ぶつかり合う音と音が、その間にある障壁を少しずつ、しかし着実に
GM:粉々に砕いていく。
佐陀コトノ:2人のセッションは間もなくクライマックスへ突入しようとしている
佐陀コトノ:溢れ出る熱量に身を任せるかのように指先がネックを踊る。完璧に、だがそれ以上に自由に叩き切るドラムに呼応するかのように彼女の演奏は最高潮へ至る
足原エイコ:「すごい演奏……でもこれからどうなるんだろ……?」
イリス・ウィトルウィウス:「い、いけますよこれなら……!もうすぐです……シキミのアトリエが露出します!」
ユージン・マディス:邪魔するものは存在しえない。絵画を挟んだ、二人だけの世界。
ユージン・マディス:(――――――おい)その影に隠れながら、確かな主張でスダチさんたちに向けて手を翳す。
ユージン・マディス:「飛び込むぞ、お前ら。歌が切れる直前だ」
甘崎リンコ:「…………っ!」
ユージン・マディス:「二度はないと思えよ。これだけの呪歌、続けざまに歌えるものじゃない」
ユージン・マディス:「歌いきった瞬間に封印が復活する可能性もある。甘崎が、佐陀を抱えろ」
甘崎リンコ:「…………わ、わかりました」
足原エイコ:「このチャンス、絶対逃せないってコトだね!」
後藤スダチ:「いい……ですけど!」
ユージン・マディス:「後藤はどうする。攻略までどれだけ時間が掛かるか分からん」
ユージン・マディス:「春日と共に残る側になってもいい」
後藤スダチ:「いいですけど……!一言くらい言ってもいいと思うな!」
後藤スダチ:「どうするじゃなくてさ……『力を貸してほしい』って……」
ユージン・マディス:「……小生意気な奴だ」アトリエの様子を油断なく見ながら、仕方なさげに唇を歪める。
ユージン・マディス:「お前の視点が必要だ、後藤」
ユージン・マディス:「機会の女神は切っ先しかない。一度、オレたちに賭けろ」
後藤スダチ:「……あっ、はははは!」
後藤スダチ:「仕方……ないなあ!」他の生徒とともに、突入の心構えをする。
春日イトリ:「皆様がいつでも戻れるように出入り口を抑えておきます...ですので伝言を頼まれてくれますか?」
春日イトリ:「コトノさんありがとうございます、あなたのシキミさんの心を開いたのはあなたの力です」
春日イトリ:「だから絶対に戻って文化祭に出るあなたの姿を見せてください...と」
足原エイコ:「……オッケオッケ!」
足原エイコ:「任せといて」
春日イトリ:「皆様、どうかご武運を」
GM:心臓の鼓動を跳ね上げる様な打楽器のリズムが、ギターの旋律と絡み合い高みへと至る。
GM:その瞬間、ついにアトリエを覆う軛は全て剥がれ落ち、写楽斎シキミのアトリエが露出する。
GM:鼓動は鳴り止まない。更に大きく、君たちを握りつぶさんばかりに打ち鳴らされる。
GM:"早く来い"と叫んでいる。
ユージン・マディス:「行くぞ!」
甘崎リンコ:駆ける。空間を渡るかのごときスピードで。
甘崎リンコ:佐陀コトノを抱えて飛び込め、と言われていなければ、足がすくんでいたかもしれない。
甘崎リンコ:(……やっぱり先生は、すごい)
甘崎リンコ:佐陀コトノの腰と膝裏を支え、ギターごと彼女を抱きかかえる。
甘崎リンコ:「…………ありがとう、コトノ」微かにほほえんで。
甘崎リンコ:「さすが私の相方ね。……行くわよ」決して入ることの叶わなかったアトリエへと、駆ける。
佐陀コトノ:リンコに抱きかかえられる直前、彼女の指先は最後の一音を鳴らし終えていた
佐陀コトノ:演奏が終わる。音色の余韻が続く
佐陀コトノ:リンコに抱えられてアトリエに飛び込みながら彼女は
佐陀コトノ:脳裏にもう一度、あのドラムの音を響かせていた

GM:シーン終了です。ロイスのみ取れます。
甘崎リンコ:ヌヌ……ロイス保留で!
後藤スダチ:もう取れる枠がほとんどないから大事にしたい!ロイスは保留……!
後藤スダチ:コトノちゃんにはもう尊敬で取ってるから感情は同じだ
ユージン・マディス:私もラス1なんだよなあ
ユージン・マディス:コトノちゃんへのP感情を期待→敬服にしておこう
佐陀コトノ:うー枠が足りない、あと3枠欲しい
後藤スダチ:Fロイスシステムを復活させるしかないかもな
足原エイコ:コトノちゃんへのP感情、興味から感服に変えます!
佐陀コトノ:後藤スダチ 尊敬〇/ASUKA狂…… で取得します
甘崎リンコ:ASUKA狂
GM:ASUKAのことはもう忘れてあげて
後藤スダチ:Pでは順逆で取られNではASUKA狂で取られ
足原エイコ:手に沁みついたASUKAの匂いはもう……
後藤スダチ:オレにロイス取る女がさぁ!

 

 MD:5/『化生舞台■■■・■■』

GM:ここは全員登場してもらいましょう。全員で入ったしね!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (67 → 76)
後藤スダチ:やっと9が出たぞ
甘崎リンコ:うおー!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (82 → 91)
佐陀コトノ:うおー
甘崎リンコ:気が狂いそう -1で90です ジュース飲みます
GM:興奮するのも仕方ない
足原エイコ:リ、リンコ……
佐陀コトノ:り、リンコさん
佐陀コトノ:94+1d10-1
DoubleCross : (94+1D10-1) → 94+4[4]-1 → 97

足原エイコ:83+1d10-1
DoubleCross : (83+1D10-1) → 83+2[2]-1 → 84

ユージン・マディス:1d10+82
DoubleCross : (1D10+82) → 6[6]+82 → 88

ユージン・マディス:-2して86
ユージン・マディス:既に最大火力は十分出せるぜ

GM:写楽斎シキミのアトリエに飛び込んだ君たちは、未だはっきりしない視界の中で、えも言われぬ浮遊感を感じていた。
GM:今までのアトリエとは明らかに違う感覚、落下している。
GM:座標が安定しなかったこともあるが、それ以上に
GM:"広い"のだ。この空間は、これまで君たちが超えてきたアトリエの何倍も広大な異空間を形成している。
GM:落着と同時に、水飛沫が上がる。
佐陀コトノ:「…………えっ!!? ひゃあああああ!!!!」ドボーン
足原エイコ:「う わ あ あ あ あ あ (明朝体)」落水
後藤スダチ:「つっめた!」悲鳴をあげる。
甘崎リンコ:「ひゃっ……!」
ユージン・マディス:「ゴボッ ゴボボッ」
ユージン・マディス:水中で周りを見回す。
GM:空間全体が、遠浅の水面に覆われている。
後藤スダチ:「……!リンコさん立って!セレノスツールさん踏んでる」
甘崎リンコ:「え?……ひゃっ!?」
甘崎リンコ:その声に慌てて立ち上がる。
甘崎リンコ:「ごっ、ごめんなさい先生……!!」
ユージン・マディス:「ぶはっ!!」
ユージン・マディス:下敷きにされていたところから起き上がる。
GM:その所々に、いかだのような板張りの床が浮かんでいる。君たちはひとまず、その中の一つによじ登った。
足原エイコ:「これが……婆さんに黒く塗られた影響かあ……」周囲の暗闇を見渡しながら
佐陀コトノ:「ううう寒い……びっくりした……」
後藤スダチ:「全部びしょびしょなんだけど……」
ユージン・マディス:「このパターンはなかったな……」
甘崎リンコ:「す、すみません。重かったですよね?」
甘崎リンコ:「いえ身長の割には重くないと思うのですが?」
ユージン・マディス:「いや水中だったから分からんが」
ユージン・マディス:「ったく溺れるかと思った。壇ノ浦で平氏が投げ捨てた草薙の剣を探して以来だな……」
甘崎リンコ:「……そんなことしてたんですか?」
足原エイコ:「そこは絹の様に軽かったよ、でしょうがい!」先生の頭を小突く
ユージン・マディス:「ごふっ」
甘崎リンコ:「あ、足原……!さすがに絹よりは質量があるから……!」あわあわしている。
足原エイコ:「あらあら~」
甘崎リンコ:「…………み、水の中でなくとも大して重くはないです!軽過ぎはしませんけど……」
ユージン・マディス:「何がだ。甘崎は背が高いし、いい身体をしてるんだから軽すぎたら逆に問題だろうが」
甘崎リンコ:「い、いい身体……?」赤くなっている。
イリス・ウィトルウィウス:「みなさーん、ご無事ですか~?」
イリス・ウィトルウィウス:空中で固形化したカラースプレーを階段代わりにして、とてとて降りてくる。
後藤スダチ:スライムを充填したカプセルに浸水がないかチェックしている。
佐陀コトノ:「あっイリスさんこっちでーす」
イリス・ウィトルウィウス:「はぁ、ふぅ……」急いで階段を下って息が上がっている。
イリス・ウィトルウィウス:「とにかく、怪我はないみたいですね。まずは一安心と……」そう言って、周囲の景色に目を向ける。
足原エイコ:「イリスたんも無事でよかった~!」
後藤スダチ:「アトリエを攻略するならイリスちゃんのサポートがないとね」
後藤スダチ:「私達だけだとアトリエのルールもそもそもわからないから」
イリス・ウィトルウィウス:「えへへ……お役に立ててるなら良かったです」
ユージン・マディス:「だが、ここの主はどういう状態なんだ?」濡れた髪を後ろに撫でつけながら。
ユージン・マディス:「佐陀がもう一度演奏すれば出てくるのか」
佐陀コトノ:「そ、それで出てきてくれるならやりますけど……」
イリス・ウィトルウィウス:「はっ!そうですよ皆さん!気を引き締めましょう!ここは既に彼女のテリトリーなのです!」
足原エイコ:「催眠状態って話だったけど……!?」
後藤スダチ:「もしかして攻撃してくる?」板張りの床の端に正座して、スカートを絞っている。
GM:その空間は浅い水面に満たされていた。時刻は夜。空には満天の星がでて、薄っすらと白い雲がかかっている。
GM:そのどれもが、異様に平面的な質感を持っている。
GM:まるで屏風や掛け軸に描かれた、日本画のような世界だった。
イリス・ウィトルウィウス:「居場所はわかっています。アレを見て下さい」
イリス・ウィトルウィウス:空間の中心を指差す。
後藤スダチ:「なんだろ」見ます。
佐陀コトノ:「……?」
GM:そこには、水上に築かれた日本風の建屋がある。
足原エイコ:「ジャパニーズだ!」スカートを必死に絞りながら
甘崎リンコ:「…………あそこが……」髪をハンカチで拭く手を止め見つめる。
GM:1階部分に壁はなく、演劇の舞台のように広い空間が外に向けて張り出している。
GM:能舞台だ。
化生舞台ヤニェ・ヤハ
後藤スダチ:「すごーい、中学の時に行った京都みたい」
佐陀コトノ:「あ、あれは能楽の……?」
足原エイコ:「VRでたくさん見たなあ、京都」
ユージン・マディス:「日本は刀剣文化が行渡っていてとても良い国だった」
ユージン・マディス:「写楽斎は演奏家だったんだろう?」
ユージン・マディス:「そういう感じじゃあないな」
甘崎リンコ:「演奏家……というより彼女は……そうね」
甘崎リンコ:「何でもできるようにする……という感じかしら」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女の能力は、かなり応用が効く部類のものでして」
イリス・ウィトルウィウス:「あえて本業を言うなら、演者……でしょうか」
足原エイコ:「婆さん……先代のマスターカラーズの弟子は、大体万能の天才だからな……」
イリス・ウィトルウィウス:「"化粧師"という別名は、演者として彼女を形作る能力の一旦を示したものに過ぎません」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女は、自分や他人に施す化粧によって、ごく一時的に当人が持ち得ない力を与えることができました」
イリス・ウィトルウィウス:「昔彼女がやっていたバンドも、実は彼女以外は毎回サポートメンバーだったんですよ」
ユージン・マディス:「それはまた、……贅沢な技だ」
佐陀コトノ:「そ、それは凄く珍しいですね……」
イリス・ウィトルウィウス:「ただ、メイクアップアーティスト、と限定するには、それはそれで語弊があって……」
足原エイコ:「ああ、能とか歌舞伎ってさ、お面とか隈取で役柄を表したりするよね」
足原エイコ:「そういう感じなのかな?」
GM:そうしていると、能舞台の上にいつの間にか白い人影が現れる。
GM:その周りには、黒衣を纏い顔を隠した小柄な複数の人影。
写楽斎シキミ:「………」
写楽斎シキミ:真っ白な和服に身を包んで、黒く濁った目で君たちを見つめている。
写楽斎シキミ
後藤スダチ:「あれが"化粧師"かな?」
甘崎リンコ:「…………シキミ!」
写楽斎シキミ:向けられた声に答える様子はない。
後藤スダチ:「み、見るからに気難しそう~……でもリンコさんの友達だしこういうものなのかな……?」
足原エイコ:「……前からああいう目だったかい?」
甘崎リンコ:「いえ……いつもニコニコしていて……朗らかで人懐っこい感じだったわ」
ユージン・マディス:「見るからに正気ではなさそうだな」
佐陀コトノ:「だ、大丈夫……ではないですよね」
後藤スダチ:「うっ、あっ、ごめんなさい……失礼なこと言っちゃって……」
甘崎リンコ:「いえ、いいのよ……私もこうなっているとは思っていなかったから……」
足原エイコ:「声、かけてみなよ」リンコの背中をつつく
甘崎リンコ:「え、ええ、ねえ……シキミ、私よ……リンコよ」
甘崎リンコ:「面白いネタをたくさん……、考えてきたの」語り掛けながら一歩近寄る。
甘崎リンコ:「…………うぐいす肉……」
甘崎リンコ:「古池…………」
甘崎リンコ:「あなたなら、笑ってくれると思って、私……」
写楽斎シキミ:「………」
写楽斎シキミ:答えない。ただ一歩、音もなく右足を前に進めて。
写楽斎シキミ:手に持った扇子を、君たちへと向ける。
写楽斎シキミ:ズ……ズ……
写楽斎シキミ:ズワァアアアアアアアッ
甘崎リンコ:「シキミ…………!」
足原エイコ:「これはマズいやつ……!」
写楽斎シキミ:水面が波立つ。膨大なレネゲイドの圧力が、君たちへと向けられている。
イリス・ウィトルウィウス:「リンコ、今のままじゃ届きません」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女は今"神憑って"いる」
甘崎リンコ:「…………!」
イリス・ウィトルウィウス:「ノヴァリスにおいて、演劇といえばアンジェリカの専売特許ですが……」
イリス・ウィトルウィウス:「古典芸能においては、その限りではありません。彼女は、その直系を継承する者」
イリス・ウィトルウィウス:「狂を得て興を成し、化粧を経て化生となる」
イリス・ウィトルウィウス:「化外の理を演ずる、日本最古のロックスター」
イリス・ウィトルウィウス:「それが、写楽斎シキミ。ムセイオン最高の能楽師です」

3rd ATTACK
シキミのアトリエ ~化生舞台ヤニェ・ヤハ~

黒衣衆:シキミの背後に侍る黒子たちが鼓を構え、一斉に打ち鳴らす。
写楽斎シキミ:そのリズムに合わせて、舞台を踏み鳴らし、舞を踊る。
写楽斎シキミ:一手舞う毎に、空中におぞましき異形の影が現れては消える。夢と現が、少しずつ混ざり合っていく。
GM:其の作家性は”狂”。生と死、聖と邪、正と悪、向かい合う二つのあわいの色。
GM:この世界アトリエに挑むのならば、決して揺らぐことのない”誠”を叫べ。
GM:ミドル戦闘を開始します。

GM:現在のエンゲージはこちらです。
黒衣衆[5]黒衣衆[5]黒衣衆[5]
写楽斎シキミ[3]
   |
   10m
   |
   PC
イリス・ウィトルウィウス:そして、イリスの効果によりステージギミックが開示されます。
◆シキミのアトリエ ~化生舞台ヤニェ・ヤハ~
【神憑り】写楽斎シキミは、暴走のバッドステータスを受けている限り、それ以外のバッドステータスを受けず、【説得】の対象に選択できない。
【戦化粧】この戦闘に登場するキャラクター(トループを除く)は、暴走のバッドステータスを受けている間、あらゆる判定のC値が-1される。既に暴走状態の時に、更に暴走を付与するエフェクトやアイテムの効果を受けた場合、その度にC値を-1する。(最小6)
【夢幻能】この戦闘に登場するキャラクター(トループを除く)のHPが0になった時、そのキャラクターが暴走のバッドステータスを受けていた場合、難易度12の<芸術:能楽>または<意志>判定を行う。判定に成功した場合、HP1で復活する。この時侵蝕率は上昇しない。
【黒衣衆】写楽斎シキミのHPが0になる度に、同エンゲージに『黒衣衆(トループ)』を3体新たに召喚する。
イリス・ウィトルウィウス:また、NPCカード:イリス★3で召喚できる芸術巨人の効果もお知らせしておきます!
甘崎リンコ:やった!気になってた!
足原エイコ:ピンチのピンチのピンチの連続 そんな時
◆NPCカード:イリス・ウィトルウィウス(★★★)】
【アシスタント】 対象の判定ダイスを+3する。ラウンド1回。
【虹色】 対象が受けている不利な効果を一つ打ち消す。 ラウンド1回。
【芸術の巨人】 任意のエンゲージに芸術巨人を召喚する。その際、エンゲージ内にいるPCは芸術巨人に搭乗しても良い。
【”ミュージアム”】 アトリエのステージギミックを全て開示する(毎シーン自動発動)

【芸術巨人】
同エンゲージにいるPCはオートアクションで搭乗できる。
搭乗中のキャラクターに以下の効果を与える。
装甲+18
移動距離+50m(移動後、搭乗状態は解除される)
ドッジの際、芸術巨人による代行ドッジを選択可能。搭乗者が暴走状態でも行える。
判定は<運転>技能 15dx7+9となる。
足原エイコ:芸術巨人が 欲しい~~~~!
後藤スダチ:とっても強い!
佐陀コトノ:つ、強い!!
ユージン・マディス:いや強っよ!!
甘崎リンコ:つ、つよい
後藤スダチ:でも攻撃面のパワーは強化しないんだね
イリス・ウィトルウィウス:生徒には攻撃できないから仕方ないのです
後藤スダチ:ははーんなるほど
足原エイコ:そうだった わたし達に任せてね
イリス・ウィトルウィウス:後ろで応援してます
ユージン・マディス:かわいい
GM:なにかわからないところはあるかな~?
佐陀コトノ:代行ドッジは回数制限ありますか?
GM:搭乗している限りは制限はありません。
佐陀コトノ:つっよ……。了解しました!
甘崎リンコ:複数のPCが搭乗できるみたいですが、移動したら移動するのは一人のPCだけですか?
GM:そうなります!
GM:あ、というか
甘崎リンコ:なるほど!移動したPCだけが搭乗状態から解除されるんですね!
GM:そうですね!
甘崎リンコ:ありがとうございます!
ユージン・マディス:だいたいわかった
GM:あ、もう一個忘れてました
足原エイコ:なんと!
GM:コイン獲得条件!これ毎回忘れるな。
甘崎リンコ:あっコイン!
【シキミのアトリエ ~化生舞台ヤニェ・ヤハ~】
★写楽斎シキミの暴走状態を解除する 獲得コイン×1
★2ラウンド以内に戦闘に勝利する 獲得コイン×1
★十字冠効果による戦闘離脱者を出さずに勝利する 獲得コイン×1
★上記3つのミッションをすべて達成する 獲得コイン×3
GM:こうなります。一応シナリオ進行上必要なアイテムは交換されているので、後はお好みでということにはなりますが
甘崎リンコ:この十字冠効果による戦闘離脱者を出さずに勝利するって敵も味方もですか?
GM:味方だけです!
甘崎リンコ:なるほど!ありがとうございます!
GM:それでは戦闘に入っていきます。

◆第一ラウンド

GM:セットアップ。宣言をどうぞ。
甘崎リンコ:セットアップ……なし!
黒衣衆:我々はなし
佐陀コトノ:<狂騒の旋律>攻撃力+18、暴走付与。対象は自エンゲージ全員。拒否可能。侵蝕率+6で103
佐陀コトノ:侵蝕率100を超えたのでレベルが上がって攻撃力+21に変更となります
甘崎リンコ:旋律うけます!暴走!
足原エイコ:怨念の呪石いきます!ダメージ+2d、侵蝕+3,暴走
足原エイコ:旋律ももらいます!
写楽斎シキミ:《狂騒の旋律》攻撃力+15。暴走して《ロックンロールビート》が発動。攻撃達成値+10 また、解放の変異暴走が発動し行動値が0に。
後藤スダチ:《アクセル》《活性の霧》。対象はリンコさん。行動値+4、攻撃力+21、ドッジダイス-2個。
ユージン・マディス:なんで君らは放置してもそんな暴走してるんだよ
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (76 → 80)
足原エイコ:ウオアーーーッ!!!
甘崎リンコ:アクセル霧うけます!ありがとうございます!
甘崎リンコ:今アーマーの-2こみで行動値10です
ユージン・マディス:うーん……じゃあ今回は旋律を受けます。
ユージン・マディス:暴走してた方がアドあるな 郷に入ればゴーイングアウェイ
後藤スダチ:私は狂騒は受けずに行きます。
後藤スダチ:行動放棄カバーを見据えていくぞ
GM:よろしい。ではイニシアチブへ入っていきましょう。
GM:イニシアチブ
甘崎リンコ:あっ今服脱いでいいですか?
GM:いいよ!でもこっちの動き見てからでも遅くはないかもね
写楽斎シキミ:《スピードフォース》イニシアチブで行動
足原エイコ:裸芸人になるつもりか
甘崎リンコ:あっなるほど!
後藤スダチ:どっちにしろイニシアチブ行動型だったわけか……!
佐陀コトノ:そう来たか……!!
後藤スダチ:同じミュージシャンだけあって佐陀ちゃんと似たタイプの能力者だね
写楽斎シキミ:行動値0だけど最速行動してやるぜフハハ
佐陀コトノ:奇しくも同じ構えだ
写楽斎シキミ:差し込みなければ手番に行きます。
甘崎リンコ:服脱ぎません!着衣でうけます!どうぞ!
佐陀コトノ:大丈夫です!
GM:ではシキミの手番
写楽斎シキミ:マイナー、《完全獣化》《プライマルレイジ》シーン中肉体ダイス+5。メインプロセス中攻撃力+15。暴走を付与。
写楽斎シキミ:これでC値は-2。ちなみにスピフォは亜純血で取りました。
写楽斎シキミ:メジャー《魔獣の本能》《サイレンの魔女》肉体で判定。装甲無視。対象はPC全員。
後藤スダチ:ウワ~C8サイレン使い
写楽斎シキミ:14dx8+16
DoubleCross : (14DX8+16) → 10[1,2,2,2,3,3,3,4,5,5,7,7,8,9]+6[3,6]+16 → 32

写楽斎シキミ:う~ん微妙!リアクションしな!
ユージン・マディス:ほんとに同じタイプのスタンドだなあ
後藤スダチ:まず私自身は回避させてもらいます
後藤スダチ:3dx+1>=32
DoubleCross : (3DX10+1>=32) → 8[3,5,8]+1 → 9 → 失敗

甘崎リンコ:暴走リア不!
後藤スダチ:OK!コトノちゃんを行動放棄カバー!
佐陀コトノ:す、スダチさん!
後藤スダチ:十字冠離脱者を出させるわけにはいかないぜ
ユージン・マディス:聞き忘れてた。芸術巨人って
ユージン・マディス:どのタイミングで召喚できるんですか?
イリス・ウィトルウィウス:オートで行けます。
ユージン・マディス:シナリオ回数制限ないんだったら
足原エイコ:つまりまだ入れる保険がある!
ユージン・マディス:オートで召喚して搭乗して回避振った方が良くない?
甘崎リンコ:ヌ!じゃあ今呼んじゃいましょうか!
足原エイコ:カモン!芸術巨人!わたしは乗る!
甘崎リンコ:これって全員代行回避してもらえるんですか?それともひとり?
イリス・ウィトルウィウス:搭乗している人は全員ですね。ヴィークルのスポットルールと同じ。
甘崎リンコ:やった~~~!じゃあのっちゃお!
佐陀コトノ:乗ります!
ユージン・マディス:めちゃくちゃなこと言ってるな……。
後藤スダチ:そうだったんだ!マイナーで搭乗するもんだと思ってた
後藤スダチ:では乗って回避しなおしてもいいですか
ユージン・マディス:暴走によるあらゆる判定C値-1も乗るんですよね?
GM:いいよ!
イリス・ウィトルウィウス:私は暴走してないんで乗らないですね
イリス・ウィトルウィウス:あくまで私が代行するので
後藤スダチ:なーるほど
ユージン・マディス:ああ、~
足原エイコ:なるほどね
ユージン・マディス:そうか、イリスちゃんの判定になるわけだ
佐陀コトノ:なるほどなぁ~
甘崎リンコ:あっな~るほど
後藤スダチ:鏡の中の人形あたりと同じ扱いか
佐陀コトノ:ありがとうねぇ
イリス・ウィトルウィウス:失敗したら全員諦めて下さい
ユージン・マディス:かしこまり。どのみちエネミーの攻撃なんてあたるものよ
イリス・ウィトルウィウス:行きますよ~っ
ユージン・マディス:ではオートで召喚、オートで搭乗! 芸術巨人よ焼き払え! 回避!
ユージン・マディス:15dx7+9
DoubleCross : (15DX7+9) → 10[1,1,1,2,2,2,2,4,5,7,8,9,10,10,10]+10[3,3,6,7,8,8]+6[5,5,6]+9 → 35

後藤スダチ:うおおおお
甘崎リンコ:!!!!
佐陀コトノ:すご~
足原エイコ:芸術巨人最強!
イリス・ウィトルウィウス:やるじゃん私
ユージン・マディス:あ、これそれぞれ全員で振るわけじゃないの?
ユージン・マディス:代表者一人?
イリス・ウィトルウィウス:そうですね。本来は私がふろうかなと思ってたやつでした
イリス・ウィトルウィウス:ユージン先生のほうが操縦が上手かった
ユージン・マディス:すいません……! ヴィークルのスポットルールを完全に読み損ねています。
ユージン・マディス:次は他の人にお任せしよ
GM:では……全員回避!
甘崎リンコ:やった~~~!
GM:続いてのイニシアチブ
GM:行動値13、スダチさんどうぞ。
後藤スダチ:このラウンドは全然火力が出ないので待機に回ります。
後藤スダチ:いや、でも装甲削り目的で単体攻撃してもいいのかな?どうしますか
甘崎リンコ:私が霧を吸ったから……ありがとうございます……
甘崎リンコ:あったしかに!
ユージン・マディス:この相手、変異暴走だから回避してくるんですよね
後藤スダチ:やっぱり単体攻撃してみるか。イニシアチブ行動も《スピードフォース》だし
後藤スダチ:回避リアクションがどんな感じなのかも見ておける
ユージン・マディス:動きを確認して欲しいわ
甘崎リンコ:あっ、戦闘終了条件に黒衣衆の撃破って入ってるのかな?
後藤スダチ:ですね。偵察目的で攻撃!
GM:敵は全員撃破してもらいます。
甘崎リンコ:なるほど!
後藤スダチ:エンゲージは移動しないまま。オートアクションでSTALKERを装備。
後藤スダチ:《コンセントレイト:ソラリス》《腐食の指先》でシキミさんだけ攻撃します。
後藤スダチ:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[2,2,2,3,4,7,8,8,9]+5[1,1,4,5]+6 → 21

写楽斎シキミ:ふふん、その程度なら……
後藤スダチ:おっ回避か?
写楽斎シキミ:《切り返し》白兵技能でドッジ。
写楽斎シキミ:9dx8+4>=21
DoubleCross : (9DX8+4>=21) → 10[1,4,5,6,6,7,8,9,9]+7[2,6,7]+4 → 21 → 成功

写楽斎シキミ:よっしゃ!
甘崎リンコ:ぴ、ぴったり
後藤スダチ:ぐぬぬ~っ、残念
後藤スダチ:でも当たらなくてもともとの攻撃なのでこれでも想定通り!侵蝕も軽いしね
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (80 → 84)
GM:では続いての手番。行動値12組!
後藤スダチ:シキミさんは《切り返し》の回避型で、達成固定値は4!
足原エイコ:完璧なアドバイスだ!
ユージン・マディス:優秀なスカウトだ
甘崎リンコ:この情報を完璧に生かしてみせるわ!
足原エイコ:完璧なアドバイスの元、爆破を敢行します
GM:やってみるがいい
足原エイコ:私の番!
足原エイコ:メジャーアクション!《風鳴りの爪》でクリムゾンブリーチによる射撃攻撃
足原エイコ:対象は敵のエンゲージにいる全て!
足原エイコ:《ロックンロールビート》で達成値+10で判定
足原エイコ:7dx8+21
DoubleCross : (7DX8+21) → 10[1,2,5,6,8,8,10]+10[1,9,9]+10[5,10]+10[8]+10[8]+6[6]+21 → 77

写楽斎シキミ:ウワアア~~!?
甘崎リンコ:うおっデッカ
佐陀コトノ:ヤバすぎ
足原エイコ:????
足原エイコ:これが2重暴走の力……
写楽斎シキミ:これは流石に……一応ドッジ
足原エイコ:切り返せる物ならやってみろい!
写楽斎シキミ:《切り返し》白兵技能でドッジ。
写楽斎シキミ:9dx8+4>=77
DoubleCross : (9DX8+4>=77) → 10[1,2,3,4,5,5,5,8,9]+10[6,10]+10[8]+10[9]+10[8]+10[9]+7[7]+4 → 71 → 失敗

後藤スダチ:ウワ~~
後藤スダチ:なんだこいつ
甘崎リンコ:なんで惜しいの?
佐陀コトノ:?????
写楽斎シキミ:クッッッッッッソ!!!!!
足原エイコ:こわっ!!!!
ユージン・マディス:オレ達にはついていけない
足原エイコ:でも私の勝ち!ダメ―ジ!
黒衣衆:《カバーディフェンス》BがAを、Cがシキミをカバーします
足原エイコ:あーっ!ずるいぞ!
ユージン・マディス:黒衣はドッジしないんだ
黒衣衆:イベイジョンで10固定です
後藤スダチ:さっきの攻撃はカバーするまでもなかったってことかい
佐陀コトノ:厄介だなぁ~~
足原エイコ:8d10+18+2d10+18 きえーーーーっ
DoubleCross : (8D10+18+2D10+18) → 54[7,6,10,3,1,8,9,10]+18+10[8,2]+18 → 100

甘崎リンコ:うおっデッカ…………
黒衣衆:さっきから景気が良すぎるぞこの漫画家
後藤スダチ:ウルトラマンデッカー
足原エイコ:ダメージの内1と2の目を振り直し!
黒衣衆:やめてくれ~っ
足原エイコ:97+2d10 世は博打……だがわたしは賽の目を弄ることができる
DoubleCross : (97+2D10) → 97+11[4,7] → 108

足原エイコ:侵蝕は合計で+5で92に
黒衣衆:当然死にます。BもCも戦闘不能だが……
黒衣衆:Bが《ラストアクション》
甘崎リンコ:ラストアクション!?
後藤スダチ:トループがそんなもの持ってていいのかよ!
写楽斎シキミ:この世界では……ウチがルールや!
足原エイコ:気合の入ったトループ!
黒衣衆:シキミに対して《流血の胞子》《さらなる力》
後藤スダチ:コラ~~!
佐陀コトノ:うわっ”!!!
ユージン・マディス:クソワロス
後藤スダチ:これ流血の胞子で当てるタイプなのが凄くいやらしいな~
後藤スダチ:シキミさんが死ねば黒衣衆は復活するし
黒衣衆:さらなる力の難易度は20ですが難易度対決と組み合わせるてので、リアクションは対象に委ねられます。
後藤スダチ:もしかして……《切り払い》してくれるのかな?
黒衣衆:7dx 一応ふる
DoubleCross : (7DX10) → 10[3,3,4,4,6,7,10]+3[3] → 13

写楽斎シキミ:ガードしまーす
ユージン・マディス:貴様……完全獣化ドッジ型の誇りはどうした!
後藤スダチ:殺すぞ~~~!
写楽斎シキミ:ちなみに【神憑り】の効果で邪毒は受けません
甘崎リンコ:む、無茶苦茶すぎる
後藤スダチ:悪すぎ~~~
写楽斎シキミ:行動値0で未行動になりターンエンド
足原エイコ:コラ~~~~~っ
佐陀コトノ:ク、クソコンボ
後藤スダチ:でも邪毒にならないほうがこの場合はありがたいか
黒衣衆:Cも同じことできるけど、もう対象がいないのでそのまま死にます。
ユージン・マディス:そういうことね
GM:というわけで次の手番!
佐陀コトノ:次行きます!
佐陀コトノ:マイナーは無し
佐陀コトノ:メジャーアクション:<サイレンの魔女>
佐陀コトノ:対象はシーン内のエネミー全て!
佐陀コトノ:5dx9+20
DoubleCross : (5DX9+20) → 10[1,2,4,7,9]+5[5]+20 → 35

後藤スダチ:まった!エネミー全てだと
後藤スダチ:もしシキミさんを倒しちゃったら黒衣衆3体が復活してしまう可能性があります
佐陀コトノ:ああーなるほど……
甘崎リンコ:庇ってくるかと思ったけど
甘崎リンコ:もう庇えないのかな?
ユージン・マディス:二人減ってますからね
黒衣衆:フフフ……はたしてどっちかな……?
後藤スダチ:かばうにしても本体にどっちにしろダメージは入れられないので
ユージン・マディス:流石はスダチちゃん、慧眼だぜ
甘崎リンコ:カバーディフェンスならこの攻撃を庇えると思うんですけど、ここでシキミちゃんを対象にとらないと
後藤スダチ:カバーを期待して2人対象にするよりは最初から一人に当てたほうがいいんじゃないかな。どうなのかな……
甘崎リンコ:あっいやもう二人いないのか!
甘崎リンコ:平気だ!失礼しました
佐陀コトノ:確かにそうですね……
後藤スダチ:カバーディフェンスしてくれればいいんですけど、してこなかった時が怖い。現にスダチの攻撃の時そうだったし
佐陀コトノ:では、対象は黒衣衆のみに変更します
ユージン・マディス:どう考えてもコトノたやんの火力なら十分でしょうしね
黒衣衆:ぐえ~、イベイジョンで当たっちゃう
黒衣衆:ガードします
佐陀コトノ:ダメージ!
佐陀コトノ:4d10+24+21+1d
DoubleCross : (4D10+24+21+1D10) → 19[7,3,8,1]+24+21+9[9] → 73

佐陀コトノ:装甲無視です! 侵蝕率+5で108
黒衣衆:死ぬに決まってるんだよなあ
GM:黒衣衆、全滅!
後藤スダチ:アヤッター
甘崎リンコ:やった~~!
佐陀コトノ:やった~
足原エイコ:イエス爆発!
写楽斎シキミ[0]
   |
   10m
   |
   PC
GM:スッキリして次のイニシアチブはリンコさん!
甘崎リンコ:はあはあ……いきます!
後藤スダチ:いっけーいけいけいけいけリンコ
甘崎リンコ:マイナー、とことこ戦闘移動。芸術巨人から射出されシキミちゃんのエンゲージに接敵。
甘崎リンコ:メインで≪コントロールソート≫≪コンセントレイト:ノイマン≫≪確定予測≫に……
甘崎リンコ:RHOの効果により一発ギャグを合わせて……シキミちゃんを攻撃!
写楽斎シキミ:ゲェ~ッ!確定予告ゥ~~~!?
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を8(→ 8)増加 (90 → 98)
後藤スダチ:え~~っ《確定予測》なんて持ってたのリンコさん
甘崎リンコ:ギャグは……演出の時でいいですか?今やります?
後藤スダチ:早く言ってよ
甘崎リンコ:実はもってました
GM:演出のときでいいです!
甘崎リンコ:ありがとうございます!では判定いきます!
GM:急にやられたらびっくりしちゃう。心の準備が……
甘崎リンコ:抱腹絶倒ギャグですからね
甘崎リンコ:8dx6-4
DoubleCross : (8DX6-4) → 10[2,3,6,6,8,8,9,10]+10[6,8,9,9,9,9]+10[2,2,3,5,7,8]+10[1,8]+10[9]+2[2]-4 → 48

甘崎リンコ:おえええええ低くない!?でも確定予測あるから……!
写楽斎シキミ:や、やるじゃねえの……
写楽斎シキミ:だがまだクリティカルの目はある!いくぞ……!
写楽斎シキミ:《切り払い》白兵技能でドッジ。
写楽斎シキミ:9dx+4>=48
DoubleCross : (9DX10+4>=48) → 9[1,1,1,2,3,4,7,8,9]+4 → 13 → 失敗

写楽斎シキミ:あかーーーん
甘崎リンコ:や、やった~~~!当たった~~~!
甘崎リンコ:おらっ!笑え!
甘崎リンコ:正気に戻れ!
甘崎リンコ:ダメージだします!
甘崎リンコ:5d10+20+21
DoubleCross : (5D10+20+21) → 21[3,7,4,5,2]+20+21 → 62

甘崎リンコ:諸々有効!正気には戻ってもらう!
写楽斎シキミ:重た……
甘崎リンコ:???
甘崎リンコ:あなたの言葉を信じてずっとお笑いをやっていただけで重くないのだけれど?
写楽斎シキミ:HPは普通なので。HP0に
写楽斎シキミ:同時に暴走解除。
甘崎リンコ:やったか!?
写楽斎シキミ:4dx+9>=12
DoubleCross : (4DX10+9>=12) → 8[3,4,7,8]+9 → 17 → 成功

写楽斎シキミ:<芸能:能楽>で判定。成功したのでHP1で復活。
甘崎リンコ:なんだとお……
写楽斎シキミ:暴走が解除されたので、説得が可能になります。
黒衣衆:ただし黒衣衆も復活。
甘崎リンコ:エ~~~~~!?!?
佐陀コトノ:うわーーっ!!
ユージン・マディス:やっぱりか……
足原エイコ:シキミさんを説得して黒衣衆を纏めて殲滅……そんなことができるのか……?
黒衣衆:とはいえ、追加トループなので行動済み状態での復活となります。
黒衣衆:動き出すのは次のラウンドから。
後藤スダチ:よかった~~
甘崎リンコ:せ、セーフ!
GM:というわけでユージン先生の手番!
ユージン・マディス:はあい
ユージン・マディス:では説得を行ないます。
GM:やるっていうのかい!説得を!
GM:説得はオーヴァードノヴァステージの先生用特殊行動です
【説得】

“先生”のキャラクターのみが行うことができる。
敵対するキャラクターを対象に含むメジャーアクションに組み合わせて発動する。
この時、エフェクトと組み合わせることもできる。
そのメジャーアクションが成功した場合、対象を友好キャラクターに変更できる。

他のメジャーアクションと組み合わせず【説得】のみを行う場合は、
技能:<意志>/<交渉> 難易度:対決 対象:単体 射程:10m とする。

GMは特定のキャラクターに対して【説得】を行えないことにしても良い。
GM:さあ、どのように説得するって言うんだい!
ユージン・マディス:確認したいのだが……通常の説得は意志/交渉!
ユージン・マディス:ならば……意志で判定を行なう《マシンモーフィング》を組み合わせることは可能でしょうか?
GM:こ、この男……!
GM:できます……!まさかそのための《マシンモーフィング》だったというのか!
ユージン・マディス:ククク……これこそがオレの……大人のカード!
ユージン・マディス:じゃあ行きましょうかね。《コンセントレイト:モルフェウス》《マシンモーフィング》。暴走状態なのでC値は-1。
ユージン・マディス:9dx7+7
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,1,2,2,3,4,4,6,8]+5[5]+7 → 22

写楽斎シキミ:ふ~ん?
写楽斎シキミ:大人ってもっとお金持っとるもんやと思っとったわ
ユージン・マディス:クリスタルシールドだって買えるんだぞ! 侵蝕86→91
ユージン・マディス:買えないわ
写楽斎シキミ:こちらも意志で対決します
写楽斎シキミ:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 10[2,3,10]+6[6]+1 → 17

甘崎リンコ:こ、こわっ
後藤スダチ:あぶね~!
写楽斎シキミ:惜しかったけど……届いた!
ユージン・マディス:素の出目が負けてるんだよな
後藤スダチ:シキミさんの達成値ずっと何なんだよ
ユージン・マディス:9dx7が3dxに負けてる
甘崎リンコ:さすがシキミね(腕組み)
ユージン・マディス:では先に宣言するべきでしたが
ユージン・マディス:マシンモーフィングで調達したアイテムは『ギター』。
ユージン・マディス:お渡ししますね
GM:おお!
写楽斎シキミ:先生ありがと~!
後藤スダチ:先生……!!!
ユージン・マディス:赤いストラトキャスター
GM:説得の成功により、写楽斎シキミは友好的NPCとなります。
GM:よって、次の手番は……
写楽斎シキミ:ウチの手番!
写楽斎シキミ:《プライマルレイジ》メインプロセス中攻撃力+15。暴走。
写楽斎シキミ:《魔獣の本能》《サイレンの魔女》肉体で判定。装甲無視。
写楽斎シキミ:対象は黒衣衆全員。
甘崎リンコ:シキミ~~~~♡
写楽斎シキミ:14dx9+16
DoubleCross : (14DX9+16) → 10[1,2,2,3,4,4,4,4,7,7,8,9,9,10]+10[2,9,10]+7[4,7]+16 → 43

黒衣衆:イベイジョンで全員当たります。
後藤スダチ:暴走は改めてするのか……(困惑)
佐陀コトノ:ロックスターだからね
足原エイコ:これは正しい暴走だから
写楽斎シキミ:いい暴走、悪い暴走。そんなの人の勝手。
写楽斎シキミ:5d10+45
DoubleCross : (5D10+45) → 17[4,6,4,2,1]+45 → 62

黒衣衆:装甲も効かんし全員消滅。
GM:エネミーが一掃され……
GM:PCの勝利です!
甘崎リンコ:や、やった~~~~!
後藤スダチ:わーいわーい
佐陀コトノ:わーい!
足原エイコ:イエ―イ!!!!!!!
ユージン・マディス:わあい!

写楽斎シキミ:舞を踊りながら、顔の前に手をかざす。"シオリ"と呼ばれる、能楽における泣きの仕草。
写楽斎シキミ:その手が離れた瞬間、シキミの姿が一変する。
写楽斎シキミ:能楽師としての服装はそのままに、全身が毛むくじゃらに覆われた、巨大な狒々の姿。
写楽斎シキミ:猩々が舞台を踏み鳴らすと、その振動が水底まで伝わり。
写楽斎シキミ:ゴゴゴゴゴ……
写楽斎シキミ:数秒の後、地面そのものが激しく隆起する。鋭い岩石の大津波となって、全周囲へと広がっていく。
後藤スダチ:「……綺麗だ」一連の動作と現象を目の当たりにしていながら、呟くしかない。
後藤スダチ:「綺麗過ぎる……!」
後藤スダチ:ムセイオンの設計思想として――なぜ、わざわざ芸術技能を戦闘に用いるのか。恐らくそれは、その芸術が優れたものであればあるほど……
後藤スダチ:「……ッ」自分の思考とは独立したスライムの逃避反応で、ようやく『危機』を認識する。「――逃げないと!」
甘崎リンコ:「気を付けて!シキミは本当に……、優れた能力者だから……!」
足原エイコ:「って言っても……逃げ場なんてないよぉ!」
佐陀コトノ:「こ、これが……"化粧師"の実力!!」
足原エイコ:「ねえイリスたん、作品を傷つけるのは無理でもさ」
足原エイコ:「そうせずに……わたし達を守るってのは、ギリギリOKだったりしない?」
ユージン・マディス:「上だ! 足下から来る攻撃なら……!」 叫ぶが、この水平線上に高所などない。
イリス・ウィトルウィウス:「もちろんです!エイコ!私は……」
イリス・ウィトルウィウス:「そのためにここにいます!皆さん!そこから動かないで下さい!」スプレーガンを片手に飛び出す。
イリス・ウィトルウィウス:「"バトルシップ"、"ウルトラマリン"、"イエローオーカー"」
イリス・ウィトルウィウス:絵の具入りの弾丸を装填し、がむしゃらに空中にスプレーを吹き付ける。
イリス・ウィトルウィウス:「翔び立て!芸術の巨人!!」
イリス・ウィトルウィウス:「"光彩陸離"!!」
イリス・ウィトルウィウス:虹色に光を反射する、半透明の巨大なエイのような生物が水中より現れ
イリス・ウィトルウィウス:足原たちをその背に乗せて、空高く飛翔する。
甘崎リンコ:「……!これは……!」エイの背で眼鏡を押し上げる。
足原エイコ:「イ……エ~~~~イ!!!」
後藤スダチ:「イリスちゃんの芸術巨人!」
ユージン・マディス:「うおっ!?」
佐陀コトノ:「わ、私達、飛んでる……!?」
甘崎リンコ:「!!エイだからイエーイというわけね!?なるほど、待ってメモを取るから……!」
足原エイコ:「特別にタダで伝授してあげようね」
後藤スダチ:(……壁や鎧の形態じゃ回折されて駄目だった。全員を一度に守れる……セレノスツールさんの咄嗟の指示が方向性を決めた……)
ユージン・マディス:「これが今の"マスターカラーズ"の力か……とんでもないな」膝をついて眼下を見下ろす。
後藤スダチ:「上から狙えるなら……当たる!リンコさん!お面撃つよ!」横にした左腕を支点にして、既に拳銃を構えている。
甘崎リンコ:「ええ、お願い!遠慮することはないわ!」
後藤スダチ:ダダンッ!
後藤スダチ:『ええ』の二文字を聞いた時点で発砲している。極力耳を掠めるように撃ち、面だけを外すように。
後藤スダチ:「っ、完璧!これならかわせないはず……!」
写楽斎シキミ:キキンッ
写楽斎シキミ:甲高い金属音が響き、スダチの放った弾丸が弾かれる。
後藤スダチ:「ええーっ!?嘘!?」
写楽斎シキミ:右手に持った扇子が一瞬、太刀のように斬り返されて、弾丸をその峰で受けたのだ。
後藤スダチ:「銃弾よりも反応のほうが速い!?……いや、それ以前に……」
後藤スダチ:「暴走していても迎撃できる……ってこと……!」
写楽斎シキミ:猩々の面が嗤うように歪む。重心を低く落とし、力を溜めている。
写楽斎シキミ:一度それが放たれれば、空高く舞い上がった君たちの元へ一息で跳び上がれるだろうことが直感できる。
後藤スダチ:「動く!!」エイに乗り急速上昇しながらも、動作は注視している。着弾確認のためだった。
後藤スダチ:「止めなきゃ駄目だ!この距離から……!」
足原エイコ:「じゃあ……お面を爆発させるよ!」
足原エイコ:「いいよねリンコ!」その言葉と同時に手にした槍を放っている
甘崎リンコ:「ええ、勿論!手加減をして勝てる相手じゃないわ……!」
足原エイコ:騒々しき創造のGペン……エイコの体質による爆発を肩代わりさせることができる、特注のEXレネゲイドだ
足原エイコ:写楽斎シキミの舞にインスピレーションを受け、膨れ上がったアイデアは
足原エイコ:回避不可能な爆発のエネルギーとなり、化生舞台に降り注ぐ!
写楽斎シキミ:頭上で爆発し、無数に降り注ぐ破片を、軽業師の様な動きで次々と躱していく。
写楽斎シキミ:足原の攻撃動作を見た瞬間、演目を切り替えている。"修羅能・八島"。
後藤スダチ:「凄すぎる……!」
足原エイコ:「アドリブ……じゃあないね」
足原エイコ:「とんでもない引き出し……!」
ユージン・マディス:「動きが変わった……殺陣か?」
写楽斎シキミ:源義経を題材としたその演目のシテ主役であれば、飛来する爆発物も壇ノ浦の矢の雨の如く見立てられよう。しかし……
ユージン・マディス:「こっちを”敵役”に見立ててる。"演目"しかしない暴走者でも……それなら迎撃が出来る」
写楽斎シキミ:そこは僅かに足原の尽きない創作意欲が勝った。爆発四散した弾体が更に爆発を繰り返し、回避不能な面攻撃となった段階で。
黒衣衆:背後に控えていた黒衣の1人が飛び出し、その身を大きく膨張させて盾となった。
足原エイコ:「へぇ、いいアシスタントも揃えてるわけだ……!」
足原エイコ:「ほんとに一筋縄じゃ届かない……」
甘崎リンコ:「なるべく傷つけないように、なんて手加減があれば……」
甘崎リンコ:「倒されるのはこちらの方よ」
後藤スダチ:「でも、アシハラ先生の攻撃は……有効だったと思う!少なくとも『防御』をする必要があったんだ」
後藤スダチ:「シキミさんだってそれは分かっているから……あの黒衣を使ってるんだ!不測の事態を回避するための盾……!」
写楽斎シキミ:「……」すっと立ち、扇を持った右手をやや高く正面にだす。シカケと呼ばれる基本の姿勢。再び君たちが動き出すのを待つ。
後藤スダチ:(……照準を定めてる。こっちの高度が落ちる。直線的な軌道になる。攻勢を繋げない――そのどれでも即座に攻撃が来る)
足原エイコ:「……コトノたん」
足原エイコ:「シキミに効くのはきっと……心を揺さぶるような攻撃だ」
足原エイコ:「君のビート、もう一回、響かせてみて!」
足原エイコ:「そして……絶対に連れて帰って、文化祭に出てもらお」「これは、イトリからの伝言」
後藤スダチ:「それは……アシハラ先生!無茶だよ!」
後藤スダチ:「私達の芸術巨人は……高速で複雑な動きをし続けないと、シキミさんの狙いから逃れられない!」
後藤スダチ:「距離と速度が変化しすぎている!『音の攻撃』をするなら、ドップラー効果を含めて計算して当てないといけない……!」
佐陀コトノ:「……やってみせます」
後藤スダチ:「佐陀ちゃん……!」
佐陀コトノ:「感覚でなら、どうすれば良いか大体分かります。私は私の音楽をもう一回届かせてみせる」
足原エイコ:「最っ高の返答!」
甘崎リンコ:「……ふふっ。音楽に関しては本当に強気なんだから」
甘崎リンコ:「それでこそコトノよ」
ユージン・マディス:「気合いを入れるのは良いが演目が変わる前にやった方が良い」
ユージン・マディス:「何を出してくるか分からんぞ」
後藤スダチ:(例えば、ステージの壇上から……空間上の特定のポイントに、音がどのように反響して届くのか。計測することは容易じゃない)
後藤スダチ:(だけど、任意の席に任意の音楽を届ける……そういうことをリアルタイムでやっているようなミュージシャンもいる――)
佐陀コトノ:(シキミさん、あなたは閉ざされたアトリエの中で私の音楽に応えてくれた。共に演奏してくれた)
佐陀コトノ:(あれを最後になんてしてやらない、私は何度だって音楽を響かせてみせる!)
佐陀コトノ:爪先が弦を弾き、一つの音楽を形作る
佐陀コトノ:能楽囃子は本来笛、小鼓、大鼓、太鼓なる四拍子で構成されるものであるが
佐陀コトノ:佐陀コトノは『現代神楽』の担い手、古典芸能の再解釈であるならばそれは彼女の領域(テリトリー)でもある
佐陀コトノ:芸術巨人の高速移動による僅かに数秒のディレイ、常に変わりゆく立ち位置を感覚で掌握し、一音ごとに指先の僅かな調整を繰り返す
佐陀コトノ:掻き鳴らす、ただ塗りつぶすのではない。彼女の世界を否定する理由など何一つない
佐陀コトノ:能楽と混ぜ合わさって紡がれる新たな旋律が、絵画世界を振動させる
写楽斎シキミ:「………」黒子の囃子を背に、再び流れ始めた舞の拍子が堰き止められる。
写楽斎シキミ:シキミの指運び、足捌きに一歩先んじて、佐陀クルミの奏でる旋律が絡みつき
写楽斎シキミ:次第に演目の世界観を塗り替えていく。
写楽斎シキミ:「……申楽、神代の……始まりといふは……」
写楽斎シキミ:その舞を阻害されながら、どこか喜色を浮かべて譫言のように呟く。
写楽斎シキミ:「天照大神……天の岩戸に……こもりたまひし時……」
写楽斎シキミ:「大神の御心をとらんとて……神楽を奏し、細男を……始めたまふ」
佐陀コトノ:「……リンコさん!!」
佐陀コトノ:演奏を続ける手はそのままに、彼女の方を振り向く
佐陀コトノ:「今なら絶対に届きます。リンコさんの言葉が、だから」
佐陀コトノ:「――行って!!」
甘崎リンコ:「…………!」
甘崎リンコ:「…………ありがとう、コトノ。あなたにはずっと……助けてもらってばかりね」
甘崎リンコ:「シキミ……」じっと写楽斎シキミを見つめる。
甘崎リンコ:(嬉しそう……シキミ、あなたは本当は……楽しいことを、求めているんじゃないの?)
甘崎リンコ:「……非合理的な、感傷的な発想だけれど……」
甘崎リンコ:「私が真の面白さに到達することができたら、あなたは戻ってくるんじゃないかと思って……」
甘崎リンコ:ずっと研究し、ネタを作り続けてきた。
甘崎リンコ:誰も笑わなくとも、悲しくはなかった。それはそう感じることが出来なかったからではなく、信じていたから。
甘崎リンコ:写楽斎シキミの認めた甘崎リンコは、絶対に、面白いのだと。
甘崎リンコ:「…………だから」
甘崎リンコ:「披露してあげるわ。とっておきのネタを」
甘崎リンコ:佐陀コトノの演奏を背に、芸術巨人のエイから飛び降り、落下しながら写楽斎シキミへ目掛けて急接近。
甘崎リンコ:写楽斎シキミの周りに氷の花が咲く。
足原エイコ:「いけーーーーーっ!!!」
写楽斎シキミ:「───っ」
甘崎リンコ:触れれば傷つく鋭い花の軌道で彼女の動きを制限し、空中からの攻撃の元へ誘導。
写楽斎シキミ:忘我の縁から立ち戻り、太刀に見立てた扇子を、落下するリンコに合わせて振りかぶる。氷の花に阻害され、一手、拍子が遅れた。
甘崎リンコ:小さく口の端を吊り上げる。
甘崎リンコ:受け止めるつもりならば、こちらの勝ちだ。
甘崎リンコ:空中で丸太を振り上げ――
甘崎リンコ:「『狒々の、目覚まし』ッ!」
甘崎リンコ:言葉と共に、丸太を振り下ろす。
甘崎リンコ:――無論、このネタは『妖怪になにか用かい?』という有名なダジャレを元にしたもの。
甘崎リンコ:狒々という、伝説の妖怪にその身を化した彼女に、こちらは用がある。
甘崎リンコ:その目を、覚まさせる。
甘崎リンコ:…………………また一緒に笑ってくれる未来を信じて。
甘崎リンコ:渾身のネタと共に、彼女の頭を丸太がどつく!
写楽斎シキミ:リンコのギャグを受けて硬直した頭部に、極太の丸太が激突する。
写楽斎シキミ:「!!!???」その勢いをモロに受けて、首が千切れるかという角度で大きく後ろに仰け反る。
写楽斎シキミ:「…………」
甘崎リンコ:「死ぬほど笑わせてあげる!だから……!」
写楽斎シキミ:「………お………」
写楽斎シキミ:「……お、ま…………えぇえ~~~~~……!!」
写楽斎シキミ:ぐんッ!と、凄まじい勢いで頭が引き戻され、
写楽斎シキミ:リンコの額めがけて、頭突きが返される。
甘崎リンコ:「いだっ!?」
写楽斎シキミ:「ボケが先にどついてどうすんじゃ!!ボケェーーーーーーッ!!!!」
甘崎リンコ:「…………シキミ!!」
甘崎リンコ:おでこをさすりながら彼女を見つめる。
甘崎リンコ:「わ、分かるの?私が……!」
写楽斎シキミ:「ハッ!?……リンコ……?」
写楽斎シキミ:「えっなんでリンコがここにおるんや……?」
甘崎リンコ:「なんでって……あなたを連れ戻しにきたのよ!」
写楽斎シキミ:キョロキョロと周囲を見回す。纏っていた神気はすっかり霧散している。
甘崎リンコ:「……あなたはずっとここに閉じ込められて目を覚まさずにいたから……」
甘崎リンコ:「……帰りましょう!たくさん見せたいネタがあるのよ……!」
写楽斎シキミ:「閉じ込められ……そうか……あの時……」
写楽斎シキミ:「あっていうかなぁ。なんやリンコさっきのネタは!」
写楽斎シキミ:「『妖怪になにか用かい?』にかけるのはええよ?」
甘崎リンコ:「……!ふふ、説明しなくとも分かってくれるのね……!」
写楽斎シキミ:「けど自分……捻りがなさすぎやろ!そんなんじゃお客さんは驚かれへん!」
甘崎リンコ:「う……そ、そうよね……随分考えたのだけれど考えすぎてシンプルになってしまったわ……」
写楽斎シキミ:「しばらく合わん間に初心を忘れてしもたようやなぁ」
写楽斎シキミ:「覚悟せえよ!鍛え直しや!!」
甘崎リンコ:「……ふふっ!ええ……、望むところだわ……!」
黒衣衆:ポ  ン  ッ
黒衣衆:静寂を取り戻した世界に、鼓の音が鳴り響く
黒衣衆:ポ ン ッ ポ ン ッ ポ ン ッ
写楽斎シキミ:「ぐ……!?あっ……づぅう……!!??」
甘崎リンコ:「……シキミ……!?」
写楽斎シキミ:「あああああああ……!!??」突如、苦痛に悶えはじめる。
甘崎リンコ:「どうしたの……!?頭を丸太でどつくのはやっぱりよくなかったのかしら……!?」
黒衣衆:黒衣衆の背後から、怨念とも妄執ともつかない黒い靄が立ち上っている。
ユージン・マディス:「おい、何かまずいんじゃないか……!」
黒衣衆:ムセイオンの生徒であれば覚えがあるかもしれない。それは、シキミたちのアトリエを閉ざしていた黒い絵の具から感じた気配と同じものだ。
足原エイコ:「婆さんの怨霊が……!」
甘崎リンコ:「あの黒い靄……先代マスターカラーズの力がまだ……!」
後藤スダチ:「ど、どうすればいいの!?」
後藤スダチ:「佐陀ちゃんもリンコさんもせっかくやり遂げてくれたのに……!!」
佐陀コトノ:「ここまでやってもまだ……!!」
イリス・ウィトルウィウス:「……アトリエは、ただ支配しただけではそれ以上進歩しません」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女達の意志を奪い、しかし創作に要する回路のみを半永久的に稼働させる……そういう呪い……なんだと思います」
後藤スダチ:「マスターカラーズの防壁も、表面だけではない――セレノスツールさん、この仕掛けがそれだってこと?」
ユージン・マディス:「別にお見通しって訳じゃない!」
ユージン・マディス:「甘崎の説得で揺れてるから、引き戻しに来てるってとこか……?」
後藤スダチ:「お、お見通しでいてよ!なんか……解決策があるって思うじゃない!」
甘崎リンコ:「……先生……!」
甘崎リンコ:「助けて……ください……」縋るようにユージン先生を見つめる。
甘崎リンコ:「……生徒だけでは解決しない問題を……解決、してくれるって……」
甘崎リンコ:「……すみません、取り乱して……無茶を言ってしましました」
ユージン・マディス:「……チッ!」
ユージン・マディス:「迂闊なことを言うものじゃない……!」
写楽斎シキミ:「ガ……ア……アア……」シキミの像が歪む。再び。狒狒面を被った化生へと成り変わろうとしている。
ユージン・マディス:芸術巨人から飛び降りる。ステージの上に着地する。
ユージン・マディス:やや態勢を崩しながら、シキミの前に立つ。
甘崎リンコ:「……先生……?」
写楽斎シキミ:「ウ……ウゥゥルルルル………ッ」
写楽斎シキミ:半ば獣化した姿で、唸り声を上げてユージンを睨めつける。
ユージン・マディス:「――"どうして人は剣を持つ"」
ユージン・マディス:距離を保ちながらステップを踏む。背後の空間が、幾つも窓のように開き、雲間の月光めいた翳りが差し込む。
ユージン・マディス:窓の一つから、両刃の剣が現れ、「違う」
ユージン・マディス:窓が閉じる。キン、と澄んだ音が響く。新たな窓が開き、閉じ、合わさり、より大きい窓になり、再び分裂する。現れかけた刀剣が、まだ足りないと鍛ち直される。
ユージン・マディス:「そうじゃない。……これも違う。correct(訂正)、correct(修正)、correct(鍛造)」
ユージン・マディス:今の彼女に、最も適切な剣。ショートソード。大剣。バスタードソード。フランベルジュ。十徳ナイフ。グラディウス。日本刀。柳刃包丁。斬馬刀。どれも違う。何の意味も無い。
ユージン・マディス:迎撃めいて爆ぜる黒い靄を、獣の威嚇を危なっかしく距離を取りながら。「……クソ。やっぱり、これしかないか」
後藤スダチ:「セレノスツールさん、何やってるんですか!?その距離から攻撃なんてしたところで、絶対……」
後藤スダチ:飛行するエイの上の上にしがみつきながら、ユージンの挙動を見守っている。
ユージン・マディス:「オレは刀鍛冶だ。――おい、佐陀! 構えろ!」
佐陀コトノ:「――!? は、はいっ!!」
ユージン・マディス:ユージン・マディスは刀鍛冶である。
ユージン・マディス:剣を用いて、人を斬る。障害を穿つ。闇を払う。それは彼の役割ではない。
ユージン・マディス:今の写楽斎に必要なもの。思い当たるのは一つしかなかった。
ユージン・マディス:小柄な体躯に、古き天女を宿した背中。ただ届かせる、それだけのために絶対の封絶を斬り拓いた、あの無色透明の輝き。
ユージン・マディス:ひどく不本意そうに、佐陀さんが構えるのを確認した後。
写楽斎シキミ:「ゥゥウルアアアアアアアアアアアッ!!!!」
後藤スダチ:「セレノスさーん!!」
写楽斎シキミ:自我の鎖を断ち切って弾けるように跳躍し、变化した鉤爪をユージンに向けて振り下ろす。
甘崎リンコ:「……先生……!!」
ユージン・マディス:「『"月の椅子"』。刀齢昇華」
ユージン・マディス:幾十の翳りが重なる。月の椅子は、彼が受け継ぎし万能の炉心だが――剣からかけ離れたものを作るには、それなりの枠が必要になる。
ユージン・マディス:最果ての一本へと至るための、未だ空白だらけの三十の階。その一つを開ける。
ユージン・マディス:「……第六夜。"穹天へと謡うものストラトキャスター"」
ユージン・マディス:窓が開く。光が爆ぜて散る。獣の無粋な爪をはじき返す。
ユージン・マディス:宵口の月。薄紅色の翳りで彩られた、一本のギターが、獣の前に姿を現す。
足原エイコ:「あれは……剣?いや────」
イリス・ウィトルウィウス:「……いいえ、剣なんです……きっと、あれも」
ユージン・マディス:「手に取れ」通常とはかけ離れた鍛刀に、頭痛を堪えながら。「――お前が、向けられた全てに応えたいと」
ユージン・マディス:「お前を塞ぐ全てを、切り拓きたいと望むなら」
写楽斎シキミ:「…………」
写楽斎シキミ:薄っすらと月光の残滓を纏うそれに、恐る恐る手を伸ばす。
写楽斎シキミ:毛むくじゃらに赤い鉤爪、恐ろしき狒々の腕は、いつの間にかヒトのそれに戻っていた。
写楽斎シキミ:「───ッ」
写楽斎シキミ:半ば奪い取るように力強くそれを握って。
写楽斎シキミ:目いっぱいに掻き鳴らす。
写楽斎シキミ:「そこのちっこいの!合わせぇ!」
佐陀コトノ:「――言われなくても!!」
佐陀コトノ:黒のストラトキャスター、彼女の相棒を握りしめ、弦を力強く震わせる
写楽斎シキミ:2つの旋律が絡み合い、アトリエを満たす。
写楽斎シキミ:永遠の日の登ることのない、星の夜の能舞台。
写楽斎シキミ:しかしそこに、最早暗闇の居場所はない。千切れた雲間から覗いた月光が、そのすべてを照らし出す。
写楽斎シキミ:「……転石苔生さずっちゅうてな。なんや、えらい長いこと立ち止まっとったみたいや」
写楽斎シキミ:「これでようやくスッキリしたわ」
黒衣衆:光に掻き消された黒い靄が、最後シミのように空間に貼り付いて
黒衣衆:それもやがて、跡形もなく消え去った。

GM:アトリエ攻略達成!
GM:NEO十字冠コインがもらえます。リザルトを見てみましょう。
【シキミのアトリエ ~化生舞台ヤニェ・ヤハ~】
達成!★写楽斎シキミの暴走状態を解除する 獲得コイン×1
達成!★2ラウンド以内に戦闘に勝利する 獲得コイン×1
達成!★十字冠効果による戦闘離脱者を出さずに勝利する 獲得コイン×1
達成!★上記3つのミッションをすべて達成する 獲得コイン×3
GM:見事コンプリート!コインが6個手に入ります!
後藤スダチ:ヤッタヤッタ
甘崎リンコ:やった~~!
佐陀コトノ:わ~い!
足原エイコ:勝ちまくり!モテまくり!
ユージン・マディス:待ってな これを突っ込んで倍にしてきてやるぜ
GM:また、全体のミッションに関しても、イトリのアトリエに訪問したので追加報酬がもらえます。
□ミッション一覧
★達成済【文化祭の準備を完遂させよう!】達成率(2/2)
★進行中【文化祭に出てくれるパートナーを見つけよう!】達成率(0/2)
★攻略済【アトリエ訪問:ライサのアトリエ】達成率(1/1)
★攻略済【アトリエ訪問:ククルのアトリエ】達成率(1/1)
★訪問済【アトリエ訪問:イトリのアトリエ】達成率(1/1)
GM:コインを追加で3個獲得し、全部で9個のコインが手に入りました。
甘崎リンコ:やった~~~!
足原エイコ:あとはパートナーを見つけるだけ!
後藤スダチ:シキミさんがコトノちゃんのパートナーになり
後藤スダチ:コトノちゃんがリンコさんのパートナーになる
後藤スダチ:完璧だ
甘崎リンコ:完璧ね!
後藤スダチ:今すぐミッション達成をくれ!
ユージン・マディス:永久機関が完成しちまったなあ~~~
佐陀コトノ:や、やだ……!!!
足原エイコ:よかったねコトノたん!
ユージン・マディス:やだ……! が迫真
GM:相方について決める前に、コインの交換をしてしまいましょう
★コイン交換特典
※売り切れ NEO文化祭十字コイン×5:「銀の鍵」取得 ※新規ミッション解放
※売り切れ NEO文化祭十字コイン×4:NPCカード「イリス・ウィトルウィウス(強化用)」取得 ※二回まで購入可
NEO文化祭十字コイン×3:「魔導粘土(ルーン・クレイ)」を入手
※売り切れ NEO文化祭十字コイン×2:「スペリオルミックスROYAL」を入手
NEO文化祭十字コイン×1:「TOPVALU水彩絵の具12色入り」を入手 ※複数購入可
GM:まあもうこれしかないけどね
ユージン・マディス:ルーンクレイ一つと絵の具6セットか
甘崎リンコ:魔導粘土さん買って絵具6個買いますか
後藤スダチ:ルーン・クレイは強く購入したい物品があるかどうかだなあ
佐陀コトノ:うーん
後藤スダチ:そうかルーンクレイ買っても余るわけだし
後藤スダチ:粘土買って絵の具6個で問題ないのか
ユージン・マディス:コイン持ってたら交換期間終了後にすごい低レートで財産点と交換してくれるかな
足原エイコ:どかっと使っちゃいましょうか
甘崎リンコ:粘土持ってて困るものでもないですし絵具も6こもあったら安心感あるし全部買っちゃいましょうか!
佐陀コトノ:賛成です~
GM:では粘土×1、トップバリュの絵の具×6を手に入れました!
『魔導粘土(ルーン・クレイ)』 必要コイン×3
キングダム魔法局と共同開発した新素材。
購入判定の直前に使用する。
その購入では、<調達>の代わりに<芸術:〇〇>で判定を行える。
シナリオ中3回まで使用可能で、購入したアイテムを破棄することで使用回数を1回分回復できる。
ただし、同じシーン内での振り直しはできないものとする。


『TOPVALU水彩絵の具12色入り』必要コイン×1
流通結社イオンのオリジナルブランド。
使い捨てアイテム。
<芸術:〇〇>の判定を行った直後に使用する。
その判定の達成値に+3する。
甘崎リンコ:やった~~~!
佐陀コトノ:便利~
足原エイコ:トップバリュは品質が違うぜ~!
後藤スダチ:使えるの忘れないようにしないと

写楽斎シキミ:「文化祭のバンド?ええよ~やったるわ!ウチに任しとき!」
写楽斎シキミ
GM:アトリエから帰還し、制服に着替えたシキミは、佐陀コトノの頼みをあっさりと承諾した。
佐陀コトノ:「ほ、ほんとですか……!! あ、あ、ありがとうございます……!!」
後藤スダチ:「や、やったあ!ありがとうございます!」頭を下げる。
佐陀コトノ:感極まりながら深々と頭を下げる
佐陀コトノ:「こ、これでライブに出られるんですね……!!」
後藤スダチ:「よかったねえ佐陀ちゃん」
足原エイコ:「よかったよかった~、素直な子で」
佐陀コトノ:「は、はい……!! い、今本当に安心してて力抜けちゃいそう……」
ユージン・マディス:「佐陀の術式がなければどうしようもなかったからな……もっと報酬を要求してもいいくらいだ」
春日イトリ:「まさか本当に大修復を成し遂げてしまうとは...それに皆様の問題も解決しそうで万事解決ってことですね!」
写楽斎シキミ:「なっはっはっは。意識はぼんやりしとったけど、あんな演奏聞かされたらもっと演りたくなるんが人情やろ」
写楽斎シキミ:「昔は他所の学校のモンと組むなんてあり得ん話やったけどなあ。しばらく寝とる間にいい時代になったもんや」
ユージン・マディス:「ずっと封印されていた割に元気だな……」 こちらはすっかり消耗している。
甘崎リンコ:「ふふっ、そうね……コトノったらそんなにしたかったのね。お笑いのライブが」
佐陀コトノ:「ぜ、絶対お笑いの方じゃないです……!!」
甘崎リンコ:「………………え?」
佐陀コトノ:「……………え?」
甘崎リンコ:「コトノは……私の相方としてお笑いライブをやるためにシキミに弟子入りにきたんじゃなかったの?」
佐陀コトノ:「…………………………」
佐陀コトノ:「…………そ、」
佐陀コトノ:「…………そうじゃない、です………はい…………」
佐陀コトノ:滅茶苦茶目を逸らしながら顔を真っ青にしている
足原エイコ:「絵にかいたような青さだねぇ」
甘崎リンコ:「………………そうだったの……」目を伏せている。
後藤スダチ:「リ、リンコさん」
後藤スダチ:「その、つまり、リンコさんがこれまで協力してくれたのは……」
後藤スダチ:「一連の問題が解決したら佐陀ちゃんが相方になってくれると思っていたから……?」
甘崎リンコ:「そうね……いえ、純粋に困っているようだったから助けてあげたいとも思っていたのだけれど……」
甘崎リンコ:「そう……相方になるわけではなかったのね…………」
ユージン・マディス:「個人用ステージは無いのか?」
甘崎リンコ:「どうしてか分からないけれど、個人の出場は認められていないの」
後藤スダチ:「ないんです!どうしてかわからないけど……!」
後藤スダチ:「プログラムと募集要項はもう周知しちゃってるから今から変更したりできなくて……!」
佐陀コトノ:「……ご、ご、ごめんなさい……。あ、あれだけ優しくしく下さったのに、ぜ、ぜんぜんきづかなくて……」
佐陀コトノ:涙目で土下座する寸前の姿勢
佐陀コトノ:やってしまったという罪悪感にどうしようという気持ちが前面に出た表情をしている
写楽斎シキミ:「なるほどな~。確かにリンコのお笑いに付いてこれる奴なんざそうそうおらんか……」
ユージン・マディス:「一人出場まで認めたら枠が足りなくなるのか? よく分からんが」
写楽斎シキミ:「ウチが組んでもええんやけど……なにせ年単位で寝とったからなあ。お笑いはトレンドの把握が命や、正直自信あらへん」
足原エイコ:「そうなると……リンコの相方はどう決めようか?」
足原エイコ:「やっぱりさあ、これまで通り、バトルで決めちゃう?」シュッシュッ、シュッシュッ
足原エイコ:「何だってバトルを挟めば……感情がぶつかり合って、良い感じになるもんだよ」
後藤スダチ:「……リンコさんと組む人間を……新しく見つけてくるわけにはいかない」すごく考え込んでいる。
後藤スダチ:「少なくとも、お笑いの相性とか……技術とか以前に、リンコさんを知らなければ」
後藤スダチ:「ただただ、恐怖されて終わり……!」
後藤スダチ:「だからリンコさんのことを知っている人間の中から……もっとも相性の良い人を選ぶしかない……!」
足原エイコ:「じゃあこの中の、シキミ以外で?」
ユージン・マディス:「そのあたりはお前達の話し合いで上手くやってくれ」
足原エイコ:「センセイ、逃げないで」ユージンの腕を掴む
ユージン・マディス:「おい馬鹿やめろ。この話はオレの中では早くも終了した……」
足原エイコ:「生徒が困ってるんだよ!?」
春日イトリ:「(皆様大変そうですね~)」安全圏から微笑ましく眺めている
イリス・ウィトルウィウス:バン!!「みなさん!!話は聞かせてもらいました!!!!」
甘崎リンコ:「……イリス?」
佐陀コトノ:「い、イリスさん……?」
イリス・ウィトルウィウス:アトリエの奥からなにやら板や垂れ幕を用意して戻ってきた。
イリス・ウィトルウィウス:「そういうことでしたら、この私にお任せ下さい!」
足原エイコ:「おお……これは!」
イリス・ウィトルウィウス:「なにせ私は、ムセイオンの生徒のことなら何でも把握している"ミュージアム"」
イリス・ウィトルウィウス:「リンコのお笑いと最も共鳴する方が誰なのか、きっちり見極めて見せます!」
イリス・ウィトルウィウス:「ここに、オーディションの開催を宣言します!!」
甘崎リンコ:「……オーディション!」
春日イトリ:「ここに...ここで?!」イリスちゃんに凄い角度で振り返る
佐陀コトノ:「…………………………えっ!?」
佐陀コトノ:「えええええ!!??」
ユージン・マディス:「…………」
ユージン・マディス:「なんて?」
後藤スダチ:「アシハラ先生の言う通り……"バトル"をするしかないッ!私達全員で!」
後藤スダチ:「『お笑いオーディション』開催だ!」
足原エイコ:「最強のオーディションだ!!!」
春日イトリ:「皆さん、スダチさんとエイコ先生はなんでそんなに理解が早いのですか?!」
足原エイコ:「イリスたんのすることは全て正しいからね……」
後藤スダチ:「私は……合理的に今の状況を整理した結果、もう他に手立てがないことを理解したよ……!」
後藤スダチ:「だけど他の誰かに任せてそれで終わりにするにはリスクが大きすぎる……!」
後藤スダチ:「リンコさんの相方が見つからないまま明日を迎えるわけにはいかない」
後藤スダチ:「それなら、私も平等にリスクを負う手段しか選択肢はないんだ」
春日イトリ:「(つまりスケープゴートなんですね...)」思うが口にはしない
写楽斎シキミ:「成る程、考えたなあイリス」感心したように頷く
写楽斎シキミ:「漫才に大事なのはセンスやない、呼吸や」
写楽斎シキミ:「あの気難しいリンコがここまで気を許しとる事なんて滅多にあらへん。選ぶならここにおる連中しかおらん」
ユージン・マディス:がちゃり、と近くの壁が不可解に蝶番めいて開き、内側に倉庫サイズのこじんまりとした領域が姿を現す。
ユージン・マディス:「終わったら呼んでくれ」引っ込もうとする。
佐陀コトノ:「先生!!!!」
足原エイコ:「逃げるなあっ」
ユージン・マディス:「やめろ! オレはもう疲れた! 今日の分の刀剣に褒め言葉を掛ける日課を終わらせて帰る!」
佐陀コトノ:「うううううう……………」泣いてる
後藤スダチ:「セレノスツールさん……あなたにも文化祭の監督責任があるんですよ」
甘崎リンコ:「…………先生は……私の相方になるのは嫌ですか?」逃げようとする姿を見て心なしかしょんぼした様子で眼鏡を押し上げる。
足原エイコ:「そうだぞーーーーっ!リンコの目を見て、まだそんなことが言えるのかセンセイ!」
後藤スダチ:「ここまで関わった以上、最後までやるべきです!見てくださいリンコさんの目を!」
ユージン・マディス:「ぐっ…………!」
ユージン・マディス:「甘崎がどうとかではなくだな……」
ユージン・マディス:見合う。
ユージン・マディス:……ばたんと領域が閉じる。「オーディションは何を図るつもりだ……?」
甘崎リンコ:「…………先生……!」
ユージン・マディス:「言っとくが、オレに芸人の才能はないからな」
ユージン・マディス:「話だけ聞くだけだ」
イリス・ウィトルウィウス:「それでは、ご説明しましょう」審査員用の机を準備しながら口を開く。
足原エイコ:「ツンデレムーブも大概にしなよ~……ったく……」

GM:皆さんにはこれから、<芸術:お笑い>でそれぞれ判定をしていただきます。
甘崎リンコ:私でさえ持っていない芸術:お笑いで!?
GM:はい
足原エイコ:持って無いんだ……ほんとだ……
佐陀コトノ:ww
GM:そうして出てきた達成値の中で
GM:リンコさんの達成値との差が一番少ない方が、晴れて相方の栄冠を手にします。
甘崎リンコ:な、なるほど!!
ユージン・マディス:wwwwwww
甘崎リンコ:相性なんだ!!!!
足原エイコ:大事なのはフィーリングってワケ
ユージン・マディス:最高達成値ではない……1
佐陀コトノ:wwwwww
佐陀コトノ:そういうシステムなのね!!
後藤スダチ:な、なるほどなあ……!
後藤スダチ:こういう形でセンスの近さを測るわけだ
GM:尚、この判定にイリスの効果は使用できません。
甘崎リンコ:wwwww
ユージン・マディス:審査員側ってわけね
GM:自らの力で相方の座を掴み取って下さい
足原エイコ:面接官の一人だからね
佐陀コトノ:手助けが期待できない……
イリス・ウィトルウィウス:イトリとシキミは私と一緒に審査員やってくださいね。
ユージン・マディス:絵の具の使用は?
GM:可能です
春日イトリ:わ、わかりましたっ
後藤スダチ:もう判定に入ってしまっていいですか?行動値順でしょうか
GM:ここは行動値順にやっていきましょうか
GM:準備ができたらスダチさんからお願いします
後藤スダチ:了解です。やるぞ!
GM:あっまてよ
GM:最初にリンコさん振ったほうが面白いな!
甘崎リンコ:なるほど。
GM:リンコさんが振った後、残りは行動値順にやっていきましょう
ユージン・マディス:いやでも全員出そろってカラの方が
ユージン・マディス:よくないですか?
後藤スダチ:最後に振るのかな~と思ってました
GM:成る程……
甘崎リンコ:なるほど……!
ユージン・マディス:リンコさんが誰に一番近づくか分からないじゃないじゃん
GM:さすが先生ですね。前言を撤回します。
佐陀コトノ:エンタメを理解していらっしゃる
足原エイコ:緊張感を高める……!
後藤スダチ:じゃあもう振りますよ!いいですねッ
GM:リンコさん以外が行動値順に振った後、リンコさんに振ってもらいましょう
ユージン・マディス:いけーっ!
GM:お願いします!
後藤スダチ:9dx 芸術:お笑い
DoubleCross : (9DX10) → 10[2,2,3,5,6,6,7,9,10]+2[2] → 12

ユージン・マディス:お笑いマスターじゃん
後藤スダチ:クリティカルした!これはそうそう近づけないだろう……!
GM:やりますね…
甘崎リンコ:(なんで嬉しそうなんだろう?)
GM:次は足原先生お願いします
足原エイコ:いざ!ギャグもたくさん描いてきたからね!
足原エイコ:7dx 芸術:お笑い
DoubleCross : (7DX10) → 8[2,2,2,4,6,8,8] → 8

足原エイコ:な、なるほどなぁ……
甘崎リンコ:ニコッ……
後藤スダチ:地獄により近づいているぜ
GM:ギャグ漫画本当は得意じゃないのかな
GM:続いてコトノさん!
佐陀コトノ:感覚2の佐陀コトノです…………
佐陀コトノ:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 8[1,3,6,7,8] → 8

GM:おお~!
甘崎リンコ:同値!
佐陀コトノ:ど、同値……!
ユージン・マディス:この場合はトリオ漫才になるのかな
足原エイコ:!?
後藤スダチ:決勝オーディションしましょうよ
佐陀コトノ:ひ、ひえ……
GM:同値の場合は決勝戦となります
ユージン・マディス:なるほどね
足原エイコ:もしそうなったら……容赦しないぜコトノたん
佐陀コトノ:うえーん
GM:まあユージン先生の結果を見てからでも遅くないでしょう
GM:先生お願いします
ユージン・マディス:では見せてやるよ……どこからどうみてもつまらない男の力を
ユージン・マディス:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[3,6,7,10,10]+9[1,9] → 19

甘崎リンコ:た、たっか
GM:先生…!
佐陀コトノ:滅茶苦茶面白い人じゃないですか……!!
後藤スダチ:先生、おもしれー男……
足原エイコ:もしかして……お笑い芸人をしてた過去が……!?
GM:言ってくれればよかったのに
ユージン・マディス:そういえば……
甘崎リンコ:たしかにおもしれー男だもんな……
ユージン・マディス:ハリセンが刀剣武器になるのかもしれん
足原エイコ:刀舐めるもんな……
GM:最後に真打ちに登場していただきましょう
甘崎リンコ:ふう……やれやれ
甘崎リンコ:みせてあげましょう。お笑い芸人の力をね
後藤スダチ:た、頼む……クリティカルしないでくれ
GM:お笑い暴走特急!甘崎リンコ!(デケデケデケデケ)
ユージン・マディス:甘崎……ここまで積んできた力を見せろ!
足原エイコ:最高のお笑いを見せてくれ!
甘崎リンコ:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 8[2,7,8] → 8

GM:wwwww
佐陀コトノ:wwwwwwww
甘崎リンコ:同値ね♡
後藤スダチ:wwwwww
足原エイコ:ギャハハ!
ユージン・マディス:wwwwwwwwww
後藤スダチ:いや~~すごいですね
ユージン・マディス:ロックスターみたい
後藤スダチ:こんなことあるんだなあ
佐陀コトノ:うわーーーーん!!!
GM:これはもう……文句なしでしょ!!
佐陀コトノ:こんなことがあって良いんですか!!? こんなことが……!!
足原エイコ:運命だね♡
足原エイコ:決勝……やりますか?
佐陀コトノ:やりましょう、決勝
佐陀コトノ:証明しますよ、私がお笑い芸人じゃないってことを……!!
ユージン・マディス:(目が据わってる)
GM:あえて戦うというのか。最高の相性同士で
後藤スダチ:8に近いほうが勝ちってことですよね?
GM:そうですね。目標値は同じく8
GM:どちらからでも構いません。決勝戦スタート!
足原エイコ:では私から……
足原エイコ:7dx 芸術:お笑い!
DoubleCross : (7DX10) → 10[2,3,6,7,10,10,10]+9[2,5,9] → 19

甘崎リンコ:た、たっか
GM:先生!
後藤スダチ:あ……あ……
佐陀コトノ:ああ……………………
GM:これが連載作家の底力
足原エイコ:おっと……面白すぎたかな……?
後藤スダチ:19以上を出さないと事実上負け
ユージン・マディス:まあこのダイス数ならそうなるわな
後藤スダチ:いや、勝ちか……
GM:さあ佐陀コトノは先生に勝てるのか!
佐陀コトノ:ふ、振ります……!!
佐陀コトノ:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[2,6,6,8,10]+4[4] → 14

佐陀コトノ:わあああああああ
甘崎リンコ:なんでクリティカルしてるの!?
後藤スダチ:コトノちゃん……!必死で面白いネタをやったのに……!
GM:がんばった……頑張ったが……!
ユージン・マディス:一回目の先生なら勝てていた……勝てていたのに……
後藤スダチ:トップレベルの漫画家には勝てなかったのか
佐陀コトノ:あと一歩…………届かなかった…………っ!!!
足原エイコ:くっ……だがコトノたんの頑張りは伝わったよ……
甘崎リンコ:(届いたのでは?)
GM:おめでとうございます!!!!コンビ結成です!!!!
甘崎リンコ:やった~~~~!
足原エイコ:君にならリンコの隣を任せられる……
甘崎リンコ:がんばりましょうね♡コトノ♡
佐陀コトノ:ううううう………………
ユージン・マディス:強く……生きろ
佐陀コトノ:ひどいよ……あんまりだよ……!!!
後藤スダチ:文化祭も大成功間違いなしだね!
写楽斎シキミ:何事も芸の肥やしやでコトノちゃん
佐陀コトノ:うええええん
ユージン・マディス:ガチで泣いてる
甘崎リンコ:そんなに嬉しいのね♡
足原エイコ:美しい涙だ……

■イトリのアトリエ 特設お笑いオーディション会場
GM:木の台とカーテンで作った即席のステージの前に、長机が並べられている。座っているのは3人。
イリス・ウィトルウィウス:「審査員は、私とイトリ、シキミが努めます」
イリス・ウィトルウィウス:「先生方、よろしくお願いします」芝居がかった様子で頭を下げる。
春日イトリ:「わたしのアトリエに吉本風味の場所が...」唖然としている
写楽斎シキミ:「お手並み拝見やね」顔の前で指を組む。
春日イトリ:「えぇい!仕方ありませんね」
春日イトリ:「こうなった以上真剣に皆様の”お笑い”を審美いたします」
春日イトリ:「生半可な笑いは...許しませんよ!」
イリス・ウィトルウィウス:点数表示版の接触を確かめつつ「よし、準備はOKです」
イリス・ウィトルウィウス:「それでは、最初の方……スダチさん、お願いします!」
後藤スダチ:「はい!エントリーナンバー1番、後藤スダチです」
後藤スダチ:「リンコさんの相方という負担を他の人に押し付けるわけにはいかない……そういう気概でこの場に来ています」
写楽斎シキミ:「流石文化祭実行委員やなあ。大した責任感や」
後藤スダチ:「だけど、このオーディションの大前提は、何よりもお笑いの実力とリンコさんの審美眼に適うことだから……全力で行きます!」
イリス・ウィトルウィウス:「お願いします。このオーディションの趣旨は、リンコのお笑いと最も呼吸の合うパートナーを見つけ出すこと」
イリス・ウィトルウィウス:「生半可な覚悟では、"エッペルカーカ"の世界観には付いてこれませんよ……!」鋭い視線を送る。
後藤スダチ:「一発芸やります。――『9割聞き取れないのに何を言ってるのか大体分かる店内放送』」
後藤スダチ:「亲爱的顾客朋友」流暢に喋り始める。
後藤スダチ:「你们好」
後藤スダチ:「衷心欢迎您光临、ヨゥドバーシィ」
後藤スダチ:「ヨゥドバーシィ、是日本著名的大型购物中心」
後藤スダチ:「精明商品将近一百万种」
写楽斎シキミ:「ああッわかる…!中国語全然わからへんのに何を言ってるのかだいたい分かる……!」
後藤スダチ:「数码相机」
後藤スダチ:「摄像机」
後藤スダチ:「名牌手表」
後藤スダチ:「化妆品」
春日イトリ:「んふふっ、流暢ww、めっちゃ流暢ですw」
後藤スダチ:「电子游戏」
後藤スダチ:「名牌箱包等应有尽有」
後藤スダチ:「……以上です!」
春日イトリ:「ふふふっ、んふ、凄い良いと思います...。日常のふとしたあるあるを細かな精度でネタとして昇華できてます」
春日イトリ:「私はかなり好きですね」
イリス・ウィトルウィウス:高得点が表示される「人間のふとした行動の観察と研究、ジェネシスの強みがよく出たいいネタでしたね」
イリス・ウィトルウィウス:「外の世界の習俗に詳しいスダチさんならではの題材、お見事です」
後藤スダチ:「ありがとうございます!クラス行事とかの一発芸はだいたいこれで切り抜けてきました」一礼する。
写楽斎シキミ:「幸先いいなあ~。ほな、次行ってみよか」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ~!出番ですよ~!」
足原エイコ:「はいど~も~!」
足原エイコ:控室にあった白いパンツと赤いジャケットの、いかにも芸人な衣装を纏い、壇上へ
春日イトリ:「あぁ、それっぽい!新喜劇スタイルですっ」
写楽斎シキミ:「お~形から入るんは流石漫画家って感じやな」身を乗り出す。
足原エイコ:胸元がはちきれそうだが、なんとか前は締めている
足原亭でんがな・漫画な:「え~、足原亭でんがな・漫画なといいます、よろしくやで~!」
春日イトリ:この時点でプルプルと肩を震わせている
足原亭でんがな・漫画な:「でんがな・漫画なはね~、実は漫画も描かせていただいてて」週刊『飛翔』を懐から出す
足原亭でんがな・漫画な:「そう、この号も表紙を飾らせていただいてるんですけどもね」
春日イトリ:「一人称でんがな・漫画ななんですかwwwくっ、ふふふ」
イリス・ウィトルウィウス:(つかみも自然……漫画の経験が活きていますね!エイコ!)
足原亭でんがな・漫画な:「ちょうどこの号の時は修羅場でしてね~」
足原亭でんがな・漫画な:「担当編集が来るって時にもね、まだ全然下書きの段階でしてね」
足原亭でんがな・漫画な:「アシスタントのAIたちに、『編集さん来るからうまく対応してくれんか?』って頼み込んだんですがね~なんと」
足原亭でんがな・漫画な:「『えー、会いたくないよう、』なんて言いよるんですわ!」
足原亭でんがな・漫画な:「AIが……『えー・・会い・・たくないよう』!?」
写楽斎シキミ:「ぶふっwwww」
春日イトリ:「んふっw、ここでダジャレは不意打ちにも程がありますよw」
足原亭でんがな・漫画な:「……ほんでね」まだ続けるようだ
春日イトリ:「まだあるんですかw」笑いの二連続攻撃を想定していない
イリス・ウィトルウィウス:(隙を生じぬ二段構え……!エイコ、本気ですね……!)
足原亭でんがな・漫画な:「『そんなん言うたかて締め切りも近いんやしどうすんねん!』って言うたら」
足原亭でんがな・漫画な:「AIくんたち、ジブンのことアトリエの外に放り出そうとしたんですわ!」
足原亭でんがな・漫画な:「締め切りに漫画家が閉め切られたら敵わんでほんまに!」
足原亭でんがな・漫画な:「『締め切りに……閉め切り・・・・』!?」
足原亭でんがな・漫画な:「どわーーっはっはっは!」腹を抱えながら嗤ったかと思うと
足原亭でんがな・漫画な:爆発!(審査員席までには届かないよう小規模)
足原亭でんがな・漫画な:ボカァン!
足原亭でんがな・漫画な:ぷすぷすと黒煙に包まれながら、両頬に手を当て
足原亭でんがな・漫画な:「爆発オチなんて、サイテーーーーーッ!!!」
足原亭でんがな・漫画な:「……以上、足原亭でんがな・漫画な、でした~!」
写楽斎シキミ:「おお~~本格的やん」拍手しながら
写楽斎シキミ:「……最後なんで爆発したん?」
春日イトリ:「ウフフっ、いや~やっぱりエイコ先生は漫画家だけあって構成力がお見事ですね」
足原エイコ:後々のインタビューでは、「リンコは私がたまにする爆発オチの展開を評価していてくれたので、その想いに応えたかった」と語っている
イリス・ウィトルウィウス:「ダジャレで押す構成はリンコのスタイルともよく噛み合いそうですね。これは期待大でしょう」
春日イトリ:「リンコさんのネタはダジャレですからね、相方としての噛みあい面から見てもかなり高得点です」
写楽斎シキミ:「せやけど、相方に一番大事なのはネタの傾向やない、ここやで」心臓をどんと叩く。
写楽斎シキミ:「ウチはあの子んこと買っとるんや。音楽であんだけ人の心を掴めるんやったら」
写楽斎シキミ:「お笑いでだってきっと掴める……!ウチはそう信じとる!」
写楽斎シキミ:「コトノちゃーん、いらっしゃ~い!」
佐陀コトノ:「…………………………」
佐陀コトノ:この世の終わりみたいな表情をしてステージに上がってくる
春日イトリ:「(そのフリはイヤらしいですよシキミさん...)」
佐陀コトノ:「え、え、エントリーナンバー3番の佐陀コトノです…………」
佐陀コトノ:「あの…………正直…………帰りたいです…………」
イリス・ウィトルウィウス:「がんばれがんばれコトノさん!やればできる!!」
イリス・ウィトルウィウス:(客イジリから入るタイプですね!先の二人とはスタイルを変えてきましたか……やる気充分ですねコトノさん!)
佐陀コトノ:「そ、そんなキラキラした目でみないで下さい…………!!!!」
佐陀コトノ:「うううううネタやります!! もし聖餓魔Ⅲがバリバリのデスメタルで"aniM-us"の『Mugic our(マジック・アワー)』を歌ったらのモノマネ!!」
佐陀コトノ:ビロビロビロビロビロビロ
佐陀コトノ:『い~~~~つだって魔法ォ~ッみたいな時間は一瞬でェ!! でもかかった魔法の期限は一生でェ!! ああおうッ!!』
佐陀コトノ:『輝いたァ一瞬が永遠にボク達のものになるぅ~~~~~~ッ!!!!』
佐陀コトノ:テレテレテレテレギュイイーーーーーーーンッッ
春日イトリ:「んふっ、アハハっすっごいwジャンルのギャップがもう面白いじゃないですかw」
春日イトリ:「ファンシーな歌詞なのにwww」
写楽斎シキミ:「ぶっwwwwぶわっはっはっはwwww!クサすぎやろそれwwwwww」異様にねっとりした泣きのギターがツボに嵌まっている。
佐陀コトノ:『み~~~つかった嘘みたいな光は本当でェ!! もうッ刺さった光のアローは抜けなくてェ!!』
佐陀コトノ:『ずっと一緒ッ!!! 永遠にッ離れられないかもォォォッッッ!!!!』
佐陀コトノ:ギュルギュルギュルギュルギュイイイーーーーーッ
春日イトリ:「もう情景として"aniM-us"のメンバーのメタル姿が見えちゃってwアハハハハァww」
佐陀コトノ:「はぁ……はぁ…………い、以上……!! はぁ……あ、ありがとうございました…………」
イリス・ウィトルウィウス:「顔面がすごくうるさいのに唄そのものは腹立つほど上手いです!真剣であるが故のギャップによる笑い……!」
春日イトリ:「最初はおどおどしててちょっと不安かな~って思ってたんですけど謝罪させてください」
春日イトリ:「すっごい面白かったです! これはリンコさんには勿体ないかな~?」ふふっと冗談じみた笑顔を浮かべる
写楽斎シキミ:「やっぱウチの目に狂いは無かったなぁ……コトノちゃんと一緒ならリンコの芸はもう一段"高み"へ昇れる」
佐陀コトノ:「ゆ、許してください…………」
イリス・ウィトルウィウス:「二人とも、結論を出すのはまだ早いですよ」
イリス・ウィトルウィウス:「ここからは大人の時間です。お笑いは人生経験が物を言います」
イリス・ウィトルウィウス:「ユージン先生!お願いします!」
ユージン・マディス:「…………エントリーナンバー4番。ユージン・マディスだ」
ユージン・マディス:「FHの秘匿都市のくせにこんな所だけ女子校のテンションそのまましやがってと思っているが口には出さないでおく」
写楽斎シキミ:「出しとるやないかーい!」行儀の悪い客のテンションになってる。
ユージン・マディス:背後のセットに剣を何本か引っかけつつ、近づいてきてイリスさんにメモ用紙を渡す。
イリス・ウィトルウィウス:「おや?これは……」
ユージン・マディス:「オレはウケる話など持ってない。だから、過去、師匠に一番笑われた内容を再現する」
春日イトリ:「まさに人生経験を...ということですか」
ユージン・マディス:「タイミングを合わせてこの内容の台詞を入れろ。」
イリス・ウィトルウィウス:「なるほど……観客と一体になって……!」
イリス・ウィトルウィウス:「流石発想のスケールが一段上です!お任せ下さい!」
ユージン・マディス:「オレの師匠の名は『マスターラクス』。聖剣作りに人生を費やした湖の乙女。オレの刀剣の師匠だが……まあ今回の内容に大きく関係はない。では始めるぞ」
ユージン・マディス:背後の刀剣に向き合う。下がっている剣に軽く触れる。
ユージン・マディス:『――――うわっびっくりした。ダイヤモンドかと思った!』
ユージン・マディス:『こんなにキラキラ輝いてる剣、今まで見たことないよ! すごいな~あこがれちゃうな~』
ユージン・マディス:『斬れ味もとんでもない! お前なら鉄だって豆腐みたいに斬れちゃうよ! 樹齢千年の大木だって一刀両断だろうな~』
写楽斎シキミ:(このわざとらしい説明口調、エピソード系か……)視線が鋭くなる。
春日イトリ:「もうちょっと面白いじゃないですかっ、ウフフ、目が凄い綺麗w」
イリス・ウィトルウィウス:『ユージン? 倉庫で一体何やってるの?』カンペをチラチラ見ながら棒読みで語りかける。
ユージン・マディス:『何って……師匠が集めてきた本の中にあったじゃないですか』
ユージン・マディス:『"毎日声をかければ綺麗な結晶になる"って。だから実践してみてるんですよ』
ユージン・マディス:『あ、君いい刃文してるな~。器量がいい、きっと色んな剣豪から引っ張りだこだな~』
ユージン・マディス:『今日はたくさん斬れたね~。明日はもっと良く斬れるぞ~』
イリス・ウィトルウィウス:『あー……。あれは水の結晶の話だよ。それも眉唾だったけどね』気の毒さの欠片もないハキハキした口調で台詞を言う。
ユージン・マディス:『えっ。』 愕然とした顔。妙にそこだけ真に迫っている。
ユージン・マディス:『…………………………………』
ユージン・マディス:壁に向かった刀剣たちを、一つずつ指差す。
ユージン・マディス:『――――君ら全員、明日からウォーターカッターな!』
春日イトリ:「ウォーターwwカッターwww」机に突っ伏して震えている
ユージン・マディス:「…………以上だ。師匠は腹を抱えて笑い転げた」 やや居づらそうな表情をしている。
ユージン・マディス:「ちなみにレネゲイドの場合はどうなるか分からないので、オレは今でも日課として声かけは欠かしていない」
イリス・ウィトルウィウス:「えぇ~~~かわいいなぁ~~~!!先生にそんな時代があったなんて……」
春日イトリ:「補足でも面白いじゃないですかっ!」
イリス・ウィトルウィウス:「お師匠さんの気持ちわかるなぁ~」
写楽斎シキミ:「いや今でもやってるのはちょっと引くけども……」
ユージン・マディス:「綺麗になるかもしれないだろ。レネゲイドは認識で作用する」
春日イトリ:「まっ、真顔で言わないでww」
ユージン・マディス:「ちっ……人が恥を晒したんだ。きちんと返せるものは返してくるんだろうな」
ユージン・マディス:そう言って剣を回収しながら、心なし足早に観客席に引っ込んだ。
写楽斎シキミ:「ま、共感は大事な笑いの要素やからな。客に弱みを晒すんは、ウケそのもののハードルを下げる。悪くない戦略やな」
春日イトリ:「私は好きでしたよ~、先生の独自の人生経験を見事に昇華されてました」
春日イトリ:「あと可愛かったです♪」
写楽斎シキミ:「天然か計算か知らんけど、筋はええんちゃう?ウチはそういう大人の小狡いとこは信用ならん思うけどな」
イリス・ウィトルウィウス:「これで皆さんの至極のネタが出揃いましたね」
イリス・ウィトルウィウス:「皆さんの本気、しかと伝わりました」
イリス・ウィトルウィウス:「私は嬉しいです……そうまでして、皆さんがリンコと一緒に漫才をやりたいと思ってくださるなんて……」涙を拭う。
イリス・ウィトルウィウス:「けれど勝負は残酷なもの……決めましょう、今のリンコに相応しい相方が誰なのかを、リンコ自身の芸で」
イリス・ウィトルウィウス:「入ってきてください。リンコ」
甘崎リンコ:「……ええ」カツカツと革靴を鳴らし審査員の前へ立つ。
甘崎リンコ:「……最初は、ピン芸人を認めないなんておかしい。そう思っていたのだけれど」
甘崎リンコ:「みんなと過ごして、一人ではできないこと……誰かと一緒だからこそできるものもあるのだと、改めて思ったわ」
甘崎リンコ:「なにより今見せてもらったネタ……どれも素晴らしいものだった。だから……」
甘崎リンコ:「私もとっておきのネタをやらせていただくわ」眼鏡を指で押し上げる。
甘崎リンコ:「あなたは、誰?」
甘崎リンコ:「…………………」
甘崎リンコ:「これは勿論……『ダジャレを言うのは誰じゃ?』という原初のダジャレを元にしているのだけれど」
甘崎リンコ:「元のダジャレからして……あまりダジャレらしくないというか。同じ言葉を繰り返し使う、というよりダジャレを使ったダジャレである、というのが優先されているわよね」
甘崎リンコ:「しかし……ダジャレを言う機会は、万人に与えられているもの」
甘崎リンコ:「仮に一度もダジャレを言ったことがない人間でも、いつか言う機会が訪れるかもしれない……」
甘崎リンコ:「『ダジャレを言う』ということは、それ自体が重要視されるほど大切なものなのだから」
甘崎リンコ:「なら、『ダジャレを言うのは誰?』というのは、全人類……つまり、これを聞いている『あなた』」
甘崎リンコ:「『あなたは誰?』と聞いているということ。そこまでの哲学的な問いが、一見不完全に見える有名なダジャレには秘められている……」
甘崎リンコ:「そういったメッセージの込められた大爆笑ギャグよ」
写楽斎シキミ:「ぶはっっはっははははははっははwwwwwwwヒッッwwwイヒーッwwwwおまwww笑かすなやwwwwww」
春日イトリ:「い...イリスちゃん...」助けを求めるように彼女に顔を向ける
イリス・ウィトルウィウス:「………………」再起動している
春日イトリ:「あ、ズルい!気絶して逃げるなんてズルです!」
甘崎リンコ:「ふふっ……イリスは笑いすぎて声も出ないようね……!」満足気。
イリス・ウィトルウィウス:「…………………………」ガリガリガリガリ…読み込み音を漏らしながら瞳に光が戻り。
春日イトリ:「い...異音が...あとで修理しましょうね」
イリス・ウィトルウィウス:「……よくわかりました。ありがとうございますリンコ。みなさん、答えは出ましたね?」
写楽斎シキミ:「無論や」腹筋を痛めながら
春日イトリ:「えぇ、一応は」
イリス・ウィトルウィウス:「……よろしい」二人から渡されたメモを確認して、
イリス・ウィトルウィウス:「それでは発表します」
イリス・ウィトルウィウス:「汎学区合同文化祭、甘崎リンコの映えあるパートナーの座を射止めたのは───」
写楽斎シキミ:ドゥルルルルルルル……ドラムロールを鳴らす。
甘崎リンコ:「…………!!」
イリス・ウィトルウィウス:「エントリーナンバー3番、佐陀コトノさん!!」
佐陀コトノ:「うわあああああああああああ!!!!!!」
佐陀コトノ:地に伏せる
春日イトリ:「おめでとうございます~!!!」目を絶対にコトノさんに合わさず
後藤スダチ:「……!」
後藤スダチ:(救えなかった……!)沈痛な表情。
甘崎リンコ:「コトノ……!そんなに私の相方がやりたかったのね……!」
甘崎リンコ:感激していると思っている。
ユージン・マディス:「強く生きろ」 頭痛をこらえる表情。
足原エイコ:「おめでとう、おめでとう」拍手をしながら
佐陀コトノ:「えうっえうっ……うええ……えうっ……!!!!」
佐陀コトノ:今までで一番泣いている
春日イトリ:「(ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!)」
後藤スダチ:「ごめんよ……でも、佐陀ちゃんのネタ……面白かったから……!」
足原エイコ:「リンコとは一番噛み合いがいいように感じたんだろうねえ、きっと」
佐陀コトノ:「なんでぇぇぇぇぇぇ」
ユージン・マディス:(後藤と足原は、理性的な言語と技巧に基づいた笑いだった。だがそれは甘崎のギャグとはどう考えても噛み合わん)
ユージン・マディス:(一方でコトノの自棄は勢いで攻めるものだった。リンコのギャグがいかに埒外でも、それを反動にして笑いに持って行ける可能性がある)
甘崎リンコ:「ふふっ……でも安心したわ。どのネタもとても面白かったけれど……」
甘崎リンコ:「なんだか最早、私の相方はコトノしか考えられなくなっていたもの」
甘崎リンコ:「あなたはいつも私のピンチを助けてくれるのね」穏やかな笑顔!
佐陀コトノ:「ぶえっ、えうっ、ひっくひっく……」
ユージン・マディス:(己自身が望まずとも、自然と周りに巻き込まれ、事態に対する救済になる力……)
ユージン・マディス:「泣くな佐陀。お前は剣士に向いている」
佐陀コトノ:「私はギタリストですぅぅぅぅぅ」
ユージン・マディス:「そうか…………」 惜しいな、という表情をした。
写楽斎シキミ:「……コトノちゃん、気持ちはわかるで」
写楽斎シキミ:泣いているコトノの前で腰を落とし、肩を叩く。
佐陀コトノ:「じ、じきみざん……」
写楽斎シキミ:「お笑いなんて全然やったことなかったんやろ?いきなり大舞台に立て言われて不安になるのも無理ない」
写楽斎シキミ:「ましてや相方があのリンコやなんてな」ポジティブな意味で言っている。
甘崎リンコ:少し照れている。
写楽斎シキミ:「せやけどな……ウチは常々思っとったんや」
写楽斎シキミ:「なんでリンコの抱腹絶倒ギャグが、お客さんにはまるで伝わらへんのか」
写楽斎シキミ:「答えは決まっとる。"わかりにくい"からや」
写楽斎シキミ:「リンコのギャグには、致命的に足りないもんがある。こればっかりはどうしようもない」
写楽斎シキミ:「人の言葉っちゅうんは、裏でどんだけ考えとっても伝わらへんと意味がないんや」
写楽斎シキミ:「せやけど、音楽は違うやろ?」
佐陀コトノ:「しきみさん…………」
写楽斎シキミ:「コトノちゃんの音楽には、問答無用で客のハートを掴む力がある」
写楽斎シキミ:「ウチは期待しとるんや……そうして開かれたお客さんの心になら、リンコの言葉が届くかもしれへん」
写楽斎シキミ:「言葉ではなくハートで、リンコの面白さを理解してくれるかもしれへんってな」
写楽斎シキミ:「コトノちゃん、アンタは別に、無理してお笑いを演る必要はあらへん」
写楽斎シキミ:「ただいつも通り、リンコの隣で演奏してくれればええ」
写楽斎シキミ:「リンコには、コトノちゃんの音楽が必要なんや」
佐陀コトノ:「…………シキミさん…………」
写楽斎シキミ:「たのむわ!一回だけでええ!ウチの助っ人と交換ってことで一つ!」手を合わせて
佐陀コトノ:「…………わ、分かりました…………」
佐陀コトノ:「お、お笑い芸人じゃなくてギタリストとしてってことなら…………」
佐陀コトノ:「やります、はい………………」
甘崎リンコ:「コトノ…………!」
後藤スダチ:「さ、佐陀ちゃん!大丈夫!?」
後藤スダチ:「本気でやりたくないことは断ってもいいんだよ……!?」
後藤スダチ:「最悪、相方は私かアシハラ先生がやったっていいわけだから……そういう覚悟でオーディション出てるからさ……!」
佐陀コトノ:「す、スダチさん……!!」
佐陀コトノ:「覚悟がぶれるので、そういう話は無しでお願いします……!!」
後藤スダチ:「うう……わかったよ……!何も言わない……!」
後藤スダチ:心臓のあたりを押さえながらも手を引く。
足原エイコ:「その覚悟……しかと受け取ったよ」
足原エイコ:「括ってるんだね、腹!」
佐陀コトノ:もはややるしかないという覚悟を決めた顔をしている
ユージン・マディス:「骨はオレたちが拾ってやる」
佐陀コトノ:「す、ステージから落水したらすぐ助けに来て下さいね……!! ピラニアに食べられちゃうので……!!」
甘崎リンコ:「ふふっ、大丈夫よ……そんなことになんてならないわ」
甘崎リンコ:「コトノは私の相方なんだもの!」
佐陀コトノ:「ううううううううう」
足原エイコ:「ふ……でもリンコ、相方が決まったのならもう一つ、決めることがあるよねぇ」
甘崎リンコ:「決める事?」
足原エイコ:「コンビ名!」
足原エイコ:「登録にも、コンビ名とかバンド名とか、必用だろ?」
足原エイコ:「今すぐとは言わないけど、コトノと話し合って」
足原エイコ:「イカすやつ、考えといてね」
甘崎リンコ:「ふふっ……そうね。コンビ名なんて考えたこともなかったわ」
甘崎リンコ:「カッコいいのを考えましょうね、コトノ!」
佐陀コトノ:「……………………はい……!!」
佐陀コトノ:……そこには死地に向けて覚悟を決めた一人のバンドマンの姿があった
足原エイコ:(やっぱり、頼れる相棒が居るってのは、何より───)
イリス・ウィトルウィウス:「うんうん!いや~一時はどうなることかと思いましたが!」
イリス・ウィトルウィウス:会場の片付けを終えて戻ってくる。
イリス・ウィトルウィウス:「文化祭の準備も間に合いそうだし、コトノさんとリンコもステージに出られそうですし」
イリス・ウィトルウィウス:「万事順調ですね!私もようやく肩の荷が下りました!」
後藤スダチ:「あはは……そうだね……ヨカッタネ……」
イリス・ウィトルウィウス:「……と、もうこんな時間ですか」部屋の隅の大時計を見て
イリス・ウィトルウィウス:「みなさん、後は制作物の完成を待つだけですし」
イリス・ウィトルウィウス:「お部屋を用意します、時間はそんなにないですけど、ゆっくり休んで……」
GM:───その時
イリス・ウィトルウィウス:「……え……?」一瞬早く、何かに気付いたように外を……アトリエの外を見る。
GM:ゴオオオオォォォォン……


ゴオオオオォォォォン……
          ゴオオオオォォォォン……
                    ゴオオオオォォォォン……


ゴオオオオォォォォン
          ゴオオオオォォォォン
                    ゴオオオオォォォォン
GM:それは、鐘の音だ。
GM:"ムセイオンの鐘が鳴る"
GM:その意味を、この場にいる一部の人物は理解している。
写楽斎シキミ:「こいつは……まさか」
写楽斎シキミ:「……なあ、足原」
写楽斎シキミ:「例の計画、まだ続いとるんか?」
足原エイコ:「…………」頷く
足原エイコ:「続けなきゃ……いけない」
写楽斎シキミ:「そうか……いや、なら朗報やで!鐘が鳴ったっちゅうことは……」
後藤スダチ:「これって、時報とかの鐘じゃないの?なにかの合図……?」
イリス・ウィトルウィウス:「……すみません、皆さん」
ユージン・マディス:「何だ?」
佐陀コトノ:「……?」
ユージン・マディス:そういえば、ラハブの言及したものについては何の情報もないままだったな……と考えていたところだ。
イリス・ウィトルウィウス:「もう少し、お時間を頂きます。……いえ、他の学校の方には、本来関係がない事情ではあるのですが」
イリス・ウィトルウィウス:「場合によっては、ノヴァリスのこれからにも関わることですので」
イリス・ウィトルウィウス:「少なくとも、星室庁……ユージン先生には、同行して頂きたいのです」
ユージン・マディス:「……どういう意味だ」
足原エイコ:「……ああ。それを見せるに値する人物だと、私は認めてるよ」
ユージン・マディス:「大修復に続き、か。何を隠してる? 二代目マスターカラーズ……」
イリス・ウィトルウィウス:「すみません。時間が惜しいので、詳しい説明は現地で……」
イリス・ウィトルウィウス:「この私、イリス・ウィトルウィウスのアトリエで、お話します」

GM:シーン終了!
GM:ミッションを全て達成しました。
□ミッション一覧
★達成済【文化祭の準備を完遂させよう!】達成率(2/2)
★達成済【文化祭に出てくれるパートナーを見つけよう!】達成率(2/2)
★攻略済【アトリエ訪問:ライサのアトリエ】達成率(1/1)
★攻略済【アトリエ訪問:ククルのアトリエ】達成率(1/1)
★訪問済【アトリエ訪問:イトリのアトリエ】達成率(1/1)
GM:コインを追加で3個入手!
GM:景品との交換、及びロイス取得と購入が可能です。
足原エイコ:ザックザク!
GM:景品はもう絵の具しか残ってないけどね
甘崎リンコ:絵具と交換しますか!3つ!
佐陀コトノ:全部絵の具に変えちゃいますか
GM:では絵の具に変えて合計9個!差し上げます
甘崎リンコ:絵具が大量に!
ユージン・マディス:ですね。私は購入は大槌。
ユージン・マディス:8dx+5
DoubleCross : (8DX10+5) → 9[1,4,4,4,5,7,7,9]+5 → 14

ユージン・マディス:ジャスト! あとマシンモーフィングは
後藤スダチ:照準器購入してもいいけど効率よくないなあ
後藤スダチ:とりあえず私かエイコ先生のHP回復するのはどうですか
ユージン・マディス:そういえば! 二つある高性能治療キットをそれぞれ使ってください
足原エイコ:まず回復させてもらいますか……
足原エイコ:2+3d10
DoubleCross : (2+3D10) → 2+17[9,2,6] → 19

後藤スダチ:1+3d10
DoubleCross : (1+3D10) → 1+14[5,3,6] → 15

後藤スダチ:今後もう一回くらいは回復したいとこだね
ユージン・マディス:次のシーン始めに回復しちゃお
甘崎リンコ:ロイスは保留!購入どうしようかな……
後藤スダチ:メイド服を買うよ。
後藤スダチ:11dx+9>=20
DoubleCross : (11DX10+9>=20) → 9[1,1,2,2,6,7,8,9,9,9,9]+9 → 18 → 失敗

後藤スダチ:あっ足りない!でも財産で買っちゃお。
後藤スダチ:財産3→1にして購入。これをコトノちゃんにあげます。
ユージン・マディス:上手く買ったわね
佐陀コトノ:ありがとうございます~!
甘崎リンコ:メイド服お笑いギタリストの誕生ね
後藤スダチ:属性過多
佐陀コトノ:属性過多で破裂しちゃう
足原エイコ:ロイス取得!甘崎リンコに 〇有為/隔意 で
後藤スダチ:コトノちゃんのロイスを 同行者/佐陀コトノ/尊敬/憐憫:○ N表にします
ユージン・マディス:ではマシンモーフィング。パープルテンプター買います
ユージン・マディス:91→94
ユージン・マディス:9dx+7
DoubleCross : (9DX10+7) → 10[2,2,3,3,5,7,7,10,10]+5[2,5]+7 → 22

佐陀コトノ:ロイスは保留。じゃあお返しに照準器狙いますね
佐陀コトノ:5dx+3>=15
DoubleCross : (5DX10+3>=15) → 7[2,4,4,6,7]+3 → 10 → 失敗

ユージン・マディス:コトノちゃん財産ある?
甘崎リンコ:やった~!
佐陀コトノ:財産点1点足りないです……
ユージン・マディス:はい、フローズンリリー!
佐陀コトノ:わ~!
足原エイコ:大人のカード!
ユージン・マディス:5→4 さらにパープルテンプターは自分で持ってます
佐陀コトノ:財産点1点借りて5→0 照準器ゲットしたのでスダチさんにパスします! これで以上!
後藤スダチ:ありがと~!照準器自分で買うとコスパ悪いからなあ
後藤スダチ:ラピッドファイアに装着。これで計算が楽だ。
甘崎リンコ:うう~ん 買うもの本格的にないからダメ元でみんなのジュースかおうかな
甘崎リンコ:スペリオルミックス狙います!
足原エイコ:ものすごいプラスになるやつだ!
甘崎リンコ:3dx+1>=15
DoubleCross : (3DX10+1>=15) → 10[1,3,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

甘崎リンコ:エッ!?成功した
佐陀コトノ:おお
甘崎リンコ:お笑いより買い物が得意……?
後藤スダチ:相方が決まって張り切ってるんだね
甘崎リンコ:スペリオルミックスいる人~!
佐陀コトノ:もう飲みました~
甘崎リンコ:先生は専用ジュースあるしスダチちゃんは低めだからエイコちゃんにあげようかな?
足原エイコ:貰います!
足原エイコ:私は……ブルゲでも行っちゃうかぁ!
甘崎リンコ:あげます!おいしいよ
ユージン・マディス:ブルーゲイルは
ユージン・マディス:私はもう持ってるし 私以外はセットアップ空いてないから
ユージン・マディス:意味が無い
足原エイコ:そうじゃった……
後藤スダチ:私が最初にやったミスだ
佐陀コトノ:照準器とか?
後藤スダチ:リアクティブコートとか買ったらどうですか?
後藤スダチ:ルーンクレイで購入もできるしね
佐陀コトノ:あっ確かに、先生は活用できますね
ユージン・マディス:そういやそうじゃん
ユージン・マディス:今は絵の具でめちゃくちゃ調達が出来る
足原エイコ:じゃあまず照準器から!
足原エイコ:魔導粘土(ルーン・クレイ)使って、芸術:漫画で判定させてもらいます!
足原エイコ:7dx+6>=15
DoubleCross : (7DX10+6>=15) → 8[2,4,5,6,6,7,8]+6 → 14 → 失敗

足原エイコ:購入は財産1点使って成功にします!クリムゾンブリーチにつけます
GM:あっそうだ
GM:佐陀さんは侵蝕100超えてるから十字冠使ってね
佐陀コトノ:あっ了解です! ありがとうございます!
足原エイコ:相方化記念の転送……
佐陀コトノ:103-10-1d10
DoubleCross : (103-10-1D10) → 103-10-2[2] → 91

佐陀コトノ:はじめてのてんそう

 

 MS:2/『余談』


■東京近郊 N市 路地裏
GM:これは、今回の物語とは直接関係がない余談である。
GM:ここに、追われている1人の女がいる。
GM:彼女は裏社会に身を置きながら、ある種の偏執的な信念と善性を備えており、
GM:その信念に従い行動した結果、居場所を失い、命さえ狙われる身となった。
追われている女:『すまない、潜伏先がバレた。予定の期日より速いが、迎えを頼みたい』
追われている女:路地裏を走り抜けながら、器用にスマホを操作し、メッセージを送る。
追われている女:こちらではあまり普及していないSNSアプリ。新たな就職先の担当者から、インストールするよう指示されていた。
Xuemei_029DK:『了解しました。先生』
Xuemei_029DK:『迎えを寄越しますので、周囲に人の目がない場所まで移動願います』
追われている女:『既に移動している……直に追いつかれるだろう。早く頼む』
Xuemei_029DK:『では、お手持ちの端末で現在地の写真を撮影し、こちらに送信して下さい』
Xuemei_029DK:『できる限り写角は広く、動く物体が写り込まないようお願いします』
追われている女:言われた通り写真を撮影し、送信する。
GM:数秒後、写真を撮影した場所の空間が四角く切り取られ、扉のような裂け目が出現する。
Xuemei_029DK:『座標確認、ゲートを生成しました』
Xuemei_029DK:『どうぞお入り下さい。ようこそノヴァリスへ、先生』
Xuemei_029DK:『尚、当ゲートは生成後60秒で消失します。先生がこちらにいらっしゃらなかった場合、再度の転送は不可能となっております』
Xuemei_029DK:『その場合、当市との雇用契約についても白紙とさせて頂きますのでご了承ください』
追われている女:事務的な説明を読み終わる前に、裂け目へと飛び込んだ。どの道こちらに未練を残してはいない。
GM:女が飛び込んでしばらく後、空間の裂け目が閉じ、何事もなかったかのように路地に静寂が戻る。
GM:遅れてやってくる足音。彼女を追っていた男が、路地に飛び込んできた。
UGN職員:「……ああ!クソッ」路地裏の様子を見て舌打ちし
UGN職員:端末を取り出し「申し訳ありません支部長。対象をロストしました」
UGN職員:「はい、通信の追跡も不可能です」
UGN職員:「やはり、現時点で正規のルート確保は難しいかと」
UGN職員:「……了解、一旦帰投します」
GM:そう言って、男も音もなくその場を去る。
GM:後には表通りから聞こえる街の喧騒だけが、寂れた路地裏に響いていた。

 

 MD:6/『■■■■■■■』

GM:クライマックス直前です!全員登場!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (98 → 105)
甘崎リンコ:スペリオルミックスで-1して104!
佐陀コトノ:91+1d10
DoubleCross : (91+1D10) → 91+8[8] → 99 スペリオルの効果で-1して98

ユージン・マディス:1d10+94
DoubleCross : (1D10+94) → 10[10]+94 → 104

ユージン・マディス:うげー
ユージン・マディス:ひく2して102
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (84 → 86)
足原エイコ:92+1d10-1 スペリオルミックスの力
DoubleCross : (92+1D10-1) → 92+4[4]-1 → 95


■ムセイオンアートスクール 朽ちた大講堂
GM:ムセイオンの一角に、破壊され朽ち果てたままの大きな講堂が存在する。
GM:かつて学校に存在した唯一の大講堂であり、八月革命の折、先代の"マスターカラーズ"との決戦の舞台となった場所だ。
GM:散乱した瓦礫はそのままに、灯りもなく、構内は夜の闇に閉ざされている。
GM:その中で、中央に置かれた台座の周囲のみが小綺麗に整頓され、天窓からの月明かりに照らされていた。
GM:台座の上には、豪奢な額縁に入れられたままの、一枚の巨大な絵画が安置されている。
GM:他に作品らしきものはない。
イリス・ウィトルウィウス:「ようこそ皆さん、私のアトリエへ」
イリス・ウィトルウィウス:「あ、散らかってますけど、その辺に適当に座ってください」
ユージン・マディス:「仰々しいな」
後藤スダチ:「ヒィ~」イリスの影に隠れるようにおそるおそる踏み込む。
後藤スダチ:「照明くらいひかない?なんだか怖いよ……?」
甘崎リンコ:「ふふ、暗い所は怖い?」
足原エイコ:「……別に、鬼とか蛇とか出ないからね」
足原エイコ:「いや、場合によっては出るかも……」
佐陀コトノ:「ひえっ……」
後藤スダチ:「キャアーッ」
イリス・ウィトルウィウス:「いや~、私も滅多に来ないのでなんかもったいなくて」
後藤スダチ:「で……でも、制作作業する場所なんでしょ?」
後藤スダチ:「そこに滅多に来ないっていうのは……」
イリス・ウィトルウィウス:「まあ、私が制作するものは一つしかないですし、私の場合、この場にいなくても大丈夫というか……」
イリス・ウィトルウィウス:「ご説明しますね。ここはかつての"マスターカラーズ"の大講堂。革命の際に、彼女との戦いでご覧の有様になり」
イリス・ウィトルウィウス:「以降は、私のアトリエとして管理を引き継がせてもらっています」
イリス・ウィトルウィウス:「そして、あの台座の上にあるのが……」
イリス・ウィトルウィウス:中央で月明かりを浴びる絵画を指差す。
額縁
GM:大仰な額縁に入れられた一枚の絵画。
GM:どこともしれない景色が描かれている。赤い海に沈んだ廃墟の絵だ。
GM
GM:ここで判定です。
GM:<知識:道具> 難易度9
GM:達成すると、この絵についてあることに気づけます。
甘崎リンコ:なんてこと!芸術はダメだけど知識ならいける!ふります!
甘崎リンコ:9dx>=9
DoubleCross : (9DX10>=9) → 10[1,2,3,6,9,10,10,10,10]+8[1,4,6,8] → 18 → 成功

甘崎リンコ:これがお笑いの力よ
ユージン・マディス:7dx+2
DoubleCross : (7DX10+2) → 10[3,6,6,7,8,8,10]+3[3]+2 → 15

佐陀コトノ:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 10[5,7,10,10,10,10]+8[3,6,7,8] → 18 → 成功

後藤スダチ:スダチのふたつの弱点のうち一つ……それが知識!精神は2しかないぞ
後藤スダチ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 5[3,3,3,5] → 5 → 失敗

後藤スダチ:だめだあ
後藤スダチ:スダチだけ惨敗
GM:かわいいね
ユージン・マディス:き問題
後藤スダチ:よわよわスダチ
足原エイコ:4dx>=9 私も一応やっておこう
DoubleCross : (4DX10>=9) → 7[2,4,6,7] → 7 → 失敗

後藤スダチ:先生……!
後藤スダチ:ナカーマ
足原エイコ:果たしてそうかな……?
GM:不穏…
後藤スダチ:なにっ
GM:それでは、達成した3人はあることに気付きます。
GM
GM:一部の者は違和感に気づく。それは絵画そのものではなく
GM:それを納める、額縁の方だ。
GM:絵画の四辺を区切るそれは、ただの額縁ではない。
GM:装飾の縁には刃が立ててあり、柄も付いている。
GM:四本の剣が組み合わさって、一枚の絵画を囲んでいるのだ。
ユージン・マディス:「………………。これは…………」
ユージン・マディス:目を細め、眉間に皺を寄せている。
後藤スダチ:「何か分かるんですか?セレノスツールさん」背中から覗き込む。
甘崎リンコ:「……少し意外ね。先生は剣なら大喜びするかと思ったのだけれど」
佐陀コトノ:「ふ、不思議……というか奇妙な額縁、ですね……」
甘崎リンコ:「剣が額縁になっていることはあまりないものね」
ユージン・マディス:「……これは」
ユージン・マディス:「先代マスターカラーズの持ち物だな?」
イリス・ウィトルウィウス:「はい、先代"マスターカラーズ"の遺産」
イリス・ウィトルウィウス:「額縁アーキドレイブと、私たちは呼んでいます」
ユージン・マディス:不可解で力ある剣を前にしているが、奇妙なほどに落ち着いている。
イリス・ウィトルウィウス:「ご覧の通り、これは本来装飾ではなく、剣」
イリス・ウィトルウィウス:「四隅を囲んだ内側の空間を、斬り取る魔剣です」
後藤スダチ:「囲んだ空間を切り取る……と」
後藤スダチ:「どうなるの?」首をひねる。
イリス・ウィトルウィウス:「ふふ、皆さんは既に知っているはずですよ」
佐陀コトノ:「そ、それって……」
佐陀コトノ:「アトリエと、同じ……」
足原エイコ:「そう、これは」
足原エイコ:「わたし達に与えられるアトリエの、原型……だね」
後藤スダチ:「アシハラ先生……!」判定に失敗した仲間なのになぜ……!という目
足原エイコ:「スダチちゃん……!」元から知っていたからね……!という目
ユージン・マディス:「道理で……」
ユージン・マディス:「似ていると思った」
イリス・ウィトルウィウス:「そういうことです。囲んだで切り取った空間への入り口を開く額縁」
イリス・ウィトルウィウス:「生徒たちのアトリエは、この額縁アーキドレイブの贋作で飾ることで、ようやく行き来が可能になります」
ユージン・マディス:「劣化複製だか贋作だか知らないが」
ユージン・マディス:「よくやったもんだ。これを」
後藤スダチ:「どうしても絵の方に目が行っていたけど……これまでのアトリエも、本当は額縁の方に仕掛けがあったんだ……」
後藤スダチ:それも、芸術という武器の強さの一つかもしれない。本当に注視すべきものは別のところにあるかもしれないのだ。
イリス・ウィトルウィウス:「ただもちろん、所詮は贋作といいますか、真作の性能全てをコピーできたわけではありません」
イリス・ウィトルウィウス:「生徒たちに与えられた贋作は、彼女達へのアトリエにのみ適応したワンオフ仕様」
イリス・ウィトルウィウス:「しかし、この真作であれば」
足原エイコ:「頼む、次こそは……!」
GM:額縁に飾られた絵の風景が、突然切り替わる。
GM:都市の路地裏の風景だ。この中で外の世界の知識が豊富なものは、見覚えがあるかもしれない。
GM:転がっている看板にかかれているのは、日本語。
後藤スダチ:「……これは」
後藤スダチ:たとえば、都市のランダムな地点を見せられてもすぐに『そう』と分かるように。
後藤スダチ:「日本だ……日本の風景……」
佐陀コトノ:「!?」
イリス・ウィトルウィウス:「はい。四隅を囲った内側に描かれた風景であれば、どこへでも」
イリス・ウィトルウィウス:「それが現実であれば、直接その場所への道を開くことも可能なのです」
ユージン・マディス:「ノヴァリスからの出口……いや、入口か」
イリス・ウィトルウィウス:「ええ、もちろん生徒たちは十字冠の戒律があるので、向こうに行くことはできませんが」
イリス・ウィトルウィウス:「外から入ってくることは自由、というわけです」
ユージン・マディス:「……ラハブが言っていたのはこれか」
後藤スダチ:「……」
甘崎リンコ:「……」
イリス・ウィトルウィウス:「ちなみに意外とハイテクで、私はここにいなくてもバックグラウンド処理で望んだ画像をここに表示できます」ちょっと自慢げに
ユージン・マディス:「オレ以外の"先生"も、これで呼び込んでいるわけだな?」
足原エイコ:「そう、イリスたんの大事なお仕事の一つだ」
イリス・ウィトルウィウス:「はい、最高生徒会からの依頼で、極秘にではありますけど」
イリス・ウィトルウィウス:「一度こちらに来ていただいた後、すぐに最高生徒会のゲートに転送するので、ここがムセイオンだとわからない先生も多いでしょうね」
甘崎リンコ:「……先生は、帰りたいですか?ここから」
ユージン・マディス:「そんなわけないだろ。オレはまだここの剣を全て見てない」
ユージン・マディス:「少なくともキングダムは回ってからだな。噂に寄れば遺産が畑から取れるとか……」
甘崎リンコ:「……ふふっ、そうですか。こんなもので繋がれているのに本当に面白い人ですね」スイッチを弄んでいる。
ユージン・マディス:「おいやめろ。急にどうした」
甘崎リンコ:「いえ?そういえば先生が相方になれば押し放題なんでしたね。惜しいことをしたかもしれません」
ユージン・マディス:「………………それで。これがさっきの鐘と何の関係がある?」
ユージン・マディス:どことなく昏く強い視線を振り切り、話を戻す。戻すったら戻すのだ。
佐陀コトノ:(話題逸らしてる……)
イリス・ウィトルウィウス:「そうですね、ここからが本題です。リンコも一旦その辺で」おさえてというポーズ
イリス・ウィトルウィウス:「我々ムセイオンは、この額縁を使ってもう一つの重要な計画を遂行しています」
イリス・ウィトルウィウス:「それが、【十二夜計画】」
イリス・ウィトルウィウス:額縁の画面を切り替える。
イリス・ウィトルウィウス:この部屋に最初に訪れた時に表示されていた、赤い海に沈んだ廃墟だ。
GM:その景色は、よく見るとわずかに揺れ動き、今も少しずつ描き換えられている。
後藤スダチ:「そういえば……『大修復』はムセイオン生全員の合意で進められてる計画の一つだって話だったよね」
イリス・ウィトルウィウス:「【十二夜計画】も、計画の要旨としては近しいものです」
足原エイコ:「失われた……」
足原エイコ:「『彼ら』を、取り戻すための計画」
イリス・ウィトルウィウス:「失った朋友と再会するために、不確かな試行を無限に繰り返す愚行」
イリス・ウィトルウィウス:「それでも私なら、不可能ではありません」
イリス・ウィトルウィウス:「【十二夜】計画は、失われた"ノドス"の景色を、この額縁に描き出し」
イリス・ウィトルウィウス:「彼の地への道を開く。そのための計画です」
GM:【額縁アーキドレイブ】【十二夜計画】のTIPSを入手しました。
額縁アーキドレイブ
生徒に与えられるアトリエの原型となった遺産。
その名の通りの巨大な額縁で、嵌め込んだ絵の世界へと繋がる扉を開く力を持つ。
生徒が持つ贋作は行き先がアトリエに固定されているが、原型である”額縁”は絵の風景を描き変えることで自由に行き先を設定できる。
仮に現実と寸分違わぬ風景を描いた場合、実際に描かれた場所への扉を開くことも可能であり、
これは先生をノヴァリスに招く際、FHに把握されている入り口を使わずに済むことから、
使い捨てのゲートとしても利用されている。

【十二夜計画】
徹底した個人主義のムセイオンにおいて、全生徒が無条件の協力を承諾している2つのプロジェクトの1つ。
遺産、”額縁アーキドレイブ”を用いて、消失したノドスへのアクセスを試みる計画。
“額縁”に現在のノドスを描いた風景画を嵌め込むことで、そこに繋がるゲートを開く、というものだが
実現には、誰も知り得ない現在のノドスを寸分違わぬ精度で描き出す必要があり、机上の空論に近い。
ムセイオンの生徒たちは、この問題を無限の試行回数と莫大なリソースで愚直に解決しようとした。
全生徒の知識と技術を利用できるイリスが、バックグラウンドで24時間体制の描画処理を行い、毎秒1枚=1日あたり86400回の試行を続ける、という力技である。
イリスは学外での活動時も演算能力の30%をこの計画のために割いており、試行精度は少しずつ向上している。
後藤スダチ:「……」ノドス。自分が訪れた時には既に失われていた、男子生徒達だけの学区。
後藤スダチ:だけど昔からこのノヴァリスにいる彼女らにとっては、掛け替えのない、何よりも取り戻すべきものだということだけを知っている。
後藤スダチ:「鐘はどういう条件で鳴るの?」
イリス・ウィトルウィウス:「ゲートの安定性……つまり、現実との一致率が、99.9%を超えた時」
イリス・ウィトルウィウス:「断言します」
イリス・ウィトルウィウス:「今夜、もう間もなく、ノドスへの道が開きます」
佐陀コトノ:「!!!!」
後藤スダチ:「そんな」口元を押さえる。
後藤スダチ:「そんな、急に……嘘でしょ」
足原エイコ:「いよいよ、か」
ユージン・マディス:「おいおい」こちらも実感はない。だが、この事態が急であることは分かる。「連絡は……いや。それで星室庁か」
イリス・ウィトルウィウス:「はい、流石にこの段階になってしまうと、ムセイオンだけの極秘計画というわけにも行きませんので」
後藤スダチ:「……じゃあ、これが今のノドスだっていうの?」赤い海に浮かんだ、禍々しい廃墟。
後藤スダチ:非現実的な光景だ。それこそ、他の生徒たちのようなアトリエだと最初に見た時には思ってしまったくらい。
イリス・ウィトルウィウス:「……過酷な状況である事は想像していましたが、まさかここまでとは、私も考えたくありませんでした」
佐陀コトノ:「ノドスに、一体何が……」
足原エイコ:「……それでも、行かなきゃいけない」
足原エイコ:「例えノドスがどうなっていても……目を逸らす訳にはさ」
足原エイコ:「いかないんだよね」
足原エイコ:「……後悔するなら、全てを知ってからにしたい」
後藤スダチ:「……で、でもさ!」
後藤スダチ:「もしもノドスの子達に会えたら……」
後藤スダチ:「ちょうどいいタイミングだって思わない!?だって一番大きな文化祭がもうすぐ始まるんだから!」
イリス・ウィトルウィウス:「はい!そうなんです!」ぱっと表情を輝かせて
甘崎リンコ:「……ふふっ、ふふふふ」
甘崎リンコ:「文化祭の準備で忙しいから構っている暇はない……ではなく、そう言ってくれるのね」
足原エイコ:「わたしの漫画のファンなだけあるね!」なぜか自慢げ
イリス・ウィトルウィウス:月明かりに照らされた絵画を見る。
イリス・ウィトルウィウス:「ようやく、生徒たちが自由を勝ち取って、先生方のような、大人の協力者も来てくださって」
イリス・ウィトルウィウス:「文化祭も再開できるようになって、もう少ししたら、最初の卒業生を送り出せる」
イリス・ウィトルウィウス:「……間に合った」
イリス・ウィトルウィウス:「間に合ったんです!私達は!」
ユージン・マディス:「…………、……」
ユージン・マディス:「二代目」
イリス・ウィトルウィウス:「ほぇ?」表情を戻して首を傾げる。
ユージン・マディス:つとめて平静な声音で。「試行を……演算を少し止めることは可能か?」
佐陀コトノ:「せ、先生……?」
イリス・ウィトルウィウス:「先生をお迎えする時などは、一旦停止させていますが……このタイミングでですか?」
ユージン・マディス:「甘崎。オレは資料を全て読み込んだわけじゃない。ノドスというのが消えたのはいつだ?」
甘崎リンコ:「え?ええと……八年前よ」
ユージン・マディス:「……八年前に。消失。行方不明。理由不明。消えたのはFHの肝いりの5000人のチルドレン」
ユージン・マディス:「そしてこの景色」 イリスさん、コトノさん、エイコさん、リンコさんを順を見る。
ユージン・マディス:「オレは、事情は何も知らん。だから、お前らにとって嫌なことかもしれんが」
ユージン・マディス:「……開く準備をするのはいい。だが、本当に開くなら戦力を並べるべきだ」
ユージン・マディス:「ノヴァリスの最大級の戦力を。"何が出てきても良いように"」
甘崎リンコ:「……何の理由もなくこれだけの人が、土地が消えるわけがない……」
後藤スダチ:「そ、それは、……セレノスツールさん」
佐陀コトノ:「…………」
甘崎リンコ:「……そう考えると……確かに、道理ではあるわね」
後藤スダチ:「そんなこと言わなくても……い、いいじゃないですか……」
イリス・ウィトルウィウス:「おっしゃりたいことはわかります……先生」
イリス・ウィトルウィウス:「ですが、演算を止めることはできません。現実の風景は刻一刻と変化します」
イリス・ウィトルウィウス:「一度安定させたゲートをもう一度繋ぐには、再び長い試行が必要となるのです、もちろんそれは、今までに比べれば微々たるものではありますが」
イリス・ウィトルウィウス:「私達は、もう十分に待ちました」
足原エイコ:「……我儘な生徒でごめんね、先生」
イリス・ウィトルウィウス:「それに、先生。最大級の戦力と仰っしゃりましたね」
イリス・ウィトルウィウス:「いるじゃないですか。ここに1人、私の異名をお忘れですか?」
ユージン・マディス:「"マスターカラーズ"。知っているがな」
ユージン・マディス:「覚悟の問題だ。少なくとも甘崎、佐陀、後藤はそのために来ていない。足原! お前もだ。いつも冷静だったろう!」
足原エイコ:「……覚悟なら、何年も前からしてる」
足原エイコ:「だけどそうだね、それはわたしだけなのかも」
足原エイコ:「だから……」
足原エイコ:「ノドスに行きたい人、この指とーっまれ!」人差し指を掲げる
イリス・ウィトルウィウス:「はーい!」真っ先にエイコの指を掴む。
足原エイコ:「怖いなら、行きたくないなら、それでいい……ほんとに」
足原エイコ:「でも、会いたい人がいる。もし間に会うなら、文化祭だって、見せてあげたい」
足原エイコ:「それにもし賛同してくれるなら、この手を取って!」スダチ、コトノ、リンコへ
イリス・ウィトルウィウス:「……皆さん、先生の言う通りではあります。私も、皆さんに同行して頂きたくてここに招いたわけではありません」
イリス・ウィトルウィウス:「元々、私一人で行くつもりだったんです。第二陣を送り込むにしても、安全なルートの構築は必要ですから」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコにも本当は残ってほしいんですけど……彼女には、会いたい人がいます。私には止められません」
イリス・ウィトルウィウス:「"マスターカラーズ"の戦力は、ムセイオンの総体に等しいです。学外活動であれば、ちょっとやそっとのことではやられませんし」
イリス・ウィトルウィウス:「一緒に来てくれる子の5人や10人くらい、守りきってみせます」
後藤スダチ:「……」その場に座り込んで、考え続けていた。
後藤スダチ:「セレノスツールさんは……ゲートを開くこと自体が危険だって言ってるんだよね?私もそれは、正直心配かも……」
後藤スダチ:「偶然この場にいる人だけで話を進めちゃっていいのか、っていうのも、分かる」
後藤スダチ:「……だけど、もし今日ゲートを繋ぐのを止めたとしたら」
後藤スダチ:ぼんやりと絵画を見る。「次に開くのはいつになるんだろう?一年後なのか……一ヶ月後なのか、それとも明日なのか」
後藤スダチ:「もしも私達が判断を保留したら……明日、たまたまここにいる生徒がノドスへの道を開くかどうかを決めるのかな」
後藤スダチ:「――誰かが決めるしかない」
ユージン・マディス:「後藤……」
後藤スダチ:「セレノスツールさんは……ノドスの向こうに行った時、どうなると思う?」
後藤スダチ:「十字冠の戒律は発動するのかな?もしかしたら十字冠をつけたままでも、外の世界に出られるのかもしれない」
後藤スダチ:「…………」
後藤スダチ:「……価値はあると思う。試してみるだけの価値は」
後藤スダチ:エイコの指を掴む。
足原エイコ:「うん!」嬉しそうな声で
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさん……コトノさん……」
佐陀コトノ:「………私も、決めました」
佐陀コトノ:指を掴む
佐陀コトノ:「もしかしたら偶然が色々混じった結果なのかもしれないけれど、私は、私の望みを叶えて貰ったから」
佐陀コトノ:「今度はイリスさんの望みを叶えてあげたい、です」
佐陀コトノ:「……それに、例え限りなく薄い望みで、叶わない可能性の方が高いのだとしても」
佐陀コトノ:「私は、諦めたくない。諦める理由にはならないと、思います」
佐陀コトノ:「だから、私も行きます」
足原エイコ:「ここまで来たらとことん、頼らせてもらうからねコトノたん!」頭をわしゃわしゃ
佐陀コトノ:「え、エイコさん!!」わしゃわしゃされる
甘崎リンコ:「私はここの生徒だから。とっくに覚悟が決まっているというのも勿論そうだけれど」
甘崎リンコ:足原エイコの指を掴む。
甘崎リンコ:「……『お笑い芸人は親しみやすくあるべき』。かの有名なノヴァリス最高のお笑い芸人、甘崎リンコの言葉よ」
甘崎リンコ:「あなたの生徒は誰かを助けるチャンスがあるなら喜んで飛び込むんです、ユージン先生」
甘崎リンコ:「そして……許されるのなら」
甘崎リンコ:「……先生に、助けて欲しいと……思っています」
甘崎リンコ:「十字冠のない先生を危険に巻き込むべきではないとは思いますが……」
甘崎リンコ:「それでも……あなたに助けて欲しいんです」
甘崎リンコ:「一緒に来ては……いただけませんか?」
ユージン・マディス:「……」真っ直ぐな言葉。目。表情。
ユージン・マディス:「司法取引とはいえ……先生になんてなるもんじゃないな……」
足原エイコ:「……先生やるの、嫌になった?」
ユージン・マディス:「当たり前だ。馬鹿で無鉄砲で、後先考えずに走り出して突っ込んでいく……」
ユージン・マディス:「……それは、オレが、いつもそうするべきだと自分に課してることだ」
ユージン・マディス:「なんで止める側に回らなきゃいけない?」
足原エイコ:「ハハハ!」
足原エイコ:「先生も、同じなんだ!」
ユージン・マディス:ふと歩いて、額縁に近づく。その剣の柄の一つを、拳で小突く。
ユージン・マディス:「……アンタの作ったのを頼りに馬鹿やる子供がこれだけいる」小さく呟く。
ユージン・マディス:「酷い目に遭わせるなよ、師匠」
ユージン・マディス:一瞬、目を閉じる。開く。
ユージン・マディス:「オレがしっかり監督してたって」
ユージン・マディス:「お前ら、めちゃくちゃ脚色しまくって星室庁に報告しろよ」
甘崎リンコ:「……ふふふっ、脚色しまくらなくてもそう報告することになると思うけど」
甘崎リンコ:「お望みなら抱腹絶倒ギャグで装飾して報告するわ」
ユージン・マディス:「それはやめろ」
佐陀コトノ:「やめてあげて下さい……」
ユージン・マディス:GM。ここでRHOを公開します。
GM:了解しました。
◆RHO
PC5:ユージン・マディス
君は、君の師匠である"マスターラクス"の遺作を探している。
”マスターラクス”は十数年前、先代の"マスターカラーズ"からの依頼で一振りの剣を打ったという。
革命の混乱の中、生前の"マスターカラーズ"と直接話をすることは叶わなかったが、
後に"先生"の立場を得た君は、師の遺作が今もムセイオンに残されていることを知った。
額縁アーキドレイブ』と銘打たれたそれの具体的な性能は伝わっていないが、
君が『月の椅子』を完成させるにあたって、何かしらの助けになる可能性は高い。
また、"マスターカラーズ"は七賢人の中でも悪辣な支配を敷いたことで知られている。
師の名を汚すような使われ方をされていたのなら、後始末をつけてやるのも弟子の役目だろう。

このRHOを公開すると、あなたはシナリオ中以下の効果を使用できる。
いつでも宣言できる。宣言したシーンの間、対象が使用する『額縁』の効果を無効にする。
この効果はシナリオ中1回まで使用できる。
ユージン・マディス:師匠の剣だ。ここで強引に額縁ごと機能を止めることが出来るが、当然それはしません。
GM:わかりました。効果は今後のシーンでも自由なタイミングで宣言可能です。
ユージン・マディス:かしこまりました
足原エイコ:「せんせ~い!」みんなに指を握られたままで、小さく跳ねる
足原エイコ:「ノスタルジーな顔になるのもいいけど……行くなら」
足原エイコ:「先生も例外じゃないよ!この指止まれ!」
ユージン・マディス:「子供か。……仕方ないな」
ユージン・マディス:5人のところに歩いてきて、申し訳程度に手を重ねる。
ユージン・マディス:「5000人チルドレンが居れば……単純計算で3000本のレネゲイドソードがあると考えられる」
ユージン・マディス:「行くぞ。ノドス」
足原エイコ:「先生らしいや」す、と先生の胸元に触る
足原エイコ:「ふむ……こういう硬さなんだね……」
甘崎リンコ:「あ、足原!?何をしてるの……!?」
足原エイコ:「リンコも触っとけば?」
甘崎リンコ:「えっ!?」
後藤スダチ:「え?ほんとに何やってんの……?」訝しむ目
足原エイコ:「よく考えたら男の体って、今のノヴァリスじゃ貴重だしね」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコは何事も見て触って確かめる主義ですからねえ。漫画家には大切な資質です」
甘崎リンコ:「そっ、そうね……これはあくまで学術的研究として……」
佐陀コトノ:「????」
ユージン・マディス:「何の資料だ。離れろ」
ユージン・マディス:しっしっと軽く払う。
甘崎リンコ:「あう」手を伸ばしかけてはらわれる。
佐陀コトノ:「本当にそういうことなんですか??」
ユージン・マディス:「収拾つけるつもりがないのか。ええい!」
足原エイコ:「うわあ~!」
足原エイコ:この指とまれが崩壊する
イリス・ウィトルウィウス:「あ~!」
後藤スダチ:「うわ~!真面目にやる流れだったのに……!」
足原エイコ:「……どうせなら、笑って行きたいもん、ノドス」
甘崎リンコ:「…………ふふっ、そうね。その通りだわ」
後藤スダチ:「真面目な流れだったことにしようとしてるな?」
佐陀コトノ:「あ、あははは……」
GM:笑い合う君たちの後ろで、絶えず変化していた額縁の絵画の像がピタリと止まる。
GM:訪れる者を待ち受けるように、淡い光を放っている。
イリス・ウィトルウィウス:「……繋がりました。皆さん、準備はいいですね」
後藤スダチ:「……大丈夫!」
足原エイコ:「最高のコンディション!」
甘崎リンコ:「勿論。いつでもいけるわ」
佐陀コトノ:「……はい!」
ユージン・マディス:「問題ない」
イリス・ウィトルウィウス:「では行きましょう!これより、ノドス探検を開始します!」

GM:光の中へと飛び込み……気がつくと、君たちは赤い海の浜辺に立っていた。
GM:そう、海だ。ノヴァリスにないはずのそれは、確かに水平線の彼方まで続き、潮騒を響かせていた。
GM:周囲にはコンクリート造りの建物。かつては設備の整った港だったのだろうが、今では散々に崩壊し、荒れ果てている。
GM:空は分厚い曇天に覆われ、陽の光は僅かにしか差し込まない。
後藤スダチ:「……赤い海」手袋越しに水を掬ってみる。
後藤スダチ:「これまでみたいな、誰かの心象風景……じゃないんだよね。どこかに、この場所が実在してる……」
GM:およそノヴァリスとは正反対の、荒廃した風景。
GM:しかし、そこに君たちが立っているという事実は
GM:ここもまた、ノヴァリスの何処かであることを意味している筈だった。
漂流学区ノドス

イリスのアトリエ ~漂流学区ノドス~

イリス・ウィトルウィウス:海の水を手ですくう。地のように赤いそれが指の間を滴って、焼けた砂の上に落ちる。
イリス・ウィトルウィウス:「この壊れ方……ただの水の侵食ではなさそうですね。戦争でもあったような……」
イリス・ウィトルウィウス:周囲の廃墟を見回して言う。
後藤スダチ:「でもノドス失踪当時はそんな事件なんてなかった……んだよね?」あまり詳しくはない。
後藤スダチ:だが明確な原因になりうる大きな事件があったとすれば、原因不明とは扱われていないはずだ。
イリス・ウィトルウィウス:「そのはずです。設立当時のノヴァリスは今よりも統制が効いていましたし」
イリス・ウィトルウィウス:「学区間で紛争が活発化するのも、もっと後の時代の話ですから」
後藤スダチ:「……。理事会は何かを知ってたのかな……」
ユージン・マディス:「今のトップも、当然聞かされていないのだろうな」
イリス・ウィトルウィウス:「……少なくとも、ノドスがどこに消えたのか。それは、理事会の上層部も知らなかったはずです」
イリス・ウィトルウィウス:「【十二夜計画】を最初に提唱したのは、先代の"マスターカラーズ"ですから」
後藤スダチ:「……!」
佐陀コトノ:「!!」
後藤スダチ:「理事会もノドスを取り戻したがっていた……数千の実験体が失われたわけだから、勿論FHとしてはそうするんだろうけど……」
イリス・ウィトルウィウス:「"マスターカラーズ"にとっては、もう少し切実な理由があったんだと思います」
足原エイコ:「そう……だね」
イリス・ウィトルウィウス:「ノドスにも、彼女の教え子はいましたから」
足原エイコ:「取り戻したい人がいる……目的は、同じだった」
足原エイコ:「婆さんの動機は不純だけどね!」
甘崎リンコ:「……たとえそれが力を奪うためでも、ね。……いえ、むしろだからこそ、かしら」
ユージン・マディス:「目的は碌でもないが、"取り戻す"までは一致していたと」
後藤スダチ:先代"マスターカラーズ"。その所業を見る限り、彼女は恐るべき搾取者で、支配者だったはずだ。
後藤スダチ:「……"マスターカラーズ"は」
後藤スダチ:「先生としてはどうだったの?」
佐陀コトノ:「…………」
イリス・ウィトルウィウス:「いい先生でしたよ。少なくともあの頃は」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女は最終的に、12人の生徒の未来と世界を奪い、残るすべての生徒を見捨てましたが」
イリス・ウィトルウィウス:「その寸前までは、本当に公平で、献身的な師だったはずです」
後藤スダチ:「アシハラ先生や、リンコさんは?好きだった?嫌いだった?」
足原エイコ:「小うるさい婆さんだったけどね」
甘崎リンコ:「……本性を表すまでは、嫌いではなかったわ」
甘崎リンコ:「私もギャグへのアドバイスをいただいていたもの」
足原エイコ:「わたしは相性悪くて嫌いだったけど……大嫌いじゃあなかった」
後藤スダチ:「……そっか」
後藤スダチ:「いや、だからってどうってことじゃないけどさ。本性が凶悪なのに人に好かれてたとしたって」
後藤スダチ:「それはそれでちょっと怖い話でもあるし!」
イリス・ウィトルウィウス:「正直な所、私は今もわからないのです」
イリス・ウィトルウィウス:「彼女が最初から、人の心を持たない怪物で、単なる栄養源として生徒達に愛情を注いできたのか」
イリス・ウィトルウィウス:「それとも、どこかで狂ってしまったのか」
イリス・ウィトルウィウス:「大人には十字冠がありませんからね」
足原エイコ:「ジャーム化……ってやつか」
佐陀コトノ:「もう、確かめる術は無いんですね……」
後藤スダチ:「……気になってたことがあって」浜辺を歩きながら言う。
後藤スダチ:「このムセイオンでは、生徒みんながアトリエを持っていて……作られた作品は、全部イリスちゃんが覚えている」
後藤スダチ:「イリスちゃんの力になれなかった"パレット"の生徒達だって……修復されてないアトリエはあった」
後藤スダチ:足を止める。
後藤スダチ:「"マスターカラーズ"はどんな作品を作ったんだろう」
後藤スダチ:「どうして、自分で何かを作り出すより、育てた誰かの才能で芸術をやろうって思ったのかな」
甘崎リンコ:「……そうね。あるいは……」
甘崎リンコ:「生徒たちを本気で愛していたからこそ、その力を取り入れたくなったのかもしれない」
甘崎リンコ:「目に入れても痛くない、という言葉の発展形ね」
後藤スダチ:「それ」
後藤スダチ:「ギャグにしようと思ったりした?」
甘崎リンコ:「……ふふ!後藤は本当に賢いわ。よくわかったわね」
甘崎リンコ:「さすがに……いくら不謹慎ネタは笑えると言ってもうまく整えられなかったのだけれどね」
足原エイコ:「ほんとに目に入れようとしちゃだめだだからね~……」
甘崎リンコ:「……あれほど芸術にこだわった彼女の作品が残っていないのは皮肉だけれど」
甘崎リンコ:「私や足原みたいな……彼女の教えを受けた生徒は、ある意味彼女の作品と言えるかもしれないわね」
後藤スダチ:「人も作品、か……」もしかしたら、あのムセイオンそのものが"マスターカラーズ"のアトリエだったのか。
後藤スダチ:「あはは、話逸れちゃったね。せっかくあのノドスにまで来てるのに」振り返る。
後藤スダチ:「生徒を探そうよ。チームに分かれて」
イリス・ウィトルウィウス:「はい、そうしましょう」
足原エイコ:「流石に広いもんね~」
ユージン・マディス:「見たところ、即座の危険があるわけではない……か」
イリス・ウィトルウィウス:「ここは港、ノドスのほんの入り口です」
イリス・ウィトルウィウス:「本校舎は内陸の、あの丘の向こうにあります」陸地の方向を指差す。
足原エイコ:「人が集まるには、うってつけだねぇ」
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさんの言う通り、何チームかに分かれて探索しながら進みましょう」
佐陀コトノ:「わ、分かりました」
ユージン・マディス:「組み合わせはどうする」
後藤スダチ:「じゃあ、イリスちゃんと組むのはセレノスツールさん!」
甘崎リンコ:「……そうね。十字冠がない以上、危険が伴うもの。イリスが傍に居てくれた方が安心できるわ」
後藤スダチ:「イリスちゃんは最強だしね」
イリス・ウィトルウィウス:「はーい!よろしくお願いしますね、先生!」
ユージン・マディス:「……そうだな。よろしく」
ユージン・マディス:「なら、佐陀も来い。内陸に近づこう」
ユージン・マディス:「後藤たちは外周を探してくれ」
佐陀コトノ:「わ、私ですか!? は、はい……!!」
佐陀コトノ:そう言ってトコトコとついていく
後藤スダチ:「私とアシハラ先生と、リンコさんだね」
甘崎リンコ:「ええ。……コトノ、気を付けてね。ハンカチはもった?忘れ物はない?おやつは?」
佐陀コトノ:「ええっ、だ、大丈夫です……」
足原エイコ:「お姉ちゃんみたい」
甘崎リンコ:「ふふっ、相方だもの」
佐陀コトノ:「うううう……本当にそうなっちゃった……」
足原エイコ:「よかったねぇ」ニヤニヤ
後藤スダチ:(がんばれ、佐陀ちゃん……!)
足原エイコ:「じゃあ、滅多にできない校外学習」
足原エイコ:「行っちゃおうか!」

■ノドス外周 輸送路
足原エイコ:赤い海を見ながら、必死に手元のスケッチブックに、スケッチを描いている
後藤スダチ:散乱した瓦礫は海水の侵食を受けて、道もところどころがひび割れて欠け落ちている。
後藤スダチ:慎重に足を進めなければ、そういった亀裂のどこかに落ちてしまいそうになる。
後藤スダチ:「……アシハラ先生は」
後藤スダチ:「ノドスに知り合いの子っていた?」
足原エイコ:もちろん歩くことも忘れてない カニ歩きで……
足原エイコ:「………………」一度、手が止まり
足原エイコ:「…………いた」
甘崎リンコ:「……そうなの?」
後藤スダチ:「あ、あんまり言いたくないならいいんだ。世間話くらいの気持ちだったから……」
甘崎リンコ:スケッチブックを覗き込んで、さすがにうまいな……と思っている。
足原エイコ:「……ちょっと、いろいろあってね」
足原エイコ:「本校舎について……落ち着いたら」
足原エイコ:「話そうと……話さなきゃならないと、思ってる」
後藤スダチ:「そんなになんでもかんでも話さなくたって大丈夫だよ」心配そうに言う。
後藤スダチ:「私なんてただの文化祭実行委員だし……逆に今日だけで、みんなが知られたくないこともいっぱい知っちゃったかも」
足原エイコ:「そうだねえ、ムセイオンの秘密にどっぷり浸かってしまった」
足原エイコ:「もう逃げられないよ~?」
後藤スダチ:「ええ~……消されちゃうかな、あはは……」
甘崎リンコ:「消されはしないと思うけど。うちの学校は権力抗争とか熱心でないもの」
甘崎リンコ:「けど……そうね」後ろからスダチちゃんの目を隠す。
後藤スダチ:「わああ」素でびっくりする。
甘崎リンコ:「知られたくない秘密を知られた個人に襲われることはあるかもしれないわね?」いたずらっぽく耳元で囁く。
後藤スダチ:「ヒィ~ッ、あっリンコさんか……!!!びっくりした……!」
甘崎リンコ:「ふふっ、ごめんなさいね」手を離す。
甘崎リンコ:「けどそうね……私個人に関しては、知られたくない秘密というのは特にないし」
甘崎リンコ:「別にみんなも無理していう必要はないとは思うけれど」
甘崎リンコ:「話が聴けたら嬉しいとは思うわね。友達だもの」エイコちゃんとスダチちゃんを交互に見る。
後藤スダチ:「えっ、じゃあ私……私から、知られたくない秘密とか言った方がいい?」
甘崎リンコ:「まあ、あるの?」
足原エイコ:「聞きたいな~」
後藤スダチ:「先月……オフィサーに経費請求したんだけど、まとめてた領収書が全部一月ずれてて……」
甘崎リンコ:「まあ……大変ね……」
後藤スダチ:「後からデータ見たら前の月に出した経費とまったく同じ金額が書かれてたんだよね」
後藤スダチ:「それ気付いた時には血の気が引いたな……」
甘崎リンコ:「……想像していたのとは違ったけれど……知られたくはない秘密ね」
足原エイコ:「それってなかなかあり得ないことだよね……つまり……」
甘崎リンコ:「……まったく同じ生活を一か月繰り返していたということ……!」
足原エイコ:「恐ろしい……まるで機械になってしまった人間たち!」
後藤スダチ:「そうそう、全く同じ店で全く同じもの買ってね……ってあるか!」
後藤スダチ:手の甲で小さくツッコむ。
甘崎リンコ:「ふふっ……やっぱり後藤お笑い向いてるんじゃない?」
後藤スダチ:「……っはは、こういう秘密じゃそんな釣り合わないかなー……?」
甘崎リンコ:「ふふふ、そんなことはないわよ」
甘崎リンコ:「世界が滅びるとか、命がかかってるとかじゃなくても……その人にとっては大切な秘密だわ」
足原エイコ:「じゃあリンコの秘密、いってみよ~!」
甘崎リンコ:「えっ、私?」
足原エイコ:「他にリンコはいないでしょ?」スケッチブックは既に10ページほど埋まっている
甘崎リンコ:「うーん、秘密……ああ、少し違うのだけれど」スケッチブックを覗きながら。
甘崎リンコ:「海、今初めて見たわね」
後藤スダチ:「そうか。ノヴァリスにはないもんね」
甘崎リンコ:「……全然知られたくない秘密ではないかもしれないけれど。世間知らずで少し恥ずかしいわ」
甘崎リンコ:「二人は見たことあった?海」
後藤スダチ:「あるよ。ここに来る前の年にも両親と弟と一緒に行ったなー」
足原エイコ:「VRシミュレーターでなら……溺れたことまであるね」
甘崎リンコ:「ふふ……。楽しそう」
甘崎リンコ:「VRシミュレーターって溺れるところまでシミュレートできるの?」
後藤スダチ:「それって意味あるのかな?窒息したりするわけじゃないんでしょ?」
足原エイコ:「できるよ。ジェネシス制の高い奴で……一度リザレクトしたし」
甘崎リンコ:「そ、そんなにリアルなの?」
後藤スダチ:「こわ~拷問器具じゃん……」
甘崎リンコ:「私の世界は小さくて、狭くて……」
甘崎リンコ:「目の前にあるものに必死だった。だから……」
甘崎リンコ:「もっと広い世界を知っている後藤がこうしてノドスまで来てくれて、少し意外だったし……嬉しかったわ」
後藤スダチ:「そんな大した話じゃないけど、へへ……」ちょっと照れる。
甘崎リンコ:「ありがとう。足原も……ムセイオン生だとはいえども、シキミを助けるのに協力してくれてありがとう」
足原エイコ:「そ、そりゃ当たり前の話だし……」
足原エイコ:「たとえ分野が違っても、芸術を極めたい心は、誰もが同じ」
足原エイコ:「誰もがライバルで……友達みたいなもの」
足原エイコ:「それが今のムセイオンでしょ?」
甘崎リンコ:「ふふ……、そうね」
甘崎リンコ:「……だから、友達に助けてもらったら、嬉しいの」
甘崎リンコ:「二人とも、ありがとう」
後藤スダチ:「どういたしまして!」
後藤スダチ:「その分、文化祭では立派にお笑いライブやってもらうからね!」
甘崎リンコ:「ええ!任せておいて」
足原エイコ:「うん、会場を……混沌の渦に巻き込むの、期待してるよ」
甘崎リンコ:「ただでさえ抱腹絶倒だった私のギャグが、相方を得たのだもの。笑いすぎて倒れる人が出るかもしれないから、救護班を用意しておいてね」
後藤スダチ:「それは本当に用意しておくね」真顔
甘崎リンコ:「……足原の恥ずかしい秘密は?」
後藤スダチ:「そだね。なんでもいいんだよ~?」
足原エイコ:「ぐっ、話が文化祭に向いたと思ったのに……!」
甘崎リンコ:「ふふ。一人だけ逃れようだなんてそうはいかないわ」
足原エイコ:「む~……なら……ちょっとした屈辱の過去を」
甘崎リンコ:「屈辱……!すごいワードがきたわね」
後藤スダチ:「壮絶な過去の予感だ」
足原エイコ:「今は『Vanquish!』を描いて生きてるわたしだけど実は……」
甘崎リンコ:「ええ」興味深そうに目を輝かせて聞いている。
足原エイコ:「……その前に連載してた漫画、すごく中途半端なところで打ち切りになったの」
甘崎リンコ:「……そうだったの。あまり詳しくないけれど……漫画の世界って厳しいのでしょう?」
後藤スダチ:「あ、私それ知ってるかも!」
後藤スダチ:「『ナイツ・オブ・トゥエルブ』ってタイトルじゃなかったかな」
足原エイコ:「え、本当!?連載当時、まだスダチちゃんはこっちには……」
足原エイコ:「うん、それ……」
後藤スダチ:「そりゃ好きな作家の過去作なら調べますよ~もーっ」肩で押す。
足原エイコ:「むーっ」押される
甘崎リンコ:(明るく社交的。そしてサブカルチャーにも興味あり……やっぱり後藤は典型的なお笑い好きの女子ね……!)
後藤スダチ:「でも私が探した時は全然見つからなくて、ストーリーも概要くらいしか分からなくて……」
後藤スダチ:「流通もだいぶ少ないみたいなんだ」
足原エイコ:「原稿も……今、わたしの手元には半分しかない」
甘崎リンコ:「……半分?」
後藤スダチ:「半分?」変な残り方だな、と思う。
足原エイコ:「実は、共作だったんだよね」
後藤スダチ:「え!?!?!?」
甘崎リンコ:「……共作?」
甘崎リンコ:「原案と作画で分かれていたの?」
後藤スダチ:「そ、そ、そんなこと初めて聞いた……!どこにもそんな情報なかったのに……」
足原エイコ:「リレー連載……私が1話描いて、あっちがその続きを描いて」
足原エイコ:「それを1週ごとに」
甘崎リンコ:「……漫画には詳しくないのだけれど」
甘崎リンコ:「そんなことって……可能なの?」
後藤スダチ:「冗談言ってるんじゃないの?アシハラ先生」
後藤スダチ:「そんなこと週刊連載でできるわけないよ」
後藤スダチ:「絵柄でもすぐばれちゃう」
足原エイコ:「たしかに」
足原エイコ:「相手の絵柄とか、台詞や構図のクセとか」
足原エイコ:「互いに理解しあった、天才同士……でもなきゃ、できないことだよねえ」
後藤スダチ:「……」
足原エイコ:「……とりあえず、連載してたのはほんとだから」
甘崎リンコ:「……私にも、シキミがいたから」
甘崎リンコ:「そこまで認めあって、理解しあえる人がいたら、楽しいだろうと思うわ」
甘崎リンコ:そして、打ち切りになったということは、自分のように……離れることになったのだろう、と思っている。
甘崎リンコ:「……けど、そういった天才が集うところだとはいっても。やっぱり信じられないわね……」
後藤スダチ:「私……今日、救出チームを組んだみんなが天才だったり、天才……肌だったりばかりだから、思っちゃうけど」
後藤スダチ:「羨ましいな。一人だけの才能を持ってて、それを理解し合えるって……」
甘崎リンコ:「……ふふっ。後藤だってそうじゃない」
甘崎リンコ:「賢くて、明るくて、社交的で、いてくれるだけでなんとかなるかもって思える」
甘崎リンコ:「そんな才能なかなかないわ」
足原エイコ:「スダチちゃんがいなかったら、危なかったとこたくさんあったな~」順逆とか……呼吸とか……油断とか……
後藤スダチ:「私、別にリンコさんが思うくらい賢いとか明るいとかじゃないよ?むしろ根は暗いほうかも」
甘崎リンコ:「それでも、一緒に居て楽しくなるっていうのは本当よ」
甘崎リンコ:「お笑い芸人だって、プライベートでは暗い人が多いの。それでもみんなを笑顔に、幸せにできる」
甘崎リンコ:「それは立派な才能だと思うわ」
後藤スダチ:「えへ、そうかな……」頭をかく。
足原エイコ:「スダチ最強!スダチ最強!」
甘崎リンコ:「あんなにASUKAに精通している人がいなかったら困っていたでしょうし……」
後藤スダチ:「うっ頭が」頭を抱える。
甘崎リンコ:「ちょっと、しっかりして!」
後藤スダチ:「ハァ、ハァ……確かに二つものアトリエを攻略したんだもんね。私達の力で」
甘崎リンコ:「そうね。誰が欠けてもダメだったわ」あれ?三つでは……?と思いながらも頷く。
甘崎リンコ:「…………………………その」
甘崎リンコ:「みんなに、会えてよかった……と、思うわ……」恥ずかしそうに小声で呟く。
足原エイコ:「ふ~ん……」
後藤スダチ:「リンコさん!」
後藤スダチ:「もーっ!かわいいね~!」
後藤スダチ:抱きつく。
甘崎リンコ:「ひゃっ!!」
甘崎リンコ:「か、可愛いとかは私には似合わないと思うけど……!」そう言いながらも拒みはしない。
足原エイコ:「リンコも最強!」
足原エイコ:スダチちゃんより少し下のところに抱き着く
甘崎リンコ:「足原まで……!」
足原エイコ:「へへへ……」
足原エイコ:「VR器具爆破しちゃったけど……結果的にそれで良かったなぁ……」
足原エイコ:「リンコにも、スダチちゃんにも、会えた」
足原エイコ:「今日はいい出会いばかりの続く日だね……」
後藤スダチ:「大げさだなあ、えっへへ……」
甘崎リンコ:「足原だって可愛いこと言うじゃない」二人をそっと抱き返す。
足原エイコ:「ちょうどいい力加減、覚えたね」
足原エイコ:「……そろそろ”本校舎”見えてきたし」
足原エイコ:「このまま……行っちゃおうかぁ!」
後藤スダチ:「おうよ!」
甘崎リンコ:「さ、さすがに離れないと歩きづらいわ……!」
後藤スダチ:「このまま行くんだぞ~リンコさん!」
甘崎リンコ:「無理があるわよ……!」そう言いながらも離れはしない。
足原エイコ:「あ~我ら~エイスダリン戦車~♪」
足原エイコ:不揃いな足並みで、本校舎へ向かっていった

■ノドス内陸部 通学路
ユージン・マディス:警戒した面持ちで、廃墟を見回す。本校舎までは近づかない。
ユージン・マディス:そこまでの道筋を確認する。崩れた建物。亀裂の入った道路。
ユージン・マディス:かろうじて、ノヴァリスのものと似た建築であることは確認出来た。
佐陀コトノ:ヒビ割れたコンクリートの上を慎重に歩きながら、不安げに周囲を見渡す
佐陀コトノ:「……8年の間に、こんな風になってしまったんですね……」
佐陀コトノ:いったい彼らがどのような生活を送ってきたのか、想像することは難しい
佐陀コトノ:しかし、それが決して楽なものでなかったことだけは確かだろう
ユージン・マディス:「元のノドスには、お前達は行ったことがあるのか?」
佐陀コトノ:フルフルと首を横に振る
イリス・ウィトルウィウス:「私は先代の用事で、本当に何回か」
イリス・ウィトルウィウス:「男子生徒は女子生徒よりも管理が厳重でしたから。会ったことがあるのは一部の子だけですけどね」
ユージン・マディス:「男女の隔離育成か。ぞっとしないな……」
ユージン・マディス:「やけに物珍しがられると思ったら……」
イリス・ウィトルウィウス:「そういえば、先生の学生時代はどうだったんですか?」
イリス・ウィトルウィウス:「きっとみんな、興味あると思いますよ~?」
佐陀コトノ:「わ、私も聞きたいです!」
佐陀コトノ:「そ、外の学校ってこと、ですもんね……!」
イリス・ウィトルウィウス:「外の世界の学校を知ってる子、少ないですから。スダチさんみたいにあとから来た子もいますけど」
ユージン・マディス:「オレも一から十まで学生だった訳じゃない」
ユージン・マディス:「中学の頃に事件に巻き込まれて、師匠に拾われたからな」
佐陀コトノ:「じ、事件……?」
ユージン・マディス:「よくは知らん。街一つ巻き込んだ、FHとUGNの衝突だったか何だったか……」
ユージン・マディス:「外に十字冠はない。ジャームやレネゲイドが絡めば、小さな街の一つくらい稀に消える」
佐陀コトノ:「街一つが…………」
イリス・ウィトルウィウス:「ひぇぇ……外の世界も中々物騒ですねえ……」
ユージン・マディス:「それまでは、普通の学生だった。給食は何だとか、クラスの誰が可愛いだとか……そんな話もしてたか」
ユージン・マディス:「どうだったかな……」
ユージン・マディス:「だが、比べてもノドスほどじゃあない。この規模の話は外でも中々聞かん」
イリス・ウィトルウィウス:「いわゆる魔街指定のような、地図上からの隔離とも違う、完全な物理的消失ですからね」
ユージン・マディス:「ただの破壊や災害なら、君たちなら誰かしら直してしまえるだろうからな」
ユージン・マディス:「あるいは解決を。佐陀のように」
佐陀コトノ:「わ、私にそこまでの力はないです!」
佐陀コトノ:「あのアトリエの時は偶々相性が良かっただけで、今この景色を見てると」
佐陀コトノ:「……無力さを感じます」
イリス・ウィトルウィウス:「あっ!ああ~っそ、そうでした……!コトノさんに言っておかなきゃいけないことが……!」慌てて
佐陀コトノ:「えっ、あの、な、何か……!?」
イリス・ウィトルウィウス:「えと、まずはコトノさん」佐陀さんの前に立って、深々と頭を下げる。
イリス・ウィトルウィウス:「シキミの事を救ってくださって、ありがとうございました」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさんが来てくれなかったら、きっとリンコの卒業までには間に合わなかったと思います」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさんは彼女達の、ムセイオンみんなの恩人です。改めてお礼を言わせて下さい」
佐陀コトノ:「いっ、いえいえ!! そ、そんな……!!」慌てたように手を振って
イリス・ウィトルウィウス:「えへへ。あのぉ~、それでですねえ」少しだけ顔を上げて
イリス・ウィトルウィウス:「もしよろしければ、これからも定期的にムセイオンに通って頂けませんか?」
イリス・ウィトルウィウス:「知っての通り、アトリエも封印された生徒は、まだ十一人います」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさんの協力があれば、彼女達の解放も早めることができるかも……」
イリス・ウィトルウィウス:「もちろん、シキミの時みたいな危険もあり得ることなので、無理強いはできませんし」
イリス・ウィトルウィウス:「この件は総督府を通じて、後日正式に申し入れさせていただくつもりです」
佐陀コトノ:「…………わ、分かりました」コクリと頷いて
イリス・ウィトルウィウス:「いいんですか!」表情を明るくして
佐陀コトノ:「ま、まだシキミさんのように閉じ込められている生徒がいるなら……どうにかして出してあげたいと、そう思います」
佐陀コトノ:「わ、私なんかでも力になれるなら、何度だって協力させて下さい。そ、総督府には私からも頼んでみます」
イリス・ウィトルウィウス:「わぁ~!ありがとうございます!」佐陀の手を取る。
佐陀コトノ:「わわわっ」手を握られるがまま
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさんはムセイオンの救世主ですね!銅像立てましょう!!コトノさんが卒業する時には、六壬とムセイオンの両方に寄贈させてもらいます!」
佐陀コトノ:「そ、それだけはやめて下さい!!!! 後生なので……!!!!」首を必死にふるふる
ユージン・マディス:「……」眉間に皺を寄せる。「オレが言っても意味はないが」
ユージン・マディス:「佐陀、安請け合いしすぎだ。"自分の手が届く範囲なら……"って思ってるなら」
ユージン・マディス:「お前の手も指も、恐らく、お前が思うよりも遠くまで届くぞ」
イリス・ウィトルウィウス:「あ……とと、すみません。先生の言うとおりですね」
佐陀コトノ:「……ユージン先生……」
ユージン・マディス:「お前がギタリストだけでいたいなら、自分で気を付けるか……周りに気を遣わせろ」
ユージン・マディス:「こうやってな」 イリスを指さす。
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさん、本当に、無理のない範囲で大丈夫なんです。コトノさんにはバンドの……現代神楽部の活動だってあるんですし」
イリス・ウィトルウィウス:「むしろ、そちらを犠牲にしてまで助けてもらうのは、彼女達も望んでいないでしょうから」
佐陀コトノ:「……先生は」
佐陀コトノ:「先生は、私に気を遣って下さったんですね」えへへとそう言って笑う
佐陀コトノ:「でも、大丈夫です」
佐陀コトノ:「バンドマンにゴールって無くて、ただひたすら天井の無い上が見え続けているだけなんです」
佐陀コトノ:「だから、どこまでも私の力で誰かに音楽を届かせられるなら、誰かに救いを差し伸べられるなら」
佐陀コトノ:「私は力のある限り手を伸ばし続けたい。それは現代神楽部も、大修復も同じだって思ってます」
佐陀コトノ:「つまり、その、何が言いたいかというと! 私は私がやりたくて仕方がないから承諾したってことなんです……。だから、大丈夫です」
イリス・ウィトルウィウス:「コトノさん……」感極まっている。
ユージン・マディス:静かに最後まで聞いていた。「……お前がそこまで覚悟を決めているならいい」
ユージン・マディス:「力なき意志は単なる不運だが。意志に反した力は悲劇だからな。余計な世話を焼いた」
佐陀コトノ:ううん、と首を横に振って
佐陀コトノ:「……先生が心配して下さったことは、嬉しかったです」
佐陀コトノ:「もし私が分相応を越えて、抱え込み過ぎて倒れそうになったら」
佐陀コトノ:「先生が、助けて下さい。生徒からのお願いです」
ユージン・マディス:「心配してるわけじゃない。ただの信条だ」
ユージン・マディス:「……ただ。ギターも剣に認定したばかりだからな」
ユージン・マディス:「相談したくなったら話に来ればいい。一曲二曲を引き換えにな」
イリス・ウィトルウィウス:「私も相談に乗りますよ!知識もムセイオンの総体に等しいですから!」張り合うように声を上げる。
ユージン・マディス:「だが限度はあるからな」
ユージン・マディス:「具体的には甘崎に『この先もずっと相方で居て!』って詰め寄られたとしても、オレは解決できんぞ」
佐陀コトノ:「えっ……!!」ショックを受けている顔
佐陀コトノ:「そ、そんな……!! な、何とか一緒に……!! 一緒に説得して下さい……!!」
ユージン・マディス:「ホラ見ろ! "私がやりたくて仕方がないから承諾した"って三十秒前に言っただろ!」
佐陀コトノ:「あ、あれはオーディションで決まったじゃないですかぁ~~!!!!」
佐陀コトノ:「うううう先生の薄情者…………」
ユージン・マディス:「泣きが入るのが早すぎる……」
イリス・ウィトルウィウス:「あはは……」
ユージン・マディス:「服を引っ張るな」
佐陀コトノ:「剣が絡むと奇行に走る変な人の癖に~~~」
佐陀コトノ:子供のように裾をずっと引っ張ってる
ユージン・マディス:「ギャップで言うなら君の方だろうが……ふ」
ユージン・マディス:小さく含むように笑う。
イリス・ウィトルウィウス:「あっ、お二人共!そろそろ合流地点ですよ!」
イリス・ウィトルウィウス:小高い丘の向こうを見て「ほら、向こうにいるのエイコたちじゃないですか?」
イリス・ウィトルウィウス:「お~い!」手を振って走っていった。

■漂流学区ノドス 本校舎
GM:二手に分かれた君たちは、互いに誰とも出会うことなく合流地点へと到達した。
GM:その先にあるのは、丘の上に建つ、無機質な白い壁が特徴的な建築物。
漂流学区ノドス 本校舎
GM:ノドス学区の本校舎だった建物だ。
GM:枯れ朽ちた雑木林に囲まれ、周囲の地面も荒れ果てているが、遠くから臨む分には他の建物ほど荒廃しては見えない。
GM:いつの間にか雲は分厚さを増し、小雨が降り始めていた。
ユージン・マディス:(ここまで、人の気配も何もなかった。動物すら)
足原エイコ:「う、雨天中止~!」戦車解除!
甘崎リンコ:「わ、とと」戦車解除でちょっとよろける。
後藤スダチ:「輸送路のほうには何もなかったよ!」
後藤スダチ:「色んなところが崩れかけてたし……少なくともあっちのルートだとまともな輸送はできなかったんじゃないかな」
足原エイコ:「結構はしゃぎながらここまで来たけど」
足原エイコ:「誰にも会わなかったし、誰も寄ってこなかった」
佐陀コトノ:「な、何してたんですか……」
後藤スダチ:戦車解除したがリンコの腰のあたりにまだくっついている。
後藤スダチ:「エイスダリン戦車」
佐陀コトノ:「エイスダリン戦車」
甘崎リンコ:「も、もう後藤ったら……!戦車は解体したのよ……!」そう言いながらも振り払いはしない。
イリス・ウィトルウィウス:「何はともあれ、仲良くやってたみたいですね。良かった良かった……」
後藤スダチ:「しょうがないなあ」手を離す。「そっちも同じ感じだった?」
ユージン・マディス:「緊張感のない……」
ユージン・マディス:「何もなかった。人も獣もな」
ユージン・マディス:(8年の間に滅んだか。ここが"外”なら別の場所に逃れた可能性もあるが)
イリス・ウィトルウィウス:「人が見当たらないのはともかく、鳥や鼠すら見当たらないっていうのは妙ですね……」
イリス・ウィトルウィウス:「ノドスは小規模ですがプラントを持っていたので、ある程度の食料自給はできた筈ですが……」
足原エイコ:「毒ガスがあるってわけでもなさそうだねえ」鼻をスンスン
佐陀コトノ:「ど、どこに行ってしまったんですかね……」
GM:そうしていると、突如、灰色の空に耳障りな音が木霊する。
GM:ウゥーーーーーーーーーーーー……ウゥーーーーーーーーーーーーーー……
足原エイコ:「……音だ!」
後藤スダチ:「まひっ!?」怯え、リンコの服を再び掴む。
甘崎リンコ:「わ……!」庇う様にスダチちゃんを抱きしめる。
GM:サイレンだ。
佐陀コトノ:「な、何……!?」そわそわ周囲を見渡す
後藤スダチ:「ヤ……ヤァァ……」
GM:外敵の襲来を告げる警報音が、島全体に鳴り響いている。
ユージン・マディス:「まるでホラーゲームだな……!」
足原エイコ:「ウソウソ、なんでさっきまで全然無視だったのに!」
GM:ヒュルルルルルルル……
GM:ドォォォオオン!!
GM:暫くすると、海岸の方から幾つもの飛翔体が、校舎の周辺に飛来し爆発を起こす。
後藤スダチ:「なになになになに!?」
足原エイコ:「ヤバイ……どうにか防がないと!」
GM:吹き上がる噴煙の中から、二体。大きな影が姿を表す。
甘崎リンコ:「……何か来てる!」影を睨む。
佐陀コトノ:「!?」
黒い異形A:「………」
黒い異形B:「………ゥゥゥ……」
足原エイコ:「バケモノ……!」
ユージン・マディス:「海岸の方からか……?」
黒い異形A:全身を漆黒の軍用スーツに包み、奇怪な形のゴーグルで顔全体を隠した男性のシルエット。
????
黒い異形B:異常なのはそのサイズだ。3m近くあり、所々の関節が奇怪に変形している。
????
黒い異形A:二体の怪物の頭上には、君たちと同じ十字の発光体が浮かんでいる。
黒い異形B:その形は崩れ、禍々しい光を放っていた。
佐陀コトノ:「あ、あれ、十字冠……!!」
後藤スダチ:「デカすぎんだろ!ど、どうする!?戦うの!?」及び腰になっている。
ユージン・マディス:「何一つ正体が分からんな」
甘崎リンコ:「……ノドスの生徒……?」
後藤スダチ:「こんななの!?そんなわけないよね!?」
ユージン・マディス:「男子三日合わざれば何とやらだ」
ユージン・マディス:「8年会ってないんだろ。声でもかけてみたらどうだ」
足原エイコ:「ハ、ハロ~……?」
黒い異形A:答えはない。
黒い異形A:そもそも、君たちを認識していないようにも見える。
佐陀コトノ:「は、反応ありません……」
黒い異形B:ゆっくりとこちらへ向かって来ているが、その意識は君たちのいる場所より更に奥へ向いているように感じる。
ユージン・マディス:「アプローチを変えるか」背後に刀剣が出現、射出される。
足原エイコ:「ど、どうしよう……って先生!?」
甘崎リンコ:「……!」
佐陀コトノ:「せ、先生!?」
ユージン・マディス:「落ち着け。致命傷は狙わん」狙いは膝の関節だ。歩行を妨害する。
後藤スダチ:「ワアーッ!」こっちにも驚く。
佐陀コトノ:「スダチさん!?」
黒い異形A:射出された剣が突き刺ささる。怪物ではなく、その背後の地面に
黒い異形A:最初からそこにいないかのように、体をすり抜けた
足原エイコ:「避け……られた……?いや、違う」
甘崎リンコ:「……幻影?」
後藤スダチ:「幽霊!!!」
佐陀コトノ:「う、嘘……」
ユージン・マディス:「通り抜けた? じゃあ最初の噴煙はなんだ」
GM:怪物たちに集中している君たちの背後。本校舎の方角から、銃声が響く。
甘崎リンコ:「っ!後ろ……!」慌てて振り向く。
男子生徒:「クソッ!まただ!何度潰しても湧いてくる!」
男子生徒:校舎から数人の男子生徒が出撃し、怪物に応戦する。
後藤スダチ:「……!だ、男子……生徒……!?」
足原エイコ:「戦ってるの……?」
甘崎リンコ:「校舎にこもって応戦していた……!?」
佐陀コトノ:「ど、どういうこと……!?」
ユージン・マディス:男子生徒は私たちに気付く様子はありますか?
男子生徒:こちらも、君たちのことなど視界に入っていないようだ
男子生徒:もう一つ違和感がある。随分と背が小さい。
男子生徒:ノドスが消失したのは8年前、現在まで生き残っていれば、ほぼ全員が高校生相当の年齢のはずだ。
後藤スダチ:「い、一体これって……」
ユージン・マディス:鞘に入ったままの刀剣を射出。男子生徒の移動経路を遮る。
男子生徒:銃を構えたまま、ユージンが射出した剣をすり抜けて怪物へ突進する。
ユージン・マディス:なるほど
男子生徒:「うわああああああ!!」男子生徒の1人が怪物に向けて至近距離で銃を乱射するが
足原エイコ:「今ここで起きてることじゃ……ない……?」
黒い異形A:怪物は意に介さない。分厚い装甲がこともなくそれを弾き返し
黒い異形A:生徒に突きつけた掌が一瞬、赤く発光する。
黒い異形A:掌の噴出口からの、超高圧の血液噴射。ブラム・ストーカーの能力と思われるが、その出力は桁違いだ。
男子生徒:突貫した男子生徒は、その一撃で上半身を吹き飛ばされ、その場に斃れる。
足原エイコ:「な……何なんだよ……これ……」
ユージン・マディス:「映像……。記録……?」
男子生徒:「カルロス!……クソッ!なんでだよ……なんなんだよ……!!」
男子生徒:「ジャームのくせに……どうして十字冠があるんだよ!」
GM:その"映像"は、その後も暫く続いた。
GM:異形の怪物による、それを迎え撃つ生徒たちへの一方的な殺戮。
GM:先遣隊の生徒たちが全滅した所でその映像は途切れ
GM:今は、道路の破壊痕も、飛び散った血飛沫も跡形もなく消え去っている。
GM:何事もなかったかのように、朽ち果てた景色が広がっているだけだ。
甘崎リンコ:「………………」青い顔で眼鏡を抑えている。
佐陀コトノ:「…………」顔が真っ青になっている
イリス・ウィトルウィウス:「これは…………」
足原エイコ:「……」口元を抑えている
後藤スダチ:「………、………」その場に立ちすくんでいた。目からポロポロと涙が流れるままになっている。
ユージン・マディス:「ウィトルウィウス。動けるか?」
イリス・ウィトルウィウス:「……………っ」ユージンの方を向く
ユージン・マディス:「建物の中に入る。"芸術巨人"を出してくれ」
イリス・ウィトルウィウス:「……はい、大丈夫です」
ユージン・マディス:「要求が出来るなら、温度が……温まれるものだといい」 雨を見上げる。
甘崎リンコ:「………………、…………、先生……?」
ユージン・マディス:「……オレは何も知らん」
ユージン・マディス:ここにいない何かに向けて、忌々しそうに小さく何かを呟きながら。「だから動ける」
後藤スダチ:「わっ、私だって」声を張り上げる。
後藤スダチ:「何も知らない……ですから!て、手伝いますよっ」
ユージン・マディス:「言われなくても動いてもらうさ」
ユージン・マディス:「だが今じゃなくていい」
後藤スダチ:「……っ、うう~~っ……」
甘崎リンコ:小さく深呼吸をする。「……私もいけます。ここに立っていても仕方がないので」
ユージン・マディス:周りを見回す。雨を防げる建物は、目の前の本校舎くらいしかない。
佐陀コトノ:「…………私も……行けます……!」
佐陀コトノ:「この場所で何かしらの『事件』が起きていた、それが事実なら猶更、立ち止まる訳にはいきません」
足原エイコ:「……今の映像、わたし達に見せたやつが、きっとそこに居る」
足原エイコ:「話を聞くにしても、ぶん殴るにしても」
甘崎リンコ:「……足原、無理はしなくても……いいのよ」知り合いがいるんでしょう、という言葉を飲み込む。
足原エイコ:「会わなきゃ……始まらない……から……!」
足原エイコ:「……もしもの時は先生が、みんなが」
足原エイコ:「支えて」
甘崎リンコ:「……ええ。いつでも戦車になるわ」そっとエイコちゃんの肩に手を置く。
後藤スダチ:「わ、私も!」
ユージン・マディス:「ウィトルウィウス。巨人を」 ――最悪だ、と心中で思う。
イリス・ウィトルウィウス:「……ありがとうございます。皆さん」先生に小さく頷いて
ユージン・マディス:自分一人ならともかく。この状況で、突入の選択肢しかない。
イリス・ウィトルウィウス:「このままここで考えていても始まりません。行きましょう、ノドスの最奥に」
イリス・ウィトルウィウス:「芸術巨人を出します!少し離れていてください!」
イリス・ウィトルウィウス:そう言って、1人で校舎の方向へと走っていく。
GM:校舎の前には、荒れ果てた広場が残っている。
GM:イリスはそこで一度呼吸を落ち着けると、スプレーガンを手に取って
GM:……その時、校舎の中から、何者かが目の前に現れた。
イリス・ウィトルウィウス:「あ……ああ……ッ」
イリス・ウィトルウィウス:「あああああああああああああッッ!!!!」
イリス・ウィトルウィウス:「み……皆さん!!」大声で君たちを呼ぶ
イリス・ウィトルウィウス:「逃げて……」
イリス・ウィトルウィウス:「早く逃げて下さい!!ここは……」
イリス・ウィトルウィウス:「……ここはノドスではありません!!」
甘崎リンコ:「い……イリス……!?」
佐陀コトノ:「!!!??」
後藤スダチ:「イリスちゃん!どうしたの!」
ユージン・マディス:「は」
足原エイコ:「どういうことだよ……!」
???:「約束通り……」イリスの向こうから、一体の機械が君たちへ姿を見せる。
???:「来てくれましたね。イリス」
???:「これで、あなたは用済みです」
イリス・ウィトルウィウス:「お願いです……!早く逃げて!!ここは……!」
イリス・ウィトルウィウス:君たちへと振り返る。
足原エイコ:「待って……ねえ!」イリスに手を伸ばす
佐陀コトノ:「イリスさん……!!」
甘崎リンコ:「イリス!!」
後藤スダチ:「何が」
イリス・ウィトルウィウス:同時に、彼女の顔を覆っていた人工皮膚が剥がれ落ち、内部の機械が露出する。
イリス破壊
イリス・ウィトルウィウス:その下には、黄色く発光する菌糸状の組織がびっしりと根を張っていた。
ユージン・マディス:「――――あれ、は……」
ユージン・マディス:思考回路が一つにまとまる。瞠目する。
???:「───ようこそ。ノヴァリスの皆さん」
オムファロス
???:「私の名は、"オムファロス"」
"オムファロス":「アダム・カドモンの十の遺骸。その一つ。王国の鍵を預かる者」
"オムファロス":「歓迎しますよ」周囲の空間から、異様な圧力が伝わってくる。
"オムファロス":その世界全てを掌握される感覚。君たちは今日、何度もそれを味わっている。
足原エイコ:「……なんで、これを!」
後藤スダチ:「イリスちゃんに、何を」
後藤スダチ:「やってんだッ!」反復訓練で体に染み付いた早撃ち。
後藤スダチ:抜き打ちで拳銃弾を二発、現れた人型機械へと撃ち込む。
"オムファロス":銃弾は眼前で空中に静止し。
"オムファロス":指を振るうと同時に、それを撃ったスダチの元へと撃ち返される。
後藤スダチ:「っあ!」撃ち抜かれ、バランスが崩れたようにその場で倒れる。
"オムファロス":「無駄な抵抗、しない方が良いですよ」
ユージン・マディス:「後藤!」
甘崎リンコ:「後藤……!」
"オムファロス":「言ったでしょう?歓迎してあげます。大人しくしていれば、苦しまずに殺してあげますから」
"オムファロス":「この私の、世界アトリエの中で」

GM:シーン終了!
GM:ロイスが結べます!
甘崎リンコ:ろ……ロイス保留で……
甘崎リンコ:十字冠発動して大丈夫ですか……?
佐陀コトノ:ロイス枠は埋まってるのでなしで……
後藤スダチ:同行者/甘崎リンコ/親近感:○/お笑いへの恐怖/ロイス
甘崎リンコ:笑う事を恐れている……
足原エイコ:ロイスの最後の枠、ユージン先生に
足原エイコ:ユージン・マディス 〇信頼/不信感(もっと女の子に気を使ったこと言ってあげて!)
ユージン・マディス:ラストロイスはオムファロスに取るしかない 敵意:○/剣を持ってないくせに脅威
GM:100%以上の人は十字冠使いな!
甘崎リンコ:104-10-1d10
DoubleCross : (104-10-1D10) → 104-10-9[9] → 85

甘崎リンコ:や、やった!すごい減った!
甘崎リンコ:やっぱロイスとります!エイスダリン/●P:大事/N:不安 で!
 
 

 MS:3/『Twelfth Night』


■数日前 ムセイオンアートスクール 大講堂
GM:日中から降り続けた雪は、深夜0時を回る頃には止んでいた。
GM:天窓から差し込む月明かりが、一枚の絵画を照らしている。
GM:そこに描かれているのは岩と灰、曇天に覆われた荒涼の風景。
GM:そして、朽ち果てた大地を静かに浮かべる、深紅の海。
GM:美しくはない。嘗ての栄華を偲ばせる侘しさも、文明を拒む荘厳さもない。
GM:ただ当たり前に滅びた、無惨なだけの景色を前にして
GM:それでも彼女は、感嘆とも安堵ともつかない吐息を漏らした。
GM:本来鳴るはずの鐘が鳴らなかった。
GM:96%代の安定率から、一足飛びに完全に繋がった、ノドスへの道。
GM:十二番目の夜を迎えることなく計画が達成されたことに対する違和感等、8年を経た感慨の前では些細な事だった。
イリス・ウィトルウィウス:「……間に合った」
イリス・ウィトルウィウス:「間に合ったんだぁ……」
イリス・ウィトルウィウス:涙声と供に、腰を抜かしたように床に座り込む。
イリス・ウィトルウィウス:最年長の生徒にとっては、残りたったの数ヶ月ではあるが
イリス・ウィトルウィウス:これから文化祭も開かれる。卒業式だって、盛大に執り行われるだろう。
イリス・ウィトルウィウス:その最後の瞬間を、嘗てお互いの作品を認めあった全員で迎えられる。
イリス・ウィトルウィウス:「うぅ……会長……見ててくれましたか?ついにやりましたよぉ……!」
イリス・ウィトルウィウス:「……はっ!などと言ってる場合ではありません!」
イリス・ウィトルウィウス:飛び起きて絵画の前へと近づく。
イリス・ウィトルウィウス:ノドスが今、何らかの理由でノヴァリスの外にあるのだとしたら、彼らの迎えに行けるのは自分だけだ
イリス・ウィトルウィウス:正式な探索は星室庁の協力を得ることになるだろうが、まずは確認だけでも済ませなければ。
GM:吸い寄せられるように手を伸ばす。
GM:そして、彼女は世界に触れた。
イリス・ウィトルウィウス:「……アッ!?……ガ……ッ!?」
イリス・ウィトルウィウス:弾かれるように後退する。
イリス・ウィトルウィウス:「これは……一体……?」
"オムファロス":「……やっぱり、ここまで自我を形成済みの社会人を、直接乗っ取るのは難しいみたいですね」
"オムファロス":イリスの背後で、一体の機械が起き上がる。嘗てここが戦場になった時に破壊された、社会人の残骸だった。
"オムファロス":「まあ、とりあえずはこの体でいいか」
イリス・ウィトルウィウス:「あなたは……?いえ……その……声……?」体を震わせながら振り向く。何らかの攻性プログラムを打ち込まれたのか、動作が安定しない。
イリス・ウィトルウィウス:「……コルネリウス……?」
"オムファロス":ガッ
"オムファロス":一瞬で肉薄し、イリスの首を捻り上げる。
"オムファロス":「その名前、可愛くないから嫌だと言ったはずですよ。イリス」
イリス・ウィトルウィウス:「ガッ……!?……コ、ニ……なん…で……?」
"オムファロス":「直接支配できないなら仕方ありません」
"オムファロス":「バックドアを仕込ませてもらいます」
"オムファロス":「来るべき時まで、あなたはこの事を忘れる」
"オムファロス":「そして……こちらの準備が整ったら」
"オムファロス":「来てもらいますよ。私達の計画には、あなたと額縁アーキドレイブが必要です」
イリス・ウィトルウィウス:「待っ、て……コ、ニ……コ、ニー……」震えながら手を伸ばす。
"オムファロス":「また会いましょう。良い夜を」
GM:再び静寂が行動を包む。
GM:月はいつの間にか、雲の中へと隠れていた。

GM:【コルネリウス・ヴァイスマン】のTIPSを入手しました。
【コルネリウス・ヴァイスマン】
ノドスチルドレン。
登録上は男子生徒だが、性自認は女性のトランスジェンダー。
芸術全般に類稀な才覚を持っていおり、”マスターカラーズ”の後継者とされていた。
ノドスとムセイオンを行き来する生活を送っていたが、
ノドス消失の日、その場にいた彼もまた巻き込まれ、姿を消した。
 
 

 CMX/『■■回廊■■■■』

GM:クライマックスです。全員登場!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (85 → 95)
甘崎リンコ:マジで私のダイスどうなってるんだ スペリオルミックスで-1して94!
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (86 → 95)
足原エイコ:95+1d10
DoubleCross : (95+1D10) → 95+7[7] → 102

足原エイコ:スペリオルミックスで―1して101です
ユージン・マディス:1d10+102-2
DoubleCross : (1D10+102-2) → 3[3]+102-2 → 103

佐陀コトノ:98+1d10-1
DoubleCross : (98+1D10-1) → 98+1[1]-1 → 98

佐陀コトノ:侵蝕率99

GM:ノドス……先程までそう呼ばれていた空間を覆っていた分厚い雲が、静かに晴れていく。
GM:知らぬ間に太陽は沈み、凍てつくような夜空に巨大な月が昇っている。
"オムファロス":「私の撮った"映画"……よく出来てたでしょう?」
"オムファロス":君たちが校舎の門前で見た映像のことを言っているのだとわかるだろう。
ユージン・マディス:「あれを作ったのはお前か?」
"オムファロス":「映像を作った、という意味ならそうですね」
"オムファロス":「あの惨劇を行った、と言う意味なら違います。あれ、ノンフィクションですから」
"オムファロス":「私の記憶を元に、エフェクトやらCGやらで再現したって感じですね」
足原エイコ:「…………」奥歯を噛む
後藤スダチ:胸と腹部から血を流し、倒れている。
ユージン・マディス:疑問は無数に湧いてくるが、適切な対応は一つも思い浮かばない。
甘崎リンコ:「……あなたの目的は何なの?」
足原エイコ:「……まず最初に、はっきりさせておこう」
足原エイコ:「お前は……」
"オムファロス":「……」無機質なセンサーを足原に向ける
足原エイコ:イリスが、あいつを間違えるはずがない
足原エイコ:無意識に操られながらも、必死に出した警告の言葉……嘘を言わされてた線も無い
足原エイコ:それに何より、分かってしまう
足原エイコ:信じたくなど、ないけれど
足原エイコ:「お前は……コルネリウス・ヴァイスマン」
足原エイコ:「コニー……わたしの、かつての相棒」
佐陀コトノ:「…………!!」
"オムファロス":「………」ざり、と足元の砂を踏みつける音がして
"オムファロス":「や、久しぶりですね。エイコ」
"オムファロス":「元気にしてました?」軽い口調で言う。
足原エイコ:「今の気分は……最悪ってとこだね」
足原エイコ:「なんでイリスたんを……こんなことに!」
"オムファロス":「何って言われても……」
"オムファロス":「むしろエイコたちは、この8年で随分イリスに情を移したみたいですね」
"オムファロス":「この子は、元々私のバックアップ……"マスターカラーズ"の外付けのアーカイブとして作られた機械」
"オムファロス":「必要になったから、取りに来た。それだけですけど?」
足原エイコ:「初耳だし」
足原エイコ:「今や……ムセイオンの大事な……生徒も同然なんだ……」
ユージン・マディス:「これは"ラハブ"の手口だな」 直近の記憶を引っ張り出す。
ユージン・マディス:「お前らはアレの部下なのか。セイクリッドピラーを襲った連中と」
足原エイコ:「怪しい奴らとつるんでるのか?今すぐこんなことやめて……」
"オムファロス":「彼らのことを悪く言うのは止めてもらいましょうか」冷え切った声で。
"オムファロス":「貴方たちとイリスが、私のいない8年間を供に過ごしたように」
"オムファロス":「ああ……そして、私の見るはずだった景色を、私の学ぶ筈だった芸術を……」
"オムファロス":「……っと、これは今は関係ありませんね」
"オムファロス":「ともかく、貴方たちがそちらで過ごしてきたように、私達も私達の8年を過ごしてきた」
"オムファロス":「もう分かっているでしょうけど、改めて宣言しておきましょうか」ユージンに顔を向けて
"オムファロス":「私達は、ノドス」
"オムファロス":「今日は、皆さんへ宣戦を布告するために来ました」
足原エイコ:「待てよ……なんで」
足原エイコ:「わたし達はずっと……お前達を、ノドスを探してたんだよ!?」
"オムファロス":「探してくれたのは嬉しいです」
"オムファロス":「けど……少し、遅すぎましたね」
ユージン・マディス:「随分と……理性的に話せるな」
ユージン・マディス:「宣戦布告するだけの数が居て。復讐や怨恨ではないのか」
ユージン・マディス:ここはノドスではないらしい。だが、状況としては想定したものに近い――最悪のカタチではあるものの。
"オムファロス":「それは人によるでしょう。我々の目的は一致していますが、信条は一つではない」
"オムファロス":「しかし、ノドスの総体としては」
"オムファロス":「恨みはあれど、復讐すべきは生徒個人ではなく、ノヴァリスというシステムそのもの」
"オムファロス":「だからこそ、我々はノヴァリスの解体を掲げるのです」
足原エイコ:「システム……?」
"オムファロス":「知らないほうが良いですよ。邪魔をしなければ、寝てる間に全部終わっちゃいます」
"オムファロス":「まあ、ここまで来てる以上は、思いっきり邪魔なんですけどね」
ユージン・マディス:「寝てる間に」 倒れるスダチと、動かないイリスを見やる。
ユージン・マディス:「成程」
甘崎リンコ:「……後藤、立てる?」しゃがんでスダチちゃんを支える。
甘崎リンコ:「倒れていたら……本当に殺されるわ」
後藤スダチ:「元気、いっぱい……だし……!」
後藤スダチ:冷や汗が流れている。自分自身のゲル弾頭の毒には耐性を持っているとはいえ、それでも銃撃を受けたことには変わりはない。
佐陀コトノ:「……無理だけは、しないで下さい」
佐陀コトノ:動かないイリスの傍で寄り添うように屈みながらそう口にする
イリス・ウィトルウィウス:「何を……やってるんですか……みなさん……」
足原エイコ:「イリスたん!?」
佐陀コトノ:「そ、そんな状態で……!」
イリス・ウィトルウィウス:菌糸に侵された躯体で、ぎこちなく立ち上がり
イリス・ウィトルウィウス:君たちを庇うように"オムファロス"に立ちふさがる。
イリス・ウィトルウィウス:「逃げてくださいって……言ったじゃないですか……!」
甘崎リンコ:「……それを許す相手ではないでしょうし」
甘崎リンコ:「あなたを置いていけるわけがないでしょう」
佐陀コトノ:コクリと同意するように頷く
イリス・ウィトルウィウス:「それでもです!……私が時間を稼ぎます」
イリス・ウィトルウィウス:「この子の第一目標は、私を手に入れれば達成されるはずです。だから……」
"オムファロス":「ふーん……なら」
"オムファロス":機械の腕がイリスの頭を鷲掴みにし、締め上げる。
甘崎リンコ:「イリス……!」
イリス・ウィトルウィウス:「ぐっ……が、ああ……!」
佐陀コトノ:「イリスさん!!」
"オムファロス":「もう始めちゃいましょうか」
足原エイコ:「止めろ……おい、ほんとに!」
足原エイコ:「止めて……くれ……!」
足原エイコ:イリスが傷つくことも、それをするのがコニーであることも
足原エイコ:全てが耐えがたい、苦痛だった
イリス・ウィトルウィウス:「……コ、ニー……」ギリギリと頭部を締め上げられながら、言葉を絞り出す。
イリス・ウィトルウィウス:「コニー……お願いです……」
"オムファロス":「はは、今更命が惜しくなりました?作り物の癖に───」
イリス・ウィトルウィウス:「ムセイオンに……帰ってきてください」
"オムファロス":「……?」
イリス・ウィトルウィウス:「どうして……みんなが、貴方の行方を探してきたか……分かりますか」
イリス・ウィトルウィウス:「あれからも……生徒は沢山やってきました……貴方が子供の頃に……絆を紡いだ……」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコみたいな子は、むしろ少数派で……殆どの子は、貴方の顔も知らないのに……」
イリス・ウィトルウィウス:「どうして、みんなが貴方を救いたがったのか……」
"オムファロス":「……それは……」
イリス・ウィトルウィウス:「……続きが見たかったからです。貴方の創る作品の……続きが……」
イリス・ウィトルウィウス:「ムセイオンの生徒が……他人のために身を粉にする理由なんて、他にないじゃないですか」
"オムファロス":「……やめろ」
イリス・ウィトルウィウス:「だから……続きを描きなさい。コニー・ヴァイスマン」
イリス・ウィトルウィウス:「一度筆を執った以上……一度、その世界を誰かを魅せた以上……」
イリス・ウィトルウィウス:「貴方には、その責任が───」
GM:グシャッ
"オムファロス":「……黙れよ」
イリス・ウィトルウィウス:イリスの言葉は、それ以上紡がれることはなかった。
イリス・ウィトルウィウス:頭部を握りつぶされ、首の付け根からはコアが露出している。
イリス・ウィトルウィウス:頭上に浮かんでいた仮初の十字冠……ホログラムがノイズに埋め尽くされ、ぷつりと消失する。
"オムファロス":イリスの残骸を握ったまま、足原へと顔を向ける。
足原エイコ:「…………ッ!……ッ!」
足原エイコ:言葉を吐く余裕もない
"オムファロス":「もう、辞めたんですよ。漫画そんなもの
足原エイコ:コニーに殴りかかろうとして
ユージン・マディス:「待て!」 背後から羽交い締めにして止める。
足原エイコ:「…………ふざけんなよーーーーーーっ!!!」
足原エイコ:「変わっちまったなコニー…………なんで……」
足原エイコ:「何がお前を……こんな風にしたんだよ……」
足原エイコ:「何で……教えてくれないんだよ……」
"オムファロス":「…………時間です。作戦を開始します」
"オムファロス":足原の慟哭を無視して、イリスの残骸を前に掲げる。
"オムファロス":「イリスを取り込むことで、私の機神は完成する」
"オムファロス":「そしてこれこそが、私達の……復讐の狼煙となる!」
"オムファロス":「啓け、セトの門。Tohu……Bohu……Chasek……」
GM:イリスの残骸が細かな粒子に分解されていく。オムファロス自身の躯体もまた、それに混ざり合うように粒子の渦の中へと溶けていく。
GM:その渦はやがて糸の様に寄り集まって互いに絡み合い、巨大な繭を形作る。
GM:月光に照らされた繭に亀裂が入り、その中から純白の彫像が姿を現す。
GM:機械によって形作られた無貌の聖女が、君たちを睥睨する。
"オムファロス":「機神、懐胎」
"イリス・リリス":「"イリス・リリス"」
イリス・リリス
GM:同時に、アトリエの空に、四角く区切られた幾つものヴィジョンが浮かび上がる。
GM:どれも見覚えのある、ノヴァリスの景色
GM:アトリエの内側から、ノヴァリスの各地へ小さなゲートが繋がれている。
"イリス・リリス":Eロイスを使用。《超越者の戯れ》《傲慢な理想》《傲慢な理想》《傲慢な理想》
"イリス・リリス":対象範囲をシーンの外にまで拡大。対象物にEロイス《機神》を付与し、ジャーム化させます。
"イリス・リリス":その対象とは……
"イリス・リリス":空中の映像が切り替わる。
"イリス・リリス":そこに映っているのは、都市郊外に設営された大規模なイベント会場。
"イリス・リリス":ノヴァリス各地で準備されている合同文化祭、その会場に飾られた、巨大な彫像だ。
"イリス・リリス":「地に満ちよ。芸術の巨人」
"イリス・リリス":「”罪の仔らトバル・カイン”」
GM:空に浮かぶ映像の向こう側で、巨像の瞳に光が灯る。
"イリス・リリス":「時は満ちた。制御権を"オムファロス"から百人隊センチュリオへ」
"イリス・リリス":「総員、尽く進撃せよ」

■汎学区合同文化祭 キングダム会場
文化祭実行委員:「ね……ねぇ……あれ」
文化祭実行委員:「えっ……動いて……?こっち来る……!!」
文化祭実行委員:「うわあああああ!!」
センチュリオNo.37:「No.37。行動開始」
No.37

センチュリオNo.59:「こちらメサイア方面。No.59」
センチュリオNo.59:「情報通り、周囲に治安部隊の反応なし。進行する」
No.59

センチュリオNo.66:「No.66。ジェネシスも障害は見当たらず」
センチュリオNo.66:「行けるところまで行くとするか」
No.66

センチュリオNo.81:「こちらNo.81。やべーな崑崙山、早速寄ってきやがった」
センチュリオNo.81:「散々待たされたんだ、丁度いいけどなぁ!」
No.81

センチュリオNo.95:「指定座標に到着。回線を繋ぎます」
No.95

"イリス・リリス":「我々は、ノドス。ノドス・チルドレン」
"イリス・リリス":「我らは永き彷徨より帰還し、ここに、ノヴァリスへの宣戦を布告する」
"イリス・リリス":「喪った友に、永遠に奪われた4900の未来にかけて、我ら100人はここに誓う」
"イリス・リリス":「実りなき虚妄の庭園。悪芽吹く背徳の都」
"イリス・リリス":「学園都市ノヴァリスを、解体すると」
GM:通信が途切れ、空に浮かんだ映像が消えていく。
GM:機神は依然その姿を保ったまま、ようやく足元の君たちに意識を向けた。
足原エイコ:「…………」呆然と、見ていることしかできなかった
"イリス・リリス":「"機神"は、ちょっと造り方に難がありまして」
"イリス・リリス":「私達の中でも、限られたものしか持てなかった」
"イリス・リリス":「けど、これからは違います。イリスの力を取り込んで」
"イリス・リリス":「私の"リリス"は、機神を産む機神となった。まあ、性能にはかなりの隔たりはありますけどね」
ユージン・マディス:「"マスターカラーズ"の芸術巨人を取り込み……亜種複製したのか」
甘崎リンコ:「どうして……こんなことを……」呆然と空を見上げている。
佐陀コトノ:「……………………」
甘崎リンコ:「イリスを……返してよ……」
"イリス・リリス":「甘崎さん、でしたっけ」
"イリス・リリス":「気の毒だとは思いますけど……いつか、納得できる日が来ますよ」
"イリス・リリス":「"必要な犠牲だった"ってね」
"イリス・リリス":「だって、彼女のおかげでみんな卒業できるんですから」
甘崎リンコ:「…………え?」
"イリス・リリス":「まあ、それもここで死ななきゃの話ですけど」
甘崎リンコ:「そんなことを……思う日が、来るわけ……ないでしょう……っ」
甘崎リンコ:「…………イリス…………っ」流れるはずのない涙が流れるのを感じながら俯く。
ユージン・マディス:「意外だな」
ユージン・マディス:「これだけの状況を組んでおいて、オレ達を逃がしてはくれないのか?」
ユージン・マディス:その巨躯を見上げながら、声を張り上げる。
"イリス・リリス":「逃げたいんですか?この状況で」
ユージン・マディス:「動機に少なからず、怨恨や復讐があるならその方が妥当だ」
ユージン・マディス:「ああして、これ見よがしに絶望を見せつけるくせに」
ユージン・マディス:「機神を生む機神といったな。……つまりは君が、ノドス唯一の武器作成者」
ユージン・マディス:目を細める。天を突くような巨躯を、そのシルエットの端に鋭角がないかを見ている。
"イリス・リリス":「やる気なんだ……良いですね」
"イリス・リリス":「私も、もう少し性能を試したかった所なんです。だから最初から逃がすつもりはないですよ」
ユージン・マディス:「鍛冶の始祖トバルカインとは、よく言ったものだ。……」
ユージン・マディス:「君に被害があれば、あの暴れ回る巨人たちに少なからず影響があるんじゃないか」
"イリス・リリス":「さあ……それはやってみてのお楽しみ」
ユージン・マディス:「――剣がない。やはり芸術を捨てただけあって、造形のセンスが失われている……」
ユージン・マディス:呟く。「佐陀」
ユージン・マディス:「佐陀コトノ」
佐陀コトノ:「……はい!」
ユージン・マディス:「よし。声は出るな」
ユージン・マディス:「後藤スダチ。傷の具合は?」
後藤スダチ:「……もっと早く心配してほしかったな」
後藤スダチ:「もう治っちゃったから!」手の甲で額の汗を拭う。
ユージン・マディス:「ふん。結構だ」
ユージン・マディス:「甘崎リンコ」
ユージン・マディス:「ステージで出すネタは、決めたのか」
甘崎リンコ:「…………ふふ……」涙を拭う。
甘崎リンコ:「また決めていません。だから……ここで終わるわけには、いきません」
ユージン・マディス:「そうだろう。お前に相方がつくこと、これを逃したら二度と無いぞ」
ユージン・マディス:「……足原」
ユージン・マディス:「足原エイコ。今の気分は」
足原エイコ:「…………最悪、かも」
足原エイコ:「でも……最高の文化祭にしたい」
ユージン・マディス:「だろうな。オレはお前ではないが、状況は最悪だろう」
ユージン・マディス:「けどオレは刀鍛冶だ。だから、一つだけ"剣"をやる」
ユージン・マディス:軽く舌を噛む。震えそうな声を押し隠す。
ユージン・マディス:師匠ならば、そうするはずだ。これが、出来るはずだ。
ユージン・マディス:間違いではない。間違いだとしても、だ。
ユージン・マディス:目の前の巨人は、イリスの言葉に揺れた。信念を口に出した。感情を押し隠した。お前を嘲り、芸術なんて切り捨てたと言った。
ユージン・マディス:「――お前の友、コニーは"ジャームじゃない"」
ユージン・マディス:「聞きたいことがあるなら、あのデカブツから引きずり下ろせ。縛り上げ、殴り倒し、拘束して話を聞き出し、取り込め」
ユージン・マディス:「オレがそうされたようにな!」
足原エイコ:「……ありがと」
足原エイコ:「わたしがやりたいこと、今の言葉でしっかり……イメージが持てた」
足原エイコ:”創作意欲”が、湧いてくる
足原エイコ:「この最悪な状況を」
足原エイコ:「最高に変えてみせるから!」
"イリス・リリス":「………」無貌の彫像が、どこか苛立たしげに揺れ動いた。
ユージン・マディス:「"やる気ですか"と聞いたな。オレは刀鍛冶だ」
ユージン・マディス:「違う。"やる気があるもの"に武器を与えるのが仕事だ」
"イリス・リリス":「……は、はは。"カルヴァリア"の言った通りですね」
"イリス・リリス":「"先生"ってのは、そんな人ばっかりみたい」
"イリス・リリス":「そうやって与えられる根拠のない希望ほど、罪深いものはない」
"イリス・リリス":「私が、教えてあげます……」
GM:夜空を照らす巨大な月が陰り、代わりに無数の星が天球を埋め尽くす。
"イリス・リリス":「我が作家性は”絶望”。永遠に遠ざかる星のいろ
"イリス・リリス":「この世界アトリエに挑むのなら―――抗うすべなど有りはしない」
"イリス・リリス":「色彩ひかりに抱かれて、爆発せよ!!」

FINAL ATTACK
コルネリウスのアトリエ ~星虹回廊バルドゥ~

GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:衝動判定。難易度9です。
佐陀コトノ:6dx+2>=9
DoubleCross : (6DX10+2>=9) → 6[1,1,3,3,5,6]+2 → 8 → 失敗

佐陀コトノ:嘘でしょ!?
甘崎リンコ:8dx+1>=9
DoubleCross : (8DX10+1>=9) → 10[1,1,2,6,7,8,8,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を2d10(→ 11)増加 (94 → 105)
ユージン・マディス:10DX+5
DoubleCross : (10DX10+5) → 10[2,2,5,5,6,7,8,8,10,10]+9[7,9]+5 → 24

ユージン・マディス:103+2d10
DoubleCross : (103+2D10) → 103+11[9,2] → 114

ユージン・マディス:ギャ~ッ
後藤スダチ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 10[1,2,8,10]+8[8] → 18 → 成功

後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を2D10(→ 9)増加 (95 → 104)
後藤スダチ:あっ体力回復するのすっかり忘れてた
後藤スダチ:シーンのはじめに治療キット使おうねって言ってたのに
足原エイコ:撃たれた時使ったことにできませんか?
GM:使ったことにしていいよ
ユージン・マディス:優しいGM……
甘崎リンコ:温情~~!
ユージン・マディス:さっきまでこんな殴ってきてたとは思えない
後藤スダチ:え~っいいんですか~っ
佐陀コトノ:優しい……
甘崎リンコ:殴ってないときは優しいから……
後藤スダチ:じゃあスダチが一個使わせてもらいます。3d10回復
後藤スダチ:15+3d10
DoubleCross : (15+3D10) → 15+9[6,2,1] → 24

後藤スダチ:かんぺき~
足原エイコ:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 10[1,3,4,6,10]+1[1] → 11 → 成功

足原エイコ:101+2d10
DoubleCross : (101+2D10) → 101+15[10,5] → 116

佐陀コトノ:こんなところで使いたくなかった、スダチさんのロイスをタイタス昇華して暴走を解除します
甘崎リンコ:コトノちゃん……!
佐陀コトノ:98+2d10
DoubleCross : (98+2D10) → 98+13[5,8] → 111

GM:みんな高いな…
佐陀コトノ:すみません、ロイス切るの撤回させて貰っても良いでしょうか……!!
GM:いいですよ!
佐陀コトノ:本当に申し訳ない、ありがとうございます……!
GM:この戦闘では、特殊なギミックが適用されます。
◆コルネリウスのアトリエ ~星虹回廊バルドゥ~
額縁アーキドレイブ】効果不明
【アヴァンギャルド】効果不明
【デカルコマニー】効果不明
【シュールレアリズム】効果不明
後藤スダチ:イリスちゃんがいないからなーんにもわからない!
GM:イリスが死亡したため、ステージギミックは開示されません。
足原エイコ:そんな~!
甘崎リンコ:死亡……………
ユージン・マディス:ヒエ…………………………………………
佐陀コトノ:そんな……
後藤スダチ:こら!し、死亡とか言うな……!!!!
GM:そしてもう一つ。オーヴァード・ノヴァにはクライマックス限定の特殊ルールがあります。
GM神聖二重冠ダブルクロス。当然今回も適用されますが……

"イリス・リリス":「神聖二重冠ダブルクロスでしたっけ?十字冠の成約を突破する例外処理……」
"イリス・リリス":「使ってもいいですよ。ただ……」
GM:空間を隔てたアトリエへ、大十字冠の光が降り注ぐ。
GM:しかしその光は、より激しく煌めく星々の光によって散乱し、掻き消されてしまう。
"イリス・リリス":「額縁これがある以上、大した助けにはならないでしょうけど」
"イリス・リリス":彫像の周囲に、四振りの大剣が浮遊している。

GM:ステージギミックの一つが使用されました。
額縁アーキドレイブ】イリス・リリスは、ユニークアイテム『額縁』を常備化する。

『額縁』
このアイテムを所持しているキャラクターが行う攻撃は対象:シーン(選択)となる。この攻撃に対して、対象はリアクションを行えない。また、このアイテムを所持していないキャラクターは神聖二重冠の選択効果を使用できない。
GM:特になければ……初めちゃおっかな。戦闘を
GM:エンゲージはこう
"イリス・リリス"[8]
芸術巨人A[5]芸術巨人B[5]
   |
   10m
   |
   PC

◆第一ラウンド

GM:セットアップから。宣言をお願いします。
後藤スダチ:《活性の霧》《アクセル》。対象はコトノちゃん。
後藤スダチ:攻撃力+24、行動値+6。ドッジダイス-2個。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を4(→ 4)増加 (104 → 108)
足原エイコ:怨念の呪石!暴走し侵蝕+3
佐陀コトノ:<狂騒の旋律>攻撃力+21、暴走付与。対象は同エンゲージ全員。この効果は拒否可能 侵蝕率+6+2で119
佐陀コトノ:私に……! どちらとも受け取ります!
甘崎リンコ:コンボ▼パッシブスキル『柑橘類の容器』。≪氷の茨≫。
甘崎リンコ:私のエンゲージから離れた人はダメージを受けてもらう!対象は自分とPCたちは除外します。
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を3(→ 3)増加 (105 → 108)
"イリス・リリス":《原初の黄:活性の霧》LV8《果てなき円環:原初の黄:アクセル》LV8 攻撃力+24、行動値+16
"イリス・リリス":対象は自分
後藤スダチ:くそ~、アクセルパワーが全然足りてない
ユージン・マディス:セットアップなし。旋律は受けません。ガードしたいので
芸術巨人:こちらはA、Bともになし
甘崎リンコ:旋律うけとります!暴走!
足原エイコ:旋律受けます!
後藤スダチ:私も旋律受ける!
GM:それではイニシアチブ
GM:最速24、イリス・リリスのターンから
佐陀コトノ:<スピードフォース>
佐陀コトノ:割り込んで先に行動します! 侵蝕率+4、123
"イリス・リリス":ゲッ…
"イリス・リリス":《原初の白:時間凍結》
"イリス・リリス":そこに更に割り込みます
佐陀コトノ:何っ!!?
足原エイコ:チェーンするな!
"イリス・リリス":HP20消費し、こちらの先行
"イリス・リリス":マイナー《原初の青:ヴィークルモーフィング》LV6 モーフィングロボを取得して搭乗
"イリス・リリス":行動値が3減って21に
"イリス・リリス":メジャー《原初の赤:巨匠の記憶》LV8《幻想の色彩》LV6《コンセントレイト:ウロボロス》LV4
"イリス・リリス":シーン視界攻撃。対象はPC全員
ユージン・マディス:そのタイミングで宣言。RHOの効果で「額縁」を停止します。
"イリス・リリス":ウワーッ!
ユージン・マディス:バーカバーカ 視界単体になれーっ
GM:RHO効果の使用を受理しました。
GM:これによって、只今から神聖二重冠の選択効果を使用できます。
【神聖二重冠(ダブルクロス)】
クライマックスフェイズ中に限り、あなたが持つ【十字冠】をアップグレードし、効果を以下のように書き換える。
あなたは、シナリオ中に一回のみ、以下の効果の中からどれか一つを選んでオートアクションで使用できる。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【判定ダイスへの侵蝕率ボーナス】の値を3倍にする。
・このメインプロセスでは、あなたが受ける【エフェクトLVへの侵蝕率ボーナス】の値を2倍にする。これによってエフェクトの使用回数は増えない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させ、あなたのHPを+[上昇分×3]点回復する。この時、HP上限を超えることはできない。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う攻撃の攻撃力を+[上昇分×2]点増やす。
・あなたの侵蝕値を任意の数値まで瞬時に上昇させる。あなたがこのメインプロセスで行う判定の達成値を+[上昇分×3]点増やす。
・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
・この戦闘のバックトラックでは、最終侵蝕値によって得られる経験点を3倍にする。
甘崎リンコ:やった~~~!
足原エイコ:先生最強!
佐陀コトノ:先生~~!!
後藤スダチ:先生……いえ、なんでもありません……
ユージン・マディス:来るがいい! 所詮ピュア活性モーフィングロボの火力で何が出来る!
"イリス・リリス":じゃあやってやんよ!単体になるから対象は……
"イリス・リリス":1d5
DoubleCross : (1D5) → 2

"イリス・リリス":スダチちゃん!
後藤スダチ:私かよ!
後藤スダチ:しょうがないな~
"イリス・リリス":13dx7+11
DoubleCross : (13DX7+11) → 10[1,1,2,2,3,4,4,5,6,9,9,10,10]+10[2,4,7,9]+6[1,6]+11 → 37

後藤スダチ:暴走しているので装甲で受けるしかない 来いッ
"イリス・リリス":4d10+24+18
DoubleCross : (4D10+24+18) → 23[8,3,8,4]+24+18 → 65

後藤スダチ:死なない訳がない!さっき回復したばかりなのに……
後藤スダチ:本部長……力をお借りします!欠端セキのロイス切って復活!はやく本格登場してくれ
GM:まだ見ぬ上司…
GM:続いてのイニシアチブ
GM:スピードフォースの取り下げがなければコトノさん。行動しますか?
佐陀コトノ:行動します……!
佐陀コトノ:マイナーアクションはなし
佐陀コトノ:メジャーアクション:<サイレンの魔女>+<終焉の残響>
佐陀コトノ:6dx+20
DoubleCross : (6DX10+20) → 10[2,2,6,6,6,10]+7[7]+20 → 37

"イリス・リリス":ゲッリア不……
佐陀コトノ:対象は勿論シーン内エネミー全て!
芸術巨人:ここはAがイリス・リリスをカバーリングします。《崩れずの群れ》
芸術巨人:Bはそのまま受けます
佐陀コトノ:やはりカバー! ダメージ行きます!
佐陀コトノ:4d10+24+21+1d+24
DoubleCross : (4D10+24+21+1D10+24) → 12[8,1,1,2]+24+21+8[8]+24 → 89

佐陀コトノ:装甲無視にリアクション不可!
芸術巨人:でかすぎんだろ……
芸術巨人:AはHP0で戦闘不能。Bはなんとか持ちこたえます
佐陀コトノ:倒しきれなかったか……!!
佐陀コトノ:エンブレム<コンビネーター>の効果を発動、芸術巨人Bは今ラウンド中受けるダメージ+2d
芸術巨人:ヤバすぎる~
佐陀コトノ:侵蝕率+9で132。これにて以上!
GM:では続いてのイニシアチブ
GM:通常の処理に戻って再び"イリス・リリス"のターン
GM:マイナーは特になし
"イリス・リリス":《原初の赤:巨匠の記憶》LV8《混色の氾濫》LV6《幻想の色彩》LV6《コンセントレイト:ウロボロス》LV4
"イリス・リリス":視界範囲攻撃。対象はPC全員。
"イリス・リリス":13dx7+11
DoubleCross : (13DX7+11) → 10[1,1,2,3,4,4,5,5,7,9,10,10,10]+10[4,5,6,8,10]+10[2,9]+10[8]+10[10]+10[10]+4[4]+11 → 75

甘崎リンコ:高いよ!暴走リア不!
佐陀コトノ:高いって!! 暴走リア不!
足原エイコ:暴走!
ユージン・マディス:ガード。
後藤スダチ:暴走中なのでそのまま受けます。
"イリス・リリス":ではダメージ
ユージン・マディス:《領域の盾》。自分でスダチちゃんを庇いましょう
ユージン・マディス:侵蝕114→118
"イリス・リリス":8d10+24+18
DoubleCross : (8D10+24+18) → 47[4,9,4,6,9,3,4,8]+24+18 → 89

ユージン・マディス:クリスタルシールドでガード値12、アルティメイド服で装甲10、
ユージン・マディス:計算がアホらしいわ! 吹き飛びます オムファロスのロイスを昇華して復活
足原エイコ:装甲あるけどとても耐えられない!
足原エイコ:ユージン先生へのロイスを昇華します!
甘崎リンコ:耐えられないよ~!笑顔/●P:執着/N:不安のロイスを昇華して復活!
佐陀コトノ:耐えられない! スダチさんへのロイスをタイタス昇華して復活します!
後藤スダチ:ユージン先生ありがとう……また会いに行ってもいいですか?///
ユージン・マディス:あっこら! スダチちゃんのメモリアルロビーが!
GM:皆さん復活しましたね?
甘崎リンコ:エッ!?したけど……何!?
佐陀コトノ:何何!?
GM:それでは、ステージギミックが発動します
GM:さっきスダチさんが復活した時にアナウンスし忘れてたので、スダチさんも今受けて下さい
後藤スダチ:そんな!今更言われても
ユージン・マディス:ここから入れるステージギミックがあるんですか?
GM:みなさん、任意の<芸術:○○>、もしくは<意志>で判定して下さい。難易度は9
ユージン・マディス:では意志で。
ユージン・マディス:10dx+5
DoubleCross : (10DX10+5) → 10[1,3,5,5,7,7,8,9,9,10]+2[2]+5 → 17

甘崎リンコ:え~意志で!
甘崎リンコ:9dx+1>=9
DoubleCross : (9DX10+1>=9) → 9[1,2,4,4,5,7,8,8,9]+1 → 10 → 成功

甘崎リンコ:こわ~ 成功!
佐陀コトノ:えええ!? 今度こそ意志!
佐陀コトノ:7dx+2>=9
DoubleCross : (7DX10+2>=9) → 10[1,1,3,3,5,10,10]+9[3,9]+2 → 21 → 成功

佐陀コトノ:せ、成功……!
足原エイコ:芸術:漫画!
足原エイコ:8dx+6
DoubleCross : (8DX10+6) → 10[1,1,2,3,4,9,10,10]+5[3,5]+6 → 21

足原エイコ:成功!
後藤スダチ:芸術のほうがまだ目があるか
甘崎リンコ:絵具も食べられるからね
後藤スダチ:芸術:料理で判定
GM:困ったら絵の具使いな
佐陀コトノ:使って使って
後藤スダチ:じゃあ使おう!
後藤スダチ:絵の具をたべよう!
後藤スダチ:7dx+3>=9
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 10[3,5,6,7,7,10,10]+9[5,9]+3 → 22 → 成功

後藤スダチ:おいしそうな絵の具料理!
GM:絵の具なんていらんかったんや
GM:皆さん成功ですね
GM:では、その達成値を忘れないように何処かに控えておいて下さい。
GM:後で使います。
甘崎リンコ:なに!?こわい!!
後藤スダチ:どんどん高い達成値出さなきゃいけなくなったらいやだな
佐陀コトノ:な、何……!
ユージン・マディス:怖いよ~~~
GM:というわけで気を取り直してイニシアチブ!
足原エイコ:ちょっと待った!
GM:なにっ
足原エイコ:これ以上隠し事はさせない!
足原エイコ:使う覚悟が出来ました
GM:ハハハ、君に何ができるというのかね
足原エイコ:RHO……公開します
GM:やるんだな…!ここで…!
GM:了解しました
◆RHO
PC1:足原エイコ

君には幼い頃、共に漫画を描いていた相棒がいた。
コルネリウス・ヴァイスマン。
芸術全般に類稀な才覚を持っていた彼は、”マスターカラーズ”の後継者候補だった。
登録上は男子生徒だがトランスジェンダーであり、ノドスとムセイオンを行き来する生活を送っていた。
ノドス消失の日、その場にいた彼もまた巻き込まれ、姿を消した。
当時、君たち二人は共同で学内誌に漫画を連載していたが、それも打ち切りとなった。
現在、君は失われたノドスへの道を探し出す実験『十二夜計画』に協力している。
君と彼には特別な繋がりがある。君たちの漫画は打ち切りとなったが、コンビは解消されていない、
即ち、彼のアトリエは、半分は君のアトリエでもあるということだ。

余談だが、君は自分のアトリエの中に限っては無敵に近い。
君が描き出す物語が”面白い”ものである限り、それは現実に刻みつけられるだろう。

このRHOを公開すると、シナリオ中、あなたが持つ『神聖二重冠』の選択効果に以下の内容を追加する。
あなたはシナリオ中に死亡したキャラクターを一人選び、【Dロイス:転生者】を持つレネゲイドビーイングとして蘇生させる事ができる。
ただし、十字冠を持つキャラクターをこの効果の対象に選ぶことはできない。

また、君はムセイオンの生徒として【アトリエ】【額縁】【十二夜計画】についての情報を予め知っている。
足原エイコ:ここは、わたしのアトリエでもある!
"イリス・リリス":なん……だと……
GM:RHO効果を今使用しますか?
足原エイコ:神聖二重冠の効果で、イリスたんを【Dロイス:転生者】を持つレネゲイドビーイングとして蘇生します
GM:受理しました。
イリス・ウィトルウィウス:生き返りました~!
イリス・ウィトルウィウス:元気いっぱい
足原エイコ:そしてイリスたんなら……アトリエの全てを、解き明かしてくれる!
イリス・ウィトルウィウス:まるっとお見通しです!
GM:イリスの蘇生により、NPCカード効果が復活。ステージギミックが開示されます。
◆コルネリウスのアトリエ ~星虹回廊バルドゥ~
※解除済【額縁アーキドレイブ】イリス・リリスは、ユニークアイテム『額縁』を常備化する。
【アヴァンギャルド】この戦闘に登場するキャラクターは、メジャーアクションで一度使用したエフェクトの組み合わせをもう一度行う場合、3d10のHPダメージを受ける。
【デカルコマニー】この戦闘では、判定を行う際「技能LVを加算しない代わりにC値を-[技能LV÷10(小数点以下切り上げ)]する」を選ぶことができる。エフェクト等による達成値増加も技能LVとして換算する。(最小3)
【シュールレアリズム】この戦闘では、キャラクターが戦闘不能から回復する際、技能<芸術:〇〇>または<意思>、難易度9の逸脱判定を行う。判定に成功した場合、そのキャラクターは達成値と同量の技能LVを任意の技能に自由に振り分け、上昇させて良い。この効果は、次にその技能を使用した判定を行うまで継続し、累積する。ただし、逸脱判定に失敗するとそれまでの累積効果をすべて失い、暴走と重圧のバッドステータスを受ける。
GM:というわけで、先程の判定は【シュールレアリズム】によるものでした。皆さんは任意の技能に先程の達成値を割り振れます。よく考えて振ってみよう!

"イリス・リリス":「湧け、芸術の巨人」
"イリス・リリス":「"海鳴きの丘にて"」「"空気さなぎ"」
"イリス・リリス":イリス・リリスの左右に、虚空から伸びた白い糸によって繭が編まれる。
"イリス・リリス":それを内側から突き破り、2体の巨大な異形が姿を表す。
"イリス・リリス":一つは鯨の頭部を持った漆黒の巨人、もう一つは半透明の身体を持ち、虹色の球体を抱いて浮遊する奇妙な蛹。
"イリス・リリス":「星の窓よ、開け」
"イリス・リリス":背後に浮かぶ四振りの剣が怪しく輝くと、巨人たちの前方と、君たちの周囲に無数の四角い扉が現れる。
"イリス・リリス":それは万華鏡のように、巨人たちの姿を一枚一枚に映し、瞬く間に全周囲をドーム状に囲んでいく。
足原エイコ:「これは……マズいよね」
足原エイコ:「全方位攻撃を……好きなだけ撃てるってこと……!」
"イリス・リリス":「ええ、安心して下さい。時間は取らせませんよ」
甘崎リンコ:「…………!こんな量を撃たれたら……!」
"イリス・リリス":「抗う術などない。絶望とはそういうものです」
後藤スダチ:(しっかりしなきゃ。私がしっかりしなくて、どうする)
後藤スダチ:「――佐陀ちゃん、演奏の準備をして!」
佐陀コトノ:「……はい!!」
佐陀コトノ:指先が弦を弾き、楽曲の展開を試みる。だがその速度を目の前の敵が容易く上回る
後藤スダチ:佐陀コトノの広域音波でも迎撃は非現実的。完全に諦めるしかない。そういう物量だ。
後藤スダチ:だが、心が折れる様子を見せてしまったら負けだ。
後藤スダチ:この敵には『まだ反撃の手立てがある』と思わせなければならない。
佐陀コトノ:「……ダメ、間に合わない……!!」明確な焦りが、表情に出る
"イリス・リリス":左右に控える芸術巨人が動く。鯨の巨人は不気味に顎門を広げ、蛹の巨人は抱えた球体から妖しく揺らめく波のような光を放つ。
"イリス・リリス":その光は鏡から鏡へ映り込み、アトリエを満たしていく
ユージン・マディス:「――これきりだからな」
ユージン・マディス:全天を覆う巨人達の中心に、ゆらりと滑り込む。
佐陀コトノ:「先生!?」
"イリス・リリス":「無駄な足掻き」光が、次第に周囲の物質を分解していく。
ユージン・マディス:「違うcorrect」イリスリリスの背後に舞う、4つの剣を指差す。
ユージン・マディス:「間違いだcorrect忘れたかcorrect鍛え直せcorrect
ユージン・マディス:がきり。『額縁』の動きが、不可思議に鈍る。
"イリス・リリス":「───?」
ユージン・マディス:代わりに、ユージンの背後に、腰ほどまでの構造物が現れている。
"イリス・リリス":純白の無貌に、一瞬戸惑いの色が浮かぶ。しかし、一度振るった手を止めることはない。
ユージン・マディス:四角い、段差のある石造りの構造物だ。トロフィーでも受け取るときに登る程度の、ただの段差。
ユージン・マディス:――本来ならば。その中心にあるべきものが、今は欠けている。
"イリス・リリス":万物を暖かに分解する虹色の光が、ゆっくりと、君たちへ到達しようとしている。
ユージン・マディス:キ ィン
ユージン・マディス:だが。その台座を囲うように、鋭い光が落ちてくる。
ユージン・マディス:巨人の天球を、その中心点を貫いて。冷たくも柔らかい、眩い光が。
ユージン・マディス月光の台座Selene'stool。完成にはほど遠い。まだユージンの力では、聖剣鍛造の万分の一にも届いていない。
ユージン・マディス:だが、この状況に至ってしまった。よりにもよって彼女ではない自分が。よりにもよって刀鍛冶ではなく、教師として。
ユージン・マディス:「くは。甘崎どころじゃない。悪い冗談にもほどがある」
ユージン・マディス:"額縁"が、輝きを失う。ただの芸術品の刀のように、地に向けて落ちて、力を失う。
"イリス・リリス":「…………は……?」背後で響いた、金属の塊が地に落ちる音。
"イリス・リリス":同時に感知した、星の窓が歪む感覚に困惑の吐息を漏らす。
ユージン・マディス:禍々しき星の窓が崩れ落ちていく。元通りの昏き闇が広がる。確かな光は――ユージンの背の台座に落ちる月灯りのみ。
"イリス・リリス":「その光……あなた、何を───」
ユージン・マディス:「『――いずれレネゲイドは飽和する。人の悪意どころではない。獣の蹂躙どころじゃない。今の我々では想像も付かない、規格外の災厄に至るだろう』」
ユージン・マディス:「『その発展を抑え付けるUGNでは、必ず、その脅威に抗えなくなる日が来る』」
ユージン・マディス:「だから彼女は剣を鍛えた。だから彼女は聖剣を求めた。マスターラクス。湖の乙女、夢見がちな我が師匠よ」
ユージン・マディス:世界を鎖すことはない。アトリエを崩すことも出来ない。ただ、そのいずれ聖剣に至る月光は、決して途絶えない。
ユージン・マディス:「破滅。不運。災禍。――それらを切払うために振るわれる全てのものを」
ユージン・マディス:笑いだしたくなる。
ユージン・マディス:……この状況は。自分たちの、本来の"敵"だ。
ユージン・マディス:「――彼女は/オレは"剣"と定義する」
ユージン・マディス:それは。どれだけ深い闇の中でも。人を導く、差し込むひかり。
"イリス・リリス":「そんな……あり得ない……!"マスターラクス"は、その名を継がせることなく死んだ筈」
"イリス・リリス":「弟子……?いいえ、只の弟子なんかに……何故」
ユージン・マディス:「オレは、オレの行動、好悪、言葉の全てを、その為に賭けた。それだけだ」
ユージン・マディス:「お前達の言葉に乗って教えてやる」
ユージン・マディス:「彼女の作家性は"光明"。我が作家性は"専心"」
ユージン・マディス:「――未来へ向かう子供の足引く人間に。オレたちの剣が、応えるものか!!」
ユージン・マディス:天球が、砕け散った。
"イリス・リリス":「なっ……!」
GM:天球に敷き詰められた鏡の扉が、粉々に砕け、氷の粒のように降り注ぐ。
GM:空間を満たさんとしていた虹色の光は、露出した夜の闇の中に吸い込まれて消えていった
ユージン・マディス:「っづ……!」 頭痛を堪える。月光と台座の展開だけでも、身の丈に余る出力を出しているのだ。
ユージン・マディス:「お膳立てはこれが全てだ! もう砥石も出ん!」
ユージン・マディス:「さっさとやれ!」
後藤スダチ:「先生何したの今!?説明は!?」
ユージン・マディス:「あとで考えろ! 宿題だ宿題!」
足原エイコ:「なんか……聖なるパワーだったね!?」
ユージン・マディス:「とにかく"額縁"は反省させてる! あとは届かせろ!」
"イリス・リリス":「……製作者の上位権限……?確かに、"額縁"は言うことを聞いてくれないみたいですね」
"イリス・リリス":「ですが、些細な問題です。本来あなた方を排除するのに、"額縁"の力は過剰なもの」
"イリス・リリス":「苦しむ時間が無駄に伸びただけ……」
GM:その時、星が陰ったアトリエの夜空を、十字の光が貫いた。
GM:セイクリッドピラーから放たれた、大十字冠の光。
足原エイコ:「これって……例の……!」空を見上げる
GM:不完全な励起状態にあった君たちの十字冠が、本来の輝きを取り戻す。
後藤スダチ:一度体験した感覚だ。それが『できる』状態かどうかは分かる。
後藤スダチ:「神聖二重冠が……発動できる……!復活した!!」
足原エイコ:「なんか……すごい感じがしてくる!」
佐陀コトノ:「……あの時と同じ、これなら!」
甘崎リンコ:「……これが……!?」
甘崎リンコ:頭上の十字冠が二つに重なっているのを見て驚きの声を漏らす。
足原エイコ:「みんなもかっこよくなってる!」
"イリス・リリス":「……ッ……だから───」
"イリス・リリス":「無駄ですって!!」
"イリス・リリス":鯨の巨人の顎門が、異様な程に大きく開かれる。
"イリス・リリス":それは顎の可動域を遥かに外れ、胴体の半ばまで分かたれている。
"イリス・リリス":大きくU字を描いたその形状は、巨大な音叉を彷彿とさせた。
"イリス・リリス":リィィィィィィイイイイイイイイイイイ
"イリス・リリス":人間の可聴域上限スレスレの超高音。それもすぐに聴こえなくなり、代わりに大地を罅割れさせる程の音の圧力が君たちへと襲いかかる。
足原エイコ:「やばいよこれ……」そう口にするも、自分の声すらまともに聞こえない
佐陀コトノ:巨人を前に、仕切り直すように両足が土を踏みしめる。ゆらりと半身を傾け、肩から吊り下げられたギターを掴む
佐陀コトノ:「……私には、あなた達の気持ちが分かりません」
佐陀コトノ:「仮にこの場所が偽物だったとしても、起こった悲劇は本物で、掲げられた復讐も本物で。だからこそ、共感の言葉なんて使えない」
佐陀コトノ:「ノヴァリスが理想郷なんてもってのほか。喜びと同じくらい、苦しみだって積み上げてきた。今だってノヴァリスは果ての無い混沌が渦巻いている」
佐陀コトノ:「――それでもっ」小さな体が、震える声を張り上げる
佐陀コトノ:「ノヴァリスは私達の帰るべき故郷で、今この一瞬を生きたいと願う場所!! 私はあの場所が大好きだから、絶対に否定させたりなんかしない!!」
佐陀コトノ:「ああそれに!! あなたは私の目の前で友達イリスさんを奪った、友達リンコさんを泣かせた!!」
佐陀コトノ:「私は今、凄く怒ってます!!」
佐陀コトノ二重冠
佐陀コトノ:彼女の頭上で神聖二重冠が煌めく。五線譜が円を描くように囲み、輝くような閃光が散りばめられる
佐陀コトノ:「――六壬学園のお祭り女、佐陀コトノ!! そんな不協和音で、私のロックを掻き消せると思うな!!」
佐陀コトノ:5本の弦が力強く弾かれる。最大限に掛けられたディストーションと共に激しい旋律が紡がれる
佐陀コトノ:叩きつけるかのように鳴らされるパワーコード、鋭く突き刺さるような、だが熱狂を掻き立てる音響が不協和音を瞬く間に掻き消し、上書きする
芸術巨人:音と音がぶつかった瞬間、先の不協和音は佐陀コトノの奏でる音楽に呆気なく飲み込まれ、反転する。
"イリス・リリス":「ま、さか……!」糸を手繰る。傍らの巨人の一体が眼前に立ち塞がり壁となる。
佐陀コトノ:偽りの月光すらも取り込んでその音楽はアトリエをステージに変える
佐陀コトノ:現代神楽の調べ。古より残存し、そして再編された99の神楽歌。佐陀コトノが奏で上げる最も新しき呪術の一つ
佐陀コトノ:その最奥の一つ、あらゆる障害を踏破しその音色を以て魂を震わせし技芸神の権能、その疑似再現
佐陀コトノ:曰く、天照大神が己を閉じ込めた「天岩戸」とは、黄泉比良坂に代表される生者と死者を切り分ける境界線の一つであったのだという
佐陀コトノ:天岩戸の存在は天照大神の死、つまりは太陽の喪失を意味し、故に遍く世は闇に覆われ禍が生じたのであると
佐陀コトノ:アメノウズメの舞とは死に生きる天照大神に呼びかけ、彼女の生を、太陽を取り戻す儀式であったのだと
佐陀コトノ:(どんなに遠くても関係ない。どれだけ障害があろうとも関係ない。絶対に届かせる、どこまでも、どこまでも)
佐陀コトノ:イリス・リリスに取り込まれて、目の前で彼女はいなくなった
佐陀コトノ:目の前で暴れる芸術巨人が、取り込まれた彼女の力によるものだというのならば
佐陀コトノ:響かせる。届かせる。震わせる。境界線など踏み越えて、彼女に、佐陀コトノの音楽を
佐陀コトノ:「お願い、イリスさん――――っ!!!!」演奏が一際強く、輝くように轟いた
"イリス・リリス":「うる……さい───!」
"イリス・リリス":機神を身を挺して守っていた巨人の身体が、糸となって解ける。
"イリス・リリス":それは再び繭となって機神の周りを包む。
"イリス・リリス":佐陀コトノが奏でる現代神楽の音の洪水に晒されて尚、繭の中には死の静寂が満ちている。
"イリス・リリス":やがて音の波が過ぎ、星明かりに照らされた繭を突き破って、機神が再誕する。
"イリス・リリス":「何を期待しているのか知りませんけど」
"イリス・リリス":「イリス・ウィトルウィウスという機械はもういないんですよ」
"イリス・リリス":「躯体は分解され、その力の源泉であった"ミュージアム"は私の手の内にある」
"イリス・リリス":「後には何も残りません。ヒトの造った物に、それ以上のモノが宿ることはない」
佐陀コトノ:「いいえ、そんなことはありません!!」高らかに叫ぶ
佐陀コトノ:「イリスさんには間違いなく宿っていました。彼女がただの機械じゃない、記録装置じゃないことは、一度でも言葉を交わせば誰にだって理解できた!!」
佐陀コトノ:「音楽は確かに届いた。後は彼女の意志があれば、差し伸べる手段があれば、絶対にイリスさんは答えてくれる!!」
佐陀コトノ:「アーティストであることを捨ててしまったあなたには分からない!! 私は奏で続けます、この音楽を!!」
"イリス・リリス":「は、はは………捨てた……?……捨てたって言いました…………?」
"イリス・リリス":「……違う、奪われたんですよ……私は……私達は……!」
"イリス・リリス":「そこにいるのは………本当は……私だったはずなのに………!」
"イリス・リリス":感情を顕にすると同時に、アトリエの星が再び激しく瞬く。
"イリス・リリス":「……ああ、もう結構です」
"イリス・リリス":「師の背を追うことしか能のない不出来な弟子に、退廃音楽被れの不良少女……」
"イリス・リリス":「私のアトリエで、よくもまあ好き勝手してくれましたね」
"イリス・リリス":アトリエをレネゲイドが満たす。夜空に極光が浮かび、その色彩が新たな像を産む。
"イリス・リリス":「もう、さっさと終わらせます」
"イリス・リリス":「───堕ちよ、芸術の巨人」
"イリス・リリス":「"反=生命論"」
反=生命論
"イリス・リリス":夜空を裂いて、身の内に太陽を宿すヒトガタが降臨する。
"イリス・リリス":そのカタチは無限に連なるフラクタル。単体にて全生命を体現した無限の色彩。
後藤スダチ:「……っ」「そんな!」ほぼ本能的に、体が死と脅威を察知する。
後藤スダチ:知っている攻撃だからだ。イリス・ウィトルウィウスがかつて生成した――
後藤スダチ:最大にして最強の芸術巨人。
後藤スダチ:「ふ、伏せて!高熱の攻撃が来る……!」知っている。そんな回避をしても無意味だ。
"イリス・リリス":加速度的に増殖した極小太陽が臨界を迎え、全てを輝きの中へと飲み込もうとする。
ユージン・マディス:「くそっ……!」 夜空を吹き散らす輝きに目が眩む。
足原エイコ:「………」
甘崎リンコ:「っ、これ、は……!」圧倒的な光を前に、回避などの行動の無意味さを咄嗟に悟り、ただ前を向く。
佐陀コトノ:「っ!!」演奏を続ける手は止めず、だがそれ故に輝きと正面から相対する
後藤スダチ:(海中に逃げる?ポリマーで体を覆えば何秒か……無差別な攻撃であることを逆用できないかな、いや……)
後藤スダチ:(再生力で耐える……やっぱり無理だ。私が知ってるあの威力だとすれば――)
"イリス・リリス":「さぁ───爆ぜ散れ!!」
後藤スダチ:(不死のジャームを、焼き尽くす威力だ!)
足原エイコ:「………!」
GM:万色の太陽が大地へと落とされる。汎ゆるものを蒸発させる熱線と熱風が吹き荒れる。
GM:その中心に飲み込まれれば塵すらも残らない。ただ光と共に散滅するのが定めだ。
足原エイコ:染められる視界、焦げ付く肌
足原エイコ:とうとう転送が始まるであろう猛攻の中で……それでも、立っている
足原エイコ:(十字冠は、わたし達を守るための物)
足原エイコ:(でも二重冠は、そんな危険を前にして)
足原エイコ:(立っていられるようにしてくれる……そういう訳だね)
甘崎リンコ:圧倒的な光と熱の暴力に晒され、それでも生きているのを感じる。
甘崎リンコ:あまりにも一瞬で全てが溶け、気づかないうちに再生していたのだろう。
甘崎リンコ:「……まだ戦える……そういうことね」初めての神聖二重冠の影響下での戦い。小さく息を吐き前を睨む。
佐陀コトノ:「……!!」演奏は止まらない。焼け焦げて再生する指先が、震えながらも未だ弦を弾く
ユージン・マディス:「グ……」周囲の地面に、黒い柱が立っている。何らかの防護能を持っていただろう剣が、塵と崩れた。
ユージン・マディス:(足りん。オレの偶然の一致による魔剣封じ。佐陀の祓い唄による解呪)
ユージン・マディス:それだけでは埋め合わせられないほどの出力差。奴のアトリエの中という絶対的アドバンテージを覆すものがなければ。
後藤スダチ:「……っ、は、はあっ、はあっ……!」生き残ることができたのは、真っ先に水場に到達できるよう動いたからだ。
後藤スダチ:だが、文字通り焼け石に水だったに違いない。水辺は蒸発していた。自分自身の背中もそうだ。
後藤スダチ:(生き、残った……でも)
後藤スダチ:かつてこの目で見た出力を思えば、奇跡的な結果といえる――本当にそうだろうか?
後藤スダチ:(イリスちゃんの描いた芸術巨人とは……)
後藤スダチ:(違う)
"イリス・リリス":「……あり得ない」例えオーヴァードでも、例え神聖二重冠の守りがあったとしても
"イリス・リリス":"反=生命論"の光から逃れることなどできるはずがない。少なくとも、イリスの記録から導き出される威力であれば
"イリス・リリス":「……そんなはずがないでしょう」
"イリス・リリス":「本来の"マスターカラーズ"は私なのだから、あの子に劣る要素など一つもありはしない」
後藤スダチ:「……っ、うっ、う」涙が出てくる。火傷で背中が痛むからだ。そうだと思う。
後藤スダチ:「じゃあ、どうして……イリスちゃんの作品を使ったの……?」
後藤スダチ:「もしも攻撃の……兵器のためだったとしても……」反撃はできない。そんな余力はまったく回復していない。
後藤スダチ:「君が……その作品のことを『いい』って思ったんじゃないの……?」
後藤スダチ:「それを作ったのはイリスちゃんなんだよ!」
"イリス・リリス":「……っ」
後藤スダチ:「イリスちゃんが死んじゃったらもうそんな作品も作れないじゃない!!」
"イリス・リリス":「……だまれ」
後藤スダチ:「なんで殺したの!?返してよ!!」
後藤スダチ:「イリスちゃんは友達なんだ……そ、それをっ……」
後藤スダチ:「こんな、偽物の作品を見せて……ちくしょう……!!」
後藤スダチ:銃をどうにか構えようとしている。
"イリス・リリス":「……これを作ったのはイリスじゃない」再び、空に太陽が昇る。
"イリス・リリス":「あの子がやっていたのは……ムセイオンのみんなの作品を、技術を、勝手に切り貼りしただけの出鱈目なモザイクだ」
"イリス・リリス":「そんなものに……誰が敬意なんて払うものか!」
"イリス・リリス":「一発で足りないなら、何度だってくれてやる」
"イリス・リリス":「爆ぜて……消えろ……!」空を覆う輝きが、今まさに堕ちようとしている。
後藤スダチ:一発だけではない。分かっていた。模倣できたということは、複製すらいくらでも可能だということ。
足原エイコ:「…………」またあれが、何度でも堕とされるのだろう
ユージン・マディス:「……!」 何かを喋って時間を稼ごうとする。だが灼けた喉が言葉を吐かない。
佐陀コトノ:「2発目が来るのは……流石にキツイです……!」
甘崎リンコ:「……いくらなんでも限度が……!」
足原エイコ:灼熱の輝きに照らされて、濃い影が、地に深く根ざす そんな状況で
足原エイコ:「…………せ……ごほっ”、ごほ……」喉も少し、やられたようだ
足原エイコ:「先……生……」
足原エイコ:噂に、聞いていたものがある
足原エイコ:「ホワイト……ペーパー……って、先生はさ……持ってる?」
ユージン・マディス:「……ッ、……?」
ユージン・マディス:「……ゲホッ! 聞い゛、てはいる……」
ユージン・マディス:「足……はら。なんだ……」
足原エイコ:「見せて、欲しい」
足原エイコ:「それがあれば……最後の自信が……つくと、思うから」
ユージン・マディス:「……よく分からんが」
ユージン・マディス:「もう……渡してる。半分は」
足原エイコ:「……え?」
ユージン・マディス:焦げた表情で皮肉げに笑う。腕のスマートウォッチを掲げる。
ユージン・マディス:……遠い昔のように思えるかもしれない。それは、ユージンが"白書"の力を、生徒の許可なしに振るえないようにする機能も兼ねていた。
ユージン・マディス:「スマートウォッチで。新星白書で。……オレの監視用の」
ユージン・マディス:「スイッチと、2つで1つだ」
ユージン・マディス:「裏側に。もう一つボタンがある。それを回せ」
足原エイコ:「そう……だったんだ!」ポケットから出したそれを掌に載せ
足原エイコ:「ほんとだ……」裏のボタンを、掴んで回す
ユージン・マディス:キ リン
ユージン・マディス:澄んだ音と共に、ホログラムめいて腕から光が瞬く。
ユージン・マディス:複雑な文字列の果てに、「承認」「非承認」の2つの項目が浮く。
ユージン・マディス:ユージン自身は押すことができない。そういう位置に。
足原エイコ:「これが……そうなんだね」
足原エイコ:「先生は最初から、わたし達に……託してくれてたんだ」
ユージン・マディス:「何もかもお見通しってわけじゃない。こちらから晒さなきゃ」
ユージン・マディス:「君達に、話を聞けないだろう」
足原エイコ:「……へへ、ありがとう」
足原エイコ:「じゃあ、わたし、やってくるから!」
ユージン・マディス:「やってくるって……何を?」
足原エイコ:ボタンを逆方向にひねると、新星白書は光を失う
足原エイコ:「漫画家はさ、3つの物さえあれば、何でも描けるんだよね」
足原エイコ:「インク」「これは……このヤバい状況」
足原エイコ:「お先真っ黒で、飲み込まれそうな闇」
足原エイコ:ひとつ、指折り
足原エイコ:「ペンなら、ここに」
足原エイコ:Gペンを模した武装……ではなく、正真正銘、ただのGペン
足原エイコ:ふたつ、指折り
足原エイコ:「そして最後は……まっさらな紙」
足原エイコ:「新星白書!いい名前だよね」
足原エイコ:「それに……わたし達に、託してくれてたってことも」
足原エイコ:「今の気分は、真っ新な原稿を前にしたみたいな、いい気分だ!」
足原エイコ:みっつ、指折り
足原エイコ:「最高の展開、描いてみせるから」
足原エイコ:「新星白書それは、とっておきにしといてね?」
ユージン・マディス:「……オレは、"額縁"を止めた。場を作った。オレの剣はそこまでだ」
ユージン・マディス:「その先に、行けるなら行け、足原エイコ。……オレが死ぬまで信じるつもりのなかった言葉」
ユージン・マディス:「"ペン"なら、"剣"より先に行けるのかどうか」
ユージン・マディス:「見せてみろ」
足原エイコ:「うん」
足原エイコ:「……見ててね、先生!」
足原エイコ:十字冠が、静かに輝きを放つ
"イリス・リリス":「だから……先なんてないんですってば」
"イリス・リリス":夜空が真昼の如く白く染まっている。
足原エイコ:「無いから……描くんだよね」
"イリス・リリス":先程の数倍の規模まで増殖した極小太陽が、アトリエの上空に敷き詰められているのだ。
足原エイコ:「だって、それが始まりだったろう?」
"イリス・リリス":「………」
足原エイコ:「ここは、そのための場所なんだから」
足原エイコ:「娯楽がまだまだなかった頃のノヴァリスに……」
足原エイコ:「わたしとコニーで、最高の漫画を描いて、読んでもらおうって」
足原エイコ:そう、最高の漫画を描こうという思いから名付けた───
足原エイコ:”神漫画研究会”
足原エイコ:最初は、たった2人の
足原エイコ:「ここがコニーのアトリエなら」
"イリス・リリス":「エイコ……ッ」ぎり、と、無貌の仮面の奥で歯噛みする。
"イリス・リリス":「ああ、そうです!ここは私のアトリエ!ここでは私が───」
足原エイコ:「同じ”神漫画研究会”のアトリエってことだ」
"イリス・リリス":「──────!」
足原エイコ:「もちろん、”マスターカラーズ”の前じゃ、わたしの力なんて押しつぶされちゃうかも」
足原エイコ:「……でも、必要なものは揃った」
足原エイコ:「それに……この、シオン会長の力だってついてる」
足原エイコ:十字冠に重なったもう一つの十字が、拡がり始める
"イリス・リリス":「……どういうつもりです、エイコ」
"イリス・リリス":「"終わった話"を、未練がましく」
"イリス・リリス":「私を、馬鹿にしてるんですか!」
足原エイコ:「終わってない!!!」
足原エイコ:「『ナイツ・オブ・トゥエルブ』は打ち切られたけど……神漫画研究会は、今、大きな大きな部活になってる」
足原エイコ:「部誌もノヴァリス中で読まれてて」
足原エイコ:「だから……コニーが返ってくる場所が、あるんだよ……!」
足原エイコ:「だから初めに……コニーを……許せるようにする」「コニー自身にも」
"イリス・リリス":「許す……?」
"イリス・リリス":「なんですか……許すって……随分と上から目線な物言いですね」
"イリス・リリス":「そんなの、一言も頼んでません。迷惑です」
足原エイコ:「迷惑でも……やるよ」
"イリス・リリス":「……私の行動を憎むなら良い、糾弾するのも構いません」
"イリス・リリス":「けど、許される筋合いなんてない……罪なら、とっくに背負っているんですから」
足原エイコ:『あの、一緒に描きませんか……漫画……』そう話しかけてきたコニーを、わたしは最初迷惑がっていた
足原エイコ:コンビを組んでからもそう、リレー連載の中で、互いに迷惑をかけあったりして───
足原エイコ:「だって、相手を、信じているから!」
足原エイコ:「それが神漫画研究会のやり方だ!」
足原エイコ:天高く、Gペンを掲げる
"イリス・リリス":「……ッ!私が信じているのは……ッ、私だけです……!」振り絞るように言う。
"イリス・リリス":「私のアトリエで、神を名乗るな!!」
"イリス・リリス":「遍く堕ちよ!芸術の──────!」
足原エイコ:「空、海、大地、風に、血潮」
足原エイコ:「光、闇、希望、絶望───命」
足原エイコ:「わたしはその全てを描き、この世界に刻み付ける」
足原エイコ:「我が作家性は───」
足原エイコ:爆発?好きだけど違う
足原エイコ:希望?それも好きだけど
足原エイコ:努力?友情?勝利?とっても大事、でも
足原エイコ:わたしのは、それを全部ひっくるめて……
足原エイコ:「我が作家性は───”最高”!わたしがそう思ったもの……」
足原エイコ:「愛と勇気の物語を、あなたに届ける!」
足原エイコ:「この世界アトリエで、わたしは挑む」
足原エイコ:「死と絶望、そして……コニーに!!!」
足原エイコ:読んで、どうだったか聞かせて欲しい
足原エイコ:”最高”!って、言ってもらえたら、嬉しいな
足原エイコ:「ハアアアア!」
足原エイコ:拡がる神聖二重冠
足原エイコ:それは、コマ割りだ
足原エイコ二重冠
足原エイコ世界アトリエを囲んで、そして
足原エイコ:その中の世界に、思いつく、最高なものを描きこんでいく
足原エイコ:筆の速さは、折り紙付きだ
足原エイコ:「見てみろ!これが私の描く世界だ!!!」
"イリス・リリス":「そんな───この、世界アトリエは……!」
足原エイコ:拡がり続けるコマ割りは、ついに”イリス・リリス”の巨躯を捉える
"イリス・リリス":堕ちる空が押し留められる。虹色の太陽が、白と黒の世界に描き換えられて行く。
足原エイコ:「───どんな奇跡だって」
足原エイコ:「わたしは描ける!!!」
足原エイコ:その太陽の輝きよりも大きく
足原エイコ:どんな困難を前にしても輝く、そんな星を描く
足原エイコ:「良い感じの……いや、最高の復活展開!」
足原エイコ:「今度は、わたしが!!!」
足原エイコ:”イリス・リリス”の上に、描き込んでいく
"イリス・リリス":「くっ……!また……覆すつもりですか……エイコ!!」
"イリス・リリス":「私の……物語を!!」それに抵抗するように糸を手繰る。描き換えられるアトリエとアトリエが拮抗する。
足原エイコ:「言うように、なったじゃん」
足原エイコ:「まだ、ほんとは」
足原エイコ:「描きたいんだろ漫画……」
足原エイコ:おめめはパッチリ、髪はピンクのツインテ―ル
足原エイコ:大きめのジャンバーを、重ね着する最先端のオシャレ
足原エイコ:背中にはおっきなスプレーガンがあって、それでたくさんお絵かきするの!
足原エイコ:ボディは……メリハリがありつつ、柔らかいイメージでね
足原エイコ:「……できたっ」
足原エイコ:「あなたの名前は……イリス」
足原エイコ:「イリス・ウィトルウィウス……おはよう」
足原エイコ:「そして……おかえりなさい」
足原エイコ:言葉と共に、手を伸ばす
"イリス・リリス":手繰られた糸が解れていく。とうの昔に、彼女の筆に追いつけなくなっていた。
"イリス・リリス":本当に、欲望丸出しの馬鹿みたいなデザインだ。
"イリス・リリス":いつもそうだった。本当は自分が、彼女の描き方に合わせてあげていたのに───
イリス・ウィトルウィウス:「───おはようございます。エイコ」
イリス・ウィトルウィウス:「そして、ただいま」
イリス・ウィトルウィウス:エイコが刻みつけた描線が自ら躍動し、鮮やかに色づいていく。
イリス・ウィトルウィウス:それは一つの生命となって、機神の内側から、そして区切られたコマの内側から
イリス・ウィトルウィウス:二つに重なった星冠を戴いて飛び出し、再誕する。
イリス・ウィトルウィウス二重冠
足原エイコ:「豪華カラー版だ」
足原エイコ:「最高だね!」
後藤スダチ:「い、イリスちゃん」
後藤スダチ:「イリスちゃん……ほ、本当に?」
甘崎リンコ:「……い」
甘崎リンコ:「イリス……?」
イリス・ウィトルウィウス:幾つものコマに区切られた世界に、スプレーガンを吹き付ける。
イリス・ウィトルウィウス:エイコのアトリエと押し合って上空に留まっていた極小太陽の群体は、澄み渡った空色に塗りつぶされ、水の粒となって弾け飛ぶ。
イリス・ウィトルウィウス:そうして降り注ぐ飛沫に、大十字冠の光が散乱し、空に大きな虹を架けた。
佐陀コトノ:「……おかえりなさい!」
佐陀コトノ:信じていたと、そうとでも言うように笑う
イリス・ウィトルウィウス:「えへへ、はい!みなさん、ご心配をおかけしました!」
イリス・ウィトルウィウス:「イリス・ウィトルウィウス、巻頭カラーで大復活です!!」
後藤スダチ:「い、生きてる!動いてる!」
後藤スダチ:「は、あは……あはは……」
甘崎リンコ:「そ、そんなことが……!?」
甘崎リンコ:「……よ、よかっ、……った……!」
甘崎リンコ:「よかった……!帰って来てくれたのね……!」
佐陀コトノ:「えへへへ……!」
ユージン・マディス:「…………?」
ユージン・マディス:「……何が起きた?」
足原エイコ:「奇跡」ぶい!
"イリス・リリス":「……"社会人"としてのイリスは、確かに消滅した」
"イリス・リリス":「そのイリスのミームを、記憶を……物語を」
"イリス・リリス":「寸分違わず描きとって……レネゲイドビーイングとして定着させた」
ユージン・マディス:「……奇跡と来たか」 呆れたように口の端を震わせる。
ユージン・マディス:「解説感謝する。……だが、理屈屋がどうにか出来る話じゃあなさそうだな」
足原エイコ:「先生のくれた、勇気のお陰」
足原エイコ:「奇跡の起こる理屈って、そういうものだよね?」
甘崎リンコ:「……ふふ、ふふふふ。芸術ってそういうものよね」
甘崎リンコ:「理屈を超えて奇跡を起こすもの」
ユージン・マディス:「ここまで出来るとは聞いてないが……刀鍛冶の予想を飛び越えてこそ剣士か」
"イリス・リリス":「……神様を名乗るくせに、人間みたいに奇跡に縋るんですね」
"イリス・リリス":「矛盾してます。……その矛盾が、漫画家の力ということでしょうか」
"イリス・リリス":「ご都合主義にも程がありますよ。エイコ」
"イリス・リリス":怒りの中に、隠しきれない別の感情が混じった声。
足原エイコ:「……でも、最高だったでしょ?」
足原エイコ:「それにまだ、描き切ってない」
足原エイコ:「コニーが……帰ってくるまでが」
足原エイコ:「エンディングなんだから!」
"イリス・リリス":「ハァ……最悪です」その溜息は、どこかこの場に似つかわしくない気安さがあった。
"イリス・リリス":「良いでしょう。もう一度、もう一度だけ、勝負に乗ってあげます」
"イリス・リリス":「貴方がメチャクチャにしたシナリオを、私が綺麗に整えて」
"イリス・リリス":「今度こそ、終わらせてやる」
イリス・ウィトルウィウス:「……コニー」先程まで自らを捉えていた機神に向き直る。
イリス・ウィトルウィウス:「私は、ムセイオンの生徒を傷つけることはできません。その作品に手を加えることも、またできない」
イリス・ウィトルウィウス:「けど、今だけは……その戒律を破ります」頭上の二重冠が輝きを増す。
イリス・ウィトルウィウス:「今は私も、ノヴァリスの生徒ですから」
"イリス・リリス":「………」
"イリス・リリス":奇跡―――そんな都合のいい言葉で片付けてたまるものか。
"イリス・リリス":いくらアトリエの主が万能の力を持つとしても、直前に現代神楽の反魂呪詛をその身に浴びていたとしても。
"イリス・リリス":生命の創造……それも一切の代償なく、完全に連続した記憶と人格を保ったままの転生など、足原エイコ一人の手で為せる業ではない。
"イリス・リリス":だから、理由は単純だ。ここに自分がいたせいだ。
"イリス・リリス":“リリス”は機神を孕む機神。”イリス・リリス”の躯体を原稿用紙代わりに、懐胎の権能を盗用され産まれたのが、現在のイリス。
"イリス・リリス":彼女は正しく、足原エイコとコニー・ヴァイスマンの合作ということになる。
"イリス・リリス":「”ミュージアム”の管理権限が安定しない。私からイリスの要素が抜け出た以上当然ですか……なら」
"イリス・リリス":「機神、再胎―――」純白の彫像の躯体が、黒く染まっていく。
"イリス・リリス":夜空に空いた穴のような漆黒のシルエットに、葉脈めいた赫いラインが浮かぶ。
"オムファロス・リリス":「ここからは、ノドスの”オムファロス”としてお相手します」
"オムファロス・リリス":「我がアトリエの真価───とくと味わえ!」

GM:イリスの復活により、NPCカードが★4にアップデートされました。
GM:芸術巨人の効果が強化されます。
【芸術巨人】
同エンゲージにいるPCはオートアクションで搭乗できる。
搭乗中のキャラクターに以下の効果を与える。
攻撃力+3d10
装甲+25
移動距離+50m(移動後、搭乗状態は解除される)
ドッジの際、芸術巨人による代行ドッジを選択可能。搭乗者が暴走状態でも行える。
判定は<運転>技能 15dx7+9となる。
GM:装甲が分厚くなり、攻撃力もバフがかかるようになりました。上手く使ってね。
GM:というわけで、イニシアチブに入って行きます。
GM:行動値13、後藤さん!
“オムファロス・リリス”[21]
芸術巨人B[5]
   |
   10m
   |
   PC
後藤スダチ:【アヴァンギャルド】対策として《コンセントレイト》を抜いて芸術巨人を狙います。
後藤スダチ:武器はSTALKERを装備。
後藤スダチ:【デカルコマニー】を使用し、現在チャージされてる料理19に射撃6を足した切り上げのC値3を低下させます!
芸術巨人:ゲゲ~!
後藤スダチ:イリスちゃんの芸術巨人に搭乗!《腐食の指先》で芸術巨人B!
GM:くるがいい!
後藤スダチ:10dx7
DoubleCross : (10DX7) → 10[2,3,3,3,5,5,7,7,8,10]+10[2,3,5,10]+10[7]+1[1] → 31

後藤スダチ:悪くない出目!
芸術巨人:一応ドッジするか……
芸術巨人:6dx>=31
DoubleCross : (6DX10>=31) → 10[7,7,8,9,9,10]+1[1] → 11 → 失敗

"オムファロス・リリス":《万象の虹》
後藤スダチ:なにっ
"オムファロス・リリス":ユージン先生の《領域の盾》をコピー
"オムファロス・リリス":芸術巨人をカバーリングします。
後藤スダチ:アーッおともをカバーリングされた!
"オムファロス・リリス":リアクションはガード。
後藤スダチ:そんなことするボス初めて見た!
GM:ダメージをどうぞ!
後藤スダチ:火力はコトノちゃんの《狂騒の旋律》と武器分だけ。
後藤スダチ:31+4d10 シーン中装甲-10
DoubleCross : (31+4D10) → 31+18[1,6,9,2] → 49

イリス・ウィトルウィウス:私もいますよ!
後藤スダチ:そうだった!イリスちゃんの力……!
後藤スダチ:49+3d10 イリスパワー!
DoubleCross : (49+3D10) → 49+15[4,4,7] → 64

"オムファロス・リリス":時間凍結でHPを消費しており、残HPは60でした。
"オムファロス・リリス":HP0
後藤スダチ:え……
甘崎リンコ:やったか!?
芸術巨人:《捧げる生命》
後藤スダチ:あ!こいつが復活させてくるのか
ユージン・マディス:ああ~ また珍しいエフェクト
芸術巨人:自身を戦闘不能にし、”オムファロス・リリス”をHP40で蘇生。
甘崎リンコ:は、はええ
佐陀コトノ:ほほ~
"オムファロス・リリス":復活により、逸脱判定を行います。
甘崎リンコ:ゲーッ!
後藤スダチ:そういうことか……!
佐陀コトノ:うわっそういうこと……!!
後藤スダチ:こいつ自身も一度死んだ人間になるほど強くなるんだ
足原エイコ:一度死んだ人間になれ……!
"オムファロス・リリス":技能は芸術:絵画を選択。そしてこの判定に
"オムファロス・リリス":《原初の赤:巨匠の記憶》LV8《コンセントレイト:ウロボロス》LV4 を組み合わせる!
甘崎リンコ:な、なんだとお
佐陀コトノ:うわーー!!
足原エイコ:ずりーぞそんなエフェクト!
後藤スダチ:やりすぎやりすぎ
"オムファロス・リリス":13dx7+9
DoubleCross : (13DX7+9) → 10[1,1,2,2,4,4,5,5,6,6,7,10,10]+10[1,10,10]+5[5,5]+9 → 34

後藤スダチ:ヒィ~
ユージン・マディス:はは~なるほど
"オムファロス・リリス":当然、運転技能に全部突っ込みます。現在の技能LVは45
甘崎リンコ:45?????
後藤スダチ:アヤヤ~
佐陀コトノ:ひーーーっ
"オムファロス・リリス":私がこのアトリエを一番うまく使えるんだよ わかったか
後藤スダチ:わからされちゃった……
ユージン・マディス:そうやって使うんだなあ

後藤スダチ:「イリス、ちゃんが……生き返った」事実を噛みしめる。
後藤スダチ:自分はどうだろうか?体の前面は熱傷を受けているわけではない。肘関節は動く。指先も、やや辛いが引き金を引くくらいはできる。
後藤スダチ:「私だってやる。私だって……!」
後藤スダチ:少なくともまだ、神聖二重冠がある。
後藤スダチ:緑の十字冠を八等分するような、白く輝く光の筋――戦える。
後藤スダチ二重冠
後藤スダチ:攻撃補助のため、装填されている分のカプセルのスライムを全て放出する。先程の攻撃で体積は相当に心もとないが……
後藤スダチ:短く呼吸を整え、構えて、敵の赤いラインを目印に撃つ。
後藤スダチ:――ダン!!
後藤スダチ:ただの銃撃でしかない。こんなスケールの敵にとっては、なおさらそうだろう。
後藤スダチ:「文化祭は止めさせない!」
"オムファロス・リリス":銃弾は、今度は留まることなく機神を捉え、弾けた。
"オムファロス・リリス":内部のスライムが飛散し、巨体にまとわりつく
後藤スダチ:「……ねえ!コニー……コニーさんって名前でいいんだよね!?」
後藤スダチ:「私は文化祭実行委員の後藤スダチ!」
"オムファロス・リリス":「文化祭実行委員……ああ、そういえばそうでした」
"オムファロス・リリス":「あなたも気の毒な方ですね」
"オムファロス・リリス":「そんなお気楽な行事の使い走りで、こんな所までくるはめになるなんて」
"オムファロス・リリス":「馬鹿みたい」
後藤スダチ:「もうすぐ始まるんだよ……!理事会がいなくなって、文化祭だって、もう地下に潜ってやらなくていいんだ!」
後藤スダチ:「ノヴァリスの学生だったら誰だって参加できる!ノドスの皆だって……」
後藤スダチ:「こんな方法でノヴァリスに戻ってくるなんて寂しすぎるよ!」
後藤スダチ:「お気楽な行事でいいじゃん!だって文化祭なんだもん……やればいいんだよ!みんなで!」
"オムファロス・リリス":「元は理事会の走狗だったくせに……偉そうに他人を憐れまないでくださいよ」
"オムファロス・リリス":「文化祭?じきに、そんな事してる場合じゃなくなります」
"オムファロス・リリス":「私達みたいにね」
"オムファロス・リリス":背後の芸術巨人が解け、機神の躯体に吸収されていく。
後藤スダチ:「なる!!」敵は
後藤スダチ:こちらに『戦いたくない』と思わせようとしている。
後藤スダチ:ノドスの現状を示唆する幻影を見せたのもそうだ。わざわざエイコとの過去の関わりを明かしたのもそうだ。
後藤スダチ:イリスを消滅させて、アトリエの支配権を誇示していたのもそうだ。
後藤スダチ:「そんな事してる場合になる!!」
後藤スダチ:「コニーさん……君が心配してることは、実は全部、何もかも解明済みで」
後藤スダチ:「ノヴァリスで問題の解決策はとっくに出ている!」
後藤スダチ:逆をやってやる。何一つ根拠のない希望だって
後藤スダチ:こっちが逆に『戦いたくない』と思わせてやるのだ。
"オムファロス・リリス":「思ってもないことを、よくも平気な顔で言えるものですね」
"オムファロス・リリス":「呆れを通り越して感心します」
"オムファロス・リリス":「実現できない希望は、ただの嘘」
"オムファロス・リリス":「この空間で、私に対して大言壮語を並べ立てるのなら」
"オムファロス・リリス":「当然、覚悟はできてますよね?嘘つきのスダチさん」
"オムファロス・リリス":機神の背後から、レネゲイドの奔流とともに虹色の光が溢れている。
後藤スダチ:「――とっくに」パチッ
後藤スダチ:"オムファロス・リリス"に付着したスライムの一箇所が、白い光を放ったように見えた。
後藤スダチ:ド  ン  !
"オムファロス・リリス":「───っ」
後藤スダチ:直後、表面を爆光が包む。
後藤スダチ:スライムに添加していたのは、焼夷剤だ。
"オムファロス・リリス":ぐらり、彫像の身体が揺らぐ。
後藤スダチ:「覚悟してるよ!ばか!私が失敗したらアルバ課長の首が飛ぶんだ!!」
後藤スダチ:「言われれば言われるほど余計に成功させてやりたい気持ちが高まってきたぞ!」
後藤スダチ:「みんなのために……みんなのための文化祭なんだ!!」
"オムファロス・リリス":彫像を構成する糸へと炎が燃え移り、瞬く間に機神の全身を焼き尽くす。
"オムファロス・リリス":そうして焼け残った灰から、再び黒い繭が形作られ
"オムファロス・リリス":その殻を破り裂いて、無傷の姿の機神が再誕する。
"オムファロス・リリス":「あなたとは、あんまり合わなそうですね」
"オムファロス・リリス":「……私達も、みんなのためにやっているんですけど」
後藤スダチ:「あはっ……どうすれば、仲良くできそうって思う?」弾丸を装填する。
"オムファロス・リリス":「仲良くする必要なんてない」
"オムファロス・リリス":「そういう話をしていたつもりだったんですが」
"オムファロス・リリス":「意外と、頭が悪いのかな」
"オムファロス・リリス":漆黒の糸が、夜の闇に紛れてアトリエに張り巡らされていく。

GM:次のイニシアチブ
GM:行動値12。エイコ先生!
足原エイコ:はい!
足原エイコ:じゃあここは……エフェクト使わずに攻撃に行きましょう
"オムファロス・リリス":なにぃ~
足原エイコ:クリムゾンブリーチによる射撃攻撃!
足原エイコ:さすがにダイス少ないし、C下げはせずに技能値そのままで!
足原エイコ:ではマイナーアクションで《ライトスピード》侵蝕+5
GM:ぐえ~ッ
足原エイコ:C値が+1で2回メジャーアクションします
足原エイコ:1回目!判定行きます
足原エイコ:8dx11+21+21
DoubleCross : (8DX11+42) → 10[4,7,8,8,9,9,9,10]+42 → 52

GM:でっか
"オムファロス・リリス":《原初の緑:竜鱗》LV6 リアクションを放棄し装甲+60
"オムファロス・リリス":おらっダメージ出してみい!
足原エイコ:そんなものまで!ダメージ
足原エイコ:6d10+2d10+18+21+3d10
DoubleCross : (6D10+2D10+18+21+3D10) → 30[3,7,10,1,8,1]+5[3,2]+18+21+22[10,6,6] → 96

後藤スダチ:ヤベ~
"オムファロス・リリス":装甲60+HP40……ギリギリ……
"オムファロス・リリス":あっだめだ
後藤スダチ:待った!
後藤スダチ:そう、私が装甲-10入れてるんだぜ
"オムファロス・リリス":ちくしょ~!
足原エイコ:スダチちゃんの力だ……!
後藤スダチ:俺だぜ!
ユージン・マディス:ヒューッ
佐陀コトノ:やったー!!
"オムファロス・リリス":ではHP0に
甘崎リンコ:やったか!?
"オムファロス・リリス":《原初の黒:ラストアクション》HP0で即座に行動
後藤スダチ:ギャ~~
"オムファロス・リリス":ライトスピードの途中だがメインプロセスを挟ませてもらうぜ
足原エイコ:うわっ私の番の途中なのに!
ユージン・マディス:面白いタイミングだ
足原エイコ:物販の列の割り込みは禁止ですよ!
後藤スダチ:メインプロセス中のメインプロセスね
"オムファロス・リリス":マイナーはなし
"オムファロス・リリス":《原初の赤:巨匠の記憶》LV8《混色の氾濫》LV6《幻想の色彩》LV6《コンセントレイト:ウロボロス》LV4
"オムファロス・リリス":一回やった組み合わせなので3d10のダメージを受けるけど
"オムファロス・リリス":ラストアクション中なので踏み倒せる!という裁定にさせてもらうぜ!
甘崎リンコ:なんてこと!
足原エイコ:既に死んでいるから……!
佐陀コトノ:コストの踏み倒し……!
ユージン・マディス:あの人……爆発しながら戦ってる……
後藤スダチ:ボスなのにPCみたいな踏み倒しコンボして!
"オムファロス・リリス":そして【アヴァンギャルド】の効果を使用。達成値の代わりにC値を-4
"オムファロス・リリス":C3で攻撃してやる!喰らえ!
"オムファロス・リリス":13dx3
DoubleCross : (13DX3) → 10[1,2,2,3,3,3,4,6,7,7,9,9,9]+10[1,1,2,3,5,5,7,8,9,9]+10[1,2,5,5,5,6,10]+10[3,5,7,9,9]+10[1,2,3,4,5]+10[1,2,5]+10[7]+10[7]+1[1] → 81

"オムファロス・リリス":アレー?
後藤スダチ:ヒィ~
甘崎リンコ:芸術巨人のりたい!のって代行ドッジしてもらいたい!
足原エイコ:でかいけどC3の割には……?
後藤スダチ:私も乗せてくんろ~
佐陀コトノ:のせてのせて~
甘崎リンコ:でも81はさすがにきついか……?でもやらないよりは!
足原エイコ:私も乗ってる!
足原エイコ:結局暴走リア不だしドッジし得!
イリス・ウィトルウィウス:うおおおがんばります!
ユージン・マディス:やって~
イリス・ウィトルウィウス:15dx7+9>=81
DoubleCross : (15DX7+9>=81) → 10[2,2,2,3,3,3,6,6,6,8,9,9,9,10,10]+10[2,2,7,8,9,10]+10[1,4,7,8]+10[6,8]+1[1]+9 → 50 → 失敗

イリス・ウィトルウィウス:ごめんなざい~
甘崎リンコ:がんばった……!
後藤スダチ:いいのよ~
後藤スダチ:大無罪よ
佐陀コトノ:よく頑張ったよ~~
足原エイコ:頑張ってくれた……その事実が嬉しいのよ
イリス・ウィトルウィウス:みんなやさしい…
"オムファロス・リリス":厳しいダメージを出します
"オムファロス・リリス":9d10+24+18
DoubleCross : (9D10+24+18) → 52[1,7,1,10,8,9,4,6,6]+24+18 → 94

後藤スダチ:ふざけるな!死ねオムファロス
佐陀コトノ:許せねぇ
甘崎リンコ:ほげーっニューイリスちゃんの装甲いくつでしたっけ
イリス・ウィトルウィウス:25!
甘崎リンコ:つよい!でもさすがに厳しい!
ユージン・マディス:うーんどうしようもない
ユージン・マディス:《領域の盾》。侵蝕118→122
ユージン・マディス:佐陀さんをカバーしまーす
佐陀コトノ:せ、先生……!!
後藤スダチ:九社都会長のロイスを切って復活!オフィサーの名を背負っている私は絶対に負けられない……!はやく本格登場してくれ
GM:まだ見ぬ上司……
甘崎リンコ:お笑いへのロイス切って復活!
後藤スダチ:あとさっきの攻撃で侵蝕上げ忘れたので今上げます。
後藤スダチ:後藤スダチの侵蝕率を2(→ 2)増加 (108 → 110)
ユージン・マディス:ラハブのロイスを切って復活!
足原エイコ:固定ロイス編集者を昇華して復活
GM:復活した皆さんは逸脱判定をお願いします
GM:難易度は9。失敗したら暴走&重圧だぞ
甘崎リンコ:うーっ意志でがんばります!
甘崎リンコ:9dx+1>=9
DoubleCross : (9DX10+1>=9) → 10[1,4,4,5,5,9,10,10,10]+10[1,2,10]+6[6]+1 → 27 → 成功

甘崎リンコ:よっしゃ!
後藤スダチ:後藤スダチは料理がうまい!芸術:料理でチャレンジします
後藤スダチ:10dx>=9
DoubleCross : (10DX10>=9) → 10[3,5,5,5,7,8,8,8,9,10]+3[3] → 13 → 成功

後藤スダチ:わーい
ユージン・マディス:意志が強い
ユージン・マディス:では私も意志だ
ユージン・マディス:10dx+5
DoubleCross : (10DX10+5) → 10[1,1,2,3,3,7,8,9,10,10]+4[3,4]+5 → 19

ユージン・マディス:合計36!
足原エイコ:芸術:漫画で!
足原エイコ:8dx+6
DoubleCross : (8DX10+6) → 10[5,5,6,6,7,8,8,10]+2[2]+6 → 18

"オムファロス・リリス":そして私は《原初の虚:燃える魂》HP60で復活
"オムファロス・リリス":更に《原初の灰:歪んだ腕》行動値0で未行動に
後藤スダチ:つ、強い……!
ユージン・マディス:攻撃する度に……強くなって復活する!
ユージン・マディス:こいつ……む、無敵か…………
"オムファロス・リリス":逸脱判定《原初の赤:巨匠の記憶》《コンセントレイト:ウロボロス》
"オムファロス・リリス":13dx7+9
DoubleCross : (13DX7+9) → 10[1,2,3,4,6,6,6,7,9,9,9,9,10]+10[2,3,3,3,4,7]+6[6]+9 → 35

"オムファロス・リリス":運転に加算。同じ組み合わせなので3d10のダメージを受けます
"オムファロス・リリス":60-3d10
DoubleCross : (60-3D10) → 60-15[8,3,4] → 45

"オムファロス・リリス":残りHP45
GM:というわけでようやくエイコ先生の手番に戻って来たぞ!
後藤スダチ:まだエイコ先生のメインプロセスは終了してないぜ!
足原エイコ:ハァハァ 今度はメジャーで《風鳴りの爪》使って攻撃します!
足原エイコ:逸脱判定で得た達成値は、そのまま使います
足原エイコ:8dx11+21+18
DoubleCross : (8DX11+39) → 9[4,6,7,8,9,9,9,9]+39 → 48

"オムファロス・リリス":《原初の緑:龍鱗》LV6 リアクションを放棄し装甲+60
足原エイコ:ダメージ!
足原エイコ:5d10+2d10+18+21+3d10
DoubleCross : (5D10+2D10+18+21+3D10) → 41[8,8,10,8,7]+12[4,8]+18+21+15[7,2,6] → 107

甘崎リンコ:うおでっか……
"オムファロス・リリス":でっか……
足原エイコ:今回は風鳴りしてるんで……2を振り直し
足原エイコ:105+1d10
DoubleCross : (105+1D10) → 105+8[8] → 113

"オムファロス・リリス":《デモンズウェブ》LV8 Eロイス:妄念の姿で取得。
足原エイコ:どこまでしぶといんだ!
"オムファロス・リリス":ダメージを-9d10……ラウンド一回の虎の子だ
"オムファロス・リリス":113-9d10
DoubleCross : (113-9D10) → 113-43[1,5,10,4,2,10,1,7,3] → 70

"オムファロス・リリス":装甲で20まで削減。残りHP25
足原エイコ:侵蝕はクリムゾンブリーチ2回で+6、風鳴りで+2 合計132に
GM:イニシアチブ!
GM:甘崎さんの手番です。
甘崎リンコ:あっはい!
甘崎リンコ:ちょっとまってくださいね
甘崎リンコ:【デカルコマニー】使う時って私は今逸脱判定の達成値が37なんですけどC値-4ですか?
GM:そうなります!
甘崎リンコ:ありがとうございます!
甘崎リンコ:うーんいきます!
甘崎リンコ:マイナーでコンボ▼ノーマルスキル『愛玩動物の不在』≪縮地≫≪バックスタブ≫で移動!10m移動し敵のエンゲージへ!
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を2(→ 2)増加 (108 → 110)
“オムファロス・リリス”[0]
甘崎リンコ[8]
   |
   10m
   |
   PC
甘崎リンコ:メジャーでコンボ▼EXスキル『飛翔する寝具』≪コントロールソート≫≪コンセントレイト≫≪確定予測≫≪原初の赤:吹き飛ばし≫+神木の丸太。全力を出すだけだ!
甘崎リンコ:【デカルコマニー】を使用。【シュールレアリズム】で意志判定の達成値10+27を白兵にあて、C値を4下げます。
甘崎リンコ:C値は3!判定いきます
甘崎リンコ:9dx3-4
DoubleCross : (9DX3-4) → 10[3,3,5,5,6,7,7,7,9]+10[1,2,2,2,6,7,8,8,9]+10[2,5,7,9,10]+10[1,2,4,8]+10[4,10]+10[2,10]+10[8]+10[6]+1[1]-4 → 77

甘崎リンコ:C値+2でリアクションどうぞ!
"オムファロス・リリス":そんなんでドッジするわけ無いだろ!
"オムファロス・リリス":《原初の緑:龍鱗》LV6 リアクションを放棄し装甲+60
甘崎リンコ:甘崎リンコの侵蝕率を12(→ 12)増加 (110 → 122)
甘崎リンコ:ではダメージを出す前に
甘崎リンコ:ユージン・マディス/●P:面白い/N:不信→ユージン・マディス/●P:純愛/N:寂寥 に書き換えSロイスに指定。昇華し、カラーロイスの効果を適用します。
甘崎リンコ:適用するカラーロイスはブルー!私のダメージロールではガード値と装甲値を無視してダメージを算出する!
"オムファロス・リリス":イヤ~ッ
甘崎リンコ:8d10+20+20+21
DoubleCross : (8D10+20+20+21) → 65[8,10,8,8,10,5,8,8]+20+20+21 → 126

甘崎リンコ:ダメージ通ったら1m移動してもらう!
"オムファロス・リリス":と、通ります……そもそもHP0!
"オムファロス・リリス":《蘇生復活》《再生の王笏》
"オムファロス・リリス":HP1で復活。更にHPを+7d10
"オムファロス・リリス":1+7d10
DoubleCross : (1+7D10) → 1+57[10,4,9,10,5,10,9] → 58

"オムファロス・リリス":HP58
甘崎リンコ:うっ高いな……!
甘崎リンコ:でも私のエンゲージから出たな!
甘崎リンコ:≪氷の茨≫!
甘崎リンコ:ダメージを受けてもらう!
"オムファロス・リリス":ぐぬぬぬ
甘崎リンコ:6d10
DoubleCross : (6D10) → 33[2,5,9,1,9,7] → 33

"オムファロス・リリス":HP25
甘崎リンコ:倒し切れず……以上!
"オムファロス・リリス":あと逸脱判定降ります
"オムファロス・リリス":今回は……《原初の赤:巨匠の記憶》だけで振ろうかな!
甘崎リンコ:ダメージを恐れているわね……!
"オムファロス・リリス":13dx+9
DoubleCross : (13DX10+9) → 10[1,2,2,2,4,5,5,5,6,6,8,10,10]+10[5,10]+3[3]+9 → 32

"オムファロス・リリス":あんまり変わんないんだよな
"オムファロス・リリス":回避に割り振ります
甘崎リンコ:回避だとお
"オムファロス・リリス":こうして何度も逸脱判定すると、複数の技能を強化することもできるのだ

足原エイコ:「神聖二重冠の力……すごい!でも……」
足原エイコ:「体が白黒になってるのって、わたしだけ?」
後藤スダチ:「アシハラ先生どうなってんのそれ!?」
足原エイコ:自分の体と周囲を交互に見ている
足原エイコ:「分かんない……」
後藤スダチ:「違くない……?絵柄が……!」
佐陀コトノ:「え、ええ……??」
足原エイコ:「この戦いの後真っ白に燃え尽きちゃったりして……」
足原エイコ:「それは御免被るけども」
足原エイコ:「とりあえず今は……悔いの無いよう、全力、出し尽くすから!」
足原エイコ:漫画を描くか、自分を爆発させるか
足原エイコ:どちらかしかできなかった体質だが……アトリエと、神聖二重冠から力を受けたこの時のみは
足原エイコ:「描きたいアイデアを……爆発させるみたいに!描ける!」
足原エイコ:放り投げられたGペン型の武装は、物理法則を無視した軌道を描き
足原エイコ:"オムファロス・リリス"に炸裂
足原エイコ:爆発と共に、星の欠片が舞い散る
"オムファロス・リリス":現実味のない星のエフェクト。しかし、その爆発の威力は尋常ではない
"オムファロス・リリス":「くっ……ああ、そういうことですか!この演出……!」
"オムファロス・リリス":「"真面目にやっていてはバカを見る"、そういう世界観の漫画」
"オムファロス・リリス":「嫌いなんですよ。そういうの……!」
"オムファロス・リリス":星の爆発に身体を吹き飛ばされる度、幾度となく繭の中から生まれ出る。
"オムファロス・リリス":「爆発ってのは、こうやって……」
"オムファロス・リリス":夜空にオーロラが輝く。その中から糸で色彩を手繰り、空中に縫い付けていく。
"オムファロス・リリス":「一度壊れたら取り返しのつかないものの方が、美しい!!」
"オムファロス・リリス":「爆ぜよ、芸術の巨人」
"オムファロス・リリス":「"金魚鉢"」
足原エイコ:「それでほんとに壊しちゃったら……悲しいよ!!!」
"オムファロス・リリス":空間そのものが、硝子玉の中に入れられたように凍りつく。
"オムファロス・リリス":その中を泳ぐ、巨大な金魚。
足原エイコ:「う……動けない!」2射目を放とうとした体勢で、静止させられている
"オムファロス・リリス":やがて、固定化された空間に大きな罅が入り
"オムファロス・リリス":粉々に砕け散ると同時に、堰き止められた時間の流れが押し寄せる。
足原エイコ:「ぐっぎぎ……がはぁっ!!!」
"オムファロス・リリス":それは局所的な事象崩壊を伴って、物理的な爆発として現出する。
足原エイコ:「いったい……けど……」
足原エイコ:断裂して、ずれた四肢を何とか修復しながら
足原エイコ:「好きじゃん……爆発……!」
足原エイコ:もう一度、コニーに爆発を届ける
足原エイコ:今度は、活きのいい金魚たちが元気に跳ね回る
"オムファロス・リリス":「また、勝手に……!」
足原エイコ:「悲しくて、苦しいのを」
足原エイコ:「笑えて、楽しい気分にするのも漫画!そうだよね?」
足原エイコ:「笑顔……届けてやってよ」
足原エイコ:振り返りはせず、声をかけたのは───
甘崎リンコ:「……ふふっ。任せて。この史上最高のお笑い芸人、甘崎リンコに」
甘崎リンコ:最高の漫画家の言葉に微笑んで頷く。
甘崎リンコ:じっと"オムファロス"を見つめる。彼女の反応には引っ掛かる点があった。
甘崎リンコ:(彼女は、許される・受け入れられる・求められる……そういったことを恐れている?)
甘崎リンコ:投げかけられた言葉が響かないのなら分かる。だが怒るというのは――
甘崎リンコ:「……あなたは本当は」
甘崎リンコ:「人間が好きで好きで仕方がないのではなくて?」
甘崎リンコ:"マスターカラーズ"を継承するほどの芸術家。
甘崎リンコ:作品を作る度に、人々は喜んだろう。
甘崎リンコ:人に喜ばれ求められるということは、彼女の失ってしまったものの象徴なのかもしれない。
"オムファロス・リリス":「何を寝ぼけたことを……」
甘崎リンコ:ノドスに何があったのかは分からない。そのほんの一部であろう映像には、凄惨な様子が映されていた。
甘崎リンコ:それは戻る場所があるのだと、望む声があるのだと知って揺らいではいけないほどの憎しみがあるのだということ――、
甘崎リンコ:揺らいでしまうほど、本当は人間が好きなのではないかということを、想起させた。
甘崎リンコ:「……私も、ネタに笑ってもらったり、価値があると認めてもらったりしたら嬉しいわ」
甘崎リンコ:「何より芸術なんて――、」
甘崎リンコ:「人が好きでないとやっていられないでしょう」
"オムファロス・リリス":「……いいえ、それは見解の相違ですね」
"オムファロス・リリス":「芸術なんて、自分以外の全てを捨てられる人間でなければやっていけません」
甘崎リンコ:「……全てを捨てても」
甘崎リンコ:「自分の芸術を、誰かに見てもらいたい衝動を抑えらえる人間はいない」
甘崎リンコ:「結局は……人が好きじゃないと出来ないのよ」
甘崎リンコ:甘崎リンコは人間が好きだ。
甘崎リンコ:お笑い芸人をやっているのも、純粋に人に笑顔に、幸せになって欲しいからだ。
甘崎リンコ:人々が幸せそうに暮らしている様子を、遠くから静かに眺めていた。
甘崎リンコ:時折その輪の中に入りたくなって、外に出てはネタを見せていたが――どうしてか、全くうまくいかなかった。
甘崎リンコ:それでも構わなかった。
甘崎リンコ:深く交わることはなくとも、人々が平和に暮らしていて、自分が人を笑顔にできていれば、それで甘崎リンコの世界は満たされていた。
甘崎リンコ:だが――当たり前のように手を差し伸べ、立つ勇気をくれる師の存在が、少しずつ世界を変えていった。
甘崎リンコ:誰かに何かをして欲しいと願ったのは初めてだったし、そうして求めた助けに応えられ――世界に色が芽吹き始めた。
甘崎リンコ:先生からもらった武器を胸に少しずつ歩みを進め――欲がどんどん花開いていく。
甘崎リンコ:常に優しく認めてくれて、奇跡だって起こせる最高の漫画家、足原エイコ。
甘崎リンコ:自分らしく在り、怖くとも知性と勇気で決して諦めない才女、後藤スダチ。
甘崎リンコ:真っすぐに希望を信じ、いつだって助けてくれる最強の相方、佐陀コトノ。
甘崎リンコ:ずっと心から私たちを案じてくれていた、大好きな生徒会長、イリス・ウィトルウィウス。
甘崎リンコ:みんなの未来を閉ざしたくない。
甘崎リンコ:助けたい、もっと一緒に居たい、くだらない話をして笑いあいたい。
甘崎リンコ:文化祭を迎えたい。
甘崎リンコ:深刻な事態から見れば取るに足らないように見える、ごく当たり前の日常の、その積み重ねが。
甘崎リンコ:私たちの物語。
甘崎リンコ:「我が作家性は"真"――いえ」
甘崎リンコ:「我が作家性は"愛"」
甘崎リンコ二重冠
甘崎リンコ:「たとえ届かなくとも想い続ける。折れる事のない剣」
甘崎リンコ:「"オムファロス"。私はあなたも愛し、未来を拓く」
"オムファロス・リリス":「はっ……言うに事欠いて……"愛"?」
"オムファロス・リリス":「人の感情の中で最も浅はかで陳腐な概念を、さも高尚そうに振りかざさないでくださいよ!漫才師!」
"オムファロス・リリス":「蔑み、嘲り、馬鹿にして、自分より下だと見下して、自分はまだ大丈夫だと安堵する」
"オムファロス・リリス":「"笑顔"とは、人が他者に牙を剥く表情のことです」
"オムファロス・リリス":「私を……馬鹿にするな!!」
"オムファロス・リリス":夜空の色彩を手繰る。新たな芸術をカタチにして、リンコへと堕とそうとする。
甘崎リンコ:「ふふ……お笑いをそういう風に想ってくれているのね。嬉しいわ」
甘崎リンコ:「そんなに心配してもらわなくとも、私自身をどう思われても。誰かが笑って前を向けたら嬉しいの」
甘崎リンコ:「それは……あなたもそうよ」
甘崎リンコ:リンコの周りを氷で出来た小鳥たちが舞い始める。
甘崎リンコ:「痛くとも恨まないで。甘やかすだけが愛情ではないのだから」
甘崎リンコ:丸太を構える。いつの間にかリンコの傍らには氷の犬が佇んでいる。
甘崎リンコ:「……いくわよ、スピカ」
甘崎リンコ:地を蹴り一瞬で肉薄。
甘崎リンコ:色彩の芸術から逃れるように、手に持った丸太の質量など感じさせない速さの接敵とともに、後を追うように氷の犬が疾走する。
甘崎リンコ:大切な友人であるイリスを殺したこと、それ自体は許せることではないが。
甘崎リンコ:彼女自身を許せるよう、足原エイコは奇跡を起こした。だから……
甘崎リンコ:恨みではない。どうかあなたが苦しまないで済むようにと、想いを伝えるため。
甘崎リンコ:「フリスビー!取って、おいでッ!」
甘崎リンコ:大きく振りかぶり、"イリス・リリス"を丸太で強打!
甘崎リンコ:同時、リンコの周りを飛んでいた氷の鳥たちが一斉に襲い掛かる。
"オムファロス・リリス":「──────ッ!?」
甘崎リンコ:すかさず氷の犬が飛び掛かる。
甘崎リンコ:鋭い牙を立てると、そこから機神の身体が凍っていく。
甘崎リンコ:彫像が氷像に、書き換わっていく。
甘崎リンコ:急速な冷却のもたらす凍傷、ズキズキと痺れるような恋の痛み。
甘崎リンコ:彫像には与えられないかもしれないけれど、それを操る彼女に届くように。
甘崎リンコ:大きなものの為でなく、ささやかで当たり前のもので悩んだり笑ったりできるように。
甘崎リンコ:自分の初めて知った感情を与える為、暴力的な愛情が"オムファロス"を包み、凍らせていく。
"オムファロス・リリス":「さ」
"オムファロス・リリス":「さ、む──────い……?」困惑のままに凍りつく。
甘崎リンコ:「憎しみの感情を凍らせて――」
甘崎リンコ:「あなたがただ、笑えることを、私は望んでいるわ」
"オムファロス・リリス":凍りついた彫像が、粉々に砕け散る。
"オムファロス・リリス":溶け消えた氷が白い霧となり、その中から浮かび上がる様に再誕する。
"オムファロス・リリス":「……理解、し難い……」
"オムファロス・リリス":「……いいえ、貴方がとんでもなくつまらないってことは、理解しました」
"オムファロス・リリス":「全然……笑えません……!」

GM:イニシアチブ
GM:ユージン先生の手番です!
ユージン・マディス:OK
ユージン・マディス:マイナーなし。メジャー。《コンセントレイト:モルフェウス》《サンドシャード》《ダンシングシミター》
ユージン・マディス:サンドシャードの選択は大槌。武器攻撃力を加算。その後に破壊。ダンシングシミターでの選択は大槌・キーンナイフ・キーンナイフ。「使用している」扱いにする。対象の装甲-10で計算。
"オムファロス・リリス":ゲッ、装甲を削る優良武器……!
ユージン・マディス:さらに《オーバーロード》。選択は大槌。武器攻撃力を更に加算!
"オムファロス・リリス":ヒィ~ッ
ユージン・マディス:更にシュールレアリスム判定で"意志"に累積した達成値を+36をRCに詰め込み、合計技能値は42。”デカルコマニー”を使用。全て消費し、C値3へ。
"オムファロス・リリス":や、ヤバイ
ユージン・マディス:元より多い宣言内容が更に増える……! 判定!
ユージン・マディス:13dx3
DoubleCross : (13DX3) → 10[1,2,2,3,3,4,5,5,6,6,7,8,8]+10[1,2,3,6,7,9,10,10,10,10]+10[3,3,5,7,8,8,9,10]+10[1,2,3,4,4,5,8,9]+10[2,4,6,8,9,10]+10[1,1,4,7,9]+10[2,8,10]+10[5,8]+10[2,7]+10[9]+1[1] → 101

"オムファロス・リリス":ぐぅぅ………やるしかない!
"オムファロス・リリス":いや……これやりようがないな
"オムファロス・リリス":《原初の緑:竜鱗》LV6 リアクションを放棄し装甲+60
"オムファロス・リリス":これで耐えるのにかけるしかない。だいぶ装甲は減るが……
ユージン・マディス:ではダメージ。11d10+
"オムファロス・リリス":あっごめん待って
ユージン・マディス:ユージンは滅多に待たぬ
"オムファロス・リリス":やっぱり賭けます
ユージン・マディス:むむむ
"オムファロス・リリス":デカルコマニーを使用。ドッジのC値を6に
ユージン・マディス:やる気だ!
"オムファロス・リリス":5dx6>=101
DoubleCross : (5DX6>=101) → 10[2,5,5,10,10]+10[4,10]+1[1] → 21 → 失敗

"オムファロス・リリス":《原初の紫:妖精の手》
"オムファロス・リリス":1dx6+30
DoubleCross : (1DX6+30) → 10[9]+10[7]+10[7]+10[6]+10[9]+5[5]+30 → 85

"オムファロス・リリス":くそ~!
ユージン・マディス:怖っ!!!
GM:ダメージをどうぞ!
ユージン・マディス:11d10+36
DoubleCross : (11D10+36) → 53[3,2,9,10,4,7,2,10,1,1,4]+36 → 89

"オムファロス・リリス":残りHPは25
"オムファロス・リリス":戦闘不能。復活ももうありません。
GM:PCの…勝利です!
甘崎リンコ:や……やった~~~~~!!!!!
佐陀コトノ:やったーーー!!
足原エイコ:大勝利!
ユージン・マディス:うおおおおーーーーーっ
後藤スダチ:勝った勝ったー!
ユージン・マディス:侵蝕122→132

"オムファロス・リリス":『"一秒後のあなたへ"』『"星空に響く笛の音"』『"花葬"』『"虚ろな器"』
"オムファロス・リリス":『"黄昏時の少女達"』『"水泡帰来"』『"自殺について"』
"オムファロス・リリス":『"無題"』
"オムファロス・リリス":星空にオーロラが煌めく。織りなす色彩を手繰り、数多の作品を一度に具現化する。
ユージン・マディス:「なりふり構わなくなってきたな」
後藤スダチ:「どうするの?セレノスツールさん」
ユージン・マディス:爆熱を払いながら、その様を見上げる。
ユージン・マディス:「ここまで来たら、オレが語って聞かせることなんてないだろ」
ユージン・マディス:「オレは作るところまでが仕事だが――戦い方は十分見せて貰った。君らにな」
ユージン・マディス:「"月の椅子"。現在鍛刀可能な、全刀齢踏破接続」
ユージン・マディス:――背後の台座に差し込む月光が、形を変える。それは三十の窓に分割された、色相環めいた真円だ。現在、その三分の一ほどの窓から、数多の剣群が覗く。
ユージン・マディス:それは試行の記録。ユージンがこれまで、走り、探し、見て、聞き、話し、受け、舐め、学び、読み取ってきた、名剣宝刀の再現。
ユージン・マディス:月の翳りのように段階を踏み、聖剣という頂を目指すために選定した、未踏への階ストレンジフェイズ
"オムファロス・リリス":「愚かな……そんな不揃いので、私の虹色を凌げるものか!!」
ユージン・マディス:「オレの剣群を舐めるなよ。――第六夜。"ストラトキャスター"。第十九夜。"クトゥブ・ミナールの無窮鉄柱"。第十四夜"螢花剣セレンテラ"。第二十三夜"クラスラ・リザーブ"。第二十五夜"・第二十六夜”盈虚”"精彩"」
ユージン・マディス:それらが一斉に射出される。未だ不確かならざる剣群が、虹色に衝突していく。
足原エイコ:「先生の作品……綺麗……」
"オムファロス・リリス":「本気を出してもその程度……」空を覆う色彩が剣群を受け止める。
"オムファロス・リリス":火花を散らしながら、しかし芸術巨人たちの落下を止めるには至らない。
後藤スダチ:「セレノスツールさんの……それ!私達には全然わからないんだけど!」
後藤スダチ:「なんなのそれ!?」
後藤スダチ:「錬成なの!?空間接続なの!?アトリエなの!?」
ユージン・マディス:「む。聞きたいのか。良いだろう。クトゥブミナールにアショーカ王の柱があってな……」
"オムファロス・リリス":「もうページが押してるんですよ。今更貴方の見せ場はありません───今度こそ、諸共に終わりにしてやる!!」
甘崎リンコ:「先生!前見て!」
ユージン・マディス:「――――ああ」
ユージン・マディス:「知っている。それは、ここには場違いだ。ただの目眩まし」
"オムファロス・リリス":「爆ぜて消えろ!芸術の───」
ユージン・マディス:ざら   ざららららららららららら
ユージン・マディス:オムファロス・リリスの足下。破滅と混沌そのものであるような地面が。赤い海が。変換されている。
ユージン・マディス:それは無数の銅貨。先端の平たい刀を象ったモノ。
ユージン・マディス:「――番外夜。"プトラピカの一気呵成刀銭"」
"オムファロス・リリス":「──────ッ!」
佐陀コトノ:「!? あれは……!!」
足原エイコ:「ライサのアトリエで見た……!」
ユージン・マディス:複合アトリエ。二人の支配者の領域が、既に混合している。
ユージン・マディス:「ならば、もっと増やしてやる」
ユージン・マディス:「"鋼鉄魔城・指斬剃刀"」
ユージン・マディス:オムファロス・リリスの巨大な手、その指先を
ユージン・マディス:増設され続ける奇怪で鋭利なステージフレームが捕らえ、切り裂く。
"オムファロス・リリス":「づっ───!?……アアアッ!?」
"オムファロス・リリス":夜空の糸を手繰る指先が千切れ飛ぶ。
甘崎リンコ:「あれは……!ASUKAの……!」
足原エイコ:「芸術家殺しだよーっ!」
後藤スダチ:「ううっ頭が」
佐陀コトノ:「スダチさん!?」
甘崎リンコ:「後藤!しっかりしなさい!」
ユージン・マディス:「"化生舞台の扇子行"」 空映す湖面と化した海からは、数多の演目を描く光纏う鉄扇が浮かび舞う。
甘崎リンコ:「シキミの――!」
後藤スダチ:「観察してきたのは……理解し続けてきたのは……」
後藤スダチ:「作り続けるためだったんだ……この能力で……!」
ユージン・マディス:「これが"現在のムセイオン"たちの作品だ。浸透しやすいと踏んだが――当たったな」 ただ在るだけで、元の持ち主の領域を僅かに滲ませるように拡げていく
"オムファロス・リリス":「ふ、ざけ……!」
"オムファロス・リリス":「ふざけてるんですか……!芸術家の指を……こんなッ!!」
"オムファロス・リリス":「遊びじゃないんですよこっちは!!」
ユージン・マディス:「それは元の作り手に言え」
ユージン・マディス:「ここを出てな。面会希望の手順も、オレはよく熟知している」
"オムファロス・リリス":指先に糸を巻き付け再生させる。解れかけていた芸術巨人たちの姿が、再び輪郭を確かにするが……
ユージン・マディス:舞い上がる扇子は、絶望の夜の中に、透き通った青空を滲ませていく。
ユージン・マディス:「――エイコ! リンコ! コトノ! スダチ!」
ユージン・マディス:「なんでもいい! 表現しろ! ここを飽和させる!」
甘崎リンコ:「!……ふふっ、随分な無茶振りですね」
甘崎リンコ:「無茶振りに応えられてこそ芸人ですもの。分かったわ」
後藤スダチ:「飽和って……芸術でってこと!?」
佐陀コトノ:――ギュイイイイッ!!
佐陀コトノ:言葉でなく、ただ掻き鳴らすスクウィールによってその指示に答える
佐陀コトノ:真っ白なキャンパスに筆を走らせるように、五線譜上に描き出すは数多の音色
佐陀コトノ 新しい音楽ロックと混ぜ合って紡がれる古の旋律が、彼女のアトリエを満たし震わせてゆく
甘崎リンコ:「悪徳リサイクルショップ…………」いつもの調子で淡々と語り始める。
甘崎リンコ:「これは刀という言葉からストレートに連想されるギャグ……『刀を買ったな』のアレンジなのだけれど」
甘崎リンコ:「刀を買ったな、ということはすなわち、買ったのは過去。ならば現在は既に売却している可能性がある……」
甘崎リンコ:「しかし、刀を売却するアテを持っている人間は、一般的には少ないわ。ならば、最も行く可能性が高いのは……リサイクルショップ」
甘崎リンコ:「けれど……リサイクルショップで買い取るのは、大抵貢がれたブランドもののバッグなんかであって、刀の良し悪しに精通しているところは少ないでしょうね」
甘崎リンコ:「ならば価値が分からず……いいえ、例え値打ちのものだと分かっていたとしても、安く買いたたかれてしまう……」
甘崎リンコ:「ふふっ……そんなあるあるを一言で表した、刀好きにはたまらないギャグでしょう?」
"オムファロス・リリス":「私のアトリエで頭のおかしい情報を垂れ流すな!!!!」
足原エイコ:「効いてる!」
足原エイコ:「……これくらい、いろんな芸術が……楽しいのが溢れてるのが、今のノヴァリスなんだ!」
足原エイコ:自慢の速筆で、『Vanquish!』のキャラクターを描いていく
足原エイコ:サーイケ・クロコダイルも、たくさんのワニと共に
足原エイコ:「ほら!スダチちゃんも!」
後藤スダチ:「サーイケ・クロコダイル……!」
後藤スダチ:――芸術家ではない。
後藤スダチ:子供の頃からちゃんとしていることを褒められていたが、創造的な何かで評価されたことはなかった。
後藤スダチ:できることは、教練通りに体を動かして、適切に判断して、銃を撃つことや考えること。
後藤スダチ:通貨を偽造した時もそうだ。授業で習った通りの砂型をそのまま出した。
後藤スダチ:能楽と戦った時も負けた。ただ正確に弾丸を撃ち込むだけでは芸術を上回れない。
後藤スダチ:何か、何かなかっただろうか――
後藤スダチ:(ワニを)
後藤スダチ:天高く聳える芸術巨人たちを……"オムファロス・リリス"からそれに連なる糸を見た。
後藤スダチ:(あそこまで届かせることができたなら)
後藤スダチ:ワニが突進する。ワイヤーがある。できるはずだ。
後藤スダチ:「――アシハラ先生!」バシュ!!
後藤スダチ:高圧でスライムを展開する!それらはワイヤーの間で膜のように広がり……
後藤スダチ:自分だって、なにか創造的なことをしたはずだ。理性で動いていた時ではない。我を忘れた熱狂の中でだった。
後藤スダチ:「そうだよね、アシハラ先生!トランポリンなら――」
足原エイコ:「大ジャンプ!」
イリス・ウィトルウィウス:「いっけーーーーっ!!」
後藤スダチ:爆発的な張力で、ワニを空へと打ち上げる!飛行するワニの群れ――次々と、抽象絵画のように!
後藤スダチ:「上へ……」
後藤スダチ:「上へ!!上へなんだ!!」
後藤スダチ:物理的に、そんな芸当が成立する確率はない。けれどアトリエの中では……それを分かった上で、でたらめをやるのだ!
"オムファロス・リリス":空を泳ぐワニの群れが、動けないままの芸術巨人を噛み砕き、飲み込んでいく。
"オムファロス・リリス":雑多な創作によって飽和したアトリエ。この空間を支配する作家性が混ざり合い、撹拌され、透き通って見えなくなる。
"オムファロス・リリス":「ああ、ああ……!」
"オムファロス・リリス":「消えていく、また、遠くに行ってしまう……」
"オムファロス・リリス":「私の星、私の虹が……」
"オムファロス・リリス":夜空は既に青く塗りつぶされた。遠ざかる星へ手を伸ばす。
"オムファロス・リリス":星虹。限りなく光速に近づいた物体のみが観測できる、永遠に遠ざかり続ける星の虹。
GM:そうして、後には抜けるような青空だけが残った。最早このアトリエに主はいない。
"オムファロス・リリス":機神の躯体が、静かに崩壊していく。
後藤スダチ:「遠くって」
後藤スダチ:「……遠くに行ったって、なんのこと?」
後藤スダチ:「ノヴァリスを壊して、文化祭を台無しにすることだった?」
"オムファロス・リリス":「………」
後藤スダチ:「それとも。別のこと?」
後藤スダチ:飛翔したワニが、星のような輝きに分解されながら降り注いでいる。
"オムファロス・リリス":「……答えるわけ無いでしょう」
足原エイコ:「コニー……」
"オムファロス・リリス":崩れゆく中で、白磁の身体を同じ色の粘菌が覆い、分解していく。
足原エイコ:「……ここじゃないどこかに、いるんだね」
足原エイコ:「本物のノドス……かな」
"オムファロス・リリス":「心情だの……背景だの……理由だの」
"オムファロス・リリス":「作家が全部説明するの、かっこ悪いじゃないですか」
"オムファロス・リリス":「……」完全に崩れきる寸前、その無貌をエイコに向けて
"オムファロス・リリス":「エイコ」
足原エイコ:「……うん」崩れていくのを、支えるようにして
"オムファロス・リリス":「……私は、私たちは、結末最終回をもう決めてます」
"オムファロス・リリス":「今更変えるつもりはない」
"オムファロス・リリス":「それでももし、貴方が続きを──────」
"オムファロス・リリス":言葉の途中で、機神は跡形もなく消える。
足原エイコ:「────」
GM:それと同時に、アトリエを保っていた最後の楔が外れ、君たちを浮遊感が包む。
GM:戦いは終わった。君たちもあるべき場所へ
GM:自分たちの学び舎へ戻るだろう。
足原エイコ:「……意味深なこと言って、ヒキだなんてさ」
足原エイコ:「……会う理由が、また一つ増えたね」
足原エイコ:「終えることなく、惰性で連載を続けるのは、間違ってるとわたしは思う」
足原エイコ:「でも……わたし達は、今、精いっぱいの今を描いているから」
足原エイコ:何人もの手で、何度でも
足原エイコ:「必ず、最高の展開に辿り着いてみせるから」
足原エイコ:無限猿の定理?っていうらしいね、コレ
足原エイコ:そう独り言ちながら、光の中に───

■ムセイオンアートスクール 大講堂
GM:気がつくと、君たちは朽ちた大講堂の地面に寝そべっていた。
GM:夜はまだ明けておらず、最初に来た時同様、天窓から月明かりが差し込んでいる。
GM:中央の台座に飾られた巨大な額縁に納められた絵画には、今は何も描かれていない。
後藤スダチ:「うーん……」夢から覚めたような感覚だが、現実に戻ってきたという点ではそうなのかもしれない。
イリス・ウィトルウィウス:「うう~ん……皆さん……?ご無事ですか……?」
後藤スダチ:「大丈夫アシハラ先生?立てる?」
足原エイコ:「燃え尽きたぜ……真っ白に……」
足原エイコ:「ってアレ、戻ってる!!」
佐陀コトノ:「うーーん…………」
後藤スダチ:「佐陀ちゃんもいるよね……あっリンコさん!なに下に敷いてるの!?」
甘崎リンコ:「う、ううん……あっ!せ、先生!?」
甘崎リンコ:「す、すみません!また……!」慌てて先生の上から飛び起きる。
ユージン・マディス:「…………起こすな…………」
ユージン・マディス:「死ぬほど疲れてる…………」
甘崎リンコ:「こんなところで寝たら風邪をひきますよ……」
足原エイコ:「わたしも……生きてるけど力が……」
足原エイコ:「誰か起こして~」
後藤スダチ:「しょうがないなあ……エイスダリン戦車復活するか!」エイコの左手を引っ張る。
甘崎リンコ:「ふふっ、そうね!」右手を引っ張る。
後藤スダチ:「よーいしょっ」
甘崎リンコ:「よいしょ……っ!」
足原エイコ:「よいしょーっ!」
佐陀コトノ:「こ、これが噂のエイスダリン戦車……」
甘崎リンコ:「ほら、コトノも立てる?」エイコちゃんが立ったのを見てからコトノちゃんのそばへ。
足原エイコ:「ふふふ……コトノたんも合体する?」
イリス・ウィトルウィウス:「私達もイリコトジン戦車作りますか」
佐陀コトノ:「イリコトジン戦車……!」手を借りながら立ち上がる
ユージン・マディス:縦横無尽に生み出していた祭壇も刀剣も、初めから無かったかのように消えている。「後藤……。星室庁に連絡とれ」
後藤スダチ:エイコの体を支えつつ。「連絡の方は……セレノスツールさんから言ったほうが話は早いんじゃないの?」
ユージン・マディス:「言ってみただけだ……」
後藤スダチ:「少なくとも私はオフィサーに連絡するつもり。今ノヴァリスがどうなってるのかは分からないけど……」
ユージン・マディス:上体を起こし、胡座を掻いてスマートウォッチから連絡を取る
イリス・ウィトルウィウス:「って、あっ!そう!そうですよ!!」連絡を取っている先生へ
イリス・ウィトルウィウス:「ユージン先生!星室庁経由で各学区の風紀委員へ緊急要請出しましょう!」
ユージン・マディス:「まずは連絡が繋がるかどうかだ」
ユージン・マディス:「あの騒動、こっちが要請しなくても誰かしら動いてるはずだ」
ユージン・マディス:「事情説明はその指揮官にだけで良い」
後藤スダチ:「現在ノヴァリスは平和な状態です、って返ってくればいいけど……」そわそわしている。
イリス・ウィトルウィウス:「で、ですね……!私はその間に……」
イリス・ウィトルウィウス:停止していた"額縁"へと駆け寄り、再び光を灯す。
足原エイコ:「イリスたん、それは……」
イリス・ウィトルウィウス:「今の状況を映してみます。ノヴァリスの中であれば、一度繋げた履歴が残っていれば……」
GM:やがて、額縁の内側に五つに分割された景色が浮かび上がる。
GM:月を背に進撃する5体の巨人。そのいずれもが、未だその姿を保っている。
イリス・ウィトルウィウス:「やっぱり……一度作った芸術巨人は、作者の手を離れて暴れるだけ暴れ回るまで消えません」
佐陀コトノ:「い、イリス・リリスは倒したのに……!!」
イリス・ウィトルウィウス:「コニーが作った場合もそれは同じ……いえ、おそらく制御権と一緒に活動リソースも別口で提供してるのかも……?」
イリス・ウィトルウィウス:「とにかく、急いで止めないと!」
ユージン・マディス:「どうやってだ。もうアトリエの中じゃない」
ユージン・マディス:「牽強付会で押し切れるターンは終わってる」
甘崎リンコ:「もう物理的に壊すしかないのかしら……けどそれだって簡単じゃないし……」
足原エイコ:「二重冠も消えて……いまのわたし達で戦うことも……無理だね」
佐陀コトノ:「も、もう各地で被害が出てたら……どうしよう……」
ユージン・マディス:「やれるとしたら情報提供だ。くそっ、誰か出ろ、星室庁……」
イリス・ウィトルウィウス:「…………そ、それでも、行かないわけには……」
イリス・ウィトルウィウス:「崑崙に出現した巨人以外は、戦闘が起こっている様子もありません。他の地域でも何かあったのかも……」
後藤スダチ:無言でタブレットを開き、状況のレポートを作成している。オフィサーエージェントの大規模出動要請をかけるつもりだ。
???:「ご心配には及びませんよ。ノヴァリスの皆さん」
ユージン・マディス:「どれか一つにでも飛んでみるか? 崑崙以外で……っ?」
甘崎リンコ:「……え?」
後藤スダチ:「えっ誰!?」
佐陀コトノ:「だ、誰……!?」
???:焦る君たちの背後から、突然、鷹揚な声がかかる。
足原エイコ:「誰との声、多数……」
足原エイコ:振り向いて、その姿を拝む
???:そこにいたのは生身の人間だ。ビジネススーツを来た、30代程度に見える青年男性。
パノプティコン
???:職員室の人間でないことは、ユージンにはすぐに分かるだろう。
???:おそろしく印象の薄い顔だった。人畜無害を絵に書いたような表情で、君たちに話しかける。
ユージン・マディス:背後を見た直後、すぐ傍らに窓を開く。そこから剣を取り出す勢いのまま、鞘入りの長剣をぶつけようとする。
足原エイコ:「せ、先生……!?」
???:「うわあ、あぶない」
???:呑気な声を上げて、かっこ悪く後ずさる。紙一重で剣は地面に突き刺さる。
ユージン・マディス:「誰だ?」
ユージン・マディス:別に顔見知りだとしても、この状況で悠々と声を掛けてくるのなら一発殴っても問題ないと思っただけだ。
ユージン・マディス:「少なくともオレは見覚えがない」
足原エイコ:別の先生かとも思ったが、どうやら違うみたいだ
後藤スダチ:「……外部からの侵入者だとしても。私達に用があるってことだよね?」
後藤スダチ:本体はタブレットで作業をしているままだが、足元に展開したスライムが、サブマシンガンと拳銃を同時に向けている。
後藤スダチ:「見ての通り、いま大変なの」
???:「落ち着いて下さい。私たちは皆さんを助けに来たのです。その様子だと、こちらに関しては必要なかったようですけどね」
足原エイコ:「自己紹介から……ってのが、大人のマナーじゃない?」
???:「いやあ、聞いていた通り、前途有望な若者たちだ」
???:「仰る通り」乱れた髪を整えて。
???:「はじめまして皆さん。私は"パノプティコン"」
???:「ユニバーサルガーディアンズネットワークの、本部エージェントです」
足原エイコ:「ユニバーサル……」その名を繰り返して
足原エイコ:「UGNって確か、外の世界の……」
???:「ああ、そう構えないで」慌てた様子で
???:「今回は、UGNとしてこちらに伺ったわけではありません。ほら」
???:巨人を映したままの額縁を指さして
???:「準備が整ったようです。ご覧くだい」
佐陀コトノ:「い、一体何を……?」
後藤スダチ:「準備って、一体……」
甘崎リンコ:「…………」警戒しながらも言われた通り額縁を睨む。

■キングダム学区 学区境界付近
GM:ギリシャ彫刻の如き威容を誇る巨像が、悠然と荒野を征く。
GM:進路はキングダムの中心部とは逆方向、彼方に聳えるセイクリッドピラーの麓だ。
GM:各地の文化祭会場に出現した五体の芸術巨人……その躯体を媒介としたジャーム兵器、”罪の仔ら”トバル・カインは、
GM:同時に五方向からノヴァリスの中心に向けて進撃していた。
GM:各学区の風紀委員との大規模な衝突は未だない。せいぜい学境沿いの守備隊を数人蹴散らした程度。
GM:哨戒網の隙間をつく絶好の位置と時間に出現した上、直前に複数の学区中心部で同時多発的に発生したテロによって、各地の治安戦力の多くが釣り出されていた。
GM:月光を浴びて進む巨人の上に、小さな影が落ちる。
GM:重武装の兵士を積載した軍用輸送機が、蜂の如く飛び交い巨人を見下ろしている。
GM:それは、救伐騎士団やトランペッター、あるいは環境管理会のものではない。
GM:C-130J スーパーハーキュリーズ。アメリカ海兵隊の制式戦術輸送機だ。
"エース・イン・ザ・ホール":『”テンペスト”第2・第6小隊、並びに”ストレンジャーズ”第3・第5小隊。総員に告ぐ』
"エース・イン・ザ・ホール":『ポイントK1にて対象と会敵。これより降下を開始する』
"エース・イン・ザ・ホール":『タイムリミットは180秒。フライトユニットが安定次第、戦闘行動に移行せよ」
"エース・イン・ザ・ホール":「第一目標は対象の武装解除、第二目標は破壊殲滅。達成後は即時後退し、強制送還に備えろ』
テンペスト隊員:「Yes,sir. ”テンペスト”、”ストレンジャーズ”合同作戦群、状況を開始する」
テンペスト隊員:「GO出撃!」

■ジェネシス学区 学区境界付近
エルキュール・ド・サンドリヨン:『親愛なる兵士諸君。仕事の時間だ』
エルキュール・ド・サンドリヨン:『対象はポイントG7よりD1に向かって進行中。現地非公式武装勢力の戦車部隊との接触まで300秒』
エルキュール・ド・サンドリヨン:『彼女達の防衛線へ到達する前に対象を排除しろ』
エルキュール・ド・サンドリヨン:『将来、諸君らの同輩になるかもしれない者たちだ。精々恩を売っておけ』
"ハムシーン":「任務了解。”ノインテーター”、交戦を開始する」
"ハムシーン":「さて、本物の戦争を教えてやるとするか」

■メサイア学区、アンジェリカ学区 学区境界付近
"ザ・ハンター":『ハウンドⅡからハウンドⅣ、全隊へ通達』
"ザ・ハンター":『ポイントA7にて対象の撃破を確認。急ぎ転身しポイントM3の殲滅へ向かえ』
"ザ・ハンター":『残り時間は少ないぞ。”ストライクハウンド”の意地を見せろ』
GM:最も少数ながら最も迅速に巨人の一体を無力化した集団が、《ディメンジョンゲート》を経由して、彼方に見えるもう一体の巨人の元へと飛び立つ。
GM:ものの百数十秒で、ノヴァリスに出現した全ての敵性巨大兵器は無力化された。
GM:各学区の治安部隊が駆けつけたのは、彼ら不明部隊が跡形もなく消え去った後のことになる。
足原エイコ:「なんだよ……これ……」
後藤スダチ:「……」外の世界でそれなりに訓練を積んできたから分かる。『本物』だ。
後藤スダチ:それも、自分などより数段、格が上の。
"パノプティコン":「改めて……」
佐陀コトノ:「…………」映像に圧倒され、声すらもでない
"パノプティコン":「自己紹介しましょう。我々は、UGNを中心として結成された」
"パノプティコン":「"国連軍"です」
甘崎リンコ:「……国連軍……?」
ユージン・マディス:「…………冗談が過ぎるぞ」
"パノプティコン":「ははは、冗談で国は動きませんよ」
"パノプティコン":「学園都市ノヴァリスの皆さん。我々は、皆さんがそう希望した通り」
"パノプティコン":「この都市を、オーヴァードが運営する独立した自治体として認めています」
後藤スダチ:「待って。国とか……それ以前に、どうして――」
後藤スダチ:「ノヴァリスに入ってこれてるの、、、、、、、、?」
"パノプティコン":「少々誤解があるようですが」
"パノプティコン":「"入ってくる"だけなら、いくらでもできるのですよ。我々は」
"パノプティコン":「難しいのは滞在です」
"パノプティコン":「その証拠に、先程の軍隊も皆強制送還されてしまいました」
足原エイコ:「……あなたも、すぐ消えてくれるの?」
"パノプティコン":「長居するつもりはありません。今回はね」
"パノプティコン":「要件をお伝えしましょう」
"パノプティコン":「我々は、貴市を敵性オーヴァード勢力との"紛争状態"にあると判断しました」
"パノプティコン":「よって、UGNの理念と、国連憲章に則り」
"パノプティコン":「"介入"することにした次第です」
"パノプティコン":「つきましては、改めて交渉の場を設けさせて頂きたい」
"パノプティコン":「……という、申し入れでした。詳しいことは、後日書面で取り交わし致しましょう」
足原エイコ:「難しいことばっかり言ってる……」
佐陀コトノ:「えっ、あっ、そのっ……」ただ棒立ちで困惑することしか出来ない
甘崎リンコ:「……勝手な事ばかり言って……」
"パノプティコン":「安心して下さい。皆さんに何かを強制したり、従わせようとしているわけではありません」
"パノプティコン":「今回は少々不躾な真似をしましたが、今後このようなことがまた起こっても大丈夫なように、助け合える仕組みを作っていこうという話です」
佐陀コトノ:おろおろとスダチとユージン先生、2人に視線を向ける
ユージン・マディス:静かに……しかし忌々しげに、表情を歪めている。
後藤スダチ:「……待って。一つだけ――あなたの言うことが本当だとしても」
後藤スダチ:「明確になっているべき物事があるはず」
後藤スダチ:「"国連軍"は」
後藤スダチ:「誰が、、ノヴァリスの代表者だって認識してるの?」
"パノプティコン":「この学園都市の主権者は、あくまで生徒の皆さんと伺っています」
"パノプティコン":「代表は生徒の中から選ばれた最高責任者が担うべき……ですが」
"パノプティコン":「その任を負う最高生徒会長は現在不在なのでしたね」
足原エイコ:「とっくに調べはついてる、ってことね……」
"パノプティコン":「であれば、責任を代替するのは大人の役割ではないでしょうか」
"パノプティコン":ユージンへ向き直って
"パノプティコン":「国連は、"職員室"及び"星室庁"との公式会談を希望致します」
後藤スダチ:「……!」
佐陀コトノ:「せ、先生達、と……?」
ユージン・マディス:「……お前達の"示したいこと"は、よく伝わった」
ユージン・マディス:「顔も名前も隠して話だけしにこようとする奴に比べたら、誠意がある対応だと言える」
ユージン・マディス:「ただ……"間"が悪かったな」
ユージン・マディス:自らの、新星白書……不完全な教師証明を示す。
ユージン・マディス:「オレの職員室の身分は暫定だ。むしろ囚人に近いと言える」
ユージン・マディス:「オレが今後、正統な手続きを踏み……"教師"として、あなた方の言葉を星室庁に届けるには、少し時間が要る」
"パノプティコン":「具体的には、どのくらい?」
ユージン・マディス:「一週間……いや。十日あればいい」
ユージン・マディス:「大した時間じゃないだろう。国連軍だ。書類一つの確認にもその程度の期間は掛けるんじゃないか?」
ユージン・マディス:あるいは、後藤スダチならばおおよそ分かるかもしれない。
ユージン・マディス:十日。ここから3日間の学園祭を迎え。その片付けをちょうど終える程度の時期だ。
"パノプティコン":「ふむ、十日ですか……」一瞬答えを渋った後、ぱっと声色を明るくして
"パノプティコン":「ええ、ええ、充分ですとも。前向きに検討頂けるのであれば重畳というもの」
ユージン・マディス:「もちろんだ。……知っての通り、既にオレ達は敵対勢力の、外部からのハッキング等の抗争状態にある」
ユージン・マディス:「こうして貴方と顔を会わせた以上、ここから十日、それ以外の全てのアプローチについては」
ユージン・マディス:「その敵対勢力による欺瞞だと判断する」
"パノプティコン":「もちろん、心得ております」
"パノプティコン":「約束と契約は、誠実に守りますよ。大人ですからね」
"パノプティコン":「それでは、色よいお返事を頂けましたので、今夜は失礼致します」
ユージン・マディス:「流石だな。FHとは違う。信頼しているよ」
ユージン・マディス:表面上だけ穏やかな、平坦な言葉。
"パノプティコン":印象の薄い顔に笑みを貼り付けたまま、小さく会釈して後ろに下がる。
足原エイコ:「ちょっと待って!」
"パノプティコン":「おや、なにか?」
"パノプティコン":殆ど気配を消し去ったまま、声だけを返す。
足原エイコ:「大人の話の後で悪いんだけどね……」
足原エイコ:「多分、全部が全部、あなたの思い通りには、ならないと思う」
足原エイコ:「だってわたし達、思春期だからね」
"パノプティコン":「それはそれは……」
足原エイコ:ノヴァリスとノドス、2つの地の、チルドレンたちの意味を込めて
"パノプティコン":「眩しいですねえ。なんとも羨ましい職場です」
"パノプティコン":「またお会いしましょう」じわりと、夜の闇に溶けていき
"パノプティコン":最初から誰もいなかったかのように、男は消えた。

 『バックトラック』

GM:バックトラック!
GM:今回はEロイスがいっぱいあります。
甘崎リンコ:やった~!
佐陀コトノ:わーい!
足原エイコ:おらっ見せろっ
後藤スダチ:もう待ちきれないよ!
◆Eロイス

”オムファロス・リリス”
機神デミウルゴス
《妄念の姿》
《超越者の戯れ》
《傲慢な理想》
《傲慢な理想》
《傲慢な理想》

“トバル・カイン”A~E
罪の仔らトバル・カイン》×5
GM:《罪の仔ら》は、このセッションから追加された新しいステージオリジナルEロイスです。
GM:説明はそのうちプレイエイドに追加されると思います。
甘崎リンコ:楽しみ~~!
GM:合計11!振りたい人は振りな!
佐陀コトノ:振ります!
甘崎リンコ:振ります!!
佐陀コトノ:132-11d10
DoubleCross : (132-11D10) → 132-60[10,4,1,7,4,7,1,5,9,8,4] → 72

甘崎リンコ:122-11d10
DoubleCross : (122-11D10) → 122-71[9,8,10,5,2,8,8,2,10,2,7] → 51

ユージン・マディス:133-11d10
DoubleCross : (133-11D10) → 133-55[6,4,10,8,3,9,3,3,2,5,2] → 78

後藤スダチ:私は振らない!なぜなら侵蝕めちゃくちゃ低いから
足原エイコ:ある分は使います!
足原エイコ:132-11d10
DoubleCross : (132-11D10) → 132-69[1,1,10,1,7,10,5,4,10,10,10] → 63

ユージン・マディス:残りロイス4。二倍振り~。
ユージン・マディス:78-8d10
DoubleCross : (78-8D10) → 78-42[10,7,4,2,9,2,4,4] → 36

ユージン・マディス:初期侵蝕まで戻ってきた
ユージン・マディス:二倍振り。3点です。
甘崎リンコ:なんかすごく帰ってきたな……神聖二重冠の効果を使います
甘崎リンコ:・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
甘崎リンコ:先生のSロイスもどしま~す♡
ユージン・マディス:はい………………
甘崎リンコ:ロイス4個でふる!等倍!
甘崎リンコ:51-4d10
DoubleCross : (51-4D10) → 51-14[7,1,3,3] → 37

甘崎リンコ:極端なのよ
甘崎リンコ:えーっと経験点は3点!
後藤スダチ:残りロイス4で等倍だッ
後藤スダチ:110-4d10
DoubleCross : (110-4D10) → 110-15[1,10,3,1] → 95

後藤スダチ:やった~5点
佐陀コトノ:残りロイス5個で倍振りします
佐陀コトノ:72-8d10
DoubleCross : (72-8D10) → 72-26[3,2,5,5,2,3,4,2] → 46

佐陀コトノ:2倍振りで3点!
足原エイコ:これ2倍振りで3点を確実にした方がいいな
足原エイコ:63-8d10
DoubleCross : (63-8D10) → 63-32[8,1,8,4,4,1,5,1] → 31

足原エイコ:初期侵蝕より低い!3点です
GM:Eロイスが11点。
GM:更に
◆Dロイス
ライサ・アルヴェストロ
《遺産継承者:欲望の姫君》
写楽斎シキミ
《亜純血:スピードフォース》
GM:Dロイスが2点
GM:いつもの5点にシナリオ10点で……
甘崎リンコ:PCの合計が17点を3で割って5.6で端数切捨てだからGMは5点かな?
GM:Eロイスも足して28点!
GM:そこに侵食点を各々足しな!
甘崎リンコ:あっちがう!すべてをたすんだ!ダブルクロス初心者だからすみません!
後藤スダチ:33点だ~
ユージン・マディス:31点か
甘崎リンコ:31点です!
佐陀コトノ:31点!
足原エイコ:31点!
GM:GMは52点!めっちゃ高い!
GM:それぞれ差し上げます!
GM:お疲れ様でした~!
甘崎リンコ:ありがとうございます!いただきます!
後藤スダチ:いただきまーす
佐陀コトノ:いただきます~!
ユージン・マディス:ありがとうございます! パクパクモグモグ
足原エイコ:印税ウハウハ!いただきます!
足原エイコ:固定ロイスである『編集者』をタイタス昇華したので、新たな固定ロイスとして『”オムファロス”コニー』P:尽力/N:脅威を取得します
 

 ED:1/『私達だけの価値なんです』


■ムセイオンアートスクール 大講堂
GM:"パノプティコン"が去って暫く後、君たちの間に流れる空気は、未だにどこか重苦しいものだった
GM:静寂が支配する行動に、場違いな着信音が鳴り響く
足原エイコ:「わあ!」
GM:後藤スダチの端末への通信だった。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『"バリスティックジェリー"。ご無事でしたか』
後藤スダチ:「はい。どうにか」
後藤スダチ:「課長の方こそ、無事でしたか?今、事態が非常に込み入ったことになっていて――」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『状況はおおよそ把握できています』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『5箇所の文化祭会場で暴走した芸術巨人』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『それらを駆る集団が、"ノドス"を名乗り、ノヴァリスへ宣戦布告を行ったこと』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『そして、彼らを撃退した複数の所属不明部隊』
後藤スダチ:「……さすが」口元だけで笑う。
後藤スダチ:「仕事が早いですね。もうそこまで調べがついてるんですか」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『そういう部署ですので』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『もちろん、ノヴァリスで暮らす一般の生徒に取っては、未だ知る由のないことでしょう』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『深夜に起こったことですし、現場にいたのは殆どが文化祭実行委員でした』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『同じ時刻に市街地でも幾つかのテロがありましたからね。注目はそちらに向いています』
後藤スダチ:「敵勢力の陽動がうまく機能してたってことですね、あはは……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『とはいえ、このまま行けば早晩、新聞部辺りがノヴァリス全土に号外をばらまくでしょう』
後藤スダチ:「……」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『こちらも、最高生徒会や職員室には早急に知りうる情報を報告するつもりです』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『本当に戦争が始まるのであれば、一刻も早く準備と対策を整える必要がありますから』
後藤スダチ:「そう……ですね!ノヴァリス全体に関わる問題ですし」
後藤スダチ:「私達だけで動いてどうにかなる規模じゃない……」
後藤スダチ:「周知して対策を整えないと……」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:「……課長」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『はい』
後藤スダチ:「少しだけ、待ってもらっていいですか?」
後藤スダチ:「10分で構いませんから」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『わかりました。元より、全権を委ねると言ったのは私です』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『悔いのない判断をお願いします。後藤スダチ文化祭実行監理官』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『責任は、私が取りますので』
後藤スダチ:「ありがとうございます」
後藤スダチ:通話を保留状態にした。今の通話は、スピーカーで他の生徒に聞かせていたわけではない。
後藤スダチ:軽く息をついて、他の5人のもとに戻る。
後藤スダチ:「ごめん!オフィサーから通信が入っちゃってさ。深夜なのに困るよね」
イリス・ウィトルウィウス:「スダチさん……?」心配そうな表情
佐陀コトノ:「……い、今の、電話……」
甘崎リンコ:「……この状況だもの。仕方がないわ」
甘崎リンコ:「……何て言われたの?」
後藤スダチ:「あはは、コイン作成とステージ設営の進捗を急かされちゃって」
後藤スダチ:「そんなこと言われても待つしかないのにね?」
ユージン・マディス:「…………。」
ユージン・マディス:僅かに何か言おうとして、口を閉じる。
後藤スダチ:「……あのさ」
後藤スダチ:「リンコさんに、佐陀ちゃん……ステージに立つ人だけじゃない。セレノスツールさんも、みんな」
後藤スダチ:背中の後ろで手を組む。
後藤スダチ:「本当に……今日は、大変なことばかり起こっちゃったけど」
後藤スダチ:「……そんなことやってる場合じゃ、ないのかもしれないけど」
後藤スダチ:「文化祭やりたいよね」
足原エイコ:「うん!」
甘崎リンコ:「……ふふ。勿論よ」
佐陀コトノ:「……!」コクコクと頷く
ユージン・マディス:「これだけ苦労したんだ」
ユージン・マディス:「やってもらわなきゃ割に合わん」
イリス・ウィトルウィウス:「生徒たちが、そう願うのなら」
イリス・ウィトルウィウス:「何より私が、彼女たちの輝く舞台を見てみたいです!」
イリス・ウィトルウィウス:「あとそのぉ……ライサとククルも頑張ってますし……ようやく……」気まずそうに目をそらす
後藤スダチ:「ムセイオンのみんなだけじゃないんだ」
後藤スダチ:「メサイアの生徒達が、どこから来たのかわからないくらいの人手で、現場作業を頑張ってくれてる」
足原エイコ:「いいとこあるじゃん……」
後藤スダチ:「キングダムの生徒から教えてもらったこともたくさんあった。文化圏ごとの風習や、どういう催しが相応しいか――」
後藤スダチ:「ショコラショコランは一番美味しいお菓子の屋台を出してくれるって約束してくれたし」
後藤スダチ:「アンジェリカの公演を楽しみにしてるファンがたくさんいる」
後藤スダチ:「ずっと文化祭が途絶えなかったのは、地下に潜っていた文化祭実行委員の皆のおかげだし……」
後藤スダチ:「あと、崑崙山は……会場を提供してくれてる」
イリス・ウィトルウィウス:「ば、場所の提供は大事ですもんねっ……」
佐陀コトノ:(無理矢理絞り出した顔してる……)
後藤スダチ:「だから、わざわざ聞いておいて悪いんだけど……」
後藤スダチ:「私はみんなが反対したって、文化祭をやりたい」
後藤スダチ:「ノドスのみんながずっと辛くて悲しい思いをしてたからって、私達が楽しいことをやめちゃいけないよ」
甘崎リンコ:「その通りよ。むしろ……」
甘崎リンコ:「帰ってきてよかったって、思える場所にしないと」
後藤スダチ:リンコの言葉に頷く。
足原エイコ:「……そうだ」
足原エイコ:「問題なく、文化祭が開けた……だから」
足原エイコ:「今回の宣戦布告に、負い目は感じさせない」
後藤スダチ:「このノヴァリスで楽しい日常と、非日常を経験するほど……皆にとって、それが財産になる」
後藤スダチ:「そうだよね!佐陀ちゃん」
佐陀コトノ:「はい……!」その言葉に強く頷く
佐陀コトノ:「このノヴァリスの営みが積み上げてきたもの、私達が沢山経験してきたもの、それらを胸張って誇れるように」
佐陀コトノ:「この文化祭を、最高のものにしましょう!」
後藤スダチ:「……ありがとう、みんな!」笑う。
後藤スダチ:「じゃあ私、ジェネシスに報告に行ってくるから!」
後藤スダチ:「リンコさん……佐陀ちゃん!ステージで出すネタ、準備しておいてね!」
甘崎リンコ:「ふふっ、任せて!」
甘崎リンコ:「このノヴァリス全てを爆笑の渦に包んで動けなくしてあげるわ」
佐陀コトノ:「あっはい頑張ります…………」目が死んでる
足原エイコ:「どうなるんだろ……でもきっと最高に」
足原エイコ:「面白いよね!」
後藤スダチ:皆に大きく手を振って、その場を後にします。
後藤スダチ:朽ちた聖堂から出て、彼女らの姿が見えなくなる頃――
後藤スダチ:通信機の保留を解除する。
後藤スダチ:「お待たせしました。課長」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『時間ぴったりですね。後藤監理官』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『もう、よろしいのですか』
後藤スダチ:「はい。今打ち上げをしている広報課員を全員呼び戻してください」
後藤スダチ:「文化祭実行監理官として」
後藤スダチ:「アルバ課長に『命令』します」
後藤スダチ:「――文化祭を実行してください」
後藤スダチ:RHOを公開します。
GM:了解しました。
◆RHO
PC2:後藤スダチ
君はムセイオンへの出張にあたり、文化祭実行監理官に昇進した。
文化祭実行監理官には、他の委員には無い特別な権限が与えられている。
“開催否決権”。汎学区合同文化祭は、君を含む13人の監理官の全会一致を以って初めて開催できる。
君は”オフィサー”を代表してこの権利を預けられた。君の決定はジェネシスの総意に等しい。
君が今季の合同文化祭開催は適切ではないと判断し、反対票を投じた場合、
その時点でどれだけ準備が進んでいたとしても、汎学区合同文化祭は即時中止される。

このRHOを公開した時、あなたは汎学区合同文化祭を中止するか、予定通り開催するかを決定できる。
開催することを選んだ場合、あなたは”オフィサー広報メディア戦略課”に情報操作を要請し、
文化祭の開催にあたって不都合な情報を一つ、隠蔽することができる。
効果対象は自由に設定できるが、隠蔽が有効な期間は文化祭終了までとする。
後藤スダチ:「いろんな状況が。思惑が」
後藤スダチ:「私達に『戦いたくない』と思わせようとしています」
後藤スダチ:「素晴らしい何もかもを捨て去って、備えろ、と言ってきています」
後藤スダチ:「戦わなきゃいけないんです」
後藤スダチ:「オーヴァードであって、どこからも独立した学園都市であって、そして」
後藤スダチ:「青春ができることこそが」
後藤スダチ:「他のどんな国にも、脅威にも比肩できない、私達だけの価値なんです!」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『……命令を受諾致しました。後藤監理官』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『文化祭実行委委員として、ジェネシスの"オフィサー"として』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『そして、この街で学んだ一人の生徒として』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『"フーコー・ペンデュラム"が、貴方の見出した価値を保証します』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『……他の監理官からの回答は、既に頂いております』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『満場一致です。汎学区合同文化祭の開催を遂行しましょう』
後藤スダチ:「ああ……」
後藤スダチ:朽ちた大聖堂を背にして一人、夜空に広がった星々を見上げる。
後藤スダチ:自分だけではない。みんな、文化祭をしたかった。初めての、自分達だけの。
後藤スダチ:「頑張って、よかった」
後藤スダチ:「……ふふ。私、これから二徹しなきゃいけないですね。課長はどうですか?」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『ご心配なく。三轍でも四徹でも物の数ではありません』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『我々は、パリピですので』
後藤スダチ:「やっぱり課長はすごいや」
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『無理せず頑張りましょう。ただし、やると決まった以上は』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『今回ばかりは、貴方にも責任をの一端を背負っていただきますよ』
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『例え戦争が起こっても、文化祭を無事遂行しなければなりません』
後藤スダチ:「もちろん!すぐに……すぐに、仕事に取りかかります!」
後藤スダチ:「今すぐだって!」
後藤スダチ:自分の才能とか、好きであることとか。なにか一つでもこだわりたい、内側の何かに……
後藤スダチ:責任を持つ。誰だって、いつかそんなステージに立つ日が来る。
アルバ・G・S・ジアフォーネ:『頼もしい限りです』通話の向こうから笑い声が漏れた。
後藤スダチ:誰も見ていないムセイオンの夜の路地を走る。
後藤スダチ:笑ってしまう。私は嘘なんかついていない。
後藤スダチ:文化祭なんかを、やっている場合になる。
後藤スダチ:「"極☆超新星祭ハイパーノヴァ☆フェスティバル"……!」
後藤スダチ:広報課が勝手につけた、あまりにも楽観的な文化祭の名前。
後藤スダチ:それこそが相応しいんだ。
後藤スダチ:「ああ、きっと……」
後藤スダチ:「きっと、最高の文化祭になる!!」
GM
GM:そうして、文化祭が始まった。

 

 ED:2/『それはもう、最っ高に!』


■極☆超新星祭 同人誌即売会場
GM:その後、各学区の生徒会に対する根回し、協定の締結、
GM:広報メディア戦略課と新聞部の熾烈な情報戦などが水面下で繰り広げられたが
GM:結果として、文化祭の準備は滞りなく進められ、ついに開催の日を向かえた。
GM:足原エイコが率いる神漫画研究会は、例年から独自資本による同人誌即売会、ノヴァフェスを運営している。
GM:この度の合同学園祭においては、史上最大規模の会場と出展数を実現し
GM:各サークルのスペースには、早朝から長蛇の列が並んでいた。
足原エイコ:「はい!3冊セットですね!」
イリス・ウィトルウィウス:「お支払いは文化祭十字コインでも受け付けてまーす!」
足原エイコ:元々新刊は2冊の予定だったが、今回のアトリエを巡る経験を経て、どうしても作りたくなり3冊目を描き上げ
足原エイコ:その上で、売り子も担当することにした
イリス・ウィトルウィウス:エイコの隣で、一緒に待機列を捌いていく。
足原エイコ:「いつも読んでてくれてるんだ、ありがとね」
一般生徒:「あっあっ、光栄ですぅ~!あのう、先生の作品、毎日読んでてぇ……」
足原エイコ:「泣きそうじゃん!」
一般生徒:「ねえねえ、どれ買う?」
一般生徒:「この前の即売会でイラスト集は2冊持ってるから……でもこのコピ本って新作?」
足原エイコ:新たに描き上げたコピ本 それは
足原エイコ:過去の連載作品、『ナイツ・オブ・トゥエルブ』のイラストや設定を纏めたものだ
足原エイコ:コニーと二人で描いていたあの頃を、どうしても思い出してしまって、寝ることもできず勢いで描き上げたのだ
一般通過アイドル:「は……ハアハア……!美少女の描いた美少女……!!しかも自ら売ってくださるなんて……ここが天国ですか?」
足原エイコ:「口が上手いね~、キミも可愛いよ?アイドルみたいだ!」アイドルに対して
一般生徒:「アシハラせんせー!」小等部ほどの生徒に順番が回ってくる。
一般生徒:「『ナイツ・オブ・トゥエルブ』って、あたらしい作品なの?」
足原エイコ:「興味持ってくれて嬉しいね、これはね……」
足原エイコ:「君がノヴァリスに来る前に、描いてた漫画なんだ」
足原エイコ:「ちょっといろいろあって……連載は……止まっちゃったんだけど」
一般生徒:「え~、そうなんだぁ」
一般生徒:「おもしろい漫画だった?」
一般生徒:「『Vanquish!』とどっちがおもしろい?」
足原エイコ:「それはもう、最っ高に!どっちが……って言うとうぅ~ん……」
足原エイコ:「それは君の目で、確かめてみない?」
足原エイコ:「感想……ハガキで、聞かせて欲しいな」
足原エイコ:「だから買ってって!」
一般生徒:「うん!」
一般隠しオフィサー幹部:「わっ、マジで今の時代に『ナイツ』の新文書出てくる!?ありがてぇありがてぇ…」小学生の後方で先生に手を合わせて拝み始める狐耳の金髪女子
一般隠しオフィサー見習い:「えっセンターちょ……じゃない先輩まだ買うんですか!? 荷物持ち!! 荷物持ちがそろそろ死にます助けて!!」
一般隠しオフィサー幹部:「鍛えよ若人…すいません3巻セット3部!部屋に置きます!」
一般隠しオフィサー見習い:「うぎゃ―!! 鬼!! 悪魔!!」
足原エイコ:「運営本部で荷物の配送受付もしてるからね~!まいどあり!」
春日イトリ:「エイコ先生、先日ぶりです~」
足原エイコ:「あー!イトリちゃん!忙しいよね?来てくれたんだ!」
春日イトリ:「いえいえ~、大修復もめどが立ったので出てきちゃいました!」
春日イトリ:「早速、新刊を出されるとは精力的ではないですか~...あれ?」
春日イトリ:「これって...」
足原エイコ:「再始動プロジェクトってことでね!」
春日イトリ:「ほうほう.........期待して構いませんか?」
足原エイコ:「それはもちろん!」自慢げに手を前に出すと
足原エイコ:何の偶然か、胸に手が当たってしまい……
足原エイコ:「あ……」モミ……
春日イトリ:「やんっ♡ も~、気がはやりすぎですよ先生」
春日イトリ:「浮足立ってるんじゃないですか?」
足原エイコ:「あ、うん……」
足原エイコ:反応がなかなか……想定外だったので
足原エイコ:ちょっと驚いている
春日イトリ:「なんですかその反応...」
春日イトリ:「こほん、ひとまず新刊を二冊」
春日イトリ:「自分用と保管用...さっきの粗相はひとまず大目に見ます」
足原エイコ:「は、ハイ……!」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコ、後でケーキの一つでも持っていったほうが良いですよ。イトリは根に持ちますから……」
イリス・ウィトルウィウス:こっそり教えてあげる
足原エイコ:「恐ろしいね……そうしとこう」
足原エイコ:ちなみに新刊の同人誌の内容は
足原エイコ:拷問卿と恐れられる騎士が、特別な力を秘めた姫とデートをすることになり……?というハラハラドキドキの恋愛ものだ
足原エイコ:興が乗ってバトルシーンが増えた気もするが、それなりに満足のいく出来になったと思う
足原エイコ:長期連載も楽しいが、たまには独立した世界感で1冊描くのも楽しいものだ
夢想 モモ:「ぶちょ、じゃなくて先生ッ……ほ、本当ですか、新刊の内容っ……!」
夢想 モモ:息を切らしたようで順番の先頭に来るのは夢想モモというファンジンの生徒であり――重度の百合好きだ。
夢想 モモ
違法同人生徒:「お、おお……すごい……まさかメイドイン足原でこれが……」立ち読みしていた生徒
足原エイコ:「おお君たちか、どした?」
違法同人生徒:「はっはいっ新刊一冊」
違法同人生徒:「……もそうなんですけど、ありがとうございました本当に」
夢想 モモ:「騎士と姫のデートだなんてっ、そんな……あ、違いますっ。先生にお礼が言いたくて抜けてきたんです!」
足原エイコ:「……部室、爆破しちゃったのに?」
夢想 モモ:「……あ、はい。それはとってもびっくりしましたし、色々大変でした……」
夢想 モモ:「けど。」
夢想 モモ:「今日のためにいっぱい……いろいろな場所を駆けまわってくれた、そんな話は聞いてます」
夢想 モモ:「そんなの……本当に漫画の主人公みたいで、カッコよくて……だから、せめてお礼が言いたくて!」
夢想 モモ:「ほんとに、ありがとうございます……っ!あと新刊3セットください!」ガッと頭を下げて3セット分のお金を渡す。
足原エイコ:「……気持ちとお金、受け取っとくね」
足原エイコ:こうして面と向かって、部員から感謝されることも、なかなかない
夢想 モモ:「はいっ……それじゃあ、また部室で!」ペコッと頭を下げて、タタタッと走り去っていく。
違法同人生徒:「へっ、へへ……ありがとうございます……」
違法同人生徒:「……もしもし? やっぱ新刊頒布一旦止めよう」電話をかけ始める。
違法同人生徒:「ほぼ同じネタでやってるエイコ先輩ですら実名ぼやかしてんのに、そのままなのは――」
足原エイコ:「勇気……出しな!」
違法同人生徒:「どわっ、あっ、へへ……ウス!!」曖昧に頷いて走り出す。
足原エイコ:「描きたい気持ちに嘘はつかないようにね~!」
アーニャ・チャンドラグプタ:「おいす~足原先生。今回も盛況だねえ」
アーニャ・チャンドラグプタ
アーニャ・チャンドラグプタ:隣のスペースで映像作品を売っていた生徒が声をかけてくる。
足原エイコ:「おっ、隊長さんじゃないですか!お疲れ様です!」
アーニャ・チャンドラグプタ:「おつおつー。あ、これ差し入れ。あと挨拶代わりに一枚どーぞ」
アーニャ・チャンドラグプタ:"チャンドラグプタ探検隊クロニクル"と銘打たれたブルーレイディスクを渡す。
足原エイコ:「ああどうも……こちらも、ご迷惑でなければ新刊のセットです」
足原エイコ:「作業の合間に見てます……冒険って、良いですよね……!」
アーニャ・チャンドラグプタ:「へへ、あたしも先生の漫画にゃ多大なインスピレーションを受け取ってるゼ」
足原エイコ:「わあ、嬉しいです……!」
足原エイコ:すっかりファンの小娘のようになっている
アーニャ・チャンドラグプタ:「ほんじゃ、お互い頑張りましょ~」ガラガラの自分のスペースに戻って行き、
アーニャ・チャンドラグプタ:チラッと振り返って
アーニャ・チャンドラグプタ:「冒険は、爆発だぜ☆」
足原エイコ:「キャー!」あまりの嬉しさに爆発しかける!
足原エイコ:……急いで売り子に戻り集中することでなんとか抑えた
イリス・ウィトルウィウス:「はぁ~……ようやく列が途切れましたね……」
イリス・ウィトルウィウス:ぐったりした様子でパイプ椅子に背中を預ける。
足原エイコ:「ハァ……ハァ……今年で一番……喉を動かしたな……」
足原エイコ:「……そうだ、イリスたん」
足原エイコ:「ちょっと……確かめたいことがあって」
イリス・ウィトルウィウス:「ふぇ?なんですか改まって……」
足原エイコ:「……」イリスの胸に、手を伸ばす
足原エイコ:その感触は、柔らかい?鼓動は感じる?以前と比べて、どうなっている?
イリス・ウィトルウィウス:「……それ、今する必要あります?」平常心、照れも怒りもせず指摘する。
足原エイコ:「だ、大事なことじゃん……癒しが欲しくなったのは……一点の曇りもない事実だけど……」
イリス・ウィトルウィウス:「まあ気になるのはわかりますけどぉ」
イリス・ウィトルウィウス:結論から言うと、イリスの身体はそれまでの機械のものと大差はない。
イリス・ウィトルウィウス:肉体を構成する要素が、レネゲイドに感染した機械から、機械のカタチをしたレネゲイドに置き換わっただけだ。
足原エイコ:「うむ……変わったけど、変わってない」
足原エイコ:「わたしにとっては、これまで通りの……大事な大事な」
足原エイコ:「イリスたんのままだね!」
イリス・ウィトルウィウス:「はい!あ、けど、一つだけ変わったことがあるかもです」
足原エイコ:「何だって……まさか、変形合体……?」
イリス・ウィトルウィウス:「それはしないですけど」
イリス・ウィトルウィウス:頭上に浮かぶ十字冠に手をかざす。触れることはできず、指先がすり抜ける。
イリス・ウィトルウィウス:「私、今までは自分で作品を作ることはないって思ってました」
イリス・ウィトルウィウス:「私に与えられた役割と権限がある以上、そうするべきではないとも」
足原エイコ:「…………」
イリス・ウィトルウィウス:「でも、何故でしょう……こうして、生徒として生まれ変わって」
イリス・ウィトルウィウス:「エイコの漫画を読んで、ムセイオンのみんなが創り上げた作品を見ていると……」
イリス・ウィトルウィウス:「なんだか、創作意欲が湧いてきます!」
イリス・ウィトルウィウス:「今にも爆発しそうなくらい!」
足原エイコ:「……そっかぁ!」
足原エイコ:足原エイコは、漫画を描くことを、自分の魂を、紙面に、世界に、読者の心に刻み付ける至上の行為としている。
足原エイコ:読者の心に、何かが産まれてくれるまでが、漫画なのだと信じている
足原エイコ:それが、自分も作りたい!という創作意欲なのなら
足原エイコ:「嬉しい……最高に嬉しいよ~~~~~!」
足原エイコ:純粋な心で、抱き着く
イリス・ウィトルウィウス:「わわっ……!はい!私も嬉しいです!えへへ……」
イリス・ウィトルウィウス:優しくエイコの頭を撫でて
イリス・ウィトルウィウス:「だから、今度はいつか」
イリス・ウィトルウィウス:「三人で、漫画を描きましょう」
足原エイコ:「………………うんっ!」
イリス・ウィトルウィウス:「私と、エイコと……コニーで!」
足原エイコ:改めて、決意を固めて
足原エイコ:「……あっもうこんな時間!」
足原エイコ:「そろそろ例のお笑いライブだから……行かなきゃ!」
イリス・ウィトルウィウス:「ああ!?本当です!私としたことが……」カバンからプログラムを取り出して
足原エイコ:「過去に例を見ない……伝説になりそうな予感がするからね」
イリス・ウィトルウィウス:「会場はあっちですよ!急ぎましょうエイコ!」椅子から飛び起きて、エイコの手を引っぱって行く。
足原エイコ:「ゴーゴー!」
足原エイコ:あの運命のコンビのライブ、果たしてどうなることやら……
足原エイコ:でも気になる件が、もう一つ
足原エイコ:「あの後忙しくて会えなかったけど……スダチちゃんと先生も、元気でやってるかな……?」

 

 ED:3/『美しいものを作り続けて』


■極☆超新星祭 特設ステージ 舞台裏
GM:午後のお笑いライブ、夜のロックフェスを控えて、ステージのバックスタッフは慌ただしく動いていた。
後藤スダチ:「はい、6番ステージ東側音響機材トラブルなので、はい、向かっていただければ!」
後藤スダチ:ヘッドセットを装着して、トラブル対応に奔走している。
後藤スダチ:「えー!?出場取りやめ!?メンバーが急病で!?えーと、じゃあ穴埋めできそうな人を今から探してもらって……」
後藤スダチ:ステージ裏は、きらびやかな光や音に溢れた舞台とは真逆の、薄暗くて、地味な空間だ。
後藤スダチ:文化祭実行委員の数は多いが、ノヴァリスの文化祭の規模はさらに大きい。一人で対応しなければいけない事柄もある。
後藤スダチ:「……ふー」
後藤スダチ:ペットボトルの水を一口飲んで、息をつく。
後藤スダチ:コンクリート床の上で、どこかの出し物に使う予定の垂れ幕の修繕に勤しんでいた。
ククル・K・C・ビショカルマ:「何?一番上の照明が点かない?」
ククル・K・C・ビショカルマ:「いや、いい。クレーンを持って来ていたら間に合わないだろう」
ククル・K・C・ビショカルマ:「私が登る。なに、ASUKAに比べれば簡単なものだ」
GM:君の周囲でも、沢山の生徒が一生懸命に働いている。
後藤スダチ:「すごい!躍動する筋肉!乳酸を位置エネルギーに変換するその姿まさに人間重機……!」骨組みを生身でよじ登るククルを見上げ、感嘆する。
後藤スダチ:「……ハッ!いけないいけない。自分の仕事をしなきゃ……」
ユージン・マディス:「やっているな。後藤」
ユージン・マディス:不意に、横から声がかかる。
後藤スダチ:「あ」
後藤スダチ:「……セレノスツールさん。どうしたんですか?」
後藤スダチ:針仕事の手を止め、見上げる。
ユージン・マディス:コト、とスポーツドリンクのペットボトルを置く。「これは差し入れだ」
ユージン・マディス:「見回りだよ。まったく人使いの荒い……」 とぼやく。
後藤スダチ:「水飲む前に持ってきてくれたらこっち飲めたのに」
後藤スダチ:「間が悪いですね」
ユージン・マディス:その背中には薪割りのように
ユージン・マディス:大量のお土産物めいた刀剣武器武装玩具の剣景品の剣
後藤スダチ:「うわあ……」
ユージン・マディス:「スポーツドリンク10本買ったら当たる!」みたいなレシートも見える。
ユージン・マディス:「スゥゥーーーーーーー………ああ、やはり他人の剣は違うな……」
後藤スダチ:「ちょ、ちょっとちょっとちょっと」
後藤スダチ:「急に出てきて気持ち悪いことしないでください」
ユージン・マディス:「普段通りだが……」
ユージン・マディス:「この前の時は全くチャンスがなくて餓死するかと思った」
後藤スダチ:「……そうなんでしょうね。知ってますけど」
後藤スダチ:「……」少しだけ、じっとユージンを見てから。
後藤スダチ:視線を下に戻す。「……なんか、嘘みたいに平和ですよね」
ユージン・マディス:「忘れがたいか。君なら、そうだろうな」
ユージン・マディス:「後藤も動いていたんだろ。随分と偉そうな位置で名前を見た」
後藤スダチ:「へへ……」照れる。「文化祭実行監理官なんです」
ユージン・マディス:「君に限らず、どいつもよくやる。オレが君らくらいの年齢の頃はもっと好き勝手していた」
後藤スダチ:「セレノスツールさんこそ」
後藤スダチ:「なんで学生じゃないのに、ノヴァリスに残ろうと思ったんですか?」
後藤スダチ:「星室庁としての活動だって、セレノスツールさんにだけ、あんなに制限があって」
後藤スダチ:「どう考えたって、割に合わないでしょう。私のセルだったらそう判断してました」
ユージン・マディス:「なんで、と言われてもな……」
ユージン・マディス:「十日かけてナマクラを100本見るよりも、三ヶ月掛けて神刀を一つ視る方が、為になる」
ユージン・マディス:「オレはそういうとき、そういう判断をすることに、先に決めている」
後藤スダチ:「はぁー……」ため息のようなものをつく。
ユージン・マディス:「君たち風に言えばプログラムだ。オレはオレの行動の定義を、外から規定している」
後藤スダチ:「じゃあやっぱり、セレノスツールさんは生徒達を導こうとか、誰かを助けるとか、考えてるわけじゃなくて……」
後藤スダチ:「……全部刀剣の資料集めのためなんですね。分かってましたけど」
ユージン・マディス:「失望したか?」
ユージン・マディス:「ノヴァリスは、三日も居れば一つはEXレネゲイド武器が見つかる」
後藤スダチ:「……セレノスツールさん」ムセイオンでの事件の間も、意識的に少し距離を取るようにしていた。
後藤スダチ:「八月革命の時のこと、覚えてます?」
ユージン・マディス:「記憶は地続きだ。時間経過相応には覚えているさ」
ユージン・マディス:「オレが攻撃した生徒も、オレを捕らえた生徒も」
ユージン・マディス:「当然いた」
後藤スダチ:「助けた生徒のことは?」
ユージン・マディス:「いるわけないだろう?」
後藤スダチ:「ジェネシスの、生徒側のドローン兵器に追い詰められて……もうダメかな、って思った時に」
後藤スダチ:「助けてもらったことがあるんですよね」
後藤スダチ:「もちろんその人は作戦に従って戦ってただけで、助けた意識なんてなかったと思うし……私のことなんて全然、眼中になくて」
後藤スダチ:「刀がどうとか、ジェネシスの造形美がどうとか……そういうわけの分からないこと言って」
後藤スダチ:「どこかに行っちゃいました」
ユージン・マディス:「…………。」
ユージン・マディス:少し考え込んで……。
ユージン・マディス:傍のステージ垂れ幕の隙間に手を突っ込む。
ユージン・マディス:取り出すと、握っていたのは、量産型ドローン備え付けの、電磁射出用スローイングダガー。
ユージン・マディス:「…………これか?」 首を傾げる。
後藤スダチ:「それです」苦笑する
ユージン・マディス:「それともこっち……む、当たりだったか」 手榴弾に仕込む用の欠片刃を仕舞う。
後藤スダチ:「剣で記憶しないでくださいよ」
ユージン・マディス:「君こそ」
ユージン・マディス:「そんなこと、よく覚えていたものだな」
後藤スダチ:「セレノスツールさんが特別ってことじゃなくて。他にも、助けてくれた傭兵やエージェントの人は……たくさんいました」
後藤スダチ:「子供って案外、自分を助けてくれた大人の顔を、ずっと覚えてますよ」
ユージン・マディス:「……外の、真っ当なFHチルドレンの気質じゃないな」
ユージン・マディス:肩を竦める。「感性がまともすぎる。親の顔が見てみたい」
後藤スダチ:「……でも結局、私を助けてくれた大人も、最後にはみんなノヴァリスから脱出しちゃいました」
後藤スダチ:「それ自体は全然納得してますし……私が同じ立場でも、そうしたと思うんですけれど」
後藤スダチ:立ち上がって、ユージンを振り返る。
後藤スダチ:「なんで、セレノスツールさんだけは残ってくれたのかなって」
ユージン・マディス:「……偶然だよ。オレの欲望が、たまたま……君らの需要と一致した」
ユージン・マディス:「………………………………」
ユージン・マディス:少しだけ、言い辛げに、視線を逸らす
ユージン・マディス:「ただ」
ユージン・マディス:「そうだな」
ユージン・マディス:「オレは、師に見捨てられなかったから、ここにいる」
後藤スダチ:「……」
後藤スダチ:じっと見る。講義に集中している生徒のような表情でもある。
ユージン・マディス:「……深掘りさせるんじゃない。恥の記憶だ」
後藤スダチ:「別に、困るくらいなら話さなくていいんですけど?」
後藤スダチ:「いいんですけどー……」
後藤スダチ:「……だから、その、ありがとうございます」
後藤スダチ:「セレノスツールさんも、本当は好きなものに集中していたい人で……そのはずなのに」
後藤スダチ:「あの八月革命で、きっと誰かを助けてくれて……今もこうやって、文化祭を開けるようにしてくれたんだ」
ユージン・マディス:「……それくらいはな」
ユージン・マディス:「あの状況で、勝ち取れるものが、それくらいしかなかった」
ユージン・マディス:――ノヴァリスの誰もが予想だにしなかった、"ノドス"による最悪の襲撃のタイミングで、彼らは助けに来た。
ユージン・マディス:となれば、可能性は二つだ。「ノドスとグル」か「ノドスの情勢すら読み切れる位置にいる」か。
ユージン・マディス:どちらにせよ、こちらよりも圧倒的に……あまりに優位すぎる立ち位置から、彼らは交渉をしかけてきた。
ユージン・マディス:「気が重い」
ユージン・マディス:「いますぐ名工に囲まれて寝たい」
後藤スダチ:「? またふざけたこと言ってる」
ユージン・マディス:「刀は良いぞ。後藤も覚えろ。明日からウォーターカッターを使い出そう」
後藤スダチ:「あはははっ、開発部に頼んでみよっかな?水圧切断式のヤリとか」
後藤スダチ:「人工知能デバイスの方も接近戦用のチューンしたりして」
ユージン・マディス:「本当か! できた生徒だな……」
ユージン・マディス:「花マルをやろう」 いそいそと隙間からチャクラムを取り出す
後藤スダチ:「うわあ」
ユージン・マディス:「いや、丸ノコの方が近いか? むむ……」
後藤スダチ:「そういうモノボケを挟まないと会話できないんですか?」
後藤スダチ:「もー……真面目な話をさせてくださいよ」
後藤スダチ:自分の腰に手を当てる。
ユージン・マディス:「君はいつも真面目だろうが」
ユージン・マディス:「この前は、それで大きく助けてもらったけどな」
ユージン・マディス:「たまには、相手を振り回す側でもいいと思うが」
後藤スダチ:「セレノスツールさんこそ、そんな調子で」
後藤スダチ:「大人同士の交渉がまともにできるんですか?心配ですよ」
ユージン・マディス:「言うな……」げんなりする。「だったらついてくればいいだろう。護衛とか記録係とか、なんとかで」
後藤スダチ:「……セレノスツールさん」
後藤スダチ:「理事会は復活すると思いますか?」
ユージン・マディス:「………………」
後藤スダチ:「"国連"は交渉の相手に、"星室庁"の教職員達を指名しました。私達生徒の誰でもなく……大人を」
後藤スダチ:「ノヴァリスで生きてる子供達の預かり知らないところで、大人達が何もかもを相談して、ルールを決めてしまうのだとしたら」
後藤スダチ:「それは理事会と何が違うんでしょうね?」
ユージン・マディス:「……」
ユージン・マディス:「君の武器は。今も持っているか?」
後藤スダチ:「あ、はい。これですか?」拳銃を見せる。
ユージン・マディス:「ああ。よく手入れされた拳銃だ。――だが、剣でもある」
後藤スダチ:「おかしくなったのかな」
ユージン・マディス:「素で返すな。真面目な話をしてる」
ユージン・マディス:がしがしと軽く頭を掻く。
ユージン・マディス:「困難を、障害を切払うために振るわれる全てのものを。《月の椅子》は"剣"と定義する」
ユージン・マディス:オレは原則として剣の形を大事にするが、と小さく補足しつつ。
ユージン・マディス:「銃を。術を。弓を。異能を。呪いを。勇気を。意志を振るって」
ユージン・マディス:「お前たち"生徒"が。ノヴァリスを勝ち取った」
ユージン・マディス:「その結果を、上から、横から掠め取り、覆すのは、"剣"の価値を否定することだ」
ユージン・マディス:「オレならば、そうはさせないし。オレ以外の星室庁の面々ならば」
ユージン・マディス:「……こんな回りくどい理屈を並べずとも、もっと直接的に、君たちの為に動く」
後藤スダチ:「セレノスツールさんは」
後藤スダチ:「好奇心の追求に関してなら本当に真摯で……嘘がない人だって、関わった私はよく知ってます」
後藤スダチ:「でも、きっと……私の想像ですけど」
後藤スダチ:「"マスターカラーズ"も、そうだったはずですよね」
後藤スダチ:「だから……今回の事件で私達をずっと助けてくれたのは、どういう気持ちだったのかな、って思って」
後藤スダチ:ユージン・マディスは剣が好きだ。だけどこの人にとっての剣が、
後藤スダチ:すべての生徒の、すべての武器でもあるのだとしたら。
後藤スダチ:「大人の戦いは、大人にしかできないから……」
後藤スダチ:「――任せてもいいですか?」
ユージン・マディス:「わざわざ聞くな。子供にやらせるべきじゃないこともある」
ユージン・マディス:あるいは、やった時点で"大人"になってしまうような、ことも。
ユージン・マディス:そういうものを、この子らにやらせたいとは思わない。
後藤スダチ:「セレノスツールさん。文化祭は成功させます。絶対。……絶対に」
後藤スダチ:再び、垂れ幕の傍らに座る。「その後は、お願いします」
ユージン・マディス:「……ああ」立ち上がる。
ユージン・マディス:と、同時に、手にした文化祭で、パンフレットで隣の、スダチの頭を、軽く押さえつける。
後藤スダチ:「ん」
ユージン・マディス:「……オレはいつか」
ユージン・マディス:「師の目指した剣を作る。この世の、この世ならざる全ての障害を乗り越えうる、闇の中の灯火。月光の道標たる、"月の聖剣"」
後藤スダチ:「セレノスツールさん、たまにそういう月光がどうとか聖剣がどうとかの話しますけど」
後藤スダチ:「1ミリも分かったことないですね」笑う。
ユージン・マディス:「こまっしゃくれたやつめ」
ユージン・マディス:ユージン・マディスは剣を作る。師が目指した”月の聖剣”を生み出す、その為に全てを賭けている。
ユージン・マディス:けれど。その後には、もう一つだけ、彼にとって欠かせない物事が存在する。
ユージン・マディス:あるいはそれが、"先生"の身分を受け入れた理由でもあるのかもしれない。
ユージン・マディス:「――――オレの作る、最高の剣を」
ユージン・マディス:「いつか、君たちの中の誰かに渡せたら良いと思う」
ユージン・マディス:もしも自分に、この都市のために戦う理由があるとするなら。「それだけで十分だ」
後藤スダチ:「最高の剣か……」目を閉じる。ユージンが具体的に何を作っていて、何を目指しているのか。
後藤スダチ:その全てを理解できている必要はないのだ。どんな創作者だって、誰からも見えない頭の中のアトリエで、
後藤スダチ:何か美しいものを作り続けている。まだ誰も見たことのない、けれど世の中に出るべき、最高の何かを。
後藤スダチ:月の光を受けてきらきらと輝く剣を想像する。
後藤スダチ:剣身も柄もまっすぐ伸びているのだろう。鍔のデザインはどうだろう。他の装飾は。
後藤スダチ:何かわからない、小学生が考えたような、とてもかっこよくて強い剣なのだろう。
後藤スダチ:「いつか見せてくださいね」
後藤スダチ:「ユージン先生」

 

 ED:4/『その日がくるかもしれないって思ったら』


■極☆超新星祭 特設ステージ お笑いライブ会場
広報課員A(司会):『さあ、今日一番の盛り上がりを見せているお笑いライブ、前半戦もいよいよ佳境です』
広報課員A(司会):『ここから選ばれた上位5チームが後半戦へ進み、初代ノヴァリスお笑い王の栄冠を争うことになります』
広報課員A(司会):『前半の大トリは彗星の如く現れたこのコンビ!』
広報課員A(司会):『"入子構造"!!』
甘崎リンコ:長い黒髪をなびかせながらカツカツと歩いてくる。
甘崎リンコ:「こんにちは。ムセイオンアートスクール所属、甘崎リンコです」
甘崎リンコ:真顔でじっと客席を見つめている。
佐陀コトノ:「り、六壬学園の佐陀コトノです…………」
佐陀コトノ:一応笑顔を浮かべているが引きつっている上に蒼くなっている
甘崎リンコ:「二人合わせて入子構造です」
甘崎リンコ:「今日はフーコーの振り子だけでも覚えて帰ってください」
観客:笑顔で見守っていた客席がにわかにざわつく
一般神漫画家:「?????」
佐陀コトノ:終わった…………って顔をしている
一般六壬総督長女:「コトノが出席すると聞いて来たが……お笑い?」
一般六壬総督長女:全身に包帯を巻いた大女がワンテンポ遅れた困惑を顔に浮かべている。
一般六壬総督次女:「姉さま、フーコーってなに……?」
一般六壬総督長女:「文化祭実行委員長のコードネームであったと記憶しているが……」
一般MCB行員:「やべェ~ リャンさんに連絡しとかねぇと…客の債務履行に滞りが出るッスよこりゃ……」
佐陀コトノ:「ほ、ほ、本日は楽しんで、いや、最後までどうか帰らないで聞いていって下さい……」
甘崎リンコ:「……私は、ずっと……目を覚まさない親友にもう一度会いたいと思っていました」おもむろにマイクに向かって語りだす。
甘崎リンコ:「そんな因果関係があるわけがないのに、私が本当に面白くなったら彼女が目覚める気がしていたんです」
甘崎リンコ:「天岩戸にこもった天照大神も、アメノウズメがみんなを笑わせて出てきましたから」
甘崎リンコ:「だから、ずっとネタを作り続けていました」
甘崎リンコ:「けど……実際に彼女を助けてくれたのは、ここにいる佐陀コトノさんでした」
甘崎リンコ:「そしてコトノは、私の親友だけでなく……私の心も開いていきました」
佐陀コトノ:「……!」
甘崎リンコ:「誰かと組むなんて思いもよらなかった私が、今こうしてコトノと舞台に立っています」
甘崎リンコ:「私は、閉じこもった親友を助けるつもりでいて、気づかないうちに自分も殻にこもっていたんです」
甘崎リンコ:「もしかしたら、誰だって知らないうちに自分の世界に籠っているのかもしれない」
一般神漫画家:「リンコ……」
観客:「グスっ……いい話だなあ……」「これお笑いライブじゃなかったっけ?」
甘崎リンコ:「手を差し伸べたつもりが差し伸べられている、そういった入子構造になっているのかもしれない」
甘崎リンコ:「だから、ネタをやります」
一般教師:(なぜ?)
甘崎リンコ:「師走の夜」
甘崎リンコ:「………………」
甘崎リンコ:「………………」じっとコトノちゃんを見ている。
佐陀コトノ:(…………え!!?)
佐陀コトノ:慌ててギターを手に取り、弦を弾く
佐陀コトノ:小気味よく刻まれるギターカッティング、どこかおかしく、そして楽しげな旋律を奏でるように
佐陀コトノ:打合せ0の突拍子も無さ過ぎる振り、必死に対応しながら思う
佐陀コトノ:私にリンコさんのお笑いは分からない。本っ当に、よく分からない。これから先も理解できることは無いだろう。うん、それは間違いない
佐陀コトノ:だけど、彼女の頑張りには報いてあげたい
佐陀コトノ:音楽で世界観を作り出すこと。楽しい感情、愉快な感情、そういうものを引き出すことが音楽わたしのの役割だ
佐陀コトノ:そうやって少しでも相手のガードを緩められれば、心の扉を少しでも開ければ、
佐陀コトノ:そして少しでも、届いてくれる人がいるのならば
佐陀コトノ:――ジャンッ、オチを付けるように演奏を締める
甘崎リンコ:ギターの旋律を聞き、満足気に頷く。
観客:観客の視線がリンコに注がれる。不思議と困惑の色は少ない。
甘崎リンコ:「今のネタは勿論、『ASUKAは明日か?』というダジャレを表しているのだけれど――」
一般神漫画家:「ッククク!」
一般神漫画家:やっぱり、このコンビは───面白い!

■ライブ終了後 極☆超新星祭 フードストリート
GM:ステージの外苑には、幾つもの飲食系部活が出張店舗を構えている。
GM:お笑いライブを無事終えた甘崎リンコも、ここを訪れていた。
GM:『カフェ FAIRY TALE』の看板が立てられたキッチンカーの前で、誰かを待っているようだ。
甘崎リンコ:「…………」そわそわとあたりを見渡している。
ユージン・マディス:待ち合わせの時間よりも、やや遅れている。
ユージン・マディス:10分ほどして、少し離れた店舗の合間から背の高い影が出てくる。
甘崎リンコ:「……先生!」
甘崎リンコ:その姿を見て表情が明るくなる。
ユージン・マディス:「間に合って……はないな」
ユージン・マディス:スマートウォッチを確かめる。以前のジャージ姿ではない、硬いスーツ。
ユージン・マディス:「遅れた。悪いな」 そこまで悪びれてはいない口調
甘崎リンコ:「いえ、お忙しいと思いますから……」じっと先生を見つめている。
甘崎リンコ:「スーツ姿の先生、初めて見ました。その……よく似合っていると、思います」
ユージン・マディス:「ああ……これか」 嫌そうに表情を歪める。
ユージン・マディス:「さっきまで衣装合わせしていた。星室庁の指示で。……国連相手だと、冗談じゃない」
甘崎リンコ:「なるほど……大変ですね。服装まで気にかけないといけないんですね……」
甘崎リンコ:「お疲れでしょう?私もステージを終えて糖分補給をしたいですし、何か食べましょう」キッチンカーに視線を移す。
ユージン・マディス:「そうするか。甘崎も……まあ、よくやった」
ユージン・マディス:「結果は……さておき」
甘崎リンコ:じっと見つめている。
甘崎リンコ:「……その」
甘崎リンコ:「苗字……なんですか?呼び方」
甘崎リンコ:「……以前名前で呼んでいただいた気がしたのですが」
ユージン・マディス:「……そうだったか?」 コニーとの戦いの最中。そうだったかもしれない。
ユージン・マディス:「どちらでもいいだろう、そんなもの」
甘崎リンコ:「どちらでもいいのなら、名前で呼んで頂けたら嬉しいです」
甘崎リンコ:「どちらでもいいんですよね?」
ユージン・マディス:「…………。」
ユージン・マディス:目線を逸らす。「次からな」
ユージン・マディス:「次の次かもしれんが」
甘崎リンコ:「……もしかして照れてますか?」
ユージン・マディス:「女子を気安く呼ぶ習慣はない」
甘崎リンコ:「どちらでもいいって言ってたのに……」小さく笑うとメニューに目線を落とす。
甘崎リンコ:「私はこの……食いしん坊デラックスパフェにしようかと思います。どのくらいデラックスなのか、興味があるので」
ユージン・マディス:「冒険家だな。オレは……」チリドッグとチップスを頼む。
甘崎リンコ:「そちらも美味しそうです。結構お腹すいてたんですか?……わ、大きい」出てきたパフェに目を丸くする。
ユージン・マディス:「食いだめ派でな。期間中もあちこち飛び回らされて困る」
ユージン・マディス:「合間に買いためた崑崙の掘り出し物を愛でる暇もない」
甘崎リンコ:「忙しそうだと思ってましたけど、ちゃっかりそんなもの買ってたんですね……」
ユージン・マディス:「後藤にも注意されたがな。オレはこっちが本業だ」
ユージン・マディス:「なにがどうして、先生なんぞになってるんだか」
甘崎リンコ:「……後藤とも話したんですね」パフェをすくいながらじーっと見つめている。
甘崎リンコ:「……食い溜めに協力します。私一人では食べきれなさそうなので」そのまますくったスプーンを先生の口元へ。
ユージン・マディス:「ん…………」
ユージン・マディス:困ったように眉間の皺を深める。「甘崎。いい。自分で食う」
甘崎リンコ:「…………」無言で差し出したままじっと見つめている。
ユージン・マディス:「リンコ。…………」
ユージン・マディス:しばしの硬直の後。スプーンの取っ手を浅く取って、自分の方へと引く。
ユージン・マディス:甘崎さんの指とは重ならないように。ぱく、と一口でパフェを食い切る。
甘崎リンコ:「…………ふふふっ。ありがとうございます」嬉しそうに照れたように微笑む。
甘崎リンコ:「おいしいですか?」
ユージン・マディス:「……………………。甘すぎる」
ユージン・マディス:「果物の部分は美味い」
甘崎リンコ:「ふふ、甘いものはあまりお好きではありませんか?あ、確かに甘いですね……」自分も一口食べている。
ユージン・マディス:「君はあまり気にしないんだろうが」
ユージン・マディス:「こういうことをな……いや」
ユージン・マディス:「何でもない」
甘崎リンコ:「…………」言い淀む様子をじっと見つめている。
ユージン・マディス:チップスを摘まんでいる。
甘崎リンコ:「…………気にしますよ。気にするから、です」小さく呟く。
甘崎リンコ:「…………えっと、その!お願いしたいことが……あるんですが」小さく咳払いをする。
ユージン・マディス:「なんだ。一体」聞こえているのかどうか。
ユージン・マディス:「相方は無理だぞ。佐陀ほど間は繋げん」
甘崎リンコ:「ふふふ。それも魅力的ですね。でも相方はこれからもコトノが頑張ってくれると思いますから」
ユージン・マディス:「生きろよ、佐陀……」
ユージン・マディス:一瞬、遠くを見て目を細める。
甘崎リンコ:「私が頼みたいのは、その……」
甘崎リンコ:「……私にも補習授業、していただけませんか?」
甘崎リンコ:「ライサだけというのはその……不公平だと思います」
ユージン・マディス:「補習授業……それもだがな、君らの何を補うんだ」
甘崎リンコ:「……む。先生から見た私は完璧に見えるのかもしれませんが……」
甘崎リンコ:「至らないところだらけですよ。それに、先生の話はたくさん聞きたいです」
ユージン・マディス:「そう見ているわけではないが……」
ユージン・マディス:「何をしてほしいんだ。君のアトリエに行くのか。オレのアトリエにでも来るか」
甘崎リンコ:「……先生のアトリエにお邪魔していいんですか?」目を丸くする。
ユージン・マディス:「別に、さんざん見せただろう。君らのアトリエほど規格外の場所じゃない」
ユージン・マディス:シュン、と机の隙間から、剣の柄が出て、すぐに引っ込む。
甘崎リンコ:「……これがアトリエなんですね」
甘崎リンコ:「どこでも出せる時点で規格外だと思いますが……」
甘崎リンコ:「でも……そうですね。先生が作っている姿を……見せていただきたいです」
ユージン・マディス:「社会見学か。それらしい話だ」 片目を閉じる。「だが……条件がある」
甘崎リンコ:「条件?」パフェをすくいながら。
ユージン・マディス:「飲食厳禁、とまでは言わんが」
ユージン・マディス:「パフェは持ち込むな」
甘崎リンコ:「……ふふふっ。パフェの剣が出来てしまっては困りますもんね」
甘崎リンコ:「わかりました。持ち込むならアイスまでにします」
甘崎リンコ:「そして、その……もし、よろしければ……」
甘崎リンコ:「……私に何か、作っていただけませんか?」
甘崎リンコ:「そのっ、ライサには刀銭を渡すと……言ってましたから……!」
ユージン・マディス:「あれは元々アルヴェストロの偽金だったんだが……」
ユージン・マディス:「領域の機嫌が良ければな」
甘崎リンコ:「……ふふっ、ありがとうございます。領域ってどうやったら機嫌がよくなるんでしょう」
甘崎リンコ:「撫でたりしたらいいんでしょうか」先生へ手を伸ばす。
ユージン・マディス:「やめなさい……」緩やかに手を取って下げさせる。
甘崎リンコ:「ふふ、冗談です」手が触れたことで少し顔を赤くしながらも素直にひっこめる。
甘崎リンコ:「でも、その……本当に作っていただけたら、嬉しいです」
甘崎リンコ:「……卒業……というものがどういうものになるか、少し不透明な部分も出てきましたが」
甘崎リンコ:「とにかく当初の予定通り『卒業』したら、私は……家に帰って、セルの為に戦うことになると思います」
甘崎リンコ:「その時に先生からもらった武器があれば……これほど心強いものはないので」
甘崎リンコ:「……といっても、私が卒業するのは一年以上先のことではありますが。けど一朝一夕にできるものでもないと思いますので……」
ユージン・マディス:「君が欲しいと思ったんだろ」
ユージン・マディス:「刀鍛冶としては、それ以上の理由は不要だ」
甘崎リンコ:「…………!」
甘崎リンコ:「ふふ、ありがとうございます……楽しみに、していますね」
甘崎リンコ:「……私が卒業したあと……」
甘崎リンコ:「先生が、もしノヴァリスに骨を埋めるつもりでなければ……いえ」
甘崎リンコ:「たとえそのつもりだったとしても、少しでも『外』に出られる機会があったら」
甘崎リンコ:「私に、会いに来てくださいませんか?」じっと目を見つめる。
ユージン・マディス:「……リンコ」
甘崎リンコ:「…………はい」
ユージン・マディス:「中で話すなら、さっさと食べろ。溶けかけてるぞ」 パフェを指差す。
甘崎リンコ:「…………!はい、中で……お願いします」
甘崎リンコ:急いでパフェを食べ片づける。
ユージン・マディス:「君に渡す、剣を作ることはできる」
ユージン・マディス:「だが、オレは、オレの人生は、師から受け継いだ領域を使って、最高の剣を作るためにある」
甘崎リンコ:「最高の剣……」
ユージン・マディス:「だから、先の保証は出来ん。先生であるうちは、ここの世話はするつもりだ。けど」
ユージン・マディス:「オレの先がどうなるかは保証出来ん」
ユージン・マディス:「だからそこまでは約束できない」
甘崎リンコ:「…………」じっと見つめている。
甘崎リンコ:「…………では……『行けたら行く』でも大丈夫です」
甘崎リンコ:「来てくれるかもしれないって思って……待っていますから」
ユージン・マディス:「………………」頬杖をついて、目を閉じる。「好きにしろ」
ユージン・マディス:「オレも、そういうことは了承を得ずに勝手にやるタイプだ」
甘崎リンコ:「…………ふふっ。では勝手に待っています」
甘崎リンコ:「…………もし、会いに来てくださったら……その時は」
甘崎リンコ:「好きだって、お伝えします」
甘崎リンコ:「いつかその日がくるかもしれないって思ったら、どんな困難も乗り越えられますから」
甘崎リンコ:「…………さあ、連れて行ってくださいますか?先生のアトリエ」微笑んで立ち上がる。
ユージン・マディス:一瞬、あっけにとられたように目を丸く見開き。
ユージン・マディス:「……こう言ったら何だが」
ユージン・マディス:「オレがお前の友人だったら、絶対に辞めておけと言う」
ユージン・マディス:こちらも席を立つ。
甘崎リンコ:「助かりました。先生は私の友人ではありませんから」いたずらっぽく微笑む。
ユージン・マディス:「先生というのは、難儀な職だよ、本当に」
ユージン・マディス:なる奴の気が知れん。小さく呼気を漏らすような含み笑い。
ユージン・マディス:会計を済ませて、歩き出す。

 

 ED:5/『遠く遠く手を伸ばして』


■極☆超新星祭 特設ステージ ロックフェス会場
GM:日暮れ時から始まったロックフェスは、夕食を終えた生徒たちも合流し大きな盛り上がりを見せていた。
GM:ステージで演奏するバンドが、最後の一曲を宣言する。
GM:佐陀コトノ率いる現代神楽部は、ステージ裏で次の出番を待っていた。
由利クルミ:「ついにこの時が来たんだね!佐陀さん!」
佐陀コトノ:「ふぅ……ふぅ……うん……!」
佐陀コトノ:酷く緊張した面持ちで言葉を返す。何度も呼吸を繰り返し、落ち着こうとしている
写楽斎シキミ:「なんや今更緊張してもしゃーないやろ。気楽に行こうや」
佐陀コトノ:「そ、そうですよね……! やっと、ここまで来たんだ」
写楽斎シキミ:「ええよ~その意気や。せっかくやし、ちょっとおまじないしとこか」
佐陀コトノ:緊張の面持ちをそのままに顔を引き締める
佐陀コトノ:「お、おまじない……?」
写楽斎シキミ:「コトノちゃん、クルミちゃんも、こっちおいで」
由利クルミ:「あっ円陣!円陣ですね!バンドと言えば!」ウキウキで近づく
写楽斎シキミ:「それもええけど、ほれ」
写楽斎シキミ:指先で紅を掬って、二人の瞼にすっとアイラインを引く。
佐陀コトノ:「……! あっこれって……!」
由利クルミ:「お化粧……?シキミ先輩、これは……?」
写楽斎シキミ:「ウチの化粧は、その気になればド素人でも天才ギタリストにできる。ステージにおる間はな」
写楽斎シキミ:「けど、アンタらにはそんなん必要ない」
写楽斎シキミ:「現代神楽部の音楽は、いつだって今が最高や。ウチが付け足すもんはない」
写楽斎シキミ:「だからこれは、ちょこっとだけ勇気が出るおまじないや」
佐陀コトノ:「シキミさん……。本当に、嬉しいです」表情が緩み、笑顔を見せる
由利クルミ:「先輩、佐陀さん……!」同じ様に目を合わせて
写楽斎シキミ:「よっしゃ、気張ってこー!」
佐陀コトノ:「――はい!!」
GM:ステージが一度暗転し、前の組が捌ける。スタッフから君たちへ、壇上に上がるよう促される。
後藤スダチ:「佐陀ちゃん!いよいよだね!」
後藤スダチ:実行委員スタッフのジャケットを羽織っている。
佐陀コトノ:「す、スダチさん……! 来てくれたんですか……!」
後藤スダチ:「もちろん!佐陀ちゃんのライブに間に合うように頑張ったんだよ」
後藤スダチ:「ステージ演出はみんなが全力で支えるから、何も心配しないで!」
佐陀コトノ:「あ、ありがとうございます、スダチさん!」
佐陀コトノ:「最高の、演奏をやってきます」
後藤スダチ:「うん!私にも聞かせてね!」
佐陀コトノ:コクっと力強く頷く
佐陀コトノ:「ゆ、由利さん! シキミさん!」そして2人を振り返って
佐陀コトノ:「え、円陣! やりませんか!」
写楽斎シキミ:「お、ノッてきたやん~」
由利クルミ:「うんうん!やりましょ!」
佐陀コトノ:「あ、ありがとうございます……!」
由利クルミ:笑顔で二人の肩をつかんで引き寄せる。
佐陀コトノ:「――六壬学園、現代神楽部」
佐陀コトノ:「ふぁ、ファイトー!」
コトノ/クルミ/シキミ:「「「オー!!」」」
GM:そうして、君たちのステージの幕が上がった。
GM:星空の下、色とりどりのスポットライトが君たちを照らす。
GM:目の前は、ノヴァリス中から集まった生徒たちや市民で溢れかえっている。
甘崎リンコ:「あっ先生、始まるみたいですよ!コトノ!シキミー!」
佐陀コトノ:彼女に気づき、小さく手を振る
甘崎リンコ:「がんばって……!」手を振り返す。
ユージン・マディス:「緊張はないようだな」
ユージン・マディス:はしゃぐ少女達の邪魔にならないように、ステージを見上げている。
LUNA-C010:(コトノちゃん……がんばれ……!)会場の後ろの方で腕組みしている。
一般先生:「……お、さっきの芸人の子たちの片方の子だー」
一般先生:「多芸だなぁ~!ゆっくり見物しちゃおうこのまま!」
一般六壬総督長女:「入子構造としての芸、私では理解してやれなんだが」
一般六壬総督長女:「演奏についても新たなステージへ到達していたことは分かる。お前たちを堪能させてもらうぞ……」
一般六壬総督:(ああ──ふふ。騒がしくて、目覚ましの神楽おとが鳴る前に起きちゃった)
一般六壬総督次女:「……楽しみすぎて、十分ごとに起きて"まだ?"って聞いてた、くせに……」
春日イトリ:「コトノさ~ん!シキミさ~ん! エンジョイですよ~!」後方でパタパタと手を振る
足原エイコ:「コトノたん………」クールに腕を組みながら、その両手にはペンライトが
佐陀コトノ:ギターのチューニングを終えて、足を一歩前に進める。スタンドのマイクを両手で握って寄せる
佐陀コトノ:キィィ―――――ン
佐陀コトノ:「あ、あーあー」
佐陀コトノ:「り、六壬学園から来ました、現代神楽部、部長、佐陀コトノ、です」
佐陀コトノ:「じ、実は、直前までメンバーが集まらなくて、なのでこの3人で演奏するのは今回が初の機会となります」
佐陀コトノ:「……ここまで辿り着く過程は本当にすっごく大変で、何度ももうダメかもしれないと思いました」
佐陀コトノ:「けれど、沢山の偶然と沢山の人たちの助けでどうにかステージに上ることが出来ました。私は今、そんな奇跡に支えられてここに立っています」
佐陀コトノ:「私と共にステージへ立ってくれる2人に、私を助けてくれた皆さんに、そして集まってくれた観客の皆さんに感謝の気持ちを込めて」
佐陀コトノ:「――聞いて下さい。私達のロックを、全力のパフォーマンスを!」
佐陀コトノ
佐陀コトノ:チッ、チッ、チッ、チッ
写楽斎シキミ:スティックを叩く。三人の視線が合い、演奏が始まる。
佐陀コトノ:鮮烈なイントロが会場を突き抜ける。初速からトップスピードで掻き鳴らされる演奏が観客席を震わせる
佐陀コトノ:現代ロックのメロディラインに伝統音楽のフレーズが混ざり合って新たな音楽を奏で上げる。3人のスペシャリストが送り出す、最新式の『現代神楽』
佐陀コトノ:鳴らす、鳴らす、最大のディストーションを掛けて音色が唸る。正確無比に叩かれるドラムに力強いボーカル、そして主旋律を担うギターが重ねってハーモニクスを形成する
佐陀コトノ:会場の熱狂に当てられて体が熱を帯びる。直前の緊張が嘘みたいに弾け飛んで、心が、脳が、燃え上がってゆく感覚を
佐陀コトノ:――最初は一人でギターを弾いていた。私の世界は狭く閉ざされていた
佐陀コトノ:出会いがあった。お姉さん九玄天女にチャンスを貰って、アサヒさんに認められて、第一歩を踏み出した
佐陀コトノ:ムセイオンでは色々なことを経験した。本当に色々。ハチャメチャだったけれどそれはとても楽しい時間で、沢山の出会いもあって、私の世界はどこまでも広がりをみせて
佐陀コトノ:……だけど現実も知った。ノヴァリスを憎むノドスの生徒達、八月革命を経ても尚、私達の世界は終わらない動乱の中にあると知った
佐陀コトノ:だから、私は決めた。次に目指す場所を
佐陀コトノ:この音楽を届けてみせる。そして心を繋いでみせる
佐陀コトノ:塗り潰されたアトリエの向こう側へ、未だ遠く隔てられたノドスの皆へ
佐陀コトノ:――そしてこのノヴァリスを越えて、外の世界まで!
佐陀コトノ:いつかノヴァリスの皆が外の世界に出会えたら、外の世界の皆がこのノヴァリスを知れたなら、2つの世界を繋ぐことが出来たのならば
佐陀コトノ:それは、きっと楽しいものになるはずだ、素晴らしく価値のあるものになるはずだ
佐陀コトノ:世迷言? 理想論? そんなことは絶対にない! どんなに傲慢な願いだって絶対に叶うと信じられる
佐陀コトノ:私達はこの場所ノヴァリスで煌くような『青春』を生きているのだから!
佐陀コトノ:遠く遠く手を伸ばして、どこまでも、どこまでも、どこまでも!!
佐陀コトノ:彼女のボーカルにコーラスを重ねる、透き通るような歌声が遠く響く
佐陀コトノ:最高潮で響く演奏、佐陀コトノのギターが力強く掻き鳴らされる
佐陀コトノ:永遠にも感じられた、僅か数分の演奏
佐陀コトノ:やがて美しくも名残惜しい余韻を残すように、最後の一音が、止まる
佐陀コトノ:「……はぁ……はぁ……」
佐陀コトノ:呼吸が荒い、顔が熱い、ゆっくりゆっくり息を整えて、
佐陀コトノ:そして顔を上げる
GM:静寂に包まれる会場。やがて、堰を切ったように───
甘崎リンコ:「すごい!すごいわ……!最高!!」
春日イトリ:「すごい...ほんっとうに....最っっ高です!」
足原エイコ:「サイコ――――ッ!!!!!」
イリス・ウィトルウィウス:「素晴らしいですコトノさん……!最高すぎてエイコも爆発しそうです!」
一般先生:「ブラボーーーーーーーーーーーー!!!現代神楽部、サイコーだぁ!!!」
一般先生:(この見知らぬ世界にまだ、こんなすごい演奏を、なにより透き通るほどの"カワイイ"を持つ子がいたなんて!)
ユージン・マディス:「……言葉も出んな」熱狂に合わせて微かに笑顔を見せながら、強く拍手を続ける。
一般六壬総督長女:「────」六壬学徒の研究を分析・評価する。己に課した責務を忘れて只演奏に聞き惚れている。
一般六壬総督次女:「ふお、おおお……」響く音、その勢いに呑まれながら、思わず不器用に手を叩く
一般六壬総督:(……うん、とっても心地良くて、どんな寝坊助でも起きちゃいそう。でも、まだまだ先があるでしょう?)
一般六壬総督:(だって、現代いまの音なんだから。───聞かせて、未来に繋がる先まで)
後藤スダチ:ステージ裏で、簡素なパイプ椅子の背もたれに寄りかかるように腰掛けている。曲が終わった後も目を閉じていた。
後藤スダチ:「……やったね。佐陀ちゃん」
佐陀コトノ:「――――――――っ」
佐陀コトノ:今まで浴びたことがないほどの声に、熱狂に息を呑んで、
佐陀コトノ:そして、ただ力強く拳を突き上げる
由利クルミ:「ハァ……ハァ……あはは……!」
由利クルミ:全身を震わせる歓声を浴びて、興奮した表情でコトノへと視線を向ける。
佐陀コトノ:彼女と視線を合わせる。汗だくのまま満面の笑みで
佐陀コトノ:「……やったね、クルミちゃん!」
佐陀コトノ:噛み締めるように、その一言を
写楽斎シキミ:二人に聞こえるように、スティックを鳴らす。
写楽斎シキミ:ライブはまだ始まったばかりだ。次の曲へ意識を切り変えるよう促す。
佐陀コトノ:シキミを振りむいて頷く。再び視線を前に戻し、マイクを掴む
佐陀コトノ:「――それでは2曲目っ! 行きます!」
GM:鳴り止まない歓声を斬り裂いて、佐陀コトノのギターリフが夜空に木霊した。

 

 ED:-/『????』


■漂流学区ノドス 廃校舎
GM:灰色の空の切れ間から差し込んだ頼りない日差しが、崩れた白い外壁を照らす。
GM:瓦礫の向こうに望む海は、鮮やかな赤に染まっている。
GM:その景色は、偽りのノドスを象ったアトリエと、まるで変わらないものだった。
GM:ただ一点、校舎の北側から海岸へと続くなだらかな斜面に沿って、夥しい数の墓標が突き立てられている事を除いて。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「……気持ち悪……」
コニー・ヴァイスマン
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:朽ちた教室の一角、瓦礫の上に座ってその景色を眺めながら、青白い顔で吐息を漏らす。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「調子に乗りすぎたツケだ」
祠堂アキト
"カルヴァリア" 祠堂アキト:その背後から、赤毛の少年が呆れ顔で声をかける。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「僕らの十字冠は、安全装置としてはただの飾りだ。……忌々しいことに、首輪としての機能は残ってるけどな」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「引き際を見誤れば戻れなくなる……侵蝕が落ち着くまで、暫く大人しくしてろ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「お前のお陰で、最低限の目的はクリアできた。計画は順調に進んでいる」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「……」憮然とした顔で、視線だけを向ける。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「……私、まだ納得行ってないんですけど」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「わざわざああする必要ありました?あのまま行けば勝ててたんじゃ……」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「お前が奴らに敗北せず、百人隊の支援に回れていればその目もあったかもな」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「………」ジトっとした視線。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「どのみちあの程度の戦力では、介入がなくともピラーに到達する前に止められていた」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「本気で奴らを潰すなら、十の”機神”を全て投入するさ。だが、それでは互いに総力戦になる」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「そうなってしまっては意味がない。人が死にすぎる・・・・・
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「犠牲は受け入れよう。邪魔をする者にも容赦はしない。だが、僕らの目的はあくまでノヴァリスの解体だ。絶滅戦争ではない」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「だから外の連中を使うんですか。ノヴァリスを解体できるんなら、手を下すのは私達じゃなくてもいいって?」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「丸投げするつもりはないがな。戦略の変化だ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「ノヴァリスの生徒が神聖二重冠の力を手に入れた時点で、”機神”のスペックに任せた電撃戦によるピラーの掌握は通用しなくなった。計画は次のフェーズに移行している」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「受け入れろ。我々の計画は刻々と移り変わる状況に対して、自動的に修正されなければならない」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「………ぷっ」思わず吹き出す
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「ふっ、あははっ……!そ、それ、あのオバサンの口癖じゃないです!?久々に思い出しちゃいましたっ……くくっ……意味わかんないっ……」腹を引きつらせてくつくつと笑う。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……………………」顔を背ける。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「あははっ……………はぁ、わかりましたよ」立ち上がり、分厚い雲を睨む、
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「精々、大人のやり方ってのを見せてもらいますか」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「……ああ、向こうの教師連中も馬鹿じゃない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「宣戦布告と介入の都合の良さには気がつくだろう。外の連中は『ノドスとグル』か『ノドスの情勢すら読み切れる位置にいる』とな」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「どちらも正確じゃない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「僕らは契約関係だ。お互いに利用し、お互いに協力する。その契約に基づき、あの人と僕らの間に隠し事はない」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「だが、それでも……」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「今のところ、全ては先生あの人の掌の上だ」

 

 ED:6/『生徒の選択What You Will

GM:合同文化祭が全プログラムを完遂し、幕を下ろした翌日。
GM:最高生徒会からの公式発表として、漂流学区ノドスによるノヴァリスへの宣戦布告が周知された。
GM:ノドスの生存を喜ぶ者、疑う者。その現状に嘆く者、憤る者。
GM:設立以来初めてとなる外部勢力との戦争に心躍る者達もいれば、忌避する者もいる。
GM:開戦の報は様々な形で受け止められたが、ことノヴァリスにおいて戦争状態というものは、すべての生徒が過去幾度となく経験してきたことだ。
GM:ノドスが起こした波紋は決して小さくはなかったが、それでも当初の予想に比べれば、ノヴァリスの日常へ与えた変化は緩やかなものだった。
GM:故にむしろ今、生徒たちの注目は外に。
GM:一瞬とはいえ、ノドスを圧倒するほどの軍勢をこちらへ送り込み、更には自分たちの頭を飛び越えて、”先生”と取引をしようとしている外圧。
GM:国連と、その後ろ盾であろうUGNという組織に向けられていた。

■ラス・ヴィダス商業学校連盟 第一経済特区 高級ホテル『ザナドゥ』
GM:国連と星室庁の会談場の選定には、幾つかの紆余曲折があった。
GM:まず、ノヴァリスの中枢機能が集まるD.Cでの開催は防衛上の懸念から無くなった。先の巨大兵器撃退戦で見せた軍事力をいつでも投入できるとしたら、警戒しない訳にはいかない。
GM:そして、双方の大使の安全を保証するため、生徒や、ハッキングによる掌握の危険性がある社会人が所有する施設も外された。
GM:そこで中立の立場として白羽の矢が立ったのが先住市民だ。
GM:先住市民が経済的に高い地位に有る学区はそう多くないが、この内シャムロック自由学園はキングダムからの強硬な反対により除外され、
GM:消去法で選ばれたのがここ、ラス・ヴィダスにある『協会』所有の高級ホテルのレセプションルームだった。
GM:ラス・ヴィダスはノヴァリス最悪のスラムを擁する学区ではあるが、中心部の治安はそう悪くない。
"パノプティコン":「お待ちしてましたよ、アリト・ザファル・モリアーティ先生。ユージン・マディス先生」
"パノプティコン":「さ、どうぞ中へ」
"パノプティコン":入り口に立ち、君達に中に入るよう促す。自身は扉の前に立ったままだ。
アリト:「ありがとうございます。……なんだか緊張しますね」
ユージン・マディス:「そういう顔には見えないな。こちらは吐きそうだ」
ユージン・マディス:「どうも。十日ぶり……ですね」スーツ姿。パノプティコンに、目を逸らさない程度に会釈する。
アリト:「お疲れさまです」
"パノプティコン":「はい、お久しぶりです。すみません、もう少しお話したいところですが」
"パノプティコン":「大使が中でお待ちです。良ければ積もる話はその後で」
"パノプティコン":妙に馴れ馴れしい態度でユージンに笑いかける。
ユージン・マディス:「……」警戒心を絶やさないまま、部屋に入る。
"パノプティコン":「それでは、頑張ってください~」自分は部屋に入らず、扉を閉めた。
GM:広い部屋の中には誰もいない。水と資料の用意された長机が置かれており、
GM:その前に、大きなモニターが設置されている。
GM:君達が入ると同時に、モニターの電源が入り。映った人物が話しかけてきた。
霧谷雄吾:『お会いできて光栄です。アリト先生。ユージン先生』
霧谷雄吾:『画面越しの挨拶となることをお許し下さい。私の名は、霧谷と申します』
アリト:「……予想以上に有名な方でしたね。こちらこそ。初めまして、”リヴァイアサン”」
ユージン・マディス:「……。それか」咄嗟に名前が繋がらなかった。「初めまして。日本支部の長か」
霧谷雄吾:『ご存知頂けていましたか。恐縮です』朗らかに笑う。
霧谷雄吾:『はい、普段はUGNの日本支部を預かっていますが、今回は、皆さんとの会談における、国連側の全権大使を拝命しました』
アリト:「思ったより大きなイベントのようですね。リラックスした意見交換の場にはならなさそうだ」
ユージン・マディス:「だが助かる。最近は日本語ばかりだったからな」
ユージン・マディス:「エージェント"パノプティコン"は来ているのに、貴方はモニター越しなのか」
霧谷雄吾:『誠に申し訳ありません。私も直接そちらに赴くつもりだったのですが』
霧谷雄吾:『突発で発生した事件の対応で身体が空かず、このような形となってしまいました』
霧谷雄吾:『せめて、こうして顔を合わせて話すことで、お互いに信頼し合う切っ掛けになればよいのですが』
アリト:「話を進めましょうか? てっきり生徒の皆さんの進路についての意見交換かと思っていたのですが……どうも大げさでは?」
霧谷雄吾:『ふふ、はい。そうですね。前置きはこのくらいにしましょう』
霧谷雄吾:『私も、少々大げさな事態になってしまったと反省しています』
霧谷雄吾:『先に、国連から皆さんへの要求をお話しておきましょうか』
ユージン・マディス:椅子を引いて、深く座る。どちらにしろ、すぐへの戦闘態勢への移行はなさそうだ。
ユージン・マディス:「聞こう」
霧谷雄吾:『このノヴァリスへの、UGNを中心とした国連軍の進駐』
霧谷雄吾:『それに伴う、ノヴァリスが保有する軍事力の縮小』
霧谷雄吾:『そして、最高生徒会長に代わる最高責任者としての』
霧谷雄吾:『"学園長"の選定。尚、先生方の中からこれが選出されない場合、外部より派遣します』
霧谷雄吾:『………一応聞きますけど』
霧谷雄吾:『この条件、飲めます?』
アリト:「私は120%くらい正確な回答ができると思うのですが……」
アリト:「ユージン先生、どう思われます?」
ユージン・マディス:「本気で言っているのなら」
ユージン・マディス:「国連軍は、正式な決定として、成人もしてない女子高生の集団を"軍事力"と見なしてることになるよな?」
霧谷雄吾:『そこに関しては、我々UGNも耳が痛い点ですね』
ユージン・マディス:「無理筋だろう。教師長も一致している」
ユージン・マディス:(……オレが捕まってる間に、外の世界ではレネゲイドが世界に公開されてる、なんてことはないよな?) ひそひそと
アリト:(ないです。マーベル映画は第4フェーズが公開されましたが) ひそひそ
アリト:「……これは私見ですが」
アリト:「その要求を受諾する可能性も、できる可能性も皆無です。別の要求にしませんか?」
アリト:「卒業を控えた生徒をオープンキャンパスに招待したり、企業説明会を開いたり……といった要求は?」
霧谷雄吾:『ですよね。そうおっしゃると信じていました』
霧谷雄吾:『私も国連から委任されている手前、義理で言うだけは言わせていただきましたが』
霧谷雄吾:『より建設的な話をしたいと思っています。これは一旦忘れましょう』持っていた資料を机に放る。
霧谷雄吾:『実際の所、各国でもレネゲイドについて知っている高官は極僅かです』
霧谷雄吾:『先日は運良くアメリカや日本の兵力を借り受けることができましたが』
霧谷雄吾:『出来るだけ矢面に立ちたくないというのが各国の本音でしょう。だからこそ、我々UGNのやり方を通しやすくなってはいるのですがね』
ユージン・マディス:「彼ら……"ノドス"についての情報を、あなた方はどうやって把握した?」
ユージン・マディス:「こちらも悩んでいる。信頼云々というなら、それこそ情報の融通から始めるべきだと思うが」
アリト:「おお。さすがユージン先生……サービスして答えてくれれば、かなり我々の融和に近づきますね」
霧谷雄吾:『我々のエージェントがあちらとの接触に成功しています』
霧谷雄吾:『詳しいことは、我々の機密に関わることですので、ここではお話できませんが……』
霧谷雄吾:『UGNは、ノドスの動向を把握できる状態にある。と理解頂きたい』
ユージン・マディス:思考する。(ノヴァリスがいくら探しても見つからなかった相手に……ノドスは"外"にいるのか?)
ユージン・マディス:(いや、単に外に居るならUGNが保護すれば良いはずだ。外からの方が接触しやすい位置にいる?)
ユージン・マディス:「……そういうことにしておこう」
霧谷雄吾:『はい。お互いに打てば埃の出る身です。信頼を形成していくのなら、過去のことではなく』
霧谷雄吾:『アリト先生のおっしゃるように、未来を語ることで実現していきたいと考えています』
アリト:「では、どんな提案を?」
霧谷雄吾:『UGNは皆さんと手を携えて、この街の発展と、生徒の将来を支えて行きたいと考えております』
霧谷雄吾:『そのために提供できるものは3つ』
霧谷雄吾:『一つ、我々は、要請がない限り、ノドスとあなた方の戦争にこれ以上介入しません』
霧谷雄吾:『その代わり、ノヴァリスを狙うその他の外部勢力に対する折衝と防衛を、UGNが担う』
霧谷雄吾:『FHやSOGが、これまでも様々な形で接触を図ってきたことは把握しています』
霧谷雄吾:『そういった外の脅威に対して、ノヴァリスのセキュリティは万全とは言えません』
霧谷雄吾:『我々にもぜひ、手助けさせて頂きたい』
アリト:「セキュリティ面の話をUGNに言われたくはないですが……すると、二つ目は?」
ユージン・マディス:いいぞ。もっと言ってやれという顔をする。
霧谷雄吾:『生徒の進路についての協力です』
霧谷雄吾:『失礼ですが、今年度の卒業生の中で、外に出た後の進路が定まっている方はどれだけいらっしゃいますか?』
ユージン・マディス:「………………」
霧谷雄吾:『職員室の先生方は、その多くが外の世界を追われてきた立場と聞いています。個人の人脈を頼るのにも限界があるでしょう』
霧谷雄吾:『当然、FHに戻るわけにもいかない。もっとも、無理矢理にでも連れ戻そうとするセルはあるでしょうけどね』
霧谷雄吾:『生徒が希望すれば、卒業生を我々UGNが保護することは可能です』
ユージン・マディス:「保護ときたか」
ユージン・マディス:「ノドスと接触済というなら、ここの成り立ちも聞いているんじゃないのか」
霧谷雄吾:『将来、FHが世界を掌握した後の指導者層を育成する教育機関。でしょう?』
霧谷雄吾:『それは、今じゃありません』
霧谷雄吾:『そのような未来が来なければ、彼女たちは一人の前途ある若者にすぎない』
アリト:「最後のセンテンスには同意します。それでは……」
アリト:「最後の三つめは?」
霧谷雄吾:『3つ目は、メリットであると同時に、こちらからの要求でもあります』
霧谷雄吾:『将来的な、学園都市ノヴァリスへの、非オーヴァードの入植支援』
霧谷雄吾:『"オーヴァードアカデミア"をご存知ですか?』
ユージン・マディス:「……?」知ってるか? と目線で聞く
アリト:「オカルトだと思っていました」
ユージン・マディス:「……UGNが同じような都市を?」
アリト:「児童を秘匿して養成する施設……ノヴァリスと同じくらい非人道的な島があるという噂話でしたが……」
アリト:「事実ですか」
霧谷雄吾:『ははは、FHの学園都市であるノヴァリスが実在するのだから、アカデミアが実在してもおかしくはないでしょう』
ユージン・マディス:「はあ?! もう作ってる? ご自慢のレネゲイドの秘匿はどうした!」 流石に目を見開く。
霧谷雄吾:『確かに、アカデミアはUGNが運営するオーヴァードの教育機関です。一般にはその存在も、場所も秘匿されています』
霧谷雄吾:『ですが、そこまで非人道的とは考えていません。アカデミアが掲げる理念は、オーヴァードと人間の共存です』
霧谷雄吾:『生徒たちはオーヴァード、非オーヴァードを問わず、平等に青春を送っています。こと学園島の中に限っては、隠し事はありません』
霧谷雄吾:『人とオーヴァードが手を携え、尊重し合って発展していく社会のロールモデル』
霧谷雄吾:『それが、我々がアカデミアに託している希望です』
ユージン・マディス:「はあ……」 物言いにやや納得はある。
アリト:「ろくろを回しながら喋ると説得力が出てきますね……私もやろうかな……」
ユージン・マディス:「お前は本当に崩れないな……」
ユージン・マディス:レネゲイドの公開自体でなく、非オーヴァードも交えた社会の共生。UGNらしい都市の造り方だが。
霧谷雄吾:『将来的には、アカデミアとノヴァリスとの間での、交換留学制度も整備していけたらと考えています』
霧谷雄吾:『ですが……現時点でそれを行うには、大きな問題がある』
アリト:「あっ。本題に入ってきましたね……」
アリト:「伺いましょう」
霧谷雄吾:『一つは十字冠の存在です。この学園都市に入った未成年は、例外なくこれを授かり、卒業するまでこの街の住人であることを強いられる』
霧谷雄吾:『これでは流石に不便が過ぎます。里帰りすらままならないというのは健全ではない』
霧谷雄吾:『その代わり、ジャーム化に対する強い抑制効果があることは把握していますけどね。こちらはUGNとしても非常に興味深いものです』
ユージン・マディス:(……こいつら、十字冠の詳細については把握してないのか)
霧谷雄吾:『もう一つは、このノヴァリスという都市の……なんと言いますか』
霧谷雄吾:『風土そのものです。物騒すぎる』言葉を濁しかけて、結局はっきり言う。
アリト:「はっはっはっ」
ユージン・マディス:「……当たり前だろ。さっき言うべきだったが」
ユージン・マディス:「未来の進路がいかに白紙だとしても、教育はFHから受けてる」
ユージン・マディス:「オレがこの町に来て、見なくなったもの何か分かるか?」
ユージン・マディス:「ワーディングだ」
アリト:「無意味ですからね」
アリト:「自己主張の一環で使う人もいますが、総じて危害を加える手段と考えていません」
霧谷雄吾:『ええ、そうでしょうね……この街にオーヴァードとそれ以外の境界はない』
霧谷雄吾:『だからこそ、この街にいる間に教えるべきだと考えます。ワーディングの使い方を』
霧谷雄吾:『外の世界は、未だにオーヴァードにとっては安息の地足りえません』
霧谷雄吾:『オーヴァードは、それ以外の人々に対して君臨も、融和もできていない』
霧谷雄吾:『彼女たちの将来を思えば、今のこの都市は自由に過ぎる。そう指摘を受けるのも已む無しかと思います』
ユージン・マディス:「非オーヴァードの入植は、今の時点では無理だろうな」
ユージン・マディス:「取り返しの付かない事態になったら生徒らの精神に関わる」
霧谷雄吾:『だからこそ、段階的に準備を進めたいのです』
霧谷雄吾:『これが、UGNの"要求"の部分です。将来、このノヴァリスが外の世界と繋がっていくため』
霧谷雄吾:『十字冠の仕組みの解明、そして、学園都市の治安と、生徒たちの倫理意識への継続的な呼びかけ』
霧谷雄吾:『これらを共に行うための、UGNの出先機関の設置を、皆さんに認めて頂きたい』
霧谷雄吾:『ノヴァリス先進教育認定機構Novalis Accreditation Board for Evolving Education
霧谷雄吾:『"NABEE"と、名付けたいと考えています。如何でしょうか?』
アリト:「名称はもっとかわいいものがいいと思いますが……その機関というものについては」
アリト:「ノヴァリスにおいて、どんな権限を持つ想定でしょう?」
霧谷雄吾:『生徒たちの教育について、職員室の方針に口を出すつもりはありません』
霧谷雄吾:『カリキュラムの内容も……あ、これは職員室で決めてるわけではないんですね』資料を見ながら
霧谷雄吾:『意見は言わせていただくかもしれませんが、生徒の自主性を尊重します』
霧谷雄吾:『その代わり、生徒たちが学び、研究した"成果"を自由に閲覧できるようにさせて頂きたい』
霧谷雄吾:『学区を問わず、です』
ユージン・マディス:「それが三つ目の要求か」
ユージン・マディス:「……三つ目だけ内容が5つくらいある気がするが」
ユージン・マディス:つまりはこれが本命ということだ。
霧谷雄吾:『どうでしょう?決して悪い話ではないと思うのですが』
霧谷雄吾:『というか、これを蹴られてしまうと私の成果がゼロになってしまうので、国連へも説明しにくくなってしまいますね』情けなさそうに笑う。
アリト:「さて……ユージン先生。どう思われますか? 私にはもちろん個人的な意見はありますが……」
ユージン・マディス:(よく言う。国連へ説明しにくいってことはつまり、これを断った場合、最初の『国連の要求』が執行されるってことだ)
ユージン・マディス:「言ってることはまともだとは思う。実際、外に出るには問題ある生徒は多い」
アリト:「ムセイオンの事件を収束させ、この状況に持ち込むことに成功したあなたの、意見を尊重したいと思っています」
ユージン・マディス:「……こんなこと、この場で即座に決められるものじゃあないと思うが……とはいえ」
ユージン・マディス:「良いんだな? 教師長」
アリト:「どうか、お願いします」
アリト:「おそらく、同じ意見だと思いますから」
ユージン・マディス:「ここに来る前に、オレは既に、生徒に釘を刺されてる」
ユージン・マディス:「霧谷雄吾。あなたの言うことは、確かに理はある。視点と立場に偏りはあるが、生徒の今後と現在を考えてもいるんだろう」
霧谷雄吾:『そう受け取って頂けるのなら、喜ばしいことです』
ユージン・マディス:「だが、だ」
ユージン・マディス:「"自分達の知らないところで、大人達が勝手に相談して、ルールを決めてしまうのは"」
ユージン・マディス:「"理事会と何も変わらない"」
霧谷雄吾:「……」
ユージン・マディス:「あくまで一生徒の意見だが、言ってる事は分かるな。たとえそれが、善意でもだ」
アリト:「加えて言及すると、あなたの要請は3点とも満たすことが不可能なんです……申し訳ないことに」
アリト:「1つ。彼女たちは自分たちで自分たちを守れます。他人に守ってもらう必要がないし、そんなことをしたらすごく拗ねてしまうでしょう」
アリト:「2つ。誰も彼女たちを”保護”できない。誰にも無理ですよ……」
アリト:「3つ。倫理観を教えるというのはやめた方がいいでしょう。倫理観は物理や数学とは違う。誰かの考えた、誰かのための規範です。でも……」
アリト:「何を良しとして、何を悪いと感じるのか。みんなそれはもう持っています。……だから、不可能なんです。すみません」
霧谷雄吾:「………そうですか」小さく笑う
ユージン・マディス:「待て、アリト」
アリト:「え」
ユージン・マディス:「少しだけ差異がある。……オレの器はお前ほど大きくない」
アリト:「え゛っ」
アリト:「これからユージン先生にお任せする課題をいっぱい保留しているのに!?」
ユージン・マディス:「聞き捨てならんがそれ!? 3つ全部断ったら国連軍が攻めてくるんだろうが」
ユージン・マディス:「ただでさえノドスで忙しいんだ。相手してられるか」
アリト:「それはそうかもしれませんね……」
ユージン・マディス:「それに、もうすぐ"卒業生"が出る。これも楽しみにしてる奴がいる。全員がノヴァリスに残りたいとも思えない」
ユージン・マディス:モニタを改めて見上げる。
ユージン・マディス:「霧谷。お前の言うところの、"ノヴァリス先進教育認定機構"。あるいは進路相談室でも何でも良いが」
ユージン・マディス:「オレたちは何も用意しない。『勝手にやれ』」
ユージン・マディス:「あんなことが出来るんだ。どうせ非公式な潜入ならいくらでも出来るんだろう」
アリト:「うーん……これがFH仕込みの放任主義……」
アリト:「ユージン先生の教育方針、人気がある秘訣がわかりましたね……」
ユージン・マディス:「放任でもねえよ。オレ達は一つ布告を出す」
ユージン・マディス:「『外部のUGNという組織が、その長い名を名乗って、主に卒業生を相手に、真しやかに自組織への勧誘を狙ってくる』」
ユージン・マディス:「『気を付けろ。だが、本当に"外の世界の暮らし"に興味があるなら、生徒それぞれの自己責任で、乗っても構わない』」
アリト:「恐ろしい……NABEEの皆さんと交流会も飲み会も歓迎会もないなんて……」
アリト:「放任主義の化身……!」
ユージン・マディス:「即座に籠絡する・される場を整えようとするなよ……恐ろしい奴だな……」
霧谷雄吾:『……ふ、ふふ、ははははっ』堪えきれずに笑い出す。
霧谷雄吾:『いや、失礼。成る程そう来ましたか』
ユージン・マディス:「何がおかしい。教育したいなら個別にしろって言ってる」
霧谷雄吾:『ええ、先生方のご意見はよくわかりました』
霧谷雄吾:『そういうことでしたら、我々も"好きに"やらせて頂きましょう』
霧谷雄吾:『非認可組織らしく、地道に、せせこましくね』
ユージン・マディス:「よく言う。それが一番得意だろう。オレも幾度となく煮え湯を飲まされたからな」
霧谷雄吾:『それで先生がこの街にいらっしゃるということは、煮え湯を飲まされたのはお互い様ということでしょう』
霧谷雄吾:『ご安心下さい。本当に、出過ぎた真似をするつもりはありませんよ』
霧谷雄吾:『パノプティコンを置いていきます。もし、我々の力が必要になったら、彼に連絡して下さい』
ユージン・マディス:「……」石の裏の虫みたいに、どこにでも居るUGN(主にイリーガル)と幾度となく戦い、逃げた記憶を思い出していた。
アリト:「”リヴァイアサン”。たまに悪役っぽいって言われることはありませんか?」
霧谷雄吾:『いつも言われるよりはマシだと自分を慰めていますよ。アリト先生』
霧谷雄吾:『では、今日はこのあたりで失礼します。国連には上手く説明しておくので心配はいりませんよ』
霧谷雄吾:『ああ、ですが、折を見てまた会談の場は整えたいところですね』
霧谷雄吾:『先程のユージン先生の言い方であれば』
霧谷雄吾:『本当の意味での"生徒の代表"とであれば、我々の話に聞く耳を持って頂ける余地がある。ということでしょう?』
ユージン・マディス:「……生徒の選択だからな。そういうこともありえはするが」
霧谷雄吾:『でしたら、次は』
霧谷雄吾:『新しい"最高生徒会長"と、改めてお話をしたいものです』
霧谷雄吾:『そうですね、一年後くらいでしょうか』
霧谷雄吾:『一年以内の、"最高生徒会総選挙"。これが、UGNからの本当の要求ということで』
ユージン・マディス:「今。鬼が100匹くらい笑い死んだぞ」
ユージン・マディス:「日本だとそう言うんだろう確か」
アリト:「……それでは、意見交換はこの辺りにしましょう」
アリト:「ノバイバイ、ですかね?」
ユージン・マディス:(なんだそれ)
霧谷雄吾:『はい。またお会いしましょう』
霧谷雄吾:『ノバイバイです。どうかお元気で。アリト先生。ユージン先生』
霧谷雄吾:小さく手を振る男を映したまま、画面が消える。
ユージン・マディス:「………………」
ユージン・マディス:「二度と来て欲しくねえな……」 椅子に深く沈み込む。
アリト:「……ユージン先生。ちなみに、選挙管理のご経験は?」
ユージン・マディス:「……霞みたいな記憶だが。小学校の頃、課外活動の班長を決めたことがあるな」
アリト:「うーん……私、民主主義がそんなに好きではないので、この手の問題の解決は苦手なんですよね……」
アリト:「大変なことになりそうですね?」
ユージン・マディス:「"大変なことになりましたね"にならないあたり、流石だよ教師長」
アリト:「……戻って、選挙管理対策をしましょう。進路相談より、そちらが重要になりそうです……」
アリト:「目指せ投票率100%! の精神でいきましょう」
ユージン・マディス:「この状況で軽口言える精神は尊敬するよ」
ユージン・マディス:ペットボトルの蓋を今更に開けて。
ユージン・マディス:ぬるくなったミネラルウォーターを、一気に流し込んだ。
GM:学園都市ノヴァリスを襲った、"過去"と"外"からの侵攻は、こうして退けられた。
GM:この街の日常は辛くも守られ、しかし、少しずつ変質しようとしている、
GM:薄氷の上に投げ込まれた石が、どのような波紋を起こしたか
GM:それはこれから、いくらでも語られる機会があるだろう。

Double Cross The 3rd edition
ステージ『オーヴァード・ノヴァ』
Episode.02『Infinite Monkey Theorem』

END





































■漂流学区ノドス 廃教室
廃教室
GM:打ち捨てられ、使われなくなった教室の一つに、小さな美術室がある。
GM:この部屋は、消失以前よりコルネリウス・ヴァイスマン個人の教室として利用されていたものだ。
GM:床には紙片が飛び散り、描きかけのキャンバスや、壊れた彫像が乱雑に積み上げられたままになっている。
GM:その中で一箇所、比較的小綺麗に整理された学習机の引き出しを空けて、彼女は一枚の封筒を取り出す。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「……………」
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:一瞬だけ中身を確認し、すぐに封筒へと戻す。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:封筒に書かれている日付は、消失の前日。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:『十三番目の夜』と、タイトルが振られている。渡すことの叶わなかった、最終回の原稿だった。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:再び封をして机の中にしまい、鍵をかける。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「ここにいたか。ミーティングの時間だぞ」
"カルヴァリア" 祠堂アキト:入り口で壁をノックし、声をかける。
"オムファロス" コニー・ヴァイスマン:「はーい」何食わぬ顔で振り向いて、その場を後にした。
"カルヴァリア" 祠堂アキト:「エドガーが天文台の観測結果を入手した。"星徒会"が──────」
GM:二人の足音が遠ざかり、アトリエを静寂が包む。
GM:8年間、決して使われることのなかったその部屋は、ただ、主の思い出だけを、埃の下に埋めていた。
GM:白抜きの画布。色褪せない、望郷の約束。
GM:それは、閉ざされたアトリエの奥に眠っている。


>>>                  To Be Continued



GM:全工程終了!
GM:お疲れ様でした~!
甘崎リンコ:お疲れ様でした……!
佐陀コトノ:お疲れ様でした……!!
後藤スダチ:お疲れ様でした……。こんなにも……こんなにも面白くていいのか……
ユージン・マディス:お疲れ様でしたウグウウウウウ
足原エイコ:お疲れ様でした 間違いなく最高のセッションでした……